運輸委員会 第4号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/03/02
会議録
○大野委員長 これより会議を開きます。 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河村勝君。
○河村委員 きょうは、先般の運輸大臣の所信表明演説に基づきまして、五十二年度に抱えております運輸関係の諸問題について基本的なことをざっと伺いたい、そう思っております。 一番最初に、新東京国際空港の開業でありますが、所信表明演説の中では「年内にその開港を達成すべく」「全力を挙げて対処している」というお話でありましたが、開業の日取りは決まりましたか。
○田村国務大臣 まだ具体的に決まっておりません。
○河村委員 もういよいよ大詰めに来まして、いままで何人も、六人ぐらいの大臣が、いつごろ開業できるだろうと言ってことごとくそのとおりにならないで十年くらい経過をしましたから、慎重になられる気持ちはわかりますが、この辺まで来たらもうめどはついているはずですね。また、つけなければ、これから開業の仕事を進めていくについても障害が逆に出てくる、そういう時期だろうと思うのですね。一体本当にまだ全然めどがつかないのですか。
○田村国務大臣 一応のめどは晩秋ということにしておりますけれども、実務的に公団なんかに計算をさせますと、日取りの計算はするのですけれどもそれはうまくいけばということでしょうから、それに対して私は若干のずれを見込んだりしておるのですが、大体晩秋、十一月末くらいには何とかなるんじゃなかろうかと考えておりますが、遅くとも年度内には開業したい。しかし、年内にはいけるんじゃないだろうかという感じを持っております。
○河村委員 晩秋から年度内までじゃ、もうこの三月の時点で開きがあり過ぎて余りめどにも何もならないですね。一体いまはっきりめどがつかないというその理由になっておる、いままでひっかかっておった諸問題ですね、この中で残っているのは何と何ですか。
○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。 現在新東京国際空港の開港に支障になっておる主なことが二つございます。一つは、燃料の輸送問題でございます。これは、御承知のようにパイプライン方式を一時中止いたしまして、鉄道によって運ぶという形で準備を進めておりますけれども、そのことにつきまして茨城県方、千葉県方、両方のルートがございますが、これにつきまして、千葉県関係の地元との話し合いあるいは輸送方式等についての若干の詰めが残っておりますので、精力的に続けることにいたしております。 それから第二番目が、四千メーター滑走路の南側にございますところの鉄塔二基、これが妨害物になっておりまして飛行機が飛べません。これを排除する必要がある。お願いしてもなかなか取ってもらえませんので、やむを得ず千葉の地方裁判所に手続をとりまして、司法手続によりましてこれを取るということを検討いたしておりますが、実はこれは仮処分の手続をとりますので、仮処分申請いたしまして、裁判官がどのぐらいの時間をかけて決定を出してくれるかということが、いわば向こう側の手の内のことでございまして全く見当つきません。このことが早ければ一カ月、遅ければ三カ月というふうないろいろな幅がございますので、その辺がかなり開港時期を占うところの不安定要素でございます。仮にこれが仮処分の決定がいただけまして鉄塔がなくなったといたしますと、後は私ども手元で各種の保安施設等のフライトチェックを含む飛行場の完成検査を約一カ月いたします。それの後で、今度は日本航空の機長たちに成田空港に出入りする路線資格というものを取らせる必要があります。このための慣熟訓練、同時に公団の職員あるいは運輸省の管制官等の慣熟訓練、これらを合計いたしますと約四カ月でございます。そういたしますと、開港ができるわけでございます。なお、開港に伴いまして起きますところの東京都との間の交通関係のいわゆるアクセス問題でございますが、これにつきましても各種の問題がございまして、地元の要望事項もございますので、これにつきましてはいま鋭意詰めておりますが、最小限度開港に必要な手だてだけは準備できるように考えております。 なお、そのほかに成田の開港に伴って地元の県、各市町村からいろいろな要望がございます。数十項目の要望が出ておりますけれども、この要望につきましてもできるだけ地元の御要望に沿いたいという考え方でいま鋭意詰めているわけでございます。
○河村委員 ひっかかっている問題はわかりましたが、燃料輸送一日約四千キロリットル、そのうち鹿島から運ぶのが三千、千葉から運ぶのが千というふうに私たちは聞いておりますが、鹿島の方はもう片づいたのですか。
○高橋(寿)政府委員 鹿島につきましては、当初問題になりました鹿島の港に石油の荷揚げ基地をつくる問題が片づきまして、現在建設をいたしております。荷揚げ基地ができ上がりますのは七月にはでき上がると思います。 それから、今度そこから走ってまいります列車が通過する町村の関係でございますが、茨城県方の町村は話がつきまして、千葉県方の町村の問題がいま残っております。それももうほぼめどはついております。
○河村委員 そうすると、残りの一千キロリットル、千葉から成田、これは一体どういう段階にあるのですか。
○高橋(寿)政府委員 これは量的には鹿島ルートよりも少ないわけでございますけれども、市原地区から揚げました石油を鉄道の列車に積みまして成田へ持ってまいります場合に、ヤードの関係からどこで折り返しをして成田線に入れるかという点がペンディングになっております。現在国鉄との間で鋭意詰めておりまして、なるべく早いうちに結論を出しまして方式を決める。同時に、その通りますところの沿線市町村との話し合いを進めることにしておりますが、いずれにしましても、千葉と成田間の沿線市町村とは話を進めておりまして、これはそう時間はかかりませんが、最大の問題は千葉市自身でございまして、これにつきましてはまだ話し合いのめどがついておりません。
○河村委員 大臣、お聞きになってわかるように、まだこれはめどがつかないのですね。 それからもう一つ、鉄塔の処理ですね。いま仮処分の申請はしたわけですね。
○高橋(寿)政府委員 まだ仮処分の申請はいたしておりません。これは、私どものもくろみでは、要請によってどうしても取ってもらえなければ、仮処分の決定をもらいまして最後は実力行使をしなければならないかもしれないというふうに予想いたしておりますが、その場合に、鉄塔近辺まで行くアプローチが全然ございませんので、そのアプローチを兼ねてと申しますか、もともとあの地区は滑走路へ進入する進入灯をつくる用地でございますので、いずれ進入灯を立てるための機材を運ぶ道路が必要になります。この道路の建設をいましているわけでございまして、道路の建設が終わりますと仮処分申請を出すという段取りになっております。道路の建設が終わりますのが恐らく四月の半ばか四月の末にかけてだろうと思います。それから仮処分の申請を出すわけでございます。
○河村委員 仮処分は航空法四十九条の制限撤去の申請をやるわけでしょう。その場合には当然緊急性というものが、仮処分が出るか出ないかの裁判所側の決定の要件になる。さっきの大臣のお話では晩秋か年度末かというようなお話ですね。緊急性のあるなしは非常に重大な問題なんですよ。ですから、いつまでもいいかげんに——一種の責任回避ですね。はっきり腹を決めて、十二月末なら十二月末開港と決めてかかれば、どうせ鉄塔撤去なんて話し合いはつきっこないですよ。話し合いでもってできるなんて考えているはずはないので、そうであれば仮処分を申請する。その場合には緊急性というものを考えれば、何日に開業しますと背水の陣をしいてやらなかったら、これはできませんよ。そういう事情を御存じですか。
○田村国務大臣 私が申し上げましたのは若干意味が違うので、仮処分を申請して裁判がどれだけかかるか見当がつかぬわけです。ですから晩秋——十一月は晩秋ですか、十一月という不退転の決意は持っておりますけれども、十一月と言って大みえを切ったものの、裁判がずいぶん長くかかってということになったときに、またこれは厄介なことだなと思ったので、ちょっとやわらかく物を申し上げたけれども、十一月開港というのは不退転の決意でございます。
○河村委員 仮処分、これは裁判でなしに審尋と言いますが、これはそんなに長くかかった例はいまだかってないのです。仮処分を申請してから出るまでに一番長くてもせいぜい二週間ですよ。だからそれが出るか出ないかの決め手になるのが、緊急性があるかないかですね。燃料輸送は物理的には済んでいるようですから、あと残るところは地元市町村との話し合いというのは多少の不確定要素はあるかもしれない。しかしここまで来ればそう大きな問題ではないでしょう。そうであればそっちの方も同様にやはり腹を決めてくる時期でしょう。いまの大臣の答弁のように、裁判でお逃げになるのは無理なんですよ。仮処分については時間がかからないのです。だから開業日を決めて、どうしても緊急なんだと言えば、仮処分は結論が出ますよ。そこを私は言っているのです。その辺大臣はまだ本当はよく事情を聞いていないという御答弁であろうと思う。いかがですか。
○高橋(寿)政府委員 お言葉なんでございますが、仮処分の審尋にどれくらい要するかという期間につきまして、私たちも素人でございますので、法務省等の方々と意見を詰めて話をしているわけですけれども、そういった方々の話では、従来一週間で出た例もあるけれども、二、三カ月かかる例もある、こういうことを伺っているものですから、私たちはそこを大事をとって申し上げているわけでございます。期待は一日も早く出していただくことを期待しているわけでございます。
○河村委員 それは二、三カ月かかるというのは理由があいまいなら二、三カ月かかるのであって、緊急性がはっきり認定できれば早いのですよ。だからここまで来ればこれは国際信用の問題ですから、もちろん成田空港の生い立ちについては、われわれも非常に不満なところが多いですよ。もともと富里に決めたものを、反対があるからといって成田へ持っていったのですね。反対があるからといって移せば、それは反対しろという奨励をするようなもので、反対運動が起こるのはあたりまえみたいなもので、そういういきさつについてはわれわれもこれが非常にいいとは思っていない。いないけれども、もうここまで来てやらなければ、これは日本の恥みたいなものですね。だから早くやれと言っているわけです。だから、その辺のところは大臣、いますぐ御答弁を求めても無理でしょうけれども、その辺のめどを腹を決めることが第一であるということを申し上げておきましょう。そうすれば道が開けますよ。 それからいま話の出たアクセスの問題ですが、新幹線、京成、それから道路輸送、国鉄の在来線、こんなものが手段としてはありますけれども、余りふさわしいものはなくて、少なくとも間に合うものはなくて、世界の主要空港の中で一番不便な空港ができそうですか、この点についての開業当初の条件、あるいはそれからの見通し、これは一体どういうふうになりますか。
○高橋(寿)政府委員 アクセスにつきましては、本当に理想的な状態になるのは若干の日時を要しますけれども、さしあたり開港当初に利用する需要に対しましては、私どもは何とか間に合うと考えております。 それは、一つは鉄道の関係で、京成電鉄のスカイライナーでございますが、これが一日片道一万人の輸送力がございます。それから国鉄成田線でございますが、これは東京駅から快速列車が出ます。これが全体で十七本出るわけでありますが、そのうち成田のために出る増発分が九本あると聞いておりますが、この分だけで一万人輸送力がございます。ただこの場合には、成田駅をおりましてから、成田空港までのアクセスの問題といたしまして、駅前広場の拡張をしなければならない。そのためには、成田駅を橋上化いたしまして駅前広場を広げる必要がございます。この工事を近く着工いたしまして、何とか開港までに間に合わせなければならないという点がございます。なお、理想的には、成田駅から国道五十一号に至る街路をつくる話もございますが、これは地元との関係もございまして、なお二年ぐらいかかると思います。 それから、鉄道以外のものがバスあるいは乗用車になるわけでございますけれども、これは道路を利用することになります。道路も湾岸道路の完成が五十六年ぐらいになりますので、それまでには湾岸道路の一部を使いまして東京と結ぶということを考えております。ことしの三月に湾岸が千葉方から途中まで開通いたしますので、それによりまして、現在京葉道路に乗っております輸送、特にトラック輸送等の需要が新しくできる湾岸の方に一部移れば、その分だけ京葉道路もすいてくることが期待できますけれども、何分にも道路は他の交通量もたくさんございますし、特に京葉工業地帯を控えての輸送量、あるいは夏の海水浴シーズンの輸送量等を考えますと、非常に憂慮されますので、私どもは開業当初は鉄道を中心としたアクセスを考えざるを得ない。そして、そのための両端の各種の問題をこれから手当てしていく必要がある、こういうふうに考えているわけでございます。
○河村委員 そうすると、国鉄の在来線、これはもうどうせスピードは遅いのでしょうが、これは何時間、京成が何時間、それから国鉄の橋上化というのは一体間に合うのか間に合わないのか。
○高橋(寿)政府委員 京成電鉄は、上野から成田まで一時間でございます。それから、国鉄の快速は東京から成田までたしか一時間二十分ぐらいかかるかと思いますが、もう少し短いかもしれません。それからバスに乗りかえまして現地まで行きますから、東京駅から一時間半余りあるいは一時間四十分ぐらいかかるかもしれません。あと、自動車で行く場合には、非常に時間がかかります。これは時間帯あるいは季節によって非常に変わると思いますが、東京から成田へ行く場合はそう問題はございませんが、成田からこちらヘ上がってくる場合に問題がございます。これは御承知のように、東京の首都高速道路の混雑がいまでも非常に激しいものがございますので、混雑方向に向かって上っていきますので、時間帯によってはかなりの時間がかかります。 なお、国鉄輸送の場合の成田駅の橋上化の問題、これはいま最終的に橋上化に伴う費用の分担を詰めておりまして、近く結論が出ます。着工いたしますれば八カ月くらいでこれができると聞いておりますので、少なくとも、駅前広場を広げてそこに成田行きのバスを並べることだけは間に合うはずでございます。
○河村委員 そうすると、さしあたり一番頼りになるのは京成ということですね。京成は上野でぶちまけてそれで終わりですか。
○高橋(寿)政府委員 国鉄上野駅と京成電鉄上野駅の間の連絡地下道路も約半年ほど前に完成いたしましたので、国鉄で行かれる方はそこから国鉄にお乗りかえになる。それから京成上野駅からタクシー等で行かれる方は、京成上野駅の地下駐車場あるいは京成上野駅周辺をタクシー乗り場にいたしまして、そこから利用いただくことになりますけれども、この点は上野地区の路面交通問題との関連がございまして、警視庁と十分打ち合わせをいたしまして、混乱が起こらないように手当てをする必要があると思っております。
○河村委員 そうすると、ちょうど国鉄総裁もおられるが、国鉄の成田新幹線はもうあきらめたのですか。
○住田政府委員 成田新幹線につきましては、御承知のように現在江戸川地区で訴訟が起きております。その訴訟の終結を待ちまして、関係地方公共団体とお話し合いをいたしたいということで、別にあきらめているわけではございません。一部成田空港内の施設につきましては現在工事中でございますし、また成田空港から成田駅に至る間の用地買収についても着手している状況でございます。
○河村委員 これ以上くだくだ聞いてもしようがないのですが、大臣、いよいよ大詰めになりましてもこれだけ多くの問題があるのです。私は、繰り返しいままでの運輸大臣に、自分で——自分でというよりも、必ずしも運輸大臣だけではなくて、本当に政府ベースで取り組まないと問題は解決しませんよということをくどいほど言ってきたのですけれども、いよいよこの段階になりましたら、要すれば直接運輸大臣か——空港問題の閣僚会議なんというのも常設のものが本当はあるんですよ。ところが、開かれたことがないんですよ。みんな空港公団任せ、いつまでたってもできっこないですよ。これ以上延ばしたらおしまいですから、福田内閣がつぶれてしまえば仕方がありませんけれども、あなたがやっておられるならばこの辺でもって本気に、おれがこれをやるのだというつもりで関係各大臣、各省を督励して、そして、こういう地元との話し合いにしても何でも自分で乗り出して解決するくらいのつもりでないと、これはまたまたおくれますよ。ひとつ運輸大臣の決意のほどを聞きたい。
○田村国務大臣 実はこういう席の私の答弁としてふさわしいかどうかわかりませんが、言い過ぎがあったらお許しを願いたいのでありますけれども、どうも従来的なやり方ではまだるっこしくて見ておれないわけです。 そこで、私がいま直接いろいろな問題を手がけ始めておるわけです。たとえば、お役所というのは妙なところでありまして、他省との話し合いというものはなかなかうまくいかないんですね。でございますから、いや建設省だ何省だというのも実は私自身で話し合いをつけております。それからアクセスを初めいろいろな問題につきましても、空港公団初めみんな呼んで事情を聴取して、そんなことではだめじゃないかということで、また私から直接他省に対しても話し合いをしております。 それから地元の要望がたくさんあるわけですけれども、これも、率直に言って中には行政のまないたに乗っからないものもあります。ありますが、多くは乗っかるんですね。でありますから、そういう問題もいわゆるお役所的な感覚で見るなというので、総裁、副総裁にも来てもらいまして、全部洗いざらい一覧表にして経過を聞いて、私がクレームをつけて、これはこのようにしたらどうだ、別に金に糸目をつけぬというやり方をするわけではありませんけれども、ときには一文惜しみの銭失いのようなことを考えたりするんですね。でありますから、そういうことも自分で直接督励をしたりしておりまして、大臣なんというのはどれだけやるか見当もつかないので、長いのやら短いのやらわかりませんが、短いのが大体社会通念でございますけれども、短いなりにも自分の任期中にこの問題にめどをつけるということで、いま大いに張り切っておるところでございます。
○河村委員 ひとつ何とか片づけてください。これは国民的問題なんですからね。 それから、航空問題ではもう一つ大きな問題が、日米航空協定の交渉があります。 ことしは、ちょうど五月になりますと、例の沖繩返還のときの返還協定の付属覚書で、返還の日から五年の期間が過ぎたときに、いままでアメリカが沖繩にアメリカ領土として乗り入れておった航空権益ですね、この権益と日本の権益との総合的な均衡を図るということで、再交渉するということになっているわけですね。ですから、アメリカでもいやおうなしに応じなければならない時期に来ている。そういう意味では、長年の懸案、不平等協定を少しでもよりよきものにするという絶好の機会である。これはことしじゅうですから、福田内閣もことしじゅうぐらいは続くでしょうから、これも一つの大臣のやるべき大きな仕事です。ひとつこれについてどういう構想を持って臨んでおられるか、まず伺います。
○田村国務大臣 実は、昨年十月に開催されました第一回の交渉では、アメリカ側が日米間の航空権益の不均衡というものを認めなかったわけです。御承知のとおりでございます。 そこで、三月二十三日から第二回の交渉が始まるわけでありますが、乗り入れ地点の追加や以遠権の拡大、それから俗に言う秩序ある輸送力の規制方式の導入というようなことでがんばらなければならない。とにかく米側が航空権益に不均衡はないのだ、存在しないのだと言うのですから、わが方は、これはもうだれが見たってはっきりしておるのでありますから、粘り強く強気で交渉に臨みたい、このように考えておる次第でございます。
○河村委員 アメリカ側も不均衡であることを認めていないわけではないようですが、しかし、こちらが不均衡だと言っているのと向こう側が認めたものとの間には相当差があるようでありますが、その一番大きなポイントはどこにあるのですか。
○高橋(寿)政府委員 問題が三つほどあります。 一つは、日本側とアメリカ側とでは発着地点の場所がかなり違う、数がかなり違う……。
○河村委員 いや、事実関係を聞いているのじゃなしに、不平等であると見るか、不平等でないと見るかという、そういう日米間の認識の相違があるようだから、事実関係が、発着地点がどっちに幾つあるというようなことは、こいつはわかっているから、それを聞いていると時間がもったいないから、そうではなしに、見方ですね。
○高橋(寿)政府委員 総合的均衡が保たれてないとする私どもの一番大きな根拠は、現在の日米間の航空関係では輸送力の事後審査主義でありまして、他の欧州諸国との関係のように事前審査主義ではございません。したがって、航空協定のときに乗り入れ便数が制限されておりません。アメリカは力任せに何便でも入ってこられる状況になっておるわけであります。極端な状況にならなければ事後審査はできないということで、従来、事後審査のできる状況までに至っておりません。そういたしますと、両国の航空企業の力の関係でその日米間のシェアが二対一ぐらいに開いてしまっているという点が一番大きな点でございますが、このことを私どもは不均衡だと言いますが、アメリカ側は、自由競争原理でやっているのだから不均衡ではないというふうなことで、なかなか対応してこないという点がございます。
○河村委員 この不均衡の中身についてここでくどくどしく言うのは避けます。とにかくこの機会に日本として以遠権あるいは乗り入れ地等について相当大きな失地回復をしませんとチャンスがなくなると思う。現在、これは交渉問題ですから余り手のうちをさらすというのはよくないのかもしれませんが、主たるポイントを大体どこに置いていますか。
○高橋(寿)政府委員 いま申し上げました両国企業の航空力の差というものも、先ほど説明し始めました発着地点の数あるいは以遠権の規模との関連があるわけでございます。そこで、それらとの関連でどちらの方にウェートを置いて議論するかという点につきましては、向こうの出方も見なければなりませんので、今日まだはっきりした方針を立てておりません。といいますのは、御承知のように英米間が一昨年協定破棄の状態になっておりまして、いま、その後の一年間、ことしの六月までに新しい協定をつくるべくやっているわけでありますが、その場合の英米間の最大のポイントは、いまの輸送力条項を入れるか入れないかという点がポイントになります。そういったこともにらみ合わせまして粘り強く交渉するという以外に、今日まだ確立した方針はございません。
○河村委員 それでは、そのことは深く聞きません。 そこで、いま話の出た英米間の協定破棄の問題ですが、三十年前のバーミューダ協定、日米航空協定なども大体がそれに準拠しているものですが、それをイギリスが破棄をした。そして交渉を続けている。イタリアでは、かつてアメリカとの間で協定を破棄をして、それでかなりの有利な条件をかち取って再協定をして、またさらに交渉を続けているというような例もございますね。一体この航空協定破棄というものは、どうもいままでの経過を見ると、破棄したからといって急に両者の関係が険悪になるというようなものではなくて、非常に平和的に再交渉の道が開けているように見えるが、破棄というのは言葉が必ずしも適切ではなく、ノーティス・オブ・インターミネーションと言うのかな。だから、いわゆる破棄、一方的に破ってしまうというのではなくて、商慣習上わりあいとあり得るもののように思われる。その辺の感じというのは一体どういうものなのか、ちょっと教えてもらいたい。
○高橋(寿)政府委員 これは先生の御指摘のとおりの感触でございまして、破棄というのは契約を見直そうということで、宣戦布告みたいなものではございません。したがって、これも交渉の一つのテクニックというように私は考えております。 破棄をいたしますと、一年間はそれまでの関係が続きます。したがって、その一年の間に新しい協定を結ぶ協議をするわけでありますが、破棄を交渉の道具として使うことの利害得失、いわば破棄の経済学といいますか、それを十分考えた上で、これに訴えるか訴えないかという点も考えていこうと思います。
○河村委員 別段協定破棄を奨励するわけではありませんが、しかし協定破棄というのは先例もあることだし、現に、日米間の航空協定のひな形になっておる英米間のバーミューダ協定そのものが現在破棄になっておる、そういう事態ですね。ですから、やはり航空協定の交渉をするに当たっては、いざとなれば破棄をするのだというだけの覚悟を持ちませんと、なかなか厚い壁は破れないであろう、そう思います。その点についての運輸大臣の決意を伺います。
○田村国務大臣 今月の中ごろ過ぎには第二回があるわけでございますから、相手の出方もそこで見なければならぬと思いますが、日本の場合は英米の場合と違いまして沖繩の問題、五年間、そういう特殊の事情がある。アメリカ側は昨年十月の第一回の段階では不均衡は存在しないのだとがんばっておりますけれども、しかし沖繩の問題というあの事情から言えば、向こうだって基本的には認めておるはずなんです。でありますから、そこいらを踏まえて三月二十三日からの会談に臨んでみて、場合によったらおっしゃったような強硬な態度もとらなければならぬかと思いますが、いずれにしましても見てみなければわからぬと思います。
○河村委員 それでは航空関係の質問はこれで終わりますので、航空関係の人はもういなくなっても結構ですよ。 次に、領海十二海里の問題についてお尋ねをいたします。 今回、政府が十二海里問題に決着をつけて十二海里宣言をやる領海法を出すというところまで来ておりますね。国際海峡についてだけ三海里のままに置いておくというような、世界に類例のないインチキきわまる決定をしたわけであります。これは農林大臣が今度主体になってやったような形で、直接漁業問題が当面の引き金になりましたから農林大臣が発言力があるということは、それはそれでわかりますが、外務大臣を除いて本当は次に一番発言権があるのは運輸大臣なんですね。これはこれからの航行の警備、保安その他の問題を含めまして重大な責任があるわけで、運輸大臣もそういう席には当然参画されたはずだと思いますが、全体を十二海里、国際海峡だけ三海里なんというものをつくるに当たって、運輸大臣というのは一体どういう見解を持って臨まれたのか、それを伺いたい。
○田村国務大臣 まず基本的には、国連海洋法会議というものでいま領海問題が論ぜられておりますが、国際海峡というものは一般領海の無害航行権以上の自由を求めるのだというような考え方とか、あるいはわが国が非常な海運国であり漁業国である、それも遠洋漁業というものが非常に重要視されておるということ、あるいは日本近海の保安業務、そういういろんな問題ございまして、いま申し上げたようなことを踏まえて私ども会議に出ております。 ただ、関係閣僚会議があるわけでありますが、そこで私どももちろん発言はいたしておりますけれども、鈴木さんが中心になっておやりになる。鈴木農林大臣というよりも鈴木国務大臣だそうでありますけれども、おやりになるということで、いろいろわれわれの意見、向こうの意見ございますが、御承知のように関係閣僚会議の内容というものは具体的には外に出さないというたてまえでございますので、ここでいろいろのことを申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、相当に私どもの意見を述べておるということでございます。
○河村委員 ここは運輸委員会ですから、非核三原則等に絡んだ政治問題を議論する場ではありませんからその話はやめましょう。やめまして、それでは具体的に、しかし十二海里、三海里なんという変なものをこしらえますと、当面被害者は運輸省ないしは海上保安庁であるはずでありますが、一体海峡と一般領海と言ったって、その間にはっきりした区別があるものではない。十二海里で領海があって、海峡のところから途端に三海里という奇妙きてれつなものができるのですが、一体どんなぐあいにしてつくるのですか。この線引きは海上保安庁でつくるのでしょう。一体どんなことをやっているのです。
○真島政府委員 先生の御指摘のお話、確かに非常にむずかしい問題でございます。 ただいま内閣の領海法の準備室、ここにおきまして各省庁がいま頭をひねっていろいろやっておる段階でございまして、いまどうするかというふうなところまでまだ来ておりません。残念ながらこの検討を早急に進めるという段階にあるということだけ申し上げたいと思います。
○河村委員 恐らく弱りに弱っているところでしょうね。こういう変なものをこしらえますと後始末が大変ですね。だから私どもは初めから、もともと海峡というものは現状においても主権はある程度制限されているのです。国際海峡については、一国の領海の中に入っておっても船舶の無害通航を妨げてはならないというふうにちゃんと制限がついておる。だから、堂々と全部十二海里にしておけば問題なかったのです。非核三原則を何とかごまかそうという魂胆があるものだから後にこういうことが起きるので、実際は公海から公海に海峡を抜けるのはトランジットですよ。だから、トランジットの旅客は、国際空港についてだって入国にならないのです。貨物も入国じゃないのです。同じことなのです。だから、堂々とトランジット航行については、海峡については非核三原則には触れないんだと言ってしまえばいいのを、そもそもごまかすからこういう問題が起きるのです。しかし、それは言っても仕方がありませんね。 十二海里になりまして、さらに二百海里時代を控えて、今度海上保安庁では巡視船艇、航空機等を若干ふやしておられるようでありますが、一体その程度のことで今後の海上警備に対応できるつもりでおられるのか、その点を伺いたい。
○薗村政府委員 現状はもう先生御承知のとおりで、三百十隻ぐらいの巡視船艇があります。それから航空機が十九機ございます。それで全国の基地としては百二、三十の基地に船を置き、十二の基地に航空機は置くという現状でございます。 それから、五十二年度の予算案の中ではヘリコプター搭載の巡視船を一隻、三十メートル、三十ノットの高速巡視艇を二隻、大型飛行機YS一機、日本海岸の航空基地とそれに置く中型ヘリコプター一機、それから、それ以外にスカイバンの航空機一機、二百五十トンを三百五十トンに代替建造する五隻、これを主として来年度の予算案に盛ってお願いしておるところでございます。 今後領海が十二海里に広がり、さらに二百海里時代が近い将来やってくるということに備えては、私どもとしては三年ぐらいの間に、その五十二年度の予算案に含まれている計画を含んで、さらにYSを三機、ヘリコプター搭載巡視船を二隻、三十メートル、三十ノットの高速の巡視艇を六隻、ヘリコプターは四機という増強計画を立てておりまして、これらによって十二海里の問題、二百海里の問題に処していきたいというつもりでございます。
○河村委員 事務当局は一応そう言うのでしょうね。ですけれども、実際十二海里が実行されて、それでさらに二百海里時代に臨むに当たってはそれで賄えるはずがないのですね。ですから、これは運輸大臣というよりは国務大臣としてお尋ねをしたいのですが、自衛隊との関係で、いま航空機、領空の場合は、領空侵犯に対して退去させあるいは着陸させたりなんかする権限を自衛隊は持っている。だけれども、海に関する限りは、特別の必要があるときだけ、総理大臣の承認を得て、それで、簡単に言えば海上保安庁に協力できるというような形になっているわけですね。実際にはこれを発動した例はないようです。せっかくかなりの力のある護衛艦隊というのがあるわけです。国民経済的に見たって、それは依然として関係ないですよ。特別に必要あるときしかやらないのですよ。それで海上保安庁の力をふやしていく。運輸省としてはなわ張り的には勢力がふえていいのかもしらぬけれども、むだでもあるし、実際はむずかしいですね。その点を含めて考えていくべきものだ、私はそう思いますが、どうお考えですか。
○田村国務大臣 海上自衛隊というものが置かれておる性格というものは、大変微妙なものがありますから、海上保安業務というもの、海上警備というものは海上保安庁がやるべきものだというふうに考えております。仰せの自衛隊法八十二条の問題でも、これは常識ではなかなかそう簡単にあり得べからざることである。でありますから、海上自衛隊というのはあくまでも、海上保安庁に協力する場合でも支援後拠であるということを割り切らなければならぬのじゃないか。でありますから、私は、実は二十年ほど海上保安庁の予算折衝なんかの世話ばかりしてきたのですが、この問題については財政当局ももちろんのこと、政府全体でもこの重要性を認識してくれておりますので、腕によりをかけて船力、航空力の増強を図って、保安庁でりっぱにやり遂げたいというふうに考えております。 先ほど、保安庁長官が、船艇三百十隻と申しました。航空機を十何機と言いましたが、現在、航空機はヘリコプター等も入れて三十四機あるはずでございます。でありますので、こういうものの増強をこれからもどんどん図っていくということは、これはもう何が何でもやらなければならぬ。海上警備は保安庁にお任せあれということで今後も進みたいというふうに考えておる次第であります。
○薗村政府委員 ちょっと訂正させてください。私、先ほど不足の数字を申し上げまして、いま大臣から御訂正いただいたとおりでございまして、航空機は全部で三十四機、ヘリコプターはそのうち十九機で、国定翼機が十五機ございますので、その点御訂正申し上げます。
○河村委員 この問題、微妙な問題ですから、きょうはこれでやめておきましょう。またいずれ問題になろうと思いますので、そのときにまた御相談をしたいと思います。 これに関連しまして、ごく最近、マラッカ海峡で沿岸国インドネシア、シンガポール、マレーシア、三国でタンカーの航行規制についての合意書の調印をいたしましたね。これについて、わが国は黙っているようですが、一体これはどういうふうに対処されるつもりですか。
○田村国務大臣 沿岸三国の調印というのは、確かに海峡の交通整理、それからアンダー・キール・クリアランス等を決めたわけでありますが、まだいろいろな問題の詰めが残っておるようでございます。 それから、海洋法会議の結論等の横にらみもございまして、運輸省としては寺井顧問を派遣して、向こうに対して言うべきは言い、十分に理解を得たつもりでありますが、重大な関心を持っておりますけれども、極端にわが国の権益が侵されるということはないであろうというふうに期待をいたしておるところでございます。
○河村委員 アンダー・キール・クリアランスが三・五メートルということになりますというと、いままでの航行の実績から見て、一体どのくらいから上の船がロンボク、マカッサルを通らなければならぬ、そういうふうになる計算になりますか。
○後藤(茂)政府委員 アンダー・キール・クリアランスを三・五メートルに仮にいたしました場合に、どんな影響になるのかということにつきましては、端的に申しまして、ただいままでのマニラから来ました情報だけでは、はっきりした影響というものを数字の上でぴしっと決めるわけにはいかないというのがまずお答えでございます。 詳しくお話し申し上げますと、つまり航行分離制度を今度採用するという考え方であるようでありますけれども、海図の上にどのようなかっこうで東行き、西行きの航路を設定することになるのかということがいまのところ明らかでない。また潮の満ち干が当然ございますけれども、その潮の満ち干のさらに詳細なる調査というものが、いま予定されておりますけれども、それができる前なのか後なのかもはっきりしていない。それから灯標をもっとたくさん設置するという話になっております。これももちろん望ましいことでございますけれども、ただいまの時点の程度の灯標が設置された状態と、これからもっともっとたくさん灯標を設置をした場合とでまた違う。一番はっきりいたしますのは、先ほども申し上げました線引きでございまして、あの航路もたくさん浅いところがあるようでございますけれども、一番潮の引いたときに二十一・二メートルというのが一番浅いところだそうでございますが、そのところが線引きで外れているのか、真ん中なのか、ちょうど端っこになるのか、そこいらによって非常に違ってくるということでございまして、ただいまのところいろんな試算はございますけれども、はっきりしたことは申せない。ただ、いまのところ正確に三・五メートルの余裕をとって現在の船が運航されているということではないようでございまして、やはり程度はわかりませんが、多少いまよりはよりアローアンスをとった運航をする、それだけより安全になり、それだけ多少運航上の不便というものはあり得るというふうに考えています。
○河村委員 私は疑問を持っているのは、運輸省としても、マラッカ海峡協議会というのはどういう性格のものか私もよく知りませんが、現役の役人も出向し、それでいろいろな経済協力という形を含めて、マラッカ海峡についての安全について、浮標をつくるとか、灯台をつくるとか、海図をつくり直すとか、いろいろな協力をやってこの三国には従来接触をしておったはずだと思うのですね。それにもかかわらず、何か突如としてやられて、情報がないというようなことだと、一体何のためにいままで努力したのかわからぬように思うのですけれども、その辺は一体どうなんでしょうか。
○後藤(茂)政府委員 お答えいたします。 マラッカ協議会は、もらすでに八年間にわたってこの海峡の航行の安全のためのいろいろな事業を、金にすれば三十億円余りの金をかけてやってきております。そのやってきておりますことは、いまもお話にございました精密なる海底の測量、これはすでに完成しておりますし、それから灯標の設置、これも相当のところまでいっておりますし、これから先、ただいま申し上げました潮の精密なる調査、それから統一海図の作成といったようなことに今年度、来年度、さらに仕事を進める準備を進めております。これらの作業というものは三国に私は非常に評価されていると思います。またそういう作業を三国と協力して進めるに当たりまして、いろいろな専門家が再々三国を訪れまして、この海峡でいろいろな作業をし、また三国の担当の官庁の人たちと接触をいたしておりまして、私が先ほど、わかっておりませんということを申し上げましたけれども、それはマニラで三国の外相が決めたという、その共同宣言からはわからないということを申し上げたのでありまして、それは八年間いろいろとやっておるのでありますから、それは相当のことは非公式にはわかっておるというふうに御了解いただきたいと思います。
○河村委員 それならそれでよろしいので、それは経済協力というのは、相手から対価を求めるものではないかもしれない、本質的に。しかし、そういうものが日本の国益のために生かされなければ何にもならない。だからもっと、もう合意書ができてしまったのだから、それ自体はしょうがないけれども、これがわが方にそれ以上に不利にならないように、もっとそうしたいままでの協力を化かすというような形でぜひやってほしい、それを要望しておきます。 時間がなくなってしまって、国鉄問題ちょっと触れようと思いましたが、これはいずれ問題出てくるでしょうからもうやめます。 ただ一言運輸大臣に、例の運賃法定主義緩和の法案は出すということと一緒に、ことしの十月から一九%上げます、来年も再来年も二〇%上げますという非常識きわまる発表をなさった。あれは一体どういうわけです。まるっきり挑戦ですわ、国民に対する挑戦かな。運賃は法定主義を外して勝手に上げますよ、ことしも上げます、来年も上げます、再来年も上げますというようなことを言いながら国会に法案の審議を求めるというのは、それ自体非常識きわまると思いますが、いかなる事情でおやりになったのか。それだけを伺ってきょうは後のことはやめておきます。
○田村国務大臣 ことしの名目一九%の値上げというのはちょっと意味が違いまして、これはとりあえず人件費、物件費等の値上がり分に見合うものをということであります。後のは実は、もう河村さんの方が私よりはるかに詳しいわけですが、国鉄、これはどういうふうになるんだろう、これは大変なことでございます。そこで、この際何とかしなければならぬということであって、再建要綱とかいろんなことになったわけですが、確かに政府も大きな保護措置を加えてたな上げだ何だということをやったわけでありますが、あるいは助成をやったわけでありますけれども、また今後もやっていくわけでありますが、国鉄が従来運賃を余りにも金額まで、賃率、料金まで厳しく法定されておるので、適時適切の運賃値上げができなかったということが累積赤字の膨張に拍車をかけたということをよく申しておりました。現在でも言っておるわけであります。それから、当事者能力を縛りつけられておって関連事業の収入なんか得られぬじゃないか、こういうことも常々申しておったわけであります。 でありますから、私はいい機会でございますので河村さんにもお聞きを願いたいのですが、ちょっと国鉄総裁のおられる前で言いにくいこともありますけれども、国民的な感覚から言えば、国鉄というのは親方日の丸で一体何をしているんだ。やるのは労使のけんかでストライキばかりじゃないかというような、しかもサービスは悪いと、窓口でしかられる、改札口でどやされる、乗ってもありがとうございますも言ってくれないというようなことの感情が、非常に国民感情として強いわけです。まず何よりもやってもらわなければならぬことは、国鉄の再建の基本的な問題は、国鉄の経営努力をもっと思い切って変更することだろう、充実させることだろうと思うのでありますが、五十二年中にいろんなことで洗いざらい赤字要因というものを洗い出して、そしてりっぱな再建策を考えなさい。しかし君らが今日までぼやきにぼやいてきたことだから、とにかく法定制緩和ということとそれから投資範囲の拡大ということは、これはわれわれ政府ができるように努力をしましょう。もっとも、商売もできるようにということもありましたが、これは私が反対しました。国鉄が商売したらまた赤字を出しますから。赤字をかばうための商売をやってもまた赤字を出す、これはもう商売する前からわかり切っておりますから、これはだめだと言ったのでありますが、いずれにしましても、そういうふうに素地をつくってあげるから、とにかく国会へよくお願いをしてあげるから、それを踏まえてりっぱな再建策をつくりなさい、こういうことを申したわけでございまして、その点はどうぞひとつ与野党ともに深い御理解を賜りたい。 私の偽らざる心境というのは、国鉄、これどうやって再建できるのだろう、こういうふうにして差し上げて、こういうふうにしなさいよと言ってもできるのだろうか、これはひとつむしろ逆に、国会に再建策を考えていただくという、知恵を授けていただくことも考えたらいいのじゃなかろうかとまで思うこともありますが、さようなことでありますので、何も運賃だけに頼るというわけではございません。 それからもう一つは、運賃を値上げする、値上げするといいましても、航空運賃や私鉄運賃と比べてどんどん高くなっていって国鉄離れということも起こりますから、そう簡単にできるものでもない。先般のあれは上限というものを示したわけでありますが、そういうことである。 それから、だからといって今度はやれ総合運賃体系だと簡単に言えますけれども、国鉄がノーマルな姿になったときに初めて総合運賃体系というものは考えられるのであろうと思う。国鉄の運賃を上げなければならぬので、その国鉄の運賃を基礎にして航空運賃や私鉄運賃をはじき出すということになったら、これは大変なことになる。国民に御迷惑をかけますから、また航空会社なんかがそういう便乗をしてきてもこれを認めるわけにはいきませんから、そこいらの問題との兼ね合いを考えますと、なかなかこれむずかしい問題でございます。でありますから、運賃値上げだけに頼って安易に国鉄の再建を考えるというような方策でないということだけ、ひとつどうか御理解をいただきたいのでございます。
○河村委員 私の質問の御答弁になっていないので、私が言いたかったのは、まず頭をぶん殴っておいてから穏やかに話をしようじゃないかというような、そういう切り出し方をするのは一体どういう了見であるかということを聞きたかったのです。ですけれども、いずれこれはゆっくりやりましよう。 きょうは終わります。
○大野委員長 小林政子君。
○小林(政)委員 運輸行政に対する大臣の基本的な姿勢についてお伺いをいたしたいというふうに思います。 いま、すでに大臣御承知のとおり、運輸省を巻き込んだと言われますか、大きな問題になりましたロッキード事件ですね。この問題について、いま全日空ルートの公判がすでに始められているわけです。そして、検察側からの冒頭陳述で新たな事実が指摘をされてきている。本当に運輸行政に対して責任も持つ運輸大臣として、このような事態をどのように受けとめられて、そして対処をされようとしているのか、この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○田村国務大臣 あのような事件が起こりましたことは本当に残念なことでございます。この事件が裁判の場においてその全貌が明確にされるということを待つ以外にありませんが、また、してもらわなければならぬわけでありますが、同時に、再びこのような事件を起こしてはならぬ。他省のことはいざ知らず、私が所管いたしております運輸省に関しましては、このような事件を再び起こしてはならぬ。そのために自分は挺身しよう、こう考えております。決意を非常に強くしております。 基本的には、私をも含めて綱紀の粛正で身を引き締めなければならないだろう。それから、運輸省という役所という点から考えればいろいろな面で改正をしなければならぬことが多いと思います。でありますから、先般も、これは私の着任以前のことでありますが、総点検本部というものがつくられまして、事務次官が中心になりましてこの問題と取り組んだわけでございますが、そこで責任の明確化とか網紀の粛正とか、あるいは許認可をするのに対して公正な批判が加えられるような制度とかということの通達がございました。いまの三点は精神的な問題です。ところが、いま私が懸命に取り組んでおることは現実問題、行政問題で、それは許認可事項、これは三千何百とあるわけです。ずいぶん多いのです。これに対して一遍洗い直してみよう、こう考えまして、いま官房長に命じまして全部総点検に入っておるところでございます。この問題に対しては大方の理解を得られるような決着をつけたいというふうに決意をいたしております。
○小林(政)委員 この問題について姿勢を正して、行政のあり方はかくあるべきという方向を目指して懸命に努力をしていくということについては、本当にそれはもう当然のことでありますし、やらなければならないというふうに私は思いますけれども、運輸省当局が国会でずっとこの問題について答弁をされてきた、それと、検察側の冒頭陳述というもの、これは膨大なものですから、全部が全部比較するというようなことまではまだ私自身としてはやっているわけではありませんけれども、少なくとも大型ジェット機の導入の問題と、それから大型ジェット機の導入延期の決定という問題について運輸省当局が国会で責任を持って答弁をしてきたそれと、冒頭陳述とが、全く余りにも大きく食い違っておるんじゃないか、こういうことで、実は非常に私自身大きなショックを受けました。結局、大型ジェット機の導入の方針につきましては、これは木村元運輸大臣が五十一年六月三十日のロッキード特別委員会で「四十七年に航空会社の方で大型機を導入したいという一応の五カ年計画があったということでございまして、運輸省として四十七年に導入するという方針は決めていないわけでございます。したがって、」「四十七年という導入の時期というものを運輸省は別に明確な方針として持っていないということが前提でございます」、こういうふうに答えている。そしてまた、五十一年の七月七日のロッキード特別委員会でやはり木村元運輸大臣が、「四十七年度に導入するというような方針はないわけですから、方針を変更するということもなかったわけでございます。」このようにきっぱりと答弁をされているわけです。ところが今回の冒頭陳述によりますと「運輸省は、昭和四四年ころ航空旅客需要の動向を分析した結果、昭和四七年度ころを目途として両社同一時期に大型ジェット機の導入を認める方針で臨むこととした。」こういうふうに書かれておりますし、また、「運輸省は、昭和四七年度に大型ジェット機を国内幹線へ就航させるとの方針でのぞんでいたところから、昭和四五年一二月二日、同年一一月三〇日付で」——日航から四十五年十一月二十七日付で運輸大臣に対してジャンボ機四機の取得認可申請が出ておりましたね。これを認可したということがはっきり冒頭陳述では言われているわけです。私はこれはやはり大きな食い違いであるというふうに思いますし、また導入延期の決定についてということでも、これはまたもっと大きく基本的な違いが出てきているのです。これはやはり元木村運輸大臣ですが、「四十五年の十一月ごろから、航空局としては万博後の予想した情勢とは大分航空需要が違ってきておるということに気づいておったわけでございます。」「両会社が競って四十七年というのは適当ではないではないかというふうな、そういういろいろな要素を含めて検討をして、四十五年の暮れごろからこの計画は少し大き過ぎるんじゃないかというような感じを持って指導してまいったわけでございます」、これは五十一年九月八日のロ特の委員会での発言でございますし、それから山元監理部長も五十一年七月八日のロ特の委員会で「四十六年の二月時点におきましては、日航、全日空の両社の長期計画がまとまり、大型ジェット機を含めまして導入テンポが速過ぎるのではないかというような、いろんな問題について意識を持ったわけでございます。それで、その時点におきましては、私ども事務当局では、全日空からどうこうという話は聞いていないわけでございます。」「全日空から初めからそういう働きかけがあったということではなくて、やはり私どもとしては、あの状態のもとで、全日空としては、技術面を中心にして体制が、」「果たして安全面から見て大丈夫であろうかという点に危惧を持ったというのが事実でございまして」と、一貫して航空局の態度あるいは運輸大臣の態度というのは、運輸省の自主的な判断に基づいてやられてきたものなのだ、こういうことで、いま私が読み上げた発言は特徴的ですから、はっきりとその点がうかがわれるわけです。ところが検察側の冒頭陳述は、実際に橋本は「四六年二月上旬ころ事務次官町田直に右意向」「日航の計画している昭和四七年度大型ジェット機国内幹線導入を全日空との導入時期についての話し合いがまとまるまで延期」させるということで、橋本元運輸大臣の指示でこれを延期したんだということをはっきり言っているわけです。また、「橋本の意を受けた町田事務次官は、内村航空局長、住田監理部長と大型ジェット機国内幹線導入につき種々協議し、」「従来の同四七年度導入の方針を転換して日航に対し大型ジェット機を同四七年度から国内幹線に導入する計画を中止させ、日航及び全日空両社の協議によって合意に達した時点に導入するよう行政指導を行うことに決した。」このように書かれているわけです。これはやはり運輸省が自主的判断に基ついていままで行政指導を続けてきたんだという態度に対して、橋本運輸大臣の意を受けてということが、はっきりと冒頭陳述ではうたわれているわけです。 そこで私は、きょう法務省のどなたか来てもらっていると思いますけれども、この冒頭陳述というものは単なる作文とか何かとは違って、相当の根拠を持ったものであろうというふうに思われますが、その点について冒頭陳述というものは何を根拠に、どのようにしてつくられたものであるのか、その点をまず明らかにお聞かせをいただきたいと思います。
○山口説明員 御説明申し上げます。 刑事裁判の手続におきまして、一番最初に被告人に対する人定質問とか、起訴状の朗読とか、起訴状に対する被告人の認否とか、そういういわゆる冒頭手続というのがございます。その次にいわゆる証拠調べという段階に入るわけでございます。その証拠調べの段階の一番冒頭に、検察官が捜査の過程で収集しました証拠によって、明らかにしようとする事実を述べる、これが冒頭陳述でございます。したがって、この冒頭陳述で明らかにされている事実は、検察官が捜査の過程で収集した証拠によって公判の過程で立証しようという事実を示しているものでございます。
○小林(政)委員 そうしますと、すべて証拠ということを中心にしてつくられたものだというふうに受けとめていいわけですね。
○山口説明員 そのとおりでございます。
○小林(政)委員 私はやはり冒頭陳述は、いま法務省が述べられたことだと思いますけれども、このような大きな開きが出てきている国会答弁という問題は、一体なぜこういうことが起こったのかという点で非常に大きな疑惑を持つんですよ。こういう点について、国会の答弁というものに対して、いままで述べてこられた運輸省の責任者は、一体この問題を国会に対してどういうあれで臨まれているのか。また大臣はこのような重大な食い違いについて、現在どうしようとされておるのか。こういう点も含めて見解をお聞かせを願いたいと思います。
○田村国務大臣 冒頭陳述というものは、私はやはりそれなりに権威のあるものだというふうに思います。これはロッキード問題のみならず、どんな場合でも証拠に基づいて検察陣が責任を持ってつくってきたものでございましょう。そこで木村運輸大臣等がこういう答弁をしたではないかというお尋ねなんですけれども、私もこのロッキード事件というのは全然内容を知らないわけです。また知っておったら大変なことなんですが。でありますので、運輸大臣になりまして克明に聞いてみました。そこで私が感じたことは、結局木村さんにしろだれにしろ、当時の担当者から聞いた。聞いたことを言ったということになろうかと思うのです。ところが検察の方の取り調べというのは、これはまさに強権の発動ができます。容疑のある者をほうり込むこともできます。ところが運輸省の取り調べというのはそういうことはできないわけです。きりきり白状しろと言ってみたところで、それはある程度の限界があるわけですね。でありますから、そういうことも考えますと、当時の担当者の言っておることを信ずる以外にないわけです。でありますから、そういうことで木村運輸大臣が御答弁をなすったんだろうと思うのです。私も当時の担当者からも聞きました。聞きましたが、当時の担当者は、木村君が言っておった答弁のようなことを私に答えるわけです。仮に私が、これは仮にとしますが、仮に私がおかしいと思って、おまえの言うことうそだろうと言っても、本当ですと言われたときにその心の中まで透視する機械はまだないわけです。でありますから、もうそれを信ずる以外にない。しかもその本人が、当時の担当者が別に刑事責任に問われておるわけでありませんから信ずる以外にないということでありますが、これは結局公判が厳しく解明をしてくれるであろう、このように考えております。ただ、私自身としては、この解明のために今後も努力をしなければなりませんし、公判に対してはできるだけの御協力を申し上げなければならぬ、このように考えております。
○小林(政)委員 その話を聞いてみる、それしかないんだというけれども、私は問われているのは、いまここで重大な問題だと思うのは、運輸行政そのものが問われているんだと思うのですよ。これは公判やってみなければわからないのだ、それまでは十年かかるか何年かかるかほっぽっておくんだというようなことで許される問題ではないと思うのです。むしろ本当にこういった大きな食い違いについて、当時の事実関係についていろいろな話をさらに聞くなり、あるいはまた運輸省として責任を持って行政に責任を負うという立場から対処されるというのは、これは当然のことじゃないかと思うのです。すべて裁判がやっているんだから、裁判がやってくれるんだろうという、こういうことでは私はないと思いますけれども、大臣、いかがでしょう。
○田村国務大臣 おっしゃるとおりなんです。でありますから、私どももなおもこの問題の解明に先ほども申し上げたように努力をしなければなりません。なりませんが、それはそれでやるわけでありますが、公判というものは厳正に進められるでありましょうし、峻厳に進められると思います。でありますからその経過も見なければならぬ、こういうことを申し上げたわけであります。 それから先ほど小林さんがおっしゃった、運輸省自体が問われておるんだよというお話でございます。私、そうだと思うのです。本当にそうだと思うのです。でありますから、これは二つの問題に分けなければいけない。それは一つは、当時その職にあった者の犯罪行為、それからいま一つは、運輸省という役所自体が問われておる、このようにやっぱり考えなければならぬ。でありますから、運輸省が再びそのような温床になることのないようにわれわれは最善の努力をしなければならぬ。それも厳しい態度で努力をしなければならぬ、このように考えております。でありますから、その当時の具体的な出来事ですね、こうだれが言ったからこういうふうになったとか、あるいはそうじゃない、これはこうだったとかという具体的な事実関係につきましては、これは強制捜査権を持たない一般の役所でございますから、裁判の経過を見なければなかなか真実はわかりにくいということを申し上げた次第でございます。
○小林(政)委員 私は行政のサイドからも一層国民のいま持たれている大きな疑惑ですね、これをやはり一掃していくという努力を引き続きやられるということを強く要望したいというふうに思いますし、また私は運輸行政というものは、先ほど来からもいろいろお話が大臣からも出ておりますように、非常に企業の免許だとかあるいはまた認可だとか許可だとか、あるいは計画自体の変更の認可権とか、こういうものが非常に一種の権益といいますか、こういったものが伴う行政といいますか、したがって、やはりそこには政治的な動きという働きが絡みやすいというような、非常にいろいろな問題を含んでいる許認可権も多いというような行政だと思うのです。それだけに本当に今後の行政のあり方という点では国民サイドで国民の目で見えないところでいろんな問題が進んでいくというようなことは極力避けるべきではないかというふうに思いますけれども、大臣いかがでしょうか。
○田村国務大臣 私はおっしゃるとおりだと思います。特に政府というものは国民のものなんですから、国民の監視が可能な限り十分に行き届く体制でなければならぬと思いますし、特に運輸省というのは、おっしゃるとおり許認可事項が非常に多いわけです。言うなれば、平たい言葉で言えば利権の多いところであります。でありますから、厳し過ぎるほど厳しく律していかなければならない、そのような決意で今後も責任者として臨んでいきたい、こう考えております。
○小林(政)委員 私もいままでのいろいろな汚職問題その他を考えてみますときに、やはり何といっても、今回のロッキード問題も大きな疑惑を持っておりますけれども、業界と政府高官との癒着という問題ですね。これは本当にやっぱり断ち切っていくという、そしてガラス張りといいますか、国民のわからないところで重要な問題が取引されたりというようなことを制度の上でも、先ほど許認可権の問題について洗い直しをされているというお話でしたけれども、制度の上からも本格的にこれを掘り下げていく必要があるのではないだろうか、このように考えておりますし、そういう点で私はまず審議会のあり方なんかも——これは重要問題について諮問をし、答申を行うということで、運輸省には運輸審議会を初め八つ、ちょっと数があるいは違うかもしれませんけれども審議会がございますね。それでこの運輸審議会が、諮問をしまた答申を行政側が得るというような、こういった役割りを果たしているわけですけれども、特に運輸審議会というのは、単に諮問を受けてそれに答えるというだけではなくて認可の決定権も持っているわけでしょう。私は、本当に行政をチェックしていくという役割りをこの審議会がもっと果たしていけるような機能を強化していくということが大事だと思うのです。たとえば料金の認可をめぐっていろいろと運輸審議会が開かれる。そして利用者からもっと公聴会をここでも持ってもらいたい、あそこでも公聴会を開いてほしいという要求が非常に強く出ているわけですけれども、しかしいまの運輸審議会の、実際には七人の委員と全体含めて二十名というような機構の中では、そういった国民の意思が十分審議会に反映していけるようないわゆるガラス張りの、そういう声が十分吸収され、反映もされていくというような機能もなければ、また人員の点で数の上からも非常に問題があるというふうに私は見ているのです。こういう立場から機構の問題についても、利用者が入ってないとか、財界あるいは高級官僚の人たちの数が多いとか、いろいろな意見がすでに国民の中から出ております。私は、この審議会をいまここでこうしろああしろということはともかくといたしましても、機構の上でも、あるいは住民の意思が十分反映できるような民主的な運営ができるように、制度の上で十分これは民主的な運営を進めていくという点で努力される、大臣、こういう御意思ございますか。
○田村国務大臣 実は運輸審議会につきまして、まあ他の審議会でも結局結論としては同じことが言えると思いますが、運輸審議会につきましては、私自身が大臣になりますまでにも若干の意見を持ってはおりました。ただ、運輸大臣になってみて運輸審議会のやっております仕事の説明を聞いてみますと、とにかく私自身でも勤まらないような非常に専門的なむずかしいことが多いわけですね。それともう一つは兼職を禁止されておるという特殊の委員でもあるということから、勢い、きわめて高度な専門的知識を持っておる人に限定されていく。これはまあ、ある程度仕方のないことかもしれません。けれども、早い話が国鉄の運賃問題一つ取り上げてもそうなのですが、いまおっしゃったように公聴会を可能な限りたくさん開くとか、あるいは運審の審議についてのダブルチェックのできるような方途とか、何かないものだろうかということでいま私自身が検討をいたしておるところでございますが、ガラス張りで利用者もどんどん入れてもっとたくさんにしてと、実はだれしも考えることなので、それは一つの方向かもしれませんけれども、実際、現実問題をとらえてみると、いますぐに小林さんおっしゃったように根本的な改革を論ずるということはなかなか厄介な問題があります。でありますから、先ほどから申し上げたように、可能な限りその審議に利用者の声を反映せしめるような、あるいは善良な第三者の声を反映せしめるような、そういう方途をこれから考えていかなければならぬ。ともかく何とかかっこうをつけなければならぬということで、実はいま検討をいたしておるところでございます。
○小林(政)委員 いま大臣は、いろいろと検討をして何かいい方法をということでございますけれども、当然審議会などの審議の内容というものは——審議会がこういう結論を出したという結論だけはある程度わかるのですけれども、その審議の過程が実際にどのようになっているかという点なんかは、全体の委員の人たちがこれはプライベートの問題に関することだからとか、あるいは多数の人たちがこれはちょっと外へ出してはまずいというものは除いて、原則として公開すべきだ、このように私は思っているんです。これも行政が国民の目に触れていくという上では非常に重要な問題ではないだろうか。そしてまたこの問題については、一般公開と同時に国会に対しても、重要な許認可権の問題等をめぐる理由だとか経過だとか結論というようなものは運輸行政の立場から当然報告されてしかるべきだというふうに思っておりますけれども、本当に掘り下げていく姿勢をお持ちならそれらの問題についても熱意を持って取り組んでいただけるのかどうか、この点についてもひとつお伺いをいたしたいと思います。
○田村国務大臣 実は私自身そこまで、公開までいままで考えておったわけではありませんけれども、まあ一つのユニークな御提案だと思います。でありますから、国会の場におけるそういう御発言として受けとめて、検討の一つの材料にしてみたらいかがかなといまもふと思っておりましたが、そういうような御答弁で今日のところはお聞きをいただきたい、このように思います。
○小林(政)委員 これは私どもも今後とも積極的な提案をしてまいりたいと思いますし、本当にこの問題は国民の立場から重要な問題を含んでいる問題だというふうに私は思いますので(「共産党の立場からは重要な問題なんだしと呼ぶ者あり)いや、これはやはり国民の立場から非常に重要な問題だと思います。そして、これはそのほかの審議会についても同じようなことが言えるわけです。航空審議会などについても一応の資料などをそろえてはまいりましたけれども、しかしそれはいま時間の関係でやめますが、本当に国民の期待に十分こたえる、ロッキード問題の反省の上に立って姿勢を正していく、国民の理解と協力を得ていくというような姿勢で取り組んでいただきたい、このように思っております。
○田村国務大臣 小林さん、実は役所の方で幾らかの検討をしたことがあるんです。それを官房長からちょっと御説明させたいと思いますが、お聞きいただけますか。
○山上政府委員 ただいま先生御指摘の公開の問題でございます。これにつきましては、現在の制度で、たとえば公聴会は文字どおり公開してやっております。それからさらに、運輸審議会の答申あるいは勧告がございますと、この答申の中には理由が明細に書いてあります。それからその答申自体、これは運輸大臣が受けますと公示をしております。(小林(政)委員「いままでのことを聞いているんじゃないのですよ。検討していることがあれば答えてください」と呼ぶ)はい。 それからさらに、運輸、審議会自身の審議について公開できるかどうかという問題、これが御指摘の問題ですね。これにつきましてはただいままでの検討のところによりますと、やはり個々の具体的な事案につきまして経理の実態とか経営方針とか、そういうことで関係者の機密に属するもの、これが非常に多くあります。したがいまして、このような事案につきまして公開の場で行うということにつきましては、関係者にあるいは不利益を与えるというようなおそれもないわけじゃありません。それからさらに、個々の事案につきまして公平かつ合理的な結論を得るためにはやはり各委員の自由な発言、これを保障する必要があるのではないかというようなことでございまして、現在までのところ、制度といたしまして、審議そのものについては公開できないということでございますので、さらに御指摘につきましては検討いたしますけれども、制度としてなかなかむずかしい問題であるということでございます。
○小林(政)委員 自由な発言をするために公開できないんだと言うんだったら、国会はどうなんですか。ここは自由な発言の場じゃないのですか。それはあなた理由になりませんよ。問題はやはり国会がいままでだっていろいろと取り上げて、たとえばそれじゃ五十年の十二月十三日の私鉄の運賃の値上げのときに、実際に国会の中ではいろいろと論議をされていた。それから、このときに企業側から途中で私鉄各社の中間決算が出たにもかかわらず、そういう問題については審議会では何ら検討もしてなかった、こういう事実で国民から非常に大きな憤激を買ったというような問題もありますし、また運輸審議会が本当に値上げの認可についてどういう基準でやっているのかとかあるいは国民から幾多の問題が提起されても、そういった問題に対して正しくそれにやはり答えていくというような姿勢を示さなかった。私は何か自由な討議をやるためにあるいは若干経理の問題などが出てくるのでということを理由にして、こういったあり方というのが国民サイドから見てガラス張りではないんじゃないか、こういう問題はむしろもっと運輸当局ができるだけ国民にわかってもらうところで政治をやっていくんだ、こういう立場に立たなかったら、あなたいつまでたったって改正できませんよ。私はさっきの大臣の答弁を了としますけれども、事務当局がそういうことでいろいろ検討するということはそれは私は結構だと思います。だがしかし、だからできないんだというような姿勢では本当にこの問題に対する反省も何もないんじゃないかとしか言いようがないと思うのですね。 もう時間がなくなりますので次に入りたいと思いますけれども、国鉄の問題でお伺いをいたしたいと思いますが、その前に一つだけ、ちょっとこれは航空局にお伺いをいたしたいと思います。 これはジェット機の特別着陸料の問題です。この問題については騒音防止対策ということで、これは空港設置者が責任を持つということになっているわけですね。ところが、騒音防止を行うためには経費が要る。その経費は空港設置者としてはそれを使用する人から負担してもらうんだ、こういうことで、一昨年の九月からそのための経費負担ということで使用者に負担してもらうということになっているわけでしょう。そうですね。
○高橋(寿)政府委員 私どもは全国の主要空港においていま騒音対策をやっております。この費用は、全部空港の設置者が出すわけでございますね。その設置者は、やはりいわゆる利用者負担の原則と申しますか、航空につきましては、飛行場をつくる場合も騒音対策をする場合もほぼ一〇〇%いわゆる利用者負担でやっておりまして、いわゆる純粋の一般財源からの投入なしで自前でやっておるわけでございます。そういたしますと、騒音対策の費用につきましても利用者から徴収する必要がある。そこで、直接にはその空港を利用する航空会社から特別着陸料という形で徴収するわけでございます。航空会社が特別着陸料を出すということは、つまりその飛行場を利用するコストでございますので、そのコストを回収するために、一つは社内の収益の余裕から出すということもありましょうし、また、たとえばそのコストが上がった場合に運賃を値上げするというふうなこともあり得るように、最終的には利用者に転嫁するという方法もあるわけでございますから、会社の収支として払い切れない場合には運賃値上げすることがあると同じように、利用者負担に転嫁するという形で、この場合には一般的にジェット機利用者一人頭六百円というジェット料を取ったらどうかという航空審議会の御答申がありまして、それでやっておるわけでございます。 そこで、それではお客さんからいただくジェット料金一人当たり六百円という航空会社が取る収入と、それから航空会社が払う特別着陸料の支出とどういうバランスになっておるかという点につきましては、資料をお差し上げしておりますとおり、五十年度では航空会社の方が四億五千万ほど払い過ぎになっております。ところが、その後航空の収益が漸次よくなりまして、恐らく五十一年度では、まだはっきりわかりませんけれども、同じぐらいの規模で航空会社の方が今度はプラスになると思います。そういうふうに、これは年度によりましてプラス・マイナスございますけれども、もしもある期間長期にわたりまして航空会社が取り過ぎるというふうな場合になりますれば、別途の検討が要ります。この検討は、一つはジェット料金を下げてしまうという方法もございますけれども、もう一方では、現在私どもが各空港に対して行っております騒音対策事業の予算額と特別着陸料の収入の額とかなり開きがあるわけでございます。したがって、本当は特別着陸料をもっと値上げをしたいと思っておるくらいでございます。そういたしますと、その値上げされる特別着陸料を支出するために、航空会社がみずからのふところをまず痛めてそこから出す、それでもなお払い切れない場合にはジェット料金を変えなければならない場合もあるかもしれないということも論理的にはあり得るわけでございまして、したがって、ジェット料金の金額につきましては、私どもで行います騒音対策予算の規模、これと特別着陸料の金額、これらとの関係で総合的に検討いたしまして、決してお客さんに過分の負担がいくということがないようにこれから検討したいと思っております。
○小林(政)委員 私は時間がないので——この問題は制度上もいろいろ問題があると私は思うのです。これは航空料金の値上げをしてということと違うのですよ。ジェット特別料というものを今度は騒音対策費として特別に乗客から一人六百円ずつ徴収する。これはしかもどういうところから六百円というのが決まったのか、私は詳しいことはわかりませんけれども、少なくとも下機着陸するごとに、その機種別あるいは規模などによって幾らというふうにこの特別着陸料というのは決まっているのでしょう。私は、空港設置者がこの公害を防止するという立場に立つことは、これは法律で決まっているのですから当然のことだと思うのです。それじゃその空港を使うのはだれなのか。ジェット機をばんばん飛ばして、そして地域の人たちにもいま大きな問題になっている騒音をまき散らしながら空港に着陸するというのは、これは使用者である航空会社でしょう。その航空会社が実際には対象になるのじゃなくて、それを飛行機に乗るお客様に肩がわりをさせていくという、こういう制度のあり方というのは、航空料金そのものを上げるのなら、高い安いは別として論議のしょうがあると思うのですけれども、こういう制度のあり方というのは問題だと思うのです。しかも今回、きのういただいたこの資料によっても実際五十一年八月から十一月までの特別料金と特別着陸料がどうなっているかということを、数字を挙げてちょっと読んでみてください。
○高橋(寿)政府委員 五十一年八月から十月までの、これは日本航空と全日空両社の関係でありますが、ジェット特別料金といたしまして収入いたしました金額の合計が三カ月で三十八億円になるわけでございます。
○小林(政)委員 特別着陸料は幾らですか。
○高橋(寿)政府委員 まだ特別着陸料のこの間の決算ができておりませんけれども、先ほどもお話し申し上げましたように、五十一年度に入りましてからは全体の趨勢としては特別着陸料として航空会社が空港に払う金額の方が先ほどの三十八億円という金額よりも下回っていると思います。
○小林(政)委員 私がいただいた資料に毎月ずっと実際に日航、全日空それぞれ月別に特別料金の数字が書いてあります。たとえば八月の場合、特別料金が四億四千九十六万五千円、ところが特別着陸料の方は三億四千幾らで、これははっきり差が出てきておりますし、そこからまた九月の場合も、特別料金の収入額が三億一千百八万一千円、それに対してやはり三億でしょう。十月を見ても、特別料金が三億三千九百八万四千円、特別着陸料の方が三億一千九百三十七万五千円ということで、ここのところ毎月特別着陸料の支払いの方が料金よりも下回っているわけです。こういう問題は、私は、お客に返すべきだと思うのですよ。どうですか。はっきりさせてください。 〔委員長退席、宮崎委員長代理着席〕
○高橋(寿)政府委員 先ほどもちょっとお話し申し上げたわけでありますけれども、ジェット特別料金は、広い意味では運賃の一種でございまして、航空会社は、お客さんからいただいた運賃の中から飛行機を飛ばすのに必要な全経費を賄っているわけでございます。飛行機を飛ばす全経費の中には、当然空港に着陸するための着陸料あるいは特別着陸料、こういったものの費用を支出する必要があるわけでございます。したがいまして航空会社はほかに収入原資がございませんから、飛行機を飛ばすためのそういった費用がふえてくれば、それは運賃という面で考えざるを得ない、そういうことでございます。したがって先ほど来御指摘がございますように、着陸料の金額とジェット料金の金額との間に差ができてきて、航空会社の方が取り過ぎになっているというようなことが恒常的に行われるような傾向になりますれば、当然検討する必要があります。この検討するときには直ちに、つまり私ども申し上げたいことは、今後空港周辺の騒音対策が一服いたしまして、したがって航空会社から、ジェット機が発着するための特別着陸料は従来水準で、もう横ばいでいいという状況でありますれば、もう安心してジェット料金も減らせるわけでございますけれども、今後の趨勢としてまだ数年間空港周辺の騒音対策にかなり金がかかります。そういったことの原資を賄うためにどうするかというと、やはり飛行機会社から徴収するところの特別着陸料の値上げを考えざるを得ない時代が近々に来ると思うのであります。恐らく来年度は来ると思うのであります。そういったときに、それを、航空会社の収支の中で消化する分と、それから消化し切れない分はやはり運賃の一種であるところのジェット料金に頼らなければならなくなるかもしれない、そういうことも考えられますので、余りネコの目の変わるようにジェット料金を上げたり下げたりすることもどうであろうかというふうなことで、検討いたすつもりでありますが、いずれにいたしましても、航空会社がお客さんから収入したものを私するというふうなことは一切あってはいけないわけでありまして、それはすべて航空機を運航させるための諸経費に振り当てていくということであります。したがってこれは全般としては、航空法に基づくところのいわゆる運賃水準の一つの考え方の中で、適正原価を償う運賃をどう設定するかということの中で私どもは検討していきたいと思っております。そういった中で、ジェット料金のそれだけの値下げが必要であるという事態になりますればもちろんそういうことも考えますけれども、申し上げますように、今後の予想は、遺憾ながら恐らくそういうことにはすぐにはならないのではないかというふうに思っているわけでございます。
○小林(政)委員 もう時間がないので十分論議できませんけれども、騒音対策のためにその防止措置をとらなければならない。その設置義務者はだれかと言えば、これはその空港を管理し、設置する責任のある国なりあるいは地方自治体なんですよ。その費用の負担を結局どこに求めるか。これはあなた、一機着陸するごとに、大きさ、規模によってどうだというふうに決められているのですから、だれが考えたって、その空港を使用している航空会社が払うのは、これは私は当然のことだと思うのです。これはあなた、航空会社が負担することなく、飛行機を利用している人が負担することが当然のことだなどということになったら大問題ですよ。これは年間トータルで見ればどういう数字が出てくるかは別にしても、事実、いま少なくとも一人六百円ずつ特別着陸料というのを取っているのですから、これは運輸省にお金が入るのです。しかしその場合に、税金であれば人頭割で、千人お客さんが乗ったというので、千人の六百円分というので徴収するわけですけれども、これはそうじゃないのですよ。こういうでたらめなことが公然とまかり通るところに住民不在のいままでのいろいろな行政がまかり通ってきたのではないか、私はこのように思わざるを得ません。この問題について大臣のはっきりした答弁をしていただいて、きょうはもう時間がなくなって、鉄総裁にせっかくおいでいただいておりますのに申しわけないと思いますけれども、この次にしたいと思います。
○田村国務大臣 いまの御趣旨は二点あると思うのです。着陸料という当然航空会社が払わなければならぬものを乗客から取るのはおかしいじゃないかということが一点と、それからもう一つは、大体着陸料の名目で取るものが航空会社の営業収益になってはよけいおかしいではないか、こういう御趣旨だと思うのです。 これは、私も一遍勉強してみたいと思うのです。たとえば着陸料を乗客に負担せしめることの是非論ということになるとなかなかこれはむずかしい問題だと思いますが、航空会社の営業収益に入るということは確かに私も何かいま割り切れない気持ちでちょっと聞いておったのですけれども、一遍勉強してみまして、これに対して私が今後とるべき態度というものを勉強の上によって決めたいと思います。
○小林(政)委員 ちょっと時間がまだあるそうでございますから、総裁にお伺いをしたいと思います。 政府は、昨年十一月に、旅客運賃を五〇・四%、貨物を平均で五三%という非常に大幅な値上げをやられたわけですけれども、いままでにも、この国鉄再建対策要綱というものが過去にも何回か立てられて、その都度結局はやられてきたのは大幅な運賃の値上げが最優先で、そして合理化、サービス低下というようなことがやられてきたのだと思うのです。昨年の国鉄の値上げのときにも各党が国鉄の再建という問題についてそれぞれ対案も出し、本当にいまのような状況をどう再建さしていくかという立場から各党の中からもいろいろな意見が出、政策も出てきたわけですけれども、私は、その中でいま非常に重要だと思っております貨物駅の問題について、もう時間がありませんので、一点お伺いをいたしたいと思います。 結局、この貨物の合理化ということについては、貨物駅の取扱駅ということで五十五年までに現在ある駅を今度は千駅にしていきたい、こういう計画が発表されているわけですけれども、国民の立場から見た関心は、本当に自分たちが利用している貨物駅というのはそれじゃ一体どうなるのだろうか、結果的には五百駅という数字が何を根拠にして出てきたんだろうか、一体自分のところの駅はどうなるんだ、このことは利用者にとってはやはり最大の関心事であると思うのです。こういう重要な問題を五百駅ということを集約して数字を発表するというのに、何の根拠もなくてあるいはまた単なる思いつきで五百だ四百だという形でお出しになったんではないと思うのです。この根拠について具体的に何を基準にして五百駅という集約の数が出てきたのか。そしてまた、何を基準に残し何を基準に廃止をしていくのか、この点だけをお伺いをいたしたいと思います。
○高木説明員 貨物が赤字になっておりますのはいろいろ事情がございますが、一つの顕著な点は輸送量が減っておるということでございます。最盛期は四十五年ごろでございまして、その当時と比べまして現在輸送量が七割ぐらいに減っておるわけでございます。仕事が七割に減る、つまりそれは収入が七割に落ちるということでございます。しかるに走っております列車の数あるいは扱っております駅の数は前のとおりだということになりますと、これはどうしても収支が償わない。特に経費は、戦後の物価情勢からいたしますと、年々人件費といい物件費といい上がらざるを得ないということでございますので、仮にそれがなくても、荷物の方が七割に減っているのに前と同じ運び方をしたのでは七割と一〇〇%の差額の分だけ能率が落ちていくということでございます。いまの駅を五百ほど減らそうか、ヤードを七十ほど減らそうかというのは、大体現在あります駅、ヤードの三分の一ないし三割ぐらいのことはめどに置いておるわけでございます。なぜ三割にめどを置いたかというと、荷物を運ぶ量が三割落ちたわけですから、その程度減らすことをお認めいただかないとなかなか償わないというところから大見当を三割に置いたわけでございます。 ただ、いま御指摘のように、それじゃ不便になるじゃないか、こういう問題があるわけでございまして、不便になりますことは、私の方としては、お客さんにとって非常に困る問題であるだけじゃなくて、お客さんにとって不便になればまた鶏と卵のようになって利用していただけないというかっこうになりますので、駅の数を減らしたり、ヤードの数を減らしたりあるいは列車の本数を減らしたりしながら、何とかサービスは落とさないような工夫をいたさねばいかぬわけでございます。具体的には、たとえば扱い駅を一つ減らしましても、そこから今度は荷主さんのところへの輸送、トラックによる輸送があるわけでございますから、そうした輸送形態を一工夫することによって、お客さんにとっては余り不便が大きくならないというようなことにしなければならないと思っております。 そこで、そういう工夫を個別具体的に、それぞれの地域ごとにといいますか、駅ごとに当たってみなければいけないわけでございますので、大見当はつけてございますけれども、それらを当たりまして、全体として経費を減らすことに努力をいたしながら、かつ、サービスの低下が少なくて済むようにするのにはどうしたらいいのかということを、ただいま鋭意、地域ごとに、管理局を中心に作業をいたさせております。
○小林(政)委員 時間が参りましたので……。 いま高木総裁の方から、荷物の量も減って、したがってそれに見合う駅も集約をする、こういう立場で臨んでいる。そして、ある程度の案は自分は持っているけれども、まだはっきり、いま個々に当たっている段階だということです。 私は委員長にお願いしたいのですけれども、いま国鉄当局が検討されている五百駅の資料を、委員会にひとつ提出をお願いしたいというふうに思います。この問題については引き続いて後日の委員会で質問をいたしたいというふうに思っておりますので、よろしくお取り計らいをお願いいたします。
○宮崎委員長代理 理事会に諮ります。
○小林(政)委員 終わります。
○宮崎委員長代理 中馬弘毅君。
○中馬(弘)委員 まず、運輸大臣の所信表明に対しまして、三つほど御質問させていただきたいと思いますが、その前に、全体の総合的な運輸体系、これが非常にはっきりしてないのが大きな混乱を起こしている原因じゃないかと思うのです。これは、公的な役割り、国鉄だとか自治体、これがどの程度の役割りを受け持つのか、あるいは民間、私鉄とか私バスとかタクシー、こういったものが、交通体系の中でどういう役割りを示すのか、あるいはまた個人的なマイカーにどの程度のあれを期待しているのか、こういった総合的な運輸体系、これについての基本方針が明確でない点が、少しいろいろな面で日本の中での混乱を起こしているように思うのです。それから、中長距離においての航空機と新幹線の役割りだとか、あるいは貨物において鉄道、トラック、船、それぞれに、どの地域において、どういう役割りを果たさせるのか、この辺について明確なところがあるのか、また、ないのか。もしないのであれば、運輸大臣としての御見解、個人的な御見解で結構でございますが、ひとつまず最初にお聞かせ願っておきたいと思います。
○田村国務大臣 いまから六年ほど前に、昭和四十六年ですが、運政審が総合交通体系ともいうべきものを答申いたしました、それを受けて閣議了解ということになった一つの体系があります。この総合交通体系というものを読んでみますと、その基本的な問題、たとえば、いまおっしゃったような、国鉄の位置づけとか、航空の位置づけとか、そういう基本的な問題については、いまなお私は正しいというふうに考えております。ただ問題は、あれからわずか数年間で非常に、社会環境、経済環境が激変いたしました。でありますから、ある程度といいますか相当手直しもしなければならぬと思います。 ただ、私の意見を述べろということでありましたのであえて申し上げますならば、この総合交通体系ともいうべきものをなるべく早く手直しをして、そうして今度は各地域別に、ブロック別と言ってもいいかもしれないが、各地域別にそれのもっと具体的なものを検討して作成していく必要があるのじゃなかろうかというふうには考えております。いま総合交通体系のようなものがないじゃないかということなんですが、いま申し上げたように、相当りっぱな労作があるわけです。これは一度ぜひお読み直しを願いたいのですが、そういうふうに考えております。
○中馬(弘)委員 その点に関しまして、現時点におけるものがはっきりしていないのじゃないか。だからいろいろな施策の面において非常に重点的な項目がなかったり、そういうことになっているのじゃないか、その辺また新しいものの総合交通体系をはっきりさせてもらいたい、かように思う次第であります。 まず最初に、大都市の交通政策についてお伺いしたいと思いますが、戦後三十年、わが国の急速な都市化が進みまして、都市人口がいまや六割に達しておる。その中で都市住民というものは、戦後の高度成長を支えた原動力と言えるのじゃないかと思います。しかるにその都市の住民というのは、政府の不十分な都市政策のもとでもろもろの生活上の不満をうっせきさせている。狭い住宅だとかあるいは遠くて混雑した通勤だとか、それから種々の公害がございます。そういったものに対する不満のエネルギーが徐々に蓄積されてきておって、時に爆発をして社会的な問題を引き起こすまでに至っている、こういう現状じゃないかと思います。そしていまや都市の問題すなわち日本の国の問題であるという認識から進みたいと思いますが、今日すぐにでもできることから解決策を見つけ出していかなければならないいまの時代じゃないかと思います。この中で都市住民の通勤の問題について運輸大臣の御見解をお伺いしたいと思うのでございます。 通勤地獄という問題がございますが、大都市の通勤者は、御存じのように片道四十分以上を要する者が首都圏で七六%、近畿圏で六〇%にも達している、こういう状況でございます。それにラッシュのときにおける殺人的な状況、これはほとんど解消されておらない。数字で申しますと、横須賀線では二八九%、地下鉄銀座線が二四六%、大阪環状線が二三六%、あるいは地下鉄の御堂筋線が二二五%、こういったような混雑状況でございますし、これが一日だけというのではなくて月曜から土曜まで、しかも一年間ぶっ通しだというところに一つの大きな都市住民の不満があろうかと思います。今度の五十二年度予算において、この現状がどの程度緩和されるとお考えか、この点、まずお願いいたします。
○田村国務大臣 大都市交通政策につきましては、御承知の人口の都市集中、それも非常に過度の集中がある。とりわけ太平洋ベルト地帯にそれが集中している。そのために、おっしゃるとおり大変な交通混雑、特に通勤、通学時の混雑というものはまさに大変だ、そういうことを主眼として進められてきたものでございます。具体的には、大都市でありますから、限られた都市空間の効率的な利用、それから環境保全の見地からは都市高速鉄道、バス等の大量公共交通機関の輸送力の増強を図ることを基本方針としておる、そういうことで所要の財政措置を講じてきたところであります。都市高速鉄道につきましては、輸送需要に即応した輸送の確保と混雑の緩和を図っております。またバスにつきましては、バス専用の優先レーンとかそういうものの拡大による定時性の確保等の大都市バス輸送改善対策を講じておるところであります。 このように、大都市交通対策につきましては、従来から利用者の利便を確保するという立場に立っていろいろな対策を講じてきたところでございますけれども、特にこの問題は大切な問題でございますから、今後思いを新たにしてこの問題と取り組んで所要の改善を図っていきたいというふうに考えております。ただ過去のあのひどいときから見ると、若干緩和はされてきました。確かにそういう施策は幾らか功を奏してきたわけでありますが、もちろんそれでも今日の現状は大変なんですから、思い切ってやっていきたい。 いま数字の提示を求められたわけですが、これは事務当局からお答えさせます。
○真島政府委員 五十二年度の政府原案に計上されております都市交通関係の予算、運輸省関係分でございますが、簡単に申し上げますと、総額で大体八百八十七億円ほどの金額を計上してございます。内訳といたしましては国鉄による大都市交通施設の整備関係、これが二百二十五億ほどでございます。さらに鉄道建設公団、これが大都市交通線の建設の促進といたしまして百七十二億ほど、さらに大都市の地下鉄整備のための補助金、これが四百七十六億、その他同じく鉄道建設公団によります民鉄線の利子補給金九億円、その他公営、準公営のニュータウン鉄道の建設促進の補助金四億円。バス関係につきましては、新住宅地バス路線補助、大都市モデルバスシステム補助等約一億という数字になっております。
○中馬(弘)委員 もう一つ、いままでと話題を変えるようなことになりますけれども、たとえば都市の通勤電車の効率といいますか、利用者が感じている便益というようなものを考えてみたいと思うのです。これはラッシュアワーのときに、非常な混雑の中で、たとえば百円払って百円区間を立って乗っているというのと、座って新聞を読みながら乗っているのとでは同じ百円でも感じる便益度が違うわけですね。この点に非常に大きな不満があるのじゃないかと思うのです。実際に同じ百円を払ってその便益を受けていない。たとえば国鉄の山手線あたりは黒字かと思いますが、この黒字というのはそういうような状況において黒字であるのであって、国の補助金が出ていて黒字になっているわけでも何でもなく、しかもその受けている便益というのは、通勤者としては非常に不満に思っている状況であるという、ここの点に非常に大きな問題があるのじゃないかと思うのです。 〔宮崎委員長代理退席、委員長着席〕 これを申しますのは、ただ財政のしりぬぐいというのじゃなくて、何か一つの発想の転換が必要ではないか。これは通勤者の立場からどの程度の便益をその人たちに与えているのかという観点から見たときには、大きな不満がそこに残ることは明らかである、こういうように思う次第でございます。その点について運輸大臣、ちょっと御意見をいただきたいと思うのです。
○住田政府委員 地下鉄で例を引きますが、利用者から見ますと、確かにいま先生の御指摘のような感じを持つだろうと思うのですが、一方地下鉄の経営者、この場合東京の営団の例をとりますと、朝晩の通勤時間に一日の旅客の大体六〇%を運んでいるわけでございます。営団といたしましては、そういうラッシュアワーの一番お客さんが多い時間に合わせて輸送力を整備しなければならない、したがって昼間の間はそういう車両は遊んでいる、あるいは遊ばせるための車庫をまたつくらなければいけないということになりまして、むしろ通勤通学のための経費が非常に高くついているわけでございます。したがって、利用者の立場と事業者の立場との食い違いが出てくるわけでございます。営団の方から言いますと、昼間の程度のお客さんで車両を一日じゅう運行しているならば、むしろもっと運賃は安く済むのだ、朝晩のラッシュアワーに合わせて施設を整備しあるいは人間を配置するために金がよけいかかっているのだという言い分もあるわけでございまして、その間どういうふうに調整するかというところに問題があろうかと思います。
○中馬(弘)委員 そういうお答えが返ってくるかと思って申し上げたわけなんですけれども、そういうことはよくわかっているわけですよ。しかし国民が不満に思うのは、ならして、経営で平均だからというのじゃなくて、便益を受けている度合いがどうも違うという実感が事実あるわけですね。したがって、発想の転換をして、たとえばラッシュアワーの方が料金が安いんだとか、一つの発想の転換が必要じゃないか。そうでなければ都市住民の通勤者の不満というものはいつまでたっても解消できないじゃないかということを申し上げているので、現実を御説明願っているわけじゃないのです。その点、運輸大臣いかがですか。
○田村国務大臣 発想の転換というものはどのような場合においても必要なことだと思います。森羅万象すべて今日やっておることが最善であるということではない。問題は、いま運賃割引ということをおっしゃいましたが、朝晩の利用者には運賃割引が、通勤通学ですから一番多く適用されておることもまた事実であります。でありますから、大都市交通対策については、そういう点でやはり政府の助成もしなければならぬというので今度踏み切ったわけでございますが、やはり政府の利用者本位の保護政策が今後展開されなければならぬだろう、このように思いますので、私の在任中にもこの問題についてはとりわけ——御承知ないかもしれませんが、私は党では都市政策というものと今日まで取り組んできました。私の専門は都市政策であります。でありますから、そういう自分の経験あるいは得たイデオロギーとでもいいますか、そういうものを生かしながらこういう問題の改善を図っていきたいと考えております。
○中馬(弘)委員 大臣から都市住民中心の政策を進めるというお答えをいただいて満足しておる次第でございますけれども、これは大臣お答えになりましたように、都市交通路線の補助に対しての一つの問題かと思うのです。そして、いまさっきのお答えにもありましたように、これまでの都市交通に対する政府の投資というのは、たとえば道路建設の投資に比べて余りにも少ない。もしこれまでに道路投資と同程度の都市交通投資が行われていたならば、都市通勤者はゆっくり座って新聞を読んでいける、こういう状態になっていたのじゃないか、かように思量する次第であります。都市交通への補助なり助成なりを道路並みにする考えはないのか、なぜ道路と都市交通を区別するのか、都市交通は動く道路と考えられないのか、地下鉄で言うならば地下の道路だと考えても差しつかえないじゃないか、こういう発想の転換をするときに、そこにおける区別は何がゆえかということでございますね、この点に関しての大臣のお考えをお聞きしたい。
○田村国務大臣 実は道路と鉄道の場合は基本的に違う面があります。といいますのは、道路は実に道路投資の九割近いお金が利用者負担になっています。揮発油税であるとか重量税であるとかいろんなものがこれに入っている。だから道路特会というものが事実上の利用者負担の大原則の上に立って膨大な金を持っておるわけです。ところが鉄道の場合は、国鉄においても利用者負担率はわずか五〇%台である。私鉄においては、これは全部が利用者負担ということは言えるのでしょうけれども、その財政的な限界がある、こういうむずかしい問題がございます。でありますから、道路並みということを財政面から考えればこれは大変なことであって、基本的なたてまえが違いますから、単純な比較はできませんけれども、しかしいま中馬君がおっしゃる御趣旨のほどは、私は一個の政治家として痛いほどわかるのであります。でありますから、道路との比較とかあるいは何との比較と言っても、さっき申し上げたようにたてまえが違う面がありますので、大都市交通政策というものはやはり大都市交通政策としてとらえていかなければならぬだろう。そうしてそのような面でこれを充実さしていく、そういう面で保護政策を加えていくということにしなければならぬだろう、このように考えますが、道路が一つのお手本になるということは言えるかと思います。
○中馬(弘)委員 都市交通の別の面としてタクシーの問題があろうかと思います。バスの終発が出た後、郊外電車をおりた人がほとんどタクシーに頼らざるを得ない状況でございますし、しかしそこには数台のタクシーしかなく、しかも寒風の中を一時間くらい待たされることがあるんですね。このような場合でも、御存じのように相乗りは許しておりません。それからもちろん流しのタクシーは、テリトリーの関係がございますから、そこに入ってくることもできない。それから増車の場合にも、これも運輸省の認可で、ある程度ならした形での利用が幾らなければ一台ふやせないという状況になっております。このタクシー業者の収益性を第一義に考えて乗客の便益を無視した許認可行政のあり方に大きな反省が必要じゃないか、かように思うのでございます。個人タクシーの枠の増加とかあるいは料金決定を市場原理に戻すというようなことも含めまして、その現状を改善する意思がおありなのかないのか、その点を伺いたいと思います。
○中村(四)政府委員 いま御指摘のように、深夜におきます郊外からのタクシーの輸送力の問題、一例としてお挙げなすったわけでございますが、私どもの方といたしましては、やはりバスあるいはタクシーにつきましても、これを移動という商品を販売するんだという観点から、利用者の必要性に対しまして適切に対応していくサービスを持たなければならぬということを基本にしておるわけでございます。郊外の乗り合いタクシーの問題につきましても、私どもの方は、終電と接続するバスの終車の延長ということを第一次的には考えるわけでございますが、これはいろいろ勤務時間等の問題でそれがむずかしい場合に、終バス後の乗り合いタクシー制度というものを活用して旅客の要望に沿っていこうあるいは地域によりましては深夜バスを運行させるということもいままでの措置としてもとってきておりますが、今後もそういった具体的なケースに応じまして郊外居住者、団地居住者の足の確保ということに一層努力したい、かように考えております。
○田村国務大臣 いまの自動車局長の答弁では中馬委員の御質問の根幹にちょっと触れていないように思われるので、私から一言申し上げておきたいと思います。 私はいまタクシーの運賃値上げに対していい顔をしないというので恨まれておる。私はタクシーの運賃値上げについて全面的に反対ではないのです。経営の問題もありましょう、給与の問題もありましょう、いろいろありますから全面的に反対というのじゃありません。しかしタクシーというものに、タクシー業界に求めなければならぬものがあるのです。それはタクシーとは何ぞやということから考えていかなければならぬ。タクシーというのはバスと同じように、自家用車すら持つことのできない庶民の足なんです。庶民の足でありますから、庶民から愛される足にならなければいけないのです。ところが今日のタクシー、全部が全部ではありませんけれども、中には本当に庶民泣かせであり、タクシーに乗ると一日不愉快な思いをしなければならぬというような面がないとは言えません。否、むしろたくさんあり過ぎるほどあるわけです。でありますから、私はタクシー業界に対して、運賃値上げを申請されるのならば、それは全部直ちにということはできないにしても、庶民から愛される努力を払いなさいよ。たとえば乗車拒否だ、あるいはやくざのような態度だ、あるいはお客さんが乗っても物も言わないとかいろいろなことがあります。だからそういうことの改善のために、いままでも業者としては改善のために努力してきたのでしょうけれども、改善のために努力しなさいよ、何かそういう点において若干でも実の上がるような案を持ってきたときに私はまじめに考えましょう、実はこのようにいま答弁して、これはここで申し上げるのはあるいは差しさわりがあるかもしれぬけれども、タクシー業界からいま私は非常に恨まれておる一員であります。けれども、私は私のとっておる態度は間違っておるとは思わないのです。やはりタクシーとか電車とか汽車とかバスとかというものは庶民の愛される足にならなければならぬ。とりわけタクシーやバスというものは本当に身近なものなんです。でありますから、そのような態度をとり続けて今日に至っておる。もちろんタクシーの給与体系の、いわゆる給与の立て方の問題もあります。いろいろな問題もありますが、そこまでいま私が矢継ぎ早に注文をつけるということは差し控えたいと思いますけれども、まず愛される足になることを考えてもらいたい。でありますから、タクシー問題については、私は少々きらわれるかもしれませんけれども、思い切った提言を今後もしていくつもりでございます。
○中馬(弘)委員 最後にお聞きした点のお答えがちょっと抜けているのじゃないかと思いますが、個人タクシーの枠の増加、あるいは現在の固定料金じゃなくて、料金決定を若干なりとも市場原理を取り入れた形にするといった方式についてのお考えはいかがでしょうか。
○田村国務大臣 個人タクシー免許についてはいろいろな意見があると思います。私はまだ就任日が浅くして、その個人タクシー免許とか料金の立て方というものについて専門的な知識を持ち合わせておりません。 ただ、先ほどタクシー問題でこのことをちょっとうっかり触れ忘れたのでありますが、個人免許問題については、個人タクシーというものはおおむねそれを利用した人にいい感じを与えておることは事実なんです。少なくとも運転手の客に対する対応ぶりというものはとにかくとして、自分の所有の車でありますから大切に使います。ですから非常に安全性が高い。でありますから、このような個人タクシー免許というものを従来的な考え方よりももう少しやはり進めていった方がいいのじゃないか。そうすれば、個人タクシーというものに対して前向きの姿勢を進めることによって、いわゆるタクシー企業というものに対する大きな警鐘の乱打にもなるし、それがとりもなおさず刺激にもなる、このように考えますので、この問題は、私自身はなるべく前向きに取り組みたいなという感じがいたします。 先ほどの料金の立て方については、ちょっとそこまでの、私もまだ二カ月ですから、局長から答弁をさせたいと思います。
○中村(四)政府委員 タクシー料金について市場原理の導入のお話がございましたが、バスとタクシーとの間に公共的な面で濃度の違いがあるわけでございますけれども、やはりタクシーの提供される輸送サービスの内容を見ますと、これの対価としての運賃というものを市場原理で自由に差配させるというふうには、われわれといたしては、そこに不当な競争のおそれもございますし、また利用者に対しましても差別的な扱いという事態も予測されます。そこで、それらはひいて安全輸送にもかかわってまいりますし、適正な輸送サービス、良質な輸送という面にも欠けるところが出る可能性があるわけでございます。したがいまして、利用者から見ましても、たとえば目的地までの運賃が一体幾らなのかもかいもく予測できない。その場その場で決まってくるというような事態も考えられますので、われわれといたしましては現行の認可制度をここで変えていくという立場まで踏み切っておりません。
○中馬(弘)委員 従来のを変えないとかいうのじゃなくて、柔軟な態度で利用者の立場に立ってのいろいろな行政の施策をお願いしたい、かように思います。 次に国鉄問題に移らせていただきます。 今度修正されました国鉄再建案要綱によりますと、貨物輸送の合理化とかあるいは赤字ローカル線の合理化を掲げておられますけれども、果たして具体的なプランをお持ちなのかどうか。たとえば赤字ローカル線について運輸政策審議会地方線問題ですか、この小委員会が出しました中間答申、四案ございますが、どの線を民間業者あるいは第三セクターに移譲するのかとかあるいはどの線を専用自動車道にするのかとか、何線がどれですというお答えでなくて結構ですが、それぞれの基準、どういう場合にそれを適用するんだといったようなこと、これが明確になっているのかどうか、それについてのお答えをお願いしたいと思います。
○田村国務大臣 実はこの中間報告というものを踏まえてこれからやらなければならぬわけですが、いずれにいたしましても、今度御審議をお願いする法定制緩和の問題とかあるいは投資範囲拡大の問題とか、そういうものをそういう基礎的な要件の上に立って五十二年度中にりっぱな国鉄再建案をつくってきなさい。それにはいろいろな問題があります。貨物の問題からいろいろな問題がありますが、そういうものを、洗いざらい赤字要因というものを洗い出して、そしてりっぱな再建案をつくっていらっしゃい。しかし、いずれにしても国鉄再建の一番の基礎要件は、総裁もいらっしゃるので耳の痛いことかと思いますが、国鉄の経営者の姿勢の問題でございますぞ、これは何よりも必要な問題でございます。国鉄が労使ともにもつと真剣になってもらわなければいかぬ。親方日の丸であっては困るのです。だから、そういう点で真剣になっていただく、そういう経営に対する態度の問題、これは基本でございますが、先ほど申し上げたようないろいろな要素というものを踏まえてりっぱな案を持っていらっしゃい。その中の一環としてこの赤字ローカル線の問題も論じられている。とりあえず経過的に幾つかの地域にこういう中間報告が出たが、あなたの方でどうだいという経過的な措置はあるかもしれませんけれども、基本的な問題としては国鉄におまとめをいただく、こういうことにしておりますので、まだ具体的に全国の赤字ローカル線についてこういうふうにという作業が現実に始まっておるというわけではないと思います。
○中馬(弘)委員 はっきり具体案といいますか、その基準もまだ明確ではないようでございますが、ただ、一般論としての合理化というかけ声だけでは国民が納得しないだろう、こう思います。いままでの合理化計画が何度も実施されないままに、その都度計画そのものの修正変更ばかりで、これでは国民が信頼しないのではないだろうか。実行可能な具体的な計画が提示されて初めて国民は国鉄の合理化に対する意欲を感じるのではないかと思います。この点についてどのようにお考えか、総裁ちょっとお願いしたい。
○高木説明員 全体として経営の能率を上げるということではございますが、いま考えなければなりませんのは、当面かなり巨額の赤字になっております貨物の問題でありますとか、地方交通線の問題でございますとか、さらに手小荷物の問題等、いろいろございますので、そうした個別具体的な問題を取り上げまして、それぞれについてひとつ取り組んでまいりたいというふうに思っております。 その基本には、ただいま大臣から言われましたように、経営の基本姿勢ということがあると思いますけれども、それはもちろんでございますので、その面におきまして、物心両面と申しますか、取り組んでまいりますけれども、それの取り組みにつきましても、具体的に貨物についてどうするかとか、ローカル線についてどうするかということで取り組んでいきたいと思います。その場合に、先ほど中馬委員から、ローカル線の問題にお触れになりましたけれども、実は、これは十年来の問題でございまして、十年来大変な努力を重ねてまいりましたわりあいには、どうも成果が外へていないわけでございますので、先般運輸政策審議会から、中間ということではございますけれども、報告がありましたのは、大変示唆に富んだ方向であろうかと思いますので、ああした考え方で一度やるには具体的にはどうしたらよろしいかということを、私どもが中心になってすぐにでも、全国的にというようなことはとてもできませんけれども、具体的に可能性のありそうなもの、そしてそれがまた同時に、よく考えてみれば、住民の皆さんにとっても決して不便にならないものをひとつ見出してまいりたい。それを個別、具体的にまとめていきたいというふうに考えておりまして、たとえば全国で何キロを相手にして何線をどうするということでなしに、まず具体的な対案を探し求めてまいりたいというふうに考えております。
○中馬(弘)委員 国鉄の体質改善、これも現在のところ余り進展がないように見受けられるわけでございますが、この四十九年度の職場管理監査、これは内部資料のようでございますが、その結果にも指摘されておりますような、たとえば作業前の飲酒、アルバイト、賭博行為、こういったこと、あるいは点呼時のやじだとか私語だとか無返答、喫煙、こういつたようなことが、どのように改善されているのか、あるいはある保線区の例ということで出ておりますけれども、これも拘束時間八時間三十五分のうち、昼食のためにその宿に帰る往復の時間だとかあるいは入浴だとかたばこだとか、こういったことで実際の作業時間は二時間五十分だ、こういうことの現状が指摘されておりますけれども、この点に関しての改善がどの程度進んでいるのか、その点お答えいただきたい。
○高木説明員 数字的にどういうふうに改善されてきたということはなかなか御説明いたしかねますし、私自身も実は残念ながらどういうふうな改善状況にあるかという実態をなかなか把握できないでおります。私どもできるだけ現場を見るように努力はいたしておりますが、私が現場へ参りますときには、比較的整とん整備が事前になされておるというようなことになりますので、なかなか私自身が実態を把握するということはむずかしいのでございます。 しかし、いろいろ各方面から、また私どもの中からの報告等によりますと、少なくとも方向としてはいまお示しの四十八年、四十九年とかいう当時の状態から比べますと、改善の方向に向かいつつある。しかしまだまだ一息も二息もがんばらなければいけないという状態ではないかと思うわけでございます。それに対する対策としましては、何としましても職員の心構えの問題といいますか、やる気といいますか、そういう点が非常に重要なことでございまして、いまや国鉄の経営が非常に困難になってきておるということは、もう一人一人の職員に徹底をし始めてきておりますので、職員諸君もいろいろと考えておるのは間違いないと思います。もうしばらく時間をおかしいただきたいと思います。 それから、ただいま御指摘の中にありました実働勤務時間が短いという問題は、これは保線の仕事をいたしますいわゆる施設関係の職員のことであろうかと思いますが、これにつきましては、必ずしも働く意欲がないというか、なるべく仕事をしないようにする風潮があるとかということだけではないわけでございまして、列車が走ります間——列車間合いと申しておりますか、列車間合いが詰まる一方でございまして、一方におきまして、作業のやり方として、単純労働力を使ってやるやり方はもう時代に合いませんので、かなり大型の機械を使って保守作業をやっていく、ところが大型の機械を入れるためには、いわゆる列車間合いがないと仕事ができないというような悪循環になっておるわけでございまして、これはただいまお示しいただきました実態がわかりました以後、私どもといたしましても大変ショックを受けまして、内部でいま、その体制をどうするか、体制というのは、たとえば列車の間合いをどうとるかというようなことから、いまいろいろな立て直しを図っている最中でございます。 たとえば新幹線につきまして、半日休ましていただいて、そうして思い切ってレール取りかえを行うというような手法も最近とり始めておるわけでございますし、新幹線以外の在来線におきましても、極度に線路の荒れております地域については一部そういうことを始めております。そういう工夫は、いま御指摘がありましたようなことからの反省から生まれてきておるわけでございまして、その改善の程度は必ずしも満足すべきスピードで改善されているとは言えないかもしれませんけれども、方向としては改善の方向にあると私は確信をいたしておるわけでございますし、これからもその方向を推し進めてまいりたいと思っております。
○中馬(弘)委員 国鉄の体質改善が進まない点に関しまして、当事者能力の欠如だとかあるいは労使の対立等が問題になりますけれども、それ以前の根本的な問題として、国鉄の硬直化した身分制、これが職員のやる気を起こさしていないのじゃないかという気がするのです。この国鉄の職員の昇進について、学歴にかかわらず広く門戸を開放されているかどうか、あるいは一%にも満たない本社採用のグループが、地方採用その他の職員の上に君臨しておって、そうして優秀な高専採用とか地方採用、一般採用の人たちはどんなにがんばっても管理部長とか理事への道は閉ざされている、こういった点非常に問題だと思うのでございますけれども、この点についてのお考えを……。
○高木説明員 国鉄は過去においてはそういう面においてはかなり進歩した職場であったということが言えるのではないかと思います。現在中央鉄道学園と呼んでおりますが、いわゆる講習所といいますか、そういう制度がかなり早い時期から設置をされておりまして、学歴のいかんにかかわらずそういうコースをとれば、既存の学校でどういう学歴であるかということと関係なく、またさらに上の昇進ルートが開かれるというような道はできておるわけでございますし、そういうコースをとられて幹部に進まれた方も現実に相当数に及んでおるわけでございます。 ただ、今日のような世の中の状態と比べてどうか、昔かなり早い時期からそういう点に目をつけておったからいいというわけにはいかないわけでございまして、新しい時代にやはり即応して新しい任用制度なり昇進経路なりというものがとられなければならないということは御指摘のとおりでございまして、その点について私もどういうふうにしたらよろしいものか苦慮いたしておるわけでございます。 ただ、非常にむずかしいのは、職種が非常に数多くあるわけでございまして、また大体において職種別に系列といいますか系統といいますか、そういう感じで全体の任用なり昇進が進められております。そこで、その職種によりましては、いわば単純業務に近いような職種が大部分を占めておるところもございますし、なかなかそこの風通しをよくする具体的な案を立てていくことがむずかしいといいますか、研究を要することが非常に多いわけでございまして、昨年来いろいろとああも考え、こうも考えておりますが、まだなるほどこういうふうに変わったかというような案をお示しするまでには至っておらないわけでございます。 いまの御指摘のような、何といいますか、採用、任用の梗塞性ということが職員の士気に関係しておることは否定できませんので、考え方といたしましてはそういう面についてメスを入れるといいますか、新たな発想を導入するということが国鉄自体の雰囲気を変えていく上に非常に重要な要素であるということは御指摘のとおりでございまして、私も十分そのような認識を持っております。
○中馬(弘)委員 その前にちょっと職員の年齢構成の問題なんでございますけれども、これ御存じだと思いますけれども、ちょっと見ていただきます。 将来に大きな問題となる点だと思いますが、職員の年齢階層別の構成の問題、これがあろうかと思います。そのほかの問題としまして、退職者で共済年金の支給を受けておる者が現在約二十五万人、全職員四十三万人と比べますときに、二人で一人の退職者を養っていることになるわけでございます。それと、また全職員の年齢構成、このような非常ないびつな形になっております。四十五歳以上の年齢の者が五〇%、二十一万五千人を占めている、こういうことでございますが、これは十年もたたないうちに在籍職員が同数の退職者のめんどうを見なければならない、こういう事態に立ち至ります。この点を大臣はどのようにお考えなのか。 そしてまた国鉄総裁として、十年ぐらい先の見通しについてのこういった事態も含めての国鉄経営のあり方、これをどうお考えになるか、ちょっとお願いしたいと思います。
○高木説明員 まことに重要な問題の御指摘を受けたわけでございますが、これは実は日本の年金制度全体の問題でもあるわけでございまして、わが国の年金制度をこれから考えていく場合に、日本の年金制度がまだスタートしてから時間が短いということと、それから日本のいわゆる余命といいますか、寿命といいますか、平均余命が大変急激に医療制度の改善によって高まってきたということから、働く人ともういわば卒業した人とのバランスを欠いておるということが、これから日本の年金制度をどうするかという最大の問題であることは、しばしば各方面で論ぜられておるところでございますが、その場合に実は一番象徴的といいますか典型的に問題を抱えておりますのが国鉄でございます。 なぜこういうことになっておるかというのは二つの理由がございまして、わが国で非常に大きな企業で年金制度を採用いたしましたのが国鉄でございます。年金に関する制度は、むしろ国鉄が鉄道省といいますか、その時代から非常に早くこれを採用したということでございますので、したがって、ここに一つ年金制度全体の厄介な問題が国鉄にあらわれたということでございます。 第二番目には、昭和二十一年ごろあるいは二年にかけまして引き揚げられました方のうち鉄道に関係のある方、満鉄、朝鮮、台湾、樺太の鉄道に関係ある方、この方々を一応原則的には国鉄でお引き受けするということが、当時のいわば引き揚げ者対策として決められました。一時六十万人にも及ぶ人数を抱えておったわけでございまして、これではどうにもならぬということでまた急激に整理が行われましたが、その整理は若い方の人を整理をいたしまして、年齢の高い方、言ってみれば引き揚げの方の方が残ったというかっこうになりましたので、こういう人員構成になってしまったわけでございます。 そこで、いま御指摘のように、あと十年しますと現場で働いておる諸君の数とお世話しなければならない先輩の数が同数になる、ほぼ同じくらいの数になるということで、年金経理の常識を逸脱した状態が発生をいたしてくるわけでございます。 そこで、これに対する対策をどうすべきかということは、内々心を悩ましておるわけでございますが、一方厚生省を中心にいたしまして、日本の年金制度全体の中でこの高年齢化問題をどう扱うかということは、昨年来厚生大臣の私的諮問機関というようなものも設けられまして検討が急速に始められております関係上、私ともだけの 私どもというのは、つまり国鉄だけの問題としてなかなか片づけられない問題でございますので、いまのところは私どもは私どもなりに十分内部で研究をいたしながら、他面厚生省の方の作業の進行を見守っておるというのが現状でございます。
○中馬(弘)委員 確かに国鉄だけの問題じゃないこと、むしろもう少し大きな国家的な、政府の問題かと思いますが、この点、時間がございませんので、また別の機会にもう少し突っ込んだことは譲るといたしまして、こういったいろいろな、もろもろの要素を含んだ国鉄のコストというもの、これが運賃にはね返るということは非常におかしいのじゃないかという気がするわけでございます。国鉄運賃との比較において今度航空運賃が値上げという話も出ております。一方、航空会社は御存じのように黒字でございます。このように過去の債務の負担だとか、さきに述べました相対的に過剰な共済年金の負担というような、こういう要素を含んだ運賃との比較において私鉄とかあるいは航空運賃が値上げされるという悪循環が繰り返されるときに、わが国の交通運賃体系がまことにもって不合理かつ不適正なものになっていく。このことについて運輸大臣どうお考えでございましょうか。
○田村国務大臣 国鉄の運賃を基礎にして他の交通機関の運賃の値上げをする、あるいは国鉄の値上げというものに便乗して運賃の値上げを求めてくる、そういうことに対する懸念というものが国民の間にあろうかと思います。 私は、国鉄運賃とあるいは航空機関、航空会社の運賃、そういうものとの関連性といいますか、国鉄を幾らにしたからこちらを幾らに上げるんだということは全然考えておりません。それはやはりいま中馬委員おっしゃったように、企業である以上はその決算の内容を見なければなりません。それから、今後の営業の見通しを見なければなりません。そういう観点から運賃というものは決めていかなければならぬ。そこで問題は総合運賃体系という問題になるわけですが、これはなかなか言うべくしてむずかしい問題。私実は運輸大臣を仰せつかった直後に総合運賃体系というものを策定しなければならぬなと考えました。ところが実際にいろいろ取り組んで幾らかでも自分に知識がついてまいりますと、いかにこれがむずかしいことかということがわかってきました。それは総合運賃体系というものをつくるのは国鉄という巨大な交通機関がノーマルな姿にあってこそ決まるものであって、国民からおしかりを受けておるような今日の状況では、総合交通運賃体系というものがあるにこしたことはないが、実際の作業が非常にむずかしいということが言えると思います。でありますので、これは国鉄というものをとにかくノーマルな姿に早くすることだという一語に尽きるわけでございます。先ほど御懸念のあった他の交通機関の便乗値上げは絶対にいたさないつもりでございます。
○中馬(弘)委員 他への便乗ももちろんそれはけしからぬことでございますけれども、国鉄の運賃というものが、私がいま御指摘しましたように非常に過去の負担、負債の債務類の負担だとか、あるいは場合によっては福祉政策でやらぬといかぬようなそういういびつなものまでも含んだ、少なくとも適正なコストでないという、これを反映しての運賃にすることが果たしていいのかどうかという問題の御指摘にとどめておきます。 それから、時間がなくなりましたので、簡単にこちらの聞きたい点だけを申します。 空港の問題でございます。国際空港の配置についての問題でございますが、現今のごとく国際化された社会体制、経済体制におきましては、空港はまさに空の玄関であって、整備された国際空港の必要性はとみに高まってきております。日本列島を縦覧するときに将来の国際空港の配置をどのようにお考えになっているか、この点が第一点。 それから、特に関西国際空港の問題でございますが、日本の二大経済圏の一つを構成する関西経済圏において新空港の必要性は非常に高いものがあります。しかるに関西新空港はまだ調査の段階であり、実現のめどがついていないのが現状でございます。一方、既存の伊丹空港、これは騒音問題、排気ガスの問題でジャンボの乗り入れが実現しておりませんし、発着回数でも大幅に制限されておるのが現状でございます。このために、エアフランスだとかルフトハンザ、ブリティッシュ・エアウエーズといった外国航空会社はすでに撤退しております。このため伊丹空港は、大阪国際空港とは名ばかりのローカル空港に成り下がっている。同時に関西経済の地盤沈下、これに拍車をかけている一つの要因ではないかと思います。ちなみに大阪府の卸売額の全国に占める割合、こういつたものも、昭和三十五年二七・六%であったのが四十九年には二〇%と、細かい数字を挙げるのは省略しますけれども、そういったことで地盤沈下、どの部門を見ましても非常に大きな相対的な意味での地盤沈下が起こってきております。これはただ単に関西地元という問題ではなくて、日本の二眼レフ論だとか、あるいは東京に集中しているのを分散するんだといったものとの全く逆行でございますし、そういう点から、この関西国際空港の進展が見られないこと、同時にいまの伊丹空港というのが非常にローカル化している、この点についての御見解、御感想を運輸大臣からお願いいたします。
○田村国務大臣 国際空港というものをわが国でどのように配置すべきかということでございますが、これは需要の実績を踏まえなければならぬし、見通しの上に立たなければならぬ。それからいろいろな要素というものを踏まえなければならぬ。そこで従来、また当面言えることですが、東京と大阪ということでこの二つの国際空港の整備をしていくということで今日取り組んでおるわけであります。 関西新空港という問題になるわけでありますが、率直に言いまして伊丹の空港も今度の新空港も、国策的、経済的あるいは利用的といいますか、そういう面では非常に必要なものでございます。ただ問題は、だからといってそれをつくられる地元の身にもなってくれということもこれまた見逃すことができない問題。そういうことを踏まえて私どもは行政をやっていかなければならぬ。でありますから昔のように簡単に、大の虫を生かすために小の虫は殺さなければならぬというような論理で割り切ることができないのです。やられる者の身にもなってみろということになるわけであります。でありますから、伊丹の問題につきましてはこれからもどんどんと環境整備をやっていきます。関西新空港をつくるのに際して、これができ上がった時点で伊丹の飛行場の廃止をも含めて再検討するということになっておりますが、それはそれとして、やはり環境の整備というものは、これは極端な表現を使えば廃止の前日まで行わなければならぬ問題であります。でありますからその意味では伊丹の空港についてはこれからも手厚くしていきたいと思いますが、地域住民のいろいろな御迷惑による御要望もあっていまおっしゃるようなことになってきております。性格的には。そこで新空港につきましては、この際世界に冠たる画期的な飛行場をつくるためには、世界に冠たる画期的な環境アセスメントもやろうじゃないか、こういうことになって、五十一年度から三年間にわたっていろいろな調査をしよう。その調査はまず自然現象を調べます。地象、海象、気象ですか、そういうことをやります。それから社会条件を調べます。地域住民がどれだけおるか、学校が幾つあるか、いろんなことを、社会条件を調べます。そうしてこのような条件の上に、このような条件だからこのような飛行場が適当であろう、あるいは可能であろうということで飛行場のまず調査をするわけですね。そうしてそういう飛行場をつくったとした場合にどのような影響が出るかという環境影響の調査もしなければならぬ。これを今度は徹底してやろう。ちょっと世界に例のないほど徹底してやろう。そしてその結果は可能な限りこれを公表しよう。地域住民に知っていただくために地方公共団体等を通じて、府県を通じてどんどんと公表もしましよう、こういうことで今日調査の第二年度をいままさに迎えようとしておるところでございます。数字に誤りがあったらお許しを願いたいんですが、五十一年度はたしか十三億ほど使ったと思います。五十二年度は十七億ほどの予算を入れておるんじゃないかと思いますが、これは数字に誤りがあったらお許しを願いたい。そういうことにして大々的な調査をやろう。その上に立ってすばらしい飛行場をつくって文字どおり西の日本の大玄関をつくろう、こういうことにしております。でありますから、促進をされる側から見ればまだるっこしいように思われるかもしれませんけれども、さっき申し上げたように、それをつくられる地元の身にもなってみろという観点から地元住民に対してきめの細かい配慮をしていきたい、このように考えておりますので、どうぞその点御了解いただいて、お地元のことでありますから、何かと御協力を願いたいとお願いをする次第であります。
○中馬(弘)委員 時間がないので、関西経済の地盤の沈下の問題、これはただ地元のことじゃなくて国家的見地からのいろいろな御質問をしたかったわけですが、ここで終わらしていただきます。 賢明な運輸大臣に対してまことに僭越でございますけれども、現今のことはもちろんのこと、あすのこと、あさってのことの問題に対して、いまから適切な施策を打っていただきたいということをお願いいたしまして、御質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○大野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時十一分散会