決算委員会 第3号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1977/02/24
会議録
○芳賀委員長 これより会議を開きます。 昭和四十九年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、厚生省所管、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫について審査を行います。 まず、渡辺厚生大臣から概要の説明を求めます。渡辺厚生大臣。
○渡辺国務大臣 昭和四十九年度厚生省所管一般会計及び特別会計の決算につきまして御説明申し上げます。 まず、一般会計の歳出決算額につきましては、歳出予算現額三兆一千六百九十八億八千五百六十四万円余に対して、支出済歳出額三兆一千二百七十七億六千三百七十九万円余、翌年度繰越額百八十五億八千八十八万円余、不用額二百三十五億四千九十六万円余で決算を結了いたしました。 以上が、一般会計歳出決算の大要であります。 次に、特別会計の大要につきまして申し上げますと、厚生省には五特別会計が設置されております。 まず第一は、厚生保険特別会計の決算でありますが、健康、日雇健康、年金、児童手当及び業務の五勘定あわせて申し上げますと、一般会計から三千五百十四億五千三百六十六万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済歳入額四兆六千五百三十六億一千八百二十万円余、支出済歳出額二兆七千十六億八千二百十一万円余、翌年度繰越額四十九億五百六十六万円余でありまして、差し引き一兆九千四百七十億三千四十二万円余については、この会計の積立金として積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 第二は、国民年金特別会計の決算でありますが、国民年金、福祉年金及び業務の三勘定あわせて申し上げますと、一般会計から五千二百八十二億六千八百八十五万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済歳入額一兆一千八百三億七千五百六十三万円余、支出済歳出額八千九百四十一億四千八百九十八万円余、翌年度繰越額四百一億六千二百九十一万円余でありまして、差し引き二千四百六十億六千三百七十三万円余については、この会計の積立金として積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 第三は、船員保険特別会計の決算であります。 船員保険特別会計につきましては、一般会計から七十六億三千九百八十九万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済歳入額一千百四十二億二千二百三十三万円余、支出済歳出額七百五十五億二千六百七万円余、翌年度繰越額一億三千三百七十三万円余でありまして、差し引き三百八十五億六千二百五十三万円余については、この会計の積立金として積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 第四は、国立病院特別会計の決算でありますが、病院及び療養所の二勘定あわせて申し上げますと、一般会計から五百五十四億五百六十八万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済歳入額二千六百三十六億九百九十八万円余、支出済歳出額二千四百九十三億五千二百六十八万円余、翌年度繰越額七十五億一千二百八十万円余でありまして、差し引き六十七億四千四百四十九万円余については、この会計の積立金として積み立てることとして、決算を結了いたしました。 第五は、あへん特別会計の決算であります。 あへん特別会計の決算額は、収納済歳入額十二億二百七十九万円余、支出済歳出額七億六千七百八十一万円余でありまして、差し引き四億三千四百九十七万円余については、この会計の翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 以上が、厚生省所管に属する昭和四十九年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算の大要であります。 最後に、昭和四十九年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾にたえないところであります。 指摘を受けました件につきましては、直ちに是正措置を講じましたが、今後なお一層厳正な態度をもってこれが絶滅を期する所存であります。 以上をもちまして、厚生省所管に属する一般会計及び特別会計の決算の御説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○芳賀委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。小沼会計検査院第三局長。
○小沼会計検査院説明員 昭和四十九年度厚生省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二件でございます。 これらは、健康保険及び厚生年金保険並びに船員保険の保険料の徴収に関するもので、いずれも保険料算定の基礎となる報酬月額の把握が適確に行われなかったことなどのため、保険料の徴収が不足しているものでございます。 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
○芳賀委員長 次に、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫当局から資金計画、事業計画等について説明を求めます。山本医療金融公庫総裁。
○山本説明員 医療金融公庫の昭和四十九年度の業務の概況について御説明申し上げます。 昭和四十九年度の貸付計画額は、貸付契約額五百八十億円、貸付資金交付額五百六十五億円を予定し、その原資としては、資金運用部資金の借入金五百五億円、貸付回収金のうち六十億円、計五百六十五億円を充てることといたしました。 この計画額に対する実績は、貸付契約額五百四十七億円、貸付資金交付額五百四十億円でありまして、これを前年度と比較いたしますと、貸付契約額で一三・三%、貸付資金交付額で一四・二%の増加となりました。 貸付契約額の内訳は、設備資金五百四十四億円、長期運転資金三億円であります。 貸付残高は、前年度末二千四百二十一億円でありましたが、昭和四十九年度中に五百四十七億円の貸し付けを行い、百九十二億円を回収いたしましたので、当期末においては二千七百七十六億円となっております。 次に、決算概況について申し上げます。 昭和四十九年度の損益計算上の総収益は百九十五億四千七百三十三万円余、総損失は百九十四億三千百二十八万円余でありまして、差し引き一億一千六百五万円余の償却前利益を生じましたが、大蔵大臣の定めるところにより、固定資産減価償却引当金へ一千四十三万円余、滞り貸し償却引当金へ一億五百六十一万円余を繰り入れましたので、結局、国庫に納付すべき利益金は生じなかったのであります。 以上で、昭和四十九年度の業務の概況につきましての御説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○芳賀委員長 次に、坂元環境衛生金融公庫理事長。
○坂元説明員 環境衛生金融公庫の昭和四十九年度の業務の概況につきまして御説明申し上げます。 昭和四十九年度の貸付計画額は、一千二百六十五億円を予定いたしました。 その原資としましては、資金運用部資金の借入金一千百四十億円、貸付回収金等百二十五億円、計一千二百六十五億円を充てることといたしました。 これに対しまして、貸付実績は、一千二百十一億円余でありまして、これを前年度と比較いたしますと、一二・三%の増となっております。 次に、貸付残高について御説明申し上げます。 昭和四十八年度末における貸付残高は、二千四百十二億四千万円余でありましたが、昭和四十九年度中に一千二百十一億九千万円余の貸し付けを行い、七百三十億二千万円余を回収いたしましたので、昭和四十九年度末においては、二千八百九十四億円余となっております。 次に、昭和四十九年度の収入支出決算について御説明いたします。 昭和四十九年度における収入済額は二百三十二億九千万円余、支出済額は二百二十四億六千万円余でありまして、収入が支出を上回ること八億二千万円余となっております。 まず、収入の部におきましては、本年度の収入済額は二百三十二億九千万円余でありまして、これを収入予算額二百三十一億九千万円余に比較いたしますと、九千万円余の増加となっております。 この増加いたしました主な理由は、貸付金利息収入が予定より多かったためであります。 次に、支出の部におきましては、本年度の支出予算現額二百二十八億一千万円余に対し、支出済額は二百二十四億六千万円余でありまして、差し引き三億四千万円余の差額を生じましたが、これは業務委託費等の支出が予定より少なかったためであります。 最後に、昭和四十九年度における損益について申し述べますと、本年度の総利益二百五十七億四千万円余に対し、総損失は二百四十九億八千万円余でありまして、差し引き七億五千万円余の償却引当金繰入前利益を上げましたが、これを全額滞り貸し償却引当金及び固定資産減価償却引当金に繰り入れましたため、国庫に納付すべき利益はありませんでした。 以上が、昭和四十九年度における環境衛生金融公庫の業務の概況であります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○芳賀委員長 これにて説明の聴取を終わります。 —————————————
○芳賀委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。宇野亨君。
○宇野(亨)委員 私は、自治体病院の赤字問題が非常に厳しい状態になりつつございます。よって、その実態につき御質問申し上げたいと思う次第でございます。 まず、自治体病院の位置づけでございますけれども、御承知のとおり、全国に八千二百七十三病院のうち、自治体病院はその一三%を占める一千六十六病院ございます。その中で、二百床から五百床の病院が二八・二%を占められます。百床未満の不採算地区病院と申しますか、その病院が三百八病院のうち、二百十二病院でございます。これらは、すべて不採算地区の医療を受け持っている病院でございまして、占めるパーセントは六八・八%という地位を占めておる次第でございます。そのような状況下におきまして、今日まで自治体病院が赤字に悩んで非常に厳しい財政運営をしておるわけでございます。これはもう御承知のことと思います。 それから、そのよって来る赤字の実態を申し上げますと、四十八年に四百二十億円、四十九年に五百四十六億円、五十年にさらにふえまして五百九十三億円。一般会計からの繰り入れの数字を申し上げますと、四十八年に六百億円、四十九年に七百二十億円、五十年に七百二十三億円、建設勘定等を加えました四十八年、四十九年、五十年と順次申し上げますと、九百五十八億円、四十九年にさらにふえまして一千百六十五億円、五十年に千二百八十八億円、累積損金を加えまして、四十八年に一千五十億円、四十九年に一千四百三十二億円、五十年に千七百九十八億円という数字を見るに至りました。 このような状況下におきまして、それぞれの原因があろうと思いますが、一つには診療報酬の改定の時期の問題、さらにまた細部にわたる問題を申し上げますと、自治体病院の経営実態を反映している入院関係の経費の問題、さらにまた手術料の問題、伴いましてそれらの数字を申し上げますと、看護婦等の五十年度の報酬を一つの例に申し上げれば、一人一日十七万一千円の報酬に対しまして、原価が何と二十六万余かかる。そしてまた差し引き九万円の赤字になるというような状態。室料の問題に目を向けますと、患者一人が約八百円。国民宿舎でさえも千六百円の部屋料をいただいておるというような状態で、簡単に八百円の欠損が出るというような状態でございます。 そのような見地から、今日までの赤字の累積を解消する上におきまして、運営費の補助並びに特例債等の処置をされたようでございますけれども、それらにつきましての経過を御説明願えれば非常にありがたい次第でございます。赤字の実態の把握をされた今日までの処置につきまして、まずもってお伺いしたい次第でございます。大臣いらっしゃらないと説明ができないかもしれませんから、あなた方でできそうな質問を申し上げましょう。 それでは、社会保険の診療報酬の改定が行われました。それについて、何年にどのくらい、何年にどのくらいというような説明をしてください。
○石丸政府委員 自治体病院の現況でございますが、その現況の把握につきましては、自治省の方でこれを主管いたしておるわけでございます。その赤字の実態につきましては、先生御指摘のような実態、われわれも自治省を通じまして、その数字をつかんでおるわけでございます。その原因といたしまして、ただいま先生御指摘のように種々の要因が複雑に絡んでおるわけでございまして、また個々の病院ごとにかなりの相違があると思うわけでございます。それで、赤字病院に対します助成につきまして、厚生省の方でとっております処置といたしまして、やはり自治体病院の公的使命ということに立脚いたしまして、その公的使命を果たすために生じます赤字に対しまして、厚生省の方で種々助成策を講じておるわけでございます。 その一つは、地域性のために生ずる赤字問題でございます。すなわち、自治体病院なるがゆえに採算を度外視いたしまして僻地診療あるいは離島診療等を行っている、そういった地域性に立脚いたしましての問題。それと診療内容に立脚いたしましての問題、すなわち、がん等の特殊な診療あるいは救急医療等の不採算医療を担当している。そういった面に対しまして厚生省の方で助成策を講じておるところでございまして、その実態等につきまして申し上げますと、設備投資に対しまして十二億六千万円、それから運営費につきまして五億五千万円、計十八億、かような助成を行っておるところでございます。 さらに、医療費改定の問題等があるわけでございますが、ただいまこの医療費改定の問題につきましては、保険局の方で所管いたしておるわけでございますが、この医療費改定の問題につきましては、自治体病院のほかいろんな病院がこれに絡んでおるわけでございまして、特に医務局といたしまして対応いたしておりますことは、公的病院なるがゆえの特性に立脚しての赤字対策を講じておるところでございます。 さらに、ただいま先生御指摘の自治体病院が相当な累積赤字を抱えておるわけでございまして、この累積赤字対策といたしましては自治省の方がこれを担当いたしておるところでございます。
○宇野(亨)委員 公的使命に立脚した自治体病院が、何で今日まで赤字が累積したか、ただいま申し上げましたとおり、一千七百九十八億円にもなっておる、こういう体制下におきまして、自治省としまして特例債あるいは今日までの救済策という問題を的確に——実際の実務者が一生懸命やっておっても、なかなか赤字が解消できない。そこで先ほど申し上げましたとおり、百床未満の非常に厳しい経営を受け持っている先生方、看護婦さん、あるいはまた用務員の皆さんが、ややもすると意欲がなくなってしまっているんじゃないか。それで、私の方の直診、自治体病院、国保病院の実態を、私は全国の自治体病院の会長をやっている諸橋芳夫君がおりますので、目の当たり見ておるわけでございます。私も県会議員時代から、そのような苦しい運営というものを、先生方によっては日曜も返上して診療に当たっている、なおまた赤字が続いている、こういうような実態を把握したときに、厚生省だけの運営費等の助成が七億九千六百万ですか、五十一年度分に出たわけですね、そのような涙くらいのちっぽけな助成費では、とうてい赤字の解消はできない。また地域の皆さんに、自治体病院に行けば絶対安心だというような安堵感が出てこない。もう経営自体が非常に心配だ。場合によっては、お医者さんの薬等の問題につきましても、薬局等の話を聞きますと、あそこの病院はおかしくなっちゃうんじゃないかという批判も出るというような客観的な不安感もある。 それらについて、今日までの累積赤字は、まず出たものはしようがない、これらひとつやる意思のある、積極性のある、地域の住民に信頼される医療と人的資源、お医者さんの確保あるいは看護婦さんの確保というような問題が生じたとき、あるいは医療施設の充実をしようとしたとき、こういう問題についての見解は、自治省としましては、どんな考えを持っておられますか、御答弁願います。
○田井説明員 まず最初に、特例債についてのお尋ねがございましたので簡単に経過を申し上げますと、四十八年度末の不良債務が七百五十一億に上っておりました時点で、とりあえずの応急対策としまして、これをたな上げするために総額五百六十九億の特例債を発行したわけでございます。これに対しまして、元金の償還につきましては、普通交付税及び特別交付税でその一部を措置してまいりましたし、また償還利子につきましては、その全部または一部を助成金でもって措置してまいって今日に至っておるということでございます。 自治体病院の赤字の原因につきましてはいろいろ言われておりますし、それからまた、個々の病院ごとに状況が違っているかと思いますので、一概には申し上げかねるわけでありますけれども、経費の面で、給与改定等に伴う人件費その他の上昇が続いているというようなこともございましょうし、あるいは病院の近代化、医療の高度化に伴いまして資本費が非常に高くついてきているということもございましょうけれども、何といいましても病院収入の大宗をなしております社会保険診療報酬が現在の自治体病院の運営と必ずしも適合していないのではないかというような指摘もあるわけでございます。さらにはまた、地域によりましては、医師や看護婦の確保の面で非常に困難な状況に置かれている病院も少なくないわけでございます。 したがいまして、こういった基本的な問題につきまして、私どもだけではいかんともなしがたい面もあるわけでございますから、関係の省庁と十分協議をしながら、いわば抜本対策を進めるということが、どうしてもこれは不可欠の条件だと思いますけれども、それはそれとしまして、当面の自治体病院の運営につきましては、私どもの所管している範囲内での各種の財政措置に全力を尽くしているつもりでございます。 地方財政計画上も、病院事業に対しまして法律の定める負担区分の考え方に基づいて一般会計から繰り出しをいたしておりますけれども、これらにつきまして年々措置を強化いたしております。五十二年度の地方財政計画におきましても、病院の資本費にかかる建設改良の元利償還金につきまして措置の強化を図りましたし、それからまた、施設設備の整備のための病院事業債につきましても必要な額を確保いたしますとともに、その条件につきましても改善を図っておりますし、また、救急医療等につきましては特別交付税の上でも五十一年度はかなり内容を充実した措置をするようにいたしております。 そういうことで、私どもとしましては、できる範囲内の財政面の措置については努力を続けておりますが、それと同時に、先ほど申しましたような根本的な問題についての解決ということを、どうしても並行して考えていかなければいけないというふうに思っておりますので、関係省庁と協議しながら今後とも努力を続けてまいりたいと思っております。
○宇野(亨)委員 ただいまの説明でわからないわけではございませんけれども、これ、厚生省、御答弁していただけませんか。大臣が来なければ答弁できないのなら、質問したってしようがないのですけれども……。
○石本政府委員 担当の局長がお話をいたしますけれども、先生さっき社会保険診療費が必ずしも適正じゃないんじゃないかという御指摘ございました。このことにつきましては、先生御承知のように、中医協がございまして、厚生省としましては、過般来、この医療費の適正化につきまして審議を重ねている最中でございますので、本日の御意見は十分に私承りまして、帰って早速また大臣にもこの旨申し上げまして、解決できます方向で努力をさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○宇野(亨)委員 診療報酬の改定、中医協の問題、よくわかるわけでございますけれども、この改定自体が、ずっとここ調べてみますと、報酬の改定は年一度というような標語がございますけれども、振り返って、報酬の改定が年々行われなかったというところにも赤字の原因がありはしないか、こう思うわけでございまして、申し上げてみます。 四十年一月、四十年十一月、これは大体正常ですね。四十二年は十二月、さらにおくれて四十五年の二月、また二年おくれて四十七年の二月、さらにまた二年おくれて四十九年二月、それから今度は四十九年の十月、五十一年の四月、これが五十年度に変えなければならないものが五十一年度ということで非常にその改定がおくれておる。そのような問題も自治体病院の赤字への影響力というか、そういうような素材になっているということはいなめない事実のように私は感ずる次第でございますけれども、これにつきましての御答弁を願います。
○石丸政府委員 医療費改定の問題につきましては、ただいま政務次官から御答弁申し上げましたように、中医協の議を経まして、それぞれのその時点におきます医療機関の経営状態を見ながら医療費改定を行っておるところでございまして、四十年以降のその改定の時期につきましては、ただいま先生の御指摘のとおりでございます。その額等につきましては、中医協の議を経ましてやっておるわけでございますが、やはり医療費改定という問題につきましては、全国的なすべての医療機関の平均ということでやっておるわけでございます。 特に先生御指摘の自治体病院につきましては、そういった平均値以上の公的使命というような点から、この医療費改定が必ずしもその自治体病院の実態をカバーするような数字ではなかろうということも考えられるわけでございまして、そういった自治体病院なるがゆえの公的使命を果たすための赤字対策といたしまして、厚生省といたしましても、そういった個々の事業に対します助成ということで対応してまいっておるところでございまして、さらに今後そういった実態に適合するような助成策を講じてまいりたいと考えております。
○宇野(亨)委員 おとなしく伺っていると、自分のペースで答弁をしておりますので……。 診療報酬の問題について、公的な病院のみの要請で処理できないというのは、あなたから聞かなくてもわかる。ただ、健全な運営をしておる病院の運営についての報酬の引き上げの時期は来るまで待ってもいい。非常に苦しい病院経営をしている自治体病院が時期をおくれたら、どれだけのマイナスになるか、実態をあなたは把握していないような感じがする。もう一遍……。
○石丸政府委員 医療費改定につきましては、ただいまお答え申し上げましたように、それぞれの医療経営の実態を調査いたしまして、その数字に基づきまして中医協の議を経て決まるところでございます。実は、その数字等につきまして担当の保険局の方にもよく伝えまして、また、われわれ医療機関の経営を担当しております局といたしましても、やはりその実態に合ったような医療費改定をお願いするところでございまして、今後さらにそういった実態に合うように努力してまいりたいと考えております。
○宇野(亨)委員 実態に合った運営をするという答弁でございますけれども、国立学校付属病院、これらに伴う一般会計からの繰り入れの数字というものを私が申し上げますと、これは親方日の丸というような経営内容という実態から、すばらしい大きな数字、ところが地方自治体の状態におきましては、非常に苦しい財政事情にございますので、なかなか一般会計からの繰り入れという問題が厳しいわけでございます。国立学校の特別会計、歳入歳出の決算を見ればおわかりのとおり、一般会計から五千百五十二億二千百万円も四十九年度は繰り入れておる。五十年度は五千八百三十億一千百万円、こういう繰り入れをしておるような状態でございます。私どもは、地方の過疎地帯の自治体病院の本当にはかない運営というものを、強く深く厳しく理解して受けとめていただきたい次第でございます。 大臣が見えられましたので……。 私から先ほど御質問申し上げておったわけでございますけれども、厚生省から四十九年度に運営費を、初めてでございますが、自治体病院に七億九千六百万円いただいたわけでございます。しかし私どもは、不採算地域あるいは救急医療の自治体が受け持っている使命と責任という問題を考えたときには、将来この運営費等の問題につきまして、四十九年度は七億九千万、約八億円でございますが、さらにまたふえまして逐年、それが増額されておるようでございますけれども、大臣におかれましては、どうかひとつこの運営費の増額、先ほど非常に少ない数字ということを申し上げたのでございますけれども、この運営費等、不採算地区の病院あるいは救急医療を行っている非常にまじめな自治体病院の取り扱いについて今後どうお考えになっておりますか、お尋ねしたい次第でございます。大臣にお願いいたします。
○渡辺国務大臣 自治体病院の赤字の原因等については、医務局長から説明があったものと存じますが、もともと自治体病院では、その使命柄、赤字を覚悟でいろいろな施設をつくっておったり、救急医療を実施したり、僻地に診療所をつくったり、いろいろなことをやっておるわけであります。それにつきましては、施設の整備補助あるいは運営費の補助もやっておりますが、それでも足らぬからもっと出せ、こういう御意見だと存じます。これは財政の問題とも絡んでおることでございますから、今後できるだけ内容を見て、助成をふやせるものはふやすようにしていきたい、こう思っております。いろいろ事情もありますから一概に申せませんけれども、そういうように努力はしたいと存じます。
○宇野(亨)委員 ただいまの運営費補助の問題でございますけれども、大臣からお答えいただきましたけれども、私どもまだこれで安心だという自信を持った受けとめ方をしていないわけでございますが、四十九年度に初めての運営費が予算要求をされたときに、自治省の方から当初は予算要求があった、自治省の方からの窓口で予算要求がされたというお話を私ども漏れ承っておるのでございますけれども、その点について自治省の方からお伺いいたします。
○田井説明員 自治省としましては、自治体病院の健全な運営ができますように各種の対策を講じていかなければいけないと考えておりまして、ただいま御指摘のような構想もあったわけでございますけれども、補助金につきましては、所管の面から申しますと、厚生省の方で所掌されるということで現在見られるような形になったという経過でございます。 私どもは、先ほども申し上げましたように、直接私どもの方で所管しております地方財政計画上の措置でございますとか、交付税上の措置あるいは起債を通しての措置、そういった面でできる限りの前進をしていきたい、こういうふうに考えております。
○宇野(亨)委員 時間も大分なくなってしまったのでございますが、最後に厚生大臣に重ねて、われわれ自治体病院の窮状は、先ほどお留守でございましたけれども、政務次官からもお聞きになっていただきたいと思いますが、さらにもう一段と自治体病院に対する助成という問題につきまして力強い御答弁をいただきまして、質問を終わらせていただきます。
○渡辺国務大臣 後で速記録を十分読ませていただいて御回答申し上げます。
○宇野(亨)委員 以上申し上げまして、私の質問を終わります。
○芳賀委員長 原茂君。
○原(茂)委員 厚生大臣が内閣に列せられて、非常にバイタリティーのある若い大臣が、国民の期待を背負っていま就任をされたわけです。私も大いに期待を申し上げておりますから……。 二、三お伺いする前提に、ひとつ先にお伺いしておきたいのですが、大臣のおかげで、老人の医療の無料化が五十二年度の予算に盛り込まれました。まあ年寄りは、ずいぶんほっとしているわけであります。ことしはその努力をちょうだいしましたが、五十三年度になると、一体これはどうなるのでしょうか。大臣の方針としては、やはり老人の医療は無料という方向で検討されていくのかどうか、それをちょっとお伺いいたします。
○渡辺国務大臣 医療制度の問題については、全般的に一遍見直さなければならないのではないかという声が各方面から実は出ておるわけであります。 大蔵省が言っておりましたのは、医療の無料化と言っても、資産に関係なく医療は無料化である。家族の所得制限八百七十六万というようなものはあるけれども、財産を幾ら持っておっても、みんな無料化かというようなことや、所得についても、御主人が中小企業の会社の社長で八百万ぐらい収入があるが、奥さんの分も全部無料化なのか。一方において財政が足らない、もっとめんどうを見ろという声もある。言うならば、内容についても検討すべきじゃないか。私は、これは確かに一つの意見だと実は思います。思いますが、ただ、そういうことはわれわれが検討することであって、大蔵省から突然そんなことを言われたって、はいそうですかというわけには、なかなか私らはいかないというようなことで話し合った結果、意見が一致をいたしまして、老人医療の無料化は今年度継続する、こうなったのが真相でございます。 したがって、来年どうするかという問題につきましては、私としてはできるだけ無料化がいいと思いますが、他の事業がもっと重要な事業がある、しかも、なかなか財源難であるというような問題等が起きれば、そういう問題も踏まえて、結局医療制度全体の問題についていま同時に医療問題懇談会というようなものをこしらえてやっておりますから、その中で専門家の意見を十分聞いて、その上で方針を立ててまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○原(茂)委員 説明よくわかりましたし、継続した努力には敬意を表しているのですが、いまのお話は、せんじ詰めると、本年度無料化を継続させる努力と同じ努力は、基本的には数多くの年寄りは、やはり何百万の所得のある家族などというのはごくわずかでございますから、大部分の既得権のように、すでにこういった処置を受けている老人というものは非常に期待をしていますから、やはり五十三年度に向かっても、大臣としては本年と同じ態度でこれをできるだけ実行する、その他の条件があるなら聞くべきは聞くのだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○渡辺国務大臣 そのとおりでございます。
○原(茂)委員 それから次に、ちょっとつまらないといいますか、これも家庭にとっては重要な問題なんですが、保育所の入所の措置基準に対してひとつお伺いしておきたいのですが、これは最初に当局で結構でございますが、見ますと、基準というものが一応出ているわけであります。 その基準を見ますと、児童福祉法による保育所への入所の措置基準、(一)(二)(三)(四)(五)(六)とありまして、最後に(七)があります。その中に「前各号に掲げるもののほか、それらの場合に照らして明らかにその児童の保育に欠けると市町村長が認めた事例につき、都道府県知事が承認した場合」は入所ができることに、最後の(七)にあるのですが、この都道府県知事が承認する前提としては、市町村長が承諾を与えたという条件というのはどんなものでしょうか。
○渡辺国務大臣 事務当局をして答えさせます。
○石野政府委員 ただいま御指摘の七番目の事項でございますが、いろいろなケースが実はございまして、一律に規定できませんものですから、こういう抽象的な規定を設けているわけでございますが、たとえば、母親が何といいますか共かせぎじゃない状態であっても、特に四人、五人子供がたくさんおって、そして一人でお子さんを見られないという場合もございます。そういう場合は、その個々の市町村長が判断しませんとわかりませんものですから、その判断に基づきまして、それがいいかどうかについて都道府県知事の承認を得てやる、こういう制度になっているわけでございます。
○原(茂)委員 いま局長のおっしゃったようなその事例でも結構ですが、そういったときに市町村長がそれを認めない場合はどうなるのでしょう。その事情を幾ら説明しても認めてくれない。その場合はどうなりますか。
○石野政府委員 私どもは市町村長を信頼して行政をやっておるわけでございますので、本当に保育に欠ける状態であるならば、認められないということはまずなかろう、こういうふうに実は思っておるわけでございます。
○原(茂)委員 認めない場合には、直に局長のところへ訴える手段はありますか。
○石野政府委員 実際には行政指導という形で、個々のケースについて質問が出てきました場合に、このケースについてはよかろう、こういうことで御指導申し上げることはございます。
○原(茂)委員 ですから、局長のところへ直に訴えて、局長がジャッジの役目をしてくれることはあり得る、そう解釈していいのですか。
○石野政府委員 第一次的には知事の方がいろいろ事情を調べましてやりまして、その際に、知事の方でも判断できない、こういう場合でございますれば、私の方にその照会が来る場合がございます。その場合に判断ぜざるを得ません。
○原(茂)委員 知事が判断ができないのじゃない。幾ら真相を言っても、事情を納得してもらえない。事実は厳存する。いま局長がおっしゃったような事例がある。にもかかわらず、それを認めない場合に、これを救済する方法はないですか。市町村長を信頼しているのだ、知事を信頼している、そこでだめだと言ったら、厚生省は右へならえでだめなんだ、こういうことになりますかね。
○石野政府委員 法律上は市町村長が措置するというふうになっておるわけでございますので、これは国の機関委任事務と、こういうふうに考えておりますから、最終的の判断は国自身でできる場合がございます。一般的にそういう場合に、家庭の事情でございますので、やはり市町村長が一番よく事情を知っておりますし、いろいろな均衡、バランス問題を考えましてやりますので、私の方が一律に、抽象論としては申し上げられますけれども、具体的なケースについて判断するのは、非常にむずかしい場合が多いと思います。
○原(茂)委員 局長と同じような例を一つ申し上げてみますが、おととし長男が生まれたのです。そうして去年の終わりに双子が生まれたのです。大変ですよ、双子が生まれるとね。三つ子でも同じだけれど。ぎゃあぎゃあ言う子供が一遍に三人になった。母親は健在ですが、家庭の内職なんかする余裕はない。工場へなんか勤める余裕はありません。子供で追われていますよね。せめておととしの長男、その子供だけは入所させたい。だが、その事情を幾ら言っても認めない。法律で決まっているから、だめだというのです。そういう場合に救済措置はないでしょうかね。本当に私も行ってみましたが、気の毒ですよ。そういうようなこともできないというのです。 で、何をやったかといいますと、局長は知っているのだと思いますが、聞いてみたら、みんなそうなんですね。内職していないのに内職をしているという証明をもらったり、勤めてもいないのに、どこかの工場へパートに出かけているという証明をもらっている。実際には工場へ勤めていない、内職もしていないのに、しているがごとき証明をもらって市町村長へ届けると、市町村長は、法的に適格だから、これならよろしい。陰の事情も知っているのです。要するに、こういう人々にわざわざうそをつかせているのです、この法律は。わざわざうそをつかしている人がどのくらいあるかわからないのですよ、実際には。 そのうそを言っているといいますか、やむなくそういう措置をしているのを市町村長も認めて、裏のそういうからくりを知っていながらやっている現状を、じゃ正しく直すのだというので、そういうことはいけないのだといって厳しくやられたのじゃ困るのですよ、私の目的と違うのだから。そうじゃない。そんなことをされちゃ困りますよ。困るけれども、実際はそういうことを数多くやっているのだ。わざわざ、本当に法律も余りよく知らない人に、現実の必要から法をくぐるようなことを、きちっと数多くの者にやらせている。家庭の主婦にやらせている。こういうことを放置していいのか。こんなことを放置しちゃいけないと思うのだ、私は。そうでしょう。これを何か処置しなければいけないのじゃないか。あなたなんか下の方を知らないかもしれないけれども、本当にそういう生活にあえいでいながら、しかもいやだけれどもうそを言って、なれ合いで手続上のうそを押し通して、そうして保育所へ入れている人間がたくさんいる。このことを知れば知るほど、これはいけないなと思う。国として何らか考えなければいけないのじゃないか、こう思うのですよ。いかがですか。
○渡辺国務大臣 確かにそういうような実態があるかと存じます。それは社会的不公正を是正をするという方向で検討いたします。
○原(茂)委員 ぼくは、期待している若い大臣に、これ以上追及しません。おっしゃったとおりにやるだろうというので、期待をして待っていますし、これがいつ改まるか、何らかの措置を講じていただくことを本当に真剣に受けとめてお待ちしたいと思いますが、ぜひこういったことから大臣の力で直していただくように、細かいことのようですが、非常に数多くの末端に影響があります。ぜひお願いします。 それから、本件に入る前の第三の最後の問題として、スモン病についてお伺いしたい。スモンの問題に関しては、もう厚生省としては頭の痛いほど、いま考えておられる最中でございますから、この経過その他をお聞きしようと思いませんし、十分知っていますし、また私もそれを申し上げようとは思いません。現在、しかし、二月二十一日の和解調停の公判というものが一カ月厚生省の意思によって、申告によって延ばされて、来月の二十二日に、この和解調停というものに持っていくかどうかの公判が持たれるわけでありますが、三つの理由を挙げて、厚生省では、どうもこの和解ににわかに応ずるわけにいかない、他の影響を考えて。製薬会社、田辺製薬のこともあるでしょう、あるいは原告の側も二つ、三つに分かれている。いろいろな理由を挙げて 一月十七日、十八日前後の空気では、政府首脳あるいは国の立場の厚生省としても、和解に応ずるというような空気が新聞その他でずっと伝わっていた。大きな期待を持たれていた。 ところが、間際に来て、どんでん返しではありませんけれども、これが一カ月延期されて、ついにがっかりさせるといいますか、またこの問題もアメリカにおけるキノホルムの扱いなどを見ても、しかく明瞭な原因により、はっきりした事態というものはすでに上がっていて、しかもこの問題の完全な解決を見ないままに苦しいスモン病のもとに息を引き取っている患者すら、現在まだあるというこの状態などを考えましたときには、厚生省は確かに国の立場で三つの条件を挙げて、いろいろとお考えになっていることはわかるのですが、二十二日の来たるべき公判における 厚生省は、もうすでにこの三つの条件をある意味では消化し、ある意味では飛び越し、ある意味ではなすべき手当てを行った。たとえば製薬会社と会って話をする、あるいはまた裁判長とも会って実際の和解の意思というものは、どこにあるのだというようなことを折衝する。 これは予算委員会で厚生大臣が、必要があれば裁判長にも会って和解の趣旨というものを本当に聞くつもりだ、こういう答弁がこの間ございましたね。というように、それがもうすでに行われているんだろうと思いますが、二十二日と言えば、あとわずかでございますが、その間に少なくとも厚生省としては、いまスモンの和解に応じるという原告団の意思に沿って、前向きでこの検討をしているのだというふうに考えますが、大臣から、ほかのことば結構でございますから、この問題に関しては二十二日を控えて前向きで検討をしている、こういう決意のほどを披瀝いただきたいのが質問の目的です。
○渡辺国務大臣 実は非常にむずかしい問題でございまして、学問上の問題、また法制上の、法律上の問題、それから和解案の内容等の吟味をいろいろいたしました結果、直ちに和解には応じられないというようなことで、いま詰めておるところでございます。最終結論は出ておりませんが、いずれにいたしましても、私といたしましては、できるだけ患者を救済してあげたいという気持ちがいっぱいでございます。しかし、感情論だけでなかなか物が進まないのも事実でございます。しかし、そういうような気持ちを持っておるということだけは知っていただきたい。そういうものを含めて目下結論を得るように検討をしておる最中でございます。そう長いことかからないと思います。
○原(茂)委員 いまの御答弁でこれも大臣に期待しますが、前向きで患者救済という線に沿って検討を急いでやっていただける、こういうふうに御答弁を理解してよろしゅうございますね。
○渡辺国務大臣 患者を救済をするということは一番大切なことで、厚生省の務めでございます。したがって、法律の許す限り、できるだけこれは救済をするようなことを考えていきたい、こう思っておるわけでございます。
○原(茂)委員 それではスモンに関しては、ひとつ期待を申し上げますので、ぜひいまおっしゃったような前向きの検討をお願いをいたします。 それから、後は厚生省所管の中の救急医療その他の問題に関して、本論に入ってまいりたいと思います。 最初に、この委員会におきまして四十八年度決算に対する決算委員会としての議決を行っておりますが、その議決のうちの(4)を読んでみますと、「政府は、救急部門に対する助成を強化して初期救急医療施設の充実をはかるとともに、後方病院等の整備を促進し、医療不安の解消を期すべきである。」こういう決議が一つございます。これに対して、その後どのように対応し、予算措置、あるいは実施面における対策がなされてきたかが一つと、もう一つは救急医療懇談会が国に対する答申を五十一年七月十三日に出している。初期救急医療体制の整備、初期救急医療施設の後方病院としての第二次救急医療の確保及び重篤な救急患者を確実に受け入れることのできる救命救急センターの整備などを早急かつ計画的に進めなければならないという、当面とるべき救急医療対策について、厚生大臣に対する答申が行われています。 これらの、前に申し上げた議決、いまの答申などに基づいて、政府は先ほど言ったように一体どういうふうに審議をし、どういう対策を行ってこられたか、五十二年度のいま出されています予算こういう予算の中にもこれが盛り込まれていると思いますが、概略の説明をお願いしたい。
○渡辺国務大臣 御指摘のとおり、五十一年の決算委員会でただいま御披露になったような御決議がございました。一方厚生省としては、救急医療の懇談会で去年の七月、その答申を受けたわけであります。したがって、私は今回の予算編成に当たりまして救急医療問題を最重点事項の一つとして取り上げたわけであります。 結論から申し上げますと、いままでの救命救急センターのようなものは、もちろん継続、充実をいたしてまいりますが、そのほかにいろいろな新規施策をつけることにしました。その結果、予算の総額は救急関係だけで、関連費を含めますと、昨年の二十六億円から本年は一挙に百一億七千万円、四倍、めったにこういうことはないのですが、本当に最重点で取り上げることにしたわけでございます。 新規施策の概要というようなことにつきまして簡単に申し上げますと、たとえば地域医師会の在宅当番制度、こういうものを普及するための助成をしていこう、それから病院群の輪番制、こういうものを講じて、やはり個人の開業医だけでは、ちょっと重い病気は困るものですから、病院群の輪番制、こういうものをやっていこう。 それからもう一つは、たらい回しの発生の原因として情報不足ということがございます。すぐにわからないというために、あっちこっち電話を何遍も何遍も、何十カ所もかけるというようなことですから、そういうことがないように、すぐに情報が、どこの病院が開いているのか、どこの医院が開いているのかわかるようにすれば、電話をかける暇も少なくて済むものですから、そういうような広域の救急医療情報システムというものをひとつやっていこう。 あとは、従来の施策である救命救急センターというものを充実したり、それから休日、夜間の救急センターの補助対象を、人口十万から人口五万の都市まで広げたこと、しかも七十カ所も新設するというようなことなどやってまいるつもりでございます。 概括申し上げると、そういうことであります。
○原(茂)委員 それを一応お聞きしておいて、後でまたそれに関連づけてお伺いをいたします。 次に、国立病院、特に東京の病院で空きベッドが非常に多くなっていると実は聞いておりますが、病床数全体はどのくらいあって、いま実働しているベッド数はどのくらいで、したがってマイナスすると空きベッドはどのくらいかということを、まずちょっと御説明をいただいて、空きベッドの多くなった原因をひとつ、何だろう、私は医師や看護婦などの不足によるものが最大の原因だというふうに考えますが、そうでないならそうでない、そうであるならそうである、その空きベッドのできた原因の主たるものを御答弁をいただく。要するに、ざっくばらんに言うと、ベッドが一〇〇%実働していない原因は何か、こういうことに詰めてお答えをいただきたい。
○石丸政府委員 国立病院のベッドの利用率、裏返して申せば空床の割合でございますが、そういったベッドの利用率というものは、病院ごとに非常にその実態が異なっておるところでございまして、その原因といたしましては、いろいろその病院の機能の問題、あるいは地域特性の問題、あるいは医療機関の整備状況、あるいは職員の確保状況、そういったいろいろな条件によりまして変動するところでございまして、全国立病院で見ますと、かなり差があるわけでございますが、平均的に九〇%の利用率になっておるところでございます。 それで、ただいま先生御質問の国立病院医療センターの実態について申し上げますと、現在の空床率二四・八%、約二五%が空床になっておるところでございます。 国立病院医療センターのかような空床を生じております原因について分析いたすわけでございますが、この国立病院医療センターに対しまして、特に医療従事者のうちの看護婦の問題があるわけでございます。その看護婦の定員配置につきましては、全病棟の七割程度を複数夜勤、すなわち二・八体制とよく申しておりますが、複数の看護婦さんで月八日という体制をとるような定員配置になっておるわけで、七〇%をそういった複数夜勤を行う、そういう体制で定員配置を行っておるわけでございますが、その実態を見ますと、先生御案内のとおり、国立病院医療センターは、わが国で最も中心になる病院でございまして、難病等の重症の患者、あるいは電子機器を必要とするような集中的な医療、非常に高度の医療を行う患者さんが非常に多いわけでございまして、実態といたしましては、ほとんどの患者さんに対しまして複数夜勤を必要とするような状況にあるわけでございまして、そういった実態と定員配置との間の問題、すなわち実態といたしましては、全病棟に対しまして複数夜勤を行いまして、より高度の看護を確保しておるわけでございまして、やはり医療の実態上一〇〇%の複数夜勤を確保するという体制をとっておるものでございますので、約二五%の空床を生じている、かような原因でございます。
○原(茂)委員 もうちょっと突っ込んで聞くのですが、国立病院とか診療所、国立のこういうもの全体的に医師とか看護婦という職員の定数と、その充足率はどうなっていますか。
○石丸政府委員 医療従事者のうち、特に問題になりますのが医師と看護婦の問題だと思いますので、その二つの職種について御答弁申し上げたいと思います。 国立病院について申し上げますと、五十一年度の定員が一万四千七百六十六名、これは国全体でございますが、一万四千七百六十六名に対しまして、五十一年十二月末現在の現員数は一万四千六百六十人、充足率は九九・二%、かようになっております。それから、国立療養所について申し上げますと、五十一年度定員が一万八千二十五名、五十一年十二月末現在の現在員数が一万七千四百二十名、充足率九六・六%、かような状況になっておるわけでございます。 ただ、最近におきます実態を申し上げますと、だんだん患者の高齢化現象が起きておるわけでございます。さらに疾病構造等も変化いたしまして、脳血管障害、すなわち脳卒中の患者さん、あるいは心臓病の患者さん、そういった患者さん等の入院が多くなっておりまして、より高度の医療を要するような状況になっておるわけでございまして、今後さらにそういった従業員の確保対策につきましては、努力してまいりたいと考えております。
○原(茂)委員 同じく看護婦、どうですか。
○石丸政府委員 いま医師、看護婦全部を含めて申し上げたわけでございますが、内訳を申し上げますか。
○原(茂)委員 結構です。 それでは自治省来ていただいているので、自治省にお伺いしますが、市立病院あるいは町村立病院、町村経営の診療所、これで、いまのように医師、看護婦等の定員に対する充足率はどのくらいになっていますか。
○田井説明員 私どもの方では自治体の病院についての調査しかいたしておりませんので、診療所は除かせていただきます。 いわゆる定員につきましては、いろいろ定義もむずかしゅうございまして、従来、定例的な統計はいたしておりません。そこで、昨年の十一月一日現在で、特に問題の多い市町村の関係の医師につきまして、特別に調査をいたしました。その結果が手元にございますので、それによりまして申し上げてみますと、市につきましては、定員が五千百五十九、これに対しまして現員が四千七百八十四ということになっております。したがいまして九二・七%になろうかと思います。それから町村につきましては、定員千六百三十二に対しまして現員が千三百二十四ということで、率にして申しますと八一・一%かと思います。それからもう一つ組合立でやっているところがございますので、これは別にして集計いたしておりますが、組合立の場合には定員が千三百二十一に対しまして現員が千百六十八ということで八八・四%でございます。 以上、合計いたしますと、市町村、組合通じさして定員は八千百十二でございますが、これに対しまして現員が七千二百七十六ということで八九・七%という結果になっております。 なお、この医師の数につきましては、非常勤医師は常勤医師並みに換算して集計いたしております。
○原(茂)委員 医療法第二十一条に「病院は、省令の定めるところにより、左の各号に掲げる人員及び施設を有し、且つ、記録を備えて置かなければならない。」「一 省令を以て定める員数の医師、歯科医師、看護婦その他の従業者」これによると、二十一条の一で、省令で定めた員数は確保しなければいけないはずなんですが、一体そのいまお聞きしたような不足、充足率の平均九十幾つから八十幾つというように足らない分に対しては、どういう対策をおとりになるのか。これを完全につかんでいないと、これは医療行政そのものが立たないわけですから、したがって、いま言った数をもとにしてお考えになるとすると、一体どういうふうにこれからこの対策をお考えになるのか。
○石丸政府委員 この定員確保の問題について一般的な点から申し上げますと、ただいま実態について申し上げたわけでございまして、われわれといたしましては、その定員の枠の確保ということにつきましては十分今後とも努力してまいりたいと思います。ただ、ただいま申し上げました数字、これは定員職員でございまして、われわれといたしましては、やはりより高度な医療を確保するというような観点から、特に看護職員の確保につきましては、いろいろ努力をいたしておるわけでございまして、たとえば産休代替要員の問題とかいろいろな問題がございますので、ただいまのところ、定員の問題とはまた別に賃金職員、これはいろいろ問題があろうかと思いますが、そういった点でその人数の確保についてはいろいろ努力をいたしております。 さらに、一般の病院等に対しましても、そういった医療法で定める基準に合致するよう、さらに今後指導をしてまいりたいと考えております。
○原(茂)委員 いわゆる賃金職員で不足を補っているという、これで大体一〇〇%補っているわけですか。いま御説明の賃金職員という範疇のもので不足分は補っている、要するに一〇〇%稼働をしている、こういう状態になっていると言えますか。
○石丸政府委員 先ほど御説明申し上げました国立病院の数字で申し上げますと、この定員自体がすでに医療法の基準よりオーバーをいたしておるところでございまして、われわれといたしましては、あの基準よりもっといいところで、いろいろ国民の医療を確保してまいりたいと考えておりますので、さらに賃金職員等で補っている、かような状況でございまして、今後ともその定数にこだわることなく、さらによりよい医療の確保に努力してまいりたいと考えております。
○原(茂)委員 いまぼくがそらで聞いたのかどうか、もう一度説明願いたいと思うのですが、国立病院などは、定員はすでにオーバーして職員は確保しているんだが、なお充足して、いい医療をしてやろうと考えているんだ、こういう説明だったんですか。いまの定員よりずっとオーバーしているんですか、現在の職員は。
○石丸政府委員 ただいま定められております定員の数が医療法の基準より、よりオーバーをしておる、かような説明でございます。
○原(茂)委員 なるほど、医療法の定めるところよりはオーバーしているんだ、こういうわけですね。しかし実際には、いま言った不足のあることは間違いないですね。そこでいずれにしても、自治省の説明にあったように、市町村へいけばいくほどに充足率は悪い。医療の恩恵に浴さない度合いが地域住民は多くなる、こういうことになりますね。これはもうほうっておけない事態なわけですが、先ほど私お伺いしたんですが、これをいま局長がおっしゃった程度の臨時賃金職員というか何か知りませんが、そういったもので補っているのが本旨ではないんで、やはりこれにぴしっと充足をさせて、安心して医療行政のいわゆる信頼度を国民全体が持てるようにするということが大事だと思うのです。そのほかに、いま言った賃金職員以外に抜本的に何か考えるということが必要だと思いますが、それは何も考えていませんか。
○石丸政府委員 特に看護婦の問題について申し上げますと、やはり国全体として看護婦の確保が必要なわけでございまして、現状におきましては、一定の資格を持った看護婦数を国立等の中心的な医療機関といろいろ地方にございます医療機関が取り合っているというような現状にあろうかと思います。ただいま申し上げましたように、国立の機関が医療法に定める基準をオーバーしてとっているということは、すなわち反面、地方の方にやはりそういった看護婦さんが少なくなっている、こういう実態を示すんではないか。したがいまして、われわれといたしましては、やはり看護婦さんの絶対数を増加さすということが基本的には必要だと思っておるところでございまして、昭和四十九年度から五カ年計画でこの看護婦確保対策を行っておるところでございます。 ただいま申し上げました賃金職員の件でございますが、これはやはり看護婦さんの実態を見ますと、結婚等によりまして資格を持った人が職場から離れていく。それがやはり時間的に勤務可能な時間帯があるわけでございまして、そういう潜在看護能力と申し上げましょうか、資格を持った人で職務についていない人を掘り起こす一つの方策といたしまして、ある特定の時間帯に勤務をしていただくというようなことで、この賃金職員等の活用も考えておるところでございます。
○原(茂)委員 看護婦はわかりましたが、医者はどうですか。医者も絶対数は不足なんですが、これに対しては。
○石丸政府委員 医者の確保の問題でございますが、やはり医師は医科大学あるいは大学の医学部を卒業した人たちに対して国家試験で資格を与えておるところでございまして、まず、その医科大学の学生定員をふやすということが先決ではなかろうかと考えておるところでございまして、文部省の方ともいろいろ相談をいたしまして、この学部の定員の増あるいは無医大県の解消というようなことで従来もやっておるところでございますが、やはりわれわれといたしましては、文部省の方と今後ともよく相談をいたしまして、医師の不足を生じないよう、その養成に努めてまいりたいと考えております。
○原(茂)委員 文部省からも来ていただいているんですが、ついでにお伺いしますが、確かに医師も不足ですから、医科大学の新設でございますとか、医学部の新設による医師の増員を図るという基本線に沿っていまやっているんですが、医科大学の新設状況、それから医学部が増設されているのかどうか、それから入学の定員が、したがって多くなっていると思うのですが、五十年、五十一年、五十二年の見込みは一体どうなっているのか、入学定員の定数をひとつ。
○五十嵐説明員 お答え申し上げます。 医師不足に対処いたしまして、文部省といたしましては医師の地域的な偏在の是正ということも考えておりまして、無医大県の解消計画というものを進めておるわけでございます。このために、昭和四十八年度以降十二校を設置しておるところでございます。現在、無医大県といたしましては福井、山梨、香川、沖繩の四県がございます。これにつきましては、福井、山梨、香川につきましては創設の推進、沖繩につきましては設置の創設準備ということでやっておるわけでございます。 ただいま御質問にございました定員の増加の状況はどうかというお問いでございますが、これにつきましては、昭和五十年におきます医学部の入学定員を申し上げますと七千二十名でございます。それが五十一年におきましては七千三百二十名、五十二年におきましては七千三百八十名になるであろうという見込みでございます。
○原(茂)委員 それで、ついでにお伺いするのですが、医師の国家試験の合格者の数、それから看護婦の試験合格者の数、これはどうなっていますか。
○石丸政府委員 この合格者数はその年度によって非常に違っておりますし、またわが国では何回も医師国家試験が受けられることでございまして、ずっと前年度から引き続いたりいろいろ複雑な問題がございますが、現在、この医師国家試験合格者数で申し上げますと、約五千人から六千人の間の受験者がございまして、そのうち、合格をいたしておりますのが四千名前後でございます。かような数字になっております。 看護婦につきまして、いまちょっと手元には数字を持っておりません。特に看護婦につきましては国家試験の看護婦と都道府県の試験の看護婦とございまして、いま手元に数字を持っておりません。
○原(茂)委員 おたくから調べてもらった資料、ぼくの方は持っているんだけれども、数を言ってもしようがないでしょうが、確かにおっしゃるとおり医師は四千人前後ですね。国家試験の看護婦の方は、年代によってずいぶん違いますけれども、大体一万五千から二万人前後、これおたくからもらったらしいですよ、めんどうくさいから言わないのかどうか知らないけれども……。 こういうふうに医者だけとらえてみても、大体四千人強の医師がどんどん生まれているわけですね。だが、いまだに絶対数は不足しているのが先ほど言ったように現状なんです。都道府県別の医師の数を、これもリストもらって見ているのですが、これを見ましても、地域によってかなり不均衡が濃厚だ。さっき言ったように、地方へ行くほどどうも薄くなっていくということは事実ですね。特に東京周辺の人口急増地帯なんか非常に悪い率になっています。大体人口十万に対して百人以下というのが平均ですね。これは国際的に見ると、ちょっと少な過ぎる。これは厚生省そのものの問題なんですが、こういう状況を踏まえて今後医師を初め医療従事者の欠員の補充とか養成とか、絶対数の不足の問題に対処する方法を、やはりいま言っているだけではいけないんで、考えなければいけないんじゃないかと思うのですが、ほかに何か対策ございますか。
○渡辺国務大臣 医者の問題につきましては、先ほどそれぞれの担当者から答弁がございましたように、医科大学の新設というようなことで無医大県の解消というようなことは、実は順調に進んでおるのです。現在医者の推計は十四万四千人ぐらいというふうに見られておりまして、人口十万に対して百二十九・一、厚生省が当面目標にしておる昭和六十年度における人口十万当たり百五十人の医師の確保ということを目標にいたしておりますが、いままでの状況を見ると、これは達成できるんじゃないか、かように思っております。 したがって、日本の医療問題は欧米諸国から比べて、そんなに落ち込むということがないように、昭和六十年ごろまでには医者の問題等もそういうように解決していける、こう見ております。
○原(茂)委員 具体的には何もないようですね。しかし、そういう意気込みと目標を持ってやることは非常にいいと思うのです。 ついでにお伺いするのですが、合格をしたお医者さんが、臨床研修制度によって先輩の指導を受けて何年かやらなければいけないんだよ、これは医師法ですかね、こういうように四十三年ですかに定められましたよね。それによって、いま実施されているはずなんですが、臨床医として必要な知識その他を得るために、こういった研修制度を行う、これはぜひ必要なことだと思うのですが、医師法を見ますと、第十六条の二に「医師は、免許を受けた後も、二年以上大学の医学部若しくは大学附置の研究所の附属施設である病院又は厚生大臣の指定する病院において、臨床研修を行なうように努めるものとする。」というのですね。努めなくてもいいんですね。やらなくてもいいんですね。やらなくても医者は医者なんですから。こんなことをしなくてもいいんだ、した方が望ましいんだというのが、この医師法第十六条の二なんでしょうか、これはちょっと不思議だと思ったからお聞きするんです。 「努めるもの」とするんだから、二年、そういった臨床の知識を得るために厚生大臣の指定した病院その他で実地の研修をしてもよし、しなくてもよし、こういう解釈なんですか。
○石丸政府委員 医師の国家試験合格後の臨床研修の解釈につきましては、ただいま先生御指摘のとおりでございまして、そういう解釈になるわけでございます。ただ、医師という職業というものを考えてみました場合、やはりこれは一生涯そういった研修を積む必要がある職業だというふうに考えておるわけでございまして、特に卒後二年という問題以外にも、この問題はあるわけでございまして、われわれといたしましては、そういった意味におきましてこの卒後教育、特に卒直後の二年間の研修、これを受ける率というものについての向上については努力しておるところでございまして、さらに今後とも努力してまいりたいと思っております。
○原(茂)委員 患者の側から言いますと、こういう研修制度が医師法によって規定されている以上、合格後二年間はこういう研修を受けた医者なんだ、受けない医者なんだということは知りたいですね、こういう法律がある以上は。やはり厚生大臣の指定するような病院その他で二年間の研修をしてもらった医者の方が信頼感があるような気がするのです。 そうすると、同じお医者様でも二年の研修済みなら何とかのマークというように国民にわかるようにして 医師のいい悪いを言うわけじゃないのですが、とにかくあんなに医師会がやかましく言っているのですから、私は気持ちの上で、ある程度医師会に反発しているのです。そういう意味から言うと、二年以上の研修を受けた医者だ、そうじゃない医者なんだという、何か識別がわれわれ患者の側にできるように工夫した方がいいんじゃないですか。大臣どうですか。大臣の考えを政治家として答えてもらいたい。お互いにやがて病気するんだから。
○渡辺国務大臣 私は、そういう専門的なことは余りよくわかりませんけれども、局長の言う話ですと、医学博士の肩書きと同じくなるんじゃないか、広告にだけ宣伝されて、実際はそれだけの御利益があるかどうかなかなかむずかしいというのですが、しかし実際に、まじめに二年間やれば、その人はやはり実務のことも知っているだろうし——学校を出てきたはかりで、免状だけ持っているから、医者は何でもできるということになっていますから、そういうのはやはり危なっかしいなと患者は思うかもしれないので、いろいろ研究をしてみたいと思います。いまの段階で何とも申し上げることはできませんが、研究をさせていただきます。
○原(茂)委員 大臣、思い切ったことを言いますね。研修を受けた医者は怒りますよ、いまの速記録を見たら。局長もけしからぬし、大臣もけしからぬということに多分なると思うのですよ、いまの答弁は。まあいいですよ。ずばりと思ったとおり言った方がいいと思いますから、そのとおりでいい。私は別の考えを持っていますが、少なくとも博士号と同じだろうなんて言って、この二年間の研修を一蹴してしまうような思想はどうもいただけない、同調できない。やはりまじめに研修してもらった方が私どもはいいと思いますから、この医師法の十六条の二に対しては非常にいいと思うのですが、ただ「努める」ことというのをもう一歩踏み込んで、しなければならないことに将来できるならした方がいいと思う。大至急にすべきだと思うが、どうでしょう。
○石丸政府委員 卒後研修につきましては、ただいま先生御指摘のようなことがあるわけでございます。それで、この経過を申し上げてみますと、終戦直後に医師法の改正がございまして、医学部を卒業した人間に対しまして、これは一年間でございましたが、卒後研修を行って、その卒後研修の後に医師国家試験を実施していた、かような経過があるわけでございますが、これがインターンの人たちの、特に医学部学生のいろんな運動がございまして、現在のような形になったわけでございます。 われわれといたしましては、法文そのものは努めなければならないという条文になっておりますが、やはりこれはぜひ全部受けるようにやりたいと考えておるところでございまして、実態を申し上げますと、現在わが国で大学の附属病院あるいはいわゆる教育関連病院というところで、卒後の教育を受けている人たちが八割でございます。医師国家試験合格者の八割がそういった教育関連病院で卒後の実習を行っている。あとの人たちについて見ますと、大学院に進学する人が大部分でございます。さらに外国の病院で実習をする、かような人たちもおるわけでございまして、われわれといたしましては、現状におきましても大部分の人たちが卒後研修を行っているものと考えておりますが、さらに、これを全員受けるように努力してまいりたいと考えております。
○原(茂)委員 近い将来に、十六条の二は「努めるものとする。」のじゃない、実際はほとんどもう行ってやっているんだから、したがって、しなければならない、こう改める方向で鋭意努力をしていく、こういうふうに解釈をいたします。そうすべきですから、そういうふうに解釈いたします。 四十九年度の予算を見ますと、当初の予算と比べて補正で不用額が出ているのですよね。歳出予算の現額が十六億四千四百九十三万九千円、支出済みの歳出額が十四億三千二万三千円ですね。したがって、不用額が四十九年度二億一千四百九十一万六千円出ているのですね。不用額が生じた理由は一体何ですか。さっき、ちょっと、研修を受けた率を、もうほとんどだ、八〇%だ、あと二〇%は外国へ行って勉強、何だかんだいろいろあるんだ、こう言った。要するに見込んだ者が、この研修を受けないということだろうと思うのですが、簡単に、それに間違いなければ間違いないでいいですが、不用額……。 それから、時間の都合でもう一問。これは四十九年度ばかりじゃない、毎年そうなんですね。毎年補正で不用額を出している。これは大臣よく聞いて、大臣から答弁願いたいのだが、こんなばかな、ずっとそうですよ。こんなずさんな予算の立て方が一体あるか、予算編成上の問題からいっても大問題ですよ。毎年そういうことをやっているのです。それで補正でいつも不用額を出しているのですよ。一つもこの制度が、まあ生きてないとは言いませんが、せっかくあるのに、やはり何か工夫をして、一〇〇%受けるようなことにするような努力をしなければ、試験に合格をして、国家試験に合格をする率も予想より下回る、合格した者がまた来るのが二〇%来ないということが、同じパターンを四十九年も、五十年も、五十一年もやっているのだったら、予算の編成時におけるこういったものに対する根本的な考え方をしなければ、予算というものに対するずさんな態度だ、こう言って責めてもやむを得ないと思うのです。 二つに分けて答弁してください。
○渡辺国務大臣 ただいまの御質問は、臨床研修費補助金等の不用額がなぜ出ているか、これは医者の合格率の見込み違いであったそうであります。 不用額の問題は、四十八年、四十九年と不用額が出ておりますが、国全体の不用額よりも実は厚生省の不用額の方が下回っているように私は記憶をいたしております。 二百億円とかそういうふうな不用額が出るのはどういうわけなんだ。ところが、一つは、結核患者等がどんどん減っておる、それから伝染病関係が見込んだよりも少ない、それから措置患者ですね、精神病関係で人権問題がうるさく言われて、長期に入れないで途中で出すというようなことが行われるようになったために、不用額が一番出ているのだということを聞いております。厚生省の方は、一応、伝染病関係やなにかは、予定をしても発生しないということは、これはうれしいことでございまして、そういう意味での不用額は私はやむを得ないのじゃないか。 それから、それでは不用額が去年あったから、ことしは伝染病の方はうんと削っておいてもいいじゃないかというわけにもなかなかいかないものですから、そういうところでどうしても不用額が幾らかは出るということは、もう御了承いただきたいと存じます。
○原(茂)委員 伝染病やなにか厚生省全体の不用額をいま言っているのじゃないのです。臨床研修費の補助金の不用額のことをいま言っているわけですから……。 四十八年が不用額の率が二三・二%、二割三分二厘ですよ。それから四十九年が一三%ですよ。これだって多いですよね。そしてまた、五十年になりますと一八・七%になっているのです。五十一年は計算していませんが、恐らくもっと多くなるのではないか。少なくとも一割以上の不用額が年々こうやって出て、補正で減額修正をするようなことは、予算編成上、やはり、厚生省全体を考えてみて国全体の不用額の中に占める割合が少ないから、まあまあいいじゃないかなんて考える、そんなゆとりは、いま国家財政にない。貴重な金は有効に使わなければいけないのですから、その意味では、こういう臨床研修費の補助金の、二割三分だの、一割三分だの、一割八分だのという不用額が出るということに対しては、厳重に今後注意をしてもらい。 こういうずさんな予算編成をしないようにということを、きちっと大臣から言ってもらわなければ困ると思うのです。そうして、前段に申し上げましたように、少なくともこういった不用額が生じないような努力というものは、全体的な面で、きょうるる申し上げた、やりとりの中での工夫と前向きの研さんをお願いしたい、こう思います。
○渡辺国務大臣 御趣旨ごもっともでございます。 五十一年度は、したがって臨床の研修費につきましても、前の失敗がありますから、非常に精密に見積もりましで、大体不用額が出ない見通しであります。今後ともそういうようなことは、十分に気をつけてやらしていただきます。
○原(茂)委員 これで終わります。
○芳賀委員長 馬場猪太郎君。
○馬場(猪)委員 昭和四十八年の秋に起こりました石油危機を契機として、いままで豊かな時代であり、そしてまた使い捨ての時代だという幻想を振りまいてまいりましたが、途端にその幻想が吹っ飛ぶようなこととなり、そしてまた物不足が語られ、また資源問題がやかましく論ぜられるようになりました。と同時に、それが高度成長政策の終えんだと言われておりますが、その当時は、卸売物価にしても小売物価にしましても、二十数%ずつの値上がりを示し、その後遺症として、四十九年度に入りましては、年々三〇%以上の賃金の上昇をしなければ追いつかないという状態が参りました。 ということは、それだけまた福祉対策に対する要望度が高くなり、あるいは社会保障に対する要望度がますます高くなりつつある。その中で、医療も同じようなことが言えると思います。特に生活程度の低い人たち、そして弱者と言われる人たちに対する影響が非常に大きかったと思うのですが、四十八、九年当時の医療がどういうふうになっていったのか。医療が受けやすくなっていったか受けにくくなったかということについて、数字的に統計がありましたら、お教えをいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 医療が受けやすくなったか受けつらくなったかということを数字的に説明しなさい、こういう御質問でございますが、手元にその数字は持っておりませんけれども、これは見方にもよるだろうと思いますが、大部分が保険で診療を受けられるというような方向に行っておりますから、そういう意味では、医療は充実されておるというように私は考えております。
○八木政府委員 大臣がお答え申し上げましたように、医療保険制度という面で——やはり国民の医療をいかに守るかということが中心になりますのは医療保険制度であるわけでございます。そういう面から申しますと、四十八年の改正等によりまして、従来は健康保険の場合に家族の給付率が五割であったのが七割に引き上げになった、あるいは高額療養費の支給制度というような制度が設けられたという面で、医療保険というサイドで申しますと、従来に比べまして、医療保障の内容という面につきましては大きな前進が図られてきたというふうに考えられると思います。
○馬場(猪)委員 国民がどれくらい医療に対して支払っているか、数字あるいはパーセンテージでお示しいただきたいと思います。——それでは、私の手元にありますが、四十八年度に大体三兆九千四百六十九億ですか、四十九年に入りますと、途端に五兆三千七百八十六億というふうに、ちょうど四十九年ごろから、石油ショック以後急激に毎年毎年の医療費が伸びつつあるということは、御承知のとおりだと思うのです。こういう事態が起こりました。こういう事態が起こりましたことに対して、どういうふうにお考えになるでしょうか。ことしは恐らく七兆八千五百億くらいの国民負担になるだろう、五%を超えるような非常な負担になるだろうというふうになったのですが、大臣の所感を伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 医療が、国民皆保険というようなことから保険の治療というものが圧倒的にふえておるわけであります。したがって、国民全体の医療費が幾らになるかということは、これからのものは見通しでございますが、八兆円をあるいは超すかもしらぬという状況であることは事実でございます。これは一つは、物価、賃金等の高騰という問題もございましょうが、国民の方でも受診率等において減っておるわけではございません。ともかく存分に医者に——存分に医者にかかっておるという表現は適当であるかどうか知りませんが、お金がないために医者にかかれないというような状態が、だんだんなくなってきておるために医者にかかる数がふえ、それが医療費の形ではね返って統計数字にあらわれておる、こういうふうに私は見ております。
○馬場(猪)委員 医療費の負担が低い間はいいわけでありますが、四十年度と比べますと、四十八、九年、ちょうどこの決算の時期あたりでは大体六倍くらいになっておる。ということは、保険という形にしろ、結局まだ保険の負担がふえるということになるわけですから、憲法で保障された命と健康を守るということ、それこそいつでも、どこでも、だれでもが医療が受けられるということから考えると、だんだん遠くなっておるという現状だと思うのです。ただ保険の方が充実しておるから、その点は助かるのだというような考え方ではなしに、全体として苦しくなっておるということは事実なんですが、なぜそういうふうに事態が進んできたかということについてお教えいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 医療費がふえたということは事実なんです。しかし、国民所得の伸びというようなものもありますし、社会保障全体の費用というものも実はふえておるわけであります。したがって、国の負担というようなものもかなり急上昇でふえておるということも事実でございます。 医療費のふえた一番の原因は、先ほど保険局長がおっしゃいましたように、高度の医療というものが保険で可能になった。たとえば、私はこの前本会議でも申しましたが、脳外科の手術とか心臓の手術とか、あるいは人工腎臓によるところの人工透析とか、また一遍打てば一万六千円も注射代がかかるこびと症の治療、しかも数年間やらなければならぬ、こういうようなものが保険でどんどんできるようになったというようなことのために、それだけ国民医療が充実してきた、そのために加速度的というほどでもないが、かなり大幅に医療費がふえてきたということは、一にかかって医療の内容の充実、それからもう一つは老齢化、人口の老齢化が非常に進んできておる。老人になればどうしても病気になりやすい。一方老人の医療無料化という問題がずっと継続をされて充実をされておるというようなところから、年々医療費が非常にふえてきたのだ、私はこういうように見ておるわけです。
○馬場(猪)委員 医療費がだんだんふえていくということは、三年も続いたこういう低成長の時代が続く中で、それこそ低い所得階層の人たち、弱い立場の人たち、こういう人たちが、ますます医療を受けにくくなるというような状態が進んでいくのじゃないかと思うのですが、これは事務局の方で結構ですから……。
○八木政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、国民の医療をいかに確保するかということになりますと、医療保険制度の充実ということになるわけでございます。 そういうような意味におきまして、四十八年の改正によりまして、従来一家族の場合には五割負担であったということが七割まで公費で見るということで、三割の自己負担、しかも三割の自己負担でございましても、先ほど大臣からお話し申し上げましたように、医学が進歩し、医療技術が革新されて、いろいろな意味で非常に高額の医療費もかかる、そういう面で御負担がかかるということも考えられましたので、三割の自己負担でございますけれども、その中でも特に高額の医療費というものにつきましては公費で見るというような形で、できるだけ社会保険のサイドにおきましては、そういうような保険の中におきましても、できるだけそういう面の配慮が加えられておるわけでございまして、それ以外の問題につきましても、あるいは老人医療の無料化の問題でございますとか、あるいは公費医療制度等によりまして、その補足的な充実が図られている次第でございます。
○馬場(猪)委員 社会保障を充実させたり、あるいは老人医療を進めたり、いろいろな高度な医療を進めるというふうに言われておりまするけれども、実際には、いま国民一人一人が医療を受けよう、急に病気になったときに、果たしてすぐに病院に入れる状態なのだろうか。あるいはまた、病院に入っても、今度はまた差額ベッドの問題があったりして、いろいろな面で制約を受けていることが事実だろうと思います。そういう面で、どういうふうにしてそういう問題が起こってきたのかということについてお教えいただきたいと思います。
○石丸政府委員 病院医療の問題につきましては、医師の面から見ますと、どんどん医療の専門化が行われておりますし、またより高度の医療を国民の側から要求されている、かような状況でございまして、やはりわれわれといたしましては、より高度の医療を提供する、そのための病院のそういった機能確保という面から考えてみますと、どうしても、そういった高額医療をやらざるを得ない、かような状況になっておるわけでございますが、われわれといたしましても、病院経営の立場から、さらに今後より効率的な医療の確保ということに努力してまいりたいと考えております。
○八木政府委員 後段の点につきましてお答え申し上げます。 社会保険ということで、患者の方ができるだけ御負担がないということが望ましいわけでございますし、医療保険の本来の趣旨から申しますと、差額負担というものは、何のための保険制度だということになるわけでございます。 御指摘ございました差額ベッドの問題でございますけれども、差額ベッドの考え方につきましては、やはり患者さんによりましては、差額ベッドに入りたいというニードもあるわけでございますから、差額ベッドそのものを否定するという考え方はございません。しかし病院が、ほとんどが差額ベッドであるという結果、結果的に入りたくても入れないということがあってはいけないわけでございますので、そういう意味から、私どもも一定の基準というものを示しまして、病床の中におきまして、差額ベッドの割合はこの程度にとどめるべきであるというような指導をして、できるだけ保険外負担というものをないようにしたいというふうに考えておる次第でございます。
○馬場(猪)委員 差額ベッドはどうしてもやむを得ない措置だ、こう言われているのですが、それじゃひとつ公立病院なり私立病院の差額ベッドについての実態調査、そういったものはおありだと思うのですが、そういうものがありますなら、お示しいただきたい。
○八木政府委員 差額ベッドの実態につきましては、私ども国立病院につきましては一〇%、それから民間病院につきましては二〇%という一応指導の基準を出しております。 そこで、四十九年以来の実態調査の実績から申しますと、四十九年六月、五十年七月、五十一年七月と、この三年間の実績で申しますと、全般的に申しますと、四十九年は総ベッド数に対しまして一九・二%、それから五十年の七月調査におきましては一八・三%、それから五十一年七月一日現在におきましては一八・〇%ということで、逐次改善の効果が上がっておる次第でございますけれども、ただ、国立の場合には、最近の実績で申しますと、五十一年の七月の場合に五・四%、公立が一三・四%ということで、全体では一八%でございますが、一番高いのはその他法人というのが二七・八%というので、現実の姿といたしまして、差額ベッドの多いのは私立大学の付属病院等が非常に多い実態でございます。
○馬場(猪)委員 実際に患者が病院を利用する場合に、国立と私立の場合、どれぐらいの比率になっておるのでしょうか。
○八木政府委員 その点につきましては、調査したものがございませんのでわかりません。
○馬場(猪)委員 制度の上ではいろいろ言われるのですが、実際庶民感情として、一人一人の人が急に医者にかかろうと思っても、なかなかかかれないのが実情であり、入院しようと思っても、なかなか入院できないのも実情だと思うのです。あるいはまた救急医療についても、ずいぶんとこのごろたらい回しの問題なんかで騒がれておりますけれども、一人一人の国民の立場に立つと、医療というものは、だんだん費用も高くつき、そしてまた受けにくくなり、入院もしなくなるという実情は、実感として持っておると思うのです。ですから、それに対してどういうようにすれば、もっと医療というものがわれわれの手近なものになるのか、そういうことについての対策がいまとられておると思いますが、それについてお示しをいただきたい。
○渡辺国務大臣 差額ベッドの問題は、やはり非常にいろいろ言われるところでございます。したがって、われわれとしても指導を強めまして、まず差額ベッドをなるべく少なくするように、そういうようなことを指導いたしております。これは実態をよく調べてみなければわかりませんが、やはり公的医療機関等のベッド数をふやすということも一つでしょう。したがって、この間もこの公的医療機関のベッド数を三万程度ふやすということを了承をしたわけであります。 それと同時に、どうも病院がサロン化して、治ってもなかなか病院から出てこなくて、占領されて困っておるのだというような話も世間にはございます。実態は私よくわかりませんが、もしそういうようなことがあれば、病人でない者が病院にいつまでも入っておって、本当の病人が入れないというようなことでは困るわけですから、何らかの措置は講じなければなるまい。老人ホームと病院と同じようになっているのではないかと言うような人もあります。しかし、帰るところがなければ、そういうことにもなるわけでありますから、それはやはり老人ホームとの関係というような問題も全然無関係であるとはなかなか言えないだろう、そう思います。 したがって、これらの問題については、ちょいちょいそういうことが耳に入りますが、よく実態を調べて、ともかく医療のあり方というものも、保険のあり方、医療のあり方というようなことを、ことしじゅうに全部再検討をしてみたい、こう考えております。よりよく、そして本当に病気で困っている人が、差額ベッドが高いために入れないとか負担が多過ぎて入れぬとかいうことのないように努力をしてまいるつもりであります。
○馬場(猪)委員 いろいろと御努力をいただいておることはありがたいと思いますが、実際に、先ほども申し上げましたように、一人一人の国民については医療というものは、ますます存在が遠いものだというふうに映っている面も非常に多いと思います。特にその中でも救急医療については非常に不足しておるのではないか。 最近、大阪でも救急医療条例制定運動というものが起こりましたが、この件については御存じでしょうか。
○渡辺国務大臣 詳しいことは知りませんが、この間、大阪の医師会長と会いまして大阪の救急医療の話もずいぶん聞かせていただきました。大変国よりも先がけてよくやっておるようであります。したがって、そういうような大まかな話は聞かせてもらいました。
○石丸政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げたような状況でございまして、そういった直接条例制定の動きがあるということは存じ上げておりますが、なお、その内容の詳細等につきましては、まだわれわれの手元に入っていないところでございます。 ただ、この救急医療とか、あるいは医療全般についてもそうでございますけれども、やはり地域住民の生活に密着したものでございまして、特に救急医療という点につきましては、その地域、地域においてどういうふうに緊急の医療を確保していくかという問題でございますので、われわれといたしましても、そういった地方の実情に応じたいろいろなシステムづくりというようなことに重大な関心を持っておるところでございまして、大阪のそういった動きにつきましても、われわれこれを今後参考にいたしまして、そういったよりよいシステムづくりが実施され得るよう、われわれといたしましても今後助成等について格段の努力を払いたいと考えております。
○馬場(猪)委員 こういう条例制定運動が起こるということ自体は、結局医療に対する不満あるいはまた行政のその対策に対する手ぬるさ、これに対する抗議だと思うのです。 この条例制定運動の掲げております四つの原則を読み上げてみますから、ひとつ御感想を承りたいと思います。 いつでも、どこでも、適確に良好な医療を受けられるような大阪府民の権利を保障するための行政の責任ということ。救急医療は、現行診療報酬による独立採算制のもとでは供給することが困難かつ不適当であり、十分な公費が投入されることが必要であるということ。三つ目は、すべての医師、医療機関は、大阪府における救急医療の確立のため、府が行う行政施策に協力しなければならない義務を持つ。四つ目は、救急医療の確立のための行政施策に関して、あらゆる段階で医療を受ける住民の意思が反映されなければならない。 こういうふうなことを内容として条例制定の運動を起こしているわけですが、これに対して大臣の所感を承っておきます。
○渡辺国務大臣 私も救急医療は非常に重要であることは、よくわかっております。したがいまして、先ほどもお話をいたしましたが、五十二年度予算においては画期的な予算づけをやって、それで充実をしようというための施策を申し上げたわけでございます。それらはすべて、そこに書いてあるようなことを着実に実現しようとするための予算措置であるというように御理解いただきたいと存じます。
○馬場(猪)委員 大体四項目言ったわけですが、それぞれについては、それぞれの御意見があるはずなんですが、お示しいただきたい。
○渡辺国務大臣 四項目一つ一つについては、私は明快な答えができないかもしれませんけれども、確かに救急医療というのは不採算性である、これも間違いありません。したがって、これらについてはやはり助成をいたしまして、それで在宅当番制をやらせたり、あるいは病院群の輪番制をしたりというようなこともやりましょう、また医療費の単価の問題についても、深夜等の救急患者については健康保険の上でも五〇%とか、あるいは倍とかと、それぞれの項目によって違いますが、単価も別な単価を用いて収入の点でカバーをさせるようにしよう、こういうことも考えておるわけでございます。 それから、行政の責任であるということでございますが、これはやはり確かに救急医療というものは国の大きな医療体系の中の一環でございますから、ある意味においては、もちろん行政の責任だと私は思います。思いますから、やはりできるだけのことをやるような措置をとっておるわけでございます。 それから、これは私も聞きまして、大阪ではなかなかうまくやっているそうです。先ほど局長がお答えいたしました、それぞれの地域の人々の意見が反映できるように、地域に合ったものをつくる必要があるというのは、そういうことを指したものでございます。一方的に官製のなにをこしらえましても、利用者が不便であるということでは困るわけでございますから、極力地域の住民の意向というものを何らかの形で吸い上げて、それが医療の体系の中に織り込まれるように、そういうような指導をしていきたい。せっかくこしらえても、住民からそっぽを向かれるようなものじゃだめなわけですから、できるだけ住民が利用しやすいというようなことを察知をして、そういう仕組みをつくっていきたい、こう考えております。
○馬場(猪)委員 局長の方から感想を……。
○石丸政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げたようなことでございまして、特につけ加えることはないわけでございますが、特に地域の実情に合ったシステムづくりを考える必要があるということを私は申し上げたわけでございます。昭和五十二年度、いま御提案申し上げております予算案におきましても、そういったことを念頭に置いての予算案をつくったわけでございまして、特に第二次救急医療体制につきましては、三つの方式を掲げておるわけでございます。 すなわち、病院間の臨番制の問題あるいは共同利用型の病院あるいは協定型というような三つの方式をわれわれは提示をしておるわけでございまして、そういった三つの中において、それぞれの地域の実情において最もいいと思われるものを採用していただいて、それに対してわれわれが助成を行うということを考えておるわけでございまして、特にこういった救急医療というものは地域住民の意思を反映した、最も地域住民に密着した行政でなければならないというふうに考えておるところでございます。
○馬場(猪)委員 いま言われたように、地域住民に密着しなければならないのですが、すでにことし大幅に補助をすると言われておる臨番制の問題であるとか、あるいはまた当番制の問題であるとか、自発的にある程度地域ではやっておることは事実だと思います。しかし、これはあくまでまだ行政も住民も参加をしてつくったものでなしに、大体の医師会あたりの自発的な考え方で進んでおるわけでございますので、果たしてこれがその地域の実態に合ったかどうかというようなことも、まだ疑問な点が多いわけです。だからこそ、条例制定を求める声というものが上がっておるわけです。 いまの御答弁によりますと、結局地域で自発的に起こったら、それに対して助成をするんだ、厚生省はそれに対して特別な指導も特別な何もないんだというふうなことにとりかねないわけなんですが、国として、もっと積極的に長期にわたる計画をつくって、その中で地域医療のあり方、あるいは専門医療のあり方というようなことを示していくべきじゃないかと思うのですが、そういう点については、どういうお考えをお持ちになっておるか。
○石丸政府委員 救急医療問題、これは救急医療問題に限らず、先生ただいま御指摘のように地域医療計画そのものの問題になるとは考えておりますが、当面の救急医療対策の問題について申し上げますと、先ほど御質問がございましたように、四十八年のこの委員会におきまして御決議願いましたその決議案に基づきまして、われわれは救急医療懇談会をつくりまして、そこで国自体としての当面とるべき救急医療対策の方策というものを御議論願って、これを各府県に示しておるところでございます。 そういった当面とるべき救急医療対策というものについてわれわれが考えを示し、そういった中においてそれぞれまた各地方の実情に合ったものをお取り願う。あるいはまた、今後の問題といたしまして、すでに、救急医療対策をわれわれが示しました結果といたしまして、各都道府県におきまして、そういった審議会、協議会のようなものをおつくりになって、いろいろ御審議願っているような状況でございます。また、そういった地方の実情に合った方策というものが上がってくれば、またそれを助成していくような方向で考えてまいりたいと思っております。 ただ、先ほど申し上げましたように、救急医療のみでなく、限られた医療資源によって国民がいつでも、どこでも、りっぱな医療を受けられるということを確保していくためには、地域医療計画というものが必要になってくるというふうに考えておるところでございまして、この地域医療計画全体の問題といたしまして、ただいま審議会をつくりまして、いろいろ研究を願っている、かような段階でございます。
○馬場(猪)委員 話が少し飛ぶのですが、いわゆる医師優遇税制、これが行われた当時に、なぜああいう医師優遇税制がしかれなければならなかったか、そういう時代背景というものについて、私は十分知りませんので、ひとつお教えをいただきたい。
○渡辺国務大臣 社会診療報酬特別措置の経過について簡単に、私の知っている範囲のことを御説明申し上げます。 昭和二十九年の十二月に特別措置法の一部改正がございまして、そのとき、社会保険診療報酬に対する昭和二十九年分の所得税から所得率を二八%とする、こういうことに決まったようでございます。このときは、何か報酬の引き上げというような問題について納得がいかぬというようなこと等も裏にあって、それで、そのかわり所得税の方は二八%だよというようなことで医師会と話し合いがついたというようなことを私は聞いておるわけであります。 その後は、昭和五十年の一月になりまして、閣議で五十年度の税制改正の要綱の備考として、社会診療報酬課税の特例の改善合理化を図るということは、次回の診療報酬改定と同時に実施をしようということが決められたということが言われております。 なお、五十一年の四月になりまして、厚生大臣のもとで医療問題に関する専門的学識経験者の意見を体系的に聴取するための具体的な措置をとって、その検討を踏まえた上で、この診療報酬の課税特例措置というものを、どういうふうに処置するかということを決めていこうというように目下なっておるところでございます。
○馬場(猪)委員 そうしますと、本来診療報酬制度そのものを検討しなければならぬのが、税制の面にすり変わってやられたというふうな印象を受けますが、それが、その後たびたび診療報酬をめぐっていろいろ問題を起こしておると思いますが、当時といまと余り考え方が変わっておらないのじゃないか、そういうように受け取れるわけなんです。その点いかがでしょう。
○八木政府委員 社会保険診療報酬のあり方につきましては、社会保険中央医療協議会におきまして、この問題を御議論いただいているわけでございます。 基本的な考え方といたしましては、診療報酬のあり方というのは、やはり国民経済の伸展というものを勘案し、さらに人件費あるいは物件費の動向、さらに医師なり医療担当者の技術料をどういうふうに評価するかということで、常にこの問題を基本に置きまして社会保険中央医療協議会で、この問題を御議論いただいているわけでございます。非常にむずかしい問題を抱えた基本的な問題でございます。毎回の診療報酬の改定の際に、やはり技術料の評価をどうするかということで、医学、医術の進歩に伴い、さらに技術の評価という面から、できるだけ技術料の評価を中心としていくべきじゃないか、さらに人件費、物件費のスライドというものを考えてやっているわけでございます。 そういうことで、逐年そういう面から診療報酬の改定の際にこの問題を議論され、改善は進んでおるわけでございますけれども、基本的な問題でございますし、今後とも中医協にも十分御相談いただきまして、この問題を解決していかなければならないというふうに思っております。
○馬場(猪)委員 技術料なり診療報酬のむずかしさはよくわかるわけですが、それがなかなか妥当なものが出てこないということが、差額ベッドの問題であるとか、薬づけの問題であるとかいろいろ出てきておると思うわけです。そういうことになると、結局二十九年当時からいままで、医療行政の立場においては、ほとんど進んだ考え方もなされてきていないと思うわけなんです。そのために救急医療における条例制定運動が起こったり、医療に対するいろいろな不満、要望というものが各地で起こっておるわけでございますので、そういうことを考えると、今後もっと積極的に、先ほど原先生からもおっしゃったように、新進気鋭の厚生大臣が臨まれて意欲を示しておるわけですから、医療行政を一段と前向きの姿勢で取り組んでいただくことを御要望申し上げまして、終わりたいと思います。
○芳賀委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十七分散会