公害対策並びに環境保全特別委員会 第10号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/04/21
会議録
○島本委員長 これより会議を開きます。 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水田稔君。
○水田委員 いま柑橘類のカビ防止剤としてOPPという薬品を使ったものを厚生省の方で検討して、間もなく食品添加物として許可するというような動きがあるわけですが、これに対して、環境庁側としてタッチすることができる面があるのかどうか、いまの法律上。まずその点をお聞きしたいと思うのです。
○二瓶政府委員 輸入の柑橘類に使用されております防ばい剤としてのOPPでございますが、これにつきましては、現在厚生省の方で食品添加物として認めるかどうかということで検討をやっておる最中でございます。環境庁としてこれについてタッチする余地があるのかないのかというお尋ねでございますけれども、これは当然のことながら、食品添加物という角度で厳正な安全性の試験結果というものを踏まえて、しかも、食品衛生調査会という権威のある機関に諮問をして、それを受けて判断をする、こういうものでございますので、特に環境庁という角度からは、その環境汚染という問題があるのかないのかという問題が入りますけれども、これは食品添加物としてというお話でございますので、直接人間様の口にここまで入れてもいい、こういうようなことをいろいろ検討しているというお話でございますから、特に環境汚染という問題で環境庁が意見を言うとかいうような必要は、現段階においてはないんではないか、かように考えております。
○水田委員 いま環境庁がタッチする典型公害というのは限定されておるわけですが、実際には、かつて水銀農薬で大量に国土が汚染された。これは農薬ですから農林省の方です。赤潮の問題で燐が問題になっても、これは洗剤の関係ですから通産省の関係、あるいは食品添加物について言えば厚生省の関係、そしてそれが地域の環境を汚染するというときになって初めて環境庁、いわば後追いの役割りしか環境庁としては果たされないという機構上の問題があると思うのです。実際に起こってくる国民の健康とか生命に対する被害というのは今日まさに複合的に起こっておるわけですが、そういう点についていまの体制でいいのかどうか。これは環境庁側として国民の健康と命を守るという立場から、そういう縦割りの行政で、総合調整の機能はあるにしても、そういうところまでタッチできないというところに国民の不安というものが残ると思うのです。そういう点についてお考えがあれば長官のお考えをちょっと聞かしていただきたいと思います。
○石原国務大臣 科学技術は日々変化しているわけでございまして、これから先もどういう新しい物質が生産工程に乗るか予想がつかないわけでございますが、先生御指摘のように、いままで確かに新物質なり新薬なりいろいろなものが結局健康を含めての環境汚染というものをもたらした例がございますので、同時に一方では非常に厳格な縦割り行政の枠もございますが、しかし、その毒性なり危険性というものが非常に問題にされるような物質が他の省庁で認可なり許可なりを受ける際には、それを決定する決定権はもう権限外のことでございますけれども、環境庁が何らかの形で討論に参加するなり意見を述べるということはあってしかるべきだと思います。ただ、このOPPに関しましては、分量的にもこれがそのまま環境汚染につながるという可能性はまずないのではないかと思われておりますが、問題提起もございましたことなので、環境庁としましては注意深く推移を見守っていくつもりでございます。
○水田委員 これはいまの典型公害外の問題ですが、そこにも問題がある、私はこういうぐあいに思うのですが、いわゆる典型公害の問題を後追いではなくて積極的にというものが環境事前評価法案ということだと思うのです。これはこの委員会で長官から、三月の二十三日までに閣議決定に持っていきたい、こういう御答弁があったわけです。これは国民に対してそういう決意を表明されたわけですが、今日われわれが知る限りにおいては、どうも内容的にも、さらに場合によっては今国会提出が困難ではないかというようなことまで報道されておるわけですが、少なくとも総合的な前向きの環境行政を進める上ではこれは一つの柱として大変大事なことだと思うのです。先日も質問ありましたけれども、もう会期もだんだん迫ってきておるわけでありますから、その点について、環境アセスメント法案について再度長官の決意のほどを聞かせていただきたいと思います。
○石原国務大臣 相変わらず関係省庁との間に非常に基本的な意見の違いがございまして難行苦行しておるわけでございますけれども、しかしこれは具体的に接点が非常にとらえにくい種類の意見の相違もございますので、やはり高度な政治判断ということが必要だと思います。そういう意味で、通産大臣はすでに自分の所見を総理大臣に述べられたようでございますので、ごく近々に総理大臣に私の所見を環境庁側として述べるつもりでございます。それがどの方向に向かってどれほど大きな引き金になるか、恐らくその場では結論は出ないと思いますけれども、高度の政治判断というものの素材を環境庁側から積極的に提示するというように御理解賜りたいと思います。
○水田委員 厚生省、おいでになっていますか。——それではOPPの問題について伺いたいと思うのですが、これが食品添加物として厚生省に対して許可の申請があったのはいつですか。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 実はオルトフェニルフェノールと申しますのは柑橘類の防ばい剤でございまして、すでに世界で広く使われておったわけでございますが、わが国ではまだ認めておらなかった。そういうさなかに、五十年の四月ごろ、柑橘にOPPが不正使用されているということが発覚した事件がございまして、大量のグレープフルーツ等が入って積み戻されたり廃棄された、こういう事態が発生しまして、そのころからアメリカ大使館、それから関係業界の方から食品添加物として指定してほしい、こういうようなことがございました。私どもとしましては、特に日本におきまして現在、食品添加物について非常にその安全性に一般の関心が高まっております。そこで、WHOの評価を終えておっても、日本では遺伝学的な面からも検討する、その資料を要求する、こういうことが食品衛生調査会の内規として決まっております。これについてはまだWHOなどは、熟していないということで、この評価する基準にはなり得ないということでまだやっておりませんが、日本の場合は非常に特殊な事情がございまして、遺伝学的な面からも資料が要るんだということを強く要求しておりましたので、申請の時点というものは、昨年の末に資料が整った段階で私どもが申請書を正式に受け取った、こういうふうにわれわれは理解しております。
○水田委員 厚生省が食品衛生調査会へこれの安全性の問題について諮問をされたのはいつですか。
○宮沢説明員 本年の三月十五日でございます。
○水田委員 これまでにも新しい食品添加物の認可についての諮問というのはやられておると思うのですが、大体これまでの物質の平均的な調査会での審議、結論の期間というのはどのくらいあるものですか。
○宮沢説明員 ケース・バイ・ケースでございますが、私どもがこういう資料が必要だという一つの内規を決めて、それを満足させる資料が出てまいりました場合には、過去の経験では一カ月から一カ月半ぐらいで審査を終えております。
○水田委員 この食品衛生調査会へ諮問する前に厚生省としては当然データの検討をされた上で出されると思うのです。それはどの期間、どういうぐあいにやられたかお伺いしたいと思います。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 WHOの方で、食品添加物の安全性を評価する場合にはこういう点等について検討することが必要である、そういう原則を昭和三十年の前半に提示しまして、それを受けまして日本では食品衛生調査会に御検討願って、四十年にそういう一つの基準を決めまして、これを満足する資料がなければわれわれは申請しても受理しない、こういうことにしておったわけです。ところが、先ほどもちょっと申し上げましたが、AF2と申しますか、豆腐の殺菌剤のフラン系の誘導体がございました。それが遺伝学者から安全性が問題にされまして、そのために昭和四十九年の九月だったと思いますが、遺伝学的な面でこういう資料も今後は必要である、そういうふうに定められましたので、これについてアメリカ側と日本の政府との間に非常にやりとりがありまして、先ほども言いましたように、まだ遺伝学的な面からの検討についてはどこの国でもやっておらないし国際機関でも採用していない、だからWHOの定めた原則でいいじゃないか、こういうように向こうは主張しておったんですが、私どもとしましては調査会の内規として決まっておるということでがんとしてその書類を受け取らず、審議に入らなかったということでございますので、このものについては書類がそろうまで非常に時間がかかっております。
○水田委員 それでは厚生省としては、OPPを使うことについては日本の国内のこれまでの規制から言ってまだきわめて疑問が残っておる、そういう気持ちが強かったということですね。
○宮沢説明員 それにつきましては、厚生省としては、これが食品添加物として認可され一般の食生活の中に入っていく場合に、どの面から見ても安全である、そういうような安全性の審議をするための資料を求めておったわけでございまして、このものについての疑問とか不必要とか、そういうようなことは考えておりません。
○水田委員 いま課長も説明されたように、これは、日本の厚生省としては安全性についてはまだきわめて疑問があるということで、五十年四月にはアメリカ大使館から政府に対してこれを認めろという要求があったし、五十年の八月には日米首脳会談において要求された。そういう中でなおかつ日本政府としてはこれの安全性ということに対してきわめて強い疑問を持っておったということは事実ですね。
○宮沢説明員 安全性に疑問を持っておったのではなくて、厚生省で、食品衛生調査会で審議をする際に必要とする資料が欠けておったわけでございます。
○水田委員 OPPだけではなくて、その他の食品添加物についてもそういう資料のないものについては認めないという姿勢であったわけでしょう。そういう中で認めないということは、安全性が証明されないものについては日本としては国民が摂取することは絶対禁じたい、それがたてまえとして今日でも通っているわけでしょう。
○宮沢説明員 整った定められた資料について食品衛生調査会で審議をするわけでございまして、その安全性に疑問があるとかないとかいうのではなしに、その資料がそろったので現在OPPを審議をお願いしておるわけでございます。 また、すでに指定しました食品添加物についても、それは以前の技術で評価したものでございますので、これにつきましては開発された新しい進んだ技術をもって、厚生大臣が指定したものについて取り消す場合には国立衛生試験所が中心になってその再評価を行っておるわけでございまして、特にその場合、たとえば先ほど言いましたようにAF2のように非常に弱いけれども発がん性が確認された、こういうような結果が出たのでAF2は削除になったというわけでございまして、古いものについては常に新しい技術で見直しをやっております。
○水田委員 それでは、そういう安全性を確認するに必要な研究というのはどこがやって、それはどこの依頼によってやられたものなんですか。
○宮沢説明員 御説明申し上げます。 一般毒性につきましては、すでに一九六九年に、国際機関でございますFAOとWHOの専門家委員会がございまして、そこで一般の発がん作用、急性毒性、慢性毒性等世界じゅうのデータを見まして、そして一日に体重キログラム当たり一ミリグラムまで摂取しても安全である、こういう一つの評価をしておりまして、さらにこの評価に基づきまして、やはり同様にFAOとWHOの食品規格委員会では柑橘類の場合に一〇ppmの残存値を勧告しておるわけでございます。しかし、こういう世界じゅうのデータですでに評価されておったわけですが、先ほど申し上げましたように日本では遺伝のデータが必要だということで、これについては関係業界が財団法人の残留農薬研究所というのが日本にございますが、そこに遺伝学的なデータについての試験を依頼をした。そしてこれは私どもは、先生方の御指摘にもありました、添加物については国民に対して疑問を持たしてはいかぬということを言っておられますので、必ず関係学会で公表したものを報告書としてまとめて提出してほしいということになっております。この実験データは一九七六年十月十六日の日本環境変異原学会の第五回研究会で発表されたも のでございまして、関係業界が残留農薬研究所に依頼して作成したものでございます。
○水田委員 関係業界というのは、日本青果物輸入運営協議会さらに三菱商事、そういうところですか。
○宮沢説明員 そのとおりでございます。
○水田委員 そういう輸入業者、総合商社の依頼した研究が発表されておるわけでありますが、これまでWHOの国際的に認められた基準でも日本では認めることができないというものを、認めるに足りる研究というのはその発表だけで判断していいものかどうか。それ以外のたとえば国内における研究発表等については資料として使われたのかどうかお伺いしたいと思います。
○宮沢説明員 OPPの毒性等について、昨年の四月でございましたか、日本薬学会で名城大学の花田教授が安全性には疑問があるではないかというような発表をされておりますが、その先生の資料も取り寄せまして審議資料として提出してございます。また、これは大変偶然だったのですが、がん研究助成金によって遺伝学者がやはり三十種類の品目について遺伝学的な面の研究をやっておりましたが、これもことしの一月にその評議会で公表されておりますので、それも使用いたしております。
○水田委員 名城大学の花田教授は全く逆な研究発表をされておるわけですね。これまでWHOの認めたものでも国内における研究結果というものがない限りはという慎重な態度をとられておる。しかし、ここで総合商社とか輸入業者が依頼をした研究発表というものはそのまま安全だといって使われる。片一方では花田教授の危険だという説は全く取り上げられないで、場合によったらきょうあたりの委員会で結論を出そう、大変早急に結論を出そう、そういうことをやろうとしておるわけですが、慎重を欠くのではないですか。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 三月十五日に食品衛生調査会に諮問を申し上げました。そして委員長の方から、専門部会でございます毒性部会と添加物部会に審議をするように要請されまして、それを受けまして両部会では三月二十四日と四月一日の二回にわたって審議をしたわけでございますが、これより前に、一般毒性については非常に膨大な資料でございますので、昨年の四月の総会の折にある委員から、いずれこれは毒性等について評価がされるのだろうから事前に目を通しておきたいということでございましたので、そのときに早速資料を整備して、一般毒性については委員の先生方に送って読んでおいてもらいました。そして遺伝毒性についての資料が昨年の暮れに出たので、それを整理してことしの三月十五日の時点で諮問したわけでございます。そして、特に三月二十四日に行われた席では花田先生の学会での抄録だけしかございませんでした。そこで委員の中で遺伝に関係する委員もおられましたので、花田先生に連絡をとってスライド等も送っていただいて、そしてそれを交えて四月一日に花田先生のそのデータ等についても相当突っ込んだ審議をしております。
○水田委員 疑問があるという研究の発表を審議しただけ。疑問があれば、さらにそれぞれの学会の中でいろいろな論議が出て、そういう中で安全性を確認するという慎重さがこういう直接——グレープフルーツは中だけ食べるのですが、レモンというのは恐らく輪切りにしてそのまま紅茶へ入れる、あるいは皮まで食べる人が多いわけですね。しかもこれが水に溶けにくい。ナトリウムにすれば溶けますけれども、普通パラフィンで溶解して噴霧するということでしょうから、恐らく水洗いだけでは取れない状態で直接国民の口を通じて体内に入っていく。そういうものですから、疑問があれば徹底的に解明した上でなければ——これまで非常に慎重な態度をとってこられた厚生省がどうもここに至ってアメリカからの要求あるは総合商社等からの要求、輸入業者の要求によって唐突に結論を急いでおる、そういう感じを受けて仕方がないわけです。 そこで、それじゃ残留農薬研究所の研究の中で、たとえば細胞遺伝学的試験、いわゆる発がん性の問題、催奇性の問題については、動物というのは何を使ってどういう調査をやられたのか、教えてほしいのです。
○宮沢説明員 残留農薬の試験には二通りございます。 一つは、微生物を使ってその突然変異が誘起されるかどうかということ。それからもう一つは、普通、培養細胞を使って、それで染色体に何か異常が出るかどうかというような細胞レベルの実験がございます。 それからもう一つは、実際に雄のマウスに食べさせまして、そして雌と交配させてそれで胎児を見る。開いて、生まれる前に胎児を見て死胎児がどのくらいできておるか。これはこのOPPなるものを雄のネズミが食べた場合に精子に異常があれば死胎児がふえる、こういうようなのがございます。それを一つの試験の方法として、優性致死試験と呼んでおりますが、そういうようないわゆる生体レベルの実験と細胞レベルの実験、この二つをやっておりますが、いまのマウスでもって優性致死試験は行っております。
○水田委員 いま課長は、マウスを使い、さらに雌と交配をしてということを言われたのですが、これはきわめて概略的な報告の要旨だけなんですが、それによりますと、細胞遺伝学的試験についてはそんなことをやってないですね。雄のラットですね、いわゆる優性致死試験はいま課長が言われたようなことですが、細胞遺伝学的試験というのは雄のラットを、五十、百、二百、四百、八百ミリグラムパーキログラムですか、これを五日間連続経口投与しているのですから、いわゆる交配してということはないわけですね。その点では、この実験というのは必要にしてかつ十分な条件を満たした実験かどうかというのはちょっと疑いがあるのですが、いまの答弁では違うことを答えていますから、もう一遍答えてください。
○宮沢説明員 大変失礼いたしました。この細胞レベルの実験と一言で言ってしまったのですが、これは二通りございます。一つは試験管の中でやるいわゆるインビトロの細胞レベルの実験でございまして、それが微生物を用いたので、バチルス・サブチリスという株を使った微生物でございまして、レック・アッセーという、リコンビネーション、修復テストというものでもってOPPの染色体異常を見ておるわけです。 それから二番目のやつが細胞遺伝学的試験の中でいまの四週齢のラットを使っております。これはラットに今度は食べさせまして、そして脊髄細胞の中で、これは非常に分裂が速いので、もし染色体に異常があれば、そこでもっておかしな細胞が出てくるという、そのボーンマロー細胞を見るという細胞レベルの、これはビボの細胞レベルの実験でございます。そして最後の優性致死が先ほど申し上げましたような実験でございます。
○水田委員 発がんとか催奇性というものについては、少なくとも何世代かにわたってそういう実験を本来やるものだと思うのです。これだけで見るとそういうものはやられてない。もう一つは、サリドマイドの被害を受けたときに、これはどちらか忘れましたが、ラットかマウス、一種類の動物実験しかやっていなかったところに問題があった、こういう指摘があったと思うのですが、そうすると、催奇性なり発がん性を見る場合には、ここでは細胞遺伝学的試験に雄のラットだけ使っておるということに問題がないのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 ここの残留農薬研究所で行いました実験は、先ほども言いました四十九年に食品衛生調査会で内規として遺伝学的な問題を検討する一つの基準をつくりました、その基準に沿ってこの実験が、その基準でこういうふうにやるという方法に沿ってなされたものでございます。
○水田委員 規則の問題を聞いておるのじゃないのです。国民に口を通じて体内に入る新しい食品添加物について、厚生省としてこういうデータだけで判断をしていいとお考えかどうか、そのことを聞いておるわけです。お答え願います。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 食品衛生調査会の毒性部会の先生の中には、がん病理学者とかあるいは奇形の学者とか、国際的に著明な先生方が入っております。そういう先生方の審議を私どもはしていただいて、その結果に沿って行政にそれを移していく、こういうことを厚生省は従来からやっております。
○水田委員 調査会に任せっきりというのじゃなくて、私は先ほども聞いたと思うのですが、厚生省自身が専門家もたくさんおられると思うのです。その中で、こういう試験データによって委員会に諮問することの是非というのはまず意思決定をされると思うのです。その場合、私がいま指摘したような調査研究だけでいいとお考えかどうか。しかもこの三月十五日に食品衛生調査会に諮問するときにデータが間に合わなかったのでしょう。データが間に合わなくて、後でこの委員会に提出した、そういう事実があるのじゃないですか。その点どうですか。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 諮問をするときには、厚生大臣がこれこれについて食品衛生調査会の意見を聞きたい、そういう一枚の紙でございまして、それを調査会の委員長に渡すわけでございます。そして調査会の委員長がどの専門部会で審議をするんだというようなことを御決定になって、それが今度は毒性部会と添加物部会というところで審議をしろというふうにその部会長に要請されたわけでございまして、その部会長が各部会を招集したときに、事務局としてその審議の資料を配付したわけでございます。
○水田委員 後のもう一つの分ですね、委員会で基準を決めておる、こう言うのですが、厚生省自身でこういう結果だけでいいのかどうかということについてどうですか。私の指摘した疑問に対して、厚生省として答えてください。
○宮沢説明員 先生の指摘した御疑問と申されますのは、たとえば発がん作用とか催奇形性とかいうようなものを見る場合に、ただ一種類の動物とかあるいは、動物が何種類かあるのですが、その程度のものでいいかどうか、こういう御質問だと思いますが、これなどにつきましても、厚生省としては、そういう毒性部会等の専門家にその実験のやり方等について意見を十分聞いて、そして定めてもらったそのものに沿って、関係業界に、今後食品添加物の申請をする場合にはこういう資料を用意してくるようにということでもってやっておりまして、あくまでも専門家の意見に沿って厚生省は科学的な行政をやっております。
○水田委員 この一つの研究発表だけで判断することはきわめて危険だ、こう私は思いますし、それから花田教授の方からは、これと全く同意見のものではないわけですね、全く百八十度反対の、逆の疑問が提出されておる。そこらが解明されないままに、しかも客観的な条件からいいますと、一つはアメリカ政府からの要求、さらには輸入業者の団体、さらには総合商社からの要求でことほどさように急いでやらなければならぬという理由は、食べさせられる国民の側からいえば、全くないわけですね。厚生省の立場というのは、その場合、あくまでも慎重にこの問題に対処するという姿勢が必要だと思うのです。そういう点からいいますと、余りにも早急な結論を急いでおる、そういうような疑念がどうしても残るわけです。この問題については、福田総理がアメリカへ行かれたときに、カラーテレビや自動車などの輸入制限、そういう問題が大変やかましく言われたときでありますから、そのときに、五十年からの懸案として強い要請というのが政治的な配慮として使われたのじゃないか、私どもはそういう疑問を持つわけです。それだけに、厚生省が国民の健康なり命を守るという立場ならば、いま言われたような一つの研究成果、さらには片一方では疑問ということの方が、危険だという説が学説としてある中で、委員会が一方的な結論を急ぐということは私はどうしても納得できないし、疑問が残ると思うのです。厚生省としてはこの結論を急ぐことなく、さらに別な研究機関からのデータをとって、その上で判断を願いたい。こういう、委員会に対する補強の資料を出すお考えはないかどうか伺いたいと思います。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 私どもは、OPPにつきましては、花田先生のそういう疑問だとするような資料もございますし、少なくともOPPに関しての私どものできる限りの集め得たデータを全部提供して御審議をお願いしたわけでございます。それからもう一つ、花田先生のスライド等も見まして、花田先生の疑問を呈するとされた実験は、リペアテストと申しますか、細胞の染色体の修復作用が欠けるというような、そういう実験データでございました。 先ほども申しましたように、がん研究助成金研究班、これは少壮な日本のトップレベルの遺伝学者とがん学者のグループがやったものでございますが、そこではポイントミューテーション、点突然変異というものを四人の先生がやってマイナスと出しております。 それから、いまの花田先生と同じ実験、これはこの実験を開発された先生がOPPについてやっておりまして、やはり陰性だ。それからさらに、染色体の変異を見る試験は三人の先生がやって、いずれもマイナスである。さらに蚕を使った実験もやっておりまして、この担当の先生もマイナスであるというふうに、遺伝学の面から見て、現在やらなければならない試験については、すべてOPPについてはやられております。
○水田委員 先ほど来何回も言っていますように、私は、この研究というのは完全無欠とは思えないわけですね。これは何カ月間あるいは何年間の日数をかけて研究されたものですか。
○宮沢説明員 先生がいま申されましたのは残留農薬研究所の研究でございますか。——これは、私どもはいつごろ業界がそこに依頼に行ってということについの日にちは詳しくは知りませんが、昨年の、一九七六年でございますか、初めのころにこの研究所の方へ依頼に行ったというふうに聞いております。そしてそれが十月十六日の関係学会で発表されております。ですから、依頼しているのはその年の初めごろというので、私は正確には知っておりません。二月か三月か四月か、そのころじゃなかろうかと思います。
○水田委員 いま日本の国内には大体化学物質で危険なものが、一遍見直さなければならぬのが二、三千種類ある。いわゆる急性毒性、慢性毒性、さらには発がん性、催奇性というものを調査するためには、一つの化学合成物質について少なくとも二億から三億円、そして数年の年月がかかると言われておるのが、これは国会論議の中の常識になっておるわけです。新しいものについてはいま規制することになっておりますが、既存のものについてそれをどうやって短期間に安全性を調べていくかということが問題になっておるわけですね。そうしますと、いま二月か三月にやって十月に結論が出せる、それほど簡単な研究でできるのかどうか。 しかも、先ほど言いましたように、サリドマイドの場合に大変な問題になった試験というのは、動物実験が一種類の動物によってやられたところに落とし穴があった、そういう反省もされておるわけです。しかも、毒性については子供を産ませてやられておりますけれども、細胞遺伝学的な試験については全く雄の一種類についてだけですから、そういう試験でいいというようなことは、いまこういう実験をやる場合の常識として考えられないことじゃないですか。 一つは、この研究というのは期間的にも、あるいはどれだけの金をかけて、あるいは内容的にも疑問が残るというぐあいに考えられるのですが、どうでしょう。
○宮沢説明員 お答え申し上げます。 先生が非常に時間がかかると申されますのは、恐らく発がん作用を見る、動物に生涯にわたって食べさせて発がん作用があるかどうか見るとか、 あるいはどこまで食べたら中毒が出てくるか、あるいは最大安全量はどこにあるかという生涯実験とか、そちらの方を指しておられると思いますが、これはWHOでもって世界じゅうで行われた実験について、審議をした折にその論文に当たっておるわけでございまして、非常にお金も時間もかかります。 それから、遺伝学の面でございますが、これは先ほど来申しておるのですが、まだ各国では熟した学問ではない、したがって、この実験で化学物質の安全性を評価するのはまだ早いということで、国際機関であるWHOでも、これはまだ基準としては採択しておりません。 しかし、日本では非常に関心が高まっておるし、過去における経験に照らしてやはり必要であるということで、その資料を求めるようなことにして、その実験方法も定めたわけです。 これについては、たとえば細胞を培養する実験ですと、観察時間を二十四時間とか四十八時間とかいうふうに、細胞レベルのインビトロの試験では比較的短期間に簡単に終わるとか、あるいは今度は動物に食べさせて骨髄細胞に異常が出たかどうかというインビボの細胞レベルの実験は、やはり五日間ぐらい食べさせてそれから脊髄細胞を見るというようなことで、これも十日間か二週間くらいでできるとかいうようなこと。それから優性致死になってくると、今度は雄に食べさせて、そして妊娠させて胎児を見るということで、やはりこれは一カ月ぐらいは必要だろう。 ただ、この実験に取りかかる前の予備実験というのがあります。どの程度の量を投与したら正確にできるかとかいうような予備実験が二、三カ月以上かかると思いまして、そこで一つのものが設定されたら、今度はそこでもってきちっと本試験をやりまして、やりますと、いま申し上げたような、それぞれのものによってそれぞれの時間でできるのであって、一つ一つが時間が違っておるわけでございます。 また、マウスの雄だけでいいのか、これにつきましても二通りの意見がございますが、一つは雌に食べさせて、そして卵細胞の変異ができたかどうかを雄と交配させて見るという方法と、それから雄の方の精子に変化が出るかどうかで見るというこの二通りの方法があるようですが、現在、この基準をつくってもらいましたときの審議の過程では、マウスの雄に食べさせて交配させる、この方法が最もいい方法だという遺伝学者の意見がありまして、こういうような基準ができ上がったわけでございます。
○水田委員 これは幾ら言っても、私が出した疑問に対してそのまま答えてもらえないわけです。 特に、これは五十年四月から厚生省が国民の健康を考えて、アメリカからの大変な強い要求、さらには業界、商社からの要求をはねのけて今日までがんばってきた。福田総理がアメリカへ行ってくると途端に厚生省がこの審議を急ぐ。非常に疑惑の残るものなんです。そこへもってきてこの問題については、今日、国民にはそれほど多くのことが知らされないまま結論を急ごう、こういうことであります。 これ以上厚生省とやりましても疑問が残るだけということだけ申し上げて、あとは、環境庁長官が先ほど、法的な権限という問題については、今日縦割り行政の中で大変むずかしいものはあるけれども、こういう問題であるだけに何らかの意見も述べてみたい、こういうことを言われたわけですから、国民の健康という立場から、いまの論議を踏まえてひとつ環境庁長官なりの取り組みをしてもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。
○石原国務大臣 もとより人間の健康は環境問題のトッププライオリティーにある問題でございますから、私も重大な関心をこの問題についても持っておりますし、また、私自身がレモンも食べますし、柑橘類も食べますし、それに塗られている薬が一体本質的にどういうものであろうかということは、個人的にも興味を持つ次第でございます。 話があちこちになるかもしれませんけれども、あれはケネディ政権でしたか、ジョンソン政権のときでしたか、アメリカのどこかの省の女の課長さんですか部長さんが、その人の独自の判断で、断固としてサリドマイドの輸入を自分の責任で阻止した、その結果アメリカだけはサリドマイド禍というものを免れて大統領から特別の勲章をもらったというのを、私非常に興味深く見ましたが、やはり薬害にしろ何にしろ、それはつくっている会社の責任もあるでしょうけれども、それを認可する行政の中のある権限を持った省庁が十分な配慮を行って、審議会の答申が何であろうと専門委員会の答申が何であろうと、そこで完璧にシロというものが出れば別でしょうけれども、問題が残る場合には、全面的にすべてをストップするというわけにいかぬでしょうけれども、しかし、最後はやはり役所の専門的な見解あるいは権威で判断をするという姿勢が必要だと思いますし、日本に起こっているその他の薬害等を見ましても、過去の行政の中にそういう点がいささかずさんであったという感じは私は否めないような気がいたします。
○水田委員 環境アセスメント法案、いわゆる事前評価法がこの国会に政府案として出せないというようなことに——そんなことがあってはいけませんけれども、そういう場合の長官の決意のほどを最後に一言お伺いしたい。 私は、ぜひ出してもらいたいし、それは国民の期待にこたえるもので、ぜひこの国会で通すようにしたい、こう考えておりますけれども、先月の二十三日に閣議決定、そしてすでに論議に入っておらなければならないものが今日まで出てこない、そして会期はだんだん迫ってくる、そういう中で職を賭してこの法案については長官やられるお考えがあるかどうか。出すということについて、最後にもう一遍聞きたいと思います。
○石原国務大臣 最後まで執拗な努力をするつもりでおりますが、私は先日も環境庁のトップのスタッフ達と話をしまして、これが政治家のレベルでの交渉に上がってくるのがちょっと遅過ぎたのじゃないかと、むしろ私の方から苦情を申しました。しかし、経過を詳しく聞いてみますと、関係省庁が二十を超す数でございまして、それぞれの省庁から最初の原案についてもたらされた意見というのは膨大なもので、これを切りあれを切りしているうちにやっと重要な問題、この間申し上げたように幾つかにしぼられてきたわけでございますので、そういう意味では、今国会、作業の始まりました時点から逆算しますと、時間的にも非常に短過ぎるという感じがしないでもございませんが、そこは世の中の流れと申しましょうか、国民全体の意識の変革、あるいは文明そのものの変化というものに即応して、政治家が歴史的にそれをどうとらえてどう判断するかという問題だと思いますので、そういう意味で、そのレベルで私は私の所見を強く申しまして、最後の最後の最後の詰めをするつもりでおります。
○水田委員 終わります。
○島本委員長 関連質問の申し出がいま出ましたが、時間がありませんので、一問に限ってお許しをいたします。土井たか子君。
○土井委員 いま、水田委員の方から最後の質問として環境アセスメント法案の問題が取り上げられて、長官の決意のほどを聞かれるという内容になったわけですが、これは長官に申し上げるまでもなく、膨大な資料が役所側から出て、各省庁の間での詰めがとうてい間に合わないままに、昨年も、必ずこの国会には提出をしますという長官の言葉どおりにはいかなかったという経緯があるわけです。長官は、今国会ではその法案の作成を急いで、そして必ず上程するという約束を予算委員会でされたということは、国民の耳や目にもう触れてしまって、そして必ずそうなるのだという期待を持った国民がどれほど多いかということも考えてみると、私は、これは余り軽く見過ごしてはならない問題だろうと思うのです。長官にしてみると、その当時、政治的意味を持たせての発言であったかもしれません。作業を急ぐという点からすると小し思い切った発言をしないと、この膨大な資料をもとに各省庁間の役所レベルでのいろいろな調整が難航するということをまとめていくことができないというふうな政治的発言であったのかもしれません。 しかし、一たん出すと言われれば、これはそれに対しての政治責任というのが出てくるわけでございまして、今回のこの国会における長官の、必ずこの実現を期したいと何回かにわたって予算委員会で答弁されている発言というのも、これは軽いものじゃないと私は思うのです。もし、この環境アセスメントの実現というのが今国会で約束どおり果たされなかったような場合は長官をやめるぐらいの覚悟でやっていただかないとならないのじゃないか。本当に笑い事じゃないですよ。もちろんその法案の中身が後退に後退を重ねているという、昨今巷間伝えられるような思わしくない環境庁自身の姿勢もございますけれども、敢然として環境庁長官自身がこういう問題に対してやりますとおっしゃった以上はやっていただくということが何よりも大事な問題だと思いますから、その点、その覚悟というのか決意というのか、もう一度長官の方からお聞かせをいただきたいのです。
○石原国務大臣 ですから、並み並みならぬ決意でやっておるわけでございます。
○島本委員長 岡本君に指名する前に、一応本日の本会議が一時から予定されております。開会がおくれまして発言時間はそれぞれ減耗されておりますので、両方とも十五分ぐらいずつ減耗されておりますから、その点をおもんぱかって、十分簡単にして要を得た質問の得意な岡本さんでありますから、それをしてもらいたいと思います。岡本富夫君。
○岡本委員 本論に入る前に、私も環境アセスメントのことを一遍詰めておきたいと思ったのですが、いま、もしできない場合は「並み並みならぬ決意で」ということであるが、その「並み並みならぬ決意」とは何なのか、これをお聞かせ願いたい。
○石原国務大臣 通産大臣が総理大臣にどのような報告をされたか存じませんが、それもお聞きしました上で、総理大臣に対して、あるいは僣越にわたるかもしれませんが、大所高所からこの法案の歴史的な意味、意義というようなものを私じかにお話しし、そこで高度の決断、判断というものをいただくように必要な努力をするということでございます。
○岡本委員 そうしますと、いままではこの法案を通すために作業をされて、そして大体の草案もできた、だのに、あなたは総理には一言も話してない、あるいはまた、総理の決断を得られなければ環境庁長官が発動できないというようなことでは話にならないわけですが、あなたは、総理に言うんだ、総理に言うんだ、こういう最初からの話ですが、総理に言って、福田さんが、じゃ、もうそのアセスメント法案は今回は出さない、流そうというような決意を発表されたときに、環境庁長官としてのメンツはないが、それに対してどういうような意思表示といいますか、先ほどは、もうやめるかというような話があったですけれども、その点の御心境をもう一度お聞きしておきたいのです。
○石原国務大臣 すでにいままで何度も総理にもこの問題については御進言申し上げました。しかし、具体的に問題が幾つかにしぼられてまいりました現段階で、たとえばエネルギー問題というものが焦眉の急であります。これに関して電気事業者というものは、過去の体験から、こういった法律ができることがより事態を悪くして、数年先の電力の供給というものに自信が持てない、ならば、景気の立ち直りのためにも、想定されております年間六%から七%の数年間に及ぶ安定成長というものにも非常に大きな支障を来すであろうという言い分があるわけでございます。しかし私は、電力が逼迫しているということは私なりに認識しておりますが、立地問題絡めて電気事業というものの行き詰まりを少しでも前進させるためにアセスメント法というものが絶対に必要であるという論を通してきたのですけれども、これがもう一向にかみ合わずに平行線で、その間もっともっと通産大臣と私との話し合いが持たれるべきであるし、持ちたいと思っておりましたけれども、先般も何度目かの会合をいたしましたら、どうも話が通産省の方から知らぬうちに総理大臣のところに上がっていってしまった。これは一体いまどういう形で、どういう話をされたかということを私聞いておりませんが、何もすべて厄介なことは総理大臣にお任せするというつもりではございませんけれども、しかし、やはり内閣というのは有機的に動いておりまして、その上の最高統治者である総理大臣の見解もこの時点では伺うべき状況に至ったということで、私、お目にかかるつもりでございます。 それでもなお、大所高所の判断で、私も参画いたしまして、どうも今国会には間に合わなかったときにはどうするかということでございますけれども、やめることは簡単でございましょうが。しかし、私は任期中に私ならではできないほかの仕事もあると自負しておりますので、そうそう簡単にこの問題に構えて進退を決するというわけにはいかないんではないかと思います。
○岡本委員 環境庁長官になりまして、一つの法案をつくるときには、そして大事ないままでの環境行政を行うためには、これは長い、前の小沢さんの場合もあるし、ずっと続いているわけで、この環境アセスメントをやらなければ、結局、あなたが所信表明でも申されたように——一たん壊された環境というものはもうどうしようもないんだという所信表明をされておるわけですね。したがって、今度環境庁としては、この環境アセスメントについては相当全力を挙げてやったと私は思うのですよ。それができなかった、まあほかにも用事があるから仕方がないやというような簡単なことでは、これは、役所としてはずいぶん手間かけたと思うのですね。長官の決意というものは非常に弱いように私は思うのですね、あなたの決意が。ということは、通産省の言う電力問題をまず頭に想定する、それは向こうが言うているわけですから。今度はあなたの方はどうしても環境アセスメント法をつくって、そうして電力事情も、それをきちんとすれば開発もきちんといくと私は思うのですよ。経済との調和条項というものをとったというのはそこにあるわけですよ。まだあなたの方は考え方が本当の環境庁長官になり切っていない、そこに私は問題があると思うのです。やめるのは簡単だけれども、ほかに用事があるから、それが通らぬでもやめませんということでは、これは本当に総理をかけた、あなたの行政の長であるところの立場というものに非常に私は疑義を感ずるわけです。したがってもう一度、もう一歩進んだ答弁をここでひとつしておくことが大事だと私は思うのですが、いかがですか。
○石原国務大臣 お言葉を返すようでございますけれども、私は、この問題についても、あくまでも環境の保全というものをもうトッププライオリティーに置いて考えておるわけでございます。同時に、国務大臣でもございますのでまた国民でもございますので、何年か先に電気がとまってしまっては困るという、つまりそういう懸念も持つわけでございますが、しかし、その問題一つに限ってみても、それを好転させるためにも私は絶対にアセスメント法というものを構えた方が、少なくとも、要するに底をついている電力の特に立地問題については一歩、二歩向上につながるのだということも口酸く、通産省だけではなしに、ある場合には事業の当事者も呼びまして話をしてきたわけで、決して環境問題というものを他の問題と並列に扱ってというようなことはございませんし、それからまた、いまその問題点の一つでございます。計器で計量できるものは指定しても結構だが、景色が壊れるとかあるいはその他はかることのできない非常に主観的な感覚的な自然環境の破壊というものを、これはもうアセスメント法の中に入れると際限なくなってしまうという異論が非常に強くございますけれども、これまた私は頑強に、これを入れなければ、先生先ほどおっしゃいましたように、一たん破壊されてしまった環壊と いうものの修復は非常にむずかしいということ、同時に、ある意味では、これは実は参議院の予算委員会でそういうことを申しましたら、むしろ与党の方々から苦情を食ったのですけれども、整然たる破壊というものも実は行われておる、こういったものも、要するに要らざるものは要らざるものとして行われないように事前に阻止をするということのためにも、数値で計量できないものもアセスするというたてまえでアセスメント法を進めるということでいま努力しているわけでございますので、どうかひとつそれは御理解いただきたいと思います。
○岡本委員 どうも煮え切りませんね。(石原国務大臣「いや、そうでもないですよ」と呼ぶ)どうも、もう一つ、努力している努力している……(「岡本さん、お手やわらかに」と呼ぶ者あり)どうも横からそういう不規則発言はいけませんね。じゃ、もう少し待ちましょう。その間に国会が終わってしまうんじゃないかな。それは困るのですがね。 そこで、あなたの所信表明の中に、先ほど申しましたように、「限りある資源は、石油のみではありません。澄んだ大気も、清浄な水も、豊かな自然も、すべてかけがえない天与の貴重な資源であります。そして、一たび破壊によって失われた環境は、再び回復することきわめて困難であります。また、かつての高度経済成長期とは異なり、限られた中から多額の公害防止費用を捻出していかなくてはならぬことを思うとき、今後は、環境破壊の未然防止を第一義として、長期的総合的視点に立って計画的かつ効率的に環境行政を推進していくことが必要と思います。」というのがあなたの所信表明なんです。いまもこれに変わりありませんか。これをひとつもう一遍伺いたい。
○石原国務大臣 変わりございません。
○岡本委員 そうしますと、この所信表明を見ますと、これは環境保全なんですね。そして、いま現在あるのは公害対策基本法しかないわけです。それで、公害対策基本法は、四十二年に公害防止の視点から設定されたものです。環境保全を基本とした考え方から出たものではないわけです。そうすると、あなたのこの所信表明は、先ほど申しましたように環境保全を基本とした考え方から出ている。それで、その公害対策基本法でもってあなたのこの思想は貫けない、こういうように思われるんです。したがって、まあ今国会は無理でしょうが、次の国会にやはり環境保全基本法を——私たちはすでに対案として出しているわけですが、あなたの思想はこれじゃないかと私はこの所信表明から見て——まあ、役所でつくったやつを読んだんだと言えばこれは別だけれども、そうではないはずでしょう、一たんやはり大臣としてそれを口にするわけですからね。そうすると、やはり環境保全基本法の制定というものにあなたが一歩前進したんだ、こういうように私はとりたいと思うんですが、いかがですか。
○石原国務大臣 いま早速横からぺ−パーが回ってまいりましたが、読むいとまもございませんけれども、その点、研究してみます。 それで、対策法というものの中にその保全というものが含まれているかいないかというのは言葉の問題になると思いますけれども、対策法の運用によってもなお、つまり所信表明で申し上げました保全というものが非常に行われにくい部分があるならば、これはやはりそういう問題を積極的に検討してみたいと思っております。
○岡本委員 要するに、環境保全基本法を一応もう一度検討する、こういうお約束だと思います。ということは、恐らくその紙を読んでみると、それは自然環境保全法の中についているから、そこで十分だと書いてあるはずですよ。それではいかぬのであって、なぜかと申しますと、これはただの自然環境破壊というものに対してだけでなくして、これは国土にも通用いたしますし、また私たち人間の命にも通用するわけです。 そこで、公害対策基本法の第九条第一項に、環境基準として、大気の汚染に係る環境上の条件について、人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準、こういうように出ているわけですが、この環境基準を第九条に基づいて制定されたのが昭和四十八年五月八日の閣議了解です。その中に「二酸化窒素に係る環境基準」、これについて「達成期間」が出ておるわけです。 これについてはまた後でお聞きしますけれども、通産省来ておりますね。通産省はNOx規制の強化にどういうような姿勢をもっていくのか、これをひとつお伺いしておきたい。
○斎藤(顕)政府委員 NO2の環境基準につきましては、ただいま三月二十八日の時点で、環境庁からも中公審に、最近の科学的知見に基づきまして新たなる対策の諮問があったわけでございます。同時に、私どもも産構審にこの問題を諮りまして、産構審でこの基準のあり方、同時にそれに対する対処あるいはそれの国全体に及ぼす影響等についての問題を現在御審議いただいておるわけでございまして、これらのことを参考にいたしまして、環境庁とも今後話し合っていきたい、かように考えております。
○岡本委員 これは日本産業新聞に出ておるのですけれども「通産省はNOx規制の強化にどう反論しているのか。」ということに対して、こういうことを言っておりますよ。「まず、〇・〇二ppmの環境基準の科学的な根拠がいったいどこにあるのか、非常に疑問に思っている。これをすっきりさせないままで、企業に脱硝技術を開発しろ、と迫ることは「本末転倒」といっていい。これでは企業はついてこず、行政はできない。環境庁は、本当に〇・〇二ppmにまで厳しくする必要があるのなら、企業が納得するだけの根拠をはっきり示すべきで、通産省としてもそうしてもらわなければ産業界の指導はできない。」、こういうようにおっしゃっておるのですが、間違いありませんか。
○斎藤(顕)政府委員 先生ただいま御指摘の記事につきましては、私もちょっとつまびらかに記憶はしておりませんけれども、現在のわが国のNO2に関する環境基準値の〇・〇二というものは、これは世界でも最も厳しい基準でございます。たとえば米国の五倍ちょうどになっておるわけでございます。この環境基準が設定されました四十八年当時におきまして、その根拠となりました科学的知見が必ずしも十分でなかったのではないかというふうな意見は、諸先生方の間にもあることは事実でございます。 先ほども申し上げましたように、現行環境基準が設定されて以来四年経過するわけでございますが、最近になって幾つかの新しい科学的知見が得られつつあるわけでございまして、先ほど申し上げましたとおり、これを受けまして三月二十八日に、この点に関しまして中公審に諮問されたところでございますけれども、公害対策基本法第九条の精神にのっとりまして、これらの新しい科学的知見を踏まえまして適切な判断が加えられることが望ましいのではないかというふうに、ただいま私ども考えておるわけでございます。
○岡本委員 この中の「達成期間」のずっと下の方に、東京、大阪、北九州、横浜その他、こういうようなものを大体総合して十三地域については「次の中間目標が五年以内に達成されるとともに、脱硝技術その他の画期的な防止技術の実用化等の諸施策をさらに推進することにより、八年以内に当該環境基準が達成されるよう努めるものとする。」、こういうようにあるわけでありますが、あなたのこの記事を見ますと「企業に脱硝技術を開発しろ、と迫ることは「本末転倒」といっていい。」というような記事が出ておる。そうしますと、少なくとも、四十八年五月八日の閣議了解というのは、これは恐らく総理も出て、それから通産大臣も出て、全部が集まって閣議了解をしておるわけです。その当時の閣議了解が間違っていたということなんですか。いかがですか。
○斎藤(顕)政府委員 脱硝技術の開発につきましては、私どもも強く業界を指導しておるところでございます。また、事実、工業技術院からそれらの技術促進に関する補助金も出して、この目的を達成するようにという努力をしておるわけでございます。 御指摘の新聞の記事でございますが、私どもとしましては本末転倒というふうな考えはもちろんございません。真に実効のある脱硝技術が早く開発される、それにこしたことはないという考え方は、私ども、十分持っておるところでございます。
○岡本委員 しかし、あなたが答えたのだから。ここにちゃんと「答える人」と書いてあるのです。「通産省立地公害局長斎藤顕氏」、これはあなたでしょう。 そこで、脱硝技術をきちんと開発されておるのか、それともまだできてないのか、その点、通産省、いかがですか。
○滝沢説明員 お答えいたします。 脱硝技術の件につきましては、先ほど局長が答弁申し上げましたように、いま各方面で研究いたしておりますが、特にその技術的評価につきましては、産構審の固定発生源分科会というところで諸先生方にいま客観的な評価をいたしていただいておりますが、ざっとした感じを申し上げますと、クリーン排ガス、たとえばLNGみたいな燃料をたいた場合についてはこれは完全に実用化に至っておると考えております。それから焼結等の多くの粉じんを含むようなもの、これについてはまだ触媒の問題等々ございまして、今後技術的に詰めなければいけない面が相当程度あると考えております。
○岡本委員 私はうちの党で一緒に視察に行ったのですが、川崎製鉄の千葉工場、ここは、千葉県と川崎製鉄と市原市長ですか、この三者協定ができて、これは五十年七月ですが、この会社は脱硝技術については非常に自信を持ち、そして非常にりっぱに完成できるようにやっているわけですね。 〔委員長退席、土井委員長代理着席〕 なお、新日鉄の君津工場、ここも五十年の十二月九日にちゃんと協定書をつくりまして、そして自主開発をきちんとして五十三年三月に脱硝装置を入れる。この協定書の内容を見ますと、新日鉄の場合は、四十八年から五十二年度までには三九・二%カットする、五十三年の三月には脱硝装置を入れて九〇%の率をカットするようにするというようなきちんとした協定書をつくっているわけです。これはやはり脱硝装置がきちんと入らないとせっかく協定したけれどもできなくなってくるわけですが、私どもが調査すると、自信を持って大丈夫だと言っているんです。しかも、話が戻りますけれども、川崎製鉄の方は鉄鋼連盟とかこういう会合で、川鉄さんは余り先走りしないでください、協定書や技術開発のPRをしないように、こういうようなことも言われた。ここの責任ある方に聞きますと、この協定書にあるように命をかけて技術開発をするので、あなた方には迷惑かけませんよというようなことも言ったというようなことも聞いているわけですね。この本末転倒という記事を見ますと、どうも通産省として、いままで一生懸命に脱硝技術を開発し、そして県や市長との協定もつくってしっかりやろうとするところに対して水をかけるようないまの判断だと私は思うのですよ。そういうふうになりませんか。いかがですか。
○滝沢説明員 お答えいたします。 先生、ただいまの御指摘に関しまして、技術的な問題について、特に焼結あるいは、C重油を燃しますボイラー等につきましてなぜそういう考え方が出てまいりますかと申しますと、現実に幾つかのボイラーも、特にC重油も含めまして、クリーン排ガスも入れますと、アンモニア還元法の施設が全国で三十近く設置されております。ただ、これは、実質的に動きました最高稼働連続時間というのは四千時間ぐらいしかございません。したがいまして、これが規制対象となって法律の規制を受けるというような立場から連続的に考えてまいりますと、少なくとも八千時間は実際に動かなければいかぬというふうな判断をいたしております。そういう観点から考えましてそういった若干の表現の差が出てまいるかというふうに考えております。
○岡本委員 この閣議決定で、「脱硝技術その他の画期的な防止技術の実用化等の諸施策をさらに推進することにより、八年以内に」、八年以内ということは五十六年の三月ですが、この環境基準を達成するように努力する。この努力目標というのはそこに持っていくための努力であって、できなかったらどうしようもないという目標じゃないのですよ。そんなあやふやなものじゃないということを、当時私たちは、四十八年でしたか、四十五年の公害国会からやかましく言うてやったことがございますから。この達成期間が非常に長いとその時分は批判をしたものなんです。いまになって、またあなたの方の、新聞記事だからそれは知りませんと言われれば別ですけれども、通産省の態度というものは——鉄鋼連盟あるいはまたそういうメーカーの方から突き上げがあるのかしれませんがね。 もう一つ、こう書いてあるのですよ。「アセスメント、NOx規制、カドミウム問題など、産業界もひところと違って環境庁の規制に正面からいろいろ口を出すようになっている。通産省としてこの傾向をどうみているか。」これに対してあなたの方では、答えとして、「大いに結構なことだと思っている。企業はこれまでいいたくてもいえないため、通産省によく泣き込んできていた。しかし、そうばかりされては困るのであって、これからは憶せず堂々といってもらいたい。」こういうようなことが書かれておるわけですが、これは恐らく、こんなにしてつくられた記事だからまるっ切り間違いではないと思うのですがね。 これまで私たちが公害委員会でずっと過去十年間審議してきてきまして、こういう考え方でやったためにどうしようもない日本の国ができたわけでしょう。毎年、毎年、公害病の患者がふえておるのでしょう。それで、その公害病患者に対する費用も出しておるわけでしょう。しかし、そういった治療費を出したところで、本当にむしばまれた命というものはなかなかもとへ戻らない。したがって、四十五年の公害国会以降、非常に公害に対するところの対策については、各企業もきちっとこういうことにならないようにということで、いままでこうした環境基準の達成時期も少し延ばしてでも、待っているわけですよ。それをいまになって巻き返しで、どうかひとつ環境庁にもあなた方も言っていけ、それは非常にいいことだというようなことではどうも納得できないわけですが、この点の考え方はひとつもう一遍通産省の立地公害局長から聞いておきたいのです。いかがですか。
○斎藤(顕)政府委員 これまで数年にわたりまして、私どもも環境庁、関係省庁と一緒になりまして公害防止のために大変な努力をしてまいりましたことは、認められておるところだと思います。事実、SO2の問題にいたしましても、大変むずかしい問題と取り組みまして、脱硝技術の開発とともにあらゆる努力を払いまして、低硫黄の燃料の確保とか諸般の面で努力してまいった結果が現在あらわれておるわけでございます。また、NO2の問題につきましても、現在環境庁と、どうすれば実効のあるNO2対策ができるかということを科学的、技術的に話し合って詰めておるところでございまして、その点につきましては、環境庁の方でも十分にわれわれの仕事を評価していただいておるわけでございます。私どもは、決して環境問題をおろそかにするというふうな考えを持っておるわけではございません。 御指摘の記事につきましては、私もちょっと存じ上げないのでございますけれども、そのような考えはございませんということをはっきりと申し上げたいと思います。
○岡本委員 努力したというようなことを言っておりますけれども、これはその前、要するに公害国会前、要するに公害対策基本法も四十二年までなかった、それまでは全部たれ流しじゃないですか。水に流そう、水に流してしまえばしまいだというようなことで、それでやっと今日まで持ってきた。そして少しずつよくなってきたわけですよ。これがあたりまえの現状なんです。 これはなぜかと申しますと、私きのう帰ってきたのですが、IPUの総会にも出ました。向こうの豪州政府というのは——いま相当向こうはウランがあるのですね。通産省から行って、そのウランを売ってくれというわけですよ。ところが環境破壊をしたのではぐあいが悪いというので、ずっと経済問題は後にして——向こうの経済は、御承知のように、日本が大体五〇%近いものを買っているわけですから、日本の経済が落ち込むと向こうは非常に困っている。そうではあるけれども、やはり国土の保全、環境問題というものに対して意を払って、非常に慎重にやっておるというような問題なんですね。だから、世界各国回りましても、環境問題に対しましては非常に意を用いておる。経済も全然発展せぬでもいいというのじゃありませんけれども、それと同時にやはり相当環境問題に手を入れている。日本もやっとそこまで、与野党合意し、また政府の姿勢もそうなってきた。そのためにこういった環境基準の達成基準も少し延ばしてでも、やっとここまできた。それをここでまた通産省の方から巻き返しで、たとえばアセスメントもそうですか、またもとの汚れた日本の国に戻してしまう、そうなれば、私は取り返しがつかなくなってくると思うのですね。それはいま非常に景気が悪いから少々汚してもいいというようなことでは、どんどんまた公害病の発生も出てくるだろうし、こういうことを考えますと、その態度をもう一度、私は通産省はいまの考え方を変えてもらわなければならぬと思うのです。これを特に要請をしておきたいと思うのです。 そこで、環境庁は中公審に、何か現在のNOxの諮問をまた出したというふうな話であります。検討を始めたということでありますけれども、これはこの達成期間をおくらせるために、あるいはまた通産省の要請によってそういうようなことをやっておるのかどうか、その点、その真意をひとつお聞きしておきたい。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御質問のございました環境庁が中公審に諮問をしておりますのは、このNO2の環境基準を設定するのに、その基礎となる科学的な事項についてでございまして、別に環境基準を変えるについての諮問などは一切いたしておりません。そこで判断条件と指針値について諮問を三月二十八日にいたしたところであります。 〔土井委員長代理退席、委員長着席〕 これはおくらせるためにしたのかという御指摘でありますが、おくらせるためにしておるのではございません。ただ、現実的に五年から八年というところでは、現在非常な努力をいたしてやっておりますが、まず多くの場所では不可能であるということは、これは実は環境庁の方から正直に申しておったわけでございまして、それをやはりいかに運用していくか、いかに本当にこれからまたどんどん防止技術の進展を図って徹底させていくかということについては、科学的な知識ということにつきまして四十七年の時点では確かに乏しゅうございました。非常に乏しいものながら、よく思い切って決めたと思うぐらい、厳しい条件を決めたわけでございます。それによって初めて五十三年規制とか、脱硝とか、世界に全然ない技術を日本が伸ばしてきたことは事実でございますが、残念ながら五十三年の時点ではまだ当初の予定のようなところにいかないということでございますので、おくらせることが目途で聞いたものでは全くございませんし、それから通産省から要請されてこのような諮問を始めたものでも全くございません。これは公害対策基本法九条三項の前段に定期的に科学的な検討を加えということがございますし、四十七年の専門委員会の報告の中でも、最終のところで、現在までの知見は限られているので、できるだけこれは早く定期的に科学的な新しい知見をフィードしていくということを述べておりますので、その線に沿って環境庁は諮問いたしたわけでございます。
○岡本委員 通産省は環境庁のいまの態度に対して、どうも環境庁が出しているところのその中公審の答申を受けていこう、そして五十三年三月の中間目標、それから五十六年三月の環境基準達成目標、これに対しての努力というものは、私は、あなたのこの記事あるいはまた報道を見ますと非常に気にかかるわけですよ。こんなことをやるとまた公害国会のようなことが起こってくる。これを考えると非常に心配なので私、言っておるわけですが、脱硝技術の開発あるいはまたこれは金はかかるけれども、やはりそれだけのことをやっておかなければ、また大変なことが起こってはならないということですから。技術開発に力を入れ、そして先発してやったのは現在二社ですが、それと同じようにほかのメーカーに対してもやはり行政指導をして——いまこれに言うように〇・〇二ppmの環境基準は科学的根拠がないから指導できないなんて、こういう考えではないでしょうね。ちゃんと指導してこの達成期間までにやらせようという意欲は変わっていませんですね。この点をひとつお聞きしておきたい。
○斎藤(顕)政府委員 環境の整備につきましては、環境庁と私どもの関係は、いわば環境庁は作戦本部であり、私どもは実施部隊であるというふうに考えております。事務的にも環境庁とは非常に緊密な共同作業をしております。また、事実いろいろな問題につきまして、常時私は環境庁の担当局長と会って、その辺の考え方にそごのないようにしておるわけでございます。今後のNO2対策につきましては、現在諮問されておる結果がどういうふうになるかまだわかりませんけれども、それらの答申を得まして、そして真に実効性のある施策を行っていきたいというふうに考えております。NO2の問題につきまして私どもが逆の方向の考え方を持っているということは決してございません。
○岡本委員 かつて自動車の排気ガスの規制は延ばしましたですね。自動車業界がNO2の技術開発に自信がないと言った、そして五十三年まで延期した。ところがその後、日産、トヨタから、延期してわずか一年以内にそういう五十三年の規制は実施できるということを発表しておる。もっと早くできるのだというような、これは新聞記事ですけれども、こういうことを発表しているわけですよね。脱硝技術ができない、あるいはコストがかかる、こういうようなことで、いま鉄鉱界からあなたの方に反論が非常にあるようでありますけれども、やはりいまのあなたの考え方、次の中公審の答申が出てからひとつ業界を指導するのだという考え方をやめてもらいたい。やはり最初の四十八年の五月、この閣議決定の精神を受けて指導しなければまたおくれますよ。それを私はきょうは言うておきたいと思うのです。川崎や新日鉄ではちゃんと協定書をつくって、やれるという自信を持っている。そのいまの考え方を私は訂正してもらいたいのです。要するに、四十八年五月の閣議決定を一つの精神として業界を指導していく、そうしないと私はまたおくれると思うのですが、この点いかがですか。
○斎藤(顕)政府委員 NO2の環境基準の達成期日の問題につきましては、先ほど橋本局長から御答弁があったとおりでございます。今後どうすれば真に環境基準を達成できるかということにつきましては、技術的な問題もございます。化学的知見の問題もございます。それらを総合的に今後環境庁とよく話し合いまして、移動発生源の問題等も含めまして私どもとしてもできるだけの努力をしていくことは当然でございます。
○岡本委員 脱硝装置完成、こういう報道もありますけれども、川崎製鉄の千葉工場では協定よりも一カ月早くできるんだというような報道もあるわけです。ですから、本当に努力してやろうとすればできるわけですね、これはもう二百億もかかっていますけれども。もう一度念を押しておきますけれども、環境庁がいま諮問しておるところの中公審の答申が出てから、それから指導するんだという考え方をやめて、やはり四十八年のこれに基づいて指導して進めていく、こういうようにあなた方の考えを変えてもらいたい。私はこれだけをひとつ要望しておきますが、どうですか、もう一度。
○斎藤(顕)政府委員 NO2の問題につきましては、すでに第一次、第二次の規制を実施しておるわけでございます。第三次の規制をいかにするかということを、現状認識しながら環境庁と現在話し合っておるところでございます。 脱硝技術の開発につきましては先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。真に実効性のある脱硝技術が創造される場合にそれをできるだけ使わせていくというふうな指導態度、これは私どもの基本的な態度でございます。
○岡本委員 こればかり言うてもあれだから……
○島本委員長 そろそろ結論を急いでください。
○岡本委員 それで最後に、これは環境庁長官にひとつ聞いておきたいのですが、環境庁で地盤沈下法を検討しておったのですね。そしてこれは先国会も問題になりまして、大体各省の調整も終わって次の国会には何とか出そうというのがこの前の答弁だったと思うのですが、その後立ち消えみたいになってしまったように思うのですが、長官、あなたの頭の中にはそれはありませんか。
○石原国務大臣 別に立ち消えになっているわけではございません。この間も坂口委員からの御質問がございましたのでお答えいたしましたけれども、一種の総合立法として考えておりますが、いろいろ異論のございました関係省庁の中から前進的な考え方も出てまいりましたので、それを重ねまして、何とか今国会中に提出する努力をしておるわけでございます。 詳しくは政府委員の方から、経過について、また見通しについてお答えさせていただきます。
○二瓶政府委員 地盤沈下に関します総合立法の件でございますが、今国会に対しまして環境庁は地盤沈下防止法案という規制を軸にしました法案の提出を予定をした、これに対しまして建設省の方におきまして地下水法案ということで、地下水を公水という観点に立ちまして河川と同じように地下水管理者というようなものを置きまして、表裏一体、表流水とともども管理をしたいという角度の法案を考え、通商産業省におきまして工業用水法の一部改正という形のものを考え、いずれも政府提案ということを当初考えたわけでございます。 この三法案につきましてそれぞれ関係省とも話し合いをしたわけでございますが、なかなか基本的に観点が違うというような問題もございまして、いわゆる三月二十二日が一応政府提案のめどでございましたけれども、それまでには話し合いがつかなかったということがございます。 そこで、他方、与党の自民党の中におきましても、やはり地盤沈下はゆるがせにできぬ、したがいまして、これは議員提案ででも今国会に出すべきだという強い御意向を持っておる先生方が相当多うございます。そういうことも受けまして、その後国土庁等も世話役的に入りまして、国土庁、それから通産省、それから環境庁、二月の半ばから三省庁でこの地盤沈下の法案について調整を図ってまいっております。その後三月の末になりまして、さらに建設省、農林省、厚生省の三省を加えまして六省庁でもって話し合いをしておりまして、実はきょうの午後もそういう会合を持つという予定にいたしております。そういうことで、何とかその辺の関係省庁の意見の調整を図って今国会に、もういまの段階とすれば、むしろ議員提案ということを前提に考えておりますが、提案をして御審議を煩わしたいということで、せっかく努力中というのが現状でございます。
○岡本委員 約束の時間が参りましたから終わりますけれども、長官、最後に一つ言っておきたいことは、最近は環境庁非常に腰が弱いですよ。アセスメントもそうですし、地盤沈下にしたってもっと腰を入れて、本当に環境行政というものをしっかりやらなければいかぬと私は思うのです。自分の首をかけて闘うくらいなことでないとあきませんで。これであかんならやめる、これあかんならやめる、それではやめてしまうことになるけれども、しかし、本当に現在は、環境庁の姿勢というものは非常に弱くなったと思うのです。この点を御注意申し上げると同時に、最後にもう一遍、はっきりした決意を伺っておきたいと思うのです。
○石原国務大臣 御注意しかと承りまして、並み並みならぬ決意で臨むつもりでございます。
○島本委員長 岡本君の質問はこれで終わりました。 次回は、来る二十六日火曜日、午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会し、特に大阪国際空港の公害問題について調査を行うことといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十二分散会