公害対策並びに環境保全特別委員会 第3号
- 発言数
- 228 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/03/01
会議録
○島本委員長 これより会議を開きます。 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。本件について、本日、参考人として日本道路公団理事伊藤直行君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○島本委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。
○島本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 長官にお伺いしますが、長官はさきの所信表明におきまして、環境行政に取り組むことに大きな意欲を覚える、そういうことを述べられまして、経済の高度成長が生み出した公害の発生と自然破壊について非常に嘆かれました。そして「環境破壊の未然防止を第一義」にする、こうお述べになりまして、決意のほどを明らかにされたわけでございますが、特にその対策として、七つの項目を挙げて長官の所信のほどを披瀝されたのでございますが、私は、この長官の所信について満腔の敬意を表します。願わくはこれが美辞麗句に終わることなく、実行に移さるることを期待しながら、長官の述べられた所信の各項について、もう少し敷術してお考えを伺いたいと思います。 まず、この環境影響評価制度について伺いたいと思いますけれども、環境評価制度の法律案を今国会に提出をされる、こういうお話でございましたが、どの辺まで準備が進んでおるのでございましょうか。
○石原国務大臣 お答えいたします。 中公審の答申を得まして、環境庁側の原案を一応つくりまして、各省庁間の話し合いをいたしまして、関係各省の意見、反対意見を一応聴取し終わった段階でございます。ですから、それを勘案いたしまして、期日内に成案を得て、国会に提出したいと思っているところでございます。
○阿部(未)委員 本委員会に提案をされる時期はおおむねどの時期が、いつごろが予定されますか。事務当局で結構です。
○柳瀬政府委員 いま長官が申し上げましたように、いま関係各省庁と調整をしておるところでございまして、原則として三月の二十二日の閣議までに、法案を出す予定のものはそれに間に合わせるようにしろという内閣の方のあれがございますので、原則として二十二日までは成案をまとめたい、その後国会に提出するという段取りになると思います。
○阿部(未)委員 その点、よくわかりました。 続いてお伺いしたいのですけれども、この環境影響評価制度の法制化については、かねてから各党の間にもこれを急がなければならないという意見がありまして、私ども社会党の場合にも案があるわけでございますけれども、われわれの案と政府の案とが意見の異なるような場合については、修正に応じて整合を図るような用意がおありになるかどうか、この点、どうお考えになっておりますか。政府案がもう唯一無二のものであるというふうにお考えになるのか、各党の意見を十分聞いて整合を図るというお考えか、どうですか。
○石原国務大臣 それはもう当然衆知を集めるために、与野党で構成されるこの委員会もございますし、国会もあるわけでございますから、決して、役所が出しました案が絶対的なものと私は毛頭考えておりませんし、十分御審議願いたいと思います。ただ、すでに野党の先生方が出されたそれぞれの原案について、審議が進んだ形のものもございますけれども、しかし、なお、そういうものの中で、今度の役所側の原案に見合わせて、それを補足することでいいものがあるようならば、そのための討論はもうやぶさかでないつもりでございます。
○阿部(未)委員 討論は当然ですけれども、かたくなに原案を守るとかということがないように、特に独占禁止法の経過に見られますように、あの場合には衆議院で各党の意見が一致をしながら、独占といいますか、資本の要請等があったやに聞きますけれども、骨抜きになるようなおそれがある。たとえば企業分割を削除するとか、そういう問題も出ておるわけですが、長官の決意のほどから推測をして、少なくともこの環境影響評価の制度については骨抜きにならないようにひとつ努力を願いたいと思いますので、その辺についての決意を改めてお伺いしたいのですが……。
○石原国務大臣 私は、実はこの案については私なりの意見を持っておりました。しかし、それは現在の法体系といいますか、行政現状の中でなかなかしにくいこともございまして、一応環境庁の基本的な路線というものを私は了承しましたが、どういう形で了承したかと申しますと、私は、これはやはり最低限のものだと思います。ですから、これに何かが加えられることでこの法律案がよりよきものになるならば、私は喜んでそれをお受けするつもりでございますし、そのための十分な御審議と御討論を賜りたいと思います。
○阿部(未)委員 それでは、いま私が希望しましたように、骨抜きになることがないように、長官の努力を願いたいと思います。 次の問題は、閉鎖性水域の問題を取り上げておられますけれども、特に瀬戸内海における赤潮の対策について、今日まで何ら有効な対策が立てられなかった。わずかに排出の総量の規制等についてやられた程度でございますが、幸い長官は、この新たな立法措置について検討をしたいというふうにこの前お話しになりました。新たな立法措置を講ずるとすれぼ、考えられる大筋のものとしてはどういうものがあるのでしょうか。内容です。
○石原国務大臣 排水に対する量的な、質的ないろいろな規制を強化することが考えられると思いますが、審議会の答申に、瀬戸内海にふさわしい排水規制という答申がございまして、これはまた非常に玉虫色で、解釈のしょうがいろいろございますので、そのふさわしさというものが具体的に何であるかということをいま役所自身が検討している最中でございます。そり段階でございますが、そのふさわしさというものの具体的な検討から具体的な案が出てくるものと思います。
○阿部(未)委員 ちょっと抽象的なようですが、実は赤潮発生の原因についても、今日までも率直に言って十分な究明がなされていない。学者の間にも諸説あるようにわれわれは拝聴しているわけですが、これは事務当局で結構ですが、赤潮発生の原因等については相当の究明が進んでいるのかどうか。それが明らかにならなければ対策はなかなか困難だという気が私はするわけです。単に富栄養だとかいろいろ言われておりますけれども、一部ではそうではないというような意見も出てくるし、これはどうなんでしょうか。事務当局で結構ですが、どの辺まで進んでおるのかお聞かせを願いたいと思います。
○二瓶政府委員 お答えいたします。 赤潮の原因でございますけれども、これにつきましては、この発生のメカニズムにつきまして明確にこういうものであるというところまでは現時点においては残念ながらいっておりません。 赤潮が出ますための要因というのはいろいろございます。たとえば、一つは富栄養化という問題がございます。あるいはまた塩水濃度が下がるとかいうような問題もあるとか、いろいろな要因があるということはわかっておりますが、そういうものの定性的な、あるいは定量的なつながりにおいてどう赤潮が出るのかというメカニズムがはっきりいたしておりません。しかし、そうであれば赤潮対策というものはほっておくのかということになるわけでございますが、これにつきましてはやはりそういう一応の要因等がわかっておりますので、たとえば富栄養化というような問題につきましては、なるべく燐なり窒素なりそういうものの削減を図る。たとえば、合成洗剤というような問題につきましてもなるべく低燐化を図っていくようにいろいろな措置を関係の通産省等ともやっておるとか、あるいは下水道の整備というようなことでいろいろ対策をやっておるとかいうようなことでやっておるというのが現状でございます。
○石原国務大臣 私は素人でございますけれども、海の方はかなり体験的に詳しいのですが、赤潮の原因究明は非常に困難だなと思います体験を一つ御披露さしていただきたいのは、瀬戸内海へ行きましたときに、あそこで漁をしている漁師たち、養殖をしている人たちが赤潮で非常に迷惑するということを言っておられるのです。ところが、工場排水、生活排水のほとんどない紀州の、陸の弧島のようなリアス式の漁村に行きますと、そこで湾いっぱいにハマチを養殖しておりまして、その湾を一歩出ますと非常におびただしい赤潮がございます。ですから、いろいろの要因が組み合わさって、実は紀州の方の漁師は自分で自分に被害を与えている。瀬戸内海の漁師の方々はほかに赤潮の要因があると考えられておるようですけれども、そこら辺に究明の一つの取っかかりがあるんじゃないかという気がいたして帰ってきた次第でございます。
○阿部(未)委員 きょうは内容に深く入ってという気はないわけですので、さらっとという気持ちでございますが、私も実は体験から言いますと、いまのような富栄養とかいろいろな問題が起こる以前でも、今日まで多発はしていなかったが、天候のかげん、海水の温度の関係で何度か赤潮が大量に発生したことがあるわけなんです。昔はその赤潮の発生はある程度期待しておった。魚が死んで浮いてくるものだから、労せずして漁ができるというようなことで喜んでおった時期もあるのですが、そういうことを考えてみますと、長官いまおっしゃったように、必ずしも富栄養とかそれだけなのだろうか。そうすると、そこに原因を究明しなければ、せっかく法律をつくって対策を講じようとしても意味のない法律になるおそれがあるのではないか。その辺事務当局の方でもっと検討を進められなければ、せっかくの計画、対策が役に立たないのではないかとちょっと懸念しましたのでお伺いしたわけですが、どうですか、その辺もうちょっと研究進みませんか。
○二瓶政府委員 五十二年度の予算の面におきましてもその富栄養化及び赤潮対策、これは何といいましても重点の事項というようなことで、これらの面に関しますいろいろな調査なりあるいは研究なり、あるいは対策というものも一部入りますが、こういう面につきましても約一億程度の予算も強化して計上をしておる、こういうことでございますので、これが原因の究明なり対策なりにつきましては十分力を入れて今後ともやっていきたい、かように考えております。
○阿部(未)委員 赤潮はそれ以上申しませんが、これは非常にもう長いですね。赤潮が大量に発生するようになって長いし、沿岸漁民の方々が大変迷惑をこうむっておるわけですので、私も全く確信はありませんし、特にその原因について、本当に富栄養を取り除けばそれだけで赤潮がなくなるのだろうかというような疑問もありますので、この上の研さんをひとつお願いしておきたいと思います。 次に、窒素酸化物の対策を推進するというふうに長官述べられましたけれども、光化学スモッグの発生原因についてこれもまた同じように私は非常に疑問があるし、いろんな人の書き物を見ますと、それぞれその原因について意見が違うようでございます。オキシダントとかいろいろ言っておりますし、それから排ガスの問題が出てきてますし、窒素酸化物が問題だというふうには言われておりますが、これについての研究はどの辺まで進んでおるのですか。
○橋本(道)政府委員 いま御質問のございました光化学スモッグの対策の問題でございますが、四十七年以来毎年一億ほどかけまして現地の調査と、特にその中で現地で採取した空気の、スモッグチャンバーというものを使いまして研究をいたしております。また、実験室の中でもいたしております。また、日米で完全に照合いたしておりまして、日本とアメリカの問題の相違もすべて浮き彫りにいたしながら対策を進めておりますが、まだどちらの国も確定的なところまでは言えませんが、おのおのの国はそれなりに対策の成果を上げておるというぐあいに考えておるところでございます。 窒素酸化物自体につきましては、防止技術の方は、これは通産省のプロジェクト及び業界のプロジェクトで進んでおりまして、相当な進歩が見られておるというところでございますが、鉄鉱の焼結とかあるいはガラス溶融というものにつきましては、実験のパイロットプラントの域をまだ出ないというところの状況でございます。
○阿部(未)委員 まあ相当成果を上げておるということになれば、光化学スモッグの発生は年々減少してくるだろう、そう理解していいですか。
○橋本(道)政府委員 五十一年の光化学スモッグの発生は大幅に減っております。ただ、これは対策そのものよりも気象条件が非常に大きく作用をしておるというぐあいに理解をしております。ただ対策の効果として評価すべきものと思っておりますのは、気象条件がございまして、どのような日照でどのような温度でどのような風速の場合には光化学スモッグが出るという条件があるわけです。それで、気象条件がそろっているにもかかわらず出ないという割合でやってみますと、四十八年には気象条件がそろえば七〇%以上出ておりましたが、五十一年は気象条件がそろっていても三〇%少ししか出ておらないということを見まして、まだ確定的に誇るわけにはいきませんが、効果はあるというぐあいに見ております。
○阿部(未)委員 やはり排ガス規制それから固定発生源の規制、これが効果を生んだというふうに考えておられるわけですか。
○橋本(道)政府委員 いま御指摘のございましたように、特に自動車の方の規制は、炭化水素の規制は、もう世界一厳しい規制が五十年から入っております。また窒素酸化物につきましても、世界では最も進歩した対策を現在進めておりまして、両方がきいてきているというぐあいに思っております。
○阿部(未)委員 非常に喜ぶべき現象でございますから、長官おっしゃったように、これをさらに推進をしていただきたいと思います。 次に、自然環境の保全についても長官の決意のほどがうかがわれますが、私は、本日、特に特定地域の鳥獣保護の具体的な対策についてお尋ねをしたいと思います。林野庁、文化庁お見えになっていただいておりましょうか。——それではお伺いいたしますが、大分県の竹田営林署管内に、大分県、宮崎県にわたって祖母傾という山渓がございます。ここに林野庁の国有林があります。ところで、この祖母傾の国有林には原生林が非常に多くて貴重な研究の材料にもなっておりますけれども、とりわけこの山渓にはニホンカモシカが生息をしているのですが、こういうものについて御承知でしょうか。
○角井説明員 お答え申し上げます。 祖母傾山渓にニホンカモシカが生息していることにつきましては、これは九州に残る数少ないカモシカの生息地でもございますので、よく承知いたしております。
○阿部(未)委員 しかるに林野庁の方では、私いまから地図をお示しいたしますけれども、この地図に示すような伐採計画があり、その伐採を進めておるようでございますが、これは大体間違いございませんか、林野庁の方。
○島本委員長 ちょっと速記をとめて 〔速記中止〕
○島本委員長 速記を始めてください。 阿部君。
○阿部(未)委員 そこで、こういう伐採に当たって、先ほど申し上げました原生林なりカモシカの保護というものについて、林野庁としてはどういう配慮を賜っておりますか。
○下川説明員 お答えいたします。 先ほどの図面につきましては、私も、図面に林班番号が入っておりませんのではっきりと確認はできませんけれども、おおよそそういったような計画で伐採することになっておるということは間違いなかろうと存じます。 いま御指摘ございました地域につきましては、昭和五十年度から五十九年度までの十カ年計画でもって伐採をしていく計画がございます。しかし林野庁におきましては、ただいま環境庁、文化庁、林野庁合わせました三庁間で、御指摘がございましたようなカモシカの保護につきましての話し合いが進められていることでございますので、それらを踏まえまして、いまの図面では林班は入っておりませんが、先生御指摘のことだろうと思いますけれども、十七林班の伐採につきましては、この計画期間の後の方に繰り下げまして、当面の伐採を見合わせることにいたしております。 同時にまた、昭和五十二年度に十七林班に入る予定で林道を計画しておったわけでございますけれども、五十二年度の林道の実行につきましては中止いたしております。 なおまた、隣の十八林班の伐採につきましては、カモシカの生息等に十分配慮いたしまして、施業方法を改めました伐採方法をとることにいたしております。
○阿部(未)委員 それで、実は地図をよく見てもらいたかったんですが、これに全部林班が入っておるんです。林班、薄いけれども入っています。 それで今度、長官にこれをちょっと見ておいてもらいたいのですが、こういう美しい山ですけれども、林野庁が伐採するとこういうふうに変わってくるわけです、これは傾山の場合でございますけれども。こんなになりますと、もうカモシカがすめなくなるわけです。これをちょっと見ていただきたいと思います。 そういう趣旨から、実はニホンカモシカの生息地についての地域指定、これはたしか文化財保護法の六十九条か何かじゃなかったかと記憶するんですけれども、これに基づいて大分県から地域指定をしてもらいたいという申請が文化庁に出されておるのではないかと思いますが、どうでしょうか。
○角井説明員 お答え申し上げます。 そのような件につきまして御相談は参っておりますけれども、正式にまだ許可申請は出ておりません次第でございます。
○阿部(未)委員 地域指定については、地方自治体の考えもあろうと思いますからそれ以上お伺いしませんが、せっかく林野庁の方でもいま努力をしていただいておるようですけれども、もう一り、日本自然保護協会というのからこういう「祖母傾大崩山塊のニホンカモシカ生息地の保護についての意見書」というものが出されておると思いますが、これはごらんになりましたか、文化庁。
○角井説明員 確かにいただいております。
○阿部(未)委員 それについての文化庁の御意見を伺いたいのです。
○角井説明員 ただいま、そのものにつきまして私所持しておりませんので正確にお答えはできかねますけれども、生息地指定をしてほしいという趣旨の陳情文書であったというふうに記憶しております。 この生息地指定につきましては、大体そういう方向で私どもこの地域のカモシカの保護を考えておることは考えておるわけでございますけれども、それにつきましては、それぞれ関係省庁もございますし、目下、今後の問題といたしましては協議を必要とすると考えております。
○阿部(未)委員 そこで、先ほど林野庁の方からちょっとお話がございました、いわゆる五十二年度計画に入っておる十八林班、十七林班、これをちょっと見てください。余り正確なものではありませんが、大体大まかなあれ、間違いありませんか。
○下川説明員 ただいま図面を見せていただきましたが、私の方で考えております伐採区域と伐採の面積、若干食い違いがあるようでございます。私の方では、伐採の区域を一つの伐区を一ヘクタールないし五ヘクタールということで非常に縮めまして、小面積皆伐をとるということにいたしておりますが、この図面におきましては非常に大きな伐区になっておるようでございまして、その点ちょっと違っておるようでございます。
○阿部(未)委員 若干図面が違うようでございますけれども、そこで、先ほどちょっとお話がありました十七林班については当分の間伐採を見合わせる、そう理解していいですか。
○下川説明員 お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、この地域は五十年度から五十九年度まで十カ年計画でございまして、それを年次別に割り振って伐採をしていくわけでございますけれども、この十七林班につきまして当分伐採をしないということにいたしております。 それで、これが十カ年間の計画でございますけれども、これを五年ごとに見直すということになっておりまして、昭和五十四年度に次の十カ年計画を立てるわけでございますが、その際にカモシカの問題を含めまして再検討し、五十五年度以降の十カ年間の計画を立てるという予定にいたしておるわけでございます。
○阿部(未)委員 十七林班については、当面伐採を見合わして五十四年度の新しい五カ年計画でもう一度検討してみる、そういう理解でいいわけですね。 十八林班について先ほどお示しした地図が必ずしも正確ではなかったようでございますが、この十八林班の中を通る約千メートルの林道、これはどのくらいに縮小されるわけでございますか。
○下川説明員 お答えいたします。 この十入林班を通っております林道につきましては、五十一年度に九百二十五メートルを開設いたしました。五十二年度の予定としましては、八百九十一メートル。五十三年度におきまして十七林班に入って八百メートルといったような計画でおったわけでございますけれども、カモシカの保護の問題がございます関係から十七林班の伐採を見合わせるという関連におきまして、この林道につきましても五十二年度の延長は八百九十一メートルを若干縮めるということで、十八林班の伐採に必要な最小限度の林道を開設するという予定にいたしております。
○阿部(未)委員 この五十二年度の延長で、いまちょっと抽象的だったのですが、必要最小限というお話で大体理解ができますが、当初計画で五十二年度の延長が一千メートル。メートルにしてどのくらいの圧縮になりますか。
○下川説明員 五十二年度の林道を何メートル圧縮するかということにつきましては、現地でただいま検討いたしておるところでございまして、私もはっきりいまお答えを申し上げかねますけれども、恐らく十七林班との境界線から二百メートルくらいは手前でとどまり得るというふうな気持ちでおります。
○阿部(未)委員 林野庁の方でも非常に努力をしていただいておるようで、御努力に対して敬意を表します。 先ほど地域指定の問題が出たわけなんですけれども、当面祖母傾の国有林について、たとえば禁伐地域あるいは条件つき禁伐といいますか、あるいは協議をして伐採をする、これは文化庁なり地元の県もあると思いますが、そういうふうなことをおやりになって、指定の問題はかなり困難があれば、カモシカの保護、自然林、原生林の保護のために、もう一遍申し上げますが、禁伐地域なり条件つき禁伐地域あるいは協議伐採というふうなものをお考えになれませんか。
○下川説明員 今後の問題につきましては、現在三庁で進めております調査結果を待ちまして検討させていただきたいというふうに考えております。
○阿部(未)委員 長官、私かねてからお願いしておったのですが、この種の問題、一地域の問題ではありますけれども、長官も決意披瀝されておりますような鳥獣の保護等について実効を上げるために、実は環境庁が中心になりまして——ここで申し上げては気の毒ですけれども、林野庁と文化庁の間にはやはりどうしても意見の違いが出てきます。私はその意味で、林野庁の立場はわからないわけでもありません。たくさんの国有林を抱えて、わからないわけでもありませんが、また逆に鳥獣の保護というような立場からすれば、文化庁の方の言い分もある程度聞いてもらわなければならない。そういう意見の整合を図るために、環境庁が中心になってひとつがんばってくださいよとずっとお願いをしてきたわけなので、今回の場合は非常にうまくいったようですが、これからもそういうふうにひとつ環境庁が中心になりながら意見の調整を図っていく、そういう役割りをやっていただきたいと思います。 そこで、この問題についての最後のお伺いをしておきますが、あの三庁の間での話し合いというのは、いまお話をお伺いしたとおりに理解してよろしいのかどうか、環境庁なりからひとつお答え願いたいと思います。
○信澤政府委員 この問題につきましては、たしか昨年の十月にこの委員会で御指摘をいただいたわけでございますが、早速私ども三庁で協議をいたしまして、協議の結果、それぞれ三庁が現在調査をいたしております。私どもも来年さらにまたやるつもりでございますが、そういう調査結果を踏まえまして、カモシカの生態なりあるいは生息環境というものを十分調べまして、その上で最終的な方針を決めたい。当面、祖母傾の問題については、ただいま林野庁なり文化庁からお答えしたように、応急的な措置は講じてもらう。いま聞きますと、森林施業計画を五年ごとに見直して、五十四年度に見直しをやるということでございますから、それに間に合うように私どもとしてはいま申し上げたような基本的な方針を決めたい、このように考えております。 なお、先生御承知でおっしゃっておると思いますが、カモシカはこれはどこにおりましても天然記念物でございます。問題は、生息地を含めて天然記念物にしろ、こういう御趣旨かと承っておりますので、そういう問題は御指摘の祖母傾以外にもあるはずでございますので、全体的に調整をいたしたい、このように考えております。
○阿部(未)委員 それでは、私先ほど申し上げましたようないわゆる地域指定という問題は林野庁でもいろいろ意見があると思いますので、それが困難であるならば、禁伐とかあるいは協議して伐採をする地域とかいうようなものについて、私ども、環境庁を中心に文化庁、林野庁との間での検討をお願いしておいて、この問題については終わりたいと思います。 次に、道路公団はお見えになっていただいておりますでしょうか。——私、主として公害対策の関係からですけれども、九州横断高速自動車道の建設については、もう施行命令が出たのでございましょうか。
○伊藤参考人 出ております。
○阿部(未)委員 後は実施計画というのでございましょうか、どのくらい進んでおるわけでございますか。したがって、路線の発表等の時期はいつごろになる予定でございますか。
○伊藤参考人 お答えします。 九州横断自動車道も全体として長いのでございますが、大分−湯布院と鳥栖−日田間は施行命令をいただいております。実施計画が出ております区間は鳥栖−日田間だけでございまして、大分−湯布院間はまだ実施計画の承認をいただいておりません。
○阿部(未)委員 湯布院−大分間というのがあると思うのですが、これはまだ施行命令は出ていないのでございますか。
○伊藤参考人 湯布院−大分間は、施行命令はいただいております。
○阿部(未)委員 私は余り詳しくないのですが、施行命令が出ると公団の方で関係の向きの調査庁なさって、それから道路の路線発表というのですか、それをなさることになるわけですか。
○伊藤参考人 そのとおりでございます。調査を道路公団でいたしまして、建設大臣に実施計画の認可を申請いたします。
○阿部(未)委員 それでは、私はきょうはもう内容には触れる意思はありませんが、この湯布院−大分間の中で、特に湯布院と別府の間は高い山の地域を通らなければならないのですが、われわれが日常通行してみまして、非常に濃霧が発生をする期間が多いということと、それから冬季の凍結がはなはだしいわけなので、高速自動車道としていろいろ支障があるのではないかと懸念をするのですが、その点についての対策というのは公団の方で十分お立てのこととは思いますが、濃霧の対策、凍結の対策等はどうなっておるわけでございますか。
○伊藤参考人 ただいま先生のおっしゃるように、濃霧並びに凍結のおそれが十分ございます地域でございます。したがって濃霧に対しましては、現在のところ道路側の設備といたしましては、霧に対する透過度の非常に高いナトリウムランプ、あれを霧の発生地帯に全面的に据えつけるということが行われておりますが、そのほかに霧に対するいろいろな研究というものを進めておりまして、そのうち比較的実用に供し得るというものをどんどん使っていきたい、たとえば内光式のデリニエーター、路側につけております反射するデリニエーターといったものについても現在考えております。 それから凍結につきましては、最近で最大マイナス十五度というような記録がございます。したがってこれに対しても非常に注意を払って、初期の情報をドライバーに伝えるということを主に置いたやり方をしていきたいと思っております。なお、凍結そのものに対する融解については、ほかの地方と同じような考え方でやっていきたい、つまり凍結融解剤というようなものを考えております。 以上でございます。
○阿部(未)委員 せっかく高速道路をつくっていただくわけですから、その目的が達せられるように、濃霧のために車が通れないとか、凍結のために車が通れないとかいうようなことのないように、公団の方でも十分な配慮をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○島本委員長 阿部未喜男君の質問はこれで終わります。 次に、馬場昇君。
○馬場(昇)委員 私は、水俣病認定について不作為が違法であると現在確認されておるわけでございまして、認定業務というのが違法の状態の中に現在あるわけでございます。そういう状態の中における水俣病認定の行政姿勢といいますか、具体的対策も含めてお尋ねいたしたいと思います。 まず、長官にお尋ねいたしたいわけでございますが、すでに御承知のとおりでございまして、昨年暮れの十二月十五日に熊本地裁が申請者三百六十二人について、これは県ですけれども、被告の不作為は違法であることを確認するという判決を出しました。判決の理由は、救済法は迅速な救済を目的としている、認定処分のおくれは救済を受ける権利を実質的に奪うものである、こういうのが縮めて言えば判決の理由でございます。この熊本地裁の判決に対しまして、環境庁と連絡をとりながら熊本県は控訴しなかったわけでございまして、確定したわけです。私は控訴しなかったということはよかったと思っておるわけでございますが、この判決について長官の考えをまず聞いておきたいのです。 私は、この判決は水俣病の行政を問い直すというような画期的な判決であろう、こういうぐあいに考えておるわけでございますし、またさらに、言うなればこれは行政の怠慢というのを裁判所が指摘した、認めた、こういうことでもあろうと思いますし、過去四大公害裁判などで企業の責任というのはだいぶ問われた判決が出たのですけれども、行政が初めて裁かれたというような歴史的な意義を持った裁判でもあろう、こういうぐあいに思います。こういう問題につきまして長官の御見解、また行政官としていかなる反省をなさっておるか、そういうことについて、まず長官の考え方をお伺いしておきたいと思います。 さらに、違法状態は早急になくさなければならぬと私は思います。そういう問題について、具体的にこうしたらどうだ、ああしたらどうだということは後で申し上げますので、基本姿勢だけについて、反省と違法状態をなくする決意についてまずお伺いしておきたいと思います。
○石原国務大臣 お答えいたします。 あの判決は、先生のおっしゃるとおり、水俣病の問題に関して一つのエポックを区切るべき改めての事実認識だと思います。そういう意味で、環境庁としても非常に厳しい姿勢でこれを受けとめたいと思っております。 ただ、判決の全体の文章を見て、どこをどうと申しませんが、熊本県は熊本県なりに、決して怠慢ではなしに、努力はしながら、かついろいろな条件もあって、非常に遺憾な形でああいう業務の滞留というものを来したということも御理解いただけるのじゃないかと思います。しかし、決して、それに甘えるわけではございません、あの判決が出た限り、やはり国と県の関係をもっと密にいたしまして、あくまでもこの認定作業を進め、救済すべき方々を救済する、補償を行わしめるという努力をいままで以上にもっともっと積極的にすべきだと心得ております。
○馬場(昇)委員 やはり先ほど言いましたように、救済を受ける権利を実質的に奪う、こういう判決をしておるわけですから、確かに、私も熊本ですから、県が一生懸命やったのは知っています。環境庁とも連絡をとっているのは知っているのですが、しかし、この判決の結果は権利を実質的に奪うという結果になっているわけですから、私は、やはり行政の怠慢というのは率直に反省する必要があろう。いま長官はその辺については余り言われなかったのですけれども、その辺について端的にお伺いしたいし、さっき質問しました点に答えがなかったのは、違法状態を早急になくさなければならぬ、この強い決意がおありか、この二点についてちょっと確認しておきます。
○石原国務大臣 違法状態を早急になくす努力はいたします。 それから、行政が怠慢であったと言われますが、これは機関委任事務でございまして、直接の当事者が熊本県である限り、環境庁もいろいろ、一歩遠ざかったと申しますか、退いた立場から、この問題を非常に憂慮してきたわけでございますけれども、努力をしながらも、結果として不作為というものの違反の判決というものが出たということでございまして、それを言いかえれば怠慢ということならば甘んじてそれを受けとめまして、この失地を回復する努力を、新しい方式を模索することによって努めたいと思っております。
○馬場(昇)委員 いま違法状態を早急になくさなければならないという決意、そしてやはり県ですけれども、後でもちょっと触れますけれども、怠慢は甘んじて受けながら一生懸命反省してやるという御決意をお聞きしたのですが、私はやはりもう一つ念を押しておきたいのは、判決にこういう言葉があります。「本件申請のごとく水俣病の有無という人の生命身体に係る重大かつ深刻な問題について、申請者等の不安定な状態を永続させ、さらに不服の道を閉ざすことは人道上からも条理」からも到底容認することはできない。」これが判決文にあるわけでございます。ぜひこれを長官の行政の基本に据えてやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○石原国務大臣 これは政治家としての私の個人的な見解になるかもしれませんが、私も私なりに水俣病の経過をずっと勉強し直してみまして、この認定の作業云々だけではなしに、熊本県の行政、国の行政が非常に遅滞し、反応が遅かったために、患者の数のけたというものが年ごとにふえてまいりました。あの方々が非常に声を大きくして県に、あるいは国に救いを求めながら、何と申しましようか、行政のカーテンにさえぎられて投げた声がこだまになって返ってこなかったという意味では、認定の作業だけでなしに、やはり行政というものが、日本人が日本人自身に投じた原爆のような水俣病の問題でやはり十字架にかかるべきだと私は思います。そういう意味でも、この問題は何か新しい方式を考え出すことでできるだけ早く解決をする努力を、私も環境庁を預かりました限り、スタッフを督励して努力をするつもりでございます。
○馬場(昇)委員 私は、さらに突っ込んでいまもう言わなくても長官の御決意のほどはわかったのですけれども、せっかくここで長官とこの問題について質問をするわけですが、私はここで質問の場合はっきり言わなければならぬのは、これは被告は県ですけれども、実質的な被告は国である、そして環境庁長官である、こういうぐあいに厳しく受けとめるべきだ、こういうぐあいにも思います。そしてまた、法律的に言いましても、これは機関委任事務であるわけでございますし、また現在、実質的に見ましても、熊本県の能力をある程度超えているわけでございますから、そういう立場からも国が被告だ、環境庁長官が責任者だと言えると思うのです。 さらに、四十九年の七月に三回にわたって六百七十七人が環境庁に不作為の行政不服審査請求をやっているわけです。このうちの二十八人は認められたけれども、それ以下は棄却されているわけです。環境庁が不作為じゃないと言って棄却したわけです。だから患者さんたちは、裁判に訴える以外はないということで裁判に訴えられて、さっき言ったような判決が出たわけですから、実際は、やはり実質的な被告は国であり、環境庁長官である、こういう立場で行政に当たられるべきだというぐあいに思います。 さらに、これはもう長官、勉強されて御存じと思いますけれども、公式に水俣病が発表されてからでも二十年たっているわけでございます。そうしてやはり最初、中枢神経系統の患者が多いというのが出始めましたのは昭和二十八年でございますし、大体、有機水銀の中毒だと言われたのが三十一年、これは公式発表になっているわけですけれども、そういうときから二十年、絶えず行政のおくれというのが指摘されてきておるわけです。そうして患者が何か言わなければ行政が進まない、こういう状態が続いてまいりました。 実は、三十一年に公式に発表されたのに、魚の漁獲禁止を実質的に指導したのは四十八年なんですよ。水銀を持った魚を食うなと指導したのがこんなにもおくれておるという状況もございますし、当初のころからちょっと申し上げますと、最初は奇病だと言って、水俣のチッソが出した水銀が原因じゃないのだという、爆弾が原因だとかなんとかという説も、特に行政側でもとられてきたことがございますし、昭和三十四年にははっきりしたのに、死亡者四十万円という見舞い金契約でそれを押しつぶされて、そうしてチッソが出した排水が水俣病の原因だとわかってももう何も言いませんよということまで書かされてやったわけでございますが、その中でも患者が立ち上がりまして、四十年には厚生省の補償処理委員会、仲裁委員会というのですが、これが命の値段を四百万に決めた。これでもおかしいということで裁判に訴えられまして、御承知のように、千六百万、千人百万、人の命を値段にかえるわけではありませんけれども、そうやりましたし、その上、補償協定書ができた。これは自主交渉でできたのです。いま水俣の患者というのはほとんど補償法は適用していないのです。全部自主的につくったところの協定書を適用して救済されているわけです。 こういうものから考えますと、本当に行政の責任というのはある。患者が言わなければ何もしなかったというような感じがございます。そういう中で、これに対する反省はもうなさっておると思いますけれども、そういう立場から今日を見てみますと、私は、今日は、一エポックを期したと言われますけれども、まさにそのとおりでございますが、逆の見方からしますと、昭和四十九年七月に第三水俣病をシロ判定があったわけですよ。これは患者さん方から見れば、行政が変節した、ここで水俣病は終わったんだ、終わりにしよう、これから押しつぶそう、そういうぐあいに実は受け取られておるのです、患者さんにとってみますと。そうして、認定促進だと言ってまさにでたらめな検診が行われました。そしてにせ患者発現事件がございました。そしてまた、いろいろな患者の行動に刑事弾圧が加わってきたわけです。だから、そういうことを考えますと、いま一方に、非常に大切な時期にこの水俣病を圧殺しようというような、もみ消そうというような一連の動きがあるということを患者さんたちはしきりに言っておられるのです。こういうことではいけないと思いますし、過去の反省の上に立って、再び 長官の考えを聞きたいのですが、やはり水俣病の対策というのはこれからが始まりなんだというような決意でやっていただきたいということについて、御見解をまず聞いておきたいと思います。
○石原国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。そういう意味では、水銀のあれだけの広範囲た及ぶ汚染というものが一体これからどういう新しい事実を出してくるかということは、いままでの人間の体験にないことでございますので、これからも新しい事実が出てくる懸念は十分ございますし、あの第二次大戦で日本人が原爆を被爆しましたその後遺症というものが、子孫にまで及ぶという形で今日続いている、そういう意味では等質の一つの惨事であると心得て対処していきたいと思っております。
○馬場(昇)委員 非常によくわかりました。 昭和四十八年、いま委員長をしておられます島本先生なんかも御存じですけれども、当時の環境庁長官の三木さんが水俣に行ったんです。そのときに三木さんが何と言ったかといいますと、全く今度の訪問というのは心の痛むつらい訪問であった。そして、良心と責任感にむち打って、なすべきことは行政、政治に携わる者の深刻な反省と、すでに起きた悲惨な事態に対する緊急かつ長期の対策である、力の限り尽くしたい、こういうことを三木さんは言われました。いま、長官のお話を聞いておりまして、それと同じ考え方であるわけでございますし、ぜひそういう立場で一生懸命やっていただきたいと思います。 そこで、具体的な問題についてお尋ねいたしますけれども、この裁判の目的は、患者は一日も早く認定してくれというのが裁判を起こした目的でございます。ところが、判決の中にも、「相当期間」が経過して処分見通しのないのは違法だ、こうなっているわけですけれども、行政というものは「相当期間」というものを特定する義務があろうと私は思うのです。だが、見通しがないから違法だというふうになっているわけでございますし、そういう意味で、この「相当期間」というのを特定する義務がある。その中で、環境庁は大体どのくらいの期間を「相当期間」として考えておられるのかということについて御見解を聞きたいと思います。
○石原国務大臣 それは非常にむずかしい問題でございまして、具体的なことは政府委員が答弁いたしますが、やはり、いままでの形では、幾ら時間というものを役所で仕切っても、結局その時間の間で作業が満たされるということはないような気がいたします。ですから、やはり、馬場先生も自分の地元でいらっしゃいますし、与野党の先生方にお知恵を拝借しまして新しい何らかの方式を考え出すことで初めて、つまり時間を仕切るという意味が出てくるのじゃないかと心得ますが、なお具体的なことは政府委員から答弁さしていただきます。
○野津政府委員 ただいま長官から申し上げたとおりでございまして、特に、御案内のとおりこの裁判におきましても「相当期間」というのは一番大きな論点であったろうというふうに思っているところでございます。ただ、現状といたしましての申請者の激増とかあるいは検診員の数あるいは検診従事日数の限界あるいは最近におきます申請される方々の病状というふうなところから見ました場合に、検査に非常に時間が要るというふうな形がございますので、これは非常にむずかしい、特定すること自身がむずかしかったというふうに私どもも考えておるところでございます。
○馬場(昇)委員 患者さんたちは、五十日にしてくれという主張を持っておられるのは御承知のとおりでございます。そしてまた、新潟では大体三、四カ月で終わっております。そして、昭和四十九年に県と環境庁の方で話し合われて、二カ年間で二千人ぐらい終わろうという計画を立てられたこともあるのです。ところが、いま長官は、新しい方法を考え出すことで時間を仕切らなければどうにもしょうがないのだというようなお話がございましたのですけれども、現在の認定状況でいきますと、三千五百人ぐらい現在おりますが、十数年はかかるのですよ。患者さんたちは皆十数年かかるということは、現実ですからそれを知っているわけです。また裁判所も、そういう状態の中に放置しておくことが違法状態だと言っておるわけでございますし、つい先日、二月二十五日と六日、熊本で二日間審査会をやっております。八十人審査いたしましたが、十八人答申して六十二人保留になっているのです。こういう状況でいったら、二十年近くかかってしまうと私は思うのです。だから、問題はいつになったら終わるのだ、それで「相当期間」というのはいつなのだ、そういうことを目標をつけて、それに向かって努力していただきたいというのが患者の気持ちなのですよ。だから、いまのようにいつになるかわからぬというようなことであれば、裏を返して言えば、違法状態をとのまま続けます、そういう答弁になるわけです。さらに言うならば、いつごろまでに終わるかということのめどをつけるのがいつごろだ、そういうことぐらいまでは言わなければ救われないのですよ。そういう問題についての御答弁をちょっと伺っておきたいと思うのです。
○野津政府委員 ただいま御指摘のとおりの状況にあるわけでございまして、特にただいま御指摘ございましたような、保留される方が非常にふえてきておるというふうな問題があるわけでございます。特にこの件につきましては、水俣病におきます病像の多彩化というのが最近言われておるところでございまして、このために非常に判断がむずかしくなっているというふうな問題もあるわけでございます。したがいまして、私どもも、これは県の方からも要望もあるわけでございますけれども、問題を解決します一つの方法といたしまして、いわゆる認定検討会というものを設置しているわけでございます。これによりまして、できるだけ一つの形としての基準というふうなものを決めることも必要ではないかというふうに考えておるところでございます。
○馬場(昇)委員 時間があまりございませんので、ここで押し問答しては時間の空費でございますから、この問題は一応最後にまた申し上げることにして保留しておいて、次の問題に進んでいきたいと思います。 判決が出ました後に、患者の人たちから裁判にかかわって要求がたくさんありますけれども、その中で、国が裁判費用を出してくれ、具体的には県ですけれども、県に裁判費用を下さい、弁護士の費用とか交通費とか行動費とか言っているわけですよ。具体的に一人三十万ぐらいの裁判費用を出してください、こういう要求と、一部申請者に認められた仮処分判決を最低限として、いわゆる認定されるまでの処分おくれの年金に相当するものとか、あるいは不作為の慰謝料とか、いろいろそういうことを含めて一人当たり月に三万四千円を支給していただきたい、こういうような要求が出ておるわけです。これについて県は、財政問題もあるし、とにかく国の態度が決まらなければ御返事できないというような態度をいまとっているわけですが、この要求に対して、前向きに検討してこれを解決したいという気が長官おありでございますか。
○野津政府委員 ただいま御指摘がございましたような患者さん方からの要望が県に出されておるということにつきまして、私ども存じ上げているわけでございますが、現在の考え方といたしましては、判決に基づきます訴訟費用というものにつきましては、当然被告である県の負担という形になるかと思いますが、それ以外の金員につきましては、これを支払うという理由が見出せないというふうに考えておるところでございます。
○馬場(昇)委員 実際問題として不作為が続いておるわけですから、そこで不利益を受けておるわけですよ。早く認定してもらえば、すぐ補償金とかもろもろの手当とかをもらう、年金ももらうわけです。それがずっと引っ張られているから不利益を受けているのですよ。だから、いつ解決するかわからないということで、そこを突っぱねておりながら、その間受ける不利益をも違法状態の中で補償しない、話し合う態度も見せないなどということは、これはさっきの長官の言った行政の態度と大分違うのじゃないか。私はこの問題について、形はどうなろうとも、やはりそういう患者さん方の違法状態の中における要求について、結果がどうあるかは別として、具体的に話し合うべきだ、そういうぐあいに思うのですが、これは長官どうですか。——話し合うかどうかということですから、イエスかノーかでいいのです。
○石原国務大臣 すでにそういう陳情も受けておりますし、これからも陳情は承りますけれども、判決が出ました後の、起こってきましたそういう問題について、いま部長が述べました結論を役所としては出したわけでございます。しかし、なおもっと細々した事情をお聞きし、さらに他の案件の判断のよすがにするようなお話し合いは十分させていただくつもりでございます。
○馬場(昇)委員 たとえば、具体的にどうしてもお手上げというような状態が続く場合には、何らかの形で、不利益をこうむっておる者を納得させるということは必要なんです。そういう意味で、いずれ政治的な問題としてでもこの辺の話というのは起こってくるのじゃないかと私は思いますので、ぜひ話し合いの場は持っておいていただきたいと思うのです。 そこで、具体的な問題について申し上げますけれども、認定促進の抜本的改正をやってくれということを県が要求しておりますし、また、患者さんたちも要求しておるわけですが、私は、補償法によるあるいは救済法による現行の認定制度というのは、事水俣病に関しては破産しておると思います。そういう意味で、県も患者さんたちも抜本的に制度を改正してくれという要求があるのですが、御承知のとおりに、現在三千五百名以上認定がたまっております。二十六都道府県に申請者がまたがっておるわけでございます。そしてまた、熊本県議会は、環境庁の態度次第では委任事務を返上する、この三月の県議会でそれをやりかねないという状況もございます。 実際問題として、長官、たとえば昭和二十一年ごろチッソの従業員が水俣に五千人ぐらいおったのです。ところが、三十五年に三千四百人ぐらいになり、いまは大体千人ぐらい、そして、たとえば千葉の五井なんかに七百人ぐらい移った。家族を含めますと二千五百人ぐらいが移っているわけです。さらに、水俣市の人口は、昭和三十年ごろは五万おったわけです。ところが、いまは大体三万五千、一万五千ぐらい減っておるのです。いま、汚染地域と言われます水俣市、芦北郡、鹿児島を含めまして、四十万ぐらいの住民がおります。そこから県外に出たのは数万おるわけです。そういうことで、この申請対象というのは日本の全国にばらまかれておる。そして、いまは申請しておるのも二十六県である。それが熊本県の審査会に来るわけでしょう。そしてまた、たとえば東京なら東京の寝たきりの人が申請を出したって、検診に熊本県から医者をやるということは不可能なんです。熊本県にその寝たきりの人は行けない。こういう状態のときには、審査会というものを国でつくって、そういう他県にまたがるとか、他県の人数が多いというときには、この認定は環境庁長官がやるべきだ、これが熊本県の意向です。 これにつきまして、具体的に言いますと、私は検討したのですけれども、今日の公害健康被害補償法この四条二項ぐらいを改正して、他県にまたがるとか人数が多いとかと、こういうときには国に審査会をつくって環境庁長官がやるのだ——県独自の場合にはその県でやるのだという現行制度でいいのですけれども、そういうぐあいにして法改正をして、抜本的に制度を変えたらどうか、 この点について長官の御見解を聞きたい。
○石原国務大臣 しかしこれは、水俣病の現状というのは、諸地域に拡散しているとはいえ、患者の分布というのはやはり九〇%が熊本県におられるわけでございます。それから、過去の認定作業を見ましても、水俣という地域性を十分掌握され、この十数年、二十数年間いろいろな形で患者を診てこられたお医者さんの体験といいましょうか有識性というものが、やはり認定の作業の中で患者さんを、申請者を説得する大きな要因になっておりまして、あるいはまた、認定作業そのものが機関委任事務という地方公共団体の地方における福祉にかかわりある問題でございますので、抜本的に機関委任事務を返上させて国がこれにかわるというのは、必ずしも問題の解決の促進にならないと思います。 ただ、他県に移られた申請者なり患者に対する医療的な配慮というものは、これは特例を設けるなりして考えることもできるのじゃないかと私個人としては考えておりますが、いずれにしましても、そういう問題を含めて、この判決がおりましたのを機に、もう少しこの特例、例外も設けたきめの細かい配慮のできる体制というものをつくっていくべきだと考えております。しかし、抜本的に機関委任事務を国に返上されるということは、必ずしも問題の解決の促進にはならないと判断いたしますし、役所全体もそういう見解でこの問題に対処していくつもりでございます。
○馬場(昇)委員 熊本県が機関委任事務を返上するということ、これはもう必ずしもいいこととは私も思っていないのです。しかし、もうそこまで追い詰められているという状況はぜひ御理解願いたいと思うのですが、そういう意味で、長官むずかしいと言われますが、新潟ではちゃんと、第二水俣病が新潟で発生したら新潟大学を中心にぴしゃっとして、いま問題ないようなことができているわけです。やろうと思えば、できるわけです。私は、たとえば国が、二十年以上たったのに国で専門医の養成の制度あるいは機関もできていないというのは非常に怠慢だと思うのです。そういう意味で、いまの公害健康被害補償法の改正問題については一応おきますけれども、最低、専門医を養成する制度ぐらいは確立する検討をされてはどうか。そして新潟ではできたじゃないかということですから、この専門医養成制度を確立していただきたい。 それから、もう少し制度として、やはり非常に経費も要るわけですから、この問題について全額国庫負担というような方向、いろいろもろもろ後でまた財政負担について少し言いますけれども、国庫負担の制度、専門医の養成の制度、さっきのような法律の改正ができないとすれば、そういうものについて突っ込まれる意思はおありでしょうか。
○石原国務大臣 水俣病研究センターでございますか、あれも発足いたしましたし、そういうところで早急に認定の方々の作業をしなくちゃいかぬ、患者さんの救済をしなくちゃいけないと同時に、先ほど申しましたように、放射能と同じように非常に長期にわたる後遺症のあり得る病気でございますから、そういうセンターの中でそういう専門医というものを養成していくなり配備していくということは、積極的に考えるべきだと思います。 それから、新潟を例にお引きになりますけれども、私も椿先生にお目にかかっていろいろお話を聞きましたし、また熊本の方で先生方にもお目にかかったり、これからお目にかかるつもりでございますが、新潟の場合に作業が非常に迅速に理想的にいきましたのは、これはやはり水俣という暗中模索の中から出てきた貴重なデータを踏まえたために、たとえば頭髪の水銀量の調査なども手っ取り早く済んでおりまして、あれが一番取っかかりになるはずのものが肝心の熊本では行われていなかった、そういう意味では第二次水俣病という意味での一つの恵まれたといいましょうか、それなりに対処する条件というのが整っていましたし、それからまた、住民が暴露された水銀の量そのものはけた違いに熊本の方が多うございまして、にわかに、新潟にできたものが何で熊本にできないかと言われましても、そこら辺は馬場先生の方がはるかに私よりも詳細に御存じだと思いますが、そういう意味で、とにかく発源地であるだけに、熊本がいろいろな数多くの量的にも質的にも厄介なハンディキャップをしょっているということは御理解いただいたと思いますし、その中で、とにかく私たちもできるだけの努力をしていくつもりでおります。
○馬場(昇)委員 私がさっき言ったのは、新潟でできたのが何で東京にできないのかということを言っているのです。新潟大学を中心にちゃんと新潟では審査認定ができている。それを東京でつくって東京でできないはずはないじゃないかということで、さっき言ったような補償法の改正をやってはどうかということを言っているわけでございますが、次の具体的な問題について見解を承っておきたいと思います。 先ほどから何回も言っておりますように、もう県は万策尽きたと手を上げているのです。これは長官も御存じのとおりです。そこで、熊本県を中心にしてこういうことをやってはどうかということが提案されておりますのが、水俣病の被汚染者手帳方式といいますか、原爆手帳方式といいますか、そういうものの採用を検討してはどうか、こういうことが言われておるわけでございます。私もある程度、水俣病被汚染者の救済に関する特別措置法ぐらいつくって、これは原爆の医療等に関する法律とかあるいは特別措置に関する法律とかを参考にしながら、あるいはCOの救済の法律、こういうのを参考にしながらやはり特別立法を、水俣病被汚染者の救済に関する特別措置法、こういうようなものをつくってはどうか。熊本県に聞きましたら、熊本県は有機水銀の汚染に暴露された住民の救済に関する特別措置法、こういうような法律をつくってもらいたいということを言っておるのですが、私が言った名前と大体中身は同じなんですけれども、そういうことを実は言っております。 大体法律の内容はどういうことかというと、指定された地域に一定の時期に一定の期間居住して有機水銀の汚染に暴露された者に健康管理手帳を交付して、そしてその健康管理手帳をもらった人に対しては医療費の負担とかあるいは障害手当とか療養手当とか葬祭料とか遺族手当とか一時金とかこういうものを支給する、大体こういう内容ではどうか、こういうようなことが出ておるわけでございます。このいわゆる原爆手帳方式、それを水俣病手帳方式というかそういうもので特別措置法でもつくって、これをやって当面救済するという方法は考えられないかどうか。どうですか、長官。
○石原国務大臣 この間も予算委員会で瀬野先生にその問題についてお答えいたしましたけれども、私はできないことはないと思います。ただ、例の裁定、パーヘッド千六百万か千八百万という補償の裁定が前提になりますと、これは非常に厄介な問題が出てきまして、それから要するに例の汚染者が払うという原則との抵触もございますので、これは健康管理、医療的な救済ということならば現在も経済的な措置はしているわけですけれども、なおそれより進んだ形で医療救済ということならば私は方法があると思いますけれども、補償ということが絡んできますだけに非常に厄介な問題でございますが、まあ前向きという言葉はどうも当てにならない言葉でございますけれども、それこそ前向きに検討させていただくつもりでおります。
○馬場(昇)委員 これは私の私見で、結論を出しておるわけじゃございませんけれども、千六百万、千人百万という補償とこれはやはり切り離さなければできないんじゃなかろうかと私も思うのです。そして問題は、PPPの原則というのがありますけれども、これはあなた方の方でその原則を犯さないような研究もしてもらいたいと思うのです。 そこで、前向きにということでございますけれども、私は、実は前からこういう検討はなさっておることは知っております。だからそこで、これは部長でいいですけれども、現在どこまで研究がいっているのですか。
○野津政府委員 熊本県からも提案をいただいているところではございますけれども、検討の中身といたしましては、ただいま長官からも申し上げましたとおり、現在の方法というものが一体社会保障的なものの考え方でいくのか、あるいは損害補償的な考え方でいくのかという基本的なものを詰めておかなければいけないというふうに私ども思っておるわけでございます。特に、一つの下敷きになっておりました原爆に関します各種の法律というものは、まさに社会保障的な制度であるわけでございます。しかも、現在水俣地域におられる方々は、いろいろな形での社会保障制度の中に取り込まれているという面もあるわけでございまして、その間の整合性等も詰めなければいけないというふうなことで、そういう点についていろいろと検討も議論もいたしておりますし、また、現実に実態を踏まえた形での県の意向等も聞きながら詰めているところでございますけれども、基本的な問題として残っているのが、社会保障であるのかあるいはいわゆる損害に対する補償であるのか、そういう問題を整理することが必要ではないかということで議論しているところでございます。
○馬場(昇)委員 現在違法状態にあるわけですけれども、先ほどから答弁を聞いておりますと、違法状態を解消するために具体的にこうするということが何も出てこないのです。いまのこういう問題でも、いつごろまでに結論を出します、営々とそれに向かって努力しております。そういうことを言わなければ、前向きだけの言葉では話にならないと思うのですよ。これもちょっと後でまた申し上げたいと思います。 次に、認定基準についてお伺いしておきたいと思います。長官、認定の基準といいますか、認定の要件といいますか、こういうものはやはり確立する必要があろうと私は思うのですが、これに対して御見解を聞きたいし、それからその中身について、五十年の六月に設置されました水俣病認定検討会の作業は現在どうなっているか、これは部長でもいいですから、そしてこれはいつごろまでに結論が出るのか、これが第二点です。 それから、これも部長でもいいと思うのですが、原則的な答えになれば長官ですが、熊本と新潟と鹿児島とでは認定基準に差があるのではないかという批判がございます。事実、裁判所でも証人がそういう発言をなさっておるのです。たとえば、熊本は初期の水俣病像に固執して、それと少しでも違っていたり、他の病気との合併症があると認定しない、それは新潟では認定しているんだ、こういうような証言なんかもあるわけですから、この三つに差があるのではないかという批判に対する御見解。 そして認定基準をつくるに当たって、これは長官に念を押しておきたいのですが、四十六年に厚生省の次官通達か出ております。この次官通達は御承知のとおりでございますけれども、念のため読んでみますと、「当該症状が経口摂取した有機水銀の影響によるものであることを医学的に見て否定し得ない場合においては、法の趣旨に照らし、これを当該影響が認められる場合に含むものであること」こういうことが次官通達で出て、これが、漠然としておりますけれども、言うならば現在認定の基準になっているし、認定の法律、憲法みたいになっているわけでございますが、いまから認定基準、要件をつくられる場合、これの具体化であって、これよりも後退させることはあってはならない。そうしたら大変な問題になるわけでございますので、基準をつくるに当たってこの次官通達が基礎になるべきだ、それを発展させるべきだと思うが、いかがでございましょうか。
○石原国務大臣 私もそのように心得ます。先ほども先生おっしゃいましたけれども、決して水俣病は終わったわけではございませんし、病気の本質的なものからいいましても、これから先、予期しない形で、これが新たな形で発覚するということもあり得ると思います。そういう意味で、いわゆる不全性の病像あるいは非顕性の病像というものもできるだけ追求し、基準の中に取り入れていくべきだと思っております。
○野津政府委員 認定検討会は、過去におきまして分科会を含めまして十数回の会合を持っているわけでございまして、私どもほとんどすべての会合には出席いたしまして、議論をいろいろ拝聴しておるところでございます。 現在の段階といたしましては、各委員の間で一応のコンセンサスが得られたところにつきましてまず座長の手元でまとめようということで、この作業をいま座長を含めまして進めているところでございまして、私どもできるだけ早くこれをまとめたいと考えております。 また、この認定検討会が発足しますときの考え方は、先生御指摘ございましたように、その四十六年におきます次官通達の「否定し得ない」というものを具体化していこうという考え方の上に立っての議論であることは御理解いただきたいと思うわけでございます。 それから新潟、熊本、鹿児島の三県の差ということでございますけれども、この認定検討会においては、三県におきます主な審査委員の先生方、また過去におきまして水俣病にかかわり合っておられた先生方にお集まりいただいているわけでございまして、この議論を拝聴いたしておりましても、この三県の間の差があるというふうに私は考えておらないところでございます。
○馬場(昇)委員 部長は案外はっきり答弁なさらないようですが、結論はいつまでに出るのですかということを聞いたのです。これは五十年に設置されましたからもう二年以上やっているわけですから、大体いつごろまでに出るかということについてわかっているのじゃないかと思います。出るのは基準か、要件か、指針か、どういうものか。これは後で端的に答えていただきたいと思います。 次に財政の問題について申し上げたいと思うのですけれども、たとえば、熊本県が五十一年度に認定業務に三億一千四百万使っています。それに対して国の支出は八千万しかないのです。二億三千三百万が県の持ち出しでございます。そして同じ五十一年度の医療研究費についても、国からは四千八百五十万しかきておりませんが、県は一億二千二百三十七万出しておるのです。二分の一の負担にもなっておりません。これはさっき言ったように、公害の原点として、国の環境行政、公害行政の原点に据えるべきものでございますが、これを一つの県にこんなに持ち出し、超過負担をさせるということはよくないと思いますから、やはり熊本県の財政に超過負担をかけないような原則で財政問題を処理していかれるのかどうか、この原則が一つです。 もう一つは、熊本県は県独自で自主的にいろいろなことをやっています。たとえば、水俣病関係に人数だけでも六十人ぐらい打ち込んでいるのです。その人件費だって大したものです。またそのほか、医療の問題等につきましても、はりとかきゅうとかの分を支払ってみたり、いろいろございますけれども、最近、検診センターにも六人ぐらいの医者を国から派遣してくれという要求も出てきております。こういう県独自の行政に対する国の援助、そしていま言いました検診センターへ六人ぐらいの医者の派遣、こういうものについてどういう対策をとられるのかということでございます。 もう一つ患者サイドに立って言いますと、患者さんの認定申請者は、健康的にものすごく悩んでいます。それから経済的にも悩んでいるのです。ものすごい苦痛で、そして金も持たないのです。こういう人がいろいろ交渉に行ったりなにかしたりして経費も使うのです。そういうことですから、やはり環境庁や県が直接水俣へ行ってすベての対話行政はするのだ、あるいはまた、国に呼んで意見を聞かなければならないときには、やはり旅費でも払って、そういう人たちの経済負担にならないようにするのだ、こういう患者の申請者のいろいろな行動に対して、呼んだときは旅費を払うなり、そういうきめ細い配慮も必要ではないか。これが第三点です。 もう一つは、これはチッソに支払い能力はあるのか、最近のチッソはどうなのかということ。この四点につきまして、時間が超過しましたけれども簡単にお答え願いたいと思います。
○野津政府委員 四点にわたっての御質問でございました。 認定基準の問題でございますけれども、これはまだ現在の段階としましては、水俣病を完全に明確にする形にはいろいろ非常にむずかしい問題がございます。したがいまして、現在の議論の中身では、いままで議論しましたことにつきまして一応の中間的なまとめという形でまとめたいということでございまして、一応座長の手元でそれを整理いたしまして、さらにお集まりの委員である先生方の御了解を得て、これを一つのまとめという形にいたしたいというふうに考えております。(馬場(昇)委員「それはいつですか」と呼ぶ)これにつきましては、いま作業しているところでございますので、私どもはできるだけ早くと思っております。ただ、先生方の御都合もございますので、特に私どもが急いでおりますのは、中間的でもいいからまとめをいただきたいという考え方で処理をしているということでございますので、できるだけ早く出していきたいと思っております。 次は県の超過負担の件でございます。いろいろな面で、御指摘のとおり、県としまして超過負担があったわけでございますけれども、私どもも、県の実態というものに対しまして、できるだけ県に負担をかけないようにということを前提といたしまして、いろいろと県の実情などを聞いてきたところでございまして、五十二年度におきましても、特に、認定審査あるいは検診というものに要します費用につきまして、熊本県の現在旧法として措置しております費用につきましては、今年度、五十一年度におきまして二千五百万円の予算でございましたのを、四千八百万円という形で、特に先生方の単価等につきましては、一般的な審査会というものあるいは検診というものよりも非常に高い単価というものを準備いたしているところでございますし、また、先ほど御指摘のございました医療研究費の補助金でございますけれども、これにつきましても、五十一年度におきましては五千五百万円でございましたのを、五十二年度におきましては七千八百万円ということで支出をするという予定にいたしているところでございます。 それから、水俣病の対策を進めるというためには、御指摘のとおり、県の方からも私どもは十分意見を聞きながら、患者さんの意向等につきましても踏まえているわけでございますけれども、多くの患者さんからの意見を聞くということにつきましても、私は一つの必要な方法ではないかと思っております。私ども、あるいは私を含めまして担当の者も現地に赴きまして、いろいろと患者さんからの御意見を聞いているところでございます。したがいまして、私どもの方から処理すべきものは私どもの方で処理するわけでございます。たとえば、いま御指摘のございましたような交通費というふうなものにつきましては、やはり一つの公的費用の負担の限界というものがあるわけでございますので、私ども、必要があれば、こちらから赴いていろいろ御意見をお伺いするということも必要ではないかと思っておりますので、県の意向を聞くのみならず、患者さん方の意向も踏まえて対策を進めていきたいと思っております。 それから、チッソの現状でございますけれども、私、ちょっといま資料を持ち合わせておらないわけでございますが、概要といたしましては、現在累積の負債が二百四十億という形にあるということでございますが、経常の収支につきましては若干の黒字が出てきているという形はとりますけれども、少なくても補償につきましては年間に約三十億程度の負担というものがだんだんふえていくという形で、ただいま申し上げましたような累積の負担額が二百四十億あるいは二百五十億という程度になっているというふうに理解いたしております。
○馬場(昇)委員 時間が来ましたが、次の質問者の了解を受けておりますので、あと一つで終わります。 いまの点について、長官、超過負担をかけないという原則、あるいは県が使った必要経費というのは国で何とか措置をするというような親心といいますかそういうもの、あるいは患者が使って——必要だったら東京に呼んでやるようなときには、何か意見を聞くというような形をとりながらでも旅費でも支出してやる、そういうことをぜひやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 最後に、この行政は、患者との信頼関係がなければ絶対に一歩も進まない。過去二十何年の例でも御存じのとおりでございます。そういう中で、長官もいろいろ否定されておりますけれども、週刊文春に長官が、公害が原因でない人も患者の中にいるとか、患者集団には十の派閥があってどうだこうだとか、患者の裏にお医者さんとか新左翼とか野党がついている——野党なんか私かもしれませんけれども、野党がついておるとか、いろいろ言っておられるのです。新聞で見ましたら、そういうことは言っていないんだと言われた、それならそれで結構ですけれども、それでも、こういうことを言われるということ、それがまた記事になるということが不信感を生む原因になるわけですから、ぜひ、これについて真偽のほどと、今後こういうことがないようにということをお願いしておきたいと思うのです。 それからまた、最近話し合いで何かトラブルが起きたということも新聞で見ました。そして、最近長官が、私的なグループで水俣病の調査をおれはしたいんだとか、あるいは聞くところによりますと、私たちの視点で方法論を洗い直してみたいとか、「私的」とか「私たち」とかというような発言が読売新聞なんかに載っておりました。また、聞くところによると、最近、秘密で個人的に長官は水俣へ二人派遣されて何か調べておられるというようなこともうわさで聞いておりますが、こういうようなことは、差別とか偏見とかあるいはいろいろ何かあるわけでございますから、真偽のほどは——一言でいいのですけれども、患者と誤解のないようにお願いいたしたいと思います。 それから、悲惨さは御存じのとおりです。水俣病は、有機水銀中毒というようなあの悲惨な水俣病と、もう一つ、差別とか偏見とか結婚もできないとかあるいは対立とか、水俣市内に社会的水俣病と言われるような状況があるのですよ。こういうのは、長官、現地に行ってごらんにならなければわからないと私は思う。そういう意味において、四月に行くと言われた約束は守られるかどうか、こういうことについて最後にお尋ねしておきたいと思うのです。
○石原国務大臣 週刊誌にはそのようなことを言っておりません。週刊誌は、人の言ったことをそのまま書けばあんなに売れないでしょうが、どうも正確なコメントを正確に伝えない節がございまして、これは押し問答になりますから、否定するだけでこれ以上申しません。 私は、物事はすべて物書きのころから現場主義でございまして、この問題をこうやって論ずる前に、実は自分自身の目で見、耳で確かめたいと思います。そしてまた、私の非常に信頼できるチームの一人として調査を依頼しましたのも、声なき声と申しましょうか、お役所を通じてできないような事項について調査を依頼しておりますし、それをすべて振りかざして云々するつもりはございませんが、そういう報告も待った上で私自身が四月に行って、いわゆる観光ルートではなしに、もう少し時間をかけて納得のいく見聞を得たいと思っております。官房長官にも、案件の少ない閣議には一日欠席させていただいて、二泊三日というようなことでなしに四、五日納得のいく時間帯の中で調査をさせてほしいということを申し入れてありますので、それがどれだけの成果が上がるかどうかわかりませんが、また、こういう公式の場ではなしに、地元の先生方にも私の個人的なアイデアについて、それは間違っている、それなら可能性があるというような御指導も賜りたいと思っておりますので、そういう努力をするつもりでございますのでお力添えも賜りたいと思います。
○馬場(昇)委員 きょうの答弁で違法状態が解消されるということはあれしましたので、これで終わります。
○島本委員長 水田稔君。
○水田委員 私は、マツクイムシの防除についての見解をお伺いしたいと思います。 鹿児島県から中・四国を経て近畿からさらにずっと北上してきておるマツクイの被害というのは、大変なものです。ところが、一方、空散による昆虫の死滅ということは自然破壊につながるということで、環境庁の長官のところにも大分押しかけておいでになる。そして、二月十四日の閣議で決まる予定が、長官も、この法案に反対する自然保護団体の意見を聞いてから決めた方がよい、こういう御見解で、閣議決定が延びて十八日になった。十人目には長官も同意されたと思うのですが、松がやられることも自然破壊、昆虫が——スミチオンというのはマツノマダラカミキリに効くだけではないので、昆虫全部に効くわけですから、ハチにもその他の昆虫全部に効く。そういう意味で自然破壊につながること、これは間違いがない。そこらをどういう見解でおられるのか、まずお伺いしたいと思います。
○石原国務大臣 この問題も大変厄介でございまして、松に忠ならんと欲せば虫の方に孝ならずで、私も大変考えました。私、何の報告も知識もないままに閣議で決定されそうになりましたので、これはストップをかけまして、同時に、その時点で、自然保護審議会の有力な委員の方々から空中散布は困るという陳情も受けまして、本来この管轄は林野庁でございますので向こうへ御紹介いたしまして、その方々の意見も十分聴取していただきまして、かつまた、その陳情の趣旨を踏まえて、環境庁からこの法律に対する条件を幾つかっけた次第でございます。もうそれは御存じと思いますけれども、何なら政府委員の方から説明させますが、それを加えたことでその陳情の方々も、ある問題については御了解もいただけましたし、ある問題については平行線でございましたが、少なくとも空中散布を行うにしても、要らざる被害というものを、わずかかもしれませんが軽減するための努力はしたつもりでございます。あとはもうこれはいずれをとるかという価値観と申しましょうか、松というのはどうも日本人にとっては独特のイメージの木のようでございまして、片方では自然保護ということで松を守れと言われ、片方では虫を守れということで非常に二律背反しておりますが、まあ環境庁としては、条件をつけた形でこれに私同意した次第でございます。
○水田委員 条件について、ひとつ政府委員の方から聞かせてください。
○信澤政府委員 いろいろのことを申しておりますけれども、大きく分けますと五つぐらいございます。 一つは、あの法律の三条で農林大臣が基本方針を決めるわけでございます。その際、関係行政機関の長の意見を聞く、協議をするということになっております。もちろん環境庁長官も入るわけでございますから、したがって、その段階で言えばいいことでございますが、基本方針の中では環境保全、いま先生御指摘になりましたような薬剤の安全性の問題を含めまして、環境保全に十分配慮するという趣旨を明確に打ち出してもらいたいということを一つ申しております。 第二番目は、特殊鳥類、それからいまお挙げになりました貴重な動植物、そういうような生息地については、対象地域から外すということでございます。 それから第三番目は、実施に当たって十分住民の方に御説明する、そして理解と納得を得た上でやるということでございます。 それから第四は、いわゆる空散による防除について環境への影響、これは必ずしも的確に把握してない面もございますので、ひとつ農林省で必要な調査をやってほしい、その調査の方法なり、あるいは結果なりについては環境庁にその資料をいただく、こういうことでございます。 最後に、薬剤防除以外の防除方法の研究開発に努めていただきたい。 そのほかにこまごましたものがございますが、大体主な点はいま申し上げました五つの点について、私どもの考えとして農林省御当局に申し上げ、御理解を得た、こういうことでございます。
○水田委員 実際の運用というのはそういうことになるだろうと思うのですが、環境庁として、現実にその虫が死ぬということに対して、それから片一方では松が枯れるということについて、どういう立場で——自然保護という立場で物を考える物の考え方を明らかにした方がいいんじゃないかと思います。そのことを実はお伺いしたいんです。 たとえば、さっきの五つの条件の中に、住民の理解と納得というのがある。それはその地域の大変大事なことだと思うのです。しかしその前に、もう一つ、松が枯れることも自然破壊、昆虫がほとんどその地域で死ぬということも自然破壊、それをどうするんだ。環境保全を図るべき環境庁として、物の考え方を整理して、その中で住民に対して選択を求める、そういうものになるべきだと思うのです。そのことをできれば長官からお伺いしたいのです。
○石原国務大臣 これは非常に厄介な問題でして、同じ自然保護ということの中で、松をとるか虫をとるかという、つまり、その価値の優先順位をだれが決めるかということなんですね。こういう民主主義の体制の中では、まず地方公共団体の首長が、うちの県はとにかく抜本的に空中散布をするという要請があって、これはもう保守、革新を問わず、そういう地方公共団体の首長の言い分というのは、空中散布をやってくれということでございます。ただ、それだけで力を得て国が一律にバッとやってしまえば、同じ一つの県なら県の中でもいろいろ条件が違うと思いますので、そういう意味で、抜本的には空中散布をするが、さらに県の中の小さな地域地域の中で、できるだけその地域の住民の方々の意見をしんしゃくするという形でこの散布を行う、そういうたてまえでこの法律を実施してほしいということで注文をつけた次第でございまして、これはもう環境庁が、いや日本にとって松が必要だ、虫が必要だと、こう頭から決める問題でございませんで、ですから、そういう形で事の実施というものを行うように、その指針だけを環境庁として確認して閣議で了承したわけでございます。
○水田委員 私は、自然環境を守るために大変大事なことがあると思うのです。地方自治体が幾ら金をかけても、いままでの方法でやると、次の年には被害が倍ぐらいになる。そういう中で、もう投げようという状態が数年前の状態、そういう中でテスト的にやったところが幾つかあるわけです。空散をやってみると、大体その地域はほかの地域に比べて被害が十分の一に落ちる。たとえば、岡山県の例を申し上げますと、ようやく頭打ちになって下降線をたどる。これは全国で一番空散をやったところなのですがね。だから、私は、いずれも自然破壊につながる。しかし、その松というものが持つ、たとえば土砂の崩壊を防ぐ、あるいは水源の涵養林になる、それから酸素を供処する、そういう大きな役割りを持っておる。それが全部なくなってしまう状態、自然破壊の状態。それからもう一つは、空散のやり方によって回復することのできない被害をそれによって与えるのかどうか。それは確かに、実際の実施の場面ではよくあるのですが、被害がありませんという説明をする人がたくさんおるわけですが、それはうそを言ってはいけない。大事なことは、昆虫が死ぬことは事実だ、しかし、こういう形をとることによって回復することができるというようなことを住民に率直に話をして、害がある、それでその選択を住民に任すべきじゃないか。それは住民の理解と納得というのは、これは言葉ではこう言うのですが、実際にはなかなかそうならない。行政というのは、できればやりたいということになると、特定な地域の、たとえば市長が言った場合、それを住民の意向と聞くのか、実際に空散を受ける地域、やらなければならぬ地域の住民か、そのとり方で違うわけです。えてして行政のやる場合は機関の長ということになるところにトラブルの原因がある。私は、その住民の意向というものに選択を任すべきじゃないか、そういうやり方を環境庁としては基本的な考え方として持つべきじゃないだろうか。このことは環境アセスメント法案の公開の原則と住民の意向というこの二つの原則と全く合致する。これは環境アセスメント法案では目玉だと私は思うのですが、このマツクイムシの対策についても、環境庁の持つべき基本的な態度はそういう態度で臨むべきではないだろうか、その中でその五つの原則を具体的に林野庁に守ってもらう、そういうことでなければならぬと思いますが、その点についての長官の御見解をひとつ聞きたい。
○石原国務大臣 先ほど局長が、お答えいたしました五つの条項の中の第三の「実施に当たっては、十分に地域住民に説明し、」のこの「地域住民」は、地方公共団体の首長ではなしに、もっと細分化された地域の住民という意味で申し入れてございます。
○水田委員 同じことについて林野庁の森林保全課長から、実施面を担当される役所としての見解を聞いておきます。
○小田島説明員 お答え申し上げます。 先ほど環境庁の局長の方からお話がございましたように、この環境庁と林野庁との覚書につきましては、林野庁も当然合意しておりまして、先ほどの五点につきましては、十分この趣旨を体しまして事業の実行に当たりたい、かように考えております。
○水田委員 それでは二番目に、本四連絡橋というのが、これは三本というのがいま一ルート三橋ということで三橋工事にかかり、一ルートは最終的には三全総の中で決める。しかし、地元としては、それ以前に分離して決めてもらいたい、こういう意向もあるわけですが、これは大変大きな、大規模な開発になります。しかも、その中には自然、瀬戸内海の国立公園の特別指定地域というのが相当入るわけです。これは、いずれになるにしましても、三全総、予定が九月と言われておりますし、それ以前に決めてもらいたいということになればもっと前になりましょうし、実際の作業というのは、ルートの発表もすでにされておりますし、進んでおるわけですが、この環境保全について、現在環境庁の方で作業がどの程度進んでおるのか、まずその点をお伺いしたいと思います。
○信澤政府委員 お話ございましたように、橋に関連いたしましては、いま御指摘になった国立公園の中を通るという問題以外に、それによって生ずる、車の走行によって生ずる騒音の問題あるいは排気ガスの問題等々、生活環境の面もあるわけでございます。そういう意味で私どもとして重大な関心を持たざるを得ないわけでございますが、いま御指摘ございましたように、いわゆる一ルート三橋というものは、たしかおととしの八月に当時の副総理と建設大臣、国土庁長官でお決めになったことでございまして、環境庁としては関与してないわけでございます。したがって、その三大臣間のお話によります、三全総で決めるのか、あるいはその決める以前に何らかの形でルートの確定をするのか、そういう事情については、私ども率直に申し上げまして情報を得ておりません。 ただ、そういう決定がないまでも、いまお話しのように、いずれ橋がかかる予定地点であるということについては、これは公知のことでございますから、私どもとしてはそれに対応する対策をとる必要があると思いますが、ただいまのところ、そういったいわゆる環境アセスメント的なものの資料の提供等、公団からいただいておりません。 なお、過去三つの橋を認めておるわけでございますが、実はこの際は、自然環境保全審議会の中に瀬戸内海の本四架橋についての小委員会をつくっていただいておりまして、そこで審議をしていただいております。したがって、自然環境面に対する配慮は、主として審議会の御意見を聞きながら私ども決めていく。同時に、これは法律的な根拠はありません、ありませんが、大きな国家的なプロジェクトでございますから、先ほど申し上げましたような騒音とか大気汚染、そういった生活環境面についてのいわゆるアセスメントもやってもらって、それについての審査もし、かつまた、公園法上の協議に対する同意を与えます際に、別途それらについての注意事項と申しますか、配慮事項を大臣の名前で公団の総裁なりあるいは関係大臣に申し上げている、こういうことでやってきております。
○水田委員 ルートは正式に決定してないから当然かもしれませんが、しかし、いま提出を予定されておる環境アセスメント法案に言う大規模な開発に全く該当するものなんですね。これは、こういうものが、法律がまだできていないからということで、従来の手法だけでやられると大変なことになる。私は、むしろこの際、この地域の環境については大変心配しておる向きもある。たとえば、谷合いの中を現在道路が一本通ると、それが全部ほとんどが道路になる。それで、部落は分断される、騒音と排気ガスが大変だろう、トンネルにしてもらいたいという要求なんかを公団へは出しているが、ナシのつぶてということなんですね。そういう点が全くわからないために、むしろ不安の方が先立っておるというのが現状なわけです。ですから、環境庁としては、その対応する態度としては、環境アセスメント法案に言ういわゆる大規模開発として、その手法に準じた取り組みをぜひすべきではないか、こういうぐあいに考えるわけですが、お考えをひとつ聞かしていただきたいと思います。
○柳瀬政府委員 環境アセスメント法案はまだ提出しておりませんが、いままでの大規模開発につきましては、その趣旨に沿いまして、たとえばむつ小川原の開発にいたしましても、東苫小牧の開発にいたしましても、あるいはそのほかいろいろな開発行為については、その評価の仕方とか予測の仕方というものについて、そういう指針的なものを示しまして、それに基づいてやっていただいておるわけでございまして、いまの本四架橋の場合にも、これはまだルートは決定しておりませんけれども、いろんな状態を勘案いたしまして、大体そういう本四架橋のルートを、もしどこのルートについてもやる場合には、アセスメントはどういう項目を調査し、どういう予測をし、どういう評価をすべきかということのやり方について、いまそういうものをつくる作業をしておるわけでございまして、もしそういうものが、ルートが決まるようなことがありますれば、その評価の指針というものを示して、それに基づいてやってもらうように指導していきたいというふうに考えております。
○水田委員 時間がありませんので、もう一つ簡単にお伺いしますが、公害防止計画で、一つの府県の中はいいのですけれども、それなりにやれるわけですが、県と県、県際間の問題というのは、大変汚染負荷の配分でもめるわけなんです。たとえば例を申し上げますと、広島県の福山と岡山県の笠岡一帯でシミュレーションをやって汚染負荷を決める、そしてその配分というのは両県でやる。全く利害反するところがやるわけであります。もう一つ、岡山県では玉野と香川県の直島、いずれも大量の汚染物質を岡山県側が受けておるわけなんです。 そういう問題について、汚染負荷の配分について、これは今後の問題としては、当事者間でやるというのは無理な話なので、これは第三者機関というのがやった方が調整はつきやすいんじゃないか。それが一番いま実際に計画をつくる中で困っている問題なんですが、それについての環境庁の見解を……。政府委員で結構です。
○橋本(道)政府委員 いま先生の御指摘のございましたシミュレーションの問題は大気汚染の問題を具体的にお挙げになりましたので、お答え申し上げたいと思います。 これは、一つの例としてお挙げになりました福山と笠岡というケースになりますと、両方の地域で御承知のように問題がございまして、環境庁が間に入りまして、両方でよく協力してやるようにということがまずスタートになりまして、そして両者がいろいろシミュレーションをやって一つの作業をいたして、結果はある程度出してきております。ただ、NOxまでにはまだ全部至っておりません。 このような仲立ちの問題につきましては、大気汚染防止法の二十八条といたしまして「環境庁長官は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係地方公共団体の長に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。」、二項といたしまして「都道府県知事は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対し、ばい煙発生施設若しくは粉じん発生施設の状況等に関する資料の送付その他の協力を求め、又はばい煙若しくは粉じんによる大気の汚染の防止に関し意見を述べることができる。」、この条項がございまして、福山と笠岡のケースにつきましても、この条項からまず関与した形でございまして、まだ全部完結いたしておりません。 それからもう一点、御指摘ありました玉野と直島の件につきましては、これは私、直接介入しまして、この問題につきましては公害防止協定が締結されました。完全に満足しているかどうかというところには問題があるかという話も聞いておりますが、一応いまの段階ではそういうところにあるということでございます。 御指摘のように、第三者機関はどうかということでございますが、いろいろシミュレーションいたしますのは全くこれは技術的なことでございます。そういうことで、県の境を抜きにしてできます。 それから、シミュレーションいたしまして、それではどれくらいのものができるかというときに、おのおのの地域に開発したいあるいはこういう工場をやりたいというような要望があって、あるいは具体的な計画があってやっておるものでございますが、環境庁が関与いたしますときに、そのシミュレーションを技術的には総量規制のマニュアル等によって相談を受ければ指導し、また、総量規制決定のときには当然それを指導いたしますけれども、その総量規制の中に入ったら、もうすべてが全部環境庁が、あとその枠の中に入ってくるものについては何ら環境庁が関与して意見を言わないというような形にはなっておりません。 御指摘の点の利害関係が反するというのは、むしろ技術的にはこういうぐあいにできる、しかしながらそれでは片っ方の開発が抑えられる、あるいは片っ方が非常にもらい公害だけになるというようなケースになる点につきましては、双方とよく私どもも話をいたしまして、そして詰める以外にはやはり——権限として最終的に規制基準をかけるわけでございますから、第三者機関が出てきても、現在の紛争処理委員会はそういうものは対象といたしておりませんし、第三者機関という構想は無理ではないか、環境庁としては、その労をいとわずに関与していきたい、こういうように思っております。
○水田委員 終わります。
○島本委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ————◇————— 午後二時三十九分開議
○島本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。坂口力君。
○坂口委員 先日の予算委員会で、長官に、地盤沈下の問題を一言聞かせていただきまして、余りにも時間がなかったものですから多くお聞きすることができませんでした。きょうもそれほど多くの時間があるわけではございませんが、もう一言だけ聞いておきたいと思います。 予算委員会でも長官は、何とか今国会の中で成立を期したいという決意を表明されましたし、総理大臣も、各省庁の意見というものをまとめたいというふうな御意見であったと記憶をいたしております。それからしばらく時間的な経緯もありますけれども、特に、お聞きするところによりますと、通産省とのいろいろの問題があるようでございますが、それ以後の経緯等あわせてお答えいただくことがございましたら、ひとつお願いをいたしたいと思います。
○二瓶政府委員 地盤沈下関係につきましては、環境庁におきまして、地盤沈下に関します総合立法といいますか、これを考えておるわけでございます。これに対しまして、通商産業省におきましては、工業用水法の一部改正という形で出したい。さらに、建設省の方におきましては、地下水法案という形で提案を考えておる、こういうのが現況でございます。 そこで、現在、通産省等と実は打ち合わせをやっておるわけでございます。ただ、通産省といたしましては、やはり工業用水による地盤沈下、これが相当大きなウエートを占めておるので、工業用水法の一部改正という形でやりたいというのが、いまの通産省の考え方でございます。しかし、過般の長官なりあるいは総理の答弁もございましたように、今国会で何とか提案をしたいということで最大の努力をするという御答弁もございました。したがいまして、私たちといたしましては、その線に沿いまして通産省、さらに国土庁も水資源ということで関与しておりますので、その辺ともどもいま精力的に詰めておるということでございまして、何とか総合立法という形で法案を一本のものにまとめるように、現在鋭意努力中ということでございます。
○坂口委員 新しく地盤沈下法案を出されます場合に、ことしは参議院選挙もございますし、それほど国会の延長ということも、これはもうあり得ないと思います。そういたしますと、この委員会での審議等の問題もにらみ合わせて考えますと、余り法案の提出がおくれるということになりますと、今国会でもまた危ないということになってしまう。いままでと同じようなことが繰り返されることになります。お出しいただきます以上、できるだけ早くこの委員会に付託をしてもらわねばならないわけでありますが、日程的に大体いつまでぐらいに決着をつけてお出しになる御予定か。これはもう予定でございましょうけれども、環境庁としてどのようにお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
○二瓶政府委員 ただいま申し上げましたように、現在、国土庁及び通産省等と精力的に詰めておるわけでございますが、その辺で詰まりました際におきましても、さらに建設省、農林省、厚生省等との調整もございます。他方、政府提案というものの法律につきましては三月の二十二日が一応の提案の限度ということにもなっております。他方、与党の自民党の方におきましても議員提案というような動きもございます。その辺も見定めまして、政府提案ということになるか、あるいは議員提案ということになるかを決めたいと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、極力急ぎまして、今国会には提案できるように何とか努力をしたいということで、いませっかく関係の向きと調整をしておるということでございます。
○坂口委員 もう一つだけ地盤沈下に絡んでお聞きしたいと思いますが、特に通産省との間で意見がまとまり切らないところがあるというお話でございますけれども、通産省との間で一番ネックになっているところ、これさえ解決できればというその一番焦点になっているところは何ですか。これさえ片づけばこれは解決できる、その一番中心点はどこでございますか。
○二瓶政府委員 対通産省との関連におきましては、まず一番問題になりますのは法形式の問題でございます。 要するに、環境庁の方としては総合立法ということで、上水道、それから農業用水等も含めた全体的な地盤沈下立法ということを意図しておるわけでございます。それに対しまして、通産省の方は、工業用水法の改正をやれば大体のところは地盤沈下の対策は手は打てるはずであるということで、工業用水法の一部改正という形でぜひやりたいというところで、まず法形式が違うわけでございます。 それから内容的な問題にいたしますと、現在の工業用水法もそうでございますけれども、すでに地盤沈下が生じており、かつ工業用水道が布設されているか、または一年以内に布設の工事に着工されるというような規定に現在はなっておりますけれども、要するに、代替用水とのリンクというふうに普通われわれ呼んでおりますけれども、その辺のことが一番の焦点になっております。問題は、私たちの方といたしましても代替水のリンクという問題につきましては、工業用水を使用している方も、繊維工業その他中小企業の方が多いようでございますし、他面、また農業用水とも考え合わせましても、やはり農業経営上必要な地下水ということでございますし、この辺のリンクの法文上の書き方、あるいはまた運用面、こういう面をどうするか、地下水を規制するというために商売が成り立たないというところまでびしっとやるというわけには、これは現実問題としてできないと思いますので、その辺の法文上、運用面の調和をどうとるかということかと思っております。その辺が通産省との関係では一番の焦点になっておるということでございます。
○坂口委員 通産省、建設省等と各省庁との詰めもやっていただかなければなりませんが、 しかし、各省庁との問題ばかりを重視されて、環境庁が初め希望しておみえになりましたその所信を忘れてもらっては困るわけでありまして、環境庁が、持っておみえになると思うのですが、そのおみえになります地盤沈下に対する所信をぜひ貫いた上でひとつ話し合いを進めていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。長官には予算委員会でこのことを御確認をいただきましたので、きょうはもうあえていたしません。 それから先日、長官の演説にもございましたが、環境アセスメント法案のことがございます。環境アセスメント法案、これが提出されて成立したといたしましたならば、環境庁ができ上がりましてから画期的な法案になるだろうと思います。しかし、その内容次第でございますけれども、内容が十分なものであるならば、この法案は画期的なものになるだろうと思うわけであります。 そこで、いままだ法案が提出されたわけではございませんけれども、現在の段階で環境庁がお考えになっておりますことの基本的なことを一、二お聞きをしておきたいと思います。私も先日、環境庁の方から発表になりました「環境影響評価制度の概要」というこのパンフレットを見せていただいただけでございまして、これ以上のことはわからないわけでございますけれども、これを見せていただきます限りにおきましては、幾つかの疑問に思わざるを得ない点があるわけです。私どももこの環境アセスメント法案というものを党独自でこの委員会に提出をいたしておりますが、われわれが考えておりますのと、それから環境庁がこれから出そうとしておみえになりますこの法案の概要というものとを比較いたしまして、この住民参加の問題をどうなさるのかということが一つの大きな相違点と申しますか、一つの問題点ではなかろうかというふうに思うわけであります。 で、この概要を見せていただきますと、事業者が開発を行おうと思いますときに環境影響評価準備書というものを作成いたしますが、その段階で住民にそれを示して、その住民の意見を聞くということになってくる。それからそのほか、事業者は都道府県知事あるいは市町村長それから環境庁長官等にもその評価準備書というものを示して、そして意見を求めることになっております。この概要に出ておりますのは、その「意見を求める」という書き方でありまして、それ以上のことがちょっとわかりにくいわけであります。 まず最初にお聞きしたいのは、住民という表現がございますが、この住民というのは、たとえば土地の開発をしようとしましたときに、その土地の周辺に住んでいる住民という意味に理解していいのか。なぜこういうことをお聞きするかと申しますと、たとえば、そこでその人たちの中から、それは困るという意見が一方で出る、あるいはそれは結構だという意見が出る、そのときにその意見をまとめるのは一体どこか。住民の範囲によりましてかなりこれは違ってくると思うわけです。この住民の意見を求めるというふうに言っておみえになりますその住民というのはどういう概念で言っておみえになるかということが一点。 それから、その意見を求めて、そしてそこに賛成できなかったら、この事業というものは進まないというふうに解釈していいのかどうか、その辺のところをまずお聞きしたいと思います。
○柳瀬政府委員 その概要に書いてございますのは、地域住民に公告、縦覧をして説明会等を開いたりして周知をし、住民の関係の方々の意見があれば意見を意見書として提出してもらう。この住民でございますが、これはまあ事業主体が自分で決めてこの範囲ということになりますと、これが非常に狭い範囲になったりして、それで本当は関係のある地域の方々が、おれは聞いてないということになると困りますので、何らかの担保が必要じゃないかというので、そこには書いてございますと思いますが、「都道府県知事の意見を聴いて、」ということになっておるのですが、都道府県知事と相談をして——その開発行為によって環境保全上の影響を受ける範囲はどの範囲かというようなことなどについて都道府県知事の意見を聞くといいますか、指示を受けるといいますか、相談をするといいますか、そういうようなことが必要なんじゃないかというふうに考えておるわけでございますが、この住民の意見を聞いての点については、関係各省庁といろいろといま協議をしておりまして、その辺も議論の対象になっておるところでございますので、まだ、現在きちんとその考え方が詰まっているというところまでは至っておらないわけでございます。 それから、住民の意見を聞くというのは、意見を聞いて、その中で傾聴するに値するといいますか、環境保全上具体的かつ有効な意見についてはこれを取り入れていくという手続を経て、さらに知事のところへまたその準備書が行き、環境庁長官のところへ行き、その段階でもそういうチェックがされて、それから主務大臣のところへ行く、あるいは国が事業主体の場合はその主務官庁のところへ行く、そういうことになるわけでございます。
○坂口委員 私、住民の範囲をなぜ聞くかと申しますと、ものによっては、たとえば大気汚染と関係するようなものでございますと、たとえば一つの工場なら工場ができますと、その周辺の地域よりも離れた地域のところで問題が起こることがございます。いわゆるもらい公害等で騒がれているようなところになるわけでありますが。そういうふうに、その工場のできますあるいはまたいろいろの開発が行われますその周辺よりも、むしろ離れたところでいろいろの公害が起こるというようなケースがありますから、そういたしますと、どの地域の住民の意見を聞くかということは非常にむずかしい問題でございますし、また重要な問題であるわけでありますので、そのお考えを聞いたわけであります。この法案が出ましたら、また法案につきましては審議をすることになるわけでありますので、これどまりにしておきますけれども、いまお聞きした範囲内では、結局都道府県知事に聞いて範囲を大体決める、こういう御意見であったと思います。 〔委員長退席、林(義)委員長代理着席〕 それから、いま御説明の範囲の中で、まだこれを出すのに、これもまた関係省庁との問題がかなりあって煮詰まってないというお話もあるわけでありますけれども、どうですか、これも結局は、各省庁関係がございますが、一番問題になっておりますのは通産省との問題の話でございます。その辺のところ、ほかの質問をいたしておりましても、できるのやらできぬのやらわからぬところを聞いておってもいけませんので、通産省との間でもしこれがなかなか難航しているというのであれば、どういう点で難航しているかということを少し明らかにしていただきたいと思います。
○柳瀬政府委員 現在、環境庁で案をつくりまして、特に関係の深い六省庁に協議をしておるわけでございます。それで、目下具体的な内容につきまして詰めを急いでおるわけでございまして、もちろん通産省との間でもいろいろと問題があるわけでございますが、何回も協議をしなければならないわけで、現在、そういう点で早く詰めをやりまして成案を得たいということで目下鋭意努力している段階でございまして、いろいろな大きい問題、小さい問題、たくさんありまして、原則論みたいなものから、それからたとえばいわゆる対象になる事業の範囲をどこまでにするのかというようなことについての意見の違いとかいろいろなものがあるわけなんでございますが、そういうものを大体できるだけ早い時期に詰めたいというふうに考えております。
○坂口委員 お話を聞いていますと、結局通産省との問題が一番大きいように思うのですが、そうすると、この法律をつくるという意味でその内容についての詰めがいってないのか、この法案をつくるということそのことについてもう行き詰まっておるのか、それはどうですか。
○柳瀬政府委員 六省庁のうちの五省庁はこの法案に反対ということは言うておらないわけでございます。それで、通産省の方は、これも私は反対というふうには聞いていないのでございますが、新聞などにはそういうようなことが書いてございますので、よくその真意を確かめてみたいというふうに考えておるところでございます。
○坂口委員 関係省庁の局長さんが、新聞情報だけで私は知らぬというようなことは余りにも無責任もはなはだしい話でありまして、知っていながらそういうふうにお答えになっているのか、事実そうなのかよくわかりませんが、これはもし本当にそうだとしたら、まことに無責任な話で、この国会に出そうか出さないかというておる最中に、新聞情報だけで、肝心の通産省との間ではっきりしたことがわからないということでは議論にも何もならない話であります。そういたしますと、通産省は、この法案を出すことについて、少なくともまだ話に乗ってきていないというふうに理解していいわけですね。
○石原国務大臣 どうも基本的にその時期でないという認識のようでございます。私、よけいなことを言うかもしれませんけれども、やはり日本の行政の中で、社会、文明全体が転換期に来ているときに、役所の発想も変わらなければいかぬと思いますが、その一番ティピカルな在来の行政の中の価値観と新しい行政の価値観が、環境庁と通産省という新旧両代表と申しましょうか、そういうところで非常に鋭角的にぶつかっているような感じがいたしますが、単に環境行政だけではなしに通産行政も含めて、通産省というものはこれから日本にとっても欠くべからざる役所だと思いますけれども、それでもなお通産行政の発想の転換をすべき時期に来ていると思いますし、その問題の転機として通産省にも受けとめてもらいますように私の立場で努力もするつもりでございます。
○坂口委員 わかりました。それでは、そういうふうに長官に努力を重ねてもらい、あるいはまた環境庁として努力をしてもらって、ここに概要が示された法案が出されるとして議論をもう少しだけ進めさせていただきたいと思います。 この概要を読ませていただきますと、先ほど申しましたように、事業を行おうとするいわゆる事業者というのは環境影響評価準備書というものをつくって、それを住民、先ほど申しました住民の範囲というもの、あるいは性格というものはあいまいでございますけれども、住民と環境庁長官、そして都道府県知事、市町村長にそれを示し、そうして意見がある者から意見を求めて、その意見を求めた上で今度は環境影響評価書ですね、評価準備書から評価書というものをつくっていくことになっております。 〔林(義)委員長代理退席、登坂委員長代理着席〕 それで、その評価書をつくりましたときに、このでき上がった評価書を再び一般住民にも示すことになっておりますが、そこでこの概要を読みますと、「事業者は、開発事業の実施又は決定に際しては、環境影響評価書の内容を尊重しなければならない。」とここに書いているにとどまっております。すなわち評価準備書をつくって、そうしてそれを各省庁や住民に示して意見を求めて、そうして改めるべきところは改めて出し直すということになっておるわけですが、もう一遍出し直した評価書というものにクレームがついたときに一体どうするのかということについては触れていないわけです。その者が評価書を「尊重しなければならない。」という、いささかどちらにでもとれるような言葉で表現されているわけであります。だから、この法案ができましたときに、その評価準備書というものから評価書というものに移る間でいろいろ意見が出て、その意見を取り入れて評価書というものをつくり直す。そのことがまだ十分でないと環境庁あるいはまた住民が判断をしたときに、一体これがどうなるのかということが非常にあいまいになっていると思うのです。事業者は「内容を尊重しなければならない。」というふうに書くにとどめているわけです。 現在の段階でひとつお答えいただきたいと思いますが、このアセスメント法案をおつくりになるときには、もしも環境庁長官の意見を守らなかった場合あるいは住民の意見を守らなかったときに罰則規定というのはこの中に入るのですか、入らないのですか、お聞きしたい。
○柳瀬政府委員 環境庁長官はそこで意見を言うというようなあれになっておりますが、意見を言ったことは、政府部内で主務大臣との間で従来慣行的にそれは尊重していただいて取り入れていただいておるというふうに思っておるわけでございます。 いまの罰則の問題で、守らない場合にはどうするかということですが、罰則をかけるというよりも、許認可なんかの場合にはそれは許認可しないということになりますから、罰則以上の、とにかくその開発行為が進んでいかないということになるわけでございますから、とりたてて罰則規定は要らないものと思っております。
○坂口委員 むずかしい言葉でわかりにくいのですが、環境影響評価書をつくって提出をする、そして許可を受ける、そしてやる。ところが、書き方によりましては、その後にやりますこととの間で非常にむずかしい点も出てくると思うのです。その場合にはこれはどうなるのですかということをいまお聞きしたわけで、それはもちろん作文の上では評価書をつくってちゃんとそこで許可を受けるのでしょう。それで始めるのでしょう。ところが、その事業者の方は、これで評価書どおりだ、しかし住民あるいは環境庁の側からすれば、これは内容が違うということもできてくると思うのです。その場合にこれはどうなるのかということをいまお聞きしたわけです。 それからもう一つ「対象事業」というのがございまして、そこに道路、ダム、鉄道、飛行場その他、八つばかり並べてございますが、これは全部が全部取り上げるということになったら大変な量になりますから、これも不可能な問題になってくると思いますが、これはある程度の事業の大きさで、これ以上のものはこの法案にかける、これ以下のものはかけないという、すそ切りと申しますか、そういうことをお考えになっているのかどうか、あわせてひとつお答えいただきたいと思います。
○柳瀬政府委員 これは、法律の対象となる事業は、やはり相当大規模の開発行為を予定しておりますので、先生おっしゃいますようなすそ切りを考えておるわけでございまして、道路なら道路にいたしましても、国道から県道、地方道から農道、小さい林道まであるわけでありまして、もう山の中の細かい林道まではとてもできないので、相当大規模なものということでそこのすそ切りを考え・ておりまして、その点について関係省庁といま調整を図っておるところでございます。
○坂口委員 私の方が出しております環境アセスメント法案、これは、予測、評価をしますのは別途の機関をつくるべきだということを私どもは主張しているわけです。いわゆる第三条機関と申しますか、公取のような別枠のものでこの評価はしていくべきではないかということを、私どもは法案の中では提案をしているわけですけれども、環境庁のこの行き方でありますと、それがどうなるのか、どこがそれを最終的にきちっと見ていくのかということが、どうもはっきりこれだけでは読めてこないわけでありまして、これはあくまでも概要でありますから、これだけで言うのはちょっとむずかしいかと思いますが、しかし、これだけを見ておりますとその辺がいかにもあいまいであります。ですから、どこが最終的に責任を持ってやるのか。もしも主務大臣、たとえば道路建設をやるときに建設大臣がいいと言っても、環境庁長官がいかぬと言うたらそれでそれはもうストップして進まぬのか、それとも主務大臣が言えば環境庁長官が意見を述べるだけでそれは進んでいくのか、その辺のところもあると思います。恐らくこれは、希望的観測も含めて私申しますならば、環境庁長官の許可がなければ主務大臣がいかにここでいいと言ってもいかぬだろうと思うのですけれども、その辺、最後の念を押しますのと、あわせて、今後のことに対して長官の何か御意見がありましたらそれをお聞かせいただいて、もう一つ次の問題に移りたいと思います。
○柳瀬政府委員 公明党案でお示しになられておりますような行政委員会制度的なものも一つの考え方だとは思いますが、やはり開発行為についてのいろいろな配慮をするということはこれは環境問題だけではないわけでございまして、いろいろな社会的、文化的あるいは経済的な判断というようなものもすべて総合して判断さるべきものでありますので、それはその主務大臣、許認可の場合には許認可の主務大臣、それから公共事業の場合には公共事業をやる主体である主務官庁の長の責任において全体的に判断をする、その中の環境影響評価についての判断に際しての手続というものは環境影響評価制度になるわけでございます。やはり行政委員会制度にも一長一短ありまして、いまのような行政が二元化するということもなかなか非能率的なところとか、いろいろ欠点もあるし、まあいい点もあるのでしょうが、この案では、そういう主務大臣が最終的に総合的な判断をして決めるということになっております。 それから、環境庁長官がイエス、ノーと言うことによって左右されるかということでございますが、この法律の一応の考え方といいますか、それは先ほど申し上げましたように、環境庁長官は環境影響上の問題について意見を述べる、その意見を主務大臣に尊重をしてもらう。これは先ほど申しましたように、従来もアセスメントを一年で約六百件ほど環境庁で扱っておりますが、それはやはりそういう意見を述べておるわけでございますが、その意見について調整がついた段階で、あるいは意見を取り入れた段階で開発事業をやっていただくというふうになっておりますので、そういう仕組みで十分その趣旨が達せられるというふうに考えておるわけでございます。
○坂口委員 そろそろ時間がないのですけれども、調整がつかなかったら進まぬのですね。ちょっとあいまいなので、もう一遍だけ答えてください、それでもう終わりにしますから。
○柳瀬政府委員 調整をつけた上で開発行為についてその具体的な進行が始まるというふうなことに、従来なっております。
○坂口委員 従来じゃなくて、これからですよ。
○石原国務大臣 私は、本来なら、せっかくこういう法律ができますので、そのイエス、ノーの権限というものは環境庁長官が持つにこしたことはないと思いますけれども、いまの行政の体系の中では、まず非常に強烈な抵抗があって不可能でございましょう。他省から言えば僭越であるということで片づけられそうでございますが、同時に、尊重するという一項が入っておりますので、環境庁として意見を出し、どうも好ましくないというような判断をした場合に、これをまた他省が無視をするわけにもいくまいという期待でこの問題を考えているというふうに御判断願えれば結構だと思います。
○坂口委員 ぜひこの法案を出していただきまして、もっと実質的な審議というものをこの委員会でさせていただきたいと思います。早く出していただくことを期待したいと思います。 最後にもう一問だけでございますが、NOxにつきまして一つだけひとつお聞きをしておきたいと思います。 これも環境庁と通産省との問題ばかり、きょうえらい並べて出すようで恐縮でございますが、窒素酸化物規制強化について対立をしているように、これは新聞等で見せていただきますと、思うわけです。この日本のNOxの環境基準というものが世界でも最も厳しいものだ、この規制は非常に厳し過ぎるのだ、こういう例は諸外国にはないのだという意見がたくさん出ている。これは通産省あるいは財界あたりからも出ているわけでございまして、中には、この基準は非常に非科学的であって、そしてこれは参考にするのに足りないのだというような厳しい意見まで出てきているわけであります。これに対して環境庁がどのように受けとめておみえになるかということと、それから時間がありませんからあわせて申しますが、昨年十二月だと記憶しておりますが、実施予定になっておりました第三次規制の実施が現在見送られておると思いますが、これはいつごろからおやりになる御予定なのか、この二点、お願いいたします。
○橋本(道)政府委員 環境庁と通産省とでいろいろ受け取りが違うということはある意味ではございますが、権限的に環境庁は告示をもってやるわけでございますから、できるだけの調整はいたします。そういうことでなるべく円滑に進めていきたいということでやっております。 非常に厳しいという意見ですが、これは全くそのとおりでございます。世界的に最も厳しい水準であるということは間違いございません。ただ、厳しいというのは、どう言いますか、どれだけの年限で達成するかというような関係等もございますので、数字だけを出してみると非常に厳しいということであります。 それから、厳し過ぎるかということでございますが、これはいろいろの見方があると思います。果たしてすべての場所で達成できるかと言われますと、自動車の非常に通っている沿道のすぐ横では、東京、大阪では不可能であろうということは、これは私は率直に申し上げた方が本当だろうと思います。しかし、厳し過ぎるかということに対しましては、長期の目標として維持することが望ましいという条件から見れば、あながち驚くべき話でもないというように思っております。そういう意味で、世界に例のないことは事実でございます。よく外国と比べますが、これはWHOの中でも環境基準というのは三つの種類があって、しんぼうできる、一種のトーレラブルというのと、アクセプタブルというのと、それからデザイアラブルというのとある。日本の基準はこのデザイアラブルということで、長い間の努力で達成しようという努力目標でございます。そういうことで、アメリカの基準はトーレラブルにほぼ近いというので、その両者を比べて議論をしても少し性格が違うのではないかということが環境庁の意見であります。 それから非科学的ということでありますが、科学的な知見がSO2の場合に比べて蓄積が乏しい、これは事実でございます。動物実験につきましては、SO2の場合にはたくさんございます。しかしながら、疫学の方では、SO2やばいじんなどは、数十年あるいは半世紀にわたって汚し散らして、めちゃくちゃな濃度を出して、十分、世界じゅうのだれもがぐあいの悪いのをちゃんとよく知った。特に日本では、四日市で二・五ppmというような気違いじみた濃度を出しまして、しかも西淀やあるいは川崎大師、四日市等ではまれなる高汚染をやって、補償法の指定地域にすることについても余り文句がない、というところまでのデータがNO2にあるかというと、これはございません。これは疫学のデータにつきましては、まだ期間も非常に短いですし、汚染のレベルも、われわれはむしろ予防的な対応をしているということでありまして、まだその問題を非常に起こしそうな高さではございません。そういうことで、産業界が言うような納得のいく疫学データをよこせと言いますと、四日市や川崎大師や西淀と同じような汚染を十分繰り返してみてからでなければやってはいけないと言っていることと同じであるということで、予防の段階においては不確かさは避け得ないという立場で、環境庁は長期の目標として対応するということをしております。 ただ、一点を申し上げたいのは、この濃度を超えたら危ないというような誤った概念があることは、これは非常に嘆かわしいことでございまして、そのようなものでは全くございません。十分な安全性を持っているということでございますから、長期にかけてこれを達成するということであります。 最後の第三次規制につきましては、第一次が四十八年、第二次が五十年にいたしまして、第三次規制を現在準備を始めております。これは二月に発表いたしました窒素酸化物の防止技術につきましてのヒアリングの結果を公表いたしました。あれを一番基礎に置いております。五十年度から五十一年、どれだけ進歩したかということは、もっぱらあれに基づいて判断をしていくということでございます。 それからもう一つは、これはまだ通産省との話し合いに入っておりません。といいますのは、五十年十二月に「窒素酸化物対策の進め方」という長期スケジュールを出しました。これは一次、二次と三次の関係がどうなるか、あるいは五十三年度に考えられている総量規制との関係がどうなるかという点をよほど整理をきっちりしてかからなければ、実際の実現が非常にむずかしいという問題が既設の施設に対してはございます。新設に対しては相当なことができるというぐあいにわれわれは思っておりますが、既設に対しては、例の技術ヒヤリングのレポートの中でも、その効果にまだわりあい幅があるとか、あるいはスペースが非常にたくさん要って、それのスペースがなかなかとれない。それからもう一点は、やはりランニングコストが非常につきます。従来のものとは違います。そういうことで、ばいじんやSOxの防止装置との関係ということをよほどオプティマイズしないことには、やはり強制的にどこでもやらせるというところにはなかなか難点があるというぐあいに私どももはっきり認識しております。そういうことで、長期スケジュールの中で三次規制はどれだけのものをやるかという輪郭も整理をいたしまして、それから通産省に当たりたいと思っておりますので、もう余りずれることはないと思いますが、いずれごく近いうちに通産省とも相談に入って、そして最も合理的な対策を進めていくというぐあいに考えております。
○坂口委員 ありがとうございました。終わります。
○登坂委員長代理 古寺宏君。
○古寺委員 今国会に提案を予定されております環境アセスメント法案と関連する問題について、きょうはしぼってお尋ねを申し上げたいと思います。 現在、青森県のむつ小川原総合開発計画に対して、環境庁から「第二次基本計画に係る環境影響評価実施についての指針」というものが出されておりまして、二十六日から三週間、この報告案についての住民に対する縦覧がなされております。当然これは環境庁に対してもこの報告案というものが届いていると思いますが、まだ十分な解析はなされてはいないとは思いますが、そういう点を踏まえて、ひとつお尋ねをしてまいりたいと思います。 まず第一にお尋ねを申し上げたい点は、このむつ小川原総合開発の目的というものについて、環境庁はどのようにこれを把握していらっしゃるか、その点からまずお尋ねしたいと思います。
○柳瀬政府委員 むつ小川原の総合開発の目的でございますが、これは工業開発を主とした大規模な開発事業でございまして、たとえば石油精製とか石油化学とか火力発電等を主体とした大規模な工業開発ということが目的になっております。
○古寺委員 いまの御答弁は開発の内容でございまして、なぜ開発を進めるのかという目的でございます。開発の目的……。
○柳瀬政府委員 これは、昭和四十四年の五月に新全国総合開発計画の中で、「小川原工業港の建設等の総合的な産業基盤の整備により、陸奥湾、小川原湖周辺ならびに入戸、久慈一帯に巨大臨海コンビナートの形成を図る。」ことを目的としておるということでございます。
○古寺委員 これは報告書案をお開きになればわかると思いますが、青森県の「上北郡六ケ所を中心とするむつ小川原開発地域は所得水準が低く、工業基地建設によって、地元就労機会の増大、住民福祉の向上を図る必要がある」ためにこの開発を進めるというふうにうたってある。そういう目的を環境庁自体が把握をしていないとなれば、いわゆるその報告書案に対する環境庁としての解析も、目的から外れた解析になるという、そういう危険性が多分にあるわけなんです。ですから、こんな幼稚な問題でございますが、まずこの開発の目的がどこにあるか、これを踏まえた上で報告書案というものをごらんになっていただかなければならないと思うのです。 現在までの開発の進行状態を一応長官にも知っていただくために、いま二、三の例をここへ持ち出しますが、農林省にお尋ねをいたします。 現在、むつ小川原の約五千ヘクタールの開発予定地域内のいわゆる農民の農地というものは大体もう九〇%以上買収が進んでおります。しかしながら、農地転用の許可がおりないために、実際に買収をした代金、これは八割しか農家には入っておりません。あとの二割は銀行からの借金でございます。したがって、その借入金に対する利息というものは、もうすでに五年間も支払っておる。こういう農地の問題について、農林省は一体どういうふうに考えていらっしゃるか、まずお尋ねしたいと思います。
○田中説明員 むつ小川原の開発用地につきましては、その工業地区それから住宅地区ともに四十七年に一応その農地法の事前審査の申し出がございまして、四十七年の十二月にその事前審査の内示というものを、先生御承知のとおり行っておるわけでございます。その後、むつ小川原開発に関連いたしまして移転する方々に必要な新住宅地、それにつきましては、六十五ヘクタールについて四十九年の末に農地法の許可をしております。それからその他の土地につきましては、現在のところ、第二次基本計画等がまだ樹立されておりませんで、県段階にもまだ具体的許可の申請がございませんので、関係各省庁で組織しておりますむつ小川原総合開発会議等の議を経て第二次基本計画が策定されまして、その後農地法の許可申請が来てからその許可という手順になっているわけでございます。
○古寺委員 そうしますと、その間における農家の損失、損害、そういうものについてはどういろ対策をお考えですか。
○田中説明員 農地法の立場といたしましては、許可があって初めて所有権が移転する、それまでの間は内金なり予約金という形でございますので、農地法の正式の許可があるまでの間は、あくまでも所有権が移転しておらず、個別の取引当事者間での私法的関係でございますので、残念ながら、農地法の世界として、正式の許可がある以前の経済関係について、その損失がどうこうという立場にはないわけでございます。
○古寺委員 そこで、六ケ所村の農家、特に酪農農家でございますが、吹越台団地の国有林を開放していただきたい、こういう条件のもとに農地を手放したわけです。以後もう五年ぐらいたっているわけでございますが、これが一向に進んでおらないということで非常に住民は不満を持っているわけでございますが、この吹越台団地の農用地開発に伴う計画、この件についてはどういうふうになっておりますか。
○青木説明員 お答え申し上げます。 吹越台地の農用地開発の計画は、先生御承知のように、青森県の六ケ所村、それから横浜町に広がる、当初かなり広い計画で開発を予定したものでございます。開発の構想としましては、酪農の経営規模拡大を中心としまして、一部に肉牛の飼養あるいは畑作の規模拡大も含めた構想となっておったのでございます。本地区の開発構想につきましては、最大の問題点は、用地関係につきまして、当初大部分につきまして国有林の活用ということを予定してまいったわけでございますけれども、その開発対象地につきまして、いろいろ水源涵養の観点あるいは防災上の配慮等々が必要でございまして、かなり長い期間そういう調査の段階を経てまいったわけでございますが、最近に至りましてやっと最終的に国有林の活用のロケーションにつきまして、国有林野管理審議会というものに付議いたしまして国有林の活用につきましては最終的に決定をいたすわけでございますけれども、その管理審議会におきまして去る二月二十四日に最終的に異議のない旨答申がなされたというふうに承知いたしております。この段階を経まして、従来の調査の段階から一歩前進した開発が期待できるものと、こういうふうに信じております。
○古寺委員 その答申に基づいて、今後の見通しはどういうふうになりますか。
○青木説明員 この吹越台地の開発の最大の問題点は、繰り返しますが、国有林活用のロケーションを明確にするということでございました。この問題が解決しますと、実は私ども、五十二年度の予算案におきましても、従来の調査段階から一歩前進いたしました全経費というものでございますが、厳密には着工ベースの予算措置になるわけでございますけれども、その予算案を国会に審議をお願い申し上げているわけでございまして、そういう形で国有林の活用の問題が解決いたしますればさらにスムーズな事業の進展が見られる、こういうふうに考えております。
○古寺委員 次に東北開発室長さんにお聞きしますが、このむつ小川原の総合開発の計画というものは、第一次の基本計画から見ますと、第二次基本計画というものは大幅に縮小をされております。その縮小された根拠、理由というものはどこにあるのか、それをお尋ねしたいと思います。
○城説明員 昭和四十七年六月に青森県がむつ小川原開発に関しまして第一次基本計画を策定いたしまして国に提出をしたわけでございますが、この第一次計画につきましては、同年九月十四日閣議におきまして口頭了解が行われたところでございます。この際に、条件と申しましょうか、二、三点の指示事項がございまして、「関係市町村の理解と協力が得られるよう最善の努力を払うこと。」とか「工業開発の規模については、公害防止など環境問題を中心としてさらに調査を行ない再検討すること。」などが青森県に対して指示をされたのであります。これを受けまして青森県におきましては、その後における調査の成果あるいは経済社会勢情の変化といった点を十分に勘案いたしまして、また、さらに環境問題への特段の配慮というようなものを加えまして第一次基本計画を修正し、今日審議中でございますような第二次基本計画を策定したものでございます。
○古寺委員 そこで通産省にお聞きしたいのでございますが、現在の第二次基本計画の中心をなしているものは石油精製、石油化学でございます。このいわゆる基本計画に基づいて今後こういう立地計画が実施できるのかどうか、そういう見通しについて通産省に承りたいと思います。
○斎藤(顕)政府委員 むつ小川原計画は、昭和六十年代の完成を見込むものでございます。私ども現在考えております工業再配置計画によりますと、過密過疎を解消いたしまして国土の均衡ある発展の実現を図っておるわけでございますが、このいわゆる経済低成長時代に入りましても、なおかつ石油精製を中心とする基幹産業は相当のキャパシティーアップを今後見込まれるわけでございます。それらの受けざらといたしましてこのむつ小川原開発は重要な位置を占めるというふうに私ども考えておる次第でございます。
○古寺委員 この問題につきまして石油審議会に審議をお願いしたことはございますか。
○田口説明員 御説明申し上げます。 石油業法に基づきまして、石油精製にかかわります特定設備の設置をいたそうとする場合には、石油審議会にかけた上で通産大臣の許可を要することになっておるわけで、これは一般論でございます。ただ、むつ小川原に関しましてはいまだ石油審議会にかけられたりあるいはその許可の是非が審議されておるということはないというふうに承知しております。
○古寺委員 そこで環境庁にお尋ねをするわけでございますが、このいわゆるアセスメントの指針に基づいて現在行われている報告書案というものは、あくまでも企業としては石油精製あるいは石油化学というものを想定した上の報告書案になっているわけであります。そうしますと、将来、いま想定した企業がもし変更になった場合あるいは誘致されなかった場合にはどういうふうになりますか。
○柳瀬政府委員 ただいまのむつ小川原の開発計画は、当然石油精製というようなものが中心になっているというふうに承知しておるわけでございますが、いままだアセスメントの報告書については、現地の方で公告縦覧して、説明会をさっき先生おっしゃられたように開いている段階で、私どもの方ではまだ受け取っておらないわけでございますが、いまおっしゃいましたような、ある一定の規模を想定してアセスメントを実施して、それに基づいて開発行為が行われた後それが拡大するとか縮小するとかいうことになれば、またその段階でさらにアセスメントを実施する。当然、その場合にはいろいろな計画の変更がありますから、その計画変更の際にアセスメントをさらに実施をした上でその計画についての是非を検討するということになるわけでございます。
○古寺委員 そこで、いまこの開発計画の中に、たとえば港湾の計画があります。それからむつ小川原の小川原湖の利水計画がございます。こういうものについてのアセスメントはどういうふうに環境庁は指導をいたしました。
○柳瀬政府委員 これは全体の総合計画として、一応のいろいろな条件の想定のもとに全体の計画のアセスメントをまずやるわけでございますが、それから今度は、その中で個々の港湾なら港湾、あるいは埋め立てなら埋め立てということにつきましてはそれぞれの、たとえば港湾につきましては港湾審議会にかけるという段階で、あるいは埋め立てにりいては公有水面埋立法に基づく申請が出てくるわけでございまして、その段階で、さらにその個々の事業についてはアセスメントをやるということになるわけでございます。
○古寺委員 そこで運輸省にお尋ねしますが、港湾計画についてはどういうふうになっておりますか。
○酒見説明員 お答えいたします。 港湾計画につきましては、重要港湾に昇格いたしました後、港湾審議会に諮りまして最終的に決定することになっております。その前段階といたしまして、本年度におきましては先生御承知のように、むつ小川原港が予定されております区域と申しますのは、太平洋に直面いたしまして非常に波の荒いところでございますので、防波堤の建設というのが不可欠でございますが、これは港湾の建設技術上非常にむずかしく、また慎重を要する問題でございます。したがいまして、こういった防波堤等を含めました本格的な着工に先立ちまして、五十二年度におきましては気象調査あるいは現地の地形調査、それから地質調査等を行うことといたしておりますが、こういったものに加えまして試験堤を現地に設けまして、波浪あるいは漂砂等の現象の変化を把握すべく計画をいたしておる次第でございます。 本年度の調査費といたしましては、二億五千万円の実施設計調査費を予定いたしております。
○古寺委員 いま青森では、関係市町村に対して三週間の縦覧が行われております。これについては地元から、非常に期間が短い、しかも、この報告書案というものは非常に専門的な事項が多くて、一般の住民が見てもよくわからない、もっと期間を長くして、しかも説明会や公聴会を開いて十二分に住民にも趣旨がわかるように、内容がわかるようにしてもらえないのかという声が非常に強いわけでございますけれども、こういう点については、環境庁の指針ではどういうふうに県に指導しているのか、お尋ねしたいと思います。
○柳瀬政府委員 縦覧の期間、それから意見書を出すまでの期間、これは青森県では、いま縦覧の期間を三週間、それから意見書を出すのが縦覧開始後四週間というふうに承っておりますが、期間の問題につきましては、私どもの方でもアセスメント法案をつくる段階でどういう期間を設けたらいいのかということで、いま関係各省庁とも相談しておる段階なんでございます。 そこで、私どもが指針を出しました中には、実は期間を何日にしなさいということは言っておらないわけなんでございまして、県で周知徹底できる期間、あるいはそれを見て意見を言えるに適当な期間を選んでやってくださいということで、その期間が、青森県としてそれだけの期間で精力的に随所で説明をしていくということで内容を周知できるという御判断でその期間を設定したんだというふうに考えるわけでございます。
○古寺委員 先ほどの湾港の問題にいたしましても、あるいは小川原湖の問題にいたしましても、アセスメントが行われていない。それからまた、港湾審議会にもかかっていない。もう予算がすでについているわけです。しかも、一番大事な漁業補償の問題あるいは沿岸漁業に対する影響性、こういうものに対する事前評価というものが全くなされていない。それに先行してどんどん港湾をつくる、あるいは水を勝手に利用する、こういうことでは、いままでの公害の繰り返しがまた当然考えられるわけです。環境庁はそういう問題については、非常に弱いと私は思うのです。ですから、アセスメント法をつくりましても、いまのようなことの繰り返しであったなら、これはアセスメント法をつくっても同じような結果になってしまうと思うのです。しかも一つの大きな問題は、この報告書案によりまして、住民から、たとえば石油化学あるいは石油精製は非常に公害が多いので何とかこの企業を変えてもらいたいというような強い要望が出た場合に、これに対して環境庁はどう対応していくのか、あるいは今後アセスメント法ができた場合に、どの面まで住民の意見なりそういう希望なりが取り入れられていくのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○柳瀬政府委員 港湾に関します実施設計調査費ですね、先ほど運輸省さんから説明のございました二億何千万円か、これは計上は確かにしてございますが、これには注文が環境庁の方からついてございまして、環境影響調査を実施し終わって、それが完了した後でなければその調査には着手しない、ということはそういう実施に関する調査をやらない。言いかえれば、終わった後で、よろしいということになれば、そこで初めて港湾の実施のための調査を行うということになるわけでございます。 それから、石油をやめてほかの企業にする方がいいんじゃないかとかそういう問題につきましては、これは産業政策的な問題でございまして、何をそこに導入するかということは、その所管の県なりあるいはその所管の上級官庁なりそういうところで、住民の御意見なんかもよくしんしゃくしてやはり判断されるべき問題だと思うわけでございます。
○古寺委員 私、これは非常に腑に落ちないのですが、たとえば、第一次基本計画では石油精製が二百万バレルパーデーですね。それから第二次基本計画になりますというと今度は、第一期計画が五十万バレルでしょう。石油化学も年間四百万トンから八十万トンに減っている。これは何を根拠にしてこういう計画をつくり——何もかにもめちゃくちゃだと思うのです。こんな変更の仕方もおかしいんじゃないですか。これは住民サイドでこういうふうに計画をした、そういうふうにおっしゃるかもわかりませんが、こういう計画の段階では住民の意見というのは全然入れられておりませんよ。ですから、今度の環境アセスメント法をつくるに当たっても、やはり住民の意見をどれだけこの中に盛り込んでいくかということが、私は非常に大きな問題だと思うのです。せっかく報告書案をつくって縦覧に供して、住民がいろいろなことを心配し専門家がいろんなことを言っても、それは聞きおく程度にとどめておくというのであれば、これは意味がないわけですよ。ですから、そういう面からいきまして、環境庁として住民の意見なり専門家の意見というものを今度の法律の中にどういうふうに盛り込んでいくお考えか、その点をもう一遍お尋ねします。
○柳瀬政府委員 まず、計画を住民が知りたいと思えばだれでも知れる状態になければならないという点で、公告をし縦覧をして、その計画が住民にわかり得るようにする。それから、それだけではなかなかわかりにくい、ただ計画の中身を見ただけではということで、その内容について説明会を開いて、十分内容がわかるように説明を住民の方々に行う。それから、その内容について住民の方々の御意見があれば、関係のある方はどなたでもそれについて意見を言うことができるようなそういう体制にしておく。それからその意見につきましては、これはむしろ頭数で数えるという問題じゃなくて質的な問題でございますから、そのたくさんある意見の中で環境保全上具体的かつ有効な意見はこれを取り入れるような努力を事業主体なり計画主体も行うし、また、そういう意見について知事もチェックをして、取り入れるべき意見は取り入れるようなことを知事も考えるし、また、環境庁に入った場合にもそういう点もよくチェックをする。それから、最終的にはやはりその計画主体なり、こういう総合計画の場合には国土庁が中心になってプロジェクトをつくって、十二省庁ですかがあれになっておりますから、そういうところでまた、そういう報告書というものが検討された結果が行くと、そこで最終的にどういうふうにするかということを判断するというようになっておるわけでございます。
○古寺委員 先ほどの局長さんのお話ですと、青森県の報告書案がまだ環境庁に着いていない、こういうお話を承ったのですが、それは事実でございますか。
○柳瀬政府委員 これは公告、縦覧をして住民の意見を聞いて、それから、それについてのまたとられるべき措置はとって、報告書をまとめた上でその報告書を私どもの方が送付される。だからこれは、恐らくまだあと一カ月かそこらかかるのじゃないかというふうに考えております。
○古寺委員 そうしますと、この報告書案に対しては、環境庁は意見を申し述べることはできないのですか。でき上がった報告書にだけ意見を申し述べるわけですか。これは関係省庁も含めてです。
○柳瀬政府委員 その報告書案につきまして、環境庁に来た段階で環境庁がそこで検討、審査をいたしまして、必要な内容の修正なり、あるいは必要な資料が欠如しておれば、その資料をさらに提出を要求するなりそういうことをいたして、その結果について環境庁も意見を申し上げてその意見を取り入れてもらう、そういうことになるわけでございます。
○古寺委員 時間がございませんので、最後に長官にお聞きしますが、これは日経新聞に載っております。通産省がこのアセスメント法案の「提出に反対」こういう大きな見出しで出ておるのでございますが、この問題については、通産省の方から強いいろんな圧力があるかもわかりません。そういう場合に、環境庁長官として今国会にこの法案を提案していくという御決意がおありかどうか、その点を最後にお聞きして終わりたいと思います。
○石原国務大臣 そのつもりでやっております。
○登坂委員長代理 東中光雄君。
○東中委員 石原環境庁長官の所信表明をこの間お伺いしましたが、初めての就任のあいさつとあわせて熟読玩味させていただきました。 〔登坂委員長代理退席、向山委員長代理着席〕 「戦後のわが国経済の高度成長は、」いろんなひずみを残したけれども、「中でも最も大きな問題は、非人間的な公害の発生と無残な自然破壊でありました。悲惨な公害病患者の発生を目の当たりにして、」「二度と再びこのような事態を繰り返すまいとの決意のもとに、政府国民一体となって、懸命な公害防止努力を継続してまいりました」こう言われているのであります。まことに結構なことだと思うのでありますが、「悲惨な」、「無残な」という言葉を使われておるのでありますが、石原長官がかつて核問題についてこういう発言をされておるのが著書で公刊されておるわけですが、長官の政治姿勢をはっきりとしていただきたいという点でお伺いしますが、「いったい核の被爆者というのは何ですか。戦争の犠牲者でしょう。悲惨だ悲惨だというけれども、広島・長崎よりももっと悲惨な例が同じ日本の歴史の中には他にも沢山あるんだ。」こういう論に立って「日本はいずれ核を保有しなきゃいけない状態になるんじゃないか。」この核を保有することがこれから十年後非常にポピュラーな考え方になる、好ききらいは別に、そうならざるを得ないんだ、非核三原則というのは、佐藤総理が国会答弁で言ってしまったけれども、だれかがいつか取り消さなければならないことですよ、ぼくは、非核三原則というのはただの理屈としてもおかしいと思う、こういう趣旨の発言がずっとされておるわけですが、いまどのようにお考えになっておるのか、基本的な政治姿勢としてお伺いしたいと思います。
○石原国務大臣 核問題についての私の発言は、どうも正しく判読されていない節がございまして、この機会、結構な機会でございますからはっきり申し上げますけれども、私は核保有論者ではございません。国会の質疑の議事録を見ていただきましても、はっきりと、利害損得換算しても、現況日本は核を持つべきでないと思うということを申しておるはずでございます。 また、非核三原則の問題でも、この間、福田総理から予算委員会で答弁いただきましたが、余り個人の立場で物を申すべきでないと思いますけれども、この問題につきましても、やはり時間の推移、国際情勢の変化等、いわゆる政治の係数が変化した現況では、私は閣僚としましても、内閣の非核三原則の姿勢というものを遵守するつもりでございます。 ただ、私が核について発言しました問題は、ある政治情勢のもとで、たとえば日米繊維交渉のときに、たしか毎日新聞だと思いますけれども、核を、時間帯はそれぞれ異論がございましたが、近い将来、長い将来含めて、持つべきであるという議論がたしか四五%、そして持つべきでないというのが四六%、非常に驚異的な数字を示した世論調査が出た時点がございます。その時期に主に私その発言をいたしましたが、私は、核を持つべきであるとは申しておりませんけれども、核を持つか持たないかという問題は、この時点で私たちは討論することを避けては通ることはできないだろうということは申したはずでございます。
○東中委員 非核三原則について、あなたは、理屈としてもばかげたものだということを、これは「酒盃と真剣」という本に書かれているわけですが、発言されたことが公刊されているわけです。そして昭和四十四年三月十五日の参議院における予算委員会の質問でも、三原則のうちの持ち込み問題について、主体は別として、とにかく動機は別として、客観的に日本の国土に核を持ってくるという、それは当然なんだ、あるいはそれまでも禁止すべきじゃないんだというふうな主張を、これは公式に政治家としてやられておるわけですね。そういう点については、いま言われたように、これは四十四年ですから大分たっていますから、訂正をされる、訂正というか立場を変えられるというふうに聞いていいわけですか。
○石原国務大臣 その発言は、非核三原則が議会で決議される前でございます。それがしきりに論議されたときでございまして、私は、一議員として、個人の立場でそのような発言をいたしました。その後、国会で決議されまして、先ほど申しました情勢の変化等々ございまして、私いま、もちろん国会議員はすべて公人でございますが、公人中の公人と申しましょうか、閣僚の立場ではその問題は私の管轄外のことでございますので、私の所見を述べる立場ではないと思いますが、しかし閣僚の一員として、非核三原則に関する内閣の姿勢を遵守するつもりでございます。
○東中委員 最初に私申し上げたように、被爆者の問題について、悲惨だ悲惨だと言うけれども、広島、長崎と言っても、悲惨な例はまだ日本の歴史の中にもっとたくさんあるんだ、もっとひどいのもあるんだという趣旨のことを言われておるわけです。「悲惨な公害病患者の発生を目の当たりにして、」と、こう言われているんですけれども、これは非常に主観的な言葉でありますけれども、問題のとらえ方が非常に重要だと思いますので、過去の歴史に、あるいはほかのところで幾らでもあるんだからというふうな考え方をよもやとられていないと思うんですけれども、この本に書いてある範囲での発言ではそのように見えるわけですね。その点について御所見はいかがでしょうか。
○石原国務大臣 私の著書に言及いただいて大変光栄でございますけれども、私はそうは思いませんし、コンテクストのつながりというものがございまして、文章の一部だけ取り上げられますと違った印象が拡大されるおそれがございますが、私、それはだれとの対談でしたか、ちょっと失念いたしましたけれども、核問題に対する日本人のアレルギーと申しましょうか、考えること自体を拒否するような体質というものに言及したときに、そういう表現をしたと思います。これはそれだけとらえますと、どうも表現として大変稚拙だと思いまして、特に今日、私の立場がこうなりましたときに、大変誤解を招きやすい表現と思いますので、これは深く反省させていただきます。 ただ、私は、原爆の患者、原爆の被爆者、これは悲惨であることは言をまちません。ただしかし、私たちはその体験をもっと積極的に生かすということで、ある場合、西洋人が西洋人に原爆を投ずることはまずなかったと思いますけれども、もしそういう事実があったときに、恐らく西洋人は西洋人の物の考え方で、日本人と違った形で核の問題をとらえるであろうというようなことを申しました。そのコンテクストのつながりでそういう表現をしたのかも存じませんが、それだけ取り上げられますと非常に誤解を招きやすい表現だということは、私も同感でございます。 ただ、そういう気の毒な方々に対する認識が、過去の悲惨な物事の事例をとって、それを消去するとか無視するとかということでは決してございませんので、そのように御理解いただきたいと思います。
○東中委員 西洋人との比較で言っているんじゃなくて、これは長官自身の本ですから後で……(石原国務大臣「だれとの対談ですか」と呼ぶ)小田実さんとの対談です。 いずれにしましても、公害病患者の人たちの悲惨さというものを、これは人間の健康、人間の尊厳という点から、事業活動によって、あるいは企業活動によって損なわれるというようなことは断じて許されない、そういう立場に立って行政が進められる。これは文字どおり、そうお聞きをしておきたいと思うのでありますが、きょう長官が記者会見で、環境庁発足以来の慣例としてやられてきた陳情者との交渉といいますか話し合いというか、それの公開の原則を今後は非公開を原則とするように改める、それから多数の人による陳情、あるいは団交型とも言われておるようですが、その陳情には一切会わぬ、代表者との陳情に限定する、こういう二つの点で、従来環境庁がとってきた態度を改めるということを言われたように報道されておるのですが、それは事実ですか。
○石原国務大臣 そのとおりでございます。
○東中委員 なぜいままでの公開の原則を非公開に改められるのかということについてお伺いをしたい。
○石原国務大臣 公開というのは、いままでの慣例で申しますと、実質的に新聞記者の立ち会いでございましたが、いろいろな陳情を私、受けますけれども、新聞記者が立ち会う公開の形では本当のことが言いにくい、ぜひ非公開にしてほしい、あるいは公開にせざるを得ないような庁舎ではなしにほかの場所で話を聞いてほしいという陳情がたくさんございました。私は、そういう体験を踏まえまして、やはり率直に意見を伺うことが私の公務を能率的に、積極的に行っていくゆえんと思いますので、陳情にいらっしゃる方々が、新聞記者立ち会いの形で陳情を公開してもよろしいというときには、私は喜んで公開させていただきます。ただ、これはやはり陳情をされる方々それぞれの問題を持っていらっしゃるわけでございますから、その問題を率直に訴え、率直にそれを聞き取ることが私の仕事と思いますので、陳情される方々の意思というものをあくまでも尊重すべきだと思います。これは、記者の方々、世間がどのように評価されるかわかりませんけれども、私は、陳情という公務の中で、やはり陳情者の意見を率直に聞く。陳情される方々が、いろいろな問題を包み隠さず率直に意見を申されるということのために当然来られると私は思いますので、そういう便宜を図ることこそ私の立場での責任と義務と心得まして、そう判断いたしました。
○東中委員 いままでのやり方で、陳情者が公開されては困ると言っておるのに公開をするというようなことは、例があったのですか。これは官房長。
○金子政府委員 公開が原則になっておりますから、陳情に参りたいと思いますが陳情を控えさせていただきますという例が大部分でございます。
○東中委員 では、逆に聞きましょう。陳情があって、そして公開されなかった陳情というのは一切ないというわけですか。
○金子政府委員 原則としてということでございますから、例外はございました。
○東中委員 公開されないでやられた陳情というのは、例外的にしろ、どういう場合が例外なんですか。
○金子政府委員 陳情者側が、適当でない、あるいは希望しないという非常に強い意向があった場合でございます。
○東中委員 陳情者の方から希望しないと言っておるのに、それは公開しなければいけないんだとして、環境庁はその陳情者に原則だからとして説得するというふうなことをやったことがあるのですか。
○金子政府委員 私が官房長になりましてからは記憶にございません。
○東中委員 やったことがないから、やったという記憶がないんだろうと思うのですけれども、本人が希望していないときに公開しないのは、これはもう当然のことだと思うのですよ。実際にそうやってきておるわけでしょう。なぜ環境庁は、いままで公開が原則であって、そして例外的に、とにかく公開を希望しない人の陳情はもちろん公開しないということでやってきたのを、今度は逆に原則を変えるというのは——環境庁というものの性格からいって、これは住民運動の中で、大体公害があるいはまた公害防止が取り上げられてきた、それは住民運動の中から進んできたわけですね。だから、環境庁の成立自体が住民運動によって出てきたと言ってもいいような面を持っているわけであります。そういう点から言えば、住民運動が公開を希望してやってきているときは公開を原則にする。現にいままでそういうようにやってきた。それを今度は原則を逆にする。一般官庁と同じようにするというようなこと。特にそういう秘密にしなければならない、秘密を原則にするというふうにしなければならない理由があるのかどうか。それは政治姿勢の問題として変わっただけじゃないですか。
○石原国務大臣 確かに環境庁は、住民運動というものを基軸にする公害問題の取り組みによって新しい歴史をつくり、国民大衆の意識変革に非常に強く寄与してきたことは、私、認めます。しかし、お言葉を返すようでございますけれども、住民運動の方々の中に、公開をしてもらっては困る、要するに非公式にと申しましょうか、公開されない立場で自分たちの意見を聞いてくださいという方々が非常に多うございます。そうして、そういう方々にそういう形で、私は、結局役所を使いませんものですから、ほかの場所で何度か会いました。
○東中委員 それはけさのこの原則を変更する前の状態のことをおっしゃっておるわけでしょう。だから、公開を希望しないということの意思表明があれば、それは公開しないということはあってもこれは当然のことだから、一般的に言って、環境庁の場合は、いままでとられてきた公開の原則というものを、その中で例外を幾つかつくっていらっしゃるわけですから、それは陳情者の意思を尊重している、それと同じ態度をとられたらいいのではないか。まず原則的に非公開にしてしまうというのでは一そういう原則を変えなければいけないという理由は、いまこの時点で特別に起こっているのかということですよ。
○石原国務大臣 これは言葉の行き違いでございまして、それをお認めいただけるなら、別に原則は原則で例外もあることでございますから、記者の諸兄が納得してくださるならば、原則は公開、しかも、あくまでも公開、非公開については陳情者側の意思をそんたくするということでも結構でございます。いずれにしても、あの庁舎の中で行われる陳情はすべて公開にしろという要求には応じかねるということでございます。
○東中委員 そんなことを言ってないわけですよね。現にいままで扱われてきた扱い方は、環境庁の広報を通じて、きょうはこういう陳情がある、そして、それについて公開では困るということの申し出がなかったら公開してこられたわけでしょう。そういうことを記者クラブに連絡されておった。それはまさにガラス張りというか、国民に開かれておった。これは環境庁ができたときからこの五年間ずっとやってこられたことなんですからね。それをいま変える必要は何もないじゃないか。原則は公開であって、それについて公開がいやだということを言われる人については公開されなければいいのです。ただし、陳情者の側じゃなくて、環境庁の側の発想で非公開を原則にする、あるいは非公開か公開かを決めるというようなことはしないということははっきりしてもらう必要があるのじゃないか。これは私、環境行政のあり方のやはり一番もとの姿勢にかかわってくる問題だと思うから、たまたまきょう記者会見で言われたことについてお伺いしておるわけです。
○金子政府委員 先生に若干理解されておられない面がおありになろうかと思いますので、私から一言申し上げさせていただきますが、いままでの原則として公開という原則は非常に強い原則でございまして、私ども実際にいろいろな方面から面会、陳情という申し出がありますと、どこまでが陳情であり、どこまでが面会であるかという線を引くのは非常にむずかしいのですね。それで、これはボーダーラインのものだけれども面会扱いだ、こういうことでしばしばやらざるを得ない。そうすると、それは陳情ではないかということでごたごたが起きる。要するに、本人が、陳情においでになる方あるいは面会においでになる方が希望しない場合は公開しないという例外は、そうめったに実行されていなかった。例外を認めること自体に非常な反発といいますか問題があった。それをこの際、例外は、原則、例外にひっくり返せば同じじゃないかということになるわけでございますけれども、おいでになる方が公開を希望しないという場合には公開しないということをはっきりさせる、こういう考え方だと理解いたしております。
○石原国務大臣 言葉の行き違いがあると思いますけれども、それではこういうふうにいたします。 環境庁で行われる陳情は一切公開せよという鉄則はやめさせていただきまして、原則的には公開しますけれども、あくまでも陳情者の公開、非公開の意思をそんたくするという形にさせていただくというのではいかがでございましょう。
○東中委員 要するに、陳情者が公開を拒否した場合ですね。その場合だけであって、環境庁の方からこれは公開せぬ方がよろしいというふうな判断をするということはしない、その点をはっきりしておいてもらえばいいのです。
○石原国務大臣 そのとおりでございます。
○東中委員 そうしますと、結論的には、公開は原則である、しかし陳情者の方で公開を希望しない場合にはそれは非公開になる、環境庁の都合によって公開、非公開を決めるというようなことはしない。よろしゅうございますね。
○石原国務大臣 結構です。
○東中委員 もう一つ、多数人とは会わぬということですね。これはこの所信表明で、「悲惨な公害患者の発生を目の当たりにして」、これは発生ですからあれですけれども、実際に環境庁というのは、公害患者、あるいは公害関係者の陳情という場合は公害健康被害者、こういった人がたくさん来るわけです。そういう場合に、代表者でなければいかぬとかいうふうなことは、これはやはり住民運動の中で出てきた公害防止、環境庁という点から言えば、ほかの役所とは違った面を持っておって当然だし、現にいままで持っておったわけですね。だからといって、入り切らぬような、五十人しか入れないところに二百人入れろなんて言ってきた場合に、そういうのは物理的な問題ですから、私は、その代表だとか人数を制限するとかいうことは、やはりいままでの陳情のとおり、スペースの許す限り、そして目の当たりにそれを見るというふうな姿勢をこそ環境庁ではとられるべきではないか。何か警察へ陳情に行ったときに人数や代表を制限せいというのと同じような形に受け取られかねないので、これは団交型と言われておりますけれども、団交型というのは、団体交渉は代表が行ってやるのですよ。だから、俗な意味で言われているのだと思うのですが、人数制限をするというようなことは物理的な理由以外には公害行政としてはやるべきではないと思うのですが、長官のきょう言われたことは私の言っているような趣旨であって、ただ喧騒にわたって何を言っているのかわからぬとか、そういうふうなことは、それは面会者側といいますか、陳情者側もやるべきではないということになると思うのですが、しかしそのことのゆえに、そういうことがたまたまあったとして、一件そういうことがあったからといって、今度は公害行政の特質というようなものから離れて、代表でなければ会わぬ、名前もわからないやつは会わぬ、こう言われたのでは、やはり画一的になって、公害行政としてよくないのではないか。いままでの態度を改めると言われているだけに、私はその点を強調したいわけです。いかがでございましょう。
○石原国務大臣 住民あるいはその公害被害者の方々の実態を私が拝見するというのは、私が自分で視察に行くべきだと思います。陳情という形でおいでになる限り、冷静な説明をいただき、冷静な質疑応答のできるためのおのずと数なり質なりの制限があると思いますので、その点は、いま東中先生がおっしゃっていただきましたように、喧騒のちまたで一時間いたずらに空費するような、そういうような体裁をとらない形でのルールというものを互いにつくって、できるだけ効率よく時間を生かすようなルールというものを互いに守り合うという習慣をつけたいものだと思います。 ちなみに、先週起こりました騒動の中では、一体この方がどこのどなたかさっぱりわからず、何の目的で来られたかも私よくわからず、事務所側のちょっとした不手際もございまして行き違いがございましたけれども、あれではとても話し合いをする雰囲気でございませんし、私自身ほかの仕事に差し支えますし、また、約束しない時間に押しかけてきて、公務の最中であろうと、おまえいるから会えということは、これはほかの国民、ほかの住民の方々に多大な迷惑をかける姿勢だと思いますので、そういういわばごり押しがまかり通らない一つのルールというものは、国民のためにつくるべきだと思います。
○東中委員 長官の「対極の河へ」という本がありますが、これによりますと、こういうことを言われているんですね。 「ここで、日本の公害運動批判をする暇はないが、日本の公害反対のキャンペーンの悪しき特徴は、公害という呼称によりかかった一方的全面的な責任転嫁であり、それに基づいた正確な歴史意識による正当な文明批判の欠落である。」「社会的な不浄さの問題を一方的に政治や企業、経済の責任として転嫁する発想には、じつは日本の借りものの民主主義の不毛さ、市民意識の欠如が露呈してい、日本の大衆政治意識の低劣さがうかがわれる。」こういうふうに百三十六ページに書いてあるわけですけれども、この感覚で公害住民運動を見られたとしたらこれは大変なことになる。そういう感覚がきょうのこの中にあるのではないかということを私は非常に恐れるわけです。「悲惨な公害病患者の発生を目の当たりにして、」「二度と再びこのような事態を繰り返すまい」と決意したというのとはこれは大分違うんですね。 だから私はここで、このあなたの著書で言われているこの感覚は、それは一作家として評論をやられるというのは自由でございますけれども、公害住民運動というものについて、そしてその運動をやっている公害被害者なんかの意見、陳情というものは、公害防止に反対する側の企業側の陳情なんかとは全く性質の違う、本来環境庁としては十分耳を傾け、どれくらい聞いても聞き過ぎることはないという性質のものなんです。そういうものとして住民運動に対処されるべきではないか、こう思うのでありますが、長官の御所見をお聞きしておきたいと思います。
○石原国務大臣 水俣でございますとか四日市でございますとか、そういう非常にラジカルな個々のケースをとりますと、これは企業なり行政なりというものに、過半といいましょうかほとんどの責任があるという事例もたくさんございますが、しかし同時に、総体的に、特にジャーナリズムにあらわれてくる公害の扱い方と申しましょうか、一つのこれに対する物の考え方の流れ方というものをとらえますと、被害当事者でない大衆の中に、実は自分自身も公害を生んだ、非常にゆがんだ、あしき形の文明の加担者であり、そういった形の文明の一つのある意味でのメリットいうものを享受していながら、それを忘れて問題を一方的に責任転嫁し、声高にそれをののしるだけで、歴史的な反省の見られない風潮があるという意味でそういう論文を書きました。そのように御理解いただければ幸いだと思います。
○東中委員 住民運動についての考え方あるいはとらえ方といいますか、それについてはどうでしょう。
○石原国務大臣 これはケース・バイ・ケースで考えさせていただくつもりでございます。
○東中委員 それが逆なんですよ。ケース・バイ・ケースで見るのではなくて、企業側の巻き返し行動というもの、その中にもいろいろあるでしょう。それから、住民側のいわゆる公害反対の住民運動あるいは公害防止のための住民運動というもの、その中にもいろいろあるでしょう。しかし、いわゆる住民運動とそういう企業側、要するに加害企業側とそうでない被害者側、これをはっきりと区別しなければいかぬのではないか。住民運動の中で一〇〇%有効適切にやっているかどうかというのは、これはそれぞれの条件があるでしょう。それにもかかわらず、その立っている立場というものを真正面から受けてみなければ、その上に環境庁というのは立っているのだという姿勢をとってもらわないと、調整原理にいってしまうのです。私はそういう点で、住民運動について謙虚に耳を傾ける、陳情者については、物理的障害がない限りは、公開で、人数制限なんかしないで、権力的態度ではなくてそれを聞く。国民の健康を守り、保護し、生活環境を保全するというのが任務なんですから、そのことを訴えている方に制限的な態度あるいは抑圧的な態度というのは、私は基本的に許されないと思う。いろいろな問題は個々によってありますよ。それは個々的な問題であって、住民運動全体として言うならば、それはとらえ方を、姿勢をはっきりとさしていただきたい、こう思うのですが、どうでしょう。
○石原国務大臣 お言葉を待つまでもなく、住民運動を規制するとか抑制するという観点で環境行政をするつもりは全くございません。しかし、住民運動にもいろいろな代表がございましょう。ですから、できるだけ多くの機会、しかし限られた時間を有効に生かす形で、私は、住民の方々それぞれの主張を複合的に多面的に聞き取るつもりでございます。そのためには、限られた時間を有効に生かすルールというものを、やはり主張される方々にもお守りいただきたいということを申しただけでございます。
○東中委員 特に代表者を制限するとかいうことを、要するに制限的に言っておるわけではないというふうにお聞きしてよろしいですか。
○石原国務大臣 そのようにおとりいただいて結構でございますけれども、名のることのできない、しかも話し合いの本件に全くかかわりのない人たちまで同席される必要は私はないと思います。
○東中委員 それは会ってみなければわからぬことなんですよ、本件にかかわりがあるかないかということも。何もかかわりがない人が、わざわざ時間を割いて出向いていくわけはないのですから、それは会ってみなければわからぬことなんで、官僚的にと言ったら語弊がありますけれども、とにかく上から、だれに会ってやるかという姿勢じゃなくて、とにかく住民運動については、わざわざ遠いところから東京へ出てくる人もあります。あるいは不自由な体を引きずりながら来る人もある。そういう人たちを本当に目の当たりに見てやっていくという姿勢を、私は石原長官にとってもらいたい。いままでは大体そういう方向で来ておった。ところが、今度はそうはしないのだ、こうなると、これはやはり問題だ、こう思うのです。基本的な姿勢としてはそういう姿勢で臨むというふうではいかぬのですか。
○石原国務大臣 ですから、基本的な姿勢でそういうふうに臨むためにも、いらっしゃる方々にも最低限のルールは守り協力をしていただきたいということをきょう申したわけでございまして、それを守っていただければ、私は、限られた時間にできるだけ多くの方々にお目にかかって、できるだけ多くの声を聞くつもりでございます。
○東中委員 ルールの内容がはっきりしていないから、空回りをしている面もあると思いますけれども、基本的にはできるだけ多くの人に会うということを確認されたものと思います。 それで、もう時間がございませんので、一点だけ。先ほど来アセスメントの問題についていろいろ質問がございましたが、今度の所信表明でも、昨年来ずっと言ってきて、そして今日に及んでなお鋭意努力中ということなんですね。これは先ほど来論議されておりますけれども、いろいろなところから妨害が出てきておるのではないか。これははっきりそう言わざるを得ぬわけであります。それが企業サイドであるということも言えると思うのです。ぜひ今度は出す決意だと言われたのでありますが、「環境影響評価制度に関する意見 社団法人経済団体連合会昭和五十一年二月十六日」、環境庁にこの意見書が出されております。この経団連の意見書によりますと、「現段階で直ちに制度化するには、わが国の社会的風土は必ずしも未だ十分熟していないと考えられ、かえって、社会的混乱を助長する懸念があるとともに、国民経済上必要な開発行為を不当に遅滞させることにもなる。」こう書いてあるわけですが、社会的混乱を助長する懸念ありと長官はお考えになっておるかどうか。それから「国民経済上必要な開発行為を不当に遅滞させることにもなる。」というふうにここでは言っているわけですが、この二つについて長官の所見を承りたいと思います。
○石原国務大臣 社会風土が成熟していないという意見のようでございますけれども、確かにそういう節もなきにしもあらずと思いますが、それを成熟させるためにも、この法案は必要だと思います。 それから、どうも遅滞ぎみの必要な開発というものをむしろ促進するためにも、私はこの法律を必要とすると信じます。
○東中委員 そうすると、現段階で社会的混乱を助長する懸念はない、それから開発行為を不当に遅延させるというようなものでもないというふうに石原環境庁長官ははっきり考えておられる、経団連の意見は採用しがたいということだ、そうお聞きしてよろしいですか。
○石原国務大臣 混乱もさせませんし、遅延もさせるゆえんにならないと私は思います。
○向山委員長代理 もう持ち時間がありませんので……。
○東中委員 もう一問だけ。これは出す出すと言って非常におくれてきたものでありますから、もし今度また産業界やあるいは通産省その他から反対が強くて出ないというふうな場合には、柳瀬局長は、今後も反対が続けば、役所名を挙げてその主張を公表し世論に問うことも考えているという趣旨のことを発言されたと新聞は報道しているのですが、事実かどうか知りませんけれども、長官はそういうお考えをお持ちかどうか。今度三月二十日ごろまでに出せなくなった場合に、そういうことを明らかにするというところまで決意をされておるかどうかということをお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○石原国務大臣 お役所というのはどうも非常に不思議な世界でございまして、私もいろいろ当惑することがございますが、三月二十二日までに出せなくなったときにそういう方法を講じるよりも、むしろ三月二十二日までにこれを上程するために、関係各省がどういう意見があるかということをある時点で公表し、国民的な討論にこれをさらすということは、効果のある方法ではないかと私は思っております。
○向山委員長代理 以上をもって本日の質問は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十一分散会