外務委員会 第16号
- 発言数
- 183 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/04/27
会議録
○竹内委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 私は、最初の質問のときに鳩山外務大臣にあえて御質問をしたわけですけれども、昭和三十一年の十月に日ソ共同声明に取り組むために、いまは亡き総理大臣鳩山一郎先生がその情熱を平和に傾けられた、非常に敬意を表する一人であると——その折に鳩山外務大臣も平和に徹するのだという所見を明らかにされたわけであります。しかし、今日日ソ漁業問題に絡む一連の経過等を見るときに、大変私は残念な思いがするわけであります。そこで、二、三この点について外務大臣にお尋ねをしたいと思うわけであります。 私は漁業交渉の中での一連の経過等も踏まえて、後でお見えになる水産庁にも質問をし、そうしてその案に対しての外務大臣の考え方もお聞きしたいわけでありますけれども、日ソ間で漁業交渉が非常に難航しているんだという今日的な問題として、領土問題がそこにどうしても絡んでくると思うのです。私はこの際、この難航に差しかかった、いわゆる暗礁に乗り上げたと言っても言い過ぎでない日ソ漁業交渉、さらには領土問題の解決も含めて、外務大臣として日ソ平和条約に対する取り組みを真剣にここで打ち出すべきだと思うのですね。日本とソ連との平和条約を締結するんだという意気込みをモスクワに伝える御意思がおありでしょうか。
○鳩山国務大臣 二百海里時代になりまして、領土問題が二百海里水域というものに影響してくるわけでございますから、領土問題の重大性というのが大変に拡大をされたことになるわけでございます。そういう意味で、日ソ間の未解決の問題としての北方——これは四島と申しますと社会党の方のお考えと違ってくるわけでございますけれども、この北方領土の問題が大変大事な問題になったことはもう疑いを入れないところでございます。そういう意味合いにおきまして、私自身国会が終わりましたならばなるべく早い機会に訪ソいたしまして、この重大な問題につきまして真剣に取り組まなければならない、また取り組みたい、このように考えておるわけでございます。しかしながら、今回の漁業問題につきましてこれが領土問題と一緒に解決をするということになりますと、漁業問題の解決がいつになるかわからない、こういう心配がありますので、漁業問題と領土問題は次元の異なる問題である、両者は関係していることは事実でございますけれども、違った次元の問題でありますから、そういった観点から領土問題につきまして時期を見まして真剣な努力をいたしたい、そう考えております。 今日の段階におきましてそのようなことをモスクワに言うべきではないかという点につきましては、これは井上委員の大変重要な御質問でございますので、その御質問の趣旨は十分私も胸に刻ませていただきまして今後に臨みたい、こう思います。
○井上(一)委員 さらにお尋ねしたいのですけれども、当時の田中総理とブレジネフ書記長との会談では、領土問題は未解決だというふうに日本側は受けとめているわけなんですね。ソ連側は、もちろん領土問題も含めてですけれども、平和条約が結ばれていないということ、平和条約が未解決の問題だというふうに理解もできるわけなんです。そういう点で、平和条約の締結に対する取り組みがなされないところに領土問題の解決もあり得ないし、むしろそれは漁業交渉の解決にも結びつかないと私は思うのです。切り離すべきだという考え方の中にはいろいろな御見解がありますけれども、あなた方政府委員は、漁業交渉については農林大臣の主管の分野だ、外務省の所管でございませんといつもよく言われるわけなんですね。私は、これは国を挙げての重大な問題であるということは承知いたしておりますけれども、それを側面的により早く解決するためにも、日ソ平和条約の一日も早い締結に向かっての取り組みを示すべきだ、そういう考えなんです。 それでもう一度重ねてお聞きをいたしますけれども、未解決の問題は北方領土問題だけに御認識をなさっていらっしゃるのか、その背景には平和条約も含まれているんだという御認識に立っていらっしゃるのか。そしてさらに、訪ソをし、かつ外務大臣としての世界平和に貢献をしていくんだという強い熱意を示される御意思、日ソ平和条約というのはちょうどあなたのお父さんと親子二代の悲願にしていただきたい。それをかなえることが鳩山外務大臣として当面最優先してやるべき仕事だと思うのです。三点についていかがでございましょう。
○鳩山国務大臣 まず第一点の田中・ブレジネフ会談でございますけれども、日ソ間におきます未解決の問題ということが領土問題をおいてないというぐらいに考えておるわけでございます。当時の情勢からいたしましても、そのような会談が行われたということは確かでございまして、その後ソ連政府のいろいろな方が未解決の問題はないというような表現をされておりますけれども、当時の両首脳の間で、未解決の問題を解決してそして平和条約を結ぶ、こういうことで文字どおりそのような話し合いが行われたということを、外務省といたしましてもそのとおりに、字句どおりに信じておるところでございます。 それから領土問題の解決は、先ほども申し上げましたけれども、現時点におきまして何よりますます重要になってまいったわけでございまして、私自身といたしまして、この問題につきましてはあらゆる何よりも一番大事な問題というふうに考えて努力をいたす覚悟でおるわけでございます。
○井上(一)委員 私はぜひ要望しておきたいと思うのです。領土問題を解決し後に平和条約という形ではなく、日ソ平和条約を締結することに取り組むことが領土問題の解決になる、だから一日も早い平和条約締結への取り組みを外務大臣として示していただきたい、こういうふうに思います。 さらに水産庁にお尋ねをしたいわけですけれども、水産庁の方ではすでに漁業水域について、線引きの問題で日ソ漁業交渉の中で第一次案が示されたように聞いておるわけです。できればその構想を承りたい。
○佐々木政府委員 現在の段階で予定しておりますのは、原則としては日本の領土の周辺全体に漁業水域を設定するわけでございますが、特に西日本の方の韓国、中国との入り会い関係のございます水域につきましては、現在、日韓あるいは日中の漁業協定でそれぞれある程度満足すべき漁業秩序の状態ができておりますので、この水域については現行の調整制度、漁業の管理制度をそのまま維持するという趣旨から、西日本の水域の方を一応除外をいたしたいというふうに考えております。具体的には日本海の西部、それから黄海及びそれに接続いたします一部の水域を除外するとい、うことをいま考えております。
○井上(一)委員 北千島の一部を除外するわけですか。
○佐々木政府委員 北千島の一部を除外するという考えではございませんで、西日本の方でございます。日本海の西部の方と東シナ海と黄海とそれに接続いたします太平洋の一部の海域に限定して除外をしたいというふうに考えております。
○井上(一)委員 いまの水産庁の一応の試案に対して外務省はどのように見解を持っていらっしゃるのですか。
○鳩山国務大臣 水産庁とは事務的にも連絡をとりながら立案中でございます。したがいまして、外務省として特に違った考え方を持っているわけではございません。
○井上(一)委員 線引き問題について基本的な見解を少しお尋ねしたいと思うのです。 いま国会で審議がされております漁業水域に関する暫定措置法について、いわゆるソ連の見解、アメリカの見解、そして日本の見解、それぞれの基本的な違った部分があればお示しをいただきたい。
○佐々木政府委員 アメリカの場合は、基本的にアメリカの沿岸から二百海里の範囲を画しまして、その中で一元的に沿岸国が漁業についての管轄権を持つということで漁業水域の設定をしているというふうに理解をしております。ソ連側の方は、一応そういったアメリカあるいはカナダ、ECとの対抗上必要な海域について二百海里の漁業専管水域を設定するということで、当面極東では二月二十四日の大臣会議決定ということで具体的な水域を決めてまいったわけでございます。日本の立場といたしましては、そういう一方的な線引きについては、効率的な漁場の利用という面から見ますといろいろ問題が出ますので、基本的にはできるだけそういう線引きは避けるべきだという考え方をとってまいったわけでございますけれども、二百海里の線引きがここまで世界的に進行いたしますと、わが国といたしても相互主義的な立場で、相手の出方によってわが方もそういった漁業水域を設定し、相互に入り会いといいますか、同じ土俵の上で対坑できる立場は確保しなければならない、こういう考え方で漁業水域法を作成し、いま御審議をいただいておるわけでございます。したがいまして、線引きの具体的なやり方につきましても、日本の領土の周辺に必要に応じていつでも漁業水域の設定ができる体制はとるけれども、具体的な線引きはやはりその近隣諸国との漁業の現状、現在でき上がっております秩序に応じまして、現在設定しない方がむしろ安定した漁業秩序の維持ができるというふうに考えられますところは除外をして、その情勢に応じて対応してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○井上(一)委員 いろいろとお答えをいただいたわけですけれども、端的には、アメリカなりソ連の水域設定については主権的権利というものが明確にされておると思うのですね。それに引きかえてわが国の法律では、漁業についての管轄権という表現を使われておるわけです。この管轄権というものは、アメリカなりソ連と同じような主権的権利とは違うわけなんですね。そういう点について、管轄権という表現をあえてされたということは、むしろ主権を放棄されたのだ、主権とは言えないのだというふうに理解をしていらっしゃるのですか。
○佐々木政府委員 漁業資源の管理及びその効率的な利用という観点から漁業についての管轄権を規定したわけでございまして、たとえば外国人漁業についての取り締まりの権限の問題であるとか、あるいはそれに違反した場合の裁判管轄権の問題であるとか、あるいは日本政府の許可書を取得しなければ外国漁船の操業を認めないとか、そういう一連の内容的な部分については基本的に同じであるというふうに理解しております。
○井上(一)委員 それでは、なぜこの管轄権という表現を主権的権利、主権の及ぶところ、いわゆる主権の行使という表現に置きかえられなかったのか。
○中島政府委員 ただいま水産庁の方からも御答弁がありましたように、この漁業水域の問題は、沿岸国が二百海里の水域における漁業資源に対してその保存管理を図る管轄権を有することになるというのが基本的な考え方でございます。それを先生御指摘のように、たまたまソ連の幹部会令は主権的な権利という表現を用いておるわけでございます。これはソ連の国内法でございますので、その有する意義についてわが方がとかくせんさくする立場にはないわけでございますが、ただ申し上げておきたいことは、これはどこの国の漁業水域であろうとも、基本的本質は、いま申し上げましたような二百海里の水域における資源に対して、その資源の保存管理を図り有効な利用を図るという権限を沿岸国が持つに至るということでございまして、そこで主権的な権利という表現を使ったことがあるにしても、いずれにしろそのような二百海里の水域の資源に対する管轄権は、たとえば沿岸国が領海に対して持つような主権、領土に対して持つような主権とは異なるものであるというふうに考えている次第でございます。
○井上(一)委員 この問題についてはさらに次の機会に留保をして、質問を差し控えます。 続いて、私は、金大中拉致事件以後二カ月以内に日本から離任していったいわゆる韓国大使館、領事館のリストアップをお願いをしておったわけであります。けさ北東アジア課からちょうだいしたわけですが、名前についてはいただいたわけですけれども、出入国の年月日等あるいは回数についてひとつお答えをいただきたいと思います。
○山下説明員 御説明申し上げます。 離任という形で出国いたしました韓国大使館、領事館等の職員の出入国につきましては全員で十三名でございますが、これを順次申し上げます。 大使館職員の金東雲氏、これか昭和四十八年の七月二十一日入国いたしまして、同じく八月十日に出国いたしております。その後八月十七日に再度入国いたしまして、八月十九日に出国いたしております。 次に、同じく大使館一等書記官の洪性採氏でございますが、これは昭和四十六年に入国いたしまして、金大中事件発生後の昭和四十八年九月六日に出国いたしております。 次に、同じく大使館二等書記官韓京鎬氏でございますが、これは昭和四十七年に入国いたしておりまして、昭和四十八年の八月十八日出国いたしております。 次に、同じく……
○井上(一)委員 一々ここでお答えをいただいたらいいのですが、時間の関係上、後ほど資料として提出をしていただきますように。 さらに、金大中拉致事件について日韓両国で捜査報告書の交換が取り決められているわけです。韓国側からの捜査報告は来たのか、いつの時点で、中身はどのような中身であるか。
○中江政府委員 いま資料をあれしておりますが、一つ確かなものは、翌年の八月十四日に金東雲について調べた調書が来ております。これはそのまま捜査当局に渡しました。
○井上(一)委員 この問題については若干時間を置いて改めてお答えをいただきたいと思います。 そして刑事問題として、韓国側に対して日本政府、外務省あるいは捜査当局は、この金東雲を含めた韓国からの捜査報告に対してどのような対応をされたのか。
○中江政府委員 これは一般論といたしまして、外務省としては、そういったものは日本の捜査当局と協力しながら本件をフォローしておりますので、先方から来ましたものは捜査当局にこれを渡しまして、その意見に基づいて必要な措置をとる場合にはとっている、こういうことでございます。
○井上(一)委員 だから、どういう報告が来て、そしてその報告の中身はどういう中身であって、それに対して日本側、外務省としてはどのように捜査当局に見解をつけたのか、あるいは捜査当局は外務省を通してどのように韓国側に要求したのか、こういうことを聞いているのです。そういうことを私の質問に対して答えてくれなければ困る。それは後で答えてください。 さらに、これはアメリカ側の情報によるわけですけれども、元駐日大使館の公使であった金在権は偽名であるということが言われておるわけなんです。そういうことを承知していらっしゃるのか。
○中江政府委員 外務省といたしましては、在日外交官の氏名が偽名であるかどうかということを調査する、あるいは調べる立場にございませんで、正式に外交チャンネルで通報を受けた名前で外交官リストに登録している、こういうことでございます。
○井上(一)委員 そういうことでしたら、本名は金基完であるというふうに聞いているわけなんですが、非常に金大中事件に絡んで関連をしておる人物の一人であると言われておるので、あえて捜査当局に外務省が改めてその事実を調査してもらうように申し入れをする考えがあるかどうか。
○中江政府委員 ただいま先生の御指摘のような情報といいますか、報道があったことは外務省ももちろん承知しておりますけれども、それに基づいて本名か偽名であるかということを調べる必要の有無というのは、捜査当局の捜査の御判断によるものと思っておりますので、外務省から調べてくれということを言う立場にないというふうに私どもは思っておるわけです。
○井上(一)委員 外務省から捜査当局にそのような報告をいたしましたか。
○中江政府委員 これは新聞報道で私ども承知しておりまして、捜査当局もそのことは報道としては承知しているということでございます。
○井上(一)委員 それでは捜査当局の担当政府委員にお尋ねをいたします。 正式に外務省からは報告はなかったわけですけれども、そういうことを承知していらっしゃるどいうふうにお答えがあったわけですけれども、捜査当局はこの問題についてはどういうふうにお考えであるのか。
○城内説明員 お答えいたします。 そうした風評につきましては、私どもは十分よく承知しております。しかしながら、両名が同一人であるか、あるいは別な人間であるかといったようなことにつきましては、これまでのところどうもはっきりいたしていないわけでございます。 それから金在権氏につきましては、事件が発生しました後、捜査当局におきましていろいろ事情を聞いたわけでございますけれども、事件との関連性が認められるに至っておりません。
○井上(一)委員 外務省にさらにお聞きをしたいのですが、外交官の特権について外務省はどのようにお考えでいらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。 さらに、先ほどの私の質問に対して、まだ回答が十分なされてない分についてはわかり次第お答えをいただきたい。
○中江政府委員 まず、先ほどの御質問でお答えがまだ完結していない部分について申し上げますと、韓国側の捜査についての報告をどういうふうに受け取っているかという問題ですが、これは私が先ほど申し上げましたとおり、昭和四十九年八月十四日に韓国の外務部から在韓日本大使館に対しまして、韓国側での捜査の結果、金東雲その他姓名不詳者五名の嫌疑を立証する証拠が発見されなかったので捜査を中止する旨の決定書が伝達された。この決定書ではわが方としてはまだ納得できないというのがわが方捜査当局の御見解でありましたので、その見解を体しまして、その決定書のようなことでは納得はできないということで、さらに韓国側に詳細なる報告、捜査の結果を知らせてもらいたいという交渉をいたしまして、一年後の昭和五十年七月二十二日に、金東雲に関する韓国側のその後の捜査結果及び処分結果を口上書で通報越したということでございます。 それから外交官の特権につきましては、これは御承知のように一般国際法上確立されてきているものを一応成文化いたしましたのが、外交関係に関するウィーン条約だったと思います。この外交関係の条約に規定されております外交官の特権免除を日本も在日の外交官に与えている、こういうことでございます。
○井上(一)委員 それじゃ、その外交官の特権についても議論があるわけですけれども、さらに、外交官の特権を持っている者が民間人になった場合、外交官特権はどのように適用されていくのか。
○中江政府委員 民間人になりますと、その民間人としての行動については、これは当然特権はございませんが、外交官であった間のことについても引き続き、それが特権を享受しておりました時代、その期間に行われたことについては、外交関係に関する条約の適用を受ける、こういうふうに理解しております。 なお、さらに正確にはあるいは条約局長から答弁してもらいます。
○井上(一)委員 当時被疑者の一人である金東雲書記官、現在民間人であるとも聞いておるわけですけれども、現在は民間人であるのか、あるいは復帰しているという話もあるわけですけれども、復帰をしているのかどうか。民間人であるとするならば、捜査当局はその元書記官であった金東雲という民間人に対しての捜査の取り調べをしたのか、する考えがあるのか。
○中江政府委員 まず、金東雲元一等書記官は、昭和五十二年七月二十二日の口上書によりまして、韓国側が正式に彼か在日中に行った行為が外交官としての資質に欠けるということでその身分をなくしたわけでございますので、外交官でないことはもとより、国家公務員でもないということになっております。
○井上(一)委員 時間が限られて、私はいまのお答えでは満足はしないわけなんです。それで、あえて後刻文書をもって私に答えていただきたいと思うのです。先ほども質問をいたしておきましたけれども、この金東雲書記官に絡む一連の日本と韓国の捜査状況の中間報告をぜひ提出してもらいたい、こういうふうに思います。さらに金大中氏の原状復帰を日本政府が保障していくということは日本政府の人権に取り組む基本的な姿勢のあらわれだと思うのです。私はこの前にも強くそれを訴えてきたわけでありますけれども、その後外務省の考え方、どのように取り組みの進展があったのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○中江政府委員 外務省が金大中氏の原状回復についてどういう立場をとっているかということは、あの事件が起きました直後から大変に議論がありまして、一貫して私どもがとっております立場は、この金大中氏の誘拐拉致事件に韓国の公権力の行使というものがあった場合には、その国際法違反について責任を追及するという中に原状回復というものを国際法上の権利として韓国に要求できるという立場をとっておりまして、公権力の介在あるいは公権力の行使について確たる証拠が現在までのところ挙がっていない限りは、国際法上の権利として韓国に原状回復を要求することはできないというのが国際法上の立場でございます。 前回のこの委員会でも私は申したと思いますが、そういう国際法上の権利義務と離れて、人権の問題としてどう取り扱うかというのは別のアプローチでございまして、その面では、金大中氏の自由というものについて日韓間で本件の外交的決着をつけましたときの約束が韓国によって引き続き守られるか、またそれを妨げるようなことになれば日本としては納得ができないので、韓国が金大中という人をどういうふうに扱っているかということについては関心を示している、こういうことでございます。
○井上(一)委員 私は、日本政府が非常に冷たいということを前にも言ったのです。人権を守るのだという立場に立ちますということは口で言っている。何ぼ口で言ったって、それを形の中で示していかなければ信じられないというのです。この問題についてはさらに私は、政府自身の人権に関する取り組みを、反省の上に立って強く取り組むことをここで訴えておきます。金大中氏拉致事件については質問を留保しておきます。 さらに私は文部省にお聞きをしたいのですが、一九六〇年の十二月四日第十一回ユネスコ総会で採択された教育における差別待遇の防止に関する条約というのがあるのです。これについて日本はいまだ批准されてないわけです。文部省はこの条約を批准することに賛成なのか、あるいは一日も早く批准すべきなのかお考えを承りたいと思います。
○七田説明員 お答えいたします。 教育における差別待遇の防止に関する条約は、いまお話にございましたように、昭和三十五年十二月十四日にユネスコの総会で採択されました。人種、言語、宗教その他種々の事情に起因いたします教育上の差別や制約等を防止することを内容としております。わが国の場合でございますが、これは憲法第十四条の法のもとの平等、それから第二十六条に教育を受ける権利、こういう二つの規定がございまして、それに基づきまして教育基本法第三条第一項におきまして「すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであって、人権、信条、性別、社会的身分」と規定しております。このように条約の趣旨は、わが国におきましてすでに憲法及び教育基本法、それから学校教育法の体系によって実現されておるというように考えております。したがいまして文部省といたしましては、本条約の批准がわが国において現行法令に何かをつけ加えるといった意味での実質的な意義を持つものであるとは考えておりません。そしてそれだけに、わが国といたしまして本条約を批准するといたしましても、さしたる支障はないと考えております。
○井上(一)委員 文部省は批准すべきだということです。その意見は非常に正しいと思います。文部省はいま外務大臣の前ではっきりと何ら支障なしという答弁があったわけであります。外務大臣に私はお答えをいただきたい。外務省はこの条約に対して批准することに賛成なのか反対なのか。
○鳩山国務大臣 ただいま文部当局から批准に賛成のような御発言がありましたので、外務省としては積極的に取り組みたいと思います。
○井上(一)委員 非常に文部省に引きずられてというような感がするのだけれども、これは一日も早く批准をする、外務省が取り組むということに理解してよろしゅうございますか。
○鳩山国務大臣 結構でございます。
○井上(一)委員 そこで、さらにお尋ねをしたいのでありますけれども、いまわが国で、国立の大学で、在日外国人の教育者として従事をしていらっしゃる方が、文部省の統計ではたしか四百二十七名だと承っているわけです。この四百二十七名の方々が語学以外の教師として何人いらっしゃるのか、あるいはとりわけ在日韓国人、在日朝鮮人の方でいわゆる国立大学の先生として何人お勤めでいらっしゃるのかお聞きをしたいと思います。
○別府説明員 お答えを申し上げます。 ただいま先生御指摘の、外国人でわが国の国立大学において教育研究の職務に当たっておる者の数という点につきましては、外国人教師としての勤務者百七十六名、外国人講師としての勤務者二百五十一名を指しておられるというふうに考えますが、その担当分野別の数字につきましては、いまちょっと手元に持ち合わせておりませんので、後刻資料をお届けいたしまして御説明申し上げます。
○井上(一)委員 では後で資料をちょうだいするということでそれは結構でございます。私の調べではこの四百二十七名の方々の中でほとんどの方が、短期間の雇用契約、一年間の雇用契約で身分保障あるいは生活保障が十分なされてないというのが現実であります。そしていわゆる一年交代で雇用契約を更新していく、これは私は外国人に対する非常な差別だと思うのです。そしてまた、日本における教育従事者として非常に不安定な生活を押しつけることにつながっている。そういうことは好ましい状態ではない。もちろん、本人は言うに及ばず、家族等も含めてこれはもっと手厚いというか、少なくとも国家公務員に準ずる形で身分保障をしていくべきである、私はこういうふうに思うわけであります。 具体的には、年金についても十分ではないし、病気等にかかっても医療費が十分保障されておらない。せめて国家公務員共済組合に——本人の意思あるいは国の立場からの調査というのでしょうか、話し合いというのでしょうか、そういう形の中で、せめて準ずるという、国家公務員の共済組合に加盟できるようにしてあげるべきではないだろうか、してあげるべきであると思うのですが、この点について文部省のお考えを聞きたいと思います。
○別府説明員 常時勤務に当たっております外国人教師の場合を例にとってみますと、先生御指摘のように、五年以下の勤務期間を持っております者が百七十六名中百二十九名というふうに大半の者になってございます。 そこで、これらの職員について共済組合法を適用し、長期、短期の共済組合に加入して掛金を支払うということになりますと、この長期の分については大部分の方々が掛け捨てという形になるという御本人に対する不利益があること、さらに現在勤務しておられます外国人教員の約三八%の方は出身国の社会保険の適用があること等の理由から、現在共済組合には全員加入をしていないわけでございますけれども、これらの職員のそういった面における保障という点についてどのような方法をとるべきかという点については、今後十分に検討しなければならない問題であると考えております。
○井上(一)委員 さらにお尋ねをしたいのですけれども、いま詳細についてお答えをいただいたのですけれども、それじゃ本人の意思によって加入をしたいという意思が明確になった場合には、文部省はそれを受け入れる用意がありますか。
○別府説明員 共済組合のたとえば短期のみについて加入をするというふうな場合でございますと、法律改正の問題等もございますので、今後さらに検討しなければならないと考えております。 なお、御本人の希望によりましては、健康保険あるいは厚生年金保険への加入者も現在おいでになるわけでございます。
○井上(一)委員 できるだけ十分日本人教育者と格差のないように今後取り組んでいただくことを特にお願いをしておきます。 外務大臣にお尋ねをしたいのでありますが、私は三月二日の当委員会で我妻洋さんというカリフォルニア大学の教授が「日本の見えざる種族」という本の中で非常に偏見と誤解に満ちたレポートをしているという指摘をしたわけでございます。御記憶にあると思うのですが、この問題について外務大臣は真剣に取り組みますというお答えをいただいたわけでありますけれども、それ以後どのような取り組みを示されたのか、お尋ねをしたいと思います。
○鳩山国務大臣 三月二日の当委員会におきまして御指摘をいただきましたので、その報告を政府委員から報告さしていただきます。
○柳谷政府委員 お答えいたします。 この件につきましては、従来から在外公館において必要に応じての広報活動の一環には入り得るわけでありますけれども、特に最近この問題が昨年来御指摘のとおり問題になりましたので、最近総理府の同和対策室で作成しております「同和問題の現状と対策」というものを改めて全在外公館に送りまして、必要な場合の広報の材料にいたしたわけでありますが、そのほかに、現在これを英訳いたしまして英訳の部分も近く在外に送りたいと思っております。 なお我妻教授につきましては、ロサンゼルスの総領事館が接触がありますので、近く同総領事から我妻教授にでもこれをお見せして御説明したい、このように計画しております。
○井上(一)委員 私は、アメリカ大使館にも指摘をしておいたのですよ。ロサンゼルスの総領事館にも指摘をしておいたのですよ。外務省かこれから話を聞くんだとか、そういうことじゃないわけなんだ。そんな後手後手に回った取り組みしかできておらないのか、やる気があるのかないのか。これは外務大臣、担当の政府委員からじゃなく、外務大臣から特に私はお答えをいただきたい。大変大事な問題だと思うのです。大変大事な問題なので、外務大臣の所見を率直に承りたいと思います。
○鳩山国務大臣 日本の社会にあのような差別が行われているというような誤解を外国に与えることは大変嘆かわしいことでございます。そのような誤解のないように、ただいま情文局長から御返事申し上げましたけれども、今後とも積極的に努力をさせていただきたいと思います。
○井上(一)委員 私は、今後ともだとか、努力をするとか、検討するとかいうのは、むしろこれは答弁にならない。もう約二カ月たっているわけなんです。直接の執筆にかかわったわけじゃありませんけれども、この出版社の中には日本の国連の緒方公使の名前も列記されているのですよ。ここに緒方貞子公使の名前が載っているし、直接この本にはかかわりはないにしても非常に紛らわしい。私はアメリカ大使館の担当参事官にもこれは強く訴えたわけなんです。だから、そういうことについての取り組みが外務省としては不十分である。どうするのか。私もこの委員会の運営に協力をしたいわけなんです。だから、明確に率直なお答えをいただかない限り、なれ合いの質問はだめですよ。真剣に私は聞いておるんだ。もうちょっとまともな答弁をしてください。
○鳩山国務大臣 ただいま御指摘の点は、これは本当に大事なことでございます。真剣に取り組まさせていただきます。
○竹内委員長 あと一問に願います。
○井上(一)委員 私は、真剣にたとか——もっと具体的に、どう取り組みますと、この問題についてはそれじゃアメリカの大使館あるいはその担当の者を呼んで、真実を明確にしながら今後の手段としてはこうします、そういうお答えがない限り、真剣さというものが見られないということです。だから、あなた方は同和問題に、あるいは誤った日本の海外での偏見に満ちた、誤解に満ちた書物がはんらんをしておるという、こういうことに無神経であるというようにしか私は考えられないのですよ。だから質問をしているのです。具体的にどうなさるのか。
○柳谷政府委員 先ほど申しましたように、在外公館における広報活動は、その都度いろいろな問題に対する質問があれば、過去におきましても、その場でわかるものはその場で、わからないものは東京に照会して必要な説明を行うということはやっておりますので、過去においてもあるいはそのような質問があった場合に、所要の説明を在外においてやったこともあるかと思いますけれども、特にいま井上議員の御指摘の問題は、昨年になって起こった問題でございますので、その間の会議の様子とか、そこで発行された、説明があった演説の内容とかを詳細に検討いたしまして、あわせて総理府と十分協議いたしまして、必要な説明を行ったわけでございます。 ただ、特にこの問題が国際的にも注目を浴びましたので、改めてこの資料を在外公館に送って必要な説明を行うし、なお、英文であった方がいいということを考えましたので、この総理府作成の資料を英文にいたしまして、これを近く在外公館に発送するということを行いまして、同和問題に対する海外広報を一層強化するということをいま進めている次第でございます。
○井上(一)委員 この問題についても、さらに次の機会に私は質問を留保して、とりあえずきょうの質問を終えます。
○竹内委員長 次に、渡部一郎君。 〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕
○渡部(一)委員 当面する外交的諸問題は、非常に件数が多いのでございますが、その中でも私たちがとりわけ心配をいたしておりますのは、日ソ交渉の行方であり、漁獲の安全保障に関するさまざまな問題点であります。しかしそれと同時に、日本の将来の外交的な機軸をつくるためには、日中交渉をこの際見通しをつけ、推し進める決意がなければならないと思います。もし、日ソ交渉が妥結するまで日中交渉をしないというような方針であるとするならば、今年の十二月三十一日までは恐らく何も決まらないでございましょうし、さらに日ソ間の漁業の恒久協定が安定的にできるということを考慮し続けるならば、日中交渉というのは完全に不可能になると言っても差し支えないわけであります。むしろこの際、日中交渉については、日ソ交渉のバーゲニングパワーにするというような考え方ではなくて、日本の外交の一つの機軸をつくり上げるという意味から、冷静かつ慎重に、しかしながら早急にこれに取り組んでいくことが必要だと思いますが、まずその基礎的なお考えを承りたいと存じます。
○鳩山国務大臣 ただいま日ソの漁業交渉が大変大事な段階に差しかかっておるわけでございますけれども、日ソの関係また日中の関係、これはそれぞれきわめて大事なことでございまして、日ソの関係が、当面といたしましては緊急の解決を迫られておる。しかしながら日中関係というのは、もうこれは多年の懸案でございますので、日ソ関係とはこれは全く関係ないという考え方で取り組むべきである、このように考えております。
○渡部(一)委員 御答弁を伺いまして、意を強ういたしているわけでございますが、先日四月の二十六日、中華人民共和国の李先念副首相は、福田総理の訪中を歓迎するという表明をされたというふうに承っているわけであります。この訪中歓迎ということを少なくとも中国の政府が正面から述べているのに対して、そんなことは私ども考えておりませんとか、行く必要はないと思いますとかいうようなことを言う必要はなかろうと私は思います。また、すぐ行きたいと、ぱんと飛びつくということがいいかどうかについては、十分に慎重な吟味を要する。両方とも私は必要だと思います。その辺十分計算があってしかるべきなんですが、どうやら日本政府側の対応というのは、非常に乱暴かつ安直であって、そんなお話があったって私は訪中するわけにいきませんよというようなことを福田総理はばかばか言う。そして、それが正式なコメントでなくて向こうへ伝わっていくというようなことは、余りほめたことではないと私は思うわけであります。総理の訪中を歓迎するというその意思表示に対しては、正式に伺いますが、外務省としてはどうお考えになっておられますか。
○鳩山国務大臣 私ども、直接伺っておらないのでございますけれども、古井先生から李先念副首相のお話としてそのような、福田総理の訪中を歓迎するというようなことを情報として聞いているにすぎないものでございます。私自身の考えをいまここで申し上げるには、やはり総理等のお許しもなければ申し上げられないわけでございますけれども、いま渡部先生が申された大事なときでございますから、そのような御意向を真っすぐに胸にとめるべきことであろうというふうに考えます。
○渡部(一)委員 さらに、法眼元外務事務次官が四月の二十一日ないし五月の八日まで訪中し、政府要人と会談するという報道が行われております。その出発前に、総理、官房長官等が法眼氏と一緒によく相談なさって行かれたと承っておるわけでありますが、この法眼さんの訪問に政府はどのような期待を持っておられるのか、承りたいと存じます。
○鳩山国務大臣 法眼氏の訪中につきましては、法眼氏自身がかねてから訪中いたしたい希望を持っておられたわけで、国会の都合等もありましてなかなかこれが実現しなかった。たまたま今日の時期になったということでございまして、法眼氏の訪中につきまして、外務省として特段のことをお願いするというようなことは考えておりません。
○渡部(一)委員 外務大臣、そんな御答弁はいけませんよ。法眼さん自分の希望で、国会の都合があって訪中が実現しなかったと言うが、あの人は国会議員じゃないんですから、そしていま現職の事務次官じゃないんですから、国会の都合があって行かれなかったなんという御答弁は、ちょっと何か間違えておられるのと違いますか。
○鳩山国務大臣 法眼氏は、御承知のように海外協力事業団の総裁をされておるものでございますから、国会開会中はやはり参考人としての呼び出しということが十分考えられるものでございますから、連休の機会を利用してというのが率直のところでございます。何ら国会関係者であるからというわけではございませんで、国会の御審議でもし法眼氏が必要なときがあるといけませんので、そういった態度でいままでおったのでございまして、連休の機会を利用して行かれるというのでございます。
○渡部(一)委員 そういうふうにおっしゃるんでしたら、連休中も当委員会はやる予定があるかもしれませんですよ。そんなのにあなたが承認を与えられたというのは、もってのほかの問題ですよ。わが党は了承しておりませんし、ここにいる野党にも別に根回しがあったわけじゃないじゃありませんか。それはあなた、ちょっとまずい御答弁だと思いますね。 それを詰めるために申し上げているんじゃなくて、私は、日中関係の打開のために御当人が果たされる役割りがあってもしかるべきだと思います。そうである以上、日本の政府側としても、法眼氏個人の問題であるという形で出したとしても、法眼氏が日中平和友好条約の瀬踏みの役をすることだけは間違いなかろうと思います。 そこで、私は大臣から伺うのでありますが、政府としては日中平和友好条約を締結する糸口というものを、この際、法眼氏の訪中その他とは別につかみ、日中問題に今年内に取り組もうという御意思があられるのかどうか承りたい。
○鳩山国務大臣 日中平和友好条約につきましては、たびたび申し上げておりますけれども、わが政府といたしましても積極的に取り組んでおるところでございますし、日中双方の満足し得るような条件が必ずでき得るものと期待をいたしておるところでございまして、そのためには各方面の皆様方のお力添えを賜っているところでございます。そういう意味で今後とも努力を重ねる所存でございますけれども、特に法眼氏の訪中というものにつきまして特段のことをお願いして行っていただくというところでもないのでございます。
○渡部(一)委員 日韓大陸棚協定の審議に関しまして、中国側からこれまで外交部声明のような政府の意思表示があったと承っておりますが、さらに二月中旬、東京において葉参事官から大森アジア局次長に対し、また四月二十一日、北京において中国側の国際条約局の陳次長から堂ノ脇参事官に対し、いずれも反対の申し入れが行われたと伺っているのでありますが、その辺はいかがかお示しをいただきたい。そしてまたそれはどういう反対論であったかをこの際明らかにしていただきたい。
○中江政府委員 最も最近の四月二十三日の申し入れば、葉参事官から大森次長へではなくて、アジア局中国課長が在京大使館の宋文一等書記官を招致いたしまして二百海里漁業法案について説明したときに、先方が、日韓大陸棚協定がいま国会で議論になっていることを新聞で承知しているけれども、あの協定に関する中国政府の公式な立場はあの協定署名直後に出されました中国外交部スポークスマン声明、あの立場に変わりがないということを申し述べたというのが真相でございまして、あの一九七四年二月四日の外交部スポークスマン声明といいますものは、中国が自然延長論をとっているということ、及び東シナ海の大陸だなは中国と関係諸国とが話し合いによっていかに区分するかを決めるべきであること、そういうことであるから中国が参加しないで日本と韓国だけであの部分の共同開発を決めたのは中国としては主権を侵害するものであって認めるわけにいかない、こういうことでございまして、これは私ども、この中国政府の外交部スポークスマン声明が出されまして以来、中国が言っている自然延長論というのはわれわれと立場が違うけれども、関係諸国の間で円満に話し合いができればそれが望ましいということ、これは原則の問題として同意であるけれども、遺憾ながらいまの国際情勢ではそれができない、この状況のもとでは中国の権利を害さないように細心の注意を払って締結したのがこの条約であるということを説明すると同時に、中国の方でその御用意があるならば、いつでも日中間で境界画定の話をいたしましょうということを繰り返し述べている、そして今日に至っているということで、そういう趣旨のことは北京及び東京で、今回中国側からそういう外交部スポークスマン声明を再び申し越した際にも、日本政府の立場をこちらからはっきり伝えているというのが実情でございます。
○渡部(一)委員 中国側が抗議のトーンを明らかに落としてスポークスマン声明の形で日本政府に抗議しているということは、日本とソビエトとの交渉に対して十分配慮していることを示しているものと思われます。それである以上は、やわらかい抗議声明ではありますけれども、その中に盛り込まれている主権を侵害していると指摘している部分については、日本政府は十分に配慮しなければ、今後の両国関係にきわめて重大な影響をもたらすものと思われます。一方で日中平和友好条約を何とか満足できる形で推進したいと述べつつ、片方で先方が主権侵害という最大級の言葉をもって警告している問題を放置しながら、当委員会においてごり押しをするというのでは、それは外交交渉ではなかろうと私は思うわけであります。いまの大臣の言葉をかりれば、少なくとも個人的に北京に遊びに行った人に託すような問題ではない。政府の重大な使節を派遣してこの問題についても説明をし、釈明をし、弁明をし、交渉をするという態度を堅持しなければならないし、日中平和友好条約に対する日本側の真摯な態度を説明し、納得してもらうことが交渉としてきわめて重要でなければならないと私は思います。ところが、大陸棚協定審議の冒頭から述べておりますが、ますますその点について交渉の力こぶというか、そうした細かい配慮がきわめて抜けているのではないか、私は深く憂慮いたしておるのでありますが、その辺はどうお考えであられるか御説明いただきたい。
○鳩山国務大臣 共同開発につきましての中国側の見解は、ただいま中江アジア局長が申し上げたところでございます。この見解は中国の外交部スポークスマンの声明以来変わっておらないということも事実でございます。わが方といたしましては、この共同開発区域がいかなる意味からも中国の主権を侵害するものではないということを機会あるごとに説明をいたし、理解を求めているところでございます。現在までのところ、先方が理解した、これでよろしいという意思表示はないわけでございますけれども、当方としてもう再三再四にわたりまして御説明をし、もし大陸棚協定につきまして何らかの話し合いの意思があるならば、日本政府としてはいつでも応じますということも申し上げているところでございまして、それに対しまして具体的な申し出ということはないわけでございます。したがいまして、わが方といたしまして礼を尽くすことは十分尽くしておると考えているところでございまして、この件はもう先方の理解を極力得るという努力を続けるべきものと思います。そういうことによりまして当方の真意、誠意がわかっていただければ、このことが原因となりまして両国の国交上に大きな障害を来すというようなことは防げるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○渡部(一)委員 大臣、それはいままでのことを述べられたにすぎないのであって、中国側が何回にもわたって抗議をしてこられておる、日本政府は何回も説明しているというだけでは問題の解決にならない。中国と交渉する場合には、改めて言うまでもないが、原則を明示しなければ中国側とは交渉にならないわけでありますね。その原則が明快でない。だから、まず中国側が言っているのは、大陸だなの中に境界線を引くなり何なりするということは、原則として少なくとも朝鮮の二国と中国と日本、それらの関係諸国が集まってここのところに線を引きたいということで、その原則を向こうが言っているのに返事をしない、まず私はこれは最悪だろうと思う。少なくとも、現在の日本政府の言い方でも、本協定において、そこのところに境界線を画定しているのじゃない、部分的な共同開発の部分についてのみとは言ったけれども、将来私どものその立場は同じであると説明することは可能なはずです。それすら言うてない。だから、先方は原則的立場から日本側は誤っているというふうに理解するのは私は当然だろうと思う。 もう一つは、この中国側の声明なり説明なりの中で、これらの大陸だなに関しての所属というものは、先方は尖閣列島を初めとする諸問題を抱えておる。むしろ大陸だなは中国沿岸から四百七十キロも離れる部分が南の海面にあるわけですから、先方としては重大な関心を持たざるを得ない状況にある。その中国側の意見というのをまるっきり聞いてないのではないかと私は思いますね。だから私は、そういう問題についての日本側の原則が一体どこにあるのか明示されなければならない。 〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕 中国側に最も原則が不明確であると思われているのは、日中平和友好条約を結ばないでおいて、部分的な、こそどろのようなやり方で勝手な開発をどんどん進めていくというその姿勢そのものが中国側を不快にさせている。要するに、現実的処理について中国側が常に多くの譲歩なり現実的な妥協をするにもかかわらず、当初の原則を譲ってないという外交的特性について考えられなさ過ぎていると私は申し上げている。 だからまずやらなければならないことは、大陸だなの説明でない。日中平和友好条約を進め、締結する、それを明示することである。第二は、大陸だなの問題についての最終的な解決は、いろいろな不幸ないきさつは幾らあったとしても、最終的にはこれらの関係国で必ず扱いますと意思を明示することである。それがその二つともできてない。日中平和友好条約はいつになってやるかわからない。ぶわっとした話だ。そのうち満足のできる結果がお話し合いで何となくできましたら、そのうちに何となくいたしましょう。まるでコンニャクを相手に交渉しているみたいじゃないですか。原則がはっきりしてない。平和友好条約は結びます、大陸だなの最終帰属はともかく、全部一遍御相談いたしますとなぜ言えませんか、この二つぐらいは。そして、後交渉したらいいじゃありませんか。それを言わないのです。ぶわぁ、もやもや、むにゃむにゃ、何にもわからない。そんなことでは中国を相手には交渉できません。ソ連と交渉しているのと違うじゃありませんか。いい原則を提示しない限りは中国側は交渉に応じない。それは日中共同声明の交渉の際に明らかじゃありませんか。それぐらいできませんか。なぜ言わないのですか。それとも福田さんがこわくて言えないのですか、それは。私は、その原則が明示されてないところに、本協定の問題も含めて大混乱をし始める一つの原因があると強く申し上げたい。 もう一回外務大臣に伺いますよ。この二つの原則について外務大臣の御見識を私は伺いたい。少なくとも、いま言えないのでしたら、早急にその問題について総理とお打ち合わせの上がっちり御返事させていただきますというぐらいは、あなたの見識として当委員会にお話があっていいものと私は思います。それは悪くない。それこそ外務大臣の見識と言われて差し支えない問題であると私は思う。いかがですか。
○鳩山国務大臣 ただいま日中平和友好条約の点を強調されたわけでございますが、もうたびたび申し上げていることであり、よく御存じのことでありますから、また繰り返すようでありますけれども、この福田総理の意向というものは先方にもう十分伝わっておると私は信じております。そして日中共同宣言の趣旨を忠実に履行するというわが国政府の考え方をたびたび申し伝えてあるところでございまして、この点につきまして私は先方も十分理解が進んでおると思います。そういうことでまた、李先念副首相の福田首相の御招待というようなお話も出ていることと思うのでございまして、この点につきまして私は両国間に不信があるとは思っておりません。 また、この大陸だなの問題は問題として、これは全く別の問題であるというふうに理解をしております。私はそうであろうと思っております。そしてそこで、スポークスマンの声明で申し述べられたこと、関係国が協議をして、協議が整ってこの大陸だなというものはそれぞれきっぱりとした線が引ければ、これにこしたことはないわけでございます。しかしそれにつきましては、韓国と中国との間に国交がないというようなことからしましても、これはいつになったらそのような関係国の協議が整うかということは、なかなか期しがたいことでありますし、将来におきましてそのようなことが可能でありますれば、もちろんそれは一番いいことでございます。そのようなことにつきまして大陸だなの境界線をどこに引くかということは、関係国間の協議で決まればもちろんそれによるべきであると思います。現状におきまして、お互いに韓国と日本との間に特にその見解の相違がはなはだしくあるものでございますから、その点はさておきまして共同開発を進めよう、こういうことでございますので、その点はどうか御理解を賜りたいのでございます。
○渡部(一)委員 時間が切れていてまことに申しわけないのですが、外務大臣あんまり長くお話しになったから、縮めて言うと——縮めて言うと困るかもしれないけれども、縮めて言うと、日中間あるいはこの東シナ海にあるところの大陸だなに関しましては、その最終的な領海あるいは経済水域あるいは漁業専管水域等を含めまして将来関係国間で協議をして最終的に決定されることを希望する、こういう意味でございますね。そして平和友好条約についても、早急にそれが両国の合意によって調印されることを望む、こういう意味ですね。
○鳩山国務大臣 そのとおりでございます。
○渡部(一)委員 終わります。
○竹内委員長 渡辺朗君。
○渡辺(朗)委員 一、二御質問をさせていただきます。私のいただいた時間は十五分だと思いますので、二つの大きな問題についてお尋ねをしたいと思っておりますが、第一番目は先進国首脳会談についてでございます。 まず、ロンドンで近々に開かれることになりましたこれについては、当然外務大臣行かれると思いますが、いかがでございます。
○鳩山国務大臣 参る予定にしております。
○渡辺(朗)委員 議題はもうすでに決められたのでございましょうか。
○鳩山国務大臣 ただいま吉野審議官が最終の打ち合わせに行っておるわけでございますが、議題といたしましてはおおむねもう決まっておる段階と承知いたしております。
○渡辺(朗)委員 それからついでにお尋ねをいたしますけれども、今回は総理大臣はもとよりでありますが、随員としては、随行者は何名ぐらいの規模のものでございますか。
○鳩山国務大臣 私と大蔵大臣がお供をする予定でございますが、官房副長官も御一緒に参られるところでございます。
○渡辺(朗)委員 実は、私お尋ねしておりますのは、事務レベルの随行者——ランブイエ会談のときは四十五名でございました。それからプエルトリコのときは六十名の大代表団でございました。今回はそういう事務レベルの方々は何名ぐらいいらっしゃいますか。
○鳩山国務大臣 おおむね四十名前後になろうかというところだそうでございます。
○渡辺(朗)委員 もちろん専門の方々がついて行かれるわけでありますから、成果をぜひ上げていただきたいと思いますが、外務大臣、その中で議題の中心になりますものは何だとお考えでございましょう。
○鳩山国務大臣 大きな目的は、現在の世界経済が直面している問題、不況がなかなか克服できないということ、その不況によりまして開発途上国にも大変な影響が及んでいるというようなこと、そういうような局面の打開にあるものと思います。したがいまして、経済政策の問題、貿易の問題いわゆる南北の問題、それから原子力を含みますエネルギー問題、これらの点が主要なテーマではなかろうかと考えております。
○渡辺(朗)委員 私、その中で特にお尋ねしたいと思いますのは、南北問題についてであります。 今回の南北問題についてのリードオフ国は、どこが担当することになりますでしょうか。
○鳩山国務大臣 南北問題につきましては、これは大変むずかしい問題でございますし、どこの国が責任を持ってやるかというようなことはないと思います。しかし、わが国といたしましても、南北問題に今後真剣に取り組まなければならない。またアメリカでも、カーター新大統領が政権におつきになられて以来、この問題は真剣に取り組まれている問題でございますし、また、EC諸国はEC諸国でこの問題を大変熱心に検討を続けておられますので、その各国から熱心な討議が出るものと思います。
○渡辺(朗)委員 私、そういったテクニカルな問題をお聞きしましたのは、第一回、第二回の首脳会談においても、経済政策なりあるいは貿易問題なり南北問題なりそれぞれ議題が決まっており、それに対して外務省から報告書が出ておりますけれども、はっきりと、南北問題は第一回目は英国がリードオフ国、こういうことになっておりますし、第二回目は南北問題は西独でございました。こういった点。そして、日本は常に、第一回、第二回とも貿易問題の担当でございますけれども、そういう意味で、今回どこの国が担当しているのか、日本が本当に南北問題を考えるならば、みずから立ってでもそれを担当していくということをしなければいけないのではあるまいかと考えたからでございます。その点お聞かせください。
○鳩山国務大臣 目下、吉野審議官が最後の打ち合わせに行っております。その報告もまだ受けておりませんので、現在のところどこの国がどういう問題を担当するかというところまではまだ決まっておらないのでございます。
○渡辺(朗)委員 それに関連してもう一つお尋ねをしておきます。 東西問題、これが当然議題に上ります。この点については日本政府としても、東西問題でありますから当面する日ソ交渉、こういった問題も非常に関連が出てくると思いますけれども、これについて何か発言をされる、方針を出される、日本の置かれている状態を説明される、こういうお考えはお持ちでしょうかどうでしょうか。特に先進国、なかんずくアメリカも参ります、イギリスも参ります、そうしますと北方領土の問題こういったことでヤルタ会談の性格の問題、それの影響の問題あるいはポツダム宣言の問題、こういった問題も関連が出てくると考えますけれども、外務大臣、お考えのほどはいかかでございましょう。
○鳩山国務大臣 今回の主要国の首脳会議は主として経済問題であろう。現在までテーマ、議題につきまして準備をされておるのでございますけれども、やはり経済問題、その経済の問題がどうしても東西問題に深いかかわり合いが出てくることもあるかもしれませんけれども、特に東西問題として取り上げるということはいま予定をされていないのでございます。
○渡辺(朗)委員 私、あえてその点で再度御質問をさせていただきたいのです。 それは、日ソ交渉がこのように難航している、そのときに自由世界の側においての先進国が集まるわけです。しかも議題として東西問題がある。私は、本当に日ソ交渉を有利に展開するためだったら、どういう場所であれ、日本の立場というものを明らかにし、多くの国々からの世論的なバックアップを受ける、こういったことは配慮すべきであろうと思いますので、そういった意義づけをし、あるいは位置づけをし、対処をする用意をお持ちで臨んでいかれるのであろうと信ずるからお聞きしているわけであります。その点重ねてお尋ねいたしますけれども、日ソ交渉に関連してそういう配慮は全然ございませんか。
○鳩山国務大臣 そのようなことはいままでの準備には入っておりませんし、いままで準備会議が進められてきたわけでございまして、その準備会議で各国の意見を集約しておるのでございますけれども、そのような問題は入っておらないのが正直なところでございます。
○渡辺(朗)委員 専門の各分野の方々が随員として四十名も行かれる、恐らくいろいろな分野の担当の方が行かれると思うのです。ロビートークもございましょう。そういう中で積極的にやはりやるべきだと思うのです。その点はきょう御質問する主題ではございませんので要望だけにとどめておきますけれども、そういった点も配慮してやっていただきたいと思います。いいチャンスではなかろうか、こういうふうにも思いますので申し上げます。 さて、本題の方に返りまして、私、南北問題についてお尋ねをしたいと思いましたのは、経済の問題が中心になる今度の首脳会談、あるいは世界の不況克服の方法をどうやろうかということが中心議題になろう。しかし、世界の先進各国を見ましても、ここに集まる国々はみんな貿易収支は赤字であります。その中で唯一日本だけが黒字国だ。しかも、先進国の中で途上国に対する政府援助の金額は、前にも外務委員会で私お尋ねいたしましたけれども、十三番目という不名誉な状態にある。そうしますと、国際的なさまざまな経済問題、貿易問題、こういったものを取り上げる際にも日本が責められる立場になるのは南北問題だ、これがアキレス腱になる、こういうふうなことが予想されますので、私は、今回の首脳会談に臨むに当たって、恐らく何らかの積極的な提案なり政策を持って臨まれるであろうと期待しております。その点、外務大臣いかがでございましょう。
○鳩山国務大臣 御指摘のように、日本の海外経済協力につきまして、特に日本はGNPの対比でありますと非常に率が低いわけでございます。ただ、日本のGNP自身が非常に高いと申しますか、大きいので、金額的には世界で四番目にはなっておるわけでございますけれども、GNP対比でいきますとODAは低い。しかも、この低い理由はいろいろあるわけでございますけれども、しかし低いことは事実でありますから、この点につきましては、日本としても何らかの日本の意図というものを表明をして、少なくとも集まられた先進国の首脳にも、日本としての意のあるところを理解をしてもらいたいと私自身は思っております。しかし、この金額の問題になりますと、これは財政問題にすぐ結びつく問題でございますので、これは大蔵大臣も出席されますから、大蔵大臣とよく打ち合わせをいたしまして、何らかの積極的な意図の表明をいたしたいと私としては考えております。
○渡辺(朗)委員 私は、今度の首脳会談で中心になるのは、保護貿易主義の台頭が世界各国に出てきている、したがってそれを抑えて、自由貿易主義を何とか促進をしていかなければいけない、あるいは東京ラウンドを推進する、こういったところに日本の大きな発言のポイントが出てくるだろうと思います。しかし南北問題外で、いまおっしゃるように何らかの意図をわれわれが持っているぞということを言うとか、第一回、第二回の会議でもずっと首脳会談の際に言ってこられた、前向きに検討しますあるいは積極的に取り組みます、私はそういう抽象的なことでは今度はちょっと大変だと思うのです。むしろここでは、やはり事前に現地に行って、大蔵大臣がおられるから相談をしながらとかいうことではなしに、具体的なものを持って臨まれることが私は必要だと思うのです。そうでないと、発言の力が世界各国から認められないんではあるまいか。鳩山外相、大蔵省にも前におられたわけでありますから、やはり事前にそれだけの対策を講じていかれる、もっとはっきり言えば、外務大臣が総理とひざ詰め談判をして、そしてもう政治決断をするべきときだ、具体的にこれとこれをやりましょう、第一次産品の問題あるいは途上国における債務の救済問題、こういったことにもこれだけのことをしておきましょうという政治決断を迫って、そして臨まれることが必要だと思うのです。その点、抽象的ではなく、決意のほどをひとつ聞かしていただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 いま渡辺先生のおっしゃること、私として全く同感のところばかりでございまして、ただ努力をするというようなことではもう済まないときに来ておる、まさしくそのとおりでございます。日本はいま外貨事情は心配ない事態になっておりますが、財政が大変なピンチになっておる。しかし諸外国からいたしますと、日本は外貨がこれだけたまっておるんじゃないか、貿易収支がこれだけ黒字じゃないか、こういう目で見るわけであります。しかし予算措置になりますと、財政が三割も赤字なんだ、こういうことになるものでございますから、私は、この両方の立場がわかるだけに大変つらい立場にございますけれども、しかし、いままでのような態度では通らないということは、いま渡辺先生おっしゃるとおりでございまして、具体的な内容を持った日本としての意図の表明がいたしたいというのが、私の偽らざる願いでございまして、目下努力をいたしておるところでございます。
○渡辺(朗)委員 まことに残念でありますけれども、紙が回ってきておりまして、十三分で終わってくださいということでありますので、第二の質問の方はカットいたしますけれども、いまの南北問題につきまして、鳩山外相、いままでの抽象的なお言葉ではなくて、たとえば参議院の外務委員会におきましては、朝鮮半島の平和的統一の問題につきましても大変具体的な方針というものを打ち出されました。南北朝鮮のクロス承認であるとか、あるいは国連の同時加盟であるとかいう構想も打ち出されました。そういう積極的な、外務大臣としてこれから首脳会談に臨まれるわけでありますから、私は南北問題につきましても、いまおっしゃいましたような具体的な方針というものをはっきりと出していただきたい。これを要望いたしておきます。ありがとうございました。
○竹内委員長 寺前君。
○寺前委員 十五分間の質疑時間をお許しいただいておりますので、要領のよい御返事をいただきたいと思います。 日米民間航空協定が不平等条約だという意見がかなり出されております。大臣はこの日米民間航空協定について御存じでしょうか。不平等だと思われるのか思われないのか、思われるとするならばどの点が不平等なのか、御説明をいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 日米航空協定がきわめて不平等であるという点は幾つかあるわけでありますけれども、一つは以遠権の問題、それから路線の問題といたしましてアメリカと日本との関係で申しますと、アメリカはアメリカの主要な地点から日本へ路線を持っているわけでありますけれども、日本としてはアメリカに対しまして数点しか飛べない、こういうことが一番基本的なことではないか。 なお、詳細もしあれでしたら、政府委員から補足をさせます。
○山崎政府委員 ただいま大臣からもお話のございましたように、日米航空協定につきましては、いろいろな面で日本側に不平等といいますか、不利な点がございます。 一番の問題は、大臣もおっしゃいましたように以遠権でございまして、日本側は現在ニューヨーク以遠ヨーロッパへ行く権利は持っておりますが、それ以外は何も持っていないわけでございます。これに対しまして、アメリカ側は日本東京ビヨンドでどこへでも行けるというふうになっておるわけでございます。 それから次の問題といたしましては、路線の問題でございまして、これは日本側は米国内の七地点にしか乗り入れることができないのに反しまして、アメリカ側はアメリカ内の十二地点から日本に乗り入れてきているという点がございます。 さらに輸送力の問題でございますが、これは輸送力に関しましては、現在アメリカとの慣行としましては事後審査主義ということでやっておるわけでございますが、これは結局輸送力は各航空会社の判断で決めておるということでございまして、現在アメリカの提供しておる輸送力は日本側の二倍近くになっておるということで、この点についてもお互いの権益が実際の問題としてバランスを欠いておる、こういう点でございます。
○寺前委員 アメリカと日本の間で三点についての不平等をいま大臣と局長の間で出されたと思います。 それじゃ、日本が他の国々と結んでいる条件の中においては、こういう不平等性はあるのでしょうか。
○山地説明員 現在日本は約三十カ国と航空協定を結んでおりますが、協定そのものはアメリカの協定とほとんど同じバーミューダタイプの協定でございます。 しかしながら、まず輸送力につきましては、アメリカ以外の国とは全部例外なく便数取り決めというのをやっております。したがいまして、便数につきましては各国と同じ便数を提供し合うということになっております。 それから地点につきましては、アメリカのような広大な国というのはございません。広大と言えば共産圏の国は広大な国があるわけでございますが、その場合でも、国と国の都市の数というのはほとんど同じような地点に乗り入れを行っておるというのが現状でございます。 それから、以遠権につきましては、かなり注意深く同じような権益を享受できるというようにやっております。 したがって、アメリカのみがそういうようなアメリカ側に一方的な有利な状態になっておるということでございます。
○寺前委員 いまお話を聞いておると、アメリカだけが横暴なことをやっておるように聞こえます。 そこで聞きますが、イギリスは昨年六月にこの問題について、日本と同じような恐らく扱いを受けているのでしょう、やめるという予告をしたと聞いていますが、それは事実ですか。
○山地説明員 おっしゃるとおり、六月二十二日にイギリス政府はアメリカに対して協定をターミネートする、日本語で言いますと破棄と言いますけれども、ターミネートするという通告を出しまして、自来一年間にわたりまして協定の改定作業を現在続行しております。イギリスか何でターミネートするという通知を出したかと言いますと、現在の協定というのは英米間の実情に適してない、アメリカ側に一方的に有利な協定である、したがってそれを直すということに英国としては進みたい、そのためには現在の協定をターミネートする、こういう通知を出したというふうに聞いております。
○寺前委員 それでは外務大臣にお聞きします。 きわめて不平等であることは明らかだ。イギリスではそういう態度を持っていて平等性を要求している。日本はどうするつもりなのか、明らかにされたい。
○鳩山国務大臣 目下航空協定は引き続いて折衝をいたしておるわけでございまして、この段階におきましてターミネートするというような通告をいたしましても、それによって特別に好転をするというようなことも考えられませんので、そのようなことは考えておらないのでございます。
○寺前委員 それでは不平等性の問題はターミナルせずして不平等性をなくすことに確信があるわけですか。明確ですか。
○山崎政府委員 現在日米の航空交渉におきましては、わが方としては協定の全面的見直しということを求めておるわけでございます。過去二回の交渉をやりまして、アメリカは第二回目の交渉において、この全面的な見直しということについて話し合いに応ずるという態度を示してきたわけでございます。したがって、その交渉を通じまして、粘り強く交渉を続けまして、先ほどから申し上げております、そういう不平等性を是正していきたいと考えておる次第でございます。
○寺前委員 話を少し角度を変えますが、協定の十条から十二条、この条項によって米国に対して適用に当たって事後承認制をとっているというふうに言われております。もともとこの協定は事後承認によってつくられておったものなのでしょうか、どうでしょうか。
○山崎政府委員 この協定は、先ほど山地審議官の方からお話のありましたように、戦後最初にできましたアメリカとイギリスとの間の協定、いわゆるバーミューダ協定に範をとってつくられたものでございます。そのバーミューダ協定の運用においては事後審査主義をとっておるとわれわれはその当時了解しておりました。したがいまして日米航空協定についても、いわばそれに従ったような運用が考えられていたのではないかと思いますが、ただ、その点について必ずしも解釈がはっきりしていなかったわけでございますが、一九五九年当時の交渉において、その点をいわば確認するような話し合いがあったというふうに聞いております。
○寺前委員 私が聞いているところでは、この協定に基づくところの交換公文で付表があります。付表で、日本からどこの地点に飛行機を飛ばすのか、向こうから日本のどこに入ってくるのかという名前をつけるときに、日本の条件をよくするために一九五九年のそういう話し合いがなされたというように聞いておりますが、これは運輸省の人の方がいいのでしょうか。それは事実ですか。
○山地説明員 おっしゃるとおりでございまして、一九五九年以前日本の飛行機というのはホノルルからサンフランシスコのみ行けるような状態でございました。日本からロサンゼルスに行く日系人並びに日本人というのが非常に多うございまして、日本としてはロサンゼルスにぜひ行きたい、行かなければならないという希望が非常に強かったわけでございます。しかし、地点というのは両国間で話をしないと決まらないものでございますから、アメリカ政府と約一年にわたりまして交渉し、やっとロサンゼルスを獲得するということが合意されたわけでございます。その過程におきまして、事後審査主義というものをアメリカとしては明確化したい。ただ、文書もなくてそういうことをやるのは困るという意味で、議論の過程のことを合意議事録にまとめまして、事後審査主義の手続規程みたいなものをつくったというふうに理解しております。
○寺前委員 その交換公文というのは国際的な取り決めです。この条約の解釈をめぐって不明確であったものを明確にそういう合意議事録でやらされたということになったならば、それについて国会の承認を得ているのでしょうか。政府としてはどうであったわけですか。
○山崎政府委員 この交渉はもちろん外交ルートを通じてその当時行われたわけでございますが、いまの輸送力の条項の解釈の問題をめぐりました話し合いは、主として航空当局間で行われまして、その話し合いの結果をまとめた合意議事録、つまり航空当局間の合意議事録という形でまとまっておるわけでございます。そういう意味では正式の外交文書ではございません。
○寺前委員 しかし交換公文の方には、地名をふやさせるというものがあった。ロサンゼルスを入れるに当たって、そのかわり明確にさせようではないか。すなわち、アメリカの会社が要求すればそれを日本がどんどん無条件に受け入れて、そうして羽田の飛行場がいっぱいになって危険な状態になったって、事後承認制だから、まずはともあれほうり込んでおいて、後から文句があったらああやこうや言おうということを引きかえにやっておったとするならば、きわめて重要な内容の取引をやったんだということにならざるを得ないじゃありませんか。私は、こういうような重要な協定というもの、協定の中身に関係する内容が当局だけでなされておる、国会にそういうものについての承認を求めない、こういうやり方をやっているということについて反省をしてもらう必要がある、これが一つ。 同時に、この事後承認ということをアメリカとの間に野放しでやられておったならば、今後の日本の飛行場の使用問題についてアメリカの言いなりになるという点においても、この問題についても改善をする必要があると思うんです。事後承認制という問題については改める必要があると思いますが、外務大臣、この二点についてどうでしょうか。
○山崎政府委員 事後審査主義をとったわけでございますけれども、アメリカはその際に、アメリカの企業による明らかに不合理な輸送力の増強というものは認めることはしないということを保障しておったのでございまして、無制限に野放図にその輸送力を伸ばすというふうなことはないということを保障を与えておったわけでございます。ただ、一応輸送力の増強はやってみて、その上で日本側は後から文句は言えるというシステムになっておったわけでございます。その後の経過を見ましても、そうめちゃくちゃな伸びがあったわけではございません。 他方、日本側の当時の状況としては、何よりもロサンゼルス乗り入れを実現したかったということはございます。また、当時の日航は伸び盛りであったわけでございまして、その意味でこういう一種の取り決めは、当時としてはそれなりの意味かあったと思います。しかし、その後航空界をめぐる情勢も変わってきておりますし、われわれは現在におきましてはこの取り決めは必ずしも満足しているわけではございません。その意味で、今回の全面的見直しの一環としてこの問題をアメリカ側とも鋭意交渉しておる次第でございます。
○寺前委員 お約束の十五分程度という時間になりましたので、私は、最後もう一度大臣にお聞きをしておきたいと思います。 その当時としては大したことなかったようなお話でしたが、現実に二対一という状況にまで輸送力の問題ではなってしまったという事実が生まれてしまった。現実に日本の飛行場は、そういうアメリカの飛行機によって影響を受けてきている。狭くなってくるという事態も生まれてしまった。こういう歴史的な事実から考えても、こういう大切な問題を国会で審議をしてもらうというふうに提起をすべきであったという問題について、大臣の所見をひとつ聞きたいと思います。 〔委員長退席、山田(久)委員長代理着席〕 それからもう一つは、事後承認という、ほかの国にやらないやり方をアメリカが要求してきた。飛行場がどのように使われるかということは日本の国内の問題ですから、事前にちゃんと相談をするのはあたりまえのこと。事前に決着をつけるべき性格です。不平等条約を直すという問題とあわせて、一九五九年に結んだところの合意議事録、この内容について、これを打ち切るということでアメリカとの間に話をつける用意があるのかどうか、重ねて大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 ただいま日米間でこの航空交渉をやっておるところでございます。そして以遠権の問題、路線の問題、それから輸送力の問題この三つの大きな点につきまして交渉中であり、先方もなかなかかたい態度をとっておるやに聞き及んでおりますけれども、これらにつきまして鋭意努力をいたしておるということ、それからこの航空協定全体につきまして全般的な見直しをやろう、こういうことでございますので、いま御趣旨のような点、国会の御審議を受けるべき点は国会の御審議を受けるような形においてこの協定の見直しができますように努力をいたす所存であります。しかし、なかなか困難な交渉であるということも聞いておるのでございまして、日米航空交渉、これが円満な話し合いのつきますように、最大の努力を続けてまいりたいと思います。
○寺前委員 もう最後です。重ねて大臣に、中途半端なことをしないように、不平等条約をこの際に見直しを必ずやらすという強い態度で臨むのかどうか、もう一度聞きます。 それから何度も言いますが、日本の土地のこの飛行場をどう使うかという問題について、後から日本の側で見直すんだというんじゃなしに、入る前に、入らしてよろしいかどうかということを点検するというのは当然のこと、それをやらなかったら、日本の国土における責任は持てないんじゃないか。ですから、この合意議事録についてはきっぱりと改めさせる、これは即刻の問題だということで取り扱われるのかどうか。全般的な見直しと切り離して、秘密裏にやられておるこの内容についての問題に対する態度を、もう一度はっきりしてほしいと思うんです。
○鳩山国務大臣 日米航空交渉、実際問題としてなかなか厳しい交渉になっておるようでございます。これはもうイギリスが非常に強い態度をとったということも念頭に置きながら、わが国といたしましても強い態度で執拗に交渉をいたしたい、このように思います。 合意議事録の点につきまして、これも両国間で円満にこれを廃止することができますように努力をいたしたいと思います。
○寺前委員 終わります。
○山田(久)委員長代理 伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 領海法の問題については重ねて議論をされてきたわけでありますけれども、私は確認をする意味で、もう一度質問をさせていただきたいと思います。 今回の二百海里法案は、東シナ海の方面に関しては線引きをしない、こういう決定をしたと承っているわけでありますが、もう一度確認をしておきたいと思うのでございますが、そのとおりでございますか。
○中島政府委員 お答え申し上げます。 本件の法案の主務官庁でありますところの水産庁から、累次当委員会及び他の委員会でも御答弁がございましたところでございますが、東シナ海に対してはこの水域を設定しないという方針で取り組んでおるというふうに理解いたしております。
○伊藤(公)委員 そうしますと、わが国は、韓国や中国が二百海里漁業専管水域等の宣言をするまでは、中国や韓国、北朝鮮に関してはわが国の方からは線引きをしない、こういうことでございますか。
○中島政府委員 そのように理解いたします。
○伊藤(公)委員 北朝鮮は、第三次の海洋法会議に参加をしていますでしょうか。
○中島政府委員 参加いたしております。
○伊藤(公)委員 そうしますと、北朝鮮が二百海里の線引きをしてきた場合に、わが国は北朝鮮と交渉をする用意がありますでしょうか。
○中江政府委員 もし北朝鮮が二百海里の漁業水域を設定する、こうなりますと、当然南にございます大韓民国、東にございますソ連、それからさらに南にございます日本、これとの関係が出てまいりますので、どういうふうな解釈のもとで北朝鮮として考える中間線を設定するかということがまず前提になるかと思います。その結果日本の漁業が影響を受けるということになりますれば、当然話し合いを必要とする場合があり得ると思います。 その解決の仕方は、御承知のように、いままでの日朝間の漁業について民間で話をしようという動きが一方にありますし、他方いま先生の御指摘のように、この問題をもっぱら取り扱っております海洋法会議では北朝鮮も代表として出ているわけですから、そういう場面で話をするということも可能性としては考え得るか、こういうふうに思っております。
○伊藤(公)委員 確認をする意味で外務大臣に重ねて御答弁いただきたいと思いますが、北朝鮮ともこの交渉をする用意があるということでございますね。
○鳩山国務大臣 ただいま中江アジア局長が申し上げたのは民間のベースの話をしたと思います。 北朝鮮との間には国交がございませんから、国のレベルといたしまして話し合いというものは直接できない状況にある、直接に交渉するルートがないということは確かであります。(発言する者あり)
○山田(久)委員長代理 御静粛に願います。
○伊藤(公)委員 私は、いま政府委員の方から答弁があったので、それを確認する意味で外務大臣にお聞きしたわけでありますが、そうすると、先ほどの答弁とは内容が違うわけですね。
○中江政府委員 大臣がおっしゃいましたのは、私が申し上げました前段の民間での話し合いという解決の仕方もあるじゃないか、しかし国と国との関係ということになりますと、国交がない場合には原則としてはむずかしい。しかし先生も御承知のように、例の松生丸事件のときには日本政府としては北朝鮮の当局と話をしようという努力をいたしました。そういう考え方は一つの可能性としては考え得るということを先ほど申し上げたわけでございます。
○伊藤(公)委員 外務大臣にお聞きをしたいと思いますが、北朝鮮との間に国交はないけれども、もちろん民間ベースということもありますけれども、日本政府としてもその内容によってはあるいは場合によっては北朝鮮との話し合いをする用意もある、こういうことでございますか。 〔山田(久)委員長代理退席、委員長着席〕
○鳩山国務大臣 北朝鮮との間には直接の国交はないわけでございます。しかし現実の話というものは、国連その他の場でも一緒に会議に出席をいたしましたり、正式の国と国との交渉ということでなくてもいろいろな機会はあるということでございまして、そのような趣旨のことを申し述べたのでございます。
○伊藤(公)委員 北朝鮮との話し合いをする用意もある、国交等との問題がありますけれども、私としては非常に新しい外務大臣の姿勢、朝鮮半島に対する考え方というものがあるやに伺いますけれども、そういう南北の朝鮮半島、私は幾たびかこの委員会でも質問をさせていただいてまいりましたけれども、北朝鮮を含めて朝鮮半島の問題は大変大事な問題でありますので、北朝鮮との話し合いの場あるいは交渉の場というものも正規な形で積極的にぜひやっていただきたい、こう思います。 しかし、私どもが聞いている範囲内では、日ソ漁業交渉に関しても今度の線引きの問題が当初から大変大きな障害になるであろうということを聞いておるわけでありますけれども、いまの御答弁をお聞きしましても、韓国や中国に対しては、韓国や中国が線引きをしない限りしない、わが国は韓国がやってくれば韓国と線引きをする、また中国が線引きをしてきたら、そのときに日本も線引きをする、海洋国日本だと言われながら、非常に自主性のなさというものを私は感じるわけであります。やはり今度の新しい海洋法、海に対する新しい秩序がまさにいま始まろうとしているときに、わが国は非常に自主性のない立場ではなしに、ここでいかなる体制の中でも、もうそこまでやってきている海の秩序に対してもっと自主的な線引きをすべきだと私は思いますけれども、外務大臣の御見解だけ承っておきたいと思います。
○鳩山国務大臣 今回日本が二百海里の漁業水域を設けるということの緊急に必要になった理由は、もう御承知のとおりでございます。ベーリング海、オホーツク海、太平洋というような地域についてソ連がそのような線引きをしてきたわけでございまして、日本といたしましてもやはり現在におきまして相互主義をとるほかない、こういう現実の姿にあるわけでございます。しかし、国際的に二百海里の経済水域というようなことが国連海洋法会議の方で決着がつくというような事態になれば、またこの話は一転することであろうと思います。 今日の段階では、とにかく日本が追い込まれた形で二百海里の漁業水域を地域を限って実施するということになったわけで、この点はまことに制度としていろいろな御批判もあることと思いますけれども、今日の事態において特別なそのような事情にあるということを御理解賜りたいと思います。
○伊藤(公)委員 私ども領海十二海里、漁業専管水域二百海里等の論議をしてきながら、本会議場においても福田総理みずから、海洋国日本は世界に先駆けて、世界のどこの国も結んでいない海に対する秩序あるいは法律であっても、わが国は率先をしてやるんだ、こういう答弁があるにもかかわらず、依然として海洋法、新しい海の秩序に対しては、相手国か出てきたらそれに対応する。十二海里も二百海里も、一テンポも二テンポもすでにおくれている。私はあえて、新しい海の秩序に対して日本の政府が強い姿勢で、しかも積極的に取り組むことを強く要望しておきたいと思います。 もう一点、先日の連合審査の中で私が農林大臣にお聞きをした点でありますけれども、私にはどうしても理解できませんので、重ねて質問をさしていただきたいと思うのであります。 わが国は領海を十二海里ということに拡大をするわけでありますけれども、領海の外側は、国際海洋法会議でも議論をされてまいりました、公海条約に言うところの公海に当たるのかどうなのか、明確に御答弁をいただきたいと思います。
○中島政府委員 お答え申し上げます。 従来の国際法から申しますと、海は、内水を除けば領海かまたは公海であったわけでございます。しかるに近年、その沿岸国が領海を越えて公海の上に漁業に関する管轄権を行使する水域を設定することができるという国際慣行が重ねられてきているわけでございます。今回御審議をいただいております漁業水域法もその一つでありまして、いわゆる漁業水域を二百海里にわたって設定するということでございますが、その漁業水域が設定された水域自体の基本的な性格が何であるかと言えば、この前もお答え申し上げましたように、それは公海である、公海の上に漁業に関する管轄権を行使し得る水域ができるということでございます。
○伊藤(公)委員 そうすると、漁業専管水域の二百海里の部分は公海になるわけですか。
○中島政府委員 もともと公海でありましたところに、漁業に関しては管轄権を沿岸国が行使するような水域ができるということでございます。
○伊藤(公)委員 先日の連合審査の中で、農林大臣は私の質問に答えて、公海条約第二条、公海の定義というのがございますけれども、この公海条約の二条の内容は変わったのだ、こういう答弁をされましたけれども、外務大臣も農林大臣と一緒に御出席をいただきましたから、その質疑は御存じのとおりでありますが、農林大臣の答弁はそのまま外務大臣も正しいとお考えでしょうか。
○鳩山国務大臣 ただいまの実定国際法のもとでは、領海以外は公海である、これが実定の国際法であると私は思います。 そこで、二百海里時代というのは、これは皆、国内法をベースにこの制度を設けてきたということでありますが、これにつきましてアメリカが国内法をしきましたときに、私どもは公海ではないかということでずいぶん交渉を続けたわけでありますが、現実問題として、世界の海を、このように各国が国内法として管轄権を積極的に行使する、こういう態度に出て、それが相当に比率を増してきた、こういう事実が現実の姿である。したがいまして、アメリカが二百海里を引いた、あるいはソ連が二百海里を引いても、それは国際法的には公海だから、勝手に日本は漁船を、公海自由の原則で船を出して、そしてとってくる、こういう態度も確かに国際法的にはあり得ると私は思います。しかし、そのようなことをした場合には、現実に出漁していく漁船というものはみんな拿捕されて、船は没収されてしまう、これがいまの現実の姿ではないか。 〔委員長退席、山田(久)委員長代理着席〕 したがいまして、この法律的な性格は、実定法的には公海だけれども、国内法でそれぞれの措置をとり、しかもそれが国際間で認められつつあるということがいま現実の姿でありますから、私はこの法律的な性格というものは、早く国連の海洋法会議、これが結論を出して、そこで国際法として実定法的にも現状に合った制度をつくり上げるべきである、そのときには公海と経済水域と領海、こういうふうに分かれていくのではあるまいかと思います。しかし、現在はその過渡期にありますものですから、一体漁業水域というのは公海であるか公海でないか、こういう議論が出るわけであろう、こう思うのでございまして、答弁が大変ややこしいのでありますけれども、現状におきましては公海である、その性格が変わりつつある、このように解釈をいたしております。
○伊藤(公)委員 はっきりとお答えをしていただきたいのでありますが、農林大臣は、公海に対する定義の公海条約二条の内容は変わったのだ、こういう答弁をされました。外務大臣は農林大臣と同じ考えだ、こういうことでございますか。もうイエスかノーかで結構ですから。
○中島政府委員 国際法上の問題でございますので、私からお答えさしていただきます。 ただいまの先生の御質問に対するお答えは、そのとおりということでございます。 公海条約に即して申し上げれば、先般も私、御答弁申し上げたと思うのでございますが、公海条約第二条で言うところの公海使用の自由がそこに列挙してありますが、これはかつての公海自由の原則に基づくところの公海使用の自由を挙げてあるわけでございます。そこにありますところの「漁獲の自由」というのは、かつての公海漁業の自由の完全なる姿が挙げられているわけでございます。 ところで、先ほど来申し上げておりますように、領海を越えて公海の上に漁業に関する管轄権を排他的に行使するという慣行が積み重なって、たとえば一九七四年には国際司法裁判所の判決がありまして、沿岸国は距岸十二海里にわたって排他的な管轄権を行使し得るという判決も出ているわけでございます。それが漁業水域のいわば草分けと申しますものでございまして、いまや十二海里ではなくて、漁業水域が二百海里にわたって設定し得るという国際慣行が積み重なって国際法の新たな規範として確立しつつある。そういう意味でかつての完全なる公海漁業の自由の原則がいまや変質しつつある、こういう状況でございます。
○伊藤(公)委員 公海条約の内容が変わったということは改めて確認ができました。 しかし政府は、いま私どもが一番議論を続け、論議をしている日韓大陸棚協定に関しても、あなた方は、国際海洋法会議におけるいろいろな取り決め、条約、そしてその中に書かれている大陸だな自然延長論というものの前提の上に立って日韓大陸棚協定を終始一貫主張されてきた。しかし、すでに海の秩序が変わった。しかも、農林大臣の答弁、いま政府の答弁でも、公海に関する条約の定義は明らかに変わった。 私たちの国は法治国家であります。条約や法律を守って、その上でわれわれは物事を進めていかなければなりません。そうすると、外務大臣のお話にもありましたけれども、むしろこの不自然な公海と領海という二つの区分ではなしに、領海、経済水域、そして公海という新しいカテゴリーがまさに生まれてきた、むしろわが国はこのはっきりした立場に立って進めていくとすれば、日韓大陸棚協定はこれからまた続きますけれども、いままで国際海洋法会議において積み重ねられてきたいろいろな条約は大きく変わっていかざるを得ないと私は思いますけれども、外務大臣、あなたの御見解を伺いたい。
○鳩山国務大臣 私は、将来国連の海洋法会議の結論が出た暁において、経済水域というものが実現するその蓋然性は非常に高いと思います。高いと思いますが、現在はまだそこまで行っていないということも確かでございまして、鈴木農林大臣もたびたびおっしゃられておりますように、現在までのところは、この漁業面におきますある種の管轄権というものが認められつつある、しかし、これは国際法的に実定法までにはまだ達していないというような段階であろうというふうに私は理解をいたしております。 そして、たびたび申し上げることでありますけれども、大陸だな理論というものと二百海里の経済水域の方向というもの、この二つの問題は、むしろ大陸だなというものが発生的にも根元にあって、そして大陸だなのないような国々が主張して二百海里の経済水域という主張が出てきた、こういうような点から考えましても、大陸だな理論というものは消えてしまわないものである、そのように理解をしております。 この共同開発につきましては、もっぱら大陸だなの問題として議論され、両国の主張がかみ合わなかった、こういう問題でありますので、将来の問題は問題としてございますけれども、現在の見通しにおきまして、二百海里経済水域というものが確定した暁におきましても、大陸だなというものは、依然として沿岸国はこの管轄権を主張する問題である。したがって、この二国間で話し合いをつけなければ現実になかなか開発はできない、こういう事態は解消しないというふうに私どもは考えているのでございます。
○伊藤(公)委員 時間が参りましたから、日韓大陸だなの問題は引き続いて質問をさせていただきますけれども、しかし日韓大陸だなの問題もこの問題と深いかかわり合いを持って進んでいるのです。新しい秩序あるいは公海に関する条約等も、世界の大勢が動きつつあるのではなしに、すでにはっきりと動いた、明らかに新しい事実に踏み込んだ、その前提に立っていま政府は十二海里領海法や二百海里漁業専管水域の新しい法体系をつくろうと考えているのじゃないですか。つくられつつあるのではなしにすでにつくられた、新しい事態に踏み込んだと考えざるを得ない。その前提に立っていま領海法が論議をされ、それぞれ六つの政党が緊急事態に備えよう、こうしているわけじゃないでしょうか。 大陸だなの内容については引き続いて私はやらせていただきますけれども、一方においては、国際海洋法会議におけるそれぞれの国々のコンセンサスという、そのいろいろな条約に基づいて日韓大陸棚協定の共同開発を主張していながら、一方においては、それはすでに変わりつつある、変わったのだ、大臣みずからこう発言をしている。全く矛盾をした法体系の中で二つの問題が同時に進められようとしている。私は繰り返して申し上げるようでありますが、海洋国日本であり、資源のない国であればあるほど、私たちはいま新しい法秩序をきちっとした形で進めていかなければならない、こう考えます。 もう時間が大分過ぎましたから、外務大臣、もう一言短く、あなたの決意をお聞きして私の質問を終わります。
○鳩山国務大臣 おっしゃることはまことによくわかるわけでありますが、たびたび申し上げておりますように、大陸だなというものは経済水域と調整がとれない形でいま設けられようとしているわけであります。そして、先ほど申し上げましたが、大陸だなというものの方が発生的に前からある観念である、こういうことでございまして、経済水域問題が出た場合に、大陸だなというものは考えられないでなくなってしまうということでは決してないということ、これも実際世界的にそのように考えられているのでございますので、どうしても開発をします場合には、大陸だなとして解決をつけませんと開発ができないということを御理解賜りたいのであります。
○伊藤(公)委員 時間が参りましたので終わります。 ————◇—————
○山田(久)委員長代理 次に、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 この際、外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。鳩山外務大臣。
○鳩山国務大臣 日韓大陸棚南部共同開発協定第二十八条に規定する「主権的権利」をめぐる問題につきましては、去る十六日の当外務委員会で御説明申し上げた次第でありますが、本日は改めて問題点を整理して御説明申し上げます。 まず、第一に、協定第二十八条を設けた目的は次のことを明らかにするためであります。一つには、本件協定は、それが対象とする大陸だなたる共同開発区域における石油、天然ガス資源の探査、採掘を行うための主権的権利が日韓両国のいずれに帰属するかについては、何ら決定するものではないということであります。二つには、本件協定は、大陸だなの境界画定に関する日韓両国のそれぞれの立場を害するものではないということであります。 次に、協定第二十八条と領海に対する主権及び漁業水域または経済水域に関する主権的権利との関係について申しますと、大陸だなに関する主権的権利は、本来大陸だなの資源を探査、採掘するという限定的な目的のための一切の権限を指すものであります。私が去る十六日に申し上げましたのは、協定二十八条には、本件協定が共同開発区域の全部もしくは一部に対する主権的権利の問題を決定するものとみなしてはならないと定められておりますから、ましてや本件協定が領海に対する全面的な主権の問題を決定することはあり得ないとの趣旨であります。また、漁業水域または経済水域に関する主権的権利はそれぞれ別個の観点からの目的によって限定的に考えられている権利であり、このような権利の問題が大陸だなを対象とする本件協定によって決定されるものでないことはこれまた当然のことであります。 要するに、この協定は、実態面から言えば、日韓双方の権利主張の重複する大陸だなの部分について、日韓両国がそれぞれ費用や採取される石油、天然ガス資源を折半するという形でその資源を開発するという現実的な解決方式を採用したものでありますが、法的に言えば、本件協定により、わが国の主権あるいは大陸だなの資源開発に係る主権的権利については一切最終的な決定を行っていないのであります。 以上でございます。 —————————————
○山田(久)委員長代理 質疑の申し出がありますので、これを許します。飯田忠雄君。
○飯田委員 ただいま、先日お伺いしました点について御回答をいただきまして、ありがとうございました。了承いたします。 次に、一つ重要な点につきまして、基本的な点につきましてお尋ねをいたしたいのでございます。これは留保した点です。 大陸棚協定か結ばれましたときは、わが国の領海は三海里でございました。ですから、あの協定の中に点、いわゆる座標と直線をもって結ばれました共同開発区域、この区域というものは大陸だなである。これは現在の領海三海里ということを前提として決められておりますので、もうはっきりと日韓両国で大陸だなと考えられているところでございます。このところに、今度わが国が領海十二海里ということにいたしますると、その領海十二海里の中に大陸だなの一部が入ってくるわけですね。しかもこの大陸だなというのは、日韓両国で客観的に大陸だなと決めて、点と線で区切った区域なんです。それが領海の中に入ってくるわけです。この場合に、政府の御見解では、口上書で大陸だなの定義をしたから、それで除かれるんだ、こういうふうにおっしゃっているのですが、私この点について大変な疑問を持つわけです。口上書というものは、これは条約の一部をなすものじゃなくて、また両国の国会の承認を経ておりません。そういうものが、もしここでわが国が協定を承認いたしたといたしますと、その両国が承認しましたその協定の内容を口上書で変更するということを認めることになります。そういうことは国際法上考えられないことなんです。つまり客観的に決められておる地域、大陸だなというふうに両方が決めた地域、それをわが国が一方的に領海宣言をしたら、領海の解釈でそれが協定から外される、こういう見解を政府は述べられましたが、私この点について了承できませんので、質問を留保したわけでございます。 そこで、二つの点について改めてお聞きしたいわけですが、協定に成文をもって示されたところを変更しようとする場合、口上書では私はできないと思うのですが、政府ではできるとお考えでしょうか。もしできるというお考えならば、国際的な先例をもって法的根拠を示していただきたい、このことでございます。これが一つ。 第二は、協定の内容を締約国の一方的宣言で変更し得るか、こういう問題です。一方的宣言で変更し得るという約束があれば別ですよ。ところがないわけです。その場合に、わが方の一方的な国内法で条約を変更できるか、こういう基本的な問題であります。これにつきまして、私はできないと思うのですが、できるということであれば、国際先例をもって根拠を示していただきたい、この二つでございます。 これにつきましては、外務大臣の、簡単にできるかできないか、私の意見に賛成であるか賛成でないかという御答弁をいただきまして、もし賛成できないから法的根拠を示す、こういうことでありますならば、これは後に文書でもって示していただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 本件につきましては、たびたび御説明申し上げているところでございますが、この大陸だなというものは、領海の外に広がるものが大陸だなでありますから、したがいまして、日本が領海を三海里から十二海里に拡張をすること——この拡張をすることが国際法的に認められないものであってはならないと私は思います。仮に、いつかお話か出ましたけれども、日本がたとえば領海を五十海里にするとかいうようなこと、しかもそれは国際的には認められておらない、こういうようなときに、国内法的に五十海里にしたから共同開発区域は全部なくなってしまうというようなことは私はできないと思います。しかし、国内法といたしまして国際的に認められておる限度の領海に拡張する、それが、今回お願いをしております十二海里に拡張する、こういうことでありますから、それが国際的に容認をされておるという限度におきまして、私は、今回の大陸だなというものが一部消滅をして日本の領海の一部になるということは、これは国際的に認められるということで、解釈といたしましても、国際法的にも認められるものでありますから、したがいまして、その点につきまして両国政府の確認を取りつけたということで、この口上書によりまして協定を変更する、こういう趣旨のものではないのでございます。
○飯田委員 口上書によって協定の変更をする趣旨ではないということになりますと、この協定にはっきり明示されております座標と座標を結ぶ直線、この中が共同開発区域だ、こうなっております。これを変更しないのだということになりますと、これはどういうことになるでしょうね。領海を広めた、そのはさまれた部分が領海に入っている、しかも、これは変更するものではない、全く何のことか意味がわからない状態でございますか、どうですか、この点につきまして。
○村田(良)政府委員 お答え申し上げます。 本件協定は、一般国際法上の大陸だなというものを対象といたしまして日韓両国で合意したものでございます。また、一般国際法上の大陸だなと申しますのは、特にある国が宣言をするとか、あるいは先占するとか、あるいは他国と合意するということによって初めて設けられるものではございませんで、そもそも、いわば当然のこととして存在している区域ということでございまして、たまたまこの共同開発区域といたしましたのは、日韓それぞれが自国の大陸だなであるというふうに考えております範囲が重複いたしましたので、それを共同開発区域というふうにしたわけでございます。したがいまして、わが国の領海が国際法で許容される範囲において拡大されますと、その部分は大陸だなでなくなるわけでございますので、先生の御指摘は、恐らく第二条の規定かと思いますけれども、ここに書かれておりますのは、あくまで大陸だなの区域であるわけでございます。したがいまして、創設的な合意ではなくて、この大陸だな区域でなくなる領海部分は当然のこととして共同開発区域から除外されるということを確認的に文書をもって相互に確認した、これが口上書でございまして、口上書を取り交わすことによって、新たな合意をいたしましてこの協定の第二条を変更したということではないわけでございます。
○飯田委員 それは、皆さんの方では、いまつくったものを何とかして変更しないで通そうというそのことばかりを考えているからそういうお答えになると思いますが、一国の国の中に外国の利権を建設することは幾らでもできるのですよ。条約でもって一国の地域の中に他国の利権をつくることは幾らでもできます。今度の場合は明らかにそれじゃありませんか、これを直さないなら。その点、私は非常に心配するわけです。これは領海が広められるなら、その領海をかみ合わせた点で協定の内容を変更されて、そして承認を求められる、それならば意味がわかりますよ。了承できるわけです。それを現状のままにしておいて口上書でもって解決されたという、そういうことは、これはもう私は、法律上から言うなら、ごまかしの手だ、そう思うのです。許されない問題だと思います。どうでしょうか。
○村田(良)政府委員 この協定は、先ほど申し上げましたように、あくまで一般国際法上の大陸だなというものを対象として取り決めたものでございます。換言いたしますと、その区域が大陸だなであるかあるいは領海であるかを問わず、ある一定の区域を限りまして、そこを共同開発するという趣旨の合意ではないわけでございます。したがいまして、双方が大陸だなと観念して交渉した区域が、他の一般国際法のルールによりましてその一部分が領海になったという場合には、その部分は大陸だなではなくなるわけでございまして、したがいまして、先ほど私の申しましたように、これは確認をすれば足りることである、新たな合意によって従来の合意を変更する必要はない、こういう趣旨でございます。
○飯田委員 それでは、これは私の見解と全く違いますので、口上書といったようなものでこの条約を変更し得るという法的根拠、これをどうか後ほど文書でお示しを願いたいと思います。 それから、締約国の一方的な国内法をつくることによって条約を変更し得るという、こういうことについても、そういうことがあり得るかどうか、これはやはり法的根拠を示さないと後々に必ず騒動を起こすもとになります。この点につきましては私持ち時間がありませんので、いま申しましたようにしていただきたいと思います。 そこで、協定の内容をこれは外務大臣にお伺いしますが、領海法とかみ合わせて、領海法の結果に矛盾しないように協定内容を御変更になって、そういうことを韓国と御交渉になって改めて国会の承認を得られるというお考えはないかどうか、お尋ねいたします。
○鳩山国務大臣 この点は繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、政府といたしまして検討に検討を重ねましてただいままで申し上げたような結論を出しているところでございます。ぜひとも私どもの解釈をお認めいただきたいとお願いをいたすところでございます。
○飯田委員 この問題はここで私どもが了承したからどうといったような問題じゃなくて、客観的な国際法の問題ですから、明確にしておいていただきたいと思います。 それで、きょうは私持ち時間がございませんので、これで私の質問はとどめますが、きょうお尋ねしました件はまだ解決しておりませんので、よろしくお願いします。留保いたしておきます。
○山田(久)委員長代理 午後四時五十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後四時二十三分休憩 ————◇————— 午後十時四十三分開議
○竹内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 委員会再開前に再三にわたり理事会及び委員会の再開を要請いたしましたが、遺憾ながら日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同、新自由クラブの御出席がありませんでしたので、理事会を再開することなく、やむを得ず委員会を再開することにいたしました。
○島村委員 委員長、本件に対する質疑は終局されんことを望みます。
○竹内委員長 島村宜伸君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○竹内委員長 起立多数。よって、さよう決しました。 —————————————
○竹内委員長 討論の申し出もありませんので採決いたします。 本件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○竹内委員長 起立多数。よって、さよう決しました。 本件の委員会報告書の作成等について委員長一任に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○竹内委員長 起立多数。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○竹内委員長 これにて散会いたします。 午後十時四十四分散会