科学技術振興対策特別委員会 第13号
- 発言数
- 173 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/05/12
会議録
○山田委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小宮武喜君。
○小宮委員 長崎県では、御承知のように、政府からの原子力船「むつ」の佐世保修理港要請に対する態度決定のために開かれました臨時県議会で、去る三十日、燃料棒抜きを条件として受け入れることを決定いたしました。この県側の態度は、さきに決定しました佐世保市側の態度との間に相違がございますが、政府は、この調整をどうするのか。いままでは長官も、まだ長崎県側の態度が決まっておらないうちに私が云々することは、余り先走ったことはできないということで逃げておりましたけれども、いよいよ現実に長崎県側の態度も決まり、佐世保市側の態度も決まったわけですから、今度は大臣も逃げるわけにはいかぬと思いますので、ひとつこの調整をどうするのか、お聞きします。
○宇野国務大臣 去る三十日の県議会におきまして、いま小宮先生おっしゃったような決定がなされました。一応核燃料棒は抜いてこいという条件がついてございます。しかしながら、佐世保にいたしましてもまた長崎県にいたしましても、これで入り口の方はとにかく解決をした。県並びに市に対しまして私は感謝いたしておる次第でございます。 ただ、新しい条件として核燃料棒を抜けという問題でございます。これは非常にいろいろな問題があろうと思います。現在どこで抜くかということはもちろんまだ考えておりませんが、その前に、まず核燃料棒を抜くということについての安全性、これに関しましてやはりその安全性を確立をしておきたい、こういうふうに私自身は考えております。 同時に、御承知のとおりに党には特別委員会がございますから、この特別委員会におきまして、県がこういうふうな答えであり、また市の方の答えはこういう答えであるが、いかが取り計らいましょうかということを実は一昨日諮問申し上げたわけでございます。その結果、党といたしましても、まず新しい条件がついたんだから、その是非は第二として、安全性というものが今日ただいま確立できるかどうか、それをまず検討しなさいということでございますので、政府といたしましてはあくまでも、やはり政党政治でございますから与党の御意見を伺いながらやっていきたいと思います。最終的にはどういう答えを与党が出されるか、まだこれはわからないわけでございまするが、やはり政府がお願いしたことでございますから、最終的には政府が責任を持って長崎とそして佐世保との間に入りまして、お互いに意見を調整していただくように努力をすることは当然でございます。
○小宮委員 いま大臣が言われるように、これは自民党が十日午前十時から党本部で原子力船対策特別委員会を開いて、原子力船「むつ」の修理港問題を討議した。その結果、「むつ」の核燃料を抜くことの安全性や、その条件について政府から原子力委員会に対して検討することを要請するよう申し入れることを宇野科学技術庁長官も出席して決めた、ということになりますと、いろいろ巷間では、たとえば長崎県と佐世保市側の態度が食い違っておる、したがって、今月の中旬ぐらいには佐世保市に対してやはり県と同一の歩調をとるように、いわゆる核燃料棒抜きの再要請を行うというようにわれわれは大体想像していたわけですけれども、自民党の中の特別委員会でそういうことが決定されたということであれば、いわゆる核燃料棒をどこで抜くかということが決定をしてから、あるいは原子力委員会にその安全性の問題についても諮問をし、そういう手続を経てから佐世保市側には要請をするというふうな順序になりますか。
○宇野国務大臣 佐世保にそういうふうな結論を持って上がるかどうか、これはまだ判然といたしておりません。と申し上げるのは、あくまでも自民党の委員会におきましても、長崎の知事の諮問機関、これは専門家グループの方々でございます。したがいまして、知事もその意見を尊重されたわけですが、その方々の中におきましても、燃料棒をなめてもいいじゃないかというような状態になっておるということを言っていらっしゃる委員すらあって、そして抜いてきた方がより安全であろうという、言うならば社会的安全性、特に被爆県としてのいろいろな原子力問題に対する県庁感情、そうしたいろいろな要素が入っておりました結果のお話でございますが、やはり国家といたしましては、原子力委員会も厳然としてあるわけでございますから、その委員会がこの問題についてどういうふうな判断をしておるのか、また、たとえば核燃料棒を抜くにいたしましても、もう一度安全であるかないか、そうしたことをやはりオーソライズするということがまず必要ではないかというのが特別委員会の御意見でございますから、私も同様の感想を抱いておりましたので、まずそれをやってみてからということでございます。 したがいまして、その結果、もう答えは安全に違いないでございましょうけれども、しかし、一応そうしたものをきちっとして、さてそれから、では長崎県のつけられた条件というものは国としてもできないことではないが、それではそれについて佐世保の案をとるのか、あるいは長崎県の案をとるのか、このことに関しましても、やはりそうした上に立ちまして特別委員会がいろいろと御判断をしていただける、こういうふうに考えております。 で、党内にもいろいろ意見がございます。そういうふうなことは党には党の意見がいろいろございましょうから、私といたしましても、特別委員会にお諮りいたしました以上は、諮っておきながら肝心の大臣が勝手に先へ先へとしゃべっておるというようなことはということもございましょうから、そういうふうな意味合いで決して長い時間はかからないと存じますが、まず第一番目には核燃料体を抜けということですから、その抜くことに関しましての安全性というものをどういう方法でこれを確認するか、また確認していただくか、それをいま私といたしましても当局に命じまして、早急にその安全性を確認できるような方法をどれが一番適当なのか検討せよということで、検討を命じたところでございます。 したがいまして、いま先生がおっしゃるように、五月の中旬に佐世保に行ってこうしますという段階まではまだまだ至らないのではないか。その点に関しましても、現在は全く白紙の状態でございまして、まず安全性の確立から政府はやはりお答え申し上げている、こういうふうに思っております。
○小宮委員 いま大臣の言われておることは、私もこの新聞報道を見て存じておるわけですが、「新たに核燃料を抜くことの安全性について最も権威をもつ政府の原子力委員会の正式な確認をうることが望ましい」それは一つの段階としては、それでは長崎県から核燃料棒を抜いてきなさいということに対して、さらにもう一度その燃料棒を抜くことの安全性について原子力委員会でひとつ確認をする。それでその確認の上に立って、今度は特別委員会としてどこで抜くかについて具体的な検討を加えるということになっておりますね。だから、このことまではいいわけです。それは原子力委員会の確認をまず得る。確認が出た後で、これは自民党の特別委員会で、今度はどこで抜くかということを検討するということですね。まずその場合はどこで抜くかということを検討するわけですね。その核抜きをするかどうかということを検討するのではなくて、どこで抜くかということを特別委員会では検討するわけですね。そうしたら、どこで抜くかということが仮に決まった。——この点ははっきりとしておいてくださいよ。特別委員会では燃料棒をどこで抜くかということを検討するわけですね。たとえば長崎県と佐世保市の態度は食い違っておる。そのことについてどうするかということではなくて、燃料棒を抜くということを前提で、特別委員会では検討する。そこで、それがどこで抜くかということが仮に決定をされる。決定をされて、そうしたらここで交渉をする。そこで受け入れば困難になったという場合は、もう一遍特別委員会で、またそういう状況を踏まえて検討して、先ほどお言葉の中にちらっとあったように、佐世保に燃料棒抜きで再要請をするのか。たとえば仮に県側に対してもう一度燃料棒つきで受け入れてくれということを再要請することになるということですか。その点、はっきりしてくださいよ。
○宇野国務大臣 安全性確立、その結果に従いまして、ではどこで抜くかということが一番大きな問題になってくると思います。これに対しましては、全く白紙の状態でございますから、やはり特別委員会におきましてもいろいろと議論が出てくるであろうと思います。したがいまして、いま私が特別委員会と折衝している限りにおきましては、大体そこら辺までの話を前提として、ではとりあえず安全性を確認しようじゃないかということになったのでございますので、最終的にはやはり受け入れ港は佐世保でお願いしたい、こう思っておりますから、最終的にはAの答えが出るか、Bの答えが出るかは別といたしまして、そのときには県と市との間に私が一応責任者としてこれはタッチをさせていただかなくちゃならぬ、これだけは事実でございますので、だからAの答えが出るか、Bの答えが出るかまだわかりません。わかりませんが、最終的には私が県、市の間に入らせていただかなければならないだろう。これだけはずっと予算委員会当時から御答弁申し上げている筋でございますので、そういうふうにひとつ御理解賜りたいと存じます。
○伊原政府委員 大臣の御答弁に、事務的な手続につきましてちょっと補足説明させていただきたいと思いますが、燃料体取り外しの安全性につきましては、権威のある機関で検討ということでございまして、これは、その権威のある機関といたしましては、むつ総点検・改修技術検討委員会、いわゆる安藤委員会というのがございます。これは科学技術庁長官と運輸大臣の諮問機関、学者のグループでございます。ここで安全性なり技術的手順の設定につきまして御検討いただくということで、まず仕事を進めさせていただくのが適当ではなかろうかと考えております。最終的には設置許可の変更という手続がございまして、それにつきまして変更の事項が安全審査事項にまでかかわるものであるということになりますれば、最終的には原子力委員会が責任を持って判断をするわけでございますが、とりあえずはこの安藤委員会の御検討ということになろうかと存じております。
○小宮委員 その安藤委員会で検討していただく、それで、安藤委員会でどういう結論が出るか知りませんが、それをさらに今度は原子力委員会でまた改めて検討するということではなくて、もう安藤委員会というものは原子力委員会だというふうに規定をして、そこで順序としては結論が出た、出た上で要請する、それはどこで抜くかということをまたさらに特別委員会で検討する。その特別委員会で、どこで抜くかを検討する以上は、この自民党の特別委員会の段階で、抜くか抜かぬかという態度を決めるのじゃなくて、この自民党の特別委員会では、抜くということを前提にして、どこで抜くかということを検討するわけですね。そうしますと、今度はどこで抜くかという問題、どういうふうになるか知りませんが、どこかで抜かなければいかぬ。そうすると、そこでよほど自信があれば別ですけれども、それはどこかで抜くように要請をしたとしても、もしだめだったという場合は、その結果を見て、いわゆる県側に再要請するのか、佐世保市側に再要請するかという問題にかかってくるというふうに理解していいですか。その点、はっきりしてくださいよ。
○宇野国務大臣 われわれ慎重に事を運びたいと思いますから、だめだったというふうな想定は、現在私の口から、これはもう責任上申し上げられないようなことでございますから、したがいまして、先ほどAの答えが出るか、Bの答えが出るかはいずれにいたしましても、県並びに市の間には政府が責任を持って入らなければならない、こういうふうに申し上げておるので、ひとつその点は御了解賜りたいと存じます。 なお、特別委員会の方は、恐らく安藤委員会のそうした専門家の御意見だけで、それを基準として今後いろいろ判定もしていただくと思いますが、正式の原子力委員会が、ではこの問題をどうするかということは、これは一つの規定がございまして、ルールもございますから、もう一言局長の方から説明をさせます。
○伊原政府委員 これは仮定の問題でございますが、燃料体取り外しということで安藤委員会に御検討いただきまして、自民党の特別委員会の方でもこの方針が決定され、それに基づいて適当な場所が決まるということになりますと、そこで原子力船事業団の方から原子炉設置許可の変更の申請が出てまいります。その段階におきまして、内閣総理大臣がその変更の許可をするかしないかの判断をいたしますときに、原子力委員会に諮問いたします。原子力委員会といたしましては、その事項が最初の許可のときに検討いたしました安全性の検討の範囲の中であるか外であるかを判断いたしまして、最初の昭和四十二年の許可のときに検討されておらない新しい安全性の事項が出てまいったと判断をいたしますれば、原子炉安全専門審査会に諮問をいたしまして、その十分の検討を経た上で原子力委員会が内閣総理大臣に許可の変更をしてしかるべきや否やという答申をいたします。それを受けまして内閣総理大臣が変更の許可をするしないを決めるわけでございます。
○小宮委員 私は、そういう手続の問題じゃなくて、これからの手順としては、結局原子力委員会に燃料棒を抜くことについて、安全性について確認していただく、それが確認されたら、今度は自民党の特別委員会でこの問題について、どこで抜くかを検討する、それでその検討した結果、どこで抜くかを、単数か複数かは別として、一応どこか決めるでしょうけれども、そこと話し合いをして、すんなり受け入れてくれれば、そこで佐世保市に対して燃料棒抜きで受け入れの要請を再度するということにもなろうし、もし受け入れ先がどうしても見つからなければ、長崎県側に対して燃料棒つきで受け入れを再度要請するということにもなるというふうに理解していいですか。大臣、はっきりしてくださいよ。
○宇野国務大臣 これはあくまで特別委員会が答えを出され致すから、だからAの場合もBの場合もあろうということを先ほどから申し上げているわけで、したがいまして、そうしたときには県と市の意見が違うわけですから、その中に私が入らしていただく、できたら一本にしたい、こういうことを申し上げておるわけで、違ったままでは困るわけでございます。やはり入り口が一本である、もう受け入れるということは今度わかったわけでありますが、できるだけそれも一本にしていただきたいと。だから二本の線は考えずに、私一本になることを望んでおるわけでございますので、したがいまして、いずれにいたしましても、AになろうがBになろうが、私も最高の責任者でございますから、県、市にお願いしなくちゃならないであろう、そうして極力一本にしていただくことを要請しなくてはならない、いまの段階ではそれしか言えませんですね。 だから、二つの場面どうだとおっしゃっても、私としてはやはりAかBかと、もう二つしかないわけですから、AかBかということでお答えして——これはもう特別委員会の権威ある先生方が一生懸命に検討してもらえると思うのです。実はこの中には佐々木前長官もおられるし、元科学技術庁長官もおられる、そういう私の先輩もずらっと顔を並べて、本当に真剣にこの問題を討議していただける、こう思っておりますので、私がここでいまからその結論はこうだろうああだろうと言うことだけはひとつ差し控えたいと思いますから、その点は御了解賜りたいと思います。
○小宮委員 いつも大臣はそういうようなことで先を濁しておるわけですよ。しかし、やはり長崎のわれわれの立場としては、そういうあいまいな問題では困るわけです。それは二つのA案かB案かどちらになるか、それはそうでしょう、どちらかになるわけでしょうから。だからいずれにしても、A案になるかB案になるかによっては、やはり長崎県側あるいは佐世保市側に対してそういう調整を大臣としてやらなければならないことは当然でしょう。だから私が言っているのは、A案とB案、いわゆる燃料棒抜きと燃料棒つきという、どういう結論が出るかによっては、どちらかにやらなければいかぬわけですね。その中で、もちろんこれは二本でいけるわけじゃないし、調整をしなければわからぬのですけれども、だから調整をする場合に、たとえば長崎県側あるいは佐世保市側に新たな要請をするのかどうか。まあ大臣が入ると言っておるけれども、行って幾ら話してみたって、やはり、いままで要請してその回答がどちらも生きておるわけだから、その場合は再度どちらかに要請し直すということになりますかということです。
○宇野国務大臣 まあ極力事が荒立たないように、トラブルが多くならないようにやっていきたい、こう思います。だから、要請するかせぬかという一つの具体的なことで御答弁申し上げることが適当かどうか、要請になるのかあるいは話し合いで終わるのかということもございましょうから、非常にこの際私もいろいろ考えておるのです。したがいまして、要請するのですと言ってしまえばいいかもしれませんが、それがまたそれに拘束されてしまって、もう少しく弾力性を持って臨める問題が、何かみずから手足を縛ったというようなかっこうになってもどうか、こう思ってもおりますし、もう少しく推移を私も考えてみたいと思う。 だから、小宮先生の御質問の気持ちは重々私もわかります。私も、もう長崎県並びに佐世保市に対しましても両方に同じ気持ちで感謝いたしておりまして、言うならば、忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならずかなというような感じも抱いておるわけでありまして、そこら辺は、要請ということになりますと、いかにも昨年二月のような状態を想定いたしてしまいまして、またまた佐世保市民の方々あるいは県民の方々、この方々に要らざる思いを抱かせてまた再びトラブルの蒸し返しだということになっては大変でございますから、だから私は、本当にこの要請という言葉をここで素直に受けとめて、そうですと言うのがいいのか悪いのか、それすらも、率直に申し上げまして迷っておる。しかしながら、両者に対しましてはやはり誠意をもって当たっていきたい、こういうふうに思っておりますので、拘束した一つの定義で話が進められると非常にやりにくい面が出てくるんじゃないか、こう思っておりますから、その点もひとつ御了解賜りたいと思います。
○小宮委員 いや、それは当然両方の態度が食い違っているわけですから、正式にその話を持ち込んで、そこで話し合いを大臣がするか、あるいは事前にそういうふうな根回しをするかは別としても、それではやはり要請という正式の形をとらなければ、どちらも食い違っておるわけですから、たとえば佐世保市側に燃料棒抜きで、たとえば大臣が行って市長とそれでいきましょうと決まったとしても、それでは市議会で決定したことを市長が、大臣が来られてこう言うから、ひとつもう一遍検討してくれというようなことは、市長の立場としてやれますか。やはり正式には、そういうような根回しがあったとしても、正式に要請をして、その上で、こういうふうな要請が再度来たので、市議会に対して、皆さんひとついかがでしょうかということをするのが、これは市長としても、たとえば仮に県の知事の場合でもそうですよ。だから私は、そういうことを正式に要請するのかどうかという表現を使っておるわけです。その点は、いずれそういうことにならざるを得ません。 これは、私も今度の連休でいろいろ回っていろんな人の意見も聞いてきました。やはり佐世保市側でも非常に強硬です。だから、佐世保市側でも、どうも新聞紙上の報道は、まあ大臣が、久保知事が燃料棒抜きで受け入れたのだから、今度は佐世保市側に対して改めて、燃料棒抜きでひとつ受け入れていただくように要請があるだろうということは新聞報道でもう出ておりますから、それに対して佐世保市民の方々、議会の方々の中には、何を言うか、われわれは政府の要請どおりにやはり燃料棒抜きで受け入れるということを決定したのではないか、むしろ筋から言えば、長崎県側に政府が再度考え直してくれということを要請するのが筋ではないのかというような意見も強いし、しかも佐世保市議会の中でも、それでは燃料棒をどこで扱くとかという保証があるのかどうか、それをはっきり確認しない間は、たとえ仮に要請があっても受け入れるわけにいかぬ。それはそうでしょう。まだまだ記憶も生々しい四月一日にああいう大混乱の中で決定した市長の立場として、そういうようなことをまたどの面下げて市議会に、ああいうふうな決定をしていただきましたけれども、県がこういうことを決めたし、大臣からも要請があったから、改めて皆さん考えてください、こういうことは言えませんし、いま佐世保市の中でも、それはもういろいろな意見があります。佐世保市をばかにするなという意見もあります。 それと同時に、もう一つは、では法律案が通るのかどうか。いろいろ内部のことはもう言いませんけれども、いまの原子力船開発事業団法の延長法案は通るのかどうか。そうしないと、そういうような見通しもない上に、しかも燃料棒をどこで抜くかということもはっきりしない上に、われわれだけは、ただ大臣から再要請が来たからといって、われわれまた市議会に提案をして、仮にそれを再度議決し直しをやったとしても、そういう問題がどういうふうに発展していくのか、それによっては佐世保は余りにも人間がよ過ぎるというようなことにもなるので、この問題についてやはり慎重に考えなければいかぬという意見がかなり強いのですよ。大臣が考えるように甘い考えじゃないのですよ。私は佐世保の人たちの言っておることは正しいと思うのですよ。 そういう意味で、いつも問い詰めていくと、この前から知事がまだ態度を出しておらぬということで逃げるし、今度はまた自民党の特別委員会の中に逃げ込んでしまうし、どうもはっきりしないのだけれども、それもまたそういう時点が来ると思いますけれども。 ところで、ひとつ大臣、法律案がどうなるかは別として、いまの原子力船事業団法、これが今国会で成立をしなかった場合に、それにかわるべき法律案も成立しなかった場合、仮にその受け入れの問題がA案なりB案になろうと、果たしてできるかどうかという問題ですよ。この点はひとつはっきりしてください。
○山野政府委員 全く仮定の問題といたしまして、ただいまの延長法案が不成立になりました場合におきましても、修理港としての同意が得られますれば、私どもは早速「むつ」を修理港に回航いたしまして維持管理に必要な総点検あるいは必要な改修といったふうなものは進めてまいりたいというふうに考えております。
○小宮委員 いまの法律案は、いわゆる延長法案の中に修理点検ということがはっきり明示してあるわけですよ。だから、もし法律案が廃案になるか、あるいは継続審議になるか、私はもうざっくばらんに言っておるわけですから、皆さん方は、何か揚げ足を取られぬように、どうもからの中に閉じこもった答弁ばかりしておるようですけれども、そういうことがないという自信があれば別だけれども、もしそういうふうになった場合に、果たしてその燃料棒をどこで抜くかの問題、こういうような問題、要請の問題、いろいろ話し合いそのものが果たして進められるかどうか、進められることはできたとしても、具体的に受け入れの方がどちらかに決まったにしても、佐世保に回航するにしても、果たしてできるかどうかという問題です。これは、こういうことをやはり大臣、余り逃げぬで明確にしていただかぬと、それは今後大臣が県側に、市側に対して要請をするにしても、話し合いをするにしても、この問題が一つの大きな焦点、ポイントになっておるわけですから、その点についてもっとひとつ大臣から答弁してください。
○宇野国務大臣 もうずっとお話をしてまいりましたとおりに、私たちといたしましては、核燃料棒をつけたまま決して現在の「むつ」は不安定なまた安全を欠くような状態でないということをはっきり申し上げておるわけであります。しかしながら、長崎の県の方は抜いた方がよりベターだ、こうおっしゃっておる。これは科学的な安全性ではなくて、社会的な安全性を考慮された上のことであろう。政治というものはそうした面をもまた考慮しなくちゃならない面があるから、党の特別委員会が今後いろいろとAにするかBにするかを御検討なさるであろう。しかしながら、あくまでも国家というものが現在厳然とあるわけで、政府も厳然とあるわけですから、やはりその最高の機関がこれは安全だということは何らかの機会にはっきりして、国民の御了解を得なくちゃなりません。私は、それだけの一つの下敷きをこしらえることが必要だ、こう思っております。 ただもう感情的に、あるいはイデオロギーだけで反対だ反対だという人たちもいらっしゃるかもしれませんが、私は、被爆県民の気持ちは十二分に尊重しなくてはならないであろうし、また、漁民の方々のお気持ちも十二分に尊重しなくちゃならないでございましょうが、いやしくも科学技術を預かっておる最高の責任者といたしましては、そうした感情に対しましても、やはり核そのものについての安全性というものを常にはっきりさしておく必要があろう、私はこういう精神で今日臨んでおるわけであります。それを国民のほとんどの方々が受け入れていただいたらいいのですが、国民の方々の中にはまだまだいろんな問題がひそんでおる以上は、やはり政治的にも極力トラブルを起こさない方が賢明でございますから、そうした意味合いにおいて、この問題に対しましても決して私はのらりくらりと逃げておるんじゃなくして、いろんな方々の顔を想像したり、またお気持ちを想像しながらこの問題に取り組んでおるわけで、何といたしましても「むつ」は佐世保で修理をしていただきたい。そうして今後十年の間にやはり生命を与えていただいて、これが将来の日本の原子力船時代の第一ページを飾る、それだけの歴史をつくっていただきたい、それをするのが私の責任だ、こう思って現在必死の努力をいたしておるわけでございます。 したがいまして、法案に関しましても、私は速やかにこの法案が皆さん方の御審議の上で可決され、そうして成立することをお望みする次第でございます。いやしくも提出いたしたものがこの国会においてひょっとすると危ないかもわからぬ、そのときはというような仮定の問題を私は考えるべきではない、こう考えておりまして、きのうも提案理由の説明をした生々しい今日でございますから、その今日にひょっとしたらどうだろうというような情けないことでは国務大臣は勤まらない、こういうふうに思いますので、その仮定の質問に対しましては、私ははなはだ残念でございますが、ひとつ私の信念だけを披瀝申し上げましてお答えにかえたいと存じます。
○小宮委員 大臣の気持ちはわかりますよ。われわれもぜひそうあってほしいと考えているけれども、しかし、そういうような期待と現実とは、どうも非常に厳しい問題がある。だから、大臣も科学技術庁長官だから、やはりもっと安全に、しかも正確にミスがないように国会答弁をやっていただかぬと。 そこで、それでは原子力委員会に確認する点についてはすでに作業は始まっておりますかどうですか。
○山野政府委員 ただいまの御質問の趣旨は、あらゆる場合を想定して原子力船開発事業団において各種の準備作業をしておるか、たとえばその中には燃料の抜き取り作業手順といったふうな件等も含めてやっておるかというような御趣旨かと存じますが、そういう作業はいま船の事業団において進めております。
○小宮委員 結局私が知りたいのは、これは仮定の問題でしょうけれども、すぐ大臣は逃げるけれども、いわゆる一応のめどというものは政府としても持たなければいかぬですよ。だから、原子力委員会で一応確認していただく、これをいつまでくらいにやる、その後自民党の特別委員会でまたひとつ検討してもらう、それによって受け入れの、たとえば燃料棒抜きをどこで受け入れてもらうかということで一応相談もするということを考えてきた場合に、佐世保なり長崎県なり、どちらになるかわかりませんから私も複数を使いますよ、いつごろにその具体的な、いろいろ内容、条件は別として、話し合いができるように、また大臣がそういった調整をやるようにする時期はいつごろになりますか。
○宇野国務大臣 これはもう、もちろん早ければ早いほどがよいと存じます。何と申しましても青森には、すでに四者協定の四月十四日は違反をしておるわけですから、私は青森県に対しましてもそうした意味で早ければ早いほどがいいということで、久保知事あるいは長崎県の松田議長にお願いしまして、連休までにできたらひとつ答えを出していただきたいというので、この切なる政府の気持をくんでいただいて、連休前の三十日に県会もああいうふうな答えを出していただいたという経緯がございます。出していただいた以上はやはりいま申し上げましたような安全性の確立、確認、これも早くやっていきたい、こういうふうに思っております。 ただ、私といたしましては、将来の原子力船の非常に重大な問題でございますから、余り拙速をとうとぶということはいかがであろうか、こう思います。現に、もう数度申し上げているとおり、原子力関係に関しましては故障と事故とが混同されておるようなことでございます。たとえば原子力船「むつ」が動くにいたしましても、一般的な故障であっても、「むつ」の故障だということになりますとこれはもうまたまた大きなことになりますから……(小宮委員「あれは事故ですよ」と呼ぶ)事故というような宣伝をされるとこれはまた大変なことになりますから、そうした意味合いにおきましてもやはり早ければ早いほどよいと思っておりますが、決して拙速はとうとぶなよ、十二分に慎重にやって常に国民の御了解を仰ぐようにやった方がいいぞ、こういうふうには申し上げておるわけであります。この辺の非常にデリケートな心情もひとつ特別御理解を賜りたいと存じます。
○小宮委員 デリケートな心情はよくわかります。いまいみじくも青森という名前が出ましたね。そうすると、これもどこで抜くかということになると、大体抜くことを前提に何かもうすでに頭の中では考えておられるような印象を受けるわけですけれども、青森でやはり抜くという特別委員会の結論が出た場合は、候補地の第一号は青森というふうに考えられておられますか。
○宇野国務大臣 現在は全く白紙であります。新聞等におきましても、宇野長官の頭の中には青森大湊があるのではないか、こう書かれている場面がありますが、記者会見におきましてもそういう話をしたこともありませんし、全く白紙であります。入り口の問題はこうやって受け入れるということは決まりましたが、それでも二つのカードがあるわけで、出口におきましても私はまだまだ問題があろうかと思いますから、そうしたことをも考えていかなければなりませんので、したがいまして白紙であるということだけ申し上げておきます。
○小宮委員 それは逃げ道は幾らでもあるわけです。私はそれを決める権限はございません、特別委員会で決めることですからといういわゆる逃げ道はあるのですけれども、逃げ道はあっても、やはり大臣が頭に描いておるものがあるものだから、さっき大臣自身が青森という名前を出したのです。だから青森で抜くのか、またそうでなくとも政務次官が青森へ行った場合に非公式にそんなことを言っておるし、それは大臣が幾ら隠したって青森ということが頭の中に消えていないのですよ。しかし、それは構いませんけれども、いずれにしたって、自民党のおえら方もおろうし、特別委員会のメンバーもおろうし、この人たちがどういうふうに考えるか知りませんけれども、またこの問題は改めて引き続きやります。 そこで、時間が来たようで、あと一、二分という話ですから、いまの原子力船の問題に関連して、やはり一般の国民の中ではなぜ原子力船の開発をやるのか、あるいは「むつ」をなぜそこまで無理して修理をするのかというような率直な——それはイデオロギーの問題とかある人は別ですよ、一般の国民の中にはそういうふうな考え方を持った人もおられることも事実なんです。そういう立場から、この機会に政府の原子力船政策についての態度をやはり明確にする必要があるのではないか。原子力政策というものがいまないから「むつ」だけを切り離していろいろ論議をしておるけれども、それでは国民の理解を得るというのはやはり困難性があるのではないか。 そういう意味で、原子力船の実用化について運輸省だとか科学技術庁はどう考えておるのか、今後の原子力船政策というものをお持ちかどうか、そういう中で「むつ」というものをどう位置づけしていくのかという問題をはっきりしてもらいたいと思うのです。そうしなければ、他の国でもこの問題についてはいろいろまだ明らかにされておりませんけれども、これは科学技術庁の方でなくて運輸省の方にお聞きした方が適当かと思いますので、今後のこの原子力船政策をどのように運輸省は考えておるのか、そしてそういう中で原子力船「むつ」をどう位置づけしていくのか、その点ひとつ運輸省の方から答弁を願います。
○赤岩説明員 お答え申し上げます。 エネルギー資源の乏しいわが国におきまして、輸送機関につきましても省エネルギーあるいはエネルギー源の多様化につきましては常々配慮していなければならないというふうに考えておるわけでございまして、原子力船は少量の核燃料で長期間にわたって航行ができます。それから、高出力になるに伴いまして経済性がよくなるということ等の特徴を持っておるわけでございまして、最近の石油事情等から諸外国におきましても引き続き研究開発が進められておるわけでございまして、船舶の国際性という点から、わが国の基幹産業の一つでございます海運、造船の将来へ備え、また、諸外国におきます開発におくれをとらないよう原子力船の研究開発を今後とも進めていく必要があると考えているわけでございます。 こういった観点から、「むつ」につきましては放射線漏れを契機に国民各層から多くの御意見をいただいておりますけれども、「むつ」放射線漏れ問題調査委員会において、「むつ」は全体としてかなりの水準に達しており、適当な改善、改修によって十分所期の技術開発の目的に適合し得るという判断が示されており、今後は安全に十分配慮いたしますとともに、国民各層の十分な御理解を得て研究開発を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○小宮委員 もう時間がございませんので次に進みます。 そこで、去る三月十七日に衆議院の予算委員会において、原子力発電所に働く下請労働者のうち七十五名が放射線被曝で死亡したという疑いがあるという質問に対して、政府は調査を約束されましたね。この問題はもう当委員会でも私この前質問したわけですけれども、調査できましたか。
○伊原政府委員 国会で御質問をいただきまして、その後労働省、通産省、厚生省及び科学技術庁の関係四省庁によりまする打合会を行いまして、下請作業者も含めまして原子力発電所労働者の被曝問題についてそれぞれ分担を定めまして検討いたしております。 このいろいろ検討いたしております中間的な結果でございますけれども、楢崎先生が予算委員会で御指摘されました死亡者例につきましては、全然被曝していないという方も含まれておりますし、被曝経験のある方につきましてもその線量がきわめて低いというようなことでもございますので、死因と放射線被曝と結びつけて考えることはきわめてむずかしい、こういうふうな各省庁の見解になっておるわけでございます。 ただし、この御提案いただきました問題は非常に重要な問題を含んでおりまして、原子力施設におきまする労働者の放射線の被曝をできるだけ少なく保つということは非常に重要な問題でございますし、また、その管理を十分徹底してやる、それがずさんであってはいかぬということも、まさに御指摘のとおりでございます。 そういうことでもございますので、私どもといたしましては十分自戒をいたしまして、今後、労働者の被曝問題につきましてさらに徹底をいたしまして、たとえば一貫した被曝歴の把握というふうなことにつきましても、登録管理制度を至急設立準備をいたしたい、こういうふうに考えております。そのほか必要な手段を十分とりまして、今後ともこの問題について一層徹底をいたしたいと考えておる次第でございます。
○小宮委員 そういう抽象的なことでなくて、もっとやはり具体的な調査をやっていただかぬとこれは——それでは私の方から、組織を通じて調べた結果が出ておりますので、それを御披露しながら質問をしたいと思うのです。 この質問で疑いがあると指摘された七十五名について調査しましたところ、その中には作業期間中一定量以上の放射線被曝をするおそれがある区域、すなわち管理区域に入っていない者が二十七名も含まれておるということが判明しております。したがって、この人たちは被曝することはあり得ないわけです。また、被曝経験のある者、いわゆる管理区域内で作業に従事した期間の集積線量で調べたところ、ゼロの者七名、一レム未満の者二十五名、一レム以上二レム未満の者八名、二レム以上三レム未満の者三名、三レム以上五レム未満の者四名、五レム以上の者は一名になっている。この五レムを超えた一名も約七年間の集積線量であって、一年間の最高は二・六五レムになっております。したがって、ICRP、国際放射線防護委員会が勧告した最大許容量の五レム以下であるわけです。それから死因別に見てまいりますと、白血病が三名、がん腫瘍が二十六名、心臓関係が十二名、脳関係が二十五名、その他肝硬変などが九名になっております。 そこで、お聞きしたいのは、医学的、疫学的に放射線と因果関係があると考えられているのは白血病だとかがん腫瘍だと言われておりますけれども、そのほかに何かありますか。いま疫学的に放射線と因果関係があると言われておるのは白血病とがん腫瘍と言われておりますが、その点いかがですか。
○伊原政府委員 先生御指摘のとおりかと思います。
○小宮委員 そうだとすれば、放射線障害を受ける可能性のあるものは、白血病三名とがん腫瘍の、二十九名だけになってまいります。しかし、その二十九名のうち、先ほど申し上げましたように十一名は管理区域の中に入っておりません。したがって、被曝によるものと考えられません。残りの十八名が被曝経験を有するということになってまいります。ところが、その十八名のうち集積線量が一レム未満の者が十一名、一レム以上二レム未満の者が五名、二名が三レムを超えておりますけれども、そのうちの一人は一年間の被曝線量の最高は二・四三レムで、残りの人も一・一一レムになっているのです。 こうなりますと、死因との因果関係に対して、われわれは本当に放射線被曝によるものかどうかということについては非常に問題を考えておるわけですが、その点、やはりもっと具体的に調査をしていただかないと、ただ先ほどの答弁のように抽象的なことを言われても、これは非常に大きな問題ですから、この前から言っておるように、こういうふうな問題はああいうふうなことを報道をされるだけでも原子力に対するいわゆる国民の恐怖というものが非常に高まってくるわけですから、そういったものについては科学技術庁としてもあるいは通産省としても、やはり徹底的な追跡調査をやって、それでそれを国民の前に明らかにするということをこの前から言っておるはずですが、あれから、私が質問してからもうどれくらいたっておりますか。私でさえこういう調査をするのに、あなたたちが調査をしないというのは怠慢ですよ。そういうことから原子力行政に対して国民の不信感がつのっていくわけです。 そういうことでいろいろ質問をしたいわけですけれども、それでは国際放射線防護委員会、すなわちICRPの放射線防護についての基本的な考え方はどうですか。
○伊原政府委員 先ほど御指摘ございましたこの調査の件につきましては、いまほぼまとめつつありますので、至急まとめまして御報告申し上げたいと思います。 つきましては、国際放射線防護委員会、ICRPの基本的な考えといたしましては、ある基準値を設けまして、その基準値以下であるならば身体的影響がまずないと考えられるというふうな基準値を定めておりまして、世界各国ともその基準値を尊重して規制をしておるわけでございます。しかし、そのほかに、先生御高承のとおり、考え方といたしまして放射線の被曝はできるだけ少ない方がいいという考え方がいま一つございますので、基準値いっぱいまで放射線を受けるということではなくて、可能な限り放射線の被曝を少なくする、そういういま一つの考え方もございます。 そういうことでございますので、原子力施設におきまする放射線の管理におきましては、その二つの考え方を組み合わせて具体的な管理が行われておるわけでございます。
○小宮委員 ICRPが勧告している個人に対する線量限度は、いわゆる作業中被曝する成人についての最大許容線量は一年につき五レムですね。それから公衆の構成についての線量限度は一年につき〇・五レム、こうなっておるわけですが、しかし、いま言われたように、このICRPにしてもできるだけひとつこれを下げていくように努力をしなさいということが基本的に考えられておりますが、そういう上で日本の場合は原子力委員会が五十年五月、施設周辺の線量目標値を五ミリレムとする方針を出しておりますが、わが国の線量目標値はこのとおりになっておりますか。
○伊原政府委員 先生御指摘のとおりでございます。
○小宮委員 まだまだ一時間ぐらい続くのですが、もう私の時間はとっくに過ぎたそうですから、あとは改めてまたやりますから、私の質問をこれで終わります。
○山田委員長 以上にて小宮武喜君の質疑は終了いたしました。 次に、貝沼次郎君。
○貝沼委員 私は初めに、先般ロンドンで行われました先進国首脳会談の内容について二、三お尋ねをしておきたいと思います。それからさらにその後、そういう首脳会談なりあるいは不拡散条約なり、また日米原子力協定というものを踏まえて具体的にどのような交渉が行われておるのかという問題、そしてその後、時間があれば、現在の原子力発電の可能性の問題を少し伺っておきたいと思います。 初めに、大臣にお伺いいたしますが、今回の先進国首脳会談、これに対して大臣は総理大臣に、この会議におけるエネルギー政策の討論の模様、経過、わが国の主張、こういったことについてお尋ねになられたかどうか、この点を伺いたいと思います。
○宇野国務大臣 総理からも直接伺いましたし、特に今回は、総理の随員として山野原子力局長もロンドンに行っておりますから、局長からも詳細に報告を受けております。
○貝沼委員 それで、その詳細につきまして全部発表するということは、これは国際的な問題がありますから非常にむずかしいと私は思うわけでありますけれども、たとえば主にわが国が主張した点、それからさらに、それに対して、主としてアメリカだろうと思いますが、どういうような議論がなされたのか、概略で結構でございますから、その点をお伺いします。
○宇野国務大臣 第一点は、やはり核不拡散そのもの自体に対してはわが国としても賛成をする。特にわが国は、すでに世界に先んじて非核三原則を掲げておる国家である。ただし、平和利用はそれと共立、両立をしなければならぬ、このことは強く総理が主張されたわけであります。 なかんずく、NPTの重さを疑わしめるようなことがあってはいけない。現在は、数年間の歳月をけみしてわが国も九十七番目であるけれどもNPTに参加しておる。したがって、これで核の規制等々については十分だとわれわれは思っておるが、何かそれではいかにも頼りないからもっと新しい体制をつくるのだ、そのことはわからないことではないが、しかし、NPTの存在そのものを軽んじ、あるいはまた効果を失わしめるようなことがあってはならぬ、この点は十二分に世界としても考えなくてはならぬ。特にNPTは、言うならば東西両陣営が参加しておるが、今日、自由主義国家群だけで集まってやってみても、果たして東側陣営がこれに参加し得る可能性ありや否や、そうしたことも検討しなければならぬ。実に今回の福田総理の発言は、さような意味合いにおきまして、世界の首脳も驚くほどはっきりと物を申されたということをあらゆる人から私は承っております。 特に、カーター大統領に対しましては、次のように発言をなされております。 それは、福田・カーター会談があったその後、カーターさんが国内の新政策を発表なさいまして、その後の記者会見においてカーター大統領が再処理については日、独ともに完全な権利を有しておる、こういうふうに解説をしておる。これに対しましては、間違いないでございましょうねと、高く評価する、こういうふうにカーターさんに言っております。特に、そうであるにもかかわらず、何か日米原子力協定だけに事がしぼられて、だから事務的段階ではカーター大統領のそうしたお気持ちが下部に通じておらないような気がするわけだが、そうした点に関してもさらに大統領から十二分に原子力担当官にも、あなたのそうした理想なり私との話の内容をお伝え願いたい、このことはもう十二分に伝えておいた、こういうことの御説明が、特に私に福田総理からございました。 で、私といたしましても、新聞紙上等によりましてそれらのことは十二分に知っておるわけでございまするが、しかし、実に総理といたしましては、本当に民族の将来の興亡をかけた再処理でございますから、その点に関しましてははっきり物を言ってきた、これだけは宇野君間違いなく言ったよと、まさに自信あふるる表情でそういう話をしていただきましたので、私も感謝をいたした次第でございます。このことは、他の随員の方々あるいは閣僚の人たちからもそういう裏づけるようなお話をしばしば承りまして、これから、ひとつそうしたことを土台にしまして、早急に日米間の話を煮詰めていきたい、かように存じておるところであります。
○貝沼委員 そうすると、会談の結果、日本側ははっきりと主張した、これはわかったのです。それに対して、アメリカの方は応じたような、応じないような、その辺がまだよくわからないところなんですけれども、これから詰めなければならぬということですね。 それで、そういう再処理問題だけを特に主張したのか、それと並行して、たとえば核兵器保有国に対して、縮小といいますか、核兵器になり得るものの生産並びに国内での拡散、国内で量がふえることですけれども、こういう問題について縮小せよという、いわゆる軍縮に通じてくると思うのですが、こういう点についてはわが国は主張されなかったのでしょうか、この点はいかがですか。
○宇野国務大臣 この点は、もうすでに福田・カーター会談で、ワシントンにおいて総理の方からはっきりカーターさんに言っておられるわけであります。つまり、平和国家だけの手足を縛っても、あなたの御意向、あなたのお気持ちというものをソ連が受けるでしょうか、やはりお互いが、世界全部がそういう体制でなかったならばこれは無意味ではないかということをはっきり言っておられるわけであります。したがいまして、一般論議の中におきましても、従来、そういうふうにわれわれの間におきましてはそのことを強く主張されておりますので、七カ国首脳会談において東側の陣営のことを批判することが是か否か、これは私はわかりませんが、その点は直接総理から伺っておりませんけれども、しかし、やはり世界というものを対象としての核不拡散という主張をなさっておるということは、私はそのとおりであろう、こういうふうに存じております。
○貝沼委員 なぜそんなやぼなことを聞いたかというと、現在、アメリカにしてもソ連にしても、核兵器というものはものすごく量が多くなってまいりまして、たとえば新聞等によりましても、すでにもうソ連なんかでも広島原爆の三千倍というようなものがあるようでありますし、あるいはアメリカからでも三十分でソ連に、ほとんど的中する核兵器があるやに聞いておる。そういう中にあって、現在、非核保有国にだけこういう厳しい制限だけ加えるということは、一方的な話でありますから、私は何も核兵器を持った方がいいとかそういうことではなしに、一つの論の進め方として、そういったことは大体通る話ではないという気持ちがあるものですから、そういう点は特に平和を守る日本の国の立場として、各国首脳が集まったところで再度そういう話をしたのかどうか、こういった日本のいわば姿勢を問われるというような意味から発言があったのかどうか、こういうことを実はお尋ねをしたわけでございます。これは長官に聞くのは筋が違うかもしれませんけれども、一応関係がありますのでお尋ねをいたしました。 そこで、ダウニング街首脳会議宣言の訳が出ておりまして、その付属文書の中に「エネルギー」という、これは私いま、翻訳で見ておるわけでありますが、この中に「核兵器のために用いられうる物質の生成と拡散につき最大限の注意を払いつつ、なされなければならない。」という言葉がありまして、明らかにここで核兵器に用いられ得る物質の生成と拡散というふうに分けてどうも議論がなされたように思うわけであります。そこで、この生成というのは、わが国としてこれをどういうふうに受け取ろうとなさっておるのか、「拡散」ということはどういう意味で受け取ろうとなさっておるのか、この点を伺っておきたいと思います。
○山野政府委員 私、今回のサミット会談に随行いたしましてこのあたりの議論をしさいに承っておるわけでございますが、この「核兵器のために用いられうる物質の生成と拡散」という問題でございますが、わが国におきましてこの核燃料サイクルの段階におきまして、まずアップストリームの段階におきましては、これから濃縮ということを自立して始めようとしているわけでございますが、いずれ将来濃縮という技術が確立されますれば、当面は低濃縮ウランの精製しかしないわけでございますが、技術としましては核兵器につなぎ得る技術を持ち得るわけでございますし、またダウンストリームにつきましては、再処理におきまして核兵器につなぎ得るプルトニウムの単体分離といったふうなこともあるわけでございます。そういった核燃料サイクルの各段階におきまして将来核兵器に転用する可能性のあるようなものが出てくるといったふうなことがあるわけでございますので、こういったふうなものが核兵器のために用いられ得る物質の生産ということであろうかと存じます。 それから、拡散につきましては、これは現に平和利用というものにわが国は徹しておるわけでございますけれども、再処理工場におきまして考えます場合には、どうしても再処理の各段階における物質の量の測定ということにつきまして避け得られない不確定要素というものがあるわけでございますし、また、この工程によりまして装置等に微量の付着といったふうなこともございまして、インプットしたものがすべて全量、一〇〇%アウトプットすることは確認できないわけでございますが、それにいたしましても、それらの限度を超えて平和利用以外に転用されるおそれのあるものが出るようなことがあってはいけないというわけでございまして、そのような不明物質量のうち合理的なものを超える量が出るといったふうなことでは、これは拡散につながるわけでございますので、そういったふうなことのないように留意しなければならないというようなことでございますが、それらのことを含めまして「核兵器のために用いられうる物質の生成と拡散につき最大限の注意を払い」というふうな表現になっていると理解しております。
○貝沼委員 非常に茫漠とした話でありますけれども、いままで不拡散の対象として主に問題になってまいりましたのは、プルトニウムが問題になってきたわけですね。ところが、いまの局長の話だと、アップストリームにおいては濃縮技術も入るというような説明であったように聞こえましたが、そうすると、これは話がまたずいぶん大きく変わってくるわけですが、濃縮の面もやはり、今回カーター政権によって言われておる政策の内容の中に含まれると考えるのが正しいのですか。
○山野政府委員 濃縮につきましても、核拡散を防止するという観点からカーターは新政策の中で重視しておると考えております。
○貝沼委員 それは重視はしておるのです。重視はしておるのですが、この「生成と拡散」ということが、実は不拡散条約並びに日米原子力協定にこれからかかわりを持ってくるわけですから、はっきりしておかなければならぬところですので、そこでこの文章にうたってある「生成と拡散」というのは何をねらっておるのですかということを私はさっきから聞いておるわけです。ところが、いま局長の話ですと、これは濃縮技術をも含むというような内容に私には聞こえたんですね。そうすると、再処理とかそういうものにいま主に考えがいっているのですが、それだけでなく濃縮技術にまでさかのぼって、日本はアメリカに相当の制約を加えられるような体制になっておるのですかと、こう聞いておるわけです。
○山野政府委員 ただいま日米間におきまして米国から制約を受けております問題と申しますのは、日米原子力協定によりまして再処理だけでございまして、ウラン濃縮につきましては米国の協定上の制約を受けておるという状況にはございません。
○貝沼委員 いや、それはわかっているのです。それはわかっているのですが、いまたとえばプルトニウムの問題で再処理というものをどうするかということで問題になっておるわけですね。そして、たとえばそのプルトニウムをつくるということが——これはつくるんですから生成になるのでしょうけれども、つくるということそのものがすでに日本の国にあるということは、拡散という言葉になるのかならないのか、この辺のところがこれから問題になっていくところなんですね。日本の国にプルトニウムが生産されたら、それはもう不拡散条約で言う拡散ということになるのかならないのかということが問題になるし、さらにそれは、たとえば実験段階なら拡散にはならないけれども、商業的に見た場合が拡散だとか、その辺の問題が実はあるだろうと私は思うのです。それでその辺の話をしようと思ったら、濃縮の話まで出てきたものですから、そうすると、日本でたとえば濃縮をやるということ自体も拡散という中に入るのですかという疑問が出てくるのですね、局長の答弁をそのまま聞いて考えると。それが入るのか入らないのか。この拡散の中に濃縮ということも入るとアメリカは考えておるのか、それともそれは入らないと考えておるのか、この辺はどうなんですか。
○山野政府委員 核兵器への拡散のおそれという観点からは、プルトニウムであろうかと存じます。
○貝沼委員 それはそうなんですよ。あなたのおっしゃることはそのとおりなんだけれども、濃縮という言葉があなたの方から出ているものですから私は聞いているのです。この「生成と拡散」という中身には、濃縮技術をも日本に持たせないというような意味の、そういう響きをも含めたものなんですかということを聞いておるのです。その点どうですか。——理解できますか。
○宇野国務大臣 私から言いましょう。局長はちょっと専門的に考え過ぎていますからね。濃縮の中には高濃縮というのも御承知のとおりありまして、九〇%以上の濃縮がありますから、それがこの間から、日米原子力協定じゃなくして、日本に送るのがちょっとおくれた、これがやはり今度に響いておるんじゃないかと言われましたが、あれはいつときに送ると核ジャックのおそれがあるからというようなことであって、決していろいろな協定だとかそんなものにひっかかったことじゃないわけであります、そんなのと混同していますから。したがいまして、濃縮も高濃縮というものを入れると——高濃縮というものはいわゆるプルトニウムと同じような性格になっていくわけでありますから、そうした意味で答えたかと思いますが、われわれが聞いておるこの問の首脳会談というのは、いわゆる政治会談であります。したがいまして、再処理ということが問題であった、プルトニウムが問題であったということでございますから、現在、高濃縮のウランをわが国も買いまして、これは学術研究用にいたしておりますが、それをもって現在の首脳会談の概念としては、したがって濃縮技術も今後そうした統制のもとに入るんだというふうにわれわれは考えておりません。
○貝沼委員 高濃縮の場合がこの場合は問題になる、こういうことですね。 それから、先ほどちょっと申し上げたのですが、プルトニウムを日本の国で再処理によってつくる、そうした場合は拡散という判断になるわけですか。
○山野政府委員 これはプルトニウムが精製されたこと自体が直ちに拡散ということにはならないと考えます。
○貝沼委員 精製されたことが拡散にならないということは、それは不拡散条約にはかかわりはないということになりますか。
○小林説明員 核拡散条約では軍事転用を禁止しておりますけれども、平和利用につきましては、国際的なセーフガードをかけましてできることになっております。
○貝沼委員 もちろん軍事転用などということはわれわれは考えておりません。この前あなたが答弁されて私が言ったように、わが国で軍事転用などということは言うこと自体が実はないのでありまして、頭の片すみにもそんなことはないわけでありますから考えておりませんが、いま再処理ができるかできないかという瀬戸際なんですから、プルトニウムができること自体が拡散ということとは関係ないというふうになれば、別に不拡散条約でとやかく言われる筋合いはないのです。それが、関係がないものが何でこう言われるのかということですね。商業的に生産をする場合、あるいは実験的に幾らかのものが技術の開発のために必要であるからそれをつくったという場合、こういう場合やはり判断がいろいろ違うのじゃないかという感じがするわけですけれども、これは判断は同じですか、違いますか。
○宇野国務大臣 アメリカの新政策の出発点から考えたいと思うのですが、御承知のとおり、出発点はインドが平和利用だと称して核実験をしたということからであります。そして、インドがNPTには参加しておらない、参加しない国の今後の平和利用、たとえそれが平和利用であっても、それをどういうふうにして監視するかということが一つのアメリカの悩みとして出てきたのじゃないだろうか、こう思うのでございます。だから、それのためには、いわゆる輸出を禁止するとか、技術の輸出も禁止するとか、いろんな方法があろうと考えられる。そうしたことをひとつ考えてみようじゃないか。ところで、日本に対しては、やはり原子力協定があるから、言い出し国のアメリカとしては、日本だけを例外に置いて考えると、NPTに参加しておらない国の国際的なガードをどうするかという問題になってくるからというふうな悩みがそこにある、こういうふうに私たちは考えておるわけでございます。 したがいまして、そういう面からとNPTの関連性を考えたらいいのじゃないか。われわれといたしましては、あくまでもアメリカの言い方はNPT第四条に違反するよ、そこまで言い切ってもいいのじゃなかろうかと私は思うぐらいの語調を高めまして現在折衝しておるということであります。いやしくも平和利用を認めておきながら平和利用を許さないというふうなことになるのだから、おかしいじゃないか、だから、われわれとしては、NPTそのもの自体は今日十二分に機能しておる国際条約であって、これで大丈夫じゃないか、こういうふうに申し上げておるわけでございます。そのことを総理もロンドン会議において主張なさったということであります。
○貝沼委員 そのことも前から何回も聞いておるのです。そういう気持でなしに、むしろ、あのときは外務大臣は、違反だ、こう言っておるのですね。そこまではっきりとした言葉も出ておる。それはこの次聞こうと思ったのですが、違反だと言うなら手続というものが必ずあるはずである。それは日本国の外務省としては手続は何をやったのかということ、後で聞きますけれども、答弁を考えておいてもらいたいと思います。 とにかく、この拡散それから精製ということが今度の問題の非常に大事な点であると私は思うのです。したがって、日本の国にプルトニウムをつくるつくらないということを云々するときに、どういうことが拡散に該当するのか、そして、もちろんないものは該当するわけはありませんから、日本の国にプルトニウムができたときが該当するのか、それともこれはちょっと方向がおかしいと判断をしたときに該当するのか、実験段階は該当するのかしないのかというような、その辺の詰めばアメリカとなされておるのですか、こういうことです。
○宇野国務大臣 それはもうすべて今後の問題でございます。われわれからするならば、わが国において再処理によってプルトニウムを製造することは核拡散ではない、われわれはこういうふうに考えております。これは平和利用である。拡散では少しもない。ただ、日本が将来そういうものをたとえばいろんな問題のある地域にもし何ら責任も持たずにただ商業オンリーで輸出したということについてはどうだろうか、そういうふうな問題もやはりいろいろ議論されることであろう、こういうふうに考えております。現在西ドイツがブラジルに輸出する問題もそこから出てきておるわけであろう、こういうふうに推測いたしますと、わが国でプルトニウムを生産することは決して核拡散であるとは私は考えておりません。これは平和利用である。その後の問題、それは世界的に今後どういうふうに話をするのでしょうかというふうな問題であろうと思っております。
○貝沼委員 宇野長官の考え方、これは当然そうなければならないでしょう。ただ問題は、そういう立場でアメリカとその問題の交渉をしたのかしないのか、その問題を詰めたのか、それに対してアメリカはどう答えておるのか、この点はどうでしょうか。
○宇野国務大臣 これはこの問御報告をいたしましたとおりに、第一次折衝団はあくまで言うならば技術屋さん、事務屋さんという人たちで話し合いをして、そしていよいよ五月の中ごろからサミット会談の経緯を踏まえてもう一度やろうかということで、現在は言うならば自然休会みたいなかっこうになっておるわけでございますから、まだそういうふうな技術的な問題までも入っておりません。そこまではまだ話し合いはできておりません。
○貝沼委員 そういう言葉の問題そのものがはっきりしないうちに、右往左往する、あるいはアメリカもとやかく言ってくるということが、どうもぼくは解せない感じがあるのですね。拡散につながるからこういう核兵器になり得る物質については精製並びに拡散はさせてはならない、こう言う。じゃこれはどういう意味ですかとなったときに、実はそれがまだはっきりしておらないということでは、これはちょっと話がわからないのですね。ですから、先ほどから私は具体的に言っておりますけれども、たとえばいま東海村との関係が直接あります。特に原子力研究所のたとえば高温ガス炉のいろんな研究であるとか等によって濃縮ウランの問題が日米間で起こっておるようでありますけれども、こういうような問題を考えたときに、決してただ単にこれからこれからと言うだけでなしに、やっぱりはっきりさせるところはもうすぐ交渉して、そして実験のためのものは一体どういうふうなところに該当するのかということぐらいは最低はっきりしておかなければならぬと思うのですが、この点は全然されませんでしたか。
○山野政府委員 ただいま先生のお話ししておられます点でございますが、日米間で協議をする対象となりますものはわが国におきます再処理工場に対する保障措置が有効に適用され得るかどうかという点についての確認でございまして、これが実験工場であるか実用工場であるかといったふうなことによってイエスかノーかという問題とは違う次元の話だと存ずるのでございます。プルトニウムを生産することだけでは、これは核の拡散ということには該当しないわけでございまして、軍事転用されて初めて拡散ということになるわけでございますので、わが国におきまして平和利用に徹するためにはこの保障措置を有効に働かす必要があるとなるわけでございます。この点は国際原子力機関の保障措置によって軍事転用されないように十分担保されておると私どもは考えておるわけでございますから、この辺を今後日米間で詰めていくということになろうかと存じます。
○貝沼委員 軍事転用されるときに拡散の問題が起こってくる、これは当然なんです。それは局長の説明を聞くまでもなく私もわかるのです。けれども、いま再処理そのものが問題になっておるわけでしょう。日本が再処理をやったら核兵器をつくるなんてだれも言っていません。それは平和利用だと言っているわけでしょう。その再処理そのものが実はむずかしい状態になっておるわけですね。軍事転用だけが問題ならどうして再処理そのものが問題になるのですか。それはもう、それだけであれば十分政府としてはアメリカに対抗できるだけの議論というものはできるんじゃありませんか。私は、そういう軍事転用なんか全然考えておらない日本の国がなぜ再処理そのものまで非常に危険視されておるのか、この点を考えると、再処理工場を動かすことそのものまでアメリカは拡散につながるという見方をしておるのではないかなという心配があるものですからいまお尋ねをしておるわけですけれども、そういうことはありませんか。
○山野政府委員 再処理をすることによりましてプルトニウムを精製するわけでございますが、このプルトニウムは、もし保障措置が十分有効に働かない場合には平和利用以外に使われる可能性もあるというふうに考え得るわけでございまして、そういう面で保障措置が有効に適用されておるかどうか、すなわち、拡散の危険はないかどうかということを確認したいということが日米原子力協定八条C項の精神であろうかと思うのございます。そういう意味で、再処理すること自体がいい、悪いということではなくて、再処理によって出てまいりますプルトニウムについて、これを軍事転用のおそれのないように十分監視していこうということを言っておると思うのでございます。
○貝沼委員 そうですか。もうほかのことを聞く、時間が全然なくなってしまいましたけれども、それでは再処理そのものは問題はないということですね。あとはセーフガードの問題である。軍事転用はやらないという保障であるということですね。そこでセーフガードについては公にすることではありませんから、いろいろ交渉はなさっておると思いますが、これがかなり合意が得られるような内容のものにいまなりつつあるのかどうか。かなり抽象的でありますけれども、そういう点。 それからもう一点は、先ほど局長から話がありましたいわゆるMUFの問題です。要するに誤差の範囲で行方不明物質と言われておるもの。インドの核実験はいわば行方不明物質によって行われたのではないかと見られておるわけでありますが、こういうものは誤差の範囲でありますから実際問題わからないのですね。ちゃんと報告書を見たって誤差の範囲というものは認められるわけでありますから、わかりません。しかし、その誤差の範囲をちょこちょこちょろまかして集めていくとあの核兵器ができ上がるわけでありますから、このMUFに対してどのような措置を講じようとなさっておられるのか、これに対しての研究なりあるいは対策はすでに考えたのかどうか。 この二点について伺っておきたいと思います。
○伊原政府委員 MUFの問題は、保障措置の技術精度を上げるという観点から非常に重要な問題であることは御指摘のとおりでございます。ただインドの場合、私の承知しておりますところでは、保障措置の適用外の燃料を使ってプルトニウムを製造したというふうに承知しておりますので、必ずしもMUFの問題と直につながる問題ではないのではないかと承知いたしております。
○貝沼委員 インドで私は見てきたわけではありませんから、どこから持ってきたかそれはわかりません。また事実、どこからプルトニウムを持ってきたかそれはわからない。恐らく来たとすればMUFの範囲ではないかと推測されておるのですね。事実一〇%という誤差の範囲では十分可能なわけでありますから、それに対する防護措置ができ上がらないと本当にプルトニウムの拡散を防いだことにはならないわけです。ですから、これに対する検討、研究、対策をいま進めておるのですかということを聞いておるわけです。
○伊原政府委員 MUFすなわち不明損失量の問題につきましては、現在わが国におきましても核物質管理センター等におきまして鋭意研究を進めております。このMUFの率をできるだけ減らすということの技術を開発中でございます。なお、現在東海村におきまする動力炉・核燃料開発事業団の再処理工場におきましても、ウランテスト中におきましてこのMUFの計量もいたしておりまして、当初三%を超えるMUFが出たわけでございますけれども、二次、三次と経験を重ねるにつれましてそのMUFの量が非常に減ってまいっております。現在は一%を切りまして〇・数%というところまで参っておる状況でございます。
○貝沼委員 いま研究を進めるとかそんなのんきなことでは実はないのですね。いよいよ再処理をやろうかやるまいかというときに、これから行方不明物質についての研究を進めようというようなことでは、それは危ないなと言われるのは当然だろうと思うのですよ。それに対してはこういう手をちゃんと打ってありますというものがなければいけないと思うのです。 そこで、ただMUFと言ったって何となくはっきりしないようでありますから、たとえば十六万キロワットくらいの軽水炉の原子力発電所においてプルトニウムというのは大体何キログラムぐらい精製されるのか、そしてそれに対してMUF、行方不明物質というのは何キログラムくらいになるのか、この辺の数字を挙げてみてください。
○伊原政府委員 突然の御質問でございますので、ざっとした試算でございますけれども、十六万キロワット程度で軽水炉という前提で年間のプルトニウム精製量は数十キログラム、たとえば三十キログラム程度であろうと思われます。それにつきまして再処理工場でそれを処理いたしますときに、その再処理工場のMUFが、たとえば現在東海の第一再処理工場の最近の実績では〇・四%となっております。したがいまして、三十キログラムの〇・四%程度が不明量ということになる。ただ不明量と申しますのは、計量の誤差ということでございまして、その量が外へ持ち出されるというものではない。先ほど原子力局長からも御答弁ございましたように、施設内の配管などに付着して残っておるようなロスであるとか、あるいは廃棄物の中に付着して出る、それから計量誤差、そういうふうなものであるわけでございます。 したがいまして、御指摘のMUFをできるだけ少なくするという技術を当然私どもも開発をいたしておりますけれども、MUFの量がそのまま外へ持ち出されて核兵器に転用されるというものではないということでございます。
○貝沼委員 まあそうおっしゃいますけれども、わからなくなったものがどこへ行ったか、それはわからないのですよ。その辺の対策はしっかりと立てていただきたい、こういう要望を申し上げておきたいと思います。 先ほど、ほかの問題についてお尋ねをするということを申し上げたのですけれども、時間が来てしまいましたので次回に譲って、今回はこれで終わりたいと思います。
○山田委員長 これにて貝沼次郎君の質疑は終了いたしました。 午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時一分休憩 ————◇————— 午後一時二分会議
○山田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。瀬崎博義君。
○瀬崎委員 私は、まずロンドン首脳会議の問題についてお尋ねをしたいと思います。 一言で言って、このロンドン首脳会議が核燃料サイクルの問題で従来の日米二国間交渉と比べてどういう点に具体的な変化と進展があったか、政府側はどう見ているのかをお尋ねしたいと思います。
○宇野国務大臣 一言にして申し上げますと、非常によかったという評価であります。なぜかならば、わが国の立場を明らかにすることができたし、同時に、米国の新しい政策そのものに対しましても、わが国と同様の立場を踏む国の方が多かったという結果を確設した。同時に、福田・カーター間におきましても二度接触の機会がございまして、その際に十二分にわが方の主張を総理が申し述べる。その主張を要約いたしますと、カーター大統領の新政策発表後の記者会見、あの記者会見で再処理問題に関しては日独は完全な権利を有しておる。それを福田総理は高く評価しておるのだからその基本姿勢で今後の日米間の原子力協定に関する問題も話し合いましょうということを総理の方から主張され、それに対して大統領が理解のある態度を示したということでございます。
○瀬崎委員 ロンドン首脳会議では、使用済み核燃料の再処理について専門家による作業部会を設置して検討することになった、こういう発表がありますが、私の知る限りでは、この作業部会の設置についてはいわゆるロンドン宣言あるいはその付属文書の中に明記されていないように思うわけであります。まず、こういう両文書のどの部分にたとえ間接的にもせよこういうことが触れられているのか。それからまた、一般的な国際会議の慣例として合意されたことがこういう宣言や付属文書に明記されないような場合があるのかどうか。これは外務省にお尋ねしたいと思うのです。
○宇野国務大臣 ちょうど山野原子力局長が随員として行っておりましたから、そうした作業に直接タッチいたしておりますから局長から答えてもらいます。
○山野政府委員 いま御指摘の検討でございますが、これは声明文にございますように、今後「これらの目標を達成するための最善の方法につき二カ月以内に完了されるべき予備的な分析を進める」ということが決められておるわけでございます。この中にはかねて米国の提唱しておりました「国際核燃料サイクル評価のための付託事項の研究も含まれる。」ということになっておるわけでございまして、この趣旨といたしますところは、原子力の平和利用につきましてエネルギー上の必要性を満たすという目標の反面、その核の不拡散政策も引き続き進めるべきであるというこの二つの目標を両立させるべくいかなることをすればよろしいかということを検討しようという趣旨でございまして、かねて米国の提唱しておりました核燃料サイクルの再評価計画にこだわらず、さらにこれに若干のものを追加して予備的な検討をしようという趣旨でございます。
○瀬崎委員 こういう国際会議の慣例として、少なくとも作業部会の設置が合意事項であったとするならば、このこと自体が宣言文あるいは付属文書に明記されているはずだと思うのですが、それがないように私は思うのでその点をただしているわけなんです。だから、これは一般的な国際会議との関係で外務省の方にひとつ見解を求めたいと思うのです。
○小林説明員 作業部会そのものにつきましてはつくるということを決めたという報告は私どもの方は受けておりませんが、これから具体的にどういう形で二カ月の作業を、いわゆる作業部会というものをどういう国でどういうふうにしてつくっていくか、恐らくこれを提唱したのは、アメリカが言い出したことでございますけれども、何をやるかということについては具体的な計画というか手順というのがまだ決まっておらないようでございまして、現在それをどういうふうに具体的に進めていくかということをこれから話し合って決めていくことになるだろうと思います。したがいまして、作業部会をつくるということをリジッドに決めたわけではないということだと了解しております。
○瀬崎委員 重ねて確認しますが、では、これはカーター大統領が作業部会をつくるという意見を出したのであって、それを参加した関係諸国が認めて合意に達している問題ではない、そういうことなんですか。
○小林説明員 会議の中身につきましてはいろいろな議論があったと思いますけれども、いまどういう形でどういうふうに細かくするかということについてまで決めたわけではないと了解しております。
○瀬崎委員 そうしますと、ロンドン宣言の中では、先ほど局長が引用された部分なんですが、核拡散の危険性を減らしながら原子力エネルギーを増加する、この諸目的を達成するための最善の方策を決定するための緊急の検討を開始する。この一つの作業が宣言文では出ていますね。それから付属文書の方では、先ほどこれも局長が指摘した「二カ月以内に完了されるべき予備的な分析を進める」という作業が明記されている。さらにそのためには「国際核燃料サイクル評価計画のための付託事項の研究も含まれる。」区分けすればこの三つの作業が宣言と付属文書に明記されていると思う、表向きで見れば。 そこで、いわゆる最善の方策決定の検討、それから二カ月以内に完了されるべき予備的な分析、さらに国際核燃料サイクル評価計画のための付託事項の研究、この三つの関係は一体どうなっているのか、どういう手順というか、順序によってそれぞれの作業が今後結論に到達していくのか、この点を伺いたいと思います。
○山野政府委員 この声明本文の方にございます「最善の方途を決定するため、緊急な研究を発足させる。」ということと、それから付属文書の方にございます「二カ月以内に完了されるべき予備的な分析を進めることとした。」これはどちらも同じ研究を指しておるわけでございまして、双方全く同じものを示しているわけでございます。しかも、その中で行うべきことといたしまして、「国際核燃料サイクル評価のための付託事項の研究」というものもその一環として行いますという趣旨でございまして、三つの研究がパラレルに進められるという趣旨ではございません。
○瀬崎委員 それでは、それだとそれが一つの事柄であるとすれば、それと作業部会というカーター提案とはどういう関係があるんですか。
○山野政府委員 首脳会議の議事の経過におきまして、そのような言葉も用いられたとは存じますけれども、この最後の声明文が最終の結論でございまして、この文書をごらんのように、特に委員会、部会といったふうな表現はしていないわけでございますが、しかし、このような検討をするためには、当然それのための組織が必要でございまして、そういう意味においては、しかるべき組織をつくって、こういう研究を進めていくといったふうなことになろうかと存じます。
○瀬崎委員 そうすると、作業部会というものの構成などについては、あるいはいつごろこういうものが設置されるかなどについては、全くこれからの話であって、この問の国際会議の中では出ていない、こういうことですか。
○山野政府委員 二カ月以内ということが決められただけでございまして、それ以外の問題は今後の決定事項でございます。
○瀬崎委員 二カ月以内というのは、つまり作業部会の構成とかあるいはやるべき仕事、任務といいますか、そういうことが二カ月以内に決められるというだけで、二カ月以内に作業が進むということではないんですね。
○山野政府委員 予備的な分析作業が二カ月以内に終了するという趣旨でございまして、単に組織づくりが二カ月以内に済むというだけではないと存じます。
○瀬崎委員 その予備的作業ということが、カーターの言う作業部会に当たるのかどうか。そこはどうなんですか。
○山野政府委員 予備的作業と部会とは同じではなくて、この予備的作業を行う組織を部会と名づければ、作業をする主体と作業対象というふうなことになろうかと存じます。
○瀬崎委員 いまの話では、予備的作業と作業部会とは違う組織だという話なんですが、そうすると、カーターの言う作業部会とは一体何ですか。
○山野政府委員 ひとつ私の理解しておるところを例を引いて申し上げますと、かねてアメリカの言っておりました国際核燃料サイクル評価計画と申しますのは、核の不拡散を強化しつつ、原子力の平和利用を進める方法といたしまして、幾つかの具体的な案を提示しまして、その可能性等について検討していこうという趣旨のものでございまして、期間といたしましては、ほぼ一年以上の期間を要する研究を頭に置いておったものでございます。 今回ここで表現しております「予備的な分析」あるいは「緊急な研究」と申しますのは、これらをすべて二カ月で終了するという趣旨ではございませんで、いま申し上げましたようなものを検討いたします組織に対する付託事項をどういうふうなものにしたらよろしいか、また、その組織をどんな組織にしたらよろしいか、どういう手順で検討さしたらよろしいかといったふうなことを決めるのを二カ月以内にいたしましょうという趣旨であろうかと存じます。
○瀬崎委員 話を聞いている限りでは、入り口の問題が決まっただけで、そこから先はまだ何も合意されていないような印象をいま私は強く受けたのであります。この首脳会議終了後にカーター大統領は記者会見で、核についての作業部会の性格について期限つきで核燃料サイクルの評価計画の検討につなげる第一段階と位置づけしておるわけですね。作業部会が第一段階で、さらに局長の話によれば、その前にこの付託事項をどうするかといった予備的作業があるのだというふうに私はいま聞いたわけでございますけれども、相当気の長い話をカーターはしているように私は思う。さらにバンス国務長官によると、ここでは核エネルギーについて今後検討する問題として何を取り上げるかを決定するだけで、本格的な課題としては国際核燃料サイクルの評価計画が中心となるが、この検討には少なくとも二年近くかかる見通しだ、こういうふうに言っているわけですね。まさに私がいま言う相当気の長いことをカーター政権は考えているということになるだろうと思うのです。 いままで宇野長官等の国会答弁では、二国間の交渉だけでは解決できないので、国際会議を待たなければならない、こういう話だったのだけれども、国際会議の結論は大体こういうことですね。ところが、一方では今月中に宇野長官がアメリカに行かれてまた日米交渉に当たられる、こういうことも聞くわけですね。国際会議の雰囲気からすれば、相当気の長い話で、そう簡単に解決しそうな問題ではないと受け取られるのに、一方ではまた二国間だけで話がつくような手だてを考えていらっしゃる。 一体、国際会議とそれから日米二国間交渉との関係は、どうなっているのですか。
○山野政府委員 ただいまの米側の発表に関連しまして若干補足さしていただきますが、今回の予備的な研究が第一段階のものであるということは、こういう趣旨ではないかと存じます。 アメリカの言っておりますように、再評価計画は、ただいま先生二年とおっしゃいましたが、従来一年以上と言っておりますから、ものによっては一年あるいは二年、三年とかかるものもあろうかと存じますが、そういった研究を始めるための付託事項等を検討するために予備的な研究をしましょうという趣旨でございまして、これはそういう再評価計画に入るための第一段階の研究に当たるという趣旨ではないかと存じます。 それから、かねて私どもの申し上げております日米間の問題の解決というものは、国際的なマルチの場所における会議といったふうなものの成果も密接に関連するというのはそのとおりだと存じますが、この評価計画そのものが私どもの従来言っております国際会議に該当するわけではございませんで、これは今回の首脳会議におきましてわが方総理大臣からも確認があったのでございますが、日米間の現在の懸案事項についての交渉というものはこの評価計画とは全く個別な問題として処理していくということが確認されておりますので、この評価計画の結論が出るまでは日米間の問題はすべて懸案のまま残るというふうなことにはならないと存じます。
○瀬崎委員 宇野長官の派米のお答えがなかったのですが、行かれることは事実なんでしょう。まずそれをちょっと……。
○宇野国務大臣 行く予定をいたしております。ただタイミングがもちろんございますから、したがいまして、いま局長が事務的にお答えをいたしましたが、もう少しく私がこれを政治的に分析をしますと、福田総理はいま局長から御答弁がありましたとおりに、今度の首脳会談で一応二カ月以内にそうした下準備の会議を開こうというときに、その二カ月という期限を切ったのがうちの総理大臣であります。したがいまして、いまその性格は、カーターさんの言う今後一年かかるであろうという再評価計画のための会議につながるのであるのかないのか、もう少しくそこもまだはっきりいたしておりません。 重大なことは、福田総理がそのときにカーターさんに対しまして、この技術レベルの二カ月間の——八週間と言っておりますが、八週間の会議は日本の東海の再処理工場とは関係なし、それに支障を来すようなことではないと私は思っておりますよと確認をいたしております。それに対してバンス国務長官の方から、そのとおりであるという返答が来ております。したがいまして、一応私が従来から、サミット会談における場がどういうふうな展開を示すであろうか、そうしたことも踏まえながら日米両国間のバイラテラルを進めていかなくてはならないと申し上げておりましたのは、さような意味合いのことでありますから、したがって、今度のサミット会談におきまして、午前中にもお答えいたしておきましたとおり、カーター大統領の声明後の記者会見において、日独は再処理について完全な権利を有しておるということを日本は高く評価しておりますよ、それを土台として日米間の話をいたしましょう、こうなっておるわけで、それに対してカーター大統領も深い理解を示しました、こういうふうに私は聞いておりますから、そういう共通の認識のもとに、日米二国間の折衝を始めよう。 したがいまして、第一次折衝団は一応自然休会のような形に入っておりますが、五月の中ごろからやろうということになっております。第二次が出ていってある程度話を詰めて私が行く方がいいのか、あるいは私が直接乗り込んでいって大まかな線を決めて、技術的な面は第二次交渉団がそれを決めた方がいいのか。相手の都合もございます。したがいまして、この二つの方法に関しまして現在検討をさせておるところであって、最終的には私が行って、そして折衝したい、これが日本政府の考え方であります。
○瀬崎委員 すでに自民党の方では佐々木義武議員がアメリカへ行っていらっしゃるわけですね。帰られてからの記者会見等の記事では、七月の東海再処理工場の運転にはこだわらない——こだわらないで交渉を進めるべきだということですか、そういう趣旨の発言が出ておったと思うのですね。ところが、宇野長官がどういう時期にどういう形で行かれるかはどうもまだ決まってないようではありますが、行かれる以上は七月運転開始を目指されるのではないか、そういうニュアンスの宇野長官の意向がこれも新聞等には出ておりますね。政府・与党の問で日米交渉をあくまで七月の運転開始に的をしぼってやろうとしていらっしゃるのか、ある程度七月運転ということを外して今後の交渉に臨もうとしておるのか、この点はどっちなんですか。意思統一があるのですか、ないのですか。
○宇野国務大臣 これはあくまで七月ホットランに入りたいということで折衝を進めておるわけであります。 佐々木君の名前が出ましたが、御承知のとおり、そのときも説明いたしましたけれども、アメリカの議会筋は日本に対する認識が非常に深うございますが、事原子力に関しましては意外と情報不足であったというふうなことがありましたから、前長官を特別に党から派遣していただいたわけでありますが、佐々木さんは七月のホットランにはこだわらずというふうなことが新聞に載りました。しかし、御本人も否定されましたし、政府と与党間におきましては決してそういうふうな意思の疎通を欠いておるところはないのであって、そういうことは一言も言っておらないよ。それはどういうはずみか知りませんが載ったわけで、このことは御本人も、帰ってきてから記者会見で明らかにいたしております。 われわれといたしましては、再処理問題は民族の将来の興廃にかかわる問題ですから、アメリカに対しましても、従来から繰り返してまいりました主張を今後も繰り返してまいりたいと思います。
○瀬崎委員 先ほど、第一次交渉団の交渉がいま中断しておって、第二次交渉団を派遣するかどうかということを検討したいという話なんだ。第一次交渉の中断について、やはり再処理問題、核燃料サイクルの問題は国際的な合意の過程を経ないと、たとえ日米二国間交渉といえども進められないんだという趣旨をこの国会で答弁していらっしゃるわけなんだけれども、いまはまた、国際会議でのいろいろな合意事項とは別に二国間の交渉が進められるんだという話なんですね。一体日米原子力協定といまロンドン等で開かれた国際会議との関係はあるのかないのか、どうなんですか。
○宇野国務大臣 これはお互いに、はっきり申し上げれば、あると言えばある、ないと言えばない、こういう形であります。そういうふうなことですから、したがって、第一次折衝団が中断ではなくして自然休会のようなかっこうになっておりますが、これもサミット会談があって、伝えられるアメリカの新政策に対して世界がどういうふうな反応を示すか、それは個々には聞いておるが、そういう正式な国際会議の場においてどういうふうな反応を示すか、こういうことが一つの問題点でありましたから、アメリカの方からそれにほとんど出席をする。なおかつ、ザルツブルグの会議もあろう。そういう世界的な会議がずっと引き続いて五月の初旬にあるから、しばらく休会をして、そして五月の中ごろからやりましょう、こういうことを向こうは言うておるわけでありまして、日ソ交渉のような中断とは意味が違うわけであります。ですから私は継続中の自然休会だ、こういうふうに申しておったわけでありまして、したがいまして、今度はザルツブルグの会議におきましても、はっきり言って、米国の主張は世界各国から、私の口から申し上げてはどうかと存じますが、新聞の報道する表現をかりるならば袋だたきに遭っておるということであって、ナイ国務次官補も早々に帰ったという経緯もありますし、なおかつ、サミット会談におきましても、従来は米国寄りであったと目されていた英国のカラハン首相すら、サミット会談が始まるとほとんど欧州勢と同じ態勢のもとに米国の新政策に批判的であって、これもまた新聞の伝えるところでございますが、一応カーター大統領が孤立無援の形になったというような場もあるわけであって、さような意味合いにおきましてはわが方の従来よりの主張は国際的にも正当化されておるというふうな形からながめれば、あるいは関係が十分にある、こういうふうに申し上げなくてはなりませんが、しかし、事日米原子力協定に基づく二国間の交渉ということになれば、それとは全く別個の形において進めないことには七月のホットランということは確約がとれないわけであります。 したがいまして、われわれは外交上の問題といたしまして、多国間におけるところの外交も一応重大なマターとして、十二分にそれを勘案しながら二国間の外交も進める、そういうふうに言ってまいったわけでありますから、したがいまして、いま私が申し上げたように、関連があると言えばある、ないと言えばない、そういうふうなはっきりしたものを持ちながらやらぬことには——当然、核の不拡散、防止ということに対しては世界的なグローバルな立場で議論が出るだろうし、むしろそこではわれわれは進んでそのことを主張すべきである、こういうことも申しておりまして、野党の先生方からもそれと同様の御意見を従来から拝聴いたしておりますから、そのことも総理にお伝えしてございますので、総理も核不拡散という面におきましても非常に力強い発言をなさった、そういうことでございますから、そういうふうにひとつ御理解をお願いしたいと思います。
○瀬崎委員 聞いておってどうもさっぱり理解ができないわけなんですけれども、日米原子力協定が一方にあり、そのための交渉を独自にやれるはずなのに、いまの論理でいけば、わざわざカーター政権の政策に国際的な反応がどう出てくるか、こういう国際会議の結果がやはり絡まるとおっしゃるのですから、そういう点では、そもそも日米原子力協定とは何ぞやとわれわれは改めて問わざるを得ないような気がするわけなんです。 とりわけ、今度の国際会議で浮き彫りになった点と言えば、同じ二国間の原子力協定といっても、米国と西独の間の協定とそれから日米間の協定との大きな違い、八条C項で再処理工場の運転に改めて共同決定が必要だというふうな点が日米間のにはあるし、米、西独問にはそういうものがない、ここらの違いが大きく浮き彫りになっていると思うのですね。 これは純外交上の問題として外務省にお聞きしたいのですが、米国、西独問の原子力協定には、再処理工場の運転に改めて両国の共同決定が必要だなどという項目はない、日米間のにはこれが入っている、こういう違いが生まれてきたそもそもの原因はどういうところにあると考えていますか。
○小林説明員 私どもが承知しておりますのは、ドイツとアメリカとの関係は、アメリカとユーラトムとの協定によって律せられておるということでございますが、ユーラトムという国際機関による査察を受けるドイツ、そのユーラトムとの協定の中では、このアメリカとユーラトムとの協定ができたのは一九五八年だったと思いますけれども、当時そういう問題についてアメリカがユーラトムを通り越してドイツの再処理に対して同意を必要とするようなことを考えていなかったのではないかと思われます。アメリカが現在十幾つの国と二国間の原子力協力協定を結んでおりますけれども、その二国間の協定の中には、再処理につきまして米国の何らかの同意を必要とするという規定が入っておると承知いたしております。
○瀬崎委員 今度の国際会議が、宇野長官の評価によれば、日本にとって実り多いということだけれども、私は、むしろいまの話を聞いておって、実りは非常に少なかったというか、一体何が決まったのか、非常にその点では明確さを欠いている点の方が多いのではないかと思うのですね。結局日米間の障害になっているのは、具体的に言って保障措置の方法で合意が成立しないのか、それとも再処理の運転を認めるか認めないかという点で合意が成立しないのか、このどちらなんですか。
○宇野国務大臣 そういうとらまえ方ではなくして、現在米国が言っておりますのは、やはり核の不拡散、これはどうしてもやっていきたい、こう言うのです。では、NPTはどうなんだと私どもは反論しておるわけであります。したがいまして、まずNPT参加国と非参加国との間に差があるような米国の新政策であってはおかしい、同時に、NPT参加国の間においても差があるような新政策であってもおかしい、これが日本の立場であります。そして、NPTが何か空洞化するようなことを招くような新政策だとゆゆしき問題になる。このとき、ソ連あるいはそうした東欧諸国に対して、米国は自由主義国家群と同様のことを主張して同様の成果を得られる自信ありや否や、ここまで突っ込んでおるわけであります。したがいまして、米国が言っているのは、そういう大まかなところで話をいたしておりますから、特に日米原子力協定というきわめて事務的なところをとらまえて、ちょっと待ってくれ、こう言っておるようなところでございます。 われわれといたしましては、そのことに対しまして、従来から申し上げてまいりました反論を幾つも幾つも持っておるわけでございますから、そうした反論がこの間のサミット会談におきましても、単に日本だけの反論ではなくて、広く米国の新政策に対しまして各国共通の気持ちであったということを確認したことは、われわれといたしましても非常に心強い思いをしたということでございます。したがいまして、米国といたしましては、現在あくまでもやはり核不拡散、その前提のプルトニウムは悪だ、平和利用そのものが悪なんだと言わんばかりのことでありますから、それが日米原子力協定にひっかかってきておる、こういうふうに私どもは解釈いたしておるわけでございます。
○瀬崎委員 私は、何も日本で再処理工場を計画どおり運転するようにしりをたたいているわけでは毛頭ないのですが、問題は、日本の自主性が果たして貫かれているのかどうかということが最大の問題なので、このことをお聞きしているわけです。 いまの長官の論法からいけば、もしも日本政府が核兵器禁止法というふうな法律をつくって国会にも出してくる、成立するということになるならば、これは日本の国内法で核兵器を完全に禁止してしまうということが成り立つわけですから、アメリカはとやかく言う筋合いではなくなると思うのですが、そういうことにはならないですか。
○宇野国務大臣 その是非は、私一人の判断で申し上げるには余りにも大きな問題でありまして、一応衆議院といたしましては、御承知のとおりに非核三原則というものを院議をもって通し、なおかつ、それを政府がこういうふうな政策でいくということを堅持いたしておるわけでありますから、したがいまして、このことに関しましては、アメリカは重々知つておるわけであります。 ただ、先ほど来お答えいたしましたとおりに、現在この問題の端緒となりました、インドがNP丁不参加国であって、平和利用と称して核実験をやった、だから大変だ、だからNPTでは規制できないのだというところが一つの問題点であろうと思われます。だから、いままで高度の原子力技術をすでに会得した国々においては、ひとつ今後技術を輸出する上についても注意を払ってもらいたいし、ましてや一番物騒なプルトニウムの製造に関しては、お互いにもう少し話し合いすることはないのだろうかというところから出ておるわけでありますから、あえてわが国だけがアメリカに対しまして、ここまでやっておるのだがどうだというふうなところまで私たちは考えておりません。これは世界全般の問題として考えておるわけで、日本はりっぱに非核三原則を持ち、なおかつ、核不拡散条約の参加国であります。そのことを特に主張いたしておる次第でございます。
○瀬崎委員 それでは、NPTでは核不拡散に対して不十分だという問題は、まず国際的に考えなければ日本だけでどうのこうのでは解決できないのだという論理でいくならば、今度のロンドンの首脳会議で、NPTをより強化する方向で何か実りある成果というものはあったのですか。
○宇野国務大臣 日本がNPTでは不十分だとは言った覚えは少しもございません。日本はもう大丈夫です。現在は御承知のとおりIAEAの監査を受けておりますが、最も模範的なんです。だから、アメリカが言っておるわけなんです。アメリカが、NPTそのものをとらまえて言っておるわけではありませんが、結論といたしましては、何かNPTそのもの自体が非常に効果が薄い、それは非参加国があることを意識しての話であって、参加国に対してアメリカはそんなことは言っておらぬだろうと思います。しかしながら、そのこと自体は、平和利用を否定するならばNPTの第四条に違反しますよと私たちは言っておるわけであって、日本はそういうことは少しも言っておりません。 ただ、そうしたことを抜きにいたしまして、われわれといたしましては、核不拡散をもっともっと強化するということは必要なんだ、そのためには技術の交換がいいのか悪いのか、あるいはNPT参加国と非参加国との間をどうするのか、いろいろ問題があろう。そうしたことも含めまして、日本の主張は、核不拡散には賛成である、なおかつ、せっかく効力を持っておるNPTそのものを空洞化するようなことがあってはならない、こういうふうに福田総理は言っておるわけで、NPTは問に合いませんからもっと強化しようとは一言も言っておらぬわけであります。米国のいまおっしゃっておることがだんだん進んで何か世界に誤解を与えて空洞化しては大変ですよ、こういうふうに言っておるわけでありますから、そこはひとつ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
○瀬崎委員 私が尋ねたのはそういうことではなくて、まさに米国がNPTでは不十分だ、こういう認識に立っているわけなんですから、それならばこういう国際会議を開いて米国側がよりNPTを強化する方向での提案を出してきて、そういうことが国際的に論議されたのかどうか。われわれは核兵器の全面禁止協定に進むべきだと考えるけれども、それは米国が提案することだからとやかく言わないまでも、NPTで不十分でNPTにまさる提案がなかったら、結局これは米国の態度はさらにまた矛盾してくると思うのですね。そういうような意味での国際会議の中身はなかったのかと聞いているわけです。
○宇野国務大臣 私の聞いている限りにおきましては、米国はNPT問題を持ち出しておりません。米国の言っておることは、翻って考えるとNPTにそういうふうな影響を与えるよとわが国が指摘しておるのであって、これはドイツも指摘しております。したがいまして、米国そのものはNPTが非常に効力がないからこうだというような発言は一切しておらぬわけであります。
○瀬崎委員 時間の関係があるので次に進みます。 今後日米交渉がどういう形になるか存じませんが、その際、プルトニウムの現在とられている民有制、つまり現在では電力会社の所有物ということなんですが、カーター政策によってここに変更を加えられるような事態は起こりませんか。
○山野政府委員 プルトニウムについての最大の問題と申しますのは、これの管理の問題でございまして、所有権をどこに移すかという問題ではないと存じます。
○瀬崎委員 たしか四国電力や九州電力がアメリカと結んでいるウラン濃縮加工契約では、プルトニウム再使用を義務づけられるような内容になっているんじゃなかったのですか。
○山野政府委員 私、契約案文を覚えておるわけではございませんが、昭和四十八年当時の契約によれば、お説のとおりアメリカのウラン濃縮の容量にも限度がございますので、できるだけウラン資源を活用するという趣旨においてお説のような内容が含まれておったかと存じます。
○瀬崎委員 今後のカーター政策はまさにこのプルトニウムの再使用禁止ということなんでしょう。だとすると、この四電や九電がアメリカと結んでいる契約はカーター政策の影響をもろに受けてくるんじゃないかと思うのですが、これは一体今後どうなりそうですか。
○山野政府委員 このカーター政策の影響を直ちに各電力会社が受けるかどうかというのは、ちょっと私理解できないのでございますが、わが国全体としまして長期的に見まして、この核燃料をできるだけ有効に効率的に使うという趣旨からは非常に大きな影響を受けるわけでございまして、現在の電力会社個々の現有の契約自体に直接の影響があるという問題であるかどうか、これはちょっと検討しなければ何とも申し上げかねます。
○瀬崎委員 それじゃ、その契約にもろにカーター政策が影響を与えないのだとするならば、むしろ当然再使用を義務づけられたプルトニウムは再処理しないと出てこないわけですね。再処理の方に待ったをかけておいてその産物として生まれてくるプルトニウムの使用は電力会社の自由だ、こういう矛盾した話というのは一体通るのですか。
○山野政府委員 電力会社とエネルギー研究開発庁との契約においては、プルトニウムの活用を奨励してはおりましても、義務づけておる、つまりプルトニウムを利用しない場合には濃縮ウランの供給をストップするという性格のものではないと存じます。
○瀬崎委員 それだったとするならば、結局プルトニウム抽出の再処理についてとやかく言うこと自身もまた、個々に結ばれている契約への干渉と間接的にはなるわけですから、このこと自身もおかしいのではないですか。
○山野政府委員 いま申し上げましたように、この契約の中でプルトニウムの利用を義務づけておるということではないわけでございますので、現在八条C項による協議によって日本の再処理工場を稼働するかどうかということを今後決めていくわけでございますが、これと各電力会社の契約とがすぐに関連を持ってくるということにはならないと思います。
○瀬崎委員 それじゃまあ一般論として聞いておきますけれども、仮にの話ですね、東海の再処理工場の運転が認められた——認められたという表現も遺憾千万な表現でありますが、そういう合意が成立した。じゃ、その再処理の結果生まれてくるプルトニウムの所有形態については、それぞれそのもとになっている濃縮ウランの所有者のもとに所有権は帰する、こういう事態には何の変更も加えなくて今後日米交渉は進むのですね。
○山野政府委員 所有権については、お説のとおりだと思います。
○瀬崎委員 時間がいよいよないのでごく簡単に、福島第一号機と島根の原子力発電所の欠陥の問題について尋ねておきたいと思います。 この両方の原子力発電所の制御棒駆動水戻りノズル部のひび割れ対策として、これまではリターン方式が採用されていたものをノンリターン方式に切りかえたということになっておりますね。 まず第一に聞きたいのは、設計段階つまり最初からノンリターン方式になっている沸騰水型の原子炉はあるのかどうかということ、それから第二に、リターン方式を採用しているBWRで、同様ひび割れを起こし、次々にノンリターン方式にかえなくてはならない事態が今後起こってくるのではないかということ。といいますのは、これは結局ノズル部の温度差が原因だということですから、それなら当然どの原子炉にも起こってくるのではないかと心配されるからであります。 この二つ、まずお答えいただきます。
○武田政府委員 現在のリターン方式をノンリターン方式にというのにつきましては、いま島根につきましてそういうことをやっているわけでございますが、他の同タイプのものにつきましても、仮に今後定検等の段階で同様な現象が起こった場合には、それぞれ検討いたしますけれども、同様に変更していく可能性があろうかと思っております。これが第二点でございます。 第一点の方で、最初からノンリターン方式というのがあるかどうかでございますけれども、原子炉の設計にはいろいろの考え方のものがございまして、選択の問題でございますけれども、最初からノンリターンという設計のものもあるやに聞いております。
○瀬崎委員 日本であるのですか。
○武田政府委員 日本ではまだ実例がないようでございます。
○瀬崎委員 本来、日本では全部リターン方式を採用している。これが一般的な型なんです。これを今度全部ノンリターンにかえようというのですから、これは相当基本的な問題を含んだ変更じゃないかと思うのです。実証炉、実証炉と言うてきているけれども、こういう全部の炉が採用しているような方式を切りかえなくちゃいけないということが今回起こっている。これは特に強調しておきたいと思います。 それから次に、ノンリターン方式に切りかえるに当たって、福島と島根ではやり方が違いますね。福島の場合はノズルに直接キャップする方法をとっています。つまりリターン回路はもう外してしまう。島根の場合は、リターン用のパイプ等はそのままにしておいて、リターン回路にあるバルブを締め切りにすることによってノンリターン方式にする。なぜ同じような欠陥であるにかかわらずその対策が違ってきているのですか。
○武田政府委員 いまのリターン方式からノンリターン方式にかえる理由は、リターン方式でございますと、戻ってきます水の量が制御の状態によりましてふえたり減ったりする。それでそのときの温度が低いものでございますので、それからまざる量が変わるという点も含めまして、先ほど先生から御指摘のございましたような温度の変動によりノズルにひびが入ってきたというような問題が起こったものでございます。というようなことが、そこの場所には戻さないという趣旨でございまして、実は制御棒をいろいろ駆動いたしますと、やはり余剰の水は制御棒を動かすわけでございますから同様に出てまいります。それを別のところに戻すわけでございます。そこで戻さないためにとめる手段でございますけれども、これにつきましてもいろいろ選択の余地がございまして、結果として戻らなければいいわけでございまして、福島、島根それぞれ少し違うようでございますけれども、これは実際の作業なり、あるいは停止中にいろいろ調べたりなんかするというようなことも考えまして、相互に利害得失がございます。 そういった意味で、あるメリットを選びますとA方式になり、別のメリットを選ぶとB方式になるという総合判断がございまして、その総合判断の幅の範囲内で両者を泳がせておりまして、結果的には別のようなやり方になっている。しかし、戻さないという機能としては全く同じでございます。
○瀬崎委員 戻さないということについて変わりないのですよ。戻さない対策として対策が違ってきた。その原因として私が通産から説明を受けたのでは、島根の場合には応力腐食発生の心配がないから回路をそのままにしておいてバルブだけ締めておくんだ、福島の場合は応力腐食の危険があるからそのパイプを外してしまっているのだ、こういうことだったのですよ。その違いを聞いているわけです。
○武田政府委員 先ほどの私の御説明が不十分だったようでございますが、パイプを締め切りまして、その残っておる部分がかなり長い場合には応力腐食等の心配があるようでございます。そういう意味で、福島につきましてはなるべくそれを短くというような選択をいたしたようでございます。一方、島根につきましては、それを十分点検いたしまして——もっとも発電所のできた時期が島根の方が後という点もあろうかと思いますけれども、現実問題、十分点検して、その心配がないという判断をいたしまして、したがいまして島根の方はバルブで締め切るというような措置をしたようでございます。
○瀬崎委員 同じような処置をとるにしても、応力腐食の心配を持っているような原子炉が少なくとも福島と同型の場合はあり得るということなんでしょう。こういう点でも日本は非常に物騒な軽水炉を抱えているということのこれは証明になると思うのです。 それからもう一つ、給水ノズルでも福島で同じようなひび割れが発見されておりますよね。この福島の場合は給水ノズルにスパージャーを炉の内側からはめ込む形になっていると聞いております。そのはめ込んだわずかなすき間から水が漏れることによって温度差がまた発生してノズルにひびがいく。この解決のためにはインターフェアランスフィット型でスパージャーを冷却して無理やりはめ込んで、きちっとノズル棒に接着して水漏れをなくするというふうに聞くわけなんですが、これと同タイプ、したがって同一の処置を今後とっていかなければならない発電所は日本にどこどこ、幾つあるのですか。
○武田政府委員 いままでとってまいりましたのはクリアランスフィット型と称するようでございますけれども、同タイプのものは敦賀、それから福島の一号、二号、三号、それに浜岡の一号と島根でございます。
○瀬崎委員 それ以外は熔接型を当初から採用しているから水漏れはないと聞くわけなんですが、それじゃ、相当アメリカでは同型を使っておるのですから、すべて日本にあるものは初めから溶接型になっておってもよさそうに思うのですね。その溶接型が採用されていなかったのはどういう理由ですか。
○武田政府委員 デザインにはいろいろ選択の理由がございますけれども、実は私ども福島につきましてこの点検をいたしましたのは昨年の秋あるいは十二月近かったと思いますが、アメリカの方で給水ノズルにひびが発見されたという情報を得まして、それで点検をさしたわけでございます。それでアメリカで現実にその問題が発生したタイミング、実は私いま承知しておりませんけれども、わりに最近起こってきた現象でございます。そういうこともございまして、従来こういうタイプのものを使っていた。一方、現在建設中のものは、たとえば溶接型に変わっておるものがございますが、理論的に考えてみますと、いま現在で考えてみますと、あるすき問がございまして、そこに冷い水が入っているという状態を後で、結果的でございますけれども考えてみますと、ひび割れ等が発生する可能性があるわけでございます。そういうようなことも考えまして、恐らく新しいものは溶接型を採用するという選択をしているのではなかろうかと思われます。 なお念のため申し上げますと、わりに新しい島根発電所につきましては、福島と同時に点検をいたさせたわけでございますけれども、そのケースにつきましては実はひび割れが発生しておりませんで、やはり発電所の運転の年数、それからひび割れと関連して変化で申し上げますと、起動の、あるいは起動停止の回数とか頻度とかいろいろな時間的要素が影響しておるようでございます。 なお、安全上の観点から申し上げますと、毎年定検をやってそういうことをチェックいたすわけでございますので、ある技術の選択の幅はあるものと思っておりますが、よりよいものにする、私どももそういう指導をするところでございます。
○瀬崎委員 では最後に、これは長官にお尋ねをしておきたいのです。 いまの島根、福島の欠陥の問題です。これは原子炉本体に生じておるひび割れでありますし、しかも、日本の発電所の戻りノズルについてはすべてに共通している方式の変更がいま求められてきているという問題であり、給水ノズル、これも非常に重要な部分ですが、これも日本の約半数近くの原子力発電所が採用している方式の変更ということになるわけですね。しかも運転後の話ですから、オーバーホールのときに相当な危険を冒して中に人が入って——スパージャーなど相当大きなものです、直径三十センチ近くあるようですが、そういうリングを固定し直す大変な作業だ、そういうことを起こさなくちゃいけない、こういうことなんです。 こういう点から見て、すでにアメリカで実証済みの炉だということで日本にどんどん軽水型を輸入してきてつくるのだけれども、こういうこと自身の態度がやはり反省されなければならない。そういう点で、すでに技術的には完成したものだというふうな理解は当たらない、そういうことを今回の一連の事故は示している、私は、こう思うのですが、長官の見解を求めて終わりたいと思います。
○伊原政府委員 瀬崎先生の御質問の御趣旨でございますが、こういうひび割れが生ずるということが即非常に安全でない、また軽水炉技術が不完全である証左であるという御趣旨のようにお聞きいたしましたけれども、私どもは必ずしもそうは考えておりませんで、もちろん、このクラックができるということは好ましいことではございませんけれども、十分修理可能な問題でもございます。特に安全性の問題につきましては、前回参考人として御出席になられました内田秀雄先生の御意見といたしましても、そういうことではないというふうな御見解も表明されておりますので、私どもといたしましては、通産省とも十分よく連絡をとりまして、今後これの改修には十分遺漏なきを期すべきである、こう考えております。
○山田委員長 これにて瀬崎博義君の質疑は終了いたしました。 次に、中馬弘毅君。
○中馬(弘)委員 先ほど来、ロンドン会議でのいろいろな交渉の経過あたりの御報告があっておりますが、これは日本の将来のエネルギー政策にとっても重大な一つの転機に来たかと思いますので、再度、もう少し御質問させていただきます。 アメリカとの交渉以外に、あの席で、カナダとはたとえば天然ウランの問題、あるいはドイツ、フランスとはたとえば技術的な問題についての何か話し合いが行われたのかどうか、これをちょっとお願いしたいと思います。
○宇野国務大臣 お答えいたします。 総理大臣がお出になられましたのは、カーターさんとドイツのシュミット首相、そして外務大臣は、いま御指摘のウラン問題等ありましたから、日加外相会談、そうした接触がございました。 詳細は、局長が行っておりましたから、もし、なんだったら局長から申し上げます。
○中馬(弘)委員 もう少し詳しく、局長の方からでも……。
○山野政府委員 日加外相会議が一番最初にあったわけでございますが、これは主として、現在懸案になっております日加原子力協定の改定問題につきましていろいろと話があったわけでございまして、結論的に申し上げれば、近々のうちにこの日加原子力協定の話し合いを円満裏に終結して、現在とられておりますウランの禁輸措置というものを一日も早く解除したいというふうな内容でございました。 それから、日独の話し合いは、もちろん原子力問題だけではなく、幅広い話し合いがあったわけでございますが、その中におきましても、原子力平和利用の必要性というものについて両国の首脳がお互いに確認し合った。これは完全に意見の一致を見られたようでございますが、そういうふうな内容だったと存じております。 それから、日米首脳会議におきましては、先ほど来大臣から御説明申し上げておりますとおり、かねての日本の主張をこの日米の場におきましても重ねて総理の方からお話があり、今後米国のわが国に対する特段の配慮を要請されたというのがその内容でございます。
○中馬(弘)委員 資源のない日本としまして、多方面からの原料の確保、あるいは場合によっては技術的な意味での国際的ないろいろな駆け引きなんかが必要になってくると思いますが、そういった国以外で、たとえば共産圏、ソ連あるいは中国との間に何らかの話し合いというものが行われているものかどうかはいかがでございましょう。
○山野政府委員 ただいまの先生の御質問は、原子力の諸問題について幅広く共産圏諸国と何かの話し合いがあるかという御趣旨かと存じまして、その線で御答弁申し上げます。 かねてわが国とソ連との間で、原子力につきましての協力、これは主として技術開発についての協力を進めていこうではないかという話し合いがございまして、現在まだこの協力の分野、形態、態様というふうなものをこれから詰めていこうという段階でございます。 中国等とは特に現在のところ関係はございません。
○中馬(弘)委員 今度の交渉にいたしましても、アメリカがああいった態度に出ておることの相当の裏というのがいろいろ想像されるわけでございますが、日本の外交を見ておりますと、何か余りにも真正面からぶつかり過ぎているのではないか。これはちょっと話が別にそれますけれども、たとえば北方領土の問題にしましても、もともと日本の領土だったから返せということでは、これは国際法上といいますか、現実の問題として通らない。たとえばそれを東の方で認めれば、ポーランド国境あるいはフィンランドの国境あたりをもとに戻すようなことになってしまいまして、ソ連が認めるはずがないわけでございます。そういうようなことで、そこでの何らかの見返りあるいはギブ・アンド・テーク的なものがなければ、こんなものは外交交渉としては成り立つものではないと思うわけでありますけれども、そういう意味で今度の原子力問題にいたしましても、アメリカがああいったことを打ち出してきておるその裏といいますか、その辺を考えるときに、今度のいろいろな交渉なんかを通じまして、アメリカに対して日本が与えるメリットといいますか、たとえば軽水炉型の発電機を今後続けて一切アメリカから買うんだとかいったようなことがあるのかないのか。この辺の相手に対するメリットをどのように考えておられるのか、お答えをお願いしたいと思います。
○宇野国務大臣 ごれはもうわが方が望んでいる外交じゃないわけで、わが国はNPT第四条によって平和利用を進めてまいり、なおかつ、二十年前からアメリカはそのことを推奨し、特に三、四年前からは高速増殖炉というものの必要性も進めてまいった。そのパートナーシップにひびが入るようなことが起こったわけですから、何もわが方からアメリカに対して何かメリットを差し上げますからと言う必要のない外交であるというふうに私は考えております。 ただ、いやしくも向こうの大統領が核不拡散という信念から出られた以上、それをどういうふうにして政治家として政策にあらわしてこられるか、その政策がまだないわけであります。私は、アメリカの大使に対しましてもはっきり申すのですが、この間もアタッシェの人たちが三人ばかり来てくれましたが、おれははっきり言うよ、あなたのところの今日の核新政策と伝わるものは目標があって政策がないんじゃないのというふうに言いますと、頭をかいておるというような状態でありまして、私は歯にきぬを着せずに申し上げておりますが、さようなことでございますから、こちらから起こるべくして起こった外交ではあらずして、むしろカーターさんの立場から起こってきた問題でございますので、こちらといたしましても、大統領の立場を十二分にそんたくし、尊重しながらやっていくということは必要でございましょうけれども、物質的に、じゃアメリカさんの何かを買ってあげましょうというような交換条件の外交ではない、私はこういうふうに考えております。
○中馬(弘)委員 物質的でなくても、もちろんいろいろな、アメリカの世界戦略もございましょうし、軍事的な目的もございましょうし、また経済的な問題もあると思います。その辺のところが何かどうも、われわれ国民にとっても不明朗といいますか、何か裏取引をしているということじゃなくて、むしろすっきりした形で、日本としてもこういうメリットがある、相手側にもこういうメリットがあるという形の方が、国民にとってもわかりやすいのじゃないか。むしろそのところを、もしあるのであれば政府としても明らかにして、国民に納得してもらう方がいいのじゃないかという気がする次第でございます。そういう意味で申し上げたわけでございます。 それと関連しますけれども、今後の原子力発電所、実際にはなかなか進んでおりませんが、それは大体軽水炉型で今後もいく、そう理解してよろしいのでございましょうか。
○山野政府委員 今後のわが国におきます原子力発電の炉型のあり方につきましては、きわめて大まかに申し上げまして、今世紀いっぱいは軽水炉型の発電炉が主流になるというふうに考えております。プルトニウム等を活用いたします新しい型の炉と申しますのは、今世紀末から来世紀初頭にかけてあらわれてくるというふうに考えております。
○中馬(弘)委員 これは政府の方針として、たとえばドイツの技術、あるいは先ほどちょっと御説明がありましたソ連の技術といったものを幅広く採用する、電力会社がたとえば軽水炉一本でいく腹であれば、それを国策的な意味で若干指導してでも幅広く入れるおつもりがあるのか、いや軽水炉でいくというお答えなのか、そこのところをお願いします。
○山野政府委員 過去の歴史を振り返ってみますと、わが国の軽水炉と申しますのはアメリカから導入したものでございまして、西独の軽水炉等も導入するかどうかという御質問かと存じますが、現在私どもの考えております方向と申しますのは、アメリカから入れました軽水炉につきまして、まず導入技術によってこれを国産するという方向であったわけでございますが、いまや国産化率は九五%を上回っておる。これは加圧水型も沸騰水型も同じでございますが、国産化率は相当高まっておるわけでございますので、今後は、これに加えまして、できるだけ自主技術というものを組み込んでいく努力をするということを考えておるわけでございます。通産省の方で言っておられます改良標準化といったようなものもこの方向に沿ったものでございまして、そういう意味でできるだけ自前の技術による軽水炉をつくり出していくということを中心に考えておるわけでございまして、アメリカ以外の炉の導入を全部やめるという意味ではございませんが、それを積極的に考えていくという方向ではないというふうに考えております。
○中馬(弘)委員 ということは、電力会社の経済的な意味とかそれだけじゃなくて、国の方もある程度それを指導していくというように承っていいわけですか。
○山野政府委員 自主技術にできるだけ立っていくという方向で、われわれは今後とも産業界を指導してまいりたいというふうに考えております。
○中馬(弘)委員 自主技術開発のことでございますけれども、これはエネルギーもついに外国の支配を受けるような形になるのじゃないかということを恐れるわけでございます。事実、食糧がああいう形になってまいりましたし、それから今度の二百海里の問題にしましても、日本はあれで魚がなくなるのじゃなくて、むしろアメリカやソ連の冷凍魚が商社を通じて日本にあふれるようになるかもしらぬ。そして中小の漁船がつぶれた段階において、これは石油と全く同じように外交の道具に使われて、日本が魚を食えるか食えないかというようなことになってもきましょう。そういうことからいいまして、やはり自主技術開発の方に一段の力を入れる必要があるのじゃないか。特にこの原子力の問題にしましても、あるいはエネルギー問題もう少し全般にしましても、そういうことがどうしても必要な時期になってきたんじゃないかという気がするわけでございます。その辺のところについての大臣の御見解をひとつお願いいたします。
○宇野国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、石油だけに頼っておる日本のエネルギー事情では、首の根っこを外国に押さえられておるのに等しい。だから、いかに私たちが将来の国民生活の向上のために予算を組み、あるいはその予算を組む前提である経済成長率をこうするんだというふうなことを申しましても、それは下手をすると机上の空論に終わりかねない。そうしたことをおもんばかった場合に、どういたしましても、やはり新しい国産に準ずるエネルギーの開発というものが必要であって、そのこと自体はやはり将来の国民生活にとって最も肝要な問題だということはもう先生御指摘のとおりで、私もそのことを従来から主張しておるわけでございます。
○中馬(弘)委員 特に今度のことの反省も含めまして、来年度からでも、非常に大きな自主開発の予算を通してでもこれに取り組んでいただきたい、かように願う次第でございます。 次に、「むつ」の問題、これは先ほど大臣は、「むつ」のことにつきましての要するに従来の一つの行政の長として、そして現在の路線についての非常に公式的な御答弁をなさっておるようでございますが、現実問題として、この委員会におきましても、いろんな意見を通じまして、そして大体一つの方向というのがまとまってきているんじゃないかと思うのです。これを煮結めていきますにつきましても、一つの公式的な大臣からの御発言がなければ、これも前向きに進まないかと思いますので、ひとつお伺いしておきたいと思います。 この「むつ」を、やはり一つの実用化船としてあくまでも完成させるんだということに今後とも力を注いでいかれるのか、やはりいままでの一つの反省に立って、場合によってはこれは一つの研究材料であった、いままでのことを評価してここで一つの次の機構の中にゆだねるといいますか、こういうことも幅広くお考えになるかどうか、大臣のお口からお答え願いたいと思います。
○宇野国務大臣 あくまでもこれは事業団法においても説明を従来からされておりまするとおり、「むつ」は実験船である、そして、将来のわが国の原子力船時代を迎えるための第一ページをどうしてもこの「むつ」によって開いてもらいたい、数多くの実験の結果のデータも得られるであろうから、そしてそれを実用船の方に持っていきたい、こういう私たちの主張は従来と少しも変わりはございません。
○中馬(弘)委員 ということは、どんなに欠陥があろうとも、それを修理し、そしてどうしても実用化船のところまであの船を持っていくのかどうかということでございますけれども、そう理解してよろしいのですか。
○宇野国務大臣 もう何度もお答えするようでございますが、ああした放射線漏れがありましたときに、政府の中にも大山委員会というものをつくりましたし、また、原子力委員会の中にも特別のいろんな問題を調査する委員会をつくりまして、双方におきまして真剣に今日までいろいろと政府に対して注文があったわけでございます。その結果、この「むつ」は相当な技術に達しておる船なんだ、もったいないじゃないか、だから、遮蔽改修または総点検、そうしたことによって修繕を施せばりっぱに第一船としての使命を果たしてくれるではないか、こういうきちっとしたそうした専門家の御意見をちょうだいしていますから、やはり政府といたしましては、いままで直接、間接費ともに合わせまして百七十億ばかりもかかっておる船でございますので、どういたしましても、やはりこれは速やかに修繕を施して、そして、やはり国民の将来のために備えたい、これが私たちの変わらざる意思でございます。
○中馬(弘)委員 それほどかたくなに言われますと、われわれ一つの前向きの姿勢というのをここで封じざるを得ないような形になってまいりますので、幅広く、やはりこれは先ほどちょっとお言葉の中にも出てきました実験船であるということで御理解いただいた方がいいんじゃないか、かように思う次第でございます。 これは場合によっては一つの法解釈の問題になってくるかと思いますが、長崎県と佐世保市側が若干違った結論を出しております。自治体の権限といいますか、自治体というものは、これが県の方か市の方か、どちらの方に重点があるといいますか、どちらの主張の方を国として重視すべきだとお考えでございましょうか。
○宇野国務大臣 港湾管理という面から参りますれば佐世保市であろうかと存じますが、しかし、やはり今日の自治体組織というものは府県、市町村というものが地方自治体でありまして、政府自体といたしましても、県と佐世保市と、この両者に昨年の二月、お願いしたわけでございますから、したがいまして、私といたしましては、どちらが重くてどちらが軽いという立場ではなくして、やはり従来からこれもお話しいたしますとねり、政府としては両者に対しましては同様の責任の重さ、そうしたものを感じながらいろいろお願いをしてまいったわけでございます。 したがいまして、その結論におきましても、午前中でございましたか、質問がありましたが、私といたしましては、どちらが軽くてどちらが重いというふうなことではございません。しかし、佐世保市は、政府のお願いしたとおり、そのことを議会ではっきりと議決をしていただいたということでありますので、その意味では、私は佐世保市に重々の感謝をいたしております。しかし、それだからといって、それじゃ県の方が軽いのかということになろうと存じますが、そうではなくして、知事は知事で、佐世保市を含む長崎県の責任者でありますから、長崎県という特殊性を十二分に考え、さらにはまた、被爆県あるいは漁業県というふうな立場からああいうふうな結論を議会に求められたのではないだろうか、こういうふうに思いますので、今日私は、どちらが軽くてどちらが重いというふうなことではなくして、両者に対して感謝をいたしながら、どういうふうにこれをさばけばいいであろうか、こういうふうに考えておりますので、とりあえずやはり、わが党に特別委員会がございますから、この特別委員会で十二分に吟味をしていただきたいということをお願いいたしておるところであります。
○中馬(弘)委員 これの調整の一つのめどといいますか、時期あるいは今後の「むつ」の母港の問題、この辺のところが——これは法案審議じゃございませんから、そのことで特につつくわけじゃございませんけれども、その辺のお見通しのようなことを、現時点におきまして伺っておきたいと思います。
○宇野国務大臣 率直に申し上げまして、佐世保市どおりの御回答が長崎県からいただければ、もういまごろはとっくに入港届が出されておるのじゃないだろうか、こういうふうに思うのでございますが、両者の言い分が、受け入れることに関しましては同一であるにいたしましても、多少条件が県の方にはついたということで新しい事態が発生したと私たちは考えております。 われわれは、現在でも大丈夫だと思いますが、しかし、大丈夫の上にもう一つ慎重を期したいという長崎県の御意向ならば、燃料体そのものを抜くこと自体の作業、それがやはり国の責任においても安全かどうかということははっきりしておかなくちゃなりませんので、私は、大丈夫だと従来から申しておりますから大丈夫だと思いますが、しかし、私がいかに大丈夫だと言いましても、それよりもやはり権威ある機関においてそのことをはっきりさすことが必要であろう、こう思いますので、安全局長が先ほどもお答えいたしましたように、とりあえず原子力委員会の中にございます安藤委員会に専門的な見解を求めたい、こういうふうに思っておる次第でございます。できるだけ早い方がいい、私はこう思っております。 しかしながら、だからといって、それじゃいつまでにそれがというのは、いまのところはそういうような手続がございますので、極力できるだけ早い方がいいという姿勢で臨んでいきたい。そのことは決して拙速をたっとぶという意味じゃございませんので、大切なことでございますから、私たちといたしましても安全の上に安全を十二分に期していきたい、かように存じますから、現在ただいまスケジュールを話せと申されましても、いささか戸惑うというような段階であります。
○中馬(弘)委員 いままでの「むつ」の反省の上に立って、第二船というものをもう少し、それこそ世界に冠たる一つの日本の誇りとする原子力船をつくっていくんだということのお考えがもちろん出てこようかと思いますが、そういったことは、いままでの経験も生かして、ひとつ開発事業団の中かあるいはまた科学技術庁の中で検討がされ始めておるのか。あるいは、そういうことはもう一切やっておらずに、もっぱら「むつ」にかかり切っているのか。このことをちょっとお知らせ願いたいと思うのでございます。
○宇野国務大臣 いまさっき、ちょっと私、言い間違えた点がありますから、これを訂正いたしておきます。 安藤委員会は、科学技術庁長官である私と運輸大臣の諮問機関でございますから、原子力委員会の中ではない、こういうふうにひとつ訂正をさしていただきたいと思います。したがいまして、党の特別委員会のそうした御意見は、この専門委員会があるわけですから、そこに諮りたい。原子力委員会にかける場合は、先ほど局長が申しましたとおりに、いろいろの手続を要するわけであります。結論としては原子力委員会にかかる時期があるわけでありますが、とりあえず党との立場におきましては安藤委員会にいろいろと御意見を伺うということでございますので、御了解賜りたいと存じます。 なお、将来の原子力船についてどういうふうな構想を持っておるかということでございますが、将来原子力船が必要であるということは、もうこれはわれわれといたしましても数度にわたりまして繰り返し申し上げておるところでございます。しかしながら、肝心かなめのそのための実験船である「むつ」が、初歩的な段階におきましてあのような放射線漏れがあって、ぞれが非常に今日社会的な問題となり、政治的な問題となっておるわけでございますから、十二分にこの問題も解決をいたしまして、その修繕なり、出力検査なり、航海実験には十年という長い歳月が必要でございます。そうした過程におきまして、私は、実験第一号が成功することを祈る、それを契機としてわが国は原子力船時代に入ろう、こういうふうに言っておるわけでございます。そうした点におきまして、そうした時点をとらまえまして、われわれといたしましても、将来に十分備えるようなりっぱな計画を持ちたい、かように存じております。
○中馬(弘)委員 もう少し、事実関係なんでございますけれども、原子力船事業団の中で、そういうようなプライベートなチームででもそういうことの検討をやっているのか、そういうことは一切やっていないのか、その辺のお答えはどうなんでございますか。
○宇野国務大臣 現在は第一船「むつ」だけでございまして、第二船に関しましては何らドラフトはございません。
○中馬(弘)委員 そういうところが、私も原子力船開発事業団というものについて少し疑問を感じるわけでございますけれども、十年間続けてきておって、しかもいろいろな時代の流れもございましょうし、実際にあの炉型がいいのかどうかというような、専門家の間に一つの反省の言葉も聞かれておるわけでございます。それに対しまして何ら前向きの方策がとられていないというところに、私は若干の憤りすら感ずるわけでございますけれども、そういうことで、これが行われていないのであれば、またそれが行われるような体制というものをつくっていかなければならない、かように思っておるわけでございます。そういうことを今後の方向として、委員会としましてもひとつ煮詰めていくことを申し添えまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○山野政府委員 先ほど大臣の御答弁申し上げたことで、ちょっと補足的に申し上げますが、ただいま原子力船事業団において第二船の研究はいたしておらないということでございますが、これは先生御承知のとおり、現在の原子力開発利用の長期計画におきましては、第二船以降は民間に期待するということになっておりまして、政府機関は基礎的研究等の場においてこれに協力するという位置づけでございます。 そういう意味におきましてやっていないだけでございまして、いま御指摘の舶用炉等につきましては、これは運輸省の船舶技術研究所を中心といたしまして、新しい舶用炉の研究を当然いたしておるわけでございまして、これは現在の「むつ」の開発の成果、また、こういう他の政府関係機関の研究成果、そういったふうなものを集大成しまして、今後民間において第二船がつくられていくといったふうな枠組みになろうかと存じております。
○山田委員長 これにて中馬弘毅君の質疑は終了いたしました。 次回は、来る五月十八日水曜日午前十時三十分理事会、十時四十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時二十六分散会