建設委員会 第8号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/04/22
会議録
○北側委員長 これより会議を開きます。 去る三月十八日本委員会に付託されました岡本富夫君外二名提出の住宅基本法案及び公営住宅法の一部を改正する法律案並びに去る十八日本委員会に付託されました下平正一君外六名提出、住宅保障法案の三案を議題といたします。 まず、提案理由の説明を順次聴取いたします。まず、古川雅司君。 ————————————— 住宅基本法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○古川(雅)議員 ただいま議題となりました住宅基本法案につきまして、提案の理由及びその要旨につきまして御説明申し上げます。 住宅は、かけがえのない人間が住まうのみならず家族とのコミュニティーの形成の場であり、あすへの英気を養う場でもあり国民生活に欠かすことのできない基本的なものであります。 したがって、すべての国民に健康で文化的な生活を保障する責任を持つ国は、国民生活の基盤である住宅についても快適でゆとりのある住居を確保し、国民の住宅権を保障すべきであります。 ところが政府の住宅対策を見ますと、住宅金融公庫の融資状況に見受けられるように景気対策の一環として利用することに比重を置き、公営住宅の建設は遅々として進まず、公団住宅の建設は、住宅の質的水準の向上よりも戸数消化主義に終始したため入居対象者から敬遠されているのが実情です。そのため、戦後三十余年経過した今日、依然として全国におよそ二百五十万の住宅難世帯、一千万余の住宅困窮世帯が存在しています。 このような現状にかんがみ、当面する住宅対策の隘路の打開を図りつつ国民の生活環境を整備促進するためには、国民の住宅権を保障する国の責任を明確にして、住宅に対する国と地方の供給体制の明確化、住生活の基準の設定、宅地の供給など住宅問題解決への基本的方途を確立せねばなりません。 以上が、この法律案を提出する理由でありますが、次に、その趣旨を御説明申し上げます。 まず第一に、国は、国民に健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を確保し、国民の住生活を適正な水準に安定させるため、住宅に関する総合的な施策を講ずることとし、また、地方公共団体は国の施策に準じて、その地域に応じた施策を講ずる責務を持つこととしました。 第二に、国は、国民の住生活の向上を図るため、適正な住宅の基準及び住居費の負担基準を定めるものとし、国及び地方公共団体は、定められた基準に適合する住宅に居住できるようにするため住居費補助等の施策を講ずることとしました。 第三に、国は、住宅の供給を総合的かつ計画的に促進するため宅地及び公共施設等を含んだ長期計画を策定することとしました。 第四に、国及び地方公共団体は、低額所得者等に対して適切な規模、構造、設備を有する住宅を低廉な対価で供給するため必要な施策を講ずることとし、そのために長期かつ低利の資金の融通や税制上の措置を考慮するものとしました。 第五に、国及び地方公共団体は、老人、母子家庭、心身障害者等の福祉を増進するため、低廉な対価で福祉住宅を供給するよう特別な配慮をせねばならないこととしました。 第六に、国及び地方公共団体は、住宅地における良好な居住環境を保護するため、適正な環境基準を設定し、その確保に努めなければならないものとし、良好な宅地の供給、土地価格の安定、住宅地における公共施設等の整備、住宅の災害からの保護のため施策等を講ずることとしました。 その他、政府は、国会に住宅に関する年次報告を提出すること、持ち家建設促進のための必要な施策の実施等を行うこととしてあります。 なお、この法律は、公布の日から施行するものといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及び趣旨でありますが、何とぞ慎重審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○北側委員長 次に、谷口是巨君。 ————————————— 公営住宅法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○谷口議員 ただいま議題となりました公営住宅法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその趣旨につきまして御説明申し上げます。 すべての国民に健康で文化的な生活を保障する責任を持つ国は、国民生活の基本となる住宅につきましても快適でゆとりのある住居を確保し、国民の住宅権を保障しなければなりません。 ところが現実には、全国でおよそ二百五十万世帯が狭小な木賃アパートなどに住むことを余儀なくされており、また、建設省のまとめた住宅需要実態調査によりますと全国で三五・一%に相当する一千三万世帯が「狭い」「老朽化」「設備不完全」「高家賃」等の理由で住宅困窮を訴えています。 一方、政府の今年度における住宅対策を見ますと、住宅金融公庫の個人住宅向けの融資枠は、わずかにふえたものの、公営住宅や公団住宅の建設計画戸数は、それぞれ前年度と同戸数にとどまっており、中でも低所得者を対象としている公営住宅の建設は、低迷を続けています。 このように公営住宅建設が行き詰まった大きな原因は、都市への人口の過度集中と用地確保難及び地価や建設資材の異常な高騰によって、一地方自治体をもってしてはとうてい解決しがたい事態に直面しているためであります。 このような現状にかんがみ、当面する公営住宅建設の隘路の打開を図りつつ、生活環境を整備していくためには、公営住宅建設の事業主体である地方自治体に対する財政的裏づけ措置を講ずるとともに、関連公共施設の整備促進、老人、身体障害者等の特別構造の公営住宅の建設促進等を総合的に推進せねばなりません。 以上が、この法律案を提出する理由でありますが、次に、その趣旨を御説明申し上げます。 まず第一に、公営住宅等の建設に対する国の補助率を引き上げることとしました。すなわち、工事費について第一種公営住宅には現行二分の一を三分の二、第二種公営住宅には現行三分の二を四分の三、共同施設には現行二分の一以内を三分の二補助することとしました。 第二に、地方公共団体は、公営住宅の供給に当たっては老人、母子家庭、心身障害者等について特別の配慮をしなければならないものとし、また国の補助金額算定の基礎となる標準工事費を定めるに当たっては、老人、身体障害者等のための特別な構造または設備に対しても定めねばならないようにしました。 第三に、国は、公営住宅の建設を促進するため、一定規模以上の公営住宅団地の建設に関連して必要となる道路、下水道、学校、保育所、診療所、鉄道その他政令で定める施設など、関連公共施設等の整備事業に対し国が補助することができるようにしました。 第四に、公営住宅の入居資格について、新たに単身者の入居を一定の条件のもと、認めることとしました。 第五に、事業主体は、狭小な既設の公営住宅の増改築、浴室の新設など公営住宅改良事業を施行するよう努めねばならないものとし、その際、国は、定められた補助率の区分に従い補助しなければならないものとしました。 なお、この法律は、公布の日から施行するものといたしております。 以上が、この法律案の提出理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○北側委員長 次に、中村茂君。
○中村(茂)議員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました住宅保障法案につき、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 インフレの進行、諸物価の高騰は、国民生活をますます苦しくしておりますが、とりわけ、住宅問題は深刻であり、わが国の全世帯の三分の一以上が住宅困窮を訴えている状況です。住宅事情改善を先導し、その中心となるべき役割りにある公共賃貸住宅は住宅総数のわずか六・九%、約二百万戸にすぎず、居住水準は賃貸住宅の平均で十七ないし四十平米という狭小なものであり、住居費負担は世帯総収入の二〇ないし三五%にも達しております。このような現状のもとで、国民は自力による住宅確保に狂奔していますが、日常の生活を切り詰め貯蓄に努め、ようやく持ち家を取得しようとするときは、さらに住宅ローン等一生を通じる借金をしなければなりません。ようやく建設にこぎつけても、地価、建材等の高騰により資金不足となり十分な規模、設備を確保できず、また日々、高金利の借金返済に追われ、生活が追い詰められて、せっかく入手した住宅を手放さざるを得ない場合も出てきております。 わが国の住宅行政は、狭小、高家賃、劣悪施設の民間アパートに住むか、借金をし持ち家を取得し一生返済に追われるかの二者選択を国民に強制するものであり、健康の阻害はもとより、家庭不和さらには殺人、心中など悲惨な事故を引き起こす種をまき散らす結果となっています。 このような切迫した住宅事情であるにもかかわらず、政府は公共賃貸住宅の家賃の引き上げや、民間依存への傾斜を強めようとしておりますが、私は、こうした方針は住宅難をさらに深化させ、国民生活を破壊へと追いやるものであり、国民の要求とは全く乖離したものであると指摘せざるを得ません。 世界人権宣言、ILO労働者住宅に関する報告等、住宅が人間にとって生存権、生活権にかかわる重要な要素であることは、すでに皆様御承知のとおりでありますが、欧米の先進諸国におきましては、国民に対する住宅供給が国の責任であることが認識され、イギリスの公営住宅、フランスの標準家賃住宅、西ドイツの社会住宅等、具体的手法はおのおの異なりますが、どの国も住宅の国家責任を十分認識し、その上に立った住宅行政を展開しております。社会主義諸国におきましては、さらに進んだ住宅確保が徹底されております。国際行政研究所の一九七一年の報告書では「今日では、住宅の供給は学校教育、保健サービス、職業訓練、上水道、ごみ処理施設、都市交通といった都市の施設と同様、国家に責任があるという考えが広く受け入れられている」と強調しております。ところが、わが国におきましては、住宅は各人の責任として位置づけられ、国は、ほんの一部の階層に対しての住宅供給を行っているにすぎません。住宅政策の目的、目標も明らかにされておらず、国民のあるべき適正な居住水準が提示されても、その実現の道程は国民おのおのの努力を強調するものでしかありません。 良質、低廉な公共賃貸住宅の国民への供給を怠り、持ち家、借家を選択する公正な条件を国民に提供せず、政府の住宅行政の立ちおくれに起因する国民の持ち家志向に依拠しているのが、わが国の住宅行政の実態であり、今日の住宅難の根本的原因でもあります。 日本社会党は、このような状況にかんがみ、矛盾の隠蔽や個別的対応ではなくして、住宅難の抜本的解消を図るため、住宅保障法を制定することを提案する次第であります。 次に、この法律の内容について御説明申し上げます。 第一に、本法の目的でありますが、すべての国民に対し健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を保障するため、国の住宅政策の目標を明らかにするとともに、その目標達成のため国及び地方公共団体が講ずべき施策の基本を定め、住宅対策を強力に推進し、もって国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することといたしております。 第二に、国の住宅政策の目標でありますが、すべての国民が、適正な居住水準が確保されかつ良好な環境を備えた住宅に、適正な住居費の負担において居住することができるようにすることといたしております。 第三に、国、地方公共団体、国民、事業主のおのおのの責務と協力を規定いたしております。 第四に、国民の住生活の基準につきまして、住宅の規模、構造、設備、環境、住居費負担の基準を明らかにいたしております。特に、居住規模については標準世帯で八十平米、住居費負担については標準世帯で賃貸住宅の場合、世帯主所得の一〇%と基準値を明記しております。 第四に、住宅供給の促進についてでありますが、地方公共団体主導の長期計画の策定、計画においては公的資金住宅の事業を明らかにすること、公的資金住宅の事業量の二分の一以上は公共賃貸住宅といたすこと、また、民間住宅への指導と援助、関連公共公益施設の整備等につきましておのおの規定いたしております。 第五に、住宅困窮者に対する公共住宅への優先入居、住居費補助を行うための住宅困窮者登録制度の実施を行うことといたしております。 第六に、国及び地方公共団体は、住宅宅地取引の公正の確保について必要な施策を講ずることにいたしております。 第七に、住宅行政を強力に推進するため行政組織の整備と行政運営の改善を図ることといたしております。 第八に、総理府に付属機関として、住宅宅地政策審議会を置くこととし、本法施行に関する重要事項を調査審議することとしております。委員は両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命することとし、住宅供給を受ける勤労者の代表、供給を行う者の代表、学識経験者によって構成することといたしております。 以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして御説明申し上げました。(拍手)
○北側委員長 以上で三案の提案理由の説明聴取は終わりました。 三案に対する質疑は後日に譲ります。 次回は、来る二十七日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時五十一分散会 ————◇—————