商工委員会 第2号
- 発言数
- 238 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/10/14
会議録
○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 経済企画庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。経済企画庁長官福田赳夫君。
○国務大臣(福田赳夫君) 一言ごあいさつ申し上げます。 まず、先般の三木内閣の改造に当たりまして、私、引き続いて留任することに相なりましたので、今後とも御指導のほどをお願い申し上げます。 当面の経済情勢並びにこれに対する考え方につきましては、お手元に「福田経済企画庁長官挨拶」が配付してありますが、特に要点を申し上げさせていただきます。 申しあげるまでもありませんけれども、ことしは石油ショック後の調整過程第三年目に当たるわけであります。この三年目の経過を顧みてみますと、あれだけの大ショックの後の立ち上がりといたしましては、まあおおむね順調であると、こういうふうに見ておるわけであります。ことしはちょうどその三年目の真ん中にあるわけであります。この時点はちょうど真ん中でございます。 昨今のこの動きを見てみますと、まあ第一に、経済活動につきましては経済需要各項目が着実に伸びておる。こういうふうに申し上げて差し支えないと思います。 すなわち、個人消費、それから個人の住宅投資、これはまずまず順調に伸びておると見ております。それから設備投資は、これは昨年もう大変惨たんたる状態でありましたが、やっと増勢に転じておりまして、今後まあそれがやや伸びていくであろうというふうに期待しております。 それから輸出でございますが、これは世界経済の回復という問題がある。それからアメリカの特殊なある種商品についての在庫補充、こういう問題もありまして、対米輸出を中心にこの一−三月に激増したんです。あの調子でいきますと、これは輸出倍増というような勢いでありましたが、まあアメリカの在庫補充も一巡をいたしまして、昨今に至りましては増勢が鈍化をいたしておる。しかしまあ高い水準で輸出が動いておる、こういうふうな状態でございます。 それから国家財政、これは国鉄、電電の方の法律案関係、これのおくれが響いてはおりますものの、その他は大体順調である。地方財政につきましては、これは単独事業がまあ不振である。こういう問題がありますが、その他はおおむねこれは順調に動いておる、こういうふうに見ております。 総じまして、そういう状態でありますから、生産は一月以降まあ伸びておる。したがって出荷もまたふえる。それに伴いまして在庫も減少する、こういういい傾向を示しておるのであります。ただ、八月はちょっと中だるみの状況が出てまいりまして、それから九月、十月がまたやはり同じような傾向が続くんじゃないか。その後はまた活発な動きになってくるんじゃあるまいか、そんなふうな観察をいたしておりますので、まあ総じて言いますと、経済見通しで申し上げました五%ないし六%という成長はこれは実現し得そうである、こういうふうに見ております。 それから物価の方につきましては、これは卸売物価が、御承知のようにこれは昨年の下あたりからずうっと上がっておる。この上がり方は、これは経済見通しよりはやや高い調子であります。その理由は、海外からの輸入物価が上がった、これが一つ。 それからまあわが国の国内におきまして景気が回復過程に入った、そういう景気回復過程の摩擦現象というような要素があるわけであります。しかし、海外の物価もこのところ落ちつきぎみでありまして、それに加えまして円が高い、その影響も非常に大きいのでありまして、今後を展望いたしますと、いままでのような増勢はかなり鈍化してくる。経済見通しの卸売物価の年間目標は四・八と、こういうことになっておりますけれども、まあ何とかしてその辺までこぎつけたいというような努力をいたしておるわけであります。 それから消費者物価の方は、これはまあずっと基調的には鎮静化の方向で動いております。ただ、九月につきましては、これは冷害、それから全国的な災害、そういうようなことで季節商品が高値になった。そういう影響を受けてやや上がりましたけれども、今後は、そういう季節商品等につきましても注意をする、また、諸物資の需給、価格、そういうものにも特段の配慮をいたしまして、年間八%程度という目標を到達いたしたい、そういうふうに考えております。 国際収支は、先ほど申し上げましたように、輸出が非常に活発である。それに反して輸入がこれは沈滞しておったんです。ところが、輸入が沈滞した理由は、わが国において海外から買い入れる物資の在庫があった、その在庫も一巡して消費されるというような状況でありますので、今後は輸入はふえていくと、こういうふうに見られるのであります。したがって、輸出が非常にふえます関係から、輸入がふえましても、年間見通しといたしますると、総合収支は、予定したような赤字よりはやや少ない赤字で済みそうだと、こういうふうに見ておるわけであります。 以上のような動きでございますけれども、ことしは非常に重要な年でございまして、とにかく調整期間三年間をもって、インフレ、不況、これを大方粗ごなしをしなきゃならぬ、こういう課題に当面をしておる。 なお、さらにこれを長期安定路線に乗っけていくという最初の年でもありますので、これから最善を尽くして努力してまいりたいと、かように存じますので、何とぞ、御教示、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。 —————————————
○委員長(柳田桃太郎君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○森下昭司君 最初に、通産大臣にお伺いをいたしますが、先日の所信表明の中で、企業経営面におきまして総じて明るさが見え始めてきたということを述べてお見えになるのでありますが、実際は、いま経企庁長官からもお話がございましたように、輸出の鈍化、あるいは鉱工業生産の指数から見ますと、八月、九月、十月が非常にマイナス傾向は否定できない、卸売物価は高騰があるなどなど、いろいろと景気の回復の問題点について大ざっぱにお話がありましたように、実際問題といたしましては、最近の景気の回復の状況は、通称的に一口にして言えば、中だるみの状況になっているのではないかというふうに思うのでありまして、総じて明るさが見え始めてきたという点について、何を根拠にこのような所信の表明をなされたのか、まず現状の認識についてお尋ねをいたします。
○国務大臣(河本敏夫君) 景気の動向につきましては、先ほど副総理からも御説明がございましたが、ことしの一月以降六月、七月までは順調に相当なスピードで回復してきたと思います。八月になりましてからやや停滞ぎみになりまして、九月、十月もいろんな原因からそれが続いておるわけでございます。 そこで、通産省といたしましては、現在地方の通産局を通じまして詳細な景気の動向調査をしておりまして、その結果が今月の下旬には判明すると思います。その結果いかんによっては、何らかの判断をしなければならぬと考えております。 ただ、大勢として決して悲観すべき状況ではないということを申し上げておりますのは、それは何と申しましても世界経済が、アメリカ、ドイツを中心といたしまして、順調な回復をしておりますし、もっとも、ごく最近はイタリアと英国がややもたもたしておりますけれども、大勢としては回復の傾向にある。こういう世界全体の景気の回復ということは、世界経済に大きく依存しております日本の経済にとりまして、何と申しましても、やはり一番大きな景気回復の原動力であろうと考えておるわけでございます。 また同時に、先ほども御説明がございましたが、設備投資もことしになりましてからは、電力、鉄鋼その他自動車、家電等を中心といたしまして相当増加をいたしておりますし、大勢としては心配はない。しかし、一時的に先ほど申し上げましたように中だるみ傾向が見えますので、それに対する調査、対策を考えていかなければならぬというのがいまの考え方でございます。
○森下昭司君 一時的な中だるみ傾向を否定できないというお話がありまして、各地の通産局を通じて調査をした結果、対策を立てたいという御趣旨のようでありますが、問題は、ことしの三月期の大企業関係の決算をながめてみますると、相当好転したところもございますが、これは望ましい傾向としては、操業率が上がってコストアップを吸収していくという中で、収益面が改善されるのが一番私は望ましいのではないかと思うのであります。しかし、今日五ないし六%の低成長下におきまして、このような環境の中で操業率を上げてコストを吸収して、そして収益面を改善していくということは、非常にむずかしいのではないかと思うのでありまして、今日までのいわゆる収益率の向上と申しますか、あるいは収益率の上昇は、多分に、言うならば価格転嫁によって形成をされたものであるというふうに見るのが、私は非常に正しいのではないだろうかというふうに考えているわけであります。 そうだといたしますと、これは本来いわゆる需要が非常に高まってまいりまして、その需要に供給するために操業率を上げていくというパターンとは、これまた違った状況が出てくるわけであります。まあ、いわば見せかけの景気回復というようなことにもなるのではないだろうかという感じがいたすのでありますが、今日までのいわゆる収益率の向上が、一応業種によってばらつきはありまするけれども、出てきた原因は本当の意味のいわゆる操業率が上がって、そして需要に対する供給の結果生まれてきたものか、あるいはまた価格の転嫁によってこれが生まれてきたものか、どういうふうに御判断なさっているのかお尋ねいたします。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど申し上げましたように、十月中旬の調査の結果はもう少ししませんと判明いたしませんが、七月の中旬に調査をいたしましたところでは、十九の業種、約二百社を対象にいたしまして調査をいたしました。そのうち、完全に回復しております業種は二種類でございました。なお相当悪いという業種が三種類ございました。十四の業種は非常に明るくなりつつあるけれども、まだ水面に出るのには若干時間がかかる。もうしばらくすれば水面に出られるであろうと、こういう大体見当の調査が七月の中旬の結果でございました。その理由は那辺にあるかといいますと、やはり何と申しましても、一つは操業率の問題だと思います。 いまお話がございましたが、昨年の初めごろ、これは一番悪い状態でございまして、操業率は六八、九%ぐらいであったと思います。現在は一四、五%ぐらい上昇いたしまして八〇%を若干上回ったところであろうと、こういうふうに考えております。稼働率指数が約九〇%ちょっとを割ったところでございますから、操業率はその見当になる、かように想定をしているわけでございますが、それによる収益の向上が一つと、それからもう一つは、やはりいま御指摘がございましたが、若干の業種では価格の修正がございまして、それによる収益の改善ということも否定できないと思います。
○森下昭司君 まあ、それで本当なら経企庁長官にちょっとお尋ねしたかったんでありますが、この企業の操業率は現在の低成長下におきまして、一体望ましい水準としては、どの程度のものが望ましいとお考えになっているのか、通産省としてのお考え方をお尋ねいたします。
○国務大臣(河本敏夫君) 企業の操業率の望ましい水準というものは、私は平均して大体九〇%ぐらいじゃないかと考えております。でありますから、稼働率指数が約一〇〇という数字になったときにほぼ望ましい水準になる、その場合には個々の業種、個々の企業の面でもごくわずかな例外を除いて大部分が黒字経営になるであろうと、かように期待をしております。
○森下昭司君 いまの状況で大体八〇%ちょっと超えた程度だというお話がございましたが、この、いま大臣が述べられました約九〇%程度の操業率が望ましいと言われましたが、現在の環境下におきまして、そのような操業率に到達するまでには、これからどのぐらいかかるとお考えになっているんですか。
○国務大臣(河本敏夫君) ことしの一月から六月ごろまでの動きを見ますと、私は遅くとも来春ごろにはそういうふうになると想定をしておったわけでありますが、しかし、まあ最近のやや停滞ぎみの動きから見まして若干おくれるのではないかと、こういう感じがいたします。いずれにいたしましても景気の動向調査の結果をまちまして判断をしたいと考えております。
○森下昭司君 そういたしますと、実感といたしまして、景気が回復をしたという感触を感ずるのは、まあ大体これから一年半後ぐらいというような推定が成り立つわけであります。そういたしますと、いわゆる物価との関係等におきまして、先ほど経企庁長官は卸売物価を年度内四・八%程度に何とか押さえたいというお話がありましたが、今日までの卸売物価の上昇指数からまいりますれば、ことしは大体いまの情勢で仮に九月も十月も鈍化したと仮定をいたしましても、年率七・四%程度は上昇指数になるのではないかという推定がなされているわけであります。そういたしますと、このいわゆる景気の回復が実感としておくれますことは、この現実の卸売物価指数の上昇分、それからはね返ってまいりまする消費者物価指数、これはもう卸売物価が上がれば大体半年後には消費者物価指数にはね返る。従来の統計からまいりますれば、少なくとも卸売物価指数の上がった倍ぐらいは消費者物価指数が上がると言われているわけであります。 そういたしますと、来年の春からさらにちょっとおくれるわけでありまするから、一年半後ぐらいということになりますれば、その間に物価に対する要するに影響というものを否定することはでき得ない。たとえば大臣は個々に何業種は何とか、これはこうだこうだと挙げましたが、その半面、一応やはりコストアップを価格に転嫁して、そうして収益を維持している会社もあるんだということをお述べになっているんでありまするから、物価との関係において、相当物価が上がることを予想せざるを得ないと思うんでありますが、この点は、調整局長さんお見えになっていますから、お答え願いたいと思います。
○政府委員(青木慎三君) ただいま御指摘の点でございますが、卸売物価は確かにいままでわれわれが想定したテンポよりやや速く動いております。ただ、私どもの方としましては、やっぱり十月ぐらいから卸売物価の騰勢が鈍化していくであろうと見ておりますので、何とか私どもが当初想定しましたような卸売物価の上昇率の中におさめたいと、努力いたしたいと思います。で、もしこれがうまくいきますならば、消費者物価の方のはね返りも大体私どもの計算どおりになると思いますので、今後あらゆる努力を重ねまして物価の鎮静化に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○森下昭司君 まあ簡単に言えば、私から言えば釈迦に説法かもしれませんが、物価にはね返ればまた賃金にはね返ってくる、また悪循環が出るという説を言う人がたくさんお見えになるわけでありますが、日本銀行が今月の十二日に発表した、いわゆる卸売物価指数の中で、いままでの状態で私が指摘いたしましたように、これから鈍化するであろうということは予想できるけれども、それは月平均にいたしますと、〇・二四%以下でなけりゃいけない。ただ今日まで大体月に平均〇・五%以上上がっているじゃないですか。とすると、四・八%の年率目標は達成できない。これ、日本銀行がそう言っているんです、私がそう言っているんじゃないんです。これは、いま申し上げたように物価にはね返る、はね返れば賃金の上昇を招くという悪循環の糸口にもなりかねないわけであります。したがって、副総理は何とか守りたいということを強調しておみえになりましたが、いわゆる、いまあなたがおっしゃるような卸売物価が鈍化するという原因の中で、鈍化する原因の一番大きなものは何であるか、それを述べてもらいたい、具体的に。
○政府委員(青木慎三君) 幾つかの原因がございますけれども、一つは海外物価が大体落ちついてまいっておるということが一つでございます。 それから、それとうらはらになりますけれども、為替相場が円高ぎみに推移しているというようなことがございまして、海外から来る要因が鎮静化してまいるだろうというのが一つでございます。 それからもう一つは、確かに、いままで従来から出おくれておりました物価の調整というのは、大どころの商品が一応一巡するだろうという点が第二点でございます。したがいまして、あと基礎物資と卸売物価の値上がりが一般に波及するというのが一番恐ろしいわけでございますけれども、ただいまの経済情勢は、先ほどから御議論ございますように、経済活動やや鎮静化しておりますので、こういう中で、そう簡単に、容易に他の物価に反映することもなかろうというのが私どもの感触でございます。非常にむずかしい目標ではございますけれども、何とか私どもの経済見通しの数字の中におさめたいというのが私どもの気持ちでございます。
○森下昭司君 まあ、何となくとか、いろんな抽象的な自信のないようなお話もありますが、まあ国際的ないわゆる経済条件というものが左右しておると。否定はいたしておりませんが、この、いわゆる九月の卸売物価鈍化の一つの原因といたしましては、まあ非鉄金属におきまして、銅、地金が海外で非常に安かったというようなことが一つの原因として挙げられているわけであります。そういう点、私はそうだと。その反面、またこういったものは海外相場のいかんによっては急激な値上がりをする、非常に価格の安定が期待でき得ないものなんです。したがって、私はそういう点につきまして、いろいろといまお述べになりましたけれども、卸売物価指数四・八%に年率おさめるということは、私ども自身が今日の経済状況の環境や、いままできた推移から見まして非常にむずかしいと、こういうふうに言わざるを得ないわけであります。 先ほど大臣から、大企業関係の問題についてお話があったわけでありますが、中小企業庁が御調査なさいました七月から九月、この見通し、これは四月−六月の実績をもとにいたしまして、七月から九月に対する見通しをお立てになっておるわけでありますが、その中でも、これから景気というものがよくなるのかどうかという点について、悪化を予想する企業と横ばいのいわゆる予測企業とを合わせますと、中小企業全体の七四%が、今後さらに景気というものは悪化の傾向をたどるだろうという回答を寄せているわけであります。これは四月、五月、六月の段階の実績のときの予測調査の当時は六四%程度でございましたが、これがいま申し上げたように、実績をもとにした七月−九月の段階になりますると、何と一〇%はね上がりまして、十人のうち七人以上の方々は、もう景気というものはなかなか先行き暗いものだということが、中小企業庁の景況調査によって明確に出ているわけなんです。したがって、私は大企業が、いろんな問題を含んでおりまするが、たとえ収益の向上等がなされ、操業率が徐々にでありますが回復しつつありましても、実際問題としての中小企業関係は、お先真っ暗になっているというようなことが指摘できるのではないだろうかと思うのであります。しかし、中小企業対策の中で強調なさっておみえになりまするのは、国鉄、電電公社の工事の抑制の問題等を大きくお取り上げになって、所信表明の中でお述べになっている。私は、これは三木内閣が今国会に継続案件といたしまして運賃の値上げ案、電信電話料金の値上げ法案を提出なさっておるんで、ある意味においては政策的な、私は所信表明の中小企業対策の内容ではないかと思うのです。その点について大臣のひとつ所見を求めます。
○国務大臣(河本敏夫君) 中小企業の景気の動向でございますが、やはりこの景気が回復いたしましても、体力の関係からまず大企業がよくなって、それから若干おくれて中小企業がよくなる、こういう傾向にございますので、政府としては積極的な中小企業対策というものを立てる必要があろうと考えております。 したがって、来年度の通商産業行政の中におきましても幾つかの大きな柱をつくっておりますけれども、最大の柱、最優先の柱といたしまして中小企業対策を大きく取り上げておるわけでございます。特に今回の災害等による影響、それからまた、電電、国鉄のおくれ等による影響が中小企業関係に相当大きく出ておりますので、年末を控えましての緊急の金融対策等万全を期しまして、中小企業がこの難局を切り抜けられるように、政府としても積極的な協力を進めていきたいと考えておる次第でございます。
○森下昭司君 私の言っておるのは、所信表明の中では国鉄と電電という言葉は四回使っておるのですよ。「国鉄、電電公社の工事等の抑制の結果、」云々とか、「国鉄、電電公社に大きく依存している企業への対策が当面のさし迫った問題」だとか、「一日も早く国鉄、電電公社の工事等の発注が軌道に乗る」とか、まるで中小企業対策は国鉄と電電の、要するに工事量によって左右されるような印象をぬぐい去れない。「中小企業対策」という項目の中で三回も四回も言葉を使っておるのです。全く政策的な表現ですよ、それを私は聞いているのです。来年の私は中小企業対策どうするなんということは聞いていないのです。政策的な所信表明は受け付けられませんよと言っているんです。それに対しての大臣の所信を聞いているのです。
○政府委員(岸田文武君) 中小企業の最近の景況につきましては、私ども非常に注意深く見守っておるところでございまして、なるほど統計を見ますと、ことしになりましてから生産指数もかなり順調に上がってきておりますし、いま御指摘ございました四半期ごとにとっております景況調査の動向を見ましても、かっては一割以上の人が、これから先非常に不安だという声を上げておりましたのが、次第に多少明るい感じの回答がふえてきまして、ようやく明るい回答の方が多少上回ってきたというところまでこぎつけた状況かと思っております。ただそうは申しますものの、御承知のとおり景気の回復は業種によっていろいろ差がございまして、一部にはかなり順調に経営をしておるところもございますが、一部にはまだ今回の不況の谷をほとんど埋め切っていないという業種もかなり多いわけでございます。生産水準自身をとりましても、今度の景気の谷が相当深かったわけでありますが、中小企業全体としては約六割を埋めたという程度でございまして、まだ設備が余っておるという面も多々あるわけでございます。さらに加えて、倒産の件数が依然として非常に高い水準にあるというような点は、中小企業対策としても特に気をつけていかなければならない点ではないかと思っておるところでございます。中小企業としては、一番苦しいところは越えたものの、また生産水準としては上がったものの、まだ経営が落ちついてきたとか、もうかるようになったという感じにはちょっとなりにくい。そういったところがいまの実態ではないかと思っておるところでございます。 したがって、これからひとつ景気が本格的に立ち直ってくれることを中小企業全体として待ち望んでいるという状況かと思いますが、その間にありまして災害が突如として発生し、非常に広範な範囲にわたっていままで近年にない被害を及ぼしていることであるとか、あるいは国鉄、電電の値上げのおくれであるとか、追加的な新しい要因が出てきた。これらのことを総合的に頭に置きながら、中小企業としていかにこれを安定をさせ、次の発展につないでいくかということを中小企業対策の重点として考えていきたいと思っておるところでございます。
○森下昭司君 まあお答えになっておりまませんが、私から指摘しておきますが、あなたの方の景況調査——四月‐六月期ですが、のときに、前期より悪化したと答えた業種は紙加工品業、土石製品の二業種だけなんです。これ国鉄や電電とどういう関係がありますか。それから七‐九月期ですね、予想した面では、中小企業庁のこれは発表ですよ、出版、印刷、パルプ、紙加工品、繊維、小売業など七業種にふえておるということなんです。それは印刷はある程度国鉄から発注がもらえない、電電からもらえないと言えばそうかもしれませんね。しかし、小売業と国鉄とどういう関係にあるのですか。電電とどんな関係があるのですか。とにかく私はこういうような、言うならばいわゆる国鉄と電電の影響も、新聞紙上から拝見をいたしますと相当大きなものはある。しかし、通産省が中小企業対策の一環として政策なり対策をお進めになるならば、やはり一般論の立場で大臣が所信表明をお述べになり、そして中小企業対策というものはいかにあるべきかということを強調なさるのが妥当ではないだろうかというふうに思うんであります。 時間がありませんので、それでは申しわけありませんが事業分野法の問題について最初にお伺いいたします。 これは、いま分野調整小委員会で審議が進められておりまするが、一体いつ審議が終了する見込みなのか。 それから、伝えられまするところによりますと非常に中小企業と大企業の分野がむずかしいとか、消費者問題があるとかないとか、あるいはまた、いわゆる業種指定がむずかしいとか、種々な意見が出されておるようでありますが、現在の審議の状態はどうなっているのか。この二点最初にお尋ねいたします。
○政府委員(岸田文武君) 中小企業と大企業との分野の調整問題につきましては、問題としては古くからある問題でございますが、昨今不況を背景にして非常に問題が次から次へと起こっておりまして、私どもとしてもこれを何とか円満に解決しようということで従来努力を払ってまいったところでございます。 先国会の末に衆議院におきまして、この問題については、何らかの立法措置を早急にまとめるよう政府としても善処すべきであるという決議がございましたので、私どもとしてもこういう決議を誠実に受けとめるということで、自後立法の問題を中心に具体的検討に入っておるところでございます。 経過を申し上げますと、中小企業政策審議会の中に、この分野調整に関する特別の小委員会を設けまして、七月七日に第一回の会合を開き、自後今日までに夏休みも返上しまして月に二回ないし三回のペースで、ちょど八回の審議を終わったところでございます。 当初の四回の審議におきましては、実態を明らかにするということを中心といたしまして、過去のいろいろのデータを集めますのに加えまして、問題になっております中小企業の代表の方々、あるいは関連をする大企業の方々、消費者の方々、こういった方々からこの問題についての実態ないし意見の実情調査なども行った次第でございます。自後第五回目以降が実態審議に入ったわけでございますが、この間にありまして、規制の態様をどうするか、あるいは対象業種をどういう範囲で考えていくべきであるか、それから問題となる紛争のとらえ方をどうするか、さらにまた中小企業自身も近代化、合理化に努力をすべきではないか、消費者との関係はどうであろうか、こういったいろいろの問題につきまして各委員から自由なる御討議をいただいたところでございます。 以上のような審議によりまして、この問題についての主なポイントに関する審議は一応一巡いたしたわけでございますので、私どもはそういう意見を受けて、いわば事務局としての取りまとめの作業に入っているのが現在の段階でございます。あと一回か二回の審議で大体の方向を見定めたいというふうに考えております。
○森下昭司君 そうしますと、月に二回とか、非常にたくさんの回数で精力的な小委員会を開催をされておるようでありますが、あと一回か二回ということになりますと、その答申を受けて法律案をおつくりになると。まあそれにも時間がかかるわけでありますが、この国会にこの分野調整法を提出することができるかどうか、お尋ねいたします。
○政府委員(岸田文武君) 従来から、この立法についてはなるべく早くということを繰り返し繰り返し言われておりますので、私どももこの、審議に当たりましては、そういう要望なりあるいは御意見を極力尊重して、スピードアップを図ってきた次第でございます。まああと一回か二回、これは審議会の御審議によることでございますから、いつごろまでということは言えませんが、私どもの気持ちとしては、何とか今国会にという気持ちは依然として持っておるわけでございます。
○森下昭司君 しかし、実際問題といたしまして衆議院の解散含み、あるいは任期満了による総選挙というようなものを控えておりますと、なかなかこれは、できるだけ早くというお話がありましたが、むずかしい問題ではないかと思うわけでありますが、このいわゆる分野調整小委員会で、いまお話があっていろんな問題点が出ておるようでありますが、この分野調整小委員会の答申というものは、まず第一に、委員会の委員全員の一致がなければ、その意見の不一致の部分についてはこれは答申に盛らないとか、それからそうではなくて、いわゆる少数意見のあるものについては少数意見を併記して答申を受けるとか、そういうような問題についてのお考え方は決まっているんですか。
○政府委員(岸田文武君) いまの点については、まだこれから取りまとめの段階に入るわけでございますから、小委員会として答えが出ておる段階ではございません。しかし、まあ意見がいろいろあるから、それがまとまるまでは答申が出せないということもなかなかぐあいが悪いのではないかという感じがいたします。
○森下昭司君 それじゃ大臣にお尋ねいたしますが、いまの長官のお話を聞いておりますと、国会提出の時期等も問題もありますので、満場一致が望ましいけれども、満場一致で答申できない点については、言うならばこれは両論併記と申しますか、あるいは、まあこれは小委員会が御処理をなさるので、採決でやるとかいろんなことがあるかとも思いますが、ある一定時期には、満場一致で意見がまとまらなくても答申を受ける用意があるということになるのかどうか、大臣の決意をちょっと聞いておきます。
○国務大臣(河本敏夫君) やはり、これはいつまでも議論をするというわけにはいきませんし、できるだけ早く結論を出して、そうしてそれを参考にして立法化の手続をしなければなりませんので、適当なところで結論を出していただきたいと、こう思っております。そして、何とか、できることならば今国会に間に合わしたいというのがいまの期待でございます。
○森下昭司君 次に、その答申の取り扱いの問題についてもう一点お尋ねいたしておきますが、仮に、よく答申が各審議会等において出されるわけでありますが、一〇〇%答申が入れられる場合と、ある部分については入れられない場合というような過去の経緯がございます。そういう点につきまして、この分野調整法につきましては、いま申し上げたようにいろんな意見がたくさん出されておりまして、長官からお話がありましたように、なかなか意見の一致を見ることはむずかしいだろうという予測もあるわけであります。そうだといたしますと、この答申の取り扱いは非常に慎重にならざるを得ないと思うのでありますが、そういう少数意見でありますとか、あるいは両論併記というような場合について、庁内において立法化の作業を進める段階では、どういうような取り扱いでこれを検討していくのか、その考え方についてお伺いします。
○政府委員(岸田文武君) この問題に関する小委員会は、小委員長に中小企業政策審議会の会長自身が当たられるということでございまして、いわば異例の取り組みでこの問題に当たっておるわけでございまして、また委員の方々につきましても、中小企業の代表、それから消費者の代表、学識経験者等々、いわばこの問題について一番妥当な答えを出すにはどうしたらいいのかということを御審議いただくための、それぞれの専門の方々をお願いをしておりまして、しかも審議の内容につきましては、毎回膨大な資料を事務局から提出し、これについて活発な御議論をいただいたという経緯になっております。私ども、そういう経緯を振り返ってみますと、何とかそれらの方々の討議を通じての一つの答えが出るようになっていただければ、一番私どもとしてもありがたいことであるし、そういう事態になれば、私どもとしては十分これを尊重して、立法化に反映をさせるということが可能になるんではないかと思っております。余り意見が割れてというようなことを予測したくないわけでございますが、そういった場合にも、やはりそれらの議論を通じての全体の感じというものを謙虚に私ども受けとめて、立法化に反映させることが必要なのではないかと思っておるところでございます。
○森下昭司君 そういたしますと、結論的に申し上げますれば、少数意見が仮にありましても、十分そういった意見は尊重する用意があるというふうに理解していいいかどうか、重ねてお尋ねいたします。
○政府委員(岸田文武君) 重ねて申しますが、なるべくならば皆さん方のコンサンサスが得られるようにということに最大限の努力を払いながら、しかも従来いろいろ議論のあった経過全体を頭に置いて、法案の立案に反映させたいというふうに考えております。
○森下昭司君 そこで澤田公取委員長にお尋ねいたしますが、あなたはことしの七月の六日軽井沢で、分野法については批判的な御意見を実は出されたようでありますが、どうして分野法が、伝えられる分野法が好ましくないのか、その理由を簡単に述べていただきたい。
○政府委員(澤田悌君) 御指摘の軽井沢のセミナーでの私の発言、報道機関によりましては重点の置き方、報道の仕方によりまして非常に印象が違って報道されておりますので、御質問のような御危惧はごもっともと存じますが、またこの問題が莫然と論じられておりました時期におきまする私どもの考え方、独禁法、独禁政策の一般論、原則論からの問題点の指摘ということもいたしてまいったことも事実でございます。しかし、だんだんと煮詰まってまいりましてこの問題を考えますと、大企業と中小企業の調和を考えなければならない。特に中小企業問題が重大であるということを考えますと、当然のことでございます。政府もその方向で立法化に努力をいたしておるわけでございます。 ただ、その独禁政策の観点から申しますならば、さらに消費者という存在を重要視しなければならないのでございまして、大企業はもちろんでございますが、中小企業といえども一般消費者に対しましては、商品、サービス等の提供をする事業者でございます。したがいまして、私どもの立場から申しますと、大企業、中小企業、それから消費者を加えた三者の調和を図れるような立法措置が望ましい。現在の段階におきましてはそういう観点からの希望を申し述べておる次第でございまして、これが競争制限的になる、あるいは企業努力が低下するというようなことで、消費者の利益に反するような傾向を生ずるようなことのないように、そういう立法が望ましいというふうに考えておる次第でございます。
○森下昭司君 まず、前提といたしまして、分野調整法の内容でありますとか、あるいは具体的な問題等につきましていろいろな話があったという、私はいまお話を聞いておりまして、いやしくも公取委員長たる者がそういう確固たる——輪郭の明らかでないものについて、その輪郭はこうであろうああであろうという推測を交えて、一つの判断と申しますと言い過ぎであるかもしれませんが、一つのお考え方をセミナーでお示しになる、これは私は、従来の形態からまいりますと、やや行き過ぎのような実は感じがするわけであります。 それからまた所信表明の中にも「第二に、中小企業分野調整問題につきまして」とわざわざ断りまして、先日のこの公正取引委員会委員長の所信表明が出ているわけであります。私はこの公正取引委員会は、何もわざわざいま私が長々と御質問いたしましたように、分野調整小委員会で、衆議院の五常決議をもとにいたしまして、慎重に各有識経験者によるいわゆる意見の開陳がなされて、お話をお聞きいたしますと、もう後一回か二回で何とか結論を得たいというふうな進行状況の中で、この問題について特にこの御発言をなさっている。いわば公正取引委員会といたしましては、高度だ、高度だと言って分野調整小委員会に見えざる影響を与える私はきらいが出てくるのではないだろうかと思います。ここに書いてございまする、言うならばいまお話があった大企業と中小企業の調和の問題でありまするとか、消費者の利益を害するようなことにならないように希望するとか、これは私は理の当然だと思うのであります。ただし、こういったものをいま申し上げたような小委員会等で討議をいたしておりまするときに出すことが、果たして妥当であったか、私は若干問題点が残るわけであります。 そこでひとつ、具体的にお尋ねいたします。たとえば、いま森永乳業が豆腐業界に進出しておりますね。これはもう大問題で解決はいたしておりません。通産省が中に入ろうが農林省が中に入ろうが、解決をいたしません。ヤクルトはいわゆる撤回をいたしました。これは成功いたしましたですね、調整が。そこであなたは、「大企業が不当な手段を用いて」——この「不当」というのはどういうことか存じませんが、「不当な手段を用いて中小企業の事業分野に進出する場合には、独占禁止法を積極的かつ厳正に運用して、これを排除する」と書いてある。じゃ一体森永乳業が豆腐業界に進出するのは、独禁法によって厳正かつ適正に運用した場合に、排除することができるかどうか、具体的にひとつお尋ねいたします。
○政府委員(澤田悌君) 所信表明では文章を節約して簡潔に書いてありますので、いま御指摘のような御疑問をお持ちと思いますが、現在立法過程に入りまして、それに対して独禁政策の立場からの希望を申し述べておるのでございまして、これはこれなりに私は意味がある、そういう希望を取り入れた立法をしていただきたいということでございますので、そういうふうな趣旨で御了解を願いたいと思うのでございます。 ただいま具体的な問題についてお尋ねがございました。これにつきましては、それが不当な手段であるかどうか、私の方で取り上げて処理するということになりますれば、具体的に問題に対応するわけでございまするが、通産行政の立場から、行政指導によって円満にこれを調整しようという努力をなさっておる問題でございますので、そちらの方の経過を見守っておるという次第でございます。
○森下昭司君 私は、通産省のその出方を見守るとか、調査の結果を待つとかいうんじゃなくて、これはもう二年前から出ている問題なんですよ、二年前から。調査とか出方を見ているなんという、そんな段階は過ぎちゃっているんですよ。あなたがこういう御決意をなさるなら、具体的に公正取引委員会は独自の判断でおやりになったっていいんじゃないですか。分野調整法について、分野調整小委員会で審議がされている最中に、公正取引委員会の希望はこうだと言うならば、森永乳業の豆腐業界進出の問題だって、公正取引委員会の希望はこうですとなぜ言えないんですか。
○政府委員(澤田悌君) 繰り返して申すようでございまするが、立法過程におきまして、私どもの方の委員会と通産省と事務的にいろいろとこちらの希望も申し伝えまして、進行しておるその趣旨と言いますか、気持ちを申し上げたわけでございまして、今後もこういう問題につきましては、具体的な問題であろうと、立法に関する問題であろうと、よく話し合ってその気持ちを通じ合って、誤りないようにしてまいりたい、こういう趣旨でございます。
○森下昭司君 それはわかっているんだ、私の後段の質問に答えてください、肝心の質問に。
○政府委員(澤田悌君) 具体的な問題につきまして、独禁法によって対処しなければならない問題がありますれば、厳正に処置いたします。
○森下昭司君 それじゃ回答にならないんです。分野法についてはいろんな注文をつけておきながら、希望表明しておいて。独禁法に違反するような事実があればということなんだ。もう二年も前の問題ですから、公正取引委員会だっておよそ調査なさっているんじゃないですか。あるいは正式な調査じゃなくっても、言うならば、こうこうこういうような経緯で、こうなって、いまこういう状況でと、そのぐらいは事務局で御調査なさっているはずですよ。私は、いま、あなたが立法の段階で注文をつけたわけでも何でもない、希望を表明したと言うなら、通産省の方にお任せになるんじゃなくて、独禁法の違反の事実があるのかどうか公正取引委員会が独自の御調査をなさって、そして、公正取引委員会としては通産省に対しまして、森永乳業問題についてはこういうような見解を持っておりますが、ひとつ希望として表明いたしますというような手順がどうして踏めませんかと聞いているんです。独禁法の違反事実があったら調べるとか、調べないとかいう問題じゃないです。現実に豆腐業界が、森永乳業によっていわゆる大きく権益が侵されたことは事実じゃありませんか。あなたが大みえを切って、独禁法を積極的かつ厳正に運用して大企業を排除しますと言うなら、排除するようにしたらどうですか、現実に。そういう抽象論のことをやっておって、分野法にだけなぜ食いつくのですか。私は本当に片手落ちの処置だと思うんですよ、これは。一遍、森永乳業の問題についてあなたどういう御認識を持っているのか、お尋ねいたします。
○政府委員(澤田悌君) 分野法問題について非常に難癖をつけておるようなおしかりでございますが、決してそうではございません。私どもはこの問題については、具体的にいろいろ申しておるのではございませんので、独禁法のたてまえ上、こういう問題も注意して立法していただきたいということを申しておる次第でございます。 それから具体的な問題につきまして、その内容をいま細かく申し上げる用意はございませんけれども、大企業が中小企業分野に進出するその進出する仕方、これは非常に多種多様でございます。厳格に言って独禁法に違反する場合もございましょう。あるいは違反しないが、大企業であるがゆえに中小企業分野に出ること自体の問題、これの方が実は重要なのでございます。その限界、違反があるかどうかというような限界が非常にむずかしいと同時に、違反がなくとも大企業であるものが中小企業の分野に出ること、これをどうするかということの方が、実は私個人の意見でありますが、大きい問題ではないかというふうに考えております。 したがいまして、これはむしろ通産行政におきまして、そこをよく調整してさばいていただく方が妥当ではないかというふうに考えて、先ほど申しましたように非常にむずかしい問題でありますから、時間がかかるでしょうが、私どもはそういう期待のもとにそれを見守る、こう申した次第でございますので、その辺御了承願いたいと思う次第でございます。
○森下昭司君 質問そらしちゃいかんですよ。ぼくの質問は森永乳業の豆腐業界への進出の実態をどういうふうに御認識になっておるかと聞いているんです。答えてください。御存じないなら、ないと言ってください。
○政府委員(澤田悌君) 私、ただいまその資料を持って参っておりませんので、詳細は後日提出させていただきたいと思います。
○森下昭司君 それが問題なんですよ。そういう森永乳業なり大企業の豆腐業界への進出の実態を全然御認識なくて、分野法でこういう希望表明——それは私は難癖とは言いませんよ。こういう希望を御表明なさっている。それが片手落ちだと言うのです。そして大みえを切っておいでになるんですね、さっきも言ったように。独占禁止法を積極的かつ厳正に運用してこれを排除する。前提は独占禁止法違反の事実がなければいけないでしょう。現実に森永乳業が豆腐業界に進出するのは、独占禁止法違反条項になっていませんよ。ですから、幾らあなたが大みえを切ったって、大企業が中小企業の分野に進出することを防ぐことはでき得ないんです。そういうような御認識で、堂々と公正取引委員長の発言として先日の商工委員会で御発言なさる。私は全くこういうような実態を無視した御発言は実際に納得ができ得ない、かように思うのであります。 私はいわゆる公正取引委員会が、言うならば、不当な手段を用いて云々ということがあります以上は、いま違反の限界というお言葉がございましたが、積極的な姿勢で、中小企業擁護という立場に立って問題を考えるように進めていただくということを、この問題については希望を表明しておきたいと思います。 実は、あと電源開発問題等でちょっと事実問題でお尋ねいたしたかったのでありますが、時間が来てしまいましたので、大変長官以下御出席いただきまして恐縮でありますが、時間がなくて、次回にひとつ譲りたいと思いますのでお許しいただきたいと思います。終わります。
○斎藤栄三郎君 通産大臣が十月七日に述べられました所信表明演説の内容について二、三質問し、かつお教えをいただきたいと思います。 この景気の問題でありますが、いかがでしょうか、いままでの景気は輸出によって引っ張られておった。ところが、最近は輸出が鈍化の傾向にあるということが述べられております。そういうときに、きのうきょうの新聞をにぎわしておりますアメリカの鉄鋼連盟が通商法三百一条に従って通商特別代表部に提訴をしたという問題。これで日本の鉄鋼輸出が非常な打撃を受けるんじゃなかろうかと懸念をし、それがやがてまた景気にも悪影響がくるんじゃないかという心配をしておりますが、その点、大臣はどうお考えになるか、これが第一点です。 それから第二点は、ことしの輸出目標、輸出六百七十億ドル、輸入六百九十億ドルの目標は達成できるかどうか。超過するとすれば、どの程度超過するであろうか。 それから第三番目に、景気論争で非常に問題になるのは、いまの日本の景気はいわゆる成長循環と申しまして設備投資によって景気がよくなるのか、それとも水平循環と申しまして在庫補充によって景気がよくなるのかという問題ですが、大臣はどちらをおとりになりますか。もう一回言うと、成長循環をとるか、水平循環をとるか。設備投資はわずか九%しか伸びない、こういう見通しを立てておりますから、これはやっぱり在庫補充による景気循環だと私は考えます。そうなると、やっぱり大衆の購買力をふやすためには、減税がぜひとも必要ではないかと思います。かねてから大臣は減税を主張しておられまして、その点敬意を表しているわけでありますが、いまでもそのお気持ちに変わりはないかどうか。 以上の問題について御質問いたします。
○国務大臣(河本敏夫君) まず、この輸出の動向でございますが、全体の傾向を申し上げますと、ことしの上半期は昨年に比べまして約二一%伸びております。下半期はこれを若干下回る動きがいま出ておりますので、一七、八%ぐらいになるのではないか、こういうふうに想定をしております。 それから具体的な例として、アメリカに対する普通鋼材の輸出規制の動きが出てきたということでございますが、ずっと毎月の数字の動きを見ておりますと、昨年に比べましてはややふえておりますが、一昨年に比べますと大体二割ぐらいじゃないかと思います。しかし、鉄鋼業界のお話を聞きますと、上半期は相当出たけれども、下半期はこれがまあ鈍化をする予定である、だから、年度間を通じてみれば、さほど大きな差はないんじゃないかと、こういうふうな見通しを立てております。でありますから、アメリカ側におきましてああいう動きが出ておりますけれども、年度間を通じてそう大きな数量の変化がないということであれば、わが方といたしましても、そうあわてることなく、もう少し様子を見守ってもいいのではないか、こういうふうに考えております。 それから景気回復でありますが、やはり何と申しましても、ことしの上半期は輸出に大きく依存した景気の回復であったと思います。しかし、景気回復がずっと永続して、しかも国際的なトラブルを起こさないということのためには、輸出依存だけではなくして、内需の振興ということがこれはもうどうしても必要だと思うんです。そういう意味におきまして、設備投資のさらに活発化も期待したいと思いますし、景気が回復すれば在庫投資もある程度ふえると思いますし、また同時に、国民の消費動向ということも景気に大きく影響するわけでございますから、単に設備投資だけに依存するとか、在庫投資だけに依存するとかということではなくして、輸出の振興と同時に内需全般の活発化を図っていく、こういうことによって景気の回復というものを永続化したいと、こういうふうな考え方でございます。 それから減税問題でございますが、いま党の方でも積極的にいろいろ御議論があるようでございますし、いま私が減税問題について意見を申し上げますと、ややまた誤解を生んでもいけませんので、この意見はちょっと差し控えさしていただきたいと思います。
○斎藤栄三郎君 わかりました。いまの御説明の中で、年間を平均するとそうふえないだろうという御意見でしたが、この一月から八月までの亜鉛鉄板の輸出を見ると一挙に三倍にふえている、集中豪雨のような進出ぶり。これが非常に問題なんで、幾ら輸出をすればいいからといって、一挙に三倍というのはどうかなと、私も日本人でありますけれども考えますね。そういう点はいかがなもんですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 業種によりましては、いま亜鉛鉄板の話が出ましたが、たとえばカラーテレビなども三倍にふえておる、こういう実績が出ておりますが、一カ所に、しかも短期間に集中豪雨的な輸出が出るということは、やはりその国の、特にその地域における産業に非常に大きな影響がございますから、仮に相手方からいろいろ抗議が出ていなくても、やはり輸出する側としては慎重に配慮する必要があると思います。
○斎藤栄三郎君 次に、物価についての大臣の御意見を拝読いたしましたが、どうでしょう、小売物価が年間八%も上がるなんてことで物価の安定なんて言えるでしょうか。一体大臣は小売物価の理想の姿というのはどういうものをお考えになっておるか。私はこう思うんです。私は、その国の定期預金金利の半分程度の物価上昇をもって理想とすべきであって、定期預金金利がいま六・七五%のとき八%も上がって、これで物価が安定したなんて言っているのは、庶民感覚から見ると非常な間違いじゃないだろうか。目減りの問題というのは依然として残っているわけです。これが第一。 それから第二は、物価上昇に非常に大きく影響しているのは、私は管理価格の問題だろうと思う。たとえば、ステンレスなどというものを例にとりますると、ステンレスでも鉄でもそうでありますけれども、大手メーカーが価格を決めて問屋に押しつける。問屋は小売屋に押しつける。それをノーと言えばもう品物はもらえない。だから泣く泣くそれを承知せざるを得ない。そういうようなときに、繊維の産業構造改善論の一つとして、商品取引所の廃止論というのが出ています。 私は商品取引所というものは、ヘッジの作用と、需給の調整と、公平なる価格決定という、三つの役割りを持っていると思うのです。この二、三年の商品の動きを見ておりますると、商品取引所で上場されているものは、それが暴騰、暴落はあっても、年間を通じてみると、非常に価格が落ちついて、安い。そうじゃなしに、管理価格のものは非常に高くなっている。こういう点から見ると、商品取引所の廃止論を大臣はどうお考えになるか、物価の観点からお伺いいたすわけであります。 もう一回言うと、小売物価のあるべき姿はどうか。もう一つは、商品取引所を廃止するという議論が出ているが、そんなことをしたら物価はかえって暴騰しちゃう。真の物価というものは、需給関係によって決まるべきものであって、管理価格によって決められるべきものではないと私は考えますが、御意見をお伺いしたい。
○国務大臣(河本敏夫君) 第一の物価問題につきましては、私も全く同意見でございまして、ことしは一応八%台ということを目標にしておりますが、実際は、銀行の定期預金あるいは農協、郵便局の預金金利等の水準から見ますと、まだ若干高いわけでございます。これではやはり目減り問題が当然起こってまいりますし、庶民感情としては納得できないと、こういう感じが当然残ると思います。 したがいまして、これは政府の方も前から何回か言っておりますように、来年度はどうしても預金金利並みに物価水準を持っていきたいというのが来年度の目標になろうかと思います。さらに将来の理想としては、いまお述べになりましたように、金利の半分以下である、当然最終の目標は私はそういうことでなければならぬと思います。 それから同時に、商品の価格というものは、需給関係、経済原則によって決められるべきであると、管理価格によって決めるべきではないと、こういう御意見につきましても全く賛成でございます。そういう意味におきまして、商品取引所がいま三つの機能を果たしているということを言われましたが、これもそのとおりでございまして、一部の商品の取引の廃止というふうな動きに対しましては、どうしても慎重に検討せざるを得ない。軽々に断を下すべきではないと、かように考えております。
○斎藤栄三郎君 大臣の答弁で満足です。 その次に、中小企業対策の問題でありますが、景気がよくなったと言うにかかわらず、九月のごときは一千三百五十七社も倒れている。で、景気がよくなったにもかかわらず倒れているということについては、経営者も反省しなければならぬ点があろうと思いますけれども、根本は私は、中小企業が借金経営である、自己資本の足りないというところが根本だろうと思います。昭和三十年に日本の企業は自己資本が三九%、四十九年が一八%、現在は一五%を割っているのです。一体この自己資本の充実にどういう手をお打ちになるのかということです。耐用年数を圧縮して、できるだけ内部蓄積をふやすようにひとつ希望をしておきたいと考えます。 それから第二は、仕事がなくてつぶれる場合が非常に多いことはもう大臣もよく御承知のとおりだろうと思います。もっと中小企業に優先発注の量をふやしていただきたい。具体的に言うと、一九七五年の優先発注が三二・六%、ことしは三四%だと言っておりますけれども、この三千万の中小企業に対して三四%出して優先発注事足れりとお考えかどうか。もう少しこれをふやすお気持ちがあるかどうかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) まず最初に、自己資本の充実の問題でございますが、これもいま数字を挙げての現状の御説明がございましたが、そのとおりだと思います。 そこで私は、なぜそんなに自己資本が少なくて、借入金の比率が大きくなったかということでございますが、やはりこれは高度成長に影響があったと思います。拡張拡張ということが相次いだということが借金経営が中心になったと、こう思うんですが、これからはやはり安定成長ということになりますと、だんだんと自己資本充実の機会も出てくるのではないかと思います。しかし、いずれにいたしましても、利益が上がるという態勢でございませんと、償却しようにもしようがありませんから、やはり安定成長の時代を迎えて、しかも産業界全体が適正な利潤が上げられるというふうな経済に持っていく必要があろうかと考えております。 それから第二段の中小企業に対する発注でございますが、これも昨年とことしの実績及び目標についての数字を挙げての御説明がございましたが、そのとおりでございます。毎年一%ないし二%ずつ目標を引き上げておるわけでございますが、なかなか関係各省ずいぶん細かい折衝を続けたのでございますが、残念ながらことしは三四%という目標になっておりますが、来年度は少しでもこれを引き上げなければならぬ、こういうふうに考えております。ただ、この際申し上げておきたいのは、県及び市町村等、地方での公共事業の中小企業に対する発注の割合は約七割ぐらいになっております。中央の分と合わせますとほぼ五〇%という数字になっておるわけでございます。中央の数字が比較的少ないのは、これはやはり大規模な仕事が多いということと、しかも高度の技術を必要とする仕事が多い、こういうことに原因があるわけでありますが、しかし、これとても工夫することによってある程度は引き上げられるのではないか、かように考えますので、今後ともその方向に努力をしてまいる所存でございます。
○斎藤栄三郎君 大臣にちょっと申し上げますが、私の全く見ず知らずの方ですが、長野県中野市大字更科、そこから梅松という人が手紙をきのうくれまして、いままで自分のところがもらっていた注文が、東京から進出してきた大きな業者にとられちゃっているというようなことを訴えているわけです。私は、これはまだ自分で直接この人に会って聞いたわけじゃありませんけれども、各地で聞くことは、どうも相当小さな仕事まで大企業がさらっていっちゃうというようなことなんで、いま大臣のお言葉ですと、地方では七〇%ととおっしゃいますが、ぜひひとつ中央でももう少し目標を高めていただきたい。いま三四%のやつを少なくとも来年は四〇%ぐらいにするんだということを大臣がここで表明なされば、ほかの官庁も足並みをそろえるのではないかと思いますがいかがでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 建設省の方でもこの点は十分理解をしていただいておりまして、できるだけこの中小企業関係に仕事をふやすように指導をしていただいておりますが、いまお述べになりましたような事例があるといたしますと、私も建設大臣に重ねてお願いいたしまして、今後ともそういうことのないように十分指導をしていただきたいと思います。 それから、来年度の目標を一挙に四〇%に引き上げよというお話でございますが、若干は引き上げなければならぬと考えております。できるだけ高めに持っていきたいと思いますが、いまここで四〇%にするという約束はできませんけれども、できるだけ上げていきたいと、かように考えます。
○斎藤栄三郎君 次に、大臣の述べられたエネルギー問題でありますが、過去の御努力に対しては十分私も評価をいたします。敬意を表しますが、問題は、この十二月にカタールで総会が開かれて、一〇%ぐらいの値上げが行われるであろうと伝えられております。それに対する対策はお立ちかどうかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 昨年の十月一日から、御案内のように一〇%の値上げがございまして、この五月のバリ島の総会では見送りになったわけでございます。しかし、いまお話しのように、十二月のカタールでの総会では慎重論者であったサウジアラビアなどもやや意見が変わった、こういうふうに伝えられておりまして、その点アメリカと並ぶ大消費国であります日本といたしましては、非常に心配をしておるわけでございます。 現在のOPECの生産状況を見ますと、能力が三千八百万バーレルに対しまして昨年は二千七百万バーレル。現在はほぼ三千百万バーレルぐらいじゃないかと思うんですが、したがって相当余力はあるわけでございまして、需給関係から見ますと、つまり経済的な観点だけから見ますと値上げすべき理由はないのでありますが、過去のOPECの石油価格の取り扱いというものはすべて政治的判断によって行われております。したがいまして、どういうふうになりますか、その瞬間までなかなか予測をするということはむずかしいと思いますが、大勢としてはそういう傾向が非常に強くなっておるということは否定できないと思います。 ただ、先ほども申し上げましたように需給関係からくる値上げではございませんので、仮に若干の値上げがございましても、そこは私は交渉の余地が十分あろうと思います。実は、昨年一〇%の値上げのときも比較的高い国は値上げをしないで済ましておりますし、また、きわめてわずかな値上げで済んだところもございます。あるいはまた表面は一〇%の値上げになりましても、支払い条件の緩和等がありまして、実質は五、六%におさまったところもございます。そういうことでありますから、私は今後とも石油業界が、外国からの石油の輸入価格につきましては、あらゆる工夫と努力を続けていただいて、少しでも安い石油を安定的に輸入するように、長期的な観点から努力をしていただきたいと、かように考え、同時にそのような方向で行政指導をしておるところでございます。
○斎藤栄三郎君 ぜひひとつ、その述べられた御意見の方向で一段の努力をお願いしておきますが、いかがでしょうか、いままでおやりになった施策で総合エネルギー調査会の石油部会が述べられた、いわゆるわが国で必要とする石油の三〇%を自主生産、自主供給をしたいという、その目標は達成できましょうかしら。 私はもう素人でよくわかりませんが、たとえば大陸だなの開発についても、四十二本井戸を掘っても四本しか油が出てこない。日本の石油会社が六十四社もあっても、現実に活動しているのは八社である。だから計画どおりいけばそれは御心配ないだろうと思いますが、どうも日本人の性格的な欠陥でしょうが、ぱっとはなやかに咲くけれども、すぐ散っちゃう。これで一体エネルギー問題の解決が安心かどうかということを大臣にお伺いしたいと思います。 それからもう一つは、これまたすぐ忘れちゃったようにやめちゃったんですが、もっと節約運動というのを強力に展開しなきゃいけないんじゃないでしょうか。四十八年の年末は各工場へ行きますと、みんな歩きましょうとかエネルギー節約のスローガン掲げられておりましたが、最近はほとんど見られなくなりました。アメリカ大統領選挙に際しても、ジミー・カーターとフォードの大きな討論の一つのテーマが油問題だし、節約ということを大きく取り上げられておりますが、大臣はこの点についてどうお考えになるか。目標が達成できるかどうかということをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 政府の方では昨年一カ年間継続いたしまして総合エネルギー対策閣僚会議を開きまして、年末に最終の結論といたしまして、今後石油依存率をできるだけ引き下げていこうと、現在は七八%の依存率でありますが、十年後にはこれを六三%に一五%引き下げようと、まあこういうことを目標にいたしまして努力をしようということを結論として出しましたが、それでもやはり輸入量は五年後には四億トン、それから十年後には五億トンということで、相当絶対量としてはふえますので、自主開発原油を三割確保するということはなかなかの難問でございます。現在は日本の必要とする油のほぼ一割、三千万トンが自主開発されておりますが、十年後の三割といいますと一億五千万トンからの開発をしなければなりませんので、これはよほどの努力を必要とすると思います。 それにいたしましても、これまでのように比較的偏った開発地点の選択ではなくして、世界各国のそれぞれの事情を十分勘案しながら、開発地点を選択しなければならぬと考えておりますが、たとえばOPEC諸国以外にも、アラスカとかあるいはブラジルとか、そういうところから積極的な誘いがありますから、そういう方面に対しても私は積極的に参加をしなければならぬと考えております。 それから同時に大陸だなについてのお話がございましたが、まあ四十本ばかり掘りまして、ようやく先般経常に乗るような開発に成功したわけでありますが、阿賀沖の成功でありますけれども、石油換算いたしまして、ガスも含め年産八十五万トンでありますから、まあ日本全体の消費量から見ますると微々たるものでありますけれども、しかし成功したということはこれは非常にまあ将来の開発事業に力づけになりまして、私どもも喜んでおるわけでございます。しかし何と申しましても、今度日韓共同で開発しようとしておりますあの大陸だな周辺は、膨大な埋蔵量が想定をされておりますので、ぜひともあそこに手をつけていきたい。まあ、日本に近いところだから日本だけでやったらいいじゃないかという議論もありますけれども、しかし現実問題として、そういう議論をいたしますと永久に開発できないということにもなりますので、韓国には韓国の意見もあり、そういうことで一昨年一月の条約の締結となったわけでありますから、一刻も早く国会で批准をしていただきまして、あの大陸だなの開発が軌道に乗るということを期待をいたしております。 石油につきましては、こういう開発問題のほかに備蓄の問題、節約の問題、いま御指摘のとおり大きな課題であることはもう論を待ちません。引き続きまして開発、備蓄、節約ということに対しては今後とも努力を続けていかなければならぬと考えます。
○斎藤栄三郎君 最後の質問であります。この大臣の述べられた対外経済政策の中でございます。 ブラジルから大統領がいらっしゃいまして、日本から約三十億ドルになんなんとする援助を与える、私は賛成だと思います。ただ、中小企業の方に会いますと、おれたちはこんなに苦しんでいるのになぜ外国に援助するんだと、ぴんとこないという意見がかなり多い。もっともだと思うんです。私はああいう発表のときに、なぜブラジルにこういう援助を与えるのかということをもっと詳しく説明してあげなきゃいけない。たとえば日本の電力だと、アルミ製錬に一キロワット十円かかるんだ、ブラジルでやれば一円で済むんだと、だからどうしても向こうでやる方がコストの面で見ても大事だし、資源ナショナリズムで、ボーキサイトは勝手に持ってこられないんだというようなことをもっと懇切丁寧に説明してあげないと、国内においてこんなに困っておるときに、なぜ三十億ドルの援助が必要なんだという気持ちを持つんじゃないか。その点について、どうも政府の説明が不親切ではなかったかと私は感じますが、大臣はどうか。 第二点は、これからの開発援助の金額をもっとふやさなきゃだめだと。GNPに対して〇・二四%しかやっていない。国連の勧告では〇・七%にせよと言っております。大臣はこれについてどうお考えになるか。この二点をお伺いして質問を終えます。
○国務大臣(河本敏夫君) ブラジルとの間の幾つかの懸案が今回解決したわけでありますが、総額にいたしまして三十億ドルということは事実であります。しかしこれも数年間にわたる援助でございますので、協力でございますので、私は、一年ごとの金額にいたしますとその金額は非常に少なくなるわけでありますが、やはり説明不十分ということのために、何かまとめて一遍に三十億出すというふうな誤解も与えておるようであります。でありますから、そういう点に対する説明であるとか、あるいは日本は資源が全然ないので、やはりブラジルのような資源大国とは長期にわたる友好関係、経済協力関係を深めていきまして、日本の長期にわたる経済の安定のために役立てなければならないのだと、こういう説明も機会を通じて十分しなければならぬということを、御注意のように今後ともやっていかなければならぬと思います。 それから同時に、この開発援助についての数字を挙げての御説明がございましたが、やはり日本といたしましては、最近の実績が目標を相当下回っておりますので、しかも国際収支の関係もずいぶんよくなってまいりましたから、私はこの開発援助の数字を、いまお述べになりましたようにもっと積極的に引き上げていくべきである、そういう日本の力はいまついておる、こう思いますので、そういう方向に持っていかなければならぬと思います。
○委員長(柳田桃太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。 午後は十二時三十分より再開いたします。 午前十一時四十五分休憩 —————・————— 午後零時三十五分開会
○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○対馬孝且君 まず最初に、北炭の再建計画に関しまして通産大臣にお伺いをいたしたいと思います。 まあ今日の北炭の現状については、すでにおわかりでありますが、いまなお十三名の遺体が坑内の中に閉じ込められているわけであります。遺族の怒りはもとより、地域住民もこの北炭再建の行方がどうなるかということで非常に心配をいたしているわけであります。したがいまして、大臣にも数十回現地の代表等とも会見していただきました。 一つは何といっても私は石炭政策の二千万トン体制という柱が一つあります。いま一つは三笠の約二万人の人口が、この幌内が再建できなければ二万の地域住民が崩壊をする、こういうきわめて重大な課題になっているわけであります。したがいまして労使双方といたしましても、もはや今日の段階では決定的大詰めの段階にあると、こう私も判断をいたしているわけであります。それなりに危機感を持って対処をしているんでありますが、大臣にお伺いをしたいことは、この段階で大臣としてどういうふうにこの問題を、再建の方途を考え出していくべきなのかという、まずその基本姿勢についてとりあえずお伺いをしたいと、こう思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 北炭の経営責任は会社の社長にあるわけでございますから、まず会社側が再建計画をつくるということが、これはもう当然の先決条件だと思います。会社側が労働組合とよく相談をして、そうして着実な再建案というものを至急につくっていただきたいと、こう思います。それが出ましたならば、内容をよく検討して、そうして政府としての考え方を決めたいと、かように考えておるわけであります。 先般北炭の萩原会長が、この問題で一回私に会いたいと、よく考え方を説明したいと、こういうことでございましたから、まだ最終案ができたということは聞いておりませんが、中間報告として多分説明されるのだと思いますが、きょう夕方来られることになっております。
○対馬孝且君 会社の再建案が基本になって態度をお決めになるということですから。 そこで私は、去る十月八日に衆議院石特委員会で萩原参考人の発言を傍聴いたしてまいりました。ここでちょっとお伺いしておきたいことは、八月十三日の役員会でまとめられました北炭再建案というのは、当初常盤坑再建案というのが柱になりまして再建案が出されました。これは会社がみずから再建案をつくったというよりも、石炭鉱業審議会の専門委員会のメンバーの、言うならばそういう方針に従ってあの案をつくらざるを得なかった、こういう実は表現になっているわけであります。これはどうも話が違うので、われわれが今日まで通産当局から聞いているのは、あくまでも会社が自主的に労使再建案をつくってもらいたいと、こう言いながら、実は萩原参考人の証言によると、実はこれは専門委員会の通産省の方からこういう再建案でやれと、こういう双方のコンセンサスを得て、八月十三日の常盤坑案になったと、こう言っているわけですよ。こうなりますと、大分話が違ってくるんですね。いま大臣が答弁したことと基本的に違いが出てくるわけです。 しかも、この幌内鉱の再建のためには、常盤坑案で行ったとしても百五十億は必要なんだ、残りの五十億をどうするかということの問題だと、二百四億ですから。したがってそうなれば常盤坑自体の再建でも百五十億かかるんだから、後の五十億があればこの全面再開案は可能ではないのか、こういう萩原発言になっているんでありますが、特に常盤坑の場合は採炭条件が、私も炭鉱マンですから、三十年炭鉱やってきていますからわかるんでありますが、常盤坑は急傾斜でもって非常に条件が悪い。保安上の保証はない、率直に申し上げて、私も現地へ行っていますから。そうなるとこれは現実性がないわけですよ。現実性のない案を押しつけておいてだね、これがけしからぬではないかという言い方になったって、これは筋は通らないんじゃないか。この関係を、短い時間ですからポイントだけひとつ明快に、通産省のこの点の食い違いの点をひとつ明らかにしてもらいたいと、こう思います。
○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。 私どもは、この北炭の問題につきまして経営部会で検討をいたしておるのは御案内のとおりでございます。この北炭の各山の現状につきまして、それが現状がどうなっておるかという点についての勉強はいたしたことはございます。しかしながら、いま御質問がありましたような常盤坑の案でいくんだという案をおまとめになった点につきましては、これは通産省が指導したという点、これははっきり申し上げますが、私どもは指導はいたしておりません。あくまでこれは、会社がどういう案がいいかというのはいろいろな組み合わせがあるわけでございますから、会社として会社側の責任と判断において、こういう案でいこうという御判断をされたというふうに私どもは了解しております。
○対馬孝且君 そこで、この萩原さんの言っていることについてはそれなりに私はとらえていますよ。考え方についてはとらえていますが、これ一般論的には説得力を持っているんですよ。 なぜかというと、幌内鉱を全面復旧すれば、これはまだ炭量としては一千三百万トンぐらいある。仮に百四十万トン体制でいったって十年間あるわけだ。そうすると、結果的にはこれが百五十億、まあ二百四億投資をしたとしても、結果として萩原証言によれば八十億の大体増収になると、こういう言い方になっているわけですよ。ところが常盤坑方式の場合はこれは説得力を持たないんだよ。むしろ保安上重大であり、自然条件が悪いということははっきり言っておる。炭鉱の採掘条件で第一の大事なことは保安ですよ。これは大臣がいつも言うとおりだ。それが適切でないということになればこれは当てはまらぬ。当てはまらぬところへもってきて、なお赤字は克服できないと、こうなったらまるっきりこれ筋通らぬですよ、これは。 ところがいま石炭部長の答弁聞くと、通産省はそういう指導した覚えはないと言うが、あなたも聞いておったと思うけれども、あそこで萩原さんの証言は明確に言っているわけだ。これは事実と違うなら違うと、萩原証言が事実でないなら事実でないということをはっきり明確にしてもらいたい点と、これはなぜかというと、私は十九日に萩原参考人を呼ぶことになっていますからね、この点を明快にする意味でひとつ解明しておきたいと思います。 二つ目は、説得力の点で言っては萩原さんの考えていることが一般論的にあるんですよ。それから実際に遺体を揚げるとすれば、私も炭鉱マンですから、立て坑から遺体を揚げればそんなに金かからぬ。これは私なりに素人でありませんからわかっています。わかっていますが、一応そういう論理を持ってきている限りは、これがやっぱり一つの方式なんです。これはいいとか悪いとかは別ですよ、私の言いたいのは。しかしその点についてどう考えているか、むしろ説得力はあるんじゃないか、私はそう思う。この点どうですか。
○政府委員(島田春樹君) いま申し上げましたように、北炭問題について、北炭の再建案についていかなる案をとるべきかという点につきましては、これは各山の状況、それから組合との関係、あるいは将来への展望等々いろんな複雑な問題があるわけでございます。 そういう点をいろいろ勘案いたしまして、どういうかっこうにすれば北炭として再建できるか、またその中で幌内をどういうふうにしたらいいかということにつきましては、これはあくまで会社が自分の責任で、これならいけるんだという判断のもとに行うべきものだという考え方は、私ども終始一貫変わっておりません。したがいまして、私どもが指導をしたからそういう案になったんだというふうには私どもは全然考えていないということでございます。 それからいま第二点の御質問につきましては、大臣から再々申し上げておりますように、いま私も申し上げておりますように、どういう案でいくべきかという点につきまして、いま労使で話し合って、どういうかっこうの案が最適であるかという会社みずからの考え方を、みずからの責任においてまとめつつあるわけでございますから、その案の出てくるのを待っておるというのが現状でございまして、いまの段階でどちらがどうかという議論は、私どもとしては、会社のこういうかっこうが一番望ましいという案が出てきた段階で、専門委員会の検討をお願いしながら結論を出すべき問題だと思っております。
○対馬孝且君 そこで私は、ひとつ大臣に次の点をお伺いしたいんですが、いま石炭部長からそういう答弁がありましたが、それは食い違いとして、十九日に萩原会長に証言をただしてまいりたいと私は思うのです。 問題は、私はいま大事なことは、大臣も政府側も強調されているように、労使がまず意見の一致をしてもらいたい、これは盛んに大臣も言われているわけで、これは同感なんです。二つ目は、やっぱりユーザー、市中銀行に対するどういう説得力を持つか。三つ目は、やっぱり政府に対する説得力、こう私は思うんです。これが三つ総合してこの再建案が成り立つ、これはお認めになると思うのですね。 そこで私が聞きたいことは、いま大詰めの段階に来ているわけですから、きょうも実は北炭と炭労との間に交渉をやっているわけです。そこで、これが労使間で意見の一致をして、幌内の全面再開確保を含めて再建案が労使でまとまった、こうなった時点で、通産当局として、政府側として、その案に対して受けて立つ、全面的にひとつ協力をしていこうではないか、こういう基本姿勢がない限り、ぼくは労使は意見の一致はできないと見ているのですよ。あくまでも労働組合としても、この段階ですから、いまや断崖絶壁に立たされている北炭の現状であるという現状認識をしておりますから、合意に達する努力でいま全力を挙げております。 その場合問題になることは何かと言いますと、労働条件は、賃金、期末手当は五〇%でがまんせいと。これで生産意欲を燃やせったって燃やせないわけですよ、本当のことを言えば。こういう問題があります。 それから資金対策はどうだと言えば、当然これは私企業なんですから、萩原氏自身が金をつくるべきだ、私財をなげうっても金をつくってこいと、われわれは強引に言っていますよ。もしそういう決意をなされて、一応の資金対策も自己資金として会社がやってくると、そういう基本的な条件も含めながら、合意に仮に達したとしたならば、この場合、ひとつ通産大臣としてこの再建案についてどういう姿勢をお持ちになるかと、これをお伺いしたいわけです。
○国務大臣(河本敏夫君) いま申し上げましたことを繰り返しますと、労使が合意のもとに着実な案をつくってもらいたい、着実ということを私は申し上げたわけでございまして、ぜひともそういう案ができることを期待しております。いま案ができない段階で、どうするこうするということはちょっと言えないと思うのですが、いずれにしても着実な案が一刻も早くできることを期待しております。
○対馬孝且君 そうしたら、着実な案というのは、いま言ったように、私はこの段階だから申し上げているので、いずれにしても十五日がタイムリミットだと、こう言っているわけですよ、政府側はね。その線に合わして労使がいまとにかく結論を出すと、こう言っているわけでしょう。 だからその段階で、私らが言っている原則を私が言ってるんですよ。労働条件が相当シビアなものであると、それも乗り越えて労使が調印をする。あるいは資金対策は、常に大臣が言われているように、みずから金をつくってこないで、国民の税金を使うというのはけしからぬではないかと、そのとおりだと言うのですよ。そういうことの姿勢も北炭としてはやってまいりましたと、こういうことで合意に達したとすれば、その段階でまた検討しますと言うのじゃなくて、私は具体的に金額が何ぼ何ぼだと、そんなことを言ってるんじゃないのですよ。基本姿勢としてその段階で、冒頭言ったように、二千万トン体制、二万の人口が壊滅をするという、こういう幌内の現状を考えた場合に、北炭再建については、当然全面的にやっぱり協力をするという姿勢にお立ちになるのがまた政府の姿勢じゃないでしょうかと、こういう原則的な考え方を私はお伺いをしているわけです。
○国務大臣(河本敏夫君) 着実な案ということは、これはもうよくおわかりいただいておると思いますが、やはりユーザーとか債権者、主力銀行等もそれならよかろう、こういう案でなければいかぬと思いますし、それからやはり国民経済全体から考えて、とっぴな案だというのもこれ困ると思うんですね。国民経済全体から考えて、やはり着実な案ということでなければならぬと思います。 それから二千万トン体制はもちろんこれは遂行しなければなりませんけれども、これにはやはり前提条件があるわけでございまして、保安対策も十分しなければなりませんし、環境保全もしなければなりませんし、それからまた限界コストということも考えなきゃならぬ。と。いろんな前提条件を考えながら二千万トン体制を進めていく。何が何でも保安体制を無視したり、あるいは限界コストを無視してもやる、こういう意味ではございませんので、そういう意味でことしは二千万トン若干減りますけれども、千八百六十万トンということを想定をしておるわけでございます。しかし、石炭というものは大切なエネルギーでござますから、いま申し上げましたように会社がとにかく努力をしていただいて、私は工夫と努力をしていただかなければならぬと思うんですが、そして至急に着実な案をまとめてもらいたいと、こういうことを期待しております。
○対馬孝且君 そこで着実な案をつくって、石炭というのは重大な問題だから、それなりに政府側としては努力をするということですからそれはいいんですが、そこで具体的な問題として私はやっぱり現行法の制度の枠内だけでは今日の幌内再建、北炭再建の復旧ということは困難ではないかと、こう考えるわけですよ。 そこで具体的に申し上げるのでありますが、たとえばこの幌内炭鉱のような重大災害が発生した場合に、やっぱり現行法の中では、保安対策に対する重大災害資金の手だてをするということになってないわけですよ。合理化臨時措置法を私も検討してみましたが、ないわけですよ。したがって、この段階で大臣にも何回も訴えているのでありますが、ひとつ現行法の枠内を超えて、幌内再建あるいは北炭の再建というものを考えてもらわなければならないので、これは私は北炭だけに限らず、今後重大災害が発生した場合、何らかの特別措置を講じなければその炭鉱はもう全部終わり、こういう危険性が今日の、危険性というよりもこれは幌内炭鉱で実証済みじゃないか、こう私は判断するわけです。 この点について政府当局としてどういうふうにこの問題を考えていただけるか、ぜひこれはひとつそういう方向で検討していただきたい。同時に前向きにひとつこの問題を処理してもらいたい、こう考えるわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 現行法の枠を超えて災害対策を図るというようなことも、当然また考えてみなければならぬと思いますが、仮にそういう問題が起こった場合には、やはり私はこの石炭政策は、日本だけの立場ではなくして、やっぱり世界的な立場から、エネルギー政策の一環でございますから、考えていかなければならぬと思います。たとえば石油と違いまして、石炭の埋蔵量は十一兆トンというふうに想定されておりまして、その中から採掘可能なものでも相当あるんじゃないか、いわば無尽蔵である、こういうふうに言われておるわけでございまして、現在でもすでにわが国の輸入量は七千万トンでございまして、五年後には一億トン近い輸入量ということになろうとしておるわけでありますし、今後は一般炭の輸入等も考えなければならぬわけであります。 でありますから、世界的な規模においてやっぱり石炭政策を解決する、その一環においていろんな問題を考える、こういうことが必要じゃないかというふうに私は思いますが、いずれにいたしましても、現在のところ再建案が出まして、その再建案を見た上で、石炭鉱業審議会の意見等も聞きまして結論を出したいと、かように考えておる次第でございます。
○対馬孝且君 一応再建案を見た上で検討するというのは結構なんですが、私の言っているのは、幌内炭鉱に限らず、来年度の法改正に、これは御案内のとおり石炭及び石油対策特別会計が来年三月三十一日をもって終わりなわけですから、昨年の商工委員会でも言われておりますように、法の全般的な見直しをいたしてまいりたい、こう当時の高木石炭部長からもお答え願っておるわけですから、私はそういう視点で、幌内炭鉱を含めて重大災害というものに対しての、何らかの法案の措置というものを検討すべきじゃないかと、この点なんですよ。この具体的なことについてちょっとお答え願いたいのです。
○国務大臣(河本敏夫君) 現行法を改正するとか、あるいは新しい制度をつくるということも当然検討しなければならぬ課題だと思いますが、いま私が申し上げておりますのは、仮にそうなった場合に、やはりこの石炭政策というものは世界的な規模において再検討、見ていくということが必要だと思うのです。石油と同じでございまして、石油も日本近海の大陸だなだけを対象に石油政策を進めるわけにまいりませんので、やっぱり世界全体のエネルギー事情、石油事情というものを考慮しながら、石油政策というものを進めておるわけでございますから、そういうことを申し上げておるわけでございまして、すべての問題に対して、よほど幅広く配慮を払っていく必要があるだろう、こういうことを言っておるわけでございます。
○対馬孝且君 幅広く検討するということを否定しているのじゃないんですよ。私は法改正がされるということが来年の時点にきているから、その法改正の中で、保安問題ということを検討する段階にきているのじゃないかと、その中に特別重大災害資金——まあ制度というようなことにこだわっているのじゃないけれども、何かそういうものを考えなければ、事実上炭鉱を救うということにならないのじゃないか。それは世界的視野というのはいいのですよ、それを否定しているのじゃないのですよ。そういう具体的な問題についてどう考えるかと私は聞いておるわけですよ。
○政府委員(橋本利一君) 先生御承知のように、従来災害の場合には、企業努力を当然前提としてでございますが、いわゆる経営改善資金を活用することによって対処してきたわけでございます。 最近、御指摘の幌内炭鉱の事故を契機にいたしまして、重大災害の際における特別資金制度を考えろ、こういう御趣旨でございます。私たちすでに大臣からの指示がございまして検討はいたしております。ただ従来の制度との関係だとか、あるいは財源等との関係、いろいろ問題点まだございまして、そういった観点から現在検討を急いでおる段階でございますが、いまの段階でまだ結論申し上げるまでには至っていない、こういうことでございます。
○対馬孝且君 それではこの問題についてはひとつ検討するということを約していただきたいと思いますが、そういう理解をしていいですね、いまの問題は。
○政府委員(橋本利一君) 検討を続けていくということでございます。
○対馬孝且君 そこで私は、幌内炭鉱の再建問題にあわして、再建案が出てから徹底的な検討をするということですから、もう一問だけ申し上げますけれども、幌内再建計画に関連をして北部開発という問題が、これはまた今後の、いまの問題でなく将来問題として出てくるわけですが、この位置づけについてちょっとはっきりしておきたいのですよ。 これは当初会社側で一案から一、二、三、四——四案まで検討されたことがあります。一つは立て坑採掘による方式、まあ遺体を揚げるための方式あるいは斜坑方式、北部開発、常盤坑と、こういうように四つ並んだわけですがね、その中で北部開発というのは将来有望なやっぱり開発である。そこで、炭量は御案内のとおり二千百万トンという炭量があって、仮に百四十万トン体制でいったとしても十五年間あるのですよ。こういう問題を考えていけば、私は少なくともこの今回の幌内再建の一環として、路線の位置づけとしては、北部開発ということは重大なやっぱり路線の方向として求めるべき価値があるのじゃないか、こう思うわけですよ。この点について政府として、北部開発についてどういうお考えをお持ちになっているか。私はそういう意味では、これをむしろ私の考え方としては、新鉱開発という位置づけで政府が態度をとることが、資金対策その他からいってむしろ道が開けるのではないかと、こういう判断をしているのですが、この点いかがですか。
○政府委員(島田春樹君) 先ほど御説明いたしましたように、この北炭再建問題について当初いろいろ勉強し、事実関係、問題点等を検討いたしました際に、いま御案内のようにその一つとして北部の問題というのも勉強いたしておるわけでございますがいまの段階では、いま幌内をどうするかというのが当面の課題でございます。ただ将来の展望といたしまして、当面の問題の検討の後に将来の課題として北部の開発というものをどう考えるかという問題も、従来もこの問題というのは御指摘があったところでございますので、われわれの方としても、将来の課題としては検討をいたしたいというふうに考えております。
○対馬孝且君 その場合はあれですか、新鉱開発という位置づけはどうですか。そういう位置づけをなぜぼくはこだわるかというと、単なる開発ということよりも、新鉱開発という位置づけでいった方が資金手だての方法がやっぱり可能ではないかという判断するものですからね。まあ、検討するというんだからそれはいいけれども。
○政府委員(島田春樹君) どういうかっこうが可能かにつきましては、もうしばらくやっぱり検討した上でないと答えが出てこないかと思いますので……。
○対馬孝且君 これひとつ検討していただいて、当然これからの幌内全面再開につながるやっぱり重大なポイントですから。これはひとつこの再建案が出た段階で、ひとつの方向を求める意味で結論を出してもらいたい。このことをひとつお約束してもらいたいと思うんです、いかがですか。
○政府委員(島田春樹君) 先ほどお答えいたしましたように、将来の課題として検討したいというふうに考えております。
○対馬孝且君 そこで大臣ね、もう一つだけ確認をしておきたいんですが、いずれにしても再建案を見て、とにかく地道なというか、堅実な案というものが仮に出るというふうに、まあ期待してわれわれもやっているわけですから、それはその段階で、私が言ったように会社も全部資金を持ち出すし、とにかく労働者も犠牲を払う、結果的には。そういう答え以外に再建案というのはないんですよ、どう言ったって。そのときに政府は、これではけしからぬ、あれではけしからぬということでこれが御破算になるということを、みんないま幌内の住民や北炭の住民は心配をしているわけですよ。私は何も萩原発言というものについては、私はあれは政商屋だから、政商屋的男だから、あれはロッキードの話題に上った男なんだから。あんなものは信用しておりませんよ、私は。信用してないだけに、この問題についての考え方をきちっとしておかなければならぬという意味で私は聞いているのであって、そこを間違わないようにしてもらいたいんだが。 そこでそういう問題を、先ほど言ったように労働者も犠牲を払ったと、あるいは北炭みずからもやっぱり答えを出したと、資金手だてもしたと、こういう段階で一つのやっぱり案がまとまったとすれば、私はこれは堅実に地道なものになると思うんですよ。そういう意味でのひとつ大臣に対して最善の協力を願わなきゃならぬと、この点についてもう一度ひとつお伺いしておきます。
○国務大臣(河本敏夫君) いずれにいたしましても、私は労使双方がよく相談されて、実現可能な具体的な案を一刻も早くつくっていただきたいということを熱望しております。
○対馬孝且君 それではそういうことでひとつ。時間もありませんから次の問題に移らしていただきます。 それでは、灯油問題につきましてひとつ大臣の考え方をまずお伺いをしたいと思います。 御案内のように、北海道にこの間政府調査団を出していただきまして大変ありがとうございました。 ところが、行っておわかりになったと思うんですが、けさほど北海道の通産局が全国的な灯油の趨勢につきまして出していますが、これ若干違っていますね。私のところに九月末現在で北海道の道消費者協会から来ているのは、十八リッターで七百三十七円となってきているんですよ。これどこでお調べになったかわかりませんけれども、けさほどの新聞あるいはきのうのテレビニュースを私も見していただきましたが、これでいきますと北海道が七百二十一円となっていますが、現実に北海道の消費者協会、道庁がお調べになっているおひざもとで出したのが、七百三十七円ということできているんです。これはどうも私は、どこを根拠にしてとったかは別にして、私がお伺いしたいのは、いずれにしても大臣御承知のとおりだね、北海道にとって灯油というのは米にまさるやっぱり重大な問題であります。しかもことしは異常冷害ということで、もう三分作いくかいかないかと、こういうことで、片方では灯油が上がる、片方では冷害という往復ビンタというようなことで大変なことになってきているわけですよ。 そこで答えは簡単なんでありますが、この灯油価格の問題につきまして、われわれとしては何回か私この場所で訴えてまいりました。現実には北海道では十八リッターもうすでに四十七円上がっているんですよ。四十七円上がっちまっている、十八リッターで。ドラムかんにこれ十五本もたくわけですからね、だから二百リッターでいくと四百五十円から五百円になるんですよ。そうすると、十本たくともうそこで五千円使うわけですよ。十五本というと七千五百円使うわけだ。大変なこれは燃料費の負担増になるわけです。こういうことから申し上げまして、この段階でひとつ基本的にいま問題になっております為替相場、円相場によって、異常な円高によって相当なやっぱり差益金が、われわれの考え方では大体四百十七億の差益金が今日の段階で出ている。こういう答えが出ているわけですが、こういう段階でひとつ灯油についてはどういう対処をしていただけるのか、この点をひとつお伺いしたいわけであります。
○国務大臣(河本敏夫君) 石油会社の経営は相当楽になったと思います。改善されたと思います。そこで、さしあたっては値上げをさせないという方針で行政指導を続けるつもりでございますが、同時にあわせていま若干の流動的な要因がありますが、そういう流動的な要因がおさまり次第、そしてなお余力があると判断したときには、さらに値下げの方向に第二段階として持っていきたいと、かように考えておるところでございます。
○対馬孝且君 そこでこれは長官にひとつ具体的なことをお伺いしたいですがね。 いま大臣から基本的な考え方がございました。一応値上げをしないと、ということは値上げを押さえるということですね。それで、その状況を見てひとつ値下げをするように指導したいと、こういうことですから。そこでその状況ということなんですがね。これは大臣でも長官でもいいんですがね、実は昨年の十二月に御案内のとおりキロリットル当たりの指導価格を結果的には撤廃をしたかっこうで、当時二千七百円というのを打ち出したわけですね。ところが、ことしの五月になってから、これまた具体的に中間油種の三品と勘案してこれまたどうなったかというと、結果的には二千円の値上がり。これ一々よく検討してみますとね、これ石油業界の「石油文化」という雑誌に出ていますがね。当時は十二月のOPECの値上がり、それと差損金のやっぱり負担による赤字分を解消すると、こういうことで実はこの五月に二千円という答えが出ているわけです。これは通産省が同意したわけじゃないですよ、同意はいたしておりません。おりませんが、業界ではそう打ち出したわけだ。 そうすると、ぼくは理屈に合わないのは、結果的には当時は差損金ということで消費者につけを回した、二千円のつけを回しておる。これはもちろん通産省は同意はしてないが、しかし今度は現実に私がさっき言ったように、これ差益金が出ているわけですよ、これ率直に申し上げますが。私の調べによると三月の段階では、当時原油価格支払いの円レートを三百二円と設定して、それを基準にして、これが三月時点からいきますと、三月では九億六千百万、四月には五十四億六千百万、五月には五十二億九千九百万、六月には三十九億八千二百万、七月には百三十四億四千九百万円、八月には二百四十二億七千百万円。それで六、七、八月で計四百十七億というのが浮いているわけですよ。そうすると、五月の段階ですでに、あるいは五月にかけて差損金の負担を消費者につけを回したんだから、いまの段階で大臣がお認めになっているように景気は非常に業界の方はよくなったと、こう言っているわけですから、この分はすぐやっぱりはね返ってきていいんじゃないですかと、こういう答えになるのは当然じゃないですか、これ消費者としては。この点について具体的にどういうふうに指導をされようとしているのか、私へのお答えに確信を持った、これに反論があるならひとつ数字をもって示してもらいたいと思うんです。
○政府委員(橋本利一君) 為替差損あるいは為替差益のとり方、見方というのはなかなか技術的にむずかしい問題もございますが、過去におきまして企業会計上石油関係で計上されました為替差損益の推移を若干申し上げますと、四十九年度におきましては、約八百六十億の差損になっております。それから五十年度におきましては、約二百億のこれも差損になっております。本年に入りましてからは、まだ五十一年度上期の決算が十分公表されておりませんが、現在までのところ五月、六月の決算企業について申し上げますと、七社で為替差益は約四十億円となっております。 あと、先生どのような形で計算されたかという問題もございましょうが、一応まあわれわれの計算でも為替レートが一円高になりますと、原油差益にいたしましてキロリッター当たり八十円ぐらい安くなるということになるわけでございます。月間大体二千五百万キロリッター使っておりますから、一円につき二十億という数字は出てまいるわけでございます。したがいまして、それを十円としますと二百億になるということでございます。 この七、八、九月ごろは大体御指摘の三百二円当時と比べまして十円ぐらいという差はございますが、逆に昨年の暮れからことしの初めにかけましては、むしろ月間平均で申し上げますと三百六円、あるいは三百五円と円安の時期が三、四カ月続きまして、それから四月から六月までが大体当時に比べて二円高。いま申し上げましたように最近十円高になっておる。これは表面上の問題でございまして、いっその油が入着するか、それに対してユーザンスとの関係でいつ支払いが立つかといったようなところを詰めてまいりますと、簡単に計算は出てまいらないわけでございます。しかし、いずれにしても申し上げたいことは、現在、先ほど大臣が申し上げましたように差益が出ていることは事実でございます。ただ、いままた数字的に申し上げたところからも、きわめて流動的であるということも御理解いただけると思うんでございまして、そういった意味から、今後特に貿易収支等の線からも、あるいは今後十二月のカタールのOPEC総会における原油価格について、どういう結論が出るかといったようなことも含めまして、為替レートというものはきわめて不安定、流動的なものであるということもやはり頭に入れて、当面のこの差益、あるいは将来における変動というものも考えていかなくちゃいけないんじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。 いずれにいたしましても、先ほど大臣からお答えございましたように、現状の水準を上げないように指導するということでございまして、それを受けまして一両日中に石油元売会社に対しまして文書でもって大臣の御答弁の趣旨を通達いたしたいと考えております。
○対馬孝且君 結論は、第一点、いま長官から大臣名をもって業界に通達をすると、これは結構です。ぜひこれはやってもらいたい。私はそれを申し上げたいと思いましたが、いま長官がお答えになっていますからそれで理解しますが、ただ私は、私の答えというのは、いま言ったように一キロリットル八十五円ですよ、いろいろ換算してまいりますと。これは出ているんですよ、石油業界から出ているんですよ、これ。日石の実績、私が言ったんじゃない、日石のあれでも出ているんですよ、八十五円というのは。これでいきますと三百二円ですよ、二百九十円にして十二円だ。仮にあなたが言うような十円でいったって二百億円なんだよ。そして円高が——それは為替相場制だから変わりますよ、それは。変動することは事実ですよ、変動相場制なんだから。ところが、これはこの間のエコノミストにも出ておりますが、この数字なんか見てまいりますと、結果的には日本の景気がいまなかなか回復してないと。そうすると輸入というのは少なくなっても輸入がふえるという見通しはないということですよ。これははっきり東京銀行の調査役が言っているわけですからね。三和銀行でも出しているでしょう。 それから二つ目は、輸出の関係ではアメリカの設備投資が行われれば輸出の変化は多少あったにしても、円が安くなるような影響は与えないだろうと、これも出ていますね、これは学説的に。そうしますと、いまの長期的に見ていきますと、円高というのは当分これは変わらないと。これがエコノミストに発表している。八月二十四日であります。ですから、こういう見方をしていきますと当然二千五、六百億になるんですよ、これずっと通算していきますと。現に、百歩譲っていま長官の言うような答えだったとしても、業界の言うような説をとってきたとしてですよ、私言っておるのは。理屈に当てはまらぬのは、業界は五月の段階で、五月までの差損金が理由になって二千円プラス上げたんですよ、そこが私は問題だと言っているんですよ。それは差損金のツケを回してしまったんだから、現実に現在四百億出ているとしたらいまの時点で生かさなければ生かしたことにならないじゃないですかということを言っているのは、長官ここなんですよ。あなた実践的にまだわかってないんですよ。 なぜかというと、いま北海道の段階ではこの二十日前後から二十五日にかけて、大体需要期における価格が決定するタイムリミットなんですよ。もう二十日から二十五日が、生協連だとか、共同購入、集団購入の段階を決める日にちが二十五日なんですよ。二十五日にほぼ今需要期の灯油価格が決まっちゃうんです。で、決まってしまってから、あなたそんな、いや実は将来の見通しはどうだなんて言ったって、結果的に業界は四百億ふところに入れたことになってしまうんですよ。それを何とかやっぱり、消費者にツケを回したんだからそれを還元するのが筋ではないですかと、私こう言っているわけですよ。だからその点からいけば、この需要期の十月二十五日ころまでの間に何とか答えを出してもらいたいという意味で、いま長官からお答えになりましたが、一つは、石油の元売メーカーに対して大臣名の通達を出すと、これは結構です。それからもう一つやってもらいたいことは——私はここなんです。メーカーとの間に、消費者との話し合いがつかない限り一方的な値上げはしてはならないと、これを入れてもらいたいんですよ。消費者の同意を得ない限り、消費者との話し合いがつかない限り、一方的にメーカーのあれをしてはならないと、これを通達の中に二つ目に織り込んでもらいたい。 それから、これ以上値上げさせないということは抽象論であって、いつの時点で値上げをさせないということを認めるのか、この点も通達の中に入れてもらわぬとこれはあいまいになっちゃうんですよ。だから、九月末、九月二十日なら二十日現在をもってこれ以上の値上げは凍結をすると、こういう答えならわかりますよ、この点どうですか、いま言った三点の問題についてちょっと。
○政府委員(橋本利一君) まず、先ほど八十円ぐらいと申し上げたのは、簡単に申し上げますと、ことしの五月−七月の原油価格は平均いたしましてバーレル当たり十二ドル六十セントで出しております。これをキロリッターに直しますと七十九ドルぐらいになるので、それで約八十円と申し上げたわけでございます。 それから先生の御指摘の事情も私たちとしてわからないわけではございませんが、為替レートの先行きの見方というのが、先ほどあるいはエコノミストのお話もなさいましたが、この先行きの見方というのがきわめてむずかしいわけでございまして、それをそのままわれわれとしても直ちに取り入れるわけにまいらないという点も御理解いただきたい。不安定な要素がきわめて多くまだあるということも御理解いただきたいと思いますし、それからいまわれわれとしましても、そういった問題にかかわらず、こういう家庭用の燃料につきましてはできるだけ行政指導によりまして、抑制的にいままで指導してまいっておるわけでございますので、そういった点も御理解いただきたいと思います。 それから通達の中に、相手方の了承をよくとれという御趣旨がございましたが、これはすでにもう九月に出しました通達の中に、契約改定をする場合には誠意をもって相手方と交渉しなさいということを、もうすでに入れてあるわけでございます。したがいまして、今回の文書についてどのようにそれを入れるかということは検討さしていただきたいと思います。 それからいつの時点かという点でございますが、これは先日も大臣がお答えいたしましたように現在時点の水準、こういうことで御理解いただきたいと思います。
○対馬孝且君 わかりました。現在時点というのは九月末日ということでしょう、そこが大事なところなんですよ。それがあなた方実践段階わからぬから困るんだけれども、現在生協連と話し合いをしているわけだ、現実の問題としては。だからそれは九月末なら九月末をもって凍結をすると、これ以上値上げは認めないと、こういうふうにきちっとしてもらわぬと、現時点という抽象論では非常に動いているわけです、これは。毎日動いているんですから、これをひとつはっきりしてもらいたいということが一つ。いいですか、長官。
○政府委員(橋本利一君) 元売仕切り価格につきまして九月末現在、こういうことでございます。
○対馬孝且君 それでよろしゅうございます。それでそういう大臣通達を業界あてにひとつ出していただくということですから、それなりに私は理解をします。その中でいま文書にもはっきり九月末日ということを入れていただくということも確認されましたから、それでいいです。 そこで、この値下げの方法について大臣、これは早急に検討するということにしていただかないと、私がさっき言ったことなんですよ。今需要期に問に合わなければ——もう十月二十五日とか十月末日までに決まっちゃうと、これは大臣率直に申し上げますが、もうイコールその価格で来年の春まで行っちゃうんですよ、これは契約というのは。大臣、そこは北海道の現状わからぬからこれ申し上げなければならぬけれども、たとえば集団購入なんか、三百世帯、マンションでもって一挙に契約結ぶわけでしょう。そうすると、たとえば七百二十円でスタートをして来年の四月末日まで行くと、こういうことになるわけですよ、私はそれを言っている。例として言ったのであって、その点ひとついまはっきり申し上げたいことは、そういう場合に間に合うような体制をとってもらいたい、こういう希望を申し上げたいんです。 そこで大臣、この間消費者団体と会われましたが、七百円から七百二十円と、こう言いましたね、はっきり。これひとつ確認していいですか。現状では七百から七百二十円、店頭売りでもって。よろしゅうございますね、これひとつ大事なところですから。
○国務大臣(河本敏夫君) そのときは実はそういうふうに私も聞いておったんです。ところがその後修正がございまして、七百二十四円になったと、こういうことでございました。
○対馬孝且君 いや、そのときはそれでいい、いまはそうなりましたと言われても私は困るんで、大臣、すでに七百円から七百二十円という線が現状の時点でそのままで凍結をしていただくということで行政指導という一おたくの方で行政指導してもらうんだが、われわれ消費者団体の方はそれで徹底しておるんですよ、もう。そういうふうに大臣がお答えになったものだから、その線でいっているんですよ。いまになってから七百二十四円と言われてもそれは困るんだ。きょう大事な場所ですから、これ七百円から七百二十円、九月末現在では七百円から七百二十円であると。これ、大臣言ったことは前言ひっくり返してもらっては困るよ、あなた。それでもうわれわれはその気になって対処しているんだから。
○政府委員(橋本利一君) ただいま大臣が七百二十四円と申し上げましたのは、あの会見の後、昨日発表いたしました消費者価格モニター調査の結果で全国平均が七百二十四円となっておるわけであります。この点で七百二十四円と申し上げたわけでございます。ただ、御承知のように灯油につきましては、地域によりまして非常に値段の差もございますので、したがいまして、私が先ほど申し上げましたように元売仕切り価格ベースで九月末現在の水準ということで御理解いただきたいと思います。
○対馬孝且君 それはね、九月末現在では七百円から七百二十円と、こういう大臣の発表あったんだから、それは長官だめだって。そういうことを一たん——この間消費者団体にそういうことで、消費者団体の方はそれでずっと下までいっているんですよ。なぜそれを言うかと言ったら、さっき私は何回も言うように実態をおわかりになっていないからなんですよ。その線でもう話し合いしているんだから、いまもう。だから、私はタイムリミットだと言っているのは、あなた方は本当に気の長いような話しているんだけれども、北海道なんか私がさっきから言うようにドラムかん十五本もたくんだから、そういうわけにいかないんだよ。 だから、とにかく今月の二十五日までに一切合財もう今需要期の価格決定ということになるわけですよ。だから、私は大事なところだからいま念を押している。本当はきょう傍聴に来ると言ったんだけれども、まあ傍聴しなくても実力大臣がこの間ああいうふうに言っているんだから——おれたちに言ったんだから、まさかそれをひっくり返すことはないだろうと、私はこう言ったんだがね。そうしたら大臣もう一回ひとつそれ確認しますよ。
○政府委員(橋本利一君) 先ほど来申し上げておりますように、地域によって非常に店頭売りベースでも価格差がございます。たとえばこの問の調査にいたしましても、福岡で七百三十六円とかいうのが出ておりまして、むしろ北海道より高い数字が出ておるわけでございますが、これは現実にはまだ関西では灯油の荷動きがないので、モニター調査に当たりまして、こういう価格でないと採算がとれないんだといったような答えが返ってきたのが、こういう数字になっているんではなかろうかと思います。いずれにいたしましても、地域によりましてかなりの価格差がございます。われわれとしては、北海道、東北もさることながら、やはり全国ベースでの問題でもございますので、お許しいただけるならば九月末現在における元売仕切り価格ベースでということで、そこはやはり弾力的に現地での交渉ということになるんじゃなかろうかと思います。
○対馬孝且君 これは長官、弾力的な問題なんだ。しかし末端へ行くと弾力でなくなるんだから、それはだんだん固定化しちゃうんだ、だから通産省は、俗に企業寄りだというのはそこなんだよ。企業寄りになってはうまくないと思うんですよ。私は消費者寄りにならなければだめだと思うんですよ。大臣は非常に思い切ったことをこの間言ったわけだ。思い切ったというのは、この間予算委員会でも言っているんだから。あなたせめて七百円から七百二十円と言った限りはそのラインでひとつ行政指導をすると、これはやっぱり言ってもらわぬとそれはだめです。あなた、そんなことは。消費者また怒りますよ。二日か三日もたたないうちにまたまた前言翻すなんて信用ならないじゃないかと。三木内閣は信用ならないどころか、また河本さんも信用ならぬことになるんだよ、これは。ひとつはっきりしてくださいよ。
○政府委員(橋本利一君) 御趣旨の線を踏まえまして努力いたしたいと思います。
○対馬孝且君 はい、わかりました。それでは以上終わります。よろしゅうございます。
○中尾辰義君 余り時間もありませんが、一番最初に繊維問題を少しお伺いします。 繊維業界が非常にいま景気の先行きに不安感が出始めておりまして、お先真っ暗な繊維業界というような見出しで大きく新聞でも取り上げられておるわけですが、ほかの産業に先駆けてことしは不況局面にある、一時は減産効果など順調な市況回復を見せていた、これは御承知のとおりであります。ところがまたここへきて、全くお先見当がつかないというような状況になっておるようでありますが、繊維不況の現況と見通しについて通産省はどう判断をしているのか、最初にお伺いしたいと思います。
○政府委員(藤原一郎君) 繊維産業につきましては、いま先生からお話ございましたように四十年以降深刻な不況に突入したわけでございますが、このため政府といたしましても、各種の金融措置とか不況カルテルとか、いろいろ不況対策を実施してまいったわけでございまして、五十年の一−三月期を底にいたしまして、いまお話ございましたように大分明るさが見えてまいったわけでございます。で、本年度に入りましてから相当回復基調になっておりまして、生産も少しふえまして在庫も若干減った、こういう状況が続いておったわけでございますが、最近に至りまして、ややその伸び方が鈍ったという感じは否めないわけでございます。繊維につきましては、そういうふうな景気変動に伴いますところの不況状態というものがありますが、一方で基本的に構造的な問題がございまして、非常に全般として生産が過剰である、で、需要が思ったほど伸びないという問題等も絡みまして構造問題がございますので、構造的な政策を実施しなければ、繊維としてはなかなか基本的な問題は解決しないというのが現状であろうかと思います。 で、私どもといたしましては、現在新繊維法といわれます構造改善の法律に基づきまして構造改善を実施中でございますが、昨年の不況の状態にかんがみまして、また、構造改善をさらに推進する必要があるということで、昨年以来繊維工業審議会の中に政策小委員会を設けまして、基本的な構造対策を目下検討中でございます。十二月の初めぐらいまでにその結論が得られるようでございまして、その提言を待ちまして、さらに基本的な対策を講じてまいりたい、こういう考えでおるような次第でございます。
○中尾辰義君 この構造改善の問題も非常に言われて久しい問題ですけれども、あんまりその成果も上がっておらないようなふうに思っておるわけですがね。今後繊維業界の不況打開のために構造改善しかないといったような御意見でありますけれども、それはそれとして、いま果たして構造改善のみで打開できるのかどうか、私は疑問に思うんですけれども、いま、この繊維工業審議会であなたがおっしゃったように、新しい繊維産業の政策を検討中だということですが、それは答申まだ出ていないんですがね、どういうようなことが検討されているのか。あらあらは新聞にも出ておりますけれども、審議の経過、内容等をひとつ御報告をしてください。
○政府委員(藤原一郎君) 現在検討されております主要な内容といたしましては、第一は構造改善をどういうふうに進めていくかと、若干停滞しております構造改善の事業の推進方法というものが第一点でございます。 それから基本的問題といたしまして、過剰設備という問題がございますので、過剰設備の処理をどうするかというふうな問題が検討されております。 それからそれに伴います問題といたしまして、設備の登録問題というのがございます。これは多年にわたりまして団体法の規制によります登録をやっておりますが、これと構造改善とどういう絡みになるかというふうな点が検討されております。 その他、需要の振興の問題、あるいは伴いますところの転換対策、繊維産業全体として少しウエートが大き過ぎるんではないかという問題もございますし、企業数が多過ぎるんじゃないかというふうな問題もありまして、その事業転換に伴う問題というふうな問題も論点になっております。 それから、一つの大きな問題といたしましては、輸入対策と言いますか、従来輸出産業として生きてきた繊維でございますが、最近では非常に発展途上国その他の追い上げということもございまして、輸入の問題が大きな問題になっておりますので、輸入をどうするか、こういうふうな問題、あるいは流通関係の問題、繊維の流通は非常に複雑でございまして、物価問題との絡みも多いということで、流通をどういうふうに近代化するか、こういうふうなものが主とした論点となっております。
○中尾辰義君 そこでお伺いしますが、いまおっしゃったような検討事項の一つの大きな問題になっていますこの過剰織機の設備登録制の廃止をめぐって政府と業界との意見もいろいろあるようですけれども、この点についてどういうふうなお考えを政府は持っていらっしゃるか、その点いかがですか。
○政府委員(藤原一郎君) 設備登録問題でございますが、これは先ほど御説明申し上げましたように、中小企業団体法に基づく規制ということで、毎年安定審議会にかけて約二十年間延長してまいったものでございます。これが最近の情勢からいいまして、構造改善の方法が異業種間の結合、縦型の構造改善ということをやらなければうまくいかないということから、これがその一つの障害になっておるんではないかという議論があるわけでございます。 しかしながら一方で、そもそもこの問題は中小企業の過剰設備が生じないための制度でもともとございますし、それから他からの侵入を防いでいるというたてまえでもございますので、その辺、両様の要請をどういうふうに調整するかということで目下検討されておるわけでございます。お示しのように、大変両方の議論がいま伯仲して行われておるというふうな状況でございますので、私どもといたしましては当面、来年の、あと一年延長という問題につきましては最近の安定審議会で結論が出されると思いますが、長期の目標につきましても小委員会の結論を待ちまして検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 まあ検討してないということで、余り答弁にはならぬのですけれどもね。むずかしい問題であろうと思います。しかし、いままでの工業審議会の中間的なまとめによりますと、業界の自主的な努力によって処理をせよというような方向ですが、これに対してはどういうようにお考えですか。 それと、今後そういうように過剰織機が前向きにだめなものはだめで処分するというような、そういう方向のようでありますが、これから繊維産業の再生について通産省の基本的なお考えはどうなのか、その辺等もひとつ。
○政府委員(藤原一郎君) 過剰設備の問題につきましては、いまの設備登録があります織機の問題と、それから設備登録等がございません紡績段階の問題と両方あるわけでございますが、基本的には自主的な再建ということが一番望ましいわけでございまして、われわれといたしましては業界の自主的な努力による再編成といいますか、再建ということを基本的なラインとして考えたい、かように思っておるわけでございます。
○中尾辰義君 それからもう一つ、今度は別な問題ですが、先般来蚕糸事業団の、生糸の輸入一元化に伴いまして絹織物の輸入規制というような問題、輸入調整というような問題が非常にやかましくなったわけですが、それで、どうにか日韓と日中との二国間協定がまとまったようであります。これは新聞で私も見ておりますが、そうしますと、こういった問題が今後また綿とか毛とか、そういう問題にはかなり影響していくんじゃないかと思いますがね。あるいは波及していくんじゃないかとか、そういうことも考えられるわけですが、どういうふうに通産省はお考えになっているのか、その辺を……。
○政府委員(藤原一郎君) 絹につきましては、お示しのように生糸の一元輸入ということが行われまして、それに伴いまして生糸、絹織物につきまして二国間協定ということが行われ、自主的な輸入制限が行われておるわけでございます。しかしながら他の繊維につきましては、絹の関係につきましては生糸が非常に農産物であるといいますか、農家の副業といいますか、農家の方で生産されるものであるという特殊事情がございますが、ほかの繊維につきましてはそのような特殊事情がございませんので、絹のような同じ関係でほかに波及するということはないかと存じます。 ただ、非常に、先ほども申し上げましたように発展途上国等の追い上げで、輸入の問題が大きな問題になっておりまして、輸入制限を要望される声は非常に高いわけでございます。しかし基本的にやはり国内の繊維産業を立て直しまして、国際競争力あるものにしてやっていくというのがたてまえでございまして、輸入制限というものは軽々にやるべきでない、このように考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 大体そういうことは私もわかっているんだよ。わかっているんだけれども、そういう基本的な方向にだけ動かないもので、どうしてもやっぱり何といいますか、窮鼠かえってネコをかむというか、自己防衛でどうしようもなくこういった問題が出てくるわけですからね。通産省の基本的な問題はわかっています、私も。だからちょっとお伺いしたわけですけれども。 それじゃ議題を変えまして、中小企業の官公需の問題ちょっとお伺いしますが、長官お見えになっておりますか……。 これは私は新聞で見ているんですけれども、中小企業の官公需の受注をふやすために、今後三カ年間で、五十二年度から三カ年間で十五億の推進基金をつくって官公需の共同事業化、技術開発を指導する、こういう見出しで出ているんですがね。新聞に出ているんだけれども、わしゃ知らぬということにもいかぬと思いますが、全然関知されてないのか。それともこういうことをお考えになっていらっしゃるのか。この辺いかがです。
○政府委員(岸田文武君) 新聞に出ておりましたのは、実は来年度の予算要求におきまして中小企業庁から提案をいたしております特定指導事業推進基金の創設という問題を記事に扱ったのではないかというふうに思っておるところでございます。この推進基金は全国中小企業団体中央会に設けまして、そこで特定の事業についての強力な推進を図ってもらうことにしようと、こういう考え方でございます。 内容としております特定事業としては、一つは、いまお話にございました官公需の推進という面でございます。他の一つとして小規模企業対策の推進、この二つを柱にしてはどうかと考えておるところでございます。 前段の官公需の推進につきましては、従来国会でも強い御要望もあり、私どももこの面については力を入れてやってまいったわけでございますが、その中で、従来から組合による受注体制の整備ということを考えてきておりまして、個々の中小企業では注文が取りにくいというときに、組合として注文を取るということを推進してはどうかということでやってまいりまして、官公需適格組合の数もかれこれ百三十幾つかになっておるかと思っております。ただ、これは現実の結果を見ますと逐次ふえてきておりますものの、やはり同時にいろいろの問題もあることも私ども勉強しておるところでございます。やはり組合として本当に品ぞろえをした商品をまとめられるかどうか、それから組合として任意加入、任意脱退でございますから、最後まで責任が負えるかどうか、それから資金の体制等々の問題がございます。こういった問題を背景に置いて、本当にまとまった注文の取れる組合をつくれるようにするにはどうしたらいいのかということが課題でございました。こういったことを基金を設けて推進をする体制をつくってみようというのが提案の一つでございます。 それから他の一つの柱としましては、小規模対策の推進がございます。従来から中小企業対策の柱として、組織化の推進ということをいろいろやってまいりました。ただ、その組織率を見てみますと、やはり零細な層ではまだまだ不十分であるという感じがいたします。この辺をうまく組織化をし、中小企業政策と結びつけることによって、本当に中小企業が安定に近づいていく、こういうことが期待できるのではないか、こういう希望を持ちまして、この基金の事業として小規模企業対策の推進ということを考えてみてはどうかと思っておるところでございます。 ただ冒頭にも申し上げましたとおり、これは予算要求の段階で私どもがかねがね考えておりましたことを、一つの提案の形にまとめたものでございまして、今後予算折衝の過程を通じて答えが出るということになろうかと思っておるところでございます。いずれにせよ、こういう提案に出ております私どもの気持ちをおくみ取りをいただきたいと思います。
○中尾辰義君 私は、この案は通産大臣非常にこれは前向きでいい案だと思っているんです。どうしても中小企業は大企業に圧迫されている。例の中小企業分野調整法もその一つとして出てきておるわけですけれども、議題になっておるわけですがね。それで私もこれは予算委員会でも何遍も質問したんですが、どうしても中小企業の個々の会社では大企業と対等に闘っていけない、そういうことをやはり組合をつくって団結して、そして大企業と同等の資格で仕事を取るというふうな方向が非常に私はいいと思うわけです。それで私はきょうもお伺いしているわけです。これはぜひ大臣、予算をひとつ取ってほしいですね。 それで、ちょっとそれに関連してお伺いしますけれども、昨年の分ですね、五十年度の官公需は幾らあったのか。その中でいわゆる中小企業の受注量が何%で、金額でどのくらいあったのか。これ一遍お伺いします。
○政府委員(岸田文武君) 昭和五十年度の官公需の総実績額でございますが、六兆二千二十七億円でございます。その中で、中小企業向けの契約実績額が二兆二百二億円でございまして、比率としては三二・六%に相なっております。
○中尾辰義君 それじゃこの中で、従来の既設の協同組合で受注をしたのはどのくらいですか。
○政府委員(岸田文武君) 官公需適格組合の受注実績が手元にございますので、それで御報告させていただきますと、三百八十五億円でございます。
○中尾辰義君 何組合ぐらいですか。
○政府委員(岸田文武君) 五十一年三月末で百三十二組合でございます。
○中尾辰義君 そうすると、組合の中でどういう業種が、業種別で見れば大体どういうふうになっておるのか、わかりましたら。
○政府委員(岸田文武君) いろいろの業種にございまして、また、いまふえつつあるわけでございますが、いままでの中で一番多いのが建設関係の組合でございます。三分の一強ではないかと思います。
○中尾辰義君 そうすると、事業協同組合をつくりましても、結局官公需の適格組合としての資格を持たないとだめですね。ただ組合つくればいいのか、それとも適格組合の資格をもらわなければいけないと私も聞いておるのですが、その辺はどうなのか。適格組合としてですな、要件を備えるにはどういうような要件が要るのか、その辺ひとつ。
○政府委員(岸田文武君) やはりこれから官公需を組合として取ってまいりますためには、官公需適格組合としての資格を取っておくことが必要のように思います。そのためには、やはり資金的基礎が確実であるか、それから本当に契約が守れる態勢になっておるか、それから仕事の能力等々が判断の基準になろうかと思います。逐次この組合の数もふえてきておりますし、また、先ほど申しました三百八十五億という実績も、年を追ってふえてきておるという状況でございまして、私どもはこういった官公需適格組合をふやしていく、育てていくということにこれからも力を入れていきたいと思っておるところでございます。
○中尾辰義君 そうするとその組合というのはですね、組合にもいろいろあるでしょう、規模がね。四、五人でも組合だろうし、業種にもよるでしょうけれども、あなた方の官公需適格組合としての立場から、どの程度の規模のまとまったものが適当と思われるのか、その辺はいかがですか。
○政府委員(岸田文武君) 実は官公需の発注内容自体も非常にさまざまなものがございまして、一括して何十億円というような発注もございますし、非常に個々の工事の発注という場合もございますので、組合員の人数によって幾ら以上というような制限は設けてございません。むしろ個々の組合の内容を見まして、本当に官公需として、中小企業庁としても推薦できるというような内容を備えておれば認めていくという形でやってまいりたいと思っております。
○中尾辰義君 また詳しいことは後日聞きます。 時間がありませんので、もう一問だけですが、分野調整法、先ほど議論も少しあったのですが、目下中小企業政策審議会の中の分野調整小委員会等で検討中でありまして、余り答弁にならぬような答弁をされておりましてね、私もやめておこうかと思ったのですけれども、むだかもしらぬけれども、いまこれ問題になっているのは、いわゆる業種指定をどうするかということですが、これはまあ賛否いろいろ意見もあるようですし、その辺のところはどうお考えになっているのか、これもいま答弁するのは適切でないとおっしゃるかもしれませんが、その辺どうなんですか、長官。
○政府委員(岸田文武君) いまお話にもございましたように、そこら辺のところが小委員会でも一番むずかしい問題として意見が出ておったところでございます。したがって、いまの段階でこうなるであろうとか、こういうことが望ましいとかということはちょっと申し上げにくいかと思いますが、そのときの議論を振り返ってみますと、むしろ業種を指定した方がはっきり割り切れていいという感じがある一面で、そうしたらどういう業種を指定できるだろうか。現に中小企業が大部分であるというような業種、これは統計を見ればわかるわけですが、そこへ大企業が出たために混乱が起こる、それを何とかしなければならないというようなことが事前に予測できるものだろうか、こういつたことがいろいろ議論になっておったような記憶がございます。
○中尾辰義君 大企業が出てきてからではこれはもう遅いわけでしてね。やっぱり出る前に何か規制をする必要があるんじゃないかと、私、こう思うわけです。その辺は議論の分かれるところですが、とにかくまあ前国会におきまして衆議院の委員会で決議した関係もありますので、ひとつ早急に出してもらいたいと思います。 それともう一点は、これはあなたの方の中小企業政策審議会の中の分野調整小委員会というものは、これは通産大臣の諮問機関と思いますが、これは法的な根拠があるのか、ただの任意的な諮問機関か、どうなっているんですか。その辺によってやっぱり答申というものが変わってくるのではないかと思うんですね。
○政府委員(岸田文武君) 中小企業政策審議会は根拠は中小企業基本法にございまして、形は総理大臣の諮問機関ということになっております。その下部機構として分野調整小委員会が設立をされたという経緯になっております。
○桑名義治君 先ほどから事業分野調整法について議論がありましたし、いまも端的な疑問の投げかけがあったわけでございますが、いずれにしましても、この問題は中小企業の分野調整対策については昭和三十八年に制定されました中小企業基本法においても、その第十九条の中に種々述べられているわけでございますが、しかしながら、今日まで中小企業団体法で特殊契約の制度が設けられたほかは、基本法を受けての具体的な立法措置が講ぜられなかったのは、これは私は非常に問題であるというふうに思っておるわけでございますが、そればかりではなくて、通産当局は立法に対しては、中小企業の分野を固定化することは好ましくない、こういうことで立法化に反対の態度をいままでは表明をされてきたわけでございます。こうした姿勢はいわゆる基本法の趣旨に反するものであり、法の執行に当たる行政府としては問題が多い、こういうふうに私は思うわけでございますが、従来の中小企業事業分野の確保に対する考え方と、具体的にどう対応してきたかを初めにまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(岸田文武君) 昨今、分野調整をめぐっていろいろの問題が起こってまいっておりますことは御指摘のとおりでございます。 この分野の問題について基本的にどう考えるかということでございますが、私中小企業をおあずかりする立場から見ておりまして、いままでまじめに仕事をしてきた多数の中小企業の方々の中に、突然大企業が進出をしてきて、そのために多くの中小企業が、あしたからの生活を心配しなくちゃならないというようなことはやはり気の毒なことであり、何か対策を講じなければならないことではないか、こう考えるのが常識のような気がいたすわけでございます。 これは一つは社会的な問題でもございますが、経済的に見ましても、大企業の進出を契機としまして、いままで使ってきた多くの資本がむだになってしまうとか、あるいは多数の労働者が、結局しばらくの間にせよ雇用の機会を失うというようなこと、これはまあ経済的にもやはり問題になるのではないかという気がいたします。やはり何らかの調整というものが必要であろうという感じがいたします。ただ、この問題は中小企業の立場だけで考えられないいろいろの関連を持った大きな問題であるということも十分承知をいたしております。そのことのために技術の進歩を阻害したり、あるいは消費者の利益を損ねるというようなことになりましても、やはりそれはそれなりにまた別の問題につながってくる、こういったことを頭に置いて、いわば一番健全な常識としてどういうルールで問題を解決していったらいいのかということを考えるのが、この分野調整法の基本的な考え方につながってくるんではないかという気がいたしておるところでございます。 問題が起こりましたとき、従来の例を見てみますと、やはり一つ一つ背景が違っておりますし、また影響の範囲も違っておる。そういった実態を見きわめながら、結果として多くの人が、まあこういうことだろうなということで納得していただけるような結論を見出すためのルール、これをどうしたらいいのかという課題で、私ども一生懸命いま考えておる最中でございます。
○桑名義治君 先ほどもちょっと申し上げましたように、いままでこの企業分野調整法の成立に関しましてたびたび当委員会では議論になったわけです。そのたびごとに、通産省の考え方というのは現段階においては、先ほど申し上げたように中小企業の固定化につながる問題でもあるし、まあ消費者とあるいは大企業とのいろいろなしがらみの中で、なかなかこの分野調整法を出すということよりも、むしろ個々の問題について、現在のあらゆる法律を駆使しながら調整をしていく方が最もベターである、こういう御答弁だったわけですよ。ところが突如としてこういうふうな方向に考え方が変わった根拠というのはどこにあるわけですか。
○政府委員(岸田文武君) いろいろ問題が出てまいりますたびに、従来は両当事者が話し合いをする、また場合によってその間に関係の官庁が入ってそれをあっせんをする、こういうやり方で処理をしてまいりました。いま振り返ってみますと、まあ大部分の問題はそれで一応の解決を見たということが言えるのではないかと思います。しかしながら、やはりそれで解決できないで、今日まで至っておる問題も残っておりますし、また新しい問題も出てきておるという状況でございます。 恐らく先国会の末にございました決議は、それはいままでの関係者の苦労はわかるけれども、やはりもっと法律の裏づけのある形でやった方が、実効のあるものができるのではないかという気持ちであろうというふうに推察をいたしまして、私どもなりに立法を考えておるということでございます。
○桑名義治君 あなたの答弁は私の質問に対する答弁とは方向が違っているわけですよ。非常に苦しい答弁の仕方なさっているようでございますが、翻って申し上げますとね、去る国会で衆議院の商工委員会、与野党一致の立法化の促進に関する決議、これを契機にして、いわゆる中小企業政策審議会に立法化についての諮問をしたと、こういうふうになっているわけですが、これを一つの契機にして通産省の考え方が大きく変わったということが一応言えるわけですか。
○国務大臣(河本敏夫君) そのとおりであります。
○桑名義治君 ということは、いままでの通産省の考え、中小企業に対するいわゆる分野調整に対する考え方は妥当でなかったというふうに言われても仕方がないことだと思います。 で、この問題は、今回こういうふうな長期にわたる不況が起こりまして、中小企業に対する非常な重圧感がいま加わってきた。それと同時に不況にあえいでおるために、いわゆる大企業は、あらゆるもうかる企業に対してはどんどん中小企業の分野に進出をしてきた、どうしようもならない。ここまで追い込まれて、こういう立法化をするということそのものが、常にいわゆる政府の施策が後手後手にいっているということを私は感じているわけですが、その点はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 中小企業の分野調整という問題は、私はこの中小企業政策の中では最大の課題であると心得ております。ただそのやり方といたしましては、行政指導でやるか、法律でやるかという二つのやり方があったわけでありますが、これまで政府の考え方は、行政指導でやれるじゃないかと、やはり技術革新あるいは消費者の利益、こういうことをいろいろ考えますと、行政指導でやれるならばその方がよろしいと、こういう考え方であったわけであります。また、事実幾つかの案件は先ほど長官が答弁いたしましたように行政指導で解決をしたわけであります。しかしまあ、先般の国会におきまして五党の一致した御決議としてああいう決議がございましたので、私どもはやはり議会政治のたてまえ上、国会の御意思を受けまして、その御意思に沿って立法による行政指導に切りかえるべきであると、こういうふうに変えたわけでございまして、過去のやり方がそんなに失敗したとか、成果が上がらなかったとか、そういうことは考えておらぬわけでございまして、過去は過去なりに相当な私は成果が上がったと、こう思っております。
○桑名義治君 いずれにしましても、行政制度というのはこれはもう強制力がないわけです。したがいまして、これは双方がうんと言う了解点に立たなければなかなか実効が尽くせなかったという難点があったということは、これは当然のことだろうと思います。 そういった過去の事例から判断しまして、前回の衆議院の商工委員会での決議事項があって通産省としては踏み切ったと、こういうふうに考えなければならないというふうに私は思うわけですが、先ほどから小委員会で、諮問以来八回の会議が行われたというふうに言われておりますが、先ほど業種別の問題でどういうふうになっておるかというちょっと質疑がありましたけれども、現在の小委員会の中でどういう点が一番問題点になっているのか、もしお話できれば、この点とこの点とこの点がいま対立点になっていると、こういう経過をお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(岸田文武君) 分野調整小委員会で、分野調整法をつくるに当たってどういう点が問題であるのか、一わたりいろいろ議論をしていただいたわけでございますが、その中での幾つかのポイントを御披露いたしますと、まず規制のやり方として、非常に要件をしぼってきつい形で法律をまとめるべきであるか、あるいはむしろ窓口を広くして機動的に動けるような形にするかというような点。それから第二の問題としましては商業、特に小売業については従来から一定のルールに従って処理が行われておる、これと、新しくできる分野法との関係をどういうふうに考えるべきであるか。それから三番目には紛争のとらえ方の問題としまして、まあ大企業と中小企業との争いというものはずいぶんいろいろあるわけで、たとえば下請関係の争いもありましょうし、たまたま隣に行ったために、日照権の争いというようなケースもございましょう。一体どういう範囲の紛争を取り上げるべきか、やはりある程度の規模以上の広がりを持った問題というものにしぼる方がいいのではないかということ。 それから一方で、大企業に対して調整を加えるとすれば、それが結果として技術進歩を損なったりしないように、中小企業自身も合理化に努力をするということを、この法律の中でどういうふうに位置づけていったらいいのかというような問題、さらにまた消費者との関係をどうするかという問題、それに加えまして、具体的に調整に当たる当事者というものはどういうふうに考えていくのかというような問題、いま申し上げましたような例にあらわれておりますように、非常に各般の問題がございまして、順次議論をしていただいておるところでございます。
○桑名義治君 いずれにしましても、現在は議論の進行中でございますので、政府案がどういうふうな形になるかということはこれはまだ未定でございますが、しかしながら、現在のいろいろな議論の中で一番やっぱり大事なことは、規制対象業種を指定するかどうかという問題にかかわっているんじゃないか、こういうように思うわけですが、現在、各野党案の中には業種の指定が織り込まれているわけですが、小委員会の中では、この問題については非常に消極的な空気が強い。中には、報道によると業種指定は行わないことになるのではないかというような予想も聞いておるわけでございますが、これはやはり規制すべき業種をあらかじめ政令で指定して、大企業の進出を事前にチェックするということが私はやっぱり一番望ましいことではないかと、こういうふうに考えているわけでございます。で、従来からのこの種の紛争の問題につきましては、たびたび行政指導が行われているわけでございますが、しかし結果としては一つの既成事実をつくられた中で、やむを得ずにこれは認めざるを得ないという、そういうような形でいままで進行してきたことは事実であります。そういう意味で、どういう形になろうともこの業種指定の問題、あるいは六カ月以前に届け出をするという、こういうチェックの期間をまた設けるということが非常に大事なことになると思いますが、この点について、政府としてはどの程度の認識を持って、どの程度の重要性を感じていらっしゃるのか、この点をまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(岸田文武君) 私も着任以来、この分野の調整の問題が一番大きな問題でございますので、できるだけの勉強をしてまいったつもりでございます。その間、関係の業界団体からいろいろの陳情も受けましたし、また私自身の勉強もしたところでございます。 先ほどいろいろな問題があるということを申し上げましたが、やはりその中でも業種指定の問題が一つの大きな問題であるということは十分認識しておるつもりでございます。それなるがゆえに、この間行いました小委員会でもこの問題が一番いろいろな議論の出た課題でございます。いま議論の進行中の過程でございますので、これ以上申し上げることは差し控えたいと思いますが、各党の案も十分私どもは承知をいたしておりますし、各業界の実情も知っておりますが、これは小委員会の結論に待つということで御了承いただきたいと思います。
○桑名義治君 この業種指定の問題と、少なくとも約半年前に届け出をさせて、そうしてそのチェック期間を置くという、これは非常に中小企業の業界の中からは強い要望事項として出てきておるわけです。最初から今回のこの分野調整法が完璧なものとしてでき上がるという、あるいは中小企業団体としては、十分な満足のいくような法制化はできないということを彼らは言っております。しかしながら、この問題だけは目玉として入れていただかなければ、そうしないと何のために分野調整法ができ上がったか、その意味がなくなると、ここらまでも極論をしておるわけでございますので、この点は重々通産省としてもお考えになって、答申を受けて立法化のときには十分な配慮をしていただきたい、このことを申し述べておきたいと、こういうように思うわけでございます。 で、いずれにしましても、ここに福岡県の中小企業団体中央会が食料品製造業等関係十一業種に実施した中小企業分野の確保に関する実情調査の結果を発表しているわけでございますが、1番の問題として、最近大企業の参入が見受けられるかという問いに対しまして、著しい、かなりある、が、全体の四六・七%、それから2、その影響がどのようにあらわれているかについては、値崩れ四二・四%、受注、売り上げの減退三五・三%。それからまた4番は、中小企業分野調整法についての賛否を求めると、強い規制を望む者七八・八%と、こういうふうに、これは一福岡県内の中小企業団体中央会のアンケートをとった事例ではございますけれども、これに対する、いわゆる分野調整法に対する意見というものは、非常に要望というものは強いものがあるわけでございますので、それから実態的には先ほど申し上げましたように、大企業の参入が見受けられるもの、著しいもの、かなりあるものが全体の四六・七%もあるという、こういう実情を踏まえながら、これはぜひとも、本来ならば今国会に、前回の国会の決議を踏まえるならば今国会に出すのが当然でございますけれども、その後通産省としての立法化の作業もあるということを考えればなかなかまた困難なことでもなかろうかと、こういうふうに思うわけでございますが、今国会並びに次の通常国会のときには必ず提出するということが確約できるかどうか、ここでちょっとお尋ねをしておきたいと思います。
○政府委員(岸田文武君) 私どもとしても国会の御意思が、なるべく早く政府として案をまとめろということにあることは十分承知をいたしております。したがいまして、小委員会自身も少しでも早く結論を得るように事務局としても最大限の努力をいたしたいと思いますし、また、一つの答えがまとまりましたならば、それを早急に立法化し提案できるようにするということで努力をいたしたいと思います。
○桑名義治君 で、早急にということはもういいわけですよ。今国会、臨時国会並びに通常国会、どちらかの早い機会に必ず出せますかというその御返事をいただこうと、こういう質問でございますので、これは政治的な配慮もございましょうし、いろいろなものがあるから、これは大臣からひとつ御答弁をお願いしたいと思うんですが。
○国務大臣(河本敏夫君) 審議会の模様等につきましては、いま長官が答弁をしたとおりでございますが、その答申を受けまして立法化の作業にかかりますが、前からのいきさつ等もございますので、今国会に何とか間に合わしたいということを目標に、作業を進めておるところでございます。
○桑名義治君 では次の問題に移りたいと思いますが、もう時間が余りございませんので、答弁も要点をかいつまんでひとつお願いをしたいと思います。 中小企業の災害対策ということについてちょっとお伺いをしたいと思います。今回の集中豪雨によりまして非常ないわゆる中小企業も被害をこうむったわけでございますが、今回の災害対策については、十月の八日の閣議で、政府は激甚災害法による激甚災害に指定するということを決めたわけでございますが、その被害実態調査の結果はどういうふうになっているか、まず報告を願いたいと思います。
○政府委員(岸田文武君) 今回の台風十七号は、非常に広範な地域にわたって大きな被害をもたらしております。早速政府としても調査団を各地に派遣をして実態の把握に努めましたし、また中小企業庁自身も係官を現地に派遣して、その実情を把握をいたしました。各府県等から出てまいりました被害の合計額は、中小企業関係の被害としまして二十二都道府県、六万三千四十六事業所、被害金額が六百七十四億円余というふうに報告されております。
○桑名義治君 その調査結果に対して政府はどういう手を打たれましたか。
○政府委員(岸田文武君) 災害が起こりますと、まず復旧ということでございますが、それが終わりますとすぐ、翌日の営業をどうするかという問題にぶち当たるわけでございます。当面、私どもとしては、金融が一番お困りになるだろうということで、災害直後に政府関係の三金融機関に対しまして指示をいたしまして、制度としては従来からございます災害特別融資、これを早急にかつ機動的に動かすようにということで措置をしてまいりました。さらに、その後激甚災害法の指定がございましてので、この指定によりまして信用保険についても特例が認められましたし、また金利についても特別に安い金利が適用できることになったということでございまして、いわばこれらの措置を組み合わせながら、一番早く各中小企業の方々が仕事に励んでいただけるようにしたいと考えておるところでございます。
○桑名義治君 私は、こういった罹災者に対する最も有効な対策というのは、やはり被害状況を細密に調査をするということから始まらなければならないんじゃないかと思います。そういう意味で、被害額別に区分したいわゆる個別企業及び組合数というのはわかりますか。
○政府委員(岸田文武君) 個別企業の数といたしましては、先ほど御報告いたしましたように六万三千余でございます。その中で協同組合が幾つあるかという点はちょっと資料がございません。しかし、お話しのように、被害が起こったときにその実態をよく見きわめて、機動的に対処するということの重要性はもう御指摘のとおりでございます。私のところにも各県から次々にいろいろな陳情団の方がお見えになりまして、被害の実情及び当面必要とする対策についての陳情をいただいております。こういった陳情はすぐさま関係の金融機関等に連絡をいたしまして、その実情に応ずるような機動的な対応をするように指示をいたしております。
○桑名義治君 現在、政府三機関における特別被害者の融資限度額は、個別企業で四百万、組合で千二百万と、これで頭打ちになっているわけですが、これでは被害額の一部の救済にしかならないんじゃないかと、こういうふうに考えるわけですが、今回の場合はいろいろな実情の中で非常な被害を受けたわけでございますが、これを完全に救済をしていくためにはこの限度額の枠をさらに広げる必要があるんじゃないかと、こういうふうに考えるわけでございますが、そのほかに何か有効な手段がおありというふうにお考えですか、どうですか。
○政府委員(岸田文武君) 災害対策の融資の限度の問題でございますが、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫、いわゆる政府系三金融機関におきましては、たとえば中小企業金融公庫の場合でございますと、直接貸しで別枠二千万円というものが認められることになっております。これは災害ごとに二千万円という運用でやっておるわけでございます。お話ございました四百万円という数字は、その中で特に安い金利を適用する限度ということでございまして、制度としてはさらに広いものが用意をされておるわけでございます。さらにまた、これらの金融機関の資金でもカバーできない場合には、一般の金融機関を活用するわけでございますが、そういった場合に備えまして、激甚災害の指定がありますと信用保険の特例が適用になるわけでございます。この信用保険の特例が適用になりますと、保険の限度額が、別枠で従来の倍の枠が活用できるということになっておりますので、資金の量としては相当のものが用意できたのではないかと思っておるところでございます。
○桑名義治君 今回の災害について、前回の災害それから今回の災害と、いわゆるダブルパンチを受けている地域があるわけです。こういったところに位置している中小企業の方々については、前回の災害で受けた融資を、この償還がまだ終わらないうちに今回のまた災害を受けてしまったと、こういうようなことで、それと同時に現在のような大変な不況の中、あるいはまた近代化をどんどん進めていかなければ、当然競争に太刀打ちできないというような非常に経済情勢の厳しい中でこういう状況下に置かれたわけですから、したがってこの償還期限の、現行で二年の延長が認められていますから、その償還期限の延長ということを検討する必要があるんじゃないかと、こういうふうに考えているわけですが、この点についてはどうですか。
○政府委員(岸田文武君) 前に災害を受けて、そのときに借りた金が返せないうちにまた次の災害が起こった、こういった場合も頭に置きまして、先ほど申しましたように、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫の貸し出し限度について、災害ごとという形で処理をいたしておるところでございます。さらにお話ございましたように、前の借金が残っていて今度の災害を受けると、前の金が順調に返せない、償還がむずかしい場合が出てくるという点は、私どもとしても大いにあり得ることだろうというふうに考えまして、こういうケースに当たったときにはケース・バイ・ケースに話を聞いて、これはやむを得ないというときには、償還猶予の手続を機動的にとるように指導いたしております。
○桑名義治君 もう時間が参りましたのでこれでやめたいと思いますが、いずれにしましても、今回の災害というのは非常な被害を受けたわけでございますので、政府、通産省としては最大のいわゆる手を打って一日も早く罹災者の方々が立ち上がる手だてを推進をしていただくことを希望して終わりたいと思います。
○安武洋子君 私きょうは自営業、それから中小零細企業の婦人、いわゆる業者婦人でございます、今度業者婦人というふうに言わせていただきたいと思いますけれども、この業者婦人の社会的、経済的地位の向上の問題について御質問したいわけなんです。 ところが、私こういうことで御質問申し上げるということで御連絡を申し上げたわけですけれども、実は中小企業庁の中でどこが一体こういう問題をお取り扱いかということがわからないわけです。金融課がお出になって金融じゃないですということで、私の方が一番近いのじゃなかろうかということで計画部の振興課がお越しくださったというふうな状態でございます。 で、大臣にお伺いいたしますけれども、昨年国際婦人年でございました。婦人問題企画推進本部もできまして、また婦人問題の企画推進会議もできまして四月には中間意見も出ております。それでまたそれを受けまして国内行動計画の概案というふうなものも出ているわけなんです。婦人の地位の向上について盛んに取り組みが行われているわけで、三木総理大臣も婦人問題はまじめにちゃんとやる、こういうふうなお答えでございまして大変いいお答えじゃなかろうかというふうに思っているわけなんですが、念のために伺わせていただきますが、大臣それから長官、婦人問題についてどういうふうにお考えでございますか。やはりちゃんとまじめにやっていただけますんでしょうか。お伺いいたします。
○国務大臣(河本敏夫君) 民主主義のもとでは、婦人の地位の向上ということがこれは不可欠の条件だと思います。当然のことながら婦人の地位の向上のためには、政府としては全力を尽くさなければならぬと思います。
○政府委員(岸田文武君) 私着任して二月余りでございまして、いろいろいま中小企業の問題を勉強しておる最中でございます。勉強をすればするほどこの問題が非常にむずかしい問題であると同時に、やはりやらなければならない問題がたくさんあるということを痛感をいたしております。 たまたまこの自営業の婦人の御質問がございましたので、私も手元にあります限りの資料でいろいろ実態を勉強いたしてみまして、国勢調査あるいは労働省の調査その他の資料を見ておりますと、いろいろまだ問題があるし、またやらなければならないことがあるという感じがいたしております。
○安武洋子君 重ねてお伺いさせていただきたいんです。大臣と長官にでございます。 業者婦人が中小企業、中小零細企業の中で果たしている役割りについてどういうふうに評価をなさっていらっしゃいますか、大臣にもひとつお願いいたします。
○政府委員(岸田文武君) 五十年度の国勢調査を見ましたところ、自営業種ということで自分で仕事をしておられる業種の数が全産業で九百二十四万、うち婦人が自営業種になっておられる方が二百三十五万、農林業も含まれておりますので、農林業以外をとってみますと自営業種の総数が五百九十九万人で、うち婦人が百七十八万ということになっております。そのほかに家族で御主人と一緒に仕事をしておられるという方の数も非常に多うございまして、これらの数を見ましても、日本の中小企業の中で婦人の方々が非常に大きな役割りを果たしておるということが当然言えるかと思っております。
○国務大臣(河本敏夫君) いま中小企業関係において婦人の果たしておられる役割り、数につきましては長官が申し述べたとおりでございますが、その方々の仕事がしやすいようにするためにはどうすればよいかということがこれからの課題だと思いますが、できるだけのことはやっていかなければならないと思います。
○安武洋子君 いま数字をお挙げくださいましたが、その中で自営業種のうち妻が夫とともに働いているという数字は、これは八割あると思うんです。ですから、父ちゃんが倒れれば倒産だ、母ちゃんが倒れれば休業だというふうに言われているわけなんです。ですから、中小零細企業で働いているこの婦人を度外視して中小企業の問題は語れないと、こういうふうに思うわけなんですね。 ですから、婦人一般のいろいろの問題ございますけれども、特に中小企業の中に働いている婦人、それから業者婦人ですね、こういう婦人たちの問題は特別に中小企業庁として、通産省としてお考えを願わなければならないと、こういうふうに思うんですけれども、しつこいようですけれども、もう一度その問題についていかがお考えかということをお伺いさせていただきます。
○政府委員(岸田文武君) 実は手元に国民金融公庫の調査部が家族経営の実態についての報告をしたものがございます。その中に、御主人と奥様と一緒に仕事をしておられるケースが非常に多い。しかもそのお二人が分けて考えられないほど一緒になって仕事をしておられる場合が非常に多い。場合によっては縫製業だとか織布業のように、むしろ御婦人の方が主体になって仕事を進められているケースも多い。さらにまたそうでない場合にも、経理とか外交とかいうような御主人が得意でない分野を相補って、両者が一体になって経営が行われているという実態もある。いわば内助の功という以上の役割りを果たしておるというようなことが書いてございます。私恐らくそういうのが実態だろうと思います。いろいろ仕事のこともやらなければならない、家事のこともやらなければならない、大変な御苦労であろうと思いますが、しかし御苦労をしていただいておるおかげで中小企業が成り立っておるし、日本経済の発展にも貢献していただいておると思っておるわけでございます。
○安武洋子君 中小企業庁の設置法でございますね、この第一条の「法律の目的」と、こういうところにも、「中小企業を育成し、及び発展させ、且つ、その経営を向上させるに足る諸条件を確立することを目的とする。」というふうに書いてあるわけなんです。この「経営を向上させる」ということになりますと、いま長官がおっしゃったように、主人とともに働き、もう分けがたいというふうなぐらいに経営に寄与している婦人を抜かして、こういう経営の向上ということは成り立たないと思うわけで、中小企業庁の設置のこの目的からしても、業者婦人の問題というのはなおざりにできないというふうに思うわけなんですね。 で、中小企業庁もうんとお力をお入れだろうとは思いたいわけなんですけれどもね。ちょっと一応実情をお聞かせいただきたいんですが、いま非常に戦後最大の不況、インフレの中で業者婦人に大変なしわ寄せが行っているわけですね。耐えがたい苦痛な状態に置かれているわけなんです。こういう状態通達、中小企業庁として——いまお挙げになりましたのは労働省の統計とか国勢調査の統計とかいうふうな数字でございますけれども、通産省、中小企業庁独自の何か調査をおやりになったことがあるかどうか。生活とか健康とか経済的な地位について、どういう実態に置かれているかということを、実情把握ですね、それをどういう形でおやりになったかということをお聞かせいただきとうございます。
○政府委員(岸田文武君) お尋ねがございましたので、たとえば金融公庫等で御婦人が窓口に借りておられるケースはどのくらいあるのだろうか、統計でもあるかということを聞いてみましたら、中小企業である以上は、男性であるとか女性であるとかいうようなことは区別せずに処理しておりますので、そういう統計はございませんということでございます。やはり御婦人の中小企業主である方々が、このむずかしい経済情勢の中で何とか生き延びていき、さらに次の発展へつないでいかれるという意味では男性、女性の区別は余りないのではないかというふうに思います。しかし、それをさらにさかのぼってみますと、やはりお仕事の内容が御主人を助け、あるいは自分で仕事をされるに加えて、家庭のいろいろなお仕事も加わってまいるわけでございますし、やはりそういった点の特色というものはこれからも頭に置いて考えていく必要があるんじゃないか、こういうふうに思っております。いままで特に統計がございませんのは、労働省の方で家内労働についていろいろお調べになっておられるので、それを活用さしていただくことにいたしたいと思います。
○安武洋子君 労働省の統計を活用するということで、中小企業庁として独自にそういう調査をおやりになるという意思はいまのところございませんのですか。それが一点。 それから四点ほど続けてお伺いいたしますけれども、業者婦人の実態というのを、いままで何らかの形で調査しようと思われたこともないのか。 それから労働婦人とそれから農村婦人ですね。それから家庭婦人ですね。こういう婦人の各層があるわけですけれども、そういう婦人たちと業者婦人を比較して検討したことがあるのかないのか。 それから何らかの改善の施策を講じなければならないということで、何か手をお打ちになったことがあるのかないのか。 それから農林省などでは農村婦人の問題をつかまえて、農村婦人の向上を図るために農林省の生活改善課というところで、農村婦人の諸問題を扱っているわけなんです。こういうことをおやりになる意思があるのかないのか。こういうところをお答えいただきとうございます。
○政府委員(岸田文武君) いままでは中小企業ということでとらえまして、その中身まで余り深く立ち入って考えてきたことはございません。したがって、そのための特定の統計等はございませんが、しかし、御婦人が経営主である場合の特色あるいは問題点というのは、むしろ労働条件の中身の問題になる場合が多いかと思いまして、その意味で労働省の資料を参考にさしていただきたいというふうに申したわけでございます。 いま、この御質問を受けましたのを機会に、私も新しい問題をいただいたというふうに受けとめまして、少しこれに対する考え方を整理をいたしてみたいと思います。
○安武洋子君 いまの質問に対してもう少し具体的にお答えいただきたい。大臣でも結構でございますので、お答えいただけませんでしょうか。業者婦人の実態というのを把握するために、何らかの調査をしようというふうにお思いにならないかどうかということ、これはいかがでございましょう。大臣、お答えくださいませ。
○政府委員(岸田文武君) 婦人の実態とおっしゃる意味をもう少し具体的にお示しをいただきますと、私どもも対応を考えやすいのでございます。中小企業の中で婦人が経営主になっておる者の数だけが問題なのではないと思います。むしろその仕事の中身、ないしその生活時間の使い方という点が問題なのではないかと思いますが、いかがでございますか。
○安武洋子君 だから、もう少し御研究をいただかなければならないわけなんです。全国商工団体連合会、通称全商連と申しますのがあるのを御存じだと思いますが、ここの婦人部の協議会、その協議会が昭和四十八年に業者婦人の生活と健康調査というのをしたということを御存じでございますか。そして、何らかの形でこの調査結果について、見たり聞いたりなさったことがございますか。
○政府委員(岸田文武君) いまお話ございました統計、まだ私の手元に届いておりません。あるいは中小企業庁の方に来ておるのかもしれませんが、帰りまして早速調べてみたいと思います。
○安武洋子君 昭和四十八年でございますので、中小企業庁が、先ほど大臣が御答弁くださったように、そして長官が御答弁くださったように、業者婦人の問題について本当に日本の経済を支えている人たちだというふうな御認識であれば、こういう点ももう少し目を注いでいただけたというふうに思うわけなんですけれども、じゃ、私、少し中身を申し上げさせていただきたいんです。 これは業者婦人たちはほとんど八割の人たちが主人と同じように仕事をしているわけなんですけれども、業者婦人の中で仕事の時間というのは十時間から十四時間働いている人たちが八〇%いるわけなんです。ですから、寝る時間というのは十一時以降、この人たちが八一・四%、深夜の一時になる人が一三・二%、こういうふうな状態なんですね。そして、いま現在では非常に原料高製品安で、手形が渡ってきても——たとえ十万円だって手形でくる。そしてその手形も、銀行に持っていって割り引いてもらったらやれやれと思う。しかし現金は一銭も手元に残らないで、みんな支払いにいって生活費が得られないというんです。ですから、生活費の現金を得るために、いまではパートに行く人も多いわけなんです。しかし、一日中パートに行っているわけにもいかない。それは御主人の世話もしなければならないし、それから婦人がほとんど記帳をしたり、電話の応対をしたり、銀行に行って金融の問題を話をするのも、税務署に行って税金の話をするのも業者婦人の肩にかかっているわけなんです。ですから、午前中だけパートに行って現金収入を得て、それで家計を何とか賄う、こういうふうなぎりぎりいっぱいの状態に置かれているわけですね。しかし、この人たちがいるからこそ経営が支えられている。 一つ例を申し上げますと、お豆腐屋さんというのは一人ではできないんです。御存じだろうと思いますけど、お豆腐屋さんのお仕事というのは朝早く仕事が始まるわけなんです。そのお豆腐屋さんの仕事にずっと従事している婦人たちというのは非常に冷たいお水をいじらなければならない。ぬれた床の上に立って仕事をしなければならない。こういう状態に置かれるわけですから、健康破壊されるわけですね。ですから、神経痛とかリューマチになる人が多い。あるお豆腐屋さんで、もう神経痛で動けない、こういう御婦人がいるわけですけれども、その御婦人を朝、御主人が背中に背負って仕事場に連れてきて、そしてエプロンをかけて立たす。そして片端から御主人がお豆腐を入れていくわけです。それをお揚げにするわけです。奥さんが一生懸命それを揚げて、その仕事が済むとまたエプロンをぬがし、長靴をぬがして、そして背中にかついで二階に連れて上がる、寝さすというんです。普通自分の愛する妻なら、そういう神経痛で身動きもできないというふうな状態になれば、だれだって病院で寝さしたいでしょう。それでもそういうふうにして働かなければならない。 あるパートに行っている御婦人ですけれども、羽田の空港で朝早くから食堂が開かれているわけです。そこの食堂に行って、朝の七時から昼前まではパートで働いてくる。お昼になると帰って、あわてて御主人とか従業者のお昼御飯をつくる。それでも現金収入が足りないから、近くのスーパーに行って働く。御主人と一緒に汗まみれになって、働いても働いてもいまの経営が成り立たない。もうぎりぎりいっぱいのところに追い詰められて、子供の保育料すら滞納してしまう、こういう状態があるわけなんです。 その中で業者婦人がどんなに健康を破壊されているかということは、この統計に出ているわけなんです。疲れやすい、病気がちである、こういうのが、合わせまして四四・六%、半数の業者婦人が疲れやすいとか病気がちだというふうに訴えているんですけれども、しかし気を配る余裕もない。治療や清養の必要を感じるけれども、忙しくて病院に行く暇がない、こういう訴えをしている人たちがこの半数にも及んでいるわけなんです。 それから産前のお休みというのは、もうほとんどとれない。一週間以下という人が二七%もいる。この調査をされたときに、一週間以下という欄を設けたんですけれども、産前の休暇ゼロという欄を設けなかった。全然とれないで、おなかが痛くなってから病院に駆け込んだという人がいるわけですけれども、どこに書いたらいいんだろうと、こういう状態もあるわけなんです。産後もそうですからね。五〇%ぐらいの人たちが二週間以下しかとれていない。生休も、いつもと同じように働かなければならないというふうな状態に置かれている。こういう状態に置かれれば、どういうことになるかというのはおわかりだと思うんですね。ですから、一年間定期健診も受けたことのない人というのが六割もいるわけですから、こういう人たちに、まず健康管理という面で定期健診を受けやすいようにするということがなければいけないと思うんです。ところがいまこれだけ健康破壊が進み、それから母性が破壊されているにもかかわらず、無権利状態に置かれているにもかかわらず、その一番責任を持っていただかなければならないと思う中小企業庁が、御婦人の問題を中小企業一般の問題で対処なさって、そして何も対策を講じておられない。これは困るわけです。私は放置できない問題だと思いますけれども、中小企業庁として、こういう問題責任を持っていただけるんでしょうか。
○政府委員(岸田文武君) いまお話のような諸点、私の手元にございます資料に照らしましても、ある程度おっしゃるとおりの面が多いと思います。 たとえば生活時間の分析を見ましても、一般の家庭の婦人の方と、それからOLその他の勤めの方と比べますと、商工自営業の場合には、NHKの調査でも、余暇の時間が少ないし、生活時間を切り詰めて結局労働時間をふやしておられる、こういった実態がうかがわれるわけでございます。さらにまた、労働省のおつくりになりました製造業における女子家族従業者の生活実態に関する調査、ここにおきましても、いまお話ございましたような点に関するいろいろな実態が明らかになっております。さらに県の婦人少年室でいろいろ懇談会をやられたときの報告も、私早速でございますがいろいろ見せていただきました。御婦人の方々が非常に苦労しておられるということは、私なりにある程度わかるような気がいたします。 そこで、中小企業庁の立場といたしましては、こういった問題に対応いたしまして、労働省と御相談をいたしながら、いろいろな問題点についてどういうことがやれるだろうか、少しまじめに考えてみたいと思います。
○安武洋子君 じゃ、そのまじめに考えていただける部局というのはどこになりますんでしょうか。
○政府委員(岸田文武君) 中小企業庁としては新しい問題でございますから、これどういうふうに受けとめ方をするかということも含めまして、ちょっと中で相談をさしていただきたいと思います。
○安武洋子君 じゃ、どこかの部局でそういう問題を受けとめていただけるというふうに御検討いただけるわけですね。そう受けとめて間違いございませんですね。
○政府委員(岸田文武君) 中小企業の行政を進めます場合には、単に資金のお世話をするとかということだけではなくて、やはりそこで働く人の立場も考えるというのは、広い意味での中小企業行政の中で、やはり考えていかなければならないことではないかというふうに思います。御婦人の問題という問題を提起されましたのを機会に、中小企業庁としてどういうことになっておるのか、できるだけの勉強をしてみたいと思いますし、またどういうことが可能なのかということも考えてみたいと思います。 なお、この点につきましては労働省もいろいろの御経験を持っておられますので、その辺ともよく御相談をしながら進めたいと思います。
○安武洋子君 中小企業庁の、先ほど私一部申し上げましたけれども、設置法の中の第三条の第一項三の二ですね、この中に、「中小企業の経営に関する相談、中小企業に関する行政に関する苦情等につき必要な処理をし、又はそのあっせんをすること。」ということが一つございます。それから第三条の二項ですね、ここは、「中小企業庁は、中小企業に関係がある事項に関し、行政庁に対し報告又は資料の提出その他必要な協力を求め、且つ、行政庁に対し意見を述べることができる。」と、こういうふうになっているわけです。ですから、いまのような具体的な、しかも非常にたくさんの婦人の一定のこの層があるわけですね、そこの要求、これは中小企業のいろいろ施策をなさる場合に決して無視ができないわけなんです。こういう問題をどこで受けとめていただけるかということがはっきりしなければ、関係省庁にどこ働きかけていただけるのか。長官が全部やっていただけるのならそれはありがたいことですけれども、きのう私の方からいろいろな御連絡をしたところが、金融課がお出になって、金融の問題じゃないわけですよね。そうして一番関係が深いのじゃなかろうかという程度で皆さん迷っておられる。こういう状態は困るので、こういう状態をなくして、大体いつごろの時期までにそういうのを受けとめるところをつくりますという御回答をいただきたいわけです。大臣いかがでございますか。
○国務大臣(河本敏夫君) いま長官が若干の答弁をいたしましたが、中小企業庁の長官が責任を持ちまして、労働省その他関係方面と十分連絡をとりまして、対策を立てます。
○安武洋子君 しつこいようなんですけれども、いまの御答弁は、それはそれで結構なんですが、長官が全部一人でおやりになるということでなくって、私たちがいろいろそういう業者婦人の問題を持っていったときに、ちゃんと受けとめるところはつくっていただけるということで理解さしていただいてよろしゅうございますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 長官が何から何まで全部やると、こういうことではございませんで、長官が責任を持って、どういうふうに処理をしたらいいかということを、関係方面と連絡をして検討して結論を出すと、こういうことでございます。
○安武洋子君 じゃ、次から金融課なんというふうなことを絶対繰り返さないように、もう早急にぜひひとつ検討をやっていただきたい。その結果をぜひお知らせ願いたいというふうに思うわけです。 それから、そういう早くやっていただかないと困ると言うのは、いまから申し上げること、私は、関係省庁に連絡をしてぜひ解決をお願いしたいというふうに思うわけなので、それは一つずつ申し上げていきたいと思うわけです。 まず、先ほど私が申し上げましたように、非常にいま業者婦人の健康破壊が進んでいるわけなんですね。健康診断について、健康診断をまず受けやすくしてほしいという要求が一つございます。これは、いま健康診断などというのが行われておりますけれども、非常に短時間で時間が限られると、そうして場所も指定される。大変忙しい業者婦人にとって、それではなかなか健康診断を受けられないわけなんです。ですから、せめていま老人健診ということで、一定期間を区切って医療機関に協力を求めてやっておりますけれども、せめてそれに近いように、すべての医療機関が協力をしてもらって、がん検診も含めて、業者婦人の健康診断が無料で受けられるように、政府と地方自治体が責任を持ってやっていただきたい、こういうことを、どうでしょう、厚生省に一度働きかけていただきたいのですけれども、大臣いかがでございますか。
○政府委員(岸田文武君) いま労働省の方ともいろいろお話を伺っておりましたのですが、たとえば健康診断の問題につきまして、労働省でもいろいろお考えがございましょうし、あるいは厚生省の問題になるかもしれません。私どもがいまここでこうするというようなことを申し上げる段階でございません。御提示になりました問題につきまして、先ほど大臣がお答えいたしましたように、私どもでできる限りのことは一度この際やってみようということで処理させていただきたいと思います。
○安武洋子君 私厚生省とか、それからいまから税制の問題申し上げますけれども、大蔵省に対して御質問を申し上げているわけじゃなくて、通産省それから中小企業庁に御質問を申し上げている。というのは、業者婦人の立場に立って物を考えていただけるというところはここでなければいけないはずなんです。ですから、いま論議をした業者婦人の立場に立って、ひとつそれでは厚生省に、そして大蔵省に業者婦人がよくなるようにがんばってみようというふうな私は姿勢を御期待申し上げているわけですので、ひとつそういう点で受けとめていただいて、後で私が関係機関に連絡をしてほしいと言った、そことよく協議をしていただきたい。しかしその場合は、業者婦人の立場に立って協議をお願いしたい、こういうことでございます。 税制の問題につきましても、白色申告の場合なんです。この場合は、業者婦人は働いているにもかかわらず自家労賃が認められていないわけなんです。ですから私は、青、白の区別なく、自家労賃、これは認めるべきだというふうに思うわけなんですけれども、大臣これはいかがお考えでございましょうか。
○政府委員(岸田文武君) いまの問題は、実は私どもとしてもかねがね問題があると思っておりました点でございまして、部内で少し対案を考えてみようかと思っておるところでございます。
○安武洋子君 じゃくれぐれも私がいま申し上げました業者婦人の立場に立ってということをお忘れなく、お考えいただきとうございます。 その次に、ひとつ保育所の問題についてもお願いをいたしたいんです。火を使う業種という、そういう業種の婦人が多いわけですけれども、てんぷら屋さんなんかそうなんですが、てんぷら屋さんの赤ちゃんが四回も五回もやけどを繰り返したということで、これは親の不注意だけを責められないと思うわけなんです。こういう天ぷら屋さんの子供さんの例もありますし、それから、危ない機械を使っているからどうしても子供がちょろちょろするということで、箱に入れて縛りつけているというふうなことで、一歳になってもハイハイもできない、こういう子供たちがいるわけなんです。手がいっぱいなんだとこう言えば、足があいているじゃないかと、足にくくりつけて子供の守りができるじゃないかということで、なかなか保育所に預かってもらえない。表面的には差別はしておりませんというお答えが返ってくるわけなんですけれども、実情はそうじやないわけなんです。ですから、業者婦人の子供たちも、差別なく保育所に入れるようにということを、ひとつこれも厚生省に対して大臣の方から御要望いただきたいですがいかがでございましょうか。
○政府委員(岸田文武君) いろいろ私も実情を調べてみたいと思います。その上で、もし中小企業庁としてお手伝いできる分野があればそのようにいたします。
○安武洋子君 私がいま申し上げたような実情というのはもう至るところにございますので、ぜひひとつ業者婦人の立場に立って、その子供たち−差別なく保育所に入れるように働きかけをお願いいたします。 それから、国民健康保険の問題なんです。これについても、出産費というのは業者婦人の場合平均四万円なんです。ところが、健康保険の出産費というのは最低十万円というふうに、同じ子供が生まれても業者婦人の子供は最初から差があるというふうなことなんですね。給付率も大変低いですから、病気になっても健康保険並みにおいそれとお医者さんにかかれないと、こういうふうな問題があるわけなんです。こういう点についても、ひとつ厚生省に対して働きかけをしていただきたいと思いますがいかがでございましょう。
○政府委員(岸田文武君) お話を伺っておりますと、どうも保育所の問題にしても健康保険にしても、いま起こった問題ではなくて、かねがね問題があり、また関係の厚生省等々の所管官庁において、いろいろ研究をしてきた問題なのではないかという感じがするわけでございまして、ここで中小企業庁の立場からどういうことが言えるのか、私その辺がちょっとこうはっきりつかみかねておるわけでございますが……。
○安武洋子君 それぐらい業者婦人の問題がなおざりにされてきて、だれも業者婦人の立場に立って物を言う人が、政府の中にいなかったということが重大問題だと思うんです。ですから、そういう立場に立ってこういう問題も研究していただいて、労働省任せとか婦少室が取り組んでいるとかいうことでなくて、中小企業の大問題としてひとつぜひ、こういう問題を反映していただきたいということを御要望申し上げます。 婦人少年局の方がお見えと思いますのでお伺いしたいんですが、業者婦人対策については婦少局の方ではいままで実施をしていただいているわけですけれども、昨年は懇談会をお持ちのように聞いております。ひとつ、その内容と問題点でございますね、これをお出しいただけませんでしょうか。
○説明員(柴田知子君) ただいま先生御指摘の婦人少年室、数室でございますが、におきまして実施いたしました自営業婦人就業者問題懇談会でございますが、ここで出ました問題につきまして一、二説明申し上げます。 一つは家庭責任に関する問題でございます。やはりただいまいろいろな調査の結果のお話もございましたとおり、家業以外に家事、育児というような責任がございますので、この面につきましての何か解決策がないだろうかというようなことでいろいろな問題が挙がっております。 それからもう一つは育児の問題でございますが、これもただいま先生が御指摘になりましたような問題点がやはり挙がっておりまして、なかなか保育所の利用を十分にできないと放任されているような子供もいるというような問題が出てきております。またそれに加えまして学童保育所もほしいというような問題も出ております。 それから家業に関することでございますが、これにつきましては、家業に従事する時間が非常に長いということ、それから必ずしも従業員が休んでいる時間に、家業に従事している婦人が休めないで、その時間をカバーするというようなことで長時間労働、しかも休日がなかなか取りにくいというような問題も出てきております。 またもう一つの問題といたしましては、このように大きな主婦の家業への貢献ということがあるわけでございますけれども、それに対しまして十分な報酬といいますか、その労働に対する評価というものがさまざまでございまして、何ら報酬を受けていないというような実情もあるというような点が出ております。 以上、そのほかにもいろいろ先生が御指摘のような問題も出ましたけれども、大きな問題としてそのような問題が聞かれましたことを御報告申し上げます。
○安武洋子君 いまの婦人少年局の報告をお聞きになって大臣御感想はいかがでございますか。
○国務大臣(河本敏夫君) これまでの御質問をいろいろ整理をして考えてみますと、日本の中小企業の大部分は小規模企業経営であると、そして小規模企業経営の中には、婦人が責任を持って経営に当たっておるものもあれば、また形式上は御主人であっても、実質上は婦人がその仕事に当たっておられる仕事も非常に多いと、そういう例がたくさんあるので、そういう幾つかの業種に対し、また仕事に対して、婦人の特殊性を考えて特別の調査をし、対策を立てるようにと、こういうお話だったと思いますので、御質問の趣旨を踏まえまして積極的に検討してみたいと思います。
○安武洋子君 まあ、ちゃんとまじめにやっていただけるということで大きく期待をいたしたいと思います。 私もこの業者婦人の問題、きょうは実情をということと、それから簡単な、大ざっぱな要求を並べただけでございますけれども、私はやはりこの問題が一つずつ解決をするまで問題を取り上げてまいりたいというふうなことで、私がうろうろしなくてもいいようにちゃんと部署もお設けいただいて、そしていろいろな資料もいろいろお手元に備えていただきたいと思うわけです。 といいますのは、労働省の方からああいう資料をいただかなくても中小企業庁の実施した施策について一番大きな影響をストレートに受けるのは業者婦人でございます。ですから中小企業庁が一番生の声も聞きやすいし、実態も把握しやすいという、こういう省庁なんですけれども、長年業者婦人問題が日を浴びずに放置されてきたということはやはり重大問題だと思うわけです。ですから、ことしは国際婦人年の国内行動計画が実施されて初年度にも当たるわけなんです。婦人の問題の、婦人の地位向上という決議が両院でされたのも御存じだと思いますけれども、ひとつその線にのっとって、業者婦人の地位向上について特段の御配慮を中小企業庁、それから通産省としてもやっていただきたいということを私は重ねて要求しまして、そしてできるだけ早く、時期がいつまでということをお答えいただけなかったのですけれども、私は、おやりになろうと思えばすぐにできることだと思いますので、できるだけ早く、どういうふうな形でいま私が申し上げたことをこなしていただけるかという御回答をいただきたいということを御要望して、私の質問を終わらせていただきます。
○藤井恒男君 最初に大臣にお伺いいたしますが、四月三十日に私は第七十七回国会の予算の総括質問、それから五月十一日の本院における当商工委員会で、大規模小売店舗法の運用にかかわる質問を行ったわけでありますが、きょう改めてこの問題について御質問申し上げます。 まず大臣にお伺いしますけれど、御承知のように、百貨店法は昭和三十一年に制定されたわけですが、その後昭和四十八年にこれが廃止され、大型小売店舗法として施行され、今日に至っておるわけです。で、旧百貨店法が廃止された理由というのは、大きく分けて次の三つにその理由があると思うんです。 第一が経済社会環境の変化に伴い、流通の近代化を推進させなければならない。流通が非常におくれておるという点にかんがみて、このようなことになっておると思います。 第二に百貨店以外の新しく小売業、俗に言われるところのスーパー、これを百貨店と同等に取り扱う必要が生じてきた。 第三番目が、小売業の資本の自由化を段階的に推進する必要がある。およそこの三つの理由によって、旧百貨店法が大規模小売店舗法に変わったと思うんです。昭和四十七年の通産省の産業構造審議会流通部会の答申も大体このことをうたい上げておるわけです。 で、このようないろいろな諸問題、それから環境変化に対応するために大規模百貨店小売店舗法が制定されたわけでありますが、言うまでもなくこの大規模小売店舗法第一条は、消費者利益の保護を必要とする、当然これを保障するという形になると同時に、流通の近代化、これを図らなければいけないということもうたい込んでおるのでありますが、実態はまだまだ中小小売業者の事業活動を助成していかなければいけない。その機会を確保しなければいけない。同時にまた営業の自由という憲法、これを十分に生かしていかなければいけない。新規参入というものを十分取り扱っていかなければならぬ、この種のいろいろ複雑な問題をも含んでおることも事実であります。で、こういったものが全部絡み合って、今日新聞紙上などで毎日のように見られるように、スーパーの出店をめぐって地域においてトラブルが絶えない。この辺のことについて、旧百貨店法が廃止されて大規模小売店舗法が制定され、幾つもの問題を抱えて二年ほど運用されてきたという今日、大臣、これまでのこのいろいろな紛争の経緯をどのようにごらんになっておるか、この点をまずお聞きしておきたいと思うのです。
○国務大臣(河本敏夫君) 百貨店法が廃止されまして、大規模小売店舗法が新たに制定されましたその背景につきましては、いまお述べになったとおりでございます。そうして新しく法律の目標といたしますところは、流通の近代化——流通分野が大変おくれておりますので、流通の近代化を図っていくということ、それから同時に消費者の利益を図っていくということ、しかし、あわせて地域社会における小売業者との調整をしていかなければならぬわけでありますから、そういう調整をしながら法の運用をしていく、こういうことが主眼点ではなかろうかと思うのでございます。 〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕 自来約二年余りになりますが、御案内のように大部分のところでは調整がつきまして、円満に新しい店舗が次から次に開設をされておるわけでありますが、ごく最近になりましてから、各地で紛争が多発していることは事実でございます。しかしながらまだ法律ができまして二年余りにしかなりませんので、もうしばらくの問やはり様子を見ながら、政府としてはできるだけ円滑な法の運用を図っていきたいと、かように考えておるところでございます。
○理事(熊谷太三郎君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕 〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
○委員長(柳田桃太郎君) 速記を起こして。
○藤井恒男君 それじゃ局長お尋ねしますが、大規模小売店舗法の見直しと改正の動きについてお尋ねします。 まず、この大規模小売店舗に定めている店舗面積、これは政令都市では三千平米、地方都市では千五百平米ということになっておるんですが、この基準を引き下げろ、あるいは届け出制によるローカル民主主義を廃止して許可制にしろ、さらには知事へ調整権限を委譲しろ、あるいは店舗主義を廃止し企業主義にしろ、こういった流通近代化に逆行するような主張が大変多くなっておる。この中から大規模小売店舗法を見直せとか、あるいは改正しろという動きが出ておるわけですが、政府はこれらについて流通の近代化、そして小売業の正常な発展を図る意味から、大規模小売店舗法を改正する意向を持っておるのかどうか、この点をお答えいただきたいと思います。
○政府委員(織田季明君) ただいま御指摘のありました問題点につきましては、各方面から御意見をいただいている次第でございますが、私の方といたしましてはもちろん検討はしておりますが、基本的な考え方といたしまして、大規模店舗法は御承知のように、昭和四十九年二月に施行されまして、自来まだ二年半有余でございますので、もう少しといいますか、現行法の運用を改めることによってまだ補うべきところがたくさんあるというふうに考えておりますので、法律の改正については考えていない次第でございます。
○藤井恒男君 法律の改正は考えていない、運用の面でもうしばらく推移を見たい、大要こういった御答弁だと思うんだけど、いま私あえて一つずつ取り上げてゆっくり申し上げたんだけど、たとえば基準面積を低くしろ、引き下げろ、あるいは店舗主義を廃止して企業主義にしろとか、さらには、現在の届け出制によるローカル民主主義を廃止して許可制にしろと、こういった主張と大店舗を制定した趣旨、それとのかみ合いをどう見ておるか、このことが大事だと思うんです。どうですか。
○政府委員(織田季明君) たとえば許可制の問題でございますが、旧百貨店法は御承知のように許可制をとっておりまして、それが大規模店舗法に改正されるに当たりまして届け出制になったわけでございます。その趣旨は、営業の自由の原則を盾にいたしまして、しかし全く野放しの自由というのは中小小売商業の営業の機会の適正な確保という点からいかがなものかということで、若干の制約を加えたりしている次第でございまして、そういう趣旨から考えますと、現在の段階においても許可制をとるということは考えられないように思う次第でございます。 それから、千五百平米あるいは政令都市につきましては三千平米以上が規制の対象になっているわけでございますが、この点につきましては法律が制定される段階におきまして議決がございまして、これらの以下の面積の店舗につきましても、行政指導によって適正に運用していくようにという議決もございますので、その趣旨にのっとってやっていく所存でございますので、現在のところ改正をする気持ちがないということでございます。以上申し上げます。
○藤井恒男君 大規模小売店舗法は、中小企業者の事業活動の機会の確保、それから消費者利益の保護、それから営業自由の原則、この三つをローカル民主主義で調整しようとしておる法律だと私ども心得ておるわけでございますが、ことしの四月三十日の予算委員会でも、私はダイエーの熊本出店問題を取り上げました。御案内のように、これは熊本市で十一万人という市民がダイエー出店に賛成しておる。この十一万人というのは熊本の全市民の三〇%、世帯数にして七〇%に相当するわけです。これらの人たちが出店を賛成しておるという状況なんだけど、熊本における商工会議所並びに商調協は、進出反対、いわゆるゼロ回答、一平米たりとも出店相ならぬという状況を生み出しておるわけです。もちろん、これは私が予算委員会で質問した折も、当時の局長はこれは非公式結論である、そしてはなはだ遺憾である、消費者の声を十分反映したとは思われない、その後の推移を見守っていきたい、こういった答弁がなされておるわけだけど、この熊本における商調協が一方的な結論を出した、そして政府の言うローカル民主主義——まあ前回の答弁では、それは必ずしも民主主義的に行われていないということを当局も認めておるわけだけど、その後推移を見守るという点について、どのように推移を見守ってきておるのか、あるいは政府の、ローカル民主主義を生かす、消費者利益を確保するという意味における行政指導として何をなさってきておるか、その点をお聞きしたい。
○政府委員(織田季明君) 熊本の商調協につきましては、前の答弁でもお答え申し上げましたように、正式の商調協でないということを申し上げたわけでございますが、これは事前商調協ということでございまして、いわゆる五条の届け出がある前に事前に行う商調協でございますから、それを正式の商調協でないということを申し上げたわけでございます。そういう意味におきましては、まだ正式に土俵に上がってないわけでございますが、そういう段階で非常に強い反対がある、その結果ゼロ回答というようなことも結論めいて出ているわけでございますが、先ほどお話もありましたように、まだ正式の商調協の結論は出てないのが現状でございまして、しかしながら、私の方としては正式の結論が出るのを待たないで、もうちょっと事情をよく調べてみたいと思っている次第でございます。
○藤井恒男君 結局事前商調協とも申すべきところでゼロ回答が出た以降、いままでじっとしておられるというわけですか。
○政府委員(織田季明君) 熊本の県の方の商工部長その他からいろいろ事情は聞いておりますが、具体的に行政的な動きはとっておりません。
○藤井恒男君 いまから申すことにも関連しますので話を進めますが、大規模小売店舗法では、一定基準、すなわち政令都市では三千平米、地方都市では千五百平米、これを基準として、この面積を超える店舗について、消費者利益並びに地方の小売商との競業という点を考慮して、事前協議なり、あるいはローカル民主主義でよく話し合えということになっておるわけです。ところが、基準面積以下の小型店についても最近これを規制する動きが随所に出てきておる。ことに基準面積未満の小売店について、地方自治体で条例を制定してその出店を阻止する動きが出てきておるわけです。このことは、基準面積を設定した、なぜ基準面積を設定して法を定めたのか、そして同時に、先ほどあなたもおっしゃったような憲法に保障された営業の自由というものも包含して、新しい大店舗法ができておるという点との兼ね合いなどを考慮して、この条例の問題について私お伺いしたいんです。 一つは、大阪の豊中市、あるいは東大阪市、また最近では九州の熊本県においてそれぞれ条例が施行されておる。同時に関東知事会、あるいは関東のそれぞれの主要都市において、これにならって条例化の動きが顕著です。特に熊本県条例はこの条例の中に罰則規定を設けておる。内容は省略しますが、熊本県条例は、この昭和三十四年七月七日に施行された小売商業調整特別措置法、この十五条、これが本来条例制定の根拠になるものだと思うんだけど、この十五条には、「都道府県知事は、次の各号の一に掲げる紛争につき、その紛争の当事者の双方又は一方からあっせん又は調停の申請があった場合において、物品の流通秩序の適正を期するため必要があると認めるときは、すみやかに、あっせん又は調停を行うものとする。」と定めてあるんだけど、この紛争の事実があった場合に知事は調停を行うということ、当事者の双方または一方のあっせんまたは調停の申請があり、さらに物品の流通秩序の適正を期する必要がある場合に限り知事があっせんを行うんだという、この十五条の趣旨に照らして根拠を有するものであるか否か。紛争がないのに、あるいは申請がないのに紛争を予知して、あるいは紛争を予防するために大店舗法に定める届け出事項にならない届け出をさせるということ。熊本県条例はそうですね。これは私は法的に全く根拠を失っておるものであるというふうに思うわけですが、あなたはこの点についてどういうふうにお考えであるか、これをお聞きしておきたいと思うんです。
○政府委員(織田季明君) いまお示しの地方自治体の中で、豊中の場合は条例でございますし、東大阪あるいはその他のところは要綱というかっこうをとっております。また熊本県は、条例ではございますが罰則があるということでいろいろ対応が違うわけでございます。そのうち要綱的なものにつきましては、私の方はいわば行政指導的なものというふうに考えておりまして、格別問題にするほどのこともないかというぐらいの感触でございますが、それから、豊中は条例ではございますが、罰則がございません。これも熊本県のような条例をつくって罰則をつけるということに比ぶればまあまあという感じでございますが、熊本県の条例につきましては、御承知のように大規模店舗法が千五百未満を規制の対象外にしている、その規制の対象外にしている分野につきまして罰則をつけて、命令違反は罰金というようなことを規定しているわけでございますが、これは違法性の問題はいろいろむずかしい問題がありまして現在検討中でございますが、少なくとも妥当性を著しく欠くものであるというふうに私の方は考えておる次第でございます。
○藤井恒男君 妥当性を著しく欠くというふうにいまおっしゃったわけだけど、憲法で保障されている営業の自由との関係、それからいま私申し上げましたところの十五条との関係、これを見るとき、法律以上の規制を盛り込んだこの条例というものは地方自治法違反である、大規模小売店舗法の届け出対象外は商調法に基づいて実施できる。商調法では知事の権限を勧告までとしており、罰則までを設けていないわけですから、したがって、熊本県条例についてはこの面に照らしても、いま法律違反ということが言えない理由は存在しないと思うんです。どうですか、この辺。
○政府委員(織田季明君) 先ほど商調法を根拠にしてというお話がございましたが、私の方が考えております限りでは、別に商調法を根拠にしているわけでもなくて、ただ、条例として適法かどうかという観点からつくったのではないかと思います。もし商調法を根拠にしておるんでございましたら、お示しのありましたように商調法は罰則もございませんし、そういう法律をもとにして罰則をつくるというのは違法でございますが、商調法を根拠にしているとは私ども考えておりません。そういう商調法を離れて考えました場合でも、妥当性を欠くものであるというふうに考えております。
○藤井恒男君 大店舗法というものが存在しており、かつ商調法を根拠にせずして大店舗法にかかわる、あるいはそれを踏み越えた形で地方自治法が、いわゆる条例が制定されるということは地方自治体法に反する行為じゃないですか。その法律の準拠法は、それは何ですか。
○政府委員(織田季明君) 先ほど法理的にむずかしい問題でと申し上げたわけでございますが、大店法が規制の対象としております千五百平米以上の部分は、一体その大店法の分野なのか、あるいはもう全然白地の部分で、そこに条例がつくられても違法でないということになるのかという点が問題点でございまして、大店法の領有する分野と言いますか、規制の分野ではない、対象ではないけれども一応網をかぶせた分野であるというふうに考えれば、そこの規制外千五百以下について、規制の対象として罰則をつけることは違法でございますが、千五百以下についてどういうふうに考えるかというところが、違法性があるかどうかの問題点でございまして、この点につきましていま相談をしている最中でございます。
○藤井恒男君 それはかえっておかしいじゃないですか。千五百ということ、それを制定した理由、——これはあなたがおくれて来たんだからしようがないけれども、私大臣に申し上げて大臣とも確認をとったところであって、つまりそれは昭和四十七年の通産省の産業構造審議会流通部会の答申に明確にあるわけです。だから、千五百平米というものの基準は何かと言えばそれは問題の残るところでしょうが、しかし、少なくともこの審議会においては一定基準を制定した、それが千五百平米でしょう、だから、それ以下のところは憲法に照らして営業の自由というものを損なわせないという精神が織り込まれておると思うんですよ。だから大店舗法が制定されたとき、なるほど国会においては附帯決議が行われて、千五百平米以下についても行政指導を行えという趣旨のものはありますけどもね。それが地方自治体において、あたかも片や千五百平米以上は大店舗法による規制、千五百平米以下については地方自治体において罰則をも含めた規制というようなことに発展するはずはない、法の趣旨から照らして。その意味において、準拠法も何もないものが、しかも罰則規定をつくって条例化することは大店舗法との整合性においてもおかしいでしょう。もっと遠慮なく物を言ってください。
○政府委員(織田季明君) 法律的に疑問を持っていることは先ほど申し上げたとおりでございますが、現段階において違法であると断定するには、私の方もいろいろ検討しなければいけない問題が残っておりまして、関係方面と相談中でございますが、かつて公害規制につきまして基準の上乗せが違法であるかどうかという問題がありましたが、若干似たような問題でもありまして、そういう前例も含めまして、関係方面と相談をしているところでございます。
○藤井恒男君 これは最終的に違法であるか否かということをそれは私も断定できない、あなたでも断定できないと思うんですよ。それは独断というものです。それはやはり訴訟なり何らかの形が行われて、そのしかるべきところが判定すべきものでしょう。しかし、大店舗法を持っておる原局として、法の行政指導の責任に当たる立場にあるものとして、その立場からして違法性があるという見解を出すことは、私は何も越権行為じゃないと思いますよ。それは法制局の見解もありましょう。地方自治体の見解もありましょう。さらには裁判所の見解だってあろうと思う。だから最終的に判定するものをも乗り越えてきめつけてしまうことはそれは無理があるかわからぬけれども、しかし、原局であるあなたの立場が、私は言うべき立場じゃないというようなことはかえっておかしい。混乱さす。私の原局から見たらこれは違法性がある、あるならはっきりそれは言うべきであって、それをやらないからあのようにゼロ回答が出て、いままでじっと手をこまねいておるから、逆の方向を通産省は求めておったんでしょう。前広に求めておったのが逆の方向にいっておるでしょう。まさに逆の方向でしょう。ゼロ回答はいけないんだ、これは何遍も天谷審議官は私に答弁しておられる。ゼロ回答、そこにおける消費者の声の代表は必ずしも十分には行われていなかった。「そこの事前商調協の議論、意見の形式が公正に行われたかどうかは大いに疑問があるところでございます。」「ゼロ回答というのは適正な回答ではないとわれわれも感じております。」これははっきり議事録に載っておるんですよ。五十一年五月十一日の商工委員会です。 だから、あなたたちがいままで手をこまねいておったということは私は怠慢だと思いますよ。しかし、もう過ぎ去ったことはしようがない。手をこまねいておるからあなたたちが求める方向とは逆の方向にいっておるんですよ。しかも、条例化して罰則も規定して。それをあなたは、いやそれでもまだ私どもは当事者としてどうだとかいうような、こんな考えでおったらこれは全国へはびこっていきますよ、ずっと。それでも手をこまねいておるのか、やっぱり原局にあるものはそこをきちっとしなきゃだめだと思うんだ。大臣どうですか、それ。
○政府委員(織田季明君) 私も先生のおっしゃるように、違法であるか違法でないかということは私の方が責任持って判断をしなければいけないというふうに思っておりますが、非常にむずかしい問題であるだけに、関係方面とも十分相談の上断定をしなければいけないというふうに考えておるわけでございまして、先生のお話は少し慎重過ぎるではないかということではないかと思いますが、この問題は非常に重要な問題であるだけに、少し慎重過ぎるかもしれませんが、いろいろ相談の結果で決定的な判断をしたいというふうに考えておる次第でございます。
○藤井恒男君 いや、それがいかぬのですよ。大臣、この慎重さというのが問題をこじらしておるんですよ。この二年間、新聞を一遍見てごらんなさいよ。ほとんど毎日のようでしょう、これ。何千件でしょう。大臣は冒頭に、大方はいい方向に向いて進んでおる、一部においてトラブルが非常に表面化しておるとおっしゃったけど、それはおさまっておるところも、何もなくておさまっているんじゃないですよ。少なくとも出店を希望したら一年以内に出店がオーケーになる場合はないですよ、これは。審議官調べてごらんなさい、そんなものじゃないですよ。大臣のおそばの須磨のたとえば店なんかへ行ってごらんなさい。三分の一の店は完全にフロアもでき上がっておるのに幕閉めてほったらかしておるんです。全くむだなことですね。フロアも全部できておる。そしてたくさんの人がそこに、消費者が買い物に来ておる。それなのに幕を閉めて、そこに品ぞろえができない。遊ばしておる。こういったぐあいに全部ゆがめられていっておるんですよ。 それは何かといえば、問題が非常に複雑である、問題が重要である。だからじっとしておる。じっとしておるから問題がどんどん起きて、しかもそれは私に言わすなら、健全な方向で問題が起きておるんじゃない。法の趣旨と逆の方向に向いておる。それどころか関東知事会においても大店舗法改正という形で動きが逆に向いておるんでしょう。それでもなお手をこまねいておるんだ。この県条例は九月三十日に出ておるんですよ。十月一日施行じゃないですか。大臣どうですか、その辺。
○国務大臣(河本敏夫君) 確かに問題だと思います。といいますのは、やはりこの国会決議を見ましても千五百平方メーター以下の店舗といえども必要とあらば行政指導せよ、こういうことにもなっておりますし、あるいはまた、場合によれば小売商業調整特別措置法によりまして県知事に調整を依頼する、こういうこともあり得るわけでありますから、だから、これまでの法律の体系と別個の体系がある。地方独自の判断で、次から次へできるということは、国の法体系、法秩序に混乱を生ずる、こういうことにもなりかねないと思います。であればこそ、地方自治法でもいろいろな規定があるのだと思いますが、そういう意味で非常に大きな問題だと思います。 ただしかし、これが一概に違法であるということをここで断定的に申し上げるのには、なお若干の研究すべき点が残っておりますので、もうしばらく正確な結論を申し上げるのはお待ちいただきたい、こういうことでございます。
○藤井恒男君 この大阪の豊中市とそれから東大阪市の問題については、要綱であるからこれは問題がないというふうに先ほど審議官お答えになったんですか。
○政府委員(織田季明君) 問題ないという感じではございませんで、熊本の罰則つきの条例に比べれば妥当でないという度合いが弱いという感じを申し上げたわけでございます。
○藤井恒男君 この俗に言う市場法ですね。これに照らして見た場合に、市長には何も権限がありませんね。だから、市長に何も権限がない場合に市で条例を策定したら、それは何も法的根拠ないということになりますまいか。どうでしょう。
○政府委員(織田季明君) 調整の問題につきましてはいろんな機関がやってもいいことでございますから、いま先生がお示しの、市長がということも余り問題ではないんじゃないかとも思うわけでございますが……。
○藤井恒男君 問題がないというのは、どっちに問題がないんですか。
○政府委員(織田季明君) そのままで差し支えないというふうに考えております。
○藤井恒男君 差し支えがないということは、その条例は適正であって生かしておいていいということですか。
○政府委員(織田季明君) 非常にさっきから微妙なニュアンスがありまして、答えにくいんでございますが、妥当性の度合いが少ないという原則は維持しつつ、まあ、けしからぬじゃないかというほどでもないじゃないかということでございまして、非常に微妙なところでございまして、それで御了解いただきたいと思いますが……。
○藤井恒男君 あなたは非常な役者で、大体おくれて来て、ぱあっと役者が出てきたようなかっこうで出てくるし、非常に質問しにくいんだけど。いまのような答弁なら、そういった条例というものは空気みたいなものだと。そうですね、どうです。
○政府委員(織田季明君) 空気は非常に益があるわけでございますが、そういう意味で奨励すべきほどでもないという感じでございますので、空気と言われると何か非常に役に立っていいことじゃないか、奨励すべきこと.じゃないかという感じでとられますとちょっとまた誤解を招くかと思うんですが、妥当性がないという度合いが非常に薄いという感じでおくみ取りいただきたいと思います。
○藤井恒男君 前半は非常にいい答えだったけど、後半はちょっと逆のようなお答えになっているけどよくわかりました。禅問答みたいだけどね、これは。 もう時間がきておりますので、別にもう一つだけお聞きしておきたいと思うんです。 それは、地方自治体で同じ条例化の動きがあるんだけど、それは品質表示に関してですね、これはいいですか、品質表示。この品質表示というのは、家庭用品品質表示法というの通産省にありますね。これに基づいて行われるべきものであろうと思うんだけど、どんどん物が、たとえば繊維にしても日用雑貨にしても、電気製品あるいは家具、これが非常に新しいものがスピードをもって市場に出回る。したがって、この通産省の持っておるところの品質表示法というものが、ともすれば間尺に合わなくなるというところから、それぞれの最寄りの自治体において独自に基準を設定しつつある。そしてそれを品質を表示さす義務を付しておるわけですね。こうなってまいりますと、このチェーンストアというのは文字どおりチェーンストアですからね、全国にチェーン化しておるところにメリットがあるし、それがゆえに価格が安く、商品を安くして消費者に提供することが可能なんだ。ところが地方自治体でこの独自の品質表示というものがどんどんエスカレートして、お隣がシビアにすればこっちはもっとシビアにするという形で、シビアな方向へ競争する結果になる。これはシビアとは必ずしも言わなくても、まちまちのものが出てくればチェーンストアというものの機能が停止するわけですよ、これは。たとえば品質管理センターで一体どうしたらいいのだと、チェーンストアがチェーンじゃなくなっちまうんですよ。あえてそれをチェーン化していこうとすれば、それぞれのパッケージの問題もあるし、それはコストアップにつながるし、消費者利益にもならない。スーパーのスーパーたるゆえんもなくなるということになるわけだけど、この辺一工夫あってしかるべきだと思うんです、私は。いつまでも家庭用品のこの表示法というのを通産省が機能する力がないのにじっと持って、しかもそれが陳腐化しておるという状況を何か考え直してみたらいいんじゃないだろうか。あたかも公取が不当景品類及び不当表示防止法というものを持っておって、これを自治体に調整権限を与えておりますね。そのことによってこの法律が非常に機能しておると、これ取り締まり法だけど。こういったような法の運用というものもあるわけで、この辺の現状がどうなっておるか。あるいはそれに対応する通産省のお考えですね、その辺のところを聞かしてもらいたいと思うんです。
○政府委員(織田季明君) ただいまお話のありました家庭用品品質表示法は、お話のありましたように商品が流通する、しかも地域的ではなくて、全国的に流通するということを考えますと、いまお話のありましたように、地方自治体が独自で品質表示の義務づけをするということは、いろいろ不便あるいは流通機構の合理化を阻害するというような面がございまして、私の方から地方自治体にもいろいろ話をしているケースもございます。現実にまだ家庭用品品質表示法において指定商品になっていなかったものが、ある地方自治体において指定されていたものがありましたが、私の方でそれを指定することになりました段階では、その地方自治体の条例の指定から落としたこともありますし、そのほか法律の運用における整合性につきましては、常々地方自治体に通達その他で連絡をしている次第でございます。じゃ、おまえのところでやっている法律は、今後その運用において改めるべきところはないかという点につきましては、御承知のように、この法律が制定いたしまして十年以上にもなるわけでございまして、この間における経験等を生かしましていろいろ検討をし、改正すべきところは改正していかなければいけないかというふうに考えておる次第でございます。
○藤井恒男君 最後にひとつ——これで終わります。 大臣、いままでの質疑を、一部抽象的な論議もありましたけど、お聞き及びのとおりです。私は、大臣に少し意見を申し上げて、大臣のお考えをお聞きして質問を終わりたいと思うわけですが、この大型店の地方へ進出しているその地域の物価と、大型店が進出していない地域における物価を比較した場合に、これはもう明確に大型店が進出している地域の方が、消費者価格というのは安いんですよ。このことは、別に大型店の品物が、その地域における中小小売店の品物より必ずしも安いということは意味していない。しかしその地域において、そうじゃない地域より物価が安いという傾向にあることは、否定できないと思うんです。つまりこのことは、中小小売店と大型店との間に有効な競争が行われておる結果だと。これは非常に重要だと思うんですよ。だから、大型店が地域に出店して、中小小売店と上手に有効競争を行っておる地域の消費者物価は安くなるんだ。このことを考えると、大型小売業が、私は別な見方をしても、毎年安定しておるということ、そしてこれほど失業者が多い中で、大企業もそれぞれ採用を手控えておるという状況の中で、雇用の機会を大型店は常に与えておりますよ。歴史は非常に浅いわけであるが、わが国の産業という面から見ても、私は大型店というものを無視することができない。それほど大きな、雇用の問題から見ても物価の問題から見ても、あるいは流通の近代化、消費者の消費動向に照らした消費の近代的あり方という面から見ても、大型店というのは無視できない。 だから、ここで考えなければならないことは、いたずらに中小小売商という側だけに、それが生業であるというものだけにスポットを当てて、そうして大型店の進出というものは規制さるべきである、中小小売業というものは、これは現在の姿で保護さるべきであるという論議というのは、私はいささかいまの時代にそぐわない。 やるべきことは、この有効な競争というものをどうするかということ。もちろん零細な生業としておる中小小売商を見捨てろとか、どうなってもいいんだとか、そういう暴論を私は言っておるんじゃないですよ。だからいたずらに、ともかく大きいものは悪いものだということで、大型店の出店拒否だと、阻止だという動きが全国的な風潮なんだけど、これはやっぱり正当な物の見方というものを、行政当局が一般消費者に、あるいは中小小売商の方たちにも、また過当に過剰出店する側の大規模小売店舗の方にもよく行政指導して、要は、消費者保護、消費者利益を確保するという中から流通の近代化を図り、そして日本の経済を発展さすという方向に私は物を導いていかなければいかぬと思う。だから、その方面で私はひとつ十分通産省としても努力してほしい。ただじっとしておることがいいことだというのは私は誤りだと思う。大臣、その辺についてのお考えをお聞きしておきたい。
○国務大臣(河本敏夫君) 法律の精神も私はそうなっておると思うんです。当初にも申し上げましたように、おくれておる流通の近代化を図るということ、それからそのことによって消費者にも利益をある程度確保するということ、こういう大きなメリットがあるわけでございますから、ただ、地域の小売業者との間によく調整を図りながら問題の解決を図っていくと、これが法律の目的でありますから、その目的に沿って私は今後運用させなければならぬと考えております。
○委員長(柳田桃太郎君) 他に御発言がなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十分散会 —————・—————