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80回国会衆議院1977/03/10

公害対策並びに環境保全特別委員会 第4号

発言数
214
登壇者
13
会派数
5
開催日
1977/03/10

会議録

島本虎三日本社会党

○島本委員長 これより会議を開きます。  公害対策並びに環境保全に関する件、特に大阪国際空港の公害問題について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永田亮一君。

永田亮一自由民主党

○永田委員 私は、大阪国際空港エアバス乗り入れ問題につきまして、最初に石原環境庁長官に全体の御所見を承って、それから後は運輸省、環境庁の方々にお伺いしたいと思います。  例の十三項目の申し入れのことでありますが、あの申し入ればなかなか環境庁としてはタイミングがよかったと思うのです。たしか、昭和五十年でしたか、おととしの十二月の終わりごろに、運輸省の方で大阪空港にエアバスを乗り入れるということを決めておったようであります。そのときに環境庁の方から、いろいろと問題があるからちょっと待てということで申し入れをされた。環境庁という役所はそういうことをするのが商売でありますけれども、なかなか時宜を得た処置をとられたと考えております。もちろんあのときは、その背景としては、おととしの十二月でしたか、大阪高裁において判決があったのですね。控訴審の判決があって、全体としては周辺の住民の意見が取り入れられた。夜間の航空機の乗り入れを禁止する。九時以後の乗り入れを禁止するというようなことと、それから損害賠償でしたか、そういうものを大阪の高等裁判所では全面的に原告の方の空港周辺住民の意見に加担した判決が出た。そういうバックグラウンドがあったからと思いますけれども、十三項目の申し入れを時を移さずに運輸省に申し入れたということはタイミングがよかった。それで、運輸省の方も十二月の何日でしたか、二十何日に、これは運輸省の権限でエアバス乗り入れを決定することはできるわけですが、環境庁の方からそういう十三項目の申し入れがあったために結局乗り入れが延期された。そういうことで、私は、環境庁のとった措置というものが適切であったというふうに評価をしておるわけです。  環境庁長官として、今度その十三項目を申し入れられたこと、それからそれに対する運輸省の回答、またその回答に対する環境庁の見解、こういう一連のことが行われたわけですが、全体としてこの申し入れ事項、回答、見解、こういうものについての環境庁長官の御感触といいますか、御高見をまず承りたいと思います。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 お答えいたします。  運輸省が環境庁からの十三項目の申し入れに対しまして、現在までその過程に応じて答えてまいりました資料は、実は運輸にとってもかなり不利と申しましょうか、発表しにくいものまではっきりと公開をいたしまして、そういう意味では十三項目の申し入れに対して非常に科学的な資料に基づいた、環境庁としては十三項目のアセスメントに関しては満足し得る回答をもらったと思います。  それで、先日の手続が終わりまして、新聞等に環境庁がにわかにエアバス導入について同意したというような表現がございますが、これはちょっと誤りでございまして、先生御指摘のように、おととし十三項目の申し入れをしましたときに、一応エアバスの導入について待ったをかけまして、ストップをかけまして、十三項目の申し入れによって、いわばこれをサスペンド、たな上げし、それについての回答を得た段階で、今回そのストップを解いたというのが現況でございます。  今後の問題もいろいろございますので、運輸省も、今後エアバスの導入を行うならば、それの実現のためにするべき処置もまだいろいろ残っておると環境庁としては思います。

永田亮一自由民主党

○永田委員 運輸省の十三項目に対する回答が出てから環境庁の見解が出る間が非常に短かった。これは私もびっくりしたのですが、早くやるにこしたことはないので、そのことを責めるわけではありませんけれども、いままで役所というところは、大体能率は上がらないでぐずぐずやって、住民なんかが意見を言ってもそれに対処するまでになかなか時間がかかるというのが一般の通念であったのでありますが、この十三項目の申し入れに対する回答が出たのが三月三日で、二日したらもうそれに見解が出た。運輸省は一年かかって、いや一年以上かかって調査、研究あるいは実際に現場のデータを集めたりしてずいぶん時間がかかってやったその回答が出たら、環境庁は二日目にもうそれに対する回答が出る。これはまあ早いにこしたことはないのですが、どうも余り早過ぎるものだから、一般の人は、何かなれ合いでやったのじゃないか、少なくとも慎重に審査をして検討して見解を出されたのかどうかということを感じておるのですが、その点はどうですか。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 詳しくは後ほど局長からもお答えいたしますが、いままで、先ほど申しました一年余、十三項目に関する調査の段階に応じましていろいろ報告を受けておりまして、すでに局長レベルでも四回この問題についての打ち合わせを行っているわけでございますので、三日に公式に提示されました調査の結果が、いままで環境庁が承っていたものとずれがないかということを点検するだけで環境庁の判断ができるような形で作業が進んでおりましたので、そのような非常に短時間に環境庁の判断が出たという結果になったと思います。     〔委員長退席、林(義)委員長代理着席〕

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま大臣から御答弁のございましたことにつきまして、若干補足を申し上げたいと思います。  環境庁が五十年の十二月に出しましてから、両方の間で局長ベースで四回、それから課長、調査官、補佐ベースで八回にわたりまして徹底的な議論をしたわけでございます。それから現地の調査もいたしておりますし、十一市協とも大気と騒音に分けて、どのような進め方をしておるかということにつきましてはその間、話もし、また十一市協の人々の言っていることと運輸省との違う点は、われわれの方で厳しく運輸省にその点を申し入れていろいろやっていただいた、こういうことでございます。  そういうことで作業が全部終わりましたのは一月の末でございます。これは長官が神戸に行かれましたときに、作業は全部終わったということを申されました。あるいは技術的な検討が全部終わったということでございます。  問題は、その作業をしてわれわれが非常にいろいろなむずかしい注文をつけまして、もしもつけた注文を運輸省がその上層部に上げられますと、きっと切られる質問ばかりが入っておりました。それを、果たしてちゃんとした答えが公文書として判こを押して出てくるかどうかというところが実は環境庁としての最大の関心事だったわけであります。いままでのアセスメントのデータとして、今回運輸省が公表したほど完全データを公表したケースは、地方自治体を通じても国を通じてもございません。非常にぐあいの悪いところから、何から何まですべて完全にさらけ出して、出しております。  そういうことで、運輸省から答えが来ましたときにわれわれがやりましたことは、それでは技術検討をして最終的に来たところと同じことを運輸省が一言一句漏らさず書いておるかということの点検を担当が一言一句やったわけでございます。そうしましたら、タイプミスであるとか、若干字の書き間違いとか、そういうマイナーミスだけでございまして、内容については一切落としてない、十三項目についてやったとおり忠実なアセスのレポートが出ておるということで、判断の問題だけになりました。  判断の問題に二つございまして、環境問題の中で、騒音とNOxがふえたら絶対ストップをかけるかどうかという問題これは比較的環境問題の技術的、行政的な問題でございます。それからもう一つの一番大きな問題は、その場合に総便数の削減をつけるかどうか。これは運輸省が最も忌避していたところでございますが、そこの問題をどうするかがわれわれ非常に苦慮いたしておりました。大臣に御決断をいただいたのはその二点でございます。その二点につきまして大臣に最終的な御決断をいただいてやったということでございますので、決断の時間だけである、こういうことでございます。

永田亮一自由民主党

○永田委員 なかなか手っ取り早くやられたことは結構でございました。  そこで、恐らく環境庁としては運輸省に対して厳しい条件をつけられたと思いますが、その厳しい条件の中で特に環境庁が力を入れられた点というようなことを、局長の方から少し御説明をいただきたいと思います。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 環境庁から運輸省に対して厳しい条件をつけたのはどれかということでございますが、この局長からの通牒の中にございますが、一つは、導入に先立ってテストフライトを実施して、その結果実施成績と評価成績の照合を行う。ですから、別に申しますと、照合してみて余りの食い違いがあればこれはもう一回議論のやり直しの問題も起こるというぐあいに思っております。当然に、テストフライトにつきましては地元の理解と協力ということがなければできないものと考えております。  それから第二番目の問題で、これは最も厳しい問題でございますが、一つは、窒素酸化物がふえますので、「できる限り窒素酸化物排出量の少ない機材を使用し」ということでございます。これは運輸省の方の専門でございますが、ボーイング747とロッキード一〇一一とあるわけですが、そこに差があるわけです。しかしそのような「排出量の少ない機材を使用し」なんと言われるのは、恐らく運輸省では実はきわめてお困りになるのではないか。これは議論の途中に、こういう結論を言っておりませんけれども、それじゃ少ない方にすればいいじゃないかという議論をいろいろしたときに、非常な抵抗を示された経緯がございます。その問題と、それから、段階的にということは、それだけ飛行機がないから当然だということもありますが、段階的にやりながらその最中に問題があればわれわれはそれに対してまたこちらから意見をはっきり申し入れるというかっこうでございます。  一番厳しいのは、この最終の「必要に応じて総便数の削減を行う等」、これは役人文書によくございます検討ということは一切入っておりません。検討という言葉は入れておりません。運輸省としては、これは全く困ったことを言ってくれたものだと思っておるのだろうと思います。だが、この歯どめがなければできないということでございまして、最も厳しいところはどこかと言われますと、「必要に応じて総便数の削減を行う等」というところの問題であるというぐあいに理解しております。

永田亮一自由民主党

○永田委員 いまお話しになった中で、時間が余りないので、一つ二つちょっと気になることだけをお伺いしたいと思います。  初めにおっしゃったのは、テストフライトを実施して、その実施の結果と今回の評価結果を照合する、それが、今回の評価というのはどこでやったのか知らぬが、実験室か何かでやったわけですね。それの排気ガスなどのデータと、それから実際にテストフライトをやって実地に検査をしたものとが食い違った場合に、これはどうされるのですか、これは認めないということになるのですか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いまの、どうやってやったかという御指摘の問題をまずお答えいたしたいと思いますが、一つはシミュレーションでございます。ですから、これは机上計算でございます。それに対してどのようなモデルを使うか、どのような係数を使うか、どのような条件をフィードするかということで、最も厳しいのをやっております。このやり方につきましては、大気につきましては、これに最初のケースでございます。それで、飛行機の方のシミュレーションで、年間平均値というのは、これはテストフライトではとうていわかるものでもございませんし、またあの程度のものでしたら、絶対に年間平均値で差の出るような数字ではございません。ただ、一時間値としての最高レベルの問題がございます。  一時間値としての最高レベルの問題は、特にこれは勝部の地点の問題でございまして、これは運輸省も推定をし、われわれも推定をし、それからもう一つは、環境庁が鼻血の調査で実測をいろいろやったものがございます。     〔林(義)委員長代理退席、向山委員長代理着席〕 それからもう一つは、運輸省自身が、推定だけではなしに、実際にエアバスを別の場所で使ってみたときの条件を計ったものがあります。そういう点で余り狂うものとは思っておりませんが、現地の条件に合わして見てみるということをしてみる。騒音の予測等はすべて厳しい側に入っておりますので、余り狂うことはないのではないかというように考えております。しかし、これは著しく不合理な食い違いという場合には、私どもはその点について新たに問題を提起しなければならない、このように思っております。

永田亮一自由民主党

○永田委員 それから、いまお答えになった中で、できるだけ窒素酸化物の排出量の少ない機材を使用するというお答えでしたが、これは、できるだけ少ない機材を使用するといったって、飛行機はもうでき上がっているのですから、中の機械を取りかえるといったって、飛行機をばらばらにするわけにはいかぬだろうし、これはどうするのですか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 これは排出量の多い飛行機を使うときには、便数はぐっと減るということでございます。

永田亮一自由民主党

○永田委員 これは環境庁大気保全局からいただいた資料があるのですが、窒素酸化物だけに限って言うと、B747というのが非常に多いですね。それからし一〇一一、これはトライスターですか、これは半分ぐらい。エアバスというのはこの二つですか。まだあるのでしょう、どうです。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 もう一つDC10がございますが、数字として正式のものが得られなかったので、この中に書いてありません。

永田亮一自由民主党

○永田委員 三つあるとすれば、その中で窒素酸化物の一番少ない機種を選びたいということになれば、DC10というのは、窒素酸化物については、一モード当たりのキログラム、これは出てないのですが、トライスターより多いのですか、少ないのですか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 私の聞いているところによりますと、747よりも小さいがトライスターよりも多いということでございます。

永田亮一自由民主党

○永田委員 いまわれわれが一番、われわれといいますか、周辺の住民が気にしているのは窒素酸化物であります。したがって、窒素酸化物に限って言うと、L一〇一一を使うということが排気されるNOxが一番少ないということになるわけですが、私は素人でよくわからぬけれども、このほかの、窒素酸化物以外のものですね、一酸化炭素、炭化水素、こういうものの表を見てみると、L一〇一一が、ほかも少ないというわけではないのですな。総合的に判断してどれが一番被害が少ないかということを決めなければならぬと思うのですが、どうでしょうか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いまの先生のおっしゃったほかの汚染物質はどうかということでございますが、総合的に見てみますと、私どもの聞いている資料によりますと、たとえば一酸化炭素ということになりますと、DC10は低い。それから炭化水素ということになると、DC10は低いということでございます。ただ、いま申し上げましたDC10の問題は、運輸省が当初から伊丹空港に導入することを考えていなかったやに聞いておりますが、これは運輸省の方の御意見を聞かなければならぬと思います。  もう一点申し上げたいのは、私どもはできるだけ少ない機材を「使用し」ということで、選定ということをはずしました。これは選定ということになりますと、また前のように、大石長官のときにもきわめて善意に満ちておやりになったのにもかかわらず、選定ということについての不信を招くことがあっては困るというので、「使用し」ということで、量の多いものを使用した場合にはその便数が減るという考えで対応するということで、選定という考え方は私どもは持っておりません。

永田亮一自由民主党

○永田委員 排出物は、片方が少なくなれば片方が多いという困った結果が出ておるようでありますが、炭化水素と窒素酸化物というのは、どっちがより多く人体に被害があるのか、こういうものを吸った場合に人間の体がどういうふうになるのか、わかっていたらちょっと教えてください。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 影響の観点からどうかという御質問でございますが、私どもは、健康影響の観点からは窒素酸化物の方を非常に重視しております。炭化水素の方は、むしろ窒素酸化物とともに光化学スモッグの一つの要因ということで、健康影響そのものとしては扱っておりません。  窒素酸化物の方は、現在のレベルでは非常にひどい被害を生ずるとか、そういうレベルではございませんので、予防的にやっておりますが、動物実験をやりますと、SO2の場合よりもはっきりした影響がより低い濃度で出てくるということがございます。また、疫学的に見ましても汚染と有症率との間には関連性があるということが出ておりますので、現在は余り問題にならない程度でも、これはあらゆるものから出ますので、できるだけの、最大の努力をして抑えなければならないということで、あえて総便数削減という表現まで入ったわけでございます。

永田亮一自由民主党

○永田委員 環境庁は去年の秋にNOxの総量規制を五十三年度から実施したいという発表があったと思いますが、これはどうなりますか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま先生から御指摘のございました五十三年度から総量規制を実施したいということにつきましては、五十年の十二月からその構想を通産省とも話をして、一応これは大綱としてはお互いにこういうことだろうということで合意しまして、昨年秋はその手法について、現在ここまできた、ここに問題点がある、こういう方向をやろうという問題点を出しまして、五十三年度に私どもは地域指定を開始をして、それから総量規制をするための調査計画、恐らく一年半か二年かかると思いますが、その間に工場と自動車と航空機とのシェアをはっきりしながらカット計画を出していきたい、そのような考え方でございます。

永田亮一自由民主党

○永田委員 先ほどの御答弁で、窒素酸化物というのは人体に一番被害が多いというお答えでしたが、それじゃNOxを低減させるために、どういう方法を環境庁としては考えておられますか。たとえば自動車なんかで言えば、アメリカなんかマスキー法というのをつくって、排気ガスをうんと規制した法律を出して、それ以上出すものは売ってはいけないということになると、自動車をつくっている会社はその規制以下の自動車でなければ売れないのですから、もうからない。売れなければ破産してしまうわけですから、自動車会社は研究所で学者を集めて、どうしたら排気ガスが少なくなるかということを一生懸命研究するだろうと思う。また、したわけですがね。航空機の場合は、この自動車のマスキー法みたいなものを考えておるから、これは残念ながら日本でつくった飛行機じゃないのだから困るわけですけれども、窒素酸化物を減らすためにはどういう方法を考えたらいいのか、環境庁でどういうふうに考えているかということをちょっと御説明願いたいと思います。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま御指摘のございましたように、工場の方は技術も大分進んでまいりました。自動車も、日本は五十三年規制をきっちりできるようになりまして、ディーゼルトラックがまだ一部限られた程度ということであります。  航空機の方につきましては、これは日本でつくる飛行機ではございませんので、アメリカの飛行機でございますので、国際的にICAOの中に航空機エンジン排気ガス研究会というのが発足しておりまして、現在も数回にわたって会議を持たれております。この中で、窒素酸化物の低減ということにつきましての技術討議が行われておりまして、ある程度の低減ということはもう数年先になると可能になるのではないかということが出ております。ただ、これはあくまでも限界がございますので、そのような意味で段階的な増加とかあるいは必要に応じて総量削減、どうしても個別で排出をある程度減らせない場合には、全体として総量を減らすのは便数をカットする以外にはなかなかできないということでございますので、飛行機の場合には恐らく総量削減にかかる以外にはなかなか手がないのではないかというぐあいに思っておりますが、五十三年の検討をいろいろやってみた上でないと、現在の段階ではどれだけという数字の問題はまだ申せません。

永田亮一自由民主党

○永田委員 世界じゅうの飛行場を見ても、大阪空港みたいに周りに人家が密集しているという飛行場は恐らくないだろうと思うのです。そうすると、NOを減らすということを一番切実に感じるのは日本なんです。日本、しかも大阪周辺の住民である。これはICAOの場において窒素酸化物の少ないものをつくれという強い決議をやるにしても、日本が一番声を大にしてやらなければ進まないだろうと思うのですね。アメリカにしてもヨーロッパにしても、あるいは南米やオーストラリア、みんな飛行場は広いし、飛行場の周辺には家は少ないのだから、余り窒素酸化物の被害の影響というものを痛切に感じないだろうと思う。そうすると、これは日本が真っ先に率先してICAOの場において、窒素酸化物を減らしてもらわなければ困る、人道問題だということを、長官、ひとつそういう御決意を願いたいと思うのですが、いかがでしょうか。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 おっしゃるとおりでございますので、そういう機会を得ましたならば、日本側の強い主張を述べたいと思います。  それからNOxの問題でございますけれども、これは先生御指摘になりましたように、マスキー法というものがございましたが、これを実現したのは日本が真っ先でございまして、アメリカの方が二年もおくれているという現況でございますし、またおっしゃるように、非常に人家の密集した地域ですので、あの周辺の、つまりNOxというものは、もちろん飛行機の排気ガスもございますけれども、同時にその周辺を走る自動車であるとかあるいは大阪の工場地帯のNOxであるとかというものがまじって複合的にNOxの汚染があるわけでございますので、これは飛行機のエンジンの改良と同時に、また乗用車以外の車両に対する規制でございますとか、あるいは煙突のような固定発生源に対する規制等によって総合的に解消すべき問題だという見地で進みたいと思っております。

永田亮一自由民主党

○永田委員 次に、せっかく運輸省が来ておられるので運輸省にちょっとお尋ねしたいのですが、騒音の低減効果ですね。この問題について、十三項目の中にどういうふうに評価されておられるか、簡単で結構ですからお答え願いたいと思います。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。  騒音の低減効果につきましては二とおりの測定の方法がございます。一つは、一機ごとの航空機の騒音の低減効果というものを測定するという方法でございます。もう一つは、何機かが空港に離発着をいたしますので、その総合的な離発着の回数というものを考慮いたしまして、さらに、航空機の音のうるささと申しますか、そういうふうなものをもさらに考慮して検討する、こういう両方のやり方があるわけでございます。  個々の航空機の騒音の低下につきましては、私どもといたしましては、米国連邦航空庁がICAOの基準にほぼ近い、むしろそれよりも少しシビアな基準によりまして、厳密な測定をしたものがございます。これによります比較検討の結果を十三項目の中でしておるわけでございますが、この数値によりますと、九ホンから十四ホン程度低下するということが明らかになっております。  それから、次に、後の方で申し上げました、総合的に全体の飛行の回数、それから、それがどの時間帯に飛ぶかということをあわせて検討いたしました、ICAOの制定した、あるいは日本の環境庁もこれを使っておりますWECPNLという単位がございますが、これによって測定をいたしました場合に、大阪空港に離発着いたします航空機のうちのジェット機を二百便、そのうちの約百便をいわゆる低騒音大型機、エアバス級のものに置きかえたといたしました場合に、全体で三WECPNL程度の低下をする、こういうふうな評価をしておるわけでございます。

永田亮一自由民主党

○永田委員 次に、運輸省に、環境基準の達成の問題についてちょっとお尋ねいたしたいのですが、去年の十月でしたか、閣議決定された第三次の空港整備五カ年計画、これにおいて環境基準の達成ということが大きな目標になっておりますが、ニアバスが乗り入れた場合、あるいは乗り入れなかった場合、この環境基準の達成に対する影響をお答え願いたいと思います。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 お答えいたします。  環境基準の達成、特に大阪空港におきます五十三年中間目標、これはWECPNL八十五、こういうのが一つの目安になっておるわけでございますが、これの達成につきましては私どもは最大の努力を払おうということで、せんだって決定を見ました第三次の空港整備五カ年計画におきましても、五十三年末までにこの中間目標を達成するということをまず第一に据えまして、さらに、その五年後の五十八年末には十年目の目標、つまり七十五WECPNLという数字が適用になってまいります。そこで、私どもが現在考えておりますことは、移転補償なりあるいは民家の防音工事なりあるいは周辺の対策なりというものをさらに進めることによりまして、これに十分対応できるように措置をしていこうということがねらいでございますが、これを現在のままの状態でやっていこうということになりますと、たとえば民家防音の対象世帯数が三万六千戸程度になるわけでございますが、これを低騒音大型機に切りかえてまいりました場合には、さほどの輸送量の変化を伴わないで、エアバス百便の導入程度によって一万一千尺ほぼ三分の一以下に対象戸数を減少させることができる。さらに五十八年目標の、先ほど申し上げましたWECPNL七十五ということを見ました場合には、エアバスの導入をいたしません場合には十八万世帯が対象戸数になってまいるわけでございますが、これはエアバスの導入によりまして現在の八十のライン程度におさめることができるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、環境基準の目標の達成には十分な努力をしてまいりたい、こう考えております。

永田亮一自由民主党

○永田委員 時間がないからもう結論を出せということでありますので、いろいろお尋ねしたかったのですが、残念です。  それじゃ、最後に、環境庁長官に御決意のほどをお伺いしたいと思う。  長官は非常なヒューマニストでありますから、こういう周辺の人がどれだけ苦しんでおるかということをよくおわかりいただけると思うのです。実際に空港の周辺に行っておりますと、もうその真上を飛行機がおりてくるんですからね、びっくりするわけですよ。いまにも落ちてくるんじゃないかというような威圧感といいますか、恐怖感、私なんかよけるような気持ちになるぐらいです。それからその騒音のひどさ、これは病気なんかの人はとてもたまったものじゃない。それでなるべく周辺の対策、今度の十三項目の中で周辺の住民が結局望んでおるのは、周辺対策というものが十分に盛り込まれておらぬじゃないかということなんです。  いま運輸省なんかから聞いてみますと、確かに騒音は減ったとか、NOxだけは多少ふえるけれどもあとはみんな都合がいいというような御報告なんですけれども、そうだからといって、その周辺の人はだまったものじゃないんですよ。これは全体がだんだんよくなるんだからがまんしろと、こう言われる理屈は通らないと思うのです。その周辺の人にしてみたら、全体がよくなると国でお考えになるんだったら、その全体の犠牲になる周辺の人に手厚い手を差し伸べなければいかぬ。だから、その人たちが移転をするとか、防音壁をつくるとか、そういうことにもっと力を入れてやっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 まことにおっしゃるとおりでございまして、今回の十三の項目に対します回答の結果、導入を決定いたしますのは、これは運輸省の権限でございます。     〔向山委員長代理退席、委員長着席〕 環境庁といたしましては、いままでのいきさつをながめておりましても、どうも周辺の条件整備というものに必ずしも担当者が誠意ある姿勢を示したとは評価できない節がございまして、たとえば防音装置を施した部屋も、新幹線の場合には条件によっては四室ということになっておりますけれども、これが一室ということではやはりいろいろ問題があるのじゃないかという気がいたしますし、大気汚染と騒音ということの、これは結局仕方ないトレードオフだと思いますが、私も勝部というところに知人がおりまして、四、五年前に行ったことがございますし、また先日四十三号線の視察をいたしましたが、現在の医学では証明できないにしても、騒音、振動というものは、医学が証明することができなくても、やはり鼻血等の因果関係があるんではないかという気もいたします、これは私の個人的な感触でございますけれども。そういう問題を含めまして、今回やむを得ぬ形で、訴訟の基本争点も騒音ということになっておりますので、この問題を解決するために、まあNOxは、先ほど申しましたように総合的に解決していくめどもございますので今回はトレードオフをしたわけでございますが、これも所管外のことでございますけれども、もともと欠陥が指摘をされております空港を閉鎖するだけでは、今度は東京と大阪をつなぐ大事な飛行路線というものに支障を来たしますし、これは国家的な問題にもなると思いますので、できるだけ早く大きなトレードオフという形で他の飛行場というものに与野党の先生方御努力願いますことで伊丹の周辺の方々も救われるのではないかと考えております。

永田亮一自由民主党

○永田委員 もう一つだけお願いします。  これは別のことですが、運輸省に、経費の問題なのですが、ちょっとお尋ねをしたいと思います。  兵庫県、これは大阪府もそうだろうと思うのですが、県へ行ったときにちょっと頼まれたことですが、なるほどと思ったのでお尋ねをしますが、県は住民の環境保全とか健康のために多額の経費を出しておるわけです。民家の防音工事の補助なんかに金を出しておるわけですね。その経費はやはり原因者負担の原則にのっとって、国といいますか、運輸省の方で見るべきものじゃないかと私は考える。航空機騒音防止法の第四条にはっきり書いてありますが、特定飛行場の設置者が負担すべきものである。これが関係の市町村、伊丹とか豊中とか、そういうところはこの前から財源として航空機燃料税の一部を譲与しておるようでありますが、これは県に対してもやはり航空機燃料税の一部を譲与するというのが筋が通っているのじゃないか。どうしてこれは県が抜けたのですかね。そのときに県あるいは大阪府は要求しなかったのでしょうか。ちょっと飛行場部長さんでも……。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 お答えします。  騒音対策の実施のために県がいろいろなお金を出してやっていることはよく存じております。そして、いまの燃料譲与税は、制度的には市町村に対して譲与することになっておるわけでありますけれども、私ども当時のいきさつを十分存じませんけれども、譲与税の関係は自治省の関係でございますけれども、今後、県として負担することになる所要財源の問題、これらの問題も推測いたしまして、何かうまい方法が講じられるように自治省とも十分相談をしてみたいと思います。

永田亮一自由民主党

○永田委員 これは税制改正をしなければいかぬわけですから、いまからやるのだったら国会の方で私も注意をしておって、今度税制改正のときに話をしてみたいと思っておるのでありますが、大阪国際空港周辺整備機構というのができてますね。これに県の方から無利子の貸付金を出している。その金は、結局県は九〇%起債で賄っているわけです。一〇%ほどは一般会計から出している。この起債の方は利息を払わなければいけない。ところが、大阪国際空港周辺整備機構は無利子で貸せと言うのですから、結局県としては赤字がだんだんふえてくる。いま地方自治団体はみんな財政不如意で困っているときなので、こういう原因者負担の原則から考えて、どうも県に余分な負担をさせているのじゃないか、少なくとも無利子の貸付金に対する利息額についてはあるいは利子補給をしてやるべきじゃないかというふうに考えております。ことしすぐに言って間に合わぬかもしれぬけれども、来年度の予算では少なくとも、税制改正がなければ、起債の利子補給ぐらいは大蔵省に要求してほしい。お願いします。いかがですか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 空港の周辺整備の問題は、国と当該地方公共団体が一緒になってやろうというプロジェクトであるというふうな考え方から、周辺整備機構にも県からの拠出をお願いしておるわけでございますけれども、先生御指摘のように県財政も非常にお苦しいことはよくわかっておりまして、実は私たち、もう五十二年度の予算の要求を出してしまってから大分後になってお話を伺ったものですから、どうもできませんでしたけれども、来年度の問題として検討させていただきます。

永田亮一自由民主党

○永田委員 終わります。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 土井たか子君。

土井たか子日本社会党

○土井委員 これは運輸省と環境庁、両方にお尋ねしたいと思うのですが、どれだけ運輸省側がいままで音源対策に対してこれしか打つ手はないということを言葉をきわめて説明をされても、エアバスの導入に対して大阪国際空港周辺の住民の方々がこれを納得なさらなかった、こういういきさつがあったわけであります。現にそうであります。こういう状況について原因は那辺にあるとお考えでいらっしゃるか、それをまずお伺いしたいと思うわけです。  先日、環境庁長官も国道四十三号線や大阪国際空港の騒音の問題などについて、現地にわざわざ足を運んで現地の住民の声もお聞きになっていらっしゃるわけですから、その辺もこの認識の中に置いて一つはお考えをお聞かせいただきたいのです。いかがですか、運輸省。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。  これは私の感じでございますが、率直に申し上げまして、いわゆる高度成長時代の考え方が非常に過去に強かった、そして航空輸送需要につきましても、たとえばいまから六、七年前に輸送需要をはじきましたときに、国内輸送需要だけでも一億二千万人というふうな人数をはじいたこともございます。こういったときは、何といいますか航空の大量輸送時代来るということで、むしろそれを受け入れる空港をつくるということは国家の至上目的に寄与するものであるというふうな考え方が先行いたしまして、そのことによって生じてくる数々の問題、特に空港周辺の住民の方々に対する被害の問題等については、ややもすればその大量輸送時代というスローガンのもとに色があせた感じがあったんじゃないかというふうな感じがいたします。  ところが、この数年間、世の中の大変激しい変化の中で、私たちも率直に反省いたしまして、そういった姿勢を全部捨てて、これからもちろん輸送需要自体も、高度成長から安定成長に切りかわってくれば、需要も全体として約六割か七割くらいに減ってまいります。また、それでもしかし年々少しずつ伸びるわけでございますので、そういった意味では、空港周辺の住民の方々に与える問題もいろいろ減ってはこないわけであります。たとえふえ方は減ったにせよ、なおこれからふえることが予想される飛行機の発着回数、これに対応して地域にどういう対策を打ったらいいかという点につきましては、この数年間私どもの施策の中でも最重点に置きまして鋭意進めておるわけでございます。先ほど次長が永田先生にもお答え申し上げましたように、五十三年の中間目標あるいは五十八年の最終目標を目がけまして、いま鋭意やっておる最中でございますが、率直に申しまして、過去においては、そういう一方的な片方の方のニーズにだけ対応しよう、そして大変大事なことを間々等閑視する傾きがあった、そのことがやはり空港周辺の住民の方々に不信を買ったという点があると思います。これにつきましては、大変私ども残念なことであり、申しわけないことでございますので、この点につきましてはできる限り御説明を申し上げまして何とか御納得を得る努力をいたしたいということで、いまやっておるわけでございます。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 現地をいろいろ歩きまして、自治体から住民からさまざまな批判あるいは苦情を聞いてまいりました感じといたしまして、  一番キーの問題は、やはり十余年間にわたってだまされ続けたという感覚を非常に持っているということでございます。ジェット機を入れたら静かになるということでジェット機を受け入れました、そうすると非常にやかましくなった。それからもう一つは、なるほどボーイング何とかというのは同じだが形が変わってくるとどんどん大きくなってくる等の点でございます。  それからもう一点は、音源対策としては、これは確かに音は低いだろうということは皆さんそう否定はしておらないだろうと思うのです。ただ非常に限界がある。それには、先ほどの永田先生の御質問にもありましたように、周辺の人はやはり周辺整備機構の事業というものを非常に必要としているわけであります。それには、こう聞きますと全くいろいろな切実な条件があるわけであります。私、勝部に行きまして、一人おじいさんがおりまして、その人が、私はよそに行けと言われておる、しかしここの家を売った金だけでよそに行ったら何百万払わなければならない、自分はもう年をとっているし、そんなお金はどこからも出てきっこない、どこかに移りたいのだけれども、もうどうにもならないというような議論をしましたが、やはり役所としては確かにむずかしい問題ではありますが、一番基本は、周辺整備機構の問題をかっちり改善をして、できるだけ最大限に要望に応ずるような形にするということが前提の議論でなければなかなか通用しないのではないかというところが、私は一番キーであったと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 運輸省も環境庁も、地元住民の方々がいままでの運輸行政に対しまして不信の気持ちを非常に強く持っていらっしゃるという点に対しての御認識はおありになるということが、いまはっきりわかっているわけであります。ところが、考えてまいりますと、地域住民の方々、あの大阪空港周辺の住民の方々を考えていった場合に、恐らく運輸省にしても環境庁にしても、まず地域住民の方々に対して話をする、討議を進めるという場合に念頭に置かれるのは、自治体組織から成り立つ十一市協というのをまず念頭に置かれてお考えになっていらっしゃるのじゃないかと思います。もちろん十一市協の果たす役割りというのは非常に大きいわけで、この自治体住民の意見を集約して、それを具体化していかなければならない。こういう役割りがあるわけですけれども、何といってもそこにまだまだきめ細かに吸い上げられない、直接被害の特に激甚地域の被害住民の方々の声というのは、これは無視できないわけでありまして、やはり運輸省にしろ環境庁にしろ、その地域住民の方々の立場や生活や意見というものを直接吸収するという活動を常に怠ってはならないのじゃないか、このように思います。  ところで、その激甚地域というのにも、これは態様を考えてみますと、いままでに調停を申請されたグループもあり、また片や運輸省に対してどれだけ申し入れをやったってこれが聞かれなかった、また運輸省から説明を受けた中身が事実とほど遠いものであるという、こういう不信の気持ちをだんだんつのらせていく一方の状況が漸次展開をいたしまして、先ほど橋本局長からの御答弁の中にもございましたとおりで、あともう万策尽きて打つ手はこれ以外にないという、非常にやむにやまれない気持ちから提訴をなさった訴訟団の方々があるわけであります。国を相手取って裁判を起こすというのはただごとじゃないわけでありまして、ずいぶんこのことに対しても逡巡されたといういきさつは私はよく存じておりますけれども、これ以外にないというやむにやまれぬ気持ちから提訴をされて、そして一審、二審の判決がすでに出た。この控訴審判決は五十年十一月二十七日に判決が出たわけでありますが、あの後、運輸省は、先ほどの御答弁からいたしますと、高度成長のあの時代と違って、安定成長下における行政というのは、やはり住民の生活というものを保全していくという点を抜きにして考えていくということは許されない。いままではややもすれば高度成長ということでその点が軽く考えられてきたきらいがある、このことは猛省しなければならないという御答弁でございました。ところが、あの十一月二十七日の控訴審の判決、大阪高裁の判決直後どのように運輸省はこれに対して対応なすったか、これは私は大問題だと思っております。即刻上告をお決めになって、そしてその上告に当たって同時に発表されたのは、エアバスの乗り入れに対する計画発表だったわけです。これは住民の気持ちからすると、逆なでされるということになるんじゃないでしょうか。神経を逆なでされるという表現がありますが、まさにこういう状況はこの表現にぴったりの状況だと思うわけであります。このことに対して運輸省はいまどのように考えていらっしゃいますか。これで果たして低成長下、住民の方々といろいろな話し合いを誠意を持って続けていきたいということに対して、こういうことの中でできるかどうか、これは私は大変に客観的に見て問題が大きいと思っているのです、運輸省の姿勢に対して。どのようにお考えでいらっしゃいますか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 控訴審判決につきましては、政府として他の官庁にもいろいろ影響を及ぼすようなことも書かれておったりいたしました。また、内容自体にいろいろ政府部内でも問題にする向きがあったわけでございますので、政府といたしまして上告審の判断を求めるアクションをとったわけでございますけれども、私どもは、ただいま率直に申し上げますが、私は実は当時担当しておりませんでしたけれども、あの控訴審判決が出た直後に、あたかもいま先生お話しのように逆なでするがごとくエアバス導入を強行するような姿勢を見せたということは、やはり全体をうまく進めていく上では、いまから見ると非常に大きなマイナスではなかったか、あのことが運輸省に対する不信を一段と強めたことになったんじゃないかというふうに私はいま考えております。そのことが各種の抵抗もあり、また環境庁からのお申し出もありまして取りやめになりました。その後、一年数カ月の間、私どもは環境庁からの十三項目を中心にする申し出に対しまして誠意を持って検討を続けました。当時のエアバス導入ということを一年数カ月前にやろうといたしましたときに比べますと、現在は、エアバス導入による環境改善の効果につきまして、かなりの客観的な検証を得ることができたわけでございます。つい先ごろ環境庁から、その私どもの検討結果につきまして評価をいただいたわけでございますので、この結果をもとといたしまして今後いろいろの方途を講じまして地域の方々に接触をし、お話をしなければならない、こう考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 いま局長の御答弁でございますが、あの五十年の十一月二十七日以後のいろいろな動きを考えてまいりますと、いま、あの大阪高裁判決の判決理由の中での論旨が他の問題に及ぼす影響もあるということから、政府の中で上告に踏み切るということの意思決定をされて運輸省がそれに取り組まれることになったといういきさつの御答弁もございましたが、これ、いかがなんでございましょう。あの高裁判決の中で、九時以後の夜間便は発着陸を禁止するという判決が明確に出たわけですね。ところがこの判決に対しても、当時運輸省は行政措置として即刻これに対してこの判決に従うという態度をなかなかお持ちにならなかったいきさつが実はあるわけであります。場合によったら強制執行という形に出なきゃならないかもしれないというふうな問題まであって、そしてさらに大阪高裁の決定を仰ぐという手段を訴訟団の方々が講じられて、そして初めて運輸省も重い腰を上げて、九時以後の便に対してはただいまのように発着陸を禁止するという行政措置を講じられたわけであります。なかなかこの裁判の判決に対しても動じられない運輸省が、あの判決理由の中のある論旨が他の問題に対して及ぼす影響が大きいといわれるのはまさに矛盾している問題でございまして、この姿勢からすると、まことに御都合主義だということを一言で言ったら言わざるを得ないような態度だというふうにも私は考えているわけであります。  また、これはついでながら申し上げますけれども、裁判で提訴されている事例というのは全国にわたる事例ではございません。特に大阪国際空港について、特定の事項に対してこの是非を問う提訴であります。したがって、これに対しての高等裁判所の判決というのは、この提訴の理由に対しての判決でございまして、この判決をもって他の事例に当てはめていった場合にとお考えになるのは、この裁判の判決に対して正当にこの中身をお考えになっている態度とは言えないと私は思うのです。  大阪国際空港が年来、周辺の住民に対してどういう大変な苦しみや悩みというものを投げかけてきた空港であるかというのは何よりも運輸省が一番よく御存じですね。運輸省自身もそのことに対して最近は大変な御苦労をされてきているわけでありますから、したがいまして、ほかの空港とはわけが違うということもよく御存じじゃありませんか。したがって、大阪空港の例をもってほかに当てはめるということは、本来できない事情を大阪空港は持っているんだという認識も運輸省が一番強く持っていらっしゃるのじゃなかろうかと私は思うわけであります。  そういう点からいたしますと、これをまた、一応主張が正当であるということを大阪高等裁判所が原告である十一市被害住民に対して認めて、そのことに対してさらにこれは挑戦をいどむようなかっこうで、今度は住民を相手取って最高裁判所で争おうじゃないかと上告されているというこのいきさつというのは、私は、運輸行政を今後住民の理解を求めながらスムーズに進めるという点から考えても決して好ましい態度じゃないし、この上告自身がいま被害者住民の方々を大変に刺激しているもとになっているということをはっきり認識をしていただきたいというふうに思うわけであります。  今後この上告を続けられる限り、どうしても、一番の激甚地域であるこの場所で悩んでいらっしゃる住民の方々に対して説明しようとなすってもなかなか説明を受け入れるという空気はわかないと思います。なかなかむずかしいと思います。この打開策というのを何とかしかし求めていかなければならないと運輸省はお考えでいらっしゃると思うわけでありますが、いまその打開策をどういうふうに求めようとなすっているか、ひとつ率直な御意見をお聞かせくださいませんか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 上告いたしましたいきさつは、先ほどもちょっと申し上げたとおりでございますけれども、中に、たとえば将来にわたっての損害賠償請求の問題とかあるいは証拠の採用の仕方についての問題とか、国の訴訟代理人としての立場の法務省などの見解等もいろいろございまして上告に踏み切らざるを得なかったわけでございますけれども、しかし、当時の政府見解にも書いてございますように、それはそれとして、私どもは大阪空港周辺の対策を強力に進めることには一向変わりないということが書いてございますけれども、今日でもそれを繰り返すことになるわけでございますが、私どもやはり最高裁の判決を一応求めたい、判断を仰ぎたいという姿勢を決めましたもので、それを直ちに変えるということはなかなかむずかしゅうございますけれども、訴訟団の方々に対しましては、私はやはりこの際、大阪空港周辺の環境問題を減らしていくためにどうしたらいいかという観点からのいろいろ御説明をしなければならないと思うのであります。  一つは、低騒音機の導入の問題でもありますし、またさらには、周辺対策をどのように強化していくのかということの計画をお話し申し上げまして御納得を得るほかに道はない。余りいい知恵はないわけでございますが、そういうじみちな説得の話し合いをする以外に方法はないのではないかというふうに考えているわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 局長、国が上告されたということはあの被害者住民の方々からすると、国は自分たちにこんな被害を与えながらしかも挑戦しているというふうにお考えになっていらっしゃるのですよ。  それで、いまの状態というのを考えてみますと、横びんたを張りながら片っ方で握手を求めるというかっこうにもなっているのです。私は、いきさつはいきさつとしまして、いま御答弁の中にも出てまいりましたけれども、当時七省庁が寄って討議をなすった結果上告に踏み切られたといういきさつもよく存じておりますが、手続からいたしますと上告取り下げという手続もあるのです。私は上告取り下げを即刻やれというふうに言いたいのだけれども、運輸省としてはメンツもおありになるでしょう。そのことに対して、一たん決めたことで引き下がれない、行政としてそれはいきませんというふうな御答弁しか恐らくきょう聞いたって返ってこないのではないかと私は推測をいたしますけれども、しかし、いまのままでは幾ら説明をしようと言ったってこれは無理だという現実であります。これも現実なんですよ。したがいまして、局長、上告をいまのままのかっこうで、据え置きにしたまま話し合いは無理だというこの現実をやはり直視なさるならば、これに対しての何らかの手だてというものを講じていく必要が私はあると思います。このことをどうお考えになりますか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 私の立場でいまそれに対して、先ほど申し上げた以上の見解を申し上げる自由がちょっとないわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 それでは他省庁、あの上告を決定されたときのいろいろな討議をされた省庁に対してこの事情を説明をされて、上告に対しての態度をこれからどのようにしていかなければならないか、たとえばこれは話し合いで解決をしていくという方法もあるでしょう、上告を取り下げるなら取り下げ方がいろいろありますが、こういうことに対しての話し合いをお進めになるというお気持ちはありませんか、いかがです。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 大変申しわけないのでありますけれども、いま直ちにそのことをする決心はついておりません。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そういう強い姿勢のままでこの問題についても運輸省がお考えどおりに事が進んでいくというふうにお思いになれば、それは大分に事情が違うようであります。このことははっきり申し上げたいと思います。  さて、環境庁の方は先ほど橋本局長が御答弁になったとおりで、住民の方々のお気持ちというのをいろいろとしんしゃくなすっているわけでありますけれども、しかし今回の十三項目に対して、運輸省に申し入れられたことに運輸省が答えを出された、そのことの検討が、先ほどの御質問にもございましたけれども、時間にして四十八時間ぐらいの間しかなかった。そして、条件づきであるとはいえ同意を運輸省側に出された。その間、あの地域の住民の方々に対して、運輸省から参りました回答に対しての説明なり環境庁としての考え方なりを説明すべきであったのではないかと私は思うわけでありますけれども、局長はどのようにお考えですか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 先ほどもお答えしたところでございますが、合意というよりもストップをかけたのを抜いたということが一つと、それから科学的なデータに基づいて科学的な範囲内での、環境行政の範囲内での見解を示したというところに重点を置いておりまして、あの周辺の方々のお話を聞いてもやはり非常に利害対立がございます。それから、環境庁のアセスメント法案の中でもそういうことを考え出されておるわけでございますけれども、アセスメントそのものに対する見解は最終決断とは別でございます。そのアセスメントそのものに対しては冷静に、客観的に意見をぴしっと出す、それでそれに対するいろんな批判が次に出てくる、それに対するいろんな批判が出てきたときにそれらを聞いていて、なるほどこれはおっしゃることがもっともで、この点はこういうぐあいに最終決断のときに物によっては手直しをしなければならないというようなことがその後で出てくるのではないかということで踏み切ったわけでございまして、私は皆さん方から裏切った、こう言われて非常に悲しい思いでございますが、そういう思いを持たれるのも無理もないと思いますが、その前に相談をして出すということは私どもの行政のいまの立場としてはきわめて困難で、私自身の立場で、大気保全局長としての、政府の中の一員としての立場では不可能であるというぐあいに判断したわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうなってくると、いま出ている数値というのはすべて予測値でありますし、計算値です。実際値を確かめるためにテストフライトということをしきりに言われ続けているわけでありますが、この実際値を確かめるという作業に入る以前にあらゆる手段を講じて、いま出された環境庁から運輸省に対する同意、さらにそれに先立つ十三項目に対する運輸省から環境庁への回答、この中身は地域住民の方々に対して十分に説明をし、納得をお求めになるということがどうしても必要最小限度の問題ですね。そのことが十分に納得された後でなければ実はテストフライトをするということも許されないように私は思いますが、いかがですか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 先日の十三項目の問題につきましては、地元に対して私どもあらゆる努力を尽くして説明を続けております。そして、テストフライトとの関係でございますが、私どもはその十三項目に書かれておりますことが本当に実地に合っているかどうかということをなお説得力のあるデータでお話しする方がかえって御理解を得るゆえんである、こう考えておりますので、テストフライトについてはできるだけ早くやりたいと思っておりますが、しかしそのことについても地元の御理解を得なければいけない、こう思いまして、いませっかく御理解を得る努力をしている最中でございます。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま運輸省の方からも御意見がございましたが、運輸省の方もいま努力をしておられますし、環境庁の方も十一市協に説明をいたし、それから調停団の方には御説明もし、また裁判の原告の方には、きのう役所にお見えになりまして、私どもが一時間半でございましたがお話をいたしました。それから、勝部の裁判の方の方は、これは説明ではございませんでしたが、家に参りましたときに意見を聞いてくれということで約一時間話を聞きました。そういうことで、まだこれで十分な納得を得られたとは毛頭思っておりませんが、私どもは説明をすることはもうできるだけの努力をいたしたい、こういうぐあいに考えておるわけでございますが、完全な納得というのは実際上の問題としてはなかなかむずかしいのではないかということで、私も説明いたしますときに理解と協力に最大の努力を尽くして最終的に決めなければいけないというような表現をしておるわけであります。そういうことで、このテストフライトにつきましても、これはテストフライトをしたら導入を決定したということでは毛頭ないわけでございますし、これは一つの評価の一環でございますし、またテストフライトを実施するにはどこでどのような条件でどういうぐあいにやるかということにつきまして、やはりこれは地元の方々の御意見と、また地元の協力が非常に必要であると思いますので、そこの努力は最大限のことを尽くすべきであるというふうに私たちは思っております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 本来テストフライトというのは、パイロットが路線資格を得るために行われるものなんであります。ですから、当然就航を前提としたテストフライトということになるわけでありますから、そういう点からすると、今回の騒音や排ガスを測定するのが目的というのは異例中の異例だと言わざるを得ません。したがいまして、その所期の目的というのが今回の十三項目をめぐる予測値という中身を実際において測定するのだという意味においてのテストフライトだということの確認をはっきりして、そのことに対しての理解を求めるという態度を誠心誠意やはりとり続ける以外にないのじゃないかと私は思うわけでありますが、しかし、それにしてもいまの状況のままでもしテストフライトをおやりになるとするならば、いろいろと地域住民の方々のお話を聞いてみますと、これは場合によったら実力で座り込んででも阻止してみせるとおっしゃる方が中にまだあるわけであります。外部からの、特にそういう場合にはいろんな勢力がここに入ってこないという保証はどこにもない。そういうことになりますと、流血の惨事ということも、これは杞憂にすぎればそれにこしたことはないわけでありますけれども、これもまた起こらないという保証はどこにもないのです。大変なことにもなりかねないという問題を実は抱えての問題だと私は思うわけでありますが、そうなってくればそうなってくるで、テストフライトについての理解を求める、そして住民の方々がそれに対して納得をされるというこの段階こそ非常に大事な段階だと私は思うのです。だから運輸省に対して、かたくなな態度をおとりになったままで特に激甚地域の住民の方々に接しようとなすってもそれはどうも無理なようでございますよということを先ほどから申し上げているわけでありまして、いまこの時期に、上告をお決めになったあの当初どういうふうな気持ちだったかということはこっちに置いておいて、いまのこの状況の中であの問題を据え置きにしたままで果たしていいのかどうかということをひとつ真摯にお考えいただきますように、強く私は申し上げたいと思うわけであります。  さて、その次に、これはいろいろ内容を見てまいりますと、問題点が散見されるわけですが、運輸省とされては、もし大阪国際空港にエアバスを導入される節、どういう機種を考えていらっしゃるわけでありますか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 従来エアバスと言われておりましたものが、いわゆるトライスター、ロッキードL一〇一一、それからボーイングの747SRでございますが、ごく最近日本航空はDC10を導入いたしました。数は少のうございますが、これもエアバスの一種と考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 今回の十三項目に対しての回答の資料を見ますと、DC10に対して、騒音についても排ガスについても資料が全くございませんね。これはお認めになるでしょう。そうしますと、あそこに導入される機種について、排ガスがどういうものであるか、騒音がどういうものであるか、いまだにお答えになっていない部分があるということを確認させていただいてよろしゅうございますか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 DC10につきましては、先ほど環境庁の局長もお答えしておりましたように、新機種でございますので、まだ完全なデータがないわけでございます。  そこで、私ども、ここでエアバス乗り入れという場合にどんな機種を考えているんだというお話になりますれば、当面はやはり在来のトライスターと747ということだと思います。DC10につきましては、まだデータも不十分でございますので、十分データをとりましてその評価をいたしました上で、それを実際に導入するかどうか決めるべきだ、こう考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうすると、当面はDC10を除くあとのいわゆるエアバスと言われる中で、747SR、それからし一〇一一、この二機種を大阪空港には導入をしたいというお考えでいまいらっしゃるというかっこうになるわけですね。DC10を導入する際には、あの大阪空港というのが他の空港とは違いまして、滑走路のすぐそばに民家がある。そうして御存知じだと思いますけれども、特に問題の難点は、例の離陸時の噴射の正面に大阪の、特にこれは勝部地区でありますが、エンジンを吹かす音が物すごいものでありまして、しかも噴射をまともに受けるという民家がそこにあるという現実もよく御存じだと思います。いまの防音壁からこのDC10の場合にはエンジンが上に出るわけでありますから、この防音壁を高くしなければならないはずなんですが、この防音壁を高くするということが安全上できないというふうな事情もあるといういままでの御説明でございました。こういう問題をこのままにしたままでまさかDC10の導入というのはお考えにならないでしょうね。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 当初、DC10もエアバスの一種と考えようという雰囲気があったことは事実でございますけれども、私はいまのような問題があるままでDC10の導入に踏み切るのはやはり早計であると考えております。したがって、テストフライトもDC10は当面やらないつもりでございます。DC10導入のときには当然データの評価もし、テストフライトもやった上で入れるということでございます。  御指摘のように、後ろのエンジンが非常に高くて、特に勝部地区に対するブラストの影響があることも事実でございます。私も行ってあそこをよく承知しておりますが、あそこの防音壁を高く上げることができるかどうか、従来いろいろな問題があったようでございますけれども、従来の行きがかりにとらわれないで、防音壁を高めることによって効果があるならばそれはすべきであるというふうに考えていますが、それらを含めましてDC10対策はもう少し検討する必要があると思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そういうことは今回の資料の中には一言半句触れてないので、DC10という機種を当分は大阪空港に就航しないというお気持ちならば、そのことを明記されてしかるべきだと思うのです。やはりこれも私は一つの具体的な大事な条件じゃないか、このように思います。だから、資料からいたしますとそういう点が一つはまず問題になりますし、それから、いろいろ現用機とそれからもしエアバスが導入された場合というものを比較して、これだけ騒音は少なくなる、排ガスはNOxを除くほかはこのように問題はないという資料を提示されております。ところが、その中で見てまいりますと、現用機の中に御承知のとおりにYS11という機種がございます。YS11という機種は、将来にわたってもいまと同じように相変わらず使用されていくわけでありますか。というのは、かつて全日空の方からYS11というのはやがて削減していきたい、ローカル線についてもYS11を廃止して、そうしてこれをジェット化していくということが望ましいという案が出されております。したがいまして、YS11という数が現用機のままでこれはいろいろな数値が出ているわけでありますが、将来にわたってもYS11の数は現用機同様減らさないというふうに確約をしていただくわけでありますか。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 かわってお答えいたします。  先生御高承のように、現在YS11六十八機稼働中でございます。いま考えております第三次の五カ年計画の中では、YS11というものは大体そのままの形で温存されていく、こういうふうに考えておりますので、非常に先の時点になりますと、これは先生いま御指摘のようにYS11の後継機問題云々という議論が出てくる時点が来ることを否定はいたしませんけれども、第三次五カ年計画で考えております範囲内におきましては、YS11六十八機がほぼ大体そのあたりの数字で運用されていくのではないか、こういう前提で考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 今回、環境庁側が運輸省に対して機数の削減を求められた。そしてその削減計画に対して、渋々であったけれども、やはりエアバスを導入するということを考えれば機数の削減ということをこの節はっきり具体策として打ち出さざるを得ないということで、この二百便の中の百便、やがては百八十便という数字が出てまいっておりますけれども、これは第三次五カ年計画を上回る予定じゃありませんか。第三次五カ年計画がすべてその中にすっぽりとはまるということじゃないと思うのです。これは、第三次五カ年計画後に及ぶ計画がすでにエアバス導入の便数について運輸省の考え方として出ているのじゃないですか。そうして百便になった場合はこうだ、百八十便になった場合はこうだ、そういう数値が排ガスの予定数値として出ているし、計算値として出ているわけであります。いまお答えでは、YS11というのは第三次五カ年計画までは何とかそのまま現用機どおりに使用するけれども、それから先のことはどうもお言葉どおりだと削減されていくような向きがただいまうかがえたわけなんで、その辺が不確かじゃありませんか。いかがです。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。  ジェット二百のうちエアバスが百というところまでは実現可能性のある数字として私ども考えておりますわけで、その対比においていまのような六十八機が大体現用どおりにいくのではないか、こういうお答えをしたわけでございますが、それから先の百八十というのは、一つの仮定の上に立ってのシミュレーションの段階でございます。したがいまして、絶対的に百八十になるという確実な見通しで議論をしておるということではございませんで、ジェット機の中におきますエアバスの数が非常にふえていった場合にどうなるか。こういうふうなことをも念頭に置いて考えております。  それからまた、五カ年計画そのものは確かに五十五年まででございますけれども、周辺対策という点につきましては、これは五十八年目標というものが念頭にございますので、そのことも考えて、騒音の影響その他をやはり勘定はしていかなければなりませんので、そういう意味における二百便中の百八十便、こういう考え方でございます。  したがって、その時点でYS11が本当に六十八機びたり機数をそろえて動いているのか、こういう御指摘につきましては、いまの時点では明快にお答えをすることは非常に困難でございますが、しかし現時点において、YSにかわります適確な代替機というものがまだ見通しが立っていないという現状におきましては、私どもはやはりYS11がそのまま動いているという、これはいずれも仮定だと言われればそれまででございますけれども、そういう前提でやはり考えでいかなければならない、こういうふうに思っております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 これは一機一機について騒音値を測定するというなら、問題は別です。手法はWECPNLでいくのでしょう。そうしますと、どういう機種を一日何便使用するかというのは非常に大事な問題になってくるんじゃありませんか。そこで、いまおっしゃったとおりに五十三年度で一区切り、五十八年度で一区切り、いわゆる環境庁からの環境基準に照らし合わせて、それを守るために努力をされる便数の組み方と機種の組み方というのがやはりあるだろうと思います。  いま出されているのは、五十三年くらいまでの間はいまのYS11は現用機のまま使用されるであろうけれども、五十八年段階になると果たしていまどおりであるかどうかはわからないというお答えなんですね。しかし数字の上では、もうすでに十三項目に対するお答えは、五十三年度では二百便中百便入れたい、五十八年になってこの環境基準を守ろうとすると、百八十便を入れなければ実はこうなるんですよという数字が出ているわけですね。その百八十便を入れる背景として、YS11というものの行方というのは、非常に私は重要なポイントの一つになってくるのじゃないか、このように思います。  いま不確定要素のそのように動いている問題について、すでに数値を出されてしまっているということ自身が、私としては、どうも資料という点から考えまして、予想値でございますと言われ、これは計算値でございますと言われればそれまででございますけれども、やはりその点がWECPNLということをいろいろ計算してまいる場合に大事な一つの要素になってまいりますので、この点を明確にしておいていただかないと納得ができないんじゃないか、このように思うんですよ。  それで、その問題が一つございますと同時に、先ほど、これはいま機数とそれから機種の問題に触れましたから、続けて申し上げたいと思うのですが、安定成長下になると需要というのは六割から七割将来にわたって減ってくるかもしれない、恐らく減ってくるだろうというふうな局長の御答弁がございました。  そこで私は、取り上げたいのは、あの五十年十一月二十七日、高裁判決がありましてから後、運輸省は大阪国際空港騒音訴訟の上告に当たっての運輸省見解というのを昭和五十年十二月二日に出していらっしゃいます。先ほど私はこれにも少し触れて申しましたけれども、この上告に当たっての運輸省見解の中で、すでに予定表というのがここにちゃんと出されておりまして、予定表の中身を見ますと、昭和五十年にこれは出ているわけですから、明年というのは昭和五十一年。その「明年一月十日からジェット機の発着回数を二百十回とし、うちエアバスの発着回数をおおむね四十回とする。その後、六カ月以内にジェット機の発着回数を二百回とする。」こう書いてあります。  このときの予定表と、今回十三項目についてお答えになっている五十三年、五十八年予定のこの便数並びにエアバスの台数というのにずれがございますけれども、この間のずれはどういうわけでございますか。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 先ほどの先生の御質問の中で手ひどく御指摘を受けましたおととしの十二月の計画のときには実はこういうふうなことを考えておったことは事実でございます。したがってそれを予定表という形で出しました。しかしそのときも、ジェットの便数を二百にするのは、その中でエアバスの便数が何便だというところまでは触れ切れずにおったわけでございます。  ただ、その前に、エアバスを四十便にしますというふうなことがぽっとこう入っておるわけです。しかしその後、これを出しましたのがたしか十二月二日であったというふうに記憶をしておりますが、同じ日付で環境庁の方から十三項目の質問状をいただいたわけでございます。それをベースにいたしまして、その後の長い間の研究、検討の結果、いま考えておりますのは、その十三項目の中で答えておりますように、エアバスの数は大体一年かかって百便にいたします、こういうことでございまして、どう違うのだと、こう言われれば、そのときの考え方を改めましたと、こういうふうにお答え申すべきかと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そのよい方向でお改めになることは私はやぶさかじゃないと思うのです。ぜひよい方向でお改めを始終していただきたいと思うわけでありますが、この五十年十二月二日に出された予定表から考えますと、今回出されているこの基礎値になっている案、つまり全体の回数を離着陸何回にして、その中でエアバスを何回に組んでいくというこの案は、この当時考えていらっしゃったことに比べましてエアバスの台数がふえていますね。エアバスの台数がふえるということはどういうことになるか。確かに音源対策を考えた、大気汚染防止に対して考えたという側面を強調されるかもしれません。しかし、率直に申し上げまして、現用機に比べてエアバスになると座席数が大きくなるでしょう。一機分でどっと客が運べるという特徴を持っているのがエアバスでございます。したがいまして、この便数がふえるということは、つまり需要を増していくということになるのではないですか。先ほど、需要というのは大体六割から七割減っていくかもしれないというふうな局長の御答弁でございますけれども、本来私は、需要の動向というのは、特にこの航空機について申しますと、運賃に支配されると思っているのです。いま、この昭和五十年当時の資料と比較してエアバスの台数がふえてくる、発着回数というものがふえてくる、この問題が当然にたくさんの客を運ぶという容量を用意するということに片やなると同時に、もう一方で、私がいま申し上げる需要の動向というのは運賃に支配されるというかっこう、これはもうすでに運輸省はたびたびこの資料も出していらっしゃいますし、私もこれについて質問を二度、三度ならずさせていただいておりますけれども、国鉄の運賃に比較して航空機運賃というもののあり方が、実は航空機の需要の方向を決定していくわけであります。それから考えますと、国鉄運賃というのは、本来これは公共料金でありまして、いま航空機の運賃に比較しますと、その特徴というものは、国鉄の場合にはすべてこれに対しては原価計算で問題の処理をいたしていっておりますけれども、航空機の場合には、飛行場から保安施設から管制官から管制塔の維持管理から、すべてこれは国費で賄われるというかっこうになるわけでしょう。そこのところが国鉄の場合には、赤字路線や貨物については全部自前でこれを処理していかなければならないという立場が片やあるわけであります。そうしてしかも御承知のとおりに、航空機というのは選択的交通機関だというところにその特徴がある。したがってもうかるところだけ飛ばしていけばいい、そこに重点をかければよいという特徴が、本来はこれは選択的交通機関という側面から考えていくと許されていい要素を持っているわけであります。選択的でなくて公共的交通機関ということになりますと、その点はそうはいかないだろう。だから、これは国鉄と対比をして考えていった場合に、航空機の場合にはそういうふうな相違点がまずあるということを前提に置いて、ことしの秋にはまた国鉄の運賃が値上げされようとしています。いま東京−大阪間は国鉄の新幹線のグリーン車を利用するよりも航空機に乗った方がはるかに安いわけでありますから、いま東京から大阪まで航空機を利用しようとすると、これは切符を手に入れるのはもう大変なむずかしい問題になってきている。満席満席の連続なのですね。これを見てもはっきりわかりますように、いまやこの運賃の定め方というのは公正な競争というものを形成していない、自由競争というものの土台に乗っかってやっているかっこうになっていないわけであります。この点をはっきり確認をして、どのように運賃に対して対応していくかということを明確にお出しにならないと、安定成長時代で、将来は七割か六割は需要も減っていくに違いないなどとおっしゃったって、そうはならないだろうと思うのです。この点をはっきりとしたものになさらない限りは、恐らく、便数を減らすということもそうはいかないという事情がございますとまた説明なさるようなことになるという可能性もございます。しかも、今回のこのエアバスの乗り入れについて、従来考えていらっしゃったよりも回数をふやす、便数をふやすという、客の需要をあおっていくという側面という問題が解決されはしないだろう、このように思います。この運賃の問題に対してどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 数字のことをちょっと申し上げたいと思います。  六十年時点の国内旅客輸送の需要をはじきましたのは、たとえば昭和四十四、五年にはじきました数字を先ほど申し上げて、一億二千五百万人という数字があったわけでございますが、その後の経済情勢の変化等を勘案いたしまして修正いたしまして、第三次五カ年計画のベースになりました数字は、六十年度で六千五百万人という数字でございます。ですから、昭和四十四、五年にはじいた一億二千五百万人が六千五百万人に減ったということでございまして、見通しとして、恐らく六割ぐらいになったわけでございますが、ただ六千五百万人に減ったと申しましても、たとえばこれを五十年度の実績二千五百万人というのから比べますと、年間九%の仲び率でふえる計算になっているわけでございます。  そこで運賃との関係でございますが、私は交通政策全般について論ずる立場にございませんけれども、航空と国鉄との関係を比べますと、航空の方は、先生も御指摘のように、ほとんど航空機の運航に必要なすべての費用をいわゆる利用者負担という形で、たとえば飛行場の建設あるいは航空保安施設の整備等の費用を運営費まで含めまして全部エアラインに負担してもらっている、九九%ぐらいまで負担しているわけでございますけれども、国鉄の方は諸般の事情がありまして、かなりたくさんの国費が入っているわけであります。そういったことで、国費のてこ入れをいたしましても、国鉄運賃が年々上がっていかざるを得ない。そして、現在御指摘のように、東京——大阪間ではグリーン料金はすでに航空運賃よりも高いということでございまして、航空機を求めてくる方々の数がふえ続けております。  この点の将来でございますけれども、やはりさりとて航空運賃を必要以上に高くして需要を減らすということもいまのメカニズムでは不可能である。もちろん、これから航空交通の安全あるいは環境対策のために必要な費用がふえてまいりますが、これらはもう全部航空企業に負担させるという前提でいきましても、やはり航空機というものが持っております技術革新効果というものは非常に高いものですから、コストはそう上がらずにいくわけでございますが、そうしますと、国鉄との関係で相対的競争力がふえてまいりますので、ますます殺到するということになったときどうするかということでございますが、私は、どんなに殺到いたしましても入れ物の問題がございます。入れ物と申しますのは空港でございます。空港の場合には、その空港のたとえば滑走路の大きさとかというものだけではなくて、騒音対策まで含めた空港の能力がございます。したがいまして、おのずから限度があってしかるべきだと思います。したがいまして、その空港の立地しておりますところの自然的、社会的条件から見て限度のある空港については、どんなに需要があっても便数をふやせないというふうに考えます。そうすると、結局困るのはお客さんでありますが、困ることになってもある程度は仕方がないのじゃないか、旅行をあきらめてもらうより仕方がないというふうに私は割り切っております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 いまの最後の、困るお客様については旅行をあきらめていただく以外にしようがないという御発言でございますが、今回エアバスを乗り入れようとお考えになっていらっしゃるのは幹線路線でしょう。幹線路線については、振りかえの交通機関があるわけであります。したがいまして、お客さんの不便というものをはばかってはいるけれども振り切らざるを得ない、そんな深刻な問題ではないと思うのです。したがいまして、どうしてもエアバスを乗り入れてでもこの幹線路線についてお客さんを運ばなければいけない、それも数多く運ばなければいけない、こういう発想だけは、大阪国際空港についてひとつ切り捨てていただきますよ。  そして、大阪国際空港は、先ほど来御存じのとおり、局長も十分御認識のところでありますけれども、ほかの空港とわけが違うわけでありますから、この空港に対しては便数をふやさないということはもう言うまでもない話でありまして、この削減についてどのように考えていくかという問題が実は大切なことだと思います。大型化することによって便数が減る、減る意味においては同じだから、便数を減らしているという結果は同じだから、これでいいだろうという発想では困るので、やはり需要を減らしていくということが基本になければ、便数を減らし、それから回数を削減していくということには通じないだろう、このように私は思うわけでありますから、あの空港に対して需要をいかに減らしていくかということに対して大いに悩んでいただきたいと思うのです。そして、そういうことに対して思い切った行政措置を講じていただかないと、この問題は、大阪空港については解決いたしません。将来にわたって何便のうちこういうふうにエアバスを乗り入れて何便に削りたいということを幾らおっしゃっても、基本にある需要を削るということでなければ、この問題は十分に期待どおりに動かないというふうに私は考えております。ひとつそのことも念頭にとどめていただいて、この問題にはぜひ取っ組んでいただかなければならないと思います。  さて、今回の十三項目の中で、大きなのはやはり騒音と排ガス、この問題なんですが、まず騒音の点について簡単にお尋ねをしてみましょう。  騒音の問題で、ずっといろいろな資料がここに披瀝されているのは、いずれもICAOの測定の方法、手法によっていろいろと確かめられた数値の中身が記載をされております。わが国においてはこれに対して実測をされたという例がございますか。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。  ICAOと申しますか、十三項目の中で環境庁の方にお答え申し上げております技術的資料の音に関する主たるものは、米国連邦航空庁、FAAの測定いたしました数値、これをベースにいたしております。さらに、それを一方の参考としながら、私ども自身でも東京空港、大阪空港、福岡空港、こういうふうなところで実測を何回もしております。そういう数値もまた十分に参考に供しておるわけでございまして、特に一機一機の飛行機の音を比較いたします場合には、非常に厳密な測定を要しますので、これはFAAの資料によっておりますけれども、WECPNLを出します場合にはまた別の手法がございますので、これにつきましては、ベースはアメリカで開発された考え方でございますけれども、それをわが方の実測資料によって、わが方に適した形にきちっと直したものをベースにして使っております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 わが国の状況に合わせたベースを使って、いろいろといままでも実測をおやりになったという御説明でございますけれども、大阪空港というのは、御承知のとおり、周辺の状況というのが他の空港とまるで違いまして、住宅密集地帯が滑走路の端から千二百メーターのところから始まるというふうな大変特殊な事情にございます。特に着陸の方向について言うと、先ほど申し上げたとおり、勝部の状況は、まさに空港の端からわずか五百メーターのところにあるという状況でございまして、これはわが国の状況に当てはめたとおっしゃるけれども、大阪国際空港の状況に当てはめて考えていただかなければ困るのです。この問題がまず一つ。  それから、何回かこのことに対しても実測をやったとおっしゃいますが、騒音の問題は、これは素人でもわかる問題として、気象条件によって非常に違うのじゃありませんか。特に風の影響をきわめて大きく受ける。理論的には平均値ではとても賄い切れない条件がそこに動くわけであります。特にこの大阪の場合なんかについて言うと、やはり季節風によりまして、逆風であるときには、これは何よりも航空局がよく御存じのとおり、離着陸の地点が逆になるのですね。こういうふうな条件からいたしまして、何回かテストをしたとおっしゃるけれども、そのテストも一年を通じて気象条件によってどう違うか、逆風の場合にはどういうふうになるか、こういうことをテストなさることが本当のテストだと思うわけであります。  したがいまして、これから十三項目の騒音の問題についても、ICAOやアメリカのデータに従って、いまあるのは予測値でありまして、これから大阪空港に乗り入れるエアバスについては実測値を求めたいためのテストフライトだとおっしゃるけれども、そのテストフライトも何回お飛ばせになるのか、そしてどういうかっこうでお飛ばせになるのか、これが、実は、先ほど橋本局長も御答弁の中で少し述べられましたけれども、一つ大事な問題になってくるのです。余り安易にお考えいただかないようにお願いします。二、三回飛ばしたから、さてこれでよかろうなんというふうに、この結果を実測値としてお出しにならないように。この問題は橋本局長、どのようにお考えになりますか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 その問題、先ほども一部ちょっとお答えいたしました。私どももまだ全部考え方を固めておるわけではございませんが、テストフライトで何が具体的に確かめられ得るかという問題があるわけでございまして、年間平均というようなものはテストフライトではとうてい確かめることもできませんし、また年間平均は、たとえ飛んでみてもその測定計器と測定値にひっかかってくるほどのものではございません。そういうことで、一時間値の問題、あるいは瞬間値がどの程度とれるかは非常に問題がございますが、周辺地域での一時間値の問題と、それからその周辺地域と騒音測定点、問題の部落における騒音の条件がどういうものか。それから悪臭の問題というのが、これは例の勝部の部落で非常にございまして、これはジェットのブラストのときの問題を主に言っておるわけですが、これになりますと非常に季節的なものも中にかんでくるということでございますので、どの程度までということは、私どもはまだそういう考え方には立っておりませんが、いろいろの条件、いくつぐらいの条件をテストしてみるかということを整理した上で計画をすべきものだろうと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうすると、どれぐらいの問題をどういうふうな条件でテストしてみるかということは、テストフライトに先立って環境庁と運輸省の中でさらにお詰めになる、こういう段階でありますね。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いまの問題は、環境庁もテストフライトを具体的に計画するという段階で当然相談にあずかることであろうと思いますし、私どもも別にそれに対して逃げる気もございません。関与をする。しかしながら、自治体の人と地元の人の条件というものをどういうぐあいにテストに反映させるのかという問題がどうも図上作戦だけではいかないというところがございますので、その辺がきわめて重要なところであろうと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 環境庁の方の御答弁はそのようであります。  運輸省は、十分こういうふうな問題に即応してそれにこたえるという対処の仕方をいまとる御用意でありますね。これをひとつ確認をさせていただきます。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 テストフライトは十三項目に対する環境庁の評価の裏づけの実地試験でございますから、その方法等についてもできるだけ環境庁のお考えも聞いてやりたいと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうしますと、これは突然に打ち出されて、テストフライトを一日も早くとお考えになっていた運輸省の姿勢というものがここでまたひとつ、どうも早計に過ぎるというかっこうであります。この問題は、いろいろ内容についても慎重に慎重を期して過ぎることはないと私は思うのです。環境庁からのいろいろなお考えもおありになるはずでありますから、まず何よりも住民の方々のこの問題に対しての理解なり、それから要求、こういうものを一つは意識の中に吸い上げていただいて、運輸省の間に十分にこの意思の疎通を図って、中身が確定された後にひとつテストフライトについては改めて住民に対して理解を求めるという、こういう手順でお進めになるように申し上げたいと思うのです。いかがでございますか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 テストフライトは十三項目の実地検証でございますので、なるべく早くやりたいという姿勢は変わっておりません。やり方につきましては環境庁の御意見も十分参考にさしていただきます。そして住民の方々に対しましてはテストフライトの趣旨をよくお話しいたしまして、それで御理解を、いまでも求め続けておるわけでありますけれども、これを継続して行いたい。しかしながら、私どもとしてできるだけ早くやはりやらしてほしいと思います。これは機長路線資格のためのものと私どもやはり観念的には分けて考えるべきだと思っています。  そういうことで、まず十三項目の、本当かうそかということを調べてもらうという意味のテストフライトでございますので、できるだけ早くやることがやはり住民の方々の杞憂を解くゆえんではないか、こう考えておるわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 それはできるだけ早くと焦ることによって事をし損ずるということもございますので、ひとつその点は、早きをもってよしとするというのはこっちへ置いておいていただきたい。いままでだって、そういう焦りぎみで事をおやりになったためにずいぶん今日まで問題が持ち込まれてしまったというかっこうなんじゃありませんか。ひとつその猛省の上に立って今度は取り組みをお願いしますよ。そうでないとそれはうまくいかないということだけははっきり申し上げることがかできると思います。  さらに、これは大気汚染にもいろいろありますけれども、特にNOxの問題なんかについて、今回は環境庁が重点を置いて十三項目の中にそれを織り込んで運輸省にお尋ねになったといういきさつがあるわけでありますが、これはどうなんでしょうね、NOxの濃度というのがあの空港周辺地域全体では〇・〇七四ppm、一日平均値、大体それくらいなんですね。そうしますと環境基準値の〇・〇二ppmをはるかにオーバーして三倍以上なんです。現在ですでに実は三倍以上、一日平均値。ところがそこに、たとえこれについて寄与度が低いとはいえ、現在よりも状況が悪くなるということだけははっきり確認できると思います。特に今回の計算値、予定値と申しますか、この数値を求める行き方というのは、まず私は運輸省にお尋ねしたいと思うのですが、十三項目に対してお答えになった、大気汚染に対していろいろはじき出される数値というのはいつも同じ手法でこれはお考えになっていらっしゃるわけでありますか。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 いつも同じ手法でという御趣旨、ちょっと私、十分には理解し得ない点がございますが、この大気汚染につきましてのシミュレーションをいたしましたやり方は、まずベーシックにモード当たりの排出量というものを出します。それをベースにいたしまして十六方位の風向に分けまして一年間の風向、風速のデータをベースに取る。それは環境庁からさらに御指摘を受けましたので、三年間の追加的なデータをベースにして確認をいたしまして、その風向、風速で分けます。それから、この大気拡散のための一つの式がございます。ブルームの式というのとパフモデルというのと両方あるようでございますが、これは私、細かなことは門外漢でわかりません。それをベースにいたしましてさらに、最初は私どもそれだけでやっておったのですが、さらに環境庁から御指摘を受けまして、大気安定度、ミードの安定係数というのも入れるべきである、こういう御指摘がございました。そのためにさらに大阪の航空気象台において測定いたしました日射量、おてんとうさまの照りぐあいでございますが、これによって大気の安定度が変わってまいりますので、これをも中に加味をいたしまして、こういうふうに途中三回ぐらい手法をいろいろ変えました。そして最終的に計算して求めたものが十三項目の最終回答になっているものでございますが、この手法は実は環境庁でお出しになっておりますマニュアルにきわめて忠実に従った、こういう形でございまして、実は、いま私どもとしてそれ以上のうまい方法があるというふうには聞いておりませんので、これを使っておる、こういうふうに御理解いただきたいと思います。

土井たか子日本社会党

○土井委員 およそいろいろ手法については、いま御答弁になったことを、運輸省は一貫していままで大気汚染などの測定については使ってこられていると私は理解しているわけでありますが、先年関西国際空港というパンフを運輸省の航空局がお出しになっていらっしゃいます。これはそのとおりですね。このパンフの中の「大気汚染防止」という項目があるのですが、ここを見ますと、「航空機の飛び方等については、騒音の計算と同じように空港がフルに使用されている状態を想定しました。また、汚染発生源としては、航空機だけではなく、空港内の作業車やアクセス交通のための自動車、廃棄物処理施設、」等々ずっと書いてあるわけです。「空港がフルに使用されている状態を想定」して計算をされているわけでありますから、大気汚染の問題についても、大阪空港の場合は他の空港とこれまた違いまして、夜九時以後は発着陸いたしません。午前七時以前は発着陸をいたしません。その間飛行機が全然発着陸をしない時間帯も全部込みで、しかも、出されている今回の数値は一年の平均値であります。あの周辺に公害健康被害補償指定地域があることも御存じだと思うのですが、果たしてこういう予定値の問題だけで、なるほど言われるとおりに大気汚染というのはこれで大丈夫だと住民の方々が納得、安心されるような中身になり得ているかどうか、この辺大変問題があろうかと思うのですが、これに対してさらに環境庁としては補足強化をされていくというお考えはないのですか、どうですか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘は、日平均として出しておる、それから飛行場の動いている時間が限られておるという御指摘でございます。この問題につきましては、私どもいろいろの予測をいろいろな方法でやってみまして、予測が一番よく合ってくるのは年平均で、これはSOxでもいろいろなものをやってみました。そういう経緯がございまして、年平均を持ち出してきたということでございまして、現在のSOxの総量規制におきましても、環境基準では年平均とはなっておりませんが、計算は年平均に換算してやってくるということで、日平均がどうもいままでうまくいかないという経緯があってこうなっております。そのほかの問題は、むしろ一時間値としての問題がきわめて大きいということで、一時間値としての問題のいろいろ実測のデータ、あるいは実測からの推計、あるいは拡散モデルを使っての推計ということでやってみておるわけでございます。今後とも拡散計算というのはこれからいろいろもっと進むことと思いますし、また周辺の運輸省に対して、測定網やあるいは調査の強化ということを求めておりますので、そのデータが出てきて、また実測と合わせてみましてもっとよいやり方が将来出てくれば、私どもはそういうことを採用していきたいと思いますが、現在NOxの総量規制の手法の中でやっておる方式もやはりこのような形でございまして、時間単位をまで含めてやることはきわめて予測上無理があるということではずしておるわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 時間単位は技術上無理があるという御答弁でしたが、少なくとも飛行機は空中を飛ぶわけでありますから、拡散の理論値というのが非常にこの節問題になってくると思うのです。たとえばこのことだけを取り上げて考えても、移動性高気圧に覆われたときは、全くこの問題は別問題になってしまう。拡散の問題というのは非常に条件が変わるわけでありますから、限られた地域に集中して、このNOxにしろ、大気汚染をするところのいろいろな物質が停滞するというかっこうになっていくわけですから、気象条件によって非常に違う、季節によって非常に違う、こういう問題が一つはございます。  そこで先ほど来私が申し上げているテストフライトの条件についても、まんべんなく当たってみるということが必要最小限度このテストをやる場合の大事な要件でございますから、一回や二回飛ばして、これでテストフライトは終わりましたというかっこうにはとてもなる問題じゃないと思うのです。ですから、この辺は適切な条件というものを幾ばくか年次計画でピックアップして、テストフライトをそういう条件に当てはめてやるということで初めて意味を持つのではないかと思われる節もございます。これは環境庁とされては、えらいまた運輸省の方は焦っていらっしゃるような御様子も先ほど来見えますけれども、テストフライトの問題については、やはり条件をどういうふうにつくるかというのが当面は私は非常に大事な問題ではないかと思いますので、環境庁とされては、私がいま申し上げているようなことも念頭に置いて、一つはテストのあり方ということを運輸省との間で詰めていただきますようにお願いを申し上げたいと思いますがいかがですか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま先生のおっしゃったテストフライトの条件をどうするかということは、私どもきわめて重要なことだと思っておりますが、テストフライトを普通一年間もずっと続けていくということも、これまた実際問題としてそういう形のテストというのもなかなか珍しいのではないか、そういうことで、どのような条件をテストしなければならないかという条件を洗い出してみるということが一つでございます。  それからもう一つは、これは御批判があるかと思いますが、段階的な導入という問題の言い方は何かといいますと、そこの段階的なところで全部アセスをしては、それの結果を公表して評価をして判断をしていくということと、両方コンバインしながら対応する必要があるのではないかということを現在の段階では考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そこでこの問題については、最後にお尋ねを運輸省にしたいわけでありますが、段階的に便数については考えていくということにあわせて、いまいろいろ条件に対しての調査を進めるという趣旨の御答弁がございましたが、この段階的に便数を変えていくという問題についても、先ほど来の御答弁では、五十三年の時期においては、WECPNLを基調に置いて考えた場合には、エアバスを少なくとも百回というふうな構想がすぐに出されておりますが、それ以後の問題については、条件はまだ出ていないように私は思うのです。五十八年には百八十回とおっしゃるけれども、先ほどの御答弁からすると、他の機種がどういうかっこうになるか、組み合わせがどういうことになるかというのが実は大問題になってくるわけでありますから、したがいまして、その辺はまだ段階的にどういうふうな組み合わせでどういう機種を何回考えるということについては、お考えは確定していないと確認させていただいていいですか。いかがですか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 私ども何もかも五十三年中間目標のクリアということが先決問題でございますので、これに向かって全力を投入するわけでありますが、五十八年のことにつきましてはまだ不確定要素もございますし、それはそれに必要な段階で十分検討してスケジュールを立てたい、こういうふうに考えております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうすると、五十三年のエアバス百回というのも、WECPNLから見れば、予測値としてそうしないとこれをクリアすることができないということが言えるだけの話でありまして、実際問題としてはそれができることかできないことかということは未知数ですね。いかがです。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 これは私ども従来いろいろなケースを想定した推測によりましては必ずクリアできる自信を持っておりますけれども、それは先ほど環境庁の局長もお答えしていましたように、段階的投入というお話がありますが、これは常時監視体制がありますと、常時監視センターからのデータを刻々に私どもも手に入れまして、常にモニターをしながら進めていくべきであると考えています。一たん決めたことだから、どんな結果が、私どものもくろみに異なっていようと何であろうと強行するということは考えておりません。あくまでも実証的なデータに基づいて、そのデータによる御説明をしながら進めていきたいという態度は変えないつもりでございます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 先ほど最後に運輸省に対して、周辺の方々に対しての防音施設の問題や周辺整備機構に対してのお尋ねがございました。私一つ気にかかりますのは、この航空機騒音防止法によって、いま騒音対策指定区域内でいろいろ騒音対策事業が対象家屋に対して行われるわけですね。そういうことになってまいりますと、エアバスが導入されるという見込みから、だんだん防音対策をやるという中身が減っていくんじゃないか。つまり、エアバスを導入することによって騒音が減るわけですから、減るということになると、これに対しての対策というのもいまに比べると少なくて済むという見込みを運輸省自身が立てていられるのではないか、こういうことがしきりに気になるわけですよ。早くも、ことし昭和五十二年度の公害対策関係事業費調べを見てみますと、大阪国際空港周辺整備機構というのは五十一年度が九十四億、ことしは七十六億と十八億も減っています。いかに周辺整備機構に対して熱意を持ってこれを取り扱うことをいたしますと御答弁をなさろうと、周辺の方々に対しての防音対策に誠意を持って取り組んでまいりますと御答弁なさろうと、こういう現実を見てまいりますと、おっしゃることと実際とは開きが出てきているじゃないかという気持ちを込めて私がいま申し上げるのは、国が空港周辺に対しましていろいろ防音対策をなさるわけですが、対象家屋というのが、昭和五十三年の十二月を一つ例にとってWECPNL八十五以上、これに当たる家屋が三万六千戸ぐらいと言われるのが、エアバスを一日百便もし五十三年度に乗り入れたとするなら一万千戸に縮小することができる、したがってこれで騒音の防止事業というものがいまよりずいぶん縮小されていく、これは予想値ですよ、単に計算値でありますけれども、こういう結果が出てくるわけであります。昨日でしたか、ニュースで聞くところによると、いまコンピューターではじいただけでも、現在の防音施設を施している家屋よりも運輸省としてはさらに多くの家屋に対して防音工事を施さなければならないという今日ただいまの問題があるということが報道されておりましたが、コンピューターではじいて一体どれくらいの戸数をいまよりふやしていかなければならないということを運輸省としては認識をされているわけですか。そうしてまた二問目には、五十三年度エアバスを百便乗り入れるということを前提にお考えになって、この騒音対策というものに対していまより少なくて済むという認識で、これに対して縮小されるということは断じてないでしょうねという確認を。二つこれはお答えいただきたいと思います。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 後の問題、ちょっと私から先にお答え申し上げます。  私ども、実は五十三年目標をクリアするためいま考えております施策は、本当に背水の陣という考え方でございまして、国の財政その他の力から考えて、ぎりぎりいろいろな方策を講じて五十三年がやっとクリアできるというふうに考えておりますので、エアバスが入るなら対策を減すということを考える余地は全くない、そのぐらいぎりぎりのところでやっと五十三年クリアできるということになっているわけでございます。御理解いただきたいと存じます。  それから第一問につきましては、飛行場部長から少し詳細に御説明申し上げます。

梶原清運輸省航空局飛行場部長

○梶原説明員 予算の関係でございますが、大阪の周辺整備機構におきまして実施します五十一年度の民家の防音工事の予算は七十一億、五十二年度は八十五億を予定いたしておりまして、民家の防音工事に関する限りは予算がふえておるわけでございます。  固有事業の関係につきましては、事業の進展は思わしくございませんので予算の予定額は削られております。  また、現在第一種区域といたしまして指定しておりますのは、おおむねWECPNL八十五のところで線を引いてございます。それから今度五十八年目標値でやりますときには、先般からお話がございましたようにWECPNL七十五になるわけでございますが、もしエアバスが実現しませんでしたら、その範囲をぐっと広くとらなければいけないということでございまして、現在の八十五の区域よりも広まることは間違いございません。その点を申し上げておきたいと存じます。

土井たか子日本社会党

○土井委員 最後に一問だけ環境庁長官にお尋ねして終わりにします。  先日環境庁長官は、環境行政に対して基本的な施策を表明されたわけです。長官も御存じだと思いますけれども、太平洋のミクロネシァのパラオ島に大きなコンビナートが建設されるという計画がございます。これに対しては、もちろん日本政府が関与している計画でありますから、先日、外国人であるアメリカのハーバード大学の研究所のジュリアン・グレッサー氏、同時に米国の天然資源保護委員会の委員であるルーピー・コンプトン氏が請願者代理人として請願をされたわけであります。この請願受理に当たって、外国人の請願を受理することが許されるか許されないかで少し論議を呼んだようであります。これは端的に申し上げて、日本国憲法の十六条や国会法の七十九条に基づく請願の中から外国人の請願を受け付けないという積極的規定はどこにも見えておりません。特にこの問題は、国際的にいま関心を呼んでいる問題でもあり、日本政府が特にこの事業に対して関与しているという観点からして請願を受け付けられてしかるべきだと思いますけれども、環境庁長官としてはどのようにお考えになっていらっしゃるかをお聞きして、次回、またこの問題に対しては、具体的に環境保全という立場から質問をさせていただきたいと思います。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 パラオ島の計画について日本の政府が関与しているかしていないかということを私、現在資料、情報を持ち合わしておりませんのでつまびらかにいたしません。個人的に関心のある問題でございますけれども、いずれにしてもアメリカは、NEPA等私たちも大いに参考にするような環境基準というもの、アセスメント等非常に進んだ施策を持っている国でございますので、そういう規制の中でアメリカの統治下で行われることでございますから、仮令それが実現するとしてもいろいろな配慮が施されることだと思いますけれども、片方では自然保護という問題が起こってくると思いますが、現在のところ情報、資料等確かなものを持ち合わしておりませんので、研究させていただいた上で所見を述べたいと思います。  そしてまたこの請願を受けるか受けないかという法的な問題につきましても、私いまちょっと見解を持ち合わすほどの資料がございませんので、研究して後ほどお答えさせていただきます。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 この際、午後一時二十分まで休憩いたします。     午後零時四十八分休憩      ————◇—————     午後一時二十九分開議

島本虎三日本社会党

○島本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、土井委員の発言に関し、環境庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。石原環境庁長官。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 土井先生の先ほどのパラオのCTSの問題でございますけれども、陳情を環境庁に要求される場合には、喜んでお会いいたします。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 質疑を続行いたします。岡本富夫君。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 午前中に引き続きまして、大阪国際空港のエアバス導入問題について質問をいたします。  最初に、運輸省の航空局長に、エアバスのテストフライト、これは大体いつごろおやりになるつもりですか、一遍お聞きしておきたい。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 実はなるべく早くというふうに思っておりますが、具体的にいつからということをきょうまだこの段階では決めておりません。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 新聞報道によりますと、三月中だとかそういうようなことがちらっと出てくるわけです。あなたはそういうようにこの正式の答弁、こういうところではそういうふうに発言されて、それでちょこちょこアドバルーンを航空局は上げておるのではないかという疑いがあるわけですが、はっきりまだ決まっていないのかどうか、もう一度明言していただきたい。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 私どもアドバルーンを上げたことは一回もございません。そして、今日まだ具体的にいつからということは決まっていないと申し上げたわけでございます。なるべく早くというつもりは、私どもはなるべく三月中にはやりたいと思っております。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 大体三月中にテストフライトをやって、そしてそれによって続いて導入していこうという考え方のもとにこういった試験飛行をやろうとしているのか、これをひとつお聞きしたい。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 私どもはテストフライトは、環境庁にお答え申し上げました十三項目の実地検証というつもりでやるわけでございます。それによってはなお一層地元の御理解を深めていただきまして、その上でエアバスの乗り入れを行いたい、こう思っております。ただテストフライトの結果につきましては十分地元に御説明申し上げまして、理解をいただく努力は重ね、その上で乗り入れをしたい、こう考えているわけでございますが、何かベルトコンベヤーのようにテストフライトをやったらもうすぐ導入というふうに、直ちに短絡して考えているわけではございません。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 なぜこういうやかましく言うかといいますと、あれはおととしの末でしたか、非常にエアバスの導入について反対をしておるのに盛んに入れようとした事実がありますが、先ほど与党の方の質問の中で、五十年の十二月に大体運輸省としてはエアバスを乗り入れるような考えであった、そういう計画に対して、五十年の十二月に環境庁から非常に当を得た申し入れがあった、そのためにストップしたのだというような発言がありましたが、これは両方からひとつお聞きしておきたいのです。長官、このことは知らぬだろうが、大気保全局長と航空局長、両方聞いておきたいと思います。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま先生のお話のございましたように、運輸省の側がエアバスを導入したいという意見を表明されましたので、十二月二日に急遽環境庁大気保全局長名の書類を運輸省に出しまして、この十三項目についての評価をちゃんとしてみないことにはそういうことを決めるべきではないということをやった事実はございます。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 環境庁からのお申し入れをごもっともと思いましたものですから、エアバスを直ちに入れるという計画を中止したわけでございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 航空局長、そういういいかげんなことを言ってはいけませんよ。これは日にちを間違っちゃいけない。環境庁から長官の名前でこういう申し入れがあったのが十二月一日。それから、大気保全局長から十二月二日です。ところがあなたの方では、あの当時ぼくら論議したのを覚えているのですが、十二月のたしか中ごろだったと思うのですが、十二月に入ってからまだここで論議して、そうしてそのときもまだ、前の局長は中村大造さんだったか、廃止するという、要するにエアバスをストップするということは言わなかった。したがって、これは、ロッキード問題が起こって、そうして世論があって、どうしようもなくなって中止しているのですよ。決して環境庁の申し入れによって中止したのではない。これは両方から聞いても、いますぐにそうでございましたとは言えないでしょう。  そこで、環境庁にお聞きしますが、長官にまず一番根本問題をお聞きしておきたいのですが、裁判の判決、これについては一般の国民であろうと行政庁であろうと法人であろうと、これに従うのは普通じゃないかと思うのですが、いかがですか。この点一般の常識ですが……。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 そのように心得ます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 五十年の大阪高裁の判決の主文ではありませんけれども、それに至るところのいろいろとした意見が発表されておりますが、そのときに、  今後の対策について  (1)音源対策   被告の主張どおりの効果を確実におさめることは 被告というのは運輸省のことを言っておるのですよ。  必ずしも期待しがたく、704、トライスターとも、ダグラスDC8に比べて数ホン程度の低減にとどまる可能性があると考えられる。したがって、エアバスにかえたとしても、原告ら居住地域においては依然として九十ホン前後ないしそれ以上の騒音に暴露されることは免がれないこととなる。  (2)排気ガス対策   エアバスの燃料消費量及び排気量が著しく大きいことは、容易に推測されるところであり、747一機(ジャンボ機)あたりの排出汚染物質の量は、DC8に比べて一酸化炭素はやや少なく、炭化水素はかなり少ないが、NOx(窒素酸化物)は四倍以上であり、アルデヒド類も多い事が認められる。  (3)事故対策   エアバスがその設計上の高度の安全性を誇り、統計上も従来の事故発生率が低かったとしても、事故発生の危険性が絶無ではありえず、一たん事故が起きた場合に地上に及ぼす被害も在来型機に比して一層大きいであろうことは容易に推測され、この点の原告らの懸念を杞憂とするわけにはいかない。また、このような大型機が頭上を低空で飛行する場合に受ける威圧感も無視しがたいものと推測される。  結論   そうしてみれば、エアバスの導入によりある程度の騒音低減の効果を期待できるとしても、なお、原告ら指摘のような難点を否定し去ることはできないのであり、被告のすべての主張立証をもってしても、エアバスが有効な対策であることについて、いま直ちに原告らに対する十分の説得力を有しないことも、やむを得ないところである。  こういうように大阪高裁の判決の中でエアバス導入についての意見が述べられておるわけです。これを住民の皆さんもよく知っているわけですが、説得に当たって私はやはり次の最高裁の——いま上告しているわけです、住民も上告しておる、それから運輸省の方も、国側も上告しておるわけですから、この最後の最高裁の判決によってはっきりしてくるのではないか。ちょうどいま争っている最中に導入しようという考え方はどうも私は納得できない。地元の皆さん方もこの点について、裁判中じゃないか、普通であれば裁判中だからそういうことだ、こう言うのに、それなのになぜこういうものを導入して一生懸命に押しつけてくるのだろうという懸念があるわけですが、これについて、これは運輸省の方からまず聞きましょうか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 ただいまお示しの高裁判決に触れられております諸点でございますけれども、騒音問題、それから排気ガスの問題、この二つにつきましては、その二点を中心にいたしましてその後環境庁との間で私ども技術的な研究、検討をしたわけでございまして、その結果は先ごろ環境庁にもお答え申し上げて、環境庁もその結果を評価してくださっているわけでございますので、こういうことを申しますと私大変口幅ったいのでありますけれども、これは高等裁判所が判決をお書きになる前にいろいろお調べになったデータよりも、今日環境庁で評価をくだすったデータ、この方がやはりより一層進んだ検討の結果が示されたものであるというふうに理解をしておりますので、その点は判決は判決でございますからその文章はそれでいいのでありますけれども、事実は、つまり検討結果というものによりまして実際の理解というものは違ってきてしかるべきものというふうに考えているわけでございます。  それから、安全性の点につきましては、これは今回の評価と関係ございませんが、航空機というものの性格上その安全性ということはもう何よりも優先的に考えるべきでございますし、全国の各空港、これは世界じゅうどこでも同じでございますけれども、飛行機の安全ということにつきましては最大限努力を払っているわけでありまして、特に大型機になりますと仮に事故が起こった場合の影響ははかり知れません。ましてや大阪のように周辺に人家が密集しておりますところで事故が起こりますと、これはもう言語に絶する被害が起きますので、絶滅を期していろいろな対策を講じておりますので、今後ももちろんその点はしっかりやっていくつもりでございます。  そこで、最高裁の判決を待ってからエアバスを考えたらどうかという点につきましては、私ども実は先ほど来いろいろ申し上げておりますように、五十三年中間目標というのが目前に迫っておりまして、これに何とでも合格しなければならないというのがあります。そのための方策はいろいろと講じておりますけれども、どうしても音源対策として低騒音大型機の導入をいたしませんと五十三年の環境目標が達成できないというところから、最高裁判決を待っていられないという現実があるわけでございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 どうも真意はそこでないのではないか。どうも最高裁の判決が出てくると、結局これと同じような、要するに運輸省が全面敗訴をする。それまでのうちに何とかこのエアバス導入の事実をつくりたい、これに手助けをしているのが環境庁であると言わざるを得ない。なぜかならば、四十九年十二月十日に一審の判決が出た。エアバスについても同じように触れられておりますのに環境庁は知らぬ顔をしている——知らぬ顔をしていると言うとおかしいですけれども、こういう申し入れも何もやっていない。私どもは当委員会で相当この飛行場問題、航空機の騒音問題については四十二年からやかましく言っておる。ところが、やかましく言いながらも、万博を控えてどんどんどんどんふえてきた。そして、先ほど申しましたように、四十九年十二月の第一審の判決には環境庁は知らぬ顔をしていた。その上告に対しても、地元の皆さんからも相当な陳情もあったけれども、こういう申し入れ、あるいは環境庁長官の意見というようなことも聞けなかった。ただ、あのときはたしか三木さんでしたかな、勧告はしますというようなことであった。しかし、こういった十三項目というのは、これだけ満たせば大丈夫ですよというような、同意できるような、近いような、こういう技術的なものはお出しにならなかった。しかも私が四十八年でしたか、大気局長はその当時は春日さんだったが、大型機、すなわちエアバス、こういうものが大阪空港に入ったときはどのくらいの大気汚染の寄与率があるんだ、窒素酸化物の寄与率は約八倍になるんではないかというようなことをお述べになったこともここで聞いておるわけです。したがいまして、そういう一連のいままでの流れから見ますと、先ほど申しましたように、どうも最高裁の判決以前にエアバスの導入の事実関係をつくりたい、これが真意ではないかと思われるわけです。そのとおりですとあなた方はおっしゃらぬと思いますけれども、非常にこの点が懸念されるわけです。  そこでお聞きしたいのですが、環境庁はこの十三項目の申し入れがきちっと達成されるならば導入に同意するという考えがあるのか、これをひとつお聞きしておきたい。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 十三項目についての評価というのは、これは技術的な問題でございます。それから、それに対する環境庁の見解というのは、行政上の判断の問題として現在まで運輸省にストップをかけていたのを取ったというだけでございまして、運輸省と何から何まで完全にすべて同じことを言っているからということでは全くございません。権限を行使するのは運輸省でございます。ですから、そういう点で大臣が午前中にもお答えしましたように、合意という表現は実は正確ではなくて、ストップをかけていたのを取った、その後の決断をどうこうするということは運輸省の権限に属し、運輸省の責任であるということでございます。  また、最高裁の判決の前に云々というのは、そのような意図は毛頭ございません。この問題につきましては行政と司法の間の問題として最高裁に上がっているということとわれわれは理解しておるわけでございますが、本来この訴訟は騒音に対して損害賠償を払え、それから七時から九時まで飛行機を飛ばすな、これが訴状の根幹でございます。高裁の判決の中にございました今後の対策云々といいますものは、裁判官としての心証の問題あるいはそれに関連したことをお述べになったということであって、訴状そのものに対する判決の、いま申しました補償の部分と、それから七時から九時という問題とは、またこれは別個の問題ではないか。環境庁はもともと司法とは別に行政でやるべきことはどしどし進めるべきであるということでございますし、それほどまでに来た深刻な航空機騒音による公害問題を少しでも解決するということを前進させるのが大事だと思うのです。  最後の一点は、十三項目さえよければそれでいいのかということでございますが、いろいろの条件を環境庁は付しております。あの条件は環境庁として運輸省に要求をしているということでございますし、またそのほか午前中申し上げましたように、エアバスだけを評価して、エアバスだけを判断したらああいうことになるが、周辺整備の事業の問題は、本当は一番根底ではないかという考え方を持っておりますので、これを運輸省に強く要請をしておるところでございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 主文ではありませんけれども、今後の対策についてのエアバス導入についての大阪高裁の意見ですね、はっきりした、明確に与えられた意見なんですね。しかも、こういうわけだからこうだという一つの理由なんですね。そうしますと、私は、環境庁がいま、少しでも向こうの住民のためを思って、こういうような話でありますが、話が二つになりましたからおかしいのですが、それならばなぜ、私たちこんなに当委員会でもやかましく言っておったところの四十九年のあの第一審の出たときにそこまでやらなかったのか。これは、高裁の判決が出て、最高裁に行っても、これはどうもということになったからというように先ほど申しましたが、翻って言うと、それならばなぜ第一審のあの判決のとき、いわんやまた、判決でなくたって、私たちがここでやかましく言っているのに、なぜそこまで、この十三項目に近いものをあなた方はお出しにならなかったのか、ここの疑点がどうしてもぬぐわれぬわけですね。この点に対して、答弁はいかがですか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 当時私は大気保全局長でございませんで、前任の春日大気保全局長の時代であります。これは責任問題ということよりも、認識の仕方がその時点においてやはり違うのではないかということでございまして、先にこのようにしたから後の時点で積極的にやるべきことをやめるいわれは毛頭ないというぐあいに思っております。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 そうなりますと、水かけ論になるんですけれどもね。当時の大気局長であった春日さんは、ぼくに対して、先ほど申しましたように、ジャンボ機を入れると八倍ぐらいの、細かいあれはできておりませんけれども、八倍くらいの汚染があるのではないかというようなことを言っていらっしゃるわけですね。当時私は違うからと言われたのでは、これはどうもならぬわけですがね。  環境庁は、国民の健康保持のために努力しなければならない庁だ。ところが前にやらなかったということは、結局は環境庁の怠慢であった、こういうように長官、判断していいのですか。環境庁が怠慢であったのか、あるいはまた、いま言いますところの最高裁判決までに導入をしようとする運輸省に同調をするのか、この二つ、どっちかで結構ですから。

金子太郎環境庁長官官房長

○金子政府委員 当時のいきさつなどから御説明申し上げますと、五十年の十二月に十三項目について運輸省に調査をお願いしたというのは、判決がおりたからではなくて運輸省がエアバスを導入するとおっしゃるので、それならばエアバス導入にするかどうかに必要なアセスメントをやってもらわなければ困る、こういうことで十三項目を出したというふうに了解いたしております。  それからもう一つは、五十年の暮れには、四十七年の閣議決定で始まりましたアセスメントというものがようやく、事実上の実効の問題点はございますけれども、軌道に乗ってまいりまして、私どもこういうことについてアセスメントを要求して少しもおかしくない、また相手の役所も違和感がない、こういう段階になっていたように了解いたしております。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 金子さん、後からあなた来られたからそういう答弁ができるのですけれども、そうではないのですよ。もう第一審の判決のときから運輸省は、この軽減をするためにはエアバスしかないんだ、そして、こうすれば騒音も少なくなるんだということは再々向こうも言うているんですよ。住民の方は、それならばまず対策をきちっとやってくれ、いままで何遍かだまされたことに対しての、だから裁判にまで持ち込んでいるんだという不信感がある。だから、あなたがおっしゃったように、五十年の十二月になって初めて運輸省がエアバスを入れようとしたのではない。これは、あなた事情を御存じないからいたし方ない、あなたは大蔵省から来たからわからぬと思うのですけれどもね。二人とも——困ったな、これは長官に、どっちだったと思いますか、こう聞くしかないな。本当にそのころから、一審のころ、その前から、もう大型機、大型機とやかましく言うておったのです。そうでなければ、一審の訴状の中にエアバスなんか出てこないのですよ。二審も同じことなんですけれどもね。エアバスを導入するということは、運輸省が全然何にも言うてこなければ、そんなこと訴状に載せるのはおかしいのですもの。そうでしょう。ですから、あなたが答えたらよけいおかしくなるのと違いますか。  この点がまた非常に心配。心配というよりも、地元の皆さんもその点について、これはどうも環境庁と運輸省と、同じ政府内だから裏でサル芝居をやっているんじゃないか、話し合って、そして十三項目で、これならこうだ、だから環境庁の方はこれで厳しくやっています——向こうと話し合って、厳しくというのだからこの辺はちょっとぐあい悪い、便数の削減がちょっとぐあいが悪いというぐらいのところで押しておけというようなことで、これ一つ一つ見ると皆話し合っている。この点が非常に疑義があると私は思うのです。これに対しての答弁は、ちょっとお二人とも、長官もむずかしかろうと思うのですが、いけますかどうですか。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 私、就任いたしましてから、この問題につきましても段階的に報告を受けておりますけれども、今回の環境庁の判断と申しましょうか姿勢を決める段に、運輸省と陰での話し合いというのは一切ございません。また環境庁の見解の文書の中での、場合によっては便数を削減するという条項も、私たち独自の判断で、いわば一方的につけ加えたものでございます。ささやかな例かもしれませんけれども、先生御懸念のような事態はないものと、私、思います。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 どうもそういう懸念がいたします。なぜかならば、たとえば十三項目の提出をいたしましてから、そしてこの三月三日の日に運輸省から環境庁に対して返事があった。ところがもう五日の日にはあなたの方で見解を出している。なぜこんなに早く見解が出せるのだろうか。裏で全部話し合ってきた、こういうことでしょう。私が予算委員会で長官に、こういう三日の運輸省の見解に対してあなたはどういう考えですかと聞くと、いまもらったばかりだから、きょう入ったところだからすぐわからない、こうおっしゃった。ところがもう五日には見解が出ている。なぜそんなに早く簡単に、ずさんじゃないかと言うと、いや、もう長くから打ち合わせてきたのだ、こうでしょう。どっちが本当かわからなくなってくるのです。長官、何か意見があったら言うてください。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 予算委員会でお答えしました段階で、十三項目についての運輸省の最終的な回答と申しましょうかがありましたことに関しての環境庁の見解云々ということは、あのときの答弁のとおりでございますけれども、しかしその以前に、決して運輸省との取引という形ではなしに、運輸省が十三項目にわたりましてしております調査の過程的な報告を受け、また環境庁も環境庁なりの指導なり助言をしてきたことは私承知しておりますし、午前中にもお答えいたしましたように、局長別で四回の会談も行っておりまして、今回の場合には、運輸省が公式に提示した資料というものが、私たちがその過程において伺ってきたものと果たして正確に重なるものかどうかということをチェックすることで済んだというわけで、わずか四十八時間で結論が出たということでございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 そうしますと長官、先ほど大気保全局長は、十三項目のこれが満たされた場合、これに対しては、これは後エアバスを導入するのは運輸省であると私は関知したいんだというような御発言であった。先ほど申しましたように、一審のときに環境庁はそういった細かい技術的な、あるいはまた周辺対策、いろいろな、これを見ますと相当細かいことが出ておりますが、そういうようなことをやらなかった、今度五十年十二月に初めてやったということは、先ほど申しましたように、非常にその点は、これは上告をする前でしたから非常に最高裁を懸念してやっておるのではないかというような、先ほど申しましたような感じがするわけですが、私は、運輸省が勝手にこれからやるんだということでは、あなたの方で、環境庁でいろいろチェックしたのはチェックしただけのことでしょう、どうなっているのですかと聞いただけのことです。勧告権というのはあるはずですね。この行使はできるわけでしょう。この点についていかがですか。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 当然、勧告権にのっとりましてと申しましょうか、先ほど申しましたように、十三項目の申し入れでストップをかけサスペンドしていたものをストップを解いたということで、今後エアバスの導入を実施する際のテストフライトに関します条件の整備でありますとか、その他数項目にわたりまして環境庁の方からエアバスの導入実施に至るまでの条件の申し入れというものをしております。御必要ならば詳細大気局長から御報告させます。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま大臣がお答えになりましたが、若干補足して申し上げますと、先ほど申し上げましたこのストップを外したということでございまして、これは決定する権限と責任は運輸省にあるという法的なことをはっきり申し上げたわけでございます。私どもは、この技術的な評価と、それに基づく環境行政としての見解を示したという範囲内にとどまっておりまして、これはいまの環境影響評価のときに環境庁がどのような役割りを果たすかということの一つの形として示したわけでございます。  そういうことで、その後は何も知らないというようなことは別に考えておりませんで、この書類の中でもいろいろ導入決定するに先立ってテストフライトをちゃんとしなければいけないという問題、あるいは理解と協力を得るために最大の努力をしなければいけないという問題、また最終導入を決定するに至った場合もできる限り窒素酸化物の排出の少ない機材を使用するとか、あるいは段階的に増加を図れとか、あるいは総便数の削減を行うということを出しておりまして、これがもしも全然無視をされたというような、環境庁の所管の環境行政に関連したことを言っておる中でそれが無視をされたというような場合には、環境庁として非常に強い立場で臨まなければならないし、勧告権云々の問題は、その場合の勧告権というよりも、むしろ私は、環境庁として将来勧告をするような必要性があるかどうかという問題になりますと、この総量削減という問題はその問題にかなり関連のある問題ではないかと思います。それまでのものは、やはりこちらから強く要請をし、また協力すべきところは協力しながら、一体の政府としてやっていくということが基本だと思っております。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 ちょっと申し添えますけれども、簡単に申しますと、防音装置の完備等、そういう周辺の整備に関していろいろいままでも不信があったようでございますが、環境庁が横から、勧告と申しましょうか、申し入れいたしまして、この際やはり運輸省にはっきりと一札を住民の側に入れていただくというような措置と申しましょうか、姿勢で臨むつもりでございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 周辺住民の皆さんに一札を入れていただくというのは、何の一札を入れるのですか。どういうことですか。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 一札というのはちょっと抽象的な表現でございますけれども、たとえば防音装置を施す部屋数等、住民の方々の申し入れは非常に妥当と思われる節がございますので、そういったものはやはり運輸省の側でも受け入れていただきまして、住民の不安なり不満というものを取り除いていただくように、はっきりと誠意を持っての措置をしていただくように約束をしていただく、はっきりとした約束を守っていただくということを環境庁も強く申し添えるつもりでございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 航空局長、この住民の皆さんに長い間迷惑をかけてきたわけでしょう。本当にこの人たちの納得というものかいかなければ——これは判決でもちゃんとこういうふうに出ておるわけですから、住民の皆さんの納得を得て、あるいはまた伊丹の調停団の調停申請しておる方々も、結局エアバスについては納得をしてから、了解をしてからというようなこれは調停になっておるはずです。それができるというのは、私は、一つは何と申しましても最高裁の判決であろうと思うのですよ。要するに裁判所で争っておるわけですから、そこでできたんじゃこれは住民も仕方がない。したがって、そんなに長くならないのじゃないですか、これは判決も、いままでの経過から見まして。それまでにごり押しに押し込んで事実関係をつくろうというような魂胆はもうやめてもらって、ひとつ、あなたの方は何か五十三年度の目標とかなんとかおっしゃいますけれども、それならば便数をふやすこともできるし、これはやろうと思えばいままでだって対策はできることはできるのです。私が昭和四十二年にこの問題を取り上げてから今日まで約十年間、ほとんど対策らしい対策は立てなかった。私らも帰りましていろいろな大会に出るわけですよ。そうすると、あなた方は何をやっているのだ、もうこうなったら行政もそれから立法もないわけですから、みんなしんから怒っているわけです。こういうときでありますから、やはり私は、そういった納得のできるようなやり方をしなければならない、同時にまたいままで非常に迷惑をかけてきたわけでありますから、いま環境庁長官がおっしゃったような、一つ一つ周辺対策についても誠意を持ってやっていくべきだ、こういうふうに思うのですが、その点いかがですか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 私ども、大阪空港を拡張して以来今日まで、いわば地元の方々に数々の不信の念を植えつけてきてしまったことは大変遺憾でございます。  そこで、最近は猛反省をいたしまして、いろいろ周辺対策も行い、また地元の方々にも御理解のいく説明を重ねているところでございまして、今回の問題につきましても、その努力を一層強力にしていきたいということでいま覚悟しているわけでございますけれども、大変申しわけないのでございますが、五十三年の目標達成時期が目前に迫っておりますので、最高裁判決を待った上でということは、時間的にどうしても不可能になりますので、私どもとしては何としてもこれはお受けできないという立場でございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 それは、ジェット機二百四十回という、何といいますか、一つの輸送力を抑えてですから、それであなたがおっしゃっているわけですね。だが、新幹線はがらがらだし、これはほとんど大阪と東京の間だけでしょう。ですから、地元の住民のことをもう少し考えなければならぬと私は思うのです。まあ、あなたはいまここで、それならそういたしますとなかなか言いにくいでしょうから、これは答弁はとれないと思いますし、こればかりやっているとあれですから……。  そこで、もう一つ、周辺住民の皆さんが、ああこれならと納得する一つの材料がある。それは何かと申しますと、新関西空港なんです。この大阪空港の抜本的な改革は、どうしても撤去するしか——欠陥空港であるということをみんなおっしゃっている。代々の環境庁長官もおっしゃっているし、それから、最高裁でもそう言っているわけですから、新しい空港をつくらなければならぬと私は思うのですね。新空港をつくって、向こうに移せば、これはエアバスも何も要らぬわけです。周辺対策も要らない。ですから、こっちの考え方をはっきり打ち出すことも、一つの大きな方法だと私は思うのです。それだったらしんぼうしよう、こうなるわけです。  そこで、新関西空港の建設について審議会の答申が出ておりますね。この答申には、「新しい空港は、大阪国際空港の廃止を前提として、」という答申があるわけですが、これに対するところのあなた方の考え方、新空港ができてからまた使うかもわからぬというような考え方では、ぐあいが悪いのですよ。その点ひとつはっきりしてください。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 お答えいたします。  現在の大阪空港の問題を解決するためには、抜本的には関西空港の建設しかないことは、先生の御指摘のとおりでございます。  では、新関西空港ができたときに現空港をどうするのかという点につきましては、過去におきましていろいろ、たとえば運輸省の航空局長が十一市協に対してお答えした文書でございますとか、あるいは石井一先生の質問主意書に対しまして運輸省がお答えしました答弁書とかございます。それによりますと、新関西空港が完成した時点において、現空港の撤去を含めて検討する、これが公式答弁でございます。でありますから、私はこれ以上答弁する自由を持ちませんが、私自身の考え方を申し上げますと、運輸省としては、運輸省の立場からしては、新関西空港が計画どおりでき上がるならば、必ずしも現空港を置いておく必要がないと私は思います。ただ、現空港の存廃につきましては、新関西空港ができ上がった時点で、いろいろな声が上がると思います。そのときに十分地元の方々あるいは地元の関係の府県あるいは市町村の御意見を伺いまして、もう撤去すべしということになるならば、新関西空港だけでよろしい、こう私どもは思っておりますが、そのときの地元の御意見によって判断するのが正しいのではないかと考えております。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 新関西空港を設計するに当たり、現空港の使用を前提とした設計になっておるのですか、それとももうそういうのはなくてもいいんだというような設計になっておるのか、この点ひとつ。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 新関西空港をつくりますときの諸般の考え方は、現空港がなくなっても賄えるということでつくるつもりでございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 まあそういうことであれば……。どうも内村書簡なんかを見ましても、後のところがはっきりしていなかった。大体あなたのいまのお答えで、新しい空港は現空港がなくてもできるという設計だということでありますから、これは了承いたしておきますが、見込みとしては大体いつごろ建設する見込みなのか、これをひとつお聞きしておきます。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 私ども成田の問題、それから、さらには現在問題の大阪空港の問題で大変、現地周辺地域の環境問題でいわば失敗をしているわけでございます。そこで、新関西空港におきましてはこういったことが起こらないようにということで、環境庁からの御要望も強いわけでございますので、まあ模範的な環境事前評価をやりたいということで、実は計画といたしましては、五十一年、二年、三年の三年間、私どものもくろみでは約六十億円近いお金をかけて何とか環境評価をしっかりやりたい。その上で空港の建設に着手すべきかどうかを決めるということになっております。環境影響評価をした結果、関西新空港はもう環境問題から言って大丈夫であるというゴーの判断が出ますと、建設が五十四年から始まるわけでございます。  そういたしましたときに、どのくらいの年次でできるかという点でありますが、埋め立て空港という大変新しい手法の空港でございますので、私正確に開港時点を申し上げられませんけれども、私ども目標としては、昭和六十年度には何とか開港したいということで、いま物を考えているわけでございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 要するに私の言わんとするところは、そういった、大阪空港周辺の皆さんが大体いつごろになればこんな毎日、毎日の苦しみが抜けるだろうという一つの目標があれば、しんぼうはやはりしてくれると思うのですよ、いままでしんぼうしておりますからね。これがいつかわからぬということになれば非常に心配だということでありますので、一応の見通しをお聞きしたわけです。  あと、技術的ないろいろなことを聞いても、一番根っこの方が要するにエアバスを導入するのを推進するような考え方の質問をしても仕方がありませんから、やめておきます。最後に、周辺対策で一点だけお聞きしておきたいのは、大蔵省の方、来ていますね。これは私がたびたび四十五年ごろからやかましく言いまして、航空機燃料の譲与税を取っていただくことになって、今日まで各市町村に分けていただいておるわけですが、これが全部の十三分の一でしたか、道路のガソリン税と一緒ですね。これを少なくとも三倍ぐらいにふやしてもらえないか。この燃料の譲与税は初めなかったわけですが、当委員会で私がやかましく言うて、やっと各地方自治体に騒音対策のためにいただくことになったわけですが、非常に少ない。特に共同利用施設あるいはまた学校の防音装置、あるいはまたいろいろと対策を立てていただきますと、各地方自治体でそれに対するところの金が相当かかるわけです。先ほどの話もありましたが、県の方もどうしても欲しいということですが、この点について、これは私は何遍も、予算委員会でも話をしたと思うのです、愛知さんのときもですね。まだ一向変わらないのですか、どうですか、少しは変えていただきましたか。同時にことしの総量は何ぼになったか。

西垣昭大蔵省主計局主計官

○西垣説明員 お答え申し上げます。  たしか前回も先生にお答えしたことがあるかと思いますが、航空機燃料税の地方譲与分をふやしたらどうかということにつきましては、いずれ航空機燃料税の税率の改定ということが問題になると思いますので、そのときに市町村の周辺対策の状況等も十分勉強させていただきまして、その際検討したい、こういうふうに考えております。  それから、現在どの程度の額になっているかという点でございますが、五十年度までは実績が出ておりまして、航空機燃料税の十三分の二が地方に移譲されておるわけでございますが、五十年度でその額が三十三億三千万でございます。それから、五十二年度予算ではそれがどうなるかということでございますが、三十四億というふうに見込んでおります。  以上でございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 ガソリン税の税率の改正というような話がありましたね。これはもうそろそろやっていいのじゃないですか。前に一遍やってから大分になりますよ。今度石油でもいろいろとやっているわけですから、しかも不公正税制の見直しというようなこともあるわけですが、五十三年度には福田さんはいろいろなことをやると言っています、これじゃありませんけれども。今度はその点をよく検討していただいて、そして分配率、十三分の二ですか、これを少なくとも十三分の六くらいを地方自治体に分けてあげる。せっかくつくったものを国が取ってしまったのではどうもなりませんので、ぜひひとつこの点は、何遍も言っていますけれども、再考していただいて、来年は何とかしてもらいたい。来年の予算編成ですか、それには入れていただきたい、こういうふうに要望したいのですが、その点見込みどうですか。

西垣昭大蔵省主計局主計官

○西垣説明員 きょうは主税局が来ておりませんが、現在の税率になりましたのが四十九年の四月からでございます。したがってもうすでに三年たっておりますので、改定の検討の対象には来年度なると思います。  それからさっき申し上げましたように、私ども検討いたしますが、国の財源状況もそれほどゆとりのあるものではございません。したがいまして、周辺対策のために国、都道府県、市町村、それぞれ分担してやっているわけですが、その進め方の状況、財源の過不足の状況、こういったことも含めましてよく検討したいということでございます。

岡本富夫公明党・国民会議

○岡本委員 時間がまいりましたから、最後に長官、この大阪空港の、先ほどからもよくお話がありました。あなたも地元へ行ってお聞きになったと思うのですが、非常に大変な状態です。したがって、できるだけエアバスの導入については最高裁判判決が出るまで待たす、運輸省に見切り発車させないというくらいの強い決意をひとつお伺いしたいと思うのです。それが一つ。  それからもう一つは、環境アセスメントの環境庁からの提出法案、どうも新聞報道ですから真意はわからないのですが、長官が腰砕けになりかけてきたような考え方が非常に出ているわけです。この経済との調和条項というのは、四十五年の公害国会のときに公害対策基本法からはずしたのです。ですから、環境庁としてそういった後ろ向きになっては話にならないのです。ですから、この二点を決意を伺って終わりたいと思うのです。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 長官の答弁の前に、橋本大気保全局長から先ほどの答弁の補足をしたいという申し出がありますから、委員長これを認めます。長官答弁の前に発言してもらいます。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 最初の先生の御質問で、四十九年の判決のときになぜエアバスについて環境庁は介入しなかったか、どうして五十年十二月に介入したかということにつきましての私の答弁が誤解を招き、かつ不正確な表現でございましたので訂正させていただきたい、こういうふうに思います。  これを早速調べてみますと、四十九年二月の判決の中ではエアバスの問題は触れておりません。それ以前に、四十七年の八月三十一日付の運輸省の航空局飛行場部騒音対策課長から、十一市協の会長さんあてに、ワイドボデー機の乗り入れについては、同空港周辺の住民の理解がない場合は行わないという従来の方針はいささかも変更されていないという手紙が行っております。そういうことで、その時点におきまして、エアバスの話は確かに一般的な議論としてはあったのでありましょうが、そのような具体的な問題としては出ておらなかったわけでございます。そこで環境庁はあのような態度をとったわけでございます。ただ五十年の十二月の時点におきましては、運輸省が導入を声明するというところまで来まして、しかも、判決の訴状に直接関連する部門ではございませんが、このエアバスの問題が裁判の中でも触れられておったということもあり、この点に対しては慎重に環境庁として入るべきであるという判断のもとにストップをかけたという事実はございますので、その点だけを申し添えておきます。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 先ほどの御質問でございますけれども、もともとこの訴訟は、基本的な争点は騒音の問題でございまして、第一審に基づいて、夜の九時から七時までの飛行を停止する、あるいは便数の削減等、実際に実施したわけでございます。政府が上告しました理由は、行政と司法のかかわりについての本質的な問題があるとの見解での上告と聞いておりますが、いずれにしても司法は司法、行政は行政で、住民の皆さんが抱えていらっしゃる問題をできるだけ、わずかずつでも一刻も早く解決する必要があると思いますので、運輸省もそういう見地に立ってのエアバス云々ということだと思いますので、私たちも十三項目の申し入れをし、今日の結果を見たわけでございます。そういう意味で、最高裁の判決を待ってと言われましたが、それにかかわりなしに、現況のわずかずつの改善でもできればということで努力をし、また運輸省に向かっては環境庁の立場で強い申し入れ、必要に応じては勧告をしていくつもりでございます。  それからアセスメント法でございますけれども、これは決して経済との調和という形ではございませんで、あの法律ができること自体に戦々恐々としている方々がおられまして、その方々の説得のためにも、つまりこういう法律をつくることで、現在起こっている経済のための必要な開発の遅滞というものを住民の納得の上でむしろ促進することもあり得る。そういうために、できるだけ民意を反映させながら、その上で必要な開発というものを促進することのためにも寄与し得るのだという趣旨、説明の文章を入れたわけでございまして、決して腰砕けでもございませんし、むしろ積極的に関係省庁との最後の調整をいたしまして、今国会中にこれを提出するつもりでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 中野寛成君。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 今回の大阪国際空港に対するエアバス導入の問題について、私も地元の皆さんの現在心配している気持ち、そういうものをむしろ率直に、素朴に代弁するという観点に立って私は御質問を申し上げたいと思います。  私ごとですが、私自身もこの該当する地域に住んでいるわけでありますし、そしてまた数年前までは、地元十一市協に加盟をしている一つの市の市議会の中において、公害対策委員会を預かり、何回か運輸省へ陳情しに来たことをいま思い出しています。そしていま、この時点に立って、あの当時に私どもが要求してきたこと、お願いをしてきたこと、そのことがまずほとんど進展をしない中で、ただつくられたと言いましょうか、時代に対応する、そのような観点から、需要がふえるということによって、航空機が大型化をされ、そして、一時は便数がどんどんふえていく。最初プロペラ機からジェット化され、そしていま同じジェット機ですが、エアバスが導入される。いわゆるだんだんと拡大されてくるという状態の中で、具体的にそれではそれに対応して、何か対策をやったか。もちろん、個々具体的には少しずつではあっても前進をする形でお取り組みになったであろうことは決して否定するものではありませんけれども、地域住民の皆さんにとって、本当にそれを納得させ得る、そういう対策というものが、ペーパープランではなくて、具体的に本当に進められたのかということを私自身も考えて、大変心さびしい思いがするんです。それ以上に、むしろ当該地域の皆さんは、今回のこのような動きに対して、本当に腹の底から怒りをぶつけようとしています。私は、そのような観点に立って、若干の御質問を申し上げて、ぜひ誠意のある御答弁をお願いしたいと思います。  先日来、この発表がなされましてから、橋本局長、当該地域に飛んでいただいて、そして地元のそれぞれの皆さんと接して、大変御苦労なさっておられるようです。私も、その御苦労ぶりを仄聞をしながら、運輸省がいままでは悪役をやっておられたけれども、橋本さんもその一翼を担って悪役というか、大変貧乏役を引き受けておられるんじゃないのかということを言ったりしておりました。しかし、それはそれとして、大気保全局長として現地に飛ばれ、そして現地の皆さんといろいろ接しておられる中で、先ほどもお話がありました、いまエアバス導入に対して、そのよしあしを論ずるその以前に、各地域の皆さんが何を言うか、そのことを痛感をされている。それは、運輸省に対する不信、そのことがきわめて強いということを感じとっておられるだろうと思います。いままた同時に環境庁もやはり同じ仲間であったかという声がしきりに聞かれるわけです。そのような誤解をまず解かなければ、環境庁の仕事は進められないと思います。むしろ、そういう内容について、現地に直接飛ばれた橋本局長から、現地の声を聞かれた実感、そしてこれからやはりこうしなければいけないというふうに感じておられます現在の率直なお気持ちをまずお聞かせいただきたい。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま先生のお話のございましたように、私、発表の直前に現地に飛びまして、現地の方々といろいろお話もし、また御意見も二日にわたって聞かしていただいたわけでございます。率直に申しますと、裏切られた気持ちがすると言われたことは、ある意味では確かにそういう気持ちを持たれるだろうということは、私も否定できません。しかし、私自身は、環境庁自身は、そんな立場では毛頭ないということは、これは私ははっきりと申し上げたいと思っております。というのは、そういう立場であるならば、ああいうところへ一々出ていって、その説明などする気は一向に起こらないだろうと思っております。そういうことで、一つは環境アセスメントというやり方を何とかレールに乗せたい。エアバスだけの問題ではございません。やはりアセスメント自身は科学的なデータに基づいて客観、公正に判断を出す、それの結果をもとにして最終の政策決断は行うという、あの手順の一つの型を出したというのが今回のやり方でございます。  そういうことで、一番大事なものは何かという御指摘でございますが、一番感じますのは、午前も申し上げましたが、やはり十数年来の裏切られたという不信が非常にございます。運輸省の方が御苦労しておられるのは私も存じておりますが、現地の方にしますと、いろいろ言われていることを伺いますと、ジェット機が入れば静かになるということで入れたらめちゃくちゃにやかましくなったとか、そういうお話を聞いておりますと、余り問題の食い違いが多過ぎるということはつくづく感じさせられます。  そういう意味で不信解消ということが一番の点でございますし、その中でやはり音源対策として低くなるということは決して否定はしておられないんでしょうが、最も切実なごく周辺の人々の空港周辺の整備事業についてもういろいろの現地の実態に合わない点、あるいはもうきわめて切実な問題についての解決が見ないままにこの問題の踏み切りというのは絶対できないのではないかというのが偽らざる感想でございます。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 いま橋本局長からお話がありました。現地の声を私はかなり忠実に反映をしておられると率直に認めたいと思います。私自身も現地で話を聞きました。エアバスってどんな飛行機ですねんと、こう聞かれます。あのロッキードのトライスターもそのうちに入りますと、こう答えますと、大変皆さん皮肉な笑いの中から、そんな危い飛行機を飛ばしてよろしいのかと、こう言います。あの豊南町から庄内、勝部、走井、利倉、その地域がどんなに人口の密集地であるか。その頭の上を飛ぶわけです。そしてあの黒いピーナツというリベートと引きかえに買い入れられたその飛行機がその人口の密集地帯の上を飛ぶわけです。そして住民の皆さんの不安をより高めたのは、たとえば昨年の末にそのトライスターがエンジントラブルを起こして全機再調査になりました。そのような小さな新聞記事がぽんと載っただけで地元の人たちは、近々エアバスが飛び込んでくると言っているけれども、大丈夫か、いよいよ不安だという気持ちを強めています。そのようないまここでロッキード事件と絡み合わせるのが何かとっぴなようですけれども、しかし住民の感情というものはそういうものなのではないでしょうか。そのような指導をした、そのような前歴をつくってしまった運輸省と、そして平素からあの空港周辺対策をきちんとやりましょう、整備機構をつくって移転補償をきちんとやりましょう、そのほか防音林もつくりましょう、いろいろな約束がなされた、しかし、その中でそれぞれの行政というものが、いろいろなシステム上の欠陥はあるにしても、進められていない。そのことが非常に住民の皆さんの不信を招いていることになっていると思うのです。私は、エアバスの導入のよしあしを論ずる前に、運輸省のそういうことに対する反省と同時に、まず地元の皆さんに対して具体的に目に見える形で運輸省の誠意というものを示すべきではないのだろうかと思う。テレビ受信料の減免、いろいろな事業も若干進められています。それ一つ取り上げても運輸省がじかにやるべきだと思うけれども、しかしそれを航空公害防止協会等、他の団体をつくって、そしてそこにやらせる。運輸省がじかに手を下して、実際に住民の皆さんと一緒にやっていこうという姿勢、そういうものがないところがむしろ問題を拡大させることにつながっているのではないだろうかというふうに私は感じてなりません。  同時に、今度そのことを最も極端に地元の皆さんに知らしめたというか、その裏づけのように思わせたのが今回の三日の運輸省の回答、五日の環境庁の回答、こういうことではなかったでしょうか。十一市協の皆さんや地元の皆さんに、その十三項目の回答をするために、幾つかの事前折衝はなされたかもしれません。しかし、その回答をなさるときに、その原文を地元の皆さんに示して、これでよろしゅうございましょうか、これを実現するに当たって地元の皆さんにもいろいろと御協力を得なければなりませんが、これを環境庁に出すことがよろしゅうございましょうかとどうして説明できなかったのだろうか。地元に説明をしているその日にすでに東京では運輸省は環境庁へ回答を出している。そういうことに対して地元の皆さんは、大変裏切られた気持ちを強く持っています。同時に、それから四十八時間で環境庁から早速、これまでの制限は取り払いましょうという大変運輸省に御都合のよい御回答。そういうこと一つ一つが積み重なっていま地元の皆さんの大変猛烈な反対の気持ちにつながっているのではないでしょうか。  そこで運輸省にお尋ねをしたいのですけれども、そういうふうな地元の皆さんの気持ちを解消するためにいま具体的にどのようなことをなさろうとしておられますか、なさっておられますか、お聞きしたいと思います。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。  十三項目そのものにつきましては、午前中から御議論がございましたように、きわめて技術的な問題ではございますが、私どもは昨年三回にわたりまして地元の十一市協には御説明を申し上げました。しかし、非常に技術的な問題でございますので、なかなか私どもの方もこれが終わりですと言うだけの自信がございません。それは、説明をして、その後でまた環境庁からここがどうだ、こういうふうな指摘を受けますとまたそれをやり直さなければならないというような作業を繰り返しておりましたので、最後はたしか十二月の終わりごろであったかと思いますが、御案内だと思いますが事務担当者会議というのがございます。これは非公式の会議でございますから、私どもは公式にやったということは申しません。しかし、非公式にはいろいろと御説明をしたことは事実でございます。  そこで、これを環境庁にお答えをする前に改めて地元の皆さんに対して説明をすべきではなかったか、こういうふうな御指摘のように承ったわけでございますが、私どもの理解といたしましては、内容的にすぐれて技術的なものでございましたので、この中身は地元対策をどうするこうするというふうなことではございませんので、拡散計算の結果がどうだとか、振動が何ガルになるとか、そういうふうな事実の列挙というふうに受けとめておりましたので、これはしかも事前に何回か御説明は申し上げたこともございますので、集大成したものを環境庁にお答えをした。しかし、御指摘のように、当然これは地元に御理解を願わなければならないものでござをますので、したがいまして私どもの方は十一市協の方に御説明をいたしました。調停団の方々にもお集まりをいただいて御説明をしました。なお、説明が不十分であるというので、たしか本日、専門の人間が現地の方へ飛びまして、また改めて詳しい御説明も申し上げておる次第でございます。  それからまた訴訟団の方々、団という形ではお立場上なかなかお集まり願えないというふうなことも私ども理解できないわけではございませんので、個々の方にはできる限りお会いをいたしまして、資料もお渡しいたしまして、こういうふうなものをお答えしましたということはお伝えをいたしました。今後も、まだ要求さえあれば、また私ども機会さえつかめれば、これを持って出かけていこう。最初二千部の資料をつくったわけでございますけれども、さらにそれを後四千部だったと記憶しておりますが、刷り増しをいたしまして、委細にまた説明を続けてまいりたい、こういう努力をしておる最中でございます。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 私は、いま地元の皆さんが果たして皆様が口を酔っぱくして説明をされてそれで納得するのだろうか、むしろそのことについて疑問を持ちます。説明はどうしても口約束、むしろ、これまで文書でのお約束があったかもしれませんが、そのことが十分履行されていないように地元の皆さんは受け取っておられます。毎年毎年いろいろな要求書が皆さんのお手元に地元から上がってきていると思います。そのような地元の皆さんの不信感や、そして運輸省の皆さんが余りにも不誠実だと思っている気持ち、それを少しでもやわらげるために、先ほど来問題になっております訴訟の中における上告、私は、あの内容について、新しい技術を導入し、そして財政的な裏づけを本当に誠意を持って示すことによって、その判決の内容を近い将来十分履行できると思うのであります。また、その努力をするという姿勢の中で、この機会に地元の協力と理解を求めるという意味合いからその上告の内容について再検討する、もしくは上告を取り下げる、そのような御検討を、またそのような前向きのお気持ちはございませんか。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 お答えいたします。  上告の問題につきましては、先ほど来局長がるる御説明申し上げましたように、上告をいたします理由は、政府といたしましてそれなりの理由があったといまでも考えております。しかし、司法の問題は司法の問題といたしまして、これは最高裁においてしかるべき決定が下されるわけでございます。それとは別に、仮に訴訟団というふうなそういうグループとして見るといたしましても、個々の方々はそれは勝部の住人でありあるいは摂代の住人である、こういうことでございまして、周辺に住んでおられる方と少しも変わりはないわけでございます。そういう意味において、周辺対策というものをいま先生御指摘のような方向で、私どもとしては、かなわぬながらも努力をしてまいったつもりでございまして、たとえば昭和五十一年度だけで大阪空港でどれだけのことをしたかと申しますと、機構ができましたのが四十九年。四十九年、五十年と二年かかって行いましたものの倍近い移転補償を行い、四十九年、五十年かかって行ったものとほぼ匹敵する量を五十一年度だけで民家防音工事を行う、あるいはまた緩衝緑地帯につきましては、まだ完全に地元の方の合意を得ませんので最終段階には入っておりませんけれども、これも五十一年度から新たな事業としてこれを起こすというふうなことで、及ばずながらもいろいろと御注文をいただいたことの実現に対して努力をしてきておるわけでございますし、さらにまた、十一市協の方から毎年いろいろと御注文、御指摘をいただいております。資料にして八ページ、数十項目に及ぶものにつきましては、せんだってこれに対する詳細な私どもの見解、検討の結果の答えというものをまとめまして、十一市協の方の事務担当者にはお渡しをしたわけでありまして、これの実施についてはもちろん当省一省でのみやり得ないものもございますが、あるいは大蔵省、あるいはその他の省と十分協議を続け、同意を求めつつ、お約束したことは実施できるように今後とも努力をしていく、こういうつもりでおります。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 重ねてお聞きしたいと思います。  司法は司法の見解としてとおっしゃいますが、現実に、いま住民の皆さんは毎日いわゆるこの騒音とそして排気との二重責めの中で苦しんでいるわけです。そして一日も早くそれが少なくなるめど、そして具体的にそれの対策、そういうものを願って毎日暮らしている。そういう人たちの気持ちを少しでもやわらげる、そういう心理的なことも考え合わせれば、当然司法は司法と言うけれども、そこは行政から出発した問題ではございませんか。むしろ私はこの機会に、本当に真剣になってこのエアバスの導入等を考えるこのときに、上告の内容についてやはり再検討するという前向きの姿勢が必要だと思いますが、お考え直しいただけませんか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 お答えいたします。  上告をしたことについての処理につきましては、午前中来るる申し上げていることでございますけれども、いろいろ控訴審の判決の中でお話になっていること、幾つかございます。私どもも読みまして大変肯綮に値することもございます。したがいまして、裁判は裁判といたしまして、あの中に書かれておりますことにつきましてはできるだけあの趣旨を尊重して、私ども対処していきたい。  それから周辺対策等につきましても、お話申し上げておりますように、そちらの対策はそれで極力進めていくというふうなことはどういう事態になっても決心は変えないつもりでございます。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 この問題をより強く要求をいたしましても、現在最高責任者としての大臣がいらっしゃるわけではありませんから、これ以上は申し上げませんが、しかし、その御答弁の内容、そのことに本当に実効がある方向でぜひお取り組みをいただきたいと思います。  さて、先日十三項目の回答がなされました。若干その対策につきましては環境基準の達成期限が、タイムリミットが迫っているということもあって、大変時間的に急いでおられるようでありますが、そして、その対策がいわゆる音源対策と同時に周辺対策、周辺の整備機構等を通じての周辺対策と両方あわせてやっていこうということ、そして音源を少しでも減らすことが結局周辺対策を講じなければならない面積を狭くし、そしてその対策費を少なくすること等をあわせて考えていられるようにも感じられるわけでありますが、それらの幾つかのことについて具体的なことを若干お聞きしたいと思います。  さて、テストフライトですけれども、本当にいまテストフライトを行う場合に、大体音についてであれば一週間程度でできるかもしれません。しかし、排ガスにつきましては非常にいろんな条件の中で行われなければその実態は出ないと思います。同時に、大阪国際空港、あの勝部地域の人たちが一番実感としての被害を訴えられるのが夏場、八月ごろでございます。これは南西の風、もしくは南々西の風向きが非常に影響しているようでありますけれども、そういう具体的な条件を勘案しながらやらなければ本当の成果というものがあらわれないように思うのでございますけれども テストフライトをどの程度やって、そして測定点、これについてもどの程度置こうとしておられるのか。また、それについては地元の皆さんを納得させるためにはどうしても立ち会ってもらうことが必要になってくると思います。同時に、少なくともそのテストフライトをするためには、地元の協力が得られない限り、私は本当の意味での具体的な内容はわからぬと思います。そういう意味で、私は、地元の納得がない限り、このテストフライトをやらないとお約束をしていただけるか。そして、その地元の納得をどの地点に置くか。私は、少なくとも地元が本当に皆さんの御説明に納得をして、そうしてその測定等について協力をしましようというくらいにならなければ、本当の意味での地元の納得とは言えないと思いますが、その点についてお尋ねをいたします。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。  テストフライトは、まさに先生御指摘のように、あるいは午前中からいろいろとお答えをしてまいりましたように、私どもがシミュレーションあるいは既往のデータ等の解析によって求めました十三項目の結論というものを実地に検証して御納得をいただこう、これがねらいでございます。したがいまして、どなたもそれについて理解も示さず協力も示されないという中で、運輸省の職員だけが騒音計をかついでそこら辺に立っておりましても、これはお笑いでございます。まさに先生御指摘のとおり、十分に地元とお話し合いをする。測定点をどうするかという点、私どもが動員し得る測定点というのにはおのずから限りがございますが、しかし、周辺の市の中にはみずから測定点をお持ちのところがございます。あるいは大気汚染についても測定の能力をお持ちのところがあるわけでございます。そういうふうなところが協力をしていただく、全面的に協力をしていただければ百点満点でございます。中にはいろいろの御事情もございましょうから、どこまでの御協力が願えるかということはこれからの話し合いでございますので、いま私が予断を持ってとやかく申し上げるべきではないと思いますけれども、少なくともしかし、十分な理解を得て、そうして相当の協力を得てこのテストフライトをするというのが前提であろう、こういうふうに考えております。したがいまして、どのような点でどのようなと、こういう御指摘でございますが、これも午前中お答え申し上げましたように、現時点ではいまだその委細について詰め切るという段階までいっておりません。また環境庁の方もこの点についていろいろと御意見があろうかと思いますので、そういう方面の御意見もまた承った上で、最終的にはあらかじめこれを皆さんにお示しをして、御理解を得た上で実施に入る、こういう段取りになろうかと思っております。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 そうすると、現在の段階においては、テストフライトをやりたい、また環境庁としてはやるべきである、こう言っておられるけれども、その内容については全く白紙ということでしょうか。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 環境庁からの三月五日にいただきました見解にも、テストフライトを行ってということが前提条件になっておりますので、当然テストフライトをしなければならない。また私ども自身の考えとしては、テストフライトをすべきである、そうしてその時期はなるべく早く、そのやり方としては地元の理解を得て。それでは白紙か、こう言われますと、白紙でございますと言うのは、運輸省としては非常に無責任でございます。もちろん私どもの技術担当者はあれやこれやと考えてはおります。しかし、これでいきます。こう言って、こういう公の場で申し上げるようなところまでは固まっておりません。それは御意見を承りながら適宜修正もし、追加をしという形になるであろう、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 いま騒音値の問題よりも、むしろ騒音については若干減るかもしれないけれども、NOxがいま最大の焦点になっています。さて、このNOxの与える被害状況等を含めて排ガスのテストにはどのくらいかかるものでしょうか。回数、時間等を含めてお尋ねしたい。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 技術的な御質問でございますので、むしろ環境庁の御専門の方からお答えいただいた方がよろしいかと思いますが、私どもが勉強した限りにおきましては、現在、一時間値の測定というのは可能である、瞬間値の測定というのは非常にむずかしい、こういうふうに承知をいたしております。したがいまして、そのときの風向、風速、あるいは天気ぐあい、そういったようなものを十分にバックグラウンドとしてとらえまして、そういうバックグラウンドの中でかくかくしかじかの数値である、こういうことを押さえてまいりますならば、私どもいろいろな条件を前提として拡散計算等をも行ってきている過程があるわけでございますので、それとの対比ということは可能であろう、こういうふうに考えております。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 問題は、特に排ガスについて、地元の皆さんが直接体または自分の五官で感じて問題にしておられるのは、その瞬間値なんですね。特に飛行機の場合、これからはいわゆる大阪空港のAランよりも、エアバスはどうしたってBランを使うわけですけれども、勝部地区はそのサイドになる。そしてその勝部地区が一番排ガスを出す真近にあるという状態が、Aランを使うよりBランを使うことによっていよいよ強くなってくる。そのときに、夜間は少なくとも九時から——九時超してから飛ぶ飛行機もまだ相変わらずなくなっていませんけれども、夜間は飛行機は飛ばない、平均値を出します、先ほどの委員の御質問もございましたけれども、それは大変薄められた形のものが出てきます。むしろ私は、その瞬間値こそ、いま地元の皆さんをいろいろな意味で健康的に害しているそのもとになっているのではないだろうかという気がするのです。確かに平均にならしてしまえばわずかの数値しか出てこないかもしれません。しかし、自動車のあの排気ガスが出てくるところ、五十センチか一メートルのところに顔を近づけて、数値は別かもしれませんけれども、それをたとえば三十秒とか一分間とか吸い続ける、それを五分間に一回ずつ続けていくということ、それをやったって、それを一日間の平均値に直したらごく低い排ガスの度合いしか出てこないわけでしょう。しかし、そういうふうに瞬間瞬間に受ける被害の堆積というものが健康を害することにつながっているのではないでしょうか。私はそういうことを感じてならないのです。むしろ、現在の段階で、そういう瞬間値というものをもっときちんと測定をしておく必要があるのではないだろうか。  それともう一つは実感です。排気ガスの科学的な影響というものは、いろいろそれはデータが出てくるかもしれません。しかし、人の健康の度合いやその他によって、騒音があり振動があり、そしてああまた来るぞ、また来るぞという心理的な圧迫がある中で排ガスがどっと流されてくる、そういう状態の中で、本当にいたたまれないというのが住民の皆さんの率直な気持ちだと思うのです。そういうものの実感、そしてそこから生まれてくる心理的なそして科学的な影響というもの、この双方を私は大切にしなければいけないというふうに思うわけです。予算委員会のたばこの煙だけでマスクをされる長官でございますからその辺のことはよくおわかりだと思いますが、ひとつ長官も、勝部地区に御友人がいらっしゃるということですが、むしろそういう本当の住民の実感というものをいま長官御自身が本当につかまれる必要があるのではないか。同時に環境庁として、本当に前向きで住民サイドに立って考えますよ、その姿勢を示すために私はやはり長官みずから乗り込んでいかれること、大変行動力のある長官でございますから、そういう必要もあると思うのですが、その辺についてはいかがでございますか。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 時間が許す限り、できるだけ早期に現場に私赴いて、自分の目で自分の耳で聞き取って確かめたいと思っております。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 そして、それをぜひ実感としてお感じいただいて、そうすれば必ずこれはひどいと感じてくださると私は思うのです。そして、その中でいわゆるスポットから離陸態勢をとるために飛行機は第一ストップ点越え、第二ストップ点越えて出ていく、そのときに第一ストップ点、第二ストップ点、いろいろ規定がされております。それをいま非常に多い回数で無視されていると地元の皆さんは訴えられます。そして、いざ離陸というときにはターンをされるわけです。そのときにはまともにその排気ガスが勝部地区を初めとして地域の家庭へ流れ込んでいくわけです。これがエアバスになることによってますますその量というものが大きな、そしておまけに飛行機が大きくなるわけですから、先ほど御指摘もありましたけれども、いまのあの壁なんというものじゃない、土手なんというものの比ではない、もっと高いところからどんとむしろ直接流れ込んでくる。そういうものに対して林をつくるとかいろいろ緩衝緑地をつくるとかありますけれども、そういう方のものをむしろ先にやって、そしてエアバスが来ても、少なくとも排ガスの直撃だけはそういうところで防げますよという実績をむしろ住民の皆さんに見ていただくということが、本当は先に必要なんではないでしょうか。改めてその可能性そして運輸省としておやりになる現在の計画をお聞きしたいと思います。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 お答えいたします。  DC10の話が実は先ほど来の御議論の中で出ておりました。DC10のエンジンのつけ方がああいうような状態でございますので、これは防音堤の上から見えます。勝部の一番近い方の縁側に立ってごらんになりますと、すっぽり丸く見える、こういう形でございます。ただしその風速は、いまおっしゃいましたちょうどアイドルでやってまいりまして、右に向きを変えて滑走路に入ります、その回りしなのところが一番激しいわけでございます。その時点で大体風速五メートル程度、こういうふうに私どもは予測をしております。それ以外の航空機の場合には、L一〇一一の場合にはあれが下の方へくっついておりますので、防音堤のねきへたたきつけるようになります。747SRの場合にはエンジンがずっと低うございます。ほとんど水平の形で防音堤で防がれてしまう、こういう形になっております。でございますから、局長が先ほど来お答えしましたように、DC10につきましては当初ごちゃごちゃに考えていた時期がなかったとは決して申しませんが、現時点でははっきりこれを区別いたしまして、当面これを入れるということも考えておりませんし、入れるとするならば、当然ちゃんとチェックをしてその点を確かめる。そしてそのころまでには、いま御指摘がございましたように、あるいは先ほどどなたかの委員からかあの防音堤が高くできないかというような御指摘もございましたが、そういう点、あるいは緑地をつくるという点、これも豊中市といろいろお話し合いをしておりまして、まだ最終的に青図が書けませんけれども、あそこのすでに移転補償でおどきになった方あるいはあそこのいろいろな空地がございます。そういうふうなところを利用いたしまして木を植えるということによって、少なくとも先生いまおっしゃいましたような直撃という形であそこに残っておられる家にもろに相当の風が吹きつけてくるというふうなことだけは、現在でも私はないと思いますが、さらに将来問題のあるような航空機をもし入れるような場合には、そういう点について十分な配慮をしてから入れるというふうな措置は講ずべきである、こういうふうに考えております。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 直撃というのが、あのエンジンから出たやつがまともにぶつかるということだけではなくて、たとえばここに壁をつけて、ここにたばこの煙を吹きつけた、そのときその煙はどうなるか、これを越えまして、かなり大きな量、目に見えます。結局あの飛行機が離陸する、吹かす、そして八月には、特にひどいですが、南々西の風がそこへ乗っかってくる、勝部地区はあの排気ガスで充満をしてしまいます。そういう中で妊娠中の奥さんが、ただでさえいわゆるつわりでむかむかしている、それがそのことを何回か、繰り返すうちに、それがひどくなって流産をしたという訴えがこの前からもございましたけれども、そのように一つ一つ地元の皆さんの被害実例を数え上げれば切りがありませんが、そういう状態が繰り返されて行われるという状態がある限り、私どもは、地元の皆さんがエアバス導入なんということに納得できるはずがない。私は本当に、この前もちょっとあるところで申し上げましたけれども、あの排気ガスをどこかで吸い取る方法はないのですかというくらいの気持ちになります。もちろんそういうことも研究されたかもしれませんが、具体的にそのような実績というものをやはり住民の皆さんに示されない限り、なかなか運輸省のおっしゃること、もう十数年来裏切られた、裏切られた、そう思い続けてきている人たち、そういう人たちを説得させることはなかなかできないのではないかというふうに思うのです。  そういうことと同時に、その緑地帯にしましても、土手をつくって木を植える、いろいろ計画があることはよく承知しております。それはもう何年前からなんですか。本当にもうずいぶんになります、私が記憶しておる限りでも。そしてそれについてやるためには、やはり現在民家がある、それを立ち退いていただくしかないようですが、それについて立ち退き補償はどうするのです。立ち退くための交渉はどのくらい進められたのか知りませんけれども、本当にその地域の人たちに納得して移っていただけるだけのシステムと補償はあるのでしょうか。いま単にこれだけの予算を取っております。そしてその土地の値段で補償をいたしましょうと、たてまえ上おっしゃられたって、その金でほかに代替地を買うことができなければ実質上移ることはできません。そのような制度的な欠陥も含めてかからなければ、ちっちゃな土手と林一つにしたってつくれないという今日の現状があるわけです。そのような問題について本当に運輸省として、これは大蔵省と交渉する必要もあるかもしれませんし、いろいろな内容が必要でしょうけれども、具体的に昨年度、今年度、どのような御努力をなされているのでしょうか。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 お答えいたします。  いま、もう十年も前からその話は聞いておるよという御指摘でございましたが、実は緑地をつくりますためにまともに金を取った——まともに金を取ったというのはおかしな言い方でございますが、本当にそれだけを目的として事業費を取りましたのは五十一年度一億円というのが初めてでございます。  それから、従来勝部の方に対しましては、私どもも非常に気になりながらも、また長い間、この委員会でいろいろ今朝来御指摘ありましたような経緯もございまして、なかなか打ち割ってお話し合いをするというわけにいかないような雰囲気があったわけでございますが、私ども昨年整備機構の中に特別のプロジェクトチームをつくりまして、昨年の秋の終わりごろからですが、それから暮れごろからは本当に事実として勝部の中に入りまして直接お話し合いができるような状態になってまいってきておるわけでございます。  そういうふうなことでございますので、移転補償も勝部に対して相当の努力をいま集中しておるわけでございますし、それから単価の点も御指摘のとおりでございますが、これは時点補正をいたしますとか、あるいは近傍類地の取り方について最大の配意をするとかいうふうな点について十分機構を指導いたしながら可能なように、口先だけではだめでございますので、可能なような方法、あるいは代替地の提供等も含めまして、いま全力をふるってこの措置をとっておるわけでございます。いまここではっきりと、いつまでに何軒というふうなことを申し上げるべき時期ではないと思いますけれども、少なくとも私どもとしては、単なるかけ声倒れではなくて、今回こそはまじめに、勝部についても何がしかの進展が近く見られるのではないか、こういうふうな期待感とまた励みを持って努力している状態でございます。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 期待と励みで問題が解決されれば本当にこれまでの——恐らく運輸省の皆さん御自身がいろいろなところから文句を言われて、たたかれて、本当にいらいらされていると思うのですよ。その皆さんのお気持ちだけで解決されるんだったらとっくに解決されている。そのくらいのお気持ちで運輸省の皆さん、恐らく臨まれたと私は信じているのですよ。しかしながら、それで解決できないからいまこういう問題が起こっているのではないでしょうか。それは何も銭ですべてが解決するわけではありませんけれども、土手と林をつくるだけで具体的には何戸の立ち退きをお願いしなければいけないのですか。私が聞いているだけで、少なくとも地元に聞きますと三十三世帯ほどあると聞いております。その方々に立ち退いていただく、そしてプロジェクトチームをつくっていろいろ御努力をなさっている、しかしそのことによってどのくらいの実績をお上げになっているのでしょうか。たしかまだ五、六軒しかないように聞いておりますが、そうじゃないでしょうか。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 まず、その覚悟だけではどうにもならぬではないかという御指摘、そのとおりでございます。しかし、いま私がお答えいたしましたのは、単なる覚悟のほどだけを述べたのではございませんので、たとえば開発手法というふうなものにつきまして、五十二年度の金で、これはまじめに具体的にこうすればうまくいくのではないかというのを、地元の皆さんあるいは豊中市、こういうふうなものが一緒になって考えましょう、こういうことになってきておるわけでございます。  それから、勝部地区についていま理想的な形でグリーンベルトをつくろうといたしますと、先生いま御指摘のように、三十世帯をやや超える世帯を移転をさせる必要がございます。その中ですでにもう済んでしまったものが数軒ございます。それから、ごく最近お話し合いのつきましたのが五、六世帯というふうに私、記憶をしております。したがって、また二十何世帯かが残っておるわけでございますが、これを全部きれいにはがしてしまわなければその緑地ができない、こういうふうに硬直的なと申しますか、弾力性のない考え方で実はいままできておりましたのが、私ども率直に言って間違っていたんじゃないか。できるところから、できるところからやっていくというふうなことについてもやはり努力をすべきだ。全部そろいませんのでまだ手がつきませんというふうな役所的な言い方が実はいままでしばしばございまして、そういう点でも地元のひんしゅくを買った点がございました。そういう点は私どもは深く反省をしておるわけでございまして、全部きれいに理想的にできればこれにこしたことはございませんが、しかし、それに至る間、少しでもできたところから処置をしていくということについて、市の協力はもとより、地元の方ともいろいろとお話し合いをしている段階でございます。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 私は、いま申し上げましたように、結局今日までの中でもう本当に耳にたこができるくらい、私自身も実は地元にいるころに運輸省の方からそういう御回答を聞かされて、そうしてその中で、それじゃどのくらい進んでいるのだ、改めて調べますといまのような状態。これが先ほど御指摘がありました、たとえば整備機構の財政措置の問題にしたって、結局予算は組むけれども執行率が低いままで残してしまう、次には予算規模が落ち込んでくる、そういうことが現在繰り返されている。そういう状態の中で、仕事が進んでどしどしはかどったから予算規模が後少なくて済むようになったのならいいですよ。仕事ははかどっていない。そうして予算規模は少なくなってしまう。そういう数字を見ただけで地元の皆さん、先行きどうなるのだろうか、運輸省は本当に手をつけるのをだんだん手を引きかけているのじゃないか、こういう気持ちになるのも当然ではないかというふうに思うのです。端的に言いかえれば、こういう周辺整備の問題は、文字どおり住宅問題だと思うのです。もちろん農地もございます。しかし、たんぼが多くて家が少ないところはどんどん買収がはかどっているのではございませんか。だとするならば、結局は住宅問題だ。運輸省は点と線を結ぶことは大変お仕事の上でお上手でございますが、面的な対策を考えるということはなかなか運輸省の仕事に今日までなじまなかったのではないのか。たとえば整備機構のような都市の改革的な問題、こういうものについてはむしろ運輸省がやるというよりも、運輸省の意向を受けて建設省が担当するとか、もっと行政的に幅の広い考え方というものが本当は必要なんではないでしょうか。同時に、私は、先ほど関西新空港の問題もございました。成田空港をおつくりになるのに大変問題が起こっています。いつ開港できるかわからない。あれだって本当に問題です。しかし、せめてあの飛行場をつくることにさえも、首都圏であるせいかどうか知りませんけれども、関係閣僚がみんな集まって政府全体の仕事としておやりになったのではありませんか。関西新空港はまだ調査段階とおっしゃるかもしれませんけれども、あの関西新空港の問題にしたって、運輸省、それにせいぜい環境庁が条件をおつけになるということでおやりになっているのではないでしょうか。日本全体の運輸行政だとか、関西新空港であれば近畿圏整備の問題だとか、むしろそういうふうに幅の広い観点からお取り組みになる必要が本当はあるのではないでしょうか。  そういう意味で、運輸省のみが御苦労されるのではなくて、先ほど国鉄の関係もありました、もっと国鉄の運賃が安ければ新幹線に乗る人が多いだろうし、飛行機代が上がれば逆に航空需要が減って国鉄の方がお客さんがもっとふえて赤字が減るのではないかという考え方もあります。もっと総合的に、トータル的にこういう行政というものをお考えになる必要があるのじゃないだろうか。そういう意味で、大蔵省も巻き込み建設省も巻き込んで、そして運輸省か本当にその内情、実情——その需要をふやすことにこたえるために一生懸命やっているのですという運輸省の姿勢ではなくて、環境庁と一緒になって住民の被害を少なくするためにはどうしたらいいかということに真剣に取り組むという姿勢の方が、むしろ仕事をスムーズに進めることにお役に立つのではないのだろうか。需要にこたえるために、そして需要をつくるために無理をしてエアバスを買い入れた飛行機会社があるように言われる、その結果いろいろな思わしくない事件が取りざたされる、そういう現在の政治ではなくて、もっと住民サイドに立ちながらかつ全国的な範囲でこれらの諸問題に取り組むということの方が必要なのではないのだろうか。  だから、エアバス導入とかなんとかという前に、関西新空港についてはこういうめどでやりたい、だからあとこれだけ大阪国際空港の周辺の皆さんごしんぼうください、つきましては、それまでの間大変御迷惑をおかけいたしますが、具体的にこれとこれをやります、その予算措置はこれです、そういうふうな説明をむしろなさるべきなのではなかったのだろうか。本当に技術的な小手先にしか思えないようなことをおやりになっているそのことに住民の反感というものが集中していることを私はぜひお考え直しいただきたいなというふうに思うのです。時間もございませんが、そういうことに対する御決意のほどをぜひお聞かせをいただきたいと思います。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 大変手厳しい御批判をいただきまして、私も全くそのとおりだと思います。特に周辺整備機構につきまして、私たち自身も非常に反省すべき点はたくさんあると考えています。御指摘のような点を十分私ども肝に銘じまして、今後幅広く各省また各府県のお力もおかりいたしまして、そして何よりも、飛行機を飛ばすためにという前に、地域の住民の方々を飛行機の被害からしっかり守るという点を原点にして仕事を進めるということにしたいと思いますので、御理解いただきたいと存じます。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 最後に、質問がダブるかもしれませんが、念のために若干のことをお尋ねをしておきたいと思います。  一つは、このテストフライトの決定をする前に、ひとつ環境庁長官、運輸大臣お誘い合わせでも結構でございますが、その前に行って、地元の皆さんとひざを突き合わせてお話しになるということのお約束をいただけますか。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 どういうタイミングで時間がとれるか存じませんけれども、できればテストフライトが行われる前に私も伺いまして、住民の方々とテストフライトを含めていろいろな問題について話したいと思っております。恐らく運輸大臣はもうすでに視察をされたと思いますけれども、環境庁は環境庁の立場で現場を視察したいと思っております。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 先ほど来幾つかの御質問を申し上げましたけれども改めて、地元の皆さんに少なくとも具体的に協力をしてもらえるくらいの納得の度合いをいただけるまでこれらについて最終の決断を下さないと運輸省としてお約束いただけますか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 なかなかそこの判断する度合い、基準がむずかしゅうございますけれども、私どもとしては誠意を持って御説明をし御理解を賜る努力を続ける覚悟でございます。

中野寛成民社党

○中野(寛)委員 総合的な問題と当面する問題とございますが、問題のネックになっていることを先ほど来申し上げましたけれども、どうか抜本的な問題を踏まえつつ、少なくとも現状において地域の住民の皆さん、毎日毎日被害を受けている方々の気持ちになってお考えをいただき、そして本当にひざを突き合わせて具体的な御協力をいただける、そのことをあくまでも条件にして今後の御判断をいただくこと、そして今後の対策を含めて現状を見、また具体的に総合的な行政全体の、政府の全体の仕事としてこれらの諸問題についてお取り組みいただけるように、そのリーダーシップをむしろ環境の立場から環境庁長官、国民の皆さんにも一番注目されて非常に期待されているわけでございます。ぜひお取り組みをいただきたいことをお願い申し上げて終わりたいと思います。ありがとうございました。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 中野委員の質問は終わったわけであります。しかし、土井、中野両委員への答弁の中で地元民の不信感の多い例として、ジェット機が入ると静かになると、住民にこう説明したと言われるのでありますが、住民は当然裏切られた、こういうふうに思っている、こういうような御答弁がそれぞれありました。果たしてこのような説明をしたのですか、どうですか、運輸省、解明しておいていただきたいと思います。

梶原清運輸省航空局飛行場部長

○梶原説明員 私ども十一市協あるいは地元の方々にエアバスの導入等につきましてたびたび御説明をしてまいりましたが、ジェット機が入ればかえって音が静かになるという御説明を申し上げたことは過去、絶対にございません。ただエアバスにつきましては先般来、論議をしていただいておりますように、在来機に比べて音が小さくなる、こういう御説明は申し上げてまいっておるわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 具体的に聞いたという橋本大気保全局長、解明願います。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま私の申しましたのは、もう何人かの人に会ってそういう話を聞かされておった実況を申し上げたわけでございまして、それは運輸省のどなたがおっしゃったかという事実につきまして、全部背後関係を解明しているわけではないということで、政府委員としての責任のある御答弁ならばその方が正しいと思いますので、政府委員の責任をもっておっしゃいますなら私の発言を取り消します。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 東中光雄君。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 大阪国際空港におけるエアバス導入について、いわゆる十三項目に対する回答が出まして、これについて環境庁の大気保全局長は運輸省航空局長に対して、エアバスの導入についてということで、「窒素酸化物の排出量が大気汚染に対する寄与度は小さいとはいえ、増加することは否定できないところであり、一方、大阪国際空港において長年の間最も深刻な問題とされてきた航空機騒音問題についてはある程度低減の効果があるという評価が得られた」、こう言われておるわけですが、問題はNOxの排出量の若干の増大、航空機騒音の低下ということだと思うのでありますが、運輸省のこの回答の中にあるアセスメントによりますと、要旨の説明の五ページでありますが、エアバスを導入した場合のWECPNL値という項があって、離陸経路下の川西市久代小学校と着陸経路下の豊中市豊南小学校におけるエアバスを導入した場合のWECPNL予測値を比較すると次のようになりますということで、表が載っております。これは本文の方にも載っておるわけですが、豊中市の豊南小学校のこの数字の欄を見ますと、昭和五十年十一月現在の計算値(エアバス導入前)、こうなって、九十二・六という数字が出ております。ジェット機一日二百回うちエアバス百回の場合には八十八・七に変わって三・九の減であるというふうになってあるわけですが、五十年十一月現在の計算値をここでとって比較したのはなぜかということを運輸省にお聞きしたいと思います。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 お答えいたします。  当初の計算におきまして、私どもは四十九年四月というのを一つのベースにとっておったわけでございます。その後環境庁といろいろな議論をしていきます間に、環境庁の方から最近の数字をとるべきではないか、最近一番多かったところというのをとって比較してそれから減った減った、こういう言い方はおかしいだろう。四十九年の四月に比べると総便数において多少のでこぼこがあって、五十年の十一月という時点か——この議論を始めましたのが、御案内のように五十年の十二月から五十一年の三月、四月とかけてずっと議論しておったわけでございますが、そういうわけで四十九年の四月というのをベースにとるのはおかしい、五十年の十一月を基準にとって比較をすべきである、こういう御指摘がありましたので、そこを基準点にとったわけでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 環境庁の方から五十年十一月の基準をとれというふうに言われたかのように航空局次長最後には言いましたけれども、その前には、最近のデータをとれということであったとも言われておる。五十年十一月のデータというのは、その後747あるいは737については低騒音のための改修をわざわざ二十億もかけてやっておるわけですね。だから、五十年十一月現在というのは、現在の状況、一番最近の状態とは違う、最近のよりは高い状態であるということは航空局も十分御承知だと思いますが、そうじゃありませんか。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 五十年十一月の時点におきましては低騒音の改修が相当程度進んでいる時点でございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 相当程度進んでおっても、まだほとんど進んでいない状態。相当というのは、ほんのちょっぴりという意味での相当であって、この報告自体によっても明らかにほとんど進んでいない状態であったということじゃないのですか。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 低騒音型機への改修が日航の三機を除きまして全部完了しましたのは五十一年、昨年の十一月でございますので、五十年十一月の時点では、おっしゃるように、そんなにはいっておりません。残っております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 何を言っているのですか。五十年の十一月にいっておったのは、それじゃ何と何ですか。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 大変御返事がもたつきまして申しわけございませんでした。五十年十一月の時点では改修は終わっておりません。終わったのは五十一年の十一月でございますが、この場合の計算をいたします場合には、改修が終わったという前提での計算をしてございます。ですから実際の音ではございません。低くなった方の音をベースにして計算をしてある、わけでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 それなら五十年の十一月現在ではないじゃないですか。改修が実際にやられたのは、B727については五十年九月から開始されて五十一年九月に終了したのだ、B737については五十年六月から開始して五十一年十一月に終わったのだということがはっきりと報告されているじゃないですか。そうしたら、あなたは改修された後の計算でやっておるのだったら、五十年十一月じゃなくて五十一年十一月になるじゃないですか。わざわざ五十年の十一月と書いてあるのは、あなたは、四十九年ではだめだ、最近のものにしろと言われて五十年の十一月現在にしたのだ、五十年十一月現在だと書いてあるじゃないですか。だから、その後に改修をされておるわけでありますから、現状はこの五十年の十一月現在とは明らかに違う。違うということは率直に認めなさいよ。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 大変混乱を生じさせまして申しわけございませんでした。初めからもう一度全部御説明申し上げますと、最初は四十九年四月の実際の機数、フライト数、そういうものをベースにしてスタンダードにしておりました。それに対して、便数そのものがその後動いてきております。そこで環境庁の方から、五十年十一月というもっと新しいところを使え、こういうお話がございましたので、何型機が何便という便数につきましては五十年十一月の数字を使ってございますが、その音、WECPNLをはじきましたもとになる音につきましては、737と727につきましては改修が終わったらこういう音になるという前提で、つまり低い方で出しておるわけです。環境庁の御指摘ありましたのは、高い方の音をベースにしてこれだけ下がったという比較はおかしいだろう、低い方の音をベースにして、さらにそれに比較してなおかつ、エアバスを入れるとこれだけ低くなる、こういうのでなければ納得しがたい、こういう御指摘がありましたので、便数については少ない方を、そして個々の航空機の音については低い方を、結局WECPNLといたしましては低い方を押さえまして、それに対してエアバス百機が入った場合にどうなるか、こういう数字をはじいて比較をした、こういうことでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 727と737について改修をされて、そしてその後に改修された状態で、要するに低騒音に改修をした後でのWECPNLを計算したら、あなた方の言われているような九十二・六にはなりませんね。私たちはそれを現実に計算した。九十二・〇になります。上げている。トリックを使っているじゃないですか。ここに書いてあるのも、五十年十一月現在と書いてあるのであって、しかしその後に低騒音にした部分も含むなんて、そんなこと書いてないじゃないか。全くずさんな答弁をしているんじゃないですか。WECPNLの計算式がここに書いてあるのだから、その計算式に基づいて私の方でちゃんと計算しました。これは数学上の問題ですから……。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 私が直接計算そのものをしたわけではございませんので、大変説明が手間を取りまして申しわけございませんでした。  五十年十一月ダイヤのWECPNLを出しましたときに、DC8と707と727と737とYS11をそれぞれ国際線と国内線の離陸と着陸に時間帯を分けまして、そしてタイプをB上昇タイプとC上昇タイプに分けた、そしていま先生御指摘のようにdB(A)バー+10logN−27で勘定しておりますが、この場合のNの中にはYS11の機数がちゃんと入っております。ところが、dB(A)バーを出しました場合に、YS11のエネルギー値が非常に低いものですから、計算の過程でこれを無視いたしまして計算をすると、われわれのいま計算をしました担当技術者の説明では九二・五だ、先生は九二・〇だとおっしゃいますので、先生の御指摘だと〇・六、私どもの試算ですと〇・一デシベルの違いが出てまいりますが、これはYS11をどこまでdB(A)バーの中に入れて勘定するかという勘定のやり方の違いで、ごまかすとかごまかさないというそういう趣旨では全くございませんので、ひとつ御了承を願いたいと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 いまのあなたの答弁自身がごまかしなんですよ。YS11のことなんか何も言ってないじゃないですか。YS11を入れるとか入れないにかかわらず、この算式に当てはめて計算をしていけば、改修前の状態、すなわちこの回答書に書いてあるとおり五十年十一月現在でやれば九二・六になる。しかし、改修後の状態で計算をすれば九二・〇になる。私たちはだから改修前の、ここに書いてあること自体が間違っていると言っているのではないのです。五十年十一月現在の数値としては、これは九二・六でよろしい。だからYS11なんか関係ないのです。しかし、この時期をずらして、改修後の状態で計算すればそうはならない、九二・〇になる。あなた方の方は現状の騒音が高いものであるかのように、一年余りさかのぼることによって高いものであるかのようにここに書いてある。これは現状を映しておるものではない。現に、ここにあなた自身が五十年の十一月現在と書いてあるじゃないですか。五十一年十一月だとは書いてないじゃないですか。率直に認めなさい。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 答弁に時間を要しますか。要しますなら、ちょっと考えておいて……

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 大変答弁がおくれて申しわけございません。現実に計算をした男が、そうやって私は計算をしましたと申しておりますので、私がしたわけではございませんからわかりませんが、しかし決してうそ偽りを言うているわけではございませんと私は思います。改修後の727と737の音をベースにほうり込んである。ただし、それが九二・五か九二・六かという〇・幾つというところでいろいろ動いておるそうです。その動いておるのはYS11の——そんなこと言っておらぬというお話でございますが、計算上の手続をいま私は申し上げているわけで、YS11のエネルギー値を入れたか入れないか、dB(A)バーの中にほうり込んだかほうり込まないかというところでその差が出てきているのである、こういう技術屋の説明でございますので、私もそれ以上のことは、いま明快に、先生の御納得のいくように御説明できないのは申しわけございませんけれども、私は間違いないところだというふうに考えております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 それでは、あなたの方のそういうことを言っているのが本当だとすれば、昭和五十年十一月現在ではないということですよ。なぜあえて五十年十一月現在と書いたのか。これは明らかに改修前の高い基準のものを発表した。五十年十一月現在に改修していないのに、改修したものとしてやる。そんなのだったら、実際の客観的にあらわれていることと違うことを思っておった、あるいは違うことをやったのだと言っているだけではありませんか。  環境庁は、これを受け取られて当然検討されたはずですが、この点についてはどうですか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 五十年十一月現在のフライトの形で計算されたものというぐあいに、私ども受け取っておりました。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 環境庁は、五十年十一月現在のものとして受け取っておる。そんな腹の中で先のことを考えてやっておったというようなことは、第一、五十年十一月現在では、先の改修のことはわからぬでしょうが。まだ入ったばかりで、どうなるかわからぬでしょうが。それをあらかじめ入れておいたなんて、そんなずさんなことはありますか。  さらにもう一つお伺いしますが、ジェット機の発着回数二百回のうちエアバス百回の場合というのが豊南小学校のWECPNLで数字が出ておるわけですけれども、これも計算間違いがあるわけですね。八八・七という計算をしておりますけれども、私の方で計算しますと、やはり〇・二低くとっています。これは低い方が騒音の現象が多くなるように見えるわけですから、これは明らかに低くとっています。何回計算しても、八八・七になるのではなくて、八八・九になる。次長は、それは自分で計算したのではないからと言えばそれまでですが、高等学校の生徒ぐらいがやるような数学ですから、それが間違った数字がここで出てきておるということなんですが、その後検算されて気がついたというようなことはありませんか。

高橋寿夫運輸省航空局長

○高橋(寿)政府委員 先生から御指摘を受けまして、この場で打ち合わせをして、なかなか私どもも自信のある答弁ができない、大変申しわけなく存じます。ここで短い時間につじつま合わせみたいなことをやるのもかえっていかがかとも思いますので、役所へ戻りますと、基礎データもたくさんございますので、それを全部チェックいたしまして、しっかりしたところをもう一遍調べまして先生に御報告さしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 すでに環境影響評価資料ということで公表されて、そしてこれは先ほど来のお話では、科学的データに基づく客観的なものであって間違いない、こんなにやったのは初めてであると、環境庁もそう言われているのですが、運輸省から出された資料について計算間違いがあるのです。環境庁の方ではそれは一々チェックをされて、そしてこれでよろしいということになったのか。わずか二日間ですから、チェックはされないままできたのか。先ほどミスプリントとかあるいは言葉の表現の違いなんかではいろいろあったけれども、局長間で長い間話をし、課長、課長補佐間で何回も話してきたのだから間違いない、こう言っていますが、環境庁の方は、そういう計算違いが、これはあることは客観的にそうなんです、そういう点はチェックしてからのことなのか、もっぱら運輸省を尊重してやってこられたことなのか、そこのところをお伺いしておきたいと思います。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いまの御指摘の作業の過程において、その問題についてどうやって計算をしたかということを全部こちらも聞きただしながらやっておりますが、こちらが直接にじかにそのやり方はおかしいではないか、方針とかそういうことはやりますけれども、こちらが直接にじかに計算をするというやり方はいたしません。あくまでも実施そのものは運輸省がやるという形をとっております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 そうすると、運輸省の言ってきたことを信用して、その結論でやった。先ほど二日間というのは余りにも早過ぎるじゃないかという質問がほかの議員からもあったわけですけれども、こういう間違いがある。  それで、もう一つお伺いしておきたいのですが、私たちの計算では、現在の時点ですね、エアバス導入前で727と737の改修が行われた後の豊南小学校でのWECPNLは九十二・〇だ。ところがこの点についてL一〇一一だけを五十回導入した場合に、運輸省の計画に従ってこれに対応するB727とB737を削除するという場合は、要するに、だから727と737をエアバス、L一〇一一にかえる、そのことだけやった場合は、WECPNLは下がるかどうかということで見てみたら、下がらない。同じように九十二・〇というのが出てくる。エアバスを入れたら下がるのだ、しかも三以上下がるのだ、だからこれは機数を半分に減らしたぐらいに相当するのだというようにこの報告に書いてあるわけですが、727と737と、それにかわるにし一〇一一だけで入れかえたら、全日空の場合はそうなるわけですね、その場合は、WECPNLでは一つも下がらないという数字が出てくるのですけれども、そういう点についての検討をされたかどうか。環境庁、運輸省、いかがでございますか。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 特段にいま先生のおっしゃったようなケースの計算をしたわけではございませんが、ただ言えますことは、DC8が非常にこのWECPNLを押し上げているのは事実でございます。これはもう、先生いま御指摘の〇・幾つまで細かく御計算いただいたわけでございますから釈迦に説法で大変恐縮でございますけれども、大きなエネルギーのものが効いてくるということにこの式の上からもなってまいりますので、したがってエイトを置いておいたままでいまおっしゃるような計算をなされば、あるいはおっしゃるようなことになるのかもしれません。エイトの効きが非常に大きいということになろうかと思います。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 いま運輸省の説明のございましたように、運輸省が入れようと考えている台数で計算をされているということでございまして、先生のように組み合わせを変えてみてやるという形で議論はいたしておりません。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 これは組み合わせを変えているのじゃなくて、全日空がエアバスにかえる場合のことだけを取り上げて言っているのであって、仮定のことで言っているのではありません。そのことをまず指摘しておいて、申し上げたいのは、いま運輸省の方で言われたのでいけば、エアバスなら騒音はうんと下がるのだというふうにこの報告書には書いてあるわけです。ところがいまの答弁では、そうじゃなくて、DC8は非常に高いのだ、それをなくするということだけを言っているわけです。だって、DC8のことじゃなくて727と737のことについて言えば、そうしたら、いやDC8は高いのです、ここへ重点を置いているわけですから、問題は日航のDC8だけだ、エアバスとの比較じゃなくて、DC8が高いのだと言っていることになるわけです。エアバスなら、L一〇一一なら、727あるいは737と入れかえたって騒音は変わらない。ただ窒素酸化物、NOxはふえるかもしらぬという、むしろ悪くなっていくのであって、いま鳴り物入りで各新聞とも書きましたように、騒音は下がるのだ、だからエアバス導入に踏み切ったのだ、こう言っているけれども、いまの航空局の次長の話では、結局はDC8が非常に高いのです、それをエアバスにかえたら少し下がるのですということを言っているだけですね。エアバスということじゃないのです。DC8との関係でのエアバスにしか過ぎない。これはそういう点ではこのアセスメントは数字が非常に細かく書いてあって、算式が非常に複雑で、ぼうっと見ておると、非常に科学的データに基づく客観的なものだと言われると、そうかいなと思うけれども、決してそうではない、重大な疑義があると思うのです。  それで、時間がありませんのでもう一点。  先ほどYS11の話も出ましたけれども、試算をしてみたんですが、WECPNL値、これが下がれば騒音が下がるのだ。たとえば三下がれば同一機種ならば便数を半分にするくらいであるのだ、こういうふうに言われているのでありますけれども、YS11の場合で言えば、ジェット機の発着回数二百回のうちエアバス百回の場合、これは先ほど言いましたように、運輸省の数字では八十八・七になっていますけれども、正しい計算をすれば八十八・九になる。ところが今度は、ジェット機の発着回数二百回のうちエアバス百回にして、そうしてYS11を全部のけたわけです。便数で言えば百三十二便、これを全部削ってしまった場合をWECPNLで計算をすると、全然変化がないのですよ。WECPNL値という点で言えば変化がない。地元の人から見れば、百三十二便、YS11にしろ飛んでいるわけでしょう、幾らそれがなくなっても、あっても、その値は一緒なんだ。あるいは切り捨て、切り上げなんかをやりますと、少し四捨五入をすると、逆に、百三十二回のYS11を全部削ってしまうと、八十九になるのです。そしてジェット機の発着、エアバス百回でYS11もそのまま入れておけば八十八・九なんです。逆に上がるのですね、わずかにしろ。これは騒音という問題を地域の住民の立場で見たら、非常におかしいんですね。百三十二便減ったらやはり減ったということですよ。騒音はそれだけ少なくなったとだれだって感じるわけでしょう。ところがそれを削ると、この単位でとっていけば削った方が騒音が上がることになってしまう、こういう奇妙な単位なんですね。そういうことについて先ほどちょっと言われましたけれども、そういうことになるということはこれは航空局の方も御承知でしょうね。

松本操運輸省航空局次長

○松本(操)政府委員 非常に先生この問題にお詳しいので、私もお答えするに多少ためらいがなきにしもあらずでございますが、まず第一に、低騒音ナセルをつけました727のお話、これは先生はいま着陸側の方のことを、豊南小というのは着陸側でございますから、着陸側の方を取り上げて御指摘になって、私もそのつもりでずっとお答えをしてまいったわけでございます。離陸側の方につきましては、実はこのナセルはほとんど効果がない。これは私どもの環境庁へ出しました資料の中にもはっきりと出ておるわけで、着陸側については相当の効果がございますが、離陸側についてはほとんど効果がございません。したがって、着陸側の方だけをとって議論をいたしますと、低騒音ナセルをつけた727とし一〇一一というのは同様かあるいは場合によっては727の方が低いかもしれません。したがって、そこで一番効いてくるのはDC8でございますという私の返事は、その限りにおいて決して私は間違ったことはお答えしていないつもりなんです。離陸側について議論をいたします場合には、727に低騒音ナセルをつけましてもほとんど下がりませんから、したがいまして、その場合にはL一〇一一を投入するということ、つまりエアバスを入れるということはそれなりの効果が出てくる、こういうふうにお考えいただいてよろしいんではないかと思います。  それから第二点の、YSをとってしまうとむしろ〇一ふえるじゃないか。これはNの数値、つまりあの数字は、dB(A)バー+10logN−27、こういう式になりますので、Nが効いてまいります。そのNを先生は外してしまいましたから、したがって先ほど私が申し上げましたように、八十六でしたか九十六でしたか、〇・六とか〇・五とかいう数字を私は申し上げまして、YSを入れると〇・六で、入れないと〇・五だとか何か変なことをごちゃごちゃ申し上げました。〇・一の差というのは、まさに先生が勘定なさいましたように、YSを取っ払ってしまうとポイント一ぐらいふえる、こういうことになるのは数式上そういうふうになるわけでございます。ただし、回数が減っているということから変な効き方をしてくるというふうに御理解いただけばいいんだと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 数式上そうなるという点で航空局が認められればそれでいいわけですよ。だから問題は、Nの数値が変わってくる。だから算式にきっちり当てはめていけば、本当に住民感情から言えば、あるいは人間の騒音の受け方から言えば、YS11にしろ百三十二便減れば騒音はそれだけ減った、もっと高いのが何回か来るということはあっても減ったということになるというのが普通ですわね。ところがこの算式に当てはめていくと、Nの数値が変わるから、どう変わろうと、そういう算式で計算をすると逆に上がることになるんだ。だからこの算式自体がWECPNLがそれ自体で騒音を表示していくということは実情と合わないということを示しておるではないか、私はそう言っているのです。だからそういう点では、航空局の方はもうこれを金科玉条にして、これに当てはめていってこれが下がればいいんだ、こう言っているけれども、これでやっていけば、実際には下がっておる場合でも上がっておるように数字上は出てくる。そういう単位なんだ。この単位を採用したこと自体に一つ大きな問題があるんじゃないかということを私は言いたいわけです。それで環境庁長官にこのことについての御見解をお聞きしたいと思うわけであります。  それからもう一つ、前の問題ですね、豊南小学校のことだけを言うておると、まさにそうなんです。豊中の方のことを私はいま言っているのですよ。だから、川西の方で変化があるとかないとかということは触れてないわけです。しかし、川西の方で変化がないから豊中の方ではおかしくても構わぬのだ、そんなことにはならぬのですね。数字の計算がおかしければおかしいと言って正さなければいかぬだろうし、そのことを指摘しているのだということ、これは航空局はっきりして、後で細かく計算してみて、冷静に時間をかけてやるならやってもらって結構です。  それで、環境庁長官にお聞きしたいのですが、こういういままで申し上げたことで大体おわかり願えると思うのですけれども、なるほど数学で計算をしてやっておれば科学的であるように見えるけれども、騒音というような性質のものは、それはデシベルだけでもいかぬし、ホンと言っても、これもいろいろあるわけですね。WECPNLはこれは飛行機の場合はいいんだということを盛んに言われるんですけれども、このYS11の場合の例を挙げればわかりますように、これは決して科学的だとは言えない。実際の感覚から言えば違うということなんですが、その点いかがお考えか。

橋本道夫環境庁大気保全局長

○橋本(道)政府委員 問題は非常に技術的なことでございますのでお答え申し上げたいと思いますが、やはり国際的にWECPNLをICAOが出してきているということがありまして、そこらとの平仄を合わしたということがございます。騒音と振動の単位のとり方というのは、先生の御指摘のように非常にむずかしうございます。一体どの数字のとり方をするか、どういう組み合わせのやり方をするかということでございまして、この予測の中でも、WECPNLだけじゃなしに、そのホン、いわゆるデシベルAで出すというのも出しておりますが、理屈を言いますと、デシベルAでもまだ問題があるというのもございますので、私どもは決して完全にきれいにカバーできるいいものとは思っておりませんが、現在の段階ではWECPNLの持っている一つの特性というのも意味があるのではないか、国際的に採用されつつあるものであるということでやっておりますので、完全なものとは思っておりません。現在環境基準はそれを使っておるわけでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 そのICAOがそういうWECPNLを採用しているんだということであるから、国際的にそうであるから、だから環境庁はそのまま、これは中公審にかけてのことでありますけれども、採用したんだ、経過はそのとおりだと思うのでありますが、ICAOというのは本来運輸省サイドのものなんですね。国際的にそうだと思うのです。民間航空の航空の立場でやっているわけです。それの開発について、今度は公害の立場から、環境保全の立場からチェックするのが環境庁でしょう。だから、ICAOでやっているんだからと言ったら、運輸省でやっているんだからそれでやったんだというのと同じことなんですね。それじゃいかぬのじゃないか。だからいま申し上げたような具体的な、百三十二便落としても、逆にその単位でいけば騒音がふえるというふうな、国際的に使われておっても、そういう矛盾を持った単位なんだということを前提に物を見なければいかぬじゃないか、私はそう思うわけであります。  そういう点から言えば、今度の環境庁の大気保全局長から航空局長あての「大阪国際空港におけるエアバスの導入について」この文書によると、二ページ目に「関係地方公共団体及び周辺住民の理解と協力を得るため最大の努力を行う」こう書いてあるわけですね。これは逆に言えば、理解と協力を得るために最大の努力を払ったけれども、理解もしない、協力もしなくてもやるんだと読める余地を持っているわけですね。協力を得て、納得を得て、同意を得てやるというふうには言うてない。この姿勢は、結局いま言ったWECPNLというものが実際とはやはりずれているんだという前提に立てば、それは同意を得るという方向でなければ、本当の生の騒音というものを感じているものとは違うんだ、幾ら数字を並べてみても、というふうに思うのですが、環境庁長官、いかがでございましょう。この姿勢は、最大の努力と書いてあるから、何とでも、口では最大に言えると思うのですけれども、実質上同意が得られる程度、実質上納得が得られるということでなければ最大の努力をやったことにはならぬ。だって、この数字と実際とはずれがあるんだからということについて、そういう姿勢で臨むということ、そういう点についての御見解をお伺いしたいと思います。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 住民の同意と申しましても、これはさんざん議論し尽くしてもなお少数意見があるのは世の常でございますが、しかしその限りでやはり努力をしまして、住民側のコンセンサスと言われるにふさわしい同意というものを得る努力を運輸省はすべきだと思います。そういう交渉自体は運輸省の所轄の仕事でございまして、環境庁がこれをはっきり規制することはできませんが、しかし環境庁の立場としましては、いま東中先生がおっしゃられましたように、ほぼ完全に近い同意を得たいという時点までの努力を過去の事態の反省の上に執拗に運輸省が繰り返されることを強く望むものでございます。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 いま長官は、周辺住民というのは、これは一人残らずと言うたらなかなかむずかしいんだ、それはまあいろいろな人がいますからという趣旨のことを言われたわけですが、ここでは関係地方公共団体及び周辺住民なんです。少なくとも周辺住民の理解と協力を得るために最大の努力をする、地方公共団体の同意、納得、了解を得るというぐらいのことはしなければ、それは環境庁としては、環境庁の保全局長が運輸省へ出している文書でこう言っているわけですから、だからこれは少なくとも公共団体についてはもっと実質上の同意というぐらいのことにならないと、これは運輸省のやることだと言うだけでは済まないのではないか。ここに書かれていますから、その点、もう一回重ねて決意のほどをお伺いして質問を終わりたいと思います。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 先ほど申しましたように、これはあくまでも運輸省の管轄の仕事でございますが、地方自治体そのものが間接民主主義で住民の意向を代表しているとは申しましても、自治体なりの線切りをすると思います。そこで、つまり落ちこぼれた方々もかなりの多数になると思いますので、そういったいわゆる個人単位の住民の方々の意見もできるだけしんしゃくする努力というものをしてもらいたいと思います。  また、これはあくまでも私個人の所感でございますけれども、これは事務方と相談いたしまして環境庁の姿勢を決めますが、地方自治体十一のうち一つ、二つが反対し、残るものが賛成をしたので、多数であるから出発するという形は、私は好ましくないと思います。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 質問を終わりますけれども、好ましくないんじゃなくて、そういうことはやらないという決意のほどをお伺いしたい、こう言っているので、その点はどうですか。これは科学的データに基づく正確な、客観的なと言うて天下に公表されたものが、いますぐ説明できぬようないろいろな矛盾を持っておるという状態で、しかも、その単位自体がおかしいんだ。これは常識的に考えたら明らかにおかしい。そうすると、やはり地域住民、それから周辺住民と公共団体の意思というものを尊重するというところへいかなければ、それでも踏み切っていくんだというんではいかぬと思うのです。その点を長官の決意としてお伺いしたいわけです。

石原慎太郎自由民主党環境庁長官

○石原国務大臣 現運輸大臣田村先生も大衆の中から出てきた政治家でございますので、私は環境庁の長官といたしまして、運輸大臣が東中先生がおっしゃる線で決意をするように強く助言をいたします。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 東中光雄君の質問は終わりました。  この際、土井たか子君から発言を求められておりますので、これを許します。土井たか子君。

土井たか子日本社会党

○土井委員 本日、大阪国際空港へのエアバスの導入並びにテストフライトをめぐり、環境庁よりさきに運輸省に申し入れられた十三項目を中心に集中審議がなされたわけでございますが、なおこの問題は、大阪国際空港の公害対策上いままことに重要な段階になっておりますので、被害地域住民を初め、参考人が当委員会に出席されるようこれを求めまして審議を続行されんことを、ひとつ理事会でお諮りくださるよう委員長に要求いたします。

島本虎三日本社会党

○島本委員長 土井委員の要請は、理事会に諮って、この取り扱いを決めたいと思います。  次回は、来る十五日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時十六分散会

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