外務委員会 第4号
- 発言数
- 173 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/03/16
会議録
○竹内委員長 これより会議を開きます。 国際農業開発基金を設立する協定の締結について承認を求めるの件、国際農業開発基金への加盟に伴う措置に関する法律案、千九百七十二年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約の締結について承認を求めるの件、以上各案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川田正則君。
○川田委員 昭和五十二年度の予算審議の重要な間を縫って鳩山外務大臣が福田総理とともに日米の首脳会議に出席をされる。首脳会議そのものが交渉の場ではないかもしれませんけれども、きわめて意義の深いことでありますし、また、私どもの期待するところ大なるものがあるわけであります。すでにわが国は世界有数の産業貿易国として自他ともにそれを認めているところでありますけれども、日本国自身が現在の国際社会なりあるいは全人類に対して積極的に貢献をしなければならないときに来ていると、私は考えるわけであります。日本が国際的な地位にふさわしい適切な役割りを果たすとか、あるいは世界各国の共通している問題の解決に積極的に参加をする、これがあって初めて日本外交の真面目といいますか、あるいはその意図が達せられると思いますが、これまでの日本の外交の姿を見たときに、積極的に取り組んでいるかどうか、率直に言って私は非常に疑問に思うわけであります。同時に、外交というものは、当然のことでありますけれども、日本国のために日本人のために日本自身の国益を守るということにも徹しなければならない。果たしてこの姿勢が守られてきていたかどうか、これまた私は疑問に思うところであります。 去る一月の三十一日に、このたびの第八十国会における鳩山外務大臣の外交演説を伺ったわけでありますが、その中に「わが国が国際社会全体の平和と繁栄に尽くすことが、みずからの国益を確保するゆえんにほかならない」こういうことを述べておられ、二、三行後に「わが国にふさわしい役割りを忍耐強く、着実に果たしていくことを外交の指針としてまいる決意であります。」ということを述べられております。鳩山外務大臣の申されることはよくわかるわけでありますが、御承知のとおり世界の情勢は刻々と変化をしてきておりますし、また日本を取り巻く諸情勢というのは、どの問題一つ取り上げてみましても非常に厳しいものがあるわけであります。ですから、いままでがこうだったから今後もこのままでいけるというふうな安易な気持ちであるとか、あるいは前例をそのまま踏襲していくというような考え方では、これからの外交というのはやっていけないような気がするわけであります。先ほどの外務大臣の演説の中の「忍耐強く」というのは、気持ちとしてはわかるわけでありますけれども、やはり勇気を持って力強く、単なる外交技術に惑わされないで、正々堂々としんのある鳩山外交を推進していっていただきたい、このような観点に立ってあるいは要望の上に立って、千九百七十二年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約について政府委員の方に御質問をし、最後に、きょうは大臣がお見えになっていらっしゃいませんので、政務次官の御決意をお聞きしたい、かように考えるわけであります。 この条約は作成にいろいろ過程があったようでありますけれども、伺うところによりますと、一九七二年にロンドンにおいて国際会議が開かれて、日本を含む四十六カ国が参加をして慎重に審議をした結果、その年の十月二十日にこの条約が作成されたというふうに聞いておりますけれども、本年の七月十五日に効力を発生するということになりますと、余りもう時間がないわけでありますが、この条約の第四条「効力発生」というところといまの現況といいますか、その辺の経緯を御説明いただきたいと思います。
○奥田政府委員 お答え申します。 先生御指摘のように、一九七二年の十月ロンドンにおいて海上における衝突予防のための国際規則に関する会議が開催されたことはいま御指摘のとおりでございます。そのときのこの国際条約の発効の条件として、批准国が十五カ国以上であること、また世界における船舶の総トン数の六五%を占めるということの二つの条件が決められたわけでございます。現在のところこの批准国は三十四に達しております。西ドイツの昨年七月十四日の加入によりましてこの条件が整ったわけでございますが、日本のこの条約への加入によって隻数において大体七五%、トン数において八二%ということになるわけでございます。そういうわけで、本年の七月十五日をもって発効することは現在すでに決しておりますので、私たちとしては、海洋国日本の権益あるいは国際海洋秩序のためにも一日も早くこういった加入についての御承認を得たいわけでございます。 また、前段に川田先生御指摘のとおり、まさにいま日本の置かれている立場というものは、経済の面を通じあるいは南北問題の面を通じ、本当に外交課題が山積しているという事実指摘はまことにそのとおりでございます。私たちはいたずらに過去のそういったいわゆる儀典外交的な流れの中に埋没することなく、こういった困難な情勢の中にあって国益を守っていくという厳しい姿勢の中に立ってこういった諸問題の解決に当たりたいということを思っておるわけでございます。外交姿勢につきましても、厳しいそういった情勢を踏まえて一段と努力をしてまいりたいということをお訴えする次第でございます。よろしくお願い申します。
○川田委員 いまお話しのこの条約の締約国というのは三十四カ国あるというふうに承りましたが、その中で主要国と言われますか、あるいは海運国と言われるアメリカ、ソ連、イギリス、これらの国々は大体いつごろ締約したということになりますでしょうか、わかればお知らせいただきたいわけであります。
○村田(良)政府委員 お答え申し上げます。 重要な海運国でこの条約を受諾ないし加入いたしました国の加入の年月日を申し上げますと、イギリスは七四年の六月二十八日でございます。ソ連は七三年の十一月九日でございます。それから米国は、昨年七六年の十一月二十三日でございます。西ドイツは昨年の七月十四日、これは先ほど政務次官から言われたとおりでございます。大体重要な海運国としては、そういった国々かと思います。
○川田委員 そのうち日本がいまいろんな国々から世界の最大の海運国というふうに言われているわけでありますけれども、どうして今国会のぎりぎりのところまで追い込まれたといいますか、おくれた理由が何かありましたらお知らせいただきたいわけであります。
○村田(良)政府委員 従来この海上衝突の問題に関しましては、国際的にモデルとなる法典がつくられておりまして、一番最近のものは一九六〇年の模範法典でございます。このモデル条約にのっとりまして、各国がそれぞれの立場から国内立法を行っておったというのが従来の形でございます。わが国の場合には、一九六〇年のこのモデル条約にのっとりまして、その当時の海上衝突予防法にしかるべき改正を加えて現在に至っておるわけでございます。 そこで、今回はこの模範法典を国際条約にしようということで、今回御審議をいただいております条約が七二年に採択されたわけでございますけれども、このためにはわが国の国内法を改正する必要があるわけでございます。そこで、十分にいろんな問題点を検討いたしまして、関係官庁間でいろんな詰めを行う、このためにはある程度の時間を要するわけでございます。そこでわが国としましては、この条約の採択後、慎重にいろんな問題点を検討いたしました結果今日に至ったわけでございますが、先ほど政務次官からも申し上げましたように、本年七月十五日にはこの条約が発効をしてしまいますので、国際的なルールの統一という見地から作業を急ぎまして、最近に至りましてすべての問題点は解決いたしまして、近く国内法の改正案も今次国会に提出されるということになっておる次第でございます。
○川田委員 そうしますと、締約国以外の国といいますか、たとえば日本と隣接をしております中国だとか韓国、こういった国々はまだ締約されていないわけでありますけれども、そういった未締約国といいますか、そういう国とこの条約との関係というのをひとつ御説明してください。
○村田(良)政府委員 この条約の締約国となりません国に関しましては、それぞれの国の国内法制によって律せられるということになると思いますので、そういった国々は、自国の領海におきましてあるいは公海におきましては、自国船舶に対して自国の法令を適用するということになろうかと思います。 いずれにいたしましても、これは世界の海洋における交通ルールを統一しようということでございますので、なるべく多くの国がこの条約に加入してくれることが望ましいわけでございますが、すでに世界の総トン数にいたしまして七一%という国がこの条約に入っておるわけで、国の数は三十四でございますけれども、世界海運という実質から申しますとすでに七割、わが国が入りますと八割以上のトン数、隻数にしましても七十数%という大きい比率を占める国々がこの条約の締約国となるということでございますので、世界の海運という見地からいたしますと、まだそれでも不十分であるかもしれませんけれども、これが世界の海上衝突予防の基本的なルールということで今後実施されていくものと考えて差し支えないと思います。また今後とも各国が、未締約国がこの条約に加入してくれるようにわれわれとしても努力すべきであるというふうに考えております。 〔委員長退席、有馬委員長代理着席〕
○川田委員 この条約の目的がいまお話しありましたように、海上における衝突の予防といいますか、秩序、ルールを守るようにするということにあれば、これはルール違反を犯したということになれば何か罰則みたいなものがあるのかどうか。罰則があるから守るとかそういうことではありませんけれども、そういった点について教えていただきたいと思います。
○村田(良)政府委員 この条約自体は罰則は特に設けておりません。したがいまして、さらに海上交通の問題に関して罰則を設けるとすれば、それはそれぞれの各国の国内立法にゆだねているというのがこの条約の考え方でございます。
○川田委員 そうしますと、いままで日本でも国内法といいますか、海上衝突予防法というものがあると思いますけれども、国内法の海上衝突予防法の中にも罰則がないものでしょうか。
○山本説明員 現行の海上衝突予防法にも罰則はございません。付言して申し上げますと、海上衝突予防法に違反してと申しますか、衝突事故を起こしたような場合には刑法上の往来危険罪、あるいは場合によっては民事の問題、こういうことでそれぞれ刑罰を科せられたりあるいは賠償したり、そういうことになろうかと思います。
○川田委員 罰則がないということであれば、普通の道路交通取り締まり関係とは相当違うような感じがいたしますけれども、海上といたしましても、今後は、二百海里の問題から始まって沿岸漁業あるいは近海漁業の振興などが図られると思いますし、また世界的に見てもこれだけ物の流れが国際的になって、しかも大型船がふえスピードアップされる、そういう情勢の中で、何かちょっと問題が残るような気がいたしますけれども、罰則がないということになれば、当然そこには相当の指導といいますか、PRをやらなければならないと思いますし、その点について、そういう方面の扱いというのは海上保安庁でずっとやられるのか、あるいはまた海上保安庁がやるとすればどういうふうな周知徹底を、特に国内の小さな漁船といいますか、そういうところまで徹底させるのか、それについて御説明を願いたいと思います。
○山本説明員 海上保安庁におきましては、この条約がことしの七月十五日に発効するということが判明いたしまして以後、海事関係者に対しまする新しいルールの周知徹底を図ることにいたしました。「国際海上衝突予防規則の概要」というリーフレットあるいは「国際海上衝突予防規則 灯火及び形象物の図解」、これらにつきましては約五万部ほど作成いたしましたし、ポスターも一万部ほど刷りまして、ことしの二月以降各海上保安部の出先機関におきまして船舶関係者に対してこの新しいルールの周知徹底を精力的に図っております。またこの期間に、二月以降におきましては船舶関係者に対しまして、講習会につきましても約百二十回ほど企画して現在積極的に周知に努力いたしておるところでございます。
○川田委員 時間がありませんので簡単に御要望申し上げますが、とにかく海上保安庁としては徹頭徹尾この指導に力を入れていただきたいことと、最後にお尋ねしたいことは、これと類するような条約の批准といいますか締約といいますか、私の知っている範囲では、後で提案される日韓大陸だなの問題等があると思いますけれども、当初申し上げましたように、このほかにまだ外務省として手持ちがあるのであれば、早急にこういった批准であるとか締結であるとか承認であるとかいう問題は、やらなければ国際の信義にもとるというふうな感じもいたします。 福田総理は「連帯と協調」ということを力説されておりますけれども、これは何も国内だけではなくて、国際的にもこういった精神が貫かれないと、世界の平和であるとかあるいは日本の国益にもまた関係してくるような気がいたしますので、これらの問題に対して外務省は積極的に今後取り組まれるだろうと思いますけれども、その決意をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○奥田政府委員 先生御指摘のように、海洋国日本の立場としては、こういった海上の安全、秩序という面については積極的に参加していくのは当然でございます。ただ、いま御指摘のように七月十五日をもって条件が満たされ発効するわけでございますので、その間国内措置を含めて、先ほど申しましたような保安に関するPR、末端の漁船関係に至るまでの周知徹底を図るために、端的に言うと時間をかせいでおったわけでございます。もちろん、七月十五日に国際条約に似た形で発効される以前において加入をすることによって、将来にもわたる海洋秩序の充実のために積極的に寄与してまいることは当然の姿勢でございます。今後とも、こういう国際的な経済にしろ予防安全の条約案件にしろ、わが国は国際社会における連帯の中で、しかも有力なメンバーとして積極的に参加していく決意でございます。
○有馬委員長代理 河上民雄君。
○河上委員 私は、国際農業開発基金を設立する協定並びに国際農業開発基金への加盟に伴う措置に関する法律案、両件につきまして、これに関連して二、三、御質問いたしたいと思います。 まず初めに、少しく技術的なことになるかもしれませんけれども、この協定の内容を案文に沿いまして二、三、質問したいのであります。 〔有馬委員長代理退席、委員長着席〕 この中に、この基金の基本になります金の性質について書かれた部分がありまして、自由交換可能通貨を保有することが大変重要な条件になっているようなのですが、この自由交換可能通貨とは一体何を指しておるのですか。
○大川政府委員 自由交換可能通貨と申しますのは、この協定の第一条の「定義」の(d)というところに出ておりますけれども、「(i) 加盟国の通貨であって基金が国際通貨基金と協議した後に基金の業務のため他の加盟国の通貨に十分に交換可能であると認めたもの(ii) 加盟国の通貨であって当該加盟国が基金の満足すべき条件で基金の業務のため他の加盟国の通貨と交換することに同意したもの 「加盟国の通貨」とは、国の集団である加盟国については、当該国の集団のいずれかの構成国の通貨をいう。」ということでございます。 それで、わが国の場合を申しますと、御存じのとおり昭和三十九年に国際通貨基金のいわゆる八条国に移行いたしておりまして、世銀、アジア開銀、アフリカ開銀、米州開銀等におきましても、八条国通貨は自由交換可能通貨であることが認められております。わが国は、基金の保有する円につきまして自由交換可能性を付与するために所要の措置をとることとしておりますので、この農業開発基金におきましても、本邦通貨である円が自由交換可能通貨と認められるものと考えております。
○河上委員 そういたしますと、これはいまのお話でありますと、いわゆるIMFの八条国の通貨を自由交換可能通貨というふうに理解してよろしいわけでございますか。
○大川政府委員 そのとおりでございます。
○河上委員 ということは、それ以外の通貨はいけないということでございますか。
○大川政府委員 私の説明が大変言葉足らずで失礼いたしましたが、先ほど読み上げましたこの協定の案文にもあるとおりでございまして、いわゆる八条国通貨と申しますのは、この協定で申します自由交換可能通貨の一部分でございます。ですから、八条国通貨以外に、第一条(d)項の(i)等に書いてありますような通貨も、協定上の自由交換可能通貨と認められるわけでございます。
○河上委員 そういたしますと、当初の答弁は撤回されるということになるわけですか。いただきましたこの協定の翻訳の五十四ページ、「第二部当初拠出金の誓約額」中に「第一区分」云々と書いて、国名がずっと並んでおりますけれども、その中にはIMF八条国でない国が幾つかあります。昭和五十一年末で調べたところによりますと、たとえばフィンランド、ニュージーランド、スペインなどはそうですし、スイスはIMFにもちろん未加盟であります。こういう国の通貨はどういう形で自由交換可能通貨というふうに認定されたのか、その点いかがでございますか。
○大川政府委員 私の説明をさらに補足させていただきます。 この基金の協定ができますまでの間に何回か関係国で集まりまして、いろいろ準備をいたしたわけでございますけれども、昨年の十二月に開かれました第二回の準備委員会におきまして、自由交換可能通貨による十億アメリカ合衆国ドル達成の決定に関しまして、国連の法律顧問がこの協定で決められております第一区分と第二区分の国が誓約した金額はすべて交換可能通貨であると認めたわけでございます。そういった通貨の中には、アメリカ合衆国ドルのほかにベルギー・フラン、カナダ・ドル、フィンランド・マルカ、スターリング・ポンド、オランダ・ギルダー、ニュージーランド・ドル、ノルウェー・クローネ、スウェーデン・クローネ、それからスイス・フランが含まれておりました。日本円もこの意味で自由交換可能通貨に含まれていると考えてよいと思います。
○河上委員 その法律顧問の認定というものは、日本政府もちゃんと認めたわけですか。
○大川政府委員 そのとおりでございます。
○河上委員 それはどこかちゃんとした国際会議で認めたのですか。それとも一片の通知で認めるわけですか。いつ認められたか、ここではっきり言っていただきたい。
○中村説明員 お答えいたします。 この点につきましては、具体的にいずれかの国についてその認定を認めるとか認めないとか、そういう具体的な行為はございませんでしたが、一九七六年十二月に開催されました国際農業開発基金第三回準備委員会会合の正式の会議場で、準備委員会の立場でその旨の説明が行われたわけでございます。
○河上委員 そうしますと、自由交換可能通貨というふうにうたってありますけれども、その内容は、IMFの八条国の通貨と、プラスその某法律顧問が決めればいいということですか。ということを、去年の十二月の会議で加盟国はみんな承認したということですか。
○中村説明員 その点につきましては、最終的には国際農業開発基金が発足後、その総務会がその最終認定権限を有すると解せられますけれども、実はこの協定の最終条項に基づきまして十億ドルが達成したか否かにつきましては、それ以前に認定を行う必要が生じまして、その関係でただいまの判断が下され、そしてその判断を加盟国及びその準備会合に出てきた国は異議なく認めた、こういう状況になります。
○河上委員 そうすると、いわゆる自由交換可能通貨以外で払う国が出た場合はどうするのですか。
○中村説明員 その点につきましては、この協定の加盟国となりますところの非産油開発途上国は、自由交換可能通貨であってもあるいは交換性を与えない通貨であっても差し支えないということが協定上明記されておりまして、したがって、それらのカテゴリーの国につきましては自由交換可能通貨以外で払うことが認められております。
○河上委員 そうすると、第一、第二のカテゴリーに入っている国は、それは認められないということですか。
○中村説明員 先生御指摘のとおりでございます。
○河上委員 これ、よく読みますと、ちょっとよくわからぬところがたくさんあるので伺うのですけれども、いただきましたものの四十七ページ以降に、総枠で十億ドルですか、それから「当初拠出金の合計が少なくとも七億五千万合衆国ドルに相当する額に達しており、」云々、こうなっておるのでありますけれども、一方で、効力発生要件としてSDRで計算することになっているのですがね。いまはドル、円は強くなっているからいいのでありますけれども、円とドルは、ここ数年われわれが経験したように非常に浮動的なものでありますから、これをもって発足するというような総枠十億ドルあるいは当初七億五千万ドルとこういうようなときに、なぜSDRで記載をしなかったのか。
○中村説明員 お答え申し上げます。 この協定は計算単位としてSDRを採用していることは協定の明文に明らかなとおりでございます。他方、具体的にどのくらいの規模で基金が発足するとか、どのくらいの資金が集まるかということについては、やはり国際的に一番通用しているドルを一つの判断の基準とすることが妥当だと起案者が考えたものと考えられまして、いま先生御指摘の最終条項につきましては、効力の発効要件として、一定の数の国の批准書の寄託とあわせて七億五千万ドルに相当するお金が集まることということを書いたものでございます。
○河上委員 効力発生要件としては、やはりSDRで計算するということはもうはっきりしているわけですね。
○中村説明員 その点は、四十八ページにございますとおりアメリカ合衆国ドルで計算いたします。
○河上委員 そうしますと、効力発生の要件の場合は浮動的なものでともかく出発する、こういうことですか。
○中村説明員 お答えいたします。 アメリカ合衆国ドルを浮動的なものと見ると仮定すれば、先生御指摘のとおりでございます。
○河上委員 そもそもこの国際農業開発基金というものをなぜここでつくらなければならなかったのか。戦後国際的にもまた日本としても、農業開発のために後進国にいろいろ経済援助をやる、ルートはたくさんあったわけですけれども、それにもかかわらずいまここに改めて国際農業開発基金というものを設けなければならない、この背景というのは、やはり経済援助が失敗したということを告白している、こういうように理解していいんじゃないかと思うのです。この協定に賛成される政府として、その点どういうように考えておられるのか。
○大川政府委員 その点につきましては、もちろん御存じのとおり、従来からいろいろの国際金融機関がございまして、幅広く開発途上国の経済社会開発に対する資金を供与しておりますけれども、何分にも農業あるいは食糧増産のみを対象としたそういった機関が従来ございませんでした。一九七二年ごろでしょうか、一段と世界の食糧事情、ことに開発途上国における食糧問題が非常に危機的な状況にあるとの認識が生まれ出まして、それを機会に一九七四年にローマで、これも恐らく初めての試みではないかと思いますけれども、世界のほとんどすべての国が参加いたしまして世界の食糧問題を討議する国際会議が開かれたわけでございます。しかも、その食糧問題と申しましても、特に開発途上国における食糧問題ということを大きな焦点にしたわけでございまして、一般的な取り組み方としては、短期的な食糧援助という面と、それからさらにもう少し長期的な観点から、開発途上国における食糧の生産そのものの増強方法をいかに考えるべきかといったような観点から、いろいろ議論をやったわけでございます。その際に、その一つの方法として、この際開発途上国における農業、特に食糧増産分野に対する追加的な資金を開発途上国に有利な条件で貸し付ける、あるいは場合によっては贈与するための特別な開発援助機関をつくってはどうかという議論が出たわけでございます。 これは、特に今回は産油国、いわゆるOPECの国々が先進工業諸国とほぼ同額を拠出するということで、言いかえれば、先進国とお金持ちの開発途上国が一緒になって、石油の出ない本当に貧乏な開発途上国に対して援助をしよう、こういう試みとして新しくできたものでございまして、その点が恐らく今度の基金の一番新しい点であり、評価されるべき点ではないか、かように考えております。
○河上委員 政務次官いまここにおられますけれども、こういうことを考えてみたときに、非常に長期的な見通し、視野において考えると、じゃあ日本が減反政策をとってきたことはよかったのかどうかという、そういう問題もやはりここで真剣に考えなければならぬのではないかと思うのです、一つは。やはり日本の農業政策そのものが、果たしてこうした開発途上国に対してどういう意味を持っていたというふうにお考えになりますか。
○奥田政府委員 今度の基金構想と国内農業政策の関連いかんということになるわけでございますけれども、日本政府としては、かねてから開発途上国の農業開発あるいは増産体制、これがこれまでも二国間援助の中で最も重点を注いできたところでございます。 確かに、人口増あるいは食糧不足、こういった形に悩んでいる、しかも、それを賄うに資金のない国々に対して、今回のようないわゆるOECDグループあるいは産油国のOPECグループ、こういった形が共同して農業専門基金構想というものをやったわけでございますけれども、これ自体は私は、これまでやってきたわが国のそういった政策あるいは南北問題の解決等に大いに寄与するという形で高く評価していいんじゃないかと思うわけでございます。 ただ、いま御指摘のように、そういった農業増産そのものがわが国の農業政策、いわば減反政策等を踏まえて考えていく場合、一面においては矛盾した形というものを、私自身も個人的には、批判される形もあると思います。答弁としては大変むずかしい御指摘でございますけれども、いずれにしても、今後世界という大局的な見地に立った上での食糧政策、それと国内政策とがいかにうまくマッチしていくかということについては、これからも真剣に検討を加えなければならない重大な御指摘であると考えております。
○河上委員 この問題は実は非常に大きな問題だと私は思うのでして、最高責任者の大臣の御答弁をいただきたいと思うのですけれども、世界的に農業増産をしなければならない、そのためにこういう農業開発基金も設けて、それに日本も金を出す、こういうことをやっている際に、日本は一貫して減反政策をとってきておる。そのことによってアメリカの食糧を恒常的に買うという形で、日米間はそれで一応貿易帳じりは合うかもしらぬけれども、しかし、世界全体の中では全くナンセンスなことをやっている、こういう状態にあるわけですね。一方こういうものをやる。そういう点、政策全体にバランスを全然欠いているわけです。こういう基金に関する協定の批准を求めるならば、やはりこういうことをもう少しはっきりしていただかないといかぬのじゃないかと思うのです。いま、農村県をバックにしておられる政務次官としての個人的な心境の吐露もあったように拝聴いたしましたけれども、これはやはりもう少し責任ある御答弁を決着までにいただきたい、こういうように私は思うのでございまして、その点も少し留保させていただきますけれども、この次の機会にもう少しはっきりとした、個人的な心境だけではなく、政府としてどうあるかということを御答弁いただきたいと思うのであります。 もう一つ、いま国連局長の御答弁の中にもちょっと出てまいりましたけれども、今回のこの基金の構成、仕組みから言いますと、一番大きな問題は、産油国でない開発途上国の累積債務の問題が背景にあると思うのです。産油国では黒字が累積されておる、しかし、同じ発展途上国でも、非産油国ではますます窮乏化し、また累積債務が次第に高まっていく、こういう一種の分極化された状態に対するささやかな回答という意味もこれはあるのではないかという気がするのですが、もう時間が余りないのですけれども、一体こういう問題について、OPECにたまっているドルを発展途上国の赤字国へ還流するということについて、政府はどういうように考えておられるのか。 特に、いま市販されております「エコノミスト」の三月二十二日号でも、これはもはやどうしようもない状態に来ておる、「世界的徳政令は不可避か」というようなかなりセンセーショナルな表題も出ておるのであります。先般、アメリカのFRBの議長も、アメリカとしても非産油国の発展途上国に対する累積対外債務というものはもう約千八百億ドルに達しておって、アメリカの銀行もこれ以上どうしようもないというようなことを告白しているわけです。 国際農業開発基金に日本が参加する以上、こういう問題についてはっきりとした答えを持っていなければいかぬのではないかと私は思うのであります。いま政府は一体こういう点についてどう考えられておるのか、非産油発展途上国の累積対外債務がどのくらいあるのか、また、先進国の非産油国に対する援助の状況というものはどうなっているのか、また、こういう途上国に対する融資についてわが国の体制がどうなっているのか、こういうことについて私は明確な御答弁をいただきたいと思うのであります。
○大鷹説明員 お答えいたします。 いま先生、開発途上国の累積債務額千八百億ドルという数をおっしゃいましたけれども、世銀が確かめておる数字では、ちょっと古い数字でございますけれども、一九七四年の時点で、これは約束額ベースで、したがって約束はしてあっても実際には実行されていないものも含まれますけれども、約束ベースでの開発途上国の債務累積は千五百億ドルということになっております。しかし、その後二年経過しましたので恐らく先生がおっしゃったような数字になっておると思いますけれども、それをちょっといま確認することができませんので、七四年の千五百億ドルという数字を世銀が確かめておりますので、それを一応申し上げておきます。 それから、いま先生非産油国に対する援助ということをおっしゃいましたけれども、DACすなわち先進国全体で開発途上国——主として非産油国でございますけれども——に対する政府援助、すなわち政府の資金による援助は約百三十億ドルでございまして、そのうちの日本の政府開発援助は約十一億ドルということでございます。
○河上委員 いま非常に世界的な話題になっておりますこの非産油発展途上国の累積赤字の問題につきまして、私は、いま御答弁がありましたけれども、大分資料も古いようでございますし、どうも十分な準備がなされておるように伺われないのです。これはこの次までにもっとちゃんとした資料を出していただきたいと思うのです。 政務次官、一体この累積債務は返せるというように御判断になっておるのか。もし返せないような場合はどうするのか、どういう措置が考えられておるのか。また、その中で日本として何がなし得ると思っておられるのか。また、世界的な徳政令というものを現実にやらなければいかぬような場合は、一体、民間の銀行の場合と政府の融資の場合といろいろあると思うのですけれども、そういうようなことについていま政府としてある程度考えておられるのかどうか伺いたいのです。
○奥田政府委員 確かに先生の御指摘のように、今日の先進国、産油国、それといま御指摘の開発途上国との間のそういった累積債務の問題は、ひいて国際的な信用恐慌の一つの非常に厳しい情勢の場に向かっておるように私たちも感じております。しかし、いまこれを先生が言われたような徳政令的な形によっての破局的な状態にまで進まざるを得ないのかという形に関しては、まだいろいろ分析しなければいかぬ問題点もあるのじゃなかろうか。しかし、非常にそういった意味合いにおいては、信用恐慌の一歩手前までこの状態が続いて、そういった傾向にあるという御指摘もまた当然納得できるわけでございます。今日の基金等々の構想、南北間の解決の一つの形として、私たちは十分今度の基金構想等においても評価をいたしておるわけでございますけれども、今後、産油国あるいはOECDグループ、先進国グループが、こういった開発途上国に対して一つの債務というよりもやはり贈与、そういった形の中でも、私たちはもっと積極的な役割りを果たしていかなければならないのじゃないかと思っております。 いずれにいたしましても、先生に御答弁するそういった詳しい材料の点に、あるいは説明資料の点については確かに不準備であり不足いたしておりますので、そういった点を政府委員から補足させますけれども、いずれ次回においてはその説明に関する政府側の答弁というものをはっきりさせたいと思っております。
○大鷹説明員 いま先生おっしゃいました数字、確かに古いもので申しわけないのですけれども、これは世銀が昨年の十三月に確かめた数字でございます。その後さらに先生がおっしゃるような新しい、もっとはっきりした数字があるかどうか調査いたしますけれども、あるいは先生の御期待に沿えないこともあるかもしれませんので、そのときにはどうぞお許しいただきたいと思います。 それから、債務累積の問題でございますけれども、もちろん開発途上国に対しては、日本は先進国の一つとして資金協力、技術協力をいたして、それらの国が外貨獲得の力も持つようにというふうに努力いたしておりますし、また、先進国の一つとしては、開発途上国がつくる物を買うことによって外貨獲得能力をつけさせて、そして債務を返済していけるようにすべきであると思っております。しかしながら、実際に現実の問題といたしましては、国によっては債務の返済に非常に困るという国もございますので、そういう国に対してはケース・バイ・ケースと申しますか、その都度先方とも協議して、そして必要に応じて債務救済の手段もとってまいりましたし、現在もとっておるわけでございます。
○河上委員 いまの問題は非常に大きな問題だと思いますし、資料につきましてはまた次回にいただくのはもちろんでありますけれども、私が伺いたいのは、こういうものに参加するに当たって、やはりいま言った世界的な大問題に対して政府はどういう方針——細目はともかくとして、こういうふうにいきたいのだということをひとつはっきりと言っていただかなければならないと思うのです。きょうはまだいろいろな点で十分でないようですので、私は次回にこの問題をもう一度お尋ねしたいと思うのですが、きょうはもうこれでやめておきますけれども、なかなか大きな問題ですから、大体の方針を決めずにただつき合いでこういうものに参加するということではいかぬのじゃないか、私はそう思うので、次までにもう少しはっきりした答弁を求めたいと思います。 きょうは、これで終わります。
○竹内委員長 次に、中川嘉美君。
○中川(嘉)委員 私は、千九百七十二年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約について、本日は御質問したいと思います。 まず第一点として本条約の成立経緯でありますが、この点について経緯を御説明をいただきたいと思います。
○小林説明員 お答え申し上げます。 この海上衝突予防法に関しましては、古く一八八九年にまずワシントンで会議がございまして、そこで海上衝突予防のための国際規則というものが採択されまして、それに基づきましてわが国でも国内立法をやっておるわけでございますけれども、その後数回にわたりまして世界の船舶事情の変化、それから海上航行の変化に対応するようにこの国際規則が変えられております。これはすべてモデル法典というか、模範法典でございまして、それに基づきまして各国が国内法でそのモデルに従った国内立法をつくって規制してまいったわけでございますけれども、現行のわが国国内法は一九六〇年の会議でできました規則をモデルにしてつくられております。 しかし、その後一九六〇年以来かなりの状況の変化、船舶の大型化、それから海上を航行する船舶の数の増加、それから航海技術の逆歩、レーダー等の技術的な進歩、そういうものに対応できるような形でこの国際規則を改正する必要があるという認識が出てまいりまして、一九七二年にロンドンで政府間海事協議機関、IMC。が主催しまして会議が開かれまして、わが国も参加いたしましたが、その結果、一九七二年十月二十日にこの条約ができ上がった次第でございます。 〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕
○中川(嘉)委員 一九六〇年の規則云々というお話がありましたが、この提案理由の説明の中にはそういう一九六〇という、こういう形での表現が出ていないようですけれども、いずれにしても一九六〇年の海上における人命の安全に関する国際会議の際に作成された国際規則というものと、それからこのたびの本条約における国際規則との主な相違点ですね。先ほどの御説明の中にレーダーの発達とか船舶の大型化とか、いろいろあったようですけれども、この国際規則の中身からして、今回の条約と比較してどのような相違点があるか、いま一度お答えをいただきたいと思います。
○村田(良)政府委員 今回の条約が六〇年の規則と比べまして改正されました主要点について簡単に御説明申し上げます。 まず第一点は、交通規則自体の整備でございまして、規則の方で申しますと五条、六条、七条等でございますが、まず船舶の一般的な注意義務に関しまして規定が整備されております。たとえば第五条におきまして、船舶は視覚及び聴覚によると同時に、そのときの状況に応じた適当なすべての手段により適切な見張りを維持しなければならないという旨の規定が新たに置かれたわけでございます。また、六条におきましては、衝突を避けるために常に安全な速力で航行すべしという規定が置かれたわけでございます。また、七条におきましては、これは特に新しい点でございますけれども、レーダー装備船に対しましてレーダーを適切に使用するということが義務づけられたわけでございます。 それから第二点といたしまして、特別の水域におきましての航法の問題がございますが、これを条文の整理によりまして整備したということがございます。たとえば、これは主に九条の問題でございますけれども、狭い水道のほかに、いわゆる航路筋におきましても特別な規定を適用するといったようなことでございます。それから第十条におきまして、これも全く新しい点でございますけれども、船舶の交通が非常に多い水域に関しましては、IMCOが採択いたします分離通航方式というものを採用したということが新しい点でございます。 なお、技術的な改正もかなり行われておりまして、これは二十二条あるいは附付属書でございますけれども、船舶に設けるべきともしび、灯火の光度であるとかその他の基準が新たに定められておりますし、また灯火の視認距離を長くする。従来たとえばマスト灯は五海里であったのを六海里にするというふうな技術的な修正が加えられておるわけでございます。
○中川(嘉)委員 条約の説明書によりますと、現在の締約国が三十四カ国ここにずっと列記されておりますが、海運国としていまだ加入をしていない国、これはどういった国か、御説明をいただきたいと思います。
○村田(良)政府委員 トン数で申しますと、世界の上から十五番目までをとりまして、その中でこの条約にまだ加入しておらない国は四カ国でございます。 〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕 その繁頭はわが国でございまして、トン数で申しまして世界の総トン数の一一・二%ということになっております。次がパナマでございまして、四・二%でございます。三番目がイタリアで三%、その次がシンガポール、これが一・五%というふうになっておりますので、この四カ国が主要海運国としてまだこの条約に加入しておらないということでございます。
○中川(嘉)委員 きわめて技術的な条約であるわけですが、海上交通のルールであるにかかわらず、こういった条約発効の直前、すなわち効力の発生口が本年の七月十五日ということになっておりますが、こういった条約発効の直前に加入を急いでいるという、しかもわが国の書名が非常におくれていた理由ですが、この辺の理由について伺いたいと思います。
○村田(良)政府委員 先ほど小林参事官が御説明いたしましたように、この条約は七二年に採択されたわけでございますけれども、従来の国際規則に比較いたしましてかなり新しい改正点が盛り込まれておったわけでございます。したがいまして、わが国は一九六〇年当時改正を行いました現行の海上衝突予防法を、もう一遍見直しまして所要の改正を加える必要があるということで、国内の問題点等を解明する前に署名することは必ずしも妥当ではないであろうということで、今日まで署名を控えておったわけでございます。したがってこの条約に関しては、今後加入をいたすということになるわけでございますが、いずれにいたしましても、そういった国内の問題点を十分煮詰めまして、かつ、昨年の七月に西ドイツが加入するという事態によりまして本年の七月十五日からこの新条約が発効するという情勢になりましたので、検討の詰めを急ぎました結果、最近に至りまして国内法の改正についても結論が出ましたので、今国会に御提出するということになった次第でございます。
○中川(嘉)委員 ところでわが国周辺海域での船舶の衝突事故、これが年々ふえてきているわけですけれども、この周辺海域における事故件数、これが果たしてどのくらいあるか、また、世界における日本国籍の船舶の事故件数はどのくらいあるか、お手元にもし数字があれば教えていただきたいと思います。
○山本説明員 わが国周辺におきます衝突事故の発生件数につきましては、過去三年その数字をさかのぼってみますと、昭和四十九年は三百七十三件、昭和五十年は三百五十五件、昭和五十一年は三百九十七件という数字になっております。件数は大体横ばいの、傾向であろうと考えます。 それから、世界各国といいますか、外国におきます日本船舶の衝突の件数につきましては、ただいま正確な資料を持ち合わせておりません。また、正確に調査するということも過去やっておりませんので、お答えをいたしかねると思います。
○中川(嘉)委員 周辺の海域での件数はただいま御答弁いただきましたが、この世界における日本国籍の船舶の事故件数をめぐってこういった調査が何か行われていないということなんですが、なぜ行わないのか。非常に重要な問題を含んでいると私は思いますが、この辺なぜその日本国籍の船舶の事故件数がわからないか、調べないのか。また、調査することによって、果たしてそういった資料を提出していただけるかどうか、もう少し責任を持った御答弁をしていただきたいと思います。
○山本説明員 お答えいたします。 日本船舶で外国で衝突事故を起こしまして海難審判にかかった事例につきましては、即刻調査をいたしてみますれば件数は出てまいります。その件数につきまして、御要望があれば提出いたしたいと思います。
○中川(嘉)委員 資料をぜひ参考までに御提出を要望いたしまして、次に進みたいと思います。 本条約は、海上における船舶の衝突予防のみの規則というふうに理解しておりますが、万一事故が発生をした、こういう場合の補償とかあるいは賠償問題等についてどのような国際規則があるのか。政府として、今後またそういったことにどのように対処をしていかれようとするか。この辺をめぐって御答弁をいただきたいと思います。
○村田(良)政府委員 海上におきます事故発生等に伴う補償あるいは賠償問題等に関しましては、幾つかの条約がございます。まず第一に、海上航行船舶の所有者の責任の制限に関する国際条約というのが一九六八年に発効いたしておりまして、わが国は昨年の三月一日にこれを批准いたしております。その次に二番目に、油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約という条約がございまして、これは一九七五年、一昨年の六月十九日に発効いたしておりますが、わが国は昨年の六月三日にこれに加入いたしております。なお、さらに油による汚染損害に関しましては、油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約というのがございまして、わが国は昨年の七月七日にこれを受諾いたしておりますけれども、この条約はまだ発効をいたしておりません。
○中川(嘉)委員 こういったただいま御答弁をいただいたこの条約を踏まえて伺いますけれども、わが国の場合には、法制上船舶に法人格を認めていない。したがって、万一国際規則に違反をした場合に、その責任は果たしてだれが負うかという問題ですけれども、この点はいかがでしょうか。
○山本説明員 船舶所有者が責任を負うことになります。
○中川(嘉)委員 この国際規則によりますと、分離通航方式、先ほど御答弁の中にも出てまいったわけでありますが、この分離通航方式を設定して、IMCO、すなわち政府間海事協議機関がその方式を採択することができることになっているわけですけれども、その基準は一体何か、また沿岸国の意思はどのようになるか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○山本説明員 分離通航方式のIMCOにおきます採択でございますが、IMCOの決議によりますと、当該沿岸国の政府の了解なしには分離通航方式の採択または修正をしない、そのように決議いたしております。したがいまして、通航分離方式は当該沿岸国が決定をいたしましてIMCOの方へ採択を要請する、そういう手続になります。この基準は何かということですが、採択の基準については必ずしも私どもつまびらかにはしておりません。
○中川(嘉)委員 この基準について、やはりどういうものが基準となっているかという点についても、ひとつぜひ、現段階ではただいまの御答弁の内容のとおりだと思いますが、明らかにしていただきたいと思います。 この条約に関連をして二、三さらに御質問をしてまいりたいと思いますが、日本海運をめぐる環境というものが内外ともに非常に厳しい実情であると思いますが、大変に長引いておる不況のためにタンカー市況というものが暴落をして、不況に伴って荷動きも余り活発ではないのではないかと思いますけれども、日本海運の回復ということについて政府はどのような見通しを持っておられるか、この点について伺いたいと思います。
○富田説明員 お答え申し上げます。 いま最も深刻でございますのは、御指摘のとおりタンカーでございまして、タンカーは必要といたします船腹量は世界で大体二億重量トンと推定されておりますが、現実には三億重量トン存在して、三分の一ほど余っておるという状態でございます。ただ、残念ながら、これについては有効な決め手がございませんので、国際的にもいろいろやられておりますけれども、まだ何ら打つべき手が発見されておりません。ほかの分町については、最近定期船その他についてはやや一時の不況を脱して好調に向かいつつあるとわれわれ承知いたしております。 今後の見通しでございますが、タンカーにつきましてはアメリカの輸入がキーポイントでございます。アメリカが相当多量の油を外国から輸入するということになれば、これは回復するものと思われます。それから他の部門につきましては、何せ海運といいますのは経済の一つの付随的現象でございますので、経済全体の回復を得たなければ完全な回復にはならないと思っております。
○中川(嘉)委員 関連して伺いますけれども、発展途上国における自国船優先主義といったことの台頭とか、あるいはまたソ連商船隊のダンピング攻勢も非常に厳しくなるなど、非常に悪条件が次々に重なっているわけでありますが、日本船の国際競争力喪失ということがしたがって非常にささやかれている。その原因は果たしてどこにあるか、政府はどのように考えられるか、お答えをいただきたいと思います。
○富田説明員 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、発展途上国の国旗差別政策によって日本船の活動が制約されたり、あるいはソビエト船がダンピングを行うために非常に荷物をとられたりするという現象はございます。それは日本海運にとって非常にマイナスとして働いていることは事実でございます。しかしながら、基本的に日本海運が一番直面いたします大きな問題は、日本海運のコストが非常に高くなってきたということにございます。
○中川(嘉)委員 日本海運のコスト高ということにどうも御答弁がしぼられたように感じますが、このコスト問題、特に船員の人件費の増大を中心とするコスト上昇ということから、スーパータンカーとかあるいはコンテナ船など資本集約型の船に頼らざるを得ない、このような状態でありますが、そういうことになると、座礁等の大型の海難事故が発生をして非常に複雑な国際問題が起きることも予想される。こういうことに対する日本政府の基本的な考え方を伺っておきたいと思います。
○富田説明員 お答え申し上げます。 確かに大きな船が事故を起こしまして、いろいろな国際問題を引き起こしております。現にマラッカ海峡におきまして、たしか一昨年の一月でございましたか、日本タンカーが座礁しまして沿岸三国との間でいろいろ問題を起こしたことは事実でございます。そういうこともございまして、われわれといたしましては、タンカーの所有者に対しくれぐれも運航の安全に注意するように指示するとともに、必要な保険その他について入るように十分に指導いたしておるところでございます。
○中川(嘉)委員 こういった座礁とか海難事故、これは、先ほど申し上げたような資本集約型の船に頼るということになってきますと、当然これは発生というものが予想されるという点から、こういった国際問題に対する日本政府の対応、対処といいますか、こういったことが出然十分に行われていかなければならないと私は思いますので、ただいま御答弁いただいたわけですけれども、さらに真剣にこういった国際問題に対応し得るように努力をしていただきたいと思います。 ところで、海運会社は利益追求のために、日本籍の日本人船員による船にかえて外国籍の安い外人船員による用船を大量に行って、その運航で収益維持に努めるようになったわけですけれども、これはいわゆる便宜置籍船とかあるいは仕組み船の増大につながるのではないか、このように思います。こういうことをやっていますと、日本船の国際競争力喪失に拍車をかけて、ひいては日本船員の職場縮小ということにもつながるのではないかと私は思いますが、この職場縮小ということについて政府はどのように考えておられるか伺いたいと思います。
○杉野説明員 私ども海員学校におきまして、例年多数の船員を養成いたしておりまして、一昨日海員学校六百八十名の卒業生を出したわけでございますが、御説明とちょっとずれるかもわかりませんけれども、例年これが決着いたしますのが五月ないし六月でございますけれども、幸いに本年度の卒業生につきましてはすでに一〇〇%就職が決定いたしました。そういったようなことで、いろいろとこの船員の需給問題につきましては、労使問題も絡んでおりまして諸元が非常に流動的でございまして、養成数もいまの見通しでどれぐらいあるべきかというような姿はなかなかはっきりいたしません。いろいろ労働委員会等にも、船員の雇用対策等も関連いたしましてそういったような問題につきまして諮問をいたしておりまして、御審議を仰いでおるわけでございまして、さしあたりはしかし本年度の卒業生につきましては、行った場所が非常に内航の方に積極的に子供たちが行ったということもございますが、大した問題もなしに解なきを得たというような状況にあります。
○中川(嘉)委員 この職場縮小ということに関連して、いま御答弁をいただいた中に、海運日本として幹部船員養成所であるところの海員学校から六百八十名の卒業生——この六百八十名の内訳ですね、これがお手元にあればひとつ教えていただきたいと思います。
○杉野説明員 海員学校におきましては、同等科とそれから司ちゅう科と内航科と三科抱えております。高等科の卒業生は四百九十八名でございまして、これに対しまして求人が五百四十七名、一二〇%の求人数がございました。また、司ちゅう科の卒業生は百二十七名でございまして、これに対しまして求人数は百二十九名、一〇二%、それから本科内航科につきましては、卒業生が五十五名でございましたが、これは求人を受け付けましてから一カ月ばかりの間に五十五名、一〇〇%決定をいたしております。 以上でございます。
○中川(嘉)委員 私伺ったのは、この六百八十人が外航部門に何名、内航部門に何名、さらに陸上企業の方には何名就職されたかという結果の数字ですね。
○杉野説明員 まず陸上からでございますが、これは求人の状況でございまして、最終的にどこに就職したかということはまだ報告が参っておりません。これが決着いたしますのには少し時日がかかろうかと思いますが、求人数で申し上げますと、まず陸上産業の求人でございますが、陸上には求人は百五名、卒業生に対しまして二一%ございます。海上産業、すなわち船の方からの求人は四百四十二名、約九〇%でございます。それから外航の求人はこれは非常に少のうございまして、六百八十名の卒業生に対しまして約六十八名、ちょうど一〇%ぐらいの求人数になっております。
○中川(嘉)委員 もう時間がありませんので、最後に伺いたいと思いますが、いまの数字について、これは新聞報道によりますと、運輸省が今月の十二日までに調べたところでは、今春の卒業生六百八十人はほぼ一〇〇%就職が内定したが、外航部胆に行くのは八十人だけ、こういうふうに出ております。内航部門ながら船に乗れる企業へ行けることになったのは四百九十六人、後の百四人の仕事は陸上企業である、こういうふうに報道されているわけですけれども、これを見ると外航部門に行ったのはたった八十人であるということなんですね。海運業界そのものが不況だとはいっても、こういうことでは将来が思いやられるというふうに私は感じます。外航部門八十名ということになりますと、相当希望を持って就職した青年たちの夢の実現ということにもこれはつながらないのじゃないかというような気がいたしますが、こういったことに対する政府のお考えを最後に伺って、本日のところ質問を終わりたいと思います。
○杉野説明員 海員学校につきましては、従来三科ありますうちの高等科でございますが、九十数%が外航部門に就職したということは事実でございます。ただ、外航部門につきまして、御存じのように非常に現在多数の予備船員を抱えておりまして、当座の現象であろうというふうに思いますけれども、さしあたってはなかなか求人開拓が外航部門についてむずかしいというようなことがあろうかと思います。ただ、今回の卒業生の動向を見ましても、また船員教育の立場からいたしましても、現在は外航と内航とそんなに、船の装備率におきましても、大きさあるいはスピードそういったようなことからいきましても、特に教育上区別すべき理由もございません。また、子供たちもその辺のことをよく考えて、積極的に内航部門にどんどん進出をして行ったというようなことでございまして、海運界全体にとって決してマイナスであるというふうに考えておりません。 ただ、従来の経緯から、子供たちが外航にできれば行きたいというような気持ちもあろうかと思いますので、なおそういったようなことから、これから卒業する子供たちにつきまして、外航の方の求人を積極的にわれわれといたしましても努力したいというように考えております。
○中川(嘉)委員 もう一つだけこれに関連して伺っておきますが、外航部門に就職が決定したのは八十人ですが、就職を希望した人数はどのぐらいか、もしお手元にあれば教えていただきたいと思います。
○杉野説明員 八十名というのは実は新聞記事の誤りでございまして、六十八名というのが正しいわけでございます。ただ、子供たちが外航にどれだけ就職を希望したかということは、ちょっと資料をとっておりませんので、よくわかりません。
○中川(嘉)委員 これはそれ以上あれするつもりはございませんけれども、また関連していずれいろいろとお聞きしたい、このように思っております。きょうのところは、これで質問を終わりたいと思います。
○竹内委員長 午後零時四十分より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ————◇————— 午後零時四十二分開議
○竹内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。渡辺朗君。
○渡辺(朗)委員 前の外務委員会におきまして私幾つかの御質問をさしていただきました。その中で、特に日本政府として今後十年程度のめどで国際的な食糧の需給の見通しという点をお尋ねをしたわけでございます。それにつきまして、国際的な需給関係がこれからどうなるのか。一方においては非常に食糧難という、食糧不足ということが大きな問題として取り上げられております。他方また別の調査、そういうところから見られるものは案外楽観的な見通しも出てきております。技術であるとか、これからの国際的な協力とか、そういうもので急速に食糧生産は好転するのではないか、十年後、一九八五年ごろにはOECDの見通しは過剰生産の気味が出てくる、こういうようなことも指摘しているというふうな点を拝見をいたしました。日本政府としてどのような見通しにいま立っておられるのか、これを今回の農業基金の背景にある問題の一つとしてお尋ねを再度さしていただきたいと思います。
○瀧説明員 ただいままでに発表されておりますOECDとかFAOとかの長期見通しにつきましては、いずれも一九八五年を最終年とする見通しになっておるわけでございますが、方法も異なっておりまして、その結果にも当然差異が出てきております。 農林省といたしましては、昭和四十九年に世界食糧モデルによる需給展望という作業を委託して、その結果を得ているわけでございますが、これは需給決定要因といたしまして価格ファクターを入れまして、国別、地域別に分析した結果を積み上げたものでございますが、それによりますと、開発途上国におきましては一九八五年に至りましても相当量の深刻な食糧の不足という結果になっているわけでございまして、これは先ほど申し上げましたFAO、OECDの見通しと一致しているわけでございます。 さらに世界全体として見てみますと、全体的な基調といたしましては、需要拡大に対しまして生産増大が追いつかないという結果になっておりまして、小麦や粗粒穀物、大豆、こういったものの需給が逼迫するという見通しになっておりまして、価格を入れておるものでございますから、価格は一九八〇年水準の三、四倍になるというような結果が出ているわけでございます。 こういった見通しにさらに異常気象による作況変動というようなことを加えますと、やはり長期的に見ましても世界の食糧の需給の逼迫ないし不安ということは解消されない状態が続く、こういうふうに農林省としては見ているわけでございます。
○渡辺(朗)委員 そうしますと、OECDが出した過剰生産へのそういうような見通し、こういうことはむしろ否定されるという立場でございますね。
○瀧説明員 OECDの見通しにおきましては、これは世界を幾つかの地域に分けまして、OECD加盟国の見通しを単純に積み上げた結果でございますけれども、これによりますと、東南アジアそれから中近東、アフリカ等の開発途上地域におきましては一九八五年におきましても相当量の食糧の不足を見込んでいるわけでございます。しかし、たとえば生産につきましてはソ連や東南アジアについての見通しが欠けておりますし、需要につきましてはソ連や中国、東南アジアについての見通しがないということになっておりますので、これによりまして世界の総合的な需給バランスというものを予測することはやや問題があるかと存じます。
○渡辺(朗)委員 その問題についてはいろいろな統計がございますでしょうから、深くは入りません。ただし、いまOECDの詳しい報告がありましたらぜひ私見せていただきたいと思っておりますので、その点お願いをいたします。 私、別の点からこの農業基金の背景についてひとつお尋ねをしたいと思います。それは、いまでも途上国に対して年間大体十億ないしは十五億ドル程度のものが農業開発のために資金として流入していっている、援助として与えられている、こういうような点が言われております。しかし、今後増産を続けていく、そして食糧危機を回避するということのためには、相当膨大な資金が予想されるのではあるまいかと思います。その点、国際的に見てどのような計画が立てられており、どのような資金が必要とされており、それに対して日本政府としてはこれに対するどのような準備をもって臨んでおられるのか、ここら辺をお聞きしたいと思います。 なぜこの点を申し上げるか、お聞きするかと言いますと、この基金の案文によりますと、三年後には検討をして追加拠出をすることになっております。発足当初が十億ドル、しかし年間に途上国が必要とするのは十億ドルでは足らないという状態がはっきりしている。そうすればこの二、三年後には当然追加拠出の問題が出てくるわけであります。こういった点で今後の国際的な食糧増産計画、それに必要なる資金計画、こういったものの予想が少なくとも立てられていなくてはならないのではあるまいか、その点を考えまして御質問を、させていただきたいと思うわけであります。どなたか御答弁をいただきたいと思います。
○瀬木説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のとおり、農業問題に対する協力というのが非常に大切であるというのはまさに御指摘のとおりでございまして、日本政府といたしましても、いわゆる多数国間及び二国間援助におきまして、農業問題に対する援助というのは非常に重点的に行っているわけでございます。 多数国間援助と申しますのは、ここで御審議いただいております国際農業開発基金というものに加えまして、既存の世界銀行のグループ、それからアジア開発銀行等の地域開発銀行、国連のUNDP等のいろいろなグループがございますが、大体におきまして農業開発関係に充てられております資金というものは二〇%ないしそれを上回る程度のものが充てられております。わが国といたしましては、こういう多数国間の援助機関におきまして、農業部門に対する援助をますますふやすべきであるということを年来主張しております。また、いわゆる二国間の援助におきましても、農業開発援助というものは日本が行っております資金並びに技術協力というものの重点項目になっておりまして、ただいままでのところは一〇%程度のものがこれに充てられておりますが、ますますこういうものに重点的に配分してまいりたいと考えております。
○渡辺(朗)委員 私は次に、やはり背景の問題でございますけれども、農業開発基金、この問題がいま私どものテーブルの上に乗せられているわけでありますけれども、食糧会議の際に討議された農業開発華金とうらはらになる問題が幾つかあったと思います。たとえば食糧に関する情報、そしてその早期警戒システムの確立であるとか、あるいはまた食糧備蓄計画、これはキッシンジャー構想そのまま決議にならなかったと聞いておりますけれども、しかしながら、各国が国内政策の枠内で在庫の目標を定めて、そしてそれを運用する、こういうようなことが決議されておりますし、あるいはまた国際的な肥料の供給の計画を確立する、こういう点もございました。これらの幾つかの問題の一環として農業開発基金が設立されるのであって、したがいまして、いま私は食糧備蓄問題一つ取り上げても、日本の国においてこれに対応する措置がこれからとられようとしているのかどうなのか、そこら辺をひとつ聞いておきたいと思います。どなたかにお願いをいたします。
○瀧説明員 国内の備蓄の問題でございますけれども、これにつきましては農林省といたしまして、トウモロコシと大豆につきまして予算措置を講じまして、それぞれ備蓄計画を立てておるわけでございます。トウモロコシは五十二年度の予算計画によりますと、五十二年度の年度末には二十万トン、それから大豆につきましては七万トン、こういう国内備蓄計画を立てているところでございます。
○渡辺(朗)委員 いま数字を幾つかお聞きいたしました。この農業開発基金のねらいとするのは、途上国における農業の生産増強というところにねらいがあると理解しております。そして、そのために援助をするわけです。しかしながら、わが国において、いままで午前中の論議でもいささか出てまいりましたけれども、はっきりした国際的備蓄の計画に対応する体制がまだ確立されていないとするならば、むしろ日本がこれから増大していく需要というものを考えますと、途上国に援助するというのは日本が買い付けるための援助ではないかという誤解も受ける、逆にこういう結果にもなりかねない。この点、日本の国内の食糧増産計画、備蓄計画、こういったものの方針なり確固とした政策を打ち出していただかないと、その誤解は解けないのではあるまいか、こういう点を懸念いたします。その点についてどなたかから御説明をいただきたいと思います。
○瀧説明員 農林省といたしましては、食糧の安定的供給の確保を図るために、基本的には自給率の向上という考え方のもとに施策を進めつつあるわけでございますけれども、どういたしましても土地制約等の問題がございまして、海外から供給を仰がなければならない。特に小麦、飼料穀物、大豆、こういったものにつきましては、どうしても海外からの相当量の輸入を確保しなければならないという立場から、輸入の安定化という施策を進めつつあるわけでございます。 そういった意味で、大きな供給国との間には安定的な輸入確保を図るために、取引関係の秩序安定化というような施策を一方で進めながら、同時に供給源の多角化という観点から、海外の農業開発に対します援助ということも、そういう考え方のもとに進めつつあるわけでございます。ただ、農業開発に対します経済協力につきましては、もっぱらわが国の食糧確保という考え方ではなくて、その国の生産力を高め、需要にこたえるということを第一義的に考えておりまして、その反射的な効果といたしまして、世界の需給が逼迫から脱し、その結果わが国の食糧の安定的供給にも資するということを期待する、そういった考え方で農業開発に対する経済協力も進めてまいっているわけでございます。
○渡辺(朗)委員 あと数分しか時間がないものですから、この問題を突っ込むことがなかなかできませんで残念なんですけれども、世界食糧会議に先立って開かれた準備会合がございまして、日本の代表はお出になったのかどうなのか、ちょっとお尋ねをしたいと思いますが、その会合の中で、これからの国際的食糧の需給関係についての見通しがあります。その際に、七二年という時点、このときにおける深刻な食糧危機の背景は、単に食糧が不足したのは、これは不作であった、あるいは農業の生産性が途上国においておくれているからだけではございません。これは、先進国における当時の景気好調のために需要が非常にふえてきた、こういうこともあったし、あるいはまた、国際通貨の不安がございましたので、それに加速されましたインフレが起こっている、あるいはまた、食糧を投機の材料に使っている、こういったものが複合的に同時的に起こったから深刻な食糧不足が来たんだ、こういう点が指摘されているわけであります。したがいまして、今後農業開発基金の問題を取り上げていく場合にも、そういった国際的な需給関係の調整、これに積極的に日本が、自分の責任も果たすという立場で計画を立て、それに応ずる用意をしておかなければならない、その点を私はまず指摘をさせていただきたいと思います。 この問題に入りますともう時間がございませんから、一つだけ気にかかることを質問させていただいて、私の質問を終わらしていただこうと思いますが、それは、この二月七日現在で産油国から幾つの国々がどれだけ署名をし、すでに拠出をしておられるのかどうなのか。前に説明をお聞きしましたときに、産油国がこれに参画をし、お金を出すということを非常に特徴として言われました。説明書だけによりますと、まだ署名国は十六で、批准書を寄託した国はない、こういうことが書いてあります。三月の本日、この期間にどれだけの進捗があった、だからしてこの農業開発基金の見通しはこうだという点についてお話しいただきたいと思います。
○大川政府委員 この基金協定は、まだ御承知のとおり発効いたしておりませんので、現在各国とも、これは第一グループ、第二グループ、第三グループいずれを通じてもそうでございますが、拠出の誓約をしているだけでございまして、実際の拠出は発効後のことになる予定でございます。 それから、具体的な誓約額といたしましては、このお配りしてあります表の協定の後ろの方の別表に各国の誓約額が出ております。
○渡辺(朗)委員 残念ながら時間がないので、また機会をいただきまして質問をさせていただきます。ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、寺前巖君。
○寺前委員 大臣が予算委員会との関係で制約があるようでございますので、要点だけをお聞きしたいと思います。 第一に、日本政府がこの開発基金の協定なりあるいは基金の出資をするに当たっての基本的立場について、大臣にお伺いしたいと思います。 この基金の目的は、協定の中に書かれておりますが、発展途上国の食糧増産のために農業開発のための資金として緩やかな条件の資金供与を行うのだ、非産油国、非資源国の貧困な発展途上国にその困難性が集中している点を考慮して、食糧の不足している最も貧しい国を重視するようにここには書かれているというふうに思います。そこで、その課題にこたえるような国際機構が生まれなかったらいけない。私は、日本政府として、この国際的な機構がこの協定に基づいてつくられた場合に、あくまでもその対象となっている発展途上国の最も貧しい国々の人々の意見を中心にしてこの運営をおやりになるという立場をとられるのか、それとも出資金を出す方の国が中心になって物を申すということが中心になるのか、この立場を最初にお聞きしたいと思います。——大臣に聞いておるのだよ。そんな細かい話じゃないのだ。基本的な話を聞いておる。
○大川政府委員 この基金からお金が出ます場合のいろいろの手続については、協定の本文に詳しく出ておりますけれども、何分にも趣旨が開発途上国における食糧、特に農業問題、特に食糧増産に向けての追加的な資金の貸し付けまたは贈与ということでございまして、当然ながらその資金の供与を求めている国の言い分が十分聞かれることになると思います。 開発途上国でこの基金の援助を求めている国は、まず自国内での総合計画ないしプロジェクトを具体的な形で基金の理事会に提出いたしまして、それを理事会が一定の手続に基づきまして審査するわけでございますが、その時点でも十分に開発途上国の意見、希望が考慮に入れられると思います。
○寺前委員 ぼくは技術問題を聞いているのじゃなくして、日本政府としての立場をお聞きしたのですよ。だから大臣にお答えをいただきたいわけなんです。一番基本的な立場を聞きたい。 要するに、国際的に見ても発展途上国における困難性が集中している最も貧しい国、そういう人たちの意見が中心に動いていくようなものなのか、それとも、出資国の方が、あそこをこうしてやろう、ここをこうしてやろうという立場に立つのが基本なのか、どっちが基本になるのだろうか、こういうことですよ。
○鳩山国務大臣 この基金の運営の方法は、これは方針が恐らく理事国の会合、理事会と申しますか、そこで決められていくと思います。しかし、目的が貧しい開発途上国、LLDCと申しておりますが、そういったところの開発でございますから、当然その趣旨は十分にくみ取られるものと思います。理事会の構成は御承知のようにグループ別になっておりますが、目的はそこにあるのでございますから、それは当然十分に意見は組み入れられることと思います。最近の情勢といたしましても、開発途上国の団結というものは非常にかたいものになっておりますので、こういった機関の運営自身は十分にその意見が尊重されるものと信じておる次第でございます。
○寺前委員 それでは、今度はちょっと条文に基づいて二、三お聞きをしたいと思います。 本協定の第七条の二項の(e)項、(g)項のところが私はその立場を貫く上においてどういうことになるのだろうかなというふうに感じますので、そこのところを聞きたいと思いますが、まず、資金の供与を受けるために受け入れ国の事業計画、総合計画の評価のために国際的機関を利用することになっております。この間の御説明を聞いておりましたら、FAOなり世銀なり第二世銀なりアジア開発銀行なりの名前をお挙げになっておったと思うのです。私の受け取り方が間違っておったら直してください。そこで、こういうようなところを評価の機関というふうにしておられますが、それでは、FAOと世銀あるいは第二世銀なりアジア開発銀行なり、それぞれ計画の評価をする機関が食い違いが起こるということはあり得るのだろうか、あり得ないのだろうか。評価の基準が違うということはどうなんだろうか、あるのだろうか。わかりますか、言っている問題が。
○中村説明員 お答えいたします。 この国際農業開発基金は、その事業の実施に当たりまして、いま先生御指摘のとおり、FAOとかあるいは世銀、第二世銀等と協力して評価を行うわけでございますが、これまでの援助の態様は御承知のとおり、世銀、第二世銀等は主として貸付援助を行い、また、FAOは通常は技術協力という形の贈与援助を行っております。そういう意味で、この農業開発基金が行う援助の態様に応じまして、その協力を依頼する機関、あるいはその協力を行うことになった機関の行う評価の仕方等が異なる形をとることはあり得ると思います。
○寺前委員 構成も違ってきますから、したがって評価も変わってくるということは当然予想されることです。FAOは、たしか一国一票制をとっている機構だったと思うのです。世銀その他は違います。したがって、持っていくところによって話は違うことになるんだけれども、その次にこういうことが書かれております。貸し付けの承認は理事会が行うが、その前に貸し付けの管理監督を委任される国際的機関がその開発の計画の評価に同意することを確認することになっておる。この同意がなければ、理事会が承認できないことになっている。そうすると、同意権というのが管理監督をするところにあるわけだけれども、そういうことになってくると、実際問題としてFAOという場合と、ほかの機関が違ったら評価が違うということになるけれども、実際上はFAOについてはこの管理監督の委任を受ける機構にはなっていないと思うんです。そうすると結局、評価はFAOを含めてやれることになるか知らないけれども、実際上は一国一票制でないところの、むしろ世銀を中心とした機関に決定権が移ってしまうということにならないんだろうか。結局、同意、承認が要るということになってくると、理事会で決定するにしたって、もとはどこになるかというと、管理監督の一番の組織、世銀やあるいはいろんな開発銀行のところに行ってしまうんじゃないだろうか。私はむしろそのことを心配するんだけれども、その点はそうなりませんか。
○中村説明員 ただいま御指摘の、なかんずく国際農業開発基金の貸付事業に関しましては同様に貸付事業を行っておりますところの既存の国際援助機関、世銀、第二世銀、アジア開発銀行等との協力が予定されているわけでございまして、貸し付けという事業を行う限りにつきましては、それらの実施等について協力を願う機関の判断というものを同様に尊重するという立場がとられることになるわけでございます。しかしながら、第二世銀あるいはアジア開発銀行等も、すでに農業分野での貸付事業についての十分の経験を積んでおりますので、それらとの間に基本的に大きな判断の違いが起こることはないと信じております。
○寺前委員 そこで私は、あえてもう一度さっきの問題に戻るわけなんです。それは政府答弁としては、ぐあいの悪いことになっては困るというので、信じるというふうにおっしゃるのは当然だと思うんだけれども、問題は、世界銀行あるいはアジア開発銀行、そういう管理監督をするところが同意をしないことには金は動かぬのだということになってくると、全体の理事会において発展途上国の貧困な国が物を言っても、実際にはそっちの方がうんと言わなかったらそうはいきませんよということになっては困るので、私はそれだけに、そこの同意を得る形式になっていても、その開発基金の協定に基づく国際機関の理事会が、発展途上国のそのことを要求するところのものを尊重する立場を強くまた要求するという、ここのところを明確にしておいてもらうということが、形式はどうあろうと、その形式を尊重しながらも、同時に銀行中心に左右されるということにならないように、この指導性を日本の政府としては発揮することを考えておいてもらう必要があるんじゃないかと思うんですが、大臣の意見をその点について聞きたいと思うんです。
○鳩山国務大臣 この基金が既存の各種の国際機関を活用するということの意味は、この基金が膨大なスタッフを抱えて全部これを自己の職員でやるというには、大変なコストがかかるということから、既存の各種の専門機関を活用するということを考えたのであろうと私は理解をしております。そういう意味で、この基金自体の方針、どういうものを贈与にし、どういうものを貸し付けにするとか、そのような方針につきましては、私は、基金自体が決めることであって、その基金の決めた方針に従いまして各種の機関が協力をするという趣旨であろうと思います。そういう意味で、技術的な意味の協力を仰ぐということであって、方針がそれによって左右をされるということは考えていないのじゃないかというふうに理解をしております。そういう意味で、決められた方針に従って、それぞれの専門機関はそれぞれの技術の分野におきまして協力をむしろしてあげるのであるというふうに考えておりまして、御心配のようなことは起こらないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○寺前委員 それではその次に私は、その心配との関係が出てくる根拠というのは、こういう機関の投票権の問題が従来国際的に見ても考えさせる問題があったと思うんです。すなわち国際会議、国際的なこういう機構を一国一票制にせよという、これは私は金のない国はみんなそういう提起をすると思うんです。あるいはまじめに本当に民主的に討議をしようと思ったら、そういうことになると思う。ところが、現実に世界銀行を見てもその他のところを見ても、出資金に応じて投票権を決めていくという方向が確立されていると思うんです。今度のこの機構を見ると、三つのグループに分けて、必ずしもそういうふうにはしませんよとはなったという点では、私は新しい発展をここには示しているというふうに思います。だけれども、同時にその中においても、やはり出資金に応じた投票権を確立していることは、また否めない事実だと思うんです、この範囲内において。私は、なぜそういうふうに出資金に応じて投票権を決めていくというやり方が行われるのか、これについて本当に政治的、経済的見返りをもしも期待しないというのだったならば、一国一票制をやったらよさそうなのに、なぜこういうことになるのか、それはやはり見返りを期待するからなんだろうか、疑問に思わざるを得ないのですが、大臣この問題についてどうでしょうか。
○鳩山国務大臣 私、この設立の経過をつまびらかにいたさないのでございますけれども、多額の出資を仰ぐ場合に、やはりよけい出した方がよけいな発言権を持つというようなことの方が出資金が集めいいのではないかというようなこともあるだろう、そういうふうなことから、やはり若干の出資に応じた投票権という思想が入ってきたのであろうと、私はそう考えます。それによって見返りを得るとか、そういうことよりも、むしろその機関を発足させるために、十億ドルの資金を集めるためにそのような方式を考えたのであろう、その方が大きい考え方じゃないかというふうに、私はそう考えております。
○寺前委員 出資金をたくさん集めるためには投票権を与えてやらなかったら集めにくい。そうすると、お金を持ち出すのには投票権というものが伴う。投票権は何を意味するのか。そうしたら、その機構を運営する発言権を持つということじゃないですか。運営する発言権を持つということは、出資金の少ない諸君たちの発言を抑えるということになって、その何かの見返りというのが政治的発言、支配力をふやすということになるのか。ちょっと道理の合わない話になるんじゃないでしょうか。 私は一番最初の問題提起じゃございませんが、貧困な国が栄えるために無条件でそれぞれの発展した国々が協力をするという立場だったら、謙虚に投票権は一国一票にして、そして出資金はその力に応じて出すというふうにやってこそ謙虚な姿だと思うんだけれども、私はこの点について理解をすることができません。現にこの会議においても、アメリカは総投票権の三分の二を拠出国に、三分の一を借入国に割り当て、前者については拠出額に応じて投票権を分配するという方式を提案したようです。日本もこれを支持したということを私は聞いている。そうすると本当の立場として、何かやはり見返りを考えているのかなという疑問を感ぜざるを得ないので、その点についてなぜそういう態度をとったのかということをひとつ聞きたいと思います。 それからもう一つお聞きしたいのは、このFAOの会議に参加された方々の報告を読んでおりますと、こういうことが書かれています。第一回の作業部会、一九七五年の六月三十日から七月四日にかけたこの会合に参加した人が、最後にこう言っています。「先進国の中でも豪州、オランダの如く本件提案国はもちろん英国、米国、カナダ等もそれぞれ一定の条件付きではあるが、いずれも拠出を前提として前向きに発言しているので、わが国も次回会合においては本件基金に対する拠出態度、拠出の前提条件等を十分検討したうえで参加することが必要である」ということを言っております。ところが、第二回の作業部会の会合の参加者の意見を聞いてみると、やはり同じように、わが国としては次回会合までには拠出態度を決めざるを得ない立場に云々ということが書かれています。毎回毎回日本代表が行ってこの消極的な態度をとっていたというのは、消極態度をとらなければならない理由があったんじゃないだろうか。なければ何でこういうことになっておったのか、この点についての御説明をいただきたいと思います。
○大川政府委員 最初の点からお答えいたしますが、開発途上国は、おっしゃいましたとおり一国一票主義ということを主張いたしました。それから拠出をいたします側の国々としては、何らかの形の加重投票制度を採用することを主張したわけでございますけれども、それをいろいろ話し合いました結果、先ほど話にも出ました三つのグループでそれぞれ六百票ずつを均等に割り当てるという、従来は全くなかった新しい方式が採用されることになったわけでございます。それぞれのグループの中でどういうふうにその六百票を配分するかということは、それぞれのグループにゆだねられたような形で決着がついた、こういうことでございまして、これは従来なかった新しい試みとして、やはりいろいろ御指摘のようなことも言えるかとも思いますけれども、今度の試みはこれなりに評価してよろしいんではないかと私どもは考えております。それから準備会合、関心国会合が三つ開かれましてこの基金の協定を作成したわけでございますけれども、その過程で真剣に各国の考え方も考慮に入れながら、日本として応分の拠出をすべく慎重に検討を続けてまいったわけでございまして、最初に拠出の意向を表明したのは、たしか昨年のナイロビにおける第四回国連貿易開発会議における代表演説でまずその意思を表明したわけでございます。その後いろいろ検討を続けました結果、最終的に五千五百万ドルを拠出することに決めた次第でございます。
○寺前委員 私は、第一番目の質問は結果について聞いているのではなくして、アメリカが三分の二については拠出額に応じて配分せよという問題提起をやっているのに日本は賛成している、支持しているということを何かの報告で読んだことがある。だからそういうことはないのだったら、ないと言ってもらったら結構です。支持したというのだったら、支持するためには、その他の発展途上国は一国一票を要求しているときに、なぜそれを素直に聞けないのだろうかということを私は疑問に感ずるので、そこを説明してもらいたい。結果の話を聞いているのじゃないのです。 それから第二番目の問題点は、消極的な態度が見られているじゃないか。日本の国は世界においてもりっぱに経済国として発展していると言われているのだから、そうしたら、何でその日本が積極的な態度でこういうような会合で発言をすることができないのか。なぜそういう態度になれなかったのか。りっぱなものだと言われる以上、そういう立場で積極的に発言をさせていったらよさそうなものなのに、みんなつらい思いをして第一回、第二回帰ってきている。不思議でかなわない。それについて、なぜ消極的にならざるを得なかったのかを率直に説明をしてもらいたい。私はそういう質問をしているのです。端的にお答えをいただきたいと思うのです。 そして第三番目に、私はもうこれで大臣の御都合もあるから終わりますが、私は、一体どういう討議をしておるのだろうかということで、報告書なるものが出ているということを他の本で読んだ。それではそういう報告書が国会図書館にあるかいなと思って探したんだけれども、わからなかった。私が見間違えてなかったのか、そういうものは届けないのか。国政を審議する舞台に、こういう報告書なるものは外務省として当然準備をして届けてしかるべきではないだろうか。国会審議をりっぱにするために、国民に国際舞台について理解をすることができる条件を整備するために、私はこういうものは出すべきだというふうに思うんだけれども、こういうことについてはどうなんだろうか。これもあわせてお話しをいただきたい。
○大川政府委員 寺前先生がおっしゃいましたアメリカが第一回の会合で提案した形式というのは、私ちょっとつまびらかにいたしておりませんけれども、少なくともわが国としましては、当初何らかの加重投票制を支持したことはそのとおりでございます。これは先ほど大臣からお答え申し上げましたように、まずお金を集めることが大きな要請でございますことと、それから、できました上でこの基金が健全に運営されることを配慮いたしまして、そういう形がいいのではないかと思ったからでございますけれども、開発途上国側の意見ももちろん聞かなければいけませんし、いろいろ三つの関心国会合を経て話し合った結果こういうふうな形に落ちついたわけでございまして、これはこれなりに日本政府としても全幅的にこれから協力してまいりたいと考えております。 報告書とおっしゃいますのはどういうものを指していらっしゃるのかよく存じませんけれども、世界食糧会議の報告書でございましたら、当委員会にもお配り申し上げていると思います。
○寺前委員 作業部会でずっとやっているものです。
○大川政府委員 協定のテキストをつくりますための三回にわたる関心国会合につきましては、報告書というものは作成されておりません。 関心国会合において消極的態度をとったかどうかということでございますけれども、私どもとしては必ずしも消極的態度ではなくて、この基金ができるだけ健全な基盤に立脚して発足するというために、初めての試みでもございますし、どういう形が一番いいかということを慎重に検討しながら対処したというふうに御理解いただきたいと思います。
○寺前委員 それでは終わります。
○竹内委員長 次に、伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 外務大臣が首脳会議に立たれる直前でございますので、多少範囲を超えて御質問をさしていただくかとも思います。 まず最初に、わが国の開発途上国に対しての援助ということは、きのうきょう始まったことでございませんで、ずいぶん前からこうした問題は討議もされ話題にもなってきたわけでありますけれども、今日、開発途上国の援助に対しての基本的な政府の方針、姿勢を簡単にお聞きをしたいと思います。
○鳩山国務大臣 後進国に対します援助の問題、いわゆる南北問題につきまして、国際社会の一員として、特にまた先進工業国家の一員といたしまして果たすべき役割りを果たすということが、何より日本政府としてとらなければならない態度であろう、私はこう思っております。 そういう意味から言いまして、援助の資金量の面から申しますと、先進工業国家の、平均といたしまして、これは政府の開発援助でございますけれども、平均がいま〇・三六%になっておりますけれども、日本はまだ〇・二四、昨年は多分〇・二くらいであろうかと思います。そのようなことで当面わが国としては政府の開発援助の資金量をふやす、そのことによりまして果たすべき役割りを果たしたいというのが何より第一に考えるべきことであります。 その中で本年の考え方といたしましては、なるべく政府が無償で援助する資金量をふやしたいということを次に考えた次第でございます。この機会に申し上げますが、政府開発援助資金量といたしましては、昨年が四千五百億円程度でありますが、本年は予算上では五千五百億をちょっと欠けるくらいのところで、二一%くらいの増加率になっておるわけでございます。希望といたしましては、さらに拡充を図りたかったのでございますけれども、本年の財政状況からいってその程度しかやむを得ない、こう考えた次第でございます。これから、何よりもまず資金量の拡大を行っていくべきもの、私はこう考えておるところでございます。
○伊藤(公)委員 先ほどの答弁の中にもうかがえたことでございますけれども、いまの外務大臣のお答えの中で、率直に聞けば資金援助、額を多くすればそれが援助だと考えている基本的な考え方に私は大変な疑問を持たざるを得ません。額だけが高いのでいいとするなら、今日までアメリカは開発途上国に対して莫大な援助をしてきたと思うのです。しかしアジアの多くの国々に対してそれは結果的に必ずしも実を結ばなかったという状況を考えれば、額を多くすることも一つの方法でありますが、問題はその中身にあるのだ、そして基本的な姿勢にあるのだ、私はこう思います。額を多くすると言う、しかし基本的にどういう問題に対して今日、わが国政府が開発途上国に対して援助を差し伸べていくのか、もっと具体的な形で御答弁をいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 援助は資金量だけの話ではないのではないか、それはもちろんそうでございます。今日の特に南北問題と覆われているものは、まことに深刻な事態になっておることは御承知のとおりで、特にオイルショックと申しますか、油の値段が四倍になったということで、わが国は何とかそれを乗り切ることができたけれども、他の多くの国々、特に中堅国家と申しますか、そういうところから油を産出しない開発途上国に至りますまで、大変な経済困難を来しておる。これは経済問題だけに限った話でございますが、そういうさなかにありまして一体南北問題をどう解決するかということは大変大きな問題で、そういう中にあって日本としては、日本自身はこの経済危機を乗り越えつつあるけれども、ほかの国は大変苦しい場面にあるわけでありまして、そういう意味から日本は当然応分の負担をすべきだということをいま申し上げた次第でございます。もちろん、援助のやり方とか方法にどういう手段が一番いいのか、これは大きな問題であります。そういった問題を、もう一度援助のあり方につきましても御説のように兄直すべき点は多々あろうと思います。 それからいま、アメリカのことをおっしゃいましたが、アメリカ合衆国のような膨大な国民所得を持っております国は、比率を伸ばすということはこれまたなかなか苦しい事情でありまして、アメリカ合衆国自身も先進国の平均にははるかに達してないという状況にございます。そういうこともつけ加えて申し述べさせていただきます。
○伊藤(公)委員 具体的な問題について触れたいと思っているわけでありますが、私がいま基本的なことでお聞きをしたいことは、福田内閣がこの開発途上国に対して今後こういう形で対処をしていくのだという、福田内閣なりの具体的な案あるいはお考えをお持ちならばお答えをいただきたい、こう申し上げているわけです。
○鳩山国務大臣 いわゆる南北問題に対処する考え方というのが、国際的にも形成の途中にあると申しますか、CIECの会議におきまして早く結論を出さなければならない時期に来ておるわけでございます。しかしながら現在までのところは、開発途上国の要求とそれに対します先進国の態度というものがなかなか一致しない大変大きな開きを示しておる段階でありまして、これに対しましていかに対処するかということが最大の問題になっておるということで、この問題につきましては、各国の意見等もいま極力探っておる段階でありますが、各国ともいろいろ話し合いを進めながら日本としての態度を決めていこうということでありまして、福田内閣としての方針はこういうふうにやるんだということを、今日いまの段階で申し上げるまでに至ってないことは、御理解を賜りたいと思います。
○伊藤(公)委員 福田内閣が一貫して口癖のように資源有限時代と言い続けながらも、資源をいまどこから私たちが調達をしているかということはもう明らかであります。資源有限時代と言いつつも、外交の面に関しては、開発途上国という問題に関しては何一つ具体的な政策を持っていない、こう言わざるを得ません。大変残念なことであります。いままでの延長でということではなしに、あるいはそれぞれの問題が起きてきたから対処するという形ではなしに、開発途上国に対して、あるいはそれぞれの国々に対して、まさに資源有限時代、二百海里を初めいろいろな問題を抱えた時期にこそ、わが国なりの積極的な外交がぜひ必要だ、こう私自身も思いますし、そういう方向でぜひ臨んでいただきたい。外交に関しては全く無策だ、こう言わざるを得ません。 一つ提案でありますけれども、いま国内にいる私あるいは私たちよりもっと若い世代の人たちが海外に出るという機会が非常に多くなってきたわけでありますけれども、こうした開発途上国への技術援助等を含めたり、こうした問題等々を考え合わせながら、若い世代の人たちに、海外に出る、しかも単なる海外旅行という形ではなしに、一つの国家的な事業に参加をしてもらうという道を開くというお考えはあるのかどうなのか、お聞きをしたいと思います。
○鳩山国務大臣 御質問の趣旨がよくわからなかったのでございますけれども、いま総理府でやっております青少年の海外交流事業は年々発展を見ておると思います。相当多数の若い方々が外国に行かれておりますし、また、外国からも日本に来られておるというふうに承知をいたしております。そういった若い方々に外国を見ていただくということは大変重要なことである。ただし、その仕事は総理府の方でやっておられますので、私どもはそのように理解をいたしておるところでございます。
○伊藤(公)委員 少し飛躍をするのでありますけれども、もちろんそれぞれの役所の管轄もあろうかと思いますが、若い人たちが海外に出て何か一つの作業に参画をしたいという熱意は非常にあるわけでありまして、ただ、海外旅行ができるからいいということではない、あるいは海外に出る人たちが多くなったからいいということではなしに、その質にわれわれは触れるべきではないか。国の窓口として若い人たちに外へ出る機会、そして外に出て一つの事業に参加できるという道をぜひ積極的に開いていただきたい、こう要望申し上げておきます。 実は、ことしの予算編成のときに、たしか中南米局設置の問題があったと思うのでありますが、中国を初めアジアに対しては非常に関心を持ちつつも、地球の裏側、たとえばブラジルを初め南米に対しても実は私自身も非常に関心を持っておるわけであります。人種差別がない。そして広大な土地がある。しかも、対日感情も、先輩たちがすでにそこで繰り広げた生産活動を初めとして、あるいは交流を続けて、非常にいい。こういう状況を考えますと、中南米に関してもしっかりした方針を持って臨むべきだというふうに考えておりますけれども、移住局でしたか、移住部でございましたかはたしかなくなったと思いますが、それにかわる中南米局というようなものが設けられて——ちょうどブラジルもこの協定の第三区分の中に入っておるわけでありますから、こういうことを考え合わせても、ブラジルを初め南米への関心は非常に高いと思いますけれども、この中南米局の設置ということがどういう形で消えてしまったのか、ちょっとその点だけ簡単にお聞きしたいと思います。
○鳩山国務大臣 先ほどのお話の、若い方々が海外で有益な仕事もしたいということ、こういう方のために、専門家、青年協力隊の派遣という事業が技術協力の一環としてなされておりまして、昨年の実績といたしましては、専門家の派遣が三千四百九十九名、協力隊の七百十二名という方々が海外に行かれております。この中で、協力隊というのはボランティア活動のようなものであると聞いております。 それから中南米局のお話でございますが、外務省といたしましては、何としても本年、五十二年度予算で実現をいたしたかったのでございます。そのために外交関係にかかわります先生方の大変なお力添えもずいぶんいただいたわけでございますが、最終的には見送らざるを得なかったということになりました。多年この中南米局は実現を要求いたしておるわけでありますが、今日におきます中南米諸国の重要性にかんがみまして、ぜひとも今年は実現を図りたかった次第でございます。ところが、本年は部局の新設は行わないという大方針がある、これはどうしても大事な一つの柱であるから、ことしの予算ではとにかく部局の新設はがまんをしてくれというのが政府としての動かしがたい方針であったというふうに理解をいたしておりまして、私どもはこれから、予算はできましたけれども、なおなるべく早い機会に中南米局の実現をお願いしたい。その一つの機会といたしましては、ことし政府は行政機構の改革につきまして、たしか八月末だったかと思いますが、までに成案を得るように努力をするということでありますので、その行政機関の改革ということは、もちろん整理するものもあるであろう、しかし必要なものは認めてもらいたい、そういう機会があればその機会にぜひとも実現をお願いしたいと考えているところでございます。
○伊藤(公)委員 いま専門家が三千四百九十九名、青年協力隊がボランティア活動の形で七百十二名派遣をされているではないかという答弁がありました。しかし外務大臣、いま日本の若い世代の人たちのエネルギーがこれだけある時代に、七百十二名のボランティアが協力隊で行っているからその道を開いているという、こんな時代錯誤をしている政治の姿勢に私は大変疑問を持たざるを得ない。いま自力でも海外へ出て勉強をしよう。もう海外渡航が自由になってから大分時間がたっている。私自身も五カ年間海外に生活をしていました。多くの本当にまじめな人たちが向こうで勉強をしたり、あるいは少しでも働きながらその国の実情を勉強したいという若い人たちが非常にいるわけです。しかも日本のこれからの将来はまさに福田総理の言っているように、資源がない国ですから、海外へ出て、しかも旅行ではなしにその国の実情を学び、その国の人たちと一緒になって働く、あるいはそこに定着できるという道を勇敢に開いていかなければならない。私はいまの数字をさも当然のごとく、外務大臣が七百十二名若者が参加しているではないかなどという答弁をしている姿勢に大変疑問を持たざるを得ません。それは私自身の考えでもございますし、今後外務大臣も基本的に若い世代に口を向けて海外への転換をしていただきたいことを強く要望しておきたいと思います。 限られた時間でありますので、国際農業開発基金を設立する協定が生まれてきた背景に世界食糧会議というものがあったわけでありますけれども、世界食糧会議でわが国の倉石農林大臣が大演説を実はローマでしているわけでございます。まず、開発途上国の農業生産増大のために、アジアにおける緑の革命の伸展に対してわが国は大変大きな期待を抱いていたわけでありますけれども、一体その後の状況はどうなっているのか。その緑の革命をこの演説の中にもうたっているわけでありますけれども、一九七四年ですからすでに時間もたっているわけですけれども、その後の状況はどうなっておりますでしょうか。
○瀬木説明員 若干技術的な問題でございますので、私から答えさせていただきたいと思います。 緑の革命は、先生御存じのように六十年代に非常な注目を浴びました。開発途上国の農業問題及び食糧問題の解決に基本的な貢献をするであろうということで注目を浴びておったわけでございます。この緑の革命は、現在の評価ではかなりの成果をおさめたものの、当初期待していたほどではなかったというのが現在の評価ではないかと思います。と申しますのは、緑の革命、御存じのように一つは小麦の方でございますが、これは大体成功した。しかしながら、米の生産につきましては、当初農業研究所と稲作研究所でもってやっておりました実験ほどには現地では成功しておらないということでございまして、このために灌漑施設等の拡充がなお必要であるということがわかったわけでございまして、この緑の命のこれまでの反省を含めましてこれからの農業協力を進めていきたいというのが、日本を含めまして関係国の考え方でございます。
○伊藤(公)委員 倉石農林大臣がこの緑の革命をという大、演説をしたわりあいにはどうも成果がなかったような気がするのでありますけれども、ローマ会議で政府代表が強調をされております「開発途上国における食糧生産の持続的拡大を図っていくためには総合的な対策の推進」こう言っているわけでありますが、一体この「総合的な対策の推進」とは何を具体的にどう指しているのでしょうか。 〔委員長退席、有馬委員長代理若席〕
○岩渕説明員 ただいま外務省の方から緑の革命につきまして、その成果、現在における評価について御説明があったわけでございますが、その中で触れましたように、米の増産がなされるためには、まず第一は灌漑施設が十分でなければならない、第二は肥料、農薬等の資材の投入が適当でなければならない、さらにはマーケティング問題についても整備をしておく必要がある、こういう条件が整いますと、単位面積当たりで、インドネシアの例では二〇ないし三〇%程度は増収になる、こういうふうに言われているわけでございます。 そこでいま申し上げましたように、灌漑施設、これは農業の基盤整備ということでございます。さらに投入資材あるいはマーケティングというような広い総合的な対策を講じていきませんと増産の効果が上がらないというところから、農村の生活環境を含めての農村総合開発というような考え方が出てきたわけでございます。私どもはこれに対して全くそのとおりであるという観点から技術協力等を行ってきている次第でございます。
○伊藤(公)委員 わが国の開発途上国に対する経済協力の政策は、工業開発を優先させ、農業開発に対して正当な配慮、十分な配慮がされなかったのではないのか。政府発表の七三年から七五年の三カ年におけるプロジェクト援助の分野別の構成比率で見ても、農業開発部門はわずか一〇%にも達していない、これが実情でございます。今後農業部門の開発協力をどのように現実に展開をしていくのかお考えを聞きたいと思います。
○瀬木説明員 ただいま先生の御指摘のように、農業開発援助に対する日本の全体の援助に占める比率が一〇%に満たないではないかという御指摘はそのとおりでございまして、われわれとしてもこの比率をもっと高めるように努めていきたいと思っております。 ただ、先生が御指摘になりました中で、日本の援助が工業に優先的に割り当てられているではないかという御指摘は若干事実とは異なっておるのではないかと思いますのは、日本の援助は、工業というものよりは基盤整備、すなわち農業を含めまして、運輸、通信、教育、保健というような経済社会基盤の整備を行うというところに最重点が当てられております。したがいまして、工業そのものに対して政府の方から資金並びに技術協力でやったということは、むしろきわめて例外的に、たとえば肥料工場というようなものに対する援助があるだけでございまして、工業というものを目標とするものはむしろ民間関係のものではないかと思っております。
○伊藤(公)委員 世界食糧会議で、開発途上国における食糧生産の増大ということが緊急な問題であるということはすべての国が認められた、こう聞いているわけでありますけれども、この中でアルジェリアという国から食糧生産の増大の責任を開発途上国だけに負わせるべきではない、こういう発言があったと言われているわけでありますけれども、その点はいかがだったでしょう。 また、食糧の自給率の低下ということが非常に日本にとっては著しい傾向にあるわけですけれども、こういう国内における食糧の自給率の低下ということに対してもひとつ反省をすべき点があるんじゃないかと思いますけれども、この辺はいかがでしょう。
○大川政府委員 御質問の前段の方に、私からお答えさせていただきますが、世界食糧会議におきまして、アルジェリア等の国々から出ました主張でございます。これは、開発途上国は、自分たちでももちろん自助努力を行って食糧増産を図らなければいけないけれども、これはどうしても時間がかかるので、先進国の方でももっと食糧増産を図るべきではないか、その方がまた効率的であるという主張がございました。それに対しましては、日本といたしましては、主要先進国、特に主要輸出国が食糧増産の努力を行うことは、世界の食糧需給の安定のためにも望ましいことなんだ、わが国自身、日本自身といたしましても、可能な作物につきましては、生産力の維持向上を図ることを方針としているのだということから、開発途上国の先ほどのような主張には同調した次第でございます。
○岩渕説明員 御案内のように、世界の食糧需給はやはり不安定な状況が続くということを私ども考えたわけでございますが、そういう中で、やはり開発途上国からも食糧を増産したいというところから、多くの協力要請がなされてきております。私どもは、これらの国々での農林業の比重の高さということも考え合わせまして、積極的に強力に取り組んでまいりたい、こう思っているわけでございますが、一方、わが国といたしましても、長期的な見地に立って、食糧自給力の向上を図るということを基本方針としてやっておるわけでございますが、他方、今後都市条件の制約等から見まして、海外に依存せざるを得ない農産物等につきましては、国際協力の視点に立って、海外の農林業の開発を促進しまして、世界の需給を緩和するあるいは世界の農林産物の生産増大を図るということが重要であろう、こういうふうに考えたわけであります。 そこで、このような内外の事情にかんがみまして、私どもといたしましては、海外の農林業開発に協力する際は、まず第一に、相手国の要望、要請ということを十分踏まえなければならない。そして、これらの現実に合った農林業の振興と現地住民の福祉の向上に積極的に番与するということをまず第一義にしてやらねばならない。そして、現地の需要を満たし、世界の需給の緩和に努めまして、しかる後にもし供給余力が生じてくるということがありますれば、これをわが国への安定供給に結びつけていくということを期待しているわけでございます。
○伊藤(公)委員 大変いまのお答えには不満足であります。食糧自給率の低下が著しいいまのわが国の状況はこのままでもう仕方がないのだ、こう言うのでしょうか。あるいは具体的にこの自給率の低下しているということに何らかの方法を持っているのか。ただいまのお答えですと、海外にそのことを求めるのだ、こういう形に理解をせざるを得ませんけれども、いかがでしょうか。
○岩渕説明員 国民の食糧を確保するということは私どもの重要な仕事でございます。それで国内の農業の生産につきましては、御承知のように総合的な施策を講じまして、自給力を、力をつけていくということは当然でございます。しかし、先ほど申しましたように、畜産物の消費の増加などによりましてえさの輸入などもふえておるわけでありますが、これもやはり安定的な供給をして国民の方に心配をかけないということもまた一つの方法でございますが、協力という面でもそのようなこともひとつ要素として考えてまいりたいということも間接的にはあるわけでございます。
○伊藤(公)委員 時間が参りました。 しかし、国内における食糧の自給率の問題は大変重大な問題であります。いまのお答えでは、いま国内における食糧事情に対する考え方としては、全く私自身どういう形でこれに臨むのかということを、具体的な問題を少しも聞き出せない、もっと具体的な形で国内の食糧事情というものをどうやって克服していくのかということを、これはもう国策の問題でありますから、もっと真っ正面からひとつ取り組んでいただきたい。いまのそんな不誠実な、しかも何一つ具体的に、食糧の自給率がどんどん下がっているというこの状況に対して対処する具体的な政策を全然持っていらっしゃらない。これはもう今後わが国にとってはもちろん石油とあわせて非常に重要な国の政策の一つでありますから、ぜひ積極的に取り組んでいただきたい。こうお願いを申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。
○有馬委員長代理 次に、渡辺朗君。
○渡辺(朗)委員 初めに海上衝突防止の条約について質問をさしていただきたいと思います。 まず初めに、私、大変疑問を感じたことがございます。それは、この条約は七二年にでき上がっておりますね。ところが、これがいま七七年七月には発効だということになりまして、その間五年間ございます。どうして五年間もかかったのであろうか。すでに各国はそういうような国内法を整備している。日本においては世界最大の海運国の一つでありながら、なぜ五年間もかかってこういったおくれが出てきたのであろうかなというような点が非常に私疑問になりました。先ほどの答弁を聞いておりましたら、新しい国内法をつくるので、改正点もいろいろある、見直しをやってきた、最近その結論が出たので、これに加入することになったのだ、そのために時間がかかったとございますけれども、五年間もかかるような調整を要するようなこと、討議をしなければならない問題があったのでしょうか、この問題について私、当事者の方からお答えいただきたいと思います。
○山本説明員 海上衝突予防規則の国内法化の問題でございますが、御指摘のとおり一九七二年、わが国で申しますと昭和四十七年に制定されたわけでございます。 〔有馬委員長代理退席、委員長着席〕 私ども海上保安庁といたしましては、この国内法化に対しまして、なるべく速やかに国内法化を図りたいという考え方で対処してまいったわけでございます。その間、海運関係者、漁業者あるいは学識経験者等の意見を徴する、国内法案に対する了解を求める、そういう努力を続けてまいりました。 たとえて申しますと、五十年の七月には、海上保安庁長官の諮問機関といたしまして海上衝突予防法検討委員会並びに専門委員会、こういうようなものをつくりまして、これは海運と水産関係学識経験者を含めたものでございますけれども、こういった場におきまして国内法案に対するコンセンサスを得るべく努力したわけでございます。 問題点は何かと申し上げますと、最初の問題点は、新しい衝突予防規則が制定されると、狭水道におきまして漁労中の漁船が一般船舶に対して現行法よりも弱くなるんじゃないかという疑問が漁業者サイドから提示されました。その問題につきまして海上保安庁サイドの説明、それから漁業者サイドの理解、これがなかなか一致しなかったというのが、法案を早期に提出するような運びに至らなかったということであります。 しかし一方、条約の批准といいますか発効、これもまだまだ伸びておりましたし、昨年の夏になって初めてことしの七月十五日に発効するということが確定した、そういう段階でございますので、それを見て一層馬力をかけて関係者の了解を取りつけたというのが現状であります。
○渡辺(朗)委員 いま御説明の中で、いろいろ調整をしながら利害を一致させようという御努力をされたというお話がございました。その際に例として漁業者のサイドからの問題があったという点をおっしゃいましたが、その点は完全に納得していただいたわけでございましょうか。
○山本説明員 ただいま申し上げましたとおり、数年にわたる話し合いの結果、完全に了解をいただきました。
○渡辺(朗)委員 完全に了解がついておればこれはもう何よりでございますけれども、聞いてみるとどうもまだ徹底してないようにも思います。特に沿岸の漁業従事者が漁場を失うのではあるまいか、あるいはまた制限をされるのではあるまいかという不安感があるようにも思います。したがいまして、この中の項目について、細かなことになるかもわかりませんけれども、条項につきまして私二、三御説明を伺いたいと思います。 たとえば第三条の「一般的定義」のところにございますけれども、(g)の項目であります。「操縦性能が制限されている船舶」というもの中に漁労中の船舶が入っておらないように思います。これは入れるべきではないでしょうか。その点、大変細かな点でございますけれども、お聞きをしておきたいと思います。
○山本説明員 この「操縦性能が制限されている船舶」と申しますのは、(g)項にございますとおり、「自船の作業の性質によりこの規則に従って操縦することが制限されており、このため他の船舶の進路を避けることができない船舶」ということでありますが、一般に漁労中の漁船につきましては、(d)項におきまして漁労中の船舶の定義がありまして、本文の方でそれぞれ一般船舶に対する優位性をうたっております。したがいまして、この「操縦性能が制限されている船舶」という中には一応漁労船は入っていないという形になっておりますけれども、作業の性質上「操縦性能が制限されている船舶」に該当するというものであればこちらの範疇にも入り得る、そのようにも考えております。
○渡辺(朗)委員 さらに、やはりいまの沿岸漁業者の不安感あるいは疑義という点からひとつ考えてみますと、第九条のところであります。「狭い水道」というところの条項でございますが、(c)の項目では「漁ろうに従事している船舶は、狭い水道又は航路筋の内側を航行している他の船舶の通航を妨げてはならない。」ということになっております。この点は漁労活動の制限になるのではあるまいか、こういうような疑念があるやに聞いております。この点についての見解をお尋ねをいたします。
○山本説明員 条約案には九条の(c)項としまして、先生御指摘のとおり「漁ろうに従事している船舶は、狭い水道又は航路筋の内側を航行している他の船舶の通航を妨げてはならない。」という規定があります。現在成案を急いでおります国内法は若干表現が変わっております。この九条の前に、狭水道を航行しておる動力船は漁労中の漁船を避けなければならないという規定が入っております。この表現は、現行の海上衝突予防法の二十六条にならいましたそのままの規定でございますので、操業中の漁船は国内法が制定されました場合には現行と一つも変わらない、そのようになる予定であります。
○渡辺(朗)委員 その点、ぜひともこういうことを盾にしまして漁労活動の制限が行われるようなことにならないように御配慮をいただきたいと思います。 次に、これは十条でございます。「分離通航方式」というのは初めて登場してきた方式であろうと思いますけれども、いままでございましたのですか、その点お聞きをいたします。
○山本説明員 国際的には通航分離方式は実施されておったところがあります。国内には公に国が認めたものとしては現在はございません。ただ、船長協会におきまして、船長協会傘下の船長に対して指導しておった分離帯というのがあります。しかし、いま申し上げたとおり、国としてはございません。
○渡辺(朗)委員 新しい規則がここに採用されてくるわけでありまして、恐らくいろいろな疑惑なりあるいは混乱も出てくるのではあるまいかと思いますが、この条項を読んでおりまして、(e)のところ、「横断船以外の船舶は、通常、次の場合を除くほか、分離帯に入り又は分離線を横切ってはならない。」これは(i)(ii)とあって、「分離帯の中で漁ろうに従事する場合」、こういうふうになっております。つまり横切っていいことになります。ところが他方、同じ(i)の項目のところでは「漁ろうに従事している船舶は、通航路をこれに沿って航行している船舶の通航を妨げてはならない。」同じ項目のところで一方ではイエスと言い、他方ではノーと言うような何か矛盾した問題があるように思います。この点の解釈はどのようでございましょうか。
○山本説明員 条約案によりますと、先生御指摘のとおりであります。それで、分離通航帯の中におきましては漁船は漁労に従事してもよろしいという原則が一つございます。ただし、その際、「漁ろうに従事している船舶は、通航路をこれに沿って航行している船舶の通航を妨げてはならない。」ということがあるだけで、妨げない範囲において漁労に従事してよろしいというのがこの趣旨であります。それで、両者には一つも矛盾はない、このように考えております。
○渡辺(朗)委員 いまのような点で、新しいいろいろな国内法への適用が行われていくと思いますけれども、これはもともと英文でございますね。そうしますと、これは賢明なる方々が完全なる翻訳をされて、それを国内法に移しかえておられることだと思いますので、万一そういうようなあいまいな解釈であるとかあるいは矛盾したような言葉があちこちに出てくるというようなことが国内の法規の上に反映しないよう十分なる御配慮をいただきたいと思います。 たとえば、私はこういう船舶の航行問題については大変に素人でございますけれども、ちょっと見ておりましてもこれでいいのかなというふうに思った点がございました。第九条の点でありますけれども、「狭い水道又は航路筋の内側を航行している」というような言葉があります。英文の方では「ナロ・チャンネル・オア・フェアウエー」となっておりまして、たとえばそういう解釈をすることは親切なのかあるいは余分なことなのか、誤解を与えることであるのか、こういうことが正しい解釈として日本語にされるのかどうなのかというような点、ちょっと疑問を感じた節もございます。私が英語から日本語へ完全に翻訳ができているであろうかというような点をお聞きしますのは、全部を読んだわけじゃございませんのでわかりませんけれども、いま一つの例をとりましても、「フェアウエー」というのを「航路筋の内側」というふうに解釈してよろしいのかどうなのか、一つの例でありますが質問させていただいて、お答えを賜りたいと思います。
○村田(良)政府委員 航路筋自体が何ものであるかはもう先生御存じのことと思いますけれども、「フェアウエー」を「航路筋」と訳しておるわけでございまして、たとえば九条の(b)項でございますと「内側でなければ」というところは英語で「オンリー・ウイズイン」という表現でございます。この「ウイズイン」というのをどういうふうに訳すのが一番いいかということでございますけれども、この規定の本来の趣旨は、要するにその水道のなるべく中の方という趣旨でございますので、「ウイズイン」を「内側」というふうに訳したわけでございます。
○渡辺(朗)委員 これはお願いでございますけれども、国内の法規に完全な外国での国際的な規則の移しかえをするわけでありますから、そこら辺は慎重にお願いしたいと思いますし、万分の一の間違いもあってはならないことだと思いますので、その点の御配慮を篤とお願いをいたしておきます。 衝突防止の問題については以上で質問を終わりまして、農林省の方、来られましたでしょうか。
○竹内委員長 農林省は見えております。
○渡辺(朗)委員 農業開発基金の問題について二、三御質問を再度させていただきます。 私、第七回国連特別総会の木村首席代表の演説を読ませていただきました。これは農業基金の背景になる日本の国の考え方につながる問題であろうと思いますので、それについてまず御質問をさせていただきます。 その中で、わが国は工業化のためのリマ宣言及びその行動計画全体には棄権をしたということがございます。そしてその後に、開発途上国に対する援助というのは食糧の増産こそが一見遠回りではあるけれども問題解決の近道であるということを非常に強調しておられるわけであります。私は、先般来の他の委員の方々からの御質問とも関連いたしますが、日本の途上国に対する援助の方式において大きな変更があったのではあるまいかというふうにも考えておりますが、そこら辺いかがなものでございましょうか。つまり今日までは資金援助あるいはまた工業化計画、そういうところに重点的に行われてきたものが、むしろ途上国の農業基盤の整備あるいは農業生産の増強のための援助、こういうところにぐっと比重が移しかえられようとしているのではあるまいか。これは結構なことだと思うのですけれども、そこら辺、何かなし崩しにいくんではなしに、変更があるならあるというような点教えていただきたいし、そういう意図であるということがあるなら意図というものもひとつ教えていただきたいと思います。これについて担当の方から、どなたかお答えをいただきたいと思います。
○瀬木説明員 わが国の資金、技術面の援助につきましては、これまでもその重点事項は社会開発の基盤というものに対してこれを育てるということを最重点に予定いたしておりまして、農業を初めといたしまして、運輸、通信、それからダム建設、そういうようなものに対して重点を置いてきたわけでございます。これは先生も御案内のとおりでございますが、全体の日本の開発援助に占めております農業援助というのは、ほぼ一〇%ということになっております。先生の御指摘になりましたとおり、農業援助というものは開発途上国の援助政策の中で非常に大きな重点事項でございまして、これまでもわれわれといたしましても農業開発援助を重視してきたというつもりではございますが、木村代表の演説にもございましたように、これからもますますこういう農業基盤、農業援助というような社会開発、経済開発というものの基本になるような部門に力を入れていきたいと思っております。
○渡辺(朗)委員 私は大変結構なことだと賛意を表したいと思います。特に途上国における社会構造、そういうもののいわばインフラストラクチュアそのものに何らの変更なくして、そして経済援助が行われる、あるいは工業化が促進されるということは非常に危険な問題であろうと私は思っております。それだけにいわば社会の下部構造から変更していこう、それに援助していこうという問題、私非常に賛意を表します。 そういう観点から、再度私はこの農業基金の背景にある世界食糧会議、そこで取り上げられてきた備蓄の問題、こういったことをひとつ取り上げて、日本側の対応の姿勢がどの程度のものなのか、そこら辺をお聞きしたいと思うのです。 私の記憶しております限りでは、食糧会議では備蓄六千万トン、これをキッシンジャーが提案したわけであります。しかし、そのとおりいかないで、またフランスなども反対をしたようにも聞いておりますけれども、違った形での決議が行われたというふうに聞いております。それは各国が国内政策の枠内で在庫目標を定め、それを達成し、そしてそれを運営する。しかしこれは、農業基金を設立して、そして途上国が増産をやっていく。それは非常に長い時間がかかることであり、目の前にあるのは飢餓状態が出現するような事態、こういったものが出てきている。短期的に見た場合に、そういった飢餓状態にある食糧不足の深刻な地域に対して緊急に援助する。その意味で各国が備蓄をしていく、こういうことも意味しているのではあるまいかと思います。ですからこの備蓄は、先ほど御答弁を聞きましたら、日本国内においてもトウモロコシ二十万トン、大豆七万トン、備蓄計画を立てているという話がありましたけれども、これは国内向けであって対外的援助ではないのじゃなかろうか。日本が単にお金を出して農業基金とするだけではなしに、日本の国としてどのような援助政策をとるのか。単に国内の備蓄だけではない、むしろ日本の責任というのは国際的なそういう緊急援助の備蓄の責任を分担するという観点から確立されなければならぬのではあるまいかと思います。その点についていまどのような計画を持っておられるのか再度質問をいたします。
○中村説明員 お答えいたします。 ただいま先生御指摘の備蓄につきましては、一つは低開発国を含めました備蓄のための援助というものが勧奨されておりますが、それとまた一つ別に、世界食糧安全保障スキームというのがこの世界食糧会議で合意を見ております。 本件スキームは、一九七二年の後半の世界的な食糧需給関係の逼迫や開発途上国における食糧不足を背景として提案されたものでございまして、各国の食糧安全保障策定のガイドラインであるとか、在庫量の評価、開発途上国援助、情報収集、分析等について、幾つかの項目について国際的な申し合わせを行い、各国が国内政策の範囲内でそれらの項目を実施することにより、世界全体として食糧の安全保障を図ろうとするものでございます。 したがって先生御指摘の備蓄そのものとあるいは若干ずれがあるかと存じますけれども、このような形で世界食糧安全保障につきましては、食糧会議を契機といたしまして引き続きFAOの範囲で関係国の協力が行われております。本件につきましてはわが国を含む七十一カ国がこの申し合わせに参加しております。なお、中国とソ連とは本件スキームには参加いたしておりません。
○渡辺(朗)委員 私心配しますのは、農業基金をつくることはやはり途上国の特に食糧危機を打開するためだと思います。ところが、実際にはこの効果が出てくるのには時間が非常にかかります。したがって、途上国で食糧を輸入している国、依然として従来どおりと見通される数年間というものは、増産が本当に国内でできるまでは途上国は外貨の大部分というものをやはり食糧の購入に当てざるを得ない、こういうような事態が続くのではあるまいかと思います。ちっとも食糧難の解決になってこない。こういう即効的な意味はまだ農業基金にないわけでありますから、こういう問題に対してはわが国の政府はどのような態度で臨もうとしておられるのか、これを重ねてお聞き申し上げたいと思います。
○瀬木説明員 わが国といたしましては、先生も御指摘になりましたように、食糧問題の基本的な解決というものは、やはり開発途上国自身の食糧の自給を高めるということが基本ではないか。そのためにできるだけの協力をいたしたいということを基本としておるわけでございますが、また先生御指摘のとおり、他方、現実に食糧問題に悩んでいるという国もあるわけでございまして、これに対してはわが国としてもそれにふさわしいような協力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。 ただ、日本に余剰米がございました当時は、この余剰米を使いまして援助するということもいたしたわけでございますが、現実に日本は援助のためにそういう余剰米を使うというようなことができない状態になっておりますので、ただいまわが国として行っております食糧援助というのは、食糧そのものを日本から出すということではございませんで、たとえば食糧の余っておりますタイというような国からタイ米を買い付けまして、それを食糧の足りない国へ供給するというような形で行いますとか、日本から無償でもって農器具、肥料というような農業生産を助けるようなそういう資器材を無償で供給するということでこれに対応しておるわけでございます。
○渡辺(朗)委員 そういう形の援助、そういったものを積極的に日本はしなければ、国際的ないわば責任を果たしたことにはならないと思いますので、鋭意その点具体化をお願いをしたいと思いますが、私は、途上国が食糧増産をしようとした場合に、先ほどのグリーンレボリューションの問題とも関連が出てまいりますけれども、国際肥料の供給体制、こういったものがやはり必要であろうと思います。また事実、この食糧会議においてもその問題についての決議も行われていると聞いております。日本として肥料の供給、こういった問題に対する参画の仕方、これについてのお考え方を聞かしていただきたいと思います。
○中村説明員 肥料の供給の問題も一九七五年の世界食糧会議の一つのテーマとなっておりました。同会議におきましては、肥料問題につきましてその後フォローアップすることが決められまして、FAOの中に肥料委員会というのがございますけれども、FAO内部に低開発国が使用できるための肥料のプールをつくるということを含む国際肥料供給スキームというものを設置することが決められ、肥料に関する情報収集、援助要請、それから輸出拡大が図られております。本件会合は七六年四月と七六年六月に引き続き行われまして、長期的な肥料価格の安定策と肥料供給スキームの存続の問題について引き続き討議を行っております。 わが国は、肥料関係で申しますと、国連緊急援助の一環として六、百五十万ドルの資金を、かつて人道的食糧緊急援助及びFAOの肥料プール用として拠出いたしまして、これは一たん国際機関のそのような形のファンドに払い込まれましたが、その中から非常に大きな部分が先ほどの肥料供給スキームの方に供給されております。
○渡辺(朗)委員 私は、この農業基金ももっともっと資金を活用して、途上国が自国の農業生産、それの発展のために役立てるように非常に期待するものでありますけれども、そのためには、単にお金だけではなく、日本の農業技術者あるいはノーハウ、こういったものも同時に持ち込んでいくというような積極策が必要であろうと思います。そういったものも含めまして、特に社会の底辺、こういったものから援助をしていくのだという姿勢を根幹にいたしました国際的な援助計画、こういったものの作成を日本政府として急いでいただきたい、そしてまた世界に示していただきたいという点を付言いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○竹内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十三分散会