P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
80回国会衆議院1977/04/12

公害対策並びに環境保全特別委員会 第8号

発言数
127
登壇者
17
会派数
3
開催日
1977/04/12

会議録

島本虎三日本社会党

○島本委員長 これより会議を開きます。  公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件につきまして、本日、日本道路公団理事大塚勝美君、日本鉄道建設公団総裁篠原武司君及び同公団海峡線部長松尾昭吾君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     ―――――――――――――

島本虎三日本社会党

○島本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。林義郎君。

林義郎自由民主党

○林(義)委員 先日の質疑に引き続きまして、NOxの環境基準の問題を中心にいたしまして、公害行政の基本問題とも言うべき問題について質問を行いたいと思います。  この前の質問のときに、環境庁の行った環境影響調査につきましては、そのデータの信頼性、有症率との関係につきまして、大臣から、それはサゼスティブであるというようなお話またはシグニフィカントであるというようなお話がありまして、そういった点が私も御指摘申し上げましたとおり問題になっているところだと思いますし、また、WHOの報告につきましてもいろいろ議論がある点を御指摘申し上げました。  その問題に関連いたしまして、〇・〇二という環境基準値でございますが、告示には測定法として「ザルツマン試薬を用いた吸光光度法」というのが指摘されております。ところが、このザルツマン方式の精度というものが一体どのくらいあるのかというのも一つの問題だと思うのでありまして、この辺につきましては、単に基準を医学的にどう判断するかということと離れて、やはりその決めた基準というものが正確にはかられなければならないという問題があるのです。この辺につきましてどういうふうに考えるかということを、事務当局の方から御答弁いただきたい。  それで、現在の測定計器による測定値のばらつきは約五%ほど存在している。測定可能範囲が、計器のフルスケールが〇・五PPmのときに、測定値のばらつきはプラスマイナス〇・〇二五PPmということになります。環境基準値〇・〇二PPmは測定値のばらつきの大きさと同程度の大きさであるということが測定技術の方から言われておるわけです。現在の技術では測定計器を容易に較正できるほどの低濃度標準ガスをつくることはきわめて困難であるという点、第三番目の問題として、測定値に対しザルツマン係数を乗じて一律に修正することには大変な疑問が出されている、こういうふうに言われておるのです。一体この測定技術の開発と測定精度の向上というものについてどういうふうな形で努力をしておられるか。あるいは通産省の計量の方の仕事なのかもしれませんけれども、環境庁の方でその辺どういうふうになっているのか御存じでしたらお答えください。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のございましたように、非常に薄い濃度のほかの汚染物質も混在している環境濃度をはかるというのは、なかなか技術的にはむずかしい問題であるということは事実でございます。そのNO2を測定するのにザルツマンの原則を使う、これはどこの国でも別にそう異議をはさむことではございませんが、この現在大気中に経験している程度の濃度をはかるのにどうかという議論は、これはあることは私どもも承知をしております。ただ、現在はかっております方法は、環境基準を決めた以降に通産省がJISで決められたものでございまして、JISの中にザルツマンとケミルミとが入っておりまして、その中のザルツマンの方を使っておるということでございます。そういうことで、計量法関係の方ではJISでそういうものをちゃんとしておるということが一方にございますが、いま先生の御指摘にございました、どういうところまではかれるのかというところでございますが、最初のころは〇・五のフルスパンというもの、自動測定記録計がすべてでございましたが、現在〇・一のフルスパンの器械が出てきております。  そういうことで、これは四十九年度以来ずっといろんな比較調査、検討を続けておりまして、私どもの環境庁がやってまいりました調査研究の結果を見てまいりますと、〇・一〇のフルスパンというものではかっていって一〇PPb、つまり〇・〇一をはかれるということに考えております。  また、誤差がどれくらい出るのかということになりますと、〇・〇〇五ないし〇・〇〇四PPm程度の誤差であるというぐあいに、私どもは、調査研究結果も出てきてやっております。  この中でザルツマン係数に問題があるではないかという御指摘ですが、ザルツマン係数は最初は〇・五というのがございまして、四十六年に〇・七二と変わってまいりまして、周りの汚染物質の状況もいろいろ変わってきておりますが、ずっとこれを追い続けております。ザルツマン係数が〇・七二のままでいいかどうかという点は、五十一年度の研究調査でやっておりますから、新しいデータはまた出てまいっております。若干高めに出ておるのではないかという感じがございますが、そういう補正の問題も国際的な文献も全部合わせて、実は今度の専門委員会の検討の問題になるというぐあいに考えておりまして、ザルツマンではかっているいまのやり方は、事実上やってみると、やはり一番実用に耐えて使えるのがザルツマンだなということは、実は専門家がおっしゃるわけです。  ケミルミも確かにいい方法ではありますが、ケミルミですと、非常に高度の技術の人でラボラトリーの近所でやるにはできますが、全国千何百ヵ所のステーションで全部ずっとそれをやるというには、まだとうていそこまでにはいかない、それから標準ガスの供給はまだとうていそこまでいかないというようなこともございますので、私どもはケミルミとザルツマンの比較もやっておりますし、新しい方式が出てきて安定すれば、当然それを採用していくということでございますが、今回の環境基準専門委員会におきましても、五年間にかなりな検討データが出てまいっておりますので、この測定方法ということにつきましても、専門委員会で検討されて、いまの時点での新しい知見が成立されるというというぐあいになっております。

林義郎自由民主党

○林(義)委員 ザルツマン以外の方式を使ってやれという話ではないのでありまして、やはりこうした問題には測定技術の開発というものが非常に必要なことである。計器類の開発というものもやはり同時に並行してやっていかなければ、先ほどの話では、誤差の範囲内ではなくて、その一つかあるいはもう一つ下くらいのところにいっているという話でありますが、その辺がまさに問題。そこまでいっているということなのか、依然として私が先ほど指摘したような点までなのかというところの精度を判定しなくちゃならないので、技術的にそういったことが可能であるという問題と、やはり現実に測定器を使うところの器械一般の誤差がどうであるかという問題とはおのずから別の問題であろう、こう思います。  そうした意味で、やはりこうした点につきましては、測定技術、精度というものを高めていくということが私は必要であると思いますし、同時に、実はそういった技術開発の途上にあるわけでありますから、いままではかられたものの測定値というものについては、そういった誤差が出るような器械で実ははかっておられたというようなことでありましょうから、その辺をどういうふうにいまの段階で評価をしたらいいのか、この辺について何か考えておられることがあればお示しをいただきたい。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 先ほど先生の御指摘もあり、私も先生の御意見と同じであるということを申し上げましたように、確かに薄いものの測定の問題というのは非常にむずかしゅうございます。誤差がございます。誤差が全然ない測定法を出せと言われたら、これは完全に不可能でございます。ですから、実用に耐え得る程度のものということでやられておるということでございます。  先生の後段の御質問を、私、ちょっと失念いたしまして……。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

島本虎三日本社会党

○島本委員長 速記を始めて。  橋本局長。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 後段の御質問のいままでの測定値をどう扱うかということでございますが、いままでの測定値そのものは、その時代その時代にベストの努力でやられてきたというものでございまして、先ほど御説明いたしましたように、最初はザルツマンの〇・五であり、それから、いろいろ実験してみていまの段階だと〇・七二になったということで七二に転換をし、それでまたザルツマン係数をどうするかということは、次の、いまのような汚染状態のときはどうかということがいろいろございます。やはりそのときに与えられたその条件ということで、この方が正しいということが出てくれば、それに対して補正をするということでございまして、ただ、昔のものにさかのぼって補正をするということは、昔の汚染状態のときにやられたデータの転換係数が〇・七二であるという文献はございますから、それを一々全部いじるという考え方は持っておりません。  次は、そういう補正を必要ならば加えるということでございますが、その中に二つ問題がございます。一つは環境基準の数値そのものをいじるのか、こういう問題が一つございます。環境基準のクライテリアに出てきておりますデータは、みんな量-効果の関係として両方一緒に測定されたものでございますから、その数値そのものは量-効果のデータが、非常に変わった新しい知見が出てこない以上は環境基準の数値そのものはいじらないという原則でわれわれ臨んでおります。  ただ、総量規制をやるときとか、あるいはこれでもう総量規制の目標水準を達成したかどうかというような確認、あるいは非常に権利の規制にダイレクトに結びついてきます発生源の測定、あるいは緊急時の措置というような、これはもう測定だけの数字でやるわけですが、測定だけの数字に関しましては、新しいものが出てきて、この方がより正確であるということの場合には、そのような知見をできるだけかっちり反映させていく、一つの例がオキシダントでございますが、そのような形の対応をとっております。

林義郎自由民主党

○林(義)委員 この前の質疑の中で御答弁がありましたのですが、〇・〇三七PPm、こういうふうな話が出てまいりました。それはWHOの報告について〇・一、〇・一七という閾値が出ておりますが、これを日本のような基準方式に修正すると、というような話だったと思うのです。ところが、修正方式の基準を修正するとそういうふうになるということが、実はそれから先は計算の問題だろうと思うのです。いろいろな計算方式がありますし、ラーセン方式を使って一体どういうふうにするのかというような問題がありますから、それで別の人で計算をすると〇・〇九から〇・〇五というような計算方式もあるようである。そういった計算方式の違いというものが実は大変に問題だと私は思うのです。それはむしろ医学の問題じゃなくて、これは統計学の問題かもしれませんけれども、その辺をどういうふうに――橋本さんはこの前は〇・〇三になるのだ、こういう話がありましたけれども、その辺についてもやはり統計学的に耐えられるような十分な議論をひとつどこかの場でやっていただきたいと私は思うのです。詳しいことを私はこの場でやるつもりはありませんけれども、やはりそういった点が十分にすべての人に納得できるような統計学的な方法を使ってやることが私は必要だろうと思うのです。それでないと、学説でもいろいろあるような、また、その環境影響調査でもありましたように、有症率との関係をどう判断するかという統計学の問題として、私は、この辺は相当慎重にひとつお取り扱いをいただきたい点だろうと思うのです。  この辺について長官は一体どういうふうに考えられるのか、細かなケースではないですけれども、長官が一般的に考えておられることをお答えいただけたらと思いますが……。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 長官の御答弁の前に一言だけ御説明をさせていただきます。  いまの統計の問題は、私は、先生の御指摘のごとく、きわめて大事な問題だというように考えております。通産省の計算しましたやり方は、統計以前の問題があるわけでございます。これはWHOが言っている一ヵ月に一回以上〇・一を超えてはいけない、こういう条件でございまして、WHOは年間十二時間べったり超えてもいいとは全然言っていないわけであります。そこのところを実はラルセンでは調整はなかなかできないわけです。そういうことで、日本の実際のデータからWHOの条件に合わせて全部整理をしてみたデータが前回御説明したところでございます。もちろん、この問題はどうやって計算をしたか、そういうことは専門委員会にもちゃんと出して議論されるというぐあいに考えております。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 私も、大切な環境基準というものを決める、あるいはその信憑性、正当性というものを裏打ちすべきデータというものは、原則的にできるだけ精度の高い、専門家ならずとも、関心を持つ人間に納得を与えるような資料というものをそろえるべきだと思います。しかし、そういうデータをつくる技術そのものが開発の途上でありまして、同時にNOxの問題が非常にクローズアップされているいま、一種の二律背反のもどかしさがあるわけでございますけれども、しかし環境庁としましては、これから先もできるだけ正確なデータをそろえる、そういう努力をすべきだと思っております。

林義郎自由民主党

○林(義)委員 もう一つ私はお願いをしておきたいのは、環境庁の環境影響調査の数字につきましてもいろいろ議論のあるところである。それからWHOの問題につきましても、これを日本に翻訳するときにはいろいろと議論のあるところである。それから多くのクライテリアが、判断基準がありますが、それもやっと昨年ぐらいに本にして一つまとめたというような段階であります。恐らくこれからもたくさんのクライテリアというものが出てくるものだろうと思うのです。そうした科学的な技術の進歩に伴って、環境基準というのはどうあるべきかということが常に議論をされるようなことが、私は公害行政の一つの大きな問題だと思いますが、もう一つの問題として、私は、諸外国の例もひとつ御参考にぜひしていただかなければならないだろうと思います。その前に、多くのクライテリアから言えることは、これが確実であるという問題と、それからこの問題については議論のあるところである、あるいは調査結果が疑わしいというやっとは、はっきり分けて議論をしなければならない問題だろうと思います。長官がいみじくもおっしゃいましたように、まだ開発の途上にあるような問題もありますし、研究段階としてわからないような問題もありますから、そういったような問題はそういったような問題として、後の論理構成の材料にするのが正しいやり方だろうと思うのです。それでないと、どうも疑わしいけれども、こうしたことをやれたならばこういった議論が成り立ち得るという形で、その議論でやるということになりますと、その疑わしいところが崩れたときに、もう後で大変な結論を出しておったということになるわけでありますから、そういった点を慎重にしてやっていただきたい。それを私は心からお願いをしておきたいのです。この辺の考え方につきまして環境庁はどうなんでしょうか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のございましたように、科学的な立場からは、どれがどういう程度の確かさであって、どれにどういうような程度の不確かさがあるかということは、これは必ず議論をしていただくべきことだと思っております。また、疫学データもそれで一人歩きをするものではございませんで、動物実験と疫学と矛盾するかしないかというようなことともよく照合してみるということがきわめて必要でございまして、原則として私も先生のおっしゃったのと同じような考え方でこの問題に対応していきたいというように思っております。  一点だけ御理解をお願いいたしたいのは、データとしてわりあい不確かさが高いときにどのような判断をするかという問題がございまして、日本の最初の公害行政は、データが不確かだから何もやらないという、こういう政策決定をしたわけでございます。それから第二段目の公害行政は、データが不確かで余りわからないから、工場の都合のいい程度にだけやろうということをしたわけであります。それから第三段目の段階は、データは不確かだが、緩い基準を設けておいてある程度の規制をしようというところまで来たわけであります。それから第四段階に参りましたのは、非常にひどい目に遭って、そこでこれは大変だということで、非常に安全サイドの立場を強く打ち出してやってきたということでございます。  そういうことで、いまこの基準を決めるということと、それから基準を運用していくということの立場の中で、先生の御指摘になった問題を慎重に考えながら対応していきたいということを私ども思っておるわけでございまして、完全に確かでなければいけないぞという議論をいたしますと、これはもうなかなか環境対策というのはできないということでございまして、補償法がはっきりするまで厳しいことはできないというものもきわめて矛盾のあることだということでございますので、私どもは両方の議論の中に立たされますが、できるだけ公正に、できるだけ科学的に対応していきたい、そのような決意でおります。

林義郎自由民主党

○林(義)委員 国立公衆衛生院の鈴木さんが新聞でしゃべっておられるのを見ますと、われわれ公衆衛生学者としてはNOxは数少ないデータをもとにぎりぎりの線で決めているとしか言いようがない、それから先は行政、政治が決めればいいことだ、すべてが不確実な中での判断であることを国民は知ってほしいということを言っておられるのです。私は、やはり学者の立場からすれば当然にそういうこと、だと思うのです。したがって、私は、非常に確実なことだけをベースにして議論をしろということではない。しかし、不確実なものであった、その上に立った判断がこことここにはあるのだということを国民にわかりやすく説明をしないといかぬのだと、私はこう思うのです。現在のNOxの環境基準がまさにそういった不確実なものの上に立てられておりますから、この前もいろいろ議論しましたように、地方庁でのいろいろな指導方針についても、局長から御答弁がありましたのは、最後にはケース・バイ・ケースでやらなければならないというような問題があるのだろうと私は思うのです。そうしたことをやはり十分に考えてひとつやっていただきたい、こう思うのです。  先ほどの質問の中で申しましたけれども、各国の例を申しますと、アメリカでは、いろいろとり方はあるのでしょうけれども、二十四時間平均値のPPmへの年間平均への換算ということで、年間平均値と二十四時間平均値と対して大体一対二と、こういう計算をしますと〇・一と、こういうふうな形になる。西ドイツにおいても大体〇・一ということになります。イタリアにおいては〇・九というふうに非常に高い。チェコスロバキアでは〇・〇五になり、東ドイツでは〇・〇五、ソ連では〇・〇四というような数字が出ておるわけでありまして、この辺のソ連での、あるいは諸外国での環境基準のとり方、物の考え方と、それからそういった物の考え方に基づいて各国でいろいろ計算方式を出されてやられたところの、現実に行われたところの規制値の数字と、それをさらに日本に換算したときにどうなるかという問題がありますから、軽々に私は単純に、アメリカが〇・一になっているから、日本も〇・〇二を〇・一にしろなんて申しませんけれども、やはりその辺の比較考量というものも十分にされてやることが必要だろうと思うのです。これはたしか昨年の世界の環境問題を取り扱っている各国の議員連中が集まりましたときにも、環境基準というものが各国で違うということは非常におかしなことである、やはり環境基準というのはどういった国においても人類にとって望ましいことであるから、それはやはり望ましいものはこのくらいだということは世界的に一致していいではないかという考え方で、できるだけ統一していこうという決議を採択したということであります。そうした点からいたしますと、日本の〇・〇二というのとアメリカの〇・一〇というのは、五倍も違うわけでありますから、私はこれは大変な違いだと思いますし、この辺についてのはっきりした日本側の政府当局としての解明を、やはりやっていく努力はしなければならないだろうと思うのです。  日本は、国土が狭くて非常に人口が込んでいるから環境基準値は高くてもいいのだとか、アメリカは広いからそんなことはないなどというのは、全く素人ごまかしの暴論でありまして、環境基準値というものはそういったものではない。人間が住む場合においてこうしなければならないというのが私は一つの環境基準値だろうと思いますから、そういった点についての検討もひとつぜひしかるべき専門委員会でやっていただくことを期待いたします。この辺について、環境庁はどういうふうに考えられるか、お答えください。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 先生の御指摘がございましたように、鈴木先生も言っておられますように、完全に言い切っておるわけではございません。ですから私どもは、この間審議会をいたしますときに、学者の先生は客観的に冷静に学問的な議論をやってください、学者の先生を隠れみのに使うようなことは一切いたしません、必要か否かの判断は環境庁が責任を持っていたしますということを申し上げております。  そういうことで、いま先生の御議論になったのは環境基準の問題でございます。それから学者の先生がおやりになるのは判定条件でございます。判定条件というのは科学的なものでありますし、基準というものは一つの国の法律と政策が加わったものであります。ですから、クライテリアとしてはどこの国も同じようなものを扱わなければいけないのではないかということだと思いますし、どれぐらいが危ないのかというようなものの考え方も、これも相当一致すべきだと思います。ただ、維持することが望ましいというような日本の基本法の条件でございますね、この辺が、アメリカの必要欠くべからざるというものと維持することが望ましいというのには非常に相違がございますし、ドイツのようにその本質的な侵害の限度、これも非常に違います。そういうところで、やはりWHOがいま言っておりますのは、医学的、公衆衛生学的に見ますとトレラブルとアクセプタブルとディザイアラブルとある。ある国はトレラブルの基準をつくり、ある国はアクセプタブルの基準をつくり、ある国はディザイアラブルの基準をつくるということで、日本はディザイアラブルとこうなっているわけであります。そういう点で、国際的になるべくそこらの差を小さくするようにということは大事でございますし、私どももその意味もあって、OECDの環境委員会を持ったわけでありますが、OECDは、日本のNOx対策にもうきわめて強い関心を持っておりまして、日本をNOx対策のパイロットカントリーとして、日本の問題を徹底的に――日本が最もいま徹底的にやっているものですから、それを中心にして、各国がどういうぐあいに対応していくかということをやる場所を設ける形になって進んでおりますので、私どもも、決して一国だけでひとりよがりなやり方をするという気は毛頭ございません。

林義郎自由民主党

○林(義)委員 お話が出ましたディザイアラブルである、望ましい基準である、アクセプタブルである、許容される範囲であるということでしょう。トレラブルだという話、耐え得るところの限界、私はいろいろな限界があるのだろうと思いますが、まさに日本の環境基準は、公害対策基本法九条に基づいて望ましいものをつくっていこう、こういうことであります。したがって、そこには多くの行政的なまたは政治的な努力がこれの目標に向かって積み重ねられていって初めてできるようなものであろう。単純にすぐに達成できるということではないし、この前も御指摘申し上げましたように、現在、昭和五十一年の環境白書を見ましても、二百四十九都市中二十五局しか基準を満たしていないというのが現状でございます。はかっているところでも十分の一しか達成していない、こういうことでありますから、私は、この達成というのは非常にむずかしい問題があると思います。  そこで、現実には地方庁でやっているということでありますが、地方庁の指導はこの前のお話では全くケース・バイ・ケースのような、まあ一つの基準はあって、それから五十三年までに達成する、あるいは五十六年までに達成するということになっておりますが、そこをどういうふうな形で指導していかれるのか。この前申し上げましたように、横浜市でも、七〇%も八〇%もカットしても、なおかつ〇・〇四にしか昭和六十年には達成できないという数字、これは革新系の市長さんのところでもそういったデータを出されるというのが私はこの問題だと思うのです。  具体的な例としては、私は今度は兵庫県の話を申し上げますが、兵庫県なんかでやはり環境基準は五十二年で〇・〇二にしなさいということになりますと、たとえば加古川の方でもやはりそういうことである、高砂なんかでもいろいろそういった問題が出ている。私はそういったところで確かに、非常にきつい基準あるいはきついことをやっていきますと、設備投資の方にはね返ってきたり、あるいはそれだけの膨大な費用がかかっていく、こういう問題は現実に出てくるのだろうと思うのです。それを、たとえば兵庫県の例を出して私申し上げますけれども、兵庫県のようなときに、私はその暫定――いまのところでは〇・〇二をやりなさい、こういうふうにお話がありますから、県当局としてそれを変えるわけになかなかいかないという問題があるのだろうと思うのですね。そういったときに、恐らくこの国会で考えたならば、果たして来年にそんなものを達成できるとはだれも考えない。そういったものが一つの基準としてあるならば、実際にやる人が、別に通牒とかなんとかなければ、そのままやっていかざるを得ないというのが私は地方庁の役人の考え方だろうと思うのです。そこをどういうふうな形でケース・バイ・ケースでやっていかれるのか。兵庫県という例を出しましたから、私はあえて申し上げたいのでありますけれども、機械工業もあれば発電所もあれば、いろいろなものが高砂なんかにもありますし、それを、それじゃおまえのところはどうだこうだということになると、その各業種別にまた非常にばらつきのあるものを持っているわけです。そんなばらつきがあるときに、余りにもケース・バイ・ケースだということは、一つの考え方からすれば、行政庁にきわめて恣意的なことをさせるということになる。そういったことは一体どういうふうな手順でやっていくか、もう少しはっきりしたルールなり何なりをつくってやっていかないと、おまえのところは機械をこのぐらいできるのだから相当金を使え、おまえのところはなかなかできないし金もないから少しまけてやろうなどというような話では、私は納得のいくことではないだろうと思うのです。現実の問題として〇・〇二が達成できない状況にありますから、そのルールづくりというものをはっきりやっていくということが、私は多くの方々に納得していただけるところの環境行政の現在のやり方ではないだろうか、こう思うのです。そういったいまの私のような考え方はおかしいのかどうか。それからもう一つは、やるならばどういうふうな形でやっていくのか、その辺環境庁の方からお答えをください。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 先日、ケース・バイケースというところに非常に力点を置いて先生に御理解をいただいたということで、確かにケース・バイ・ケースの問題がございますが、確かにケース・バイ・ケースだけではどうにもなりませんので、やはり全体の大枠のルールをつくるということを、私どもは絶対必要なことだと思っております。  横浜の市長が昭和六十年に〇・〇四にしかならないという議論でございますが、これは一年以上前から環境庁の大気保全局とそれから東京都、川崎、横浜、大阪の自治体等が寄りまして、私は徹底的にこれを話をいたしました。幾らがんばってもこの辺までしかいかないぞ、それを頭に置きながら対応しなければならない。どういうぐあいに変えるかということは、五十三年五月まで現在の告示があるから努力はする。しかしながら、それから先どうするかということは、五十三年五月以降のやり方を環境庁としては明確に打ち出したい。そこまではとにかく最大限の努力をしてくれということを申しておりまして、それで現在、三次規制の議論をやっておりますが、三次規制が決まりますと、それと同時に、五十三年五月までの移行時期に対する具体的な指導通知を私たちは出そうと思っております。それから五十三年五月には、五十三年五月以降どのような対応で順次進めていくかということのかなり詳細な各地域類型別の枠組み、あるいは非常に個別の条件を考慮するような場合の具体的なガイドラインというようなものをはっきり出していきたいということで、現在、各地の地域差の状況やそういうものを全部ずっと洗って整理をいたしているところでございます。原則的に先生のおっしゃっていることと、この環境庁の大気保全局で行政指導をどういうぐあいにするかということにつきましては、大きな本質的な相違はないものだというように考えております。

林義郎自由民主党

○林(義)委員 非常にむずかしい問題ですが、その三次規制という話は私聞いておりませんから、どういうふうな形でやるのか、それについての論評をする限りではありませんが、やはり何らかのルールをつくって、そのルールに基づいていろいろやっていくということ、またそのルールというものは、多くの方々に納得をされたところのルールでなければ私はいかぬのだろうと思うのです。  そのルールに入る前に、最近環境庁で公害防止の長期計画というのを出されました。企画庁の方はおられますか。――この環境保全長期計画の中を見ますと、昭和六十年までの十年間に五十年価格で延べ二十兆円に公害防止投資額がなります。これは民間設備投資額全体に占める公害防止投資のシェアは平均六・三%、特に五十一年から五十五年は平均九・三%と、五十年の八・七%を上回る高水準が続くことになる、こういうことが述べてあるわけであります。五十年の前期計画をつくるときには、私はそのような高い公害防止投資計画を余り見込んでなかったのではないかというふうに思いますが、これだけの高い公害防止投資計画というものを、五十年長期計画を所管しておられるところの経済企画庁の方としては、これはこのまま認めるべきだというふうにお考えなんでしょうか、どうでしょうか。

喜多村治雄経済企画庁総合計画局長

○喜多村政府委員 前期経済計画につきましては、林先生に御指導いただきましたので、私から申し上げるのは釈迦に説法かと思いますが、前期経済計画は、考え方の基礎にありますものは、潜在成長力がどれぐらいであるかということでございますが、労働及び資本量そのものは当然生産関数の中に出てまいりますが、もう一つの制約要件として今回の場合、環境問題を取り扱ったわけでございます。その中で、これはるる御説明しますと長くなりますので、環境基準がありますものにつきましてはこれを達成する、そして達成したものについては維持するということを考えておるわけでございまして、前期五ヵ年計画の中では、それを達成するために必要な民間投資は十二兆円、こう言っております。これは五十五年まででございます。それから公共投資、これは下水道でありますとか、そういった環境問題でありますが、これが八兆円ということで計算いたしておりますが、さて、いまのお話でございますが、十二兆円の延長の上にいま二十兆円がございます。それで、私どもがこの前期計画を立てます前に、先生御存じのように第一グループの計算をやったことがございますが、あの中でも、五十年から六十年までの間で、これは四十五年価格でございますが、二十兆円と見込んでおりまして、これは民間設備投資の中で大体九%から一〇%程度のものである、こういうふうに見込んでおるわけでございます。そういたしますと、この五、六年間の間及び十年間の間に経済成長率が六%成長するという大まかな瀬踏みをしておるわけでございますけれども、その中で、もしその程度のことをやっていった場合に、それは大変な限界資本係数が上がるわけでございますから、そういったことを踏まえて考えてみますと、大体六%の成長に対して六・三%ぐらい、つまり六%の成長に対してというものを見込んでおるわけでございますけれども、その中には当然に二十兆円の公害防止投資を含んでおりますが、もしこれがなかりせば六・三%ぐらいになるだろうという重さぐらいの計算がございます。したがいまして、これは大変国民の理解がなければならぬ、あるいは経済の理解がなければならぬということでございますが、非常にこういう多大な努力を必要としなければなりませんけれども、六%に対する〇・三%のマイナス程度になるということでありますれば、この環境庁のおつくりになっておりますものと私どもと大体符合しておる、こういうことでございます。

林義郎自由民主党

○林(義)委員 中を見ますと、数字で、GNPに対する公害防止の比率というのは大体一・九%だという数字が、この環境保全計画の中に出ております。いまの〇・三%という数字とちょっとその辺違うのですが、どういうことになるのか。というのは、もう一つ私申し上げておきますが、公害防止投資計画、これは設備投資の方であります。と同時に、公害防止のための費用がざっと二兆円、五十年に一兆四千四百十億円に達しており、さらに五十五年には年間六兆円、六十年には十兆円に達すると長期計画はランニングコストを見ているわけですね。そういうふうな形のものを考えていくと、果たしてこの経済運営全体としてやっていけるのかということを私は非常に心配しています。特に福田総理が大体六%の成長である、こういうことでありますが、まあ〇・三%ぐらいの影響ならば大したことではないということでしょうけれども、こちらの方の数字を見ますと、一・九%ぐらいのウエートを占めるということになりますと、まあ二%ですね。六%に対して二%というのは大変な影響である。私が心配していましたのは、たしか三月の終わりごろでしたか、日本経済新聞の中にコラムがありまして、六%の成長の中で二%が公害防止である。確かに日本の国内においては環境浄化ということはできるかもしれないが、それは生産力効果にはならないわけでありますから、その辺で日本の輸出力その他の問題を考えたときに、それができるかという点が私は一つの大きな問題としてあるのだろうと思うのです。その辺について企画庁の方ではどういうふうに判断をしておられますか。

喜多村治雄経済企画庁総合計画局長

○喜多村政府委員 先ほど私、マイナスの〇・三%と申しましたのは、これは寄与度でございますが、先生の仰せになりましたのは、ある時点におきますところのトータルにおける比率だと思いますので、ちょっと数字が、同じ数字ではございません。  したがいまして、先生の仰せのように、これが生産力効果を持たないということで、いろいろの成長力でありますとか物価への影響とかそういうものが確かにございますけれども、先ほど申し述べましたように、六%に対する寄与度〇・三程度でございますので、これはひとつこの程度で公害防止計画を企業のベースにおいてやっていただくことが、健康及び環境を守るための必要な経費だ、こういうふうに私どもは見ておるわけでございます。

林義郎自由民主党

○林(義)委員 健康を守ることも確かに大切なことであるし、健康を守るのは重点にしなければなりませんが、そこで先ほどの議論に返るのですけれども、ディザイアラブルである、アクセプタブルである、トレラブルである、その中で、ディザイアラブルな基準においてやっておるわけですね。果たしてそのディザイアラブルなということは、健康を守るという、どちらかというとこれはトレラブルな基準になるだろうと思います。それ以上のものをいま基準として設定をしておるわけでありますから、そこまでやっていくというのは、明らかにこれからの経済運営をどうしていくかという問題と、それから、日本の置かれた国際的な環境の問題、日本が産業構造として加工貿易国になっていかなければならないという点の判断、そういったものも加味したことで考えていかなければ、長期計画の中で非常に大きな、まさに長期計画の経済運営において、トレラブルではない、むしろアントレラブルなものになるかもしれないという心配を実は私は持っておるわけでありまして、この辺の詰めをやはりしていただかなければならないと思うのです。先ほど申しましたように、ざっと二兆円に近いようなランニングコストがかかる、こういうふうな話である。これは一体どのくらいのことかといいますと、米、麦、野菜、魚の小売店の売上額を足しますと大体二兆円くらいになるわけであります。そのくらいの大きさで、経済全体の数字からいいますと、六%の中の一・九%である、寄与度にすると〇・三%。私は、寄与度という非常にいい説明資料があると思うのですけれども、逆に言いますと、それだけの大きな投資というものをするわけでありますから、そこは、人間の健康のためにそれだけ使われておるのだということは十分に私はPRをしていいし、同時に、それをどういうふうな形でもってスムーズに調達をしていくかということが非常に大きな全体としての運営の問題になるだろうと思います。これだけ経済が不況でありまして、公共事業もずいぶんやっていかなければならない、それにしてもなかなか景気の上昇というのは見込まれない、そういった時期に全体がやはりもう一遍バランスというものを考え直してやっていく必要があるように思うのであります。  時間がもうないですね。――それでは、ひとつこの次の質問の布石として申し上げておきますが、最近の新聞で、やはり電力需給が非常に危なくなってきておる、電力というのは、設備投資をいたしまして相当の予備電力を持っていないと、大変ピーク時になりましたり故障があったり何かしますと困る、こういうことでございますが、二つだけお尋ねしておきます。  脱硝技術というものを、これから窒素酸化物対策、NOx対策のためにやっていくわけでありますけれども、これをやっていくということになりますと、脱硝技術そのものについて費用がかかるわけであります。いま挙げられておるところの千五百くらいの煙突がありまして、これは環境庁の検討委員会においても大体その辺をお認めだろうと思いますけれども、そこをもし脱硝設備を全部やりますと、脱硝の設備を動かすために、電力であると三百二十万キロワットくらいの発電所が要ります。三百二十万キロといいますと、原子力発電百万キロにいたしましても、原子力発電所を三つくらいすぐつくらないと実は間に合わない。六十万キロワットの新鋭火力をつくりましても、五つや六つはすぐつくらないと間に合わないという計算になりますし、それから、アンモニアを使うわけでありますから、燃料といたしましては灯油というものが要る。灯油の消費というのは二千二百万キロリットルくらいでありまして、年間の全消費量の二七%くらいが脱硝技術のために灯油が消費されなければならないという数字もあるようであります。これは非常に単純な計算をしたらそういうことになる。御承知のとおり、灯油というものは、常に冬場におきましては値段がどうだこうだということでありますが、そんな灯油を使うということになれば、灯油の値段はやはりどうしても上げざるを得ないというのが経済原則になるだろうと思うのです。どこから灯油を輸入して持ってくるとかなんとかいうような話はできませんし、日本全体の産業構造、社会構造にも大きな変革を来すものだろうと私は思うのです。そういったことを企画庁の方でどういうふうに考えられるのかということが第一点。  第二点は、新聞に出ておりました記事でありますけれども、北海道なんかはそろそろ危なくなる。当委員会でも議論されましたし、委員長も質問に立たれた伊達火力がなかなか動かない。話を聞きますと、何かことしの暮れか来年の暮れくらいには、もしもいまのままで伊達火力ができないということになれば、北海道の電力事情は非常におかしくなりまして、多くの工場でストップをしなければならないということになる。そうした点。それからまた、中部地方では、この前置調審でお決めになったという渥美火力の問題につきましても、なかなか問題の解決がついてない。そういった問題が私はこれから出てくるだろうと思うのです。  安定成長の時代におきましては、私は、そういった問題をどう解決をしていくかということは、国民全体のコンセンサスをどうつかまえていくかというところにあると思いますから、確かにいままでのような高度成長時代、あるいはそれに続くところの高度成長のひずみ是正というだけで問題が片づかない点を多分に持っておると思うのです。北海道は実は製油所も余りないわけでありまして、非常に地域エゴ的なことを言いますと、北海道の電力は全部とめてしまったらどうだ、できなかったらできないままにしておいたらどうだ、そのかわり北海道電力の社長さんはやはり責任をとってもらわなければならない、経営も変えてもらわなくちゃならない、そういう責任はあるでしょうけれども。そういった事態に追い込まれないようなことを考えに入れると、やはりやっていくことが必要でありますし、その辺をどういうルールづくりをしていったらいいのか、私は問題だと思います。  総理も言っておられますように、資源有限時代である。資源有限の時代というものは、やはり一番大きく出てきましたのは石油の問題であります。そうした有限のものをどう使ってやっていくか。それをうまく使っていくということは、単にそれを、無限にあったときだからといって、それを使って健康のために、先ほど申しましたように三百二十万キロワットの電力を新しくつくったり、一年間の三分の一にも当たるような灯油を使ったりして対策をやっていくのが果たして正しいのか、また別のやり方もあるのではないか、第二、第三の方法だって考えられるのではないだろうかというような気がしてしようがないのであります。  そういった問題を、環境庁は環境庁だけの立場において、経済企画庁は経済企画庁だけの立場において、通産省は通産省だけの立場において議論しておったのでは、解決の方法はないと思うのです。やはりこれは政府全体が挙げて統一的に考えて、新しい知恵を見出してやるところに私は新しい方向づけが出てくるだろう、こう思うのであります。  あと、電力の話はまたこの次のときにやらせていただきますけれども、とりあえず以上三点、最後の問題は長官からお答えいただくことにいたしまして、公害対策に要する電力、灯油等の費用等について、それから発電所の建設に伴うところの公害問題について、それぞれ経企庁の担当の方からお答えいただき、最後に長官から基本的な姿勢についてお答えをいただきたいと思います。

喜多村治雄経済企画庁総合計画局長

○喜多村政府委員 順序不同でございますけれども、まず、最近の電源開発の状態でございますけれども、御指摘のように、最近の通産省の施設計画ベースが発表されましたのですが、これの需要は五十六年度までに現在に比べて一・四倍くらいになる、こういうことが言われておりまして、もしこれを八月の最大電力で考えますと一・五倍くらいになる、こう言われておるわけであります。一方、これを賄います発電設備として、五十六年度までに三千六百万キロワットを追加する計画でございますが、この計画どおり電源開発が進みますならば適正な予備率八%程度が確保できる、こういうことでございますが、最近の状況は非常にいろんなむずかしい問題がございます。したがいまして、もし計画どおりに進まない場合には、供給予備率が低下いたしてまいりまして、地域別には電力需給がある程度逼迫するおそれもあるという地域も出てまいります。したがいまして、これを回避するために、現在通産省を中心にいたしまして、関係省庁の協力を得まして、電源開発基本計画への個別指定の組み入れをできるだけ早く進めるというようなことを考えておるわけでございます。最近、実は、いま先生も仰せになりましたように、特に環境問題及び立地問題というものが、立地をいたします場合の非常に重要な問題になっておりまして、地元住民の理解と協力なしでは電源開発促進の実効を上げることができないというような状態になっております。そのため、電調審に付議するに際しましては、従来からもそうでございますけれども、事前に十分な環境対策を立てることを初めといたしまして、これらの問題解決に努める前提として、関係の地元知事の同意を得るというようなことを運用上電調審もやり出しましたし、それからまた、地元知事もただ形式的に地元の意見を聞いておくだけではどうにもならないということでございますので、その辺のことにつきましては、これから十分に検討をしていく課題として考えております。  最後に申されました通産省は通産省、企画庁は企画庁、環境庁は環境庁ではなくて、むしろこの問題は内閣全体の問題として総合エネルギー問題を統一的にやっていくというようなことで進み出しましたので、これを期待した上で当初目標どおり計画が進むような努力をいたしたいと存じておる次第でございます。  これで二問、三問日は済みましたかと思いますが、第一問の灯油等の石油でございますけれども、御承知のように、何分にも石油の価格が四倍にも上がるというような状態を経過いたしましたために、これは余りにも国民生活経済に対する影響が大き過ぎるということで、通産省を中心とした価格介入が行われたわけでございますけれども、これがいつまでも価格介入が続くことは、確かに物価問題ばかりではありませんで、資源配分上問題が起こります。したがいまして、この取り崩し方というものは、時間をかけてと申しますか、費用はやはり利用者が負担していかなければいかぬというようなことに向かって、徐々にではありますけれども解決をしていかなければいかぬだろう、こういうふうに考える次第でございます。  それから、脱硝技術の話でございますが、脱硝技術というのは非常にむずかしゅうございます。最近の渥美火力におきましても、考え得られます脱硝技術につきましてはこれを取りつけるということで、地元の御了解も得ておりますが、もしこれがおくれるようでありましたなら、燃料面でこれを何とか基準に合うようなものにしていくという努力もあわせてやっていくというようなことで、いろいろなことをかみ合わせまして、あるいは総合いたしまして解決の方向を見出そうとしておるわけでございます。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 林先生がおっしゃいました御意見は、いわば正当な懸念だと思うのです。環境庁の長官はよけいなことを言うな、環境のことだけ考えておればよろしいという論がありますけれども、やはり国務大臣でもございますし、私なりに物事を総合的に考えますと、非常に不安というか、わからないことがたくさんございまして、先ほど経企庁の方も、総合的な数字の中では妥当だということを言われましたが、マクロな経済の視点で可能でも、企業個別のミクロの問題になってくると非常に負担がかかってくることは、素人でもわかるわけでございます。その場合に、一つの特殊の企業というものがそれで大きな打撃を受ける、それが有機的に連鎖すれば、マクロの上で成り立つ論が実は結果として立ってこないということはあるのじゃないかという懸念はあるわけでございますが、しかし、何といっても、何よりも大切なものは人間の健康でございますから、NOxの問題に限らず、これは健康というものを最優先に考えなくちゃいけないと思いますけれども、しかし、いわゆるいまの環境基準の問題にしましても、どうも私はよくわからないことがたくさんあるのです。私自身がわからぬこともありますし、この問「現代」という雑誌に山本七平さんが率直な疑問点を私あてに書いておられましたけれども、〇・〇二PPmという世界で一番厳しい基準というものを持ちながら、環境とは一体何であるのか。自分の仕事場であり、自分の家庭であり、通勤の路上というものは環境としては非常に小さな部分しか占めてない。しかし、その一方、職場であり――まあ予算委員会の部屋一つ見てもわかるわけでありますが、子供のぜんそくの有症性に親の喫煙が非常に関係があるということでありながら、家庭ではたばこを吸い散らかす。部屋の換気の状況というものは無神経で、しかし国家全体では〇・〇二という基準というものを、まあ大きな暴露実験をやってみれば動物実験で器質変化が起こる、SOxに比べてこれは本質的にこわい問題であるからということで、〇・〇四というSOxの環境基準をこれは〇・〇二にした。その間のつまり科学的な根拠というのは、データとしてないとは申しませんけれども、そこにいわば非常に理念的な飛躍があるわけでございまして、私は、これはこれで間違っておるとは決して思いませんが、そういうものを私たちは、やはり先ほど御指摘のように補足していく正確な科学的なデータというものを集める努力を積極的にすべきだと思いますし、同時に、その結果得られた数値がいまのよりも低いものならば、この実現に努力しなくちゃいかぬでしょうが、しかし、同時に、ある寛容度というものがまだあるならば、これはやはり認めることで環境の保全をすべき場合があるかもしれないということで、つまり正確なデータを求めていく努力をすべきだと思います。  それから、電源の問題ですけれども、これはアセスメント法にかかわりがあるわけでございますが、電気業界が一番強い懸念と抵抗を示しておるわけでして、ただ、いろいろ事情を聞いてみますと、調査書をつくる段階ですでに調査をさせないという形の住民の方々の反対がある。これは、いままでの公害の例を引いてそういう懸念を住民の方々が持たれる可能性は私も理解できますけれども、しかし、やはりアセスメント法という法の手続ができましたならば、つまりデータも開かれるわけでございますし、地域として住民の参加ができるわけで、電源の問題がいま最悪の状態にあるならば、これを少しでも向上させるために第一歩を一段踏み上がるためにも、私はアセスメント法に理解をしていただきたいということを電気の業界の方々に申しておるわけでございますが、また、そういう点でもいろいろお力添えを賜りたいと思います。そういう意味で、やはりアセスメントというものを正確に行い、同時に、それを開かれた形で住民たちに伝達することによって、私は電源立地の問題は必ず向上すると確信しておる次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 本会議まで時間有限ですから、御協力を願います。  大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 私は、高速自動車道、つまり公共事業の実施に伴う環境問題、防災問題、そういう問題について総括的な議論もいたしたいわけですが、時間の関係もありますから、具体的な問題について考えながらひとつ質問をいたしてみたい、こういうふうに思います。  私が取り上げます問題は、長官も御承知だと思うのですが、宮島の対岸に広島県佐伯郡大野町というのがありますが、大竹市と並び広島市の西側でありますけれども、そこに広島-岩国バイパスを建設するという問題をめぐりまして、長い間住民との間において問題が起きまして、裁判の訴訟にもなっておるわけであります。その間、だんだんと住民運動が大きくなってまいりまして、八、九割に及ぶ住民がこれに参加をして環境問題や災害問題を真剣に考える、こういう状況にあるわけであります。  環境アセスメントの法律については、また後で時間があれば申し上げたいと思うのですが、その法律がまだ立法されていない段階におきまして、現在は、御承知のように昭和四十七年六月六日の閣議了解に基づく「各種公共事業に係る環境保全対策について」というのがありますが、まず一点お尋ねしたい点は、昭和五十年十二月二十二日に決定になりました「環境影響評価制度のあり方について(検討結果のまとめ)」、中央公害対策審議会防止計画部会環境影響評価制度専門委員会のまとめがございます。このまとめとそれから閣議了解との関係はどういう法律的な関係になるのかという点についてお答えをいただきたいと思います。政府委員の方でいいです。

柳瀬孝吉環境庁企画調整局長

○柳瀬政府委員 昭和四十七年六月の閣議了解は、公共事業につきまして必要に応じましてアセスメントをしなさいという性質のものでございまして、これに基づきましてそれぞれのいろいろな公共事業の開発行為について事業主体がアセスメントを実施をする、こういう根拠になっておるわけでございます。  中公審の防止計画部会の環境影響評価の専門委員会は、環境庁が中公審にアセスメントの仕方はどうあるべきかということについて検討をしていただこうというために、防止計画部会の中に専門委員会を設けて御検討をいただいたわけでございまして、その結果のまとめが五十年十二月に出たわけでございまして、これはそこに書いてございますように、アセスメントを実施してその結果を公表したり、あるいは縦覧をしたり、住民によく説明をしたり、住民の意見を聞いたり、そういう手続的なことを大筋を書いてあるわけでございまして、これは私どもが今後アセスメント制度をどう制度化していくかということの一つの足がかりとして受けとめておるわけでございます。  その専門委員会がまとめを発表いたしまして、それをいただいたすぐ後、正規に中公審に環境影響評価部会というものを設けまして、さらに引き続いてそれを基礎にいたしまして問題の検討を続けていただこうということで、そういう部会を設けて諮問をいたしまして、環境影響評価制度をどういうふうに制度化していくべきかということを、現在まで検討を続けていただいておる、そういう関係になるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 そういたしますと、「各種公共事業に係る環境保全対策について」の四十七年六月六日の閣議了解を実際に実施するに当たって、この専門部会の検討結果のまとめを基準にしながら、頭に置きながらこの閣議了解を進めていく、こういうふうに理解をしてよろしいですか。

柳瀬孝吉環境庁企画調整局長

○柳瀬政府委員 閣議了解はそのまま生きておりまして、事業を所管する、指導監督をする主務大臣の指導監督のもとに各事業主体がやることになっておりまして、このやり方につきましては、実は残念ながら統一した方法とか予測評価の仕方とか、あるいは手続をどうするかということはまだ決まっておらないわけでございまして、その事業主体、あるいはそれを指導監督する主務大臣、主務官庁が、それぞれの責任においてそれぞれの方法をもっていまの段階では実施しておる。私どもは、それではどうもぐあいが悪いのではないかということで、中公審に専門委員会を設けて、どういうふうにそれを統一してやっていけるものはやっていったらいいかというようなことについての検討をお願いして、その中間のまとめをいただいておるわけで、これはまだ政府部内で一致した見解ということで実施に移しているというわけではないのでありまして、それを基礎にいたしまして、私どもはそれを法制化なり制度化なりを今後検討していこう、こういう関係にあるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 そこで、運営の一つの基準としても、この専門部会の検討の取りまとめをやはり頭に置きながらやっていきたいし、そういう実際の――これは大切なところですが、実施の過程において、これからアセスメントをどういうふうに立法していくか、こういうことについてコンセンサスを得るということで進めるという、二つの側面がここにはあるというふうに私は思います。  そこで細かな議論は別にいたしまして、五十年十二月二十二日の「環境影響評価制度のあり方について」にも明確にございますように、評価の基本的な考え方としても、評価を行うに当たっては代替案の検討が一般的に望ましい。わが国の実情から見て質の異なる、あるいは大幅な代替案を設定することは困難である等の制約があるが、たとえば計画、事業の案を作成してきた過程を明らかにする等によっても同様の効果をもたらすことができる、こういうようにありまして、そして「地域住民等の意見の反映の意義」という項目を設けまして、本制度においては環境影響評価書の案の公表、意見の聴取が重要な手続であるが、従来一般的に行われていなかった地域住民や環境保全団体等の意見を反映する手続は、本制度の、つまりアセスメントの根幹となるものである、こういうふうに専門委員会は書いておるわけです。  そこで閣議了解のことですが、四十七年六月六日の閣議了解の第二項では、「その環境に及ぼす影響の内容及び程度、環境破壊の防止策、代替案の比較検討等を含む調査研究を行なわしめ、その結果を徴し、所要の措置をとらしめる等の指導を行なうものとする。」ということを、事業主体に対しまして決めておるわけです。ですから、この場合には代替案があるかどうかということが、裁判でも受理するかどうかの大きな問題になりました。住民は何でもかんでも絶対反対というのじゃなしに、その客観的な情勢の中においては、自分の生活環境を守るという主張にやはり公共の問題も考えるということだと思うのですが、そこで代替案について、これはかなり細かな住民の意思の選択の問題といたしまして出しておるわけです。そこで閣議了解の中では、「代替案の比較検討等を含む調査研究を行なわしめ、」というふうに、事業主体に責任を負わせながら環境評価を民主的に進めていく、こういうふうに言っておるのではないか、非常に内容の少ない、限定された了解の中でこの問題を一項目挙げておりますから。私が申し上げましたようなそういう理解は間違いないと思うかどうか。

柳瀬孝吉環境庁企画調整局長

○柳瀬政府委員 閣議了解におきましても、それから専門委員会のまとめにおきましてもそういうことが記述されておりまして、やはりそれは当然検討すべき問題点だというふうに考えておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 道路公団おられますね。――あの広島-岩国間の高速のバイパスについて、たとえば宮島の対岸の大野町の次の大竹から岩国に至る路線についても、バイパスは町のどまん中を、二十五メートルくらい町の上を通るという案があって、住民が非常に強い関心を持っておりました。岩国の方にも問題がありまして、バイパスの路線を変更いたしまして、そして近く大竹の御園から岩国にかけましては、つまり山の向こう側を通る案を代替案といたしまして決定をして発表する、こういうふうに言われておるわけですが、当初出しました原案を絶対守るのだという立場でやってはいけない。そこにこだわらないで、その案を検討しながら、つまり弾力性を持って対処していくということがなければ、高速道路等の問題の大きいところの公共事業は実行できないのではないかというふうに私は思うわけです。そういう意味において、大竹-岩国間のバイパスについては山陽高速道路で予定をいたしました路線に合わせてその路線変更を近くやる、こういうふうに言われておりますが、建設省の方は、そのことについては間違いありませんか。

宮崎昭二建設省道路局有料道路課長

○宮崎説明員 お答えいたします。  いまお話の大竹-岩国間でございますが、広島-岩国間で一つございますが、広島から大竹までは最初高速道路とそれから国道のバイパスとを合わせて六車線をつくりたいというふうに計画していたわけでございますが、いまのところ高速道路の方はもう少し山の方へ移そうではないか、一応国道のバイパスとしては四車線を広島から大竹までつくりたいというふうに考えているわけでございます。それから大竹から岩国につきましては、まず山陽道の方を大竹から岩国まで山の中を通したものを先につくりたいというふうに考えたわけでございまして、広島-岩国の一般自動車道としての大竹-岩国間というものについては、なお検討を続けたいというふうに考えておるわけでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 わかりました。つまり、そういう一連の計画の中でバイパスと山陽高速自動車道をつくるという場合に、大竹と岩国との間においては山陽高速自動車道の方を、山の中を通る方を先に通す、こういうふうに方針を変えた、そういうふうにお答えになったと理解してよろしゅうございますね。私はそれは非常に賢明な措置であったというふうに思います。  そこで質問をいたしたいのでありますが、いまの佐伯郡の大野地区の国道二号線のバイパスの問題ですけれども、これはいまどういう段階にあるのですか、実施についてはどういう段階ですか。認定、決定、そういう……。

宮崎昭二建設省道路局有料道路課長

○宮崎説明員 広島-岩国間の道路につきましては、昭和四十六年度に新規事業として採択をいたしまして、それから有料道路としては昭和四十八年度に有料道路としての事業認可をいたしております。  現在用地買収を進めておりまして、先生いろいろと御助力いただきまして、廿日市町地内につきましてはすでに用地買収を終わっております。それから大野町地内につきましては、廿日市との町境から大野のインターまでの間の用地買収をいま進めているところでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 そのときに、いま最初に申し上げました事業主体の環境アセスメント、これは事業主体としておやりになったのですか。公団でもよろしい、どっちでもよろしい。  そしてこれは関係住民に私が最初議論いたしましたし、専門部会の答申もあるし、今度はアセスメントの立法化についても一番大きな問題ですが、つまりアセスメントの趣旨というのは、住民に対して公開をして、そして科学的な評価や基準、考え方というものについて、これを住民の理解を得るということが基本です。したがって、住民にこれを提示をして、そしてこのことについてその意見を求めるという経過をたどって事業を進めていったかどうか。二つの点。

大塚勝美日本道路公団理事

○大塚参考人 お答えいたします。  広島-岩国道路につきましては、いま有料道路課長が御説明いたしましたように、大野町のところは山のふもとを通るルートを設定しております。いわゆる国道二号のバイパスとしてこの道路は計画されたものでございまして、やはり山のふもとを通りますので、人家等の近くを通る場合もございます。しかし、ルートの選定そのものにつきましては、やはり学校の近所を通らないとか、あるいは人家連檐地区からなるたけ離れたところを通るとか、そういうような配慮をしましてルートを選定しております。これもアセスメントの一種だというふうに私どもは考えております。  それからもう一つは、決まりました――決まりましたといいますか……。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 ちょっと待った。いまの点ストップして。  そこで、いま道路公団の大塚理事が答弁されたことをアセスメントと言いますか。閣議了解のアセスメント、専門委員会の決めましたアセスメントと言えますか。

柳瀬孝吉環境庁企画調整局長

○柳瀬政府委員 アセスメントの予測なり評価の方法、これはまだ一定のルールがないわけでございまして、それをやはりルール化しなければいけないのではないかということで、現在いろいろと法制化等にも絡んで検討を進めておるわけでございます。いまの問題もアセスメントの中の一部だと思いますが、アセスメントのどういう項目を調べてどういう評価の仕方をすべきかということは、これまだいろいろとたくさん問題があるので、それは現在いろいろと検討している段階でございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 そこで大塚さん、つまり私が質問したのは、アセスメントを実施をしてそして住民に対してこれを公開しながら、こういう客観的な科学的な影響があります、こういうことについてはどういうふうに修正しますとか変更しますとかいうことの意見が出るような、そういう二段階の措置を――二段階というふうに分けましたが、そういう措置をとりましたか、こういうことを言っておる。

大塚勝美日本道路公団理事

○大塚参考人 お答えいたします。  この問題につきましては、地域の住民の方から県の公害審査会に調停方の提訴がございました。それで調停委員会におきましては十一回の審理を行いました。その間、道路公団からは、その道路につきまして騒音の測定、予測、あるいはそれに対する対策というものをまとめまして、委員会に出すと同時に、地元の方々にもお示しをしております。そういう状況がございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 つまり、四十七年の、公害国会以後の問題ですが、事業主体が環境アセスメントをやって積極的に住民に提示をするということが、やはり閣議了解の前提になっておるのですよ。住民が調停を県知事に申請してからそこに資料を出しましたということをやるから、そこで議論が一つもかみ合っていないわけです。客観的な科学的な資料をめぐってないわけです。ですから、それがいけないと私は言っている。そういうことをやっていないと私は思うのですよ。  そこで、時間があれば私も瀬戸内海環境保全臨時措置法で質問したいのですが、その臨時措置法を議員立法でつくるときに、やはりこの事前評価の問題をどこに入れるか、臨時措置法に入れるか、あるいは公有水面の埋め立ての法律に入れるか、これは委員長もよく知っておられるが、そういうことで議論をして、結局は、あの段階では公有水面埋立法の事業主体の方に環境アセスメントを入れて、環境庁長官と協議をするようになった。その一つとして、実際上法律はないけれども、高速自動車道の事業遂行に当たっては、そういうことをやったわけですがそれをやっていないと私は判断をいたしました。これは反論があったら後で言ってください。  それから、これに重要な問題があるのは林野庁。森林法に基づく保安林をここは設定してあるのです。バイパスが通るところはほとんど全部がそうなんです、山を通る場合は全部。保安林の解除につきましてどういう手続で住民の意見を聞くようになっておるのか。つまり、保安林は、森林法の改正をいたしまして、重要な点だと私は思うのですが、自然環境の保全、防災――特にここは土砂流出防止の問題があるわけです。あなたは現地をよく知っておられると思うのです。ここは明治以来八十回も、大きな風水害があれば必ず土砂の流出や家屋の損壊やあるいは人の死亡があったところなんです。上は岩石で、木は生えてなくて、ばあっと台風や大雨が降りましたならば土砂が流出するという非常に急斜面であるところで、しかも、平地の面積の狭いところはバイパスの予定地から海岸まで五百メートルしかない。そこへ人口が密集している。そこで保安林として指定をしていると思うのです。指定を解除するに当たってどういう手続で住民の意思を聞くような森林法になっておるかという点を、簡潔に御答弁いただきたい。

須藤徹男林野庁指導部長

○須藤説明員 お答えいたします。  簡潔にということでございますので、簡潔にお答えいたしますが、保安林の解除に当たりましては、当該保安林の指定の理由の消滅が第一でございますが、そのほか、公益上の理由によって必要が生じた場合に限り行うことにいたしております。  いま先生のおっしゃいました、住民の意向をどうやってあれするのかということでございますが、恐らく道路の場合、公益上ということになろうかと思いますが、その場合は、都道府県知事が解除申請書を進達するに当たりまして関係市町村長及び利害関係者の意見を調査するということになっております。したがって、その段階で関係住民の意見を調査したものを付して進達をするということに相なっております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 進達をする際には、県知事は市町村長に意見を求めて、そしてその意見については住民にこれを検討する機会を与えるというふうになっておると思いますが、いかがでしょう。

須藤徹男林野庁指導部長

○須藤説明員 そのとおりでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 これはアセスメント法をつくるときに、これは閣議了解の問題ですが、一つは、現行法でも森林法で保安林についてはそういう厳しい規定があるのです。  長官、ちょっとここだけは聞いておってください。後でお聞きしたいと思うのですが、私が五、六年前にスウェーデンに参りましたときに、スウェーデンの環境保全の組織のビューロー、事務局は林野庁が管轄しているのです。つまり、民間の庭の大きな木を切ることまで自治体は介入いたします。これは、自然環境を保護することはお互いの健康を保護することなんだということで、自然環境を一番重視している。その一部をとったのが、森林法を改正いたしまして、保安林もその一項目に入れまして、非常に民主的なというか、まだ不徹底ですけれども、手続をとって住民が参加できるような余地を与えておる。私はそういうふうに理解をしておるわけです。  そこで、建設省や道路公団は、林野庁についてはそういう手続をとっていないのです。そして、話がありましたように、もう買収を始めているのです。だから、環境保全に対する閣議了解についても、いやいやながら、調停申請されて、提訴されてから、受けて立っていいかげんなことを言う、消極的な資料を出して、全部の資料を出さない。そして、保安林の解除という住民が一番関心を持っておる災害防止の問題についても全然手続をとっていない。そういうことで事業が進むということがあり得るかということで、トラブルの――私は事実と法律関係だけは明確にしたいと思うから、そういうことが問題ではないか。林野庁が言ったような手続をとっていないでしょう。これは道路公団。知事や市町村長の意見を求めて、住民にその意見の内容を公開いたしまして、それに対応する措置をとるようなことをしていないでしょう。林野庁関係だけについて言ってください。やっていますか。

大塚勝美日本道路公団理事

○大塚参考人 いまの件につきまして、住民の方々に意見を徴するということはしておりません。しかし、この保安林を若干かすめますので――その保安林のもととなりますのは、土石流あるいは土砂流というものを抑えるための保安林でございます。そういう土石流あるいは土砂流の災害の防止のためにこの道路がどういうふうな影響があるかということは、県の保安林の担当でございます治山課とかあるいは林野の方の関係部局とは十分話し合いながら進めてまいっております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 この問題だけについて言うならば、知事は二重、三重の人格を持っているわけですよ。公共事業を進めるために協力するという点が一つあるわけです、陳情しておりますしね。それから、農林大臣にかわりまして林野庁ですが、森林法によって知事は保安林解除、設定等については意見を付するという面があるわけですよ。自然環境の保全と防災です。ですから、そこをとっています、とっていますと言うけれども、森林法に基づく手続をきちっととっていないと私は事実を調べまして判断をいたしました。林野庁、それは間違いありませんね。そういう手続をとってやっておりますか。

須藤徹男林野庁指導部長

○須藤説明員 窓口であります広島県からは何らの意思表示がございません。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 これほど訴訟になるようなトラブルが起きておるわけですよ。普通だったら門前払いを食わされるわけですが、閣議了解もありまして、代替案がありますからね、すでに大竹-岩国ではもうそれに突き当たって、山陽高速道路の方を先に山の中を通すということで、バイパスは後回しにしちゃった、わけですよ。そういう措置をとってもらいたいと住民はこの問題がある前からずっと言っていた。  そうしてみると、四十七年の六月六日の環境保全についての閣議了解とその専門委員会のことを全部言いましたら、これは大変なことですよ。アセスメントの関係を言いましたら大変なことですが、一つは、アセスメントを事業主体がやるということは、これは非常に問題があるということなんです。それだったら住民が納得しないということなんです。だから、客観的な環境庁が横割り行政の中で住民の立場でやっていくというのが公害基本法の精神ですから、公害基本法もできているのですから、そういうようにきちっきちっと環境保全についても森林法についてもやらぬというところに違法な――これは事業の認可の過程ですけれども、しかしもう土地の買収を始めているのです。そうして今度は、計画変更をどんどんいたしますと、土地の買ってもらう面積が少なくなってしまうのではないかといって――住民はいま土地を売りたいのです。現金をもらいたい、二、三千円のところを二万円で買ってくれるわけですから、賠償金をもらえるわけですから。ですから、なぜ買わないんだという議論が出てくる。しかし、たくさんの地主、百九十名ぐらいは、売らない、こう言っている。売ると言っておったのは五十名ぐらいで、だんだん少なくなってきて三十名ぐらいになった。そこで、そういうことについては私は非常にむずかしいと思う。むずかしいと思うけれども、きちっきちっと法の精神に従って住民本位の立場で仕事を進めていく。森林法もその趣旨なんです。特に防災の問題については神経過敏です。住民の要求で山の方へぴたっと寄せますと、今度は土砂の流出の危険性がさらに大きくなってくる、専門家はそう指摘をしておるわけです。  ですから、この問題は、瑕疵のある工事の進捗の仕方であるし、それからもう一つ、もう高度成長のときの車の流れとは違っておりますから。中国縦貫自動車道というのはコンセンサスが出ておりますから、これを早く進めれば、七割の自動車は九州から近畿、大阪へ行くわけですから、それがざあっと流れていくわけです。その工事を早く進めたらいい、土地の買収なんか問題ないわけですから。そうして山陽高速自動車道、これは山の中を通るので、かわり得るものがあるのです。この大野町の町有林を通るわけですから、そこを通すということで、岩国と同じような考え方でやればよろしい。車の流れは当時計算いたしましたもので、バイパスをつくって、山陽高速自動車道をつくってという当時とはもう違っておるとも私は思っている。全体を見て違うと言うことができると私は思っている。絶対じゃない、こういうふうに思っています。これは住民の意見の方が本能的に正しかった、いまは町の人はだれもそういうのが常識です。  ですから、改むるにはばかるなということで、事業については路線の代替、変更を率直に、意地っ張りをしないでやるということでないといけない。つまり、いままでの日本は縦割り行政ですから、事業者はいろいろな関係が出てくるものだから、縦割り行政でずんずん進めましたら既成事実ができてしまう。そうでなしに、横割り行政ということで環境庁があり、林野庁というのは半分は縦割りだけれども、しかし半分は森林法で新しい法律の精神を入れて自然環境や防災をやっているわけですから。横割りというのは、生活行政、住民本位の行政、環境行政のことを言うわけですから、そういう観点での発言が強まるのは、公害基本法をつくって以来の、日本における高度成長のひずみの反省から出てきていることだと思うのです。  環境庁長官、この問題について、法律の制度はありませんけれども、私がいま申し上げました閣議了解に引き続きまして、昭和五十年十二月二十二日にまとめた「環境影響評価制度のあり方について」こういうところで、幾つかの項目が載っておりますが、最後の項目の「環境影響評価の手続の概要」というところに「エ」といたしまして、環境庁長官の意見を求めるというところまで書いておる。そこで、環境庁設置法の六条もあることですから、環境庁長官は、こういう事態ですから、林野庁とも連絡をとってもらって、既成事実をやっておいてそしてこれは変更に相ならぬということでなしに、そういう点はちょっと水を入れる、頭を切りかえる、こういう意味において、環境庁長官は建設大臣や農林大臣とこの問題について協議をしてもらいたいと思います。いかがでしょう。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 詳細な経緯についてはまだつまびらかにいたしませんが、その途中に先生御指摘のように環境についての十分なアセスメントが行われず、またそういうものが住民に正確に伝達されていないというような節がございましたならばこれは大変遺憾なことでございまして、なお詳細を調査いたしまして、遺憾な点がありましたならば、環境庁として見解を述べ、指導してまいりたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 森林法の主管大臣である、保安林解除についての主管大臣でもありますが、林野庁長官なり農林大臣も、いままでの議論を踏まえまして、せっかく法律があるのが空文化されますから、実際上連絡をとったということは、これは新しい立法の、森林法を改正した趣旨ではないと私は思いますから、事実の確認については不一致点がなくて、この問題について林野庁は監督したことはないと言われるのですから、農林大臣も積極的に、この問題については、実情を調査した上で意見を述べてもらいたい、こういうふうに思います。見解を求めます。

須藤徹男林野庁指導部長

○須藤説明員 窓口であります広島県と十分連絡をとりまして、実情を調査の上で必要があれば環境庁その他と協議いたします。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 建設省それから道路公団、私は、仕事を始め出しましたら、膨大な官僚機構ですから、なかなか軌道修正がむずかしいということはよく知っています。しかし、情勢が変化しているということも、現地の人は事実上認めておりますし、皆さん方も認めておる。そういう点では、環境庁長官の言明もありましたし、林野庁やあるいは森林法のたてまえもありますから、そういう点でこの問題は、関係方面と改めて十分連絡をとって、そういう議論をされたということを踏まえて、虚心坦懐にこれを受け入れて意見を聞くということについては異議がないと思いますが、いかがでしょう。

宮崎昭二建設省道路局有料道路課長

○宮崎説明員 先生御指摘のように、昭和四十八年度の事業認可のころにおきましては、まだ環境アセスメントの初期でございまして、いろいろと至らないところがあったかと思いますが、今後は、保安林の解除につきましては、私どもは、構造が決まりましてから林野庁と正式協議に入りたいと思っているわけでございまして、いまのところ、どういう構造が一番保安林の目的を達するかというようなことを内協議している最中でございます。その構造が盛り土構造になるか切り土構造になるかあるいは高架構造になるか、大体の構想が決まりました段階で林野庁と正式に協議をしていきたいと思っておりまして、この段階で十分林野庁と遺憾のないように協議をいたしたいというふうに思っております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 そういう段階でなしに、この法律の趣旨は、事業認可の段階でやらなければ――土地を買っておるわけでしょう。土地はどこまで買っておるのですか。幾ら金を出しているのですか。

宮崎昭二建設省道路局有料道路課長

○宮崎説明員 現在までに約百億円近くの金になっております。ただし、保安林に相当する部分はほとんどまだ入っておりません。保安林の部分につきましては、私どもも砂防の重要性を十分認識しておりますので、この辺につきましては構造を十分調査した上で、その構造に必要な面積ということになりますので、まだほとんど入っていない状態でございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 百億円というのは、廿日市、大野町のこちら、宮内の方も入っているのですか。

宮崎昭二建設省道路局有料道路課長

○宮崎説明員 大部分は廿日市町の地内でございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 問題の大野町へはほとんど入っていないのですが、地主に対しましてずっと勧誘しているわけです。そこで、いろいろな議論が起きているわけですね。だから、すでに廿日市の方は山陽高速道路の方に回るにいたしましても、そこは生きるわけですよ。ですから、まだ既成事実というものはそれほど進んではいない。ただ、あなたの答弁で納得できない点は、保安林には手を触れておらぬと言う。しかし保安林はずっと末端に広い地域もありますよ。保安林に触れなくてもその前後を触れておいて、保安林の解除を前提にいたしましてやるということはおかしいのですよ。こっちとこっちが決まっておって、途中に保安林でないところがちょっとある、そういうところをやっておいて、そして保安林の解除の問題について最後にやるというようなことはおかしいのですよ。そういうことを改めるような方法を――環境アセスメントの法律をつくればそういうことはなくなりますよ。なくなりますけれども、そういうことはやらないといけないのじゃないか。いま地価はそう上がっていないですよ。時価で坪二千円程度のものを二万数千円で買っている。一般にそう言っているのです。いまは昔みたいにどんどん上がるという状況ではないわけですから、急ぐ必要ないですよ。住民の皆さんは買ってくれ、少しでも現金が入る、いまがチャンスだと、こういう気持ちが最近は土地問題であるわけですから、そういうときに既成事実をつくっておいて、林野庁の正式の手続をとります、住民の意見聞きます。これは閣議了解の精神にも森林法の保安林の解除の精神にも違反するじゃないか、こう言っております。  その点は建設大臣も、非公式でありますが再検討するというふうに言っておられるようですから、その点は虚心坦懐に、代替案が出ておるのですから、代替案を大野の地区においても十分念頭に置いて考えて、百年裁判じゃないが、裁判で上まで行ったら長い間がたがたしちゃう、そういう問題については裁判をまたないで皆さん方の対話の中で解決するということが望ましい、こういうふうに思います。その点について見解を求めます。

宮崎昭二建設省道路局有料道路課長

○宮崎説明員 言葉不足のところがあったかと思いますけれども、私どもが林野庁といいますか県の林野部門の担当の方々と内協議しておりますということは、構造その他についていろいろと検討をしているということでございまして、正式な書類としては構造が決まらないとなかなか出せないものでございますが、その前の段階におきましていまいろいろと検討をしている段階でございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 前の段階、前の段階ということを言うのだが、それならなぜ土地をそんなに買うのか、どんどんどんどん手を伸ばして買っているのか。ほとんどの地主は最近は反対ですよ。反対ですけれどもなぜ買うのですか。そこが問題でしょう。だから、札束で一部の者にだけやって道路をつくっていく、こういうふうに逆にとられるわけだ。そこがあってはあそこは絶対できません。ですからそういうところの基本姿勢を、いままでの経過があって第一線はむずかしいと思うのですけれども、思い切って頭の切りかえをやる、法律の手続の問題ですから。森林法の保安林解除の手続をいままで非常に厳しく言われましたよ。環境アセスメントの立法化が議論になっているわけです。そこは頭の切りかえをもっとしっかりして、軌道修正するところはしていく、こういうふうにやってもらいたい。もう一遍答弁してください。

宮崎昭二建設省道路局有料道路課長

○宮崎説明員 私どもが用地の買収に踏み切りましたのは、五十一年の三月に大野町議会におきまして議決がなされておりまして、高速道路ではなくて町の利用に便利な道路が欲しいという決議がなされているものでございますから、これに基づきまして用地買収に入ったわけでございますけれども、先生の御指摘のように大半の住民がもし反対であるというような事実がありまするならば、再検討をさせていただきたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 それでいいと思う。ただ、町議会の決議は山の中を通る山陽高速道路をやってもらいたい。そして廿日市の地御前のところまではバイパスも無料で平地につくっているわけですが、今度は盛り土式にしても高架式にしても高いところでつくるということで、狭いところを通っていくということで災害と環境問題があるわけですから、そういう点を十分考えた上で私は再検討をしてもらいたいと思います。  議論をいたしましてもう最後になりましたが、時間も来ましたので、私は時間を厳重に守りますが、大臣、環境アセスメントの法律は非常に抵抗もあると思うのです。さまざまな意見もあると思うのです。しかし、いままでずっと議論してまいりましたが、そういうことを踏まえながら環境庁長官が発言の場をきちっと事前に持つことが住民との間のトラブルを解決する、困難なようでも解決する大きな問題だと思います。いつごろお出しになるのか、大臣の決意を最後にお伺いすると一緒に、国務大臣としての全体の縦割り行政、ああいうばらばら行政の調整を国会で議論したわけですから、その議論を踏まえてきちっとやっていただくことを要請をしたいと思います。この二つの点につきましてお答えいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 先生御指摘のように、縦割り行政の弊害というものはもう環境問題随所に見られるわけでございまして、おっしゃるとおりそれをなくすために、いままでの行政原理の中に存在しませんでした新しいアセスメント法という手続法をつくろうとしているわけでございます。行政原理の中に体験がなかっただけにいろいろな考え方の違いがございますが、最終的な声めの段階に入っております。できるだけ早期に国会の御審議に間に合うように、遅くとも連休の始まります前には何とか提出したいと思っております。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 第二の国務大臣としての連絡の問題……。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 それはこういう時代でございますし、問題の性格もございますので、積極的に横の連絡をとりまして環境庁としての所信、見解というものを強く述べるつもりでございます。

大原亨日本社会党

○大原(亨)委員 終わります。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 次に、古寺宏君。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 最初に、日本鉄道建設公団の篠原総裁にお尋ねをいたしますが、青函トンネルの進捗状態はどういうふうになっているか、完成の見通しは大体いつごろになるか承りたいと思います。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○篠原参考人 お答えいたします。  青函トンネルは、昭和四十七年三月から本坑の掘削を開始いたしまして、本年四月一日現在本坑が約五十四キロメートルのうち約二十四キロメートルを掘削し、大体四五%の進捗を見ております。なお完成の予定につきましては、当初は五十三年度ごろを見込んでおりましたが、かなりおくれる見込みでございまして、目標としては五十七年度を考えておりますけれども、ただいまのところ順調にいっておりますが、北海道側では、あと五、六十メートル先へ行きますと、青函トンネルの中で一番大きな断層と言われる、われわれはF1と称しておりますが、一番大きな断層にぶつかることになっておりまして、これをどうやってうまくしのぐかということが当面の一番大きな課題になっております。  以上でございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 そこで、このトンネルの工事には地盤凝固剤が使われているわけでございますが、現在どのような薬液を注入しておられるのか、承りたいと思います。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○篠原参考人 地盤の中に穴を開けまして、そこにセメントを注入するわけでございますが、セメントミルクを注入いたしますと時間が相当長くかかりますので、早く固めるという意味をもちまして、水ガラスを先端で混合して注入しております。水ガラスの成分も申し上げるのでございますか。(古寺委員「はい」と呼ぶ)成分としては、二酸化珪素、それから酸化ナトリウムを含んだ、つまり珪酸ナトリウムでございますが、これが四五%、鉄だとかが少々入っておりますけれども、残りは水でございまして五五%でございます。これは大体、日本化学とか北海道曹達とか釜石化成とかいうような会社がつくっているものでございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 いま御説明のあった薬液のほかにシグニットD、それからコロイドセメント、これをお使いになっていますね。この両方の成分はどういうものでございますか。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○篠原参考人 ただいま御指摘になりましたシグニットDというのは、私はよくわかりませんので、現場の非常に経験の深い海峡線部長を連れてきておりますので、同参考人に答えさせていただきます。

松尾昭吾日本鉄道建設公団海峡線部長

○松尾参考人 お答えいたします。  先ほどのシグニットDと申しますのは、私ただいまのところちょっと存じ上げておりませんが、多分これは、間違いかもしれませんが、吹きつけコンクリートという中に使用するものだと思います。  それからコロイドセメントと申しますのは、先ほど総裁が御説明いたしました水ガラスとセメントと混ぜたものをいわゆる水ガラス系の注入と言っておるわけですが、そのセメントがコロイドセメントでございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 このシグニットDというのは、これは急結剤でございますね、急結剤。それからコロイドセメントの中には、尿素系の薬剤とか、あるいはアクリルアミドとか弗素ですとか、こういうものは全く含まれていないのですか。

松尾昭吾日本鉄道建設公団海峡線部長

○松尾参考人 お答えいたします。  コロイドセメントの成分は、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等でございまして、ただいまおっしゃられましたものは含まれておりません。  それから、私ども注入をいたしておりますのは、建設省で昭和四十九年の七月十日に出されました薬液注入工法に関する建設工事の施工に関する指針というものにのっとってやっておりまして、弗素その他のものは使えないことになっておりまして、それは含んでおりません。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 いまあなたが御答弁になりましたように、建設省から四十九年の七月十日にこの通達は出ております。しかしながら、現在この青函トンネルで使用しておりますところのシグニットDあるいはコロイドセメント、こういうものには、いまおっしゃった成分以外の使用してはならない成分が含まれているんです。  それではお尋ねをいたしますが、そういうものについて、この通達にありますところのいわゆる水質の検査、こういうことはおやりになっておりますか。

松尾昭吾日本鉄道建設公団海峡線部長

○松尾参考人 お答えいたします。  水質検査につきましては、私どもの現場の方に試験室がございまして、ただいま手元に持ってまいっておりますPH、それから濁度のSS等につきまして、この基準どおりと、それから青森県の県条例で定められております範囲内に全部入っておるように聞いております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 この水質基準には、水素イオン濃度、過マンガン酸カリウムの消費量、それから弗素、ホルムアルデヒド、アクリルアミド、六価クロム、こういうものを一応検査項目として指定しております。こういういわゆる検査項目に関しての検査が、公団の検査においても行われていない。もちろん県側の検査においても行われておりません。したがって、これは採水をして検査を、ここに書いてありますが、毎日やらなければならないことになっているのです。こういう検査を今後公団としておやりになるかどうか、お尋ねします。

松尾昭吾日本鉄道建設公団海峡線部長

○松尾参考人 お答えいたします。  先ほどの水素イオン濃度、それから浮遊物質等につきましては、自動記録しておりまして、毎日連続的にはかっております。それから御指摘の弗素その他につきましても、現地によく聞いてみないとわかりませんが、もしやってないようでしたら、やっていきたいと思います。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 現在、竜飛側の方の青森県側の排水の施設は何ヵ所ございますか。

松尾昭吾日本鉄道建設公団海峡線部長

○松尾参考人 お答えいたします。  青森市の方から浜名工区というのが一つと、それから算用師工区というのが一ヵ所、それから袋内工区というのが一ヵ所、竜飛工区というのが一ヵ所、四ヵ所浄化装置をつくっております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 その排水の処理能力はどういうふうになっていますか。

松尾昭吾日本鉄道建設公団海峡線部長

○松尾参考人 お答えいたします。  青森市の方から申しまして、浜名工区と申しますのが毎分一・五トン、時間当たり九十トンでございます。それから算用師工区が毎分二・五トン、時間当たり百五十トン、それから袰内工区が毎分七・五トン、時間当たり四百五十トン、それから竜飛工区が毎分四十トン、時間当たり二千四百トンでございまして、近いうちに竜飛の方の湧水の状態を見ながら、毎分六十トン、時間当たり三千六百トンに増設する予定にしております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 これは以前にも私が申し上げたことがございました。当時は全く排水の処理施設がなかったわけですが、今回工区がふえまして四ヵ所に施設ができているわけでございますが、昨年吉岡側にも大量の異常出水がございました。これによって相当の漁業被害が出たわけでございますが、この漁業被害の主な原因は何でございますか。

松尾昭吾日本鉄道建設公団海峡線部長

○松尾参考人 お答えいたします。  昨年の五月六日に吉岡の方で異常出水がございまして――漁業被害の原因ですか、それとも出水の原因でございますか。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 漁業被害です。

松尾昭吾日本鉄道建設公団海峡線部長

○松尾参考人 漁業の被害は、吉岡の場合常時が毎分五トンぐらいの湧水でございまして、それに対して当時浄化装置が毎分十トンでございます。出水の定常状態になりましたのが二十トンぐらいになったわけですが、そうしますと合わせて二十五トンぐらいの湧水になりまして、そのうち十トンは浄化いたしまして、残りのものを直接川を通じまして海の方に流したわけでございます。それが浄化してないために岩粉等がまじっているということで、根づきのウニだとかワカメというものに対して被害があったということで漁業組合から申し出がありまして、それを調査の結果補償いたした次第でございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 昨年、三厩の方で算用師川というのがございますが、ここでニジマスが何かの稚魚が約一万匹斃死しておりますね。こういう事実を知っておりますか。

松尾昭吾日本鉄道建設公団海峡線部長

○松尾参考人 お答えいたします。  聞いておりません。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 こういう現在使用してはならないことになっているいわゆるシグニットDとか、あるいはいろんな他の薬品の入っている凝固剤を大量に使用している、そういうところに、この異常出水の場合あるいは算用師川のような事故が発生しておりますし、また最近は沿岸の海草類に非常に被害が出ておるということを承っております。したがって、今後この排水については十分なる監視と処理をしてまいりませんと、取り返しのつかないような大きな公害が発生する可能性が十分にあると私は考えます。しかも、いままで掘削をした土あるいは岩石、こういうものは全部未処理のままで投棄されております。これが融雪あるいは降雨等によって当然河川や海域に流れるわけでございますから、これが当然いろんな面において影響があるわけです。こういう面についてのやはりきちっとした公害対策というものも必要でございますが、この青函トンネルの工事発足以来、たとえば青森県側でいいますと、現在まで陸上に投棄した掘削土は大体どのくらいの量になっておりますか。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 どちらに答弁を求めますか。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 それでは計算している間、環境庁の方にお尋ねしたいのですが、これは、海底トンネルの場合は物すごい、規模の大きな例でございます。しかし、今日わが国においては、鉄道を初め道路、トンネルの工事、下水道工事、いろんな面で地盤凝固剤というものが使われております。これが当然地下水ですとかいろんな公有の水域に流出をしているわけでございまして、こういう問題が出ております。これに対して昭和四十九年には建設省の方から通達は出ておりますけれども、環境庁の方ではこういうものに対してのきちっとした対策がまだできていないようでございます。いま鉄建公団の方のお話ですと、珪酸ソーダ、いわゆる水ガラス以外のものは使用していない、こういうふうにおっしゃっていますけれども、実際には使用されているわけで、やはりそういうものを十分に監視をしてまいりませんと、これが飲用水ですとか地下水を通っていろんなものに入ってくるわけでございますので、こういう面に対する環境庁としてのきちんとした指導なりあるいは対策が今後必要になると思う。こういう面について環境庁としてどのようにお考えになっているか、承りたいと思います。

二瓶博環境庁水質保全局長

○二瓶政府委員 いわゆる地盤凝固剤、これにつきましてはただいま先生からお話しございましたように、トンネルなりあるいは下水道工事あるいはケーブルの敷設等々の場合に、地盤が軟弱なところ、この面につきましてこういうものが使われております。過去におきましては、アクリルアミド系とかいろんなものが使われまして、これが地下水を汚染し、井戸水を汚染して問題を生じたということがございます。そういうこともございまして、先ほども鉄建公団の方からもお話がございましたように、建設省が中心になりまして、この地盤凝固剤につきましてどういう指針を決めてやっていくかということで、四十九年の七月十日に建設事務次官名の通達をもちまして、薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針というものを決めておるわけでございます。     〔委員長退席、向山委員長代理着席〕  先ほどもお話がございましたように、この通達の趣旨は、水ガラス系以外の地盤凝固剤は原則として使用禁止をする、こういう内容のものでございます。そういうことで、単に建設省のみならず、関係のございます地下の掘削工事をやるところにおきましても、大体この線を踏襲して水ガラス系のみを使用する、こういうことになっております。  その後、最近に至りまして、例の仙川改修工事に伴いまして小金井市の住民等から工事中止の仮処分の申請等も裁判所に出ておる。あるいは茨城の方の牛久町等におきましても、そういうことが最近ございます。こういうことがございますので、建設省の方がまた中心になりまして、薬液注入工法調査連絡協議会というものを開いております。これには当然環境庁の方もメンバーとして入っております。したがいまして、こういう場におきまして、十分環境庁としてもこの地下水等の汚染とかというような問題、これはやはり一つの環境汚染ということになりますので、環境庁としてもそういう面につきましては、さらに万全を期するように強く意見を申し上げているわけでございます。近々建設省の方でこの暫定指針の運用の面につきまして、さらに十分な徹底を図るという趣旨で通達を出すというふうに聞いております。今後ともこういう地盤凝固剤の使用等につきましては、環境庁としても汚染防止という見地に立って強く要請をしていきたい、かように考えておるわけでございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 それでは公団側から、掘削残土のいままでの量と、それから現在どういうふうにその残土を管理しているか、その二点をお答えいただきたいと思います。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○篠原参考人 お答えいたします。  ただいままでに発生した残土といいますか、ズリの量は、北海道側が二百四十万立米、本州側が百六十万立米で、合わせて四百万立米でございます。そして、これが海に流れ込んでいろいろな悪い影響が出ませんように、特定の地域に捨て土をしておりますが、地元の御要望もありまして、海浜の埋め立て事業をやりたい、その埋め立てにその残土を使え、そしてその護岸工事もやれということで、護岸工事はわりあいにお金がかかりますが、本州側でも九億何千万円、北海道側でも九億何千万円という護岸工事の費用を負担いたしまして、埋め立て工事をやっております。  そういうようなことで、公団といたしましてもできるだけ公害が広がらないように、極力これを防ぐということで、全力を挙げてやっているわけでございますが、先生の御指摘のいろいろな問題につきましてもなお十分検討いたしまして、これからも注意してやってまいりたいと思っておるわけでございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 もう六、七年前でございますが、三厩の漁業協同組合から漁業補償の問題が出されました。その当時の漁業補償の問題については、漁業協同組合の方から出された要求に対して、公団側はどういうような補償をなさったでしょうか。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○篠原参考人 排水処理装置が十分設置されないために海水を汚濁したというようなことによりまして損害を受けたということで、補償要求が本州側からも北海道側からも出ておりましたが、本州側につきましては、回遊魚の問題を除きまして二千百万円、北海道側は同じく二千三百万円ということで、公害審査会のあっせんで仲裁の和解が成立いたしまして、解決したわけでございます。  それから、吉岡側の異常出水につきましては、非常に大量の汚濁水を海に流した関係で、これに対しまして、吉岡の漁業協同組合、それから福島の漁業協同組合、両方に対しまして約一億四千万円ぐらいの補償をいたしまして解決しております。  それから、回遊魚の補償につきましては、公害審査会に申請した段階では一応除外されたのでございますが、再度要求もございまして、いま交渉中でございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 これは私の当時のあれで見ますと、本州側で一億三千八百万円、そのうちの海草の被害については四千二百万円、それから回遊魚につきましては九千五百万円の要求があって、いまお答えがありましたように、海草につきましては二千百万円の補償がなされているわけですが、大分時間も経過しているのにまだこういうような補償もなされていない。これは非常に遺憾なことだと思いますので、早急にひとつこういう補償の問題については、十分に漁民が納得するように補償をしていただきたいと思います。  そこでお伺いしますが、緊急時の異常出水の場合も同じように、先ほどおっしゃった水ガラスあるいはコロイドセメント、現在注入しているそういうセメントだけで対応しておりますか。――意味がわかりませんか。破砕帯あるいは断層、こういうものに直面した場合も、同じような成分のセメントをお使いになっておりますか、それ以外の薬液を注入しておりますか。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○篠原参考人 緊急時の出水事故がありました場合には、そのときはほとんど注入とかなんとかという問題がすぐにはとれないのでございます。それで、生の水が出て、いままであった土砂や何かとまじりまして、汚濁水が流れ出るという形になっておりますが、それを防ぐためにいろいろな手段をとりまして、たとえば水が出ないようにセメント袋を積んで、その後ろに注入をするというときに、普通はセメントを注入いたします。それから、先にだんだん水の出るところをとめていくために、いろいろLWなんかも使うようになると思います。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 大体一月に――一日量で結構ですが、こういうような珪酸ソーダ、あるいはシグニットD、それからコロイドセメント、どのくらいの量をお使いになっているか、後で資料を御提出お願いしたいと思います。なお、このシグニットDの成分、それからコロイドセメントの成分についても、あわせて御提出を願いたいと思います。委員長、よろしくお取り計らい願います。

向山一人自由民主党

○向山委員長代理 ただいまの要求の資料、提出してください。よろしゅうございますか。

篠原武司日本鉄道建設公団総裁

○篠原参考人 はい。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 そこで、環境庁に申し上げたいんですが、現在青森県が行っている排水口の調査につきましては、PHとかあるいはCODとかSSとか、こういう簡単な検査しかやってないわけです。しかも非常に人員が少ない。また十分な分析機器もそろっていない。そういうために、一年に一遍しかやっておらぬのです。それから公団側は、確かにいまおっしゃったPHとかいろいろ簡単なものにつきましては常時監視をしておりますが、私が先ほど申し上げました、大事な弗素ですとかあるいは尿素系ですとか、アクリルアミドだとか、あるいはワグニン系とか、こういう系統についての検査というものは全く行われていないというのがいままでの状態でございます。したがいまして、今後青函トンネルの排水口周辺の水域並びに掘削の残土、ズリでございますが、こういうものについての分析を行って、それが周辺の環境にどのような影響があるのかないのか、そういうことをひとつ確認をしていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。

二瓶博環境庁水質保全局長

○二瓶政府委員 現在排水の検査につきましては、これは水質汚濁防止法によりまして、工場、事業場から排水しますものにつきましては、さらに県の方が、立入調査その他分析等もやっておるわけでございます。ただ、ただいま先生からお話ございましたように、これらの面につきましては、一定の項目が限られておりますし、あるいは人員等不備な面もあろうかと思います。  問題は、そういう項目以外に、弗素なり尿素なりあるいはアクリルアミドなり、そういうものについて、さらに排水口の周辺なり残土等の分析を県の方で指導するようにというお話でございますが、この面につきましては、早速県の方とも前向きにやるようによく連絡をとって進めたい、かように現在考えております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 これは主として建設省に関係のある問題ではありますが、広い立場になりますと、河川とか地下水とかあるいは海水とか、いろいろな面において汚染される可能性が十分にございます。したがって、これからますますこの需要が多くなると考えられますところの地盤凝固剤に対する対策、こういうものを建設省にだけお任せするんじゃなくて、環境庁としてもこういう面についてひとつ対応策を今後十分に考えていただきたいと思いますが、これは長官からひとつお答えしてください。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 大変結構な示唆をいただきましたので、積極的に検討したいと思います。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 それじゃ公団の方は、きょうはこれで一応質問を終わりまして、次回にまた私の方でも分析をいたしまして質問したいと思いますので、公団側でもそういう問題を起こさないように、ひとつ十分にこれから検討していただきたいと思います。  次に、先日の新聞によりますと、景気浮揚策といたしまして、政府は現在まで凍結をされておりました北海道、東北、北陸、九州、長崎、この五整備線につきましての凍結を解除する、こういう方針を運輸大臣もそれから河本政調会長も新聞に発表いたしておりますが、その新聞記事の中に、今国会においてアセスメント法が国会を通過すれば、国鉄としては積極的にアセスメントを進める、こういうふうに載っているわけなんですが、これは閣議等においては、環境庁長官としてはどういうふうなお話し合いになっているのか、その点について承りたいと思います。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 けさほど、新幹線関係の閣僚会議がございました。いま先生おっしゃいました凍結というのは、国鉄側としては別に指定したわけではなくて、本四架橋の場合にははっきり凍結という表現をしたようですけれども、整備五線に関しましては、すでに年間百億のお金を工事費の中から調査に使っていたそうでございますので、非常に緩慢ではありますけれども計画が進んでいたわけでございます。  アセスメント法にかかわらず、新幹線に関係ございます環境基準というのはすでにあるわけでありますから、百億を使った調査がどのような形で行われたか、まだ詳細に報告を受けておりませんが、きょうの政府の決定では、今後、環境アセスメント等、徹底した調査をするということを決定したというわけでございまして、当然、今国会でアセスメント法が通りましたならば、それにのっとったアセスメントが行われるでございましょうし、私たちとしましては、今国会でアセスメント法を通すように努力をしているわけでございますけれども、それにかかわりなしに、現段階でもそういうことになりましたならば、すでにございます環境基準というものに合致するためのアセスメントは、当事者の手で行われているはずでございますし、いくべきだと思います。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 どうもはっきりしないんですが、同じことを繰り返して質問するようでございますが、運輸大臣の発言は、今国会でアセスメント法が通過をすれば積極的にアセスメントを行いたい、こういう発言をしているわけです。それを裏返しにして見ますと、アセスメント法が国会を通らない場合には、五新幹線の凍結というのはうまくないそうでございますが、促進ができないというように受け取りやすいような新聞記事になっておるわけでございますが、そういう面について、アセスメント法が今国会で通ればという前提があるわけですね。ですからその面について、先ほどは何か連休前に法案をお出しになるという大臣の御発言がございましたが、一体連休前のいつごろをめどに法案を提出するお考えなのか、そこをまず承りたいと思います。

柳瀬孝吉環境庁企画調整局長

○柳瀬政府委員 現在、鋭意関係各省庁と協議あるいは調整を続けておりまして、このアセスメント法案は、ほとんどというよりも全部の省庁に関係がありますので二十一省庁と協議をしたわけでございますが、現段階で非常にしぼられてまいりまして、幾つかの省庁にまだ問題が残っておるわけでございますが、これは一日も早く調整を終えてその提案をするように努力をしておるわけでございます。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 いまちょっと誤解を招きそうなことがございましたので、もう一回確認させていただきます。  アセスメント法が通らなければ、凍結といいますか、積極的に五線の計画を進めないということでは決してございませんで、運輸大臣はアセスメント法に非常に理解を示してくれておりまして、アセスメント法が通ろうが通るまいが、とにかく徹底したアセスメントをしないことには後になって非常に大きな問題を残す、現在運輸大臣は、空港の問題、新幹線等々の問題、やはりいまになってみれば着工のときに十分な調査をしておけばこんなことはなかったと思うので、後々の担当者のためにも自分としては徹底したアセスメントをさせるつもりだということでございましたので、アセスメント法が通過することが今回の決定の前提になっているというわけでは決してございません。ひとつ御了承賜りたいと思います。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 それじゃ運輸省にお尋ねしたいのですが、いま大臣の、アセスメント法が国会を通らなくとも政府としては積極的に促進するのだというお話がございました。その場合に徹底的にアセスメントを行うということは、どういうようなアセスメントを考えておられるか、それを承りたいと思います。

田中和夫運輸省鉄道監督局国有鉄道部施設課長

○田中説明員 アセスメントにつきましては、先生御承知かと思いますが、まずどういう対象を評価していくかという点と、これは一つの手続といたしまして、住民の意見を吸い上げるといいますか、聴取する、そういう手続面と二つあろうかと思います。  現在私どもといたしましては、四十八年以降整備五線について国鉄、公団で各種の調査を、地形あるいは地質あるいはルートの問題、駅の問題等含めましてずっと調査を続けてきておりますが、その中で特にここ二、三年につきましては環境の問題ということで、これについては自然環境の問題あるいは生活環境の問題ということで、それらの調査あるいは評価ということにつながる勉強を続けてきております。これらにつきまして、今後どの程度までそういう評価項目と申しますか、調査項目を確定すべきかということにつきましては、現在環境庁で法案との関連で、評価についての指針ということでいろいろ検討もお進めになっているようでございますので、これらも参考にいたしましてさらに徹底した環境アセスメントを実施してまいりたいというふうに考えております。  手続の面等につきましては、現在アセスメント法が主として手続を中心といたしておると理解しておりますが、この議論が進んでおりますので、これらの推移も見ながら進めなければならぬとは思っておりますが、まず非常に大事なことは、そういう調査あるいは評価あるいは対策を徹底的にきわめるということが大事だというふうに考えておりますので、引き続いて推進してまいりたい、かように考えております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 そこで今度は国鉄さんにお聞きしたいのですが、いま青森市の駅舎の問題で非常にごたごたしているようでございます。青森市では国鉄の要請に基づいて、東北新幹線の青森市内通過ルートと青森駅の位置選定についての意見書というものを、懇談会をつくりまして、青森市議会でもこういう方向で一応決まっているわけですが、盛岡の工事局とかあるいは国鉄本社の方に参りますと、どうもこの青森市が意見書を出しているルートあるいは駅舎とは違う、そういうお話を承っているのでございますが、その面についてはどうでございますか。

高橋浩二日本国有鉄道常務理事

○高橋説明員 お答えいたします。  盛岡から青森までの新幹線につきましては、四十八年に運輸大臣から調査の命令をいただきました。私の方は、いま運輸省からのお話がありましたように、ルートの問題、地質の問題及び環境の問題を含めまして実は調査をしている段階でございます。  駅をどこにするかということは、私の方はいろいろの調査をした総合的判断で決めてまいりますが、青森市からは、ぜひただいまの青森駅付近に新幹線の駅をつくるべきではないかというような意味の意見書が出ていることはよく了知をいたしております。ただ、現青森駅付近は非常に商店、人家、密集をいたしておりまして、しかも空間、空地的なものがほとんどございません。そういう条件と、将来新幹線は路線といたしては北海道の方まで抜けていく可能性を持った路線でなければならないという両面から考えて、青森市が御要望されている現青森駅付近に駅をつくるということはいろいろな面で非常に困難でないかというふうに、私の方はただいま判断をいたしております。そういう意味においては、私の方の考えと青森市の考え方は違うではないかという御指摘かと思いますが、私の方もまだ決まったわけではございません。そういう考え方で、いまの青森駅付近に持っていくことはいろいろな面で非常に困難ではないかというふうに、ただいまのところは考えておる次第でございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 そこで、この実施計画をつくる場合に、駅舎が決まらないうちは実施計画というのはつくれないものでございますか。

高橋浩二日本国有鉄道常務理事

○高橋説明員 従来は、私の方でいろいろな調査をいたしまして、一応運輸大臣の承認を得まして駅の位置、駅舎というよりも駅の位置でございますね、駅の位置については決めてお諮りを申し上げてきたのが従来のやり方でございます。     〔向山委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、これからは、環境アセスメント法案等がもし成立いたしますと、その点も含めまして、どういうふうに手続的に踏んでいかなくちゃならないかということはいろいろ考えなければならぬと思いますけれども、やはり環境問題を解決するためには、まずルートと駅の位置を決めてお諮りを申し上げないと環境の問題も決まってこないというふうに考えておりますので、できればルート、駅等、私の方で一応第一原案というものを決めた上でお諮りをしなくちゃならぬかなというふうに考えております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 たとえばこの東北新幹線で申しますと仙台駅がございますね。これは当初は長町駅を使うとか貨物線を使うとか、いろいろな計画があったようですが、現駅併設ですね。非常に人家も多いのですよ。密集しております。こういうところは環境アセスメントを十分におやりになった上で実施計画をつくり、現在の駅舎の地点に決めたわけでございますか。

高橋浩二日本国有鉄道常務理事

○高橋説明員 環境に対する対策について、新幹線自体がどういう影響を及ぼすかということについては、私の方もほぼわかっておりますけれども、いまの仙台駅自体は、これは当然環境の問題と、鉄道の利用といいますかそういう交通上の利用の問題、それからロケーションの問題、そういうものを総合的に考えて、現在の仙台駅に併設するのがよかろうというふうに判断をしてお諮りをしたような次第でございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 現在の仙台駅の駅舎の決定に当たっては、やはり地元の意見というものを十分にお聞きになってそして現在の駅舎を決めたというふうに私承っております。  そこで今度、新幹線は開通と同時に、環境基準を満たしていなければならぬわけでございますので、環境アセスメントを徹底的にやると同時に、公害に対する対策というものがすでに完成していなければなりません。その場合に、住民のいわゆる協力とか住民の意思を無視して一方的に駅舎でも何でも決めるということは、今後の新幹線の工事を促進する上からは非常にマイナスになる。しかも、国鉄から言われて青森市が一生懸命にこういう懇談会をつくり専門家の意見も聞いて、しかも市の議会でもってこういうふうにみんな賛同して、早く言えば全市を挙げてこういう意見書を国鉄側に出しているわけでございます。  それに対して国鉄のいままでの、時間がありませんから申し上げませんが、地元に対する対応は、非常に高姿勢と申しますか、地元住民にとってみればあたかも、住民の意思、意見を十分に尊重しない、そういう姿勢でいままでこの駅舎の問題を進めてきたという経過を私は承っております。これは非常に残念なことです。ですから、過去のいわゆる新幹線の騒音、振動の対策の予定もございます。音源対策、振動対策、これはいろいろございますよ、過去のものもいろいろこの期間にやらなければいけない。これをいま現在国鉄がおやりになってみて、こういう問題がいかにむずかしい問題であるかということは十二分におわかりになっていると思う。そういう観点から考えるならば、アセスメントも十分にやらぬといかぬし、と同時に、地域住民の協力なしにはこれからの新幹線工事というものの促進はとうてい不可能ですよ。それがいまだに、あなた方の考えている考え方あるいは姿勢というものが、そういう住民の立場に立った進め方ではないのだ。その点を私は申し上げているのです。  ですから今度、五新幹線の整備線の凍結解除が実現すれば、これは確かに景気浮揚にもなるでしょう。非常に結構なことでございます。しかしながら、その反面、こういう工事を促進するためには、国鉄側が地域住民の意見というものを十分に尊重もし、そしてまたアセスメントを行ったならば、その内容を住民によく公表をし周知徹底をして、しかも協力をしていただかなければできませんよ。  たとえば仙台の場合で申し上げましても、移転しなければならない家屋が千二百戸ですかある。青森市がいま、この意見書で出しているルートでいくと、二百四十戸の移転でできるのです。しかもいままでの線路よりも二十メートルの緩衝地帯を設けて、こういう公害というものを未然に、もうすでにアセスメントというものを予想した上での移転計画というものも考えているんです。それだけ神経を使ってやっている計画に対して、なぜ国鉄側がこの石江案というものにいつまでも考え方を変えないのか。  その問題につきましては、巷間言われているところでは、今度のロッキード事件に関係のある人が土地を買い占めておったとか、いろいろなうわさがございます。したがって、こういういわゆる住民の疑惑を受けないためにも、あるいはまた住民の意見というものを尊重する立場からも今後、こういう新幹線の促進に当たっては十分に住民の意見を尊重するアセスメントあるいは公害対策、駅舎の決定、こういうものをやっていかなければいけないと思う。その点についてもう一回国鉄さんのお考えをお聞きします。

高橋浩二日本国有鉄道常務理事

○高橋説明員 ただいま先生のおっしゃいますように新幹線の駅を決める場合には、十分に地域の方々の御意見を伺った上で決めなければ仕事ができないということは、もう当然に私の方はそういうふうに考えております。ただ、いまの青森駅の問題につきましては、環境の問題だけでなくて輸送の問題あるいは前後のルートの問題、総合的に判断をした上で私の方の意見を申し上げなくてはならないというふうに考えております。当然これは最後には、環境アセスメントを徹底的にやった結果、どういうふうな環境対策をやるかということを含めまして私の方も決めるということになろうかと思いますので、いま先生の言われたことは十分私の方も意を体しまして、この駅の位置の決定については私の方の原案作成時に、よく意見を聞いた上で実施をしていきたいというふうに考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 次回は、来る十四日木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時二十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗