外務委員会多国籍企業等国際経済に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/05/26
会議録
○有馬小委員長 これより多国籍企業等国際経済に関する小委員会を開きます。 多国籍企業等国際経済に関する件について調査を進めます。 この際、多国籍企業等の諸問題について、政府当局から説明を聴取することといたします。外務省賀来国際経済第一課長。 大体二十分程度で順次説明をしてください。
○賀来説明員 それでは多国籍企業に関する最近の国際的検討の状況を御説明いたします。 外務省の方から、OECDにおける検討状況、それから国連における検討状況、さらに多国籍企業の母国であります米国における多国籍企業規制立法に関する最近の動きを、以上の順に従ってそれぞれ御説明いたします。 まずOECDにおける多国籍企業の検討状況でございますが、昨年六月、OECD閣僚理事会におきまして、いわゆる「国際投資及び多国籍企業に関する宣言」案なるものが採択されました。この宣言は、多国籍企業に対し、同宣言の付属書に定めております行動指針の遵守を勧告するほか、外資系企業に対し法令等の範囲内で国内企業よりも不利でないいわゆる内国民待遇を与えるべきこと、それから各国が国際直接投資に対し、抑制あるいは促進要因となるような公的な措置をとる場合には、他国の利益を十分尊重すべきこと、それからまたOECDのこの宣言の実施に関する諸般の協議手続につき定めております。 この宣言の採択に引き続きまして、わが国におきましても、この多国籍企業行動指針の周知徹底、実施を図るために、経済界、労働界等諸般の関係団体にこの行動指針の詳細な説明を行い、本指針の周知徹底を図ってきております。 その後のOECDにおきますフォローアップでございますが、本年の三月末にこの宣言を起草しました国際投資・多国籍企業委員会が開かれまして、その後に、OECD加盟各国における行動指針の進捗、実施状況等につき最初の意見交換が行われ、おおむね実施状況につき満足な進展が見られていることにつき、一般の意見の一致がございました。 それでは、以下、国連における多国籍企業規制問題、それから米国における多国籍企業側立法について、担当課長の方から説明いたします。
○有馬小委員長 次に、八木経済課長。
○八木説明員 国連において現在検討中の多国籍企業問題について御説明申し上げます。 お手元にお届け申し上げました資料の三ページから五ページに、どういう経緯から国連において多国籍企業問題が取り扱われるに至ったかということをクロノロジカルに説明いたしております。時間の関係もございますので、結論から申し上げてまいります。 国連におきましては二つの作業が現在検討されております。一つは、多国籍企業の行動をどのように規範するかというコード・オブ・コンダクトを採択するという作業でございます。もう一つは、多国籍企業の腐敗行為を防止するしかるべき措置を検討しようという作業でございます。 最初の行動規範の問題に関しましては、これは昨年の多国籍企業委員会と第二回の委員会におきまして、五つの問題についてひとつ検討しようということが決まっております。 もう一つの、腐敗行為に関しましては、一昨年十二月に国連総会におきましてイラン、リビア等の提唱に基づきまして国際商取引における腐敗行為、これを弾劾する決議が採択されました。これを受けまして、昨年の八月六日に、多国籍企業に関連いたしまして、「国際商取引における腐敗行為、特に不正な支払い」に関する決議が採択され、以後三回にわたってどのような措置が適当であるかについて作業部会が開催された次第でございます。なお、第三回目の作業部会は去る四月に行われたわけでございますが、まだまだ検討を要する問題点があるということで、第三回作業部会の再開会期を六月末に開いてさらに検討し、ことしの夏の経済社会理事会にその中間結論を報告する、こういう段取りになっております。 以上簡単でございますが、国連における多国籍企業問題を御説明申し上げました。
○有馬小委員長 次に、福田北米第二課長。
○福田説明員 先般の懇談会でアメリカ関係について発言を求められておりますのは二つございましたと記憶しておりますが、一つは米国議会における多国籍企業規制法案の審議状況。第二が、日米間で現在反トラスト協定を作成する問題があるはずであるが、その現状はどうなっているか報告せよ。その二つであったと思いますが、これについて発言させていただきます。 第一の、米国議会における多国籍企業規制法案の審議状況につきましては、同じ名前の調書といいますか資料をお手元に配付してございますが、これに昨年とことしのアメリカ議会における動向を網羅してございます。実は、多国籍企業の定義をいかにとらえるかによって法案をどこまでカバーするかということが非常に違ってくるわけで、一番広くとって、いわゆる海外投資を全部含むということになりますと、提出されている法案のかなりの部分がこれに一部ないし間接的に関連するということでありますが、一応かなり直接的な関連があると思われるものにしぼりまして御報告を申し上げてございます。 そこにも書いてございますが、昨年はいろいろ法案がございましたけれども、結局昨年成立した法案は二つ。一つは、一九七六年国際安全保障援助及び武器輸出統制法で、いわゆる政治献金、贈与及び料金について国務省へ報告することが義務づけられ、第二に外国公務員が不法支払いを要請し、または収受した際は、それを議会に報告することを大統領に義務づけるといったことが規定されております。 第二に成立しました法案は、一九七六年税制改革法第十編でございまして、いわゆる贈賄相当額については損金に算入することを認めないで課税するということ。それから、その際の不正の支払い額を適当に査定することができるということを内容としております。 本年の議会におきましては、主として贈賄行為等不正行為を取り締まるための法案と、それからたとえばエネルギー産業の分割法案であるとか、あるいはアラブ諸国によるイスラエルボイコットへ参加することをとめる法案であるとか、いろいろございますが、現在のところ動きが見られますのは、第七番目に書いてあります一九七七年海外腐敗慣行及び対内対外投資公開法案、いわゆるプロクシマイヤー法案と言われるものでありまして、これは上院の銀行委員会にまず付託されて、上院を去る五月五日に通過し、現在下院に付託されております。 その主たる内容は、第一編におきまして厳格な会計基準の保持を義務づけること、それから外国政府公務員に対する贈賄行為に刑罰を適用するということを決めておりまして、この部分につきましては、昨年同じ上院議員から提出され、上院を通過したものの下院で廃案となりました法案と内容は同じでございます。そのほか今回の法案には、第二編といたしまして、いわゆる公開及び報告義務を強化する内容が盛り込まれております。 以上が、昨年及びことしにおける米国議会の多国籍企業規制法案の審議状況でございます。 第二に、日米の反トラスト協定作成問題の現状につきましては、本件については、去る一月三十一日に米国の国務省からワシントンにございますわが大使館に、こういう協定を締結することを目的とした交渉を申し入れたいと考えるけれども、そういう申し入れがあった場合に日本側がどういう反応をするか、事前に承知したいということを電話で言ってまいりましたので、わが方で二月に関係各省、具体的には外務省、通産省、それから公正取引委員会事務局で協議を行いましたが、本件についてはなお検討すべき問題が種々あるので、米側申し入れに関するわが方の対処ぶりについては慎重に検討中であるということを、在米大使館を通じアメリカ側に伝達してございます。したがって、現在は、米国から本件の協定作成についてわが方の政府の意向を打診してきている段階でございます。 なお、一点つけ加えますと、米国の司法省から当方の公正取引委員会に、参考までにということで、昨年の六月二十三日にアメリカと西ドイツの間で締結した制限的商慣行に関する相互協力協定のテキストの写しが送付されてきております。 以上でございます。 —————————————
○有馬小委員長 それでは、先般、多国籍企業に関する問題調査のため欧米諸国を歴訪されました塩崎法務政務次官より、その実情等について御意見をお伺いすることといたします。法務政務次官塩崎潤君。
○塩崎政府委員 大変広範な多国籍企業問題について御勉強中のこの小委員会に御喚問を受けまして、外務省の方々とともに意見を述べさせていただける機会を与えていただきましたことを大変光栄に思います。 しかし、かつて外務委員会に籍を置いた者でございますので、どうかひとつむずかしい追及はぜひとも御遠慮していただいて、報告を簡単にやらせていただいて、もしも皆様方から御注意がございましたら受ける程度にやっていただきたいということをかねてから小委員長にお願いしておきましたが、そういう趣旨で呼ぶからということでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 そこでまず、なぜ私が与野党伯仲のこの国会に、貴重な国費を使って、国会開会中にアメリカあるいはヨーロッパにまで出張したかという理由、またその背景を真っ先に申し上げさせていただきたいと思うのでございます。 外務省の方々から大変なだらかに国連あるいはアメリカの動き等についての御報告がございましたが、私がこのような時期に参りましたのは、言うまでもなく、例の腐敗行為防止に関します国連の作業がだんだんと煮詰まってきたからというふうに考えていただきますれば、国費を使ったこともお許しを願えるのではないか、こんなふうに思うわけでございます。 多国籍企業問題の生じました背景につきましては、もう皆様方御案内のとおりでございます。一九六〇年代から多国籍企業問題がいろいろと論議をされてまいりましたが、そのとらえ方がいろいろある。当初はアメリカの大企業の世界侵略のように言われ、その次には通貨危機の元凶であるとか、あるいは南北問題におきます一つの搾取機関とか、いろいろ非難があったのでございますが、最近一番取り上げられておりますのは、腐敗行為の問題であり、不正行為の防止の問題であることは言うまでもございません。 そこで、いろいろの経緯がございましたが、一九七三年にアメリカ上院の外交委員会に多国籍企業小委員会が設けられたことは御案内のとおりでございます。その直接の原因になりましたのは、例のチリ政変、アジェンデ政権の転覆とアメリカのITTの関係からであったというふうに言われておることは御案内のとおりでございますが、だんだんとそこで論議が進んでまいりまして、アメリカには国連におきまして一九七五年の十二月十五日、これもいま八木課長からお話がございましたが、どうも私どもの日本政府は恐らく無邪気に入ったのじゃないかと思うのです。翌年の二月四日に例のチャーチ委員会でロッキード事件が発覚し始めたわけでございますが、全く発覚の前の一九七五年、一昨年の十二月十五日の第三十回国連総会において多国籍企業による贈賄を含む腐敗行為を非難する決議、同時にまた、そこで本国、受け入れ国双方の政府が腐敗行為予防のための措置をとり、予防、処罰等に関して協力すべきこと、及び本件を国連多国籍企業委員会が検討するという決議を十二月十五日に採択し、もちろん日本は当然のことながら参画しているわけでございますから、私は、どう考えてみましても、決議に参画している以上はこの問題については逃げられない、いろいろと法制的な問題がありましても、政治的に何らかのこの決議の趣旨を生かすような方向をとらざるを得ないというのがまず多国籍企業の背景だと思うのでございます。 そして、実はこのような決議後、私は外務政務次官という大変はえある役職をいただいたおかげさまで、去年の七月ECOSOC、第六十一回の経済社会理事会にも、アビジャンで開かれたのでございますが、行かしていただいて、これは国会閉会中でございましたから堂々と出席させていただきまして、日本の立場、きわめて抽象的な演説を、外務省の方々が書いたのでこれをやれということで、これをやったわけでございますが、具体的な提案はなくて、大いに多国籍企業のメリット、デメリットを述べてきた記憶が、いま考えてみるとあるのです。 しかし、まだきわめて具体性のないような段階でございましたが、だんだんとそれから煮詰まりまして、八月四日のECOSOCの理事会ではもう少し詳細な決議が行われまして、まず第一に、多国籍企業等による国際商取引における賄賂を中心とした腐敗行為問題の検討を行うこと、それから第二は、国際商取引との関連で不法な支払いを防止及び除去することを目的とした国際協定の範囲及びその内容についての詳細にわたる検討を行うことを目的としたアドホック政府間作業部会、ワーキンググループと言っておりますが、ワーキンググループを設置する、それから多国籍企業委員会による作成作業に高度のプライオリティーを与えるべきであるということを三番目に決議し、そして第四番目には、第六十三回ECOSOCは、その決定に従って国連総会が最終的なアクションをとるために具体的な勧告を同総会に送付するという決議を八月四日、これはジュネーブであったと思いますが、経済社会理事会で決議をいたしたわけでございます。 そこで、ことしの三月にワーキンググループが開催されたわけでございますが、これからだんだんと緊張してくるわけでございます。つまりその原因は、アメリカが一つの提案を勇敢にいたしたわけでございます。いろいろアメリカの考え方もございましょうけれども、アメリカがまず第一に、国際商取引に関して外国公務員に対する贈賄を禁止するための本国における処罰化、つまり贈賄者だけを処罰するということですね、多国籍企業の本社国が贈賄者だけを処罰する、収賄者のことは触れない。第二は、国際商取引に関連してなされた外国公務員または仲介者に対する支払いの報告義務及び公開の制度の新設——悪事をしておいて報告しろという、例の憲法三十八条との関係でやかましい議論の起こるような、何といいますか、自己に不利益になる自白は強要されないという規定の違反になるような感じの、いわゆるディスクロージャーと申しますか、こんなような内容を持ち、外国に払った支払い金額を報告する、あるいは公開する、このような大胆な提案が行われたわけでございます。 三番目には、これはもう当然のことでございますが、わが国あたりが言い、ヨーロッパも言っておりました情報交換のための国際協力と法執行のための国際的司法共助の促進、国際的な司法共助を促進していこうという提案がなされたわけでございます。大変各国の反響が大きかったわけでございますが、しかしまだまだ各国の反応は鈍いようでございます。 そこで、国連の予定といたしましては、八木課長から御報告があったと思いますけれども、六月の二十七日からジュネーブで第四回のワーキンググループを開いて、アメリカの気持ちでは、引き続きECOSOCで討議の結果を報告してもらって、そして今秋中にも外交委員会に付議して、今年中にでも国連総会でひとつ結論を出してもらうというアメリカの大変な意気込みであることを私は知ったのでございます。 そして、また一方、アメリカが国際的にこのような動きを示しておるのみならず、国内的にもやはりこのような問題について大変張り切って各方面でいろいろの改正作業を進めておる、あるいはキャンペーンをしていることは皆さん御案内のとおりでございますが、勉強を若干してまいりました。 アメリカでは、もう御案内のように、ウオーターゲート事件のショックというのは大変大きかったと思うのでございます。したがって、多国籍企業あるいはまた大企業、この活動は単に国際的のみならず国内にも大きな影響を及ぼしている。つまり、不正な国内及び国外における政治献金ないし贈賄の事実、これは政治資金規正法では企業の献金が禁止されておるにもかかわりませず、いつの間にか不正と申しますか、虚偽の報告という手段を通じて、あるいは国内に戻ってきたり、国内で贈賄が行われたりしてきた。これはどう考えてみましても、道徳的に非難さるべきのみならず、投資家保護のディスクロージャーの制度あるいは証券取引法の精神に大きく反する、そして企業の会計制度が全般的に崩れるのじゃなかろうかという認識を強く持っているわけでございます。したがって、国民の大きな批判を生んで、結局もう国内的にはSEC——日本ではセック、セックと言っておりますが、向こうはSECと言っておりますが、それから国税庁、IRCというのですか、正確に言えばインターナル・レベニュー・コミッション、それから司法省、いろいろと行政上の活動でこれらの不正行為について、あるいはアンケートまでして追及している。それから、いまお話がありましたが、国内法を改正してまでひとつこれらの不正行為の予防をやろうではないかというふうに張り切っているわけでございます。 まず第一は、去年税法改正して、いままで国内の会社なら当然贈賄とかいう不正の金は罰金と同じく損金に算入しないということになっておったのでございますが、海外の子会社の贈賄まで損金に算入しないという形で、海外の子会社を通じていろいろと他国に政治介入をするようなこと、あるいはむしろぐるっと一回回ってアメリカに帰ってくるようなことを防ぐ。防ぐと申しますか、税法上は否認する、税法上はペナルティーを課す、こういう措置がとられているわけでございます。 それから武器輸出改正法、これはもう御案内のとおりでございますが、武器の販売促進のために支払いした場合、それはもう政治献金も代理人手数料——秘密代理人の手数料まで意味しているのだと思うのでございますが、代理人の手数料を払った場合には国務長官へ報告しろということを、いち早く武器輸出法について始めてきているわけでございます。 こんなような動向でアメリカはあるわけでございますから、私どもは、何といってもロッキード事件の発端がアメリカにあるだけに、どうしてもこのような動向について着目したいというのが大きな出張の背景であり、目的でございます。 しかし、アメリカだけではどうも不十分でございまして、これに対してヨーロッパ諸国あるいはOECDにおいてどのような反響を生んでおるかということをぜひとも研究させていただきたいと思ってOECD、それから同じくロッキード事件に巻き込まれましたオランダ、それからまた関係ありと言われておりました西ドイツにも行かせていただきまして勉強させていただいたのでございます。日本の外交というものは他国の動向を見て決める傾向が多いし、私が提案理由を述べても、外国はどうだろうという質問が恐らく出てくるかとも思いますので、これらの動向も大事な資料であろうと思ってOECD、オランダやドイツにも行かせていただいたのでございます。 それからもう一つ、この出張の背景、目的は、もう国内的にも先生方御案内のとおりでございます。いま衆議院の法務委員会で刑法の一部改正案が論議されております。ロッキード事件の再発防止のためにどのような施策を講ずるのか、いろいろの議論がございましたが、現在提案されておりますのは刑法の量刑三年を五年に引き上げる、したがって、その結果として単純贈収賄の場合でも時効期間が三年から五年に延長されるという改正案でございます。しかし、これだけでは不十分なんだ、国内的には例の公職選挙法を直しまして、執行猶予中の者にも選挙権を剥奪する、公民権を停止するというような案があったこともございますが、そのときにこれだけじゃ足らぬじゃなかろうかというようなことが言われたのでございますが、まさしく国連で論議されておりますところの腐敗行為防止の案ができますれば、国際協定ができますれば、仮に日本がこれに参加いたしますと一つの案が出てくるわけでございます。帰趨はわかりませんけれども、再発防止の一つの案になろうかと思いますので、国会中でございましたが、私はこのような観点からも大変意味のあることだと思って行かせていただいたわけでございます。 そこで、各国の動向等について、私の主観的な印象ではございますけれども、少し言わせていただきたいと思います。 大体いま申し上げましたところからもうおわかりのとおりでございますが、まず全般的に見て、アメリカが最も積極的である、そして国際的にやはりこの問題のリーダーシップをとっておる。何といっても多国籍企業の祖国でございます。最も強力な多国籍企業、最も多くの多国籍企業を擁しておるアメリカが最もリーダーシップをとっておることは大変興味のあることでございます。国連においてもリーダーシップをとって案を出しておりますのはアメリカだけでございます。各国の反応は、後で申し上げますようにまだ検討不十分で、事務当局らしくいろいろと法制上の、技術上の意見を述べておるような段階でございまして、政治的な判断はほとんどないような状況でございますが、アメリカは何としてもこの案でまとめたい。そこで、昨年以来日本政府がこの問題について大変熱心であるということに感づいたのか、私が参りましても、このような問題に出張してくるのだからやはり日本は熱心じゃなかろうかと感じたのでしょうか、とにかく日本との間で話し合いでもして話をつけて、それから各国を説得したいというような口調まで漏らしており、日本政府に協力してもらうことは非常にありがたいんだというようなことを盛んに述べておったのでございます。 しかし一方国連の方は、もう百五十国という国が集まっておりますから、処士横議し、百家争鳴というのですか、私もちょうどニューヨークでその委員会の状況を見てまいりましたが、まだまだアメリカ案の内容の検討には至っていないのがいまの状況でございました。それよりも、先ほどありましたように、コード・オブ・コンダクトというのですか、行動基準あるいは行動規範、この方が先なんだということで、この問題について意見をまとめるべく、いろいろの論議が盛んにされておったのでございます。 国連はそんな調子でございますが、同じ国際機関でございますOECDの方はもう少し反応が鈍いようでございます。OECDにつきましては、昨年の六月に日本ほか先進国八カ国が起草委員になってつくりましたところのコード・オブ・コンダクト、例の国際投資及び多国籍企業に関する宣言、あれができてほっとしたところだ、もちろん非常に広範な問題を持っておる多国籍企業でございますから、その問題すべてにわたりまして宣言を昨年の六月にし、日本も、もちろんまだまだロッキード事件が緊迫していないころでございましたから悠々と参加したわけでございますが、それができてほっとしておる。アメリカのような具体的な腐敗行為防止のような協定案をつくろうというまでにはいっていない、反応もきわめて鈍いという状況でございます。 そこでもう一つ、若干国内的な問題まで含めての各国の具体的な対応の仕方でございますが、アメリカの例は、いままでたびたび申し上げましたように大変張り切っておるわけでございます。奮起して、ひとつ大企業の不正な国内及び国外における政治献金とそのための企業会計制度の紊乱を直そうじゃないかという意気込みに燃えているのがアメリカでございます。 その内容につきましては先ほど申し上げましたが、なお今度私が気がつきましたことは、いま八木課長からお話があったと思いますが、五月六日に私がアメリカを立った翌日でございましたが、S三〇五といっております海外不正行為に関する一九七七年法、これが去年からたくさん——アメリカ式に、議員立法でございますからプロクシマイヤーとか塩崎潤とか渡部一郎とかいう委員の名前をつけてたくさん出されておりましたが、結局一本にまとまってS三〇五、三〇五法案として上院を通過して、現在下院で審議中でございます。アメリカのことでございますからこれが通るかどうか、私はよくわかりませんけれども、この問題について、カーターのエシックス・ポリシーというのですか倫理政策が大変後押ししたかっこうになっておりまして、もしもひょっとすると通るのではなかろうか。つまり、国際的な協定ができる前に、アメリカだけでもひとつ国内法でこの問題を解決しようとする意気込みが見られ、それが上院を通過しているわけでございます。 そこで私どもは、このような国際的な国内的なアメリカの動きを見ましたので、いろいろと質問しました。私はアメリカの当局、国務省、法務省、SECというようなところ、それからまた国会にも若干顔を出して当たってみましたが、皆さん方の言うところは大体異口同音、意識が統一されておりまして、私どもが提起をいたしました疑問に対しては即座に回答をするような状況でございます。日本政府でも外務省が窓口となりまして各省がこれらの案についていろいろ検討されております。各省らしくさすがに——大体こんなものは問題が多くてだめだというふうに言うのがいつもの慣例で、だめがだんだんよくなるわけでございますが、こういう観点で、だめだという点を質問してみると、こんなような答えが返ってくるわけでございます。 まず法務省サイドから申しますと、贈賄罪だけ処罰して収賄罪をほったらかすのはおかしいじゃないか、どこのヨーロッパの国に行きましてもこんなことを質問しておるのですが、それはどういうわけかというふうにアメリカで質問いたしますと、確かに贈収賄罪の法益というものは、その国の公務員の廉潔性というものを保護することが法益である、しかし今度は違うのだ、収賄罪というものは各国で取り扱いはまちまちである、恐らく、暗に発展途上国における収賄の慣行化というようなことを考えてみると、収賄罪の問題を国際協定で取り上げたならばこれはまたどろ沼みたいな議論になってまとまりやせぬじゃないか、やはり贈賄罪を簡単につかまえる、それも多国籍企業というものの概念というようなことで入りますとなかなか大変でございますから、とにかく国際的商取引に関して、その取引に影響を及ぼす金、あるいは法令の制定のために外国の、パブリックオフィシャルと言っておりますが、公務員に働きかけて金を支払った場合は違法とするというふうに、贈賄とかいうようなむずかしい要件を離れた、若干広範な犯罪の構成要件でございますが、そのようなことにすれば話がまとまるのではなかろうかというふうに、私は法務政務次官でございますが法律は素人なので、私が感じたところかもしれませんが、そのような印象を受けたわけでございます。収賄罪の方に手を触れたら話はまとまらぬから、多国籍企業の——多国籍企業という言葉をもちろん避けておりますが、贈賄罪だけつかまえるということの方がまとまりがいいのじゃなかろうか、またそれによって根絶と申しますか、もとを絶つことによって不正行為の防止ができるのではなかろうか、こういう趣旨でございます。 それから第二の、私どもが提起をしまして答えましたアメリカ側への疑問は、先ほど申し上げましたように、わが憲法三十八条の自己負罪といいますか、自己に不利益な自白の禁止規定、そのような規定がアメリカにもあるのです。もちろん憲法三十八条は日本が発明した規定ではなくして、アメリカからもらった本当にしゃれた、私も憲法ができたとき驚いた規定でございますが、アメリカにもこのような規定があるにもかかわらず、なぜ不正支払いをしたならば報告義務を課すのか、憲法上の関係から非難が出ないかということを言いましたら、これも簡単に、私はこう聞いたのですが、いや、憲法の第五次修正から、この自己負罪の規定の意味は、これは個人に適用があるので、企業には適用はないのだ、つまり、企業の不利益を陳述することあるいは自白することは憲法が禁止するところではないという考え方である。これはどこへ参りましても、異口同音にそのようなお話がございました。そして、公開の規定を入れておかなければ、簡単に企業の帳簿に載せておっただけでは、たくさんの多国籍企業が競争しておるのだからわからぬではないか、他の企業が見ておって、どの企業が見ても贈賄とか政治献金というものはしておらぬのだということを公表することによって初めて保障されるのではないかというふうな説明を司法省もあるいは国務省もしているわけでございます。 それから第三は、これも日本的な質問だと思ったのですがあえてやってみました。日本でアメリカのように国内法をつくって、日本に本社がある企業だけを贈賄罪で処罰するというようなことをいたしますれば、恐らく日本の経済界からでもあるいは国会からでも、日本がそんなに率先してやる必要がないじゃないか、東南アジア諸国なんかに行ったときは、このようなことで手足を縛られたら輸出競争で不利になるではないかというような非難が出ようかと思うのでございますが、そんなことを私は聞いてみたわけでございます。アメリカの国内では、国内法までつくってアメリカの企業だけ贈賄あるいは政治献金の規制をしていくことは、アメリカの商品の輸出がむずかしくなるのではなかろうか、そんなような非難はないかと言いましたら、いや、アメリカではそんな非難はないのだ、アメリカの企業というものは、商品の品質のよさ、あるいは価格の低廉さ、あるいはその他のサービスのよさで競争すべきものであって、プライペリーみたいなもので競争すべきではないのだ、この点は世論として確立しているところである、こんな返事がはね返っておりまして、質問した方もちょっと弱るぐらいな感じでございましたが、以上三点ばかり、質疑応答の状況も御報告させていただいたわけでございます。 なお、これは大変生臭い最近の問題でございますが、SECに参りまして、例のロッキード事件の特別調査報告書はどうなるのか、こういう質問をいたしました。 ワシントン連邦地方裁判所の同意審決によって、ロッキード社に、社外重役三人で構成される特別調査委員会が作成する特別調査報告書を五月十六日までにロッキード社の役員会に出して、それを一カ月以内にSEC及び連邦地裁に提出させるということがあったことは御案内のとおりでございます。この問題はどのようなことであるかと言いましたら、SECのウイリアムズ委員長は、まだまだ出ておらぬからわからぬが、出るはずである。ウイリアムズ委員長は、委員全体の同意、満場一致で公表することを決めているわけでございます。一カ月以内にロッキード社から公開拒否の裁判を得ない限りは、六月十五日に公表されるわけでございます。聞くところによりますと、確認はされていないそうでございますが、五月十六日に特別調査委員会からロッキード社の役員会に提出されているようでございます。これは外務省からの報告じゃありませんが、新聞紙上では、ロッキード社は公開反対の動きをしておるようでございます。まだ、裁判所に提訴したということは聞いておりませんけれども、その中に政府高官名が入っておる、これがロッキード社に大変不利であるから、これを裁判によって拒否しようという動きをしているというふうに新聞に報道されておりました。この点はまだ確認はしておりませんが、きょうが二十六日でございます。六月十五日までが大変興味のあるところではないかというふうに新聞は取り上げておるということをここで申し上げさせていただきたいと思います。国連、OECDの問題を申し上げましたが、その次にここで申し上げたいのはオランダの動向でございます。 先ほど申し上げましたように、OECDは例の八カ国起草委員、日本がその一人でございましたが、コード・オブ・コンダクトの以後は関心が薄くなっておりますけれども、ヨーロッパはまさしくそのような状況でございます。そして、ここで広範に御研究されようといたしますところの雇用労働問題あるいは課税の問題、これらの問題も余り進んでいない状況でございます。課税の問題も、これは私、昔とったきねづかでございますが、読んでみると、まだまだ、現在のところはそんなに際立った弊害は出ておらぬからというような認識のようでございますが、しかしこれらの問題はだんだんと議論されるということは予想されるところでございます。小委員会がたくさんできているようでございます。 そこで、OECDのメンバーでございますオランダと西ドイツの状況でございますが、オランダでは、例のベルンハルト殿下がロッキード社から百万ドルもらったとかいうようなことで、一応いま公職を全部剥奪されて、それで一応片づいたようでございます。国連におけるアメリカ提案につきましては、いろいろ贈賄の対象とかあるいは証拠の問題とかいうような点を考えるとなかなか受け入れがむずかしい、消極的のような感じを受けているわけでございます。 西ドイツでございますが、私はデビッツという政務次官、私と同じような立場にいるわけでございますが、大変若くて張り切った、私らと全く違ったような政務次官でございましたが、どうもまだ研究不十分である、しかしアメリカのような提案では、どうも公開の原則が、こんなような問題はなかなかむずかしいのじゃなかろうか。国内法のたてまえからなかなかそう簡単にいかないのだということを言っておりました。ただ世界各国が共通して受け入れるならこれまた話は別の問題であるというようなことを言っておりましたが、アメリカに提案されてまだまだ各国はあれよあれよというような状況というふうに私は見たわけでございます。 なお、アメリカの提案に対して驚いている状況であることは、その反応としていまのような不十分のほかに、対案を出して、アメリカの提案がこれだから、それじゃこれでいこうというふうに行動した各国はまだございません。いろいろ文句を言うなら、ではこれならどうかという案が出てしかるべきだと思うのでございますが、そのような案はまだない。私は国連のやり方を知りませんけれども、そんな状況でございます。 なお、私が聞きましたところでは、ロッキードの資料は十三カ国にアメリカから送付されたようでございますが、解明の進みましたのは日本だけで、あとはさっぱり解明が進んでいないということを聞いてまいりました。 以上、大変大ざっぱでございますが、わずか十日間の出張で、もう少し時間をいただきますれば、ここでもう少し御報告申し上げて、ちょっとほめられるぐらいいけると思うのですけれども、ちょっと十日間では、時差の関係だけでも本当に頭がぼやっとするぐらいでございますので、以上の程度の御報告で終わらせていただきまして、なお私は、いろいろと外務委員会でいまブラジルとかあるいはルーマニアですか、租税条約が審議されると聞いております。この租税条約と多国籍企業問題との関係、大変おもしろい問題でございましょうが、いろいろな問題につきましてもいろいろと御質問でもございましたらお答えさせていただくことにして、この程度で報告を終わらせていただきたいと思います。大変失礼いたしました。(拍手)
○有馬小委員長 御多用中のところ貴重な御意見をお述べいただき、本問題調査のため大変参考になりました。どうもありがとうございました。 —————————————
○有馬小委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。渡部一郎君。
○渡部(一)小委員 ただいま貴重な御調査と御体験を御披露いただきまして、まことにありがとうございました。 早速でございますが、ただいまのお話の中で、全体的な問題にお触れになったわけでございますが、政務次官として、こうした多国籍企業の行動あるいは腐敗防止に関するさまざまな国連の動きあるいはアメリカの動きというものを現場でごらんになりまして、わが国における国内法制、わが国における外交政策上、これらに対して適当な施策を樹立する必要があるということを御認識になってお帰りになったと思うのでございますが、その辺はいかがですか。
○塩崎政府委員 先ほど御報告申し上げましたように、アメリカが大変イニシアチブをとり積極的でございます。しかしそう言いながら、日本も国連の一昨年の十二月十五日でございまするけれども、決議に参画しておる。OECDのコード・オブ・コンダクトは日本が起草委員の八国のうちの一国であるというようなことを考えてみますと、当然この決議に忠実であるべきであるとすれば、これらの問題についてはもう少し真剣に取り組むべきである、私はこんなふうに考えておるのであります。
○渡部(一)小委員 そういたしますと、政務次官はこれからなさるのかもしれませんけれども、国内の関係省庁の御意見を取りまとめられ、また最近関係閣僚会議というのをばかにくだらぬことにまでつくるのがはやっているようでございまして、カモシカあたりの関係閣僚会議なんというのができたそうでございますが、そういうカモシカを何匹にするかなどということよりも、多国籍企業問題に関してこそしかるべき閣僚会議なりあるいは関係省庁の十分な連絡会議のようなものをつくられたらいかがかと思いますし、その辺の御努力をいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○塩崎政府委員 この多国籍企業問題は恐らく外務省が窓口だと思いますが、実はどこが所管か、私もつまびらかにしておらないのが大変残念に思うのでございます。そういった意味で、私自身が閣僚会議というところまで申し上げる資格はないわけでございますが、いずれにいたしましても大変重要な問題であることは、単にロッキード事件が日本で大きくなったからというだけじゃないと思うのでございます。法務大臣とも御相談をして、このような各国の動きにどう対処するか。これはもう大至急高いレベルで、盲腸みたいな政務次官とときどき言われますが、私は一介の政務次官でございますので、ひとつ大臣にも御報告申し上げ、私は鳩山外務大臣とは大学の同級生、大蔵省の同級生でございますから、日ソ関係で大変お忙しいようでございますが、またいずれ御連絡を申し上げましてお願いしたいと思います。
○渡部(一)小委員 まさに所管も決まってないというお話でありましたから、その辺は十分お詰めをいただきまして、所管省もお決めいただき、かつ十分な英知を集めるようなシステムをおつくりいただきましてこの問題に対処されることを、もう一回念を押すようでございますが希望いたします。
○塩崎政府委員 渡部先生がこの多国籍企業問題に大変御熱心であることはもう前々から存じておりますし、私も、日本自体そもそもいろいろメスを入れなければいかぬ点があるということを感じたわけでございます。アメリカがこれぐらい力を入れておることを考えたら、日本もやはり経済が大きくなり多国籍企業が発生しております状況でございますから、私はこの問題にはやはり相当深く突っ込むべきだと思いますので、ひとつ関係方面にいろいろと御進言を申し上げたいと思います。
○渡部(一)小委員 いまの御報告の中であっさりお話しいただきましたためにお話が出ていない面があると思うのでありますが、現在の南北問題を見てみますと、わが国一国のGNPのこの一年間の拡大というものが、東南アジア諸国全部のGNPの拡大よりも大きいというような状況がありまして、ここ十年間の先進諸国の中でも日本一国のGNPの拡大というものは発展途上国全体のGNPの拡大より大きいという数値が示されております。そうしますと、それにいろいろな問題点があると存じます。つまり多国籍企業カントリーとでも言うべき、多国籍企業所持国家と言うべき群と、多国籍企業が活躍はしているけれども多国籍企業を生んだことのない区域というものとに分かれると思います。その場合に、多国籍企業の技術力、それから販売力、それから多国籍企業の金融力、三つに分けてしまうのは乱暴かと思いますが、その三つの巨大な力というものが世界の中の南北問題をますます激化する方向に向かっているという指摘が、七十七カ国会議の席上においては行われておるわけでございます。そうしますと、コード・オブ・コンダクトあるいは腐敗防止法というようなものについては、私が拝見する限りは余りその面にはまだ触れられていないというふうに見るわけであります。外国、特にアメリカ等の議論あるいは国連等の議論においてその辺はどの程度詰められているか。またそれに関する政務次官の該博なる御見識を承りたい。
○塩崎政府委員 御指摘のとおりでございます。 ロッキード事件の起こしました波紋は、現在の焦点は腐敗行為防止問題に集中されるかに見えまして、いま申されました多国籍企業に関しますところの広範な問題、金融力とかあるいは情報、統計の問題、労働、いろいろの問題がある、しかも御案内のように多国籍企業というものは国境を越えての企業であり一国の力ではどうにもならない、一国の手に負えないというような性格を持ったものだけに問題の解決は大変むずかしいのでございますが、今後国連では、恐らく国連ですからまたなかなかまとまりませんでしょうけれども、進むかと思います。しかし日本は、この問題を率先して研究して対処する方向を出しておくべきだと思うのです。これは単に外国の多国籍企業のみならず、日本の多国籍企業についてもロッキード事件発覚前にコード・オブ・コンダクトを貿易会でつくったようでございますが、もう一遍見直して、アメリカの今度のような提案を見て日本の企業はどう思うか。このような問題を含めて腐敗行為防止問題のみならず、いま渡部先生の金融力を含めての各種の問題についてこれは研究しなければならぬと思うのです。ただ、しかしどこが中心となって研究したらいいのか。私も先ほど申し上げましたが、こんなことは、よく日本のお役人の中にいるのですけれども、みずからの首を締めるようなことをなぜやるのかというようなことを言われますので、果たしてどこまで進むのか。このような意識からまず直していかないとこの問題はなかなか進まぬのではなかろうか、私はこんなふうに見ておるのです。
○渡部(一)小委員 私が心配しているのは、南北間の経済格差というのは拡大しつつある一方である。この十年間の統計がこれは冷厳に示しております。その場合に、世界の貧富の格差が拡大すればするほど世界情勢が不安定になることは当然のことだし、今次における世界的なモラトリアムが必要だということは、オイルショックの後今日に至るまで、膨大な金融力がオペック諸国の方へ集中していて発展途上国の方は総貧乏であるという状況を迎えておるという事態でも明らかだと思いますし、それに対する対策というものは小さくあり過ぎるというふうに私は思っているわけであります。したがって、その貧富の差の貧の方に属する国々に対して、たとえば多国籍企業でつくったテレビとかラジオを輸出するに際して、多国籍企業でつくっているから安く提供できるではないか、あなたの国でつくったらこの十倍もの値段がするではないかという説明のもとに強行的な輸出が現在行われているわけであります。ところがよく考えてみますと、それらの国々がもしつくろうとすれば、膨大なパテント料を支払わなければならない、そして膨大な付属工業をつくらなければならない、だからいまのままでいいというふうな議論になるわけでありますが、そういうふうなルールでいく限りは、後発諸国は技術的な格差を埋められない。ちょうど富士山の頂上に登るのに、一挙に富士山の頂上に飛び上がる、ジャンプする、技術ジャンプをしなければ対抗できないという状況がある。技術ジャンプをしないで一つずつ積み上げようとしたら、多国籍企業との関係を悪くするのではなくて、先進諸国との関係を全部ひどい状況にした上でその技術格差を埋めなければならない。販売格差を埋めようとすれば、現在持っている世界的な多国籍企業の販売力というものと正面衝突した上で、そして大きな国際的な関税あるいはその他の組織を使って自国内の販売力が静かに養成されるのを待たなければならない。しかしそれは戦争中でなければ、平和時においてはそういうルールを無視することが許されない以上、多国籍企業全体と手を切ることによって輸出入というものに大きなマイナスを生ずる。まさに南北問題の中で悲劇的な部分というのはそういうところにある。戦争によってそういう格差が埋められている部分というのが平和時においては埋められていないのでありますから、まことに奇妙な言い方で恐縮ですが、この南北間格差が拡大しつつある問題こそ、まさに貿易立国日本、平和日本の存立というものをまさに危うくしていると言えると私は思いますし、これは多国籍企業問題というより、むしろ日本の外交の主力問題として再考慮しなければならない問題に突っ込むのではないかと、私はかねがね申し上げておるわけであります。したがってこの多国籍企業問題を、コード・オブ・コンダクトの部分をむしろ拡大して、要するに多国籍企業のビヘービアというものと世界じゅうの経営の成り立たない国家群というもの、そして後発諸国の民衆というものをどうとらえるか、そして安定させるのはどうしたらいいかという面から、むしろその問題を広げていくことに日本の外交、日本の内政というものはうんと力を入れておかなければ、平和憲法も維持できない、平和も維持できないというところに突っ込むのではないか。むしろ多国籍企業の持つよさというかその大きな影響力というものと、われわれはただ正面衝突するだけではなくて、その点将来に対して大きなマイナスを生じているという面を見詰めた上で対策を立てなければならない。まさにこのプロジェクトは急ぐべきであるし、その対策が立たぬ上での国際経済協力であるとか、国連外交であるとか、外国における農業生産物を生産して開発輸入するとか、わが国がすでに行っているそういうシステムは、そのただいま申し上げたような視点がなければ格差を拡大し、貧富の差を拡大し、世界を不安定ならしめ、後発諸国を激越せしめ、日本を孤立化するということにしか意味がない。まさに政策の全体見直しをそっちの観点からしなければならない。 いま政務次官はすばらしいポイントに目をつけられてやっておられるわけですから、腐敗防止の一点などというのは私はまさにくだらぬことだと思います。ロッキードで何十億取ったとしてもそれは全体総量から言ったら非常に小さなもので、世界のバランスが崩れかかっているというこの問題に御注目いただいて御研究いただく。もちろん腐敗防止も厳然目を通していただくというのが大事ですけれども、そういう意味で国家の成り立ち、仕組みというものを考え直す観点から、わが国においてまず研究を十分にする。今後優秀な日本の頭脳を集めて研究し尽くす。それに基づいて対外政策の一半というものを見直して、対外外交政策も経済政策も文化政策も見直していくという立場がいま必要な時期ではないか。ちょっと私しゃべり過ぎでありますが、いかがでございますか。
○塩崎政府委員 全く同感でございます。南北問題における多国籍企業の役割りは大変重要なものでございまして、多国籍企業はデメリットもございましたがメリットもある。ことに開発面におけるところのメリットは大きいのではないかということはもうすべての人が認めているところでございます。これをどのように南北問題の解決に役立たせるか。OECDで、発端は技術移転の問題として渡部委員御指摘のように起こりましただけに、これらの問題は、多国籍企業のエネルギーをどのように利用していくか、そういった観点から腐敗行為防止の問題なんというものは早く片づけて、経済的なメリットあるいは世界的な長所を南北問題の解決に使うようにいろいろと日本が率先してでも検討すべきだ、こんなふうにも考えます。
○渡部(一)小委員 最後に一つ伺うのですが、先生と私との間ではかねてから租税条約のシステム全般に対して個人的な論戦を行ってきた立場でありますし、先生のしばしばの御見解を承るにつけて私の見識というものも大いに成長させていただきましたことについて、私は敬意を持っているわけでございますし、先生は租税条約関係を大蔵省御在職当時から手がけられ、その面の第一人者であるとも承っておるわけですが、現在提出されております租税条約について、私はまだ釈然としない多くの面がございます。それは条文の一々というよりも、むしろ租税条約体系というもの自体が、多国籍企業問題に限らず、こういう国際経済協力問題といいますか、国際経済の新しいシステムの問題から言うと古いタイプのものであって、先ほど指摘したようなこれほどの大きな矛盾点に対して役に立たないなという感じを私は深くしておるわけであります。何もかも全部が役に立たないと言っているわけじゃありません。大きな矛盾が拡大しているのに、単に一企業が向こうに行って両方に税金をかけられないという矮小化された面だけであの条約案が出てくる、そして続々と結ばれていくということに対して、まだ私は、おもしろからぬ感じといいますか、判断を持ち合わせているわけてあります。先生、その辺、もう多数御意見をお持ちでしょうが、きょうは時間がありませんからおっしゃるのはむずかしかろうとは思いますが、見出しだけでもひとつお述べいただきますように……。
○塩崎政府委員 もう渡部先生の租税条約についての御意見は、私はいつも拝聴いたしておりまして、私も常にそのような感じを持っております。現在の租税条約は、二重課税防止条約というタイトルが示しておりますように、大変技術的な、しかも各国間の税金を配分するというような観点が重点となっております古い型のものでございます。第二次大戦前の国際連盟にあったような条約がそのまま引き継がれたような感じがないわけでもない。多国籍企業がこのように進展してまいりますと、あのような観点だけではもう大変不十分である。私は、多国籍企業問題の課税上の問題を解決しなければ、しかもまたその解決の方向は、世界全体が寄り集まっていろいろと論議しなければいい解決ができないほどだと思うのでございます。そういった意味で、二重課税防止条約は二重課税防止条約として、これは存在理由が一つありますけれども、別途の租税条約といいますか、マルチラテラル的な租税協定をつくらなければならぬ、こんなふうに私は思うわけでございます。 たとえば先般のロッキード事件の際に、シグ・片山という人を呼んできてみたら、いやその本社はケイマン島にある、あるいはバミューダにあるというようなことがあって、私も驚いたわけでございますが、タックスヘーブンとかタックスパラダイスとかタックスリゾートとかいろいろの言葉があって、税金の全くないところに本社があって、その経営者が日本に来ておるというようなこと、これは大変なことだと私は思ったわけでございます。 ともかくも三点ぐらい問題があって、一つは、いまのタックスヘーブン、タックスパラダイスとかいうふうに言われております。日本でもだんだんといろいろの、たとえば船員法などの理由から、船は、日本船員じゃなくて外国船員が乗り組むようなところに本社を持っていくとか、あるいは税金の安い、登録税が全くないようなところ、固定資産税が全くないようなところに本社を持っていっているように、タックスヘーブンを探すような傾向が見られないでもない。 それから第二点は、これもよく言われるわけでございますが、多国籍企業は個々に子会社を持つ。これは親会社との間の取引をどのようにやっているのか、これがなかなかむずかしい問題で、親会社の書類を見せろ、こう言うと、私権侵害である、こう来られる。もう税金の安いところに子会社をつくっておいて、利益は子会社に残して親会社には利益を発生させない仕組みがとられてくるときに、どのように行政上対処していくかというような問題は、租税条約の中に若干できております。資料の通報義務、情報提供義務がございます。さらにまた、いま申しましたように、親子会社の関係の利潤計算は、アット・アームス・レングス・プリンシプルと私ども言っておりますが、独立企業の原則で、親子会社じゃなくて、独立企業がともに取引したならばどれぐらいな利潤を提供さるべきであるかというようなことでいこうじゃないかというようなことも入っておりますけれども、これが現実にどの程度動いたかというのは余り聞いたことがないのです。このようなことを考えてみると、まだまだやるべきことが私はたくさんあろうと思うわけでございますが、多国籍企業というものを、私権の範囲を超えているものだけに、これはもう世界全体が寄り集まって、こういった観点からどうしていったらいいのか、互いに議論し合う、その観点からの条約が私は必要だと思います。 もう一つ、三番目の理由としては、国内法だけでも整備していって、いろいろと国内発生所得あるいは国外発生所得の限界はどこにあるのか、国内所得は事業税なら全部課税いたします。国外所得なら取らないということになりますと、その限界が大変むずかしい。そのようなところの判例と申しますか、取り扱いもまだいろいろ問題があって未進歩の状況であることはもう渡部委員御指摘のとおりでございますが、このような問題の方に力を入れていくのは、より近代的な、もう渡部先生にふさわしい国際租税条約の方向ではなかろうか、こんなふうに私も考えておるのです。
○渡部(一)小委員 ありがとうございました。
○有馬小委員長 次に稲垣実男君。
○稲垣小委員 せっかく法務政務次官も本小委員会に御出席をいただきましたので、お聞きいたしますと大体あと十分ぐらいしかないということでございますが、私もただいま先生の貴重な海外御調査の御報告を聞きまして大変勉強になりましたし、何かをなさなければならない、こういうようなことを非常に痛感しましたので、二、三点ちょっと簡単に御質問したいのでございます。 政務次官は、多国籍企業委員会の国連における場合あるいはアメリカ上院外交委員会における場合、それからまた、ヨーロッパ各国を回られましていろいろと相当突っ込んだ質問をされたと思うのです。それからロッキード特別委員会のときにも大変むずかしい資料を求められたと思うのです。それと同じように、大変秘密を要するようなものやあるいはなかなかむずかしいような資料を率直にこの際も求められたと思いますけれども、その場合、向こう側の御協力といいますか、そういう相当突込んだことについてあるいはむずかしい資料の提出などについて積極的な協力があったでしょうか、そういう点についてお伺いいたします。
○塩崎政府委員 突っ込んだ資料あるいはいろいろとむずかしい資料とおっしゃいましたが、私は、先ほど申し上げましたように質問はいろいろとやりました。そしてまた、ロッキード事件に対するアメリカの協力に対しても感謝いたしたのでございます。アメリカは大変日本を多といたしておりまして、まず面会からそれからまた質問に対する応答から、大変協力的でございます。資料等につきましても、そんなに詳しい資料は私どもは文書では要求いたしませんでしたが、差し支えない資料はほとんどいただいたわけでございます。どのような資料を先生がお考えかは私はよくわかりませんけれども、もしも先生がこういう資料を要求されたかと言いますれば、私の頭の程度ですから余りむずかしいことはやっておりませんけれども、お答えできる範囲においてお答えしたいと思います。
○稲垣小委員 いまここでやりとりいたしましても時間がございませんので、そういう向こう側の姿勢はどうかということについてお尋ねしたわけでございます。 第二点といたしまして、公務員のいわゆる倫理規定というものについて、米国側のいわゆる国民的な感情といいますか、そういうことについてどんなもんだろうかということが私どもではわかりませんので、そういう点についてお伺いしたいのでありますが、特に先ほど先生がおっしゃったように、刑法の一部改正をわが国においてはやろう、その中に取り入れよう、こういうことでございますが、アメリカの場合、刑法の中に、いままで一般法の中にそういう倫理規定を盛り込んだような、あるいはそういうようなことか、あるいは特別立法によってそういうような腐敗防止をしようというような動きなのか、そしてまた、先ほどのお話だと、贈賄者のみ処罰しているのは——確かにアメリカの場合には収賄の側に立つ人は恐らくないと思いますので、あるいはあるかもしれませんが、そういう場合について贈賄者のみ処罰であって、収賄者にはないといったようなことをちょっと先ほどお伺いしましたが、それらについて先生はどういうふうに感じておられるか、お伺いしたいのであります。
○塩崎政府委員 ただいま先生の御指摘は、アメリカにおきますところの倫理的な政策をまず御質問になったと思うのでございます。カーター氏は大変倫理政策あるいは倫理外交といいますか、エシックポリシーに熱心でございます。先ほど申し上げましたようにS三〇五、アメリカは率先して海外における不正行為を防止する法律案をつくっていく、これはカーター氏が大変熱心なんだということをたびたびいろんなところで聞かされました。そして私が立つときでございましたが、五月四日のワシントンポストという新聞を見ましたら、例の連邦の公務員も、閣僚だけじゃありません、連邦公務員でGS、シックスグレードというんですか、六等級以上の人たちの資産、収入は公開するんだ、その数は大体一万三千人である。大変なことで、私も驚いたのでございますが、そんな法案が通ったということを聞いておるほどでございますので、カーター氏の意気込みたるや相当なものだなという印象を私は受けたわけでございます。議会もまたそんなような資産、収入についていろいろの規制をするようなことを始めているのを見て、大変私も驚いたわけでございます。 さらにまた、もう一つの御質問は、贈賄者だけ処罰する、収賄は各国の実情に任すということについてどうかという御質問でございますが、日本の刑法では、御案内のように日本の公務員は収賄をいたしますと、日本人のみならず外国の企業あるいは外国人から収賄しても処罰されるわけでございます。そして犯罪地が日本で行われますれば贈賄者も処罰されるわけでございますから、ロッキード社のだれそれが来て贈賄いたしますと、日本の刑法で処罰されることは処罰されるわけでございますが、アメリカに参りましたときにはこれは日本の司法権が及ばない。したがって反面、アメリカの刑法ではアメリカの公務員の収賄罪だけ処罰するわけでございますから、ロッキード社のだれが日本の企業に、日本の政府高官に贈賄しようが処罰できないわけでございます。そこの穴をふさぐ意味で、アメリカの企業が外国の公務員に贈賄した場合には処罰するんだということで穴をふさいだ。日本の公務員が収賄をいたしますればこれは日本の収賄罪、刑法で処罰できるという前提に立って考えている。しかし外国の企業からの、こんな国はないと思うのでございますけれども、収賄罪を処罰しない国があるかもしれない、あるいは構成要件がやかましくて収賄にならない場合があるかもしれない、そこは協定では触れないでおこう、こういう考え方でございます。つまり穴をふさいでおこうということでございますから、これは一つの法技術的なやり方で論理的には十分可能なものだ、こんなふうに私は考えております。
○稲垣小委員 時間がもうほとんどないわけでございますので、いろんな観点でお尋ねしたいと思っておりますけれども、余りございませんので、あと一点ないし二点だけお聞きしたいと思います。 先ほど、代理人のコミッション、手数料についての考え方が、いろいろ日本の場合とあるいは他国との常識の差異が私は非常にあると思うのですね。これが今回のロッキード事件のときにも非常に問題になったんです。こういう考え方について、先生は今回各国の例をごらんになって、その辺のところもひとつお聞かせいただきたいと思います。
○塩崎政府委員 確かにアメリカの提案を見ますと、外国の公務員と並びましてエージェント、それからインターメディアリーというのですか、中間代理人というのですか、それに支払った金も報告義務を課し、それを公表することになっております。いろいろと法制化の意見を聞いてみますと、これは広過ぎる。考え方によりますれば、もう正常な取引で、貿易商と申しますか輸入商が支払った金額まで報告するのは行き過ぎではないかという意見もある。私もそれは技術的に考えればそういった正常な、オーディナリーなコースに乗ったところのコミッションなんかは報告しない方がいいと思うのでございますが、秘密代理人もそのおそれがあるとすれば、広く含めたらいいのかどうか、こんなところはひとつ細かい問題として、しかし同時にまた商取引を阻害しない重要な意味を持つかと思いますので、法制化あるいは法律化は非常に十分に検討しないと、いたずらに繁雑で、報告書が膨大になるだけであるという感じもいたしますので、このような問題こそまさしく六月二十七日から始まりますところのワーキンググループの大きな宿題だ、こんなふうに見ておるのです。
○稲垣小委員 大変いろいろな御見解を伺いましたのですが、さらに先ほど御報告の中に通貨問題、南北問題のことをおっしゃいましたが、南北問題については先ほど渡部先生が御質問なさいましたので、私は通貨問題についてちょっとお伺いしたいのです。 自由主義経済下における日本の場合でも、通貨が安定しませんと、わが国の経済全体の方向づけをつけましても、ドルが安定しないゆえにわが国の経済政策というものがどうも揺らいでしまうというような、そういうような場合があります。特に日本経済基盤の安定化ということから言いますと、いませっかく円は高くなった、輸出も非常にできて黒字になってきた。しかし、ちょっと輸出が黒字だからといって、すぐアメリカあたりで、どうも貿易収支が日本はちょっと黒字になり過ぎるからもっと円を高くしたい、経常収支か何かで赤字にもっと持っていけというようなことを盛んに言ってきておるようです。われわれどうもその辺について、余りにもわれわれに対して国内干渉にわたるような——経済政策の中の一環としてとらえてみると、なるほど相手国とわが国との間が非常に円満にいく貿易状態をつくっていかなければなりませんけれども、ちょっと高くなったからといって、われわれいま円高になっておると言っておるけれども、われわれは実力はまだそこまで来てないと思うのです。思惑や何かで来ておる場合もあるわけですから、どうも経常収支についてもっと赤字か何かにして円をもっと高くさせろ、こういうようなことを非常に言われたわけです。それからさらに、アメリカのドルというものが大体国際通貨として、基本通貨として現在用いられておるわけでありますけれども、私は向こうの国内事情によって、たとえば米国の国内要因だけでもドルが上がったり下がったりするわけなんですね。そういうことから考えてみると、私はもっと不動なユニオンダラーといいますか国連ドルといいますか、そういう絶対不変、不朽のそういう基本通貨といったようなものをむしろ設定すべきじゃないだろうか、こんな気がしてならぬのです。 これはなかなかむずかしい問題でありますが、特に先生は、先ほど通貨問題についても十分調べてきたとおっしゃったわけでございますが、この点については、わが国の当面の経済情勢から言いますときわめて重要な問題でございますので、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○塩崎政府委員 先生御指摘のように、昨日ですか、ブルメンソールが日本の円の切り上げを世界各国は期待しておるのだというような意見があったように聞いております。私は通貨問題は全く素人でございまして、私は調べてまいりましたということではないのでございます。多国籍企業はかつてドルショックのときのあの混乱の際に通貨問題でいろいろとマニピュレーションをした。さらにまた、法外なるドルをいろいろと動かしたというようなことで非難を受けたことがあったからということで申し上げたわけで、そういった角度から通貨危機の元凶であるというふうに多国籍企業が言われたことがある、これは一九六〇年代の話でございますが、そういった観点で申し上げたのでございます。円高ドル安、この現象をどう見るかは、私は法務政務次官でございますが、とにかくいまフロート制度でございますから、現実、毎日毎日本来日本の円の実勢をあらわしているものだと私は思うのでございます。ただ、日本銀行が介入することがありますれば実勢があらわれない、そんなところが各国からいろいろの目で見られる点があろうかと思うのでございますが、おっしゃるように多国籍企業問題とは全然関係ないかもしれませんけれども、円の価値、レートの問題はやはり長い目で見るべきである。現在また不況でありますから、そのために輸出が多くなって円が強いように見えるけれども、また国内の政策をもう少し積極的にいたしますれば、輸出が減り、国内の需要が大きくなって円が下がるかもしれない、こんなことがあるので、やはり長い目でこの円のレートの問題は、決めるべきといいますか、決まるべきであるというふうに私は自身で考えております。
○稲垣小委員 時間がございませんが、最後の締めくくりといたしまして、先ほど先生がおっしゃったように、円の切り上げ要求というものに対して御見解を伺ったわけでありますが、あるいはまた他国より不当介入だと——円はただいま先生おっしゃったようにフロート制が自由な立場であることは、私どもは非常に望ましいわけでありますが、しかし、わが国の経済の安定ということを考えますとやむを得ざるところもあると思いますが、どうも他国からもっと円を切り上げろという要求が非常に強いということは、われわれも一体これについてどう判断していいかというところに苦慮するわけでございます。御見解を承りましたので、この問題は切り上げます。 最後に、法務政務次官といたされまして、刑法の一部改正に取り入れてやるんだというお気持ちはわかりますけれども、さらに公務員の倫理規定について、こういった際でございますので、法務省としての何らかのアクションなりあるいは見解を出すとか、何かそういったようなことでもないかと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○塩崎政府委員 私は、外国に参りまして、カーター政権の倫理政策などを見てきて御報告申し上げたわけでございます。法務政務次官でございますので、刑事責任とかあるいは民事責任のときは法律問題を扱うわけでございまして、いわゆる灰色高官の政治的、道義的責任は国会でお決めになるということをしばしば言ってきた法務省でございますので、これらの問題は、ひとつ内閣全体あるいは文部省でしょうかね、文部省あたりで大いに力を入れてやるべきではなかろうかと。私どもは法律専門家として一路邁進するつもりでございます。
○稲垣小委員 大変ありがとうございました。以上で終わります。
○有馬小委員長 以上で塩崎法務政務次官に対する質疑は終わりました。 —————————————
○有馬小委員長 引き続き政府当局からの説明を聴取することといたします。 時間がございませんから、十五分程度で各省やっていただきたいと思います。大蔵省五味国際租税課長。
○五味説明員 大蔵省でございますが、先に租税の分野について御説明申し上げたいと思います。 本件につきましては、結局、国際的な商取引をどう適正に把握して、どう適正に課税するかという問題に尽きるかと存じます。先ほど塩崎政務次官の迫力あるお話の中にもありましたように、あるいは塩崎政務次官と渡部先生との御質疑御応答の中にありましたように、本件につきましては、一国だけの力ではどうしようもないという認識のもとに、国際機関においてどういう研究が行われ、どういう対策を立てているかということが非常に大切だという考えのもとに、積極的に、予算の許す範囲内において、わが国といたしましてもこれに参加して勉強を重ねているわけでございます。 そこで、まずOECDの租税の面でどういうことが行われているか、それと、あとは国際連合のECOSOCにおいてどういうことが行われておるかということを簡単に御説明申し上げたいと思います。 最初にOECDの方でございますけれども、先ほど外務省の方からも御説明がございましたように、昨年の六月に多国籍企業の行動指針が発表されまして、この中の租税の問題は、一つは課税資料の提出の問題でございます。もう一つは移転価額の問題、この二つでございまして、課税資料の問題は、適正に企業に課税するためには資料がなければできないという観点から、必要な情報を当該国に提供すべきであるということでございます。他の一つは移転価額でございますけれども、これは、全く独立した企業同士でございますればその価額というのはマーケットのメカニズムによって正常に決められるわけでございますけれども、親子とかあるいは本支店の場合にはこれが恣意的に決められるというようなところで租税が回避されるというおそれがございますので、この点につきましては独立企業の原則に合致した方法で租税を賦課することにするという、二つの面がこのガイドラインの中には入っているわけでございます。 次に、OECDでは租税委員会がございまして、租税委員会の中にはいろいろ作業部会がございます。第一作業部会では、先ほど来お話も出ましたように、二重課税防止及びその脱税回避のためのモデル条約をつくっているわけでございますけれども、これは一九六三年に初めてできましたが、その後改定作業を加えまして、本年の四月十一日にその改定文ができ上がったわけでございます。実質的な改定は余りないわけでございますけれども、そもそも国際間の取引でございますので、各国が統一的に課税の取り扱いをするということでないと、二重課税ができたりあるいは課税の真空地帯が生ずるということがございますので、十分コンセンサスを得ておくことが必要であるという観点から、解釈に疑義がある点などを明確化いたしまして改定したわけでございます。同時に、この作業部会におきましては徴収共助のモデル条約をこれからつくろうということで、オランダ、オーストリア、ルクセンブルグなどが中心になりまして、他国の租税を自国で徴収して他国に提供する、租税債務を完済しないで他国に逃避したような場合に、その納税者の資産が自国にない、他国に資産があるという場合に、これを他国に依頼しまして、これを徴収してその税金を送付していただくということでモデル条約をつくろうということで、これからこれを検討していこうということがございます。国内法の時効の問題とか、それから租税債権の優先権等の問題、国内法との調整を要する可能性のある事項に配慮しながら、わが国も積極的に検討に参加していきたいというふうに考えております。 次の部会は、第六作業部会と申しまして、これも租税委員会の下にある作業部会でございますけれども、これは多国籍企業課税を扱っております。特に多国籍企業課税につきましては、先ほども触れましたが、移転価額によって租税を回避する、これは二国間の課税の配分の問題だけではなくて、所得に対する税の低いところに所得をシフトするということによって全体的な当該企業グループの税負担を軽減するというようなことを防止するために、移転価額の研究をしております。移転価額といいましても、これは正常なマーケットプライスというのはなかなか把握困難な場合がございますので、その場合にどういう基準でやったらいいかというようなことを研究しているわけでございまして、これにもわが国は積極的に参加しているわけでございます。 それからもう一つの作業部会でございますけれども、これもやはり租税回避及び脱税に関して検討を重ねるということでございまして、検討事項といたしましては、ちょっと細かくなりますが、芸能人の課税の問題とか情報交換の問題、あるいは納税者と税務当局との関係、そういったことについて検討を重ねているわけでございます。さらに、国際的な課税問題についての調査能力をお互いに切磋琢磨して向上していこうという観点から、税務調査官会合というものもございまして、これは先ほどの租税の回避及び脱税に関する作業部会と密接な連絡をとりながら、ケーススタディーを行っているわけでございます。 以上がOECDの活動状況とわが国の参加の態様でございますけれども、もう一つは国連のECOSOCの租税専門家会合というのがございます。OECDは御存じのように先進国二十四カ国から成っておりますが、この先進国同士の租税条約ですと、経済的な流れが大体半々である、それほど差異がないということでございますが、開発途上国と先進国ということになりますと、経済の交流が一方的になる、それについてOECDのようなモデル条約を採用することにはいろいろ問題がある。先ほど渡部先生も御指摘になりましたように、南北問題、こういった問題との関連から、開発途上国と先進国とが租税条約を結ぶ場合にはどういう基準がよろしいかということを検討しているわけでございます。経済的な流れが一方的である場合には、その源泉地国の課税権をある程度広く認めていく、しかも二重課税は排除されるようにする、しかも情報交換などによって租税回避なり逋脱がないようにするという観点からの検討を進めているわけでございます。特に開発途上国が自国の経済発展のために租税の特別措置、軽減措置をとったような場合に、進出企業の本国において一般に税金をかけますと、その軽減分が結局その本国の財政当局に帰属してしまうというようなことで、開発途上国がとった経済発展のための租税特別措置の効果が消滅してしまう。これを消滅しないようにするために、いわゆるみなし税額控除の規定を入れるべきであるという要求が開発途上国から強く出ているということでございます。わが国の条約例におきましても、十一の条約においてはそういった規定を入れているわけでございます。 以上が、国際的に大蔵省といたしましても、できる限り積極的にこれに参加して勉強を続け、所要の措置をとるべく前向きに勉強していることの報告でございます。どうもありがとうございました。
○有馬小委員長 次に、通商産業省高橋国際企業課長。
○高橋説明員 それでは、わが国企業の海外事業活動の適正化を確保すための対策状況について、当省がやっておりますことを簡単に御説明申し上げます。 わが国企業の海外事業活動の適正化につきましては、基本的にはこれは企業の振る舞い方の問題に関連するわけでございますので、国の強制措置によってやるという分野ではなく、むしろ企業の自発的努力を進めていくというのが基本になるかと思うわけでございます。したがいまして、当省といたしましては、そのような民間の努力を各方面から側面的に支援をする、そして、結果的に適正な企業活動が実現するように措置していくという考えでございます。 お手元の資料に即しまして御報告申し上げます。 まず、民間の自発的努力につきましては、当省勧奨のもとに、昭和四十八年に経団連等五団体におきまして、発展途上国に対する投資行動の指針というのが策定されておりますところは御案内のとおりでございます。そこに盛られている事項につきましては、投資受け入れ国との共存共栄を旨とした事項でございまして、海外投資のいわゆる現地化を進めるという方針が書いてあるわけでございます。 この指針を実践するために、四十九年に日本在外企業協会というのが各経済団体の努力のもとに設立されまして、当省支援のもとに海外事業活動を行っておるところでございます。主な事業といたしましては、行動指針の実践状況調査をすでに東南アジア、中南米、中近東十一カ国について実施をしております。また、海外派遣社員の研修活動等を行っております。 国と在外企業協会との共同事業ということでは、その(2)にございます海外事業活動円滑化促進相談所というものを設けております。これはわが国企業の海外事業活動が現地社会と調和を保って円滑に行われるようにするために、当省指導のもとにジェトロと日本在外企業協会の共同事業ということで置かれておりまして、すでにタイ、インドネシア、シンガポール、ブラジルの四カ所に置かれておるところでございます。やっております内容は、そこにございますように、現地日系企業の実態の把握、先ほどの投資行動指針の周知徹底、それから受け入れ国の外資政策等についての情報を提供するというような業務を行っております。 次に、海外事業活動円滑化啓蒙ミッションを毎年私どもは派遣しております。これは民間企業の幹部から成るミッションを現地に派遣いたしまして、やはり投資行動指針の啓蒙を行うと同時に、受け入れ国政府あるいは現地の企業との意見交換を行って、問題点の解明あるいは本社に対する改善策の提示というようなことを行っております。すでに東南アジア、アフリカ、南米、大洋州の各地域に派遣しております。 以上が民間の自主努力に対する側面的な支援でございますが、一方、第二に、昨年策定されましたOECDの多国籍企業の行動指針にどのように対応しているかでございますが、まず第一に、民間団体に対する通達をすでに昭和五十一年の七月に発しておりまして、その遵守方を要請しております。 これをさらに民間団体に周知徹底させますために、経済団体連合会あるいは日本在外企業協会等の民間団体と連携を保ちつつ、その周知徹底に努めておるところでございます。 さらに、このOECDのガイドラインが日本の企業にいかに遵守されているかということにつきまして、今年度予算をお認めいただきまして、主なわが国海外進出企業及び外資系の在日企業を対象にいたしましてその遵守状況等についての調査を実施し、問題があれば指導していくという体制をとっております。 第三の対策といたしまして、調査研究を進めておるわけでございますが、まず海外事業活動動向調査というのを毎年やりまして、ここで本社企業の状況であるとかあるいは現地法人の状況等について把握をしております。 それから、当行に専門家から成る海外事業活動実態調査委員会というのを設けまして、海外事業活動の適正化のための研究を進めておるところでございます。 さらに、海外事業活動実態調査団というのを毎年発展途上国に派遣いたしまして、外資に対する現地の要請あるいは日系企業の対応状況について調査をしているところでございます。 以上でございます。
○有馬小委員長 次に、大蔵省山口投資第三課長。
○山口説明員 それでは、大蔵省の国際金融局の立場から御説明申し上げます。 多国籍企業の問題でございますが、わが国企業の海外における事業活動の適正化を確保するための対策ということでございまして、国際金融局が所管しております外国為替管理法上の対外投資の取り扱いという観点から御説明申し上げたいと思います。 現在の外国為替管理法は、多国籍企業といった特定の主体に着目しましてその活動を規制するという性格のものではございませんで、一般的に資本取引でありますとか、経常取引でありますとか、個々の対外取引を取り上げて、必要に応じてこれを規制するという法律の体系になっております。 わが国企業が海外で活動する場合に、たとえば子会社をつくりますとか支店を設置するということで、子会社に出資をいたします。あるいは支店に資金を送金いたします。こういう場合に、直接投資の許可というものが必要になってくるわけでございますが、現在、銀行、証券業とか、特定の漁業とかそういう特殊な業種を除きましては、原則としてこの投資許可は自由化されておりまして、日本銀行限りの自動許可で処理されております。また、こういう海外におきます子会社、支店の活動のうちの為替管理に関係します資金関係と申しますのは、子会社で、たとえば親会社から増資をするとかあるいはさらに資金を貸し付けるとか、支店へ営業資金を送金いたします。そういう場合にもこういう許可はほぼ自由化されております。 なお、日銀はこういう許可を与える際におきまして、当初の投資の目的でありますとか、どういう事業を行うかということにつきましては、ある程度の説明を受けているわけでございますが、本日問題になっておりますような多国籍企業の腐敗行為、その後海外に進出しました企業がどういうビヘービアを行うかということにつきましてまでは、この投資許可という行政上のコントロールはなかなか及ばない、こういう限度がある次第でございます。 以上が外為法上の対外投資の取り扱いの現状でございますが、そもそもその基本的な考え方といたしまして、国際間の資本移動をできるだけ人為的な制限を加えずに自由に行うということが、本来世界経済の発展の上でも国際協調の上でも望ましいということで、従来からわが国も対外投資の自由化を進めておりまして、これがOECDの資本自由化コード等の精神でもございまして、資本自由化ということが国際的な大勢であった次第でございます。 他方、一部に見られますような多国籍企業の不適正な活動というものも、こういうものがございます場合にこれが是正されるべきはまた当然でございまして、大蔵省としましてもOECDの行動指針の作成や国連のコード・オブ・コンダクトの検討、審議等に際しましてはこれに前向きに取り組んできたわけでございます。 個々の企業の海外における事業活動の適正化につきましては、先ほど通産省から御説明がございましたように、むしろ通産省の指導を中心に行われていると了解しておりますが、大蔵省といたしましても関係各省と連絡をとりつつ、今後とも必要な場合に適切な処置をとりまして、国際的な動きに対応して適切な措置をとってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○有馬小委員長 次に、労働省石田国際労働課長。
○石田説明員 私からは、お手元に差し上げてございます「多国籍企業及び社会政策に関する原則のILO三者宣言(仮訳)」という資料に基づきまして、ILOにおいて現在多国籍企業問題がどのように取り扱われているかということについて御説明を申し上げたいと存じます。 まずいきさつから申し上げますと、ILOが多国籍企業に関心を持ち始めましたのはかなり以前のことになりまして、一九六〇年代の終わりぐらいからいろいろと議論がございました。一九七一年に至りまして、一九七一年の総会でございますけれども、多国籍企業によって惹起された社会問題に関する決議というのが採択になりまして、多国籍企業がいろいろと各地に散らばってくることによりまして、労働問題、社会問題がいろいろ出てくる、それについて一遍ILOとして検討しようではないか、こういう話になってまいりました。その結果、一九七二年にエキスパートの集まりがございまして、その後七六年でございますが、多国籍企業三者構成諮問会議というのが発足いたしております。これは政労使それぞれ各八名から成る会議でございますけれども、その会議が持たれまして、今後多国籍企業問題にどういうふうに取り組むかということの議論があったわけでございます。その結果及びILOの理事会でのいろんな検討を経まして、ことしの一月から三月にかけまして、ワーキンググループができまして、この多国籍企業問題についての三者宣言のようなものをつくろう、こういう動きになってまいりました。このワーキンググループは、ことしの一月から三月にかけてたしか三回ほど開催されたというふうに存じておりますけれども、その結果を受けまして、ことしの四月四日から七日まで、第二回目の多国籍企業三君構成諮問会議というのがジュネーブで開かれたわけでございます。その結果この諮問会議としてまとまりましたものがお手元に差し上げました三者宣言でございます。 この三者宣言はどういう意味合いでつくったかということでございますけれども、先ほど外務省の方から御説明ございましたように、国連の方でも現在多国籍企業のコード・オブ・コンダクトにつきまして作業が進んでおるわけでございますけれども、その中の労働部門として、労働問題に関する部分としてこの三者宣言を入れよう、かような考え方で作業をしておったというふうに承知をいたしております。ただこの宣言につきましては、現在の段階ではまだこの諮問会議として結論を出したということだけでございまして、今後の取り扱いは、ことしの十一月に開かれますILOの理事会において決められる、かようなことになるというふうに予想をいたしております。 いきさつなりこの宣言の性格なりについては以上でございます。 引き続きましてこの宣言の内容につきましてごく簡単に御説明を申し上げますが、ごらんいただきますようにまだまとまったばかりでございまして、私どもの課の仮訳でございます。その点はあらかじめ御了承いただきたいと存じます。これは大変膨大なものになりますので、要点だけはしょって申し上げます。 まず第二項のところに目標が書いてございまして「多国籍企業が経済的社会的進歩に対してなしうる積極的寄与を促進し、その各種の活動がもたらす困難を最小にし、かつ解決することである。」というふうにこの三者宣言の目標について言っておるわけでございます。 それから第四項でございますけれども、この宣言の対象について述べておるわけでございます。「この宣言で述べられている原則は、本国及び受入国における政府、使用者団体、労働者団体及び多国籍企業自体に勧告される。」こういうことでございます。 次にこの宣言の性格でございますけれども、第五項のおしまいの方にもちょっと出てまいりますが「指針となることを目的としている。」ということでございます。 しかも、七項の方へ参りますと「この宣言は、」云々という書き出しになっておりますけれども、「政府、使用者団体、労働者団体及び多国籍企業はその自発的意思に基づいてこれを遵守することが勧告される。」ということで、任意的な性格のものだ、かようなことに相なっておるわけでございます。 そこで、内容につきましては、その次に「雇用」とか「訓練」とかいうことでずっといろいろ並んでおるわけでございますけれども、雇用のところだけちょっと申し上げますと、第十四項でございますが、雇用問題について非常に重視した書き方になっております。これはそこに書いてございますように、昨年六月に「雇用、所得分配及び社会進歩並びに労働の国際分業に関する三者構成世界会議」、私ども世界雇用会議と略称いたしておりますけれども、こういう会議が開かれまして、世界的な貧困、特に発展途上国におきますところの雇用開発の問題というのが非常に重視をされた会議でございます。その会議の「一般的結論に留意すべきである。」というふうに申しておりますけれども、この多国籍企業問題というのが雇用の問題で非常に大きなかかわり合いがあるということを特に重視をしておるわけでございます。 それから「機会及び待遇における均等」ということで二十一項以下ございますし、二十四項以下「雇用の安定」というふうなこと、二十九項以下が「訓練」、それから三十三項以下が「賃金、給付及び労働条件」ということでございます。さらに三十六項以下に「安全及び衛生」というふうなことで、事細かに書いてあるわけでございます。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたようにこれはまだ諮問会議段階のものでございまして、これが最終的に取り扱いが決まりますのはことしの十一月の理事会というふうに一応予想しておるわけでございます。 なお、以上がILOの動きでございますけれども、せっかくの機会でございますので、一言だけつけ加えさせていただきたいと存じますが、労働省といたしましては、やはり多国籍企業の労働問題につきましていろいろと検討いたしておりまして、昭和四十九年からでございますけれども、多国籍企業労働問題連絡会議というふうなものをつくりまして、労働組合側、使用者側、それに関係各省もお集まりいただきまして、多国籍企業の労働問題につきましていろいろ意見交換をやっておるというふうなことがございます。 そのほか、日本労働協会という団体がございますけれども、そこに依託をいたしましていろいろ多国籍企業労働問題の研究をしておるというふうなことがございます。いずれ機会がございましたら、その辺につきましても御説明さしていただきたいと存じますが、本日はとりあえずそういうことが行われておるということだけ申し上げさしていただきたいと存じます。 以上でございます。
○有馬小委員長 以上で、政府当局からの説明は終わりました。 なお、公取の出口調整課長もお見えになっておりますので、よろしくお願い申し上げます。 —————————————
○有馬小委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡部一郎君。
○渡部(一)小委員 本小委員会の質疑は、会期末でもありますので、本日または次回一回できるかどうか危ぶまれておるわけでございますが、本小委員会における先ほどの塩崎法務政務次官に対する私の質問の中で強く要望いたしたところでありますが、この多国籍小委員会の多国籍企業問題を担当する官庁が設定されていないということが問題であり、また、この問題に関する各省庁間の連絡、研究、調査の常設の仕組みがないということが問題であり、また、これらに対する内閣の取り組みというのもこれからの検討事項になっていると思われます。 したがいまして、本小委員会の結論といたしまして、外務委員会に対し、小委員会報告を小委員長は御作成になり、提案をされるわけでありますが、その際、これらの趣旨を踏んまえられた小委員会報告をなされるように私は提案したいと存じますが、小委員長のお計らいをお願いいたします。
○有馬小委員長 ただいまの渡部君からの御提案の問題なども含めて、小委員会の調査の概要について本委員会に報告いたします。
○渡部(一)小委員 よろしくお願いいたします。
○有馬小委員長 次に、寺前巖君。
○寺前小委員 先ほどから多国籍企業、かなり国際的にも日本の国内でも問題になってきて、どういうことを政府としておやりになっているのかなということをいろいろお聞きをしておったわけですけれども、要するにあれをやりました、これもやりました、こう言うけれども、一体どう進んでいくのかということについて私は一向によく理解をすることができませんでした。たまたま「エコノミスト」という雑誌の七七年五月十七日号というのを見ておったら、これは多国籍企業ではありませんが、日本の企業のフィリピン進出問題で山田経三さんという方がかなり厳しい批判をしておられるのが目につきました。 そこで、私は、多国籍ではない、きわめて明確に天下に名を持っているところの川鉄がやっているこの行為をどのように日本政府は見ているのか、どう指導しているのかということを通じて、それよりむずかしい多国籍企業、それに対応できないようではできなかろうという角度からこの川鉄問題について聞いてみたいと思うのです。 こういうふうにこの人は実際に現地に行かれて書かれております。 まず、評論は別として、「フィリピン政府の発表によると戒厳令発布直後、約三万人が逮捕され、拘禁された。また一九七五年一一月二五日、マルコス大統領自身がアムネスティ・インタナショナルの調査団に語ったところによると、戒厳令施行以後その時点までに、約五万入が逮捕、拘禁されたという。一九七五年五月の時点で、政府は拘束者数を六〇〇〇人としているが、その他の観測筋は六〇〇〇人をはるかにこえる数の人が、いまだに拘束されているとしている。」というふうに、フィリピンは全体として戒厳令の施行下にあるということをまず指摘をして、そして、こういう状況のもとにおけるところでフィリピンでは自由に物が言いがたいという状況下にある。そういう中に日本が経済協力の美名のもとに乗り込んでいくのだけれども、大変なことだ、川崎製鉄のミンダナオ島進出は非常に問題だ。「日本の五大鉄鋼メーカーのひとつ川崎製鉄は、フィリピンのミンダナオ島北部、カガヤン・デ・オロ地区に隣接するビラヌエバに一四四ヘクタールの土地を確保し、ここに総工費六二〇億円をかけて年産五〇〇万トンの焼結工場と二〇〇万トンの鉄鉱石貯鉱場を建設することになり、一九七四年からその工事に着手した。これほど大規模で、しかも製鉄工程の中の焼結部門だけを海外に進出させることは、日本鉄鋼業界でも初のケースである。さらに日本の一企業の焼結工場建設が相手国の工業化路線の主要な担い手として、自由貿易地域と同じ性格をもつ大工業団地の建設計画にまで拡大させた点でも、特異なケースである。」とまず最初に指摘をして、そして「その内容は、異例の一〇〇%投資の認可と、用地を極めて安い価格(最初の三年間は一平方メートル当たり五〇センタボ=約二〇円=、次の三年間は六〇センタボ=約二四円=)で二五年間提供することである。これは一四六世帯約二〇〇〇人の居住者の強制退去によって用意された土地である。」という指摘がその次に出てくるわけです。そして「一九七五年二月、はじめてミンダナオ島のカガヤン・デ・オロ市を訪れた私は、川鉄の敷地周辺に住む人々から強制退去当時の模様を聞かされ、問題の重大さに驚いた。」ということをその次に報告をしているわけです。「一九七六年八月、四回目の調査で訪れた時、強制移住させられたカリンガガンの住民は当時の状況を次のように語った。「フィビデックの者がほとんど一カ月間、毎日毎日われわれの土地を測りに来た。われわれを追い出すまで、何がわが身にふりかかろうとしているのか、われわれは知らなかった。測量に来ている連中を呼び止めて言った。「いったいなんだって他人の土地を踏みつけているんだ。何をしようというのだ」。かれらは政府から派遣されて来たと答えた。目的はなんだと尋ねると「川鉄の工場のために土地が要るので測りに来た。川鉄に土地を供給するという大統領条令が出ているのだ。そういうわけでわれわれはここを調べている」と答えた。かれらは直ちにわれわれの財産を見積もって、土地は一平方メートルが六ペソ(約二四〇円)と提示した。……われわれはカガヤン・デ・オロ市の有名な政府高官、ペレーズ上院議員に六ペソより安くならないよう取決めをして欲しいと頼んだ。かれは、現在工業団地になっている隣のイリガンの土地が」それより少し高かった。「何もかも値上がりしている現在、それより安くなるわけはないと言った。ところが最終的にはたったの三ペソ」、半分の値段「しかもらえなかった。拒否することはできなかった。かれらは大統領条令によるのだといったのだ。しかもその中からフィビデックの者に仲介依頼賃までとられてしまった」」こうやって政府間においては歓迎をもって企業の進出を受け入れたか知らないけれども、現地では非常な不評が広がっているというのがこの報告の中から出てきます。 それからもう一つこの報告の中から出てくるのは、この焼結工場というのは公害企業であって、日本ではやっていけないのでフィリピンへ出ていっているのだということを公然と会社側自身が言っているという問題があるわけなんです。時間が長くなりますので省略しますが、これは公害訴訟の進行中、訴訟の中で川鉄側の回答として出ているものでもあり、川鉄側が出したところのパンフレットの中にも「六号高炉用の汚ない焼結工場はミンダナオ島に持っていくから心配ない」という発言から見ても、公然と他国に公害をばらまきに行くということをやっているわけです。 さて、私はこの問題について、海外で投資をするということも行われることだし、海外に企業を持っていくということが行われるということ、それで私は具体的に聞きたいのですが、それぞれの省が、だれが考えても不名誉になることに対して、日本の法律ではどうにもならないのか、あるいは日本の法律でもこういうふうにすることができますと言えるのか、こういう問題について一体不名誉と思わぬのか思うのか、思うならばどうするのだということを私ははっきり具体的に聞かせてほしいと思うのです。外務省は外交上の問題があるでしょう、大蔵省は金の問題があるでしょう、通産省は具体的に企業の進出、公害のたれ流しをしに行く問題があるでしょう。それぞれの所管省としてこれについての説明をしてほしいと思うのです。むずかしい話ではなくてわかりやすく聞かせてください。
○賀来説明員 先生御指摘のケースの事実関係については、私どもまだ確認をしておりませんので具体的なことは申し上げられませんが、一般的に本邦企業が海外に進出する場合には、外務省本省及び在外公館において現地社会との融和、現地の経済社会開発への貢献、それから日本と当該国との友好関係の促進という観点に着目して必要な指導を行っているということでございます。ただ、その「エコノミスト」の記事の事実関係その他についてはいまここで確認もできませんし、特にコメントする用意はございませんが、その点は追ってまた調査の上、別途先生に御説明するなりいたしたいと思います。
○山口説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御質問の特定案件につきましての事実関係はただいまのところつまびらかにしないわけでございますが、これにつきましても一般論として申し上げますと、先ほど御説明いたしましたとおり、投資許可につきましては日銀の自動許可という体制になっておりまして、当然その事業計画、事業目的等は当該企業から日銀としては聴取するわけでございますが、それは事業のフィージビリティー、すなわち事業として十分成り立つという観点からの聴取が主でございます。 なお、これにつきましてもし制度金融等がつきます場合には、これも投資許可とは別個にその事業の確実性等につきまして審査をすることは当然でございます。 それから、先生御指摘の現地における土地収用の問題あるいはその公害企業の進出の問題につきましては、これはフィリピン国におきます国内問題として、どういう投資環境の整備あるいは公害規制がどういう形でとられておるか、そういう問題も当然あると存じます。ただいまこの事実関係をつまびらかにしませんので、一般論で恐縮でございますが、一応お答え申し上げます。
○高橋説明員 お答え申し上げます。 一般的に海外投資に伴います公害問題等につきましては、基本的に受け入れ国の法制にゆだねざるを得ないわけでございますけれども、先生御指摘の川鉄のミンダナオ島進出の問題につきましては、私どもも受け入れ国の地域社会との融和、調和、そういう問題から非常に問題であるということで、昨年の三月に川鉄を呼びましていろいろ事実関係を調べたわけでございます。その際にも十分に公害問題あるいは住民問題には注意するようにという指示を与えているところでございまして、その後のフォローでは、先生がいま「エコノミスト」とおっしゃってお読みいただきましたような事実について私どもは聞いておりません。また、いろいろな調査によりましても、むしろ大半の住民は進出を歓迎しており、川鉄の手厚い公害対策が周知されてきたということで、反対運動が鎮静化しているというように聞いております。 以上でございます。
○寺前小委員 それでは外務省は現地の声を十分調査をして、どういう日本の名誉、不名誉の問題があるかということの報告をひとつ聞かしてください。 それから、大蔵省の話を聞いておったら、そんな日本の名誉、不名誉なんというのは海外投資には関係ないと言わんばかりの話に聞こえた。これでは多国籍企業の問題も、日本の進出に対するところの問題においてはこの姿勢では解決つかぬだろう、これは研究する問題があると私は思うのです。 これは通産省も同じことなんですけれども、川鉄の企業進出に当たって、一つは土地の収用上相手国の法律に従うんだ、公害企業が行くという問題でも相手国のあれに従うんだということになってごらんなさい、不名誉を持ち出すだけの話じゃないか。だから公然と言っているじゃないですか。日本では公害の規制を受けるから外国へ行きます。外国へ本社を置いておいたりして、利益をあそこで上げる別会社の子会社を置いておいたらもうかりますというやり方でもって海外で仕事をするというやり方を多国籍企業がやっているわけでしょう、さっき報告がありましたように。こういうのは何とかしなければいかぬとみんな問題になってきているわけでしょう。だから一番わかりやすい例として、多国籍と言わなくたって、川鉄自身は一〇〇%向こうでやって、そして日本にはおれない、あの千葉の周辺の人たちには、ここは大丈夫です。向こうへ行ったら公害の規制がないから向こうへその問題だけは持っていきます。皆さんは心配してくださるなとはっきり言って向こうへ行っているんでしょう。日本の公害規制に匹敵する内容を日本の名誉にかけて、そういう日本では許されないものは持っていかないんだということが明確になるような対策を一つずつ考えていかなかったならば、多国籍企業に日本政府としてどう問題を整理していくかということができないことになるじゃないか。多国籍と言わなくてもきわめてわかりやすい。川鉄自身がいまやっていること自身にはっきりと規制をすることができなければ、私はこの不名誉問題というのは解決しないと思う。お呼びになって何をやられたか私は知らないけれども、日本では存在することのできない、公害上そういうことではだめですよというもの、そういうものは外国へ行ってやってはならないということが言い切れないのかどうか、いや向こうの法律では大丈夫ですからそれはもう言えませんということでいつまでも放置するのか、一番肝心のところを私は聞かせてほしいのです。むずかしい話は要りません。問題は、日本ではだめだというものが向こうだったらよいから来てくださいというのは、向こうの大統領が言っているという話ですよ、そのこと自身私はおかしいと思うけれども、それは向こうの国内の話、向こうの国民が怒るでしょう。しかし、少なくとも日本の側から言えば、他国に不名誉なことをやってはならないということぐらいははっきりさせるべきではないのでしょうか、投資のあり方でも、あるいは税の問題においても、あるいは収用のあり方の問題においても、その工場の問題においても。そこのところは一体、もう一度ちゃんとできますか。いやそれはもうどうにもできません、向こうの国内法によります。会社はもうけるために出ていくのだからしようがないのです。こうおっしゃるのだったら、政府の指導性というのはそのときにはもう終わりですよ。それをやろうと思ったら法律をこうしなければいかぬのだとか、いやそんなことする必要はありませんとか、そこをはっきりわかりやすく聞かしてくださいよ。もう一度念を押して私はそれを質問します。
○高橋説明員 本件の公害問題は、主にSOx、それからNOx、ダストによる大気汚染というふうに聞いておりますが、日本の国内でも決して建設できないというプロジェクトではないということでございまして、日本の規制に従って行えば日本の国内でも当然これは建設できるというふうに思うわけでございます。先生御指摘の、会社が日本ではできないということを言っているという事実については私は承知しておりませんけれども、いずれにいたしましても、さようなわけでございますので、本件は企業のデシジョンメーキングの問題で、どこにどういうプロジェクトを世界的につくるかという問題であるわけでございまして、それに伴います公害問題というのは基本的にはその国の法制に従わざるを得ない、ただその場合に、地元住民とのトラブル等が出ることにつきましては本国サイドでも留意しなければいけないという観点から、わが方は川崎製鉄に対しまして、先ほど申し上げましたような注意、指示を与えたところでございます。 なお、その結果といたしまして、非常に手厚い公害対策、電気集じん機その他の大気汚染対策あるいは水質汚濁対策を行いまして、十分なる対策を講じて実施したというふうに聞いておりまして、特に地元から大きな問題が出ているというふうには聞いておりません。
○寺前小委員 もう時間があれですからやめますけれども、それは今度のマルコス大統領が来たときにもまた要請文を、川鉄の進出に対して問題にした人々が大統領に対してあえてまた問題を提起しておりますよ、この問題について。ですから、これはもう一度よく見直してみて、不名誉にならないのかどうかということをはっきりしておく必要があると私は思いますよ。 そもそも千葉県知事に対して川鉄の社長名で「第六よう鉱炉および同関連施設の建設について」という文書が出ておりますが、その中でこういうことを「基本計画」のときに書いておりましたよ。「しょう結工場が、SOx、NOxの主要発生源であることを考慮して、排煙、脱硝技術が開発されるまで、しょう結工場の増設は行なわず、必要しょう結鉱はフィリピンに建設する海外しょう結工場の製品によって充当する。」公然と、つくるときから、フィリピンでそれはやりますから、おたくの方には迷惑かけませんという公式文書まで千葉県知事にこの「基本計画」のとき自身に出していたんですよ。ぼくはそもそもこの思想が悪いと言うのです。だから、よく念には念を入れてもう一度調べ直していただきたいし、川鉄のさきのパンフレット、町内会を通じて建設予定周辺のところにまいていますよ、その文書の中にも書いてある、「第六よう鉱炉の建設は厳しい基準にもとづいて進められています。しょう結工場は作りません いおう酸化物やちっそ酸化物の排出量の多いしょう結工場は増設いたしません。第六よう鉱炉に必要なしょう結鉱はフィリピンのミンダナオ島に建設するしょう結工場から輸入いたしますが、この計画については、フィリピン政府と現地の州や市の深い理解と協力を得ております。」だから皆さんは心配要りません。御丁寧にフィリピンにフィリピンに、こう言っているのですよ。そこまで言っているのだから、これはもう一度よく点検をして、川鉄に限りません、これから海外へ進出する企業に対してはどういうふうにしたらいいものかというものを、法的規制をやらなければいけないのだったら、法的規制を提案をするように準備したらいいし、行政指導でいけるものだったら、いけますということを明確にさせてもらうということをぜひとも要望をしておいて、きょうは質問はこの程度にしたいと思います。 特に外務省は、これだけ言われた話ですから、もう一度明確にしていただいて、しかるべき小委員会が開かれるときにひとつ報告をしていただきたいということを、委員長にもお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○有馬小委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十七分散会