社会労働委員会 第17号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1977/05/10
会議録
○橋本委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○橋本委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○橋本委員長 この際、住栄作君、村山富市君、大橋敏雄君、和田耕作君、浦井洋君及び工藤晃君から、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 その趣旨の説明を聴取いたします。住栄作君。
○住委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 国家補償の精神に基づく被爆者の援護対策についてその制度の改善に対する要望は、ますます強いものがある。 よつて政府は、このような事情を配慮して、今後慎重に検討するとともに、本法の施行に当たり次の事項についてその実現に努めること。 一 各種手当の額を更に引き上げるとともに、所得制限の撤廃、適用範囲の拡大を図りつつ被爆者に必要な施策の整備充実に努めること。 二 原爆病院の整備改善を行い、病院財政の助成に十分配慮するとともに、その運営に当たつては、被爆者が必要とする医療を十分受けられるよう万全の措置を講ずること。 三 特別手当については、生活保護の収入認定からはずすよう検討すること。 四 原爆症の認定については、被爆者の実情に即応するよう改善を検討すること。 五 被爆者に対する家庭奉仕員制度を充実するとともに、相談業務の強化を図ること。 六 被爆者の医療費については、全額公費負担とするよう検討することとし、さしあたり国民健康保険の特別調整交付金の増額については十分配慮すること。 七 被爆者の実態調査を今後の被爆者援護施策に十分活用するよう努めるとともに、復元調査を更に整備充実し被爆による被害の実態を明らかにするよう努めること。 八 被爆者とその子及び孫に対する放射能の影響についての調査、研究及びその対策について十分配慮し、原爆医療調査研究機関相互間の連絡調整を図ること。 九 沖繩在住の原子爆弾被爆者が、本土並みに治療が受けられるよう専門病院等の整備に努めるとともに、沖繩の地理的歴史的条件を考慮すること。 十 葬祭料の額を更に大幅に増額するとともに、過去の死亡者にも遡及して支給することを検討すること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○橋本委員長 本動議について採決いたします。 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○橋本委員長 起立総員。よって、本案については、住栄作君外五名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺厚生大臣。
○渡辺国務大臣 附帯決議に対しまして一言申し上げます。 ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。 —————————————
○橋本委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋本委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○橋本委員長 次に、内閣提出の健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案及び金子みつ君外一名提出の母子保険法、健康保険法等の一部を改正する法律案の両案を議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。渡辺厚生大臣。 ————————————— 健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○渡辺国務大臣 ただいま議題となりました健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 医療保険制度につきましては、昭和四十八年の改正により大幅な給付改善と保険財政の健全化のための諸施策が講じられ、また、昭和五十一年には社会経済情勢の変動に対応したスライド的な改正が行われたところであります。 しかしながら、医療保険をめぐる諸情勢は一層の厳しさを加え、各制度ともその財政状況は逐年悪化の傾向にあります。保険料収入については、かつてのような大幅な伸びが期待できない反面、医療の高度化、人口構造の老齢化の進展等により、保険給付費は今後も増加の傾向を示すものと思われます。 政府は、このような社会経済情勢のもとにおける医療保険の給付のあり方と、これを支え得る費用負担のあり方の両面にわたっての全般的な検討を急ぎ、その結果に基づき必要な措置を講ずることとしておりますが、健康保険の財政は、現在すでにきわめて窮迫した状況にあり、制度の運営にも支障を生じかねない状態となっております。 今回の改正は、このような事情を考慮し、健康保険制度の当面の円滑な運営を図るため、必要な措置を講じようとするものであります。 以下、この法律案の内容について概要を御説明いたします。 まず、健康保険法の改正について申し上げます。 第一は、標準報酬の上限の改定でありますが、最近における給与の実態にかんがみ、被保険者の保険料負担の公平を図る見地から、標準報酬の上限を現行三十二万円から三十八万円に改定するものであります。 第二は、賞与についての特別保険料の微収であります。政府管掌健康保険においては、その窮迫した財政状況に対処するため、当面の臨時応急の措置として、健康保険制度の全般に関する速やかなる検討により必要な措置が講じられるまでの間、被保険者の受ける賞与を対象に、その二%を事業主及び被保険者の折半により特別保険料として徴収することとしております。 また、健康保険組合につきましては、規約の定めるところにより、料率は二%の範囲内、被保険者負担分はその二分の一以下の範囲内で、政府管掌健康保険の場合と同様の特別保険料を徴収できることとしております。 第三は、一部負担金の額の改定であります。現行一部負担金の額は、昭和四十二年以来十年間にわたって据え置かれておりますが、その間医療費、所得等が大幅に伸びていることにかんがみ、初診時一部負担金の額を現行二百円から七百円に、入院時一部負担金の額を現行一日当たり六十円から二百円に改定することとしております。なお、継続療養を受ける者の入院時一部負担金の額は、一日当たり三十円から百円とすることとしております。 第四は、傷病手当金の支給期間の延長でありますが、被保険者の強い要望等を考慮いたしまして、現行六カ月を一年六カ月に延長することとしております。 次に、船員保険法の改正について申し上げます。 第一に、標準報酬の上限の改定でありますが、現行三十四万円から三十八万円に改定することとしております。 第二に、一部負担金につきましては、初診時一部負担金の額を健康保険と同様に現行二百円から七百円に改定することとしております。 なお、この法律の実施時期につきましては、本年六月一日からとしておりますが、健康保険法及び船員保険法の標準報酬に係る改正につきましては、本年八月一日から実施することとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○橋本委員長 次に、提出者金子みつ君。 ————————————— 母子保健法、健康保険法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○金子(み)議員 私は、日本社会党を代表いたしまして、母子保健法、健康保険法等の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 母性を心身ともに健全な状態に保つことは、人類の永遠の存続と発展を保障する上で、国の最も基本的な事業と言わなければなりません。この観点からわが国の関連制度を見直してみますと、どの国にもないような立ちおくれが少なくとも二つございます。 その第一は、妊娠及び分娩に関しては、特殊な事例を除いては保険給付の対象にならず、原則として自己負担だということであります。女性は、出産によって児童の育成という重要な社会的役割りを担うことになるわけでございますから、出産は、単なる個人の責任ではなく、母と子の二つの生命にかかわる厳粛な社会的機能と言うべきであります。したがって、妊娠及び分娩に関しては、公的責務を果たすことは当然の理であると考えます。現に、社会保障の最低基準を定めたILO百二号条約においては、出産医療としてこれを扱い、本人に経済的負担を課さないことを規定しています。 わが国においては、出産は、健康保険の医療給付として扱わず、たとえば健康保険法では分娩費十万円(ただし最低保障額)というように、現金給付を行っているのが現状であります。すなわち、妊娠及び分娩に関する療養の給付は、保険給付ではなく、自由料金であり、したがって、たとえば大都市の医療機関ではすでに三十万円の分娩費用がかかるというのが常態になっており、この不公正、不合理を指弾する声は婦人共通のものになっております。 そこで、本案においては、健康保険法、船員保険法、日雇労働者健康保険法及び国民健康保険法を改正し、被保険者の妊娠及び分娩に関しては現物給付を行うものとしたわけでございます。 第二の問題点は、母性保護の見地に立つ健康管理の体制がゼロに等しいことであります。新生児から老人に至るまで、法律で保障された健康診査がないのは就業していない婦人だけという現状は、すでに周知のとおりでございます。 わが国の妊産婦死亡率は戦後ずっと世界第一位を占めておりますが、この点について昭和五十一年版厚生白書は次のように述べております。「先進諸外国の著しい改善からとり残され、依然として諸外国に比し高率を示し、現在もなお数倍の高率となっており、我が国における今後の妊産婦保健管理の徹底が課題となっている。」 母性の健康は、健康な児童を生み育てる社会的役割りの上からも放置できない重大問題であり、一家の主婦の健康はその家族の安らぎの基礎でもあることを考えるとき、まず、欠如している健康診査の制度を緊急に確立する必要があるのでございます。このため、本案においては、母子保健法を改正し、満十六歳を超える婦人で、他の法令、すなわち老人福祉法、学校保健法及び労働安全衛生法等による健康診断または健康診査を受けない者に対し、都道府県知事は、毎年健康診査を行わなければならないものとするとともに、妊産婦に対しても、少なくとも妊娠中十二回、出産後一回の健康診査を行わなければならないことといたしました。 次に、本案の概要を御紹介いたします。 まず、母子保健法については、主として次の諸点を改正することにいたしました。1 都道府県知事は、満十六歳を超える女子で、他の法令による健康診断または健康診査を受けない者に対し、毎年健康診査を行わなければならないものとすること。 2 都道府県知事は、妊産婦に対し、少なくとも妊娠中十二回、出産後一回の健康診査を行わなければならないものとすること。 3 都道府県知事は、妊娠もしくは出産またはこれらに起因する疾病につき医療保険を受けた者に対し、その自己負担分(初診、入院時一部負担金を含む。)に相当する額を出産医療費として支給するものとすること。 4 1及び2の健康診査に要する費用は、国が三分の一、都道府県または市が三分の二をそれぞれ負担すること。 5 3の出産医療費に要する費用は、国が十分の八、都道府県または市が十分の二をそれぞれ負 担すること。 また、健康保険法については、主として次の諸点を改正することにいたしました。 1 被保険者の妊娠及び分娩に関し、療養の給付(現物給付)を行うものとすること。 2 療養の給付の範囲に助産を加えること。 3 妊娠及び分娩に関する療養の給付を担当する保険医療機関に、都道府県知事が指定した助産所を加えること。 4 保険医療機関において健康保険の助産に従事する助産婦は、都道府県知事の登録を受けた助産婦(保険助産婦)でなければならないものとすること。 5 保険医療機関たる助産所または保険助産婦に対する厚生大臣または都道府県知事の監督は、現行の保険医療機関または保険医に対する監督と同様のものとすること。 6 被保険者の資格を喪失した際、妊娠または分娩に関し療養の給付を受けている者は、継続して同一保険者から当該療養の給付を受けることができるものとすること。 7 被扶養者が妊娠及び分娩に関し療養を受けたときは、その費用の百分の七十に相当する額を支給するものとすること。 8 分娩費及び配偶者分娩費の支給制度は廃止するものとすること。 なお、船員保険法、日雇労働者健康保険法及び国民健康保険法についても、健康保険法と同様の改正を行うこととしております。 以上が、本案を提案する理由及び本案の主な内容でございます。 何とぞ、慎重に御審議の上、委員各位の御賛同を賜りますよう心からお願い申し上げる次第でございます。
○橋本委員長 これにて両案の提案理由の説明は終わりました。 次回は、明後十二日木曜日午前九時五十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前九時四十七分散会 ————◇—————