外務委員会 第10号
- 発言数
- 237 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/04/13
会議録
○竹内委員長 これより会議を開きます。 この際、一言申し上げます。 去る八日、当委員会審査に当たり、円滑なる運営のでき得なかったことは、委員長としてまことに遺憾に存じ、陳謝をいたします。 今後は、理事会の話し合いに基づき、各党の合意を図り、当委員会の慣行を尊重して、公正なる委員会運営に努力いたす処存でありますので、委員各位の特段の御協力のほどをお願い申し上げます。 —————————————
○竹内委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土井たかこ君。
○土井委員 ただいま委員長より、去る八日の当委員会の運営につきましての御発言がございましたけれども、あの八日の日の外務委員会についての運営の取り扱いが、再びあのような状態で繰り返されないようにきつく私は申し上げまして、質問に入りたいと思うのです。 まず、日ソ関係の問題を取り上げたいと思うのですが、これは日ソ漁業交渉のさなかでもございましてお答えにくい点もあろうかと思います。しかし、政府の基本的な態度についてわからない点が二、三点ございますので、ぜひこの点についてはお尋ねをしたいと思うのです。 去る三月三日の交換書簡以来、日ソ間で三月三十一日までに暫定取り決めをという問題が目下目の前のことになってきているわけでありますが、あの三月三日以来、暫定取り決め、さらには本取り決めに向けての経緯とそれから現状について、あらまし、この外務委員会ではまだ何も報告がないわけでありますので、ひとつその点をお聞かせいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 三月十五日から三月いっぱいで暫定協定を取り決めよう、こういう鈴木・イシコフの合意があったわけでございますが、これが予定どおり進んでいないのでございます。 ただいまの経過報告につきまして、担当局長から報告をさせていただきたいと思います。
○宮澤政府委員 二月二十八日に鈴木農林大臣が訪ソされまして、イシコフ漁業大臣と今後の日ソ漁業の取り進め方について協議をなされまして、その結果、御存じのように三月三日付の両大臣の合意に関する書簡が取り交わされまして、それに基づきまして、一つは、東京におきまして、現在なお有効でございます日ソ漁業条約に基づく漁業委員会が東京で三月十五日から開催されまして、これは三月三十一日まで続きましたが、結論を得るに至らず、休会になって今日に至っております。 さらに、ソ連の二百海里漁業専管水域の布告に伴う新事態に応ずべき暫定協定の交渉は、三月十五日からモスクワにおいて行われまして、日本側は在ソ大使館松原公使、それから東京から水産庁から行かれました松浦海洋漁業部長外を代表といたしまして今日まで交渉が続いております。 この内容は、暫定協定に、ソ連が二百海里水域を布告いたしましたことに伴いまして、ソ連側との合意に基づいて日本漁船の操業を認めるに必要な幾つかの事項をまず取り決めとして結ぶことでございまして、これにつきましては、ソ連側が望んでおります海洋資源に対する主権的権利の容認、その他操業に伴う幾つかの実施上の手続を協定の中に盛り込むことについて折衝をいたしてまいりました。 その途中におきましてソ連側が、わが国の領海が三海里から十二海里に拡大された後もその中で操業できるようにしたいという主張を持ってまいりましたので、これは日本側として容易に認められないということから、大変に日本が強く折衝いたしました。そしてこれは今日のところ大体ソ連側が日本側の主張に譲ったわけでございます。 ただいま残っておりますのは、いわゆる水域の問題でございまして、交渉が三月十五日から実は三月三十一日までの間に終わるはずでございましたが、これが難航いたしましたために園田官房長官が四月五日から四月八日まで御訪ソになりまして、交渉が難航して実は三月三十一日までに終わりませんでしたそのような破局的な状態をもとに戻すために園田官房長官がおいでになりまして、コスイギン首相と会われまして、その結果再び鈴木農林大臣の訪ソによって、まとまりませんでした漁業交渉が続行されておるというのが現状でございまして、きのう、きょう鈴木農林大臣はイシコフ漁業大臣と会われておりますが、現在、その最終的な段階で、実は先ほど申し上げました三海里、十二海里のソ連漁業の問題、これをソ連側を説得いたしてわが方の主張を貫徹する仕事、それは鈴木大臣がこの最後の詰めでされたわけでございまして、現在、水域等の問題についてなお話を続けられておる、このような概況でございます。
○土井委員 園田官房長官の訪ソの節、領土問題には触れなかったという御発言がございます。なぜ領土問題にはお触れにならないのか、この点についてお尋ねをいたします。
○宮澤政府委員 ソ連側の今日までの交渉態度から見まして、漁業の問題は純粋に漁業の問題として取り扱うという様子が見えましたので、日本側におきましてもこの二つを分けまして漁業交渉は漁業交渉、こういうことでまとめていこう、こういうお考えに出たものでございます。
○土井委員 いまの御答弁の、漁業問題は漁業問題、領土問題は領土問題、これは本来切り離して交渉していくことは可能でございますか。やはりこの漁業についても水域の線引きという問題が出てまいります。領土問題と漁業問題は本来切り離して考えることはできない。できないにもかかわらず、そこのところを切り離して考えようという無理なことを現になすっているのじゃないか。これは国民のまさに疑惑のいま的になっている点でありまして、この点はひとつはっきりさせていただかなければならないと思います。いかがですか。
○宮澤政府委員 ただいまおっしゃいましたとおり、漁業問題と領土問題とを俄然と離すということは、元来同じ水域に生じる、同じ水域が舞台の問題でございますから基本的には無理でございますが、ただ御存じのとおり私ども日本政府が要求しております北方四島というものは、ただいま実際上日本の行政権の有効な行使が妨げられております。そのような状況のもとに先方が二百海里という線を引いて、そこで漁業専管、こういう権利を主張するに至ったわけでございます。 そこで、私ども日本政府といたしましては、領土に関する日本政府の請求権というものは、これは行政権が実際の行使を妨げられております今日においても有効に維持し続ける、こういう立場が一方にございまして、もう一方におきましては、漁業という、実際の操業というこういう問題の解決を図らなければならない。したがいまして、この行政権の有効な行使が妨げられたその水域において日本の漁船が操業を続けつつ、しかも日本政府としてはこの領土に対する請求権を傷つけられないように維持する、こういう方法を考えまして、ソ連側と何らかの合意に至ろうとしているわけでございます。
○土井委員 いまの御答弁を承っておると、まことに巧妙に事は進んでいるように聞こえるわけでありますけれども、北方四島の実は領土権の問題であります。すでに福田総理の発言でもこの点は確かめられているわけでありますが、今後どのような状態になったといたしましても、この北方四島に対しての領土問題は絶対に譲らないということを言い続けられているわけでありますが、この点ははっきりと確認をさせていただいてよろしゅうございますか。
○鳩山国務大臣 ただいま仰せのように、北方四島の返還を実現するということは、日本としての多年の悲願でございます。この四島の返還を損なわないように今回の漁業暫定協定を締結したい、そのような趣旨で日夜努力をしているところでございます。
○土井委員 ところで、この四島特殊水域という問題が出てまいっておりますが、四島特殊水域というのは、どういうことを言わんとしているわけでありますか。ひとつその点は明確にお答えをいただきたいと思うのです。
○佐々木政府委員 北方四島の周辺では、特にわが国の漁業の中でも経営規模の零細な刺し網であるとかはえなわであるとか、いろいろな多種多様な漁家漁業が操業いたしております。そこで仮にその協定が発効いたしまして、許可証の発給であるとか、あるいは漁獲量のソ連側への通報であるとか、そういうようなことをいろいろ考えます場合にも、大型漁船のように船単位にたとえば漁獲量を割り当てして、それを毎日どれだけとったかを克明に的確に報告するということは実態上なかなか困難でございます。どうしても小型漁船に見合った何らかの特別な措置が必要であるということを、これまでの交渉の間でも専門家レベルの会議の中でかなり実態を説明しながら向こうにも理解をさせております。 そこで、その四島周辺についてそういう特殊な小型漁船を中心にした扱いが必要であるということについて、ソ連側も専門家レベルで理解を示しつつあるわけでございますけれども、そういう点を特にとらえて特殊な事情がある海域ということでそういう表現が出ているのかというふうに理解をしております。
○土井委員 そうすると、その問題は具体的に言うと、二百海里水域の中でありながらこれに対しては特別の取り扱いをする、たとえば入漁料を安くするとか、あるいは取り締まりにも少し手心を加えるとかいうふうな意味も含めて考えられているというふうに理解してよろしゅうございますか。いかがですか。
○佐々木政府委員 私どもの理解では、先ほど申し上げましたように漁業の実態がほかの大型船中心の海域とは違っている。海域そのものが特殊であるというよりも、海域の中での漁業の実態が特殊であるということで、それに見合ったいろいろな漁獲の量の管理であるとか、漁業規制措置を漁業実態に応じて考える必要があるという意味で、特殊であるというふうに理解しております。
○土井委員 それは漁業技術の側面から言われている問題でありますね。いま私がお尋ねしていることとは別の次元でお答えになっていると言わざるを得ないのです。私が先ほど質問をした中身をよく聞いて御答弁くださいましたか。いかがです。 外務省、いかがです。
○鳩山国務大臣 ただいまお尋ねの特殊的な水域というような、そういった水域を設けるという話は、私どもは了知してないところでございます。
○土井委員 それは外務省としては、いまその問題に対しては何ら御存じないということでありますか。
○鳩山国務大臣 そのとおりでございます。
○土井委員 この問題はやはり二百海里の問題について関連が出てまいります。そうすると、日本の外務省としてはこの問題に対してどういうふうな立場で臨むかということが重大問題になってまいりますよ。いまこの段階で外務省としてはこれについて何ら存じませんとおっしゃれば、これはまことに不確かな問題でありまして、私たちとしたら、安心して日本の外務省に日本の外交問題を任せるという気にならない。 宮澤さん、いかがですか。
○宮澤政府委員 これはただいま現在なおモスクワで交渉中の事柄でございまして、大臣が詳しく御存じない点は私どもの責任でございますが、ただ、先方とまだ十分に折り合っておりませんので、たとえば許可証の発給の方式とかその他につきまして、あの地域は大変に小さい小型漁船が出ておりますところでございますので、大型漁船の持っておりますようないろいろな施設その他のない零細漁船でございますので、それらの操業につきまして、その他の水域とは別の方式を取り決める、このようなことを現在モスクワで交渉中と私ども了解しております。
○土井委員 先ほどお尋ねすれば、外務大臣はそのことを存じませんという趣旨の御答弁でございますので、事この問題に関しては日本の主権や日本の主権的権利に何ら関係のない問題であるというふうに理解をさせていただいておいてよろしゅうございますか。この問題は、外務省としては、外務大臣が現に御存じないことでございますので、その程度の問題だというふうに理解させていただいてよろしゅうございますか。
○鳩山国務大臣 ただいま仰せられました四島周辺の水域の問題は、今回の交渉の最も大事な点でございます。したがいまして、この点はいま鈴木さんとイシコフさんのところで最終的な詰めが行われているのでございます。そういうわけで、その最終的な決着がいつつくか、日本時間ではきょうの夕方ごろから始まると思うのでございますけれども、いまの段階におきましてどのような扱いになるかということは、この席におきまして、その問題についてどうするのだ、こうおっしゃいましても、私としてはお答えのしようがないのでございます。
○土井委員 ただいまソビエトにおいてどういう交渉が具体的に展開されているかということを私はいささかもお尋ねしているわけではないわけであります。この特殊水域という問題が日本の主権や主権的権利の行使に何ら関係のない問題というふうに理解しておいてよろしゅうございますかということを聞いておるわけです。このことに対してのお答えはいかがなんですか。これはまだ聞かせていただいておりませんよ。いかがなんですか。
○鳩山国務大臣 いまおっしゃいましたようないわゆる特殊水域というものがどのようなものとして考えられておるかということを私は存知していないのでございます。ただ、沿岸漁民といたしまして、小型の多数の漁業者がおられる。これはその水域のみならず、北海道におきましてはそのようなきわめて多くの小型の漁船がある。その小型の漁船に対しては何らかの対策がいまいろいろ検討されております。しかし、それが一定の水域のものであるかどうかということにつきましては私は存じておらない、こういうことを申し上げたのであります。
○土井委員 水産庁、御出席ですね。これは日本側の主張として出てきた問題じゃないですか。どういうふうな立場でこのことに対して認識を持って現場に臨んでいらっしゃるのか、その点を明らかにしておいていただかないと、いまの大臣の御答弁ではまことに心もとないですよ。いかがですか。
○佐々木政府委員 先ほども御説明申し上げましたとおり、水産庁としては、漁業の実態に見合ったいろいろな規制措置をとる必要がある、たとえばこの水域を中心にして操業しております特に経営規模の零細な小型漁船に相応する特別の、漁獲量の管理であるとかあるいは漁業規制であるとか、そういう点についての配慮が必要であるという観点から、現実に見合った実施可能な規制措置をソ連側に提案し、説明しているわけでございます。
○土井委員 技術的な点であるとか小型漁船の問題については、先ほど御答弁の中でいただいておるわけですから、幾ら繰り返していただいても同じこと以上のものにはならない。 それでは水産庁とされては、この特殊水域というのは日本の領土権を放棄していないという日本側の主張を意味しているというふうに理解して、この問題に対処されているかどうかをひとつお答えください。
○佐々木政府委員 北方四島の領土権の問題についてわが国の基本的な立場を損なうことがないように臨む、これは必ずしも小型漁船の問題だけでなく、全体的な、基本的な方針だというふうに理解しております。ただその中で、漁業の問題として先ほどのような特殊の事情があるということでございます。
○土井委員 漁業の問題として特殊事情に臨む際にも、事これは領土権の問題や日本の領海や水域ということに関連することでありますから、当然外務省との間で密接な連絡を取り合いながらこういう問題には対処なすっていくということが通常であります。この点に対して外務省の認識、先ほどお伺いすると、端的に言うとそのことについてはよくわからないというふうな意味の御答弁しか承っていないわけなんで、この点については、外務省の立場、外務省の認識というものはまことに不明瞭であるという一語に尽きると思うのですね。したがいまして、一体現地の交渉に政府が一体となって責任を持ってぶち当たっておられるかどうかということに対しても、どうも心もとない気がしてなりません。よほど外務省はしっかりしてもらわなければ困るわけであります。 一つ、これに関連して具体的にお伺いをしたい問題があるのですが、鈴木農林大臣は幹部会令に基づいて考えていきたいというふうな趣旨をすでに公にされております。さて、このソビエトの幹部会というのは一体どのような地位、性格、権限を持っているというふうにお考えになっていらっしゃるか、また幹部会令そのものについてどのような位置づけを持って臨んでいらっしゃるか、これをひとつお尋ねしたいです。
○宮澤政府委員 ソビエトの最高会議と申しますものは、全勤労者の利益を代表する連邦会議と各民族の利益を代表する民族会議と二院から成っておりまして、それぞれ七百数十名の議員から成っております。一応国会に比すべきものでございますが、これはわが国会のようなものではございませんで、会期も年にほんの数日というようなことで、立法機関ではございますが、現実に日本の国会のように活発に立法その他の活動を行っておりません。したがいまして、この最高会議が開かれません間には、最高会議幹部会というものがございまして、それが最高会議の機能を執行しておるわけでございます。 そこで、最高会議の幹部会合と申しますものは、最高会議が休会中でございます限り、立法機関としての機能を果たすわけでございまして、そこで出ます最高会議幹部会令と申しますものは、日本の法律に当たるわけでございます。
○土井委員 それとは別にソ連邦大臣会議決定というのがあります。略して閣議決定なんというふうな表現で呼ばれているわけでございます。農林大臣は、先ほどの幹部会令に従って問題に対処していきたいというふうな御発言をすでになさっているわけでありますが、この閣議決定、正式に言うと大臣会議決定という問題に対しては、どのようにこれを位置づけられ、どのように受けとめていらっしゃるか、お伺いしたいのであります。
○宮澤政府委員 ただいま問題になっております最高会議幹部会令は昨年の十二月十日に定められたものでございますが、その最高会議幹部会令の第六条に、この施行の細目は大臣会議の決定によって定めると書いてございますので、私、最高会議幹部会令が法律に相当するものと申しましたが、大臣会議決定はその施行令に当たるもの、そのように解しております。
○土井委員 そうすると、日本の国内法になぞらえて言えば、最高会議幹部会令を法律といたしますと、大臣会議決定というのは政令とか省令とかいうふうな位置づけと考えていい、このように理解してよろしゅうございますね。 そうしますと、幹部会と大臣会議の関係はどういうふうに理解ををすればよろしゅうございますか。
○宮澤政府委員 大臣会議の構成員は幹部会が任命するということになっております。
○土井委員 いまのは御答弁になっていないのです。私が質問しているのは、最高会議幹部会と大臣会議というのはどういう関係にあるかということをお尋ねしているわけです。
○宮澤政府委員 最高会議幹部会と申すのは、俗に複数の大統領と言われておりますが、最高の執行機関でございまして、その指示を受けて行政を行うのが大臣会議でございます。
○土井委員 そうすると、幹部会令に従ってこの大臣会議の決定の内容というものは決められて、そしてそれを行うという権限も大臣会議に置いてあるというふうに考えていいわけでありますね。
○宮澤政府委員 最高会議幹部会令に基づいて実際の行政措置その他を行うものが大臣会議決定と御了解いただいて結構でございます。
○土井委員 そうすると、鈴木農林大臣は幹部会令に基づいて対処したいというふうな趣旨を表明されておりますけれども、具体的にはソ連邦大臣会議決定という中身に従ってただいまの問題についてもいろいろと向こうは考えを具体的に進めてくるというふうに、こちらは理解をして対処をしていかなければならない、こういう関係になるわけですね。それを確認させてください。
○宮澤政府委員 そのように御理解いただいて結構でございます。
○土井委員 そこでお尋ねをしたいのは、このソ連邦大臣会議決定の中身に言われるこの問題であります。この決定の中で、種々問題になる点はほかにもございますけれども、何としてもこれは私わからないのです。ひとつ明示をしていただきたいのですが、太平洋クリール諸島南グループ水域というのが出てくるのですが、このクリール諸島というのはどこからどこまでを呼んでクリール諸島というふうに外務省としては認識なさっていらっしゃるのか。また南グループ水域というのは一体どこを指しておっしゃっているのか。これは地図を見てもさっぱりよくわからないのでありますが、これをひとつ明確にお示しいただきたいと思うのです。
○宮澤政府委員 ただいまおっしゃいました大臣会議決定にございますクリール諸島南グループ、これはソ連側の発表でございますのでこのような表現になっておりますが、私どもといたしましてはこの厳密な範囲は必ずしもわかりませんが、北方四島を含むものであろうとその他の文言から推察されます。そこで私どもが考えております、承知しておりますクリール諸島というものは、一八七五年に帝政ロシアとの間に結ばれました千島樺太交換条約にクリール諸島として定義されております群島を申しますので、すなわちシュムシュ島からウルップ島に至ります南北十八島をクリール島と言うと当時千島樺太交換条約に定義されておりますので、私どもはそれをクリール諸島と解しております。
○土井委員 南グループ水域というのはどこを指していますか。
○宮澤政府委員 大臣会議決定に書いてございますクリール諸島南グループは、ただいま申し上げましたとおり厳密な範囲は私どもに定かではございませんが、北方四島を含むものと解しております。
○土井委員 そうすると、南グループ水域というのは一体どういう範囲とこれは読んでいいわけでありますか。
○宮澤政府委員 私どもの通常申しております北方領土四島の周辺の、これを包む周辺の水域と解しております。
○土井委員 それでは、先ほどの御答弁でもう一度明確にしておきたいのは、北方四島とは具体的にその島の名をひとつ明らにかしておいていただいて、その次に進みます。どういう島を指して北方四島とおっしゃっているか。
○宮澤政府委員 通常便宜上私どもはこれを北方四島と申しておりますが、厳密には歯舞群島及び色丹島、それから国後島、択捉島の島々であります。したがって島の数は四島ではございません。
○土井委員 さらにこの大臣会議決定の中でソビエト海峡というのが出てくるのですが、ソビエト海峡というのはどの海峡を指してソビエト海峡というふうに認識をされているか、いかがでありますか。
○宮澤政府委員 私どもが日本地名で珸瑶瑁海峡と呼んでおるものでございます。
○土井委員 珸瑶瑁海峡というのはどういう島と、それから北海道では最もその海峡に面している地点でどういう地点があるかをひとつ明示をしておいていただきたいと思います。
○宮澤政府委員 私大変申しわけございません。ただいま地図を持ってきておりませんが、水晶島の横をかすめておる海峡であったと——ただいま地図を持っておりませんので……。
○土井委員 じゃ、そっちへ持っていきます。(地図を示す)
○宮澤政府委員 ただいま見まして北海道の端と水晶島の間を通っておる海峡でございます。納沙布と水晶島の間でございます。
○土井委員 もう一度そこのところをはっきりおっしゃっておいていただきます。北海道の端というのは具体的に言うとどういう地名を指して……。
○宮澤政府委員 納沙布岬であったと理解しております。
○土井委員 国後海峡というのはこの文章の中で地名が出てまいりますが、どの部分を指しておっしゃっているのですか。
○宮澤政府委員 知床半島とその対岸にございます国後島との間の海峡、根室海峡でございます。それを指すものと思います。
○土井委員 そういたしますと、このソ連邦大臣会議決定に言うそれぞれのただいま問題になりました地域、水域に従ってこれを国境という認識で臨まなければならないということに相なりますので、こういう認識でもって日本側としてはただいま交渉の場に臨んでおられるというふうに理解をいたしましてよろしゅうございますか。
○宮澤政府委員 ソ連側は大臣会議決定の中で事実国境という言葉を使っておりますが、それはソ連側が使っておる言葉でございまして、私どもは実際にはそれは国境と認めておりませんが、ただソ連側が大臣会議の決定において国境という字を使っておるという認識は持っております。
○土井委員 そうすると、この問題に対してはお互いの国境に対しての認識が違うという出発点の相違から問題にしなければならない、はっきりこういうことなんですね。
○宮澤政府委員 出発点とおっしゃいましたが、私どもの認識はすでにこの四島、四島と申しますのは先ほどの四つの島でございますが、これが日本に帰属すべきものと考えておりますので、そのような認識、ソ連側はまた別の認識を持っておるようでございますが、出発点と申しますか、そのような認識の相違はございます。
○土井委員 そうすると、農林大臣の御発言に従って考えれば、幹部会令に基づいて漁業交渉は展開をされる。この幹部会令というものは、具体的に施行されるのはいま論議を続けました大臣会議決定の中身でございます。したがって、漁業交渉もこの大臣決定に言う国境という認識、こういう物の考え方で、いま漁業交渉は進められている、このように考えましてよろしゅうございますか。
○宮澤政府委員 ただいま交渉中の点がまさにその点でございますが、私どもが日本領と主張しておりますその四島のこちら側を先方が国境と称しておりますので、ソ連側がそう称しているというそのような認識の上で交渉を行っております。
○土井委員 この辺は、御答弁を承っておりましてもまことに微妙な点でありまして、どうもやりとりは玉虫色に事柄をしていくというふうな気配が見えてならないわけであります。国民向けには、わが国が主張してまいっておりますこの領土権に対しては一切譲らない、したがって、そういう点での線引きはないということを言いながら、実はいま漁業交渉が続けられております間に線引きをしてしまっていたというふうな交渉は許されない。断じて許されない。これだけははっきりさせておかなければならないと思うのです。 ところで、御存じのとおりに十六日からイシコフ氏はECへ同じく漁業交渉のために行かれるわけでありますから、交渉のタイムリミットはまずは十六日というふうに考えられなければならないのじゃないかと思います。安易な妥協じゃなく、交渉がまとまらなければ、状況によっては日本側は引き揚げるというふうなことも、この十六日のタイムリミットに向けて考えておかなければならないと私は思うわけでありますが、この点はいかが相なりますか。
○宮澤政府委員 ただいまおっしゃいましたように私どもも考えております。
○土井委員 外務大臣、いかがです。
○鳩山国務大臣 日ソ関係の友好のためには、漁業交渉が一日も早く決着がつくことを、これはこいねがっているものでございます。しかし、そのために日本側が領土問題につきまして阻害になるようなことはすべきでない、そういう心構えで最後までがんばるという態度でございます。
○土井委員 外務大臣は、がんばるがんばるの一点張りでありまして、いつ聞いても、それは努力しますの、がんばるのの答弁しか出てまいりませんが、先ほどの局長答弁の方がよほどはっきりしておると思うのです。私が言ったとおりだというふうな御答弁を明確になすっている、外務大臣もひとつそこのところはめりはりをきちっとなさいませんか。まあ外交交渉というのはいろいろな要素が混じるわけでありますから、明確に言い切ってしまうことができないという微妙な問題もあろうかと思いますが、しかし、やはりめりはりをきちっとして毅然とした態度で、国際間においては日本の外交姿勢というものを確立していくということが大事だと思うのです。日ソ間の交渉についても、日本としてはこういう態度で臨むというところをはっきり打ち出していただきたい。これは国民の悲願だと私は思っていますよ。外務大臣、いかがでございますか。
○鳩山国務大臣 土井先生のおっしゃる気持ちにおいて変わりはございませんけれども、ただいま鈴木農林大臣が最後の努力をされておるのでございますから、私どもは鈴木農林大臣の御奮闘に期待をしておるのでございます。
○土井委員 まあ日ソ漁業交渉については鈴木農林大臣の努力に期待をかけるという外務大臣の御答弁をいまいただいたのです。それは当然なことでありまして、ただいま漁業交渉に対しては政府は挙げて最大限の努力というものを払わなければならない、こういう時期であります。しかしながら、きょう質問の中でも出しましたとおり、譲ってはならない線というのはあるわけでありますから、日本の主権の主張、日本の国益というものの立場から、ひとつ徹底的にこの問題に取り組まれますように、再度そういうことを私としては申し上げさせていただいて、次の問題にいきます。 これは実はもう三月の初めから取りざたされておりまして、いろいろなニュースを通じて世上注目を集めてきている問題でございますけれども、国際学友会日本語学校というのがあります。留学生が日本語学校に対しての入学許可による留学ビザで日本に入国してくるわけでありますが、ただいまこの入学許可を持って来日して国際学友会に連絡をしてきた留学生の数は、十二日現在で何人というふうに確認をされているか、ひとつお尋ねいたします。
○田中説明員 お答えいたします。 十二日現在で百十名ということでございます。そのうち八十五名は台湾系の留学生でございます。香港七名、マレーシア七名、タイ四名、マカオ三名、韓国一名、アフガニスタン一名、ペルー一名、米国一名でございます。
○土井委員 私は内容をお尋ねしているわけじゃないので、入学許可を持って来日した留学生の数をお尋ねしているわけですが、それも四月十二日現在ということをお尋ねして御答弁の数は私が確認した数とは違っております。正確ではありません。正確に言えば百十五人のはずですよ、一回お確かめください。百十五人のはずです。これは確かめをしていただきたいと思います。具体的にいつお聞きになりましたか。
○田中説明員 昨日の段階の数を申し上げました。百十五名ということにつきまして、さらに学友会当局に確認いたします。
○土井委員 この日本語学校の入学許可によって留学ビザで入国をしている留学生は、日本語学校が開校されないということでほかの日本語学校に入学をしようという努力をされた方もあるかもしれませんが、この、ほかの日本語学校に入学できた人の人数と学校の名前を掌握されておればひとつそれをお答えを願います。
○田中説明員 お答えいたします。 学友会当局は、現在日本に来ている学生と日夜接触を保ちまして、各学校にあっせん方を努力しております。現在のところ確実に申し上げられるのは、東京工学院に七名入学の手続が済みました。そのほか、学友会当局が日米会話学院、国際英語学校、関西学友会等々と現在交渉中でございまして、日米会話学院では十三名、これは六月まで預かるという確約を得ております。それから国際英語学校では五十名の引き取りが可能だという線で現在交渉が進んでおります。それから関西学友会は約十名の引き取りが可能ということが現在まで判明している点でございます。その他、台湾系の学生、これは現在まで、先生御指摘の百十五名、これは確認いたしますが、その八割は台湾系の学生で、外務省が現在つかんでいる数は八十五名でございますが、それにつきましては、亜東協会関係が急遽国際学友会当局と相談して、それの行く先については現在詰めている段階でございます。
○土井委員 本来、国際学友会の日本語学校というのは、ここで日本語を習得して、さらに日本の大学に進学するという計画で予定をされている日本語習得の場所であります。他のいまあっせんをされているそれぞれのところはそういう意味を持ちません、関西の国際学友会の日本語学校は別として。したがいまして、その所期の計画どおりに日本の大学に進学をするということからいたしますと、趣が大変に違ってこようと思うわけでありますが、すでに国際学友会とされては、三月十日付で日本の保証人あてにこの連絡方を依頼されている事実を私は存じております。ただ、それ以外に国際学友会とされましては、この日本語学校の開講延期と留学渡航を延期されたいという趣旨の通知を、どういうかっこうでどのように具体的にされてきたかという点をひとつお聞かせくださいませんか。
○田中説明員 お答えいたします。 三月十日の段階において学友会が手紙を出しました。それから、四月十二日段階で改めて保証人に対して手紙を出しました。それから、外務省は在外公館を通じて、学友会に入学の希望者に対して、これこれこういう事態が起こっているということを周知徹底方努力いたしました。
○土井委員 いまの御答弁では、留学をしてくる、留学ビザで入国をされる予定の本人の所在はわかるのですよ。けれども、本人に対しては何ら御連絡をされていないという事実もはっきりいたします。さらに、あれから約一カ月以上たっているわけでありますけれども、保証人あてに次の連絡というものをどのようなかっこうでどのようにされたか、ひとつお尋ねしたいと思うのですが、いかがですか。
○田中説明員 お答えいたします。 四月十二日付で学友会の常務理事より各保証人に対して、現在起こっている事態、それからいかなる状況に現在立ち至って、将来どういうような問題になり得るかということについて書簡を発簡しております。
○土井委員 それは具体的にどういう通知なり連絡方を保証人に対してなすったのですか。
○田中説明員 学友会に来る予定の留学生の保証人のリストは学友会が持っておりますもので、その各保証人に対して書簡の形で出した次第でございます。
○土井委員 それはいつですか。
○田中説明員 四月十二日付でございます。
○土井委員 本人に対しては何らその間連絡はされておりませんね。
○田中説明員 すでに学友会に集まってしまった百十名の入学希望者に対しては、学友会当局が直接事態を説明いたしました。それから、昨日ロペスという留学生の代表が外務省に会いに来まして、どういう問題であるかということを説明いたしました。
○土井委員 それは来てしまっている学生に対する説明です。事前にどういう手を打たれたかということを私はお尋ねしているわけですが、それは何らなかったということだろうと私は思う。 そこで、法務省が御出席をされているようですが、入管局長がまだ御着席でないようでありますから、官房審議官の方にお尋ねをしますけれども、法務省とされては、留学ビザで入国を許可した人が入国してから勉学ができないという状況にある場合は、どのようなお取り扱いがされるわけでありますか。
○根岸説明員 留学目的で入ってきた者は、通常出入国管理令の四条一項六号のいわば一年の留学生の身分で入ってくるわけでございます。しかし、たとえば英語の学校にいたしましても、本来ならばどの英語の学校でも留学生の資格を与えるというわけではございません。やはり一定の規模を持ち、あるいは一定の目的を持った学校に限って留学生の資格を与えておるわけです。御案内の日本語学校は留学生の対象としておりました。 ところで、今後各種の英語学校へ振りかえで入学をあっせんしました学生につきましては、本来から申しますと、留学生の扱いはでき得ないものもあるわけでございます。ただ、今回の特殊な、非常に不幸な経過も考慮いたしまして、私の方では、やはり大学への留学の目的をもって各種の英語学校に入る者につきましても、そのまま留学生の身分を保持させるか、あるいは入管令の四条十六号のその他法務省令で特に定める者という資格を与えるか、いずれにいたしましても現在よりも実質上不利になるようなことのないような資格で在留させたいということで、技術的な面につきましては現在検討を進めているわけでございます。
○土井委員 これは異例なことだと思うのですね。いまおっしゃったとおりで、入管当局とされては、国際学友会の日本語学校に入学するということが条件となっての留学ビザだと思うのです。したがいまして、それ以外の日本語学校に行くことは本来許されない。これが日本の国側の責任においてそうはできないという事情がいま出ているわけでありますから、これはやっぱり責任を持って留学ビザどおりにその中身を実行するという義務が本来日本の国にはある、こう私は言わざるを得ないと思うのですね。 さて、日本語学校の開講延期は、一体だれがどこで決定されたわけでありますか。
○田中説明員 お答えいたします。 学友会の再建計画は学友会が作成いたしました。それに基づいて外務省はしかるべき予算折衝をいたしました。それで、学友会の再建計画が留学生及び労働組合の反対によって挫折した段階において、学友会当局は外務省に協議いたしました。その協議の結果、学友会当局が決めました。
○土井委員 学友会がその延期を決定されるについては、外務省も、これは監督省でありますから、当然に責任があると言わざるを得ないのですが、入学許可をされている以上は、留学生に対して所期の約束を果たす義務というものは、当然学友会側と外務省にも、それから文部省にもこの点はお尋ねしたいと思うのですが、あると思うのですね。責任があると思うのですが、どのように果たされようとしていますか、お伺いします。
○田中説明員 お答えいたします。 現在学友会では、在寮生が退寮し、これと並行して再建計画のめどがつき次第、できる限り速やかに学校を開講しようというのがその方針でございます。学友会及び外務省としましても、開講が一日も早く実現することを望んでおります。
○土井委員 まことにおかしな御答弁です。いま寮にいる在館生が退寮するかしないかという問題と、日本語学校が開講されるかどうかという問題は、全く別問題ですよ。いま日本語学校に入学をするということを条件として留学ビザで入国して、留学生の数は続々とふえていっているのです。日本に留学をされている人たちからすると、いまいる在館生が退寮するしないというような問題は別問題だというふうな認識ですよ。私もそれは当然だと思います。そのことを条件として日本語学校を開くの開かないのという態度はどだい間違っていると私は思う。日本語学校の開講ということがいまはもう必須の大事な条件じゃありませんか。法務省どうお考えになりますか、このことを聞いていて。
○根岸説明員 私の立場からこのことがいいの悪いのと言うことは少しく差し支えがあると思いますが、先ほどお答えいたしましたように、私個人としては非常に残念なことであるとは思っておりますので、先ほど申し上げた線で私どもは検討しているということを申し上げたわけでございまして、これ以上の御答弁は御推察にお任せいたします。
○土井委員 国際学友会の方の問題会議というのがありますが、この結論はいつまでに出す予定か、これをひとつお聞かせください。
○田中説明員 お答えいたします。 今週月曜日、十一日に第一回目の会合をいたしました。そして、私より現在学友会が当面している種々の問題等々について諸先生方に御説明いたしました。 先ほど先生の御指摘の点でございますが、日本語学校と、それから在寮留学生等とは関係がないという御意見でございますけれども、私は実はこう考えているのでございます。現在、学友会は、この再建計画が行き詰まっている状況でございます。それで在寮留学生の問題もございます。それから労働組合の問題もございます。これらの諸問題が絡まり合いまして、現在学友会は危機的状況にございます。このまま事態が推移すれば、学友会は解散する以外に方法はない状態でございます。しかし、何らかのウエイアウトを求めて、われわれは学者先生、留学生問題の権威の方々にも集まっていただいて、急遽この問題についていま検討している段階でございます。 それで、実はその学校と、それから留学寮におります在寮生等の関係でございますけれども、これはやはりすべて一貫した一連の問題でございまして、やはり学友会がこのような財政的にもその他の問題にも危機的状態において仮に学校を強引にここで開校したといたしましても、年の中盤になりまして財政的に息が切れたような場合においては若い留学生の心をかえって傷つけるような事態だと思います。それから労働者の問題、留学生の問題等もございますが、現在学友会は紛糾を続けておりまして、国際学友会というのは教育の場でございます。この教育の場においてこのような紛争が続いている以上、ここで強引に教育の場を開くということが果たして教育上よろしいかというのも一つの問題点だと思っております。 それで、先ほどのいつまでに会議の結論を出すかという御質問の件に関しましては、できる限り早急に在寮生の動き、労働組合等の動き等々もにらみながら決めたいと考えております。
○土井委員 最後に、外務大臣いままでお聞きになっていてどうお思いになりますか。国際学友会の財政的危機の状況というのはいまに始まったことじゃないのです。先日私は、予算委員会の分科会でもこれを取り上げて質問をいたしましたけれども、土地の切り売りやら借入金やらで火の車のような状況で経営されてきたという実情はいまに始まったことじゃないのです。そういう危機的状況の中で日本語学校を開校をするというのは、教育的立場からしても思わしくないからという御答弁がただいまございましたけれども、私は、そこをそのようにお考えになるのなら、どうして、日本語学校の入学を条件とした留学ビザで渡航してくる人がどの国にどれだけあるかわかっているんだから、事前にそのことをしっかり事情をお知らせになり、そのことに対して渡航は見合わせるようにというような通知を徹底なさらなかったかと言いたいのですよ。もうすでに胸をふくらませて、日本語学校に留学をするということでどしどし日本に入国して、そのつもりで勉学に期待をかけていらっしゃる留学生の方々がたくさんあるわけです。この人たちを裏切っていることじゃありませんか。 外務大臣、これは大きく国際問題だと私は思うのですよ。日本の国際信用にかかわる問題だと思いますよ。特に東南アジアからたくさんの留学生の方々が来られて、日本で留学されて、後に帰国されてから後どういうふうに日本を見られるか、一つ一つのいまの時点の問題が絡んでいくわけであります。私は、外務省当局が誠意を持ってこの問題に当たられているかどうかということ、これを順を追ってあの三月の初め以来ずっと見てまいりました。いろんな要求もいたしました。申し入れもいたしました。けれども遅々として事が進まない。外務大臣自身はどのようにこの問題に対処なさろうとなさっているのか、ひとつお聞かせくださいませんか。
○鳩山国務大臣 国際学友会がこのように紛糾を重ねまして、まさに存亡の危機に立ち至ったことにつきまして、私自身責任を痛感するものでございます。特に一番心を痛めますのは、いま百十五名とおっしゃいましたけれども、主として台湾、東南アジア地域から見えました留学生の諸君のことでございまして、これらの方々につきましてはあとう限りの努力を持ちまして何とか勉学ができますように努力をしてまいりたい、こう思う次第でございます。 しかし、教育の場としての国際学友会がまさに壊滅に瀕しておるというのも事実でございまして、この場でこれからなすべきことは、やはり国際学友会をいかに再建するか、それにはやはり権威のある留学生の教育につきまして識見のある方々、これらの方々に集まっていただきまして、これからの再建方策をいま懸命に探求しているところでございます。大変この道は険しいと思いますけれども、何とかここで崩壊を食いとめてこの学校の再建を図りたい、このような願いでいっぱいであります。いろいろのおしかりをいただいたわけでございますが、事ここに至りましたこれには長い間の経緯があるわけで、ただお金の問題だけではない、いろいろな問題が積み重なった結果が今日このようになってきたということ、これも反省すべき点であろう、こう思いますので、これから本当に教育の場としての国際学友会をりっぱに再建するように、むずかしい道でありますが、努力をいたしたい、こう思う次第でございます。
○土井委員 時間が来ましたので終わりますが、外務大臣に一曹だけお尋ねをして終わります。 いま百十五名の留学生の方がすでに入国をされている。日を追って続々と数がふえるでしょう。この方々はまず日本語学校の入学ということで入国をされているわけでありますが、日本語学校の開校はいつでございますか。
○鳩山国務大臣 学友会の再建の計画が立ったとき、このようにお考えいただきたい。
○土井委員 終わります。
○竹内委員長 次に、中川嘉美君。
○中川(嘉)委員 日ソ漁業交渉につきまして、先ほど土井委員よりそのいきさつについての御質問があったようですが、十二日の第三回鈴木・イシコフ会談が中止されまして、これが非常に難航しているわけでありますが、その中心的な問題、これは言うまでもなく北方領土四島周辺の線引き問題である、こういうことが言われております。 そこで伺いたいと思いますが、ソ連はこの問題をどうしようとしているか、またわが国はどういう主張をしているのか、改めて明確にしていただきたいと思います。
○宮澤政府委員 ソ連側は、ただいま御指摘の場所につきまして水域を明示することを欲しておりますが、日本側は、いわゆる四島に関します日本の領土権の問題がございますので、それを認めない立場から交渉を続けております。
○中川(嘉)委員 それでは、日本政府がこの北方四島周辺水域というものを特殊水域として扱うことを主張しているようでありますが、ソ連側がこれを認めようとしない。なぜソ連側は特殊水域として扱うことを拒否しているのか、この点を伺いたいと思います。
○佐々木政府委員 交渉の場におきまして、日本側の方からソ連側の方へいろいろ漁業の実態等を説明し、申し入れをしていますのは、この特に北方四島周辺の水域においては沿岸の漁家を中心にしました小規模零細な漁業が多い。釣り漁業であるとか刺し網漁業であるとか、五、六トンぐらいの家族経営で二、三人ぐらいというような規模のものが多いので、大型船を中心にした一般の漁獲管理なり漁業規制では実態上実施が不可能な面が多い。したがって、小型漁船についてのやはり特殊な実態に応じた規制措置を採用する必要があるということを強く申し入れをしておるわけでございます。その点につきましては、ソ連側の方も、専門家レベルの話でございますけれども、漁業事情が一般のたとえばカムチャツカ周辺の北転船等とは相当実態に相違があるということは認識をいたしておりまして、たとえば漁獲量の通報であるとか、漁獲量をどういうふうに船別に割り当てるかという、そういうやり方につきましても特殊な考慮を払う必要があるということについては理解を示しております。私どもとしては、そういう観点からこの水域でやっております漁業の技術的な特殊性ということをいままで強くソ連側の方へ主張しているわけでございます。
○中川(嘉)委員 私がお聞きしたことに完全にお答えをいただいてないようなんで、もう一度伺いますが、ソ連側がこの特殊水域として扱うことを拒否している直接の理由は何かということですね、この点をもう一度お答えいただきたい。
○佐々木政府委員 先ほどの説明の繰り返しになりますが、私どもは水域としての特殊性を主張しているわけではなくて、その水域の中で操業している漁業の特殊性を主張しているわけでございます。
○中川(嘉)委員 そうしますと、ソ連側は北方領土の問題に対して、いわゆるなし崩し的に日本側が要求をできないような条件とかあるいは環境をつくり出そうという意図があるのではないか、このような感じがするわけでありますが、この点はいかがでしょうか。
○佐々木政府委員 北方四島の問題につきまして、これがわが国固有の領土であり、今度の漁業交渉の場においてもそういうわが国の基本的な立場を損なうことは絶対にできない、これは基本的に交渉に臨む前からの大きな原則といいますか方針でございます。 〔委員長退席、有馬委員長代理着席〕 ただ、漁業問題として話す場合にも、先ほど申し上げましたように、海域によっていろいろ特殊な事情があるので、それに応じた規制措置が必要であるということを主張しているわけで、その点につきましては、ソ連側の方も漁業の実態という面では理解を示しているわけでございます。
○中川(嘉)委員 従来の考え方に対して、今回非常に新しい事態が展開されているということから、私はそういった条件とかあるいは環境をつくり出そうという意図があるんじゃないかというふうにも伺ったわけでありますが、それではこの特殊水域とするか、または何らかのいわゆる公式文書等による確認ということがなされないと、わが国の北方領土に対する領有権を主張する根拠がなくなることになるんじゃないかと私は思いますが、この点について政府はどう考えておられるか伺いたいと思います。
○宮澤政府委員 私どもは、ただいまおっしゃいましたように、日本のこの四島に対する領有権が傷つけられない形で協定に達したいと考えております。
○中川(嘉)委員 それではもしソ連側がこういったこと、すなわち特殊水域とか外交文書の取り交わしを認めない、こういうことになりますと、もっともいまの御答弁ではそれに努力をするとおっしゃっておるわけですけれども、政府としては交渉の中、断とかあるいは農林大臣の一時帰国ということもやむを得ないと考えておられるかどうか。それとも特殊水域をソ連が認めないということになってしまったならば、何らかの打開策とかあるいは新提案を外務大臣として考えておられるかどうか。この点、大臣に伺いたいと思います。
○鳩山国務大臣 ただいま最終段階の詰めが行われているところでございますので、鈴木・イシコフ会談、本日行われますところの会談に私どもは期待をいたしているところでございます。しかし、期日が迫ったからといいまして、理由のない妥協というものはすべきではないと当然考えておるわけでございまして、その後のことはその後で決めればいい問題でございますが、これは不退転の決意で臨むべき問題である、このように考えております。
○中川(嘉)委員 最終段階における詰めに期待をしているというお話ですが、それでは日本側が最低限確保しなければならない条件は一体どういうものか。私は、北方領土の返還を求める根拠をいささかも後退させてはならないし、これの交渉の障害となるような妥結というものは絶対にすべきではないと思いますけれども、大臣の御答弁の中にもそのような妥協はないというお言葉がさっきありましたけれども、いま一度外相の基本的な考え方を確認をしておきたいと思います。すなわち最低限確保しなければならない線はどういうものであるか。
○鳩山国務大臣 ただいま中川委員のおっしゃったところが、わが方として譲れない線であるというふうに考えております。
○中川(嘉)委員 そうしますと、こういった最低線——最低線とここで言っておきますが、万が一、もちろんそういうことがあってはならない、日本側の態度でいかなければなりませんが、ソ連側が譲らないような場合には、政府の見解として、今回の交渉を中断するか、または農林大臣の帰国というものがあり得るかどうか、この点はいかがでしょう。
○鳩山国務大臣 交渉の結果によるわけでございますけれども、それはあり得ないということはないわけでございますので、そのような事態に立ち至ることも覚悟しなければなるまいというふうに考えます。
○中川(嘉)委員 そうなるとまた新しい事態というものが展開されていくことになるかと思いますが、もし今回の鈴木・イシコフ会談が不調に終わった場合、日ソ漁業関係そのものはどういうことになると思われるか、農林大臣もしくは官房長官に伺いたいところでありますが、外務大臣としての御意見をあえてお伺いをしてみたいと思います。
○鳩山国務大臣 この漁業問題が両国のいわばかけ橋として友好関係を増進していくために必要なことであろうというふうに考えております。そういう意味で、何らかの解決が図られることが両国関係の将来を考えまして大切なことであろうと思います。 引き続きまして来年以降の本協定を締結しなければならない、こういうスケジュールになるわけでございますので、今日、大変産みの苦しみをいま味わっているところでございますけれども、これは恐らく今回の話し合いが基礎となって来年度以降の漁業のあり方というものも決まっていくことになる可能性が強いわけでございまして、そのために、現在の暫定協定の交渉というものは、そういう意味で大変苦しい協定であるというふうに考えておるところでございます。
○中川(嘉)委員 今回の交渉が、来年度以降、すなわち将来の交渉に与える影響というものが大変大きい、そういうお話であるだけに、政府として今回のこの交渉そのものに大いにひとつ最大の力を入れていただきたい、当然のことながらこの点を重ねて要望をしておきたいと思います。 それでは、ソ連側があくまでも北方領土に対して去る二月四日のソ連閣僚会議決定に基づいて線引きをしようとする背景には、いわゆる北方領土はすでに解決済みであるという意識を持っているからにほかならないのではないかと私は思います。だからこそ、一九七三年のあの田中・ブレジネフ会談の日ソ共同声明が発表された後、グロムイコ外相がコミニストという雑誌の中で、あるいはまたブレジネフ書記長が党大会で、北方領土問題は解決済みということを述べている。またポリャンスキー駐日ソ連大使も平然として、日ソ間で未解決の問題はないということを言っているわけであります。日ソ共同声明で、第二次世界大戦後の未解決の問題を解決し云々というところがございますが、この未解決の問題の中に北方領土が含まれているというこれまでの政府の見解に、外務大臣は疑問を感じておられないかどうか、いまの時点における大臣の見解を伺いたいと思います。
○鳩山国務大臣 日本政府といたしましては、この未解決の問題の最大の問題が北方四島の問題である、このように解しておるところでございます。しかし、それに対しまして、ソ連政府は必ずしも同じ見解をとっておらないということも耳にするところでございまして、両国の見解はその点で全く完全に一致していると言いがたい面がありますけれども、わが国としては事あるごとに、未解決の問題は北方領土、すなわち北方領土の問題が最大の問題であるということを繰り返し主張しているところでございます。
○中川(嘉)委員 そうしますと、結論的に、北方領土が共同声明で言うところの「未解決の諸問題」の中に含まれているとはソ連側は認識をしていないのではないか。そうであれば、今回の日ソ漁業交渉でのソ連側の態度そのものが非常に理解できないし、また説明できないのじゃないか、このように思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 ソ連政府といたしましても、日本側が未解決の問題、すなわちこれは北方四島の問題であるということはよく理解をしていると思います。ただ、よく言われることは、未解決の問題と書いてあって、そこに領土問題ということは書いてないというようなことがあろうかと思うのでございますけれども、先方としてもそれを認めることは、また領土の返還という問題を認めた形になるということも、当方としては想定するにかたくないものでございますから、これはわが国といたしまして未解決の問題であるということを主張しておるということで、先方もそれに対して全く理解していないということではないというふうに私は考えておるところでございます。
○中川(嘉)委員 そうしますと、これは非常に問題が出てくるわけで、ひとりよがりといいますか、いまの御答弁からしますと、まず伺いたいのは、それでは、田中・ブレジネフ会談で戦後の「未解決の諸問題」というのは、具体的に一体何と何と何であるか、この辺を聞いていかなければならないと私は思いますが、具体的に何と何かを列挙していただきたいと思います。 〔有馬委員長代理退席、委員長着席〕
○宮澤政府委員 日本側は領土問題をこの問題と考えております。
○中川(嘉)委員 日本側が未解決の問題というのは何と何じゃなくて、領土問題と考えておりますという御答弁ですけれども、先ほど来の答弁ではちょっと日本側だけがそう思っているという感じですが、では、北方領土問題が含まれているということは、両者がそれぞれ明確に確認をし合ったのかどうか、その確証を示していただきたいと思います。
○宮澤政府委員 文書として残っておりますのは日ソ共同声明でございますが、日ソ共同声明の中には「第二次大戦の時からの未解決の諸問題を解決して」と書いてございまして、その中に領土問題が含まれるかどうかということは口頭で確認をとっております。それは会談録という形でとってございます。
○中川(嘉)委員 その口頭でとられた確認ですが、いまお答えできますか。口頭でどのようにこちらからそれを申し出て、向こうはどう受けとめたのか、口頭でどのように返事をなしたのか、それについて確認したいと思います。
○宮澤政府委員 日本側としては、「未解決の諸問題」の中に領土問題を含むということを申しまして、ブレジネフ書記長がしかりと答えております。
○中川(嘉)委員 少なくとも田中・ブレジネフ会談当時のメモぐらいは当然あるのじゃないだろうか。口頭と言われますが、ただいまの御答弁のみでなくして、どういうようなやりとりが行われていったかという当時の状況、メモぐらいはこの際外務委員会に提出をされてもいいのじゃないだろうか。非常に重要な問題であるだけに、口頭で云々ということだけではならない国家的な問題だと思いますので、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○宮澤政府委員 このような高度の政治的な話し合いがなされました場合、外に発表いたしますものは共同コミュニケないし共同声明等でございまして、その他の部分は公表されないことになっておりますので、会談録等の提出は差し控えさせていただきたいと思います。
○中川(嘉)委員 そうしますと、現段階では、口頭でやりとりが行われた、しかも、そのような会談録というものは非常に高度な二国間の話し合いであるだけに公表ができない。しかし、問題となっている点は、いま一点にしぼられてきている日ソ漁業交渉の大変に重要な問題を指しているわけで、もしもこの北方領土が双方で確認されていれば、ソ連側もこのことをきちっと確認しているのであれば、今回の日ソ漁業交渉におけるソ連側の態度というものは、線引きの問題を含めて少なくとも共同声明に反するものじゃないだろうか。このように私は思うわけです。この点はどうですか。
○宮澤政府委員 ソ連邦大臣会議決定等に国境というような言葉を用いております点につきましては、私どもの了解と違うものと解しております。
○中川(嘉)委員 ただいまの質問に対して、いま一度大臣の御見解も承っておきたいと私思うのですが、要するに今回のソ連の出方、態度というものに対して、むしろ共同声明に反するものと見ていいのじゃないかと私は思うのですが、余りにも日本側に対する出方に強硬なものが見られる。黙っていればそれこそ北方四島を含んだあの線引きが行われてしまう。そういうことがあってはならない。その辺に関する大臣の御見解を重ねて伺っておきたいと思います。
○鳩山国務大臣 二月二十四日に大臣会議、あるいは閣僚会議と呼んでおりますが、決定が出されたわけでございまして、その中に先ほど述べられた国後海峡及びソビエト海峡という表現がございます。この決定が出ましたときに、翌日でございますが、官房長官談話をもちまして、直ちに日本政府としては「これら北方四島の周辺水域を一方的にソ連邦の漁業規制対象水域に含めたことは極めて遺憾で、わが国としてはこれを認めることはできない。」という発表をいたした次第でございます。これに対しましてはソ連の在京大使から、この日本の抗議につきまして、さらにまた、ソ連としては当然のことをやったのだというような、これは口頭の表明がありました。そのようにわが国の立場は、一貫をしてこの閣僚会議決定というものはそのままこれを承認することはできないという立場を堅持しているところでございます。
○中川(嘉)委員 では最後にもう一点だけ伺いますが、日ソ漁業交渉が北方四島周辺水域の問題で非常に難航している現在ですが、しかも北方領土に関するソ連側の認識に、先ほど来お聞きしてきたように、またその中に出てくるように、疑問を抱かざるを得ないようなソ連の態度から見て、外務大臣が早急に、日ソ共同声明で言うところの戦後の未解決問題には北方領土問題が明確に含まれているんだということを、ソ連側に改めて——先ほど口頭で云々という御答弁がありましたけれども、この際改めて確認を求める必要があるんではないか、このように思いますが、この点はいかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 今回の二百海里の水域の問題に絡みまして領土問題が大変大事な問題になったということは、これは否定できないことでございます。それで、日ソの間の外務大臣間の定期協議は昨年中に開くことができなかったのでございまして、この定期協議とともに平和条約交渉をやる、これを一日も早くやらなければならない大変大事な段階に立ち至ったというふうに解しております。昨年やりませんでした定期協議を本年はぜひとも実施をいたしまして、戦後の未解決の問題、すなわち領土問題を含めました交渉をぜひとも行う必要があるということ、そういう決意でおるわけでございます。
○中川(嘉)委員 では最後に一問だけですが、そのためのといいますか、いまの御答弁でもわかるわけですけれども、もっと早急に何らかの外交措置ですね、こういったものを講ずるおつもりはないか。すなわち、改めて確認を求める必要があると私はさっき言いましたけれども、こういうことに関連しての外交措置を講ずる必要はないかどうか、あるいはまた外務大臣みずから早急にソ連を訪問されるといったことを考えていかれるべきじゃないだろうか、このように思うわけでございますが、最後にこの二点についてお答えをいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 領土問題の解決が大変急がれる事態になりましたこと、先ほども申し上げたとおりでございますが、今回の漁業交渉につきましては、領土問題等を切り離しまして、漁業問題は漁業として鈴木・イシコフ間で解決を図りたい、それが本年の暫定措置といたしましては何よりも急がれることである。領土問題の交渉は、従来の経過から見ましてこれは両国ともに大変な、本当に腰を据えて取りかからなければならない問題でございますので、その解決はなかなか期間を要するであろうと考えられますので、今回は漁業は漁業の範囲内で交渉の妥結を図りたい、このように考えておるところでございます。
○中川(嘉)委員 終わりますが、そうしますと、外交的措置も何らおとりになるおつもりはない、またソ連を早急に訪問なさる、そういうこともない、このようにとってよろしいですか。
○鳩山国務大臣 ただいまの点は、これからどのような問題が起こるかによりまして、いまここではっきり将来のことまで申し上げるわけにはまいりませんが、領土問題自体といたしましては、この国会が終わりまし、からしかるべき時期に定期協議を行いたい、このように考えているところでございます。
○中川(嘉)委員 以上、終わります。
○竹内委員長 次に、渡辺朗君。
○渡辺(朗)委員 私は二つの点でお伺いをいたしたいと思います。一つは、日ソ交渉についてでございます。それからもう一つは、アメリカの新しい原子力政策、核政策についてでございます。 第一の日ソ交渉につきまして、まず私冒頭、政府の皆様方が大変むずかしい交渉の中で御苦労しておられること、これに対して本当に感謝を申し上げたいと思います。同時に激励も申し上げたいと思います。 私、第一番目に関連してお尋ねをしたいと思いますのは、今度のむずかしい交渉を激励する意味もございまして、超党派で議員団が訪ソをしたいという決定をいたしました。そうして各党とも代表も決めました。それが十日たち二十日たつということで、たなざらしのままになっている。ビザの発給が行われない、こういうような状態であります。お尋ねをいたします。いまでも交渉をしておられますか。ビザ発給に対しての交渉をしておられますか、どうですか。
○宮澤政府委員 発給の要請を続けております。
○渡辺(朗)委員 そうしますと、こういう状態になると、会談する代表団といいますか、国会の代表団の方も団を解かなければならないのではないか、あるいは日ソ友好議員連盟というのから脱退をしなければならないのではなかろうか、こういう声もいらいらの余り出てきております。一番最近に要請をされたのはいつでございましょう。
○宮澤政府委員 園田官房長官が総理特使として訪ソされましたときに、コスイギン首相に会われましたのが七日でございますが、その同じ機会に長官に随行いたしました私がその翌日、四月八日にソ連の外務省へ申し入れております。
○渡辺(朗)委員 反応はいかがでございました。
○宮澤政府委員 園田特使に対しましてコスイギン首相は、関係方面に御要望を伝えるということでございました。それから私に対しましてソ連外務省の極東部長は、現在モスクワに各国の要人来訪相次いでおって、日本側議員団を十分な礼儀をもって接遇することができないのでしばらくお待ちを願いたいということを申しました。
○渡辺(朗)委員 いんぎんなお言葉ではありますけれども、大変むずかしいということを何か感じさせる、不可能でもあろうというような結論をも引き出さざるを得ないようなお話であった、リスポンスであったように思います。 私、関連いたしまして、ずっといままで日ソ交渉の経緯、それから数年前からのさまざまな日ソ間の会談であるとか、あるいは相互訪問であるとかいうようなことを見てまいりますと、この数年来何か変化が起こっているような気がするのです。たとえば四十八年の十月でございましたか、当時の田中総理と向こうのブレジネフとの会談が行われました際、大変にこにこ顔で友好裏に行われている。それから後というもの、何か徐々にかたくななものが出てきたように思います。今日の事態、私は、こういうむずかしい交渉になるというのは何らかの徴候があったに違いないし、そういったものを賢明なる外務省当局においては恐らく見通しておられたに違いないと思うのです。もしそういうことがないならば、私はその不明を国民の前にもわびざるを得ないだろうと思います。そういった日ソ間における交渉なりあるいは話し合いの中で出てきた感じとして、どういう徴候があったのか、変化があったのか、そこら辺の感触をお聞かせいただきたいと思います。
○宮澤政府委員 元来ソ連邦は、申すまでもなく私どもの日本などと全く体制を異にする国でございますから、隣国ではございますが、この間両国の関係には常に幾つかの紆余曲折がございます。関係が非常に円滑にいっているように一見見えるときと、また個々の問題につきまして多少ぎくしゃくするようなことに見えることもございますけれども、特別に日ソ関係が、たとえばただいまおっしゃいました田中前総理の御訪ソのときから見まして大変に悪くなっているというようなことは、私ども特に感じておりません。
○渡辺(朗)委員 そうしますと、突然こういうむずかしい問題になってきたと、こういうふうにもいまの御答弁ではとれるわけでありますが、たとえば五十一年九月には国連において小坂・グロムイコ会談も行われております。そういうときのお感じになったフィーリング、そういうものとそれ以前の会合、そういうものとの対比の中で何も変化はございませんでしたでしょうか。改めてお伺いをいたします。
○宮澤政府委員 御記憶のとおり、昨年の九月にソ連のミグという飛行機が日本に着陸いたした事件がございました。これは日ソ双方にとって大変不幸な事件であったと思われます。このことが、これは私どもが引き起こした事件ではございませんが、多少ともソ連の方に何らかの好ましからざる影響を及ぼしたことは考え得ることでございますが、それをもって今回の日ソ漁業交渉が格別にそれの影響を受けているというふうには私は考えておりません。
○渡辺(朗)委員 これは、だんだんと私御質問を申し上げれば出てくるのではなかろうかと思うのですけれども、時間の関係で余り深追いをいたしません。やはり、私は何らかの変化がずっとある、その延長線上にこのようなむずかしい交渉、特に領土の問題、こういったことが関連して出てきていると私は思っております。ですが、それはそれとして、この日ソ関係、今回の交渉を推進するといいますか、好転させるためにもという御配慮であったかどうか、十二日の閣議においては日米の漁業協定、この案を国会に提出することを決められたというふうに伺っております。たとえばそういう形で日ソ漁業交渉を有利にできるとお考えでございましょうか、外務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○鳩山国務大臣 日本とアメリカ合衆国との長期漁業協定につきまして、これが今回の日ソの関係と非常に関係のある問題であるとは考えておりません。当然協定の批准を求めるために国会提出手続はとるべきであるというふうに考えております。
○渡辺(朗)委員 実はこういうことをお聞きいたしましたのは、やはり本来なら、あらゆる方法を講じて難航している日ソ漁業交渉、これを打開するための方途を探るべきだろう、また打つべき手は打つべきだろうと思うのです。そういう意味で日米漁業協定が出てくる、これをやはりそのためにも使うという配慮があるなら率直におっしゃってもいいのではあるまいかと私は思うわけであります。 さらに、関連いたしまして御質問いたします。それは今回の漁業交渉の前後あるいはその中において、ソ連と日本との経済関係、これにつきまして日本側の方から、たとえばシベリア開発、こういった問題についての具体的な提案、別個の交渉、こういったものを行おうとされるような提案はされましたでしょうか、お尋ねをいたします。
○宮澤政府委員 最近におきましては、園田官房長官が御訪ソになりましたときに、コスイギン首相との会談の中でそのような趣旨のことにある程度お触れになりましたが、これは私から詳細申し上げる筋のことでないと思います。ただその点だけを申し上げておきます。
○渡辺(朗)委員 欧亜局長にお尋ねをいたします。その際にソ連側の方のリスポンスはいかがでございましょう。
○宮澤政府委員 これも両首脳の会談の内容でございますので、詳細に申し上げることは控えたいと思いますが、ソ連側はシベリア開発ということは非常に大事なことであって、日本の協力がなくてもソ連はやっておるけれども、協力をすれば双方のためによいという趣旨のことをコスイギン首相が述べております。
○渡辺(朗)委員 私は、そういったことも大いにお話される必要性があろうと思います。しかし、どうも感じられるのは、いままでの日ソ交渉、私はこれはいままで長い間の日ソ間のやるべきことをやっていなかった結果、こういう難航するような事態がきているというようなことを感じます。たとえば漁業関係にいたしましても、漁族資源の保護であるとか、あるいはまたいまのシベリア開発の問題にいたしましても、数年前からやはり日本側として、ここまではできる、これだけの用意はある、そういった交渉をしておく。今日の世界というのは相互依存と相互協力の時代でありますから、そういった積み重ねが行われておらずに、何か漁業交渉が難航したら、ぽっとシベリア開発の問題を持ち出してみる、こういう単なるその場の戦術、あるいは打開の一方途、方便のような形での問題が提起されている。それでは、何をいまさらと相手側が反応するのじゃなかろうかと思うのです。そういった意味で、私はこの問題について要望いたしますけれども、これはソ連に限りません、他の国々に対しましても、今後の長期的な展望をつくられて、そして、いまからどういう経済協力をやっていくのか、あるいは相互協力の実態をつくり出していくのか、こういう準備をしていただくよう要望をいたしておきます。 私は、時間の関係で次に核の問題について入らしていただきたいと思います。カーター大統領が今月の七日でございましたか、七項目を含む新原子力政策、これを発表するということでございました。そしてプルトニウムの拡散、これを防止する、大変厳しい方針を打ち出すということを発表いたしました。この問題につきましてまずお聞きをいたします。 第一番目に、アメリカの原子力新政策によってわが国の原子力の平和利用、こういう政策がどういう影響を受けるのであろうか、これにつきまして外務大臣から御所見をいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 この原子力の問題は、あるいは宇野科学技術庁長官からお答えいただいた方がいいかと思いますが、私の考えていることを率直に申し述べたいと思います。 このカーター大統領の新政策は、やはりプルトニウムの拡散ということを非常に危険なことであるという強い認識を持っておる、これは強調されておるところでございます。この拡散を防ぐという点につきましていかなる手段によられるかということは、この新政策のみではまだ明らかでない。その新政策とともに行われましたカーター大統領の記者会見等の模様が報ぜられまして、日本の立場というものにつきましてある程度の大統領の認識が得られたという感じもいたします。福田・カーター会談の結果、日本がいかにエネルギーの問題が大事であるか、そして原子力の平和利用というものが日本には大事なんだということはよく認識をされた、その結果そのようなカーター大統領の発言になったのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございまして、これからの日本の原子力開発計画がどのように評価されて、実際的にどのような取り扱いになるかということは、先般の新政策のみではまだはっきりいたさない、これからの両国の交渉次第によるのではなかろうか、このように考えるところでございまして、詳細は政府委員からでも補足をさせていただきたいと思います。
○大川政府委員 ただいま大臣が言われましたように、この間の七日に発表されました大統領声明は、主としてアメリカの国内における原子力政策を中心としております。それで、今後四月の二十日ころにアメリカのエネルギー政策全般についての大統領教書のようなものが発表されるように聞いておりますけれども、これはまた、たとえばアメリカの国内でどれだけエネルギーの消費を節約できるかとか、ガソリン消費の節約のためにガソリンタックスをどういうふうにするかとか、あるいは石油、石炭、天然ガスをどれだけ新たに開発していけるかという大変広範囲のことにわたるものと思いますので、たとえば具体的に原子力関係で日本のどこどこの施設の操業を認めるとか認めないかというような細かい話は出てこないのではないかと思います。そういったような問題は、今後アメリカが関係各国といろいろ国際的な協議を行いまして、そういった協議の過程を通じて具体的にどういうふうにおさめていくかという今後の問題になるのではないかと思っております。
○渡辺(朗)委員 いま大統領の記者会見というのは、あるいはこれから発表されるものは国内向けとおっしゃいましたけれども、同時にアメリカ側の方では、これは世界各国に同調を求めている、こういう性格のものであります。ですから、単なる国内向けのものではなくて、日本のこれからの核エネルギーの問題については非常に大きな制約条件をもたらすものだと私は思います。その点、いま交渉をアメリカ側とどのような形でしておられるのか、どこまでいま行っておりますか、この辺についてお聞かせをいただきたい。
○大川政府委員 ただいまワシントンで行っております話し合いは、これは福田・カーター会談の後を受けまして、いわゆる専門家ないし実務家レベルで非常に技術的な見地からいろいろ話し合っております。 たとえばアメリカが言っております核燃料サイクルに関する再評価計画という言葉がしばしば出てまいりますけれども、それは具体的にアメリカとして何を考えているのかとか、あるいはそういった場合に日本といたしましては、そういった再評価計画をやるにいたしましても、それは再処理をやることを認めた上で、再処理を通じて出てきたプルトニウムが軍事利用に転用されないように、どういう技術的あるいは制度的な措置を講ずることができるのか、そういった問題も含めた再評価であってほしいというのが日本の立場でございます。 いまのは一例でございますけれども、この話し合いは先週から始まっておりまして、今週に入りましてから、いまの再評価計画の話、それから再処理を行った場合の保障措置の話、それからたとえば再処理をしない場合の使用済み燃料をどうやって国際的に貯蔵できるかできないかといったような幾つかの技術的な問題について、小さいグループに分かれて話を行うことになっておりました。その結果を見まして、今週の金曜日ぐらいにはまた全体会議を開いて今週中の進展を検討する、そういったようなテンポで進んでおります。
○渡辺(朗)委員 その際、交渉の基本として、日米のエネルギー事情の立場の違い、こういったものは当然お話をしておられると思うのです。アメリカ側の方は濃縮ウランの供給シェアにつきましても九二%を占めている、こういうようなアメリカでありますし、わが方はすべて輸入に依存する、こういう状態であります。しかも、今日のエネルギー状態、エネルギー問題は大変逼迫している、こういう違いを当然説明しておられると思いますが、いかがでございましょう。
○大川政府委員 その点は、先週からの話し合いばかりでなく、実は昨年の十月前後から何度も何度も、いろいろな場所でいろいろなレベルで、アメリカ側に主張しております。総理が訪米されたときも、もちろん総理レベルで大統領に直接お話しになりました。いろいろな機会にその事情は十分説明することに努めております。
○渡辺(朗)委員 私は、関連いたしまして、国際原子力機関IAEAにおきましても、日本というのは平和利用については優等生というぐらいに評価も受けているというふうに聞いております。この上日本に対してどのような査察が必要なのだろうか。伝えられるところによりますと、アメリカ側の方は、先ほどのお話のような核管理政策を実施するに当たって、経済制裁とか軍事的援助の停止であるとかいうように、他国に対してのそういう制裁措置までも伴う、こういうようなことが伝えられておりますけれども、こういう点につきましては、交渉の過程でどのような点がいま明らかになってきておりましょうか、お伺いいたします。
○大川政府委員 経済制裁でありますとか、あるいは軍事援助の停止といったような問題は、これはアメリカの国会で議員からそういう立法案が幾つか出ておることは確かでございますが、直接日米の話し合いの中には出てきておらない問題でございます。 そこで、査察あるいは保障措置をどのように最初に適用すべきかという点になりますけれども、確かに日本はIAEAから見ますと優等生という評価があろうかと思います。ただ、昨年核防条約を批准いたしまして以後、IAEAとのNPTに基づく保障措置を新たにこれから導入しなければなりませんので、その点はこれからの国会の御承認を得た上で、新たな核防条約下の保障措置が日本にも適用されることになります。再処理工場に対しては、どの程度のどういう保障措置が適用できるか、これは実は、国際的にもあるいは今後の問題と申し上げた方がいいかもしれません。いろいろ保障措置の技術上の問題が日進月歩でございますし、できるだけ有効な保障措置が適用できるように国際的に話し合って、少しでも有効な保障措置を完成していくという長い一つの過程だと把握していきたい、かように考えております。
○渡辺(朗)委員 時間がございませんので、はしょってあと一、二点だけ質問をさせていただきたいと思います。 私、いまの交渉の中でも、現行の日米原子力協定は再処理を前提としたものでございますから、当然いかなる保障措置があっても再処理を認めないと伝えられるようなアメリカ側の態度に対しては、原子力あるいはウラン供給ということを通じての大変大国主義的な姿であろう、そういう点をやはり原則を守って大いにこちら側の主張というものをやっていただきたい、この点を御要望申し上げておきます。 と同時に、私ども日本の立場からするならば、日本だけでないかもわかりませんけれども、なぜアメリカ側は再処理の問題に対しての不安や疑念を依然として持ち続けているのか。いまお話を聞きますと、昨年十月から説得をしてきている、にもかかわらずそれがまだ消えてないということはどこに原因があるとお思いでしょうか。
○鳩山国務大臣 アメリカといたしましては、日本に対して非常な不安を持っているとか不信を持っているということではないと私どもは考えております。そうではなくして、アメリカは、いままでのこの再処理技術というものが世界じゅうに広がった場合に、人類に対して大変危険な状態が出現するのではないか、こういったことから事が起こっているのでございまして、その際に日本が信頼されてないということではなしに、そういう全世界に拡散することをいかに防ぐか、そのために特に商業的な再処理の施設というようなものは、アメリカ自身がまず自分でやめようということをこの間の新政策では打ち出されているわけでございます。日本もその不拡散という面では協力してくれるだろうということを申しているわけであります。 他方におきまして、エネルギー問題から来るところの日本のエネルギー事情というものはよく理解をしておるということから、日本におきます平和利用の促進というものにつきましては日本としてはこれは何とかして確保いたしたい、この両者の調整をいかにつけるか、こういうことがこれからの折衝の主なテーマであろう、こう思いますので、鋭意折衝をしてまいるということでございます。
○渡辺(朗)委員 原子力平和利用を阻害してはならないとする現行のNPT条約、不拡散条約、もしアメリカ側が余り厳しいことを言うようであるならば、これはそれに対する違反でもございますから、原則を貫いていただきたいという点を私は再度要望しておきます。 と同時に、要望事項は、私はグローバルな核軍縮に対しても日本の提案というのはやはり大胆に出して、そして積極的に国際的な活動をやるべきであろう、こういうことを、やはり単に国際条約上、あるいは協定上の問題点で押し合いへし合い、あるいはこちら側の核エネルギーの実情、こういったものを話すという受け身の体制だけではなくて、ポジティブな面で核軍縮の問題についての積極的なプランをぜひ国際的に発言していただきたい、これを要望しておきます。外相、最後に一言だけその点についての御所見をお伺いしたいと思います。
○鳩山国務大臣 日本の核に関します政策の中で、そのうち重要なる一つの非核三原則とともに核軍縮に努力をする。その第一段階といたしまして、この無差別な包括的な核兵器の実験を禁止するということをとにかく従来から言っておるわけでございますけれども、核保有国にやはり核軍縮に努力をしてもらう、これは主として大きなところは米ソということになるわけでございます。米ソの核問題が大変な問題であることは承知いたしておりますけれども、核保有国が核軍縮に——将来は核の廃絶というようなことをカーター大統領も打ち出されたわけでございますが、直ちにはむずかしい問題だと思いますけれども、核軍縮という問題につきまして日本政府としては率先してこの主張をするということによりまして、これからの核の平和利用が核の拡散につながらないようにというのが今回のカーター氏の新しい考え方で、そういう考え方が出てきたときでありますから、これはそれとともに核軍縮をやってもらわなければ筋が通らない、このように考えるので、私どもとしては鋭意取り組んでまいりたい、こう思っております。
○渡辺(朗)委員 これをもって終わります。ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、寺前巖君。
○寺前委員 同じことを繰り返しておっても何ですから、日ソ漁業交渉をめぐっての他の角度から二、三聞いてみたいと思います。 この間特使として園田官房長官がお行きになりましたが、帰ってきて羽田で記者会見をおやりになっています。外務大臣はあの記者会見について何かお気づきの点ございましたでしょうか。
○鳩山国務大臣 ただいまのお尋ねは、恐らく線引きに関する御発言ではなかろうかと思います。
○寺前委員 どういうふうにお感じになりましたか。いろいろ新聞にも書かれておりますが、大臣の率直な感じられた点をお述べいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 御趣旨を必ずしも官房長官にお確かめしていないわけでございまして、いまここで私がどのような印象であったかということは申し上げにくいことかもしれませんが、宮津局長からちょっとその辺の答弁を……。
○宮澤政府委員 私は記者会見に陪席しておりまして、私も実は、ただいま大臣がおっしゃいましたように、その後官房長官にあのときの真意を伺ったわけではございませんが、その後おっしゃっておりますこと及び私がその場で考えましたことは、ソ連側は水域として海図その他の地図を特につけてはいないということをおっしゃったものと私は私なりに解釈いたしました。
○寺前委員 要するにどういうことなのか、何を感じられましたかということが私の質問なんですよね。どういうお感じをお持ちになりましたかということを聞いておるのです。
○鳩山国務大臣 感じというのは、よく御発言の趣旨がわからなかったというのが率直な感じでございます。ただ、どうも申されたことは、いま宮澤局長から申したのでありますけれども、あるいは恐らくそのようなことが何かの折衝のときに話題に出たのではなかろうかという想像をいたしておるわけでございまして、具体的に線引き線引きという記事が日本の新聞にはもう連日出るわけでございますが、ソ連としてはその閣僚会議のあれを見ましても具体的に線はどこにもないんだということを、そういうような話題があったのではないかと私は、これは想像でございますから、想像を交えて申し上げるのは不適当だと思いますが、そういうことをちょっと申されたのではないかという感じを受けたのでございます。
○寺前委員 それでどうなんでしょうか。これはえらいことを言うなあというのが私の率直な感じですよ。新聞にいろいろ出ておりますから、私、その部分だけを、どの新聞も順番に読むわけにいきませんので、一つ読んでみますと、こう言っています。「ソ連の最高会議幹部会令と閣僚会議決定の両文書をみても、北方四島と海峡の名前は出ているが、二百カイリの線引きはしていない。この点は日本側の思い過ごしだったが、ともかく、鈴木−イシコフ会談でソ連は解決ずみといい、日本側は未解決と主張している領土問題での両者の対立をそのまま将来に持ち越して、当面の漁業問題に決着をつけるのが、こんごの交渉の重要な課題だ。」そこで、日本側の思い過ごしだというふうにこの閣僚会議の決定の文書を言っているんですが、先ほどこの場で閣僚会議の文書について言われておりました。これはそういうような思い過ごしの文書というふうに見られますか、見られませんか。外務大臣、いかがなものでしょう。
○宮澤政府委員 官房長官が思い過ごしとおっしゃいました事柄、私ただいま正確に記憶がございませんが、思い過ごしとおっしゃいましたとしますと、その言葉の意味が必ずしもよく私はわかりませんけれども、地図がついているというふうに考えれば間違いだとおっしゃったことかと思いますが、必ずしも私、思い過ごしとおっしゃったとすれば、その意味をよく解しておりません。
○寺前委員 外務大臣に聞きますよ。どう言ったとかはいいですよ。新聞に、線引きはしていない、その点は日本側の思い過ごしだった、これが出たんだよ。これが事実だとするならば、外務大臣どう思われますか。
○鳩山国務大臣 どうも官房長官のおっしゃったことでございますので、私、本当に真意を伺いませんでしたので、ちょっとここでお答えできる能力を持っておらないのでございます。
○寺前委員 それじゃ、官房長官のことを云々するのはかなわぬというのだったら、このソ連の閣僚会議の決定は線引きはしていない、そういうふうに理解しますか、しませんか。
○鳩山国務大臣 閣僚会議の本当の成文をまだ入手はいたしてないのでございまして、私どもイズベスチヤの記事で承知をしておるだけでございます。しかしこれは恐らくその新聞のとおりであろうと思っておるのでございますが、その線引きという、具体的に地図に線が引いてあるということがあるのかないのか、そのようなことを言われたのではないかと思いますけれども、それ以外の御発言につきまして、いま、それは新聞の記事によることでございますが、私が官房長官にお確かめしてないものですから、ここでその新聞に出ましたことをもちましてこれ以上のコメントをする能力はないのでございます。
○寺前委員 はっきりしょうや。いまおっしゃったイズベスチヤのあれによると、線引きというのが、このことから考えるというのは思い過ごしということになりますかといって聞いているんだよ。この閣僚会議の法定をあなたはどう思いますかと聞いておる。官房長官じゃない、あなたはどう思いますか。これは線引きのないものと考えるか、線引きのあるものと考えるか。私はきわめて単純に聞いておるのですから、単純にお答えをいただきたい。
○鳩山国務大臣 私どもはイズベスチヤ紙に出ましたいわゆる閣僚会議というものはこのような線であろうと思って、地図に私どもで線を引いておることは事実でございます。しかし、その線を先方と確かめ合ったことはないというのもこれまた事実でございます。
○寺前委員 外務大臣は線引きがあるという想定のもとに仕事をしている、総理大臣は、ソ連閣僚会議決定には線引きが入っている、群馬の記者会見でそう言っています。総理もあなたもそういうものとして準備をしている。ところが、向こうに仕事に行ったところの官房長官が、特使でありながら、向こうへ行ったらこれは思い過ごしだった、こういうような発言を帰ってきてしているとするならば、いまだに確かめていないということになったならば、国際的な話し合いをするのにわざわざ行った特使と見解が違うのだったら、先にきちっと詰めておかなければいかぬ話じゃないですか。それとも、行っておった大使が、特使でありながらそういう違った認識で仕事をしておったのか、よくわからぬままにおったのか。これは食い違いが生まれていると思いますよ。私はこの食い違いの問題についてのはっきりした統一をさせる必要があると思いますが、いまだに統一をしていないということは一体どういうことなんですか。いかがなものでしょうか。
○鳩山国務大臣 本日も農林委員会の方で官房長官御質疑を受けておられまして、その御質疑の応答を拝見いたしましても、私どもと官房長官の間に認識の違いはないというふうに考えております。
○寺前委員 そうしたら、あなたも新聞を見て、線引きですかと、先ほど何をお感じになりましたかと言ったらそうおっしゃった。確かにおかしいなと思われた。そして、しかもいまだに確かめていない。おかしいなのままで、確かめないままに今日まで来ている。これだけの大問題になっているものが、特使として行った人が違った認識の印象の発言をなされた以上は、当然閣議においてもあるいは関係者の中においても意思統一をして、そのことに対するところの誤解があるならば、あるいは発言上に問題があるならば、それはきちんとした取り消しをやるべきだと思うのです。あなたはそう思いませんか。 明らかに片一方は線引きとして準備されておるものを、線引きというのは思い過ごしだったという印象の発言が記者会見で明らかになったとすれば——これは公的発言ですよ。とするならば、官房長官に訂正をさせるのか、それとも認識を政府として変えるのか、はっきりさせるべきですよ。いずれにしても、正式にこの問題についての決着を明らかにすべきだと思いますが、どうですか。
○鳩山国務大臣 官房長官とはその後もたびたびお目にかかっておりまして、いろいろ御相談を当然のことながら申し上げておるわけでございまして、その過程におきまして認識の相違は全くないというふうに私は感じております。 空港におきます記者会見の記事は私も拝見いたしましたけれども、その記者会見におきましていかなる意味のことをおっしゃったのかという点は確かめておりませんけれども、基本的な認識におきまして差があるということは私は考えられませんので、線引きの点につきまして何か地図とかそういう面のことをちょっと触れられたのだろう、それが非常に大きく報道されたので、私どもは私どもとして、ソ連邦の閣僚会議決定をもとにいたしまして地図の上に線を引いてあるのでございます。これは私どもが引いておるのでありますけれども、文書を読みまして、これがはっきり線であるとかどうかということは、これは私どもも存じませんものですから、ただ私どもといたしましては、あの閣僚会議決定というものは一定の線を想定されるに足りるものだというふうに考えまして、そして私どもとしては線を考えながら施策を考えているのでございまして、その点ちょっと次元の違うような話をされたのではなかろうかというふうに想定しております。したがいまして、いま現在におきまして根本的に考えが違うということはあり得ないというふうに考えております。
○寺前委員 もう押し問答みたいなことをやっておっても私はあれだから、これははっきりとぼくは理事会で、外交の特使として行ってきた人の記者会見で発表されたものが広く国民に知らされている、そこでは線引きの問題について、外務大臣もお感じになったように、していないという発言としてずっと報道が流れた、流れた以上は、外務大臣は認識は同じだ、こう言いながら、書かれたものは線引きをしていないと書かれている以上は、この問題に対して政府としての処置を明らかにしたものを外務委員会の理事会に提出してもらうように私はちゃんとしてほしいと思うのです。こんな押し問答をして、ここに官房長官がおらぬから、と思いますとかなんとかばかり言っておってちっともらちが明かない。決着をきちっとこういう問題はつけてもらうように理事会で取り計らいを委員長にお願いしたいと思います。 それからもう一つお聞きをします。大臣、先ほど水産庁の人は、特殊水域の問題について技術的な角度からの発言がありました。しかし、総理が群馬に行かれて四月十日の記者会見でおっしゃっている言葉を見ると、そういう問題として発言はされていません。この問題は「難しい問題だ。領土問題は後回しにしようということで、まだ具体的な話し合いに入っていない。いずれ行き当たる問題で、具体的にどうするかは考えられているが」とこういうふうなところまでおっしゃっているのです。これは技術的な小さい船の問題とか大きな船の問題とか、そういう問題ではないと思う。領土問題が、線引き問題がこれだけ問題になっている中で、特殊水域問題というものを考えて、そうして具体的にどうするかをいまやっているのだという趣旨の記者会見をやっているじゃありませんか。私は、このあなたたちが言われる北方四島の問題、あそこをめぐって特殊水域問題というのは当然発想として出てくる問題だと思います。 私どもの党も、共同管理方式という問題を、これはここに限ってはおりませんが、提起をしております。領土問題をたな上げにして、漁業の地域を特別に考える問題として出されていい構想だと思うのですが、その辺の構想は考えていないのか、それともその内容を向こう側に何らかのものを提起しているのか、そこを御説明いただきたいと思うのです。
○宮澤政府委員 ただいまおっしゃっております水域は、日本が領土権を主張しております島々の周辺の水域でございますので、この水域につきましては日本が領土権の主張を傷つけられないような形にして操業し得るように取り決めるということが必要だということでございまして、そういう意味で、他の日本が領土権を主張していない水域とは別の水域であると私は考えておりますが、特殊水域という言葉を私ども自身は使ったことはございません、新聞等には散見されておりますが。ただ、使われております意味合いは、先ほど水産庁から御説明がございました実態的な意味と別に、そういう意味で使われておるかと考えております。
○寺前委員 総理にわが党から申し入れもやった共同管理方式という問題については御検討いただいたのでしょうか。
○宮澤政府委員 共同管理方式という点につきましては、私、仰せの内容を一応心得ておりますが、私どもの立場からいたしますと、あの辺は日本の元来主権下に入るべき、当然帰属すべき島でございますので、法的に申しますと共同に管理すべきものでないと考えております。
○寺前委員 ですから私はあそこの問題だけを提起しているわけではないわけです。もう少し総合的な問題として、第一歩の問題としてやっていこうという問題提起です。 もう時間がありませんからやめますが、もう一つちょっとこの際に聞いておきたいのは、ソビエトとの間に二百海里の設定をめぐって動き出したわけですが、日本自身も二百海里の問題が現実の問題になっている、そういう状況の中で、韓国は二百海里の問題についてどういうふうに動いているのか、その実施の動きがあるのかないのかという問題。 それから、韓国がもしも二百海里という問題を現実にとり出した場合に、現実の漁業協定というのはどういうことになるのだろうか、日韓漁業協定はどうなるのだろうか、そこらはどういう動きになっているか、御説明をいただきたいと思います。
○佐々木政府委員 漁業水域の問題でございますので、水産庁の方からお答えをさせていただきます。 まず、二百海里のわが国の周辺の漁業水域の設定並びにその規制措置の内容をどうするかということは、できるだけ早急に国会に提案することを目途にして現在検討中でございます。そういう日本側の動きを一応いままでにも非公式にあるいは大使館等を通じて韓国側の方にも連絡をいたしております。しかし、韓国側の方で明確にいつ二百海里の漁業水域を設定するかということは、私どもとしてはまだ聞いておりません。二百海里問題をめぐっての韓国なり中国なり近隣諸国との関係につきましての日本側の漁業に関する基本的な考え方は、現実に、日韓の漁業協定なり日中の漁業協定に基づきまして、特に東海黄海の方では円満な漁業秩序ができておりますので、日本が二百海里の漁業水域を設定した場合にも、現在でき上がっておる、円滑に運営されている漁業秩序を損なうといいますか、そういうものに支障がないようにわれわれとしては運用したい、こういう考え方もあわせて韓国側の方にも伝えている状況でございます。それ以上、韓国側の方からの特別の意思表示は私どもとしては承知をいたしておりません。
○寺前委員 最近、韓国の漁船による被害が北海道沿岸では非常に多くなっているということが報道されてもいますし、関係するところの方々からも陳情が出ております。そこで、その出ている陳情に基づいていま政府としては何をしなければならないと考えておられるのか、あわせて聞きたいと思います。
○佐々木政府委員 韓国漁船の北海道沿岸での操業による日本の沿岸漁業との間のトラブルの問題は、実は昭和五十年にかなり発生をいたしまして、この紛争を防止し解決するためにどういうふうにするかということで、六月に北海道で民間同士の協議会が設立をされまして、そこで話し合いが行われております。それに基づきまして、こういう日本側の漁業の実情をよく韓国側にも知らせ、また不幸にして発生した漁具被害等についてのいわば後の賠償処理といいますか、補償処理といったことも、そういう委員会を通じてやろうということで今日まで来たわけでございます。 その後ずっと被害が若干低下しまして、やや平穏に過ぎたわけでございますけれども、ことしの三月になりまして、また韓国漁船の日本の近海での操業が非常にふえまして、トラブルが激増いたしました。そういう状況を踏まえて、私どもとしては韓国の水産庁に対して、従来から民間ベースで行われている話し合いを早急に継続させるとともに、日本側の方の北海道沿岸における漁業の規制状況を十分再度説明をいたしまして、そういう紛争が起きないように自粛を指導するよう申し入れしたわけでございます。 それに対しまして、水産庁を通じて韓国側の方から返答がございまして、日本の周辺での漁業のいろいろな規制状況というのは十分わかったので、要するに、十二海里の中での操業と沖合い底びき等の底びきの禁止区域内での操業は自粛するように業界の方に指導を徹底しますということと、先ほどの、起きた事故についての処理を中心にしまして民間ベースの話し合いを早急に再開させるということを、私ども水産庁の方へ伝えてまいりました。 その結果を受けまして、三月三十一日から四月のたしか四日までだと思いましたけれども、今度は大日本水産会なり北海道の漁業団体の代表が向こうへ出かけまして、ソウルで向こう側の方の関係の漁業者団体と話し合いをいたしまして、そこで再度日本の周辺の十二海里内での操業自粛及び禁止区域の中での操業自粛ということを確認しますとともに、六月を目途にして民間ベースでのいろいろな事故処理等の委員会をつくろう、それを目途にさらに話し合いを進めようということを取り決めて帰ってきたわけでございます。 日本側といたしましては、何分、現在日本の領海が三海里になっておるわけでございまして、その沖合い、公海の上での話し合いでございますし、一方的にこれを日本側の方の法規制だけで取り締まりをするということは制度的にも無理がございますので、現在の段階ではそういう民間での話し合いを進めさせて、韓国側の水産庁も、長い目で見て日韓の間で漁業の紛争が起きることは非常に好ましくないということは十分理解しておりますから、そういう背景のもとに、民間ベースでの操業の紛争の防止及び起きた事故の処理の状況を見守りながら適切な指導をしてまいりたい、かように考えておる段階でございます。
○寺前委員 もう時間ですから終わりますが、その問題について政府ベースで交渉のルートをつくってもらわないことには、賠償の問題にしても対応の問題にしても進まないということを北海道の関係する漁協なり水産界の関係者が言っていますが、この辺の問題については政府としてはどういうふうに考えておられるのか、最後にお答えいただいて終わりたいと思います。
○佐々木政府委員 先ほど申し上げましたように、昨年あたりから急激に一時問題が出て、一たんおさまったところ、ことしの三月急にまた出てきた問題でございますので、政府間でやるとなると、やはり正式に協定を結ぶなり、いまの日韓漁業協定の全般的な見直しが必要になって、当面の話にはちょっと間に合わないわけでございますから、民間ベースで、相互に尊重し合うという精神で、操業の紛争が起きないように話し合いをさせることを指導しますとともに、今後二百海里の設定等に関連して、日韓の漁業関係をやはり全体的な問題として話し合う必要が出てまいるであろう、かように思っておるわけでございます。
○竹内委員長 次に、伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 きょうは私、委員会を重ねて持っておりまして、ほかの委員会にも出ておりましたので、多少重複するところがあるかもしれませんが、できるだけ重複しないようにやらせていただきたいと思うのであります。 先ほど同僚議員からも多少質問があったかと思いますけれども、財団法人の国際学友会が経営しております日本語学校に、東南アジアの学生の方々が新学期を目指して大変な希望を持ってすでに来られている。ところが、実は私もいろいろな資料を取り寄せていただいたり、実際に皆さんのお話を伺いますと、二億四千万円近い大変な負債を抱えているということでございますけれども、この経営悪化は一体どこに原因があったのか、まずお尋ねをしたいと思います。
○田中説明員 お答えいたします。 国際学友会の負債の問題の原因は三つございます。第一番目は人件費の不足でございます。第二番目は食堂の経営の赤字でございます。第三番目は現在おります在寮生の寮費滞納、その三つが主なる原因となって今日の事態となっております。
○伊藤(公)委員 この赤字解消のめどをお聞かせください。
○田中説明員 これらの赤字を消すために国際学友会は昨年春より再建計画というものを作成いたしました。 再建計画の骨子は、まず、現在の赤字を消すために学友会の持っている土地のうち一千坪を売り、その一部をもって約二億円に相当する赤字を消すことでございます。 第二番目に、すでに老朽化している学友会の建物を一遍壊し、そして建て直す。そのために第一番目に日本語学校を建設する、それから第二に留学生ホールをつくるというのが再建計画の骨子でございます。 ところが、三月三十一日をもって現在入っております留学生が退去しないので再建計画がおくれているのが現状でございます。
○伊藤(公)委員 赤字の二億四千万円を一千坪の土地を売却して、こういうお話がございましたけれども、この土地の売却についてはすでにはっきりした契約なり見通しがついているわけでございますか。
○田中説明員 学友会当局は三月七日付をもって日本パイロットハウス社と土地の売却についての契約を結びました。ところが、その契約の中の条件は、三月三十一日をもって現在おります在寮生が退去し、そしてその建物を取り壊すことができるということが条件になっております。残念ながら三月三十一日をもって在寮生が退去しなかったために、その契約はそのまま履行することができなくなっているというのが現状でございます。
○伊藤(公)委員 実は私も海外に五年ほど生活をしておりまして、ちょうど日本語学校と同じような外国のこういう語学の学校で勉強さしていただいた経験があるわけでありますけれども、この日本語学校というような学校は、日本の場合には非常に少ないわけでございます。渋谷にヨーロッパの学生の方々を中心にした日本語学校がございまして、あと東南アジアの方々に日本に来て勉強していただくという施設は非常に少ないわけでございます。東京のこの日本語学校と、関西にもあるとお聞きしておりますけれども、すでに現在学生の入っている寮があるわけでございますが、学生寮に百五十数名の方々が現実に入っていられる。さらに東南アジアの学生の方々が日本に来てしまって、そして寮がなくて百名近い方々が現実に部屋がないまま立ち往生をしているということが実情でございます。東南アジアに対する、特に若い世代の方々の交流ということが私たち大変大事な問題だと思っているわけですけれども、ほとんど外務省の予算に頼って経営がされているこの日本語学校が、四月の新学期を目の前にして、すでに東南アジアの学生の方々は現実に来てしまっている、入る寮がない。一体この寮の見通しについてはどうなっているのかお尋ねをしたいと思います。
○田中説明員 現在御審議いただいております五十二年度の予算の中には寮の建設費は含まれておりません。国際学友会といたしましては、当初二カ年計画というものをつくりまして、土地を売った金でとりあえず日本語学校及び留学生のホールをつくり、寮の問題については次年度以降において検討しようという計画でございました。
○伊藤(公)委員 実際にこの学校の当事者の方々のお話を伺いますと、当初、建て直しを初め計画が出されたときに、寮も必ず計画をするからと、こういう約束事があって始められたと聞いておりますけれども、それは間違いでございますか。
○田中説明員 学友会当局は寮の問題を全然考えなかったわけではございません。しかし、現在の厳しい財政状況において、日本語学校それから留学生ホール、寮、そのすべてを一会計年度において設立するということは、やはり財政的な制限もございましてなかなか困難な事態であるというのが現状でございます。
○伊藤(公)委員 すでに次々と東南アジアの学生の方々が現実に来てしまっているわけですね。例年ですと、約三百人ほどの方々に日本においでいただいて勉強していただく、こういう通知を出されているようでありますけれども、その寮が使えない。あるいはこういう事態というものを、どの時点ではっきりした形で先方のそれぞれの方々に連絡が行ったのか、その連絡等は十分行き届いていたのかという点についてもお尋ねをしておきたいと思います。
○田中説明員 お答えいたします。 国際学友会は昨年十二月二十日付をもって新たな入学許可を出しております。その前提となりましたのは、要するに現在おります百五十名の在寮生の相当数が退寮するという意図を示したからが大前提でございます。 その後、二月に入りまして労働組合及び留学生たちがこの再建計画自体に反対を始めたわけでございます。そして、そのような事態が紛糾したために、三月十日付をもって国際学友会当局は保証人に対して、緊急事態が発生している、ついては日本語学校の開校のめどもつかないから本校への入学は見合わせてもらいたいという手紙を送っております。 一方、外務省といたしましても、関係在外公館を通じまして関係留学生に対して事態を周知徹底方努力いたしました。
○伊藤(公)委員 いまそういう手紙を送ったというお話でございますけれども、これは昨年の十二月にすでに送ったわけでございますか。
○田中説明員 その手紙でございますけれども、二つございまして、第一は、入学の許可は昨年の十二月二十日でございます。第二の三月十日付の書簡と申しますのは、学友会の当局から保護者に対して、新たな事態が発生したということを通知した手紙でございます。
○伊藤(公)委員 私はただ追及をしようと思っているわけでございませんで、すでに起きてしまって目の前にしている事態をどう収拾をしていくか、せっかく日本に、その間の事情がわからずに勉強をしようと思って来られた方々に、現実にどう対応していくかということが大変大事な問題でございますし、特に先進諸国の日本だと、私ども口を開けばこう言いながらも、それだけの十分なことを私どもが必ずしもし得てこなかったということを考え合わせますと、大変大事な問題だと思いますけれども、すでに日本に来られた、来てしまっている方々に対してどう対応していかれるのか。 また、現在寮に入っている方々、また勉強されている方々、この学校の当事者から、ぜひ寮をつくってくださいという要求もあるようでございますけれども、寮建設の見通しについてはいかがでございますでしょうか。
○田中説明員 寮をつくる問題でございますけれども、この問題を含めまして、外務省は現在留学生問題の専門の方々を集めまして、急遽会議して今後の対策について詰めている段階でございます。寮の建設問題も含めまして、この会議の議題となる予定でございます。
○伊藤(公)委員 来てしまった人たちに対しては……。
○田中説明員 すでに来ている人たちの取り扱いの問題でございますけれども、御指摘のように、国際学友会組合問題、それから学生の退寮問題その他財政問題等々すべての問題が絡み合いまして、非常に危機的状況にございます。このまま事態が推移すれば、国際学友会はもう解散する以外に方法はございません。しかしながら外務省としましては、今後の方策についてはいま鋭意検討している段階でございます。 それで、いま日本語学校を開校しろというような問題になりましても、現状においては財政的めども立たないような状態でございまして、いま一たんここで強引に開校しましても、現会計年度の中盤におきまして非常に財政的に行き詰まるような状態になり、しかも学校を途中において閉鎖せざるを得ないような事態になった場合においては、かえって留学生の心を傷つけるだけだと考えております。そのような状況におきまして、学友会の当局者は現在、東工大初めいろいろな日本語を教えている学校に対して急遽あっせん方を努力している最中でございます。
○伊藤(公)委員 現実に来られた東南アジアの学生の方々が、あると思っていた寮がない、行く当てもない、こういう状況でございますし、いま再建計画を立てられているようでございますけれども、この種の外国の若い人たちに日本の国情を知っていただく、また住んで勉強していただくという機会が非常に少ない、こう思います。たしかこの外務委員会の私の初めての質問か二度目の質問だったと思いますけれども、外務大臣が、若い人たちも海外に派遣をしていますよという御答弁があった中で、三百何人かの人たちを送っているというような答弁、やりとりをした記憶がございますけれども、もっと積極的にこういう機会もつくり、また、せっかくそういう小さな窓があいているのに、その小さな善意までつぶしてしまう、せっかく日本に行って勉強しようとして来ていただいた東南アジアの若い、まあ言ってみればこの日本語学校をすでに卒業されて、それぞれの本国に帰られて、それぞれかなりりっぱな地位で活躍している方々が現実にいるわけでございますから、ぜひこの事態を早急に解決をして、そして、ただ解決をするだけではなしに、御希望のある学生ホールそれから寮、一緒に寝泊まりをしながら勉強ができる完備をしたものをぜひおつくりをいただきたい。あわせて、さらにその枠を、東南アジアと言っても一国ではありませんから、毎年わずか二百人、二百五十人程度では、私ども決して十分だと思いませんので、ぜひこの道に力を注いでいただきたい。早急にこの問題を解決していただくことを強く要望しておきたいと思います。 限られた時間の中でございますので、もう一点、いまの時局の問題でどうしてもお聞きをしておきたい問題がございますので質問を続けたいと思いますけれども、超党派議員団が日ソ漁業交渉と相まってぜひソ連入りをしたい、こういう決議を三月三十一日にしたわけでありますけれども、先ほど同僚議員の質問に対して、四月八日に外務省はこれを先方に伝えた、こういうお話でございますけれども、実は昨晩、私ども同僚の議員数名とソ連大使との二時間余りに及ぶかなり自由なやりとりをさせていただいたわけでありますけれども、三月三十一日に決議をしたということは新聞等で承知をしておった、しかし外務省から正式な形で連絡をいただいたのはそれから数日ではなしに、一週間以上もたってからの連絡でありました、こういうお話がございましたけれども、その間の事情を御説明をいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 二つの点にお答えさせていただきたいのです。 学友会の問題でございますが、伊藤委員が大変御心配いただいておること、本当に申しわけないと思っております。私も責任者として責任は痛感をいたしております。しかし、国際学友会の問題は大変長い経過がございまして、それが一挙に噴き出した、恐らく最近の紛争はそういう結果であるというふうに私自身は判断しております。先ほど原因は何かとおっしゃいまして、人件費が足りなかった、あるいは寮費の未払いがあるとか食堂は赤字があるとか、赤字の理由は説明いたしたのでありますけれども、この赤字がよって来るところも、やはり国際学友会が長年にわたってその経営につきましていろいろな問題が絶えなかったということが、結果としてこのような事態を生んでいるのでございまして、まことに根が深い問題でございます。それなりに、今回、留学生につきまして見識のある方にお願いして、そしてこれから本当に東南アジアの方々のために役立つ日本語学校、国際学友会をそのようなものにいたしたいということで、いま鋭意努力をしておりますので、大変急激な紛争のために非常な手違いと申さなければならないような事態がいま起こっているわけでございますが、これらの方々につきましては、何とか勉学の方途がつきますように努力をいたす所存でございます。 それから、ソ連大使とのお話でいろいろなお話が出たようでございますけれども、これはそのようなことは絶対ないのでございまして、もう即座にビザの申請をしてあったわけでございまして、その点の経過につきましては担当者から詳細に申し上げますけれども、どうもそのような席でいろいろな話が出るというのを私どももまことに心外に思っているところでございますので、その点は係の政府委員からのお答えを聞いていただきたいと思います。
○宮澤政府委員 ただいまの御発言の中で、ソ連側に対するビザの申し入れが四月八日とおっしゃいましたように伺いましたが、これは最後に私がモスクワにおきましてソ連外務省に申し入れた日でございまして、実際に査証の申請をいたしましたのは、議員団の訪ソ御決定がありましたその即日でございまして、恐らくソ連大使はその点を記憶をされておらなかったものと思います。私どもが在京ソ連大使館にビザを申請いたしますが、その際すぐにモスクワに電報を打ちまして、モスクワの方からも督促をする、こういう処置をとっております。これも即日いたしました。
○伊藤(公)委員 私たちが雑談をした感触の中では、客観的に私どもが判断をしますと、今度の議員団を素直に受け入れることができなかったことには幾つかの要素があったと思うのですね。一つはこれは当然のことだと思いますけれども、私たちの国が逆の立場だったら恐らく当然だと思いますけれども、ミグ事件、乗ってきた本人を亡命をさせるとか、本人の意思に従ってということは、あるいは仕方のないことかもしれないけれども、その現物の飛行機まで全く違う国にそれを全部オープンするということが、一体両国の間にどれだけの将来にプラスになるであろうかという十分な配慮があっただろうか、こういう問題が一つ。それから議員団がソ連に訪問をしたいという意思表示をしたのは、これは日本側の意思でございまして、やはり他人の家を訪問をするときには、前もって、ちょっと行きますよという電話をかけたり、あるいは前もって少し準備をしてという、そういう場合もある。やはりその辺の理解なしに、ソ連はけしからぬ、われわれが行くというのに入れない、こういう国民感情というものをいまこういう時期にあおり立てるということだけが、一体今後の長い日ソ関係にどれだけプラスになるだろうか、こういうような感じを実は私は個人として非常に受けたわけであります。きょうも二時から代表の方々がソ連大使館に行かれたはずでございますけれども、外務大臣はこの間の議員団のソ連訪問に対する私たちがとってきた姿勢というものについてどんな御見解をお持ちか、お聞きをしておきたいと思います。
○鳩山国務大臣 訪ソ議員団の査証がまだおりないということにつきまして大変残念に思っているわけでございます。先方の申されたことをいろいろ伺っておりますが、超党派議員団という形になりました場合に、先方としてはこれを大変大きく受け取っておられまして、これは当然のことでありますが、その議員団の皆様方の接遇に遺憾があっては困る。したがいまして、ソ連といたしましては、そのようなことは相当前から計画的にやっておるということで、先方といたしましても、最高会議のメンバーの方々が接遇をするというようなたてまえであるということを申されておりまして、これを私どもアメリカその他の国とすぐそのようなつもりで、同じような扱いを当然してもらうというような考え方でソ連に臨んだことは、いささかこれは少し考えが周到を欠いたというような感じがいたした次第でございます。しかし、この日ソ漁業交渉の重要性にかんがみまして、衆参両院で御決議もいただいて、そして先方に働きかけていただけるということは、国益のために大変大事なことであるということで極力努力をいたしたところでございますし、今後もなおその努力を続けておるところでございます。
○伊藤(公)委員 ロシア連邦共和国閣僚副議長のマースレー・ニッコフ氏、この方が三月の三十日から四月の六日まで、ソ連国家六十周年記念行事なのか、記念のことに関して日本に滞在をしていたということでございますが、外務大臣は御存じでございますか。
○宮澤政府委員 ロシア共和国の副首相でございまして、ただいま開催中のソ連邦六十周年記念展の関係で来日しておったものと了解しております。
○伊藤(公)委員 このロシア連邦共和国の閣僚副議長、いろいろ要職を兼ねている、ソ連では大変重要な、また地位も非常に高い方だと聞いておりますけれども、ソ連にとっては大変大きな事業を抱えて、三月の三十日から四月の六日まで日本に滞在をした。その間に通産大臣を初め日本の要職にある方々にぜひお会いをしたい、こういうお願いを政府にしていたそうでありますけれども、とうとう四月の六日日本を立つまでほとんど日本の政府要人にも会えない。もちろん会いたいと言った通産大臣を初め政府要人に会えずに帰国をした。こういうお話を実は伺ったわけでありますけれども、その間の事情はどういう事情だったのでしょうか。
○宮澤政府委員 私の承知しております限り、外務省に対しましてそのような申し入れはございませんでしたので、ただいまおっしゃったような事情を承知しておりません。
○伊藤(公)委員 ソ連大使は、通産大臣にぜひ会いたいというお願いをしていたけれども、とうとう滞在期間に会えなかった、大変に残念なことだ、御本人もそういう非常に残念な感情を抱いて帰られた、こういうお話をされておりましたので、これは通産大臣とはっきり言っておりますから、その間の事情は確かめておいていただきたい、こう思います。 それから最後に、きょうはかなりの動きがあったようでございますけれども、これから超党派の議員団が訪ソするということについて、もしソ連側からビザがおりるという回答がありましたときに、いま外務大臣のお考えとしては派遣をすべきであるとお考えですかいかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 漁業交渉の最後の段階でございますので、ぜひとも訪ソをしていただけたらばわが国としても国益上大変ありがたいことと思っております。
○伊藤(公)委員 時間が過ぎましたので終わりますけれども、十六日前後には農林大臣お帰りになられると思うのであります。この超党派議員団の訪ソの目的からすると、一体いまから時期的に間に合うのかどうなのかといういささかの疑問を持たないわけではありません。何でも行けばいいというものでもありませんし、その辺の政治的な判断は大変大事だ、今後の日ソ間の交渉に関して大変大事だと思います。あわせて今度の日ソ漁業交渉を私ともずっと見続けながら——中国には亡くなられた松村先輩だとか、私ども外務委員の川崎先生、田川先生あるいは宇都宮先生、いろいろな方々がいろいろな努力をされて中国への橋渡しをされてきて、日中関係は急速にいま進められようとしているわけでございます。しかし残念なことに、ソ連に対しては本当に強いきずながいままでつくられるという努力が十分でなかったのではないか。しかも今回、一方的にソ連に行くよ、ソ連はそれに対して受け入れない、こういう感情だけで一体日ソ関係が今後明るい見通しを持てるのか。国際外交にもっと目を開いてわが国の外交を進めていかなければならないという気が私どもいささかしているわけでございますが、外務大臣を初め外務省の方々、新しい時代に向けて大胆にそして長い、忍耐強い外交を展開をしていただきますことを最後にお願いと要望をいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
○竹内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十三分散会