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80回国会衆議院1977/04/21

運輸委員会公聴会 第1号

発言数
54
登壇者
14
会派数
6
開催日
1977/04/21

会議録

大野明自由民主党

○大野委員長 これより会議を開きます。  国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案について公聴会を行います。  本日御出席願いました公述人は、サンケイ新聞論説委員山本雄二郎君、日本労働組合総評議会生活局担当常任幹事福田勝君、社団法人日本観光協会専務理事津上毅一君、経済評論家飯田久一郎君、主婦鈴木好枝君、主婦滝野嘉津子君、以上六名の方々でございます。  この際、公述人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございました。本委員会といたしましては、本法律案について慎重なる審査を続けているところでありますが、機会を得まして広く皆様方の御意見を拝聴いたしますことは、本委員会の審査に資するところ大なるものがあると存じます。公述人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  次に、御意見を承る順序といたしましては、山本公述人、福田公述人、津上公述人、飯田公述人鈴木公述人、滝野公述人の順序でお願いすることとし、お一人十五分以内で一通り御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  なお、念のために申し上げますが、発言する際は委員長の許可を受けることになっております。また、公述人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきを願いたいと存じます。  それでは、山本公述人にお願いいたします。

山本雄二郎サンケイ新聞論説委員

○山本公述人 山本でございます。  それでは、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案について、私の若干の意見を申し述べまして、今後の御審議の参考に供したいと思います。  結論を先に申し上げますと、私はこの改正案を一日も早く成立させることが望ましいと考えます。  国鉄の現状につきましては、改めて私から申し上げるまでもなく、いまや破産同然の状態になっているわけでありまして、これを放置しておきますことは、国民経済的に見ましても非常に大きなマイナスであるばかりでなく、四十三万国鉄職員にとってもこれは非常に耐えがたいことであろうと思われます。こういった現在の状況を何とか打開して国鉄を健全な姿にしたいという点については、すでにコンセンサスが得られていると考えます。  しかし、問題はその方法でありまして、どのような手段で国鉄を再建していくかについては、多くの議論が出されております。そのうち幾つかの議論はすでに実行に移されておりますけれども、現在の段階では、ある一つのことをやればそれで一挙に問題が解決できるといった名案はありませんで、結局は試行錯誤を避けられないのではないかと私は見ております。したがいまして、これまでやってまいりました再建対策に仮に問題があるとすれば、それを改め、あるいはまた可能なことを一つずつ積み上げていく以外に方法はないのではないかと思います。今度の改正案は、その意味でまさに国鉄再建のための一つの方法であると言うことができると思います。  冒頭に、この改正案の一日も早い成立が望ましいと申し上げましたけれども、なぜそういうふうに言うかという点について、基本的な考え方を申し述べたいと思います。  一言で言いますと、この改正案は国鉄再建に必要な国鉄の自立経営を可能にするための第一歩と位置づけることができると私は思います。別の言い方をしますと、国鉄の経営システムの変更につながる問題であるという言い方もできるのではないかと思います。  従来、国鉄の再建には三つの柱、つまり国の適切な援助、適正な利用者負担、それに国鉄の経営努力の三つによって行われるべきだということが言われてまいりました。それはそのとおりでありますが、従来の例を見ますと、それぞれの柱が必ずしも十分でなかったきらいがあったわけです。中でも国鉄が経営努力をしようとしましてもその条件が整っていないためにいろいろ問題があるというケースを見かけたように思います。この三つの柱はいずれも制度、運用の面で、少し言葉はきついのですが、硬直化していたきらいがありまして、その三つの柱が有機的に結びつくことがなかなかできず、したがって相乗効果を発揮するに至らなかったのが現状だろうと思います。  また、国鉄再建には前向きの対策と後ろ向きの対策があるというふうに考えることができると思います。この中で前向きの対策がこれまでどうも十分でなかったのではないかと私には思われます。この後ろ向きの対策といいますのは、たとえて言えば過去債務をどういうふうに処理するかというそのための対策と言うことができると思うのですが、本来国鉄再建ということを考えます場合には、そういう後ろ向きの対策だけではなくて前向きの対策も当然必要になってくると思われます。国鉄が企業体としてその競争力を強化して、ほかの交通機関との競争に打ちかってより多くの収入を上げるには一体どうしたらいいか、そういったような対策が当然考えられなければならないわけであります。国鉄も企業体であります以上、その経営の基本戦略である価格の決定とか事業範囲の設定についてはそれを効果的に行う必要が本当はあるわけですけれども、現在の制度ではそれに非常に多くの制約が加えられております。したがって、私の考えでは、そういった制約はこの際一応排除してみることが国鉄再建にとって不可欠のことではないかと考えます。  特に価格の決定、国鉄の場合は運賃の決定ということになりますが、それが現在の段階では国会の御審議をお願いすることになっておりますために非常に時間がかかるという事実があるわけであります。昨年の値上げ法案の場合は申請から値上げ実施まで十カ月近くかかったということがありますし、また一昨年の場合は二年半近くもかかっております。このために収入は当初予定した額よりも大きく下回る結果になりまして、その金額はいずれも二千七百億円とか二千八百億円とか、非常に膨大な収入減になっております。そういう収入減がありますと、やはり国鉄の財政を一層悪化させるということは自明の理でありまして、こういう点の是正もやはり必要だと考えます。  それから事業範囲の設定につきましても、企業体である以上、少しでも収入をふやす方向へ持っていくのが当然の措置であろうと思います。  以上のように見てまいりますと、今回の改正案は、国鉄の自立経営を可能にする第一歩という意味で、あるいはまた国鉄の経営システムの変更につながるという意味で、国鉄再建を進めていく上できわめて大きな意義を持つものであるというふうに私は理解しております。  次に改正案の内容についてでありますが、本来の自立経営を目指すという点からいいますと、今回の改正案はかなり限定的で、しかも暫定的なものであるということができると思います。その点についてはいろいろ議論の仕方があるだろうと思いますけれども、自立経営の第一歩という意味では、文字どおり国鉄再建にとっては一歩前進と評価していいのではないかと思います。  第一の国鉄運賃法の改正でありますけれども、これは一定の限度を設けて、暫定的に、運輸大臣の認可を受けて国鉄が自主的に運賃を決定できるようにする、こういうことだと思いますが、その限度といたしまして、前年度が赤字の場合は、物価等変動率に百分の十五を加えた率というふうにされております。これはいわば物価スライド制を取り入れようという考え方でありまして、この点はこの改正案の最も評価できる点だと私は思います。問題は百分の十五という数字だろうと思いますけれども、これについてもいろいろな御意見があろうかと思いますが、五十四年度に収支の均衡を目指すということになりますと、この数字というのは一応理解できる数字ではないかというふうに考えます。しかし物価等変動率プラス百分の十五というのはあくまでマキシマムといいますか、上限でありまして、常にそれだけの値上げをするとかそれだけの値上げが可能だということを意味するものでないことははっきりさせておく必要があると思います。  この運賃問題について特に強調しておきたいと思いますのは、国鉄が自主的に運賃を決定することができるようなシステムができるということと運賃値上げをするということを、短絡的に結びつけて考えてはならないという点であります。御承知のように、いま国鉄は容易に運賃の値上げができない状況に置かれております。このことは先日国鉄から発表されました経営改善計画の中で国鉄自身も認めているところであります。  昨年の運賃値上げの後、いわゆる国鉄離れが旅客、貨物ともに目立っておりますけれども、これは一過性のものといいますか、一時的な現象と見てはならないと私は思っております。したがいまして、この上値上げを続けていきますと、ますます国鉄離れを加速するということになりまして、いまや国鉄は運賃の壁に当面しているという認識がどうしても必要ではないかと思います。そういう意味で、自主的に運賃を決めることができるということになったといたしましても、それで直ちに値上げに走るというのは問題でありまして、その点は国鉄当局としても慎重にお考えをいただきたいと思います。  その意味で言いますと、少し極端な言い方になりますけれども、国鉄としては値上げに頼るという、そういう基本戦略でないことを考えるという姿勢もいまは必要ではないかというふうに考えます。しかし、これは当面の問題でありますけれども、今後何年かの間にはいずれ値上げを必要とする時期が来ると思われます。その場合に、やはり値上げというのは利用者にとって非常に大きな問題でありますので、運賃決定に当たっては当然利用者のことをお考えいただかなくてはならないわけでありますけれども、その意味で、この改正案の中には書かれておりませんけれども、値上げ案を事前にチェックするシステムというものについて格段の御配慮をいただきたい、こういうふうに考えます。  第二の国鉄法改正でありますけれども、これは投資できる事業の範囲を広げるというものでありますが、やはり同じような意味で、従来のような制約はなるべくなくす方が国鉄再建のために望ましいと考えます。  以上、改正案の個々の点について簡単に触れましたけれども、この内容としては、原案はおおむね妥当なものであろうというふうに判断いたしております。  再び基本的な考え方に戻りますけれども、今回の改正が実現すれば、それだけ国鉄は自立経営が可能になる条件ができるわけでありますけれども、一方同時に、国鉄当局はもちろんのこと組合も含めて、国鉄の責任が非常に重くなるということを意味することを忘れてはならないと思います。したがって、新しい発想と決意でほかの交通機関との競争に打ちかつ努力が今後ますます要請されてくるわけでありまして、その点が今回の改正案を実現するいわば前提条件と言ってもいいのではないかというふうに私は考えております。そういう点がありませんと、仏をつくって魂を入れないという結果になると思われますので、この点もこの機会に強調しておきたいと思います。  それからまた、当委員会におかれましても国鉄再生に十分の御理解をお願いしたいわけでありますが、その際、昨年の国鉄運賃法改正案の審議に際しまして委員会として行われました附帯決議の内容を、ここでもう一度思い起こしていただきたいと思うのであります。その附帯決議は非常に重要な問題提起をされておりまして、またその国鉄再建の要諦はそこに尽きると言ってもいいようなものであったと思いますが、特に第五項で「運賃改定制度について、速やかに再検討を行う。」それからまた第六項で「国鉄自身が、安易な経営に陥ることのないよう厳しい姿勢のもとに、労使関係を正常化するとともに、責任ある業務遂行体制を確立し、国民に対して責任ある経営体制を樹立する。」こういう点を強調されております。今度の改正案はこの附帯決議の趣旨にかなうものでありますし、それにまたそれを具現するものではないかというふうに私は考えております。  これまで繰り返し申し上げましたように、この改正案は国鉄の自立経営を可能にするための一つの手段でありまして、ほかにも国の助成のあり方とか、あるいは公共料金政策そのものの考え方という点に多くの問題が残っておりますけれども、先ほど申し上げましたように、国鉄の再建というのはいわば時間との競争でありまして、一日おくれればそれだけ状況が悪くなるという状況に置かれておりますので、まず可能なことをできるだけ早く実施に移すということがどうしても必要だと思います。その意味で、この改正案についても十分な御審議の上、一日も早く英明な御判断が下されることを期待して、私の公述を終わりたいと思います。(拍手)

大野明自由民主党

○大野委員長 ありがとうございました。  次に、福田公述人にお願いいたします。

福田勝日本労働組合総評議会生活局担当常任幹事

○福田公述人 福田でございます。  私は、今回提出されております両法案に対しまして、反対の立場で意見を述べてみたいと思います。  まず最初に、今回の特に国有鉄道運賃法の一部改正につきましては、従来と非常に違って、運賃法定主義を緩和するという立場がとられております。したがって、いままで国鉄問題についてはずいぶん述べられてまいりましたし、私もまた、いままでこの委員会でも意見を述べたこともございますが、特にこの法定主義緩和の問題につきまして最初に意見を述べてみたい、こう思うわけであります。  法定主義を緩和するといいますと、まことに平易な言葉になっておりますけれども、事実は、このことによって運賃の値上げを容易にしようということではなかろうかと思うわけでありまして、また、国会の審議権を阻むものであると言わざるを得ないと思います。  基本的には、憲法八十三条で規定をされております財政処理の原則、さらにまた憲法八十四条の租税法律主義、これに基づいてできております財政法の三条あるいはまたこの特例法、このような憲法上、また法律上、財政法上の点からいいましても、いろいろ疑義があるように実は思われてならないわけであります。それで、財政法三条の中の指定の事項として、御承知のとおり法律または国会の議決に基づかなければならないものとして、「専売価格」または「事業料金」として、製造煙草の定価、それから郵便料金なり電信、電話料金、国鉄の旅客並びに貨物の運賃の基本賃率の四つが並べられております。これを今回の法律でもって外そうとする、しかも附則で外そうとすることは法的にもいかがなものかと実は思われるわけであります。  問題は、国鉄当局なり運輸省が言われているように、国鉄は現在一体独占事業なのかどうかという問題があろうかと思いますが、鉄道国有法の一条で、地方鉄道以外は、全国的な鉄道についてはすべて国の所有とすることを規定をしている。少なくとも鉄道に関する限りは、全国的な鉄道については国鉄でなければならないと規定しておるわけでありまして、この法的な規定からいってもこれは非常に問題があるのではなかろうかと実は私ども思うわけでございます。  そこで、独占であるかないか。確かに競争条件は相当厳しいものがあるということは私どもも承知をしておりますし、また、かつてのようなシェアがだんだん小さくなってきているということについてもわかっているわけでありますが、なぜそういうふうになってきたのかという問題についても突き詰めていかねばならない、こう思うわけでございまして、憲法上からいいましても、また財政法の立場からいっても、少なくともこの法定主義を附則で外すということは、まず法律上非常な疑義があるのではなかろうかと思うわけであります。その点を第一点として指摘をしておきたいと思います。  それから、これを外すことによっていわゆる当事者能力を得ようということだろうと思うのですが、経営側が当事者能力を持つならば、当然労働者側についても労働者の基本権を与えるべきであろうかと思います。何もこれと引きかえにストライキ権を与えろということを私は言っておるわけではないのです。これは片手落ちではないかということを申し上げておるわけでありまして、このような法律を出すならば、当然労働者側にもこういうことにするということを出さない限り、この是非の問題は別として、きわめて片下落ちであると言わざるを得ないと思います。  さらに、法定主義を外すことによって、認可によって行うということでありますけれども、現在の運輸審議会の構成、それからまた公聴会のあり方、こういう現状を見ましても、これは国民の公開と参加の形にはなっていないと思うわけなんです。私鉄運賃等も運輸審議会で審議をされて決定をされているわけでございますけれども、公聴会といいましてもきわめて形式的な、可否同数の公聴会かやられているということでありまして、本当に公聴会をやるならば全国的に実施をして、そして本当に利用者の合意を得るようなものでない限りは、これは国民の合意を得られないと思うわけですね。したがって、現状のような形で法定主義を外して認可事項にするならば、非常に大きな弊害を生むのではなかろうかと思います。  問題は、そういうようなこそくな手段でやるのではなくして、どうしたら国民の合意を求められるかということでやらない限りは、法定主義を幾ら外してみましてもますます批判が高まるばかりでありまして、国会の審議権も外して、そうして国民不在でやろうという内容につきましては、私どもはこれに対してどうしても賛成するわけにはいきません。その意味で、従来からの国鉄運賃の値上げ問題だけではなくして、この法定主義を外すというところに私どもは非常に強い反対の意向を表明せざるを得ない、こう思っているわけであります。  次に、国鉄運賃の値上げ問題につきましてはいまさら申し上げるまでもないと思います。特に物価の観点から申し上げるならば、福田内閣の目標としておられました五十一年度末の八・六%の物価上昇は、東京都区部で九・三%、しかも、この中で公共料金の占める比重が三%と言われておりますし、来年度は七・七%だという目標が出ておりますが、経済企画庁の調べでも公共料金に関しては一三%で、このうちの二%ほど引き上げるであろうと言われている。そういたしますと、このままでいけば来年以降も、福田内閣の目標としているような物価数値には到達しないのではなかろうかと思います。いま物価問題が最も重要な問題である中で、政府みずからが公共料金、特にこの国鉄運賃の値上げ、さらにまた今後いろいろな公共料金の値上げか予定されているわけでありまして、こういうことからいいましてもまず自制をすべきではなかろうかと思いますし、さらにまた、昨年五〇%の値上げが実施された後で国鉄離れが非常に進んでいることは御承知のとおりでございますし、実質三七%と言われましたが、当初は二五%程度でありまして、いまもって政府の目標値には達していないという状況は、諸先生方よく御存じのことであろうかと思います。  そこで問題は、国鉄当局なり運輸省が言われるような競争関係にあるわけでありますから、したがって値上げをしてみても利用費はますます国鉄離れをする、そういう現状の中で一体どうしたらいいのかということ、そしてどういうふうな解決方法をもって国民の合意を求めるかということが一番大事ではなかろうかと思うわけであります。  四月五日の各新聞に国鉄経営改善計画が出されておりましたが、経営改善と運賃値上げ、国の財政援助の三つを柱にするということであります。しかし、私どもはいろいろ経営改善もしていただきたいと思いますが、この経営改善計画の中に、五十五年までに国鉄労働者の五万人削減というものが入っております。あるいはまた貨物の縮小再生産をやり、その貨物で浮いた人間をほかへ回そう、こういうような案があの中に入っているわけであります。  昨日、公労協に対する調停案等も出ましたけれども、しかし、国鉄労働者の労働条件の内容をいろいろ聞いてみましても、民間との賃金比較では約四万円ぐらい低いのではないかという資料もございますし、また四十三万の人員というのは減るばかりであって、しかも管理職部門がどんどんふえているというようなこと、それからまた国鉄労働者の生産性は、日本を一〇〇にすると諸外国は大体五〇%前後であって、労働生産性においては最も高いということは政府側の資料によっても出されておるわけであります。その結果、最近、大きな事故も、もちろん小さな事故もいろいろ起こってまいりまして、そのような事故も、業務量が伸びた中で労働者の労働条件が悪い、また人員が少なくなっているということが実は大きな原因とも考えられるわけであります。  そういうような経営改善案ではなくて、私は特に昨年の国会の決議の中で——これは大変失礼な話でありますが、私ども、参議院における附帯決議が衆議院よりもよりよくできているように実は考えられてなりません。参議院の方を基本に、先ほども言われましたが、私はぜひ参議院における附帯決議、これは国会におきまして、むしろ参議院の方が当時は与野党伯仲しておったわけでありますが、今回は衆議院の方でありますけれども、その意味におきまして、参議院の附帯決議の中に私が言わんとしていることが大体よく出ているように思いますので、この附帯決議をもとにして再建をしていただけるならば、国の負担をどうするのか、そしてローカル線なり公共割引なりあるいはまた通路部分等の国の負担、そういうものをまず明確にしていただいて、過去債務をたな上げして、そしてやるならば、私どもは率直に申し上げて、運賃値上げにただ単に反対しておるのではないのでありまして、与野党伯仲の中で、国会においてもそうであろうし、また労働側も実は政策を出しております。そういう中で本当に合意が求められるものであるならば、私どもも合意をし、また国民にも訴えていきたい、こう思っておるわけであります。そういうことが実はなかなかできないわけでありまして、そういうことに到達するようにぜひお願いをしたい。その意味で私どもの意見を申し上げまして、法定主義を外すようなこそくな手段ではなくして、堂々とひとつ国民に訴えていくような、公開と参加ができるようなやり方をぜひしていただくようにお願いをいたします。  以上をもちまして意見といたします。(拍手)

大野明自由民主党

○大野委員長 ありがとうございました。  次に、津上公述人にお願いいたします。

津上毅一社団法人日本観光協会専務理事

○津上公述人 私は津上毅一でございます。  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から、特に旅客運賃に関係する事柄に重点を置きまして公述したいと存じます。  国鉄の財政が昭和三十九年度に赤字を出しまして以来、赤字の状態が連続いたしまして、その額も年々増加しておりますけれども、その間国鉄で再建計画を立てまして、経営の合理化を図るとともに、政府におかれましては財政の大幅な援助を行い、また利用者も運賃改定において一部を負担することによって経営の立て直しを図ってきたということがあるのでございますが、周知のとおり累積赤字は年々増大して、今日はかつてない危機に直面しているわけでございます。  それにはいろいろな原因があったと思いますし、それにはやむを得ない理由もあったと思いますけれども、その中でも運賃改定が物価安定等の政治的見地がありまして、適時適切に実施されてこなかったことに起因していることがやはり一つの大きな原因だった、かように考えるわけでございます。先ほどもお話がございましたように、四十九年十月の運賃改定は、当初の予定よりも二年半もおくれ、その間オイルショックがあった。それから五十一年十一月の改定も、六月実施の予定が半年近くもおくれた。両方で五千教百億の累積赤字を増加したというようなことになったわけでありまして、この運賃関係の改定における機動性ということがどんなに大切であるかということを私どもつくづく感ずるわけでございます。ただし、それには、基本的な姿勢といいますか、国あるいは国鉄、利用者の間における基本的な姿勢ということが確立しておらなければならないわけでございますが、昨年の運賃改定に際しましては、過去債務の一部たな上げあるいは赤字ローカル線に対する助成等の画期的な基本方策が決まりまして、国鉄の自主的努力と相まって、再建を図ろうという姿勢が打ち出されたわけでございますから、どうかこの機会に、今回のような運賃法の一部改正によりまして運賃の改定において機動性あるいは弾力性を持たしていただくことが最もいいのではないかと考える次第でございます。  先ほどもお話がございましたが、国鉄の運賃が法律で制定されておる理由は、やはり国鉄が独占的地位にいるということと関連したかと思うのでございますが、御承知のとおり、国鉄運賃法制定当時の昭和二十三年におきましては国鉄の輸送分野全体の中でのシェア、占有率は旅客で六〇%でございましたのが、昭和五十年では三〇%、半減をいたしております。逆に自家用車等は、後ほど申し上げますけれども、非常な増加を来しておるわけでございます。貨物に至りましては、昭和二十三年においては五二%であったのか一三%になっているという状態でございます。こういうふうに独占性に大きな変化を生じている今日において、法定主義を維持するということは日本の国情におきまして適切であると思いますけれども、運賃法が制定当時のようなスタイルでいいか、もっと弾力性ある形式の中で実行すべきではないかと考えるのでございます。  今回の改正案は、国鉄再建対策要綱のいわば延長としての本年一月の要綱の一部修正に対応いたしまして、危機的な状況の打開のために暫定的に運賃改定の方式に弾力的、機動的な措置を講じようとすることでありまして、結論として、現在の国鉄の状況から見て適切な扱いであろうと考えるわけでございます。この運賃法定制の基本原則は維持しつつも、国鉄がその経営政策の一環としてこのような適時適切な運賃改定を行うことができる仕組みが実施されることは、昭和四十七年以降のような状況を回避するためにもきわめて有意義なことであろうかと思うのでございます。  次に、この改正案におきまする運輸大臣の認可を受けるに際しまして、運賃の改定率に一定の限度を設けております。歯どめと言ってよいかと思うのでございますが、この歯どめの幅が妥当であるだろうかという問題がございます。  まず最初の、物価等変動率の幅の上に、これをベースにいたしましてそれに十五%ないし五%ということになっているわけでございますが、この物価等変動率の幅までの改定については人件費率が八五%と言われております国鉄の構造からしても、これを限度の幅とすることにはほとんど議論の余地がないのではないかと考えるわけでございます。問題は、上積みの一五%または五%の率が適切であるかということでございますが、一五%につきましては国鉄再建における収支均衡の目標年次を昭和五十四年度にした場合に、収支均衡のために段階的に回復していくための弾力の幅でありますし、五%は、収支均衡後において、それまでに生じた赤字解消のための上積みの弾力性であります。言うまでもありませんが、これらの数字はいずれも限度の表示であると私ども解するわけでございまして、もちろんこの運賃改定の実施に当たりましては、国鉄運賃法第一条第二項に定める原則に照合した判断をし、そのときに公益的なチェックの方向も当然とらなくてはならないと思うのでございます。しかしながら一方におきまして、国鉄の交通体系上の地位と需要の弾力性というようなものがはなはだ前と違った状態になっておりますので、改定率の判断をするときに、技術的にどの程度がいいかということもこれにあわせて考えていかなければならない、こういうのが実情ではないかと思います。実収を確保できないでただ賃率を上げるというようなことはあり得ることではなく、競合する他の交通機関との競争関係などによって、また需要の弾力性の影響で収入対策として効果が上がらない場合があるということは十分に銘記しなければならないことでありまして、その点は、昨年十一月の運賃改正の五〇%引き上げが、実収は三七%が三〇%ぐらいであろうと言われていることから見てもわかることでございます。  しかし、この目標年次を五十四年度に置くという前提において、この程度の弾力性を歯どめとして政府に付与することは当然であろうかと思うのでございまして、その実情に応じまして、その不足額は財政措置その他のことでカバーするということがある程度必要になってこようかと思うのでございます。  最後に、このことに関連いたしまして、運賃制度の弾力性ということについて、私常々考えておることを申し上げたいと思うのでございます。  わが国の旅客交通の状況は、国鉄運賃法制定当時と大きく変わっておることは、先ほど申し上げたのでありますが、特にマイカーによる交通との関係では、昭和三十五年におきまして、シェアとしましては国鉄が五一%でございましたのが、五十年度は三〇%になっております。それから、マイカーは五%が三五%というところまでいっております。これは人キロでございますから、人数だけではございません。距離も掛けた量でございますが、こういう国鉄三〇%、マイカー三五%という逆転状態に現在は来ておるわけでございます。公共陸上運輸機関でございます民間の鉄道あるいはバスは、もちろんこれによって甚大な影響を受けておりますけれども、民間事業でありますと、事業が地域によって分かれておりますので、その地域に応じて違った運賃を取ることが許されておる。輸送コストを適切に回収することが比較的容易でございます。これに反して国鉄では、地域的な運賃差を設けることは制約されておりまして、そういう状態で競争機関の間に伍して全国一律の運賃で勝負するということは大変無恥な状態にございます。そういう状況において、地域的な運賃差というのがあってもいいのじゃないかというような議論がございますが、そこまでいかなくても輸送力の有効活用というために、国鉄においても何らかの営業活動を活発にする方法を考え、それに伴って必要な運賃制度といいますか、営業的な運賃割引というものをこれからとっていくことが望ましいことでありまして、これは運賃の公正あるいは運賃の改定を行うということと何ら矛盾はしていないと思うのでございます。  御承知のとおり、事情は違いますが、国際航空等においては、はなはだ極端な運賃割引制度を伴った営業政策が展開されております。包括旅行運賃制度などにおきましては、誘発が確実であるものについてはきわめて大幅な割引を行っております。日本の場合、国内においてそのようにするということはなかなかむずかしい点もございますけれども、国鉄もかつては、昭和六年から十年のころ、活発な営業政策を展開した、あの時代の活力ある企業体の姿をいま蘇生させなければならない時期に来ているのではないか。ただ与えられたものだけでやるという姿勢に追い込むような施策は避けていかなければいけないのではないか、このように考えるわけでございまして、誘発のためには、他の諸施策とまって、国鉄運賃制度の弾力的な運用が望ましく、そのときの割引政策の実行は決して公正原則に反するものではなく、季節的な波動を克服し、あるいは乗車効率を増大すること等によって、運賃の改定とともに有効な国鉄経営改善の役割りをなすことになる、このように考えるわけでございます。  そういう意味におきまして、今回の運賃改定に関する政策は法的な問題でございますが、ただいま申しました運用の問題は、法律上の拘束というよりもむしろ社会の国鉄に対する見方からする事実上の制約でございます。そういう点についても国鉄について自主性を付与し、できるだけ活発な営業の展開をするということをしなければ、結局はこれはわれわれがツケを回されてくるという結果になるのではないか、このように考えるわけでございます。  以上をもって公述を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

大野明自由民主党

○大野委員長 ありがとうございました。  次に、飯田公述人にお願いいたします。

飯田久一郎経済評論家

○飯田公述人 飯田でございます。  私は、物価、特に消費者物価が完全に鎮静するまでは公共料金の引き上げをできるだけ抑制することが、庶民の生活にとっても、あるいは景気の順調な回復にとっても必要かつ有益であるという考え方に基づいて、国有鉄道運賃法改正案並びにその成立に伴って九月から実施を予定されております国鉄運賃の引き上げに反対するものであります。  庶民の生活にとって消費者物価の安定ということがいかに大切であるかということは、ことしになって行われました幾つかの世論調査のいずれにおいても、物価対策を望む声が景気対策を望む声よりもはるかに大きいということにもあらわれているのでありますが、この物価の安定ということは、経済の健全な発展、景気の順調な回復や持続にとってもきわめて重要なことだと私は思っているのであります。一ころ注目されましたブラジルのインフレとの共存政策、いわゆるインデクセーション政策というものが失敗に終わったことを見ましても、このことは明らかだと思われますし、また近年、ヨーロッパやアメリカにおいてインフレ対策がますます重視されるようになってきたことも、このことに対する認識がさらに深まってきたためだと思われるのであります。  ところが、わが国の場合は反対に、昨年以来物価安定に対する政府の熱意は著しく減退してきているように思われるのであります。ことしの三月の対前年同月比の消費者物価上昇率が九・二%というように、政府の当初の見通しを一ポイント近く上回ったということもその一つのあらわれでありますが、私がここで特に問題にしたいのは、政府の物価政策がきわめて遅い速度で、非常にゆっくりと長い時間をかけて物価を鎮静させていくという政策だということであります。福田総理は、昭和五十五年度末までに消費者物価を六%台にするということが目標であると言っておられるのでありますが、こういうやり方は庶民を長い間物価高によって苦しめるだけでなく、物価政策自体としても失敗の危険を大きくはらんでおるように思われるのであります。  今日、世界及びわが国の中には物価に衝撃を与えるようないろいろな要因がございます。たとえば原油価格の大幅値上げ、日本及び世界における凶作、あるいは大地震等の災害、あるいは漁業問題というように、大小さまざまな要因があるのでありますが、それがいつ起こるかということは全く予断を許さないのであります。最近の異常寒波によって政府の物価見通しが大きく狂ったということを見ますと、いま述べましたような物価撹乱要因の中で比較的小さなものが起こるだけでも、物価の上昇率が二けた近い線で推移していくという可能性は決して小さくないのであります。そういう半インフレ状態の持続する中でもし大きな撹乱要因でも発生いたしますれば、二けたインフレに逆戻りする可能性も十分あることは、オイルショック前後のわが国の状況を見れば明らかでございます。経済の体質が著しく弱まっておることを考えますと、この場合、イギリス、イタリアの轍を踏むことになるおそれも決してないとは言えないように思われるのであります。  このことと、同じオイルショックに見舞われながら、物価の安定していた西独の受けた打撃はわが国に比べてはるかに小さかったということを考えますと、消費者物価を早急に健全な水準まで鎮静させることはわが国にとってきわめて重要なことだと私は思うのであります。  では、物価を早急に安定させるためにはどうすればよいかということになりますと、そのための効果的な手段というものは必ずしも多くないのであります。たとえば流通機構の合理化や独占禁止法の強化ということは、長い目で見れば相当の効果はあっても早急に大きな効果を期待するわけにはいきません。また、物価や賃金の統制ということには理論的にも実行の面でも大きな問題があります。したがって、政府のできることは、結局金融政策と公共料金の抑制以外には目ぼしいものはないと思われるのでありますが、しかしこの二つの物価抑制策のうち、金融の引き締めということは、いまのように物価高と不況の共存している場合には、これはとうてい実行するわけにはいかないのであります。ということになりますと、政府の実行できる効果的な物価対策としては、結局公共料金の抑制以外にはないということになります。また実際にも、それはオイルショック後の狂乱物価を急速に鎮静させる上で大きな効果を発揮してきたと思われるのであります。  したがって、いま政府のやるべきことは、物価を早急に安定させるためになおしばらくの間は公共料金を極力抑制することであって、公営企業の経営や財政の健全性回復ということに余りこだわるべきではないと思うのであります。そのことによって物価の急速な安定が期待できるだけでなく、景気にとってもよい影響が考えられ、さらに公営企業自体や財政にとっても長い目で見れば公共料金の抑制はむしろプラスとなる可能性が小さくないというのが私の意見でありまして、この考え方に基づいて国鉄運賃の引き上げやそれを容易にする国鉄運賃法の改正に反対するものでございます。  いま申し上げました私の考え方を理解していただくために、仮に五十一年度において公共料金の引き上げがほとんど行われなかったという場合にどういうことになったかということを少し考えてみたいと思います。  御承知のとおりことしの消費者物価は一年前に比べて九・二%ほど上がったわけでありますが、そのうち公共料金の引き上げによる分はおよそ三ポイントと言われております。したがって、もし公共料金の引き上げが、米価などの一部を除いて行われなかったとすれば、仮に野菜価格の暴騰があったとしても、三月時点での物価上昇率は大体六・五%程度におさまっていたと思われるのでありますが、このことはまず政府の経済運営に対する国民の信頼をいまよりもはるかに高いものにしていると思われるのであります。ここ二、三カ月の間に行われました世論調査において、福田内閣の経済政策に対する不満と不信というものはきわめて高いものになっているのでありますが、その最大の原因は、四十九年以降順調に進んできた物価の鎮静が昨年来逆転の徴候を示しているという点にあるように思われるのであります。昨年三月の場合には、一年前に比べて物価上昇率が八・六%でありました。ところが、これという大きな外部要因がないにもかかわらず、ことしの三月の物価上昇率は昨年に比べて九・二%と悪化しております。このことはたとえて言いますと、病気が大した原因もないのにぶり返してきたというようなことでありまして、これでは主治医に対する信頼ががた落ちになるというのは当然であります。経済運営や景気の回復にとって国民の信頼や安心感というものがどれほど大切かということを考えますと、このことだけでも非常に重要なことだと思われるのであります。  昨年度の公共料金の引き上げが延期された場合得られたと思われる第二の利益は、景気に対する好影響であります。それによる物価の鎮静によって昨年、特に下期以降の国民の実質所得はかなりの幅で増加したと思われるのでありますし、また、物価の順調な鎮静が行われておれば国民の間に経済の先行きに対して安心感が広がる、その結果消費性向も高まる、こういう二つのことが原因となって、恐らく消費は昨年度の実績よりもかなりふえて、それだけでも景気の回復に実際よりも相当大きく寄与したのではないかと思われるのであります。  なお、公共料金の引き上げは低所得層にも大きな打撃を与える点で、実は間接税の増税と同じ性質を持っているのでありますが、その延期はぜいたくな消費よりも生活必需品の消費をふやすということになったと思われる点で、まことに望ましい形の景気浮揚策であったのではないかと思われます。  このように五十一年度において公共料金の引き上げが大部分見送られた場合に、物価と景気の双方が実際の経過に比べてはるかに改善されていたと思われるだけでなく、五十二年度の経済の見通しもいまより著しく明るくなっているのではないかと思われます。たとえばことしの春闘の賃上げ率は、仮に消費者物価の上昇率が九・二%でなく六・五%であれば、現在の妥結結果よりもかなり低い線におさまったと思われるのでありますが、その結果は恐らく来年の物価上昇率を五%台にまで下げることになったと思われるのであります。また、そういうように物価の鎮静が行われますれば、景気に対する影響もまた非常に大きいのではなかったかと思われるのであります。  以上、五十一年度の公共料金の引き上げを見送った場合にわが国の経済にどれほど大きなプラスがあったかということを申し上げましたが、それによるマイナスは何かと申しますと、それは結局、公営企業の赤字や債務がその引き上げ延期によってふえるということであります。しかし、そのふえ方というものは、たとえば国鉄と電電公社の場合だけを考えますと、およそ四千六百億円程度と思われるのでありますが、そういう債務の増加による利子の支払いの増加ということと、一方、そういう公営企業がたとえば消費者物価の鎮静による金利水準の低下によって受ける非常に大きな金利負担の軽減あるいは人件費、物件費の節約ということを考えますと、決して大きなものではない。むしろ得るところの方が失うところよりもはるかに大きかったのではないかと思うのであります。また、そういう利子の支払い分の増加を国が利子補給によって肩がわりするということも考えられますが、その場合の利子補給の額というものは、たとえば国鉄、電電の場合だけで言いますと、恐らく四百億円程度ではないかと思われるのでありますが、これはそういう物価の鎮静があった場合に、たとえば一%だけ金利水準か下がれば国債の利払いだけでも三千億円違う、あるいは人件費、物件費等の支出が非常に大きく減るということだけを考えても、財政にとるプラスはいまのような利子負担によるマイナスよりもはるかに大きかったのではないかと思うのであります。  このように、昨年の場合、公共料金の引き上げを延期した場合に得るところの利益は非常に大きかったと思われるのでありますが、このことはわが国の状態が物価の鎮静ができるような条件が十分ありながら、しかも実際には二けた近い半インフレ状態にあるということに起因しているのでありまして、こういう状態のもとにおいては、同じように公共料金の抑制というものは物価の鎮静に非常に大きな効果を上げることができると思うのであります。その点で、今年度のわが国の経済運営にとりましてことしの公共料金の引き上げを極力見送ることは、今後の物価鎮静あるいは景気の上昇にとってきわめて重要なことであると考えるものであります。そういう意味で、公共料金の中でも一般物価に対する影響のきわめて強い国鉄運賃の引き上げあるいはそれを容易にするところの国鉄運賃法の改正については、私としては反対したいと思うのであります。  以上をもって私の公述を終わります。(拍手)

大野明自由民主党

○大野委員長 ありがとうございました。  次に、鈴木公述人にお願いいたします。

鈴木好枝主婦

○鈴木公述人 鈴木でございます。  私は、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案につきまして、条件つき賛成の立場から公述させていただきます。  国有鉄道運賃法が制定され、国鉄の基本運賃が法律で定められるようになりましたのは昭和二十三年でございますが、その当時は、旅客も貨物も国鉄が独占して運ぶという時代のようでございました。ところが最近では、国鉄は全旅客の三〇%、貨物の一三%を輸送しているにすぎない状態のようで、自動車、航空、海運等各種の交通機関の目覚ましい発展により、いまではもはや国鉄は独占企業とは言えないと申しましても過言ではないと存じます。過去におきましての国鉄の運賃改定は、法律の改正を必要としたために適時に適切な実施が不可能であり、常に物価の上昇の後追いをしてきたのが実情のようでございます。特に四十九年十月一日の改定は、四十七年に計画されたものが二年もおくれて実施されることになったもので、この間に石油ショックによる物価の高騰があり、このため消費者物価と国鉄運賃には大きな格差が生じたのでございます。そして結局、昨年十一月に五〇%という大幅な値上げが行われ、たまったツケが一度に私たち利用者に回されてきたという感じがいたします。いままでに物価の上昇に見合うような段階的な改定が行われていましたならば、新聞などマスコミで取り上げられているような国鉄離れの現象も起こらなかったでしょうし、私たちのふところにも影響は少なかったのではないでしょうか。  国鉄の運賃と同じように公共料金と言われております私鉄の運賃、電気料金、水道料金などは国会で審議されるのではなく、所管大臣の認可となっていると聞いております。またアメリカ、イギリス、フランス、ドイツなど欧米各国でも運賃を国会で決めている国はなく、スリランカという国だけが日本と同様に国会で審議することになっているそうでございます。国鉄も企業体であり商売をしているわけでありますから、自分の会社の製品の販売価格は自分で決めることができるというのが筋ではないかと思います。  しかし独占ではなくなったと申しましても、国鉄は国民の貴重な財産を預かって運営しているわけでございまして、国民生活に大きな影響力を持っていますので、運賃を決める場合にもある程度の制約はやむを待ないと思います。今回の法案を見ますと、国鉄財政が健全化されるまでの一定期間について、しかも限度を設けて大臣の認可を受けることになっておりますので、現在の状況下においては妥当な措置ではないかと考えております。  次に、今回の法律案に賛成するための条件について二、三述べさせていただきます。  今後の運賃改定につきましては、物価の安定ということを十分考慮していただくとともに、広く国民利用者の意見が反映されるような措置を講じていただきたいと思います。具体的なお話になりますが、たとえば通学定期の問題など、私ども主婦にとりまして最も頭の痛い問題でございます。私ごとを例にとりまして恐縮ですが、私の家には小学生、中学生、高校生と三人の子供がそれぞれ国鉄、私鉄を利用させていただいて通学しておりますが、現在でも半年間に四万円近くの定期代と、かなりの負担となっております。これらにつきましても学生の直接の負担を少なく、学生としての割引分につきましては政府が国鉄に補償していただくような措置をとっていただければと希望しております。  以上の問題以外にも、政府がローカル線問題やそのほか国鉄に課せられている制約や負担などがいろいろあるようでございますが、これらをできるだけ軽減するよう努力していただきたいと思います。  また、いずれにも増して大切なのは、国鉄自身が再建のために真剣に取り組んでいただくことだと思います。いろいろ制約がございますことと存じますが、まずむだを省き商売に徹することが必要だと思います。国鉄職員の方お一人お一人が本当に利用者の身になって一生懸命お働きいただくならば、利用者といたしましてもある程度の負担がふえることについて納得いただけるのではないでしょうか。  それから、これはどちらへ行っても話題に上ることですが、年中行事のようになっておりますストライキについてですが、これは本当に何とかならないものでしょうか。スト権の問題につきましてはいろいろ御意見があり、私どもにはむずかしくて理解できない面がたくさんございますが、少なくとも現在の法律のもとで禁止されているストライキが毎年公然と行われ、国民の迷惑をよそに処分とストライキが繰り返されているのは異常としか言いようがございません。国鉄の再建と申しましても、結局は労使が一体となり協力していただかなければ、絵にかいたもちに等しいと思います。政府当局も組合も真剣に考えていただき、国鉄財政が黒字になるまではぜひとも労使休戦を実施していただき、一路国鉄再建への道を歩んでいただきたいとお願いする次第でございます。  新聞で見ましたか、高木総裁が組合幹部と定期的に再建問題につきまして意見を交わされているとのことでございますが、ぜひとも労使関係の改善について一層の御努力をお願いいたします。  以上をもちまして、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案につきまして、条件つき賛成の立場から公述させていただきました。

大野明自由民主党

○大野委員長 ありがとうございました。  次に、滝野公述人にお願いいたします。

滝野嘉津子主婦

○滝野公述人 滝野でございます。私は、今度の両法案に反対する立場から意見を述べさせていただきます。  反対理由の第一は、国鉄運賃の値上げは非常な物価上昇を誘発するということでございます。特に、私鉄、バス、トラック、ハイタク、船舶に至るまで他の交通機関の運賃の非常な上昇を招き、それが生活物資の値上げに至るまで拡大されてくるということでございます。福田内閣は物価を抑制すると言いながら、その舌の根も乾かぬうちに医療、高校授業料、保育料、水道料、国鉄、電電、こういうふうに数え切れないほど次々に大幅値上げをもくろみ、実施しております。自治体においては、手数料、病院の分娩料から火葬料に至るまで値上げを実施しております。  いただきました運輸省鉄道監督局がおつくりになりました参考資料の二十二ページにもございますように、昭和十一年に比べて東京都の物価指数は一千倍以上にもなっております。いま私ども国民の生活は食べるものさえも切り詰めて、これ以上切り詰めることができないぎりぎりの生活を強いられております。家族四人で食費が一カ月六万円、一人当たり一日三食で五百円程度です。それ以下の人も大ぜいおります。外食をすればカレーライス五百円の時代ですので、どの程度切り詰めた生活をしているのか、またそのために私たち主婦がどんなに苦労しているのか想像もつかないことと存じます。しかも賃上げは、五十一年度の消費者物価指数上昇率以下程度に抑え込まれました。ここで国鉄運賃も値上げされたらば、私たちは労働力の再生産すら不可能な状況に追い込まれると思います。  また、国鉄運賃の値上げは、とりわけパートタイマーで働く私たち主婦や失対労働者、そして学生の家計を著しく圧迫しております。交通費が自己負担となっているためでございます。失対労働者の場合には一日の賃金が現在二千六百五十二円でございます。その中、交通費が平均三百円から五百円取られています。一日千円くらい交通費を負担しなければならない人もございます。パートで働く主婦の場合も全く同じです。東京都労働局の調べでは、パート労働者の六〇%は交通費が支給されておりません。パート労働者は年々ふえ続け、政府統計でも百九十八万人となっております。これは物価値上げと賃金抑制による家計の赤字を埋め合わせるために働きに出ているものでございます。午前十時から午後三時まで働いて一カ月約三万円程度の賃金を支給されます。そのうち五千円程度は通勤費で消え去ってしまいます。最近では赤字補てんの額にも満たない程度の実質賃金になっているのでございます。  学生の場合も、定期券が五千円以上かかるという人、それからゼロという人もふえております。ゼロというのは、余りの負担増に交通事故の危険にさらされながらも自転車通学がふえているためでございます。お正月も帰省できずに下宿でさびしく過ごした学生も大ぜいおります。  以上のように、国鉄運賃の値上げは国民各層の生活を著しく圧迫していきます。国鉄運賃の九月値上げ実施は何としても抑えなければならないと思います。  反対する第二の理由は、累積赤字の中身についてでございます。膨大な累積赤字は独占企業奉仕の国鉄経営の結果であって、国鉄利用者や国鉄労働者がもたらしたものでは全くありません。政府あるいは国鉄当局は、累積赤字の原因を赤字ローカル線や貨物として目のかたきにしておりますが、その主要な原因は別のところにあると確信いたします。それは歴代の自民党内閣が鉄鋼、セメント、建設等の大企業の利潤獲得のために景気浮揚策と称して実施した新幹線などの膨大な設備投資にあるのです。また、独占奉仕の運賃体系にあると思います。  設備投資は、いままですべて借金によって賄われてきました。利息だけでも年間五千億を超えるような時代になってしまいました。今後も、上越、成田、東北だけではなくて、北海道、長崎、日本海沿岸にも建設すると聞いておりますが、そうなりますと累積赤字と利息だけが雪だるま式にふえていきます。そのツケはすべて国鉄利用者と国鉄労働者に回っていくのですから、私たちはたまったものではございません。このような設備投資は速やかに中止すべきでございます。  第三の反対理由は、貨物、ローカル線の合理化、昭和五十五年までに五万人の要員合理化、そして要員増の抑制を挙げていることにあります。地方ローカル線はもとより、亜幹線までも無人駅化し、他の駅では駅務要員の数を減らし、手小荷物の取扱駅は合理化でますます遠くなり、私たちの国民生活の不便と危険はますます大きくなるばかりでございます。  列車本数の大幅増、そしてスピードアップの陰に、それら列車や線路の安全性を点検し補修する作業員は年々減らされていると聞いております。そのため高速度で走行する新幹線列車から部品が飛び散ることは珍しくないとのことでございます。小田原保線所の記録表を見ますと、昭和四十九年当時年間百件以上の部品の飛び散る事故が発生したとなっております。  また、国鉄労働者はたび重なる合理化のために疲労が蓄積し、夜間作業がふえ、取り扱う機械に神経をすり減らし、器具や機材が重量となっていることから腰痛、高血圧、内臓疾患にかかっている人が多くなっていることがさまざまの資料、本の中に示されております。国鉄に働く労働者の皆さんの人間としての基本的権利が守られることなくして、私たち利用者の安全がなぜ守られるでしょうか。  以上が私の今国会に提案された国鉄運賃法及び国鉄法の一部を改正する法案に反対する理由でございます。  国鉄財政再建をいままでのように国鉄運賃値上げと、人減らしや労働強化などの合理化、そして国鉄労働者の賃金抑制で切り抜けるとするならば、国民の国鉄離れはますますひどくなってくることと思います。そして、最大の焦点である運賃法定制の緩和が実施されるとするならば、それに拍車をかける結果となってしまうでしょう。  本法案の国会成立に断固反対し、私の意見陳述を終わらせていただきます。(拍子)

大野明自由民主党

○大野委員長 ありがとうございました。  以上をもちまして公述人各位の御意見の開陳は終わりました。     —————————————

大野明自由民主党

○大野委員長 これより公述人に対する質疑を行います。  質疑の際は、公述人を御指名の上お願いいたします。  なお質疑は、お一人答弁も含めて十五分程度にお願いいたします。宮崎茂一君。

宮崎茂一自由民主党

○宮崎委員 初めに福田公述人にお願いをいたします。  先ほど、今回の法律につきましては財政法上の何か疑義があるというふうなお話がございました。これはどういうことか。まあしかし、労働組合の方でございますが、私ども考えますのは、どなたか御議論がございましたように、当時は独占企業でございますから、財政法第三条は独占的な国家の料金を法定主義と、こういうことに決めているわけでございますか、もういまや旅客三〇%、貨物一三%というようにほとんど独占の地位はなくなったわけでございまして、ほかの輸送機関との対抗、輸送機関を国民がどういうふうに選ぶかということが非常な問題だろうと思います。しかしながら財政法も考えなければなりません。が、財政法の枠の中でこういったような運賃法の改正を提案をしているわけでございますが、この点につきまして、どうしてもこれは財政法違反なのかどうか、あるいはまた実態にかんがみてやはりこれは法律的には仕方がない、こういうふうに御認定になるのか、その辺のことを一点お伺いいたします。  それからついでに申し上げますが、いま一つ運賃は上げてはいけないというふうにおっしゃいます。これはどういう意味かわかりませんが、国会で決めよということだと思いますが、国会で決めますと先ほどの話のようになかなか決まりません、二年半もかかったということになりますから。そうするとまた、きのうも労働組合の賃上げでございますが、毎年春闘でベースアップを要求をするわけです。私鉄の方も何%か上がりますと、私どももやはり国民感情としては国鉄も同じような事業ですから幾らか上げなければならぬとは思います。しかしながら、違反ストまでしておやりになっているわけですが、こういった問題をどういうふうにお考えになるのか。特にこれは専門でございますが、労働組合のストと賃金の問題ですね。ストをやらなくてもあれは賃金はかち取れたのじゃなかろうかと思うのですが、どんなものですか、これはひとつ御意見として承りたい。  もう一つは、全然この法律が通らない場合になりますと国鉄の方で——これはすぐ値上げに直結するわけじゃございませんけれども、国鉄総裁が適宜に値上げすることができるという法律でございます。もちろん運輸大臣の認可は必要ですが、通らない場合にどういうことになるのか。私も細かい数字はわかりませんが、ある程度値上げをしたといたしましても五十二年度は、国鉄の人件費も値上がりいたしますから、人件費と物件費がほぼこの運賃で賄える程度じゃないか、過去債務その他の問題は別としまして。そういう程度の財政じゃないかと思いますが、もし値上げをいたしませんというと、運賃収入では人件費は賄えない、こういうことになるわけでございますが、それをどこでどういうふうにして賄うというお考えなのか、その一点。  それからまた、国民の税金でそれは出せばいいんだ、こういうお話だといたしますと、そういった国民の税金から出すという根拠と申しますか、国民的な了解の得られる妥当性、そこをどこにお求めになるのか、この辺をお聞きいたしたい。ちょっと多い質問でございますが……。

福田勝日本労働組合総評議会生活局担当常任幹事

○福田公述人 宮崎先生から御質問のありました点につきまして申し上げてみたいと思います。  第一点、財政法上の問題でございますが、財政法第三条の特例に関する法律の三号の中にはっきり「国有鉄道における旅客及び貨物の運賃の基本賃率」というのがあって、これは法律または国会の議決を経なければならないと書いてあるわけです。このことを申し上げているわけでございまして、法律でこう書いてきちんと規定してあるものをさらに別な法律で、しかも附則で外すということは法的に非常に疑義があるのではないかということを実は申しているわけであります。そういう面で外すのならば、むしろこの財政法第三条の特例に関する法律なり財政法そのものをいらって、はっきりすべきなのではないか。どうもそこが法的に言っても問題があるのではないかということを申し上げたわけであります。     〔委員長退席、小此木委員長代理着席〕  独占であるかないかという問題は、先ほど申し上げましたように、全国的な鉄道は国鉄でなければならないというふうに鉄道国有法上に規定がしてあるわけでございまして、交通としては競争になってきたことはあれがありますが、鉄道に関しては全国的な鉄道は独占じゃないかということも私は申し上げているわけでありまして、その意味におきましていささか法的に疑義があるのじゃないかということを申し上げているわけです。  それから、国会で決めると上げられなくなるというのは、これはいささかいかがかと思うわけでありまして、国会におきましてもいままで値上げが行われてきております。また与野党伯仲すればするほど野党側が実は責任を持つわけでありまして、国会におきまして一切のことができないということならば、これはまた国会としていかがなものかと思うわけなんです。私は、むしろ与野党伯仲したいまの国会だからこそ国会でやってもらいたいと、逆な意味で実は申し上げているわけです。私どもも、そういう意味で、労働組合も大きくなればなるほど責任を感じて、実は政策も出しているわけでありまして、全くこれは逆なんではなかろうか。こういう国会であればあるほど、国民の合意のもとに妥当なものは通っていくというのがむしろ今後の国会運営ではなかろうか、このように私どもは考えるわけであります。  それから、違法ストと賃金問題につきましては、ストをやらなくても出ると先生の方はおっしゃったんですが、実はストライキをやる前は、出たのは七・一%ですか、その程度のものしかないわけでありまして、やむなく私どもストライキを構えまして、その前に出ればあれですが、結果として九・一二%でございますか、ということで、ストライキ前と後では結果に実ははっきり差があるわけなんです。私ども何も好んで——ストライキというのは賃金カットも受けますし、処分も受けますし、大変な損害でございまして、労働組合としても損害を受けてまでやるときにはそれなりの決意を必要といたします。そういう意味におきまして、物価上昇率にある程度定期昇給分を加えた程度ということで最低の歯どめの条件は出しておるわけでございますから、そのようなところを考慮していただけるならば、今回のストライキ等につきましても回避の条件は十分にあった、こう私は思っております。そういう面におきましてぜひ御理解を得たいと思います。  それから法律の通らない場合はどうするのかということですけれども、前提条件として、先ほど最後のところを時間がないと思って急いだわけでありますが、実は私どもはこういうふうに考えておるのです。それは、競争の関係にあるならば条件を同一にしてもらいたい。各国に比べましても、日本の政府の国鉄に対する出資は非常に少ないわけです。これは政府資料の中でもはっきり出ておりますし、そしてまた、ローカル線の問題やあるいはまた政策料金等の問題とか、そういう国で持つべきものは国で持つ。そしてまた、鉄道建設に当たってはそういうものはやるんだ、そして後の運行に要するようなものは料金で持っていくとか、料金の区分というものをはっきりして、その上で実は赤字が出てきたということならば、私は国民的な合意は得られると思うのです。その競争の条件をまず整えていただく。いまのままですと、ざるで水をくんでいるようなものでありまして、いつまでたっても赤字は残ります。洗面器で水をくんで、そのまだ残ったものをどうするかということならば、そこは私どもも話がつくということを申し上げておるわけです。ざるで水をくんで幾らでも残った赤字を持て持てと言われても、そうはいきませんということを実は申し上げておるわけでありまして、その意味におきまして、私どもも国鉄問題については十分に政策も持っておりますし、国の負担、それからわれわれの持つべきものはどこまで持ったらいいのかということも政策として出しておるわけでありますので、ぜひそういう面で御理解を得たいと思います。

宮崎茂一自由民主党

○宮崎委員 ただいまの財政法の問題、あるいはまた国会で値上げをしたらいいじゃないか。私もいろいろと反論もし、また議論もしたい点もございますけれども、きょうは実は時間がございませんので次に進ましてもらいます。  同じく福田公述人に、御承知のように法律制度がいかにできましても、実際はその国鉄という企業の中で働く人の心構えの問題だ、私はさように考えております。国鉄は三兆円というような膨大な赤字を抱えておるわけでございまして、御存じのようにもう倒産寸前とか、あるいはもう何回も倒産した会社じゃないか、こういうふうな世間の批評があるわけでございます。そういったような国鉄であればこそ、これは決して労働者とかあるいは経営者とか、こういうことなしに、経営者も企業者も労働者も一体になって国鉄の再建をどうしたらいいか、なるべく経費を節約して国民の期待に沿うような努力をしなければならないというように思うのです。あるいは窓口の駅員のサービスの問題ですとか、そういった勤労意欲の問題といった点については、これは福田さんの方に大いに御協力していただかなければ再建はできないのじゃないかと私どもは思います。福田さんは総評の常任幹事をしておられますが、組合側の代表と申しますかそういった意味で、これからあなた方に一生懸命にやってもらわなければ再建はできないのじゃないか、私はこういうふうに思いますが、国鉄の再建に寄せる福田さんの決意と申しますか、そういったものをお聞かせ願いたい。

福田勝日本労働組合総評議会生活局担当常任幹事

○福田公述人 私どもも、いま国鉄の労使関係は最近非常によくなっておりますし、その面では、先生方の中にも国鉄の労働者出身の先生方もおいでになりますけれども、国鉄の労働者というのは非常に実直な労働者だと思うのです。そういう意味で、そういう実直な人であればあるほど、怒り出したらなかなか言うことを聞かないというのがいまの状態じゃなかろうかと思います。そういう意味におきまして、あれだけの人や貨物を運びながらも事故を起こさない、少ない賃金の中でよく働いている。各国の生産性から比べましても、個々にはいろいろあるかもしれませんが、全体としては働いていると思うのです。  ただ、ぜひ御理解を得たいのは、四十四年の十カ年計画や四十八年の二次にわたる十カ年計画がつぶれたわけですが、その際、たとえばマル生運動とか国鉄労働者の十一万首切りとか、こういうものが一緒に合わされて出てきますとやはり反発をしてくるわけでありまして、労使が国鉄再建に努力をしていくためにはやはりそれなりの条件を整えていただきたいし、それから先ほど言いましたように国鉄の位置づけというものを明確にしていただく。公共輸送における国鉄というのはどういうことなのか、そのためには国は助成するものはして、そして国鉄の公共輸送機関としての位置づけ、役割りを明確にしていただかないと、赤字になって、自動車にやられたから今度はおまえら一生懸命にやれ、少ない人間で働けと言うだけではそれはどうにもなりません。その意味で国鉄の位置づけを明確にしていただいて、そして競争するならばやはり競争の条件を整えていただく。そうするならば、一生懸命にやっておる労働者ですからやります。そういう面で、最近は国鉄労働組合もそうですし、動力車労働組合にしたって再建計画という膨大な計画を出しまして、そしてその中でまじめに討論を行っております。そういう点を申し上げまして、この点については決して私どもは先生方が見ておられるようなことじゃなくて、一生懸命に再建のためには労使で話し合ってもやろうじゃないかという構えで実はやっているということを申し上げまして、ぜひ御理解を得ておきたいと思います。

宮崎茂一自由民主党

○宮崎委員 もう時間が来たようでございますから、私の質問を終わります。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長代理 次に、久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保(三)委員 最初に山本公述人にお尋ねしたいのでありますが、山本さんはこの法案、特に運賃法定制を緩和することについては賛成のお話がありました。そこで、お話の中でいろいろありましたけれども、われわれの考え方についてちょっと申し上げて御批判をいただきたいのです。  それは、国会で運賃を審議していると長くかかる、あるいは決まらぬというようなことがこの法案が出た一つの理由になっていると思うのです。事実また、国会にかけて一月や半月ですぐ通るほどのものではございませんから。それからもう一つは、運賃だけの問題ではなくて国鉄経営全体の問題でありますので、単なる運賃の上げ幅をどうするとかいうようなものではないので、かなり時間がかかるというか、論議があるわけであります。しかしその問題は別として、特に運賃の問題について、いまも皆さんからお話がありましたが、問題の点が二つあります。  一つは、運賃を決める段階で、十分利用者である国民の皆さんの合意を合理的に受け入れられない仕組みにいまなっているということですね。なるほど形の上では国鉄当局が、国鉄当局がというよりは政府が、予算を組む際に国鉄当局と相談というか打ち合わせをいたしまして、その中で、財政資金はこれだけ出そう、あとは賄い得ないものは運賃でやろうじゃないか、運賃の上げ幅も大体この程度にすれば帳じりが合うからこの程度にしよう、こういうようなことで実は運賃の値上げの法案が出てくるわけであります。それが一番最初のはしりでありまして、それを受けて国鉄当局が、形は自分の意思決定として運輸大臣に運賃値上げの申請をします。かたがた政府自身は、国会に向かって運賃値上げの法律案を提案してくるわけであります。  手続としてはもう一つあります。運輸大臣か国鉄からの申請を受理した後では、運輸審議会の審議にかけましてこれの答申ももらいます。     〔小此木委員長代理退席、委員長着席〕 そうして国会で議論の末にこれが修正されたこともあるし、あるいは流れたこともあるし、あるいは多少日にちはかかっても通ったこともあるということなんでありますが、いずれにしても決め方が民主的ではないということが一つ。  それからもう一つは、御案内のとおり、国鉄の財政全体を見て何が赤字の原因であるかというと、これはもういまさら御説明申し上げる必要はないほどでありまして、膨大な投資を今日まで全部借金でやってきているわけです。そして五十二年度予算では、御承知のように八千三百億の投資をするわけです。そのうちには二千六百五十億ですか、東北新幹線の建設費も入っております。残りはやはり在来線の投資であります。これは全部借金であります。そういう投資をするかたがた、今度は列車や電車を動かす毎日の運営の方で、いわゆる損益勘定では借り入れをする。今度の予算案では一九%の運賃値上げを九月から始めて、大体千八百八十億これで予算に入れよう。それでも足りないので損益勘定では約二千億でありますか、千九百何十億か資本勘定から借り入れという形の借金をします。そうしてもなおかつ減価償却ができ得ないのであります。だからここでも大ざっぱに見て八千億赤字になるのですね。毎日電車を動かす、汽車を動かすについて八千億足りない。そして足りないながらも、今度はもう一つ八千三百億借り入れをしまして、新幹線初めその他の建設をやろう、そういう問題が一つあるわけであります。そういう金利の負担に耐えかねるという問題があるわけですね。  そういう中でも、まだもう一つ損益勘定の中では、利用される皆さんが負担すべき筋合いでないものも含んでいるわけです。たとえば運賃の割引の制度があります。文教政策上必要だから学生の割引をしよう、あるいは通勤の割引も社会政策上必要だ、あるいは物価政策上農林水産物資の割引も必要である。新聞、雑誌も、言うならば文教政策というか文化政策というか、そういう面から割引をしようということで割引をしているわけですね。これは国鉄ばかりではなくてよその交通機関もしておりますが、これが約五百億ぐらいあるかもしれませんね。そういうものもある。  それからもう一つは、よく話題になります地方のローカル線の問題であります。国鉄当局では九千二百キロと言っていますが、大体二万一千キロぐらい線路がありますから、その約半分近いものが、運賃値上げも何もしても黒字にはならぬというので区別をつけようというのでありますが、この赤字は御承知のように二千二百五十億ぐらいあるわけですね。そういうものをひっくるめて足りない分は運賃値上げをしましよう、実はこういうことなんであります。  それで、これは乗る人や利用する人が負担すべき筋合いであるのかどうか。たとえば文教政策上の問題ですね。私は割引があっていいと思っているんですよ。割引をすべきだと思うのです。教育の機会均等というか、受けやすくするのは、これは文教政策上当然であります。しかし負担を、何も政策に関係のない人、関係のない人はおかしいが、一般の方が運賃値上げとして背負うことが果たして公正かと言ったら、これは公正ではないと思うのです。それから地方ローカル線は当然、先ほどのお話にもありましたように、日本の国民経済上、国民生活上どうしても必要であるから建設もし、運営もしているのでありますから、それから出てくる赤字は当然国家政策上の問題としてやるのであって、山の下線に乗る人の運賃から、これを値上げして持っていくというのは理が通らないですね。結局負担区分が明確でないままに後の運賃値上げがされるというので不満があるというか不合理があるわけでありまして、そういう問題を解決することが、言うなら問題の大きなものだろうと思うのです。いわゆる民主的な決定方式がない、それから負担の区分が明確でないというようなことなんですね。それを十分取り入れられているかどうかという問題であります。今度の法定主義緩和と言っても、結局は法定主義緩和は、残念ながら、緩和されているようなかっこうだが、緩和はされていない。結局運輸大臣の認可というのでありまして、国鉄当局の自主判断に任せられるというものではありませんし、先ほど来申し上げた二つの大きな問題を解決していないのでありますが、そういう点についてどういうふうにお考えでありますか。  それからもう一つ、時間がありませんか、先ほど宮崎さんからもお話がありましたが、鈴木好枝さんからスト権の問題がございました。これは福田さんからお答えがあったが、同じ主婦の立場におる滝野さんにお伺いしたいと思います。  なるほどわれわれも、ストライキをやっていいなどとはちっとも思っていないのであります。しかし現実にストライキはある。処分もある。それで、先ほど鈴木さんは、労使休戦と言う。どうしたら労使休戦になるんだろうか、こういうことであります。  時間がないようでありますから、以上で終わります。

山本雄二郎サンケイ新聞論説委員

○山本公述人 お答えいたします。  最初に、国会審議が行われるために運賃決定に時間がかかる、それが法定主義を緩和する一つの原因になったというお話が久保委員からありましたけれども、私も、事実関係を見ますと、いい悪いということはさておきまして、非常に時間がかかったということは事実だと思います。ただ問題は、では国会で法律を改正するという制度そのものが悪いのかということになりますと、私は必ずしもそうは言えないと思うわけです。もし運用がよろしきを得て、わりと早い短い審議期間でこれが行われるならば、必ずしも法定主義を緩和する必要はないのじゃないかと思うのですけれども、先ほど来皆さんからお話があった、事実を見ますと、やはりこの際は制度としての改正に着手せざるを得ないのではないかというふうに考えます。特に久保委員は、国会では国鉄経営全体の問題についても御審議をなさるということであります。その点はぜひお願いしたいところでありますけれども、時間がかかる原因の一つとして、たとえば昨年の場合のように、ロッキード事件というようなものが起こりますと、国鉄の問題とは直接関係のないところで時間がつぶされてしまう。これは、先ほど私が申し上げましたように、国鉄の再建というのは一種の時間との競争でありますから、その点についてはやはりこの際新しい方法をおとりになることがいいのじゃないかというふうに考えます。  それから運賃を値上げする場合に利用者の意向が反映されていないのではないかという御指摘がありましたけれども、確かに現在の運輸審議会あるいは公聴会のあり方というのは本来の意味の利用者の意向を反映するには必ずしも十分でない。それは私も思います。  今後これをどうするかという問題があると思うのですが、運輸審議会のほかにまた新しい運賃決定機関をつくるという考え方もあり得るかと思いますけれども、暫定的な措置でありますから、現在の段階では、いまの運輸審議会の人選なりあるいは運営方法を改正することでやってみてはどうかというふうに考えます。  それから今後仮に法定主義が緩和されたといたしますと、値上げ法案を出す前に、国鉄部内である種の諮問機関のようなものをつくるというお話がありますけれども、そういう点は私は当然考慮されてよいと思いますし、その構成メンバーの中には国鉄の職員の代表者も当然入るべきですし、それからまた利用者の代表もできれば入ってメンバーを構成してやることができれば非常に望ましいと思います。  それから負担区分が明確でないというようなお話がありましたけれども、それは私もかなり同感であります。たとえば、ちょっと話がそれるかもしれませんけれども、投資のあり方についていろいろ数字を挙げて御説明がありましたが、すべてではないにしましても、多くの投資が借入金によって行われるという現状は当然好ましくないわけでありまして、それを直す一つの前提といいますか、それに関連して必要なことは、一体今日の段階でその投資かどこまで必要であるかということを非常にはっきりと見直した上で行うことも必要だろうと思うのです。たとえば、言い方が悪くて語弊があると思いますが、いわゆる政治路線というような超閑散線がいまだにつくられているというような事実がありますが、そういう点はやはり投資として行うべきものであるかないかということのえり分けが一方で行われるということがあった上で、じゃその資金をどういうふうに賄うかという点については、もう少し突っ込んだ検討が必要であろうと思われます。  それから通勤通学割引のような公共負担についても、たとえば通学定期については文教費で持ってはどうかという御提案がありましたけれども、現在の通勤通学割引が学生あるいはサラリーマンにとって非常に大きい福音であることは否定できないと思います。先ほど御指摘のように、それを関係のない利用者が負担しなければいけないかという問題は当然あるわけでありまして、これは国の財政あるいは社会福祉政策のあり方と関連して私も当然見直しが行われてしかるべきだと思います。  それから法定主義が緩和されても本当の緩和にならないのではないかという御指摘がありましたけれども、私もこのたびの改正案の法定主義緩和というのは、先ほど申し上げましたように、限定的であり暫定的なものにすぎないと思っております。それでいいかどうかというのは非常にむずかしい問題だと思うわけですが、仮に非常に抜本的な法定主義緩和をするあるいは運賃決定を全く自由化してしまうというようなことが行われるというようなことになりますと、これは国鉄の経営形態の問題とかそのほかの料金、公共料金、たとえば、独占度は違いますけれども、電電料金とか郵便料金とかいったもののあり方とも非常に関連してまいりますので、いま直ちにここでそれに手をつけるということは時間的な関係からいってもできないと思います。しかしこれはどちらに方向づけるにしましても、近い将来検討されなくてはならない問題ではないかと思います。  それから申し忘れましたが、ローカル線の問題につきましても、いま運輸政策審議会で中間報告が出されて、いろいろな方向が検討されておりますけれども、これも現在のローカル線、これは一般論としてなかなか言えないわけでありますけれども、個々の地域の状況と見合って、その鉄道が果たして本当に必要なものかどうか、あるいは車にかえることができるものかどうかという点を見直した上で結論を出して、その上でまた負担の区分というようなことを考えることが必要ではないかと思います。  以上です。

滝野嘉津子主婦

○滝野公述人 先ほどのはストライキについての私の考え方について聞かれたことと理解して、ちょっとその辺を述べたいと思います。  すべての労働者にはやはりストライキ権は与えられてしかるべきだというふうに考えます。憲法でも労働三権ですか、は認められていますし、それに対して、公務員労働者からスト権を奪ったということ自体が非常におかしいというふうに考えます。フランスなんかでは裁判官に対してだってストライキする権利が与えられているというふうに聞いておりますし、うちの主人は公務員労働者じゃないですけれども、民間に働く者ですけれども、どうしても公務員労働者の賃金その他の条件が一つのバロメーターになって強制されてくるわけですね。ですから、昨日の国鉄労働者のストライキについても、一万三千何がしで決まったみたいですけれども、私たちの生活実感からすればもう三万円か四万円ぐらいは欲しかったなあ、それまでがんばれたらなあというふうに私自身は思って、主人は民間に勤める者ですけれども、国鉄労働者に本当に心からの支援を送っているものでございます。  以上です。

大野明自由民主党

○大野委員長 宮井泰良君。

宮井泰良公明党・国民会議

○宮井委員 私は飯田公述人に主としてお伺いをいたします。  運賃法定主義の緩和と申しますのはやはり財政民主主義に反すると思いますし、また公共料金の改定ということにおきまして国民的なチェックができない。そのために運審制度というものがあるということになりますけれども、どうもこれも民意の反映が十分でないというように考えます。そういった観点で法定制緩和についてのお考えをお聞きいたしたいと思います。

飯田久一郎経済評論家

○飯田公述人 お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、公共料金というものは物価に非常に大きな影響があり、またときには経済全体に非常に大きな影響が出てまいるものであります。中でも国鉄運賃というものは、最近交通機関の中でのウエートが小さくなったとはいってもやはり非常に大きなウエートを持っておりますし、しかも庶民の生活にきわめて深い関係があるものであります。そこで、こういうものを動かす場合には非常に慎重な態度が必要である。また、庶民の立場に立ってこれをチェックするということが必要だと思われるわけでありまして、そのためにはどうしても法定制の緩和ということば軽々に行うべきではない、こういうふうに考えております。

宮井泰良公明党・国民会議

○宮井委員 今回の法定制緩和というものは当分の間ということになっておりまして、政府は五十四年度を目途といたしまして単年度赤字の解消するまで、こういうことになっておるわけでございます。しかし、単年度赤字が解消されるためには昭和五十二年度以降大体毎年二〇%ぐらいずつの値上げはしていかなくてはならない、こういうふうになってくるわけでございまして、値上げが恒常化されるというふうなことも考えられます。したがいまして、先ほど物価に与える影響というものをるるお述べいただいたわけでございますが、国鉄運賃値上げというものは諸物価値上げの先導役を果たしていくというふうになりますし、今回のこうした法改正が特に国民生活に与える影響という点につきまして、飯田先生のお考えをお伺いいたします。

飯田久一郎経済評論家

○飯田公述人 お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、政府の現在の物価政策というものはきわめて手ぬるいといいますか、やや現状放任主義というふうな形をとっておりまして、今度の国鉄運賃についての国鉄当局なり政府の考え方というものも、こういう物価の流れに乗って運賃を上げていく。     〔委員長退席、小此木委員長代理着席〕 そこで、そうなると毎年運賃を相当大幅に上げなければならぬということになるわけでありますが、これでは先ほど申し上げましたような公共料金の重要性からいいまして、物価の早急な鎮静は望めない。また、そのことがさらに国鉄の経営を悪化させるということで、国鉄の公共性というものが次第に失われていくということになるのではないかと思っております。その点で現在の考え方には反対するものであります。

宮井泰良公明党・国民会議

○宮井委員 同じような問題になると思いますが、同じく国民生活に直接影響を与えます公共料金の値上げというものを規正化するということにつきましては私ども反対でございますが、この公共料金のあり方という点につきましてなお御意見がございましたらお聞きいたしたいと思います。

飯田久一郎経済評論家

○飯田公述人 お答えいたします。  私も決して公共料金はいつまでも据え置いても構わないというようなことを考えているものではございません。ただ安易な公共料金据え置き論というものにかわって、最近では逆に安易な受益者負担論、公共料金引き上げ論というものが非常に強くなってきているように思われるのでありますが、やはりそこには先ほど申し上げましたような大きな難点がある、公共料金というものについては特に単なる受益者負担ということでなく、いわゆるナショナルミニマムというものを考慮してできるだけこれを低く抑える、もちろんそれをそのまま据え置くというわけではありませんが、できるだけ国家がこれに対して援助を与えるということで低い線で抑えていくようにするべきだ、こういうふうに考えております。

宮井泰良公明党・国民会議

○宮井委員 よくわかりました。  最後にもう一点お伺いいたしますが、国鉄という単独事業の中におきましては、運賃の改定によりまして収支の改善を図るというようなことはもう限界がある、このように私どもは考えております。それを端的にあらわしますように、昨年五〇・三%大幅値上げということになりまして、国民の国鉄離れということになりまして、グリーン料金あるいは特急料金というものは、一度上げた料金を値下げしなくてはいけない、こういうふうなことにもなりました。わが党は、国鉄は国民共有の財産という立場から、鉄道の基盤施設の整備費、こういうものは国庫負担にするべきである、あるいはまた過去の長期債務のうち政府関係債務の全額たな上げ等、もっと大幅な国の助成が必要である、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして先ほども申し上げましたように、ただ値上げによる事業収支の改善というこの国鉄再建が、今日国民生活の現状から見まして妥当なものであるかどうか、こういうふうに考えておられるかどうか、御意見がございましたら、お伺いしたいと思います。

飯田久一郎経済評論家

○飯田公述人 お答えいたします。  いまの御意見には私も賛成でございます。特にわが国は、エネルギーの問題についてこれから非常に大きな難関に直面するという危険がありますので、エネルギー節約という点からいって最も有効な交通機関でありまする鉄道、特に国有鉄道というものを大いに育成強化していかなければならないと思います。そのためには、いま宮井委員のおっしゃいましたように、いわゆる運賃の引き上げということだけでは、いたずらに国民の国鉄離れを招くだけで、長い意味での国鉄の発展というものは望めないように思われます。そこで、できる限りいろいろな形で国鉄に対する政府の援助というものが必要だと考えておるものでございます。

宮井泰良公明党・国民会議

○宮井委員 どうもありがとうございました。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長代理 次に、河村勝君。

河村勝民社党

○河村委員 山本さんと津上さんにお尋ねをいたします。  この法定主義緩和の範囲ですが、物価スライド制のほかに百分の十五まで認めるということについて、山本さんは物価変動率に見合うものは別として、百分の十五の方は五十四年度均衡ということを考えれば理解できる、それから津上さんは、五十四年度均衡というものを前提として、過去の赤字を解消するというためにはやむを得ない、お二人とも大体似たようなお考えであったと思います。数字的につじつまを合わせようとすれば当然そうなると思いますが、先ほど山本さんも、昨年の五〇%値上げ以後、国鉄離れというものが出てきて、それが一過性のものとは考えられないということもおっしゃっております。数字的に五十四年度均衡させようとすればそういうことにはなるけれども、果たして変動率プラス百分の十五というような値上げをして、その値上げに見合うだけの収入が得られるであろうか、そういうことが本当に可能性があるのだろうかということについて、お二人からそれぞれ御意見を伺いたい。

山本雄二郎サンケイ新聞論説委員

○山本公述人 ただいまの点は、非常にこれから問題になる点だろうと思います。  それで、先ほど私は、百分の十五という数字は、五十四年度に収支の均衡を目指す場合には理解できるというふうに申し上げましたけれども、私の考えといたしましては、毎年物価変動率に加えて百分の十五を値上げするということは、実際問題としてはきわめて困難だろうと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、これは値上げ幅のマキシマムを言ったのであって、これ以上のことは許されないということを言っておるわけでありますが、国鉄離れが、昨年非常に大幅な値上げであったために特に顕著にあったわけです。一般的に言いましても、これから国鉄運賃をそう容易に値上げできる状態にないということは、かなりの期間続くだろうと思われます。したがいまして、国鉄にとっては非常に酷な言い方になるかもしれませんけれども、極端に言えば値上げが困難であるということを前提に、今後の経営戦略を考えるという姿勢が私は必要じゃないかと思っております。  いずれにしましても、四十九年、五十年と続いて、もう一度五十二年に、仮にこの法定緩和の範囲内であるにしましても、引き続き値上げを行うかどうかについては、慎重な検討と配慮が必要だろうと思います。

津上毅一社団法人日本観光協会専務理事

○津上公述人 ただいまの御指摘は大変むずかしい問題でございまして、私自身も、山本さんがおっしゃいましたように、五十四年度均衡ということを前提としての数字であって、これを限度とするということについて同意したことでございます。実際にどういうふうになるかということは、ただいまの状況において五十四年度までの状況を予測するということはなかなか困難でございます。それで特に最近出ましたことは、先ほどの公述で申し上げましたけれども、需要の弾力性ということがずいぶん効いてきた、あるいは競争機関との問題がかなり深刻な問題になっていくという状況を踏まえて、技術的に判断しなければならないと申し上げたのはそういうことでございまして、上げさえすればいいというようなものではございません。  それから同時に、国鉄としては、営業施策を活発にこれからやるということについて努力をしていかなければいけないということを痛感いたします。ただいままでのような経緯でいきますと、ただ運賃を上げるということに非常に苦しい状況にありますので、そちらの方に経営の方の努力が非常に大きくかかってしまいまして、営業の施策の展開ということについて、どちらかというと力が弱まってくるのじゃないか、そういう点を心配して先ほどのようなことを提案申し上げたような次第でございます。

河村勝民社党

○河村委員 終わります。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長代理 次に、小林政子君。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 まず最初に、福田さんと滝野さんにお伺いをいたしたいと思います。  政府は、物価安定を重点課題ということを言っており、五十一年度では消費者物価の上昇を八・二%と約束をしておきながら、途中でこれを八・六%に変更し、実際には九・二%上昇するということで約束が守られませんでした。ことしは国鉄の値上げ分を含めて七・六%に抑えると言っていますが、政府のこのような発言に対しましてどのようにこれを受けとめていらっしゃるのか。  また政府は、国鉄運賃の値上げについて九月から一九%上げても、消費者物価に与える影響はわずか〇・二五%程度であろう、ごくわずかである、こういうことを言っておりますけれども、家計を預かる主婦の立場から、滝野さんなどは具体的にそのように低いものだと受けとめていらっしゃるのかどうか、これらの点についてまずお伺いいたしたいと思います。

福田勝日本労働組合総評議会生活局担当常任幹事

○福田公述人 五十二年度での七・七%の問題でございますが、国鉄運賃を初めとして、私どもお聞きしておりますところ、これに伴って航空運賃から、またことしも消費者米価なども出てくるでしょうし、値上げが予定されておりまして、しかも、国鉄の資料によりますと大したことないと、必ず政府はこういうものを出すのですが、これを引き金にしまして、米なんかもそうなんですけれども、諸物価が値上げしやすいような状況をつくり出して、そして上がってくる。その意味におきましては、国鉄自身の問題だけではなしに、後これに伴って誘発されてくる値上げが非常に大きなものがある。その意味におきまして、政府の七・七%は、こんなことをやっておったら達成できない、このようにいまの状況では考えております。

滝野嘉津子主婦

○滝野公述人 消費者物価が変更になって、また達成できないという状況になっておりますけれども、私たちはそれに対して福田内閣に本当に憤りを持っておる次第なんです。物価指数が七・六%に抑えられたとか九・二に抑えられたと言いますけれども、私たちの生活実感からすればもっともっと物価が高くなっていると思います。物価指数に何かからくりがあるのではないかということでいま勉強を始めているところでございます。特に国鉄運賃が上がると、私たちいろいろなところから共同購入なんかもしますけれども、もろに影響があるわけですね。そして商店に売っているのも、何で上がったのと言ったら国鉄運賃が上がったからよと答えが返ってくるわけです。ですから、何としても国鉄運賃の値上げには反対でございます。  以上です。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 次に、私、山本公述人にお伺いをいたしたいと思います。  貨物の赤字を旅客に負担させる、こういうことについて具体的にどのようにお考えになっているのか。これまでも国鉄の赤字というと大部分が貨物によるものでございました。五十年の旅客と貨物の別々に分けた決算が出ていませんので、いまわかっている範囲では、三十九年、新幹線が開通した年から四十九年までの間に純旅客の損益の累計では四百億円以上の黒字が出てきておりますけれども、貨物では逆に一兆八千八百八十二億円の赤字が出ております。しかも今回、政府の修正再建対策要綱を見ますと、五十四年度で貨物の輸送に必要な固有経費を賄えるようにする、そして貨物の固有経費に見合う収入にするということになっておりますけれども、旅客と貨物の共通経費分については、貨物の赤字分はすべてこれから旅客に負担してもらう、こういう内容でございます。私は、政府のこの計画はきわめて不当ではないかと考えますけれども、このようなやり方、貨物の赤字を旅客に負担させるという点についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。  またもう一点は、大きな企業に対する貨物の特別サービスのあり方についてでございます。大企業が使用しております物資別専用基地、石油とかセメントの輸送基地を大企業ではつくっておりますけれども、その用地は国鉄が無料で貸しています。土地のない場合には国鉄が民有地を買い上げてまで提供する。ただ無料だけではなくて土地にかかる固定資産税まで国鉄は負担をしています。前の国会でも私どもの委員がこの問題を取り上げて改めるように強く要望いたしましたけれども、いまだにこれも改められておりません。このような大企業に対する特別サービスのあり方についてどのような見解をお持ちか、お伺いをいたしたいと思います。

山本雄二郎サンケイ新聞論説委員

○山本公述人 第一点の貨物と旅客との関係でありますけれども、経理区分というのが非常にむずかしい問題であるようでございまして、私などもなかなか正確に理解できないわけでありますけれども、いま御指摘のように貨物の方に赤字が非常に多い、これは厳然たる事実だと思います。そうなった原因といいますのは、産業構造が変わったとか、それからまた国鉄貨物輸送のシェアが大幅に低下したとかいろいろ理由があると思いますが、共通費はともかくといたしまして、貨物の固有経費はやはり貨物自身が持つべきだと私は考えます。それを具体的にどうするかということはなかなかむずかしい問題でありまして、ただいま私がこういう方法がいいというところまで申し上げられる知識を持っておりませんけれども、基本的な考え方としては貨物の固有経費はなるべく早い機会に貨物自身が持てるような、これは営業活動を活発にするとかそういった点が中心かと思いますけれども、今後当然考えるべき問題だと思います。それで、こういった旅客と貨物の関係のように片方が片方の赤字を持つというような関係は、たとえば都市と地方との間にもあるわけでありまして、こういった問題は経済合理性の上に立ってもっと問題を整理して解決されることが望ましいと思います。  それから第二点の大企業に対する特別サービスが行われているというお話でありますが、これは見方の問題ではないかと思います。いずれにしましても国鉄といたしましては、たとえば定量定形、それからあるいはまとまった量の物に対してサービスをするというのは、国鉄だけではなくてほかの企業がいわゆる商売をやる場合には常識だろうと思うわけであります。それが度が過ぎているかいないか、あるいはいま御指摘のあったような事実がありまして国鉄が深入りし過ぎているというようなことがあればこれは当然問題でありますけれども、一概にそういう大規模な荷主に対するサービスが国鉄として行き過ぎであるとか、あるいはいわゆる大企業奉仕でけしからぬというふうに言い切れない面もあるのではないかというふうに考えます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 それじゃ最後に、福田さんと滝野さんにお伺いをいたしたいと思いますけれども、法定制緩和の問題につきまして私どもは、いろいろなことがいままでも述べられておりますけれども、これを外すということに対しては反対の態度をとっております。お二人の方は法定制を外すことそのものに反対をされているのでしょうか、それともその外し方といいますか、限度を設けて一定の範囲内、政府の自由裁量で値上げを認める幅がもっと縮まるとか、こういうことであればという条件などもつけられていらっしゃるのかどうなのか、これらの点についてのお考えをお聞かせを願いたいと思います。  それからもう一点は、政府がいま提出をいたしておりますこの法案の内容では、経費の上昇分プラス一五%もしくは五%ということになっておりますけれども、この経費の上昇の中に労働者の賃金上昇分も含まれております。したがって、労働者が賃上げをした分だけ運賃値上げができるんだというようなことで、国民と労働者との分断にこれが利用されることも私どもは考えられるわけでございますけれども、こういった問題についても労働組合としてどのような見解をお持ちなのか、お伺いをいたしたいと思います。

福田勝日本労働組合総評議会生活局担当常任幹事

○福田公述人 最初に言われました法定主義緩和につきましては外すことに実は反対なのでございまして、法定主義をこのまま堅持しながら、さらにまた公聴会のあり方等を初め、国民の合意を聞く方法をさらに強化すべきであるという考え方でございます。  それから二点目の経費の上昇分のところに労働者の賃金分等も含まれているというのは先生の御指摘のとおりでありまして、私どもはこの点は、しかもたてまえ上は政令で決めるということで余り表にあれしておりませんけれども、非常に問題がある、そういう意味におきましてこのような規定につきましては反対であります。そういうことを申し上げておきたいと思います。

滝野嘉津子主婦

○滝野公述人 第一の問題についてはやはり外すことに反対でございます。法定主義を堅持しながらさらに公聴会の制度とか審議会の内容とかそういうものを充実させていくことが課題であるにもかかわらず緩和するということに対しては、私たちは非常な反対を持っております。  第二の点については、私は労働組合でありませんので、主婦の立場から見ますと、御近所の方で国鉄労働者の方がいらっしゃるわけです。奥さんと懇意にしているわけですけれども、こういう春闘の時期になると外へ出たくないと言うわけです。おたくの賃金を上げるためにうちは不便をしているんだというふうなことを言われるというのです。でも調べてみますと、一緒に話してみたのですけれども、本当に国鉄労働者の賃金というのは安いわけです。結局非常に何というのか、搾取されているというのが身にしみてわかるわけです。今度の法案についてはやはり国民と労働者を分断させるというふうな結果を招くというふうに私も感じまして、その辺は本当に皆さんと一緒に、近所の人たちと話していかないといけないなというふうに思っております。警戒しておりますので。  以上です。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員長代理 次に、中馬弘毅君。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 まず、山本公述人と福田公述人にお伺いすることになりますが、基本的な問題をお聞きしたいと思います。     〔小此木委員長代理退席、委員長着席〕  先ほどの山本さんあるいは津上さんの賛成の立場からのお話もありましたように、いみじくもおっしゃいましたが、今度の法定制を外してそうして物価上昇分プラス一五%というのは、五十四年度、国鉄年間赤字をとんとんに持っていくという、この点についての、ただ計算上でやればこれは確かにそういうことになるんだ、しかし、現実の問題としてこれがあるいは労使の関係の問題、またその後のいろいろな物価上昇の問題、そういったことも含めてこれはどうも達成不可能だということを何かいみじくもおっしゃったような気がしたわけでございます。  その点につきまして、やはり公共企業体のあり方みたいなものが何か問題じゃないか。戦前は御存じのように鉄道省で国家直営の企業でございましたが、これが戦後公共企業体として独立採算のもとにやっていくということを決めたわけでございます。しかし、現実問題としましては、国鉄当局もやはり何かお上依存の気持ちが多いかと思いますし、また国の方もあるいは国会の方も何かこれを鉄道省的な考えで見ているんじゃないかと思うのです。企業体というもののあり方、これはやはりその責任者がすべての運賃の決定あるいはいろいろな人員の配置、それからその路線の決め方といったことに対してまでも全世論に対しての責任を持つことが必要じゃないか、かように思うわけでございます。そういう意味で、ここで、この時期におきまして、国民的な考えで公共企業体でいくのがいいのかあるいはまたもとの国家経営に戻すことがいいのかというところまでの本当の合意を取りつけなければ、枝葉末節の議論だけしておっても仕方がない時期に来たのではないか、かように思うわけでございます。その点に関しまして山本公述人の御高説をお伺いしたいと思います。

山本雄二郎サンケイ新聞論説委員

○山本公述人 ただいまの御指摘は非常に基本的な問題であろうと思います。確かにおっしゃいますように、単に値上げの是非とかその幅をどうするとかという問題だけではなくて、その根底には、国鉄がいまおっしゃったような国有にするのかあるいは公共企業体の方がいいのかあるいはもっと民間へ移管した方がいいのかといった、そういった基本的な問題があることは事実であります。それを忘れて論議をしていては非常に上っ面をなでて終わるという可能性はあると思います。しかし、私の考えを一言で申し上げますと、やはり鉄道、国鉄の場合も一つの企業として機能していくことが望ましいと思います。ということは、国有化するということは賛成できないということになるわけでありますが、いまの国鉄、あるいはこれまでの国鉄の置かれた状況から考えまして、いわゆる私企業と全く同じような状況というわけにはいかなかったのは事実だと思いますけれども、現在の国鉄の置かれている状況から考えますと、私はもっと企業性を発揮する方向へいくべきだろうと思います。それには経営の基本である価格の決定とかあるいは事業範囲の設定といったようなことについては、その経営者が責任を持って行うことができるような方向が望ましいわけでありますし、それを敷衍していきますと、法定制の緩和ということが当然の帰結として出てくるわけでありますけれども、一般的に申しまして、いま私は一言で言えば、国鉄に対して求められているのは企業性を発揮することであり、合理性の上に立った賢明な選択と行動が必要だというふうに考えております。

福田勝日本労働組合総評議会生活局担当常任幹事

○福田公述人 いま先生から御指摘の点につきましては、私どもも検討して、近くヨーロッパへ調査団を派遣するくらいに一生懸命に取り組んでいるのですが、ただ、基本的に言えることは、国鉄の位置づけだけは明確にしておいておく。単なる企業ではないのであって、日本国有鉄道であって、しかもわが国の交通の中心である、公共輸送の中心機関である、こういうふうに位置づけがされているわけであります。  したがって、諸外国におきましても国鉄に対する助成は、これは日本が一番少ないことは先生も御存じのとおりで、そういうところをやはり勘案をしないと——単なる企業ではない、企業性をある程度持ちながらも、国の公共機関としての位置づけを明確にし、したがって、そこで国の助成という問題も当然出てくるであろう。そういうところを勘案をいたしまして、私どもも結論を出したいと思いますが、現在いろいろなことで検討を進めている、こういう段階でございますので、以上申し上げておきたいと思います。

中馬弘毅新自由クラブ

○中馬(弘)委員 私たちはさような意味で、ただ今度のあの形でしておきますと、むしろ赤字の間は自動的にいつでも上げられるのだ、むしろ毎年上げることを保証するような法案ということで反対の立場をとっているわけでございますが、もう少し一歩進めて、私たちは本当に、国鉄総裁というのは、これは政府が任命し、国会が承認を与えておるわけでございますから、その方に大幅な経営責任を渡して、むしろ世論に対しての責任までも負っていただくという形がいいんじゃないか、かように思っておる次第でございます。  次に、飯田公述人にお伺いしたいと思いますが、鉄道事業と申しますのは、それこそ、たとえばそれを敷きますとそこにはおのずから開発利益というのが生まれてまいります。土地の値段は上がります。またターミナルにおきましてはもろもろの人の流れからお店も繁盛いたします。そういったことを期待してのものが鉄道事業でございまして、その開発利益を、いわゆる外部経済を内部化するということが一つの目的であるはずなんでございますが、私鉄の場合には、これはかなりの部分内部化をもちろんやっております。しかし、国鉄の場合には一切そういうことが認められていない。この点に大きな問題があるのじゃないかと思います。その点につきまして経済の御専門の立場から、いまの国鉄法の第三条あたりも含めまして、運輸事業以外の一切の事業ができない、またできる場合であっても、ただ投資枠の拡大だけだということについて飯田先生はどう御判断なされますか、ひとつ御意見を伺いたいと思います。

飯田久一郎経済評論家

○飯田公述人 お答えいたします。  実は私は、私鉄が開発利益を内部化するということについて疑問を持っているものでありまして、むしろこれを公の立場で何か利用するといいますか、私鉄の利益から切り離すということが適当ではないかという意見を持っておるものでございまして、その点、国鉄の場合についても国鉄が鉄道を敷いて得られる開発利益というものは国鉄自身がこれを獲得するというのではなく、むしろ一つクッションを置いて、政府なら政府がこれを何らかの方法で獲得して、それを国鉄に交付するというような形でいくべきではないか、こういうふうに考えております。

大野明自由民主党

○大野委員長 これにて公述人に対する質疑は終了いたしました。  公述人各位には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。  以上をもちまして公聴会は終了いたしました。  次回は、明二十二日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十分散会

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