文教委員会 第3号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/10/19
会議録
○理事(内藤誉三郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十六日、前川旦君が委員を辞任され、その補欠として宮之原貞光君が選任されました。 —————————————
○理事(内藤誉三郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化及び学術に関する調査のため、本日の委員会に参考人として財団法人日本相撲協会監事佐々木秀剛君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(内藤誉三郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○理事(内藤誉三郎君) 教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○久保亘君 私は最初に、先般の委員会で御質問いたしました坂元学園の問題に関して、なお現地における紛争が続いておりまして、大変憂慮すべき事態だと考えますので、その後、文部省が学園の理事長を直接招致をされて事情聴取あるいは指導等を行われたのではないかと思いますから、その辺の事情について最初に御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) 坂元学園につきましては、坂元理事長に上京願いまして事情聴取を行い、相当長時間にわたって事情聴取をし、さらに内容を整理している段階でございますので、管理局長から御報告いたしたいと思います。
○政府委員(犬丸直君) 去る十四日の本委員会でお話がございまして、その翌日、早速理事長の方に来省を要請いたしまして、昨日、文部省へ来られました。 〔理事内藤誉三郎君退席、理事久保田藤麿君着席〕 来られたのは坂元理事長、それから九州学院大学航空工学科の主任教授であります永瀬教授、それから学生部長兼教務部長の西谷教授、それから機械工学科の主任教授の山田教授、それから霧島女子短期大学の方の教授の本村先生、それから九州学院大学の後援会長をしておられる市来さん、それから短期大学の方の後援会長をしておられます平山さん、さらに坂元学園の初代の理事の岩井さん、それから後援会の会長の原田さん、そういうような方が見えまして、当方からは、文部省の方からは私を初めとして、担当課長、それからそれぞれの担当の係官が十数名出まして、それから私学振興財団からも八木助成部長以下三名の方が見えました。文部省の会議室におきまして、一時十五分から二十二時四十五分まで約九時間にわたりまして事情聴取を行いました。私も、私は全部出ておりませんでしたが、初めの三時間ばかり出ておりまして、概括的な意見を理事長から伺いまして、それからあと各担当の者から詳しくここで御指摘いただきましたいろいろな点につきまして、事情を聴取いたした次第でございます。しかし、何分項目が非常に多岐にわたっておりまして、いまだ十分私どもの用意いたしました聴取項目のごく一部分しかこなしておりません。夕べは遅くなりまして中断いたしまして、本日また引き続き事情聴取しよう、そういう状況でございます。
○久保亘君 そうすると、先般私どもが指摘しました問題について、逐一いろいろ事情をお聞きになっているということでありますが、私どもが先般申し上げましたのは、現在この学園において紛争の原因となっておりますいろいろな問題の非常に代表的な問題を申し上げただけでありまして、個々の問題をもし全部申し上げるとしますならば、膨大なものになるだろうと考えております。それで、昨日九時間にわたって事情聴取をされたということでありますが、いまその経過だけの御報告でありますから、これはロッキードの中間報告のようなことでは困るのでありまして、それで聴取された結果、きょうも継続中ということでありますが、現在の時点において文部省としては、経営者の側に学園の運営上非常に多くの問題があるという点についてはかなり確認をされておるんですか。
○政府委員(犬丸直君) この坂元学園問題につきましては問題点が二つと申しますか、現在、学校移転問題、工学部の移転問題をめぐって紛争状態になっておる、学園が封鎖されておるというような状況がございます。それで一刻も早くその状況を解除して、正常な学園生活を取り戻すということが一つの課題でございます。それから第二点は、御指摘がございましたような非常に坂元学園大学の、学園の運営にいろいろ問題点があるという、この二つの問題があるわけでございます。 それで第一の、紛争の問題につきましては、これは確かに緊急の課題でございますが、さしあたりそれぞれのここで伺った主張と、それから実は私、昨日の聴取で冒頭に理事長から聞きました理事者側の見解とはかなり食い違っております。その間の意見の調整と申しますか、そういったようなことにつきましてはかなり時間を要すると考えております。そしてしかも、これはかなり相互の十分な話し合いが行われませんと、直ちにだれかが中に入ってどちらかに裁断を下すという性格のものではない、かと思います。ただ、それで現場に即しての事態の収拾ということに、もう少し学校当局の努力にゆだねざるを得ない面がかなりあると思っております。 それから第二点の、学校運営そのものの違法、不適正というような問題の指摘につきましては、これにつきましては、私ども文部省といたしまして、この間の委員会で御指摘になったようなことが事実とすれば、かなりゆゆしい問題である。この坂元学園自体の不名誉な問題であると同時に、私学全体の名誉のためにも、現在、私学助成を大いに拡充しようとしておる段階においても、もしそういうことが事際のあるとすればかなりこれははっきりとけじめをつける必要があるということでございまして、これは私どもとして、まず厳しくその実態の有無というものを調べていかなくちゃならないと思っております。 で、その第二の点につきましては、私の聞きました概括的な見解ではかなり、理事長側としては御指摘のあったような点につきまして異論がある、必ずしも全部が一律ではないというような概括的な意見を申されておりました。しかし、これは概括的なことではだめなので、個々に積み上げていかなければならないということで、その後、時間をかけまして、個々の項目につきまして理事長側の見解を聞き、また必要な証拠書類というようなものも出していただくというような手はずを整えております。そして、そうなりますと、これは事実問題でございますので、状況によっては私どもの担当者のだれかが参りまして事実を調べるというようなこともこれから必要になろうかというふうに考えております。 大体そのような感触を持っております。
○久保亘君 何か文部省は、非常に自信のない態度で事情を聞かれているんじゃないか、という気がしてなりませんが、学長の方は、ここで指摘された問題について異論があると、こういうことを言っておられるということなんでありますが、たとえばあなた方自身もここで募集要項には虚偽の記載があって、学生や生徒を結果的にはだまして入学さしたことになるんだということはお認めになっておるでしょう。そういう資格はないんだという……。で、そういう点は異論のあろうはずはないんです。それから、またその工学博士の学位を潜称している問題についても、これはいけないことだとあなた方は指摘されておるんで異論のあろうはずがないんです。こういう点については厳重な指導をされたんですか。
○政府委員(犬丸直君) 異論があるというのは、向こうが異論があると申したことをそのままお伝えしたのであって、われわれが調査に当たって自信をなくしているわけではございません。私どもは、問題点はびしびし指摘してまいりたいと思っております。それで、まだ調査の項目がおっしゃった点にまでいっておらないわけでございますが、たとえば昨日の段階で議論いたしました役員構成の問題につきまして、これもこの間の委員会で御指摘になった点でございます。各委員の人物及び職務内容につきまして詳しく聴取いたしまして、理事長側に対してその充実についてもっと充実せよという指導をいたしております。 それから理事会、評議会、その他の運営の状況等につきまして運営の実態をさらに詳しく聴取し、議事録等の書類を早速出せというような指導をいたしております。 それから、理事長の坂元さんが設置する大学、短大、高等学校全部の学長、校長を兼ねている、これも問題があるんじゃないかという指摘をいたしました。そして、理事長はひとつ検討してみるということを言っております。 それから、学則及び学生募集のパンフレットの問題につきましても指摘をいたしました。改善すべき点を指導いたしております。 以上でございます。
○久保亘君 きょうも引き続きおやりになっているということですから、またその結果を次の機会にも詳細にお聞きいたしたいが、結果的にその事情聴取に基づいて文部省ができることは、何をしようとされるのか、私その辺をお聞きしなければならぬと思っておるんです。私も、この理事長とは前に、前に紛争がありました際に直接お会いしたことがあります。そして、そのときは私は、ある意味ではこの人の主張に少し何といいますか、私の気持ちを動かされたことがあります。それで、それぐらい話をすると大変情熱的な態度で、そしてもう私心なく自分の全生命をこの学園の教育に、活動にかけているという話をされます。しかし、実際に行われている内容とは全く違ったことになっているんじゃないか。それが、いま学生が、移転問題で一応学長は移転はやらないということを言明しても信用をしない大きな判断の前提となっているわけです。だから、そういう点についてきちっとした態度で文部省がおやりにならないとよくないと思うんですよ。たとえば、私どもが指摘しました問題についても、一々これは反証されるかもしれません。だけれども、もしそうならば私は、現地の学生や父兄たちが持っております各種納付金の領収証などもぜひひとつごらんいただきたい。私の方にも若干その写しがあります。授業料の納入期日がほんのちょっとおくれただけで、空欄に延滞金を書き込んで、五千円全部徴収しておりますよ。それから、入学寄付金というのもタイプでたたいて、ガリ版刷りしたやつに十万円というのだけ刷り込んでありまして、後から今度はその頭に非常に不つり合いに五を打ち込んで五十万円徴収されております。そういう領収証の実物もあります。だから、ただ口頭でもっての弁明だけで、これはやっぱり学生の親、父兄が勝手にいろいろなことを言っているんじゃないか、という判断をされることは大変間違いだと思います。 それからその移転の問題については、学長はそれじゃ移転はしない。この方も法律には詳しいから、もともと本部を移転するとは言っていないのです。本部を移転すればあなた方の認可が要るから本部を移転するとは言っていない。大学の本校を千葉県につくって、そして国分の方は分校にしましょう、こういう話を最初された。その後だんだん雲行きがよくないということを知って、大学の本校を移転することはもうやめますと。それじゃもう船橋への計画はやめたのかと言ったら、そうではないと言っておられる、新聞報道等によれば。新たな大学をつくる、こういう言い方をされている。新たな大学をつくることに成功すれば現在の大学を別法人でこちらにつくっておいて、こちらの法人を解散することは可能なわけです。現に付属の高等学校は募集を停止しておって、いま一年生はおらぬのです、この学校は。だから次第にそういう形で縮小されていって、そして最終的には移転と同じような形にされてしまうのではないかという不安をその学生や父兄は持っているわけです。その辺のところが、移転問題についてはきちっと学園側の考え方をお聞きになりましたか。
○政府委員(犬丸直君) 移転問題につきましても、概括的な話はいまの段階で聞いております。私が聞きました。なお、細かな詰めた議論はこれからさらに重ねてやるわけでございますが、理事長の、私の聞きました概括的なお話では、十分いろいろ父兄にも相談した上で、その企画をしたつもりでやった、しかし、いろいろなことで客観情勢、いろいろな反対も出てきたので取りやめたんだと、そういうような概括的なお話でございました。なお、これにつきましてはさらに詳しく突っ込んで詰めてまいりたいと思います。 それで、なお前段におっしゃいましたことにつきまして、私は冒頭に、きょうおいで願ってお話を願うのは、ただ、われわれの聞いたことに対して一応の弁明だけのつもりで伺っているのではございません。伺ったことについて、場合によったら私ども直接調査いたしますと、そのつもりでお答えください、というふうに申し上げて調査を進めております。
○久保亘君 まあ、局長が事情聴取されている態度についてはいまお答えになりましたからよく私も理解をすることにしますが、しかし、この問題は速やかに解決をしないと、ここには大学生だけで千数百名おりますから、この学生たちが生涯にかかわる非常に大きな影響を受けるわけです。だから、私はその点について速やかに、しかも抜本的な改善が行われるような指導が必要であろう、こう思っております。その理事会などについても、私がここでいまの理事会の構成を申し上げたことが間違いだとは言ってないんでしょう、それはどうなんですか。理事会は私が言ったのは違う、実際の理事会はこういう構成になっているのだという反論がありましたか。
○政府委員(犬丸直君) ちょっと御質問の趣旨が十分つかみかねたんでございますが、理事会の問題についての聴取事項につきましては私直接おりませんでして、担当官がやりまして、いま書類、記録に全部とってございます。まだ十分整理してございませんので、ちょっとお答えしかねるわけでございますが、聴取の結果がまとまり次第、また機会がありましたら御報告申し上げたいと思います。
○久保亘君 それじゃ、昨日九時間、夜半まで事情聴取をされて、それできょうもなお引き続き事情を聞いている、こういうことでありますから、それじゃ、それをひとつおまとめいただいて、そして文部省はこのことに対してどういう見解を持ち、どのような指導をするのかということを含めて御報告をいただけるでしょうか。
○政府委員(犬丸直君) 御報告いたしたいと思います。
○久保亘君 それはいつごろなら可能ですか。私は期日をこうして申し上げるのは、学生たちのことを考えれば、いたずらに日にちを過ごしてはいかぬという気持ちがあるのでお聞きしているのです。
○政府委員(犬丸直君) いまの進行状況を見ますると、今週いっぱいはかかるのじゃなかろうか。来週になりませんとちょっと、まとめた見解をということにはならぬ、できないのじゃなかろうかと、そういう状況でございます。
○久保亘君 それからいま事情聴取をされておりますのが理事長、理事者側は理事長だけですね。坂元恵義さんだけですね、理事は。
○政府委員(犬丸直君) ただいま参られておるのは理事としては坂元さんだけでございます。先般申し上げましたように、御夫人の綾子さんからは前にちょっと聴取したことがございます。
○久保亘君 それからここに教授会や学生部長とか、それから女子短大の教官とか、こういう人たちが見えていることはわかりますが、九州学院大学と霧島女子短大の後援会長を事情聴取の対象にされているのはどういう理由ですか。
○政府委員(犬丸直君) 私どもが来てほしいと言ったわけではございませんが、ついてこられましたのをあえて拒否いたしませんでした。というのは、やはりそういう後援会の御意見等も伺うことはマイナスにはならないと考えたからでございます。
○久保亘君 後援会の事情を聞くことがマイナスにならないということはよく、それはあなた方の見解として伺っておきましょう。ただ、この後援会長は両方とも在学生の父兄ではないということを承知されておりますか。
○政府委員(犬丸直君) 卒業生の父兄であるということでございます。
○久保亘君 そして、この後援会長たちが、在学生が父兄の会合を開こうとしたときに、この会合には出席してはいかぬ、という意味のいろいろ理由をつけた電報などを、父兄のところに打つその仕事を、学長などと一緒にやられた人たちだということも御承知でしょうね。
○政府委員(犬丸直君) その辺の事柄につきましてはきょうの聴取事項になっておりますので、こちら側の意見はきょうは聞けると思います。ただ、反対側の意見は今回は聞けません。これはまた別な機会に何かをしなければいけないと思っております。
○久保亘君 わかりました。それじゃ、いま私は参考までにいろいろと今度事情聴取をされておりますその対象の問題とか、あるいはこの反証がどういう形で出てくるであろうかというようなことなどを申し上げましたけれども、何しろお聞きしますと、まだ事情聴取の過程にあるということでありますから、それじゃ、先ほどお約束いただきましたように、できるだけひとつ詳細な御報告を早い機会にいただきますよう、お願いをしておきます。くれぐれも、この問題の解決は学生を、現在ここに在学中の学生をどうしてやれるか、こういう立場で、そして事実は正確に把握をしておやりいただくようにお願いをしたい、こう思うんです。文部大臣、大臣もこの理事長とお会いになったんでしょうか、あるいはお会いになる予定がおありなんでしょうか。
○国務大臣(永井道雄君) 私、まだ会っておりません。特に会った方がいいかどうか、十分に考えます。
○久保亘君 で、大臣も先ほどから、うなずいていただきましたんですが、この学園の現状を速やかに平常な状態に戻すために、経営者側のなすべき責任についても厳重な指導を必要ならばなさる、こういうことについてはいま局長の方からお答えになっておりますが、大臣としても御異存はございませんですね。
○国務大臣(永井道雄君) 先ほどから管理局長御答弁申し上げましたことは、十分私と連絡をした上で二人でやっておりますことでありまして、学校が正常に、適正に運営されるべきことは当然でありますから、そうでない場合には文部省は十分これに対する指導を行わなければならないと考えております。なかなか事情が複雑なようでありますので、その指導の前に相当の調査が必要であるということが昨日の情勢でわかっている、それで今日も続けているという次第であります。
○久保亘君 まあ今日まで私学の経営のあり方などについて、文部省が責任者を招致をして夜中まで事情聴取をし、しかも二日間に及ぶなどというようなことは、およそ先例がないことではなかろうか、余りないことではなかろうか、こう思います。文部省としてもそれだけのことをいまおやりにならなければならないほど、この学園の問題は複雑で、そして多くの問題を抱えておるんだと思いますから、ひとつこの際、この学園の今日問題となっております点について、その真相を正確に把握をして、そして速やかに結論が出ますように重ねてひとつお願いをしておきます。 次に、私は、主任手当をめぐる紛争に関連をして、長崎県の教育委員会がとりました措置について少しだけお伺いをしておきたいと思います。 私は、長崎県の対馬における主任手当をめぐる紛争、刑事事件に発展をいたしました問題について、直接現地に出向きまして調査を行いました。県教育委員会それから対馬の当該町の責任者、あるいは町の教育委員会、教育事務所などの方々から広く意見を伺ってまいりましたし、またこれらの学校のPTAの責任者にも直接お会いいたしました。その中で、きょう、この経過については、あなた方よく御存じですから余りきょう詳しいお話をしようとは思いませんが、一つだけどうしても伺っておかなければいかぬと思いましたのは、長崎県の教育委員会が、この四人の先生たちが逮捕されたということをもって直ちに処分を、刑事上の処分が決定しない前に行政処分を科して停職処分を行ったことについて、これは県教育委員会のやり方としては少し異例の、行き過ぎではなかったかという感じを強く持ったのですが、その点については文部省は報告を受けられ、またそのことについて妥当な措置であったという見解を持っておいでなのかどうかお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(諸沢正道君) 御指摘のように、逮捕されました八名のうち五名を起訴、残る三名を起訴猶予といたしましたのは六月三十日でございます。
○久保亘君 逮捕は四名じゃないか。八名逮捕されておりますか。
○政府委員(諸沢正道君) 失礼しました、四名が逮捕、四名が書類送検でございますね。それでそのうち五名を起訴、残る三名を起訴猶予、その処分をしたのが六月三十日でございますが、県教委がこれらの職員について処分をいたしましたのは五月十四日付で四名を、それから五月二十九日付で残る四名をそれぞれ停職三カ月の処分にしたということでございますから、刑事上の処分の決定がある一月ほど前に行政処分をしたということでございます。 ところで、現在の法制といたしましては、公務員について、公務員としてふさわしくない行為があった等の場合に免職、懲戒免職を含む懲戒処分をするということと、当該公務員の行為が刑事上いかなる処分を受けるかということは、理論上はこれは別の問題でございます。ただ、御指摘のように、何か公務員が事故を起こしました場合に起訴されたというときには、起訴に伴って分限処分として休職をする、そしてその過程でいろいろ行政当局としても事実関係を調べた上で処分をするというようなことを行う場合もございます。しかしながら、いま申しましたように、たてまえとしてはそれぞれ別個の処分でございますから、刑事処分としてどのような処分をするかということの決定される前に、行政当局がみずからの調査と判断において当該公務員について処分をするということはこれはあってしかるべきことであります。そこで、われわれといたしましても、その後の状況を教育長、次長等から報告を受けまして、県教委が事実関係を詳細に調べた結果、これは県教委として、任命権者としてこれだけの処分をするのが妥当であるという判断に立って刑事処分に先立ちそのような処分をしたものであろうというふうに判断をいたしましたので、それをお聞きをしておくということで今日に至っておるわけでございます。
○久保亘君 ただ、私、文部省は今後、教員の処分等に関する考え方として、やっぱり一つの見解をこういう問題に対してお持ちになった方がよいのではないかという気持ちがいたすんです。で、県の教育委員会でそれじゃ何を根拠に、起訴もされていない者を何を根拠に処分をしたのですか、と聞きましたら、こう言われたのです。新聞やテレビに事件が報道されたことによって教育に対する信用を傷つけた。それから、それだけですかと、こう言いましたら、いやほかにもある。何ですかと言うと、対馬の教育事務所管内の校長さん数人に、警察署で押収した、組合が持っておった、交渉のときの経過を記録した押収テープを聞かせた。その交渉に全然関係のない校長たちを警察署に集めて、そしてそのテープ、警察が押収しているテープを聞かしたんです。で、その感想を聞きました、その感想を根拠として処分をしましたと、こういうことを言うんですよ。そんなばかなことはないと私は思います。そして、教育委員会もそれじゃ立ち会ったのか、こう聞きましたら、県の教育委員会は立ち会わなかったと、こう言われた。それで現地に行って教育事務所長に、あんた立ち会ったのかと聞いたら、教育事務所長は、私は一緒に聞きましたと、こう言う。それで、その押収テープを関係のなかった校長さんたちに聞かしておいて、このテープを聞いてどういう感じだったか、ということを教育事務所長が聞いて、それをまとめて県に報告した、それが処分の根拠だと。こんなことでやられていいのかどうか。私は、法制上ね、法制上その処分が可能かどうかという議論ではなくて、そういうやり方でやらなければならないような問題なのかどうかということです。それから、町のPTAの連合会の責任者をされておった方などにもお会いしました。そのときに、県の教育委員会が言っていた、その該当の先生のクラスが同盟休校をやったというようなことについても非常に強く力説されたんですと、行政の側は。でPTAの方にいろいろ聞きましたら、あすこで先生方に抗議をする集会が持たれたときに、その一人の先生の生徒の父兄に対して、終わってから町会議員の人たちが、あなた方ぜひ残ってくださいということで残して、その人たちをある人のうちに全部集めて、子供をあしたから出すなと、こういうことがやられたというんです。そして、その中で一人は、私はそういうことはいやだ、こう言ってそして出た子供が一人。それから、それに賛成をさせられた子供が翌日、一番その中心になった人のうちの前を通らにゃ学校にいけぬのですが、子供が学校に行きたいと言うので行きおったら、その中心になった人のうちの玄関の前で、あんた何で学校へ行くか、ということでとめられて帰された。翌日は、おじさんにとめられるからというので親がついていったら、親と一緒にとめられた。そしてその同盟休校に参加をしている父兄のところには政治家から激励の電報が行っている。こういうことを、これは私は作り話じゃありませんよ、PTAの代表者と直接会ってその方がそう言われた。そして、私は政治的には何の立場もありません、しかし、こういうふうにやられてきたんじゃどうにもならぬと思って、PTAは役員総辞職しましたと。それで機能が停止してしまって何ヵ月かたってから、これまたどうしても残ってくれということで、またその人たちが役員に戻るんですよ。 だから、そういうような状況の中で、今度一方では、教育委員会が非常に急いで関係者の行政処分を行う、こういうことについて私、非常に政治的に事が運ばれたのではないか。だから、こんな問題に対しては教育委員会は一つの見解をお持ちになる方がいいんじゃないか、こう思うんです。で、いま、それほど教育の信頼を傷つけたということで、起訴にもならない者を取り急いで教育委員会が停職という重い処分を科せなければならないほど問題なのならば……。国民がいま思っているのは、政治家は一体どうなんだということ、逮捕されて起訴された者が何の処分も受けない。法制上ないからという理由だけでそれでいいんですか。しかも、その人たちが公然と選挙に立候補するということについても、政党も規制できなければ何の規制もできないという状態の中で、こういう者は野放しでいいんだ。教師の場合には、新聞やテレビに事件が報道されたら、信頼を傷つけたかどによりということで停職処分。こんなことが同じ日本の社会の中で行われておって、いまただ文部大臣というだけではなくて、三木内閣の閣僚として特に三木さんの政治姿勢についてはかなり重要な役割りを果たしておられると思う文部大臣は、そういう、政治家の場合、事件を起こして逮捕されたり起訴されたりしてもこれは何ら問われるところはない。教師の場合には起訴されてもいないのに、逮捕されて、それが新聞に報道されたということだけでもって教育委員会が一方的に非常に強烈な処分を加えるというようなことが妥当なのかどうか、これ大臣はどうお考えですか。
○政府委員(諸沢正道君) 大臣がちょっと答弁される前に、まず私の事務的な見解をちょっと申し上げますけれども、御指摘のように、新聞、テレビで報道されたというような風聞ないしうわさ、あるいは第三者の感想を聞いて、それだけで処分をするということであれば、これは論外のことであろうと思います。しかしながら、公務員法に基づく処分をするためには、ちゃんと理由を示さなければいけないわけです。そして公務員法の規定では、処分をなし得る場合として、全体の奉仕者としてふさわしくない非行があった場合、あるいは職務上の義務違反というふうに書いてあるわけでございますから、そこで、長崎県の教育委員会としては、具体的事実を調査いたしまして、そして処分をするに当たっては、処分の書類を本人に渡しており、その処分の内容については、具体的に本人がいつ幾日、どこでどういう行為をした、その行為はこういうことで、公務員法のこのところの規定に反するから、よって処分をした。こうなっておるわけでございますので、私どもとしましては、長崎県教育委員会においてそのような処分事由を明示したからには、単なる風聞等によってしたのではなく、みずからの調査によってそのような事実を確認したからではないかというふうに判断しております。
○久保亘君 そう判断するというのは初中局長の判断、私は、現に長崎県の教育長から聞いてきているんですよ。長崎県の教育長がそう言われました。新聞やテレビに出て著しく信用を傷つけた、それから対馬の校長さんたちに押収テープを聞いてもらって、その感想を聞いた、そういうことでありました。こういうことです。それから、余りまたあなた方から怒られると気の毒だから言いたくないけれども、現地の内申を出した側、処分の内申を出した側は、教育事務所長を通じてきょうまでに出せ、ということで、ずいぶん強く言われて、私は本当言うて困りますよ、ということなんですよ。それで、そこから先はもう言わぬことにしましょう私も、その当事者に気の毒だから。私は、いろんなことを聞いて総合した結果これはずいぶん、長崎県の教育委員会としては政治的にいろいろおやりになったなあと。だから、国会議員の人たちからも対馬の父兄に、自分の名前を入れたはがきが送られております。そのはがきを、必要ならごらんになったらいいと思う。いろんなことを書いてあります。だから、そういうことを見ていると、この処分が政治的に行われたのじゃないか。そういうようなことで、逆に不信は非常に高まっている、私はこう思います。行政に対する不信。 だから、そういう点について文部大臣、教職員の行政処分というのは、やはり慎重に、十分説明のつく根拠をもって、ただ法制上可能であるからという、その制度上の可能性を生かすことによって政治的にそれを行使するということは、避けなければならない重要な問題だと、こういうふうにお考えになりませんでしょうか。
○国務大臣(永井道雄君) 教職員の行政上の処分のみならず、行政すべて、政治的な影響のもとにおいて行われるということは、適正を欠くことであると考えております。 したがいまして、われわれ文部省といたしましては、当然そうした角度において今後指導を続けていかなければならないと、かように考えております。
○久保亘君 それでは、お願いいたしました参考人の方々が御出席いただいておりますから、この質問は一応ここで保留をいたしておきまして、また別の機会にお尋ねしたいと思います。
○理事(久保田藤麿君) 佐々木参考人に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、お忙しいところを本委員会に御出席いただきましてありがとうございました。委員からの質疑には、忌憚のない御意見をお述べ願います。
○久保亘君 大変御苦労さんです。 参考人にお尋ねいたしますが、今回、トンガ王国の力士の問題で大変社会的に大きな関心を持たれました。それで、この問題に関係をして、最初にトンガ王国の青少年たちがせっかく協力の力士として入門しながら、不本意に廃業しなければならなくなったまず事情をひとつ簡単に御説明いただきたいと思います。
○参考人(佐々木秀剛君) 不本意であったかどうかははっきりいたしておりません。ただ、私たちは、部屋の問題で、先代未亡人と現朝日山親方の後継者問題でトラブルがありましてそれが関係者で収拾がつかなくなった、それで、協会であっせんしてほしいということで、数回にわたりましてトンが力士を呼び事情を聞き、また当時保証人となっておられた方々の入門当時の事情も聞きまして、説得に努めましたんですが、トンが力士全員は、現在幕下力士でございますが、琉王のもとでなければ相撲をとれないと、これを固執してあくまでもがんばりましたので、それではやむを得ない、協会の細則にも反するし、やむを得ないから処置すると。その処置の場合も、トンが力士の意思によって廃業するという英文の廃業届を添えて出しましたので、私の方で受理しました。 ただ、くどくなりますけれども、この問題に関して理事長が、日本人と違い外国人であるのだから、十分協力のあり方、あるいはまた周囲の説得によって相撲を習得するように、あくまでも努力するよう求められて、私たちも、それにこたえるよう努力いたしましたが、結果は残念ながら廃業のやむなきに至りました。
○久保亘君 これ、私は素人でありますから、間違っておるかもしれませんが、相撲協会の場合には、過去にも、たとえば出羽海部屋から九重部屋が独立します場合、それから井筒部屋から君ヶ浜部屋が独立する場合など、そのほか近くは二所ノ関から押尾川部屋が独立する場合、いろいろとトラブルがあったように思います。その場合には、いずれも協会は何らかの妥協をすることによってこのトラブルを解決されてきたのではなかったのかなあというふうに私は、古いことを思い出しながら考えるんです。その場合には、いずれも十両、幕内の力士を含んでおって、そういう問題があった。しかし、今度の場合には幕下以下の力士だけであったために、この問題は結局、廃業の処置で片づけられたのではないか、こういうような感じを持つわけですが、その辺はどうなんでしょうか。
○参考人(佐々木秀剛君) いま申されました九重問題、君ケ浜問題。九重親方が北の富士を連れて出た場合は、九重親方の申し出を当時の師匠であった出羽海親方が了承し、理事会に諮りまして円満解決しております。井筒問題は親方が突然亡くなられまして、そして後継者問題が、力士と未亡人の間に意見の相違をし、それが問題化したのでございまして、その場合、私たちの細則にあります、師匠が亡くなった場合は本人たちの自由意思を尊重するという項がございまして、それに合わして判断して処置をとったものでございます。現在の場合は、トンが力士は、力士である琉王をあくまでも師匠としてくれなければ相撲を取れないと、これを固執しておりますので、これを説得できなかったものでございますから、やむなく廃業届を受理いたしました。
○久保亘君 これは、琉王は現在、親方、年寄りですか、それの資格は持っておられないわけですね。
○参考人(佐々木秀剛君) 現在、琉王は幕下力士でございます。まだ諸手続をとっておりませんので、親方でも何でもございません、はい。琉王は一つのただ力士でございますからそういう権限等一切のもの持っていない。ただ、琉王は、幕内まで上がっておりますので、手続をとりまして親方になりたいと言って申し出があれば理事会で審議して、いずれかを決めます。
○久保亘君 わかりました。それじゃ結局親方に所属をしないということで、その廃業以外に手段がなかったと、こういうことではないかと思いますが、そうですか。結局、トンガの六力士はどの親方にも、結局、年寄りの資格を持っている人のもとに所属をすることができないために廃業とならざるを得ない、こういうことなんですか。
○参考人(佐々木秀剛君) 現在の力士は協会の所属でございまして、そして各部屋、弟子を養成している師匠のもとに配属されております。一たん配属された力士はあくまでもそこで相撲を取るようになっております。
○久保亘君 プロ野球などの場合には、野球選手と所属球団との間に契約が交わされるのですね。そうすると、力士の場合には何らかのやっぱり契約というのが存在するのか、あるいはもう慣習によってそういう親方との関係というのが成り立っているのか、これはどうなっているのでしょうか。
○参考人(佐々木秀剛君) 野球のことは私は全然わかりません。われわれは慣習によって過去、従来ずっと、現在協会所属力士であり、それを配属するという形をとっております。
○久保亘君 いまさっき言われました、親方が死亡したり、あるいはまあ親方が廃業される場合もあるのかもしれませんが、そういう場合には、力士の所属は力士の自由意思を尊重するというのは、これは協会では、そういうふうな慣行に従ってずっと処置されるようになっているわけですか。
○参考人(佐々木秀剛君) その点を十分配慮して行うことになっております。それもまた過去にも行ってまいりました。
○久保亘君 今回の場合も、先代の朝日山さんが亡くなられて、それから引き継がれたいまの親方のもとに一応所属をしたという関係があるからむずかしいのかもしれませんけれども、もし先代の親方が亡くなられた直後にそういう問題が起きて、この力士たちがどこか、ほかのところに所属することを希望したという場合には、それは認められたかもしれなかったわけですか。
○参考人(佐々木秀剛君) 現在の朝日山親方は、先代未亡人、また兄弟弟子、親方、その仲間の人たちで協議して、全員一致をもって協会にこの若二瀬を親方としたいという、その当時は現在の朝日山親方は北陣でございましたけれども、朝日山としたいと、それで改名いたしまして師匠とすることを認めました。何の問題もございませんでした。また、当時そのトンが力士が、死亡時点であっちへ行く、こっちへ行くと希望するというようなことは全然ありませんでしたし、なかったと思います。
○久保亘君 事情はよくわかりました。 そこで、いまわが国の相撲が非常に国際的になってきまして、それで外国人の入門者もふえていると聞いておりますが、そういうときに、この今度の問題というのは非常に、私ども全くその第三者の立場から見ますと、何か国際親善の上からも、またその相撲のそういう発展といいますか、広がりの上からも大変まずい出来事であったんではないか、こういう感じが非常に強くするわけです。 それで、協会は、トンガに使者を派遣される、こういうふうに聞いておりますが、これは国王のたっての要請で先代の親方が引き受けられ、協会がそれを所属力士として認めてきたという経過があるように私どもは承知しておったんでありますが、この処置がとられる段階で、国王との間、相手国との間では、こういう、こういう事情になってきて廃業させなきゃいかぬような事態なんだが、ということを話をされたのかどうかですね。特に、この青少年たちが言っている談話を聞きますと、国王の指示だから、こういうことを言っているように新聞などでは見受けるんです。それで、もし協会が話をされて、そして国王の方から、それは協会の指導に従えというようなことでも伝えられれば、この問題は、その一番まずい結末にならぬでもよかったんじゃないかなという感じをちょっと持つんですが、終わってから行かれるということでなしに、その前にトンガの関係者の方とは少し話をされたんでしょうか。
○参考人(佐々木秀剛君) 交渉中はトンガ国王との接触は持ちませんでした。しかし、私たちとしては、トンガ力士をあくまでも説得し理解してもらうことによってでき得るものと思っておりましたが、トンガ力士の発言は、あくまでも、われわれは先代未亡人のところに国王から頼まれて来ているんであって、あんたたちとは頼んでないということでございましたので、そういう経過もありましたんですが、国王との接触は持っておりません。なお、この時点が、廃業に至った時点において、理事長から国王に事情を説明する書簡を出すという形をとっておりましたんですが、先週の金曜日、衆議院の文教委員会理事懇談会に呼ばれましていろいろ御指摘、御示唆をいただきまして、書簡だけにおいては、やはり国際上の問題もあるであろうから、ということで、使者を出す意思はないかと言われましたので、理事長が即答いたしまして、私たちもあらゆる点を考慮しておりましたので、そういうことがあれば早速事情説明のために書簡を持参させ、また使者も出しますというふうに言っております。
○久保亘君 国際関係から言いましても、一相撲協会の問題ということだけでは済まない点があろうかと思いますから、いまの点については理事長がそういう決断をされたということでありますならば、ひとつ、そういう点については十分理解がつくようにやっていただきたいものだと思います。ただ、私はこの際、この力士の親方との関係というのがいわゆる慣行だけで成立しているということは、将来いろいろなトラブルを起こしやすい要因になるんじゃないかという感じがするんですが、これは監督官庁として、この法人の認可をされております文部省はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(安養寺重夫君) 日本相撲協会は、公益法人である財団法人でございまして、したがって、国技の保存、それの普及——いまや国際的になりつつあるわけでございますが、そういうことをその業務の基本においてやっていただいておるわけで、昭和三十年の初めにいろいろ協会の改革の問題がございまして、いろいろ新しい機構、内容の整備、相撲の普及の手だてを講ずるというような形で寄付行為の全面的改定をいたしまして、自来、若干の曲折はございましたけれどもいまの隆盛を見ておるわけでございます。 いまお尋ねの力士の問題に関する限りで申しますと、その時点で力士は協会の所属であるというようにステータスを決めまして、師匠である年寄りに力士の養成を協会が委託をするというような形になっております。 ただ、実際のやり方というのは、幕内力士が先輩として、力士養成員といわれておりまして、さらに下の段階、下位力士をいろいろと生活すべてについても指導するというたてまえから、慣行もございましょうし、それに最も適した方法ということで親方、部屋というのが事実あるわけでございまして、現在三十一あるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、そのいろいろな職業社会にはその倫理なりそれを維持するための規範というのがあるわけでございましょうから、相撲に精進しやすい、それに適した方法が他にない限りはこの制度を具体に上手に適用していくということが最善の道ではないかという形で今回いろいろと心肝を私ども痛めたわけでございますけれども、いろいろ具体の問題の対応に間違いのないようにしていただくという形で監督官庁としての立場を貫きたいと、かように存じております。
○久保亘君 やっぱり相撲の特色というものを生かしていくという意味では、近代的に通用する契約関係とかいうようなものを結ばないで慣行に従う以外に方法がないのかどうかという点について、私たちも本当言ってよくわからないのです。近代的な契約関係で力士を所属さした場合は相撲そのものが根本的に何か変質していくのかどうか、その辺のところは検討されたこともありませんか、文部省の体育の指導の立場から。 それから、特にこの相撲協会に所属しまする力士は、入門当初というのは未成年が多いですね。その場合に未成年が、親権者である親と協会との関係というようなものも余り明らかにならず、いわゆる古い伝統的慣習というか、そういうもので所属したんだということが決まってしまう。その後、その所属についてトラブルが起これば、協会の方針通りにいかなければ廃業以外に道はない。こういうようなことになっていくということは、どうも、どこか少し改善すべき問題があるんじゃないかなあという感じもするんです。これはよくわかりません。その辺についてやっぱり検討すべき問題はないのか。これは、文部省の意見もお伺いして、また参考人の方からも伺いたいと思います。
○参考人(佐々木秀剛君) 力士入門のことでございますが、私たちは、力士を希望して入門する場合は、親権者——親の承諾書をもらい、この承諾書に、力士として希望して入るということを書き、またどこの部屋を希望するというのを、書類はありますし、それに書き込んでまいりまして、検査届を添えて検査を受けさせることになっております。ですから、未成年の子供本人一人だけの意思によって入門させているというようなことはございません。 それから慣行と言いますけれども、私たち、あくまでも現実に沿ってやっていると思っております。
○政府委員(安養寺重夫君) 協会の方から話があったんですが、私たちとしましては、先ほど申しましたような力士の所属、その養成の委託、年寄りの仕事、いろいろそういう先ほど来問題になっています事柄は寄付行為なり、寄付行為の細則に規定が明文でしたためられておりまして、したがって、その関係から、私どももこの適用が真に時代の流れに常にうまく妥当するかどうかというようなことについては関心以上に御指導申し上げるという立場でもあるわけです。久保先生いまお話しのように、これが最善の方法だということについて深く研究したことは実はございませんけれども、年端もいかない青少年があのようなりっぱな力士になるというために、いろいろ普通の社会でないような訓育なり、これは精神的にもそうですが、そういうような生活全体を先輩なり年寄りにあずかれるというようなことについて、他にいい方法が特に、直ちにいまあるかということについてはなかなか妙案もございません。したがいまして、こういうような具体の、ケース・バイ・ケースの議論をよく見守りながら協会事態の考えもあるわけでございますし、世論もございますので、これ今後もいろいろなことを考えまして、十分御注意のような点については配慮を続けてまいりたいと思っております。
○久保亘君 最後に、これらの外国力士の滞在について。 トンガ力士の場合には、相撲の研修のためということで旅券は一年ごとに更新されているのですね。高見山さんの場合は相撲を行うということで三年の旅券、滞在許可になっているわけですね。三年ごと切りかえになっているようですね。そうすると、やっぱり相撲協会としては幕下以下の人は、これは研修生、それで十両以上の人が、これが相撲を職業として行うものと、こういうような認識に立たれているのか、あるいはこれは法務省の一方的な判断で一年や三年に分けられているのか、それは何か協会の方は御存じありませんか。
○参考人(佐々木秀剛君) 外国人が力士として入門するということに対しては、協会は所定の手続をとらせることになっておりますが、入国等については、その配属された師匠である親方が一切の手続をとることになっております。
○説明員(小林俊二君) 御指摘のように、高見山の場合とトンガ出身六力士の間には滞在期間に相違がございますが、高見山の場合にも、実は昭和三十九年に入国しまして、その後順調に相撲修業に専念して六年を経過した時点、すなわち昭和四十五年三月に在留期間更新の際に一年から三年に期間を伸長したわけでございます。入国当初はやはり一年ということで入国を認めた経緯がございます。三年に延ばしましたのは、その間の在留状況に問題がないということ、それから本人が長期にわたって在留を希望するということが明らかになりましたことを確認して、そういう措置をとったということでございます。
○久保亘君 外国人の場合には、どんなに力士としてのりっぱな活躍を残しても年寄りになれないような、寄付行為の改正が行われたというのをちょっと報道で見たんですが、それは文部省でも承知されて決まったんですか。
○政府委員(安養寺重夫君) いまのお話のような決定はいまだ協会でもなされておりません。
○久保亘君 どうもありがとうございました。
○白木義一郎君 参考人というよりは元横綱の胸を借りたいと思います。私は、元プロ野球の選手だったもんですから、ここで両元有名な関取衆に胸を拝借したいと思います。 〔理事久保田藤麿君退席、理事久保亘君着席〕 余り時間がございませんから簡潔にお伺いしますけれども、今度の事件は、私、スポーツマンとして、あるいは大ファンの一人として、あるいはまた国民の代表の国会議員として、いろいろ考えてみたんですが、ファンの立場としますと、どうも今度の事件は三角関係の犠牲にトンガの子供たちがなったんじゃないかというような結論を感ずるわけです。親方にも、こっちのお父さんにもつけない、協会というおやじにも見放された。それから、しがみついていた母親にも最終的には見放されてしまった。そして、大好きな相撲もついにあきらめなければならないというようなことを置きかえて見ますと、三角関係の犠牲になった哀れな子供たちと、こんなような感じもするわけです。 それからちょっと、相撲は出足で勝負が決まると言われておりますが、余り出足が早過ぎて、そして勇み足をしたようなふうにも思います。 また、あなた方の最も大事に考えている師匠と弟子の関係、これは私たちもよくわかります。巷間言われている「ムリ偏にゲンコツ」というのが親方であり、兄弟子だと。これはもう相撲の修業にはどうしてもそういったような考え方は崩せない。そういうように思いますけれども、ちょっと「ムリ偏にゲンコツ」が強過ぎたんじゃないかというようなふうに思います。 そこで、今後こういうことがないということを一番ファンは望むわけですが、いろいろいま御丁寧な御説明がありました。大体了解できたわけですが、今度のいきさつの中で、この楠田未亡人がトンガ王様にこの件についてどの程度了解を得たか、そういうようなことは経過の中で皆さんお聞きになったことがおありでしょうか。
○参考人(佐々木秀剛君) 勇み足あるいは「ムリ偏にゲンコツ」と申しますが、やはり野球の方でもそうじゃないかと思いますが、こういうプロスポーツといいますか、そういうものにはやっぱり強制と熟練というものは必要だと思いますので、やはり強制の面を強調されれば「ムリ偏にゲンコツ」かと思いますけれども、いわゆるそれを今度のトンが力士の処遇について用いたことは一切ございません。 今後の問題でございますが、私たちは今後、文部省あるいは外務省の御意見をお聞きいたしまして、外人力士の問題が起こらないような方法において力士を採用するということをこれから検討する考えでございます。そして、今後、皆さんの迷惑のかからないように万全を期したいと思っております。 なお、今後、朝日山未亡人がトンが力士のことについて国王から了解を求めたかどうかは、私たちは関知してございません。ただ、自分の意見は聞くのだからということは再三にわたって言われたので、理事会を開いている最中、これが十月の十四日でございますが、その最中にも未亡人、トンが力士に来ていただきまして、数回にわたって説得、説明し、そして、未亡人の力をかりて翻意するよう努力をいたしましたが、結果は不満足でございました。
○白木義一郎君 その場合に、トンガの青年は、われわれは、王様の命令でないと、王様から言われなければ、言われて来たんだから、私たちは、王様のOKがないと最終的にはどうにもならないんだというようなことが報道されておりますが、そういう点はあったんですか。
○参考人(佐々木秀剛君) トンガ力士からそのような答えは出ておりません。ただ、協会としては、あんたたちは相撲を習得しに来たのだから、そしてそれを習得し、また相撲を強くなれば、あんたたちが言っている国王に対する忠誠を尽くすことになるんじゃないか、その点をわきまえて、相撲をとるためにはやはり協会の規定、規則に従ってやってもらいたい、未亡人は現在資格はないんだと。ただ、あんたたちが入門するときにおいていろいろ、先代の親方についてあんたたちはめんどうを見てもらったんだから、その情けに感ずるだけでなく、相撲の方はまた別個に、こちらの現朝日山についても同じような状態が続くであろうから、何も心配しないで相撲をとってもらいたい、と言いましたですけれども、やはり自分たちは、本年四月トンガへ里帰りしたときも、未亡人には国王が頼んだけれども、あんたたちに頼んでいない、一年間だけ行ってこいと言われているんだ、という答えでございましたので、やはりやむを得ないと判断いたしました。
○白木義一郎君 そういう御説明でよくわれわれはわかるんですが、彼らの立場、また、王様の立場とすると、何が何だかわからないうちにこういうことになっちゃったと。また派遣された青年たちも、恐らく南の島で、両国で相撲をとりたいなんて思っていたわけじゃないと思うんです。ただ、王様が行ってこいということで来たわけですから。そこで、私たちは、国際親善というようなことを考えて考慮すれば、事前に協会が、トンガの王様にいろいろと了解をとりつけてというような、事の運びができなかったのかどうか、余りにも早く結論を出し過ぎたんじゃないか、勇み足的なというのが私たちの受け取り方なんです。 そこで、今後の問題ですが、お二人とも、トンガの少青年たちの相撲をやりたいという気持ちをどうくまれたか、あるいは何とかして相撲を続けさしてやりたい、お二人とも、恐らく言うまでもなく、今後もこの世界の発展のために生涯をかけられていく。そのように思いますけれども、そういう立場に立つと、まあ親方的立場に立つと、いま御説明のあったことでやむを得ないということになりますが、今度はもう、あくまでも外国から来て相撲を身につけたい、やりたいという、このすべてわれわれと違った生い立ちをしてきた彼らに、何とか相撲をとらしてやりたい、そしてりっぱに仕上げて、そこへトンガの王様が威風堂々と国技館へ乗り込んでくる、そこで、高見山と握手をしてなんというと子供たちには非常に楽しい夢ができるわけです。そこで、この相撲界だけじゃない、もっと相撲界のごたごたのもとはこの中にあるわけです、実は、ここに。ここが日本の頂点ですからね。ここがごたごたしてますから日本じゅうごたごたするわけです。ところが、ここのごたごたの審判は最後は国民の審判があるわけです。その点についてプロ野球の世界ではいろいろ交渉した最後には、選手の自由選択制度というのが認められているわけです、最終的には。それはコミッショナーがあって両リーグがあって、いろいろ金のあれだとか、もう時期だんだん激しくなりますけれどもね、最終的にはもうそれじゃ自由にしなさいと、野球やりたきゃ、どこへ行ってもやりなさいよという職業選択の自由というものが与えられているわけです。しかし、どこもその実力がないんだからあきらめろと、荷物持って田舎へ帰れというようなことに最終的には本人の意思でなるわけです。そこで、そういうことも今後この相撲界の発展のためには考えていかなきゃいけないと思うんです。まわしもずいぶんはでになったし、いろいろと近代化されたわけですけれどもね、内容はどうも「ムリ偏にゲンコツ」が少し残っているんじゃないかと、こういうようなことを心配するわけです。 そこで、一つ伺いたいことは、師匠が死亡した場合には、お相撲さんは師匠の選択は自由だと、こういうことになっていると伺いましたが、それでは麒麟児なんかは押尾川親方のところへ行きたいということだったんですが、最終的にはそういうふうにならなかった、天龍もそれを望んだんだけどもならなかった、けれども一年間しんぼうして、それじゃもうプロレスに転向するんだというようなことになってきたわけです。その点、去年起きた問題とこの今度のトンガの問題の解決の方法とのちがいをちょっと御説明願いたい。あのときには大麒麟ですかに、親方が死んだから大麒麟を親方として相撲をとりたいと言ったけれども、青葉城はそのとおりになったけれども、ほかの何人かはそれができなかったというような、自由意思によるというふうに御説明がありましたけれども、ここは自由ではなさそうなわれわれは感じを持っているわけですが、その点はどうでしょうか。
○参考人(佐々木秀剛君) 親方が死亡あるいは除名処分を受けた場合は、自由意思でなく、その配属されている力士の意思を尊重して、そしてそれを参考意見にして配属するということになりますから、完全に、おれは師匠が死んだからすぐおれの好きなところへ行くということではあり得ないことでございます。 そして、二所ノ関問題のことをお尋ねでございましたが、二所ノ関の場合は、師匠である二所ノ関が急になくなって、それで大麒麟あるいはほかの方々、大鵬が継ぐとかいろいろうわさはございましたが、それをやはり配属された力士たちの意思が統一できなかったことによってあのような裁定が下されたわけでございます。それで今度のトンガの場合は、朝日山に配属されておるトンが力士六名が同じ部屋の琉王を親方にして、私たちはそのもとで修業をしたいと、いままでかってなかった、まだ親方でもないし、その手続もとっていない琉王のもとでなければできないと、あくまでもこれを固執したので現在のように至ったわけでございます。
○白木義一郎君 その後いろいろな経過があっていよいよ協会も海外へ乗り出すと、この問題について元柏戸、伊勢ノ海監事が使者としてトンガへ派遣される、こういうことになったそうですが、大変結構なことですが、そこで、これはあくまでも話し合いではなくて説明なんだと。仮にこの六人が、相撲を続けるということを申し出られても、現在の協会は、これは受け入れられない、別な人が来ればまたそれはそのときに考えよう、というような理事長の談話が報道されているわけです。そこで、あなたが近々手続が終了し次第トンガの王様のところへ行かれるそうですが、その内容を御説明いただきたいんですが、どういうことであなたが代表で行かれるか。
○参考人(佐々木秀剛君) 先ほどもお話しいたしました衆議院の文教委員会理事懇談会において理事長がお約束いたしまして、書簡のみにおいてはやっぱり不足であると諸先生方は考え、国際上の問題もあるということでございましたので、相撲協会としましては、やはり日本・トンガ両国の友好親善を損ねるようなことがあってはいけないんだと、それでこの事態に至った説明を詳しく説明して、国王の了解を得られるよう努力してこいということで派遣されることになりました。
○白木義一郎君 そこで、春日野理事長の談話が載っているその談話の中で、もうあくまでもこの六人はもうこれでおしまいなんだ、日本では相撲を取らせないんだ。だけど、ほかの者が来るならばまた検討すると、こういう意向をあなたが持っていかれるんですか。
○参考人(佐々木秀剛君) 私は、そのような理事長の談話が出ているそうでございますが、そのようなことは理事長から一言も聞いておりません。また現在、一たん廃業した力士は再び力士となることはできないという項もございますので、一たん廃業したトンガ力士も同様であろうと思います。
○白木義一郎君 一たん廃業したら力士はもう二度と協会へは入れないという規約があるならば、これはもう一応はやむを得ませんけれども、そういう規約に当てはめる前に、われわれは、もう少しいろいろな、四十八手あるんですから、何かその手を打って何とかファンの希望をかなえるという考え方がなかったか、余りにもいわゆる親方的な考えがあらわれているんじゃないかと、こんな心配をするわけですが、今後ひとつあくまでも相撲を取りたい者にはあくまでも取らしていこうという考え方が協会の中に広がって、そしてますます発展することを私たちは切望するわけです。ある相撲の大好きな子供が、どうしてお母ちゃんそのトンガのお相撲さんはもう帰っちゃうんだと、相撲やるのがいやになって帰っちゃうのか、いや、そうじやないんだ、やりたいんだけれども、おじさんたちがいろいろやかましいのでできなくなっちゃったんだと、母親なんか説明に困るというわけです。そういうことで、ひとつ今後の発展のためによりよい検討を加えて対策を進めていっていただきたいことを心からお願いいたします。 最後に文部大臣ひとつ、この今後の方向についてお考えをひとつ述べていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) プロ野球界の大先輩である白木委員からのきわめて建設的な御提案がありましたことに、心から敬意を表したいと思います。やはり同じスポーツの世界でございますから、プロ野球もまた相撲もそれぞれ発展をいたしまして、わが国のそうした運動というものが盛んになっていくことは望ましいと思います。ただ、おのずからプロ野球それからまた相撲の方はこれまで違う慣行もあり、契約あるいは所属の姿も違っておったわけでございますから、そのことから必ずしもプロ野球のあり方がそのまま相撲協会に適用されるということもなかろうかと思います。しかし、御趣旨のほどはよくわかりますし、社会もまた変化をしており、さらにまた国際関係というようなものもスポーツを通して強化することが重要でございますから、今回の問題というようなものに踏まえて、私どもは今後相撲協会とも十分話し合いながら、建設的にスポーツというものが楽しまれ、さらに国際的な友好関係を強化していくような方向で努力をいたしたい、かように思っております。
○白木義一郎君 どうもありがとうございました。
○理事(久保亘君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。佐々木参考人に一言お礼を申し上げます。本日は貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。どうぞ御退席いただいて結構です。
○白木義一郎君 次は、文部大臣の指定した天然記念物のために私の近所で非常に国民が迷惑を受け、被害を受けている。御承知のとおり、大阪はいま暴力団で戦々恐々としております。そこで、健全な自然に親しもうということで郊外へ出ますと、そこに文部大臣指定の天然記念物がおりまして、それが暴力団まがいの暴れ方をするために非常に被害が起きている。年々歳々これがふえているということについて、きょうは文部大臣のお考えを伺いながら速やかな対処を望んで質問をいたします。 この大阪府の箕面市にある自然動物園では、サルが——いまはお相撲だったんですけれども、今度は、わが同類のようなサルが文部大臣の指定によって天然記念物になっている。その指定の経過を、またその理由を簡潔にひとつ御説明を願いたいと思うんです。
○政府委員(柳川覺治君) いま御指摘の大阪府にございます箕面山のサル生息地の指定を行いましたのは、三十一年十二月二十八日の告示でいたしておりますが、これに至るまでの経緯といたしまして、二十九年七月の二十日に当時の大阪府箕面町長及び同町教育委員会から天然記念物の指定申請が出されました。箕面山につきましては当時名勝箕面山ということと同時に、名勝の指定申請も出されまして、その際にサルにつきまして学術上価値が高いというものの指定の申請でございますが、特にこの箕面山のサルにつきましては、「都会地近郊に遊覧客と密接な関係を保ちつつ群猿の存することは、全国的にも珍らしいが、現状のまま放置すれば近い将来滅亡の危機に直面する公算が極めて大きい。」ということが指定申請の理由でございました。そこで、この申請を受けまして、当時の文化財保護委員会が昭和三十年三月十六日文化財専門審議会にお諮りいたしましてその答申を得ております。その間、指定地域の所有関係の確認等に若干の時日を要しまして、先ほど申しましたとおり、三十一年十二月二十八日指定の告示を、名勝箕面山の指定と同時にサル生息地の指定を行った次第でございます。 指定書によります指定理由は、「箕面川渓谷に沿う森林内に二−三群百余頭が社会生活を営み、よく餌につき容易に生態を観察することができる点で学術上貴重なものである。」ということで指定いたしておりまして、この指定基準は、動物の指定に当たりまして「日本特有の動物で著名なもの及びその棲息地」及び「自然環境における特有の動物又は動物群聚」というものに該当するということで指定した次第でございます。 以上が指定に至る経緯でございます。
○白木義一郎君 その後大変恵まれたサル君たちが非常に繁殖しまして、現在では先ほど申し上げたとおり非常に暴力団まがいの蛮行を繰り返しているということで、地元の方では何とか天然記念物の指定を文部大臣に解除してもらいたい、もうこう天然記念物にひっかかれたり、ハンドバッグ持って行かれたりしたんじゃたまったものじゃないと、こういうことの要望が、要求が出ていることは御存じだろうと思います。 そこで、この指定解除の問題と、それをめぐる——指定した以上は、政府が管理者を指定してちゃんと目的に沿って管理をさせる責任があると思うのです。その点は文化財保護法の七十一条の二に出ておりますが、その内容は、時間がありませんのでこちらであれしますけれども、まず指定しようということに決まると、地方の公共団体の同意をまず得なければならない。そして同意があればその旨を官報で告示をするとともに、通知をする。そしてその次は公共団体の指定をしなければならない。そこで初めて完全な手続というようなことがうたわれておりますが、それが、現在では全く行われてない。いわゆる地元ではこの天然記念物を、目的に沿って、文部大臣の御趣旨のようにりっぱな天然記念物にしていくという、その管理の責任が不明確だということで、非常に地元の箕面市等では困っているわけです。その点ひとつ簡潔に御説明を願いたいのです。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘のとおり、天然記念物等の指定をいたしますと、その天然記念物の保護管理、その責めを負うというために管理団体の指定をいたして、その保護増殖あるいは適正な管理を図っていただくということを進めてきておるわけでございますが、この箕面山のサル生息地につきましては、まあ申請自体が箕面の市長から——当時の町長でございますか、町長から出されたというような経緯もありまして、また土地が大部分が大阪の府有地、それから国有地、それから寺有地ということの土地の関係がありまして、当然箕面町の方で管理には当たっていただけるというようなたてまえをとりました関係でございますか、当時、管理団体の指定を現在の箕面市に対してしてこなかったという経緯がございます。そこで、当時の箕面町は指定に当たって、民間の土地所有者であるお寺の方からも管理の委任を受けておりますし、また指定後もサルの捕獲等の現状変更について実際に取り組みをしていただいてきたということで、従来管理団体指定と同様の管理責任を果たしていただいてきたというように私ども感じておったわけでございますが、御指摘のとおりその辺が必ずしも、代も変わり、いろいろの事情の変化に対してその面の責任をさらに明確視するという問題はあろうかと思いますので、管理団体の指定の問題につきましても今後十分詰めてまいりたいというように考えておる次第でございます。 なお、被害の問題につきましては、実は正直申しまして大阪の方から私どもの方にはまだ上がってきておりませんで、府と市との段階でこれにつきましての善処方を詰めておるという状態でございますが、今後十分その辺を調査してまいりたいと思います。
○白木義一郎君 市の方の言い分としては、管理の責任を仰せつかってないんだ、ですから余り表立って物を言えないんだ、まあ恐ろしいとは言いませんでしたけれどもね。そこで、そうすると、現在ではまあ法律の上から言うと、箕輪氏のも、大阪市のあるいは市の教育委員会ですかにも管理者としての責任がないということになる。で、現在までは市がこの公害に対しまして賠償責任保険に加入して、そして被害者に対して対処している、こういう現状になっているそうです。これはまことに国の方の手落ちということになるわけです。そこで、いまこれから急いでこの問題に取りかかるという御答弁がありましたからそれはそれで結構ですが、もしその間に大きな災害、被害が起きた場合には、要するに、この賠償責任保険で納得できないような事件が起きた場合には、これは国の責任と、こういうことにならざるを得ないと思うんです。その点はどうですか。
○政府委員(柳川覺治君) 天然記念物に指定しておりますサルは一体、所有はだれの物であるかという議論は、いわゆるこれ無主物と言われておりまして、必ずしも所有関係からの損害賠償等の割り出しにつきましては大変むずかしいあれがございまして、まあそれによる被害につきましてはいま保険等で手当てをしていただいておる。さらにそれ以上の市の負担にたえないという問題が起こりました場合は、これはその事例に応じて私どもも相談してまいりたいというふうに思っておりますが、まああそこに住んでいるサルの被害が直ちに国家賠償の問題になるかという問題については十分検討を要する課題であろうというように感じております。
○白木義一郎君 管理の責任者が明確にされてないわけですから、文部大臣が指定したわけですから、で、天然記念物なるがゆえに非常に、文部大臣の意向を地元の人たちは尊重してこのサルを大事に大事にしてきたわけです。その記念物のために、いま子供たちが遠足に行きたいんだけれども先生や父兄が行かせないわけです、問題が起きたときには先生が責任をとらなくちゃならないというようなことで。その町の中ではピストルの撃ち合いがあると、大自然を求めてというと、そこにも文部大臣の指定した暴力団、天然記念物の暴力団がいる。まあこういうことで、いつ不測の事件が起きないとも限らないわけです。そうしますと、どうしても手続を——いろんな町から市にというようなことも、古い話ですから内容があるでしょうけれども、表向きはこれに照らすと明らかに手続の不備ということになると、どうしても、まあいま賠償保険では、それによって死亡した場合には一千万なんだ、そうすると天然記念物にやられたときは一千万、じゃ自動車にひかれた方がいいやと、こういう理屈が成り立つわけですね。その点ひとつ文部大臣、不測の問題ですが、どのように対処されるか、お伺いをしておきたいと、こう思います。
○政府委員(柳川覺治君) 現行規定の上では、現状変更の申請がございまして、それをゆえなしとして不許可にした。そのことによって通常生ずる損失につきましてはこれを補償していくという規定がございます。で、いまこのサル生息地の問題につきましては箕面市の方で御指摘のとおり被害がございますので、これを捕獲いたしまして保護センターの方で飼っていくということで今後の対応をしていきたいということを言ってきておりますが、全部のサルを捕獲して保護センターの方で飼育していくということは必ずしも当を得たことではないじゃないかということで、この面について適正な頭数はどの程度であろうかということも府の教育委員会と市の方で詰めておりまして、先ほど指定申請の際が百余頭ということでございますが、やはりあの地域では百二十頭程度のサルの生息が適当ではないかということが市の方でも申しておりますから、この辺のところもめどをつけながら、その被害を与えずかつ、自然の中にサルが喜々として生息していく、そういう状態をぜひっくり上げていくということが課題ではないかと思います。 で、サルの問題は、サルも社会生活を営んでおりますが、中心のところには大体家系のボスが中心におりまして、それからその周辺に親のサルが娘ザルを抱えて、その周りに若者がおります。この若者まではそう悪さをしないんですが、そこからまたはずれたものがいるわけですね、若者のあれから。そのものが、それが地域も相当周辺に飛んで被害を与えるということで、いままで市の方でも昭和三十六年に四十頭、四十年に一頭、四十二年三十頭、四十四年十頭、四十六年四頭というように再三いわゆる離れザルというものの捕獲をしてきております。この辺が、一つの群の中ではそういう離れザルの捕獲、またサルと人間の知恵比べみたいになるのですが、やはりときどきしかるというしっけをしなければ、余り甘やかしてしまうとかみつくということのあれがありますので、やっぱりしつけの問題もあるようでございまして、その辺のことも含めて十分、私ども府、市と適正な頭数及びそれによる大自然の周辺環境の中で自然環境を保つという大きな課題がございますので、そういう面から取り組みまして、被害の絶滅を図っていくというのがまず第一ではないかというふうに考えております。
○白木義一郎君 サルの飼育のあれを伺ってるわけではないのです。 そこで、一方では、九州のサルはローマへ九州人を代表して親善に派遣される、ローマの動物園へおこし入れと、こういうことなんです。ところが大阪のサルは、ということなんです。 そこで、いまいろいろ御説明がありました、それはよくわかりますが、だけれども、こういうところにおりますと、どうしてもそういうことになるわけです。現場に立ってみると、これはいろいろ捕獲とかなんとかといいますけれども、これによりますと、うっかり捕獲すると、文部大臣の指定した天然記念物をぶんなぐったり傷つけたりすると懲役、科料、罰金を科せられるわけです。やられてる方は大変なことなんです、人間は。記念物を取り締まろうとすると、非常に文部大臣はサルを大事にしている。事、この箕面公園におきましては、何だか昔、先生方に教わった綱吉将軍ですか、犬公方の再来のように現状はなってるわけです。しかも、文部大臣が日夜心を痛めている、ゆとりのある教育を望んでいる子供たちが遠足にも行かないというような現状なわけです。そこで箕面市では何とかこれを指定を解除してもらいたいというのが強い希望なんです。この解除の事由についてどのように文部省ではお考えになっていますか。
○政府委員(柳川覺治君) 国宝、重文あるいは史跡名勝、天然記念物等の指定の解除につきましては、指定の事由がなくなった場合、これは木でございますと枯れてしまったとか、あるいは動物でございますと生息状態がもうなくなったというようなそういう指定事由の消滅の場合、それからその他特殊の事由がある場合ということの二つが掲げられております。特殊の事由の場合は、最近その例が、解除の例がほとんどないわけでございますが、考えられるのは大きなダム建設あるいは治山治水、そういうような大きな観点から、むしろその方面の開発事業の方を優先させるというためには、天然記念物等を犠牲にするということのやむを得ない重みがあるというような場合が、あるいはこれに該当するのかというように考えておりますが、最近その例は余り私ども承知していないという状態でございます。
○白木義一郎君 そうしますとですね、解除の事由、特別な事由とうたわれている法律の解釈には、現況の状態は特別の事由にならないかどうか。あくまでも、もう現在の天然記念物を大事にしていくんだと。——特別な事由に入らないかとうか。
○政府委員(柳川覺治君) むずかしいところでございますが、いま、ある意味では被害の問題がありますが、ある意味では日本特有の動物の生息がカモシカその他ふえてきておるという面の問題があるわけでございまして、この辺のところをやはり自然と人とのかかわり、また特に自然からいろんな知恵を人間が受けていくという面の恩恵もあるわけでございまして、特に都市近郊等における、大都市周辺の自然の中に自然の状態の動植物が生息しているという姿、これは、ある意味では世界でも誇るべき例でございましょうし、したがいまして、そのふえたところによる被害の増大、それのマイナスの面、これはこれを排除していく、排除しながら人と自然とのかかわりが正常な状態に戻っていく。そこへの努力をわれわれとしてすべきであろうということを基本に考えておる次第でございまして、したがいまして、箕面市の方から指定を解除して、全部保護センターの方でつかまえてしまおうというお話につきましては、大阪府の教育委員会と箕面市の教育委員会との関係で、それも必ずしも当を得たものでないので、適正な頭数での保護という問題を改めて検討していこうということの話を進めておるようでございます。したがいまして私どもも、いま箕面市は、指定解除申請まで国に上げてくるというところまでいっておらないというように承っておりますので、十分、先生御指摘の御趣旨の点を踏まえながら、この面の善後策を早急に取り組んでまいりたいという、むしろ自然と人間とのよい環境をさらにつくり上げていくということの観点から、この問題を取り組みたいと思っておる所存でございます。
○白木義一郎君 大臣、この解除の特殊な事由という中に、こういうケースは入らないかどうか。この事由としては、たとえば国益に沿うような必要があったときには、あれを解体して国益に使うというようなことになると、たとえば、そこへミサイルの基地をつくると、じゃあ、もうサルは天然記念物ではない、とっつかまえようが何をしょうが自由であるといって、そこを解除してしまうというような事由、解除するにはそういう理由があれば解除すると、こういうことだそうです。だけども、現状の箕面市の状態では解除をする意思はないと、こういうような御説明ですが、大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(永井道雄君) 国益云々ということがございますが、これは何もミサイルに限らず、治山治水ということを次長申し上げたように、そういうこともございましょうし、また天然記念物の保存の余り、人命が失われるというようなことは、これは非常に憂慮すべきことでありますから、そうしたことも当然配慮すべきことだと思いますが、箕面市の場合、まあ、市の御意向もありますが、府の御意向もあり、実は私は、わりにあそこは好きでよく行ったんです。
○白木義一郎君 あそこはいいところですよ。ぜひおいでください。
○国務大臣(永井道雄君) ええ。ただ、確かにサルの数が多くなり過ぎたということはどう考えても明らかなことであって、先ほどもお話、次長が申し上げましたように、百頭と、あるいは百二十頭とか、そのぐらいのところで適正にサルの動きというものと自然を楽しむことができるという保証があれば最初の目的が達するわけでございますから、現状において困ったことがあるというのもこれまた御指摘のとおりでございますので、直ちにもうあそこのサルは全部やめてしまうという前に、やはり考えなければいけないのは、どういう形であそこのサルと自然と人間の関係を維持できるのか、この問題について文化庁と府、市が話し合うということが一番適切ではないか、かように考えている次第でございます。
○白木義一郎君 そうしますと、一たん決定したことはあくまでも固執していきたい、こういうふうにうかがえるわけですが、もう時間もありませんから、どうかそういうことのないように、解除してしまえば今度箕面市が観光地として、箕面市の責任において、野性のサルをどう自然と人間と親しましていくかというような方向は箕面市がやる意思を持っているわけです。ところが、いまそういう手続を怠って、管理責任がありませんから解除の申請も出せない、うっかり天然記念物をさわると、臭い飯も食わなければならぬという、当局の連中にすればそういうことになるわけです。 そこでですね、ひとつ早急に解除すべきか、あるいは解除せずによりよい方向へ大臣の責任で方向づけて、そしてこの新しい時代にサル公方が、なんというようなことが大臣の在任中に残らないように、ひとつぜひ万全の処置をおとりになっていただきたいとお願いを申し上げ、また約束をしていただきたいと思いますが。
○国務大臣(永井道雄君) ただいま御指摘の問題、解決の方向に向けて努力をする考えでございます。
○志村愛子君 よろしくお願いいたします。 きょうは二つの問題を質問させていただきたいと思いますが、その一つは五十四年度から実施の養護学校の義務制についてお伺いしたいと思います。 四十七年から七年計画で進められておりますわけでございますが、実施までに余すところ二年ほどしかございません。そこで、現在計画がどの程度に進んでおりますでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) ただいま志村先生御指摘の養護学校の義務化は五十四年を目標に進んでいるわけでございますが、これは四十七年を初年度といたしまして、七カ年間で二百四十三校ということが目標であるわけでございます。その二百四十三校中どういうふうになっておりますかといいますと、昭和五十年までに百三十校が設置いたされました。そして昭和五十年、五十一年度というのは地方自治体の財政が逼迫いたしておりますので、設置数が幾分減少いたしております。そうすると、これから後の問題が出てまいりますので、文部省は各都道府県のこの課題への取り組み状況を把握するためにいま事情聴取、意見交換を行っているわけでございまして、その結果によりますと、一般的に申しますと、五十二年度以降の設置数は上昇していくであろう。そして初めに計画をいたしました五十四年の義務制実施の時期までには計画をいたしました設置学校数はほぼ確保し得るものと、かように考えている次第でございます。
○志村愛子君 前回四十八年にこの文教委員会で私もこういう子供を持つ親の一人の体験として心からの訴えを申し上げたんでございますけれども、そのときは、すでに教育の義務制になっております盲学校あるいは聾学校を除きまして、精薄、肢体不自由、病弱などの児童、生徒の就学している養護学校は二百六十一校で対象にされる子供五万三千人のうち四四%二万三千人が就学しているにすぎなかったんでございますが、これもう少し細かく現在どのくらいか数字をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府委員(諸沢正道君) ちょっと概数で恐縮でございますけれども、四十六年の義務制の予告政令を出します段階で、養護学校の数がただいま御指摘ございました二百六十校ほどでございまして、それから五十四年の義務制実施までにもう二百四十校、正確に言うと二百四十三校をつくりまして、大体五百校ほどで全部の子供を収容する。一学校の定員は百五十八名ぐらいだったと思いますが、そういう計算でスタートをしたわけでございます。そこでただいま大臣がお答えしましたように五十年度までにはその二百四十三校のうち百三十校ができておるということでございますので、既存の二百六十校を含めますと約四百校程度の学校がただいまのところ整備されておるということでございますので、学校の数だけから申しますと、五百校強の計画のところを四百校弱できておるわけですから、子供は八〇%ぐらい収容されておるかということになるわけでございます。けれども、ただ、予定しておりましたところの一学校当たりの子供の定数というのを百五十何名かにいたしておりますが、現在のところ、まだ必ずしも予定定数どおりは子供が入っていないというような、つまり通学の諸般の状況等もありまして、入っていないということもございますので、具体的に就学さしむべき子供のうちの何%入っておるか、ということを正確に数字ではちょっといま申し上げかねるんでございますけれども、学校の数で申しますと、いま申しましたように、かなり計画が進んできておると、こういうふうに御了承いただきたいと思います。
○志村愛子君 養護学校の設置義務は各都道府県にあるわけでございますが、地方財政が今日逼迫しております折からでございますので、果たしてこの調子でどうかなというのが一番の心配でございます。付属寮をつくったり、学校設備に大変な予算がかかると思うんでございますけれども、この予算は大体どのくらい計上しておられますか。
○政府委員(犬丸直君) 盲聾等も含めまして養護学校全部含めまして、特殊教育関係の建物が五十一年度予算が約百一億でございます。 〔理事久保亘君退席、理事内藤誉三郎君着席〕
○志村愛子君 百一億ですか。入れ物をつくりましても、やっぱり何と申しましても人の問題でございまして、特に中で指導してくださいます先生が、また私は、これ日ごろから日本人全体の問題として、社会福祉に対する心と申しましょうか、福祉の心が先進諸国のそれに比べるといろいろの面で恥ずかしいことではあるけれども、また残念なことでございますが劣っていると思うんでございます。つまりこういう入れ物をつくりましても、中で働いてくださる指導者、先生方また保母さん方、こういう方々の教育をしてくださる方々の立場がいろいろの面で、まだあろうかと思いますが、そういう教員の養成、こういったことはいまどのようになっておられますでしょうか。
○政府委員(諸沢正道君) 養護学校の先生を養成します大学の課程の現状を申し上げますと、正規のつまり四年の課程で養護学校教員養成課程、これは主として精薄の子供を対象とする教員ですが、その養成課程が四十八大学ございまして、それに対する入学定員が九百六十名、そのほかに肢体不自由児教育養成課程とそれから病虚弱教育教員養成課程、言語障害児教育教員養成課程というのがそれぞれ三つ、一つ、四つと、つまり八つございまして、その入学定員を合わせますと百六十名、これが四年のコースでございます。そのほかに大学の専攻科にこれは一年の課程だったと思いますけれども、専攻科に精神薄弱教育養成専攻のコース、これが六コース、それからいま申しました病虚弱教育専攻、肢体不自由教育専攻、言語障害教育専攻というふうに専攻を置いております大学が一、一、三、とございまして、それを合わせますと、この入学定員が三百三十名ということになります。それからそのほかに、臨時のこういう特殊教員の養成課程、これは大体現職の先生が普通の免許状を持っておられまして、もう一つ養護教員の免許状をそれに重ねて持つために入るコースでございますが、これはちょっと一々詳細は略しますけれども、約十七大学ございまして、その入学定員が三百六十ほどになっております。これがいわば全部合わせまして千九百十名になりますけれども、これがそもそも養護学校教員の養成を目指した、本来的に目指した養成課程の入学定員の数でございますが、そのほかに普通の大学でも課程の認定を受けて、養護学校教員の免許状をもらい得る大学、短大というものが二十ほどございまして、それ合わせますと入学定員が二千七百五十名でございますので、全部を合わせますと、入学定員としては四千六百六十と、こういうことになるわけでございます。 一方それじゃどのくらいの先生が具体的に採用されておるかということでございますが、四十七年度、ちょっと古うございますが、四十七年度におきますところの養護学校教員になった先生の数というのが、新採用されたのが八百八十名でございます。それで、その後、ただいま御指摘のように、逐次、逐年新設の学校がありますので、四十九年度以降は、大体平均しますと年間二千名くらいの教員が毎年新採用になるということでございますので、等級の数の上から申しますと十分間に合ってきておるという現状でございます。
○志村愛子君 十分間に合ってきているということでございますが、私が一応調べた実態では必ずしもそうではないようでございまして、特に手不足の折から普通の大学の、しかも福祉科ではない他の科を専攻した人たちまでが応募せねばならないというような形のようでございますので、こういう点でもう少し、何か少し制度を強度化するというような、あるいは何かもう少したくさんの先生方、こういう養護学校教員を目指す方々を増強させるような、ふやすような、そういうような方法を何かお考えございませんでしょうか。
○政府委員(諸沢正道君) 確かにご指摘のように、現在の養護学校の先生の資格構成を見ますと大部分が教諭になっておるんですけれども、いまの養護学校の教諭の資格としては、たてまえは普通学校の教諭の免許状と養護学校の教諭の免許状と両方持たなければ教諭になれないというたてまえなんですけれども、過渡的には、普通学校の教諭の免許状だけを持っておれば当分の間、養護学校の教諭の免許状を持たなくても教諭になれるという制度があるものですから、そこで、先生の名簿だけ見れば全部ほとんど教諭であるけれども、いま御指摘のように中身はそうじゃないじゃないかということもあるので、確かに私はそれは一つの問題だと思うわけでございます。そこで、各県等にお願いして、いわゆる認定講習等をやりまして、そういう普通学校の免許状だけしか持っていない方は、養護学校の教諭の免許状を取るためには、最低たしか十単位取らなければいけないわけで、その講習会を毎年やるように奨励をし、またやっていただいておるわけで、逐次そういうふうに切りかえつつあるということが一つと、それから御承知のように、養護学校の先生につきましては、これは盲聾も一緒でございますけれども、ほかの学校の先生よりも同じ先生といってもなかなか骨が折れるということで調整額というのを八%つけるようにいまなっておるわけでございまして、そういう面で先生の俸給を見ますと全般的に普通の学校よりはその分だけ——これは本俸と同じような扱いを受ける八%でございます。かなり優遇されておるわけでございますので、一面そういう優遇策も講じつつあるということで、これからは、いま申しましたように大学における正規の課程で優秀な方をできるだけ養成し、それを学校へ送るとともに、現場の現職教育を一層強化するというようなことでやってまいりたい、こういうふうに思っております。
○志村愛子君 五十四年度にはぜひ——肢体不自由であるという理由のもとに、こんなに経済が安定した今日でありながら、まだ毎年四月の新入学期を迎えますと二万人近い子供が修学猶予免除といった形で入学できない実態を私は、何としても許せない気持ちで見ておりますので、ひとつ必ず実施していただきたいということを重ねてお願いいたしまして、この問題は終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 それから、もう一つの問題でございますが、これは北方領土問題と教育の関連についてお伺いしたいと思います。北方領土の日本復帰の実現は言うまでもございませんし、これはもう国民的悲願でございます。また政府も一貫してソ連政府に対する返還要求を繰り返しておるような現状でございます。そうした中にありましても、せんだってのミグ25のああした問題とか、あるいは毎日のように日本の漁船がソ連に拿捕されているといった、またそうしたことが、どんどん数まで増しておる今日の現状の中で、私は本当にこれは大変な事態だと思う一人でございます。四十八年の九月の国会では歯舞、色丹、国後、択捉のこの北方領土問題は全会一致で北方領土返還決議がなされておりますようですけれども、これもいまだに未解決のままでございます。沖繩返還の際には日本じゅうが返還運動に立ち上がりました。しかし北方領土では残念ながら国民的関心がいささか薄いようでございまして、どうも盛り上がりがないような気がいたします。北方領土の返還がこうして遅々として進まないのも、ここにまた一つの原因があるのではないかと私なりに考えてみたわけでございます。よく世に言うところでは、沖繩の場合には百万人からの人が住んでいたけれども、北方領土の場合には強制送還されて島には一人も踏みとどまることができなかった、そういったことも領土返還の問題にいろいろ支障を来していると言っておりますけれども、私はそういう単なるエキスキューズ的なことではなくして、国民の総世論としてもっと決起した気持ちを盛り上げたいと思うわけでございます。 そこで、文部大臣にお伺いいたしたいと思いますのですが、北方領土問題は国内問題であるだけではなく国際問題であることは当選でございますが、国民が広い視野に立って一致して解決しなければならないその問題に、特に私は、年寄りも、若い者も、子供も、男も、女も全体国民一致して、その中で特に次の世代を担う児童、子供たち、学童たちに北方領土についての正しい認識をさせること、これが大切だと思うわけでございますが、大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(永井道雄君) ただいま御指摘の点は全く同感でございます。これはやはり全国民的な問題として取り上げていき、そしてその重要性を認識するということが大事でございますが、学校教育において特に力を入れていくということが非常に必要であろうかと思っております。 そこで、学校教育の場合、やはり教科書が一つの重要な手引きになりますので、教科書でどういう点を取り上げていくか。およそ二点が重要な点でありまして、この二点というものを教科書に明記をする。第一点は、国後、択捉、それから歯舞、色丹は日本固有の領土であるから地理の記述で日本領土として明示をするということです。それから第二番目は、サンフランシスコ平和条約との関連においてどういうふうになっているか。平和条約では南樺太と千島列島を放棄したけれども、その千島列島という中にいまの四つの島は含まれていないのであるから、したがって歴史的に見てもこの四つの島というのは当然日本の島である、この二点を教科書で教えているわけでございます。これは教科書に明示してあることでございますけれども、これだけでは不十分でございましょうから、先生方にもこの点を十分に認識していただく。また北海道でこの問題についていろいろ教師の指導用の資料もつくっております。そうしたものを全国になるべく広げていくように教育委員会の全国の会議でも配りまして、そして全国的に考えるという方向が出てきておりますが、文部省もでき得る限りその方向というものを強化してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○志村愛子君 実はここに一つの資料がございますんですが、ある社会教育団体が青年の意識調査を行っておるわけでございます。で、その中に北方領土問題に関する認識度の調査を行っているのを見てみますと、十六歳から二十歳までと、それから三十一歳から三十五歳までとでは認識度に大変な開きがあることがわかったわけでございます。この数字はここに挙げられておりますけれども、ちょっとはっきり申し上げない方がよろしいかと思いますので、かなりの開きがあるということだけ発表させていただきます。そして、その開きと申しますのは、いわゆる若年者ほど低いということなんです。成人に比べますと、さらにその差は大きい、そういう結果がわかったわけでございます。これは戦後の時間の経過、もう三十一年も経ておりますので、そういうこともございますでしょうが、やはり同時に、国民的課題でございますこの北方領土問題それが学校教育の中で十分に取り上げられていないということと私は、無関係ではないと思うわけでございます。 いまも大臣が申しておられましたけれども、この教科書問題のこうしたことについて少し私の調べたことをこれから聞いていただきたいと思います。学習指導要領の中で、北方領土問題の取り扱いについては何も指示がなされていないと聞いておりますんですが、文部省はどのようにお考えになっておられますでしょうか。
○政府委員(諸沢正道君) 学習指導要領それ自体には、具体的にこの国後、択捉、歯舞諸島、色丹島についての記述をせよという記述はございません。ただ、具体的に教科書を検定します場合の検定の一つの目安として、それじゃ、それらの諸島をどういうように地図上扱うかということは必ず出てくる問題でございますので、その点についてははっきりしておるわけでございまして、いまの歯舞諸島と三つの島は日本の領土であるから、これは赤く塗りなさい、そして、その択捉島と千島の列島の一番南であるウルップ島との間に国境線を引きなさい、そして、千島列島の一番北であるシムシュ島とカムチャッカ半島との間にもう一つ国境を引きなさい、その間の千島列島は、これはソ連との間に平和条約が締結されていないわけだから帰属不明という意味で白くしておきなさい、ということで、要するに、国境線を二つ引いてその間を帰属不明ということを明らかにし、いまの四島は日本の領土であるということを示すというふうにそこは指導し、また検定もそのように行っておるわけでございますので、その点からいえば具体的にこの問題を地図の上で教材として示しているということでございますので、現段階では、現段階といいますか、従来の文部省の指導としては、このような地図の取り扱いを前提としていまの四つの問題についてもよく子供に説明をしてほしいということを期待しております。
○志村愛子君 いま地図のお話出ましたが、これはソ連の方では、北方領土はソ連の領土としての色分けをしているそうでございますね。そういうようなときだけに、もっとこういったことを突っ込んで問題にしたいと思うわけでございます。現在、小中高校で使用されております教科書の中で北方領土問題を扱っている教科書は何社ぐらいございますのでしょうか。
○政府委員(諸沢正道君) 小中高の教科書といいましても、社会のうちの地理とそれから歴史と両方あるわけでございますが、全社の教科書をいま調査したのをここにございませんので例示になりますけれども、たとえば小学校のある教科書会社の社会六年の「下」というところを見ますと、「北方の国後・択捉などの島々は、ソビエト連邦と日本の主張がくいちがい、これからの話し合いがまたれます。」というふうな記述になっております。あるいはまた、同じく別の会社の教科書ですと、「ソビエト連邦は、日本と平和条約を結びませんでしたが、一九五六年に、日ソ交しょうによって、国交が回復されました。しかし、国後島などの北方の領土は、まだ解決のつかないまま残されています。」というふうに書いてございまして、正確ではございませんけれども、大体この程度の記述は小学校の段階であるんではないか。それから中学校へ参りますともう少し詳しくなりまして、ある社の中学校の公民的分野の教科書でありますが、「北方領土問題」というのが地図の下に、注のように書いてありまして、「千島列島は、日本の領土であったが、第二次世界大戦後、平和条約により放棄した。現在は、ソ連が占拠している。しかし、日本は、国後島、択捉島は日本固有の領土であり、放棄した千島列島にはふくまれないとして、歯舞諸島・色丹島とともにソ連に返還を求めている。」というふうな記述になっております。
○志村愛子君 私の調べました範囲ではやはり教科書の扱い方は決して十分ではない、むしろきわめて不十分というような考えを持ったわけでございます。 そこで、ちょっと一部御紹介いたしますと、これは小学校の方でございます。教育出版株式会社の改訂の標準社会六年の「上」というところのその一行をちょっと挙げてみますと、こんなふうに書かれています。「ソビエト連邦は、日本と平和条約を結びませんでしたが、一九五六(昭和三一)年に、日ソ交しょうによって、国交が回復されました。しかし、国後島などの北方の領土は、まだ解決のつかないまま残されています。」、こういう程度の表現しかしていないわけでございますね。こんなことでございまして、あと小中高、いずれも似たりよったり、非常にあっさりと、すんなりと本当に触れるか触れない程度の、こういう表現しかしてないということがわかったわけでございます。こうして北方領土問題に関しまして児童生徒の認識を深めますためには、やはり教育委員会が作成した、この北海道などでは副読本、こういつたものを採用しておりまして、大変効果が大きいと聞いております。四十八年度には根室市の郷土教育研究会の手で「「北方領土」と千島列島」という副読本を編集発行したわけでございます。根室支庁管内のこれは全小中高生徒に無償配付されて使用されております。現在も使用されておるわけでございます。それからまた北海道の教育委員会では小中高の社会科の授業向けに、これは特に先生のための指導資料として「北方領土」というのを出しております。これは五十年の三月から社会科担任の全教諭に配付して学習の中でこれを活用している。こんなふうに聞いておるわけでございますが、文部省といたしましてこのような副読本の採択、また指導書の配付、こうしたことを全国の小中学校ですね、北海道だけの問題じゃないと思います。全国の小中学校に北方領土返還をいわゆる国民的な声として大きく盛り上げますためにも、全国的な配付としてのお考えはいかがなものでございましょうか。大臣、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) ただいま御指摘の北海道のは二種類ございますが、根室市の方は副読本、それから教育委員会の方は教師用指導資料でございます。この教師用の指導資料の北方領土というのは、昨年の十月に各都道府県教育委員会指導事務主管部課長会議というものがあったわけですが、ここで全部の都道府県の部課長会議にお配りをいたしまして、そこで、文部省の考えは、これをやはり全国の学校で北方領土の問題が適切に指導されるようそれを推進していくものと考えておりますが、まあ、このやり方はやはり児童生徒の発達段階に応じてやる必要があると思いますが、昨年十月以降そうして配られておりますので、今後さらにそれをどう具体化していくか、これはつまり指導資料が配られただけですから、その方法を検討いたさなければならない、かように思っております。
○志村愛子君 実は、去る九月七日、根室で開かれました全日本労働総同盟、これに一千人ほど集まったと聞いておりますが、この集会でも決議されたそうでございまして、その内容は、学校の正課の中に組み入れることを要求している、こういうふうな話まであるわけでございます。そこで、こういうことに対しましてさらにまた、大臣はこのお話をお聞きになっていらっしゃいましょうか。
○国務大臣(永井道雄君) 根室で副読本をつくって使っているということは知っておりましたんですけれども、ただいまの決議のことは私は実は存じません。
○志村愛子君 私、北海道開発政務次官のときに、何はともあれこの問題を何とかしたいと思いましていろいろの資料をとってみたのでございますけれども、中には、島の青年が、自分は子供のころにその島で本当に野山を駆け回り、木に登って、いまでも幼い日を思い出している、そして彼岸が来れば回りの者はみんな墓参りしているけれども、自分たちには墓参りをする場所もないというような、涙ながらの陳情なども幾つかございましたけれども、そうした中にありまして、やっぱりこれは私ども戦後の教育の一つの大きな問題として、やはり正しい自分の国の歴史のあり方というものを学校教育の中から指導せねばならないんじゃないだろうかと思うわけでございまして、この際、大臣に、教科書の検定に当たりまして関係方面へ積極的にこういったことを指導していただけないものだろうか、つまりこの北方領土という問題に対してもっと正しい認識というものを学童教育の中からしっかりと知らしむるような、そういうようなことをさらにお考えいただけないものだろうか、これを最後にお願いいたしまして終わらせていただきます。
○国務大臣(永井道雄君) ただいま、今日までも教科書の中に触れてはおりますが、先ほどから申し上げましたように、教科書だけでは不十分と思います。また、教科書の使い方ということも大事でございますし、そこで何といっても北海道は場所が近いですから、先ほど申し上げたような指導資料というものもできているので、それを他の都道府県に配りましたのがやっと昨年の十月というところでございますので、いささか遅きに失している感がございますが、やはりそうした線に沿いまして、これは前向きになおこうした教育というものを徹底さしていくように努力をしたいと思っております。
○志村愛子君 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○理事(内藤誉三郎君) 本調査に対する質疑は、午前はこの程度にとどめます。午後二時再開することとし、休憩いたします。 午後零時五十三分休憩 —————・————— 午後二時七分開会 〔理事内藤誉三郎君委員長席に着く〕
○理事(内藤誉三郎君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次発言を願います。
○小巻敏雄君 高校新増設の建物整備費補助について端的にお伺いをいたします。 三年越しでいまやっと実ったこの予算の執行について、公立高校分の事業量、補助単価、補助率について数字的にまずお答えいただいて、それから質問に入りたいと思います。
○政府委員(犬丸直君) 五十一年度の予算、高校新増設予算でございますが、補助金の金額三十九億八千四百万、補助率は三分の一でございます。
○小巻敏雄君 事業量、補助単価、補助率についても数字を挙げて具体的に答えてもらいたい。
○政府委員(犬丸直君) 事業量といたしましては三百五十一学級分、面積として十三万平米でございます。それから単価は、これは五十一年度鉄筋で九万六百円、それからスチール、鉄骨で七万七千一百円、それから木造で五万九千六百円でございます。
○小巻敏雄君 いまお答えのあった分で、三百五十一学級というのは、これは今度の補助のやり方が四十億円という枠の中で三年整備ということで、千五十二学級ですか、これを今年度分として三百一学級に対して補助を行う。それだから対象になる学級数は千五十二学級ですか、こういう意味ですね。それで、これの補助率は答えてないけれども、三分の一ですね。
○政府委員(犬丸直君) そうでございます。
○小巻敏雄君 それから補助単価はいま言われたとおり、こういうことなんですが、千五十二学級というこの補助対象の量ですね、これが一体今日の全国四十六都道府県、沖繩は別格といたしまして四十六の都道府県に配分をする。この事業量が千五十二学級というのは極端に少ないじゃないですか。ここで全国各都道府県が昭和五十一年から五十五年までどれだけの新増設を行う計画を持っているのか。この点、新設の学校の数と、これを、文部省のやり方に従って換算学級数、さらに既設校舎の増設学級数、これを年度別に数字を上げてもらいたいと思うんです。
○政府委員(犬丸直君) 各都道府県よりの報告によりました計画数でございますが、新設学校数が五十一年から五十五年にわたりまして全部で四百三校、五十一年度分は六十三校分でございます。 それから学級増につきましては、五十一年から五十五年度までの間に七百十六学級、で、公立分が、五十一年度の公立分が四百一学級でございます。
○小巻敏雄君 これはトータルだけではなくて、大体五年計画なんですから、トータルが出てくる間の二、三、四、五、それぞれ数字があるでしょう、それを皆言ってください。
○政府委員(犬丸直君) では年次別に申し上げます。 新設につきましては、五十一年度がただいま申し上げましたように六十三学級、五十二年度も六十三学級……
○小巻敏雄君 六十三学校でしょう、六十三学級ですか。
○政府委員(犬丸直君) 五十二年度も六十三学級でございます。−学級と申し上げましたが、学校でございます。失礼いたしました新設学校でございます。六十三学校、六十三学校でございます。それから五十三年度が八十七校、それから五十四年度が七十二校、五十五年度が百十八校、それで合計が四百三校ということになっております。
○小巻敏雄君 増額級数は。
○政府委員(犬丸直君) 学級数の増の方は、五十一年度が四百一学級、それから五十二年度が二百二十五学級、五十三年度が六十三学級、五十四年度が十八学級、五十五年度が九学級、合計七百十六学級となっております。
○小巻敏雄君 私も大体相似た数になります。これは大体ことしの五月にとられた計数になるわけですね。私はずっとこの問題について全国各都道府県の要求、これについて去年の十一月の数字を見て、大体全国でこの五年間、戦後の第二次の激増期がやってくる、こういう状況の中で各府県がどれだけの学校を建てていくのかというのを見てきたわけですね。これは、たしか昨年の教育長、全国都道府県の知事会の調査では四百四十六学校にトータルがなっておったのが、五月の調査ではここまでダウンしてきているというのが一つの特徴になっておりますけれども、まあ概しておおよそこういう規模で、この五年間というのは泣いても笑っても各都道府県はこう建てていかなければならない。そうでなければ進学率がダウンをするのか、もしくはすし詰め学級をやるのか、あるいは中学浪人をつくるのか、こういう状況が出てくるわけであります。 私は、この点で若干計数は違うかもしれませんが、十一月現在の調査に基づいて数字をながめますと幾らか違いはありますけれども、新設が四百四十六校、増学級が千二百七十三学級、こういうような数字になっておって、これの五十一年度分を見ますと新設が六十六校、これは三校のギャップがありますけれども、増学級は四百十五、五十二年には新設六十八校、増設は二百五十七学級というようなことです。これでもって文部省の方式でどれだけの対象がいわば補助金の対象になるのかというのを試算をしてみますと、つまり五十一年度分と五十二年度分の前向き半数を補助対象にするということで試算をしてみますと、公立の場合に三千二百七十一学級という対象学級がはじき出されてくる。これらの学校は財政困難の中で、しかも府県によって若干の違いはあるとしても、熾烈な父母の進学要望にこたえて、とりわけ増の激しいところでは私学に回ってもらうというような、第一次ベビーブームのときのようなことは許されませんので、必死になって学校を建てる。当然文部省の高校建設補助金というものは切望をしておったわけですね。これが期待される学級数であった、それと千五十二校をこれは事業量として補助対象にするという規模を比べてみますと、私の計算したところでは三二%にしか当たっていない。五月では一割ほど減ってますから、若干この数字は変わってくるけれども、大体事業量としては現に建てられる学校の三分の一を対象にして補助するということになっているようですね。そのとおりですか、どうですか。
○政府委員(犬丸直君) 高等学校の建設につきましては、従来は御承知のとおり地方債とか、交付税を中心に措置してまいって、国費補助が始まりましたのは五十一年度が初めてでございまして、いまおっしゃいましたように、非常に事業量としては実際の必要数に対しては小さなものになっております。おおむね当該年度に必要なものの三分の一ぐらいになろうかと思っております。
○小巻敏雄君 ここで大臣にお伺いするわけですが、もともと期待する自治体の方にとってもそうですし、今日の趨勢から見て国庫補助制度というのは、若干の差等はつけられるにしても、国民のために各都道府県が行う高校新増設また私学がこういう状況の中で、営利企業ではありませんから、苦しい中で建てていく学校、これらに対してはすべての建設に対して適用されるということが当然の期待であり、少なくとも文教に責任を持つ文部省の考え方としては、そういうふうにやっていくのが真っすぐな筋であろうと思うわけですし、実際には四十九年、五十年と実らなかったけれども、文部省は百億ほどの要求をあげてきたわけですね。このとき以来再回にわたって要求をあげていくときはそういう筋になっておったのではないですか。
○国務大臣(永井道雄君) 文部省としては、ただいま御指摘のように、新増設の高校に対しまして国庫補助を行いたいということであったんでありますが、これはその要望は入れられなかった。やっと本年度四十二億というものを確保するに至ったわけでございますが、やはりこの額ではとても明年度これに対処することができませんから、明年度はさらにこれを倍増以上の額を概算要求の中に盛り込んでいるわけでございます。で、ただ従来、つまりこれが通ります前の考え方は起債である、大いに起債だけに頼るということでございましたから、起債の枠も本年度は三百億円から五百億円にふえるという形で、その枠も広げる。やはり明年度以降につきましても新増設の四十二億円というものを倍増以上にするということと、起債枠を確保していくという姿で、増大してまいります学校数あるいは学級数というものに対応するべく、これは全力を挙げなければならないものと考えております。
○小巻敏雄君 もし満額の要求が通っておったら、この事業量が三分の二でなくて、まるまる各都道府県が期待するだけ埋まったかということになれば、やっぱりそれはむずかしいことであったということはわかるわけですよ。しかし、今度の場合にはこれが極端に事業量が少ない、単価も不十分であります。それから補助率三分の一に対しても熾烈な要望が各都道府県にあることは事実であります。しかし、今度の場合に集中して、私は本年度執行の問題点は事業量と、そして対象学校を極端にしぼり上げなければならなかったというところにあると思うわけですね。多くの都道府県が外され、それから受け取ることができても、東京のように実際やる事業に対して非常に減じられた学級数を対象にするということになるわけであります。これが今度の予算補助というものが五年の時限執行になっておりますから、このまま五年続いてはたまらないというのが特に強い要求であるわけです。この状況の改善については文部大臣、いま今年度の予算のことに一言触れられたわけでがざいますけれども、こういう非常に対象校が少ない、事業量が少ないということに対して、五年間このままではなくて改善に具体的に努力をするという決意について、再度お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(永井道雄君) 私は、たまたま明年度予算、これはわが国の予算の編成の方法は単年度方式でございますから、明年度の概算要求について申し上げたわけでございますが、先ほどから御討議がございました今後の高校人口増加の推計もあることでございますから、引き続きこの努力というものは続けていくべきものである、また、いかなければならないと、かように考えている次第でございます。
○小巻敏雄君 今年度執行にあらわれておる受け取る側からながめる問題点は、一つは少ないということでありますけれども、もう一つ問題があるわけですね。先ほど昔ながらの修行は無理偏にげんこつという話ありましたけれども、四十億で三千に余る対象に対して手当てをしようという無理筋から、減額措置のやり方にも非常な無理が出てきておる。この点はすでにこの状況が明らかになった三月五日の衆議院の文教委員会でわが党の栗田翠員の方からるる指摘をしたところでありますが、これが現実のものになってくると、この被害というのがありありとあらわれてくるわけであります。進学率も九一・九%を超えたところということになりますと、たちまちばらばらっと十八県くらいが私の計算では除外をされることになる、それに東京は二百五というのがこの進学率のゆえをもって百六十六学級に私たちの計算ではダウンをしてしまう、こういうことになるわけですね。ここは九六・六一%の補助である。群馬のようにかなり熱心に三校新設計画を持っておったけれども、ここは九三・一%の進学率を持っておるがゆえに、それは建てる必要のないものだという認定を文部省の方から行って、補助金から除外するということに私はなっておると思うわけですね。こういう状況が出ておる。 空き定員問題は、それ自身非常に減らすために持ち出した道具と言いたいような要素が非常にあって、私学の方であれば、女学校が空き定員があるのに、男女含めて空き定員の計算をするというような露骨な矛盾もあります。 しかし、こういう状況と、もし、これを実行しようとすれば、たとえばいま比較的健全な小学区制、中学区制を引いておるところが大学区に誘導されると、これはもし一遍大学区になってしまえば、これをもう一遍戻すのがどのくらいむずかしいことかと思えば、非常に行政内容にかかわってくる重要な指導になる。こういう問題が出ておりますが、これを理由にして山口、愛媛初め十県がオミットされてしまう。事業量問題も問題でありますが、事業量の問題を理由にして東京はここでダブルパンチを食らって、ここでまた二十三学級にまで落ちてしまう。ダブルパンチを食らえば二百五学級の事業をやったやつが結局二十三学級、学校一校分しかこの補助の対象にならない、補助金をもらうというのも名ばかりというようなことになっております。それだから、落とされるところはたくさんあって、私は、これ十八県程度が対象になるものだと思いますが、その点はどうか。 それから特に受け取るところでも非常に大きな減額がやってくる、こういう点は私のやった分析が大体実態に近いんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(犬丸直君) この高校新増設の補助につきましては要件がございまして、いま先生のおっしゃったようないろいろな要件があるわけでございますが、最初の進学率関係の要件でございますが、これは全国平均の進学率より高いところについては、その高い進学率を、現在の進学率を維持するために必要なものは計算に入れるということでございます。平均より低いところは、それを高めるためのものも認めると、さしあたりその緊急の対策としてそういう要件をつけておりますので、その点につきまして必ずしも何と申しますか、現在の状況におきましては無理な条件ではないのではなかろうかと考えております。 それから二番目の空き定員の活用ということも、一年生からの実際の実員とそれから三年生の実員が差がございます。多少減ってまいります。そしてそれを空き定員の活用という言葉が少し誤解を招くのでございますけれども、計算する際に一年生の数と三年生の数で差をとりますと、その部分が少し実際よりもよけいに出てくると、その部分をよけいに出てこないように戻して計算するんだと、そういうことでございますので、これも……、
○小巻敏雄君 いや、質問をしているのはそうじゃないんですわ。それはわかってますからね。その結果あらわれてくるものは、結局、事業量の減で対象県は十八県ぐらいに限定をされてしまうのではないかということと、東京がいま言ったように、十数校の二年間にわたって学校を建てるのにかかわらず、今年度のものは一学級相当ぐらいしか補助金がいかないような結果になってしまうのではないかと、こういう現実とそぐわないように私は思うのですが、こういう現状は私の言うとおりであるのか、もう少し違ったものであるのか、その実態について聞かしてもらいたい。
○政府委員(犬丸直君) これは実態の正確な把握が大事だと思います。で、ようやく最近指定統計の数字が出てまいりまして、そして、それに基づきましてこの三つの条件を当てはめたらどうなるかということを検討を始めております。それで……、
○小巻敏雄君 もう配分する時期じゃないですか。
○政府委員(犬丸直君) ごく最近にその指定統計の数字がまとまりましたもので、その点詰めておりますので、そういう非常に少ない予算でございますけれども、できるだけ有効に必要なところに配分できるようにということで、いま検討中でございます。
○小巻敏雄君 もともと文部省としては三年にわたって、それは厚かれ薄かれ、すべての建設をする高校に対してその予算を配分するような方式で要求をしておったわけですね。これがたまたま今年度大削減にあって、傷だらけながら初めて通るというような状況の中で、それはさまざまな方式をとられたというような点でだと理解もしやすいわけですけれども、その減額方式をそれなりに道理のあることだというわけで、無理なくというふうに局長から言われますと、どうしても言わなければならぬことがありますし、この実態についてやっぱり御存じないんじゃないかということになるわけです。恐らく教育長でも知事でも寄って相談をしたら、たとえば若干乏しい予算でもこういうふうな分け方をやってくれ、と言うかどうかは疑問だと思いますし、教育委員会寄れば一層私はそうだろうと思うんです。 ここのところで私は、まあひとつ具体的にこういう状況がもたらしておる結果を一つ申し上げるわけですけれども、現実に昨年の秋までは四百四十六校持っておった計画が今日の厳しい状況の中では四百十あたりまで減ってきているということがあります。こういう状況が一層年度を追って進むなら、補助金が出るようになって計画がダウンするというのは一体どういうことかというわけですね。これは一層計画を進行させるためによい刺激を与えるというのが問題の目標であったはずですね。それと逆行現象が出てきておる。特にこれの補助金——待ちに待っておった補助金が来るという段階でこういう制限が行われる中で、たとえ補助金を受け取るところであっても十八県の中に入っておるところであっても、私のずっと過ごしてきた大阪なんかで今日非常に厳しい情勢があらわれてきております。十月八日ごろの関西の新聞が掲載しておりましたが、東京でもごらんになった方もあるかもしれませんが、今日二十億円というような赤字を自主的に解消しようというような計画の中で、これは文部省のいま言われた数字のデータになっておる六校という建設ですけれども、これはもともと日本一の激増期が来る昭和五十三年、四年の建設をこれを従来よりも三校ダウンさせなければならぬというような状態が出てきておるわけです。三校ダウンをしますと、ここのところで明白に中学浪人というものが問題になってくるんです。だから、三校ダウンをさせるという状況になれば、これは中学浪人をつくるか、それともすし詰めにするか、あるいはプレハブのような校舎でやっていくか、大阪というところは非常に政府の補助は期待いたしましたけれども、残念ながらつかなかった。四十九年に十一校建てる、あるいはそういう建設をやってきたところです。もしあのときに制度が実っておったら今日のようなこういう計画ダウンというようなことはずっと抑制されたんじゃないかというふうにも、残念に思っておるわけですけれども、こういう状況が出てきておる。どっちにしろよくない選択をしなきゃならぬ、こういう状況が出てきておるわけですけれども、こういう情勢に対して引き上げるような刺激を果たし得ていないというところに問題がある。東京だって事情は同じであります。東京についても計画を全部消化しても中学浪人が出る。これが父母の中で大きな運動にもなっておる。こういう状況の中で、とにもかくにも二百学級建てるというのを向こうの評価では合理的な削減方法と称してですね、一学級一学校相当にまで削ってしまう。これが、行政効果がこういうふうに出てきておるということは十分自覚した上で言っておられるのかどうか。特にすし詰め問題なんか大阪でやる段になれば、たちまち東京にも埼玉にも神奈川にもこれは波及する傾向が出ることは明らかなんです。プレハブでやっているところがその上にすし詰めまでやるというような悪い効果も及ぼしてくる。これについては三月段階で文部大臣、特に学級定数の問題には全力を挙げて維持の努力をいたしますというふうに答えておられるわけですけれども、こういう状況について今日その補助金の関係でどう見ておられるのか御答弁をいただきたいと思いますね。
○国務大臣(永井道雄君) 学級定数の問題について全力を挙げるということを申したことを記憶いたしております。そうであればこそ本年度の四十二億というのはどう考えてもこれは少額でございますから、先ほどからその四十二億を執行いたしていく上での三つの基準というのを申しましたが、しかし、それは決してあと減らしていっていい理由として三つを出したのではなくて、やはり来年度は四十二億を倍増以上に持っていきたいというのが私どもの考えでございますし、希望する人たちは学校に、高校に入ってくることができるようにこれは補助も増額するし、また、起債の枠も考えていくというふうにしなければならないとかように考えている次第でございます。
○小巻敏雄君 今度の補助の趣旨は、特に最大限最も生かせる場所は急増地域だと思うのですけれども、東京の例を挙げましたように、こういうところに対しては減額三条件というのが一重、二重と働いて非常に効果をそぐものがありまして、これにさや寄せしていくんだと、どうしても建設数を減らそうという方向に対して助成をするような、こういう政治的な意味を持ちやすい。だからその点では、やっぱり増額とあわせてこの問題について特に最初の足がかりを得たときに用いた一つの削減のための方便としてとられたものを、三年間続いて要求しておった原点に立ち返るという方向で、少なくとも文部省は努力をされなければならぬのではないか、その点はどうですか。三つの制限条項というものを五年間変わらず持ち続けるつもりであるのかどうか。
○政府委員(犬丸直君) 私どもも、現在の高校新増設に対する予算が非常に少なくて、実際上、大変まだ要望を満たし切れないということは十分承知いたしております。それで、現在の配分を最も有効にするために用いております三条件、これの前提に立ちましても、今年度につきました四十億足らずの金というものは三分の一以下、実際にその年に必要なものの三分の一以下という額でございますので、とにかくその授業料をふやすということ、その前提の上に立ってもとにかくふやすことが大事でございますので、現在は条件の問題よりも、そういうことよりもむしろ授業料をふやすこと、これに全力を注いでまいりたいと考えております。したがいまして、来年度は今年度の二倍という大きな枠でとにかくそれを実現することに全力を集中したいと思います。
○小巻敏雄君 それは確かに授業料の問題ですね、これとあわせて単価の問題もあれば、それから特に単価の問題なんかは非常に大きな問題ですから、それらのものはそれぞれの条件でそろってふやされなければならぬ。しかし、現実にちょうど大阪にあらわれておるような、ああいう学級定員すし詰めにまで及ぼうとするような苦況、これに対して文部大臣は全力を挙げてやると言われるわけですけれども、こういうところに対して働いておる制限条項を、こういうものをはずすということと、それから、そしてやっぱり原点に立ち返るということと総額を上げるということと両方進めるものでなければ——つまり、文部大臣が全力を挙げるのは何をするのかということになれば、これはやっぱりいまの状況の中で中学浪人を出さないために赤字財政の中で奮闘しながら建てていくものに対してプラスの助成をすることにならぬのではないですか。それなるがゆえに、文部省が主導的に要求をされた段階では、このような制限三条項というような思想はなかったわけでしょう。それは大蔵省との関係もあるかもしれませんけれども、この点については年度を追って額をふやすとともに、この条項については再検討される考えはありませんか。研究をし、再検討されるという点はどうでしょう。
○国務大臣(永井道雄君) この三要件を、減額三条件というお言葉でございますが、私どもの考えはともかく本年は四十二億確保することができたと。そこで、それをどう有効に使うかということで減額三条件というよりは配分三条件という考えでございます。したがいまして、来年度正確に申し上げますと、百五億要求いたしているわけでございますが、そうなりましてこれはぜひ獲得いたしたいわけでございます。その上でまた配分条件でございますが、そういうものは考えていかなきゃいけない。つまり、私たちは確保いたしたい額というのはやはり非常にできるだけふやしていきたいということでございまして決して、今度の場合も四十二億の配分を有効にするための配分要件でございますから、これによってこれ以後の学校の新増設国庫補助を減らしていく言いわけにしようとか、あるいはそういう勢いをつくろうという考えを持っているのでは全くないというふうに申し上げておきたいと思います。 〔理事内藤誉三郎君退席、理事久保田藤麿君着席〕
○小巻敏雄君 まあ大臣の答弁としては、とにかくこの補助金のっけたときから悪い方の曲がり角になっておるような今日の状況に対して、増額に努力することが、たとえば大阪で起こっておるような状況、これが場合によっては埼玉、神奈川、東京にだって波及しかねない。いずれも中学浪人に目をつぶるか、あるいはすし詰めをやるか、あるいは本建築でないような怪しげな校舎でやっていくのかという状況にありますから、この点について増額を約束するとともに、三条件というのは、文部省の考え、教育上の必要な補助金の根本的性格からくる必要な制限と減額三条件ではなくて、配分のためのいわば額が少ないから選別するための条件にすぎないというふうにいま言われたと思うわけですけれども、局長そういう解釈でよろしいわけですか。
○政府委員(犬丸直君) この三条件はやはり緊急度の高い優先の三条件だったと思います。したがいまして、必要なつけられた予算を最大限に活用するための条件であるというふうに考えています。
○小巻敏雄君 何度も言うようですけれども、この三条件が、一つは群馬県のようにせっかく三校建てようとしたところを対象から切り離してしまうような、対象から外れるというマイナスがあるとともに、集中をして緊急度の高い県が非常に大きな減を受けておるわけですね。残された十八府県、もう配分されるときになっているんですから、まあ言えることだと思うんですけれども、この十八府県の中でも、東京はいま申しましたように、二百六計画しておったものが二十三にまで評価が落ちてしまうという非常に極端な例が出ておりますけれども、その近隣を見ても、埼玉の場合には二百二十八の計画が私の計算では百四十七にまで落ちてしまう。それから、千葉の場合などを見ましても、三百三十八学級が文部省型の計算でいくと百五十八までダウンをする。神奈川は五百二十三が百八十三にまでダウンをしておる。まあ大阪が比較的大型の学校を建てて、この中では減額の少ない方だとはいっても、個々のところでやっぱり三分の一ばかり、三割ばかりは削減を受けておるわけですね。こういう作用を現実に果たしておるわけですから、そしていま国民の集中をして関心の高い部分で非常に大きなマイナス効果を上げておる。 この点については犬丸局長、陳情団とともに行ったときにあなたはまあとにかくこういう三条件というのは、実は行政上の筋とか、そういう大げさなものではなくて、もともと文部省が要求しておったものを百億から四十億に、半分以下に削られるときに、まあ削る口実としてやむなく用いたもので、そういう検討はかなりの増額が行われた段階で問題になり得るもので、いますぐには困るというような話であったわけですけれども、そういうことなんですか。
○政府委員(犬丸直君) 先ほども申し上げましたように、この三条件は緊急優先の三条件でございますので、まあ現在の段階ではその条件の中に当てはまるものの必要数のごく一部分しか予算的に認められておらないという段階でございますから、とにかくこの条件に合うものはすべて拾い上げ得るようなものに持っていくことが第一段階でございまして、それが完全になりました段階でさらに条件を広げていくというようなことがあるいは考えられるかもしれませんけれども、そこへ達するまでの間はとりあえずこの条件でとにかくその条件の中で足りないものは十分やっていくということに努めたいと思っております。
○小巻敏雄君 五年のこの制限内でも、来年、再来年と、かなりの増額が果たされた段階では再考することがあると、あり得るというふうに見ていいわけですね。
○政府委員(犬丸直君) これは現実に予算がどのくらい認められますかによるわけでございます。で、仮に、私どものいまの要求の百五億が満杯になりましても、まだその段階ではこの条件のものを全部満たすわけにいかないと思います。したがいまして、まあその後の状況に応じてそれは考えていかなければならないと考えております。
○小巻敏雄君 すでに栗田議員が三月段階で指摘をしておったような問題点ですね、これはまあ現実のものになっておるという情勢を深刻にながめてもらいたい。少なくとも現在大阪で、昭和五十三年、あるいは二年の中で一万数千人が、生徒増がしてくる、そういう時期にせっかく組んでおった七校の計画を六校に下げ、そしてその次には、この十一校計画しておったものが九校にまで減らす。こういう状況の中で、現にここではこの補助金の有効性が、全体について計画遂行しようというふうに役割りを果たしていないということですね。あるところでは、この予算は、この計画ダウンに対する刺戟材になり、あるところではプレハブで賄う刺戟材になり、よい刺戟を与えるのじゃなくてマイナス刺戟が、非常に強い現実があるということを現状の中から十分にこれはくみ取ってひとつやってもらいたいと思うのですね。来年度の予算の中では、私の聞いたところでは、特にこの事業量拡大を行われるけれども、これは三年事業を単年度に直して、一定のところには手厚くいきますけれども、たとえば東京のように、ほかの要因で切られておったところが一向ふえないことになってくるわけですね、ここも中学浪人。こういう不合理というものはやっぱり条件自身がもたらしてくるところを手直ししなければやっぱり直ってこないんじゃないか。この点少なくとも五年間ですね、制限三条項で貫くというようなことではなくて、まあ文部大臣の答弁は若干玉虫色であったと思うわけですけれども、ぜひとも研究、検討を願いたい、こういうふうに思うわけであります。 続いて、まあ時間も来ておりますけれども、私学の問題について一、二お伺いをしておきます。 私学は高校補助金と並んで、特に私学の高等学校の問題ですね。私学補助と高校の補助金というのは、もう父母の方からながめても、これはまあ車の両輪と、二本柱ということですけれども、これが私学補助金の方は予算補助からこれはまあ法律による補助に変わっておる。こういう状況で、補助されることになってことしは二年目になっておるわけですね。ことし段階で、国の出す補助金と、そして各都道府県が行っている補助金との割合、これは大体どういうパーセンテージになっておるのか、そのことをお聞きをいたします。
○政府委員(犬丸直君) 五十一年度の高等学校以下の——高等学校以下で小中学校も入っておりますけれども御了承いただきたいと思います。経常的経費の総額は、五十一年度で四千七百三十九億円でございます。これは学校で使われた額の総額でございます。その中で財源措置された額、国の補助金とそれから交付税等を含めまして、それが一千百七十六億円でございます。これがいまの上の経常的経費総額の二四・八%に当たっております。なお、その一千百七十六億円の中で国庫補助金の金額は百八十億円、御承知のとおりでございますので、その比率が全体の三・八%でございます。いまお尋ねの数字は二四・八%と三・八%の比率であろうかと思いますけれども、ちょっと計算しておりませんが、そういうことになろうかと思います。
○小巻敏雄君 大体、交付税で払っておる、つまり府県負担でやっておる部分が、百八十億円この中から引いても大体一千億円ぐらいですね。国の補助金は二百億弱ですから、まあ五対一というような状況になっておるわけですね。昨年からの伸びはその関係ではどうなるわけですか。
○政府委員(犬丸直君) 数字が少し技術的にちょっと違っておりますけれども、五十一年度が、共済に対する補助等を含めまして先ほどは千百七十六億と申しましたけれども、それを含めますと千二百七十一億でございますけれども、それが対前年度四五%アップになっております。 それからその中で、交付税の部分とそれから国庫補助の部分とに分けますと、交付税の部分は三七%アップ、それから国庫補助の部分は一二五%アップ——八十億から百八十億でございますから。そういう数字になっております。
○小巻敏雄君 交付税で措置するといい条、関係のない非交付団体もあるわけですね。これは架空のような基準財政需要額のところで出てくるだけで、交付税で措置したということにならない、そういう県もある。こういう状況の中で、当初文部省は立法の行われた段階では、少なくとも経常費の半額を府県の主導権で補助をしていくということを計画的に実現をしようという考えと、府県がまあ、交付税でも渡すでしょうけれども、補助をするその内容の半額は国が責任を持つと、こういう理念でこれは要求を始められたわけですね。しかし、ちょうどことしの高校補助金と一緒で、かなり大なたをふるわれて、そのときに、初年度ついたときにはむつかしくなったということはあるわけですが、そういう点では、当初に要求されたような理念はいまも持って、それに接近するためにやっておるというようなことは言えるわけですか。
○政府委員(犬丸直君) 先般、私学振興助成法が制定されまして、その補助も単なる予算補助ではなくて法律補助になったわけでございますが、大学等の経常経費につきましては「二分の一以内」という目標が法律上で示されております。しかし、高等学校関係の規定におきましては、「その一部を補助することができる」という規定で、はっきり二分の一というような形が出ておりません。ただ私どもは、やはりその精神からいたしますと、交付税の措置額と国費とを合わせた経常経費の公的援助は一応二分の一あたりを目標にしていいんではなかろうかと考えております。ただし、その中で国費と地方との負担区分、これをどうしたらいいかということ、かつては二分の一、その中のまた二分の一、四分の一ずつというふうな要求をしたときもあったと伺っておりますけれども、高等学校の所轄庁が都道府県であるということにかんがみて、直ちにそれがそのままいけるかどうか、その負担区分については多少いろいろ考える必要があるのじゃなかろうかというふうに現在の時点では私考えております。
○小巻敏雄君 いまのところは、各府県半額まではやれと言うておいて、実際のところは、いまのところ五対一なんですから、それは半分になるのはほど遠いことですから、実際問題としては精いっぱい金額をふやしていくということの中に解消してしまうかもしれませんけれども、少なくとも文部省としては一対一で補助をしようというふうに考えておったものがこういう状況になって、何の展望も持たないというようなことでは、これは問題あるんじゃないか。少なくとも五対一というような状況を何年かの計画で二対一まで持っていくとか、それは何年計画でやるとか、そういうような考えはないんですか。
○政府委員(犬丸直君) いまの段階では、これは一昨年初めて八十億認められたということで、大蔵省側の考え方は、いわば県の助成措置に対する誘導措置であるという考え方がございます。したがいまして、今年度あるいは来年度予算の要求につきましては、ある程度その考え方も考えに入れた上で、いまの予算規模の中においてはそういうことも考えざるを得ないと思います。実際の配分においてもそういうことを考えざるを得ないと思いますけれども、しかしこれはやがてやはり先生のおっしゃいますようなある目標を立てた計画的な整備に持っていかなければならないと考えております。まだ今年度の段階では非常に小そうございますので、そこまでの構想を具体的には固めておりませんけれども、そう言う考え方は持っております。
○小巻敏雄君 その答弁で一応当初の要求をした趣旨は理念的に言って生きておるというふうにお伺いをしておいて、その問題については努力を要請するわけですが、今日段階で法律がつくられた状況になったにもかかわらず、いわば政府の高校に対する補助は、一方では授業料補助が各府県では先進的にもう二十県を超して行われておると思うのですが、こういう問題について手がついていない。経常費の補助は一対一の補助というのは表面灯が消えたようになって、かえって後退をしておるような状況がある。それに加えていまかなりのところで非常に問題になっておるのは、授業料、学費に依存をしない私学を目指してやろうと思うにもかかわらず、何もかも経常費のアップが生徒の肩にかかっておるということなんですね。この中で特に私は、大阪の私学の現実を見て愕然としたような問題があるわけですね。これ大体資本的な支出については、一般の授業料なり、生徒の年々のものに依存しないというのがたてまえじゃないのか、経常費の中で。学校の施設設備の整備というものは消費支出の中に入らないのが自然なんじゃないですか。ところが、実際には校舎の増改築などをやったときの負担というもの、それから金利の方が消費支出の中に計上されて、生徒一人当たり大阪の私学で五千円になっておるんですね、平均。こういう状況は御存じですか。
○政府委員(犬丸直君) 高等学校法人の経営におきまして、債務償還費の額でございますね。一人当たりの計算でございます。私どもの方で試算いたしてみましたところ、おおむね先生の御指摘のようなことで、四千五百五十六円から七千円までの間、その辺の数字が出ております。
○小巻敏雄君 いずれこの問題については改めて問題にしなければならぬと思うわけですけれども、ここで振り返ってみると、私学振興のために校舎施設整備に対する補助金というのは一切ないということを発見するわけですね。たとえば今度の新設の補助費とか、理振、産振とかいうのがありますけれども、それは別途の目的上の補助であって、私学補助ではないわけですね、必ずしも。こういうような点が、今日段階のように準義務教育と言われるような状況になった私学の一翼を担うところでは考慮されなければならぬのではないかということと、そういう状況の中でやむなく融資に頼って、時には市中銀行から金を借り、時には私学財団から金を借りているわけですけれども、これも相対的に本当の低利とは言いがたいのじゃないか。長らく私学財団から貸しておる金というのは八分で、やっと公定歩合の引き下げとともに七分五厘になった。それで、かなりの部分はそれも枠が当たらなくて、苦しいところほど当たりにくいようになっていますからね。あの問題、優良会社には金を貸すけれども、あご出しているようなところは市中銀行に借りにいって、だんだん生徒の肩にかかっておる。こういったふうな問題についてはひとつお調べを願って、特に融資をやる財団の方の利息の引き下げなり、市中銀行にやむなく頼らなければならぬものについては適切な措置を講じて、利子補給をするなり、こういうことをやっていく必要と要求が非常に大きくなっておりますから、この点について改めてお調べおきを願いたいと思います。 まあ、時間が来てますから、きょうはここでおきます。
○理事(久保田藤麿君) 本調査に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三分散会