運輸委員会 第9号
- 発言数
- 68 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/04/06
会議録
○大野委員長 これより会議を開きます。 陸運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本日、航空に関する件について日本航空株式会社常務取締役冨田多喜雄君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 —————————————
○大野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。兒玉末男君。
○兒玉委員 航空行政全般について御質問いたしたいと存じますが、去る三月の二日の予算委員会並びにその以前の運輸委員会でも、この航空行政に関する件について若干の御質問と要望を申し上げたわけでございますが、特にこれは一月十三日のアンカレジにおける日本航空機のいわゆる事故に関連しまして、この航空関係の事故というものは一瞬にして多くの人命を失うという、取り返しのつかない数多くの事例があるわけであります。また、最近におきましても三月の二十七日にスペイン領でKLM、オランダ航空とパンアメリカン航空のいわゆる追突事故が起きまして、五百名以上の人命が失われております。わが国の場合においても、たとえば全日空の雫石における自衛隊機との衝突、さらに日航のニューデリー、モスクワの事件、あるいはサンフランシスコの不時着など、このような多くの航空事故に対して、なかんずくアンカレジの場合はその事故の原因がまだ解明されていないと言われるわけでございますが、相当の時日も経過しておりますが、航空局としてはこのアンカレジ事故をどのように把握をされているのか、まず御答弁願いたい。
○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。 先生ただいま御指摘のございました事故は米国領土内で起こった事故でございますので、現在ICAO、国際民間航空機構の規定と申しますか、決まりといたしまして、属地主義と申しますか、事故の起こった地点で調査をすることになっております。米国の運輸安全委員会、これが直ちに調査を開始いたしました。これに対してわが方も二名の調査官を参加させる。これは登録国でございますので、その権利を行使したわけでございます。 直ちに調査をしてまいりましたが、その過程において新聞等においてすでに報道されておりますように、機長の飲酒の疑いというものが非常に強く出てまいりました。それ以外の細かな点につきましては、たとえばエンジンを日本に送って分解し点検をするとか、その他現地において相応の聞き込みを行うとか、あるいは残骸の破片を集めて検討をするとかしたようでございますが、現在までのところ、まだこのNTSBと通称されております運輸安全委員会から事故の原因はこうであろうというふうな点については、類推等を含めて一切公表されておりません。 また、私どもの方から派遣いたしました二名の事故調査官も、形の上としてはNTSBの一員として作業をする、こういう形になっておりますので、部分的なものしか担当いたしていなかった、こういうこともございまして、新聞等に報ぜられました機長が飲酒をしておったのではないか、相当の高濃度のアルコールが血中から見出されたということ以上には、実は私どもの方では事故の原因そのものについてはよくわかっておりませんが、しかし飲酒の事実はもうきわめて明らかと存じます。それに対する処置は私どもとしてもとったつもりでございます。
○兒玉委員 三月二日の予算委員会における答弁なりあるいは運輸大臣の答弁は、特に航空局長はこの事件にかんがみて運航の管理体制を強化をし、いわゆる相互のチェックを二重、三重の体制をとり、そうして、少なくとも今回の事故の一環として指摘をされ、——もちろん事故の原因にはいろいろな問題があることは私も十分承知をしております。その中の一つとして飲酒という関係も一つの原因に加えられているという点から、今後の管理体制については厳しく規程の改正を含めて強化をする、こういうことが答弁されているわけですが、では、管理体制について航空局としては、運輸省としてはどういうような具体的な対応策を講じているのか、この点について御答弁いただきたい。
○松本(操)政府委員 ただいま先生おっしゃいましたように、事故後、機長の飲酒操縦の疑いというものが明らかにされました直後、私どもといたしましては関係各社の担当重役、社長を呼びまして、直ちにこれに対応する措置をとれということを口頭で指示したわけでございますが、これをもって足れりといたしませんで、さらに一月二十九日、航空局長名をもちまして乗務規律の確立という通達を定期六社に出したわけでございます。そしてそれをどのように実行するかという具体的な結果を二月の七日までに報告しろということを指示したわけでございますが、現在までに各社がそれぞれとってまいりました措置というものをかいつまんで申し上げますと、いまのお話にもございましたように、航空機の出発前に航空機乗組員の心身の状態が業務の実施に支障がない状態にあるということを相互に確認する、こういうことを義務づける。これは運航規程というものがございまして、これが運輸大臣の認可にかかっておりますから、その中において明確にこれを書かせる。 第二点といたしまして、運航管理者の責任及び任務といたしまして、航空機乗組員の心身状態について配慮し、安全運航に影響を及ぼすおそれがあると判明した場合には航空機を出させない。そういうふうな措置がとれるのだということを、これも運航規程の中にちゃんと書き込む、こういうふうにいたさせました。 さらにまた飲酒の状況につきまして、各社いろいろと違った規定がございます。たとえば問題になっております日航の例で申し上げますならば、十二時間以内、乗務の十二時間より近い時間では酒を飲むな、こういう規定はあります。あるいは制服でバーに立ち入ってはいかぬというふうな規定もあるのですが、しからば十二時間以上たっておれば飲んでいいのか、こういうふうな変な議論にもなってまいるかと思います。その点を改めさせまして、十二時間を超える場合であっても業務に支障のあるような飲酒というものはしてはならない、こういうふうなことを明らかな規程上に書き込ませました。 さらに、先ほど来申し上げましたような乗員間の相互チェックあるいは運航管理者によるチェックというふうなもののほかに、客観的にこれを確認するということが必要であろう、こういうことでございましたので、航空機乗組員の宿泊する基地、国内、国外を含めましてここにアルコール感知器というものを置かせ、必要に応じていつでもこれが使えるようにする。これはオペレーションズマニュアルというものを各社持っておりますが、このオペレーションズマニュアルの中に、こういう機器をこういうふうに備えつけておいてこういうふうに使えということを細かに規定をさせた、こういうふうな次第でございます。
○兒玉委員 また後でいま言われました点について再確認の意味で御質問しますが、実際に実務を担当されている冨田さんに本日は御出席願いまして御苦労さんでございます。 では、冨田さんにお伺いするわけですが、いま松本次長から二月七日に各社から出されました航空機についての問題点の説明がございました。私は、前回のアンカレジ事故についていろいろと新聞等に報道され、あるいは機長のマーシュの点についていろいろと新聞の資料でございますが、ここに朝日新聞なり毎日新聞等の記事を見ておりますと、当日もタクシーに乗りまして、そうしてかなり酩酊しておるということで、乗せた運転手が通報したけれども、それが最終的に日航のいわゆるセンターに通じなかった。それに日本人の副操縦士等も乗っておりますが、残念ながら死亡しておりますから、死人に口なし。しかもこの事故の原因の解明の過程で、マーシュの遺体を検死の結果多分のアルコール分が検出されたという点からも、そのような状況から判断して、少なくとも同乗している副操縦士等が一時間四十分前に空港に着いておるわけですから、私の調べた服務規程では、少なくとも一時間前には、何といいますか、飛行機が飛ぶためのいろいろな申し合わせをするということになっておる。当然その時点で、運転手でさえも確認できたいわゆる酔っぱらい状況というものがわかっているわけですから、当然同乗の副操縦士なり機関士等は、良心的に考えているならば、これらの事態を速やかに通報すべき義務があると私は思う。これが相互チェックではないのか。さらにまた、いま説明のこの規程でも、十二時間以内には飲んではいけないということが従来の規程でも明確にあることをいま松本次長は指摘されております。こういう点からも日航の管理体制としては非常にずさんではないのか。加えて、副操縦士、機関士等は機長に対して非常に遠慮しているのではないか。こういう点がいまの管理体制の中で改められていないのではないかという点が第一点。 第二点は、この前の私の質問でも、現在でも百十九名の外人機長がIASCOとの間において契約されていると言いますが、これらの中にはそういうアルコール常用者という関係がないのかどうか。それからこれに関連して、マーシュという人が一体どういう経歴の人かということも調査室を通して資料をいただきましたけれども、これはかなりのベテラン操縦士です。しかしながら、酒飲みのことについて、私は国鉄の出身である関係で、とにかくアルコール常習者というものはなかなか治らない、そういう点からいろいろとこの点について調べたところが、かつてこの人は査察操縦士であったということも言われておりますし、加えまして、日航の操縦士として金井正次、吉田茂、この人は現在太平洋線とモスクワ線のDC8の副操縦士として乗っております。この人が、いまから二年前の一九七五年六月三日の日航一〇三四便でアンカレジからロサンゼルス間を飛んでおります。このときにもマーシュは、私の調べでは恐らく査察操縦士ではなかったかと聞いておりますが、その時点でも約三時間半ぐらい飛び立ってから予備席といいますか、そこで昏睡状態に近い状況で飛んでいった。もちろんこれは、操縦は別の人がしたと思うのですが、そういう事故があるわけです。これはもちろん私はほじくって言うわけではございません。そういうふうな体質の人について相当なチェックをしていかなければ、今回のあのスペイン領における事故が必ず起きないとは断言できないし、加えて、先ほど松本次長が答弁された中で、相互チェック制あるいは飲酒の厳禁ということを的確に把握する方法は、単に酔っぱらいのにおいがするとか態度があるということじゃなくして、具体的に科学的にそれを認識する方法を徹底しなければその効果は期待できないと思うわけでございますが、この点について特に冨田さんの見解を承りたいと思います。
○冨田参考人 まず、アンクの事故につきまして私非常に遺憾に思っております。 ただいま先生からいろいろ御指摘がございまして、その中で管理体制の問題、私ども運航を担当しております部門といたしまして安全運航が基本でございまして、その点につきましては日夜十分に行うということでやっております。 〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕 いまのマーシュ機長の飲酒問題、先生御指摘になりました七五年の六月三日の件につきましては、いま特に名前を挙げられまして御指摘ございましたけれども、私どもこの件につきましては具体的に把握しておりません。またそういう報告も受けておりません。 そこでいま、相互チェックあるいはこれを厳守させる具体的科学的方法ということで先ほど航空局の方からも御答弁がありましたけれども、あの事故が起こりまして、その後、アルコールが検出されたというようなことがNTSBから出されまして、そのときに航空局から口頭、また一月の二十九日には局長名の文書をもって「乗務規律の確立等について」ということで具体的な手配をしろというようなことで、私どももその点に関してできるだけのことをしようということで、早速社長名をもって乗務規律の厳守をしろということは各乗員に徹底をいたしまして、その後また機長連中も集めまして、私も直接にそういうことについては訓戒を与えております。ことに相互チェックの問題あるいはこれを厳守させる問題、これの第一義的には私はやはり自己管理というものがまずなければこれを完全に行うということは非常にむずかしいのではないかと思いますけれども、先生御指摘のように、これを徹底させるということにつきまして、私どもまずマニュアル類の改定、そういうことによって、文書上において各人の責任の限度あるいは規律を守っていかなければならないという面でいままで具体的に取り上げられていなかったような点についてこれを明確化し、そして科学的なチェックの方法として、いま市販をされておりますアルコールの感知器というようなものを購入することに決定いたしまして、その後実体的にどうであろうかということも検討いたしまして、三月一日以降乗員の交代地に配備をいたしまして、二十五日をもって三十七のステーションに配備を完了いたしております。これの使用方法あるいはどういうときに、ということでございますが、私ども、今度の改定によりまして、まず出発時点において乗員相互間において点検、注意をし合うというようなことで、それが法あるいは規程に違背してないということをキャプテンにまずサインをさせまして、そのサインがないときには運航管理者もこれを出発させてはならない、また乗員同士の間でそういうことがチェックされた後において、また運航管理者としても乗員の心身状態に運航に差し支えるような状態がないかというようなことを確認いたしまして、その間において疑問の点があり、これは疑わしいという場合に、この感知器を使ってそれを客観的に確認をするという方法をいまとっておるところでございます。そういうことによって、今後絶対にこういうことがない、こういうことを起こさないというようなことについて、これは私どもも、こういうことがあったということに対してこれを真摯に受けとめて、再発がないということをみんなで誓ったところでございます。
○兒玉委員 私は、いまの冨田さんの答弁では実は理解ができないわけですよ。というのは、この前のアンカレジ事故の貴重な教訓から学んでも、そういうふうな相当の泥酔状態にあった—いま冨田さんは一九七五年のことはお聞きでないということを言われましたが、それならば、アメリカの航空運輸委員会はその直後にマーシュの遺体を解剖しているわけですね。それから判断しても、この人はかなりアルコールの常用者であったということがその結果でも判明したし、あるいはこの例からも私はもう少し真剣な対応があって当然しかるべきだと思う。相互チェックということを言われますが、私も長年国鉄に勤務しまして、酒に強い人は一杯、二杯ではわからぬわけですよ。それが、飲んでいることによって少なくとも人間の機能というものは瞬間的にそういうような過ちを起こす例がたくさんあります。そういう点から、せっかくいま言われたような三十八カ所でございますかに感知器を配置したならば、当然これを、疑わしきは罰せずという法則がありますが、少なくとも事操縦に関しましては最善の配慮がやはり必要だと私は思う。とするならば、少なくとも外人の機長の場合は通例食事の場合等にはかなりの酒を飲用する慣習があると聞いております。そういう点からするならば、いまの冨田常務さんの言われる常識的な、いわゆるきわめて慣行的な慣例的な相互チェックということだけでは、今後事故を未然に防止することは私は不可能と考えます。とするならば、せっかく国民の期待にこたえ国民の重要な生命を預かる航空行政として、いま少し厳しい対応策がこの際必要であり、しかもまだ百名を超す外人機長を持つ日航としては、当然この際ひとつ機長関係の体制、管理者関係との相互の信頼ということは、そういうような感知器を十分に活用することがこの道にこたえる最善の道じゃないかと私は考えるわけですが、この点についてひとつ管理者である航空局の見解を承りたい。
○石井(一)政府委員 最近航空事故がかなり減っておりまして、そういう形では成り行きを見守っておったわけでございますが、今回の事故はまことに遺憾だというふうに私たちも強く反省をいたしております。 そこで、いろいろの技術的な指導なり行政的な措置もございますけれども、一つの基本的な問題として、日航には現在百十数名の外人機長がおりますが、一般論として外人の機長と日本人の乗務員とがペアになって仕事をするというふうな場合には、どうしても意思の疎通と申しますか、言語の上であるいは感情の上での疎通を欠くというふうな面もあろうかと思いますので、現在日本人の機長というのは四百十九名ということですから四対一というふうな形になっておるわけでございますけれども、今後これをさらに日本人の機長を増加していく、そのための養成をしていく、こういうことも非常に必要ではないかと思いまして、この事故を契機に日航当局に対しましてもこの件を真剣に検討するように目下指示をしておるところでございまして、今後可能な限りその方向で進んでいきたい、これも一つの改善策ではないかと考えております。
○兒玉委員 再度私は冨田さんにお伺いしますが、かつて査察操縦士というのを調べてみたら、これは現在運輸省から委嘱をして、その人がいわゆるライセンスの書きかえ等にまでそれぞれのチェックをできるきわめて権威ある立場だということを聞いております。そういう点から考えましても、少なくとも今後の運航管理体制というものとあるいは査察操縦士あるいは機長、この相関関係において最も大事な運航管理者の権威というものを高めること。それからいまの石井次官の答弁では感知器に対するところの運用が具体的に表明されませんでしたが、この点について冨田運航本部長並びに政府側の感知器の活用については、これはどうも酔っているようだというような漠然としたことではなくして、とにかくすべての責任者に、現に乗務する人に対してこの感知器の運用を適用する、この体制まで持っていかなければ、私は必ず事故が再発すると断言したい。これについて、ひとつ日航並びに航空当局側のまじめな答弁を私は要求したい。
○冨田参考人 お答えいたします。 先生から感知器、アルコールの検知器と申しますか、これの使用を徹底しろというお言葉だと思います。この点につきましては一私どももそういう点について検討しなかったわけではございませんが、やはりクルー、乗員の本当の士気というものも勘案いたしまして、全員とにかく規律を厳守するんだという自己管理というものが第一義的にない限りにおいてはこれは非常にむずかしい問題であるということで、乗員間のお互いの士気の問題等も勘案いたしまして、その監視体制というものを強めた上で、疑わしいものをお互いに疑っているということではなしに、これを客観的にその場で証明ができるという方法をとる方向に決したわけでございます。
○松本(操)政府委員 ただいまの先生の御指摘にごもっともな点がございますので、いまの冨田常務の返事と関連してお答えいたしますと、まず航空機のパイロットというものは相当高度の熟練労働者でございます。また、最近のように機材が大型化してまいりますと、場合によっては五百人といったような大ぜいの人間を自分の腕一本で支えていく、こういうことにも相なるわけでございますので、単なる技量の面のみではなくて、精神的と申しますか人格的と申しますか、そういう点においてもしっかりした人でなければいけないというのは当然のことであります。したがいまして機長になるための資格要件というものも、これはかつてニューデリー等の日航の事故がございましたときにその資格要件というものを厳しくいたしまして、機長というもののありようというものをそこで反省することを求めたわけでございますが、しかしただ単にそういった精神的な訓辞のみではやはり効果というものにおのずから限度があろう、そういうことでございます。そこで、いま話題になっておりますアルコール検知器のようなもの、これを一体どうするのかという点について私どもはかなり内部的に議論がございました。ございましたけれども、その過程において実はパイロットの側から、われわれは相当高度の熟練労働者でありかつパイロットとしての責任と自覚において乗っているのだから、そういうふうなものまで持ち出してきてくれなくてもいい、十分自分たちで管理をする、こういうふうな強い意見もあり、またそのことを文書にして私どもの方に持ってまいった方々もあったわけです。しかし私どもは、そういうふうな単なる自己管理あるいは精神訓話的なものだけで済むものならば今回の事故はあるいはあり得なかったかもしれないというふうな感じ、及び七十二条違反の疑いというのは非常に大きな問題であるということを重視いたしまして、先ほど申し上げました航空局長が一月二十九日に出しました通知の中にも「飲酒等により航空機の正常な運航ができない状態にないことを客観的に確認するためのチェック方法」を可能なものから実施に移せ、こういうことを具体的に指示をしたわけでございます。その結果、関係のキャリアにおいて、それぞれのいろんな感知器がございまして、精度の問題でございますとかあるいはどの程度のところで反応を出してくるのか、いろいろな点がございましたが、各社それぞれの評価に任せたわけでございますが、日航は先ほど来冨田常務から御答弁申し上げたようなことで、ある特定のものを使用することにしてその配備も終わった、その用い方についても一応先月の終わりごろには全部周知徹底をした。ついては、これの使用につきまして、私どもといたしましては、いやしくも安易に流れることのないように、必要なときには必ずこれが活用されるように、客観的に確認するためのチェックの方法について可能なものから実施に移せということを私どもも指示をしました以上、その実行につきましては、私どもも日航を含めまして十分関係各社を監督しつつ、今後再びこういうことが起こることのないように特段の注意を払ってまいりたい、このように考えております。 次に、運航管理者の権限につきましては、もともと運航管理者そのものは航空法上にその規定がございます。国家試験も受けておるわけでございます。ただ、従来どちらかと申しますと、運航管理者はフライトプランと申しまして、飛行機がどれだけ荷物を積んでいるからどういう高度で何ノットで飛ぶというふうな面にのみ運航管理者の任務というものが実は傾いておったわけでございますが、これをこの際、この事故を契機といたしまして、これも先ほどの一月二十九日に出した通達でございますが、「運航管理者は、航空機の安全な運航に関して機長と全く同水準の責任を有すべきであることに鑑み、その職務が適確に遂行されることを担保し得るような制度を確立すること。」こういうことをきわめて具体的に通達の中に盛り込みまして、その結果、関係の各社内規程というものを改定せしめた、こういうことでございますから、先生御指摘の趣旨につきましては、十分に今後生かされていくもの、また生かしていかなければならない、こういうように考えております。
○兒玉委員 私は、いまの松本さんの答弁を聞いておりますと、非常に何か航空会社に遠慮しているような物の言い方じゃないかと受け取るわけですよ。というのは、せっかくこの事故の再発を防止するために感知器というものを備えつける。それはそれぞれの良心に従って、自主管理によってやる以外にないというふうな両方の答弁ですが、それならばお聞きしますけれども、少なくとも今度は日航に関しては——日航とアジア航空ですか、特に十二時間以内の飲酒はいけなかったけれども、今度はさらにそれ以前でも運航に支障のあるような場合は飲酒を禁止するということをつけ加えているわけですね。そうするならば、事前におけるそのような飲酒行為というものは、松本さん、一体だれが管理されるのですか。本人の良心にまつと言うが、では、いままでの慣例からも私はかなりの飲酒癖のあるパイロットがいるやに聞いております。もちろんこれは本人の良心と良識にまつ以外にございません。プライバシーもあり、個人の人格尊重ということもありますが、少なくともこの事故は、覆水盆に返らず、失った命は返ってこないのですよ。その点からもいま一段の厳しさが要求されるわけでございますが、その辺いかがですか。
○松本(操)政府委員 いまの先生の御指摘、ごもっともでございまして、私ども遠慮しいしいやっているというふうなつもりは毛頭ないわけでございます。したがいまして、先ほどお答えしましたように、そういうふうなものを持ち出すことについてはどうこうというふうな意見があったにもかかわらず、普通私どもが出します通達は、先生御案内のようにわりあいに抽象的なことを書くのが多いのですけれども、この場合にはきわめて具体的にはっきりと書き込んでおるという点をひとつお認めいただきたいと思うのでございます。 それから、十二時間以前の飲酒云々の問題は、実は日航につきましてはその点が抜けておる。ほかの会社の中には十二時間以前であってもそういうふうな飲酒をしてはならない、こういう規定がすでに入っておるところもございます。今回の事故を契機といたしまして、私どもの物の見方に多少の甘さがあった点があったとすれば、それを深く反省をいたします。おしなべて、十二時間以前であってもともかく業務に支障のあるような飲酒をしてはならない。ところが、そういうふうなことにいたしますと、仮にその男が自分のうちにおったような場合、これを管理すると申しましてもどうにも仕方がございません。やはりこれはあくまでパイロットの自覚というものを促す、その自覚の上に立って自主管理というものを十分に行っていくということが必要不可欠な問題であろうかと思いますが、しかし、さらにそれを客観的に支援していきます意味で、会社の中には、それぞれの会社によって違うようでございますけれども、乗務員室でありますとか第何とか何々班とか、いろいろな形で老練の。パイロットから若手のコーパイロットまでが幾つかのグループになっております。そういうふうな中で繰り返しそういうことを指示させるというふうなことを私どもも今後強く求めていきたい。また、私どもは定期安全監査ということをしておりますので、そういう時点には必ずその点に注意をいたしまして、いささかも抜かりのないように進めてまいりたい、このように考えております。
○兒玉委員 再度冨田さんにお伺いしますけれども、この種事故は、たとえば国鉄の場合は機関士と機関助士、運転士と運転助士の関係でありまして、どうしても先輩から技術を教わらなければいかぬという人間関係で押されて、どうしてもやはり機関士に遠慮するという慣習があるわけですよ。しかし、事この種事故については、先ほども声を大にして申し上げましたが、一遍事故が起こればこれはもうもとに返らぬわけですよ。そういう点からも、そういうふうな飲酒運航については相当相互間の牽制と、先輩後輩の関係を抜きにした非常に冷厳な対応策がなければ、私は必ずこの事故は再発するということをさっき明言しました。もしこの事故が再発した場合に、朝田社長がやめるということでは済まないわけですよ。これまでにもたくさんの事故がありました。その都度総裁は職を去って責任をとりました。でも、死んだ人の命は返ってこない。この厳しい冷厳さがなければ、今後日航だけでなくて、全日空なり東亜航空なり、全世界の航空界におけるところの航空行政に対する国民の信頼がなくなる。私はだから、機長対副操縦士、機関士の関係でなくして、事故を撲滅するという最大の使命に対して、再度ひとつ冨田運航本部長の決意のほどを聞きたい。
○冨田参考人 いま先生のおっしゃられるように、事故の問題、これは二度と起きてはならないことで、覆水盆に返らずという結果であるということについては私どもも十分に承知をし、この問題を真摯に受けとめるということを先ほども御答弁申し上げました。そういう面で、私どももコーパイロットあるいはその他のクルーとキャプテンの問題、こういうことも考えまして、できるだけ小さいグループ分けをして、お互いに顔を合わせ、話し合う場ができるというようなことも、乗員部として一つの施策としてとっております。 なお、先ほどお答えしませんでしたけれども、運航管理者につきましてもいままでよりも規程上も明確にいたしまして、乗員の心身が飛行に異状があるというようなことを運行管理者が認めた場合には、これは飛行さしてはいけない、出発さしてはいけないというようなことも明確にしております。その点について私どもも十分心して、二度とこういうことのないという面で全力を挙げていきたい、こういうふうに考えます。
○兒玉委員 時間が迫りましたが、あと二点だけ見解を申し上げて、運輸省当局の意見を聞きたい。 先ほどの冨田本部長の答弁では、今回のアンカレジ事故を起こしましたマーシュ機長の過去のそういうような経過については何も知らないというふうに言われたわけですが、少なくともこういう関係については、やはりそのような対人関係というものについて緻密な調査をしていく必要がある。そうでなければ必ず事故が再発するということ。 それから第二点の問題については、どうしても感知器の運用についてきわめて消極的な、抽象的な表現しかない。これは私はきわめて不満であります。加えまして、やはり今日航空会社全体の管理体制というものが、いろいろな情報を聞いても、たとえば経理上の問題でも指摘をされています。きょうは取り上げませんけれども、その問題を含めて、特に運輸省の航空各関係者は、ひとつこの際各社の厳正な実態調査をされた上でこちらの方に提出をしていただきたい。 資料の提出についての要望と意見を申し上げ、最後にひとつ運輸省当局の見解をこの二点についてお聞きし、私の質問を終わり、関連として久保議員から発言するそうでありますから、お願いします。
○松本(操)政府委員 ただいま先生からじゅんじゅんとして御指摘がございました点も、私ども実は航空行政に携わる者といたしましてはやはり何と申しましても安全が第一でございますので、常日ごろ肝に銘じてやってまいった所存ではございますけれども、さらにまたただいま重ねて具体的に御指摘があったわけでございます。この御指摘を十分に生かして、先ほども私御答弁申し上げましたように定期監査その他を実施しております。そういう際には過去のそういう点を抜かりなくチェックをする、こういうふうな形で実施をしてまいりたいと思います。 それから実態を調査して報告をせよ、こういうことでございます。この実態の調査というものをどの程度のものにするか、どの程度の範囲のところまで広げていくか、どの程度の期間でよろしいのかというふうな点については、追って御指示がございますれば、私ども定期的には毎年毎年やっておりますが、しかし一年たちませんと総合的なものが出てまいりません。そこで特段にそういうような御要望があるとすれば、そういう点を承った上で私どもの方で十分に検討させていただきたい、このように思います。
○石井(一)政府委員 実態の調査の問題、それから感知器の使用の問題等につきましては御指摘はごもっともでございますので、今後省内におきまして十分検討して取り組んでいきたいと思います。 それから管理体制に関しましても非常に重要な問題でございますが、今回の事故で一つ問題になろうかと思いますのはやはり外人機長であったという一点であろうかと思います。この点につきましては強い御指摘はなかったかもわかりませんが、私、この事故を見ておりまして、この点につきましても管理体制をさらに強くしていく必要がある。先ほど申し上げました日本人機長にできるだけかえていくということも一つの方法だと思いますが、それ以外にインターナショナル・エア・サービス・カンパニーを通じましてやや間接的な契約を日航がいたしているという面がございます。特にその取り扱いについては日本人も外人も差別はございませんけれども、それにいたしましても完全なる雇用関係というふうな面でもやや疑問があるのではないかと思いますので、こういう点に関しましてももっと徹底を期していきたい、このように考えております。
○兒玉委員 終わります。
○増岡委員長代理 久保三郎君。
○久保(三)委員 アンカレジの事故について関連して一つ二つ簡単に、念のためにお伺いをしておきたいのですが、一つは、積み荷は聞くところによれば牛であったように聞いておりますが、そのとおりなのか。それから積みつけの状態はどういうふうになっているか、その点はどうですか。
○松本(操)政府委員 積み荷は、これは何と言うのか私ども生牛と呼んでおりますが、おっしゃるように牛が三十三、四トン、頭数にいたしましてあの事件のときには五十六頭であったと記憶しております。この積みつけの方法はいわゆるバラ積み貨物の積みつけ方法という部類に入るようでございます。ペンと言われておりますが、日本語で囲いと申しましょうか、これは胴体の中に升目を切ったような形にジュラルミン製の囲いを入れます。その囲い一枠の中に、牛の大きさにもよりますけれども六、七、八頭追い込みまして、そしてその飛行機が揺れ動きあるいは上向いたり下向いたりしたときにも重心の移動がはなはだしくならないというふうな措置をとって囲うというような手段をとっておったわけでございます。
○久保(三)委員 その積みつけは従来どおりであったのかどうか。アンカレジの事故のときには変わった積み方をしたのか、いかがですか。
○松本(操)政府委員 この積み方は日航が昭和五十一年四月に開始をいたしましたころすでに実施をいたしておりました、米国の幾つかの企業のやり方というものを十分参考にいたしまして、その中でアメリカの連邦航空局が公認をしておりますいまの囲いと申しますかペンでございますが、こういうふうなものを使用するということを当初からやってきておりますが、当該事故のございましたときにも、その積みつけについて特段の相違があったというふうには私ども思いません。しかし事故調査の結果どういうふうなことになるかという点につきましては、私どもそこまでは立ち入って申し上げかねますが、私どもが調査し報告を聞いた限りでは、従前と変わりのない方法をとってきた、こういうふうに承知をしております。
○久保(三)委員 その囲いの中に入れて、どういうふうになっているかわかりませんけれども、並べ方が変わっていたのかどうか。従来どおりの囲いには入れたが、並べ方がどういうふうになっているのか。聞くところによると、どうも従来の積みつけとは少し変わった積みつけをしたので、その原因もありはしないかといううわさ話があります。うわさ話ばかりではなくて、そういう積みつけを——連邦航空局の指定が正しいのかどうかわかりませんけれども、日本の航空法の中にもそういうものは当然あってしかるべきなんですね。船舶安全法には御承知のとおり積みつけの方法を厳格に決めているわけですね。そういうものが試験の結果安定した方法として採用されているのかどうか。これは事故の調査が完全にできなければ何とも言えませんけれども、操縦士が酔っぱらっていたというのが定着しつつあるようであります。私は別に操縦士を弁護するわけじゃありませんけれども、事故にはいろいろな原因が競合する場合があるわけですね。特に生体である生牛を積むということは、単なる肉でもやわらかくてずれる場合がありますね。寝ている牛じゃない、立っているのです。だからそういう問題を考えますと、果たしてそういうものに問題はなかったかどうかということですね。これは十分検討してもらいたいし、きょう航空局でわからなければ、今度アンカレジで事故を起こした牛の積み方はどういうふうになっていたか調べて、後で知らせてほしい。 それからもう一つ、これは当然やっていると思うのでありますが、酔っぱらいばかりじゃなくて、パイロットの健康管理、たとえばかぜを引いたときには適当な買い薬を飲むということは恐らくやらせないはずだと思うのですね。何時間前にそういう薬を飲ませるか、あるいは間際であればパイロットを交代するとか、そういうことがあるはずなんだが、これは厳格に規定されて厳格に行われているかどうか。それから医者は固定した主治医がいるのかどうか、単なる診療所とか病院の中で適宜に医者に健康診断してもらっているのかどうなのか、そういう点はどうですか。
○松本(操)政府委員 前段の牛の積みつけの問題につきましては、先ほどもお答えしました答弁の繰り返しで恐縮でございますが、現時点では特に変わった点があったというふうには私ども承知しておりません。ただし、確かに先生おっしゃるように生き物を積んでいるわけでございますから荷崩れという問題がございます。したがいまして、飛行機屋の言うところのウエート・アンド・バランスというのは日本語でどう言うのでしょうか、荷物の位置がずれましたときに重心点が移動いたします。その移動の範囲内で牛が動くかどうかというふうな点については十分なチェックをし計算もし、そしていまの方法が確立されたという点は確かでございます。それから強度その他の点について問題があるといけませんので、これらの点については、先ほど申し上げましたように、FAAの承認を受けたものをそのまま使わした、こういうことでございますが、今後事故調査の発展に伴いまして、おっしゃるように事故の場合にはいろいろな原因が複合、競合する場合がございますので、そういう点についても十分に配慮をしてまいりたい、このように思います。 〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕 それから第二点の健康管理の点でございますが、六カ月ごとに操縦士というものは非常に厳密な検査を受けることになっております。これは単にかかりつけの医者というふうなものではございませんで、あらかじめわが方から指定をされました医者のところへ参りまして、心電図のみならず脳波の検査まで受ける、こういうふうに厳格な検査をしておるわけでございます。したがいまして、心臓にいたしましてもあるいは腎臓その他にいたしましても慢性的な徴候というものがいささかでもございます場合には、これは健康診断に合格をいたしません、パイロットとして飛ぶことができなくなる、こういうふうになっております。それからたとえばコルゲンのような催眠性の薬は規定上アルコール飲料と全く同等に取り扱われております。こういうふうなものを乗務前に飲用してはならない。したがって、ちょっと鼻が詰まるようだからかぜ薬でも飲んで乗ろうかというふうなことは絶対していかぬ。これは飲んだか飲まないか検査しろといってもなかなか具体的な検査の方法はないわけでございますが、これは先ほどの児玉先生の御指摘にもありましたように、今後ともパイロットのそういった自己管理というものについての向上を図ってこの規定が死文化しないように十分に注意をしてまいりたい、このように考えております。
○久保(三)委員 終わります。
○大野委員長 小林政子君。
○小林(政)委員 私は、まず最初に国鉄の安全問題とその対策についてお伺いをいたしたいと思います。 三月八日の上越線での「佐渡」三号列車の脱線落石事故に関連いたしまして、現在当局としては応急措置をとられると同時に、また落石どめの擁壁の継ぎ足しなど、あるいは警報装置などの復旧措置をとっておりますけれども、実際に今回のこのような事故に対しましてこれを具体的に当局側としてはどのように受けとめていられるのか、この点をまず最初にお伺いをいたしたいと思います。
○鈴木説明員 お答え申し上げます。 上越線で御迷惑をおかけいたしまして、まことに申しわけなく思っておりますが、この事故につきましては先生御案内のように、いわゆる高さ五十メートルを超えるがけの、それも奥行き二メートルないし三メートルのところのクラックから発生したものでございまして、なかなかいわゆる発見にはむずかしいところでございますが、ともかくこうした落石個所につきましては、われわれは二年間に一回、それから必要な都度、あるいは災害のおそれのあるときはそれぞれ固定警戒を立てますとか、いろいろな装置化を進めているわけでございますけれども、なお今後ともこういう落石個所についての対策というものを進めてまいりたいと思います。 なお、この地点につきましては、直ちに擁壁の工事を継ぎ足しあるいは警報網の設置、落石防止ネットの張り込みなどをとりあえずいたしましたが、直ちに新年度からその周辺も含めましてこの補強工事をいたすことにしております。
○小林(政)委員 具体的にいま事実関係についてのお話がございましたけれども、このような事故に対して具体的にどのようにこの事故を受けとめていらっしゃるか。こういう点について私はまだお答えをいただいておりませんので、その点についてはっきりとした態度をお示しいただきたいと思います。
○鈴木説明員 どう受けとめておりますかという先生の御質問でございますが、私どもはこうしたことがなかなかあってはいけない事故だと心得ております。ただ、このいわゆる毎年大体五十個ぐらいの石が平均的に落ちておりまして、なかなかこの天災と人災というものの境目がむずかしいわけでございますけれども、なおこういうことは極力あってはいけないことでございますので、私どもとしましては現在全要注意個所に対しまして特別巡検、点検をいたさせております。これが今月の中ごろ出てまいりますので、それの結果を見ましてまた逐一具体的に対策を立てたいと思いますが、ただ先生御案内のように、わが国では山と川の間に道路と鉄道というのが交互に走っておりまして、今回の場合は国鉄の用地の中でございましたけれども、ほとんど大部分はいわゆる国鉄の用地外のところから起こってくる場合が多うございますので、こうした問題も踏まえまして、具体的にはそれぞれの地方地方で具体的な問題を各省庁と関係をとりながらいたしたいと思っております。 ちなみに、四国において土讃線、予讃線につきましては具体的に県あるいは地建あるいは林野庁の出先機関と国鉄と学者と入れまして特別委員会をつくりまして、一体どこが何をやるべきかというのを具体的に決めまして、十年計画でいま実施しております。今後ともこういういわゆる自然の落石、これはどうしても自然現象でございますので、風化が行われますので、こうしたものにつきまして関係省庁とも十分お打ち合わせ、御協力いただきながら、落石事故がないように進めてまいりたいと思って受けとめております。
○小林(政)委員 国鉄の路線は二万一千キロと言われていますけれども、約三分の一は山岳地帯を走っているというこういう実情の中で、私は今回のような事故がいつどこで起きるかということについては、やはり万全の措置をとっておくことが必要ではないだろうか、このように考えておりますし、危険個所の可能性というものは、現在素人が見ても相当あるのではないか。このような中で落石の危険個所という問題について、当局側では約千七百カ所の危険個所があるというふうに言われておりますけれども、これらに対して抜本的な具体的な対策という問題をどのようにおとりになろうとしているのか、これは運輸省と国鉄と両方からお答えをいただきたいと思います。
○杉浦政府委員 お答えいたします。 お示しのように、現在落石危険個所が千七百カ所ばかりございます。これは逐次これから、いままでもやっておりますが、重点的に落石防止につきまして国鉄が十分な対策を講ずるように運輸省としては指導をしておる次第でございます。 また必要な経費につきましても、安全第一でございますので、毎年の制約のある交渉の中から最重点的にこれを配分したいというふうに考えております。
○鈴木説明員 一層われわれは巡回を強化いたしますとともに、現実のところ落石予知という技術が非常にむずかしいわけでございますが、現在ほとんど危険であろうと思われる個所はある程度の装置化を進めておりますが、運輸省の御指導を得ながら、具体的に一つ一つの問題について、あるいは住民の問題がございますので現地の関係局と打ち合わせながら、一つ一つ具体的に解決を進めてまいりたいと思います。 実際はさくをつくるとか擁壁をつくるとか覆いで覆うとか、のり面を補強するとか、あるいは落石が起きてきたときに、いわゆるそれが検知されて列車をとめるとか、そのような手法でもってこうしたもののいわゆる出会い頭で事故が起こることがないよう、万全の措置を進めてまいりたいと思っております。
○小林(政)委員 いま危険個所と言われております千七百カ所、これについて具体的な事業計画なりあるいはまた予算措置なり、そういうものをやはり調査の段階ではっきりさせるべきではないかと思うのです。千七百カ所というふうに言われておりますけれども、これは数の点ではいろいろ動きがあると思いますけれども、こういった問題についての計画というものが大体何年の計画で、あるいは予算がどの程度伴わなければということをいままでやったことがあるのですか、ないのですか。
○鈴木説明員 私どもは毎日の運転をいたしておりますので、危険個所等の巡検はいたしておるわけでございまして、この千七百カ所と想定されますところは、具体的に現場の責任者が毎日、ここは危ないぞということはもう長い国鉄の歴史の中でわかっているわけでございます。恐らく今回の上越線等はこの危ないという部類の中には入っていなかったと現地では感じていたのではないかと思います。したがいまして現在、いままでの常識ではこれはもう対策済みなんだと思われていたところについてももう一度点検をするということをさせているわけでございまして、そうしたものから出てきましたものをわれわれ判定しまして、また予算的な規模、それからそれによって何年のペースでやる、それもランクづけをして、非常に危ないと思われるもの、それからまあこれはその次だというような三段階ぐらいに分けていろいろ処置をしていきたいと思います。 なお、どのぐらいのめどかとおっしゃられますと、在来、私どもは、防災対策費に二百ないし二百五十億をかけております。それで、この落石に対します大体の規模はそれの約一割でございます。
○小林(政)委員 そうしますと、今回の復旧にとりあえず必要だと言われる経費というのは大体どのぐらいなのかということが第一点と、それから、防災設備費の中で、今年度の予算で十四、五億円というふうに私ども聞いておりますけれども、一体これで千七百カ所もあるような落石個所がどうなるのだろうか。防災費の予算についても、大体年間どのぐらい投入をしているのかという点を国鉄の方から資料を出してもらいました。それを見ますと、五十年度の実績では二百三十五億である、五十一年度の予定は二百五十八億だ、五十二年度の計画は三百八億だ、こういう計画でございますということで防災費が計上されていますけれども、果たしてこれで落石に対する危険個所と言われているところの万全の体制がとれるということが言えるのですか、どうですか。
○鈴木説明員 防災費も国鉄の苦しい予算の中で昨今は非常に重点的に投資をしていただいておりまして、これで十分かと言われますとなかなかお答えに苦しむわけでございますけれども、毎年重点的に増額をしているのが実態でございます。 それで、先生のこれからどうするかということにつきましては、いわゆる総点検の結果もう一度見直しまして再度計画を立てまして、また、関係省庁の御支援を得ながら実施してまいりたいと思います。
○小林(政)委員 私は国鉄の安全対策、安全問題というのは、ちょっと予算がないから何年か延ばして先でやっていこうというようなことが許されない問題だと思うのです。したがって、国鉄は赤字財政を抱えているということはあっても、人命の安全という点を最優先するということは当然のことだと私は思うのです。ですからこの問題については、危険個所があればそれを最優先で措置をしていく。その場合に、ここは危険なんだけれども予算がないからまあ来年回しというようなことがもしあれば、これはゆゆしい問題だと私は思うのです。私はそういう立場に立って、いま千七百カ所の落石の危険個所と言われているこの問題について、国鉄は本当に責任を持ってこれでやっていけるというのかどうなのか。きちっとした資料を出して——私はこの点については、いまの状態の中ではこれは相当期日をかけなければできないというような問題であれば、国が責任を持って安全対策をとるべきだというふうに思っておりますけれども、政務次官、これらの関連についてお答えをいただきたいと思います。
○石井(一)政府委員 御指摘ごもっともでございまして、今回の事故が起こりまして、われわれも深く反省をしておりますし、まず最初に指示をいたしましたのは、被害を受けられた皆様方に対して誠意をもって当たるべきであるということ、それから第二点は、先ほどから答弁いたしておりますように、全線を再点検して十分な措置をとるように指示をいたしました。そして、答弁にもありましたように、現在鋭意それを進めておるわけでございます。御指摘の千七百カ所以外に今回のような危険のあるところもあるわけでございますから、千七百カ所にどれだけの予算が必要かというふうな再点検でなく、さらに広範囲にこれをやらせておりますので、その結果を見ましてから、仮に予算措置が足らないとか、あるいは行政措置でさらに加えなければいかぬというふうな問題がございましたら、この点につきましても正しく指導をしていきたいと考えております。いずれにいたしましても、安全対策は人命尊重、人命の安全ということが一番大切でございますので、この点特に留意していきたいと考えております。
○小林(政)委員 私は、輸送機関としての国鉄の安全問題という点は非常に重要な問題だと思います。いまは落石の問題だけで私申し上げましたが、これについても予算が当然伴わなければならないことは言うまでもございませんけれども、これは単に金だけの問題ではなくて、常に安全を確保する体制の問題、こういう問題を制度的にも当然保障をしていくべきではないか、このように私は考えております。 そこで次の質問に入りますけれども、最近の国鉄は、財政赤字というようなことを前面に出して何かと安全対策が後回しにされる、なおざりにされる、あるいはまた、むしろ制度としても次々と後退をしていく道をいままで歩んできたのではないか、このように安全問題に対して非常に大きな危惧を感じているわけでございます。 そこで具体的な問題で伺いますけれども、鉄道輸送の安全の基礎というのは、私は一つには線路だと思うのです。この線路の問題では私の地域にもいろいろと問題がございます。これは多くの問題がありますけれども、国鉄当局が当時とっておりました随時修繕方式というやり方から今回、定期修繕方式というものに変えているわけですね。随時修繕方式にもいろいろ問題はあったと思いますけれども、しかしかつての保守体制というのは、いろいろ線路が揺れるとか、あるいはまたその他の問題についても、いままでは小さい問題などすぐにでも行えるというような体制をとってきましたけれども、今度の定期修繕方式は、いろいろな条件をつけてこれに移ったというふうに私は聞いております。しかし、実際には路盤を強化していくとか、あるいはコンクリートのまくら木あるいはレールですね、こういうようなものを路盤を強化した上で修繕方式を定期修繕方式に変更するということを言われながら、実際にはそれがいま十分やられておるというふうには私は考えておりません。 なぜかと申しますと、私の近くにこういう線があるのです。これは国鉄総武本線の貨物支線で通称新金線というふうに呼んでいるのです。新小岩と金町を指しているのですね。これは貨物列車ですけれども、この場合も実際いろいろといま地域から苦情が私どものところにも相当出てきているのです。それはなぜかというと、実際には昨年の暮れ千百本の腐り切ったようなくいを直してもらいました。危険はそれでもって一応遠のいたのです。しかし実際には騒音がちっとも改まらないというような問題が出てきておりますし、あるいはまた機械を使うということで、マルチプルタイタンパーという機械を使って工事がやられるわけですけれども、これは地元の人が言っているのですけれども、この場合に、新しく入れた機械も稼働も十分できないで、そして線路の保守作業計画は一五ないし二〇%しか消化できなくなっている。こういうことも地域の人たちは大きな関心を持っております。こういった問題だとか、あるいは百ホンを超える夜の工事が行われている。こういうような問題について非常に不満が集中しております。 いま言ったのは一例にすぎませんけれども、今日合理化を推し進めていくという中で路線の安全性、こういった問題は機械にすり変えるというようなことであるいはまたそれが十分稼働できないというような問題等も含めていろいろ問題が出てきているのではないか、このように考えますけれども、随時修繕方式と定期修繕方式というこの移り変わりの中で、そういったやり残しというような形を残したまま移っていったという事実があるのかないのか、この点はっきりさせておいていただきたいと思います。
○鈴木説明員 お答え申し上げます。 先生の御質問、国鉄の基本がレールであるというのはそのとおりでございまして、私どもも、あらゆる意味でレール、いわゆる線路を守るということにつきまして日夜努力をしているわけでございますが、何しろ明治の時代は四十キロレールとか五十キロレールでも十メートルぐらいのレールでございました。それから、まくら木も木のまくら木でございました。まだ実際日本の大半はそういう状態でございますけれども、これが列車本数の多い幹線系になりますと、六十キロレールで二十五メーターのレールを入れるあるいはコンクリートのまくら木に取りかえるといたしますとどうしても人力ではできないわけでございまして、機械を入れて機械で保守をするということは、そうした物の考え方で進まない限り今後の線路保守はできないと私どもは思っております。したがいまして、どちらかというと人間がいやがるような重い物を運ぶ仕事を機械でやらせるための仕組みをつくっていくことが私どもの使命でございます。 先生御指摘のように、機械化の移行に当たってうまくいっていないのではないかということでございますが、もちろんいろいろと問題もございます。これは、マルチプルタイタンパーという機械が稼働率が悪いということにつきましては全社を挙げてこれをいろいろ再検討しているわけでございますが、その基本は何と申しましても、大きな機械を入れれば入れるほど機械が働いてくれる時間が要るわけでございまして、これにはどうしても九十分から百二十分あるいは百八十分という列車の間合いと申しますか、その間列車が通らないという仕組みをつくってやりませんと、もう働けないわけでございます。したがいまして私どもは、いろいろ御批判はあろうと思いますけれども、今後の線路保守が機械化に移るという前提で、ずいぶん御乗客の皆様には御迷惑をかけているわけでございますが、曜日を設定しましたりバスで代行いたしましたりして、間合いをとりながら集中的に機械を使って保守をしていくというふうに、特にここ二年ぐらい鋭意努力をしているわけでございます。 先生御指摘のように、夜うるさいというお話でございまして、これは約四百台ぐらいありますマルチプルタイタンパーの約半分を防音化しつつございます。しかし何と申しましても昼は通勤通学がございますし、昼やってはいけない夜やってはいけないと言われますと、やることができないわけでございまして、私どもはやはりある程度の住民の御協力を得ながら、ともかく線路を守るというためにはどうしても保守をしなければならないわけでございまして、もちろん大都市周辺では将来は何とか保守は余りしないで済む省力化軌道というものを技術開発しておりますが、何せこれにはものすごく莫大な経費も要るわけでございます。そういう技術開発はいたしておりますけれども、ともかく二万キロを保守して、責任を持っております私としましては、機械化で保守をするしか方法はないのだ、それで機械が働けるような仕組みをつくってやる、条件をつくってやる、そういうことが私どもの仕事だと心得ておりますので、騒音問題等も何らか対策をとりながら、ともかく鉄道の安全の基本が線路にあるということを十分心得てこれからも進めてまいりたいと思います。
○小林(政)委員 私は最近、やはり、科学の粋を集めたなどと言われた新幹線にしても、乗っていて非常に不安を感じます。この間も小田原まで新幹線に乗りましたところが——これは所用があって小田原まで行ったわけですけれども、ものすごく揺れるんですね。こういった状況から見ても私は、何といっても線路が、道床も含めて非常に大事な問題だ。いまのように重量化しあるいはまた大型化していくというような、こういうような中で、過密ダイヤがもうどんどん組まれていくという中で、いろいろな障害がここには出てきている。このようなことで、最近、ちょっと雪が降っても新幹線がとまったとか、あるいはちょっといろいろな事故があると新幹線は運休をするとか、こういうことが随所で、新聞などにも報道されるというような、こういう状況が出ておりますけれども、一体この原因をどのようにごらんになっているのか。私はやはり、この定期修繕方式というものに切りかえてきている前には、新幹線が運休をして調査をするなんということはなかったのではないだろうか、このように思われるわけですけれども、これらの点も含めて、基本的に、この問題についての抜本的な安全対策、そして保守体制というものを、これは何も線路だけではございません、あるいは車両の検査も含むというふうに思いますし、すべての総合的な安全対策という問題については、私はやはりあらゆるものよりも最優先をして検討してしかるべきではないか、このように考えておりますけれども、この点について、国鉄当局とそれから政務次官にもお答えをいただきたいと思います。
○鈴木説明員 先生御指摘の新幹線の問題でございますが、新幹線は体制の変化はございません。新幹線につきましては、最近できたものでございますから、大体保守の方式はいわゆる一定化しております。 新幹線が揺れるよというお話でございますけれども、私どもは、前に、いわゆる定期的に、新幹線のスピードと同じ検測列車を走らせておりまして、修繕をしましても、何をしましても、絶えず線路の記録をとっております。もし危険といいますか、危険に近い状態のところがありますときは、即刻その修繕をするような仕組みになっております。したがいまして、事新幹線につきましては、検査体制等々については万全を期しているわけでございまして、特に、約二年前に新幹線がいろいろと疲労してきたのではないかという御指摘で、運輸省からの強い御指示もあり、この二年間、新幹線でわれわれが初期において考えていなかったような問題あるいはソフト、ハードな問題をあらゆる面で勉強してまいりまして、ほとんどいろいろな問題は、問題としては提起されてきておる。最近、新幹線もお休みをいただきまして、レールをかえておりますのは、新幹線の初期におきまして五十キロのレールを入れたわけでございますが、初期の計画のときにはこんなに列車が走るという予測もなかったわけでございます。現実に、二百キロというスピードで動かしてみますと、レールの疲労とかいろいろな問題が出ておりますので、これは何年までに全部取りかえればいいということがはっきり運輸省から指示が出まして、そしてこれにのっとりまして、来年からは三百キロぐらいずつ毎年新品レールで、それも六十キロにかえていくという工事をやっているわけでございますが、それをやりますためにはどうしても年間に七日か八日程度の半日の運休をいただきませんと、レールを運んだりいろいろな準備作業もございますので、そうした面であらゆる計画を立てまして、そうした結果、八日のお休みを特にいただきまして、線路の保守に万全を期しているわけでございます。 なお、先生御指摘のように、動揺といいますのは線路ばかりでございませず、車両と線路の相関関係でございますので、私どもはそうした車の側と線路の側を現在国鉄が持っておりますあらゆる技術で分析しまして対処してまいりたいと思います。
○石井(一)政府委員 非常に技術的な問題でございますが、私議論を聞いておりまして、小林委員の御指摘もごもっともですし、それから答弁をしております国鉄側も努力はいろいろしておるが、非常にむずかしい、機械化あるいは公害等の矛盾の中で、安全を図るために鋭意努力しておるという姿もまた評価したいと思うのでございます。 最近、新幹線が疲れてきたと言いますが、今日までは大過なくやってきております。大変大きな事故も起こっておらないということも一面だと思います。これはやはり、国鉄当局等がそういうハンディキャップを背負いながらも、いろいろ努力をしてきた一つの成果ではあろうかと思いますが、ただ、そうだからといいまして、いま手をこまねいておるというわけにはまいりません。機械化が進んでおるにかかわらず、それを十分使いこなしておらぬという面も御指摘のとおりでございますし、時間がないと申しましても、何らかの形でこれをしていかなければいかぬということも確かでございます。そういうふうな形の中で、運休をいたしましたりいろいろ特別の措置をやっておることも確かでございます。 新幹線に関しましては、安全の対策の五カ年計画というものを策定いたしまして、千五百億以上の金を投入して遺憾なきを期したい、こういうふうなことも考えておるようでございますので、きょうの御指摘も踏まえまして今後努力をしていきたい、そう思います。
○小林(政)委員 私は、機械の大型化の問題についても、人家が密集しているような最近の状況のところに、昼といわず夜といわずともかく百ホンからの大きな騒音を発する、こういう機械化というものを取り入れたということ自体、一体どういう観点から取り入れたのだろうか、この点についてはまた後ほど改めて質問をいたしたいというふうに考えております。 また、政務次官に要望したいと思いますけれども、新幹線が七日間も八日間も運休を設定しなければ保守ができない、あるいは定期修繕もできないということではない方法を私は考えていくべきだと思いますけれども、この点について簡潔に一言お答えいただいて、タクシー問題に入りたいと思います。
○石井(一)政府委員 この点はひとつ当局から御答弁をさせたいと思います。
○鈴木説明員 私ども、山陽新幹線等につきましては、そういうものを踏まえました十年の経験から、いかに保守をしないあるいは音を出さないようにするかということで、コンクリートのソリッドベッド等々新しい技術開発をしてまいりました。しかし、東海道新幹線の東京−大阪につきましては、何せその時代の技術のレベルでいたしたものでございますから、これをいますぐそのような仕組みに変えろということもなかなか大変な問題でございます。そこで、ともかく私どもは、過去の先輩から与えられましたこの財産を守り、そしてそれを守るためにはともかく安全が第一であるという見地から保守をしておるわけでございまして、今後の新幹線等につきましては、十分そうしたものがないよう技術開発をしましたものを入れましてつくっていくことにしてまいっております。
○小林(政)委員 その問題はまた後日改めていろいろと質問をいたしたいと思います。 そこで、自動車局長お見えだと思いますけれども、いまタクシーの運賃値上げ申請が六大都市を初めとして出そろっておりますし、相次ぐ公共料金の値上げの中で利用者の不安が非常に高まっています。現在足のない団地といいますか、交通の便のよくない団地とかあるいは住宅などが相当数建てられております中で、終バスの切り上げが早い時間に行われておるところでは、特にタクシーは住民の不可欠の足になっておることはもう御承知のとおりだと思います。このたびの値上げが単に利用者だけでなく、ここ二、三年来タクシーの値上げという状況の中で、あるいは物価値上げという状況の中で、客離れが相当してきております中で、タクシーの供給過剰があるということも言われる中で、タクシー運転者の中にもこれ以上お客さんが離れたら、値上げした、お客が離れた、こういうことでは一体どうなるのだろうかという深刻な不安が出ていることも事実であります。こういった状況の中で、いま出されている値上げ申請を一体どのように扱うつもりでいるのか、まず基本的な考えをお伺いいたしたいと思います。
○中村(四)政府委員 六大都市のタクシーについて申し上げますと、昨年の九月末東京から申請が出まして、それ以後十一月下旬名古屋からの申請までの間に六大都市からの申請がそろったわけでございます。 先生御指摘のようなタクシー離れと申しますかそういうことはございましたが、私どもの方といたしましては、タクシーの公共性から見まして、タクシー事業の経営の安定ということは図ってまいらなければならぬわけでございまして、その場合に運賃改定というものをどういうふうにとらえるかということになりますれば、それは実効性のある、効き目のある運賃改定ということでなければ経営基盤の安定にも資さないわけであります。したがって私どもとしましては、その結果タクシー離れというような状態が出ないように考えていかなければならない。四十九年の際におきまして、石油ショック後の二回の運賃改定ということで七〇%程度の大幅な改定になったわけでありますが、その際に旅客が非常に離れていくという現象があったわけでありまして、この事例等を見ますと、やはり心配する向きの考え方というものもわかるわけでありますが、先ほど申し上げました趣旨に沿いまして現在その申請内容を鋭意審査、作業を進めておるところでございます。 〔委員長退席、宮崎委員長代理着席〕
○小林(政)委員 聞くところによりますと、この値上げ問題については、地下鉄、バスなどと歩調を合わせて、近々この値上げを企業側の言い分を大部分認めて認可しようとするやに伝えられておりますけれども、これらの時期的な問題も含めて一体どのようにお考えになっているのか、あるいはまた、先ほど来経営の基盤の安定という点は十分配慮しなければならない、それでは、利用者負担の負担能力という問題についてどの程度配慮をされているのか、この点もお伺いをいたしたいと思います。
○中村(四)政府委員 先生お話しのように、現在地下鉄なりバスなりこれは東京に限ってでございますが、申請が出ておるわけであります。また、申請の時期も違っております。したがって、作業というものがそれぞれの申請内容によって進捗度もいろいろあると思います。したがって、これをいまお話しのように、一括してとか、ばらばらとか何もそういうことはございませんで、それぞれの作業の進捗に応じて結果的にそういう場合もありましょうし、ない場合もあるということだろうと思います。 それから、先ほど私が企業の経営の安定ということを申しましたが、これにつきましては、経営をしていく場合におきまして人件費その他諸経費の増高がある場合におきまして、輸送業といたしましてその収入の根源というものは運賃しかないわけであります。したがって、適正な内容の運賃改定ということは必要であるということを申し上げたわけでありまして、その場合におきまして利用者の負担力と申しますか、そういうものとは調和のとれた姿で実施していかなければならないというふうに思います。
○小林(政)委員 このタクシーの値上げ問題につきましては、田村運輸大臣は所信表明の中で、この問題についてはタクシーのサービス問題とか安全対策の問題等が解決をされるべきだということを言われていたわけでございますけれども、私は、自動車局としてこの大臣の意向を受けて今日まで具体的にそのサービス、安全対策、これらの問題についてどのような措置がやられてきたのか、その点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○中村(四)政府委員 大臣がタクシーについて申されましたのはそのとおりであろうと思います。これはひとりタクシーのみならず、運輸省が所管しておる交通事業におきましてサービス改善なりそれから輸送の安全を確保していくということは、基本的な命題であります。したがって、われわれとしてもそういった目標に向かって日ごろ指導をいたしておるわけであります。 タクシーにつきましてサービスの改善という問題をとらえて申し上げますと、職場なり街頭における指導の徹底ということがまず必要でございまして、したがって、交通事故ゼロ運動というようなこともこの二月には月間運動として特別に設けて推進させたわけであります。また、月々特定の日を定めまして交通事故ゼロの日運動というものも推進いたしておるわけであります。そのほか、やはり独占した輸送役務を提供するところにタクシーの特殊性がございますので、旅客と乗務員との間におきます接遇関係についても、特にその中で行く先の確認なり行く先に対する応答というものをはっきりさせていかなければいけないということで、そういうこともポスターを利用するとかあるいは出庫時におきますところの点呼指導、こういう場を通じまして徹底させておるわけでございます。それからタクシー近代化センターを活用いたしまして、初任者教育なりあるいは地理試験、巡回教育、街頭指導ということを推進いたしております。そのほか、各事業者におきましては当然のことでございまして、運行管理者の講習会とかあるいは社内教育を徹底させていく、こういうことを従来やってきたわけであります。 しかし、サービス改善の積極対策といたしまして、私は、従来のタクシーのパターンには流し営業というものが中心でありまして、これに乗り場営業、それから無線タクシー、こういうものが加味されておるわけでありますが、今後を考えますと、やはり流し営業から漸次無線タクシーの活用なりそれからタクシー乗り場の増設という方へ比重を移すことによりまして、利用者の皆さんへのサービスを積極的に展開していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○小林(政)委員 私はこの問題で最も重視をすべき問題は、何といっても最近の事故防止、こういう点にどれだけ本当に力を入れて解決のために努力をしてきたか、いままで過去においても何回となく社会的にも大きな問題になってきたこのタクシーの交通事故問題、これに対してそれでは具体的にどのような解決を図られてきたのか、私、時間が余りありませんので、一、二例を申し上げますと、事実、警視庁の統計を見ましても、人身事故だけでもほかの車関係の事故に比べてタクシーの事故というのがやはりトップを占めているのですね。そして法人、個人を含めて五十年度人身事故は二千四百九十三件あったものが五十一年には二千七百二十七件で、これは件数にしても二百三十四件増加しているのです。自動車事故全体は減少しているという中で、乗客を乗せて走るタクシーのこのような事故が増加をしているという点は、単なる個人の責任というより、根本的なこの根源をはっきりと見て指導をされる必要があるんじゃないだろうか。業界に対して法規の違反がどのようなことがやられているのだろうか、道交法違反だとかあるいは過重な労働がどのように押しつけられているかという実態を把握されたことがございますか。
○中村(四)政府委員 私どももタクシーにつきましての事故防止ということについては多大の関心を持って仕事を進めてきておるわけでございます。いま先生申されましたような傾向にもかんがみまして、運転者の安全運転、これはもちろんでございまして、それから車両の整備の問題もございます。しかしながら、そこに安定的な労働力による車両運行ということはやはり重要な要素の一つであるというふうに考えまして、そういった点については、陸運局におきまして監査等の面を通じて事業者の安全運行に対する方策を確立させるということで今日も指導をし、あるいは特別監査なり日常監査なりの手だてを通じて努力しておるわけでございます。
○小林(政)委員 本来、この問題は事新しい問題ではなくて、従来からもこの安全問題の根本的な解決ということで、いろいろと政府も昭和三十三年に出したタクシー事故の防止対策要綱の決定、こういうものの中にもはっきりと、タクシー労働者の労務状況の改善が事故の根本的な原因に関連しているのだという点をはっきりと指摘しているのですね。やはり問題は、具体的にこれをどう守らせていくか。自動車局長、このことが私は指導ではないかと思うのです。企業側にこれをどう守らせていくのか、こういうことに重点を置いて手を打つべきではないか、それがやられてきたのかどうなのか。認可事業である運送事業が、法律に違反しようが、道交法などはもう全く無視するというようなことが実に頻繁に起こっている。こういう問題を野放しにして、経営の安定を図らなければならない。それが最優先して、そして運賃値上げは仕方がない、認めるのだ、あるいは適正な運賃ということでこれを認めていくのだということは、私は本末転倒じゃないかというふうに考えています。これらの問題について、企業者側に法規の遵守、こういったものについて、一層これを守らせるような、こういう措置を具体的にどうおとりになるのか、その点をお伺いをいたしたいと思います。
○中村(四)政府委員 御指摘の、法規の違反を改めまして、これを遵守していくということは、免許を受けておりますところのタクシー事業者としては、その責務の基本であります。これについてどうこうというのは論を待たないところであります。したがって、私どもの方といたしましては、個々の事業者あるいは事業者団体を通じて、そういった法令遵守の面についての指導監督というのを強化しておるわけであります。 しかし、それだけでは足りないということで、陸運局におきまして適時監査を実施する、そうしてその内容によりまして、厳正な処分もいたす、あるいは警告を発する、また労働関係法令等についての違反ということもその中にはあるわけでありまして、労働省とタイアップいたしまして、相互通報制度、それぞれが監査の手だてを通じまして知り得た違反事実につきましては、相互通報をいたしまして、それぞれの所管に応じて妥当な措置を、その事実に対して是正をさせたり、とっていくということをやっておるわけでありますし、それから、昨年の秋におきましても、この制度をさらに徹底しようということで、地方の局長に対してもまた心を新たにしてと申しますか、通達を発して、そういった方向をさらに推進することにいたしたわけでございます。
○小林(政)委員 この企業側の法規に対する態度というものを厳しくチェックをしていくということが、そして実際に働いている運転手の人たちの過重な労働というものを、労働条件を改善していくということに非常に力を入れて指導をしていく必要があるのじゃないか。一例を申し上げますけれども、タコグラフの問題は、この前も局長のところで一回お話をした記憶がございますけれども、函館のあるタクシー会社で、二十四時間の車が走っている状況、停車している状況、これがタコグラフに一目瞭然で出てきている。それで車が停車していたのは二十四時間のうちでわずか五回であって、一回は約六十分、一時間。あとは十五分だとか、二十三分だとか、二十五分というような形で、停車していたというのは合計百四十九分、二時間二十九分ですね。あとの残り二十一時間三十一分は、時速八〇キロが何回も出ておりますけれども、何回も八十キロオーバーして走り続けというような状況が出てきているわけですけれども、走行キロは六百二十六キロメートル、これは道交法違反じゃありませんか。労働基準法やあるいは道路運送法などの諸法規に照らして、こういうことは許されていいのでしょうか。これらの問題が本当に安全運転ということにつながるのでしょうか。こういう問題を具体的に自動車局としてどうチェックし、どう改善をさせて、労働環境というものを保障していく、あるいは法規を守らせていく、こういう態度をおとりになるのか、この点をひとつ明確にしていただきたいと思います。
○中村(四)政府委員 先生いま具体的な事例をお示しになられたわけでありますが、私どもの方、遺憾ながらそれはまだ承知しておらぬわけであります。仮にそういう状態であるとすれば、それはゆゆしき事態だろうと思います。 それで、そのことにつきまして、私どもの方といたしましても、限られた要員のもとで全力を挙げて、先ほど申し上げました監査等の作業をやっておるわけであります。何よりも企業自体において、労使関係を通じてそういった問題について、関係者が関心を持って自主的な努力ということが必要であろうと思います。またそうでなければ、常々どのケースにつきましても、何でも役所の手を借りてやれということになることは非常にむずかしかろうと思います。しかしわれわれとしては、そういうような、いまお示しのような事態につきましては、事業者団体による団体活動、そういう中でも取り上げていくべきだろうし、われわれとしてはやはり行政執行として、事業者の監査を通じまして、そういった事実につきましては、その非違を改めて、改善させて、適正な輸送力を提供できるような事業体に育成していかなければならぬ、かように考えておるわけでございます。
○小林(政)委員 いま私は一例を申し上げたにすぎないのですけれども、公共交通のあり方として、このような法律違反とはっきり言えるような問題が野放しにされているというところに私は問題があると思うのです。もちろんこれは国だけで云々ということではなく、当事者同士の間でいろいろと話し合いもすでにやられているというふうに聞いています。しかし業者側は、そういう問題には耳を本当に傾けようとする態度をとっていない。こういう業者がいる場合に、そういうものが野放しにされたまま経営がどうのこうのと言うことは私はおかしいと思うのですよ。この問題についてはやはりはっきりさせるべきではないか、このように思いますし、そうかといって、利用者の立場もいろいろと配慮して、こういった問題はやはり公聴会を開いて、そして国民的な立場で、適正な料金とはどういうことなのかということを、オープンに国民の前で明らかにしていく中で、適正料金というものを国民の合意の上で決めていくのが正しいあり方ではないだろうか、私はこのように考えておりますけれども、ただいま時間が来たということですから、いまの二点についてお答えをいただきまして、私の質問を終わりたいというふうに思います。
○石井(一)政府委員 タクシー運賃の改定というものが今日まで行われておらないという事実を見ても、 〔宮崎委員長代理退席、委員長着席〕 運輸当局といたしましては、厳しく、安全対策であるとか法規の遵守あるいは事故の防止というふうなことに関しまして業界との話し合いを続けておるということでございまして、仮に改定をするということがあれば、やはり何らかの実効が上がる、こういうふうなことを強く期待しておるわけでございますから、そういう意味で、いま御指摘のいろいろな点に関しましてこれまでもいろいろ、自動車局長からも答弁いたしましたように、われわれのできる範囲で、法律の許す範囲でやっておりますけれども、今後も道交法あるいは労働基準法等と照らし合わせましてこれらの問題で配慮していきたいと思います。大臣が冒頭にこの問題に関しまして表明をいたしておりますその発言、また、私などのところへもたびたび業者の方がやってこられるわけでございますが、そのたびごとに立場をかえてそういうことを話し合っておるようなことでございますので、事務当局といたしましては事務当局の立場、また大臣なり私としては大臣や私の立場としてそういう適正な指導をして、まあ経営も考えなければいけませんけれども、それよりも考えなければいけないのは利用者の負担の能力であるとか、あるいはまた働いておられる人々の過重な労働というふうなものを中心に、適当な時期に運賃の改定というものも考慮するという形が必要ではないかと思います。 それからまた、最後に御指摘のございました公聴会等の問題でございますが、これらもある意味では必要なことだろうと思いますが、これまで全然してないというわけではございません。たとえば消費者の団体の皆さん方の御意見を聞くというような機会とか、そのほか働いておる人々のいろいろ労働組合等がございますけれども、これらの人々の声を聞くというふうなこともわれわれは繰り返してまいりましたので、これを制度化するというところまで現在考えておりませんが、広く国民の声を聞いて、その決定をする場合にはそれをひとつ参考にしたい、こういうふうに考えております。
○小林(政)委員 最後に要望だけして終わります。 ぜひ今回はひとつ公聴会等をお開きいただいて、国民の合意に基づく適正な民主的な、何も隠す必要はどこにもないわけですから、オープンにこれを明らかにしていくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○大野委員長 次回は、明後八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十三分散会