科学技術振興対策特別委員会 第16号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/05/25
会議録
○山田委員長 これより会議を開きます。 原子力基本法等の一部を改正する法律案及び日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。貝沼次郎君。
○貝沼委員 原子力基本法等の一部を改正する法律案、これについて質問をいたします。 この五月十一日の提案理由の説明をもう一度私は読んでみまして、この文章の中に、「今後とも原子力開発利用を円滑に推進していくためには、原子力に対する国民の信頼を確保し、国民の理解と協力を得るために、さらに万全の努力を払うことが必要であります。」こうあるわけであります。 そこで、これは非常に条件になりますので、この考え方の具体的な問題について一、二伺っておきたいと思いますが、この国民的な理解と協力を得るために一体何が必要かということであります。 その前に、「資源の乏しいわが国において、将来にわたってエネルギーの安定的確保を図っていくためには、原子力発電を中心とする原子力の開発利用を強力に推進していくことが不可欠であります。」こういうふうに原子力発電の位置づけがなされておるわけでございます。この「原子力発電を中心とする」というところでございますが、これは具体的に、軽水炉による発電を意味するものなのか、それとも増殖炉の開発を意味するものなのか、この辺の意味するところについて、大臣のお考えを承りたいと思います。
○宇野国務大臣 現在といたしましては、御承知のとおり、軽水炉の体制がしかれておりますが、ウランそのものの有限性を考えますと、さらにその有効性を高めるためには、どういたしましても高速増殖炉といういわゆる夢の原子炉の実用化を図ることが肝要かと存じます。もちろん、これとても一九九五年実用化というのが私たちの目標でございますから、したがいまして、それまでにおきましては、新型転換炉を用いるなり、さらには軽水炉によって発電をするなり、そうしたことは無視できません。さようなことも含めましてのことをそこに述べたものでございます。
○貝沼委員 それで、この原子力発電以外にエネルギーの問題といたしまして、たとえば西独の場合はエネルギー計画というものが発表されました。核エネルギーの開発に重点を置きながらも、非核エネルギー開発にかなり比重をかけたものが発表されておるわけであります。中期エネルギー開発投資計画というふうになりまして、七七年から八〇年を目指してこれは閣議決定していると報道されておるわけであります。 その中身を見てみますと、投資面で見ても、一九七三年には、核エネルギー四五であったのに対し、非核エネルギーは一の割合であったわけであります。ところが、今回のこの投資計画によりますと、核エネルギー二・七に対して非核エネルギーが一というように、非常にウエートが変わってきておるわけでございます。この背景には、核エネルギーの利用が非常にむずかしくなってきたということが当然あると思いますけれども、わが国の場合は、こういう比率は現在どうなっておるのか、さらにそれをそのまま進めようとされるのか。前から大臣は、エネルギー計画は考え直さなければならないということを何回かおっしゃっておりますが、その考え方はいままとまったのかどうか、この点について伺っておきたいと思います。
○宇野国務大臣 ごく最近のそうした指数というものは、御承知のとおり、五十年の十二月に決めました原子力発電四千九百万キロワット、一九八五年というものでございます。それをもとにいたします限りにおいては、その当時、二億キロワットの発電であろうから約二五%だという指数になるわけでございますが、それが実行性、整合性に非常に欠くるところありというので、私も就任以来、閣僚会議におきましてそのことを主張いたしまして、現在閣僚会議を中心といたしまして需給計画の見直しをやろうというのでございます。 したがいまして、その結論は、実行性、整合性の伴うものということにいたしておりまして、一九八五年、さらにはその五年後の一九九〇年、そうした見通しで作業をただいま進めております。恐らくこの夏にはあるいは中間的なものが発表し得るかもしれませんが、しかし、拙速をたっとばずに、国民に御協力を願うという観点に立ちました場合には、本当にこれを実現しないことには大変なんだというきちっとしたものを私も出したい、かように思っておりますので、最終的な結論は明年になる公算の方が多いのではないかと存じますが、そうした観点で鋭意作業を進めているところであります。
○貝沼委員 西独なんかの場合は非常に早くこういう決定がなされるのでありますが、わが国の場合は、この科学技術振興対策特別委員会が開かれるたびに実はエネルギー計画の問題が質問されております。ほとんどと言っていいくらい質問されておりますが、どうして日本の場合はこんなに時間がかかるのでしょうか。私が真っ先に質問したときも実はこれを質問したわけであります。いまは五月も終わりでありますから、あれからもうずいぶん時間がかかっておるわけですが、わが国がどうしてこれだけの時間をかけなければならないのか、その理由はどういうふうにお考えですか。
○宇野国務大臣 もちろん今日まで計画どおり進んでいるとするのならば、昭和四十七年に原子力委員会が決めました一九八五年における六千万キロワットの発電でございますが、これも非常に遠いところの話になってしまいましたので、先般御報告いたしましたとおりに、原子力委員会といたしましても、その見直しをする意味の小委員会も設置したわけでございます。やはり現実が伴わないということが一番大きなことではないかと存じます。そのためには、総論は賛成であっても、各論におきましてはいろいろ問題がありましょうから、地域住民の方々の御意見も拝聴するように、今回といたしましては、法案におきましてそうした面の改正もいろいろとなされておるわけでございまするが、そうしたことで、結論は、やはり原発の推進に当たって立地難であったということが一番大きな原因じゃなかろうか。だから、しばしば計画というものがそごを来して、整合性、実行性を欠くに至ったというふうに存ずる次第でございます。これであっては、本当にもう日が暮れてしまって、エネルギー不足で、成長率が落ち込んで失業者がはんらんするというふうな事態を招きかねませんので、そうしたことがあってはならぬということを、国民生活安定の面からもひとつ国民の方々に御理解をいただきながらやっていきたいということになりますと、勢い相当慎重を要するのじゃないだろうか、私はこういうふうに考える次第でございます。 二年前決めたものを二年たって早くも改定しなくちゃならぬこと自体が、それほど整合性に欠けておったかというふうなことも言い得るわけでございますので、そうしたことも反省しながら、しかし、それだけで事は終わるわけじゃございません。要は、国民経済に重大な影響を与える問題でございますので、極力早くその結論を出さねばならぬであろうが、しかし、拙速をたっとんでまた変なことになっちゃ大変だというので、その辺、先ほどお答えしたとおりに慎重を期さなければならない、かように存じておる次第であります。 特に、では石油にかわる代替エネルギーはほかにどうだという問題に関しましては、この間もここで参考人の方が、聞きようによりましては、あしたからでも地熱あるいは太陽熱によってわが国のエネルギー問題が解決できるんだと言わんばかりの話をなさいましたが、ああいうふうに国民にいろいろな情報が伝わるたびに、国民の方々も、それだったら原子力なんというものはやめてしまって、うちの近くは波がずいぶん高いんだから、消波でひとつ発電したらどうだ、あるいはまた太陽がかんかん照るところだから太陽でやればいいじゃないかというふうになりますから、その辺も近く整理をいたしたいと私は存じます。そして、われわれとして、いろいろな角度でエネルギーは開発しなくちゃならぬことは論をまちません。核融合もしたいし、消波もやりたいし、太陽熱も地熱も、さらには石炭の液化、ガス化、いろいろなことをやって、極力国民生活に資するべく考えてまいりますが、しかし、それはあすのわれわれの産業経済を支えるに足りるだけのエネルギーかどうかということに関しましても、きちっとしたことを国民に申し上げて、そうした情報のもとに国民みずからが選択をしていただくというふうな体制をとるのが一番正しいのじゃないか、私はこういうふうに思いますので、今日までは現実の発電問題を中心として長期のエネルギー需給計画を立てたわけでありますが、いまおっしゃったとおりに、それ以上の問題をも国民の方々に正確な情報として、核融合は二十一世紀を迎えてまだ三十年たたぬと無理ですよ、あるいはそのほかの方法に関しましても二十一世紀近い周辺でないと実用化できないし、たとえ実用化しましてもそれはなかなか石油とかあるいはまた原子力に足りるほどの大きなエネルギーとして産業経済を支えるわけにはいかぬのだとか、そういうことも早急にやらねばならぬ。いままでどうやらその理想論、また科学技術の上の研究過程というものと実用化とが混同されて伝えられておる面等々も、やはり計画立案におきましてそごを来した大きな一つの原因ではなかろうか、こういうふうにも私は考えますので、その点を十分配慮いたしましてやっていきたいと存じます。
○貝沼委員 大臣のおっしゃることはわかるのでありますが、そういったことをもとにして早く結論を出さないと、大臣が幾ら一生懸命答弁をしても全然出てこないじゃないかという議論が出てくるわけでありますから、これは早くやはり、初めから完璧なものを出さなくても、大体こういった方向のもので、ここまでは一次的に大体まとまっておるが、ここはまだ検討の余地ありとか、そういう段階的なもので出す方法もあるのではないか、こう思うわけであります。 そこで、ただいまの非核エネルギーの問題についてるる御説明がございましたけれども、少なくともこれからわが国の考えておるそういうエネルギー計画は、この非核エネルギーのウエートが従来よりも高くなると考えてよろしいですか。その辺はいかがでしょう。
○宇野国務大臣 実用化ということを考えますと、これはきょうあすの問題ではなくして、少なくとも一九九〇年以降という一つの設定をいたしまして、それで開発を進めていくという今日行政を進めておるわけでございますので、したがいまして、さような意味ではやはりそうした非核エネルギーの実用化というもののポジションも高めることは必要であろう、こういうふうに考えております。
○貝沼委員 そういう比率を高めることは必要であるということは、一九九〇年以降の実用化ということを前提に置いて、それならばそれ以前の研究段階においてはこれに対する投資の比率というものはかなりいままでよりは多くなると考えてよろしいですか。
○宇野国務大臣 私も最近あちらこちら視察もし、そしてこの目で確かめておりますが、いまの非核エネルギー問題は、これは御承知のサンシャイン計画で通産省が主としてやっていただいている問題でございます。しかし、科技庁といたしましても広い意味で参画をいたしておるわけでございますから、各プロジェクトを十二分に考えて、そしてその中には非常にスピードアップできているような面が確かめられるということならば、それに対してはやはりそれだけの対応措置を講じなければならないであろう。あるいはまた、非常に有望なのがまだ研究費の上等々においてはおくれておるということが確認されれば、それに対しましても補強をしなければならぬ、こうした姿勢で臨みたいと考えております。
○貝沼委員 現在私は、核エネルギーの方には思い切り力は入っておるような気がしますけれども、たとえば太陽エネルギーであるとかそういう非核エネルギーの問題はまあまあ先のことであるというような感じがしますので、やはりそうではなしに、これはいまから相当力を入れなければ間に合わないのではないかというところからこの質問をしておるわけでございます。 そこで、もう一点は、先ほど読みましたように、「今後とも原子力開発利用を円滑に推進していくためには、原子力に対する国民の信頼を確保し、国民の理解と協力を得る」というふうにあるわけでありますが、この国民的な理解と協力、これを得るためには、この原子力発電というものが経済的にも成り立つものである、有望なものである、こういう試算がなければならないと私は思うわけであります。もちろん安全性の問題はまた後で触れますけれども、安全性その他の問題と同時に経済性がなければならないという観点からお尋ねしたいわけでありますが、現在の原子力発電、アップストリームからダウンストリームまでずっと計算をして、たとえば廃棄物の処理あるいは使用済み燃料をどうするかというところまで入れてこの発電単価というものは計算をされたことがあるのかどうか、この点をまず伺っておきたい。
○山野政府委員 結論から申し上げますと、私どもの調査結果によりますれば、これは五十一年度の電力各社の施設計画の資料によるものでございますけれども、原子力発電の発電原価と石油火力発電の発電原価とを比べますと、その間にかなりな相違がございます。具体的な数字を申し上げますと、原子力発電の発電単価がキロワットアワー当たり十円である、石油火力発電が約十一円強というふうな結果が出ておりまして、この中に、ただいま先生が御指摘になりました燃料サイクル関係のいわゆる燃料費というものを見てみますと、原子力発電は大体二割強、それから石油火力発電におきましては七割強程度のものが燃料としてこの中に構成比として入っております。
○貝沼委員 これはたとえば使用済み燃料の処理、それから再処理をする場合もありましょう。それから今度は廃棄する場合もありますね。これは低レベルのものです。こういったような経費その他も全部含めて計算をされておりますか。
○山野政府委員 燃料サイクルの費用は全部入れております。細かい数字はいま手元に持っておりませんけれども、先ほど申し上げました原子力発電の発電原価の燃料サイクル比二割強、二割ないし三割と申し上げましたが、その中に占める各サイクル別の割合を申し上げてみますと、ウランの精鉱費が約二〇%、濃縮費が約二〇%、成形加工費が約三〇%、再処理等は約三〇%といったふうな構成になっております。
○貝沼委員 現在、たとえば再処理問題そのものも非常にむずかしいし、それから低レベルのものをどこへ持っていくかということもなかなか政治問題になっておるわけでありますけれども、こういうようなものはそれならば、すべてどうすべきであるかということは決まったという判断の上に立って計算をされておるわけですか。
○山野政府委員 再処理につきましては、かねて原子力委員会におきましても長期的な見通しとして基本方針を決めておるわけでございますが、それによりますれば、当面動燃の再処理工場を運転いたしまして、その運転によって得られました技術をもとにしまして、一九九〇年前後を目指していわゆる第二再処理工場、実用規模の工場をつくるというふうな方向で考えておるわけでございます。それ以降は需要に見合いまして第三、第四と再処理工場は増加してくるわけでございますが、それにつなぎます間、国内でできない再処理需要につきましては、これを一部はすでに契約いたしております英仏への委託、また、若干のものにつきましては今後英仏への新しい委託契約といったふうなもので処理しようと考えておるわけでございまして、そういった前提でこの燃料サイクルは考えられておるわけでございます。
○貝沼委員 それでは、私はその詳しい資料を要求したいと思いますが、ただいま局長の答弁の範囲のところは大体私もわかっておるのですけれども、もっと詳しく転換費、濃縮費の内訳をどういうふうにして計算するか、あるいは再転換費、それから成形加工費、再処理費、輸送費とか、その他減価償却やらあるいはそのときの労働賃金であるとか、いろいろなものを加えて、それ全体にわたって果たして単価というものが計算されておるかどうかというのは、私は非常に疑問に思うのですね。したがって、いま局長が発表になりましたそういう詳しい数字、それのよりどころとなる計算、こういうものを示していただけますか。
○山野政府委員 私が申し上げました資料のバックデータとしましては、電力各社の数字等も入っておるものでございますし、もともと通産省に提出されました施設計画というものがベースになっておるわけでございますので、通産省ともよく相談いたしまして御期待に沿える範囲内で御協力したいと思います。
○貝沼委員 それは今国会中に出していただけますか。
○山野政府委員 ただいま申し上げましたように、関係省庁ともよく協議いたしまして御返事を申し上げます。
○貝沼委員 ついでにと言っては何でありますが、原子力発電とそれから火力発電のときのエネルギー収支、これは計算されておりますか。
○山野政府委員 エネルギー収支問題、つまり原子力発電所を建設するに要するエネルギーと、この建設された発電所から出てくるアウトプットのエネルギーとの収支バランスといったふうなものにつきましては、ただいま私どもの方で、あるシンクタンクに委託いたしまして研究を進めておるところでございまして、近々のうちにその結論が得られると思っております。
○貝沼委員 近々というのは大体どれくらいを考えていますか。たとえばあと半年とか一カ月とか一年とか、その辺はどのようにお考えでしょうか。
○山野政府委員 私の記憶では二、三カ月のうちというふうに記憶いたしております。
○貝沼委員 二、三カ月後にその結論が出た場合に、その資料は当委員会に提出されますか。
○山野政府委員 多分提出できると考えております。
○貝沼委員 ぜひ提出をしていただきたいと思います。 さらにもう一点は、この法案ができてくるもとになったと思われる「むつ」の事件でありますが、この「むつ」の問題にはずいぶんいろいろな議論があり、そして何年間も政府もこれを抱えてまいりました。そのために維持管理、その他ずいぶん費用がかかっておると私は思います。もちろんその船をどうするために金を使ったなんてそういうことは言っておりませんけれども、ずいぶんお金がかかっただろうと想像されます。したがって、普通の会社ならば、こういう製品ができ上がって、そして実用はされない、欠陥であるというような場合に、その責任者というのは必ず責任を問われるわけでありますが、この「むつ」の問題では、だれが責任者であるのか、責任所在というものが実ははっきりわかりません。これは一体どこに責任所在があるのでしょうか、大臣に伺いたいと思います。
○山野政府委員 原子力船「むつ」が放射線漏れを起こしました後、この反省、原因究明等を含めまして、いわゆる大山委員会で検討していただいたわけでございますが、この大山委員会でも指摘されておりますとおり、一義的にはその研究開発に当たりました日本原子力船開発事業団というものにも当然開発責任者としての責任がございますし、また、この事業団を指導、監督いたしておりました科学技術庁並びに運輸省にも、そういう指導、監督の立場にある者としまして責任があるというふうに考えておるわけでございまして、これは大山委員会に種々今後改善すべき点というのが指摘されておるわけでございますが、これをできるだけ忠実に具現するという方向で私どもは深く反省をいたしておる次第でございます。
○貝沼委員 事業団と科技庁と運輸省が責任あるということでございますけれども、主に責任があるのはどこですか、三等分ですか。どうもこれがはっきりしないのです。それで事業団も科技庁も運輸省も、責任がある責任がある、反省いたしますと言うけれども、一体何を責任とったのか、ただそう答弁したにすぎないのではないか、こういうふうに思われますが、具体的にどういう責任をとったのか、主にどこに責任があるのか、この点をはっきりしてもらいたい。
○山野政府委員 この責任の量というものを事業団と科学技術庁、運輸省おのおのに三等分とか何等分といったふうに量的に仕分けるということは、これはできないことだと存じますが、おのおのが異質の責任であるかと存じます。 まず、事業団についてでございますが、これは五十年の春であったかと存じますが、それまで事業団の首脳を勤めておられました理事長を含め主要理事の交代をお願いしまして新しい指導体綱というものをつくったわけでございます。 また、政府機関におきましては、この大山委員会の御指摘にもかんがみまして、早速今後の原子力行政のあり方というものを原子力行政懇談会に諮問し、その成果が今回お願いしております法案にもなっておるわけでございますが、そういったふうなことをいたしますとともに、この原子力船「むつ」を含めました今後の原子力船開発のあり方といったふうなものを根本から原子力委員会で洗い直しまして、その洗い直された結果の指針に基づきまして、たとえば新しく原子力船開発を進めるに当たりましては、従来の科学技術庁、運輸省といったふうな行政単位での指導に加えまして、別途両省庁の大臣が委嘱しました委員で構成されますいわゆる安藤委員会といったふうなものを設けまして、再び過去の轍を踏まないようにという配慮で種々改善を加えておるところでございまして、そういう前向きの姿勢で過去の責任をとっておるといったふうなことになろうかと存じます。
○貝沼委員 まあ私たちから見れば、それは前向きで過去の責任をとって、これからよくするのだ、私が悪かったからやめただけでは、これは責任をとったことにならないという論理のようですけれども、それだけでは責任をとったような感じはやはり見えませんね、外からは。それで、だれを首にしろとかそんなことを私は言っておるわけではありませんが、少なくとも責任の所在というものが、みんなで責任があるのだというようなことだけでなしに、その主たる責任はここにあったんだということをはっきりさせなければ、役所でやっておることは何か失敗があると連帯責任になってしまって、そして結局はわからなくなってしまうという、うやむやとしたものが国民には植えつけられるわけであります。今度この法案に盛り込まれておるような内容でも、たとえば一貫化の問題にいたしましても、そういうものをなくするためという考え方はわかるけれども、同時に、一つのもので、たとえばこういう原子力船みたいなものを考えてみると、あるときは科技庁であり、あるときは運輸省でありというふうに渡り歩くものも考えられるわけですね。こういうような場合に、果たしてはっきりした責任体制というものが考えられるのかどうかという疑問が出てくるわけであります。 そういうようなところから、私はこの「むつ」問題で反省をし、そして、この法案が出てきた以上、少なくともこの「むつ」の責任については、主たる責任はここにあったという反省がもう一歩突っ込んであったのではないか、こう思って実は質問したわけであります。従来どおりの答弁で全く残念だと思いますが、こういう考え方について長官はどのようなお考えをお持ちですか。
○宇野国務大臣 経緯に関しましては、いま詳細にわたりまして局長から説明いたしたとおりでございます。そうしたものを含めて、今後やはり行政責任というものも明らかにしなくちゃならぬ。そのためにはやはり一貫化が必要だというのは仰せのとおりでございまして、われわれといたしましても、そうした趣旨から今後一番むずかしい原子力の安全性、これに関しての明確化を図ったのが今回御審議願っておりまする法案でございます。
○貝沼委員 そこで、いよいよ法案に移りたいと思いますが、この法案と行政懇の報告書とのかかわり合いといいますか、全面的にその意見書の意見というものを取り入れたのか、あるいは取り入れないところもあったのか、その辺の関係について説明を願いたいと思います。
○伊原政府委員 原子力行政懇談会の御意見を実質的にはおおむねほとんど取り入れたというふうに、一言で申せば言えるかと思います。ただし、行政部局サイドはその行政懇の御意見をうのみであるかということの御質問の御趣旨でございますとすれば、そういうことではございませんで、私どもといたしましては、この行政懇の御意見を踏まえまして、私どもの立場からも十分検討いたしましてこの法案を御提出申し上げた次第でございます。
○貝沼委員 変わっておる点というのはどういう点でございますか。
○伊原政府委員 基本線は変わったところはないというふうに御答弁できると思います。
○貝沼委員 それでは具体的にお尋ねいたします。 従来の原子力委員会と新しい原子力委員会とで変わっておるところはありますか。変わっていなければ変わっていないという答弁をしてください。
○伊原政府委員 従来の原子力委員会で持っておりました機能を二つに分けるというのが基本的な考え方でございまして、新しくできまする原子力委員会、それと原子力安全委員会、したがいまして、端的に申しますとこの二つの委員会を足して一本にいたしますと、従来の原子力委員会と基本的には変わらない、こう御理解いただきたいと存じます。
○貝沼委員 二つを一本にすれば従来の原子力委員会とは変わらない、こういうことですね。したがって、従来の原子力委員会と新しい原子力委員会というものは非常に性格は変わってくる。原子力委員会はむしろ開発方面を担当するようになるわけですか。
○伊原政府委員 御指摘のとおりでございまして、推進と規制の分離という考え方がその基本にはございます。
○貝沼委員 それから原子力安全委員会の方でお尋ねいたしますが、これを行政委員会としないで諮問委員会とした理由はどこにありますか。
○伊原政府委員 行政委員会とすべきか、あるいは現在の原子力委員会と同じような性格の諮問委員会でいいのかということにつきましては、行政懇談会において非常に詰めた議論が何回も行われたと承知いたしております。その結果、わが国の現状におきましては、行政委員会であるよりも、従来の原子力委員会と同様の性格を持った諮問委員会、しかしながら普通の諮問委員会とは実質的に違いまする非常に実質的な権限を持った委員会ということにするのが適当ではないか、こういう御意見をいただいたわけでございます。行政庁といたしましても、この御意見を十分踏まえまして、さらに検討を加えました結果、この考え方が妥当である、こういう判断をいたしましてこの法案を提出させていただいております。
○貝沼委員 いろいろな意見がありまして、私も意見を調べてみますと、やはり諮問委員会というものは現在たくさんある、その中のせいぜい一つにしか勘定されないではないか。それに比べて、これからの日本の原子力行政、これはいつも当委員会で問題になっておりますように、安全性というものが一番重大な問題になっております。その安全性が果たして確立されておるものかどうかということを判断する大切な役目にある安全委員会でありますから、この安全委員会の信用といいますか、権限といいますか、こういった問題について国民は非常に関心を持っております。こういうところから考えてみましても、単なる諮問委員会とするよりは、むしろ行政委員会とすべきであるというような意見が非常にたくさん出ております。私の考え方から申し上げましても、やはり行政委員会にした方がいいのではないか、こう考えておるわけであります。 この安全委員会を諮問委員会として、そして国民の信用というものを本当に獲得することができるとお考えなのかどうか、この点についてもう一度伺っておきたいと思います。
○伊原政府委員 確かに御指摘のとおり行政委員会とすべきではないかという御意見もあったと承知いたしております。行政委員会とするということにつきまして、たとえばどういう問題があるかということについての議論もあったわけでございまして、原子炉と申しますのは、たとえば原子力発電所におきましてはその施設の一部でございます。原子力船におきましてはその構成部分の一部でございます。その部分についてのすべての責任を行政委員会という形でとりまして安全規制をするということは、その面のみをとった場合には一つの考え方であるかと思いますけれども、発電の他の施設あるいは船、そういったものとの有機的、一体的な連係ということにつきまして安全規制上問題なしとしない、こういう批判もあるわけでございます。 したがいまして、そのようないろいろの問題を調整と申しますか、よい点を十分取り入れて、マイナスの点をできるだけ減らした、いわば日本の現状に最も適した体制は何かという考え方が議論されました結果、行政委員会ではないけれども、原子力安全委員会は、たとえば内閣総理大臣の意見の尊重義務あるいは各行政省庁の責任者に対する勧告権、そういった通常の諮問機関よりも強い機能を有している委員会とする、さらにはこの委員の任命につきましても衆参両院の同意をいただくというふうに、非常に強力かつ中立、客観性を持った諮問委員会とすることに考えをまとめた次第でございます。
○貝沼委員 それだけでは実は恐らく納得しないだろうと思うのです。 そこで、原子力委員会と原子力安全委員会との実質的な対等性の問題でありますが、これが非常に問題になっております。果たしてそういう対等性が保たれるかどうかということですね。原子力委員会の長は大臣でございますが、安全委員会の方は学識経験者、こういうような長の決定という問題につきましても非常に問題があるのではないか。片一方は国の権力を持った非常に強い人であるし、片一方は民間人でございます。この点についての心配があるのですが、これを説得するような理論はありますか。
○伊原政府委員 新しくできまする原子力委員会とそれから原子力安全委員会、これは相互に独立してその所掌事務を自主的に遂行する委員会でございまして、その相互間の関係はどちらが上でどちらが下であるということではございません。 そこで、しからばなぜその委員長が一方は国務大臣であり、一方は学識経験者を充てる案になっておるかと申しますと、原子力委員会につきましては原子力開発の推進という所掌事務の性質上、閣議の場でいろいろ御議論をいただく、こういう必要があるわけでございます。したがいまして、そういう観点からいたしまして、原子力委員会の委員長は従来と同様に科学技術庁長官でありまする国務大臣がこれに任ぜられるというのが適当であろう、こう考えております。 それに対しまして原子力安全委員会は、この主要な任務が行政庁が行いまする原子力施設の安全規制につきましての、ダブルチェックと俗称しておりますそういう仕事を行う性格を持っております。したがいまして、行政省庁から一線を画しました中立的な立場というものが非常に要請される、それがまた国民の御信頼を得る一つの大きなポイントでもあろうかと思うわけでございます。したがいまして、学識経験者に委員長をお願いいたしまして、専門的知識の立場から長期にわたって御在職をいただくということが適当であろう、こう考えられるわけでございます。
○貝沼委員 片一方は大臣である。大臣が推進をする側に立った。たとえば原子力発電なら原子力発電というものに対して徹底的に推進しなければならない。ところが、その問題について安全委員会の方は、それは安全性から見て少し問題があるという意見を出したとします、当然そういうことがあり得るようにこれはつくってあるわけですから。その場合に、意見の調整といいますか、これが調整をされるのか、安全性に対する意見をそのまま受け入れて、安全委員会の方が安全だと判断をするまではやらないということなのか、この辺のところはどうなるのでしょうか。 たとえば、第二十一条の「原子力委員会及び原子力安全委員会は、その所掌事務の遂行について、原子力利用が円滑に行われるように相互に緊密な連絡をとるものとする。」この「ものとする。」というのは非常に問題があるんだけれども、そういうふうになっております。これを表面だけ見れば非常に円滑にいくようにお互いに連携をとりますというふうに読めるわけでありますが、意地悪く読むと、政府の言い分を認めてくれるところまでお互いに話し合いをして圧力をかけるというような意味にもとれないこともありません。したがって、私はもしそうなったら大変だと思っていま質問しておるわけでありますが、そういう意見が違った場合に一体具体的にどういうような話し合いをなさるのか、この点についてお考えをお願いします。
○伊原政府委員 先生の御質問は、新しくできまする原子力委員会と原子力安全委員会との間に意見の相違があり得るという前提の御質問かと存じまするが、端的に申しまして、行政省庁の長が両委員会にどういうことを諮問するかということを御説明申し上げますれば、その関係が御理解いただけると思うわけであります。 たとえば、原子力施設の設置の許可を主務大臣がいたします場合に、両委員会に諮問をする事項がそれぞれ違うわけでございます。したがいまして、両委員会から出てくる意見が同一の事項について食い違うということはあり得ないわけでございます。それから両委員会の意見を主務大臣が尊重するという義務がございますので、そういう観点からいたしましても、この委員会の意見が行政庁によって実施されないということはあり得ないと考えております。 なお、この二十一条を設けました趣旨は、両委員会の審議につきまして具体的な連絡を密にしておくのが仕事を円滑に進める上で非常に必要であるということがあるわけでございまして、たとえば原子力委員会が政策の決定をする、原子力安全委員会が安全規制についての政策に責任を持つというふうな場合、あるいはその他の場合におきましても、連絡を密にいたしておりません場合に、たとえば両者の守備範囲に穴があくというふうなことがあっては非常に困るわけでございます。したがいまして、そういう観点からいたしまして連絡を密にするという条項を設けさせていただいたわけでございます。
○貝沼委員 それなら具体的に、たとえば原子力発電、現在つくられております軽水炉みたいなもの、こういうものを考えた場合に、原子力委員会はどの部分を担当し、原子力安全委員会というのはどういう部分を担当することになりますか。
○伊原政府委員 原子力施設の設置の許可をいたします場合には、主務大臣がその許可の基準につきまして両委員会に意見を聞くことになっております。 具体的に申し上げますと、原子力委員会に聞きます基準は、まず平和利用、それから二番目が原子力利用の計画的遂行、三番目が原子炉の設置の経理的基礎、これだけにつきまして諮問をするわけでございます。それから原子力安全委員会に主務大臣が諮問をいたしまする内容は、原子炉の設置、運転に関しまする技術的能力、それから二番目には災害防止上支障がないか、その二つの点について諮問をするわけでございます。
○貝沼委員 したがって、安全委員会の方は非常に技術的に高度な問題が多いわけですね。 そこで、安全委員会のスタッフの問題でありますが、安全委員会のスタッフというのはどういうふうにお考えですか。
○伊原政府委員 安全委員会の事務局は科学技術庁の原子力安全局がこれを担当するということになっております。したがいまして、このスタッフの強化、量、質ともに強化が必要なわけでございますが、このほかに関係省庁と共同してこの庶務の仕事をするということになっておりますので、関係省庁のスタッフの強化ということも十分に考える必要があるわけでございます。それからこのスタッフという概念の中にございまする学識経験者、専門家につきましてもやはり量、質ともに充実をしてまいらねばならないと考えております。
○貝沼委員 行政懇の報告書によりますと、スタッフの問題ですが、これは相当数のスタッフを置かなければこれだけの安全委員会の仕事をするのはむずかしいというふうになっておるわけであります。しかも、この安全性というものを調べていく安全委員会の事務局が科学技術庁の中にあり、しかもそのスタッフの養成にはかなり時間がかかると言われております。こういうようなことを考えると、行政懇で志向しておるような安全委員会の実体というものはすぐにはできないのではないかという心配が実はあるわけでありますが、この点は大丈夫なんでしょうか。
○伊原政府委員 このスタッフを充実強化するという問題は、先生御指摘のように非常に重要な問題でございまして、単なる体制問題だけではなくて、新しい体制に何と申しますか、画竜点睛と申しますか、その実体を確保するのはやはりスタッフの強化が一つ大きな問題であると思うわけでございます。 ただ、現在のこの安全規制、これにつきまして、科学技術庁初め関係省庁が過去十数年にわたりまして人材の量、質ともの充実を図ってきたわけでございまして、現時点において必ずしも十分であるとは申し上げられないと思いますけれども、今後ともその充実強化には力を入れてまいりたいと思っておるわけでございまして、全くゼロからスタートするということではないということを御理解いただきたいと思います。
○貝沼委員 非常に率直な御答弁だと思います。私もわきからながめてみまして、スタッフの養成というものはそう簡単にはできない。報道によりますと、科技庁あたりの意見では大体五年ぐらいかかるという何かコメントがあったとかないとかというのでありますが、果たして五年でもできるかどうか私はよくわかりません。 そこで、問題は、やはり国民の信頼のおける安全委員会でなければならないわけですね。ただ、どんな優秀な人材がそろっていても、それが本当に安全委員会のための仕事をしなければ、これは何にもならないわけでありますから、その辺のところが実は一番心配になるわけであります。そういうようなことのないように注意をしていただきたいと存じます。 それから、時間もなくなってまいりましたのでもう一点だけ伺っておきたいと思います。 先ほど局長の答弁ですと、行政懇の答申をほぼ踏まえておるというような内容のものであったと思いますが、そうであるならば原子力発電所新設手続というこの手続の仕組み、たとえば電力会社から計画申請を出して、地元知事が同意をして、それから通産省の第一次公開ヒヤリング、電力会社と住民とか、あるいは通産省の環境報告、これは経企庁、水産庁、環境庁とかとなっておりますね。それから電源開発調整審、それから今度原子力委員会と安全審査の方に分かれていきまして、その後、安全委員会の第二次公開ヒヤリングが行われるとか、安全委員会の再審査が行われ、それから首相または通産相から設置許可がおりる、こういうような新設手続は、この法案を見る範囲ではほとんど見えないわけでありますけれども、これは含んで考えた方がよろしいわけですか。
○伊原政府委員 ただいま先生の御指摘の手続は、そのような具体的な手続になるわけでございますが、その手続の一つ一つは、行政省庁がそれぞれ分担をし、それぞれの法律に基づいて実施が行われるわけでございます。したがいまして、原子炉等規制法で分担いたします範囲は、具体的に原子炉施設、原子力発電所の設置許可申請書が出てきたときからスタートする、こういうことでございます。 なお、先ほど御指摘のございました公開ヒヤリング等につきましては、これはとりあえずは法定をせず、まず原則としてこれを実施することによりましてその定着化を図りまして、その成果を踏まえまして制度化等を検討するのが適当であろう、こういうふうに考えております。
○貝沼委員 実はこの公開ヒヤリングのことで私は非常に問題が大きいという感じを持っております。と申しますのは、公開ヒヤリングすることはいいんですけれども、その公開ヒヤリングがなされるときの質疑応答といいますか内容、こういうものが果たして国民の期待するようなものが行われるかどうか。 たとえば、企業機密という問題がありまして、企業機密は公開されてはならないものでありますが、この発電所とかそういうような安全審査の場合には実は未公開資料というものが必ずあるわけであります。たとえば財産的価値があり、工業所有権のように法律上その保護が保障されてないものとか、あるいは計算コードのようなノーハウが多く、通常高度に専門的な部分で、メーカー等の技術開発または研究の内容及び成果というような問題ですね。海外からの導入技術で、技術導入契約上、秘密保持義務のある技術情報とか、あるいはメーカー等が第三者と共同研究契約を行い、それに基づく共同研究の内容及び成果というような問題がざっと考えられると思うわけであります。 ところが、こういうようなものを考えてみると、実際この発電所のここの部分は大丈夫なんでしょうか、安全委員会の方からこういうものを調べていただきたいと住民の要望があった場合に、それが企業機密という未公開の範囲に入るからというので説明がなされないと、住民は非常に不安を覚えるし、またそれに対して発表することもできない、こういうような何となく不確定性原理みたいなものが実はあるのじゃないか、こう思うのです。 そこで、安全委員会のメンバーはそういう機密資料を見ることができるのかできないのか、企業機密を守る上において安全委員会のメンバーすら見ることができないのか、この辺のところはどうなっているんでしょうか。
○伊原政府委員 資料の公開の問題につきましては、従来とも原子力委員会といたしましてはできる限りこれを公開するという基本的な姿勢、考え方のもとに対処してまいっておりまして、今後ともその努力を続けるわけでございますが、具体的に申しまして、この安全委員会のメンバーが見られるか見られないかということにつきましては、これはすべて見られると申しますか、すべての資料が申請者から出てくるわけでございます。したがいまして、安全性を検討するときに、企業機密ということで専門家がその資料を見られないということはございません。
○貝沼委員 そうすると、安全委員会のメンバーはその企業機密の部分に至るまで見ることができる、しかしながら公開はできない。ただ安全か安全でないかという点にのみ答えることができる、こういうふうに了解していいですか。
○伊原政府委員 一口に申しまして、そういうふうに御理解いただいてよろしいかと思います。すべての資料は安全委員会のメンバーは見て判断をいたしております。ただ、これはきわめて部分的、専門的なものでございますので、そういうものを全部一般の方々に御説明申し上げなければ全体的な判断ができないと申しますか、その安全性についての御説明ができないということではないということでございます。
○貝沼委員 その後ろの方がくっつくとよくわからなくなるのですが、企業機密だから人に知らせてはならないわけでしょう。ならないものを見るわけでしょう。見てその人がしゃべったら機密にならないではありませんか。だからそれはしゃべってはいけないのでしょう。
○伊原政府委員 御指摘のとおりでございます。
○貝沼委員 時間が来たようでありますので、これはまた後日質問をしたいと思いますが、先ほど真っ先に質問いたしましたコストの計算の上でかかわりあいがありますので一言だけ伺っておきたいと思います。 実は本日の報道によりますと、「二十四日、動燃事業団、三菱レイヨンが共同開発に成功した「吸着材による低品位ウラン回収技術」で「従来方法では一ポンド当たり五十ドルと高値だったものが三十ドルで採掘可能だ」」という発表が出ておるのでありますが、これは大体どういったことでしょうか。
○山野政府委員 これは低品位ウランの回収技術につきまして、動燃事業団が三菱レイヨンと共同研究したものでございますけれども、要するにウランの吸着材の研究開発成果でございまして、新しく開発されました吸着材というものはウランの吸着速度も早いし、これは従来の約十倍程度ということでございます。それからまた溶離速度も早い。そのために溶離液量が少なく、濃度の高い溶離液が得られるという特徴を持っておるといったようなことでございまして、工業化につきましては今後の検討課題ということでございます。
○貝沼委員 以上で終わりたいと思います。 なお、先ほど質問いたしました公開ヒヤリングその他につきまして、公開の原則というものが疑われる可能性のある部分もこの企業機密の問題から実は出てくるやに考えられますのであの質問をしたわけでありますが、そういうようなことをよく留意の上、これから進めていただきたいと存じます。
○山田委員長 午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ————◇————— 午後一時十九分開議
○山田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小宮武喜君。
○小宮委員 大臣からしつこいと言われるかもしれませんが、「むつ」問題についてまた質問します。 「むつ」の燃料棒抜きの安全性について安藤委員会に諮問したようでございますが、安藤委員会としては結論がいつごろ出るんですか。
○宇野国務大臣 先週あたりから始めたいと思っておりましたが、やはり安藤委員長のスケジュールもございまして、今週末に第一回の会合が開かれると思います。したがいまして、事務的に私もその問題を早くしたいと思いまして聞きましたが、少なくとも一月はかかりますよということでございます。
○小宮委員 それは、安藤委員会の結論が出るのは一月後とすれば、それから自民党の「むつ」対策特別委員会でいわゆる燃料棒をどこで抜くかということを検討するということになりますが、そうすると「むつ」の特別委員会ではそれからかなりまた時間がかかると思わなければなりませんが、どれくらいかかりますか。
○宇野国務大臣 党の方の特別委員会は、青森との四者協定もあることでございますから、拙速という意味ではなくして正確な判断のもとに一日も早く出したい、こういうふうに根本委員長も言ってらっしゃるわけでありまして、政府もそれに対しましては同様でございます。ただ、現在党の特別委員会といたしましては、抜くということを前提として、じゃあどこかでオーソライズしなさいと言っておるのではない。新しい条件がついた以上は、その条件を一般論としてひとつ解明しておく必要があるじゃないか、こういうことでございますから、その答申のいかんによりましてはどういうふうな結論が出るかはわかりませんが、現在としては全く白紙で臨んでおるという状態でございます。しかしながら、いずれもしも抜くという話になれば、どこかという問題は当然ついて回る話でございますので、それを党自体の判断でできるとかできないとかいうふうな問題もあろうかと思いますが、そこら辺もひとつ十二分に政府と連絡をしてやってくださいということをお願いしておるわけでございます。やはり単に理論だけではいかない面がございますから、私がここで一月以内にできるとかできないとか言うことははなはだむずかしいのではないか。ただ、極力急いでやらなければならぬということだけは、この間も根本先生と私との間の話でそういうふうな認識を持っております。
○小宮委員 私は、むしろ特別委員会の方がかなりの時間がかかるのではないか、こういうように考えます。というのは、いま言われておるように、結局どこで抜くかということを、結論を出すか出さぬか別としても一応検討するわけですから、安藤委員会が一カ月もかかるのに、どこで抜くかという論議をする自民党の特別委員会こそむしろ時間がかかるのではないか、私はこういうように考えます。しかしながら、それはいつ結論が出るかとかいつごろまでかかるかということは抜きにしても、自民党の「むつ」対策特別委員会で燃料棒を抜くということを前提にしてどこで抜くかということを検討するわけですから、そうしますとやはりどこかで抜かにゃいかぬ。それの候補地がどこかということが仮に決まったとしても、それが相手方の方でもし受け入れられないということになった場合は、また第二を探さなければいかぬ、第三を探さなければいかぬということになるとかなり時間がかかるのではないかというように私は考えます。四者協定云々だとか拙速をとうとぶんじゃないけれどもという話がありますけれども、私はむしろこちらの方が時間がかかるのではないか、こういうように考えるのです。 しかしながら、ただ言えることは、抜くということを前提で特別委員会で検討するわけですから、これはもうどこかで抜かにゃいかぬわけです。そうすると、そのどこかで抜くということについての見通しはありますか。
○宇野国務大臣 これに関しましては、特別委員会も十二分にいろいろ見通しを持ってそうした場合は結論を出すんじゃないか、こう考えております。もちろん政府だって、特別委員会だけにお任せいたしまして、こちらは知らぬ顔の半兵衛でございますというような無責任な態度はとれません。党と政府はやはり与党、政府という間で表裏一体となっていろいろとそうした問題をせねばならぬと思いますが、現在といたしましてはもう明らかに全く白紙の状態で、一般論としての抜けということを長崎の諮問委員会が言われた。いまだったら安全だというふうに言っていらっしゃるが、それは知事さんの諮問機関の御意見であって、政府はどうなのか、こういうふうなことを特別委員会が私にただされたものでありますから、それならば安藤委員会という委員会がある、これは原子力委員会がそうしたものを設置するように政府に言われたから、したがって、運輸省並びに科学技術庁の諮問機関としてあるから、そこでやりましょう、こう言っておるわけでございます。だから、長崎の諮問機関が安全だと言われたことに対して政府はどうなのか、こういうことでございますから、まだ抜く抜かぬというふうな議論のところまで入らずに、一般論として一応政府として確認しなさい、こういうことであります。それが確認をされたとき、われわれとしてもどちらにするかということを十二分に検討しよう、こういうことでございますので、もし抜けという話になった場合には、当然どこで抜くかということは議論の対象になる問題だと思います。 だから、私がここで自信あるないということをまだまだ申し上げる段階でもございませんし、また、そのような折衝をではどこかに始めたかということは全くいたしておらぬようなことでございますので、その辺のこともひとつ御理解賜りたいと存じます。
○小宮委員 いまの大臣の答弁は、ちょうど今月の十二日に私が質問をしたときの答弁と食い違いがありますよ。この前十二日に私が質問したときは、私が何回もくどいように質問しておるわけですけれども、自民党の「むつ」対策特別委員会というのは、抜くか抜かないかを論議するのではなくて、抜くということが前提で、どこで抜くかということを検討しますということを大臣ははっきり言っておるわけですよ。だから、私はこの問題については二回も三回も確認する意味で質問を重ねておるわけですが、そのときは大臣は——これは議事録を調べてもらっても結構ですよ。私は、抜くか抜かぬかを特別委員会で検討するんですかと言ったら、大臣は、どこで抜くかということを検討するんだ、こういう答弁をしておるわけですよ。これは議事録があれば、それを確認してもらえばはっきりするわけですけれども。だから、その意味ではいまの答弁は私は食い違っていると思うのですが……。
○宇野国務大臣 いま先生そうおっしゃいますが、たしかいままでお答えしてまいりましたのは、抜くことについての安全性というものをひとつ特別委員会が政府として確認せよ、こういうことであるし、それがオーケーだということになる、こういった場合には、ではどこかということになろうけれどもと、あくまでもそうしたことの答弁をしておりまして、抜く抜かぬをストレートに審議してもらうところだ、だから場所も設定してもらうんだというところまでは——結論としてはその場合にそこまでいくかもしれませんが、そこまではっきり申し上げてないと思うのでございますけれども、一応また速記録を私も調べまして、別に先生に手向かってどうこうという問題ではありませんから、それがもし食い違いがあれば食い違いとして、私もどうであったかということも考えなくちゃなりませんが、きょうお答え申し上げておるようなことでお答え申し上げた、そういうふうに思っております。
○小宮委員 たとえば今度の安藤委員会だって同じでしょう。燃料棒を抜くことについての安全性について安藤委員会で結論を出すことになっているわけですね。安藤委員会で抜くか抜かぬかとか、抜かぬ方が安全だとかということではなくて、抜くことを前提にしての安全性について安藤委員会に諮問しているわけですよ。そうすると、それを受けて私はこの前質問を、何回も確認したのは、それでは安藤委員会で抜くことについての安全性を確認し、それは抜くことを前提として「むつ」対策特別委員会では審議するのか、はい、そうです、こう言っておるわけですよ。それは私の記憶違いということはないと思います。私は手段を確認したわけですから、こうなりますね、こうなりますねということを。だから、それははっきり記憶しておるわけです、議事録がどういうふうになっておるのかわかりませんけれども。だから、あの段階での大臣の答弁は——安藤委員会に抜くことについての安全性を諮問しておるわけですから、安全だという結論が安藤委員会で出たとした場合に、出たとした場合というよりこれは出るはずですから、その場合、今度は抜くか抜かぬかという問題を特別委員会でやるというのはおかしいじゃないですか、だから安藤委員会、特別委員会、それでこうなります、なりますねということを、私は確認の意味でこの前もくどいほど言っておるのです。だがしかし、大臣はそういう意味では言っておらないということですけれども、これは議事録があればはっきりするのですけれども、議事録はまだできておらぬようですから。 そうなりますと、それでは今度は逆に、燃料棒を抜くか抜かぬかということを特別委員会では検討するということですか。
○宇野国務大臣 もう少しく具体的に申しますと、この間の自民党の原子力船対策特別委員会におきましては、「長崎県の安全研究委員会の提言に述べられている「現在ならば、燃料体の取り外しは、技術的にも容易であろう」等の点につき、国として確認をする必要がある」こういうふうなことを言われたわけで、したがって、特別委員会は抜くことを前提として確認をせよということじゃなくして、安全委員会がそういうことを言っておるが、国としては抜くこと自体の安全性についてはどうか、それをまずはっきりしてくれ、その結果、抜く抜かぬということはこの委員会において議論をしましよう、こういうことになっているわけでございます。そういうふうにこの間もお答えしたと思っておるのでございますがね。
○小宮委員 それでは、特別委員会で仮に抜く必要ないという結論が出た場合は、長崎県に対して、それでは再度燃料棒つきで受け入れてくれという再要請をすることになりますか。どうなんですか。
○宇野国務大臣 そこはやはり、非常にデリケートな問題でありますから、特別委員会もいろいろ考えていただくのではないかと思います。だから、いまから仮定に立って私言いたくないのです、本当を申し上げれば。党内におきましても、やはりいろいろと、せっかく長崎県が両方とも受け入れようと言っていらっしゃるが、佐世保市議会の決議ならばきわめてうれしい話だけれども、どうもこの条件がおれたちとしてわからない条件だと言っている方もまだあるわけでございます。それを委員長がどういうふうにさばいていかれるかという問題がございますから、私がここで、たとえばその場合、この場合と言ってしまっても、私はやはり党に対しまして忠実でない存在になると困りますので、その辺はお互いに、党というものは非常に重大な役目を果たしておるということを考えますと、一応この際は特別委員長の御配慮もあろうし、また特別委員長としても手ぶらでやっていらっしゃるのではなくして、長崎県あるいは佐世保市に対しましても直接、間接にいろいろなルートで話し合いもしながら決定をされていくのではなかろうか、こう思いますので、先生のお話もわからぬことはないのですけれども、ぴしっと決めつけてしまって、それに対して私がこうだというのは、現状といたしましてはいささかお答えしくい、これはひとつ御理解を賜りたいと思います。
○小宮委員 私の言っておることは二つしかないわけですよ。四つも五つもあるのじゃないですよ。その場合はどうするのか、もし抜くとなった場合はどうするのかという二つしかないわけですよ。だから大臣は、二つだからどっちかにどうこうと言うことはむずかしいと言うけれども、答えは二つですから、特別委員会で抜かなくても安全だからもう一度県に要請するか、まあ抜いた方がよろしいということになれば佐世保にまた再要請するか、結論は二つしかないわけですよ。 だから、大臣も非常に慎重に物を言っておるし、私も大臣の気持ちもわからぬでもないけれども、答えは二つで、それでそれぞれの立場の人がどういうことになるのかということを非常に関心を持っておる。佐世保市長からも自民党の代議士さんには抗議電報が来たのではないですか。だからそういうような問題は、やはり地元としては実際いつごろになるのか、どういうことになるのかというのは、長崎県以外、あるいは青森を除いてはそう関心がないかもしれませんよ。しかし、青森と長崎といったら、そのことをいま一番関心を持って見守っておるわけですよ。そういう立場から私は物を言っておるわけですから、そういう意味でどうもいまの大臣の答弁は、この前の十二日の委員会でかなりやったときとは少し答弁が食い違ってきたような感じが私はするのです。 だから、それでは大臣も、自民党の対策特別委員会が、抜け、抜いた方がよろしいとなったら、どこで抜くかということをその時点で考えるのか。私は、やはり大臣は腹の中には、どちらの結論が出ようとそれに対応するだけの腹構えはできておると思うのですよ。やはり長崎県の態度が出たときも、大臣は歓迎の意思表示をやったわけでしょう。それであれは燃料棒抜きですから、それならどこで抜くかということがもうぴんと頭にひらめいておることは、これはあたりまえです。そうすれば大体どこに話をしようかなというようなことも当然描いておるだろうと思うのですけれども、それはなかなか言えないという気持ちもわかりますけれども、いまこの問題が長引けば長引くほど、いわゆる受け入れの決定をした佐世保市だって、大体政府の考え方は何か、一つもはっきりしないじゃないかというような雰囲気が盛り上がってきておる。それが自民党の科技特の代議士にその電報が来たということにもあらわれておるわけです。しかし、これは大臣はなかなか口がかたくて常に逃げ込むことばかりやっておるものだから困る。私は、政府の考え方は大体読めておるのです。だから、大体政府も久良知事務次官が行った場合にやはり青森で抜かせてくれということを言ったとか言わなかったとかへここに来れば言わなかった、向こうでは言ったと言っておるし、そういうことが言われておるから、そういった意味でわれわれも、これはぼくらは立場が違うから心配して物を言っておるのですよ。たとえば青森で抜くと言ったって、これは四者協定で、実際問題としてあそこで抜くということは非常に困難でしょう。プールの問題、あるいは燃料交換容器も茨城県の東海村に持っていかれておるわけですから、また持ってくるとかいろいろやらなければいかぬでしょうし、そのほかに茨城県の日立だとかいろいろなうわさが出ておりますけれども、やはりそういう問題、私はむしろどこで抜くかということについてはかなりの時間がかかるのではないか、うっかりしたらことしいっぱいだめじゃないのかというぐらい言いたいのですよ。しかし、大臣、落ちついているところを見れば、これはさてはやはり自信があるのかなと思ってみたりしておるわけですけれども、しかし大臣、抜くとなった場合は大体どこで抜くというような大臣だけの腹は持っておるわけですか、どうですか。
○宇野国務大臣 今日までこの問題は、本当にいろいろと与野党を問わず心配をしていただきまして、そしてかたじけない御意見を拝聴してまいって私は感謝しておるわけでありますが、非常にいろいろな問題が絡んでおりますから、私自身も国会におきましてはきわめて、言うならば、質問をされる先生方から見ればじれったいほど慎重を期してまいりました。たとえば長崎県の県会が、最終的に条件がついたとはいえ、お決めになるときの会議録等の模様も聞いたのですが、やはり久保知事としましては、安全の問題を初め被爆県であるという特殊事情等々、現在の科技庁は十分いろいろと配慮して、本当に微に入り細にわたって慎重を期していてくれるから、そうしたことをおれたちも期待をしながら、本来ならこれは断りたいところであろうけれども、条件がつくならば認めてもよいのではないかという腹を決めたんだというような意思表示をされたんだ、こういうことを承っておりますし、それぞれの方々にその立場、立場で非常にデリケートな問題でいろいろと御迷惑をおかけいたしておるということを考えますと、長崎県あるいは佐世保、両者の意見の食い違いというものは重大な問題があるわけでございますので、それをここで、たとえ仮説といたしましても、ああだ、こうだと言うこと自体、知事さんのお立場、市長さんのお立場をどうするか、両方の議会の立場をどうするかということを考えますと、先生、そう簡単にここで、たとえばその場合はというような調子では私といたしましても言えないのでございます。恐らくここで一言でも言えば、もうすぐにあくる日の新聞には大々的に、与党が核を抜かなくてもいいという場合には、改めて県会に科学技術庁長官は申し入れるんだということを言ったということがぱっと報道されたら、全くもって知事さん並びに県議会の立場をつぶしてしまうことになるし、また逆のことを言えば、やはり佐世保の方々の立場をなくしてしまうことになりますから、そういうことも十分配慮しながら、私はやはり与党にまずいろいろと、長崎の先生も来ておるわけですから、そういう方々の御意見も拝聴しながら、特別委員長が深い配慮のもとにいろいろと考慮するだろう、こう思っておりますので、はなはだ残念でございますけれども、そうした意味において私がここで、逃げ込むというふうな印象を与えておるかもしれませんが、そういう問題でございますから、はっきりしたことを予想するということすら言えないという立場で臨んでおりますので、特別の御理解を仰ぎたいと思います。
○小宮委員 私も、どこで抜くかという問題は別としても、抜くということになったらどこで抜くという自信があります、めどもありますというぐらいは、やはり大臣としてもそれぐらいは言っていいのではないか、こう思うし、しかしながら、またそれを言えと言っても大臣もなかなか口が重いようだし、私の前回の質問に対する答弁ときょうの答弁はどうしても食い違いがあるというふうに私は考えますので、これは改めて議事録を見て、この問題は再度大臣に明らかにしてもらいたいと思いますから、これくらいにしておきます。 次は、放射線防護の問題についてこの前の質問の残りをしたいと思いますが、国際放射線防護委員会が勧告している個人に対する線量限度は、いわゆる作業中被曝する成人についての最大許容線量は一年につき五レム、公衆の構成員についての線量限度は一年につき〇・五レムとなっております。しかし、放射線被曝は最大許容線量あるいは線量限度以下であればよろしいということではなくて、実施可能な限り低く保たれなければならないことは言うまでもありません。したがって、このICRPの勧告でも「いかなる不必要な被曝も避けるべきであり、経済的、社会的な考慮を計算に入れた上、すべての線量をできる限り低く保つべきである。」こういう指摘をしておりますね。 そこで、わが国の線量目標値は幾らになっているのか、ICRPの勧告と比較してどうなのか、その点御答弁を願いたい。
○伊原政府委員 原子力施設の従業員の被曝線量の目標値並びに周辺公衆につきましての線量の限度につきましては、先生のただいまの御指摘のとおりでございますが、この場合に容易に達成可能な限り線量を低くするということにつきまして、特に軽水炉型の原子力発電所につきましては、わが国におきまして線量目標値が原子力委員会によって指針として定められておりまして、その線量は一つのサイト、一つの敷地当たり全身の放射線被曝線量にいたしまして年間に五ミリレムとなっております。これはICRPで言っております値の百分の一ということでございます。
○小宮委員 確かにこの発電所周辺の線量限度は五ミリレムといってICRPの百分の一に低く抑えているわけでありますが、作業者の最大許容線量はこのICRPの勧告どおりいまも五レムとなっておりますか。
○伊原政府委員 作業者につきましても容易に達成できる限り低くという精神にのっとって被曝管理を行っておるわけでございますが、ただ作業者の場合は一般公衆と違いまして被曝の管理が十分計画的に、徹底的に行われるということでもございますので、直ちに先ほど申し上げました軽水炉の場合の五ミリレムと同様な線量目標値を定量化するということはしなくとも十分な管理が行われるのではないかと考えておりまして、そのような線量目標値は定めておりません。
○小宮委員 しかし、被曝低減対策については、直接関係する労働組合側でも昨年の六月、ICRPの勧告の趣旨にのっとりまして低減対策を申し入れて、現在労使間の取り決めでは勧告を下回る三レムを実施しておるようでございます。そういうことでありますから、やはりこのような取り決めは、ただ労使間の取り決めだけにとどめず、そういうようなICRPの勧告も低減をしなさいということですから、こういう意味では現在労使間の取り決めで三レムになっておれば、やはり国の方針として五レムを三レムにするとかいうようなことを考えるべきではないのか、こういうように考えますが、いかがですか。
○伊原政府委員 作業者、従業員の被曝をできるだけ少なくするという観点からこの問題が非常に重要であるということは、先生の御指摘のとおりでございまして、労使間でのいろいろの取り決めもあるように聞いておりますが、ただこの数値を定量化するという問題につきましては、原子力施設の性質あるいはその業務の内容、種々の場合があり得るわけでございまして、それぞれその実態に応じて最も適切な対策をとるべきであると考えております。したがいまして、現段階で一義的に幾らというふうに線量の目標値を定めることは必ずしも適当ではないと考えておるわけでございます。ただ精神といたしまして、容易に達成できる限り低くということは、あくまでも従業員の放射線被曝低減という問題の基本にあるわけでございます。
○小宮委員 これはICRPの勧告の中でもいわゆる五レム、〇・五レムというのも、やはりこれは順次低減する方向で努力をしなさいということになっておるわけですね。だからそういう意味からすれば、片一方の発電所周辺の方のあれは百分の一の五ミリレムまで下げながら、一番大事な作業者の方は五レムをそのままに据え置くということではなくて、すでに現実に労使の中では三レムを実施しているわけですから、政府の方針としても、それだけ実行できているわけですから、やはり下げる、あるいは将来にわたって三レムをさらに下げていくというような努力をするのが、ICRPの勧告の基本ではないかということを考えますので、そういうように、ただ国の方の考え方としては五レムだ、しかし労使関係で三レムでやっておるということでなくて、やはり国としてもそういうような低減対策を考えて修正をしていくということが必要ではないか、こういうことを言っておるわけですから、この点は十分ひとつ検討してもらいたいと思う。 それから線量目標値について、たとえば諸外国の、アメリカとかイギリス、フランス、西ドイツあたりはどうなっておるのか、わが国と比べてどうなのか、その点ひとつわかっておれば説明を願いたい。
○伊原政府委員 先ほど申し上げました軽水炉原子力発電所施設周辺につきましては、米国では線量目標値として一つの原子炉当たり全身被曝で年間で八ミリレムとなっております。これは空気中と水中と両方を足しての数字でございます。それからやや細かくなりますが、甲状腺被曝に関しましては年間二十五ミリレムとなっております。先ほど申し落としましたが、わが国の原子力委員会の目標値はこの甲状腺被曝については十五ミリレムでございます。したがいまして、いずれもわが国の方が米国よりは厳しくなっておるわけでございます。 そのほかの国につきましては、まだこれほどはっきりした形で線量目標値が定められているという情報は持ち合わせておりません。
○小宮委員 地球上どこでも放射線が存在しているためにある程度の放射線をわれわれは浴びているわけですが、この自然放射線によってどれくらいの線量をわれわれは受けておるのか、その点いかがですか。
○伊原政府委員 自然放射線につきましては、これは場所によりまたその時刻によりまして非常なばらつきがございます。大まかに申しまして、世界的に見まして年間百ミリレムというのが平均値と申しますか代表的な値だと言われております。 わが国の場合は、日本を分けまして東の方の地域がやや低く、西の方の地域はやや高いということになっております。たとえば空間線量率で申しますと、一番低い横浜などは年間約四十ミリレム、これはそのほかに体内被曝が約二十ミリレムぐらいはつけ加わるわけであります。それから一番高いと言われております広島周辺では約百三十ミリレムとなっております。
○小宮委員 そこで、われわれもちょっと奇異に感じるのは、たとえばわが国の発電所周辺の線量限度を五ミリレムということでこのICRPの勧告の百分の一に下げておる。ところが、いま言われておるようにこの放射線による線量値が地域によってかなり違いがある。そうするとわれわれが新聞報道でもちょっと調べたところでは、関東の人は平均百ミリレム、関西の人は百四十ミリレム、こういうふうに言われておりますけれども、そうしますと発電所周辺の線量値より自然の放射線による線量値の方が高いという結果に数字が出てきておるのは、この辺非常に奇異に感ずるわけですけれども、その発電所周辺を五ミリレムに抑えておる、一方では自然の放射線によってわれわれがそれだけの百ミリレムとか百四十ミリレムの線量を受けておるということになると、そういうような問題からいろいろな問題も派生してくるとは思いますけれども、私がまた質問したいのは、だから関東と関西とか広島とかいうことでなくて、いま日本の原子力発電所が存在する主要地域の線量値が幾らになっておるか、その点をお聞きします。
○伊原政府委員 このただいま申し上げます数値は、体の中に持っております放射性物質からの被曝量を除いた数値で申し上げます。 たとえば福島では約七十ミリレム、茨城では六十、静岡で八十、福井で九十、島根が九十、佐賀が八十、大体約の数字でございます。年間それぐらいのミリレムの数字になっております。
○小宮委員 そうであれば、この自然放射線のわれわれ人間に与える影響というのはむしろ危険ではないかとすら素人考えですけれども思われる。それはどういうことですか。
○伊原政府委員 放射線が身体に与えます影響につきましては、非常に線量の高いところではかなりのデータがあるわけでございますが、先ほど来申し上げております程度の数値のところになりますと、どういう影響があるかということにつきましてはわからないと申しますか、影響が出てこないわけでございます。 そこで、ICRPの考え方といたしましても、こういう低い線量では影響はないかもしれないけれども、放射線を管理するという立場からいたしましては、やはり比例的に影響があるのだと考えて処理した方が慎重な態度である、こういう考え方ですべてのこの関係の制度を考えているわけでございます。 そこで、たとえば軽水炉発電所の周辺の五ミリレムというのがどういう意味を持つかと申しますと、自然放射能の変動、これはたとえば平均百前後といたしますと、それが時によっては百十にもなる、あるいは時によっては九十にもなる、あるいは場所によってもいろいろ違う、その変動の幅の中に五ミリレムという数値がすでに入っておるわけでございます。そういうことからいたしますと、この自然放射線の変動の幅の中にある程度の影響というものは、学問的な扱いは別といたしまして、実際上はまず影響がないと考えてもよいのではないか、こういう程度の数字になっておる、こういうことかと存じます。
○小宮委員 私、いろいろ考えてみますと、だからICRPの勧告というのは大気中の自然放射線との関係をどのように見て決められたのかという気もするわけです。しかしながら、それは当然片一方は大気中に百ミリレムだとか百二十ミリレムだとかという、そこの中には当然五ミリレムは入るわけですからさほど問題はないというふうに私も感じますけれども、また私は、陸上だけではなくて海中にも自然放射線が含まれておるのではないかと考えますが、含まれておるとすればその線量値はどれくらいになっておるのか、お答え願いたい。
○伊原政府委員 海水中の放射性物質は、いろいろなものがあるわけでございます。その自然放射能につきまして、これは人体が受ける量としてのミリレムという数値ではございませんで、放射能の値、崩壊の値といたしましてキュリーの単位と申しますか、これの一兆分の一のピコキュリーという単位で申し上げますと、一番多く含まれておりますのがカリウムの40でございまして、これが一リットル当たり約三百ピコキュリー入っております。そのほかいろいろなものが微量に入っておりまして、それらを全部合わせまして大体一リットル当たり三百五十ピコキュリー程度であると言われております。
○小宮委員 さらに世界各地で、たとえばアメリカ、ソ連、フランス、イギリス、中国、インドの諸国においていわゆる核実験が何十回、何百回も行われているわけです。したがって、これら核実験で生じた放射性物質の降下による影響はどうなのか、これと自然放射線との関係は無関係かどうか、その点ひとつ説明を願いたい。
○伊原政府委員 これまでの世界の原爆保有国におきます核実験は、全体で約千八十回程度行われておるというふうな資料がございます。その場合に、最初は大気圏におきましての核爆発実験が行われましたので非常に影響が大きかったわけでございます。これは主として北半球で行われましたので、北半球が南半球よりもより多く影響を受けております。最近は主として地下核爆発実験になっておりますので、昔よりは影響が減っておると思われます。 そういうふうなことでございますので、この核実験によります放射性降下物によります人体への影響は年々減少の傾向にはございますが、ただ、これは核実験を実施いたしました後、大気圏中にとどまっておりますものがだんだんと少しずつおりてまいりますので、大気中核実験はほとんどなくなりました現在でも、なお毎年地上にはこの影響はあるわけでございます。この場合に外部被曝線量は自然放射線に比べて無視できる程度でございまして、最近の数字でございますと年間二ミリレム程度になっております。これが一番高いとき、たとえば一九六二年の数値がたまたまございますが、これで申しますと年間三十一ミリレムというふうな数字がございます。したがいまして、そのころから比べますと十五分の一ぐらいになっております。 それから、いま一つは内部被曝の問題がございます。主としてストロンチウム90あるいはセシウム137、こういうものが地上に多少沈着しておるわけでございます。これは年齢によりまして人体の摂取の程度が違いますので一概には言えないわけでございますが、一番影響が多いと考えられます若年層、たとえば十五歳前後の者で年間約五ミリレム程度の被曝はあるというふうに言われております。
○小宮委員 それでは次はひとつ原子力基本法の問題について質問いたしたいと思います。 原子力の安全確保のための行政体制の改革、強化について昨年七月末原子力行政懇談会から貴重な報告が総理大臣に提出されておりますが、政府はこの行政懇談会の報告をどのように実施しようとしておるのか。これまでも一般質問の中で若干は質問してきましたけれども、改めてこの点を伺いたいと思います。
○宇野国務大臣 エネルギー資源の乏しいわが国といたしましては、やはりいつまでもエネルギーを海外依存ばかりで暮らしていけるはずがございません。したがいまして、どういたしましても国産に準ずるエネルギー、そうしたものを開発をしていくということが必要でございますが、ただいまのところは、やはり最も有効な準国産エネルギーと言えば原子力発電であろうと存じます。しかし、わが国といたしましては、被爆国でもあった等々の関係上、やはり国民の方々の御協力なしにはとうていやっていけない。現に二年前に決めました長期需給見通しすらがその実行性においてはなはだ疑問点が残ったというふうな経緯等もございます。同時にまた、「むつ」自体におきましても、はっきり申し上げまして漏れた放射線はさしたることはなかったわけでございますが、やはりすべての体制の安全性がいかがであったかということが問われたわけでございますから、そうしたことを経緯といたしまして行政懇談会というものが誕生したのでありますので、何といたしましても政府といたしましては、今後原子力行政をもっと進めていかんがためには、その表裏一体をなすものとして安全性の確立が一番必要であろう、こういうふうに存じておる次第でございます。 そうしたことに関しまして、この行政懇においていろいろ専門家が検討されました結果出された答申でございますから、この答申は、われわれといたしましても、言うならば本当にいままでの原子力行政の目のうろこがとれたというぐらいの気持ちで迎え入れなければならない問題である、私はかく存じましたので、この忠実なる実行をするのがまず第一番目の原子力行政だ、かように存じました。したがいまして、すでにこの国会で御審議賜っておりますような幾つかの法案を如実に政府といたしましては取りそろえたわけでございます。その間におきましては、与党の中におきましてもいろいら御意見もございましたし、あるいはまた、肝心の行政懇におきましても一部意見のそごを来すという問題もあったかも存じませんが、しかしながら、そうしたことを踏み越えまして、われわれとしてはほとんどと言ってよいぐらい忠実に実行さしていただいたものではないだろうか、かように存じております。
○小宮委員 これは午前中の質問にもありましたけれども、やはりこの原子力安全委員会については、安全確保の重要性にかんがみて、行政委員会にする方がベターではないかということがいろいろ指摘をされております。これを現在の原子力委員会のような諮問機関的な性格にすると、どうしても各行政庁の行うことを追認するような、何か弱い委員会になってしまうような心配があるわけですけれども、行政懇談会の報告では確かに政府案どおり、現在の原子力委員会を分割することになっておりますけれども、そういうような、私が指摘するような心配は絶対ございませんか。
○伊原政府委員 その安全委員会を行政委員会にすべきではないかという問題につきましては、午前中も多少御答弁申し上げましたが、その行政委員会としたときのメリット、デメリット等もいろいろ行政懇談会で十分検討されまして、その結果、わが国の現状では、行政委員会であるよりも、ただいま御提案申し上げておりますような、法律上は諮問委員会であるけれども実質的には行政委員会的な権能を持っておる、そういう委員会が適当であろう、こういうことになっておるわけでございます。行政部局といたしましても、この御意見を十分検討いたしまして、その御意見を踏まえましてただいまのような案を御提案申し上げておるわけでございます。 先生御指摘のように、行政庁の結論を追認するだけの弱い委員会とならないかという御懸念、あるいはあり得るかもしれませんが、私どもといたしましては、行政省庁といたしましてもこの安全委員会の御意見を十分尊重いたしまして行政判断をするという心構えでございますし、また、現在御提案申し上げております法律制度全体がそういうことになっておりますので、安全体制は十分に確立されるものと考えております。
○小宮委員 その原子力安全委員会についてでございますが、この五人の有能な委員が選任されたとしても、実際上安全問題のすべてを取り扱うためにはやはりその下に相当数の専門家を必要とするのではないか。だから、この事務局スタッフが弱いと、なかなかこの安全委員会の機能が有効に動いていかぬのじゃないかという心配があるわけです。だから、この原子力安全委員会の事務局は原子力安全局でありますけれども、この事務局機能をどういうように充実させるのか、ただ分割しただけでそのままにするのか、あるいは具体的にもっと、行政的には諮問委員会的なものであったとしても、事務局をどのように充実強化していくのかという点についてのお考えを聞きたい。
○伊原政府委員 事務局のスタッフの数と申しますか、その質も含めましての強化というのが重要であるというのは御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、この法案を御提案申し上げまする際にいろいろその点も検討いたしました。たとえば五人の委員のほかに学識経験者の専門委員の方々を多数お願いするということで、たとえば現在原子炉安全専門審査会は定員三十でございますが、これを五割増しの四十五人にふやしていただく、あるいは核燃料安全専門審査会におきましても三十名が四十名、その他の専門委員も予算上いろいろ認められております。そういうことで専門委員の数を強化する。それから事務局といたしまして科学技術庁が主として事務局に当たるわけでございますが、それのスタッフの量、質ともの増加のほかに、関係行政機関がその関係行政機関の所掌に属する事項につきましては共同して庶務に当たるということになっておりますので、その関係行政機関のスタッフについても強化をするということで、今後とも引き続きこの強化策については関係省庁が共同して充実をしていきたいと考えております。
○小宮委員 いろいろ説明はいただくわけですけれども、原子力委員会は原子力利用に関する政策全般のほかに、原子力利用に関する事務の総合調整、あるいは経費の見積もり、あるいは配分計画等々まで所掌して、しかもこの委員長が国務大臣ということであっては、原子力委員会が強い権能を持つことになりはしないのか。だから、いろいろ説明はされますけれども、どうしてもこの原子力安全委員会の上位にこの原子力委員会が立つのではないかというような懸念があるわけです。その点は心配ないですか。
○伊原政府委員 原子力委員会が非常に強力であるということは必要であるわけでございますが、原子力安全委員会も同様に強力である必要があるわけでございまして、両委員会は相互に独立してそれぞれの所掌分野が決まっておりまして、法律上も実体上もどちらが上である、どちらが下であるということではなくて、今後この法案をお認めいただきました際には、両方が同じ形での強力な委員会として運営が行われることを期待いたしております。
○小宮委員 私も、今度の改正法案でこの安全規制行政の一貫化が図られておることは、原子力船「むつ」の放射線漏れ事件の教訓から見て非常に結構だと思います。 ただ、実用発電炉は通産大臣、実用舶用炉は運輸大臣というように分かれておることによってこの安全規制行政が多元化して、客観的な安全性の判断が得られなくなるのではないかという気もするのですが、その点はいかがですか。
○伊原政府委員 その点につきましては、いろいろな考え方なり御批判もあり得ると思いますけれども、私どもといたしましては、行政懇の御意見を尊重いたしまして、特に「むつ」事件以来問題になっておりますある行政省庁が一貫して規制を行うという観点が、現在国民の御信頼を得る上に非常に必要であるということでございますので、その観点から一貫化に踏み切ったわけでございます。そのために各省庁の行います安全規制の中身に差ができてくるということがあってはいかぬわけでございます。そういう観点からいたしまして、原子力安全委員会が十分横断的に、たとえば基準の制定等をもちまして、各行政機関の行います安全規制の斉一化を図ることが期待されるわけでございます。また、この安全規制につきまして、これは原子炉等規制法に基づいて同一の考え方で規制されるわけでございますので、主務大臣のいかんによりまして安全規制の程度に差があるというふうなことはあり得ないわけでございます。
○小宮委員 さらに、この安全規制行政について、通産、運輸の両省庁はどうしても開発推進という機能をあわせ持っておるのではないか。そうしますと、この安全規制体制はよほどしっかりしていないと国民の信頼を得るということは非常にむずかしいので、両省庁の安全審査等の行政体制は十分なのかどうかという点についての御説明を願いたい。
○伊原政府委員 各主務大臣が、それぞれの権限の範囲におきましての安全規制をいたします際に、原子力安全委員会がいわゆるダブルチェックを行うということになっておるわけでございますが、第一次審査を行います行政省庁の責任は非常に重うございます。そういうことからいたしまして、先ほども御説明申し上げましたように、科学技術庁を初め関係省庁のスタッフの強化ということは、今後とも鋭意行っていかなければならないと考えております。 そういうふうなことでございまして、各行政省庁の能力の向上というものについて、午前中も御答弁申し上げましたように、現在百点かと言われれば、多少百点とまでは申し上げられないかもしれませんけれども、今後百点を目指しまして事務局の強化を図ってまいりたいと考えております。
○小宮委員 先を急ぎますけれども、ダブルチェックについては、原子力安全委員会としてよほどしっかりしていないと意味がなくなるのではないか、こういうふうに考えます。したがって、原子力安全委員会には常勤のスタッフと相当数の専門家がいないと、単に行政庁の判断をオーソライズするような機関になり下がってしまうということになっては大変ですから、そういうような意味でダブルチェックを行う体制が十分できるのかどうか、その点いかがですか。
○伊原政府委員 ダブルチェックの体制につきましては、安全委員会側の充実と、行政省庁の第一次審査の充実と両々相まって充実されることが必要であると思います。 なお、このダブルチェックにつきまして、両者の意見が食い違い得ることがあると非常に問題になるわけでございますけれども、これは主務大臣に尊重義務が法律上課せられております。そういうふうなことでございますので、安全委員会側も行政省庁側も十分そのスタッフの強化、審査能力の向上を図りますとともに、この意見を尊重することを加えまして、十分な御信頼をいただける安全規制が行えるものと考えております。
○小宮委員 仮に行政庁の判断とダブルチェックの結果が異なる場合にどうするのか、どちらの結論に従うのか、この点いかがですか。
○伊原政府委員 いろいろダブルチェックにつきまして最終的な判断、たとえば原子力施設の設置を許可するかしないかという最終的な判断の責任は、法制上は行政庁が持っております。しかしながら、行政庁といたしましては原子力安全委員会の意見を聞きまして、さらには原子力委員会の意見を聞きまして、これを十分尊重して検討をすることになっておりますので、その間に意見の食い違いがあるということは実際上はあり得ないと考えております。
○小宮委員 この原子力行政懇談会の報告では、この原子力安全委員会の設置と安全規制行政の一貫化の提言のほか、原子力関係事業従事者の放射線被曝に係る安全衛生問題に対処する体制整備にも触れられているわけですね。そうすると、この被曝問題は、これは大きな社会問題ですから、原子力開発のネックになる問題でもありますので、政府はこの件についての対応策はどのように考えておられるのか、ひとつお聞きします。
○伊原政府委員 原子力施設従事者の放射線障害の防止、被曝の低減化は非常に重要な問題でございます。したがいまして、これまでとも放射線被曝の低減ということにつきまして、関係省庁と十分緊密な連絡をとりまして対策を講じてまいったわけでございます。 具体的に申し上げますと、原子力施設につきましての被曝の低減化につきまして、従来からまず作業の自動化、遠隔操作というようなことに努めておりますことと、さらには機器の配置なり遮蔽を適切に充実強化する、そういうこと、あるいは、たとえば原子炉の場合で申し上げますと、給水中の腐触生成物をできるだけ発生しないように減少させる、こういうふうな対策がとられてきております。さらには、今後は施設作業の標準化なども図ることにいたしまして、一層の改善を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○小宮委員 もう最後に、時間がございませんから一問だけいたしますが、この法案では原子力安全委員会の設置と安全規制行政の一貫化に限られておりますけれども、行政懇談会の報告の中には、公開ヒヤリングの実施を強調されておりますね。この公開ヒヤリングは、広く地域住民とのコンセンサスを得るためにもこれは非常に大事なことでございますが、ただ、これが反対のための反対に利用されたり、あるいはそのために原子力の開発利用が進まないというのでは困るわけですが、政府として今後この公開ヒヤリングをどのように実施していくつもりなのか、ひとつそれをお伺いして、私の質問を終わります。
○伊原政府委員 公開ヒヤリングにつきましては、行政懇談会の御意見も踏まえまして、関係省庁といたしましては十分その実現を図らなければいけないわけでございますが、たとえば具体的に申し上げますと、まず原子力発電所の設置の場合には、電源開発調整審議会での計画決定の前に、原子力発電所にかかわります諸問題につきましては、通商産業省が関係省庁とともに公開ヒヤリングを実施する、次に具体的な設置の許可の段階になりまして、原子力安全委員会が行政省庁から出てまいります安全審査報告書案をダブルチェックをいたします際に公開ヒヤリングを実施する、大きく分けて二つになるかと存じます。これらにつきましても十分実効性のあるヒヤリングを実施することに努めてまいりたいと考えております。
○小宮委員 質問を終わります。
○山田委員長 次に、米田東吾君。
○米田委員 私は、原子力基本法の一部改正に関連いたしまして、特にきょうは時間を一時間いただいておりますので、この際、柏崎、これは新潟県でありますけれども、柏崎の原発予定地に関する地質の問題につきまして、これを集中的に少し御質問したいと思っておるところでございます。これは、いまこの法案の中心にもなります原子力安全委員会の機能、これに当然かかわってくる問題でもございますし、果たしてわれわれの期待する安全委員会の機能が一体確保できるのかどうか、柏崎の地質の問題等について有効な答えが期待できるのかどうか、非常に重要な問題でもございますので、特にこの点にきょうは集中してお聞きをしたいと思っておるわけであります。 実は、私ども日本社会党は、ことしの四月二十五日でございますけれども、石野久男議員を団長といたしまして、この柏崎の予定地内に真殿坂断層と言われる断層が走っているのではないか、そういう疑念をずっと持っておりましたし、かつてこのことにつきましては二年前、四十九年の十月に一回党の調査団を派遣しておりますし、今度は二回目でありますが、調査団を出しまして、敷地の内部それから周辺、それからいま安全審査の段階で試掘坑が新しく掘られたり、東電でまた試掘坑の調査をやられたりしておるわけでありますけれども、その中でも断層に活断層として指摘できる兆しがあるのではないかというようなことについて調査をいたしました。それらを総合して実はきょうお聞きをしたいと思っているところでございます。 まず第一点は、皆さんの方でも安全審査の段階で、この柏崎の原発の予定地の中に真殿坂断層がある、しかもこれは活断層であるということも私ども従来も指摘をして、科学技術庁の安全局の皆さんに資料を添えて問題提起をしたこともあるわけであります。したがって、このことにつきまして、まず科学技術庁の見解をお聞きをしておきたい。 要するに、真殿坂断層があの用地を走っているのかいないのか、それからこの真殿坂断層は活断層である、これは後で申し上げたいと思いますけれども、われわれはそういう結論を持っております。皆さんの結論はどうか、このことからまずお聞きをしていきたいと思います。
○伊原政府委員 ただいま先生の御質問のございました東京電力の柏崎サイトにおきます地盤の調査の問題でございますが、これは御高承のとおり、原子炉安全専門審査会におきまして、専門家のグループにおきまして、長期にわたりまして非常に詳細な検討が行われておるものでございます。 この検討の結果の判断につきましては、非常に専門的な事項にもわたりますので、その専門審査会の結論が出た段階でございませんと的確なことが申し上げられないかと思うわけでございますが、この審査はまだ継続中でございますので、その段階で科学技術庁としての意見はいかがかということにつきましては、直ちに科学技術庁の判断がこうであるということは御答弁しにくい問題でございますので、御了承いただきたいと思うわけでございます。
○米田委員 それでは話にならぬのでありまして、安全審査の段階で十分いま審議されているだろうということは私どももわかるわけでありますし、この問題の答えが出ない段階で、皆さんも一定の限界でなかなか答弁もできないだろうということはわかりますけれども、科学技術庁の原子力安全局は事務局なんですから、しかも、科学技術庁としての事務局レベルの見解あるいは答えというものは私は当然持っているはずだと思うのです。それを聞いているのです。局長の見解を私はまず聞いているわけなんです。ですから、安全審査会の審査、それからその答えは、それは独立したものでありますから、それはいずれまた答えが出るでありましょうけれども、いまの段階であなたはどう見ていらっしゃるのか、どういう見解を持っているのか、お聞きをしておるわけなんであります。
○伊原政府委員 御質問につきましてでございますが、いまの段階で私どもはこういうふうな事実が調査の結果あったというふうなことは御答弁申し上げられると思います。したがいまして、そういう観点からの御答弁によりまして、現状はどうなっておるかということのある程度の御説明になるかと思うわけでございます。 たとえば、先日石野先生初め、現地において御調査をいただきました試掘坑につきまして、試掘坑の中で幾つか小さな断層が見られたということは、これは私どもの方の調査でもそういうことはあるわけでございます。これにつきまして現在審査会が最終的にどういうふうに判断するかということを検討中であるわけでございますが、審査会といたしましては、この試掘坑に限らず、その周辺につきましてもいろいろの調査をいたしております。 なお、この試掘坑につきましても、申請者の東京電力が試掘いたしました以上のことを、安全専門審査会といたしましてもさらに追加の掘削も行わせるというふうなことをいたしまして十分な調査をいたしておると考えております。 そこで、サイト内につきましてでございますが、小さな断層があるということと、それ自身が地震の発生の原因となるような構造的なものであるかどうかということの間には、かなり距離があると思われるわけでございます。 そういうふうなことでございますので、最終的には先ほど申し上げましたような専門家によります評価というものが行われまして、科学技術庁といたしましてはその結論を尊重して判断をする、こういうことになるかと存ずる次第でございます。
○米田委員 局長、そうしますと、真殿坂断層、これは地質学の文献にはっきりあるわけでありますから、したがって、私はそういうふうに呼称するんですけれども、真殿坂断層は用地の特に南になりますけれども南の部分、それから一部用地内に走っている、真殿坂断層があの用地の周辺を走っている、サイトの中を含めまして真殿坂断層があるということを認められておるわけですね、いまの御答弁は。そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○松田説明員 ちょっと専門的にわたりますので、私から答弁させていただきたいと思います。 サイト内におきまして真殿坂断層の影響と見られるような断層があるか、あるいはその本体の断層自身が見られるかというようなことを含めまして、もちろん十分調査をしているわけでございます。また、サイトの周辺におきましても、たとえば少しおかしいと思われるような露頭がある場所とか、あるいは道路が陥没する場所があるとかいうようなことをわれわれの方も承知しております。そういうものが果たして真殿坂断層の存在を証明するものであるかどうかということは、実は大変専門的な知識を要する問題でありまして、一般に真殿坂断層は文献にはございますけれども、それを地表の現象、地形の異状とか露頭から断定するということには相当の専門的知識が要る、そういう性格のものでございます。したがいまして、そこのところはわれわれとしましては、安全審査会の専門的な意見の検討の結果を見て、それに基づきまして考えたいというふうに思っておるわけでございます。
○米田委員 そうすると、大事な点ですからもう一回確認しますが、高度な専門的な知識が必要であるので、したがって、安全審査委員会ですか、専門審査会で審査をしてもらった結果によって判断をする、要するに審査にゆだねる、こういうことですね。
○松田説明員 そのとおりでございます。
○米田委員 私が心配するのは、非常に専門的な高度な知識が必要であるので不問に付するというようなことはありませんね。専門審査会が専門家の意見も聞かなかったり、あるいは政治的にこのことを結論づけるようなことが行われて、要するにこれは地質学上学説が分かれているとか、あるいは高度な専門的な知識が要るのでなかなか解明できなかったとか、そういうようなことで逃げてしまうようなことはないでしょうな、これは。はっきり聞いておきたい。
○伊原政府委員 安全専門審査会の基本的な態度と申しますか、基本的な運営といたしまして、そのようなことは全くあり得ないことでございます。
○米田委員 おかしいと思うのは、文献を私ちょっと読んでみますが、「新潟県中部における油田の生成に関する研究」これは私ここへ持ってきておりますけれども、ここにはっきり真殿坂断層が出ておる。それから「日本地方地質誌」これに出ておるわけであります。それから「日本鉱産誌」これは通産省地質調査所の資料であります。これにも出ておる。ここに持ってきております。ちゃんとここに真殿坂断層が出ております。これは通産省の資料ですから、あなたの方にも恐らくあるでしょう。それからもう一つ、これは東京大学の出版会で発行しておるのですが、日本第四紀学会で出している「日本第四紀研究」この中にも真殿坂断層というものが大体認められて、はっきり出されておるわけであります。しかもこれには、ここの地質は安田層として三万年というものも含めて出されておるわけであります。ですから、このように文献にははっきり出ておる。それから、地形の関係は、私、後から写真を添えまして説明をいたしましてあなた方の見解を聞きます。 こういうふうにはっきりしているのですけれども、どうしてその問題が高度な高度なということではっきりあなた方の方では認められないのですか。もう少し素直に、真殿坂断層があるのだとすかっと認められてもいいのではないですか。そして、それは安全専門審査会で十分検討するということでいいじゃないですか。どうしてこだわるのでしょうか。
○松田説明員 御指摘のように、真殿坂断層は各種の文献にいろいろ記載されているものでございます。最初、一九三〇年に大村先生によりまして命名されて以来、先生がおっしゃいましたようないろいろな石油探鉱関係の資料には大体そういうものが引用されているケースが非常に多いわけでございます。一つは、その断層があるかないかということは、そういう文献をベースにしますと確かに書いてあるわけでございますが、その断層自身が、はっきり実際の断層そのものが認められるわけではございませんで、周辺に見られましたいろいろなボーリングのデータ等から皆さん推定されていらっしゃるわけでございます。 それで、われわれとしても、もちろんそういう文献がある以上それがないなどということを初めから決めてかかっているわけではないわけでございまして、それの活動性あるいは耐震設計を考える場合にどの程度のことをこの断層について考慮しなければいけないかというようなことを重点に審査しているわけでございますが、そういう文献をごらんになりましても、現在の柏崎のサイトの方にまで多分延びているような線が引っ張ってある文献は一つもないのではないかというふうに私ども承知しているわけでございます。したがいまして、そういう文献は一つのデータといたしまして、それに実際の現地の調査結果等を専門家の目で見ていただいて、その結果によって判断するという態度でいるわけでございます。
○米田委員 先ほどの答弁で、あなたの方でも断層は十分見ておるし、現認をしていることについて話がありました。いま写真をそこへお上げしております。文献的にはあなたの方も一部認められておりますからこれは一応おくといたしまして、地形上の現況を私は現地で写真を撮ってきておりますので、これだけ歴然とした現況が一体断層として、しかも活断層でないということが言えるのかどうか。確かにこの写真は一つの部分的な個所個所の写真でありますから、あなたの方が否定されようとすれば否定されないことはない。しかし、これは一つ一つの地質、地形に基づく科学的な根拠を示す写真なんです。観光写真じゃないのです。専門家が見ればぴたりわかる写真なんです。ですから、そういう面で皆さんは十分注視をしてもらいたい。 一番最初に説明をしたいのは、サイトの試掘坑の中から説明をしていきましょう。あなたの方も試掘坑の中に断層があったということを是認されておりますから、ひとつ十分検討していただきたい。 この写真帳の十八ページです。これは試掘坑の中のプラス十五メートル、入り口からまだこれはマイナスに至らない部分であります。これは十五メートルの地点での試掘坑の中の写真であります。ここで横にはっきり説明してありますように、番神砂層と安田層、この安田層にはっきりと切れ目があります。これは私はやはり活断層と見て、これは専門家がそのように定義づけております。差し支えない。写真にはっきり出ております。 それから2に、これはプラス七メートル地帯、これは安田層を切る活断層であります。これも写真で十分ごらんいただけると思う。このようにはっきりと出ておる。この横に説明をしてありますから、これはちょっと専門家に見ていただけばもう十分おわかりになるはずであります。この地質は大体粘土層、それから砂れき層、こういうふうにみんな亀裂が細かく入っておりまして、この中に大きく活断層の亀裂が入っておるということであります。 それから十九ページ、これも七メートル地帯、これは番神砂層と安田層の中間を活断層が切っております。番神砂層を切る活断層が確認されます。これはよく見ていただければ写真ではっきりわかるわけであります。 それから、同じく十九ページの4、安田層と番神砂層を切る活断層、これも七メートル地帯であります。これはマイナス四十メートルまで下がっておりますけれども、いままでの分はプラス七メ−トル地帯の写真であります。そこにおける活断層の部分。 それから次の二十ページ、これはマイナス四十メートル地帯です。この5、ここで注目していただきたいのは、写真にはっきり出ておりますように、水が出ているということであります。マイナス四十メートル地帯、泥岩と凝灰岩の間に断層があります。そこからこの写真に鮮明に出ておりますように水がわいておる。相当な量であります。これはマイナス四十メートル地点であります。水がわいておるということは注目していただきたいと思うのです。これは相当新しい断層である。マイナス四十メートル、海底の部分です。この水が海水かどうか私どもこれを分析することはできなかったのでありますけれども、しかし、これだけのマイナス四十メートル地帯に新しい断層から水がわいて出ておる、これは科学的にどういうことか証明されなければならぬと私は思う。これは私は非常に重要な問題だと思います。活断層があるということをはっきりと裏づけておる。新しい活断層でなければ水がわいて出るなんということはあり得ないと私ども素人でも思います。 それから6、これはマイナス四十メートル地点、西山層内の断層であります。この西山層の中にはっきりと断層が出ております。この西山層は大体二百万年ぐらい前の堆積だと言われておるのでありますけれども、それがこのようにちゃんと切れておるわけです。相当な較差であります。これは活断層でなくて何と説明がつけられようかと私は思うのであります。 それから二十一ページ、これは入り口の斜坑の部分でありますけれども、このように西山層内の断層がはっきりと鮮明にとらえられております。 8も同じであります。実に断層の切れ目といいますか、差がはっきりと写真に出ておる。歴然としております。 それから次の二十二ページ、これはマイナス二十メートル地点の試掘坑の中での断層であります。泥岩と凝灰岩の間における断層。こんなにはっきり出ておるのであります。 一つ一つは部分かもしれませんけれども、あの試掘坑の中に、私どもがいきなり入って案内してもらって見せてもらっただけで、これだけの活断層が確認されたということであります。これを認められますか。まず試掘坑の中から私はお聞きしておきます。
○松田説明員 認められるかという御質問の趣旨ですが、要するに入ってこういうのがあるということは事実でございますので、当然われわれもこれはあるということは承知しております。
○米田委員 そういう答弁じゃなくて、あなたの方も現場の写真と大体符合しておりますか。あなたの方が認めておられる断層の部分というのと符合しておりますか。この写真にあるとおり、皆さんも確認していらっしゃるのですか、あなたの方の調査は。
○松田説明員 大体われわれの承知しておるものでございます。
○米田委員 マイナス四十メートル地帯の水がわいているところの断層、これはあなたの方は承知していらっしゃるわけですね。
○松田説明員 断層といいますか、凝灰岩という名前がここにつけてございますが、凝灰岩の岩質のところには一般に空隙が多くて、水が通りやすいという性格の地層であるということはわかっておるわけでありまして、つまり、この現象からこの断層がどういう性格のものであるかということ、それからさらに、その断層が耐震設計あるいは原子炉のサイトとしての適性を評価するためにどういう意味を持つかということにつきましては、まだその間にかなりいろいろな評価の要素があるわけでございます。と申しますのは、もちろんこういうたくさんの断層が見つかりましても、一般にここで一番問題になりますのは、これが大きな断層の周辺に見られるような断層であって、その断層があることによってもっと大きな構造的な断層の存在の証拠になるかどうかというところだと思うわけでありますが、そこのところが実はそう簡単に、われわれといいますか、ある程度の専門家によって判断してもらわなければわからないというところであると思っております。
○米田委員 いみじくもあなたのおっしゃったとおりなんですが、それを私どもが心配しておるのに、あなたの方は、いや、この程度のことなら問題がない、工学的に解決できますよということでみんな押してきているわけですよ。それだから私どもが心配するのですよ。こういう集積をされた大断層がどこかにあることは間違いない。それを探さなければならぬ。その部分について徹底的な調査をしなければならぬ。そういう前向きな安全審査が行われているというなら、私どもも話はわかる。私どもが問題提起をする、ああ、これはこういうことですよと言って、結局あなた方は適当な科学的な根拠をつけて、言うなれば適当にごまかしてしまう。問題はないのだというふうにごまかしてしまう。抑えてしまうわけですよ。そうして一番大もとの心配の大断層というものに至らない。シャットアウトしてしまうわけです。それが私どもは恐ろしいのですよ。そういうことがあっては大変なことになるというのがわれわれの実は指摘していることなんです。ですから、その点はないようにやっていただけますか、どうですか。
○伊原政府委員 そういうことはあってはならないわけでございまして、私どもは、先生の御指摘の真殿坂断層だけではございませんで、それ以外のいろいろな徴候なりほかの問題についても十分な調査をいたしておると考えております。
○米田委員 たとえば、この水がわいている部分についての説明も、凝灰岩だから大体水がわくのだという御説明ですよ。しかし、写真ではっきり出ておりますように、断層の部分から水が出ておるのですよね。確かにこれは凝灰岩の間を断層が通っている。これは間違いありませんね。しかしへ断層がここを通って、そこから水がわいているということは間違いないわけですね。凝灰岩が自然的に水を含んで水が流れ出ているということではないわけですね。ですから、これはやはり私は地質の面からいって重視をしてもらわなければならない。断層としてあなたの方から重視をしてもらわなければならない問題じゃないかと私は思うのですけれども、これはどうですか。
○松田説明員 きょう御指摘がありましたような問題は、審査会の方に御報告いたしまして、いずれ専門的な知識による判断を仰ぎたいと思っております。
○米田委員 それではもう一つ。ついででありますから、時間もったいないけれども、地形につきましての写真をもう少し説明をいたしますので、委員長もひとつ十分知識を持っていただきたいと思う。
○山田委員長 はい、かしこまりました。
○米田委員 私どもは、原発の予定されている敷地の中をこの真殿坂断層が横断的に通っているということを申し上げておるわけなんです。いま答弁にもありましたけれども、科学技術庁は一貫して、真殿坂という断層は確かにあるけれども、用地の付近からはなくなっている。要するに、用地のところを通っているというはっきりとした科学的な証拠はない、そういうまた文献も歴然としたものはない、いままでこう言ってこられたのです、きょうの説明ではやや違ってきておりますけれども。そういう真殿坂断層が通っている。しかも、その上にこの原発の予定の敷地を設けておる。その断層は活断層である。だとするならば、これはもうどう考えても、いまの安全基準からいってそういうところに原発の炉をつくるなんということは何としても無謀といいましょうか、最も危険なことであって、もうこのこと自体、この柏崎の原発の敷地というものは不適格、欠陥である。私どもはそういうふうにいままで繰り返し繰り返し証拠を示し、科学的な根拠を示しながら科学技術庁とやってきたのですけれども、なかなか認めてもらえないで今日に至っているのですよ。安全審査の段階でいろいろ聞いておりますと、もう審査も順調に進んでおる、しかももう七月か八月の段階では結論が出て総理大臣に答申が出されるような段階まで来ておる。出てしまえばこの柏崎が安全審査の段階で審査基準に達した、大丈夫だという答えが出るしかないと私は思う。われわれが指摘しているような、地盤が不適格だ、欠陥だという答えが出るはずはないと思う。それからではこの委員会でどんなに取り上げて科学技術庁に迫っても、また総理に物を言っても、これはもう後に戻らぬわけであります。それでは私ども取り返しがつきませんので、実はきょうの委員会でこの問題をもう一遍取り上げまして科学技術庁の見解をただしておるわけなんであります。 そこで申し上げたいのでありますけれども、地形上、真殿坂断層がこの原発の敷地の南側を、主として南側になりますが、ずっと横断して、柏崎の大体鯖石川の下流地点まで通っているという証拠写真を、いまここへ貼付しまして持ってまいりましたので、これをひとつ見ていただきたいと私は思うのです。これだけの地層の上に出ておる活断層、これは何としても安全審査の段階で重視をしていただかなければならないと私は思います。 まず、地図がちょっと小さいのであれですけれども、一番最初の二ページからざっと申し上げますが、二ページは——委員長、一番表の表紙に図面が出ております。——それではちょっと私の方の準備も十分でございませんので、いたずらに時間をとっても困りますし、図面の説明は省略します。それから写真の方も委員長から、後で説明をいたしますので、十分現地の事情は断層が通っておることについて御認識をいただくように、ひとつお願いをしたいと思っております。
○山田委員長 米田君に申し上げますが、米田君のおっしゃる意味はよくわかります。ただ、委員会としてどうのこうのという行動の場合はやはり理事会に諮りたいと思いますので、その点は御了承を賜りたと思います。よろしくお願いします。
○米田委員 結構でございます。よろしくお願いします。 それで政府側の方に御質問いたします。 二ページの写真が四枚入っております。これは真殿坂断層の刈羽村寄り、要するに西南部分のこの敷地の外であります。敷地といいますか、用地の外の部分。要するに新潟県の県道はこのように陥没をしておる。それから真殿坂という地名のところを撮ったのでありますけれども、農地が陥没をしておる。それから県道の工事で地層が出ておりますが、斜めの層が入っております。それから上の写真は農地が陥没して池のように水たまりになっております。この一帯が真殿坂という地名のある、真殿坂というところでございます。それから三枚目の写真は同じくその周辺でございますが、農道が陥没をしておる。これは半年に六センチいまでも下がっております。この農道部分、六カ月に六センチ下がっております。それから住宅がこのように、土台が陥没いたしますために変形しております。それから刈羽村では、土地改良が用水、排水の関係が狂ってきておる、こういうことが言われます。 それから四ページ目、これは敷地のごく近くでありますが、砂丘地帯にこのように水たまりができておる。これは用地中央部、断層上の湛水状況であります。これはもう敷地と隣り合わせております。砂丘地帯にこんなに陥没して、そこに水たまりができて池のような状態になっております。 同じく五ページ。これは今度、用地を通り越して柏崎側に寄ったところの部分の県道の陥没地帯であります。ですからここまで、真殿坂断層は用地を通り越して柏崎側まで、反対側まで通っているということの一つの証拠になると私は思います。下の方のこの写真は、余り関係ありませんから申し上げません。 それから、用地の中で活断層が発見された部分、これは六ページの写真からです。用地中央部の活断層。この用地中央部というのは、東電が一番最初に炉の設定をここに求めようとされたところであります。しかし、このように活断層が存在しておりますので、取りやめになったのです。これは専門家が見ればすぐわかると私は思う。 それから、3が嶽の尻の活断層。これは一目御理解いただけると思います。これも二度目の炉の設定の予定地でございまして、これも後で変更になりました。取りやめになりました。 同じく七ページが嶽の尻の活断層の写真であります。このようにはっきりと写真がとらえております。 それから八ページ、これは用地内の番神砂層を切る活断層が写真でとらえておるわけであります。 同じく九ページも用地内です。これもあなたの方ではあるいは調査していると思います。 それから十ページ、これも用地内の炉心の東側三百メーターの地点にある活断層。はっきりと活断層の部分が確認できます。 十一ページ、これも用地周辺で見られる活断層の写真でございます。 十二ページも同じです。 十三ページも同じであります。これは番神砂層−安田層を切る活断層。 十四ページも同じであります。 十五ページは、番神砂層を切る活断層、この写真が三枚挙げてあります。 十六ページも安田層−番神砂層の活断層の部分であります。 この写真におさめました地点は第一ページ目の地図のところに番号が振ってあります。ですからどの部分かというのは、この番号を見ていただければ十分わかるようになっております。 ちょっと要領を得ない説明でありましたけれども、こういうふうに地表の部分に地形の面ではっきりと活断層としての確認ができるような断層がある。これだけ存在する断層を、なお真殿坂断層でないというふうに言えるのかどうか。あなたの方では、最近の新聞発表によりますと、常楽寺断層という断層を調査されたというふうに言われておるのです。これは後でお聞きしたいと思っておるのでありますけれども、常楽寺断層はこの用地の隣を通っておりますけれども、いま私が説明いたしましたような用地内、それから用地の南側を通っておる断層とはっきりと違います。これは真殿坂以外にここを通っている断層はないわけであります。これほど歴然としているわけでありますので、この真殿坂断層が活断層であるということについて素直にお認めになる方がこの際適当なんじゃないかと私は思うのでありますが、いかがでございますか。
○山田委員長 関連質問を許します。石野君。
○石野委員 ただいま米田委員から説明した写真は、私も調査団の一員として入って確認しておるのですが、十ページに出ておりますその写真のごときは、いま申請しておる炉の中心から三百メーター、これはアメリカの設計基準からいうと、四百メーター以内にこんなものがあったら、炉の中心地点としてはほとんどパスしない条件になっているはずなんですね。そういう問題は科学技術庁はちゃんと考えておるのでしょうね。そういうことも含めて、いま米田さんの質問の答えと一緒にひとつ御意見を承っておきたい。
○松田説明員 いまここにお示しいただきました写真、これはすべて事実こういう現象が地表近くに見られるわけでございますが、これだけから常識的に考えても大きな活断層があるということはそう簡単には言えない話でございまして——もちろんこれを頭から無視するということで申し上げているわけではございません。地表にこれほどの活発な徴候があらわれますと、もちろん地質学的な類似のもっとより広範な現象が当然いろいろあるわけでございまして、そういう広い立場であの地帯一帯のいろいろな特異な現象を総合して判断するということが当然必要なわけでございます。審査会の方は当然そういうことをやっているわけでございますので、もちろんこの事実を無視するわけではございませんが、こういうこともよくしんしゃくし、もっとほかのいろいろな大きな徴候を総合して判断する、こういうことでございます。 なお、石野先生が御指摘になりましたアメリカの基準のことでございますが、アメリカの基準で言っております四分の一マイル以内という数字、これは年代は忘れましたけれども、昔そういう基準がございまして、現在アメリカはそういう基準を改正しておりますけれども、その趣旨としておりますところは、どういう断層でも四分の一マイル以内にあったらいかぬということではございません。やはり問題は耐震設計を考える場合、大きな地震の原因になるようなそういう断層ということが中心でございまして、地表面のこういう断層そのものではなくて、もう少し地震の立場から考慮しなければいけないような断層がある距離以内にあってはいけない、こういう趣旨でございます。したがいまして、まずこういう断層がどういう性格のものであるかということの科学的な判断がやはり必要であるということと同時に、アメリカの方も、現在あります耐震の基準といいますか、立地の基準の中にある地震関係の条項は、詳しくその辺を調べろということに焦点がいっておりまして、その調べた結果地震を評価し、その地震と耐震設計という技術との比較で判断しろというふうな基準になっているわけでございます。
○米田委員 松田さん、あなたは科学技術庁の原子力安全局の規制課長でしょう。安全を確保する側の責任者ですから、企業の側の代弁をするような説教や答弁はやめてもらいたいと私は思うのですよ。アメリカの基準について私どもも研究しておりますからわかっております。そういうことは石野先生だって十分わかった上で、まずチェックしなさい、まず疑問を持ちなさい。そういうことについてはまず抑えるという立場が先行しなければ、この危険をとめることはできませんよということを私ども申し上げているわけなんですよ。企業の側が繰り返しているような、十分調査すればいいんだ、耐震上の構造でカバーできればいいんだ、何回も聞きましたけれども、そういうことをあなたの口から聞こうと思って私は質問しているんじゃないのですよ。そういう点は、私は、科学技術庁の安全局の使命にかんがみて、もっと安全というサイドに立った答弁をしてもらいたいと思います。 それから、総体として安全専門審査会で検討されるということで、まだその審査が続いている段階でありますから、幾ら問答してもこれは始まらないわけでありますけれども、ただこれだけはひとつ聞いておきたいのです。 真殿坂断層の上を走っている県道が二本あります。新潟県の県道で高浜−堀の内線、これは用地の北側です。これが大体四年間で三十センチ沈下しております。それから用地の南側を走っている県道荒浜−安田線、これが五年間で二十センチ沈下しております。これは一体どういうことなんだろうかということです。これはいまお示しした写真にも出ております。 それから、刈羽村の真殿坂断層の上にある農地の用排水が大体二、三年たつともう機能しなくなる。みんな農地の変動のために用水がとれないとか、排水が不可能になるとかというような状態が出ておる。さっき申し上げましたように六センチも沈下しているということがあるわけであります。こういうことはどういうふうにあなた方の方では見られるわけなんでありますか、真殿坂の断層の上にあるこの変動を。私どもは真殿坂断層が活断層として現に動いておる、こういうふうにしか見ることができないと思っておるのでありますけれども、いかがでございますか。
○松田説明員 地盤沈下そのものにつきまして、これがどういう現象で起こっているかということをここで先生に御説明するほど私も専門家ではございませんが、地盤沈下があることは私ども十分承知しておりまして、この現象が真殿坂断層と本当に関係があるかどうかということは、審査会の専門家の先生の意見を尊重したいと思っているわけでございます。そういうことも含めまして十分審査したい、こう思っているわけでございます。
○米田委員 一つだけこの機会にお伺いしておきたいのですが、さっきの御答弁で、真殿坂だけの関係じゃなしに、いろいろな面で審査をしているという答弁なんですけれども、これはことしの五月二十日の新潟日報の新聞の記事の切り抜きなんでありますけれども、これに気比宮、常楽寺断層など、安全審査会がこの対象として取り上げてメスを加えておる、こういう記事が載っております。中身をちょっと読んでみますと、 審査関係者の話を総合すると、これらの断層の形成年代は新しく、形成後、地盤変動がある程度あったと見られており、地震とかかわり合う活断層と考えられている。 このため、これらの断層の影響や評価をめぐり、審査委員の評価がくい違い、調整に時間がかかった。 しかし地盤評価で一定の結論が出たことで、審査は急ピッチで進み、短期間に数回の審査で“まとめ”に入ることがほぼ確実な情勢になっている。 以下続いておりますが、こういう記事が載っておるのであります。 ここで私が重視しておりますのは、気比宮断層、常楽寺断層、これが私どもは前から、地質学の面から言ってこれらの断層が刈羽の真殿坂断層と隣り合わせに走っていることについては承知をして調べておりましたけれども、安全審査会がこの断層を審査の対象として取り上げたということは、この新聞の記事で初めて知ったわけなんでありますが、これはどういうことで取り上げられて、しかも内容が地震にかかわり合いを持つ、その評価をめぐって大分議論がなされて意見の食い違いがあったけれどもようやく調整がついたんだ、こういうことまで記事が出ておるわけなんでありますけれども、どういうことなのか、この際、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○松田説明員 この新聞記事の内容はどこまでの話をもとにお書きになったか私もわからないわけですが、審査会は、あの地方に見られますいろいろな推定を含めました断層をすべて一応考察の対象にしておりまして、それぞれの断層につきまして、その規模、それから活動性、そういうものを推定いたしまして、それと地震との関係を検討しているわけでございます。この二つの断層だけ特に新聞に載っておりますけれども、別にこれだけにしているわけでもありませんし、真殿坂だけでももちろんありません。とにかくあの地方に見られるいろいろな断層を対象にしている、こういうことでございます。
○米田委員 それじゃわかりました。この気比宮もそうですし、特に常楽寺断層は敷地の周辺を通っておりますから申し上げておきますが、ここに地図を持ってきておりますけれども、時間がなくなりましたので後で説明します。審査としては十分慎重に、常楽寺断層等につきましても審査をしてもらいたい。それから審査の答申は、これによりますともう近いということが言われておりますが、いつごろ答申が出されるという状態なんですか、このことだけお聞きしておきたいと思います。
○伊原政府委員 この柏崎刈羽の原子力発電所の予定地点につきましては、安全専門審査会の百二十部会におきまして審査が行われておるわけでございます。いままで部会審議が六十七回、現地調査十二回が行われておりまして、相当精力的な調査を進めたわけでございますが、審査の経過を聞いたところでは、逐次問題点の討議が進められておりまして、おおむね審査の結果をまとめる段階に入っているというふうに承知いたしておるわけでございます。ただ、私どもといたしましては、あくまでも専門家による客観的な審査ということでございますので、いつまでに審査を終わってもらいたいとか、そういうことではなくて、十分安全性確保のために慎重な審査を行っていただくことを期待しておるわけでございます。
○米田委員 最後に、これは委員長に一つお願いがございます。 安全審査のめどはまだはっきり答弁いただけませんでしたが、私どもは、早く答申をもらうということじゃなしに、非常に問題の多い欠陥の敷地だと思っておるのです。したがって、若干の時間で説明いたしましたが、なおたくさんの問題点を持っておりますし、ひとつこの際、この科学技術特別委員会の決議をもちまして、科学技術特別委員会として、これだけの地盤で地質の問題の多い柏崎でありますから、これは全国ほかにないと私は思うのです。第一、安全審査に二年以上もかかっているというところはないのです。そうして、もう試掘坑が、審査の段階でまた次に掘られて審査が続けられているなんというようなこともないし、地盤の問題でこれほど問題になったということはないわけですから、非常に例外中の例外でありますので、より慎重を期するために、この科学技術特別委員会でぜひひとつ現地を見ていただいて、私が写真に示しました活断層の状況、真殿坂断層の状況、果たしてこれが原発の敷地予定地として適当であるのかどうか、やはり皆さんにも十分見ていただきたいということを私はお願いしたわけでありまして、ぜひひとつそういうことにつきまして理事会で御検討いただいて、私どもの希望を入れていただきますようにお願いしたいと思います。よろしくひとつお願いいたします。
○山田委員長 米田君に申し上げます。 米田君のお申し出の趣旨はよくわかりました。ただ、委員会として決議をするか、あるいはどのような内容にするかは、理事会に諮って決めたいと思いますので、さよう御了承のほどをお願いいたします。 次回は、明二十六日木曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十八分散会