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80回国会衆議院1977/03/23

商工委員会 第7号

発言数
234
登壇者
17
会派数
4
開催日
1977/03/23

会議録

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  通商産業の基本施策に関する件について調査するため、本日、参考人として地域振興整備公団理事田中芳秋君の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田哲児君。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 まず、最初に、エネルギーの節約、省エネルギーという立場からお尋ねをいたしたいと思うのであります。  十七日の報道によりますと、カーター大統領がウェストバージニア州のチャールストンのエネルギー市民集会において発言をいたしております。この中を見ますと、「石油の輸入依存度を削減するために国内の石油開発を優先するような政策は取らず、戦略的に国産原油の保存を図る」と言って、また、「現在の石油価格でも国内の原油を開発しないで保存しておくならば長期的にはさらに貴重で高価なものとなろう」というふうに言っているわけであります。  従来からとられてきたアメリカのエネルギー政策がカーター政権にかわりましてから大きな転換をしたというふうに見受け取れるわけでございますが、この中を考えてみますと、経済面からだけではなくて、アラブの石油産油国が石油を凍結し、あるいは輸出しないという事態が起こった場合に備えた軍事的、政治的な戦略だと思うのでありますが、まず、この転換についてどういうふうにお考えになっておられるか、どういうふうに判断をされておられるか、お伺いをしておきたいと思うのです。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 お答えをいたします。  日本の場合におきましては、御案内のとおりに資源のない国でございます。ことに、石油は九九・七%まで海外に依存しておる状態でありまして、国内におきます石炭等々保有いたします資源も、大規模化いたしました日本経済の中においては微々たるものであると存じます。それなればこそよけい一層省エネルギー、エネルギーの節約については真剣に取り組まなければ相ならぬのでございますが、アメリカの場合、ただいまお示しのごとく、アメリカ自体が石油、石炭あるいはその他の豊富な資源を持っております国でありますから、それと同じように日本がいたすわけにも相ならぬ。やはり、輸入すべきものは輸入し、輸入した中におきましてもそれを節約して使うということと、あるいはまたできるだけ開発を促進して自給できるような体制をとりたいものであると考えますが、さらに、そうでなくとも供給源を各地に分散いたしまして不慮の場合の安定化を配慮しなければならぬ、こういうふうな状態でございます。  なお、ただいまお話しのような新政策、さらにまた諸情報、その他のエネルギーの問題につきましては責任者の政府委員から詳細お答えをいたさせます。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 カーター大統領の新しいエネルギー政策は、いまのところまだ出ておりません。四月の下旬ごろまでに策定され、発表されるのではなかろうかということでございまして、したがいまして、ただいま先生が御指摘になりましたカーター大統領の演説だけでアメリカのエネルギー政策がどうなるかということを軽々に判断するわけにはまいりませんが、少なくともつい一、二年前まで、プロジェクト・インデペンデンスと申しますか、エネルギー自給体制を確立するのだと言っておった線から比較いたしますと、従来とさま変わりいたしまして輸入依存度を高めていこうという方向が出ておることは読み取れるのではなかろうかと思います。  現に、かつてアメリカは大体一日六百万バレル程度の輸入をいたしておったわけでございますが、最近ではそれが八百万バレル、将来は一千万ないし一千二百万バレルまで輸入が増大していくのではなかろうかという観測も行われておりますし、また、一方、ベネズエラ、メキシコ、カナダといった近隣諸国から輸入しておったのが遠く中東地域、特にサウジアラビアにまでそのソースを求めてきておるといったようなことからいたしまして、わが国といたしましても、中東に八〇%近い依存をいたしておるわけでございますので、そういった面からもアメリカのエネルギー政策、特に石油なり原子力政策がどのように確立されていくかということについては多大の関心を寄せざるを得ないということでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 まだその中身ははっきりしないわけでございますが、伝えるところによりますと、いま言われましたように前年対比で二一%急増をしておりますし、輸入依存度も四二%に達している。特に、その中で中東産油国への依存度が四〇%に高まっているにもかかわらずこういう方向が打ち出されてきておると思うのです。伝えられておりますところによりますと、国内の統制的な消費節約と、それから石油や天然ガスからの石炭への転換というのが二本の柱だというふうに言われております。そのためにガソリン等の石油製品の消費税の導入、自動車燃焼効率の強化、石炭への切りかえによる産業の財政負担増大というようなものが打ち出されてくるだろう、言うならば非常に国民に犠牲を強いる方向になってくるだろうというふうに思うのです。これほど自分の国で石油を開発すればできるにもかかわらず、こういうようにみずからありながら節約を強く打ち出してきたというふうに私は見ているわけであります。  さらに、ヨーロッパでは、フランスなどを見てまいりますと、石油価格がどんなに上がろうと石油輸入量は五百五十億フラン以内にとどめる、あるいはガソリン価格を一挙に五%アップする、室内暖房温度を二十度以下に抑える、そしてときには立ち入り検査までして徹底をさせる、こういうようなバール首相の政策が打ち出されてきておるわけです。また、スウェーデンで見ますと、一九九〇年にはエネルギー成長をゼロにして、国の経済成長にしては平常水準と言える三%の経済成長を国会で決議している。そのために住宅等の断熱化や集中冷暖房を進めている。こういう大胆なやり方がヨーロッパにもある。確かに、ヨーロッパは非常にけちだというふうに言われているわけでありますが、この省エネルギーという立場と同時に、エネルギーのコストが高いからという理由だけでなく、どうやらこの十年か十五年後には幾ら金を積んでも欲しいだけの石油が手に入らない時代が来るという危機感がヨーロッパ全体にあるというふうに私は感ずるわけでございますが、アメリカにしてもヨーロッパにしてもこういうような非常に画期的な強力な節約、省エネルギーという政策を進めているわけであります。  長官がいま言われましたように、わが国の資源のない情勢、海外からの依存度の高い情勢、こういう中でアメリカやヨーロッパやそういう先進国の国々がどんどん進めているこの強力な施策に対して、わが国はもっと真剣に取り組まなければならぬというふうに私は感ずるのですが、その辺についてお伺いをしたいと思うのです。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 まさに、いま御指摘のとおり、先進工業国がそれぞれエネルギーに対する危機感を非常に持っておりまして、独自の強力な対策を打ち出しておるわけでございます。日本におきましても、ただいま御指摘の省エネルギー並びに安定確保という方向で他の国以上の努力をいたさざるを得ない段階に来ておるものと思います。特に、一次エネルギーの九〇%までを外国に依存し、一次エネルギーの七五%まで石油に依存している。一言で申し上げますと、きわめて輸入石油依存型のエネルギー構造を持っておるわけであります。  かつ、一方で日本の経済情勢を見ますと、ふえていく労働人口の吸収なり、あるいは社会の老齢化が進んでいく中での福祉政策を充実するためにも適正な経済成長を維持しなければならないという別途の要請もございます。そういった両面からいたしましてエネルギーの安定確保に努めるとともに、一層省エネルギーの努力を続けていかなければいけない、かように考えているわけでございます。  いままでも、省エネルギーにつきましては、エネルギー使用の効率化あるいは節約あるいは技術の開発等特段の努力をいたしてきておりますが、さらに、今回、総合エネルギー調査会の中に省エネルギー部会を設置いたしまして、日本独自の立場での省エネルギー効果を発揮できるような対策の検討に直ちに入りたい、かように考えておるわけでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 これから対策について検討をするということのようでございますが、少なくとも先進国でありますアメリカやあるいはヨーロッパの情勢から見ますと、その点が非常におくれているということを言わざるを得ないと思うのであります。  それで、どう考えてみましても、この省エネルギーに対する一番の基本というのは、やはり産業構造あるいは経済構造という、そういう構造的なものから入らなければならぬと思うのであります。しかし、日本の置かれている産業、経済構造というものはなかなかいじくりにくいと思うのでありますが、どうしてもその基本のところにメスを入れない以上これは解決の方法を見出すことはできないというふうに私は考えるのですが、どうでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 御指摘のように、産業構造の転換と申しますか、現在のエネルギーの多消費型構造から知識集約的な付加価値の高い産業構造に誘導していくということは非常に大切だと思います。ただ、この場合には、一つには、ここまで大きくなった経済規模を社会的、経済的摩擦を引き起こすことなく転換していかなくてはいけないということと、それから、いま一つは、やはり貿易立国を国是としておる国でございますので、いわゆる産業なり企業のバイタリティーを喪失しないような形で構造転換をやっていかなくてはいけないといったようなことを考え合わせますと、方向としてはまさに御指摘の方向に進むべきであり、現にさような努力もいたしておるわけでございますが、これにはやはり時間がかかるわけでございます。  当面、節約と申しますか、あるいは断熱性の高い住宅に指向するとか、あるいは低燃費の自動車を開発するとかいったような民生部門も含めまして、産業、流通あるいは輸送部門等全体の部門での節約効果、あるいはエネルギー使用の効率化ということも並行して促進してまいる必要があろうかと思っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 いま申された、政府の考えているその政策大綱といいますか、具体的な方向というものはいつごろに明確に打ち出すことに考えておられますか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 現在実施いたしております省エネルギー対策を二、三例示的に申し上げますと、まず、エネルギーの効率的使用という立場からいたしまして熱管理法というものを施行いたしておりまして、全国三千以上の工場につきましてこの法律に基づきまして使用の効率化を図っておる。あるいは中小企業につきましては、年間二百ないし三百の企業を対象といたしまして熱使用の指導をやっておる。あるいは熱効率を高めるような設備に切りかえる場合には開発銀行の融資をもってこれを助成しておる。大体年間百億円程度の開発銀行からの融資を実施いたしております。  それから、節約という問題につきましては、すでに四十九年の八月に内閣に「資源とエネルギーを大切にする運動本部」というものができまして、ここで熱使用の原単位の向上だとかあるいは民生部門等における節約を図っておるわけでございます。かようなことを前提といたしまして一昨年の八月に総合エネルギー調査会から答申されました昭和六十年度のエネルギー需給見通しでは、全体として九・四%、石油換算にいたしまして八千万キロリッターの省エネルギーと申しますか、使用の効率化を図っていこうといったようなこともすでにビルトインされておるわけでございます。  この方向に即しまして現在私が申し上げましたような対策を推進いたすと同時に、状況によっては新しく法的な規制と申しますか、立法措置も考え、かつは助成の度を厚くするといったような方向で省エネルギー対策を推進する必要があるのじゃなかろうかと、かように考えておるわけでございますが、いつまでにその対策ができるかということでございますが、われわれといたしましては、できれば少なくとも来年度の予算から実施に移されるような方向で検討を急ぎたいと思っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 いまお話しに出ました「資源とエネルギーを大切にする運動本部」という、この本部ができて一体どういう成果を上げられたのですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 これは内閣の官房長官が主宰しておられまして、われわれもそのメンバーの一人であるわけでございますが、たとえば先ほど申し上げましたような十年間に九・四%、八千万キロリッターの節約目標の設定というものも、この運動本部で検討した結果、それを総合エネルギー調査会で取り上げたということでもございますが、そのほかに、たとえば休みの日におけるガソリンスタンドの営業を自粛するとか、あるいはネオンサインの点灯時間を自粛するとかいったような節約指導をいたしておるわけでございます。  そのほかにも、工場と生産部門以外の事務管理部門におきましても、これは官公庁も含めてでございますが節約を指導いたしておりまして、試みに昨年の一、二月の電力と石油の消費実績を石油危機前と比較いたしますと、これは事務管理部門だけでございますが、石油につきましては約一四%、それから電力につきましては約二四%の節約をしておるといったような結果も出ておるわけでございまして、主としてそういった節約という面についての省エネルギーの対策を進めておる、こういうことでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 やはり、いかめしい名前だけで中身がないと私は思うのであります。わが国のあり方という点から見ますと、どうも構造的な大変なところにメスを入れずに——小手先細工の節約ということもこれは大切でしょうが、もっと非常に具体的な実践的な運動をこの本部が行うべきだと考えるのです。  この間、二月ですか、省エネルギー月間ということでやられたのですが、このねらいあるいは成果というものはどういうことなんですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 この成果というものを定量的に表現することは非常に困難だと思います。まあ、一回目の試みとしてはその程度の効果を上げたものではなかろうかと思っております。ただ、率直に申し上げて、御指摘のように、十分国民全般に浸透しているかどうかという点については必ずしも自信を持ち得ないような状況であったと思います。ただ、そのためには、私たちが心がけなくてはいけないことは、国民全般に、日本の置かれているエネルギー事情あるいは世界におけるエネルギー需給事情といったようなものをよく認識いただきまして、その上に立っての理解と協力というものがどうしても必要だろうと思います。  そういった意味合いにおきまして、われわれといたしましては、率直に日本の置かれているエネルギー事情を国民に訴えるといったような方向でこれも準備を進めておる段階でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 要するに、国民に対する省エネルギーのPR、こういうことがねらいだったわけですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 PRと同時に省エネルギーの実行をお願いしたいという気持ちで、ことし初めて実施したわけでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 まあ、やらないよりやる方がいいわけですから、そういう節約についての国民に対する現状というものの認識をさらに深めるような方向を進めると同時に、もっと基本的なところにメスを入れるようにぜひお願いをしておきたいと思います。  さらに、この節約の技術開発については、どんな方向に進んでいるのですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 たとえば大型プロジェクトでやっておりますMHD発電といったようなものも、大きな省エネルギー効果をねらったものでございます。御承知のように、これはすでに十年程度研究を続けてきておるわけでございます。これは世界的にもなかなかむずかしい技術でございますが、ようやくその実効が上がりつつあるという段階だと私は承知いたしておるわけでございます。  そのほかに、たとえば工場等におきましてのフローシートを若干変えてみるとか、あるいは個々の設備につきまして改善することによりまして、それなりの省エネルギー効果、原単位の切り下げという効果もやはり出てまいりますので、そういったものに対しましては国民として補助金を出すことによって奨励いたしておるというのが現状でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 この技術開発の点についても今後相当力を入れていかなければならないというふうに私は考えておりますので、ぜひ一層進めていただきたいと思います。  次に、備蓄の点についてお伺いをしておきたいわけでありますが、この備蓄法ができて以来今日までの状況、推進状況、これについてお答え願いたいと思うのです。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 五十年度を初年度といたしまして、五十四年度末を目標に九十日備蓄計画を推進いたしておるわけでございます。五十一年度末の目標は七十五日ということでございまして、おおむねこの目標は達成できるものと思っております。  むしろ、これ以降、五十二年度以降が備蓄計画の実現可能性を占う山場にかかってくるというふうにわれわれも考えておりますので、一層助成措置を強化して推進してまいりたい、かように考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 具体的なスケジュールで見ますと、それぞれ年度によって備蓄日数目標がずうっとスケジュールとしては書かれているのですが、これはどうもあくまでスケジュールだけでありまして、実際具体的にそうするためには、タンクをどれだけどこにというような具体的な計画のもとにこの推進がされているのでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 九十日まで持っていくための積み増しをすべき原油の量は二千六百万キロリッターになるわけでございます。これを八〇%稼働ということで考えますと、三千三百万キロリッターを入れるタンク容量が必要になってくる、こういうことでございます。といたしますと、十万キロリッターのタンクで三百三十基、一基当たりの敷地が大体後楽園球場ぐらいの大きさというふうに御理解いただければいいかと思います。  総じまして、そのために約千六百万平米の土地手当てが必要であるということでございまして、これに対しまして現在進めておる方式は、個別企業ごとに立地点を見つけ出して建設する場合と、それから数社の関係企業が共同備蓄会社をつくりまして、共同して立地をし、備蓄タンクを建設していくという二つの方式を考えておりまして、それぞれに対しまして応分の助成措置を国としても  いたしておるというのが現状でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 その助成措置は当然といたしまして、いま考えられておるスケジュールが具体的に進むために、このスケジュールに沿ったところの具体策というものが年々立てられているのですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 備蓄目標に即しまして、各社からそれぞれの備蓄実施計画を提出させまして、それをチェックし、指導しながら、総合的に九十日目標を達成する方向で努力いたしておるわけでございます。  ただ、具体的な地点等につきましては、地元との交渉の問題などもございますので、それぞれについてどういう立地点を考えているかといったような具体的な地点をこの段階で申し上げることはお許しいただきたいと思います。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 この備蓄会社ができて、そして今度この会社が新潟に備蓄基地をつくるというふうに聞いているのですが、この備蓄会社というのは新潟に進出する会社だけですか。その後どんどんこれを推進していくというふうに見ていいのですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 新潟のケースは共同備蓄会社の第一号ということでございまして、われわれといたしましてはさらに共同備蓄会社が出てくることを期待しておるわけでございまして、五十二年度といたしましては、予算的には四百六十万キロリッター程度のもの、五百方キロリッター弱というところを目標にいたしております。  新潟のケースが百二十万キロリッターぐらいでございますので、その程度のものであればまだ二、三必要になろうかと思っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 この際お伺いをしておきたいのですけれども、国内における備蓄基地という以外に、海外やあるいはこのタンク備蓄以外にいろいろな方法があろうと思うのですが、そういうものについてもいろいろ考えて対策を立てられているのですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 現在のところ、わが国における石油備蓄の大半というか、すべては陸上のタンク方式でございますが、このほかに考えられますのは地下備蓄、それからタンカー備蓄あるいは海洋備蓄といったものがございまして、それぞれにつきまして、環境面、安全面あるいは経済性の面というような点から検討を行っておるところでございます。  これに対しまして、五十二年度におきましては、約二億四千万程度の調査費あるいは委託費といったようなものを準備いたしております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 この間、三月七日の新聞で見たのですけれども、パラオ島に石油備蓄基地をつくろうということが進められているようですが、この中身を見ますと、五百八十万キロリッターの能力、それから製油所、発電所、港湾費用などが三億ドル、五十五年度に着工する、さらにこれに関係する日商岩井とかあるいは日本興業銀行、大手の鉄鋼、石油、不動産会社等二十数社の参加だというふうに言われているわけでございます。これにまたイラン政府も加わって、米国信託統治領当局も協力しながら進めていく。この構想は九十日備蓄に関係があるのですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 九十日備蓄とは直接の関係はございません。と申しますのは、五十四年度末に九十日を達成した後をどうするかという問題については、なお検討の段階でございます。ただ、少なくとも五十四年度を過ぎた後も九十日はそのままにしておきましても、需要量がふえるに従いまして備蓄量は増加せざるを得ないという問題もございますし、一方、状況の進展いかんによっては九十日で足りるのかといったような問題も出てまいろうかと思います。  そういった意味合いにおきまして、九十日目標達成後の状況については現在まだ検討中ということでございまして、御指摘のようなパラオその他の海外におけるCTSというものを、そういった九十日達成後いかに備蓄を考えていくかということの一環として、全体の検討の中での一つの検討項目と、かような位置づけになろうかと思います。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 そうしますと、海外備蓄の一環として、このCTSについては政府も推進に一役買っている、こういう立場ですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 現在、このパラオのほかにインドネシアのロンボクあるいはタイのクラ地峡といったようなところで、こういった構想が民間ベースでいろいろ検討を進められておるということは承知いたしておるわけでございます。それから、一部につきましては、立地可能性調査につきまして、補助金と申しますか、委託費を出したケースもございます。それが直ちに着工とか、あるいはそこでCTSを建設するのだということに結びつくものではございませんで、ただいま申し上げました九十日以降と申しますか、五十四年度以降の備蓄をどう考えるかということを検討する中での一つの検討項目、このように御理解いただきたいと思います。  したがって、いまの段階で進めるのか進めないのかという段階ではない、こういうことでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 次に、電調審の関係についてちょっとお伺いしておきたいと思いますが、昨年の暮れの第七十回電調審の前に、環境庁企画調整局と通産省のエネルギー庁公益事業部の間における確認事項というものが結ばれたが、この中身について確認をしておきたいと思うのであります。この確認事項は文書で交わされているわけでございますが、この文言や、その考え方という点が非常に明らかでないわけでございますので、この点についてお伺いをしていきたいと思います。  まず、この確認事項は七十回電調審の前にされたのですが、これは恐らく従来から議論をされてきた問題だと思うのですが、これが文書で交わされているという点でございますが、これは一体どういうことでしょうか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 御指摘のございました七十回電調審に際しての確認事項でございますが、これは昨年の十二月二十三日に環境庁と私どもとの間で確認をした事項でございます。  内容は二点ございまして、一つは、大規模の火力立地点につきまして、許容排出量につきまして地方公共団体と環境庁との間で検討を行い、その検討結果を踏まえて事業実施の処分を行うというのが第一点でございます……。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 そういう中身をお伺いしておるのじゃなしに、従来いろいろ議論はされてきたんでしょうが、七十回の前に初めて文書で確認事項が交わされたわけですね。その経緯を聞いているわけです。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 文書で交わされたのは初めてでございます。  従来から同じ方針ではございましたが、この際特に許容排出量につきまして文書ではっきりさせておきたいということが第一点と、もう一点は、地域社会に対するPRを十分に行うということで、これもこの際文書ではっきりさせておきたいという意味から文書を交わしたわけでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 いままでいろいろ議論をしてきたんだが、世間に対してもはっきりさせるためにこういう文書になったというふうにお伺いをするわけでございますが、この確認事項というのは今後もずっと生かされていくというふうに見ていいんですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 この確認事項は七十回電調審に際してということではございますが、この考え方につきましては、今後もこういう考え方でやっていきたいというふうに考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 それでは、これは当然今後に引き続いてずっと生かされるということでお伺いをしておきたいと思います。  この中に「大規模火力立地点」という文言がございますが、この表現は今回は当然渥美、下松、松島というものを指しているというふうに思うのです。しかし、この七十回に対してはそういうことでございましょうが、この「大規模火力」という、この規模基準というものは一体どういうものなのか、この際明確にしておいていただきたいと思うのです。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 確認事項は七十回電調審に際してということでございまして、大規模立地点は、先生御指摘のように渥美四号機、下松三号機、松島一、二号機を指して大規模と言ったわけでございます。したがいまして、今後大規模というのは一体何万キロワット以上であろうかということについては、実はまだ詰めができていないわけでございます。ケース・バイ・ケースで考えていきたいというふうに思っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 しかし、せっかく「大規模」という文言を入れた通産側の考え方というのは当然あると思うのですけれども、通産が考えている大規模というものについてはどういうことなんですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 先ほど申し上げましたように、七十回の電調審に際してということでございまして、七十回には、実は、ディーゼルで千二百五十キロワットの沓形六号機あるいは七百五十キロワットの奥尻五号機というものも電調審の対象になっていたわけでございます。そういう小規模なものはこの際地域全体の許容排出量という考え方からは除いて考えようということで、実は大規模という言葉を使ったわけでございます。  したがいまして、大規模が何万キロワット以上かということは、実はまだ画一的には決めていないという段階でございまして、先ほど申しましたようにケース・バイ・ケースで考えていきたいというふうに思います。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 私も、いま文書の中でうたわれながら、恐らくまだその詰めにはいっていないということはわかりますが、エネルギー庁が考えている点というのは当然あるはずだと思うのです。  これは一体どういうふうに考えられているのかという点をこの際明確にしておいていただきたいのです。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 通産省では、現在、環境審査につきましては、火力十五万キロワット以上につきまして学識経験者の意見を聞いて報告書を作成しているということでございまして、所要の報告書をそういうことで作成するという一つの区切りにいたしておりますので、大体十五万キロワット以上くらいが大規模かというふうに考えたいと思っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 きょうは議論はいたしませんので、お伺いだけいたしておきますが、その次に一地域の許容計画排出量等についてですが、この確認書によりますと、この検討は地方公共団体と環境庁との間で行うというふうに書かれております。この「許容排出量等」の「等」というのはどういうふうにお考えになっているのか、どういうものなのか、ちょっとお伺いいたします。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 地域全体の「許容排出量等」の「等」でございますが、七十回電調審に際しましては、排水関係をこの「等」で読みましてチェックをいたしております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 この許容計画排出量というのは、地方公共団体が調査をして、それを環境庁に上げてくる、その両者で検討して決めるということで、通産省はこれは関係ないのですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 許容排出量でございますが、これは公害対策基本法に基づきまして公害防止計画を地方公共団体が作成し、それを環境庁が承認を与えるという手続になっておりまして、その意味で、地方公共団体と環境庁が両者で検討するということになっているわけでございます。  なお、通産省のポジションでございますが、公害防止計画ができますと、それに沿って、電気事業者を監督する立場で、電気事業者の削減計画について通産省が指導をする、そういう意味で協力をしていくというポジションでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 いま問題になっておりますこの渥美火力ですが、言うならば、愛知県が調査をして、その結果を環境庁に上げてきて、環境庁と地方公共団体との間で検討が進められてオーケーになるということになりますと、それが通産省に返ってくる、こういう筋になるのですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 地域全体の削減計画につきましては、先ほど申しましたように、環境庁と地方公共団体の間で検討して決めるということになりますが、各発電所にそれをブレークダウンいたします場合には、これは電調審の場等におきまして、その発電所の削減計画をどういうふうにするかということで、当然通産省もそこに介入いたしまして事業者を指導していくという立場でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 この七十回電調審に際しまして、県から上がってくる、そして環境庁との間の検討は一月末を目途とする、こういうふうになっているのですね。これが現状は今日段階でどういう結果になっているのですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 ことしの一月二十八日に、東三河地域におきます公害防止計画は環境庁の承認を得ております。  その公害防止計画によりますと、五十三年度の窒素酸化物の排出量の計画というものが明記されておるわけでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 いや、私のお尋ねいたしておりますのは、一月末を目途にこれを出す、検討するということになっているのですけれども、現状はどうなっているのかということです。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 地域全体につきましては、先ほど申しましたように、一月二十八日に環境庁の承認がおりており、その段階で具体的ないろいろな議論が行われたわけでございますが、なお、事業実施に際して、先ほどの確認事項で一月末日までを目途にして検討するということでございますが、その検討結果につきましては、環境庁の方から三月三日付で私どもの方に文書が参っております。  内容は、渥美火力に関しては五点でございますが、申し上げますと、まず、当該地域の大気汚染の現状にかんがみ、地方公共団体が策定する地域削減計画に沿って、渥美火力周辺地域の発電所の窒素酸化物及びばいじんの排出量の削減に努力すること、というのが第一点でございます。第二点といたしましては、渥美火力発電所三、四号機の脱硝装置が所定どおり稼働しない場合には、所要の措置を講ずることにより、計画排出量を超える窒素酸化物を排出しないこと、ということでございます。第三点といたしましては、発電所機器の運転故障等により、周辺地域の農作物に悪影響を与えることがないよう十分配慮するとともに、地方公共団体に協力して大気の監視を行い、その結果に応じて所要の対策を行うこと、ということでございます。第四点といたしましては、水質等の定期的監視を十分に行い、その結果に応じて所要の対策を行うこと、ということであります。第五点としては、温排水によるノリ漁場への悪影響が見られた場合には、適切な措置を講ずること、ということでございます。こういうような内容の文書を受け取っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 その文書が今月の三日に出されたわけですね。  次に、この文書の中に、通産省として側面的な協力をするという文言があるのですが、この側面的な協力ということの中身は一体どういうものなのでしょうか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 先ほど申しましたように、地域の削減計画につきましては環境庁と地方公共団体の間で検討を行うということでございますが、通産省といたしましても、その削減計画に沿って各発電所に対してばい煙等の削減を個別に実施するように指導をする。そういう意味におきまして側面的という言葉を使ったわけでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 どうもはっきりしないのですが、簡単に言うと、火力だけでなしに、その周辺の企業、そういうものを指しておるのではないでしょうか。それは全然関係ないのですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 地域全体につきましては、御指摘のように各業種の企業がございます。これにつきましては地方公共団体と環境庁との間で検討を行う、ただ、その中に入っております発電所につきましてこの削減計画をどうするかということについては通産省も積極的に指導を行う、そういう意味合いでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 余りはっきりいたしませんが、次に行きます。  環境保全上の検討結果を公開し、地域住民等にさらに周知を図るとともに、適切な意見は計画に反映するよう事業者を指導するというふうに書かれて、通産省の責任といいますか、仕事の分野を明確にしているのですが、この検討の結果の公開、住民への周知、それから適切な意見を聞きながらそれを計画の中に反映する、こういうことは当然指導しなければならぬという立場にあるわけですが、一体具体的にどういう方法でやられるのか。  従来のあり方を見ますと、公開あるいは周知、意見を聞くというような点について、いままで例がないのですが、せっかくここの確認事項がなされた以上、具体的にどのように通産当局がこれに対して指導をするのか。その中身ですね。具体策というものはどういうふうに考えられているのか、お伺いをしておきます。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 電源立地を円滑に進めるために地域住民の理解と協力を求めるということで、かねがね私どもとしては周知、公開について指導を行ってきているわけでございますが、さらに一段と周知、公開を徹底するという意味合いにおきまして確認事項に書いたわけでございます。  具体的に申しますと、環境問題につきまして検討した結果、環境調査資料を各事業所等でまず縦覧に供すると申しますか、公開をする、それから、さらに、これを要約した環境保全対策につきまして、これは説明会の開催等の際に配付をする、また、パンフレットにつきましては各戸に配付をするというふうなことで、具体的に周知、公開を行うという方向で指導をしているということでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 適切な意見を計画に反映する。そうしますと、その意見を聞くということがこの中にあるわけですが、この意見を聞くにはどういうことを考えられているのですか。その意見を聞いて計画の中に織り込んでいく。これはいままでになく非常に前進的だと思うのですが……。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 地域住民への周知の際、あるいは地元関係機関への説明の際、いろいろと意見が出されるわけでございますが、この意見を受けまして、発電所の計画あるいは事業実施に際して適切なものについては反映するよう指導していくということでございまして、具体的にはたとえば松島火力の例でございますが、この際には、地元から、防波堤の長さについての意見とかあるいは取放水口の配置についての要望とか意見が出されておりまして、この意見を受けて計画を一部変更したというような事例もございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 それから、この指導が不十分だと環境庁が判断した場合には、通産側に対して環境庁がクレームをつけることはできるのですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 これは両省庁合意した確認事項でございますので、当然われわれは環境庁の環境保全の面からの意見については尊重していくということで、確認事項を誠意を持って実施していきたい、かように考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 クレームという言葉は適切でないかもしれないが、環境庁側から見て、どうもこれは手ぬるい、いけないというふうに判断をしたときには、通産側に対してやはり意見が出されて、相談をするといいますか、そういう検討をするということになるのですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 環境保全上非常に問題があるということが仮にございますれば、環境庁からそういう観点で意見が出てまいれば、それは尊重するということでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 それから、「基本計画の検討に入る前に」ということがあるわけでございますが、この「前」というのはどこを指しているのか、明確にしておいていただきたいと思います。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 発電所の立地につきましては、できるだけ十分な時間をかけて地域住民等に対する説明あるいは周知を行うということが望ましいという観点から、基本計画の検討に入る前になるべく前広にそういう周知、公開を行うということでございますので、それに必要な環境関係におけるデータが得られ次第、できるだけ前広に周知を行うということでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 そうしますと、今度の場合は七十回電調審にかかった三地点の場合には後になってしまったんですが、これからはこういうことのないように電調審以前に、あるいは各省連絡会議以前に、というふうに考えていいのですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○服部政府委員 そのとおりでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 それでは、これで電調審については終わります。  次に、YXについてお伺いをしておきたいと思います。  この前、去年の五月七日に私はこの問題についてお尋ねいたしましたが、そのときの答弁では、遅くとも夏ごろまでには共同事業に入りたい、いわゆる試作を開始し、ゴーアヘッドについては流動的だが、めどとしては五十二年の後半以降と考えていると言っております。そして、その航空審議会でも、日本が二〇、アメリカが六〇、イタリアが二〇の分担率で、さらにいわゆるのれん代と言われるものを四百から四百五十億の負担をして、しかも低音とするという最終方針が決められているわけでございますが、それにもかかわらずいま宙に浮いているといいますか、全然見通しが立ちないという情勢にいまあるのですが、これの経緯をちょっと明らかにしておいていただきたいと思います。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 昨年先生から長時間にわたりましていろいろ貴重な御意見をちょうだいしたことを覚えておりますが、昨年の八月に航空機工業審議会で私どもが報告をいたしました際は、ボーイングとの間の交渉がかなり煮詰まってきたという印象を持っておりまして、最終的な方針の了解を得た上で最終的な取りまとめを行うというつもりでいたわけでございますが、昨年の秋になりまして、ボーイング社の方から、いよいよ問題が煮詰まってまいりましたので、具体的なエアラインの動向であるとか具体的な設計の内容であるとかあるいは採算その他の問題についての最終的な社内検討を行いたい、これにはかなりの時間がかかるので、そういう最終的な検討結果を待って交渉を行いたい、それまでの間はしばらく中断をしたい、と、こういう申し入れがございまして、私どもも、これは共同開発という問題でございますので、相手方のそういった考え方につきましてもこれを了といたしまして、しばらくは交渉を中断しているような現状でございます。  この機会に蛇足かもしれませんが申し上げておきますが、こういった民間輸送機の開発という問題は、第一には、民間輸送機に対する需要が一体どの時点でどれくらい出てくるかという点の見きわめが一番事業の成功につながるポイントでございます。昨年の秋以来ヨーロッパ等におきます航空機の新しい開発計画等が発表されましたり、また、石油ショック後の航空機需要の動向が必ずしもよく見きわめかねるという状況が続いております中におきまして、ボーイング社といたしましては、いま考えておりますこの種の新しい飛行機につきまして、その事業の成功をさせるかどうかは、実は、社運をかけての問題でございます。  たとえばボーイング社といえども年間売り上げ一兆円で、しかも、税引き後の純利益は年間三百億円でございます。これが三千億ないし四千億の開発費をかけて、今後二十年間にわたって販売しようという飛行機の開発でございますので、最終的な検討を行うのは当然でもございます。また、この最終的な検討の結果で共同開発が行われるということは事業の成功にもつながるゆえんでもございまして、私どもは、ボーイングが過去の経験の上でそういう検討を行うことはもっともなことであるということで、現在状況を待っておるという状態でございます。  この検討結果はおおむねことしの五、六月ごろには作業が終わるというふうにボーイング社から聞いておりますので、その検討結果を踏まえまして対処方針を定めてまいりたい、かように考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 いまお伺いしたように、ボーイング社は非常に慎重な態度で臨んでいる。それにつけても、わが国の方が非常に甘く見ているということを私は強く感ずるわけです。  昨年の八月にYX計画の概要が出されたのですけれども、そのときの採算点が四百五十機、需要は一千機というふうに見込んで発表されているわけです。このときにボーイング社は採算点を二百機という計画立案をしているわけでございますが、ここでこれだけ大きな違いが出されているわけです。  聞くところによりますと、旅客機で二百機を超えることは大変なことだということですが、こういう甘さが今日段階で明らかになったというふうに思うのですけれども、この甘さについて余りにもずさんではないかという感じが私はするのですが、どうですか。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 先生十分御承知のこととは思いますが、民間輸送機の開発の問題はなかなかむずかしい問題で、一九五八年にボーイング707がジェット化いたしたわけでございますが、その前のコメットも含めまして約二十件今日までジェット航空機が出ておるわけでございます。このうちで成功したものは七件と言われております。はっきり失敗したものが八件、どちらとも言えないものが五件という過去の実績になっております。  この七件の中で、ボーイング社のものが四件実は入っておるわけでございます。ボーイング社はいままで、たとえば707はまだ生産を継続中でございますが、九百機以上すでに売っておるわけでございます。また、ボーイング727は千三百機近く現に売っておるわけでございます。それからボーイング737は、これはまだ途上でございますが、約五百機実は売っておるわけでございます。それからボーイング747は、これはジャンボでございますが、これはいままだ三百機を上回っておる途上でございます。  先ほど先生が御指摘になられましたように、世界各国の例を見ますと、たとえば十機とか、あるいは先般の英仏共同開発のコンコルドも十六機で生産が中止になっておる状況でございます。確かに、二百機あるいは四百機といったところは決して容易な目標ではないと考えておるわけでございます。ただ、いまの先生の御指摘の、ボーイング社が二百機が採算点、日本側が四百五十機というのは、これは全くの試算の段階でございまして、いまこういった問題を含めて、また航空機需要の動きとにらみ合わせて採算その他もいろいろ検討しているのが実情でございます。  見通しが甘いじゃないかという点につきましては、私どももその御批判を受けなければならぬとは思います。しかし、先ほども申しましたように、そもそも民間輸送機の開発というものは需要の動きにミートしなければならぬということが第一であり、第二には、昨年の先生の御質問の際にもなかなかむずかしいという御指摘もございましたが、初めての国際共同開発で、ボーイングも日本も初めての経験でございますので、そういったことも踏まえて、若干計画がおくれてまいっておるということ、この二点が一番大きな事情かと考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 五十二年度の予算案で見ますと、当初大蔵原案ではゼロ査定だった。それが復活折衝の過程の中で、共同開発の相手をボーイング社に限定しないという条件で十億九千二百万の予算が認められたというふうになっているわけです。  いまの状況から見ますと、この復活折衝の中で出された条件というものから見ますと、YX開発計画は基本的に変更されたというふうに考えられるのですが、それはどうでしょうか。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 ぜひ御理解いただきたい点は、従来の私どものボーイング社との共同開発を目的にいたしました交渉と、それから交渉方針というものは今日におきましても変更はないわけでございます。そういった過去の経緯を踏まえてなお今日も交渉を継続しようとしているわけでございます。  ただ、先生御指摘の性格変更の点でございますが、これは予算の性格の問題でございます。第一の交渉の問題とは一応別で、予算の性格の問題といたしまして、従来の予算では、私ども、ボーイングとの交渉、ボーイングとの共同開発ということで実は予定いたしておりまして、その他考えておりません。  しかし、今回の予算というものは、たとえば先ほど先生が御指摘になりましたように、ゴーアヘッドの時期が昨年見通したよりはまたおくれまして、私どもの現時点での見通しは明年の春以降ではないかというふうに考えておりますが、いずれにしても、いよいよ最終段階に入ってきたことは事実でございます。今年度内にボーイングとの間の何らかの形での交渉についての決着をつける時期も参ろうか、時間的にはそういうタイミングになるであろうと考えるわけでございます。  その最終的な決着ということの中で、もし仮にボーイングとの間の交渉が不成功になった場合に、航空機の国際開発事業というものをもうあきらめるのかとか、あるいは予算はもう使わないということにするのかといったことはないわけでございまして、私どもはあくまでも航空機産業の育成と、それから国際共同開発による民間輸送機の製作ということを考えておるわけでございます。  これは何分にも交渉事でございますので、ボーイングとの間で常に成功するということは、お互いに条件がございますから、うまくいかない場合もあろうし、それがあった場合はやはり他の道を見つけなければなりません。現在の私どもの予算を活用いたしまして他の方策を考えることも予算の性格上はできるようにしておく必要があるということでございまして、予算の性格論でございます。従来の交渉の経緯あるいは基本方針というものを無にして、これで方向を変えたというようなわけではございません。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 ボーイング社が五月ごろまでに返事をするというのですが、いま、聞くところによりますと7N7の開発を優先させるということだが、7N7の開発を優先させるということになりますと、YXは完全にお預けになってしまうというふうに思うのですね。  この場合、いまいろいろ情報などを聞いておりますと、この7N7の開発に共同参加をするとか、あるいは7N7開発をスタートさせるまではYXについては計画を待つとか、あるいは英国や西ドイツ、オランダの共同開発されようとしている改造機などの構想に日本も参加するように呼びかけがあるということです。そうしますと当然いろいろな選択が迫られるわけでございます。いま当面考えられているのは、当然このYX中心で進められているということはわかりますが、そういう情勢の変化が起こった場合には、いま申し上げたようないろいろな選択をこれからするということになるのですか。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 ボーイング社の7N7の計画について言及されましたのでちょっと申し上げますが、ボーイング社の7N7の計画の具体的な内容はまだ詳細にはわかっておりません。ただ、ボーイング社におきましては、7X7、つまりYXとの共同を考えております。7X7の計画と7N7の計画とをどういうふうに評価し、タイミングを考えていくかというようなことをあわせて検討が行われておる。この五、六月ごろに出てまいりますであろうボーイングの検討結果は、恐らくこの二つのものについての考えが明らかにされるものと考えます。  いま先生御指摘のように、7N7が先に出れば7X7はずっとおくれるのじゃないかということは、これは必ずしもそうは言えないと思います。同時ということもあり得ると思いますし、あるいはその逆ということもあり得るわけでございまして、この辺はまさに検討が行われておるところであろうと思います。  なお、ヨーロッパその他の新しい飛行機の開発状況についてお触れになりましたのでちょっと御報告を申し上げますと、確かに、フランスはメルキュール100を改造いたしました200の構想をいま持っております。これはヨーロッパ各国に呼びかけているようでございますが、まだ具体的な反応はないようでございます。それから、さらに、たとえばBAC111の改造計画というものにつきましても、日本への呼びかけも承知をいたしております。また、F29という、これはフォッカ一社のものでございますが、こういった計画も日本との間の共同開発ということがあるいはないかという模索が行われ、接触があるということも聞いております。  私どもは、先生御指摘のように、YX、7X7計画というものを推進をしたいということでいまやっておりますが、将来にわたって航空機はこの一機種でいいというわけじゃございません。もう少し型の小さいものも必要になってくるわけでございますし、長期的にはもう少し幅広くいろいろ検討してまいる必要があろうと考えております。また、仮にボーイング社との話がとだえた場合には、その段階でどのような対応策をとるかはその情勢で判断をしなければならないというふうにも考えております。確かに、いろいろな将来の可能性を念頭に置きながら柔軟に対処していくというような態勢であろうというふうに考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 最後に伺いますが、四十九年度で二十一億、五十年度で二十一億、五十一年度で一億六千万、五十二年度で十億九千二百万というふうに予算が毎年組まれているのですが、これはその計画が進まない、うまくいかないといういままでの段階で、この予算というものの措置は繰り越しにしてきているのですか。どういうふうになってきているのですか。

熊谷善二通商産業省機械情報産業局長

○熊谷政府委員 四十三年度から五十一年度まで予算に計上されましたものは、補助金ベースで約六十億円ございます。このうち五十年度までの支出でございますが、約十九億円でございます。  毎年の予算につきましては、先生御指摘のように、当該年度で支出ができなかったものにつきましては繰り越し明許をつけまして次年度でそれを使用するといったことが例として多いわけでございますが、これはやはり共同開発ということで相手のあるものでございますので、当初いろいろな事態に対応する必要があるということで組んだ予算が、状況の進展が予定どおり進まなかったというふうなこともございまして支出が少なくなった、したがって繰り越しが行われたというような経緯でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 これで終わりますが、やはり、この経緯についてはできるだけお知らせいただくように、最後にお願いをして終わりたいと思います。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 渡辺三郎君。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 きょうは工業再配置とそれから地域振興の整備といった問題について若干お伺いをしたいわけですが、まず、最初に通産大臣にお伺いをしたいと思います。  言うまでもなく、いまは景気が非常に停滞をしており、しかもそれはいままでのような高度成長ではなくして、これから相当長期にわたって、いわゆる安定成長といいますか、あるいは非常に低い成長率で今後の経済の見通しが立てられている。こういうふうな状況の中で、工業再配置促進法及び地域振興整備公団法等の法律の趣旨といいますか、そういうものを今後さらに大臣は積極的に進めていかれるつもりかどうか。つまり、これらの法律ができた当時の経済的な背景と今日の事情というものは相当違ってきておると思うのですけれども、それらについて大臣の所見を最初に承りたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 渡辺委員にお答えをいたします。  御質問の趣旨は、客観情勢が非常に変わって低成長期に入った今日、既定方針どおりの開発を進めていくかどうかという点であろうと存じまするが、御承知のとおり、工業の再配置につきましては、四十七年の工業再配置促進法の施行以来、過密過疎の同時解消を目途といたしまして、鋭意その推進を図ってきたところでございます。  その後の石油危機及び長期不況によりまして企業の投資意欲が著しく減退いたし、必ずしも順調に進んでいないのが現状でございますが、しかし、過密の解消と地方におきます経済基盤の確立を図りまして国土の均衡ある発展を図ってまいりますためには、今後とも工業の再配置を進めてまいる必要があるものと考えております。現在策定中の工業再配置計画を軸にいたしまして、安定成長時代に対応した施策の強化に努めてまいりたい、かような既定方針を堅持してまいりたいというように存じております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 積極的に実情に見合って進めるというようなお話でありますけれども、いま大臣からもちょっとお話がございましたが、この再配置促進法の三条のいわゆる工業再配置計画はまだ策定されておらないというふうに考えておるわけですけれども、この進行状況と、それはいつごろまでに策定されるのかという点についてもう一つだけお伺いします。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 この工業再配置計画につきましては、安定成長下におきます工業再配置の方向を見出すために五十年十二月に工業再配置計画大綱を定めまして、工場立地及び工業用水審議会に諮った上で、関係各方面の意見を聞いてまいった段階でございます。  現在の景気回復のおくれによりますマクロフレーム等の見直しを行いますとともに、関係省庁、都道府県等の意見を調整いたしまして、安定成長下における全国的な工業立地を目標といたしまして早急に策定いたしますように、地方公共団体等からの強い要望もございまして、遅くもことしの夏までには発表いたしたい、かように考えておる次第でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 次には、これは大臣でなくて局長で結構ですが、第八条のいわゆる財政措置あるいは第九条に言われる地方債についての配慮、さらにまた十二条の工場跡地の利用といったものの措置について、実施がいま順調に行われているのかどうか、十分に措置されているのかどうか、こういう点についてお伺いいたします。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 御指摘の目的の趣旨に沿う予算は十分についておるというふうに私ども判断しておりますし、また、着々とその予算の目的に沿った使途が講ぜられておるわけでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そこで、お伺いをしたいわけですが、きょうは公団からもおいでいただいていると思いますけれども、これは通産、公団のどちらでもいいのですが、地域振興整備公団の行ういわゆる工業の再配置促進に必要な業務というものが先ほど来申し上げましたような経済事情の中で順調に進められているのかどうか、まず、最初に概括的にお伺いしたいと思います。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 公団の方に要求のございます工業団地の開発につきましては、ほぼ順調に進められておると私どもは見ておる次第でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 次に、中核的な工業団地造成事業について、その推進の状況をお聞きしたいわけでありますけれども、まず、最初に、現在事業を実施中の団地は全国で幾らございますか。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 中核工業団地の造成につきましては、私ども公団は現在全国で八カ所着手をいたしておるところでございます。  地点別に申し上げますと、山形県の米沢八幡原工業団地につきましては、昭和四十九年十月に造成の大臣承認をいただきまして、造成事業を推進いたしております。その約半分につきましては五十二年度末ごろ、残りの半分につきましては五十三年度末ごろに造成をおおむね完了する見通しでございます。  次に、岡山県の勝央団地につきましては、五十年十二月に大臣承認をいただきまして鋭意造成に努めておりますが、これも五十二年度いっぱいでおおむね造成を完了いたします。  さらに、佐賀県の佐賀東部工業団地につきましては、五十一年二月大臣承認の後、完成はおおむね五十二年度末ないし五十三年度早々という見込みでございます。  島根県の出雲長浜、石川県の能登、岩手県の江刺、以上の工業団地につきましては、さきごろ造成を開始したところでございまして、これが完了にはあと三年ないし四年を要するものと考えております。  最後に、長崎県の諌早及び福島県のいわき好間中核工業団地につきましては、現在鋭意計画を検討中でございます。  以上でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 いま全国八つの中核工業団地の進捗状況をお伺いしたわけでございますが、この規模につきましては、八つをそれぞれ全部という必要はありませんけれども、大体百ヘクタール以上という基準があると思うのですが、大きいところと小さいところと、大体どのくらいの規模で行われているのか、概要をお聞かせいただきたいと思います。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 一番大きな規模と考えておりますのが米沢八幡原工業団地でございまして、四百三十ヘクタールでございます。  規模の一番小さなものでございますが、これは岡山県の勝央工業団地及び島根県の出雲長浜工業団地で、おおむね百ヘクタールでございます。     〔委員長退席、中島(源)委員長代理着席〕

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そこで、いま田中さんの方からお話がありました一番規模の大きいもので、しかも第一号であります米沢市の八幡原中核工業団地について少し詳しくお聞きしてまいりたいと思います。  これは五十二年末までには大体半分、そして五十三年末には完成するというふうなお話でありますが、その進捗状況について、中身を少し詳しくここでお聞かせいただきたいと思うのです。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 米沢八幡原中核工業団地の進捗状況の内容でございますが、四百三十ヘクタールの工業団地のうち、団地の中央を天王川という川が流れておりますが、その右岸側約二百ヘクタールにつきましてまず造成に着手をいたしました。したがいまして、この部分につきまして五十二年度末ほぼ完成をする、こういう形でございます。続きまして、天王川の左岸側は五十二年度に入りましてから造成に着手をいたしたいと思っておりますが、これの完了はほぼ五十三年度末と、このように考えておる次第でございます。  なお、これに関連いたしまして、団地のみならず関連の公共施設の整備も県、市の御努力によりまして着々と進められておるのが現状でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 いまお話のありました団地内の造成、それからそれにもちろん関連してまいります関連公共事業、こういったものの経費の内訳あるいは負担区分は、末確定のものもあると思いますけれども、おおよその計画といいますか、そういう点を数字を挙げて少し詳しくお聞かせいただきたいと思うのです。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 八幡原中核工業団地の造成等に関連いたしまして公団が行います事業費は百億ないし百十億程度ということになろうかと見込んでおります。一方、関連公共事業でございますが、おおむね九十億前後になるのではないか、道路、上水道、工業用水道、下水道等を合わせましてほぼ九十億程度になるのではないか、このように考えております。  それで、御質問の負担の問題でございますが、どのような関連公共事業につきまして公団が負担を申し上げるかという点につきましては、現在県、市と協議中でございましてまだ決定を見ていないわけでございますが、県、市側の御要望からいたしますと、ほぼ半分を公団で持ってほしいという御要望でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 いまお話のございました負担区分は県、市と公団側の話がまだついていないというのは、これは何か特殊の理由がございますか。それが未締結になっているという理由ですね。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 関連公共事業と申しますものの範囲につきまして、双方にやや見解の相違がある点が協議が整わない一つの原因であろうかと考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 これは通産省にお聞きしたいのですが、いま公団側のおっしゃった公共関連について、これは一体公団側で持つべきものか。国あるいは市、県といった負担区分について通産側としてはどのような見解をお持ちでしょうか。たとえば、そういった面はこれからの話し合いで十分煮詰まっていくものとは思いますけれども、しかし、その過程でどちらが持つべきものかどうも判然としない。  こういうふうな場合に、通産省は一定の見解があるのじゃないかというふうに私は思うのですが、その点はどのようにお考えでしょうか。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 まだ、具体的にはその点につきまして詰まっておりませんけれども、今後実際的な話を聞きながら、予算のことでもございますので大蔵省の意見も聞きながら進めていきたい、このように考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 それから、先ほどの公団側からのお話で、関連公共事業の総額がおおむね九十億程度というふうなお話がございましたが、私どもが自治体関係からお聞きしております額は、それをはるかに上回る額でお聞きをしておるわけです。これは間違っておれば訂正を願いたいのでありますけれども、百四十九億三千三百万というふうに自治体側でははじき出しておるようであります。  そういう点からしますと、先ほどのお話は、たとえば工期を第一期とか第二期とかに分けて、その区分の中で第一期分を九十億というふうに考えられたからこういう数字になっておるのか、あるいはこの初めの計画に全くないものを自治体側で持ち出して、それを公共関連というふうに言っておるのでこのような額の違いが出てきておるのか、その点がどうも判然としないわけですけれども、どうでしょうか。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 ただいま百四十数億というお話を承りましたが、私どもにとりましては初めて伺う数字でございまして、現在県、市と話を詰めております数字はおおむね九十億程度、こういうことでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そうしますと、先ほどお話がありました九十億というのは公団が行います団地内の造成、それからもちろんそれに関連してきます中核工業団地構想に基づく関連公共が全部完成をした段階での数字として先ほどお聞きしました百億ないしは百十億、それから関連公共が九十億、こういう数字というふうに確認してよろしいですか。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 御説明にちょっと舌足らずの点があるいはあったかと思うわけでございますが、例を挙げて御説明申し上げました方があるいはおわかりかと思いますけれども、工業団地を南北に貫きます道路を県道万世−上郷線と呼んでおりますけれども、この道路は将来団地からさらに北に恐らく数キロ北上いたしまして、そして国道十三号につなぐ、こういう計画であろうと思うわけでございます。そこまでの計画につきまして、いつそれが実施に移されるのかという点につきましては、事業主体でございます県側にもまだ確たる見通しを持っておられないわけでございます。  したがいまして、私どもが団地を造成し、そこへ企業が入りましたときに、その企業が操業をいたしますのに必要不可欠な関連公共施設についてはぜひ御整備をお願いしたいというふうに考えておりまして、その範囲を、私どものいわゆる狭い意味でと申しましょうか、それを関連公共施設と申し上げておるわけでございます。その狭い意味での関連公共施設は約九十億、このように考えておるわけでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 これは時間があれば少し詳しく数字を挙げて個々に聞いていけば一番いいと思うのですが、時間の関係から質問の過程で私も考えながらお伺いしますけれども、そうしますと、総括的に言えばいまおっしゃったような考え方、それから、たとえば事業主体でありますいまの県道の例をとりますと、分譲した後に必要ならば県が主体で施行するというふうなことじゃなくて、これは初めから中核工業団地をつくるに必要なんだから、それは国でも公団でも負担区分を明確にしてもらって金を出してもらいたいんだというふうな県の意見が、県と市や公団側で食い違うので協定ができない、先ほどお話しにあった協定の問題で言えば、こういうふうになるのですか。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 協定が難航しております理由の一つとして、おおむねそういった趣旨の事例があるわけでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そうしますと、金額の面で言いますと、先ほど九十億でしたか、それから市がといいますか、一応私どもが資料提供を受けております内容では、五億とか十億とかいう程度のものじゃなくて、大変に大きな額の違いというものが当然出てくるんだと思うのです。  しかし、問題は、その中核工業団地が造成をされて、そしてそれが法律の趣旨に言われるような十分な機能を備えること、これがやはり問題でありますから、どちらが負担すべきだとか、どの範囲まで負担すべきだというふうな議論はいまこの席上で私は申し上げようとは思いませんけれども、しかし、それにしても相当の考え方の違いがあるんじゃないかというふうに率直に感じますので、この点は今後通産、公団と県、市との間に認識の統一を十分に進めていただきたいというふうに考えるわけであります。  そうでありませんと、片っ方の受け入れ側といいますか、市の場合には、当然こういうふうにここまで伸ばしてもらわなければ中核工業団地の当初の意味がないじゃないかというふうな議論にもなりましょうし、その点はどうでしょうか、早急にその点の話し合いで決着がつくといいますか、話し合いがまとまるとお考えでしょうか。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 事業の範囲で意見がまとまらないところは、実は数億円の食い違いの問題でございまして、実は、先ほどおっしゃられた非常に巨額な金額でということではないのでございます。  その数億円の問題につきましてなぜ意見が合わないかということでございますが、その対象となります事業につきまして、実は、県の補助枠の配分の確保の問題、あるいはそれに伴いましての建設省の考え方の問題、それから河川改修も伴う問題がそれに付随しておるわけでございますが、そうしたものの処理の問題等々がその案件に付随をいたしておりまして、それがいつ実施されるか、すなわち事業採択がいつごろになるかの明確な見通しが現時点ではございませんので、確かにそれが実施されることが好ましいとは思いますけれども、見通しがきわめて困難でありますためにそれを外した形で協定をいたしたい、このように私ども考えておるわけでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そこで、お伺いをしたいのですが、これは通産も公団もこの事業を進めておられるわけですから十分御承知かと思いますが、米沢市の場合には、昭和五十一年、昨年、財政再建の準用団体の指定を受けたわけでありますが、そうした面から中核工業団地の事業の推進にもいろいろな面で影響が出てきているんだと思うのです。  いま田中さんがおっしゃった事業の先の見通しが不明であるという点については、いまの再建団体に指定を受けたという財政事情と大きなかかわりがあるのでしょうか。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 米沢市が再建団体になりましたので、私どもの仕事と、そしてお願いいたします関連公共事業の整備につきましては、市の財政事情について私どもといたしましては注意深い配慮を払いながらこれを実施してまいるという方針及び態度でおるわけでございます。  ところで、その懸案の事項につきましての問題でございますが、これは市の財政事情と申しますよりは、むしろ、県の予算枠の配分あるいは事業実施に伴います関連する諸問題の解決の方を先行していただきませんと事業それ自体ができるかどうかという問題だろう、このように考えておるわけでございまして、したがいまして、直接的な米沢市の財政事情という問題ではないのではないかと考えておる次第でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 きょうは自治省からも出席をいただいておりますので自治省にお伺いをいたしたいわけでありますけれども、財政再建団体を直接指導しておる自治省の立場から、いまの問題について——米沢市は、非常に大きな中核工業団地を抱えて、これからその事業を進めなければならない、一方においては莫大な負債を抱えて、それを国の指導のもとに解決をしていかなければならないという特殊な事情下に置かれておるわけであります。そうなった原因を私はいまここで議論の対象にしようと思っているわけじゃございませんけれども、しかし、考えてみますと、あの米沢市の財政規模から言えば、相当過大な開発あるいは先行投資という問題が膨大な赤字をつくり出した一つの大きな原因になっておるわけです。しかも、それが議会や市民に十分に明らかにされないまま進められてきたところに非常に大きな問題があって、市長がかわって初めてこの全貌が市民の前に明らかにされた。こういう非常にショッキングなものだったわけでありますけれども、それだけにこれからの米沢市の財政再建あるいは事業計画というものは非常に慎重でなければならないと私は考えておるわけです。  いまのこの中核工業団地の事業推進と関連をして、自治省のこれに対する指導的な立場からの考え方をお聞かせいただきたいと思うのです。

土田栄作自治省財政局指導課長

○土田説明員 米沢市は現在二十八億円余りの赤字を抱えております財政再建団体でございまして、これを五十二年度から五十八年度まで毎年四億円ずつ解消していかなければいけないという状況にございます。そういうようなことから、先生の御指摘にございますように、事業の実施につきましては他の団体に比べまして相当財源面の制約がございます。  いま御指摘のございました八幡原の工業団地にかかる関連公共施設の整備の問題でございますけれども、これは公共団体が実施いたします幹線街路、緑地の整備、それから下水道の整備等いろいろあるわけでございまして、これらの事業の実施に伴います財政負担は、当面は事業費がそう多くございませんので市の負担も金額的に多くないということで、五十四年度までは一応再建計画の中に組み込んでおります。したがいまして、予算面で申しますと、当面は一応円滑な事業の実施が図られるというふうに考えております。しかし、事業量がふえてまいります五十五年度以降につきましては、今後公団、地元の県、市と十分協議いたしまして、市の財政負担の能力に応じまして関連公共施設の整備が計画的に実施できるように配慮してまいる必要があろうというふうに考えております。  もちろん、こういうふうな大事業をやりますので、市自体もある程度の負担というものは必要になるわけでございますけれども、工場が来ればそれに伴う税収があるというような見返りもあるわけでございますので、その辺のところを考えまして、市の負担能力に応じながら円滑にこの事業が実施できるように配慮してまいりたいというふうに考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そこで、いま言ったような財政事情を抱えておるわけでありますけれども、まさに中核工業団地としての機能を備えて、そういう産業活動が活発に展開されるといった面を考慮した場合に、当初の造成あるいはそれに関連するいろいろの事業、そしてまたそれを基礎にして行われる産業活動というようなものの活動開始の年次が、いま言ったように、米沢市の財政事情のもとでは当初の計画から非常におくれるという——たとえば、十分な機能を発揮できるのが仮に五十八年度であるというふうに考えておったのが六十年度になるとか六十一年度になるとか、そういったような当初計画から見たおくれが出てくるでしょうか。もし出てくるとすればどのくらいのおくれになるのか、その点について、通産でも公団側でもよろしいのですがお伺いをしたいと思います。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 昭和五十三年あるいは五十四年に立地いたしました企業が操業を開始する時点、すなわち、立地後一年くらいで操業開始をすると考えました段階での関連公共施設につきましては、幸い県、市の御努力もございまして、いまの見通しでは企業の操業に支障がない形の不可欠の設備は整え得ると考えておるわけでございます。  しかし、今後五十二年度予算案が成立を見ますれば、新たに公団によります関連公共の立てかえ施行制度が認められることともなるわけでございますので、この制度の活用をも考えまして遺憾のないようにいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 公団による関連公共の立てかえ施行は、具体的に今度の米沢の場合で言えば何年度から立てかえて工事を実施するというかっこうになるのかということと、そして、また、それが何年で返済されなければならないのかということと、それから、おおよその額の見通しなどもわかればこの際明らかにしていただきたいと思うのです。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 中核工業団地の関連公共施設の一般につきましてちょっと触れさせていただきますが、これは五十一年度から当該国庫補助事業にかかわる地元負担分の一部を公団が負担することになっておりまして、造成工事の進捗に合わせて適時関連公共施設の整備を図るために、新たに五十二年度からさらに公団負担以外の地元負担分及び国庫補助額を一括公団が一時立てかえて施設の整備を行う、いわゆる立てかえ施行制度を実施することにしております。  これら一連の措置によりまして、中核工業団地関連の公共施設整備の地元負担は大幅に緩和されたというふうに見ておりますけれども、この米沢の団地につきましては、対象事業は、財政当局との話し合いもございまして、五十二年度はとりあえず道路と下水に限っておりますけれども、具体的にどの事業を取り上げるかは今後市や県と詰めることになっておりまして、いまだ詰まっておらない状況でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 ところで、先ほど来いろいろお伺いをしてまいりましたが、特に再建団体でありますから、先ほど申し上げましたように非常に慎重な財政運営をやらなければなりませんし、また、それによる制約は、当面は工業団地の推進については余りないようでありますけれども、しかし、いまの市の財政を考えた場合にいろいろな面で影響が出てくると私は思うのです。だから、そういう面では非常に慎重でなければなりませんけれども、それかといって、事のよしあしを別として、すでに中核工業団地が着工され、完成が近づいてくる。こういう中で、再建団体であってもどうしてもこれをりっぱになし遂げなければ財政面から言ってもますます傷は大きくなるし、大変な状態になるのではないかと私は思うのです。  特に、いまの市民感情や議会筋の状況などを私も地元民の一人として見ておりますと、八幡原の中核工業団地をりっぱに仕上げて、そこに地元との関連がある優秀な企業を張りつけて、それによる産業活動が軌道に乗ってくるということになれば今日の財政事情の改善の一助にもなるし、また、本来の中核工業団地がそこに指定された意味も十分に生かすことができる。こういう感情だと私は思うのです。いろいろと違った意見もありますけれども、最大公約数はそうじゃないかと私は認識しておるわけです。しかも、これはひとり自治体だけの問題じゃなくて、工業再配置の促進を進めようとした国、通産省として——しかもこれは具体的に中核工業団地の第一号に指定されたきわめて規模の大きい団地でありますから、これがもし失敗するなんということになれば、これは今後の通産省の工業再配置の仕事にも地域振興整備公団の機能にももちろん重大なかかわりが出てくるのじゃないかと私は思うわけです。  そういう点から考えますと、いま事業の推進の大体の状況はわかりましたけれども、問題は、ここにどういう企業が中心になって張りつくのかという問題がやはり一番大きい問題のように私は考えます。特に、冒頭に大臣にも御質問を申し上げ、大臣の考え方もお聞かせ願いましたが、こういう経済事情でありますだけに、このような四百三十ヘクタールという大規模な工業団地の機能が十分に発揮できるような企業をここに張りつけることは、実際問題として県や市の段階ではとても容易じゃありません。これはどうしても通産省が全力を挙げて、もちろん県や市とも協議をしながらその努力を進めてもらう必要があるのではないかと私は考えているわけです。  したがって、それに対して通産省ともう一つ公団側からも考え方をお聞かせをいただきたいと思います。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 中核工業団地に対する企業誘致につきましては地元の協力がぜひとも必要であるというところから、すでに、個別立地ごとに関係の県、市町村、公団から成る団地推進連絡会を設けまして企業誘致問題を話し合っております。同時に、公団内部の企業誘致のための組織を充実するなどの体制づくりを行う一方、公団内部に副総裁をヘッドとする企業誘致推進会議を設置しまして、関係地方公共団体とも緊密な連絡をとりながら積極的に努力しております。もちろん、通産省としましても中核団地への企業誘致につきましては大きな関心を持っておりまして、これに協力したいと考えております。  誘致企業につきましては、基本計画の段階では非用水型などの地域の特性、あるいは付加価値の問題雇用効果が高いかどうかというふうな地域のニーズを考慮しまして、この場合は一般機械、輸送用機械、金属製品等を想定しておりますが、これを念頭に置きながらも、最も大切な企業の早期誘致を第一義として今後特段の努力を重ねていきたい、このように考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 これは非常に重要な問題ですから少しお聞きしたいわけでありますけれども、言うまでもなく、この中核工業団地をつくるということは、そこに地域とマッチした有力な企業が張りついて、そして生産活動を開始する、あるいは産業活動を開始するということでなければせっかく整備された団地がつくられても意味がないわけであります。今日の経済事情の中では、こういう大規模な中核工業団地でない、いわばこれまで各都道府県ごとにつくられてきた団地に張りついた企業の経済活動も必ずしも思わしくないものがたくさんありますし、これはこの委員会でもいままでいろいろ議論がされました。それから、新しくいま張りつこうとしているところもなかなか来ないというふうな実情も御承知のようにあるわけです。まして、今回のものは非常に大規模な工業団地であり、しかもこれは米沢をトップとして次々に、先ほど来お話のありました八つの中核工業団地ができ上がっていくわけですから、ここに具体的に企業を持ち込むということは非常に大変である。  一般論としてはいま局長がおっしゃったような状況だろうと思いますけれども、具体的に団地ごとにどういう企業を張りつけようとするのか、その折衝はやはり通産省あたりが公団と協議をしながらも指導的な立場をとらないとむずかしいのではないかと私は思うのです。いま局長がおっしゃいました一般的な考え方は、公団の出されました基本計画作成の方針の中で、導入すべき業種の選定についても明らかにされております。それから、工場敷地の標準規模の検討、つまり宅地割りの中でもその考え方というものが出されております。ですから、私ども一般的にはわかるのですけれども、五十二年度、おそくとも五十三年度には団地内の造成が終わるというかっこうになれば、当初の計画から若干ずれるかどうかわかりませんが、早晩具体的に企業を張りつけなければならない。  こういうふうなところまできておるわけですから、もう少し具体的に、たとえば米沢の場合にはこういう企業、あるいはこういう種類の業種というように、もしこれらの諸団体とも話し合いを進めているものがあればそういう話し合いが進んでいるとか、何かそういう具体的な中身について少しお聞きしたいわけです。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 優秀な企業を工業団地に持ってくること、これが実は私どもの仕事の根幹でございますからぜひ地元の期待にこたえたいということで、先ほど局長からも御答弁がありましたように、県との連絡を緊密にするほか、公団内部におきましても、昨年来すでに組織の拡充等を行ってきておるところでございます。  そこで、導入を期待すべき業種といたしまして、金属製品あるいは電気機械、一般機械、輸送機械等、こういった業種が基本計画に掲げられておることもございますので、県と協力をいたしまして、これら業種の主要企業につきまして、すでに数十社と接触を保ちながら誘致活動を進めておるところでございます。  しかし、現在におきましては、このように景気のきわめて沈滞化というような状況もございまして、まだ確信を持った形でお答えできないわけでございますが、団地の完成を間近にいたしております状況にかんがみまして、私どもは五十年度を企業誘致の正念場と考えまして全力を挙げていい企業を引っ張ってまいりたい、このように考えているわけでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 これは通産省の方からお聞きをしたいわけですが、ここで議論するまでもなくいまの経済状況はきわめて深刻なわけでありまして、それだけに県も市もあるいは通産も公団も苦労をしなければならぬということは十分私も理解をするわけでありますけれども、これを促進するという意味での、裏保証という言葉は悪いのですが、法的な措置あるいは現行法の活用というものを特に何かお考えですか。ありましたらお聞かせいただきたい。

斎藤顕通商産業省立地公害局長

○斎藤(顕)政府委員 現在のところ特に法律というふうなことまでは考えておりませんけれども、これは実際的に解決していくということが特に必要なテーマであろうかと思いまして、こういう中核団地に新たに設置いたします工場に関しまして、その補助金を出すというふうな予算上の措置につきまして格段の配慮を今後とも払っていきたいと思っております。現在も実施しておりますけれども、その点で充実した考え方を進めてまいりたいと考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 具体的なやり方の中で、いまお答え願った措置については十分に考慮していただきたいと思います。  もう一つは、これは当然契約されておるかもしれませんけれども、私は東北の出身ですから申し上げるのですが、率直に言いまして非常に雪が深い、あるいは気象条件もいろいろ問題がある、あるいは遠隔の地にある、交通事情が不便ではないか、等、いろいろとこういったようなものが企業者側の中にはあるのだと思います。しかし、実際問題として、これだけの新しい構想、整備された団地というものができてくれば、これはいままでの工場のイメージから言うと非常に違ったものになってくるでありましょうし、また、それをねらいとしたものがこの中核工業団地の一つの取り組みでもあろうかと思うのです。そういう点から言えば、現実にその現場、現地を通産なり公団なりが考えておられるような業種、企業の方々に十分見させるということが非常に大きいと私は思うのですね。企業に、書類なり青写真なりあるいは略図といったようなものでこういう機能を備えていますよというようなPRをするといいますか、これも当然ではありますけれども、それ以上に、現地を具体的に見せながら、その地形なりあるいは整備された現実の環境といったものを積極的に参観させるということも比較的金がかからないで効果のあるやり方ではないかというふうに私は思うのです。  そのためには県や市の誘導計画というものも必要でありましょうけれども、ひとつ、中央におられる公団や通産というところが肝いりでそういう計画をなさってみたらどうでしょうか。そういう点についてどういうお考えですか。

田中芳秋地域振興整備公団理事

○田中参考人 大変貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございます。  私どもも来月、五月でございますか、首都圏にございます主要企業二千社に実は案内状を出しまして、公団の本部でございますけれども、そこで、米沢の団地を初めといたしまして、十分現地がわかるような説明会を実施いたしたいと思っておりますし、それから、団地の工事がある程度進みまして、これなら見学をしてもらえれば企業として魅力を感ずるという時点、これは夏から秋ということになろうかと思いますけれども、その辺の適当な時点を見つけまして、いまおっしゃいましたような団地視察会というようなものを私どもの方で考えてまいりたいと思っております。さらに、個別の引き合いに対しましても、私どもの方で、企業のトップクラスに現地を個別に視察してもらおうといったようないろいろな計画を織りまぜて企業誘致を図ってまいりたいというふうに考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 それでは、最後に要望めいたことになりますけれども申し上げて、質問を終わりたいと思います。  一つは、繰り返すことになりますが、この団地が成功するかどうかということは、何といっても企業を現実に張りつけることです。しかもその企業は、法律の趣旨に言うような、あるいは中核工業団地造成に当たっての基本的な考え方に述べられているような、そういう機能を持った企業というものを現実に張りつけることができるかどうかに成否がほとんどかかっていると思います。ですから、いまいろいろと局長あるいは公団の理事の方からもお話がございましたが、その点を十分確認していただいて、最大の努力を傾注していただきたいと思います。このことが一つです。  それから、もう一つは、先ほど議論はしませんでしたが、関連公共事業の区分といいますか、実施年度ともかかわりがあるわけですけれども、どこまでが本当に必要なのか。この問題は、私はここに米沢の分のパンフレットは持っておりますけれども、これを見ましても、これから受けるイメージとしては非常にすばらしい工業団地だというイメージです。それが財政の問題もさることながら一つ一つ外されていって、実際はここに述べられているような性格を備えた団地にならなかったというようなことになれば、これは大変な問題だと思うのです。工業再配置の基本的な考え方から言っても、あるいは中核工業団地の造成の基本的な考え方から言ってもそのことは大変なことになってくるわけでありまして、これはひとり米沢八幡原の問題だけではありません。いまある八つの工業団地、計画されておる中核工業団地全体にかかわる問題でありますから、そういう点では財政当局とも十分な話し合いを今後とも積極的に進めていただきたい。  これは再建団体に指定されている米沢だけではなくて、すべての自治体が逼迫した財政状況に置かれているわけでありますから、その点を十分配慮しながら、ここに述べられているような十分な機能を持った、理想にかなった工業団地にしていただくような、そういう努力を今後も続けてもらいたい。  そのことを最後に要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

中島源太郎自由民主党

○中島(源)委員長代理 午後二時委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時四十九分休憩      ————◇—————     午後二時開議

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。西中清君。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 最初に、中小企業の下請代金支払いの遅延について御質問いたしたいと思います。  現在、長期の不況のために企業の倒産は依然高い水準で推移をしておるわけでございます。一月の倒産は民間調査で千二百八十五件、負債額は二千二十億円、前年同月比件数で一九・二%、負債金額で五二・八%の増加と、このような厳しい状況でございます。その原因としては、販売不振、累積赤字、売掛金回収難など、いわゆる不況型倒産が五二・八%で、半分以上を占めているというような状況でございます。現在息切れの企業というものは増加を示しており、今後の見通しとしては、特に三、四月といった段階で倒産の非常なピークを迎えるのではないかという状況でございます。したがいまして、政府としては、倒産につながるあらゆる要因というものについて敏速な処置をとっていくということが重要な課題であろうかと私は思います。  ここで、私は、不況の長期化に伴って下請代金支払遅延等防止法の違反事例もまた増加をしているのではないかと推測をいたしておるわけでございますが、この点についてはどのようになっているのか。昭和五十年度の実績におきましては、違反の疑いのある親企業が四千件以上に達しておった。そして、立ち入り検査や取引の改善を求める件数は千三百件以上に上っておりました。昭和五十一年においてはこの実態はどのようになっておるのか、まず、お伺いをいたしたいと思います。同時に、また、この違反の事例の中で特に悪質ないしは特異なケースのものがございましたならば、御説明をいただきたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 下請代金の支払いの適正化の問題につきましては、下請代金支払遅延等防止法に基づきまして、親企業者及び下請事業者に対する書面調査を定期的に実施しまして、その適正化に努めておるところでございます。  この調査によりまして、違反容疑のある親事業者について検査等を実施した実績は、昭和四十九年度で一千九百九十五件、それから昭和五十年度で三千七百十二件であります。これに対しまして、御質問のございました昭和五十一年度でございますが、四月から九月までの実績で二千百五十四件ということになっております。  そのうちの大部分は行政指導により改善が行われておりますが、悪質なもの等につきましては公正取引委員会に対しまして措置請求を行っておりまして、その件数は昭和四十九年度で八件、五十年度で十六件、それから五十一年度の、先ほど申しました四月から九月までの期間における実績としましては七件となっております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 一応九月までのデータのようでございますけれども、このペースで行くと例年よりも非常に多いと判断してよろしいのでしょうか。どうでしょうか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 御承知のとおり、非常に景気が悪いということで、下請企業者も苦しいが親企業者も苦しい。こういったことから、支払い代金についてはやはり情勢は深刻になってきておるというふうに判断をいたしております。  ただ、それと同時に申し上げておきたいのは、私どももこういった問題に対する監視体制というものを毎年強化をいたしておりまして、調査対象の件数も毎年ふやしております。そういったことから違反件数もふえてきておるというような要因もあわせてあるのではないかと思っておるところでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 そういった違反例について、その後どのような改善または保護措置を講じておられるのか、御説明をいただきたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 まず、書面調査によって違反の疑いがあるということがわかりますと、問題の内容によりまして立ち入り検査を直接いたしましたり、あるいは通産局に呼びまして事情を聴取いたしましたり、あるいは簡単なケースでございますと文書によって改善方の指示をする、こういったやり方をやっておるところでございます。  立ち入り検査を行ったりあるいは呼び出したりというような措置をとりましたものにつきまして、その後の状況をフォローしてみますと、大部分は即時に改善をされておりますものの、やはり、ある程度の期間をかけて改善しなければならないという実態にあるものもございますが、こういったケースについては、最大限六カ月以内の期間を定めまして、具体的に改善を図るように行政指導をし、それは大体守られているのではないかと思っておるところでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 中小企業庁にお伺いをいたしたいのですけれども、支払遅延等防止法の第六条では、中小企業庁長官は、この問題について親事業者が遵守しないという、いわゆる違反の疑いを持った場合には公正取引委員会に措置をとるように求めることができるようになっておりますが、中小企業庁として公正取引委員会に措置をとるよう求めた実績はどういう形になっておるのか、お伺いをいたしたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 御指摘のございました第六条に基づく公取委員会に対する請求措置でございますが、実績といたしましては、四十九年度で八件、五十年度で十六件、それから五十一年度、四月から九月で七件ということになりまして、これらの請求につきまして公正取引委員会の方でしかるべき措置をお願いするという形になっておるわけでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 こういう法律があるわけですから、中小企業者、下請業者が非常に厳しい経済事情の中で苦闘しておるのですから、したがいまして、中小企業庁としてももう少し本腰を入れるということがやはり望ましいのではないかと私は思います。  先ほどのお話によると、昭和五十年で三千七百十二件という違反事例が出ておって、悪質で措置請求をしたものが五十年は十六件だけである。また、五十一年も、わずか半年で二千百五十四件のうち、今日まで中小企業庁として措置請求をしたものは七件である。こういう実態でございますけれども、この点について、中小企業庁としてもう少し中小企業者を保護するとか、また、不当な取引をしておるということについて監視をするとか、改善をしていくための努力をするということが必要ではないかと私は思いますけれども、その点はいかがでしょう。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 いまさら申し上げるまでもなく、下請企業は中小企業の中でも特に零細な層が多いわけでございます。いわば、親企業の発注に依存をしながら何とかその経営を維持していこうということで日夜苦労を重ねておる方々でございまして、それらの中小企業の方々が本当に健全に経営を維持し、日本経済の底辺の力として活躍をしていただけるようにするということは中小企業政策としても特に大切なことであろうと思っておるところでございます。特に、不況の時期になりますととかくしわがそういった層に寄りやすいという点は、中小企業庁としても特に配慮しておかなければならない問題だろうと思っておるところでございます。  この下請企業に対しましては、一方では何とか仕事をふやしていこうということで、下請振興協会等を通じて仕事の確保の面での努力をいたしておりますが、他方で、いま御指摘がございましたように、何とかその支払い条件が適正なものになっていくようにこの面での努力も十分に注意をしておきませんと、とかくこれが悪化の傾向につながっていくという問題があろうかと思っております。  この意味におきまして、この下請代金の支払い適正化、下請条件の適正化という問題につきましては、公正取引委員会と協力をいたしまして、通産省といたしましては通産局の組織の相当の部分をつぎ込みまして実態を把握し、そして問題が起こればその是正を図っていくということで努力を重ねておるところでございます。  先ほど、違反件数が五十一年度へ入りまして従来よりも多少ふえておるということを申し上げましたが、これは、私どもの、なるべく問題を的確にとらえまして少しでも是正を払っていこうという努力のあらわれであるというふうに御理解を賜ればと思っております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 五十一年に入って七件ですから、どれだけの努力が実っておるのか、これはいまの御答弁はちょっと承服しがたいものがございます。  それでは、第九条では、親事業者に対してその報告をさせたり、事業所への立入検査ができるとありますが、この点について中小企業庁としてはどういう実績があるのか、お伺いいたしたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 まず、立入検査数でございますが、四十九年の通産省関係の立入検査数が四百七十一件、それから五十年度が五百八十五件、それから五十一年度が、四月から九月まででございますが三百二十七件ということになっております。  このほかに、公正取引委員会が別途に独自に立入検査をされた件数がございますし、また、立入検査に至らないまでも、通産局に呼び出しまして実情を明らかにするという意味での、招致検査と私どもは言っておりますが、これの件数もかなりの件数に上っております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 いずれにしても、先ほどの公取に対する処置を求めた件数というのを見ましても、中小企業庁としてはこの点についてもう少し中小企業者の立場に立って厳重な監視体制を強化されたいと私は思うのです。それでなければこの法律の条文というものは空文化しているのではないかというような思いを私はいたしております。  本来、かねてから、この法律そのものがざる法ではないかというような悪評もあるわけでございますから、この点について厳重な運営をしていくということが強く求められるのじゃないかと私は思いますが、この点について大臣はどのようにお考えになるか、お伺いしたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 いろいろと御指摘のとおり、今日の大変冷え切った中小企業の現状を何とか救っていかなければなりませんが、そのためには、下請代金支払遅延等防止法という法律はありますけれども、違反の数がいま御報告を申し上げたように相当救出ており、これはまたこのまま放置いたしておいたのではいけぬのでありまして、これにつきましてはなお一層厳重にこれを追及していかなければならぬと存じております。  なお、また、官公需に対します発注の指導でありますとか、あるいはその他きめの細かい対策を愛情を持って指導していかなければならないし、同時に、また、それに対しましては厳重なある程度の指導もしていかなければならぬ、こういうふうに両々相まってまいらなくてはならぬ、かように考えております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 そこで、下請代金について具体的な面でもう一つお伺いしたいわけですが、第二条の二で、納品後六十日以内にお金の支払いをするということになっておるわけでございますが、これは現在の非常な不況の中で、下請業者がこういう支払いの長期の期間というものが非常な負担になっておるということが実情でございます。したがって、この点については、期間を六十日ということではなくて短縮するということも中小企業の一つの対策として必要な段階ではないかと思います。  それから、この第二条の二ないしはそのほかの条文の中で支払い形態というものが規定されておらないが、こういうことが大きな問題ではないかと私は思います。このために現金支払いが非常に少ない。中には全額手形というような支払いも多々あるわけでございます。下請企業は中小零細企業が多いために手形の割引も十分にできない。こういうような事情も多いわけでございますから、勢い、資金の逼迫といったことで倒産に追い込まれるということも少なくないわけでございます。  そういったことを考えていきますと、この期間の短縮と同時に、支払いの現金比率というものについて一定の法制化を考えてもいいのじゃないかと私たちは思っておるわけでございますが、この点についての御見解をお願いしたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 まず、第一点にお尋ねのございました支払い日の短縮の問題でございますが、これは、私どもも下請に対する支払いの実情をいろいろ調査をいたしておりますが、それを見ておりますと、いま、大体の下請関係におきまして、月の一定日を締め切り日とし、翌月に支払いをするというようなやり方をいたしております。このやり方でございますと、一番短い場合であれば三十日に支払いをし、一番長い場合で六十日ということになるわけでございまして、いわば、いま申し上げましたような実態を背景にしながら、下請代金支払遅延等防止法では納品後六十日以内という規定を設けたのであるというふうに理解をいたしております。したがいまして、限度としては一応六十日以内ということになっておりますが、平均いたしますと大体四十五日前後ということになっておるわけでございます。これをさらに圧縮するということになりますと、現在の支払いの商慣習をかなり根本的に変えてかかるということになってまいるわけでございまして、簡単に手がつけられることではないような感じがいたします。むしろ、現実には親企業も非常に苦しいし、また、下請企業も苦しいといった中で、この法律の定めております少なくとも六十日以内というのを徹底的に厳守するようにするということをまずもって最大の課題として取り組んでいきたいと思っておるところでございます。  それから、第二に御指摘のございました現金比率の問題でございますが、これは私どもも毎月の下請企業からの受取現金比率がどのくらいになっているのかという報告書を求めております。ごく最近の実績では受取現金比率が大体四五%程度になっております。私どもも、支払いの中で少しでも現金の比率を多くしていきたいということで、下請に対する振興基準でもその旨を定めまして、親企業に対してもこれを極力守ってほしいという指導をいたしておるところでございます。  ただ、これを法定化するということになりますと、実際は下請形態もずいぶんさまざまでございますし、また、法定化すればそこまではいいんだというような誤解をする向きも発生することが懸念をされるわけでございます。  当面の課題といたしましては、現金支払い比率の動きをよく見ながら、少しでも現金の比率を高めていくという面での指導を強化していくことによって対応していきたいと思っておるところでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 この種の質疑におきましては、いまのようなお話、つまり、行政指導、運用上の問題を大体口にされるわけでございますけれども、毎年毎年三千件も四千件も違反事例が出るということは法律上もやはり問題があると私たちは考えるわけでございます。したがいまして、いまの現金比率の法制化と、それから期日の短縮も含めまして、この法律の強化を考える必要があるのではないかと思いますけれども、大臣はどのようにお考えになるでしょうか。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 いまのお示しのように件数が非常に多いこととか、それから現金比率とか手形のサイトの問題とか、特に私はこれは手帳に数字まで書いていろいろ持っておるわけでございますが、しかし、私どもが一番考えてまいりますことは、法律でもって罰則を規定したり何かすることは、どう申しますか、その法が守られなければならないということで、そこに法というものの一つの限界があるように思うのであります。特に、中小企業のような取引で、しかもまたいろいろ親会社から守っていかなければならないということは、私どもの立場からすればぜひそうしたいところでございますが、反面、また、取引というものの企業対企業のデリケートな関係等も考えますと、そのことがいいか悪いかもうしばらく研究してみたいと考えます。  なお、いろいろなことについて具体的な事例にぶつかっております政府委員からさらに意見をお聞きいただきたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 支払い条件の法定化をしてはどうかという声は私どもも聞いておりまして、この問題についてどうこたえるべきかということは部内でも非常に真剣に議論をいたしたところでございます。ただ、私ども、この不況の間にありまして、下請取引の実態をいやでもおうでも勉強もし、また、それに対する対応策について悩んできた身からいたしますと、現実の問題としてなかなかむずかしい問題があるということを痛感をいたしておるところでございます。と申しますのは、一方で現金比率を法定化いたしますと、とかく今度は支払いの手形のサイトの問題に逃げてしまう。支払い手形の方がどんどん長くなってしまう。逆に、支払い手形のサイトを抑えていきますと現金比率の方へ響いてくる。それでは両方とも抑えたらいいではないかということになるわけですが、実際は親企業の払える資金の限度というものが決まっておりまして、そこで困難に逢着してしまうというのが現実でございます。  私どもも企業への立入検査をいたしまして、たとえば支払い期日を何とか百二十日以内にしたい、しかるにそれより多い支払い手形が発行されておるといったケースを見つけましたときに、親企業の資金繰り状況などもいろいろ聞いてみるわけですが、従来は何とか百二十日でやってきたけれども本当に金が回らなくなってしまった、これで強制をすれば倒産というような問題にもなりかねないというような現実にときどきぶつかるわけでございます。したがって、機械的にそれを進めるということが本当に全体のためにいいのだろうかどうだろうかということを逆にいま悩んでおるという状況でございます。  ただ、そうは申しましても、下請の企業の側からすれば少しでもいい条件と願うのは当然でございますが、また、それだけの余裕もない状況にいまなっておることも事実でございます。私どもとしては、先ほど例に申し上げましたような事態の場合には何とか親企業の方に資金繰りをつけまして、いままでであれば百五十日の手形しか払えなかった人に百二十日の手形でも支払いができるというような資金繰りをつけていくということが当面の課題なのではないかというようなことを現実的な対応策として考えておるところでございます。  実は、来年度予算におきましても、こういった意味での下請条件の改善のための制度の整備ということを課題にいたしまして、いま具体策を検討いたしております最中でございまして、それが実現をすればいまの御要望に対して前進が図れるのではないかと期待をいたしておるところでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 いまのお話は、違反事例に対応してこういう考え方がやはり基本になっていると思うのですね。実際問題としては、親事業者に対して下請事業者が、この支払い条件はおかしいとか悪いとか、また苦しいものを押しつけられたとかいうようなことで、公的な立場で発言をし報告をするというケースは、言うならばこれは氷山の一角ということですね。ほとんどが泣き泣きがまんをし、やりくりをし、死にもの狂いでやっておるというのが実情です。私が言っておるのは、そういった面で一定の法制化がなければ、現実は、表に出た部分だけではなくて、隠れた部分での苦しみというものの解決がされないということを言っておるわけでございまして、そういった面で通産省としてはなお一歩十分なる御検討をいただきたいということを強く要望しておきます。  それでは、次に、官公需の問題についてお伺いをしておきたいと思いますが、この問題は、中小企業者の受注の確保に関する法律に従ってすべて処理がされておると思いますけれども、まず、最初に、「毎年度、国等の契約に関し、」「中小企業者の受注の機会の増大を図るための方針を作成する」ということが四条に述べられ、同時に、通産大臣はこの方針を作成して閣議決定を求めなければならないということになっており、毎年こういうことで閣議決定をされているようでございます。  そこで、今年は一体どのような方針で、いつごろをめどにこの計画の方針の作成をなさるのか、まず、お伺いをしたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 官公需の問題は、特にフィスカルポリシーと申しますか、財政主導型の経済浮揚政策をとっておりまする関係から申しましても、予算の上半期に集中した散布ということから申しまして最も効果的な方法ではないかということで、これは毎年閣議決定いたすのでありますが、本年は三四%を充てるということにいたしております。  同時に、また、これは官公需でありまするが、地方庁あるいは地方の自治体等の関係を加えますと、約五〇%近くになります。大体それだけの官公需があれば十分ではないか、むしろかえって取り残しができやしないかというくらいの程度まで枠は広がっておると存じます。しかし、このことは持に通産局方面にも指導いたしまして、できるだけ中小企業の方々に、ことに地元の中小企業の方々に振り当てるように強い指導もいたしております。  この点、さらに詳細は政府委員からお答えいたします。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 計画の作成は毎年行われておるけれども、去年の例でいきますと閣議決定が七月二十日ということになっておりますが、本年は大体いつごろを考えておられるか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 閣議決定を行いますためには、前年の実績がどの程度になっているかということを踏まえました後に関係各省と調整しながら決定に至るわけでございまして、今年の場合にもやはり七、八月ごろになるのではないかと思っておるところでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 予算が執行されて何カ月かたってからこういう方針をお出しになる。その辺でも実効の上で非常に問題があるのではないかと私はかねがね思っておるわけですが、これはやはり予算の通過した直後くらいに——これは技術的に非常に困難な問題もあるかと思いますけれども、その時期にやることがその一年間の一つの方針を打ち出す時期としては適切ではないかと私は思っております。  いままでの慣例的な七月というのは、これはいろいろな作業があるから当然その辺になるのだということでございますけれども、今年度は公共事業をできる限り上半期に集中してというような基本的な方針もあるわけですね。ですから、七月や八月などというおくれた時期にそろそろとこの閣議決定が行われるということでは実効の上でも疑わしいし、また、計画の上でも、十分な時間的な余裕という点からいきますと、これはやはり若干手おくれではないかというような気持ちもするわけでございます。できるならば四月、遅くとも五月くらいには閣議決定をするのが筋としては当然じゃないかと私は思いますけれども、どうでしょうか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 官公需の中で、中小企業向けの比率につきましては、目標として四十九年度で二八・七%、これが五十年度で三二・九%に引き上げられ、さらに五十一年度に、先ほど大臣から申し上げましたように三四%に引き上げられるという経緯をたどっておるところでございます。私どもは、この比率を毎年少しずつでも上げていきたい、そのために関係各省協力をしてやっていこう、という気構えでおるところでございます。  お話のように、閣議決定自体は七月、八月になりますが、関係各省とも、この目標をそれぞれの範囲内で従来の実績を参考にしながら引き上げていく努力をしようという意気込みではもう一致をしておるのではないかと思っております。閣議決定は七、八月でございましても、その間に実は関係各省の担当官の連絡会議を随時催しましてその辺の詰めをいたしておるところでございまして、来年さらにこれを引き上げるということについて、関係各省で今後とも努力をしてまいりたいと思っております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 受注の確保に関する法律の第三条には、「組合を国等の契約の相手方として活用するように配慮しなければならない」として、配慮せよというように規定されておりますが、この点についての実績はどうなっておるのか、御説明いただきたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 官公需を中小企業が取ります場合に、個々の中小企業では力が足りないという場合に、組合としてまとまって注文が取れれば、これは中小企業の発注機会確保のために非常に有効なことであると存じます。ただ、従来の実績を見ておりますと、組合で注文を受けるということについては発注側はいろいろ心配をしなければならない要因があったかと存じます。と申しますのは、本当に均一な品ぞろえができるだろうか、あるいは最後まで組合として責任を持ってもらえるだろうかどうだろうかといったような点が特に心配の原因であったように思うわけでございます。  こういった点を配慮いたしまして、私どもは、官公需適格組合の推薦ということを制度として持っておるわけでございます。自信を持って官公需を受けられるような組合づくりということを推進してまいりました。現在で組合の数がもう百三十五、六になっておるかと思っておりますし、さらに今後もこの組合づくりについては力を入れていきたいと思っておるところでございます。来年度予算の中に中央会で新しい助成制度が設けられておりまして、それによりまして官公需を受けられるような組合づくりの推進ということを中央会が推進力になって進めてまいりたいし、私どももそれを適格に指導をしていくようにいたしたいと思っておるところでございます。  組合の発注実績については、ちょっといま手元に資料がございませんが、毎年着実にふえておることは確かでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 去年の実績はわかりませんか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 官公需適格組合による受注実績を見てみますと、四十八年度で二百十九億円、四十九年度で三百三十億円、五十年度で三百八十五億円と報告をされております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 官公需の中小企業向けの実績を見ますと、過去十年間、これは昭和五十年から四十一年の間の問題でございますか、大体六・七%——数字に若干の誤差はあるかもわかりませんけれども、昭和五十年で三二・六%というような形になってきたわけでございますね。一方、地方自治体では六〇%から七〇%近い。こういう実績でございます。  ですから、国等については地方自治体の半分くらいということでございますけれども、政府は目標はどれくらいに置いてやっておるのかという点が一点と、それから、その目標をいつごろ達成するつもりでやっておるのかという点、その辺のところをお伺いしたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 今年度の目標は、先ほど申し上げましたように三四%になっております。私どもはこれを逐時できるだけ上げていくということで努力をいたしておるところでございます。  かつて五〇%を一つの目標にしていきたいというような答弁がなされたことがございましたが、私どももその答弁のありましたことは十分記憶をいたしております。逐時努力を重ねまして、少しでもこれを引き上げていくということで最大限の努力をしていきたいと思っております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 ただいまもお話がございましたように、たしか総理だったと思いますけれども、一応五〇%という目標を示しておられるわけですが、この目標を達成するにはどれくらいの年数でやろうとしておられるのか。大臣、その辺の決意はどの辺にございますでしょうか、お伺いしたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 お話のとおりの状態でございますので、われわれといたしましてはできる限り早い方がいいのでありますけれども、その間に、全体のいろいろな施策なり、あるいはまた実情に沿った処理を中小企業対策は特にしなければならぬということから、中小企業庁におきましても、速やかなることを希望しながらも全力を挙げて努力をいたしつつあるというのが現状であろうと存じます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 毎年一%に達しない伸びというのが今日までの実情ですね。先ほども申し上げましたように、十年間で六・七%程度、毎年〇・七ぐらいのところをうろうろしているわけですから、この五〇%の目標を達成するためには現状からいけば十年でも無理であるという形になっております。  ですから、この五〇%というのは非常に当てずっぽうないいかげんな答弁であったのか、それとも本気でこれをやるつもりなのか、その辺のところをもう一度御説明いただきます。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 私どもが三四%という目標をつくりました際に、各省庁の現実は一体どうなっているのかということについていろいろと話を聞いておるわけでございますが、正直に申しまして中央官庁の場合には、たとえば電信電話施設であるとか、あるいはコンピューターであるとか、あるいは航空機であるとか、いわばどうしても大企業でなければならない仕事の量が非常に大きいということでございまして、これらの制約の中で何とか中小企業の機会をふやそうということで努力をしておるという実情でございます。  問題を解決いたしますためには、一方ではいろいろ制度的な改善を図りながら、他方で中小企業の力をつけていくということが相伴いませんと、数字だけ目標を高くつくりましても絵にかいたモチになってしまうということが心配をされるわけでございます。私どもは、何%をいつまでにというようなことを決めるよりは、むしろ着実に力をつけていき、それからまた態勢をつくっていくということのために全力をふるっていきたいというのが正直な気持ちでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 そうすると、いままでの五〇%の目標というのは、通産省としては、総理が何と言おうとそれは無理な話なんだという御見解ですか。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 私どもも、五〇%中小企業が取れるようになってほしいし、また、なるように努力をしなければならないと思っておるところでございます。しかし、そのためにはやはり着実な努力の積み上げということが先決問題ではないかということを申し上げた次第でございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 総理の御答弁が五〇%というようなことが出ておりましたから、そういう点では若干の違いがあるということだけはっきりさせておきたいし、また、これからも質疑をしたいと思います。  そこで、公共事業の件数を調べてみましたが、件数からまいりますと、個人、中小企業は数の上では非常に件数が多いということが確かに言えると思います。しかしながら、請負の契約額という点からまいりますと、国、公団、事業団、政府企業というものについてはやはり圧倒的に大企業が多いということになっております。先ほどの説明のように、中小企業でできない仕事はかなりあることも十分理解はしております。しかしながら、個人や中小企業向けの官公需はもう小規模のものだけでいいんだというような前提で言っておられるのじゃないかというような気持ちもしないわけではありません。  したがいまして、これはお願いも含めてですが、やはり請負の契約高の高いもの、大きいものも中小企業の方にでき得る限り回すという基本姿勢が望ましいのではないかと私は思います。特に、中小企業は大きな事業を受注できないという中では、分割直接発注というような形ができるならばかなり大きな仕事もできるのではないかと思いますが、こういう点についてどうお考えなのか、まず、お伺いしたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 ただいま御指摘のように、われわれの方の努力目標はそのように置いておりますけれども、私も自分の選挙区などでいろいろな大きな工事があります場合に、できるだけ地元の中小企業に受げさせたいというようなことを思いながらいろいろとお世話をいたしておりますが、私どもが現実に一番因りますことは、たとえば土木建築等のある場合に地元の小さな業者の方が資格を持っておらない方が非常に多いということで、また、公団によりましては、その官公需を中小企業にやろうとして非常に協力してくださっている公団もございます。そこで、いまの先生のお話のように分割工事をいたしまして、それからまたさらに二段ぐらいの下請ででもやらせようといたして努力いたしております。  いま長官からもお話しいたしましたように、私どもはできるだけ官公需を目標の線に沿いたいと思いながらも、そういうふうに現実の問題にぶつかりましてなかなか容易ではないということを感じますが、何はともあれ、いまの三四%という官公需、さらに現実の地方団体等の分も加えまして、一応五〇%近いものにまではいっておりますが、それをもっと具体的に、枠だけではなく、現実の問題として中小企業が官公需を受けられるように全力を挙げておるというのが私どもの姿である、かように御了承願います。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 ただいま申し上げたような形で、各省とも極力分割直接発注といった形で中小企業に発注をふやしていただきたいと思います。  そこで、現在、地方自治体では、先ほど申し上げましたように七割近い中小企業への発注比率になっておりますが、自治省の方にお伺いをしたいのですが、現在そういう地方自治体の実態ではありますけれども、地方公営企業についてはこの形にはなっておらない。要するに、国等について三十数%というのと同じように、地方の公営企業はやはり大企業の比率が非常に大きい、こういう形になっているわけですね。せっかく地方自治体が努力をしながら中小企業に発注をしておるにもかかわらず、公営企業についてなぜこういう形になっておるのか、その辺のところを御説明いただきたいと思うのです。

金子憲五自治省財政局公営企業第一課長

○金子説明員 ただいま御質問の中にもございましたように、地方公共団体は地元の中小企業に対しては発注比率を高めるようにいろいろ努力をいたしておるところでございます。  地方公営企業につきましては、御承知のように、鉄道、工業用水道、上水道あるいは自動車、電気、ガスといったように非常に多くの事業の種類がございますが、特にその中におきまして鉄道、これは主として地下鉄でございますが、それから工業用水道、上水道につきましては、水源工事あるいは隧道工事といったような非常に大規模な工事が建設事業の中では現在非常に大きなウエートを占めております。  そういうような関係から、御指摘のように、一般の地方団体の中小企業に対しての発注比率のような高さまではいっていないというようなことがあるかとは思いますけれども、地方公営企業につきましても、地方公共団体の一部といたしまして、その他の可能なところにつきましては中小企業に対してできるだけ発注の努力をしておるというふうに私ども承知をいたしております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 私は、ここで、各月別の工事件数なり発注の契約なり、いろいろながめておりましてちょっと気になったのですが、毎年二月から三月——これは会計年度の終わりでございますからいろいろな影響があるのだろうと思いますが、二月から三月、これを比較しますと、三月がかなりの率ではね上がる。要するに、今年度の予算執行がもう終わりだということで駆け込んでくるのではないかという印象を受けるわけですね。一例を挙げますと、国の事業でいくと、五十一年度の場合、二月の実績から三月を大企業の例で見てみますと二・五倍にはね上がる。それから公団、事業団の場合、二月と三月と比較してみますと、二月の発注に対して三月は四倍、こういう傾向が全般的に出ておりますね。いよいよ年度が切れるからということなのか、どうなのか。ぎりぎりの期限が来て発注をする。こういう形はどういう事情によるのか、その辺のところはもう一つわからないわけですね。  これは五十一年度も五十年度も同じ傾向で出ておるわけですね。もちろん、十分なる準備をしながらこうした発注をしておられるとは思いますけれども、何か、最後の機会だからという背景も感ぜられるわけですが、その辺のところはどういうようにお考えになっておるのか、御説明いただきたいと思います。

岸田文武中小企業庁長官

○岸田政府委員 私もその間の背景というものはどうもよくわかりませんが、ただ、いま御指摘のような形で本当に年度末に集中いたしますと、とかく大企業に一括発注をしようというような傾向にもつながりかねない問題かとも思います。私どもとしてはなるべく中小企業の機会を確保したいという意味合いからすれば、やはり計画的にやっていただくということと、あるいは仮に三月に集中することにやむを得ない事情があるならば、その中でも中小企業への機会の確保という趣旨は十分生かしていただけるようにお願いしたいものだと思っておるところでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 いま御説明のように、中小企業に対しては、この時点では、二月から三月にかけてはほぼ同じようなベースで、若干上がるという形になっているわけです。ところが、大企業の方だけはほんと三倍も四倍も発注がふえておる。  質問のもとへ戻りますけれども、こういう点からいきましても、官公需に対する閣議決定の計画はやはり急がなければこういうような弊害も出てくるのではないかと思うわけでございますが、大臣の所感を伺いたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 ただいまのようなこともございまして、先生が申されたように、七月とかなんとかいうことではなく、何はともあれ、景気浮揚のためにも、早期発注、予算の執行を前半にでもできるだけ集中して景気の浮揚に努めたいという政府の方針に沿いましてできるだけ早く実現をいたしたい、かように考えております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 ここで話が変わりますが、日米の首脳会談が行われたわけでございますが、今日までテレビの問題や貿易収支の不均衡の問題という点についていろいろと同僚議員から質問があって、私はその答弁から考えてみますと、かなり厳しいアメリカ政府の姿勢ではないかと受けとめておりますが、通産省としてはこの点についてはどういう受けとめ方をしておられるか。  それから、使用済み核燃料の再処理の扱いについてはこれからの継続協議というようなことが報ぜられておりますが、そうしますと、核の再処理工場の試運転並びに本格稼働という時期が従来の予定どおりに進むのかどうなのか、実際上交渉はどの程度に長引いていくのか、その辺の観測をお伺いしたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 カーター大統領との会談も非常に気になりますが、けさの宇宙中継のテレビを見て知っている範囲でございまして、その後の情報はまだ得ておりません。多分先生もごらんになったと思いますが、その間におきまして、私どもが今回の首脳会談で一番実現しなければならぬと存じておりますのはエネルギー問題、なかんずく再処理の問題、これは四月に火入れを控えて待機いたしておるような状態で、臨界に達するわけでございます。  そういうことで、総理も本件につきましては最大の交渉案件として取り組んだと存じます。その結果速やかに責任者を指名して、そして直ちに折衝を開始するということで帰っておいでになると存じますが、この交渉につきましては日本の立場をカーターさんの方も十分に知りはしたと存じますが、あるいはドイツあるいはフランス等の再処理の関係もありますので、日本に対しては非常な好意を持ちながらも、どこまでわが方の主張が十二分に達し得られるかという点を懸念いたしております。なお、今後の交渉に期待をいたします。  それから、テレビ等の問題につきましては、御案内のとおり大統領に対します勧告が出るという段階でございます。しかしながら、この問題は事務的に政府間交渉にゆだねられるような模様でございますので、この点はECなんかと違いまして、業界同士の話し合いが米国の独禁法の関係でできません。政府間交渉にゆだねられますれば、両者の間にもっと話を詰めて、できる限りのわが方の有利な条件で最後のけりを結びたい、かように考えております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 再処理の方はどうなんですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 いわゆる使用済み核燃料の再処理問題につきましても、今回の日米首脳会談で重要な議題の一つとして検討されたわけでございます。その結果、日本の関心にかない、かつ一層有効な核拡散防止体制に寄与するような実効的な政策を策定するためには日米両国で密接な協力をする必要があると、こういう形で意見の一致を見ておるわけでございますので、今後直ちにこの方向に即して両国間で具体的な協議に入ることになろうかと思います。  カーター新政権の新しいエネルギー政策につきましては、御承知のように、あと一月くらいと申しますか、四月の下旬ぐらいに発表になるだろうと言われておりまして、その詳細はまだつまびらかにし得ない段階でございますが、昨年秋の大統領選挙中から、当時のカーター候補は、アメリカのエネルギー政策の中心は節約と石炭消費の増加による、原子力開発はスローダウンしていくんだといったようなことをすでに述べておりますの、で、この交渉はなかなか大変なことになるのじゃなかろうか、アメリカとしてもシビアな態度で出てくるのではなかろうか、と、かように思うわけでございます。  御指摘のように、近く動燃事業団の再処理工場のホットラン、引き続いて本格的操業といったようなこともございますので、わが方といたしましては、日本のエネルギー事情の特殊性あるいは自主的な核燃料サイクルの確立といったようなことを極力強調いたしまして、今後とも原子力開発に支障を来さないように最善の努力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 時間も参りましたので、せっかくおいでいただいておりますから独禁法について……。  この問題は、すでに五党の修正案が過去衆議院を通過して、そして参議院で廃案という経緯がありまして、その上で福田総理も今国会で決着をつけたいという御意向を表明されておりますね。ところが、まだ国会には提出をされておらないということでございます。あとの審議日程を考えましても、いよいよこれはタイムリミットが来ておるのではないかというように私ども考えるわけですね。  したがって、この提出は一体いつになるのか、この辺のところが一つの関心でございますが、その辺はどういうようにお考えなのか、お答えをお願いします。

村田敬次郎自由民主党総理府総務副長官

○村田(敬)政府委員 西中議員にお答え申し上げます。  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独禁法の改正問題につきましては、実は、この国会でぜひ成立をさせたいという強い意欲を福田総理自身も持っておられまして、現在、自民党の中に山中貞則議員を中心にいたしますこの法律改正のための調査特別委員会が設置をせられておりまして、すでに二十回以上非常に長時間の勉強を続けております。したがいまして、この調査会の結論がいま着々と出つつある段階でございますけれども、西中議員の御質問にございましたように、国会で審議をしていただく審議日程をできるだけ十分にとりまして、そしてこの国会でぜひ成立をさせていただくようにいま調整を急いでおります。  したがいまして、先般、三月十七日の衆議院予算委員会におきまして福田総理からお答えを申し上げましたように、三月中に提出をするということは無理としても、四月に入ってからなるべく早い時期にぜひ提出をさせていただきたい、そういった意欲を持って取り組んでおるところでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 連休もあることですから、非常に厳しい状況であろうと私は思います。ですから、少なくとも三月中というのが望ましい形ではないかと私は思いますが、そういう可能性はどうなんでしょうか、もう一度お願いします。

村田敬次郎自由民主党総理府総務副長官

○村田(敬)政府委員 実は、非常に各般の項目にわたって調整をしなければならない事項がいろいろあるかと存じます。したがいまして、これは総理のお答えにございましたように、やはり四月のできるだけ早い時期に国会に提出をさせていただ.く、こういうことになろうかと思っております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 終わります。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 安田純治君。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 まず、最初に、石油の価格の問題について若干伺いたいと思うのですが、三月二十一日付の日経新聞を見ますと、「産業界値上げラッシュ」というふうに大きな見出しがありまして、すでに値上げをし、または値上げを計画中のものが、二月中でございますが四十数品目に上ると言い、そして、「四十八年秋の石油危機直後の狂乱物価時代にほぼ匹敵する値上げラッシュとなっている。」と報じておるわけであります。また、「石油製品の値上がりが一連の化学製品、アルミ地金、段ボール原紙などの値上げへ動いた要因に結びついている。」と、このように報道されておるわけであります。事実、元売り会社各社は第一次値上げを通告しておりまして、これは五十二年三月十四日の燃料油脂新聞などにも出ておりますけれども、そこで、この値上げのことに関しましてまず伺いたいと思うわけであります。  昭和五十年の十二月に通産省がいわゆる標準額を設定したはずでございますけれども、この標準額はそもそも石油会社の経営が成り立たないような額として設定したのか、成り立つ額と考えて設定したのか、まず、その辺をお伺いしたいと思います。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 御指摘のように、一昨年の十一月末に、石油製品につきまして販売価格の標準額を設定したわけでございます。その際、石油審議会の会長の答申の中に、「石油製品の価格水準はコスト割れの状態で推移してきたが、今年十月一日以降のOPECの原油価格引き上げも加わり、この現状が放置されるなら、石油産業の存立基盤は著しく損なわれ、石油の安定供給の確保が困難になりかねない」と、かような表現もございまして、当時、石油の安定供給を確保するための標準額の設定であったと理解いたしております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そうしますと、この標準額を設定した昭和五十年の十一月末の時点における為替レートは幾らになっておったでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 こういう場合、過去最寄りの三カ月の平均値をとることにいたしております。当時は平均値が三百二円であったわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そうしますと、一つは当然石油の安定供給を確保できるだけの標準額を決めた、しかもその当時の為替レートは三百二円であった、こういうことでありますので、調べてみますと、まさにそのとおり十分元売り会社としては利益が上がり、もうかる額であったことは明らかであると思います。  試みに、昭和五十一年九月期の決算を見ますと、これは各社とも相当の利益を上げておるわけであります。この中には経常利益、為替差益と二つある。経常利益の中に為替差益も入っているのでしょうが、少なくとも、為替差益を引いてもなおかつ利益が上がっているように各社の決算がなっているようでございますけれども、その点はいかがでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 その時点における石油各社の為替差益は約四百億円であったと記憶いたしております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 為替差益の利益だけではなくて、経常利益の中から為替差益を引いてもなおかつ利益があったように決算の結果はなっておるように思いますが、どうでしょうか。

古田徳昌資源エネルギー庁石油部長

○古田政府委員 五十一年上期の石油企業の経常損益は九百五億の黒字でございましたが、これに対しまして為替差益は、ただいま長官がお答えいたしましたように四百四億でございますので、為替差益を引きましても黒字でございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 まさにそのとおりに、石油連盟が新聞発表したときの説明によっても、為替差益を除いてもやはり十分利益があったというふうになっていると思います。  そこで、本来ならば少なくともこの為替差益分は消費者に還元してもしかるべきであろうというふうに思うわけでありますが、しかるに、いままた、先ほど申し上げましたように、元売り各社が値上げを通告しておるというような現状でございますけれども、通産省はこの値上げは妥当とお考えですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 御指摘のように、経常利益あるいは為替差益が出ておったことも事実でございます。あるいはこの五十一年度下期の経常利益あるいは為替差益につきましても、少なくとも上期程度のものはあろうかというふうに推測はいたしておるわけでございます。  ただ、御承知のように、昨年十二月のOPECの価格引き上げに当たりまして当方がいろいろと試算いたしますと、大体七%ないし八%原油コストが上昇するのではなかろうか、ことし一年間をとって考えますと十七、八億ドルということで、レートを幾らで換算するかによりますが、原油だけを取り上げましてもかれこれ五千億円程度のコスト上昇になるということでございますので、問題は、為替差益を還元云々ということの問題よりも、むしろその価格引き上げのタイミングなりあるいは引き上げの幅の問題という形で、結果として消費者に還元されるということになるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 ところが、橋本長官がおっしゃるように、為替レートを幾らにとるかということはまさにきわめて重要な問題だろうと思う。幾らにとるかによって違うということは軽く触れられましたけれども、これはまさに決定的に重要だと考えますけれども、いかがでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 御指摘のとおり、為替レートを幾らと推定するかということは非常に重要である反面、非常にまたむずかしい問題と申し上げてよろしかろうと思います。  と申しますのは、昨年も円高であってことしも円高基調を仮に維持するといたしましても、その幅というものはやはりそれだけ狭くなってくるという問題もございますし、しかも、為替自体が非常に不安定な要素を持っておる。現に、四十九年、五十年の両年度におきましては、石油業界だけで一千億円程度の為替差損を出しておるといったようなこともございますので、そういった事情からいたしまして、為替レートを幾らに見るかということは事実上なかなかむずかしい問題でございますので、従来からこういう場合には大体過去三カ月の平均値をとるということに現実的にはなっておる、こういうことでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 先ほど昭和四十九年、五十年の為替差の問題をおっしゃいましたけれども、為替差の問題を考える場合の基本は、やはり、五十年の標準価格を決めたとき以後の問題を考えるべきではなかろうかと思うのです。というのは、その前のことを考えますと、その前は為替差損もあったろうし、為替差益もあったろうが、便乗値上げで大分もうけたというようにいろいろな変動がございまして、どこまでもさかのほっていけば、極端な話が、石油会社がつくられたときから為替差損、為替差益というものが出てくると思うのです。  やはり、われわれが問題にしなくちゃならないのは、第一に、標準価格を決めた以後の為替相場の移り変わりといいますか、この辺を見ていかなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 為替差損あるいは差益が発生する原因としては、大きく分けて二つあるかと思うのであります。  一つは、いわゆる計算上の問題でございまして、ただいま御指摘になっておりますように、標準額を設定する時点で採用したレートが現実の売買の段階でどういうような実勢にあるか、それとの差額、これはプラス・マイナス両面あろうかと思いますが、そういった計算上の発生原因が一つあろうかと思います。これは言葉を変えて言えば、それだけ原油のコストが安くなるという現象になろうかと思います。  それから、いま一つは経理上の問題でございまして、これは買い付けをして産油国から船出して、一定の航海日数を経て日本に参って通関した後、ユーザンスの期間を終えて後現金支払いが立つ場合、いわゆる船積み時点におけるレートと通関後ユーザンス期間を経て後の支払い時期におけるレートの差、こちらの方は極端に申し上げますと一船ごとにプラス・マイナスが出てくる。円高基調の中でもやはりプラス・マイナスの問題はあろうというふうに理解するわけでございまして、そういった問題を踏まえてこの問題は考えていかなくちゃいけないのじゃなかろうかと思うわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 まず押さえておかなくちゃならないこととして、対ドル比の円が一円高くなったという場合には、一キロリットル当たりの差益は幾らになりますか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 昨年十月から十二月にかけての通関平均価格で申し上げますと、キロリットル当たり七十八ドル八十八セントというのが実績でございます。したがいまして、一円レート差が出てまいりますと、原油一キロリットル当たり八十円程度のプラス・マイナスが発生する可能性がある。この一月以降産油各国は値上げをし出してきておりますので、その値段がどういう時点でどういう形でおさまるかという問題がございますが、少なくとも昨年十二月の実績である七十八ドル八十八セントより高くなる可能性が大きいわけでありますから、状況によっては一円にっき八十五、六円のプラス・マイナスが発生するのではなかろうかという試算はいたしております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 各新聞などによりますと、従来は八十円前後でやっておったようですが、もう八十五円というふうに為替差一円で生ずる損益を見ているようでございまして、いまの長官の御答弁でも大体そんなものだろうと思うのですね。  ところで、現在値上げ通告をしておる各元売り会社の考え方では、為替相場はその時点で幾らと見ておるか、御存じですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 三月一日から値上げをしたいということで発表した会社につきましては、レートが二百九十五円と記憶しております。  それから、値上げを一月ずらして四月時点と考えている企業につきましては、二百九十一円から九十一円五十銭ぐらいというふうになっているかと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そうしますと、会社が十分やっていける標準額を決めた昭和五十年の十一月末あるいは十二月の初めには為替レートは三百二円であった、それが、現在値上げ通告をしておるこの時点において二百九十五円、もしくはそれ以下という為替相場を前提にしておるということになると、いま言ったように、一キロリットルにつき、もし一円がドルに対して高ければ八十五円くらいの差益が出るということになりますと大変な金額になるだろうというふうに思うわけであります。  試みに私どもの方でちょっと計算をしてみたわけでございますが、そうしますと、たとえば五十年十二月の数量、これは石油資料月報から取り上げまして計算しますと二千二百十一万四千キロリットルですか、これが基準が三百二円の為替レートであったとすると、実は、二・四四掛ける八十五ということになって、約四十五億八千六百四十四万円という為替差益が全体としてあったというふうに計算できるようでございます。細かい数字を挙げると時間がございませんけれども、これは全部石油資料月報からとった数量、キロリットルですが、これを基準三百二円の計算でずっとやっていきますと——私の方の計算はユーザンスを大体百二十日と見ておりますので幾らかずれておりますけれども、したがって、昭和五十二年の二月、三月の数字はまだ確定はしないわけでございますが、それにしても、二千五億八千八百七十九円という為替差益が出ているはずではなかろうか。  もちろん、この場合は基準が三百二円の為替レートであるけれども、こちらが計算したのはことしの三月十八日現在の為替レートの実勢で計算したわけですが、それと比較しておおよそそのくらいの金額になると思いますが、いかがでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 ただいま試算値として御提示いただいた数字は、私が先ほど申し上げた前段の方の、計算上の問題として試算した場合という数字ではなかろうかと思います。  ただ、その二千億で、仮に実績値もさようであったといたしましても、先ほど申し上げましたように、原油だけを取り上げても年間で五千億前後のコスト要因になってきておるわけでございますので、その間における値段が幾らに決まるか、現在値決め交渉中と聞いておりますが、そういった中においていま御指摘のような数字がどのように消化されていくかという売買両当事者間の話し合いの問題ではなかろうか、かように考えるわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そうは言っても、石油の値上げでもおおよその幅はわかると思うのですね。五〇%も一〇〇%も原油が値上がりするということは考えられないわけですから、五%と一〇%との間ということになろうと思いますが、いかがでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 御指摘の点は、政府として価格指導に入るのか入らないのか、あるいは場合によっては石油業法の十五条による標準額の設定をして価格形成に介入したらどうなのかということにも実体的になろうかと思うわけでございますが、われわれといたしましては、いろいろと本件についても検討いたしたわけでございます。  一つは、御承知のとおり、五%アップの原油と一〇%アップの原油のいわゆる二重価格制になってきておりますので、石油各社によりまして原油コストの上昇分が非常に違ってくるわけでございます。今回の値上げ案などを見ましても、原油だけ取り上げても、少なくともキロリットル当たり数百円値上がりの差があるような状況でもございます。したがって、一つの価格を設定することが技術的にも非常に問題があるということでございます。  それから、いま一つは、御承知のような不況下にあるわけでございまして、この段階でわれわれが標準額だとかあるいは指導価格といったようなものを考える場合には、いずれにいたしましても、原価主義と申しますか、原油の輸入あるいはその他石油製品の輸入額あるいは生産原価というものを基準に置いて考えざるを得ないということになりますと、結果として、このような不況の時点におきましてはそれが下支え価格になりはしないか、むしろなる可能性が多いのではなかろうかという懸念もございまして、われわれといたしましては御承知のように灯油の方は据え置きを指導いたしましたが、これはきわめて例外的なものだということで、昨年九月末時点の価格で据え置きを指導いたしたわけでございます。  その他の製品につきましては需給両当事者の間で実情に応じて価格決定を行うべきではなかろうかという立場で、現在こういった成り行きを見守っておるというのが実情でございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 先回りして、多分そういう質問になっていくだろうということでお答えされたようですけれども、なぜそういうことになっていくかということをもう少しきめ細かく積み上げていかないと、一遍に結論に飛ばれては困るわけなのであります。なぜそうなるのかということでもって為替差益の問題をいま話しているわけであります。  そこで、少なくとも対ドル換算で一円円が高くなれば、キロリットル当たり八十五円の為替差益が出る。しかも、昭和五十年の標準額を決めたときには三百二円の為替レートであって、それでも会社が十分成り立つ額を標準額として決めたんだということ、これだけは先ほど御答弁になったとおり事実だと思うのですが、それ以後ずっと為替相場が円高になってまいりまして、現実問題として現在どうなっておるかということを見てみれば、きのうなどは、実際新聞を見ますと明らかに二百八十円を割ったということも直物相場では言われておるわけであります。ですから、三百二円の為替レートのときに、それでも会社が成り立つように決めた標準額を前提として考えた場合に、その後の為替差益をずっと考えてみますと、原油の値上げ分が全部一〇%ということはあり得ないので、一〇%と五%の二本で、そのどっちを多く入れるかによって七%だったり八%だったりすると思いますが、上限は一〇%であろうと思います。  そこで、計算してみますと、少なくとも現在の為替レートで考えますと、この為替差益だけでも原油の値上げを十分カバーするという計算が成り立つと思いますが、いかがですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 為替差益をいかほど発生するものとして計算するかによると思いますが、先ほど来何回か申し上げましたように、原油の値上がりだけでも五千億前後のコスト上昇になるわけでございますので、その為替差益なるものがコストアップをどこまで下げるかという形でということは、値上がりの時期なり幅なりの問題として考えざるを得ないんじゃないかと思います。  それから、石油全企業が成り立つように標準額を設定したのではございませんで、私ははっきりと記憶はしておりませんが、平均値と申しますか、大体そういったところで線を引いておるわけでございますので、そうなりますと、特に民族系の企業が従来からも非常に経営体質が弱化いたしておるわけでございますが、ますます外資系と民族系との企業格差が開いていくといったようなこともあり、ひいては石油の安定供給に支障を来すといったような問題も考慮しておかざるを得ないのではなかろうかと思うわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 原油の値上がりのことを五千億円とか言いますけれども、そうすると三百二円の為替レートであったときに決めた標準額——そのときは結局一ドル三百二円で石油を買ったわけでしょう。いま仮に二百八十五円になっているとすれば、きのうは二百八十円を割ったと言われますけれども、たとえドルで一〇%上がっても為替差益で十分吸収できる。つまり、一円高くなればキロリットル当たり八十五円為替差益が出るというさっきの計算からいたしまして、計算上これは十分賄えると思うのですが、どうなんですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 今回の元売り十三社の値上げ案などを見ましても、原油代は高いところで二千円、安いところでも千三百円程度で、原油だけを取り上げても値上がりをしておる、こういう状況でございますので、為替差益だけでは吸収し切れないのが実情ではなかろうかと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 しかし、これは為替レートを二百九十五円にとっている数字でしょう。ところが実際は二百八十五円、あるいはいまは二百八十円、多少は毎日、毎日違いましょうけれども、大体その辺になってきておるというふうに言えると思うのですが、そうなりますと、これは二百九十五円にとっているという計算だからそうなるのではないですか。

古田徳昌資源エネルギー庁石油部長

○古田政府委員 値上げの先発六社の場合は二百九十五円で計算しているようでございますが、この場合は原油代を二千円近い値上げという形に織り込んでいるようでございます。後発の四月一日から値上げしたいということで打ち出している七社につきましては、二百九十円強ということでレートを織り込みまして、原油代は千三百円程度値上げということで出ているようでございます。  この場合、たとえば一番最近の二百八十円のレートを適用しますとこの二百九十円よりさらに十円低いということになりますと、八百円から八百五十円程度さらにこの原油代が相殺される要因になろうかと思います。計算上はそういうことになろうかと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 ですから、二百九十円にとってもまだ円が五円安ですね。そういう計算で、そもそもそういうふうにして為替レートのとる基準がきわめて恣意的である。現実に合っていない。実際にはそんな為替差ではないのにかかわらず、こういうふうに先発各社では二百九十五円、後発でも二百九十円。これは為替の実勢に合っていない。これはまさに値上げせんがための人意的な仮空のレートじゃございませんか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 為替レートの先行きについて、定性的にある程度の判断はできる人があろうかと思いますが、定量的に少なくとも一年間以上にわたって幾らであるかということの判断は、現実問題として非常にむずかしい問題だと思います。したがいまして、先ほどもお答えいたしましたように、為替レートは最寄り三カ月の実績平均値をもって充当するというのがいままでのやり方になっておるわけでございまして、その問題と、現実の価格がどういうふうに形成されていくかということは、当然これは需給両当事者間のいわゆる値決め交渉によって決まるものだと思います。  したがいまして、今後とも円高であるか円安であるか、あるいは円安としてどの程度の幅があるかという問題につきましては、需給両当事者が値決めをするいわゆる値決め交渉の過程においてしんしゃくされるべき問題であって、いかほどになるからということをわれわれの方から断定的に申し上げることは実情にそぐわないことではないかと思うわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 ところが、為替は直物と先物とがあることはすでに御存じだと思います。銀行で調べましたところが、三月十八日現在対ドル当たり二百八十二円六十銭、四月の先物が二百八十三円四十銭、五月の先物は二百八十三円九十銭、六月の先物は二百八十四円五十銭、七月の先物が二百八十四円九十銭、八月の先物が二百八十五円二十六銭というふうになっている。私の方では銀行の調査によるとそういう数字になっておるようであります。したがって、現実にどうなるかということよりも、もし会社が本当に企業努力をするということになれば当然こういう為替も先物予約しておけばいいわけなんでして、あしたのことはどうなるかわからぬということで、ぼやっとして、少し高めに計算しておこう、二百九十円だ、と、こういうようなことでは困るわけです。  したがって、もし過去三カ月の平均値をとるのだとしたら、その平均値のとり方が、現実にこの先物の動きを見ますと現実に合っていないというふうに言わざるを得ないと思うのですが、いかがでしょうか。その三カ月というとり方自体が間違っているのじゃないですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 なかなかむずかしい問題でございまして、為替の先物ということになりますと、円の実勢のほかにいわゆる相場的な動きといったものが入ってまいりますし、それから、今日のような世界経済の状況からいたしますと、日本だけの問題ではなくて、世界全体の景気変動がきわめて相関してくるわけでございます。  そういった意味合いからいたしまして、先物相場が立っておるからその先物相場をベースにして為替レートを判断するということはむしろそぐわないのではないか、やはり、過去三カ月の実績値をベースにして、それを単純に援用していくということがいいのではないか、いろいろな方法を考えても、現実的にはさような方法しかないのではなかろうか、こういうのが私たちの考え方でございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 過去三カ月の実績を考えた方がなお実際に合うというふうにお考えだとすれば、その根拠を伺いたい。現実に先物はこうなっておる、しかし過去の三カ月をやるのが一番現実に合っているのだとおっしゃるなら、その根拠を伺いたい。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 私の申し上げておりますのは、その方が将来の為替相場に即応するだろうということで申し上げているのではなくて、方法論として、さような方法しか一応納得していただける方法はないのではなかろうかということでございまして、仮に先物が安い場合と高いものでどちらを恣意的にとったかという問題が将来の問題としては残るのだろうと思います。しかし、客観的には、過去三カ月の平均というものは、その限りにおいては正しい数字である、ただ、それが今後半年なり一年間そのまま適用されるかどうかは別問題であるが、実績値を押さえる以外に方法論としてないのじゃなかろうかという、こういう方法論として私は申し上げておるわけでございます。  現実の価格形成に当たりましては、そういった為替レートのほかに、やはり、需給の実勢というものが市場メカニズムを動かす大きな要因でもございますし、あるいは景気の好不況というものもそれに関連して出てくる問題ではなかろうかというのがわれわれの考え方でございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 過去の実績をとる以外にないと言われますけれども、しかし、円の為替相場のおおよその動向については、ぴったりと何円何銭まではわからなくても、たとえば貿易収支の問題やいろいろな問題から考えて大まかな見通しは立つと思いますし、先物相場というのは投機的な要素があるとは言いますけれども、全く架空な投機だけのものを反映するのではなかろうと思うのです。そういう意味では、私どもの方でも、先物の、将来のある一定期間の金額をそのまま使えというわけでは必ずしもございませんけれども、しかし、昭和五十年の十二月に為替レートを三百二円で考えて、そして非常に大きな為替差益が出たということは少なくとも事実でございまして、こういう過去の事実は厳然として動かないわけであります。  今後も必ずそうなっていくだろうという見通しはおおよそ立てられると思うのですが、どうですか。全くお先真っ暗でわからぬから二百九十円が正しいというのはちょっといただけないと思うのです。だから、何としても基準がとりにくいから過去三カ月でやむを得ないんだと、おたくの方の根拠はただそれだけですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 過去の為替レートがどのように推移しているかを若干申し上げますと、昭和四十六年におきましては三百四十九円九十四銭であったわけでございますが、四十七年には三百九円と、四十円方円高になっておるわけでございます。その後、四十八年にはさらに二百七十三円になったわけですが、四十九年には二百九十三円、五十年には二百九十八円と、年間で見ましてもかなりの変動がございます。  それから、月別に見ましても、五十年の十一月に標準額を設定した当時、為替レートは十一月だけとりますと三百三円であったわけですが、翌十二月は三百六円七十四銭、一月には三百五円六十六銭と、かように翌月あるいは翌々月ですぐ三円ないし二円の円安になっております。その後、昨年の四月以降三百円台、七月以降二百九十円台といったように、月別に見ましても年次別に見ましてもかなり変動しております。しかも、一方的に高く一方的に安くといったような数値じゃなくて、高くあるいは安くといったような不安定な動きを示しておるのが実情でございます。  そういったところからいたしまして、過去三カ月最寄りの実績をとったといたしましても、それが必ず妥当するかどうかということは別の問題だと思いますが、レート換算をする場合には、やむを得ない措置として最寄り過去三カ月の平均値をとっておるということではなかろうかと思うわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 もし、石油会社の方が、過去三カ月の経過から対ドルレートで二百九十五円と考えておるということであるとすれば、企業努力をしてなるべく値上げをしないというような立場に立てば、当然、先ほど言った先物予約をしておけば八月までのやつはおおよそわかると思うのでございますが、そういう点で全くそのような努力もせずに——実際はいざとなればするのでしょうけれども、将来も二百九十五円なんだという立場に立つとすると、これは値上げを非常に安易に考えていることを前提にしているのじゃなかろうか。通産省の当局がそういう考え方を弁護されるといいますか、そのような立場に立たれるのはわれわれは非常に不満でございますけれども、どうでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 いまの御指摘は、ドルの先物相場で手当てして、できるだけ安定的な為替レートで考えたらどうだということだと思うわけでございますが、御承知のように、現在の石油の輸入量は三億キロリッター近いわけでございまして、この額はわが国の輸入量の三分の一近い量になっておるわけでございまして、そのすべてが先物相場に向うときには為替相場自体に混乱を引き起こすといったような問題もございまして、御指摘の御趣旨は私としてもよくわかるわけでございますが、余りにも輸入ウエートが高く、しかもわが国の輸入額に占めるシェアが高いといったようなところから、先物相場に手を打っておくということも事実上困難な要因もあるということは御理解いただきたいと思うわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 時間がありませんからここで押し問答しておってもしようがないのですが、できるだけ値上げをしないような努力を各元売り会社もすべきだし、そのような立場に立って通産省も指導されるのが当然だろうと思います。  もう一つは、石油製品の卸売価格の推移などを原油価格との比較で見ますと、大企業が使うと思われる、一般家庭では使わないナフサ、C重油などが比較的安くて、それに比べて灯油などは高いというふうになっておるように思うのでございます。昭和五十二年の一月を見ますと、原油の価格に対してC重油は安い。原油一に対して〇・九九である。ところが、灯油は一・五、ナフサは一・二だ。これを今度昭和三十五年からの平均をある月をとってみますと、この価格の推移は、C重油が非常に安くなっている。昭和四十九年の六月も〇・九で、原油より安い。五十年も〇・九で、五十二年で〇・九九である。ところが、灯油の方を見ますと、四十九年が一・三で、五十年が一・三で、五十二年一月が一・五と上がっている。  こういうように、どうも大企業本位の価格体系になっておるのではないかというように思うのですが、この点はいかがでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 灯油について若干数字的に申し上げますと、灯油は三十五年当時に比較いたしまして、ことしの一月で約二倍になっておるわけでございますが、その間原油のCIF価格は四・三倍になっておるということが一つでございます。それから、原油のCIF価格と灯油とを比較いたしますと、三十五年当時に灯油価格が原油CIF価格の三・二倍であったものが現在時点では一・五倍ということでございまして、灯油につきましては、われわれといたしましても冬場需要期にはいろいろと価格指導をやっておるといったようなところから、三十五年当時と価格体系を比較いたしますと、むしろわれわれの行政指導の効果も出ておるのじゃなかろうかと思うわけでございます。  それから、ナフサにつきましては、これは燃料としてではなくて、石油価格あるいはひいては合成繊維の原料として使われるといったようなところから指導いたしております。ただし、四十年当時に比べまして五倍近くなっておるということで、これは国際競争力との観点からいたしますと、海外におけるナフサ価格あるいは需給といったものを勘案して考えざるを得ないのじゃなかろうかということでございます。  それから、C重油につきましては、御指摘のとおり、わずかではございますが原油価格よりも安いという実情でございますが、これは油で言えば残渣と申しますか、一番後に残ってくるもので、品質の点で先ほど御指摘のようなナフサだとかあるいは灯油と比較にならないほど質が悪い油であるといったところから、原油価格並みの価格ということになっておるわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 これは連産品ですから、原価の問題については非常に複雑な問題がありまして、石油製品というものはいわば恣意的に原価を動かすこともできる非常に複雑なしろものだと思います。  資源エネルギー庁の資料から見ますと、公定コストを見ますと、たとえば灯油はキロリットル当たり千五百円ですか、C重油はキロリットル当たり八千円なんて書いてある資料もありますけれども、これは数字に関してはどうなんでしょうか。これは資源エネルギー庁の五十年十一月七日の資料のようでございますが……。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○橋本(利)政府委員 御指摘の点は、私としてはどの資料でおっしゃっておるかわかりませんが、千五百円と八千円との比較が何の比較であるかということをお聞かせいただければ、われわれとして検討してみたいと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 私はその原本を持っておるわけじゃございませんけれども、C重油の説明では、S分三・〇%のC重油を〇・三%にするための脱硫経費などというふうに書いてあるようですな。

古田徳昌資源エネルギー庁石油部長

○古田政府委員 先生がただいまおっしゃいました数字は、恐らくは、重油の脱硫のためにかかる一キロリットル当たりのコストではないかと思いますが、詳細がわかりませんので、後で検討させていただきたいと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 資料の方は前もって申し上げておかなかったので、後でまたその資料については詰めたいと思いますけれども、とにかく、C重油は一般家庭で使うわけじゃございませんが、こういうものは原油の輸入価格よりも安い。そして、それに比べて現実に灯油は原油の価格の一・五倍である。しかも、その価格の推移を見ると、やはり上がっておる。昭和三十五年から長期的に見れば、それは確かに石油ショック、狂乱物価等いろいろな問題がありまして、家庭用灯油に対しての御指導は全く効果がなかったとは考えませんし、一定の効果は生じておるのだろうけれども、しかし、このように大企業が使う石油製品が特に割り安になっておるという点について、消費者の方々は非常に大きな疑念を持たざるを得ないわけであります。  時間が参りましたので、これで一応質問はやめますけれども、この石油製品の値上げの抑制につきまして、私ども共産党・革新共同が前に通産大臣に申し入れをいたしましたけれども、この時期における石油製品の値上げというものは非常に不当だとわれわれは考えます。ことに、為替レートの問題でいま議論がありましたけれども、将来の為替レートの変動をおおよそ見通しても、二百九十五円もしくは二百九十円という為替レートを前提にしての値上げの計算のやり方というものはどう考えても非常に不当である。しかも、トータル的に見ても膨大な利潤を石油各会社は上げておるということを考えますときに、この石油製品の値上げについて、こういう値上げをしないように強力な行政指導をぜひしていただきたいということでございます。  ことに、家庭用灯油は一応指導はされましたけれども、需要期ということになりますと、一体この需要期がいつかという問題がまた蒸し返されるわけでございますが、東北、北海道はまだ需要期でございます。私も福島出身でございまして、まだストーブをたいております。ですから、そういう点では大変重要な問題が家庭の方でも起きる可能性があるわけで、こういう点でぜひ強力な行政指導をお願いしたい。  通産大臣のお考えをお伺いして質問を終わりたいと思います。

田中龍夫自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 お答えいたします。  大衆消費に充てられます灯油等の価格につきましては、御案内のとおり行政指導をいたしたわけでございます。  なお、また、ただいま長時間にわたりましていろいろと御議論いただきましたような為替の差益、差損というふうななかなかむずかしい問題もございまするし、あるいはまた累積赤字に対しまする決済の問題もあります。あるいは、また、需要家と元売りの関係の両者間の折衝も現在まだ見通しのつかない状態にございますので、いまここでこうというはっきりしたことは申し上げられませんが、何はともあれ、この石油というものは国民生活の上においてまことに重大な問題であり、灯油のように家庭でも直接消費されますものもございますし、あるいは、また、ナフサのように、石油化学製品、合成繊維等あらゆるものの原料になっておるものもございます。さらに、また、それをエネルギーとして燃やすものもございます。  各種各様でございますので、国民生活を守り、そしてまた生産を上げ、企業を助け、同時に消費大衆をますます安定させなければならない物価の問題を抱えました通産省といたしましては、全力を上げてこれらの問題に取り組んでおります。どうぞよろしく御協力をお願いいたします。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 計量法の問題について伺いたいと思ったのですが、時間が来ましたので、せっかく計量法の関係の方が来ていらっしゃると思うのですが、これでやめます。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 次回は、来る二十五日金曜日、午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十七分散会

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