商工委員会 第3号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/10/21
会議録
○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告申し上げます。 鈴木力君、相沢武彦君、小笠原貞子君及び藤井恒男君が委員を辞任され、その補欠として、沢田政治君、桑名義治君、安武洋子君及び栗林卓司君が選任されました。 —————————————
○委員長(柳田桃太郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 産業貿易及び経済計画等に関する調査のため、本日参考人として金属鉱業事業団理事長平塚保明君の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(柳田桃太郎君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○沢田政治君 私は非鉄金属と鉱業政策についてお尋ねいたしたいわけでありますが、特に今年の五月に金属鉱業事業団法の改正に当たって審議された際、私もそれに参画をしたわけでありますが、その際に私が指摘したことは、国内鉱山を保護する、こう言っても漠然としたものでは政策的にも効き目がない。特に今日まで通産省、資源エネルギー庁のとってきた鉱業政策は、努力はしたことは私は多とするものでありますが、まあその時世、時世に合わせて後を追うような形の政策であったのではないか、したがって、今後のわが国の資源政策、なかんずく金属鉱業の保護、こういう観点に立つならば、何を保護すべきか、どの範囲を保護すべきか、この焦点を明確にしなければ有効な政策というものは出てこないであろう、こういう指摘をいたしたところであります。 そこで業界やあるいはまたそこに従事する労働者が、一体そこに従事しておる観点から言って、何をどれだけ保護すべきかという目標も私はあわせ聞いたわけでございます。まあ具体的にその数量をここに明らかにする時間がありませんが、その際、当時の通産大臣あるいは長官の言葉によりますと、やはりそういう目標を鋭意検討して、明確に方向を定めて、そうして政策立案をしなければならぬ、こういう私の指摘に対して賛意を表するような御回答をいただいたわけでありますが、そういう目標、特に銅、鉛、亜鉛、こういうものの目標がどうなっておるのか、そうしてまた次年度の政策にこれをどういうように生かすのか、私はまだ寡分にして聞いておりませんが、その経過でも結構でございますから、御答弁を求めたいと思います。
○政府委員(橋本利一君) ただいまお話しのように、国内鉱山対策といたしまして一定量の目標設定をいたしまして、これに対して政策を集中していくということはまことに必要なことだと思います。特にただいま御指摘の銅、鉛、亜鉛といったものにつきましては、経済的安全保障といったような意味合いも含めて、そういう目標の設定ということは非常に必要なことだと思いますが、反面、やはり産業構造の変化をどういうふうに踏まえ、どういうふうにとらえてそれに対応していくかということも重要な要素でございますので、そういったものと絡み合わせながら現在慎重に検討を続けておる、こういう段階でございます。 来年度の予算要求におきましても、一定の鉱量を確保いたしまして、鉱山の維持、発展を図るということを要求の重点に置きまして、広域精密調査、探鉱融資制度、新鉱床探査費補助金制度、あるいは減耗控除制度、こういったものについて従前以上に充実し得るように、予算要求をいたしておるというような現状における状況でございます。
○沢田政治君 特に金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案審議の際に、参議院としてはこれは珍しく附帯決議が付されておると思うのであります。つまり私が先ほど指摘しましたように、「国内金属鉱山における一定数量の生産を確保するため、」云々と、こういうことになって、まあ附帯決議を付したわけでありますが、この附帯決議を、これは聞きおく程度だというように受け取ってはおらぬと思うのだが、少なくとも国権の最高機関において、行政府に対して、こういうことをすべきだと、こういう決議をしておるわけでありますから、私は何も拙速で、いまこれを回答を求めておるわけじゃありませんが、そういう産業構造の変化ももちろん加味しなくちゃならぬでしょう。あるいはまた地域経済に及ぼす影響も考えなくちゃならぬでしょう。しかし無資源国である日本が一定数量の資源を持たないということは、ただ単に資源を持たないということだけではなく、及ぼす範囲は大きいと思うのです。持つ意味も大きいと思うのであります。そういう意味で、慎重に検討は結構でありますが、なるべく早目に、これだけの数量はやはり保護育成していかなくちゃならぬ、これは国策的な見地に立ったやはり目標だと、こういうものを示すべきだと思うんですね。この点は検討課題として私は指摘しておきます。 そこで、当時も非常に銅を中心にした国際価格が、生産コストをはるかに割る状況であったわけですね。その後、四月、五月、六月というように、たとえば七月を頂点にしてある程度国内生産コストに近づきつつあったわけですね。ところがこの八月から九月、十月においてはまた完全にもとに戻った。国内の生産コストを二十万円を割る、トン当たりですね。こういう状況になっておるわけです。これは一体、いろいろな観測もありますし、見方もありますし、説もあります。資源エネルギー庁としてはこういうような価格変動をどうとらえておるのか、これはきわめて私は重要なことだと思うんです。なぜこういう現象が出てきておるのか、将来どういう方向にいくのか、この点の御見解を聞きたいと思うんです。もちろんこれは国際価格でありますから、的確な把握というのはこれはむずかしいと思うんです。これは求める方がどだい無理だと思うんだが、資源エネルギー庁としてはなぜこうなって、将来どういう展望があるのか、こういう点を代表的な鉱種についてだけでも結構だから、お考えがあったならばお述べ願いたいと思います。
○政府委員(橋本利一君) 一般的に申し上げますと、資源エネルギーは将来的にはやはり価格が強くなっていくと申しますか、高くなる可能性がある。当然のことでございますが、エネルギーの価格は上昇気配にございます。こういったものにつれて、一般的にやはり将来は高くなるものというふうに見てもよろしかろうと思います。ただ、最近のただいま指摘されたような事態は、一応石油危機以降の世界的な景気停滞が、七五年を底にして回復しつつあるというふうに言われておったわけであります。また日本におきましても、さような方向で景気回復を期待いたしておったわけでございますが、ちょうど世界の景気と同じように、四、五月ごろまでは比較的順調に回復に向かってきたわけでございますが、どちらかと申しますと、七月以降中だるみと申しますか、停滞ぎみになってきておる。やはり今回の景気の戻し方が、どちらかといいますと消費財面で景気が回復してきた。特にアメリカの景気など見ましても、自動車だとか家庭用電気製品といったような、アメリカでは所得税を減免したといったようなことも影響しているであろうと思いますが、まず消費面からの景気回復が進み出したわけでございますが、なお設備投資あるいは住宅投資といったような生産財に影響を及ぼすような本格的な景気回復でなかったといったものが、日本を含めまして世界各国の景気に影響を及ぼしてきている。そういったこともございまして、銅、鉛、亜鉛といったようなものにつきましても、七月を頂点といたしまして、また八月以降下落の一途をたどってきておるというのが実情ではなかろうかと思うわけでございます。
○沢田政治君 銅を中心にしてお聞きするわけですが、今年末でどれだけ世界で銅のストック、在庫ですね、これができるのか、国内はどういう状況になりますか。
○政府委員(橋本利一君) 鉱業課長からお答えいたします。
○説明員(福原元一君) お答えいたします。現在世界の銅の在庫量は約百八十万トンとか二百万トンといわれております。わが国の在庫量は現在約十四万トン、年末には十二万トン前後というふうに想定しております。
○沢田政治君 いずれにしても銅を中心にして大変な危機状態になっておるわけですね。恐らくこのまま推移するならば、数カ月推移するならば、国内鉱山で銅、鉛、亜鉛、こういうものを保護しようと言っている、一定の目標を設けようと言っているが、もう皆さんの政策が樹立しない前に次々と日本国土から地下資源が姿を消していく、こういうことに相なろうかと思うんですね。そういう危険さえも感じられるわけですね。したがって、やはりこういう情勢に対応した有効的な政策というものを次々打ち出していくべきだと思うんですね。そこで、何といっても銅を中心にとるわけでありますが、国内コストは五十八万円、まあ六十万円と言っていますね。いまは四十万円ふらふらしておるわけですね。そうなりますと、当面、これを救うということになると、長期的な視野に立つならばいろいろな政策がこれは考えられます。しかしながら、短期的に急場をしのぐということになると、やっぱり即効的なものは関税ということになると思うんですね。減耗控除とかいろいろな方法もあるわけでありますが、関税ということになると思うんです、常識的に考えてみて。したがって、五十二年度の銅、鉛、亜鉛、これらの関税対策ですね、これを大蔵省なり関税審議会に資源エネルギー庁としてどういう態度で持っていくのか。決まっているのか決まっておらぬのかもわかりませんが、少なくとも年々コストは上がっていくし、人件費も上がるし、いまの四十八万円じゃとても、六十万円のコストでは十二万円も差があるわけだから、全然これは保護というような観点にはなっておらぬ。全然保護がないと言いませんよ。本当に保護ということにはほど遠いわけですね。したがって、これは関連業界とのいろいろな利害、錯綜しておることも十分承知しています。また、他の産業との関連で大蔵省もこれは苦労するだろうと思うし、抵抗するだろうと思うが、しかし、エネルギー庁はそういう要素を考えておられぬと思うんですね。国内資源を守ろうという一つの役所ですから。でありますから、そういうことを加味してどういう態度で臨むのか、これをお聞きしておきたいと思うんですね。
○政府委員(橋本利一君) 銅の製錬業界におきましても、現在の免税点の引き上げということを強く要望していることば十分承知いたしております。ただいま御指摘のようにユーザーサイドの問題もございますので、現在、来年度の関税改正にあたりまして、国内鉱山対策の一環としてこれをどのように処置するかを、鋭意検討を進めておる段階でございます。
○沢田政治君 検討を進めておるというのも答弁にはなるけれども、実質的にはこれは答弁がないようなもので、このままでは、これは幾分か救済にはなっているけれども、原価ということを考えたなら、特に国内鉱を考えたならば非常に差が大きいわけですね、この救済する、保護するというひとつの視点に立つならば。でありますから、やっぱりこのままでは相当の数が、もうほとんど限定されてきていますから。なおかつ、何といいますか、脱落するということになると、保護するという目標を定める前に、もう実体がなくなるわけですから、これは大変なことになると思うんで、これは資源エネルギー庁の政策としても、これは怠慢のそしりを免れないと思うんです。そういう事情を十分把握して、理解をして、そうしてやはり関税審議会なり大蔵省に臨むべきだと思うんですよ。具体的に幾らにしようとかどうとかということをぼくは聞きません、これは重要なことだし微妙なことですからね。が、ぼくの言っておる趣旨をわかって、そういう態度で臨みますか。
○政府委員(橋本利一君) 現在も臨んでおるわけでございますが、今後とも一層その方向で努力いたしたいと思います。
○沢田政治君 五月の当委員会でも私が主張したわけでありますが、非鉄金属の世界的な滞貨のだぶつき、またこの需給関係のアンバランス、これもいつかは解消されるだろう、これはいつという期限はわからないにしても、いつかは解消されるだろう。その際に問題になるのは非常にいま需要が盛んになってきた、こうなってもブレーキがかかるのはSじゃないかとぼくは指摘したわけです。たとえば、銅なら銅という単純構成で出てくるものではない。ほとんどが付随しておるわけですね。黒鉱にしても、キースラーガーにしても。でありますから、銅、鉛、亜鉛の需要が拡大されたといっても、Sの処置をはっきりしなければ、その面から自動制御がかかる、ブレーキがかかる。でありますから、将来展望に立つならば、Sの総合対策というものはきわめて緊急を要する問題ではないか、この点を私は指摘をしたわけです。全くそのとおりだと、こういう答弁はしておるわけだが、ますますこのSがだぶついて、鉛、亜鉛等増産はしたいんだけれども、まさか硫酸を拡散するわけじゃないし、煙突で飛ばすわけじゃないし、まさか川に捨てるわけじゃない。そうなるとタンクはいっぱいだ、こういうことになってブレーキがかかっていることも事実です、製錬所等においては。 でありますから、このSの対策をどうするかということを、まあ試行錯誤の連続で、用途拡大とか、全然手を打っておらぬとは思わぬが、私どもが理解したり期待したものからは、現実は非常に遠いわけですね。これはどういう手を打っていますか。将来どういう手を打とうとしていますか。
○政府委員(橋本利一君) 御承知のとおり、Sの関係につきましては、硫黄山が日本ではなくなりましたので、現在のところでは、硫化鉱あるいは製錬所から出るS、それからいわゆる排煙脱硫から出るS、こういったものが硫黄問題として深刻化してきているわけでございます。それで私の方では、本年の七月三十日に総合硫黄懇談会というものを設置いたしまして、この懇談会の場で総合的に硫黄の需給をどういうふうに見るかという作業を続けておるわけでございます。 が、申し上げたいことは、総合的に硫黄の需給見通しを立てた上で、それぞれ、先ほど申し上げました硫化鉱、あるいは製錬所での対策をどうするか、こういうふうに二段アクションをとっていく必要があるだろうということでやっているわけでございますが、いままでの作業のところで、まだ数字を申し上げるのは控えさせていただきたいと思いますが、御指摘のように、まさに供給過剰が逐年大きくなっていく、しかも在庫は累積されていくという問題もございまして、非常に深刻な問題になってきておりますので、それぞれのセクターでどういうふうにやるかということを検討すると同時に、この過剰なSをどのように活用していくか、新規の需要部門をどのように見つけ出していくかという努力を重ねて、現在やっておるということでございます。いずれ、この総合硫黄懇談会での考え方をまとめた上で、鉱業審議会の総合硫黄資源対策分科会鉱山部会の中で具体的な対策を検討していくという手順を考えておるわけであります。
○沢田政治君 ぼくはいささかけちをつけるわけじゃありませんが、鉱業審議会の中には硫黄対策の分科会がありましたね。いまおっしゃられました総合硫黄懇談会ですか、これは長官の私的諮問機関ということになるのか、私はこの性格づけはわかりませんが、なぜこう屋上屋を重ねるようなものをつくって時間をかけるか。もちろん、これは理由はあるでしょうね。やっぱり能率的にスピーディに、この問題を煮詰める利点があるとかとかの答弁は必ず返ってくると思うんだが、少なくとも法律に準拠した分科会があった場合は、ここには相当の専門家もおるだろうし、学識経験者もおるだろうし、利害関係者もおるだろうし、こういうところで相談した方がいいじゃないかという感を私は持つわけですね。そこでやっぱり正式に方向を決定するのは鉱業審議会の中にある分科会だと思うのですね。 ところが、私は余りこれは詳しくは読んでおりませんが、この内容をちょっと見ますと、内容と言うよりも方向を見ますと、石油から回収される回収硫黄ですね、これの措置については非常にどうするこうする、センターを設けるとか、いろいろなことを言っていますよ。だけれども、山の精鉱ですね、付随鉱とか、製錬の硫酸とか、こういうものは打ち切るような危惧すら感じているわけですね。そうなると国内資源を保護するという観点からそれるわけですよ。外国の石油に入ってきたものは守るけれども、国内のものは邪魔者で、これはもう葬るというような危険性をぼくは感じるわけですね。いやしっかり読めばそうじゃないと、こう言うかもわからぬけれども、そういう感じを受けるわけですね。でありますから、やはりエネルギー庁の立場としては、附帯決議にあるようにやっぱり国内資源を優先的に守っていくんだという観点から、この懇談会がどういう結論が出るかわかりませんが、少なくとも国会で審議された内容と逆な方向をこれは見出さないように、やはり何と言いますか留意すべきじゃないかと思いますね。いかがですか。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘の趣旨、私わからないわけではございませんが、先ほど申し上げましたように、製錬所だとか硫化鉱から出る硫黄のほかに、特に需給問題を混乱に陥れてきておりますのはやむを得ないことではございますが、排煙脱硫から出る硫黄だということでございます。 したがいまして、先ほどお答えいたしましたように、まず総合硫黄懇談会これは私の私的諮問機関になっておりますが、そこで第一段階といたしましてはいろいろな現状分析を踏まえまして、あるいは排煙脱硫の将来の見通しなどを踏まえまして、第一次的な考えというものをまとめる。それを鉱山部会の中にございます総合硫黄源対策分科会に持ってくるという順序が適当ではなかろうか、かように考えて処置しているわけでございます。その審議の過程におきまして、決して排煙脱硫に重点を置くとか、あるいは国内の山から出るものに対してウエートを低くしているといったようなことじゃございませんで、まさにイーブンにファクトファインディングをやるという立場において検討いたしておるわけでございます。 そういった意味合いにおきまして、鉱山部会の硫黄分科会は現在石油危機以降情勢が変化いたしましたので、いわば開店休業の状態にあるわけでございますが、本年の四、五月ごろからまた問題がきわめて深刻になってまいりましたので、いつでもこれを開催する用意はございます。その前提として総合硫黄懇談会での結論を踏まえてやりたいという趣旨も御理解いただきたいと思うわけでございます。
○沢田政治君 いま日本で硫化鉱単独の山として残っておるのは岡山県の柵原鉱山一つだけだと思うんですね。ところが、この鉱山も硫酸の事情、需給の関係からいって、労働組合側に自主的な閉山とおぼしき合理化案が出されておる。しかも、十一月末を区切って整理を断行するという通告を労働組合が受けておるようなわけです。いま役所の方で硫酸を含めた硫化鉱、S、こういうものを総合的に一つの長期計画を立てよう、見通しをつけよう、具体策をつくろうと、こういうやさきに出てきておるわけですね。人員をどうするか、こうするかというのは、これは労使関係の問題でありますから、私はここで触れませんが、少なくとも町工場が引き揚げるのと違うわけですね、鉱山がその地域から姿を消すということは。かつて炭鉱が政府の政策によって次々姿を消して、地域には大混乱を、社会問題を巻き起こしたわけでありますが、それと同じような結果になるわけですね。五年前に町工場が原料持ってきて、そこに工場つくって、工場撤去をしてどこかへ消えたと違うわけです。五世紀も六世紀も、少なくとも半世紀はその土地に迷惑をかけ、公害をもたらし、まあ土地の方々から協力を仰いでいるわけですね、炭鉱とか金属鉱山の特質からして。そのために鉄道もできたし、そのために学校もできたし、病院も経営しておる。それが一挙に間に合わないからさようならということになっては、これは地元住民としてはこれはとんでもない話なわけですね。 そういうことでありますから、ぼくは労使関係の中身の方は触れませんが、少なくとも、やはり鉱山というものは社会的な責任を持っておると思うんですね、去る場合でも。つくる場合は皆さんがチェックして、何というか、租鉱権を認めて操業させるわけですが。したがって、皆さんの総合的な硫酸対策をしようとしているやさきでありますから、さらにはまた地元に対して大変迷惑をかけていると、混乱をすると、こういう現状にかんがみて、やはり大きな混乱が起きないような行政指導を、当然資源エネルギー庁がとるべきだと思うんですね、行政責任として。この点はいかがですか。
○政府委員(橋本利一君) まさに鉱業所はその地域社会に完全にビルトインされていると申しますか、柵原の例で申し上げると、柵原の町自体が柵原の鉱業所に完全に依存しておるという関係にあろうかと思います。したがいまして、今回の同和鉱業の考え方というものは、企業の判断として、われわれそれ以上にとやかく言うわけにはまいらないわけでございますが、御指摘のように、地域社会に及ぼす影響というものは、これは最大限に配慮する必要があるというふうに考えておるわけでございまして、われわれといたしましても地元市町村、あるいは労組等ともよく話し合うように順次指導いたしますとともに、できるならば許される限りにおいて漸進的な撤退と申しますか、そのタイミング等も考えるべきじゃないかということを、すでに会社側に申し伝えてあるわけでございまして、いままでわれわれが得ておる回答といたしましては、合理化の時期につきましては、会社側では十一月の末をめどといたしておりますが、地元等との話し合いの結果、若干これを延期することもやむを得ない、こういったことも言っておりますので、今日のように縮小再開していくということは、われわれとしても遺憾なことではございますが、その段階におきましても最大限の努力をいたすよう、地元市町村とよく協調して話し合いを進めるよう、さらに会社側を指導してまいりたいと考えております。
○沢田政治君 この点は特に資源エネルギー庁としても、的確な行政指導をすべきだと私は考えます。 この前個別で、ここの場所じゃありませんが、鉱業課長さんが来ましてお聞きしたわけでありますが、企業整備とか合理化とかいうのはこれは労使問題で、官庁はこれにタッチすべきじゃないと、これは表現としては間違っていませんよ。しかし、その持っておる産業の特質から言って、ただ許可、認可するだけだったらエネルギー庁要らぬですよ。窓口に判こを押す人だれか二、三人でいいんですよ。それを認めるということは、国にどういう利益を与えるか、地域住民にどういう利害を与えるか、これが行政の中身だと思うんですよ。だから通り一遍の、もう認可したから、後はやめるときは両方話し合ってやめなさいというんじゃこれは行政じゃないと思うんですね。そういう簡単な作業ならそういう作業要らぬよ、ぼくはね。認めるべきじゃないですよね。そういうことでこの問題にのみぼくは触れているわけじゃありませんが、そういう行政責任を持っているし、企業としても社会的な責任、地域社会に対する責任を持っているんだから、その意を体して、やはり行政指導すべきだということを強く私は要望しておきます。 きょう事業団の平塚理事長さんがおいで願って御苦労さんです。皆さんは国の資金によって、法律に基づいて国内資源を開発する大きな役割りを担って御努力をされておることは承知しています。しかも、相当の実績を上げられておることも私はその労を多とするものでありますが、どうですか、一面において何というか開発をする、一面においては硫酸等の事情によってこれが消えてなくなる。あなた開発する任務だから、消えてなくなる方おれの分野じゃないと言われればそれまでだが、特に平塚さんは、いま今日こういう立場におるだけではなく、民間におって、硫化鉱とか、銅とか黒鉱、これを生産の第一現場に立って、やっぱり指導してきた方だと思うんですね。でありますから、これはあなたの考え方が、政府の考え方とある部面について違ってもいいんですよ、これはね。いろいろな違いを何と言うか出し合って、やはり役所に反映するなり、役所の意を体するなりして、やはり国内資源というものをふやしていこう、保護していこう、これは無資源国の一つのぼくは責務だと思うんですね。そういう意味で若干の違いはぼくはあえて指摘しませんが、特にあなた、そういういままでの経歴を持たれた方であるから、これをどう見詰めておるのか、ぼくは今後の勉強のために聞いておきたいと思うんですよ、いかがですか。
○参考人(平塚保明君) お答え申し上げます。 ただいま沢田先生の御指摘の点、実は私ごとになりまするが、いまから十五年ほど前、私は三年半ほどいま御指摘の鉱山の所長をいたしておりました。したがいまして、今回の縮小、別会社ということにつきましては、私は人ごとでなく感じておるわけであります。しかし、先ほども長官からもお話もございましたが、世の中の流れで今日公害防止の関係から、従来は取っていなかった原油の中の硫黄を取り出さなきゃならぬということから、その結果として過剰の硫黄が生産され、これが過去において日本の食糧増産にどれほどか貢献したか、皆さんも御承知と思いまするけれども、私も戦後役所におりまして、この硫化鉱の増産の仕事をやっておったわけでありまして、当時から増産を命じ、ただいまあります大きな立て坑皆私がいたときにもつくったものでございますので、最高月に七万トン出しておったのを今度は一万トンにしよう。しかも鉄道は本線を約四十キロ持っている。病院、学校皆持っておる。かようなものを、とても一万トンで維持しようなんということはとうていできないことだと思います。 したがいまして、これを最小限何とかして維持するための方法として会社側はいろいろな方法を考えておることと存ずるわけでありますが、私は硫化鉱につきましては御承知のように、日本の鉱山のうち単味の硫化鉱を出しておりますのは、いま御指摘にありましたように、柵原だけでございますが、他は皆つぶれてしまった。あとは全国にありまする銅、鉛、亜鉛の鉱山からバイプロダクトとして出てくる。その硫化鉱、これは銅、鉛、亜鉛を生産するためには当然それが付随して出てくるわけでありますから、これを何とか処理しなければ銅、鉛、亜鉛も生産が落ちてしまう。したがいまして、重点的にはやはり銅、鉛、亜鉛からのバイブロダクトとして出てくる硫化鉱をまず生かさなきゃならぬ、次に最大限必要な単味の硫化鉱も生かしていかなきゃならない。特に柵原の石は御案内のように、ほとんど無垢の硫化鉱、世界的にも知られている山でございますが、非常にいい性質の鉄をつくることができます。ただし、金もかかりますので、多量に使えない。特に電気的な部品などに使う鉄としては非常にいい性質を持っている。そういう方面に今日でも粉鉄その他に使われておりますが、それがせいぜい月にみんな合わせても一万トンいかない程度、それから他の方法としてはあれをカウンターバランスにコンクリートにまぜておりますが、新しいそういう需要を開拓することによって少しでも生産を維持さしていきたい。 ただし、先ほど先生も御指摘がありましたが、あの地域は私が所長いたしておりましたときには従業員約二千人おったわけでありますが、今回百人以下にしてしまおう。したがいまして、住民も半数以下になってくるわけでありますが、地域社会の維持ということからしても、そのわずかの百人でも維持さしてやりたい、これが私のいまいつわらざる心境でございます。
○沢田政治君 私は冒頭に言いましたように、三百人がいいとか、百人がいいとか、労使で取り決めていくことには一切ここでタッチしたくないと思うんですが、平塚さんが指摘しておるように、敗戦直後国が傾斜生産をとったわけですね。たとえば当時はいまのように油主炭従じゃない。炭主油従であったわけです。まず、エネルギーというものを大増産させよう。そこで、あらゆる国の財政金融を挙げて援助もした、国も手を出した、炭鉱住宅なんかつくって、硫化もその一つなわけです。食糧増産をしなくちゃならぬと、あの飢餓の状態というものをどうしても解消しなくちゃならぬということで、肥料増産、硫化鉱、こういうことになるわけですね。そして国を挙げて、町を挙げて、地域を挙げて硫化鉱掘れ掘れというわけで掘らした。もうにしきの御旗で、地元の人も少々無理があってもこれは国家的に肥料が必要だからということでこれは協力してきたわけですね。その場合、ぼくは、平塚さんは結構です、あんたの理解というのも私と一致していますね。 それで今日、今度は回収硫黄の比重が高くなってきた。もちろんこれも私はなおざりにできません。これは徹底的に回収硫黄は取って、環境を浄化しなくちゃならぬこともこれは至上課題です、一面において。だけど、一面そういうように国家に大きい貢献をしてきた、しかも国策で貢献してきたところを、いまの市場状況によってこれはもう宿命的だというように、国が一切の責任をそこから手を引くということは許されないと思うのですね。そうでしょう、国の責任によって増産さしてきたんだから。だから、こういうものをきわめて抽象的な聞き方になるわけでありますが、いまのところは企業任せですね。やっぱりこういうように撤退するならする、そのつなぎはどこまでというように、やっぱり撤退の仕方、アフターケアといいますか、こういう政策をあわせ考えなければ、国の産業政策というものはだれも信用しないと思うのですね。 石炭が撤退する場合も多くの問題を残した、もちろん国も金を出していますね。同じだと思うのですよ、役割りはね。それが全然何というか、国の後始末について大きな差があるわけだ、企業が勝手にやめなさいと。これじゃいかぬと思うのですね。どうもぼくは疑問を感じるわけだ。石炭にとられた措置もぼくは万全だと思っていませんよ。まだまだやはり国が手を出してやるべきでああったと、こう思いますが、特に金属鉱山の場合は指導のしっ放しであって、増産のときは増産せよ増産せよというわけでやって、あとはもう企業の経済事情による、労使の問題であるというように逃げるのは——逃げるとは思っていませんが、事実何もないわけだから逃げたと同じなわけですね。これはどう考えますか、長官。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘の点、一々ごもっともだと思うわけでございます。ただその場合に、いわゆるこういう縮小あるいは閉山の場合の対策として、いろいろ考えられるわけでございます。石炭で引例されましたが、それも一つのやり方だと思いますが、また一方その地域全体の問題として、さらにやはり新鉱床を見つけ出していくと申しますか、新鉱床を獲得することによりまして、安定的な山の経営ができるような方向で考えていくのも、ある意味では積極的な対策の一つではなかろうかと思うわけでございまして、先ほど若干触れましたように広域調査、精密調査あるいは新鉱床の探査、補助金、こういった現行制度を拡充していくことによりまして、そういった面からも積極的なと申しますか、前向きな対策を講じていくことも必要ではなかろうかと思います。 まあ今回の場合、御指摘のように労使の方でいろいろとお話し合いはしておりまして、五十名か六十名の方のどちらかといえば高齢の方の、身の振り先をどうするかということが問題になっておるようでございますが、こういった点につきましても、会社側としてはできるだけの努力をすると言っておりますが、われわれといたしましても労働省と連絡をとりながら、そういった方向に即応して、離職後の生活が困窮化しないように、そういった方向におきましても努力してまいりたいと考えております。
○沢田政治君 特に柵原鉱山の場合は、平均年齢四十六歳という非常に中高年に差しかかっている人ですよ。二千人おったのがいま三百名そこそこですね。しかも地元に親類がおるとか、親がおるとか、いろんな関係で残った方ですよ。ぼくはこの中身には余り触れたくありませんが、そういうことを十分に踏まえて、病院もある、鉄道もあるという状況でありますから、これは企業とも連絡をとり、県とも連絡をとって、やっぱり摩擦の起きないような指導をすべきだということを再び指摘しておきます。 それで平塚さん、ここ柵原地区は広域精密の探鉱対象地域になっていますね、いま硫化鉱も余って困ったと、こう言っているんだけれども、また硫化鉱を見つけてやるわけですか。これは別の鉱床も対象にしていますか。あそこの地質賦存状況から言って、そういう可能性もありますか。
○参考人(平塚保明君) いま先生の御指摘のとおり、硫化鉱を対象に考えたんではおかしいということでございます。事実柵原の鉱石はまだ一千万トン以上のものを持っておるわけであります。石がなくなったから、品位が下がったからやめるというんじゃございません。非常に鉱質のいい、高品位のものをまだ多量に持っております。いつでも出せる準備はできております。したがいまして、硫化鉱を対象でなく、あそこでも同時に銅を出しているんです。特に西側の方には別な鉱床がある。それはずっと昔から銅を掘っています。現在あそこは広域調査の対象地域にして、この数年来毎年ボーリングをいたしたりして新しい鉱床の発見に努力しております。 今後これをどういうふうにいたしますか、これは広域調査でございまするから政府のお決めになることでございまするから、今後これを引き続いてやる、あるいはそれを打ちどめ他の地域でやるか、これはいずれ資源エネルギー庁の方でお決めになる前にまた炭鉱分科会において諮り、諸先生の御意見も伺おうと思っております。引き続き広域調査の対象に取り上げられれば、私どもの方はそれをお引き受けして続けてやってまいっていくことにいたしております。
○沢田政治君 いずれにしても二千名もおる一社会を形成しておるところが忽然として消えてなくなるんだから、アメリカの西部劇じゃないけれども、まさに寒々しいゴーストタウンが残るというようなみじめなものですね。そういうことで、地域社会の環境に大きく影響を与えるということでありますから、やはりそういう周辺については重点的に、大口が次々出てくると思うんですよ。でありますから、平塚さん、やっぱりそういう二千名とか三千名おった——あなたの説もそうなようですが、往々にしていままで発見されたのは大きいやはり稼行の歴史を持っておる山の周辺ですね、見つかっておるのも。特にそういうような地域社会に大きな変化を来さないという観点から、そういう配慮をも加えて、柵原等の周辺、銅鉱があるならば銅鉱、こういうものを把握するように再び息を吹き返すような御努力を一層願いたいと思うんです。 それと長官、石こうの問題も大変大きな問題になっておるわけです。もう石こうも過剰ですね。臨海製錬所へ行ったならば——黒いボタ山と白いボタ山と言っているんですが、炭鉱のような炭のボタじゃなく、石こうとからみですね。からみは黒くて石こうは白いわけだ、これは投げどころがないわけですね。この処置に困っておるわけですね。いま残っておるのは鰐淵ですか、石こうを掘っておるのは。ここだと思うんですよ。ここも非常に企業整備案が出されて大変問題になっておるわけでありますが、この石こうをどうするつもりですか、これを。ぼくもこの前の当委員会において用途開発を進めるべきじゃないかと、こういうようにひとつ宿題を役所の方に投げておいたはずですね。これは建築材料になるわけですね。ここにも新建材等使っていますが、市販されている新建材の中には有毒ガスを発生して——最近の火災はほとんど焼けて死ぬ人はないんですよ。煙で動けなくなって、もう煙で窒息死しているわけです。これは新建材のなせるわざですね。ほとんど難燃だけれども、難燃で、不燃なんという新建材ないからね、全部煙が出てくる。これでもう窒息死しているわけですね。 しかも、外材等は外貨で外国から買ってきているわけですね。日本が木材を買い過ぎるとかどうとかとカナダ等も一ころは息巻いて憤慨したこともあったようですが、こういうものを建設省等と連絡をとって、国内に資源があるのだから、美観がすごくきれいなんだから、石こうだから、こういうものをどんどん転用するというのか、用途拡大をするというのか、こういう方向にエネルギー庁もスローモーじゃなく、多角的にそれを助けていく、有効利用していく、資源がない国なんだから。余り営林署切り過ぎて洪水が出てくるとかって大変問題になっているでしょう。 こういうものにもう少し細かい意を注いだ行政を心がけていくべきだと思うんですね。これは建設省等とも話し合ったことがありますか。いま公的な住宅はもう大変な量で、国がやっていかなくちゃならぬわけでしょう、これは住宅公団でも、公営住宅でも。そういうものと連携をとって用途開発に本気になってやっていますか、連絡をとって研究もしていますかね。一回見にいってくださいよ、大変なものができていますよ。ふすままでできるのだから、石こうで。どこまで考えていますか。将来考えますと答弁はまことにさわやかな答弁をするのだけれども、中身は全然ないわけで困っているわけですよ、こっちも。
○政府委員(天谷直弘君) 石こうの利用対策につきましては基礎産業局の方で担当いたしておりますので、お答えを申し上げます。 先生御指摘のとおり、昔は数十万トンの天然石こうが産出されたわけでございますが、最近は、最近と申しますか、以後、肥料製造過程から副産しますところの燐酸石こうがどんどんふえましたために、現在では天然石こうは七、八万トンまで生産が落ちてしまっているようでございます。ところが、この燐酸石こうがまた現在非常な不況に直面しておることも御承知のとおりかと存じます。排脱石こうがどんどんふえてまいりまして、したがって燐酸石こうの売れ行きが激減をしておる。昭和五十五年くらいになりますと、在庫が一千万トンくらいに達するおそれがあるというわけで、非常に苦慮いたしておるところでございます。まあ時代の流れと申しますか、そういうものが非常に急激に進んでおりますために、なかなか対応策が追いつかないというのが正直なところでございます。しかしまあ、先生御指摘のとおり新しい用途、特に建設省関係において新しい用途を開いていただくということが基本的な必要な対策かと存じております。 そこで通産省と建設省の事務当局の間でもいろいろわれわれはお願いを申し上げておりますし、また石膏問題連絡協議会という、各省とそれから民も入りました官民一体の協議会等を開きまして、いろいろ情報を交換したり、新しい用途の開拓をお願いしたりしておるような状況でございます。まだしかしこの問題が比較的新しい問題でございますので、まだ目下のところは予算等につきましては十分な対策をとるに至っておりませんが、しかし今後新しい用途を開拓するための技術開発に関する研究補助、それから財政投融資等の面で、いろいろ施策を講じていきたいと思っております。 たとえば財政投融資で言いますならば、無水石こうの焼成設備であるとか、あるいは半水石こうの焼成設備、それから含浸樹脂の製造設備、それから厚物の石こうボードの製造設備、こういうふうなものは技術的に新しいものでございますので、いろいろ設備投資等も危険が伴うかと存じますが、こういうものに対しましては財政投融資等で促進を図りたい、こういうふうに考えておるわけであります。あるいは道路等の路盤固めに石こうを使うというようなこと、これは石こうが路盤を引き締める作用を持っておりますので、そういうような措置等も建設省にお願いをしておるわけでございます。ただ、その場合に路盤に使った場合に雨水によってたとえば黄色い水みたいなものがしみ出してくるというようなおそれ等もございますので、まだ実現には至っておりませんわけでございますが、幾つかの例を申し上げますれば、そういうような方向で新しい需要を建設省とも協力し、各省の御協力も得まして積極的に新しい需要を開いていきたいと、こういうふうに考えております。
○沢田政治君 平塚さん、あそこの鰐淵は黒鉱地帯ですね。大体黒鉱は石こうの間にはさまっていますね。第三紀層のマイオーシン地帯といいますか、地質学的には。あそこを黒鉱の方向に大きく発展する可能性はないでしょうか。
○参考人(平塚保明君) ただいま先生御指摘のように、あれは黒鉱の一つの山でございます。さようなことで数年前にもうなりますが、あの島根県の出雲の半島地区を精密地質構造調査の対象といたしまして、四年ほど一生懸命に探鉱いたしましたが、残念ながら十分な新しい鉛、亜鉛の鉱床を把握するに至りません。現在地域を移して同じく島根県の益田地区ではやって、ここでは成功いたしておりますが、残念ながらあの地区にはまだたくさん石こう山がございます。山陰は松代、鵜峠鉱山とか石見鉱山とかたくさんございますが、いま、それらがみんな石こうを出す山がございましたが、これらはいずれも現在石こうは売れませんので、細々と鉛、亜鉛の鉱床を確保しているというようなことでございまして、私どもも大いに期待をいたしたのですが、遺憾ながら大きなものが見つかる可能性は少ないと見ております。
○沢田政治君 硫酸の需給に関連して製錬所の操業が将来どうなるのか、現状は大変です。硫酸のだぶつきによって、硫酸からこの非鉄金属の生産は抑えられている、これをどう打開しますか。これも放置できない問題ですね。避けて通れない問題だと思うんですね。たとえば非鉄金属の需要が多くなったとしても、硫酸で足を引っ張られるのだから。これを抽象論では、何とかしますでこれは答弁が済むわけだが、具体的には何考えていますか。
○政府委員(橋本利一君) まさに御指摘の点が一番のポイントでございまして、先ほど来申し上げております総合硫黄懇談会、あるいはその過程を経ての鉱山部会における検討も結局はその点に帰一してくると思います。いずれにいたしましても、銅を初めとしての非鉄金属というものを国内でできるだけ確保するということが、最近の国際情勢等からいたしましても、経済的安全保障といった立場からも当然必要になってくるわけでございますが、それと相背馳する問題としてS分問題が出てきておるわけでございまして、具体的にと御指摘ではございますが、具体的に直ちにこの場で申し上げられるほど容易な問題でない。われわれとしてはそのためにいまそれぞれの懇談会、あるいは将来における鉱山部会での検討ということで準備をいたしておるところでございまして、問題意識としては十二分に持っておるつもりでございますが、いま少しく時間をかしていただきたいというのが率直な私の気持ちでございます。
○沢田政治君 時間をかすのはかしますが、そのうち事態が推移してつぶれるのはつぶれると、こういうことでいたずらに時間の経過だけでは何にもならぬわけだから、一応ぼくの素人考えだが、問題提起をしておきたいと思うんだが、硫酸ということになるとやはり肥料ですよね、大口は。肥料しか考えられませんよ。したがって、あの海外援助をする際に、ぼくはこの前も指摘したと思うんだが、機械も見たこともないところへ、でかい、何というか、農機具メーカーの機械を持っていって評判がきわめて悪いですね、労働力があり余っているんだからね。こんなものをもらってもネコに小判だって、ネコに小判という言葉いいかどうかね、そういう印象を持たれているわけですね。そうなりますと、労働力はたっぷりあるんだから、海外援助をするならば、資本のつくったそういうような使いものにならぬ、使うことも知らぬ、もう山間僻地に、油を売るところもないところにそういう農機具をやるよりも、肥料で援助したらいいじゃないか、手っ取り早いのだから。こういう考え方もあるわけですね。それと、しかし売ることになっても外貨がない、開発途上国は。そういう場合食糧とバーターするとか、そういうことも考えられてもいいと思うし、それから硫酸の固形化ですね、これ技術的にできると思うんですよね。しかし、これは経済性を無視した固型化もないわけだが、こういうものも考えられることと、それから硫酸タンクですね、こういうものもやっぱり何か金融措置で、これはもっと容量の大きいものをつくらせるとか等々のことを考えられれば、これはいかがですか。こういうことぐらい考えなくちゃ、いま鋭意研究中だけじゃこれだめでしょう、一つの目標持って時間をかけて検討しなければ。
○説明員(福原元一君) お答えいたします。 現在御指摘の、硫酸を肥料として海外援助に用いたらどうか、あるいは硫酸タンクの増設を図ったらどうかというようなことにつきましては、先ほど来長官申し上げております総合硫黄懇談会におきまして具体的にそのようなテーマが出まして検討を進めています。
○沢田政治君 二十分まであと三分ほどしかありませんので、まとめてお聞きしますが、政府が備蓄しましたね、今度は三鉱種に限って。これについて保険料が義務づけられておるでしょう、そうじゃないですか。買い上げた品物に、ぼくはこれは正確であるかどうかわかりませんが、損害保険をかけなくちゃならぬ。〇・九%ですか、三百億円だから二千七百万円ですか、銅というのは焼けもしないし、あれを盗もうたって、何トンという銅しょってだれも盗めないですね、こういうものは必要かどうかということですね。
○説明員(福原元一君) 事業団が買い入れますとき、備蓄協会に対しまして保険料をつけることを義務づけております。
○森下昭司君 限られた時間でありますので、電源開発株式会社に関連をいたします原子力発電の問題点だけをきょうはお尋ねをいたしておきたいと思うんです。 そこでまず最初にお尋ねをいたしますが、電源開発株式会社の五十一年度の予算案の中で開発準備費、これは総合計で十五億円ございますが、この中で原子力関係の予算の執行状況を重点的に、原子力関係はどういう予算をお使いになって、どんな主な事業をおやりになっているか、まずそれを最初にお尋ねをいたします。
○政府委員(服部典徳君) 電源開発株式会社の五十一年度の原子力の調査費関係でございますが、高温ガス炉、HTGRの安全設計のための確証対策——耐震性でございますとか安全性でございますが、そういった確証対策につきまして一億五千万の予算というのを計上いたしております。
○森下昭司君 たったそれだけですか。私の聞いておるのは開発準備費の中の原子力関係について聞いているんですよ。
○政府委員(服部典徳君) ただいま申し上げました一億五千万は原子力調査費でございまして、そのほかに原子力の予備費というのがございます。これにつきましては用地関係とかあるいはウラン濃縮の関係、前払い金の関係でございますが、これで六億三千万計上いたしております。
○森下昭司君 その執行状況はどの程度なんですか。
○政府委員(服部典徳君) まだ年度の途中でございますので、どこまで消化するかという問題ございますが……
○森下昭司君 現時点でどの程度執行されているんですか。——知らぬことない、そんなことは調べているんでしょう、あなた方は。
○政府委員(服部典徳君) ただいま申し上げました予備費の方は、現時点におきましては使用いたしておりません。 それから調査費の方、一億五千万につきましては一部使用いたしておりますけれども、金額はいまデータ持っておりませんので、後ほど申し上げたいと思います。
○森下昭司君 次に、昭和五十二年度の概括予算要求を電源開発から先日通産省に行いまして、通産省はそれを大蔵省に御説明になったようでありますが、その中における原子力関係の開発準備費はどの程度ですか。
○政府委員(服部典徳君) 開発準備費といたしまして五十二年度要求で十四億要求をいたしております。
○森下昭司君 その十四億の主な使途についてはどのようなものになっておるんですか。
○政府委員(服部典徳君) そのうち十一億が原子力関係の環境調査でございます。 それから三億は原子力用の土地の代金ということでございます。
○森下昭司君 そういたしますと、五十一年度と五十二年度を比較いたしますと、高温ガス炉の、いま御指摘になりました耐震安全性の試験が落ちているんですが、何か理由があるんですか。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘の高温がガス炉というのはアメリカのゼネラルアトミック社の開発しているHTGRのことかと思いますが、当初電発といたしましては各種の炉型についてその開発の検討を進めておったわけでございますが、四十八年当時にこのHTGRにつきまして調査、検討を進めてきたわけでございますが、昨年の秋、アメリカ。景気後退いたしまして、電力需要がスローダウンしたというような事情からゼネラルアトミック社が受注しておりましたプロジェクトが全部解約された。その結果、当時まだ原型炉によりまして開発の準備を図っておった段階でございましたので、実用化する時期はかなりおくれる見込みであるといったようなことで、当面のところこれとのコンタクトをとっておらない、こういうことからさようなことになっておるわけでございます。
○森下昭司君 そこでお尋ねをいたしますが、両角総裁が昨年御就任になりました直後、新聞記者会見で高温ガス炉をいわば次期電源開発の発電原子炉として考えているという趣旨の御発言があり、かつまた建設地点についても近いうちに選定をするという実はお話があったわけであります。これとの関連についてお尋ねをいたしますが、そういうことになりますと、次期の原子炉問題について電源開発はいまお話があったように、高温ガス炉が実用化の時期にまで間に合わないという製造上の理由で採用をあきらめられたのかどうか。またあきらめられたといたしますならば、この高温ガス炉にかわってどういうような原子炉が適当としてお考えになって検討なされているのか、この点をひとつお尋ねします。
○政府委員(橋本利一君) 電発につきましては、かつて電気事業審議会の答申によりまして技術開発的性格を有する炉型を用いた原子力発電の開発を行うことといった答申が出ておるわけでございます。こういった答申に基づきまして、過去におきましても、たとえばAGR、これはイギリスの改良型ガス炉でございます。それからいまお話の出ておりますHTGR、こういったものにつきましても調査、検討を進めてきたわけでございますが、AGRにつきましてはコスト高である、実用化はできるわけでございますが、コスト高であるということで断念いたしております。HTGRにつきましては、先ほどもお答えしたようなことでございます。現在まだ決まっておりませんが、カナダのいわゆるCANDU炉につきまして、日本の国情、特に耐震性といったような点で適応するかどうかといったようなまだ調査をいたしておりまして、いまの段階でどの炉型を用いるか、あるいはどの炉型を開発するかということについては決定はいたしておりません。
○森下昭司君 そういたしますと、高温ガス炉もまだその採用の点について、はっきりと採用しないというふうに決定したわけではない、採用の道も残されているという理解でいいんですか。
○政府委員(橋本利一君) まだ先ほど申し上げたような事情でございますので、最終的な結論は出しておらないとは思いますが、ただ、このHTGRというのは他の軽水炉に比べましてきわめて安全性が高いといったような特徴もございますので、今後もアメリカ側の事情などを見ながら検討するものではなかろうかというふうに思います。
○森下昭司君 そこで具体的に私二、三この機会にお尋ねをいたしておきますが、まず最初に通産省がおやりになっております原子力発電諸立地確保、まあ地質調査でありますが、これは何年からおやりになっているんですか。
○政府委員(橋本利一君) 昭和三十八年から実施 いたしております。
○森下昭司君 そういたしますと、大体年間一カ所程度あるいは二カ所程度かと存じますが、いままでにどことどこをおやりになったのか、後ほど具体的には資料で提出していただいてもいいのでありますが、主な地点だけお述べいただきたい。
○政府委員(服部典徳君) 三十八年度から調査を始めまして五十年度まで三十八地点でございます。地点の名前につきましては後ほど資料でお渡しいたしたいと思います。
○森下昭司君 これは地質調査につきましてはどこへ委託なさっているんですか。
○政府委員(服部典徳君) 地点によってそれぞれ委託先が違うわけでございますが、県に委託するというケースが多いわけでございます。
○森下昭司君 県はこれを受けましても県自体がまた再委託するわけじゃないんですか。そんな何十メートルという地下の地質構造を検査するような技能は県当局にはないはずであります。そういたしますと、これは何らかのかっこうで県がよそへ委託するのでありますが、もしもそうだといたしますと私はやはり一つ問題は残るんじゃないか。 つまり、こういったものは同一規格と申し上げては申しわけございませんが、ボーリングのやり方、それからボーリングに使いまするくい、あるいは掘り方、いろんな点について規格性を持ってやる必要があると思うんですよ。そういうことを通産省が県に御委託になる、県がまたそれを再委託なさる、こんなやり方はちょっとおかしいと思うんでありますが、今後もそういう、まあ五十年度は終わっちゃっているわけですけれども、そういうばらばらのかっこうで出てきた、あるいは委託先が大きな会社もあれば、小という言葉は悪いかもしれませんが、あるいはその地質調査に適当でなかったところからの結果が出ているかもしれないというように思うんでありますが、その点について再度お尋ねいたします。
○政府委員(服部典徳君) 先ほど申し上げましたように、この調査は大部分県に委託しておりまして、県の御判断で、もちろん県はみずからやるわけではございませんで、ボーリング業者に委託をするわけでございますが、県の御判断でどのボーリング業者がいいかという点は決めるというシステムになっているわけでございます。
○森下昭司君 結果は私がいま申し上げたように、会社会社によって地質調査のやり方等も違ってまいりまするから、あるいは妥当性を欠く結果が出ておるかもわかりませんが、そのことはともかくといたしまして、それではこういったものは御調査になりましてどういうようにこれを活用なさっているのか、活用の経過についてお尋ねいたします。 〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
○政府委員(橋本利一君) この調査の趣旨は、御承知のように電源立地に当たりましては自然的なあるいは社会的な制約が非常に多いということがございまして、そのために国といたしましても長期的に、あるいは全国的な観点から、それぞれの立地地点として考えられるような地点につきまして気象条件だとか、あるいは地殻構造だとか、あるいは地質だとかいったものを予備調査と申しますか、立地する段階でのガイドライン的なものとして準備いたしておるものでございまして、したがいまして現実に立地する場合には、電気事業者等がやはり地元の理解と協力を得まして、その上に立ってさらに精細な調査をやっていくというのが実情でございます。さような観点から先ほど部長が答えましたように、三十八年から五十年まで三十八地点調査いたしておりますが、現実に立地決定を見た地点は四カ地点でございます。一言で申し上げると、電源立地におけるガイドライン的な調査である、予備的な調査であるということでございます。
○森下昭司君 そこで、具体的に岩手県の下閉伊郡田老町摂待地内のボーリング結果に基づきまして、これは昭和四十六年度に行われた立地地質調査でありますが、この調査の結果、電源開発株式会社がこの地点に原子力発電の一応の適当な候補地であるという考え方に基づきまして、具体的には昨年の九月から現地の田老町の隣に宮古市がございますが、宮古市に拠点を設けまして摂待地内の住民に働きかけを行っているという事実がございますが、そういう点についても通産省は御承知になっているのかどうか。承知になっているとすれば、その実態についてはどういうふうに把握しておみえになるのか。その点をお尋ねいたします。
○政府委員(橋本利一君) ただいま御指摘の点につきましては、電源開発会社より事情聴取いたしましたところ、四十八年以降田老地点において、原子力発電所の立地調査の可否につきまして地元関係者の意向を慎重に打診してまいったわけでございます。 〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕 御指摘の昨年の九月田老町議会におきまして反対請願が採択された。一方、昨年の暮れから田老町の議会等の中に、原子力について勉強したいという気運が起こってきたようでございまして、これを受けまして、電発といたしまして町議会及び町政発展計画審議会に対しまして説明を行ってきた。なお、地元の部落、漁協等に対しても原子力一般についての説明機会を与えてくれるよう希望している。かようなことを申しておるわけでございまして、先ほどお話のございましたHTGRにつきましては、調査を申し入れる段階で一例としてこの話を出したようでございますが、現段階としては、このHTGRを採用するということで確定しているわけではない。大体こういったことが電発から事情聴取した結果でございます。
○森下昭司君 まず最初に、長官自身も言われましたが、地元とのコンセンサスを経て調査にかかるというようなお話があったわけでありますが、これは、まあ昨年の大堀提言ではございませんけれども、現地の住民との間におけるコンセンサスを得ることが必要であるということは、これは火力によらず原発によらず、最低の要件であるということが強調されているわけであります。 問題は、いわゆる五十年の七月二十日ごろ田老町長に対しまして電源開発株式会社は、ひとつ町当局があっせんをして説明会を行いたいので協力をしてもらいたいという申し入れがあって、それが町長によって拒否されておる。その事実はいま長官の御答弁の中にございませんが、そういった事実は御承知ですか。
○政府委員(橋本利一君) 承知しておらないようでございますので、即刻調査いたしたいと思います。
○森下昭司君 そこが問題なんであります。まず第一に、私は県当局へも参りましたし、また、昨年十月の岩手県議会でも田老町の電源開発株式会社の原子力発電所問題は質問がされております。これに対しまして県知事は、電源開発株式会社から正式な申し出がないので、田老町に電源開発の原子力発電所ができるとは考えていないと、こう答弁している。まず地元とのコンセンサスの入口がはずれているんじゃないですか、これは。そして町議会の反対があったにもかかわらず、長官の御答弁からまいりますれば、これは町議会議員ですよ。町議会の中での町議会議員個々に、原子力の勉強をしたいからという話があるから慎重に説得を行っている。これは結果論からいきまして町政に混乱を与え、そしてそのこと自体が住民関係、人間関係の阻害になっているという事実になるということについては、お気づきになっていないのかと私は思うんであります。こういう点について、電源開発株式会社は職員三人を常駐さしているんです。お名前、申しわけありませんが言えというなら言ってもいいんです。対象地内の部落に二十七戸ございます。この二十七軒に対しまして三人の方が昨年の十二月から積極的な説得活動を行いまして、月に大体二ないし三回各おうちを御訪問なさっている。そこで、いまあなたが打ぬ消しになられましたように、七十七万キロワットの高温ガス炉であるとか、五千トシ級の船が二隻常時係留できる岸壁をつくるとか、これは十年計画でやりますとかということをお述べになっている。こういった事実がいま申し上げたように、小さな山の中の部落、人間関係が非常に損なわれ、そこに混乱が起きている。町長自体も非常に迷惑な話だというのでおみえになる。県知事も議会でそう御答弁になっているし、私現地を訪問いたしましたときに県の企画調査部長にお会いいたしましたが、全くいま先生から指摘されて初めて知った次第ですと、うそか本当かは別にいたしまして、県の幹部が公式にそういう見解を御表明なさっている。一体電源開発株式会社というところは、地元のコンセンサスを得るためにはどういう方法が最善だとお考えになっているのか私疑わしくなってくるんであります。 こういうような問題がありますが、この点について電源開発株式会社からどういうように事情を御聴取なさっているか、もう少し具体的にお尋ねいたします。
○政府委員(橋本利一君) 先ほど来申し上げておりますように、原子力発電所を立地するためには、地元の理解と協力を得ることが不可欠のことだと考えておるわけでございますが、ただこのためにも、立地調査に先立ちまして電気事業者が町議会と地元関係者に対しまして原子力発電の安全性あるいは必要性等について説明を行うということは、やはり電源の開発を事業とする、あるいは責務とする立場からいたしまして、これは本来の事業活動の一環と考えるべきではなかろうかと思うわけでございます。ただ御指摘のように、そのやり方と申しますか、現地における活動のあり方、特に戸別訪問のやり方等につきまして、必要以上に混乱を招くような行き過ぎた行為があるということは、これは当然是正すべきだと思います。そういった立場に立ちましてさらに電発を指導してまいりたいと考えております。
○森下昭司君 そういたしますと、長官のこのお話を前提として物を言うならば、電源開発株式会社は高温ガス炉かあるいはCANDU炉か存じませんけれども、とにかく田老町摂待地内に原子力発電所を設けたいという考え方を強く持っていると、これは否定できないと思うのでありますが、その点についてはどうなんですか。
○政府委員(橋本利一君) 先ほど来申し上げておりますように、予備調査と申しますか、国が県に委託してやりました調査を見て、候補地の一つとして考えているであろうということはわかるわけでございますが、まだこれは詳細立地調査をやりたいということで現地にいろいろとお願いに上がっているようでございまして、その調査の結果を見ないと、適地として判断できるかどうかという問題もございます。先ほど来申し上げておりますように、どの炉を導入するかということについてもまだ決定をいたしておらない段階でございますから、いまの段階で確定的に電発が田老町に立地したいというところまでの決意を固めておるということは言い得ないんじゃなかろうかと思います。
○森下昭司君 それじゃ逆にお尋ねいたしますが、電発は日本全国で田老町以外に原発用地として適当な地点があって、御調査なさっているところがあるんですか。あるいはいまお話がありましたように、住民の説得を行っているところがあるんですか。
○政府委員(橋本利一君) 現在時点では田老町以外での立地調査はやっておらないようでございます。
○森下昭司君 そういたしますと、田老町しかないということにもなりかねません。これは私、昨年の両角総裁の記者会見の言うならば談話、近いうちにもう原子力発電所の候補地は、地点は決めると言っておみえになる。もうあれから一年以上もおたちになっている。そして昨年の九月から、そして本年に入ってまた職員を常駐して三名で説得工作が行われている。これは明らかに状況ですよ、状況からいけば、田老町に電源開発株式会社は原発をつくりたいという強い意向を持っていると理解することが正しいんじゃないですか。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘のように、意向としては持っておるかもしれませんが、現実問題としてまだ詳細立地調査をやらない段階で、その意向が現実のものとして結びつくかどうかということはいまの段階では予断できない問題ではなかろうかと思うわけでございます。
○森下昭司君 それは立地調査が終わった後に、最終的に重大な欠陥が出れば長官のようなお答えになると思うのであります。 ところが、このいわゆる五十一年度の予算や五十二年度の予算から判断いたしましても、電発がなみなみならぬいわゆる考え方を持って原子力発電に意欲を持っていることはうかがい知ることができるのです。私は「電源」という社内報全部読んでまいりました。両角さんが九月号で何言っているんですか。ここにも関係者がお見えになるかもしれませんが、十月号で技術者が何て言っているんですか、早いこと新型原子炉を決めろという声は現場から出ている。両角さんは、ガス炉を含めて、そして衆議公知の事実として決めるべきだということを主張しておみえになる。一方新聞報道はどうですか。視察の段階でもうカナダとCANDU炉の輸入問題について、これまた交渉を電発が行っていると報道している。これは通産省の高官語るという前提があります。周囲の状況は全部、原発体制が電源開発の中で討議をされ、煮詰められ、その一定の長期間の検討の上に立ってゴーのサインが進行しているんじゃないんですか。これ否定できませんよ。しかも、電源の問題は、九電力会社の再編成問題とも関連してきますが、導入資金の問題、あるいは今後電発が負うべき日本における火力発電や原子力発電の役割りはどうなってくるのか、基本的な問題がございます。そういう問題はきょう触れたくないです、時間がありませんから。次の機会に触れたいと思うのでありますが、このいわゆる電源開発がいま行っております田老町摂待地内を対象にしたいわゆる原発計画というものは、事実上私はいま申し上げたように、地質調査をさらに精密に行って、重大な欠陥が出ればあるいは長官のおっしゃるようなことになるかとも存じます。しかし、そうでない限りは、ここに候補地を定めて、これを原発の建設用地として推進をしていく、この方針は少しも停滞していないというよりか、むしろ前進するような傾向にあると私は判断せざるを得ないのでありますが、この点についていま、先ほど私は進め方の問題をひとつ提起をいたしておきましたが、さらにいろんな問題が出ているという点については御存じかどうか、ひとつお尋ねをいたしたいのであります。 それは、最近いわゆる田老町摂待地内のすぐ近所に厚生年金の年金福祉事業団が行いまするいわゆる大規模年金保養基地というものが、総額約二百億円の予算をもって建設に取りかかっているんです。これは土地の取得は終わりまして三百七十ヘクタール、三十二億三千五百万円で買収済みなんですね。そういうものが原発基地の隣にでき上がるということ。それから、原発予定地内に川が流れておりますが、その上流にいわば県が漁業の、言うならば養殖事業といたしまして五十一年度から二千五百万円をまずつぎ込みまして、サケの養殖場をおつくりになっている。これは完全にもう原子力発電所の温排水の影響を受けることは事実であります。こういう既定の言うならば施設の計画があるにもかかわらず、原発をただ単に地質がよいからということだけで強行できるかどうかという問題が一つあるのです。これは大堀提言また申し上げて恐縮でありますが、環境立地の問題についてはきめ細かく提言がなされております。あるいはあそこは三陸沖の非常に景勝地の一帯であります。そういうところでなぜ原発建設を強行しなければならないのか、この点について通産省の考え方をひとつお尋ねしておきます。
○政府委員(橋本利一君) 先ほど来申し上げておりますように、調査段階においても十分地元の理解と協力を得るようにということを言っておるわけでございます。まして、調査の結果適当な地域であるということになった場合におきましても、現実にそこに工事を起こすかどうかということになると、さらに地元の理解と協力を得るということが必要だと思うわけであります。そういう方向で指導してまいりたいと思います。 ただ、ただいま御指摘のありました福祉施設あるいは川上における漁業問題等につきまして、いま初めてお伺いいたしたわけでございますが、そういった点も含めまして電発当事者を招致いたしましてさらに事情を聞いてみたいと思います。
○森下昭司君 私は町長にお会いをしましたときに、町長は、昨年の九月の町議会の決議があります、請願も採択されております、一年もたたないうちに町の態度が賛成になるはずがありません、そういう軽率な態度は町長はとるべきではないと言っているんですよ。それを切り崩しているのはどこなんですか、一体。住民もいま事態を見守っている最中じゃないですか。それを積極的にある意図を持って切り崩しているのはどこなんですか、電源開発株式会社じゃないですか。それが町政に混乱を与え、農漁村や小さな山村に人間の信頼関係を崩すような混乱を起こしているんです。私はやはり、町長は町議会の決議がある以上、迷惑だと言っている以上は、電源開発株式会社は、いまやっておみえになりまする行為は直ちにおやめになることが妥当じゃないかと思うのですが、どうなんですか。
○政府委員(橋本利一君) 電発を呼びましてさらに事情を聞いてみたいと思いますが、少なくともその町政を乱すとか、あるいは反対派、賛成派に分かれるようなことでその地域の秩序問題にまで問題が波及しないように、電発の現地における行動等につきまして、行き過ぎのある点については特に是正するように指導してまいりたいと考えております。
○森下昭司君 私は現地へ行ってみなければわからないと思うのでありますが、小さな部落で、電発の職員の方が、電発の職員と名乗った車に乗ってくるわけじゃないのです。あるときはタクシーで、あるときはどこかのトラックのようなものに乗ってひそかに部落にお入りになって、あるうちへお行きになる。それを傍見した人がおると、あのうちに何しにいったんだ、おれのところは来ないけれどもどうなんだろうか、来たけれども話は向こうと同じ話かどうか、みんな疑心暗鬼になっちゃう。私は、二十七戸の全世帯主の代表が集まった会合に出まして、約三時間にわたっていろんなお話を聞いてまいりましたが、人間的には全く私はいまのやり方は顔を逆なでするようなやり方になっている。これは即刻おやめになることが私は本当に妥当だと思う。 それから私は、時間がありませんので、次にお尋ねしておきたいのは、いわゆるCANDU炉の輸入の問題でありますが、先ほどお話がありましたように、高温ガス炉はアメリカ側の事情による、つまり実用に至るまでに生産が伴わない危険があるから、これは一応たな上げせざるを得ないような実情下にある、ただし全部中止したわけではない、言葉をかえて言えばアメリカの生産事情によっては採用する道も残されているんじゃないだろうかというようなこう理解の仕方もとれるわけでありますが、このカナダの重水炉の、CANDU炉の問題については、先ほど申し上げましたように新聞の報道するところでは、電源開発が導入交渉をしたと、しているということを言っておるのでありますが、まず交渉の事実について有無があるのかどうか、最初の点お尋ねいたします。
○政府委員(橋本利一君) 新聞がどのように伝えておるか私十分承知いたしておりませんが、CANDU炉はいわゆる重水炉の一つでございまして、すでにカナダでも運転実績がございますし、かなりの台数が輸出されて、海外で運転されておるというふうに承知いたしております。ただ、本件につきましては、日本に導入するに際しまして、耐震性、安全基準、こういった点に問題がございますので、十分な検討と評価を必要とするというふうに現状を認識しておるわけでございまして、この段階で導入を決定をしたとか、あるいは輸入の交渉をしておるとかいったような先走った行為が行われておるはずがないというふうに信じておるわけでございます。まあ重水炉につきましては、現在御承知のようにATRと称する新型転換炉が動燃事業団で自主開発中でございますが、こういったものも含めまして、あるいは従来の軽水炉から高速増殖炉に移っていく、その路線を重水炉で補完する必要があるのかないのか、そういった問題も含めまして、総合的に評価判断すべき問題であろうかと思います。
○森下昭司君 それは長官、そんな抽象的な答弁じゃだめですよ。つまり、新型転換炉のATRの原型炉はいまふげんは製作中ですね。当初の予定は五十二年度の三月ごろには臨界に達しようというのが、これは延びて五十二年の三月になっているんですよ。最近、原型炉だけではだめなんだ、実証炉もつくれということは、あのいわゆる原子力委員会の中における動力燃料炉の小委員会でそういった問題が取り上げられているんですよ。そうすると、新型転換炉のふげんの実証炉をつくって実用に至るまではなお十年以上かかるのではないかと心配されている。高速増殖炉のいわゆる実験炉の常陽や原型炉のもんじゅにいたしましても、原型炉のもんじゅが臨界に達するいまの予定は一九八三年ですから、今後いわゆる十年近くかからなければ高速増殖炉の原型炉すらでき得ないというような実情下にあるんです。その開発費も膨大なんです。そして、その開発費の負担の仕方について、政府と民間電力業界との間においての今度は交渉を煮詰めなくちゃならぬ。まああの小委員会は提言といたしまして、軽水炉開発の民間負担分、その程度のことで、あとは政府が負担しろということになりますと、政府の負担額は何兆円になると私は試算せざるを得ないのであります。 そういうような新型転換炉なり、あるいは高速増殖炉の自主開発に至る間、いわばつなぎとして当然高温ガス炉なり、このカナダのCANDU炉がつなぎとして登場してくるのは、日本のいま自主開発の状態から言ってこれは常識的なんですよ。それを総合的に判断するなんてそんな抽象的な答弁で納得できますか。現に、電源開発の技術者は高温ガス炉かCANDU炉しかないと言っているじゃないですか。何だったら、ここで電源開発の社内報読んでもいいですよ。そういう事実がありながら、なぜ日本の自主開発のおくれをたなに上げて、総合的に判断して決めるなんてという答弁が出るんですか、はっきり答えてください。
○政府委員(橋本利一君) お言葉を返すわけではございませんが、現段階でCANDU炉の導入を決めたわけではございません。ただいま御指摘になりましたようなATRの問題点を詰めると同時に、海外における重水炉、特にこれはCANDU炉が三十基ほど稼働しておると承知しておりますが、そういった海外における重水炉の実態などをよく調査検討いたしまして、そういったデータをベースにいたしまして判断すべき問題でございまして、軽々にいまの段階において導入炉を決定すべき段階じゃないと私自身も信じております。
○森下昭司君 そういたしますと、いま申し上げたように、日本の自主開発がおくれておりまするから、自主開発のいわゆるおくれの途中で、高温ガス炉かまたはカナダの重水炉、CANDU炉を採用せざるを得なくなるのではないかという見通しについてはどうお考えですか。
○政府委員(橋本利一君) 現在軽水炉を導入いたしましてもう十数年たっております。この軽水炉につきましても、アメリカから導入した技術をベースにしてやっておるわけでございますが、一つにはそういった導入技術から脱却いたしまして、できるだけ日本型のものにしていく。特に安全性、放射能被曝対策あるいは遠隔操作といったようなことを中心にいたしまして、すでに導入されておる軽水炉につきましても、いわゆる改良標準化作業を続けておりまして、こういった面からの改正を図っておるわけでございます。 それとの関連におきまして、この重水炉をどう取り扱うかという問題が御指摘のように出てくるわけでございます。その場合、たとえば核燃料サイクルにフレキシビリティを与えるために重水炉というものをどの程度評価すべきかという問題もございますが、反面、日本の国情、特に地震国と言われる地域に耐震的に大丈夫であるかどうかといったようなこともあわせて検討する必要があるわけでございますが、ただ御指摘のように、現在重水炉として考えられておるのは、やはりATRあるいはCANDU炉といったようなところになるであろうということは否定はいたしません。
○森下昭司君 電源開発の社内報、「電源」ことしの九月号で、総裁との座談会が行われております。その中で電源開発原子力調査室の課長代理でありまする山保さんという方がこう述べております。「当社の原子力開発の立場は新型炉開発ということで重水炉、高温ガス炉などに絞られると思います。」はっきり答えております。これ以外考えていないということなんですよ、現場の企画は。だから錯覚する、私は。 そこで、通産大臣にお尋ねいたします。現在、きのうからカナダのトルドー首相が参っておみえになります。これは私は当然話題の中にこのカナダのCANDU炉の話が出るのではないだろうかと想像いたしておりますが、向こうから話が出される可能性が強いと思うのでありますが、通産大臣といたしましては、このカナダのCANDU炉の話が出ればどういう態度でお話し合いをなさるのか、そのことをお尋ねします。
○国務大臣(河本敏夫君) 御案内のように、カナダはこのCANDU炉に対して非常に誇りを持っておるわけです。で、前々から日本に対して買ってくれということを強く言っておりまして、電源開発で研究しておることは事実でございます。ただしかし、いま長官が申し述べましたように幾つかの問題点がありまして、特に耐震性の問題等がありますので、なかなか軽々には結論を出しにくいと、こういう事情にありますので、今回も当然出ると思います、話としては。しかし慎重にまあ研究をすると、こういう答えで話をつないでおこうと、こう思っております。
○森下昭司君 私はなぜ電源開発の社内報を読んだか。それは現場ではそういう考え方が強いんです。最初なぜ私は高温ガス炉の問題を聞いたのか。それは長官自身がお答えになっているように、アメリカのこのいわゆるゼネラルアトミック社の開発体制のおくれから日本が実用化を図りたいという希望の年月日に、とうていつくり得られないだろうという判断が強く働いたから、高温ガス炉の耐震安全性実験は五十二年度予算に計上いたしませんでしたという御答弁なんですよ。五十一年度までは高温ガス炉の耐震安全性は毎年おやりになっている。鹿島建設の調布の研究所で、武藤構造力学研究所ですか、御委託なさって公開実験で通産省の係官が立ち会っておみえになる。それが五十二年から高温ガス炉は、安全耐震性の調査研究は、あなたの御答弁のように予算計上されていないんです、電源開発は。そして先ほどもお話がありましたように、環境調整が十億円で土地が三億円。だから、私は長期展望に立った田老町摂待地内を対象とした電源開発の原発計画が、ゴーの実施の段階に入ったんだと。その実施の段階に入れば、当然電源開発の社内報で技術者が述べているように、高温ガス炉か重水炉です、カナダの。CANDU炉です。高温ガス炉がだめならもうカナダしかないんですよ。そういう、過去の経過予算の事実上の内容等を全然無視して、そして御答弁なさる。全く私は残念でたまりません。通産大臣は率直に向こうから話が出るであろう、出た場合には慎重に検討するという答弁しかでき得ないというお話でありますが、こういうような事情を踏まえる中で、私はやっぱり通産省といたしましては電源開発の意向を尊重しておやりになるのか、あるいはまた他の適当な軽水炉等を考慮した原発に切りかえなさるのか、そういった点も含めて私は検討しなければならぬのではないだろうかという感じが実はいたしておるわけであります。その点について、最後にもう一度大臣の御見解をお伺いしたい。
○国務大臣(河本敏夫君) この問題につきましては先ほど長官がるる答弁をしておりましたが、やはり現段階では総合的に研究、判断をすべきであって、まだ結論を出す時期ではないと思います。でありますから、電源開発も熱心にいろいろ取り組んでおるようでありますが、決して結論が出ておる段階ではございませんで、今後とも比較検討しながら慎重に研究を進めていく、こういうことであろうと思います。
○委員長(柳田桃太郎君) ちょっと速記とめてください。 〔速記中止〕
○委員長(柳田桃太郎君) 速記を起こして。
○桑名義治君 私は、下請中小企業問題についてお尋ねをしておきたいと思います。 過日の新聞でも発表になっておりますが、景気の回復というものが非常におくれているというような事柄が発表されているわけでございます。新聞によりますと、大蔵大臣と副総理との食い違い等もあるということでございますが、今後のいわゆる景気の動向を通産大臣としてはどういうふうに見ておられるのか。またこの停滞ぎみの不況に対して、どういうふうないわゆる施策を今後講じていこうと考えておられるのか、具体的にその点についてお示し願いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) この一月以降、景気は御案内のように非常に順調に回復をしておりましたが、八月、九月、十月と、いわば足踏み状態である、かように思います。八月のいろんな経済指標もそれを示しておるわけでありますが、そこで通産省といたしましては、去る十月十五日現在で大規模な景気の動向調査をいたしまして、目下その結果を集計中でございます。今月の二十六、七日ごろにはおおよその結果がわかりますので、それを見た上で判断をしようと思っております。
○桑名義治君 景気の立て直しのいわゆる牽引車としていままで大きな役割りを果たしてきたというのは、これは輸出と見るのが至当だろうと思います。ところがその輸出にも現在はかげりが生じてきた、こういうふうに発表されているわけでございます。そういった立場から考えて、いまから先の調査をした段階で云々というお話がありましたが、テレビ等の報道によりましても、東北あるいは北海道方面は非常ないわゆる冷害のために農作物の不作ということ、あるいはまた東北方面は近海漁業も海流の関係で非常に不漁が続いている、またさらに繊維関係もこういう冷害のために非常にこの不況から脱却することがおくれている。ところが鉄鋼界あるいは自動車業界あるいは弱電関係が多少上向きにあったわけではございますけれども、現段階ではその上向きであったこの鉄鋼あるいはまた弱電関係も、輸入の規制が行われるのではないかというような心配がされているわけでございます。そういった一連の流れの中で、景気の向上が頭打ちになるんじゃないかというふうに非常に憂慮をされているわけでございます。いまの通産大臣のお話のようでは、またこれが後手に終わるのではないかということが心配されるわけでございますが、具体的な施策はいまのところまだ立ててはおられないわけですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど申し上げましたように、もう数日たてば、大体の数字を基礎にした景気の動向が正確に掌握できますので、かつまた御案内のように西日本一帯の水害に対しましては、この十八日から査定が始まっておりまして、月末までに査定を終えて、直ちに復旧工事に着工する、そういうことになっておりますし、それから東北、北海道方面の大冷害に対しましては、救農土木事業、いま具対化の準備も着々進んでおりまして、これも近く決まると思います。さらにまた参議院で御審議をしていただいております国鉄、電電のおくれ等による景気に対する消極的な影響等も、この法案を成立さしていただきましたならば、ここで再び相当大きな刺激になるであろう、こういうふうに期待されておるわけでございますが、ただしかし調査をいたしました結果、そういうことでほっておいても景気が再びことしの上半期の活力を回復するのかどうか、何らかの手を打つ必要があるのかどうか、打たなければ上半期の活力を回復することがむずかしいのではないか、そこらあたりの結論が、数字を見た上でないと正確に判断できませんので、もう数日たてば、さっき申し上げましたように、いろんな角度からの検討の数字が集まってまいりますので、その上で適当な判断をしたいと考えておる次第でございます。
○桑名義治君 現段階におきましては、大体どういう方向で進みたいというふうにお考えですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 現在では八月、九月、十月、相当落ち込んでおります。さっき申し上げましたように、中だるみと申しますか、足踏みと申してもいいと思うのです。 それから輸出の動向でございますが、ことしの上半期は二二、三%伸びております、昨年に比べまして。下半期はややその伸びが落ちると思います。それでも一七、八%はふえると思います。一方輸入の方は上半期は一三、四%の伸びでありますから、輸出の伸びに比べますと非常に大幅な黒字基調が続いたわけでありまして、国際的にも若干の問題が起こっておるわけでありますが、しかし下半期は輸出の伸びが一七、八%にやや弱まる一方、輸入の方はほぼそれに近い、輸出の伸びに近い程度に伸びるのではないか。上半期一三、四%が一七、八%ぐらいに伸びるのではないか、あるいはもう少し伸びるのではないか。第四・四半期あたりは貿易の収支は赤字になる気配すらある、そういうふうに理解をしておりますが、輸出そのものは一七、八%というのは減ったとはいえ、相当の私は伸びではないかと思います。だからやはり景気に対しては相当な好材料になるであろうと思います。 ただ内需の方がさっきから申し上げておりますように、冷害、水害、それから国鉄、電電のおくれ、それから消費がにぶいこと、それから設備投資も、進んではおりますが景気を引っ張るほどではない、こういうことから今後は内需の面について、景気動向の調査を見た上で積極的な手を打つ必要があるのかどうか、こういう判断が必要になってくる、こう思っております。
○桑名義治君 いま輸出の問題のお話がございました。そこでいまカラーテレビについてアメリカ関係業界が、関税法に基づく不正競争で財務局に提訴するなど、各方面で問題になっておるわけでございますが、この動きは大体どういうものがあるか、またその対策について政府はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、この点についてちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) カラーテレビは御案内のように昨年に比べまして三倍伸びておるわけです。そこでアメリカ国内におきましても若干の問題が起こっておりますが、政府といたしましてはさほど心配はいたしておりません。ただ業界に対しまして、集中豪雨的に、しかも一時期に一地方にどっと出ていくということは、これはやはり相手に対して相当刺激を与えるので、その辺については十分慎重に配慮が必要じゃないかというふうな注意はしておりますが、そこは業界も心得ておりまして、長い間の経験等がございますので、それを踏まえましていま善処をしておるようであります。したがいまして、このカラーテレビそのものが大きな問題になるとは思いません。それから自動車につきましては、これも非常に伸びておるわけでありますが、これは幸いアメリカの市場が非常に大きく需要が激増しておりまして、昨年は約九百万台の需要でありましたが、ことしはおよそ千二百万台というふうに想定しておられますし、それからさらにヨーロッパのうちフォルクスワーゲンのアメリカに対する輸出が半分以下に減っております、競争率の関係等から。したがって、そういうことを考慮いたしますと、日本の製品が相当伸びましても、これは少しもトラブルは起こっていないんです。アメリカの自動車業界が空前の好況でございますし、少々日本の車がふえても大した問題ではない。それから鉄鋼も先般御案内のように若干のトラブルがあるように報道されておりますが、これも多年の経験がございますので、上半期は確かに若干ふえております。昨年に比べまして三割近くふえておりますけれども、下半期は減る予定でありますので、年度間を通じてはさほどふえない、こういうことから、これも私は問題にはならない。 いろいろ大げさに伝えられますけれども、個々の商品、個々の国ごとにいろいろ検討してみますと、さほど心配した状態ではない、こういう判断のもとに、先ほど申し上げましたように下半期は若干減るけれども一七、八%ぐらいは貿易は伸びるであろう、こういうことを申し上げたわけであります。
○桑名義治君 先ほどからの説明のように、長期にわたる不況というものもやや上向いてきた。ところがいま現在また中だるみに入ってしまったというような状況下に日本の経済はあるわけでございますが、そういう立場の景気の動向の中で、一番苦しめられるのは中小企業、とりわけ下請の中小企業というものが非常に苦しむわけでございます。昭和四十六年で製造部門で三十五万五千企業、こういうふうになっているわけでございますが、これは全製造業の中小企業の五八・七%、こういうことが工業部門では中小企業の約六割が下請企業になっている。こういう情勢の中にあるわけですが、いずれにしましても、下請企業と親企業との間にはこれはどうしても経済的な対等ないわゆる取引関係が損なわれていると、こう言っても決して過言ではないわけでございまして、親企業から下請企業が不当ないわゆる条件を押しつけられて苦しい立場に置かれている。こういう情勢はだれも否定できないのではないかと思います。たとえば、親企業の資金繰りが苦しくなると、下請企業の代金の支払いを現金決済から手形に切りかえるとか、あるいは納品から代金の支払いまで、非常に期間を延ばすとか、あるいは手形サイトの長期化を図るというように、非常に中小企業あるいは下請企業にしわ寄せが来るという問題が常に問題になっているわけでございますが、こういう問題に対する政府のいわゆる取り組む姿勢、それをまず最初に伺っておきたいと思います。
○政府委員(岸田文武君) 下請企業の問題は、今度の不況を通じまして私どもとしても絶えず注意を払い、またできるだけのことをやってきたつもりの部門でございます。 お話にもございましたように、大企業と中小企業との関係、本来は原料の供給をし、それを仕上げてもらうというようなことで、いわば持ちつ持たれつの関係にあるわけでございますが、現実には発注をする親企業の方がどうしても力が強うございます。したがって、その間において不当に下請企業が圧迫をされることのないように、これはやはり中小企業庁としても絶えず気をつけていかなければならない課題であろうかと思っておるところでございます。毎月下請企業の動向については調査を行っております。その結果を見ましても、今度の不況を通じまして下請が一番苦しかったのが、五十年の一月ごろであったかというふうに推察されるわけでございますが、その後の動きを見てみますと、少しずつ事態はよくなっているような感じがいたします。たとえば発注量につきましては、前年同月と比べてふえたという企業がだんだん多くなってまいりまして、減少したという企業を上回るような状況になってまいりました。ただ受注単価の方はなかなか上がっていないということでございまして、結果としてはコストが高くなっておりますし、経営の方はなお苦しい状況が続いておるというふうに判断をいたしておるところでございます。
○桑名義治君 今回の不況で経済が実質マイナス成長を記録したように、従来にないほど深刻かつ長期的なものであるわけでございますが、たとえば下請企業の切り捨てあるいは仕事の内製化等を通して、下請企業の再編成がかなり進んだんではないかというふうに言われているわけでございますが、通産当局としては、こういった関係をどういうふうに把握をされているのか、あるいはまたいまの御答弁の中では下請のいわゆる企業の今回の不況による影響というものを非常に抽象的に答えられましたので、もう少し具体的にどういうふうないわゆる不況における影響を受けたのかまずお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(岸田文武君) 先ほど下請企業の動向調査のことに触れましたけれども、その中に去年の状況がいろいろ報告をされております。その去年の動きから見ますと、一番苦しいときには、去年に比べて発注が減ったという企業が、八五%も占めるというような状況まで陥っておったわけでございます。ごく最近では、それが三〇%というところまで減ってきております。逆に増加したという企業は去年の一月当時でございますと六%程度でございますが、ごく最近では増加したという企業が五〇%を超えるという状況まできております。それから受注単価の動きでございますが、この受注単価は去年の上期通じてずっと悪かったようでございます。数字で見ますと、一番受注単価の問題が大きかったのは去年の九月でございまして、去年の九月では、前年の同月に比べて単価が下落したという企業が四七%を占めております。それがごく最近では三〇%を切るところまできております。逆に受注単価が上昇した企業は、去年の九月ごろでございますと二〇%程度でございますが、ごく最近では約三〇%まで向上いたしました。受注量と受注単価を主な例として申し上げましたが、そのほかに収益の動向はどうであるか、資金繰りはどうであるか、借り入れの見通しはどういうふうに変化したか、それから今後の受注見通しをどういうふうに認識しておるか、これらの各項目について調査をいたしております。 それぞれの数字について申し上げる時間もございませんが、やはり去年の上期が一番苦しくて、少しずつ改善しておるというような傾向を示しておるように思います。その間にありまして、御指摘の中にもございました手形の支払い条件の問題というのは、私どもも絶えず気をつけていた問題でございますが、これもやはり去年の一月から三月ぐらいまでが一番状況が悪うございましたが、これはその当時に比べると若干改善したという状況かと判断をいたしております。 下請の問題は御指摘のようにたくさんの問題がございます。企業数が多いために私どもとして一生懸命やりましても、なお手の届きかねる分野もございますが、しかし私どもはやはり問題があることは事実であるという認識のもとに関係の都道府県の協力を得て、通産局の協力を得まして、この問題を少しでも少なくするように努力をしてまいっておるところでございます。その中で仕事を切る問題というのをお触れになりました。仕事を切る問題につきましては、これは今度の不況で親企業自身も非常に苦しかったことも否めない事実かと思いますが、その苦しいことを下へ押しつけて問題を解決しようということでは、下の中小企業自身はたまったものではございませんし、また長い目で見てみますと、今後景気が回復したときに、その新しい注文に応ずるだけの技術的あるいは設備的な余力が芽を絶たれるということにもなるわけでございまして、私どもとしては長い目で見て、やはり中小企業をこの際何とか守ってやるということが親企業のためにもなるのではないかという感じがいたしておるところでございます。 この面では、従来、関係のありそうな大企業に対しては下請に対する配慮を特に重視をし、下請に対して注文を切るというようなことは軽々にしないようにしてほしいということを通達をいたしております。これは大企業だけではなくて、関係団体にも通達をいたしまして、一体それがどう守られたかというようなアフターケアも行っておる次第でございます。ただ、このような親企業に対する措置だけではなくて、当然下請中小企業自身もいろいろ手を打っていかなければなりません。一番の問題は金融の問題かと思いまして、この面では政府系の三金融機関等を通じましていろいろの対応策を講じておりますが、そのほかにやはり生の声を聞いて、機動的に対応策を打っていくということも重要であろうかと考えまして、随時いろいろのアンケート調査の中で本当の姿、本当の悩みというものを聞かしてほしいということを言っておりまして、かなりの数の回答が寄せられております。それらの回答に対しましては、私どもから個別に連絡をしまして、その悩みに対応のできる、できるだけの措置をとってきたつもりでございます。
○桑名義治君 いま御答弁がございましたけれども、とにかく不況になればその影響は親会社も受けることは当然だと思うんです。ただ問題は、いわゆる親会社と、それから下請企業とが均等にその影響を受けるということになれば、これは話はわかると思うんですよ。均等に影響を受けるというよりも、むしろ親会社が下請企業を守るという立場でなければならないと、こういうふうに思うわけですよ。その点についてのいわゆる指導をさらに強化をしていただきたい。そうすることによって中小企業並びに下請企業を救済することができるし、今後の経済の発展にも大きく寄与することができるのじゃないかと、こういう一つの視点に立って今後もいわゆる指導を強化をしていただきたいと、こういうように思うわけです。 さらに、ここで一番問題になるのは、下請代金の支払い方法が常に問題になっているわけでございます。確かに下請代金を納品から六十日以内に支払えばよいと、こういうふうになっているわけでございますが、それも現金でなければ、いわゆる割り引き可能なものであれば全額手形で支払ってもよいことに、こういうふうに一応なっているわけですが、しかし、下請代金はもともといわゆる加工賃という性格が非常に強いわけです。その中には従業員の賃金部分が相当に含まれている。しかし従業員の賃金は手形で支払うわけにはいきませんし、全額現金支払いが労働基準法によって法定化されている。そのため下請事業者は下請代金を手形で受け取っても、それを直ちに現金化でできない場合には、別途いわゆる金融を受けて従業員の賃金の支払いに充てていかなければならないというのが現実の姿ではないかと、こういうふうに思うわけですが、この点から下請中小企業振興法に基づく振興基準においても、下請代金のうち従業員の賃金部分については現金で支払うように規定をされているが、これに基づいてどのような指導が行われ、どのような実態になっているかということをお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(岸田文武君) 下請代金の支払いを適正化するという課題は、大変古くからある課題でございます。そのために下請代金支払遅延等防止法をつくって今日までできるだけの措置を講じてまいったところでございます。今度の不況を通じまして、もしあの法律がなかったらどんなことになっていただろうかというようなことを考えてみますと、やはりあの法律があってよかったし、私どもも少しでもお役に立った面があったのではないかという感じがいたしておるところでございます。 これを運用して二十年余り、いろいろの経験を積んでまいりまして、確かに運用に際しまして新しい問題が次から次へと出ておるという部面もございますが、それをまた解決することにつきましても、やはり同時に考えておかなければならないいろいろの問題がございますので、当面は現行の法律をいかにうまく使っていくかということで全力をふるっておる次第でございます。 お話の中に、現金の支払い期日の問題を特にお話がございました。これはお話の中にもございましたように、下請中小企業振興法に基づく振興基準の中において、現金の支払いを確保するようにということで定められておりまして、この線に沿って指導をしておるところでございます。この辺の状況につきましては、私どもが下請企業に対しましてその実態を公正取引委員会と協力しながら調査をしまして、これらの支払いの状況が、中小企業に対して特に不利になるというようなときには、私どもから適宜その都度指導をするという態勢でやってまいっております。その件数もかなりの額に上っております。その分野だけでもお役に立ったのではないかと思っておるところでございます。
○桑名義治君 そこで下請企業の法制というのは、下請代金支払遅延等防止法、それから下請中小企業振興法のこの二本が柱になっているわけですが、いま長官が御答弁になりましたように、法制化されて二十年、改正する点はございませんか、いま。
○政府委員(岸田文武君) 先ほど答弁の中でも申し上げましたように、二十年の経験に照らしていろいろのことも私ども勉強したわけでございまして、その間のいろいろの問題について、現に公明党からも一つの御提案をいただいておることは私どもも十分承知をいたしております。御指摘になりました諸点につきましては、私どもとしても誠意を持ってこれはどうしたらいいんだろうかということを、部内で勉強をいたしております。ただ、それをどういう方向で改善をしていくかということについて、やはり別途の問題がいろいろございまして、すぐこれで踏み切れるというところまでまだ至っていない状況でございます。したがいまして先ほど申しましたように、現に与えられた現行法をいかにうまく使うかということで、この不況の際に一生懸命努力をしてきたというのが実情でございます。
○桑名義治君 現在の法律を有効に活用するということじゃなくて、いわゆる今回の長期の不況によって下請中小企業がいろいろなひずみが起きているわけです。それに対応して、景気がよくなったら解決するんだではなくて、常にやっぱり、常識的には必ず十年に一度不況が来ると、こういうふうに言われているわけでございますが、そういった不況のときに対応できるような態勢を、今回の長期の不況によって起こってきたいろいろな事例をもとにして、この二十年たった現在、当然対応できない法律になっているわけでございますので、改善の方向への努力をいまから先さらに積み重ねていただきたい。これはまあ要望にとどめておきますけれども。 そこで、時間がございませんのでもう一点だけお尋ねしておきたいと思いますが、下請対策が十分に行われない理由の一つに、所管官庁の機構、それから人員の面、こういったものにも起因しているのではないかと、こういうふうに言われているわけです。現在、下請代金法の主管課は公正取引委員会事務局取引部下請課及び中小企業庁計画部下請企業課と、こういうふうに聞いているわけでございますが、両方で担当の人員は何人でございますか。
○政府委員(岸田文武君) 公取の方はちょっと私数字を存じませんが、中小企業庁で下請の問題を担当しております者が十三名ございます。そのほかに通産局の商工部におきましては主として中小企業問題をやっておりまして、特にこの不況を通じまして、通産局の仕事の中で下請関係の仕事というものが非常に多くなってきておるのが実情でございます。実態を調べて、これが不当にしわ寄せされておるような実情にあるかないか、もしそういう事態があっても、どういう手を打っていくかというような仕事が、現実にいま通産局にふえておるわけでございます。したがって、中小企業庁及び通産局の下請関係の担当者は、非常に忙しく仕事をしておるということは御指摘のとおりでございます。
○桑名義治君 人員の提示はございませんでしたが、仕事量は大変にふえた、しかし人員は非常に少ないと、こういうことでございますが、いま言われたような職員数で三十数万人の下請企業と親企業を相手にしているのですから、対策が行き届かないのは私は当然だろうと思います。で、従来下請行政というと、関係方面へ通達を流す、それから通達行政に終始しておる、それから実際に足で各企業の現場を回っていない、こういう批判が出されているわけでございますが、これも機構が、あるいは人員が非常に貧弱であるところに大きな要因があるということは、これは暗にいまの御答弁の中で私は認められたんじゃないかというふうに思うわけでございますが、これともう一つの面から見ますと、中小企業行政というものは主として都道府県など、地方自治体が実際に担当しておるという面が非常に多いわけです。中小企業庁はこれらの取りまとめ、あるいは対策の企画立案、こういうものを担当しているというシステムになっていると、こういうふうにわれわれは理解をしているわけです。そうしますと、都道府県の中小企業行政担当職員数は約八千人と、こういうふうに言われておりますが、こうした中にあって下請代金法の運用については、権限が地方自治体に委譲はされていない、そのために国の限られた機構、人員のみで調査から摘発すべて行う仕組みになっているからだろう、こういうふうに私たちは一応理解をするわけです。 この面から見て、下請代金法の取り締まり体制の充実を図るため、都道府県知事にも権限委譲をするような検討を、いまもうそろそろしなくてはならないんじゃないかと、こういうふうに思うわけでございます。さらに、当面、法律の範囲内で下請対策について都道府県の豊かな人的資源の活用を図るよう検討するとともに、国の担当機構及び人員の抜本的拡充を図るべきであると、こういうふうにわれわれは考えているわけでございますが、この点についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(岸田文武君) 実は私の口から申し上げにくかったので遠慮いたしておりましたんですが、今度の不況を通じて下請問題が非常に重要になってまいりましたし、また現実に非常に仕事の量もふえてまいりましたので、中小企業庁としても下請関係のスタッフを増強したいということで、いわばいま要求をいたしておる段階でございます。何とかこの体制を強化しまして、現実に悩んでおられる中小下請企業の方々の悩みを解消するために少しでもお役に立てばと思っておるところでございます。 ただお話の中に、府県に委譲をしてはどうかという点でございますが、私ども一からしますと、実はこういう悩みがあるわけでございます。親企業の事業所単位で仮にとらえましても、下請企業が大体平均して三県から五県にまたがっておるわけでございます。一つ例をとってみたところ、二十九県にまたがっているというような事例もございました。そこで、下請が各県にばらばらに分かれておる。そこで問題が起こったときに親会社のところへ行って折衝をし、指導をするというときに、各県ばらばらに来るというようなことでは、なかなかうまく仕事がはかどりかねるというような状況がございまして、そういったことが現実にあるものでございますから、何とかブロック単位で指導をするというようなやり方で処理しようと、その方が実際的なのではないかと、こう考えましてこれからの人員要求を考えておるというのが経過でございます。
○桑名義治君 最後に大臣に一言。 大臣、先ほどから下請企業に対するいろいろな問題の提起をいたしました。それに対して長官からも御答弁があったわけです。人員の問題、機構の問題あるいはまたこの法制化されている二本の法律に対する改正の問題、こういう提起をしたわけでございますが、この問題について大臣はどのような決意で臨まれるか、その決意を伺って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) いま下請についての問題点全部、いろいろな角度から御意見を御開陳になったわけでありますが、通産省といたしましても、いま長官が答弁をいたしましたように、積極的にこの問題と取り組んでいきたいということを考えておりますので、いまの御意見の御趣旨を体しまして、下請問題を全部積極的に総合的に検討してみたいと思います。
○安武洋子君 福井県の織物構造改善工業組合の無籍織機の不正登録の件でお伺いいたします。 この件につきましては去年の十二月九日の本委員会で、わが党の須藤議員が取り上げて質問を行っております。特例法による無籍織機の登録の不正事件でございます。 このときの御答弁というのが中間的なとりあえずの処置をとったことと、さらに調査を続行する、そして最終的な措置をとると、そういうことでございました。あれから十カ月以上経過いたしておりますので、幾ら何でももう調査は完了したんではなかろうかと、こういうふうに思いますので、私御質問申し上げとうございますが、きょうは時間が限られておりますので、少しまとめて御質問申し上げとうございますので、恐れ入りますがちょっとお控えいただけますか。 まず第一の点でございます。十二月九日の質問のときに、生活産業局長さんでございますが、不正に登録されたものについては取り消すと御答弁なさっていらっしゃいますので、不正に登録されていたのは一体何件で、何台にふえたのでしょう。十二月九日現在ではいまのところ一台だと、こういうふうにおっしゃっておられますが、相当数ある、調べが進むにつれてこれはふえるのじゃないかというふうなことでございましたので、この不正に登録されていたのは一体何件で、何台にふえたのかということでございます。 第二点です。そのうち取り消すべきものは一体何件で、何台だったのか、これが第二点。 第三点でございます。取り消せないものはあったのか、それは何件で、何台なのかということです。 第四番目でございます。これは取り消せないものがもしあったとすれば、その理由はどういう理由なのかということです。 それから第五点です。取り消し処分をされたのなら、それはいつなさったのかということです。 この五つの点につきましてそれぞれ具体的な数字、これをお挙げいただきたいのと、理由などについては具体的にお答えいただきとうございます。
○政府委員(藤原一郎君) 昨年の当委員会におきまして、前局長から御説明を申し上げました件の善後措置でございますが、われわれといたしましてはその後鋭意、所管でございます大阪の通産局、福井県等関係各方面の御協力を得まして、行政的側面も含めまして事実の究明に努めてまいったわけでございます。 まずその手順について若干御説明を申し上げたいと思いますが、まず、特定織機の届け出に際しまして添付されまするところの市町村の証明書の真偽、あるいは特定織機の設置につきましての現場の確認というふうなことを行ってまいりまして、産地監視員から事情聴取を行ってきたわけでございます。続きまして疑いのある事業者、関係者につきまして不正事実の確認をするため、本年の二月二十五日付で大阪通産局の部長名をもちまして質問状を発して回答を求めました。その後回答が不十分なものがございまして、六月九日付をもちまして再質問を行ってまいりました。その間当局及び大阪通産局の職員が十回以上にわたりまして現地調査を行ってまいったわけでございます。以上の内容をもとにいたしまして、当局及び通産局の職員が福井県現地で六月の二十一日から二十四日にかけまして、当事者及び関係者に対しまして、疑問点について任意的な事情聴取を行ったわけでございます。まあ以上の調査を経まして不正な手段により登録を受けたと認められるものがほぼ判明してきたわけでございます。 いま御質問の何件何台かという点につきましては、現在大詰めの実は究明をいたしておるところでございまして、正確な数字をいま申し上げることができませんのははなはだ遺憾でございますが、昨年一件というお話を申し上げたようでございますが、現在私どもの手元で最終的な詰めを行っておりますところでは、件数にいたしまして十件前後、それから不正の登録台数につきましては二百台から三百台の間ぐらいということで、目下最終的な詰めを行っております。したがいましてその詰めが終わりましたところで、取り消すべきもの、それから取り消しのむずかしいものというふうなものも考えてみたいと思っておりまして、処分全般につきましてはいましばらく——もうそう時日はかかりませんが、時間をちょうだいいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○安武洋子君 では、私いま具体的に五つの点についてお尋ねしましたが、お答えいただいたのは第一点だけなんですけれども、そのほかの点についてはもう少し詰めないと正確な数字は発表できないというふうにいま御回答でございましたけれども、大体どういう見通しなんでございますか。いまのでは、第二点から第五点までは余りこうお答えいただけてないわけなんですが、重ねてお伺いいたします。
○政府委員(藤原一郎君) いま御説明申し上げましたように件数にして十件前後、台数にして二百台から三百台というふうな見当で、不正登録というふうに確認できるだろうと思っております。したがいまして、御質問の二項以下でございますが、当然その中に取り消すべきものが大半存在するかと思いますし、三番目の取り消せないものはという点でございますが、取り消せないものというものは、不正なものについてはまず余りないだろうと思います。それから取り消し処分につきましては、先ほどお話いたしましたように若干全部詰め上がったところでないとできませんので、まだやっておりませんし、今後余り時間のかからない間にこれを実行したいと、こういうふうに考えているわけでございます。
○安武洋子君 では、ほとんど大半が取り消せる、取り消せないものはほとんどないと、こういうふうにお伺いしておいてよろしゅうございますですね。
○政府委員(藤原一郎君) その点につきましては前の委員会の際にも説明があったかと思いますが、善意の第三者というふうなもので追及できないものは、当然取り消せないということになろうかと思います。
○安武洋子君 御質問申し上げて十カ月以上たっております。そして事件が発覚いたしましてから一年以上でございます。まあ鋭意調査をしているんだと、こういうふうにおっしゃっておられますけれども、もう結論の期限を切られてもいい時分じゃなかろうかというふうに思いますので、一体いつまでにはこの結論をきちっとお出しになるかという、期限を一度明示していただきとうございます。
○政府委員(藤原一郎君) この件の結論につきましては、若干の時日をと申し上げましたが、期限を切れというお話でございますれば、年内には結論をつけるというふうに御了解いただきたいと思います。
○安武洋子君 では、必ず年内に結論をつけていただきとうございます。それでなければ現地の組合の運営にも悪影響を与えますし、またこの事件をなおざりにしておきますと、通産省そのものの存在価値が私は問われると思うわけです。早急にいまおっしゃったことを実現していただきとうございます。 それからそのときの質問の関連でございますけれども、こういうふうな不正事件が福井だけではないのと違うかと、他の産地にもあるのではないかというふうなことでお伺い申し上げ、調査をするということでございましたが、これはいかがでございますか。
○政府委員(藤原一郎君) 他の産地につきましても調査をいたしました。他の産地についてはそういう事実はないということでございます。
○安武洋子君 どういうふうに御調査なさいましたか、もう少し具体的にお答えいただけませんでしょうか。
○政府委員(藤原一郎君) 他の組合につきましては、昨年十二月前後から当省職員が主要産地組合傘下の企業につきまして網羅的に抜き取り監査をいたしまして、その結果そういう事実はないということを一応確認いたしたわけでございます。
○安武洋子君 まあ大変な事件が起こったわけなんです。で、こういうふうな事件を再び起こしてはならないと思うわけですけれども、通産省といたしましてはこういう事件を再び起こさないという何か新しい対策と、こういうものをお考えでございましょうか。
○政府委員(藤原一郎君) もちろん大変残念な事件でございまして、私ども、二度とこういうことがないよう極力万々の手当てをいたしてきておるわけでございます。昨年におきまして日本絹人繊織物工業組合連合会を通じまして責任の明確化を求めたわけでございますが、その後、現在までに、組合執行部の権限と責任の明確化、登録事務処理の厳正を期するために産地無籍設備監視委員会の組織の強化をいたしております。また、登録室の設置等、事務局組織の改編を組合においてやらしております。組合員の啓蒙指導の強化とあわせてやってきたわけでございますが、さらに組合の運営の適正化を期するべく、昨年の委員会でも問題ございました組合の定款につきまして一部変更を求めまして、その変更の認可を先月、大阪通産局におきまして認可した次第でございます。なお、一般的な対策といたしましては、昨年十二月に登録事務処理委託先でございますところの各織物業界の中央団体に対する業務監査を実施いたしまして、違反設備の監査取り締まりを強化いたしております。また、登録事務の厳正励行の目的でもちまして、当省職員と各通産局の職員が昨年十一月以降随時立入検査を行ってまいっております。なお、違反設備の未然防止及び違反設備の取り締まり強化のために、本年十月一日から違反織機取締要領というものを改めまして施行いたしております。 まあそういうふうなことでございまして、機会あるごとにこれらの要領に基づきまして、かようなことが二度と起こらないよう厳正な事務の処理の執行に努めてまいりたいと、かように考えております。
○安武洋子君 いまのお答えは、昨年の十二月の九日の質問でお答えいただいた分が大分含まれていると思うわけなんです。で、新しい対策も確かにわずかおっしゃったわけでございますけれども、そういう対策で再発が確実に防止できるのかどうかというふうなことについて、まあ幾らかの疑問を持つわけなんです。 そこで大臣にお伺いいたしとうございますが、幾らりっぱな方針を出しましても、今度の問題一つまあ早急に解決できないようでは、やはり通産省は方針だけではなかろうかと、こういうふうなことになるわけなんです。で、今度の事件についても早急にきちっとやはりけりをつける、で、再発を防止するという万全の対策を立てるということで、ひとつ大臣の御決意を伺いとうございますが、いかがでございますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 十二月までには解明をいたしまして、こういう事件の再発を防止するために万全の注意を払っていきます。
○安武洋子君 では質問を変えまして、今度は伝統的工芸品の指定についてお伺いいたしとうございます。 三重県の伊賀の組みひもについて指定の要望があると思うわけなんですけれども、まあ指定といいますのは、これはやはり審議会にかけてというふうになるわけなんですけれども、通産省としてこういう地元の要望があるということは御存じだろうと思うわけです。で、こういう地元の要望に対してどういう対処をなさっていらっしゃるんでしょうか、そういう進捗状況をお聞かせいただけたらと思います。
○政府委員(藤原一郎君) いまお話しにございましたように、伝統的工芸品の指定は伝統的工芸品産業審議会の指定部会で意見を聞いて指定することになっております。で、これは別に伊賀の組みひもにかかわるばかりではございません。一般的なお話でございますが、伊賀の組みひもにつきましても、そのような御要望は地元の組合から承っております。したがいまして次回の審議会で意見を聞くように調査を進めているというのが現状でございます。
○安武洋子君 さらにこれは伝統的工芸品の指定には入らないわけで、要件は満たさないわけでございますけれども、伝統的工芸品、こういうものをつくるのに欠かせないものがあるわけなんです。 それは一例を挙げますと、金沢の金箔とかそれから伊勢の型紙とか、こういうものがございませんと伝統的工芸品をつくり上げることができないというふうなことで、またこれらも伝統的な技術でつくられているということなんです。こういうものがなかったら仏壇とか漆器とか、それから染め物とか、こういうものはでき上がらないわけですので、こういう産業に対しても後継者難で苦しんでいる、何らかの措置が必要だと、私はこういうふうに思うわけですけれども、通産省はどういうことをお考えでございましょうか。
○政府委員(藤原一郎君) お話の金箔、伊勢型紙等、これはよく御承知のとおり、法律上伝統的産業ということを指定することはできないわけでございます。確かにそれが必要な、そういうものに必要なものであるということは事実でございますが、とめどなく広げれば限りなくなってしまうということで、必ずしも法の目的その他からいって好ましいとも言えない面もございます。ただそれがなくてはならぬものであるという点につきまして、また伝統的な技術を持っておるものであるという点もございますので、何らかの振興策というものは必要であろうというふうに考えております。
○安武洋子君 何らかのといまお答えでございますけれども、もう少し具体的に煮詰まった対策というものはお考えじゃございませんのでしょうか。
○政府委員(藤原一郎君) 目下いろいろ御要望もありますので、検討中でございます。
○安武洋子君 もう少し、検討の中身というものはどういうものかということをお知らせいただければと思いますが。
○政府委員(藤原一郎君) いろいろ事務的な検討の段階のものとしては考えておるわけでございますけれども、まだちょっとここで公式に申し上げるまでに煮詰まっていないというふうに御了解いただきたいと思います。
○安武洋子君 伝産品の指定を受けましても、大変具体的なメリットというものは少ないわけなんです。これが大きく問題になっているわけなんです。一般的にいま不況で、この不況のあおりというものを伝産品の指定を受けた地域も受けておりますし、しかも後継者難ということはこれは解消していないわけなんです。 一つ例を挙げますと、京都の西陣などでも後継者難に苦しんでいる不況のあおりも非常に受けているというふうなことで、組合の御要望といたしましては、せめて国民健康保険でなくて健康保険組合でもつくって、少し医療費でも安くなればいいのじゃなかろうかとか、それから年金というふうな制度ができて、こういうものに助成がもらえるようなら後継者も育つのじゃなかろうかとか、いろんな知恵をしぼっていらっしゃるわけなんです。まあここは社労委員会でございませんので、通産省にこういう御要望を申し上げる筋でもないわけなんですけれども、これほど、後継者をどうしたら定着してもらえるかということで、こういう地元はお困りなわけですね。しかも大変に不況も深まっているというふうなことなんです。それにつきまして、やはり私はこういう伝産品指定を受けても、施策が大変少ないというふうなことが大きな根本原因じゃなかろうかと思うわけなんです。 そこでお願いしたいことは、こういうことについてはもっと通産省としてこの面についての予算なり人員なりというふうなものをふやして、効果の上がるような施策にしていただきたいと、こう思うわけでございますけれども、通産省としてはどういうふうなお考えでございましょうか。
○政府委員(藤原一郎君) 私どももそういう意味におきましては全く同感でございまして、来年度予算につきましても、枠の狭い中で、私どもの局としては最大限のウエートを置いて要求しておるというふうな状況でございます。
○安武洋子君 その最大限のウエートでございますけれども、どういう面にウエートを置かれて御要求でございますか。もう少し具体的に中身をお知らせください。
○政府委員(藤原一郎君) 一般会計予算におきまして、特に後継者の育成確保のための補助事業の拡充という点が第一点でございます。 それから技術保存とか研修事業費の補助というふうなこと、あるいは零細な生産地の振興計画の策定を容易にするための指定産地振興指針策定指導要領作成のための補助制度というふうなものについて重点を置いて予算の要求をしております。
○安武洋子君 人員の面が含まれておりますですか。
○政府委員(藤原一郎君) それは役所の人員の面でございますか。
○安武洋子君 そういう伝産品を振興さすために、何らかの人的な、人員増というのも必要じゃなかろうかというふうに御質問申し上げたわけでございます。
○政府委員(藤原一郎君) 役所の定員の方につきましては、本年度も実は若干の増員を得ておるわけでございますが、来年度も要求をいたします。
○安武洋子君 伝産品が当初の効果を上げるように一段の御努力をお願いしたいというふうに要望申し上げます。 それから次に金融の問題について、金融課の方にお伺いいたしとうございます。 兵庫県の飾磨郡に家島町というところがございますが、ここのいわゆる砂利採取運搬船——ガット船と言われているわけです。これ大体小さな島ですけれども、ここで二百余名、三百三十そうぐらいガット船と言われる船があると思うのです。これが一般的な不況のあおり以外に公共事業が抑制されるというふうなことで、仕事が大変少なくなってしまったということ、しかもこの砂利の単価が非常に安いというふうなこと、それからオイルショック以来、油代が三・数倍に上がってしまったというふうなこと、それから新造船をつくりますと、大体二億円以上かかるわけなんです。しかもこの二億円以上という金額にもかかわらず、わずか五十回ぐらいの分括払いというふうなことで、毎月々々手形を切っているわけなんですね。好況時はよろしゅうございますが、いまのこういう私が申し上げたような不況と、それから非常に単価が安いとか、油代が上がったとか、こういうふうな悪条件が重なりましてこの手形が払えないというふうな状況があちこちで出ているわけなんです。ほとんどの業者がそうです。こういう手形が払えないという場合については、この手形を延ばしてくれということになりますと、手形の利子以外に遅延損害金というのを取られる、この遅延損害金というのが何と日歩五銭なり八銭というふうな非常に高額になるわけです。こういう状態で全島二百億以上の借金じゃなかろうかというふうなことで、これは各金融機関、商社に及んでいるわけなんです。 この問題につきましては、いままで私再三こういう状態をお知らせいたしまして施策をお願いいたしてまいりまして、一定の御回答もいただいているわけでございますけれども、いまこういう家島の特定地域に非常に集中している、他の不況業種とはまた違った深刻な不況状況でございますので、こういう施策について、いまどういうふうな進展状況になっているかというふうなことをお伺いいたしとうございます。
○政府委員(岸田文武君) 家島はたしか人口一万程度と伺っておりますが、その中で約七割がお話にございましたように砂利であるとか石材、これの採掘をし、あるいは運搬をするというような関係の仕事に関係のある方々だと伺っております。そういう状況の中にあって、いまお話ございましたように工事の量が非常に減ってきた、また各種の材料が上がってきたということで、非常に金融的に困難な状況にあるということは私どもかねがね承知をいたしております。すでに通産省へも四度でございましたか、現地の方々お見えになりまして、大臣にも面会をされましたし、私自身も実情を聞かしていただくチャンスがございました。やはりこういう状況を解決するために、一番基本はやっぱり工事の量がふえるということが先決問題ではないかと思います。 私どもはそういった観点から、ひとつ大規模工事を進められるときに、家島の問題を頭に置きながらやっていただくことを実は運輸省の方にお願いをいたしまして、私どもの次長が直接向こうへ参りまして実情の説明もし、また協力方を要請をしたという経過になっております。それと同時に、見ておりまして、どうもやはりまだ地元の業界の方々のまとまりというものが不十分なような感じもいたします。これは私から申し上げるのは失礼なのかもしれませんが、もっともっと団結すればよりよい道が開けるのではないかという率直な感じがいたします。この面では、従来からお見えになりました方々にもお願いをし、また業界の方々もひとつその方向でやってみましょうという答えをいただいておりますが、別途運輸省の海運局の方からもいろいろ話を聞きまして、実は海運局の方で過剰船舶の整理であるとか、あるいは内航海運組合法に基づく船舶調整というような仕事を進めておられますので、それとの関連で業界の体制づくりということを進めていただくようにしてはどうかなと思っておるところでございます。現にこの面ではいろいろ話し合いが進んでおるようでございます。ただ、いま申し上げましたようなことは少し息の長い話でございまして、その前に、毎月いろいろ手形が回ってくる、これを落とさなければいけないという差し迫った問題が現にございます。ほうっておきますと連鎖倒産ということにもなりかねませんので、私どもの金融課長が一度現地に参りまして、いろいろ実情の調査もいたしましたが、その調査の結果も踏まえまして、実は先般兵庫県に対しましてお願いをしたところでございます。 で、具体的には兵庫県がひとつ世話役になりまして、関係金融機関、関係商社を集めまして、そこでいままでの借金をどういうふうにこれから処理していくか、ひとつ業界も長い目で見て、何とか全体として成り立つような工夫をしてもらう、こういうことを進めてまいりたいと思っておるところでございます。実は十月十三日に第一回の会合が開かれまして、そこでこれからの進め方の御相談があったようですが、引き続いて近く第二回の会議を開きまして、そこでは地元の業界の方々も参加していただいて、お互いに実情をぶちまけながら一番いいおさまりを探してみる、こういうようなところまで来ておるようでございます。問題はよくわかっておるつもりでございますし、今後ともよく気をつけてやっていきたいと思っております。
○安武洋子君 時間が迫ってまいりましたので、細切れになっちゃうんですけれども、最後に一つだけ、先日御質問させていただきました業者婦人でございますけれども、この窓口の検討は進んでおりますでしょうか。それをお知らせいただいて私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(岸田文武君) 先日非常に貴重な御意見をちょうだいいたしましたので、私どもとしましては振興課という課でこの問題を扱うようにいたしたいと思います。
○栗林卓司君 私はリース事業の問題についてお尋ねをしたいと思います。時間が限られておりますので簡潔な御答弁をよろしくお願いしたいと思います。イエスかノーかでも結構でございます。 最初に伺いたいのは、御承知のようにリースというのは、機械類にたとえますと、それを買わないで借りて使うという仕組みでありますから、投資財の流通面における新しい形態であると言ってよろしいかと思います。 問題はこのリース事業というものを通産省としてどういったぐあいに評価をし、今後に期待をしているか、まずこれを伺いたいわけですけれども、四十七年に発行された通産省のパンフレットを拝見しますと、リース事業を「いかに育ててゆくかは、知識集約化時代における投資財流通政策の一つの要となる」と大変高く評価をされているわけです。おっしゃる意味というのは、従来売りっ放し買いっ放しであったわけです。これからはいわばメーカーとユーザーとの間のパイプ役として、ニーズをメーカーに伝える、あるいはメーカーの開発努力を助ける、そういったことやら、事前、事後のサービスの問題、あるいはリース期間が終了した物件が仮にほかで使えるとしますと、中古品市場をどう育てていくか、いろんな問題が、従来の単なる売りっ放し買いっ放しに比べると出てくる。いわばこれは、産業構造の知識集約化という面での有力な役割りを持った事業ではあるまいかという評価だと思いますけれども、それは今日もなお変わっておりませんかどうか、伺います。
○国務大臣(河本敏夫君) リース産業というのは新興の産業でありまして、私どもは今後ますます拡大していくであろう、非常に重要な産業である、かように考えまして、そういう立場から取り組んでいきたいと考えております。なお、詳細につきましては局長が答弁いたします。
○栗林卓司君 そこで、これは大臣からでも担当課でも結構なんですが、その場合に、いまの御意見全く同感なんでありますけれども、設備を使う側のニーズあるいは設備メーカーの能力開発、そういったもののパイプ役としての能力と情報の蓄積、あるいは設備を供与した場合の事前、事後のサービス能力、さらには中古になった設備の再利用のための中古品市場を構想していく力、こういったものが今日育っているだろうか、現状はこの点で見てどうだろうかということをお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(織田季明君) 先生も十分御承知でございますと思いますが、リースの会社が初めてできましたのは昭和三十八年でございまして、その後リース協会ができまして約五年たっておりますが、いずれにいたしましても歴史が浅いということが言えるんではないかと思っております。しかしながら、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、将来産業として期待をしている業種でございますし、われわれも力を入れておる次第でございます。 いまお話のありました問題点のいろいろにつきましては、私の方でもいろいろ研究しておりますが、たとえば中古市場につきまして、たとえば自動車につきましては、中古市場が発達しているから、リースが終わった後の品物が比較的高く売れる。ところがリースの対象となった物品につきましては、中古市場が十分できていないので残存価格が非常に安くなるというようなことがいろいろありますし、そのほか問題が、発展段階にあるだけにいろいろあることでございますので、研究会をつくりまして、いま新しい観点からリース産業のあり方ということも検討しております。そういうふうな研究の成果を見ながら今後対策を講じていきたいというふうに考えております。
○栗林卓司君 まあ歴史が浅いということもありますし、現状そういうことだと思うんですが、そこで、これはちょっと大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、そういう情報と能力の蓄積をどうやってやっていくかということと、リース会社のでき方の問題というのは案外関係が深いんじゃないか。 そこで今日、リース会社を見ますと、商社系のものあり銀行系のものあり、全くさまざまであります。そこで、ユーザーのニーズとメーカーの能力ということで考えますと、これは前のリース信用保険制度のときに、国会審議で通産の担当の方が、実は首をひねりながらおっしゃったのは、素朴に考えるとメーカー系列の方が役に立つんじゃないか、ところがなかなか日本ではそれはとおっしゃっておりました。 で、その角度から伺うんですけれども、広く考えると、商社糸のリース会社というのは広い意味では事実上メーカー系列である、商社そのものが持っている知識集約化機能、それと絡めながらリース会社の発展が期待し得るということは、私は一つの見方だと思います。いまお尋ねしたいのは、問題は銀行糸のリース会社。銀行というのは、本来、いまわれわれが言っているリース事業に必要な情報、知識、能力が蓄積される産業分野ではありません。その銀行系のリース会社がたくさんリース事業に参加をしてくる。これはリース事業の本来の発展の姿からいって望ましいことなんだろうか。この点の御判断はいかがでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、非常に将来性のある、今後大いに拡大する事業でありますし、私はそういう意味におきまして、商社系、銀行系大いに積極的に参加されることが好ましい、こう思います。
○栗林卓司君 ただ銀行の社会的使命というのは、必要なところに必要な資金を供給するということに尽きると思う。それをどういったぐあいに実際の実用の面で生かしていくかということは、本当は銀行の手から離れるんじゃないか。ところが銀行系のリース会社ということになりますと、リースというのは一面はこれ資金調達機能が非常に強く効いているわけですから、むしろ資金調達、俗に言われるファイナンスリースの面にのみ着目したリース会社という育ち方をしてしまわないだろうか。それはメンテナンスリースとファイナンスリース両々相まってリース事業ということになるわけですけれども、実はメンテナンスリースの方がより深みを増し、広がりを増してこないと、おっしゃった将来もっと大きくなるであろうという魅力のある産業に育ってこない。銀行系の場合はどうしてもファイナンスリースにかなり片寄ってくる。ということはリース事業に参加するのは自由でありますけれども、望ましいリース事業の発展ということから考えると銀行系リース事業がふえるというのは、かえってその事業の将来を矮小化しないか、そういうおそれはないんだろうかという質問です。
○説明員(猪瀬節雄君) リース業そのものにつきましての考え方は通産省さんの所管でございますが、私ども銀行局といたしまして、現在銀行がリース業に参加しておりますのが全部で三十五社を数え、相当な数でございます。これは先生御指摘のとおりファイナンスリースを主としてやっておるわけでございますが、これは御承知かと存じますが、金融機関がそもそも他の業種を行うということは、これは銀行法上許されないわけでございます。したがいまして銀行が仮に自分の出資先を通じて行い得るといたしましても、それはやはり銀行業務の範囲としてふさわしい範囲に限られるべきであると、つまり私どもの考えておりますのは、銀行業務の付随業務あるいはそれに類似する周辺業務というところまではその関連会社に行わしめても、銀行業務の範囲から逸脱する話ではないというふうに考えた次第でございまして、そういう意味からいわゆるリースというものを関連会社が行います場合には銀行業務の適正化というものの観点から、言うなれば貸付業務にきわめて代替しておりますファイナンスリースに限定するようにという指導をしておる次第でございます。
○政府委員(織田季明君) ただいまお話のありましたように、現在のところはファイナンスリース多いわけでございますが、長い目で、まあ長期的に見ますと、先生がおっしゃいましたように、メンテナンスのリースがふえていくことが望ましいというふうに考えております。しかしメンテナンスのリースは知識集約産業であるだけに技術が必要であり、ノーハウが必要であり、これから時間をかけてそれを蓄積していくことが必要でございますので、とりあえずという簡単な気持ちで、ここ数年間出てきたのがファイナンスリースではないかというふうに考えております。 したがいまして、繰り返しでございますが、今後はファイナンスリースもさることながら、メンテナンスリースがどんどん発達して知識集約産業の方向に行くことをわれわれとしては考えながら指導していきたいと思っております。
○栗林卓司君 大臣にお尋ねします。 いまのお二人のお答えというのはお答えになっていませんね。伺っている意味は、大蔵省は銀行の周辺業務と、いまのお答えのようにファイナンスリースに限ると、メンテナンスリースはいかぬ。ということは慣れない仕事に手を出すな、銀行は本来の仕事をやれと、これが趣旨だと思います。そこで、これはかたわのリース業をつくるのかという質問をしたら、——間違っていたら後で直してください。実は真意というのはリース業にあんまり口を出してもらいたくない、銀行には本来の業務がある。したがって仮に出すんならファイナンスまでだよと言っているだけであって、メンテナンスをやるなとかどうこうではなくて、銀行は本来業務に専念せいということが実は大蔵省の真意なのでありますというお話がありまして、私もそれはわかる気がします。問題は大蔵省の判断はそうだと思うんですけれども、同じように通産としてリース業を扱っているものとして、銀行とのかかわり合いについてやっぱり通産なりの判断基準、指導基準というのがなければいけない。いまもし仮にこの時期にないとしたら、検討して出さなければいけないということではないんでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 私は、先ほど申し上げますように、リース業というものはこれからの産業である。今後幾らでも発展する産業である。そういう場合に余り細かい規則をつくって、だれはやっちゃいかぬとか、こうしなさいとか、あんまり細かい制約を加えるということは、その産業の発展にとってよくないと、こう思うんです。で、ある程度大きくなって、もう大丈夫だ、もうこれ以上発展はないということになれば、そこで細かい規則、細かい指導をするのはいいですけれども、まだ揺籃期において余り役所の方で、ああでもないこうでもないと言うのはよくないと、こう思います。
○栗林卓司君 では、その揺籃期ということでながめてまいりまして、生い立ちが銀行系列ではないリース会社があったとしまして、それは当然それとして模索をしながら前途を開いてくれということになるわけですけれども、それがどんな育ち方をしているんだろうか、揺籃期とはいいながらどっちの方向に歩いているんだろうかということは、それはそれで通産として関心が高いところじゃないかと思います。 そこで、その点で一つ例を挙げながらお尋ねをしたいと思うんですが、いまリース会社の中で割賦販売をやっているところがたくさんあります。で、これ割賦販売と書いてあるんですけども、実際には物件はメーカーからユーザーに直送されるわけですから、手続上割賦販売であって、機能としては割賦金融なんです。で、割賦金融というのは、もうそれ自体金融の機能でありまして、あんまりそれがリース会社の事業の中で大きな割合を占めていくということは、いま大臣も言われた望ましいリース会社発展の方向からいって決して歓迎すべきことではない、一応そこまでは判断として言えそうな気がしますけれども、いかがでしょうか。 それでは、そういう問題ひとつ頭に置きながら次の一つの例を聞いていただきたいと思います。具体名挙げません。これはある大手の場合なんですけれども、営業報告書見ますと、創業以降十年間ぐらい見ていくとリース事業を中心にして経営が行われてきた。ところが十年経過後ぐらいを境にして実は割賦販売の比率が非常にふえてきた。最初は売上高に占める比率はわずか五、六%ですから本当に少しだった。これが急速にふえて最近では二割近い構成比になっている。これ割賦販売と損益計算書には書いてありますが、機能は割賦金融であることはいま申し上げたとおりです。で、こういったぐあいにその会社が進んでいくのは、方向としていいかどうかという問題が一つ。 じゃあ、その裏側でどういうことが起こっているんだろうかと考えてみますと、ちょうどその時期を境にして、ある特定銀行との結びつきが非常に目立ってきた。なぜ目立ってきたかといいますと、短期貸し出しが四十倍にふえた。で、何のために貸したんだということを有価証券報告書で見ますと、貸与資産購入資金と書いてありますから、これは本当は短期借り入れの項目なんだけれども内容は長期借り入れです。そこで一つおかしいなということになります。ただ問題なのは、事実上長期借り入れ、長期貸し出しなのにこれは無担保です。もし仮にこの銀行が長期信用銀行としますと、長期信用銀行法では長期資金の貸し出しに当たっては、確実な担保を取らなければいけないと書いてありますから、そうするとこれは長信銀法との関係でも違反の疑いが濃いと言わざるを得ません。これは日本のリース事業における草分け大手企業の一つなんですけれども、こういう変化に対して通産は無関心なんだろうか、それとも関心を持って指導的な責任を果たされるんだろうか、この点伺います。
○政府委員(織田季明君) 先ほど大臣が御答弁いたしましたが、余りまだ揺籃期に細かい点に介入するのはよくないというふうに考えておりまして、いろいろまあ細かい点で問題がある場合でも、しばらく成長していくのを見守ってという感じを基本的には持っております。しかしながら、どうしても役所が介入する必要がある場合は介入してまいりますが、いまのような場合は、そういう社会のニーズがあるということを前提で考えますと、余り介入していくべきではないんではないかというふうに考えております。 ただ銀行の方の問題は、これは大蔵省から後で御答弁いただきますが、まあ私の方といたしまして調べたところでは、たとえば某有力銀行が関係しているというふうなリース会社につきましても、その金融、借入金のシェアは非常に少なくなっておりまして、たとえば某有力銀行のリース会社でございますが、わずかに一〇%程度の借入金が出ているだけというようなのがずいぶんございまして、初めには相当なウェートを占めていたのがそうでなくなったという例が多々ありまして、余り特定の銀行と密着しているというのはだんだん少なくなってきているんではないかというふうに考えております。
○栗林卓司君 関心持って、やっぱり調べなければいけませんという程度のことはおっしゃってもいいんじゃないですか。 で、銀行とどれぐらい幅広くつき合っているかと言いますと、時期は別にして申し上げますと、銀行の数が九十七、それから外国銀行が十七、信用金庫が三、保険会社十六、中央金庫一、農協四十五、その他六、百八十五の相手と資金調達関係を結んでいるんです。そんなときに全体に占めるシェアが何%だからと言ってもそれはだめであって、そこの中の特定のものがどう変化をし、それがそのリース事業の発展にとってどういう影響があったのかという目で見ていかなければいけないんです。いまこのことをどうこうしろということを言っているんじゃない。ただこういうことも気をつけていかないと、揺籃期だからということは、逆に言うと子供育てるのと一緒で、神経使っておかなきゃどっち行っちまうかわからないじゃないかということを申し上げているんです。お答え要りません。 で、大蔵に伺いたいのは、いまの長期信用銀行法との関係ですけれども、この疑いありという点について限ってお答えください。
○説明員(猪瀬節雄君) それではただいま先生御指摘の点だけ申し上げますが、長期信用銀行が、要すれば短期貸しを無担保でやるということは、これは確かに好ましいことではございません。したがいまして、先生御指摘の、これと実は私どもも見込みをつけまして銀行検査の場合にその点をチェックポイントといたしまして実施をいたしたり、それでその後の改善状況を報告を求めたりいたしておりますところ、その後、短期借入金は相当程度残高を減らしてまいっております。それと同時に、担保につきましても、すべてこれを担保を徴求するということで是正措置を講じてきております。
○栗林卓司君 是正処置を講ずるのは当然のことといたしまして、相当長期間にわたってそういうことがあったということは、それはそれで消えないわけですね。で、この件は大蔵省に指摘したのは数カ月も前ですから、以降何の実はお答えも聞いていないわけですけれども、そうなってくると、じゃ当該銀行の責任者の方に直接おいでいただいて、見解を聞こうかということにもなろうかと思いますので、含んでぜひ御検討を進めていただきたいと思います。 で、最後に大臣にこれはお尋ねしたいんですが、揺籃期ということでおっしゃるんですが、揺籃期だからとにかくまあみんな元気にやってくれやということで済むんだろうかということを、一つの例を申し上げてお尋ねしたいと思います。現在リース制度とすると、国民生活関連機器リース金融措置、新機械機器普及促進リース金融措置、これがいわゆる制度リースとして、財政資金を投入しながら有利なリース料の道を開いております。で、この財政資金投入の道は今後広げていきたいというのが通産省の意向であるとも聞いております。私は賛成です。また一方では国営保険としてリース信用保険制度、主たるねらいは中小企業の設備近代化であります。 お尋ねしたいのはこの次なんですけれども、こういう制度をも含めてリース事業の発展を期待しながら、したがってリース物件を受け取った中小企業は一生懸命それを使いながらということでやっていたとして、ある日リース会社が倒産をしたらどうなるのか。従来の法理論は、売買は賃貸借を破る、したがいましてその物件が引き揚げられても文句の言いようありません。じゃこれについてどういう法律があるかというと、現在ありません。判例もありません。これまでは幸いなこととして高度経済成長を背景にしながら、つぶれるリース会社というのはなかった。もっともつぶれるリース会社がなかったということは、逆に言って過度にファイナンスリースである、貸すべきところにも出て行かないということが一面あるに違いないと思いますけれども、それは触れません。これからはリース会社といえどもつぶれない約束はない。そのときに、こういう制度リース、あるいは国営保険制度を持っていたとしても、その倒産は防げませんし、そのときにその物件を使っているものが引き揚げられちまう。というと、揺籃期だとは言いながら、やっぱりその産業というのはどういうたたずまいであるべきなのか、どういう関連法制があるべきなのか。三十八年にできてからもう十三年になるわけですから、そろそろこれについて私は事業法を考えるべきだ、それを考えないで成り行きのままというのは、これからの減速経済ということを考えると、いささか問題でありはすまいか。お尋ねしたいのは、事業法について従来から御議論がありました。しかしこれを早急に通産省として検討課題となさるべきではないかお尋ねします。
○国務大臣(河本敏夫君) これは検討課題として取り上げていくべきだと思います。適当なところ、たとえば産業構造審議会とか、そういうところで権威者にいろいろ意見を聞いて、研究をしていかなければならぬと考えております。
○栗林卓司君 いまのお答えと同じ趣旨のものが四十八年の国会審議でもございました。そこで大変くどくて恐縮ですけれども、いつごろまでにそれをなさる予定でございますか。
○政府委員(織田季明君) 先ほど申し上げましたように、ただいま研究会におきましてリース事業のあり方ということを検討しておりますが、それが今年度中には終わると思いますので、その結果を見ながら、来春あるいはもう少しおそくなるかと思いますが、そういう段階で考えていってみたいというふうに考えております。
○栗林卓司君 じゃ、あるリース会社つぶれたらどうするんですか。
○政府委員(織田季明君) まだただいま法案の内容も決めておりませんし、ただいま先生からたまたまつぶれた場合の話が出たんでございますが、つぶれた場合のことを目当てで法案をつくるということもまだ考えておりませんので、それに間に合うように法案をというのは、ちょっとまことに申しわけないんでございますが……。しかし先生の御趣旨も体しまして、そういう方向で可及的速やかに検討したいと思っております。
○栗林卓司君 まあ時間最後ですから多く申し上げません、また次の機会に譲ってお尋ねをしたいと思いますけれども、余り行政が立ち入って、いいの悪いのと言うことがよくないということは大臣のおっしゃったとおりです。だけれども通産当局としては、一つの判断基準を持っていなければしようがないじゃないですか。しかもつぶれた場合どうこう言ったって、つぶれた場合どうなるかというのは商売人みんな知っているから。本にも書いてあるんです、ちゃんと。どうしようもないんです。だって、こんな本ぐらい読んでいるでしょう。だから、何となくたくさんできちまって、うまくいっているからちょうどいいのだということではないですよということを私は再々申し上げている。しかも、なるほどわかりましたと、だから検討いたしますと四十八年にたしかリース信用保険の審議のときにおっしゃったでしょう。しかも同様附帯決議ができて、当時の中曽根通産大臣が、御趣旨に従ってやりますとおっしゃったわけですよ。そういう言葉がいつも言葉だけでそのままになっているから、いまの政治不信になっているのだと私は思う。しかもこれは実際に生活をしている人たちの暮らしに直結している問題だから、どうでもいいやという話じゃなくて、銀行とのかかわり合いの問題も含めて、私は銀行はそこに手を出すなという大蔵省の判断正しいと思う。逆に言って通産の方も、それは銀行はやっぱり資金を調達する、資金を供与することが仕事であって、そこから向こうはほかに任せろということがやっぱり物事の筋道じゃないかということも含めて、ぜひ早急な御検討をお願いして質問を終わります。
○委員長(柳田桃太郎君) 他に御発言がなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十八分散会 —————・—————