決算委員会 第13号
- 発言数
- 234 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/04/12
会議録
○芳賀委員長 これより会議を開きます。 昭和四十九年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総理府所管中経済企画庁について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、参考人として海外経済協力基金総裁石原周夫君及び理事大島隆夫君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○芳賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人からの意見聴取は委員の質疑により行いたいと存じますので、さよう御了承願います。 —————————————
○芳賀委員長 それでは、まず、経済企画庁長官から概要の説明を求めます。倉成経済企画庁長官。
○倉成国務大臣 昭和四十九年度における経済企画庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。 経済企画庁の歳出予算現額は、七十八億二千二百七十八万円余でありまして、支出済歳出額は、六十二億六千百七万円余であります。 この支出済歳出額を歳出予算現額に比べますと、十五億六千百七十一万円余の差額を生じますが、これは、不用となった額であります。 歳出予算現額につきましては、当初予算額が、百十億八千三百九十四万円余でありましたが、関係各省所管へ移しかえた額三十三億八千七十万円余と、予算補正減少額三億百四十五万円余を差し引き、関係各省所管より移しかえられた額五百八十六万円余と、予算補正追加額四億一千五百十四万円余を加えまして、七十八億二千二百七十八万円余が歳出予算現額となっております。 支出済歳出額の主な内訳は、経済企画庁の一般経費五十七億八千三十四万円余、経済研究所の経費二億七千七十六万円余、政策推進調査調整費一億八百二十八万円余、国民生活安定緊急対策費九千五百八十五万円余などであります。一次に、不用額は十五億六千百七十一万円余でありまして、その主なものは、国民生活安定緊急対策費において、物価対策の効果浸透等により、物価が安定してきたことに伴うものであります。 以上、昭和四十九年度経済企画庁の歳出決算の概要を御説明いたしました。 何とぞよろしく御審議のほどを、お願いいたします。
○芳賀委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。前田会計検査院第一局長。
○前田会計検査院説明員 昭和四十九年度経済企画庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めたものはございません。
○芳賀委員長 これにて説明の聴取を終わります。 —————————————
○芳賀委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。原茂君。
○原(茂)委員 経済企画庁長官に、最初に二、三お伺いをしたいと思いますが、一つは、最近の外為市場における円高の問題についてお伺いをしたいのですが、どうもきのうの状態から言いますと、二百七十円台割れが必至だろう、こう言われるようになっておりますが、しかも、きのうの場合には海外ではなくて、東京の外為市場における二百七十一円幾ら、これは非常に珍しいことなんですが、こうなってまいりますと、予想されるように、二百七十円台割れが必至ではないかと私も思いますが、いままで日銀の買い出動もありまして、恐らく三億ドルくらいのものは支えたように思っておりますが、今後この趨勢というものを、そのまま放置しておきますと、御存じのように、輸出産業なんかに与える打撃は非常に大きゅうございますし、そういう点では、何らかの手を打たなければいけない時期が来ていると思うのですが、企画庁長官としては、一体どこら辺を目安にどういう手を打って、どこの水準で維持するのを望ましいと考えて手当てをしようとなさっているか、その点を、まず最初にお伺いしたい。
○倉成国務大臣 ただいまお話しのように、いま円高がついておりまして、二百七十一円ないし二百七十二円という相場が出ておるわけでございます。これは、いつまで続くかという問題と関連するわけでございますが、恐らく現在の円高は、海外の事情も若干ございますけれども、基本的には、やはり輸出が非常に好調であるということと関連いたしておると思うわけでございまして、この輸出の好調ということを背景にして円高相場が出てきておる。すなわち、為替相場は申すまでもなく、需給関係で決まるわけでございますから、こういう状況が出てきておるというふうに考えておるわけでございます。しかし長期的に見てまいりますと、両国の経済力と申しますか具体的には、卸売物価の比価で大体為替相場というものは決まってくるものと考えるわけでございまして、もうしばらくこの様子を見るべきではなかろうかと考えておるわけでございます。 いまお話しのように、円高のこういう状況が続いてまいりますと、繊維を初め、どうも出血輸出するという面がございまして、円高で輸出が減るという面も一面あるかもしれませんけれども、同時に稼働率が低いので、輸出でかせいでいこうということで出血輸出をしていくということ、これは繊維とか、平電炉とか、その他の業種の場合にあるわけでございまして、やはりこの円高が産業に大変きつい影響を及ぼしているということも私ども承知いたしておりますので、それらの情勢を勘案しながら、円高のメリットをできるだけ物価の面には生かしながらも、ある水準に落ちつくことが望ましいと思っておりますが、これがどこにあるのが望ましいかということをちょっと私からいま申し上げる立場にはないわけでございますけれども、これ以上、下がってくるということは、余りないのじゃなかろうかというふうに、私自身は考えております。 一時的にはあるかもしれませんけれども、趨勢としては、だんだん輸出の情勢ということも、なだらかになってまいりますれば、そういう情勢は、いつまでも続くものではなかろうというふうに考えておるわけでございますので、政府としましては、投機がこれによって行われるとか、あるいは乱高下が余り行われることのないように注意をしていくということが基本的な姿勢ではなかろうかと思っております。
○原(茂)委員 そう楽観できる状態ではないと私は思うのです。これについて、二つのことをもう一度お伺いしたいのです。 一つは、国際的に円高に持っていこうとする何らかの意思が作用しているというようなことは全然ありませんかね。それが一つ。 それからもう一つは、やはりこういう情勢になってまいりますと、国内の需要の喚起ということが非常に大事になってくると思う。その点の配慮を特段にいま考えないと、こういう問題に対処できないのじゃないか。ただ、買い出動するということだけで応対することは、非常に稚拙な方法だろうと思うのです。長期にもなりますが、やはり国内の需要の喚起、安定した需要の造出ということは非常に大事になってくると思うのですが、こういうこともお考えなのか、そういう対策を講じられますかどうか、この二点をもう一度お答えいただきたいと思います。
○倉成国務大臣 第一点は、恐らくアメリカのペンシルバニア大学のクライン教授が日本、ドイツの通貨を切り上げたらどうなるという、これはそういう意思表示というよりも、クライン教授のクライン・モデルにおいて、そういう計算をして、これを発表された、こういうことが一つの刺激になったことも事実でございますし、また欧州における北欧諸国の平価の切り下げというような問題、そういうことも確かに響いておると思うわけでございます。しかし基本的には、やはり先ほど申しましたように、日本の輸出、また日本の外貨ポジションが為替相場を決めていくものではなかろうかと思うわけでございます。かなり為替銀行も短資の取り入れが行われておるわけでございますので、注意深く為替相場を見守っていきたいと思っております。 それと同時に、ただいまもお話がございましたように、国内の景気を興すということが一番大事なことでございまして、それによって輸入もふえてくるでありましょうし、また出血輸出というようなことは避けられていくというようなことになろうかと思うわけでございますので、五十二年度予算成立後の問題につきまして、三月十一日に、政府は四項目を発表いたしまして施策をいろいろ考えておるわけでございますけれども、何とか財政を一つの手がかりにして、他の需要項目が興ってまいりますように最善の努力をいたしたいと思っておる次第でございます。
○原(茂)委員 福田さんの言うやり方だけでいいかどうかも、後でお伺いしますが、非常な疑問もあると思いますが、とにかく経済企画庁としても、その辺のさおの差し方について、真剣にさお差していただかないと、予測しない事態になるおそれもあるだろうと思います。その点、ひとつしっかりと先を見きわめながらやっていただくように、政府に要請をしておきたいと思います。 それからその次に、現在までずいぶん言われてきましたが、いわゆるスタグフレーション、現在もそのスタグフレーションという状態だと考えてよろしいかどうか、お伺いしたい。
○倉成国務大臣 スタグフレーションという言葉は、イギリスにおいて使われた言葉でございますけれども、不況下の物価高ということで、不況になれば物価が下がるというのが通常の状況であるにかかわらず、物価が上がってくるということで、現在のイギリスなどについても、そういうことが言えるのじゃなかろうかと思います。 日本の場合に、スタグフレーションであるどうかということは、なかなかむずかしい問題でございますけれども、そういう危険性があるということは否定いたしませんけれども、現在の日本の状態がスタグフレーションであるかどうかということになりますと、私どもは必ずしもそうではない。しかし、そういうことにならないように最善の努力を尽くしていくべきではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○原(茂)委員 見方によって違いますが、私どもはスタグフレーションというものを、現在もその状況は変わっていない、こう考えるのです。その危険のないように努力をすると長官はおっしゃるのですが、いままで政府も言ってきたスタグフレーションというようなもの、現在もその尾を引いているわけですが、これは不況と物価高、あるいは言葉を変えると、デフレとインフレ、そういうインフレとデフレの共存した状態なんでしょうか、あるいは癒着をしているという状態、今日主でがスタグフレーションだと認めるなら、いま吏では一体不況と物価一局の共存なのか癒着なのか、どちらに考えるべきなんでしょうか、その点もお聞かせ願いたい。
○倉成国務大臣 私も学者でございませんので、いろいろお教えいただきたいと思いますけれども、スタグフレーションの言葉を出しましたのは、イギリスの保守党が一九七〇年の六月に、総選挙で労働党を破りまして返り咲きましたときに、新蔵相で、いまは亡きイアン・マクラウド氏が、その当時のイギリス経済を評した言葉でございます。したがいまして、スタグフレーションという言葉の定義が、なかなか確たるものが必ずしもいまないのじゃなかろうかと私は思います。 しかし、先生のお話のような意味で今日の日本の経済を考えてまいりますと、コストプッシュの要素が非常に強くなってきている。生産性が非常に上がらないにもかかわらず、賃金コストというものも出てまいりますし、あるいは公害や安全コストというものも出てくるということもございますし、日本の経済の特色として、海外の物価に非常に大きな影響を受けてくる、そういうコスト面での価格を押し上げる要素というのが減速経済下に非常に強く起こってくる。したがって、この問題にどう対処していくかということが非常に大事な問題であると心得ておるわけでございますが、癒着というお言葉をお使いになりましたけれども、私どもどういう意味か理解に苦しむわけでございますが、あるいは寡占価格とかそういうものを指してお話しであれば、また違った形でお答えができるのじゃなかろうかと思います。
○原(茂)委員 これが主題じゃないから、余り時間をとれませんが、要するに、もし共存であるなら、物価高に対処する方法を一つ講じる、それから不況に対する手当てをするということが非常に可能だと思うんですね。現在の状態は共存しているという状態よりは癒着しているもので、癒着した原因は政策不況にあるんだという考えを私は持っているのです。自民党の政策の過ちが、こういった癒着を生じたんだ、こういう独断をしているわけです。 いずれにしても癒着をしている状態なものですから、不況に対する対策、それから物価高に対する対策と別にこれを処置できないところに、いまインフレとデフレが一緒になっている、この状態に対する対策が非常にむずかしいものがあるというふうに私は解釈している。 そういう意味なんですが、たとえば、いま長官がおっしゃったのですが、生産性が上がらない、コストプッシュ、確かにあります。生産性が上がらないということは妥当でないので、生産性を人為的に抑えているというところにも、こういった問題の起こる原因が実はある。それには遠因がありますが、なぜ抑えるかは遠因があるが、ただ生産性が上がらないのじゃなくて、生産性を上げない人為的な作用をしているというところにも大きな問題があるのじゃないだろうかというふうに考えますが、その癒着の問題と、いまの生産性の問題もあわせてもう一度御答弁いただきたい。
○倉成国務大臣 第一の点は、私は現在の不況というのが、循環的なものと構造的なものとが重なり合っているということが、一番現在の不況感から抜け出すことが非常にむずかしいということではなかろうかと思うわけでございまして、先ほどもお話がございましたような平電炉であるとか、あるいは繊維であるとか、精糖であるとか、あるいは造船等々の業種を考えてまいりますと、これはやはり構造的な問題があるわけでございます。 それからまた、これと加えて四十七、八年ごろは、将来の経済成長が実質一〇%以上続くであろうということを前提に設備投資をし、また人を雇ったわけでございまして、当時の過剰設備あるいは過剰雇用と申しますか、そういうものを抱えた企業が今日あるというのが現実でございます。 したがって、そういう構造的な問題を抱えておりながら、景気が減速経済下において回復していくということでございますから、過去の高度成長のような回復は望めないということのほかに、構造的な業種があるということが、やはり今日の不況の一つの特色ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。したがって、やはりこれらの対策を別個に考えていかないと、なかなか景気対策としては、うまくいかないんじゃなかろうかという感じを実は持っておるわけでございます。 それから、もう一点は何でございましたか。
○原(茂)委員 いや、それでようございます。 結論的にお伺いしますが、現在不況であるという、これは大衆の偽らざる感じだし、政府もお認めになると思うのですね。不況だということ。それからインフレも、どの程度という程度の問題はありますが、インフレであるという感じも、これもぬぐえない、ずっと続いてきた事実だろうと思うのです。 長官にきょうお聞きしたいのは、現在の不況、やがてそれが不況緩和ができて景気回復がなったという——一生懸命に努力をして、その目標に向かって進んでおられるのが現在の政府の立場なんですが、一体時期的に言って、現在を不況とするなら、いまの不況が緩和される時期、その不況緩和の時期から景気が回復したという時期を、いつごろに設定して、自信を持って現在の行政をされておられるのかを結論として、ひとつお伺いしたい。
○倉成国務大臣 私の言葉が十分でなかったと思いますが、私は不況感という表現を使ったと思います。不況というマクロで見ますと、昨年の初め、一−三月から景気はなだらかでございますけれども、上昇過程に転じておるわけでございます。五十一年の一−三月から。そして、一−三月に急速に伸びてまいりましたけれども、夏からこれが非常にスローダウンしてきた。非常に鈍い歩みをしてきておる。しかも、その中に構造的な不況業種を抱えておるということで、全体としての不況感が非常に強いということを申し上げたつもりでございますので、その点は、もし言葉が足らなかった点は訂正させていただきたいと思います。 しかし、全体としての不況感がいつなくなるかということになってまいりますと、一つの目安としては、稼働率指数ということではなかろうかと思います。これは四十五年を一〇〇として、現在、非常に低い状況で、二月ごろ八五・八くらいの数字でございますが、大体これを来年の三月に九四程度になるであろう、またそういう政策運営を持っていきたいということで、私どもはやっておるような次第でございます。 したがいまして、この程度になれば、まあ全体としての景気という感じは出てくるんじゃなかろうかと思いますけれども、しかし、先ほども申し上げましたように、くどいようでありますけれども、過去のようなV字型の景気上昇というのは今後望めない、非常になだらかなものである、これが減速経済の実体であるという頭の切りかえが必要であるということが一点でございますし、もう一点は、先ほど申しましたような構造的な不況業種につきましては、別個の対策というのが考えられないと、なかなか好況感というのは出てこないというふうに判断いたしておる次第でございます。
○原(茂)委員 いま私がお伺いしたように、四十五年を一〇〇として、九四になるのが来年三月。で、四十五年の一〇〇と比べて一〇〇以上になるのを、いつにめどを置いていますか。いわゆる景気が回復した、こう言われる時期をどのくらいに設定して、自信を持っておやりになっているのかを答えが漏れたわけですが……。
○倉成国務大臣 それから先の状況というのは、まだ私どもいつになったら稼働率指数が一〇〇になるかということは、計算はいたしていないわけでございます。これは設備投資とも関連するわけでございまして、設備投資が伸びてまいりますと、ある面においては稼働率指数は下がってくるということにもなるものでございますから、一年間の経済見通しは、一応いろいろな指標を使ってやっておりますが、先のものはまだいたしておりません。したがって、ここで確たることを申し上げるわけにはまいらないというのが実情でございます。
○原(茂)委員 今月の七日に、おたくの河本政調会長が経団連会館の読売の経済懇談会で講演を六れています。それは、いやしくも河本さんは自由民主党の政調会長ですから、それで非常にいまの点に触れて、はっきりしたことをおっしゃっているのですね。 恐らく要旨はおわかりだろうと思いますが、民間の設備投資意欲が上向いてこない、この原因というのは、政府の経済政策に非常な疑問を持っているから、信頼性を持っていないからというのが第一。第二には、景気浮揚対策としては金融、貿易、産業、この政策を一体とした運用がなければ効果は出ないのだ。その意味で、現在の皆さんのおやりになっている、政府のやっている経済財政政策は誤りだと言わんばかりの、きわめて厳しい批判をされているのですが、一体この批判に対して、どのようにお考えになっていますか。行政の責任者として福田総理を支えながら、経済企画庁として非常に重要なポジションにおいでになる長官でございますから、きわめて明瞭に、この河本発言に対する、いま二つ申し上げました、それに対してどうお考えかをまずお伺いをすると、前の問題との関連が浮き彫りになってくるわけでありますが、お答えをいただきたい。
○倉成国務大臣 後段の点からお答えいたしますと、今後の景気政策としましては財政金融政策、産業政策、一体として行っていかなければならないという点は、河本政調会長の御意見と私どもも全く同意見でございます。 前段の、まだ景気対策としては不十分ではないか、したがって、政府の政策について若干疑問を持っているというような意味の御発言かと思いますけれども、私も政調会長の御発言の中身をよくつまびらかにいたしておりませんけれども、私は、やはり現在の景気が先ほども申しましたように、業種間、企業間、それから同じ業種であっても企業の間、また地域別というふうに非常に格差が激しいと思うのでございます。したがって、非常に不況感の強い業種の立場から申しますと、政府の施策はまだ不十分じゃないかという声は当然出てくるのではなかろうかという感じがするわけでございます。そういう声を代表してのお言葉ではないかというように理解いたしておるわけでございます。 したがって、私ども全力を尽くして、現在の景気の動向を見ながら万全の政策を実施していきたいということで努力をいたしておりますけれども、しかし、今日の経済というのは御案内のとおり、国内だけではなくして国際的な影響も非常に受ける、しかも不確定の要素が非常に多いという状況でございますので、私どもの足らないところのないように、またいろいろ各方面からの御意見を賜りながら、政策に誤りのないように努力をしてまいりたいと思う次第でございます。
○原(茂)委員 きょうは四月の十二日なんですが、あれだけ各紙が大々的に河本発言を報道しているにもかかわらず、その内容をよく見ていない、したがって、これに対する適切な考え方が述べられないと言わんばかりの御答弁ですが、私は、いやしくも皆さんの大事な三本柱の政調会長があの種の発言をしたのを、まだ読んでいません、余り見ていませんというようなことは通らないと思うのです。 私は、そういう違った疑義なり、あるいは、ある不況業種の代弁者として物を言ったのだとおっしゃいましたが、そういうこともあっていいと思いますが、もっと真剣に検討をされて、そういうものがきちっと、やはり企画庁なり経済担当大臣なりで論議をされるというようになっていかないと、いずれの政党にも、そういう欠陥はあるのですが、特に政権担当の自民党としては、政調会長のこういった発言は、まあまああれはあれで言ったんだろうというように、おろそかに過ごしておいては、国民の側からは非常に大きな不信がつのるばかりなんです。やはり、もうちょっとしっかりと、ああいった発言に対しては、びしっと党内における討議をなさるとか、統一した考え方が逆にびしっと出るように、その方が望ましいと思うので、ちょうど企画庁長官おいでになったから、お伺いをしているのが真意であります。 そこで、もうちょっと細かくいって、私、なるほどこれはどう思うのかなと思う問題がありますが、こういうことも言っているのです。政府は、五十二年度成長率を六・七%を前提として、民間設備投資をいま二十五兆二千五百億円を見込んでいるんだが、民間経済界は、政府のいまのような経済政策で六・七%の成長ができるか非常に疑問を持っている、むしろできないと思っている、こういうニュアンスで物を言っているのですが、この点どうでしょうか。
○倉成国務大臣 河本さんが、どういう意図でそうおっしゃったのか私もまだ確かめておりませんけれども、またその真意が新聞にそのまま伝わっているかどうかということもよく存じませんけれども、六・七%の成長ということは、よほど努力をしないと、なかなかむずかしいという意味のことではなかろうかと私は解釈をいたしておるわけでございまして、その点については私どもも、決して簡単に六・七%が達成できるとは考えておりません。昨年の経過を見ましても、昨年は、もうちょうど同じような情勢で、ひとつ野球にたとえますと、財政で一塁打くらい打ちたいということで、昨年は財政支出を考えたわけでございまして、私も当時与党の政策の責任者の一人であったわけでございます。 そういうことでしたけれども、昨年は暫定予算を四十日組み、またロッキード事件というようなことで、どうも財政が三振をしてしまった。しかし、輸出というピンチヒッターが出てまいりまして、二塁打くらいを打ったというのが昨年の景気の情勢じゃなかろうかと思うわけでございます。ことしは何とか財政も、本塁打を打つ力はないけれども、一塁打くらいを打って一塁のベースに進めれば、後の打者が少しずつ点数をかせいで、最後の六・七%の成長を達成できるのではないかということで、チームワークがよほどうまくいかないと、うまく一点を上げる、六・七%の成長を達成するということはできないと思いますので、その点については私ども最善の努力をしていきたいと思うわけでございますが、河本さんはそういう意味で、よほど努力しなければいかぬぞということで、政府を御激励いただいたものというふうに考えておる次第でございます。
○原(茂)委員 なるほど政府を激励した、そういう解釈も成り立ちますね。河本さんはついでに、場合によっては大型補正予算を組んで、今年度の下半期に対処するくらいのはっきりした姿勢を示して、一年間を通じてのはっきりした経済方針というものが政府から示されない限り、民間設備投資はついてこないだろう、こういうことも言っている。その下半期に大型補正予算を組んで景気浮揚その他を考えていくという河本さんのお考えに対して、長官のお考えどうですか。やはりそういうことは必要だと思うし、やることになりそうですか、どうですか。
○倉成国務大臣 現在の段階で大型の補正予算を組むということは、政府としては考えておりません。ただ河本さんのお話は、現在の経済というのはなかなか論理で動かない、非常に心理的な要素がある。経済学が経済学の論理ではなくて、経済心理学で動いていくというのが、現在の景気の現況ではなかろうかと思うわけでございます。これは個人消費一つとってみましても、わかるわけでございまして、個人消費の動向というのも、われわれの過去の経験ではなかなか律し切れないような形で動いておる次第でございます。 したがって、そういう心理的なもので考えるならば、大型の補正でも組むくらいの気構えでいかなければいけないという御発言ではないかと思うわけでございます。総理も予算委員会におきまして、六・七%成長はぜひ達成したい、そのために必要なことがあれば、いろいろなことをやりたいということで、いろいろなことは何かということになってくるわけでありますけれども、それは、そのときの経済情勢に応じて適切な対策をやっていくということではなかろうかと考えておる次第でございまして、ここで大型補正を組むというようなことは、現時点では考えていないというふうに御理解賜りたいと思います。
○原(茂)委員 次いで、河本さんおもしろいこと言っているのですが、最近のような公定歩合の引き下げの〇・五、〇・五なんという、ちびちび小出しにしたのでは効力がない、もうアメリカなり西独並みに下げるべきだ、すでにその時期が来た。石油ショック前の四・二五%程度にまでは下げるべきだ、こう言い切っているのですね。この点、どうでしょう。
○倉成国務大臣 アメリカや欧米の場合のように、公定歩合と預金金利が連動することがはっきりいたしておれば、日本の場合にもそういう機動的なことができるのではなかろうかと思うわけでございますけれども、日本の場合には、御案内のとおり、一応別立てになっておるわけでございまして、なかなかそういうぐあいにもいかないのじゃなかろうか、金利の自由化が行われていない段階においての政策でございますから、おのずから政策について制約があることは、もう十分御承知のことと思うわけでございます。しかし気持ちとしては、もし金利政策を景気対策として使うなら、もっと機動的にやれないものであろうかということは、もうだれしも考えていることでございます。
○原(茂)委員 とにかく河本さんという人が言った真意というものを、やはり十分に受けとめながら、ただ激励したのだろう、何だろうと言うだけではなしに、一つの党なんですから、もう少し真剣にこの問題の討議を皆さん方でするように、私はぜひやっていただきたいと思いますね。ああいうことがありますと、政調会長ですから、ちょっと違ったニュアンスで周りが受けとめまして、政府の経済政策への信頼性が、また一段と冷える。どこかの部分で冷えるだろうと思う。冷えるとその分だけ、またあと押し上げるのが大変になってくるし、いま神経的なものが非常に作用するので、十分にその点の配慮をしないといけないだろうと私は考えているのですが、その点、長官としても十分に配慮をしながら、ああいう発言があったら、すぱっと十分な討議ができるようにした方がいいじゃないか、こう思います。 あと、ベトナムの経済協力の問題をお伺いいたします。 石原さんという大物総裁が就任をされましたが、政府が石原さんに総裁をぜひおやりいただきたいと考えたものに二つあるだろうと私は思う。 その一つは、日本の開発援助のあり方、こういうものの充実。いままで非常にプアですから、継ぎはぎだらけですから、こういうものにやはり筋を通しながら、計画的な充実した海外経済協力がされて、それが国際的に理解をされて、もっと日本への信頼性と依頼性を高めていく、そして、いい効果を上げていきたいということが、政府が石原さんに期待をしているところの一つだろうと思うのですね。 それから二つ目に、後でちょっと伺いますが、たとえばソウルの地下鉄などの電車に見られますように、何か経済協力があるというと、非常に疑惑の影がつきまとっている。現在でもインドネシアのLNGの問題もあり、あるいは韓国に対する経済協力の問題もありというふうに、ロッキード以来、いろいろな問題が出てきている。疑惑は、いつも経済協力問題にはつきまとっている。そういうことのないような、少なくとももっと信頼性のある、そういう悪い雲、悪いつきまとった概念がなくなるような、そういう面での見直しといいますか、経済協力を進めてもらいたいというのが、政府の石原さんに期待したものだろうと考えるのですが、これはそういうふうにお考えになっているのかどうか、まず総裁からお答えいただきたい。
○石原参考人 第一点にお話しのございました政府の開発援助、ODAと呼ばれるわけでございますが、これにつきまして国際的な基準と申しますか、御承知のように国民総生産に対するある割合が、努力目標として掲げられているわけでありますが、努力目標を別といたしましても、先進国のいわゆるODA、政府開発援助の割合に比べまして、日本の割合は近年相当の差があるという点がございます。〇・二七からだんだん〇・二に近いような状態に相なってきておるわけでありまして、日本の全体の国際的な立場から見ましても、このままでは困るのではないかという事態にありますことは、原委員御指摘のとおりに私も感じておるわけであります。 ただ、本年度政府が予算を編成せられるに当たりまして、この点に着目をせられまして、〇・二八というぐらいの割合にそれを上げたいということを予算に組まれておるわけであります。 これから、その実施にかかるわけでありまして、現実にその実施機関として、実施の責任に当たっておる者の一人といたしまして、政府のお考えになり、また国際的にも要請の強い問題でございますから、そういう予算に組まれた状態と余り違わないような状態にいたしますように、今後も努力をしてまいりたいと考えておるわけであります。 第二の点でございますが、海外経済協力基金の立場から申しますと、政府借款という場合におきましては、調達者側の相手国政府あるいは政府機関、それに対します日本側の供給者との間に入札という形で契約が行われるわけであります。もちろんその前に事前の調査がございまして、いわゆるフィージビリティースタディーというような形で、その計画が果たして適当であるかどうかという審査が行われるわけでありますから、当然それの上での契約になるわけでありますが、基本的には、いま申し上げたような調達当局者と供給者との間の契約の関係は入札で決まる、こういう形になるわけであります。 基金といたしましては、その最初の段階から御協力を申し上げるときもございますし、それから借款契約が締結せられまして具体的な調達の実施に至りますまでの間に、現地にも人間を派遣いたしまして、果たしてその計画がその国の実情、その国の経済の状況から見て、それ以外のいろいろな背後の条件から見て、適当であるかどうかという点の審査をいたすわけであります。同時に入札をせられます価格が適当であるかどうかということについての判断をいたすわけであります。 しかしながら、いま申し上げたような背景がございますから、基金側がその一々の原価計算につきまして、どういうようなコスト計算に基づいて、その値段が決まっておるかという個々の審査をいたすわけではございませんで、たとえば、類似のものがどういうような価格で現実に取引をされておるか、あるいはそれに関しまして、いろいろな仕様が違うとか取引の条件が違うとかいうような異なった条件がありますので、その価格が、果たしてそれで問題がないかどうかということについての審査はいたしておるわけであります。 基金の業務方法書の中に、資金の効率的な利用を図るという趣旨の文章もございまして、政府借款、海外協力に用いられます資金がむだ遣いになりませんように見てまいる責任を持っておるわけでありまして、その点につきましては、過去においても努力をいたしましたし、今後におきましても一層努力をしてまいりたい。いま原委員が御心配になりますような問題が生じないように、そういうつもりで、今後も事前の努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○原(茂)委員 いまお話しになった二つのほかに、いままで、少し手抜きといいますか、足りなかったのですが、もっと鮮明に国民の理解を求める。経済協力の内容というものは国民にすごく簡単に、鮮明にわかるという意味の理解をよく与えておかないと、国民というのは問題が起きてから、経済協力とは何ぞや、あの国にこんなことがあったのか、円借款でやったのか、輸銀でやっかのか、なるほどというので、いつも後追いで、初めてのものを見る気持ちで見ているのです。 いま言った第二の問題に対処する方法としては、協力そのものの発足時点で、すでにいわゆる解明、国民的理解が得られるような努力、監視の目と言ってはなんですが、国民全体が常識の線で協力の問題をいろいろ考えられるようにする。ある種の協力が行われようとしたときに、事前にその内容、あるいはその必要性、その行き先、こういうものが解明されていて、国民が完全に理解できるような運動というもの、あるいはPRをびしっとするということも基金としては考えておかないと、ただ、いまおっしゃっただけでは、従来わからない多くの疑惑が生じていた、その部分を解明するわけには、まだまだいかないだろう。 したがって、問題が起きてから、解明した、こうなった、こういうことだ、こういう事件だと言うのじゃなくて、その前から、ああ、あの問題で何か事が起きたのかと言えるように、経済協力そのものに対する国民的な理解、解明、こういうものがびしっと持たれるような努力というものは、基金の側で新たに工夫をしなければいけないだろうと思いますが、この点どうでしょう。
○石原参考人 経済協力というものが日本の国際的立場におきまして大変重要であるという点につきまして、これを十分に国民の各位に理解をしていただくということにつきましては、私も全く同感でございます。これは政府当局におかれて現在もやっておられるということでございましょうし、今後におきましても、国際協力の重要性が、いよいよ高まるわけでありますから、いよいよ御努力をいただけるかというふうに考えるわけであります。基金といたしましては、いま申し上げましたような個々の案件の処理におきまして適正を期するということが、まず基本であろうかと思いますので、先ほど申し上げましたような趣旨での審査というような手順から、あるいはその前のフィージビリティースタディーというようなところから始めまして、間違いなく有効な援助が行われるということに努力をしてまいりたいというように考えておるわけであります。 基金自身におきまして、広報宣伝というようなことにつきましての努力が果たして十分であったかどうかという点があるかと思いますが、この点は、われわれの部内の問題としても考えてまいりたいというように思っております。
○原(茂)委員 それを前向きでおやりになることが、第二の問題を防ぐ非常に大きな一つの柱になるだろうと思いますから、ぜひ推進すべきだと私は思います。お聞きになっていた長官も、そういう点はいままで不十分だったかもしれないと言っていますが、見せていただきましても非常に不十分で、意図的にそれができていないと言って間違いないのであります。したがって、長官もそういう点は総裁と協力して、はっきりと国民への広報なりPRなり、理解を求めるということに、ある程度の思い切った予算を使ってもいいから、手段を尽くしていかなければいけないと思いますが、いかがお思いになりますか。
○倉成国務大臣 私、ただいまの原先生のお話は、まことに適切な御提言だと思います。どんなにいい施策でも、やはり国民の理解と協力がなければ、これはうまくいかないわけでございまして、海外協力の問題は資源の乏しい日本にとって最重要の課題でございますけれども、どちらかというと技術的に流れ過ぎて、国民の理解という面から申しますと不十分であった、私もそう思っておりますので、新総裁の見えた機会に、そういう努力をひとつ協力してやってまいりたいと思います。
○原(茂)委員 そこで総裁にお伺いするのですが、いまの第二の問題に絡みまして、私は前の委員会でソウルの地下鉄の電車の問題に関して、メーカーの実際に商社へ納めた値段が、どういう内訳でどんなふうになっているのかを、御存じのような、あの問題がありました最中でしたから、お伺いしたわけです。ところが、これは企業秘密なので、どうもお教えできないし、また基金としても、そういうものをびしっとキャッチできない立場にある、してない、会計検査院も、そこまでは手が届いていないということで、実は終わっているのです。 二つ問題にしますが、その一つの企業秘密というものについて、政府なり基金の側、あるいはいまの当局者の側が、民間のコストを、どこが企業秘密なんで、どこが発表していいのかを勝手に判断したように私は思う。メーカーの方は何も言わないのに、当局の方で企業秘密だ企業秘密だと、予算委員会から始まって、どの委員会でも、この民間の問題に触れると企業秘密、こういうことを言っている。この間よく聞きましたら、メーカーが言っているのではないのだ。私が質問した当局が、企業秘密だと答えているということが明瞭になった。 これはどうもおかしいんじゃないか。企業秘密というものは、何も当局の方で察して、想像して、これは企業秘密に属するからなどということを言うべきではないので、メーカーに問い合わせたら、メーカーが、この部分は企業の秘密だから申し上げられません、こういう立場が本当だろうと思うのです。 企業秘密ということを委員会で常におっしゃっている、いままでの解釈、考え方、そういうものは間違いだ。私はメーカーの方で、そのことを決めるべきで、そのことを進達すべきだと考えているのです。いろいろ輸出商社がメーカーから買い入れたもののコストは、どうなんだという問題も起きつつあるし、これからもまた起きますが、企業秘密というものに対して、総裁、どうお考えでしょう。
○石原参考人 海外経済協力基金というものは、やはり一つの金融機関でございます。したがいまして、金融機関としての立場から申しますと、相手方の信頼を得るということがございます。したがいまして、相手方から聞きましたことで、企業としてのある特殊の営業上の判断に基づく、あるいは営業上の一つの重大なポイントであるというようなことにつきまして、これを金融機関が聞いたままを、そのまま申し上げるということは、金融機関として差し控えるべきことであろうというふうに考えます。 ただ、御指摘のありましたコストの問題につきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、基金として審査をいたすわけでございまするが、その場合には、むしろ全体としてのプロジェクトをながめる。それが当該国の経済においてどう動くか、あるいは相手方がどういうような財務的な背景を持っておるか、あるいは取引の条件がどうであるかというようなプロジェクト全体の審査というのが主になるわけでありまして、価格は、先ほども申し上げましたような意味で、当然その内容に入るわけでありまするけれども、一々コストを一つ一つ積み重ねて審査をいたすという行き方はやっておらないわけであります。
○原(茂)委員 いまのように、モーターなり電車なりを、そのメーカーがどういうコストを積み上げて幾らになったんだということは、一々審査しないということですが、輸銀の借款を通じて、この種の協力が行われるときも同じですか。これは長官、どうですか、わかりませんか。
○倉成国務大臣 直接の所管でございませんので、お答えはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
○原(茂)委員 輸銀の場合には、メーカーからその種のものを取り寄せて審査をするんです。基金の場合には、それをしない。 それで、私は、その一つ一つを問題にしているんではないのです。総裁は、私の言っていることがよくわからないと思うのですが、たとえば企業秘密というものがあった場合に、その企業秘密を基金の側で、経済企画庁の側で、民間にかわって、これは企業秘密だと勝手に決めることは間違いだ。メーカーの方の、これは企業秘密でございますから発表はできません、しないでくれというのを受けて企業秘密だというふうに、われわれに対して発言をすることが正しいんじゃないか。 これからだって、ある種の問題によっては、いわゆる企業のコストの問題に触れることもあるがもしれませんが、その場合を想定しなくてもいいのですが、この間から問題になっているこの問題だけは、私はどうしても——企画庁が、基金が勝手に、これは日立の企業秘密なんだ、日立では何にも言わないのに企業秘密だ、こう決めて一切を公表しないというような、知っていても知らせないというような、そういうことは間違いなんで、メーカーの方が、これは秘密でございますから公表を控えていただきたいといっても、企業秘密もメーカーによって違うのですから、したがって、そういうことも考えたときの判断は総裁どうでしょう。私のいま言っていることの二者どちらがいいとお思いになるかを、ひとつお聞かせいただきたい。
○石原参考人 ただいまお尋ねがございましたように、企業そのものが何を機密と考えるかという問題もございます。もちろん、われわれも十分にその点を体した処理をしなければならないと思うわけではございまするが、一般的に申しまして、企業の営業の内容に立ち入ったその個々の取引の数字を申し上げますことは、金融機関としては差し控えるべきだというふうに考えまするのは、そういうことによりまして取引の安全というものを守ってまいりませんと、金融機関の業務を円滑に果たすことがむずかしいというふうに考えるからでございます。
○原(茂)委員 なるほど金融機関に限って。 長官にお伺いしますが、いま私が言っていることは、もうおわかりいただいたと思うのですが、経済企画庁は、民間のことに触れると、これは企業秘密だと言って答弁をされるのですが、その企業秘密であるかどうかは各企業によって違うのです。たとえば、いま問題になっている地下鉄の問題は一部出しました。最後には出てきました。最後には出てくるんですが、その間ずっと、もう四年も企業秘密、企業秘密で押し通してきたんですね。予算委員会で大出君が聞いたら、最後にある程度出てきましたよ。これは四年ぶりですよ、ソウルの地下鉄の問題に関しては。なぜ一体企業秘密であるものが、ああやって発表できたのか。 私は、そのことも参考に考えながら長官にお答えいただきたいのだけれども、企業秘密であるとかどうということを勝手に長官の方で、あるいは企画庁の方で決めちゃって、民間に関することだから企業秘密だ。しかし、大きな疑惑があって、国家的な重大問題が起きて、その問題を論議しようというときに、企業秘密、企業秘密ということで非常に楽に言い逃れができていたには違いないと思うのですが、私は、そういうことも、もうそろそろ変える時期が来たのだというふうに解釈するのです。日立なり何なりが、これは企業の秘密だから、このコストまでは言えませんと言ったときに、それを受けて、メーカーが企業秘密だと言っているからというんならいいんだけれども、何でもかんでも民間のその種の問題に関しては、最後になって仕方なしに言うようなところがある。それまでは、ずっと企業秘密でがんばっていく。 だから私は、企業秘密というのは、つくっているメーカーの方で、これは秘密だからと言わない限り、問い合わせはしても差し支えないのですが、どうも官庁の方が勝手に企業秘密という言葉を逃げ言葉にうまく利用しているような、いままでの傾向というのは間違いだと考えますが、どうです、長官。
○倉成国務大臣 まあ、ソウル地下鉄の問題を念頭に置いての御質問だと思うわけでございますが、基金というのは国際的な金融機関でございます。したがって、基金が仮にいろいろなことを知った場合に、これをどこまで外に出せるかということになりますと、やはり今後の対外信用ということもございましょうし、また金融機関としての信頼性ということもあろうかと思いますので、基金としては、知り得たことを外に出すわけに、なかなかいかないという基本的な姿勢があると思います。 それで、いまの原先生のお話は、企業秘密というのは、企業自体が秘密であるかどうかということを決めればいいじゃないかというお話でありますが、その企業とだけの関係であれば、そういう議論が成り立つかと思うわけでございますけれども、基金が知り得たことを、金融機関として基金みずからがこれを外部に開示する、企業が発表するのは別でございますけれども、基金みずからが金融機関として外に出すということになると、一般的な信頼関係が非常に損なわれるという問題もありましょうし、特に、基金の対象とするのが外国政府でございますから、対外信用という面も出てくるかと思うわけでございまして、その点について非常に憶病にならざるを得ないというのが実情ではないかと思うわけでございます。 したがって、一義的に何が企業秘密かということを決めることは大変むずかしい。やはりケース・バイ・ケースによって判断しなければならないと思うわけでございますが、政府が何でもかんでも企業秘密ということで逃げていったというような印象を与えておるとすれば、大変遺憾なことでございます。しかし、金融機関としての性格上当然出てくるものであるということは、ひとつ御理解を賜りたいと思うのでございます。
○原(茂)委員 総裁は金融機関というものに限定して物を言っていますから、だから長官には、その金融機関の代弁をしてもらうつもりで聞いたんじゃないのですよ。 企画庁から企業秘密に対しての定義というものをもらっているわけです。それで、ソウルの地下鉄の例も、予算委員会ではついに出しましたよね。私たちが大ざっぱでもいいからと言ったものが、大出君の質問に対して、とうとう最後には出たのですよ。まる四年前からやっているんですよ。その間は出してないのですよ。企業秘密、企業秘密だといってやっている。ところが、ついには出したじゃないですか。企業秘密であるのに、なぜ出せたのか。最後には、この間出しましたよ。 いいですか。そういうことを考えて参考にしたときに、経済企画庁としては、企業秘密というものは、民間のメーカーならメーカーのコストをすべて企業秘密だと、いままで言ってきたのですが、そうじゃなくて、やはりメーカーとの打ち合わせの上で、メーカーが企業秘密だと言ったものを企業秘密だと言わなければ、取引全体をグローバルに考えて、その中のどういうつながりがあるかなどということを総裁さっきおっしゃっていましたが、そんなことは、いまの例示から言うと関係ないのです。一つの疑惑が起きた。地下鉄の電車の問題が起きた。それに対して四年間も、そのコストはどのくらいだどのくらいだとやってきたわけでしょう。ついには一部ちゃんと、まあまあこれ以上しようがないだろうと思うのが政府から出されましたよ。ところが、その間はどうなのかというと、企業秘密、だったのですよ。 だから、企業秘密というものは、メーカーの側が企業秘密だと言うものであって、何でもメーカーのコストに関しては、経済企画庁は企業秘密だと決め込むことは間違いだ、実績から言っても間違いだということを言っているのですが、どうですか。
○倉成国務大臣 なお総裁からも補足していただきたいと思いますが、私は、先般企画庁が大出委員その他の委員のお求めに応じて出した資料は、企業秘密ではないと思っておるわけでございます。これは大体元来仕様も異なり、納期も異なる、継続的関係があるかどうかという、異なっているものを比較することが非常に困難なことでありますけれども、委員の方からぜひそういう資料を出せという御要求がございまして、したがって企画庁としては基金を督励いたしまして、できるだけ勉強していただいて提出したのが先般の資料でございます。したがって、あの資料を企業秘密というふうには私ども考えていないわけでございます。
○原(茂)委員 出しちゃったから、いま考えていないことになってしまうのだけれども、あれを出すまでにずいぶん時間がかかったじゃないですか。あれ以上細かいものを出してもらっても、しょうがないのですが、ああいうものを出すことは出したんだが、その前には常にずっと秘密で、簡単な、あんなつまらないものが事実言えなかったのです。それを一律に、何か規定しろとかなんとかということを言っているのではない。一つの例示を挙げて言っているのですが、ああいう事実があるのだから、したがって企業秘密というものを、いつでも民間のあの種のメーカーのコストを知らせろと言ったときには、企業秘密だ、企業秘密だと言ってきたことは過ちなんで、そうではいけないという意味なんですが、どうですか。
○倉成国務大臣 原委員の御理解に多少誤解があるんじゃないかと思いますのは、先般出しました資料というのは、当初から基金なり企画庁が承知しておって、隠しておったというものではございません。総裁からも、先ほどからお話を申し上げておりますように、元来原価計算とか、そういうコスト面についての資料を知り得る立場にもない、またそういうチェックもいたしてないわけでございます。 したがって、御要求の問題は、予算委員会あるいはその他の委員会における委員の方々の御要求に応じまして、何とか御協力申し上げようということで、基金がいろいろな手段を講じまして勉強した結果を提出したということで、当初からちゃんと資料を持っておって、知っておって出さなかったというものではございません。非常に苦労して皆様の御要望にこたえたというのが、あの資料でございます。
○原(茂)委員 なるほど。私はそう解釈してない。あんなものは前からわかっているのに、勉強した結果、ようやく出したなんていうことは、どうしても理解できない、あんな程度のものは。だから見解の相違でしょう。ケース・バイ・ケースで、企業秘密というものは、やはり知っている最大限度のものは、出せるものは出すのだ、こういうことに尽きるわけですから、結構だと思いますが、企業秘密で、とにかくひっかき回されて、ずっと来たのですが、出てきたものは、あんな程度のもので、しかもなかなか出さなかった。あんなものなら、勉強した結果、ようやくあれができたなどというふうには、私には理解できないものですから、いまのようなことを強く申し上げたわけであります。 そこで、ベトナムの経済協力の問題に具体的に入るのですが、「エコノミスト」によると、ベトナムの経済協力は、日韓経済協力を通じて大変な不正がある、不正があると、いま言われているけれども、そんなものと比べたら、もう十倍もひどいものだと、大蔵省の首脳が語ったというようなことが活字になって出ているのです。大蔵省の首脳というのは、だれだか知りませんけれども、恐らく何も言わないのに、そんなことを「エコノミスト」が書いたんじゃないだろうと思います。 それほど、日韓経済協力よりも、ある種の疑惑、十倍も大変な、商品援助なんかしょうものなら、それが民衆のところへ行く前に、ブラックマーケットへ全部行ってしまって、全部ブラックマーケットで取引をされている、民衆には行っていないというような、その事例らしいものまで宣伝をされている。それほどベトナムに対するものは、日韓の、いまうわさされている不正などよりは、ひどいものだったという印象をわれわれ持っているのですが、どうでしょう、総裁は新しくてわからないかどうか知りませんが、そんなふうにうわさされていますけれども、そんなにひどいものだったというふうにお考えでしょうか。
○石原参考人 ベトナムに対しまする海外経済協力基金といたして実施をいたしました円借款は四本ございまして、一つは、カントーというところの火力発電所の事業でございます。もう一つは、ダラトーカムランの間の送電線の計画でございます。第三番目は、サイゴンの首都圏の電話網の拡充計画。四番目が、商品援助でございまして、合計百四十二億五千三百万、その金額が実施済みになっておるわけでありまするが、いま申し上げましたように、おのおののプロジェクト、一つは商品援助でございまするが、先ほど申し上げましたような手順によりまして、私どもとしては、十分にその計画の内容、背景、そういうものを審査をいたしまして、融資をいたすことにいたしたわけでございます。
○原(茂)委員 おっしゃるとおりなんですが、たとえば商品援助をしたというようなときに、向こうで、それがどんなふうにブラックマーケットへ行ってしまおうとどうしようと、全然基金はこういうものを実際に見たり調べたりする権限もなければ、意思もなければ、もう協力したら、それで終わり、後どんなに使われようと、われわれは全然手はつかない、基金というものはこういうものなんでしょうか。どうですか。
○石原参考人 ベトナムに対しまする商品援助の内容は、化学品その他の機材でございまするが、これらの商品援助につきましては、この内容が決まりますると、基金といたしましてはレター・オブ・コミットメント、LCOMと申しますが、それを、いま申し上げました内容を見ました上で発行いたします。 そういたしますると、それに基づきまして船積みをいたすわけであります。船積みをいたしましたときには、船積みの関係の書類がございます。それを付しまして供給者が取り扱い銀行に参るわけでありまして、取り扱い銀行といたしましては、そのインボイスをチェックをいたしまして、それに見合っている金額に対しまして基金の勘定から支払いをする、こういうことに相なっておるわけでありまして、いわゆる借款協定ができましてから、その内容を調べまして、いま申し上げましたLCを出す。それに基づいて、具体的な船積み書類に基づくチェックを経まして支出の段階に至るということをいたしておるわけでありますから、その間におきまするチェックは十分に行われているというふうに私は理解をいたしておるわけであります。
○原(茂)委員 この種のものは、相手国から定期的に報告を受けるようになっていますね。なっていますか。
○石原参考人 商品の援助をいたしますると、それを売却いたしまして、その後、見返り勘定が積み立てられるわけであります。それに至りまする経緯につきまして、相手国政府から報告をもらっておるわけであります。
○原(茂)委員 そこで、長官、いまお聞きになって、ほぼわかったと思うのですが、たとえば会社なんかでも、政府でも、会計監査というものがありますね。報告は受けますけれども、海外へ援助をしたということで何かぷっつり——報告だけをうのみにするわけなんです。実際に、それが所期の打ち合わせどおりに有効に使われているかどうかを見る方法、そういうことを最初の援助の契約のときに、何かびしっと条件でつけておけば、できるのじゃないかと思うのです。そういうことをしませんと、いま言ったように、商品援助なんというのは、これは言われているから、だれでも知っていますよ。ほとんど大衆のところに行かないで、とにかくブラックマーケットに行っちゃっているのだ、事実、こう言っているのですから。 こういうものを、監査というと国際的に語弊がありますが、何か条件をつけて、実際に有効に使途の目的どおりに行われているかどうかを、こちらも報告を受け、あるいは報告を受ける前にそれを監査じゃありませんが、実際に調べる、見るというようなことも何かないと、これからどんどん——いま言ったように、OECDだって平均〇・三六ぐらいやっていますね。日本はまだ〇・二二だ。これを〇・二八にするのだ。〇・二八だって、ずいぶん前進ですけれども、やがてOECDの平均の〇・三六ぐらいまでにいかなければ、国際的にも承知されないと思うのです。ずいぶん大きなものがこれから出ていくのでしょう。そういうときに、援助契約をするときの条件に、監査というのかわかりませんが、報告を受け取るだけじゃなくて、実際に調べるというか、有効に契約目的どおりに生きているかどうかを見ることができるようにすることは必要だと思うのですが、そういう配慮は何とか講じられませんかね。これは長官にお聞きします。
○倉成国務大臣 ただいまのお話でございますが、一応は相手国政府を信頼するという立場をとらざるを得ない、またそれが国際常識として当然のことであろうかと思います。いま先生のお話しのような点が実務的にどういうことになるか、特に商品援助ということになりますと、物をやりきりになりますから、非常にむずかしい問題かもしれませんけれども、基金の方からお答えをいたしたいと思います。
○石原参考人 いま具体的にお話のございました商品援助につきましては、その見返り資金を戦災復興に使うという三R計画というのがございまして、それに充てるということになっておるわけであります。したがいまして、その見返り資金を復興の計画に使うということにつきましての報告は、先ほど申し上げたように受けております。 なお、一般的に申しますると、プロジェクトの援助をいたしておる場合が非常に多いわけであります。たとえば発電所でありますとかなんとかというのがありますが、そういうようなものにつきましては、その援助の結果がどういうふうに相なっておるかということを現地において、事後に見るということをある程度はやっておりまするが、人間に限りがあるというようなことがございまして、一部しか実行しておりませんが、今後はできるだけそういうケースをふやしまして、現地における実際に行われた結果がどうだったかということにつきましての事後における見方というものを、できるだけ広めていきたいというふうに考えておるわけであります。
○原(茂)委員 余りこれだけやっているわけにいきませんが、新しいベトナム政権ができてから、いま御説明のありました、いままでの百六十四億四千七百万円、これは当然新政権に払ってもらわなければいけないわけですが、この交渉をいまやっていると思うのですが、どうですか、見込みはありますか。
○大鷹説明員 外務省の経済協力局の参事官をやっております大鷹でございます。 いま原先生のおっしゃいましたように、ベトナムと日本との間で交渉をやっておりますが、わが方としましては、旧南ベトナムに対する債務はベトナム社会主義共和国によって承継されるべきであるという考えに基づいて話し合いを行っておるわけでございます。交渉の内容については、いま申し上げられませんけれども、政府といたしましては、なるべく早い機会に双方で満足できるような解決に到達いたしたい、こういうふうに考えております。
○原(茂)委員 これは見込みがあるのですか。
○大鷹説明員 われわれはそのように考えて話し合いをやっておるわけでございます。
○原(茂)委員 この種のものは、まだほかにも出てくるのかどうか知りませんけれども、はっきりした形で、びしつとけじめをつけなければいけないと思うので、ずるずるとしないように、ぜひけじめをつけてもらわぬといかぬ、こういうふうに思うのですが、その外交折衝の実際の衝に当たるのは外務省ですか。
○大鷹説明員 先生おっしゃるとおり外務省でやっております。具体的には、現在ベトナムにおります長谷川大使を通じて交渉をやっております。
○原(茂)委員 いつから交渉して、いまどんなふうになっているのですか。もうデッドロックに乗り上げているのじゃないですか。そうじゃなくて、見込みがある状態で少しずつは変化、進歩して、向こうも結構でございます。形式だけでも払うというような何か取り決めをしようとかなんとかということになっているのですか。全然そこまでいかないで、ずっとある時点からデッドロックに乗り上げたままになっているのですか。どうですか。
○大鷹説明員 はっきりした資料をいま持っておりませんけれども、話し合いを始めましたのは昨年の暮れからだったと思います。それから交渉の現段階につきましては、相手のあることでございますし、この場で申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○原(茂)委員 どうせ政治的な収拾に終わるのだろうと思うのですが、ずばりと言いますと、取れないと言ってはいけないでしょうけれども、とにかく政治的な収拾になることは、もう間違いないと思うのです。いままでの南北ベトナムが統一された後の政権の性格、あるいは今日まで交渉した内容等を見ますと、私は政治的な収拾でけりをつけざるを得ないだろうと思うので、早くけりをつけて、逆に言うと、これがあるから、ベトナム政権に対する経済援助が、この後できないでいるようなことのないようにしたいという意味で質問しているのです。今度はアメリカだって、なるべく早くベトナムと国交を開いて何とかやりたいと言っているのも、アメリカの援助もベトナムが期待しているのでしょう。日本の援助もどうせしなければならないのですから、しなければいけないという国際的な要望なんですから、その中でベトナムに対する援助が新たに起きるというためにも、これが障害になっていては進まないわけですから、早く政治的な収拾をどうせしなければいけないのだから、早く収拾をすべきだと考えますが、どうですか。 これは外務省で、いま一生懸命やっている最中だから、そんなこと言ったって先がわからない、答えはできない、こういうことになるのだろうと思いますが、私が言っている真意は、後の援助というものは進めるべきだ、そのための障害になっている、どうせこれの解決は政治的収拾なんだということを早く割り切ってしまって、早く政治的収拾による解決を図りなさい、こう言っているのです。長官もお聞きになっておるとおり、これは関係ないわけじゃないのですから、閣僚としては思い切って踏ん切りをつけてしまって、早く政治的な収拾をして、次の援助をできるようにすべきだろうと私は思うのですが、どうですか。
○倉成国務大臣 早く解決したいという点は、先生のお話のとおりでございます。 ただ、基本的な姿勢は崩すべきでないということでございますから、その間の兼ね合いが非常にむずかしいと思いますけれども、いま債務問題と経済協力問題と同時に検討して合意すべきであるという姿勢を、わが方はとっておるわけでございますし、また国家の債権債務が国際法上、政府の変更によっては消滅しない。したがって、南ベトナムの債権債務として存続しておるということで、南北ベトナム統一以降の南ベトナムの債権債務は、国家承継に関する国際法によって、統一国家たるベトナム社会主義共和国によって承継されるもの、こういう立場に立っておるわけでございます。 したがって、この基本的な立場は崩すべきでないと考えますけれども、同時に、いまお話しのように、なるべく早くこれを解決していくということについては、私ども最善の努力をいたしたいと思います。
○原(茂)委員 次に、エネルギー節約の問題で、少しお伺いしたいのです。 省エネルギー月間というものを毎年二月にやろうというので、ことしの二月、第一回の月間をやったそうですか、その内容その他は資料をいただいて大体わかりました。いろんな方法があるのでしょうが、考えられる相当なものを考えて、いろいろな企画をお立てになっていることがよくわかります。わかりますが、この資料を見る限りにおいて、いま始まったばかりだから、できないのかもしれませんが、いままでアメリカ、あるいはドイツ、あるいはイギリスというようなものが、早いところは四年前、三年前から相当実効を上げている国際的な省エネルギーの施策があるわけです。そういうものを、いいものは大胆に取り入れるように、企画庁あるいは通産省あるいはどこか三省が一緒になってやっているようですが、事例というものはおわかりになっているのでしょうから、日本でも、思い切ってそれを取り入れて、急いで省エネルギーというものは実効を上げるようにしなければいけない。 PRをしました、各自治体にパンフレットを百二十五万部つくって回しました、そのために五千万円使いました、何をやりました、第一回の月間ではどういう講演をしました、確かにいいことなんです。それから、家庭に対していろいろなアンケートをとりました、こういうことも必要なんですが、国外における実効を上げている省エネルギー政策というものを相当お調べになって、日本でも取り入れていかなければいけないと思うのですが、その点は、そういうつもりがおありになると思います。 そこで、具体的に二、三お伺いしてみたいのは、きょう文部省から来ていただいておりますが、省エネルギーというものが、義務教育を受けておる子供に植えつけられるように、これを実際にやっている事例が、すでにアメリカにあります。こういうようなことを、やがて日本でも義務教育の中に考えるべきじゃないかと思いますが、文部省として計画がありますか。
○上野説明員 お答えいたします。 教科書無償についての御質問でございますが、これを考える場合、古本を使うというようなこととの対比で、先生御質問しておいでだろうと想像いたしますので、その点からお答えしたいと思います。 これを考える場合、まず一つは、教育的な観点がございます。それともう一つは、教科書を製造供給する、大きくこの二つの観点から考える必要があろうかと思います。 まず第一の教育的な観点でございますが、従来、われわれといいますか、日本の場合、教科書に対する愛着、そういうような問題がございまして、教科書は自分の教科書をというような伝統的な考えがございます。教科書の中に、あるいはそれぞれの子供が書き込んだり、あるいはそれを家に持って帰って、大事に予習したり、復習したりする、そういうように、教科書は自分のもので、しかも使用した後でも長く保存しておきたい、そういうような教育的な問題がございますし、さらに古本を譲り受けて使うというような問題になりますと、古本を使う人と、破れて使えなくなるような本もございますから、それを使わない、新本を使う人との不公平感なり、そういうような問題、さらには衛生上の問題、さらに耐久力といいますか、本を長年使えるようにする、そういう問題。そういうような大きく教育的な観点からの問題。 それと、教育内容的に見ましても、現在たとえば統計数値みたいなものは、毎回新しくする必要がございますし、それぞれの教科にもよりますが、特に社会科等につきましては、事実次々に毎年改訂しておるわけでございますが、そういうのに、古本を使う場合は応じ得ないというような問題がございます。 さらに、製造供給の観点から申しますと、どれだけ古本が使え、どれだけ新本を供給しなければいけないかというようなことを調べる必要があるのですが、たとえば学年末の三月が終わって、そういうのを調べて、四月早々に供給するとなりますと、供給手続上も非常に問題がございますし、製造上から見ましても、会社が予想製造みたいなことをしなければなりませんから、現在みたいに必要数をきっちりむだなく刷るということができなくなる、そういう製造供給上の問題もあろうかと思います。 以上、教育的に考えましても、製造供給上の、そういう能率といいますか効率を考えましても、現在のところ、そういう対応性なりということから、現行の制度を改めなければならないというようなところにはないのじゃないかと思っております。
○原(茂)委員 省エネルギー政策を実施するために運動本部が設置されたのですが、これには各省の次官とかなんとかいうのは入らないで、副本部長は官房副長官、経企庁の事務次官、それから通産の事務次官、あと幹事が入ってくるのですが、文部省なんかは別に関係してないのですか。省エネルギーの運動本部にかかわり合っていないことになりますか。どうなんですか。 たとえば、いま私が質問したのは、アメリカあたりでは義務教育課程の中に節約教育三ヵ年計画というものを織り込んで、そうして実際上に教育をしているわけでしょう。節約上の生活技術というものを課程の中に入れて、三ヵ年計画で教え込もうとしておる。いまのお話も大事なんですけれども、そういったものを、やはり日本でもやっていかないと、本当の省エネルギー、省資源というようなものが徹底しないんじゃないかという考えが一つあるから、外国のいいものは、まねをしなければいけないんじゃないかという意味で、日本では文部省あたりがそういうことも考えているのかなと思ってお伺いしたのですが、この点は適切な答えが長官にもできないですね。入ってないらしいから、できないでしょうね。 アメリカでは、道路交通法の改正をしてまで、赤の信号でも、アメリカは右ですから、右へ曲がってもよろしいというので、ぷかぷか空吹かしをさせないで、一億三千万ガロン年間に節約をするというような目的をびしっと立てて、道交法の改正をやっているのですね。省エネルギーという意味で道交法の改正をやっている。教育は教育で、いま言ったように、三ヵ年計画を課程の中に織り込んでいる。あるいはフランスか何かでは建築基準法を改正して、建築をするものは、寒いところでは必ず断熱材を使えということを基準法の中に盛り込んで、省エネルギーというものを徹底的にいま実施しているとか、そういうことを、やはり海外に学ぶべきものは学んでやらないといけない。私の見せていただいた範囲では、そっちの方までまだやってない。同じ月間を設けてやるなら、もっと徹底して、ほかの国で実効を上げている問題に関しては、大胆にこれを取り入れるということをすべきだという意味で、一例として、いま教育の問題を言ってみたり、建築基準法の問題をやってみたのです。 建設省からおいでいただいているのですが、建設省は、省エネルギーという意味において建築基準法に何か配慮がされていたり、改正をしようとしたりしていることはありますか。
○松谷説明員 住宅生産課長でございます。 ただいま御質問の建築基準法につきましては、わが国では省エネルギー対策的なことはやっておりません。ただ、公共住宅につきまして、住宅金融公庫の融資住宅につきましては、その建設基準におきましてエネルギーを節約するような構造、すなわち、断熱構造を採用するように、それからまた公営住宅につきましても同様の規定がございます。 それからまた、地域的には北海道防寒住宅建設等促進法によりまして、断熱基準を定めております。公共住宅等については、その防寒構造を使うように規定をしております。 それからまた、建設大臣が認定をしております工業化住宅、これは一般にプレハブ住宅と称しておるものでございますが、プレハブ住宅につきましても、断熱性につきまして重要な性能として認定をしております。 なお、こういった住宅の施策ではございませんが、建設省の総合技術開発プロジェクトにおきまして、省エネルギー住宅システムの開発につきまして、わずかでございますが、予算をいただく予定で、昭和五十二年度から、その研究開発を実施する予定にしております。
○原(茂)委員 長官、お聞きのように、どうせやるなら、意識的に海外の実効を上げている事例をよく調べて、そして大胆に急速に、やはり教育課程にも手をつけでみたり、あるいは基準法なら基準法の改正をやるとか、あるいは道交法の改正もやるとかいうようなことまでやらないと、本当の徹底した省エネルギー——日本ほど、世界のどの国に比べて一番エネルギーを節減しなければいけない国はないと私は思いますから、せっかくおやりになるのですから、国外の事例のいいものは取り入れて、法改正が必要なら法改正をするように、どんどん提案をしていただいて、徹底的な省エネルギーをやっていただく必要がある、こう考えますが、最後に長官の、そういう事例をどんどん取り入れてまでやるようなことを、きちっと回答願って、終わりたいと思います。
○倉成国務大臣 ただいまの御提言は、まことに適切な御提言と思います。エネルギー資源を、ほとんど海外に仰いでおるわが日本としては、やはり省エネルギーの問題についての取り組み方が、まだ不十分であると思っております。したがいまして、産業面においても、輸送面においても、なお、ただいまお話しの国民生活の面においても、外国のよいところはどんどん取り入れて、積極的にこの問題に取り組んでまいりたいと思います。なお一層勉強してまいりたいと思います。
○原(茂)委員 終わります。
○芳賀委員長 北山愛郎君。
○北山委員 私は、短い時間ですが、経済の見通しと、それに関連をして国民所得分配等について、お伺いしたいと思うのであります。 その前に、実は先ほどの原委員とのやりとりの中で、スタグフレーションの問題が出ました。かつて政府は、田中内閣の当時にインフレという言葉を非常にタブーにいたしまして、世界じゅうはインフレであるけれども、日本だけはインフレでない、インフレの危険がある状態であるということで、だれから見ても、おかしいような論理を押し通したわけですが、今度のスタグフレーションの場合でも、そうじゃないかと思うのですよ。 私の記憶では、たしか経済白書か、あるいはまた政府の答弁の中に、日本はスタグフレーションにはなっておらない、その理由として、まだ経済成長率の方が物価よりも上回っておる、そういう状態だから、スタグフレーションではないのだ、これは政府の答弁か、福田さんかだれかじゃなかったかと思いますが、そういう答弁をしたわけです。 それが正しいとするならば、まさに最近の日本の経済というのは、経済成長率の方が物価よりも下回っているような傾向にあるわけですね。したがって、これはそういう意味でもスタグフレーションじゃないでしょうか。どういう言葉を使うか、そういう言葉を使いたくないというなら別ですが、前の政府の答弁なり見解に合致したような状態が出てきておる。いわゆる経済成長率よりも物価の方が上回っておるような事態、あるいはまた鉱工業生産が伸びない、まさに四十八年の秋のピークにもまだ戻っておらないのに、一応形ばかりの成長はしているというような変則な事態なんですね。 こういう事態は、スタグフレーションと言われるような状況になってきたのではないか、こう思うのですが、まずもって、この点を企画庁長官からお伺いしたいのであります。
○倉成国務大臣 お答えいたしたいと思います。 先ほども原委員にお話し申し上げましたように、スタグフレーションの定義というのが必ずしも明らかでないわけでございますので、これは一般的にスタグフレーションというような言葉が使われておるわけでございまして、いま北山委員のお話しの成長率と物価とのお話でございますが、恐らく北山委員は、実質成長率と消費者物価との比較としてのお話かもしれませんけれども、比較するとすれば、やはり名目成長率と物価との問題の比較ということになるのではないでしょうか。したがいまして、やはりスタグフレーション的なものが出つつあるということはわかりますけれども、しかし、現在の日本の経済をスタグフレーションというふうに規定することは、いかがなものであろうと思うわけでございます。 いますでに物価も一けた台になっておりますし、また経済成長につきましても、実質経済成長が、五十一年度が五・七%の成長は達成できるであろうし、また、来年度の成長につきましても六%台の成長ということを目指しておるわけでございますから、現在をスタグフレーションと決めつけるのは、いかがなものであろうかと思うのでございます。
○北山委員 私は、先ほど申し上げたように、私の見解は別にあるわけですけれども、政府のそのような答弁なり、あるいは経済白書なりの中に、たしかあったと思いますので、お伺いしたわけなんです。 私は、これはいわゆるスタグフレーションだと思います。もう物価上昇が定着しちゃって、一時的な現象ではなくて恒常的になって、しかも好況不況にかかわらず物価は必ず上がるというような状態になっている。また、戦後約三十年、言うならば管理通貨制度というものを利用しながら、購買力を人為的につくり出しながら、設備投資を主導にした成長を続けてきた。しかし、それが一つの限界になってきて、資本主義経済につきものの過剰生産というか、そういう現象が、その矛盾が克服できない、こういう事態になってきていると私は考えるのであります。 しかし、いずれにしても短い時間ですから、その論争は別といたしまして、経済企画庁の従来の経済見通しと、それから実績というものを比較してまいりますと、前にはどっちかと言えば、見通しの方が悲観的というか厳しくて、それを上回る実績だったのであります。ところが最近では、必ずしもそうではなくて、見通しの方が甘くて、実績の方がそれを下回るというような傾向になってきているのではないか、このように最近の数字を見て思うわけです。ただ、四十七年や四十八年のような、異常なインフレ経済の時期は別としまして、大体そういう傾向があるようであります。 そこで、当面しておる経済についても、五十一年度の実績見通しなり、あるいは五十二年度の経済見通しについて、具体的にお伺いしたいと思うのであります。 まず、五十一年度の実績見通しで、現在は推定ではございましょうけれども、これはどのようになるのか、数字によってお答えを願いたいのであります。 GNPの方は、実質五・七%は達成できそうだというようなことを言っておられます。しかし、私はそれより、その数字には、まだいかないのではないかというふうな民間の資料などの方が本当ではないか、個人消費につきましても一三・六%、それが一二・五%ぐらいではないかとも思います。特に民間設備投資が一三・七%の当初の見通しでありましたが、これはもっともっと下回るものではないか。それから鉱工業生産にしても一三・二%伸びるというものも、これよりも下回るのではないか、このように思いますが、企画庁としては、五十一年度の実績をどのように見ておられるか、まずお伺いしたいのであります。
○倉成国務大臣 現在のところ、GNPの四半期別の統計は、十−十二月まで出ておりまして、一−三月が出てないわけでございます。 その過去の推移を申し上げますと、五十年の一−三月が前期比にして三・二、四−六が一・三、七−九が〇・四、十−十二月が〇・六という伸び方をいたしておるわけでございます。一−三月、五・七%の成長を達成するためには、一−三月で前期比一・五程度の伸びをしなければならないわけでございます。一月、ことしに入りまして政府支出、住宅投資、また輸出の高水準ということもございまして、おおむね私どもの見通しに近い数字が出るのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。 いまお話しのように、鉱工業生産やその他いろいろな数字が、最後に、一−三月に一体どうなるかということは、まだ現在の段階で何とも数字を申し上げる段階にはいってないわけでございます。
○北山委員 五十一年度の民間設備投資はどうでしょう。また、鉱工業生産、これなども二月までの三ヵ月は連続して生産がダウンしていますね。そういう点を考えますと、政府の当初見通しの一三・二%の達成はむずかしいのじゃないか、こう思うのですが、どうでしょうか。
○倉成国務大臣 それでは調整局長からお答えいたしたいと思います。
○宮崎政府委員 お答えいたします。 先ほど大臣から御説明申し上げましたように、五十一年度の成長率が実質で五・七%に達するためには、第四・四半期、つまりことしの一−三月が、前期に対して実質成長率一・五%程度なければいけないわけでございますが、ただいまのところ、先ほど大臣からお答えがありましたように、主として政府支出、それから昨年の第三・四半期にやや停滞いたしました住宅投資、それに輸出需要というようなことによって大体一・五%程度は達成できるものと思われます。 お話しの鉱工業生産は二月までしか数字が出ておりませんが、過去三ヵ月間マイナスを記録いたしております。したがいまして、政府の見通しにございます指数で、四十五年一〇〇の一一三・二というのは、予測指数などを考慮に入れましても、やや達成がむずかしいのではないか、一二%を若干切るというような見通しでございます。 それから設備投資につきましては、五十一年度の見通しが名目で八・九%になっておりますが、設備投資の先行指標であります機械受注の傾向からいたしますと、徐々に回復の兆し、特に非製造業を中心にして出ておりまして、おおむね見通しどおりの数字になるかというふうに考えられます。
○北山委員 それから個人消費を押し上げるのは、労働者の賃金だと思うのです。五十一年度の雇用者所得の伸びの見込みが一二・八%になっております。ところが、昨年のベースアップは御承知のとおり八・八%程度でございますから、その程度のベースアップで雇用者所得、労働者の賃金が一一・八%伸びるというのは、どういう計算でそうなるのでしょうか。
○宮崎政府委員 お答えいたします。 先生御承知のように、春闘で決まりますベースアップと申しますのは、雇用者所得の約半分でございまして、昨年はその春闘で決まります以外の時間外手当あるいはボーナス、あるいは農業あたりの所得の伸びというようなことで一二・八というのが考えられているわけでございますが、御指摘のように、昨年の特に夏期におけるボーナスの伸び率が低かったというようなこともありますし、あるいはその後の消費性向の上がり方などの影響を受けまして、政府の見通しの個人消費の数字は、五十一年度につきましては達成されるか、ややそれを下回るかというような情勢が、現在のところまで考えられます。 ただし、今後につきましては、比較的緩やかに景気を押し下げるというよりは、むしろ下支えをするというような役割りを果たすというふうに考えております。
○北山委員 いまの御説明では、要するに五十一年度の雇用者所得の見積もりですね、それがたしか一二・八%伸びるという見込みであったようです。ところが、ベースアップの方はたった八・八%、それ以外の業種といいますけれども、時間外にしても、低い稼働率のもとで、そんなに伸びるわけはない。むしろマイナスになる。農業に従事をする雇用者というのは非常にわずかですから、そういう点を考えますというと、ベースアップになるような、主として大きな企業組織の労働者の賃金のアップよりも、その他のものが、もっと上回って上がるなどということは考えられないですね。 そういうときに、なぜ一体雇用者所得の伸びというものは、一二・八%も伸びるかということは、少し五十一年度の見込みが多過ぎるのではないか。そう思うのですが、もう一遍お答え願いたい。
○宮崎政府委員 お答えいたします。 私の説明で、雇用者所得と消費の伸びが、多少混乱して御説明申し上げたかと思うのですが、雇用者所得の中で、いわゆる春闘などで決まります所定内給与と申しますのは、五十年度実績でとりますと、雇用者所得の五五%でございます。 雇用者所得自体が、先生御指摘のように、五十一年度としては、一二・八%の伸びを見込んでいるわけでございますが、春闘の一けたの伸びにもかかわらず、一二・八%伸びるという理由は、一つは、春闘と対照いたしますためには、一人当たりの雇用者所得と比較すべきであろうかと思いますが、一人当たりの雇用者所得の伸びは、五十一年度の見通しに即して計算いたしますと、大体一一・二%でございまして、その一一・二%と八%台の春闘を比較するわけでございますが、その雇用者所得の構成の中で、春闘以外のものは、先ほど申しましたように、所定外給与あるいは特別給与、ボーナスでございますが、そのほかに役員の給料、手当あるいは退職金、副業所得等というものが含まれまして、それを勘案いたしまして、一人当たりの所得一一・二%、雇用者所得にいたしまして一二・八%という数字が出ているわけでございます。
○北山委員 そうしますと、普通の労働者の賃金はそういうことだが、それ以外の役員とかそういうものも入っているから、そういうものが少し平均以上に伸びるだろう、こういう予測のようでありますが、やはりこの一二・八%の雇用者所得を伸ばすならば、もっとベースアップの率を上げるべきであったのではないか、またその実際の問題、その後の一年間の経過を見ましても、減税はしないし、賃上げは一けたで、しかも公共料金は値上げをするということで、労働者の実質賃金がマイナスになり、それが個人消費というものの伸び悩みを来した。景気が後半になって中だるみになったというのは、そういう結果ではないかというふうに思うのです。 そこで次に、同じようなことが五十二年度でも起こり得るのではないか。五十二年度の見通しについても、企画庁の見通し、政府の見通しというのは甘いのではないか、こういうふうに考えざるを得ないのであります。特にまず設備投資でありますけれども、政府の五十二年度の設備投資の計画は、昨年よりも上回って一一・二%の伸びというふうに見ています。ところが、私が新聞等で見ております民間の長期信用銀行なり、日銀の短期観測、あるいは日本開発銀行、興業銀行等々の五十二年度における各調査機関の設備投資の調査結果というものは、非常に低いのです。長銀が全産業で一・三%、日銀の観測はゼロですね。それから開発銀行は二・一%、興銀が〇・一%、ですから、政府の見通しというのは一二・二%ですけれども、民間のこのような相当権威のある調査機関に比べて非常に高過ぎるのじゃないか。その辺のところは、企画庁は一体どのようにお考えですか。
○倉成国務大臣 お答えいたしたいと思います。 さっき雇用者所得の点で調整局長から申し上げましたけれども、雇用者所得は賃金、俸給のほかに役員手当あるいは給料、手当があるということを申しましたが、そのほかに御案内のとおり、社会保険の雇い主負担が入っておるわけでございまして、これが国民経済計算上人っておるわけでございます。それから賃金、俸給の中で、定期給与と特別給与——定期給与のほかにボーナス等の特別給与がある。それで春闘の対象になりますのは、この定期給与の中の所定内給与、すなわち、残業手当等を除いたやつでございますから、決して意識的に低く抑えるとかいうものではございませんで、当然こういう形になってくるということを御理解いただきたいのでございます。 それから設備投資の問題でありますけれども、これはただいまお話しのように、日銀短観やあるいは開銀調査その他を引用なさっておりますが、大体これらの調査というのは、全体の企業からいたしますと、カバー率が大体三割、四割を切っています。大体全体の三分の一程度をカバーしているというふうに思っております。したがいまして、確かにそういうものについて資料が出ていることは私ども承知しておりますが、総じて申しますと、製造業については非常に低い。特に製造業の中の大口であります鉄鋼等が、大型の設備投資が一巡したということもございますし、現在非常に稼働率が低いということもございますので、五十二年度は設備投資は減ってくるということでございます。 したがって製造業においては、五十二年度は余り大きな期待はできない。むしろ減ってくると思うわけでございまして、われわれが政府見通しのような数字を掲げましたのは、やはり非製造業において、これは一番大きなのは電力だと思いますが、電力、流通関係の非製造業において設備投資が増加する、また大企業だけではなくして、中小企業等におきまして、一つをとりますと非常に小さいわけでありますけれども、省力投資であるとか、あるいは新しい合理化投資であるとか、いろいろな投資が行われておりまして、こういうものを合わせてまいりますと、大体マクロ的に見ますと、政府見通しのようなことになるのじゃなかろうか。名目で一二・二で、実質で六・九%、これが五十二年度の見通しでございます。
○北山委員 ちょっとその説明が納得できないですね。要するに、このカバレージ三割くらいの企業、相当有力な企業を集計した調査ですね。しかし、こういう企業こそが資金的な余裕もあるし、投資しそうな企業なわけですね。お話しのように、確かに製造業は全部マイナスですよ。どの観測、調査を見ましても、一〇%程度のマイナスになっておる。それから非製造業は、これに反して一〇%内外のプラスになっていますね。それをひっくるめて全産業として、いま申し上げたような数字なんです。そして、もしも長官の言うとおり、これは、この調査の部分だけは一部である、それ以外のものがふえるものがあるからというなら、それ以外のものが、このような傾向じゃなくて、もっと大幅に二〇%も三〇%も中小企業の設備投資がふえるというふうなことが、データが出てこなければ、やはりこの主要な企業の設備投資の傾向というのは、全産業の、しかも非製造業を含めて全体の平均を出しているわけですから、傾向を出しているわけですから、もしも、いまのようなお話ならば、中小企業の設備投資はどの程度になるか。二〇にも三〇%にもふえなければならぬ、そうはならないでしょう、いまのような情勢の中で。 大臣の説明は、企画庁の説明は少し無理じゃないでしょうかね。少なくとも数%はまだいいのですよ。名目で一二・二%も設備投資が五十二年度ふえるというようなことはむちゃくちゃじゃないでしょうかね。過大な見積もり、明らかだと思うのです。
○宮崎政府委員 設備投資の見通しについて、政府見通しの考え方は大臣から御説明申し上げたとおりでございますが、若干数字的に補足させていただきますと、開銀あるいは日銀の設備投資のアンケートのカバー率は、それぞれ三六・五%、二八・四%でございまして、主として大企業に、製造業に集中しております。これらの業種はどちらかといえば、石油ショックの影響を非常に大きく受け、かつ現在過剰設備が非常に多いわけでございます。 それから、この種のアンケートを見ていただきますとわかりますが、五十一年度の投資の実績について下半期をかなり大きく見ているわけでございます。現実には景気の中だるみということにありますように、それらの計画が、実際には五十二年度に繰り延べされているというような状況でございますので、ここで景気浮揚についての心理効果というものが出てまいりますと、下半期には、そういう設備投資が期待できるわけでございます。 なお、業種別について、私どもは細かい産業別の積み上げをやっておりませんが、一一・二%の名目の設備投資の伸び率と申しますのは、国民所得ベースでございます。したがいまして、通常の製造業、非製造業のほかに、それはそれぞれ大企業、中小企業に分かれておりますけれども、そのほかに個人あるいは金融部門における設備投資というのがあるわけでございます。仮に、製造業の設備投資が前年度と比べて、全く横ばいだといたしましても、この製造業の占める割合というのは、大体五十一年度のウエートでまいりまして三一%でございます。非製造業、電力を中心にいたしまして、ことしは二〇%弱の伸びが考えられておりますので、これは四三%のウエートを占めておりますので、かなり設備投資を押し上げるということになろうかと思います。 それから、その種の統計に出てまいりません金融部門、個人部門の設備投資というのが国民所得統計で大体二五%程度を占めております。この種の設備投資というのは、景気に対して大変敏感に反応いたしまして、落ちるときには非常に落ちるわけでございますけれども、回復するときにも非常に早い。たとえば昭和三十九、四十年あたり、あるいは四十年不況の後の四十二年、それから四十八年あたり、非常に大きな伸びを示しているわけでございまして、それだけにこの二、三年伸びがとまっておりました、これらの非常に細々とした部門における設備投資の回復は、景気回復の心理的効果があれば、出てくるものだというふうに考えております。そういうことを前提にいたしまして、一二%の名目の設備投資を計算しております。
○北山委員 それは非製造業だって、いまいろいろなサービス業にしても、決して好況じゃないですよ。そんな設備投資をじゃんじゃんやるような状況じゃないと思うのです。それから電力にしても、電力に非常に期待をかけているようでございますけれども、これも二兆四千億とか言っておりますけれども、しかし、これはいろいろな立地条件とかそういうようなことで、しかもその中の原発などは、恐らく計画はあっても、実施がなかなか進まないだろう、こう予想されるわけです。 ですから、何か企画庁の話を聞くというと、大企業の方は不況であるけれども、中小企業の方は景気がよくて、どんどん設備投資が進むような、そんな印象を受けるのですよ。そうじゃないでしょう。倒産から見たって、もうどんどんふえている。主として中小企業じゃないですか。だから、経済の実態とまるきり、あるいは民間のいろいろな調査機関の見通しとは、まるで違うような設備投資の見通しを立てている。ですから、いままでももう数年間再々あったのですが、当初の見通しが狂って、そしてそれを後で訂正せざるを得ない。よほど前には、いわゆる高度成長期においては、見通しがむしろかたくて、実績がそれをオーバーしたのですが、最近では、そうじゃないのですね。設備投資において、しかりですよ。恐らく後で訂正せざるを得ないようになった、そのときに、大臣はどのように弁解するか、私は待っておりますよ。 それからもう一つは、先ほど申し上げたような個人消費を伸ばさなければ、どうにもならぬでしょう。業界でも何でも、個人消費が伸びてもらわなければ景気がよくならないと言っておる。ところが、今年度の個人消費の伸びは、去年より以上多いのです。五十二年度の見通しは、一三・六%伸びることになっております。ところが、賃金の方は、これまた去年とおっつかっつで、やはり一けたですね。きのうですか、鉄鋼の回答、これなども八・五%というような低い率だ。これじゃやはり、こんな低い賃金のベースアップでは、とても一三・六%の個人消費の伸び——あるいはまた雇用者所得で見れば、去年は一二・八%の伸びを見ておったのですが、五十二年度は、それを上回って一三・三%伸びることになっておる。賃金のベースアップは低く抑えて、そして雇用者所得、労働者の所得だけはよけいふえると見込んでおる。あるいはこれに基づいた個人消費の方は一三・六%も伸びると見ておる。これは過大ではないでしょうか。
○倉成国務大臣 また調整局長からも補足いたしますが、設備投資の点、先ほどからのお話でございますが、これは調査時点でも非常に揺れ動いておるわけでございます。現在の状況、特に十二月時点あたりで見通した場合には、やはり特に不況業種構造的なものがございますから、そういうものが非常に全体の景気に対して不況感をあおっておる。そういう点がございますから、その時点での設備投資の見通しということになれば、そういう見通しが出る可能性があるわけでございます。 しかし、また同時に、新年度の予算が成立して、ある程度公共事業等も出てくる、そうして世界の景気の関係も出てくるというような状況が出てくれば、その時点で調査をすれば、また違った見通しが出てくることかと思うわけでございまして、この点は、いろいろ見方の相違でございますから、私どもは、そういう非常に悲観的な時点での見通しは、そういう見通しがあっても、われわれの施策が十分行われれば、設備投資は、政府目通し程度は行けるんじゃなかろうか、こういうことでございます。 それから個人消費の問題は、雇用者所得は五十二年度一三・三%、一・五%雇用が伸びるということで、一人当たりは一一・六%というふうに見ておるわけでございますが、個人消費は、雇用者所得だけで判断すべきものではございません。同時に、これからだんだん物価も、五十一年度よりは五十二年度の方が落ちついてくる。政府見通しでも、年度中上昇率を七・七%と見ておるわけでございますし、また最近の実質の消費支出を見てまいりましても、ことしの一月、都市世帯の実質消費支出が三・四、それから農家世帯が一・九、また実質賃金の伸びが、十二月が二・七に対して一月は一・〇、こういうふうにだんだん実質の消費支出も伸びてくる、物価も落ちついてくるということになってまいりますれば、全体として見ますと、個人消費も見通し程度行けるんじゃなかろうかと思うわけでございます。
○北山委員 民間の調査機関と違って、やはり経済企画庁ですから、企画庁の見通しというのは、一切の政策の基礎になるわけですね。ですから、もう少し、調査時点で変わるだろうとかというようなことでは困るんですね。 それから、いま申し上げたような設備投資にしても、あるいは雇用者所得、労働者賃金にしても、いままで、去年、おととしと、政府は失敗したんじゃないですか。要するに個人消費を伸ばさなければならぬときに、このベースアップ、おととしは一二二%と低く抑える。それから去年は八・八%、ことしもそれに準ずるというようなことで、しかも、ことしは、やっと野党からの追及によって三千億の減税プラスをしましたけれども、去年も、おととしも減税しない。公共料金は、どんどん上げる。これじゃあ景気がよくなるわけがないじゃないですか。 これで私が想起するのは、やはり四十九年度はちょっと違っていたのですね、予算とか政府の公共政策は。公共事業の伸びはストップして、そして老齢年金とかそういう社会保障費を大幅にふやして、三十数%ふやした。そしてまた労働賃金の方も、ベースアップの方も三二・九%も上がったわけですね。ですから、政府のこの経済の実績の中にも出てくるのですが、この年は不景気の年でありますけれども、やはり個人消費は相当大幅な伸びでもって、あの程度の落ち込みに抑えられたのだ、私はそう思っているのです。 ところが去年、おととし、ことしというふうに政府のやり方は、もっぱら景気対策を企業対策にしている。公共事業にしても、大型の事業をどんどんふやす。あるいはまた公定歩合を下げるというのは、これはみんな企業対策の不況対策ですよ。企業を対象にした不況対策だ。そうじゃないんだ。現在欲しいのは、やはり需要を下から押し上げるところの労働者を中心とした一般大衆の購買力というか、所得をふやしていくという、こういう形で、むしろこれからの政策というのは、国民の所得分配というものを変えて、そして労働者の賃金の割合というものをふやして、所得の中でふやして、そしてまた国民総支出の中の個人消費の率をふやしていく。日本は、そういうものが低いのですから。そういうふうな構造的な政策がとられなければならぬと思うのですが、いずれにしても時間が参りました。 残念ですけれども、私は、もう少し経済企画庁は、経済計画官庁としての権威と自身を持って、もっと積極的にやってもらいたいと思うのです。政府がインフレという言葉がいやだから、インフレという言葉を使わなかったり、そんなことじゃなくて、やはり経済の実態を見詰めながら、このような政策をとるべきであるということを積極的に提言をする。ただ役所の中の一部局、一つのセクションだというのじゃなくて、国会も一緒になって、これからは、むしろ前年の秋あたりに、民間の経営者も集めた経済に関する大公聴会を国会を中心として開くとか、そうやって来年度の経済政策をつくり上げる。こういうふうな、その中心になり、推進力になるというのが、私は企画庁でなければならぬと思うのです。何かいまの企画庁は、だんだん政府の一セクション、そしていまの政府の、あるいは財界の要求の一翼をただ担当するということで、説明のつじつまを合わせるような姿勢であってはならない。私は、このように思います。 時間がありませんから、以上で終わりますけれども、ひとつもっと張り切ってもらいたいということを最後に希望申し上げまして、きょうの質問を終わります。
○芳賀委員長 午後四時再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時二十六分休憩 ————◇————— 午後四時四分開議
○原(茂)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 委員長所用のため、その指名により暫時私が委員長の職務を行います。 質疑を続行いたします。馬場猪太郎君。
○馬場(猪)委員 最近になって、福田総理は資源有限をたびたび言われますが、本来資源の乏しいわが国のことですから、外国に依存することも多いし、また貿易もそのとおりだと思います。そういう意味では、海外経済協力ということは非常に大事なことだと思うのですが、海外経済協力といえば、何か疑惑に包まれたような印象を受けることも多いし、そういう疑惑の新聞記事も非常に多いわけなんです。担当の衝に当たっていらっしゃる皆さん方にとっても非常に不本意なことだろうと思うのですが、なぜそういうふうな疑惑の目で見られるような状態になるのか、まず総裁からお伺いいたしたいと思います。
○石原参考人 なぜそういう疑惑の対象になるのかという御質問でありますが、私からお答えいたすことが適当かどうか存じませんが、私ども基金の処理をいたしておりますやり方は、後ほどあるいは御質問に応じまして、お答えをいたさなければならぬと思うのでありますが、先ごろ原委員のお尋ねに対しても、お答えをいたしたわけでございますけれども、各計画の内容につきまして、その事業計画が現地で十分に実施される見込みがあるかどうか。経済の情勢である、あるいは関係者の財務内容である、あるいは価格、そういう問題も含みまして、その計画が十分に実施し得るかということに中心を置きまして審査をいたしておるわけであります。 私どもの業務方法書には「資金の効率的利用」ということが書いてございまして、私どもそういう頭で審査に当たっておるわけでありますから、私どものやっておりますことにつきましては、今後も十分に気をつけてまいりたいと思っておるわけでありますけれども、そういうような審査の機能などを通じまして、適正に仕事が行われるように努力してまいり、また今後も努力していくつもりであるわけであります。
○馬場(猪)委員 一生懸命取り組んでいらっしゃって、被援助国からは本当は喜んでいただかなければならぬはずでありますし、そしてまた、わが国としましても、その援助をすることによって、また国益につながるような問題点というのは、たくさん出てくるはずなんですが、とかく色目で見られるといいますか、そういうふうな感じを与えておる原因をお聞きしているのですよ。なぜそういうふうに見られるのでしょうか。事務的なことじゃなしに——事務的には一生懸命やっていただいていると思うのです。国民の一般の目から見ますと、協力基金というものは、なぜそういうふうな色目で見られるのか、所感ですね、感じ方をひとつお聞かせをいただきたい。
○石原参考人 全体としての問題といたしましては、政府当局の方からお答えをせられる事柄でふろうかと思いまするけれども、私ども協力基金の立場として申しますのは、いま申し上げましたような事務的な処理を確実適正にやるということが一番の中心であろうというふうに考えておりまするので、いまお尋ねのような事柄が起こりますということにつきましては、私どもとしては、できるだけ事務を適正にやるというつもりで今後も対処してまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○馬場(猪)委員 なぜ総裁にお伺いしましたかと言いますと、基金全体として、それぞれの担当の方々は一生懸命取り組んでいらっしゃると思うのですよ。ところが、実際には、現在一般の世論としましては、余りいい評判じゃない。ですから、もっと胸を張って援助ができるような、そういう基金のあり方ということを、やはり国民に知ってもらわなければならぬと思います。 それでは長官の万から、同じ質問でございますが、基金がとかくすっきりしないといいますか、疑惑で見られるという原因について、ひとつどういうふうにお考えになるか、お伺いしたいと思います。
○倉成国務大臣 お答えいたしたいと思います。 私は必ずしも基金が疑惑の目をもって見られているとは考えていないわけでございますけれども、午前中も原委員からお話がございましたように、国際社会において、大人になった日本が大人らしい責任を果たしていくという意味において、これから海外協力というのが非常に重要な意味を持ってくる。そのためには、やはりどうしても国民の理解を得るような努力というのが大切ではなかろうかと思うわけでございまして、私どももさらに心して、各いろいろな案件、細かい技術的なことは別といたしましても、やはり海外協力の問題について、国民の皆様方に十分理解を得るような努力をしていかなければならないと思うわけでございまして、そういう点が必ずしも十分でなかったという点が、いろいろな誤解を生む原因ではなかろうかと思う次第でございます。
○馬場(猪)委員 国民の皆さんの理解を得るような努力が、もう一つだったというお答えでございますが、それでは国民の皆さんに理解が得られるような方法、どういうことを考えていらっしゃいますか。
○倉成国務大臣 いますぐこうしたらいいという具体案は、私自身いま持ち合わせておりませんけれども、しかし、これから隣国またアジアの諸国に対する援助というのは、どうしても日本国の責任としてやっていかなければならないわけでございますから、やはりいろいろな機会を通じて、あるいはマスコミを通じて、それらの国々の実情、またそれらの国々に対して日本がどういうかかわり合いを持ち、どういうことをなし得るかということを知っていただくということが大切ではなかろうかと思います。 私も企画庁長官になりまして、各地からいろいろな方がお見えになりまして、お目にかかります。したがって、これから援助のプロジェクトについても、われわれも勉強いたしますし、皆さんの方でも、せっかくそういう援助、借款が行われても、十分効果を上げないということでは問題であるので、そういう点についても十分お考えいただきたいということを申しておる次第でございまして、私どもも率直に相手国にもいろいろな物を申し、また向こうの立場に立って適切なプロジェクトを、これから選定していくということが大事なことではなかろうかと思う次第であります。
○馬場(猪)委員 国民の皆さんが理解が乏しいということには、やはり何か原因があると思うのですよ。たとえば、アメリカはアメリカの援助についての理念を持っておると思います。あるいはまたカナダや、スウェーデンは、スウェーデン型の援助に対する一つの目的といいますか理念、はっきりしたもの、国民の合意を得ているものがあると思います。日本の場合は、国民の皆さんが納得するような、そういうはっきりした理念といいますか考え方、哲学といいますか、そういうものをどういうふうに説明をなさっておられるのでしょうか。
○倉成国務大臣 これは申すまでもなく、資源の乏しい日本としましては、やはり原料、資源エネルギーというのを海外に仰がなければならない。したがって、そういう国々と仲よくしていかなければならないという点が一点でございます。 それからもう一点は、やはり今日の世界の中で、産油国が大幅な黒字が出ておる、非産油の発展途上国には経常的な赤字が出ておるという状況、そのほか東西の債務の問題、いろいろございますけれども、やはりどこかで、ほころびができるということになりますと、世界全体がうまくいかない。また、そういう世界と大きなかかわり合いを持つ日本がうまくいかないわけでございますから、世界の中で、大人になった日本が大人らしい行動をやっていく、そのための一つの手段として、こういう開発途上国に対する援助というのは、どうしても果たさなければならない義務である。そうして世界の国々と一緒になって日本の国が発展していくことが大切である、そういう趣旨のことではなかろうかと思います。 しかし、これをもう少し簡潔に、もう少しわかりやすくということになれば、これからいろいろ検討する必要があろうかと思いますが、基本的には、そういうものではなかろうかと思う次第であります。
○馬場(猪)委員 いまの長官の御答弁をお伺いしていますと、他国に資源を仰ぐことが多い、もう一つは、何かおくれている国に対する同情心といいますか、そういったおくれている人たちに対する手助けをしなければならない、そういう目的だ、いま二つしかお答えをいただいてないのですが、そのくらいのことで、はっきりと国民の皆さんが納得するでしょうか。いま海外経済協力資金ができたわけではなしに、三十年代から、ずっと早くからできておるわけですけれども、日本の経済協力というのは一定の理念のもとでするのではなしに、必要情勢に応じて、その都度やっておるというふうな感じがいたします。それでは協力を受ける側も協力をする側も、何かすっきりしないまま受けているのが現状じゃないかと思うのです。 はっきりした目的意識があってこそ初めて、そのために私は申し上げたのですが、たとえばスウェーデンやカナダ型というのは、世界の福祉ということを中心に協力をするんだということを国民合意の上で成り立っておる、あるいはまたアメリカの援助の仕方というのは、アメリカ自身の議会の中でのいろいろの答弁なんかを読んでみますと、結局は、直接アメリカ自身の安全保障に役立つためとか、あるいは低開発国の生活向上を図るためにも、自分の国の物の考え方が入りやすいようにするために、あるいはまた直接経済の分野で防衛の仕事を、役割りを果たしてもらう、そういった一つの目的意識を持って、それが国民の合意を得ているからこそ、経済協力というものは国民の世論の中で一定の地位を占めているわけです。 ところが、日本はそれがないわけです。ですから、はっきりしたものを示さない限り、経済協力というのは、なかなかしにくいのじゃないかと思うのですが、先ほど長官の御答弁によると、ちょっとだれもが納得するというような感じを持ちませんが、お答えをいただきたいと思います。
○倉成国務大臣 私は、ざっくばらんに基本的な考え方を申し上げたわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、もう少し整理して申しますと、やはり世界経済の調和ある発展、そして世界の平和と安定を図るということのために、南北問題の解決というのが不可欠のものである、そういう認識のもとに立っておることは申すまでもございません。 ただ、現実には、どこかにそういう経常的に赤字が出る国、そして国民所得一つをとりましても、日本の十分の一以下というような国々があるということであれば、やはりそれらの国々の自助努力ということを支援する、またこれらの国々に対する経済の安定を図っていくということが大切であるということを申し上げたつもりでございましたけれども、大変言葉が足らなかったわけでございまして、決して基本的な理念がないわけではございません。これは言葉で出すと否とにかかわらず、そういうものがあって、私どもは援助というものを考えていくべきであるし、また、そう考えてきたと思うわけでございますけれども、なお一層国民の皆様方にわかりやすく、そういうことをもっと明らかにすべきであるという御提言であれば、私も、これからそういう努力をいたしていくべきであると考える次第でございます。
○馬場(猪)委員 言葉がなくても一応の考え方は持っている、こういうことなんですが、実際には、しかし言葉がなければ、素人である一人一人の国民については理解できないわけです。だから、もう一つ、中国あたりでは、その国の自主独立ということを中心にして自力更生、こういったことを一つの理念として、あらゆる条件もつけないだろうし、あらゆる制約もつけない、野心も持たないということもはっきりしているわけです。とかくそれを示さずにやっているものですから、韓国における例の、先ほどもお話が出ましたソウルの地下鉄の疑惑を招いてみたり、あるいはまた新韓碍子の疑惑を招いてみたり、韓国だけではありません。いろいろインドネシアに対してもベトナムに対しても、何か知らぬけれども、汚れたイメージが経済協力にはつきまとっているような印象を持っていると思うのです。 ですから、そういう点では、やはりもっと国民のわかるような指導の方針といいますか、指導というような言葉は誤りかもわかりませんが、もっとわかるような経済協力のあり方というものを示す必要があると思うのです。そういう意味では田中総理の当時ですか、その当時の御答弁か何かの中に、どこでお話しになったかわかりませんけれども、このままでは世界世論の袋だたきになるから、協力を強めなければならないということを発言したというのをどこかで読んだ覚えがあるのですが、そういうあいまいなところに問題があると思うのです。やはり早急に、国民のすべてが賛同するような、はっきりした目的意識を持った海外経済協力なんだということをお示しいただく必要があると思うのですが、その点どうでしょう、
○倉成国務大臣 その国々にとって国情も違い、また発展段階も非常に異なっておるわけでございます。したがって、私が先ほどプロジェクトの選定について十分考える必要があるということを申し上げたのは、そういう意味を含めて申し上げた次第でございます。 いまお話しのように、もっとわかりやすく、もっと次元の高い、そういう経済協力の理念を国民の前に明らかにしていったらどうかという御提言でございますが、これは私も賛成でございます。
○馬場(猪)委員 わかりにくい一つの中に、どういうプロセスを経て、その協力がなされておるかということについて、私どももまだ不勉強でわからない点が多いわけですが、たとえば、ソウルの例の地下鉄に対する供与については、どういう形で基金と企画庁あるいは外務省というふうに協議をなさっていくのか、ひとつそういうプロセスをお教えいただきたいと思います。
○倉成国務大臣 一般的なものから申し上げますと、融資決定のプロセスは、政府交換公文に基づいて行われるところでございます。関係各省庁、これは外務、大蔵、通産、経済の四省がこの経済協力に関与しているわけでございますけれども、政府間の交換公文の内容は、借款の対象であるとか、金額あるいは金利、期間、基本的な事項について協議を行って決定をするということになっております。そして、この決定に基づきまして、基金は、この交換公文に基づき相手国政府等と借款契約を締結しまして、それに従って貸付業務を行うということになっておるわけでございます。 ソウル地下鉄の融資の場合につきましては、これらの直接借款における融資決定プロセスの概略と、それから関係各省庁の権限関係というのは大体一般的なものと同じでございまして、経済企画庁はこのプロセスに従いまして、基金が貸付業務をいたす際に、その事業計画、資金計画、そういうものの認可等を通じて、指導、監督を行っているということでございます。
○馬場(猪)委員 そうすると、四省が協議をして基金が出した事業計画というものに基づいて融資の決定をなさるわけですから、その間にどういう目的で、どれだけの金額か、期間や利率その他を定めているということですから、四省の中でも基金と一番直接関係のある経済企画庁は、当然内容について、その時点で相当詳しく知ることができるはずだと思うのです。後になって、すでに執行されてから後に監査をするということになると、外国であったり、あるいはまた外国の企業であったりということで監査はできませんけれども、その時点で、その事業の内容については企画庁としては、ある程度把握していらっしゃるはずなんです。そういうことはその途中、執行する以前に、ソウルの地下鉄なら地下鉄の事業について、そういう資料というものは当然おありになると思いますが、その時点では、いま起こったような問題については、はっきりとお答えいただくような資料をお持ちじゃなかったわけでしょうか。
○倉成国務大臣 御質問の趣旨が、どういう内容のものであるかということが必ずしも明らかでございません。したがって、恐らくいまの御質問の趣旨は、たとえば地下鉄の問題についての原価計算みたいなものが、あらかじめあったのじゃなかろうか、そういう御質問であれば、基金のチェックというのは、そういうものではない。援助の目的に合致するのかどうか、これが十分援助目的に従って行われ、また償還の見込みがあるかどうか、そういう角度に立って借款というものは行われるものでございますので、いま私が想像するような点について、あらかじめ資料があったかということでございますれば、あらかじめそういう資料はなかったと申さなければならないと思います。
○馬場(猪)委員 一つの事業に対して、いまのソウルの例を申し上げますと、地下鉄の総延長が幾らであり、事業費が幾らであり、それに基づいて金額であるとか、利率であるとか、期間であるとかということを当然決められるはずなんです。そういうこと一切なしに、握りでお貸しになるということですか。
○倉成国務大臣 ただいまのような問題は当然承知してやっているわけでございます。私が申したのは、原価計算とかそういうものはないというお話を申し上げたので、その点は御理解いただきたいと思います。
○馬場(猪)委員 そうしますと、総体の事業計画の中での車両経費は幾らというようなことは当然わかるはずですね。台数もわかれば、あるいは単価——地域によって幾分加工も違うでしょうし、いろいろな条件もあると思いますけれども、最初の見積もりは、ほぼどれくらいの程度の価格の車両を何両というようなことくらいはわかるわけでしょう。
○倉成国務大臣 大体の概要についてはわかるわけでございます。しかし、最終的には相手国政府が所定の手続に従って、それを処理するわけでございますから、日本の企業との間の契約を結ぶわけでございますから、したがって、それについて著しい価格やその他の点で不当な点がない限り承認すべきものである、そういう考え方に立っておる次第でございます。
○馬場(猪)委員 きっちりしたことはわからなくても、大体の概略についてはわかるというようにおっしゃったわけですから、最初に借款供与した時点での車両一台当たりの価格と実際の価格との間には食い違いがあったかなかったか、そういう点はもちろんわかりますね。食い違いがあれば、見積もりと大分違えば、それはなぜかというようなことは当然お調べになったはずでございましょうね。
○石原参考人 交換公文ができます過程につきましては、企画庁長官がお答えになりましたところでありまして、基金の方といたしましては、それから後の段階になるわけであります。交換公文ができますと、相手国政府が基金に対しまして実施計画を持ってまいるわけであります。当然それは先ほど長官が御説明になりました交換公文、いまお尋ねになっておられます金利でありますとか、期間でありますとかと関連をいたすわけでありますが、そういう事業計画書を持ってまいりますので、基金といたしましては、それを受けまして、いわゆる審査ということを行うわけであります。 これは午前中にもお答えをいたしたわけでありますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、簡単に申せば、計画が、それでうまく実施できるのか。経済情勢、それ以外の地域的な情勢、そういうようなことから見まして、それがうまくやれるのかどうかという点にポイントがあるわけでございまするから、そういった背景に属しまする問題、あるいは計画自身として健全であるのかどうか、財務状況でありまするとか、当然そういうものも見るわけでありますし、同時にまた価格もその中に出てまいるわけであります。 交換公文では、御承知であろうと思いますが、総額を決めておりますので、それを幾つかの部分に分けまして、この計画では幾ら、この計画では幾らというような形のものを交換公文の範囲内で、借款契約の内容として審査の結果、基金の数字が固まるわけでありまして、それに基づきまして、いわゆる借款契約、ローンアグリーメントと称しますものを締結をいたすわけであります。その場合には、全体の数字ではなくて、個々の内容になります計画につきましての金額を決めておるわけであります。
○馬場(猪)委員 そういたしますと、最初は全体の額が来て、ある程度の概略の数字はあるけれどもと言われたわけですが、レールに幾らとか、工事に幾らとか、車両に幾らとか、そういった明細についても、当然最初の段階で出てきているはずでございますし、そういうことは経済企画庁長官の認可を求めてやるはずですから、基金と企画庁との間に、その認可をもらうために、詳しい打ち合わせば当然やられているはずだと思うのです。そうですね。
○石原参考人 政府側で処理をせられますのは、交換公文の成立の段階で一応終わるわけでございます。したがいまして、それ以下の借款契約を決めます段階からは、すでに基金に移るわけであります。基金といたしましては、先ほど申し上げましたように、総額の範囲内で幾つかの内容をなします計画が、こういう金額になるということを決めまして、それがいわゆる借款契約として調印をせられる、その額が決まるわけであります。その段階におきまして、個々の借款契約を決めますときに、一々企画庁に承認をいただくということはやっておりません。
○馬場(猪)委員 そうしますと、一応方針が決まったら、基金独自でその価格の内容とかそういったことを全部お決めになって、経済企画庁も外務省も関係ないわけでございますか。
○石原参考人 事柄が異例に属しまする場合、そういうような交換公文で決めておりまする、たとえば期限がどうなるというような問題になりますると、これは借款契約の必ずしも時期ではございませんが、後、実行に至りまして、貸付期限を延長せざるを得ないというような事柄が起こるわけでございまして、そういう場合には当然政府側の御承認をいただいておるわけであります。
○馬場(猪)委員 内容に変更があったときとか、そういうときだけその変更について企画庁に承認を求めるということですか。
○石原参考人 ただいま具体的に申し上げましたように、貸付期限の延長というような、大きな変更がございますれば、当然政府側の御承認をいただくということでございます。
○馬場(猪)委員 海外経済協力基金法の二十二条によりますと、「業務方法書を作成し、経済企画庁長官の認可を受けなければならない。」そして「前項の業務方法書には、資金の貸付けの方法、利率及び期限、出資の方法、元利金の回収の方法並びに事務の委託の要領等を記載しなければならない。」ということになっているわけですから、当然内容についても、事前に経済企画庁の承認を求めるべき資料も、ついておるはずだと思うのです。ですから、基金独自で判断をして勝手にやるということじゃないと思うのですが……。
○石原参考人 業務方法書は、基金として業務を行いまする場合のルールでございます。一般的なルールでございますから、これにつきましては、もちろん企画庁の承認を得て決めているわけであります。
○馬場(猪)委員 それから、ソウル地下鉄に対する一つの事業なら事業についての、そういう報告義務というものはないわけですか。認可を求めるというような必要もないわけですか。
○石原参考人 ソウルの地下鉄に幾ら貸すという具体的な計画につきまして、各個に企画庁の承認をいただくということはございません。 なお、申し上げておきますが、先ほども御指摘がございましたように、年度の事業計画というものは企画庁の承認をいただくわけであります。しかしながら、その際には、ソウルの地下鉄が幾らというような形にはなっておりませんので、全体としての事業計画は企画庁の御承認をいただいている、こういうことであります。
○馬場(猪)委員 全体の計画は御承認をいただくけれども、個々の内容については全然関係ないと言えば、言い過ぎになるかもわかりませんが、企画庁に対しては、何も資料を出さなくて済むわけですか。
○石原参考人 先ほど申し上げましたように、交換公文は政府側でお決めになるわけであります。したがって、これは一本の金額でございますけれども、それを具体的な計画に割るわけでありますから、その総額はもちろん政府のお決めになります交換公文の中の金額と、その範囲内でなければならぬわけでありまして、その範囲内で各個の計画に割っていく。したがいまして、総額は政府がお決めになるということであります。それを各個の計画に割っていく場合に、各個の計画につきましての借款契約の御承認をいただくということは、いたしておりませんということを申し上げておるわけであります。
○倉成国務大臣 海外協力の業務というのが大変複雑で、かつ専門的であるということから、海外経済協力基金が設けられておる次第でございます。したがって、そういう複雑な、専門的なことを扱うのが基金であるということで、私の方では、この指導、監督はいたしますけれども、小さい——小さいというと言葉は悪いですが、個々の問題については、基金が適切にやっていただくように監督をしていくというのがたてまえでございます。
○馬場(猪)委員 借款なら借款について、全体額は政府が関与するけれども、具体的な内容については政府は関与せずに、基金独自で全部それをやっていく、そういうことでございますね。 そうすると、基金が事前にきちっとしたチェックができなかった場合には、これはどこもチェックするところは全くないということになりませんか。
○倉成国務大臣 企画庁は経済協力基金の監督官庁でございますので、その執行状況について適宜報告を求めて、また必要がある場合には個別的な指導を行うというたてまえになっておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 そうしますと、今度のように疑惑になったソウルの問題について、基金からいろいろの資料の提供を求めて、疑惑を解くような作業というものは当然なさったはずなんですが、それはなさいましたか。
○倉成国務大臣 予算委員会その他の委員会において、各委員からいろいろな御要求が出てまいっております。したがいまして、この御要求にできるだけこたえるように基金として勉強してもらう、そして、その御要請にこたえられるだけ、こたえるようにという指示をいたしておる次第でございます。
○馬場(猪)委員 午前中の原委員に対する御答弁の中でも、相手が外国のことでもありますし、なかなか監査とかそういったことはできないということなんですが、問題が起こってから調べたのでは遅いわけですから、当然監督官庁である経済企画庁は、総額を決める前に、地下鉄工事なら地下鉄工事全般について、一つ一つの問題を積み重ねていって、総額を決めるはずだと思うのです。そういうことでなしに、地下鉄工事総額何ぼということだけで承認をなさっているはずはないと思いますが、そういうことをせずに、基金に全部任せっきりということなんでしょうか。
○倉成国務大臣 ただいまの御質問は、一つ一つのということでございますけれども、恐らく原価計算みたいなニュアンスでの御質問のように承ったわけですが、そういうことになってまいりますと、基金自体が、そういう原価計算的な価格のチェックはいたしておりません。また、そういう権限も持っておりません。したがいまして、相手国が正規の手続によって決めた価格でございますから、それについていろいろチェックをするということになれば、よほど常識を外れた価格であるというような場合には、当然チェックが行われるわけでございますけれども、個々の積み上げ作業はいたしてないということでございます。 したがって、各委員会等で、いまいろいろ御要望がございまして、原価計算的な要求が出てまいっておりますので、本来は、なかなか基金としては、むずかしい仕事でありますけれども、できるだけ御要望に沿うように各方面の方々から情報を集めて、そして御要望にこたえてきたというのが実情でございます。
○馬場(猪)委員 いまの御答弁によりますと、非常に専門的な問題であって、結局そういう専門的な問題は、基金に全部任せてある、そして基金は、その専門的な立場で、細かい積み重ねとか原価計算もせずにやっているのだ。そういうところが、結局、基金の融資に対して非常な疑惑を持ち、また暗いイメージを持つ大きな原因になるだろうと私は思うのです。そういう意味では、もっとオープンに基金の融資の内容とか、あるいは、そのプロセスなんかがわかるような方法というものがなければ、いつまでも基金に対しては暗いイメージがつきまとうと思うのです。その点では、もっと事前から国会の場でも、あるいは一般の国民にもわかるような方法をお考えいただく必要があると思うのですが、そういう御意思はおありになるかどうか。
○倉成国務大臣 私が申し上げていることと馬場委員のお話と、基本的に少し食い違っていると思うのでございます。馬場委員は、そういう原価計算的なものをやって価格をチェックしようというお立場かと思うわけでございますが、われわれは、そういう立場をとるべきでない、またとり得る立場でない、そう考えておるわけでございまして、その点が非常に大きく違うわけでございます。
○馬場(猪)委員 いまソウルの地下鉄の話ばかり出ておりますが、そのほか港の開設だとか、多目的ダムとか、たくさんの事業をやっていらっしゃるわけです。その事業について、どれぐらいの予算のもので、どれぐらいの内容のものだということが明らかになってこそ、なるほど、それだけの融資をするのは当然だ、借款供与をするのは当然だという理解が得られると思うのですが、いまの仕組みであれば、間のプロセスが全くわからないままで借款が供与される形になっているわけです。ですから、そういうところがもう少し明らかにならぬでしょうかと言っているのです。
○倉成国務大臣 政府は相手国に対する借款を与えるわけでございます。そして基金との間で借款契約が結ばれるわけでございますけれども、その際に、相手国が所定の手続をとって、そして行っていることでございますから、それにクレームをつけるということになれば、それはよほどの何か理由がなければならないというわけでございまして、原価計算をして、それによって、これは高いの安いのと言う筋合いのものではない、そういうことを申し上げているわけでございます。 したがって、どういう内容のものであり、どういう形のものであるかということについては十分承知するわけでございますけれども、その最終的な価格についての判断というのは、原価計算的な積み上げをしたものではない、そのところが、ちょっと馬場委員と私の意見と食い違っているのではなかろうかと思うわけでございます。
○馬場(猪)委員 時間が参りましたので、それ以上深くは申し上げませんけれども、内容がわからないまま、相手国の出すものについては、ストレートにそのまま認めるということが納得がいかないわけです。そういう点に、いろいろ疑惑を招いている原因もあるのではないかと思うのです。 そういう意味で、もう少し国民にわかりやすい基金のあり方というものを検討していただく必要があるのではないかと思いますが、その点についても、そんなにわかりやすくする必要はないというふうにお考えでしょうか。
○石原参考人 やや技術的な問題にもなりますので、私からお答えを補足させていただきます。 先ほど来、長官の申されましたような手順で仕事が流れてまいるわけでありますが、その中で、交換公文がある総額で締結をされる、それにはおのずから、ある積算がありまして金額が出ているという点は、馬場委員仰せのとおりであります。しかしながら、それは交換公文が拘束力と申しますか、ある金額の限界になりますことは確かでありまして、幾つかのプロジェクトを含みました交換公文の金額を、さらにまた幾つかの具体的な計画に割るわけでありますから、その際には、金額の総枠の範囲内でございますけれども、内訳は、政府当局がはじかれたところと必ずしも合わないということもあり得るわけであります。 そこで、いまおっしゃいます原価計算以下の問題でございますけれども、私どもは、先ほども申し上げましたように、借款契約を調印をいたす前に、審査という手順がございまして、これは現地にも出かけていきまして、大体こういうようなことで仕事ができるようだという判断を持ちました上で借款契約を締結するわけであります。 そうしますと、その具体的な実行をいたしますものは、相手国の政府あるいは政府機関などでございます。それと供給者の間の供給契約になるわけでありまして、入札手続ということに相なるわけであります。入札をいたしますと、その段階で相手国の政府なり政府機関は、それを評価と申しますか、おのおのの入札で、必ずしも最低入札に落ちるわけでもないわけでございます。 たとえば一番最低入札をしたけれども、そのものはどうも能力が足りないようだということでありますれば、必ずしも最低入札者にばかり落ちるわけではございませんが、いずれにいたしましても、入札手続をいたしまして、こちら側に契約の承認を求めてまいります。その場合には、審査の段階に引き続きまして、先ほど来長官が申されますように、個々の原価計算をしてもらって、それに立ち入るというわけではございませんけれども、まず、それに類似の取引の例がございますから、その類似の取引の例を見まして、さらに専門家の意見を徴したりいたしまして、大体この価格で妥当であるというような見当をつけましたところで、こちらがその契約の承認をいたすということでございますから、原価の内容に一々立ち入っているわけではございませんけれども、価格そのものは、それで問題がないんじゃないだろうかというような判断を持ちました上で契約の承認をいたす、何分にも相手国の政府ないし政府機関と日本側の供給者との間の供給契約の問題でございまするから、こちらが一方的な、これでなければならぬという立場では必ずしもございません。 しかしながら、やはりそれには問題のない程度の価格であるということは必要でございまするから、その点の審査もいたしまするし、専門家の意見も聞いて、その上で最初に申し上げました借款契約も締結いたしまするし、入札後の価格につきましての、またそういう意味での審査になるわけでありますが、そういうことをいたしました上で当方が融資をいたすという段階に入るわけであります。
○馬場(猪)委員 もう時間がないので、これで終わりますけれども、やはり何か疑惑が生じたときには、すぐにそうじゃないのだ、現に審査をなさっているわけですから、その審査の結果で、こう疑惑はないのだというふうなことが明らかに対応できるような、国民の前にもっと明らかにできろような、そういうシステムにひとつしていただきたいということを要望申し上げまして、一応終わりたいと思います。
○原(茂)委員長代理 春田重昭君。
○春田委員 私は、景気対策と、それから物価対策の二面につきまして御質問を展開してまいりたいと思いますが、最初に景気対策の問題につきまして長官にお尋ねするわけでございますが、現在、日本経済が当面している最大の問題というものは、三年来の不況ということでございまして、この不況を何とか克服して景気をもたらす、こういうことでございますが、せんだっても、ある中小企業の経営者が言っておりましたけれども、しみじみと申した中にも、その心境というものがうかがえるわけでございまして、現在まで、三年来の不況で今日まで何とか命をつないできたのは、あの石油危機以前の備蓄をしていたものを、たとえば預金とか株とか土地とか建物とか、そういうものを切り売りして今日まで来たんだ。ところが、ことしも従来どおりの景気が回復しなかったならば、お手上げである、このように経営者が言っているのを私聞いたわけでございますけれども、このことは、この中小企業の一人の経営者の泣き言といいますか、言葉でなくして、私は日本全体を覆っている、そういう経営者の大きな問題ではなかろうか、このように思うわけでございます。 当然備蓄がなかった業者等においては倒産という憂き目に遭ってきているわけでございまして、先日の新聞の報道を見ても、三月の倒産件数が千七百六件ですか、史上最高というそういう結果も出ております。 私は、この結果というものは、やはり政府の経済の見通しが甘かったことではなかろうか、こういうことで断ずるわけでございますけれども、最初に長官として、この日本経済の再建に対して、いかなる対処を今日してきたのか、また今後していこうとするのか、その対応策を最初に御説明願いたいと思います。
○倉成国務大臣 オイルショックの後の日本経済を考えてまいりますと、御案内のとおり一挙に原油の値段が四倍になったということで、石油をほとんど海外に仰いでおります日本としては、大変な打撃を受けたわけでございまして、まず、物価が狂乱物価と言われる。卸売物価も小売物価も二〇%以上の高さでありました。また、四十八年の国際収支は百三十億ドルの赤字ということでございます。そうして、なお最近において初めてのマイナス成長を経験したわけでございます。従来、実質一〇%以上の成長をずっと続けてまいりましたのが、マイナス成長という形になったわけでございます。 これを、この三年の間に、物価もまだ高い水準でありますけれども、一けたになった。また、国際収支の面においても黒字になった。同時に成長におきましても、五十一年度の成長というのは、恐らく政府見通しの五・七%程度を達成することができる。そういう段階まで回復してきたということで、国際的に見ますと、日本の経済の対応は非常にうまくいった方ではなかろうかと思うわけでございます。 なお、日本の景気は昨年の一月くらいから非常に上昇してまいりまして、景気が上向いてきたわけでございますけれども、昨年の夏ごろから個人消費の低迷、また輸出が世界景気の後退から、少しダウンしてきた、あるいは公共支出が少し伸び悩んだ。これは国鉄や電電や地方財政の問題等がございますし、いろいろな原因があるわけでございますが、いずれにしましても、昨年の夏から少し景気の回復がダウンしてきたという状況でございまして、GNPの対前期比を四半期別にとっておりますけれども、昨年の十−十二月は前期に対しまして〇・六という数字でございまして、全体としては回復しておりますけれども、非常に速度が緩やかであるという状況が続いておるわけでございます。 したがいまして、いまお話しのように各業種間、企業間に非常に格差があることでございます。業種によって、自動車やその他電機等でまだかなりいいところもございますけれども、繊維とか、平電炉であるとか、精糖であるとか、その他の造船であるとか、そういう非常に構造的に不況の業種がございますし、また同じ業種の中でも企業間の格差がある。したがって、これが地域間の格差となってあらわれているというのが現況でございます。 その中で、特に中小企業については、いまお話しのように、たとえば繊維等でありますと、昨年ちょっと価格景気が出たという点で、その場合に若干の蓄積ができた。それをだんだん食いつぶしてきておるというのが、いまの実情ではないかというのは御指摘のとおりでございまして、やはり少しだらだらした景気回復、かつてのような急角度の上昇というのがなくて、だらだらずっと、少しずつマクロで見ると、回復していると言いながら、そういう状況が長い間続いておるので、非常にくたびれてきたというのが、いまの現況ではなかろうか、特にそのしわが中小企業に寄っておるという点は、私も全く同様だと思います。
○春田委員 私は、対応策を聞いたわけですが、いろいろ御説明があったわけでございますけれども、政府としては、昨年の十一月九日、七項目の景気対策を行いまして、何とか景気回復の決め手にしていこうとされたわけでございます。さらに引き続きまして、二月二十二日に補正予算を組まれて、それを目玉として何とか景気を回復しようと努力なさったわけでございますけれども、産業界の声としては、今日まで余り波及効果が出ていないじゃないかという批判の声も上がっておりますけれども、長官としては、この七項目と補正予算を組まれて、現時点で、どういう形でそれが反映されているのか、その辺を御説明願いたいと思います。
○倉成国務大臣 七項目については、もうすでに御承知のことと思いますので、もし御質問があれば、細かく申し上げたいと思いますが、時間の関係上、省略いたして、ポイントだけを申し上げますと、昨年の十一月に、公共事業の執行を促進する、特に、国鉄、電電の法案がおくれたために国鉄、電電の工事が非常におくれてきたわけでございます。したがいまして、国鉄、電電に対する措置をいたしまして、そのおくれた工事を取り戻すという問題と、それに住宅建設、こういうものが大体七項目の目玉になっておるわけでございます。それとあわせて、ことしの初めに補正予算を御審議いただきまして、通過させていただいたということでございます。全体として、合わせて需要創出効果としては、一兆円程度のものを私ども考えておるわけでございます。 それじゃ具体的にどうかということになりますと、ことしの一−三月の四半期の国民所得の速報というのが、まだ出ておりませんけれども、最近の指標を見ますと、こういうことになっております。 まず、財政の支出でございますが、公共事業の請負金額というのが、ことしの一月で、前期比にいたしまして六・三、二月には一八・四というふうに、公共事業の請負金額の実績が非常に増加いたしておりまして、三月には、これが四二・二ということで、このところ公共事業の工事請負というのが非常に大きく出ておるわけでございます。したがって、ことしの一月に入ってから公共事辛がかなり伸びておるということは、この数字からもうかがえるところでございます。 それから住宅にいたしましても、新設の住宅の着工戸数が、ことしの一月は前月に比較いたしますと、一四・六%上がっておる。前年同月比にいたしましても、八・九%上昇ということでございまして、住宅着工も順調であるということでございまして、これらは、いずれもやはり七項目、補正予算の効果が出つつあるというふうに私どもは判断をいたしておるような次第でございます。
○春田委員 大臣としては、効果が出てきている予想が非常に強いということをおっしゃいましたけれども、私、倒産件数を調べてみましたら、昨年の十一月が一千五百九十八件、十二月が一千六百八十五件、一月が千二百八十五件、二月が千三百六十四件、三月が先ほど言ったように千七百六件、このように、補正予算と七項目の緊急対策をされたわりには、効果が出てきていない。先ほど大臣は、業種間の格差が出てきているということをおっしゃいましたけれども、業種間の格差の問題は、確かに、倒産件数の九九%が中小零細企業で占められている、こういう問題があります。 こういう問題は別の機会に譲るとしましても、そういう面においては非常に偏った景気の回復の面があるのではなかろうか、このように私は理解するわけでございまして、全国的なレベルでは若干上がっているとしても、倒産件数が、それを如実に示しておるわけでございまして、その波及効果は余り出ていないのではないか、このように私は思うわけでございます。 そういう点で政府としては、さらに新年度におきまして四項目の景気対策を立てられたわけでございますけれども、内容としては、一つが公共事業の早期執行、二番目が住宅建設の促進、三番目が金利の引き下げ、四番目が民間設備投資の促進ということで重点項目を挙げられたわけでございますが、この項目の一つ一つにつきまして、さらにお尋ねしたいわけでございます。 この公共事業の早期執行ということでございます。上半期、四月から九月の間に七〇%集中して契約し、発注したい、このようにお考えになっているそうでございますけれども、昨年の例をとってみますれば、七〇%の目標が大きくずれ込んだ例もあるわけでございまして、公共事業が景気を刺激する度合いについても、議論は別の機会に譲るとしても、この新年度の七〇%発注の目標が達成されるかどうか。昨年の例もあるわけでございますので、その根拠というものを大臣からお示し願いたい、かように思うわけでございます。
○倉成国務大臣 政府の持っている手段として公共事業、特にこれを使いまして早期執行によって景気浮揚を図りたいということでございますので、私どもは上期の契約率の目標をおおむね七〇%程度といたしておるわけでございまして、各事業所、所管官庁において事業実施計画をつくってもらう、そして財政当局と協議をするという準備作業を進めていただいてきておった次第でございます。したがいまして、予算が成立いたしましたら、すぐでも着工できるような準備をしてほしいということを、関係各省にも、また同時に地方自治団体にもお願いをしている、あるいは公社、公団等にもお願いをしている、そういうことでございます。 過去の状況を見ますと、五十一年度が六五・三、それから五十年度が六八・三というのが契約率でございますが、平常年度、四十三年度から四十五年度の平均をとりますと六六・五ということでございます。したがいまして今回の場合には、特に公共事業に期待されるところが大きいわけでございますから、必ずこの契約率が達成できるように、関係各省を督励いたしまして努力をいたしておる次第でございますので、この契約率は達成できるものと確信をいたしております。
○春田委員 そこで各地方自治体の公共事業に対する裏負担の問題があるわけでございますが、昨年でも、地方自治体におきましては、確かに公共事業を推進したい、しかし裏負担が相当きついので、やろうと思ってもできないんだ、こういう問題があったわけでございます。これらの問題につきましては、大蔵省や自治省の直接の問題だと思いますけれども、長官としては、この点は問題ないとして考えているのか、ひとつ御答弁願いたいと思います。
○倉成国務大臣 お話のように、せっかく政府が施策を立てまして仮に補助金を流しましても、地方自治団体の方がこの裏負担ができない、あるいは地方自治団体の方が単独事業が財政難のために、うまくいかないということがあれば、なかなか景気浮揚に役立たないわけでございます。昨年の夏ごろ、やはり地方財政が必ずしも思わしくないというようなことで、地方団体の方において単独事業等の執行を差し控えるという状況があったと思います。したがって、ことしは、そういうことのないようにしていかなければならないということを特に考えまして、五十二年度予算を編成する際に、地方財政については格段の配慮を払うということを今回の予算編成の中において申し合わせたような次第でございます。 したがいまして、ことしは幸いにして地方財政の方も、五十一年度の方も税収あるいはその他の面において若干好転してきておりますし、これは恐らく結果が出ることでありますが、好転してきておりますし、五十二年度におきましても、政府の方でも大変努力をしていただきまして、地方財政については、めんどうを見ておりますので、当初の地方財政の予算の計上の状況等を拝見いたしましても、かなり積極的に投資的な経費を組んでおるということでございますので、運営のよろしきを得れば、五十二年度においては、地方財政が足を引っ張るということはないと思っております。
○春田委員 この問題につきましては、大蔵省、自治省の所管のときに、また質問を展開していきたいと思っております。 さらに住宅の建設でございますけれども、政府経済指標によれば、民間で約一六・五%の伸びを見ておられます。また政府資本の伸びの中におきましても、公団、公社等の建設等積極的にやっていくように伺っておりますけれども、この住宅建設でございますけれども、最近の自治体は、ミニ開発その他の住宅建設につきましては非常に敬遠しているわけですね。そういう点で、都市計画法等におきまして厳しい規制をやっておりますし、果たしてこれだけの伸びが行けるかという問題があるわけです。また政府関係の公団や公社におきましても、非常に距離的にも遠い、家賃等が高い、それから不便だというそういう問題で、最近の新聞でもにぎわしていますように空家がふえております。そういう点から考えて、相当な伸びを見ておられますけれども、私自身としては非常に懸念するわけでございますが、住宅建設につきましては、目標どおりの達成が行けるかどうか、大臣として自信があるかどうか、その点をお伺いしたいわけでございます。
○倉成国務大臣 私どもは住宅建設に非常に大きな期待をかけておる次第でございます。五十年が大体十一兆一千億ぐらい、それから五十一年度十三兆、来年度十五兆二千億ぐらいという見通しでございます。したがって、大体この程度は行けるんじゃなかろうかと思います。 いまお話しの点は、公団住宅について七万戸の分で一万戸ぐらい計画を削減したというお話でございまして、これは公団のあり方について、いろいろ御批判があることであり、われわれとしても、もっと本質的に考えていかなければならないと思っておりますけれども、個人の住宅需要というものは非常に根強いものがある。また地価にいたしましても、現在のところ比較的安定をしている。また建設資材にいたしましても、木材あるいはセメントその他の鋼材等についても、比較的価格が安定をしているという状況でございますので、相当程度の住宅が建設されましても、決して価格等で大きな高騰を来すということはないであろうと思いますので、問題は住宅ローン等について、さらに積極的に推進をしてまいれば、私どもの目標としております住宅建設は十分できる、そう思っております。また、これをいたしたいと思っております。
○春田委員 経済企画庁が実際にやるわけでありませんので、その取りまとめ役が経済企画庁でございますので、さらに突っ込んだ質問ができないと思いますけれども、いずれにしても、土地の価格は先日の公示価格の発表でも、全国平均で一・五%ですか、さらに都心部においては相当な高騰を示しているわけですね。そういう面においては、住宅部門においては従来にない相当な費用がかかりそうだということも、やはり大臣としては知って、その辺の調整をとっていただきたいと思うわけでございます。 さらに金利の問題でございますけれども、三月十二日、公定歩合を六・五%から〇・五%下げて六%にしたわけでございますけれども、その後総理は、いろんな機会でおっしゃっておりますけれども、この公定歩合の引き下げにおきましては、内外情勢の動きを見て機動的に対処したい。再引き下げの意向を示しているわけですね。一昨日の地元群馬の記者会見の中においても、そういうニュアンスのことをおっしゃっておりますけれども、長官としては、この公定歩合の再値下げの問題ですね、この辺につきましては、どのようにお考えになっておりますか。
○倉成国務大臣 お答えしたいと思います。 公定歩合政策は日銀政策委員会の専管事項でございます。したがいまして、私がここで云々するのは適切でないと思います。ただ景気の現況を見ながら財政政策あるいは為替政策、産業政策とあわせて金融政策が有力な景気調整の手段であるということは承知いたしておるわけでございます。しかし御案内のとおり、先般三月の十一日に公定歩合を〇・五%引き下げを決定したばかりでございますから、いましばらく様子を見ていこうというのが政府全体としての姿勢でございます。
○春田委員 長官もきょうの新聞をお読みになったと思いますが、朝日のトップ記事では「公定歩合再下げ、来月中旬にも」という大きな一面のトップ記事で出ているわけですね。「幅は〇・五—一%」ということで「政府・日銀筋」ということで書いてあります。ところが、同じ新聞でも日経新聞等を読んでみれば、見出しは小さいわけでございますけれども、昨日の日銀の全国の支店長会議で日銀総裁が言っているのは、当面公定歩合の引き下げについては前回の効果を見守る、このように発言しているわけですね。 お互い新聞両方見た場合、相反するそういう記事になっておりますし、非常に興味をそそるわけでございますけれども、大臣としては、日銀の専管事項ということで直接の所管ではないわけでございまして、上げる下げるということは、直接のあれはできないと思いますけれども、経済企画庁としても、この公定歩合の問題については、最大のやはり関心があるんじゃなかろうかと思いますし、けさの朝日新聞のトップ記事につきまして、どのような御見解を持っておられるか、お尋ねしたいと思うのです。
○倉成国務大臣 私もよくその朝日の記事を読んでおりませんけれども、それぞれの新聞社によりまして願望と申しますか、いろいろな推測記事が出てくるかもしれません。しかし本来が、公定歩合は日銀政策委員会が経済情勢を見ながら判断すべきことであろうかと思うわけでございまして、私としては、経済の情勢を見守っていくというのが現在の姿勢でございます。
○春田委員 この新聞が出されまして、大臣としては、日銀の方に問い合わせるということが私は必要でないかと思うのですが、そういう問い合わせをされましたか。
○倉成国務大臣 私のところにはいろいろな方が、いろいろな意見を持ってこられたりいたします。そして新聞も千差万別、いろいろな記事が出るわけでございまして、一々これを問い合わせをするということはいたしておりません。しかし、公定歩合について重大な関心を持っていることは事実でございます。公定歩合に限らず森羅万象、経済の問題については日本国のみならず、世界じゅうのものについて関心を持っておるというのが私の姿勢でございます。
○春田委員 それはいろんな問い合わせや、いろんな記事が出るでしょう。しかし公定歩合の問題につきましては、いま産業界初め各企業においても相当な関心を持っているわけですよ。そういう点では、問い合わせしないというのは、私は、ちょっと大臣としては、その辺消極的だなと思うわけです。大臣みずから聞かなくても、側近の方がいるわけでありまして、こういうトップ記事で出る以上においては、問い合わせても何ら損はないと私は思うのです。そういう点では大臣としては、もうちょっと積極的な姿勢を示して、この公定歩合については関心を持っていただきたい。もしこれを業界として変にとってしまったら、混乱するわけですよ。 そういう面で、私は大臣としては、もうちょっと積極的にやるべきではなかろうかと思うのですけれども、どうですか、もう一回。
○倉成国務大臣 先ほども申しましたように、公定歩合というのは日銀の政策委員会の専管事項でございまして、この公定歩合をどうするかということは、その決定の瞬間まで、これを外に言わないというのが常識でございます。したがって、新聞記事が出たからといって、これを一々問い合わせをするとかいうようなことは、やっていないということでございますし、また仮に問い合わせたからといって、どうでございますという答えがはね返ってくる性格のものではございません。したがって、非常に深い関心を持っているわけでございまして、積極さにおいては、決して委員にも劣らないだけの気持ちを持っておりますけれども、一々そういう記事に基づいてどうだこうだということをやるべきではない、そう考えております。
○春田委員 大臣として深い関心を持っているのであれば、聞いても何ら損はないのではないかという気持ちで私は言っているわけでありまして、大臣みずから聞かなくても、側近の方が聞いてもいいわけでありまして、しかも新聞のトップ記事なんですから。その辺は議論していても、お互い平行線をたどりますので、この辺で終わります。 それで、大蔵省の方おいでになっていると思いますが、この公定歩合の引き下げに対しまして、貸出金利の引き下げの件でございますけれども、現在長期金利の貸出金利におきましては何ら是正されていないと聞いておりますけれども、大蔵省としては、このことに対しまして、どのような御見解をお持ちなのか、篤とお答え願いたいと思います。
○藤田説明員 お答え申し上げます。 ただいまの御質問につきまして、われわれもいろいろと検討はしておるわけでございますけれども、特に民間市中金利の情勢を見ておりますと、長期の金利は短期の金利に比べて、まだ十分下降傾向が定着したとは言えない、そういう情勢にございますので、今後とも、そういう民間の市中金利の動向を十分見ながら検討してまいりたいというふうに考えております。 〔原(茂)委員長代理退席、委員長着席〕 それから政府系の金融機関の金利もこの際、引き下げを見送りまして据え置いたわけでございますけれども、これも政府系の金融機関は大部分が長期の金利でございます。国民金融公庫、中小金融公庫、これは平均三年ないし四年の長期の金利でございますので、民間の金利の動向をあわせて見守るということでございます。 ただ、中小企業の方々が最近非常に困っておられる、倒産件数がふえておるということも先生御指摘のとおりでございますので、われわれとしても、できるだけ金利の引き下げはやっていきたいということで、商工中金の短期の金利につきましては、去る四月四日に〇・一二五%引き下げるという措置を指導いたしまして、さらに本日、政府系の中小三機関によります関連倒産防止のための緊急融資措置というのを発表いたしましたけれども、これは原則として八・九%の基準金利でありますが、需要によっては引き下げを行ってもよろしい、こういうふうな方向でやるつもりでございます。 したがいまして、先生の御指摘につきましても、今後十分動向を見守りながら検討してまいるとともに、こういうふうな中小企業対策に万全を期している次第でございます。
○春田委員 公的機関でありながら貸出金利が高いという声も上がっておりますので、さらに努力していただきたいと思います。この貸出金利の引き下げも、景気回復の一つの大きな決め手ではだかろうか、このように私は思うわけでございます。 さらに、民間の設備投資の件でございますけれども、五十二年度においては、前年度に比べて名目で一二・二%の伸びを期待されております。ところが五十一年度の実績では、設備投資動向というものは前年度に比較して実質で二%、これに対して五十二年度の政府の当初の実質目標は七%であったと聞いているわけでございますけれども、これは間違いありませんか。確認しておきます。
○倉成国務大臣 五十一年度の見通しでございますけれども、民間設備投資は名目で八・九、実質三・八という見通しでございました。
○春田委員 五十一年度が実質三・八で、五十二年度は実質七%、約倍を見ているわけでございますけれども、その根拠はあるのですか。
○倉成国務大臣 設備投資につきましては、いま稼働率が非常に低い状況でございまして、特に製造業については設備投資の意欲が、いま非常に冷え切っておる。特に、製造業の横綱と言われる鉄鋼が、一通り大きな設備投資ができたという関係もございますし、稼働率が非常に低いということで、恐らく五十二年度は、鉄鋼の設備投資は大幅に減るのではなかろうかというふうに思っております。したがって、製造業全体としては減少というか、前年に比較すると減るのではないかという感じでございますけれども、非製造業の方、これは電力とか流通関係を中心とするものでございますが、この方面ではふえてくる。電力等についても、午前中に原委員が御引用になりました日銀の短観であるとか、あるいは開銀であるとかいう民間のいろいろなアンケート調査を見ましても、二〇%程度伸びるという見通しでございます。 そのほか、ストアであるとか卸であるとか、そういう流通関係の設備投資、それから、午前中も申し上げましたけれども、民間のいろいろな設備投資の調査というのは、全体をカバーしてないわけでございまして、大体三割から四割の間のカバー率、全体の三分の一ぐらいのカバー率でございますから、これらにのってこない中小企業その他の設備投資、これはその一つ一つをとると小さいものでありますけれども、しかし、いろいろな形で設備投資が行われておるという状況でございますので、多少公共事業等が出てまいりまして、景気が若干回復してくるなという感じを全体が持ってくれば、企業家が先行きに対する自信を持ってくれば、政府見通し程度の設備投資というものは出てくるのではなかろうか、そう思っている次第でございます。
○春田委員 企業によっては、かなりの在庫があるところもありまして、設備投資までいかないという声が多いと聞いておりますし、心配するわけでございます。 それで、いま大臣からも話が出ました電力会社の設備投資ですが、きょうの新聞を見ても、二〇・九%の伸びを期待するということが書いてあるわけでございます。何もこの数字を否定するわけではございませんけれども、いま電力会社も、この設備投資につきましては、立地条件という問題で地元住民との間で話がつかなくて、非常に難航している面が多々あるわけですね。二、三日前の新聞にも出ていたと思いますが、四国の方で用地部の主任が地元との調整がうまくいかなくて自殺したという、そういう悲惨な事例もあるわけですね。そういう面で電力の設備投資というものも私は非常に心配するわけですけれども、これは直接は通産省の関係だと思いますが、大臣としては、その見通しは間違いなく、この辺までいけるとお考えになっているのかどうか、お尋ねしたいと思うのです。
○倉成国務大臣 いまのお話の点は、非常に重要な点だと思います。電力の設備投資がうまくいくかどうかということは、地元の協力があるかどうかという問題にかかっておると思います。したがいまして、この点については、われわれもあらゆる努力を払って地元の方々の御理解を得るように、そしてスムーズな形で電力立地ができるように努力をしてまいりたいと思うわけでございます。 したがって、そういういろいろな問題ございますけれども、たとえば日銀が五十二年度については電力は二二%伸びる、それから開銀が一九・五、興銀が一九・九、長銀が一九・九、先ほど申しましたように、二割程度は伸びるであろうということを考えたときには、やはりいろいろな条件を考慮の上でこういうことを言っているわけでございまして、民間の機関が一致して少なくとも二割程度は伸びるというようなことでございますから、この程度のことはできるというふうに私は思っております。
○春田委員 電力の問題におきましては、原子力発電もあるわけでございまして、核の使用済み燃料の処理をめぐって、いまアメリカと丁々発止やっております。そういう問題もありますので、非常に心配するわけでございます。その辺のところは、通産省にしりをたたいて、ひとつ進めていただきたいと思うわけでございます。 さらに業界では、設備投資を行うことによって減税を唱えている企業が一部あると聞いておりますけれども、長官は、この点につきましてどのようにお考えになっていますか。
○倉成国務大臣 設備投資をした場合に税の控除を行う、すなわち、設備投資のインセンティブとしての税を考えるということは、景気刺激としての一つの有力な手段であると私自身考えております。ただ、これも財源を要することでございますので、国会での御論議の過程においては、所得税減税ということが中心で議論されたわけでございます。所得税減税をやるのがいいのか投資減税をやるのがいいのか、そういう点の議論であれば、またいろいろ議論の余地があろうかと思いますけれども、現在の時点では、すでに五十二年度の予算についても衆議院を通過して、与野党合意して所得税減税の三千億の追加というのが行われたという段階でございますから、現在の時点の議論としては、いささか時期が遅いのではなかろうか、そう考えております。 しかし、将来の課題として、景気刺激としての投資減税というのは、一つの有力な手段である、しかし、これも他の政策との比較考量の問題じゃなかろうかと思っております。
○春田委員 確かに大臣がおっしゃったように、増税してという、今日の財政事情の悪化のとき、逆戻りするようなことがあれば大変でございますので、この点は、やはり慎重に考える必要があるんじゃなかろうかと思います。 さらに、いま個人消費の問題出ましたけれども、この指標を見てみれば、伸び率は一三・七%と見ておりますけれども、減税による経済効果というものは、どのようにお考えになっているのか。この一二・七%の中には入っているのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。
○倉成国務大臣 減税の効果ということでございますけれども、いまの御質問の要旨は、恐らく三千億の追加減税ということが頭の中にあっての御質問じゃなかろうかと思うわけでございます。この点については、しばしばお答えいたしておりますように、まだその財源が余り明らかでないものですから、的確にこの減税の効果がどういうものであるかということを申し上げる段階でございません。ただ、一般的にわれわれの持っておりますモデルを使いまして議論をするとすれば、減税の効果というのは初年度において〇・八程度、こういうのが一般的な乗数効果でございます。すなわち、一千億の減税をすれば八百億の効果が初年度出る、こういう考え方でございます。
○春田委員 この減税の問題につきましては、再三総理が、減税の効果は景気浮揚には余り出てこないのだ、ほとんどが貯蓄に回っていくのだ、このようにもおっしゃっておりまして、いろいろ論議を呼んだわけでございますが、最終的には三千億の追加になったわけでございます。したがって、この三千億の減税を何とか消費の方に回して景気回復の一環とするべきであると私は思っておるわけでございますけれども、預金に回らないように、個人消費の喚起につなげるように経企庁としては何か考えておりますか。
○倉成国務大臣 これは、なかなかむずかしい問題ではなかろうかと思います。いまの消費性向から見ますと、仮に減税が行われましても、これが貯蓄に回るという可能性があるわけでございます。特にボーナス時期等で一緒にもらいますと、これはやはり貯蓄に回るという可能性が非常に強いわけでございますので、この点は、ちょうど公事業か減税かというときに予算委員会等で議論したことでございます。
○春田委員 先ほどの原委員の質問にもダブリますけれども、去る八日の物価安定政策会議では、本年度の経済成長率六・七%を達成するためには、現状のままではむずかしいだろう、何とか大きな対策が必要じゃなかろうか、それには大型補正予算等も必要じゃなかろうかということが指摘されているわけでございますけれども、先ほどの大臣の答弁では、現段階では考えていないということでございますが、五十一年度でも補正予算三千四百五十二億円組んでおられますね。この物価安定政策会議では、大型補正は秋ごろだということが予測されているのではなかろうかと思いますが、私としては、この五十二年度、年間を通して経済成長率六・七%を達成するためには、いわゆる補正予算を大臣としては必要でないというお考えをいまでもお持ちなのか、その点をお聞きしたいと思うのです。
○倉成国務大臣 私どもは、昭和五十二年度の経済につきまして、財政を一つのてことして景気浮揚を図っていきたい。野球にたとえますと、財政も本塁打の力はないわけですけれども、少なくとも政府支出の中で資本支出が十八兆二千五百億と、前年に比較すると一五・九%の増加でありますので、この財政を最大限に活用していけば、一塁のベースまではいける。したがって、そのときに後発の打者がヒットを打ってもらうということで、それに個人消費であるとか、あるいは設備投資であるとか、住宅投資であるとかいうものを期待しておるわけでございます。 個人消費の問題も、先ほどちょっとお話がございましたけれども、歴年でとりますと、大体歴年五十一年の個人消費というのは、実質四・四%というのが、もうすでに国民所得統計で出ておるわけでございます。確かに個々の生活を見ると、なかなか、そんなにいっているかなというお感じを持たれるかもしれませんけれども、やはり着実に伸びているわけです。したがって、私どもの政策のよろしきを得れば、六・七%成長というのは十分達成できると思っております。 しかし、経済は生き物でございますから、特に最近の経済情勢というのは、海外からの要因であるとか、国内の要因であるとか、いろいろ不確定の要因がありますので、これらのものを十分見きわめながら経済の運営はやっていかなければならないと思うわけでございます。しかし、現段階において大型の補正予算を組むとか、そういうことは考えていないということでございます。
○春田委員 ただ心配するのは、最近の民間におけるいろいろな調査研究によりますと、ほとんどが経済成長率は六・七%はむずかしいだろう。せんだっても東京、大阪、名古屋において九十六社の調査アンケートがあったそうでございますけれども、三分の一は、やはり無理だろう、六・四ぐらいじゃないか、こういうアンケートも出たと聞いておりますし、さらにきょうの新聞には、山一証券の経済研究所では、六・四から五・五に、下の方に修正したということがちらちら見えておるのです。 そういう点で、大臣は絶対大丈夫だ、十分達成できるという自信がおありのようでございますけれども、民間の動向としては、非常にやはり厳しい見方をしているということを踏まえて、最後に大臣の決意のほどをお尋ねしまして、景気対策の問題は終わりたいと思います。
○倉成国務大臣 六・七%の成長というのは、世界の経済に比べて非常に高いものでございます。アメリカが五・四%、それから西ドイツが五%というような見通しを立てておる段階において、日本が六・七%成長ということは、今日の段階において相当努力を要するものでございます。したがいまして私どもとしては、簡単に六・七%が達成できるとは決して考えておりません。したがって四項目等を考えましたのも、やはりそういう趣旨で、さらにこの六・七%を確実なものにしたいという意味から三月十一日の四項目対策を考えた次第でございます。 ただ、いま個人消費にいたしましても設備投資にしても、なかなか思うように出てこないというのは、先行きに対する非常な気迷いがあるわけです。これは国内だけでなくて、世界の問題についても、不確定な問題についての気迷いが非常にあるわけでございますので、多少ともこの気迷いが晴れてくれば、企業家としても自信を持ってくるということにもなろうかと思うわけでございます。先進国の首脳が集まりまして、いろいろ協議する、そして世界経済について、それぞれの国が役割りを果たしていくというようなことについて合意ができていくというような段階になれば、これはやはり世界経済にとって明るい要素になるのじゃなかろうかと思いますので、日独米というのが機関車と言われておるわけでありますけれども、私は、決して容易ではないけれども、注意深く政策のよろしきを得るならば、六・七%の成長はできる、またそうすることが雇用を安定させたり、国民生活を向上させるために必要な不可欠の条件である、そう考えておる次第であります。
○春田委員 続きまして、物価対策につきましてお尋ねしたいわけでございます。 三月二十五日の総理府統計局の発表では、この一年間の消費者物価上昇率は東京で九・三%、全国平均では九・二%になるだろう、この数字は確実だろうと言われております。当初政府は、八%を一応目標と決めまして、年次中八・六%に改めたわけでございますけれども、ことしは消費者物価の上昇率の目標というものを七・七%と踏んでおられます。ところが、先ほど述べたように、五十一年度でも八・六%が九・二%になる。こういうことを考えた場合、五十二年度のこの七・七%目標は確実に守れるかどうか、非常に不安な要素が多々あるわけでございます。 個々の問題につきましては、後の方で質問いたしますけれども、そこで大臣としては、この消費者物価指数というものは単なる一つの努力目標としておくのか、国民にとっては、これは政府が掲げた以上公約である、このように言う人もあるわけでございますけれども、この物価指数の上昇率につきまして、政府は毎年目標を掲げているわけでございますが、この点につきましては、どのようなお考えで出しておられるのか、また物価指数の上昇率につきまして、どこまで責任を持っていくのか、その辺のところをお尋ねしたいと思うのです。
○倉成国務大臣 五十一年度の物価につきましては、新指数と旧指数とがございます。それからまた、年度中の上昇率と年度平均の上昇率、この四者が入り乱れておるものですから、なかなか専門の方でも御理解がしにくいという状況がございます。 せっかくの御質問でありますから、これをもう少しかみくだいて申しますと、五十一年度の見通しを政府が立てたときには、四十五年の基準の指数しかなかったわけでございます。それが、消費者物価について、年度途中において五十年の新指数に切りかわったわけでございます。しかし卸売物価については、まだ四十五年の指数であるということでございます。それで、本来ならば、やはり年度平均の物価を比較するというのが筋かもしれません。五十年度の平均、五十一年度の平均を比較することが筋であろうかと思うわけでございますけれども、非常にわかりやすくするために、年度中ということで前年同月比という比較をしたわけでございます。そしてそれが旧指数で、四十五年基準の指数で、ということでございまして、そのときに、政府が八%程度という言葉を使った。八%程度というのは、四捨五入して八%になるというような考え方でございますけれども、小数点以下を示せということになれば、八・二%程度というのが政府の見通しだったわけでございます。 ところが、八%程度と言うと、どうも八%だというふうに一般の方が理解されておる。官庁用語なものですから、なかなかその辺がちょっと理解が食い違った点があろうかと思うわけでございます。決して八%を八・二%にしたというわけではないわけでございます。八・二%といたしまして、これが新指数になると八・六%に自動的になる、これが政府の見通しであったというふうに御理解いただきたいわけでございます。この八・六%に対応するものが、三月の東京都の指数は九・三%でございますけれども、東京都は若干衣料費が高く出るものですから、全国では九・二%程度になるのじゃなかろうかということが新指数では考えられるわけですが、これを旧指数に直すと八・九。したがって新指数で申しますと、八・六が九・二になり、それから旧指数で申しますと、八・二が八・九になる、こういうこと。これが年度中の上昇率、すなわち前年同月に対する物価上昇になるわけでございます。 そこで、どうしてそうなったかということになりますと、この中の要素の一つとしては、公共料金があるわけです。公共料金は、当初私どもは二%強、狂乱物価時に非常に低く抑えました公共料金を、いつの時期にかやはり調整をしていかなければならない、これを余りおくらすと、非常に大きな形で値上げをしなければならないので、いつの時期にか、やはりやっていかなければならないというので、五十一年度において二%強、二%強という言葉が余り明瞭でないわけですけれども、二%強というのは、二%程度と少し違って、少し二%のところで高いところというような感じのものを考えたわけでございます。結果的に申しますと、旧指数八・九の中で二・六%、公共料金の寄与率がございます。新指数の九・二と予想されるものの中では、約三%ちょっとというのが公共料金の寄与率でございます。ただ、これをずっとやっておりまして、昨年の十二月までは、まあ何とかいけるんじゃなかろうかという感じでわれわれ来たわけでございます。 もちろん、季節商品の問題等にも相当頭を悩ましておったわけでございますけれども、一月、二月というのが本当に異常寒波、これは十数年来の寒波でございまして、各地の雪害等も非常に出て、関係の委員会等でも、これについても対策をやれということが皆様からお話があるほど非常に大きな寒波が参りまして、急速に季節商品が値上がりをいたしました。一−三月の間で野菜だけで五〇%も上がりました。そういうことが響きまして、年度中の上昇率が食い違ったというのが実情でございます。 ただ、年度平均、すなわち、そういう季節的な要因であるとか一時的なものであるとかいうことでなくて、年度と年度と平均したという点から申しますとへ新指数におきましても旧指数においても、ほとんど食い違いがないというのが実情でございます。しかし、年度中、年度中ということを言ってきておりますから、いま年度平均では、政府の見通しがいったんだということになると、いかにも言いわけになるものですから、あえて申しておりませんけれども、ざっくばらんなお話しをいたしますと、そういうことでございますし、一表ができておりますので、必要があれば差し上げても結構だと思います。
○春田委員 そこで、公共料金と異常寒波が特に大きな原因であると言われておりますけれども、公共料金の場合が三%ということを言われておりますが、異常寒波による物価上昇の押し上げ率、これはどれぐらいに見られていますか。
○倉成国務大臣 これは、実は三月の全国指数というのがまだ出ておりませんので、東京都の指数を頭に置いて、東京都の三月の指数を中心にして申さなきゃならないと思うわけでございますが、その中でお魚が、アジとかサンマとかいうのが非常に不漁でございまして、これが二五・六%一年間に上がりました。それから果物が、ミカンとリンゴが不作でございまして、これが二三・七%上がったわけでございます。それから野菜は、昨年の十二月までは非常に価格が安定しておった、ある意味においては安過ぎるくらいの状況であった。それが一挙に三月まで急速に五割上がりまして、年間を平均しますと、一〇%上がったというのが季節商品の中心のものでございます。加工食品の方は四・九%ということで、比較的落ちついておるというような状況でございます。
○春田委員 そこで、五十一年度がそういう形で九・二%でございます。さらに五十二年度を目標として七・七%でございますけれども、公共料金は五十二年度は何%ぐらいにアップ率を見ているのか、また、野菜、果物、魚等によるアップ率は、どれぐらい見ているのか。細かな問題になりますけれども、御答弁願いたいと思います。
○倉成国務大臣 大体五十一年度の消費者物価、年度中の上昇率を大きな分類にいたしますと、新指数で申し上げますと、先ほど申しましたように公共料金についてが三%程度、それから季節商品が一・六%、それから一般商品、サービスが四・七%、これが九・二%の中身になるわけでございますけれども、来年度の七・七%、一々これを細かく分類はいたしてないわけでございます。この中で公共料金は大体二%程度、したがって五十一年度の新指数九・二%の中に占める公共料金三%に匹敵するものが大体二%前後、そういうふうに考えておるわけでございまして、五十二年度の公共料金の物価上昇に与える影響は、五十一年度よりは小さいということだけは言えるのではなかろうかと思います。ただし、予算の中に含まれております公共料金というのは、九月からの公共料金、国鉄の値上げの一九%、それから電電の基本料金の値上げが四月から行われますので、これはもうすでに御審議いただいて決定したことが実施されるのが四月ということでございますので、この両者合わせますと、〇・六%程度でございます。 しかし、そのほかの公共料金については、まあそのときの情勢によって、お米であるとか、あるいはその他の医療費であるとか、いろいろあろうかと思いますけれども、いまここで予想することは、ちょっとできないわけでございますので、大まかに言いまして、大体全体として二%前後ではなかろうか、少なくとも五十一年よりは少ないというふうに考えておるわけでございまして、その他の要素は、なかなか一々積み上げるわけにはいかないわけでございます。
○春田委員 大ざっぱに出さざるを得ないと思います。しかし、いま言ったように、公共料金が二%ということで、さらに野菜、果物、魚等が五十一年が大体一%と見ておれば、七・七にするためには、さらにこれを下げざるを得ないと思うのですね。その他、一般の品目においても、やはり下げなかったら、できないわけでございまして、この辺のところは、つぶさに検討していったときに、さらに不安な面がやはり出てくるわけでございます。 たとえば公共料金でございますけれども、公共料金の寄与率を五十二年度は二%と見ておりますけれども、確かに五十一年度みたいに国鉄料金が五〇%という大幅な値上げはございませんけれども、五十二年度におきましては、非常に公共料金の値上げのラッシュになっているわけですね。たとえば医療費が四月以降、国鉄運賃一九%が九月以降、それから電話の基本料金、国立学校、タクシー、地下鉄、都営、民営バス、航空運賃、娯楽施設利用税、公営ユースホステル、こういう問題を含めまして、非常に、前年度以上の公共料金の値上げが見込まれております。 そういう点から考えてみた場合、五十一年度が、大体、新指数でございますけれども、三%だ、それを五十二年度で一%下げようと思ったら、これは相当な努力をしなかったら、できないのじゃないかと思うのですね。五十年度でも二・三%公共料金の寄与率が出ているわけですよ。そういう点で、一%果たして下げることができるかどうか、非常に疑問があるわけでございます。 非常に細かく数字を出すことは、むずかしいと大臣おっしゃっておりますけれども、公共料金の場合は大体決まっているわけでございまして、物価と天候等に左右されない面があるわけですが、その点、自信がありますか。
○倉成国務大臣 物価を安定するということは、もう国民の切なる願いでございますので、私ども全力を尽くして目標達成に努力をいたす所存でございます。
○春田委員 さらに、その他の品目におきましても、最近不況カルテルが非常にふえているわけですね。たとえば鉄鋼や綿紡、梳毛とか平電炉のそういう不況カルテルが相当出ております。こういう状況を考えてみた場合も、一般品目におきましては、五十一年度よりさらに消費者物価指数の上昇率は上がっていくのではないか、このように私は見ているわけです。 日経新聞の三月十九日の調べによりますと、最近の産業界の値上げは計画も含めて約四十数点ある、これは四十八年秋の石油危機直後の狂乱物価時代に匹敵する値上げラッシュである、このようなことも書かれているわけですね。こういう点を踏まえていった場合、公共料金もふえていく。それから野菜、魚等は若干下がるかもしれません。しかし、魚の問題、言いませんでしたけれども、魚も、二百海里時代で、五十一年度と比べてみれば、相当高くなってくる要素があるわけですよ。そういう面で、生鮮食品だって、一・六%をさらに下げることができるかということは、私も心配しているわけです。 そういう点で細かく検討していけば、九・二%だったのが七・七%になる根拠というものが、あんまり見当たらないわけです。その点、大臣どうですか。
○倉成国務大臣 物価政策のむずかしさが、そこにあるわけでございます。黙ってほっておけば、なかなか簡単に七・七%にはいかないかもしれません。しかし、いまいろいろお話がございました不況カルテル等の要素は、主として卸売物価に響くものが非常に多いと思うのでございます。ですから、物価というと消費者物価だけが議論されておりますけれども、卸売物価の方は、いま円高を反映しまして政府見通しを下回るわけでございます。したがいまして、もちろん卸売物価が少し間を置きまして消費者物価に波及してくるということも考えられますけれども、しかし私は、政策をよろしく運営していけば、七・七%の年度中上昇は達成できる、そう思っております。 同時に、いま非常に私どもむずかしいものは、何とかしてこの不況感をなくしていくということが非常に大事なことでございます。したがって、物価は安定しても失業者があふれるということになっては、必ずしも経済政策が成功したというわけにはいかないわけでありまして、西ドイツの場合は、大体日本の二倍以上の失業率でございます。したがって、物価安定に一番の、最大の重点を置いておりますので、このために多少の失業が出ても、やむを得ないというくらいの政策運営が行われているわけでございます。しかし、日本の場合には御案内のとおり終身雇用制度というのもございまして、失業問題というものが鋭角的に出ておりません。しかし、どうしても企業が大変にくたびれてしまいまして、どうしようもないということになれば、やはり雇用について解雇というような問題が出てくるわけでございます。 したがって、そういうこともにらみながら、物価安定を図っていかなければならないというところに、いまの経済運営のむずかしさがあるわけでございます。しかし、この困難を克服して物価の安定を図っていくというのが政府の役割りでございますから、一生懸命やりたいと思っております。また、いろいろなお知恵があればお聞かせをいただけば幸いだと思います。
○春田委員 物価安定が非常にむずかしいことは、よくわかります。そのために倉成長官が大臣にお座りになったのですから、それだけ国民からは期待されているわけですよ。がんばっていただきたいと思うのです。 そこで、いまるる述べたことは、いろいろな値上げの要素があるではないか、したがって、七・七%に抑えることができるかという心配だったわけでございますけれども、値下げの要因だってあるわけですね。というのは、いま大臣がおっしゃったように、円高による為替差益の問題でございますけれども、輸入品が安くなるということは余り聞かないわけです。この辺につきまして、大臣は円高による為替差益の消費者物価に対する反映というものが、どれだけされているか、調査されたことがありますか。
○倉成国務大臣 円高による物価安定効果ということでございますけれども、これは卸売物価と消費者物価と分けて考える方がいいのじゃなかろうかと思います。 卸売物価については、御案内のとおり最近海外市況が、ロイター指数その他非常に上がっておりますけれども、円高で相殺されているという現象が起こっております。なお、輸入物資については、原材料等については為替差益が出ておるわけでございまして、これをどう処理していくかということになりますけれども、大体そういう原材料等を輸入する、またこれを使う業界というのは、かなり大きな業界でございますから、これは目をさらのようにして為替相場というものを見ておりますから、たとえば石油業界が石油の値上げをしようということをユーザーに言いましても、なかなか簡単には承知しないということでございますから、この問題は業界同士の話し合いに任せておっても、大体落ちつくところに落ちつくのじゃなかろうかと思うわけでございます。 しかし消費財の方になってまいりますと、消費者は十分な知識がないということ、また仮に知識がありましても、対抗する手段がないということでありますので、やはり政府として、消費者の立場を考えながら、為替の円高を消費者物価に反映するように努力していかなければならないという基本的な考え方を持っております。 それじゃ今回の場合どうだということになるわけでございますけれども、前回の円の切り上げの場合と若干事情が違うのは、前回のときが非常に大幅なものであったということと、それから同時に関税の引き下げであるとか、いろいろな手段があわせて行われたという点もございますが、前回とは若干異なった要素がございます。しかし、それでも前回のときの経験がございますので、いろいろな消費物資について追跡調査をずっとしていく、そして追跡調査によって、これがどういうふうになっているだろうかということを調査いたしまして、これを一般に明らかにするということによって価格が下がってくることを期待するわけでございます。いつまで円高が続くだろうかという問題もあるものですから、いますぐ、それじゃ、これだけの価格にしたらどうかというような結論はなかなか出ないわけでございますけれども、いましばらく情勢を注意深く見守っていく、そして、いやしくも輸入の差益が不当な利益にならないように努力をいたしたいと思っておる次第でございます。
○春田委員 追跡調査をされているということでございますけれども、現在までどういう品目を対象に追跡調査をなさっているのか、それをちょっと明らかにしてほしいと思うのです。
○倉成国務大臣 物価局長からお答えいたしたいと思います。
○高橋説明員 お答えいたします。 現在各省では、常時所管の物資につきましての価格動向調査を行っているわけでございますが、これは特に円高になったからということではなくて、常時やっている通常の調査でございます。 いま先生が御指摘の追跡調査という点につきましては、先ほど大臣からも御説明がございましたけれども、ある程度円高の期間が持続をいたしまして、それがどの程度の差益を発生するかという点を十分見きわめて、それぞれの問題になる品目につきまして追跡調査を行うということで、目下準備をいたしているというのが現状でございます。
○春田委員 ここに一つの資料があるわけでございますが、これはことしの三月物価局から出された「輸入消費財の価格動向」でございます。御存じですね。この中を見ても、牛肉は非常に安くたっております。ところが、輸入物価は非常に安くなってきているのに、消費者物価は上昇をたどっているわけですね。それから梳毛服地の件につきましても、輸入物価は下がってきております。ところが、消費者物価は上がってきている。これはよく御存じだと思うのです。こういうものが現実に出ているわけです。そういう点で、石油等も相当な黒字が出ているということが新聞にも報道されておりましたけれども、現実には安くなっていない、こういう問題があるわけです。 だから、もう少し動向を見守って対処していきたいということではなくて、これは一つの資料が出ているわけですから、それに対して的確な、機敏な対策をやっていく必要があるのじゃなかろうかと思うのです。どうですか。
○高橋説明員 ただいま先生が御指摘になりました牛肉、それから流毛服地でございますけれども、牛肉につきましては、昨年の十二月の中下旬に第一回、それから一月下旬から二月上旬にかけまして第二回、それからさらに二月下旬から三月中旬にかけまして第三回にわたりまして、卸売価格が小売価格につながらないという点につきまして、小売価格引き下げのための値下げ指導というのを農林省が中心になりまして行ってきているわけでございます。 特に、二月下旬から三月中旬へかけましての値下げ指導に当りましては、牛肉でございますけれでも、百グラム当たりで小売価格三百二十円前後を約二十円引き下げまして、三百円程度に小売価格を引き下げたいということで、鋭意努力をいたしてきているわけでございます。そのために輸入牛肉を畜産振興事業団から、チルド肉でございますけれども、六百トン放出をいたしまして、これらに対する措置を行っているわけでございますが、それがなかなか必ずしも小売価格に十分に反映しているということではございません。したがいまして、さらに引き続きまして値下げ指導を行っているというのが現状でございます。 御承知のように、先月の二十八日に、畜産振興審議会におきまして建議がなされておるわけでございますけれども、そこでも「卸売価格と小売価格の連動性を確保するための有効適切な措置を講ずること。」並びに牛肉の輸入につきましては「その輸入の安定化を図るとともに、畜産振興事業団の調整保管機能を十分活用し、国内需給の変動に即応した適切な放出に努めること。」というようなことを建議いたしているのが現状でございます。 それから、なお流毛服地につきましては、御指摘のように、確かに輸入価格あるいは卸売の輸入価格と、消費者価格との間に乖離が出ているわけでございますけれども、輸入品の梳毛服地につきましては、内容的に見ますと、大体高級品が中心でございまして、これは四十九年の実績でございますけれども、全体の国内の市場に占めるこの輸入品のシェアが約五%で、国内品への影響が比較的小さいということがございます。 それからもう一つは、国内の需給の面から見まして、昨年の秋以降、秋冬物の需要がふえてまいりました。これは季節的な需要増という面と、それからオイルショック以後買い控えておりましたのが、特に男子物の背広等を中心にいたしまして、昨年の秋以降に需要が回復したというような需要の増加もございまして、小売価格が上がったわけでございますが、本年に入りまして、需要が一巡をいたしまして、二月の東京都の実績でございますけれども、前月比で三%流毛服地が下落をいたしております。先ほどの御指摘から見れば、それほど大きいものではないかもわかりませんけれども、本年に入って若干影響が出ているということでございます。
○春田委員 時間が参りましたので、これで終わりますけれでも、いずれにしても大臣、この消費者物価上昇率の七・七%は、国民に対する一つの政府の公約であると私は思うのですね。五十一年度は、そういう期待に反してオーバーしたわけでございますので、どうか五十二年度におきましては七・七%の達成のために、ひとつ全力でいろいろな努力をしていただきたい。大臣も、政策の運営のやり方次第ではできないこともないとおっしゃっておりましたので、私も大臣に期待するわけでございまして、どうか再び国民から、そういう経済企画庁のみならず政治全体に対する不信といいますか、信頼を欠くようなことがないように努力していただきたいと思うのです。 最後に、大臣のこの消費者物価上昇率に対する決意を聞いて、終わりたいと思います。
○倉成国務大臣 最善の努力をいたしまして、御期待にこたえたいと思います。
○春田委員 終わります。
○芳賀委員長 藤原ひろ子君。
○藤原委員 私、日本共産党の藤原ひろ子でございます。皆さん、大変遅くまで御苦労さんでございます。 私の質問は、すべて倉成企画庁長官にお尋ねをいたしたい、こう思っております。 まず最初に、先般の予算委員会の中で、長官も出席しておられたわけでございますが、ソウル地下鉄の問題について大変重大な疑惑が提起をされました。そして今日、二ヵ月を経過したわけでございます。海外経済協力基金の監督官庁でございます企画庁として、この疑惑を解明するために、今日までどのような措置をとってこられたのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○倉成国務大臣 海外経済協力基金が四十七年に行った韓国ソウル地下鉄建設、国鉄近代化プロジェクトに対する融資について、言われるような疑惑があるとは私ども承知いたしておりません。しかし、国会でいろいろな御質問があったことでもございますので、経済企画庁としては、基金をして通常の価格チェックよりも詳細な検討を命じておるところでございまして、基金はその線に従いまして鋭意努力を続けて、資料等の提出をいたしておるところでございます。
○藤原委員 この疑惑が起こりました原因は、政府が負うべき監督責任を果たしていらっしゃらないからだ、こういうふうに思います。政府のやらなければならない、まず第一の課題は、疑惑を解明して、今後再びこういったことが起きないための措置を講ずることだ、こういうふうに私は思いますが、いかがでしょうか。
○倉成国務大臣 海外経済協力基金が行う価格チェックというのは、午前中におきましても、当委員会でしばしば議論になったわけでございますけれども、原価計算をして積み上げをして、価格が妥当であるかどうかということを判断いたすものではございません。 したがいまして、この援助目的に沿うのかどうか、そしてこの融資が十分目的に沿って実行されるかどうか、償還の見込みがあるかどうか、そういう点を中心として価格のチェックをいたすわけでございまして、相手国の政府が、所定の手続を経て日本の企業との間に決めた価格でございますので、その妥当性を原価計算で判断するというものじゃなくて、全体として見まして、おおむね著しい不当なことがないということであれば、これを認める、そういう形のチェックをいたしておるわけでございますので、国会で原価計算に類する形でのいろいろな御質問がございまして、これについて、どうだということでございましたけれども、元来基金そのものが、そういう原価計算はいたしてない、またそういう立場にもないということでございますので、多少意見の食い違いがあったんじゃなかろうかと思います。 しかし、いろいろな御質問がございましたので、基金の方にできるだけ努力をして御要望にこたえるようにということで、先般からの資料等を提出したというのが経過でございます。
○藤原委員 ここにあります海外経済協力基金の業務方法書、これの第三条第一号を見ますと、「政府の海外経済協力に関する基本政策に即応するとともに、資金の貸付け、出資及び調査の実施に当っては、資金の効率的利用を図り、その適正を期すること。」このように述べられているわけでございますが、「その適正を期すること。」というのは、何をもってこうおっしゃっているのか、御説明を願いたいと思います。
○倉成国務大臣 基金の資金の使い方が十分援助の目的に合致するかどうか、援助の目的に即して使われるかどうかということをチェックする、そういう意味でございます。
○藤原委員 それでは、この「適正」という中身は、不当な利潤を得させない、こういうことも含んでいるということでございますね。
○倉成国務大臣 何が不当であるかという問題が、非常にむずかしいところでございます。手数料が高いか安いかというような問題もあろうかと思うわけでございますけれども、そこまで立ち入って基金がチェックする筋のものではなかろうということでございます。
○藤原委員 具体的にお聞きいたしますが、私手元に持っております「輸出入契約申告書」これは基金に提出いたしますものですが、これには予想利益を書かせる項目がございます。一体、何のために予想利益を書かせておられるのですか、御説明いただきたいと思います。
○倉成国務大臣 多少技術的な問題になりますので、政府委員からお答えいたしたいと思います。
○宮崎政府委員 お答えいたします。 ただいまの御質問は、海外経済協力基金業務部長あてに出されます「輸出入契約申告書」だというふうに思いますが、そこで「輸出者予想利益(率)」という欄がございます。この「輸出入契約申告書」の目的は、輸出入価格をチェックするということにあるのでございまして、「輸出者予想利益」というのは、国内契約との関係において、一つの参考資料というふうに考えております。
○藤原委員 この予想利益につきまして、去る三月十六日の予算委員会の中で、わが党の正森議員が質問をいたしました。これに対しまして、三菱商事の社長さん田部文一郎さんが「商社の手数料は、危険がないのでございますから、二%くらいが通例のレートでございます。」このように述べておられます。予想利益は、通常こういうことでやっていけるわけですね。
○宮崎政府委員 いまお述べになりました二%というのは純利益でございまして、当初輸出者から提出されました契約申告書では、商社の粗利益というのは、その倍程度であったかと思われます。それが後の段階において一二%ということになったわけでございます。
○藤原委員 いまおっしゃいましたように、三菱商事の場合は、当初の予想利益率二%に比べまして、実際には仕入れ価格のいま一二%とおっしゃったのですけれども、先日の答弁では一〇%から一一%という粗利益を上げておられるということが予算委員会の中で明らかになったわけでございます。これは三菱商事が大変商売が上手だ、こういうことになるわけでございますか。
○宮崎政府委員 基金が審査をいたします段階において、商社の粗利益はおおむね一〇%程度だと推定したというふうに聞いております。
○藤原委員 経済企画庁関係法令集、これの海外経済協力基金法の「目的」のところ、第一条を見ますと「海外経済協力基金は、東南アジア地域その他の開発途上にある海外の地域の産業の開発又は経済の安定に寄与するため、その開発又は安定に必要な資金で日本輸出入銀行及び一般の金融機関から供給を受けることが困難なものについてその円滑な供給を図る等のために必要な業務を行ない、もって海外経済協力を促進することを目的とする。」こういうふうになっているわけでございますが、予想利益二%で融資の許可を受けた、それが一〇%を超すような粗利益を出して、それじゃその差額は八%ということになるわけです。この差額八%は返済をさせるべきだ、こういうふうに思います。これは日本国民だけではなくて、相手国民に対しても、経済協力の本旨からいって当然だというふうに思います。 さらに、こういうことを起こさせないために、価格が確定いたします段階で、当然訂正の申請を出させなければならない、それについて審査をするようにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○宮崎政府委員 先ほど申し上げましたように、二%というのは純利益でございまして、その当時基金が審査いたしました段階では、粗利益として一〇%程度ということを推定しております。しかしながら、この委員会でもるる御説明申し上げておりますように、基金が行いますチェックは、そうしたコスト積み上げ的なものではございませんで、したがいまして、いま挙げられました数字も一つの参考として見ておるわけでございます。 なお、会社の方から修正は出ております。
○藤原委員 それでは、予想利益を何のために書かせるのでしょうか。全く意味がないというふうに思います。まるのみにするだけで、何を審査するのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○宮崎政府委員 利益について、あるいはその他の項目について著しく問題があるときに、チェックするための参考として、とっているわけでございます。
○藤原委員 さらに問題なのは、メーカーの価格につきまして、三月十六日の予算委員会の審議の中で、会計検査院が次のようにお答えをなさいました。「私ども海外経済協力基金に対しましては検査権限がございまして、そちらで持っていらっしゃる資料については十分われわれも徴取いたしましたし、調査もいたしましたが、何分十分な資料がございませんので、できれば仕様の詳細とかあるいは原価計算書、そういうものについてもわれわれに見せていただきたいということをお願いしたわけでございますけれども、現在のところそれが参りませんで、私どもとしては的確な結論を得ないまま推移しているような状況でございます。」こういうふうに議事録に明確に出ているわけでございます。 つまり、基金自身がメーカーの価格について把握していないために、会計検査院もこれでは検査ができない、こういう状態になっているのです。これでは幾ら業務方法書で「適正」だと、こういうふうにうたい、「経済協力」こういうようなことを言ったところで、メーカーと商社で話をつけてしまって価格が確定されれば、基金としては、その価格をうのみにしてしまう、こういうことにしかならないのではないでしょうか。私は、ここに基金の融資を食い物にする、これを許す構造があるのではないか、こういうふうに考えます。ここにこそメスを入れ、これを許さない制度的な保障をつくる必要があるのではないか、こういうふうに考えますが、長官どのようにお考えになるでしょうか。
○倉成国務大臣 お話のように、基金が原価計算的な資料を持っていなかったのは事実でございます。また、基金としては、そういう原価計算的な積み上げまで立ち入って価格のチェックをする立場にはないわけでございまして、相手国の政府が所定の手続に従って決めた価格でございますから、これが著しい不当なものであるというようなもの以外について原価計算をして、手数料が高いとか安いとか、そういうところまで余り立ち入る筋合いのものじゃないのじゃなかろうかということでございます。したがって、会計検査院に対しましては、基金の持っております資料は当然全部提供して、会計検査が十分できますようにいたすのは当然の任務だと思っております。
○藤原委員 先日来あれだけの疑惑が出ました予算委員会の、あの中身でございますが、不当だというふうにはお考えになっていないのでしょうか。そういうニュアンスが私には感じられるわけですが、疑惑が生じている、その疑惑の真実性も明らかになってきているわけですけれども、そういったようなことは、不当というふうには感じておられないわけですか。
○倉成国務大臣 お答えしたいと思います。 結局、最終的な価格のチェックをどういう角度でやるかということでございます。この点について、原価計算的な積み上げをして議論をしていくということになれば、この部分がおかしいではないか、この部分はどうであるかという議論が出てくるかと思うわけでございますけれども、そういうふうなチェックは、基金としてはやっていないということでございます。 したがって、先般の予算委員会等におきまして、三菱商事の方から商社の手数料やその他の問題の開陳がございましたけれども、これが妥当であるかどうかという判断は、これは国会の方で御判断いただく筋合いのものでなかろうかと思いますけれども、基金として応札の価格が著しく不当なものであるというふうには考えてなかったということでございます。
○藤原委員 いまの御答弁に見られるようなところに、この基金融資を食い物にされてきた、また許してきたというものがあるのではないかと思うわけです。ですから、いまここにメスを入れて、これを許さないというふうな制度的な保障、これをつくる必要があるというふうに思いますが、長官はこのようなことをお考えにはならないということでしょうか。
○倉成国務大臣 制度的な保障というのが、どういう中身のものか私もよくわかりませんけれども、それが原価計算的なものであるとするならば、それはちょっと基金の本来の立場から無理ではなかろうか、そういう価格のチェックをするのは無理ではなかろうかと思います。しかし、いやしくも疑惑が起こらないような最善の努力を払うべきであるというのは当然のことでございますので、われわれとしても、いろいろな面について今後も研究してまいりたいと思うのでございます。
○藤原委員 時間がありませんので、具体的に申せませんが、ぜひともそういったことを検討してメスを入れていただきたいと思うわけです。 海外経済協力基金の設立趣旨から申しましても、商社とメーカーの間での契約関係の書類、こういったものを基金に提出させて会計検査院の検査ができる、そして必要に応じて関係書類を国会に提出させる、このように基金の仕組みを改める必要があると思いますが、いかがでしょうか。もしも、こういうことをしないということであれば、どうして疑惑を招かないような措置をとろうとしておられるのか。いかがでしょうか、これだけお尋ねしたいと思います。
○倉成国務大臣 海外経済協力基金は、御承知のように金融機関でございます。したがいまして、金融機関としていろいろなことを知る場合がある。しかし金融機関として一番大事なことは、やはりその信用を保持するということが一点。それから、特に借款の相手方が外国政府であるということでございますので、対外信用という問題もあるわけでございます。したがって、おのずから金融機関としての節度と申しますか、知り得たことを何でも話すということは、今後のわが国の経済協力の立場から申しますと、基金の信用を非常に害するということになってくるのじゃなかろうかと思いますので、非常にむずかしい問題だと思います。 しかし、会計検査院等に対してのいろいろな協力は、当然できるだけのことをいたすべきであると思いますし、また国会における調査権との問題についてでございますけれども、できるだけの御協力を申し上げて、いやしくも疑惑のないようにいたすべきであるというのは当然のことでないかと思うわけでございます。 ただ、基金がいろいろな資料を提供いたしておりますけれども、先般からの提供いたしました資料は、午前中も申し上げたわけでございますけれども、最初から何でも知っておって、基金なり企画庁が隠しておったというような誤解があるようでございますけれども、そうではないわけでございまして、元来がそういう資料、原価計算的なものは基金としては知っていない、また知り得る立場でないということでございますので、国会の御要請に応じまして企画庁も基金を督励して、できるだけ御要望にこたえるような努力をいたしたような次第でございます。
○藤原委員 先ほどの予想利益二%ということで融資の許可を受けて、それが一〇%も超すような一二%というふうな状態になっている。先ほど私は、これを国民に返済すべきだ、相手国民に対しても経済協力にうたわれているとおり、これをするのが当然だというふうに申し上げたわけですけれども、これに対しても、大変あいまいなお答えであったわけですが、いまの長官のお答えにいたしましても、そういう政府の姿勢が、今日のさまざまな疑惑を生み出している温床になってきているのではないかというふうに思います。 昭和三十五年十二月二十二日、参議院の商工委員会では、海外経済協力基金法につきまして附帯決議が出されておりますね。その内容は「政府は、海外経済協力基金が、よくその目的とする処に従い、投融資の選定を誤まらず、債権の保全に遺憾なきを期し、いやしくも資金が放漫に流れ、ひいては当事国間の親善を害するが如き事態の生ぜざるよう本法の趣旨の具現のため適切な業務運営につき指導すべきである。」こういうふうになっているわけでございます。 政府は、いまこそ、この附帯決議にのっとって正しく対処すべきだ、こういうふうに思いますが、この附帯決議をもう一度改めて御確認を願い、私は、このことをぜひともいまこそ行うべきだと強く指摘をいたしまして、時間が参りましたので、質問を終わりたいと思います。
○倉成国務大臣 調達価格が異常に高いかどうかというような問題ではなかろうかと思いますけれども、今回の調達価格が異常に高くて、その結果プロジェクト達成の見込み、または借款自体の償還の可能性まで影響を受けるほどであれば、これは問題であります。しかし、これは相手国政府が所定の手続をもって購入した価格でございますから、相手国政府の利益にも反するようなことは、まずあり得ないのではなかろうかというふうにわれわれ考えておるわけでございまして、商工委員会の附帯決議にありますように、「目的とする処に従い、投融資の選定を誤まらず、債権の保全に遺憾なきを期し、いやしくも資金が放漫に流れ、」云々ということでございますけれども、ソウル地下鉄の問題は、民生の安定という点についても十分目的を果たしておるというふうに考えておるような次第でございます。
○藤原委員 先日の予算委員会、あのやりとりが、あれで放漫に流れていないというふうな御認識ならば、私は大変な認識だというふうに思います。 時間がありませんので、これが突っ込めないわけですけれども、ぜひとも私きょう申しました趣旨を検討され、この附帯決議にのっとってやっていただきますようにお願いをして、終わりたいと思います。
○芳賀委員長 次回は、明十三日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時四十三分散会