ロッキード問題に関する調査特別委員会 第5号
- 発言数
- 243 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1977/04/07
会議録
○原委員長 これより会議を開きます。 この際、証人出頭要求に関する件につきお諮りいたします。 ロッキード問題に関する件について調査を行うため、来る四月十三日午前十時三十分に、中曽根康弘君を証人として本委員会に出頭を求めたいと存じますが、これに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 衆議院規則第五十三条の規定により、その手続をとることといたします。 ————◇—————
○原委員長 次に、ロッキード問題に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鳥居一雄君。
○鳥居委員 まず、三木前総理が、事件の捜査が終了したらば、その段階で全容を国会に報告をしたい、このように公約をいたしております。福田内閣になりましてから、ことしの一月二十日ころ全容を公表すると言いながら、その後二転三転、そうしてやっと先般第二次中間報告という形式だけの報告、こういうことになって、一次にしましても二次にしましても、ほとんど見るべき内容はないと言うしかないわけですけれども、今後、二次に続きまして三次、四次の中間報告というのを考えているのかどうか、まず伺いたいと思います。
○伊藤(榮)政府委員 ただいま御指摘のように、この問題につきましては、第一次、第二次と中間報告がなされたわけでございます。第二次の中間報告では、申し上げましたとおり、一応それまでにロッキード社からの金の流れをめぐりまして犯罪の容疑のありました者については、最大限の努力を払って解明をいたしました。その限りにおいて、一応の結論というような形で御報告を申し上げたわけでございますが、その報告にもございますように、関係者の中には病臥しておる者がございます。さらには、アメリカにおきます証券取引委員会においてなお調査が続行されておる。いずれその公表も期待されるというような事情がございますので、検察当局におきましては、捜査体制を継続いたしましてなお継続捜査をしておるわけでございます。今後、各種の情報なり、あるいはただいま申し上げましたような病状の回復あるいは証券取引委員会における調査結果の取りまとめ、こういうような推移を見まして、事態によりまして捜査をさらに再開をいたしまして、事態の真相を徹底的に究明したいという態度を崩しておらないわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、それら事態の推移、これに伴います所要の捜査、こういうものを踏まえた上で、将来、現総理も施政方針演説でお述べになっております政府としてのいわゆる全容報告と申しますか、そういうことをされるのではないかと思っておる次第でございます。
○鳥居委員 大臣、いかがですか。
○福田(一)国務大臣 ただいま刑事局長からお答えをいたしましたとおり、まだ捜査は全部終わっておるわけではございません。したがいまして、その終わりました段階においては全容の報告をいたさなければならないと考えておるわけであります。
○鳥居委員 第一次、第二次の中間報告、ともにPXLについてはほとんどその内容が見当たらない、むしろ出していないんじゃないか、こういうふうに受け取れるわけでありますけれども、PXLをめぐる疑惑、これをどのように判断していらっしゃるのか。全くシロと見ているのか、それとも、何となく疑いがあるけれども立証できない、こういうふうに受けとめていらっしゃるのか、その辺について伺いたいと思います。
○伊藤(榮)政府委員 御承知のように、いわゆるロッキード事件の捜査と申しますのは、ロッキード社からわが国に流入いたしました同社の資金、この流れを追って捜査が展開されてきたわけでございます。その流れを追って捜査をする過程におきましては、検察当局としてはあらゆる可能性を踏まえて考えながら、その中で捜査の主流として金の流れを追ってまいりました。現在まで極力捜査を尽くしましたけれども、その金の流れを追った捜査の過程において、PXLに関連して流れた金というものがいまのところ認められなかった、こういうことに報告を受けておるわけでございます。
○鳥居委員 児玉に渡った十七億円、これが政治家には渡ってないということでありますけれども、それじゃ、政治家以外には渡っていなかったと明確に言えるのですか。その点についてはどういうふうに解明されておりますか。
○伊藤(榮)政府委員 ロッキード社から児玉に対して渡りました約十七億円に上ります顧問料、手数料と言われる金の件でございますが、これにつきましては、検察当局で鋭意捜査を遂げました結果、一部分未解明のものがございますが、そのほとんどを一応解明したつもりでおります。 その中身としては、資産として留保されたものがあり、あるいは使われたものもございます。それらのものを可能な限り解明いたしましたが、その中からはいわゆる政治家に渡ったと見られるものは認められなかった、こういう報告を得ておるわけでございます。 しからば、政治家以外にどういう人に渡ったか、こういうふうなお尋ねを受けましても、政治家以外の方というのは非常に幅の広いことでもございますし、また御承知のとおり、児玉につきましては公訴を提起いたしまして、ただいま公判待ちの段階で、将来公判におきましてそれらの中身は、所得税法違反の嫌疑で起訴されておりますので、立証段階で逐次明らかになっていく、こういうことでございまして、その公判に対する影響もございますので、この段階で出入りの中身の詳細につきましてはお答えを申し上げることを御容赦願いたい、こう思うわけでございます。
○鳥居委員 すべて抱え込んでいたということは、常識的に見てとても考えられないわけですね。ロ社の秘密代理人、その役割りをやってきた児玉であり、留保していたあるいは消費された、こういうことで果たして国民は納得できるかということなんです。 じゃ、その未解明の部分、これはどういう意味なんですか。どのくらいの位置を占めるものであり、どんなものなんですか。
○伊藤(榮)政府委員 十七億円ばかりに上ります金につきまして、その蓄積状況あるいは使い方、これを逐次解明をいたしましたが、その中の一部につきまして、どこへ行ったか証拠上確定できないものがある、こういうことでございます。
○鳥居委員 病床の臨床尋問でありますけれども、今後続けていく考えですか。
○伊藤(榮)政府委員 病状が回復いたしました際には、検察当局としては所要の措置をとるのではないかと思っております。
○鳥居委員 小佐野の起訴事実を見てみますと、これは議院証言法違反ということになっているわけです。実際に金員の授受、これがあったのかなかったのか、どうです。
○伊藤(榮)政府委員 お尋ねをいただいておりますのは、恐らく児玉関係の金の授受とかあるいはロッキード社との金の授受という意味でお尋ねをいただいていると思います。議院証言法違反の公訴事実の中にもあらわれておりますように、ロッキード社から二十万ドルを受け取ったこと、これは証拠上認められております。一方、新聞等に報道せられたことがございます。児玉から小佐野に対して金が渡ったのではないか、こういう点につきましては、そういう事実を認めるに足る証拠を得ておらないというふうに報告を受けております。
○鳥居委員 このロッキードの、ロサンゼルス空港においてクラッターから受け取ったという二十万ドルについては、これは児玉の依頼でロッキード社が小佐野に直接支払った、そして児玉はその分を領収証を発行した、こういうことですから、それじゃ一体児玉と小佐野の関係はどうだったのか。この点についてはどういうふうに解明されているのですか。
○伊藤(榮)政府委員 お尋ねの二十万ドルにつきましては、捜査の結果を見ましても、その性質とか、それがどこへどう使われたとかいうことは明らかにならなかったということでございます。
○鳥居委員 新聞報道によりますと、小佐野についてアメリカのFBIが捜査に乗り出した、こういう報道がございました。このFBIの捜査は今回のロッキード事件に直接関係のあるものですか。
○伊藤(榮)政府委員 お尋ねの件は、たとえば本年三月十二日の読売新聞の夕刊に掲載されました記事等をお指しになると思いますが、この件につきましては私どもも全く承知いたしておりませんので、内容についても何もわかっておらないという状況でございます。
○鳥居委員 そうすると、ロッキード事件とのかかわりという点で、これは司法当局のお互いの相互連絡、そういう形のものが対応として必要なことじゃないでしょうか。どうですか、その点。
○伊藤(榮)政府委員 例の日米司法取り決めに基づきまして、私ども法務省と米司法省との間には随時連絡がとれる体制になっておりますが、いまのところ、御指摘のFBIの極秘捜査というものについての情報は提供を受けておらない、こういう状況でございます。
○鳥居委員 SECの資料公表につきましてお尋ねしたいと思います。 ロ社の社外重役七人による調査、これは大変注目に値する調査でございます。ハーク会長によると、およそ数十億円の調査費、また調査スタッフにしましても五十数人という大変な陣容を投入して、しかも一年かけて調べた、こういうことが実は言われているわけでありますけれども、この問題につきましてロ社の特別調査委員会が、報告書の提出をするその期限のぎりぎり一日前、つまり去る三月三十一日になりましてから、SECに対しまして突然その提出期限を引き延ばしてほしい、五月の十六日まで延ばしてほしいという要請をしてきているそうであります。正式に要請したと報道されておりますけれども、捜査当局はこれを承知していらっしゃいますか。
○伊藤(榮)政府委員 いまお尋ねの件につきましては私ども承知いたしております。御指摘のように、五月の中ごろにロッキード社の調査委員会からSECに対して調査報告がなされる、こういうふうに情報を得ております。
○鳥居委員 その事実を確認されていますか。
○伊藤(榮)政府委員 在米大使館を通じましておおむね確認したつもりでおります。
○鳥居委員 どんな状況になっていますか。
○伊藤(榮)政府委員 私どもが得ておる話を正確に申し上げますと、三月三十一日の直前にロッキード社の委員会の方から六週間報告を延ばしてくれという申し出がありまして、SECとしては正式にそれを認めたわけではなく、検討中のまま現在推移しておるということのようでございます。
○鳥居委員 それに対して一体検察当局はどういう手を打っているのですか。これは疑惑のままになっている児玉、小佐野ルート、資金ルートなどこの事件の公表、これに対して今度の引き延ばしというのはいわゆる参議院選後になってしまうという心配が出てきているわけで、しかもSECに対する資料そのものの価値というのは大変大きなものだと私たち思うわけですね。どういうアクションを起こしているのですか。
○伊藤(榮)政府委員 私どももただいま御指摘をいただきましたように、調査結果につきましては、いずれそれが公表されるわけでございますから、非常な期待と関心を持って見守っておるわけでございますが、何分事はアメリカの組織のことでございまして、率直に言いまして、大きな関心を持ちながら見守っておるというのが率直なところだと思います。
○鳥居委員 これは今回の第二次中間報告でも、児玉、小佐野ルートは全く解明が進んでいない。これを積極的に手に入れて公表しよう、こういう姿勢の中に初めて全容報告への取り組みというのが私たちは認められると思うのです。ですから、非常になまぬるいそういう空気の中に児玉、小佐野ルート隠し、こう言われても弁解のしようがないんじゃないかと私は思うのです。 このSECの資料は、SEC自身として公開をする、この場合に全面公開ですか、それとも一部公開ですか。
○伊藤(榮)政府委員 最終的にSECがどういう判断をされるかわかりませんが、たてまえは全面公開で、それを前提として調査を命じておる、こういうことであろうと思っております。
○鳥居委員 それで、SECの資料公開に当たって、いささかも政治的な配慮あるいは手心、こういうものを加えさせるようなことがあってはならないと思うのです。単なる心配と言えますか。大丈夫ですか、この点は。
○伊藤(榮)政府委員 その点は信頼をしていいのではないかと思っております。
○鳥居委員 ところで、大臣、SECの資料公表という問題、これを考えてみたときに、これは私たちにとりましては大変重大な問題だと思うのです。この資料の公開の前に、わが国の政府として一体何をどこまでやる考えでいるのか、これを伺いたいと思うのです。 これまで法務省としては一貫して公判維持のために公開はできない、こういう立場をとり続けてこられております。公判もこれから長く続くだろうと思うのです。もちろん刑事責任の追及、これは最も大事なことであり、これまでも御活躍されている様子、これについては大変評価しているわけでありますけれども、しかし、国民が要求していることというのは、刑事責任の追及と同時に、一体何がそこで行われたのかという真相に迫ることでもあるだろうと思うのです。私たちの役割りというのは、またその意味で汚職構造の究明、再び起こさないためには一体どういう手だてをとるべきか、こういうことが要求されてくるわけです。これは当然のことだと思います。しかし、今回このSECの株主擁護のためという、またいまのお話のとおりほとんど全面公開になるだろう、そういう見通しの上からいって、何が行われたのか。舞台は日本であるわけです。それにもかかわらず、いつも様子がわかるのは海外の資料です。ですから、SECの資料公表の前にわが国が一体何をどこまでできるのか、これは重大な問題だと思います。資料を公開された日本の国としては何にもやることがない、公判は長く続く、すべて外電の中から様子を推測するしか方法がない、こんなことがあって日本の国の民主主義というのは一体何なんだ、こういうことになってくるだろうと思うのです。このSECの資料公表の前に一体どこまでやるのか、何をやるのか、伺いたいと思います。
○福田(一)国務大臣 まず政府としてこのSECの調査について最近どのようなことをしておったかという御質問であると思うのでありますが、これはこの前、総理が訪米をいたしましたときに、総理からはカーターさんとの話では出ませんでしたが、外務大臣が向こうの外務省関係者に対して、SECにおいてこの資料が手に入った場合には公開されると思うが、もし公開されない場合においても、両国の司法取り決めもあるのであるから、全部資料はこちらに渡してもらいたいということを強く要望いたしたと承っておるのであります。 それからもう一つ、いまあなたのおっしゃったのは政治的道義的責任等について国民が非常な疑惑を持っておるではないか、その点は裁判との関係で長引いてしまうと明らかにならない、非常に残念である、むしろこういう点を十分に解明しなければならないではないかというお話であります。いまロッキード社において取り調べをいたしております特別委員会は、これは日本だけの問題をやっているのではございません。ロッキード社が世界各国に売り込みをいたしまして使ったリベートの問題について全面的に調査をいたしておるのでございます。したがって、それが出ました暁においてSECがどのように取り扱うかということは、いまここでわれわれの立場で明らかにすることはできませんが、先ほど刑事局長からも申し上げたとおりでございまして、これが公表された場合においては、その公表に基づいて必要があればまた取り調べの続行ということを必要になるかと思います。それから、秘密にされた部分があったとすれば、これは当然司法取り決めに基づいてこの情報を入手いたしまして、それに基づいてまた取り調べをすることも起こると思うのでございます。 いずれにしても、私たちとしてはこの報告に対しては非常な深い関心を寄せておるわけでございまして、われわれは三月三十一日には資料がロッキード社からSECに提供されるのではないかと思っておったのでありますが、それが六週間も延びたということで、実はいささか失望するというか、残念に思っておる。ロッキード問題というのは、これは徹底的に究明いたさなければならないのでありますし、国民も非常な関心を持っておるのでございますから、なるべく速やかにわれわれとしては情報を入手して、そして取り調べをし、国民の前に事件の内容を明らかにできる範囲においてできるだけ明らかにする、こういう姿勢を貫いていきたいと思っておるのであります。 ただ、その場合に裁判との関係がございますので、そこいらはひとつ御理解を賜りたいと思いますけれども、政治的道義的な責任というものを追及するという意味で、皆様この国会において大いに努力をしていただいておることについては、われわれも大いに協力を申し上げなければならないと思っておるわけでございます。
○鳥居委員 三木親書がありますね、それからまた国会決議の中でも、この真相の解明というのは徹底的な迅速になされなければならない。この精神を受けて事態の解明、政治的道義的責任の追及のために正確な全容の公開というのが急がれなければならないと私は思うのです。 ちょっと戻りますけれども、このSECの資料は、まず特別調査委員会で調査された内容がSECの手によって公表されるまで、どういう経路でどういうふうに進むのですか。
○伊藤(榮)政府委員 ロッキード社の特別委員会から提出されますと、今度はSECにおきましてその内容が正しいかどうか点検をいたしまして、その上で公表する、こういう手順のようでございます。
○鳥居委員 そうすると、公表の時期はいつと見ているのですか。
○伊藤(榮)政府委員 SECのおやりになることでありますから、はっきりしたことはわからないわけですけれども、いままで私どもが得ております感触によれば、大体一カ月程度の点検期間だ、こういうふうに考えております。
○鳥居委員 その特別調査委員会で調査した結果を、これは社外重役七人を中心にした調査ですから、それがロッキード社の重役会に提出をする、そして提出をされてから重役会としてはその内容をチェックする期間を一カ月と見て、SECに対して一カ月後に提出をする、こういう手順じゃないのですか。
○伊藤(榮)政府委員 ただいまお尋ねの点はそうではございませんで、ロッキード社からSECに出てくるのが三月三十一日から六週間後まで待ってほしい。それをSECで受け取りますと、正しいかどうか点検をした上で公表に移す、その点検期間が、まあ大ざっぱな見当ですが、感触としては一カ月程度であろう、こういうふうに考えておるわけです。
○鳥居委員 それでは、大臣、SECの資料が公表された段階でこれは入ってくるだろうと思います。報道機関もあります、外電もあります。それとは全く別に、わが国の捜査当局として、あるいはわが国の行政府として全容を、そのSECの資料の枠を出ないとしても、それを独自に公表する考えはありませんか。
○伊藤(榮)政府委員 公表されたものは速やかに私ども正規のルートで入手するように手配はされております。それをよく拝見した上で、なお公表の必要があれば私どもから国内で公表するということも検討しなければならぬと思います。
○鳥居委員 私は公表する必要があると思うのです。海の向こうのSECとして公表した資料が、いろいろな手だてを経て私たちの目に触れると思いますけれども、日本の行政府の発表した資料じゃないのです。これはどうですか、公表する、その段階でおくればせながらでも独自性のある公表をしますと、こうなりませんか。
○福田(一)国務大臣 私は、公表されたのを公の立場において入手した場合には、これはやはり公表した方がよろしいと思います。
○鳥居委員 それでは、カール・コーチャンの回想録が出て久しいのでありますけれども、これによって裏側の売り込み工作の七十日間の様子というのが明らかになってまいりました。この内容について捜査当局はどのように評価し、どう認識されているのか、まず伺いたいと思います。
○伊藤(榮)政府委員 朝日新聞に連載されましたコーチャン回想録、それからただいまお示しの本、これらのものはロッキード事件のいわゆる渦中にあって、かつ核心を占めるような人の書いたものあるいは語ったことでありますから、検察当局としても、あるいは私ども事務当局としても多大の関心を持って読んでおります。しかしながら、これをどう評価するかというお尋ねは、大変お答えを申し上げにくいお尋ねでございまして、捜査上何かと参考にしておるのではないかと思います。
○鳥居委員 信憑性なんですが、内容をお読みになってどうですか、率直に。前任の刑事局長は、捜査当局の捜査と八カ所において一致している、この考え方、この内容は正しい、ここまで表現されているんです。残念ながら、前任の刑事局長はいま政府委員じゃなくなりましてね、法務事務次官になられたものですから、答弁ができない立場にお立ちになっていますけれども、最高検からおいでになった、いままで直接ロッキード事件にはかかわっていなかったというお立場かもしれませんけれども、刑事局長というお立場で、先ほどの御答弁のとおり大変関心を持ってお読みになられた、その辺、感触はどうなんですか、もうちょっと。
○伊藤(榮)政府委員 非常に具体的な細かい話がるる書いてありますので、どこが合っており、どこが私どもの検察当局の捜査の結果と食い違っておるかということをどうも一々申し上げるわけにはまいりませんが、ただいま前局長の安原の答弁を引用されましたので、それに関連しまして若干申し上げてみたいと思います。 前局長の安原は、たしか検察官の冒頭陳述とコーチャン回想録と一致している個所が私の見たところ八カ所ございます。こういうふうに申し上げたと思います。私も、見たところ少なくとも八カ所一致するところがあるように思っております
○鳥居委員 本当に再々申し上げるのですけれども、私たち捜査権がないわけですよ。それで何とか真相究明に取り組まなければならない、こういう使命があります。一方のコーチャン証言、回想録、これは大変貴重な資料だと実は思っているのですけれども、内容については定かではない。冒頭陳述、これは大変な資料だと私たち思っております。あの機種決定の経緯やら、行間にあるものまで探ろうという大変な意気込みで実はそれを読んでいるわけです。しかし、どの程度これを受けとめていいものか、こういう点で実はいま質問しているわけなんですけれども、おできになる範囲でお答えいただければと思うのです。 それじゃ、逆に、いろいろ御説明することはできない、答えられない——結構だと思いますから、その範囲の中でひとつ答えていただきたいと思うのです。この本の中で機種選定をおくらせる作戦のくだりがありますけれども、その部分の記述についてはいかがですか。
○伊藤(榮)政府委員 機種選定をおくらせるくだりといま御指摘になりました部分も、いろんな微妙なニュアンスを含んだ、あるいはコーチャン氏の主観を含んだ記述がなされておりますので、それが検察当局の捜査の結果と一致すると申し上げるわけにもまいりませんし、一致しないと申し上げるわけにもいきませんし、どうかその辺はよろしく御推察を願いたいと思います。
○鳥居委員 大阪空港の騒音問題で笹川良一と会った、この辺はいかがですか。
○伊藤(榮)政府委員 その辺も、具体的な事実関係については御勘弁をいただきたいと思っております。
○鳥居委員 コーチャンと小佐野との関係のくだりはいかがですか。
○伊藤(榮)政府委員 これも同様に、今後の公判立証上の問題もございますので、ひとつ御容赦を願いたいと思います。
○鳥居委員 四十七年の八月十九日から十月三日までのコーチャンの動き、これはいかがですか。
○伊藤(榮)政府委員 私が先ほど来お答えをしないようなお答えをしておる趣旨につきまして御理解をいただきたいと思うのですが、ただいま公判が始まっておりますロッキード関係の事件におきまして、現在まだ検察官は、いわゆる嘱託尋問によりますコーチャン証言というものの証拠調べ請求をいたしておりませんけれども、いずれは公判の経緯によってはこれの証拠調べ請求をしなければならないことになると思います。その場合、当該証言の内容の信憑力というものが非常に重要な問題となってまいりまして、検察当局が御期待にこたえて捜査いたしました結果を裁判において適正に完結させ、実現できるかどうかということも、それらの関係証拠の信憑力という問題に大きくかかわってくるわけでございます。したがいまして、ここで市販されておりますコーチャン氏の手記あるいは回想録の内容について、私の方からこの点はこうである、あの点はこうであると申し上げることがコーチャン証言の信憑力というものに影響を与えることを最も恐れるわけでございます。したがいまして、そういう意味で、具体的なそれらの書物あるいは新聞に記載されました事実関係について御説明申し上げることは、そういった検察の立場を考えますときに、なるべく御容赦をいただきたい、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○鳥居委員 それじゃ、一般論でひとつお答えいただければ結構です。 十月五日、十月六日の児玉事務所におけるコーチャンの回想部分、これは実際に足を踏み入れた人でなければちょっと描写ができないような内容じゃないかと実は私は受けとめているわけです。各種事件を担当されてきた方のひとつ率直な御意見、これはいかがですか。
○伊藤(榮)政府委員 大変生き生きと叙述されておるように思います。
○鳥居委員 真実であると判断してよいようです。 さらに、このコーチャン回想録で、全く間違っている、こういう部分についてはいかがですか。
○伊藤(榮)政府委員 全く間違っている部分というのも相当あるかと思いますけれども、間違っておる聞違っておらぬというその判断の基準につきましてまた問題がございますので、何とも申し上げかねる次第でございます。
○鳥居委員 この回想録の中で、ニクソンへの働きかけにつきましてちょっとニュアンスが違うのじゃないかと実は私は思ったのです。日本でコーチャンがやったのは、巧みなうわさを流すことに精を出した、そしてそれに成功した、こういうふうにあるわけですね。冒頭陳述の中では、ニクソンがロッキードの会社に対して非常に好意を持っていたというような書かれ方をしておりますね。この点ニュアンスが若干違う。当時のロッキード社の経営危機に当たっての議会工作、そういうものを通じて何らかの働きかけがロッキード社からニクソンに対してなされたのじゃないか、こういうふうに受けとめているのですけれども、この辺は冒陳と比べてみましてどうですか。
○伊藤(榮)政府委員 アメリカ国内におきますロッキード社とたとえばニクソン大統領の関係等につきましては、検察当局では必ずしも捜査を遂げていないと承知しております。
○鳥居委員 次に、ハワイで行われました四十七年の八月三十一日、九月一日、この田中・ニクソン会談に至る一連の動きの中に何点かの疑問があるものですから、これについて伺いたいと思うのです。 まず、田中元総理は昨年の四月二日、砂防会館における田中派の会合において釈明演説をやっております。それによりますと、「昭和四十七年八月ハワイで行われた日米両国首脳会談でロッキード問題に関し何らかの取引があったのではないかという言動が見受けられるが、航空機の問題については鶴見・インガソル会談がすべてである、互いに一国を代表する首脳会談の席で、一民間航空会社の問題が議論されるなどあり得るはずもなく、事実、全くなかったことを明らかにしておく、」こういうふうに述べているのですね。いわゆる丸紅ルートの冒頭陳述によりますと、四十七年九月一日の田中・ニクソン会談の後、砂防会館の中で——田中事務所ですけれども、そこで国際興業社主の小佐野に対して田中が言っているのです。実はニクソンとの会談でハワイに行った際、ニクソンから日本が導入する飛行機はロ社のトライスターにしてもらうとありがたいと言われたので、その意向を全日空に伝えてほしい、こう依頼したとあります。いわゆる鶴見・インガソル会談がすべてであるとか、あり得るはずもなくとか、こういうふうにきっぱりと否定していたわけですけれども、田中がニクソンからトライスターという特定の機種を名指しで頼まれていた、そういう事実ですね。これは田中釈明が全く虚偽であった、そういうことと同時に、またハワイ会談までの一連の準備作業そのものの数々の疑問というのがここに出てくるわけです。私はそう受けとめておりますけれども、検察当局、いかがですか。
○伊藤(榮)政府委員 ただいま御指摘のように、検察官が冒頭陳述で明らかにしたところによりますと、田中前総理が、小佐野氏だったと思いますが、小佐野氏に対してニクソン氏との間にそういう話があったと語ったということを証拠で明らかにしようとしておることは事実でございます。しからば今度は、田中氏とニクソン氏との間にどういう話があったかという点につきましては、国内における田中氏にかかる受託収賄の訴因の証拠として必ずしも必要でないという点から、裏づけ捜査その他をしていないように聞いておりますので、検察当局としてもその辺の事実関係についてはいわば白紙の状態であろうと思っております。
○鳥居委員 実はこのハワイ会談なんですけれども、ハワイで田中・ニクソン会談が行われましたそのときに、同時に並行して鶴見・インガソル会談というのが行われています。そしてその鶴見・インガソル会談の日米合意事項が発表される以前にキッシンジャー補佐官が大変注目される発言をしています。こう言っているのです。「今回の合意内容については何回かの事前の日本側との折衝において合意を見た内容である、ニクソンもその内容については大変満足している。」つまり、田中・ニクソン会談に至る一連の会議、準備のための会議ですけれども、その準備のための会議の中で合意事項がすでに煮詰まっており、でき上がっておる。そしてその一連の会合の中に実はトライスター決定あるいはそれに至るエアバス導入を決定するかぎがあったように私は受けとめております。この一連の会合をずっと見てみますと、まず七月の二十五日から四日間、箱根のいわゆる通商会議、その直後中曾根・エパリー会談、続いて田中・エバリー会談、八月八日と八月十五日経済閣僚協議会、これを経て八月十九日田中・キッシンジャー会談が行われまして、そしてハワイ会談を迎えている。こういう一連の動きが実はあるわけです。キッシンジャーの言ういわゆる何回かの事前の折衝、これは準備のための各種の会合でありますけれども、きょうは通産省に来ていただいておりますから、順次確認をしながら話を進めさせていただきたいと思います。 四十七年の七月二十一日経済閣僚協議会が開かれております。この会合には田中、中曾根、佐々木、この大臣が出席しております。そしてこの席上で、米国からの緊急輸入により対米貿易黒字幅を三十億ドル以下に抑える、こういうことを決定いたしました。つまり、これはその後に控えている箱根会議に備えるための閣僚協議会だった、こういうことが私は言えると思うのです。いかがですか。通産省、この事実に相違ありませんか。
○間淵政府委員 昭和四十七年七月二十一日に対外経済閣僚協議会が、いま先生御指摘のとおり、開かれておりまして、これは箱根会談に当たりましての対処方針を検討した、こう聞いております。
○鳥居委員 次いで七月二十五日から四日間箱根会議です、日米通商協議、これが開かれました。そしてその四日間の中ではエアバスは具体的な話には至らず、その後に控えている中曾根・エバリー会談、これに持ち越されているのですね、実際に。当時の新聞でこの点については報道されております。二十九日に中曾根・エバリー会談が行われ、その席上において航空機の輸入を積極的にやる、また航空機の作業部会を設けて進める、こういうかたい約束をいたしまして、積極的な取り組みを約束しているのです。エバリーは通産省の取り組みの姿勢が大変弱い点を不満にして、この対中曾根会談に積極的な取り組みを要求してきた、こんな背景があったようです。そしてその直後に開かれた田中・エバリー会談でその中曾根氏の積極的な姿勢を話題にしまして、エバリー氏の話によって田中は、それは大変喜ばしい、こういうふうに述べているわけです。つまり、エアバスの輸入というのは事務レベルでは話が進まない状況の中で田中、中曾根の政治判断で進んだ、こういうことが私は言えると思うのです。この二つの会談、こうした経緯、これは事実ですね。
○間淵政府委員 昭和四十七年七月二十九日、当時の中曾根通産大臣はエバリー氏の表敬訪問を受けております。その際に、その前の箱根会談で事務レベルで行われました、その結果出てまいりました集積回路あるいは電算機等の輸入の自由化の推進、それから米国産品の購入、アンチダンピング制度の改善などについて事務当局でその合意できたことの内容を確認いたしまして、それを推進するというような話し合いが行われております。
○鳥居委員 さらに八月八日経済閣僚協議会が開かれまして、当時の中曾根通産大臣は佐々木運輸大臣に対してエアバスの繰り上げ購入の要請をいたしております。そしてその方向で協力願いたい、こういう発言をなさっております。田中も運輸省に対して、どうか勇断をもってやって協力してほしい、こういう発言をしているのです。つまり、ここでも中曾根氏はエアバスの緊急輸入について非常に強力に推進する立場に立っておられました。最終的には八月十五日の対外経済閣僚協議会、この席上で日米貿易の不均衡是正のために日本の航空運送業者が米国からエアバス等大型航空機を含む五ないし六億ドルの緊急輸入を行う、この決定をいたしております。この協議会には中曾根、佐々木両大臣が出席しており、しかも積極的にこれを進める立場におられた、こういうふうに言われております。 次いで八月十九日、舞台は軽井沢に移ります。軽井沢の万平ホテルで田中・キッシンジャー会談がこの八月十九日行われる。その二日前にあたる十七日、緊急輸入対策の品目、これを各省間で事務レベルの会合を開いて折衝しております。軽井沢にいる田中を外務省の審議官が十八日の午後訪問いたしました。そしてこれはまあキッシンジャーとの会談の準備のためのそういう打ち合わせだったのじゃないかと思いますけれども、そのキッシンジャー・田中会談の当日、これは午前九時半から予定されておりました。そしてその日の朝七時三十分ごろ中曾根氏が急遽軽井沢の田中の別邸を訪ねております。早朝の会談は一体どんな意味があったのか、これはこれまでのところ明らかにはされておりませんけれども、恐らくエアバスの緊急輸入についてここで詰めようとしていたのではないか、こういうふうにうかがえてなりません。この会談の同席者もいます、また案内者もおります。この経緯については通産省、お調べですか。
○間淵政府委員 本件につきまして、中曾根氏本人にお尋ね申しましたところ、日時は明らかに覚えておりませんが、そのころ田中別荘を訪れた記憶はある、こういうお話でございました。またその内容につきましては、たまたま軽井沢に来合わせておったということもあり、あいさつ程度のことであった、そういうことでございました。
○鳥居委員 軽井沢の田中・キッシンジャー会談の翌日、八月の二十日に実はコーチャンが来日しております。コーチャンは機種決定の大詰めの段階であることを実に正確にキャッチをして、機種決定への最後の指揮をとる、そういう目的で来日をいたしております。こうした一連の動きのその後、八月の二十三日、冒頭陳述によりますと檜山、大久保が目白の田中邸を訪ね、そして田中への請託を行う。檜山は田中に対して五億円の献金を送らせることを条件にして、総理からしかるべき閣僚に働きかけるなど何分の御協力をお願いしたい、こう言うのに対して、田中は例のよっしゃ、よっしゃという、そういう快諾をしております。私は、このしかるべき閣僚、これはまさに中曾根当時通産、佐々木当時運輸のこの二人だった、こう見るのですけれども、これは常識的に見てそう言えるのじゃないでしょうか。刑事局長、どういうふうに受けとめていらっしゃいますか。
○伊藤(榮)政府委員 ただいま御指摘の点は、まさに田中氏に関する受託収賄の一番のポイントをなす点でございまして、今後検察が立証段階において最も力を尽くすべきところであり、かつ、弁護側の防御もきわめて熾烈であろうと予想される点でございまして、それらの具体的な受託をめぐる、あるいはそれと密接に関連のある事項につきましてお答えを申し上げることは、いかにも公判への影響が大きいように思いますので、御容赦を賜りたいと思います。
○鳥居委員 それから三日後の二十六日、今度は中曾根通産大臣が田中邸を訪問いたしております。四十分間にわたって会談をして、出てきた中曾根氏は、緊急輸入品目を来週中に固めようと話してきた、こういうふうに田中番記者に対して漏らしているそうであります。この輸入品目に当然エアバスが入っておりますし、具体的にトライスターの導入について田中・中曾根間で話し合われていた、これはもう決定的だと私は見るのですけれども、この点についてどうですか。
○伊藤(榮)政府委員 田中氏の受託及びこれに基づきますところのいろいろな動き、こういうものについては立証に必要な限り、また力の及ぶ限り検察が証拠を集めていると思いますが、その中で具体的にどういう事実を把握し、どういう人を調べておるかというような点につきましては、先ほど来申し上げておりますように、御容赦をいただきたいと思います。
○鳥居委員 請託を受けた田中がしかるべき閣僚に働きかけると、こう約束している経緯、これから見ましても、中曾根当時通産大臣に対してトライスターの働きかけをやった、こう見るのは私は当然過ぎる話じゃないかと思うのです。現に田中は同じ八月下旬、全日空若狭に対しましてわざわざ電話をかけて、全日空はトライスターに決めてくれるとありがたいと、こういう働きかけをやっておるわけですから、まあ田中・中曾根ラインの依頼、この授受、これはなかったと見るのはむずかしいことじゃないかと私は見るのです。 ハワイ会談に至る一連のこういう会議をたどってみますと、当時通産大臣としてエアバス緊急輸入の対象としてその機種決定のかなめの位置にいた、こういう意味で大変私は当時の通産大臣に疑いを抱くわけです。これは単にドル減ろしの政策を決定したというだけのことじゃなくて、むしろドル減らしという政策に隠れて黒々とした背景、疑いを実はそこに抱くわけです。さらに一歩立ち入った議論につきましては今後の証人喚問の機会をいずれ待つとして、これらの疑問については一層その疑いを深くするわけです。 まあお答えできない苦しい検察当局の立場でもあったと思いますが、何もわからないで大変残念でございますが、私の質疑を終わりたいと思います。
○原委員長 大内啓伍君。
○大内委員 第二次報告に続きまして、事件の全容が明らかになれば最終的にもう一回報告書は出すというお話が先ほど御答弁の中にありました。しかし、この第二次中間報告、第一次を読んでおりまして痛感いたしますのは、このロッキード事件の解明とともに私どもが背負っている一つの大きな使命は、刑事責任を問われなくても政治的道義的な責任を追及しなければならない。ところが、この報告書というのは大体捜査処理に関する報告書でございますから、政治的な背景については全く報告がない。しかし、政治的な背景の報告がないロッキード報告というのはございますか、法務大臣。
○福田(一)国務大臣 法務大臣の立場といたしましては、私は検察を指揮してロッキード事件の犯罪的な解明をするということが私の責任でございまして、政治的道義的な責任の問題を処理されるのは、これは国会においてやっていただくよりほかにいたし方がない、かように考えておる次第であります。
○大内委員 それらで押し問答していてもしようがありませんから、具体的に聞いてまいりましょう。 児玉氏については七十回調べたと言っておりますね。そして、関係人の病状が回復する等特段の事情の変化がある場合にはさらに解明のため必要な措置をとる、中間報告でこう述べられておりますが、児玉氏についてはさらに取り調べを行う方針をお持ちですか。
○伊藤(榮)政府委員 先ほども申し上げましたように、病状が取り調べがなかなか困難な状況にあります間はいかんともなしがたいわけでございますが、病状が回復いたしますれば、検察において必要と認める措置をとると思います。
○大内委員 そこで、具体的にお伺いしますが、病状回復などの事情の変化がなければ取り調べるわけにはいかないという意味だと思いますが、いまの児玉氏の病状につきまして詳細に御報告をいただきたいのであります。
○伊藤(榮)政府委員 現在、児玉は起訴されまして被告人の地位にあるわけですが、その公判期日をいつに定めるかという観点で、裁判所におかれましてはその都度診断書を徴しておられます。最も最近の診断書は二月に出ておりますが、それによりますと脳梗塞後遺症ということになっております。その詳細ということでございますので、いささか御説明させていただきます。 すでに先般の報告で申し上げましたように、一月二十一日に最終的に児玉につきまして公訴を提起したわけですが、それに先立ちまして、公訴提起の直前に東京地検が医師を嘱託いたしまして児玉の病状について診断を依頼しております。それによりますと、病名は脳血栓による脳梗塞後遺症ということで、所見といたしましては、頭痛それから恥明、これは明るいところがぐあいが悪いという意味だと思います。それから食思不振に加えまして左右の失認、目がよく機能しないという意味だと思います。計算力の低下、それから軽度の構語障害、言葉がうまく出ないということだと思います。左半身の皮膚の表在覚低下、立体覚喪失などといった神経学的な所見も認められる、とうてい逮捕勾留による取り調べに耐えないという診断でございました。この診断は児玉の主治医であります喜多村医師の診断とおおむね合致しておりまして、先ほど申しますように、現在軽快の過程にあるということのようで、喜多村氏の診断によれば、今後三カ月程度の経過の後には裁判所への出頭が可能なほどに回復するのではなかろうか、こういうことになっております。裁判所はこれを踏まえて六月に第一回公判期日を入れたように承知しております。
○大内委員 このロッキード委員会を一番最初に開きましたときに、法務省当局は、三月十五日公判が可能であろうという御答弁をなさっていた。これは当然児玉氏の病状についてもそれなりの調査をされ、それなりの確信を持って言われたんだと思うのですけれども、これがまたずるっと延びてきた。このロッキード委員会というのは、先ほど来申し上げたとおり真相の解明であり、そしてさらには政治的な道義的な責任の追及と言いながら、刑事事件の全容がわからないような状態にしておいて、さあ、政治的な道義的な責任を追及してみろと言ったって、なかなかできないじゃございませんか。たとえば、いま公判を開くと言ったって六月過ぎでございましょう。この国会は五月二十八日までしかございませんよ。そしてこの報告書によりますと、その真相というのは、「公判において逐次明らかにされるものと考えます。」国会はその間休んでろということじゃございませんか。法務大臣、このロッキード委員会はそういう意味での真相究明というものを公判追従主義でいけ、そういう意味でございますか。その辺、はっきり御答弁いただきたいのであります。
○福田(一)国務大臣 政府と立法府はおのおの独自の立場を持っておるのでございますから、立法府に対して政府が追随主義でいけなどということを申し上げる意思は毛頭ございません。
○大内委員 私はそれは詭弁だと思うのです。実際には、たとえば児玉さんの問題一つ聞いたってなかなか答えやしませんでしょう。公判に支障がある、公判に支障があるということで答えられないようにしておいて、そして公判の段階で逐次明らかにされるでしょうと言えば、どうやって追及しますか。じゃ、捜査権でも発効してどこかからネタでも取ってきますか。そんなことできません。そういう意味から、先般来の裁定が出て、行政府においても最大限の協力をするということが約束されて、そして福田法務大臣の発言問題が起こって、さらには戒告決議までいってしまった。私は、法務大臣はもう一回その精神を思い起こして慎重に答弁していただきたいのでございます。 それでは、具体的に聞いてまいりますが、児玉氏に流入した十七億円は相当程度解明されたと言われておりますが、その「相当程度」というのでは本当のところちょっとわからないですね。国民は全然わからない。検察当局がわかっておるだけなのかもしれない。しかし、いま一番大事なのは国民がわかることです。十七億円のうち何億円がわかって、一部不明とは何億円がわかりないということですか。
○伊藤(榮)政府委員 十七億円ばかりの金が流入いたしまして、その使途について詳細取り調べを行いました結果、先ほど申し上げますように、相当部分は解明された、一部解明されない部分が残っておるわけでございます。その表現からおわかりいただけるかと思いますが、解明されない部分というのは解明された部分に比較しましてわずかでございます。
○大内委員 どうしてそんな官僚的な答弁ばかりして国民をごまかすのかよくわかりませんが、十七億円のうち大体このくらいがわからないですぐらいははっきり国民の前に言ったらいいじゃないですか。言えませんか、刑事局長、いかがですか。
○伊藤(榮)政府委員 現在、児玉につきましては所得税法違反で起訴しております。所得税法違反ということでございますので、当該年度初めの資産の状況、年度終わりの資産の状況、あるいはその年度間におけるいわゆる損益計算、こういうものを詳細数字を挙げて立証してまいるわけでございます。その立証の過程におきまして、この種事件で常に争いになりますのは数額の問題でございます。そういう観点から、ここで一体何億円が、あるいは何千万円が未解明でございますというふうにお答え申し上げることは、その公判の維持の観点から検察当局としては大変困ることになりますので、どうか御容赦をいただきたいと思います。
○大内委員 公判のカーテンによってみんな覆われておりますが、では、留保状況と使途関係の割合は大体どのくらいでございますか。
○伊藤(榮)政府委員 流入しました資金及びその行き先あるいは留保状況等につきましては、各般の調査をいたしております。たとえば児玉氏の関係しておる各種金融機関等、詳細調べておりまして、その割合がどうということははなはだ申し上げにくいのでございますが、意外に留保部分が多かったということだけは申し上げられると思います。
○大内委員 そういたしますと、半分以上は留保状況の中にある、そういうふうに理解してよろしいですか。
○伊藤(榮)政府委員 税法上の問題といたしまして、収益とか経費とかいろいろな概念があるわけでございますが、一体どの程度が留保でどの程度が支出となかなか申し上げるわけにいきませんけれども、一方において児玉につきましては所得税法違反として起訴されている逋脱額が十七億円を超えているということをひとつ御参考に願いたいと思います。
○大内委員 そういうことはもうわかり切ったことですね。そうすると、留保状況の態様ではたとえばどういうものがあるのですか。
○伊藤(榮)政府委員 どういう形で留保されておったか、いろいろな形があるわけでございますが、それはこれから検察当局が逐次立証していく必要がございますので、詳細については御容赦をいただきたいと思います。
○大内委員 詳細を聞いているのではないのです。たとえばどういう態様のものがありますかということを聞いているのです。詳細全部明らかにせよとは言っていないのです。これは公判には影響ないと思います。
○伊藤(榮)政府委員 たとえば預金、有価証券、不動産、動産といったものでございます。
○大内委員 使途関係の態様はどういうものがございますか。
○伊藤(榮)政府委員 何分もとの金額が非常に大きゅうございますから、使途もきわめて多岐にわたっております。もちろん他の収入と渾然として使われておるわけでございますので、きわめて多岐であるということしかちょっと申し上げられません。
○大内委員 政治献金は入っておりますか。
○伊藤(榮)政府委員 お尋ねのようないわゆる政治家に対して渡されたと認められたものは、捜査の結果はないというふうに報告を聞いております。
○大内委員 官財界に対してはいかがですか。
○伊藤(榮)政府委員 官財界というお尋ねでございますが、官というと恐らく役人のことだと思いますが、そういうものも捜査の結果認められていないということでございます。財というのは非常に広い概念でございますから、あるいはあるかもしれません。
○大内委員 たとえばどういうものがありますか。
○伊藤(榮)政府委員 先ほど申し上げますように、非常に大きな金額で、非常に多岐にわたって支出されておりますので、私自身ももちろん一々記憶がございませんし、そういう細かいことをこれからの公判で所得税法違反の立証を尽くしていきたいということでございますので、細かい点につきましては御容赦をいただきたいと思います。
○大内委員 以上のことから、児玉氏についてはなお捜査を続ける必要があると考えておられると思うのですが、一応児玉氏のいまの病状から言って、なかなか調べきれない。そうしますと、先ほど御指摘になりました児玉氏の公判期日は、いつなら大丈夫であろうというふうに法務省当局はお考えですか。
○伊藤(榮)政府委員 現在、舞台は裁判所の方へ移っておりまして、公判期日の最終的決定権はもちろん裁判所にあるわけでございまして、その裁判所が慎重を期しまして六月二日という公判期日を指定いたしておりますので、裁判所が責任をもって期日の指定をいたしました以上、六月二日に第一回公判が開かれるものと思っております。 なお、検察当局といたしましては、いかなる事件でもそうでございますが、公判というものはなるべく早くやっていただかないと、証拠もだんだん散逸いたしますし、人の記憶も薄れますので、また、刑罰の迅速や実現ということが最も大事なことの一つでございますので、実は検察当局も児玉氏の病状については、俗な言葉で恐縮でございますが、非常にいらいらしながら見守ってきておったわけでございまして、今度は六月二日には第一回公判を開ける運びになるというふうに現在信じておるわけでございます。
○大内委員 先ほど別の上委員の方から小佐野賢治氏に対するFBIの捜査状況について聞きましたが、資料が提供されていないのでよくわからないというお話でございました。日本の法務省当局としては、FBIが小佐野賢治氏を捜査しているということについては、どういう事実認識をお持ちですか。
○伊藤(榮)政府委員 先ほど他の委員のお尋ねにお答えしました際に言葉が足りませんでしたかもしれませんが、新聞に報ぜられた、FBIが小佐野氏について極秘裏に捜査をしておる、そういう事実自体を実は承知をしておらないわけでございます。
○大内委員 そうしますと、そのFBIの捜査について日本の法務省としても相当関心を持っているはずだと思うのですね。やはりあそこの捜査能力というものは非常に高いですから。しかも、いま日本の国会で問題になっております。例のロサンゼルスの空港におきましてクラッター氏から小佐野氏が受け取った二十万ドルの行方というようなものも調べられているとうわさされているのですね。とすれば、日本の捜査当局としてもこれに対しては相当の関心をお持ちだろうと思うのです。いま、新聞で云々というお話がございましたけれども、FBIにはそのことを照会なさいませんか。
○伊藤(榮)政府委員 米国内におきますロッキード関係の捜査あるいは手続等につきましては、例の司法取り決め以来の関係もございまして、米司法省とわが方、すなわち法務省との間には常に情報を交換し合うシステムになっておりまして、また率直に申しまして法務省出身のアタッシェもワシントンに置いておりますので、そういうことから、何かあればすぐわかるようになっておりますが、ただいまお尋ねのFBIの捜査については連絡に接しておりません。
○大内委員 そうしますと、常識的にはそういう捜査は行われていないと日本の法務省当局は見ているわけですね。それの方が常識的でしょう。ワシントンに行ってみればちゃんと法務省のアタッシェがおりますよ、そしてしょっちゅうそういうあれの取り決めで情報交換が行われておりますよ。そうすると、そういう報告がまだこちら日本の本国にもなされていないとすれば、ないからなされていないのであって、それほど怠慢なアタッシェを別に送っておるわけではありますまい。ないと認識しておるのですか。
○伊藤(榮)政府委員 二つのことが考えられます。ないから連絡がないということ、国内的に極秘でやっておるからわが方へ入ってこない、どちらかであろうと思います。
○大内委員 情報交換のルートを持っておる、そういうアタッシェがわからないで、新聞関係の一部がわかっているということになれば、大変怠慢なアタッシェが向こうにおるということになりますね。そうしますと、少なくともこういう問題が新聞の紙上においても相当報道された、やはり日本の捜査当局といたしましてもそれに対して照会するくらい、あたりまえのことではありませんか。照会はしないのですか。それとも、していますか。そのアタッシェに対してどういう指令を発しているのですか。その資料をとれ、その情報をとれ、そんなことは当然言うべきことではありませんか。やっていますか。
○伊藤(榮)政府委員 その具体的な問題についてお答えするのもどうもお答えしにくいのですが、きわめて密接に出先と連絡を常にとっております。私どもはアタッシェが無能だと思っておりませんし、私どもも決して怠慢に過ごしておるとは思っておりません。ただ、もしFBIが実際に捜査をしておって、それを特定の新聞がキャッチされたとすれば、その新聞記者の方がきわめて有能であったというふうに存じます。
○大内委員 私はそんなことを聞いているのではないのです。こういうようなことが公にされた以上は、日本の捜査当局としてもこの問題について重大な関心を持ち、したがって、向こうに対してそういう問題の是非というもの、存否というものについて照会をしているのかということを聞いているのです。アタッシェの能力を聞いているのじゃない。
○伊藤(榮)政府委員 事ロッキードをめぐる問題については常に重大な関心を払っておりまして、即刻全部情報をとるようにしております。
○大内委員 照会していますかいませんか、どっちですか。そんな回りくどい答弁をされなくても結構です。照会されておりますか、ノーですか。
○伊藤(榮)政府委員 この種の事柄については常に照会をいたしております。
○大内委員 大変時間のむだになりました。早くそう言ってくれればいいのです。 そうしますと、恐らくFBIは、脱税の問題等々からいいましても、ロサンゼルス空港でクラッター氏から小佐野氏が受け取った二十万ドルの行方については捜査をしているはずであります。これが普通の常識でありましょう。これについては使途不明である、よくわからないという御答弁がこれまでなされております。また外為法違反の事実はないとも言っておられます。このお金が日本の国内に持ち込まれたという形跡は一切ございませんか。
○伊藤(榮)政府委員 問題のロサンゼルスで小佐野が受け取った二十万ドルについては、その性質及び行方がわかりません。したがいまして、日本へ戻ったか、どこへ行ったか、遺憾ながら明らかにできません。
○大内委員 そうすると、受け取ったというところまでは認めておられるわけですか、行方はわからないと言うんだから。そうですね。
○伊藤(榮)政府委員 受け取った事実だけは立証できるものと思います。
○大内委員 そうしますと、この二十万ドルは日本の国内法に照らして脱税の対象にはなりますか。
○伊藤(榮)政府委員 その金が授受された経緯、あるいは経緯と申しますよりその金の性質、これが不明でありますから、課税所得になるものかあるいはならないものか、そういうことも遺憾ながらわからない状況にございます。
○大内委員 そうすると、その面についてはなお捜査当局としては捜査を続ける、こういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。
○伊藤(榮)政府委員 検察当局としても解明したいことの一点でございます。
○大内委員 コーチャン氏の証言によりますと、この小佐野賢治氏に対しましては、児玉氏を通じて五億円受領したことになっておりますが、その事実関係についてはお調べになっておりますか。
○伊藤(榮)政府委員 お尋ねのようなことが新聞等で報道されたこともございますから、検察当局としてはそのことも念頭に置いて鋭意取り調べをしたわけでございますが、そのような事実は確認されなかった、こういう報告でございます。
○大内委員 実は、そういう問題もFBIの捜査に関連をいたしますので先ほど来お伺いをしておったわけです。その捜査の状況について照会をしたというお話が先ほどございましたが、返事は来ているのでございますか。
○伊藤(榮)政府委員 そういういわゆるやりとりの結果、FBIが小佐野関係について捜査をしておるということが認識できなかったということを申し上げておるわけでございます。
○大内委員 先ほど照会したとおっしゃったのです。返事は来ておりますか。
○伊藤(榮)政府委員 もちろん返事が来ておりますので、確認できないというふうに申し上げておるわけでございます。
○大内委員 そうしますと、アメリカのFBIは、先ほど私が指摘いたしましたロス空港で小佐野氏がクラッター氏から受け取った二十万ドルについては、その行方がわからないという認識を持っていることを日本の法務省当局に伝えてきているということでございますか。
○伊藤(榮)政府委員 ちょっとお尋ねが私にとって理解しにくいことでございましたが、要するに、FBIが小佐野関係について捜査をやっておるかどうかということがわが方にはわからないわけでございますので、ただいまのお尋ねの点についてもちょっとお答えのしようがないように思います。
○大内委員 でも、先ほど照会はされていると言ったわけですね。照会をしますと何らかの返事がもたらされるはずですが、その照会の結果、FBIが捜査をしているかどうかわからないという返事が来ているわけですか。
○伊藤(榮)政府委員 アメリカの方におりますわが方の者が調べても、そういうことをやっておるという返事もないし、やっておらないという返事もない。だから、どっちだかわからないという状況でございます。
○大内委員 トライスターの売り込みに当たりまして、小佐野氏は二階堂氏らを通じて協力してくれたということがコーチャン証言に載っておりまして、先ほど来それらの信憑性が確かめられておったわけでありますが、この事実関係については確かめられましたですか。これはコーチャン証言の信憑性の問題じゃありません。つまり、こういうものがコーチャン証言で言われている。これは重要なポイントでございますが、それについては法務省当局、捜査当局としては調べましたか。
○伊藤(榮)政府委員 コーチャン回想録等も一つの参考資料でありますから、それらの内容をよく踏まえて所要の捜査を遂げておると思います。
○大内委員 きょう実は中曾根議員の証人喚問が満場一致で決まったわけでございます。法務大臣はこの中曾根氏の証人喚問、どのようにお考えでございますか。と申しますのは、私どもは中曾根氏を証人として喚問するということはきわめて理にかなった措置である、こう考えて自民党の皆さんにも要求をいたしまして、参考人か証人かという議論を経まして、本日証人喚問が当委員会によって決定されたわけでございますが、これについての法務大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○福田(一)国務大臣 国会におきまして、また当委員会において証人喚問の件をお決めになったことについて、その可否を私が申し上げることは、これは差し控えさせていただきたいと思います。しかし、私が聞いておりますところでは、中曾根氏はそういう参考人としてかあるいは証人としてか、とにかくこの委員会においてしばしばそういう問題が起きていることについて、むしろ自分は適当な時期に出てはっきりその問題を解明することが疑惑を解くゆえんである、こういう意思を持っておられるということを承っておるのでありまして、私は政治家としては当然なことであると思っております。
○大内委員 その辺が大変もめましたのですが、いまの法務大臣の見解が出されまして私どもも安心をいたしました。中曾根氏の問題につきましては、当然十三日に質問が行われますので、本来は重要な部分でありますが、割愛をいたします。 そこで、法務大臣にお伺いいたしますが、先般の日米首脳会談においてロッキード事件の取り扱いについても話し合った、こういうふうに、たしかこれは参議院の予算委員会であったと思いますが、鳩山外務大臣から報告をされております。どういうことについてお話し合いをされたか、法務大臣としてお聞きになっていると思います。お伺いしたいと思います。
○福田(一)国務大臣 ただいま御質問のあったとおりのことにつきまして、外務大臣は参議院の予算委員会におきまして、自分が向こうの外務当局と会ったときに、ロッキード問題についてSECにおいて今度調査資料が出るようになっておるはずだが、そういうことについてもできるだけわれわれが入手が早くできるように、また秘密な部分があったときには司法取り決めによってその事実が検察当局に速やかに入手できるように御依頼をしておいた、こういう意味の発言がございました。私に対してもそういうような連絡がございました。
○大内委員 これはロッキードの社外重役の特別調査委員会の報告書という形になるわけで、これはSECと裁判所に提出されてくるわけなんであります。ただ、その段階で公表されたものにつきましては言うまでもなく外交ルートで入ってくる。しかしSECも自主的に一定の部分については秘密事項とするという措置をとることがあるわけでありますが、そういう場合には、司法取り決めによりまして、その部分も含めて司法ルートで入手するということになりますですね。そうすると、それについては公表される方針ですか。法務大臣、いかがでしょう。法務大臣の問題です。
○福田(一)国務大臣 いわゆる向こうが秘密にいたしまして、そして私たちが司法取り決めに基づいて入手した分については、これは取り決めの趣旨からいって公表することはできません。
○大内委員 そうしますと、その資料はどういう形で公表されますか。公表しませんか。司法取り決めで入手した、本来は公表されてもいいところがたくさんある、しかし司法取り決めで入ったのだから公表しない。公表しないですか、本当に。
○福田(一)国務大臣 その入手した資料によって取り調べをまたすることもあり得るでありましょう。また、その資料に基づいて取り調べをした内容は公判廷において明らかにされるでございましょう。その場合に明らかにされると思うのでございます。
○大内委員 そうすると、やはり公判のベールでございますか。公判で明らかにされないものについては明らかにしない、その報告書は公表しない。それは断言されますか。後で問題ななりますので、それだけ確認しておきたいと思うのです。後で問題にしなければなりませんので。
○伊藤(榮)政府委員 大臣のお答えを敷衍いたしますが、まずSECとしては全面公表ということを原則としておりますから、ただいまお尋ねのように、一部秘扱いとされるということ自体がまあ仮定の問題でございます。そういう仮定的な状態ができました場合には、もちろん先ほど大臣も言われましたように、SECで公表した部分についてわが国で公表を差し控えるということはあり得ないことでございます。その秘密とされた部分だけが司法取り決めによって捜査、裁判に用いられる、こういうことになろうと思います。
○大内委員 その辺が一つの問題として残っているように思います。 時間もありませんので、最後に一つお伺いをいたしますが、SECのヒルズ委員長提案に係る多国籍企業の不正防止条約という問題がございます。これに対して日本が今後どう対応していくのかということが一つの国際問題であります。中間報告によりますと、明治十九年にできた日米犯罪人引渡条約の改正という問題は触れておりますが、このヒルズ委員長提案に係る不正防止条約については言及されておりません。しかしながら、仄聞をいたしますと、法務政務次官はこの五月の早々渡米をされ、できればヨーロッパにも回りましてこの不正防止条約の検討をしたいというふうに聞いておりますが、そういう方針がございますのですか。
○福田(一)国務大臣 ただいま犯罪人引渡条約の問題で交渉を行っておることは事実でございますが、大体ロッキード問題というのは多国籍企業から起きておる過当競争のあらわれの一つであります。そこで、この多国籍企業というのは必ずしもアメリカだけではございません、欧州にもあるわけでありますから、私は多国籍企業の問題をやはり法務省の立場において十分に解明するといいますか、調査をするということは必要であると思っておるのであります。たまたまSECにおいてもそういうようなことを調査し、場合によってはこの問題を日本に対して申し入れるなり、あるいは欧州諸国に対しても申し入れるという意図を持っておるように承りましたので、これは非常に大きな私らの関心事でございます。したがって、これの調査は徹底的に、どういうような意図を持ってどのようなことを考えておられるかということを、ひとつ政務次官に渡米してもらいまして、そうして調査をしてもらう、こういうつもりであります。
○大内委員 それはきわめて重要な問題だと思いますので、恐らくそういう方向で政府の方で行動が起こっているように理解をいたしておきます。 これはいつ派遣をいたしますか。五月一日と聞いておりますが、いかがでしょうか。
○福田(一)国務大臣 一日になるか二日になるかは別にいたしまして、その前後になることだけは間違いございません。約十日間の予定であります。
○大内委員 時間が参りましたので……。大変ありがとうございました。
○原委員長 正森成二君。
○正森委員 先ほど同僚議員から児玉譽士夫の病状については御質問がございましたが、小佐野賢治についてはいかがでしょうか。三月十六日の当委員会におきまして、一月十四日の状況に基づいての御報告がありましたが、もしそれより新しい病状についての調査がございましたら、それに基づいて詳細にお答え願いたいと思います。
○伊藤(榮)政府委員 小佐野賢治につきましては、裁判所が公判期日の指定の関係から逐次詳細な診断書の提出を求めておりまして、ただいま私の手元にございますのが三月二十八日付で主治医の山口先生という方がつくられた診断書がございます。これによりますと病名は「高血圧症兼重症狭心症」ということで「向後約三カ月間の安静加療の必要ありと認める」ということで、なお別添といたしまして、病状の経過でありますとか病状の推移その他が詳細書かれておりますが、そういうような診断書を持ってきております。
○正森委員 高血圧症ということですが、参考までに最低と最高の血圧についておっしゃってください。
○伊藤(榮)政府委員 今回の山口医師の診断書には血圧測定結果が出ておりませんが、児玉と同じように、東京地検の方で医師に嘱託をいたしまして診断をいたしましたときは、俗に言う上が二百四十六、下が百四十というところから、上が百九十、下が百十というふうに、非常に動揺をしておったということでございます。
○正森委員 児玉と小佐野については現段階までに何回お調べになりましたか。
○伊藤(榮)政府委員 児玉につきまして七十回、小佐野について二十一回でございます。
○正森委員 そうしますと、われわれが承知しておるところでは、昨年十月十五日の中間報告のときには、児玉については五十回でありました。そして二月二十四日の今度の国会での報告では児玉が七十回にふえ、小佐野が二十一回だ、こういう報告だったと思います。そうすると、四カ月に約二十回ふえているわけですから、単純に計算しますと一週間に一遍は調べておったということになるわけですね。それが二月二十四日以後現在まで約一ヵ月半を超えておるのに回数がふえていないということは、もう児玉譽士夫については、病状が好転しておるにもかかわらず、捜査をしないということになったのかどうか、それを伺いたい。
○伊藤(榮)政府委員 最終的に一月二十一日に児玉と小佐野について、一方は追起訴、一方は本起訴をいたしまして、その時点で二人は完全に被告人の地位に立ったわけでございます。 当時の検察の手持ちといたしましては、二人に対して容疑の認められるものについては、それですべて調べは終わったということでございますので、被告人の立場にあることも勘案して、以後は取り調べをしていない、こういうことでございます。
○正森委員 つまり、あなた方の言う特段の事情があれば新たに捜査をする、こういう見解だと思うのですね。しかし、それは児玉の果たした役割りから見て、ロッキード事件についての捜査本部は残しておっても、非常に熱意が認められない。たとえば国会での証人喚問やあるいはアメリカ側の資料や、あるいは病状が好転するなど、特段の事情があった場合にはさらに捜査をするということを言っているわけですね。そうだとしますと、児玉譽士夫については病状が好転すれば、それは好転の程度にもよりますけれども、捜査をやはり続行するということでなければ、このわれわれに対する中間報告についてさえも履行しておらないということになると思いますので、二月二十四日の報告以後一回も調べられておらないということについては私は注意を喚起しておきたい、こういうように思います。 そこで、次に伺いたいと思います。福田太郎というジャパンPRの方がおられましたが、この福田太郎氏については、もうすでに昨年六月十日でございましたが、死亡なさった方ですが、さだめしお調べになったことだと思います。その取り調べ回数について御答弁ください。
○伊藤(榮)政府委員 故福田太郎氏につきましては、その生前非常に病状が重篤でございましたから、担当医師の指示に従って非常に短い時間ずつ調べながら、数十回取り調べております。
○正森委員 短い時間であるとはいえ数十回取り調べたということでありますが、福田太郎氏は、クラッターあるいはコーチャン氏が児玉譽士夫と会う場合に常に影の形に添うように一緒に行って、その会見に立ち会い、すべて通訳をした人物であります。したがって、この福田太郎氏の詳細な供述が得られておれば、それによってコーチャン、クラッターあるいは児玉譽士夫がいかなる役割りを果たしたかということがわかるはずの人物であります。 たとえば、私は伺いますが、児玉譽士夫の約十七億円の使途関係についてもお話がありましたが、この中に明らかに福田太郎氏に対して通訳料その他として金員が支払われておるはずであります。そうではありませんか。
○伊藤(榮)政府委員 児玉の十七億の使途関係について、そういう具体的な点については御容赦をいただきたいと思います。
○正森委員 御容赦を願いたいという答弁ばかりが続きますけれども、私は、福田太郎氏に対して払われたということは間違いのない事実であるというように確信をいたしております。 そこで、大臣に伺いたいのですが、今度十三日に中曽根康弘氏を喚問することになっております。中曽根康弘氏は、言うまでもないことでございますが、刑事被告人にはなっておりませんし、私どもの承知しているところでは被疑者にもなっておりません。そしてこの福田太郎氏は、例の昭和四十七年の十月四日から五日にかけてのコーチャンのいわゆる第二の陰謀というものについて、十月の五日に児玉宅に行きまして、電話を中曽根康弘と思われる人物についてかけましたときに、その場におって詳細に通訳をした人物であります。したがって、事案の真相解明のために、刑事事件と関係のない福田太郎氏のその部分に関連する調書について当委員会に提出される御意思がありませんか、伺いたいと思います。——要旨で結構です。
○伊藤(榮)政府委員 私からお答えいたします。 故福田氏の取り調べ及びそれに基づいてつくりました調書というものは、いずれも現在起訴されております人たちの関係の立証のために調べておりますので、切り離すこともできませんし、中曾根氏の関係というものが仮にあるといたしましても、不可分の関係にございますので、提出することはできないと思います。
○正森委員 私は、その理屈は非常におかしいと思うのですね。数十回にわたって調べておるということは、恐らく調書も、数十回であるか何回であるかわかりませんが、可分のものであるというように思われますし、それから、いま起訴されている人と関係があるということになれば、これは下手をしますと、中曾根氏も福田太郎氏を媒介として起訴された方に関係があるということを間接的にお認めになるということにすらなるわけですね。私は、そういう点の疑惑を晴らすためにも福田太郎氏の、すべての調書とは申しません、福田太郎氏の田中氏との関係あるいは起訴されている関係、そういう関係について通訳をしたりあるいは話をしたりしたことがあるでしょうから、そういう点は一切除いていただいて、十月の五日の日に児玉宅に赴いた前後の状況についてだけでも、その調書を当委員会に四月十三日までに提出されるように委員長としてぜひお求め願いたい、そういう御指揮を賜りたいと思います。
○伊藤(榮)政府委員 御判断の御参考にあるいはなるかと思って一言だけ申し上げますが、福田氏が亡くなられましたのはコーチャン回想録が発表されます以前のことでございますので、コーチャン回想録等を読んで、それを頭に置いて検察官が調べた段階ではございませんので、果たしてどういう内容のものが、御指摘の内容のものがあるかどうかもきわめて疑わしいと思いますし、また、一般論といたしまして、捜査記録の一部でございますので、これを関係者の公判の終わらないうちにお出しするということは、どうも御勘弁をいただきたいと思います。(発言する者あり)
○原委員長 それでは、散会後直ちに理事会で相談いたします。
○正森委員 それでは、理事会で御検討いただけるということでございますから、先に進ましていただきたいと思います。 三月十六日の同僚議員の質問によりまして、いままで被疑者もしくは参考人として取り調べを受けた国会議員は十七名であるという答弁が前刑事局長からございました。この十七名というのは、三十ユニット関係が被告人を含めて七名、それから九十ユニット関係が十三名というのはすでに大体わかっておるわけですが、両者を合わせました二十名、その中から重複分を除いた者が十七名であるというように理解してよろしいですか。つまり、三十ユニット関係、九十ユニット関係の関係国会議員はすべて被疑者もしくは参考人として取り調べたが、それ以外の国会議員は調べていないというように理解してよろしいか。
○伊藤(榮)政府委員 いわゆる三十ユニット、それから九十ユニットに関係のない方も二人含まれております。
○正森委員 ということは、別の言葉で言いますと、三十ユニット、九十ユニット関係の国会議員はすべて調べて、それ以外に二人おる、こういうように伺ってよろしいか。
○伊藤(榮)政府委員 そのとおりでございます。
○正森委員 それでは、念押しをいたしますが、三十ユニットと九十ユニット関係で重複しておる方が五名おられるというように理解してよろしいわけですね。
○伊藤(榮)政府委員 結果的にはそういうことになるようでございます。
○正森委員 それでは、名前を伺いたいと思いますが、名前についてはまたお答えにならないでしょうから、現在の段階では質問を留保しておきたいと思います。 それでは、時間の関係で次に移りますが、昭和四十七年十月に佐々木運輸相がオーストラリアへ行っておられますね。これは何日から何日まで、いかなる用件に基づいて行かれたか、運輸省からお答えを願いたいと思います。
○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。 出張期間は昭和四十七年十月九日から十月十九日まででございまして、出張の目的は、オーストラリア連邦キャンベラにおきまして十月十二日から同十三日までの二日間開催されました日豪閣僚委員会出席及び運輸事情視察のためでございます。
○正森委員 いまそういう答弁がありまして、私も事前に調査を依頼しておりましたので、恐らく航空局長のお持ちの一部の資料は私も持っておりますが、日豪閣僚委員会出席ということが主な目的で、それは十月十二日、十三日の二日間なんですね。後は、運輸事情視察のためといえば聞こえはいいけれども、まずまずそれほど会議もなければ重要な用事もない、こういうように思われますのに、二日間の会議のために十月九日から十月十九日まで、延べにしますと十一日間も行っておられる。また、私の手元にある資料によりますと、十月十六日にはすでにホノルルに到着しているのですね。ところが、日本に帰ってくるのは十九日であって、約三日間ホノルルで悠々としておるというのはどういうわけですか。
○高橋(寿)政府委員 ホノルルに着きましたのが十六日の午後でございまして、その晩、それから十七日の晩泊まりまして、十八日のホノルル発十六時三十五分の飛行機でホノルルを出発しているわけでございます。 ホノルルはわが国の国際観光振興会の観光宣伝事務所等もございまして、国際観光振興会と申しますのは運輸省の特殊法人でございますので、そういったところの活動状況等を含めまして、現地の運輸あるいは観光事情を視察をしたということになっているわけでございます。
○正森委員 私がなぜこういうことをお聞きするかといいますと、コーチャン回想録でも、この期間の佐々木運輸相の出張が第三の陰謀であるというように言われているからであります。その経過をいろいろ考えてみますと、これは四十七年九月二十一日に三井物産の石黒氏が田中内閣総理大臣のところに行くわけですね。そうすると田中内閣総理大臣は、丸紅からトライスターを頼まれているということは言わないで、所管の大臣に言っておいたから、そのうちに所管の大臣から何分のさたがあるであろう、こういうことを言うているわけですね。私は、恐らくこれを聞いた三井物産としては、所管大臣、すなわち一番の所管大臣である運輸大臣に対して陳情をしたのは当然であるというように思うのです。そして、コーチャン回想録によりますと、十月四日の夜に、コーチャン氏が第二の陰謀であると言う事件が起こるわけですね。 これを私なりに考えてみますと、こういうようにコーチャン氏は言うている。「1 日本政府は、国内の二大航空会社(日航と全日空)が、ロッキード、ボーイング、マグダネル・ダグラスの米三社のエアバスを、それぞれ購入すべきだと決定する。2 日本政府はAわが国で最も名声があり多数の航空機を発注するとみられる日航が、ロッキード社に注文することを強く希望するBダグラス社にも機会を与えるため、機数は少なくなるが全日空がDC10型機を購入するものとするCボーイング社に機会を与えるため、日航がボーイング747ジャンボ機を追加発注することを承認する。」こういうようになっているわけですね。これは一見非常に公上平に見えるけれども、一番多くエアバスを購入する可能性のある全日空をダグラス社に与えて、そしてロッキードが、結果的にはほとんど発注しないであろう日本航空を割り当てられるということで、これではロッキード社は破滅であるということを言うておるわけです。 そこで、私は運輸省に聞きたいのですけれども、こういう書かれているような内容を行政指導し得る役所というのは運輸省以外にはない、運輸省は十月四日もしくはその前後にこういう指導を佐々木運輸大臣の命を受けてやったのではありませんか。
○高橋(寿)政府委員 運輸省当局は、当時お尋ねのような行政指導をした事実はありません。
○正森委員 そういう行政指導をやったことはないと言われますけれども、それでは、何ぴとがそういうようなことをやったのか、コーチャン回想が正しいとすれば。しかもそれは、単にコーチャン回想で裏づけられているだけではないのです。検察官の冒頭陳述によりますと、こう言うているのです。十月上旬に檜山が伊藤を通じて榎本に対して、なかなか決まらないので問い合わせたところ、田中氏の意を受けた榎本から「トライスターに決まる見込みはあるが、いろいろな動きがあって最終的に結着がついたとは言えない。総理がトライスターに決まるよう努力中である」、こういうことが冒陳にちゃんと書いてあるわけですね。しかも、それから一週間たつかたたずの十月十四日に田中私邸で檜山が会ったら、「この前頼まれたロッキードの件は、うまくいっているでしょう。心配はない」、こういうぐあいに言うているわけです。 つまり、十月上旬に何らかの動きがあり、それがひっくり返って心配がないことになったということになっておるのですね。ですから、佐々木運輸相が何らかの決定あるいはアクションを行った、しかしそれが田中総理あるいはその周辺によってもとのロッキード、トライスターの線に返った、しかしこのまま佐々木運輸大臣が国内におってはいろいろ都合の悪いことがあるので、はっきり言えば、佐々木運輸大臣は約十日間、日本からわらじをはいたのではないのですか。
○高橋(寿)政府委員 佐々木大臣はすでに十月二日に出張発令を受けておりまして、この日豪関係閣僚委員会は、日本側でも外務、農林、通産、運輸、経済企画の各大臣が出席することはその相当前から先方のオーストラリア政府に通告してあった問題でございます。したがいまして、いまお尋ねのようなからくりの一つとして大臣が出張したということは絶対にございません。
○正森委員 それなら、そのときに一緒に出張した関係閣僚は何日に日本を出て、何日に帰ってきておりますか。
○高橋(寿)政府委員 それは私どもではわかりません。
○正森委員 それでは、私の方から関係省に調べますけれども、こんなに長い期間どの省でも出張していないことは明らかであります。しかも、私が言っているのはそれだけではないのです。十月十九日に佐々木運輸大臣が帰ってまいりましたら、その翌日の十月二十日の夜に、冒頭陳述によりますと、三井物産の石黒氏は敵の本陣である若狭の自宅へ乗り込んで、とうとうここで田中総理に陳情してあるのだということを言うわけであります。つまり、もう尋常の手段ではトライスターをひっくり返すことはできない。何びとかの強力なアクションが行われておるということを知って——なぜ知ったか、それは十月十九日に佐々木運輸大臣が帰ってきて、そして待ちかねていた大臣が帰ってきたからそのルートから聞いて、これは運輸大臣に言うているだけではだめだ、三井物産は田中総理にも言っているのだということを若狭に打ち明ける以外にはもう一回ひっくり返す道がない、こういうことで言っているのです。ぴたりと合うじゃないですか。そこで若狭としては、田中氏から電話がかかってきているけれども、ああそうか、トライスターのことだけじゃないんだな、三井物産も田中総理に同じように頼んでいるんだということになれば、これは田中総理の真意を確かめなければならないということで、十月二十四日に若狭は田中のところへ行くのです。そうすると田中総理は、ニクソンからトライスターのことを頼まれていると言って、ロッキードだけは言うけれども三井のみの字もダグラスのダの字も言わない。そこで若狭は、ははあ、田中総理はやはりトライスターなんだな、こういうことで決断をして、その日に佐々木運輸大臣のところへ行って、近々決めると言い、十月二十八日にトライスターに決まったということを佐々木運輸大臣に言うのです。ぴたりと合っているじゃないですか。そうでしょう。
○高橋(寿)政府委員 いまいろいろお話がございましたけれども、私ども事務当局としてはこの段階において一切関知いたしておりませんので、確かめようはございません。
○正森委員 事務当局としては関知していないということは、佐々木運輸大臣はあるいは御存じかもしれないということをにおわされたものであるというように私としては判断をして、時間がまいりましたから、私の質問を終わらせていただきます。
○原委員長 加地和君。
○加地委員 一番最後でございますので、ちょっとダブる点も出てくるかもわかりませんけれども、御容赦願いたいのでございます。 まず第一に、大物である児玉譽士夫氏の病状についてなんでございますけれども、当委員会で発表されておることは私は本当であろうと思います。しかし、一般庶民、国民にとってみますと、重要人物というのはすぐ医者の診断書を出して逃げてしまう。捜査当局の手から逃がれる手段をよく講ずるということを知っております。しかも、コーチャン回想録の百三十五ページには、コーチャン氏いわく、児玉譽士夫氏に対する印象について「大変エネルギッシュで、頭の回転が速く、何十、何百という仕事を一どきに決済する「ものすごく忙しい人物」との印象を受けた。」と書いてあるのでございます。これを読みますと、きわめて健康なスーパーマンのように思えるわけであります。先ほど御発表になった脳血栓後遺症というような病気は、一体いつ児玉氏に発生したのでございましょうか。
○伊藤(榮)政府委員 手元にございます医師の診断書によりますと、昭和四十九年九月十三日に脳血栓を発しまして、それの後遺症ということのようでございます。
○加地委員 まず病名についてなんですが、第二次中間報告によりますと、「脳血栓後遺症」というぐあいに二ページ目に書いてあるのです。先ほどの質問に対する答弁では、脳梗塞後遺症とおっしゃったと思うのです。あるいはまた脳血栓に基づく脳梗塞後遺症とおっしゃったと思うのです。どれが正確な病名になるのでしょうか。
○伊藤(榮)政府委員 申しわけございませんが、私、素人でよくわかりませんが、東京地検の依頼しました医師の診断書に書いてあるとおりに言いますと、脳血栓による脳梗塞後遺症となっております。
○加地委員 先ほど具体的な症状についておっしゃいましたけれども、児玉譽士夫氏は歩けるのでしょうか。それからまた、聴力、それから発声力、表現力、記憶力等はどうなんでございましょうか。前の委員長の田中伊三次さんが児玉氏の前へ行って調べられた速記録を見ますと、私らよりなかなかしっかりしたことをおっしゃっているような気もするのでございますが。
○伊藤(榮)政府委員 これも申しわけございませんが、私どもにはなかなかむずかしい医学用語になっておりますが、まず歩けるかどうかというのは、軽度の左上下肢不全麻痺があるが、室内での介助歩行は可能である。それから神経学的に見ると、意識清明であるが、左右失認、計算力の低下、構語障害がある。それから先ほど申しましたように、恥明というようなことが書いてあるようでございます。
○加地委員 いまの御説明を聞いても、医学用語でありますために、私ら、また皆さんもわかりにくいと思うのです。できればこの委員会の方へ一番新しい、また詳しい診断書を提出なさるように御指示願えないかと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○伊藤(榮)政府委員 一番新しい診断書に基づいていま述べさせていただいたつもりでございますが、ただ、裁判所へ提出されたものにつきましては、そのもの自体をお出しするわけにいきませんので、要旨をお出しすることは可能だと思います。
○加地委員 現物がないというのはよくわかります。ゼロックスとかコピー、これは出せるんじゃないでしょうか。
○伊藤(榮)政府委員 この点につきましては、ちょっと厄介な問題がございまして、裁判所の訴訟記録の中に編綴されておりますものにつきましては、裁判所に提出するかどうかの判断権があるということでやっておりまして、現物または正確な写しというようなものは、裁判所の方からお取り寄せいただかなければならない。しかしながら、反面検察官の訴訟活動等は国政調査の対象となるわけでございますから、検察の立場において十分御協力申し上げる。そのために要旨をお出しするということで私どもとしては御協力を申し上げさせていただきたいと思います。
○加地委員 委員長、また後で理事会等でお取り計らいいただくのでも結構なんですが、現に裁判所に出ておる記録というのは司法権に対する介入じゃないと思いますので、私はすでに裁判所で出ている資料一切合財の提出命令といいますか取り寄せ、これを後で議題に理事会で出したいと思いますので、お含みおき願いたいと思います。 それでは、次に移ります。 中間報告には「主治医立会の下に休憩をはさみ一回一時間程度しか取調べを行うことができない等の障害の下で同人の在宅取調べを続行しました。」と書いてございます。延べ七十回というのもきわめて異例でございますし、一時間ごとというのもきわめて異例の調べ方だろうと思うのですけれども、結局のところ、延べにして児玉譽士夫氏は何時間くらい調べができたんでしょうか。それはまたすべて検察官の取り調べでしょうか、あるいは警察官の取り調べも入っておるのでしょうか。その点はどうでしょうか。
○伊藤(榮)政府委員 七十回と申しますのは、検察官による取り調べでございます。延べ何時間にわたったかは報告を受けておりませんが、およそ一時間程度の調べということから御推察いただけるかと思います。
○加地委員 その一時間というのは、あらかじめかなり医学的権威のある資料に基づいて一時間以上は無理だという資料が出ておるのでしょうか。それとも途中で答弁に詰まったり苦しがったりして、そして調べが打ち切られたりするのでしょうか。その点はどうでございましょうか。
○伊藤(榮)政府委員 あらかじめ医師の診断の結果、どの程度調べるかということで始めるわけですが、そういうことで始めておっても、途中で容態がおかしくなって、また医者の診断を受けて打ち切ったりしたこともあるようでございます。
○加地委員 それから児玉氏についての検察官面前調書にはもちろん署名捺印はあるのでしょうね。 それから、寝ながらの調べなんでしょうか、あるいは起きての調べなんでしょうか。
○伊藤(榮)政府委員 調べの際は児玉は寝たままであったと聞いております。 それから、調書を作成しました場合には、本人の署名押印があるということでございます。
○加地委員 テープレコーダーなども補助手段として用いられておるのでありましょうか。
○伊藤(榮)政府委員 何ら報告に接しておりませんから、多分使ってないのじゃないかと思います。
○加地委員 このように寝たままの人を取り調べるというのは異例のことでもありますし、後々証拠能力等についても問題になる可能性が多いのじゃないかと思うのですけれども、テープレコーダーぐらい使うのが常識ではないでしょうか。
○伊藤(榮)政府委員 そういう点も考慮いたしまして、医師が常に付き添っておったということでございます。
○加地委員 結局、テープレコーダーは使ってないのですか。それともどうかわからないと言うのですか。どちらでしょうか。
○伊藤(榮)政府委員 正確にお答えいたしますと、現時点で私にはわかっておりません。ただ、多分使っていなかったろうと私の推測を申し上げただけでございます。
○加地委員 このような病人であるとかあるいはこの人の証言次第で事件が変わってくるという問題については、テープレコーダーを使うのが常識なんじゃないでしょうか。一般にテープレコーダーを使っている捜査というのを私らもよく体験をしますけれども、後々証拠能力について問題が起きたときの防御策として、前向きの姿勢として私は使っていると思うのです。あるいは拷問されたとか脅迫されたとかいう言い逃れをつくらせないためにも私は使うのが常識だと思いますけれども、刑事局長はどのように御判断なさいますか。
○伊藤(榮)政府委員 使わなかったとすれば、どういうわけで使わなかったか、その点については調査をしてみたいと思います。
○加地委員 それでは次に移ります。 講談社から出ている「田中角榮研究下巻」というのがあるのです。立花隆という人のいろいろな雑誌に書いたものを集めておりまして、立花隆という人は、皆さん御承知のように、田中角榮内閣がつぶれるきっかけをつくった、文藝春秋に田中金脈問題についてのレポートを書いた人であります。これがこの中に収録されておりますけれども、去年の文藝春秋の五月号に「児玉譽士夫とは何か」というテーマで書いておるようでございまして、この中にややゆゆしいことが書いてあるのでございます。ちょっと読ませていただきます。 「いま児玉に向けられている当局の追及が、ロッキード代理人としての児玉に限定されているとしたら、それは、真の意味での児玉追及にはならない。しかし、いまの当局に、児玉の全悪業を追及することを期待するのは、無理なようだ。主要な臓器を一つ引っ張れば、全部の内臓がそれにくっついて出てきてしまうように、児玉を白日のもとにさらすためには、ウラ世界の総体を白日のもとにさらさねばならぬような破目におちいるだろうからである。そして、ウラ世界には司法当局自身もかかわっているからである。」という旨が書いてあるのです。これが真実であるとすれば、日本の国のために非常にゆゆしいことであると私は憂慮するのであります。司法当局としてはこの論文に対して、著作者なりあるいは文勢春秋なり講談社なりに何か毅然とした態度をおとりになっていますでしょうか。法務大臣、どうですか。
○伊藤(榮)政府委員 ただいま御指摘のものにつきましては、私ども文勢春秋に掲載されました当時から見て知っておりますが、お尋ねのように、毅然としたといいますか、抗議を申し入れたとか、そういう事実はございません。
○加地委員 あなたはその当時御担当でなかったかもしれませんけれども、なぜ毅然とした態度がとれなかったのでしょうか。ここに書いてあることが本当なのか、当たらずとも遠からずというのか、あるいはその他の理由があったのか、これは私は重大なことだと思うのですよ。お答え願いたい。
○伊藤(榮)政府委員 抽象的な表現でいわゆる司法当局というものがいろいろな批判の対象になるという乙とは常にあるわけでございますが、司法当局の中に位します法務、検察としては常に毅然たる態度で厳正公平な仕事をしておりますので、あえてそれに対して何らかのアクションに出るということはしなかったのではないかと思います。
○加地委員 私は国民は逆に考えると思うのです。毅然としたアクションをとってこそ、何も厳罰にするとかどうとかでなしに、口頭での抗議、内容証明を出す、それでいいじゃないですか。それをできないとなれば、やはり何かあるのじゃないかなというぐあいに思うのが世の中の常であり、それが私は政治にとって重要な点だと思うのです。検察、法務に対する信頼感というものが薄れていったときには、私は世の中、暗やみになってくると思いますね。 それでは、その次に移りますけれども、児玉譽士夫氏はロッキード事件関係でいわゆる外為法違反、所得税法違反で起訴されておりますが、これ以外の取り調べというのは、もう全く受けていないんでしょうか。
○伊藤(榮)政府委員 所得税法違反並びに外為法違反で起訴されておるわけでございますが、児玉については、要するに、彼のところへロッキード社から流入しました約十七億円及び昭和四十七年以降に入りましたその他のいろいろな金、そういったものの全容について聞いておるはずでございます。
○加地委員 同じく「田中角榮研究下巻」、私、これは不意打ちの質問じゃございません。遅うございましたけれども、けさ政府連絡員の方にも申したのでございますが、この文藝春秋の五月号に載った中にいろんな図面とか表というのが、きわめて興味ある絵が出ておるんですね。たとえば、これの百五十二ページには「オモテ権力とウラ権力の連関構造」という絵とか、それから百六十七ページには「児玉関連企業の膨張図」あるいは二百ページには「戦後児玉関係事件史」として児玉譽士夫氏が関係していた政治絡み事件が三十三件もタイトルとその要約とが書いてあるわけでございます。ロッキード委員会の調査というものもあるいは守秘義務、捜査中あるいはその他の政府の非協力などもありまして、進まない。そういういらいらした中で、この書物にはきわめて詳細に書いてあります。そのために私たちは、ただこれは暴露のためじゃなしに、いわゆる戦後の構造汚職を解明し、またそれに対する防止策を講ずるためにも、こういうものも資料になるのかなと思ったりしているのです。 ところで、ただいま御紹介した図式であるとか、事件史、この資料について、政府、司法当局はこれの真実性についてどのように把握をしておられますでしょうか。全くこれはでたらめだと言うのか、よく書いてあると言うのか、うーんと言うのか、その点はどうですか。
○伊藤(榮)政府委員 大変むずかしい御質問でございますが、お答えに当たって大変不謹慎にわたるというおしかりを受けるかもしれませんが、そのいろんな戦後の事件史を拝見しながら、その中に私自身が関与しました事件が相当ございますので、しみじみと思い返しております。もし、その図式のようなことであれば、もう少し私どもががんばればその図式どおりにいったのかもしれないと思う反面、いや、私が関与した記憶の限り、この図式はおかしいと思う面も多々ございます。大変個人的な感想で恐縮でございます。
○加地委員 中間報告に、昭和五十年分の所得税約一億九千六百万円を免れたと書いてございます。国税庁さん関係の質問に移るわけでございますが、児玉譽士夫氏の昭和五十年の全所得を掌握された分は幾らであって、申告はどうなっていたのでございましょうか。 また、一億九千六百万円の税額は、アウトライン、どういう計算によって出てきたのかということを、まずお答え願いたいです。時間ありませんから、簡単にポイントをついて答えてください。
○系政府委員 申告額につきましては、いまちょっと調べておりますので、後で申し上げますけれども、一億九千六百万の脱税額につきましては、私ども、これは検察当局と一緒に調査したわけでございますが、通脱所得が二億六千二百万円ということになっておりまして、それを本来申告したもののほかにこれだけ、いわゆる脱税としての刑事責任を追及するに値する犯則所得としてこれだけあった。それの対応する税額が所得税法の規定に沿って計算しますと、一億九千六百万、こういうことでございます。
○加地委員 児玉譽士夫氏は昭和五十年分以外にもずっと起訴もされておりますし、いま国税庁の方では払ってもらわなければいけない金額ですね、トータルはどうなっているのでしょうか。本税分で結構です。そこへ重加算税等もつくでしょうけれども、それに対しての、仮に裁判が終わっても取れなかったらもう一つ意味ないわけですけれども、いわゆるこの税額というものが確定した場合には、取れるようにどういうものを押さえたり、手段を講じておられるか、それについてお答えください。
○系政府委員 いままで四十七年分以降五十年分まで告発、起訴しているわけでございますが、四十七年分から五十年分までの四年分につきまして申し上げますと、いわゆる刑事責任を追及するという意味での脱税額、通脱所得の総合計が二十三億九千六百万になっておりまして、それに対応する通脱税額の合計額が十七億八千九百万、こういうことになっているわけでございます。 ただ、このほかにいわゆる刑事責任の追及の対象にまではならないけれども、いろいろ調べておったら、ほかにも漏れておったものがあったということで、そういうものは脱税としての告発とか、起訴の対象にはなりませんけれども、別途課税処理をしている、こういうものがございますが、これは一般的に普通の納税者に対する課税処理と同じ問題でありまして、発表は従来から差し控えさしていただいておるということでございます。 ということでございまして、必ずしもこの四年分全部の税額が十七億八千九百万円ではないわけでございますが、そういう払っていない、払っていただく税金につきましては、いわゆる滞納処分としてのこれに見合う債権確保のための保全措置を講じてある、差し押さえてその他の保全措置を講じてあるというのが現状でございます。
○加地委員 大体この税額全部に見合うものは押さえてあるのでしょうか。純財産額、担保がついたり何かしているのじゃなしに、いわゆる国税庁が優先権等に基づいて、ばーんとどう転んでも取れるように掌握している財産額は、約どのくらいのものを押さえているのですか。
○系政府委員 今回のこの事件に関連しましての国税債権、これを確保するための保全措置は講じてあるということでございます。
○加地委員 完全にですか。
○系政府委員 はい。
○加地委員 じゃ、最後に一つお伺いします。 法務省にお尋ねしたいのですが、児玉譽士夫氏、小佐野賢治氏が病気病気と言って、病気戦術をとったときに、公判の遂行は支障がないのでしょうか。その点どういうぐあいに、もし病気戦術に出てきたときはどういう対抗手段で、どういう法律でいけるとかいけないとか、その点をちょっとはっきりさしてください。
○伊藤(榮)政府委員 現在起訴されております犯罪は、いずれも本人が公判廷に出頭しないと公判が開けない事案でございますので、まあ戦術云々は別といたしまして、病気であります限りは公判が開けないというのが実情でございます。
○加地委員 たとえば警察医立ち合いのもとに、お迎えに行って公判廷まで連れてくるということもできないのでしょうか。もしできないとすれば、そんな刑事訴訟法なり刑事訴訟規則は改正すべきだと私は思いますけれどもね。
○伊藤(榮)政府委員 出頭できるかどうかも大事なことでございますが、それよりも、被告人に防御をする能力があるかどうかということが問題でございまして、そういう観点から裁判所も見ておると思います。それこそ歩けなくても出頭を求める方法はございます。ただ、問題は、医学的に正当な防御の能力があるかどうか、そういう観点を裁判所は常に見ておるようでございます。
○加地委員 それじゃ、現在の刑事訴訟法あるいは刑事訴訟規則で、欠席戦術、不出頭戦術に対しては、十分に対抗し得る法体制になっておるという御理解ですか。
○伊藤(榮)政府委員 被告人本人が身体の拘束に耐え得るものでありますれば、不出頭に対しては勾引するという手段がございますけれども、病気で勾引もできない、かつ、正当な防御活動ができないというものにつきましては、被告人の人権を守るという観点から、その間公判手続をとめておくという構造に現在の刑事訴訟法はなっておると承知しております。
○加地委員 勾引もできないということは、私は余りあり得ないと思うのです。警察医をつけるとか検察庁嘱託の名医をつけるとかして、法廷に行ったときに心神喪失状態とか、そういうものでない限りは、ほとんどの場合勾引は可能だと思うのです。そこまでこの児玉、小佐野の件についてやるぐらいの決意はございますか。
○伊藤(榮)政府委員 被告人が児玉であり、小佐野であるゆえをもって、一般に被告人に認められております人権をある程度無視するということはいかがなものかと思います。したがって、検察当局としても、一日も早く病状が回復して、速やかに裁判が開けるように、いわば祈りに似た気持ちで待っておるわけでございます。
○原委員長 次回は、来る十三日水曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三分散会