社会労働委員会 第20号
- 発言数
- 198 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/05/19
会議録
○橋本委員長 これより会議を開きます。 健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。相沢英之君。
○相沢委員 健康保険法の改正に関しまして、過日与党からは戸沢委員の質問があったわけでありますが、全般的な問題に関しましては、戸沢委員の質問で尽きている面がございますので、私は、主として健保の財政問題に関しまして、それから時間がございますれば、医療の供給体制の問題につきまして御質問を申し上げたいと思っております。持ち時間も余り多くはございませんので、ぜひ答弁は簡潔に、また率直にお願いいたしたいと存ずる次第でございます。 私どもは、今後の健保財政の状況を考えてみますと、今回提出されておりますところの健康保険法の改正はぜひとも実現させていただきたい、かように考えております。しかし、国会の審議期間もだんだん狭まってまいりましたが、健保法の改正の実現について厚生大臣としてはどのようなお見通しとお考えを持っておりますか、まず最初に伺いたいと存ずる次第でございます。
○渡辺国務大臣 私といたしましては、健康保険制度というものをどうしても正常に運営していかなければならない、こういうような基本観点から、この際は皆様の深い御理解を得てどうしても今国会において成立をさせたい、こういうことで日夜努力をしておるところでございます。
○相沢委員 ぜひ、そういうことで今後も積極的な御努力をお願い申し上げたいと存じます。 〔委員長退席、斉藤(滋)委員長代理着席〕 そこで、健保財政を考えました場合に、特にどういう点が問題であるというふうに大臣はお考えでしょうか。
○八木政府委員 医療保険の場合に、現在国民皆保険でございますから、国民の医療をいかに確保するかということからしますと、給付の面、負担の面、いろいろな問題点があるわけでございますが、いずれにいたしましても、国民皆保険でございますし、国民の健康を維持するために、給付水準のあり方なり負担の問題がありますけれども、健全にこの制度が運営されるということが必要なわけでございます。 当面最も問題になりますのは、最近におきます国民経済の伸長というものが、従来の高度成長から大きくさま変わりしてきた、一方、医療費の方は、医療の高度化なりあるいは技術の進歩なりあるいは人口構成の老齢化ということで、諸外国を含めまして医療費がふえていくという場合に、このふえてまいります負担をどういうふうに受けとめていくか、特に最近におきます社会情勢、経済情勢の中で、その費用なり負担のあり方をどうするかということが一つの大きな問題であろうというふうに思われます。
○相沢委員 健保財政の問題は、いま答弁がございましたように、財政としての収入の面それから支出の面、この両面があることは申すまでもないわけであります。問題は、医療費の支出の伸びが、いまの制度によるところの財源を上回るというところに問題があるわけでありますが、この医療費の面において一つ伺いたいことは、過日、昭和五十年度の国民医療費の発表がございましたが、GNP、国民所得の伸びを上回って伸び、国民所得に対する割合も五%を超えておる、こういう状況でありますが、今後ともこの医療費の伸びはこういう傾向が継続していくと思われるかどうか、あわせて諸外国の状況もつけ加えて御答弁をお願いいたしたいと存じます。
○八木政府委員 先ほども申し上げましたように、日本の場合には人口構造の老齢化というのが、諸外国に比べまして今後さらに進んでまいりますし、医療の高度化なりあるいは疾病構造の変化、これは諸外国とも共通した現象でございます。そういうような際に、国民医療費の増高というものは今後とも進んでいくのではないかというふうに思われるわけでございます。 ただいま先生からお話ございましたように、先般公表いたしました五十年度におきます国民医療費につきましては、対国民所得について五・〇八%という数字になっております。 なお、諸外国の傾向でございますけれども、医療費の範囲というものが日本と違うというような点がございまして、とらえ方が違うという面はあるにいたしましても、一般的な増高傾向ということにつきましてはある程度言えるのではないかということで、最近の諸外国の例、やや古うございますし、それからわかっている数字が、年次が新しいところと古いところといろいろありますけれども、たとえばアメリカで申しますと、一九七〇年から一九七三年で大体一〇%を上回る対前年度増加率でございます。それからイギリスの場合も、一九七一年から一九七二年、七三年と逐次ふえてまいりまして、七二年が一三%、七三年が一五・四%、一九七四年は三六・七%、平均しまして一八・二%というような数字でございます。それから西ドイツの場合は、大体二〇%程度という増加率になっております。それからフランスの場合が、やはり一九七〇年から七三年ぐらいまでがはっきりわかっておりまして、七四年の推計等を入れましても大体一四、五%というような増加率でございます。したがいまして、各国を通じまして医療費は増加している傾向にあろうというふうに思われます。
○相沢委員 医療費の伸びについての先ほどからの答弁にありますその原因の、人口構造の老齢化とかあるいは医療の高度化、こういう点は今後も続くものであると思われますし、また各国とも北通の問題であろうと思うのでありますけれども、医療費の支出については、いろいろとさらにそれ以外の問題が指摘されております。 たとえば乱診乱給の問題であるとか、あるいは医療費のつけ増しの問題であるとか、水増しの問題とかありますが、こういう点について厚生省としては、過去においてどういう対策を講じてこられたか、また今後どういうふうな対策を考えていかれるか、伺いたいと思います。
○八木政府委員 皆保険でございますし、すべて医療費の支出につきましては、国民の負担なり保険料なりあるいは税金ということで賄われるわけでございますから、もちろんその執行は適正を期さなければならないわけでございます。現在、医療費の適正な執行の問題につきましては、支払基金制度によりまして、診療内容につきまして、支払基金におきます審査委員会の審査によりまして適正な審査を実施する、さらに必要な場合には指導、監査というようなことでこの問題に対処している次第でございます。
○相沢委員 現在の支払基金における監査あるいはそういう指導において、大体においてその目的が達しておられると思われますか、さらに何らかの対策が必要であると思われますか、その点について伺いたいと思います。
○八木政府委員 今後医療費はふえてまいりますし、適正な執行ということは当然必要なわけでございまして、私どもにおきましても、支払基金におきます審査体制の強化という問題につきましては今後とも考えていかなければならないということで、昨年も支払基金法の改正をいたしまして、業務範囲の拡大なりあるいは審査委員の定数の拡大というようなことを行いました。 ただ、いずれにいたしましても、膨大に業務量というものもふえてまいっておりますので、支払基金におきます事務処理体制あるいは審査委員の体制というものにつきましても、さらに十分な指導を行ってまいるということが必要ではないかというふうに考えております。 また、さらに指導、監査の問題にいたしましても、一般的な集団指導なりあるいは個別指導、適正な今後の運用につきまして、さらに意を払ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○相沢委員 さらに意を尽くしてまいりたいということでありますけれども、具体的にそれでは今後どういうような対策を講ずるのか、措置をするのかについての腹案をお持ちでございますか。
○八木政府委員 支払基金ともいろいろこの問題を研究しているわけでございまして、支払基金のあり方等につきましても、いろいろ支払基金からも問題が提起されておりますし、支払基金と厚生省との間の連絡会議等をさらに詰めまして、この問題につきましてお互いに十分取り組んでいこうじゃないかというようなことで、現在話をしているところでございます。
○相沢委員 今後とも、医療費の支出の問題に関しましては、厚生省事務当局におかれましても、いろいろと的確な対策をひとつ考えていただきたいということを要望いたしまして、保険財政の財源の問題についての質問をしてまいりたいと思います。 先ほど諸外国の医療費の伸びに関しましては答弁がございましたが、諸外国の医療費の財源の調達方法を、日本と比較しました場合の差異、また、その問題点について伺いたいと思います。
○八木政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、世界各国を通じまして医療費は医療技術の高度化等の要素からふえてくるということで、これはどうしても避けられない。そうなってまいりますと、何らかの形でこれを負担し、解決していかなければならないということで、諸外国ともこの問題につきまして大変苦悩しておるということを聞いております。 現実にこの問題を具体的にどういうふうに対処したかということでございますけれども、結局、医療費がふえてくるということになりますと、負担の問題ということで諸外国が解決しておりますのは、一つは保険料の引き上げ、もう一つは患者の負担という形でこの問題に対処せざるを得ないということでございます。 保険料率の引き上げでございますけれども、日本の場合には一九七三年、昭和四十八年の千分の七十二から昨年まで千分の七十八ということで、料率を六引き上げているわけでございますけれども、西ドイツの場合には一九七〇年から一九七五年、もともと日本より料率が高いわけでございまして、西ドイツは千分の八十一でございますが、この五年間に千分の百十二ということで、三十一の保険料率の引き上げを行っております。それからフランスの場合には一九七四年に千分の百五十九・五という料率でございましたのが、一九七六年、千分の百七十九・五ということで、二年間で二十保険料を引き上げております。それからスウェーデンの場合でございますけれども、千分の六十一から千分の八十ということで、これも一九七四年から七六年の二年間で十九、約二十保険料率を引き上げております。 それから、一部負担の引き上げでございますけれども、スウェーデンの場合に、公的医療機関に行きました場合、受診の都度、一九七〇年におきましては七クローネ、約四百八十円を一部負担しておったわけでございますけれども、一九七六年では千二十円ということで、二倍以上の引き上げになっております。それから私的医療機関にかかりました場合に、一九七五年以前は七五%の償還制でございましたけれども、一九七五年の制度の改正によりまして、受診時の一部負担ということになりまして、二十クローネ、約千三百六十円の負担ということになっております。 なお、最近の一番新しく入った情報でございますけれども、一九七八年一月からはスウェーデンの場合には保険料率を、現在の千分の八十から千分の九十六に引き上げる、それから一部負担金につきましても、現在、公的医療機関で、通院の場合でございますけれども、十五クローネ、千二十円から、二十クローネ、約千三百六十円に引き上げようという計画を考えておるということを最近の情報で承知しておる次第でございます。 こういうことで、各国とも大変この問題の解決には苦慮しておるという状況でございます。
○相沢委員 私がお聞きしているのは、そういう各国の保険料率等がどういうふうになってきているかということよりも、そういう各国の保険財政の財源を賄う方法において、日本とどういう点において大きな相違があるかということです。
○八木政府委員 外国の場合には、国によっていろいろと、日本のように社会保険制度をとっている国と、それからイギリスのようにもっぱらヘルスサービスをやっている国等がございますけれども、日本と同じような社会保険のシステムをとっておる国、この場合には、原則としまして保険料でこの財源を賄うということで、国はこの問題につきましては国庫負担という形の国庫助成は行っておりません。保険料で処理しているということでございます。
○相沢委員 そこで、外国の場合には、そういう保険給付の財源というものを主として保険料で賄っている例が多い。日本の場合も保険料で賄うわけでありますけれども、保険料あるいは保険給付に対する国庫負担の形でこれが補助をされている。そしてその国庫からの補助の財源というのは、結局これは税金であります。したがいまして、保険財政の財源としては、保険料で賄うのか、あるいはそういう税金でもって相当補っていくということにするのか、ここに一つの考え方としての問題があると思うのです。外国の場合には、保険料という形でこれを徴収をする割合の方が大きい、いずれにしても国民の負担であることにおいては変わりはないわけであります。 そこで今後、先ほどから御答弁がございましたように、増加していくところの医療費というものを賄うその財源は、保険料を充実するという方向でやっていくのか、つまり外国のような形でやっていくのか、あるいは保険料の引き上げについては、いろいろな情勢から見ましてある程度限度がある、その場合には国の負担をふやしていく、こういうやり方もあるわけでありますが、そのいずれの考え方で今後考えていくかということについて、ひとつこれはぜひ大臣から答弁を伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは非常に根幹に触れる問題でございますが、やはり諸外国の例その他から目まして、必要なものは保険料である程度取らざるを得まい。日本においては世界に例のないほど巨額の医療補助金というものを出しております。二兆六千億円近いようなものをことしの予算でも組んでおるわけでございまして、今後いままでのような高度経済成長というものが期待できないということになれば、もう相沢さん一番御承知のとおり、国の財政の中で大幅に見るということはなかなかむずかしい。できるだけわれわれは見てもらうようにいたしたいと思ってはおりますけれども、現実の姿は必ずしも期待できないということになれば、一つは、必要なものは保険料あるいは患者の一部負担というようなものに頼らざるを得ないが、その前に、医療の内部においてむだがあるかないかということ、これをやはり真剣に考えていかなければならない。そういうような中で合理化、効率化のできるものは、極力これは合理化、効率化というものをあわせて先行さしてやっていきたい、かように考えておるわけであります。
○相沢委員 私は、特に一般会計の社会保障費の姿を見てまいりました場合に、医療保険に対する国庫負担が非常に大きい割合を占めている、かつまた、これが非常な勢いで伸びてきているという点が、社会福祉行政、特に厚生行政の面においていろいろな点に影響を与えているということは否定できないのではないか、つまり医療費の国庫負担が非常に急激に伸びるために、その他の必要な社会福祉の行政が必ずしも十分に行われないというような面もあるのではないかということを特に深く感ずる次第であります。 そういう意味におきまして、今後、社会保険制度の財政問題を考えます場合には、特にその保険料の拡充、制度面におきましても徴収面におきましても拡充ということについて特に配慮をしていただきたい。そういう意味におきましても、この健康保険法の改正が成立をすることを心から期待しているわけでございます。 そこで、保険料の問題を考えました場合に、次に問題になってまいりますのは、その保険料の取り方であります。現在は標準報酬に対する料率設定ということでありますけれども、総報酬制をとるか標準報酬制をとるか、ここが一つ問題なのであります。私は、後に申し上げますが、結論的には標準報酬制から総報酬制に移行していくことがいいのではないかと思うのでありますけれども、この点について、まず大臣から答弁を伺いたいと思います。
○八木政府委員 標準報酬制なり総報酬制、社会保険の保険料の算定の基礎にどちらの報酬をとるべきか、いろいろ各方面から御意見のあるところでございます。 社会保険の場合に、できるだけ負担の均衡を図る、さらに所得再配分効果を高める、しかも給与の実態にできるだけ即応するという面から申しますと、総報酬制というのも一つの考え方であるわけでございます。 ただ一方では、社会保険の場合に、一つは標準報酬と給付との関連等を考えました場合に、直ちに総報酬制に行けるかどうかというようないろいろな御議論もあるわけでございまして、そういうようなところから、現在は標準報酬制という制度を採用しているわけでございますけれども、厚生省の厚生年金なり健康保険の場合に標準報酬制であるわけでございますけれども、御意見としましては、総報酬制という御議論も十分成り立つ御議論であろうというふうに思われるわけでございます。
○相沢委員 いまの御答弁の中で、給付との関係ということを言われたけれども、それはどういう意味ですか。
○八木政府委員 一つの場合には、これは年金なんかの場合に一番代表的になるわけでございますけれども、標準報酬というのが現在は保険料の徴収なり給付というもののすべての基礎になっている、したがいまして、収入面で、総報酬になりますと、標準報酬に比べてかなり高い保険料の収入ということが期待できますけれども、それが給付にはね返るというような問題もあるわけでございまして、やはり社会保険でございますので——これが年金等の場合には、一番報酬とそれから給付というものが結びつくというような問題があります。それから、たとえば総報酬の場合に、ボーナスの問題のほかに上限の問題があるわけでございますけれども、上限を青天井にするというようなことになりますと、もちろん所得の再配分効果は高まりますけれども、保険の中でそこまでやっていいかどうかというような問題等もあるということでございます。
○相沢委員 いや、その年金の問題は当面ここで取り上げてないわけです。私がお聞きしているのは、短期給付である社会保険の問題なんです。 そこで、短期保険として考えた場合、そういう給付との問題ということはないのじゃないでしょうか。
○八木政府委員 給付との関連がありますのは、若干傷病手当金がございますけれども、確かに、短期保険の場合には、その給付と保険料との関連というものは、年金ほどの強さというのはないのではないかという点もあろうかと思います。現実問題といたしまして、事務体制の問題等から見まして、現在、社会保険の場合にできるだけ一緒の事務でするというようなことから、標準報酬制をとっているわけでございます。かつて厚生省におきましても、短期保険の場合には総報酬という考え方も打ち出したこともあるわけでございますので、そういう意味におきましては、先生のおっしゃるように総報酬制というのも一つの考え方であるわけでございまして、厚生省も一遍考えたこともあるわけでございます。
○相沢委員 医療保険の場合に、収入と支出と申しますか、保険料と保険給付との関連で特に問題がありますのは、保険給付の点については、これは給料のベースの高い低いと特に関係はない、場合によっては逆の現象も生じていることは御承知のとおりだろうと思うのです。ただ、その保険料の取り方として、現在のような標準報酬制を前提として取る場合と総報酬制度に切りかえた場合との違いは、特に所得の多いところについてこれの負担が大きくなる。したがいまして、取るべき保険料の総額というものを一定にして考えれば、標準報酬制から総報酬制に移行すれば、所得の高い者に保険料が高くなって、所得の低い者には保険料が安くなるわけですね。そういうふうな形にする方が制度としてはベターじゃないかと思うのですが、そういう点はどうですか。
○八木政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、社会保険の場合には相互扶助ということでございますけれども、やはり所得の再配分効果ということで、高額所得者から低額所得者に回すということが一つの大きなねらいであるわけでございます。そういう意味から申しますと、総報酬制というのは一つの考え方であるわけでございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、総報酬制にしました場合に、上限等の場合に一挙に青天井にいくというようなことで果たしていいのか。一つは保険であるというようなことで、やはりその点は税とは違うという問題もありますので、むずかしい問題ではございますし、各方面からいろいろ御議論のあるところでございますけれども、かつて厚生省もそういう、先生おっしゃる意味で総報酬制が医療保険の場合には必要ではないかということも考えたことがあるわけでございます。いろいろ御意見のあるところでありますので、今後とも十分研究しなければいかぬ問題であるというふうに思っております。
○相沢委員 現に、雇用保険の場合は総報酬制になっているわけですね。そういう意味において私は、先ほどお話がございましたような、年金については掛金を高くすれば当然給付も引き上げるということになるわけですが、いわば無制限にそういうことをすることがいいかどうかということについては検討する必要があるのではないかと思うのです。しかし、いまの短期保険について、雇用保険は結局失業保険と労災保険があるわけですけれども、それについては総報酬制でやれて、そしてこの健康保険についてはそれができない、こういう点についてどういうふうにお考えですか。
○渡辺国務大臣 これは考え方の問題でございまして、いま局長が言ったとおりで尽きると思いますが、私は、税制の問題とも絡むと思うのです。日本の所得税率というのは、六五とか七〇とか、住民税も加わったら最高限は八〇以上も課税される。ですから、そういうような状態の中で所得再配分の効果というものを持たせるために、その現行税率のままで総報酬制というものがいいのかどうか。まあしかし、現在でも社会保険料というのは全部必要経費に認めているのだから、仮に総報酬制にしたって、そのままストレートに高額所得者がかぶるわけではない、それの何割かは必要経費になるじゃないか、こういう見方もあるわけです。しかし、これは非常に根本的な問題でございますので、専門家の会議等で十分に検討をしてみたい、かように思っております。
○相沢委員 御検討いただくということでありますから、これ以上はこの点については申し上げませんけれども、私は、社会福祉のあり方から言いまして、総報酬制とそれから標準報酬制についてはさらに真剣に検討をしていただきたいと思うのであります。ただいま厚生大臣から答弁がございましたように、税制との関連はもちろんございます。もちろんございますけれども、少なくとも雇用保険において現在総報酬制を実施しているということでありますから、私は、繰り返すようでありますけれども、年金については確かにおっしゃるような点に問題があろうかと思いますが、この短期保険である医療保険については、ぜひこの総報酬制への移行について検討をお願いしたいと思うのであります。 そこで、今回の制度改正におきまして一つ問題になっております点は、特別保険料の徴収でございます。この特別保険料の徴収については、どういうような考え方で提案をされたのでありますか。
○八木政府委員 医療保険財政、特に政府管掌健康保険財政が極端に窮迫しているわけでございまして、このままでまいりますと、本年度末におきましては千六百億円を超える赤字が見込まれるわけでございます。短期保険でございますし、当然、この赤字というものは何らかの形で解決しないということになりますと、制度の運営に非常な支障を来すということになるわけでございます。そこで、この赤字をどういうふうに処理するかということでまいりますと、まず基本的には、保険料でこの問題を解決するということも一つの筋であるわけでございます。ところが、保険料で解決するということになりますと、現在、政府管掌の健康保険の場合には千分の七十八でございまして、残りは二しかないわけでございます。したがいまして、この千六百億近い赤字を保険料で解消するということになりますと、料率を千分の四から千分の四・五、五ぐらいの引き上げということが必要になってくるわけでございます。そうなってまいりました場合に、当然、現在の千分の八十の上限をどうするかというような基本的な問題の解決に迫られざるを得ないわけでございますけれども、今回の問題は、あくまでも当面の財政対策を主眼としているわけでございますので、基本的な問題の解決ということにつきましては、現在、社会保険審議会等でも検討しておるわけでございまして、急場の間には合わないわけでございます。しかも、ボーナスの特別保険料の場合には、ある意味では給与の高い人ほどボーナスも大きい。したがいまして、負担の公平化を図るというような見地からも、さらに先ほど出ました総報酬制という御議論等もいろいろあるわけでございますので、当面の解決策といたしましては、基本的な大問題でございます保険料率の上限の持っていき方等は別にいたしまして、当面、ある程度余裕のあるところに応分の負担をしていただく、急場をしのぐための緊急の対策としては、特別保険料という形で、この際は医療保険の健全な運営を図るというために、非常に厳しい状況ではございますけれども、この程度の御負担をお願いしたい、その場合に、特別保険料でございますれば、ある程度の負担の公平という面が図られるのではないかというようなことから御提案申し上げている次第でございます。
○相沢委員 私は、その千分の八十というところの保険料の上限を改定せざるを得ない、そこが問題だから特別保険料という、ボーナスに対する保険料の徴収の形にしたというふうに答弁が聞こえますが、その点はちょっといかがかという感じがするのです。というのは、この特別保険料というのは、いま答弁がありましたように、標準報酬に対する賦課ではないので、総報酬に対して特別な料率として取るものですね。そこで部分的ではありますけれども、標準報酬制から総報酬制へそこが一部移行するという問題があるわけなんですが、その点についてもう一度答弁をお願いいたします。
○八木政府委員 いろいろなお考えがあろうと思いますが、少なくとも現在、特別保険料を御提案申し上げましたのは、総報酬制の問題につきましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、いろいろな問題点があるわけでございます。しかしこの問題は、基本問題であるわけでございますから、これからの検討の結果にまつということでございまして、基本的に総報酬制をとるかどうかということは、これからの問題になるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、当面の苦しい急場を何らかの形でしのいでいかなければならないという際に、被保険者間の負担の公平ということを図りました場合に、できるだけ余裕のあるところに御負担いただくというようなことから、特別保険料という形で御提案申し上げているという次第でございます。総報酬制も、厚生省も先ほど申し上げましたように、一つの考えた案ではございますけれども、現段階におきましては、各方面からの御議論を詰めまして、これからどうするかということは詰めていきたいということでございます。
○相沢委員 その余裕のあるところから負担をしてもらうという考え方ですが、これは私、一つの考え方というよりも、総報酬制の考え方というのはそういうような考え方に基づくものだと思うのです。ですから、それは結構なことだと思うのですが、いま、とりあえずの問題として特別保険料の徴収をする、つまり一般の保険料の引き上げというのは、もう上限に接近してなかなかできないので、そういうことではなくて、この際、余裕のある者に負担をしていただくという趣旨で特別保険料を取るのだという答弁でありましたが、私は、そういうふうにとにかくとりあえずそうするのだということだけで総報酬制の一部採用という形の特別保険料の料率設定ということを考えるわけにはいかないと思うのです。私は、厚生省の考え方の中にも、やはり現在の標準報酬制よりも総報酬制に移行する方が保険料の負担のあり方としては望ましいのではないか、望ましいという考え方があるからこういうような制度改正の考え方が出るのじゃないかと思うのですが、その点についてもう一度伺います。
○渡辺国務大臣 それは一つの考え方なんですよ。一つの考え方でございますが、しかしながら、保険制度についても抜本的に見直しをしよう、一方でそういう作業もやっているわけです。そこで、これは根幹に触れる問題でございますから、われわれとしては総報酬制に踏み切るということはなかなかむずかしい。そこで、保険料の率を引き上げるという点についても、七十八が必ずしも高いとは言えない。地方公務員の共済組合等においても、ものによっては百十三なんというところの組合もございますし、あるいは国家公務員でも八十八とか百ぐらいになっている共済組合もあるわけです。いろいろあるわけです。しかし、これらの問題は、やはり基本の率の改定という問題でございますから、一応後に回して、今回は、さしずめいま言ったように、取りこぼしになっておったと言っては少し語弊がございますけれども、ボーナスの非常に多いところはその分負担が安かったわけですから、そういうようなところに、同じ財源を調達するのならば比重を置いたやり方の方がいいのじゃないだろうかというようなことから、いま言ったようなことを御提案しておるわけでございます。
○相沢委員 外国において、医療保険について総報酬制を採用している国もあるとお聞きしておりますが、その例について、これはごく簡単で結構でありますが、伺いたいと思いますことと、それからもう一点、社会保障制度審議会あるいは社会保険審議会において、総報酬制というよりむしろ特別保険料の徴収かもしれませんが、それについては従来どのような検討が行われ、また答申があったかについて伺いたいと思います。
○八木政府委員 外国の例でございますけれども、フランスの場合に保険料の一部につきまして総報酬制が導入されております。それからスウェーデンにつきましても、これは事業主負担でございますけれども、総報酬制でございます。 それから、かつて社会保険審議会なり制度審議会におきましても、この問題は、先ほどちょっとお答え申し上げましたように、昭和四十年に厚生省は総報酬制という考え方で社会保険審議会、それから社会保障制度審議会両方に諮問したわけでございます。その際に、社会保険審議会の答申におきましては、制度の根本に触れる問題であるから、この際は見送ることが適当であるというような答申をいただいております。それから社会保障制度審議会、同じく四十年でございますけれども、「総報酬制の採用は、応能原則を貫徹させるものとして、理論的には正しいが、あまりにも急激な変化をもたらす点等に難点がある。」というような御意見をいただいているわけでございます。
○相沢委員 総報酬制については、そういうことでございましょうが、特別保険料の徴収、ボーナスに対する料金の設定については、どういうような審議経過並びに答申が出ておりますか。
○八木政府委員 今回の特別保険料の問題につきまして両審議会に御諮問申し上げたわけでございますけれども、社会保険審議会におきましては、関係者、公益、それから事業主、被保険者、それぞれ御意見が分かれたところでございまして、被保険者、それから事業主におきましては、特別保険料については反対であるという御意見をいただいております。それから公益におきましては、一人を除きまして大部分の方が、いや、この際はやむを得ないという御意見をいただいております。 それから、社会保障制度審議会におきましては、審議の過程におきまして、いろいろな御意見があったわけでございますけれども、特別保険料の問題につきまして、保険財政に関します緊急措置として理解するといたしましても、「次の点について十分な吟味を要する。」というようなことで「賞与に対する特別保険料を設定することは、多くの問題があり、慎重に対処したものとは認められず、たとえ時限的措置を講ずるとしても、にわかに容認することはできない。」ということで「保険料の増率をはかる方がむしろすじであろう。」というような答申をいただいておりますけれども、審議の過程におきまして、特別保険料というのをむしろ恒久的なあり方として考えるということならば、一つの考え方であるというような御意見も出ております。
○相沢委員 昭和四十七年の社会保険審議会におきましても、この賞与に関する特別保険料の徴収については、公益代表及び事業主代表は賛成であるが、上限を設けるべきである。それから四十八年の改正の際には、社会保険審議会においては、賞与に対する特別保険料の徴収は「当分の間のやむを得ざる措置として賛成」というような答申が出ているわけでございます。将来にわたる制度であれば賛成というふうなことしの御意見であったようでありますが、私は、先ほど申し上げましたような標準報酬制から総報酬制への移行という考え方の一つのあらわれとしても、このボーナスに対する特別保険料の徴収についてはぜひ実現をしていただきたい、かように考えているのでございます。 そして先ほど総報酬制の問題について御質問を申し上げましたが、この際、一点だけなお伺っておきたいと思うのは、先ほども申し上げましたように、現在、雇用保険においては、失業保険と労災保険とあわせて保険料の徴収については一元化が行われているわけでありますけれども、もし総報酬制をとれば、雇用保険とあわせて保険料の徴収が一元的にできる、そうすれば、徴収する国の側からしましても、また、徴収される事業主の側からしましても、いろいろな点において便宜が多いし、また、合理化が図れるのじゃないか。給付の面についてはいろいろ問題はございましょう。ですから、とりあえず保険料の徴収の面においてはそういうことを考えたらいいのじゃないか、こう思うのでありますけれども、いかがでございましょうか。
○渡辺国務大臣 相沢さんは、御承知のとおり主計局長もやられ、大蔵次官もやられて、国の財政全体の問題、各省のこともよくわかっておる。したがって、いろいろなことを考えた上での御質問だと私は思います。大変貴重な御意見でございますので、今後、保険の問題について根本的な見直しをする際には、十分参考にしてまいりたい、かように考えております。貴重な御意見として拝聴をいたしておきます。
○相沢委員 今後御検討を願うということでありますから、ぜひそのようにお願いを申し上げたいと思います。 昭和五十二年度の健保財政につきましては、とにかく今回の制度改正をしなければとても収支賄えないということでありますが、もしこの制度改正が実現をしない場合にはどういうような財政状況になりますか、その点について伺いたいと思います。
○岡田政府委員 今回もし仮に、現に御審議をお願いしております法律案が成立困難になった場合におきましては、非常に大きな赤字を抱え込むかっこうになるわけでございまして、現在借入金によって急場をしのいでおる状況でございますけれども、これの推移によりましてはどのような事態が生ずるか、予断を許さない現状でございます。
○相沢委員 予断を許さないと言っても、しかし、今度の制度改正によってどの程度の保険料の増収になるかということは明らかなのでありますから、それがもし入らない場合には、その他の事情による収支の変動というのは別としまして、もしこの制度改正ができない場合にはどういうふうになるかということは明らかなんじゃないですか。
○岡田政府委員 仮に今回の健保法の改正案が成立しないということになりますれば、予定しております財政対策が講ぜられなくなるということでございまして、五十二年度の資金繰りに約千六百億円の穴があくというかっこうになるわけでございます。その結果、医療機関に対する診療報酬や被保険者に対します現金給付につきまして支払い遅延が生ずる、保険医療の現場が非常に混乱を生ずるという危険が多分にあるわけでございます。
○相沢委員 現在までの財政収支の赤字の原因は、政府が財政収支の見通しを誤ったのだから、その赤字は政府の責任である、こういう議論があるようでありますが、この点はどういうふうに考えられますか。
○岡田政府委員 政府管掌健康保険の財政状況が、昭和四十八年の法改正によりまして、まず何とかいくであろうという当時の見通しでございましたけれども、現在このように非常に悪化しております理由は、いわゆる石油危機を契機といたしまして経済情勢が著しく変動した、したがいまして、賃金の伸びが非常に低下したというようなことによりまして保険料収入の伸びが低下したというのが一つの理由でございます。 それからもう一つの理由は、支出面におきまして、人口構造の変化、老齢化、それから疾病構造の変化、あるいはさらに医療内容の高度化等に上りまして、給付費は増加の傾向を続けておる状況によるものでございます。 私どもといたしましては、四十九年度以降の財政運営に当たりましては、四十八年の法改正の趣旨に沿いまして、その健全化のためにでき得る限りの努力を続けてきたところでございます。けれども、主といたしまして、御存じのとおり、この政府管掌健康保険は、中小企業の被用者を適用対象としておる制度でございます。したがいまして、可能な限りこの被保険者の負担増を避けるという観点からいたしましての財政運用が求められておる次第でございまして、そのために、財政収支を見込みます場合には、特に収入面におきまして一応合理的に期待できる限度いっぱいまでの収入を見込む、そしてできるだけ、その保険料率等の引き上げを抑えるようにしてきたという点も十分御理解いただければと、かように存ずる次第でございます。
○相沢委員 この間、同僚の戸沢議員の質問の際に、もし過去における健康保険法の改正が政府の原案どおりに行われておれば、このような健保財政の赤字は発生していなかったはずなんだ、まことに遺憾であったという趣旨の発言があったようでありますが、四十八年の改正と五十一年の改正の際にもし修正などがなかったとすると、現在の財政状況はどういうふうになっておったでしょうか、その点について伺いたいと思います。
○岡田政府委員 四十八年の法改正、それから五十一年の法改正の際に、国会におきまして御修正を受けたのでございますけれども、もしこの御修正がなかったというふうに仮定いたしますれば、三千九百億円ほどの財政的な余裕が生じたというふうに推定しております。
○相沢委員 三千九百億円の増収ということになっているとすれば、千六百億円という赤字を差し引いても二千三百億円の収支残が生じておったということになるわけでありまして、保険料率も千分の七十二から七十八まで引き上げなくてよかったのじゃないかということになるのでありますけれども、それは過去のことでありますから、いまここで繰り返しても仕方がないと思いますが、それだけに、今後の保険財政を考えた場合に、今回の保険料の改正をぜひ実現したい、かように思うわけであります。 そして、次の問題としましては、五十一年の際にも、医療機関に対する支払い遅延の事態が生ずるというような話があったわけですが、この点はどういうぐあいにして乗り切れたのか。それが乗り切れれば今回だってそれでいけるのじゃないかというような議論も出るわけなのでありますが、この点についてどういうようなお考えでありますか。
○渡辺国務大臣 これも御承知だと思いますが、これこれの財政の再建策をやりますということで、今回この法案を提出することによってこれだけの財源をつくっておる、お金は返済いたしますから貸してくれということで、大蔵省に話をつけて金を借りられるようにしたから現在もっておるので、来年になれば、今度はその案ができなければ、これは特別会計の趣旨からしても金が借りられないということで行き詰まってくるということでございます。
○相沢委員 そうなると、案ができりゃいいのだということになっちゃうんですね、その点はいかがですか。
○渡辺国務大臣 それは、われわれは、案ができればいいというのでなくて、この案は必ず国会で通過をさしていただきますということで、向こうでも、恐らく通過をさしてもらえるだろうという確信に基づいてそれは認めたもの、かように考えておるわけです。
○相沢委員 まさに厚生大臣の御答弁のとおりだと思うのであります。実現されないような案をつくっても、これは意味がないのでありまして、そういう意味におきましても、五十二年度におきましては、五十一年度末のようなことではなくて、健保の財政収支がぜひ改善されますように期待をしているわけでございます。 そこで、保険料の面について、これは前から一つの問題になっている点でありますが、各保険制度間の財政調整問題です。かつて、これは昭和四十七年度でございましたか、財政調整をぜひ図らなければならないということで一部案が立てられ、国会提出にも至ったかと思うのでありますが、これは実現いたしませんでした。確かに、共済組合等も含めまして各種の健康保険組合の保険料率あるいは保険財政の情勢と国保あるいは政管健保との間にはいろいろな点におきまして懸隔があるわけであります。その原因は、賃金の水準に違いがあるとかあるいは保険給付に差があるとか、いろいろありますけれども、考えてみますと、国民医療の保険制度としては、できるだけそういう制度間の格差というものは少ない方が望ましい、できればその一本化を図ることが望ましい、私はかように思いますが、この点について厚生大臣はどうお考えになりますか。
○渡辺国務大臣 理論の上から言えば、国民皆保険でございますから、共済組合も社会健康保険も国民健康保険も一本化をするということは望ましいという議論が当然あってしかるべきだと私は思います。しかし、これには長い歴史的な背景もございますし、いろいろなむずかしい事情等もあるから、急激に一本化ができないというのも現実の姿であります。しかしながら、それらの格差を是正するということは大切でございます。 そこで、政府といたしましては、ともかく財政調整交付金等を出したりいろいろな助成策を講じたりいたしまして、全体がやっていけるようにいままでもやってきておるわけでございますが、やはり本来は、それぞれの組合の保険料によって自立をするというのが保険のたてまえでございますから、それぞれの組合が自分の力で保険財政を運営するというのが基本ではないだろうか、私はこう思っております。
○相沢委員 それぞれの保険財政が自分の力でやることが望ましいということは結構だと思うのです。その考え方は結構だと思うのですけれども、しかしながら、その土俵となる保険財政のいわば単位が、現在のようにばらばらであっていいかどうかと思うのです。とにかく健康保険組合の場合には、それぞれの組合によって大変な差異がある。保険料についても事業主が九五%も持っておるところもあれば、非常に高い保険料に苦しんでおるところもある。国保の財政、また政管健保と健康保険組合との間においても、先ほど申し上げましたような大きな懸隔がある。ですから、同じような医療給付を受けながら、その保健料の負担に非常な懸隔があるということ、そういう状態は決して望ましいことではないと私は思うのです。 したがいまして、急に制度の一元化ができないということは、私も十分承知いたしておりますが、少なくともそういう方向への努力が行われなければならない。過去において、そういうようなことについて厚生省としてどういうことをなさっておられたのですか。
○渡辺国務大臣 委細は担当局長からお答えをさせますが、保険財政、保険組合間のそういういろいろな不公平を是正をするために、あるいは調整をするために、たとえば健保組合には八億円しか出しておりません、しかしながら、国民健康保険の方には一兆四千億円も助成をいたしております。政府管掌には今年度も一千三百億円というような助成をする予算を組んでおるわけでありまして、全体から見ると、そういうふうに国の資金をもって一応格差の解消に対してできるだけの助成はしておるわけでございますが、本質的に、たとえば国民健康保険のように、老齢者が非常に多くて高額所得者が少ないという人が入っておるのだから、こういうものについては老齢保険を別に抜いたらいいじゃないかというような議論もあります。一方は、ともかく退職者保険というものをやるべきであって、元気なときに組合に金を払って定年が来たから追い飛ばされちゃって御利益がない、ですから、企業がつくっておる組合保険においては退職者のめんどうを見るべきである、こういう議論もあるわけです。ところが、これについては、保険の統合に反対するという結果になるのじゃないか、現状をそのまま固定することになるのじゃないかというような議論もある。いろいろな議論がありまして、それにつきましては、ぜひともわれわれとしては専門家の間で御検討いただきたい、かように考える次第でございます。 ただいま発言した中で、政府管掌保険千三百億円の助成と言ったのは、三千百億円、正確に言えば三千百三十億円、それだけの大きな助成をいたしております。 〔斉藤(滋)委員長代理退席、委員長着席〕
○相沢委員 持ち時間が来たようでありますから、遺憾ながらこれでやめますが、私は、各保険財政のそのときどきの情勢によって何ともならないから、国でそのしりをふいてくれというような形でもって財政の調整が図られるというのは、本当の意味においての財政の調整にはならないので、理想的には、やはり保険の制度というものが一元化される、そして同じような保険給付を受ける人たちは同じような保険料の負担であることが望ましいじゃないかと思いますが、この点については、特に決断と実行をもって知られております厚生大臣でありますから、どうか今後とも、この問題について積極的に御検討を願いたいと思うのでございます。 医療の供給体制の問題についてもお聞きする予定でございましたが、遺憾ながら時間がございませんのでこれでとどめて、また質問させていただきたいと思います。ありがとうございました。 ————◇—————
○橋本委員長 この際、本日付託になりました枝村要作君外五名提出の母子家庭の母等である勤労婦人の雇用の促進に関する特別措置法案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。提出者枝村要作君。 ————————————— 母子家庭の母等である勤労婦人の雇用の促進に関する特別措置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○枝村議員 私は、日本社会党、公明党・国民会議及び日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となりました母子家庭の母等である勤労婦人の雇用の促進に関する特別措置法案について、提案理由並びに内容の概要を申し上げます。 突発的な事故や不慮の災害等で主たる稼働者であった父や夫を失った母子家庭は、四十八年度末の調査で六十二万六千二百世帯を数えます。しかもこの数値は、交通事故、海難事故、労働災害など最近の発生状況にかんがみ、さらに増大するものと思います。 これらの災害を未然に防止する効果的な対策の確立は、国民の強い願望であり、国がその施策の万全を図る責任のあることは言うまでもありません。同時に、当面の母子家庭の生活基盤の確立も、またきわめて重要な課題であり、一日たりとも放置できるものではありません。 現在の母子家庭に対する遺児手当、母子福祉年金、母子福祉貸付金及び生活保護など社会福祉施策は、十分なものではなく、また、勤労婦人福祉法を初め労働法体系の中でも、婦人労働について必ずしも十分な保護施策が講ぜられているとは認めがたい状況であり、母子家庭の実質的な生活水準向上の方策は閉ざされていると言っても過言ではありません。 母子家庭の母親等が一致して要求するところのものは、みずからが労働することによって従前の生活水準を維持できる所得を確保したいということであります。しかし、寡婦ゆえに資格や技能の取得は容易でなく、劣悪な労働条件や不安定企業に低賃金で労働することを余儀なくされている現状であります。さらに母子家庭の母親は、そのほとんどが中途で生計の中心者である配偶者を失っているため、幼い児童を抱えての長時間労働は困難であり、所得も低水準にならざるを得ません。 この結果、生活保護水準以下の生活を強いられ、児童の進学断念あるいは退学、休学など、児童にとって好ましくないばかりか、国にとっても大きな損失となる事態を招いているのであります。これは、まさに最低生活と教育の機会均等を保障する憲法の理念にもとるものと考えるものであります。 かかる事態にかんがみ、母子家庭の貧困防止と児童の教育権の確保のためには、その母親に安定した職場の供給こそが前提であると考え、社会福祉対策の一環として寡婦雇用を社会的に位置づけ、国及び地方公共団体等に対して、優先的に雇用を義務づけることによって、適正な職場と賃金を保障し、もって母子家庭の生活向上を図るものであります。 以上が本法案提出の理由であります。 次に、本法案の概要について申し上げます。 第一には、母子家庭の母等について明らかにし、生、死別だけでなく、現に遺棄状態にあるもの、夫が心身障害で労働能力を喪失している場合及びこれに準ずる女子等を含めました。 第二には、求人の条件を定め、公共職業安定所の求人業務を明確にし、職業紹介や母子相談員との緊密な連絡等による雇用促進に関連する国の責務を規定しました。 第三には、雇用率については、政令で労働大臣が設定できることとし、雇用について国、地方公共団体、三公社及びそれらが二分の一以上を出資する法人は、雇用率を上回る採用計画を作成することを義務づけました。さらに、任命権者に対し採用計画に基づく採用状況を、労働大臣もしくは都道府県知事に通報することを義務づけることにしました。 第四には、一般雇用主に対しても雇用率以上に母子家庭の母等を雇用することを規定し、雇用率未達成の事業所(常時百人以上の労働者を使用する事業所)には、公共職業安定所が雇用計画作成を命ずることができることとしました。なお、雇用促進の効果を上げるため事業主に給付金を支給することとしました。 第五には、母子家庭の母等である失業者に求職手帳の発給を受けた者に対し、生活の安定のため手当を支給することとしました。 第六には、母子家庭の母等の就職を容易にするため、職業指導、職業紹介、公共職業訓練施設や専修学校、各種学校による職業訓練等の措置が効果的、有機的に実施されるよう労働大臣が計画を作成することとしました。 第七には、雇用促進のため託児施設の整備及びその利用、労働時間等について政府、事業主に特別の配慮をするよう明記しました。 以上が、本法案の骨子であります。 何とぞ慎重審議の上、速やかに可決あらんことをお願いいたします。(拍手)
○橋本委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○橋本委員長 健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案の質疑を続けます。渋沢利久君。
○渋沢委員 問題が大きいわけですから、その抜本的な議論をじっくりやらなければいけませんので、きょうは健保に関連して、厚生関係の一般質問を行うことにいたします。 私は、薬の問題、とりわけ薬害をきょうは尋ねたいと思うのですけれども、その前に、きのう厚生省が明らかにしたところによると、医薬分業五〇%達成を目指して、かけ声は非常に大きくてよかったのですけれども、どうもかくかくたるその成果二・六%ということなんでありまして、どうしてこういうことでしかないのか、どこに原因があると考えており、そしてこれを具体的などういう対応で、施策で、解決をしていくか、刷新をしていくか、目的達成のために、この現状、理由をどうとらえ、どう対応しようとしているか、ここをひとつまず承りたい。
○上村政府委員 医薬分業につきましては、昭和四十九年の十月に診療報酬の改定をいたしました。それが機会になりまして関係者の間でもこれを進める機運が高まりました。それで、診療報酬を改定いたしましたのが四十九年十月でございますから、その前の月の九月と現在を比べますと、処方せんの発行枚数というものは約三・五倍になったわけでございます。それから処方せんを取り扱っております薬局の数も一・五倍にふえたわけでございますが、いま御指摘になりましたように、まだ全国的に十分普及したとは言えないような状況でございます。 そこで、こういった医薬分業を推進いたしますためには、どうしてもこの仕事に当たります医師と薬剤師相互の理解と協力が必要であろうというふうに思うわけでございますが、私ども、これがなかなか進まない理由といたしましていろいろ考えてみますと、一つは、われわれの場合には、長年の慣習で患者が診療を受けました病院なり診療所で投薬を受けるということを希望する人が多いわけでございます。それから一方、そういったことも背景にございまして、調剤すべき薬局の方で処方せんを受け入れる体制が必ずしも十分ではない。それから、この委員会でも再々指摘されておりますように、医薬品の価格の問題があるわけでございます。 そこで、こういったいろいろ障害はございますけれども、その障害を乗り越えて分業を進めていくためにはどうするかということでございますが、やはり基本は、いま申し上げました医師と薬剤師、そういった関係者の間で積極的な話し合いを進めることがまず何よりも大事である。同時に、医薬分業の意義について薬剤師あるいは一般国民に広くその趣旨を普及するということも必要でございます。それから、その薬剤師さんそのものについても、新しい時代に適応した調剤技術の研修をするということも必要であろうというふうに思うわけでございますので、そういった点を中心にこれからの施策も進めてまいりたいというふうに考えております。
○渋沢委員 お話の筋としてはそういうことなんだと思いますが、やはりいま局長からもお話があったように、その中でポイントになっているのは、先般もこの委員会でわが党の川本委員からも指摘がありましたけれども、薬の価格の問題、この薬価基準と実勢価格の差益の問題、一言で言えば、医師のうまみという表現がいいかどうか知らないけれども、新聞等の表現をお借りするならば言い得て妙なこの実情ですね、こういうものがやはり一番問題になっていると思うのです。 いまのお話を聞いていると、その受けざら、受け入れ体制の薬剤師側への指導、教育、PR、受け入れ体制の方には大変力の入った施策が考えられておるようだけれども、実際は医師の側の問題がやはり中心だと思う。医師会というような大変強力な指導力のあると言われておる組織があるなら、こういうことにこそ医師会が強力な指導性を発揮するように、厚生省が大きな指導を加えなければ、医者と薬剤師の話し合いにまつなんということをやっているから、何年たっても二・六%。五十四年までには五〇%と大きな目標をお出しになったのだけれども、実際はこういうていたらくだということじゃないでしょうか。 ですから私は、そういう意味で、厚生省の方針としてもっと強力な指導方針がないとこの問題はどうも進んでいかない、こう考えるわけです。もちろん、いつも指摘されるように、薬を乱造し、そして乱発する、そういうこと、その流れを軸にしていまの医療構造ができ上がっているのではないかと疑われるようなこういう全体の構造の中での問題ですから、医薬分業もそこのところだけで完全な解決ができるというふうには思わないけれども、しかし、やはり医師会への厚生省の強力な指導をやってもらわなければしょうがない。とかく医師会に対しては余りにも厚生省が弱腰に過ぎるのじゃないかということが全体の認識、常識としてあるわけですからね。渡辺厚生大臣も一番最初にお宮参りをしたのは、武見何がしという医師会の偉い人であったということも言われている。しかし、やはりこれは行政の長にある厚生大臣の、ここでこそ強い指導力が問われていくのじゃないでしょうか。きのうの発表を踏まえて、ひとつ大臣の所見を承りたい。
○渡辺国務大臣 厚生大臣は就任早々、一番先に医師会にお宮参りをしたと言われますけれども、これは医師会だけじゃなくて、医師会は一番後なんですよ。一番先に行ったのは、総評へ一番先に行きまして、それから同盟とか薬剤師会それから健保組合とか、そういうところを全部回って医師会は一番最後に行ったのです。ですから、誤解のないようにしていただきたい、かように考えております。 ただ、厚生省といたしましては、実際に医療を担当しておる者はお医者さんでございますので、やはり医師会との意思の疎通というものを図っていかなければいけない。日本は命令と服従でお医者さんを使う国柄じゃございません。ですから、やはりそこは友好裏に、理解と協力によって円満に医療行政をやりたいという考えを持っておるので、しょっちゅう意思の疎通を図っておるということは事実でございます。少しもまずいことはない。農林省が農協とよくいろいろな意思の疎通を図るのと同じだと私は思います。 ところで、医薬分業が進まない原因というのは、薬務局長が言ったことで尽きると思いますが、確かに一つは、薬に差額があるということも原因でしょう。しかし、これについては昭和四十九年に、処方せんを一枚書けばお医者さんが百円、これを五百円に値上げしたわけです。そういうようなことも起爆剤になりまして、医師会の方でもたくさん薬を持っているよりも、薬剤師の方の御協力を得られればということで、長野県の上田市のように、比較的うまく話し合いによって医薬分業が進んでおるということもございますし、なるべくそういうふうになるようにわれわれとしては指導しているのです。日本の患者は、どうせ保険ですから、お金が余りかからぬということになれば、わざわざ処方せんをもらって薬局までまた買いに行くのか、それならここで座ったきりで薬をもらった方がいいという患者さんの気持ちのあることも間違いない。ですから、そこらのところを余り極端に、もうお医者では薬は一切上げない、みんな薬屋へ行って買えということにいたしますことは、場所によってはなかなかむずかしい。医者と薬剤師と向かい合っているのならいいけれども、必ずしも薬局と病院と向かい合いにばかりあるわけでもないし、田舎に行けば行くほど離れるというような問題等もありますもので、一律にこれをどうこうというのはなかなかむずかしいけれども、できる限り両方の便宜になるというようなものについては医薬分業を進める方向で、スピードが遅いと言われれば遅いかもしれませんが、いろいろ手は尽くしておる次第でございます。
○渋沢委員 まあ国民の側の薬への対応に責任を転嫁するような言いようは、これは大臣として決して穏当な説明ではないと思う。いまのお話を聞いておっても、その程度の姿勢ではこの問題は解決しないということは明らかだ。やはり医師の側に対して強力な指導が義務づけされるような姿勢がないと、これは解決しない。受けざらの不十分もあるでしょう。しかし、医師会の非協力と厚生省の不熱心が、こういう二・六%という数字を出していると思う。 しかし、このことは、きょうの質問の中心でありませんから、不満を表明しておいて、大臣、本当に積極的にこの分業についてはやっていかなければいけないということを申し上げておきたいと思うのです。 医師の問題が出ましたので、私ついでに一つ明らかにしながら伺っておきたいのは、たまたまきょうもやっておりますが、五月十六日から二十日までの五日間にわたりまして「健保改定案を考える医療一一〇番」というので、新宿区民として医療を考える会あるいは日本婦人会議、婦人有権者同盟、地婦連、新婦人の会とかいろいろたくさんの婦人団体や市民団体が共同して、医療についての国民の告発、苦情を受け付ける任意の自発的な取り組みがあったということで、きのうまでの様子などを、どんな反応状況にあるかということをちょっと伺ってきたわけです。細かいことはもちろん省きますけれども、非常にたくさんの問題が寄せられておる。三日間に三百六十数件、生々しいさまざまな苦情、告発事実がいろいろな階層の方から、医者を含めてたくさんあったそうです。その中で、もちろんいまの医療制度に対してのいろいろな不満、差額ベッドに始まり医療費の負担増の問題、いろいろありますけれども、とりわけ医師への、あるいは医療機関への不信というものがかなり具体的に提起されておる。これは住民の側から、たとえば最近の食品公害のようなもので言うと、消費者センターとかあるいは物価の問題とかいうようなことでいろいろ持ち込む場面は、自治体がそういう場所をつくっておりますけれども、医療についての苦情、不満を本当に率直に相談をしたり持ち込む、そういうものが欠けておるということが、言ってみれば任意の団体の任意のこういう自発的な取り組みに苦情が殺到する、こういう状況を生んでおるのじゃないだろうかというふうに思うのです。 その中で私、具体的なことを一つだけ、厚生省はどういう受けとめ方をされるのか、お考えを聞いておきたいと思うようなことがあるのです。たとえば予約料です。よく三時間待って三分の診療と言いますけれども、一般の庶民にとって、国民皆保険などと言いながら、実際にはなかなか診療機関の診療が十分に受けられない。医者の方も数をこなさなければならない。数をこなして薬をうんと出さなければかせぎにならぬという構造の中で、乱暴な言い方だけれども、実際は数をこなすという状況にいまの診療の状況がなっておる。三時間待って三分というのが決してオーバーなことでないという状況の中でどういうことが起こっているかというと、予約料というもの、一定の代価を払って予約券を手に入れれば待ったなしで診療ができる、こういう制度がいまやかなり広がりつつある、こういうことなんだそうであります。 名前を出して恐縮だけれども、そういういわば苦情があった病院で順天堂病院というのがありましたので、私は、順天堂病院に直接ただして、そういう制度の有無を、医師を通して聞いてみましたが、これは確かにある。原則として紹介者があった場合という言い方をしておりますけれども、予約診療室というのがちゃんとありまして、そこを通して申し込むと、予約料が初診については九千五百円以上、再診の場合は五千円以上というのです。この以上というのは何かというと、診てもらう先生によって値段が違うのだそうですね。それで、最低線はとにかく待ったなしで診てもらうということの権利を確保するために、初診の場合・は九千五百円を最低の分担として払う、こういう仕組みになって予約診療室というものを制度化されて、そこを通してやれば、自分の診てほしい先生に長いこと待たぬで診ていただける、こういう仕組みになっておる。 まあ国公立にはそういうことはないでしょうけれども、大学病院ですらこういう状態ですから推して知るべしだ。まさに、金のない者にとっては落ちついて診てもらえるという構造でなしに、金持ち優先の診療システムというようなものがもう一般化しているとすれば、これはやはり大変なこと、医療の矛盾というものがここまで来てしまっておるという思いを、この一一〇番の告発の中から見たわけですけれども、こういう状況は厚生省は御存じですか。こういうことがあって、それにどういう対応をされるのですか。
○八木政府委員 国民皆保険でございますから、必要な医療は必要な際に受けられるというのが本筋でございます。私ども現実に調査したことはございませんけれども、一部に従来の慣行でそういうケースもあるのではないかということも若干は承知しておりますけれども、そういうことで医療の機会が妨げられることがあってはならないというのが私どもの考え方でございます。私立大学の付属病院等について、あるいはそういうケースもあるのではないかというふうに思われますが、ちょっと実態はつまびらかにいたしておりません。 〔委員長退席、斉藤(滋)委員長代理着席〕
○渋沢委員 くどくどと申し上げるまでもなく、まさにこういう事態が日常茶飯事のようにわれわれの周辺に存在をして、ますます医療行政というものに対する不信を高めていると言っても言い過ぎでない。皆保険ということで一定の保険料負担を義務づける一面、医療の供給については、いまの話だけでなしに、救急医療の問題を見ても、差額ベッドからあらゆる問題を見ても、そうでありますように、全く供給責任というものが果たされておらない。こういう片手落ちの医療政策のもとで、まさに医療に対する、医療行政に対する不信というものが渦巻いていると言っても言い過ぎでない。こういう中での厚生省の保険制度に対する対応の仕方が厳しく問われるというのはあたりまえのことだと思うわけであります。 そこで、きょうは健保の問題でなしに、直接的な問題といいますより、ややそのまた主要なかかわりであります薬の問題で私、お尋ねしたいと思うのですが、薬の問題といえば量の問題、薬づけと言われるような形での量の問題が問われているわけです。質の問題としてこれを問うならば、まさに薬害の問題があると考えるわけで、この薬害をなくすために厚生省は具体的にどんなことをやってきたか、どんなことをやろうとしているか、この重点をひとつ簡潔にまず言っていただきたい。
○上村政府委員 医薬品の副作用によりまして健康被害が起きる、薬の場合には人体にとって異物であるということから、絶対に副作用の発生をないようにしてしまうというわけにはいかぬわけでございますが、薬を飲んでかえって健康の被害が起きることのないように、医薬品の安全対策というものを薬務行政上の一番大きな重点として進めてまいっておるところでございます。 順を追って申し上げますと、その一つは、薬が市場に出る前の対策になるわけでございます。厚生大臣が医薬品の製造承認をいたします場合に、これまでも安全性なり有効性という点を非常にポイントにして審査を行っておるわけでございますが、特に十年前の昭和四十二年の十月に、その新しい方針をつくりまして、医薬品の中でいわゆる新薬、新しく開発された医薬品の承認に当たりましては、必要な基礎なり臨床のデータをどうするかという基準というのを厳格に決めました。同時に、そういった新薬については、承認をいたしました後、町に売り出されるわけでございますが、三年間必ず副作用報告を義務づけるということにしておるわけでございます。 それからその次は、その市販されました医薬品の情報でございますが、これは副作用モニター制度というものを設けまして、それで国内のモニター病院から副作用情報を集める、それからWHOの国際モニタリングシステムに加入をして、世界各国の情報を集める、それから企業からも報告をとるということにして情報を集め、集めました情報を審議会の専門家で分析をいたしまして、その評価に基づいて必要な措置をとる、同時に、医薬品の情報というのを、医療に携わっておられる方々にできる限りきめ細かく伝達をする努力をしておるわけでございます。 また同時に、新しい方針を決めました昭和四十二年十月以前に製造承認いたしました薬につきましては、医薬品の再評価ということで、薬効なり安全性の洗い直しを進めておるわけでございます。
○渋沢委員 いまいろいろお話がありましたけれども、その中で企業からの副作用報告というのをさせるようになっている。ちなみに伺いますが、五十一年度で企業からの自発的な報告は何件ありますか。
○上村政府委員 五十年度の数字でございますが、新薬品として開発されたものの副作用情報の報告というのは、頻度で百十件、症例で百二十二件。それでその症例は、こういう症例がありましたという報告でございますが、頻度の場合には平均一つの病気にして千二百ぐらい集めておるわけでございます。 それから、新しく開発されました医薬品以外の医薬品についての副作用の報告というのは、五十年度の場合約百件出ておるわけでございます。
○渋沢委員 モニター病院、モニター制ということが、この副作用対策の柱になっておるということですけれども、この副作用モニター報告というものの件数、総件数はどのくらいになっていますか。
○上村政府委員 副作用モニターの制度を発足させましたのが四十二年の三月でございます。当時国立病院と大学病院にお願いをしたわけでございますが、昨年追加をいたしまして、現在四百六十二の病院でございますが、発足をいたしましてから現在まで、つまり五十一年の終わりまででございますが、合計三千百四十件という数字が報告されておるわけでございます。
○渋沢委員 十年で三千件ということ、これは実際の発症数から比べると、問題なく非常に少ないというふうに言わざるを得ない。 具体的なことを、余り例を挙げて言いませんけれども、たとえば大阪大などを含む大阪の四つの病院の副作用研究組織で共同研究をやっていますが、あそこの四十九年の発症例というのは五百四十件あるというふうに言われておる。ところが国では、四十九年度ではいまの三千件のうちの一部だが二百八十五件だというんですね。全国で一年間のモニターによる報告というのは、そういうとらえ方になっておる。もちろんモニター病院を通しての報告件数ということであるからでしょうけれども、そういう意味では全体の副作用の発症件数というのは、もっとおびただしい数になっておると言うべきではないですか。
○上村政府委員 副作用の中には、医薬品の製造承認の際にわかっておる副作用も多々あるわけでございます。副作用はあるけれども、その薬はより多く効き目があるというので、承認をする場合に、その薬にはあらかじめ予測された副作用が幾つかある、それから承認をいたしました後報告があって、それでまた能書と申しますか、医薬品の使用上の注意に書き込んだ副作用というのがある、こういうのは私ども既知の副作用というふうに言っておるわけでございます。 モニター病院にお願いしておりますのは、いままでわからなかった副作用、それから非常に重い副作用、そういったものを報告してもらいたいと言っておるわけでございますので、いま御指摘になりました大阪の方で調べられました副作用と、それから私どもの方がモニター病院にお願いしております副作用というのは、質が違うと申しますか、あらかじめ承認をしたときにわかっておるような副作用については報告を求めていない、しかし大阪の方は、あらかじめわかっておる副作用であるけれども現に起きた、そういった副作用の事例を集めておられる、これは両方照合してみますと、大体そういうことではないかというふうに私ども判断したわけでございます。
○渋沢委員 モニター病院というのは、全体の病院の何%を占めておるか。
○上村政府委員 病院の数が相当ございますが、モニター病院というのは国立病院、大学病院、公立病院中心にあと特殊な病院にお願いしておりまして、四百六十二でございますから総合病院の中の一部、それから日本の病院から見ますと、ごく一部ということになるわけでございます。
○渋沢委員 ですから、モニターの報告件数は、重篤な副作用については全部掌握しておるようなおっしゃり方をしては、それはうそになるんですよ。ごく一部だとおっしゃったけれども、病院といっても、いろいろな規模もありますし、数の上で何%だとは私はあえて言いませんけれども、あなたがおっしゃったとおりごく一部なんです。だからまさに、重篤な大阪の副作用研の報告が、全部これは予期された副作用だというふうに決めてしまうのも乱暴な話だが、確かに、重篤な副作用と言われるものは、モニター病院を通してごく一部の医療機関から吸い上がった報告であるというにすぎないのであって、いまこの数のことで問答しようとは思わないけれども、率直に言って、全体の発症しておるところの副作用というものに対して、まさに重症な予期せざる、あるいは予期したにしても、予期以上のそういう副作用発症の全貌をつかんでいるというふうには言い切れないわけです。 それから、たとえば薬局等の大衆薬の副作用というのは、自治体によっては独自にそれを調査をしているという自治体もございますけれども、これは厚生省限りの責任において、いろいろ報告を受けて資料ぐらい持っているかしらぬけれども、正確に掌握しておるという状況ではないはずだ。病院の問題についても同様だ。これは残念ながら、いまの副作用の実態を掌握し切っていないと思うのです。そのごく一部をつかんでいるにすぎない、こういうふうに言わざるを得ない。これは率直に認めて、だから、どうしようかということで、そこを考えていかなければならぬと思うので、そのことを別にとやかく言いませんけれども、それは事実でしょう。何か全部握っておって、あといろいろ出しておるのは、大阪のものはあんなものは軽い、能書に書いているような性質のものですよと言わんばかりのおっしゃり方では事実に反すると思うのです。
○上村政府委員 私、いまお話し申し上げましたのは、四百六十二のモニター病院からの報告でございます。大きな病院でございますから、お医者さんの数にいたしますと、約三万人ぐらいのお医者さんがそこで働いておると考えておるわけでございますが、それだから、全国の重篤あるいは新規の副作用がこれだけだということを申し上げたつもりはございませんで、それはやはり一つの事例であるというふうに考えるわけでございます。
○渋沢委員 要するに、実際に現に起きている副作用の実態のごく一部しか実はモニター制度を通してつかんでいないということの中で、そのごく一部の三千件の調査をやる、これは全部処理済みだ——処理済みだが、処理分類というものはできていますか。たとえば製造中止とこの調査を通してやった、それからそのほかいろいろあるでしょう。使用者に使用上の注意を与えたというようなものもあるでしょうし、あるいは説明書、能書の補強を求めるという処置をとったものもあるでしょうし、そういう分類は明確にできておりますか。できておったら簡単に言ってください。
○上村政府委員 モニター病院から出されました副作用の報告、それからメーカーから出されたもの、あるいはモニター病院でないお医者さんからも御連絡があるわけでございます。そういったものを薬事審議会の調査会、専門の部会にかけましていろいろな処理をするわけでございますが、一つは、製造なり販売の中止の措置をするもの、それから用法、用量の変更をするものというものがございます。一番多うございますのは、やはり使用上の注意を改めさせるということでございまして、まあ三百ほど出てまいりますモニター病院の報告、それからメーカーから出されます報告の大体十分の一ぐらいが要措置になっておるというふうにお考えになっていただいていいであろうと思います。
○渋沢委員 答えになっていない。きのう私、役所へ聞いたら、できていないのだ。十年に三千件で、一年にたかだか三百かそこらの、しかもモニターからの重篤な副作用というものについて、そういう整理すらできていない。それでは、その十年間の役所に出された副作用の中での傾向を定かにつかむこともできない。取ってつけたような答弁をしておるけれども、全くずさんな対応なんですよ。 先ほどあなたが言ったように、あなたの言い方によれば、薬はやはり害がある、有効性と同時に有害性というか、副作用は多かれ少なかれそれはやっぱり存在するもので、ただ予期できる副作用と予期せざるものがあり、予期せざる副作用が発生した場合のその対応の問題なんだというような説明がそのとおりだとすれば、これはまさに市販後、使用後の患者に対して投与をされるという状態の中で、ある意味では言葉は悪いけれども、臨床実験、まあ人体実験という表現は適切ではないけれども、結果においては、そういう形の中でしか副作用というものは、その危害を掌握し、それを処置することができないのだとするならば、つまり許可の段階で完全に副作用のない医薬品の開発ができる、それが一番望ましい、しかし、それは一〇〇%できない、それはむしろ困難だ、こうおっしゃるなら、ならば、いわゆる副作用というような事態が出てきた場合に、果断にこれを掌握する、そして果断にこれを処置する、とめるものはとめる、そういう対応をしなければ、それは副作用つきのものだとあなたのおっしゃる薬をやたらに開発して許可して、そうしてモニター制度を通して出てくる——副作用対策の最大の目玉でしょう、そのモニターの病院は、全体の病院のごく一部、その重篤な件数の内訳もできていない、整理も不十分だ、そうしてそれに対して果断な処理ができないことは当然のことなんだ、こんなことじゃ副作用対策をあなた方やっていると言うことはできないと思うわけです。 どうもいまの副作用の報告は、非常に強い義務づけというようなものではなしに、御協力をいただく、こういう形で出されているものだと思う。私は、ここに非常に問題があるというふうに思う。こんな状態では、現実に発生する副作用をとらえることもできない。とらえなければ正確な対応もできないということになるわけで、いまのようなやり方では、副作用対策に万全を期するというようなことにはならぬのじゃないでしょうか。
○上村政府委員 モニター病院というのは、できる限りふやしたいと私ども思っております。したがいまして、先ほどお答えいたしましたように、昨年の暮れに相当ふやしまして現在の数になったわけでございまして、この四百何十という数というのは、全国の総合病院について見ますと、約半分ぐらいになるわけでございます。やはりこういった副作用のモニター病院というのは、各科がそろっておる総合病院でなければなかなか判断がしにくいだろうというふうに思うわけでございますが、引き続き、総合病院の中からモニター病院をふやすべく努力はしてまいりたいと思うのでございます。 それから、若干舌足らずな点があったわけでございますが、集まりました報告というものは、私ども分析をいたしまして、それを、たとえばモニター病院なりあるいは都道府県なり関係団体には、二カ月に一回、医薬品副作用情報として伝達をする、これは発行しております部数が約十万ぐらいございます。それから全国のお医者さんその他の関係者には、これは五十年の三月からでございますが、特に重い副作用の情報について厚生省医薬品情報として約十五万部印刷をして直接配るというふうなことをし、直接医療に携わる方々に薬の副作用についてよく知っていただくという努力は行っておるわけでございます。同時に、メーカーに対しましても、ダイレクトメールなりパンフレットなり添付文書で、副作用の情報というものを医療関係者に周知徹底するように強く指導しておるわけでございます。 そこで、いま御指摘になりました病院なり診療所に働くお医者さん方に、およそ医薬品の副作用というものを見つければ報告することを義務づけるということが果たして妥当かどうか。義務というのは必ず罰則が伴うわけでございますので、罰則をもってしてまで副作用情報の提供を義務づけるというのはいかがか。むしろ、こういった専門職種の方々というのは、医薬品の副作用について、これは重大な事例であるというふうに御判断されれば、私どもの方に御報告いただけるものと期待しておるわけでございますし、現にモニター病院以外のお医者さん方からも私どもの方にそういった情報が寄せられておるわけでございます。どうも義務づけるということまではなかなか踏み切りかねるというふうに思うわけでございます。
○渋沢委員 製薬メーカーに対しても、実際にはいろいろこういう重篤な副作用の報告があっても、いろいろ注意を与えたり処置はするけれども、その点検が本当に厳しく行われておるかというと、これは決して十分とは言えない。いまのお話のように、企業の側や医師会とか医者に何かを少しきつい形でやってもらおうというような話になると、どうもあなた方はそれを弁護するというような姿勢に立っておられる。 それでは一体、この副作用を根絶するために、まず薬の許認可の段階、そして使用されている段階での副作用の掌握、対応ということの段階で、先ほど来申し上げたような役所の体制とやり方で本当に徹底するかどうかというと、残念ながら十分ではない、こう言わないわけにはいかないわけです。むしろ、企業と医師の側への一定の副作用についての報告義務というものを検討していかないと、副作用をなくしていく、絶滅していくという立場に立つならば、これは不可能だと私は思う。医薬分業が医師会に対する強力な対応がなければできないように、副作用を根絶するという立場から、これは、そのくらいの手厳しい姿勢がなければ実際には解決しないというふうに思う。これは、ぜひひとつ検討をして、副作用の絶滅のための対応をもっと真剣に考えてもらわなければいけないというふうに思います。 時間がありませんので、さっき言われた薬効の再評価の点について、ちょっと一、二点伺っておきます。 これは大変な件数、品目の再評価をやっておるので作業自体も大変だと思うけれども、現在の一番新しい状況で、何品目の中で何品目が調査済みになっておるのか、そしてその有用性ありなしというような、これは分類をされたと思うので、それがどうなっているかということを簡単にひとつ説明してもらいたい。
○上村政府委員 再評価を実施しておりますのは、日本とアメリカだけなんでございますが、四十六年にスタートいたしましてから、先般、中央薬事審議会から答申をいただきましたので、これで十一回にわたるわけでございます。十一回にわたりましたものを見ますと、抗菌性剤、精神神経用剤、ビタミン、そういったもの約八千三百五十品目、正確に申し上げますと、八千三百四十四品目について答申が行われたわけでございます。現在やっております再評価は、医療用医薬品約一万八千品目ございますが、その中の医療用単味剤、これは一万五千五百あるわけでございます。したがいまして、医療用医薬品の中で見ますと、対象になる成分の約五一%くらいが終了しているというふうに思うわけでございますし、それから品目にいたしますと、医療用医薬品では四六%、医療用の単味剤に直しますと五四%ということになるわけでございまして、こう申してはなんでございますが、やっと半分を超したということになるわけでございます。 その中で、再評価の判断というのは、ある病気に有効かどうかという判定をしました後、副作用なりあるいはほかの薬というものの出現状況等を考えて有用かどうかという総合的な判定を加えるわけでございますが、有用性が認められたものが八千三百四十四品目の中で四千八十八品目、四九%に当たるわけでございます。それから適応の一部について有用性が認められたもの、ある病気には効くけれどもある病気には効かない、そういったものは適応の一部について有用性が認められたものでございますが、これが三千九百十四品目、約四七%になるわけでございます。残りが有用性を示す根拠がないということになるわけでございまして、これが三百四十二品目、四・一%というふうな数字になるわけでございます。
○渋沢委員 要するに、半分はほとんど効き目が定かでないということがわかった、中には三百も四百もが全く薬効なしということもあるということ、これじゃ国民の側から見ると全く安心ができない。しかも、いままで調べたのでは、対象の全体のこれは何割ですか、二割ぐらいになっているのですか。
○上村政府委員 医療用医薬品についていまやっておるわけでございますが、医療用医薬品が約一万八千品目あるわけでございますけれども、その一万八千品目について言いますと、約四六%くらいかと思います。
○渋沢委員 全体では……。
○上村政府委員 一般用医薬品、大衆薬でございますが、これが二万二千ほどございますから、合わせまして四万に対して八千三百ということになるわけでございます。 それで、いまお話しになりましたが、適応の一部について有用性が認められた、あるいは有用性が全然認められないということでペケになったのは、私ども舌足らずの点があるわけでございますが、その薬が承認された時点で、初めから効き目がなかったとか、あるいは効き目のないものを承知して厚生省が承認したということではございませんで、先般のサルファ剤の例にございますように、昔はよく役に立ったけれども耐性菌が出てきたとか、あるいは有用なほかの抗生物質が出てきたということで、役割りが終わって退席していくというのも相当数あるわけでございます。
○渋沢委員 いい、いいと言って認めてきたのだから、そのくらいの弁明はしなければならぬだろうけれども、しかし、大変情けない話で、ずさんな薬務行政のありようをまざまざと示している以外の何物でもないということが再評価のデータ——しかも五年も六年もたって二割しかできていない。五年で二割なら四万全部まとまるためには、あと二十年もかかるという話になってしまうので、いかになまぬるいか。薬品の安全性についてモニターの話、それから古い薬効の再評価がこういうなまぬるいていたらくですから、これでは国民は安心できません。全く無責任きわまる対応だと思うのです。こんなことではしようがないじゃないですか。 それで、再評価と形の上では直接の関係のない、この間、五月十一日に承認基準の改正というかっこうで事実上の追放という形になったピリン系のかぜ薬のことが伝えられておりますけれども、これは使用が好ましくないという判断でこういう措置をとったのなら、何も一年間の猶予期間を置くことはないじゃないですか。伝えられるように、年産四百億のかぜ薬の半分はピリンで、この在庫を処分するためのメーカーへの配慮だ、これはだれが見たってそう思うんですよ。ごく自然にそういう受けとめ方ができるほど厚生省の対応には企業への配慮、医師会への配慮というものについては一貫して徹底した姿勢をお持ちになっておるというふうに国民の側は受け取っておるから、マスコミの筆になれば、これは恐らくそういう二百億の在庫処分への配慮であろうという国民の見方をすぐ表現されることになる。好ましくないということならすぐやめさしたらいいじゃないですか。どうですか。
○上村政府委員 こう申してはなんでございますが、そういうとらえ方をされることが私ども非常に残念に思うわけでございます。ピリンの場合にはかぜ薬として非常に効き目がある、解熱鎮痛剤としての効果があるわけでございます。そこで、いろいろ外国の事例なり、それから国内でも検討してみますと、いわゆる大衆薬として使うのには必ずしも適当ではない、医療用としては認めておるわけでございます。 そこで、先般改正をいたしましたのは、現在かぜ薬等につきましては、医薬品の製造承認というのを知事に委任しておるわけでございます。知事に委任するのについて一般的な承認基準を定めておる、その承認基準の中からピリン系のものを外すという措置をとったわけでございまして、これは、あくまでも予防的な措置としてそちらの方がいいのじゃないか、したがって、かぜ薬の中からピリンというものの成分を除くように行政指導しておるわけでございます。具体的にある副作用というものが現に幾つか起こり、その薬をいま市場に置いておくことは好ましくないという判断をしましたような場合には、これは回収の措置をとっておる例が過去にもほかの薬についてあるわけでございまして、薬の副作用と言われるものと発現度、それから効能効果といったものを総合的に判断をして、行政指導で大衆薬からは外していくもの、医療用として残していくもの、大衆薬からも医療用からも外していくもの、千差万別でございます。ケース、ケースによって違う。その一つがピリンであるというようにお考えいただきたいわけでございます。
○渋沢委員 何と言おうと、キノホルムやスモンの例を引くまでもなく、国の薬務行政の無責任さ、ずさんさがどれだけたくさんの傷跡を国民の中に残しているかということは言うまでもない。そしてこれだけ厳しく問われながら、なおかつ残念ながら私どもいまの政府の対応をほめるわけにいかない。 もう時間になりましたから締めくくりますけれども、きょう薬害ということで若干のお尋ねをしたわけですが、どうしたら薬害をなくすことができるのかということで国の側の積極的な対応がなければいかぬ。医者の義務づけというと、さっきああいうことをおっしゃるのだが、たとえば企業に対しても薬などというやつは——私などが言うのもおこがましいが、薬効というのも薬の使い方だ、量や期間や使用方法によっては有効性が有害性になってしまうということだから、たとえば薬のいわゆる可能性のある害作用についての十分な情報をつくる側が、使用者の側に十分に徹底しておくという責任は負わなければならぬのですよ。そういうものに対する厳しい厚生省の対応というものがないのじゃないか。アメリカなどでは、その点ではむしろ企業に対する責任を厳しく問う体制がある。私はむしろ、この薬害、害作用についての企業の側の対応に対しても、それこそ厳しい義務づけをやって、一定の義務を怠った場合には処罰するというような姿勢が出てこないと、薬害の根絶にはならぬと考えているわけです。 時間がありませんので、きょうの薬害についての質問はやめなければならぬのですけれども、最後に、関連をして、医薬品による副作用の被害者救済制度という形での答申があった、これは去年の七月段階で、そういう研究の結果が出ておりますが、それを受けて立法の準備をされておるということですけれども、これは、いつどういう形で出そうとしているのか伺いたい。
○上村政府委員 薬につきましては、どんなに安全対策を講じましても、副作用の発生が避けられない場合があるということから、救済制度が必要であると考えまして、四十八年から検討してまいりました研究会の結論が、いま御指摘になりましたように昨年の夏の初めに出たわけでございます。厚生省では、この研究会の報告を参考にいたしまして、いま準備作業を進めておるわけでございますが、その中で特に関係各方面の意見調整がいろいろあるわけでございまして、それができ次第、成案を得て世に問うようにしたいというように考えておるわけでございます。時期がいつであるかということにつきましては、いまの時点ではちょっと明確に申すわけにはいかないわけでございます。
○渋沢委員 ただしたい点がたくさん残っておりますので、私の質問を留保してきょうは終わります。
○斉藤(滋)委員長代理 次に、金子みつ君。
○金子(み)委員 私は、ただいまから健康保険に関連して厚生省御所管の一般質問をさせていただきたいと思っております。 きょうは、時間の関係もございますので、させていただこうと思っております質問の内容は、国民が病気になって病院に入院いたしますと、いろいろな種類の一部負担を患者が負担しなければならないものを徴収されておりますが、その一部負担に関する問題を少し質問したいと思います。 この一部負担も非常にいろいろな種類があります。たとえば問題になっておりますベッドの差額の問題でありますとか、あるいは付添看護の料金でありますとか、あるいは入院の保証金の問題でありますとか、あるいはそのほかに、受診を予約すると予約料というのが取られることでありますとか、そのほかに細かいものといたしましては、テレビを部屋に入れたとか、あるいはお湯を沸かすガスを使ったとか、寒いときには電気毛布を使うとか、あるいは冷蔵庫を使うとかいうふうなことになりますと、それが一つ一つ一部負担として料金を徴収されるというかっこうになっているわけでございます。 そのようにいろいろな一部負担の種類があるわけですが、きょうは、それの中から、特に問題の大きい、社会問題になっておりますベッドの差額の問題、それから付添看護の問題、この二つにしぼって幾つか質問をさせていただきたいというふうに考えております。 まず、差額ベッドの問題ですが、厚生省では毎年七月一日現在でこのことに関する調査を都道府県に依頼していらっしゃって、そしてその調査を受けて報告をまとめていらっしゃるわけでありますが、厚生省のこの調査を拝見いたしますと、五十一年の七月一日現在では、全体に対する差額のベッドの数が一八%あるというふうに報告されております。全床に対して一八%。そしてそれは前の年よりも、あるいはその前の年よりもよくなっている、こういうふうに報告されております。四十九年が一九・二、五十年が一八・三、五十一年が一八・〇ですから、前年に比較すれば確かに〇・三少なくなっているとこの報告からは受け取ることができるわけでございます。 〔斉藤(滋)委員長代理退席、委員長着席〕 全体が一八・〇でございますが、これは設置主体別によっていろいろと数字が違ってきているわけでございまして、医療法人とその他の法人というのが大変に多い。その他の法人は二七・八%もございます。医療法人が一二・三、それから公的医療機関でも一九・八、公立が一三・四、国立はさすがに五・四と、こういうふうに少なくなっているという報告が出されているわけでございます。差額ベッドの数というのは、そういうふうに厚生省の報告ではなっているわけでございます。 それからまた、どういうタイプの部屋でと申しますか、ベッドでと申しますか、差額を徴収しているかということになりますと、厚生省の調査を拝見しますと、一人部屋六八・六%、二人部屋四二・〇%、三人以上が入っている部屋が七・五、こういうことになっているのですが、三人以上というのは、大変に漠然とした言い方でありまして、三人以上どこまでが調査されたのかが非常にはっきりいたしません。そこら辺は大変にぼけているわけでございます。 それから、料金の問題を厚生省の報告を拝見しますと、金額にいたしますと、百円かち始まるわけでありますが、百円から千円までというのが一番多くて五二・一%となっております。それから、さらにその先千円から二千円、あるいは二千円から三千円というふうな数字が出てまいりますが、大体厚生省の報告では、二千円から三千円まで、すなわち百円から三千円までと言ったらいいでしょうか、そこらあたりまでが一番大きくて、これは全体の八五・七%というふうに数字として出ております。高いものは一万円から三万円以上のものもある。こういう大きな、高い数字の料金もありますが、これらは数字としては一二・八%というふうに厚生省の御報告にはなっております。 ところで、厚生省のこの報告のほかに、いろいろな団体やあるいはその他の場所でも調査をしているわけであります。健保連の方でも調査をしておりますが、この調査を見てみますと、大分数字が違ってくるわけですね。厚生省のお調べになった数字と比べてみますと、大分違ってきています。健保連の数字を見てみますと、厚生省では全体のベッドに対する比率で一八%が差額ベッド料を徴収しているというふうに言っておられますけれども、健保連の調査で見ますと、全体の調査の結果では五一・一%と出ているのです。そういう高い数字が出ております。甲表の場合が三九・三で、乙表の場合が五七・六と、この違いは出てまいりますけれども、全体として五一・一という数字になりますから、この点は厚生省の調査の場合とは大分数字が違ってきているというふうに見ることができると思います。 それから、どんなタイプの病室で行っているかということで、厚生省は一人部屋、二人部屋、三人以上というふうにまとめておられますけれども、健保連の方の調査で見ますと、これがもう少し細かくなっておりまして、一人部屋、二人部屋のほかに四人部屋あるいは六人部屋というのがあるわけです。個室、二人部屋、それから三人部屋のほかに、大変大きな数字として挙がってまいりますのが四人部屋というのが甲表で一三・九、乙表で一一・八あります。さらに、もう一つ上がありまして、六人部屋というのがあります。六人一部屋に入っているのですが、そこで甲表では二二・四、乙表では一四・〇、こんなに大きな数字に、三人以上と厚生省が簡単にまとめられましたものを細かくしますと、そのようになってくるわけであります。 この部屋のタイプの違いというのは、もう一カ所調査されたところがあります。これは総評の医療共闘でございますが、そこが調査いたしましたのを見ますと、いまの部屋のタイプというのは、個室とかあるいは二人部屋どまりではございませんで、その先が大変にいろいろあります。たとえば二人から八人とか六人から十三人、こんなような大きな部屋でも差額を徴収しているということが報告されているわけでございます。 このようにいたしまして、そのタイプは、一口にして申しますれば、個室から始まって十三人あるいは十四人という大きな、一部屋にそんなに大ぜい入っていても、カーテンで仕切って個室だというふうな考え方をつくり出して、状態をつくり出して、そして差額を徴収しているということが言えるわけなんでして、これらは非常に問題だと思うわけであります。 それにさらに料金がついていくわけですね、御承知のように。料金がついていくわけですが、その料金は、先ほど厚生省の調査の場合は申し上げましたけれども、それ以外のところの場合ですと大変に多額な料金がついているわけでございます。たとえば、一つ一つ申し上げていると時間がかかりますのでまとめて申し上げますと、大体最低百円と先ほど厚生省の調査はありましたが、その他のところの調査では最低五百円になっておりますね。五百円から二千円までのものが八二%、二千円から三千円が一二・九%、一万円以上二十五万円まであるわけですね。これは一日ですよ、二十五万円まで差額を取っているところが九%ある。こういうふうな報告が出されております。 この高い金額はどういうところになっているのかと申しますと、これはみんな一つ一つ関連があるわけでございますけれども、高い数字は私立大学付属病院でございます。そしてこの私立大学付属病院の場合は、徴収する費用が高いだけでなくて、差額のベッドをどれほどその付属病院で使っているかという数字は、先ほどの厚生省の御報告やあるいは健保連の報告などに比べるとはるかに高い。平均いたしまして一つの病院のベッドの中の八九・〇九%です。さらにその中で、ほとんど一〇〇%と言ってもいいのじゃないでしょうか、九七・四九%のベッドが差額徴収の対象になっているという病院がございます。あるいは九二・一二、九七・三一、八九・九五、こういうように大体八〇台、小さくても六七・〇七、七二・六二という数字で、大変に大きな数字が出ているわけです。これは調査の主体が違うから違った数字が出たのだというふうにおっしゃるかもしれませんが、しかしこれは実態でございます。 そこで、私はこのような状態をまず先にわかっていただいて、一つ二つ質問させていただきたいのでございますが、この差額ベッドの問題については大変に社会的に問題があるということで、厚生省でも、昭和十三年が最初ですが、これは別といたしまして、昭和三十九年の七月、それから四十九年の三月、四十九年の五月というふうに、次々と続いて局長通達あるいは課長内簡が地方へ出されておりまして、これの指導を厳重にするようにと言っておられるのですけれども、最終の通達が四十九年、局長通達では三月、課長内簡では五月ですね。これは一本のものと思ってもいいと思うのですが、これが四十九年で、いま私が数字を申し上げましたそれぞれの調査はいずれも五十一年でございます。五十一年四月とか七月とか九月とかいうふうな月でございます。ですから、通達が最後に出たのが四十九年ですから、これから五十一年までの間、二年間あるわけですね。この二年間の間、この通達は一体何の意味があったのだろうということがまず疑問になることが一つでございます。こういう通達をお出しになって、そして差額徴収する部屋は、社会的常識に照らしても、設備構造その他、差額徴収するのに肯定してもらえるようなものに限ること、すなわち個室あるいは二人部屋というふうに言っておりますにもかかわらず、いま申し上げたように大変大きな部屋でも差額徴収をしているなどということは、この通達の指導の意味が徹底していないということになるのじゃないだろうかと思うので、まず厚生省にお尋ねしたいのは、こういう指導を通達として流していらっしゃるそのことについて、どう評価なすっていらっしゃるかということなんです。この通達をお出しになっていることについてどう評価していらっしゃるかということをまずお聞かせいただきたい。
○八木政府委員 先生御指摘の差額ベッドの問題は確かに大きな問題でございまして、私ども、皆保険下におきまして差額ベッドの負担のために入院できないということになりますと大変なことであるというようなことから社会的にも問題になりましたし、最近では三十九年、四十九年の二回にわたる指導通達を出しているわけでございます。その際におきましても、お話ございましたように、特別室の基準でございますとか、あるいは要件でございますとか、一定の割合というものを一つの指導基準として出しておるわけでございます。そういうことで、この指導の実効をできるだけ上げていきたいというようなことから、毎年七月一日におきます調査というものを実施いたしまして、その結果に基づきましてさらに各県等に指示しているわけでございます。私ども、その通達を出しました以後におきましても、しばしば、全国の課長会議なりあるいは保険技官の会議等におきまして、この差額ベッドに、保険外負担の問題につきましては指導の徹底を図るよう、各県に対しまして指示しているところでございます。 ただ何分にも、大変おしかりをいただいて恐縮でございますけれども、医療機関の協力を得なければならないということから、実績につきましては遅々とした状況であるというおしかりはいただくわけでございますけれども、少なくとも前進の方向というものは見られておるわけでございまして、先ほど数字の御指摘もございましたように、さっぱりやっていないじゃないかということでございますが、昭和四十九年六月の一九・二%が昭和五十一年七月現在では一八%ということで、非常にテンポは遅うございますけれども改善のあとはあるわけでございまして、私どもさらに改善の方向に向かって努力していかなければならないというふうに考えておる次第でございます。 なお、先ほど厚生省の調査以外に健保連の調査なりあるいは医療共闘の調査の数字のお話がございましたが、調査の数字の食い違います点につきましては、調査時期も違いますけれども、調査対象等が違うという点もあるわけでございまして、厚生省で行いました調査では、七千四百五十病院、百万病床を対象にしておるわけでございます。健保連の調査では、健保組合の家族は入りませんで、所得がございます本人だけにつきまして二万九百四十人を対象にしておる。それから医療共闘の調査におきましては、三十五病院、一万一千五百四十一病床であるということで、調査対象の差もあるという点も御理解いただきたいと思う次第でございます。
○金子(み)委員 調査対象が違っておることはよくわかっております。それから数字の違うこともわかります。しかし、調査をした時点は同じ五十一年で、四月とか七月、九月という月の違いはございますけれども、そう違いはないですね、一年間における病院の動きといたしましては。だから、五十一年とくくって考えていいと思うのです。それは確かに違うことは違いますけれども、それにしても余りにも差があり過ぎるというふうにお考えになりませんか。 それで、厚生省の御指導では、公的医療機関はせいぜい二〇%以内にというふうに指導していらっしゃいますね。国立は一〇%というふうに、これは前からしていらっしゃるのですね。指導したばかりの翌年に調べたらこうだったというならまだ話はわかるのですけれども、もうずいぶん前から同じことで、三十九年、それから四十九年ということで、そこで十年間開きがありますでしょう。十年も前から同じ指導をしていらっしゃるのですよ。それでちっとも成果が上がらないというのはどういうことなんだろうというふうに思わないわけにいかないじゃないですか。何も厚生省が怠慢だからどうのこうのという意味ではないのですけれども、この十年間同じ指導しかできないというのはどういうわけなのかということなんですよ。もう少し効果の上がるような積極的な指導はできないものだろうかということなんですが、どこに原因があるとお考えですか。十年間同じ指導をしてきながら何にも効果が上がっていない。むしろ悪くなっているところだってあるのですからね。一体何が原因なんだ。こういう通り一遍の指導だけでは解決ができないのじゃないかということは、もうこれではっきりわかるのですね。そうすると、一体何が原因なんだというふうにお考えなんでしょうか。
○八木政府委員 大きな問題でございますので、私ども再三指導しているわけでございますが、毎回同じ指導をしておるわけではございませんで、逐次、具体的な内容につきましても、大部屋はだめだ、カーテンの仕切りをしたというようなものは適当ではない、あるいは四十九年の通達におきましては、病床の中で差額ベッドの占めます比率等につきましてもある程度の基準というものを示して、具体的な指導の方向というのを打ち出しておるわけでございます。 いずれにいたしましても、おしかりをいただくわけでございますけれども、何分にも医療機関の協力を得なければできないという問題もあります。それから医療機関の経営問題ということも一つあろうと思います。私どももかなり徹底した指導を行いたいということでやっておりますけれども、経営問題にぶつかるということもございますので、やはりこれだけの大きな問題になっているわけでございますから、次の診療報酬の改定の際等におきまして、この問題を大きな問題として取り上げたいというふうに考えておる次第でございます。
○金子(み)委員 このままにしておいたのでは決して改善の方向にはいかないと思いますね。これはこのままにしておいていいと思いませんけれども、大臣、どうしようとお考えですか。これは大臣御着任の前からのお話なんです。
○渡辺国務大臣 全国平均で一八%というのは、これは病院の経営その他から見て、希望者もあることだから仕方がないのかなというふうにも私は思っておったけれども、いまお示しの資料のとおりだとすれば、私立大学病院等では九七%とか八六%とか、もうほとんど全床に近い八割もが差額の対象になっておる。それからまた、東京と地方というものでは差額の割合が非常に違いますね。地方の方が非常に少ない、東京とか大都市の方がどうしても多い。この原因は、一つは差額に入りたい人がそれだけよけいいるのか、それとも病院の経営が都市ほど苦しいために差額を取らざるを得ないという状態なのか、これは診療報酬等とも関係する問題ではないのかな、よく私も原因がわかりません。わかりませんが、いずれにしても八割以上、九割以上というものが差額ベッドの対象になるということは、これは異常なことであると端的に私思います。特に私立大学に多いというのは、私立大学の経営それ自体が非常に苦しい、あるいは設備投資が一般病院よりも多いのかどうか、そこらのところもわかりませんが、文部省等ともよく連絡をとって、助成金の問題との関係もうらはらであるわけですから、もう一遍これは実態調査をしてみたい。 差額を全部なくすることは、これは不可能だと思いますし、またその必要もないとぼくは思うのです。ともかく問題は、大部分の人が大部屋でも全部取られるというところに問題があるわけですから、だから、それらに対する原因の究明のためにもう少し実態を調べてみないと私が断定をするというわけにはなかなかいかないが、こういうことは表の話ばかりじゃわからないですからね、裏の話も聞いてみないと。ですから先生などからも、裏の話、本音の話というようなことも、別に委員会の席ばかりでなくていいのでございますので、いろいろお教えをいただいて適切な対策を立てていきたい、私はそう思っております。
○金子(み)委員 大臣の御答弁の中に私も一つうなずくものがございますのは、都市と地方の違いです。厚生省にお尋ねしたいと思っていたのですけれども、厚生省の調査に協力している病院はどこですか。先ほどベッドの数をお挙げになりましたけれども、厚生省の調査に協力して回答を寄せてくれている病院というのは地方が多いのじゃないですか。大阪とか東京とか、大都会で大きな病院が集中しているところでは、余り調査に協力して回答をよこしてくれていないのじゃないでしょうか。私はそんな気がしますが、どこでしょう。
○八木政府委員 確かに御指摘のように、従来の調査につきましては必ずしも、回収率の面で当初始めましたときは大都市の協力もなかなか十分じゃなかったというようなことで、従来は全体で八六%程度であったわけです。ところが最近は大都市につきましても協力が進んでまいりまして、全体では回収率は九一%ということで上昇してまいっております。ただ、御指摘のように、東京とか大阪とか、大都市に問題があることは事実でございます。
○金子(み)委員 そこで結果的に数字が違ってきてしまうのですよ。厚生省はそんな数字を出さなかったとおっしゃいますが、調査対象になった病院が違うわけですね。対象が違うから数字も違ってくるわけです。東京や大阪のような大都会、たくさんの大きな病院が集中しているところが協力していないということが結果としてああいう数字しか出てこないので、それでいい、いいとおっしゃっては困るということを私は申し上げたいわけです。 それからいま一つは、この通達の中で、私はやはりこれが原因しているのじゃないかなと思うことが一つ見つかりました。それは三十九年の通達の中にも、それから四十九年の中にも載っておりますが、大学に関する問題です。これはこう書いてある。「ただし、大学附属病院の如く特別な使命をもつ病院又は収容患者が特殊なものに限られる病院等については、その特殊事情を十分配慮する必要があること。」これは一体何を配慮したらいいということなんでしょうか。この書き方では、大学病院は甘くやってもよろしいというふうにとり得ないこともないのですね。そういうことは四十九年でも書いてありますよ。「大学付属病院等特殊な事情を有する」云々というふうに、特別な配慮をしてよろしいと書いてある。だから、大学病院はこの通達を忠実にのんで、特殊な取り扱いをしてもいいのならわれわれは、というようなことになっているのではないかなというふうな疑念を持ちます。ですから、通達の中にこういう内容をお盛りになった理由は何だったのでしょうか。非常に問題だと思います。
○八木政府委員 確かに、三十九年の通達なりあるいは四十九年の通達の中におきましても、大学につきましては特殊な事情を配慮しようということは言っております。これは結局、大学付属病院につきましては、大学付属病院の役割りというものが、医療の提供、医療のサービスというほかに、やはり研究なりあるいは教育という目的も入っているというようなことから、大学病院の特別な機能という面を考えました場合に必ずしも一律にいかぬのではないか、特別な事情も配慮したらいいのではないかというようなことでこういうような、通達の中で特別な事項を入れているわけでございます。 ただ、先生からお話ございましたように、あるいは先ほど先生から御指摘ございました資料の中でも、全体では厚生省の調査でも一八%ということでございますけれども、最も高いのはその他の法人二七・八%、この中で一番多いのが私立大学の付属病院であるわけでございます。私どもも、この問題は非常に大きな問題であるということで、実は私立大学の関係者とも何回もお目にかかっております。私どもも、私立大学の付属病院でありましても、社会保険の医療を担当するという意味でこの問題を考えてもらわなければ困るという点は十分お話をしているわけでございます。私立大学の側におきましては、ただいま申しましたような私立大学の持っております特別な役割りという問題あるいは経営上の問題等から、非常にむずかしい問題である。しかし、よくその趣旨というものは理解しているわけでございまして、お互いに前進しようではないかということでいっておるわけでございますけれども、基本的には経営の問題もあるというようなことで、私立大学が一番大きな問題を抱えているということは事実であります。ただ、その際私立大学の関係者の中からお話が出ましたことは、逆に、差額ベッドじゃないベッドへ入っている方が、差額ベッドがあくのを待っているような状況もあるというようなお話も伺っておりますので、その点も御報告いたしたいと思います。
○金子(み)委員 大学病院が特殊だからといって、差額徴収をしてもいいということにはならないと思うのですよ。だから私はそれは理由にはならないと思うのです。もっと別の理由があるのではないでしょうか。さっき大臣がおっしゃった、裏の方に何かあるのかもしれませんね。そのことは、この委員会は表口ですからここでは議論することはやめることにいたしますが、大学病院に対して特別な取り扱いをしていらっしゃるということについては、私はいろいろ疑義があると思います。確かに、大学病院の持っている使命は、一般診療病院の上に教育、研究という使命があることはわかりますが、そうだからといって差額ベッドの徴収をしてもいい、あるいはほかよりも緩やかにしていいという理由にはならないと思うのですね。そういうふうに特殊な使命があるから、たとえば直接患者に必要とする職員の数をふやす、多く置く必要があるとか、そういう理由だったらわかりますが、ベッドの差額徴収がそれに結びつくということは考えられないと思います。それは理屈にはならない。論理的におかしいと思います。ですから、そういう理由を立ててくだすっては困る。これはぜひ撤回していただきたいと思いますし、この次の指導の中にはこれは外していただきたいというふうに考えます。別の形でお考えになっていただくべき問題じゃないかというふうに思いますから、よくその次の場合のことも考え——毎年一回ずつお出しになっていらっしゃるのでしょうから、ここ二年間通達が出ないのはおかしいのですけれども、そのことも十分お考えになっていただきたいというふうに思います。 時間の関係がございますので、差額ベッドのことはそれくらいにいたしまして、付添看護の問題に触れたいと思います。 これも大変大きな社会問題になっております。付添看護料は、甲表と乙表の病院があって、いわゆる普通看護をやっている乙表の病院の場合には付き添いをつけることは認められておりますし、その付き添いの料金については先般の、何年か前でございましたが、この委員会でお願いして、そして保険で七割まで見るということが成立いたしました。 〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕 あと三割は自己負担、こういうことになるわけですが、その自己負担の分が、保険で見ている費用とそれから自己負担をしなければならない実際の実勢の費用とが大変に幅があるものですから、せっかく保険が七割を負担をしてくださってありがたいと、乙表の病院、普通看護病院では思っていると思いますけれども、それでも本人の負担となれば大変に大きな金額になってしまって、これは大変に問題になるわけです。 付添看護の問題で二つ問題がございます。いまの慣行料金とそれからいわゆる看護料、普通のマル公でいう看護料金、これとの差が余りにもあり過ぎるということです。ここに一つ例がありますので申し上げてみますと、普通病院の場合、これは五十一年五月の調査でございますが、六大都府県の甲地で、看護婦だけで申します。正式の看護婦でございますと四千九百九十円ということになっていますが、これがもし徹夜勤務をいたします場合にはそれの二割五分増しということになっています。例が挙がっておりまして、四千九百九十円に二割五分増しというのが入ってまいりまして六千九百八十七円となっているわけです。ところが慣行料金の方で見ますと、看護婦は五千円です。そして時間外は一時間ごとに七百八十円、徹夜をすれば手当が千五百円、それから時間外手当請求限度というのが何時間何時間というのがあるわけでございまして、深夜勤務手当、それから徹夜手当等いろいろございまして、ここに挙がっています例ですと、あれこれそれらの費用を足し合わせますと、まるまる一日ついてもらうと一万一千四百五十四円、こういう数字が慣行料金では出てまいります。ですからその差はほとんど倍ですね。倍近い違いが出てきているということで、これが非常にいま問題になっているわけです。この問題をどういうふうに解決するように考えてくだすっているかということなんです。 これは厚生省保険局医療課長三浦さんのお書きになったものですけれども、この中で、厚生省の定めている付添看護料と民間の看護婦家政婦紹介所等の料金、これはすなわち慣行料金ですが、これとの格差があり、その格差が被保険者の負担になっているということをちゃんと指摘をしておられます。私がいま申し上げたのと全く同じことを厚生省は御存じなんです。御存じなんですが、それをそのまま放置されているというのはどういうことでしょうか。これは何とかして格差を埋めるような形で何か指導をなすっているかどうか、ひとつ教えていただきたい。
○八木政府委員 たしか、基準看護病院以外につきましては、現在保険の方で看護料金が支給されるわけでございます。そこで現実には、先生お話しの民間の家政婦協会等、各団体によりまして慣行料金を決めておりまして、いろいろ差があるわけでございますけれども、患者さんの負担をできるだけ少なくするというのが保険のたてまえでございますから、私どもはできるだけ慣行料金に近づけるという努力をしているわけでございまして、実は先般、五月一日付でこの看護料金の引き上げを行いまして、慣行料金との差を大幅に縮めたということでございます。今後とも努力してまいりたいというふうに考えております。
○金子(み)委員 ぜひそれは続けてやっていただきたいと思います。慣行料金とぴったり一致するなんということはあり得ないとは思いますけれども、差を縮めることに努力をしていただきたいと思います。 いま一つ、この付添看護の問題で大きな社会的な問題になっておりますのは、申し上げるまでもありませんけれども、この付き添いをつけなければならなくなってつけている、その理由がここに挙がっておりますのは、自分の自由意思でつけているのは四八・八%あるのです。ところが、病院の指示があったのが二九・一%、あるいは約束あるいは強制されているのが一四・六%、合わせますと四三・七%が病院側から言われてつけている。大体数字としては半々ですね。そこで問題は、これがこういう実態ですから、結果的には患者五・六人くらいに一人つけるというふうな形に現在なっております。それほどたくさんいるわけです。その付き添いさんの中には家族付き添いが圧倒的に多うございます。職業付き添いという数は家族付き添いに比べれば五分の一くらいの数ですから。家族は無料でやるでしょうけれども、問題は職業付き添いの方の問題になるわけなんです。 いま一つの問題は、金額の問題だけでなくて、こういうふうに付き添いをつけている病院が公的病院であるのですね。公的病院であって、しかもそれらの病院は全部基準看護承認病院です。それも基準看護承認のいいところをとっているのですよ。基準看護の特二類とか特一類というような、数としてはかなり高い数字を持っている、そういう基準看護承認病院で付き添いをつけて、そして付添料を払うということになりますと、これは私は前にも申し上げましたが、基準看護承認病院というのはすでに看護料金は入院料のほかに払っていますよ。追加してありますよね。だから、すでに払っているのに、さらにまた看護婦をつけさせられて払うとなれば、看護婦に関する限り二重払いですよね。これは私は非常に違法だと思うのですよ。これは全くの違法でして、これをほおかむりして出してしまったのはどうかと思うのです。言葉は悪いですけれども、詐欺的性格がないとは言えないですね。そういうふうな考え方も成り立ちます。それで巷では、大きな病院、基準看護承認病院は詐欺じゃないかというふうに言っております。お耳に入らないかどうか知りませんけれども。この問題は非常に大きな問題だと思うのです。 この三浦さんのおっしゃっているのにもそのことは書いてあるのですよ。そして、四十九年に特二類を新設したときに、特一から特二に移ったのは八割もあったというのですね。それから今度の特三を新設してほしいという要求がございますね。特三類をもし新設すると、多分現在の特二類から七五%は移行するだろう、こういうふうにこの課長は言っているのです。ということは何だと言えば、要するに基準をつくるそのもとになる数字が大変に低いから、それでこのようにして特一を特二に、特二を特三にということを要求してくる。そうすれば看護婦の数をたくさん入れられますね。同時に看護料金も入ります。病院の経営としては助かるというようなこともあってだと思いますが、私は費用のことよりも、むしろ数の問題をここで問題にしたいわけなんです。私がこれは非常に問題だと思いますのは、結局もとになる数字が低過ぎるからだと思うのです。 そこでいつも問題になるのですけれども、基準看護を承認する以前のいわゆる普通看護病院では、一体看護婦と患者の比率をどう見ていたのかということ、これがやはりもとになるわけですよ。これが何人か。そういう数字がもとになっているからこそ基準看護というものがつくられたわけですからね。ですから、そのもとの数字が何だったのかということを教えていただけませんか。そうすると、そのもとの数字が正しかったか、正しくなかったかということにやはり絡んでくると思うのです。これはどうだったのでしょう。
○石丸政府委員 医療機関におきます看護婦の係数の問題でございますが、医療法施行規則第十九条第一項におきましてこの標準値を定めておるわけでございます。それで、この医療法に定めております看護職員とそれから保険の方で支払うために定めております基準看護婦は、ちょっと看護職員が違うわけでございまして、医療法の方では看護婦及び准看護婦と定めておりまして、片一方保険の方ではそれに看護助手を含めた数字になっております。 それで医療法の数字を申し上げますと、入院患者、これは産婦人科等の問題もございますので、収容されている新生児を含めての入院患者数でございますが、その数が四またはその端数を増すごとに一、外来はまた別にございますが、入院患者について申し上げますと、新生児を含む入院患者数四に対して一という数字が基準になっております。
○金子(み)委員 それは医療法施行規則の基準ですよね。ところが、保険局の方で扱っていらっしゃるこの基準看護に関しては、一類、二類、三類とあるわけですよ。一類がその医療法の施行規則と同じに四人にしてあって、二類は五人に一人、三類は六人に一人でしょう。そうすると、基準看護承認にする以前のもとの数字というものは、六人に一人が基準看護ですからね、基準の三類ですから、そのもう一つ下ですから七人に一人、そういうふうに推定できるじゃないですか。七人に一人ぐらいの看護婦を置くのを普通看護だと考えていらっしゃるのじゃないかと思うのですよ。そうすると、医療法の施行規則の四人に一人との間に大分開きがありますね。そこら辺のことはどういうふうに考えていらっしゃるのですか。 予鈴が鳴りましたから時間がなくなったわけで、この問題は、いまぎりぎりまでやっても十分しかありませんから、その十分間には解決しないと思いますので私はこの問題は保留させていただきたいと思うのですが、大臣にもよく聞いておいていただきたいと思うのです。 ここに大きな矛盾があるのですよ。医療法の施行規則では、いま局長が言われたように看護婦または准看護婦という数字を挙げています。要するに有資格者だけしか数えていない。ところが保険の方で、基準看護で看護要員を計算するときには看護婦、准看護婦、看護助手まで計算の中に入るわけです。ここで非常な狂いが出てくるわけですね。そしてその狂いが矛盾になって、矛盾が矛盾を生み出していって、いま基準看護の承認の病院がこういう実態になってしまっておるわけですね。ここら辺に、看護婦の数の決め方、取り扱い方に、医務局のいわゆる医療法の考え方と、それから保険の方の考え方とが違っているのですね。概念が違ってきて取り扱いが違うのです。そこで大変に矛盾してくるわけなんです。そこら辺に非常に大きな問題があると私は思います。これは保助看法にも関連してきます。保健婦助産婦看護婦法でも、扱いとして看護婦と準看護婦と補助者の扱いが違いますから、それらの点が非常に複雑になっておりますのでいつまでたっても解決しないで、ただ年限がたつばかりで矛盾が矛盾を生んでいくわけですむ。 ですから、これはもうきれいさっぱり洗い直して、根本から考え直さなければならないと思うのです。これは医療費の問題と大きな関連がございますので、医療費の問題を検討される場合にはぜひこの看護問題は根本的に洗い直していただきたいということを大臣にお願いしたいのですが、いかがでしょう。
○渡辺国務大臣 大変示唆に富んだお話でございますから、これは十分に検討してみたいと思います。
○金子(み)委員 ありがとうございました。
○戸井田委員長代理 この際、休憩いたします。 午後零時五十三分休憩 ————◇————— 午後三時四十九分開議
○橋本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案の質疑を続けます。平石磨作太郎君。
○平石委員 大臣にお伺いをいたします。 健康保険法の改正案が提案されて、健保のことのみで、保険外負担のことについては厚生省は余り把握してない、こういう話をこの前聞いておりますが、私はきょうは一般質問として、保険外負担の問題を取り上げてみたい、こう考えております。 まず、付添看護の問題ですが、付添看護が患者負担で行われておる、こういう事実を厚生省は御存じですか。
○八木政府委員 看護の問題につきましては、私ども、基準看護病院につきましては特別の加算料金をつけているというようなことから、基準看護病院につきましては付き添いがなくてもやれるたてまえであるということで特別の加算措置をつけております。それから、基準看護病院に指定しておらない病院につきまして、看護が必要であるという場合には看護料としまして、これは保険の方から支払うということになっております。 ただ現実問題として、保険外負担の問題としまして、基準看護病院でありながら付き添いを置いているという実態があるじゃないかという御指摘をしばしばいただいているわけでございますけれども、私ども、たてまえとしましては基準看護病院に置かないということで、もしそういうことがあれば強力な指導を行っているという段階でございます。ただ現実に、家族の方がどうしても付き添いたいということで、結果的に家族の方が付き添われるとか、あるいは家族のお気持ちとして、いろいろな関係で家族御自身は行かれないけれども、そういうことで付き添いの方をお願いするというケースもありますので、全くないとは言えないわけでございますが、たてまえとしましては、基準看護病院は付き添いを置かないというたてまえでございます。
○平石委員 いまお話がございましたけれども、現実にはやはり基準看護病院にも付添看護人がおるということですよ。したがって、その人員あるいは金額がおわかりになれば示していただきたいのです。
○八木政府委員 先ほど御答弁申しましたように、基準看護病院につきましては付き添いを置かないということでございますから、たてまえとしてはあり得ないわけでございます。むしろ、基準看護病院が付き添いを患者の方に要請するということになれば、それは基準看護病院としては適当でないわけでございますから、そういう御連絡がありました場合には、そういうことのないようにという指導をしているわけでございます。したがいまして、たてまえに違反したものという数字はないわけでございます。
○平石委員 たてまえ論だけではどうにも片がついておりません。厚生省はそういったたてまえ論で逃げるのですけれども、現実にはすでにおる。私が一部の基準看護の病院について二、三当たってみますと、いまお話があったように基準看護の加算措置、いわゆる特二類で加算がなされておるような病院であっても、私が調べたところによると現実には大体八十名ぐらいおるのです。この病院は大体四百床程度、そうしますと五人に一人は付き添いがおるということが一応推定できるわけですね。日医労の調査を見てみますと、その調査の中でも五・六床に一人は付添看護人がおるということが出ております。これらから推算をしてみますと、私の推算によりますと、一般病床、いわゆる結核とか精神とかいうものはのけて、一般病床で大体勘定してみましても少なくとも十万人近い人はおるはずだ。九万九千八百三十六人という数字が推算的に出てまいりますが、この中には家族が付き添っておるというものもありますので、これをまず三割程度と見たところで相当な、七、八万の数字が出てくる。 〔委員長退席、斉藤(滋)委員長代理着席〕 現実に私が調査したところによると、大体一日当たり五千円から六千円、これらを計算してみますと千二百五十八億。千億以上は患者負担になっておるということ。これは保険外負担ですから、今度の健保の改正で患者負担としての特別保険料の徴収、さらにその一方で、たてまえではないはずですけれども、現実には千億以上の患者負担がなされておるということがあると私はにらんでおるわけです。これは一体何が原因なのか、そのことをお知らせいただきたい。
○八木政府委員 非常にデリケートな問題でございまして、基準看護病院はそのために特二なり特一なりということで、普通の病院以上に看護の面は十分考えますということで、基準看護ということで特別の加算料金が考えられているわけでございます。したがいまして、基準看護病院につきましては十分必要な看護はできるということで、わざわざ特二というような制度も設けたわけでございます。しかし、現実に御家族の立場としますと、入院された場合に何とか患者さんのそばに付き添っていたいというお気持ちもあろうと思いますし、家族の御都合が悪い際に、患者のことを考えまして常時付き添いが必要であるというようなことから、家族なりそれにかわる方がおられるということがあるわけでございまして、病院当局でもこれを一律に禁止するというわけにもなかなかいかないと思います。ただ、現実にそれをやっている病院もあると思いますけれども、家族看護あるいはそれにかわる者までだめだと言うわけにもいかないというようなところから現実にはそういうような問題が出ているわけでございまして、私どもは少なくとも基準看護ということで特別加算まで行っているわけでございますから、病院の方から患者の方にそういう付き添いを強制するというようなことがあってはならない。そういうことがありました場合には、そういうことがないようにという指導をしているわけでございまして、そういう照会がありました場合には強力な指導を行うことにしておるわけでございます。
○平石委員 議論がかみ合いませんけれども、原因についてのお話がなかったのですが、病院から強制するということはないと思います。だが、病院の看護体制の不備といったような面からつけざるを得ないという現実があるのではないか。そういう意味で、基準看護の加算について、特二類の場合でも、実際の看護婦さんの給料その他から割り出してまいりますと、付添看護人がおらないとどうにもならない。看護体制が組めぬわけですよ。だから、看護婦の養成やら看護婦の離職者にしても、勤務条件その他がいまだ十分になされていないために病院で看護婦を雇うことができないというようなことで、いわゆる看護婦不足という面も作用しておるだろう。そうすると、基準看護の加算について国はもっとアップすべきではないか。それをアップすることによって、一方で行政的なたてまえ上いけません、いけませんという通牒、行政指導でやると同時に、実質的な面で加算措置をとっていかねば解決にならない、こういうように私は感じておるわけです。五十一年度の看護婦さんの給与、それから准看護婦の給与、そして看護助手の給与、これなんかを一応計算して、さらに、病院としてはただ給料だけではいけません、そこに賞与の問題もございますし、あるいは管理費用の問題もある、そういったものを総トータルして割り出したところから計算をしてみますと、いまの基準看護の加算額というもの、点数というものが非常に低位にある。これは詳しく計算根拠を申し上げてもいいのですけれども、時間がございませんので省いて、一応結論だけ申し上げますと、絶対量が足りない。だからそういったものが現実には出てくるということですよ。この点は、今後医療費の改定の問題も当面出てまいると思うのですが、そのときにどのように措置せられる考えか、お伺いしたい。
○八木政府委員 診療報酬の改定の際に、看護の問題につきましても毎回大きな論議になっているわけでございます。当然看護婦さんの人件費等も上がっているわけでございますから、診療報酬改定の際に人件費の上昇ということもいつも見込んでいるわけでございます。さらに全体としましての看護力の充実ということから現在の特二類ということも、たしか四十九年の診療報酬の改定の際にさらにもう一段上の特二類というような制度ができたわけでございまして、さらに、前回の診療報酬の改定の際におきましても、特一、特二などにつきましてはかなりな配慮が加えられたわけでございます。いずれにいたしましても、今後の診療報酬の改定の際に、そういう問題も当然中医協等で御議論いただかなければならない問題であるというふうに思っております。さらに、前回の診療報酬の改定の際に、看護力の充実ということから特三類を設けるべきではないかというような御議論もあったわけでございますけれども、いずれにしましても、看護婦さんの絶対数、看護力等の関係から見ますと、そういう面からも非常にむずかしい問題があるのではないか。看護体制等の問題もありますし、医務局等とも御相談しましてこの問題を解決していかなければならないというふうに考えている次第でございます。
○平石委員 そういうようにひとつ努力はしていただきたいのですが、この特二類の患者二・五人に対して看護婦さん一人という状態で、二・八の問題もございます。この二・八は大体全国的に定着しましたか、どうです。
○石丸政府委員 二・八体制の完成につきましては鋭意努力いたしておるところでございますが、ただいまのところ約七〇%ぐらいの達成率になっておるということでございまして、今年の目標を七五としょうというふうに考えているところでございます。
○平石委員 看護体制の強化の問題では、やはり医療供給面から、この二・八制の問題も人事院の勧告で出ておりますし、これも早く整備をしていただかなければならぬ。そういうことを整備することが、付添看護人がだんだんと解消していく一つの手だてになってくる。それと、基準看護の問題について付き添い加算、いわゆる基準加算というものの特三類、これの要望が出ておるというお話でしたが、私はやはりこの特三類を設置しないと解消にはつながらぬのじゃないかという考え方を持っております。このことを要望して、この件については終わります。 次には差額ベッドのことですが、差額ベッドについても相当なものが取られておる。これは厚生省のこの間の発表を見ましても、すでに三人以上の大部屋でも取っておるということです。それから国立病院、公立病院、その他の公的医療機関、こういった公的な病院を合わせても三八・六%という数字が出ておるわけです。そして国立においてすら五・四%と、年を追うにしたがって少なくはなっておるようですけれども、平均で見て一八%というものが取られておる、こういう数字をこの問発表になりました。その中で五千円までぐらいのものがざっと九〇%近く、一日当たり五千円というような高額の差額を取られておるところも出ておる、こういう状態ですが、これは一体何に原因があるのか、このことについてもひとつお聞かせをいただきたい。
○八木政府委員 私どもは、保険外負担、特に差額ベッドの負担のために入院ができないということがあってはならないというふうに考えている次第でございます。ただ患者さんの側に、やはり電話のある部屋に入りたいとか個室に入りたいという御希望があるわけでございまして、差額ベッド自身は社会的なニードもございますから、これを廃止するというわけにはいかない。しかし、この差額ベッドの比率というのが相当大きなウエートになってきて、結局、差額ベッドを希望されない患者さんまでが、差額ベッド代を負担しないと入院できないということがあってはならないというふうなことから、従来からもこの問題がかなり社会的にも大きな問題になっているわけでございまして、三十九年なり四十九年なり、再三にわたりまして指導通達を出しまして、差額ベッドの場合には一定の基準のものでなければいけない、あるいは大部屋については取ってはいけない、さらに差額ベッドの比率につきましては、私ども指導基準といたしまして国立病院の場合には一〇%、それ以外の病院の場合には二〇%という指導基準を設けまして指導しておるところでございます。 最近の調査によりますと、これは病院、医療機関の御協力を得なければいかぬというようなこともございまして、改善の跡がなかなか急テンポではまいらないわけでございますけれども、昭和四十九年の一九%から、最近の調査によりますと一八%ということで、若干ではございますけれども改善の方向に向かっているわけでございます。私どもも、さらに医療機関の御理解なり御協力を得ましてこの問題の解決に努力してまいりたいというふうに考えているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、経営上の問題もあるわけでございますので、次回の診療報酬の改定の際等にも、この問題をやはり一つの問題として取り上げていかなければならない問題ではないかというふうに考えている次第でございます。
○平石委員 通達と、そして医療機関の御協力、それから診療報酬の改正の点と、この三つについてお答えをもらいましたけれども、その最後の点で、診療報酬の点数が入院について一日幾らになっていますか。
○八木政府委員 室料につきましては八十点、八百円でございます。
○平石委員 いま高度医療、医学の進歩、こういうところから、医療機関が建設されるについて相当な費用がかかる。大体一床当たりどの程度かかりますか。
○八木政府委員 病院の態様なり施設の特殊性等いろいろございますので一概に何とも申されませんので、ちょっといまの段階で正確にお答えできないと思います。
○平石委員 数字が明らかでないようなので、大体平均的な点について私調べてみました。いま一床当たり大体最低で一千万かかる。一千万と言うたら、そんなことじゃできぬ、二千万かかりますと言う方もおるのですね。一応一千万と踏んだ場合に、いまの常識としては、病棟部門というのが四〇%、それから外来診療部門、それから管理、給食とか、こういった形のものが大体六〇%というのが病院建設の常識です。そういうことから計算をして、本体工事、付帯工事、これらを合わせて計算をしますと、病棟部門で建設については本体部門で五五%、付帯部門で四五%という大体の平均になっておるようですが、これに一応単価を入れて計算をしてまいりますと金額が出てまいりますけれども、それを一応減価償却をしてまいります。ここに計算をしておりますが、ちょっと時間がかかるので余り言いたくないのですけれども、いずれにしろ、この単価を病院の稼働、大体二百六十九日、これで割って減価償却を計算をしてみました。そうしてみますと、外来診療部門、給食、管理棟、これは公営企業法の中にあります耐用年数から割ってまいりますと、大体一日当たりで四百九十七円四十銭というものが出てまいります。それから病棟部門の計算をしてみますと千百十五円、それに金利等を含めまして、一日当たり千六百十二円はもう最低ぎりぎりかかるのですよ。それへ清掃、冷暖房、こういう経費を加えてまいりますと、一日当たりに二千円はどうしてもかかる。その二千円に対していま御答弁にありましたようにたったの八百円です。これは、厚生省が認可をしております国民宿舎、この一日の素泊まりが千九百円、これと比べたときに、通達やら病院の御協力やらではどうにもならないということです。現実に私計算してみましたら、そういった形で大体二千円はかかるということが常識です。だから私は、今度の医療費の改定の際にやはりこれも見てあげないと、通達だけでは片がつかぬと思いますが、どうです。
○八木政府委員 社会保険の場合、どうしても保険の全体の費用の中の配分ということになるものでございますから、診療報酬の際に、全体の医療機関の経営が成り立つためにどこに重点を置くかということで従来やっておるわけでございます。最近、この差額ベッドの問題、非常に大きな問題になっているわけでございまして、いずれにいたしましても、全体の費用の中でこの問題をどういうふうに取り扱うか、中医協の御意見等も伺ってこの問題を解決しなければならないわけでございますけれども、先生御指摘の問題も含めまして、差額ベッドの問題を前進させるという意味におきましても、今後の診療報酬の改定の際に中医協の一つの大きな問題として取り上げるべき問題であることは間違いないというふうに考えております。
○平石委員 いま診療報酬点数の不備な点を指摘しました。 もう一つ、これから新たにお伺いをいたしますが、薬剤について、いわゆる実勢価格と薬価基準との差はどのくらいあると見ておられますか。
○八木政府委員 現在、保険で薬価基準を定めておりますけれども、現実の医療機関が購入する価格、これと薬価基準との乖離があるということが従来からも問題になっているわけでございます。そういう意味におきまして、毎年薬価調査を実施し、できるだけ薬価基準と実勢価格の差をなくしていくというような方法をとっているわけでございますが、さらに今回は銘柄別調査ということを実施することによりまして、できるだけ実勢価格に近づけるというようなことで現在銘柄別の調査の作業が進んでいる段階でございます。いずれ近いうちにこの結果というものが出てまいるということでございます。いま作業中でございますので、どの程度薬価基準と実勢価格の差というものが今後の薬価基準の改定の際に出るかということは、現段階ではまだ申し上げられない段階でございます。
○平石委員 それでは、四十九年の医療費改定の際に厚生省が出しておる資料があります。この資料によりますと、病院関係で二九%、約三〇%、それから診療所関係で三〇・七八%、これが大体実勢価格と薬価基準との差になっておるのです。私は、いまもこれはそう変わらない、むしろもっと拡大しているのではないかと思うのです。これは中医協に対して診療報酬改定の際に厚生省が出した資料です。これから見てみましてもこれだけの差があるということです。だから今度の医療費改定の際に、むしろ薬価基準をぐんと下げるべきだ。昨日の新聞にもありましたが、医薬分業について二・六%しか進行してない。少なくとも五十四年度には五〇%まで持っていきたい、こういう厚生省の立場であの点数表の改正もやったはずです。ところが一向に進まない。それはこういった差益があるから、いわゆる医師側にとっても医薬分業ということについて余り乗り気でない、こういう結果がきのうの厚生省の発表にも出ておった。だから私は、これを少なくとも今度の医療費改定で二〇%ないし二五%程度落として、そしていま私が前段、保険外負担として取り上げた問題を診療報酬のあの点数表の体系へ繰り込むべきだ、こう申し上げたいわけです。これはどうですか。
○八木政府委員 ただいま先生お話のございました四十九年の中医協に出しました実勢価格と薬価基準の差という数字で、二九%とか三〇%というのはちょっと手元にございませんし、わかりかねるわけでございますが、四十九年の際の薬価調査の結果によります薬価の引き下げ、これは約一・一%程度でございます。ただ、現在の薬価基準の設定の考え方というのが、薬価調査の結果出ました実勢価格の中の九〇%バルクということで、下から数えまして九〇%の価格で押さえているというようなことから、現実の医療機関の購入価格と薬価基準との差というのがかなりあるということは事実だろうというふうに思うわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、中医協でも御議論いただきまして、現在では関係者も御納得いただきまして九〇%バルクで決めようということで、しかもできるだけ実勢価格に近づけるという意味からも、従来の調査方法なり薬価基準の収載方式を改めまして、銘柄別収載ということに踏み切ったわけでございますので、今回の銘柄別調査を実施いたしますと、次の薬価基準では従来よりは下がるということは考えられるわけでございます。 なお、ただいま御指摘ございましたように、当然、薬価基準が改定になりました場合に出てまいります財源という問題につきましては、従来からもこれは医療機関の収入になっておったわけでございますので、従来から中医協におきまして、潜在技術料というようなことからこれは技術料を中心に考えるべきであるということで、薬価基準によりまして下がりました分につきましては、潜在技術料を今度は技術料としまして診療報酬の中に組み入れるということでいっておりますので、御指摘のように、技術料を中心としました問題としまして、薬価基準によりまして下がりました分は技術料の方に配分していくことを中心にしました診療報酬の改定の中で考えていくということでございます。
○平石委員 いまありましたように、四十九年度は薬価基準の引き下げは約一%だ、こういうことですが、私は基準の引き下げの問題じゃなしに差益のことを申し上げたわけであります。差益が三〇%もあるのだ、だが現実に引き下げられた薬価基準はいま答弁にあったように一%、それで実勢価格へなるべく近づくように努力をいたします、こういうお話なんですが、そういった一%や〇五%やといった、そんな小幅な引き下げによって、それを技術料として振り向けていくのだ。 〔斎藤(滋)委員長代理退席、委員長着席〕 姿勢としてはわかりますし、また技術料に振り向けることになっておるのですからそれは了としますけれども、そんな一%程度のことではどうにもならぬ。やはり一〇%、二〇%というものを下げて結構なんじゃないか。 それから、薬については、診療報酬の点数の問題においてもすでに、処置料あるいは投薬については、薬剤料にプラスいわゆる処方料やら調剤料というものが点数で加算されておるのですから、薬剤によって利益を得なくてもいいようにいまの点数表にそれぞれ加算されておるのですよ。それは御存じのとおりです。注射をする場合にも、薬剤料とそれへプラスするところの注射料が点数表にちゃんとある。だから、薬剤そのものに差益がある、いわゆるお医者さんが薬売りになるという必要はない。制度の上からもそうですよ。ただ、制度の上でそうなっておるけれども、現実に差益があるから医薬分業も進んでこない。ここへ目を向けていけば、いま医療費が一〇%ないし二〇%の伸びがあるが、これがダウンするのではないか、こう考えるわけです。そして全体の医療費の伸びをまずそれによって抑える。抑えると言うたら語弊がありますけれども、そうしていったらこれから先の健保の問題についても非常にやりやすくなっていくのじゃないかということを考えてこのことを申し上げておるわけです。おわかりになりますね。これはお認めになりますか。私、これを見せてもいいけれども、差益の問題については知らぬとおっしゃるのですが……。
○八木政府委員 先生御指摘のとおり、現実の薬価基準と購入価格の間に差益があるということは間違いないわけでございます。したがいまして、中医協におきましても従来からも議論されておりますように、薬価基準のあるべき姿というのはできるだけ実勢価格に近いものにする。したがって、本来薬剤の差益というものを中心に診療報酬が行われることは好ましくないということは関係者の一致した御意見であるわけでございます。ただ、現実に薬価調査なりあるいは薬価基準の改定を行うという際に九〇%バルクという考え方をとりますと、どうしても大幅な引き下げということはむずかしいわけでございます。先生の御意見に従いまして九〇%バルクをさらに下げるということになりますとそういう問題になろうかと思います。ただ、この問題につきまして、従来も中医協でいろいろ御理解いただいておりますのは、支払い側も含めまして、一応九〇%バルクという線が関係者の一致した線でございますので、貴重な御意見として今後とも研究させていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○平石委員 九〇%バルクの問題、現実にはこれにも問題がありますよ。だから私は、この問題といま言う差益の問題、やはり二つを今後検討していかねばならぬじゃないかというような気がします。 詳しく申し上げてみたいのですけれども、時間に追われて話が進められませんが、結局、いまの診療報酬というもの、そしていわゆる医療費の増高というもの、これについてここにちょっと資料が出ておりますが、医療調査の中の厚生省の政管健保ですけれども、四十七年と五十年を対比した給付費の要因別増減内訳、これにはいろいろとありますけれども、この中で自然増と目されるものが三九・二%、そして一日当たりの金額の増加、これが三六・五%、これは自然増としていわゆる薬剤の伸びなんですよ。その内訳としては、診療所に入院の場合に八・七%、外来の場合に二四・四%という数字が出ております。そのように薬剤がいまの医療費をずっとつり上げていって、いわゆる機関車的役割りをしておる。 そしてもう一つの調査資料によりますと、これも厚生省の調査の発表の中にあります、四十五年から四十九年までの薬剤投薬料についての伸びを見てみますと、病院関係において甲表で一四六・四%、乙表において一七二・五%、それから有床診療所において一九五・三%、無床の診療所において二一〇・八%、二倍になっておる。 このように、技術というもの見ずに、見ずにと言うと語弊がありますが、その方が薄くなって、薬剤のみによって、投薬のみによって診療がなされるということが大きな問題点だと私は見ておる。だからここらあたりは、薬剤費をぽんと落として、そしていまおっしゃったように技術料の方の支出に回す。またいま言うた基準看護の問題、これらに振り向けるべきではないか。そうしていけば、トータルにおいて医療費というものが同じことになりますという言葉になると思いますけれども、現実にそのことをやることによって薬剤費がずっと鎮静化してくる。そして、自然増としてふくれ上がってくるものが将来展望としてだんだんと縮まる形になってくるのじゃないか、こういうような気がして申し上げておるわけです。 もう一つ申し上げたいのですが、時間がございませんので、これで終わらせてもらいます、ありがとうございました。
○橋本委員長 次に、古寺宏君。
○古寺委員 まず最初に、大臣にお尋ねいたしますが、今度の国会におきまして、私どもに毎日のように陳情、請願が参りますが、その大部分がこの健保の改悪反対という陳情、請願でございます。なぜこういうふうに国民が今度の改正案について反対をしているのか、その点についてまず大臣の所見を承りたいと思います。
○渡辺国務大臣 真意がよくわからないために、それで反対をしているのだろうと思います。私が一人一人聞いてみますと、やはり適正な負担はやむを得ないという人が多いですよ。集団になるとまた別な話になるのかもわかりません。
○古寺委員 そこで大臣にお尋ねいたしますが、社会保険審議会あるいは社会保障制度審議会あるいはまた健保問題等の懇談会の意見、こういうものについて大臣は尊重されますか。
○渡辺国務大臣 できるだけ尊重していままでもやってきておるわけです。
○古寺委員 今国会におきましては、福田総理も、そしてまた大臣も、五十三年度をめどに抜本改正を行う、こういう発言をされております。この抜本改正に対する大臣のスケジュール、これについて承りたいと思います。
○渡辺国務大臣 ともかくことしの秋ごろまでに改正の内容を詰めたい、こういうように考えておるわけです。それが詰まりましたら、五十三年で一遍にできるか、あるいは二年ぐらいになるかということはございますが、いつまでもだらだらしておるわけにはいきませんから、なるべく早い時期に皆さんの合意を得て改正をやりたい、こう考えております。
○古寺委員 そうしますというと、五十三年度めどというのは、五十三年あるいは五十四年ないしは五十五年、まあはっきりしておらない、そういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
○渡辺国務大臣 改正といいましても、全部一遍にできるかどうか、もう少し詰めてみなければわからない。国会へ出しましても、皆さんがはい、はい、はいですぐ通してくれれば、それはもうすぐできてしまうことだけれども、それがなかなか通らぬということになると、これまた、予定がきちっと決まったからこのとおりというわけにもなかなかいかないと思います。
○古寺委員 そうしますと、抜本改正をやるという目標はあるけれども、いつやるかはまだ定かではない、こういうふうに理解してよろしいですか。
○渡辺国務大臣 ですから、この秋までに内容を固めて、五十三年、五十四年、二、三年ぐらいかかるかもしれませんよ、全面的にやるのですから。だけれども、なるべく五十三年度から基本的なものには手をつけたい、こういうふうに目下考えておるわけです。
○古寺委員 それでは、よく改正の内容がわからないので国民が反対しておられる、こういう先ほどの御答弁がございましたので、ひとつ承りたいと思いますが、現在提案されております法案の中の一部負担金でございます。この一部負担金を増額するということについては、社会保険審議会の四十六年十月の答申の中にもございますが、こういうような一部負担金を増額するということは、受診抑制につながるあるいは医療機関の事務が繁雑になる、そういうようなことを避けなければならない、こういう答申があるわけですね。今回のこの一部負担金を増額する理由でございますが、なぜでございますか。
○渡辺国務大臣 四十六年ごろの状態というのは高度経済成長の爛熟期ですよ。ともかく政府の方の財政事情も非常によい、どんどん好調子で来たわけですから、そういうような状態のもとで、できるだけそれはもう一部負担しないで、保険料は安くて、政府がたくさん金を出してやれることだったら一番よかったでしょう。しかし、やってみた結果はいろいろと問題点も多い。政府の財政事情も御承知のとおりということになってみると、高度の医療内容を落とすわけにはいかないのですから高度の医療内容を守っていく、一方で人件費、物価も上がるということになれば、当然それを利用するものの問題において、十年前の据え置きの入院料、入院の一部負担を一日六十円で十年間ずっといいかということも常識の問題ではないだろうか、かように考えておる次第でございます。
○古寺委員 それが受診抑制につながるというふうにはお考えにならないのですか。
○渡辺国務大臣 これは物の考えようでございまして、スウェーデンなどで一回受診のたびに千円ずついただくというようなことも、あそこは模範みたいなことをよく言われるわけだけれども、それじゃ受診抑制につながるのか。私は、受診というものは適正でなくちゃならない、かように思うわけであります。全部お医者さんに行かなければならないものばかりでないものも中にはあるかもしれないので、われわれは乱診乱療というものは慎んでいかなければならない。こういうことについてはそういうことのないように、診療側も、それからまた患者の方も、お互いにこれは慎んでいく必要がある。本当に病気の人が入院できなかったり、医者にかかれないで五時間も八時間も待っているというような状態もあるのですから、有限な、限りある医療機関の中で、本当にどういうふうにして病人を救っていくかという問題にひとつ踏み込んでわれわれは検討する必要がある、こういうように思っております。
○古寺委員 先ほど大臣は、昭和四十六年のころは高度経済成長時代で国民の生活も非常に豊かであった。しかし、今日低成長時代を迎えて、国民の所得も非常に少なくなっているわけであります。そういうときに患者に負担を強いるということは時代逆行ではございませんか。
○渡辺国務大臣 一方におきまして医療の高度化ということに伴って、いろいろな新しい機械が発明されたり、新しい高価な薬ができたり、そういうようなものはぜひひとつ使ってほしいという希望が多いわけですから、ともかくこれから大変だから人工透析なんというのは余りふやさないようにしようなんというところはどこにもなくて、やはり人工透析というものについては、これはもう腎不全の方はどうしても必要だ、やればかなり莫大な金がかかる、しかしそれは外すわけにいかないでしょう。ですから、医療の費用というものは年間平均二〇%以上ずつ伸びておる、ということになればだれかが負担をしなければならない。だれが負担をするのだ。では国民が、国民といいますか、保険料で負担をするか、足りない分をそれでは国費でつぎ込むか、どっちかしかないわけですから。現実にことしなども二兆五千億円以上の医療に対する助成というものを国はやっているわけですよ。もう限界に大体来ておる。これ以上に、これがもう毎年一五%、二〇%出せるという状態だという見通しならばこれも一つの方法でしょう。したがって、ここで抜本改正しなければならないということは、やはり中身についての洗い直し、むだはないかというようなことも一遍お互いに真剣に反省しようじゃありませんかということを言われておるわけです。また診療側におきましても、それはやはりせっかく患者を診るのですから、本当に困った患者を診てあげたいという、お医者さんからずいぶんそういう話を聞きます。患者さんの整理をしてくれとは政府には申しませんけれども、そういうようなまともなお医者さんの考え方のあることも事実。 したがって、われわれとしては、高度成長経済から低成長になったというときに、しからば負担はだれにかぶせるのだ、だれにかぶせるのだと言われましても、結局は国民にかぶせる以外にはない話なんですから。政府といったってこれは国民ですからね。国民の代表としてかわって予算を動かしているだけのものであって、政府の財産じゃなくて国民の財産でございますから、結局は同じことなんですよ。だからといって医療の方をうんと抑え込んでしまうということはできない。ということになれば、政府も出すものは出しましょう、国家としてもできるだけ出しましょう。しかし、それでも出し切れない部分については、保険料なり一部負担なりにおいて、特に低いと思われるものについては見ていただく以外にはないじゃありませんか、こういうことなんですよ。そうむずかしい話じゃないのです。
○古寺委員 そうしますと、いわゆる高度医療のいろいろな医療費の増高によって赤字もふえてきた、そのいわゆる財政対策として一部負担金というものを今回徴収することにしたのだ、こういうわけですね。
○渡辺国務大臣 そう短絡的な話ばかりでなくて、今回の改正案というのは、御承知のとおり傷病手当の期間というようなものも非常に延長をする、こういうふうなこともいたしておるわけでございますから、そういうふうな赤字対策だけじゃないのですよ。中の合理化という問題もあるのです。 〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕 結局は財政の問題ですから、支払いがつかなくなるということになればどうして払うかということを考えなければならない。国の方からも三千百三十億からの金も実は出すことになっておる。しかも片方においては、ボーナス等についていままで保険料を徴収したことはない。だからボーナスをたくさんもらっておった人はその分だけ保険料が軽かったと言ってもいい。これはそういうことになるわけです、いままで取っていないわけですから。したがって、ともかくいままでそういうような点でボーナスについては課税をしていなかったのですから、これについて、被保険者については一%のものをひとつ出していただけませんか、臨時応急の措置でございますということで。当然それは財政と裏表のものでございます。財政と全然関係なくただ取り立てるのだ、そんなことじゃなくて、当然これは裏表のことであって、財政を豊かにするということは、結局支払いを円滑にして保険制度を正常に守っていくということなんですから。 それと、もう一つは、十年間も据え置いた入院時の一部負担を、ともかく六十円というままで置くということは世間の常識から見てもどうだろうか。これだけ物価、賃金の、世の中の変わったときなので、これについてはまあ、世間並みとは申しませんが、二百円ぐらいまで——うちにいたって二百円以上の食事はするのだから、そこらはいかがなものでしょうと言って、それはそれは内目なものだというふうに私は考えておるのです。
○古寺委員 入院料、それから初診料の七百円ございますね。これは、私がいまお話を承っておりますと、主として財源対策として一部負担金の引き上げを行った、こういうふうに私いま理解したわけでございます。ボーナスの問題も同じようなお話がございましたが、この一部負担金につきましては、そういう財源対策としておやりになるのであれば、保険者が被保険者から徴収するというような、そういう方法をとられたらどうでございますか。
○八木政府委員 現在、一部負担金につきましては、事務処理の円滑化、迅速化ということで、受診の際に医療機関の窓口で徴収をお願いしているということでございます。これは、保険者が先生御指摘のように徴収するということになりますと、政府管掌健康保険として、組合もそうでございますが、膨大な職員なり事務量ということにもなるわけでございますし、現実問題といたしまして、この程度の額でございますれば受診の際に——これは本人の一部負担金でございますし、一部負担金につきましてこの程度の額につきましては十分御負担いただいているという従来の実績もございますし、さらに、今回の引き上げの額というものも、四十二年以来十年間据え置きになっているのをスライド的に、各種の物価なり賃金の伸び等に応じましての引き上げでございますので、医療機関に引き続きお願いするということでそれほど大きな問題はないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○古寺委員 保険者が直接徴収するというと膨大な事務とかいろいろな経費がかかる、医療機関が徴収する分には大した差し支えがない、私はそういう論理は成り立たぬと思うのですよ。やはり同じでございますよ。ですから、これは財政対策のみでおやりになるのであれば、あくまでも保険者が被保険者から徴収するような方途は幾らでもとれるわけです。簡単に申し上げますと、レセプトが二カ月なら二カ月たちますと被保険者のところへ回ってきますね。そのときに給料から差し引くとか、簡単な方法でできるわけです。そういう事務の繁雑化というものをなくしていくこともこれは抜本改正につながっていくわけですから、こういう面についてやはり改善をしなければならぬと思うのです。 それから、次にボーナス保険料でございますが、これは政管健保以外の、たとえば組合管掌健康保険とかあるいは共済組合とか、こういうところからもこのボーナス保険料というのは徴収するのですか。
○八木政府委員 ボーナス保険料につきましては、健康保険組合におきましても徴収できるということになっております。ただ、健康保険組合の場合に、個々の健康保険組合によりまして財政状況が区々でございます。したがいまして、財政状況が、特別保険料、ボーナス保険料を徴収しなくてもやっていける、保険料率の中でも処理できるという場合におきましては、これは個々の健康保険組合が規約で決めるということになっているわけでございます。
○古寺委員 そうすると、できるということは、取らなくてもよろしいということにもなるわけですね。
○八木政府委員 これは先ほど御説明申し上げましたように、健康保険組合、それぞれ財政状況が違うわけでございます。したがいまして、保険料率の中でやれるという場合には、特別保険料を徴収しなくてもやれるという組合もあるわけでございます。そういうような、財政状況にある程度余裕のある組合につきましてまで強制するということではきませんので、これは個々の組合の判断に任せている。ただ、現実問題といたしまして、健康保険組合の場合には、従来かなり財政状況はいいのじゃないかというような一般的な考え方であったわけでございますが、最近の不況等によりまして、一方医療費は伸びていくというようなことから、健保組合の財政状況もかつてと異なりましてかなり苦しくなってきている。現実には、政府管掌の健康保険組合の料率が千分の七十八でございますけれども、すでに健康保険組合で、上限九十まで取れるわけでございますが、九十を超す保険料を徴収している組合というのが九十七もあるというようなことで、健康保険組合の中でも財政的にかなりむずかしくなっているというのは間違いない事実でございます。
○古寺委員 それでは大蔵省に伺いますが、共済組合の場合もボーナスから掛金を徴収するのでしょうか。
○山崎説明員 共済組合の場合は、ボーナスからは徴収しないことになっております。
○古寺委員 そこで、大臣に、一人の患者さんの例を挙げてお話し申し上げますけれども、急性化膿性虫垂炎、俗に盲腸と言っていますが、それで十日間入院しました。そしてこの患者さんの要した医療費というのは、七千点でございますので七万円でございます。この方は被保険者の家族でございますので、窓口で三割でございますから二万一千円支払ったわけです。この場合、政管健保の患者さんの場合は二万一千円払ったきりでございます。ところが、組合管掌健康保険を見ますと、これは各組合によって差はあるものの、ほとんどの組合は五百円の足切り、あるいは七百円、千円の足切りということになっております。そうしますと、政管健保の人は二万一千円の負担を強いられているのに、組合管掌健康保険に加入している家族の場合は、五百円なりあるいは七百円ないしは千円払えば医療費は払わぬでもよろしいわけです。同じ急性化膿性虫垂炎でもってお医者さんにかかった患者であっても、その加入している保険によってこういうように差があるわけです。 それが、今度は共済組合の例をとりますと、大蔵省の場合は付加給付が患者負担マイナス三千円掛ける百分の百でございますね。したがって、政府管掌健康保険の人は窓口で二万一千円支払うわけですが、大蔵省の方も二万一千円支払うけれども結局は三千円だけ支払えばあとは共済組合でめんどう見てもらえる、こういうふうになっている。それから、厚生省の方がいらっしゃるが、厚生省の場合は患者負担額から二千円引きまして掛ける百分の七十、こういう付加給付になっております。そうしますと、保険局長さん、これは厚生省の患者さんの場合ですが、幾らになりますか。おたくの奥さんが入院されて窓口で二万一千円払うのです。ところが実際にあなたの方から出るお金は幾らでございますか。
○八木政府委員 厚生省共済の場合の付加給付につきましては、先生いまの御指摘の例で申しますと一万三千三百円という付加給付でございます。
○古寺委員 こういうふうに、政管健保、組合管掌健康保険あるいは共済組合によって、同じ病気になっても負担する額がみんなばらばらなんです。しかも、この政管健保に加入している人はほとんど所得の低い中小企業の人が多い。そういう政管健保の人の給付の改善をするのじゃなくて、 一部負担金を多くする、あるいは一方ではボーナス保険料まで徴収する。そういう財政上の理由で、こういう給付の格差是正というようなことを考えないでこのままやっていくとするならば、格差はますます増大する結果になりますよ。こういうことについて大臣はどういうふうにお考えになっているのですか。
○渡辺国務大臣 確かに組合によって差のあることは事実でございます。しかしながら、たとえば国家公務員共済組合等の平均の財源率は千分の八十八、あるいは市町村の職員共済組合の平均の財源率は九十二とか、国鉄共済組合は八十四とか、掛金が違うのですよ。月給も高いし掛金も高いということなら財源が豊富だ。みんな組合員が出しておってその中で負担をするからよけいに、負担についての割合は、患者負担の割合は少なくなることも事実です。だから、平均いたしますと共済組合なんかは非常に財政内容が豊かだということがよく言われます。言われますが、最近に至りましてはかなり掛金も高く取っておって、それで財政上豊かに支払いのできるのもあることは忘れてはならない。しかし、それらの根本的な問題についてはやはり抜本改正の折に、格差是正の方向はいろいろな方法があるでしょう、あるでしょうけれども、そういうもので格差是正の方向に持っていきたいと私は考えておるわけです。あなたのおっしゃるのは事実でございますが、それと同時に、それを支払いできるだけの掛金を取っているところもあるということも事実なんです。
○古寺委員 そこで大臣、今度は掛金の問題を申し上げます。たとえば健康保険組合、ある金融機関の保険料の負担額でございますが、政管健保の平均の標準報酬月額と比較をしまして、十三万七千七百二十八円の方の保険料の負担を見ますと二千六十六円なんです。ところが政管健保に加入している人が支払う保険料は五千三百七十一円五十銭なんです。そうしますと、政管健保の人の半分以下の掛金で、そうしてお医者さんにかかった場合には、家族も政管健保の人は二万一千円を支払うときに五百円支払えばいい。この会社は付加給付でたしか五百円です。五百円支払えばいい。いいですか大臣、掛金は半分以下支払って、お医者さんにがかった場合にはたった五百円払えばいいのです。倍以上の掛金を払っている患者さんは二万一千円支払っているのですよ。こういう点はどうですか。
○渡辺国務大臣 それは部分的にとりますとそういう組合があることも事実です。しかし、掛金率も九十とか八十八と掛けている組合のあることも事実。両方事実であります。
○古寺委員 それじゃ保険局長にお尋ねしますけれども、組合健保の組合数は、四十九年の古い資料で見ますと千六百十二になっておりますが、現在は幾らで、赤字の組合は幾らございますか。
○八木政府委員 保険組合は約千六百六十でございます。 それから、先ほど申し上げましたように、健康保険組合の財政は従来かなりよかったわけでございますけれども、最近では非常に苦しくなってまいっておりまして、現在政府管掌の保険料率以上の保険料を設定している組合は四割以上もある。したがいまして、財政が苦しくなってまいりますと保険料率を上げるというようなことから、単年度の収支で見ました場合には四割くらいが財政状況が悪化して赤字が出てくるということから保険料率の引き上げを行わなければいけないということで、先ほど申し上げましたように、すでに九十を超す組合も九十七組合あるということでございます。 なお、健康保険組合の場合に、先ほど先生が例に出されましたのはかなりトップのグループでございまして、健康保険組合は種々さまざまであるわけでございまして、いま申し上げましたように、いい組合もありますし、悪い組合もあるわけでございます。さらに、健康保険組合の場合にはやはり企業内福祉あるいは労務管理的な要素ということで事業主負担分もかなり入っておるというような面から、たとえば先ほど御指摘になりましたような付加給付もあるということは事実でございます。
○古寺委員 いま家族の療養付加金の問題についてだけ申し上げているのですが、このほかに傷病手当付加金ですとかあるいは分娩、育児手当の付加金、埋葬料付加金、いろいろなものを計算しますと格差は大変なものですよ。この格差を縮めていくのが抜本改正なんです。いかにしてこの格差を是正するか。いかに法のもとに平等にすべての国民が最高にいい医療をいつでも受けられるようにするか、これが健康保険の目的であらねばならない。ところが、大臣の答弁を私お聞きしていますと、財政問題だけが先に立って、本当に抜本改正をやろうとする意気込みがうかがえないのですよ。 〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕 私はそれが残念なんです。いま五十三年度の抜本改正をめどにして社会保険審議会の中に健保問題等の懇談会をつくって検討されております。しかし、社会保険審議会はあくまでも政府が管掌している三つの保険が対象になるわけです。いまの組合管掌ですとかあるいは共済組合ですとか、すべてのものを包含した抜本的な構造的な改革というものはこの中では検討できないと私は思うのです。そういう点についてはどうでございますか。
○八木政府委員 社会保険審議会におきまして、五十三年度を目途に基本的に見直しをしようじゃないかということで、先般二十二項目を設定したわけでございますが、社会保険審議会の健保問題懇談会の中でも先生御指摘のような御議論がございました。社会保険審議会は確かに先生おっしゃいますように、本来は政府管掌健康保険と船員保険、それから日雇健康保険、これが社会保険審議会の守備範囲であるわけでございます。しかし、社会保険審議会の御議論の中でも、単にこの三つの制度ということじゃなしに、基本的に医療保険制度全体の問題、これはある意味では社会保険審議会の範囲外かもしれないけれども、この問題を議論しなければ基本的な問題と取り組めないじゃないかという皆さん方の御意見でもございますし、私どもも、社会保険審議会関係者、各側が入っておりますから、そこで非常に幅広い立場でこの問題を御議論いただきたいということで現在御検討いただいているところでございます。
○古寺委員 先日、大臣が、軽い病気は患者負担にしよう、こういうようなことをちょっと新聞で拝見しましたし、この委員会で問題になったわけでございますが、いわゆる足切り補償というやつですね。こういう問題は、先ほどたとえば人工透析の問題も出ましたが、私は非常に危険を伴うと思うのですよ。いま日本の医療にとって必要なことは何か。まず予防ですよ。病気にならないように予防することが第一でしょう。それから病気が重くならないうちに早期に治療するということが大事なんだ。人工透析を使わなければならぬというような人は相当に重体な方です。そういう人工透析とか高度の医療というものを必要とするような患者さんがふえればふえるほど、医療費というものは増高するわけです。そういう増大する医療費を抑えるためには、早期に診断して早期に治療するということが、私は健康保険財政をよくする一番大事なポイントだと思うのです。それが、大臣のお話を聞いていますと、簡単な病気は患者が自分で負担すればいいのだ、こう言う。それでは、簡単な病気か、重くなる病気かというのは一体だれが判断するのですか。大臣にお尋ねします。
○渡辺国務大臣 私が申し上げだのは、簡単な病気かどうかという問題について具体的なことを申し上げたのではございません。私といたしましては重病の方に、どちらかというと比較して言ったのでありまして、本当に重病とか難病とかいうような方で、長い間病床に呻吟をしておる、そういう人が何年間も何万円という負担をしたり、あるいはベッド差額を負担していかなければならないというようなことなどについては、もっと手厚く見るような方向で検討をすべきだということを私は申し上げたわけであります。したがって、予防とか早期治療は軽んじてもいい、そういう意味で申しておるわけではございません。
○古寺委員 それならば一応了解しますけれども、何か承っておりますと、簡単なものは健康保険の対象外にする、全部自己負担にするというような、そういう御発言のように私聞いておりましたのですが、その点についてはいま御答弁がございましたので、どうかそういう方向で検討をしていただきたいと思います。 そこで、今回の改正案を見ますと、この中には医療費のアップが入っていないわけです。診療報酬の改定というものが入っておりません。そこで私は大臣にお尋ねしたいのは、この診療報酬を決定する場は中医協でございます。あなたが大臣におなりになってからまだ中医協は一遍も開かれていないわけでございますが、この一番大事な診療報酬、適正な診療報酬というものがどうあるべきかということは、早い機会に検討していただいて結論を出すべき問題であろうかと思いますが、この点についてはどうですか。
○渡辺国務大臣 私といたしましては、目下、この保険制度を維持するために、支払いもつかなくなっておる、足元に火がついておるわけですから、この支払いをどうしてことしじゅう確保するかということで精いっぱいで、さらに支払いをうんとふやすところまでまだ考えが及ばない。早いところ健康保険のこの法案でも上げてもらって、それから今度は支払いの方も考えなければならぬ、こう思っておる次第でございます。
○古寺委員 たったいま大臣は、重い病気の人、難病で困っている人、こういう人には手厚い治療ができるように、高度の医療技術を活用してそういう人たちの病気を治してあげるようにしたい、こうおっしゃったのはうそでございますか。
○渡辺国務大臣 そういうことはございません。抜本改正の折には、そういうようなものを中心に考える必要があるのではないかということを私は申し上げたわけでございます。重い病気でも軽い病気でも、この医療制度、保険制度を維持していくためにはお金がかかるわけです。お金がかかるということになれば、支払いようがつかなかったら医療機関だって、政府管掌の保険証を持っていっても、支払いが遅延しているとかどうこうということになって、粗末にされては困るわけですからね、重い軽いにかかわらず。ですから、われわれは財政内容を充実をさせて、そして、政府管掌の健康保険証を持っていった人に対して、お客さんとしてお医者さんが喜んで診察をしてくれるということを確保していくことが先決問題ではないでしょうか。そういうことを申し上げておるわけでございます。
○古寺委員 そうしますと、いわゆる制度間の統合とかあるいは財政調整とか、そういう点についてはお考えになっていないのですか。
○渡辺国務大臣 それは根本問題だと私は最初から言っておるわけです。それはあなたのおっしゃる御意見はあるのですよ。日本医師会筋——筋ですが、工藤さんなんかはそういう御意見のようです。ともかく片っ方のもうかっているといいますか、財政の豊かなところがあるのだし、片っ方には貧乏な組合もあるのだから、まずそれを統合してしまえということも私は一つの卓見だと思うのです。しかし、これには年金の統合と同じように、長い歴史があってなかなか……。総評も同盟も、支払い者側で保険の統合賛成とすぐ言ってくれれば、また国会の中でもまとまってしまうというのなら、これも一つの非常に有力ないい案なのでぜひこれは検討しなければならない問題だと思いますが、現実の問題としては、直ちにここ一、二年で国民健康保険も政府管掌も組合保険も合併してしまうということは、言うべくしてなかなかむずかしい、政治は現実ですから。だけれども、そういう方向はやはりりっぱな考え方なので、それは忘れることのできない、頭のすみにいつでも置かなければならない問題だと私は思います。 そのかわり制度間の財政調整というのをやっていかないのかと、そんなことはございません。これは御承知のとおり、二兆五千数百億のお金を政府は医療補助に出しておりますが、いわゆる、あなたのおっしゃる組合健保については八億円しか出していないのですよ。政府管掌には三千百三十四億出しているわけです。それから国民健康保険の方は、これは非常に低所得で、しかも病人とか老人が多いだろう、そのために赤字である、給付率も低いという点も考えて一兆四千億円というような膨大な金を出して、その運営が何とかやれるようにできるだけの配慮はしておる、こういうこともひとつ頭に入れておいていただきたい、かように考えます。
○古寺委員 いま大臣がおっしゃった国保の問題ですとかあるいは組合健保の問題ですとか、そういう財政の調整交付金その他の問題につきましては、今度日を改めて議論することにしますが、きょう大臣にお聞きしたいのは、わが党では福祉トータルプランというのを出しています。将来あるべき医療制度のいわゆる姿勢、構想をこうやってきちんとわれわれは一応まとめてございますので、ひとつお読みになっていただきたいのです。 そこで、大臣が五十三年あるいは五十四年、五十五年をめどにして抜本改正をおやりになるとすれば、やはり大臣としての私案が必要になると思うのです。先ほどからのお話を承りますと、大臣の考え方は、いい保険はいい保険でやっていけばいいのだ。一遍に急に統合できないから、それぞれの保険があってなかなか一緒にできないから、それぞれの保険の立場で財政問題を考えていかなければならぬというようなお話でございますよ。それでは総体的ないわゆる統合なりあるいは財政調整というのはできない。ですから、大臣が抜本改正をおやりになるとすれば、どういうふうにしたいのか、この私案というものをまず示して、そして懇談会なり審議会なり、そういうところで検討していただく、あるいは国民に発表しても結構でしょう。そういう前向きの姿勢でこの問題は取っ組んでいきませんと、もう抜本改正と言われてから国民は聞きあきているのですよ。毎年のように抜本改正なんです。いまだにできないのです。ですから、その抜本改正をなさる以上は、やはり私案をひとつお出しになって、そして専門家でも結構です、あるいは国民でもよろしいでしょう、私はこういう私案を持っているけれどもどうでしょうか、こういうふうに皆さんに私案を示す必要があると思うのですが、どうでございますか。
○渡辺国務大臣 私は、いい組合はいい組合で行け、財政の乏しい組合はそれだけで行け、そういうことは一つも言っておりません。たとえば高額医療の問題でも、いま五十万円というような限度でやっておるものをもっと下げろということだって考えられるし、退職者医療の問題だって考えられる。しかしそうなると、一方では、そんなことをしないで、老人医療というのは別に抜いたらいいじゃないかという御意見もある。退職者医療制度をつくってしまうと、保険組合は保険組合でずっと永久に残ってしまって、統合の方向へ行かないではないかという御議論もある。いろいろあるのですよ。 そこで、私が私案を出すと申しましても、私が素人で思いつきみたいにここで私案を出すというわけにいかないのです。国会でも皆さんからいろいろな御意見が出ているわけですから、私が私案を出してしまったら、ただ賛成か反対だけみたいなことになってしまって、とてもできない。公明党もそのトータルプランというのがあるそうですから、これもよく検討さしてもらう。それからいろいろな国会議員からいろいろな発言もあるし、できることならば何とか各党間で根回しして——根回しと言っては語弊がありますが、各党間でのめそうなもので大きく前進ができるものはどれだ、これについては専門家の意見や皆さんの意見をいま聞いておりますから、それを土台にして検討した結果、まとめるのは当然厚生省がまとめる。法律案を出すにしても厚生省が知らぬ顔して法案が出るわけがないのですから。それは議員提案という手もございます。ございますが、それはいずれは発表する、ということは当然にそういうようなことになります。これは大臣ということでなくて、厚生省全体として真剣に検討して一つの案をまとめていく、これは当然のことだと私は思います。
○古寺委員 あなたがお一人でこの私案をつくるということは容易でないと思うのです。だけれども、厚生省には専門家がたくさんおります。もう保険局長さんからたくさん、そうそうたる専門家がいるのですから、あなたがお書きにならなくとも、そういう知恵を結集してりっぱな抜本改革の案ができると思うのです。それをあなたのお名前でお出しになればいいのですから、渡辺私案、厚生大臣私案という私案を出そうと思えば幾らでもできるわけですので、ひとつぜひそれは早い機会にお示しになっていただきたいと思います。われわれも大いに協力をして、一日も早く抜本改正ができるようにしたいというのは国民の願望でございますから、そういうような国民の期待にこたえる意味においてもお願いしたいと思うのです。 先ほど途中で中医協の問題が宙ぶらりんになりましたので、中医協をなぜお開きにならないのか、そこをひとつお話ししてください。
○八木政府委員 中医協の問題につきましては、昨年の十一月以来現在まで開会に至っておらないわけでございますが、先生御承知のとおり、昨年、歯科差額の問題が非常に大きな問題になったわけでございまして、昨年の八月におきまして歯科診療報酬の引き上げの行われました後におきまして、歯科差額の問題をどうするかということで中医協におきまして関係者の精力的な御審議を賜ったわけでございます。約二カ月行ったわけでございますけれども、歯科医療の正常化なりあるいは歯科差額の問題の解決ということにつきましては、関係者の間におきましてまだなかなか意見の調整ができなかったというような段階から今日まで経過しております。その間、歯科医師会の会長さんもおかわりになったということで、当面のこの問題につきましての当事者として、歯科の問題でございますから歯科の診療関係の方との話し合いということが必要なわけでございますので、そういうような意味におきまして、この問題の解決をできるだけ図りたいということで先日大臣も歯科医師会長とお会いになったということでございます。多年の懸案でございますし、すでに中医協の答申も出ておるところでございます。ただ現実問題といたしまして、過去十年以上も続きました差額徴収という問題をどういうふうに現実的に解決するかというのが大きな問題であるわけでございますので、関係者間の意見の調整ということにつきましてさらにいま精力的な努力を傾けまして、中医協の再開を行いたいというふうに考えておる次第でございます。
○古寺委員 円城寺会長が四月いっぱいで任期切れになっておりますね。いま空席でございますよ。この中医協を開くためには、厚生省が歯科問題について解決しなければならぬわけです。ですから、大臣はきのうかおとついですか、歯科医師会の会長さんにお会いになっているようでございますが、こういうようなのんびりしたムードではいかぬと思いますよ。もっと積極的にこれらの問題の解決を図って、一日も早く中医協というものを開くことをお考えになっていただきたいと思う。 次に、時間がないので急ぎますが、いま二百海里問題に入りまして非常に困っているのが漁民でございます。現在、船員保険は約二十四万、そのうちの十二万が漁船部門でございますが、その十二万円のうちの七〇%の人は失業保険が未適用になっている。これは社会保険庁の調査によりますと、六〇%以上の人が一年以上雇用されているわけですよ。陸上の場合に比較しましてこれが非常におくれているのです。陸上の場合は、季節労務者でも失業が六カ月以上ありますと雇用保険で給付金が支給されますけれども、海上の場合は特に漁船部門が非常におくれているのです。これが労働省の管轄でないために、厚生省で見ているためになかなか進まぬのですよ。ところが、いま御承知のように日ソ漁業交渉も暗礁に乗り上げまして、皆さん非常に不安を感じておりますので、この点について一日も早く——これはつい最近適用された問題もありますが、北海道、東北の沖合い漁業というものはまだ適用されておりません。したがって、これはもう早急に適用していただきたい、こう思うのですが、いかがでございますか。
○八木政府委員 船員保険の問題につきましては、失業部門につきまして先生御指摘のように漁船船員につきましては全面適用になっていないわけでございます。これは一年間の通年雇用というものが対象になっているわけでございまして、そういう意味から申しますと、制度的に失業保険の対象になっておるものとなっておらないものとあることは事実でございます。ただ、船員保険の場合に、かつて昭和二十二年から二十七年くらいまでは全面適用になっていた時代があるわけでございます。ただ、船員の場合に、通年雇用でない場合には、ある一定の期間働いてある一定期間失業するということになりますと、当然毎年失業が予定される。この毎年予定している失業をどういう形で船員保険の中で解決するかということになりますと、船員保険は世帯が非常に狭いわけでございまして、機船部門まで入れましても現在二十三万五千くらいでございます。したがいまして、毎年必ず予想されます失業というものを、機船の方あるいは船員の方でも漁船の関係におきましても通年雇用の人が、保険でございますから、失業保険の形で財政負担をしていくということになりますと大きな問題になるということで、かつて適用でありましたものが、現在では通年雇用に限るということになっているわけでございます。 そこで問題は二つございまして、一つは、通年雇用になっている人についても完全適用になっていないじゃないかということで、法律上当然適用すべき方々につきましては、これは社会保険庁の方でございますけれども、十分適用の促進を図っていきたいということでございます。 それからもう一つは、通年雇用じゃない方の適用問題でございますが……
○橋本委員長 質疑の時間がもう来ておりますから、簡単に答弁願います。
○八木政府委員 これにつきましては船員保険部会でも、制度の基本に触れる問題でございますので、どうするかということで、基本問題としまして社会保険審議会の船員保険部会でもこの問題と取り組んでまいりたいということでございます。
○橋本委員長 古寺君、最後の御質問にしてください。
○古寺委員 時間でございますから、一つだけ大臣にお聞きいたします。 船員保険の国庫補助でございますが、これは昭和四十二年以来十年間六億円で据え置かれているのです。先ほどの質問の当初に大臣は、四十六年でもそういうのは古い、こうおっしゃいましたけれども、四十二年と申しますと十年前でございます。その十年前の六億円がいまだに定額として、国庫補助として補助されているわけでございまして、これでは船員保険が赤字になるのは当然でございます。こういう面について、ひとつ大臣として、船員保険はいま非常に大事な立場になっておりますので、こういう方々のために、船員保険の赤字を解消する意味におきましても、この国庫補助をふやしていただきたいということについて御答弁を願いたいと思います。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、船員保険の保険料率は、政管は七十八ですが五十八なんです。そこらも実は関係する問題でございまして、やはり内容充実のためにはお互いにひとつ協力し合っていこうじゃありませんかというように、前向きで、これはお互いにですよ、考えております。
○古寺委員 それでは時間でございますので、質問のまだ至らない面がたくさんございますが、留保しておきます。
○橋本委員長 次回は、来る二十四日火曜日午前九時二十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十二分散会 ————◇—————