商工委員会 第2号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1977/02/23
会議録
○武藤(嘉)委員長代理 これより会議を開きます。 野呂委員長が病気療養中でございますので、当分の間、委員長の指定により、私が委員長の職務を行います。 この際、謹んで御報告を申し上げます。 元委員長であられました委員浦野幸男君が、去る一月十六日逝去せられました。まことに哀悼、痛惜の念にたえません。 ここに、委員各位とともに故浦野幸男君の御冥福を祈り、黙祷をささげたいと存じます。 御起立を願います。——黙祷始め。 〔総員起立、黙祷〕
○武藤(嘉)委員長代理 黙祷終わり。ありがとうございました。御着席を願います。 ————◇—————
○武藤(嘉)委員長代理 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りをいたします。 通商産業の基本施策に関する事項 中小企業に関する事項 資源エネルギーに関する事項 特許及び工業技術に関する事項 経済の計画及び総合調整に関する事項 私的独占の禁止及び公正取引に関する事項 鉱業と一般公益との調整等に関する事項の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、国政調査の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤(嘉)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、議長に提出する国政調査承認要求書の作成及びその手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御了承を願います。 ————◇—————
○武藤(嘉)委員長代理 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業と一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。 この際、通商産業大臣から通商産業の基本施策について所信を承ることにいたします。田中通産大臣。
○田中国務大臣 ごあいさつを申し上げます。 このたび通産大臣を拝命いたしました。よろしくお願いいたします。 第八十回国会におきます商工委員会の御審議に先立ちまして通産行政に対しまする私の所信の一端を申し述べます。 当面の通産行政の第一の課題は景気浮揚であります。わが国経済は、昨年初来、石油危機後の長期にわたりまする低迷状態からようやく脱し、上昇過程に入ったのでありますが、昨夏以降、設備投資、個人消費等内需の不振等によりまして再び足踏み状態に陥っております。 倒産件数は、昨年十二月千六百八十五件と、史上最高を記録いたし、本年一月も千二百八十五件と、なお高水準にあり、また、失業者数も、昨年十二月九十二万人と多く、依然憂慮すべき状態にあります。また、全体が停滞状況の中で、地域別、業種別の跛行性も強く、機械等設備投資関連産業、化学、鉄鋼等基礎資材業種の不振は深刻であります。 他方、世界経済は、戦後最大の不況を克服し、ようやく回復過程に入ったものの、その歩調は遅々としております。それだけに、日、米、独といった国々が一致協力して世界経済の景気回復の牽引車となることが期待されております。 こうした事態に対処するため、政府は、公共事業等の執行促進等七項目の景気対策を決定、実施するとともに、公共事業等の追加を内容といたしまする五十一年度補正予算を提出し、さらに、五十二年度政府予算案は、公共事業の伸びを対前年度比二一・四%増とするなど、景気浮揚に重点を置いた予算としております。このように政府といたしましては鋭意景気回復に努めているところでありますが、今後とも景気の動向には細心の注意を払い、事態に即応した対策を迅速に講じていく考えであります。 次に、わが国の対外経済政策について申し上げます。 現在、わが国を取り巻く国際経済環境は、世界的景気の停滞、貿易摩擦問題、南北問題等困難な問題を抱えております。貿易で立国しておりますわが国がその繁栄を図るためには、国際経済の安定的発展が不可欠であります。わが国は、このことを十分認識し、国際協調を旨とした対外政策を遂行していくことが大切であります。 幸いにして、最近、先進国が手を携えて世界経済の再建を図っていこうという機運が高まりつつあります。日米首脳会談、主要国首脳会議等々の場において、景気回復等世界経済の当面いたしまする基本的諸問題について卒直な話し合いを行い、先進国が一致協力し、世界経済の問題の解決に全力を挙げることが必要であります。 次に、貿易問題についてでありますが、日米、日欧間の貿易上の諸問題が起きていることは御承知のとおりであります。これらの問題につきましては、基本的には貿易全体を拡大均衡させる方向で解決を図っていくことが肝要であると考えております。このため、わが国としては、積極的な景気振興策を講ずることにより輸入拡大を図るとともに、自由貿易の原則と国際協調の精神にのっとり、各国との対話を進め、相互理解の増進に努めてまいる方針であります。他方で、個々の商品の輸出につきましては、それが短期間に急増し、相手国市場において大きな混乱を引き起こすことのないよう、今後とも輸出動向を注視していくことが必要であると考えております。 世界経済の発展に積極的に寄与する観点から、経済協力の推進はきわめて重要であります。しかしながら、わが国の経済協力の実績は、国際的水準に比べておくれをとっております。このため政府は、五十二年度予算案において経済協力予算の充実に努めております。また、当初の予算では、コンサルティング企業の育成対策費を大幅に増加するとともに、プラント輸出、海外建設工事を促進し、経済協力を円滑に実施するため、輸出保証保険を新設することといたします。このため、輸出保険法の改正法案を提出いたしますので、よろしく御審議をお願いいたします。 次に、資源エネルギー政策について申し上げます。 国際資源エネルギー情勢は依然流動的であります。エネルギー供給いかんによって、わが国の成長率ひいては福祉等、国民生活水準が決定されると言っても過言ではありません。このために、通商産業省といたしましては、省を挙げて実効性のある総合エネルギー政策を確立、推進してまいる覚悟であります。 まず、第一に、石油の安定供給の確保についてであります。わが国は、一次エネルギー供給の八〇%近くを石油に依存いたしており、しかも、その石油のほとんど全量を海外からの輸入に頼っております。このために、産油国との対話、石油開発、石油供給体制の整備等を図るとともに、緊急時に備えて石油備蓄の増強を推進し、石油の安定供給の確保に努めてまいります。この一環として、わが国近海の大陸だなの開発を進めるために、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸だなの南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案を提案することといたしております。何とぞ御審議方をよろしくお願いいたします。 次に、石油への依存度を減らしてエネルギー源の多様化を図りますることもまた重要であります。このために、将来のエネルギー供給源として重要な地位を占める原子力の利用促進を図るとともに、石炭の活用、太陽熱、地熱利用等の新しい技術の開発のためのサンシャイン計画等を鋭意推進してまいります。特に、原子力につきましては、その安全対策を強化し、原子力の安全性に対する国民の信頼を回復していく必要があります。この観点から、政府は、原子力安全委員会の設置と原子力規制行政の一貫化に取り組む等、安全規制行政の強化に力を注いでおります。 第三に、需要面からのエネルギーの節約も重要であります。政府は、二月を省エネルギー月間といたし、幅広い省エネルギー運動を展開する等、広く省エネルギー意識の高揚に努めておりますが、今後ともに総合エネルギー政策の一環として省エネルギー政策を積極的に推進してまいる方針であります。 これらに加えて、国際エネルギー機関を通じ消費国間の協調を図るとともに、国際経済協力会議、国連貿易開発会議等、国際的対話の場に積極的に参加し、国際協調を旨とした資源エネルギー外交を進めていく所存であります。 いずれにいたしましても、このような総合エネルギー政策の円滑な推進のためには、国民の深い理解と支援が不可欠であります。私は、エネルギー問題の現状を率直に国民に訴え、その理解を得るよう大いに努力をしていくつもりであります。 次に、中小企業対策についてであります。 中小企業は、長期にわたる不況により深刻な影響を受けております。改めて申し上げるまでもなく、わが国の中小企業は戦後一貫して日本経済の基盤として重要な役割りを果たしてまいりました。今後日本経済の基調が、いわゆる安定成長経済へとその方向を転換していく中におきましても、その本来の活力と創意工夫によりまして、従来にも増して重要な役割りを果たしていくことを期待いたしております。 この観点から、通産省では、政府系金融機関を通じた金融面の措置等により中小企業の経営安定を図るとともに、新しく制定された中小企業事業転換対策臨時措置法の的確な運用により、事業転換により新たな発展を期する中小企業に対して、金融、税制等総合的な支援を行っていく方針であります。さらに、来年度予算につきましても、中小企業対策には特に重点的に配慮し、前年比一六・四%増の千七百二十九億円を計上いたしております。これによりまして、小企業経営改善資金融資制度の拡充、経営改善普及事業の強化等、小規模企業の経営基盤の強化のための施策を講ずるとともに、中小企業の近代化、高度化、診断指導等、各般の施策の充実を図ることといたしております。なお、小規模企業共済制度につきまして、掛金限度額の引き上げ等を内容とする小規模企業共済法の改正法案を提出いたしますので、よろしく御審議のほどをお願いいたします。 懸案の大企業と中小企業の事業分野に係る紛争の調整問題につきましては、中小企業政策審議会の意見に沿いまして、今通常国会に法案を提出すべく、現在鋭意立法化作業を急いでおるところでございます。 次に、引き続き高水準にありまする企業倒産対策についてであります。中小企業の倒産防止につきましては、政府系中小企業金融三機関の融資、信用補完制度、下請振興協会によりまする仕事のあっせん等、きめの細かな対策を講じておるところであります。かつ、こうした施策を効果的に実施するためには、地方通産局体制を一層整備いたし、本省、地方一体となって機動的に対策を講じてまいる所存であります。 次に、国民生活の安定向上対策について申し上げます。 当省は、従来から消費者利益の保護に努めておりまするとともに、生活関連物資の供給と価格の安定、国民生活関連産業の振興等を図り、ゆとりのある生活を実現するように努力してまいりましたが、今後ともに次のような施策を展開してまいります。 まず、消費者利益を保護するためのその施策でありまするが、電気用品、ガス用品その他の消費生活用製品の安全規制の強化を図り、消費者の危険防止対策を進める一方、品質表示の適正化等、消費者に適正な商品情報を提供する施策を行ってまいります。 さらに、第七十七国会で成立いたしました訪問販売等に関する法律の厳正な運用により、消費者が訪問販売等の取引によって不測の損害をこうむることのないように努めてまいります。 また、物価安定や流通合理化につきましても各般の施策を推進してまいります。 これらに加えて、ハウス55計画を強力に推進し、良質低廉な住宅の供給に努めるとともに、繊維、生活用品、伝統的工芸品産業につきましても、引き続いてその振興を図ってまいります。 次に、産業立地、公害対策について申し述べます。 まず、産業立地政策につきましては、過密、過疎を同時に解消いたし、産業と地域社会との調和を図りつつ、円滑な工業立地を促進するために、工業再配置政策、工業団地政策を推進するとともに、工場環境整備に努め、工場周辺の生活環境の維持に全力を挙げてまいります。また、産業基盤の整備、地盤沈下の防止のために、工業用水政策のより一層の充実を図ってまいります。 さらに、産業活動に伴いまする危険の防止を図るために、コンビナート防災対策を積極的に推進するとともに、液化石油ガスの消費先におきます保安対策についても特段の配慮をしてまいります。 次に、環境保全対策につきましては、工業開発に伴う公害の発生の未然防止の徹底を図りますとともに、公害防止技術開発の推進、金属鉱業等の蓄積鉱害防止対策の強化、化学物質によります環境汚染の防止に努める等、公害防止対策の一層の充実を図ってまいります。さらに、資源の有効利用と環境保全の観点から、廃棄物の有効利用、再資源化の促進のための法案も検討いたしております。 次に、技術開発の促進について申し上げます。 わが国が長期にわたって発展を続けてまいりますためには、その基盤となるべき技術開発力を強化することが重要であります。このため、大型工業技術開発の推進、医療福祉機器の開発普及に努めるとともに、電子計算機産業、航空機産業等、技術集約型産業の育成強化を図ってまいります。 以上、通商産業省が当面展開すべき施策について申し述べましたが、本年は経済の年であります。私は、こうした時期に通産行政を担当する者といたしまして、その責務の重かつ大なるを痛感いたしますとともに、この難局の克服に全力を傾注してまいる所存であります。 委員各位におかれましても一層の御理解と御協力を賜りますよう、ひとえにお願い申し上げまして、私の所信表明といたします。(拍手)
○武藤(嘉)委員長代理 次に、経済企画庁長官から、経済の計画及び総合調整について所信を承ることにいたします。倉成経済企画庁長官。
○倉成国務大臣 私は、昨年暮れ経済企画庁長官に就任いたしましたが、わが国経済が内外にわたって厳しい局面に直面している今日、経済運営の任に当たる責任の重大さを痛感いたしております。 皆様方の御協力を得て、この職責を全うすべく最善を尽くしてまいりたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。 わが国経済運営の基本的方向と当面の諸施策につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たり、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。 顧みますと、石油危機に始まる異常な物価上昇と厳しい不況、大幅な国際収支の赤字からいかに脱却するか、これはわが国のみならず、欧米先進諸国の共通の悩みであり、課題でありました。この中にあって、わが国は、これまで三年間にわたるいわゆる調整過程を通じてマイナス成長から立ち直るとともに、物価も狂乱期を脱し、また、国際収支の大幅な赤字も解消する等、同様な困難を経験した先進諸国の中にあって比較的順調な推移をたどっております。しかしながら、その過程でなお解決すべき問題として残されている点も少なくありません。 本年の経済運営に当たっては、それらの諸問題を将来にわたって解決していくため、適切かつ機動的な政策の展開を図り、この年がわが国経済の新しい展望を切り開く年となるよう、一層の努力を続けてまいらなければなりません。私は、このため、昭和五十二年の経済運営の目標を次の三点に置き、これに積極的に取り組んでまいる所存でございます。 その第一は、景気の回復をより着実な、より持続的なものとし、第二は、物価のなお一層の安定化に努め、第三には、わが国経済を長期的な安定成長路線に円滑に乗せていくための基盤を築いていくことであります。 さて、最近のわが国経済を見ますと、景気は基調としては回復過程をたどっており、五十一年度の国民総生産は、ほぼ政府の当初見通しどおり、実質五・七%程度の成長を達成するものと見込まれます。しかしながら、昨年夏以降景気回復のテンポが緩慢なものにとどまっている中にあって、業種、地域によって回復の進度に格差が見られるほか、企業倒産も高水準に推移し、雇用情勢の改善もはかばかしくない等の多くの問題が残されております。こうした情勢の下で、今後の経済運営に当たっては、まず第一に景気の一層着実かつ持続的な回復を図り、特に雇用の安定につきまして十分な配慮を払ってまいることが最も緊要であります。 政府は、昨年十一月に公共事業等の執行促進等七項目の措置を決定、推進しているところでありますが、昭和五十一年度補正予算及び昭和五十二年度予算の編成に当たりましても、特に、当面の経済に好ましい需要創出の効果をもたらし、かつ、長期的に見ても、国民生活の充実と経済社会の基盤整備に役立つ公共事業費等の投資的経費に重点を置き、経済情勢に見合った財政規模と投資水準の確保に意を用いております。 昭和五十二年度のわが国経済は、政府の施策の機動的な運営と民間の自律回復力とが相まって、実質六・七%前後の成長を達成し、安定して均衡のとれた、しかも活力ある経済の実現に向かってさらに着実な歩みを進め得るものと考えております。 物価の安定は、景気の回復と並んで当面する最も重要な課題であります。最近の物価動向を見ますと、まず、卸売物価は一昨年末から昨年夏にかけてやや高いテンポの上昇を続けてまいりましたが、その後は、景気回復のテンポが緩慢化した中で、海外商品市況の軟化等もあって落ち着いた動きで推移しております。しかしながら、不安定な海外要因等を考慮してまいりますと、先行きなお警戒を怠ることはできないと思います。 一方、消費者物価は、季節的な要因等により若干の変動はあるものの、昨年来基調としては安定化の方向にありますが、その上昇率はなお高く、本年度末の政府目標の達成に向かって格段の努力を続けることはもとより、今後ともその一層の安定化を図っていかなければなりません。 このような情勢のもとで、政府は、物価の安定が引き続き経済運営の重要課題であるという観点に立ち、適切かつ機動的な政策の展開を進めることにより、景気回復の過程で物価の安定化傾向が損なわれることのないよう十分注意を払ってまいる所存でございます。 同時に、今後とも、生活必需物資の価格安定や需給、価格動向の監視に努めるとともに、消費者に対する適切な情報の提供等のきめの細かい諸施策を実施してまいります。さらに、長期的、構造的な物価対策として、競争政策の推進、流通機構の合理化、低生産性部門の近代化等の各般の施策を引き続き強力に推進してまいりたいと考えております。 なお、公共料金につきましては、これらの関係事業が、国民生活に不可欠のサービスを安定的に供給していくためにも、その健全な運営が確保されることが必要であり、経営の合理化に努めることを前提としつつ、受益者負担の原則により適時適正な水準に定められるべきものであると考えます。しかしながら、一方において、その改定が国民生活に及ぼす影響についても十分考慮し、物価の安定化を阻害しないよう配慮してまいる所存であります。 以上により、五十二年度中の消費者物価上昇率を七%台にとどめたいと考えております。 経済運営に当たっては、当面する課題の解決を図りつつも、常に長期的観点から経済社会のあるべき姿を求め、これを実現する基盤をつくっていくことが肝要であることは申すまでもありません。一九七〇年代に入り、わが国経済は、外にあっては国際通貨危機や石油危機を契機とする国際経済バランスの動揺にさらされ、内においては国民の意識の多様化、環境問題の深刻化、住宅や公的部門の立ちおくれ等を背景として、量的拡大から質的充実を目指すものへと転換を図る中にあって、成長率の低下、資源有限性の高まりという新しい事態への対応を迫られております。こうした内外諸条件の変化を踏まえ、望ましい経済社会発展の道を開いていくためにも、政府も企業も家計も、従来の発想や慣行にとらわれることなく、新しい時代に対応するための体制の整備に努めるとともに、経済の活力の維持に一層の配慮を払っていかなければならないと思います。 このような時期にあって最も重要なことは、わが国経済社会が長期にわたって進むべき発展の方向を明らかにすることによって政府がとるべき政策の基本的方向を見定め、あわせて民間の経済活動の指針となるべきものを示すことであります。政府が昨年五月昭和五十年代前期経済計画を策定いたしましたのも、このような趣旨によるものであります。 政府は、今後、同計画に示されている政策体系を着実に実施していくとともに、内外諸情勢の変化に対応しながら、常に計画の推進が図られるよう、その前向きな展開に努めてまいる所存であります。私は、このことを通じて企業や家計に新しい環境を乗り切っていく自信を与え得るものと確信いたしております。 景気の回復と雇用と物価の安定は国民生活の安定のための必要最少限度の課題でありますが、もとよりそれにとどまるべきものではなく、真に豊かで落ちついた国民生活を実現するため、各般の国民生活行政を一層幅広く推進していかなければならないと思います。特に、消費者保護のための施策につきましては、従来からその拡充に努めてまいったところでありますが、昭和五十二年度予算におきましては、消費者保護に当たる機構の強化を図るとともに、国民生活センターに研修テスト施設を設け、その機能の充実を進めることといたしております。 以上、わが国経済が当面する諸問題と、これに対する所信を申し述べましたが、私は、今後とも経済の動向を的確に把握し、機に応じて適切な経済運営を進めてまいる所存でございます。 本委員会の皆様方の格別の御理解と御支援を切にお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
○武藤(嘉)委員長代理 この際、新たに就任されました政務次官をそれぞれ御紹介申し上げます。 まず、松永通商産業政務次官。
○松永(光)政府委員 このたび通商産業政務次官に就任いたしました松永光でございます。 未熟者でありますけれども、一生懸命勉強して、誠心誠意任務を遂行してまいりたいと考えておりますので、委員の先生方の御指導と御協力を心からお願い申し上げましてごあいさつといたします。(拍手)
○武藤(嘉)委員長代理 次に、同じく河本通商産業政務次官。
○河本政府委員 このたび通商産業政務次官を拝命いたしました参議院議員の河本嘉久蔵でございます。 大臣を補佐して誠心努力するつもりでございます。先生方の格段の御指導と御鞭撻をお願い申し上げましてごあいさつにかえます。(拍手)
○武藤(嘉)委員長代理 次に、森経済企画政務次官。
○森(美)政府委員 昨年の暮れ経済企画政務次官になりました森美秀でございます。 よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○武藤(嘉)委員長代理 次に、公正取引委員会委員長から、昭和五十一年における公正取引委員会の業務の概要について説明を求めることといたします。澤田公正取引委員会委員長。
○澤田政府委員 昭和五十一年における公正取引委員会の業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。 御承知のように、昨年のわが国経済は、年初に景気回復の傾向があらわれましたが、その後回復のテンポは緩み、足踏み状態を続けました。 石油危機以降の調整過程を経て、安定成長期を迎えようとするわが国経済におきましては、活力ある経済社会を維持するために、競争条件を整備することが従来にも増して肝要となっておりますが、公正取引委員会といたしましては、このような点に十分留意しつつ、引き続き独占禁止政策の厳正かつ積極的な運営に努めてまいりました。 まず、昨年における独占禁止法の運用状況でありますが、昭和五十一年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は百六十七件、同年中に審査を終了した事件は九十件であり、そのうち法に基づき排除措置を勧告したものは二十七件でございました。これら二十七件のうちカルテル事件が十九件を占めており、主な事件としては、石油製品、家庭用プロパンガス等の一般消費財の販売価格についての協定事件があったほか、価格以外のカルテル事件としては受注調整に関する事件が増加しており、昨年は五件について勧告を行いました。このほか、近年目立っておりますのは不公正な取引方法に関する事件が多くなってきていることであり、二十七件中八件を占めておりまして、再販売価格の維持行為、競争品の取り扱い等の禁止行為について必要な排除措置を講じました。 次に、許認可、届け出受理等に関する業務でありますが、まず、合併、営業譲り受けにつきましては、昭和五十一年中にそれぞれ九百二十五件、五百十八件、合わせて千四百四十三件の届け出があり、一昨年より若干の増となりました。内容的にはほとんどが中小企業等の合併、営業譲り受けでありまして、特に問題となるものはありませんでしたが、特殊鋼メーカー三社の合併につきましては市場占拠率の点から問題のある品目がありましたので、慎重に検討し、所要の措置を講じさせた上、合併届け出書を受理いたしました。また、近年企業間の業務提携が活発になっていることにかんがみ、その実態を調査し、結果を取りまとめました。 事業者団体については、事業者団体の成立等の届け出について督促に努めた結果、昭和五十一年中に千四百件に上る届け出がなされておりますが、事業者団体はカルテルの温床になりやすいところから、その活動状況等について実態調査を実施するとともに、そのあり方について基本的検討を行っております。 また、国際契約等につきましては、昭和五十一年中に六千百三十二件の届け出があり、改良技術に関する制限条項、競争品の取扱制限条項等を含む三百四十件について、これを是正するよう指導いたしました。 独占禁止法の適用除外関係では、昭和四十九年九月から再販指定商品の大幅縮小が実施されているところでありますが、残された再販商品につきましても、弊害が生ずることのないよう指導及び監視に努めております。 独占禁止法上の不況カルテルにつきましては、昨年中に小形棒鋼、ガラス長繊維製品及びセメントの三業種について不況カルテルが実施されまして、ガラス長繊維製品とセメントにつきましては昨年一月に終了しましたが、小形棒鋼につきましては、景気の低迷と相まって需要の伸びがはかばかしくなかったため、昨年五月からの六カ月間の中断を経て再び不況カルテルの申請がありました。これについては、認可要件に照らし慎重に審査した結果、不況事態の克服に必要な限度を超えることがないよう所要の修正を行わせた上、認可いたしております。 次に、独占禁止法の適用除外を受けているカルテルについてでありますが、その総計は、昭和五十一年十二月末現在で、一昨年に比べ百二十八件減って五百三十一件となっております。これらのうち、昨年独占禁止法によるもの以外の不況カルテルとして主務大臣等の協議に新たに応じたものは、中小企業団体の組織に関する法律に基づく生コンクリート、線材製品、黄銅棒等のほか、砂糖価格の安定等に関する法律に基づく砂糖のカルテルがあります。 さらに、経済実態の調査についてでありますが、昨年は昭和四十八年、四十九年の生産集中度について調査分析を行い、その結果を公表いたしました。また、従来から実施しております寡占産業の実態を把握するための調査を引き続き進めております。 なお、鉄鋼業界において一昨年に引き続き鋼材価格が同調的に値上げされたことに対しまして、事情を聴取する等調査を実施いたしまして、独占禁止法上の問題点を明らかにするよう努力いたしました。 次に、下請代金支払遅延等防止法の運用状況について申しますと、長引く景気の低迷下にあって親事業者の資金繰りは一層悪化し、下請代金の支払い遅延等の増加が懸念されましたので、昨年は約一万二千七百件の親事業者に対して調査を行い、千二百十四件について支払い改善等の措置を講じさせまして、下請事業者の保護に努めました。 最後に、不当景品類及び不当表示防止法の運用状況について申しますと、昭和五十一年中に公正取引委員会が同法違反の疑いで取り上げた事件は千五百九十四件でありまして、このうち排除命令を行いましたものは十一件、警告により是正させましたものは六百七十件でありました。 また、過大な景品類の提供行為の規制基準を整備するための検討を行っております。 公正競争規約につきましては、新たにトマト加工品の表示に関するもの等五件について認定し、昭和五十一年末現在における公正競争規約の総数は五十八件となっております。 また、都道府県の行いました違反事件の処理件数は約二千六百件となっており、今後とも都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。 以上、簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。 なお、この際、独占禁止法の改正問題につきまして一言述べさせていただきます。 独占禁止法の改正については、従来の経緯も踏まえ、政府において各方面と協議を進めた上で結論を得るという方向で現在調整作業が進められておりますが、公正取引委員会といたしましては、寡占化の進行等、最近における経済社会の変化にかんがみ、独占禁止法の強化のための改正が速やかに実現するよう切に期待いたしております。 以上をもちまして公正取引委員会の業務の概略についての説明を終わりますが、何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。(拍手)
○武藤(嘉)委員長代理 公害等調整委員会委員長から、昭和五十一年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の処理概要について説明を求めます。小澤公害等調整委員会委員長。
○小澤(文)政府委員 ただいまから公害等調整委員会が昭和五十一年中に行いました鉱業、採石業公益等との調整事務について概略御説明いたします。 第一は、鉱区禁止地域の指定に関する事務でありまして、各省大臣または都道府県知事の請求に基づき、聴聞会を開いて一般の意見を求め、利害関係人を審問した上、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認めた地域を鉱区禁止地域として指定し、また、同様の手続によりその解除を行うものであります。その指定をした場合、当該地域内における鉱物の掘採が著しく公共の福祉に反すると認めるときは、既存の鉱業権についてもその取り消し等を通商産業局長に対し勧告いたします。 第二は、不服の裁定でありまして、鉱業法、採石法、森林法、農地法、海岸法、自然公園法、地すべり等防止法、河川法、砂利採取法、都市計画法、自然環境保全法及び都市緑地保全法に規定する特定の処分に対する不服につきましては、鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益または農業、林業その他の産業との調整を図るため、行政不服審査及び行政事件訴訟の特例として、直接裁判所へ出訴することを許さず、もっぱら当委員会が公開審理等準司法的な手続により不服の裁定を行います。当委員会の裁定または裁定申請却下の決定に対して不服のある場合には、当委員会を被告として東京高等裁判所に訴えを提起することができることになっております。 第三は、土地収用法及び森林法上の事業認定や収用裁決等に関し主務大臣が不服審査を行う場合には、あらかじめ当委員会の意見を聞かなければならないこととされておりまして、これに対し回答を行う等の事務であります。 次に、昭和五十一年中における当委員会の事務処理の概要を御説明申し上げます。 第一に、鉱区禁止地域の指定に関する事務でございますが、昭和五十一年中に当委員会で処理手続を進めましたものは二十八件でありました。そのうち二十五件は前年から係属中のものであり、三件は昭和五十一年中に新たに請求のあったものであります。この二十八件を請求理由別にみますと、ダム等の施設の保全に関するものが二十五件、環境保全に関するものが二件及び鉄道施設の保全に関するものが一件となっており、請求者別にみますと、農林大臣七件、運輸大臣一件、建設大臣九件及び都道府県知事十一件となっております。これらについて、通商産業大臣等関係行政機関の意見聴取、聴聞会の開催、利害関係人の審問、現地調査等所定の手続をとるとともに、具体的に地形、地質、鉱床、一般公益等各般の事情を詳細に検討する等審議を進めまして、十件について処理を完了いたしました。 第二に、不服の裁定でありますが、昭和五十一年中に当委員会に係属した事案は五件でございまして、鉱業法の規定による通商産業局長の処分に対するものが三件と、採石法の規定による知事の処分に対するもの、それから自然公園法の規定による知事の処分に対するものがそれぞれ一件でございます。いずれも昭和五十一年中に新たに請求のあったもので、現在審理中であります。 第三に、土地収用法関係の意見でありますが、昭和五十一年中に当委員会で処理手続を進めましたものは六件で、そのうち三件は前年から係属中のものであり、三件は昭和五十一年に新たに建設大臣から意見を求めてきた事案であります。これらの事案の内訳は、道路河川関係五件、都市開発関係一件となっており、また、収用委員会の収用裁決を不服とするものが四件、建設大臣の事業認定を不服とするものが二件となっております。これらすべてにつきまして回答済みであります。 以上をもちまして、昭和五十一年中の事務処理の概要を申し上げた次第であります。 なお、公害等調整委員会設置法第十七条に定められております昭和五十一年の所掌事務処理状況の報告書は、会計年度で取りまとめまして、おって所定の手続を経てお手元にお届けいたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○武藤(嘉)委員長代理 以上をもちまして、両大臣の所信表明及び両委員長からの説明は終わりました。 なお、この際申し上げます。昭和五十二年度通商産業省関係予算及び経済企画庁関係予算の説明につきましては、お手元に配付の資料で御了承を願います。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十九分散会