科学技術振興対策特別委員会 第17号
- 発言数
- 167 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/05/26
会議録
○山田委員長 これより会議を開きます。 この際、御報告申し上げます。 今国会、本委員会に付託になりました請願は、日本原子力研究所職員の待遇改善等に関する請願外同趣旨請願二件及び原子力船むつに関する四者協定の完全実施に関する請願一件、合計四件であります。 これらの請願の取り扱いについては、先刻の理事会において協議いたしたのでありますが、委員会での採否の決定は保留することになりましたので、さよう御了承願います。 なお、本委員会に参考送付されております陳情書は、お手元に配付してありますとおり、地震予知対策の推進等に関する陳情書一件であります。念のため御報告申し上げておきます。 ————◇—————
○山田委員長 次に、閉会中審査申し出に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、閉会中もなお科学技術振興対策に関する件について調査を行うため、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 引き続きお諮りいたします。 内閣提出の原子力基本法等の一部を改正する法律案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の両案について、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山田委員長 起立多数。よって、両案は、議長に対し、閉会中審査の申し出をすることに決定いたしました。 次に、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案について、議長に対し、閉会中審査の申し出をするかどうかの取り扱いについてでありますが、これについて発言の申し出がありますので、順次これを許します。宮崎茂一君。
○宮崎委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案について、衆議院議長に対して、閉会中審査の申し出を行うことにつき、賛成の意見を明らかにしたいと思います。 わが国の原子力船開発は、去る昭和四十九年九月「むつ」の出力上昇試験の際に発生した放射線漏れのため、現在一時中断のやむなきに至っております。わが党としては、このような事態を打開し、一日も早く原子力船開発を軌道に乗せる必要があると考えるものであります。政府においては、同様の観点から今国会に改正法律案を提出されたのでありますが、諸般の事情から本委員会として議了に至らなかったのはまことに遺憾であります。 しかしながら、わが党としては、本案件の持つ意義にかんがみ、できるだけ早い機会に成立させる必要があると考えますので、衆議院議長に対し、本法律案について閉会中審査の申し出を行うことを強く要望するものであります。 終わります。(拍手)
○山田委員長 次に、日野市朗君。
○日野委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、いま問題となっている日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案の継続審議に対して反対するものであります。 この法律は、附則第二条において明らかなとおり、昭和五十一年三月三十一日すでに効力を失って、現在その効力を持っていないものであります。すなわち、これを改正し、その延長を図るに由ないものと言わざるを得ないのであります。 このような法律が、さらにその効力ありと強弁されて当国会の審議の素材となることは、これは国会の権威にかかわることであって、私は、速やかにこの法律がすでに失効していると、これを明らかにすべきであると考える次第であります。 よって、私は、この法律案が継続審議とされることについては反対いたします。(拍手)
○山田委員長 次に、瀬崎博義君。
○瀬崎委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、日本原子力船開発事業団法の延長法案を継続審議とする件について、反対の態度を表明いたします。 本法案は、去年の第七十七国会、第七十八国会の二つの国会でも成立に至らなかったものであります。本来ならば政府は、そこで十二分に反省し、国民の信任が得られるよう態度を改めるべきであるにもかかわらず、内容を変更することなく、今国会にもまた同じ姿のものを提出してきたのであります。したがって、今国会においても成立に至らなかったのは至極当然であります。 政府に、この際、本法案を撤回の上、抜本的に検討し直すことを強く要求するものであります。 本法案の内容について言えば、原船事業団が原子力船の研究開発を行い得る体制になっていないこと、原船事業団の成立経過に多くの疑惑を含んでいること、また原子力船研究開発の基本方針や研究の手順、方法が全く間違っていたということなど、多くの問題点があり、また原子力船開発の必要性や緊急性も今日ではむしろ後退している事情があります。 私は、この際、政府が原船事業団を廃止し、新しい方針について、広範な科学者、技術者、専門家の英知を結集して、国民の合意を得られる施策を提示すべきことを強く主張するものであります。
○山田委員長 以上で、発言は終わりました。 本案について、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山田委員長 起立多数。よって、本案は、議長に対し、閉会中審査の申し出をすることに決定いたしました。 次に、閉会中審査のため、委員会において参考人より意見を聴取する必要が生じましたときは、人選その他所要の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。 閉会中審査において、実地調査の必要がある場合には、委員派遣を行うこととし、派遣委員の選定、派遣地及び期間並びに議長に対する承認申請の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————◇—————
○山田委員長 原子力基本法等の一部を改正する法律案、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の各案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。与謝野馨君。
○与謝野委員 今回提案されております原子炉等規制法の改正の一つは、核防条約の中にあります保障措置実施のための国内体制を整備するという非常に重要な目的を持っているわけでございます。それともう一つは、非常に重要なことは、やはり日本として核燃料サイクルの自主的確立を目指すものであります。今後わが国において原子力の平和利用を進めていくためにきわめて重要な意味と内容を持った法案だと私は考えておるわけでございます。しかし、一部にはやはり米国の新しい原子力政策の動向に関連いたしまして、今回の政府提案に対しまして疑念を持つ向きもあるわけでございます。 この点につきまして、政府の御見解をお伺いしたいわけでございます。
○宇野国務大臣 仰せのとおり、今回出しました一連の法案、それを流れるものはやはり核の平和利用ということでございまして、なかんずく核不拡散条約に参加いたしておりますわれわれといたしましては、速やかにその義務といたしましてもNPT条約に基づく保障措置協定を批准し、同時に、それに伴う国内法の整備を図らなくてはなりません。それが私は、やはり核不拡散条約をまさに仏をつくって魂を入れた姿になると存ずる次第でございます。特に日本は、非核三原則をつとに掲げておる国家であり、被爆国でありますから、日本が、どのようなことになろうとも、核を軍事上の利用の対象にするというふうなことはだれも考えておらないところでありますが、そうした面を、今回のこうした一連の法改正を契機といたしまして、なお一層強く世界にアピールする必要があろうと私は考えます。 ただし、米国の新政策は、考えによりますと、その精神をより一層強調しておるところは同調し得るのですが、技術論といたしまして、何かこのNPT条約を空洞化せしめるようなおそれもなきにしもあらずということを私どもは指摘いたしております。これは、日本だけではなくして、ドイツも指摘いたしております。われわれは核の保障措置はNPT条約で十分である、そういうふうな精神で今日臨んでおるわけでございますので、その点は、新政策に対しましても、私は、特にNPT条約第四条を一つの大きな根拠といたしまして、平和利用と核不拡散とは両立し得るものである、そういう精神でいかなければならぬということを説いておる次第でございます。 したがいまして、法案の、番号をつけますと第三番目の恐らく規制措置の改正によりまして、その中に第二次再処理工場があるが大丈夫かという問題であろうと存じますが、これは直接には日米原子力協定の対象ではございませんので、われわれといたしましてはさような意味で今回提出をさせていただいたという次第でございます。
○与謝野委員 対米交渉につきましては、政府御当局が大変な御努力をされているわけでございます。一つは、日米首脳会談、先進国首脳会議等を通じまして日本の立場を非常に強く説明をし、そして相手の理解を求めているわけでございます。私自身も先般佐々木義武代議士と米国へ参りまして、先方の議会関係者に日本の立場を強く主張し、米国の新しい原子力政策がもたらす多大なる国際的な影響につきまして説明をしてまいったところでございます。このような対米折衝の結果、米国の原子力関係者並びに外交当局等の日本の実情に対する理解というものは多少深まってきつつはあると私は思いますが、なお米側の態度というものは非常にかたいのではないかという報道もなされておりますし、この際、差し支えない範囲で現状並びに今後政府御当局が米側に対してとってまいります態度、方針等をお伺いしたいと思うわけであります。
○宇野国務大臣 方針に関しましては、従来から申し上げておるとおり、今回もそのとおりの線でやりたいと存じます。 すなわち、一番目は、核不拡散という原則をなお一層確立することはこれは当然必要である。しかしながら、NPT条約第四条に基づく平和利用、これが損なわれてはならない。第三番目は、われわれ日本としては当然核燃料サイクルの確立こそわが国にとって重大なことである。同時に、それはウランの有効性を一層高めるゆえんでもある。この三つを従来からわれわれといたしましてはスローガンといたしましてアメリカに接触しておるわけでございます。これは全く変わりございません。 そこで、第二次は、いよいよ六月に入りますと月初めから始める予定でございますが、その原則をそのまま堅持しながら、土俵といたしましては私は次の二点を強調いたしております。 第一点は、カーター大統領が新政策発表後の記者会見で、日独ともに再処理に関する完全なる権利を持っておる、こういうことを記者会見で述べておられますから、それを高く評価するということをロンドンにおいて福田総理からカーターさんに直接言われました。それを基盤としてわれわれは第二次交渉団を送りたいということが第一点でございます。 第二点は、それとは別に、ロンドン会議において七カ国の間で、いわゆる今後の核燃料サイクルの再評価問題に関しましていろいろと国際的なグローバルな話を持ちたい、それの準備会議をしようじゃないかというので、これまた六月の初旬にパリで開かれる予定でありますが、七カ国が相寄ります。これはあくまでも技術レベルの方々が寄られるわけで、だからその会議と東海再処理工場のホットランとは全く関係なしということをはっきりと総理がこれまた大統領並びにバンス国務長官にその確約をとっております。 いま申し上げました二点を新しい土俵として第二次交渉団を送りたい。第一次の方は、交渉というよりもむしろわが国のポジションを説明し、米国の政策を聞いた程度でございますから、いよいよこれからが交渉だ、こういうふうにわれわれは心得ておる次第であります。
○与謝野委員 米国との関係におきましては、西独、フランス等は、報道される限りではかなり自国の立場を貫いているという印象を私たちは受けているわけであります。それに比しまして、日本の外交はややもすると陳情外交に終始しているのではないかというふうに酷評する向きもあるわけであります。日米関係全般を考えますと、あるいは日本の資源の賦存状況を考えますと、やむを得ない向きもあると思うわけでございますけれども、原子力の分野について考えてみますと、軽水炉の技術、濃縮ウランの供給等、日本としては米国に全面的に依存せざるを得ない過去の事情があったわけであります。そういうことを考えてまいりますと、たとえば濃縮ウランの製造またそれに必要な技術開発等はやはりこの際もう少し強力に進めて、日本が自主的な技術を持つということが対外的な交渉力を有する一番基本ではないかと私は考えているわけでございます。 そういう点、原子力の分野で、濃縮ウランの技術あるいは濃縮ウランを製造するプラント等、今後政府といたしましてどういう分野で自主的な技術を確立していけば原子力に関する日本の外交的立場を強化できるのか、そういう点につきまして長官の御意見、お考えをお伺いしたいと思います。
○宇野国務大臣 仰せのとおり、燃料ほとんどが現状といたしましては海外依存度が非常に高く、したがって、首の根っこを押さえられているのに等しいと私は考えております。今後とも経済成長率を安定成長ではあるが六%台で確保していこうというためには、どういたしましてもその裏打ちをなすものは燃料である、こういうふうに考えなければならないと思います。六・六%、複利計算すれば十一年目に二倍になるわけでございますから、したがいまして、いまから十一年、十二年先にはわが国の産業、経済の規模は倍になる。倍になれば当然エネルギーも倍必要であるという観点に立ったとき、いまのようにわれわれの首の根っこが諸外国によって押さえられておるということははなはだ不名誉なことである。また、将来わが民族の死活問題でもございます。これは党派を超越した問題であるというふうに私は考えております。 そこで、われわれといたしましても、速やかに言うならば準国産のエネルギーを開発しなくちゃならぬ。それが原子力エネルギーでございます。ところが、それも二十年ばかりおくれをとって、やっと今日どうにかこうにか高速増殖炉の実験炉とはいえ世界で第六番目の背番号を持って臨界に達したわけですから、将来はそうしたことをより一層開発していかなくちゃなりませんが、天然ウランはないとは申せ濃縮技術、これもまたサイクルの上から申しまして非常に必要なことでございますので、本年度の予算におきましても濃縮に関しましてはパイロットプラントの予算を大きく獲得して、これもすでに御審議を願ったわけでございますから、近くその工場を建てたいと思います。特にこのパイロットプラントに関しましても、いままではガス拡散法がいいのかあるいは遠心分離法がいいのかということでしたが、わが国は今日遠心分離法を基準として開発を進めておりますが、その技術そのものに関しましてもやはり非常に世界の関心を集めています。非常に関心を集めて、そして各国大使館のアタッシェ等々はその遠心分離機の実態を見せてほしい。すべて見せるわけにはまいりません、はっきり申し上げまして。やはりわが国のノーハウというものも将来大切にしていかなくちゃなりませんが、そうなりますと、その遠心分離機を一体どこでつくっておるのだろうか、一体その厚さはどんなものの鉄を使っているのだろうかというふうな調査まで進んでいるほど、わが国におきましても濃縮技術というものはおいおい世界から関心を持たれるレベルにいま達しつつある、また一部においては抜きん出ておるのではないだろうか、そういうふうな自負すらも持つに至っているわけでございます。そうしたお互いの民族の誇りというものを持ちながら、ことしは核燃料サイクル元年といみじくも言われておりますので、仰せのとおり速やかにそうした面におきましても独自の技術を打ち立てまして、そして科学技術によって資源不足という環境を克服していく、これが今後与えられた大きなわれわれの使命ではないか、そういうふうに私は考えておる次第であります。
○与謝野委員 ただいま長官申されましたように、東海村の遠心分離法によります濃縮プラントにつきましては、人員並びに予算等の面につきまして、研究開発をやっておられる動燃事業団等が不足を感じない程度にぜひとも十分な予算措置をしていただきたいと思うわけでございます。 それと同時に、あわせて海水からのウラン採取という問題につきましても、まだまだ予算的には非常に少ないわけでございます。また研究開発もスタートしたばかりでございますが、ひとつこういう面にも重点を置きまして、日本の立場を少しでも強化していただきたいと思うわけでございます。 それと同時に、動燃の東海村の再処理工場が運開になりますと、早晩電力会社等が資金を出して、国内で第二の再処理工場を建設しなければならないという実際上の必要性も出てまいりますし、また、そのような計画も進められているわけであります。ところが、日本の東海村の再処理工場の技術はフランスのサンゴバンの技術に全面的に依存をしておりまして、その建設過程で多少は日本も技術を取得したとはいえ、これもまた日本の自主的な技術ではないわけでありまして、動燃の工場の建設、運転が始まりますと、やはり日本としても再処理工場を建設できるだけの工学的なあるいは科学的な技術を取得する必要がある。そのためにも私は相当な努力が必要だと思うわけでございます。特に電力会社の計画しております第二再処理工場の技術が、またまたいたずらに外国の技術に依存をするということは好ましくない。多少の苦労を伴っても、あるいは多少の困難を伴っても、やはり日本人の知恵と技術でこういう大きな工場も建てられるのだ、そういうことを示していただきたいと思うわけでございますが、この点につきまして動燃の東海村の再処理工場の技術や運転経験をどういうふうに第二工場に生かされるのか、そういう点につきましてお考えをお伺いしたいと思います。
○宇野国務大臣 いま与謝野委員御指摘のとおりでございまして、われわれといたしましては、今日、サンゴバン社との提携並びに技術指導のもとでどうにかホットランの段階まで持ってきたわけでございますが、いやしくも第二次再処理工場というものも必要でございますから、そうした面におきましては民族としての技術を確立するということが先決である、かように考えております。 よく私は言うのですが、原子力に関与をする技術者は官民合わせてすでに六万人おられます。非常に大きな勢力だと私は存ずるのであります。六万人の人たちが毎日毎日最大の努力をして、われわれの将来のために備えていただいておる、こういうふうに思いますと、その受け入れる体制並びに数あるいは質、これは得ておるわけでありますから、さらに十二分に御趣旨に沿いまして再処理技術に関しても日本独自のものを開発していきたい、そして確立をしたい、かようなことがわれわれの最大の目標でございます。
○与謝野委員 それと、七月に再処理工場のホットテストが始まるとしますと、私は、多分いろいろな手直しが必要になる、マイナーリペアというものも必要になる、あるいは故障と言われるものも出てくる、当然それは初期事故、初期故障として出てくるものだろうと思うわけでございます。そうしますと、「むつ」を最初試運転したときに、国民は、たった一台の原子力船だけれども完璧なものができたのだ、こういう前提で受け取ったわけでございます。それがあのような大きな誤解になったと私は思うのです。ホットランというのは、マイナーリペアあるいは小さな部分的な手直しを少しずつしながら一つの完成された再処理工場にしていくのだ、そういうためのものだと私は思うわけでございます。試運転という名前がついているのは、そういうものを発見し、手直ししていくという趣旨だと私は思いますので、七月のホットランというものは、完成されたもの、完璧なものを運転するのではないということを相当PRして、慎重に開始をしていただきたいと私は思うわけであります。 特に、安全局長は、物の考え方として一体どういうふうに考えて試運転を開始されのか、そこが今後の日本の原子力開発にとっても非常に重要な点であると私は思うわけでございます。たとえば新幹線が大体最初の一年間ぐらいは部分的な手直しをしながら、世界の最先端の鉄道技術になっていったこともあるのでございまして、たった一基しかつくらない再処理工場が最初から完璧だとは私は思っておらないわけであります。その辺十分注意をし、あるいはPRしながら試運転を開始していただきたいと思うわけでありますが、その点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
○伊原政府委員 ただいまの与謝野先生の御指摘は、非常に重要な問題を含んでおると思うわけでございます。私どもといたしましては、原子力施設、特に再処理のような非常に高レベルの放射性物質をたくさん含んでおる施設に対しての安全につきましては、その計画の当初から安全確保に非常に精力を使っておるわけでございまして、そのために、たとえば昭和四十四年には安全性の基本について原子力委員会において十分な審査が行われておる。さらには、四十六年に建設を開始して以後、工程管理、現場での検査、通水試験、化学試験、ウラン試験等非常に慎重な試験をしてまいったわけでございます。しかし、その慎重にやったということが、すなわちいささかのトラブルもなく完全なものができておるということではございませんで、まさに先生御指摘のように、そういう慎重な、設計段階から建設段階にかけてのいろいろの試行錯誤的なものは当然あるわけでございます。たとえばウランテストにおきましても、二十数件のトラブルがあったわけでございますが、これはいずれも環境に影響を及ぼすようなものではなかったわけでございます。適切にそれに対処をいたしまして、いろいろな手直しをしてことしの夏のホットランに備えておるわけでございます。 私どもといたしましては、こういう試験的な段階においていろいろのトラブルが当然出てくるであろう、そういうものをその段階で十分に手直しをして、本格操業において大きなトラブルに発展しないようにしていきたいと考えております。したがいまして、いろいろなトラブルは当然あり得るものである、ただそれが周辺の環境に大きな影響を与えるものではいささかもない、こういうことで万全の措置をとってまいっておるということを国民の皆様方にぜひ御理解いただきたいと考えております。
○与謝野委員 先般、本会議で、野党の方から、日韓大陸だなに関しまして、その油田は絶対安全かという御質問がございまして、たしか鳩山威一郎外務大臣が、絶対安全だということは神様しか言えないのだ、そういう御答弁をされていたわけでございます。しかし、原子力発電所は相当な運転経験、建設経験を持っておりますが、再処理工場につきましては、世界でもまだプラントの数も少ないわけでございまして、当然初期トラブルというものが予想され、そういうものを手直ししつつより完璧なものとして運転が開始されるわけでございます。私は、十分な試運転を経て本格的な運転に入っていただきたいと思うわけでございます。そういう意味で、絶対に安全だということは、国民としては相当求めていることではございますが、やはり原子力に携わるわれわれとしてはより完璧なものを目指す、そういう非常に強い姿勢で再処理工場の試運転開始に向かって努力を結集していただきたいということを私は要望しておきます。 最後に、また再び自主的な技術の確立という問題に立ち返るわけでございますが、日本の原子力の歴史を振り返れば、やはり海外の技術を導入するということは当然の結果であり、必然性のあったことだと私は思うわけでございます。しかし、いろいろな国々で新しい考え、特に米国を中心として新しい原子力政策が出てくるという段階になりまして、日本の外交的な立場、原子力政策の強さというものを担保するものは、何と言っても私は自主的な技術だと思うわけでございます。今後いろいろ情勢が変わってまいると思いますが、現時点におきまして、今後の見通しとして、日本の原子力開発というものは一体どういう方向で進められるべきものなのか、長官のお考えを簡単にお伺いしたいと思うわけでございます。
○宇野国務大臣 最終的には核融合という資源無限の状態を想定しながらやるのが理想でございましょうが、これは現状としては余りにも遠い話でございますから、やはり現状に即して、現在の産業、経済、国民の生活、これを支えるべきエネルギーは何かといういわゆる整合性、現実の問題、それを踏まえたところの行政でなければならない、かように存じております。 したがいまして、まず、そのためには、代替エネルギーとしては現在のところ非常に開発も進んできた、なおかつ、その開発を裏づける安全の確立を考えながら核エネルギーの開発ということが焦眉の急ではなかろうかと存ずる次第であります。もちろんウランはないわけでありますから、そうしたウランに関しましても、将来、われわれのみずからの力で海外に探鉱し、そして開発輸入をするという努力を怠ってはならぬと思います。私たちの希望としては、将来は必要ウランの三分の一はみずからの海外探鉱、開発輸入で賄うべきだという線を持っておる次第であります。そうしたことをまず第一点といたしまして、先ほど申し上げましたが、それぞれのポストの核燃料サイクルの確立が必要であろうと存ずる次第であります。
○与謝野委員 最後に、特に長官に、濃縮プラントの研究開発、建設というものをスピードアップしていただきたい。それから、当面の実現性というものは薄くとも、海水からのウラン回収というものの技術もスピードアップしていただきたい。それともう一つは、あらゆる分野で自主的な技術を持てるように、そういう姿勢で臨んでいただくということと、長官が言われましたように、当面の目標としては、日本の資金で海外で探鉱努力をしていただく、あるいは採鉱努力をしていただくということを強く御要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○山田委員長 次に、小宮武喜君。
○小宮委員 まず最初に、今月七日、八日にロンドンで開催された先進国首脳会議における核問題についての話し合いはどうであったのか、また、何か結論みたいなものが出たのかどうか、話し合いが少しでも前進するようなものであったのかどうか、その点、御報告願いたい。
○宇野国務大臣 七カ国首脳会談で核というものの占めた地位が余りにも大きいということは、すでに各紙が報道しておるところでございます。わが国の総理大臣も、総会におきましてその必要性を極力主張されました。その論点は、先般来ずっと私が申してきておるような論点でございます。それと同じような主張を、西ドイツを初めとする各国がいたしたような次第でございます。また、英国は、当初アメリカに非常に気がねしていると申しましょうか、そういう気配が見えておったにもかかわらず、会議が始まる前日あたりから、ヨーロッパ勢としての意見を統一して会議に臨んだふうに見受けられたというのが出席者の意見でございます。 そこで、特に米国の新政策がわが国に与える影響は、いわゆる東海の再処理工場のホットランでございますから、これに対しましては、福田総理が前後二度にわたりましてカーターさんとお話し合いを持たれました。 第一回目は短時間でありましたけれども、正式に二人がお出会いになりまして、第一点といたしましては、先般核新政策を発表なさった、これはアメリカの国内政策でございますが、その後の記者会見において、ドイツ並びに日本は再処理の完全なる権利を保有しておるというふうにカーター大統領が話しておられた、それを日本の総理大臣としては高く評価いたします。ところが、そのとおりアメリカ政府の下の方の方々が思っているかどうかということについては、はなはだ残念だけれども、現在そうととれない節の方が多いので、ひとつあなたのそうしたお気持ちを丁の方にも伝えておいていただきたいということを主張されたわけでございます。それに対しましてカーター大統領も、日本の立場は十二分によくわかった、必ず伝えようということを約されました。翌日再び散歩か何かのときに福田総理がカーターさんのそばに寄られまして、もう言っていただきましたかと再度念を押されましたところ、いやまだ言っておらない、しかし、間違いなくお伝えしますということで別れられた次第でございます。 その後、アメリカの財務長官が日本を訪問しておられます、つい二、三日前の話でありますが。そのときにカーター大統領の伝言を持ってきておられまして、それを聞かれました総理としては、ロンドンにおいて二人が二度にわたって話し合ったことが大きく実りつつあるように私は受けとめているというふうに私に言っていただきました。 第二番目は、七カ国首脳会談におきましては、はっきり申し上げまして、アメリカがプルトニウムを危険視することはよくわかるが、現在のウラン資源から申して、やはり再処理を通じてのプルトニウムの抽出、そのサイクルしかないのじゃなかろうかというふうな声が大きかったわけでございますが、しかし、安全そのものについては、カーター大統領が言うがごとく、より一層核の不拡散を徹底しようじゃないか、そうした意味合いにおいて十二分にお互いの忌憚なき意見の交換をしようじゃないかということが決まりまして、その準備のために七カ国会議の設定が言われたわけであります。これは事務レベルであります。それに対して福田総理からはっきりと、やはり期限を切った方がいいのじゃなかろうか、その期限とは六月の末までがいいのじゃなかろうかというので、その時点から勘定いたしますとちょうど八週間に当たりますから、私たちは八週間会議と呼んでおりますが、そういう会議を提唱なさいまして、近くその第一回目が開かれる予定でございます。 ただし、その先も福田総理は念を押されました。この会議と東海再処理工場のホットランは関係ないんだ、この会議が結論を得るまでホットラン待ったというのじゃありませんよということをはっきり申されたわけでありまして、これに対しましてカーター並びにバンス国務長官も、そのとおりであるということをはっきりその場で言っておりまするから、そうしたことを一つの契機といたしまして、日米間にあるところの原子力協定、それに基づく共同決定、そうした作業を急ぎたいというふうに存じておる次第であります。
○小宮委員 いま大臣も言われたように、カーター大統領が先月七日に新原子力政策を発表した際にも、非常に理解のあるような発言をしていたにもかかわらず、二十日のエネルギー教書の中では、いわゆる商業再処理の禁止を強調してみたり、あるいは一連の国際会議でも、米国の対外原子力政策というものが、非常に理解を示したかと思えば、一方ではまたもとに戻っておるというように、ネコの目のように非常に変わっているわけですよ。また、日本に例をとってみても、三年前には、日本がプルトニウムを利用しない限り濃縮ウランの供給は保障できないということを言ってみたり、今度は核拡散につながるからプルトニウムの利用はやめろというように、非常に一貫していないのですね。こういった一貫性がないということについてどのように考えられておりますか。
○宇野国務大臣 おっしゃるとおりのことでありまして、私は、先般アメリカの代理大使でありますシュースミスさんを私の大臣室に招きまして、約一時間お話をいたしました節にも、同様のことを例示しまして、アメリカの核政策には首尾一貫しないものがある、これでは迷惑をこうむるのはわれわれだけであるということを申してありまするし、特に自由民主党からは、佐々木前科学技術庁長官並びにこの委員会の委員でございます与謝野馨君、この二人が原子力のベテランでございますから、この二人に行っていただきまして、この二十年間科学技術に関して未熟であった日本は、ひたすらアメリカの教示のもとに科学政策を進めてきた、並びにもう生々しい記憶であるが、三年前に、濃縮ウランというものは将来日本の高速増殖炉の開発のためという強いアドバイスによって、われわれもそのとおりの開発を進めてきたということを、直接米国の議会に申し述べてもらいました。そうしたことが、米国としてもそれは初耳だ、そこまでやってきておりながら、いま水を差すのだなあというふうな印象を議会側も持たれたということでございますので、われわれといたしましてもそうしたことが一番大きなポイントではないかと思います。 しかし、それというのも、やはり日本が技術がおくれ、また、その技術導入に際しましても自主性を欠いておったということは、深く反省をしなくちゃならない問題であろうと思いますが、いまから申し上げましても遅うございますが、今後は過去のことを十二分によき教訓といたしまして、そして新しい原子力政策を推進したいと思います。米国に対しましては、おっしゃるとおりのところをわれわれといたしましても主張いたしております。
○小宮委員 アメリカの原子力政策をずっと過去からいろいろな出版物を読んでみますと、いまから二十年前にも、発電用原子炉の技術はイギリスがアメリカより一歩先んじていたということで、日本もまずイギリスの炉を買ったわけですね、それからイタリアも買った。ところが、アメリカは、その動きに対して、原子力発電の技術は見通しが暗く、いまの技術ではとても火力発電に太刀打ちできない、もっと基本的に考え直すべきだということを主張いたしましたね。そしてその結果、各国はイギリスからの原子炉の導入を非常にテンポを落としていったわけです。それが、それから三年ぐらいたった後で、アメリカではさあ大丈夫だ、原子力は火力発電と対等に競争できそうだということを言い出した。そうしたら、またわが国の電力業界もアメリカの原子炉を買い、いまもすべてが、運転中のもの、計画中のものが、最初の一基だけはイギリス製で、あとは全部アメリカ製なんですね。 そういうふうに、いままでの過去の経過をながめておりますと、ちょうど二十年ぐらい前にアメリカが言っておったことが、またその都度自分の国の都合の悪いときは持ち出してきてみたり、一つも一貫してないんですよ。だから、そういう面でわれわれも今回の交渉にしても、そういうアメリカの原子力政策というものが、当初から非常にネコの目のように変わってきておる。極端に言えば、アメリカは濃縮ウランを世界各国に売りつけて、各国の原子力産業を支配しようとしておるのではないかとさえ、われわれは疑わざるを得ないのです。 そういうことを考えてまいりますと、これはもうお願いします、お願いしますという陳情だけで、この問題が本当に打開できる見通しがあるのかどうかということすら、われわれは考えるのです。いままでもいわゆる非常に弾力的な柔軟な発言をしたかと思えば、一方ではやはり厳しいものを出してくる。カーター大統領と下の人たちの考えが違うのかもしれませんけれども、たとえば日本が独力でウランの濃縮方法として穴あき隔膜法を開発しましたね。あのときも、アメリカの原子力委員会は、隔膜法を海外に輸出する用意があると今度はそれを妨害するようなことを言ってみたり、あるいは国内でも、アメリカが売ってくれるならば何もわが国で原子炉を開発しなくてもいいじゃないかというような意見を出してみたり、本当にアメリカは日本の原子力政策に対して何か水をかけておるようなことが言える。たとえばウラン濃縮についても遠心分離法が開発されたときも、アメリカはレーザー光線の問題を出してきたわけですね。そうすると、またそんな話があるならというので、日本の方もまた学者も原子力関係者もみんな飛びついた。こういうふうに、日本が独力で遠心分離法の開発をしたときも——西ドイツで開発したときも言っておるわけですよね。そのときも常に核拡散につながるからということがずっとおどし文句になっておるわけですよ。 そういうことを考えてみた場合に、われわれの方としても、いまの現状では濃縮ウランの供給が停止されたら非常に大変なことですから、一生懸命政府初め取り組んでおるわけですけれども、そういうような背景、今度の問題だけでなくて、いままでの二十年前からのアメリカの原子力政策の経過をずっと見ていくと、ほかの国が開発しよう、完成だというと、何かそれにブレーキをかける、水をかける。それでいろいろな口実をつくっている。その間に自分たちは今度は濃縮ウランの開発をどんどんやってみて、そして自分たちが完成すると、さあ、アメリカのものを使いなさい、こういうふうに言ってきておるわけですね。こういう背景というものは、やはり日本の科学者の中でも、アメリカはいわゆる原子力政策を独占しようとしておるのではないかと言う人も多分におるわけです。 だからそういうような意味で、その背景というものをわれわれが的確に把握しないと、ただ単に、お願いします、お願いしますと言ってみたって、また今度何年かたったら変わってこないとも限りませんよ。そういうようなネコの目のようにぐりぐり変わってくる背景というものをどのように考えますか。
○宇野国務大臣 これから外交する最高の責任者が、いろいろ考えておることもございますが、すべてがすべて、私としてこうした場所で申し上げることが適当かどうか、そうしたこともございますから、やはりまだるっこしい答弁になるかもしれませんが、現在、おっしゃいましたとおりに、われわれとしては今回の交渉に当たって決して、拝みます、頼みますの外交じゃないぞ、まさに小宮先生が御指摘されたとおりのそうした過去があるわけであります。その評価は別といたしまして、そうしたアメリカの過去があるわけであります。このことは、私はシュースミスさんにもはっきり申し上げ、あるいはまた、アメリカの関係者にもいわゆる歯に衣を着せずに申し上げてまいりました。 試みに、一週間前ばかりにニューヨーク・タイムズのインタビューを受けましたが、日本の高官がこれほど激しく、はっきりしたことを言ったのは初めてだと言わんばかりに書いてありまして、そのタイトルは、アメリカは日本に対してパッド・フェースであるということが書いてありました。パッド・フェースというのは、余り誠意を持ち合わせていないのじゃないかと言わんばかりに彼は言ったと——私自身がパッド・フェースと言った覚えはないのですが、それを取材した支局長その人が、パッド・フェースと言われたのじゃなかろうかと、それほどわれわれといたしましては言いたいことを言っておるつもりでございます。 そうした立場で、今後私たちも、日本の今日の主張にはいささかも曇りもないし、いささかもやましいところもないし、誤ったところもないというふうな気持ちで交渉を進めていきたいと存ずる次第でございます。いまおっしゃいましたようなことは、私といたしましては多くの方々から、そうではないか、そういう背景というものがあるんだということをわれわれは思うが、どうかということをしばしば耳にいたしていることだけは申し上げておきます。
○小宮委員 そこで、外務省は来ていますね。——カーター大統領は、さきに一九七七年、核拡散防止法の制定を議会に要請する特別教書を発表しておりますね。その骨子は、米国が輸出した核燃料の使用等を国際原子力機関の厳重な保障措置のもとに置くこと、核燃料の国外移転や再処理は米国の事前承認を必要とすること、この保障措置を破った国に対しては核燃料などの輸出停止の制裁措置をとるなどの非常に厳しい内容になっていますね。この構想が実施に移されれば、これはいまさら私が申し上げるまでもなく、わが国にとっては、これは濃縮ウラン工場とか濃縮済み核燃料の再処理工場の建設はとてもできる話ではないし、特にわが国のようにエネルギーの資源がない国にとっては大変な問題です。だからやはり根本的に原子力政策というものを再検討しなければなりません。再検討するといっても、原子力政策をここまで進めていて、いまさら原子力発電所をつぶして、そうしてほかのエネルギーにかえていくかといったって、これはできる話でない。だからそういう意味から、いまアメリカの議会に出されておるこの核拡散防止法はどうなるのか。ただ、いままで政府は、カーターのところに行って話すとかいろいろ政府高官に話をしておりますけれども、この法律が通ったらどうにもならなぬわけです。 だからそういう立場から見て、この核拡散防止法がアメリカの議会でどのようになるのか、これが通過すると大変なことですから、幾らカーターさんがいろいろなことを言ってみても、議会の意思として決まったらこれは大変なことですから、それに対してアメリカの議会で成立する見通しがあるのかどうか、この点はひとつ外務省の方から御答弁願いたい。
○大川政府委員 ただいま言われましたアメリカの法案は、ことしの四月二十七日に上院に提出されておりますが、実はこの法案のほかに、下院だけでも原子力関係の法案として二十五件、それから上院ではこの法案を入れまして九件出ているようでございます。でございますので、この法案がことしの八月休会までに議会を通過するという可能性は、私どもは少ないのではないかと思います。アメリカの国会は七月末までで夏季休暇に入って、また九月から再開して来年まで続くわけでございますけれども、これだけたくさんの法案が出ておりますので、いろいろ議論もまた出ているようでございますから、少なくともかなりの議論が続けられて、早々にこれがこのままの形で成立するかどうかということをもし聞かれますと、いろいろこれから紆余曲折があるのではないか、こういうふうに私ども見ております。
○小宮委員 これはもう、この核拡散防止法がアメリカの議会を通過するということになったら大変なことですからね。日本の原子力政策というのは根本から見直しをしなければいかぬという問題になってまいります。 それ以外に、大統領が議会に提出したこの核拡散防止法よりももっと厳しい、再処理やウラン濃縮技術を含め核燃料を加工する国に対し核燃料の供給をすべて打ち切るというような法案が、これまた下院にも上院にもそれぞれ議員立法として提出されているわけですよ。だから、ただアメリカの議会が、八月ごろまでには大体成立する見通しはないようだというようなこともいま言われておりますけれども、外務省として、やはり出先機関として、ただ単にそういうふうなことをじんぜん日を送るがごとく見守っておるのか、それとも、あるいはアメリカの上下両院の議会対策についてどのような働きかけをしておるのか。私は、こういった問題が出ておることに対して、やはり外務省としても上院、下院の議会対策というものを進めるべきではないのかというふうに考えますが、外務省どうですか、何かやっておりますか。
○大川政府委員 全く言われるとおりでございます。私どもとしましては、日本の立場をあらゆる機会に、あらゆるレベルで、あらゆる場所で、ワシントンでありましょうと東京でありましょうと、あるいはロンドン、パリでありましょうと、あらゆる機会を用いまして先方に伝えるように努力いたしております。 アメリカの議会に対しましては、先ほど長官が言われましたように、佐々木先生、与謝野先生がこの間行かれましたが、今後とも議会筋に対する働きかけもさらに活発に行うべきであると私どもも考えております。
○宇野国務大臣 非常に貴重な御意見を申し述べていただきまして、私からも一言それに対してお答えをしておきたいと思います。 政府から申すのはいかがかと私は存じますが、前々から申しておりますとおり、アメリカの議会に佐々木、与謝野両氏に行っていただいた目的はつとにお話ししておりますが、その成果は私は大きかったと思います。ということは、やはりお互いに、アメリカの資源状態をわれわれもそうつぶさに知っているわけではない、同じようにアメリカさんも、日本の状態も世界の状態も議会が知っておられるわけじゃありません。しかしながら、お互いに核は拡散してはいけない、そういう思想は議会人として共通のものがあることは確かであります。しかしながら、自分の物差しだけで他国を顧みずしておっしゃいますと、間々いろいろな問題が出てくるのですが、実は佐々木、与謝野両氏が行かれまして、出会われて、非常な努力で話し合われますと、やはり議会人同土として共通の問題として、これは大変だねえ、日米はともどもに今後も親善を続けなくちゃならぬし、特に日本に資源が少ないということに対しては、その自主技術を尊重しなくちゃならぬということも十分わかっておる、おれたちは内政干渉するつもりはないよというふうな答えが返ってくるわけでございます。 だから、そういうふうな意味合いにおきましても、私は、できたならば、これは議会自体が御判断なさるところでございましょうが、こうしたことに関しましては、ひとつ各政党が、もう共通の話題としてアメリカと十分に話し合っていただきたいものだということを、あのときに私も実は総理にお願いをしたという経緯がございましたが、今後も議会といたしましてやはりこのエネルギー問題は取り組んでいただきたいし、同時にまた、アメリカに対しましても、議会人としての接触を深めて、そしてお互いの立場を尊重しながら、今後どうするかという問題をひとつぜひともお互いに理解し合うというふうな場所をつくっていく、素地をつくっていくということが大切じゃないかと思いますので、もし、そうしたお立場でございましたならば、ぜひとも議会側とされましてもそういう御趣旨でいろいろと御検討していただければこれに過ぎる幸せはないなと、政府といたして口幅ったい申し出かもしれませんが、いまの御質問に対しましてそのような気持ちを抱いておるということを、この際でございますので申し上げておく次第でございます。
○小宮委員 アメリカでいま出されておる法律案が通りますと、これはもう日本の再処理問題なんかも、また濃縮技術開発なんかもできなくなるわけですね。そうすると外務省、そういう場合に、現行の日米原子力協定は当然改正されることになると思いますが、現行のままでよいのか、改正するのか、改正するということになればどういうふうに改正されるのか。これはそういうことがないようにお互いが努力をしなければなりませんけれども、やはりわれわれは、先ほどから申し上げておりますように、どういう方向に動いていくかわかりませんので、そういった問題で原子力協定の問題もいろいろなさっきの質問にも関係がありますから、外務省として、この法律案がアメリカの議会を通過した場合に、いまの原子力協定は当然中身を改定されるものと思いますが、どうですか。
○大川政府委員 その点につきましては、この法案が最終的にどういう形で成立するかを見ないとわからないわけでございますけれども、現在の法案の中で、いかにも現行の二国間原子力協定を改定するような場合も想定いたしておりますし、今後新たに締結される二国間原子力協定にはどういうような最低の条件を盛り込むべきであるかというようなことも書いてあるようでございます。ただ、現在のわが国とアメリカの二国間協定は、大体においてこの法案の内容の条件を満たしている、であるから、直ちに日米原子力協定が、この法案の成立を待って改定ということになるかどうか、必ずしもそういうことにならない面もあるのではないかというような、これははっきりした情報ではございませんけれども、そういう場合もあり得るということを考えております。
○小宮委員 アメリカの核拡散防止法といわゆる核拡散防止条約の関係ですけれども、防止条約の第四条一項で、この条約は、核兵器、核拡散を防止するためのものであって、原子力の平和利用に支障を与えてはならないという規定がありますけれども、この関係はどうなりますか。これは外務大臣も予算委員会で、たしか四条違反ということを答弁されたやにも記憶しておりますが、いかがですか。
○大川政府委員 核防条約の第四条第一項におきまして「平和的目的のための原子力の研究、生産及び利用を発展させることについてのすべての締約国の奪い得ない権利に影響を及ぼすものと解してはならない。」と書いてあるわけでございますが、これは直ちにアメリカならアメリカが日本に核燃料の供給を保障するといったようなところまでを明記しているわけではございません。また、いま問題の再処理につきましても、再処理をやってよろしいということも書いてありませんし、再処理をやってはいけないということも実は書いていないわけでございます。 そこで、アメリカならアメリカが核の拡散防止という大目的を前進させるために、独自の判断から、濃縮であれば濃縮あるいは再処理なら再処理の施設の輸出につきまして厳しい条件を付したり輸出を禁止したりするといったような法案を議会に提出するということは、それ自体で直ちに核防条約の第四条に違反するということは言えないと思います。ただし、具体的にどういうことになるかによりまして、核防条約四条の少なくとも精神には場合によっては違反するような可能性は出てくると思います。
○小宮委員 いろいろ立場で見方もございますから、そういう意味で、たとえば四月十日に開催された国際原子力機関主催の核技術移転国会議でもこの条約四条に違反するという非難決議が行われておりますね。そうしますと、こういうような、問題は若干あるにしても、条約に違反するような国内法を各国が勝手につくることが許されるのかどうか。条約の範囲内であれば別ですけれども、条約に違反するというものを各国がそれぞれ勝手に国内法をつくっていくということになると、核拡散防止条約というものは形骸化されてしまうんじゃないかということにもなってきますが、その点は外務省どうですか。
○大川政府委員 この条約の四条に対する違反という問題でございますが、これは二国間条約と違いまして、御承知のとおり核防条約の締約国は約百ヵ国ございます。でございますので、A国ならA国がこれは違反であるということを申しましても、それが直ちに百カ国全部の受け入れるところとなるとは必ずしも決まっておりません。その点二国間条約とは違いますし、もちろん核防条約の趣旨を生かすために締約国全部でもって核防条約の違反とみなされるような事態が発生しないように常に監視したり協議し合ったりする必要はございますけれども、特定の国、A国ならA国、BならBという国がとった特定の措置が条約の何条に違反するというふうに直ちにきめつけることは軽軽に行うべきではないんではないか。各国と協議しながら慎重に判断を下すべきではないか、かように考えております。
○小宮委員 外務省はそういうようなことを言いながら、外務大臣は予算委員会で四条違反ということをはっきり答弁されておりますね。そうしますと、大臣と外務省の考え方が、解釈の仕方が違うのかどうか、その点をあえて追及しようと思いません。これはやはりそれぞれの第四条の解釈も、立場で解釈の仕方が違ってくるのじゃないか。たとえばこういう解釈もできるわけですね。この条項は、他の加盟国に、日本の原子力の平和利用について協力をする義務を負わしたものではない、日本が自前の資源と技術で原子力開発を行うことは妨げるものではない、また、便宜供与する場合でも注文をつけることについて制約されないというふうないろんな見方があるわけです。そういうことから見れば、必ずしも条約の四条違反というふうにきめつけることもいかがか、こういうようにも考えるわけですが、外務大臣は予算委員会ではっきり四条違反ということを言っておるものですから、この点の解釈はどうかというふうに言っておるわけです。 それでは、現行の日米原子力協定八条C項は、核燃料の再処理を前提とした上で、その保障措置の形態と内容についてアメリカとの同意を条件としておりますね。だから、いかなる保障措置でも再処理は認めないというものではないというように考えるわけですけれども、この協定八条C項の協定締結時の解釈は大体どういうものであったのか、その点、外務省どうですか。
○大川政府委員 協定締結時の条文の解釈については、あいにく私、手元に資料を持ってまいりませんでしたけれども、少なくともこの八条C項によりまして、日米原子力協定の面でも、アメリカから日本に入ってきた核燃料が使用されてその使用済み燃料が日本におきまして再処理される事態も想定されていることは間違いないと思います。
○小宮委員 だから、いまごろ原子力協定に基づいていろいろな問題が大きく出てきておるわけですけれども、この核拡散防止条約をわが国が批准前にやはりアメリカと十分協議、話し合いをして、それでわが国の核開発に支障を来さないような原子力協定に改定しておくべきではなかったのかという感じもするわけです。だから、いま原子力協定に縛られていろいろなことで横やりが入れられておるわけですから、条約批准の前にアメリカあたりと十分話し合って、こういうようなものについて原子力協定についての支障がないように改定するなら改定するという方向で外務省としても努力をしておくべきではなかったのかと思いますけれども、いかがですか。
○大川政府委員 ただいまの点につきましては、実は過去におきまして一度アメリカに対しまして八条C項の改定を申し入れたことがございましたけれども、あいにくその話は成立いたしませんでした。アメリカがこういった形の二国間原子力協定を締結している例は約二十ございますが、その中で日本と同じような形で、再処理を行う場合にはアメリカの同意を必要とするという協定は十七か十八ございます。そのほかのアメリカとユーラトムの協定、それからアメリカとカナダの協定、さらにアメリカと国際原子力機関の協定だけはそういうような規定ぶりになっておらないわけでございます。でございますから、日本との協定はほかの大多数の国との協定と同じようなかっこうに実はなっておりまして、今度の議会に出ておりますカーター大統領の法案を検討いたしましても、アメリカの行政府の意図といたしましては、日米協定の八条C項を改定するということよりも、むしろただいま申しました残りの協定を日米協定の型に改めるというようなことをねらいとしているのではないかと思われる節も実はございます。
○小宮委員 アメリカの新原子力政策は、安全保障いわゆる核不拡散を非常に前面に出してくる。日本の場合はエネルギーの安定的供給というのを前面に出しておるわけですが、いろいろわれわれも、アメリカのエネルギー事情は余りよく知りませんけれども、いろいろ出版物あたりで読んでみると、一九七五年におけるアメリカの産油量は三十億五千万バーレル、出炭量は六億四千万トン、サウジアラビアと並んでの産油国だ。また、石炭の埋蔵量は一千年分もあるということで、根本的に違っているわけです。だから代替エネルギーとしての原子力に対する必要性、緊急性が日本と根本的に違うのです。 だから、こういうように問題が起きてきておるのは、わが国は原子力平和利用路線に徹しておるというけれども、アメリカあたりで何か日本に対する不安と心配、あるいは疑いの目を持っているのではないかというような推察もされるわけです。アメリカもわが国のエネルギー事情をよくわかっているわけでしょう。そういうことがわかっておりながら、それであえて交渉しながらもなかなか前に進んでいかぬということになると、やはり何かほかにそういうような日本の核サイクル政策について不安とか疑いを持っておるのではないかという気さえするのですが、その点は大臣どうですか。
○宇野国務大臣 私がつき合いましたアメリカ人、もちろんそうなりますとほとんどが公式になりますから、そうした場所におきましては、毫も日本がプルトニウムを軍事転用するというふうな懸念はアメリカは抱いておらないというのが一人残らざるところの御意見であります。また、そのことは福田総理もカーターさんに表明し、カーターさんみずからも言っておられます。 しかし、私たちの耳に入ってくるところでは、千人に一人か一万人に一人か知りませんが、やはり日本のGNPは非常に高い、だからいつでも持ち得るだけの能力を金銭的——金銭的というとおかしいですが、国民所得の上から持っておるというふうな評価をしている向きもなきにしもあらずということも聞いております。しかし、それは公式な場で政府の人が言ったわけでもなければ、議会人が言ったわけでもありませんから、あくまでもわれわれは非核三原則というりっぱな原則を持ち、なおかつ、NPTに参加した国民であるから、政党を通じて、そういう人は一人もおりませんということをわれわれも極力申し上げて、そして、相手もそのことを信じていただいておる、私はそういう確信を抱いております。
○小宮委員 日本はカナダとか豪州から買ったウランをアメリカに頼んで濃縮——賃加工をやっていただいておるわけですね。そのウランというのはわが国の所有権があるわけですから、その所有権のある使用済みの核燃料について、アメリカがアメリカに持って帰って永久貯蔵しようとかということを言われておるのは、素人にはどうもアメリカの言い分は筋が通らぬのじゃないか、ましてや使用済み核燃料も英国で再処理しておるわけですから、米国は協定上いろいろ言っておるのはどうも筋が通らないような気持ちがするのです。いまの日米原子力協定上、本当にこの問題がアメリカが横やりを入れられるような筋合いのものかどうかということについても若干疑義を持つわけですが、大臣、あるいは外務省からもひとつその点御答弁願いたい。
○宇野国務大臣 条約の解釈論は外務省にお任せいたしまして、過去私は同様の見解を出会う人に申し上げてあります。アメリカ人に申し上げてあります。 第一点は、プルトニウムそのもの、核そのものを軍事利用しながら、それを安全規制もせずして、平和利用だけに注文をつけなさるという態度はどうしてもわれわれには解しかねる。もう一歩突っ込んで言うならば、アメリカとそしてソ連を初め核兵器を持っている国だけがそれらの核兵器を安全に管理し、コントロールする能力を持っておって、ほかの国はないようないわば論評ではないか、主張ではないか、われわれとしてそうした見地に立ったときに、私は抗弁せざるを得ませんということをはっきり申し上げておるわけでございます。 外交問題の方はひとつ外務省から……。
○大川政府委員 ただいまの御質問の御趣旨は、アメリカから日本が入れました濃縮ウランを日本で使用いたしまして、その使用済みの燃料をアメリカがまた向こうへ持っていって貯蔵するということが協定上問題があるかどうか、そういうことでございますか。(小宮委員「そうです」と呼ぶ)それでございましたら、これは必ずしも協定上はっきりした規定はございませんけれども、もし日本側におきましてアメリカと合意の上であれば、問題は特にないのではないかと思います。
○小宮委員 そういう解釈もわれわれもできるわけですから、そういったことに一々原子力協定の問題で難癖つけられることはどうもおかしいのじゃないか。だから日本は、大臣も今度また六月にはアメリカに行かれていろいろ陳情をやるようですけれども、やはり堂々と日本の立場からやっていただかぬと、もみ手で陳情だけでは余り効果もなかろうし、日本の立場を堂々と主張してもらわなければならぬと思うのです。それがうまくいくかどうかということが日本のエネルギー政策に根本的にかかわってくるのですよ。いまの原子力政策というものを全く変更することになったら大変ですよ。だから、そういうこともあるし、今後の問題を、エネルギー政策をどうするかという問題までは触れないにしても、いま計画中のいろいろなエネルギー政策が全部根本的に変わるわけですから、この問題について全力を挙げてやってもらいたいと思いますけれども、大臣、何か打開の見通しでもありますか、どうですか。
○宇野国務大臣 福田・カーター会談が数次にわたって行われまして、双方はお互いに理解を深めたということを言っております。したがいまして、土俵はさような意味でできたと私は思っております。その土俵の骨子は先ほど申し上げたことでございますが、そうしたことでわれわれといたしましても、今日まで第一次交渉団を派遣するにいたしましても、一歩も引くなというのが私、この問題に関する最高責任者としての信念であります。そうした信念で今後も出発をさせたいと思う次第であります。おっしゃるとおりに、われわれどこから考えましてもいちゃもんつけられるゆえんなしと考えておる次第であります。 もちろん、核の不拡散という原則、これをよりりっぱなものに仕上げたいというふうな意図あるならば、単に日米だけの問題ではなくして世界の問題としてもわれわれは取り上げていきたいということにつきましては、やぶさかではございません。ただし、われわれは現在のNPTだけで十分であり、そして、この国会においてその義務として保障措置協定の批准を求められておるわけでございますが、そうしたことで核の不拡散については十分であると思っております。ところが、いまのアメリカさんのやり方では、何かそれでは不安なんだからというふうな聞こえがいたしますから、それだと先ほど先生も御指摘なさいましたとおりに、NPT条約そのものが空洞化するおそれがあるよ、せっかく百カ国が参加して、しかも東西両陣営が参加しておる、それを空洞化さすようなことがあっては大変だ、だからそれはそういうことのないようにということもわれわれは強く主張いたしております。 いずれにいたしましても、最終的には政治レベルの問題となろうかと存じます。非力でございますけれども、しかしあくまで陳情ではございません。私も、御承知賜っておると思いますが、ソフトムードでございますけれども相当しんの強い男でございますから、そうした意味合いにおきまして、わが国のきちっとした立場だけははっきり相手に申し上げたい、こう思っております。
○小宮委員 大臣の意気は評価しますけれども、アメリカの新原子力政策の発端というのは、やはりインドが核実験を行ったというところから端を発しておるわけですから、そういう中で、私がいままで言ってきたように、西ドイツと日本だけにはひとつ特別の配慮をしましようとか、あるいはそういうような再処理の権利を有するとか、いろいろなことを言ってきておるわけですね。しかし、そういう中で、お互いに同盟国として日本と西ドイツだけ、あなたたちだけには何とかしてあげましょうと口では言っても、現実にそういう配慮がなされるかどうかということ、また、そういうようなことがあるからこそ日本と西ドイツに対しては非常に柔軟な発言をしておるけれども、本当にいまからの交渉で日本と西ドイツだけにそういうような特別な配慮ができるような情勢があるのかということについては、われわれもそう言いながらもやはり疑問はあるわけですよ。西ドイツと日本だけに特に配慮するということになると、ほかの国だっていろいろな問題がまた出てくる可能性もあるし、だから交渉は短兵急にもいかぬだろうし、やはり打開するにしてもそこにまだまだ時間もかかるのではないかというふうに考えておりますけれども、それはひとつ政府を挙げてこの問題に取り組んでもらいたいと思います。 そこで、アメリカは新原子力政策の中で、核兵器に転用できない新しい核燃料として、プルトニウムのかわりにトリウムの開発云々ということが言われておりますね。このトリウムを使用する増殖炉の研究開発というのは、世界的にどのような状況になっておるのか。これは通産ですか、どちらですか。どちらでも構いませんから御答弁願いたい。
○山野政府委員 世界におきますトリウム燃料を使いました研究と申しますのは、まだまだ基礎的な段階を脱していない状況でございまして、トリウムを利用し得る炉としましては、高温ガス炉とか、あるいは溶融塩炉というようなものがあるわけでございまして、こういったふうなものにつきまして、たとえばアメリカのガルフアトミック社等がトリウムを利用するといったふうな試み等をした例はございますけれども、冒頭に申し上げましたように、まだまだ基礎的な段階を脱していないというふうに申し上げてよろしいかと存じます。
○小宮委員 トリウムの問題にしても、これまた日本のエネルギー政策に大きな転換をもたらすわけです。いまの軽水炉あたりを全部やりかえねばいかぬわけですから、これだって日本のエネルギー政策上、トリウム、トリウムとアメリカは言っておるけれども、実際上はまたその期間だけは日本の原子力政策、エネルギー政策は中断せざるを得ぬというような問題にもなってきます。 いずれにしても、トリウムにしても、あるいは再処理できないということになっても、日本のエネルギー政策というものは非常に中断をしなければならない。それでは日本国内にエネルギーがなくなった場合にはどうなるのか。経済成長六%と言ってみたところでできっこないし、産業基盤だって全く生産をストップしなければならぬというような事態にもなってまいりますので、特にひとつ、大臣が行かれるそうですから、がんばってもらいたいと思います。 通産省もせっかく来ておりますので、質問時間も大体来たようですが、通産省に一言だけお尋ねしておきますけれども、御承知のように、ウランの問題が非常に問題になっておるわけです。そこで、わが通産省はこの問題について、海中ウランの問題について研究しておるようですね。そのウランの開発のシステムなどをつくって研究をやっておるようですが、新聞報道によれば一部実験に成功したとかいうようなことも出ておりますけれども、現在の状況はどうなっておりますか。
○武田政府委員 御指摘の海水中のウランの回収でございますけれども、海水中には十億分の一オーダーでウランが入っているというようなことでございまして、きわめて微量でございますけれども、海水総量が大きいものですから、その回収の可能性というのを昭和五十年以来勉強しているところでございます。 現在の段階では、毎年一億数千万円の予算を使いまして、それで海水中のウランを吸着するような材料、それからそれがどの程度吸着できるだろうか、それから、吸着しました後、またウランを分けたりしなければいけませんので、その脱着の方法、あるいはそういった効率をどうやったらうまく向上できるだろうか、こんなような研究を含めます総合的な回収システムというのを調べているところでございます。 それで、五十一年度までに吸脱着材の試験評価、それから実用プラント、これは千トンぐらいのレベルを考えておりますけれども、そういったものの概念設計というようなことを行っておりまして、それで、きわめて微量ではございますけれども、海水からイエローケーキをとるというような実績を上げております。 ただ、現在すぐ実用になるかどうかという点に関連して申し上げますと、本年五十二年度はその実用プラントの概念設計と評価をやってみよう——もう少し大きなプラントでございます。そういったものもやりまして評価して、これならある程度の規模のものをつくって試してみるという段階に、その次から進みたい。ただ、それには年間十キロとか百キロぐらいのものを回収するというような設備を三、四年がかりでつくりまして、一、二年で評価して、そしてその結果もよければ、もう一歩、先ほど千トンぐらいと申し上げましたが、そういうプラントに進みたい。これまた、全部がよくうまくいった場合でございますが、さらに四、五年かかるというようなことで、きわめて長期なプランでございますけれども、少なくとも実験室レベルでは可能性があるという判断をしておりまして、これを逐次規模を上げるなどいたしまして進展させていきたいというふうに思っておるのが現状でございます。 なお、国立研究機関の一つでございますが、四国の工業試験所で基礎的な研究を別途並行してやっているのが現状でございます。
○小宮委員 まだまだお聞きしたいことがたくさんございます。さらに、法律案に対しても質問をしたいのですが、ちょっと限られた時間できょうはできませんので、きょうはこれくらいで質問を終わりまして、継続審議になったことですから、その中でまた十分やりたいと思いますので、質問を終わります。
○山田委員長 午後一時三十分より再開すること・とし、暫時休憩いたします。 午後零時六分休憩 ————◇————— 午後一時三十三分開議
○山田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 本日、理事木野晴夫君、佐々木義武君及び石野久男君の委員辞任により理事が三名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 では、理事に 木野 晴夫君 佐々木義武君 及び 石野 久男君 を指名いたします。 ————◇—————
○山田委員長 原子力基本法等の一部を改正する法律案、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。瀬崎博義君。
○瀬崎委員 私は、まず原子力基本法等の改正案について、内容の質問に入る前に、きょうは法案提出に至る経緯について質問をしたいと思います。 政府は、原子力行政をほぼ全面的に改正する今回の原子力基本法等の一部を改正する法律案を提出しているわけですが、その立法化の過程において各政党の意見を法案に反映させる努力をしたのか、一言で言って、意見をくみ上げているのかどうか、あるいは国会の審議のことも十分配慮して法案をつくったのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○宇野国務大臣 御承知のとおり、行政懇談会がございました。行政懇談会は、その過程において一部の方が離脱されましたが、しかし、つくられた経緯並びにその審議の過程におきましては、各界各層の話を十二分にしんしゃくをしておられる懇談会であります。 政府といたしましては、もちろんそれを主たる政策立案の基本といたしまして、なおかつ、やはり政府としての責任上、他にも有識者の御意見を拝聴しながら決定いたしましたのがこの基本法の改正案でございます。
○瀬崎委員 私が聞いているのは、当然国会審議で各党の意見が出てくるわけでありますが、そういう各党の意見というものを十分配慮して、そういうことも考慮に入れてこの法案の作成が行われておるのかどうか、この点をお聞きしているわけなんです。懇談会の意見を反映しているかどうかという質問ではないのです。
○宇野国務大臣 与党と十分相談をいたしております。したがいまして、政府みずからが法案作成に当たりまして、じかに各党の御意見を聞くということはまあめったにないケースでございますから、やはり政府・与党という責任において提出せんがために与党の意見を十分に拝聴して——与党は政党としていろんな形におきまして各党の御意向なりまた御意見なりをあるいは聞いておられるかもしれませんが、私自身は、そうしたことを聞きましたかどうでしたということではなくして、与党の御意見を中心として作成したものであります。
○瀬崎委員 長官は、本委員会においても繰り返して各党の意見というものをできるだけ尊重したいとおっしゃっているわけですね。原子力開発という問題では同じ土俵をつくりたい、しかし、大きな意見の差があって、土俵はできても議論倒れになってはいけない、実りある土俵をつくりたい、そのためにはまず政党から同じ土俵の上で話し合いをしていきたいんだ、政党の意見を聞くことから出発して広く国民の声というものを聞いていきたい、こういうお話であったと思うのです。二度、三度これを繰り返していらっしゃいます。 そういう意味において、この原子力行政をどう改革したらいいのかということは、法案提出に至る以前、一般質問その他の形で、本委員会のみならず予算委員会その他でも相当各党から意見が出ているわけであります。こういうものが果たして今回の政府提出の法案に反映されているのかどうか、具体的に聞いてみたいと思います。
○宇野国務大臣 御承知のとおり、基本法の改正法案は予算を伴う法案でございます。したがいまして、予算を伴う法案は、いやしくも私が大蔵大臣と最終的に予算に関する折衝を始める前に決定しておかなければならないというのが政府のたてまえであり、また、与党の今日までずっととってこられた予算編成時の原則でございます。 そうしたことで、昨年の総選挙が終わりまして、そしてことしになって予算編成が始められたわけですが、その間に与党の御意見もくみ、また、予算編成に支障を来さないようにいたしましたからそれを出したわけでございますので、予算委員会における御意見あるいはそれと並行してなされました衆参両院における科技特の御意見、これを直接法案に盛り込むということは、時期的に非常にむずかしい問題であるわけであります。
○瀬崎委員 時期的にむずかしいというほどごく最近の限られた期間に各党の意見が集中して出たわけではないわけであります。これは恐らくこの法案の立法化の作業が始まる前でありましょう。たとえば一昨年の六月十一日の当委員会では、自民党の前田正男議員がこういう発言をしていらっしゃいます。「ここで原子力というものを基本的に見直すということになるならば、その出発の当初」——原子力関係法規ができた当初という意味だと思うのですが、「に行われましたとおり、やはり各党がお互いに国会の場においてできるだけ議論して、お互いに共通点の見出せるものはなるべく共通点を見出していく、またお互いの立場を明らかにして、そして基本的な体制の取り組みということを始める必要がある」こういう発言をしていらっしゃるのですね。この点はまず各政党で議論の土俵をつくって原子力問題を論議しようじゃないか。宇野長官の最近の発言とも共通している。 当時、こういうふうな方針を与党が出していらっしゃるんだから、その与党の意見を尊重するということになるならば、当然各党の意見をこの法案に事前に盛り込んでいくという努力があってしかるべきだと思うのですね。この国会に出ておった各党の意見というものを、実際の立法作業に当たった政府関係者ですね、原子力局長、安全局長等はどのように理解してきておったんですか。
○宇野国務大臣 言われる趣旨はわかりますが、しかし、やはり法案提出権というものは政府が持っておって、国会はそれを国会の場で審議なさるというのが三権分立のたてまえでございます。だから、たとえば私の知る限りにおいては、同じ立法でございましても、独禁法の改正案、これはひとつ野党、与党、政調会あるいは国対委員長会議において大筋合意の上、こういう作業をしようじゃないかというふうな、間々そういうケースもあるかもしれません。私は、原子力行政におきましても、できたらそういうふうな形でやっていきたいと存じておりますが、過去の経緯を私がいろいろ報告を受けて、就任以来、知っておることを私自身が判断するとするならば、まずこの安全委員会そのもの自体を行政委員会にするのかあるいは諮問委員会でいいのかというところに大きな論争の差があったように承っております。また、行政懇におきましても、これに議論が集中されたということも承っております。やはりそうした場合になりますと、政府としてどちらにするかということは、政府みずからの意思を決定して、そしてその後、国会における各委員の方々の御判断を仰ぎたい、これが筋じゃなかろうかとも存じますから、予算を伴う法案でございまして、幸いにそれ以前に各党の意見が一致するというふうなことならば結構でございましょうが、実はこの経緯におきましても、わが党の中においてもいろいろ御意見があったということを私はあえて申し上げておきます。そういう御意見をうんと煮詰めていただいて、そしてわが党としてはやはり与党としての責任上、政審という段階もございますし、あるいは総務会という段階もございますし、これを通じて、本当に予算編成ぎりぎりにわが党として一応皆の意見を集約したものをこれでよしということで、われわれもその支援を得てここに法案を提出した次第でございます。 瀬崎さんの言っていただく気持ちは私は非常にありがたいと思いますが、この法案提出の経緯において、なぜもっと事前に各党が合意点を見出せなかったかとおっしゃる気持ちはよくわかるのですが、私も十二分に今日までの経緯を知りながら、やはり政府としての法案を出す以上は責任とそれだけの政府としての自信を持って臨まなければならないわけでございますので、今回私が就任いたしまして以来この法案を作成する過程におきましては、はなはだ残念でございますが、そうしたような経緯がございましたので、お気持ちは重重わかりますけれども、それに従えなかったということであります。
○瀬崎委員 今日までの国会論議にあらわれた各党の意見をつぶさに見られればよくわかるのでありますけれども、安全委員会の性格なり権限をどうするかというふうな内容の問題に立ち至れば別でありますけれども、とにかくそういう細部は別にして、非常に大きな原子力行政の改革の流れで見る限り、全く各党間に一致点がないという問題ではないところにも一つの特徴があると思うのです。ですから、政府がそういう各党の意見というものを十分国会論議からくみ取って、もし本当に成立させようというそういう責任感があるなら、国会の審議状況等をにらみ合わせながら、なるべくその一致点を中心にしながら法案をつくっていく、これが常道だと思うのです。その一致点を軽視して、むしろ対立点を前面に出してくるならば、これは今日の国会情勢で言うならば、法案成立が非常に危ぶまれることは、もう今日までの経過を見れば明らかだと思うのです。この本国会においてすら原子力関係の法案は全部今国会審議未了になっている。そういう点で、大臣は残念ながらそういう政党の意見をくみ取っていないと、こうおっしゃるのだから、これはわれわれとしては今後の審議に当たってやはり相当対決も覚悟してかからなくちゃいけないなあと非常に残念な決意を固めざるを得ないのだけれども、それはそれとして、政府側として今日までの国会の論議から、各党の一致点とか相違点とかそういうものをどういうふうにくみ取っておるのか、それを改めて両担当局長から聞いておきたいと思うのです。
○宇野国務大臣 すぐ対決という言葉をお使いになりますが、それは瀬崎さんの個人的な考え方だから仕方がないと思いますが、私は決して対決を求めておりません。そしてまた、この法案そのものはやはり行政懇談会は安全の上に安全を期さんがために安全委員会をつくろう、こういうことですから、恐らくこれは皆さん方も賛成でしょうね。これに反対なさるはずはないと私は思う。したがいまして、大筋において私は決して皆さん方の御意見を無視した法案ではないと思うのであります。ただ、この間からの審議等々を通じておりますと、行政委員会が是か非かという議論がある、そうしたことがどこまで対決になるのか。わしは意見はそうだけれども、大方の方々がやはりいまの諮問委員会でいいなとおっしゃるならば、これは議会政党でございますから、やはりそうした方向において決定されるのだと思います。何かわれわれが何もかも対決の要素を備えてこの法案を出したというふうにおきめつけなさることは、私はいかがかと存じます。
○瀬崎委員 私はとにかく聞いておきたいことは、一体各党の一致点をどこにあると見ているのか、各党の意見の対立点をどこにあると見ているのか、この政府の考えを聞いておきたいのです。一度両局長の答弁を求めます。
○山野政府委員 各政党の御意見につきましては、私ども国会審議の場あるいはそのほか書き物等によりまして把握いたしておるつもりでございますが、たとえば委員会を行政委員会にすべきか諮問委員会にすべきか、あるいは安全性を一元化すべきかといったような基本的な問題につきまして承知しておるつもりでございますけれども、しかし、これは各党から正式に文書で私どもがちょうだいしているわけでもございませんので、各党の御意見の内容を私がこうであると申し上げるのは適当を欠くかと思いますので、承知しておりますということだけで御答弁を終わらせていただきます。
○伊原政府委員 ただいまの大臣の御答弁並びに原子力局長の答弁を補足させていただきますが、いままで意見の聴取ということでは、行政懇談会の場におきましても、原子力委員会、学術会議、全漁連、関西主婦連、中立労連等広く各界からの御意見の聴取があったほかに、科学技術庁におきましても、大臣がみずから主宰をされまして、有識者との懇談会をしばしば開かれた。さらには関係省庁の連絡会議を開きまして、広く意見を取り入れるような努力をいたしたということでございます。
○瀬崎委員 やはり、政府側としても大臣としても、国会での発言については責任を持ってほしいし、首尾一貫してほしいと思うんです。われわれは広く学識経験者、それは反対、賛成、中立、いろいろ意見があるわけですが、そういう意見を結集する、つまり、われわれは国民の英知を結集という言葉を使っておりますが、こうしないと原子力行政の信頼は回復されませんよ、こう言えば、まずは政党政治だから各党の御意見からくみ上げていきたい、こうおっしゃるわけです。だから、私はきょう各党の意見をどのように政府はくみ取っているのかということをまず問題にしているわけですね。 そこで、決して安全委員会の中身がどうなるか、こうなるかということに一足飛びに論議を進めるんではなくて、もっと大枠でどういう点に一致点があり、どういう点に相違点がある、まずここからつかむ必要があると思うんです。私自身も他の党派の内部問題に干渉したりする気はありませんし、また、すべきではないと思うんで、あくまで各党の公式の意見が発表されている国会の論議の特徴からその傾向というものをつかんでみたいと思う。 まず、社会党について言えば、石野久男議員がこういうふうな発言をしておられます。「原子力委員会の中に、安全規制ということで、いわゆるアメリカのような、規制委員会のような性格のものにしていくべきでないか」「原子力委員会は、開発の側面と規制の側面とを明確にしていくということが大事だと思います。」、こういうことを述べていらっしゃいます。同じく社会党の和田貞夫議員は、これは内閣委員会でありますが、こう述べていらっしゃいます。「安全性確保の行政面を強化させるため、原子力基本法、原子力委員会設置法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の抜本的改正を行い、現行原子力委員会を改組して、安全規制の機能を持つ行政委員会的な原子力規制委員会に独立させ、原子力安全局に属する部局はむしろその事務局とし、安全規制を第一義的な原子力行政を行うべきであります。」こういう御発言があります。 だから結局、私がこういう発言から察するところ、社会党の方針としては、現在の原子力委員会を開発を受け持つ委員会と規制を受け持つ委員会、とに分けるべきである、こういうことが基本ではないかと思っております。 では、公明党の方はどういうお考えかというのを見てみますと、本委員会で近江巳記夫議員がやはりこういう発言をしていらっしゃいます。「現在の原子力委員会というものは、開発と規制の二面性を備えておるわけでありますから、少なくとも当分は、安全性の確保と国民の信頼性回復に最重点を置くという態度を明確にする必要があろうかと思うのです。」ということで、明確に分けろとはおっしゃっていませんけれども、この矛盾する二面を同じ機関でやるのは少し無理がある、そういう点を明確にしないと国民の信頼を回復できませんよ、こうおっしゃっているんですね。 それから、民社党のお考えはどうなのか。これは衆議院の予算委員会で河村勝議員がおっしゃっていることであります。「いまの原子力委員会というものは」「原子力局の諮問委員会にしかすぎない。」「原子力委員会は基本設計の審査しかやらないのですね。それで発電の方になれば、設計、施行、運転等に至るまで全部通産省、原子力船になれば運輸省ということになって、基本設計以外にはタッチできないのです。しかも運輸省、通産省というのは開発主体ですね。安全を独立して担当しているものじゃないのです。」「だからこの際、原子力委員会を独立させて行政委員会にすべきであると思います。行政委員会にして、それで安全に関する限りは、基本設計から施工、運転、検査、立地、ここに至るまで一貫して責任を持つ体制をつくる」必要がある、こうおっしゃっている。これで見る限りは、安全規制を通産や運輸に移すことには明確に反対だという態度が出ておりますし、むしろ安全規制は、原子力委員会の安全審査部門を強化して、ここで首尾一貫やるべきだ、こういうふうな御主張に受け取れます。 さらに、同じく民社党の受田新吉議員は、内閣委員会で、「わが国の原子力開発利用体制が、まず原子力委員会の独自性が欠如されておること、専任の安全審査委員が不足しておること、原子炉の安全審査とそれ以後の規制監督行政が科学技術庁と通産省その他の官庁とに分離して一貫性が欠如しておることなど、安全確保体制が、こういうところで確立されていない現状を指摘いたしました。」「安全確保対策の基本としては、原子力委員会を独立の行政委員会とする、つまり原子力委員会を、特に安全性の点において強力な一元的行政の立場に置こうとするわけです。その業務は、事前の安全審査から運営までの安全審査及び放射線の監視について専管をする、一貫した審査監視体制を確立する。」このようにおっしゃっている。これも大体河村勝議員と同趣旨の御発言だと思うのですね。 そういう点でも、民社党の御意見も、社会党、公明党の先ほど私が紹介した御意見とほぼ共通していると思う。 そこで、与党である自民党がどういうふうにおっしゃっているか。これは昨年の予算委員会、不破質問に答えてのものであります。「やはり開発と安全の確保というものに対しては、一緒にするのでなくして、別個の考え方で安全の確保を図ってまいりたい。」つまり、やはりいま原子力委員会が開発と規制の両方を扱っているのを分けていくのが筋ではないか、こういう御発言です。 いま申し上げましたこの原子力委員会が矛盾した開発と規制の両面を受け持っておる、これを分離すべきである、独立した規制委員会あるいは安全委員会、こういうものをつくるべきであるということについては、わが党も同じような意見を持っておるわけです。 こう見ていきますと、新自由クラブさんはいらっしゃいませんでしたが、その他の党についてはっきり言えることは、とにかく原子力委員会の機能を安全と規制の部分に分けるべきである、そして少なくとも安全審査だけはその分けた委員会で一貫させるべきである、こういう点だけはまぎれもなく共通をしているのです。したがって、私が思いますのに、政府が原子力行政の改革を考えるならば、少なくとも、まず第一段階として、この各党の共通した意見に基づくべきではないか、そうするのがまた現実的な対処ではないか、このように思うわけなんです。この点の大臣のお考え、いかがですか。
○宇野国務大臣 いま各党の意見を私も謹んで拝聴いたしました。もちろんそうしたたてまえから、われわれは原子力委員会を言うならば二つに分けて、安全性と規制、それから開発と推進、この二つに分けたわけであります。したがいまして、そうした意味においては御趣旨に沿っておるだろうと思います。 また、わが党の意見も大切でございます。やはり、多少減りましたが、衆議院におきましては、一応は国民の過半数の御意見をわが党としてもちょうだいいたしておるわけでございますから、そのわが党の意見もやはり、野党の御意見と同じような重さにおいて私は聞く必要がある、こう存じております。わが党の中におきましても、実は分けることはそれは必要であろうけれども、分けた後どうするかということに関しましては、本当にいろいろの意見がございます。そうしてその意見、どちらから見ましてもごもっともな意見であったと私は思いますが、わが党内におきましては、いろいろ御意見がございましたが、やはり多数の御意見に従おうということで、今回提案をいたしておるようなものになったという経緯もございますので、それもひとつ御了解を賜りたいと思います。 したがいまして、先ほど申し上げましたとおり、直接野党の方々にどうでございましょうというふうな機会を得ることは、物理的にも日時の上からもむずかしかったかもしれませんが、しかし、われわれといたしましては、十二分に今日までの経緯等々を考えまして出した法案である、これだけはひとつ御了解賜りたいと思います。
○瀬崎委員 各党の意見をずっと振り返って、勉強させていただいて、もう一つ気のつくことは、民社党の先ほど御紹介した意見にもあるように、基本設計の安全審査だけが原子力委員会でやられて、あと通産省や運輸省で安全審査をやるというのは開発省庁がやるんだからおかしい、こういう御主張なんで、その部分も含めて、とにかく現在よりも安全審査体制を強化する、これをできるだけ開発を受け持つ行政機関とは独立のところで一貫させるという点で共通しておる。反対側面として、現在内閣総理大臣が持っている原子炉設置の許認可権をこの開発を担当する通産や運輸省に移せ、こういう意見が全くない。むしろ、それについては否定的であるということでも共通点がある。 だから、いま申し上げました過去の論議の経過から見るならば、われわれから見て今回の法案提出はきわめて唐突な感じを実は受けた。原子力安全委員会の設置という、原子力委員会からの分離というこの部分だけであれば、この法案審議はまた別の形態を今国会でもとっておったと思う。とにかく、この許認可権を総理大臣から通産あるいは運輸大臣に移す、こういう問題が入ってきたために事は非常にめんどうなことになっているわけです。俗な表現を使うならば、まさに木に竹を接いだような感じ、あるいはまた水と油をまぜ合わせたような感じ、こういう感じを受けるのです。 そういう意味では、この際、水と油をもう一遍分離する、あるいはまた接いだ竹を外してしまうというふうにしていくならば、また今後の審議は展開の仕方も違うのではないかと私は思うのです。いかがですか。
○宇野国務大臣 私も責任者として、その責任を十二分に自覚しつつ法案というものは出すものでございますから、したがいまして、まだこの法案に対しましていろいろ意見は開陳されておりましょうが、残念にして今国会では審議を終えていただくわけにはまいらなかった。しかしながら、休会中も審議してやろう、こういうふうなかたじけない委員会の御決定を午前中に賜ったわけでございまして、そうした御配慮に対しましては委員長並びに委員の先生方に私も厚く謝意を表したいと思いますが、そうした中でいろいろ御審議賜りたいと存ずる次第でございます。 だから、今日といたしましても、過般来私並びに局長がずっとその経緯並びにそうした見解に対する答弁をしてまいりましたから、現在はその答弁どおりの心境で今日もあるということを申し添えておきます。
○瀬崎委員 それじゃ、原子力問題についてのコンセンサスはまず各政党から、こういう宇野長官の発言の趣旨に従って言うのでありますが、少なくとも今日まで国会論議にあらわれてきた各党の意見の共通点、相違点、それがどこにあるか、それは御理解いただけましたね。
○宇野国務大臣 もちろん、十二分にその御意見は拝聴いたしております。
○瀬崎委員 もう一つは、原子力行政懇の答申を尊重した、こう言われるわけなんでありますけれども、実はその答申に至る過程で、いろいろと新聞にも意見対立があるとか各省庁間のなわ張り争い的なものもあるとかいうことが出ております。これは御存じだろうと思いますね。一々紹介には及ばないと私は思います。 朝日新聞などの一昨年の末ごろの記事によれば、行政懇において一度まとまったはずの意見書を修正するなどの混乱状態も見られたというふうな記事もあるぐらいであります。特に行政懇の中間報告がまとめられます直前に「原子力行政体制改革に関する報告書(案)に対する意見」こういうものが原子力委員会内部から出されたことがありますね。その特徴は一体どういうことであったのですか。
○山野政府委員 五十年四月に井上委員長代理が参考人として意見を述べておられますけれども、その内容を御紹介申し上げますと、一番としまして、「エネルギー政策を国のトップレベルで明確にし、国民の合意を得る必要がある。その際、原子力の位置づけを明確にすべきである。」という御意見。第二点は、「原子力開発を阻害している原因は、安全性に対する不安、不信感にある。この対策が必要である。」第三点としまして、「原子力行政体制については、(1)1開発と規制が分離していない。2規制が一貫化していない。3原子力委員会が弱体である。との批判がある。(2)大幅な行政改革は容易でないので、当面、次の措置をとる必要がある。1原子力委員会の安全審査の権能の範囲を拡大し、一貫してチェックできるようにする。2常勤審査委員、専任事務局の設置等原子力委員会の体制強化」そういったふうな意見が出されております。
○瀬崎委員 私が聞いているのはそれではなくて、五十年十二月二十六日に、いわゆる中間報告が行政懇から出される前に、佐々木義武氏、井上五郎氏、松井明氏、吹田徳雄氏、宮島龍興氏、御園生圭輔氏の連名で出されている「原子力行政体制改革に関する報告書(案)に対する意見」これがあるでしょう。これのいわゆる特徴はどこか、これをお聞きしているのです。
○伊原政府委員 ただいま先生の御指摘ございました原子力委員会の御意見につきましては、実は委員会事務局の立場としての当時の原子力局というものが、事務局としての十分のお手伝いを申し上げない形で内閣の方に意見が出たというふうに承知をいたしておりますので、内閣の方に連絡をいたしまして、私どもとしてもそれを十分承知いたしたいと考えております。
○瀬崎委員 もっとはっきり言ってください。小さい声だからよく聞こえなかったのです。どういう意味なんですか。
○伊原政府委員 原子力委員会としての御意見であって、事務局としてその御意見の作成に必ずしも十分参画していなかったものであるというふうに承知いたしております。
○瀬崎委員 大臣にお聞きしたいのですが、原子力委員会の意見であって、事務局が十分参画していない意見とは、われわれとしてはどういうようにそれを受け取ったらいいのですか。それはどういう性格の意見書と見たらいいのですか。
○伊原政府委員 補足させていただきます。 私の説明が不十分であったかと思いますが、原子力委員の先生方個人のお立場での御意見でございます。
○瀬崎委員 冗談ではありませんよ。この意見書は、原子力委員長佐々木義武、原子力委員長代理井上五郎、原子力委員松井明以下、そういうふう、になっている。肩書きもちゃんとついて出ているので、これが個人の意見と言えますか。大臣、もっと責任のある答弁をしていただきたい。原子力委員会の意見であって事務局の意見ではない、こんなものが政府にあるとなると、われわれとしてもさらに不信を増大せざるを得ないのであります。大臣のしっかりした答弁をお願いします。
○宇野国務大臣 そのもの自体に関しまして私きょう初めてでして、一回見せていただきましょうか。どういうふうな内容か知りませんが、ちょっと検討させていただきましょう。——私もいまこれを拝見いたしまして、そしてその当時の経緯を局長に確かめさせましたが、表題は「原子力行政体制改革に関する報告書(案)に対する意見」として、確かに原子力委員長佐々木義武、代理井上五郎、以下ずっと名前が書いてありまして、幾つかの項に分かれておりますが、全員という項と佐々木という項と松井、吹田というふうに、全員の意見とあるいは個人の意見と佐々木、井上、御園生というふうに三人の意見の一致した問題と、そうやってばらばらではなかろうか、そういう意味で安全局長が、あるいは不満足であったかもしれませんが、先ほどの答弁をしたんじゃないか、こういうふうに思います。
○瀬崎委員 それは米価審議会だって両論併記とか多数意見、少数意見とか個別の意見を付することは幾らでもある。問題は、この意見が政府の一機関である原子力委員会のこれで見れば一応公式な意見だ。中には個別の意見として表現されているものもあるけれども、文書全体から見ればこれは原子力委員会の公式の発表文書とわれわれは受け取らざるを得ない。一体原子力委員会の公式な意見と受け取るべき性質のものなのかどうなのか、そこをはっきりしていただきたい。
○伊原政府委員 その御質問に御答弁申し上げます前に、当時の事情を私思い出してちょっと御説明申し上げたいと思います。 原子力委員会といたしましては、この行政改革につきまして、表現は適当かどうかあれでございますが、いわば被告の立場にあるというふうな御認識もございました。そういうことでもございますので、原子力委員会としてはいろいろ意見は申し上げるという立場にはもちろんあったわけでございますが、そういう背景のもとに、したがいまして、公式意見であるならば当然原子力委員長名で出すわけでございますけれども、そういう立場にもあり、かつ、個人個人の意見は出してよろしかろうというふうなことでもございましたので、個人の意見を連名で提出した、こういうことであると承知いたしております。
○瀬崎委員 これはだれが聞かれたってきわめてあいまいな説明でしかないと思うのです。一応原子力委員長なり委員長代理という肩書きを持ってこの意見書は発表されております。その限りにおいて、国民から見ればやはり原子力委員会が国民に対してその意見を発表した。ただしその意見が全員一致のものであるか原子力委員個人のものであるか、これはまた別として、とにかく一応原子力委員会が責任を持っているものだと私は受け取らざるを得ないのであります。しかし、いまの説明からわかるように、とにかくこの文書の性格そのものがきわめてあいまいであることも事実なんです。あいまいなこういう文書が出てきたところに当時の複雑な事情を物語っていると私は思うのです。 この中でも一番大きな問題はどこかと言えば「実用炉についても原子力開発利用について総合調整権を有しかつ開発担当の事業所管大臣から距離を置いている内閣総理大臣が判断すべきである。このため内閣総理大臣は原子炉設置許可権者であるべきである。」ここなんですね。だからそういう点では、原子力委員会内部においてもこの許認可権を動かすということについてはもとから議論のあったところなんだ、こういうことがはっきり言える。各党間でもその点が実は一番大きい問題だし、むしろその点では、現在がいいというのではないけれども、こんなものを開発担当省の通産に移すべきではないという点で一致しておる。原子力委員会の内部にもそういう意見がある。こういうふうな事情が私はうかがえる。 さらに、当時の複雑な事情を裏書きするものとして、朝日新聞が行政懇の中間報告原案なるものをスクープしているわけだ。必ずしもスクープが当たらないということは最近も起こった事件であるけれども、しかし、これは根拠のなかったものではないと思うのです。この中で問題の許認可権の部分についてはこういうことになっている。朝日の方の発表原文ですよ。「1事業所管大臣が行う安全審査等の結果に基づく同意を前提として内閣総理大臣が許可を行うか、または2内閣総理大臣と事業所管大臣とが共同して許可を行うか、もしくは3内閣総理大臣の同意を前提として事業所管大臣が許可を行うかの、いずれかの方法により処理することが妥当と考える。」こうなっておるのです。 ところが、実際に出てきたこの行政懇の「中間とりまとめ」によれば、この三つの案のうち二つが消えてしまって「実用段階に達した発電所等事業に関するものは通産省、船については運輸省、研究開発段階にあるもの及び研究施設については科学技術庁」つまり現在の法案の内容になっているわけなんです。 こういうふうないきさつを国民が見ておれば、これは当然のことながらある筋が圧力をかけたであろう、そもそもこの原子力行政懇が三つの意見があると考えておったものを、無理やり一つにまとめさせてしまっているというふうにうかがえるわけなんです。先ほどの原子力委員長佐々木さんらが連名で出していらっしゃる文書などと照らし合わせれば、当然そういうふうな理解にわれわれはなってくる。だから、さっき言った政党間の意見というものをどのように政府が考えておったということと並んで、この行政懇そのものの答申だけでわれわれは今後この審議は進められない。むしろ最終答申に至った経過、つまり、行政懇の議事録等を国会に出してもらわないとわれわれは審議できない、このように思うのであります。この点について委員長からひとつ政府の方に求めていただきたいと思うのであります。原子力行政懇の経過を示す議事録を出してほしいということであります。
○山田委員長 瀬崎君のお申し出については、理事会において協議の結果まとめたいと思いますので、さよう御了承をお願いしたいと思います。
○瀬崎委員 したがって、私はけさほどの継続審議にも反対の意思を表明しましたが、政府としてはもう一遍こういうことを振り返って、先ほど申し上げました、木に竹接いだとかあるいは水に油という表現を使いましたが、こういう法案とわれわれは受け取られるので、撤回した上整理し直して、国民の理解の得られるものにして出し直すべきではないかということを申し上げて、一応この問題の質問は終わらせてもらいます。 次に、時間がわずかでありますが、原子力船「むつ」の問題についてお伺いをしたいと思います。 四月十四日までに母港を撤去する約束が破られて早くも一カ月以上たったわけであります。その上、新聞報道によれば、五月十六日青森を訪れた久良知事務次官は、核燃料体引き抜きについて、「むつ」総点検・改修技術検討委員会、通称安藤委員会ですかの答申を得たいので、母港撤去が若干延びる。しかも安藤委員会の結論が出るまでに約二カ月というふうな話をされたとのことであります。久良知事務次官は、一体どういう任務を持ってこの青森へ行かれたのか、何をしに行ったのか、お答えをいただきたいと思います。
○宇野国務大臣 当然四者協定、はなはだ残念でございましたが、四月十四日ということを厳守することができなかったわけでございます。しかも、その次には長崎県並びに市は、受け入れるということに対しましては賛成をしていただきましたが、県の方におきましては、核燃料体を抜けというふうな条件がついたわけでございます。この条件も、知事さんがいろいろ勘案された結果の話だろう。それで、われわれといたしましては、地方自治体にお願いした以上は、そうした幾つかの御決定に対しましても政府としてもどうすべきであるかという判断の資を整えておかなくちゃなりません。さような意味で、自民党に特別委員会がございますから、どうしましょうかと相諮りました結果、抜く抜かぬという是非についてはいざ知らず、とにかくそういう条件がついた以上はその条件についてひとつ政府として安全かどうかということを検討しなさい、その際適任者が安藤委員会であろう、こういうふうなことになりまして、そのような経緯をやはり青森には申し上げておかないことには、十四日を守り切れずしてまた政府はじんぜんと何をしておるかということになりましょうから、そういうふうな条件がついた以上は、抜く抜かぬということは別として、一般的な問題としてやはり政府も責任を持って臨まなければならないから、いまからそういうふうな段取りをいたしたいと存じます、こういうふうないろいろな経緯をひとつ次官が行って報告をしてきなさい、私はこういうふうに申し上げたわけであります。 そのとき、二カ月という数字が一部新聞に報道されまして、科技庁の記者クラブにおきましてもそのような質問はございましたが、そのとき次官は次のように答えておりました。ちょうどたまたまロンドンで、午前中いろいろなお話がございました、いわゆる今後の米国の新政策に関してそれを検討しようという会、技術者レベルの会、これが八週間かかるというふうな話しでしたな、そういうふうな話しをしたので、それが二カ月というふうに伝えられたんだ、こういうふうに次官は言っておりまして、われわれは必ずしも二カ月かかるとは思っておりません。極力早くしてほしい、ただし拙速をたっとぶということは、重大な問題だけにこれは慎まなければなりませんよ、こういうふうに申し上げておりますし、昨日も私がこの場で、とはいえ最低一月はかかるでございましょう、こういうふうに申し上げておるわけでございますので、そこら辺のこともひとつ御了解賜りたいと存じます。 青森にもそういうふうな経緯を久良知次官が報告に参ったということであります。
○瀬崎委員 では、青森側の態度、久良知事務次官と応対した主として四者協定の青森関係の人々の態度はどうであったわけですか。
○宇野国務大臣 もちろんイエス、ノーという答えは出ておりません。しかしながら、青森は青森として、長崎が県の特殊事情からそういうふうな条件をつけられた、それを政府が一応検討するということに対しましては、これは当然そういうふうなこともあり得べしというふうな御意見であったということであります。ただし、その後のことに関しましては余り深く、まだ別に青森で抜かしてくれというようなことを頼んだわけでも何でもないわけでございますから、したがいまして、全く白紙の状態で経緯だけを御報告に行ったという意味であります。だから、決して他の三者の方々がいい顔をされておるとは私たちは考えておりません。やはりこちらといたしましては、四月十四日を守り切れなかった責任は重々痛感いたしておわびを申し上げておるわけでございます。さような報告でございました。
○瀬崎委員 与党が党内においていろいろ部会等をつくって検討されることにわれわれが異議をはさんだり、とやかく言う気持ちは毛頭ありません。しかし、この四者協定を鈴木善幸氏が代表となって結ばれたということは、これはまさしく政府・与党、両方代表して結ばれたようなものなんです。そして、青森側から出した条件ではなく、むしろ鈴木善幸特使の方から出された条件に従って四者協定ができて、二年半以内母港撤去というふうな問題もその中に入っておる。二年半もあったのだから、当然その間にいろいろな事態を想定して必ず期限を守るための論議は尽くされていなければならないはずだ。いまごろになって改めて根本委員会に相談しなければいけないのだなどと言われることは、結局時間かせぎにすぎない、こういう形で強く青森県側は一種の抗議をしていらっしゃいます。私自身も、直接ではありませんが、間接的に菊池むつ市長などの御意見も耳に入っているわけでありますが、ずいぶんときつい調子で政府の無責任を批判していらっしゃるということも聞いているわけであります。だから、そういう点で党内の手続をとられることは、われわれはとやかく言うのじゃないけれども、そのことを理由にして延びますよということについて青森側は承知していない、承諾していない、こういうふうに私は見ざるを得ないと思うのです。 加えて、そこへ燃料棒をどこで抜くかというような問題がやはり一つの問題になっています。青森むつ市で抜くのではないか、そういうふうな話も出てきておる。これがまた輪をかけて青森県民の不安といいますか、怒りを呼び起こすわけですね。明確に「クレーンの鍵を青森県知事に預け、補修、点検等の際にクレーンを用いる必要がある場合には、青森県知事と協議の上、これを行うこととすること。」こういうことになっているのですから、これはどっちにしても青森県の了解がなければどうにもならない問題でもあるわけです。だから、こういう点ではやはり政府が明確にむつ市で核燃料棒を抜くなんというようなことはしないということを明言することも、責任を果たす上で一つ重要な問題じゃないかと私は思うのです。いかがですか。
○宇野国務大臣 答えは二つありまして、長崎県とそして佐世保市の答え、それぞれ違います。だから、抜くか抜かぬかということに対しましても、私はっきり申し上げまして、わが特別委員会はまだ結論を出しておりません。出しておりませんから、私もそのことを国会で申し上げたことはございません。だから、いまここで抜かないということも言いがたい状態である。お互いに、長崎は受け入れよう、佐世保も受け入れよう、ただし条件は違うというわけでありますから、十二分にその辺はわが党といたしましても、地元にも自民党の国会議員がいるわけですから、その方々の御意見も聞きながら、慎重に配慮していくだろうと思いますから、せっかくの仰せでございますが、私はまだそうした意味合いの腹を決めておりませんので、ここで明言は避けさせていただきたいと存じます。
○瀬崎委員 大臣は、この委員会で、四者協定のリミットは過ぎてしまったが、一日でもリミットに近い線で協定を守りたいと答弁していらっしゃるし、一年も二年も先でなければ、一カ月二カ月先でもないともおっしゃっているわけなんです。現在の事態はこの大臣自身の——過去の大臣じゃない、現在の大臣の答弁からもいささか矛盾を来してきているわけであります。それが一つ。 それから二つ目には、そもそも今日の「むつ」問題というのは、「むつ」自身が欠陥原子力船であることや、原子力行政自体が国民から全面的に不信を受けているということにその原因があるわけでありますが、ここまで「むつ」問題をこじれにこじれさせたいわば直接の種まきといいますか、そういう意味で言うならば、かつての科技庁長官森山氏が青森へ乗り込んでいって、そこで県民の意向、漁民の意向を全く無視して、暴言とはっきり言えるでしょうね、そういうものを出す、いわゆる強行出港というふうな手段をとった、こういうこともあるわけです。だから、種を大臣がまいて、その刈り取りに大臣が行かないというのは、そのことだけでも誠意がないと見られると私は思うのです。 この二つの点を指摘して、本当に政府に誠意があるというならば、やはり宇野長官自身がこの際青森に出かけていって誠意を披瀝すべきである、そして四者協定の当事者並びに青森県民、漁民の気持ちも大臣が直接吸収してくる、こうすべきではないかと私は思うのですね。これは私は、私自身も非常に大事なことだと思って、誠意をもって大臣にこれを勧めたいわけであります。ひとつ大臣の答弁を求めて終わりたいと思います。
○宇野国務大臣 いろいろかたじけないアドバイスをちょうだいいたしまして、私といたしましても感謝申し上げます。しかし、最高責任者が現地に出るということにつきましては、いろいろと関係者からの御意見も実は拝聴いたしておるわけであります。たとえ、前任者か元か知りませんが、いろいろなそうしたことがあったにいたしましても、今日ただいまはもう私に全責任があるわけで、自由民主党内閣が続く限り、われわれは内閣の継続性に基づいてその全責任を私は持っております。したがいまして、四者協定そのものにも私は最高責任を持っておるのだということで、速やかに、これも四月十四日というものに近い線でやりたい、これはしばしば申し述べたところでございます。しかし、思わざりき条件がついたりいたしましたから、そうした不時のことも起こりましたので、事志と違っておることは事実でございますから、そうしたことに対しても、私みずからが行っていろいろ御説明申し上げたいこともあったわけですが、いろいろな方々の御意見も承りませんと、私だけの行動でままならぬ面もございます。瀬崎さんのアドバイスは、私はそうした意味合いにおきましては、私自身も同様な気持ちで、一日も速やかに両県に行っていろいろなお話をしたいと思いますが、そうした機が熟さないと申しましょうか、あるいはまだまだいろいろな問題があると申しましょうか、そうしたことでございますので、したがいまして、いまなお私は、四月十四日に近い線でこのことを極力早く解決したいという気持ちには何ら変わりはございませんので、その点はひとつ十二分に御了解賜りたいと存じます。
○瀬崎委員 私は、大臣がどういうふうな手段をとられるかまでは立ち入りません。いまもうそのことには触れてないのであります。しかし、県民の反対を押し切って強行出港を当時やったという、その直接の下手人という言葉はちょっと言い過ぎだけれども、事実上これが当時の科技庁長官であったことは事実なんです。そういうところから言って、どうも宇野長官の言葉の中身を私が察するに、みやげもないのに行けないということじゃないかと思うんですが、そのこと自身がまた問題なんである。この際、本当にわびる気持ちがあるならば、少なくとも居座ってしまった青森県に対してだけは、率直な気持ちで大臣が行かれるべき時期ではないか。まだその時期じゃないと言われますけれども、私は、いまがむしろその時期ではないかと思うんです。この際、再度大臣の率直なお考え直しを求めて終わりたいと思います。
○宇野国務大臣 瀬崎さんの御要望どおりにはまいらないこともございます。十二分にあなたの気持ちは体していくつもりでございます。また、内閣の継続性とは申せ、過去に内閣がいたしましたことがすべてがすべて、私は完璧であったとは決して申しておりません。十二分にそうした点も反省をいたしまして、両県の県民感情なりあるいは漁民の方々のいろんな不安なりそうしたことも踏まえて、私自身は今日まで行動してきたつもりでございますので、友人の一人としてのアドバイスとして私は承っておきます。
○山田委員長 次に、石野久男君。
○石野委員 もう会期もあと二日ほどですから、委員会はしばらく正規になかなか開かれないと思うんです。幾つかの問題が残されていくし、この際、一応政府の意見も聞いておきたいと思いますので、大臣にお尋ねいたします。 いま問題になっておりました原子力船「むつ」の問題でございますが、これは何といいましても四者協定が実施されてないという事実があります。私は、原子力問題というのは、今日いろいろなことで難航しておる最大のものが信頼感の問題、政府と国民との間の信頼感、あるいは施設者と住民との間の信頼感、こういうものが保たれていないことに基づいていると思うんです。その最たるものが原子力船「むつ」の問題である。 いろいろ今国会を通じて宇野長官の御意見も聞いておるのでございますけれども、一つだけ長官にその真意を聞いておきたいと思いますことは、青森がどうだとか佐世保がどうだとかということではない。四者協定を実施するために、いわゆる自民党内閣が続いている間は長官として責任があるんだということをおっしゃられる、その腹ですね。四者協定を実施するということのためには、これは青森がどうあろうと長崎がどうあろうと佐世保がどうあろうと、とにかく長官としては、いつまでにこの約束事を実行するんだ、このことがなければいけないと思うんです。 なぜこういうわからず屋みたいなことを聞くかと言えば、私どもはやはりこの問題が非常にむずかしい問題だと思うから、立法府としてもそれらのものに何かの道を開いた方がいいじゃないかと思う考え方を持って、いろいろ話をしておった。しかし、それはもう一つの壁にぶつかってできないわけですから、そうなれば政府なり与党というのは一定の考え方を持っているんだろうと思うから、余り弁解は聞かないでもいいんですよ。政府はどういうふうにしようとしておるのか、四者協定の実施、そしていつまでやろうとしておるのか。これは最高責任者がどうこう言うたらどうというんじゃなくて、約束事をああいう形でやったということに対する、青森県民じゃなくて全国民に対して政府がどういう態度をとっているかということを聞いておく必要がある。そういう意味で、政府はいつまでにこの四者協定を実施するという腹であるか、もう簡単でいいですからひとつそれだけ、一問だけ聞いておきたいと思う。
○宇野国務大臣 いつまでということになりますと、はなはだむずかしい問題でございます。私といたしましては、極力早い機会にこの四者協定を実行したい。四月十四日をおくれたが、しかし、極力早い機会に実行したい、それだけでございます。
○石野委員 わかりました。それでは青森の方々も、あるいは佐世保の方々も揣摩憶測をたくましゅうして、問題はこじれるだけであるということだけを申し上げておきたいと思う。とてもそれは問題を円満に解決する方向には行かないだろう。政府には、全く誠意がないんだというふうに言わざるを得ないと私は思うんです。非常に残念ですね。これは問題は、とても円満に解決する方向には進まないんじゃないかと思う。もう少し、やはり誠意を持った態度を示さなくちゃいけないだろう、こう思います。 次に、私はお聞きしますが、昨日新潟県柏崎の地質の問題、いわゆる東電の柏崎原発の敷地の問題で、同僚の米田議員がいろいろと質問いたしました。質問も非常に微に入り細にわたって、しかも当時私どもが現地を視察したことを写真でも示すような形でやりました。その間、真殿坂断層のあちらこちらにおけるいろいろなわれわれ危惧すべき事実を、私たちはいわゆる試掘坑の中でも至るところでそれを見てきているわけですよ。そのことに対して、とにかく通産省にしても政府も、活断層であるかどうかということについての認定はなかなかできないということが一つと、それからそういうことがあっても、それは別段心配がないというような態度の御答弁でございました。どの程度御心配なさっているか知りませんけれども、われわれが心配しているようには心配してないというような印象を受けました。 私は、原子力の安全性という問題について、原子力エネルギーをわれわれが取り出していくために安全性が大事だということを強調しておるし、大臣もそのことに同調しておられる。安全性の問題は、一つにはやはり炉本体の機能の問題にも一つありますし、あるいはまた、地震国である日本にとっては、地盤の問題は非常に重要だと思っておるんです。柏崎原発の敷地内におけるわれわれの危惧すべき活断層と目されるもの、そういうものに対する通産当局の物の考え方というのは、非常に安易なようでございます。私は、学説的にはどういうふうになっているかわかりませんが、現実にここ数年の間に、その敷地の中の地盤上にいろいろな変化が出てきておる。そういう危険に対する検討、こういうものをとるという態度が安全性を重視するやはり重要な姿勢であろうと思うのです。日本の国には地盤沈下の全然ないところもたくさんあるわけでございますから、三年間、五年間の間に三十センチも沈下してしまう、家を建てて二年もたたないうちにブロックを三つも四つも重ねなければ柱が浮いてしまうという事実がすぐ敷地の一キロも離れないところにある、こういう状態に対して、なおちっとも危険を感じない、あるいは安全性のための再検討をしなくともいいというような考え方がもし通産省の中にあるとするならば、私は通産省の態度を非常に疑るのです。なぜそういうような態度をとるのか。われわれの心配している問題について、それならばやはり私たちはもう少し検討を加えてみようという態度をなぜ示さないのか、これがどうしても解せない。これはひとつ武田さん、その点はっきり心境を聞かせてもらいたい。
○武田政府委員 柏崎の問題でございますけれども、当通産省といたしましては、時期は忘れましたが、十年ほど前であったかと思いますけれども、通産省が毎年行っております全国各地の立地調査の一環といたしまして非常に簡単な調査をいたしたことがございます。ただそれから事態が進展いたしまして、現在は東京電力がいろいろ調べ、あるいはよそに頼んで調べたのがあったかと思いますけれども、現在の段階では原子炉設置許可の申請が出て、その安全審査を原子力委員会の安全審査会でやっていらっしゃる段階でございまして、私どもといたしましては、その審査結果が出て、それでさらに細目につきまして通産省の方に、これは工事計画以降の細かい話でございますが、引き継がれました段階で私どもの責任でいろいろ判断をしなければいけないことになるわけでございますけれども、きょう現在の段階では、私どもといたしましては安全審査会の検討の結果が出るのをお待ちしている、こういう段階でございます。 ただし地盤の問題は、先ほど先生も御指摘になりましたように、原子炉本体の問題と同様に、あるいは地震との関連もございますが、きわめて重要な問題でございますので、私どもといたしましては安全審査会におかれて慎重に検討されることを期待し、またその結果に従いまして私どもも行動したい、こう思っている次第でございます。
○石野委員 原子力委員会の安全審査の問題にかかわるということです。それは当然のことです。長官は、きのうの質問を聞いておられまして、原子力委員会の安全審査部会に対してどういうような御指示をなさるおつもりでございますか。
○宇野国務大臣 ただいま審査中でございますから、ああした資料も十二分に資料として検討しなければならないと思います。慎重に検討せよと申し上げたいと思っています。
○石野委員 その際、本件につきましては、いろいろ先ほど武田審議官からも話がありましたように、東電さんもずいぶん調べておるわけです。あるいは科学技術庁も通産も何らかの調査をなさっていると思います。そして、それに対する学術的な判定、技術的ないろいろな配慮、考慮というものはあるだろうと思うのです。しかし、私どもの承知している範囲内においては、政府並びに東電側のこの問題に対する考え方と著しく対立するような違った考え方を持っている学者がいるわけですよ。学者とかいろんな技術者がいるわけです。私は、この種の問題について安全審査の中で論議をするに当たって、こういう人々の意見も安全審査委員会は当然聞くべきではないだろうか、もしこういうような人々の意見を聞かないままに安全審査を進めていくと、やはりまた安全審査の結果に対してもこの人たちの意見は疑問として出てきます。そして、私たちもそういうような疑問を持っておれば、その安全審査にかかわるものに対しての疑問として提起せざるを得なくなるのですね。だから私は、原子力委員長としての宇野長官は、やはりこういうような問題があれば安全審査部会の中で、こういう非常に違った意見を持ったりあるいは非常に危険だというような意見を持ったりしている学者諸君の意見を聞くというような態度を安全審査部会がやるべきじゃないかと思いますが、そういうようなことに対して、委員長は部会に対して何らかの指示なり何かするというお考えはないですか、どうですか。
○伊原政府委員 ただいま先生御指摘の、安全専門審査会の審査に対しましていろいろな御意見をどう取り入れるかという問題でございますが、地盤の問題はこれは個別サイドの問題でもございまして、たとえば柏崎につきましては県なり市当局からも特にその問題は重要であるから慎重に審査をしてほしいというような御依頼もございます。そういうようなことも含めまして、私どもといたしましては東京電力の調査のみに頼って判断をするのではなくて、さらに安全専門審査会としての独自の調査などもいたしておりまして、あらゆる情報を集めて公正な判断をしていただくことを期待しておるわけでございます。 ただ、この審査というものは非常に専門家の判断というものが最後に、まあ専門家の判断ということであらゆる資料が総合的に取り扱われるわけでございますので、その間におきましては端的に申しましてありとあらゆる意見をすべて取り入れろということは実行上不可能であるかと思われますので、そういう違った御意見につきましては別途専門家によりまするシンポジウムというふうなものも私どもぜひ開きたいと思って従来から企画もしております。そういうふうな場におきまして十分そういう御意見もまたお聞きするということにすればよろしいのではないかと考えております。
○石野委員 私は、少なくともこの地質の問題については、私も二度坑内に入っておりますし、その都度やはりいろいろな問題を、私は専門屋じゃありませんけれども、具体的に見せられておって、ちょうど米田君から出ましたように、水の出ているところも見てまいりました。そういうようなことをずっと見てまいりまして、そして地上に来れば、この三年間で県道はこんなにへこんでしまっているんですよというところを見せられる。家はこんなに落ち込んでしまいましたよ、こういうことを見てくると、どんなに心配ないよといっても心配せざるを得ないですよ。 これは局長、いまシンポジウムの問題がありましたが、少なくとも本件については、意見を持っている人たちは意見提出をする、あるいはまたシンポジウムを開くという、そういう方途は積極的にとられますね。
○伊原政府委員 私、先ほどシンポジウムと単に申し上げましたが、いろいろな御意見の聴取の場があると思います。専門家同士のいろいろの討論の場、あるいは一般の方々の御意見、そういったものはあらゆる機会を利用いたしまして十分私ども取り入れてまいりたいと思いまして、過去数年来、公聴会も含めましていろいろな場での意見の聴取に努めてまいっておる次第でございますし、今後ともその考え方は変わらないわけでございます。
○石野委員 私は、本件については形をどう整えるということじゃないのです。本当にやはり問題があるのかないのかということを検討すべきだ、こう思うのですよ。ですから、非常に大げさな会合を持って、わっさわっさやらなければならぬこともないと思うのです。しかし、本当に意見のある者のなには聴取するのだ、そういう態度が明確に出てこないとよくないと思うのです。公聴会なんかでも、形だけ整えて実際には何もやらない、聞き流しだというような公聴会では何にもならない。だから少なくともこの問題は、柏崎にしましても九州の川内にしましても、みんな断層問題で疑義を持っております。そのためにわれわれはいわゆる東電側が地図の改ざんまでしているということをしばしば言っているのですよ。そういう疑義が提起されたら、指導あるいは監督する立場にある皆さん方は、少なくともそういう疑義を取り上げて具体的に解明をすべきだ、こういうように私は思いますので、ぜひこの新潟における問題なりあるいは川内における地層の問題等については、それぞれ意見のある学者諸君の意見を聴取するということを明確に約束してもらいたい。大臣、いかがですか。
○宇野国務大臣 局長からも詳細に答えておりますから、そうした方向におきましていろいろと意見の開陳を願う場所があるだろうと思います。
○石野委員 私は、さきの委員会で、福島のノズルあるいは島根のノズルの問題で、ひび割れのあることをお聞きしました。そのときに浜岡発電所におきましてもいわゆる超音波探査によって影を認めておるという情報をわれわれは得ておるがどうだということをお聞きしましたら、通産はそういう報告はないということでございました。事実、まだ報告も何もございませんですか。
○武田政府委員 給水ノズルにつきましては、昨年秋から冬の間でございましたけれども、アメリカの情報をキャッチいたしまして、日本の発電所につきましても逐次調べてみようということで、福島の第一号が皮切りでございましたが、福島の第一につきまして二月に調べましたところ、ひび割れがあった。それからその次が島根でございます。そしてもう一つ、敦賀がすでに調べが終わっておりまして、あとはBWRのタイプが福島の二号、三号、浜岡とございますが、最初に申し上げました福島二号、三号はすでに定検に入っております。その定検の過程で、まだでございますが、今月末から来月いっぱいあるいは再来月に入るかもしれませんが、そのあたりで福島二号、三号につきましては、ノズルのひび割れがあるかどうかというチェックをいたす予定でございます。浜岡がいま運転中でございますので、この次定検に入りますときに同様な調べをするというふうなことを指令いたしております。 こういうような状況でございますので、現在までのところ、すでに御報告申し上げております三つの炉以外につきましては、私どもとしてはそういう調べを今後するということのみを決めておりまして、会社もそのつもりになっておって、福島につきましては具体的なプランが進んでおるという状態でございまして、目下私ども、給水ノズルなり制御棒の駆動水に使います水を戻すノズルなりにつきまして、いま申し上げました三つの発電所についてどうなっておるかということについては何ら情報を持っていないのが現状でございます。
○石野委員 あなた方の方は、アメリカの軽水炉に対するノズルのひび割れの問題があるから一応調べてみろという指令を各発電所に出したのでしょう。そうでしょう。
○武田政府委員 先ほど申し上げましたように、福島第一号機を皮切りにいたしまして、逐次そういう調べをするという考え方でやっております。具体的な指令といいますのは、それぞれ定検に入り、そういう段取りができそうな段階でやるというようなかっこうになろうかと思いますが、一般論としてはおっしゃるとおりでございます。
○石野委員 福島の一号、島根あるいは敦賀、それぞれやはり問題はあった。そして福島はいま検査中である。浜岡だけはいま作業中、いわゆる操業に入っておる。浜岡はあなた方の指示に全然従わないでずっと発電を続けてきておるのですか。
○武田政府委員 浜岡につきましては、先ほども申し上げたことでございますけれども、この次定検に入るときに給水ノズルなり制御棒駆動水の戻りノズルなりについてチェックをするように、こういうことでございまして、その線で現在動かしておるわけでございます。
○石野委員 浜岡は、そうするとこの前のあなた方の指令とは別途な作業形態に入っておるわけですね。この問題についての探査をするということは全然しなくてもいいというような形でずっと作業を継続運転しているわけですか。
○武田政府委員 浜岡もチェックの対象と考えております。ただし、タイミングは、いま申し上げましたように順次やっていくというのが私どもの考え方でございます。そこで、現在までに終了いたしましたのが福島の一号と敦賀と島根でございまして、これから調べるのが福島の二号、三号及び浜岡でございます。 そういうような状況でございまして、私どもの考え方は、定検——もっとも定検と言っても期間が長うございますので、定検のある時期でございますが、そういう段取りになり次第順次調べていく、こういうことでございます。
○石野委員 私は、浜岡は一応やはりあなた方の指示に従ってそういう探査はしていると思うのです。そして、いわゆる超音波探査をして若干のかげりがあるということが具体的にあったはずだと思います。しかも、そのことは通産でも顧問会議で論議になったはずだと思います。問題があって、顧問会議では一応やはりもう一遍検査しなさいということをやったんだけれども、現場の方の要求もあり、その仕事を続ける、そしてもう一遍やってみた後で調べてみよう、こういうことになっておるのと違いますか。
○武田政府委員 私の理解しております限りでは、浜岡はこの二月一日でございますけれども、出力上昇を開始いたしております。一方、福島の一号で給水ノズルと制御棒駆動水戻しノズル、この両方にひびを発見しましたのは二月二十五日でございまして、そういうタイムシリーズになっておりますので、いま私どもといたしましては、この次の定検の機会に浜岡についても調べる。ですから、浜岡が一番最後になるわけでございます。 そういうことでございまして、私どもとして浜岡のそういう調査結果等々につきまして部内的にいろいろ議論したということは、私の承知している限りございません。順次の中で一番最後になるというのは、私は、たまたま一番最後になるというふうに理解しているわけでございます。
○石野委員 あなたの方で、アメリカのいわゆる軽水炉に対する問題があったので、ひとつそういうものを軽水炉全般について調べでごらんなさいという指示を与えた、それで、その指示に従って浜岡だってやはり一応の調査をしているはずですね。そうすると、浜岡はその問題については全然調査はしてなかったのですか。あなたのお話だと、浜岡はもうこの次の定検のときだということで一切それに手をつけなかったということになりますか。そうですね、そうすると。
○武田政府委員 私どもが関与をいたしますそのひび割れの調査といいますか、これからのものにつきましてのひび割れの可能性の調査ということにつきましては、私どもとしては浜岡についてはまだでございます。この次定検に入る時期が恐らくこの秋か冬だと思いますけれども、その定検の中でスケジュールを立てさせまして、福島の一号なり敦賀と同様に調べさせようというのが私どものプランでございます。
○石野委員 なぜ浜岡だけを別な、一番最後にするようなプランにしたのですか。
○武田政府委員 これはいわば偶然のようなものでございまして、発電所の運転あるいは定検のタイミングというのは、それぞれの発電所ごとにプランを立てて進行しているわけでございます。その定検の中に組み込むものでございますので、たまたま福島が真っ先である、それで、六つございますけれども、浜岡がたまたま最後になったというふうに御理解いただければと思います。
○石野委員 通産省がそういうような答弁をなさるのであれば、これ以上私は突っ込んだ質問はできませんけれども、私どもの調査では、やはり少なくとも一度超音波探査をしている。そうして、そのかげりはあるということが一応出ているはずです。出ておって、それは通産の顧問会議にまでかかっている。顧問会議からそのことについて、一応もう少し徹底調査をしなさいという話があったが、しかし、現場はこの次にというようなことで発電の方へ入っていった、こういうように聞き及んでいる。だけれども、通産がそういうことを言うのであるならばもう一遍よく調べてもらいたいし、私どもも、いわゆるノズルひび割れの問題等についても、あなた方の命令によって各発電所が同時並行的に行ったときの作業状況あるいはそのときの事情というようなものを、もう少し事実に即したものを知りたいと思いますから、その当時の浜岡におけるところの作業状態はどうであったかということをひとつはっきりしてもらいたいと思うのです。いま武田審議官は、この次の定検だ、こう言うのですから、これ以上のことをいろいろ聞いても仕方ありませんけれども、私は、われわれの承知しておるように、もし超音波探査によるところのかげりがあるというようなことがあれば当然一度綿密調査をすべきだと思うのです。 ことに浜岡は、御承知のように駿河湾地震の警告を発せられておるところですよ。そういうところでもしそういうような問題が地震とかみ合いの中で事故につながるようなことがあったら大変だと私たちは思っておる。これは幾ら警戒しても警戒し過ぎることはないと思う。調査をしないために事故がそこから出てくることを恐れますから、一応それははっきりとさせてもらいたいと思う。
○武田政府委員 浜岡につきましては、顧問会では議論をしていないということでございます。 それから先生御指摘の超音波探査というのは、そういうやり方も一つ考えられるようでございまして、実は福島の第一なり島根なりでは、そういうやり方をするとどうなるだろうかというようなことで外から超音波探査の調べを試しにやったようでございます。それでその決め手になるというふうには私ども役所としては思っておりませんけれども、その結果は指示があるようなないような余りはっきりしていない。ただこれは現物をあけましたので、すでに御報告したようなことがわかったわけでございます。 それからいま聞きますと、浜岡について中部電力自身が外から超音波探査というような調べをやったようでございまして、特別に何もどうということはなかったということでございますが、これは私どもが指令してやらせたものではございませんで、私どもの指令は、あけて給水ノズルの部分なりそれから制御棒駆動水の戻りノズルの部分を調べろという指令でございまして、その指令につきましては、先ほど申し上げましたように福島の一号をトップにして逐次やっていく、こういうようなことでございまして、浜岡はたまたま最後になっておる、こういうことでございます。
○石野委員 あなた方の指示であるかどうかわからないけれども、浜岡は超音波探査をしておることはもうはっきりしていますね。そこで出た結果がどうであるかということについてあなた方は全然報告を受けていない、こういうことですね。
○武田政府委員 いま担当に聞きましたところ、浜岡でも自社で超音波をやったということを聞いておるようでございます。それで聞いておる中身はこうだとわかるような指示高というようなものはなかったというようなことでございます。 私どものプランは先ほど申し上げましたとおりで、あけて調べるということを今後においてやらせるのが私どものプランでございます。
○石野委員 浜岡の超音波探査はあなた方の指示に基づいたものでない、自発的にやった。しかし、自発的にやったその経緯というのは、いわゆる軽水炉におけるところのひび割れの問題で全般的にそういう指示が出ているから自社で独自にそういうものをやってみた。しかし、その結果はどうだったかということは通産にはまだ何も報告がない。報告するような問題がなかったということなんでしょうけれども、しかし、私どもの聞き及んでいる限りでは、そこではかげりがある、影を認めておるというふうに聞いているのですよ。もしそれが事実だとすると、あなた方の指示があろうとなかろうと、少なくとも給水ノズルあるいは戻りノズルのところにそういう超音波探査によるかげりというものを認めたら、これは事重大であるということで自発的に報告する義務があると私は思うのですよ。そういうようなことをやらないでおるということが私どもにとって非常に危険だということを言っているわけなんで、ひとつ事実をよく確かめてもらいたい。あなた方の方に報告も何もないというのですから、それだったら私の方は後でそれに対比するようなものを出します。よく調べてもらいたいのですよ。
○武田政府委員 先ほど申し上げましたように、自社でそういう調べをした、その調べの結果はっきりしたものは出ていない、こういうことでございます。ただ先生の御指摘もございますので、私もその点聞いておりませんので、確認するようにいたします。それでその結果については御報告したいと思います。 なお、超音波、先ほどの福島なり島根でもこれは給水ノズルについてやりましたり、あるいは制御棒の戻りノズルについてやりましたりしたものでございますが、何分非常に肉厚の厚い外側からやるものでございますから、それが決め手になるようなものではございませんで、そういうやり方もできないかなという程度のものである、現状については私どもそう思っているわけでございますが、仮にそういう方法でうまくわかるようになれば、つまり炉の中で傷があるかどうかという、わりに放射線レベルの高いところで人間が調べるというかわりに遠隔的な調べ方ができるものでございますから、そういうようなことの勉強というのは価値があるというようなことでございまして、そういう考え方もございまして、福島なり島根なりは実際に目で見たわけでございますが、同時に、外側からそういう武器を使って調べる、新鋭の兵器——兵器という言葉はよくこざいませんが、新鋭の機器を使って調べてみる、仮にそういうことで外部からの診断ができるようになれば非常に結構だというようなことで調べたようでございますが、その結果で判断するというようなことにはどうもなっていなかったようでございます。
○石野委員 超音波探査が新しい機器として非常に便利になるであろうかどうかということは、これはまた別としまして、私のいま聞いておきたいのは、浜岡における結果としてかげりが出たという事実はあったかなかったかということはもう一遍しっかりしてもらいたいのですよ。それは後で、どっちみちいま聞いても、あなたは報告を受けていないんだから。ただ、もしこういう事実があるとすると、やはり美浜と同じような結果になることを私は憂えますので、こういうことが事実なのであれば、私はこれはもうすぐにでも炉を停止して点検をすべきだと思っているのですよ。ひとつ一遍しっかり調べてほしい。
○武田政府委員 先ほどのようなスケジュールを持っておりますけれども、浜岡につきまして超音波探査を会社自身がやったようでございますので、それについては私もさらに聞いてみたいと思っております。それで、その結果につきましては何らかのかっこうで御報告をさせていただきたいと思います。現在承知しておりますのは、問題になるようなものはなかったという報告だけでございます。
○石野委員 それは私は、早急に当時の結果をひとつ報告してもらいたいと思うのです。これはもうすでに過ぎたことですし、報告をとればすぐわかるはずですから、余り時間はかからぬと思う。 それから、いま一つノズルに関係して、福島でもあるいは島根でもそうですか、削り取ってそのままもう仕上げをして使うんだということについて、安全審査部会もそれでよろしいということにしたというお話がこの前吹田委員からありました。しかし、この点については依然としてこの問題についての疑義、不安というものを私たちは持っております。ことにステンレスにひびが入ったことについての原因が何であるかということの探究がないままに削り取ってそれでもうピリオドを打つ、こういうことについてはどうしても原子力委員会なり安全審査部会の態度に私は疑義を持たざるを得ないのです。ことに、この問題について、ただ熱応力だけの問題、熱の差ということだけなのか、材質上の問題があるのかどうなのかという問題をもっと厳しく追及すべきじゃないかという疑問を持っておりますが、そういう問題については原子力委員会はどういうふうにお考えになっておられますか。
○松田説明員 原子力委員会の方では顧問会の検討結果を聞いたわけでございますが、この原因につきましては、たとえば中国電力などにおきましては日立製作所におきましてさまざまな実験をやっておりまして、そういうデータに基づいて原因を推定したものでございまして、何もしていないで判断しているということではございません。そういういろいろなデータに基づいて顧問会でも原因としては熱疲労によるものであろうと推定されましたし、それを審査会の方でも議論いたしまして、この考えでいいだろうというふうに認めたものでございます。
○石野委員 いや、そう認めたものだけれども、その際に材質上の問題としてやはり別途検討を加える必要はないのかどうかという問題、ただ熱の差だけで出てきた問題だというふうに考えて、もうそれですべて解決だと見ていいのか。そうでなく、この問題はもう少し材質的な問題としてステンレスの材質上の問題等を検討する必要はあるのじゃないかという意見があるわけですよ。そういう問題についてはどういうふうに対処されるかということです。これは熱応力の問題ではなくて、むしろ材質欠陥の結果そういうことが出ているのじゃないかという疑問に対してはどういうようなお答えがありますかということです。
○武田政府委員 私どもの顧問の先生方の意見も伺った上の判断は、前回申し上げましたけれども、高温の原子炉水と低温の給水あるいは戻り水の混合の際に生じます温度変動により生ずるものであって、それで進展は原子炉の起動、停止等に伴う応力変動による、こういうことでございまして、顧問の先生方にいろいろ検討していただいたことも含めまして、私どもとしてはこういうことで判断し、それから一方原子力委員会の方にも御報告し、その点原子力委員会の方の御判断も先ほどの松田規制課長からのお話のとおり、こういうことでございまして、本件に関してそういうことで原因を判断し、かつ、その傷の部分を削り取りましてきれいに仕上げるということで十分である。もちろん耐用年数は長いことでございますから、今後定検のときに、ある期間にはチェックをするということがまた必要になってくる可能性は十分あるかとも思いますけれども、現在の判断並びに処置で間違いないと思っている次第でございます。
○石野委員 そうしますと、材質上の問題はないのだ、ただ温度差によるところの熱応力の結果だということにして解決済みにするわけですが、ステンレススチールを表面にずっとしているものとそれから削り取ってステンレススチールとカーボンとが同じ場所でそういう形が出ているというようなことは、耐用年数の上ではやはり相当な影響が出てくる可能性を持っているということで対処した、こういうふうに理解していいわけですね。
○武田政府委員 先ほど耐用年数が長いのでということを申し上げましたが、原子力発電所は税法上でいけば十五年は動いてくれなければ困りますし、物理的に言えば二十年、三十年動くことを期待しているわけでございます。それでそういう十年、二十年、三十年という期間の間にはステンレスであろうとカーボンスチールであろうと、いろいろな意味のひずみなり応力なりがかかる場所につきましては何らかの現象が起こり得る、起こる可能性があるということを前提にして先ほどああいうことを申し上げたわけでございまして、今回削り取ってこういう措置をするということによって、これから十五年使えるのが十年しか使えなくなるというようなことに考えているわけではないわけでございます。と申しますのは、原子炉の中、本体の中あるいは本体の中に出入りするようなたとえば給水ノズルその他そういったものにつきましては、大部分ステンレスで覆っており、ステンレスの方がカーボンスチールよりもいい、こういう判断でそうなっているわけでございますが、何分その全体の面積を勘定いたしますと、十の四乗か五乗分の一ぐらいのスペースが今回削り取って内張りしておりますステンレスの部分がカーボンスチールに変わったということでございまして、そういうオーダーのものの変化であれば耐用年数に影響するというような大げさなことではございませんで、ただ、もともとひびがないにこしたことがない、それがあったのは非常に残念であるけれども、こういう措置をすればまた原子炉全体の機能としてはもとどおりに戻る、こういうことでございます。
○石野委員 十の四乗分の一ぐらいのわずかなものだから大したことはないんだ、こういうような物の考え方に私は非常に疑義を持つのです。そんなのなら、ひびが少しぐらい、十センチや十五センチぐらいのひびが出たぐらいでちっとも心配する必要はないじゃないか、こういうことになるのだよ。それで、しかも安全審査のときにはカーボンスチールじゃなくて全部をステンレススチールで覆ったわけです。それは設計基準の上からいって、その必要性があるからそういうことをしたはずです。それを途中で削り取ってもそれでいいんだということになると、安全審査の基準になっている設計基準なるものの信憑性というものをわれしわれは疑うのだ、実際問題として。何でそんなことをするのだ。そんなことをやる必要はないじゃないかということが一つある。それからもう一つは、全体がステンレススチールでずっと覆われているところを、一部分だけ削ればそれはカーボンが全面的に出ている場合よりも一部分だけに集約的にいろいろな現象が起きてくるということも考えなければいけない。 いろいろな問題があると思うのです。ことにノズルはどこでとめているか知りませんけれども、やはり管をどこかでとめているわけです。そうすると、とめればそこにまたたまり水もできるわけです。そのたまり水から来るところのいろいろな変化もまた来る。いろいろと物理的にも化学的にも問題が多いはずだと私は思う。それを十の四乗分の一ぐらいで大したことはありませんからというような、そういう安易な考え方でやられているところに私は一つ疑義を持つし、同時に、安全審査そのものがなぜそれじゃそんなステンレススチールを張るようなことを要請したのだ。削ったら削りっ放しで結構ですよ。そういうふうに簡単なものだろうかということにまた疑問を持つのです。どういうわけなんですか、これは。
○武田政府委員 ステンレスで全部内張りということになっておりますけれども、もともとカーボンスチールが露出している部分もございます。それで確かにカーボンスチールの方が水の中に異分子を溶かしやすいというようなことがあるようでございますし、また境界ではいろいろ問題が起こり得る、こういうことでございますけれども、現にもともとそういう境界が形成されておる部分につきまして特にどうというような現象が顕著に起こっているわけではございません。そういうようなことを前提にいたしまして、原子炉の水の汚れ方その他につきまして、さっきたまたま十の四乗とか五乗分の一とかいうことを申し上げたわけでございます。 それからもう一点、十センチ、十五センチぐらいまでひびが入っても何でもないじゃないかという考え方につながらないかというお話でございましたが、その点につきましては、ノズルの厚さが、ちょっと正確な数字を忘れましたが十五センチとか十六センチの厚さでございまして、いま現在のひびは二十ミリどまり程度でございます。これが時間は大分かかるわけでございますが、放置いたしまして、三年、五年、十年そのままほったらかしにいたしますと、もっとひびが深くなりまして、そうなりますと強度上の問題に発展いたします。そこで、ひびの深さが十ミリとか二十ミリぐらいのうちにしかるべき処置をする、削り取ってきれいに仕上げをするということは、それ以上ひびが発展しないようにするということでございまして、それ自体非常に重要なことだと思っておりまして、したがってそういう措置をしたわけでございます。 それから第三に、ステンレスで内張りをするのにこういうところを削り取ってカーボンが出て、もとの安全審査の考え方と違うではないか、安全審査の考え方を疑いたくもなるというようなお話がございましたが、これは安全審査の問題でございますので科技庁の方からお答えいただくのが適切かと思います。
○石野委員 弁解はいろいろあるだろうと思うけれども、われわれはそういう疑問を持っているということだけここで時間もありませんから申し上げておきますが、私どもは安全審査というものはだれが聞いても見てもなるほどな、こう思うようになってもらいたいし、それからときどき風の吹き回しでいろいろとさま変わりをするような模様になっちゃってもこれは困ると思うのだ。やはり基準は基準として不変のものとして貫かれないと、安全に対する信頼感を私どもは置くことができない、こう思います。少なくともこのノズルの後処理の問題については、依然として疑問が残っておるということで、これは私はこの質問はこれでおいておきますが、とにかくいずれにしましてもノズル問題についてもう少しやはり私どもにわかるような対処の仕方をこれからこれは安全部会でやってもらいたい、こういうように思います。この問題、他日また質問をしたいと思います。 最近、あちらこちらでエネルギー問題について提言があります。関西経済連合会が提言を行っておりますし、それからまた、科技庁に関係のあることでは科学技術会議の方で提言があります。このそれぞれの提言をまだ細かくは見ていませんけれども、新聞報道等によりますと、エネルギー問題、それから科学技術の長期政策、そういうものに対しての提言のようでございます。特にエネルギーの問題で、関西経済連合会が提言しておることの中で、ずいぶんあるようでございますけれども、私は長官にひとつ考え方を聞いておきたいと思いますことがございますのは、エネルギーの徹底的な節約という問題が提起されておりまして、それと同時に、産業構造のいわゆる変革の問題に触れた高度加工産業の育成というものが提起されておりますね。こういう問題と、それから原子力の問題なんです。この省エネルギーの問題についての長官の考え方と、それから産業構造のあり方の問題等について関西経済連合会が出しておるものに対してどういうようなお考えを持っておられるか、私はまずそれを先に聞いておきたい。
○宇野国務大臣 エネルギーの開発も必要でございますが、やはり資源小国の日本といたしましては、それと同等の重みで省エネルギーということに取り組まなければならぬことは論を待ちません。もうとっくに、昭和四十九年でございましたか、あの石油パニックのときには本当に大変なことでありました。その直後は非常にそうしたムードが高まったのでありますが、最近は依然として、何かのど元過ぎた熱さのような感じがなきにしもあらずでございます。したがいまして、私もそのメンバーの一人である科学技術会議も、さような意味合いで昨日本会議を開いたわけで、私もその点に関しましては次のような提言をいたしておきました。 すなわち、省エネルギーというとすぐに国民の側に節約ということがしばしば言われる。もちろん国民の方々も協力していただくことは必要であろうけれども、それと、それ以上に必要なことは、やはり産業問題からそうしたことを提唱すべきで、たとえば過度のモデルチェンジ等々、今後やはり考えていかなければならない問題がたくさんあるのじゃないだろうかというふうな提言をいたしました。さような意味では、関西経済連合会が同じ思いで提言をなさったことに対しましては私は高く評価いたします。また、政府といたしましても、官房長官が中心になりましてこの問題に関しまして取り組んでおる最中でございます。
○石野委員 経済界の出すエネルギー対策というのは、常に原子力は代替エネルギーだということでぱっと出てくるわけですから、もうこんなこと私が幾ら聞いたってむだなんだけれども、長官に一つお尋ねしたいことは、エネルギー問題で原子力、長官自身もそれは代替エネルギーだということを言っておるのですが、私たちが見る限りにおいては、やはり原子力については、エネルギーも出るけれどもその産業自体にずいぶんエネルギーも使う。それで損得どちらになるのかなかなかわからない。それだけでなく、そこから人間の健康上の問題だとか生活の問題にもいろいろ影響のある悪害のある事態も出てくるのが事実でございますので、ただエネルギーのバランスの問題だけでなく、そういう人間の生活にかかわる弊害を伴うというようなことがあったりして、私は原子力にまだまだ疑義を持っておるわけです。 この際、サンシャイン計画のような、こういうものに対する予算的な対応を積極的にやるということがまた一つの方法として、ことに日本のエネルギーの確保という立場からしましても、エネルギー外交じゃなくて、自立エネルギー、自主エネルギーというような側面の開発部門に入ってくる、こういう側面が多うございますから、そういうものに対するエネルギー政策への着眼、そういうものをどの程度お持ちになっていらっしゃるか、これをひとつ長官に聞いておきたい。
○宇野国務大臣 いま仰せの点は、いわゆる代替エネルギーとして核のみならず非核エネルギーとしてサンシャイン計画が今日ありますが、それの今後の政府の取っ組み方ということだろうと存じます。 私といたしましても、当然これはもう資源小国でもあり、ありとあらゆる機械とありとあらゆる技術を動員いたしまして、それこそ空から、海から、山から、あらゆるところから、エネルギーあらばこれを掘り出す、開発する、そして国民のために使うということは、私は言うまでもないことだろうと存じます。ただ、われわれとして申し上げたいことは、一口に代替エネルギーと申し上げましても、その開発の状態が現在どういう状態にあるかということもやはり国民の方々に正確な情報として知っていただきたいと思います。しかし、さような意味合いで、あと十年かかる問題もありましょうし、二十年かかる問題もあるかもしれませんが、政府といたしましては努力をしていく次第でございます。 昨日も科学技術会議は、さような意味で、国民所得の二・五%、これぐらいのものは、官民一つとなっての話でございますが、研究費として使われなければ、将来に備えることはできないぞという進言もしたわけでありまして、さような意味では、明年度予算編成に関しましても、私たちは決してその側面的ないわゆる非核エネルギー問題を忘却しておらないということを申し上げておきたいと存じます。
○石野委員 私は、いまその核でないエネルギーの開発は非常に重要だと思うのです。いままで持っておった地下資源なりというもののほかに、まだこれから開発する、日本の国土の上に存在するもの、そういうようなものを開発するための予算支出を、もし原子力を開発するような気持ちで予算の取り組みをすれば、相当な成果があるのだろうと私は思うのですよ。来年度予算あたりには、少なくともそういうところに積極的な予算措置をされるべきであろうと思いますが、いま国民所得の二・五%というお話がありました。その二・五%という話し合いは、閣議ではどの程度まで話が進んだのですか。
○宇野国務大臣 まだ閣議の問題ではなく、きのうは、科学技術会議の議長は総理大臣みずからお務めでございますから、総理もそのことは十分受けとめられたと存じます。去年の予算の実績等々から申し上げますと、二%をちょっと上回るという程度でございまして、まだ二・五%には至っておりません。絶対額では、アメリカ十兆、ソ連九兆、日本二兆六千億、大体西ドイツと同じようなところ、英、仏はさらに低い、これが現在の研究費でございますが、われわれといたしましても、その点は、やはり将来これは無形の資産として、有形の資産として残っていく問題でございますから、決してその投資は無意味な投資ではない、こういうふうなことで進めていきたいと存じます。 ただ、プロジェクトを一つ一つ考えまして、では研究費を倍出したからその研究が能率が上がって半分の期間に開発が完了したということがあり得るかどうか、そうした点をもやはり考えておかなくちゃならぬと思いますが、いずれにいたしましても、核のみか非核エネルギーに対しましても、政府は情熱を持ってかかるべきだ、かように存じております。
○石野委員 非核エネルギーの問題を論ずるときに、長官はいま焦点をどこへ合わそうとしておられますか。
○宇野国務大臣 率直に申し上げまして、私がいまじっといろいろな方々の報告を承っておりますと、まずサンシャインでございますが、なるほどこの場合にはそれが大仕掛けなエネルギーとして産業にそのまま使い得て、今日の電力のような、いわゆる火力であれ水力であれ、そうした意味で持ち得るかということになりますと、まだ非常に未熟な点がむしろ多いのじゃないか。だから、これもやはり二十一世紀の問題だろうと思います。 その次には石炭、これはわが国にあるわけでありますが、アメリカそのほかの国々が露天掘りで、地上で安全であるにもかかわらず、わが国におきましては七百メーター、八百メーターの深層部に達しておりまして、人命尊重という点からまいりますと、そうむやみやたらに、いまあちらにもこちらにも残っておるから掘りまくれというわけにはまいらない状態でございます。したがいまして、現在は年間二千万トン弱掘っておるでございましょうが、これとてもあと五十年しかないということを考えますと、では、その液化、ガス化はどうなるかという問題もございます。ガス化ということになりますと、わが国の鉱山そのものには当てはまらない。これはやはり外国の鉱山におけるガス化が研究開発されて、運賃が非常に安く、また、運送方法も非常にイージーであるというのでそれが期待される。わが国もそうした意味合いにおいて開発をしよう。また、液化も同様でございましょうが、これもやはり一九九〇年代の物語であり、九五年以降だろうかというふうに言われております。これは世界同様に言っておるわけでありまして、どこかの開発よりも、むしろ日本が開発して私たちは技術を持ちたいというふうに思っておる次第であります。 地熱がございますが、これはこの間もお答えいたしまして、現在トータルで五万キロワットくらい発電いたしておりますが、いずれもこれは各電力会社に売電いたしまして、電力会社が使っておるわけでありますが、これは温泉地帯等、そうした鉱脈を持っているところが一つの条件であろうと存じます。ところが、国会の中におきましても、地熱派と反地熱派がありまして、いろいろ議論があるということは、先生御承知だろうと思うのです。そこで、そうした問題は、開発いかんによりまして、地域的なエネルギーとしてその地域の分がカバーできるような問題もあるだろう。 消波なんか、特に冬波のきついところ、あるいは土用波のきついところなんかを見てまいりましたが、これも一九九〇年代には何とかなるかなとわれわれは考えておりますが、やはり日本全土ということではなくして、地理的な問題も含まれております。 したがいまして、過般のエネルギー関係閣僚会議におきましても、水力を初め、石炭火力、地熱、そうした問題は今後地方においても、あるいは自家用としてでもエネルギーとして十二分に利用してもらうように、それに対する税制あるいは金融措置等も講ずる必要があろうということを私みずからも主張いたしまして、そうした多角的な面から開発をしていくことが必要ではなかろうかというふうに存じておる次第でございまして、一九七七年にできるとか、あるいはまた一九八五年までにいま申し上げたようなものが完全に実現をして、わが国の大半のエネルギーを——大半とは申しません。重要な部分を支えるだけのエネルギーだというわけにはまだまだ道は遠いのじゃないか、こう思います。 しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、なせば成るという言葉がございますし、現に本当にそれにかかっておる技師たちは情熱を持ってかかってくれます。消波の例を先般私は見ましたが、本当にがんばっておりますね。これはノルマンジー作戦の後、日本の海軍が開発したんだとその技師が言っておりましたが、そういう意味で、平和に利用することにかけましても、一人一人の技師が情熱をかけて、そのグループががんばっておるという姿を、私は激励してまいりました。 さような意味合いにおきましても、政府は情熱を失すべきではなく、むしろ従来よりももっと前向きの姿勢で、非核エネルギーに対しましても、予算の面において研究開発費をさらに増大せしめるべきである、私はこういうふうな気持ちを抱いておる次第であります。
○石野委員 いろいろ御高説は承りましたが、それは具体的に予算面でどこもここもまんべんなくということはなかなかできないだろうと思うのですよ、やはり焦点を合わせて集中的に。しかし、日本の場合は、私は、小規模開発が数多く行われて、それを総計するエネルギー体制というものを一つ考える余地がある、こう思いますので、そういう点をひとつ積極的に進めてもらわなければいけないと思います。 大臣は、国会が終わるとアメリカへ行かれる、そこで再処理工場の問題の作業を進めるためにいろいろ交渉なさるようでございますが、いまの見通しで、東海の再処理工場の運転の可能性の問題とかなんとかいうことについて、どういうお考えを持っておられるか、それをひとつ聞かせてもらいたい。
○宇野国務大臣 午前中も同様の御質問がございましたが、私はどなたにも次のようにお答えいたしております。今回の再処理ホットランの問題に関しましては、いままで日本は、平和利用の面、また核拡散防止という面におきまして、本当に徹底した政策のもとにやってまいりました。しかも二十年間、その姿勢の是非はともかくといたしまして、アメリカの指導に負うところが大きく、さらには三年前には、プルトニウムを抽出するという方法によらずんば濃縮ウランを提供せずと言わんばかりの指導もあったというふうに聞いております。いずれにいたしましても、ホットランに入ると、それを極力アメリカとの間において合意を得て同時決定をしたい、私はそういう決意で臨んでおるような次第であります。また、それを徹底して、われわれとしては陳情ではなくして相手方を説得してまいります。そういうふうに考えております。
○石野委員 決意はわかりますけれども、カーター政策の中でプルトニウムに対する考え方が、日本の燃料サイクル確立という立場で特殊な扱いをしてもらえる——あえてもらえるという言葉を使いますが、してもらえるという自信がありますか。
○宇野国務大臣 これは一つにはグローバルな問題でもあり、一つには日米両国間の問題でもございます。したがいまして、グローバルの問題としてとらまえましたときには、アメリカの新政策に対しまして、ほとんどの国々がやはり批判的であります。アメリカのような資源の豊かなお金持ちの国ならばよかろうけれども、資源のない国は、扶養家族が多いんだから、いまから顕微鏡をのぞいて勉強しましょうというわけにはいかないんだというのが、ドイツ並びに日本の考え方でございます。そうしたものが過般のザルツブルクの会議あるいはロンドン会議においてもいみじくも明らかになって、アメリカもそのことは十分知っておるだろうというふうに思いますから、われわれといたしましてはその線でがんばりたいと存じます。
○石野委員 まあ、それは大臣のなんですけれども、私はなかなかむずかしかろうと思っております。 最後に、先般私は、原子力発電炉のいわゆるトータルバランスシートというものを出してもらいたいということをお願いしました。そして、科学技術庁も経済企画庁も通産省も、それぞれやりますという御返事をいただいたのですが、もう国会も終わりますし、早急にこれをひとつ出してもらいたいと思います。大臣、もう一遍この点をはっきりさせてもらいたい。これが出ないと、いろいろまた新しい問題が出てくるには、これがはっきりしないために、勝手気ままなことを政府が言うから、どうしてもこれを早く出してもらいたい。いかがですか。
○宇野国務大臣 詳細は局長からお答えすると存じますが、私といたしましては、そうした意味のバランスシートをつくるということは将来にとりましても大切なことであって、それをお互いが十二分に評価してやっていきたい、かように存じますから、早急にそうしたものの調査をするように、また作成するように命じてございます。
○山野政府委員 ただいま科学技術庁といたしましても、あるシンクタンクに委託しまして調査を進めておるところでございまして、この成果の出ました段階でまた……(石野委員「一年もかかるのか」と呼ぶ)いえ、そんなにかかりません。あと一、二ヵ月でできるという運びでございます。
○山田委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十九分散会