外務委員会 第18号
- 発言数
- 143 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/05/18
会議録
○竹内委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。 この際、鳩山外務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣鳩山威一郎君。
○鳩山国務大臣 日ソ漁業交渉につきまして御報告をさせていただきたいと思います。 日ソ間の漁業取り決め締結交渉につきましては、去る五月三日三たび訪ソした鈴木農林大臣とイシコフ漁業大臣との間に、五月五日以来話し合いが続けられておりますが、昨十七日の会談において基本的な問題についての両者の立場に歩み寄りが見られました。 去る五月五日の会談において、わが方はソ側に対し、わが国海洋二法の成立を背景とした三つの案を示しました。 第一案は、日ソ双方の二百海里水域内操業に関する双務協定を締結することでございます。 第二は、ソ連二百海里水域内でのわが方の操業に関する協定、仮にこれを日ソ協定と呼ぶことといたしますが、及びわが方二百海里水域内でのソ連の操業に関する協定、仮にこれをソ日協定と呼ぶことといたします。これを同時に締結する、そういう案でございます。 第三案は、従来行われてきたいわゆる日ソ協定締結交渉を継続する、いわゆるソ日協定は別途交渉することとなるというものでありまして、ソ連側が第三案による交渉継続を希望した結果、五月七日以来いわゆる日ソ協定の交渉が行われてきたわけでございます。 わが方といたしましては、本件交渉に当たっては純然たる漁業問題として協定を結ぶべきであるとの基本方針を定め、北洋漁業におけるわが国の伝統的操業を維持すること、及び日ソ平和条約締結交渉におけるわが方の立場に影響を与えない形での妥結に全力を挙げてまいりました。このようなわが方の立場はなかなかソ側の理解するところとならず、交渉は難航いたしました。 わが方としては、去る十三日、累次のソ側との折衝の結果を踏まえ、わが方として考えられるぎりぎりの案を提出する一方、十六日には、福田総理よりブレジネフ書記長及びコスイギン首相に対し、親電をもって、日ソ友好の大局的見地から交渉の早期妥結を図るよう呼びかけを行いました。また、私も同日ポリャンスキー大使に対し同様の申し入れをいたしました。 上記の結果、昨十七日の会談において、純然たる漁業問題として本件協定を締結するとの立場で交渉の早期妥結を図ることで両大臣間の意見が一致し、上記の立場を協定中に明記するとの方向で打開の道が開かれ、昨夜専門家会議において案文の詰めが行われました。 右を受けて、本日午後再度鈴木・イシコフ会談が行われる予定でございます。 本件漁業交渉は、漁獲割り当ての問題等、なお問題は残されておりますが、妥結へ向けて大きく前進したということをとりあえず御報告申し上げます。 なお、一言つけ加えたいと思いますが、問題のサケ・マス漁業につきましては、漁期に入っておりますので、一日も早くこの問題の決着が希望されているところでございます。この点につきましては、この協定の骨子が固まりますとサケ・マスの方の問題も解決をいたしますので、この問題は、暫定協定の正式な調印が若干後になりましても、サケ・マス船団につきましては早期出漁ができますよう鋭意努力をいたしておるところでございます。 以上でございます。 —————————————
○竹内委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土井たか子君。
○土井委員 ただいま外務大臣より、日ソ漁業交渉について昨日一応の決着を見たということについてあらましの御報告を受けたわけでございますが、この間、政府、さらには野党も含めまして全議員の代表、さらに労働者四団体等々が訪ソいたしまして多大の努力を払ったということに対しては、その成果だと一応考えなければならないと思っております。ただしかし、いろいろまだまだ不確定要素もあるようでありまして、われわれが見聞いたします新聞紙上の記事を通じての情報によりましても、もう一つはっきりわからない点も、まだ基本的な問題においてあるようでありますので、少しその不確定要素がまだ動いているということも念頭に置きながら外務大臣に御質問申し上げたいと思います。 いま外務大臣の御報告されました中にもございましたが、五月五日以降日本においては、海洋二法の成立を受けて対ソ交渉について三案を提起して、そしてその中身についての交渉がさらに続けられたということでありますが、結局昨日一応の決着を見た内容といたしましては、日本側が主張し続けてまいりました北方四島を含む二百海里の線引きというのは、今回の交渉によって消えてしまったというふうに考えていいのかどうか、この点はいかがでございますか。
○鳩山国務大臣 ソ連が国内法として設定をいたしました二百海里の線引きというものは、ソ連の国内法として、一応漁業上の対処の仕方といたしましてはこれを尊重をせざるを得ないというのが終局的な立場になろうかと思います。わが国といたしましては、わが国の二百海里の漁業についての暫定法によりまして二百海里の範囲をどう定めるかという問題がある。この問題につきまして鈴木・イシコフ会談におきましていろいろ詰めが行われておるわけでございますけれども、この点につきましての最終結論というものはまだ明確に申し上げることができない段階でございます。先方が線引きをした海域と日本が主張をしている海域、この間の調整を最終的にどう考えるかということにつきまして、これが確かに一番の大きな問題点であろうと思いますが、方向といたしましては、ソ連の海域を認めざるを得ないということが一つと、日本の海域につきましてどのような措置をとるかということがもう一つの問題である、このように思っております。
○土井委員 どうもよくわからないのですが、そういたしますと、外務大臣のただいまの御答弁では、今回の交渉の中では、最も主要な柱であった日本側の主張してまいりました北方四島を含む二百海里の線引きというのは、いまだこれが消えたとも消えていないとも言えないというふうに理解をしていいわけでありますか。
○鳩山国務大臣 先方の二百海里の線引きを完全に消すということはできないと思います。
○土井委員 そうすると、向こうの主張しております二百海里の線を完全に消すことはできない、向こうの引いている二百海里の線の上に乗っかって日本としてはいろいろと主張し、いろいろと交渉を重ねるということでしかないというふうに理解をしていいわけでありますか。
○鳩山国務大臣 この点の主要な考え方は、漁業におきますいろんな取り扱いが領土の問題にいささかも影響を及ぼさないということでございまして、最終的に福田総理からブレジネフ書記長並びにコスイギン首相にあてました親書におきましても、本件は純粋に漁業問題として決着をさすべきであるということを申し述べておるわけでございます。それは、領土問題には双方にとっていささかの影響も与えない、こういうことを申しておるわけでございまして、その趣旨によりまして今回妥結を図ろう、こういうことでございます。その点は領土問題として、今回の漁業協定が成立いたしましたからといって、わが国が平和条約交渉に臨む際に領土問題におきますわが方の立場をいささかも害することがない、こういうことを貫き通すことが最大のわが方の問題と考えておったところでございます。
○土井委員 そういたしますと、いまの御答弁から私はお伺いをしたい質問が二点ございます。一つは、これは純粋に漁業問題であって、領土問題についてはいささかも触れないという交渉でいきたい、そういう趣旨と立場で交渉というものは一応昨日決着をつけたという形になっている。そういたしますと、魚と領土を切り離したことは——漁業に限定したものであるということを今回の暫定協定案の中でも、大体伝えられるところによりますと、八条に書こうとしているということが聞こえてまいります。したがって、八条に漁業に限定したものであるというふうに協定で明文化しようということは、つまり領土問題は全く未解決としてこのような措置をとるというふうに理解をしていいわけでありますか。これがまず一つであります。いかがですか。
○鳩山国務大臣 その点はわが方としては全くそのような考えに基づくものでございます。ただ、先方は領土問題は解決済みという主張をいたしております。したがいまして、先方がそのような主張をしておる、わが国は、未解決の問題である、このように主張をいたしておりますので、そのような状態に影響を及ぼさない、第三者的な解釈としてはそのような解釈であろうと思いますが、わが方といたしましては、領土問題は未解決の問題であるということをこれはもう強く主張いたしておりますので、その立場にも影響を与えない、こういうふうに私どもは主張をし、そのように解釈できる文案をいま準備をしているところでございます。
○土井委員 まことに微妙な文案を検討中だというかっこうになるだろうと思うわけでありますが、日本側は領土は未解決だ、ソビエト側はもう解決した、領土問題に対して全く百八十度相対する立場でお互いが歩み寄ろうというわけでありますから、何としても微妙というよりもまことに至難のわざをここで展開をしていかなければならないというかっこうだろうと思うわけであります。 ところで、一応領土問題は、日本は未解決だとし、ソビエト側はもうすでに解決済みだとした上でいろいろ水域に対しての設定がされるわけでありますから、領海十二海里にいたしましても二百海里の問題にいたしましても、領土問題がはっきりさせられないでおいて水域の設定などというのはあり得ないというのが順序としては当然考えられるところでありますから、今回漁業交渉に対しても決着を見たというのはどうもわが方だけのひとり合点であって、実は漁業問題についても決着を見たとは言えない段階だというふうに客観的に見た場合には言わなければならないことになる、こういうことではないかと思うわけであります。 さらにもう一つの問題は、先ほどの外務大臣の御答弁からいたしますと、島と魚は切り離す、領土と漁業問題というのは切り離す、そういう立場で考えてまいりますと、この当面問題の北方四島周辺二百海里の取り締まりの問題と他のソビエト側の二百海里の取り締まりというのは、ソビエト側からいたしまして同様というふうに考えていいのかどうか、それは違いが出てくるのかどうか、どのようにこれを受けとめていいのか、どのように外務大臣としてはお考えになっていらっしゃいますか。
○鳩山国務大臣 ただいま御指摘の点は非常に微妙な点でございます。この点につきまして実際の取り扱いがどうなるかということにつきましては、これは鈴木農林大臣がお帰りになりませんとその点は明らかにできないのでございます。いろいろな議論の過程がございましたので、この点につきましてその他の水域と何らかの差があるだろうということは当然私どもも考えるべきことでありますが、しかし、それを形の上にいかにあらわすかということになりますと、それがまたなかなか至難のわざなのでございます。したがいまして、たとえば北方四島地域におきましては沿岸漁民の非常に零細な漁船が多いわけでございますが、その零細な漁船に対しましてどのような措置をとるかということが実質上大変影響してくるわけでございます。その許可証の発給につきましても問題でありますし、また、その数の多い漁船の取り締まりをどうするかということにつきましても問題があるわけでありますが、それを明らかにこの地域についてどうするということになりますと、またこれが水域の問題の特殊性と直接に影響してまいりますので、その海域を明確に限ってそのようなことを行うことは、なかなか了解がむずかしいのではないか。しかし実際問題として、その多くの零細漁船に対しては特別の考慮をするとか、その多くの零細漁船に対しましては、いろんな取り締まりに日本側が当たりますとか、そういうようなことが恐らく考えられるところではあるまいかと思いますが、その点につきましては、鈴木大臣がお帰りになりましての御説明を聞いていただきたいと思うのでございます。
○土井委員 そういたしますと、何を御質問申し上げても、すべて鈴木農林大臣が御帰国の上でというかっこうになると思いますけれども、先ほど一応の御報告を外務大臣からいただいたという立場からいたしますと、この御報告の内容に関して関係のある質問については、それなりの外務大臣としての御答弁をまずここでいただく必要がどうしてもあると私は思うのです。そういう意味で、大事な基本的な問題について私は御質問申し上げているわけでありますから、まあこれについてはひとつ御答弁をお避けにならないで、正面切ってぶつかっていただいた御答弁をお聞かせいただきたいと一つは思うのです。 要は、いまの御答弁からいたしますと、この領土問題と漁業問題は切り離して考えていかなければならないけれども、北方四島周辺二百海里に対してソビエト側が取り締まりをする場合と、他の水域に対して二百海里について取り締まるソビエトの取り締まり方というのは違いが出てくる。これは当然に考えておかなければならない。日本側としてはその違いに対してどう対処するかということについてこれから大変苦慮しなければならないだろうし、それなりの心づもりと用意をする必要があるというふうに考えてようございますね。
○鳩山国務大臣 北方四島周辺を明確に限りまして、この地域について特別な措置をこのように行いますというようなことにつきまして明確な約束をするということは、なかなかむずかしいことであろうと考えております。しかし実際問題といたしまして、多数の沿岸漁民に対しまして、その漁業の性格上、一般の遠洋漁業者に対する取り締まりとやや違った取り締まり方法なりが行われるということになるだろうというふうに私自身としては考えておるところでございます。
○土井委員 いろいろいまお答えになりにくいこともあろうかと思いますが、新聞情報からいたしまして、私どももちょっとこれはどういうふうに理解してよいか、理解に苦しむという問題もございますので、続けてこの点もお尋ねしたいと思うのですが、この十二海里の日本の領海内にソ連船の操業は認めないということをはっきりお互いが確認し合っているかどうか。そうしてその結果、ソビエト側はわが国の領海内の操業を断念したというふうに見てよいのかどうか、この点についていかがでございますか。
○鳩山国務大臣 水産庁から見えておりますけれども、私ども、わが方の十二海里の領海内にソ連船が立ち入ることができるようにすることは、領海法を急速に御審議して御承認をいただいたこの趣旨からいきまして、耐えがたいことでございます。したがいまして、今日までの交渉におきましても、わが方領海内についての操業は認めないという線を今日まで貫き通しておりますし、その点につきまして先方の要求を受け入れるというような報告は一つも私どもは聞いておりません。したがいまして、この問題は、何らかのソ連側に対しますいろいろな提案を鈴木農林大臣がされておりますので、それらのお話し合いによりまして十二海里以内に立ち入ることなく解決を見るものというふうに信じているところでございます。 なお、必要がありましたら、水産庁の方から御答弁させます。
○佐々木政府委員 ただいま外務大臣の方からお答えがあったとおりでございまして、論議の過程では、ソ側の方で、協定発効前に、その後に領海になるべき海域の中で行われていた操業の実績についての継続ということを協定の中に盛り込むことを相当強く主張しておった経過がございますが、わが方の考え方を再三実態問題とともに繰り返し説明いたしまして、そういう協定の中にいまのような考え方を明文で盛り込むということについてはソ連側も断念をしたというふうに承知いたしておりますし、また領海内での操業の規制の問題でございますから、当然わが国の主権的な権利の行使の問題として、漁業実態から言いましても、今後とも領海内での外国漁船の操業というものは認められないというふうに考えております。
○土井委員 水産庁の次長の御発言は原則的御発言でございまして、その交渉の段階でお互いがその問題に対しては確認をし合って、ソビエト側はわが国の領海内の操業に対してははっきり断念したということが確認できるかどうかというところが、一つは私は問題だと思うのです。原則論ではございませんで、具体的事実としてそのことがはっきり確認されているかどうかが問題なんであります。先ほどの外務大臣の御答弁からいたしますと、十二海里にソビエト側は立ち入ることなく何とか交渉の段階ではその問題に対してお互い妥結を見るという方向が望めるのではないかという、余りきっぱりと、この問題に対しては大丈夫だ、大体ソビエト側も十二海里の領海内に入って操業するということは断念をいたしました、これは日本側が確認をいたしておりますという、そこまできっぱりした、はっきりした御答弁ではないのです。この点、なかなかまだよくわからない要素が少し動いているのかもしれませんけれども、どうも外務大臣の御答弁というのは、率直に申し上げて煮え切らない御答弁でありまして、一体、いまの御答弁の限りだと、ソビエト側は日本の領海内の操業を断念したとはまだ言えないようなニュアンスもうかがえるわけでありますが、その点はどういうふうに外務大臣は受けとめていらっしゃるのですか。
○鳩山国務大臣 領海内、十二海里以内への立ち入りにつきましては、先方は、これはもう困難だという認識に立っておると思います。そういう認識に立ちまして、いろいろいま検討をしておるというふうに聞いております。この十二海里外でイワシ、サバ類がほとんどとれないのではないかというふうに先方は認識しているようでありまして、その十二海里外でとる場合には漁法等につきましても変えていかなければならないというようなことで、それらにつきましてのコスト計算等を研究をするというようなことも言っておりますので、領海外での操業をどうするかということをいま先方が検討中というふうに聞いております。したがいまして、私どもはっきり先方が断念したということは、それはここで、先方のことでございますから、私の口から申し上げられないのでありまして、わが方、鈴木大臣といたしましては、領海内の立ち入りはわが方の領海法を御審議、御承認をいただいたたてまえから言って、十二海里以内の立ち入りは許せないのだということを主張し続けて一歩も下がっておられません。また、今度はソ日協定の段階で、日本の国内法に従いまして先方の漁業のやり方を、これから日ソ漁業協定の後でソ日協定をやる、こういう段取りになったのは先ほど申し述べたとおりでございまして、わが方といたしましてはそのような考え方は持っておらないということでございます。
○土井委員 わが方としては領海十二海里の中にソ連船の操業を認めるという考えは持っておらないとおっしゃる外務大臣の御答弁なんですが、けさほどの新聞でも牛場外務省顧問の御発言が載っております。この御発言内容からいたしますと、このような部分がございます。「日本の十二カイリ内でのソ連船の操業問題は、日本側が実質的に、漁獲量は保障するといっているのだから、ソ連も納得できることだ。」こう書いてあるのですね。日本側が実質的に漁獲量は保障をするとソビエト側に言っているとするならば、どういうふうな方法で具体的に漁獲量について保障しようとソビエト側に持ちかけていっているのか、これはやはり日本案というものがそれに対してなければならないはずであります。この点はいかがでございますか。
○佐々木政府委員 いまの発言はじかに私拝聴しておりませんので、あるいは的確でないかもしれませんが、これまでの日ソ間の論議の経過で、十二海里内のソ連側の方の操業の実績も十二海里外の日本の漁業水域の中での操業実績に加算をする、これは実態からいいますと、イワシは、十二海里外でもとれますけれども、主として十二海里内のウエートが多うございますが、サバについてはむしろ十二海里外の方のウエートが非常に高い、そういった事情も考えて、場合によってはイワシとサバとを一応一括して十二海里外の操業実績として考えようというようなことをしばしば日本側の方の考え方として向こうに説明していることがございますので、そういった問題について触れられたのかというふうに理解しております。
○土井委員 いまの御発言からすると、少し微妙な線が残るわけでありますが、イワシの場合は十二海里内に多い、サバの場合はむしろ十二海里外に多い、イワシ、サバを総合して十二海里外についてだけの漁獲量ということを一つは問題にしていこうということなんですか、どうなんですか。もう一度その辺をはっきりお知らせください。
○佐々木政府委員 日本側からソ連側の方へ、いままで日本側の実績の尊重の仕方の考え方として提案しております考え方は、いま申されたとおり十二海里外の漁業実績の中に、従来の十二海里内での操業実績も加算して考えようということを言っておるわけでございます。
○土井委員 いろいろ内容の問題点はさらにあると思いますが、いま交渉はいよいよ最後の決着を見て、その協定の条文化されるまでの段階でさらに少し動くという部分もあるやもしれません。 さて、日米漁業協定の場合は本文十六カ条、附属書I、IIからなっていたはずでありますが、今回のこの日ソ漁業協定についてはおよそ何条くらいにまとめるというふうなことが考えられているのでありますか、この点いかがですか。
○鳩山国務大臣 最終的なものではございませんけれども、一条、二条以外は話が詰まっておるということでございましたし、その段階では九条になるような案を私どもは持っておるわけでございます。その中の八条につきまして、いまその修正が論議をされておる、こういうことでございます。
○土井委員 大体九条までということの腹案を持って日本側は臨んでいらっしゃるようでありますが、その九条の条文の内容で、これも新聞情報でございますからこの点はひとつ確認をしておきたいと思うのですが、調印した日に発効して本年末まで有効というぐあいに新聞では書かれています。調印した日に発効という点は、これはそのように私ども理解してよろしいわけでありますか。そういたしますと国会承認という問題はどのようになるわけでありますか。
○鳩山国務大臣 ただいまの御質問は朝日新聞の記事かと思いますが、そのようなことではございませんので、私どもはあくまでも事前の御承認をいただきたいと思っております。
○土井委員 そういたしますとこれは誤報だということになると思いますが、国会承認が必要であるということになってまいりますと、操業について満を持して待っておられた漁民の方々からいたしますと、一日千秋の思いであったこの漁期はあとわずかであります。一日違えば大変な違いであります。操業の一日違いの被害というのは、これは取り返しのつかないような思いになられるであろうと思いますが、暫定協定をそういう意味からいたしますと速やかに国会も承認をしなければなりません。いままだ協定が手元にないわけでありますから、こういうことについていろいろお尋ねするのも早計であるかもしれませんが、いざ協定案ができまして国会に提出するのにはどれくらいの期間が必要だと私どもとしては考えておく心づもりが要求されるわけでありますか、いかがですか。
○鳩山国務大臣 明確なことはまだはっきり検討もいたしておりませんけれども、一条、二条並びに八条以外の条文につきましては法制局との審議も進めておるところでございまして、残りますところは一条、二条、八条ということでございますので、ほかの場合よりは、今回はその三カ条につきまして法制局の審査をすればいいわけで、この点につきましても、条文が固まり次第、調印までの間にも準備を即刻急速に進めたい。なお調印の前にはまだ漁獲量の交渉が残っております。これはどの程度日数がかかるかちょっと予断を許しませんけれども、その間におきましても、条文につきましてはもう鋭意努力を重ねまして、調印が済みましたならば、もうなるべく即刻にでも御提出できるような準備万端を整えたいというぐらいのつもりで臨んでおるところでございます。
○土井委員 まずそのためには会期を延長するなどというふうな必要がないような時期に、つまり五月二十八日までには国会の承認を得るという手順がどうしても私は必要であろうと思われますが、その点はできる限り、何といっても最優先案件としてやっていかなければならないと思っております。したがいまして、まだまだ詰めが後に残っている段階でお聞きするのも、これは御答弁の方は難儀なお話であろうかとも思いますけれども、そういたしますと、調印が終わってから国会に提出するのには大体どのくらいの期間が必要か、このようにお尋ねいたしましょう。
○鳩山国務大臣 ただいまもお答え申し上げまし、たとおり明確な日数ということは計算してございませんけれども、調印のときには準備万端がもうすべて整っておるというようなつもりで準備をいたして、調印が済みましたら即刻御提出できるような準備をいたしたい、このように考えておるところでございます。
○土井委員 日米、日ソの漁業協定を比較してまいりますと、日ソの場合の線引きは別といたしまして、漁業協定として特に違うところがございますかどうですか。あるならばひとつその点を御明示いただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 日米の漁業協定は、来年の一月一日から発効すべきものとして、長期的な協定として御審議をいただくわけでございまして、日ソの場合はことしいっぱいという期限のものでございますので、期限から言って全く違う性格のものである。ただ、私ども暫定取り決めといいましても、その骨子はやはり引き継がれるべきものであろうということを考えて、将来の長期取り決めの基礎になり得るわけなものですから、そのような考えで慎重に臨んでおったところでございますが、大きな点では性格が全く違うということでございます。 その他につきましては、政府委員からお答え申し上げます。
○加藤説明員 主な相違点はいま大臣からの御説明にあったとおりでございます。その他の概要につきましては大体同じようなものと了解しております。
○土井委員 そうすると、裁判権の問題について、日米間においては体刑がございますが、日ソ間においてもこれはそのように考えてよろしゅうございますか。
○加藤説明員 日ソ暫定協定におきましては、十二月十日のソ連の幹部会令を引用しております。その中では、十二月十日の幹部会令におきましては処罰事項がございますけれども、この中には体刑は含まれておりません。たしか一万ルーブルから十万ルーブルまでの罰金刑というのが規定されております。したがって、日ソ協定においては体刑の条項は入っていない、かように御了解願って差し支えないと思います。
○土井委員 そういたしますと、操業される漁民の立場からいたしますと、この点は大変な違いじゃないでしょうか。体刑があるか、ないかというのは大変な違いだと思うのですね。いかがです。
○加藤説明員 その点は私の先ほどの説明を訂正いたします。申しわけございませんでした。
○土井委員 暫定協定の有効期間というのがまことに短うございますので、本協定の交渉というのを早期に開始しなければならないというかっこうであろうと思うのですが、引き続きまだ余じんさめやらぬうちに本協定の交渉ということを考えなければならない。一体その開始はいつごろからというふうなことの腹案をもしお持ちになっていれば、これをお聞かせいただきたいと思います。
○加藤説明員 三月三日の日付で交換されました鈴木大臣とイシコフ漁業大臣との書簡によりますと、長期協定は今年末までに締結するというふうに書かれております。
○鳩山国務大臣 ただいま申し述べましたように、本年内に協定ができませんと来年からの操業ができなくなるわけでございますから、当然のことでございます。したがいまして、それまでに国会の御審議をいただかなければならないわけでございますから、したがって本当を言えば、もう本協定もこの国会に御承認いただけなければ臨時国会を当てにするということになるわけでございます。したがいまして、これはそう時間がないというふうに私ども考えておるのでございます。まだ明確な何月からということは決めてございません。
○土井委員 本協定ということになりますと、本来ならば日ソ平和条約交渉というものを軸とした交渉が展開をされていかなければならないというふうに思うわけでありますが、それにいたしましても、その本協定の中でさらにまた線引きが問題になると思うのですけれども、今回の暫定協定に向けてのあの線引きのいろいろな交渉というものが、本協定の中では障害になるのかどうか。どのようにお考えになりますか。
○鳩山国務大臣 この線引きの問題につきましては、これは領土問題と全く関係なく取り扱う、こういうことでございますけれども、しかし二百海里の漁業水域というものは、領土があるからそれに対して二百海里というものが出てくるわけであります。したがいまして、この領土問題がますます重要性を増してきたということはもう事実でございます。したがいまして、私自身といたしまして、この平和条約交渉、わが国といたしまして未解決の領土問題を含む平和条約の問題につきましてソ連側と折衝をいたしたい、こう考えておるところでございます。その先のことは、根本的に領土問題が解決をいたしますればこれに越したことはないわけでございますけれども、今日までの経過から見て、これはなかなか時間のかかることであろうということも予測されますので、したがいまして来年の一月一日から全く別な観点に立ったこの線引きということになるということはなかなか見通しも立たない。したがいまして、そういうことも念頭に置いて、今回の暫定交渉というものが本当にこの十二月までだけの話で、一月からは全く別なことであるということであれば、それほどの重要性は持たなかったわけでございますけれども、この考え方が一度取り決められた場合には、やはりある程度の期間そのようなことが、長期の協定になりましても何らかの影響を持つであろうということを考えて慎重な態度で臨んだわけでございます。領土問題は領土問題といたしまして全力を挙げて取り組むべきであるというふうに考えております。
○土井委員 領土問題は領土問題として全力で取り組むべきだという外務大臣の御発言なんですが、先ほど来の御答弁の中では、日本側は領土問題に対しては未解決と思い、ソビエト側は解決済みというふうな、基本的に違う立場で今回臨んだ結果、何とかその点はお互いが当たりさわりのないような一つは表現にするという協定で、その場しのぎと、これは表現からいったら言えると思うのですけれども、暫定協定にこぎつけるというかっこうをいまとろうとしているのではないでしょうか。そうしますと、これをそのまま本協定の方に持ち込みまして、来年一月から全く別の、もう一度問題を振り出しに戻したかっこうでの話し合いということはなかなかむずかしいから、したがって今回の暫定協定というのはそういう重みを持った本協定へ向けての協定だということで、日本もずいぶん苦慮したというふうな意味の先ほどの御答弁でした。したがって、そうなりますと、本協定の中でも、日本は領土問題はまだ解決していないと考え、ソビエト側はもう解決済みだというふうなこの線で、もう一度この問題に対しては御破算にしてこの問題を出発し直そうではないかという余地は全くないままに引き継がれ、本協定の中にわれわれも入っていくのか。この点はどうなるのですか。
○鳩山国務大臣 イシコフ漁業相と鈴木農林大臣の間で交渉が行われまして、この問題が、日本側にとっての心配は、これが平和条約交渉におきます領土問題につきまして阻害要因になってはならないという点であります。また先方は、この漁業交渉におきまして日本側が、先方から言えば大変強い態度で臨んできている裏には、この際に、この領土問題というものが未解決であるということを明らかにしたいがために、日本側としては主張している。このようにお互いにやはり考え合っているという要因があったと思うのでございます。したがいまして、福田総理からブレジネフ書記長並びにコスイギン首相にあてました書簡におきまして、領土問題と離れまして純粋に漁業問題としてのみ解決を図ろう、こういうことを申して、先方もその精神でやろう、こういうことになりましたのでございまして、両国ともにそれぞれ違った考え方を持っておるということははっきりいたしておるわけでございます。その意見の対立があるということを率直にお互いに認め合って漁業問題として解決を図ったというふうに御理解を賜わりたいのでございます。
○土井委員 そうすると、その問題で永久に意見の相違があるということをお互いに認め合って話をし続けている限りは、日ソ平和条約の交渉ということに対しても交渉は進展していかないというかっこうだと思いますが、本協定については、日本側は領土問題についてお互いの立場の相違というものを確認した上でお互いの立場の相違をなくす方向での努力を払われる何らかの用意があるのかないのか、いかがなんですか。
○鳩山国務大臣 ただいまの問題は、これはやはり漁業問題外の問題であるということで、平和条約交渉におきまして日本としてあらゆる努力をつぎ込んで領土問題を含んだ平和条約の問題の解決に当たるということであろうと思います。本協定を結ぶということのために領土問題を解決する、領土問題と漁業問題を絡めるということではなしに、やはり領土問題は領土問題として解決に当たる、こういうことでなければならないだろうと思います。
○土井委員 なかなかできないことをできるようにおっしゃるところが外務大臣の外務大臣たるゆえんでありまして、なかなかいわく微妙な御答弁ばかりでありますけれども、今回の妥結の方向へ向かったという背景を考えますと、やはり日ソ友好関係というものを重視したということが考えられてしかるべきだと思うのですね。だからそういう点からいたしますと、気にかかるのは今後の日ソ平和条約交渉についてのあり方でありますし、来年早々の本協定に対して線引きというのがいまのままのはずはないと考えられる、その問題であります。つまり領土ということを基点にして線引きというものはなされるわけでありますから、したがっていつまでも玉虫色でその点は当たらずさわらず、別問題だと言い続けることはできない、こういうことは一つはっきりさせなければならない課題だということであろうと思いますが、さて、こういう問題の中で日中平和友好条約の締結を促進するということに対して支障はないと、外務大臣としては確信をお持ちでいらっしゃいますか。
○鳩山国務大臣 漁業問題が難航いたしました裏にはいろんな要因があるではないかというような御議論もあるわけでございます。しかし私どもは、日中問題は日中問題として、第三国に全く関係なく取り進めるべきものであるというふうに考えます。したがいまして、私どもの実際の日程といたしまして、実際に仕事をして片づけてまいります段取りというものもございますけれども、その時期等につきまして、長期漁業協定の問題が目の前にあり、また日中の平和友好条約につきましてもこれを取り進めたい、この二つの課題をいま同時に将来の問題としては背負っておるわけでございまして、これら二つともに解決をいたしたいというふうに考えております。
○土井委員 ところで、大日本水産会というのがありまして、この大日本水産会の会長は日ソ漁業交渉に当たって日本側の代表者という立場で交渉に臨んでこられたという過去の経緯がございます。今回はこの交渉に当たられたかどうか、いかがですか。
○佐々木政府委員 今回の交渉は、政府間で進めております暫定取り決めの交渉と従来の日ソ漁業共同委員会が対象にしておりますサケ・マス、ニシンの交渉と二つあるわけでございますが、後段につきましては、今回は海外漁業協力財団の理事長をしております荒勝理事長に政府の代表をお願いしている次第でございます。
○土井委員 一回から二十回まで大日本水産会の会長が交渉に当たられたのに、今回はなぜ海外漁業協力財団の方に代表として出席を求めるということになったのか、そのいきさつについてお聞かせくださいませんか。
○佐々木政府委員 これまでにも、第三回以降大体大日本水産会の会長をずっとやっておりました藤田会長が委員を務められたケースが非常に多いわけでございますが、途中でやはり御都合でほかの方が代表を務められたケースもございます。 私どもといたしましては、漁業に相当広い経験と判断力をお持ちになっている方々の中で、いろいろお仕事もお持ちなわけでございますから、御都合のつく範囲の中でその時点の最善の方を代表としてお願いをするという方針で委員会の開催の都度政府代表をお願いしておるわけでございます。
○土井委員 そうすると、今間日ソ漁業交渉に当たっては大日本水産会の会長というのは不適任者であるというふうに御理解になったわけですか。
○佐々木政府委員 必ずしもそういうわけではございませんが、漁業に相当幅広い経験をお持ちになった何人かの方々の中で、本来お持ちのお仕事なり個人の御都合なりそういったことも一応考えまして、私どもの方として適任と思われる方で、かつお引き受けいただける方にお願いをしたというような経過でございます。
○土井委員 大日本水産会の会長の方に対しては要請はされたのでございますか、どうなんですか。
○佐々木政府委員 今回の代表の選定に当たりましては、サケ・マス、ニシンが中心になるというようなこと、それから元水産庁長官でそういういろいろな海外についての漁業経験等も豊富にお持ちになる方がおられるということで、個人の御都合等も農林省の立場として判断しながら荒勝理事長にお願いをしたわけでござます。
○土井委員 その個人の御都合というのは何でございますか。
○佐々木政府委員 荒勝理事長のいろいろな各方面の仕事の割り振りから見て、この期間に委員をお引き受けいただけるかどうかというような事情を考えて、一応お引き受けいただけるだろうという判断でお願いをしたわけでございます。
○土井委員 片や大日本水産会の会長の方に対しての要請はいかがになりましたか。
○佐々木政府委員 荒勝理事長に一応お引き受けをいただけるということでございましたので、特に大日本水産会の方にはお願いをいたしたことはございません。
○土井委員 過去日ソ交渉に当たりましては、大日本水産会の会長が場数を踏んで今日まで来られておるわけですね。特に今回のように大変いままでより以上に国を挙げて日ソ漁業交渉の成り行きが案じられている矢先、さらに漁民の方々の生存権や国民の生活というものを左右する、こういう問題であればあるほど、いままでのいきさつに対して堪能な方というのがいわば常識であります。 そういう点からいたしますと、大日本水産会の会長に対しては水産庁とされては何ら要請をされなかったのかどうか、この点をもう一度確認をさせていただきます。
○佐々木政府委員 先ほど申し上げましたように、諸般の状況を考えて荒勝理事長にお願いするのが一番適当であるというふうに判断してお願いしましたところ、お引き、受けいただけましたので、その他の方々には交渉いたしておりません。
○土井委員 諸般の事情とおっしゃる中には、これは当然大一本水産会の会長の方にも声はかけていらっしゃるに違いないと思うわけであります。 本来、大日本水産会、名前からいたしますと、これは日本の国を代表するにふさわしい大々的な名称でありますが、この水産会がやはりこういう問題に対しては漁業の立場というものを代表して当たっていくということが、国民的常識からすると当然考えられてしかるべき問題だと思う。過去の経緯から考えてもそうであります。今回、とりわけ水産庁がまずあそこに声をかけないで、海外協力事業団の方に向かってお声をかけられたという積極的な意味があるならば、ひとつここではっきりお聞かせいただきたいと思います。
○佐々木政府委員 先ほど申し上げましたように、荒勝理事長がかなり近い時期に長官の経験もお持ちで、こういう日ソ交渉等についても相当豊富な——昔は海洋一課長としてそういった交渉の経験をお持ちでございましたので、それにお引き受けいただけるという個人の事情も考えて荒勝理事長にお願いをした次第でございます。
○土井委員 問題は、そんな個人的理由とか個人的事情ということによってこういう大変な問題というのが左右されてはならない。やはりそういう役職にある方が——役職というのはそういう責任を持っての役職でありますから、その責任を果たすという意味からすると、大日本水産会の会長というのはだてや酔狂な立場じゃないと思うのですよ。 〔委員長退席、有馬委員長代理着席〕 こういう大事なときに、やはりその職責を全うするということから考えたら、順当にお考えになって大日本水産会の会長ということであってしかるべきです。わざわざそこを避けて海外協力事業団の方に持っていかれたといういわれはほかにあるのじゃないかと私たちは考えております。いかがです。水産庁とされては目の前の参議院選挙に関係があるのじゃありませんか、いかがですか。
○佐々木政府委員 先ほど御説明いたしましたとおり、必ずしも二十回の委員会を通じてすべて大日本水産会の会長に機械的に代表をお願いしておったということではございませんで、そのときどきの状況に応じて最も適任者と思われる方にお願いをしてきたわけでございます。
○土井委員 終わります。
○有馬委員長代理 次に、渡部一郎君。
○渡部(一)委員 私は、ただいま大臣が御報告になりました日ソ漁業交渉に関してまず御質問をし、もう一つは、先日の本会議における大臣の錯誤の多い答弁についてその訂正を求める、以上二項について申し上げたいと存じます。 まず日ソ漁業についてでございますが、ただいまの御報告の中で非常にわからないポイントがたくさんあるわけであります。もちろん完全な妥結に到達する以前でありますし、また正式交渉担当者が来られていない状況でもありますし、無理もないところもあるのでございますが、ただいまの御報告の中から数ポイント簡単に御質問したいと思うのです。 まずソ日協定と日ソ協定という言い方、日本側の第二提案の中にあります考え方でありますが、そのソ日協定という言い方は、日本側の二百海里内におけるソビエト側の漁業の実績を確保するための協定であると御説明になりまして、そうして第三提案のところで、いままでの日ソ漁業交渉を継続して、ソ日協定は別個にこれを交渉するという言い方をなさいました。 そういたしますと、ソ日協定を別個交渉するということは、日本側の領海内における操業を認める可能性というのはまだ残っているものではないか、あるいは二百海里線の中におけるもので十二海里線以遠のものであるというところについてのみ交渉するようになっているのであるか、その辺、ちょっとお示しをいただきたい。
○鳩山国務大臣 ただいまの御質問は、いわゆるソ日協定ができませんとこれは明確なことは申し上げられないわけでございますが、この点につきましては、特に十二海里の中にソ連の操業を認めるかどうか、こういう点の裏返しの問題だと思います。この点につきまして日本側といたしまして、日本側の二百海里の漁業水域法におきましては、領海の外の二百海里までの水域を規定をいたしておるものでございますから、したがいまして、その百八十八海里の中にソ連側が入る場合の協定に当然なるという考え方を示してあるわけでございます。したがいまして、その点は明確ではございませんけれども、日本側としてはそのような方針を貫いておるというふうに御理解を賜りたいと思います。
○渡部(一)委員 そうしますと、日本側の二百海里線の中にソ連船が入ってくることは、外側から百八十八海里のところまでは入ってくるのは当然だという考えで交渉する、十二海里のところはわが方は入れたくないという立場であるが、その点はまだ決まっているわけじゃない、こういうことですね。
○鳩山国務大臣 その関係につきましては、条約の第二条で決まってくるという、先方はこの第二条の問題として考えておるところでございます。わが方といたしましては、この点につきましてはソ日協定の方でわが方の水域というものを確定をいたしたいというふうに考えております。この点が最終に手続的にどのようなことになりますか、最終を見ませんと明確なことはちょっと申し上げられないのでございます。
○渡部(一)委員 そうしますと、十二海里領海操業をソビエト側が断念したとはまだ言えないわけでございますね。 ここでもう一つ心配なことは、この二百海里線の問題ですが、先方の主張する二百海里線、最高幹部会令及び向こうの言っている閣僚会議で決定した線というものをこちら側が第一条で認めたということについては先ほど御説明があったわけですが、そうすると、こちら側の二百海里線、北方四島を含む二百海里線というものに対して先方は認めたのですか認めないのですか。
○鳩山国務大臣 この点はソ日協定の場合の問題になるわけでございまして、ソ日協定の方が時間的にずれるということになるわけで、この点につきましていままで鈴木・イシコフ間でどのような扱いにするかということが話し合われたわけでございます。日本側といたしましてその点につきまして何らかそれを極力明確化いたしたいということで、相当に鈴木大臣から当方の考え方を申し述べてあるわけであります。しかし、それにつきましてそれが文書の形でいかなる形になるかということは、まだ最終の決着を見ませんとちょっと申し上げられないのでございます。
○渡部(一)委員 そうしますと、いまわかっていることは、先方の二百海里線はわが方は承知をいたした、文書の上にも第一条でほぼ確定しておる、ただ、わが方の二百海里線についてはどういう文書になるかはまだ最終詰めの段階として残っておる、まだわからない、こういうことですね。
○鳩山国務大臣 正確に申し上げますと、やはりまだ最終的に決着を見ておらないと申し上げるしかないかと思います。しかし、いままでの話し合いの過程でこの点につきましては相当突っ込んだ話し合いが行われておるということ、それしか申し上げられないのでございます。
○渡部(一)委員 そうすると、ソビエト側の二百海里線は認めた、その中における日本側の操業というものに関しては、予想されるのは、入漁料の支払いであるとか、ソビエト側官憲の取り締まりであるとか、ソビエト側の法的規制の受け入れとか、わが国漁船に課されるさまざまの問題点というものが派生すると思います。そうしますと、結局、最高幹部会令及び閣僚会議決定によるソビエト側の権利権限の主張は認めた、これは認めざるを得なかった、こういうふうに理解してよろしいわけですね。
○鳩山国務大臣 これらはやはり最終的に全部関連を持ったことでございますので、まず一条の問題だけは確定的に認めたとかそういうことではなくして、一つのセットされたものといたしまして最終的な訓令を仰いでこられるものと思います。したがいまして、全部の考え方が一つのセットとなりまして解決を見るものというふうに考えております。
○渡部(一)委員 大臣、そうしますと、この協定を結ぶ際に、日ソ漁業暫定協定という名前になりますかどうかわかりませんが、いま話題になっているものが一つ結ばれて、それからソ日協定というのが少し時間をおいて結ばれる、こういうふうに二本に分けて結ばれるということは確かでございますね。
○鳩山国務大臣 それはそのような方向で準備をされておりますし、必ずそうなるものと思います。
○渡部(一)委員 そうすると、ソロ協定の審議の際に、わが方が、たとえば二百三十万トンなんというランクではもうとてもとれないのでしょうけれども、ソビエト側の二百海里線の中である程度とったとする。それと同量のものをソ日協定で日本側領海の中でとらせろと先方が主張してくるということはあり得るだろうと思うのです。しかも、そのソ日協定の協議を断れば、いままでの向こうの実績が二十万トンないし四十万トン程度だからそんな大したことないじゃないかといって抵抗するとすると、次の漁業本交渉というものに影響する、こういうことになるわけですね。その点どうお考えですか。
○鳩山国務大臣 いわゆるソ日協定の方が時間的にずれるといたしました場合に、漁獲量の問題はどうなるであろうか、漁獲量の問題も、こちらの方がソ連の二百海里水域内でとる漁獲量が先に決まって、ソ連が日本の二百海里以内でとる量はまだ決まらない段階で話が決まるのか、あるいはそうではなくして、日本の二百海里の中でソ連が伝統的にとっておる量というものがありますから、そういったものと日本側がとる量とが大枠のような形で相談をされるのか、これは漁獲量の話し合いに全くいま入ってないものでございますからわかりませんが、どうも現在までの私どもの想定といたしましては、協定の第二条に書いてあります、日本側が二百海里の水域をやった場合に、日本側がソ連側の漁獲量を認める、あるいは伝統的な漁業というものを認めるということがあるから、ソ連も日本側にとらせるというような趣旨が書かれるだろうと思っておりますが、そういう趣旨から言いますと、日本の沿岸先でとる量、ソ連側に認める漁獲量というものも、ある程度何か話し合いには出るのではないかというふうに考えております。
○渡部(一)委員 こうやって伺っていますと、ますますこの協定というものは奇妙な、ある意味ではわが国の伝統的立場をかなり阻害した形で妥結しようとしているニュアンスを非常に強く感ずるわけであります。 もう一つ、わが国が調印したら即時漁船を出せるということがもう水産庁の方からも現地の漁民に対して指示が行われているようであります。この場合には、調印した場合に調印即時発効の手続が要るはずで、その調印即時発効という合意がなければ、漁民に対して調印した一日か二日の後にすぐ漁船を出すなんということはとうてい言えないものと思われます。つまり、このやり方は本協定を調印即時施行という形で決着をつけようというふうに見えるのでありますが、その点はいかがお考えですか。
○鳩山国務大臣 現在船団が一日も早く出たいという状況にありますのはサケ・マス船団でございまして、これは現行の漁業条約に基づく操業である、現行の漁業条約が有効であるということでございますので、これにつきましては格別許可も何も要らないということで、この問題は、一時もうサケ・マスにつきましては漁獲量も六万二千トンに決まったときにこれでもう出漁できるということになったものでございます。それが海域の問題が絡んできてストップになったということでございますので、サケ・マス船団につきましては、この海域問題が実質上に決着を見ますと即座に出港できるものというふうに考えております。 〔有馬委員長代理退席、委員長着席〕
○渡部(一)委員 私は、いまの御答弁でほぼ明確になったと思いますけれども、御説明でその辺が少しごちゃごちゃしているのじゃないかと思われる節がありますね、と言いますのは、先ほどの御説明の中にもありましたけれども、国会の承認は要らない、討議も要らない、調印したらすぐ発効するというニュアンスの強い御説明のように聞こえましたので、もしそうでありますと、わが国の法的な立場をかなり放棄しまして結ぶ協定を、たとえば入漁料の問題にしても、ソビエト側の海域を日本側の二百海里線の中で先方が主張している段階において、即時施行、国会の承認も要らないというようなことはぐあいが悪いのではないか、国会の審議によってそうした問題についての明確な線が引かれてからでなければ、いかに魚の交渉を急いだとしても後に問題が残るのではないかと思いましたので、念のために申し上げたわけであります。いまの御答弁によると、サケ・マス船団についてのみ現行の日ソ漁業協定に基づく出漁として理解して、それだけは早く出す、あとは話は別だ、こういう意味でございますね。
○鳩山国務大臣 そのとおりでございます。
○渡部(一)委員 本協定を討議するのに、わが国の北方領土に対する伝統的な主張があるわけでありますが、この北方領土に関する主張の中で、たとえ魚に限ってという八条の規定があったといたしましても、あの北方四島の海面、海域に対する今回の協定のつくり方というものは、漁業に関しては北方四島に対するわが国の伝統的主張を放棄するものである、こう認められますか。——いま私の御説明がうまく聞こえなかったみたいですからもう一回申し上げますが、北方四島に対するわが国の主権の主張というものが日本側にはあるわけですね。ところが、魚に限るという八条をくっつけて今回の協定にサインするということは、その北方四島に対するわが国の主張の中で、特に漁業に限定してはありますけれども、漁業に関しては、また漁業に付属するさまざまな権利権限というものを放棄することになるじゃありませんかと聞いているのです。
○鳩山国務大臣 確かにこの二百海里というものが引かれました場合に、従来この北方四島におきましてわが国の施政が及んでおらない、この施政が及んでおらないこと、これが北方四島と、あるいはそれに領海というものがくっついておった、今度はそれに二百海里というものがかぶってくるから、その部分については、相対的に言えば、日本の権限というものが減ってしまう、このような御主張かと思います。その点については、おっしゃるとおりであろうと思います。しかし、この問題は、現在の領土問題というのが背後にある。したがいまして、これは領土問題として決着をつけなければならない問題だというふうに考えまして、この領土問題につきましては、問題の重要性がはるかに加重をされたということであるわけで、この点につきまして、わが方といたしましても全力を挙げてこの解決に取り組まなければならないというふうに考えます。 なお、わが方が実質的にこの沿岸漁民に対しましてどのような関係になるかということにつきましては、これは水産庁の方でも、あるいは鈴木農林大臣も、その伝統的な漁業の継続につきまして最大の配慮を払われているものというふうに伺っておりますので、また、権限の問題といたしますと、わが方といたしましては、わが方の二百海里の暫定法というものに基づきまして、わが方といたしまして主張すべき点は貫く、しかしながら、この点はソ日協定というものを確保しなければならない、こういう関係になろうかと思うのでございます。若干不明確なことを申し上げておるわけでございますけれども、その点はなお今後の細目まで待ちませんと、明確なことがお答えできないのは申しわけございません。
○渡部(一)委員 御自分でおっしゃいましたから、私も余り詰めるつもりはありませんけれども、あいまいもことした、きわめて問題の多い協定がいま結ばれかかっておるわけでありまして、私は、このようなことになりましたのは、日ソ交渉の前提というか、基本になります領土問題に対する決着が行われていないところにあるんではないかと思います。漁業本交渉をするまでのこの一年間という対ソ関係を考えますと、やはり魚と並行して、領土交渉は領土交渉でちゃんとして、領土問題が起こったら、それはそちらの方でやってくださいというふうにして、魚問題と分けることができなければならないのではないか。本協定のごとく、領土と魚とカクテルみたいになっているという状況で交渉を進めるということは、今後ますますその困難性を増すのではないか。したがって、日ソ平和友好条約の交渉というものを本質的に進めるという面が必要な時代にもういやおうなしになってきたんではないか、そうでないと魚の交渉もうまくいかないんではないかと最後に御提案をするのですが、いかがお考えですか。
○鳩山国務大臣 今回の交渉を通じましてもそのことがはっきりしてきたわけでございますし、二百海里時代を迎えまして、領土問題が拡大された重味を持ってまいったわけでございます。したがいまして、私自身、なるべく早い機会に、できますれば長期交渉の前に訪ソいたしたい、このように考えておりますが、時期がいかがになりますかはまだ明確に申し上げられませんが、全力を挙げて取り組むべきものである。ただし、この領土問題につきまして先方の態度というものは大変かたいものがあります。したがいまして、これからはやはり日ソ間の友好関係の増進ということとともに考えていかなければならない問題であろう、このように考えております。
○渡部(一)委員 それでは、先日の本会議における竹島周辺の基点の問題についてでありますが、あのときの御説明は一部非常に誤解を招きやすいものであったと思います。したがいまして、私は一つずつ分断して御質問をいたしますので、御答弁をいただきたいと思います。 あのとき大臣は、竹島のような絶海の岩礁は領海の基点に、あるいはその他の、領海のとはおっしゃいませんでしたが、岩礁というのは基点とならないというような言い方をなさいました。それは後に大分問題の起こる御答弁になるのではないかと思いますので、一つずつ伺いますが、まず竹島のような絶海の岩礁は領海の、まず領海のと申し上げて、領海の基点になるかならないか。
○鳩山国務大臣 領海の問題といたしましては、岩礁といえどもこの基点と考えております。その低潮線をとっておるということは明らかであります。
○渡部(一)委員 このような岩礁は二百海里漁業水域の基点となるのかどうかを伺いたい。
○鳩山国務大臣 わが国といたしまして、この領海の基点を二百海里の漁業水域の基点としております。当然基点と考えております。
○渡部(一)委員 この竹島は二百海里漁業水域の基点になるのかどうか、いろんな基点という言葉がありますから、一つずつ確かめているわけですが、その点はいかがでございますか。
○鳩山国務大臣 竹島はわが国の領土である、こう考えておりますので、当然二百海里の漁業水域を設定する場合には竹島も基点と考えるべきであると思います。
○渡部(一)委員 竹島のような岩礁は、今度は二百海里の漁業水域でなくて、経済水域の基点となるものであるかどうか、お伺いいたします。
○鳩山国務大臣 二百海里の経済水域につきまして各国の意見が必ずしも完全に一致しておりません。わが国といたしましては、この領海等と全く同じ基点をとったらいいではないかというふうな主張をいたしておるところでございます。したがいまして、この点につきまして海洋法会議自体が最終的にどのようなことになるかということはまだ結論が出ていないというふうに聞いております。わが国といたしましては、岩礁も含めるべきだというふうな主張をいたしております。
○渡部(一)委員 次に、このような岩礁は大陸だなを持つものであるかどうかをお尋ねをいたします。
○鳩山国務大臣 現行の国際法上、海岸に隣接している海底区域であって、領海の外にある、少なくとも水深二百メートルまでの部分が大陸だなとされることは確立をいたしておるところでございます。 〔委員長退席、有馬委員長代理着席〕 ただ、竹島については、同局の周囲の海底は急傾斜で深くなっておりまして、現行国際法上の大陸だなは持っていないものというふうに考えております。
○渡部(一)委員 韓国は竹島周辺に第八鉱区を設定することを検討中と報道されておりますが、このように大陸だなの問題に関しても、竹島について既成事実が積み上げられていることに関し、どのように対処されますか。
○鳩山国務大臣 現在大陸だなの概念とか二百海里の経済水域の性格等について海洋法が生成過程にある段階でございます。将来海洋法会議の結果どのようなレジームが成立するかについてはいま見通しをはっきり立てることは困難でございますが、いずれにせよ竹島はわが国固有の領土であり、そもそも韓国側が竹島周辺に鉱区を設定することはわが国としては認めることができないところでございます。 なお、現在海洋法会議では、単一草案第百二十八条にも見られるとおり、その上において独自の経済活動を営み得ない岩礁は二百海里経済水域ないし大陸だなの境界画定に当たっての基点とはなし得ないとの論議が行われておりますが、わが国といたしましては、このような岩礁も二百海里経済水域ないし大陸だなの境界画定の基点とすべきであるという主張をしているところでございます。
○渡部(一)委員 わが国としては、竹島は岩礁というよりもはるかに大きな島だとは思いますが、たとえ岩礁であったとしても、二百海里経済水域ないし大陸だなの境界画定のための基点とすべきであるという立場をとっているのでありますならば、日韓大陸棚協定の北部境界画定に当たりまして、竹島を基点としなかったのはわが国の立場を損なうものになるのではないかという疑問があるわけですが、その点お答えをいただきたい。
○鳩山国務大臣 現在わが国はそのような主張を海洋法会議において行ってはいるところでありますけれども、他方二百海胆経済水域ないし大陸だなの境界画定に当たって、その上において独自の経済活動を営み得ないような岩礁は基点とすべきでないという有力な議論もあることも事実でございまして、これも無視し得ないところでございます。そもそも竹島自体は、現行国際法上の大陸だなを持っておらないということ、それから北部境界画定の対象となっている大陸だなとはつながっていないというので、境界画定に当たって基点とはしなかった次第であるので、わが国の主張がこのために損なわれるというようなことはないというふうに考えておるところでございます。
○渡部(一)委員 最後にアジア局長、お答えをいただきたいのですが、アジア局長は大陸棚協定に当たりまして、日本海盆と称せられる海底に対して、これもまた日本列島というものが広義の上の大陸だなというものに乗っているのであって、そうして韓国側との交渉の途上におきまして、日本列島それ自体が南部においては中国、韓国との間の大陸だなの上に同様に乗っている島である、そして日本海盆もまた大陸だなの一つの、多少へこんでいるけれども、日本の東部海面において大きなへこみを生じているのだという御主張をなすったと承っておるわけであります。そういたしますと、いまの御答弁のうちの第七番目の御答弁でありますが、北部境界画定に関する協定との間で大陸だなの解釈が多少違っているのではないかというふうに私には思われるわけであります。その点どちらのお立場をおとりになりますか。北と南とを分けて、南側は大陸だなの上の島であると言い、日本海のところは大陸だなのこっち側であるというように言われますか、その辺のところをちょっと整理していただいた方が後々のためによろしかろうと思いますから伺います。
○中江政府委員 大陸棚協定の交渉のときに日本側が韓国に対していたしました主張は、主として南部の大陸だなについての交渉をやりましたときに、日本の主張は、琉球列島まで中国大陸からの大陸だなが延びている、それに朝鮮半島も東の方で乗っかってきている。したがって琉球列島と朝鮮半島との間には一つの大陸だながあるという主張をいたしまして、北部協定の方は、日本列島、北海道まで含めまして、そういうものが大きな大陸だなの上に乗っかっているという主張は韓国に対してしたことはございません。北部の中間線を決めましたのは、日本列島の西の方と朝鮮半島の先との間に大陸だなとして開発可能な、あるいは開発することが予定される部分に限りまして、この部分は一つの大陸だなとして相対しているので、中間線で画定する、こういうことを主張したわけでございます。
○渡部(一)委員 終わります。
○有馬委員長代理 次に、寺前巖君。
○寺前委員 日ソ漁業の交渉が最終段階にめどがついてきたということが報道されました。先ほど大臣からもお話がございました。残念ながら私どもはその暫定協定の条文の案の内容なるものを持っておりませんので、新聞で報道されている内容が誤りがなければ、それに基づいてお話を聞かしていただきたいと思います。 一番気になる問題は、自由民主党の諸君やあるいは日本の政府が、戦後の事態を考えてみる場合に、領土とか主権にかかわる問題で重大な誤りを犯していたと私は思うのです。それが今日尾を引いていろいろ問題をなしているという立場から、領土あるいは領海、主権、こういう分野の問題について、日ソ漁業協定を結ぶ場合にしっかりと確立されているのかどうか、このことが一番大きく関心を持つ問題であります。 報道に基づいて第一条を見ると、そこには日ソ漁業の交渉をしている、そしてその対象とする地域が指定されております。その案文を見ると、ソビエトが従来線引きをした地域を対象にするんだということがきわめて明確に指摘してあるように思うわけです。第二条で、その線引きの範囲内において、特に日本でいわゆる北方四島と言われる地域についての日本の漁業の操業する権利がプラスされて書かれてある。そして第八条で、念を入れるためにこれは漁業に関するところの協定ですよという、こういう流れの仕組みの協定案でずっと動いているように思うのであります。 そこでお聞きしたい点は、この第一に基づいて線引きをやって、第二条でそういうふうに日本の操業権を書くという段階、これはソビエトの二百海里の範囲内での話として設定されているわけですが、それでは日本の二百海里の操業の協定を結ぶときには、逆に日本の二百海里には線引きが明確でありません。線引きが明確でないときに、いわゆる北方四島と言われるところの、今度はソビエトの漁業の操業権について、特別にその地域の問題をまた別個にやるということになって、相互にあすこのところは書き合うぞという話になっているのかどうか、そこをお聞きしたいと思うのです。
○鳩山国務大臣 いまの一条の問題は、ソ連の二百海里の海域が規定をされる、これはそのようになろうと思いますが、二条におきましては、まだ最終的に確定したとは言えないわけでありますけれども、二条の問題は、ソ連が日本に二百海里内の入漁を認めるというのは日本が二百海里をした場合におきましてソ連側に日本の沿岸への入漁を認めるということがあるからであるという式の規定、そういう趣旨の規定が二条になっておるのでございます。したがいまして、この二条の規定は、北方四島周辺とは全く関係のない規定でございます。
○寺前委員 北方四島とは関係のない規定、そうすると、条文案なるものをちょっと紹介してくれますか、ようわからぬから。
○鳩山国務大臣 二条の条文でございますけれども、当初先方の案の提示があり、それに対しましていろいろ修正といいますか、変わりつつあるところでございまして、その点につきましていまここで申し上げることはできませんが、そういった二条を置いている趣旨というものは、そのようなことで特に日本沿岸地先のソ連側の伝統的な漁業といいますか、そういったものにつきまして日本側がもう将来認めないというようなことがあっては先方も困るわけでありますので、そういう趣旨の規定を二条に書くということでございます。
○寺前委員 ようわからないのですが、また条文が出てきたときに審議をさしてもらうにしても、それではその第二条で、日本の二百海里水域でのソ連漁船の操業権問題もそこで明らかになってくることになるわけですか。 〔有馬委員長代理退席、委員長着席〕 日本の二百海里の範囲内におけるソ連の操業権問題がそこで明らかになるわけですね。
○鳩山国務大臣 日本の二百海里内におきますソ連の入漁の問題は、まさしくこれは先般御審議をいただきました日本の国内法の規制ということになるわけでございます。したがいまして、そういった場合に日本が管轄権を持つということになりますから、そういった際にソ連側の入漁というものを認めるということ、そういうことを期待をしてこの協定自体に日本側の入漁を認めるのだ、簡単に言えばそういう趣旨の規定でございます。 問題になりましたのはその表現でありまして、日本の領海が三海里だった、三海里が広がっていくということを当初考えられておったわけでありますけれども、国会の急速な御審議によりまして、二百海里の暫定法を決めていただきましたので、それに対します考え方は、この二条の問題と非常に中身が実際的に変わってまいったわけでございます。そういう意味で、この二条というものの意味は大変重要になってきたわけでございますけれども、その実際の規定というものは、先ほど申し上げましたソ日協定の方で規定をされる、こういうことになりますので、そういった考え方というようなことが二条に書かれるということでございます。
○寺前委員 どうもすっきりしないので、私はこういう問題はすっきりさせてもらわなければいかぬと思うのですよ。 聞きますけれども、新聞報道を見てみますと、三海里が日本の領海であった、十二海里になった、そこで、ソ連は当初から領海の中におけるところの操業について、やらせよという要求をしておった。これについて、領海の中に入り込んでやるというのは国際的にもよくよくのまれな例しかないことだから冗談じゃないという話が実際上の日本の国民の世論でもあるし、世界の人々もそのことは注目しておると思う。ところが、常識の話というのはそれぞれの国によっても違いがあると思うのです。私はここでちょっと聞きたいのですけれども、この第二条をめぐって、日本の領海におけるところのソ連の操業というのはなくなったのかどうか、これは明確にしておいてもらいたい。要求としてはなくなったのかどうか。 それからもう一つお聞きしたいのは、ソビエトが第三次海洋法会議ですか、いま動いている海洋法会議において、領海におけるところの操業という問題について国際的に提起をしているという話を私は聞いている。ですから、ソビエトが日本に対してだけの要求じゃなくして、世界的にも考え方として提起しているのかどうか。 この二点についてお答えをいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 第一点の方から申し上げますけれども、わが方は領海法を急いで御審議をいただいた経緯から言いましても、領海内の操業を日本側として認める意図は毛頭持っていないわけでございます。それについては先方もよくその点は理解をしておるものと思います。その点についても当初先方は条文上におきますそのような趣旨の規定を主張いたしておりましたが、その規定は先方はおりたと言ってはあれでございますが、その点はドロップをするというふうに私どもは聞いておるところでございます。 第二点の方は、私どもそのようなことで海洋法の場におきまして領海内の外国の入漁というような点が議論をされておるということは聞いておりません。
○寺前委員 ところで、いまそういうふうに大臣は言われたけれども、さらに報道を見てみますと、こういうことが書いてあるのですね。「日本側がソ連のこれまでの漁獲実績を保証するということで歩み寄った。」という言葉が書かれております。そうすると、この「漁獲実績」という言葉の中に、従来三海里であったものが十二海里の範囲に領海が広がっている、この三海里と十二海里の間における漁獲実績というものが、ここの「漁獲実績」という考慮の中で、事実上領海の中における操業権を認めたという解釈にはならないのだなということを、また念のためにもう一度聞いておきたいと思うのです。いかがでしょう。
○鳩山国務大臣 その点はイシコフ漁業相と鈴木農林大臣との間でいろいろ話し合いが行われておりまして、いままで三海里から十二海里の間で何万トンか漁獲量があるということであれば、その漁獲量を十二海里から先の二百海里までの間の漁獲の量を決める際に、それだけは加算をして認めましょうというようなことを鈴木農林大臣から先方に申しておる経過が過程としてあるわけでございます。その趣旨がそういうように「保証」というふうなことと書かれてあるわけでございますが、それは漁獲量の枠として、いままで二百海里にとっていた枠に、三海里−十二海里のとっていたものも足しましょう、こういう趣旨でございます。
○寺前委員 その次に、第二条と第八条が関係があるということが広く言われております。報道を読みますと、ソ連の原案には「「暫定協定では、いかなる点も第三会期国連海洋法会議で検討中の海洋法に関する双方の態度と立場を害するものではない」という趣旨の表現になっていた。」それが十三日の会談で修正案として「暫定協定による規定は漁業問題だけに関するもので、双方の利益や国連海洋法会議で検討中の問題を含むいかなる諸問題に対する双方の態度と立場を害するものではない」という趣旨に表現が変わっていっているということが報道されております。 そこでお聞きしたいのは、「いかなる諸問題」という、この「いかなる」という言葉の中に、いわゆる北方四島の問題が入るのかどうかということについてお聞きをしたいと思うのです。
○鳩山国務大臣 まだその文言が、いまお読みになったものがそのとおりであるとは申し上げるわけにはいきませんし、そのとおりではないのではないかと思いますが、この点、最終的に八条がどのようになるかということは、これは先方も、あるいはソ連としての最高幹部に承認を求めると言っておりますし、わが方といたしましても、最終的にまだ決定をいたしておりませんので、申し上げるわけにはいかないのでございますが、わが方といたしましては、いまおっしゃいましたような趣旨といたしまして、そのような趣旨の規定を置きたいということは申し上げられると思います。
○寺前委員 最終段階のものが出ていないのですから、これ以上言っておってもどうにもならないと思いますので、とりあえず領土、領海、主権にかかわる問題というのはあくまでも厳重にしうかり見詰めて、最終的な段階にしていただくことを強く、要望しておきたいというふうに思います。 同時に、私は今回の問題をめぐって、発展途上国が領海あるいは経済水域の問題で問題を提起したところから、悪乗りしてアメリカが二百海里漁業水域を設けるというところから、世界各国にまた二百海里をめぐるところのこういう新しい海洋の諸秩序問題というものを展開しなければならないという、こういう事態が急速に展開をしてきたということが歴史的な経過だろうというふうに思います。それだけに、日米の漁業協定も半年以上、八カ月近くですか、かかった。ですから、そういう意味ではまたそれのしわ寄せを受けた米ソ間の問題になるし、日ソ間の問題になっていくというふうに、いろいろな分野にこの問題が波及をしてきているという経過だと思うのです。それだけにこういう波及をしてきた問題に対しては、いち早くわれわれが対応しておらないと大変な事態になるという経験をいま踏んでいるのだろうというふうに思います。 私は、この際にあわせて鯨の問題について、一言聞いてみたいと思うのです。 鯨の問題というのは、これもまた全面規制の禁止論というのがかなり広がっております。日本は捕鯨の面においては国際的に非常に高い水準の国であるということから考えた場合に、この鯨の問題に対する対応策というものも早く検討してこなければならないのではないか。特に鯨の場合は、たとえばヒゲクジラの場合は、一夫一妻で、そして出産も二年に一度だ、そして一子が生まれるというような状態では、私は、これは漁業資源と言うのか、何なのか知りませんけれども、こういうものを保護するという問題においても非常に大変なことだというふうに言えると思うのです。ですから、こういうものに対する国際的な対応というものが準備ができているのかどうかということをひとつお聞きをしたい。 それからもう一つは、いまこの問題をめぐって今度は物価の高騰に影響をもたらしているという問題がまた現に出てきています。東京都は調査に入るという事態も生まれてきているわけですが、先般も参議院で論議になったようですが、この魚価の高騰を抑えるための、価格安定のための調査が、現実にちゃんと法律に基づいて価格調査官もおることだし、あるいはこういう現状がどうなっているかという調査が、どのようにされているのか。あるいはこれを安定させるために、買い占め売り惜しみの防止法もあるのだから、そういう防止法に基づいていま冷凍倉庫にためてある魚なんかをちゃんと放出させるように、そういう活動がどのように展開されているのか。私はあわせて、外務大臣は私は外国との交渉だけだと言うわけにいかぬと思うのですね、閣僚として、この国際問題が国内問題にも重大な影響を与えているという点について、どのようなことがなされているのか、御存じなのかどうか、その報告をお聞かせいただいて質問を終わりたいと思いますが、いかがなものですか。
○佐々木政府委員 初めに、事務当局の方からちょっと現状を御説明したいと思います。 まず第一点の捕鯨関係でございますが、これにつきましては長い歴史を持ったIWCという国際捕鯨委員会ができておりまして、関係各国の科学者が集まって鯨種別にどれだけの漁獲を許容してもその資源の保存なり回復に支障がないかということを毎年判断いたしまして、その規制に従って日本としても許容された範囲内で漁獲を続け、同時に資源の回復にも非常に深い考慮を払っているというのが現状でございます。今後も環境保護という立場から、いろいろ捕鯨について厳しい世界的な批判があることは十分承知しておりますけれども、いまのように重要な食糧資源の一つとして、科学的な根拠に立って資源保存を図りながら、合理的な範囲内で鯨をとっているのだという乙とを世界にもPRしていかなければならないというふうに考えております。 それから第二番目の最近における魚価高の問題でございますが、これにつきましては、一応北洋に直接関係のございますサケ・マスとかあるいはニシン等のほかに、アジ、サバといったような大衆魚等の値上がりが昨年に比べまして相当急激でございまして、それについていろいろ御批判があるのは御指摘のとおりでございます。私どもの方としては、従来から在庫調査等をやっておりましたけれども、こういう事態に備えて先般五月六日にまず関係者、これは生産者団体のみならず卸売関係あるいは市場関係の関係者等を全部、主なところを呼びまして、そこでそういった日ソ関係に絡んで思惑的なそういう投機のようなことがあった水産物に対するいろいろな非難を受けるというようなことがないように、十分な配慮を求めますと同時に、在庫の適正放出を要請しました。それからまた、今後の指導のための必要資料として、一週間ごとに各冷蔵庫等における入荷量、それから在庫量、出荷量、出荷先等について詳細な報告を、魚種を指定いたしまして求めております。このことを改めて念のため、先日文書で関係方面に通達をし、指導しているところでございます。この結果等に基づきまして、今後経済企画庁を中心にいたしまして、農林省全体として相談をしながら、いまのような売り惜しみ等の事態がやや予想されるようなものにつきましては、流通全体の実態調査の一環として、そういう在庫状況の調査等も現地に担当官を派遣して行いまして、必要な指導を個別にやっていきたいというふうに考えている段階でございます。
○鳩山国務大臣 捕鯨の問題につきましては、これは特に動物愛護協会等のいろいろな運動等もありまして、大変問題が毎年むずかしくなっているということ、よく認識をいたしておるところでありますが、ただいま水産庁の方からお答え申し上げたところで御了承いただきたい。 魚価の問題につきまして、今回の北洋漁業と全く関係のない魚種まで非常に値上がりしているということはまことに残念なことでございます。これにつきましても、やはりこの漁業交渉が大変難航してもう二月以上もかかっているというようなことが非常に心理的にも影響していることと思いますので、今回、この漁業交渉が円満妥結ということが間近に迫っているように思いますが、これが妥結を見ましたときに、将来の不安感というもの、これがなくなった際に思い切った魚価商に対する適切な施策を行ってもらいたいというふうに私自身は考えております。そういうようなことで、この魚価高の問題には経済企画庁の方も法律の発動の準備をいたしておる段階でございますので、この漁業交渉の妥結と両方相まってこの問題に取り組むべきだというふうに思っております。
○寺前委員 時間が来ましたので、もうやめます。 水産庁の人お見えになっていますから、漁業の補償問題、これは時期を失しただけに大変な事態がやはり引き続いてあると思うので、それからまた今後の交渉の過程の中でも時期を失した分をどのように生かしていくかという問題も含まれているだろうと思いますので、外務大臣も含めて十分配慮されることを要望して、発言を終わります。
○竹内委員長 伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 日ソ漁業交渉についてお尋ねを申し上げたいと思います。 今度の日ソ漁業交渉は非常に長い交渉になったわけでありますけれども、ようやく妥結をする、こういうことになってきたわけであります。しかし、けさほどの外務大臣のお話を伺い、その後質疑をずっと伺っておりますと、長い交渉の結果妥結をする、しかしそれにしては一体どういう形でこの妥結をするのかということが非常に不明確であります。私が聞いていた限りでは非常に理解できない不鮮明なところがずいぶんある、こう言わざるを得ません。今度のこの妥結をするということになったきっかけは一体どういうことなのか、もう一度明確にお聞きをしたいと思います。
○鳩山国務大臣 鈴木農林大臣が三回目の訪ソをされまして、その背景には領海法並びに二百海里の臨時の措置法というバックがありまして、先方と交渉に当たられたわけでございます。それから、先ほども話がございましたけれども、国民的な要望と申しますか、超党派の議員団も行かれましたし、また先ほども話がありました組合の代表の方も行かれました。いろんなこの日本側の要望というものは、やはりソ連側にも理解の度は増したろうと思います。そして日本側が一日も早く出漁を待っておるという事情も先方はよく理解をしておるところでございますし、一方、交渉につきましても、当方といたしましては、なるべくこういう協定は双務協定が望ましいわけでありますから、二百海里の法制をバックにいたしまして双務協定をもちまして交渉に当たりましたけれども、先方といたしましてはそれは容認しなかったところで、そのような過程をたどりまして、日本政府として国会の御承認をいただきますぎりぎりの線というものがあるわけでございますから、そういったことを先方によく理解をしてもらう段階で、本件につきまして最終的な判断といたしましてこれ以上この問題が難航いたしました場合には日ソ関係につきまして大変むずかしい状態になるおそれも出てきたわけでございますので、そのような背景をバックにいたしまして、福田総理からブレジネフ書記長並びにコスイギン首相あてに親電と申しますか、親書を出したわけでございます。 そういった背景がありまして、鈴木大臣とイシコフ大臣との間には相当突っ込んだ話し合いが行われておったものでございますから、両々相まちまして急速にこの決着をつける方向で歩み寄ろうという空気が出てきたものというふうに考えておるところでございます。
○伊藤(公)委員 今度の日ソ漁業交渉に当たって領海二法が党首会談も持たれて進められたわけでありますけれども、二百海里の線引き問題を初め、もっと早い時期に二百海里問題に取り組んでソ連との交渉に当たっていたら、かなり違った交渉の展開になったのではないかという気がするわけでありますけれども、この交渉の過程で、日本の二百海里法と領海法の海洋二法というものがどんな役割りを果たしたのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○鳩山国務大臣 二百海里の漁業水域につきまして日本としてももっと早く決定をして臨んでおればよかったんではないかという御説でございます。それにつきましては、ソ連に対する関係におきましてはそのようなことであろうと思います。 ただ、日本の場合には、沿岸漁業の比重が高いという観点からなかなかそれに踏み切れなかったということでございますし、中国あるいは韓国との関係におきまして、日本といたしましては現行の体制を維持いたしたいというようなことがあったのも事実でございます。 そういうことでこのようなことになりましたが、今回鈴木大臣が三度目の訪ソをされました背景には、領海並びに二百海里法を背後に持って行かれたわけでございまして、そういった意味で、先方も日本に対する入漁という点につきまして非常な関心を持っておるところでございますので、いろいろなバックがありまして今回妥結の方向に向いておるもの、このように考えておるわけでございます。したがいまして、どこにどのような効果があったかということは、具体的にはまだ申し上げられない。 当初私どもは双務協定にいたしたかったわけでございます。双務協定にいたしますと、これはほぼ来年度以降の長期協定の形をとることができるということで、双務協定の案も提示をいたしましたけれども、そういう形では先方もそれを拒否するというよりもその検討には非常に時間がかかるというような態度でありまして、いずれ双務協定式の協定に直すことができるだろう、こういう期待並びに予測は持っておるところでございまして、それなりの大変な効果があったものというふうに考えております。
○伊藤(公)委員 先ほどの質疑にもありましたけれども、どうも私には十分理解ができません。政府は、二百海里法の成立に伴って北方水域にも線引きをする計画だ、しかし魚に限定をしているのだということでありますけれども、魚に限定をしているにしても、ソ連の線引きを認めた、あるいは北方水域に対してソ連がかねてから主張をしてきた漁業専管水域二百海里には主権的な権利が及ぶ、ソ連の裁判権、管轄権といったものが行使をされる、主権の行使をされる、こういうことであったわけでありますが、これを認めるということは、わが国の主権を放棄するという可能性が非常に大きく出てきたのではないかという気がいたしますけれども、いかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 この点は、最終的なことが申し上げられませんので、答弁がどうも明確を欠いておるような印象を先ほど来お聞き取りになっていると思うのでございますが、その点につきまして、日本の二百海里法の説明を先方もよく理解をいたしているはずでございます。日本の二百海里では、除外をいたしませんと、当然日本の領土といいますか、これには二百海里が当然及ぶという書き方になっているわけでございます。そういったことも先方もよく理解をしているところでございまして、したがいまして、この点の扱いが最終的にどのようになるかという点につきまして、日本といたしましては政令等でこれを規定していく、こういうことになるわけでございます。 したがいまして、最終的なことを申し上げられませんが、日本の主張というものは日本のこの二百海里法で主張をしていくということになりますし、それをもとにいたしましたソ日協定というものを今後取り結ぶ、こういう過程にあるわけでございます。したがいまして、そこの点はいまここで明確に申し上げられませんけれども、日本は完全に全く放棄をしたわけではないということは申し上げられると思います。
○伊藤(公)委員 ソ連の主張する二百海里漁業専管水域、そして線引きをされる北方四島の水域、これにソ連が主張をしている裁判権、管轄権を含めた主権の行使が行われるかどうかということの確認は、これはまさに主権の問題でありまして、大変大事な問題だと思います。あわせて私がいまもう一度外務大臣に質問しても同じ答弁になると思いますから、先ほどの質疑を聞いておりましても、日本の領海十二海里の中におけるソ連の操業ということに関しても、しないという確証はない、相手の方がそういうことを考えているのであろうなどという、非常にあいまいな形でこの主権の問題を片づけるわけにはいかない。少なくともこの外務委員会においては、こうした処理の仕方は私どもは認めることはできません。もう少し確実な確証のない限り、主権に及ぶ問題を片づけるわけにいきませんので、日ソ漁業交渉を始めるに当たって、各党の党首が話し合いをして、その上で日ソ漁業交渉に臨んだわけですから、この主権の及ぶ問題については、きわめて近いうちに党首会談というような形の中で理解を求めるということが私は妥当である、当然である、こう思いますけれども、外務大臣のお考えはいかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 党首会談につきまして私の口から申し上げることは適当でないかもしれません。しかし大変大事な問題であるということはおっしゃるとおりでございますから、何らかの各党に対します御理解を求める手段というものは当然首脳の方でも考えられていることと思います。
○伊藤(公)委員 この時点で確認をしておきたいのでありますけれども、外務大臣、あなたの見解としては、党首会談等を持って、この問題をはっきりした形で確認をする必要性をお感じになっていらっしゃいますか、いかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 その党首会談ということになりますと、私どもの口から云々すべきことではございません。 ただ、私どもは、各党の特に政策の担当の方々、またあるいは外交関係の方々にはよく十分御理解をいただきたいというふうに考えております。
○伊藤(公)委員 これ以上申し上げてもあれですけれども、それぞれ同僚の委員の方々も繰り返し質疑をしてきた、しかし肝心な問題については何一つ明らかにされない、こういう形の中で交渉を進めるということに対して大変私たちは心配をしているわけでございまして、党首会談がいいかどうかはともかく、各党の合意を求める、理解を求める機会を早急にぜひおつくりをいただきたい、こう思います。 今度の日ソ漁業交渉を待っている間にも、すでに私どもの身近な生活の中には非常にいろいろな問題が出てきているわけでございますけれども、たとえばイワシを例にとってみますと、浜では非常に安い、安いというより、むしろただ同然というものが、消費地に来ますと非常に高いものになっている。倉庫の点検等もしているようでありますけれども、流通機構全体についてメスを入れなければならない、こう思いますけれども、魚ということ、当面この問題でありますけれども、流通機構に関して改革をする、また実態調査をする意思があるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○佐々木政府委員 イワシであるとかあるいはサバといったような、いわゆる多獲魚で季節的に一時に特定の場所に集中して水揚げがある魚につきまして、その時期によりまして、その産地価格と消費地価格の間に相当大きな開きがあるというのはいま先生御指摘のとおりでございます。 ただこれにも、分析してみますと、いろいろな実情といいますか、状況がございまして、たとえば同じサバでもイワシでも、魚体の大きさによって用途がかなり違っております。大きなものは大体そのまま大消費地の方を中心に鮮魚出荷向けに回されておりますし、やや小さなものになりますと、中型のものはかん詰め用とか加工用に大体回っている。それからまた、鮮度の落ちたものとかあるいは小型のものになりますと、飼肥料に回っているものもございます。そういうことで、産地の価格は全部そういった魚体なり鮮度なりを込みにしました平均価格になっておりますので、中から選別されて消費地に送られたものとの間に価格差が、相当開きがあるというのは、これは魚そのものの違いもございますのでやむを得ない点もございますけれども、全体として見ますと、やはり魚の流通機構についてはまだまだ改善すべき点が多々ございますので、私どもとしては、できるだけ産地価格も安定し、かつできるだけ安いコストでそれを消費地へお届けをして消費者の方へ安く提供するということを目標にしまして、今後も流通機能の充実と施設の改善、あるいはその間におけるいわゆる流通パイプを太く短くというそういうことを目指して一層努力していきたいというふうに考えております。
○伊藤(公)委員 時間が来てしまったので、お尋ねしたいことはいろいろあるのでありますけれども、先ほどの件に触れてもう一点だけお聞きをしておきたいのです。 北方の四島周辺において沿岸漁民が操業する場合に、一体北方水域においても許可証を必要とするのかどうなのかということが一点と、来週からいよいよ海洋法会議が始まるわけでありますが、日本も海底資源の問題について早急にわが国なりの対策を立てなければならない、こう思いますけれども、外務大臣の今後の見通しについて御見解をお伺いして質問を終わります。
○鳩山国務大臣 許可証等の問題につきましては水産庁の方から聞いていただきたいと思いますが、私どもの得ているところでは、やはり組合等に対しましていろいろな手続がとれるような方向であると聞いております。 それから国連海洋法会議の問題で、海底資源の問題につきまして今回成否を決するような問題になるであろうということが予測されておりますので、わが国といたしまして、この問題に、国際的な機関をつくってこの開発に当たるというような構想に対しましても、従来は余り賛成をいたしておらなかったわけでありますけれども、これらの点につきましても協力的な態度で取り組もうという姿勢で臨む所存でございます。
○佐々木政府委員 若干補足させていただきますが、北方四島周辺等では特に小型漁船が多いわけでございますけれども、その操業範囲というのはかなり広範にまたがっておりまして、特定のある局限された区域だけで漁業をやるという実態はございません。したがいまして、やはりどちらにいたしましてもソ連側の方の許可証の取得ということは操業の実態から見て必要であるというふうに考えておりますが、その許可の取得の仕方あるいはそれに基づいて漁業をやります場合の漁獲の管理の仕方等については、これらの小型漁船の操業の実態に見合ったいろいろな特殊な配慮が必要であるということをソ連側の方にこれまでもるる説明をいたしておるわけでございますが、そういう漁業の実情に合った漁業の管理の仕方を今後とも努力して実現していきたいというふうに思っております。
○竹内委員長 次回は、来る二十日金曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十四分散会