災害対策特別委員会災害対策の基本問題に関する小委員会 第3号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1977/05/19
会議録
○今井小委員長 これより災害対策の基本問題に関する小委員会を開会いたします。 災害対策の基本問題に関する件について調査を進めます。 本小委員会は、去る二月十七日設置され、以来今日まで、小委員各位と御協議の上検討課題として御決定願った三項目、すなわち豪雪対策、個人災害対策、大地震の予知と対策並びに火山活動の研究体制の推進、以上の各事項について鋭意検討を続けてまいったのでありますが、本日は、豪雪対策及び個人災害対策について、さきに専門に検討される方として小委員長において指名いたしました中村小委員及び谷川小委員から順次報告を聴取することといたします。 まず、豪雪対策について中村直君。
○中村(直)小委員 豪雪対策につきまして、さきに調査検討を進めるよう私が指名を受けたのであります。その結果につきまして御報告を申し上げたいと思います。 小委員各位すでに御承知のとおり、昨年から今年にかけまして、東北地方を初め裏日本一帯に相当な積雪を記録し、そのため豪雪地域は甚大な被害をこうむったのであります。 そこで私は、これら地域からの要望事項、関係当局からの問題点の指摘等につきまして、説明を聴取しつつ、これに対処する最善の方途について種々検討を重ねてまいった次第であります。 その結果、まず第一に、市町村道の除雪費に対する国からの助成措置の必要性、そして第二に、豪雪地帯対策特別措置法に基づく特別豪雪地帯の指定基準についての見直しが急を要する事項であるとの結論に達しました。 以下、二つの事項につきまして御説明申し上げたいと存じます。 まず第一の市町村道の除雪費に対する助成についてでありますが、さきに国土庁当局から報告がありましたとおり、去る三月八日の閣議了解に基づき、今冬の豪雪に対しましては、特別交付税の早期配分を行うほか、特に積雪が多量の豪雪地帯の市町村に対しまして、幹線道路の除雪に要した費用について、一般会計の予備費から約二十億円の使用を認めるという臨時に特別の助成措置が講ぜられ、この措置によって、逼迫を続ける地方自治体の財政に対しまして大きな救済となったところであります。 今回の政府の措置につきましては、これを高く評価するとともに、今後このような事態が発生した際におきましても、今回同様英断をもって予備費からの助成措置等を講ずべきであることを強く要請しておきたいと思います。 第二は、豪雪地帯対策特別措置法第二条第二項に基づく特別豪雪地帯の指定基準の見直しについてであります。 本法は昭和三十七年公布施行され、その後昭和四十六年の一部改正により特別豪雪地帯の制度が設けられ、以来昭和五十一年まで三回にわたって二百七市町村が特別豪雪地帯として指定されております。 しかしながら、現行の指定基準及びその運用について、三つの問題点が指摘できると思います。 すなわち、その一つは、積雪度の要件の基礎となっております累年平均積雪積算値についての観測期間の設定についてであります。 現行の指定基準におきます観測期間は、昭和二十五年から昭和四十四年まで及び昭和八年から昭和三十七年までとしておりまして、その後の積雪量については、算定の基礎から除外されております。 近年における気象状況の変化は、昭和四十四年以前の積雪量のみをもって算定の基礎とすることは、実情に即しておりません。 また、自治省当局におきまして、普通交付税に関する省令に定める積雪の差による地域区分の改定について検討を進めておるとのことでありますので、これとの調整を図る必要があると思うのであります。 その二つは、積雪量の観測所の位置によって、一部地域では、積雪量の観測値が実態と著しく乖離しているという問題であります。 御承知のとおり、同一市町村内におきましても、積雪量は、標高や地形等によりましてかなり差異がありますので、観測所の位置によっては、積雪量は実態より過少に観測されるわけであります。 この点につきましては、現行の指定基準におきましても、その運用面におきまして若干の配慮がなされているようでありますが、依然として各地の市町村から強い要請がありますので、積雪量の実態が可及的に反映されますよう、さらに特段の配慮が必要であると考えられるのであります。 その三つは、積雪による住民の生活の支障の要件についてであります。 最近の社会経済状況は、国県道のみならず市町村道等生活道路についても、積雪によって長期間にわたり交通が途絶するような事態は許されないのであります。それだけに、自治体の責任あるいは地域住民協力のもとに除雪を行っている実情にあります。したがいまして、自動車の通行不能の日数三十日以上を要件としていることについても、再検討を要する事項であると思うのであります。 以上の理由から、特別豪雪地帯の指定基準及びその運用に関しましては、最近の実情を勘案していま一度見直し、追加指定について前向きに検討すべきであります。 なお、すでに特別豪雪地帯に指定されている市町村については、これに悪影響を及ぼすことのないよう特に配慮されることを要望しておきたいと思います。 終わりに、特別豪雪地帯対策に関する件として私の手元で作成し、さきの小委員懇談会において御説明申し上げました決議案の試案を朗読いたしたいと存じます。 特別豪雪地帯対策に関する件(案) 政府は、近年における降雪及び被害の状況並びに生活環境の変化等にかんがみ、豪雪地帯対策特別措置法第二条第二項に基づく特別豪雪地帯の指定基準に関して、その見直しを行うべきである。 記 一 「積雪の度の要件」の基礎となる累年平均積雪積算値については、最近年次までの積雪の実態が可及的に反映されるようその取扱いを検討すること。 二 「積雪による住民の生活の支障の要件」については、最近の市町村における道路等公共施設の除雪の実態等にかんがみ、積雪の度が極めて高い市町村について、特に配慮すること。 右決議する。 以上であります。 ただいま朗読いたしました試案につきまして、委員会において決議されるよう御提案申し上げるとともに、その扱いは小委員長に一任することとして、豪雪対策に関する私の報告を終わることといたします。(拍手)
○今井小委員長 お諮りいたします。 ただいまの中村小委員の御提案を了承することとし、特別豪雪地帯対策に関する件を委員会において決議すべき事項として委員会に報告いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今井小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ただいま決定いたしました特別豪雪地帯対策に関する件の委員会に対する報告等につきましては、小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今井小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○今井小委員長 次に、個人災害対策について報告を聴取することといたします。谷川寛三君。
○谷川小委員 先ほど小委員長からお話がありましたように、二月以降、個人災害対策につきまして、国土庁、建設省等関係当局とも意見の交換などいたしまして、検討を行ってまいりましたので、きょうはその経過を御報告申し上げます。 さて、この個人災害に対する救済制度の確立は、長年の全国民的悲願であることは申し上げるまでもありません。とりわけ、四国、九州などの台風常襲地帯、東北、北陸などの豪雪地帯の住民にとりましては、本制度の確立は切実な問題でありまして、祈るような思いでその動向を見守っておるのであります。それだけに、その場限りの場当たり的対策では国民の悲願にこたえることはできないと思います。 この問題は確かに大変むずかしい問題でありまして、一朝一夕に解決できる事柄でないことは皆さんも御承知のとおりでございます。財源問題や制度的な疑問など多くの難問にぶつかりまして挫折しそうになりながらも、十数年にわたりまして、当委員会を初め関係の皆さんが熱心に討議されてきた経緯を見ましても、この問題がいかに重大であるかを端的に物語っておると思います。 私が今般、個人救済問題に取り組んだのも、実は昭和四十九年、五十年の台風被害でいまだに立ち直れず苦しんでいる被災地の実情をこの目で直接見ているからであります。道路や学校等公共施設は、国や地方団体の手で復旧されつつあります。しかし、個人が受けた被害は、自力で立ち直っていかなければならないのが実情です。 小委員の皆さんもすでに御承知のとおり、昭和四十八年に災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律が議員立法で成立し、個人救済に具体的一歩を大きく踏み出しました。その後、災害復興住宅資金の貸し付けや天災資金の融資など、災害関連諸制度とともに、幾たびか拡充、改善がなされてまいりました。 一方、新たな施策として、総理府において共済制度の創設について調査研究がなされましたが、これにつきましては、加入方式の問題や採算性の問題あるいは掛金徴収上の問題など種々の問題点が指摘されましたため、実施に至らなかった経緯があります。 そこで、今後の取り組み方といたしましては、これらの経緯をも踏まえまして、私は次の二点について検討を進めるべきではないかと考える次第であります。 その第一は、いわゆる水害保険制度の導入と保険制度の見直しです。 その第二は、融資制度の拡充です。申し上げるまでもなく、先ほど申し上げましたような現行の諸制度の限度額の引き上げや適用要件の緩和などの拡充措置、特に住宅金融公庫等による融資の適用条件の緩和や金利補助などを考えるべきでありましょう。 そうして、このうち今回特に取り上げることにいたしましたのが、第一点の保険制度の拡充です。 水害保険は、御承知のとおり現在アメリカで実施され、大きな効果を上げているようであります。そこで、これをわが国に導入することが可能かどうかについて検討してみました。 この制度を実施するにつきましては、保険対象地域をどうするか、保険主体をどうするか、保険料率をどう決めるか、あるいは加入者の誘導をどうするか、こういったようなむずかしい問題点がたくさん指摘できます。なお、本制度については、目下関係省庁で検討を進めておるようでありますので、本小委員会といたしましてもその推移を見守っていく必要があろうかと思っております。 次は、現行の民間における損害保険制度の充実の問題です。これには、まず制度の現状の把握が必要でありますので、さきに損害保険協会から参考人の出席をお願いいたしまして、お二人の参考人から貴重な御意見を伺いました。 その際、小委員の皆さんから、緊急に改善を要する事項につきましていろいろと御指摘がありました。一、二例を申し上げますと、現行保険金の限度額の引き上げの問題あるいは保険金支払い要件の改善、こういった問題などであります。 お二人の参考人のお話によりますと、協会は今年じゅうにも制度の改正を行う予定であるとのことでありますが、協会の意向は意向といたしまして、本小委員会におきましても別途改善策について検討を続ける必要があろうと思います。 それから第二点につきましては、被災後二年以内とされておりまする公庫融資の申し込み期間、これを三年程度に延長すべきことなどについても検討しました。 いずれにしましても、冒頭に申し上げましたように、個人災害対策の充実は国民の強い要望でもありますし、また私どもにとりましても最重要課題であります。もとより本問題の結論を得ることはなかなか容易ではありませんが、小委員の皆さんとともに継続して検討を続けまして、何とか改善の方途を見出すべく今後とも努力を続けてまいりたいと考えておるところであります。 以上をもちまして、簡単で意を尽くしませんが、個人災害対策に関するこれまでの検討の経過についての御報告を終わることにいたします。(拍手)
○今井小委員長 なお、谷川小委員から報告のありました個人災害対策及び震災対策につきましては、さらに検討を続けてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 本日は、これにて散会いたします。 午前十時二十二分散会