公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/04/20
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事松野頼三君より、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に葉梨信行君を指名いたします。 ――――◇―――――
○丹羽委員長 次に、内閣提出、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田芳治君。
○山田(芳)委員 行管の政務次官の増田さんがお見えになっておられますので、実は先般質問を申し上げようと思っておったのでありますが、長官の御出席がないので、留保をいたしておったわけであります。 私は、これで三回同じことを行管の長官に要請並びに質問をいたしておるのでありますが、それは去る七十五国会において選挙法関係二法が大幅に改正をされ、公営選挙というものが一段と強化をされてきております。この選挙の公営化の方向というものは、ますます今後も日本においてはふえてくる傾向にあると思うわけであります。とりわけ、近来は金のかからない選挙ということがきわめて重要であるし、また、考えようによっては、政治活動それ自身も非常に金がかかるということについての世論の批判もあるわけですから、これに対してどう考えていくかということが、これは国会の中においても、個々の政治家においてもいろいろと考えなければならない問題である。そういう点を含めて中央、地方を通ずる選挙管理機構の拡充強化という問題が、この委員会においては毎年取り上げられておるわけであります。 とりわけ、先ほど触れましたように、選挙二法の大幅な改正、公営制度あるいは政治資金規制の抜本的な改正ということで今日に及んでいるわけですが、いわゆる中央における選挙管理機構である自治省選挙部、これはかつては、ここにも奥野先輩がおられますけれども、全国選挙管理委員会というのがあって、同じく参議院議員をしておられる郡祐一さんが事務局長である、まあ地方局長の後やられたという、次官クラスの事務局長がおったという時代があるのであります。それが自治庁なり自治省に一本化されて選挙局となって、しかも一局削減という形で選挙部になった、こういうわけであります。 つらつらおもんみるに、われわれ、いわゆる国民を代表して国会に出てきている者を選ぶ手続、その手続の総元締めである組織が自治省の選挙部であるということでは、まことにもって民主主義の基本的な手続を行うところが余りにも貧弱ではないか。したがって、七十六国会において、当委員会としては、中央、地方を通ずる選挙管理機構の強化ということを、すなわち内容としては、せめて選挙部を選挙局に格上げすべきであるという決議をいたしております。当公選法委員会において決議をして、政府に申し入れをしてあるわけであります。 自治省もこの意を体して、一昨年また昨年の予算要求時においては、局に昇格を求めるという要請を政府部内において、しているわけでありますが、行管においては、一切の部局の昇格なり拡充を認めないという方向だということであります。しかし、事選挙に関しては、私はそういう枠があってはならないし、しかも、これによって経費がかかるということではなしに、選挙部を選挙局に昇格するだけならば、金などほとんど要らないわけでありますから、これを毎年私は要請をし、また質問をしているのですが、行政管理庁としてはいかがお考えになるのか、ひとつこの際、明確にしていただきたいと思います。
○増田(盛)政府委員 御存じのとおり、過去におきましては、確かに選挙局があったわけでございまするが、それが部になりまして、すでに十年の経過をいたしております。ことに最近におきましては、お説のとおり、選挙事務が急激に増加いたしておることも承知いたしておるわけでありますが、片っ方におきまして、行政管理庁といたしましては、すでに行政機構の見直しをいたしましてから久しいわけでございまして、最近に至るまで、局部の増設は認めないという方針をできるだけ忠実に守っていきたい、こういうことで現在に至っておりますことも御承知のとおりでございます。 したがいまして、最近におきます特に急激な選挙事務の増大に対しましては、昨年でございますか、政治資金課一課をふやしまして、できるだけこれで対処してほしい。特に機構の問題は生き物でございますから、事務量の変動に対しましては、まず一番先に、省内で彼此勘案いたしまして、できるだけ流動的に措置していただくことが大事でございます。そういう立場から私どもは各省にお願いいたしておるわけでございまして、本年におきましても、特に自治省当局から選挙局への格上げの御要求が最後まで非常に強かったわけでありますけれども、本年度は自治省はもちろん、各省庁の要求に対しまして、局は一切認めないという方針を貫いてきた次第でございます。 ところで、来年度以降の問題になるわけでございますけれども、私どもといたしましては、いろいろな御事情がありましょうけれども、客観的な行政を取り巻く情勢というものは非常に厳しくなっておるわけでございます。そういう社会的な変動からいたしまして、強力ではございますけれども、行政機構はできるだけ簡素にしてもらいたい、経費の削減も図ってもらいたい、こういう方針を今後とも堅持していかざるを得ないんじゃないか、かようにも思っておるわけでございます。 ただし、来年度以降の問題をただいま断言するわけにはとうていできないわけでございますけれども、私どもといたしましては、将来にわたりまして、この客観的な情勢に対応するために、相当厳しい態度をとると同時に、一方におきまして、各省庁におきまして弾力的措置によって対応していただく、こういうことになろうかと思うわけでございまして、さような情勢をいろいろ篤と御承知の上に御了解いただきたい、かように思う次第でございます。
○山田(芳)委員 経費の削減、結構ですし、行政機構の簡素化も不必要なものはやっていただくことは一向に差し支えない。ただ、選挙部を選挙局という、名前を変える程度のことで、別にそれほど経費が要るというふうに思いません。局長の給料と部長の給料の差ぐらいはあるいは要るかもしれませんね。そのぐらいで、人数をふやせとは言っているわけじゃない。いわゆるわれわれ国民の代表者を選ぶ、そして金のかからない選挙をやる。そういうような、日本の国における選挙という民主主義の基本的な手続をやる部局が自治省の一局の下の部であるということについては、これは過去の経緯を見ても、どうしても納得できないので、選挙局という、名前を変える程度でいま大演説をしていただいたわけで、私も内容は決して反対をいたしませんが、部を局に上げる程度のことがどうしてそんなに抵抗があるのかわからない。当委員会としては、自民党を含め全部の党が決議をして、必要であるということを言っておるし、またここにも、都道府県選挙管理委員会連合会からも、中央、地方を通ずる管理機構をぜひひとつ決議どおり強化してほしいという四月十三日付の要請も出ておるわけでありますから、部を局に上げる程度のことに大議論は要らないのであって、そのくらいのもので選挙の管理機構をひとつやってほしい。政務次官もわれわれも一緒に選ばれるそのもとですよ。民主主義、国会形成のもとですから、そのくらいは、行政管理庁も弾力的にひとつ考えていただきたい。もう一遍ひとつお伺いしたい。
○増田(盛)政府委員 御趣旨はよくわかるわけでございますが、御存じのとおり、やはり形式ではございますけれども、どうしても行政機構というものの膨張化を抑えていくためには一局削減あるいは局部――これは特別な地位でございますから、特別重要性を持たせているわけでございます。 さようなことでございまして、いま直ちに御要請に応ずるというわけにはまいりませんけれども、来年度以降の情勢の推移も見まして、そういう点は彼此勘案して、私どもといたしましてもできるだけの対応の措置はとってまいりたい、かように思う次第でございます。
○山田(芳)委員 これで三回質問しているのですよ。この前の松澤長官は景気が悪い、税が入らないからことしはひとつまあ、こう言うのですよ。大いに公共事業をやって、そしてまた一兆円の補正予算も組もうかというような話もちらちら出ている、景気がよくなってくればやりますかと言ったら、そのときは考えます、こう言っているのですから、来年あたりは、自民党政府としては、大いに景気を回復するために努力しておられるのだから、その効果が上がった場合には、ぜひひとつそういう、別に金をそんなにつけてくれというような要求を自治省はしているわけではないですし、私どもも、新しい事務がふえれば別ですけれども、別にそんなに人数をふやしてということを言っているわけではないのですから、現段階において、現状の事務である限り、現行の体制の中で部を局に上げる程度のことは、行管長官もひとつ協力をしてもらいたい。それがわれわれ選ばれてくる者としても、やはりわれわれの選挙を管理、執行している事務部局に対して強力な指導ができるような体制をお互いにつくってもらうということが必要なんではないかと思います。私は、とにかくそれが行管で認められるまで毎年質問をするということを申し上げて、もう結構でございます。また、来年は来年で自治省は多分要求を出すはずでありますから、よくひとつ考えてもらいたいという要請をして、行管に対する質問は終わります。 次に、委員長にこれは要請したいのですが、いずれ理事会等でも申し上げますが、先ほどから言っておりますいかにして金がかからぬ選挙、政治制度というものを確立していくかということが今日ほど大事なときはないと思うのです。 そこで、私は前に当委員会においても何遍が発言をしているのですが、西ドイツが一票につき三百五十円の政党に対する交付金というものを出している。そして企業献金というものを禁止するという形で、そうすることによって、政党法というものをつくって、経費ももちろん公開をし、税金を使うのですから、国民の前に明らかにするということによって、選挙のみならず政治活動の公正化というものが図られるというようなことが言われております。ジャーナリズムの人たちも非常に賛成をしておられるわけでありますが、そういう意味で一遍、これは議運の問題でもあろうと思いますけれども、ぜひひとつ委員長も、参議院選挙でも終了した段階で、西ドイツのそういう政党のあり方、あるいは政府が票数に比例をして国庫から交付金を出していく、それがどう公表されているか等々の実態をぜひひとつ勉強をするために、当委員会としても、そういう点を十分勉強していくことが必要ではないか。せっかく委員長になられた丹羽先生に御努力を願うて、西ドイツあたりの実情の視察、それはもう長いことは要りませんから、そういう点について御努力をいただきたいし、また大蔵省の主計官も来ておられると思うのですが、そういう政治制度、選挙制度というものを財政当局もひとつ十分勉強していただく。できれば、そういうときには一緒にくっついてきて、一緒に勉強をしてもらいたい、こういうふうに思っておるのですが、委員長並びに大蔵省当局にひとつ、私は要望とともに、御意見があれば、聞かせていただきたい。自治大臣にこの前伺ったら、一つの見識でありますというお話でありましたから、自治省にはもうお伺いする必要はないと思いますので、委員長、ひとつよろしくお願いしたい。
○矢崎説明員 ただいま御指摘がございました問題につきましては、議員の海外派遣の経費の問題かと思いますけれども、国会関係の予算におきまして、外国事情調査等に支障を来さないように所要の予算を計上いたしておりますので、必要がございますれば、こういった経費を御活用いただければと思うのでございますけれども、全体の計画の問題もございましょうと思いますので、事務当局ともよく御協議いただきまして、対処していただければよろしいのではないかというふうに考えております。
○山田(芳)委員 財政当局、こういう勉強を十分お願いしたいと思いますので、そういう折がもしあれば、ひとつ一緒に来ていただきたい、これも要請であります。 それから次に、これは自治省にお伺いをいたしたいのですが、公選法の改正によりまして、いわゆる「寄附の禁止」、公職選挙法第百九十九条の二でありますが、いま全国的に議員の給与のベース改定等が行われるときに、議会の中ではベース改定に必ずしも賛成でない議員がおるわけでありますし、反対である政党もあるわけであります。そういう場合、具体的に申しますと、東京都の台東区におきましては、現在議員の給与はスライド制になっている。すなわち、公務員等のベース改定がなされるとスライドをして議員の給与が上がる。こういうことになっておるようでありますが、これでは一般職の公務員といわゆる議員との間における法の立て方、条例の立て方がおかしいということで、この条例をやめて、そしてその都度、報酬審議会等の議決をもらって、答申をもらって変えていくという方向にすべきだという市民運動が起こっておる。また、その市民運動に一緒に闘っているという議員もおるわけであります。 そういう場合に、多数によって給与が決まって、上げることに反対である、あるいはまた、いま言ったスライド制でありますから、条例を変えなければそのまま給与が自動的に上がっていくという場合、その辞退をしたいという、自分は現在のように非常に地方財政の厳しいときに、スライド的に議員の給与をもらうということは忍びないということで辞退をしたい、こういうふうに考えた場合、これは給与の返上あるいは辞退というものと公職選挙法第百九十九条の二の「公職の候補者等の寄附の禁止」というものの関係について、すでに昭和五十年十月三十一日付の自治省選挙課長の通牒というのがあって、それによると、この「給与の辞退又は返上は、公職選挙法第百七十九条の第二項の寄附に該当する」のだ、こういうことになっておる。寄付の禁止にひっかかるのだから罰則がかかるのだ。そうなると、選挙法の規定による罰則がかかると、公民権の停止を食らう可能性もある。非常に善意で給与、報酬を返上しようとしたら、寄付になる。寄付になると罰則がかかって、公民権の停止になるというようなことは、これは恐らく法が予定をしておらないことだというふうに考えるのですが、一体この点については、どういうふうに考え、どういうふうにそういう議員が処置したらよろしいか、お答えをいただきたいと思います。
○佐藤(順)政府委員 お答えいたします。 一昨年の公職選挙法の改正で、公職の候補者等につきまして、その選挙区内にある者に対する寄付につきましては、選挙に関すると否とにかかわらず、平常時におきましても寄付をすることができないということになり、その解釈として、先ほど委員から御指摘ありました解釈ができ上がっているということは、御承知のとおりでございます。従来は、選挙に関する寄付を禁止しておったのを、やはり平常時におけるいろいろな行為についても、金のかからない選挙という見地から規制すべきであるということからこの禁止になったことは、これまたこの趣旨は御承知のとおりであります。 そこで、給与の辞退や返上までその寄付に当たるのかということになるわけでございますけれども、実は給与の辞退あるいは返上の具体的な手順としては、おおむね二つ考えられると思うわけでございます。一つは、支給された給与のうち一定部分を返上するという仕方、もう一つは給与の請求権の一定部分をあらかじめ放棄するという仕方があると思います。前者につきましては、一たん支給されました給与の中から、これはその一部、すなわち金銭を供与することになりますので、ずばり寄付に当たる。それから二つ目に申し上げました請求権の放棄というものも、これも民法で申しますならば、債務の免除に当たるような行為に当たりまして、これは財産上の利益を供与するということに当たりまして、これもまた寄付に当たる。いずれにいたしましても、これは寄付に当たる、こういう考え方に立って、先ほどすでに御指摘のありました自治省の見解が出ており、これはそのとき以来、全国にそのようにお知らせもして、そしてまた履行していただいておるという状況であるわけでございます。 さらに、罰則についてのお話がございましたけれども、法の二百四十九条の二におきましては、第百九十九条の二の「規定に違反して当該選挙に関し寄附をした者は、」一定の罰則がある。しこうしてその二項では、「通常一般の社交の程度を超えて第百九十九条の二第一項及び第二項の規定に違反して寄附をした者は、当該選挙に関してこれらの項の規定に違反したものとみなす。」こういうふうになっておるわけでございます。冒頭申し上げましたように、選挙時であると否とを問わず、幅広く平常時における寄付を禁止したのがこの規定でありますので、さように御承知おきをいただきたい次第でございます。
○山田(芳)委員 いまのような形は――私はいわゆる寄付というのは通常の寄付であって、いまのような辞退をするということをこの法律は予定していないのではないかというふうに思うのですね。要するに、地方団体に対して返すわけですから、地方団体というものは一つの団体でありますから、具体的な人ではないわけですから、こういう善意でそれを辞退したいという場合にまで法の罰則が及ぶのかどうかというのが一点。 第二点としては、これは通常社交の程度を超えるものとして考えられるかどうか。この二点の質問を申し上げたいので、ひとつ明確にお答えいただきたい。
○佐藤(順)政府委員 「選挙区内にある者」という者には、地方団体まで含んでおるのかどうかというような御質問が第一点だと思いますが、これにつきましては、地方公共団体も他の法人等と同様に、権利義務の主体として広く社会的活動を行う実体としてとらえ得るものでございまして、地方団体のみを「選挙区内にある者」に含まれない、こういうふうに解する積極的な理由も見当たらない。と同時に、逆に含まれないんだというふうに解しまして、その場合の寄付が可能であるということになりますと、この分については可能だということになりますと、今回この寄付の禁止をしたという趣旨、それからまた、その寄付の禁止は徹底されていかなくてはならないという趣旨を没却するということにもなるということで、とうていその考え方はとることができない。「選挙区内にある者」というのは、自然人、法人たるを問わず、その選挙区内にある者をすべて含むと考えざるを得ないという考え方になるわけでございます。 それから第二のお尋ねにつきましては、これはまだ私ども、はっきりそういった事例にぶつかっておりませんので、具体例は出ておりませんけれども、おおむね通常の社交の程度を超えるということに当たるのではないか、おそれがあるのではないか、こういうふうに存じます。 そこで、先ほどの御質問に、ほかに方法はないのかという御質問があったと思うのでございます けれども、これにつきましては、先ほど御指摘の自治省の見解にも付言しておるわけでございますけれども、給与の辞退または返上の問題の処理については、条例を改正して給与の暫定的な減額措置をとるということが相当のものである。つまり制度としてそのようにするならば、これは制度的な返上であればいいが、制度として支給が決まっているのに、それを一たん支給を受けたものを返上すること、あるいは支給さるべきものをあらかじめ請求権を放棄することは、先ほど申しました寄付に該当する、こういう見解でございます。
○山田(芳)委員 それでは、最後に、個別的返上ができるということを条例に書いたらどうですか。
○佐藤(順)政府委員 ちょっと、いまとっさのお尋ねでございまして、そのような条例規定が果たして可能か、あるいは妥当かということについて、ちょっと見解を申し上げかねますので、御了承いただきたいと存じます。
○山田(芳)委員 そうすると、はっきり言うと、これはもらう以外には方法がない。たとえばそれは条例ですから多数によって決まってきます。多数の中の少数の者は、たとえ辞退をしたい、返上をしたいと思っても、現行制度のもとにおいては方法がないんだ、こういうことでございますか。
○佐藤(順)政府委員 そのとおりでございます。
○山田(芳)委員 これはまた当委員会の問題もあろうと思いますが、ちょっと問題があると思いますので、質問は終わりますけれども、十分ひとつそういう点は、自治省もそれではこういった運動が成り立たないということもありますので、余り適切ではない。これは立法論にもなるでしょうから、立法政策の問題もあろうかと思いますから、この点はまた議論するとして、この点は十分検討してもらいたいということを要請して、私の質問を終わります。
○丹羽委員長 荒木宏君。
○荒木委員 二、三お尋ねを申し上げます。 国会議員の選挙の費用の交付に関しまして、従来から実際の支出額と交付金の間に乖離があるという点につきまして、各自治体から要望が寄せられておったことは御承知のとおりだと思います。今回の改正案もそうした要望に対する一つの改善方法のあらわれかと思うのであります。 私は、特に大都市周辺の町村のこの問題につきまして御答弁をお願いしたいと思うのですが、昨年の総選挙が終わりましてから、この問題につきまして、大阪府下の町村長会が決議をいたしました。それで美原町それから忠岡町、岬町、熊取町、田尻町並びに狭山町、これらの町長さん方と私御一緒しまして自治省に伺いまして、特に大都市周辺の町村のこうした交付金と実際の費用との差を縮めていただくように、実情に即応した処理をしていただくようにということを要望したわけでございます。たしかそのとき選挙部長に応対をしていただきまして、要望の趣旨をお聞き取り願って、その後の検討のお約束をいただいたと思いますが、初めにそのときの要望についてのその後の検討、おとりいただいた措置の概要をお伺いしたいと思います。
○佐藤(順)政府委員 ただいまお話しの件につきましては、たしか衆議院の総選挙の終わりました後でのお話であったと存じます。 そこで、具体の総選挙の執行結果につきましては、各市町村の選挙終了後の選挙経費の状況につきまして、全国どこもそうでございますが、当該府県の選挙管理委員会からいろいろと実情を聴取いたしました。そして実際上支出された経費と交付された経費との間に差があり、その全部または一部について合理的な理由が認められるというものにつきましては、また必要やむを得なかったものであると認められるものにつきましては、第二次の交付と申しますか、調整費の交付を通じまして措置をいたしまして、総選挙につきましては、所要経費については措置を終わったところでございます。 ただ前段にお話のありました問題につきまして、大都市周辺の事情を制度的に考慮することができないかという問題点でございますけれども、いわゆる経費基準法はその性格上、全国的に見まして標準的な経費を設定いたしまして、そして各団体には、あらかじめ、今度の選挙ではこれだけの経費が基準法によってはじき出されて交付されるものであるというものを前提といたしまして、選挙執行を可能にするということでございます。この場合いろいろと積算はございますものの、実際の選挙に当たりましては、各費目間では彼此融通し合って、各団体の自主的な判断で支出をすることができるという融通性のあるものになっております。そこで、各費目ごとにはいろいろと過不足がありましても、全体としてこれを融通し合っていただいて支出をしていただく、こういうことによって対処していただく。 そのようにして対処しても、なおこの経費とこの経費がどうしても上回ってしまったというものにつきましては、先ほど前段にお答えいたしました、各府県の選挙管理委員会からの事情聴取によりまして調整費をもって措置しておる、これが大体いままでの措置の経緯でございます。
○荒木委員 いまのお話の費目流用、それから選挙後の対応措置といいますか、こういうことで、運用上は逐次改善の跡が見えておるようでありまして、私もきょうの質疑に先立ちまして、その後の経過を実際に町村に問い合わせましたところ、やはり改善の跡が見えておりますということで、いろいろ御処理いただいた点は歓迎をされておるようであります。 ただ、私がきょうお伺いしたいと思いますのは、運用の中での実際に見合うような措置、これはその都度やられておるわけですけれども、しかし大都市周辺の町村の選挙費用の問題につきましては、実態と制度との間に実情に根差したその都度の解決だけで済まない恒常的な問題があるのではないか。つまりたてまえと実際の間に一時的と言えない乖離があるのではないかという問題であります。 これには二つ問題がありまして、一つは、たとえば大阪府下の例で申しますと、翌日開票になります。そこで町村などでも早朝の八時半から作業が始まるので、早朝出勤で超過勤務が常について回る。それから昨今、立会演説会あるいはその他で不祥事案が、いろいろな契機、社会の選挙に対する関心の変化と相まって間々起ってきておるわけですが、そういう立会人の人数の増加という事態がある。これは町村だからといって、隣接の大都市とその事情は少しも変わらないわけです。こうした事情が一つ。つまり業務の遂行に伴うところの問題が一つと、それからもう一つは、大都市に密接しておる町村あるいは市と市の間にはさまれておる町村の場合には、人件費にしましても物件費にしましても、あるいは事務的な経費にしましても、これは行政区画の違いによって、物価水準だとかあるいは社会的な状態の変化ということはあり得ませんで、一つの社会圏として、生活圏として、経済圏として同じ水準に包含されておるわけですね。ですからこそ、それぞれの法律適用あるいは各所管省の行政運用ではその点にいろいろと工夫をされまして、たとえば生活保護などでありますと、町であっても市と市の間にはさまれておって、一級地というのがあります。市段階でも二級地というのがあるわけなんです。先ほど申し上げた大阪府下の忠岡町などは町ではありますが、生活保護は一級地になっております。ですから、いまの選挙費用の法律で市それから町村、こういう行政区画による刻みが固定化されておりますから、運用、執行の面ではそれに拘束されるのは、その限りではやむを得ぬと思うのですが、そうした社会的な実態から見ますと、仕組みと実態の間に乖離があって、それを運用面で、その都度矛盾が少なくなるようにさじかげんしていらっしゃる、こういうことであろうかと思うのです。 ですから、私は法改正の問題あるいは刻みの再検討という問題もあろうかと思うのですが、同時に、これは全国的な問題もありますから、なかなかいろいろな検討を要する面もあって、そう簡単にはいかぬところもあろうかと思いますけれども、運用の面で、大都市周辺の町村の費用については、いま申し上げたような事情を考慮して、実際に差が出ないようにしているという運用原則、それをひとつはっきり御確認をいただくように検討を進めていただきたい、こういうように思うのでございます。これはひとつ選挙部長から御意見を伺って、同時に、全体に関する原則的な問題でありますから、大臣からも御意見を伺いたいと思います。
○佐藤(順)政府委員 ただいま業務遂行上のいろいろな特殊性を挙げられ、またもう一つは、大都市にはさまれているという地域的な事情による特殊事情、二つお話がございましたけれども、業務遂行におきます特殊事情はよくわかるのでございますけれども、しかし同じような状況にあります町におきましても、即日開票と翌日開票があり、翌日開票の場合でも非常に早朝から出動するところと、そうでもないところがあるというふうになってまいりますと、これはやはり制度的に処置するのではなくて、運用上処置するという方に入らざるを得ないと思うわけでございます。 それから、大都市にはさまれている地域的な事情を考慮するようにというお話がございましたけれども、先ほど申し上げましたように、基準法が全国の都道府県、市町村につきまして処置をいたしております関係上、どうしても全国的な、そしてまた標準的な経費の設定ということに相ならざるを得ない。そのようにして基準を定めまして、基準で一たん交付されるけれども、しこうして先ほど申しましたとおり、各費目間では大いに彼此流用していただいて、自主的な支出を図っていただく、それでもなお不足するものについて調整措置をとるという運用面の配慮で措置せざるを得ないということを御理解いただきたい。 と同時に、冒頭でもお答えいたしましたし、また荒木委員もすでにお認めいただいておりますように、たとえば先ごろの総選挙の結果につきましても、大阪府下の市町村につきまして、結果において問題なきを期しているということもお含みをいただきたいと思う次第でございます。
○荒木委員 大臣にお答えいただきます前に、一言もう一度念を押して申し上げておきたいのです。 刻みの問題、制度改正の問題も確かにあろうかと思うのですが、私がお尋ねしておりますのは、それはそれといたしまして御検討いただくとして、運用上に原則といいますか、そういうような方針をおとりいただくということをひとつ御検討願いたいということも申し上げておりますので、その点を含んで御答弁いただきたいと思います。
○佐藤(順)政府委員 その点につきましては、委員もおっしゃいましたとおり、運用の問題でございますので、なお検討事項にさせていただきたいと存じます。
○小川国務大臣 大都市に近接いたしまする地方公共団体の選挙に際しての実情というのは、恐らく仰せのとおりであろうと存じます。お話はよく理解できるわけです。ただいまこれを制度の運用によって解決をいたしておるわけでございますが、運用そのものについて何らかの基準を設けるべきではないかという御意見かと存じます。ただ、この点は場所によりまして、それぞれ実態が異なるわけでございましょうから、運用についての一律な基準を設けるということ、これはもう少し研究をさせていただきませんと、この場でお約束はいたしかねるわけでございます。 いずれにいたしましても、地方公共団体に御迷惑のかからないような措置をその都度とっておるわけでございます。御提案については、いましばらく研究をさせていただきたいと思います。
○荒木委員 十分研究、検討を重ねていただきたいと思います。 最後に、今度の国会で問題になりました公務員の選挙活動の点で、国会で取り上げられました点の調査、それからその処理結果、今後の対応方針ということについてお尋ねしたいと思います。 一つは、三月二日の本委員会で安藤議員がお尋ねをいたしました自衛隊幹部の方の問題であります。二月十一日、奈良県生駒市でありました旧海軍の関係の方々の会合に自衛隊幹部の方が出られて、そして予定候補者と言われております方の推薦をなすったという問題が一つ。 それから本年四月五日の参議院の予算委員会におきまして問題になりました国鉄の幹部職員の方の、同じく予定候補者とされております方の後援会への勧誘行為、これは数件ありますけれども、あわせてそれの事実関係、それから調査結果、処理の結果と今後の方針ということにつきまして、防衛庁、警察庁、それから運輸省の方から結果をお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木政府委員 奈良県の件で警察庁の方からお答え申し上げます。 お尋ねのこの件につきましては、現地の奈良県警察におきまして事実関係を調査しました結果、公職選挙法百二十九条、すなわち事前運動の禁止の項でございますが、これに違反するおそれがあるということを認めまして、この行為を行いました自衛隊の幹部に対しまして警告を行った、こういうふうな報告を受けております。
○竹岡政府委員 お答えいたします。 この事件は、防衛庁といたしましては、やはり公正な第三者機関であります警察の調査結果を待ってから判断したいということで調査結果を待っておったわけでございますが、ただいま警察庁から申しましたように、事前運動の疑いのおそれがあるということでの警告処分がございましたので、われわれの方も本人に対しまして――自衛隊というところは何と言いましても規律が中心でございます。本人はあるいは先輩を支援したいという気持ちもあったかもしれませんけれども、訓戒処分ということにいたしました。
○林説明員 お答え申し上げます。 ただいまお尋ねの件につきましては、私ども立場上一般的な監督をいたしておりますので、事実関係については特に調べておりませんが、国鉄の役職員がその地位を利用して選挙運動をやるということは、これは法律に触れる行為でございますので、それらの疑惑を招くことのないようにということを、一般的に国鉄の方に十分注意をいたしております。
○荒木委員 いま御答弁をいただいてもう一言お尋ねしておきたいのですが、一般的に注意をしておるという話なんですが、具体的に国会で論議になりまして、それも一つや二つじゃありません。ずっと続いて、見方によっては系統的にあるいは計画的に、しかも地域は全国的に、業種も各階層にわたって進められている。もう少しおとりいただいた処置の具体的な、いつだれが、どこで、だれに対して、どういうふうにしたかという指導内容ですね、これをお聞かせいただきたい。 あわせて、防衛庁の方から処理結果だけ伺いましたが、そうしたことの今後再びないようにするための指導はどういうふうになされたかということを伺って、質問を終わりたいと思います。
○林説明員 私ども、いま申し上げましたように、日本国有鉄道法によりまして、一般的に国鉄を監督するわけでございます。そこで、公職選挙法違反という事実について、これを個別に調査して、それで摘発するという立場にございませんので、私ども一般的な監督の立場から、そういう法律に触れる行為というものは公企体職員としてふさわしくございませんので、それらのことのないようにということを厳重に注意しておるということでございます。
○荒木委員 ですから、それは文書でやったのか、だれの名前でだれあてに出したのか、こういうことを聞いているのです。
○林説明員 特に文書で注意するという形はとっておりませんで、これは折に触れて私ども幹部が国鉄幹部に対して、そのような行為のないようにということをしばしば注意をしておるということでございます。
○荒木委員 恐縮でございますが、あれだけ問題になったわけでしょう。ですから、一般的なことではなくて、具体的に、それを踏まえて一般指導をなさるべきじゃないでしょうか。これはぜひ検討してください。どうですか。
○林説明員 たびたび繰り返して恐縮でございますけれども、先生の御趣旨を体して、そういう実態のないように今後十分気をつけてまいりたいと思います。
○竹岡政府委員 防衛庁は、いつも総選挙が始まります前には、全隊員に対しましての服務規律の確保という通達を出しております。今回は、そこに至る前のこういう事件でございましたが、この事件を踏まえまして、今回いたします参議院選挙を控えましての服務規律の確保の通達の中には、この例を載せまして、隊員お互いの自制を求めたいと思っております。
○荒木委員 終わります。
○丹羽委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○丹羽委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○丹羽委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕
○丹羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時五十三分散会