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80回国会衆議院1977/04/13

社会労働委員会 第9号

発言数
338
登壇者
18
会派数
6
開催日
1977/04/13

会議録

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 これより会議を開きます。  まず、労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。労働大臣石田博英君。     ————————————— 労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 ただいま議題となりました労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  まず、労働安全衛生法の一部改正について御説明申し上げます。  最近における労働災害の発生状況を見ますと、全般的には毎年減少の一途をたどっておりますが、その中にあって職業病の発生はなお相当数に及んでおり、特に、がん原性物質等による重篤な職業性疾病が大きな社会問題となっております。  政府は、このような問題に的確に対処するため、ILO第百三十九号条約の批准を進めるとともに、あわせて、職業病対策の充実強化を中心として労働安全衛生法の一部を改正することとし、先般、中央労働基準審議会に諮問し、その答申に基づいて立案した次第であります。  次に、法案の主な内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、職業病対策の充実強化であります。  その一は、化学物質の有害性の調査を行うこととするものであります。  新規の化学物質を製造し、または輸入しようとする事業者は、その化学物質の有害性についての調査を行い、その結果を労働大臣に届け出なければならないこととし、労働大臣は、届け出をした事業者に対し、労働者の健康障害を防止するための措置を講ずべきことを勧告することができることといたしております。  また、労働大臣は、がんその他の重度の健康障害が生ずるおそれのある化学物質については、事業者等に対し、特別の有害性の調査の実施及びその結果の報告を指示することができることといたしております。  その二は、疫学的調査等を行うこととしたことであります。  労働大臣は、化学物質等と疾病との関係を把握するための疫学的調査その他の調査を実施するとともに、その調査の適切な実施に資するため、事業者等がこれに対し協力すべきものといたしております。  その他、有害物の表示、健康管理手帳の交付対象者の範囲等について充実を図ることといたしております。  第二は、労働者の安全を確保するための規定の改善であります。すなわち、検定、自主検査、免許試験等について改善を図ることとするほか、統括安全衛生責任者の業務執行についての勧告等について所要の規定を整備することといたしております。  続いて、じん肺法の一部改正につきまして御説明申し上げます。  現行じん肺法は、昭和三十五年に制定されて以来十七年間を経過しており、その間の産業活動の進展に伴い、粉じん作業従事労働者が約六十万人にも達する等労働面での変化が見られる一方、じん肺に関する医学的研究にも進歩が見られるところであります。  政府としては、このような情勢を踏まえ、粉じん作業従事労働者のより一層の健康管理の充実を図るためにじん肺法の一部を改正することとし、じん肺審議会に諮り、その答申に基づいて立案した次第であります。  次に、法案の主な内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、じん肺の定義の改正であります。  じん肺の定義を明らかにするとともに、現行法制定後の医学の進歩により、肺結核以外のじん肺と密接な関係があると認められる疾病についてもじん肺の合併症としてとらえ、じん肺そのものとは別個に適切なる健康管理を行うこととしたところであります。  第二は、じん肺に係る健康管理の区分の改正であります。  じん肺のより以上の進展を的確に防止することを目的としてじん肺管理区分を定めることとし、エックス線写真の像を基礎として、じん肺管理区分を五つに区分することといたしました。  第三は、健康管理のための措置の充実であります。  じん肺のより以上の進展を防止するための唯一の方策は、じん肺の進展段階に応じて、的確に粉じん暴露の低減ないしは中止を行うことであります。  そこで、さきに述べました五区分のじん肺管理区分に応じて、粉じん暴露の低減、中止について、段階的かつ具体的な健康管理のための措置を定めることといたしております。  また、じん肺管理区分が管理四と決定された労働者のほか、肺結核その他の合併症にかかっていると認められる者は療養を要することとして、健康管理の適正化を図っているところであります。  その他、じん肺健康診断の整備充実を図る等所要の整備を行うこととしたところであります。  以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。      ————◇—————

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 次に、内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案及び枝村要作君外五名提出の雇用保険等臨時特例法案の両案を議題とし、質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安島友義君。

安島友義日本社会党

○安島委員 まず初めに、大臣の所見といいますか、雇用問題に対する受けとめ方についてお尋ねしたいと思うのです。  過般、本会議で質問をいたしまして、またその前に一度、ここで労働問題全般にわたりまして質問をいたしましたが、余り広範にわたりましたので、どうも私の意とするところが十分伝わらなかったようでございます。すれ違いに終わった点も多々ございます。  実は私は、今日の雇用問題というのは、少しぐらい景気が上向いたからよくなるなどというようななまやさしい問題ではなくて、かなり今後も長期的に、この今日の構造的ないろいろな産業構造上の問題というようなものを根本的に改善するような方向に進まない限りは、安定した雇用ということの確保はきわめて困難であるという認識に立っております。そういう意味ではむしろ、別に労働大臣の答弁がどうという意味ではございませんが、問題の性格上、そういう運営になっておりませんが、これまでの高度成長というようないわゆる自民党内閣の進めてきた経済成長政策に大きく起因するところでありますから、内閣総理大臣や通産大臣や大蔵大臣等が本来出席して、連合審査とでもいいますか、そういうようなことをしない限りは、ただ単に労働行政の面からのみの雇用問題の対策というのはもはや困難になっているというふうに私は思っておりますが、大臣は今日のこの雇用問題に対してどういう認識に立っておられるか、お伺いしたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私も、いまの安島さんの御意見と同じ認識に立っております。  まず第一に、高度成長が続いて、それが石油ショックその他によって大きな転換を必然的に求められておる。つまり、構造上の新しく提示された条件のもとにおける産業構造の転換期に入っておる。その転換と、それからいわゆる景気の回復というものが一緒に背景として起こり、そして構造転換が安定する、一応の結論に達して安定するまでの間というものは、これはなかなか雇用の安定というものは図られない、これがまず第一であります。それから第二は、その高度成長の時代にいわゆる人不足時代が長く続きましたから、各企業において省力化が非常に進んでおる。それから第三は、景気が同じように悪いにかかわらず日本の完全失業率が欧米に比べて低いのは、日本独特の雇用制度、つまり終身雇用制度そういうものを背景にしておる。ということは言いかえると、企業の側から言えばある程度の過剰人員を抱え込んでおるということになる。したがって、一定程度くらいの経済の回復では新たなる雇用というところまでなかなか行きにくい。それから同時にもう一つは、現在の雇用問題が主として中高年齢層にしわ寄せされておる。そういうことから考えましても、雇用問題は労働行政だけではいけないばかりでなく、労働行政といたしましても一番困難な問題である、こういう考えでおります。

安島友義日本社会党

○安島委員 具体的にこれから事務当局等の御見解をお伺いしたいと思います。  まず、雇用改善事業等の実績についてでございますが、私が請求して提出をしていただきました資料によりますと、高年齢者雇用奨励金は、昭和五十年度の調べでは、全国で支給人員は五千八百九人、そしてこれは支給額が二億九千百四十七万円という金額でございますが、どうも全国で五千八百九人というような数字は、これまで私がたびたび御質問しておりますように、政府がいろいろな雇用改善事業として進めているその説明と実態とは必ずしも一致していないのではないか。端的に言えば、全国でわずかに五千八百人というふうなことは、いかに高年齢者層の雇用対策がむずかしいかということを端的に示していると思いますが、その後の状況等もつかんでおられるならば、それらも含めまして御見解を承りたい。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 雇用保険の雇用改善事業につきましての実績は、いまのところ五十年度が知り得る最新の資料でございますが、いま先生にお示ししました資料と、月人で示しますので若干数値が違うかと思いますが、五十年全体を申し上げますと、高年齢者雇用奨励金が三万二千三百八十六月人でございます。そのほかの雇用改善事業としましては、身体障害者雇用奨励金が二万二千四百七十四月人になっています。そのほか、たとえば寡婦等の雇用奨励金二千八十八月人ということで、先生御指摘のように、制度としましてかなり体系が整備をされておりますが、その活用の状況というものにつきましては決して満足すべき状態にないと私たちも認識をいたしております。  これはかねがね大臣からも御指摘をいただいておるのですが、一つには、担当者にはかなりの普及はしておっても、経営の首脳あるいはトップレベルにそういう普及徹底というものが不十分なんではないか、もっと役所仕事から脱却してPRに心を十分使うべきである、こういう御指示もいただいておりますし、さらに、雇用三事業あるいは転換給付金制度等、制度の合理化、もう少しわかりやすく、だれでも使いやすい、そういう制度の合理化につきましても大臣から御指示をいただいておるところでございまして、今後こういう制度につきまして、制度の趣旨徹底、PRに最大の努力をいたしますとともに、体系の整備につきましてもさらに一段の努力を重ねたいと考えておるところでございます。

安島友義日本社会党

○安島委員 若干の資料統計上のとり方についての点は別といたしまして、時間の関係上、次に定年延長の奨励金、これも昭和五十年度として出していただいた資料ですが、これによりますと、全国で支給対象人員がわずかに五百八人。茨城の場合は、調べてもらいましたら、支給人員が二人でございますので、雇用状況がきわめてよいということであればまことに結構でございますが、どうもこの数字の実態からしまして——先ほど冒頭、私が大臣の御認識といいますか、考え方、受けとめ方をお伺いしたいということを申し上げましたのは、何か現在の雇用状況に対する、この現実の実態に対する、率直に言って失礼でございますが、御認識が必ずしも十分でないのではないか。単なる行政指導等ではもう限界があるということをこの数字は示しているように思われますが、この数字も含めまして御見解を伺いたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 五十年の数字につきましては先生の御指摘のとおりでございます。ただ、定年延長奨励金その他これらの奨励金につきましては、本年の予算の決定の際に大臣みずから大変お力を入れていただきまして、予算単価としましては従来の一・五倍というような非常に大幅の伸びを示しております。たとえば中小企業で言いますと従来八万円であったものが十二万円、大企業に対しましてもいままで六万円のものが九万円と大幅に伸びておりますので、この単価の伸びと、それから、実は従来は中小企業のみを定年延長奨励金の対象としておりましたけれども、五十一年からは大企業にまでその適用を広げております。このことは、定年そのものが中小企業では、統計でも御存じのようにおおむね六十歳近くに到達をしておりますけれども、むしろ定年延長の必要性は大企業にあるというようなことから、この制度の改善に踏み切ったわけでございます。したがいまして、それ以降、五十一年には大企業、中小企業を含めましてかなりの件数の伸びを見ております。支給金額で言いますと、五十年が先生御指摘のように約三百万でございましたけれども五十一年には五千万というような、これは東京都分だけでございますけれども、そのようにふえております。このことは、これからの制度の一層の改善とともに、先ほど申しましたように制度の趣旨をPRすることに力を尽くせば私は本来の成果を上げ得る、こう考えて、なお一層の研さんに励みたいと考えております。

安島友義日本社会党

○安島委員 五十一年度の実績はどうなっているんですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 五十一年につきましては、先ほど申し上げましたように全体の数字はまだ全国的な関係で集計に至っておりませんで、いま御答弁申し上げましたのは、ちょっと補足が足りませんでしたけれども、東京都分だけの比較でございます。東京都分だけにつきまして見ますと、五十年度が三百十万に対しまして五十一年は五千十八万というふうに、支給額が十五倍程度に伸びておるわけでございます。

安島友義日本社会党

○安島委員 定年延長の実態についてですが、この前大臣の答弁によりますと、定年延長の普及率が大体平均で三二%というふうな答弁をされたと思いますが、間違いございませんか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 この前、六十歳定年で、六十歳までに延ばしているところが三二%ぐらい、五十五歳で依然として昔ながらのものが五〇%ちょっと、残りはその間、こうお答えしたように記憶しております。

安島友義日本社会党

○安島委員 いま昭和五十一年度の実績についてまだ集計中であると言われておりますが、いまの段階ではもう中間報告といいますか、ある程度推定見込みも含めて五十一年度はこうなっているというような報告があってしかるべきじゃないか。今日の雇用問題非常に、時々刻々というのは少しオーバーかもしれませんが、大きく流動的な雇用情勢の中で、どうもそういう集計というのが少し遅過ぎるように思うんですが、いかがでしょうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 御指摘の点、今後十分検討いたしますが、実は四月十三日現在で昨年度分の集計を命じて各県から集めておりますので、まだ集計ができておらないという不始末でございます。ただ、先生も御指摘のように、刻々変わる雇用情勢の現実を把握するために先行しようとしまして、東京都につきましては先ほど申し上げましたようにその都度支給状況の実態を把握しておるところでございまして、私たち、いままでの実績から見まして、東京都の支給の状況でおおむね、たとえば物価の動向と同じように全国的な傾向が推測し得る、こう考えております。

安島友義日本社会党

○安島委員 先ほどちょっと触れました定年延長の実態の統計ですが、私はこの中で統計のとり方にやや疑問を感ずるのでございます。これがそのまま実態をあらわしているのであるならば、これは特に大企業に対する強い行政指導が必要だということになるわけでございますが、定年延長、つまり六十歳までの定年延長の実態は、企業の規模が小さい事業所ほど定年制が、少なくとも統計上は普及しているという形になっているんです。私はどうもこれは腑に落ちないのでありまして、これは恐らく雇用の実態面、つまり雇っている従業員の年齢構成等の実態が、従業員数の中でのある一定の、五十五歳以上の年齢に達している者の割合を示しているのであって、一般に言われる制度として定年制が延長されたという実態とはちょっと違うように考えられますが、この点についていかがでしょうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 これは先ほど大臣も申しましたけれども、大企業で定年制というのはほとんど普及しておりまして、やや統計的に申し上げますと、五千人以上では九九・六%は定年制あり、定年制を定めていないのはわずかに〇・四%でございますが、九十九人、いわゆる百人未満の零細中小企業では……(安島委員「延長の方を聞いているんだ」と呼ぶ)

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 では私がお答えします。  御指摘のとおり、五十五歳のいわゆる定年制そのものについて言えば、いま職安局長が言われた。そうでなくて、いわゆる定年制延長という観点からとらえれば、確かに御指摘のとおり大企業の方はいまだに一九%、二〇%弱くらいのものじゃないかと思います。平均して三二、三%が六十歳にしておるのに、大企業の方は定年延長の実績が非常に低い。このことは、子会社に転がしてやるといいますか、そういう便利というか可能性が強いということも裏にあるように私どもは考えております。

安島友義日本社会党

○安島委員 時間がありませんから余り深くこの問題をただすことはできないのですが、もう一つの点ですね。私がいま触れましたのは、大企業の定年延長に対する取り組みが弱いということはそのとおりでございますが、同時に私が指摘しているのは、規模の小さい事業が数字上か統計上からはきわめて定年延長の普及率が高いという数字になっているんだけれども、これは、よく言われている定年制度としての実態ではなくて、雇用の実態をそのまま、五十五歳から六十歳の年齢層の人たちが従業員数に占める割合を言っているのではないか。大企業の場合はほとんどが組合がございまして、労働組合と協定しているからこの数字は大体そのままの実態をあらわしているように思われるのです。その点をただしているわけです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 私はその点について触れようと思いましたけれども、途中で答弁が中断しましたので……。  先生御指摘のように、定年制そのものについて中小企業が決めておる比率はきわめて少ないのです。ただ、決めておる中小企業では、この統計によりますと、先生に差し上げましたように、三十人から九十九人のところでは六十歳定年というのは三七%あるということでございます。ただ、定年制を決めておる中小企業でどうして六十歳定年が多いかという点については、先生の御指摘のように、現に中小企業でそういう人を雇っておる比率が高いという現実を反映しておることは事実かと思いますが、制度的にはやはり中小企業の方が六十歳定年が多い、こういうことでございます。

安島友義日本社会党

○安島委員 そこで、いまの実態というのはどちらかといいますと、よく一般的に言われておりますように、大企業中心の高度成長政策がかなり長い間続いてきたということで、つまりわが国の産業政策というものが大企業を中心に進んできたことは歴然たる事実でございますね。そういう、どちらかというと力の強い企業が定年延長が普及率が低く、そして力の弱いというところ、それはそのとおりだと思いますが、そういう中小零細企業にしわ寄せされたような形になっている。こういう実態を考えた場合に、いわゆる雇用改善事業というものの中でこういった中高年齢層を対象とした事業というものの限界がもう明確に出ている。特に大企業に対してはもっと積極的な指導がやはり必要ではないか。そういう観点で、私はこの前も、思い切って、特に力のある企業に対しては、これは法的にも六十歳程度までは定年延長を何とか義務づけるようなことが必要ではないかということを指摘したわけです。あのとき大臣は、法的規制によって行うべきではないという御答弁がございましたが、単なるムードづくりと言いましても、やはりある程度もっと力のある、権威のあるところからそういう問題提起をしない限りは、やはりなかなか私は行政官庁だけの力ではこの問題が解決されるとは思わない。     〔委員長退席、枝村委員長代理着席〕 そういう点で、定年延長に対する国会決議というような問題に対してどういうふうにお考えか、お伺いしたいと思う。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 五十五歳定年制というものは、私はもうこの役所に何度も来ましたが、初めて来たときから、現在の平均寿命の状態その他から考えて適当でないということを言い続けてまいりました。したがって、定年延長というものは非常に重大な課題だと思います。ただ、長年にわたってそういう五十五歳定年で人事管理体系ができておる。それから労使の間に労働協約があって、その労働協約における賃金原資の分配もそれが続いてきておる。それを一遍に法規制で五年延ばすということになりますと、いろいろな事情の違いもございますから、やはり個々の事情を配慮しつつ、たとえば同じ企業の中に置くという定年延長も一つの考え方、それから業務を分離して、そして中高年齢層でも十分働ける職場をつくってそこで働いてもらうというのも一つの方法、それから単能工であった者を複能工に訓練をして、そうして年をとったときにその新しい能力で働いてもらうということも一つ、いろいろの対応の仕方があると思うのです。したがって、一遍に法規制でやるのは適当でないと考えておりますし、そうお答えをいたしましたが、国会等の決議につきましては、これは行政府の立場にある者が言うことではないのでありますが、その決議が行われることは、私どものそういう定年延長には大きな効果をあらわすものだろうと考えております。

安島友義日本社会党

○安島委員 神奈川県の場合は、私の承知するところでは、ほかの都道府県よりは身障者の雇用問題に対する取り組みは、全体としてわが国におけるこの種の問題に対する取り組みは弱いと思いますが、その中では非常に進んでいるというふうに私は思っているのですが、その神奈川県の場合であっても、身障者の雇用促進というのはなかなかはかどっていないという実態が明らかになっているわけでございます。労働省としてもこれまで身障者の雇用促進のためにいろいろな施策を講じているということは私も承知しておりまして、できるだけ雇用を促進するための雇用奨励金というものを設けているわけですが、今日までどういうような状況であるのか、その点をひとつ御説明いただきたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いま御指摘の神奈川県の記事を私も実は読みました。先生御指摘のように、神奈川県自身は非常に熱心にやっておるところでございますけれども、やはりいろいろ身体障害者雇用促進に障害があるということで、われわれ行政の一つの参考にいたしたいと考えております。  それで、いま御指摘の心身障害者の雇用奨励金の実施の状況でございますけれども、これにつきましては、現在実績が先ほどと同じように五十年までしか出ておりませんで、四十九年が約一万人でございましたけれども五十年は八千六百三十二人ということで、若干減少をいたしております。支給金額につきましては、四十九年が九億一千三百十四万円に対しまして五十年は八億九千三百五十万円、こういうふうに実績が出ております。

安島友義日本社会党

○安島委員 この身障者の雇用問題に対しましては、法改正によりまして従業員数の一・五%でしたね、六十七人に一人ですか、ということで義務づけられておりまして、これを守らない場合には一人について月三万円のいわば納付金というような形で徴収するということになっているわけですが、先ごろの新聞で見ますと、労働省は六月に各企業の実態を調査して、この基準を下回る企業には一年分の納付金を十月に一括して取り立てる方針だというのが過般の新聞に出ておりました。これに対して、いまちょっとお話がございましたが、納付金が余り集まるようではぐあいが悪いのでございますが、これは一体どういうようになっておりますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 制度の趣旨から言いますと、先生おっしゃるように、各民間の企業が身体障害者の雇用率を達成しておる状態が望ましいわけでございますから、納付金がそう多く集まるということは決してわれわれとしては歓迎するところではないわけでございます。ただ、現実としましては、いま先生一年分とおっしゃいましたけれども、昨年の十月から法律が施行になりまして、十月から本年三月末まで半年分をことしの十月に徴収することになっております。見通しがいまのところ何ともつかめませんけれども、われわれとして、やはりかなりの未達成事業場が出て、その結果納付金の徴収の事業が出てくるのではないかと思います。

安島友義日本社会党

○安島委員 この問題だけでも相当の時間を必要とする内容でございますが、最後に一つお伺いしておきます。  もちろん、各企業の社会的責任といいますか、ある程度こういう不幸な方々を社会的責任の一環として考えてもらうということは当然でございますが、と同時に、企業任せではなくて、もっと政府として——これは、すべて政府かそういうことをやるということ自体については異論をはさむ方もございますが、私は、もっともっと政府事業として、言うなれば福祉事業のような形で、これらの方々にもっと就労の機会を与えるようなことを、特に関係省である厚生省等と、ただ単に労働省という限られた枠の中だけでなくて、こういうところとも十分連携をとった政府の事業として、企業任せではなくてやっていく考えがあるかどうか、大臣にお伺いしたいと思うのです。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 最近は身体障害者の雇用ということについての使用者側の関心もかなり高まってまいりまして、新聞の広告等を注意して見ておりますと、身体障害者だけを対象とした募集広告なんかがちょいちょい目につくのであります。ただ、これを本当に促進、徹底するためには、まず政府並びに政府関係機関というところの雇用率達成が最大の前提であります。  それから、この趣旨や運営等についての徹底のために、先般身体障害者雇用促進協会が発足いたしました。ここが趣旨徹底及び雇用促進についての仕事をいたすことになっております。これは認可法人として発足をいたしました。  それからもう一つは、先ほどから御指摘もございましたが、実は、中高年齢層にいたしましても身体障害者の問題にいたしましても、そういう政府の助成措置があるということを知らない人が意外に多いのです。私も先般ある地方の使用者の団体に招かれて行きまして、その話をしたら、三十人ばかり集まっておる人の一人もその制度があることを知っていないのでびっくりしたのですが、いまそれを安定所を通じて普及徹底をさせるように努めております。それが案外成績が上がらない一つの理由だろうと思うので、安定所の機構を通じまして政府の助成措置の実態というものを知らせることがやはり必要であろう、こう考えております。

安島友義日本社会党

○安島委員 次に、雇用調整給付金の五十年度、五十一年度の状況について御説明いただきたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 雇用保険法に基づきます雇用改善事業のうち、景気変動の際にいたします雇用調整措置につきましては、五十年の一月から雇用調整給付金を支給しておるところでございます。その実績は、まず五十年度でございますが、これは五十年の一−三月を含んでおります。支給事業所数の延べとしまして約六万五千事業所でございます。休業対象の被保険者数の延べが約三百二十万人、休業延べ日数が二千七百四万人目でございます。支給決定金額が六百七億円、こういうことになっております。  なお、五十一年度におきましては、これはまだ十二月までしかわかっておりませんが、四月から十二月分として支給をいたしました事業所数の延べが約四千事業所、休業対象の労働者数の延べが約二十四万人、休業延べ日数が百九十万人目でございます。支給決定金額が約五十二億円というふうになっております。

安島友義日本社会党

○安島委員 五十年度、五十一年度の当初の予算と実算では、大分見通しに差異が生じているように思われますが、この原因も含めて御説明いただきたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 五十年につきましては百四十二億円を計上いたしまして、その年度では実績は五百五十億円というふうに出たわけでございます。これは、五十年が戦後におきます経済不況の中で非常に深刻なものであったことを反映しておるかと思います。制度発足の当初でございまして、不況の認識そのものに若干のずれもございましたし、この制度がそれほど活用され、かつその効果を上げるという点につきましての認識が不十分でございましたために、予算の額と実績が大きく食い違った、こう私たち考えております。  なお、五十一年につきましては約三百八十億円を計上いたしておりますけれども、先ほど申し上げましたように十月までの時点では五十億円、その後業種指定等につきましてかなり増加をいたしておりますので、本年度中は百億円程度の支出に終わるのではないか、こう思っております。これは五十一年に入りまして雇用調整をやる事業所が、五十年の場合には全体の七割近くでございましたけれども、最近の雇用動向調査で見ますと三割程度に落ちておるというようなことの影響ではないか、こう考えております。

安島友義日本社会党

○安島委員 雇用情勢と雇用調整給付金の状況というのがどうも結びついていないというふうな感じがするわけです。これはどうも運用上に欠陥があるように思われるのですが、これは雇用調整給付金だけじゃなくて、いろいろな雇用改善事業等の場合もすべて、継続して給付するというような制度になっているのはごく一部分でございまして、そのときそのときである一定の期間が来ますとそれで打ち切られる、新たに申請しなければならないというふうな形で、いわゆる不況時ということのために雇用問題が発生するというふうな場合にはいま言ったようなある一定の期間だけ考えればよいということになりますが、そうでないいろいろな構造的な理由に基づくような問題の場合は、やはり継続的に給付というか、めんどうを見ていかない限りは、制度本来の趣旨というものは生かされない。ですから実績がどうも現実に合わないような数字がいろいろな形で出てくるという、この最大の欠陥が出ているように思われるのですが、この点についてはどう考えますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 私は、五十年と五十一年の雇用情勢が基本的に違うと思っております。五十年の場合にはやはり過剰人員をいままでの生涯雇用制度のもとでも抱え切れないということで、非常に深刻な事態になりまして、それでこの制度ができたがゆえに休業という形で雇用調整を行った。五十一年になりまして、雇用調整は先ほど言いましたように七割から三割というように減りましたけれども、そのかわり新規採用は非常に手控えるというのが、五十一年に入りましてからの企業の人事管理、雇用管理の態度ではないか。そういうことの反映が雇用調整給付金の支給状況にも反映しておると思っておりますが、ただ、いままでの雇用調整給付金につきましては、指定期間が六カ月、ただこれはもう一回反復ができますから一年間を支給対象期間といたしておりますけれども、先生御指摘のように、これからいわゆる構造変化というものに伴って職業転換が行われるような場合に、六カ月単位ないしは長く反復しましても一年単位では不十分で、さらにそれに対する長期的な手当てが必要であるという点については、私全く同感でございます。この点は、今回御審議をいただいております雇用安定事業の中で、従来の景気変動とは別にいわゆる構造変化に伴う事業転換の事業を新たに起こしまして、それによりますと指定期間も中長期にわたって対象といたすことを考えておりますので、その点で先生の御指摘の点は対応をしてまいりたい、こう考えております。

安島友義日本社会党

○安島委員 私は、企業責任の所在は明確にすると同時に、やはりめんどうを見なければならないものはその場限りに終わるような形ではなくて、この法律の趣旨に十分沿うような形で行政指導が必要だという観点から見直しを図るべきじゃないかと思うのです。特に、先ほどもちょっと触れました雇用改善事業等の場合は、私が見るところ、名目上いろいろなことをやっておりますよということであって、本当に生きた金の使い方をしているかどうかという観点からこの際根本的に、現状の雇用情勢、しかも今後とも長期的にある程度不安定な状態が続くと思われるようなこの雇用問題に対して新たな観点から見直す必要があろうと思うのです。今度の場合は別としまして、いろいろな事業内容というものは単なる名目上だけ、PRも不十分だから利用されてない点はあると先ほど大臣は答えられましたが、皮肉な見方からしますと、余り利用されると困るという程度の予算じゃないのかという感じもするわけです。ですから、その制度を設けるからには本当にその制度に沿うような形で予算も考え、運用も考える。こういうような見かけだけのものであってはならないということを特にこの際一言つけ加えさせていただきます。  先ほどちょっと触れましたが、答弁がございましたからなお確認するようでございますが、雇用調整給付金というふうなものは、一回給付されますと一年間は給付されない仕組みになっていると思いますが、そのとおりですね。ここに問題があるというふうに考えますが、いかがですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 指定期間が原則として六カ月でございますが、景気の動向、産業の業種の実態を見まして一回反復をいたします。したがって一年間の指定はできるわけでございますが、その再指定の場合にはある程度のクーリングタイムを置きますので、若干の空白ができるということは事実でございます。

安島友義日本社会党

○安島委員 時間が限られておりますので次に進ませていただきます。  私は冒頭に、今日の不況というものは構造的な要因に基づく不況である。しかもそれは、かなり日本の経済成長というものが生産第一主義というか、物をつくるということだけに力を集中して、それが過当競争をあおるような形で進んできて、そしてオイルショックという形で、いわゆる自力でもって調整できない日本の経済が、言うならば全速力で走っている車がガードレールに激突をしてとまったというのが日本の今日の不況といいますか、オイルショック後の状況と言ってもよいと思うのです。自動制御装置がつかないままに走ってきたのですから、そういう構造的な要因の中で雇用問題というのは、これから次から次へといろいろな問題が出てくると私は思うのです。特に鉄鋼産業等の場合には、これは平電炉ですか、こういうふうなものではすでに過剰設備は明らかでございますが、もうこのままではどうしようもないというふうなことから、通産省等でもある程度思い切って一部の設備を廃棄しなければならないというところまで来ていると言われております。こういうような問題はただ単に鉄鋼産業だけに限らず、今後もいろいろな面で出てくるように思いますが、とにかく当面の鉄鋼産業等に生ずるであろうと思われる大量の余剰人員、と言っては語弊がございますが、いわゆるそういう設備の廃棄に伴う雇用問題に対して、大臣はどのような御認識に立っておられるのか、お伺いしたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 いまお話しのように、鉄鋼に限らず、とにかくこれは新しく出たわけじゃない、潜在してその条件はちゃんとあったわけなんですが、わが国の置かれておる資源事情その他から考えまして、いろいろな産業の構造の変化が起こってくると思います。いまの平電炉の問題なんかもそういう構造変化の一つのあらわれであろうと考えているわけであります。そういう状態に対応いたしますために、とにかく職業転換給付金その他の制度を活用いたして対応すると同時に、職業訓練等の普及徹底を図りまして転機を容易ならしめるような努力もあわせてやらなければいかぬ。これは平電炉だけではなく、これからもこういう構造変化によって出てくる離職というか、いわゆる転職も加えて職業転換というものが大きな雇用問題の課題として出てくるだろうと私どもも覚悟をいたしております。

安島友義日本社会党

○安島委員 これは通産省の行政指導にも問題がある。それから特に企業責任ですね。鉄鋼の大企業の責任というものもこれは明確でございますが、その犠牲を受けるのは働く人たちでございます。これもいかなる理由があろうと私たちは放置しておくわけにはいきません。そういう点で、今回のいわゆる雇用安定事業の中で、五十二年度予算の中にいまのような問題も含めて予算を確保しているのかどうか、お伺いしたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 今回の雇用安定事業の中に、いま先生御指摘のように構造変化に伴うところの職業転換、そういうことに対応する事業は当然含まれておるわけでございまして、具体的に平電炉あるいは合板、いろいろお話がございますが、そういう事態が発生すれば当然対応できるだけの予算的準備はいたしております。

安島友義日本社会党

○安島委員 予算がこれで足りるのですか。いま申し上げましたように、鉄鋼産業等の場合、これはどのくらい出るかわかりませんが、大どころだけで大量の失業の発生のおそれがある。それを防止するためという目的に沿って今後いろいろ活用されるわけですが、そうしますと、総体的に見まして日本の産業構造の中では、何といいましてもこれまで一番犠牲を受けてきたのは中小零細企業である。限られた予算の中の運用で、そしていまのようないわゆる大企業というところに属する方の救済策を講じようとすれば、そのしわ寄せがまた予算の面から、中小零細企業にしわ寄せされるような形になる、大枠が決まっているわけですから。ですから、私が念を押したのは、鉄鋼等の新たに発生すると思われるような雇用問題に対しても五十二年度予算で見ているのですか。どの程度見込んでいるのですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 平電炉につきまして具体的に幾ら幾らの予算という計上の仕方はしておりませんけれども、安定事業につきましては総枠三百七十七億の予算を計上しておりますし、それ以外に安定資金としまして百億、これに従来からの余剰金等も含めますれば、いまの平電炉その他につきまして、急激な変化、われわれが予想している以上の事態が起きれば別でございますけれども、十分対応できるのではないかと思っております。  なお、平電炉につきましては、通産省で行っております基本問題研究会で、五十三度中までに三百九十万トンの過剰設備の廃棄ということを言っておられますので、私は、これは想像でございますけれども、事態といたしましては五十三年度が山になるのではないか、こう考えております。

安島友義日本社会党

○安島委員 私も見通しとしてそう考え方が変わっているわけじゃございませんが、特にどこどこというふうに決めてはないけれども、ある程度そういうことも予想した予算を組んでおる、こういう理解に立っていいわけですね。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 そのとおりでございます。

安島友義日本社会党

○安島委員 時間がどうも足りないので最後の方に入りますけれども、私が冒頭申し上げましたように、たまたま雇用保険法等の一部を改正する法律案という形で審議しておりますから、私たちもこういう運営の中でいろいろ質疑をしているわけですが、本来、今日の雇用問題というのはもっと幅広く、深い、規模の大きい問題ではないかというふうな認識に立って先ほどから質問をしているわけであります。したがいまして、特に雇用問題に対しては、当事者である労使、さらに行政指導に携わる皆さん、この三者が一体になって考えなければならぬ。もちろん第三者的な立場にある方々の公正な意見というものは尊重されるべきでありますが、特に当事者が十分これらの問題に対して意思疎通を図るということが大事ではないか。そういう点で、労働団体が大臣にもいろいろ、この事業の円滑な運用を図るために政労使のそういった構成の場を設ける意思はないかということをたびたびただしておるようでございますが、なお念を押す意味で、大臣のこの問題に対する御見解をお伺いしたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 安定事業やあるいは安定資金の運営を円滑かつ効果的にするために、いま安島さんのお話しのような申し出をしばしば受けております。ただ、一方において、審議会とか特殊法人とか認可法人のあり方についての再検討をすべしという議論も非常に多いときでございますので、その趣旨を生かしながらどうしたら効果的な運営ができるかということを研究いたしておりますが、それには現在ございます中央職業安定審議会、これの運営の中で考えられないか、その中で考えていきたい、こういうふうに思っておる次第でございます。

安島友義日本社会党

○安島委員 どうもその辺の答弁が……。私は前にも聞いておるのですが、どういう趣旨から労働側がこの種の問題を提起したかという真意を、ベテランの大臣ですから承知の上で答弁しているのかもわかりませんが、私はいまのそういう審議会というものはそれなりに評価をしております。しかし、事、冒頭申し上げましたような問題の性格上、この意図するところはかなり政治性を持った提案、つまり、当事者側が忌憚のない意見を交換し、ときには労働行政の進展状況といいますか、そういうものも確認しながら、その都度いろいろな要望を出しておく、しかも、双方の当事者の主張というものをそういう場で十分に労働省、いわゆる監督行政にある立場の人たちも把握できる、そういうところに趣旨があるものと思います。ですから、既設の審議会というようなものを利用するという、あるいはそういう場を活用するということとは性格が本質的に異なっていると私は思うのです。これはもう少し謙虚に労働側のそういった意図というものを把握をして、前向きに対処されることがかえって労働行政上も必要だというふうに私は考えますが、再度確認をいたします。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 幾つか種類の違った提案もあるのです。一つは、いまおっしゃったように政府と労使との間の意思疎通、意見交換をするような機関をこしらえるという御意見、それからあるいは、いま産業労働懇話会で鉄鋼の宮田さんあたりから出されました意見は、そういう趣旨を踏まえた効果的な、つまりただ意見を話し合うだけではなくて、結論が生まれればその結論を実行できるような背景を持ったものをこしらえる、こういう意見も出ております。それは雇用問題に限りませんけれども、そういう状態の中にありますので、この運営を効果的にする方法としていかなるものがいいかということを考えてはおります。おりますが、先ほど申しましたように、一方においてはふやすなという意見がいっぱいあるものですから、そういう枠組みの中で考えますと、中央職業安定審議会の運営を、あるいは構成を、そういう趣旨と合わせて考え直してやっていくのがいまのところ適当なものでないかと考えておる段階であります。

安島友義日本社会党

○安島委員 やはり労働団体ともさらにこの問題についてはもっと胸襟を開いて話し合いをされたい。いろいろな意見がありますから、なかなか受けとめ方も確かにいろいろむずかしい点があると思いますが、少なくとも、事、雇用問題に関しては、私は、多少回り道をしても十分に当事者の意見を尊重していくということが、運用の円滑を図る上において欠かせない要素だと思っておりますから、ひとつその点については、大臣を初め、行政指導に当たられる皆さんも十分に今後前向きに検討されることを特に要望いたしまして、私の質問を終わります。

枝村要作日本社会党

○枝村委員長代理 次に、森井忠良君。

森井忠良日本社会党

○森井委員 大臣、これは民間の調査機関ですけれども、また企業倒産がふえてまいりました。ついせんだっての三月の企業倒産、これは一千万以上の負債でありますけれども、千七百件、これは史上最高の倒産というふうに報道されているわけです。今度の雇用保険法の改正案は、大まかな言い方でありますけれども、私ども見ておりまして、なるほど雇用安定資金等の創設等ありまして、労働省の御努力のほどは私どもも理解をいたしますけれども、一体これでいいんだろうか。もちろん失業者はいまどんどんふえている実情ですけれども、基本的に、こういった次々倒産件数がふえているという状態、これはいつまで続くのか。いきなりでありますけれども、大臣の見通しについてまず承っておきたいと思うのです。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私は、担当の職務ではありませんけれども、要するに、大ざっぱに考えておりますのは、経済の動向自体は、予算が成立をして、これが早期に施行されていくにしたがってある程度の回復基調をたどることはできるだろうと思いますが、いわゆる総消費の中で公共事業あるいは官公部門の占める割合はせいぜい二〇%であります。したがって、それだけで全般的な景気の浮揚というものは直ちには期待できるものではない。やはり民間の投資とかあるいは国民の需要とかいうようなものの増加が伴って、公共投資はそれの引き金的役割り、こう考えておるわけであります。したがって、予算が成立して実施されれば、それにしたがって倒産件数等も次第に減少してくるものと考えますけれども、それが今度は直ちに雇用に結びつくかということは、先ほどもお答えいたしましたような条件で、すぐに雇用に結びつくというのには、従来と違った様相を呈するんじゃないか。たとえば鉱工業生産の伸びとそれから求人倍率の伸びとは、従来は並行しておったのです。伸び縮みとも並行しておった。ところが現在は、鉱工業生産はやや回復しておりますが、それと並行しなくなってきて、離れて、伸びているけれども伸び方が違う。やはりそういうところにむずかしさが起こっておる。その原因及びその背景は、先ほどお答え申しましたような点にあるように私は思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 きょうの主な議題ではないですけれども、政府は一貫して、景気は回復基調にあるということを盛んに力説をされた。しかし、依然として景気は低迷を続けている。先ほど大臣が言われましたようにまだ予算が通っていませんけれども、しかし、たとえば公共事業等を見ましても、去年も対前年比で二一%余りふやしている。しかし景気は依然として回復をしなかった。ことしも、言うなれば予算は公共投資優先型でありますけれども、やはり同じように対前年比で二一%くらいふやしている。そのほか、財政支出で景気の回復というのはかなり無理がある。先般一兆円減税ということで議論をいたしました。結果として、あれやこれや含めましても八千億近い金額にしかなりませんでしたけれども、言われましたように、財政支出だけでは景気の回復には問題がある。これは同じ認識だと思うのです。  特に、個人消費支出は御案内のとおり五割を超しておるわけですから、ここにもつと目を向けた景気回復策、労働省の所管じゃないかもわかりませんけれども、実際には景気が悪くなればこんな法案をどんどん出していかなければならないということなんですから、私は労働大臣の職務から言ってもこの機会に非常に関心を持っていただくべき問題だと思う。恐らくきょう鉄鋼の回答が出るんでしょう。(石田国務大臣「出ました」と呼ぶ)出ましたか。あと、いわゆる自動車にいたしましてもあるいは造船にいたしましても、一連の回答がきょう準備をされていますけれども、率、額ともほぼ前年並みという認識でしょう。こんなことをしていたら、労働省がどんなに施策を講じても、後から後から、失業者をどうするか、企業倒産をどうするかという話ばかりに追われてしまう。やはり基本的には、この機会に、景気の回復を本気で考えるなら、いま春闘の真っ最中ですけれども、賃金についても労働大臣がもっと物を言うべきだ。依然としてまだ公労協へはゼロ回答でしょう。これを受けてこれから有額回答をなさるんでしょうけれども、個人消費支出を上げない限り景気はよくならないという観点からするなら、私は今度の賃金の相場というのは労働省の仕事が大きな影響があると考えています。この点にぜひ着目をしていただきたい。  一体、このままで本当に景気がよくなるのか。大変恐縮でありますけれども、いま申し上げました賃上げの問題も含めて、これは若干議題は外れるかと思いますが、大臣の所信をまず承っておきたい。その後で質問を続けていきたいと思うのです。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 公共投資だけに頼って景気が浮揚するということは私は考えておりません。やはり民間の設備投資あるいは国民の消費というようなものもあわせて期待をしなければならぬ、こう思います。ただ、その消費の内容の問題はやはり考えなければならない問題があると思うのです。というのは、日本はとにかく資源がない国でありますから、そういう状態を踏んまえて、資源のないのは将来ともずっと続くのですから、それに対応できるような消費というものでなければならぬ、こう思いますが、景気回復という点から言えばお説のとおりだと思うのです。  ただ、賃金の問題について何か言え、それから何か指導せい、こうおっしゃるのですが、これを上げるときに言う場合にはもっと言え言えとおっしゃるけれども、抑える場合に言えば今度はけしからぬと来るわけなんで、本来この労働条件というものはやはり労使の間で決められるべきものだと思います、今回提示された金額が適当であるかどうか、これを私は言う立場にない、言わない方がいい、私はこう考えます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 上を向いてつばを吐きますと、一たんつばは上へ上がりますがまた下へおりてきますよ。そして自分の顔に当たるのです。変なたとえですけれども、やはりいま日本の企業なり資本家が賃金のガイドゾーンをこしらえて、これは政府も一役買っていると思いますけれども、いずれにしても、賃金は抑えに抑えても、それは結局自分のところのお客さんを減らすこと以外の何物でもないという観点からすれば、もっと大胆に労働省としても物を言うべきだ。なるほど、賃金は労使間の問題でありますから、したがって自主的に交渉をなさることがいいでしょう。しかし、たとえば公共企業体の職員や公務員の皆さんは、これは何といいましても公企体あたりは自主能力はないのですから、政府もこれから関係閣僚協議会等をお開きになって、これからの回答それから妥結の展望を含めて議論をなさるのでしょう。私はもっと考えていただきたいと思います。これは大臣から答弁を引き出そうということではなしに、基本的な認識ということで私どうしても一言申し上げたかったわけです。  大臣、先ほど申し上げましたように、安定資金の創設等、今度の法案、ずいぶん努力の跡は私どもも評価をいたしますけれども、労働者の側から言いますと、企業主はいいな、だんだん不況が深刻になって困り出すと、今度はちゃんと雇用保険法等を改正をして、そしていわゆる雇用調整について役所が応援してくれる。先ほど申し上げましたように次々倒産をしている現在の中で、労働者から見ればどうか。これは百万に余る大量の失業者、これは顕在失業者であります。その他潜在的には恐らく数百万と言われているくらい深刻な状態でありますが、果たして労働省、何をしてくれたか。先ほど申し上げましたように、企業は経営が困ると一時帰休その他やります。そうしますと、一時帰休をしたことによるもろもろの財政的な援助を労働省の責任において一部実施をなさる。労働者の方は、自分の勤めている会社がいつ倒産をするかわからないというふうな不安におびえている者もずいぶんあるわけですね。そうしますと、これは急いで就職しても、たとえば職業安定所がどこかへ紹介してくれても、この時期に紹介に応じて行っても、じゃここで働きましょうという答えはなかなか出にくいと私は思うのですよ。そういった労働者に対して一体労働省はどうしてくれたのか。いま失業給付は最高三百日、ことしの方でですね。これは雇用保険法ができたときもやはり三百日に頭が抑えられておる。先ほど申し上げましたように、これだけ企業倒産がふえている中でもやはり三百日というのを労働省は変えようとしない、だから私どもはやむにやまれず雇用保険等臨時特例法案を出した。三百日を四百八十日に、百八十日延長してくださいというわれわれ野党の言い分に無理がありますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いまの雇用市場、先生おっしゃるように非常に深刻なものになっております。ただ、先生の御指摘のように全国一律に延長するかどうかの点につきましては、一つは雇用市場の現状の点から、それからもう一点は保険財政の点から、この点から大変私たちは疑問に思っているわけでございます。  一つは、確かにいま、たとえば有効求人倍率を見ますと〇・六程度でございますけれども、年齢的な有効求人の格差を見ますと、若年層、二十歳以下ですと三倍も求人が多いというようなことでございまして、大臣が先ほど御指摘のように、問題は中高年、こういうところについて手厚い対策を打つという観点からいたしますと、     〔枝村委員長代理退席、斉藤(滋)委員長代理着席〕 私たちは、一律延長でなくてむしろ個別延長ということで、すでに昨年から行っておりますが、ことしもさらにそれを更新いたしまして、五十五歳以上、ただし失業多発地帯におきましては四十五歳以上の方につきまして六十日の延長をすでにいたしておるところでございます。  それからなお、保険の財政から言いますと、いまの保険の積立金が約五千百億ございますけれども、これは保険の収入の同額程度を常に積み立てろというようなことで、一年間の保険の収入が約六千四百億となっておりまして、その比率が一を割りまして〇・八というような状態でございますので、もしいま先生の御指摘のような全国一律というような延長をするならば、これは保険料率の引き上げというものを当然やらざるを得ない、こういうような問題点があるのではないかと考えておるところでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 あなた方は、給付日数を延長すると、たとえば私どもが提案をしております百八十日の延長ということになると、そのままずるずると百八十日まで行くんだろう、したがって財政的にも困るという、私はそういう発想だと思うんですね。なるほどいま三百日、これは少な過ぎるからそういうことがあるのであって、百八十日延長した場合に全部そうなるとは限らない。よしんばなっても、これは私は労働者の緊急避難だと思う。失業者の緊急避難ですよ。経営者の方は、先ほど申し上げましたように雇用安定事業等が今度創設をされてかなり助かる、率直な言い方をすれば。しかし労働者の方は依然として三百日で頭を打たれている。もちろん個別延長、先ほど言われましたようなことがありますけれども、これも日数が非常に少ないわけです。それからやっぱり労働者はこの機会に、これだけ雇用不安が出てまいりますとじっくり企業の中身を見きわめたいという気になるじゃありませんか。百八十日をいま私どもは提案をしていますが、労働省はかたくなな態度でなくて、やはり世の中変わったんですから、雇用保険法ができて、これは五十年度から実施をされたわけですけれどもわずか一年そこそこの間にまた改正をしなければならぬ状態なんですから、この点についてもっと目を向けるべきである。前向きな答弁をしてください。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 先ほど安定局長からお答えを申し上げましたように、この雇用保険法の趣旨から考えましても、やはり再就職の困難な年齢層に重点を置いていく。若年労働力につきましては倍率も高いんですね。だから、若年労働層についても含めてということでなく、財政上、運営上余裕がありますならば、私は再就職がむずかしい人に重点を置いて考えたい、こう思っております。なお一方において、きょうは北海道の人がいらっしゃるが、北海道などから非常に強い要求がございますが、このいわゆる季節労働、出かせぎ労働のような場合には、七十八億で千四百億というようなものも出ていく。そういう点も一方においてあるわけなんであって、保険の制度自体から考えますと、私はやはり再就職が困難なところを伸ばすようにしたい、余裕が出るならばそういう方向で考えたい、そう思っておるわけであります。

森井忠良日本社会党

○森井委員 そうすると大臣、局長が先ほど答弁をいたしまして、現在個別延長は六十日やっています、こういうふうな答弁がありました。いまの大臣の答弁は、そういう実情であるけれども、先ほどの表現、定かに覚えておりませんけれども、やはり深刻な状態についてはもっと手厚い対策を講じたい。これは一般の被保険者もそれから短期雇用の特例被保険者も含めて、そういうふうに理解をしていいですか。いまよりももっと手厚いものにできるだけしたいというふうに理解をしていいですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 いわゆる季節労働の問題は、保険だけで処理せよというのは私は無理だと思う。これはやはりもっと総合的な政策の中で処理してもらわないと、いま申しましたように七十八億円納めて千四百億円取ってきて、そのほかに四分の一の国庫負担があるわけです。一方、東京の負担と給付のプラス面は約千億なんですね。まあ、名古屋程度のところの犠牲の上に立って片一方のことが行われているということですから、これを雇用保険でこれ以上の負担をせよというのは私は無理だと思います。これからの雇用保険の運営上の余裕が出まして、そういう見込みが出るならば私は中高年齢層へ向けて配慮をしたい、こう考えております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 一般の被保険者も、それから短期雇用特例の被保険者も、いまの答弁ではきわめて不満でありまして、私どもこれからもまた議論を続けていきたいと思います。  次にお伺いをいたしますが、今回の雇用保険法の改正について、労働省は三つの審議会に諮問をしていらっしゃいます。たとえば社会保障制度審議会の答申、それから中央職業安定審議会の答申、これを読んでみますと大分見解の違いが出ているわけですね。形の上からいけば、社会保障制度審議会の答申よりもむしろ中央職業安定審議会の答申の方にアクセントをつけて、ウエートを置いて、それを採用していらっしゃるという感じを受けるわけであります。今度の雇用安定事業の創設に伴いますところの使用者の負担につきましても、これは社会保障制度審議会では当初労働省が諮りました千分の一増ということでも少ないんじゃないか、こういうふうな言い方をしておりますし、中央職業安定審議会では現在の使用者の経済状態から見れば千分の一ふやすのは少し無理じゃないか、こういう言い方になっているわけですね。今回千分の三・五、つまり千分の〇・五ふやされた根拠についてお伺いしたい。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いま御指摘のように、社会保障制度審議会と中央職業安定審議会で、保険料率の引き上げの点については若干ニュアンスが違っておることは事実でございます。ただ、社会保障制度審議会の中でも使用者負担について過重にならないようにというような御意見のあったことは事実でございますが、特定の方向、千分の一以上に上げろという強い方向で社会保障制度審議会の答申が出ておるとも考えないわけです。それに比べて、中央職業安定審議会では中小企業を中心とする事業主のいまの不況下の財政負担能力という点にポイントが置かれておる、こういう違いがございます。  私たちといたしましては、当初、千分の一引き上げて何とか当初の安定事業の十分な展開をということを考えておったわけでございますが、両審議会の意見が違いますけれども、いまの不況のもとにおける中小企業を中心とする経営者の財政負担という点につきましては、審議会のみならず各関係方面からの強い御要請等もありまして、いろいろ制度の内容を検討し、従来行っておりました雇用三事業につきましての不急の部分の繰り述べあるいは若干の節約というようなことについて最大限の努力をいたしますれば、千分の〇・五の料率の引き上げをもって、一〇〇%と言えますかどうか、それに近いところの実績を上げ得るだろう、こういうような見通しのもとに千分の〇・五でこの構想をまとめ、御審議をいただいておる次第でございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 確認をしておきますが、今度雇用安定事業ができまして、いわゆる四事業になったわけですね。経過は、これはもとは失業保険から始まって雇用保険に衣がえして今日に至っておる。今回安定事業が追加になる、こういうわけですね。そのもとは、深刻な不況で企業が大変になれば労働者の雇用も不安になるという発想だと思うのですが、不況であるとか企業の経済的危機であるとか、そういったものは労働者の責任じゃありませんね。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いまの不況について、労働者の責任であるかないかという点については、私は先生と同意見でございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 そこで、いわゆる四事業につきましては、もう当然負担は企業がすべきである、この点についての認識は一致しますね。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 その点は中央職業安定審議会の答申の中でも先生の御趣旨と同じような指摘がございまして、私も同意見でございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 そうしますと、まず安定資金の先での見通しですけれども、あなた方が審議会にかけていらっしゃる資料を私も見せてもらいました。たとえばことしの一月、中央職業安定審議会にお出しになった資料、安定資金の五十七年までの収支見通しが載っておりますね。これには千分の三の場合と千分の四の場合とが書いてありまして、今回提案なさっておられます千分の三・五という場合の数字は明らかになっておりません。まずこれをお伺いしたいと思います。億単位で結構ですから、五十二年から五十七年まで。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 千分の三・五の場合の数値を御説明すればよろしゅうございますか。

森井忠良日本社会党

○森井委員 金額でいいです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 大体千分の三と千分の四の中間値になると考えていいわけでございます。五十七年で申し上げますと、千分の三・五の場合には保険料収入が三千六百四十八億と考えております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 それだけでいいです。時間の関係で私の試算をしたものを申し上げますと、今年度、五十二年度が千七百三十五億、これは同じになりますね。五十三年が二千二百七十七億、五十四年が二千五百六十二億、五十五年が二千八百八十二億、五十六年が三千二百四十二億、そして五十七年は先ほど答弁がありましたように三千六百四十八億であります。  この計算でいきますと、あなた方は大体三、四年に一回不況が来ると想定をされて数字をはじいていらっしゃいますが、安定資金の収支からいきますと、いまの計算をしますと五十七年は差し引き二千五百七十二億足りないことになるわけですね。つまり、千分の四の場合でしたらあなた方のこの資料のとおり千八十一億で黒になっていますけれども、千分の三・五だと二千五百七十二億の赤字になりますね。これは安定資金の性格として、一体これでやれるのかどうなのか。これは将来の問題でむずかしいと思いますけれども、私は将来のために聞いておきたいと思うのです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いまちょっと先生の計算と私たちの計算とが違いますが、安定審議会に出しました資料をそのまま、たとえば雇用四事業につきまして従来と同じような伸びという計算でいたしました場合には、資金の累積額、いわゆる先生の御指摘の五十七年の赤字は私たちの計算では千六億であります。ただ、その場合でも、千億の赤字をどうするんだという御指摘が当然あるわけでございまして、これにつきましては先ほど申し上げましたように、従来の雇用三事業につきまして見直しを行いまして、たとえばこの場合に雇用改善事業、能力開発事業につきまして前期経済計画の雇用者所得の伸びそのものの一二・五の伸びを使っておりますけれども、これをたとえば雇用者一人当たりの伸びの一〇・五に落とす。あるいは雇用福祉事業につきましては、たとえば五十一年の予算は五十年度の予算に比べまして三〇%の伸びでございましたのをこの場合には一二・五で抑えておりますが、さらにそれを六・六、すなわち計画上におきます物価上昇分程度に抑えるというようなやりくりをいたしますれば、それは五十七年の決算帳じりが百億足らず、正確に言いますと九十六億程度の赤で計算上はおさまるということになりますので、もしこの程度の赤でおさまるならば、いままでの資金のやりくり等をすれば一応所期の目的が達成し得るのではないか、こういうことを私たちは推算をいたしたわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 これは六日でしたか、せんだっての社会労働委員会では大体二千億くらいの金が必要だ、こう言っておりますね。いまあなたがお示しになった数字というのは、これはもう三つの審議会にお出しになったのでしょうけれども、ある意味では私は背信だと思います。ずいぶん都合のいいように書いていらっしゃる、したがって私は、もちろん審議会ですから、やるのは労働省だと言われればそれまでですけれども、やはりこれはあなた方が審議会に諮問をなさる中身として問題がある、これはもう明確に指摘をしておきたいと思います。  時間の関係で続いて申し上げますが、先ほどの千分の三と千分の十という改正以前の、つまり、今日の保険料は千分の十と千分の三に分かれていますね。千分の三についてはいわゆる使用者負担である。それから千分の十については、これは失業給付でありますから労使折半である、こういう形になっているわけであります。これは私は明確に区分をされるべきだと思う。先ほど確認をいたしましたように、これから創設をされるものを含めまして四事業でありますが、これは明確に使用者の負担であるというふうにおっしゃっておるわけでありますから、先ほど局長の答弁がございましたけれども、これは一体法的にはどこできちっとするのですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 失業給付と四事業に充てるべき経費の区分につきましては、雇用保険法の六十八条の二項で、「前項の保険料のうち、一般保険料徴収額からその額に四事業率を乗じて得た額を減じた額」すなわち千分の十のことでございます。それと、「印紙保険料の額に相当する額」これは日雇い失業保険の保険料でございます。それは失業給付に要する費用に充てる。あとの千分の三・五につきましては今後四事業に充てるんだ。こういうことで、法文上千分の十と千分の三・五につきましてはその使用区分を規定しておるところでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 なるほどわからなくはないのですが、逆に、労働保険特別会計法の五条「雇用勘定の歳入及び歳出」を見ますと、いまあなたが言われた雇用保険法の六十八条とある意味で矛盾をしている。労働保険特別会計法では、これは雇用勘定ということで一括で歳入歳出が図られるようになっている。私は、法の性質からいけば労働保険特別会計法の方が優先するのじゃないかというふうに考えますが、その点はいかがですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 労働保険特別会計法は、雇用勘定を含めまして労働保険特別会計の経理基準を規定したものでございます。したがいまして、一勘定一経理の原則によっておりますために、形式的には、いま先生御指摘の第五条、第八条等に見られるように失業給付と四事業の経理を区分して規定してはおりません。しかしながら、先ほど申しましたように、雇用保険につきましては雇用保険法の六十八条の二項の規定がございますので、実際の経理に当たっては、失業給付と四事業につきましては内部で経理を分けておる。法律的には六十八条の二項が有効に働くというふうに私たちは考え、そのように運用をいたしております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 さらに、労働保険特別会計法の第八条の二、今度新設をされるわけですけれども、あなた方の原案を見ますと、これは雇用安定資金が規定をされているわけですね。これによると、雇用安定資金は「雇用勘定からの繰入金及び第十八条第三項の規定による組入金をもつてこれに充てる。」と、こうなっておるのです。雇用勘定からの繰入金ということになると、これも先ほど申し上げましたように、今度千分の三・五の部分と千分の十の部分とごっちゃですね。したがって、法的に非常に無理がある。あなた方は、内部で経理をしていらっしゃる、失業給付分と四事業分と、内部で経理区分をしていらっしゃるということですが、私どもはそれを見せてもらったこともありませんし、言うなればその点きわめて疑問に感じるわけです。これはやはり法の不備じゃないでしょうか。もともと基本的に労使折半で負担するものと使用者が明確に負担しなければならないものとは、法的に明らかにしておく必要がある、私はこういうように考えますが、いかがですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 労使折半負担の分と使用者のみの負担の分につきましての区分は、私、繰り返し申し上げますが、雇用保険法の六十八条の二項で明確に区分しておりますので、法的にはこれで十分だと考えております。ただ、経理の運用上、従来一勘定一経理の原則ということで、表面は両者が込みになっておるようでございますが、六十八条の二項の規定で、たとえば一般保険料千分の十を四事業の方に流用するというようなことは明らかに法違反でございますので、そういうことはできないというふうなことが法制的には解釈として確立をしておる、こう御理解いただきたいと思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 負担区分が使用者だけのものと労使折半のものとあるわけだから、一般的な原則にとらわれずに明確に法改正をしていくべきだ。後で御指摘を申し上げますけれども、現に私ども疑問に思う項目が非常に多いわけです。  そこで、大臣にはしばらくお休みを願って、若干数字の話をしてみたいと思うのです。  雇用勘定には当然予備費がございますね。これは、予算上の予備費というのは、四事業分も失業給付分も合わせて雇用勘定の予備費という形になっていますね。これは昭和五十年度の決算で幾らになっていますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 昭和五十年度の予備費は総額で千三百三十五億四千六百万円ということになっております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 少し数字か違いますね。私が持っているのは「昭和五十年度特別会計決算参照書」という細長いやつです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 失礼いたしました。決算で、結局予備費として使用しました総額は千六百七十九億八千五百万円でございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 そうはならないでしょう。それは予算じゃないの。決算はここで見ると千四百八十八億余りになっていますよ。何を見ているんだね。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 失礼いたしました。予備費の使用額としましては千四百八十八億五百七十四万円でございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 その予備費千四百八十八億のうちで三事業に関する予備費は幾らですか。決算です。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 三事業、四百七十五億七百十五万円でございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 その数字は私と合っていますが、これは雇用勘定の予備費ですから、言うなれば千分の十の部分も、五十年度ですから千分の三の部分も、これはどんぶり勘定になっておると思うのですが、予備費を使う場合には先ほども言いました負担区分から分けますか、分けませんか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 区分いたします。

森井忠良日本社会党

○森井委員 区分するとすれば、いま確認をいたしました千四百八十八億の予備費の支出の中で、あなた方はいまの答弁で四百七十五億余り使っていらっしゃる。これは十対三になりません。三事業分が多いのですよ。時間の関係で申し上げますと、ちなみに計算をしてみますと、千四百八十八億、これを三事業分に直してみますと、予備費は十対三の比率になるわけですから、そうしますと三百四十三億にしかならない。あなたの答弁のとおり三事業で四百七十五億余りお使いになったとすれば、これはいわゆる千分の十の部分に食い込んでいると思うけれども、どうですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 予備費というのは、当初予測をせざるような事態が起きた場合に使うものでございます。したがいまして、当初の予備費の組み方としまして、ことしは失業保険給付の方にかなりの予備費を使用する事態になるのか、あるいは三事業部分が当初組みました予算以上に不測の事態で支出を余儀なくされるか、その辺の予測に基づいて組むものでございます。したがいまして、千分の十と千分の三というのは財源として保険料収入の場合に明確に区分をされておるだけのことでございまして、予備費の中で十対三に必ず分けて組まなければならないものではない、こういうふうに御理解いただきたいと思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 あなた、それでいいのですか。先ほど法改正でも明確に六十八条の説明をなさったわけでしょう。保険料収入の中からこれとこれがこうなる。予備費は両方とも一緒でしょう。繰り返し申し上げますが、千分の十の部分と従来の三の部分も一緒で予備費というのは組んであるわけです。それで決算では、先ほど五十年の例で指摘をしましたように千四百八十八億、こうなっているでしょう。区分をしなければならないのなら、予備費の部分について、いわゆる従来の三事業分が失業給付分、つまり千分の十の部分を食うというのは問題じゃないですか。  それから、あなたが予算で申されたから申しますけれども、予備費というのは、いまあなたが御説明になったようなことでは納得しておりませんけれども、予算を見ますと五十年度は千六百八十億余りなんです。これを千分の十対千分の三に割ってみますと、千分の三に当たる部分は計算しましたら三百三十四億にしかならない。どんなに言っても四百七十五億という五十年度の支出は千分の十の部分に三事業分が食い込んでいることになるのじゃないですか。納得できません。もう一回納得のいく答弁をしてください。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 千分の十三のいわゆる保険料収入がございまして、それの区分を千分の三と千分の十に明確に分けて、千分の十から三事業の方へ流用はできない、こういうことは従来から申し上げておるとおりでございまして、ただ、それをどういうふうに組むか、千分の三の範囲内でいわゆる既定経費として組むのか、それとも予備費として組むかというのは自由でございます。したがいまして、予備費の中で失業給付部分と三事業部分が必ず十対三に分かれるというものではない、こういうふうなことを私は申し上げておるのです。  それから、先生御指摘の、この年度の保険料収入とその年の予備費とを比べると、千分の三をはるかに三事業で超えておるのではないか、こういう御指摘でございますが、五十年度につきましては、保険料収入が当初の予算よりも七百二十七億の増加になっておるわけでございます。したがいまして、弾力条項を発動いたしまして、七百二十七億の十三分の三、約百八十億くらいになるかと思いますけれども、それを三事業分の財源として当然充てることができるわけでございまして、そういう意味では千分の十の部分を三事業に使ったということはございません。

森井忠良日本社会党

○森井委員 私は納得できません。そうすると、まず予算を組むときにどこから組むのですか。五十年度でもいいですけれども、ついでに五十二年度で言いましょうか。五十二年度の予備費は千四百五億ですね。これは予算書に出ているからはっきりしている。決算とは違う。これはそれでは一体千分の十の部分なのか千分の三の部分なのか。どういうふうにしてはじくのですか。どこからどういうふうにすればいいのですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 五十二年度予算の千四百五億の内訳は、失業給付が千三百十三億でございます。雇用改善等の事業が九十三億、こういう組み方になっております。この場合でも、十対三というような比率では全くなく組んでおるわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 どうも納得できません。それでは、五十二年度予算を組むときには、予備費は今度は千分の十対千分の三・五ですね。もう一度言いますと、予備費を組まれる場合に、五十二年度の予算で、千分の十に関する部分が幾らで、それから千分の三・五に関する部分が幾らでということで予備費を組むのではないのですか。それだけはっきりしてください。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 千分の三・五は来年度でございます。五十二年度は千分の三でございます。それで、千分の三部分とかなんとか言うとちょっと紛らわしくなりますので、結局、失業給付、これが千分の十部分でございますね、それが幾らで、それから四事業分が幾ら、こういうふうに予備費は組んでおります。いま申しましたように、失業給付につきましては予備費の中で千三百十三億組んでおります。それから雇用改善事業等の四事業につきましては九十三億組んでおります。こういうふうに明確に区分をしております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 どうしてもわからない。それなら、五十年度の決算で三事業分が四百七十五億予備費を食っているでしょう。これは決算書にも出てくるわけです。雇用改善等事業費というので、先ほど申し上げました昭和五十年度特別会計決算参照書の中の、ページでいいますと八百ページ、四百七十五億、あなたの答弁と同じなんです。これは決算の予備費の総額の中で、あなたの計算のように、千分の三に相当する部分の金額よりもはるかに多いじゃないですか、こう私は申しておるのです。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 当初予算は、先ほど私お答えしましたように、三百三十一億が三事業の予備費でございます。それから使用額、決算額は四百七十五億でございます。したがいまして、先生御指摘のように、当初の予備費をオーバーして三事業については予備費を使用しておりますが、その財源は、先ほど申し上げましたように五十年の保険料収入が当初の予算の見込みよりも約七百三十億ふえたわけでございます。七百三十億というのは千分の十三で取っておりますから、千分の三の部分が当然あるわけでございます。その部分をこちらに弾力条項の発動によって使用した、こういうことでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 時間がありませんから、それでは、この問題は残すといえば採決になりませんから、私、納得はいたしませんが、後刻詳しく説明を願いたいということにしておきたいと思うのです。しかし、明確に申し上げておきたいことは、いずれにしても予備費というのは形式的には雇用勘定の予備費ですから、失保も四事業分も同じという形になるので、私は明確に区分をされる必要がある、このことを御指摘申し上げておきたいと思います。  そこでちょっと会計検査院にお伺いしたいわけでありますが、五十年度の決算で雇用調整給付金の監査をしていらっしゃいます。その結果、不正が出ているわけですけれども、ちょっとその実情について簡単にお伺いしたい。

小粥義朗労働省職業安定局雇用政策課長

○小沼会計検査院説明員 私どもとしましては初めての雇用調整給付金の検査でございますけれども、五十年度で検査報告に掲記いたしました内容としましては、初めに検査の手だてと申しますか、それを簡単に御説明申し上げたいと思います。  会計検査院としましては、毎年実施しております実地検査の際に関係職業安定所に参りまして、支給決定通知書、申請書等の内容について、関係会社から提出を受けました諸帳簿類、つまり就業規則、出勤簿、賃金台帳等も調査いたしますが、場合によっては関係会社に出向いて、安定所の関係職員の方を通して、提出を受けた各書類について調べさせてもらうことになっております。そういう調査の方法をいたしまして当たったわけでございますが、検査の結果見受けられました、指摘した事態について、大体内容別に御説明申し上げたいと思います。  第一は、就業規則等によって実質上の休日——これは休日の他の日への振りかえなどというのも含めてあります。実質上の休日、従来より定めておった休日でございますが、それとしていた日を、今度は給付の対象日であるところの休業日として支給の対象にしていた、こういう事態がかなりございました。そういう事態が第一。  第二は、出張者等の扱いを、休業日に出勤しているとして支給の対象にしているもの、こういう事態がございます。この量自体は、全体の事業主調査結果の数値から見ますと大体六〇%相当に当たっております。  その第三としましては、労働日に通常支払われる賃金の額の算定が誤っているのにそのまま支給しているもの、こういう事態でございます。  第四は、雇用の六カ月未満の者など、これは出向者なども含みますけれども、支給の対象とならないのに支給の対象にしていたということのため、いわば雇用調整給付金の支給要件を欠いているもの、こういう事態などでございます。  大体大きく分けて四つほどでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 これは労働大臣にもお聞き願いたいのですけれども、せっかくの労働省の雇用調整給付金制度というものができて、会計検査院の指摘でもおわかりのように、もうすでに不正が出ているわけですね。これは私、きわめてゆゆしい問題だと思うのですよ。  それで会計検査院にもう一度お伺いするわけでありますが、その後も出ているんですね。いまあなたの御説明のは五十年度の決算ですね。五十一年度で、たとえば長崎県の佐世保重工という会社がありますが、そこの下請企業の西原工業で、これは従業員三百人以上で、一ころ大企業になっておったわけでありますが、これが二千五百万円ばかり、これは明らかに詐取なんですね。全然該当しないのに該当するかのごとく見せかけて申請をして、いま申し上げましたように二千五百万円を詐取している。     〔斉藤(滋)委員長代理退席、委員長着席〕 これはさすがに佐世保警察署で摘発をされたわけですけれども、会計検査院の性格上すべてをというわけにいかぬでしょうが、これは六万五千件からあるわけで、あなた方はそのうちの六百五十件ばかりしか見ていませんから百分の一ぐらいしか見ていません。しかし、いま申し上げましたように、そういう会計検査の指摘があった後に依然として続いておるという状態です。会計検査院としては、次の会計検査をなさる場合の重点項目に私はこれを挙げてもらいたい。一体その御意思があるかどうか、それが一つ。  それから、具体的に例を申し上げましたけれども、労働省としてはこういった各般にわたる不正受給に対して一体どういう措置をとったのか、もう時間がありませんからひとつ簡単に御答弁願いたい。

小粥義朗労働省職業安定局雇用政策課長

○小沼会計検査院説明員 お答え申し上げます。  重点事項に取り上げる問題につきましては、五十年度決算のときに初めてと申し上げましたけれども、これは取り上げました。現在も雇用調整給付金の支出が続いている限りは、私どもも当該年度の対象として十分関心を持って、前年度同様その執行を見守ってまいりたい、こう考えております。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 この制度の悪用は許されないことでありますので、厳重にそういうことが行われないように執行してまいりたいと思います。ただ、これに対する具体的な対応策は安定局長からお答えをいたします。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 会計検査院から五十年度の不適正として御指摘を受けました約千二百四十万円につきましては、直ちに回収の措置を講じております。なお、先生御指摘の西原工業につきましても、大変遺憾な事例と私たち考えておりまして、直ちにその不正受給金額全額を返還させております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 これは私は雇用調整給付金の制度にも問題があると思うのですよ。申請があれば、一定の要件をあなた方つくっていらっしゃいますけれども、たとえば会社の経理の内容がどうか、本当に雇用調整給付金を支給しなければならないような会社なのかどうなのか。まず第一に経理とかあるいはその会社の経営状態等の審査というものか対象になっていない、これが私は一つは大きな問題だと思う。いかがですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 不況業種を決めまして、個々の事業所の申請に対してそれが該当するかどうかは、その事業所の生産の状況とかあるいは雇用の状況、そういうものを厳密に審査をいたしまして、それで決定をいたしておるわけでございますが、ただ、先生御指摘のように、経理面につきましては、私たち能力も不十分でまだその点について何らタッチをいたしておりませんので、今後指定の基準といたしましてそういうものを加えるべきかどうか、今後検討をさせていただきたいと思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 あなた、そんなことを言うけれども、大臣ちょっとお聞き願いたいのですが、あなた方の、言うなれば下部機関である亀戸の職安が雇用調整給付金について本来の目的どおり使われているかどうか調べている。そうしましたら、会社の経理の内容から見て当面は困らないけれども、こういう制度があるなら申請をしておこうというふうな回答が返ってきているのです。いま当面一時帰休その他やらなければならないほど深刻なものではないけれども、とりあえず申請をしておきましょうというふうなものがアンケートの中に返ってきております。ひどいのは春闘対策でこれを申請をしているのですよ。なるほど会社は雇調金を仰がなければならないのだなということになって、これは労働組合の要求もおさまるでしょう。あるいは、もう在庫がふえて何とか従業員を休ませたい。会社の経理はいいんですよ。しかし在庫がどんどんふえるものだから生産調整をしなければならない。したがってとりあえず従業員を休ませる。そういうような在庫調整に雇調金制度が使われたりしているじゃないですか。私は、安定資金の運用に当たっては会社の経理内容にまで十分審査を及ぼすべきだと思う。再度御答弁願いたい。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 先ほど言いましたように、いろいろの基準を設けて審査をしておりますほかに、私先ほどちょっと申し忘れましたけれども、当該労働組合との協定ということを前提にいたしておるわけでございまして、私たちがいろいろ慎重に審査するほかに、労働組合が当然この雇用調整給付金を受けることの適否について判断をして、適当であるということで協定を結んでくれるもの、そういう理解、期待をいたしております。ただ、先生の御指摘の点、私たち十分留意をいたしまして、その点が十分今後の制度の運用上反映するように努力をいたしたいと思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 時間がなくて、もうこの御質問で終わりますけれども、労働大臣、雇調金というのは賃金の六〇%払えばいいことになっているのですね。労働省の調査によりますと、これは五十年の六月の支給分の調査でありますが、中小企業で見ますと、賃金の九〇%から一〇〇%保障している会社というのは半分以下、四八・九%ですね。六〇%というふうな少ない賃金しか保障してない企業が一三%あるのですよ。六割しか保障してない。御承知のとおり、この制度は六割以上の賃金を支払えば雇調金をつける、こうなっているわけですから、私はやはり六割というのは、これは事業主の都合でやるわけですから余りに少な過ぎるんじゃないか。やはり一〇〇%が理想だけれども、それに近づける努力を労働省はしてほしい。労働基準法の二十六条、休業手当の項目がありますけれども、これは最低六割、企業の都合で休ませる場合は休業手当を出さなければいけなくなっている。最低六割。ところがこの雇調金制度に乗りますと、六割出さなければならないところが二割で済むのですね、中小企業は三分の二は補助するわけですから。基準法からいっても六割は最低限会社が持たなければならなくなっておるという点から見ると、いかにもこの雇調金で六割保障というのは、これは私は少な過ぎる、こういうように思うのですよね。一〇〇%保障したって基準法の休業手当に該当しないぐらいに企業の持ち出しが少ないわけですから、もっとふやしていく努力ができないものか、このことをお伺いをしたい。  それからもう一つ、最後の質問でありますから続けて申し上げるわけでありますけれども、私はやはり、先ほどの不正の問題といい、会社の経理状態を調べないというふうな問題といい、いまのままで職業安定審議会で何もかも安定資金の運用についてやられるという方法は、これは総理の答弁からしても、先ほど指摘をしましたような実情からしても無理がある。だからこそ労働大臣は、この三月の初めにいわゆる労働四団体とお会いになったときに、労働省と労働四団体の事務局長とで管理運用も含めてじっくり話をしましょうと言っておる。そういう点からすれば、私はもっとこの安定資金の制度の運用については民主的な改革を図る必要があると思う。この点についても大臣からもう一度お答えをいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 前段のことでありますが、休業手当の額を、一〇〇%は無理だということは御自分でもおっしゃっているからあれですが、これは余り上げますと事業主の負担というものが多くなって、負担に耐えられない状態になる。あるいはそのことが今度は失業の発生をかえって呼ぶ危険がないか。そういうことを考えて三分の二の給付ということをしておるわけでありまして、それから休業の場合はそれだけ支出も少なくて済む面も若干はあると思います。したがって、われわれとしては、休業手当の基準法の枠組みを引き上げるということは、いまの状態では効果を考えるとなかなか厄介だと思います。  それから、後の問題は、先ほどからもお答えいたしておりますように、いろいろそういう申し出がございまして、できるだけ早く御相談をし、御意見を伺いたいと私も思っているのですが、お互いに御承知のような昨今でございますので、この昨今が済んだら早速始めたいと考えております。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 速記を起こして。  川本敏美君。

川本敏美日本社会党

○川本委員 まず、私は最初に、労働大臣に一言お聞きいたしたいと思います。  先ほど来、いろいろ各般にわたって論議をされておりますので、雇用保険の問題についてお聞きをいたしたいと思うのですが、私は、基本手当日額表ですか、あれから見ましても、雇用保険法の精神というものは賃金の大体八〇%から六〇%を失業給付あるいは休職者給付として支給をするということに決まっておるんではないかと思うのですが、それは間違いありませんね。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 そのとおりでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 そこで私はお聞きをいたしたいのです。雇用保険法第十八条によるいわゆる自動改定の規定があるわけです。現行の基本手当日額表は昭和五十年三月二十日に告示されたものだと思うのですが、この自動改定の規定から考えると改定しなければならないようになっておるのではないかと思いますが、その点、どうなっておりますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 この規定によりまして、毎勤統計の二〇%以上を超える事態になれば基本日額の改定が必要となるわけでございますが、ただし二〇%以上超えることが引き続き確実であるということで、いままで連続三カ月にわたり二〇%を超えるという事態を一つの要件にいたしておりますが、いまの時点で、恐らく五月時点でその状態が成立するのではないか、こう考えております。

川本敏美日本社会党

○川本委員 五十一年の十二月で毎勤統計では一二〇%を超えたのではないかと私は思うのですけれども、その点、どうでしょう。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 御指摘のように十二月の時点で超えておるわけでございますが、その後、一月の時点が不況の関係等もありましてダウンをいたしましたので、いまその後の数値を見守っておるというのが実態でございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 大体五月にそういう事態が起こるとなると、五月の時点で自動改定を行う、こういうことで間違いございませんか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 五月の結果を見まして至急に改定をいたしますので、改定時点は六月にずれ込むというふうに御理解いただきたいと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 そこでお聞きしたいのです。六月に改定時点がずれ込むとしても、その場合のいわゆる基本手当日額表の最下限と最上限の問題が出てくると思う。最下限は大体幾らで最上限は幾らになるのかということについてひとつお聞きいたしたいと思う。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いまの基本手当、最低が千八百円、それから最高が七千五百円、こうなっておりまして、この日額につきまして、先ほど言いましたように、毎勤が二割上がりますので、二割アップすることになろうと思います。まだ具体的金額については決めておりません。

川本敏美日本社会党

○川本委員 二割アップになるということになると、最下限はわかりますが、最上限は幾らになるわけですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いま手当の日額が、最高が四千五百円でございますので、その二割アップということになりますと大体五千四百円見当というふうにお考えいただきたいと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 私は、五千四百円がどうかということについてはまだはっきりわからぬのですが、毎勤統計のいわゆる第三、四分位ですか、その点が大体最上限になるのだと思うのです。毎勤統計の十二月では大体第三、四分位のところの数値は幾らになっていますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 ちょっといま資料を持ち合わしておりませんので、後で調べまして御報告いたします。

川本敏美日本社会党

○川本委員 そこで、最下限の問題をまずお聞きしたい。最下限についてはこれを二割アップ、千八百円を二割アップしていくということになりますと、最下限は幾らになる予定ですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 先ほど千八百円と言いましたのは手当の額を言いましたので、千四百四十円の二割アップで千七百二十円になるというふうに推測いたしております。

川本敏美日本社会党

○川本委員 千七百二十円が基本手当の日額になるわけですね。そうすると、地域最賃との関係はどうなるのでしょう。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 保険の日額は、先生先ほど御指摘のように通常賃金の八割ないし六割ということでございますから、最低賃金との関係は特に抵触するということは生じないと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 現在、この基本手当日額表でいきますと、一等級から四等級ぐらいまでが大体日額の八〇%ぐらいになって、それがだんだん七〇%になり、いわゆる三十六級ですか、そこで六〇%になるようにいわゆる逓減されておるわけですね。逓増に並行して逓減されておる。今度はその八〇%というランクがどのぐらいまで拡大されるのか、その点についてはどういう、いわゆる逓減方式についてはどういうふうに考えておられるのか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いまの基本日額表につきまして二割アップをする考えでございますので、ほぼその八割、六割のランクづけと同じというふうにお考えいただいて結構でございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 私は、ランクづけについては、やはり八割というのをもう少し拡大していくべきだと考えておるわけです。いわゆるその逓増に従って逓減するという法則については、その運用については当局に任されておると思うのです。だから、やはりその辺について、こういういわゆるインフレ、不況の時期ですから、所得の少ない人にほど多額の保障をしていくのだ、先ほど来森井先生のお話にもありましたように、そういう意味で、今度の改正に当たって八割ランクを拡大する方向でひとつ配慮していただきますように要望いたしておきたいと思うのです。     〔委員長退席、斉藤(滋)委員長代理着席〕  そこで、次に私は日雇失保の問題についてお聞きしたいのです。この問題についてひとつ労働大臣にお答えをいただきたいと思うわけですけれども、この前、昭和四十九年四月二十三日の社労委員会におきまして、私の先輩で亡くなられました奈良県の八木一男代議士から質問をされておる、当時の長谷川国務大臣に。  そこで、いま申し上げたように一般失保の基本手当日額表は二〇%アップになる、そういう中で、現在日雇失保については第一級が三千五百四十円以上の日当の者に対して二千七百円となっておる、これでは一般給付とバランスがとれなくなるわけです。先ほど最初にお聞きしました六〇%を保障するというお話ですけれども、日雇健保の保険料の日額表というのがあるわけです。それで、いわゆる社会保険審議会等の審議の経過を見ますと、昭和五十二年には、日雇い労働者の賃金の分布表というのがつくられておる、それによってみますと、大体六千五百円以上八千円までが一〇・八二%、八千円以上九千五百円未満が六・五九%、九千五百円から一万二千円の間の方が二・九一%というようなことで、五千円以上六千五百円というものが一五・〇七%、こんなにたくさんの方がおられるわけです。この方々で計算してみますと、仮に五千四百円として計算してみてもいわゆる二千七百円というのは五〇%にしかすぎなくなるわけです。雇用保険の制度が八〇%から六〇%を保障するのだということならば、いわゆる五千円以上六千五百円までの人が一五・〇七%、さらにそこから上がざっと二二%ほどおられるわけで、合わせると三五%以上の人が雇用保険法で保障されている六〇%の失業給付を受けられなくて、ひどい人になると三〇%とか二〇%になってしまうということになる。こういうことから考えても、いまの三段階制というのは穏当を欠くのではないかと思うわけです。  だから、今度一般給付が自動改定されるということになれば、それに従って日雇い労働者のいわゆる給付について、いま一級、二級、三級——一級が二千七百円、二級が千七百七十円、三級の方が千百六十円になっておるわけです。この二千七百円の一級の上にさらに三千五百円、さらにいま一つは四千五百円というような、二つぐらいのランクを上につくらなければ、保険の法上指定する百分の六十というものを守ることはできないのではないかと思うのですが、その点についてひとつ、労働大臣はどう考えるか、お聞きしたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 御指摘のような実情があることだろうと思います。ただ、いまの制度自体は全体の地域的ないろいろな給付のバランスを考えてこしらえてあるものだと私は考えておりますが、これをこう段階をたくさん分けますと、事務処理能力の問題もあわせて考えなければならぬと思います。しかし、実情と事務処理能力とを勘案しながら改善に努めたい、こう考えております。

川本敏美日本社会党

○川本委員 大臣、その答弁ではちょっとぐあいが悪い。といいますのは、先ほど申し上げた四十九年四月二十三日に八木一男委員が長谷川国務大臣に質問したときに、長谷川国務大臣はいまの御答弁のように、「だんだんにやりますが、一発になかなかいかぬものですから、御理解いただきます。」こういう言い方を最初しておる。これに対して八木先生は、「こんなものは何でもないのですよ。事務が何とかとおっしゃるけれども、有能な労働省の職員です、そんなもの、十分こなせます。それで足りなかったら人員を増大したらいいのです。あと、その問題よりも、この段階ではほんとうのところ、失業期間中の生活が守られないわけです。」そして、厚生省の方は八千円も九千円も一万円も該当者としておるのだから、ひとつもう一度お答えいただきたいということに対して、最終的に長谷川国務大臣は、「私も、あなたのお話でありますから、財政のことやらいろいろ勉強して、ほかの省に負けないような姿勢で勉強してまいりたい、こう思います。」こう答弁した。ところが八木先生は、「勉強じゃなくて、そんなもの、明快な頭の人だからわかっているでしょう。勉強じゃなくて、善処しますという御答弁をいただきたい。勉強では困る。」と念を押したときに、長谷川国務大臣は、「おっしゃるとおり、善処しましょう。」こう答弁しておるわけです。前の労働大臣にも、ここでお答えいただいたことは守っていただけるのでしょうなと一番最初に念を押してある。だから、前の長谷川国務大臣が、おっしゃるとおり善処をいたしますと言ったその答弁より後退したいまの御答弁では、私は納得できぬわけです。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 別に後退しているつもりはありません。要するに、事務処理能力や諸般の事情を勘案しなければならぬ点もありましょうが、そういうことを勘案しつつ善処をします、こういうことです。

川本敏美日本社会党

○川本委員 大体いつごろ善処をしていただけるのですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 これはいつごろとおっしゃいましても、いまの実情と、それから保険会計の現状というものを考えなければなりませんから、できるだけ速やかに善処をしたいと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 私はまず、やはり法というものは守ってもらわなければいかぬ。百分の八十から百分の六十の保障をするのだということであれば、六〇%の失業給付をするという原則に立って考えてもらう。  それからもう一つ、財政の問題を言われましたが、私は、政治というものは、日雇い労働者の給付、先ほどおっしゃいましたけれども季節労働者の給付、そういう小さなかたまりを、一つの集団を選び出して、その中で財政がどうだこうだということを論議するのは政治家の論議することではないと思う。財政というものは何かと言うと、いわゆる高いところを崩して低いところを埋めるのが政治だと思う。国の財政も同じだと思う。そういう観点から考えれば大きなプールの中で……。いわゆるいまの雇用保険法は赤字ですか。赤字じゃないでしょう。だから、そうであれば私はいいのだと思うわけです。その点についてひとつもう一度。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 いまの保険の運用はそういう精神で行うべきものだと思いますけれども、もう一つは、保険のたてまえとしましてはやはり給付と負担の均衡もあわせて考えなければいかぬ。何しろ日本じゅうの勤労者の負担が入っているのですから、その日本じゅうの勤労者の負担を特定区域にだけ厚くするというわけにもいきません。しかし、日雇い労働者という小さなところだけの部分を引き出してその均衡を図ろうとしているわけではない。なぜならば、日雇い労働者の給付は保険会計においては約八十億円の赤字であります。それでも赤字を承知で実施しているのですから、決してそれだけ引き出してバランスをとっているわけでないことはおわかりかと思うのです。それから、いわゆる季節労働の問題は、七十八億に対して千四百億円の給付ですよ。それを、ほかの方の、日本じゅうの勤労者の負担において掛けておる保険金でこれ以上見ろというのは、そういうことをすることは、保険会計を預かっている者としてはこれはちょっと無理じゃありませんかね。

川本敏美日本社会党

○川本委員 大臣は急いでおられるようですから私もくどくど申し上げませんが、私はやはりそういう人が一番生活に困っておられると思うのです。そういういわゆる季節労働の方とか日雇い労働者の方が一番苦しい生活をしておられる。その方々に対して最低限の保障をどうするかということは、ほかのどのようなことよりも優先的に考えられるべきであって、もし保険財政のいわゆる保険料だけで賄い切れなければ、そこへ国の財政を持ち出していく、国庫の補助をしていく、こういう基本的な姿勢を持たなければ、そういうボーダーラインで働くその人たちが日本の国を支えておるわけなんですから、その人たちの生活を本当に守ってやることはできないと思うのです。その点について労働大臣の考えと私とちょっと違うわけですけれども、ひとつもう一度。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 そういう状態に置かれている人たちに対して総合的な対策を講じなければならない、そしてそういう人たちができれば常用化し、少なくとも通年雇用を得られるような方法をとらなければならない、その面はわれわれの範囲です。しかし、保険会計だけで埋め合わせをしろと言われるのは——実は私は保険会計に一番お世話になっているところの出身者の一人なんです。大体そういう特別給付をしておるところは、北海道と青森と秋田と岩手で大体七〇%くらいになるんじゃないかと思うのですよ。     〔斉藤(滋)委員長代理退席、委員長着席〕 そういう地域、私は秋田ですからよけいもらっている方なんです。だけれども、そういう状態をそれ以上ふやすということは保険会計の運営として適当であるかどうか。気の毒なそういう状態にある人に対する処置を保険会計だけで見るというのは無理なのであって、やはり公共事業をふやすとかあるいは産業を誘致するとか、そういうような努力を当該府県でやってもらって、そしてそれに対して国が所要の援助をする、そういうことをあわせてやるべきであって、全国のほかの同じ勤労者の人たちから集めたお金ですよ、そのお金を特定区域だけにそんなに集中的に出すのは、私はもらう方だからありがたいけれども、それでいいのかどうかということも考えていただきたい。

川本敏美日本社会党

○川本委員 労働大臣はそう言われますけれども、前に日雇労働者失業保険当時の国庫補助率というものは三分の二であったと思うのです。それがいま三分の一に下がっておるのでしょう。いわゆる国の補助率を下げておいて、それで財源が不足をするという言い方はおかしいんじゃないかと思うわけです。その点についてはもう労働大臣の答弁は結構です、労働大臣はお急ぎですから。しかし、その点は十分やはり考えていただくべきだと思っておるわけです。  そこで、労働大臣がおられる間に一つだけ大臣にお聞きしておきたいことをお聞きしておいて、先に出かけていただいて、あと安定局長さんに質問をさせていただきたいと思うのです。  そこで労働大臣に最後にお聞きしたいと思っておったことは、一つは、今度の雇用保険法の新しい資金制度ができた後のいわゆる手続上の問題ですが、施行令とか施行規則を作成することになると思うのですが、そのためには、公布してもその間、施行令や施行規則ができるのは従来の例で見ますと大体六カ月ぐらいかかっておる。これは後で安定局長に申し上げますが、手続が非常に煩瑣な部分もあるし、冗漫な部分もある。そういうことについてやはり関係の、たとえば全国労協とかいうような関係の専門家の団体があるわけですから、そういうところの意見も十分聞いて、今後の様式集とかいろいろなものを施行令や施行規則の中に盛り込んでもらうように、ひとつ関係団体の意見も十分聞く機会を持ってもらいたい、このように考えるわけですけれども、その点だけ労働大臣からひとつお答えいただきたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 これは二つの面があるのですね。規則を簡略にして利用しやすくしてもらうということが一つの面ですね。もう一つの面は、不正が行われたらいかぬ。その両方ありまして、両立しない面もあるわけなんですが、実際実務に当たっておる人の御意見も伺わなければならぬことは当然でありますし、中央職業安定審議会にお諮りをいたしまして、十分その二つの面を両立させるようにいたしたいと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 結構です。大臣、行ってください。  そこで局長さんにお聞きをしたいのです。いわゆる法第四十九条の日雇い労働者の求職者給付ですか、これの自動改定の規定であります。この自動変更規定というのは、現在、一級、二級、三級とあって先ほど最初申し上げましたように、一級、二級、三級の中で、簡単に言いますと、二級の二分の一を三級に足し、二級の二分の一を一級に足して、その比率がアンバランスになったときには自動改定をするという規定だと私は思うのです。ところが、これは労働省の専門家が、自動改定にならないということを初めから十分承知をした上でこういう法律の条項をつくっておるということで私はふんまんにたえないわけです。なぜかというと、その被保険者数について調べてみますと、現在の日雇い労働者の被保険者数は、五十年までしかわかっておりませんが、五十年度末で二十万四千四百二十八人ですね。そのうち失業対策事業に従事する人の数が十二万一千六十三人、比率にして五九・二%を占めておる。その他の一般の日雇い労働者が八万三千三百六十五人、四〇・八%。こういう比率から見ますと、失業対策事業の労働者はほとんど第三級だ。そうすると、このバランスがどう崩れるのかということは、一にかかって失業対策事業に従事する労働者の賃金をどうするのかということとの因果関係があるわけです。これを変えない限り、いつまでたってもこのバランスが崩れないということはわかっているでしょう。局長、どうですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 先生御指摘のように、日雇い失業保険につきまして失対労務者の占める比率が多いということは事実でございますけれども、日雇失業保険の給付の対象がそういう現実に立っておる以上、それを一つのメルクマールにして日額の改定を行うという現行制度は、私は決して不合理だと思っておりません。と申しますのは、一般の保険の場合のような毎月勤労統計というような確固とした頼るべき資料があればそれでいいのでございますけれども、日雇いの場合の改定の方法としましては、いまの一級、二級、三級の分布の状態によりまして、その変化によって改定をするということはやむを得ないところでございます。  なお、これと関連いたしますことですが、失対労務者の賃金につきましても、いま先生は三級とおっしゃいましたけれども、われわれの計算では大体二級給付日額に該当するのではないかと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 私は奈良県ですから、乙の安い方を思っていますから大体三級だと思っておったのだが、いわゆる六大都市とかあるいは甲の地域においてはあるいは二級になるのかもわからぬと思うのです。その点、間違っておったらお許しいただきたいと思うのです。  しかし、この自動改定の規定のキャスチングボートは一にかかって失対労働者の賃金をどうするかということでおのずから決定できる。そうなると、自動改定をやる気になったら、そのときに失対事業労働者の賃金さえ上げれば自動改定できるわけで、自動改定せぬでおこうと思ったら、労働省の方で失対事業労働者の賃金をできるだけ低く抑えてさえおれば、いつまでたっても自動改定にならぬというような結果になるのではないかと私は思うのです。そこで自動改定規定そのものがこういうような現実に合わないと私は思うのです。  たとえて言いますと、私どもの奈良県では林業の労働者はほとんどこれが適用されておる。ところが、この方々の賃金というものは現在日額でもう一万円前後です。ところが失業保険をもらいに行ったら二千七百円しかもらえない。このようなことでは、最初に申し上げたように、六〇%を保障するという雇用保険法の精神からいってまことに論外な話だと思うわけです。そこで私は先ほども申し上げましたように、こういう自動改定の規定はあるけれども、しかしこれだけでは不十分だから、一級の上に二つの級を設けて五段階につくるべきだ、こういう主張をいたしておるわけです。  その点について、労働大臣が急いでおられたから私は労働大臣にも余り申し上げなかったのですけれども、安定局長さんからもう少しお聞きしたいと思うのですが、これについていまの雇用保険法の精神から考えれば、三五%以上の人が現在五千四百円以上の日雇いの労働者であるという実情を踏まえたときに、財政の問題や人員の問題や事務の問題は大臣が言いましたが、その問題はちょっと別にして、そういうことは法上放置しておけると思いますか、おけないと思いますか、その点ひとつお聞きしたい。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 現在、日雇失業保険の適用をされておる人たちがどういう人で、その賃金日額がどうかということを勘案しないと先生に対するお答えにならないかと思います。それで、先ほど先生御指摘のように、約二十万の日雇いの失業保険の中で失対が約十二万近くでございますが、それ以外が、山谷、あいりん地区の日雇い労働者が二万五千人、それから競走、いわゆる競輪、競馬の関係の二万人と、それ以外にちょっと私たちではつかみ得ない約二万程度の日雇い労働者がいるんじゃないかと思います。  それで、それの賃金分布でございますが、先生のおっしゃるように非常に高い林業労働者というのがこの中に全然いないというふうに私は思いませんけれども、その比率は、先生に御説明申し上げましたように、いまの少なくとも受けております等級別の比から見ますと、一級の場合に二八%、二級の場合二三%、三級の場合四九%と、いわゆる日雇健保の場合とかなり分布が違っております。  この点、どうして違っておるかということが問題ですけれども、日雇健保の適用労働者の業種別等の分布を見ますと、七割近くが建設労働者ということで、その点が日雇健保と日雇雇用保険との非常な違いではないかと思うわけでございます。恐らく、建設労働者につきましては、雇用保険の場合には日雇いでなくて一般給付の方に回っておって、賃金水準の高い方はそれでカバーされておるんじゃないかと私は思いますが、ただ、一部でも、先生おっしゃるように、高い賃金をもらっておって、かつ大変低い保険金しかもらえないということは不合理でございます。したがいまして、大臣もお答え申しましたように、事務的な難点、財政的な問題、いろいろございますけれども、そういうものをできるだけ克服をいたしまして、御趣旨に沿うように努力をいたしたいと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 ただいま、そういういろいろな問題点を克服して、趣旨に沿うように努力いたしたいということですので、私はひとつ大きく期待をして、少なくとも次の国会では——今度の一般給付の自動改定と同時にはできないと思いますけれども、若干ずれても来年度にはそのような形にできますように強く要望しておきたいと思います。  そこでもう一つだけ、日雇いの特例給付等の受給要件の問題なんです。現在、普通二カ月で二十八枚になりますが、六カ月以上継続して労働した場合は八十四枚になっておる。これに対して、先ほど申し上げた昭和四十九年五月の社労委で同じくわが党の先輩である川俣委員が大臣に質問をしておるわけです。そこで、この問題は七十八枚にすべきではないかということを言っておる。そのとき最後に長谷川大臣は、次の機会に改正いたします、こういうことを言っておる。これは明確に言い切っておる。本来であれば今度のこの雇用保険の改正のときに、その大臣の答弁の趣旨からいくとこの問題が当然出されてしかるべきだと思うのです。それが無視されて今日に至っておるということは、私は国会軽視もはなはだしいと思うのです。だから、先ほど申し上げました日雇い労働者の給付の等級の改定とあわせて、この八十四枚を七十八枚まで引き下げるということについては、同時にこの次に行いますというお約束をいただきたいと思うのですが、その点について……。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 日額表の等級を上にふやすという点につきましては、私、先生の御趣旨に沿って最大限の努力をいたしたいと思います。  いまの支給要件につきましては、日雇健保の場合と日雇いの失業給付の場合とでは条件がかなり違うようでございますので同一に論ぜられないかと思いますけれども、先生御指摘のように、前大臣がそういう御答弁をしておるようでございますので、その点を踏まえて検討させていただきます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 最後に一つだけお聞きしておきたいと思うのです。  これは先ほど言いました実務上の問題ですけれども、雇用調整給付金について、先ほど大臣もおっしゃいましたし、われわれも、森井先生の質問にもあったように、不正が行われないようにするという点でかっちりしたやはり取り決めが必要であることは認めます。しかし一方で、三十人以下ぐらいの従業員を抱えた零細企業の場合に、この様式、私いまちょっとここへ持ってきたのですけれども、様式第一号から様式第二号の一、あるいは様式第二号の二の二、あるいは第二号の三、あるいは第二号の四というような、こういう様式があって、七人とか八人とか、十人未満の雇用者を抱えておるようなところで、事務員も置いてないというような零細企業の場合は、とてもこんなものを書ける能力を持っていないと思うわけです。また仮にこれを書いてもらう専門家に委嘱して頼んだら、もらう給付金より手続のために払う謝礼の方が多うなるおそれもあるような現状であります。  そこで私は、少なくとも従業員五十人以下といいますか、そのぐらいのいわゆる零細企業についてはもっと簡単な様式を考えるべきではないか。五十人ぐらいを境にして、五十人以上のところについてはやはり不正を起こさないように、事務員もおるわけですから、専門家もおるわけですから、きちっとさせる。しかしそれ以下の零細企業の場合には——これはなぜ言うかといいますと、親企業が給付金を受けるということになれば、その下請、孫請も全部やはり給付金をもろうて、同じように取り扱ってもらわなければ困るわけです。従業員が私のところは八人やから営業していきますというわけにいかないわけなんですから、そういうところでは簡単にできるようなことを、親企業がやれば下請、孫請も全部該当するような方法を考えるとか、あるいはもっと簡単な様式を考えるとかいう措置が必要ではないかと思うわけです。その点について……。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 手続につきましては、御指摘のようにやはり非常に煩瑣である、あるいは複雑であるという点があろうかと思います。ただ、これは大臣が先ほど答弁申し上げましたように、雇用調整を行うということが労働者に対して非常に重大なことでありますし、それに基づいて多額の金額も支払っておりますので、それの公正を期する必要もあるということで、手続についてはなお合理化を図りますけれども、ある程度の手数がかかる点はやむを得ない点ではないかと思います。ただ、そういう、先生御指摘のような非常に零細企業でなかなかこれに手間が省けない、あるいはその能力がないという点は私たちも理解ができます。その場合に、零細企業だけ手続を簡素にするということもこれはなかなかむずかしゅうございますので、むしろ、いま社労士の話が出ましたけれども、社労士の活用のほかに、たとえば安定所には保険の相談員等、そういう業務を零細企業に対していろいろ指導を申し上げる担当官も置いておりますので、そういう方々の御協力を得て、中小零細企業の方がそこへ御相談に行かれれば、手を取り足を取り、いろいろお世話を申し上げるような体制を十分整えまして、御要請の点につきましてはこたえたいと考えます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 この様式集の裏に注意書きが刷ってあるわけです。これも裏いっぱいに刷ってあるわけですね。それから、この書いてあることが、われわれでも読んだら実際なかなか難解なんです。専門家であればわかり切ったことですけれども、これを読んだらとても、ここへ何を書いたらいいのかと迷ってしまうほどむずかしい言葉で書いてある。こういうことも、もっと私たちが日常使うておるようなわかりやすい言葉にしてやらなければ零細企業の人たちには理解できないと思うわけです。そういうこともあわせて私は要望しておきたいと思うのです。  最後に、業種指定が今度の新しい資金制度でも行われるわけですけれども、その資金制度の業種指定の中で私は一つだけ申し上げておきたい。  前に調整給付金のときに、岡山市で、農業用のトラクター組み立ての工場がありました。その組み立て工場は業種指定になったわけです。ところが、その工場の下請で、トラクターの車輪のサイドカバーの部品であるメタル変速札というのをこさえておる下請、孫請の会社かあったわけです。その会社が、親企業が調整給付金をもろうて休んでおるのだから自分のところもと言って行った。そうしたら、これはいわゆる農業用トラクター組み立てというのが業種指定だから、あなたのところは該当しない、こういう話だった。ところが県の雇用保険課へ行っていろいろ御相談したら、何とか農業用トラクター組み立てでいきなさいということで、またトラクター組み立てとして書類を出したらしいのです。そうしたら、ここは従業員たった八人ですが、八人やそこらでトラクターを組み立てられへんやろと言うて、安定所でいろいろあったらしいのですが、親企業は一月から八月までの間に休業をして、ここのはいよいよ最後に、メタル変速札ということで業種指定を受けて該当するというお返事をもろうたのは八月だった。それではやはり問題が起こる。  もう一つ、上尾市で、プレハブ住宅のいわゆる組み立てですか、プレハブ住宅をやっておる会社があった。そこの下請で、池田工業所というのですけれども、ドアにノッブを取りつける作業だけを下請しておるところがあって、ここは従業員三人しかいなかった。ところが、親企業が同じように業種指定で休んだから私のところもと言うて申請したら、ドアのノッブ取りつけ業というようなのは業種指定にない、こういうことでこれも該当しないということでいろいろあったのですが、最終的に認定はしていただいたのですけれども、時期がずれてしまった。  そういうようなことから考えて、今度の新しい業種指定に当たっては、そういう親元の会社が業種指定を受けたら、その下請、孫請は、業種指定のあるなしにかかわらず一律に、同時に、同じ時期に、職業訓練転換給付ですか、そういうものであってもすべて受けられるようなやはり措置を講ずべきだと思うわけです。その点についてもう一度局長さんからお答えいただきたい。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 雇用調整給付金につきましては、実は五十一年の五月から下請についてもその適用を及ぼすことにしておりますが、ただその場合に、業種指定を受けました親企業から五〇%依存をしておるというような限定をいたしております。これは下請の性格上その程度の限定をつけるのはやむを得ないのではないかと思います。ただ、下請に限らず中小企業の場合に、業種指定について、そういう小さな業種の細分の問題あるいは地域的な制約の問題等、従来の雇調金についてはなお不十分な点がございますので、今度の資金制度の発足に当たりましては、御指摘の趣旨を十分踏まえまして、迅速かつ的確な業種指定を行うように配慮をいたすつもりでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 以上で終わります。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 速記を戻してください。  次に、草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 私は、二百海里問題と雇用問題についてまずお聞きをしたいと思うのであります。  二百海里問題が、いま北海道等を中心とします水産業界に非常に深刻な失業あるいは解雇の問題を投げかけておることは御存じのとおりだと思います。釧路では特に、歴史上初めてと言われるように、水揚げがゼロというようなことが報道されておりまして、魚市場というのですか、市場そのものが休業したと報ぜられております。そしてまたそれに伴いまして、水産加工業者、あるいは水産加工以外の運送業者あるいは製函というのですか、そういうような業態の方々、あるいは全国的にもたとえば網をつくるような業者というところまで、非常に広範囲に失業、解雇問題が出ておりまして死活問題になっておると思うのでありますけれども、特に労働省として、このような現地の状況というものをどのように把握されておみえになるのか、まずお伺いをしたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 具体的な現地の状況に対する把握内容は安定局長からお答えをいたしますが、これはもう御承知でございましょうけれども、漁船の場合は三十トン以下、それから一般の船の場合は五トン以下あるいは河川、湖沼等を運航するもの、その従業員が、いまのこの問題になりますと直接的には私どもの所管になります。それから、箱をつくったり、加工をしたり、網をつくったりする陸上の労働者諸君も私どもの対象になります。私どもの所管の対象になる者につきましては、雇用対策法あるいは雇用保険法その他の最大限の運用によって対処をしたいと思いますが、私どもの直接対象にならない者につきましても、前に捕鯨とか遠洋カツオ・マグロ漁業、あるいはアメリカの二百海里設定に伴うスケソウダラの漁獲に従事しておった人たち、これは水産庁の指定を受けまして、これに対する私どもの対応策をとっておるところであります。  さらに具体的なことは安定局長からお答えいたします。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 北洋漁業にかかります漁業従事者につきましては、ただいま農林省と打ち合わせ中でございますが、われわれが得ておる情報では、ソ連二百海里内の漁業従事者数は約七万四千でございます。それから北方領土四島周辺の漁業従事者がそのほかに約四万おる、こういうふうに承知をいたしております。それから、水産加工の関係でございますけれども、北海道、青森、岩手、宮城というのが主として北洋関係の水産加工と伺っておりますが、この四県で従業者が約五万二千おる、こういうふうに把握をいたしております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 労働省として現地にだれか係員なり担当官を出して調査をしてみえるという事実はございませんか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 この問題が発生をいたしまして、実は北海道、それから東北関係県の安定課長に実態の把握を命じておるところでございますが、実は今週、明後日にも水産庁を中心といたしまして関係省庁で課長会議をやりまして、その結果に基づいて、必要があれば本省から至急に実態の把握のための係官を派遣したい、こう思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いまのお話だと、ただいまのところいずれにしても本省からは現地に行っておみえにならぬ、こういうわけですね。いまこの漁業問題というのは外交的に非常にむずかしい段階に入っておりますから、その筋の問題は別としまして、少なくとも労働省としては、歴史的な大事件でありますから、本省からいち早く現地の実情というものを把握して、そして対策を立てていくということが、日本の将来にとっても、いまあるべきトータルな意味での行政ではないだろうかと思うわけです。そういう点では、現地の把握について、私の方からも若干調べてきたのがあるわけでございますから、申し上げて、一回関係者の対策というものを出していただきたい、こういうように思うわけです。  たとえば、ここに釧路の例があるわけでございますが、いわゆる水産加工業者というのはさまざまな範囲がありますけれども、約百社前後であります。百二十近くあるわけでありますけれども、現在労働者の総数が約五千人を超しております。五千四十六人です。これは釧路の市役所の調べです。そのほか臨時、パートが千九百六十四人おります。この中で休業中の工場が約五十六ですから、休業しておるのが半数近いのですよ。約五〇%の操業短縮をしておるのが二十四工場あるのです。操業度を二割程度下げておる、五〇から八〇%の工場が二十工場。だから普通に操業しておるのが百二十のうちで約二十しかないのですね。だからもう現実は大変なことで、解雇者は三十七工場に及んでおるのですよ。常勤の労働者五十六、臨時雇いが千二百十四人。  この中で私は非常に重要だと思いますのは、雇用保険に入っておるのがわずか百三十五なんですね。結局、パートだとか、それから三カ月間の短期契約とか未加入の人が千七十九人もいるのです。そのほか女子の労働者も多いわけですから、母子家庭も多い。こういうような方々が約四分の一を占めておるというような状況であるわけです。釧路の町というのは大体水産専門の町でありますから、職業転換をしようにもしようがないのですね。こういう例に対して一体労働省はどう対処されるのか。まずこの釧路の例だけ一つ取り上げてみたので、局長の方からもお答え願いたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 私も北海道庁の職業安定課を通じましてある程度の情報を得ておりましたけれども、先生の御指摘に比べますと私たちの調査が不十分でございますので、さらに早速、的確な把握をいたすようにまず努めたいと思います。  それから、いま御指摘の点につきましては、実情の把握の上に立っていろいろの対策を講ずる所存でございますが、まず一番問題は、保険の加入者が著しく少ないという現実でございます。これは、雇用保険の当然適用事業場で事業主が怠って適用をしておらないというような向きに対しましては、これはたてまえから雇用保険法をさかのぼって適用して、雇用保険の給付ということで万全を期したいと思いますが、ただ、臨時その他きわめて短期間の雇用ということで、本来雇用保険の適用対象にならないような方がこの中にあるとすれば、それにつきましては今後の対策としまして、安定機関を通じて就職あっせん等、最大限の努力をいたすべく検討をいたすつもりでございます。  なお、やや出おくれのような感がございますが、実は水産加工につきましてかつて雇用調整給付金の業種指定をしたこともございますし、それの活用もいただいておりますので、すでに北海道庁を通じてその業種指定の指導をするように言っておりますので、解雇に至らずに休業で転換をするとかあるいは再起を図るというような事業場を、適切な指導によりまして行政指導を十分いたしたいと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いま局長から答弁があったわけでございますが、今月の七日ですか、釧路支庁で海洋法対策会議というのが開かれておりまして、その中の労働部会で、かなり詳しい情勢というものが現地では報告をされておるのですよ。この労働部会での報告を聞いておりますと、季節労働者だとか臨時雇用の方々が解雇されておるけれども、ほとんど雇用保険に加入をしていないから事態は非常に深刻であるというような報告がなされておるわけです。その報告を局長がいまだつかんでいないというのは、もちろん新聞を見ておみえになりますし、いまでも大臣がこのような形で日ソ問題についてそれぞれ行動してみえるわけですが、非常にアクションが遅いと私は思うのですよ。これはまた将来の基本的な問題になりますけれども、出おくれというような問題ではないと思うのです。その実情を知ってみえるなら、特に釧路の支庁の報告は入っておるのか入っておらないのか、もう一度お聞かせを願いたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 釧路につきましては、先生の御指摘のような情報はまだ私把握いたしておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、北海道庁を通じまして、釧路のみならず北海道全体の情勢の報告をいま取りまとめ中でございますので、間もなくそういう的確な情報についての第一報が私たちのところには到着するものと考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 私どものところがつかんでおるわけですから、やる気があるなら労働省は幾らでもつかむことはできると思うのですよ。しかも、稚内だとか釧路だとかいうのは、いま最も鋭く被害というのですか、影響を受けておるところですから、そういう実情をつかみながら、労働省の方としても、いわゆる今日の政府全体に、雇用という面からも重要な問題だという問題提起をしていきませんと、ずるずると水産加工業者の方に犠牲が寄るし、しかもその水産加工業者の犠牲というのは、下請だとか未組織だとか、本当の意味での零細企業にくるわけですからね。ここに手を当てずして真の意味での雇用対策というものはないと思うのです。これは厳重に調べていただきたいと思います。  さらに、私は稚内のトラックの運送業者の例を申し上げてみたいと思うのですけれども、水産加工とトラックの輸送業者とは、これは加工したものを運ぶわけですから現実に非常に結びついておるわけですね。この稚内の例によりますと、これは一部新聞に出ておりますし、北海道新聞にも出ておりますけれども、トラックの運転手九十二人を雇っておるかなり中手の運送業者が、その半分の四十四人を解雇しておるというんですよ。しかも平均年齢が三十五歳、勤続年数七年、働き盛りの人でありますけれども、こういう方々には退職金を払って解雇をしたという例があるわけでありますし、例を挙げますと、釧路にしても稚内にしても、非常に切りがないほどの具体的な解雇の例が出ておるわけでございますが、いま言われましたように雇用保険法をさかのぼって適用して支給するということについては、まず事業主の同意も得なければいかぬわけですよね。もちろん本人はさかのぼってでも支給してもらいたいということがあるわけですけれども、そういうことについて具体的な指導はどういうようにされるつもりでございますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 まず、実態の把握につきまして非常に出おくれておりますことをおわびしたいと思います。なお督励をいたしまして、正確な実態の把握を迅速にすることをお約束をいたしておきます。  雇用保険につきましては、当然適用事業場であってかつ事業者の怠慢のために保険の適用を受けていない労働者については、いままでの方針でこれは遡及して適用するわけでございますが、その場合に、遡及して保険料を納めていただくという事業者負担が前提でございます。そういう意味で、水産加工のそういう業界を通じ、あるいは安定機関が直接それらの現在休業ないしは解雇が出ておるような事業場を回りまして、事業主にその点の指導をいたすつもりでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 それで、職業転換給付金というのはもちろんあるわけでございますけれども、これには御存じのとおり年齢制限があるわけです。職業転換給付金の年齢制限というのは四十五歳以上ということになりますが、私がいま申し上げましたように、稚内のトラックの運送業者の例を申し上げますと、解雇された人の平均年齢は三十五歳、これは毎日新聞に出ている数字ですから間違いないと思うのですが、勤続年数七年、いわゆる働き盛りの人が稚内なんかで解雇されたわけです。ということになりますと、たとえばの話ですけれども、この職業転換給付金の制度を適用しようと思っても、これは不況だから首になったとか解雇になったというのと違いますからね。日本の国の政府の方針に従ってこの水産加工業者にこういう形でしわが寄っておるわけですから、一体こういう点についてどういうような処置をとられるのか、御見解を賜りたい。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 従来、職業転換給付制度は、先生御指摘のように一応年齢で区切りをつけております。これはやはり四十五歳以上の中高年につきまして再就職の道が大変困難であるという考え方からでございまして、先生の御指摘のような、車を運転できる技能を持ち、かつ三十五歳前後ということであれば、私は就職についてはさほど困難な事態は起きないのではないかと思いますが、ただ一方、先生御指摘のように、今回のこの漁業問題による離職者というものがいままでの不況とかそういうものでない点に着目いたしまして、政府全体、関係省といたしましても、今後の対策を従来の慣行と別に考える必要があるかどうか、そういう点も含めて打ち合わせをしておる段階でございます。したがいまして、そういう御趣旨も十分踏まえて、今後関係省庁と協議をいたしたいと思います。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 すでに農林省の方は具体的にこの問題についての特別対策委員会というものをつくっておみえになるわけですね。私は、特に労働省は雇用という面から、先ほどもくどくどと申し上げたように実態把握がすでにおくれておるという面もありますけれども、それを早急に取り返す意味でも、労働省の中にこの漁業問題についての特別対策委員会等をつくっていくことが必要だと思うのです。一回この点について大臣から御答弁を願いたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 確かに対応の仕方が遅かったという指摘はそのとおりだと思います。ただ、これは出先があることでありますから、出先の報告をまず待とうとしたのだと思うのですが、これに対応しますために、安定行政あるいは訓練行政、そういうものを含んだ対応する措置を、どういう機関にするのが適当かは別といたしまして、早急にとりたいと思っております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 非常に抽象的な御答弁ですけれども、ぜひ労働省としてはそういうような対策本部、でもつくっていただいて、そして対応策を立てませんと、関係の方々と御相談願ってという御答弁でございますが、たとえば先ほどのトラックの運転手の例ではございませんけれども、稚内であろうと北海道全体であろうと、やはり限られたところなんですね。午前中の御答弁もありましたが、何か別に産業をつくるといったって、これはやはり当面の問題にはならぬわけですよ。だとすると、やはり現在労働省の持っておる予算の中から緊急に失業対策事業というようなものも復活をしなければいかぬのじゃないだろうか、臨時的には。小さな町で急に道路掃除をやるとか公共事業をやるといったってこれは間に合わぬわけですから、私は失業対策事業というものを再検討するような形の大胆な対応策を立てていただく必要があると思うのですが、その点についても大臣から御答弁を願いたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 抽象的に言ったわけではないのです。現実の問題として、船員について、運輸省へ行くと労働省へ行けと言われる、あるいは厚生省へ行けと言われる、そういうことについて一元的に、ここへ行きさえすれば万事一切合財はそこで済む、そういうものを三省で相談をしよう、そして窓口の一本化というものをとにかくやろうじゃないかということをすでに指示をいたしております。それと、雇用問題という点においては同一でありますからそういう点についても、あわせて窓口の一本化を兼ねて、あっちこっちの役所に対策本部をこしらえることよりは一本化することが先で、船員なんかの場合はぐるぐる一日じゅう歩き回らなければならぬ、そういうことをまずなくしたいというのでいまそういう指示を与えておりますが、私が申し上げたのは、各役所ごとに一つずつ持つのがいいのか、それよりは一緒になって、窓口を一つにして、この問題については何曜日なら何曜日、どこそこで何時から何時までなら必ず接触するというようなことを具体的に考える、そういう意味で申し上げたのでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 それでは特に要望しておきますが、労働者の失業という面から、いま言うように遡及をしなければならぬ場合だってあるだろうし、業者に説得をしてもらう立場だって必要なんですから、これはどういう窓口であろうと、早急に対策を立てていただいて、また水産加工業ばかりでなくて、それに関連する運送あるいは製函その他のたくさんの問題があると思うので、そういう措置をとっていただきたい、こういうように思います。  時間がございませんので、これは最後になりますが、私の方からも今度のこの雇用保険の問題について、午前中も安島さんの方の御質問があったわけでございますが、労働団体の方からは、本当にこれからの雇用というものについてわれわれの声を聞いてもらいたいという要望が非常に強いわけですね。それに対して先ほども大臣の方から、それは審議会の小委員会で受け入れるからいいではないか、別のものをつくると行政改革等の問題もあるから、こういう御答弁があったと思うのですけれども、いまの日ソ漁業の問題一つを取り上げましても、労働行政というのはどうしても対応策が遅いのですよ。後手後手なんです。ところが、これからは事前にこれを予防しよう、先取りをしていこうという発想を持ってみえるとするならば、当該の現場で働く者の代表である労働団体の意見というものは、単なる職安審の小委員会ではなくて、ぼくは、形はどうあろうともいいのですけれども、りっぱに現場の声が労働行政に反映するように受け入れ体制をつくってもらいたいと思うのです。そうでないと、ただ単なる職安審の小委員会で意見を出せばいいではないかということは、われわれが主張しておる、労働団体が主張しておることとかえって逆行するのではないだろうか。労働団体としては、労働行政に言いにくいことを言うかもわからぬと思うのですよ。しかし、その言いにくいことを受け入れるという態度が労働省にない限り、どういう委員会をつくってもだめだと思うのです。まさしく雇用というものはこれからの日本の産業の中でも重要な意味を占めるわけですから、せっかくこれだけ集めた膨大な基金があるわけですから、現場の声を聞いて取り上げられるようにしてもらいたいと思うので、最後にその点についての大臣の御見解を賜りたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 こういう問題を処理する場合に現場の声を聞くのは当然のことだと思います。雇用基金の運営についての労働側の御意見というのは、私はもう何度も聞いております。ただ困るのは、何度も聞いている内容が一つでないわけです。そこで、その意見の調整をどうしたらいいか。いまちょうど春闘のさなかでもございますので、この春闘が終わったら早速にもそれぞれの意見をお聞きしながら最大公約数を求めていきたい、そう考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 最後に、大臣からそのような御答弁があったわけでございますが、本日、鉄鋼を初め一万三千円という大きい金額が出たわけでございますし、また、大臣の御見解だと、近く公労協関係にもそういうようなものを出されると思いますけれども、日本の労働者というのは恵まれた組織労働者だけではないわけです。いま北海道の話をしましたけれども、北方の未組織、零細な労働者というのもたくさんいるわけですよ。だから、そういう意味で声を聞いていただくためにも、関係団体の現状というものをなるべく労働行政に反映するように今後の雇用対策ということを考えてもらいたい。私自身としては、雇用庁というようなものすら本来はつくって、トータル的な意味での雇用を考えてもらわねばいかぬ時期だ、こう思っておるわけです。そういう要望を申し上げて、私の話を終わりたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 この際、午後二時まで休憩いたします。     午後一時二十九分休憩      ————◇—————     午後二時一分開議

橋本龍太郎自由民主党

○橋本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。西田八郎君。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 まず最初に、雇用調整給付金関係についてお伺いをしたいわけです。  従来の失業保険法と言われた、いわゆる失業した人を救済するという物の考え方から、失業をさせない方向で雇用をまず守ろうというような趣旨から雇用保険法が成立し、昨年の不況のさなかにこの雇用調整給付金の制度がかなりの業界、業種に適用され、また法の恩恵というのか、そうした保険の制度の恩恵といいますか、そういうものに浴した業種が非常にたくさんあったと思うのです。しかし、これが実際に運用されてくると、ある意味において、またそこには矛盾が出てくると思うのです。そういう点について二、三お伺いをしたいわけであります。  まず法第六十二条、規則でいいますと、百十三条の著しい経済変動を生じた場合その対象になる業種、法律でいわゆる指定業種と言われておるわけですが、その指定業種を指定する場合の基準のとり方が私は若干問題ではないかと思うのです。したがって、現行やっておられる基準のとり方について若干の御説明をいただき、それについて、また漸次細かい質問になりますが、していきたいと思いますので、まずその点から。

小粥義朗労働省職業安定局雇用政策課長

○小粥説明員 雇用調整給付金の業種指定の基準につきましては、五十年一月一日に制度が発足いたしました際に決めました基準を、その後昨年の五月時点で改正をいたしておりますが、その現在の指定基準について御説明をしたいと思います。  考え方としましては、日本標準産業分類に原則としてのっとって指定を行うという考え方をとっておりまして、その場合に個々の業種ごとにその事業活動を示す指標、たとえば生産額であるとかいった指標が、前年と比べ、特に最近の三カ月間において平均一〇%以上、最近月においては二〇%以上減少している、そういった事業活動を示す指標と、いま一つ雇用に関する指標としまして、具体的には残業時間あるいは求人数、新規雇い入れ者数、そういった数字が、前年同期に比べてそれぞれ一〇ないし二〇%以上減少しているということを一応原則としておりますが、同時に、指定期間は原則として六カ月でありまして、その終了時点でまだ引き続き情勢が悪い場合にはなお六カ月延長できる、こういう仕組みをとっております。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 前年同期の三カ月間、それと最も近いその月ということになるわけです。そうすると、今日のような厳しい経済変動の中で、一年も前の資料でいいのかどうか、これが一つ問題になりますね。たとえばカラーテレビのようにアメリカから輸入規制をほんと受けてくるということになりますと、来年の三月にということではもう話にならぬと思うのです。ですから、そういうことでいいのかどうか。要するにもっと近い時期に置くことができないのかどうか。政府の統計というのは非常に全国的に広がっておるので、一つにまとめるのは大変むずかしいと思いますが、しかし、少なくともこういう問題は、措置が早ければ早いほど効果が大きいわけですね、そういう意味で、それをもう少し早める方法は、技術的に物理的にできないのかどうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 先生御指摘のように、最近のように急激に経済事情が変わり、かつ産業活動に変化が見られる際に、一年前の指標で業種指定をするという従来のやり方では十分な対応ができないという面が出てきております。たとえば今回不況カルテルで綿紡その他の業種指定をいたしました。これもいま課長から説明いたしました指定基準では、厳密に言えばなかなかむずかしい点でございますけれども、原則としてということを基準にうたっておりますので、そこを弾力的に解釈いたしまして指定をいたしたわけでございますが、今後先生の御指摘のような点もございますので、新たに資金の発足に当たりましては、単に現行基準の弾力的解釈のみならず、基準そのものの再検討をぜひいたしたいと思っております。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 それと、指標の資料は全国的なものなんですね。鉱工業生産指数にしても、残業時間にしてもあるいは休業日数にしても、そういう雇用統計あるいは生産統計に基づいて行われるわけですね。そうすると、全国的なものですから、地域的に偏在している特定の業種、いわゆる地場産業というのがありますね。その地場産業等については、全国のその生産量のシェアを六〇%近く占めておったとしても、その点在しているところの成績が余り落ち込みがなければ、全体の平均値としてはそんなに大きい落ち込みにならないんですね。ところが、そこの地場産業として抱えているところでは、やはり大問題になってまいりますね。そういういわゆる地域の特性といいますか、特に中小企業の場合はこれが多いわけですよ。したがって、そういう地域に偏在している特殊な業種あるいは産業に対してこれはどういうふうにして判断されるのか、その辺のところをひとつお伺いしたい。

小粥義朗労働省職業安定局雇用政策課長

○小粥説明員 従来やってまいりました考え方について御説明申し上げますと、一応日本標準産業分類にのっとって行うのを原則にいたしておりますけれども、細分類でとらえてもなおとらえ切れない小さい業種が幾つかございます。そうした場合には、この細分類に属する業種の中で、特定の製品を製造する製造業というような形でさらに限定をして指定いたしております。  その場合にとります指標の資料でございますが、生産動態統計等、公的統計に出ておるものはそれによるわけでございますが、それが得られませんものについては、関係業界が、たとえばその地場産業がA県、B県両方にまたがって存在するとしました場合に、それが全国のその業種のシェアから見て相当程度あるという場合には、その業界のデータも活用することで従来一応対処いたしております。しかし必ずしも十分じゃないという面もございますので、今後は先ほど局長が答弁いたしたような線でまた検討いたしたいと思っております。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 たとえば絹織物、私は繊維に関係しておるものですからつい繊維の問題が出てくるわけですが、これは、たとえてですからひとつ……。  絹織物で福井、石川、あの辺で中心になったのが絹業地と言われておる地域ですね。それに十日町、見附、京都の丹後、滋賀県の長浜というふうに、絹業地域というのは全国に広がっております。ところが同じ絹織物でも、いわゆる着尺物と普通の反物の織物とありますね。     〔委員長退席、中山(正)委員長代理着席〕 その場合に、着尺物なら着尺物をとる場合、たとえば高崎のめいせんというのがありますね。そういうふうになってくると、栃尾、十日町あたりでつくっておられるつむぎ、そうした絹織物と、あるいは長浜や丹後でやっているちりめんとは全く異質のものです。原料は一緒であるけれども、用途も違うし、また製法等も違うわけですね。そういう場合のとり方は一体どうなるのか。いま韓国から、糸で規制されれば織物でということで、どんどん織物が輸入されてきています。その中には、日本の特産物と考えておったちりめんだとか、そういうものまでが入ってきておるわけで、そうすると、それに押されて一部やはり生産ダウンをせざるを得ない、場合によっては企業縮小というような問題まで出てきておるわけですが、そういう場合の法の適用についての基礎データといいますか、いわゆる基準というのはどういうふうにとられるのか。

小粥義朗労働省職業安定局雇用政策課長

○小粥説明員 いま御指摘のケースを具体的に検討したことはございませんけれども、御指摘の例で申し上げますと、同じ絹織物でも物によって幾つかに分かれるわけでございますが、極端に言えば、個々の品目別に業種指定をしなければならないという事態も出てまいるわけでございます。それは実務的にもなかなかむずかしい面もございます。同じ絹織物の中でも、たとえば消費需要が一つのパターンを持って結構旺盛である絹織物、それと非常に落ち込んでいる絹織物というようなものを、何らかのメルクマールでもって区分ができれば、その区分された絹織物の製造業という形の業種指定は、従来の細分類以下によって決定いたしておりますので、そういう指定の仕方は可能かと思います。同時に、その際の資料としては、当然それぞれの地場産業のデータというものを活用さしていただくということになろうかと思います。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 ということは、保険料は同じように千分の十三・五ないし十四・五払っておるわけですよね。それを払っておって、片一方では保険料を払っておることによって、そういう法の恩典が受けられる、ところが片一方では、払っておるにもかかわらず、法の恩典に浴さないというようなことがあっては片手落ちだと私は思うのです。  したがって、そういう点について特に留意をしていただくようにお願いをしたいと思うのです。着尺物ということになれば、いろいろなものがあるわけですが、代表的なものは沖繩、鹿児島、奄美大島等の大島つむぎ、それから丹後、長野のちりめん、そして十日町の方のちぢみ、そしてめいせんというぐらいに分けられると思うのです。他の業種にもいろいろそういう分類の仕方があると思うのですが、私は繊維に詳しいから繊維に例をとるだけですから、念のために言うておきます。  そういうようなことで、ひとつ十分な処置をして、同じ法のもとでその恩恵が適用され、それが活用されるように、ひとつさらに一層の努力をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  次に、先ほどちょっと例を挙げましたが、今度アメリカからカラーテレビの輸入規制問題が出てきて、日本の業者はこれを自主規制するようになったようですけれども、そうなると従来三十万台、四十万台と出ておったものが、二十七、八万台に制限される。と言って、いま日本の製品をそうたくさん受け入れてくれるところはないと思うのです。そうしますと、実際にこれはもう当然ダウンすることは見通しが立ちますね。  そうすると、さっきの質問に戻すわけですが、一年前の状況から比べたらということになると、これは適用するのが非常におくれてくるわけですね、これから三カ月ということになると。そうすると、もうそういう状況が見えてきておるのに、一体そういうことに対する手が打てないのかどうかということです。そういう先行きの見通しを立てて、先に手を打つことができるのかどうか、その点ひとつお伺いしたい。

小粥義朗労働省職業安定局雇用政策課長

○小粥説明員 従来の業種指定の基準の考え方として、過去三カ月の実績を前年と比較するという方式をとっておりましたのは、実は中小企業の関係での不況業種の指定と同じような考え方に一応のっとってやっていた、当初その基準を考えました際の考え方としては、生産が落ち込んだとたんに指定できるようなことが望ましいということは、一つの考え方としてあったわけでございますが、雇用調整給付金というものが、いたずらに休業の助長をさせてもいかがかという議論も他方ございまして、短い期間の分は一応企業の自主的努力で対応していただいて、それが三カ月に及んで生産が落ち込むというようなことがはっきりした段階になってまいりましたら、その時点でというような考え方で、一応過去三カ月の実績というものをとったのでございます。  いまのお話のカラーテレビ等の問題、これはまた、それぞれ関係業界の中でも、あるいは個々の企業の対応の仕方もいろいろあろうかと思いますが、予測ということで判断をしますのは、非常にむずかしい面がございます。たとえば公正取引委員会というはっきりした機関で正式に認可されるというようなことでしたら、これは予測としてもはっきりできるわけでございますが、単に一国の輸入規制を受けた、それがどの程度生産に響いてくるのかということは、私の方の立場ではにわかに予測しがたい面がございますので、何らかそのはっきりした客観的な落ち込みの予測というものが得られましたら、そうした点を今後基準の中にも取り込んでいくことを考えなければならない、かように存じております。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 ということは、松下さんだとか東芝さんだとか大きなところは、三カ月や四カ月はもちこたえるだけの自己資金も持っておられるし、その対応策もあると思うのです。ところが、そのカラーテレビの部品というものは、ほとんどが中小企業でつくられておるわけです。ひどいのになると、製品にきちっと仕組んでから一たん工場に入れてラベルを張って出すというようなところもあるわけです。そうすると、一番影響を受けるところはどこかといえば、その親企業の対応策を立てるための方策として下請が最初にいじめられるわけですね。そうすると、そのいじめられたところは、その月々もうほとんど収支とんとん、もしくはマイナスの状態で企業経営をしておるわけなんです。そこへ予測せざるというか予測したというか、そういうような親企業からの生産調整命令といいますか、受注関係が生じてきますね、そうすると、もうどうにもならぬわけですよ。そんなこと、すぐに受けられないというような状態、そういうような企業のことを考えますと、これが発動されて初めてそこで効果が上がるように私は思うのです。  ですから、そういうためにも、いろいろな議論の中からこの制度が生まれてきたように思いますので、ぜひともその点については私は弾力的にひとつやってもらいたい。後で大臣が来られれば大臣にもお願いしますが、このいわゆる業種の指定だとか機関等を指定するのを労働大臣にゆだねたということも、実際はやはりそういうことに対応できるようにひとつせぬかということで、法律そのものが大臣にそのことをゆだねていると私は思います。  ですから、これはやろうとすれば行政庁でやれることですから、ひとつぜひそういう面で今後弾力的運用といいますか——それが余りに甘きに失して、企業自体が自助努力なしに、そういう制度をさえ適用すればいいわというようなことになってはいけません。なってはいけませんが、だれが考えても、これは無理からぬというようなことは、これはおのずから常識として判断できることでありますから、ぜひともそういう面でひとつ今後の運用に万遺憾なきを期していただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。  次に、失業給付のことについて若干お伺いをしたいのです。いま北海道や東北なんかでは冷害で、一時出かせぎに出ておられた方が帰ってきておられる。これはいわゆる特別の給付がありますね。ところが、それが期間が切れる。そうすると、例年なら四月一日からその地方の産業活動が始まる。特に農業が始まっていくわけだから、失業しなくて済むわけですね。ところが、ことしは雪害でそうした農作業等も非常におくれておるし、それに関連する企業活動が停滞の状態になっている。このようなときに、いわゆる法で言う個別延長給付の対象になるのか、あるいは広域——広域にはならないと思うのです、全国にはもちろんならぬと思うのですが、これを救済するために、社会党さん等から特例法が提案されてきておるわけですけれども、現行の雇用保険法の失業給付事業の中でこれを何とか救済する方法はないものかどうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 季節受給者の方でいまの特例一時金を受けておられる方は、一般の受給者と同じような個別延長ないし訓練延長という制度が実は法律的に適用されておりません。したがいまして、五十日の一時金をもらわれた後の特別の措置というのは、いまの制度では不可能でございます。ただ、そうでなくて、一般の保険受給者の資格を持っておられて、そうして冷害のために、なおかつ失業が長引くというような場合であれば、これが個別延長給付の条件に当てはまれば、当然延長の措置がとられるわけでございます。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 いわゆる特例の人はそれを適用できないということですね。それらの人たちに対する何か救済の方法というものは全然ないわけですか。何か一つ方法がないですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 雇用保険の制度の上で何らかの手当てということは、ちょっとお約束ができないと思います。ただ、しかしながらそういう方の生活上のいろいろの問題を考えまして、私たちとしましては、安定機関を通じて極力適切なお仕事が見つかるように十分御指導申し上げたいと思います。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 こういったことを何で申し上げるかといいますと、この雇用保険法ができるときに、従来の失業保険のいわゆる出かせぎと言われる人たちの給付制度について、これは私も地方の職安委員をしているころに非常に問題になって、保険料の大半がそちらに流れてしまうではないか、何らかの方法を講ずべきだということで改正されて、こういう制度になって、四十九年にこういう形になったわけですね。それで五十年から実施されておるわけです。したがって、それをまたぞろもとへ戻すというようなことであってはよくない。しかし、現実に雪害等で困っておられる北海道、東北並びに北陸関係のそうした人たちには、当然の措置として何らか考えなければいかぬのではないか。ただ、気の毒だから手当を上げますということであってはならないと思うのです。やはり失業を防止するという立場から、何らかの処置を講じなければならぬというふうに考えたので、できたらこの個別延長規定による保険延長をと思ったのですが、しかし、これは対象外の人が大部分でありますから、むしろその人たちに何らかの方法を、現在の雇用促進事業の中でやれる方法を考えて、ぜひともそれをひとつ実現してもらうようにお願いをしておきたいと思うのですが、局長どうですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 先生御指摘のように、九十日給付から五十日給付というのは、保険の原理からなしました措置でございまして、これを逆行して、またもとへ戻すということは許されないことだと私たちも考えております。  ただ、御指摘のように、現にそのために、あるいは冷害が加わって大変お困りの方がおられることも事実でございます。現在、北海道を中心にそういう方々の実情の調査もいたしておりますが、そういう調査の把握をいたしました上で、そういう方々が就職に結びつくという面での何らかの手厚い措置がとれるものかどうか、これは先生の御趣旨に沿って前向きに検討さしていただきたいと思います。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 それとよく似たようなことなんですけれども、いま二百海里専管水域というようなことで、魚類の補獲制限が非常に厳しくなってきておりまして、日ソ漁業交渉もどこでどういうふうに落ちつくものかわかりませんが、結果としてわれわれが予測できることは、かなりの漁船が廃船もしくは漁業廃止というような事態が生まれてくることが考えられると思うのです。そこから転換していかれる方々、この人たちに対しても十分な措置を講じなければならぬというふうに思うわけなんですが、そうした点についても、同様に、今度の安定資金ができるまで若干の時間的なブランクがありますので、処置をしていただくようにお願いをしておきたいと思います。  次に、漁業関係とよく似ているのですが、いままでは工場再配置法等によってかなり農村漁村へ軽工業、いわゆる小さなプレスであるとか縫製であるとかいったような工場が誘致されていったわけですね。ところが、最近の経済不況のために、そうしたところの工場がだんだんと工場閉鎖をするような傾向になってきておるわけです。昔なら、都会で仕事をさせれば給料も高くつくし、他の条件もよそ並みにせんならぬからということで、非常に高いお金を払わんならぬ。それならいっそ田舎へ逃げた方がというようなことで、かなりな企業が軽微な、いわゆるむずかしい技術を必要としない、また、たくさんの資金を投じなくても簡単にできるような、一つのレイアウトされておる産業の中の一部分だけをそちらの方へ転換するというような形で相当流れていきました。そういうものがいまどんどんと閉鎖されてきて、繊維関係に携わる人だけでも約三十万人から四十万人の人たちが実際は職を失うというような状態になってきているのではないか。  しかも、それらの人たちの収入は、昔は半工半農と言われて、半分工業でかせいで半分は農業でかせぐという時代であったわけですが、いまは全工ゼロ農ですね、収入の面で言えば。耕作面積一町歩、いわゆる一ヘクタール以下ぐらいの農業で実際米作だけをやっているところなら、とてもじゃないが採算が合わない。そういうような状態で唯一の現金収入の場所として、そういう工場へ奥さんや娘さん。パートのような形あるいは臨時のような形で働きに行って、そして現金収入の道を求めていた、その道を閉ざされるわけですね。  ですから、これはそうした労働者のいわゆる失業ということだけでとどまらず、農家経営、農業経営に対して物すごい大きな影響を与えているわけですね。ですから、そういう問題に対して、これはなかなか新しい工場を誘致することはできないと思うのですが、一体そういう失業者、潜在的な失業者になるかもわかりませんが、これは予算委員会でも私は質問したのですが、一体どういうふうに考えておられるのか、その点をお伺いしたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 農村工業導入法等によりまして、いま先生御指摘のように繊維産業等の一部がかなり農村に企業を移して、それが当該地域の振興のためという期待で迎えられたにかかわらず、こういう経済不況のためにそこを閉鎖するということをめぐって、むしろ初めの思惑と違ってかえってトラブルを引き起こしておるという事例がかなりあることは私たちも聞いております。これにつきましては、私たちの省議でも問題になりまして、そういう実態の把握に対する指導ということを、労働行政としてもひとつ重点として取り上げるべきだということで、現に着手をしておるところでございます。  もしそういう企業が——繊維産業でございますから、恐らく今回の雇用調整給付金、さらには将来は雇用安定事業の対象になり得る可能性がかなり強いと思いますが、一時期雇用調整をすることによって再建を図れるような事態であるならば、雇用調整給付の支給を受けながら再建、雇用の維持を図るように事業主に適切な指導をぜひいたしたいと思います。  それから、不幸にしてそういうことができずに離職者が出るというような事態、これはこの前も予算委員会で先生御指摘のように、安定機関がなかなかそこまで手が回らない、四百八十ございますけれども、そういう農村工業導入地帯のところまで手が回るかどうかと言いますと、やはり回らない点が多かろうと思います。これにつきましては、この前も申し上げましたように、各種の相談員の活用とかいうことでぜひその再就職、そういう問題については適切な行政を展開いたしたいと思います。  なかんずく私たちが考えておりますのは、やはりそういう方々がある程度軽易な訓練でも受けられることによって能力を高めて、地域が変わるかもしれませんけれども、再就職をしていただくというようなことも重要なことでございますので、安定機関と訓練行政とがよく連携をとりまして、この問題に対処いたしたいと考えております。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 特にこれは不況が早期に回復するとも考えられないし、仮に上向いたとしても、かつてのような好況時代というものは、国際情勢その他からながめまして、もう二度と来ないのではないか。そういう状況の中からいきますと、やはりこれらの人たちを救済する道というのは非常に困難だと思うのです。しかし、困難ではあるけれども、努力すれば何とかなるのではないか。私ども今度の国会を通じて非常に強く訴えておることは、行財政の合理化ということを言うておるわけですが、同時にわれわれが訴えていかなければならぬことは、いわゆる末端で住民と直接つながってサービス行政に携わっている人たちが非常に少ないわけですよね。これは政府の方の定数といわれるものも少ないのかもわかりませんが、保母あるいは助産婦あるいは看護婦といったような、そういう職業の人が非常に不足しておるというのも現実ですし、ホームヘルパー等、そうしたいわゆる福祉施設関係の従業員の数もかなり少ないように聞いておるわけです。したがって、そういうところへ転換していくなら、そんなに遠くへ通わなくても何とか何人かはそこででも救われるという道があるのではないか。  ところが、予算委員会で申し上げたように、市町村へ行くと、なかなかそういうことに対して理解を示さないわけですね。農村地帯へ行くと、農業だけに終始しているようなところもあって、労働雇用というようなことについては、余り真剣に考えられていない。産炭地のように大きな被害を受けられたところは、この問題に対して非常に積極的であるし、また意欲的であるけれども、そうでないところでは、そうしたことに対しては、市までいけば別ですけれども、町村当局はそんなに真剣にものを考えてないと思うのです。  けさも私の方へ、滋賀県のある町から陳情に来られまして、農業ばかりのわが町はもうどうにもならぬようになってきた、というて誘致する工業もないし、何とかしておくんなはれと来られたんだけれども、おれ一人でどうすることもできぬ、何とかひとつがんばるわと言うてはあるのですが、そういうような事態が実際生まれてきておると思うのです。  ですから、こういうことに対して、もう少し町村が目を開いて雇用関係、雇用問題というようなことについて積極的に乗り出すよう、これはもう現在の安定所を通じての仕事だけではできないと思いますから、これは自治省等との関係になるのかもわかりませんが、ぜひそういう窓口を設ける、そしてそういう指導員を何人か置くような形というものをつくっていく必要があるのではないかというふうに思うのですが、労働行政だけではそれはできませんのやと言わずに、何とか努力してもらいたいと思うのですがね。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いま御指摘のように、職業安定機構としましては、出先四百八十の安定所のほかに分室、出張所等ございまして、国家機関としてはかなり網を張っている事実はございますが、一方、先生御指摘のように、末端まで十分浸透しておるかといえば、必ずしも十分な組織ではございません。  それから、これも御指摘のように、やはり定数は、われわれが大変努力をいたしておりますけれども、努力が不十分のせいか、必ずしも十分な定員増が認められておるとも思っておりません。そういうことで、われわれの機関のみならず、市町村の協力を得てこれからの労働行政を進めるということは大変重要な課題だと思います。一部の市等では、先生御承知のように、産炭地もそうでございますし、それから失業多発地帯等の市においても、大変積極的に安定行政に御協力をいただいているところがございますけれども、末端の町村に至りますと、その点、まだまだ連携という点では実績がほとんどないというのが事実でございますので、その辺は自治省等とも相談をいたしまして、何らか御協力がいただける方法があるかどうか、十分勉強をさしていただきたいと思います。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 これは雇用保険法との関係がない、むしろ家内労働法の関係になるんですけれども、いまこういう質問をしたつながりとしてお聞きしておきたいのですが、最近の家内労働者の実態というのはどうなっておるのか。人数あるいは賃金関係、そのうち把握しておられる家内労働者の数、手張を交付されておる数なんかについて、おわかりになったらひとつお教えをいただきたい。

桑原敬一労働省労働基準局長

○桑原政府委員 家内労働法が四十五年十月から施行されて約七年近くたっておりますが、私どもも旬間等を通じまして、できるだけ啓蒙普及に努力をいたしてきておりまして、一番問題でございます家内労働者の契約条件の明確化というものがいろいろございますが、家内労働手帳を交付するということに努力をいたしてまいりました。だんだんと交付率が上がってまいりまして、現在六四・七%の交付率になって、私ども今後とも努力しなければならぬ、こういうふうに思っております。  それから最低工賃は、五十二年の四月一日現在で百四十六件決定されておりまして、大体千五百円から二千円の最低工賃になっております。これは内職的なものでございますが、専業的なものになりますと、四千円程度になっておりまして、むしろ一般の労働者の最低賃金よりも高いというふうな状況になっております。  それからもう一つの問題は、非常に危険な仕事にもつかれることがございますので、そういう方たちに特殊健康診断をするとか、あるいは労災保険の特別加入制度を設けまして、特に危険有害な作業に従事している家内労働者の方に対しては、当然適用じゃございませんけれども、できるだけそういった制度の特例を使って保護いたしておりますが、その加入をされている状況は、現在八十一団体で三千三百八十四人の方が加入されております。  大体そういったような状況でございます。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 その手帳交付率が非常に低い。これは七年たつわけですね。ちょうどこの場所でこの法律の審議のときに質問したことを覚えておるのですが、そのときに、本当に把握できるのかどうかという質問をいたしました。非常にむずかしいけれども、できるだけ努力をいたします、こういう答弁で終わっておるわけですが、いまもなお六四・七%、その残りの三五%弱の人たちが手帳の交付を受けられない理由は何なのですか。ということは、家内労働をたまたましている人に出会いますね、あなた手帳を持っているかと言うと、持っていない、こう言うのです。何で受けぬのやと言ったら、そんなの知らぬ、こう言うわけですよ。ある人は、受けているけれども、手続はめんどうやし、保険の方は全部お父さんが入っておるし、別に大して痛痒を感じないし、必要も感じないのでもらってないと言う人もいるわけですね。  ですから、どうしてその手帳交付ができないのか、また、それを逆に受けられないのか、その辺の理由は把握しておられますか。

桑原敬一労働省労働基準局長

○桑原政府委員 いろいろな理由があると思いますが、一つは、いま先生御指摘の、十分知っておられないということだと思います。  それからもう一つは、私どもは、やはり制度としてはそういう契約条件の明確化ということだと思っておりますけれども、家内労働者の方は、もらっても余りメリットがない、手続その他がうるさいということで。したがって、前段階の問題につきましては、やはり家内労働旬間等を通じまして知っていただく。それから、やはり産地等では協同組合で一括して手帳を印刷して渡していただくというような工夫もしなければなりませんし、それから手帳に少し魅力をつけなければいかぬということもございまして、いろいろな地域の町村等ともタイアップしながら、それを持っておれば特殊健康診断も受けられやすいとか、場合によっては保険料の一部市町村の負担ができるとか、そういったようなことも町村当局等に指導しながら、やはり手帳をもらったらわれわれにとって有利だというようなことも十分私どもとしても啓蒙していかなければならない、こういうふうに思います。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 それは、とにかく現状では市町村に負担させるというのは無理だ。もう町村というのはどこでも軒並み赤字でしょう。それで、赤字を出しておらぬところは仕事をしておらぬのですよ。そうしなければ、じっとしていなければしようがないというような状態なんですね。だから、これは何か法律の定めに基づいて家内労働法、国法ですから、そうなればすべて国法ですが、やはり国である程度の負担をするということを考えなければ、ちょっといま町村にそれを負担させることは無理ではないかというふうに思うわけです。  それともう一つ普及しない理由の中に、あるいは仲立ち人と言いましたか、仲介人、その仲介をする人がむしろめんどうくさいから、そういうことをしていないというような事実はありませんか。

桑原敬一労働省労働基準局長

○桑原政府委員 全くないということではないと思いますが、そういったことに対して、私ども十分に指導していかなければならぬと思います。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 ひとつその方の指導を、これは各地方に家内労働審議会があるわけですから、その審議会等を通じ、ぜひやってもらいたい。というのは、私どもうちにおって、こういうことに関するビラ一枚入った記憶がないですね。ですから、やはりそういうような新聞等を利用してビラを折り込むなり、あるいはテレビを利用して、こういう制度がありますよというようなことを教えてあげる、そうすると、何も言われてなかった人がそこで気がついて、ああそれがあるのだなということで、そういう仲立ちになっている人にこんなのがあるらしいやないかと言われれば、その人も気をつけると思うのです。  ですから、こういう何か情報化時代ですから、そういうマスコミを通ずるなり、あるいは直接にそういう参考のビラをまくなりというような方法で、ひとつ普及するように努力をしてもらいたいと思います。  そこで、雇用調整給付金のことについて、先ほどいろいろお伺いしてきたわけですが、今度の繊維産業のようにカルテルが実施される、しかも、そのカルテの実施は構造改善を前提にしてやるのだというような状態になってきますと、これがずっと長引くことになるわけですね。その場合に、今度の雇用安定資金制度と現在の雇用調整給付金制度、この間の、先ほどちょっとお伺いしたのですが、切れる期間、つなぎの期間、それに対して一体どういうふうな方法を考えられておるのか。  ということは、ただ生産がダウンして規模を縮小する、一時よくなったらまた復活するという場合と、そうでなしに一時的に不況の状態を克服するために、生産をダウンさせるが、それが将来にわたって続けられるのだという場合とは違うと思うのです。そういう場合には、やはり当然のこととして、そこには労働者の失業なりあるいは職業転換という問題が出てくる、そういうときに、この提案なされておる雇用安定資金制度が、法律が改正をされ、かつ十月一日に施行するというふうになっている、そうすると、今月中に法律が制定された場合に、五月から九月までの五カ月間というものが一つの空白期間になるわけですね、そういうときに一体どういうふうな対処をされるのか。調整給付金の制度でいわゆる職業訓練の転換訓練が行われるのかどうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 法律的には十月施行でございますので、この法律が成立しまして、十月までの間に、職業訓練を雇調金の制度でカバーをするということは不可能だと思います。ただ、雇用安定資金制度が発足するまでの間に、現在も能力開発事業ということで転換給付等を実施する場合には、それぞれの助成をいたしておるところでございます。したがいまして、当面は、この制度を繊維産業で御活用をいただいて、十月まではつないでいただく、十月以降は新しい資金制度での休業による助成を、休業期間中の訓練に対する助成を受けていただくということが適当ではないかと考えております。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 たまたま繊維に例をとりましたが、他の業種にも、二、三そういうようなのがありますね。そういうものに対しても、同じような方法で適法に行われるということですね、念を押しておきますが。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いまの雇用保険法の能力開発事業の一環としてそういう措置をしておりますので、適法な措置でございます。十月の施行までの過渡的措置といたしまして、行政指導でもその面は十分関係企業に周知徹底するように努力をいたします。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 そこで、新しい創設が提案されております雇用安定資金について二、三お伺いをしていきたいと思うのですが、まず、この雇用安定事業の、一つは休業させる事業主に対する休業助成、これは休業給付と呼ぶのか、休業補償事業というのか、それと職業に関する教育訓練事業、この二つ。三つ目にはその他必要となっておるわけですが、これはまた後で聞くとして、休業に対する補償というのは、そうすると、雇用調整給付金がそこへ包括されるというふうに理解していいのですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 新しい雇用安定事業の中に従来の雇用調整給付金制度はそのまま吸収されます。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 そうすると、今度の新しい事業のイの「事業主に対して、当該休業に必要な助成及び援助」というのは、どういうことになるのですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 今回の場合も、従来と同じように労使の休業に基づいて休業を行いまして、休業手当を支払いました場合には、大企業の場合には休業手当の二分の一、中小企業の場合には三分の二の助成をいたす、こういう内容でございます。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 そうすると、雇用調整給付金というのはこの制度だというように考えていいわけでしょう。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 そのとおりでございます。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 そこでこのハの「被保険者等の雇用の安定を図るために必要な事業」こういうふうになっておるわけで、これもまた省令で定めるということになるのですが、いま何か予測されるものがあるのですか、イと口の以外に。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 これは不況時におきまして、高年齢者の雇用を促進しよう、こういう趣旨でこの期間中に高年齢者を雇用いたしまして、高年齢者の雇用比率を高めた事業主に対しましては、その高められました雇用者の割合に応じまして、高年齢者の通常賃金の二分の一、中小企業には三分の一の助成を行いたい、こう思っております。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 そうすると、いまのところはそういうものしか予測されないと……。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いまのところは高年齢者雇用安定給付金を考えておるのみでございます。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 そこで、最初この保険料率がたしか千分の一の引き上げを考えておられたのが、途中でいろいろ御意見が出て千分の〇・五の引き上げになった。そうすると、この法律の内容で行おうとする事業、そういうものが、この資金が全く半分になってしまうわけですね。それで完全に事業遂行ができるのかどうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 先生御指摘のように、最初は千分の一引き上げさせていただきまして、その財源で十分な雇用安定事業をと、こう考えておりました。しかしながら、中央職業安定審議会でも御指摘がございましたし、関係業界からも強い御要請がございましたけれども、いまの不況の時期に中小企業を中心として経営の負担能力として千分の一の保険料引き上げ、それによる徴収をあえて行うことは大変負担になる、したがって、それについては十分な考慮をするようにということでございました。  私たちも大変苦しいところでございましたけれども、そういう御要請に応ずるために、ではどうすればいいかということで種々の検討をいたしました。それには従来行っておりますところの雇用改善事業あるいは能力開発事業、さらには雇用福祉事業、こういうものにつきましてある程度繰り延べを行う、さらには、特に雇用福祉事業で従来雇用労働者の移転就職者用宿舎、福祉センターとかそういうものをつくっておりましたけれども、これは、それなりに大変重要な事業でございますけれども、雇用安定事業そのものの重要性のためにある程度削減をしてでも、当初考えておりました雇用安定事業の内容が実施されるようにということで財源の捻出をいたしまして、十分ではございませんが、何とか一応やりくりができる見通しがついた、こういうふうに考えております。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 私は、そういう面でやりくりをして数字のつじつまを合わしておられるのだろうと思うのですが、これからの産業活動なり経済事情を考えたときに、この制度が発足したら、私は、やはり待ってましたとばかりにいろいろな業種がなだれ込んでくる可能性が非常に強いように思うのです。いまのところは企業も何とか持ちこたえなければならぬ、特に労働組合の強い要求にこたえて、雇用の安定というのは、生活安定等にもいいことですから非常に強い要求がある、したがって、ここ二、三年来賃上げを一〇%台以下に抑えられてでも、みんなしんぼうしておられると思うのです。ところが、こういう制度ができてきた、そういうことになってくると、これになだれ込まれて来たら大変なことになります。そうすると、せっかくできた制度が非常に幅の狭い範囲で業種指定をしてしまうということになると、十分な効果があらわれない。これでは何のためにつくったのかということになるわけです。  しかも福祉事業なんかを抑えられているというようなことはもってのほかなんだ。私は当面、事業主だけに負担をかけるのではなしに、当然、国の経済政策の失敗もあるわけですから、国としてこれに対する補助をある程度すべきであるという主張をするわけですが、なかなか国はそんな気になれない。  したがって、労働省大変いま脚光を浴びて、大きな仕事をしておられるわけですが、後ほど大臣来られたら、ひとつお願いをしようと私は思っているのですけれども、思い切ってそういう事業を遂行するように努力をしてもらいたいと思います。また、そういうことから起こってくるもろもろのハに掲げるものというのが出てくると思うのです。そういう点についても、法律には非常に弾力性を持たせておられるので、私は、そこのところ、労働大臣並びに関係者の良識に期待をしたいと思いますが、ぜひともひとつがんばってもらいたいと思います。  そこで、このことに関して中小企業関係者は何かメリットがないというふうな非常に強い印象を持っておられて、それは大企業のためにのみ新しくできる制度ではないかというようなことを言われる方もあるわけです。  そこで念のために、これは中小企業に対してはどういうような方法で適用され、どういうメリットがあるのか、ひとつお答えをいただければと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 私たちは、この制度を発足させるに当たりまして、やはり中小企業が単に負担だけを強いられて、その恩恵に浴さないというような事態が絶対に起こらないのだ、そこの点を大変留意いたしたつもりでございまして、今回の制度の発足に当たりましても、たとえば休業規模の要件、いわゆる受けられる要件を中小企業については大企業よりも緩和をする、あるいは助成率そのものについても、大企業の二分の一に対して中小企業に対しては三分の二、それから、それ以外に訓練をする場合でも、訓練法に基づきました訓練基準に余り拘泥いたしますと、中小企業ではそんなに厳密な訓練はできないということで、事実上助成が受けられないというようなこともありますので、訓練についても中小企業が行えるような弾力的なやり方でそれを認めるとか、あるいは業種指定につきましても同じことでして、先ほど先生御指摘のように、単に全国的な統計だけではなくて、その地域地域の業界の統計も活用するというようなこともいたしまして、中小企業が十分この制度の恩典が受けられるように運用上格段の努力をいたす所存でございます。

西田八郎民社党

○西田(八)委員 特にこの法律が成立したら、これは遅滞なくそういうことの啓蒙活動を大いにやってほしいと思います。  そこで、これは最後に、労働大臣がお見えになりましたので、一言だけ私は労働大臣にお願いをしておきたいと思うのですが、いままでは大体通産省が中心になって高度経済成長の波に乗ってさあつくれ、さあ売れ、さあ売りに出せということだったと思うのです。しかし、これからは、そうしたアフターケアにも似た事後処理を労働省がどんどんどんどんひっかぶってくるわけですが、同時にまた、やはりこれからの労働行政というものが、本当に円滑に、しかも効果的に行われなければ、日本の経済、まして国民生活はめちゃくちゃになってしまう。三千万からの雇用労働者がおられるわけですから、その人たちの生活が不安になれば、そこから起こってくるのは社会不安であり、社会問題であるというふうに思うわけであります。  したがって、労働大臣、そういう意味で福田総理も石田大臣という大物を据えられたと思うのですが、ひとつ大臣は、他の省に先駆けて労働者の生活と雇用を守る行政をよろしく監督指導していただき、時宜に適した措置をしていただくように、いろいろな点について局長に要望しておきましたが、それらの措置に当たっても十分ひとつ適切に措置されるよう特に要望をしておきたいと思うし、また大臣の決意といいますか所信を伺って、質問を終わりたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 大変温かい御激励をちょうだいいたしまして恐縮でございます。体が大きいだけで不敏ではございますが、全力を尽くしたいと考えております。  私が初めて労働省に参りましたのは、いまからちょうど二十年前でございますが、そのときは日本の経済がようやく戦前の水準に戻ったばかりでありまして、農家の二、三男の就職問題というのが非常に大きな課題でございました。今日は、高度成長の時代が終わった後、特に中高年齢層の就職問題というのが非常に大きな課題として出てきたわけであります。人生年をとってからの不安というものをなくすことは、労働政策だけではなく、これは人道上の問題でもあります。構造の変化に応じて出てくる雇用問題も、これはむろん大切で、基幹でありますが、特にそういう中高年齢層の雇用の安定ということに重点を置いて全力を尽くす所存でございます。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 次に、和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 最初に、せんだって社会党、公明党、共産党の三党が共同提案で雇用保険等臨時特例法案というのを議員立法で提出したのでございますけれども、この問題を審議するときにも、私どもも真剣にこの問題の審議に当たったのです。ということは、いま北海道、東北を中心として、昨年の異常な低温等の原因も加わりまして、異常な失業状態あるいは生活不安定な状態があるということでございまして、この問題をカバーするために何とかしなければならないということで、私どももいろいろ真剣に検討したのですけれども、私どもが結局この三党の共同提案に乗らなかった一つの有力な理由は、深刻な失業状態を解決するためには、何とかしなければならないということがそのまま残っておるのでございますけれども、せっかくこの三年ほど前から、前の失業保険の重要な一つの問題点を解決する意味で季節労務者等の問題についての新しい案を雇用保険法でつくり上げた、これは歴史的な一つの仕事だと考えておりますので、これをまたもとへ戻すという形のことになれば、これはいけないという意味で、私ども、社会党、共産党、公明党の案に残念ながら乗れなかった一番大きな理由なんですが、それにつきましても、大臣、北海道、東北の異常な失業状態、不安定な状態というものは依然としてあるわけでございまして、これに対して何らかの措置が必要だと考えておるのですけれども、労働省としてこのような問題についてどのようなお考えを持っておられるのか、最初にお伺いしたいと思う。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 いま御指摘のように、雇用保険法の改正というのは、旧失業保険時代の給付と負担の不均衡、それから保険自体の本質というものにかんがみて改正されたわけでございます。しかし、一方において東北、北海道というものに依然として失業が多い。北海道と東北の場合はちょっと事情が違うのでありまして、東北の場合は兼業者が多く、かつ夏型、冬型半々であります。ところが、北海道は専業者が多く、夏型が大半であります。そういう点において非常に違っておるわけです。  したがって、今度の雇用保険法の改正についての受けとめ方も違っておりまして、北海道においては五十日を九十日に延長しろという声が強いが、そしてまた三党の雇用保険法の改正案というものも、そういうところにも一つの重点があるようでありますが、東北の場合は、私の郷里である秋田県で職業安定課を通じて調査をいたしましたところが、六三%ぐらいが改正された現行制度の方がいいという回答でありまして、もとの方がいいというのは十数%にすぎない。青森県あたりも、初めのうちは北海道と同じような態度でありましたけれども、その後下北半島の一部を除きましては、大半が秋田県と同傾向のものと判断をいたしております。北海道の現状というものがほうってはおけないものだという現状認識においては、私も変わりはありません。  しかし、保険制度の元来のあり方、それから負担と給付の公平ということを考えますときに、いわゆる出かせぎ労働と季節労働合わせて失業保険の納付額が七十八億円、そして給付額が約千四百億円、それに四分の一の国庫補助がつく、こういう状態は日本の全体の労働者から拠出して運営しておる雇用保険の上からいってきわめて適当でない状態だ、こう私どもは考えておるのでありまして、その雇用保険だけで北海道の問題を解決しろというのは、これは保険の本来の現状から考えて、私はこれは無理な話だと思います。  そこで、まず緊急にとりました措置は、五十一年度の補正予算の実施を二月二十五日までに完了いたしました、これは北海道に限ってですね。それから災害復旧事業は、三月の中旬までに発注を完了いたしました。それから五十二年度の公共事業につきましても、これをでき得る限り早く、従来ですと五月の終わりごろにならなければ発注されなかったのをできるだけ早く発注する、一カ月と言いたいところなんでございますが、一カ月と言う自信はちょっとございませんけれども、それに近く実施を早めたい。そういたしますと、五十日と九十日の間の四十日、それが一カ月早まれば、もう三十日割ってしまうわけでありますから、そういうような方向をとりたい。  それからもう一つは、各自治体において生活貸付金とかあるいは単独事業をやっておる、総額八億ともいい、九億とも言われますが、これに対して特別平衡交付金を配慮してもらいました。特別平衡交付金の性格からいって、これはその分という指定はしませんけれども、そういう意味を兼ねた上積みをいたしたつもりでおるのであります。  それからもう一つは、比較的若い人が多く、三十代、二十代、この若い人に対しましては、これはやはり通年雇用、常用雇用を促進するためには技術を身につけてもらわなければ困りますので、来年度北海道に重点を置いて職業訓練等の普及徹底を図っていきたい。  よく一カ月早まれば一カ月早く終わってしまうじゃないかという議論がございますが、北海道の工事発注状況を見ますと、こう山形になっておりまして六、七、八と九が多いですね。これのためにそのピーク時においては、むしろ外から労働力を入れるということがある。したがって、これを平準化すれば、そういう心配もなくなるだろう、つまり雇用の安定ということに主力を置いて解決をしたい。特に土木工事等については、冬季間に発注できるものがかなりあるのです。たとえば河川工事、これなどは冬の方が水がなくてかえってやりやすい、それから港湾工事、そういうようなものはできるだけ通年で仕事ができるような発注方法、それから雪が降っておるわけでありますし、積もっておるわけでありますから、それだけ単価もよけいかかるわけでありますので、そういう点について建設省その他実施官庁の協力を求めるべくいま努力中でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは、いまだに私どものところにも毎日のように関係の市町村の市長さんとか関係の方々の陳情がありまして、かなりひどい状態があったようですね。いまおっしゃるような特例のいろいろな措置は、大変りっぱなことだと思うのですけれども、これは大臣ひとつ、地域的にいろいろ問題のある問題ですから、きめ細かく、少なくも一月一回ぐらいはよく実情を調査するように、調査した結果、新しい結果に対して新しい手を打つというような機動力を持たしてやる必要がある問題ではないかと思います。  特に私どもの党として、先ほど申し上げたとおり、社会党、共産党、公明党との共同提案に乗らなかった理由が、先ほど申し上げたような理由でございまして、その困った人たちを救済するという気持ちについてはちっとも変わってはおりませんので、ぜひともひとつその点はよく実情をお調べになりながらおくれないような措置をとっていただきたいと思います。  第二の問題は、これも当面の失業問題なんですけれども、最近発表されました資料によりましても、三月じゅうの倒産件数は約千七百件、四月、五月もどうもこの数字は減りそうにないという見通しと一緒に発表されておるのですけれども、かなりいままでたくさん倒産はあったのですけれども、特にまた高くなっておるという状況に対して、大臣、今後の問題としてどういう見通しを持っておられるのか、事によっては特別の措置が必要だというふうなお気持ちもあるのかどうかお答えいただきたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 千七百件を超えるという状態は、確かに異常な状態であろうと思います。しかし私どもとしては、私は当該所管の者ではございませんけれども、今度の五十二年度予算が実施されてまいりますと、それがてこになって次第に回復していくのではないか、また、そうなってもらわなければ困る、こう考えておるわけであります。しかし、いずれにしましても、いわゆる国及び地方公共団体の財政支出というものは、総需要の二〇%程度であります。これは、やはり依然としててこの役割りしか果たさない。その後の経済政策の適切な運営が必要だと考えておるわけであります。  しかし、この千七百件というような異常な状態、しかも、それが特に中小企業が多い、そういう状態が今後もなお続くとするならば、私は続かないことを期待をしますけれども、続くとするならば、それに対する所要の措置というものを特別に考えなければならぬのじゃないか、こう考えております。  それから、先ほどの御要望でありますが、実は六月までを期しまして、北海道の雇用、失業状況というもの、それから生活の実態を調べてもらうことにしております。なお、それに加えて例の二百海里の影響を受けた漁業関係、それから加工業、運送業関係の失業問題も発生いたしてきつつありますので、それもあわせて調査をいたしまして、所要の対策を講じたいと思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 失業等の問題についてもっと質問がしたいのですけれども、時間がありませんので、これまた別途に労働省の当局者にいろいろと話を聞いてみたいと思っております。  そこで、さっき西田委員から、この雇用保険法の重要な項目についていろいろ質問がありましたので、繰り返すことはいたしませんけれども、ただ一点、つまり雇用保険法の一番の目玉である千分の三の資金でもって仕事をやっていくという、この資金を今度は〇・五ふやすということなんで、この〇・五で重要な仕事をもっと補強してなさろうというわけですけれども、西田委員も指摘されたように、当初の計画から比べると半分削られた状態で、当初予想した、また必要だと思われる仕事の量がカバーできるかどうか、これは事務当局いろいろとはじいておられると思いますけれども、大臣、率直に言ってどのようなお考えを持っておられるか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 これは欲を言えば切りがありませんし、それから将来、五十七年度くらいを考えますと、いろいろ問題点もあるかと思いますが、運用に気をつけまして、つまり、むだをできるだけ省くようにし、不正を防止するというようなことをすることによりまして、何とか間に合っていくのじゃないか、どうしても間に合わぬ場合は、むろんまた考えなければならぬと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは安定資金が、たとえば五年なり十年なり経ておりますと、もう相当な資金がたまることも考えられるのですが、これから始めようというわけですからそれはないわけです。したがって、これは今後の失業状況から見て、特に中小企業の倒産状況から見て、もしこの金で十分でない、不足するということが明らかになった場合には、どういう措置が考えられますか。そういうことも考えておかなければいけないことだと思うので……。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 先ほど大臣申しましたように、いままでやっておりました三事業につきまして、節減あるいは繰り延べということで、今後五十七年までの間に、たとえば二回程度五十年規模の不況が来ましても、何とか対処ができるという見通しを立てておりますので、先生御指摘のように足りなくなるという事態は発生しないと私たちは思っておりますが、万一そういう不測の事態には、その時点でさらに保険料率の問題につきましても再検討をせざるを得ない、そういうことになろうかと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは当初千分の四、つまり一%増しというのがコンマ五に減った御判断は、経営者がなかなか出すのがつらい、苦しいだろうということが一番の中心なんですか、あるいはそれはどういうふうな資料に基づいてそういう苦しいという判断をなしたのか、そこのあたりをちょっと参考のためにお伺いしたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 主として中小企業の負担能力を勘案した次第であります。中には、中小企業は低くして大企業を多くしたらいいではないかという人もありますけれども、これは保険のたてまえとしまして適当でない、むしろ給付で差をつけた方がいいと考えたわけで、中小企業の負担能力というものを考えたわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 この問題は、特にこの雇用保険法の一番中心の仕事でございますから、特にその資金が足りるかどうかという、まあそれは不足すれば不足しないように少なく出すということをすればいいわけですけれども、そういうふうなことをするのと少し性質の違った仕事だと思いますので、これは資金が不足すれば、つまり大臣も、国がこれに対して必要な額をカバーするというようなお気持ちもあるような、先ほどのお答えからちょっとそういうふうに聞くのですけれども、いかがでしょう。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 この制度の性格上、国が多く負担するということはむずかしいと思います。もし不足を来すようなことがあれば、やはり料率に問題が移ってくるのではないか、こう考えておる次第であります。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 その料率というのは、一応借金しておいて、そうして料率を翌年上げるという意味ですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 大体の趨勢というのはわかるわけでございますから、つまり金の面を見て給付の額を減らしてやるなんということではなくて、趨勢がわかるものですから、その趨勢を見て処置をしたいと考えます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 雇用保険法の問題は、もっといろいろ質問したいことがあるのですが、これは他の委員からもよく出ておったのですけれども、関係の団体はいろいろ心配しておるので、この運営の問題について、特に責任を持った関係の団体に何とか発言をさせるような、そういうお気持ちがあるかどうか、その点を重ねてお伺いいたしたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 この運用を効果的に、かつ民主的にするためのいろいろな提言がございます。その提言が、まとまっているのではなくて、いろいろな種類の提言があるわけです。その提言の公約数をとっていくということが一つの課題でございます。それから、実際上運営する上にどれが一番適当かということを考える必要もあります。ただ、いまは中央職業安定審議会というものがございますので、その中で各方面の御意見を伺っていきたい。その中に委員として参加をしていただいていない団体でも、そこで発言ができるような機会をこしらえていきたい、こういうふうに考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 よくこういう意見を聞くのですけれども、たとえばこの会社の場合は余り必要でないのに出している、この会社はもっと必要なのに出してないというような種類の意見があちこちから出るわけです。そういう問題を受けとめて正しく処理するための何か適当なあれが必要ではないだろうかという感じがするのですけれども……。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私も実はそれを一番心配しておるわけです。申請をした場合に、判断をする基準は、どこのだれが、どういう基準で行うか、これは、これから実施に当たってそういう心配が出ないような方法を考えなければならぬ、私も、いま御指摘のことについてやはり一番心配をしておるのであります。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 ぜひひとつその問題は、いまの責任のある労働組合あるいは第三者の機関等を考えながら、実施について気をつけていただきたいと思います。  それから、これもしばしば他の同僚委員からも問題になっておりましたけれども、大臣、この雇用保険法とは直接関係ないのですけれども、定年の問題です。これは、しばしばいろいろな機会に大臣も、総理も、五十五歳定年という慣行はもう古い、新しい状態に応じてもっと延ばしていくという方向でこの問題を処理しなければならないと思うという趣旨の御答弁を、あちらこちらでやっておられるわけでございますけれども、これは労働四団体からの非常に強い要望もありまして、特にうちの同盟は再三この問題についての要望をしておるのでございますが、初め六十歳の法定制などということを言っておったが、これは、われわれもよく検討してみると、法律で決めてしまうということは、ちょっとなじまない点が多いということは大体承知いたしておりますけれども、少なくとも六十歳以上に定年をもっと延ばしていかなければならぬということは、年金制度の関連を見ましても必要だと思うのですけれども、何らかの方法でこれを推進していく必要がある。ほったらかしておくと、これはなかなか進まないということなんです。  そのために、けさも社会党の委員から、例の国会の決議という問題が出ております。これは私も非常に必要だと考えておるわけで、国会の決議といっても、いろいろな形の決議があるわけですけれども、できるだけ効果のある、そういうふうな社会の風潮を正しく助長していくような決議の仕方が必要だと私は思うのですけれども、こういう問題は、労働大臣として、それはよけいなことだというふうなお考えか、そんなことをしなくたって、もっといい方法があるのだというようにお考えになっておられるか、ひとつその問題についての御感想をお伺いいたしたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 五十五歳定年などというものは、明治時代に始まった慣行で、しかも、そのときの平均寿命は四十三歳ぐらい。それが七十歳を大きく超えている今日、非現実的なものであることは、もう私が言うをまたないと思います。ただ、和田さんもよく御承知のとおり、長い人事管理の慣行というものが裏にありますし、それから職種によってもいろいろ条件が違う、さらに賃金原資の分配の問題も絡んでくるというようなこともありますので、法律で一遍に規定するということは摩擦や無理を生じます。幸いにして次第に六十歳定年というような制度の切りかえを行っている企業がだんだんふえてまいりました。御承知のとおり、やはり社会保険とつながらなければいかぬ、厚生年金の支給開始年齢とつながらなければいかぬ、そういう意味で六十歳定年にしなければならぬと思います。  国会の決議のお話でございますけれども、これは行政を預かっている私の立場で言うことではないかもしれませんが、私も国会議員の一人でございますから、そういう点から申しますと、そういうことをしていただくことが、この問題の社会的な認識を深め、それからムードをつくり上げていく大きな力になる、私はこう考えておる次第であります。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは、特に社会党さんも熱心に言っておられますので、自民党の方もひとつぜひとも熱心になって、これを何とかまとめられるように委員長、社会労働委員会として何かひとつごあっせんをいただきたいと思います。委員長にお願いしておきます。いかがでしょう、委員長。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 理事といたしましていま委員長を代行いたしておりますが、委員長にその旨私から申し伝えたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 時間が少し早いんですけれども、主な質問は大体いたしました。先ほど申し上げたいろいろな論点、最初は、北海道等に出ておる失業状態、これは今後日本の内地というか国内でもあちらこちらで出てくる可能性のある地域的なものがあると思います。したがって、今後の失業状況については、ひとつ労働省として特に耳を大きくして、おくれないような処置が打てるような情報を収集するための措置を特にとっていただきたいということが一つ。  それから、雇用保険法の安定資金の規模が、どうも当初考えられた規模より半減しておるわけで、その点は、よく内容を知らないけれども、われわれが考えても、何だか無理算段でやろうと思うことでもできないような状態になるおそれがあるような気もしますので、そのあたりは労働大臣としてぜひともひとつ高い立場で積極的にこの問題の処理をしていただきたいということが第二点。  第三点は、いまの国会の決議等の問題について、労働省も、いま大臣からお答えいただいたように、それは非常にありがたいことだというふうなことで、ひとつ側面的にそういうふうなことを省としてもお考えになっていただきたい。  この三点でございまして、重ねましてひとつお願いをいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 よく承りました。もう全く私の考えていることと同一でございますので、全力を傾けるつもりでございます。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 次に、大橋敏雄君。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 先ほどの草川議員の質問の中で、いわゆる二百海里問題から北海道の漁業関係者に失業という深刻な死活問題が発生しているという問題を取り上げられました。そして現地の調査に基づいた具体的な数字を挙げての救済措置の質問が出たわけでございますが、局長の答弁では、確かに現状把握については手おくれであって申しわけなかったが、これから真剣に救済に当たっていく、労働大臣もそれなりに真剣な立場でお答え願ったわけでございますが、先ほどの具体的な資料の中に、失業者の中に失業保険がもらえる状態にない方々が多数いたということですね。保険に関係する方は、当面は失業保険ということで生活の一応の安定は見られるものの、そうでない方々はどうするのかということをお尋ねしたと思うのですが、そのときに、職安の方で職業あっせんしてまいりますと、これも私は一応の筋だろうと思いますが、いかにきれいごとを言ってみましても、実際に仕事がないわけですね、あっせんしようにも仕事がないわけですよ。  ですから私は、結論的には、ここには何か特別の仕事を興してもらう以外にないんじゃないか。たとえば炭鉱が閉山した場合などは、その離職者対策として特別に開発就労事業というようなものが興されまして、具体的に救済がなされてきたわけですが、やはり北海道のこうした皆様に対しては緊急的な——臨時的なものでもいいですから、こうした事業を是が非でも興してもらいたい、こう私は思うのですが、これは従来の失対とは別と考えて結構です。大臣、どうでしょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私どもの役所だけで処理できる問題ではありませんけれども、これから発生してくる実態をつかまえることはむろん必要ですが、大ざっぱに見通しても、いろいろ困難なことが多いと思います。再就職の可能な人たちと、それから、それが非常に困難な人たちとに分かれてくるだろうと思います。そういうことも含めまして、いま、特定地域開発促進事業のようなもの、あるいは産炭地振興事業のようなもの、そういうものも含めました対策がないと、保険の支払いや何かだけでは済まない。しかし、可能な人たちにはやはり訓練をわれわれの方としてはやっていく。関係各省と協議をいたしまして、この対策には特別の配慮をしなければならぬものだと思っております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 いまの大臣の答弁を私は信頼申し上げます。そしてこれは、おくれては意味がございませんので、大至急に協議をしていただいて、いま言ったたぐいの事業を興していただきたいことを強く要望しておきます。  今回の法案審議の中で、特に北海道の季節労働者の問題が大きく取り上げられてきております。先ほどの失業者の問題は、季節労働者ではないわけでございますが、これも共通する問題があろうかと思いますので、私も、まずこの立場からお尋ねをしてまいりたいと思います。  大臣の答弁の中に、北海道の季節労働者に対する救済の措置として、通年雇用の立場から見ても、何か技術を身につけてもらわねばなりませんので、職業訓練について何か配慮したい、こういうお話があったと思うのです。その内容、方法等について検討されているとは思うわけでございますが、私は、これはやはり必要な措置だと思います。  しかし、疑問に思いますことは、職業訓練によって季節労働者をカバーしていくことは、収容する施設面で制約があって多くの困難があるんじゃないか、実際には無理な話じゃないだろうかなという疑問を抱くわけでございますが、その点はどうですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 施設面だけでなくて、それを訓練する側、教える側の人を集めるということも問題ですし、それから訓練するための器具ということも当然出てきます。したがって、人数からいって、急速に一遍に解決するということになると、これは非常にむずかしい問題だと思います。しかし、これを積み重ねていきませんと常用化はやはり困難だ。その常用化を進めていくことが、長い目で見れば北海道の失業問題の対策になると思いますので、北海道に特に重点を置いた訓練の拡充ということに努めたいと思っております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 要するに短期公共職業訓練という立場になるわけですが、そうした季節労働者の救済に当たっては、大きな柱であるという認識のもとに重点的にその指導者また設備の拡充をやっていく、そして希望者をできる限りこれに吸収していこうという考え方だということですね。  次に、公共事業の冬季施工について着工を早める、こういう話が何度かありましたが、実際には雪のためにきわめて限られた地域でしかこれができないという話であるわけです。方針としてはりっぱなことだと思いますけれども、効果の上から見れば大したことではないのじゃないか、こういう推測を私はするわけですが、この点についてはどうお考えでしょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 地域においては確かに限られると思うのですが、いままでは大体五月の終わりにならなければ発注しなかった。これを、一遍にはできませんけれども、四月の初めに発注すれば——四月という月は働けない月ではないわけてあります。それから、ことしのように雪がうんと多い場合は、表の数字には出てきませんけれども、いわゆる雪おろし作業、家の屋根から雪をおろす、これなどは、私の郷里秋田県などで、ことしは安定所では大体四千五百円ぐらいでお世話をする方針でいたのですが、だれも来ないのです。というのは、実際一万円に一杯つけなければいやだ、そういう仕事も雪が多いときにはかなりあるわけです。それから何度も申しますが、河川工事、これは冬の方が水がないからやりやすい。それから港湾工事、そういうようなものをできるだけ冬季に発注する、冬季にも仕事ができるようにする。それは可能だと思うのです。ただ、雪があるときですと、いろいろな単価が少し高くかかりますから、そういう点も実施官庁に協力を願わなければなりませんが、できる限りそういうことをしたい。  そうすると、五十日と九十日との違いは、一月早めることによってかなり埋まってくる。五十二年度の予算は、一月早めたいと思っていま鋭意努力中でございます。一月早めるというお約束はできませんけれども、それに近い成績を上げたい。それから五十一年度の補正は、二月二十五日で北海道は完全に終わりました。それから特に五十何億かの災害復旧の債務負担行為による工事もすでに終わっておるわけであります。  私、ことしの三月に二度ほど北海道に行きましたけれども、だんだんと雪も少なくなって、札幌とか千歳とか苫小牧方面は、人為的に雪を掃き出せば雪が見当たらないという状態に次第になってきておりますので、早期発注の効果は相当程度期待できる、こう考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 これはこれからの問題ですから、実際にやってみないと、とやかく言えないわけでございますが、私は、現地の皆様のお話を総合いたしますと、こうしてせっかくの配慮をいただいても効果は薄いと聞いておりますので、雇用保険の成立の過程からいって、特に北海道の季節労働者と東北の季節労働者とは多少条件が違うような気もいたしますし、これは何とか特別の手を打たねばならぬのではないかという考えでいっぱいなんです。  はっきり申し上げますと、この雇用保険法が初めて提出されたころ、失業が続発してくるときでございまして、われわれは、こういう失業続発のときに雇用保険を出すべきではないということで反対しました。そのときは廃案になったわけでございますが、その深刻な不況が余りにも引き続いて深くなっていくものですから、この雇用保険の中に雇用調整給付金の制度が盛り込まれておりまして、企業の方あるいは労働組合の皆さんから、何としてもこれを救済してほしい、成立させてほしいという強い要請もございました。  そこで、一番問題になったのは、季節労働者をどうするかということであったわけですが、あのときもわざわざ東北の現地までわれわれは参りまして、事情をお聞きしながらできるだけのことはやらねばならぬということで、五十日分の特例一時金ということでまあまあ了解してもらった。それでも経過措置として、この特例一時金を受けるか、あるいは九十日分の従来のままでいくか選択を自由にしようということで経過措置が設けられましたね。こういうことで実は雇用保険が成立をしまして今日に至ったわけですが、はっきり申し上げまして、北海道の季節労働者は農家の方は非常に少なくて、雪のために全く仕事がないという事情なんですね。  ですから、いま労働大臣のこれまでの答弁を総合してみますと、保険給付の立場からだけで皆さんを救済していくということはやはり問題である、総合的な立場でということで先ほどからいろいろな対策をお述べになっておるわけですが、私は、それも重要な問題だと思いますけれども、とりあえずもう一年だけこの選択の自由を与えた経過措置をもう一度与えてあげるべきではないだろうかという気持ちがしてならぬのですけれども、いかがでしょうかね。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 この雇用保険法が改正されるまでの慣行と申しましょうか、そういうものから発想が外へ出ないのですね。出ないから、現在のような状態になるともとへ戻せという発想しか生まれてこない。私は、それではいつまでたってもしようがないことだと思うのです。やはりきちんとけじめをつけて、やるべきことをやるということでなければならぬ。というのは、たとえば自治体、北海道庁とか開発庁とかにおいても保険法で延ばしてもらえばいいじゃないかという発想しか出てこない。そうじゃなくて、やはり北海道全体の現状を踏んまえて、保険だけに発想を限らないで総合的な対策を考えてもらうべきではないかと私は思います。  これは改めて言うまでもありませんけれども、私は秋田県ですが、秋田県と青森県と岩手県と北海道で約七割なんですね。それはもらう方の秋田県としてはありがたいことなんですが、やはり日本じゅうの勤労者のお金を使うのですから、お預かりしているわけですから、そういう点ではやはり全体的な配慮と責任が私にはあると考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 説明は何度も伺って、私その立場は十分理解しております。しかし特殊事情、特に北海道の季節労働者の状態は、東北とはまた違った内容であることも御承知のはずですね。保険にばかり頼って云々ということもわかるわけですが、ごく限られた員数でもございますので、特別措置というかっこうでいま言ったようなことでいけないものだろうかということを言ったわけですが、それでだめならば、もう一つ、無理な相談かもしれませんが相談してみたいのですけれども、いま失業給付の中に個別延長給付という制度がございますね。現にこれは五十五歳以上の方には運用されているわけです。ですから、たとえば一たん五十日分をもらいましてまあ生活していくわけですが、五十日たってなおかついま言ったような事情で何としても仕事がないというような方々に対しては、従来のいわゆる失業保険制度の性格にかんがみて、いま言った個別延長給付の制度を何とかこれに適用したらばどうだろうか、そうすると一部の方はそれで救われる。ですから、少なくとも一年間でいいとぼくは思うのですが、それをやって、それで整理していくという考えはどうでしょうか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 法律の制度の問題でございますので事務局からお答えいたします。  短期雇用特例被保険者につきましては、雇用保険法の三十八条以降に規定しておりまして、ここに規定しておる被保険者については、その前の第二節の中に個別延長とか訓練延長がございますが、これの適用を排除しております。現行法制上この適用は不可能でございます。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 確かに現行法上では無理と思いますが、そこを何か工夫できないものかと相談しているわけです。大臣どうでしょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 年齢的に不利な条件にある人について何か配慮の方法がないかという気持ちは私もあります。ただ、せっかく保険としての制度のたてまえに基づいて給付という——これでも公平だとは思いませんけれども、比較的公平に近づくということでありますので、これを後退させるようなことは私はしたくない。それよりはもっと総合的に、北海道の人たちもすぐ雇用保険と考えないで、他の、現地に合った策というものも考えていただきたい、何でもかんでも雇用保険に持ってくることでなく。それでいてほかのことを余り言わないんですね。ほかの御要望というものがもっと出ていいんじゃないか、私はそう考える次第であります。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 何でもかんでも雇用保険に持ってくるというお話ですけれども、やはり学働者が頼るべきところは労働省であり、力ある労働大臣にすがりつくような思いなんですよ。ですから、なぜだろうかというようなことでなくて、労働者の心情をくみとって、よし、わしが何とかまとめてやろうという立場で行政に当たっていただきたいと思いますね。保険制度からばかり云々ということは、何回も聞きましたのでよくわかりましたから、総合的な中で何としても皆さんを救済していこうというお気持ちも十分あるということですから、私は、総合的な中で結構と思いますので、いま私が申し上げたような内容も十分参考にしていただいて、事実上皆さんが救済できるようにしていただきたいということです。よろしいですね。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 私は、労働者の人がそういうことを言うてこられるのはわかるのです、私どもの役所だけが勤労者の利益を守るたった一つの役所ですから。私の言うのは、そうじゃないのです。自治体の人たちのそういう態度に私は不満を持つ、こういうことであります。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 よくわかりました。あさってまた参考人を呼びまして質疑応答をやるわけですが、現地の自治体の代表者もいらっしゃるようでございますので、その点もよく言っておきます。  限られた時間で、もう本当にわずかになりましたので次に移りますけれども、労働省は年度初めに、ことしの三月までに求人倍率を一に回復して完全失業者を九軒万人に抑えていこうという目標をお立てになっていたと思うのですが、現実はどうですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 五十一年の年次見通し雇用計画の中で、年度平均いたしまして求人倍率を〇・七七、したがいまして、年度末は先生おっしゃるような数字にぜひしたいという目標を掲げたことは事実でございます。ただ昨年の場合に一−三月の鉱工業指数の上昇が急激でございました。私たちは、それがそのまま傾向として持続するというようなやや誤認をいたしまして、その後の鉱工業生産そのものが、御承知のように大変中だるみ状態に入り、かつ大臣も先ほど御説明しましたように、鉱工業指数の傾向と有効求人倍率がこのごろ必ずしも平行線をたどらずに、むしろ乖離をするという事態、これは軽量経営ということから求人の手控えという意識が大変企業側に浸透しているせいだと思いますので、そういう結果、残念ながら昨年の目標は全く達成ができないといまの段階では断ぜざるを得ないと思います。  なお、現在大体〇・六から〇・六二程度の求人倍率でございますので、恐らくこの三月末につきましても、その水準、失業者につきましては、季節修正を含めずに、季節的失業者を入れれば百二十万程度の失業者が出るのではないか、こう考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 目標どおりにはならなくて残念だというお気持ちだろうと思いますが、確かに去年の三月、四月ごろの有効求人倍率を見ますと、〇・六八で、かなり好転してきたなと思ったのですけれども、その後一進一退して九月からは再び下降線をたどっております。また、完全失業者の方も昨年の十一月九十七万人ということで三カ月ぶりに百万人の大台を割ったということで喜んでいたわけですけれども、それ以後好転するどころか、現在昨年春の百二十五万人を超すのじゃないかということさえ言われております。  そこで、わが国の完全失業者というのは、定義が非常に厳しくて、つまり、一つには仕事を一時間も行わず、二つには就業を望み、三つには就業活動を行っている者、簡単に言えばこういうような内容になっていると思います。この三つの条件を満たして初めて完全失業者としての扱いを受けているわけでございますね。したがいまして、過剰労働力という形で企業内失業者あるいは失業しても労働市場に出てこない婦人労働者など潜在失業者を把握することができない。ですから実際には、統計にあらわれた数字の二倍ないしは三倍になっているのではないかというのがもっぱらの話でございます。  そこで、大臣にお尋ねをいたしますが、雇用情勢がこのように低迷から抜け出せない理由を、主な理由で結構ですが、大臣はどうお考えになっておりますか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 基本的には経済が中だるみであるということだろうと思います。  それから第二番目は、人不足時代に省力化が非常に進んでおる。ちょっと一例を申し上げますと、私の郷里に小坂鉱山というのがございます。ここでは電気銅を月産七百トンぐらい出しておったときに従業員が三千三百人、ところが現在三千六百トン出しておりますが従業員は千人ちょっとなんですね。こういう省力化が非常に進んでおる。  それから第三番目には、日本が数字の上では先進各国の中では一番失業率が低いわけです。ヨーロッパあたりでは日本の倍、あるいは倍半ぐらいあるわけです。その背景は終身雇用制だと思うのです。そこで、ある程度生産が回復しましても、企業の中に終身雇用制度のために人員の整理をしないで抱えておった人間、そういう人数がかなりあるわけですから、それが活用される。それから、いま安定局長が申しましたように、軽量経営を目指しますから、現在いる労働力で何とか間に合わせようとして時間延長とかそういうような方向へ走っていく。それから勤労者の方も所得意欲とでも申しましょうか、そういうものがあるからそれに大体応じていく。こういうようなことが大きな理由ではなかろうか、こう私は考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 まさに低迷から抜け出せない理由は、景気の回復の足取りが思わしくないということが第一。それから不況による一時的な現象というよりは雇用構造、社会構造の変化によるのだというような趣旨の答弁がいまあったような気がしてなりませんが、私もちょっと調べてみたのです。  現に製造業の常用雇用指数の推移を見てまいりますと、四十九年平均が一〇五・七、五十年が一〇〇、五十一年の三月が九八、同じく五十一年十月が九六・四とじりじりと下がる一方なんですね。これはいわゆる中核労働力がぐんぐん縮小されていっているということを如実に物語っていると私は思うのです。  そこで、いま景気の回復の足取りが思わしくないということであったのですが、仮に個人消費が上回ったり、あるいは本格的な景気回復が上昇気流に乗ったとしてみても、これは雇用情勢が一挙に好転すると私は考えないわけです。高度成長から低成長に伴いまして各企業が体質改善に必死になっているわけでございます。こういうことで従来の雇用調整というのは、会社そのものの周りに下請だとかパートタイマー、臨時工、いわゆる縁辺労働力といいますか、こういうものを抱えておりまして、いざ不況になってくると、そういう者を切り落とすということ、あるいは本工員や正社員については、労働時間を短縮し、残業をカットしたり、一時帰休などあるいはまた配転、出向という形でそれを切り抜けてきた。  しかし、最近の各企業の雇用動向をじっと見てまいりますと、大きな変化を示してきていると思うのです。というのは、いままでの雇用調整策では耐え切れないで、中核労働力の解雇にまで及んできたというわけです。そしてその一番のやり玉に上がったのが中高年齢層であると思うのです。まさにねらい撃ちですね。それは人件費が高いということが一つでしょうし、配転とか出向などに対しまして柔軟な対応に乏しいという立場にあるように見られまして、ここをねらい撃ちされたわけでございます。今日のような不況の中で一たん失業しますと再就職はまことに困難です。長期的な失業者が滞留していくという姿になるわけですが、その中でも最もしわ寄せを受けるのが、こうした高齢者あるいは身障者であると思うのです。  五十五歳以上の有効求人倍率を、昨年十月現在で調べてみたところが〇・一〇、十人に一人の割合という厳しさであったわけでございますが、こうした状況の中において、特に高齢者の職場の確保あるいは失業の防止、生活の安定を図るために、私は、現行の対策ではきわめて不十分だという考えを持っております立場からお伺いしているわけでございます。要すれば立法措置を含めて総合的な高齢者雇用対策を検討すべきだと私は思うわけでございますけれども、この点についてお答えを願いたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 現在の雇用問題、雇用情勢というものが、中高年齢層にしわ寄せされておるという事実は私も率直に認めます。それに対して的確な対応が必要であるというので、定年延長とか中高年の新規雇用に対して給付金その他の助成措置をとっていることは御承知のとおりでありますし、雇用保険の給付につきましても、個別延長を実施いたしておるわけであります。  そこで、身障者におけると同じような立法措置義務化というものはどうだろうか、こういう問題でありますが、これは定年制の延長の立法化ということも当然関連してきます。しかし、これは職種によって違った条件にある、それから長い間の人事管理体系がある、だから、同じ職場で定年延長をするのがいいのか、あるいは今度は賃金原資の分配の問題が入ってきますと、五十五歳以上は昇給しないということになる、あるいは降格するということになる、そうすると、きのうまで人を使う立場におった者が今度は逆の立場になって同じ職場の中にいるということが本人にとってもいいものだろうか。あるいは業務を中高年に向くものとそうでないものとに分けて、中高年に向くものに移っていくという方法も考えられるのではないか。あるいはまた、単能工を複能工に企業にいるうちに訓練をして、そして年をとれば、いままでの仕事でないものに移っていくということも考えられるのじゃないか。いろいろ現在現実に各企業ごとに個別の対応をしつつあるわけであります。  そういう中で、画一的な立法措置というものは非常にむずかしいのではなかろうか。しかし、最近は定年制の延長につきましても、だんだんと六十歳定年というものを採用する割合がふえてまいりました。六十歳とまではいかないでも、五十八歳とか、六十歳と五十五歳の間を加えますと、半分近くがそういうふうになってきておるわけでありますし、それからもう一つは、これは私、自分自身で体験をしてちょっと驚いたのでありますが、中高年齢者雇用に対する給付その他の助成措置を知らない使用者が非常に多いのです。これは私どもの責任でありますけれども、先般ある地方の中都市の使用者三十人ばかり集まっているところへ参りましたところが、一人もそういう助成措置があることを知っている人がいなかったので驚いた次第で、こういうことの普及をまずやっていく。事実そういう助成措置に対して割り当てられておる予算を消化し切ってないのです。そういうものを消化し切るように督励をいたしまして対処をしてまいりたい、こう考えております。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 もう時間が来たようでございますが、最後にもう一つお尋ねしておきたいと思います。  雇用安定資金制度は、適切に運用されれば、失業の防止に一定の効果を挙げることも期待されるわけでありますが、他面、企業の雇用合理化を促進するおそれもあるということで、これは何度か質疑がなされておりましたので、この点は省略するといたしまして、この雇用安定事業の対象となる休業あるいは教育訓練は、失業の防止あるいは雇用の安定のためのものであるわけでございますね。これがなし崩しの解雇や雇用合理化につながらないようにしなければならないと私は思うわけでございますが、そこで、これを担保するためといいましょうか、この雇用調整措置が労使協定あるいは労使間の合意を前提とすることということを支給要件にする必要はないかどうかということです。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 もろ刃のやいばになりかねない、私もそういう危険はあるということを感じます。そこで、そういうことにしないために、御指摘のような運営の方針を採用するつもりでおります。

大橋敏雄公明党・国民会議

○大橋委員 終わります。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 次に、浦井洋君。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 まず最初に、雇用保険法の改正案と同時に並行審議をされておる三党共同提案の雇用保険等臨時特例法案に関連いたしまして、失対事業で働く労働者の皆さんの賃金の問題についてお尋ねをしたいわけです。  大臣もすでに御承知だと思いますけれども、四月一日から改定された失対賃金は、すべて時間給になっているわけです。それをしさいに見てみますと、重労働を伴うところの乙事業のB1が四百十七円、それから主として軽労働だと言われておる甲事業の(イ)ランクが四百五十二円、(ロ)ランクが四百三十四円、だから、重労働を伴うところの乙事業賃金の方が時間給として低くなっておる、こういうことであります。  私は、神戸でありますから、尼崎のある一つの失対現場へ行ってまいりましたが、そこでは二十二人の失業対策事業の労働者が働いておられて、その内訳はA1が六人、B1が十六人、こういうことでかなり重労働を同じようにされておるわけであります。同じ一時間働いて重労働の方の賃金が安くて、比較的軽い労働の方が高いというような不合理といいますか、もともと甲事業にしても乙事業にしても低いわけでありますけれども、やはりこういうような不合理は是正すべきではないか、早急に乙事業賃金の引き上げを行うべきではないか、こういうふうに私は思うわけであります。この点について政府の御意見を承りたいと思います。

細見元労働省職業安定局失業対策部長

○細見政府委員 ただいま先生のお話のございました甲乙両事業の時間当たり賃金額につきまして、乙事業のそれが甲事業の時間給に比べて相対的に低くなっているという問題につきましては、甲事業就労者の方も長年にわたってその生活を主として失対収入で支えられてきたというこれまでの経緯もございまして、五十一年度に従来の失対事業を甲乙両事業に二分いたしました際に、少なくとも甲事業の方についてもこれまでの賃金水準を下回ることのないように措置するということで、現在のような事態が生じてまいっているわけでございます。このことにつきましては、昨年、ことしの失業対策事業賃金審議会からも「当分の間は就労者の実態と併せて従来の失対賃金の水準との関連について配慮することも止むを得ない。」という御答申を受けております、それから本年度におきましても、この問題につきましては改善を加えておりますし、今後とも賃金審議会の御意見を承りながら改善に努めてまいりたいと思っております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 大臣、今後とも改善に努めたいということを最後に言われたわけでありますが、そういう低い上にしかも不合理さがあるということを十分御認識いただいて、早く手を打っていただきたいと思う。  それから、もう一つの問題です。これは、ことしの失対賃金の改定率が平均一二%だと言われておるわけなんですが、これはそもそも生活保護基準の一二・八%すら下回っておるわけなんです。低い。その上に、こういう計算になるわけなんです。  五十一年四月当時、平均日額が二千三百六十八円、だから、月額が二十二日就労として五万二千九十六円になる。ところが、今度の改定によって、五十二年四月現在の平均日額が二千六百五十二円、これは月額に直すと五万八千三百四十八円、六千二百五十二円のアップにすぎないわけなんです。ところが実質収入は、日雇健康保険料が上がるわけでありまして、賃金二千五百円以上の方は百二十円から二百円に上がる、こういうことでありますから、本人負担分はその半額の四十円掛ける二十二日就労ですから八百八十円月の負担がアップする。しかも、国民年金の保険料が千四百円から二千二百円に八百円アップする。合計千六百八十円のアップになるわけなんです。そうすると、確かに名目の上では六千二百五十二円賃金改定でアップになったわけでありますけれども、実質は千六百八十円を引いた四千五百七十二円のアップにすぎない。パーセントにすると八・七七%である。こういうことになってまいりますと、よく政府が引き合いに出される物価上昇率、前年度に比べてもこれは低い。  だから私、きょうは失対事業に従事しておられる労働者の皆さんもたくさん傍聴に来ておられることだし、失対事業の実情を踏まえて、失対賃金の早期の改定、それと先ほど申し上げた不合理の是正といいますか、この点について、ひとつ大臣としての力強い決意を賜りたいと思うわけです。

細見元労働省職業安定局失業対策部長

○細見政府委員 先生お尋ねのございましたように、確かにことしの失対賃金は、予算単価で二千六百五十二円十九銭と決めておりまして、一二%の賃上げということになっております。私どもといたしましては、昨年の公務員賃金なりあるいは主要民間企業の賃金の上昇率等と比べましても、一二%というのは、去年からことしにかけて大幅な改善が図られたと思っております。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 前段については、不合理の是正に極力努めなければならない、また努めたいと思います。後段の問題は、政府の物価上昇率の見込みが外れたわけでありますから、それを補う努力はわれわれ当然しなければならぬ、こう考えております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 もう一つ、失対労働者の問題についてお尋ねしたいのですけれども、今度与野党の合意によって予算修正が行われて、減税上積みが行われたわけです。同時に、社会保障給付の改善も行われた。その一環として、失対事業でも就労日六日増ということになります。これが一人平均一万五千九百十三円、この支給が予定をされておるわけなんでありますけれども、これを早く、しかも、この予定された金額をきちんと現実に失業対策事業に従事をしておられる労働者の皆さん方に手渡すべきだというふうに私は思うわけでありますけれども、いつ、どういうふうに措置をされるのか、聞いておきたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 これは予算の成立を待たなければならぬわけですが、予算の成立後、実際上の所得増になるように早急に措置をいたしたいと考えております。六日分で予算総額が十一億強になるんじゃなかろうか、そう思います。

細見元労働省職業安定局失業対策部長

○細見政府委員 ただいま大臣の発言にもございましたように、本予算成立後、できるだけ早い時期、五、六、七、八のなるべく早い時期において、確実に本人の所得増につながりますように措置をいたしたいと考えております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 このことをひとつ大臣、必ず果たしていただきたいと思うわけです。  それから、第二の大きなテーマとしては、先ほどから他の委員の方がいろいろ言われております北海道の専業的な季節労働者の問題であります。これは二十九万人専業的季節労働者がおられる。ところが、長年にわたって冬季の生活を支えてきたそのもとになった失業給付が、九十日から五十日に短縮をされて、ことしの冬は非常に打撃を受けておられるのは、大臣もよく御承知だと思う。  ところが政府の方は、どうも二十九万人もの労働者が冬季に失業をしておるにもかかわらず、対策を要するのは七万人にすぎないというような態度をとっておられるようであります。離職票を提出し、求職票も提出するという方が二十九万人おられるわけでありますから、すべての人に就労の機会を確保するとかあるいは生活を保障する、私は、この基本的な態度が大事だと思うわけでありますが、まず、その七万人の方に対策をしぼって、七万人で事足れりというふうにしておられる根拠は一体何なのか、一遍聞いておきたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 北海道の季節労務者二十九万のうち七万を要対策人員としておりますのは、昨年の十一月、私たちの安定所の窓口を通じまして、冬季の就労確保が必要な方々の推計をいたしまして、それを積み上げたものでございます。  ちなみに、ことしの二月の時点で五安定所、十一市町村で同様さらに詳しい調査をいたしておりますが、その内容を申し上げますと、働き得るところの見通しがあると言われる方が二八%、いまのところないけれども、われわれとしては冬季は出かせぎに行けるのだ、こういうお答えがありましたのが五%、それから二月時点で急いでいない、これは恐らく三月の末ないし四月にはもう雇用予約があるというような方ではないかと思いますが、そういう方が六五%、見通しがなくて出かせぎも不可能である、これが一四%であります。私たちは、この一四%の方が、就労対策としてはぜひわれわれがやらなければならない方々だ、こういう考え方でございまして、したがいまして、二十九万に対して一四%という数字を当てはめますと、もっと少ない数字になるのでございますけれども、十一月時点の調査をわれわれとしましては一応基礎としまして、少なくとも安定機関でいろいろお世話をしなければならないのは七万人である、こういう推計をいたしております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 大臣、そういうような一遍の調査で決められたわけでもないでしょうけれども、いまのところ、何とかやれるのだということで要対策者から外すというような、そういうおざなりな態度は私は許せぬと思うわけなんだ。そういう点で、やはり大臣にこの問題を重視していただいて、先ほどから大臣いろいろ言われておりますけれども、時間が余りないので簡単に、この問題についての大臣のこれからの決意、これをまず最初にちょっと聞いておきたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 安定所としてお世話をしなければならない人間を七万人に見込んだ根拠というのは、私は、やはりそれなりに理由があると思っております。というのは、一回じゃないのです、二回やって、平均値、推計値をとっておるわけですから。  それから、いまのところ何とかなると言って求職活動をしない人まで対象にしろとおっしゃるのは、これはやはり安定所としては求職活動をした人を対象にする。  それから、北海道の問題については、何度もここで言っていますから、私の考えを繰り返しません。私は、やはり東北地方と違って専業者が多いという実情は認めますが、それがそのままでいいとは思いません。やはりできるだけ常用化を促進し、少なくとも通年雇用をできるような措置を上ることの方が、私は適切な措置であると考えております。  それから、先ほどから何遍も申しましたように、雇用保険にばかりしわ寄せをしないで、それぞれの自治体なり何かがもっと総合的、恒久的な対策、こういうものをひとつ考えてこられることを私どもは期待いたしております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 大臣、通年雇用を先ほどから言われておるわけなんですが、それには職業訓練が必要だ。ところが私、北海道を調べてみました。そうすると、職業訓練の問題について言いますと、先ほどもちょっと出ましたけれども、ことしの冬に北海道の労働部によると、千二人の人に対していろいろなかっこうでの短期職業訓練が行われておる、一月から三月まで。この頻度でいきますと、二度調査をしてその推計だと言われておりますけれども、現実に二十九万人の季節労働者がおられるわけなんだ。その二十九万人の人に職業訓練を行うということになると、少なくとも北海道の自治体二百余りあるが、この自治体もっと努力をせいと大臣は言われておるわけでありますけれども、自治体ごとに、市町村ごとにそのための施設も置かなければならぬ、あるいは指導員も配置をしなければならぬということであります。ところが、それをやるためには、現在の公共職業訓練ということにするために、年間を通じて訓練事業を行っておらなければならぬ、こういうさしあたっての隘路がある。だから、大臣が言われるのならば、やはり自治体あるいは雇用をする側、業界の方が協力をして、冬だけ職業訓練をやってもやれるような法制上あるいは制度上の措置がこの際必要ではないか、こういうふうに私、思うわけです。これが第一点、職業訓練について。  それから、第二点といたしましては、これもことしの冬、道の行った職業訓練、七百六十何人だそうでありますが、一人についての職訓の補助単価は、現行では三万三千円とされておる。だから、道としては七百五十人余りの方に対して今冬季の見込みとして三千三百十三万円の超過負担になる、こういうことなんだ。だから、こういうような実情を見ると、いわゆる職業訓練を着実にとにもかくにもやっていくというためにも、少なくとも当面こういうような手直しが必要ですね。  以上の二点、つまり実情に見合った補助単価への引き上げ、それともう一つは、そういう職訓の制度的な手当て、こういうことが必要だと思うのですが、この点についての御意見をお伺いしたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 前段の点については委託訓練、そういうような制度がございますので、これをできるだけ活用したい。それからもう一つは、それは確かに数は少ないのですけれども、これは、やはり来年度は北海道に重点を置いた処置をとっていきたいと思っております。  それから、補助単価は上げていくつもりでございます。それからもう一つは、これは先ほどもお答えいたしましたけれども、単独事業とかあるいは生活貸し付けとかやった自治体に対しましては特交の上積みをしております。しかし、それは特交の性質からいって、はっきりさせておるわけではありませんけれども、ほかからの水準から考えれば、それに見合うとは申しませんが、かなりの程度の上積みをいたしております。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 通年雇用の問題なんですが、通年雇用を大臣は強調されるわけなんですが、確かに必要なことであります。ところがことしの冬、政府が行った通年雇用の措置が五千人。これはどういう数字かといいますと、四十九年度九千五百四人、五十年度六千五百六人、こういうふうなことで、大臣、数字としては後退をしているわけなんです。  だから、これを効果的にやらせるためには、一つは、やはり冬季の間も事業主の方で仕事を確保できるということが必要だろうと思うわけでありますけれども、それと同時に、きめ細かい施策として通年雇用奨励金というような助成措置がありますが、これがやはり低いわけです。実情から言えば、三カ月間で五十一年度が五万四千円、これが五十二年度にやっと八万円、こういう低額であります。だから、これでは実効が上がらぬのではないか。大臣が幾ら国会の中で何度も意見を開陳されても、こういう具体的な措置が伴わなければ実効が上がらぬと私は思うのですが、どうですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いま先生がおっしゃられました、まず通年雇用の数字でございますが、四十九年度の九千五百あるいは五十年度の六千五百というのは、三年の累積を合計した数字でございますので、数字そのものとしまして、ことしの五千七百というのは、五十年の六千五百よりも多くなっております。これは単年度の数字でございます。  それからもう一つ、ただ通年雇用そのものが、大臣も申されますように、これからの北海道対策としては基本でございますので、通年雇用奨励金あるいは通年雇用の融資、そういうものについて単価の引き上げ、それから特に融資の条件がなかなか厳しいという御批判もございますので、そこらについては積極的に検討をさせていただきたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 いま局長がお答えしましたほかに、やはり実施官庁等に対して理解と協力を求めて、冬の仕事を事業主が確保するようにしていきたい。冬季の建設工事の実施方法その他について建設省で検討が行われているそうでありますが、日本よりももっともっと寒いところでも仕事がされていることは事実なんでありますから、そういう点で実施官庁の協力を求めたいと思います。     〔中山(正)委員長代理退席、斉藤(滋)委員長代理着席〕

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 大臣の望んでおられる仕事の中には、公共事業が相当部分含まれておると思うわけでありますが、この公共事業がそうしたら効果があるのかどうか。先ほどもちょっと出ましたけれども、たとえばこういう数字があるわけです。災害復旧工事で見てみますと、本予算で五十一年度五十一億円、補正で大体百五十億から百六十億。その中の労務費というのはまず五分の一だろう。そうすると、季節労働者に流れる金額というのはたかだか十億円にすぎぬ、こういうことなんです。  それから、工事の発注の状況を見てみましても、これは道の土木部の資料でありますけれども、五十一年二月、三月の債務負担工事というのは四十一億五千万。これは先ほど出ました。件数が四百二十件でありますから、一件当たりこれもせいぜい一千万円程度である。もう一つ具体的に申しますと、芦別市というところで行われた一千万円規模の公共事業の例を見てみますと、そこの業者の持っておるいわゆる手持ちの労働者の就労がやっとで、とても二十九万人と言われておる失業中の季節労働者を吸収するようなところまでいかない、こういう実情だそうであります。  だから、たとえば一つの提案でありますけれども、冬季の公共事業の特別の発注体制を組むことであるとか、あるいは公共事業を施行するものに季節労働者の吸収を義務づけるとか、こういうような特別な対策もきめ細かくやらなければならぬ。公共事業は早期発注をして、しかも、こうなっておるのを平準化すればいけるのだというような粗っぽい議論では、私は、北海道の季節労働者は浮かばれぬのではないかと思うのですが、この点大臣どうですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 いま御指摘のような配慮は、私は、やはり効果を上げると思います。だから、そういう処置について検討をいたします。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 いま先生おっしゃられました公共事業の吸収の比率の問題でございますが、これは労務費単価が災害復旧事業とそれから補正の場合とかなり違っておりまして、たとえば災害復旧の場合には労務比率二二・二%ということで、これは吸収がかなりございまして、たとえば災害復旧はわれわれは八千人ぐらい吸収できると思っております。そういうことで大体私たちは、公共事業で三万以上四万近い者が吸収されることを期待いたしておりますが、ただ、これは個々の事業主がやりますので、正確に何人という推測はいまできないわけでございます。ただ、対象といたしまして、たとえば吸収率として季節労務者に限定をするようにという御指摘、これは傾聴に値いたしますが、現実の問題としまして、北海道でこういう公共事業をいたします場合には、当然季節労務者が吸収をされておるというのが実態でございます。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 ここでは雇用保険等臨時特例法案の審議もやっておるので、ひとつこの大項目につきまして、最後に枝村理事にお伺いをしたいわけなんでありますが、この三党で出しました臨時特例法案の中には、五十日を九十日に復活するという趣旨の案文が入っておるわけであります。きょうの委員会の審議を私、聞いておりましても、大臣の方は保険のたてまえを崩したくないのだ、こういうことを言われておるわけなんですが、やはり保険のたてまえということになりますと、現在働いておる者が金を出し、失業しておる者が金を受け取るというような、もともとアンバランスを前提にして成り立っておるわけでありまして、現に雇用保険を見てみましても、受給者の中で五十五歳以上の方が圧倒的に多いわけですし、しかも六十歳以上の方というのは、働いておっても保険料が免除されておる、いわば拠出金なしで給付が受けられるという状態になっておる。これがやはり雇用、失業問題に対応する雇用保険の当然の本来の姿だというふうに私は思うわけであります。  この点についてひとつ、枝村先生の御意見もお伺いをしたいし、それからこの臨時特例法案を三党で協力して成立をさせ、実現をさせていくという点についての御決意のほどをお伺いをしておきたいわけであります。

枝村要作日本社会党

○枝村議員 第一の問題ですが、執行者である政府が、大臣がいま答弁したように、このように出すことはやはり申しわけないというような御答弁で一貫しております。私どもは、保険料を出す側の労働者がそれでいいのだという、こういう要求であり合意であるならば、たとえ先ほどから言われるような偏っておってもいいじゃないか、それがやはり保険の一つの相互に助け合うという原則ですから、そういうふうに考えております。ですから、政府とわれわれの考えには大分意見の相違がございます。  この臨時特例法案については、いま私ども三党が提出して以来、特に北海道の方々からも大変な激励の電報や陳情を受けておる。そのことを見ましても、これは単に制度上の問題だとかなんとかいうことじゃなくて人道上の問題、死活の問題としてもうやむにやまれぬ要求だということで受けとめて、成立のために一生懸命がんばっていきたい、こういう気持ちのあらわれだと思っております。私どもこの法案を出しておりますが、決して無理な内容ではないのです。  労働省の資料によりますと、五十年度では九十日の給付を受けておる方が三十三万二千六百七十五人、これを打ち切られて五十日になるのですから、こういう人たちが実際に困っておるとするならばどうしたらいいか、総合的な対策もちろん必要でしょうけれども、それだけではどうにもならぬとすれば、保険によってこれを救済する、こうでなければ私、政府、労働省が何のためにあるかということになるわけだと思う。  そういう意味で、いろいろいままで政府の側から御答弁がありましたが、きわめて困難なようなお話でございますが、私どもは、食らいついてぜひこれは成立させるように努力をしていきたいと思います。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 全く力強い御答弁で、われわれとしても力を合わせてその実現のために協力を惜しまないものでありますが、それでは、この問題についての最後で労働大臣にもう一遍お尋ねしたいのですが、先ほども枝村理事からお答えがありましたように、本来そういうもの、アンバランスがあっても困っておる人があればそう出すべきだ、こういうことであります。だから、大臣が先ほどから強調されておる職業訓練の問題にいたしましても、通年雇用あるいは公共事業の早期発注、平準化ということは、これは、そういうアンバランスを是正する対策にすぎないわけなんです。  だから、ここで言うならば、やはり基本は、この前の雇用保険法の発足のときに特例一時金九十日から五十日になったわけでありますけれども、やはり失業給付というかっこうで九十日に復活をさせる、このことが労働行政にとっても、その長である大臣にとっても緊急の課題でなければならぬ、私はそう思うわけであります。もう一遍、大臣の決意を聞いても同じかもわかりませんが、御意見をお伺いをしてこの項を終わりたいと思う。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 もう私のこの問題についての考え方は、何度も申しましたから繰り返しません。よくおわかりと思います。  私は、保険だけにこの問題を押しつけてこないで、それぞれの自治体においてそういう実情に応じたもっと総合的な対策を考えてもらいたい。労働者の人たちが労働省に対してそういう要求を直截的に持ってこられるのはわかるのです。しかし、そうじゃなくて自治体の人とかあるいは商工団体の人とかまでが、ほかの方法を考えないで、考えないというよりか考えようともしないで、いきなり短絡的に保険に持ってこられることには私は不満を感じます。  それからもう一つ、北海道は別でございますが内地、いわゆる本州の、私は東北の人間ですが、本州のいわゆる出かせぎ季節労働の人たちは、現行法の方がいいという人がうんと多いのです。ですから、そういう点もお考えをいただきたいと思います。

浦井洋日本共産党・革新共同

○浦井委員 それは聞き流しておきまして、最後の項目、時間がないので要望というかっこうで三項、四項ほど聞いておきたいと思う。  これは雇用保険法の一部改正案に対する質疑でありますが、まず第一に雇調金の問題、五十年一月から実施をされたわけでありますけれども、やはりこの制度が発足したことによって失業防止効果がどれくらいあったかという追跡調査をきちんと労働省として行っておくべきではないか。特に中小企業でどういう効果が出てきたのかという点をやるべきではないか、これが一つであります。  それで、いろいろ調べてみますと、数字は省略いたしますけれども、大企業では倒産とかあるいは事業縮小というようなことは余り——倒産などは一件もないそうであります。ところが、中小企業の中では倒産もかなりあるし、それによる離職者、事業縮小による離職者もかなりあるわけでありまして、この雇調金制度というものがもっと、たとえば中小企業に対する助成率が高かったり、あるいは支給日数が長かったりするならば、こういうような労働者への犠牲もより少なかっただろうというふうに思うわけで、具体的には中小企業に対する助成率の引き上げとか給付日数の延長を私は要求するわけでありますけれども、その点についての労働省の御意見を伺っておきたいと思います。  それから第二点としては、これも、いままでに出ましたけれども、やはり雇用調整対策として一時帰休というようなものが出てきておるわけでありますけれども、しかし目に見えない、表にあらわれないかっこうで臨時であるとか季節、パート労働者、これの再契約の停止であるとかあるいは解雇が現実に行われて、雇調金制度というのはアクションは全然されないという仕組みになっておるわけであります。そういう点からいって、やはりこれも前国会で野党四党が提案をして、今国会はまだ提出をされておりませんけれども、解雇規制ですね、大量解雇の規制、こういう法的な手だてが必要ではないかと私は思うので、御意見をお伺いしておきたいと思います。これが第二点であります。  それから、労働省の説明を聞きますと、今度の雇用安定事業の中に出向による賃金減額分の助成という項が新設をされておるわけでありますが、出向というような現象は、これは大臣もよく御承知のように、中小企業ではそういう能力もないし出ていく場所もない、体制もない、こういうことでありまして、労働省のやっておられる労働経済動向調査を見ましても、五十年の七月から五十年の九月までの間で千人以上の事業所で出向をやったところが三二%。ところが、それ以下のいわゆる中小企業の事業所では一一%で、圧倒的に大企業によるところの雇用調整対策というのが出向形態だというふうに言えると私は思うわけであります。だから、こういう項目は不必要なのではないか。やはり大企業などで労働者を出向させる、そのことによって労働者の賃金の低下を招くというような場合には、その企業自身が補償すればよいのではないか。そしてその余裕ができた分は中小企業にもっと回すべきではないか、こういうふうに私は提案をしたいわけであります。これが第三点。  それから第四点は、これは先ほども出ましたように、雇用安定資金の運営の問題であります。労働四団体からもかなり強い意見が出ておりますし、中央職安審の答申を見てみましても、具体的に審議会に諮問をせよというふうな答申が出ておるわけであります。ところが、現行法では七十二条で職安審に諮って基準を定めるものの中には、一般的な失業給付などありまして、三事業ないしは四事業については職安審との関係が必ずしも法文上は明確でない。だから、少なくとも雇用安定資金とかあるいは雇用関係の四事業について、職安審に諮るというようなかっこうで法的にも明確にしていく方が、運営を民主化していくチェックになるのではないか、これが第四点であります。  今度の雇用保険の改正案に対するわが党の要望としては、こういう四点であります。この点について、時間も過ぎましたので、局長から具体的な答弁をしていただいて、最後に大臣から所見を述べていただいて、私の質問を終わりたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 まず第一点の雇用調整給付金のフォローをよくして、そしてそれが十分失業の予防に徹するようにという御指摘につきましては、そういう調査は今後十分いたしたいと思います。  ただ従来も、雇用調整給付金を受けながら、受けた後で倒産をして失業が出るという事例が間々あったことも事実でございます。私たちも把握をいたしておりますが、ただ、それを分析してみますと、一時的な不況による倒産というよりも、構造的失業、構造的倒産、そういうことではないかと思いますので、今回の雇用安定資金によりまして職業転換、いわゆる構造不況に対応する安定事業というものを行いまして、指定期間も中長期に、かつ内容も手厚くということになりますと、この点はかなり改善をされるのではないかと思います。  それから第二点の臨時、季節、パートの問題につきましては、これは国会で御決議いただいておる点もございまして、私たちもその対策に十分留意をいたしております。ただ臨時、ハートにつきましても、名称はそうであっても、常用労務者と実態が何ら変わらない、その場合には保険給付の対象になりますし、今回の安定事業あるいは安定資金で行いますところの事業の対象に当然なるわけでございます。だから、そういう意味でこの点は捕捉をいたしたいと思いますが、大量解雇の規制につきましては、法律によりましていまの段階でこれを規制することはわれわれとしてはどうかと考えております。  それから、出向に対する助成について、これは御指摘のように大企業に例が多いことは事実でございます。ただ、中小企業でも先生御指摘のように、やはり一一%あるわけでございまして、大企業、中小企業で構造改善、そういうものに対応しての施策としてやっております以上、助成については私、必要と思いますが、今後その運用については十分留意をいたしたいと思います。  最後の運用の問題につきましては、これは安定審議会に諮問をいたしておりますのは、失業給付に関連するものを具体的に明示いたしまして、それ以外の保険事業に関するものはその他重要事項ということで、従来の三事業も今度の安定事業につきましても、当然中央職業安定審議会に諮る考えでございます。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 いま局長が説明をいたしましたように、雇調金の効果というものは私はある程度あったと思います。まあ二十万か三十万ぐらいは防止できたのじゃないかと思います。  それから、最後の中央職業安定審議会の運営の問題でございますが、これについては労働四団体からは別のものをこしらえろという御意見もございます。それから、いろいろな意見がいろいろな形で出ております。で、いまの春闘が終わったらよく御相談をしようじゃないかということになっております。

斉藤滋与史自由民主党

○斉藤(滋)委員長代理 次に、工藤晃君。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) このたび提案されました雇用保険法等の一部を改正する法律案、これについて幾つかの質疑をさせていただきます。  これは労働者の失業の予防を図るため、新たに雇用事業を行うために改正する法律案、中身はそういうことでございますので、それについてお聞きいたします。  ただ、内容については大変結構だと思うのですけれども、これが実効という面になりますと、果たしてどれだけその効果を上げ得るかどうか、疑問な点もございますし、それからまた、そういう救済をするという一つの手段方法が新たな不公正をつくっていくんじゃないかという不安もございますので、そういうことを含めまして大臣及び政府委員にお聞きいたしたいと思います。  この雇用安定事業は、大体が不況の対策事業だというふうに解釈いたしますが、労働省は不況というものの基準をどういうところに置かれて今後そういう事業の推進をされるのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 不況の判定につきましては、従来は、たとえば経済企画庁で二十五系列による景気動向指数、先行系列とかあるいは一致系列とか、そういういろいろの指標をもとに不況であるというような決定をいたしておったわけでございますが、私たちは、そういう経済官庁の認定のほかに、われわれ独自としまして、雇用調整事業あるいは雇用安定事業の運用に当たりまして、関係審議会で御意見を十分拝聴しまして、個々の産業の生産がどうであるか、あるいはその雇用動向がどうであるかという実態に即しまして決定をいたしてまいるつもりでございます。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) そのような結果を待ついる間に相当期間的にずれが生じるのじゃないかと思うのです。そうなりますと、実際この目的が実行された場合に果たして効果を上げ得たという結果にはなりにくいという時期的な問題を解決するために、もっと具体的に真剣に今後実行の場で考えていただかなくちゃならないのじゃないかというような気が大変するわけですが、その点いかがですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 従来も業種指定を行ってきました間に、そういう御要望が非常に強うございました。経済、生産の動向に業種指定がやはりどうしてもおくれる、したがって、雇用調整が終わってしまってから業種指定が受けられたというような事例が皆無ではなかったわけでございます。今後はこの雇用安定事業の実施に当たりましては、業種指定をなるべく細分化して、かつその細分化の結果、中小企業のように地域に集中しておるような場合には、官庁統計のみならず、業界のデータそういうものも活用しまして、業種指定が時期を失しないように、かつこの安定事業が適切に行われるように配慮をいたします。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) それだけではまだ足りないと思います。労働省の末端出先機関が、中央で決定をされましても、実行がそういうところでおくれますと、また、そういう面においておくれが生じると思いますので、そういう面は迅速に結論が出るように、また実行に移されますように、今後御配慮いただきたいと思います。  それでは次に、雇用安定事業は主として業種と機関を指定して実施すると言うが、指定されない中小企業を救済される方法を考えるべきだと思うのです。画一的な基準ではなくて本当に救済されなければならない企業を救う道を設けておくべきだと思いますけれども、その点について具体的に何かございますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 現行の雇用調整事業の指定に当たりましても、たとえば親事業が指定事業になります、その場合に、下請が指定業種に該当しない場合でも、下請企業が親企業に対する依存度五〇%以上というような場合には、その対象とするということをやっておりますけれども、今後中小企業がこの恩恵を受けられるためには、同様の考え方で具体的な指定を行いたいと思います。  たとえば業種転換の臨時措置法に基づきまして、中小企業が通産省から業種指定を受けた場合とか、あるいは大型倒産によってその関連企業が倒産した場合等々につきましでも、いままでの業種指定の考え方から一歩出て指定が行えるように弾力的に考えたいと思っております。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) その点については、まだほかにも落ちこぼれがございましょうから、そういう面についても十分別途お考えいただいて、特に零細企業のそういう方々への恩典が波及するようにお願いいたしたいと思います。  次に、大臣にお聞きいたしますが、産業構造の変化その他によって事業転換が行われます、そういうためにも雇用安定事業が考えられているそうでございますけれども、何だかいままで労働政策というのは、常に産業政策のしりぬぐいをしていくような形になっていると思うのですが、事業の実施にあわせまして労働政策のサイドからも、もっと逆に、そういう雇用安定のために、産業政策そのものの中に雇用安定の政策を踏まえてやっていただけるような、そういう積極的な注文をつけていくような考えはございませんか。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 五十二年度全般の雇用政策、完全雇用の実現を目指す雇用政策というのは、これは物価の安定と並んで重要な二本の柱だというたてまえをとっておるわけでございますので、産業政策に追随をしているというふうには考えないのでありますが、しかし雇用問題そのものが、やはり産業政策あるいは政策的影響を受けた経済界の動向というものの結果として生まれてくるものでございます。しかし、これをできるだけ早くとらえて対策を講ずるということが私どもの任務、事が起こってからでない、起こりそうな時点において対策を処理していきたい、私どもはそう考えております。  それから、雇用の確保をいたしますためには、無論産業政策との間の十分な連絡調整が必要でありますので、そういう連絡調整は、これは必ずしも追随だとは考えておりません。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) ぜひ雇用安定事業と並んで積極的に、こういうことが反映しないように労働側からも積極的なそういう意味の発言をしていっていただきたい、特に強くお願いしておきます。  それから、聞くところによりますと、雇用安定事業のために千分の〇・五を今度は引き上げるということでございますけれども、もともと千分の一を引き上げるということが案であったように承っておりますが、不況時においては、企業主の負担を考慮して〇・五にしたということでございます。しかし、事業を行う側から考えた場合に、千分の一を必要としたというところからそういう数字が出たものと思いますが、〇・五という逆に半分に下がったわけでございますが、事業そのものが、そういう意味において比例するとすれば、その半分の事業しか行えないということも考えられます。あるいはその他の省力化あるいは合理化を図るということで、中央職業安定審議会ですか、そういうふうな答申も出ておりますが、しかし、その半分という数字は余りにも大き過ぎると思うのです。その点、それで十分所期の目的が果たせるとお考えになっていらっしゃるのか、あるいは不十分であるが仕方がないからその程度でがまんするというようにお考えになるのか。  もう一点は、大体こういう雇用安定事業というのは不況時に施策を講じるべき筋じゃなくて、逆に好況のときにそういうものに対する対策を講じておくことが必要だというふうに考えられますが、そういう好況時になった場合には千分の一に将来またそれを引き上げる御意思があるのかどうか、そういう点の見解を承りたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 御指摘のように、当初は千分の一の料率引き上げを行いまして、その財源で雇用安定事業を行うことといたしておりました。しかしながら、関係審議会での御審議あるいは関係団体、関係官庁等、いろいろこの構想について接触をしておる間におきまして、特に中小企業を中心に、現下の深刻な不況の中で千分の一の負担は大変困難である、構想そのものについては賛成であるけれども、千分の一を押しつけるのならば、われわれとしては、この構想に絶対反対だというような強い団体等もございまして、われわれとしましては、いまの業界の経理上の苦しさというようなものを身にしみて感じたわけでございまして、そういう点でやむを得ず負担能力の一応の限界ということで千分の〇・五に引き下げたわけでございます。  ただ、われわれとしましては、そのために当初考えておりましたものが全くできないというようなことでは、本来の構想と相反するわけでございまして、私たちは、その削減分につきましては従来の三事業、雇用福祉事業等で不要のものにつきましては繰り延べ、あるいは削減というようなことを前提にして、何とか従来の構想、一〇〇%といきませんけれども、少なくとも九〇%近くはそういうことで何とかやりくりができるということで〇・五の保険料の引き上げということで御審議をお願いしておるところでございます。  なお、将来好況になったときに、その負担能力が出てくるから引き上げてはどうかという、これは大変ありがたいお言葉と私、受け取るわけでございますが、保険料率といいますのは、そう頻繁に変更もできませんので、当面〇・五で、いまの構想を積極的に、経費の節減等をもちまして補いながら実行しまして、やや長期にわたって、その実績の結果、今後の問題として先生御指摘の点は判断をさしていただきたいと考えております。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) 他の三事業、雇用改善事業、能力開発事業、雇用福祉事業でございますね、そういう中から不要なものをできるだけ省く、あるいは縮小するということで雇用安定事業の方を何とか半分の費用で九〇%はアップしたい、こういうことでございますね。そういうことになりますと、この雇用三事業も含めて、これは不況時の調整事業というようにとらえておりますが、逆にそういうところへしわ寄せが行ってしまう。確かに、雇用安定事業の方は九〇%効果が上がったというふうに簡単にとらえたとしましても、逆にそういうところへそういう波及効果がいくのじゃないかという心配がございます。もしそれがいかなかったということになれば、いままでの事業が四〇%むだであったということでございますので、その点いかがですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 〇・五%のしわ寄せが三事業に波及をしないということになりますと、これはうそになります。やはり削減をする以上、その影響が及ぶものと思います。ただ私たちは、その中でも能力開発事業、いわゆる訓練につながるような事業につきましては、これは削減の対象にできないものと考えております。  ただ、たとえばこれも必要で、なかなか削減はむずかしいのでございますけれども、能力開発事業等に比べますれば、比較的削減ないしは繰り延べができると考えておりますのは、サンプラザとかああいう福祉施設を毎年かなり地方都市に建てておりまして、労働者の方の福祉の向上に貢献をしておるわけでございますが、その部分については、この安定事業及び安定資金についてある程度のめどがつくまでは相当抑制をする姿勢を堅持いたしたい、そう考えておる次第でございます。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) いまのような具体案だけでは、とてもじゃないが、その半分の能力を九〇%にアップすることは困難だと思いますが、いまここでお聞きするには余りにも資料が乏しいだろうと思いますので、またもし時間がございましたら、そのときに具体的にこういうところを削減するのだという事例をお示しいただきたいと思います。  それから次に、雇用安定事業のために積み立てた資金は、不況時に集中的、機動的に使用して事業の実施をする、こういうことになろうかと思いますが、途中で資金が底をつくようなことはあるのかないのか。特にその財源が半分に減っているという点もございますし、その可能性も、たとえば財源がいかにあっても、やはりそういう施策を実行するとすれば、思わぬ結果で底をついてしまうということも起きるであろう、こういうふうにも考えますが、そういうときの対策はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 私たちは、この資金計画につきましては、たとえば昭和五十七年くらいまでに二度くらいかなり大きな不況が来ても、なおかつ資金繰りができるようなたてまえ、そういう見通しのもとに千分の〇・五の保険料率の引き上げで得られた財源と、なおかつ先ほどから申し上げておりますように、それ以外の三事業の節減分で一応資金計画を立てておりますので、先生の御指摘のように、資金が底をつくというような事態はないと思いますけれども、もしそういう私たちの計画がまだ不十分であって、もっと深刻な底をつくような不況が来た場合につきましては、なお三事業の不況のものを、なかなかこれ以上探し出すということも困難でありますけれども、そういう洗い直しをして優先的にこの安定事業の財源の確保に努めたいと思います。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) 雇用安定資金制度というのは、どちらかといえば雇用の安定している人に失業防止対策として考えられていることでございますが、現に失業してしまった人々の雇用の促進については、別途どのようなお考えを持っていらっしゃるか、簡単にお聞きしたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 今回の制度は、失業した場合に再就職が非常に困難であるから失業を防止するということでの新しい施策でございますが、先生御指摘のように、いまの不況の時代に失業して大変困っておる方がおられるわけでございまして、われわれの職業安定行政としましては、それらの方々に最重点の手を差し伸べたい、こう考えております。具体的には、全国四百八十ございます安定所を通じまして、いろいろ職業、求人を開拓いたしまして、適切な職業紹介を行いますとともに、技能水準の向上、職業訓練の普及というようなことをもあわせて就職の促進に努めたいと思います。  さらに、失業された方の生活の安定のためには、現行の雇用保険事業による失業給付、もちろん全国延長という御主張もございますけれども、私たちは、年齢的に大変就職の困難な層につきましては個別延長もいたしておりますので、それによる生活の確保ということも図りたいと思います。  なお、これらの失業保険給付が切れました後につきましては、職業転換給付金、これは国の費用だけでやっております対策でございますけれども、それの適切な運用によりまして、今後再就職をさらに進めることを考えておるわけでございます。  ただ、これらの対策につきまして、今後産業構造が大変大きく変わっていく、そういう場合の失業対策あるいは雇用情勢というものが非常に変わってまいりますので、従来の職業転換給付金制度等につきましても、この際職業訓練ともっと密接に結びついて、技能労働力の水準を向上して再就職と結びつくような制度的な検討をもあわせて鋭意進めたいと考えております。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) 雇用安定事業について、対象となる業種及び期間を指定するというふうにございますが、当面どのような業種と期間を考えていらっしゃるのか、その点具体的に御説明いただきたいと思います。

小粥義朗労働省職業安定局雇用政策課長

○小粥説明員 雇用安定事業の中身が二つに分かれまして、景気変動等の短期的な変化に対応する雇用調整事業と、産業構造の変化等に対応する事業転換等の雇用調整事業と二つに分かれるわけでございますが、まず景気変動等の雇用調整事業の対象業種につきましては、従来の雇用調整給付金の業種指定の基準に一応のっとりまして、その中でなお検討を要する点の洗い直しをした上でその業種指定の基準を決めたい、かように考えております。  いま一つの事業転換等の雇用調整事業の対象業種につきましては、法案にも明記されておりますように、事業主管の関係省庁とも十分調整を行った上で指定をしていきたいと思っておりますが、具体的に考えられますものとしては、先日業種指定も行われました中小企業の事業転換対策臨時措置法でいろいろ対象業種が指定されておりますが、そうした業種、さらにはそれ以外に個別の立法でもって構造改善対策が定められております業種、さらに今後、各省庁等からいろいろと提示されます業種について考えていきたいと思っております。  さしあたっては中小企業事業転換対策臨時措置法で七十幾つかの業種が指定されておりますが、それ以外に、たとえば最近の動きとしましては、繊維産業であるとか、あるいは化学肥料であるとか、あるいは合板であるといったようなことが、中小企業の事業転換の対象業種ともダブっている面もございますけれども、いろいろと挙がっておりますので、そうしたところを十分実情をつかまえまして業種指定の対象として考えていきたい、かように考えております。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) その期間はどの程度ですか。

小粥義朗労働省職業安定局雇用政策課長

○小粥説明員 景気変動等の雇用調整事業の対象業種の指定の期間は、一年以内という従来の雇用調整給付金の業種指定の期間と同じ考え方をとっておりますが、事業転換等雇用調整事業の対象業種の指定期間は、一年を超える中ないしは長期の期間を考えていきたいということで考えております。  たとえば造船の場合ですと、昨年の関係審議会から出されました今後の造船業の見通しとしては、昭和五十五年ごろまで相当生産減という状態が続きますので、したがって、それくらいの間は業種指定の対象期間としても考えなければならないであろうというふうに考えております。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) そういう業種指定の範囲外にあるようなたとえば中小零細企業、そういう方々への適用は、別途何か救済方法をこの中に考えておられるのか、あるいは業種指定がなければどうしてもだめなのか、その点具体的にお考えがございましたらお聞きしたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、従来の雇調金の場合も、中小企業、下請につきましては、業種指定の範囲から一歩進みまして、実態に合うように指定をする、対象になるようにという御要望が強いことは、申し上げたとおりでございますので、従来も、親会社が業種指定になって、その下請というものも非常に下請性の強いものについては一緒に対象にいたしておりますし、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、大型倒産の関連企業とか、あるいは大型プロジェクトの結果、たとえば本四架橋が実現して、そのために運送定期船が失業状態になるというような場合等々につきましても、本安定事業の対象にすることを検討いたしたいと考えております。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) ということは、やはり弾力のある救済あるいは安定事業を考えていきたいということでございますね。そういうことにとらえていいですね。そうしますと、お考えになっていらっしゃるような対象以外にも、現実においてそういう安定事業の対象として何とかしてもらいたいというような申し出がもしあった場合にも、そういう考え方が波及されるのでしょうか。それともそういう考え方はないのか。その点はいかがですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 これから対象を指定いたします基準につきましては、当然あらかじめ関係各省とも相談をいたしまして、明確なものを確立いたしたいと思いますが、その基準を作成するに当たっては、先生が御指摘のように、企業の実態に合って弾力的に運用のできる基準にいたしたいと思います。したがいまして、今後われわれが予測していない事態が出てきて、なおかつ本制度の趣旨から失業を予防するために、安定事業の対象にすべきであるというようなものにつきましては、われわれとしましては、前向きに対処する考えでございます。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) ぜひともそのようにしていただきたいと思います。とにかくこういう事業は、往々にして画一的になりがちだし、また、そこから不公正が新たに生まれてくるという可能性もなきにしもあらずだと思いますので、その点ぜひ弾力的にお考えいただきたい、こういうふうに特に大臣にもお願いしておきます。  それから、雇用安定事業を行うことによって、その効果の判定基準というものを現在どのようなところに置いておられるのか、あるいは判定基準そのものがいまのところまだつくられていないのか、そういう点はいかがでございますか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 雇用調整事業のみを現在実施しておりますので、安定事業全体についてこれからどの程度の効果が出てくるかということは、まだ自信を持って申し上げる段階ではございません。ただ、雇用調整給付金制度によりまして、昭和五十年の大不況の際にはかなり失業の防止に役立った、こうわれわれは確信をいたしております。これは正確に個々の事例に当たって調査ができる性格のものでもございませんが、われわれが一応推測をいたしておりますのは、五十年度はこの制度によりまして二十万ないし三十万の失業は防止できたのではないか、こう考えております。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) できるだけ今後ともそういうデータをわれわれにも発表していただきたいと思います。  それから、休業のほかに教育訓練にも助成するということは非常に結構でございますが、ほかに、第六十二条第一項第五号の労働省令で定める事業として何を一体考えられているのか、具体的にございましたら御説明願いたいと思います。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 法文の中で明示してあります以外に省令で決めます事業としましては、景気変動等の雇用安定事業につきましては、その不況期に高年齢者を雇用する場合に、その高年齢者雇用奨励のために、高年齢者の雇用賃金の一部を助成、これは大企業の場合二分の一、中小企業の場合三分の二ということを事業の一つとして加えたいと思っております。  さらに、これはちょっと横にそれるかもしれませんけれども、職業転換等の雇用安定事業につきましては、先ほども浦井先生から御質問がございましたが、出向の場合に、出向者に対して親会社が賃金を支払っておる場合の賃金助成等についても、安定事業の一環として加えたいと現在考えておる次第でございます。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) この事業に関連いたしまして、特に身体障害者の雇用安定のための施策として何かいま考えておられますかどうか、その点はいかがですか。

北川俊夫労働省職業安定局長

○北川政府委員 身体障害者の雇用促進につきましては、御案内のとおり、昨年の十月から、身体障害者雇用促進法を改正いたしまして、身体障害者につきまして一・五%の雇用率を法定義務として課しております。それの達成ができない事業につきましては、納付金を納めていただく、また、法定率以上雇用していただいておるところには調整金ないし報奨金をお支払いするということで、身体障害者雇用促進につきましては、一応体系的な整備ができておりますので、今回の雇用安定事業につきましては、身体障害者の雇用促進と関連づけての事業を考えておらない次第でございます。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) 最後に、大臣にお答えいただきたいと思いますが、いまもお聞き及びのとおりでございます。考えておられないと言うのですが、雇用促進と安定はやはり違うと思います。そういう意味で身障者あるいはそれ以外にも高年齢者あるいは寡婦、このような社会的弱者の雇用の安定というふうなものに対しては、特に健常者に対するよりもきめ細かな、より厚い施策をしていただくように求めておきたいと思いますが、その点について大臣の御返答をいただきたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○石田国務大臣 高齢者の就職、雇用の安定、これに対して具体的ないろいろな措置をとっておることは御承知のとおりでございます。ただ残念なことには、身障者についての制度も同様でございますが、こういう促進給付制度というのは案外人に知られていない、これをまず知ってもらうことが一番大切だと思っております。そして幸い身障者の分については、最近、大手の企業が身障者に限り雇用するという募集広告をだんだん出してくるようになりましたので、そういう状態に力づけられながら、社会的弱者の雇用の安定というものに努力をいたしてまいりたいと思っております。

工藤晃新自由クラブ

○工藤(晃)委員(新自) 労働行政は、常にそういう社会的弱者の立場を中心に、第一番に考えていただくような労働行政であってほしいということを心から念じながら、私の質問を終わらしていただきます。

斉藤滋与史自由民主党

○斉藤(滋)委員長代理 次回は、明十四日木曜日正午理事会、午後二時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十九分散会

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