公害対策並びに環境保全特別委員会 第13号
- 発言数
- 151 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/05/17
会議録
○島本委員長 これより会議を開きます。 この際、土井たか子君外四名提出の環境影響事前評価による開発事業の規制に関する法律案及び古寺宏君外二名提出の環境影響事前評価による開発事業の規制に関する法律案を議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。土井たか子君。 ————————————— 環境影響事前評価による開発事業の規制に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○土井議員 ただいま議題となりました環境影響事前評価による開発事業の規制に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。 われわれ人間は、自然の生態系の一部であり、自然環境との調和なくして生存できないのであります。この厳然たる自然の法則に逆らい、目先の繁栄と便利さを追うならば、いずれは手痛い報復を受けること必定であります。 ところが、わが国におきましては、人間の生存と自然環境との調和を忘れて、自然の浄化能力を無視した高度経済成長政策の遂行を急いだため、不可逆的な自然の破壊と汚染が進行し、日本は世界に類を見ない公害実験国と言われているのであります。 今日の公害、環境破壊をこのまま放置し、これまでのように無分別な開発行為が実施されるならば、わが国のような狭隘な国土という環境上の制約のもとでは、人間の生存の基盤が危機にさらされ、現在及び将来の国民がこの国土に生き残ることすら困難な事態に立ち至るのは、時間の問題と言えるのであります。胎児性水俣病の例は、まさに厳しい警告と言えるのであります。一たび進行し始めた環境破壊は、とどまることなく進行し、一たび失われた自然や健康は、今日の人間の英知をもってしても、回復することがきわめて困難であることは事実が証明しているのであります。 かくて、限られた国土の中で、後代の国民の生存をもかけ、開発事業を規制していくためには、どうしても、開発事業の実施前に、自然的、社会的諸条件の分析や、事業実施過程における環境への影響予測、事業完成後の施設の操業や交通事情の変化、人口の移動など、将来における環境への影響予測などを、計画段階で多角的、科学的に判断し、環境への悪影響が生ずるおそれがないもののみを許すという方途を講ずることが必要になるのであります。 他方、開発行政は、本来、国民や住民の利益のためになされるべきものであり、その大方の合意なくして行われることは許すべからざるものであります。しかるに、従来の開発行政は、行政庁が勝手に判断したものを公共性の名のもとに無理やり国民や住民に押しつけるというやり口がまかり通り、開発こそは善であり、これに逆らうことは悪であると強弁してきたのでありますが、その実は、国民や住民の利益など眼中になく、ときには人の生命、健康すら犠牲にして、終局的には開発利益を受ける企業の立場のみを代弁してきたというのが行政庁の開発行政の実態に対する評価であります。また、たまたま、環境アセスメントを行ったとしましても、国民や住民の眼の届かないところで、形ばかりの調査を行い、おざなりの評価をしたため、実施後、日ならずして大きな環境汚染が発生し、農漁民の生活や住民の健康を脅かしておりますし、ときには、いわゆる沼津、三島コンビナートの例にも見られますように、政府の権威ある科学者を動員して行われた調査結果が、高等学校の一教師による地道な調査でひっくり返ったという実績もありまして、国民の行政不信は抜きがたいものとなっているのが実情であります。 これに加えまして、水俣病の例に見られましたように、企業は有機水銀中毒の発生を実験で知りながら、これを長期にわたって放置しただけでなく、実験結果をも秘密にして自己の責任を否定し続け、ついに大量の生命を失わしめ、今日なお被害の発生が引き続き、広範囲にわたる関係住民の生活と健康を不安に陥れているというようなことから、国民の企業に対する不信感もまた根強いものがあるのであります。 このような行政不信、企業不信のもとでは、真に国民のため、住民のために必要な開発事業すら行えなくなっているのが今日の現状でありまして、国民・住民の大方の合意を取りつけつつ、本当の公共性を持った開発事業のみを進めて行くことが必要なのであります。そして、このためには、開発事業の事前評価に当たりまして、できる限り国民・住民が参加できる方途を開き、これによって国民・住民の大方の合意と、真の公共性の実現とを期さなければならないのであります。 本法案は、以上のような観点に立ちまして、開発事業の実施に先立って、これに伴う環境の汚染と破壊を未然に防止するため、国民、住民をできる限り参加させつつ、また、公開の場で論議をさせつつ、多角的、科学的に環境に対する影響を評価する手続を整備し、その結果に基づいて開発事業の実施を規制し、現在及び将来の国民の生存と快適な生活を確保しようとするものであります。 以下、本法案の概要につきまして、御説明申し上げます。 まず第一に、この法律案におきまして行おうとする「環境影響事前評価」とは、開発事業の実施前における関係地域の自然的社会的諸条件の調査、その開発事業の実施によって生ずる環境に対する影響の予測、その開発事業の実施によって完成した施設もしくは土地及びその土地に設けられると予定されている施設の利用等によって将来生ずる環境に対する影響の予測、その環境に対する悪影響の防止策の効果についての予測等に基づいて、開発事業の実施前に、その開発事業の事業計画及びその代替案を多角的に検討して、評価することをいうものといたしておりまして、これを経て、開発事業の実施の認可、不認可が決定されるわけであります。 第二に、この法律案におきまして適用対象とされる「開発事業」とは、工業用地の造成、土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業、市街地再開発事業、新都市基盤整備事業、住宅街区整備事業、流通業務団地造成事業、公有水面の埋め立てまたは干拓、飛行場の設置またはその施設の変更、鉄道、軌道または索道の建設またはこれらの施設の変更、道路または自動車道の新設または改築、林道の開設または改良、廃棄物処理施設の設置またはその施設の変更、下水道の設置または改築、電気工作物の設置または変更、原子炉施設の設置または変更、熱供給施設の設置または変更、石油精製設備の新設、増設または改造、石油パイプラインの設置または変更、ゴルフコース等の建設、河川工事、港湾工事、海岸保全施設の新設または改良、鉱物の試掘または採掘(これには、付属する選鉱または製錬を含みます。)、岩石の採取のほか、環境に悪影響を及ぼすおそれのある事業で中央環境保全委員会規則(以下では、中央委員会規則と略称いたします。)で定めるものをいうものといたしておりまして、これらの実施について環境影響事前評価を行うのであります。 第三に、本法案に基づく規制の実施機構でありますが、まず、国には、別に法律で定めるところにより、内閣総理大臣の所轄のもとに両議院の同意を得て任命される委員七人から成る中央環境保全委員会(これは以下では、中央委員会と略称いたします。)を設置し、さらにその機関として、科学者等の学識経験者の中から両議院の同意を得て任命される五十人の審査員から成る中央環境影響審査会(以下では、中央審査会と略称いたします。)を設置することといたしております。 また、都道府県には、国と同様に、それぞれの議会の同意を得て、委員五人から成る地方環境保全委員会(これは以下では、地方委員会と略称いたします。)と審査員三十人から成る地方環境影響審査会(以下では、地方審査会と略称いたします。)とを設置することといたしております。 この中央委員会または地方委員会が、中央審査会または地方審査会による環境影響事前評価の結果に基づく意見を踏まえて、開発事業の実施の認可、不認可を決定するわけであります。 なお、中央と地方の事務分担は、環境に対する影響が二都道府県以上にまたがる場合や、飛行場、原子炉の設置、変更等や、五十ヘクタール以上の工業用地の造成のほか環境に著しい影響があるとして中央委員会規則で指定した開発事業については中央が所管し、その他の開発事業については地方が所管することといたしておりますが、地方はみずから所管する事案を中央に移送する方途も講じております。 第四に、開発事業を実施しようとする事業者は、その事業計画またはその代替案について中央委員会または地方委員会(以下、委員会と略称いたします。)の認可を受けなければならないものといたしております。 第五に、委員会によって認可または不認可の処分がなされるまでの手続の概要を述べますと、手続は、大きく分けまして環境影響事前評価のための調査計画の承認の手続と、その調査計画に基づいて事業者が行った調査結果による環境影響事前評価と、開発事業の実施についての認可のための手続という三つの段階に分かれます。 まず、開発事業を実施しようとする事業者は、その環境影響事前評価を行うのに必要な資料収集のための調査計画について、委員会の承認を受けなければなりません。 事業者は、調査事項、調査方法、調査期間等について計画を作成し、委員会に承認の申請をし、委員会はこれを審査会に送付します。この送付を受けた審査会は、これを公告し、公衆の縦覧に供した上、説明会を開催します。この説明会は、おおむね人口二万人ごとに少なくとも一回は開き、そこで事業者が事業計画や調査計画の説明を行います。その説明を聞いた上で、関係住民や環境保全を目的とする団体など開発事業の実施等に関し環境保全上の意見を有する者(これらを関係住民等と略称いたします。)は、審査会に意見書を提出することができます。 審査会は、これらを踏まえて、公聴会を開き、関係住民等の意見を聞かなければなりません。この公聴会は、やはり人口二万人ごとに少なくとも一回開催し、意見を述べようとする関係住民等には必ず意見陳述の機会を与えるとともに、陳述時間等について不当な制約をしてはならないことといたしております。公聴会がすべて終わった段階で、審査会は調査計画の可否について意見を決定し、これに基づいて委員会が承認をすることになります。 なお、既存の公表資料等によって調査をしないでも環境影響事前評価が行える場合には、調査計画の承認の手続を省略する道も開かれております。 次に、事業者は、この承認を受けた調査計画に基づいて調査を実施し、その結果に基づいて環境影響事前評価を行い、これを環境影響事前評価報告書に作成することになります。これで初めて、開発事業の実施について認可の申請ができることになります。なお、この事業者の行う調査には、関係住民等の立ち合いも認められております。 認可の申請を受けた委員会はこれを審査会に送付し、審査会は、これを公告し、公衆の縦覧に供した上、審査の手続を開始することになります。審査の手続は、期日に公開して行われ、関係住民等の代表者もこれに出席して、意見陳述、質問、物件提出をすることができることになっております。また、審査会は、この審査手続の中途で、おおむね人口二万人ごとに二回以上公聴会を開き、関係住民等の意見を聞かなければならないことになっております。この場合においても、関係住民等の意見陳述権は保護されることになっております。 以上の手続を経た上で、審査会は、審査の手続を終了し、事業者の事業計画またはその代替案について、環境影響事前評価報告書の記載、みずから行った調査の結果、審査手続中に明らかになった事実と意見及び公聴会における意見を基礎として、みずから環境影響事前評価を行い、認可すべきかどうかの意見を決定し、これを委員会に文書で送付することになります。なお、事業者は、審査の手続の中途で、事業計画の変更を申し出ることも認められております。 審査会の意見書の送付を受けた委員会は、その意見に基づいて、認可、不認可の処分をすることになりますが、良好な環境の確保上、支障が生ずるおそれがあると判断したときは、認可をすることはできないことになっております。 委員会は、認可の処分をするときは条件を付することができることになっておりますが、この条件につきましては、関係市町村の住民は希望する条件案を住民投票に付することができることになっており、委員会は、この住民投票の結果を配慮して条件を付するわけであります。 なお、ここに述べました調査計画承認の手続及び認可のための手続に要する費用はすべて事業者の負担とし、その細目は別に法律で定めることといたしております。 第六に、以上のような手続を経て認可を受けた後、実施の段階で事業者が事業計画を変更しようとする場合には、第五で述べましたのと同じ手続を経て事業計画の変更についての認可を受けなければならないことといたしております。 第七に、第五及び第六で述べました手続は、いわゆる適正手続、デュー・プロセス・オブ・ローの要請にこたえるためには必要不可欠のものでありまして、本来は、法律に詳細な規定を設けなくともそのように実行されなければならないのでありますが、わが国におきましては、行政も企業も、法律で書かない限りはできるだけめんどうなことを避けようとする風潮が顕著でありまして、この弊害を除去するためにはやむを得ないことと判断したわけであります。したがいまして、このような手続に手続違背がありました場合には、それを理由として、すべての手続が無効となるように、不服申し立て及び訴訟の制度を整備することといたし、関係住民等にも訴えの提起を認めることといたしております。 第八に、偽りその他不正な手段によって認可を受けたり、条件違反のあった場合に認可の取り消しがなされることはもちろんのこと、無認可の開発事業や条件違反の開発事業については、委員会は、停止命令、原状回復命令等の命令をすることができることといたしております。また、たとえ認可を受けたといたしましても、その後、開発事業の実施等によって良好な環境の確保に支障が生じたり、生ずるおそれがあると認めるときは、委員会は、審査会の意見に基づいて、認可の取り消しをしたり、停止命令や原状回復命令等の命令をすることができることといたしております。なお、関係住民等も委員会に対して、このような処分をするよう申し立てることができることといたしております。 第九に、委員会及び審査会は、関係行政機関の長や、地方公共団体の長に対して、資料の提供等の協力を要請できることといたしております。また、国は、この環境影響事前評価の制度の充実のため、試験研究体制の整備、手法の開発、専門技術者の養成等の措置を講じなければならないことといたしております。 以上が本法律案の提案の理由及びその概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○島本委員長 次に、古寺宏君。 ————————————— 環境影響事前評価による開発事業の規制に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○古寺議員 ただいま議題となりました環境影響事前評価による開発事業の規則に関する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。 われわれ人間も生物の一種であって、自然の生態系の循環の一部に組み込まれ、自然と一体となってその微妙なバランスの中で生存しているのであります。 しかるに、近代における産業の発展と科学技術の進歩の過程において、人間はこの厳粛な法則を無視し、環境受容能力の限界を超えた自然の侵奪を行い、人類みずからを含むすべての生物の生存をすら脅かすまでに至っております。 特に、わが国においては、諸国に比べて相対的に希少な資源と狭隘な国土という環境上の制約の中で、しかも、パルプ、化学、鉄鋼といった汚染因子を発生しやすい産業が高い比率を占める経済構造のもとで無秩序に高度経済成長政策の遂行を急いだため、環境に対する汚染、破壊は他国に類を見ないほど深刻であって、世界各国をして日本は公害の実験国であるとまで言わせております。 しかも、環境に対する汚染、破壊は、不可視的であり、長い年月にわたって隠微な中に進行し、その累積が一挙に深刻な結果を生ずるものであります。また、環境の汚染、破壊は不可逆的であって、一たび汚染、破壊が生じた場合、現在の知識や技術では復旧不可能な場合が多く、復申し得るにしても長い年月と膨大な費用を費さなければなりません。 このことは、開発事業の実施に当たっての事前の事業計画の変更や事前の公害防止投資に比べれば、復旧に要する社会公共的費用の支出はけた外れに膨大なものであり、国家経済的にも大きな損失であると言わねばなりません。したがって、今日における環境保全の問題は、環境の汚染、破壊の影響の深刻さ、不可視性、不可逆性を考えるならば、将来起こり得るであろう汚染、破壊をいかにして未然に防止するかということに尽きるのであります。 また、開発事業の実施等に伴う公害、環境破壊の被害を直接、間接に受けるのは関係地域住民であります。したがいまして、開発事業の実施等による環境への影響について、それら関係地域住民等が直接意見を述べ、開発事業の実施等に対してその意思を反映させるよう、いわゆる住民参加の方途を講ずることはきわめて当然なことであります。 ところが、開発事業の実施の現状を見ますと、そのほとんどが環境に対する配慮を全く欠いており、たまたまいわゆるアセスメントらしきものを行ったにいたしましても、きわめておざなりで不十分なものであり、しかも、関係住民等をつんぼさじきに置いたまま、密室の中で行われることが多く、その結果、たとえいわゆるアセスメントらしきものをやったとしましても環境に対する悪影響がすぐに出てきて、関係住民等の怒りを買っているというのが実情でありまして、このため国民の中には、開発アレルギーとすら言える行政不信、企業不信の念がびまんしているのであります。しかし、経済成長をゼロにするならばともかく、この狭い国土の中で何がしかの経済成長を続けていこうとすれば、環境に対する悪影響を未然に防止しつつ、最小限の開発事業を認めていかざるを得ないのであります。 かくて今日の段階におきましては、開発事業の計画段階において事前にあらゆる角度から環境に対する影響を客観的、科学的に予測し、しかも、その予測が住民等の監視の中でオープンな形で行われ、かつ住民等の意思が十分に反映されるような手続を整備し、行政不信、企業不信を解消させるとともに、冷静な討論を通じて住民等のコンセンサスを得ることが緊急に必要なのであります。 このような見地から、公明党といたしましては、開発事業の実施前に、できるだけ政治や経済的利害の影響を遮断した中で、住民等を参与させつつ、客観的、科学的に、かつ冷静に開発事業の実施等に伴う環境に対する影響の事前評価を行い、その結果に基づきまして開発事業の実施の可否を判断する制度を確立するため、ここにこの法律案を提案いたした次第であります。 以下、法律案につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、この法律案におきまして行おうとする「環境影響事前評価」とは、開発事業の実施前における関係地域の自然的社会的諸条件の調査、その開発事業の実施によって生ずる環境に対する影響の予測、その開発事業の実施によって完成した施設もしくは土地及びその土地に設けられると予定されている施設の利用等によって将来生ずる環境に対する影響の予測、その環境に対する悪影響の防止策の効果についての予測等に基づいて、開発事業の実施前に、その開発事業の事業計画及びその代替案を多角的に検討して、評価することをいうものとしておりまして、これを経て、開発事業の実施の認可、不認可を決定するわけであります。 第二に、この法律案におきまして適用対象とされる「開発事業」とは、工業用地の造成、土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業、市街地再開発事業、新都市基盤整備事業、住宅街区整備事業、流通業務団地造成事業、公有水面の埋め立てまたは干拓、飛行場の設置またはその施設の変更、鉄道、軌道または索道の建設またはこれらの施設の変更、道路または自動車道の新設または改築、林道の開設または改良、廃棄物処理施設の設置またはその施設の変更、下水道の設置または改築、電気工作物の設置または変更、原子炉施設の設置または変更、熱供給施設の設置または変更、石油精製設備の新設、増設または改造、石油パイプラインの設置または変更、ゴルフコース等の建設、河川工事、港湾工事、海岸保全施設の新設または改良、鉱物の試掘または採掘(これには、付属する選鉱または製錬を含みます。)、岩石の採取のほか、環境に悪影響を及ぼすおそれのある事業で中央環境保全委員会規則で定めるものをいうものといたしておりまして、これに環境影響事前評価を行うのであります。 第三に、この法律案に基づく規制の実施機構でありますが、まず、国には、別に法律で定めるところにより、内閣総理大臣の所轄のもとに両議院の同意を得て任命される委員七人から成る中央環境保全委員会(これは以下では、中央委員会と略称いたします。)を設置し、さらにその機関として、科学者等の学識経験者の中から両議院の同意を得て任命される五十人の審査員から成る中央環境影響審査会(以下では、中央審査会と略称いたします。)を設置することといたしております。 また、都道府県には、国と同様に、それぞれ議会の同意を得て、委員五人から成る地方環境保全委員会(これは以下では、地方委員会と略称いたします。)と審査員三十人から成る地方環境影響審査会(以下では、地方審査会と略称いたします。)とを設置することといたしております。 この中央委員会または地方委員会が、中央審査会または地方審査会による環境影響事前評価の結果に基づく意見を踏まえて、開発事業の実施の認可、不認可を決定するわけであります。 なお、中央と地方の事務分担は、環境に対する影響が二都道府県以上にまたがる場合や、飛行場、原子炉の設置、変更等や、五十ヘクタール以上の工業用地の造成のほか環境に著しい影響があるとして中央環境保全委員会規則で指定した開発事業については中央が所管し、その他の開発事業については地方が所管することといたしておりますが、地方はみずから所管する事案を中央に移送する方途も講じております。 第四に、すでに述べたところでありますが、開発事業を実施しようとする事業者は、その事業計画またはその代替案について中央委員会または地方委員会(以下、委員会と略称いたします。)の認可を受けなければならないものといたしております。 第五に、認可または不認可の処分が委員会によってなされるまでの手続の概要を述べますと、まず事業者が事業計画等を記載した申請書等を委員会に提出して認可の申請をいたします。委員会はこの申請書等を審査会に送付し、審査会は、これを公告し、公衆の縦覧に供するとともに、関係市町村長に送付し、関係市町村長もこれを公告し、公衆の縦覧に供します。 これで手続が開始されるわけでありますが、この手続には、関係市町村の住民、環境保全を目的とする団体その他開発事業に関して環境保全について意見を有する者(以下では、関係住民等と略称いたします。)及び事業者を参与人として参与させることとし、参与人は以下の手続において訴訟の原告、被告に類似した立場で開発事業の実施の適否を争う地位を与えられるわけでありまして、審査会はいわば裁判官の立場で両者の言い分について科学的、客観的な判断を下すわけであります。 さて手続は、まず、調査の手続から始まります。これは、事業者の事業計画及びその代替案について環境影響事前評価を行うのに必要な資料を収集するための手続でありまして、審査会が参与人の意見を聞きつつ、調査事項、調査方法、調査期間等を決定し、これに基づいて調査を実施し、その結果を記載した書面を作成することになります。なお、既存の公表資料等によって環境影響事前評価ができる場合は、この調査の手続を省略する方途も講じております。 次に、調査の結果が出ますと、審査の手続が始まります。これは、調査の結果に基づいて、審査会の環境影響事前評価を導き出すための手続でありまして、公開の場で、審査長の指揮のもとに、参与人の攻撃防御の中で、参与人の申し立て、または職権により参考人、鑑定人の陳述、鑑定や立入検査等を行い、環境影響事前評価の判断を形成していくわけであります。なお、この手続の中途で事業者は関係住民等の合意を得やすくしたり、認可を受けやすくするために最初の事業計画を変更することができるような方途も講じております。 さて、以上の審査の手続が進行いたしまして環境影響事前評価を行うのに熟してまいりましたならば、審査会は、審査の手続を終結いたしまして、審査会のした調査結果や審査の手続の過程で明らかになった事実等をもとにいたしまして、事業計画またはその代替案について環境影響事前評価を行い、認可に関する意見を決定し、これを文書に作成して委員会に送付いたします。 委員会は、この審査会の意見に基づいて認可または不認可の処分をするわけでありますが、この際、その開発事業の実施等が、わが党がかつて提案し、今回も追って提出する予定でおります環境保全基本法案において定めております良好な環境について、その確保に支障を生ずるおそれがあると認めたときは、委員会は、この認可の処分をしてはならないことといたしております。なお、認可の処分には良好な環境の確保のために必要な条件を付することができることとされております。 以上が認可に関する委員会の処分に至るまでの手続の概要でありますが、必要な段階ごとに、公告と公衆の縦覧を義務づけている点にも御留意願いたいと存じます。 なお、以上の手続に要する費用は、事業者が負担することとし、その具体的細目は、別に法律で定めることといたしております。 第六に、以上のような手続を経て認可を受けた後、実施の段階で事業者が事業計画を変更しようとする場合には、第五で述べましたのと同じ手続を経て事業計画の変更についての認可を受けなければならないことといたしております。 第七に、第五及び第六で述べました手続は、いわゆる適正手続、デュー・プロセス・オブ・ローの要請にこたえるためには必要不可欠のものでありまして、本来は、法律で、がっちり書かなくとも実行されなければならないのでありますが、わが国におきましては、行政も企業も、法律で書かない限りはできるだけめんどうなことを避けようとする風潮が顕著でありまして、この弊害を除去するためにはやむを得ないことと判断したわけであります。したがいまして、このような手続に手続違背がありました場合には、それを理由として、すべての手続が無効となるように、不服申し立て及び訴訟の制度を整備することといたし、関係住民等にも訴えの提起を認めることといたしております。 第八に、偽りその他不正な手段によって認可を受けたり、条件違反のあった場合に認可の取り消しがなされることはもちろんのこと、無認可の開発事業や条件違反の開発事業については、委員会は、停止命令、原状回復命令等の命令をすることができることとしております。また、たとえ認可を受けたといたしましても、その後、開発事業の実施等によって良好な環境の確保に支障が生じたり、生ずるおそれがあると認めるときは、委員会は、審査会の意見に基づいて、認可の取り消しをしたり、停止命令や原状回復命令等の命令をすることができることといたしております。なお、関係住民等も委員会に対して、このような処分をするよう申し立てることができることといたしております。 第九に、委員会及び審査会は、関係行政機関の長や、地方公共団体の長に対して、資料の提供等の協力を要請できることといたしております。また、国は、この環境影響事前評価の制度の充実のため、試験研究体制の整備、手法の開発、専門技術者の養成等の措置を講じなければならないことといたしております。 第十に、委員会は、この制度の運用を通じて、環境保全上、開発事業に関する施策を改善する必要があると判断したときは、内閣総理大臣、関係行政機関の長及び都道府県知事に対して、意見を述べることができることといたしております。 以上が本法律案の提案の理由及びその概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○島本委員長 以上で両案の提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○島本委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件につきまして、本日、日本道路公団理事吉田喜市君を参考人として出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○島本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○島本委員長 質疑の申し出がありましたので、順次これを許します。向山一人君。
○向山委員 私は、日本道路公団の高速道路に対する公害の問題について、道路公団の方へこれからお尋ねをしたいわけでございますが、特に、日本道路公団の関係で建設いたした中央高速道路西宮線、恵那山トンネルから北側の長野県の関係、一昨年駒ヶ根インターまで供用開始になり、また昨年駒ヶ根から伊北インターまで供用開始になりましたし、また伊北インターから東京に向けて今日建設が行われておりますので、まず、この長野県関係の区域の例を挙げて道路公団の考え方をお尋ねいたしたいと思います。 特にその中で私がお尋ねしますのは、阿智村の阿知川大橋の関係の大橋地区の公害の問題、それから松川インターのございます松川町の凍霜害の問題、この二つについてこれからお伺いをいたします。 これは私どもも率直に言って、中央道ができる前にちょっと予想できなかった公害であるだけに、こうした問題を取り上げて、これから道路公団が工事を進める意味においても大変大事な問題のように考えますので、これから申し上げますことは具体的な事例として、この事例をこれから道路公団が工事を進める上にぜひとも重大な参考にして進めてもらいたいという意味をくるめてお伺いをいたします。 最初に、凍霜害の問題でございますが、これは、松川インターのございます松川町の地域、すなわち西に中央アルプスがございまして、中央アルプスのすそ野から東に向かって傾斜をしている地域でございます。その東に向かって傾斜している地域に南北に高速道路、中央道が建設されたわけでございまして、この公害は気流による公害、気流に大変な変革がもたらされたということになるわけでございまして、北部被害地の地域と上町の被害地のこの二ヵ所。この二ヵ所は、いずれもこの中央高速道路による盛り土によって、大体一ヵ所の北部被害地の方が高さ五メーター、長さ八百メーター程度の中央高速道路に沿った地域でございますし、片方は高さ五メートル、長さ四、五百メートルという地域でございまして、この実情を調査いたしますと、いずれもこの地域は、西部のアルプスの関係の方から常に東方に向かって空気の流動が行われておったのが、中央道が設置されたことによってこの低気流が中央道で停滞してしまった、その停滞した地域が非常に凍霜害を受けておるという事例でございます。 この問題については、従来長いこと農業経営をしてきたけれどもこの地域は、極端に気温が下がって全面的に凍霜害があった場合にはもちろん凍霜害を受けたけれども、この程度の気温の低下では普通は凍霜害のなかった地域が、中央道ができたことによって急に凍霜害に遭って非常に住民はびっくりしたということでございまして、五十一年の五月七日から九日にわたり、また十二日から十四日までの低温によって、この地域は非常に長野県でも二十世紀の特産地でございましてナシの栽培が盛んでございますから、この二十世紀が大きな被害を受けて、道路公団の方へ町当局、農協その他関係の方から善処方を要望してきている地域でございます。 そこで、この地域の中央道を建設するについて、もちろん法制化はされておりませんけれども、日本道路公団としては環境アセスメントをどんな程度に認識をして、考慮に入れて設計、建設をされてきたかどうか。その辺について、もちろん、うっかりしてまあ気象問題については何にもやらなかったということならそれでも結構ですから、その辺のことを、ちょっと事情をお伺いいたしたいと思います。
○吉田参考人 ただいま先生から御質問がありました中央自動車道の松川インターから北の方に約四百メーターの地点と約二キロの地点と、この二ヵ所に、先生がおっしゃいましたように、ナシの凍霜害があるんじゃないかというお話があったわけでございまして、まず、その中央道の当該個所の現況からお話をいたしたい、かように考えております。 この地点で、いまおっしゃいました土工が大体完成をいたしまして現在の道路の姿ができ上がりましたのは四十九年の四月でございます。それで、その後、実際この上に舗装をいたしまして、道路の供用が開始できましたのは五十年の八月二十三日、先ほど先生がおっしゃった日付でございます。 そこで、四十九年、五十年にはいわゆる遅霜といいましょうか、こういう特に四月、五月に冷気が停滞するという現象はございませんでした。たまたま昨年の五月七日、八日、それから十四、十五でございましょうか、四回ばかりそういう遅霜があって、そこで冷気が滞留をしたのではないかと、こういうふうな現象がございまして、早速松川町から、やはり中央道の設置によっていまおっしゃった二十世紀の凍霜害が発生しておる、これはまさに冷気の滞留の結果ではないか、こういうふうな御指摘があったわけでございます。 そこで、早速公団では、地元の松川町とそれからそこにあります地元の大島それから上片桐の両農協の協力を得まして現地を調査いたしました。その結果、確かに若干の被害があるということがわかったわけでございますが、その原因が果たして何であるか。要するにその原因が、本当に道路が建設されたためにそこに冷気が滞留したためであるか、あるいはその因果関係をひとつもう少し明確にする必要がある、こういうことで、信用のある調査機関にひとつこの実態を調査していただこう、こういうふうな提案をいたしまして、その結果、長野県の土木部あるいは農政部と協議いたしまして、調査の依頼先を県の農業試験場の南信試験場、これはいまの松川町のお隣の高森町にございますが、ここにひとつ調査を依頼しよう、かようなことに決まったわけでございます。それで、若干この試験場の都合もありまして、ことしの四月になりまして、調査方法その他について試験場との打ち合わせを行っております。その結果、松川町を通しまして両農協に、この試験方法ではいかがだろうか、この調査方法ではいかがだろうかという問い合わせを現在いたしておる最中でございますが、まだ両農協からは調査方法その他についての結構でございますという回答は得られていないというのが今日の状態でございます。私たちは、両農協から回答が得られましたらば直ちに調査を実施いたしたい、かように考えております。調査の結果、この二十世紀の凍霜による被害が中央道の設置に起因するものであるということが明らかになりましたならば、やはり被害者に対して必要な補償措置を講じなければならない、かように考えておるわけでございます。 〔委員長退席、中井委員長代理着席〕 なお、後半に御質問がありました、一体事前調査をどれぐらいやったのだということでございますが、先ほど申しましたように、私たちがここの工事にかかりましたのは四十年の初めの方でございまして、いまのようにアセスメントということがまだやかましく言われなかった当時でございます。しかし、物を建設するということにつきましては、やはり事前に社会的、地形的、文化的な調査を十分行ったわけでございます。たまたま、ここにおいていまの冷気の流れというものに対する認識の把握が若干不十分だったのじゃなかろうかという気がいたします。全国で見ますと、他の地区では、ミカンの問題に対しては冷気坑といいましょうか、冷気のための冷気抜きを設置したり、その他でこういうものに対する対処はいたしております。ここを見ますと、一ヵ所にはボックスが二ヵ所入っていますが、一つにはボックスが入っていない、こういうふうな個所もございます。確かにそういう点について若干調査の面に粗漏があったのではないかということを考えております。 以上でございます。
○向山委員 五十一年度の被害についてただいまお答えがございましたが、実は、この五十一年度の問題がいま参考人から話のあったような経路をたどってまだ結論が出ないうちに、またこの間の五十二年四月三十日並びに五月一日、この二日間に非常に気温が下がりまして、関係町民は古タイヤを持っていって大騒ぎでたいたけれども、とてもそんな程度では防ぎ切れずに、ちょうど二十世紀の開花時、結実期でございまして、また大きな被害を受けているわけでございます。私、先般現地へ行って見てまいりまして、現地から現物をとってまいりまして、実はきょうはこの委員会へ持ってきて参考人に見てもらおうと思いましたけれども、また後で届けることにします。つい二、三日前にここで写真を撮ってきたわけです。凍霜害にならない方は大分顆粒も大きくなって、たくさんなっているわけです。凍霜害を受けたいまの地域のはほとんどもう落果、落ちてしまって、残っているのはごく少数で、その少数のものも非常に小さくなって大きくなれない。割ってみると中が黒くなっているわけですから、いずれみんな落果してしまうわけです。こういうように、現実はまた最近凍霜害を受けてきているわけでございますので、どうもいまの段階ですと、一年たった今日——もっとも、これは正確に言いますと五十一年でなくて、その前の年も被害が出ておって、実は中央道の関係ということもよくわからずにいたわけなんですが、非常に調査が手間をとるわけですね。そこで、農家のこうした問題は、参考人も御承知のように、果樹というのは年に一回しかとれないわけなんですよ。この開花時、結実期に凍霜害を受ければ、一年もうどうにもならないわけなんです。だから、いまおっしゃるように、いろんな経過があって御調査をしているようでございますけれども、年に二回ぐらいは、こうした問題については関係者、被害者、申し出の方へ、道路公団としてはいまこういう調査をしてこういう段階でございますという程度の説明はしないと、皆さん方の方はやっておられると言うけれども、片方の被害を受けた農民は、一年もたっても何の対策もやってくれない、またそれに次の被害が出てしまった、こういうことがやはり道路公団あたりの道路の建設に対する不信につながるわけなんです。 〔中井委員長代理退席、委員長着席〕 私ども地域へ参りますと、道路公団は、何と言ったってみんな何とかかんとか言って判こを押させてしまえばあとはこっちのものだというふうに、道をつくる方へばかり力を入れてやっていますが、これはもういまの時世ではあべこべなんで、皆さんの協力、同意が得られなければうまくできないわけなんだから、むしろ道をつくる方なんかは本当にみんなが関係して協力すれば早くできるわけなんですから、その辺は信頼の問題だと思うのですよ。皆さんがやっぱり信頼の持てるようにすれば、道をつくるときにそんなに苦労しなくても、そのかわり被害があった場合には私どもは被害については責任を持ちますよということをてきぱきと処理すれば、そんなにむずかしい問題じゃないけれども、その辺が非常にぎごちない形でいくものだから非常に手間がとれているわけなんです。 そういう意味においても、ついこの間の四月三十日と五月一日にまたこの地域が大きな凍霜害を受けておりますけれども、そのことは御承知になっておられるかどうか。御承知の上で、いまおっしゃったように、五十一年度がまだ原因がわからぬから中央道の関係だか何だかわからぬというふうな御心境なのか、どうなのか、ちょっとお答えを願いたいと思います。
○吉田参考人 ことしの凍霜害の実態については、私はまだ報告を受けておりませんで、実は知らないわけでございます。それで、ただいま先生のお話はまことにごもっともと思いますので、先ほども申し上げましたように、いまは昨年と申しますか、ことしのものも含めまして至急ひとつ調査を行いたい。南信の試験場にお願いをしてこの調査を行う、その上でひとつ善処をいたしたい。将来とも道路構造にもし瑕疵があるということになれば、これはやはり構造面での手直しと申しましょうか、あるいは冷気坑を設置する、こういうことも考えなければならぬじゃないか、こういうように考えております。
○向山委員 道路公団の方で先ほどお答えの中に、県や農協等にもお願いをしてというふうなことで、この中央道の農産物障害について、土盛りの影響で凍霜害が拡大しているというふうな問題を、県の農業試験場が取り上げてやっているわけでございますね。これはまだ結論が出ませんか。
○吉田参考人 まだ結論が出たとは聞いておりませんです。
○向山委員 きょうは具体的には取り上げませんけれども、同じ中央道の関係で、箕輪町にも霜の被害が出ておりますし、あるいはまた伊那市等では、インターの近くの水銀灯による農作物に対する被害、こうした問題もそれぞれ出ているわけなんですね。ですから、まず道路公団とすれば、こういう問題はやっぱり地元には、いろいろ気流の関係やらいままでいずれも果樹園の過去の状況というのはみんな道路公団の方へ報告が出ているわけなんですよ。普通の年にはどの程度のものがとれてどうだかということは個人名で皆さんの方へみんなわかっているわけなんです。だから、こういう点については、これは疑うといったって、いい意味の疑いはやむを得ないけれども、逃げようという態度で疑っているとなかなか結論が出ないものだろうと思う。そこで、いま参考人は、この間の四月三十日と五月一日のことはまだ報告を受けていないというお話ですが、あの関係住民が一晩じゅう古タイヤをたいてやっていて、申し出てあるんだから、そういう時期にすぐ行かなければ、一日たてばもう葉が大分出てきて変わってきているわけですから、本当におやりになるのなら、皆さんが調査をすると言うならば、後の方になってから調査するんじゃなくて、ことし被害を受けたその時点にすぐ行ってことしの状況を見るということをしなければ、皆さんがいまおっしゃるように解明はなかなか手間取るだろうと思う。やっていますか。また、きょうその質問をすることを私は事前に申し上げておいたから、参考人は知らないと言うけれども、やってないということじゃないのですか。
○吉田参考人 現地の中央道の管理事務所では十分承知していると思います。昨年ことしと引き続いてですから当然その対策といいましょうか、調査というものを早くやろう、こういう機運になっております。ただ、私がいま申しました本年度の実績がどうだったかということは、まだ報告を受けていないので知らない、かように申し上げたわけでございます。
○向山委員 ことしの場合は十五日間くらいたって——この写真を差し上げますけれども、また現物も私の方にたくさんありますから上げますが、一日を争って葉が成長するものだから、ちょっと見た目でもわからなくなってくるわけです。そういう意味で、ひとつ早急に結論を出してもらいたいと思います。 そこで、もう一つこの問題でお尋ねをいたしますが、それでは、いま建設をしている辰野から岡谷−諏訪−山梨県に向かっているこの工事については環境アセスメントをどういう形で考慮しながら進めておられますか、お聞かせを願いたいと思います。
○吉田参考人 先ほど申し上げました施行命令をいただきましたのはかなり古い時点でございます。しかし、現実に仕事をいたしますために現状を損なわないようにしようということで、新しい設計を組み工事を進めておる、かような姿でございます。
○向山委員 道路公団の機構、組織を見ますと、以前はこうした問題について担当する場所というのは、私ども組織や機構を見た目ではほとんど見当らなかった。最近聞いてみると、管理部というのができておって、その中に多少こうした組織、機構が設けられているようで、この点は大変前進だと私は思っているわけですが、しかし、まだ非常に力の入れ方が足りないのじゃないか。これは環境庁がこういう法律をつくる、つくらないにかかわらず、われわれは、高度経済成長時代にあの苦い経験を味わっているわけですから、道路をつくるときにはこうした環境アセスメントをみずからの手でできるだけ考慮して進めるということでないと、つくった後、住民に喜ばれるようなものはできないわけなんです。そういう意味でお願いをしたいと思います。 そこで、この問題については、早急に実害についての補償をされるか。もちろん、いままで過ぎたことについては、大した金額ではございませんけれども、実害について補償はしなければいけないだろうと私は思う。それから、これからの問題として私ども考えると、空気を送れるような送風装置、一種のファンですね、気温の下がったときには公団の方であの地域に風を送ってあげるということをするか、そうでなければあのナシの木の寿命を待って後はほかのもっと凍霜害に強いものに転換をしてもらうか、どちらかの方法を立ててあげないと、毎年毎年同じことを繰り返すことになるだろうと思うのですが、いまの予定で、たとえば五十一年度の凍霜害について、一体いつごろをめどに補償をする予定なのか、あるいはこれからの対策として具体的にどういうふうに取り組むのか、その辺についてお答えを願いたいと思います。
○吉田参考人 先ほど申し上げました南信試験場を通しての調査をできるだけ早く行いたい。私たち調査方法をこうしましょうということをすでに提示をしてあります。農協で、いま先生のお話で、新しい凍霜害が出たためにあるいは昨年のことにお触れになる時間がなかったのかというふうに私も思いますが、回答を得ていないわけです。やはり調査するには、お互いが合意をした上での調査をいたしたい、そして早く答えを出したい、かように考えておるわけでございます。少なくともあと数ヵ月のうちには至急調査をし、答えを出したい、かように考えております。 もう一つ、環境アセスメントのことにつきましては、私たちは当然必要性を十分認識しております。過去におきましても、私たち道路の路線選定につきましては十分地形条件、気象条件、それからそこの社会条件というものを検討いたしまして行ってきておるわけでございます。特にいまアセスメントをやっていないじゃないか、こうおっしゃいますが、私たちは私たちなりに、そういうものを踏まえての事前調査、できるだけ住居地域を避ける、あるいは公共施設、学校、病院等を避けていく、こういう姿勢で路線を決定いたし、それに対して慎重な態度で工事を行っている、かような姿でございます。
○向山委員 いま参考人から答弁のありましたようなこと——冒頭に私申し上げましたように、いままたことし凍霜害に遭って、公団の方では道路の関係かどうかまだ調査していますというようなことを繰り返しておったのでは、大変気の毒な状況でございますので、少なくともいまお答えになったように、数ヵ月後には結論を出せるなら出せるということ、それから対策としてこうやっているんだということを、管理事務所なり何なりを通じて、責任を持ってまず現状の連絡をしてあげる。もちろんこれは町役場を通じておやりになってもいいでしょうし、農協を通じておやりになってもいいでしょう。大ぜいではございませんから個々に、片方が八名ですか、片方が四、五名、合計して十数名ですから、そのくらいのことはやろうと思えばできることですから、そうしてもらいたいけれども、おやりになりますか。いま御答弁になったようなことを文書でちゃんと連絡をとってあげるかどうか、お答えください。
○吉田参考人 先ほど説明をいたしましたこと、今後どういうふうなことをやるかということを、管理事務所を通じまして、たしか地権者は十二名の方だったと思いますが、御連絡いたしたいと思います。
○向山委員 そういうことにして、これからはぜひひとつ責任を持って信頼を得てやるという立場をとって進めてもらいたい。大きな見地から考えて、大変大事な高速道路をつくるのに、なかなか協力が得られないで非常に摩擦が多いことは、私どもも大変残念なことだと考えておりますので、どうかそんなことを特にお願いしたいと思います。 次に、阿知川大橋の関係の大橋部落についてお尋ねをいたします。 この件については、日本道路公団におきましてもいろいろと対策を立てておりますことも、またいろいろな団体の関係からも調査がいっていることも承知をいたしております。そこで、そういう細かいことは別にしまして、私は、あの地区の以前の状況と、中央道ができた後の状況をよく承知していますから、そこでお尋ねをいたしますけれども、いままでの調査では、振動は基準以下だとか、騒音も基準以下だとか、個々の問題をとらえて基準以下だというようなことをおっしゃっているわけでございますが、あの十六戸の大橋の地域は、昔といまではもう全く環境が変わっちゃった。生活環境が破壊されているんだ。その個々の状況というのが、たとえば自分のうちの三十メーターも上に、三百メーターか四百メーターあるのですか、あの阿知川大橋がかかっている。家の真上ですね、数学的に考えれば、道路から直角におろせばまだ数メーターあるじゃないかと、こういうことになるかもしれないけれども、三十メーターの高さですから、家の真上ですよ。それがカーブを切って通って、その橋だけならいいけれども、その三十メーターの橋までの間を全部コンクリートで固めちゃって、そして、このコンクリートの壁に対してものすごい反響があるわけですね。そして、前手は百五十三号という国道が通っている。その前手は阿知川と、全くコンクリートで固めた中に家屋だけが残っているという状況で、私も従来あの地域へよく行って集会所で話をしましたけれども、いま行って話をしますと、前手の国道を通る車が、本当に自分の家の軒下を通るような音がするわけです。これは、あの膨大な、三十メーターの高さにわたってずうっとコンクリートの壁で固めてありまして、その上にあの長大橋がかかっていますから、前手の国道を通る車の音がすぐ反響して、自分の家の玄関を通っているような音もするわけですね。それに対して振動の問題、その他の問題。その他の問題として、特にいままで全く考えられなかった超低周波公害というやつ、これが非常に低周波で、人間の耳には音として聞こえにくい、聞こえない程度の空気の振動が、実際問題としてガラス戸や障子を揺すっているわけですね。だから、橋を通る車の機械的な振動もあるけれども、別な、いまの低周波の振動、これもよく調べないと、単純な一定のサイクルの低周波の振動なのか、あるいは、あの橋が非常に長大橋ですから、あれが共振を起こして、その重なり合ったところがああいう形で反響してきているのか、いずれにしてもこれはもう生活するには非常な不快感を与えているわけです。だから、私は、これはもう生活環境の破壊ということから取り上げて考えてあげなきゃいけないのじゃないかという考えを持っているわけです。たまたまそこに生活している主婦が神経衰弱になって、そうして自殺を企て、病院に収容したところが、病院の五階から飛び降りて自殺をしてしまった。こういう事実があるわけなんですが、私は、ああいう、いらいらして安住できないような、あの地域へ行ってみると、眠れない、何とも言えないいろいろな重圧を受けてもうとても眠れないと訴えているところを見ると、必然の結果としてああいう被害も出ているだろうと思う。道路公団の方では、あの反対側にある二戸の水上さんのお宅の方は買い取っていろいろ実験をされる、こういうことのようでございますが、その大橋部落の方の十六戸については、その後どういうふうに対策を立てられているか。その進展の状況について御説明を願いたいと思います。
○吉田参考人 ただいま先生からお話のありました阿知川大橋といいますのは、恵那山のトンネルから飯田に向かいまして阿知川を渡る個所でございまして、橋梁の延長が三百九十メーター、道路面から約三十メーター高い個所に橋がかかっております。その下にいまお話しの約十七戸の部落があるわけでございまして、一戸は北側に、いまお話のありました水上さんのお宅で、これは私たち、そこでいろいろなことを実験したいと思いましてこの家は買い取りましたが、いまのお話の大橋地区の十六戸というのは、たまたま、いま先生のお話がありましたように、その部落の前に国道の百五十三号のバイパスが通っております。バイパスと、山のところに中央道がある、かような地形の個所でございます。 あそこでいまの現象が起きましたのは、五十年の一月ごろだったと思いますが、たまたま大型の工事用車両をあそこの上を通しましたら、伸縮継ぎ手と申しましょうか、端の継ぎ手のところで衝撃音のドンドンという音が出て、それが原因をして、家屋の建具と申しましょうか、戸、ガラス、障子、窓ガラスというものが要するにガタ鳴りをした、こういうふうな現象が起きたわけでございまして、これは、当然やはり舗装のといいましょうか、橋面の舗装が、ジョイントと申しましょうか、伸縮継ぎ手のところで不陸になっている、均一でなかったためにそういうふうな衝撃を与えたんだろうと思いまして、この橋面を直す、それから速度規制をするということで一応工事は終わりまして、五十年の八月に供用を開始したわけですが、供用開始いたしましてもやはり同様な現象が出てくる。そこで、公団といたしましては試験車を走行さして調査いたしました。その結果、やはりここで低周波空気振動が発生しているんじゃないかという疑いを持ち、いろいろ調べてみますと、事実、低周波の問題があるということを確認したわけでございます。そこで、対策といたしまして、まずその発生源である橋梁自体をやはり直す必要があるということで、橋梁の継ぎ手のすき間に防音工事を施すということが一点、それから、まずその橋面の平たん性を保つということでオーバーレイをするというふうなことを行い、それから同時に、今度は大橋部落の下の方の受音点側と申しましょうか、受信点と申しましょうか、現在被害が出ておるとおっしゃる方々の実態を調べてみました。当時、十六戸の家のうち十一戸がそのわれわれの調査に、どうぞ見てくださいというので応ぜられまして、調べました。その結果、やはりまず一つその家を防振材で、いま申します戸、建具類をピンチブロックあるいはパテなどを使用してまず防振をしようということで、防振工事を施す、それから、同時にあのエリアに、あの橋の下に約七百本の植樹をいたしました。少しは緑を入れましょう、こういうふうなことを行ったわけでございます。その結果、やはり橋梁の伸縮継ぎ手の衝撃音は若干小さくなりました。それから家屋の振動というものも、当面一応おさまったといいましょうか、若干良好な姿になっております。しかし、私たち決してそれで満足しておるわけじゃございませんで、やはりこの低周波問題というものは恒久的な対策を立てる必要がある。今後の問題もございますから、やはり十分な検討をする必要がある。この新しい、いまの低周波の問題の発生のメカニズムを十分解明する必要があるんじゃないか。また、それと同時に、その下にもし家があるとすれば、その家屋に対する対策をどうしたらいいんだろうかというようなことを検討いたしますために、先ほどお話しの、北側にありました水上さんの家を実は買収をいたしまして、ここをひとつ実験棟にして今後検討していきたい、かように考えておるわけでございます。それで、昨年の九月ですか、もう一度実験棟、その実験をする家を含めまして総合調査をやりました。その結果、やはり低周波が起きている原因は、けたの端における振動、要するにジョイントのところ、けたの端に車が当たって衝撃音での振動、これがやはり原因ではないかということが大体推測されまして、そこで、まずその橋梁の端部を補強する、重くして一体化する。そのことによって剛性を高めて振動を減らすんだという、こういうふうなことが一つと、それからもう一つは、やはり自動車がいまの伸縮継ぎ手を通過する場合、振動を与えないように、衝撃を少なくするために、あるいは継ぎ手部の平滑化ということで、もう一度全面的に薄層舗装といいましょうか、薄い舗装を全面的に施して平たん化する、こういうことを決めたわけでございます。 この工事を三月から始めております。それで、そのうち表面のジョイント前後の舗装の改良と申しましょうか、薄層舗装は四月中に終わりました。現在、そのけたの改良、けた自身重くするということ、それからもう一つけたのねじれを防ぐために主げたの端部にダンパーというねじれを修正するような装置をしております。各けたに全部ダンパーをつける。それから橋を六十センチのコンクリートで重くする。こういうふうな二つの工事を現在施工中でございまして、この仕事が大体七月末にはでき上がると思います。したがいまして、その段階でもう一度総合調査をしてみたい。現在下に家屋があるわけでございますが、現在の家屋については、先ほど申しましたとりあえずの防振工事、ピンチブロックあるいはパテなどで防振工事を行っております。その結果、今度上の橋梁をそこまで手直しして、その結果に基づいてのもう一度総合調査を行う。その総合調査の結果、私たちは今後の対策をまた講じていきたい、かように考えておるわけでございます。 すでに御案内と思いますが、環境庁でもたしか中公審だったと思いますが、あそこに低周波空気振動調査委員会が昨年の七月にできたと思います。この方々も昨年の十月、一度現地を御視察願っております。今後は環境庁とも十分連絡をとった上で対策を練ってまいりたい、かように考えております。
○向山委員 環境庁にお伺いしますが、五十一年の十月二十五日に環境庁はあの地域の低周波振動の調査をされているようですが、その結果をお聞かせ願いたいと思います。
○橋本(道)政府委員 いま先生から御質問のございました、環境庁の委託調査によります五十一年十月二十五日の調査につきましては、小林理研という騒音振動等の最も定評のある研究所に委託をして行われまして、その報告は最近得られたところでありますが、低周波の空気振動を調べてみますと、民家で大体八十五デシベル以上を超えている、その周波数のところは四ヘルツから十二・五ヘルツのところに大体分布をしているということでございます。
○向山委員 騒音防止条例等の法律は、大体人間の耳に聞こえるものが中心になっているのだろうと思いますが、こうした耳に聞き取れない、一秒間に三十サイクル以下というような低周波の関係の問題について、今後調査が行われるわけでしょうが、こういう周波数のものまで入れて、やはり何らかの法的な措置をしていただきたいと思うのですが、それについてどんなお考えかお聞かせ願いたいと思います。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のございましたところが、実は私どもの現在ございます騒音規制法の非常に欠けておるところでございます。騒音規制法は、音の強さというものだけを対象にいたしまして、音の質というものは一切あの中に入っておりません。そういうことで、法律をつくったときの説明では、質の問題については条例でやれるんだということがございましたが、なかなかそのような安易なものではないということで、現在、五十年に低周波空気振動の問題がどういう程度にあるのか、これは大体書面調査程度のものであります。大体見当をつけまして、鉄道とか工場施設その他のたとえば発破とかそういうときの問題があるということを大体書面的に確かめまして、五十一年には、全国で約十ヵ所でございますが、低周波空気振動問題を確かめるということで、実地の数値をはっきり把握をする調査をいたします。先生御指摘のように、従来の騒音ですと、労働衛生では聴力が損失するかどうかということだけで基準を組んでおります。それから環境の方におきましては、会話妨害とか電話の妨害あるいは眠れないとか働く能率が落ちるという角度からだけはやっておるのですが、低周波の場合に出てきます問題は、どうも見ておりますと、全然関連のない場所で言われておる苦情をずっと聞いておりますと、むしろ生理的な失調というような、呼吸器系、循環器系のどうも神経コントロールの失調の問題があるのではないかというようなところになっております。現在あります振動規制法の方は、地べたが振動することによって起こる振動を規制しておりまして、空気振動そのものを対象とはいたしておりません。そういうことで、振動の方では、その振動を感ずるかとかあるいは睡眠を阻害するかどうか、あるいはその建築物が傷むかどうかというようなことでやっておるのですが、そのいずれの騒音、振動の場合も、公害におきましても労働衛生におきましても、いま特に先生から問題の御指摘のございましたところを、医学的な議論でいきますと、特に消化器系とか循環器系の神経のコントロールに何か問題を起こすのではないかということでございますが、ただ、ここで出されております数字そのものをいままでの文献で調べてみますと、いままでの文献ではどう見ても百二十とか百三十とかいう数字でどうもないという数字が出ております。これは一昨年、日本で騒音、振動関係の国際学会がございまして、そのときも私は非常に関心を持ちましてここの部分を聞きましたが、やはりそこでやられておるものも同様なことでございますし、あるいはWHOがちょうどそのころ騒音の問題に取り組むという中で言われた数字も百二十とか百三十とかいう数字でございます。 そういうことで、私は昨年の十二月、WHOのクライテリアの委員会に参りますときに、日本では低周波振動という問題が、従来言われておる知見とはどうも違うのではないかということで、非常にわれわれ苦慮しておる。国際的にもデータがない。しかし、問題の出ておる性質を見てみると、全然初め何の打ち合わせもない場所で問題が起こっておって、その問題の起こっておる性質がきわめて酷似しているというところから見ると、どうもこの点は正確につかまえる必要があるのではないかということで、WHOのクライテリアのプログラムの中でインフラサウンドと言っておりますが、低周波振動という問題を優先順位を上げてやってくれということで、WHOはこの問題を優先順位を上げてやるということになりました。先ほど道路公団の方から、中央公害対策審議会に委員会を設けたとおっしゃいましたが、そうではございませんで、現在、まだそのレベルまで達しておりません。これは役所の調査研究費をもちまして対応しておりまして、五十一年度から四ヵ年計画でこれに取り組むということでございます。これは全く恐縮でございますけれども、非常にむずかしい問題です。そういうことで、五十一年度は被害の測定をいたしまして、実際に把握をするということをいたしまして、それから後、今度は生理的な影響とか睡眠、建物への影響、それから住民の反応という形で五十一、五十二、五十三、五十四ということで固めようと思っております。これはやはりそう言ってもなかなか進まない議論でございまして、私ども、先生の御指摘のことをよく頭に置きまして、しっかりした対策を計画的につくっていくようにいたしたいと思っております。
○向山委員 さすがに環境庁だけありまして、大気保全局長のお答えは大体私が考えている状態にぴったりしているわけで、改めて敬意を表するわけです。 そこで、道路公団の参考人にお尋ねしますけれども、私どもの感じている実感も橋本局長からお答えのあったとおりなんですよ。ところが道路公団は、行って騒音の調査をした、地盤の振動の調査をした、あるいはその他の振動の調査もしたけれどもこれは国の基準外で対象じゃございません、こういうことをおっしゃっているわけなんですが、これは法律になければ法律にそういうものをつくらなければいかぬけれども複合的な、混合的ないろいろな要素が絡み合って、この低周波公害だけでも非常にむずかしい問題だと私は思う。これはそんな単純な、一ヵ所から波が伝わってきてどうなんというものじゃない。あの長大な壁に反響してきた、本当にいままで阿知川のせせらぎの音が遠くの方へ聞こえておったのが、私ども行ってみると、いまはもう自分のうちの軒先を水が流れているような音がしているわけですよ。だから、いろいろな複合的な公害だと思う。しかし、その公害によって健康が非常に脅かされている、健康に非常に害があるということになれば、これは振動がどうとかなんとかいう個々の要素の問題でなくてもっと大きな、人間の健康の問題の方からこの問題はとらえないと適確な措置ができないだろうと思う。 そこで、道路公団に特にお願いしたいのは、私はこの法律の関係を見ましたが、公害健康被害補償法、これはもちろんそのまますぐあてはまるかどうかは別として、考え方としては、こういう法律あるいは公害対策基本法の中にも——道路公団が進めたああした構築物によって非常な大きな環境、健康にかかわる被害を起こしているわけですから、当然法律にも準拠して対策が立てられるわけなんです。だから、振動が基準に比べてどうとかこうとかいう問題よりも、もうちょっと高度の、いま環境庁の、あなたがお聞きになったような感度で、もう一度あなたの方で環境庁とよく話をして、そして、何も道路公団だけでおやりなさいとは私は申し上げない、これは別に道路公団であっても、つくればこうなるなんということを承知しておってやったわけじゃないですからね。あの当時、環境アセスメントがいまのようにそんなにやかましく言われたわけじゃないし、低周波公害なんというのは、私どもが全く予想もできなかったことなんですから。もっと高い、国、いわゆる政府のレベルで対策を立てるというくらいのひとつ取り上げ方をして、そしてそれぞれの法律もあるわけなんですから、そんなことであの十六戸については何とか安心して生活ができるような——全戸移転を望んでいますね。しかも、吉田参考人は、衆議院の地方行政委員会で以前にこの問題について答弁をしているわけなんで、できるだけこの十六戸については移転をするようなお考えで、このニュアンスで御答弁をしているのじゃありませんか。その後、いずれにしても大変な問題だから、いろいろ地形的な要素も絡んで非常にいろいろなファクターが絡んでいるので、医学的な問題まで含めて対処したい、こういう御答弁をされておりますが、これが五十一年八月六日の衆議院の地方行政委員会でお答えになっているわけですから、それからいままで大分期間も経ていますので、当時から今日までこの問題についてどんなふうに対処してきて、またこれからどう対処をしていこうと考えているか、その点についてお答えを願いたいと思います。
○吉田参考人 お答えいたします。 この阿知川の問題につきましては、先ほどから申し上げておりますように、私たち、まずやはり低周波空気振動としてこの問題を取り上げております。 そこで、先ほど来申し上げておりますように、その発生源対策としての構造物の改良、これをまず行っている。それからもう一つは、やはりその発生がどういうぐあいにして家屋に伝わっていくか、またその家屋としてはそれに対してどう対応すべきであるかというふうなことで、とりあえず家屋にはさっき申しました防振工事を施しましたし、私たちは家を一棟買い取りましたもので、そこで各種の対策を設けて、こういうところではどうすれば一体住めるようになるかという研究をしていきたい、かようにまず考えておるわけでございます。これが基本的な考え方でございます。 それからもう一つ、先ほど橋本局長からお話がありました精神について、私たちもきわめてそのとおりだと思います。 それで、ただもう一つ、この当該個所での問題としては、先生も先ほどお話がありましたように、この十六戸の家の前面に国道百五十三号のバイパスが新しくついております。この平面の走っている道路から与えられる家屋への地盤振動それから騒音、これもかなり大きな問題があろうかと思います。したがいまして、十六戸全部の問題になりますと、やはり建設省の御当局とも十分相談をし、また環境庁の御指導を得て問題を考えていきたい、かように考えております。
○向山委員 時間が参りましたので、最後に吉田参考人に。 先ほどの凍霜害と同じように、この問題も、やはり地域の住民とすれば、いろいろ言ってみたけれどもどうもどうにもならないというふうなことで、もともとつくるときには地域住民、地元には絶対に迷惑をかけないという約束で中央道ができているのだから、こんなに迷惑をかけていてちっとも——いろいろおやりになっていることはわかるけれども、自分たちが要望したようなことはちっとも行われない。片方は、非常に単純に物を考えますからそう思っているわけですよ。 そこで、せっかく努力をされているようですから、努力されている状況とか考え方を、これもひとつ町役場を通じるなり、いずれにしても御本人たちにわかるように文書で、こういう調査をして、いま実態はこういうふうで、今後一層ひとつ御期待に沿うようにできるかできないか、そんなことまではきっと役所の方だから書けぬだろうけれども、そうかといって全く関係のないような文章を書いて出していたのでは気持ちは通じませんから、本当にいま大体お答えしたようなお気持ちを文書でひとつ地元へ返答してもらいたい。そのことをお願いして、私の質問を終わります。約束してもらえますかどうかをお答えください。
○吉田参考人 承知いたしました。
○向山委員 終わります。
○島本委員長 なお、道路公団の吉田参考人に、委員長としてもこの際、事業実施にあたっては事前調査をしているという報告でありますが、そして慎重な態度で臨んでいるという証明がございましたが、やはり不平不満も出ておることにかんがみまして、一層行政の信頼を崩さない配慮だけは十分してもらいたいことを、特に要請をいたしておきます。
○吉田参考人 わかりました。
○島本委員長 向山一人君の質問は終わりました。 次は、水田稔君。
○水田委員 環境庁長官、長官に就任されて後片づけの大きなものは水俣病の対策の問題、そして今国会では環境影響評価法案というのを出す、この二つだろうと思うのです。二月、三月のこの委員会を通じて三月二十二日の閣議にはぜひ閣議決定まで持っていきたい、こういうことであったわけでありますが、五月十三日の閣議で今国会提出断念、先日の十三日にその旨を答弁でここで申し述べられたわけであります。しかし、いま国民全体の健康、命の問題を考えるときに、このような状態では守り切れない、そういう心配を私はします。同時に、これまで長官がいろいろ外部で発言しておる問題等を考えてみて、大変遺憾であるでは済まない、けしからぬ話だ、そういう感じがするぐらい、今国会に提出をしないことには憤りを感じておるわけであります。 その中で、閣議決定できなかった理由として、一つは発電所の問題、一つは都市計画事業ということが言われておるわけでありますけれども、調整がつかなかった項目はそれだけなのか、重要な項目について意見の一致を見なかった項目があれば、まずそれを教えてほしいわけです。
○柳瀬政府委員 法案の各関係省庁に協議をいたしまして、二十一省庁に協議をしたわけでございますが、大筋におきましては各省庁について大体御了解をいただいたわけでございます。 重要な問題にというのは、先生おっしゃいましたような電気事業の問題と都市計画事業の問題でございまして、そのほかにいろいろと事務的な問題は若干ありますけれども、基本的にこの問題を乗り越えないとこの法案を作成することはむずかしいという問題は、いまの二つの問題でございます。
○水田委員 この法案の柱というのは、一つは対象事業であります。一つは公開の原則の問題、一つは住民参加という問題だと思うのです。いま表へ出ておる問題は対象事業の問題だけでありますから、それはその二つなのか、あるいは公開の原則なり住民参加という非常に大きな柱について各省庁の意見の一致を見ておるのか、見ておらないのか、その点をお伺いしたいと思います。
○柳瀬政府委員 開発工事の計画を公開をしてその計画を縦覧したり、それから住民に周知させるために説明会を開くとか、そういう考え方につきましては、どの省庁も異論はないわけなんでございます。ただ、アセスメントをする内容について、いわゆる定量的な予測評価というものは数字でチェックできるわけなんで、予測評価をすることも非常に容易なわけなんですが、いわゆる定性的な問題といいますか、自然環境問題とか、そういうものについてはなかなか予測評価がむずかしいので、それをある程度明確にしてもらいたいというような、中身の問題で御意見はございますけれども、いまの公開とか住民の参加の考え方につきましては、どこの省庁も異論はないわけでございます。
○水田委員 それでは、主たる調整のつかなかった項目というのは対象事業、その中で電気事業と都市計画事業、こういうぐあいに理解してよろしいですか。——それでは、この電気事業について対象事業に入れることが困る、こういう意見が通産と思うのですが、その理由はどういう理由だったですか。
○柳瀬政府委員 通産省側の御意見といたしましては、電気事業をこの法案から除外してもらいたい。その理由といたしまして、エネルギーの安定供給というのは国民的な課題である。特に電源立地につきましては、環境影響予測評価の方法等をあいまいにしたままこれをこの法案の対象とすることは、その立地の大幅なおくれ等をもたらすこととなり、わが国の電力供給に重大な支障を及ぼすものと考えられる。また、電源立地につきましては、電源開発促法等によりまして関係者との意見調整を行ってきており、環境アセスメントもその一環として行われるべきであると考えている。したがって、当面は対象から除外しておきまして、本法に基づく制度の定着ぐあいを判断した上で今後検討すべきものと考えるという御意見でございます。
○水田委員 発電所というのは、いま一番NOxの問題が問題になっている。さらにこれは、いま固定発生源についてもなかなか除去方法が技術的に困難だというようなことで、おくれが大きく問題になっております。さらにこれから大規模な発電所というのは、ますますそういう点ではNOxの大量排出ということにつながるわけです。環境庁としては、長官、この点についてどうお考えになりますか。ひとつこれは一番大事な問題ですから、通産とやり合ったと思いますので、長官からお答えいただきたいと思います。
○石原国務大臣 NOxの問題は、知見が十全にまだそろってないきらいがございますけれども、体験的に非常に私たちの健康と重要な関係のある要件だと心得ておりますし、また、水田先生御指摘のとおり、固定発生源として発電所というものはその最たるものの一つだと思います。ということで、これは私たちの眼目でございます人間の健康保全という問題とは抜き差しならない関係でございますから、これを事業の対象から外すということになれば、アセスメント法というものの精神が、全くとまで申せなくてもほとんど骨抜きになると心得ますので、あくまでもこれは対象事業とすべきであると私たちは思っておる次第でございます。
○水田委員 五月十三日の閣議の後の記者会見で長官は、発電所の新増設を環境アセスメントの対象から除外する問題だけなら政治判断ができる、こういうことを言われておりますか。
○石原国務大臣 申したかもしれませんが、それは、私がそれを了承するしないということではなしに、とにかく他の事業にかかわってアセスメントというものが非常に問題になっている時期なので、私は環境庁の代表としていま申し上げましたような説を主張いたしますけれども、さらに高度な政治判断で、つまりそういう議論がなされ得るかもしれないという意味で申したわけでございます。決してどなたかが電気事業というものを外すならばアセスメントを通そうと言われるときに私たちがそれで十全に満足するというような意味で申したわけではございません。
○水田委員 先ほどの答弁とニュアンスが大変違うわけです。大きな違いで、大気汚染ということ、環境問題を考えた場合に、発電所を除くということは絶対に考えられない。それにもかかわらず、こういう発言が記者会見でされているということは、これは長官の環境問題に対する基本的な姿勢を疑われる、そう言われても仕方のない発言だと思うのです。ですから、どちらが本当の長官の発電所問題に対する考えか、もう一遍確たる返答をいただきたいと思います。
○石原国務大臣 それは、前にお答えいたしましたものが環境庁の趣旨でございますし、私の本意でございます。ただ、相談をしました時点で、時期も迫っておりますし、それを外して出したらどうかというような論があちこちからございました。それはそれの案として、私の方は了承できないが、ある種の政治判断でそういうことも考え得るかもしらぬということで申しただけでございます。
○水田委員 それでは、都市計画除外についての建設省の反対の理由をひとつ説明をいただきたいと思います。
○柳瀬政府委員 建設省が都市計画事業の扱いにつきまして、これをこの法案から外す理由は、都市計画法に規定をいたします都市計画施設についての事業、それから市街地開発事業につきましては、都市計画法でいろいろと都市計画の決定に際して、都市計画の計画そのものの公示とかあるいは縦覧とか、いろいろな手続を決めておりますので、その中で一体的に行うのが都市計画法の趣旨に沿うものであるので外してもらいたいという御意見でございます。
○水田委員 これまでもいろいろな法律の規制がある、それによって手続をして開発をやってきて、今日の自然破壊を来したわけです。 これも、記者会見で長官が言われておるのは、いわゆるこれが出てきたために、これまで落とされたのでは断念せざるを得なかった、こういうことなんですが、これについても同じく長官として、さらにこの法案をつくる上でどういうぐあいに都市計画事業についてお考えか聞いておきたいと思います。
○石原国務大臣 都市計画が対象としておりますものが国土全体の二〇%、それから、そこに住居しております人口が全人口の八〇%という実態を踏まえましたならば、これはアセスメント法の対象事項から外すということはとうてい考えられないわけでございまして、私としては、そういう趣旨にのっとって、なお今後事務レベルでの話し合いを詰めていくつもりでございます。
○水田委員 先ほども申し上げましたが、この影響評価については、一つは対象事業、一つは公開ということ、一つは住民参加ということですが、環境庁が考えておる公開というのは、具体的にどういうぐあいに考えておられるか。
○柳瀬政府委員 まず、開発行為を計画をいたしました場合に、その開発事業というものの内容がどういうものであるのか、それからその開発事業を行う場合に、そのために起こる環境上予測される影響はどういうものであるのかというような内容を、地域住民の方々等によく知っていただくというために、手続的にこれを公示、縦覧等の方法で明らかにするというのと同時に、その内容をさらに文書だけでなく、周知をするために説明会を開きまして、疑問の点を解明をして、よくその内容を説明をするということが公開ということについての考え方でございます。
○水田委員 環境庁の出しておる、これは取り扱い注意で、大分よそへも出ておるようですが、概要のメモというものでは、一定期間公衆の縦覧に供する、いま後で言われました、たとえば具体的に周知徹底を図るための説明会を開く等については、これは規則に入れる、こういうお考えですか。
○柳瀬政府委員 説明会を開くとか公示をする、縦覧をするというようなことは、これは法律事項として、法律の中で明らかにすべきものと考えておりますが、その具体的ないろいろなやり方につきましては、政令とかあるいは指針とか、そういうものにゆだねることになろうと思います。
○水田委員 それでは、住民参加あるいは住民の意見を具体的にどういうぐあいにこの評価の中に生かしていくかということについては、具体的にどのように考えておられますか。
○柳瀬政府委員 まず説明会をやって明らかにする、あるいは公示、縦覧をして計画の内容を明らかにした場合に、やはり関係のある住民の方々がそれに対していろいろと御意見があるわけでございますから、そういう意見を意見書として開発行為者に出して、それを取り入れてもらうようにするというふうな手続が、住民の意見の反映といいますか、そういうことになるわけでございます。
○水田委員 このメモを見ましても、意見書を提出することができる、あるいは公聴会を開く、意見を言うことができるという基本的な考え方ですが、具体的にそれがどういうぐあいに取り入れられる、反映させられるかということについては、全くこのメモでは保証がないわけです。この点をお伺いしておるわけですから、もう一遍御答弁願います。
○柳瀬政府委員 これは、意見を出された内容につきまして、開発事業を行う者は当然それを十分検討して、有効な、あるいは聞くべき意見は、それを事業者みずからも取り入れるような努力をする、それから都道府県知事の意見も聞きますし、環境庁長官の意見も聞く、それから最終的には、その事業の所管をしている主務省あるいは主務大臣がおるわけでございますから、その主務大臣が最終的に決定するわけでございますが、そういう段階において、やはり住民の方々の意見で取り入れるべき内容につきましては、都道府県知事もそれを十分検討し、環境庁長官も十分検討し、最終的には所管の主務大臣も十分そういうものを検討した上で取り入れるべきものは取り入れていくというふうにするべきものであるというふうに考えております。
○水田委員 現在の都市計画なり区画整理なりを考えてみましても、住民に異議がある場合に意見を言うことができるようになっております。単にそれをやっておれば法的には有効というようなことが多いわけですが、これは長期にわたるお互いの環境を守るという点からいけば、住民の意見が具体的にどれだけその中へ生かされるかという保証が、私はこの法案では、住民参加というのはそのことが一番大切なことだと思うのです。このメモによってもいまの答弁でも、その点、私はまだ明らかでないと思うのです。もう少し具体的に、その意見がどういう形で、どの時点で、たとえば出した意見は業者はできるだけ聞かぬ方がいいわけですから、そういう態度をとるでしょう。それを官庁次元で判断するときに、どういう形でその意見を吸収するか、そういうものを具体的にどういうぐあいに考えられておるか、もう一遍答えてください。
○柳瀬政府委員 その点につきましての御懸念があるわけでございますので、最終的な環境影響評価書におきまして、そういう地域住民の意見がどういう意見が出てきたかということを明らかにいたしまして、その意見についてどういうふうに対処したかということを最終報告書に記載いたしまして、それでこの最終報告書もこれを一定期間公示いたしまして、最終的にどういう処理をしたかということを明らかにするようにしておるわけでございます。
○水田委員 この法案が今国会へ提案されておっても間に合わなかったかとも思うのですが、景気対策ということで、最近、環境に大変影響を及ぼす大規模な開発が、四十八年に凍結されたものが順次凍結解除ということになっておるわけです。そういう点からいけば、むしろ環境の面から言えば、いま大きな不安があるわけです。たとえば本四連絡橋の問題あるいは新幹線の凍結の問題等を解除してきたわけです。これは、少なくともこの法案に基づく手続に近いものをやらなかったら、将来にわたって大変な禍根を残すのではないか、こう思うのです。本四連絡橋については、これから環境庁が具体的に取り組まなければならぬ問題ですが、どういう心構えで、具体的にはどういう点までをチェックをして対応するかということについてお伺いしたいと思います。これは、できれば長官に。
○石原国務大臣 具体的なことは政府委員から答弁させていただきますが、まず新幹線でございますけれども、凍結解除といいましても、この間の閣議決定の文言にありましたように、とにかく環境影響評価を始めるという意味での凍結解除でございまして、数字は忘れましたが、過去、凍結されたと言われて後も、実質的には年間幾らかの予算を使って緩やかに調査をしておったそうでございます。今回の凍結解除という意味は、積極的に環境影響評価を始めるということでございますので、そういうふうに御承知いただきたいと思います。 本四架橋につきましても、今回のアセスメント法で問題になりました、計量できない、たとえば美観等の破壊という問題も十分あるわけでございますから、残念ながら今度法案が提出されませんでも、本四架橋に関する非常に厳しい、特殊な環境影響評価というものを行うように事業団体を指導し、並びにそれに地方自治体が協力してくれるよう環境庁の方から強く指導するつもりでございます。
○柳瀬政府委員 瀬戸内の架橋につきましては、公団側が自分で環境影響評価というものをそれなりに現在もやっておられるようには聞いております。そのやった結果を私どもの方に持ち込まれましても、その内容をいろいろとチェックした場合に、資料が欠けているとか、調査が不十分だとか、評価が不十分だというようなことになりますと、かえってまた時日を要することになりますので、むしろ、あの本四架橋についての環境影響評価はどうしたらいいのか、どういう内容についてどういうやり方でやったらいいのかという評価の実施についての基本的事項を環境庁の方でつくりまして、これをその主務官庁である建設省なり運輸なりにお示しいたします。と同時に、具体的な個々の実施の細目につきましても決めておく方がいいわけでございますので、所管の官庁に、環境庁と協議をしながらそれをまずつくっていただきまして、環境影響評価のやり方についての指針といいますか、そういうものに基づいて公団の方にその環境影響評価の実施をやっていただく。いままでやっているものもあるでしょうし、まだ手をつけてないものもあるでしょうから、それはすべてその指針に従った環境影響評価をやっていただいて、その結果を主務省を通じて私どもの方に、あるいは公団から私どもの方に出していただいて、それをチェックする。 それから、瀬戸内の架橋の問題につきましては、そういうアセスメントの問題だけでなくて、自然環境の問題で別途の手続といいますかチェックの問題もあるわけでございますが、それは、そういうアセスメントが済んだ後、さらに自然環境問題についての手続に従ったチェックをしていただくというふうに考えておるわけでございます。
○水田委員 もとへ戻りますけれども、電気事業と都市計画事業については、運輸、通産、建設省がそう簡単にうんと言わぬだろうと思うのです。長官は、十三日の向山議員の質問に対して、次の国会にと言われたわけですが、そういう点では一体見通しがあるのかないのか、まずその点を聞きたいと思います。
○石原国務大臣 電気事業の問題は、実は通産省も微妙な反応があったと思いますが、私、電気事業界の当事者にも会って説得もいたしましたし、そういう感触を踏まえて大臣レベルで通産大臣とも何度かお話をいたしました。一方、都市計画の問題は、建設省は建設省の要求の中に、何項目かあった中の一つとして加えて提出していたようでございますけれども、締め切りの寸前になってこれが非常に大きな比重という形で認識され直して、この問題について事務レベルの話し合いがろくにされないままに時間切れになったわけでございまして、これはなお、現時点からも事務局で、とにかく建設省に対して環境庁の所見を述べて説得に努める。その結果、電気事業と同じようなことになれば、私が建設大臣とお話をすることになるわけでございますけれども、さらに大臣レベルで、電気事業についてもなお私、通産大臣とお話をするつもりでございますが、それが決定的にどうも合致点が見出せないということになれば、この法律そのものをどうするかということでの、つまり政治的な判断なり内閣全体の討議ということになると思います。 とにかく、繰り返して申しましたように、歴史的に見ても、次の時代の文明の資質ということから見ても、それに見合う法律として最低限必要な法律だと私は思いますから、そういう姿勢で説得をするつもりですし、またその意を官房長官にも理解していただきまして、この間の閣議了承の後の談話でも、次の国会に提出するように、自分も官房長官としていろいろ間をとる努力をするということでございましたので、それを期待して、私も精いっぱいの努力をするつもりでございます。
○水田委員 環境アセスメント問題は、福田内閣の政治姿勢が問われる問題である。あなたは福田内閣の環境問題担当の所管大臣ですから、長官がこれを今国会に出すということをこの委員会で明言しながら出さなかったということは、福田内閣というのは環境問題についてはこれまでよりは一歩後退、二歩後退、そういうぐあいに国民に印象づけておるわけです。 それからもう一つは、これは「私の決意」というのがあるのです。長官の決意というのがありまして、その中にこういう文章があります。「しかし古色蒼然とした経済最優先主義はどのような環境破壊の惨状を日本にもたらしたかを強く指摘し、そうした古い考えの人達に反省を求める勇気はかかさぬつもりです。」、これは、私は野党へ言われておる言葉ではないと思うのです。少なくともこれまで政権の……
○島本委員長 水田君に申し上げますが、本会議のベルがいま鳴っているのです。
○水田委員 中心になられた方々に対する意見だと思うのです。私は、物を書く場合も具体的に長官としての責任がとれる、そういう態度で今後やってもらうことを、これはもう時間がありませんから、要望だけで終わりたいと思います。
○石原国務大臣 前段の、福田内閣の環境問題に対する姿勢が後退したと申されました。これは後退ではございませんで、まあ遅滞しているという意味では認めますが、何分こういう法律でございますので、この間、岡本先生にも申し上げたのですけれども、とにかく案文の具体的な作成が去年の暮れ、正月からやっと始められたという状況で、とにかく事務局がずいぶん努力して、残されました二つの大きな柱以外の大方の了承というものを取りつけたわけでございます。 そういう意味では、いままでこれだけ多岐にわたる厄介な法律がこれだけの、結局提出はできませんでしたけれども、成案に近いものになったということは、別に御評価いただかなくても結構でございますけれども、それだけの努力を環境庁としてはしてまいりましたし、なお、つまりその努力の延長に乗ってできるだけ早い次の国会、できるだけ早い時点で提出する努力をするつもりでございます。
○島本委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時二分休憩 ————◇————— 午後二時十分開議
○島本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。岡本富夫君。
○岡本委員 先日の委員会に引き続きまして、環境アセスメント問題をもう少し詰めておきたいと思います。 そこで、このアセスメント問題については、たしか一九七二年六月にストックホルムで開かれた国連人間環境会議で、前の大石環境庁長官が、このアセスメントの手法といいますか、これをちゃんととるんだという言明をされておりますし、それから一九七四年でしたか、このときには経済協力開発機構、OECDで、加盟している各国は早急にこの手続を確立してもらいたいというような理事会の勧告を採択しておるということで、非常にわが国も早くやらなきゃならぬということで、代々の環境庁長官は必ず法案を提出しますというような公約をしてきたわけでありますけれども、今回とうとう五月十三日の閣議決定で流れたということであります。そこで、その流れた理由について少し掘り下げておきたいと思うんです。 建設省は、これは都市計画に対して行政上非常に障害が出るんだというような反対の理由のようでありますが、ひとつこの点についてお聞きをしておきたいと思うんですが、いかがですか。
○小沢(一)政府委員 都市計画事業を推進する上においてこのアセスメントの法案が特に支障を来すという、そういうことではありませんで、都市計画にかかわる事業は、先生御承知のとおり、良好な都市環境の形成を目的としておりまして、そのために都市計画法の中におきましても、都市計画の決定の手続の中におきましては、その事業が環境に及ぼす影響についていろいろな予測あるいは評価を行っておりまして、かつ都市計画の決定については住民が参加する手続というのも定められておるわけでございます。御承知のように、各県にも都市計画の審議会等もあって、そういう法で定められた機関もございますし、各市町村の自治体等についても、そういうような手続を経ながら現実にやっておるわけであります。したがって、建設省としては、環境庁の環境影響評価法に関し、都市計画にかかわる事業につきまして環境アセスメントを実施しないということではございませんで、実際に現実の問題として、現行の都市計画法の体系の中でも、これを踏まえまして同じような環境アセスメントを実施することをわれわれとしては主張してまいったということでございます。
○岡本委員 そうしますと、建設省としては、この環境庁の今度のアセスメントの法案については反対ではなかった、こういうことなんですか。
○小沢(一)政府委員 ただいま申し上げましたとおり、現在の都市計画法の中におきましても、同じようにそういった目的をもって現実にやってきておるわけでございまして、そういう現行の都市計画法の体系の中でこのアセスメントを実施していきたいという主張でありまして、その目的そのもの、そういうことをすること自体についての反対とか、あるいは支障を来すとかいうことではないわけであります。
○岡本委員 一つ例をとりますと、阪神高速道路公団と大阪市の総合計画局、私はこの一連の図面を持っておるのですけれども、ここでこういった問題を審議するにつきまして審議会というものがあるわけですが、ここにはたとえば学識経験者が十一名、それから官僚、この官僚の中には建設が八、運輸省が五、理事が二、それに大阪府が二、大阪市が三ということで、総計三十一名。こういういろいろな計画を審議するところにおいて、三十一名のうち十五名が官僚であり、あとは学識経験者もおりますけれども、そういった計画についてこのどの辺で環境問題を審議しておるのか、どうも非常に理解に苦しむわけですが、いかがですか。
○中村(清)政府委員 事務的な問題でございますので、私からお答えをさせていただきます。 実は、いま先生の御指摘になりましたのは、一例を挙げますと都市計画地方審議会の組織ということで申し上げますと、これは実は都市計画地方審議会の組織及び運営の基準を定める政令というのがございまして、その中で委員の数が大体十五人以上三十五人以内で組織をするということでございますが、一審議会を組織する委員は学識経験者、それから関係行政機関の職員、それから市町村の長を代表する者、それから都道府県議会の議員及び市町村議会の議長を代表する者、こういった方々の中から都道府県知事が任命するということになっておりまして、さらに通達を出しまして、大体委員の数が何人の場合には学識経験者が大体これくらいの比率で入っていただくのが好ましい、それから関係行政機関の職員の数は、これくらいの数が好ましい、こういった基準を流しておりますので、大体それに従いまして審議会の構成がなされておるものというふうに理解をしておる次第でございます。
○岡本委員 いまのこういった環境問題の対策については、やはり住民の意向というものをきちんと入れておかないと、結局途中でこういった訴訟が起こったり、あるいはまた、阪神高速道路公団も途中でストップしておりましたが、こういうようなことでかえって事業がおくれてしまうようになってしまうのではないか、こういうように私は考えるわけです。これは阪神高速道路公団の一つの図面を、私ずっと書いてもらったのですが、建設省とそれから知事の都市計画の決定をここでするようになっておりますけれども、ここの時点においてそういった環境問題をアセスしたものをきちんとするのか、それとも一番最初の決定をするときに、この路線をこうするのだという決定をするときに、こういったアセスメントをしたものをきちんとここに入れていくのか。一つの例ですけれども、阪神道路公団のこの決定についてアセスメントがなされておらないではないか、どこにも民意が入ってないではないかというように感ずるわけなんです。 それはそれとして、今度のアセスメントの環境庁から出てきた案に対して建設省は反対だったのか、それとも賛成だったのか、どうもその点はっきりしないのですが、これは政務次官からでも。
○小沢(一)政府委員 先ほども申し上げましたとおり、環境庁から出されましたこの法案の目的、使命そのものについてわれわれが反対するということではございません。ただ、現実に都市計画をやる場合におきましては、現行の都市計画法の中でも、ただいま先生御指摘のように、個々の具体的なケースについては問題のある点もあるかもしれませんけれども、それは制度そのものの問題ばかりじゃなくして、いわゆる個々の現実の運用の問題でもあろうと思うわけでありますが、そういうような制度をすでに取り入れて都市計画法の中で実施してきておるわけであります。したがって、私どもとしては、その法の体系の中で従来も最善の努力をし、やってきたつもりでありますし、その体系に沿ってこのアセスメントをやっていくべきではないだろうかという主張をいたしてきたわけでございます。
○岡本委員 そうすると、はっきり言うと、従来のとおりでいいのだから、もう環境庁でそういったアセスメント法を出してくれるのは困る、こういうことなんですか。どうですか。
○関口説明員 これは一般的に御理解をいただきたいのでございますが、新しい法制度をつくる場合に既存の法律とどういうふうに調整を図っていくかという問題がございます。今度いろいろアセスメント法案の御相談を受ける場合にも、環境庁の方から、そういう点でたとえばアセスメントを実施する時期その他の点は建設省の方でよく詰めてもらいたいという御依頼を受けておったわけでございますが、そういう問題の延長線にある問題といたしまして、ただいま政務次官からお答えいたしましたように、都市計画法との調整という問題があったわけでございます。したがいまして、私どもは、そういう既存の法体系との調整をよくとっていただきたいということをお願いしておったわけでございますが、これが環境庁の方で結果的にはお取り上げいただけなかったというのが実情でございます。
○岡本委員 環境庁の見解をひとつお聞きいたします。
○柳瀬政府委員 都市計画関係の法制が従来ございまして、都市計画の決定に際して、いわゆる住民との関係の、公示あるいは計画の縦覧とか、その他の手続がそちらでいろいろあるわけでございまして、それと今度の私どもが意図しております法案との調整の問題で、そういう都市計画の法制の中でそれを取り入れて環境アセスメントをやっていくというのも一つの考え方だとは思いますが、ただ、この環境影響評価の手続につきまして、これは従来の昭和四十七年の閣議了解におきましても、今後公共事業について、非常に重要なものはそのアセスメントを事業者がやっていかなければいかぬというようなことがございまして、私どもが作成しております法案でも、環境に著しい影響を及ぼすような開発行為については事業者がアセスメントをやるということをたてまえにしておるわけでございますが、都市計画の法制上でございますと、都市計画の決定は知事が行う、その知事が行う際にアセスメントのいろんな手続を知事が行うということは、これは実際問題として非常に無理があるんじゃないか、というよりもまず不可能なんじゃないか。都市計画地域の中で、道路とかいろいろな都市計画施設がありますが、これは従来も、たとえば道路で言えば、道路公団が行う事業については道路公団がアセスメントをやっておるわけでございまして、それを新たに今度は知事がそういう手続を行うということはまず不可能じゃないか。そういう点で、これはやはり従来の考え方に従って事業者が行うというふうにすべきじゃないかという点が非常に重要な違いの点でございます。 それからもう一つは、都市計画地域というのは国土にして日本の二割、あるいは人口にして日本の八割というような地域を占めているところでございますから、そういう地域をすぽっとこのアセスメント法から落とすということになりますと、これを全面的に対象外とすることはこのアセスメントの法律を制定をする意義を非常に失わしめるという結果になるんじゃないかというようなところで、非常な意見の食い違いがございまして、その辺の調整が、今後その余地があるかどうかということにつきましては、やはり私どもも今後相当検討を加えていかなければ、にわかには解決しないような問題であるというふうに考えておるわけでございます。
○岡本委員 いま環境庁から説明があったことに対して、たとえば日本道路公団あるいは住宅公団、こういう事業者ですね、これがアセスメントをするということ、いまの都市計画ではその事業者がアセスメントを知事に行わせることになっているのですか。これはどうなんですか。
○中村(清)政府委員 いまの都市計画法でまいりますと、都市計画を決めるのは、都市計画決定権者と言っておりますが、都道府県知事である場合と、それから市町村が決める場合とございます。一般的に言いますと、その色分けは、大事な都市計画は都道府県知事の方でお決めいただく、それ以外は市町村がお決めになるということでございまして、都道府県知事が都市計画決定をいたします際には、現在は環境等についての評価検討といいますか、もちろん都市計画決定権者である知事がいたしておるわけでございます。
○岡本委員 そうすると、この四十七年六月六日の閣議了解、これには公共事業についての環境保全対策というもので閣議了解が出ているわけですけれども、これとの関係はどうなるのですか。知事が決定をする、それから日本道路公団あるいは住宅公団、こういうのが事業を行う。その場合どっちがアセスメントをやるのか、もう一遍、ひとつ。はっきりしないのですが。
○関口説明員 お答えをいたします。 アセスメントをやる場合に事業主体が行うのがいいのではなかろうかという、いま環境庁の方のお答えでございますが、この点、原則的にはおっしゃるとおりだろうと思います。しかしながら、先生も御案内と思いますが、いろいろ法の体系ということでまとめていく場合に、先ほど来申しておりましたように、やはり既存の法体系との調整という問題は、われわれとしては環境庁に十分お考えをいただきたいということを申しておったわけでございますが、そういうために、やはり都市計画のように都市全体を対象といたしまして策定されるべき計画につきましては、事業段階よりも計画段階の方がよろしいというふうに考えておるわけでございます。 その例といたしましては、アセスメントそのものではございませんが、都市計画法の中に、先生も御案内のとおりに市街化区域の、俗に線引きと言われておる条項がございますが、そういう場合には、その段階で環境庁長官と協議をするというふうに相なっております。また、環境庁の方が、いわゆる私どもがいただいております俗に言う第三次案というものでございますが、その策定過程の中におきましても、ただいま道路公団の高速道路の例を引いてお話がございましたけれども、ああいういわば体系的につくるべき縦貫道、こういう問題につきましては、やはり路線をいろいろ検討する際、これは路線の決定は最終的には内閣総理大臣の方でお決めになるような法体系だったと思いますけれども、そういうことを考えまして、私どもは、道路公団がアセスメントを実施するのではなくて、国の方でやるということがいいのではないかという御意見を申し上げておりまして、そういうところからも、都市計画以外にも計画段階でアセスメントをやるのが適当だという問題はほかにもあろうかと思います。現に、港湾の場合にはアセスメントは環境庁、これは他省のことを申して失礼でございますが、港湾計画の策定時点でアセスメントをやるように予定されておるようでございます。
○岡本委員 どうもはっきりしませんのですが、ぼくもたしか建設委員会で道路問題を取り上げたときも、道路法の中に環境保全というようなその文言は一句もないのですね。一句もないのですよ。いま日本道路公団が道路をつくるときに、そのアセスメントは国でやるのだ、国のどこでやるのですか。国の段階、どこで。環境庁でやるのですか、それとも建設省でやるのですか。その点一遍……。
○関口説明員 省内の相談では建設省で担当する、具体的には地方建設局で行うのが適当だろうというふうにこの法案の協議の過程では考えておりました。
○岡本委員 どうも国がやる場合、一方的に決めたらそのまま行ってしまうのですよ。いままでの状態を見ますと、ほとんどそういうことであります。四十七年の六月の閣議了解でこういった公共事業についての環境保全対策をされた事例、すなわち、環境庁が協議に際して関与した、こういう事例が出ておるわけですけれども、地方都市開発整備事業、これは相当たくさんあるはずですが、いま全国でどのくらいあるかということを、あなたに聞いてもすぐあれでしょうが、四十九年七月から五十年六月の間にまだ三件しか環境庁が関与していない。総合開発計画、これが四件、土地利用基本計画における開発保全整備計画、これは二百二十六件ですか、河川計画には六件、港湾計画には二十六件、公有水面埋め立て計画、これに対しては五件。こうして一つずつ見ますと、相当な数のある中で、環境庁が協議を受けて関与したというのはほんのわずかですね。環境問題というのは、環境庁が責任を持っておるところの省であり、またそういったいろいろな細かいところのアセスをやるには環境庁でなければならぬところがたくさん出てきておる。それが今日の国土の荒廃した大きな原因になっておるわけです。にもかかわらず、まだ法体系の上だとかなんとかかんとか言って反対をしておる理由というのはどうもはっきりしないわけですが、ひとつ環境庁長官の御意見を承りましょうか。
○石原国務大臣 従来申し上げてきましたように、いままでの行政原理の中にあり得なかった法律でございますので、関係省庁の中にもいろいろ意見の食い違いと申しましょうか、異論があるわけでございますが、私は、予算委員会でしたか申し上げましたけれども、きざなことを言うようですが、ハーマン・カーンが高度成長のたけなわのときに日本に来まして、日本人にとってこれから必要な問題は、新しい意味と目的の問題であるということを力説し、それをいまから考えないと、GNPで二十一世紀に日本がアメリカを追い抜いても非常にほぞをかむことになるだろうと言った言葉をまたこのごろしきりに思い出すわけでございます。 そういう意味で、既成の法体系と申しますけれども、役所に入るとわかることですが、明治の太政官制度というのがいまだに連綿として続いておるというのが本質でありまして、ここら辺で明治百年を終わったいま、違う法体系と申しましょうか、既成のそういう概念にとらわれずに、それこそこの次の百年のいわば国全体の目的とか意味というものの一つとして環境問題をとらえるということが必要ではないかという気がします。そういう基本的な姿勢について関係省庁の間に認識の違いがあることは、ちょうど歴史の曲がり角でございますから否めませんが、やはり環境庁がごく最近創設されました意味もそこにあると思いますので、食い違いはあっても、他省を啓蒙、教化すると言うとこれは非常に潜越な言い方でしょうが、同じ歴史的な認識を持った上で既成の法体系というものに多少抵触し、それを本質的に変えることになろうとも、将来にとって一番価値のある意味あるいは目的というものを達成する法律というものをつくりたいものだと私は考えておる次第でございます。
○岡本委員 建設省も、たしか委員長の島本さんでしたか、苫小牧の問題でずいぶん前にこの環境アセスメントのやり方について、まずいところをこの委員会で話をしておりましたが、建設省はやはりこれはもう一度考え直さなければならぬと私は思うのですね、いまの石原長官の話もありますように。いかがですか、小沢さん。
○小沢(一)政府委員 ただいま石原長官のおっしゃったことについて、私も同感でありますけれども、ただ、新しいものを新しい時代に向かってつくり上げていく場合に、既存のものとの調和をどういうふうにして図っていくかということがやはり一つの過渡期の中における過程の中で大きな課題であろうと思うわけであります。したがって、先ほど来申し上げておりましたように、私どもがその本来の目的とするところ、使命とするところそのものについて反対をしているということではございませんで、既存の都市計画法なら都市計画法、その体系の中でやってきた現在の段階で、どのようにしてそれと調和さしていくべきだろうかという点については必ずしも完全なる意見の一致が見られなかったということであろうと思います。 私どもといたしましては、先生の御指摘のように、今後そういう環境問題につきましても十分その使命、目的を達成することができますように、あらゆる方法、手段を今後とも検討してまいりたいと考えております。
○岡本委員 私は、たしか西ドイツの方に行ったときも、一本の道路をつくるにも植生図というのでしょうか、植物の生存しているいろいろな図ができておるわけですね。だから、一本の道路をつくるにもその植生図をよく当てはめて、ここを通してはいけない、少し金はかかるけれども、こういうふうに通さなければならぬというふうに、非常に配慮をしておるように思ったのですね。日本はどうもそれがない。けさのテレビを見ておりましても、新幹線のトンネルかを抜いたために、上の畑が全部水が漏れてしまって使えなくなったというようなことで、後でそれを全部手直しをするにも、手直しができないわけですね。ましてや自然環境が破壊されると、今度はどうももとに戻らぬというのが現在の状態なんですから、これはひとつ建設省としてもよく考えていただいて、しかもいろいろとアセスメントをこうやっておりますとかいいますけれども、いままでの道路問題でもあちこちでいろいろな反対運動が起こったり、あるいは訴訟が起こったり、そういうことを見ましても、やはり住民の納得あるいはまた住民の参加を見て、そしてきちんと審議会で決めて、決めたことは、これはずっとやっていくというふうにして、そうした方が私は事業というものは早くできるのじゃないかと思うのですよ。 次に通産省、通産政務次官に、この今度の環境庁のアセスメントに対して反対した理由をひとつ明確にしていただきたいと思うのです。いかがですか。
○松永(光)政府委員 通産省としては、環境の影響に対する評価の必要性については十分認識しておりますし、従来から産業公害総合事前調査を実施してきておるのでございます。特に発電所の建設等については、昭和四十八年から資源エネルギー庁長官の通達で事業者に環境の影響に対する調査を実施させ、その報告を行わせ、その報告について専門家で構成された環境審査顧問会の意見を聞いて審査を行い、その結果をもとに通産省としては電源開発調整審議会で意見を述べてきておる。こういうことで環境の影響評価を適確にやってきておるつもりなんでございますが、今回の環境庁が原案を出されましたアセスメント法案につきましては、通産省としては、通産省がやってきた実績と経験を踏まえまして、この環境影響に対する評価の手法その他いろいろ問題点もありますので、その問題点を申し上げたわけでありまして、アセスメント法案そのもの、環境影響評価に関する法的な制度を確立して環境問題に関する紛争を合理的に処理、解決していくという、そういう精神そのものにつきましては、反対ではございません。さようなわけなんでございます。 将来、通産省といたしましては、いままでより以上に環境保全の重要性を認識いたしまして、過去の実績あるいは経験等を踏まえまして環境影響評価の手法及び内容の一層の充実を図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○岡本委員 そうすると、従来から通産省はそういった環境影響評価をきちんとしてきたから公害が出ていない、これでもう十分なんだ、こういうことなんですか。
○斎藤(顕)政府委員 ただいま松永先生から御答弁いただいたわけでございますけれども、私どもも、環境アセスメントの制度が必要であるということは環境庁と十分話し合って従来進めておるところでございます。ただ、今回のアセスメント法案の中で、たとえば先ほども御答弁の中にございましたけれども、環境に対する影響の予測の手法であるとか、あるいは評価の基準であるとか、たとえばそういうものについての手法がまだ定まっておらない。したがいまして、いきなりこれを法律によって義務づけるということになりますと、いささか不安があるのではないか。また混乱が生ずるのではないか。したがいまして、当分の間、行政の運用と申しますか、そういうふうな制度を行政運用で履行していきまして、この考え方あるいは制度あるいは住民の意見の入れ方というふうなものが定着するように図っていく方がいいのではないか。そして、そういうふうな機運が生まれたときを見計らって、あるいは法律にしていって義務づけていく、ある種の義務をそこで法律で課していくということの方が混乱を生じないのではなかろうかということを基本的な考え方として、環境庁と話を進めてまいったわけでございます。特に電気事業、エネルギー供給につきましては、現在、非常に近い将来の電源不足というようなことが予測されておりまして、ここでなお一層いたずらな混乱が起こると電気の安定供給という面で大変な不安があるという面から、特に電気事業については慎重に考えていただきたいということを、重ね重ね環境庁の方にお願いしておったわけでございます。
○岡本委員 これに対する環境庁の御意見を承りましょう。
○柳瀬政府委員 電気事業につきまして、これをこの法案の対象から外すということになりますと、発電所の新設等につきましては、環境に非常に著しい影響を及ぼすおそれが大きい事業でございますので、当然この法案の対象に乗せるべきであるというふうに考えておるわけでございます。それから、いま立地公害局長からお話のございましたように、現在でも電調審に計画をかける段階ですでに予測評価を行っておりまして、その実績の積み重ねも十分あるわけでございますから、いままでやってないことを新たに急に行うということでもございませんので、やはりこの制度の対象として載せてもそう混乱が起きるわけではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。それからまた、環境保全の理由とする開発事業で、この住民運動等でいろいろ問題が起こっておることはいろいろな事業にあるわけでございますが、特にこの電気事業については、従来もそういう住民運動との関係の摩擦的なものも多いわけでございますので、こういうものをこの法案の対象となることから外しますということになりますれば、これはやはり問題が大きいのではないかというふうに考えておりまして、私どもといたしましては、電気事業をこの法案の内容に入れてほしいというふうに要望しておるわけでございます。
○岡本委員 通産省の考え方、私も商工委員を長い間やっていましたからよくわかっているのですけれども、いま現実にこういった電気事業をやるとしましても各所で猛反対が起こっているわけですよ。ということはなぜかというと、通産省のいままでのアセスメントにしても、あるいは通産省のいままでのやり方というものがどうもはっきりしていなかった。結局公害を起こしておる。こういうことから考えると、環境庁も入ってそしてきちんとした影響評価をしてこうなったんだということにした方が、住民の皆さんも納得する、それでこそ早くこういったエネルギーの問題が解決するんじゃないかと私は思うのですよ。ここへ来て何か通産省が反対をしておると、よけいいいかげんなことでやっていこうとしておるのではないか、大体いままで通産省の方が公害の元凶だったわけですから、自分からの範囲から外には一つも出さない、こういうなわ張り争いといいますか、これをやっておったのではかえって発電所の計画もおくれるのではないかというように考えるのですよ。なぜ、ここへ来てこうして反対をするのか、恐らく私は財界の皆さんの意向を受けて皆さん方が動いておるのではないかというようにも逆に考えることがあるのですが、環境庁も入ってそうしてきちんとした方がスムーズに事業ができる。またかっちりしたそうした事前評価をしておくことによって、何といいますか、国土を守ることもできる。現在の段階に来たら私はそれが至当じゃないかと思うのですが、どうも最前の政務次官の答弁では、いままでもやっておりましたから間違いないんだ、それじゃだめなんですよ。私はよく知っているのですからね。これを反対するというのは私はどうも解せないわけですが、なじまないとか。もう少しあなたの方で積極的に取り組んだらどうですか。政務次官いかがですか。
○斎藤(顕)政府委員 先ほども御答弁申し上げまして、その中に、今回の環境庁のアセスメント法案の中の影響予測の手法の問題あるいは評価基準の問題、これがまだ確立しておらないということに非常に大きな問題点があるということを、法案に対する一つの問題点として指摘しておりましたけれども、たとえばそのほかにも、住民の意見も非常に今後取り入れていかなくちゃならないということは当然のことでございまして、従来ともそうしておるわけでございますけれども、これをどのようにまとめて、そしてこれを実際の事業に移す場合に、考慮、勘案というふうな法律用語になっておりますが、どのようにこれを考慮し勘案していったらいいのかという、その辺が非常に問題があるという実務的な問題の指摘、あるいはこの環境影響の手法を展開していく上で必要欠くべからざる一つの技術的な評価に対する指針というものを法律によってつくることになっておるのでございますが、この指針がまだ全然説明もございませんし、また中身の検討もされておらないというふうな点が実際の運用上非常に大きな問題となって出てくるおそれが非常に強いというふうなことを申し上げておりましたことが、今回、私どもと環境庁とのお話し合いが十分に煮詰まらなかった基本的問題点でございます。したがって、そのような基本的問題点が煮詰まらないうちに、実際問題としてのこれからこの法を運用していく上で遭遇していかなくてはならない基本的な最も必要な問題が煮詰まらないうちにいたずらに法制化する、法律によって義務づけていくというふうにいたしますと非常な混乱が起こるのではないか、その混乱の中に電気事業というものが巻き込まれていくというふうなことがある場合にはこれはゆゆしき状態に陥るおそれが多分にあるということを、私ども環境庁に申し上げておったわけでございまして、ただ単に電気事業を外せばよろしいとか、そういうふうなことを私どもとして申し上げておったわけではないということを、先生御理解いただきたいと思います。
○岡本委員 各地方自治体においても、アセスメントの手法、これがはっきりしてもらわないと困る、そのためにアセスメント法をつくってくれというような非常に強い意見がどこにもあったのですね。この法案を出すときには——この手法がまだきちっと確立をしていないのですか。
○柳瀬政府委員 アセスメントの予測の仕方とか、どういう事項を調べるかとか、あるいはその結果をどう評価するかというようなことは、これはずいぶんいままで長い間やってきた経験というものもございますし、私どもでも毎年年間六百件前後のアセスメントをやっておるわけでございまして、そういう経験、実績の積み重ねで、まあそれはいろいろな科学的な新たな知見というものはまだ得られないで今後のそういう検討に待つ問題もありますけれども、それを言っておったらこれは百年かかってもできない話もあるわけでございまして、やはり現在わかり得た科学的知見のもとにおいていままでの実績の積み重ねの上に立ってやっていけば、そういう手法というものはもちろん今後改善はされていかなければならないと思いますが、そういうアセスメント自体ができないということではないと思うわけでございます。したがいまして、たとえばむつ小川原の開発計画につきましても、私どもの方で詳細な指針をお示しして、それに基づいて青森県等にそのアセスメントのやり方に従って現在やっていただいておるという状況になっておるわけでございます。
○岡本委員 そうすると、通産省の立地公害局長の言ったのと大分話が違うのですが、手法は大体いままであちらこちらの調査をやるときも、たとえば私が参りました八戸のあたりも調査しておったが、環境庁と通産省と両方でやっておったのじゃないですか、大体同じような手法でやっておるのじゃないですか。そうでしょう。全然別なことをやっておるのではないでしょう。どうもあなたの言うことがはっきりしないのです。
○斎藤(顕)政府委員 先ほども柳瀬局長からの御答弁の中に、科学的な知見に基づく手法というお言葉があったかと思いますが、現在私どもでやっております環境アセスメントの手法及びその内容でございますが、科学的にその手法が確立し、そして影響を予知し得るといいますか評価し得るものは、大気についてはSOxだけでございます。NO2につきましても大変な時間と人と金をかけてただいま国を挙げて研究しておりますけれども、NOxの問題すらまだ予測することが実はできないという技術的な状態にございます。これは日本のみならず、全世界がそういう状態にあるわけでございます。また水の問題に限りましても、水の汚染の中でわずかに予測し得るのはCODのみでございます。私どもも現在、環境調査、予測調査をしておりますが、大気と水に限ってこれを実施しておりますが、その中でも科学的ということになりますと、SOx、水ということになりますとCODに限るという状況を出ないという状態にあるわけでございます。 先ほどの御答弁との関連でございますが、私どもも、ここで環境アセスメントの何らかの制度化は必要だから、制度化をしようということは環境庁とも前々から話し合っておるわけでございます。こういうふうに手法を、あるいは予測もしくは評価の基準がはっきりしない状態で法律という形で持っていくのはいささか無理があり、早過ぎはしませんか、したがって制度、行政運用というもので足らざるを補っていくというふうなことを、試行錯誤を繰り返していくという御答弁の内容もあったかと思いますが、それならばある種の制度で運用していって、それが定着した時期を見計らって法律にこれをしたらどうでしょうかということが、私どもの基本的な意見であったわけでございます。
○岡本委員 予算措置とかあるいは指導とかあるいは運用、こういうのは旧憲法の考え方ですよ。主権在民のいまの新憲法では、これはやはり法律に——法律というのは、結局国民の代表がつくったわけですから一番広く公知されたものですね。この問題はここでやっていると長くかかりますからあれですけれども、これは次の機会にやりたいと思います。 運用でやっていく、運用でやっていくと言ったって、運用の仕方がいろいろ違うわけですね。だからいままでもこうやっているわけでして、そして環境庁とも話し合いながらいろいろと手法をやっているわけですよ。いまのあなたの言葉の中に一つ気になることがあるのですよ。それはNOxの問題、これは解決してない。環境庁では環境基準を出しているわけですね。これがどうもあなたの方では納得してない。これは財界の意見ですけれどもね。その辺からの発想でいまの手法についての環境庁に対するいろいろの協力ができない、そこに私は問題があると思うのですね。やはりこれを一つ一つ詰めていきますと、時間がありませんからあれですが、長官、ここまで来ましたらやはり政治問題だと私は思うのですね。そして、本当はこの委員会に福田総理に出てもらって、政治解決しなければできない問題ですからね。こうして三省が突っ張り合いをしてお互いにけんかをしているわけですが、やっていることを見ますと大体同じことをやっているのですよ、いろいろ調査は。環境の調査、あるいはまた出てきたその結果に対するところの評価、いろいろなものは同じことをやっているのです。それでうまくいかないということはどこに問題があるか。これは、一つは住民参加というところに問題があろうと私は思うのです。やはり住民も参加をし、その代表が参加してきちっとしておかなければ、開発も進まない、あるいはまたいろいろな問題も進まない。もうそういう時点に来ておる。あっちこっちでたくさんの電源開発の計画はあってもできないじゃありませんか。そうすると、やはり環境庁も味方に入れ、住民も味方に入れて、そうして住民納得の上できちっとしたものをこれからやっていかなければならない時代に来ておるわけですから、これは政治問題だろうと思うのです。 そこで、もうあと時間がありませんからあれですが、四月二十二日の閣議の席上で田村運輸大臣が、こういう環境庁の出したところの法案に対して反対するのはおかしいという発言も出ているわけですが、このときにだれとだれと賛成して、だれとだれと反対したのですか。ひとつ今後のためにはっきりしていただきたい。
○石原国務大臣 だれとだれが反対したということはございませんで、運輸大臣が、いま起こっております運輸省管轄のいろいろの問題にかんがみて、しょせん急がば回れで、アセスメントは十分にやる必要があるし、そういう意味でこういう法律案は必要であると心得るということを発言されたわけでございまして、それに対して別に異論、反対論があったわけではございません。 〔委員長退席、水田委員長代理着席〕 それで、方法が非常に未整備であると言われますけれども、確かに対象とする化学物質なりあるいはその要件が何であるかによって、まだまだ今日の科学技術が追いついてないところもございます。たとえば先般の大阪空港の問題なんかは、シミュレーションをやり、予測のデータとテストフライトをやってきた結果がほとんど大差がない、注目すべき大差というものは発見されなかったというようなことを見ましても、私は、大阪空港の一例をもってしても、アセスメントというものを住民の方々の意見をいろいろ聞き入れて行い、さらにテストフライトという形で行ったということで、エアバス乗り入れに関しても、これは期待でございますけれども、そういうものを無視した物の運びよりはるかに効率のいい結果を見るのではないかという気がいたします。 NOxの問題はいろいろ議論されているところでありますが、体験的にやはり暴露実験では器質変化というものも見られるという結果が見られておりますし、社会的なケースとしてそういう濃度の暴露の機会がないにしても、現にPPmとしては低くとも、永続的な暴露を社会全体が受けているわけでありますから、これがもっと精密な測定の方法が発見されて、〇・〇二PPmなるものがいわゆる達成基準としても低過ぎるというならば高めることもあるでしょうし、それがなお高過ぎるというならば、これは人間の健康の価値からいってさらに低いものにせざるを得ないかもしれません。そういう意味では、確かにNOxに関していろいろまだ体験的にも、知見的にも、技術的にも不備な点がございますが、しかしそれをもって、方法が完備していないからこの種の問題を避けて通るというわけには私はいかないと思います。
○岡本委員 通産省の政務次官、そういうことですが、あなたは、この次の国会ぐらいにはこのアセスメントを何とかしなければならぬ——これは地方自治体もみんなこの手法を待っているんですよ。ですから、このアセスメントの手法を確立するところの法制度、これに対して協力していくという姿勢はございますか。ひとつ松永さんに最後に……。
○松永(光)政府委員 先ほども申し上げましたように、通産省としては、産業公害の発生を未然に防止するためにあらゆる努力をしておるつもりでありますが、万全でないとおっしゃいますならば、なお一層今後とも努力をしていきたいと考えております。 それに問題の電源立地の問題について、住民の反対等もありいたしましてなかなか建設が進んでいない。エネルギー危機が叫ばれておる折からこれは重大な問題になると考えまして、住民の理解と協力が得られるような最大限の努力をしておるわけでありますけれども、今後とも十分その努力は続けていきたい、こう考えております。 先ほどから問題になっておる環境庁が起案されましたアセスメント法案については、先ほど局長が申し上げましたような問題点がございますので、これはなお一層環境庁とも話を詰めて、そして意見が一致したならば法案がまとまるでございましょう。 冒頭申し上げましたように、通産省としては、法制を整備して環境をめぐる紛争というものをできるだけ起こらぬようにしたい、また起こっている問題は合理的に解決できるようにしていきたいということにつきましては、何ら反対するわけではありませんし、結構なことだと思うわけでございます。ただし、先ほど局長が細かい点について申し上げましたが、ああいう点について、もっともっと話を詰めていかなければならぬ、議論をしていかなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。
○岡本委員 議論を幾らしましても、歩み寄る心と申しますか、歩み寄って一つのものをまとめていく、そういうものがなければ、いつまでたってもなわ張り根性でうまくいかないのですよ。しかも、これはもうそういう時期に来ているわけですね。実際に、通産省でいろいろ電源開発をやろうとしても進まないじゃありませんか。だから、意見が一致しましたら——机上の意見はかりじゃなくしてもう少し積極的に、あなたは政務次官がまだ少し続くのですから、政務次官の力を発揮して、そして一日も早くまとめていくような、そういう姿勢が欲しいと私は思うのです。そうでなければ、これはいつまでたっても解決しないですよ。結局電源開発もできないですよ。 いま、環境庁の姿勢も最初よりずいぶん後退しているわけです、そんなことを言うと悪いけれども。後退してもしようがないから、私たちもこっちから対案を出しているわけです。こういうふうにしなければならぬ、こうしたら非常に速く進むし、こうだという住民参加の例もちゃんと出しているわけです。対案を出してこうしたらどうかということまで私たちは言っているわけです。したがって、もう少し積極的なあなたの、通産省全体の姿勢が欲しいと私は思うのです。ひとつ自戒をしてやっていくように強く要望いたしますが、もう一度あなたに最後の——小沢さんのような前向きの答えがないと、これはうんと言えませんね。
○松永(光)政府委員 先生の御意見を貴重な参考にさせていただきまして努力をしていきたいと考えます。
○岡本委員 最後に、閣議の中のことをいろいろ聞こうと思ったけれどもあれですから、環境庁長官、本当に自分の政治生命をかけてこれ一つでも——環境庁の法案というのはほかに何もないでしょう。長官になって一つも法律をつくらなかったというと、本当に情けないですよね。しかも立候補の決意は、私は自民党の中に入って自民党を改革していくのだというのを私はよう聞きましたよ、大分前の話ですけれども。そういう公約の一つも果たしていこう、次の国会までにはうんと詰めて両省の賛成も取りつけて、そして次期国会には必ず成立させていこうという決意があるかどうか。これを最後にお聞きして終わります。
○石原国務大臣 そのつもりであとう限りの努力をするつもりでございます。午前中、水田先生の御質問の際にも申し上げましたが、閣議了解の後、官房長官も、とにかく次の国会に提出できるように自分も世話役として努力をするとおっしゃってくださっておりますし、環境庁としてもあとう限りの努力をするつもりでございます。
○岡本委員 では、終わります。
○水田委員長代理 次は、東中光雄君。
○東中委員 公害健康被害補償制度についてお聞きするのでありますが、昨年の三月四日に、経済団体連合会から要望書が出されておるようであります。そしてまた、ことしの二月八日に、社団法人経団連から、公害健康被害補償制度改正に関する意見というのが環境庁長官あてに出されております。ちょうどその間になります昨年の六月に、経団連月報に経団連事務局が「公害健康被害補償制度の問題点」という小論を載せております。経済団体連合会から、この公害健康被害補償制度についていろいろな要請を出してきているわけです。どういう要望を出してきておって、環境庁なり通産省はこれを基本的に了承しておられるというふうにも書いてあるわけですが、その間の状況をお聞きしたいと思います。 先ほど言いました昨年六月の経団連事務局が書いておる「公害健康被害補償制度の問題点」の中には「政府も本制度の見直しの必要性については基本的に了承し、現在既に環境庁、通産省の事務レベルでその検討を開始しているが、当会としても引続き制度改正の具体的方向について産業界の考え方を取り纏め、これを反映させるよう働きかけてゆくこととしている。」というのが出ておるのです。この間の経過について環境庁と通産省の見解なり、経緯についての報告なりをしていただきたい。
○野津政府委員 公害健康被害補償制度が発足いたしましてほぼ二年を超えてきたわけでございます。その間、いろいろな問題が生じてきているところでございまして、ただいま御指摘ございましたように、昨年それからことしの二月と分けまして、経団連から御要望いただいているところでございます。 全体の考え方といたしまして、現在改善を要望されておる問題についてでございますけれども、私どもこの制度が、相当な割り切りをもちまして発足しました制度というふうに理解をいたしておりますし、またこの制度の発足します際に、相当な期間にわたりまして議論がされてきていたところでございまして、御要望いただいておりますような問題の多くのものは、この制度が発足する前からいろいろ議論があったものでございます。 御案内のとおり、現在の費用の負担の方式というのは、いわゆる汚染者負担の原則に即するという形と同時に、やはり制度を安定した形で実施していくというところが非常に大事な問題であるわけでございまして、この制度の費用負担方式を詰めるに当たりましても、この制度の発足前から中央公害対策審議会におきまして十分な議論を経てきておるというふうに私ども理解しておるところでございます。 現在の方式は、御案内のとおりでございますが、制度的な割り切りというものが行われているわけでございまして、現段階におきましても私どもは合理的なものというふうに考えておるわけでございますが、若干細かい点の問題になりますと、たとえば窒素酸化物を賦課対象物質とするというふうな問題などにつきましてはこれからの問題というふうに私どもも考えておるところでございます。現在、これらの御要望に対しまして、物によってはさらに十分詰めなければいけないもの、あるいは物によっては、この制度が発足する際にすでにいろいろ議論された結果、この制度の運用に当たりましては割り切らなければいけないという考え方で来ているものと、いろいろなものがあるわけでございます。私ども、この制度の円滑な運用ということを前提としました場合には、この中で改めるべきものにつきましては改めていきたいというふうには考えておりますけれども、基本的な考え方につきましては、先ほど来申し上げておりますように、いわゆる汚染者負担の原則に即するという形が中公審でも答申されておるところでございますので、その基本的な考え方に立ちまして処理をしてまいりたいと考えております。
○斎藤(顕)政府委員 公害健康被害補償制度に関する経団連の要望につきましては、昨年三月及び本年二月に通産省に対して要望書が提出されております。その内容は、被害と加害行為の関係についての科学的究明、自然有症患者分等についての公費の導入、汚染発生源の被害発生への寄与度に即応した合理的な費用負担のあり方等、制度の基本的改正についての要望となっておりますが、本制度の多額の費用を負担しております産業界の率直な意見として承知しているところでございます。 通産省としましては、制度及びその運用のあり方につきまして、合理的なものとなるよう常に見直すべきことは当然でございますので、今後とも環境庁と十分連絡をとりながら検討してまいりたい、このように考えております。 なお、この四月から、一部料率の負担の変更をしたところでございます。
○東中委員 えらい抽象的な話が多かったのですが、具体的に、企業側の要望について実現したのはどういう点か、いま実現していないのはどういう問題点か、そしてそれをどうしようとしておるのか、環境庁、はっきりと答えてください。
○野津政府委員 先ほども申し上げましたように、公費負担の導入、各汚染源の被害発生への寄与度に即した合理的な費用負担のあり方というのが基本的な問題点として提起されてきているところでございます。 この公費負担の導入という問題につきましては、先ほども申し上げたのでございますが、指定地域内におきましてのいわゆる自然有症率というものがあるのではないか、したがいまして、この自然有症率の者につきましては当然公費で負担すべきではないかという議論があるわけでございます。 〔水田委員長代理退席、委員長着席〕 この問題につきましては、すでにこの制度発足当時から問題があったわけでございまして、十分な議論が行われました結果、自然有症者におきましても、それら汚染地域に置かれる場合、その疾病の増悪と申しますか、発作の頻度がふえるという問題も起こるはずであるということ、さらには、その自然有症者の方を大気汚染の影響による方と自然有症による方とに分けることは非常に困難であるということもございました。また、先ほど申し上げましたように、この制度そのものが一つの割り切りで、一つの定型的な形での処理をしていくという前提をもちまして、これについての公費負担の導入につきましては、もうすでに発足当時から一つの割り切りを行ってきたところでもございますし、また現在この考え方を改めるという考え方は持っていないというのが現実の状況であるわけでございます。 次に、各汚染発生源の被害発生への寄与度に応じた合理的な費用負担のあり方が基本的な改正ということになって、要望が出ているわけでございますが、それとあわせまして、実は当面の課題の中にいわゆる地域収支における不均衡の是正という問題も出てきているわけでございます。ただ、この制度は、御案内のとおり、全国的な規模によります、汚染者が負担するという原則があるわけでございまして、指定地域内と指定地域外における汚染負荷量賦課金の賦課料率に九対一という差がある、こういう考え方で処理がされてきた、割り切りがあったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、二年半を経過いたしまして、過去の実績等をながめてまいりますと、その地域における納付金と申しますか、患者さん方に支払われます七つの補償給付の金額と、その地域における固定発生源の支払っております汚染負荷量賦課金の間に相当な乖離が出てきているということが現実の問題となってきたわけでございます。 ただ、この制度そのものは、全国的な規模におきまして汚染負荷量賦課金を課するという形になっておることが前提であるわけでございますので、その地域収支の問題につきましては、いま申し上げたような形での相当な乖離が出てきたという点につきましては、私ども、これは是正する必要があるのではないかという考え方を持っておりまして、その地域における寄与度というものを考慮いたしまして、五十二年度からの賦課料率の中に指定地域と指定地域外における関係は九対一という考え方は残しておるわけでございますけれども、指定地域内のそれぞれの地域における補償給付費と賦課料率との間のアンバランスを是正していくという考え方をもちまして、指定地域を五つのランクづけをいたしまして、それによって賦課金を納付していただくという形をとったわけでございます。 そのほか、当面の問題といたしまして、賦課対象のすそ切り点の引き下げということが言われてきているわけでございます。現在、指定地域におきましては、排出量は、硫黄酸化物の五千ノルマル立米が最下限になっておりまして五千ノルマル立米以上、また指定地域でないその他の地域におきましては一万ノルマル立米以上のものに賦課金をかけているわけでございまして、これがいわゆるすそ切りという形になっているわけでございます。 この考え方の基本的な問題といたしまして、すそ切りを下げていくということになりました場合に、これの徴収に要する費用は、汚染負荷量賦課金を超えて非常に非効率的な徴収をしなければいけないという問題があったわけでございます。したがいまして、一応このすそ切りをつけておるわけでございますが、一方の考え方といたしましては、いかに零細発生源でございましょうと、大気汚染には寄与している部分があるという考え方もございまして、これらの賦課金を取ることによりまして汚染を減らしていくという形での一つのチャージの形がとられないかという意見もあるわけでございます。この問題につきましては、先ほど申し上げましたように、賦課金とその徴収に要する費用のバランスも当然考えなければならないところであろうと思っておるわけでございます。ただ、いま申し上げましたような、これらの弱小煙源がやはり大気汚染にも寄与していることを自覚していただくというところにつきましては下げるという問題も考えられるわけでございますが、この辺につきましては、現在いろいろと関係方面との議論等も繰り返しているところでございますけれども、完全な結論を得るまでには至っていないというふうなところがあるわけでございます。 また、そのほか賦課料率の算定に当たって徴収所要額などの見積もりを厳正に行え、こういうことでございますが、これにつきましては従来とも、翌年度に必要な費用につきましてはできるだけ厳正に計算することが必要であるということを前提といたしまして、十二月の末までかかりましてできるだけ現実の数字というものを把握してから翌年の賦課金を決めるということを行っているところでございまして、これにつきましては従来から厳正に実施してきているというふうなところであるわけでございます。 また、いわゆる窒素酸化物につきましては、賦課の対象物質としないこと、こういうふうな御意見もあるわけでございますけれども、この問題につきましては、窒素酸化物によります健康影響というものが科学的に詰められる必要があるということが一つございます。 またもう一つは、この窒素酸化物につきまして、いわゆる窒素酸化物を対象としました賦課を行おうとするに当たりまして、現在の状況を見てまいりますと、各燃焼過程におきます窒素酸化物の発生しますいわゆる排出係数というものにつきましては、非常に数多いバリエーションがございまして、この排出係数を一律に決めるということは非常に困難なような状況にあるわけでございます。 これらの両面をもちまして、現在、窒素酸化物につきましていかなる形でこれを考えていくかということにつきまして検討を進めておるというふうな実態でございます。
○東中委員 企業側から出されたやつについては非常によく検討され、作業を進めておられるように聞いたのでありますが、環境庁としてはむしろ逆であるべきではないかというふうに思うのでありますが、賦課金の繰り延べも年四回にされましたし、それから賦課金の料率の問題の変更というのはいま言われたとおりでありますが、非常に重要な問題は、ことし二月に出た経団連の要望書、建議によりますと、「政府の見直し作業は期待するほど進捗しておらず」というふうに書いています。これは環境庁長官あての文書にそう書いてあるわけですね。昨年は基本的に了承されて、そして事務レベルで詰めておるというふうに事務局が書いておったものを、今度は「期待するほど進捗しておらず」と、大分期待をかけられるような態度をとってこられたのが、そうは進んでいないということで、政府側を鞭撻しておるような感じをこの要望者の中で受けるのでありますけれども、公費負担の増額とかあるいは認定基準の改悪というふうなことは、私は企業側から要求があったとしても絶対にやるべきじゃないというふうに思うのでありますが、そういう点について、いま検討の対象に第一しているのかいないのか、今後検討の対象にしないということをここで言えるかどうか、その点をただしておきたいと思います。
○石原国務大臣 補償給付費の公費負担につきましては、この制度が発足する前からも論があったと聞きますが、環境庁としましては、現段階でそれを公費で負担すべき事態が生じておるとは判断しておりません。
○野津政府委員 患者さんを認定いたします認定基準等につきまして、ただいま改悪というお話がございましたが、私どもは決して改悪するということは考えておりません。
○東中委員 この要望書を見ますと、事業者側の負担能力との兼ね合いとか、企業の負担も非常に急増しておるというようなことがこの要望書にも出てくるわけでありますけれども、この企業側の負担、それぞれの企業の、少なくとも主要な公害企業、たとえば大口負担をしておる企業の企業別の負担額というものをいままで明らかにされていないのですが、ぜひそれをされるべきじゃないかというふうに思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○野津政府委員 御案内のとおり、現在の汚染負荷量賦課金につきましては、いわゆる申告納付方式をとっているわけでございます。この申告納付方式をとっておりますので、いわゆる適正な申告納付を確保するということのためには、やはり納付義務者の方々の協力が非常に必要になってくるわけでございます。ただいま御指摘ございましたような、個別企業の賦課金額というものを明確にしてまいるということは、むしろこれによりまして納付義務者の適正な申告によります賦課金の納付意欲というものを阻害するおそれがないというわけにはいかないというふうに考えておるわけでございまして、私どもは、補償給付財源を完全に確保するということを前提といたしまして、個々の工場あるいは事業場ごとの賦課金額につきましては公表してないというところであるわけでございまして、今後とも、現在の段階では公表するということは考えておらないところでございます。
○東中委員 企業側は企業の負担能力ということを問題にし、そして企業の負担が急増したということを言い、経団連のような大きな政治的な力を持っておるところがそういうことを建議という形で出すと役所はそれで検討しているという状態でありながら、それに大きな関係のある、しかもそれは制度変更をも含めてそれを言っているわけですね、その内容について今度は国民の側といいますかあるいは公害被害者側といいますか、というのは全く生の資料は何もわからないというのでは、これは企業サイドで事を決していく、企業側とだけ話してやっていく、国民の前にその内容がさらされていないということになるわけですね。だから、たとえば電力会社がどれだけの負担をしているのか。これは九電力しかないわけですから、それが負担能力との兼ね合いで見るという場合に、負担能力が、いまどれだけどの企業が負担しておるのかということがわからなくて判断のしようがないわけですね、たとえばわれわれの側から見て、あるいは国民の側から見て。役所とその企業とだけでわかっておるというふうなことでは、制度を論ずるということになれば、やはり個々の細かいのまで一々全部公表しろということを言っているわけじゃないので、そういうものについては負担能力が問題になるということであれば、現実にどういう程度の負担をしているのかということが出されてこなければいかぬじゃないか、こう思うのですが、なぜそれを隠さなければならぬか。そんなに秘密主義を貫かなければいけない理由というのは全くない、こう思うのですが、公表あるいは少なくとも必要に応じて明らかにする、一々公表しないまでも秘密にしないというぐらいの処置はとるべきじゃないかと思うのですが、再考されませんか。
○野津政府委員 私ども、先ほど来、経団連等からいただいております要望だけに基づいて仕事しているわけではございません。また、その企業が負担能力の云々ということは、この汚染負荷量賦課金を賦課されるということとは関係のないことであろうと私は思っております。当然いわゆる固定発生源から排出しております大気汚染物質によりましての健康被害が生じているわけでございます。したがいまして、その排出量に応じまして負荷量賦課金をいただいているということであるわけでございまして、企業が負担能力を超える云々ということが私どもの業務を阻害してくるということには関係ないというふうに私どもは思っておるわけでございますので、その点御了解いただきたいと思うわけでございます。 ただ、先ほど来申し上げておりますように、いわゆる納付については申告納付方式という形をとっているわけでございまして、この制度を円滑に運営するためにはそれだけの費用が必要であるわけでございますので、適正な申告納付を確保するということを前提といたしまして協力をいただいておるという形であるわけでございますので、いわゆる個々の工場あるいは事業場ごとの賦課金額については、現在のところあえて公表するという考えは持っておらないわけでございます。
○東中委員 一々公表しろということを言っておるのじゃないのですよ。そういうすりかえたようなことを言わないで……。いま経団連のようなところが企業側あるいは事業者側の負担能力ということを問題にしてきておる。これは被害者がふえてくるという中で、今度は企業側の負担能力が問題になるという提起をしているわけでありますから、そういう状態では申告納付制度であろうとその内容を明らかにしたらいけないという問題ではない。事柄の性質上、いわば加害したものに対する負担でしょう。大気汚染なら大気汚染をやったということについての補償のための負担なんですから、被害者側が加害者側の申告についてむしろ内容を知り得る状態にあってこそ、今度は加害者側も恣意的にはやれない、国民の批判の前で負担すべき相当のものを負担しているということになるかどうか点検を受けるわけですから、だから申告制度であってもその申告に客観性を持たせる、そういう意味では企業側が責任を持って客観性を持った申告をすべきであるし、しておるのだったら、公表というか、国民の前に明らかにしても支障はないはずだ、こう思うのですが、何か隠しておかなければ申告が円滑にいかないというふうな考え方というのはちょっと独善的なのではないですか。その点どうでしょう。
○野津政府委員 この制度そのものの本質が各企業からの申告納付制度という形をとっておるわけでございまして、私ども先ほど申し上げましたように、翌年度に必要な金額を前提といたしまして個々の排出量の単位に基づきましての賦課金を設定しましたその金額によりまして適正な申告をいただくということが前提となっているわけでございまして、先ほど来申し上げておりますように、経団連の方からの御要望がその企業の賦課金が高過ぎることによって云々というふうなことだけを前提としまして私どもはこの制度を変えるというふうな考え方は毛頭持ってないわけでございます。やはり賦課金の納付意欲を阻害しないような制度をとることは非常に大事なことではないかと考えております。
○東中委員 どうもかみ合わぬので、後でまた詰めます、きょうは時間がありませんから。 ただ、あなたの言われておるのは公表しないこと、あるいは国民のだれにも明らかにしないことが現在の賦課金制度を円滑に進めていく前提だというふうに言われていること、それが独断ではないかと言っておるのでありますから、その点を指摘しておいて、次の問題に入りたいと思うのです。 企業側からの要望書がいろいろ出ておるのと対応して、患者側からの要望もいろいろ出てきておると思うのですが、その点で、保健福祉事業について聞きたいのでありますが、とりわけ転地療養事業が大きな問題点だと思うのですけれども、昭和四十九年にこの予算は四億円で、消化率は約十分の一、昭和五十年度も予算が八億で、消化率は約十分の一だったのですが、五十一年度は予算が九億六千万円だったと思うのですけれども、消化率はどの程度になっておるのですか。
○野津政府委員 現在まだ最終的な決算の状況は出ておりませんが、ほぼ前年並み程度ではないかというふうに考えております。
○東中委員 この予算の十分の一しか消化できないような制度というのは非常におかしなことなんですね。しかも、それはずっと続いておるわけですから、どうしてこういうことになるのか、その原因についてどう考えておられるのですか。
○野津政府委員 公害健康被害補償法の中におきます公害保健福祉事業といいますのは——ほかの給付につきましてはどちらかといいますと、いわゆる民事責任を踏まえました形の損害のてん補という形で七つの給付が行われているわけでございますけれども、この補償法の四十六条に定められております公害保健福祉事業と申しますのは、むしろ積極的な面が非常に加えられているところであるわけでございます。したがいまして、私どもこれは非常に重要な事業であるというふうに考えてきたところでございますけれども、ただいま御指摘ございましたように、大変な額の予算が残ったというふうな実態があるわけでございます。 その原因はいろいろあるわけでございますけれども、やはり一番の問題といたしましては、これらの事業に対します、各実施主体である各地方自治体におきます理解、これは裏返しますと、環境庁からの理解に対します啓蒙についての欠けた点があったということも一つの問題かと思います。まだあるわけでございますけれども、もう一つ、これらの事業の中の、いま御指摘ありました転地療養事業というものにつきまして、果たして円滑にこれらの事業ができ得るかどうか、あるいは従来までございましたいわゆる交付要綱によりまして、一つのグループの数が多過ぎるとか、あるいは泊まり日数が多過ぎるとか、あるいはそれらの患者さん方の都合によりましてはより便利な方法をとってもらいたいとかいうふうな面、これらの事業の中の特に転地療養事業につきましての問題がいろいろと残されてきていたわけでございます。また特にこれらの患者さんを転地療養させるという形でまいりました場合に、それに付き添われる方々の数の問題あるいはその付き添われる方々に対します報酬の単価の問題というふうな面がございまして、各実施主体である地方自治体の実施に当たりまして、どうしてもその地方自治体で持ち出しが出てくるというふうな面が、これらの事業の進展に思ったような伸びが出てこなかったということの主なる原因ではないかというふうに私ども理解いたしております。
○東中委員 原因を言われて、なるほどそのとおりだと私も思うのですが、それが四十九年の決算でもう明白になったのですから、これは五十年、五十一年、もう五十二年に入っているわけですから、それに対してどういう改善の処置をとられたのかということを聞いておるわけです。
○野津政府委員 先ほど申し上げましたように、この事業は非常に重要な事業であるということを再認識いたしますと同時に、これにつきましては特に大気系の専門の医師の方々、さらには実際にこれらの事業を実施いたします各実施主体の地方自治体の中の代表の方々にお集まりいただきまして、この公害保健福祉事業というものは一体どういう形でやられることが一番必要かというふうなことをいろいろと議論をいただいてきたところでございます。それを踏まえまして、この制度の中でよりよい運用ということを考えてまいりたいということで、ただいまその御意見等につきましてまとめていただいている段階でございます。それが第一番でございます。 第二番目といたしましては、この五十二年度の予算におきましても、先ほど来いろいろな問題があったわけでございますけれども、特にこの転地療養事業につきまして、若干の日数あるいは人数等につきましてのいわゆる余裕を持たせるという方法を加えたと同時に、さらに、従来は集団的な方式であったわけでございますけれども、五十二年度からは個人が参加できる、その方の自分の御都合のいい日に参加できるというふうな形の事業を新たに実施をすることにいたしたわけでございまして、いわゆる指定施設利用健康回復事業というふうな事業を加えたわけでございます。それから、この転地療養事業の単価につきまして、一グループ当たりの単価を各グループごとにそれぞれ約三〇%から約六〇%近くまで上げまして、先ほども申し上げました実施主体でございます地方自治体の負担を軽減していくというふうな方法もとってきたところでございます。また、一つの新しい方法といたしましては、従来空気清浄器を給付していたわけでございますけれども、長年使っておりますと空気清浄器のフィルターが傷んでまいりまして、これの交換に費用が要るという面もあったわけでございまして、五十二年度からは、空気清浄器におきますフィルターの交換につきましてもこの事業の中に含めるという形でまいったところでございまして、いろいろな面から、これらの事業が伸展できるような形で逐次整備を図ってきておるところでございます。 ただ、基本的にこの事業をどうあらしめるべきかということにつきましては、冒頭に申し上げましたように、専門家、また実施主体であります県、市の方々の意見をまとめていただきまして、これを踏まえて、さらにこの事業が伸びていくということを考えてまいりたいと思っております。
○東中委員 この環境庁企画調整局長発の「公害保健福祉事業の実施について」という通知ですが、いま言われましたように、転地療養に関する事業の転地療養事業という項目、これは依然として変えられていないわけですね。なるほど指定施設利用事業というのがつけ加えられましたけれども、局長が先ほど問題だということを言われたのがそれがそのまま、あるいはなかなか予算が消化できない原因だと言われたことがそのまま、今度の五十二年四月二十七日の一部改正でも残っておるわけですね、「人員は、おおむね五十人を単位として行うこととする。期間は、おおむね六泊七日とする。」と。なぜこういうふうに「六泊七日」あるいは「五十人」という単位にしなければいけないのか。これはもっと地方自治体、当該患者と医師に任せたらいいじゃないですか。局長のところでこういう通知を出して、いわば実施基準をやっておる。そのことが、あなたが先ほど言われたように、四十九年度から非常に消化率が悪い原因になっているのだということを言われておって、その後三回も改正されておってこの項目については依然として改正をされないというのはどういうわけなのですか。形だけを整えておるけれども実際上はやらないというふうに思えてしようがないのです。公害認定患者の数はどんどんふえておる。しかし、五十二年度は、五十一年度とこの予算は同じ九億六千万円と、変わっていない。ここでチェックをしている。非常に積極的な重要な事業だと言いながらチェックを加えておるように思うのですが、この撤廃、たとえば五十人というのを自治体なら自治体に任せてしまう、あるいは期間を六泊七日——「おおむね」とついてはおりますけれども、そういう制限をする必要はないのじゃないかと思うのですが、医師と患者と自治体を信頼したらどうなのですか。その点、どうでしょう。
○野津政府委員 私ども、一応現在の考え方としまして、そこにございますように「おおむね五十人」ということが書いてあるわけでございますが、もうすでに現在は三泊四日という短い期間につきましての試みの検討も、実際に実施してやっていただいているわけでございます。また、地域によりましては、それだけの患者さんのグループが集まらないところもあるわけでございまして、そこにいま先生も御指摘ございましたように「おおむね」と書いてありますのは一つの標準的な考え方でございまして、過去におきましてのグループによります転地療養事業というものにつきましては、五十人程度が一グループで、そして六泊七日というのがやはり効果あらしめるための一つの期間ではないかというふうなことも言われてきていたわけでございますが、ただ、いま御指摘ございましたような実態にいろいろ差があるわけでございます。したがいまして私どもは、そこに「おおむね」という形でございますが、一応各地方自治体の実情に応じた形での期間あるいはグループの数というものにつきましては御相談に応じて、これについて補助金を差し上げるという形をとっているわけでございます。したがいまして、いま三泊四日につきましても検討しているところでもございます。実際にこれは実施をしていただいて、そしてその結果につきましておまとめいただくという形をやっておるわけでございまして、これは補助の対象にいたしておるわけでございます。 それから、先ほども申し上げましたように、これらのいわゆる転地療養事業というものがどれだけの規模でどれだけの期間実施することが非常に有効であるかというふうな問題につきましても、先ほど申し上げたような形で専門家の御意見、また実際にこれらの集団的な転地療養事業を手がけてこられました各地方自治体の方々の御意見というものをいただきながら、いま大筋の基本的なものを詰めているところでございます。それがまとまりますとその部分が変わってくるかと思いますが、実際は、御指摘ございましたような形で「おおむね」という形をとっておりまして、これにつきましては、各実施主体の方から御相談がありました場合には、その状況に応じましてこれに対しての補助を差し上げるという形を現在とっているところでございます。
○東中委員 その六泊七日でない、いま三泊四日ということも言われたようでありますけれども、「おおむね」がついておってもわざわざ「六泊七日」と書いてあったらその程度の規模でなければだめなのだというふうに初めから思ってしまうということになるわけなので、いま言われた三泊四日あるいはもっと少ないもの、あるいは場合によってはもっと多くてもいいわけでしょうが、どの程度の規模になっておるのか。実際に実施されているもので一番短いのはどれくらいで、一番長いのはどれくらいかということを明らかにしていただきたい。
○野津政府委員 手元にいま資料がございませんので確実な数字は申し上げられませんけれども、一番短いグループで三泊四日、長いのではほぼ六泊七日から七泊八日、この範囲の中でございます。 それからまた、グループの大きさでございますけれども、私が聞いておりますところでは、二十人ぐらいから、もっと多い数では二グループを同時にということで、百人を超える形でのグループも行われているというような実態でございます。
○東中委員 そこまでいっておるのだったら、これはこの四月二十七日に改正された中に入っていないのですけれども、「おおむね六泊七日」といえば、やはり六泊七日が原則で一日ぐらいのずれとしか普通は思わぬですね。三泊四日もあるのだったら、これはもっと幅を持たせ——それから五十人といえば「おおむね」がついているから四十八、九人から五十二、三人ぐらいというふうにだれだって思うのであって、二十人でもいいんだったら、おおむね五十人というのはいわば死文になっておるわけですね。しかも、死文になっておるものが一つの原因になって予算の十分の一しか消化されない。これだけじゃありませんけれども……。そういう事態になっている。それの予算の消化が非常に少ない原因として、一番最初に局長の方から挙げられているくらいでありますから、これはこの局長の通知を変えて、そして、もっと自主的に病院なり患者さんなりが転地療養を計画できたらそれが認められるような、そういう体制にこれは変えなければいかぬのじゃないか。せっかく積極的な施策を出しておきながら、実際にそれがやられてない。ある程度緩和されておりながら、この自治体あての通知はそのまま残っておる。これじゃ二重にも三重にも矛盾しておるんで、思い切ってその点をいまここで答弁いただいて、そのことは全国でわかるでしょうから、二十名でもやっているところもあるのかということになると思いますけれども、実際にそういうところがあるんだったらこの通知は改めるべきだというように思うのですが、そういう処置をとられませんか。
○野津政府委員 先ほど来申し上げておりますように、現在の考え方といたしましては、集団的ないわゆる転地療養事業のグループの大きさ、あるいはその期間というものにつきましては、一応五十人、それから六泊七日というふうな考え方が基礎になってきたわけでございます。 先ほど来申し上げておりますように、実態論としましては、それぞれの地域の実態に応じました形でより効果が出てくるような方法で実施してもらいたいということにつきましては、関係します各地方自治体の担当者会議等におきまして明らかにしているところでございます。 ただ、いまの文章をどうするかというふうな問題でございますけれども、それにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、現在専門家と、それから実際に実施していろいろな苦労をしておられる方々との御意見というものを調整いただきながら一つの原則論を決めていただきたい、こういう考え方で進んでおりますので、その機会が参りましたら、私どもはその文章を変えることにつきましてはやぶさかではないわけでございます。
○東中委員 これは局長の通知でしょう。それで、実際に担当者会議で集まったときには、これと違う、実情に応じたやつを実際にやっているんだとあなたはそう言われておって、それでなぜこれをそのままにしておく必要があるのですか。局長通知なんだから、局長が実際にやっているように、実情に合ったように通知を改めればいいんでしょう。このままじゃだめだから、地域に応じて二十人のところもあるし、あるいは三泊四日のところもあるというんだったら、そういうようにしたらいいじゃないですか。実際にやっていることと書いてあることと違うというのは、この書いてあることによって必要以上に、行きたいと思っておっても行けないという事態が起こっている、そういうマイナスの作用しか働かさないわけですから。大体六泊七日でなければいかぬというのは、私たちは了解できませんわね。患者から言えば、三泊四日を二回やったっていいんですし、六泊七日というふうに固めなければ効果がないというような性質のものじゃありませんから、そういう点で言って内容的にもおかしいし、実際の面から言ってもおかしい状態になっておるのだから、これは通知を改める、そういう方向、これは大臣、どうでしょうか。本来積極的にやる重要な施策を、余り根拠もなくて実態にも沿わないのになおそのまま残っておるというのは、これはちょっと検討してもらって、それで実際に予算が消化できるように、患者さんに医学的に見て役に立つように実施できるような、そういうふうに改めるという点で検討して——これはぜひしてもらわなければいかぬと思うのですが、どうでしょう。
○石原国務大臣 専門的なことですので、私、つまびらかにいたしませんけれども、先ほどからの応答を聞いておりますと、前にも話題になったことがございますが、とにかく患者のためと思って組んだ予算がそういう一種の規定で、とてもそんな時間を割けぬから行けないということで使い切れないというのはもったいない話ですが、またお医者さん、つまり部長も課長もみんなお医者さんで専門家でございますけれども、そういう見地から見れば転地はやはり三泊四日では効果が出てこず、せめて六泊七日くらいいてくれぬと転地の効果も医学的に出てこないんだという専門的な見解があるんでしょうけれども、それでもなお実際に三泊四日が行われているならば、これはやはり、今後専門家としてどういう検討が残っているか知りませんけれども、それが済み次第というか、その検討を一刻も早く終えて、その文言というものを変えることでこの制度の効果を上げるにこしたことはないと私も思います。ですから、積極的に検討させるようにいたします。
○東中委員 基本的には、その地域の条件もあるでしょうし、千差万別なところもあるわけですから、病院と患者とが実質的に決めるような転地療養ですね、お医者さんが何も効果のないようなことを決めはせぬですから、部長や課長だけがお医者さんで、患者を診ている病院はお医者さんじゃないというわけじゃありませんから、そういう点ではそれを信用して、それが実際に効果を上げるように、実際に補助を受けて恩恵といいますか——恩恵じゃないですが、むしろ回復のための機会が客観的に保障されるような、そういう通知にぜひ改めるようにしてもらいたいということを強く要望しておきます。 もう時間がなくなったのですが、もう一点だけ、例のNOxの窒素酸化物を地域指定の要件とすることについてでありますが、前の複合大気汚染調査と、それから道路周辺での健康影響調査に基づいて中央公害対策審議会に諮って第一種地域の指定要件を変えていけば運用がスムーズにいくと思う、これは何回か局長は答弁をしてこられたわけです。そこの調査の結果の公表についても五十一年度中あるいは五十年度中という答弁を重ねられてきて、いまなおこの道路周辺の調査結果はまだ発表されてないのですね。これは余りにも、ことさらにおくらしているのじゃないかという疑惑さえ持たざるを得ぬぐらいになっておるのですが、これはどうなってますか。
○野津政府委員 自動車道沿道の健康影響調査につきましてはまとめをつけてまいりまして、ほぼ終了しかけていた実態になっているわけでございますが、ただ、まとめをいたしました時点で、若干数値につきましての問題が生じてまいりまして、現在コンピューターの巻き直しということをもう一遍やりまして、集計いたしました結果が、若干中身につきまして矛盾した数値が出てきているわけでございます。したがいまして、その原因を探るためにいまやっておるわけでございますけれども、おおむねの問題につきましてはまとめができ上がってきているわけですが、その中におきますある部分につきまして、数値が非常にうまくいってないというふうな点がございますので、それにつきましていま再調査を実施いたしているところでございまして、これが終わりますれば、直ちにまとめを発表いたしたいと考えております。
○東中委員 この二つの調査の結果が出れば中公審に諮って、そして指定要件にするかどうかということを決めるように、なるべく速やかにそうやっていくというのは、これは何回か答弁されておることでありますが、この複合大気汚染の調査は中公審に諮問するのじゃなくて専門家による研究班の方へ回した。これは方針の転換ですね、おくれているわけですよ。一方の方は調査結果がコンピューターの数字が合うのか合わないのか、私の方はわかりませんけれども、当初の予定よりはどんどんおくれていっている。これではNOxを回避しようとしている、経団連のあの意見書の最後に、厳にこれを避けるべきであるということを言っていますね。その線に沿って動いているとしか思えないのですけれども——そこで首を盛んに横に振っておられますけれども、それなら早く出すべきだ。そして当初の約束どおり中公審にかけるべきだ。長官が、予算委員会で質問されて、何かそれが出てきたら白紙の立場で検討すると言わんばかりの答弁をされているのが、時間がありませんから一々申し上げませんけれども、あるのですけれども、そうではなくて、この二つの調査結果を速やかに出して、当初に言われているように処置すべきだと思うのですが、その点を強く要望したいことが一つ。 それから沿道調査の結果は、いまの見通しでいつになったら結果が出るのかという点をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○野津政府委員 初めの複合大気汚染の結果でございますけれども、実はいろんな統計学的な処理をいろいろ実施してきたわけでございまして、ただ、その結果に基づきまして直ちに窒素酸化物と、健康に、特に現在対象といたしております四つの疾病等につきましての窒素酸化物との相関性というものが明らかには出ていないという問題が一つございまして、これにつきましては、いわゆる学問的な立場で、やはりいろいろな学問的な仮説を前提として御議論をいただきたいということで、いま学者の研究班にお願いをいたしておるところでございます。 それから自動車道でございますが、いまの状況が、先ほど申し上げましたように、どうもコンピューターのアウトプットからの集計というものそのものが非常に矛盾した数値が出てきているということがあったわけでございまして、いま巻き直しから、ひょっとしますと個々の個票の点検という形までいくかもしれないというふうな実態でございます。私ども、できるだけ早くということで、決して意識的にこれをおくらしているわけじゃございませんで、非常に精力的に担当には努力してもらっているわけでございますけれども、いろいろ詰めてまいりますとこのような結果が出てくるということになりましたら、この数値そのものの信憑性というものが非常に大事な問題になってくると思います。したがいまして、これにつきましては、私どもできるだけ早くということをせかせておりますけれども、ただいまの段階で、私がいま聞いておりますところでは、具体的にいついつまでということにつきましてはちょっと見当がつかないというところでございますけれども、これは、できるだけ私ども作業日程等を詰めまして、いつごろまでにということが見当がつきましたら、委員の方に御連絡申し上げさせていただくことで御了解いただきたいと思うわけでございます。
○東中委員 じゃ、時間ですから終わります。
○島本委員長 東中光雄君の質問はこれで終わります。 次回は、来たる十九日木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十三分散会 ————◇—————