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78回国会参議院1976/10/08

災害対策特別委員会 第2号

発言数
378
登壇者
41
会派数
5
開催日
1976/10/08

会議録

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る九月十八日、中村英男君及び松本英一君が委員を辞任され、その補欠として中村波男君及び前川旦君が選任されました。  また、去る九月二十日、春日正一君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。  また、去る九月二十四日、近藤忠孝君が委員を辞任され、その補欠として加藤進君が選任されました。  また、去る九月二十九日、辻一彦君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君が選任されました。  また、去る六日、藤原房雄君及び小谷守君が委員を辞任され、その補欠として矢原秀男君及び辻一彦君が選任されました。  また、昨七日、加藤進君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。     —————————————

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 天野国土庁長官及び江藤国土政務次官から発言を求められております。この際、これを許します。天野国土庁長官。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) 私、先般の内閣改造で国土庁長官を拝命いたしまして、また十七号台風の非常災害対策本部長を拝命いたしました。災害の委員会の皆さん方には格別な御協力をいただくことによって、何とか職務を遂行してまいれると思いますので、今後とも一よろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げて、ごあいさつといたします。どうかよろしくお願いいたします。(拍手)

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 江藤国土政務次官。

江藤隆美自由民主党国土政務次官

○政府委員(江藤隆美君) このたび天野長官のもとに国土政務次官を拝命いたしました江藤隆美でございます。あわせて中央防災会議の事務局長の重責をも担うこととなりました。長官ともども委員長を初め委員の皆様方の御指導をいただきまして、職務の完遂に全身全霊を傾けてまいりたいと思いますので、御指導と御鞭撻を賜りますようにお願いを申し上げて、ごあいさつといたします。(拍手)     —————————————

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 片山政務次官。

片山正英自由民主党農林政務次官

○政府委員(片山正英君) このたび大石農林大臣のもとで農林政務次官を拝命いたしました片山でございます。よろしくお引き回しをお願いいたします。(拍手)

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、先般当委員会が行いました台風十七号による災害の実情調査のための委員派遣につきまして、各班から派遣委員の報告を聴取いたします。第一班上田稔君。

上田稔自由民主党

○上田稔君 第一班の御報告を申し上げます。  工藤委員長、中村委員、原田委員、加藤委員、柄谷委員及び私上田稔は、去る九月二十七日から二日間、台風第十七号により激甚な被害を受けました岐阜県の実情を調査してまいりました。  当委員会は、すでに政府側から台風第十七号の全国的な被害状況と応急施策の概況を聴取しておりますので、岐阜県に焦点をしぼり、被災後二週間を経過した災害地の状況、今後の対策、また現地で明らかになった問題点等について、その要点を御報告申し上げます。  まず、被害概況についてであります。  岐阜県がまとめた九月二十六日時点の災害調査によりますと、被害総額は千十六億余円の巨額に上っており、その内訳は、住宅関係被害二百九十五億円、土木関係被害二百二十八億円、農業関係被害百五十九億円、林業関係被害百四億円、商工業関係被害二百十四億円に達し、その他、文教、観光、医療等全分野にわたり、その惨状はきわめて深刻なものがありました。また、一般被害につきましては、罹災総人員は二十七万六千人、そのうち死者は七名、重軽傷者は二十一名、その他、家屋の全半壊百九むね、浸水家屋は実に七万五千むねに及ぶ等膨大な被害となっており、岐阜市を初め四市十二町一村に災害救助法の適用を見たのであります。  こうした今次災害の特色といたしましては、第一に台風第十七号が広範な雨域を持つ典型的な雨台風であり、しかも進行速度が遅かったため、各地に未曽有の降雨をもたらし、それがため各河川の決壊、はんらんと急傾斜地の崩壊が頻発したことであります。すなわち、九月八日から岐阜県下に降り始めました雨は、長良川上流地域を中心に時間雨量七十ミリ以上の豪雨となって断続し、総雨量は十二日までの五日間で千ミリを超える異常な規模となり、河川の増水と地盤の緩みが同時に加速され、随所において危険な事態が惹起されるに至ったのであります。  第二は、一級河川長良川の決壊を初め、中小河川、都市河川の破堤、道路の破損等、公共施設災害が顕著であったことであります。異常降雨の中で、長良川の水位はピーク時が四回に及ぶ波状変化を示し、また、警戒水位は七十数時間にわたり突破され続けたのでありますが、ついに十二日午前十時三十分、安八町大森地区で右岸堤八十メートルが決壊し、四千万トンの濁流が堤内地に流れ込む大惨事となったのであります。その他、長良川、揖斐川の各所における堤防ののり面崩壊、漏水等の被災、中小河川、都市河川の破堤、はんらん、内水による湛水、また、道路、橋梁の破損等が県下全域に発生しており、公共施設の整備と管理について問題が提起されたのであります。  第三は、河川の決壊、はんらんによる湛水地帯の拡大化、長期化の中で、その地域に生活する人人の個人的災害がきわめて激甚であったことであります。湛水被災人員は二十八万人、県人口の約一六パーセントに達しており、この三分の一の人人が床上まで被災し、畳はもちろんのこと、衣類、家具等のほとんどが使用不能となり、壁の塗りかえ等家屋の大幅補修も余儀なくされているのであります。また、水稲の冠水面積は一万三千ヘクタールに上り、県下の作付面積の二五%に達しており、冠水が稲の出穂開花期と重なったため、流失を免れた地域においても倒伏、腐敗の危険が多分にあり、収穫、品質は極度に低下するものと予想されているのであります。  このような特色を持つ今次の災害は、一方において公共施設災害が激甚であるとともに、他方で個人災害も非常に多いことに注目しなければならず、復旧事業等今後の施策に当たっては、これらの事情を十分に把握し、きめ細かな措置を講ずることが必要であります。  次に、視察いたしました主な被災地の状況と今後の対策について触れることといたします。  長良川と揖斐川にはさまれた本巣郡穂積町は、天王川、糸貫川、犀川等五河川の温水はんらんにより平たん部のほとんどが数日にわたり湛水したのであります。そのため住宅浸水、罹災人口は町民の七〇%に及び、野菜、水稲の収穫は皆無に近く、また橋梁流失、排水機の水没、故障、排水扇門破損等公共災害も甚大となったのであります。低地に広がる同町は、囲りの大河川に加え、町内に集中する各河川のため、常に水害の恐怖に脅かされているのが実情であり、これらの河道改修と築堤の補強、高性能排水機の増設等、抜本的な治水計画の実施が必要であると痛感されたのであります。  揖斐川右岸の大垣市も全区域の七二%が湛水状態となり、全戸数の約半数が浸水、農地のほぼ全域が冠水するなど未曽有の被害となり、内外水の排除問題が改めて取り上げられておりました。区域内を流れる杭瀬川、大谷川、中之江川等の温水に加えて、揖斐川右岸堤ののり崩れ現象が大きな不安となっており、揖斐川上流におけるダムの建設とともに、各河川の改修、排水機の新増設等早急な治水対策、都市排水対策の必要性が強調されておりました。  なお、被災市街地から搬出される廃棄物の処理も困難な課題であり、河川敷の随所に山積みされた光景はすさまじく、また、災害当時の悲惨さを物語るものと思われました。  安八町では、長良川右岸堤の決壊現場を視察いたしました。この地帯は、長良川の河床が堤内地より高い、いわゆる「天井川」の形状を呈しており、付近には輪中堤で家屋、田畑を取り囲む水防協同体の名残が現在も見受けられておりました。決壊した個所は、長良川の流れが緩く右へカーブする地点の土盛り堤で、流れが最も強く当たる最深部から崩れたとのことでありました。堤内地に流れ込んだ濁流は、鉄砲水となって人家を押し倒し、渦を巻きながら南北の輪中堤と揖斐川堤防まで突き進み、湛水は安八町全域はもちろんのこと、数キロ上流の墨俣町全域にも及んだのであります。特に、決壊個所に近い安八町善光地区では、軒までつかる濁流のため、家屋は崩壊、水没し、道路、橋梁は破損され、穀倉地帯は荒れ河原と変貌しており、どろまみれの枯れ草や砂れきが至るところに散在し、当時のすさまじさが想像されました。  現在の長良川は、すでに平常の水位に戻っており、八十メートルの決壊口には、それを取り囲むように外側に三百メートルの仮堤防が設けられておりました。堤内地のどろ水は四千万トンに達したと推定されておりますが、これらはポンプ三十数台によって長良川、揖斐川への排水を完了しており、仮堤防中央部の自然流出口も閉鎖されておりました。  今後は、決壊堤防と仮堤防の間を土砂で埋め、その後十月中旬には本堤防の改修工事に着手するとのことでありましたが、水害の恐ろしさにおののく地元民の人心を安からしめるためにも、工事の順調な進捗と早期完成を図ることが必要であると痛感されました。  中濃地域の山間部では、急傾斜地の崩壊、中小河川の決壊、はんらん、道路、橋梁の破損等、施設災害が頻発しておりました。  長良川の支流、伊自良川、鳥羽川、大桑川は、いずれも各所で破堤、はんらんし、道路交通を遮断し、人家、田畑を襲っておりましたが、さらに山間部は調査不能であり、多くの山腹崩壊が予想されるとのことでありました。未改修の中小河川の多いこの地域では、復旧に当たり思い切った改良工事が必要であり、地元では被災個所の一定災事業の採用を強く望んでおりました。また、林地崩壊、急傾斜地崩壊は、この事業の採択基準以下の個所の災害発生が目立っており、採択基準の再検討とともに、危険区域における土地利用の規制について、実効のある行政措置が必要と痛感されました。このように、施設災害を中心とするこの地域の被害は膨大な額となっており、年間町村予算の二倍以上に達するとのことで、早急に手厚い財政援助の措置を講じてほしいとの強い要請がありました。  最後に、今次災害に共通する問題点並びに所見について申し上げます。  第一は、長良川の治水対策についてであります。  一級河川長良川は、わが国でも代表的な河川であり、明治時代から内務省、建設省によって精力的に治水工事が進められてきたところであります。しかるに、現在までの河川改修の状況は、戦後の最大洪水毎秒七千五百トンに耐えるための目標のわずか一九%しか達成されておらず、また護岸工事についても延長九十キロのうち三六%しか整備されていないのが実情であります。そのため、今回の決壊個所も盛り土のみでつくられた堤防であり、護岸工事も実施されておらず、従来から警戒地帯とされていたところであります。  また、長良川は「天井川」としても有名であり、保水能力に乏しいため、かつては遊水地が随所に設けられて、これにより洪水調整が図られていたのであります。しかし現在は、かつての遊水地帯における土地開発が進行し、降雨は一瞬にして長良川に押し出されるため、洪水による破壊力は従来に比し倍加されているのであります。今次災害を機に、地元では長良川の治水対策について、しゅんせつ、河道整備、洪水調整ダムの建設等、種々の意見が交わされておりますが、住民の理解と協力を得るためにも、慎重なる配慮の中で抜本策を確立し、事業実施を図ることが必要と痛感されました。  第二は、中小河川の治水対策についてであります。  大河川に流れ込む中小河川が随所で破堤、はんらんしているのも今次災害の共通点でありますが、その多くは未改修部分においてであります。大河川に比して中小河川の改修はさらに大幅におくれておりますが、同時に問題となりますことは、上流地域における宅地開発と土地改良が治水対策との調整のないままに進行しており、大雨の際の排水を収容する機能に欠けていることであります。今後は、土地利用のあり方にも治水上の観点から厳しい監視が必要であり、特に大きな排水を伴う開発行為にあっては、河川管理者との協議を義務づけることが必要であると思われたのであります。  なお、被災河川の多くは市街地の中央部を流れ、また田畑の灌漑用水として生活に結びついており、迅速な復旧こそ待たれておりますが、その場合、大幅な改良復旧を実施する必要があり、激特事業の適用、一定災事業の採用について、建設省の積極的な姿勢が不可欠と思われたのであります。  第三は、河川管理のあり方についてであります。  長良川決壊の原因としては、高かった水位が低下し始め、堤防に加わる水圧が変わり、堤防が引きずられたとされておりますが、加えて堤防の漏水現象があったのではないかと報道されているのであります。また、長良川の河川敷内には寄り州、桑畑、樹木等が点在しており、洪水時には水勢を異常に変化させることが予想され、日常の適正な河川管理が防災の上で必須であると痛感されました。また、中小河川の管理につきましては、特に排水機の増設と適正機能の維持、操作技術者の確保等が当面の課題であると思われました。  建設省はすでに災害危険個所点検調査、河川工作物関連応急対策事業、洪水はんらん予想区域設定のための調査等を実施しておりますが、今次の災害を機に従来の河川管理を見直して、改めて綿密な総点検を実施することが必要でないかと考えるのであります。  第四は、急傾斜地対策についてであります。  中濃地域におきましては、長雨による山はだの緩み、急傾斜地の崩壊、土石を伴う激流の家屋と道路、河川施設への激突、それによる破損が大方のパターンとなっており、それだけに、惨たんたる被害の痕跡が各所に見受けられておりました。危険な急傾斜地は、岐阜県下でも千五百カ所に及んでおり、危険区域に指定されているものは百五十ヵ所にすぎない実情であります。  急傾斜地崩壊対策事業、地すべり対策事業、林地崩壊防止事業、砂防事業等が効果的に実施できるよう事業採択基準を緩和するとともに、財政的援助についても積極的な措置を講ずることが必要と思うのであります。  第五は、個人災害の救済についてであります。  災害援護資金の制度化は、数少ない個人災害救援の措置だけに、被災世帯にとって期待は大きなものがありました。しかし、現実の貸し付け基準では、家屋全壊の場合七十万円、半壊の場合四十万円にすぎず、家屋等の復旧費を充足することは全く困難な実情であります。  今次災害が、個人災害の面で特に激甚であったこと、経済情勢の変化が著しいこと等にかんがみ、貸し付け限度額の引き上げ、貸し付け基準の緩和等について再度検討し、遡及適用を図ることが必要と痛感されました。  また、災害復興住宅資金、自作農維持資金、天災融資、中小企業災害特別融資等について特別の配慮を行い、地方税等の減免措置についても検討すべきであると思うのであります。  第六は、最も要望の強かった激甚災害の指定についてであります。  個々の災害地はきわめて激甚であり、被害は想像を絶するものでありました。また、被災物件の多くは県、市町村の施設であり、過疎地帯の財政力の乏しいこれらの自治体に対し国の大幅な財政援助の道を開くことがぜひとも必要であります。近く台風第十七号の激甚災害指定は行われるとのことでありますが、公共土木、農林水産、中小企業等についての特定地方公共団体も早急に決定すべきであります。これこそ災害地の民心を安定させ、自治体、被災者をして復旧事業に精進させるための要件であり、政治であると思うのであります。  以上が調査の概要でありますが、これらはいずれも不安におののく地元民の真摯な要請でもありました。政府は、これらの点について十分に検討され、必要な行財政上の措置を早急にとられんことを強く要請し、あわせて今次災害で亡くなられました方々の御冥福と災害地の一日も早い復旧をお祈り申し上げ、報告を終わります。

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 第二班古賀雷四郎君。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 香川県下における台風第十七号による被害の実情調査報告をいたします。  第二班も一班と同様、九月二十七日、二十八日の両日にわたり、藤原理事、神谷理事、前川委員と私古賀は、香川県下における台風第十七号による被害の実情を調査してまいりました。私は、調査団を代表して調査の概要を簡単に御報告いたします。  大災害をもたらした今回の大雨の特徴は、台風第十七号が鹿児島の南西二百五十キロに停滞、前線が居座ったため、大雨の形が何日も続き、高松地方気象台観測以来の大雨を記録したものであります。特に、年間雨量千二百ミリ前後であり、小雨域の香川県東部地方に年間雨量をはるかに上回る雨がわずか数日間で集中して降ったことであります。県下で特に時間雨量の多かったのは、引田で十日十九時から二十時に七十八ミリ、内海町橘地区では十一日一時から二時に七十五ミリ、福田地区で十一日八時から九時にかけて七十七ミリ、殿川ダム地点では九十五ミリ、大内町大内ダムでは七十八ミリを記録しております。一般に、日雨量が年間雨量のほぼ一割程度を超えると大きな災害が発生すると言われておりますが、今回の大雨はそれをはるかに上回ったわけで、これが大水害の原因となったのであろうと思います。香川県と違い、多雨地帯と言われている徳島県や高知県、さらに愛媛県の瀬戸内海側でも年間雨量のほぼ半分以上を記録したと言われ、いずれも今度の大雨は未曽有の広域にわたったものと言えましょう。  このような記録的な豪雨のため、平野部では各地で河川並びにため池がはんらんし、山間部では山崩れ、がけ崩れ、土石流等が発生するとともに、各地で地割れが生じ非常に危険な状態となっております。特に、播磨灘の西に横たわる東西二十九キロ南北十五キロの小豆島では人的被害がきわめて大きく、池田町二十八人、内海町七人、土庄町四人、合わせて三十九人、さらに本島部大川郡津田町では八人、大川町、志度町、木田郡庵治町ではそれぞれ一人を数え、合計五十人の方々がとうとい命を失われておるのであります。謹んで御冥福を心からお悔やみ申し上げたいと存じます。行方不明一人の池田町では二十六日夕刻御遺体が海岸で発見されたという報に接し、新たな悲しみとなったのであります。  なお、九月二十五日午前九時までの被害概要は、重傷者三十四人、軽傷者七十一人、被災世帯五千六百三十七世帯、被災者一万九千六百二十人。住家関係の被害では、全壊二百八十二世帯、半壊三百三十五世帯、床上浸水五千二十戸、床下浸水一万六千三百六十二戸。なお、建物の一部損壊等三百八十余尺さらに、農林関係二百三十億余円、土木関係百七十五億余円、商工関係五十一億余円、観光関係一千百万円、水産被害八億七千万円、文教施設一億二千万円、水道事業一億三千八百万円、環境衛生関係二千万円、県関係施設被害一億五百万円、以上合計四百六十九億九千五百万円余の甚大な被害となっております。  これらの災害に対処するため、県では九月十日、香川県水防本部、十一日には災害対策本部を設置するとともに、五市三十七町に水防本部、二市十六町に災害対策本部を設置し、高松市ほか十三町に災害救助法を適用し、善通寺駐とん陸上自衛隊第二教育団長、海上自衛隊呉地方総監にそれぞれ災害派遣を要請し、県警、海上保安部、消防機関が一致協力のもとに、救助、捜索、物資の輸送、道路の啓開、避難誘導等、さらに、電力、電話の復旧、医療防疫など、関係各機関を通じて、懸命に進められてまいりました。  県下で最も被害の大きかった小豆島の内海、池田両町は、背後に標高百から四百メートルの寒霞渓山系、標高八百メートルの星ケ城山が連なってそびえており、山はだは離島特有の急傾斜をなし、海に入り込んだ静かな町も至たるところで山腹が崩壊しており、道路は各所で寸断され、二十七日現在隣接地への交通は船に頼っております状態でありました。  去る四十九年七月の災害でも多くの山崩れ、土石流により死傷者五十人、全半壊二百戸を超える被害の実情から、今後の対応策としては、香川県下の地質の特性及び土石流発生のメカニズムについて考えなければなりません。香川大学の斉藤教授は、多くの人命が失われた小豆島全域、津田町北山、それに詫間町紫雲出山は、いずれも花崗岩が風化中でもろい地質であると述べております。これは石英、長石、黒雲母の結晶がばらばらになってできた真砂土と呼ばれ、地表から三ないし五メーターにあり、その下約五メーターが風化中の岩で、その下はかたい岩になっておりますが、この真砂土は安定勾配は三十度から四十度と非常に崩れやすく、九州のシラス台地や有機質を含んだ土とともに日本の三大悪土と言われます。小豆島全域の集落の裏山はほとんどがこの真砂土の安定勾配ぎりぎりであることと、過去二十年間で数回にわたり大きな土石流、地すべりが発生しております現実を踏まえ、八百余メーターの星ケ城山が二、三百メートルになるまで今後も平たん化作用が続くという前提のもとで対策を講ずる必要があると痛感いたしました。  次に土石流を起こす要因について簡単に触れてみますと、表層に堆積物が多量にある、植物が乏しく、伐採跡地、幼齢林地が五〇%以上、谷、沢が単独または複合して直線的に延びている、渓流付近がV字形の地形であるなどでありますが、風化や、地下水の状況を考え合わせると土石流による被害地域はほぼ八割程度の確率で予知できると存じます。さらに、耐降雨強度を個々の斜面について調査すれば、より客観的な危険度が判明するわけで、これらのデータをもとに災害対策事業を進めることが緊要であろうと痛感した次第でございます。  なお、内海町地区では、四十九年災害以後、さらに五十一年度からは激甚災害対策特別緊急事業として砂防工事を集中的に実施し、ほぼ八〇%の進捗を示しており、特に、工事の完成個所については、今回の災害でも被害は少なく、砂防工事の効果がてきめんに立証されております。  いずれにいたしましても今回のダブル災害の要素は異常降雨によることは明白でありますが、土石流対策が各地域でより以上に進捗していたら被害も軽減できたわけで、まことに残念でなりません。政府はすでに、治山治水緊急措置法に基づく両五カ年計画を四次にわたり実施してきたところでありますが、今次の災害を契機として新たに、昭和五十二年度を初年度とする第五次五カ年計画の策定について再検討を図り、国の新経済計画により抑えられている内容を実質的にアップするということで事業の拡大を図らなければならないと痛感した次第でございます。  なお、小豆島内海町では、四十九年の災害の経験から避難命令が適切であったために、大きな災害にもかかわらず比較的人的被害が少なかったことであります。さらに詫間町肥地木地区では、七十三一尺二百三十八人が避難した直後に山崩れが発生し、多数の全・半壊家屋を生じたにもかかわらず人的被害を免れたことも伺い、避難勧告、誘導の適切なあり方について、今後災害の教訓として参考にしなければなりません。  次に、農業用ため池、農地の被害について申し上げます。  水に恵まれない香川県では、古くから灌漑用水をため池によって確保しており、その数は全県下で約二万に達しておりますが、今度の豪雨により、これらのため池及び下流の農用地に甚大な被害をこうむっており、調査の際にも土砂の流入による埋没、破堤等、機能を喪失したため池が県内の随所で見受けられたのであります。志度町鴨部地区の通称大池は、地元では裏ずれと呼んで堤防が池の外側に大きくえぐり取られて決壊寸前にまで達しており、土砂により下のミカン畑、水田が埋没しておりました。これらのため池はすでに老朽化しているものが多く、管理面においても兼業化の進展により十分な管理がなされないなど今後の対策上留意すべき点があると痛感いたした次第でございます。  農地の崩壊につきましては、大川町南川地区の桑園流出の現場に参りました。この地区は、昭和四十八年度に農業構造改善事業により約十二ヘクタールの農地造成を行っており、現在地元五名の協業法人によって桑畑として生育しておりましたが、今回の豪雨でこの造成農地が大きく崩壊し、民家を押し流し、被害を生じております。この農地造成は里山を開いたものですが、もとの地形の谷を埋めたと思われる個所が大きく崩壊しており、異常豪雨とはいえ、農地造成に当たっての排水設備等の防災措置のあり方が再検討されるべきであろうと思います。同地区では被災者から農地造成に対する責任追及の声も上がっておりますが、これに対して適切な対応が望まれるところであります。  なお、県並びに各町においては、共通して土木、農林等の被害が激甚をきわめたので、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の早急適用、個人災害の唯一の救済措置である災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律を抜本的に改正してほしいなどのほか、数項目にわたる県及び市町村の要望をお預りしてまいりましたが、時間も大分経過しておりますので、詳細は本報告の会議録の末尾に掲載することを委員長にお願いいたしますとともに、これらの地元の要望に対しては、すでに関係各省におきましても御承知のことと思いますので、速やかに検討し、一刻も早く実現できるように最大の努力を要請いたします。  最後に、今回の災害によりお亡くなりになりました方々の御冥福と負傷された方々の一日も早い回復を心からお祈りいたしますとともに、昼夜の別なく献身的な救助活動に従事しました陸、海上自衛隊、県警機動隊の機敏な活動に対し被災地の皆さんから感謝されておりましたことをつけ加え、報告を終わりたいと存じます。

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) ただいま上田君及び古賀君からそれぞれ御報告がございましたが、別途岐阜県及び香川県から提出の要望事項を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。     —————————————

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 次に、小委員会の設置に関する件を議題といたします。  本日、理事会において小委員会設置に関して協議の結果、次のとおり決定いたしました。  災害対策樹立に関する調査のため、個人災害対策小委員会を設置する。  二つ目は、小委員の数は十名とし、小委員及び小委員長の選任は委員長の指名に一任する。  三つ目、小委員の辞任の許可及び補欠の選任は委員長に一任する。  四つ目、小委員会から参考人の出席要求があった場合は、その取り扱いを委員長に一任する。  以上でございます。  ただいま御報告いたしましたとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、小委員に上條勝久君、古賀雷四郎君、上田稔君、佐藤隆君、八木一郎君、工藤良平君、宮之原貞光君、原田立君、神谷信之助君、柄谷道一君を指名いたします。  また、小委員長に上條勝久君を指名いたします。     —————————————

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に住宅金融公庫理事高橋明君及び日本放送協会専務理事堀四志男君を参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 次に、台風第十七号による災害に関する件につきまして調査を行います。  この際、政府からその後の被害状況について報告を聴取いたします。紀埜審議官。

紀埜孝典国土庁長官官房審議官

○説明員(紀埜孝典君) ただいま長官衆議院の建設委員会でごあいさつ中でございますので、お許しを得まして私から御報告さしていただきます。  昭和五十一年九月七日から十四日までの間の豪雨及び暴風雨による災害について御報告いたします。  九月七日から十四日までの間の台風第十七号及び豪雨による被害状況は、現在までに判明したところによりますと、死者、行方不明者百六十七人、建物の全半壊、流失五千二十棟、床上浸水約十万棟、罹災世帯数十一万世帯、罹災者数約三十九万人等となっております。  また、施設関係等の被害額は、公共土木施設関係三千四百五十七億円、農林水産業関係二千九百八十二億円、中小企業関係六百七十四億円、文教施設関係四十九億円、厚生施設関係三十五億円、その他二百六十九億円を合わせ合計七千四百六十七億円に上っております。  この災害に対しまして、十八県九百五市区町村に災害対策本部を設置するとともに、被害の特に大きい百四十四市区町村に災害救助法を適用し、応急の救助・救護活動を行いました。  一方、政府といたしましては、この災害に緊急に対処するため、十三日、国土庁長官を本部長とする非常災害対策本部を設置し、被害状況及び今後の対策等について検討するとともに、国土、建設、農林の各政務次官及び建設大臣を団長とする四班の調査団をそれぞれ中部、近畿中国、四国及び鹿児島県奄美地方に派遣し、被災地の実情調査及び被災地方公共団体の要望の聴取に当たりました。  なお、この災害についての激甚災害の指定については、本日、八日の閣議において、公共土木施設関係、農地・農業用施設関係、中小企業関係等について決定されたところでありますが、さらに今後とも被災の状況に応じ、被災者及び被災地方公共団体の災害復興に必要な万全の措置を講じてまいりたいと存じております。

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 私、調査の結果に基づきまして、若干の質問をいたしたいと思います。委員の皆様にトップで質問をすることをお許しを願いたいと思います。  今回の十七号台風は、ただいま国土庁から報告がありましたとおり、前例を見ない非常な大災害となったわけでございます。したがいまして、これらに関して今後行政的な、また財政的ないろんな対策が痛感されておるわけでございまして、現地の各市町村あるいは県等の御要請もそういった問題が多いわけでございます。そこでそういった問題につきまして、政府のお考えあるいは今後の対策等につきまして質問を申し上げたいと思います。  まず激甚災害の早期指定の問題でございますが、まあきょうの閣議で十件ほど指定をするということがございましたが、それにつきまして、この指定した内容につきまして項目だけ御報告を願いたいと思います。  それからもう一つは、未指定の分につきまして今後いかが相なるのか、それにつきましても御報告を願いたいと思います。

紀埜孝典国土庁長官官房審議官

○説明員(紀埜孝典君) 御報告申し上げます。  激甚指定につきましては二十数項目に近い事項があるわけでございますが、本日閣議で御決定いただきましたものが、先ほどもちょっと報告で触れさしていただいておりましたとおり、公共土木施設災害復旧事業関係、それから農地・農業用施設林道関係、それから農林水産業共同利用施設関係、それに加えまして中小企業関係では三つの制度があるわけでございますが、中小企業関係のその三つの適用、それから公立社会教育施設関係、それから私立学校施設災害復旧事業関係、それから水防資材の補助特例関係、それから小災害による地方債の元利補給関係等のものが本日の閣議で決定されてきております。それから、近い将来決定を予定いたしておりますのは、天災融資法の特例関係、それから土地改良区等の行う湛水排除事業関係のもの、それから市町村が施行いたしまする伝染病予防事業関係、それから母子福祉による国の貸付金の特例関係、これらを近い将来に決定いたしたいと、かように考えております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 いま、堆積土砂は報告がありましたですね。

紀埜孝典国土庁長官官房審議官

○説明員(紀埜孝典君) 第一番目に申し上げました、公共土木施設等の関係と御説明いたしましたものの中にその建設関係等を皆含んでおりますので、御了承いただきたいと思います。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 今回の災害報告にもありますとおり、全壊流失、半壊という家屋の被害が非常に大きいということでございますが、そこで住宅金融公庫法によります金融の利子の低減による激甚災の適用の問題、この問題につきまして、いままでどういう基準で、どういう形でこの問題が処理されてきたか、それから過去にこの特典が、激甚災による特典があったかどうか、その点につきましてひとつ御報告を願いたいと思います。

救仁郷斉建設省住宅局参事官

○説明員(救仁郷斉君) 住宅金融公庫の貸し付けの特例につきましては、これは激甚法そのものの規定ではございませんで、住宅金融公庫法でもちまして激甚法の指定を引いているというような形になっております。そういうことで、四十八年につくったわけでございますが、それ以来実際の指定はございません。現在の激甚の指定基準は、二十二条の災害公営住宅の援助の特例ということを引いておりまして、その基準が、全国で滅失が四千戸あるいは全国で二千戸かつ一市町村で二割あるいは四百戸というような基準、もう一つは、全国で二千戸以上一市町村で二百戸以上または一割、それから第三番目は、全国で千二百戸以上一市町村で四百戸以上または二割以上というような指定基準になっておりまして、四十八年以来はそういった指定はございません。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 住宅問題につきましては、私は被災者の方が最も生活の基盤として一日も早く復興を望んでおられる事柄だろうと思います。こういう激甚災にこそ私は、この恩典を一日も早く適用するのが政治の務めでもあるし行政の務めでもあろうと思います。ただいま行政基準に適合した災害はないとおっしゃいましたが、まさにこういうときこそこの行政の特例を適用していくような措置が私は望まれてならないのであります。この件に関しまして、被災民の将来の生活安定の基盤であります住宅問題のこの激甚災に対する適用につきまして政府はどういうぐあいに対策を講じられようと思いますか、お答えを願いたいと思います。

救仁郷斉建設省住宅局参事官

○説明員(救仁郷斉君) 住宅災害につきましては、先生も御案内のように、災害が起きますと一般的には災害特貸しという制度がございます。それから、ある程度以上の災害になりますと災害復興住宅の貸し付けあるいは補修の貸し付けというような制度がございまして、貸し付け限度額の引き上げとかあるいは据え置き期間の設置とかいろんな優遇措置をいたしております。そして昨年その指定災害の基準を大幅に緩和いたしまして、災害救助法の発動があった災害については全部適用するというような改正をいたしたわけでございます。さらにその上に、ただいまお話ございました、激特を準用して金利を三%に引き下げるというような制度があるわけでございまして、先生御指摘のとおり、現在の指定そのものが、いわゆる激特法二十二条に基づきます災害公営住宅の適用の基準、それを公庫法の方で援用いたしておりますが、激特法の二十二条はどちらかと言うと災害公営住宅の財政援助でございますので市町村の財政援助というような観点から決められております。ところが、住宅金融公庫の方の問題はどちらかと言うと個人災害援助というようなニュアンスもございますので、それを直ちに援用している現行の制度がいいかどうかということはもう一遍改めて検討さしていただきたいというふうに考えております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 個人災害の問題ではありましょうが、やはり住宅は生活の基盤であるし、私は率直に考えて、この際これに対しまして金利三%の低利融資をやっていくという制度は考えていかなければいかぬ問題である。特に、これらのいままでの基準が四千戸とか二千戸といっても、現実にがけ崩れによる住宅の滅失というのは大変多いわけでして、今後も起こり得るというふうに私は思います。したがいまして、過去の統計等も十分お調べの上にこれに対する適切な措置をひとつ次の委員会で御報告をお願いしたい、お願いしておきたいと思います。  それから、特に痛感いたしましたのは治山治水事業のおくれの問題でございます。各地方を見さしていただきましたが、先ほど上田委員から御報告がありましたような事項、あるいは小豆島における砂防の問題あるいは治山の問題等、いずれもこれを緊急に処理する必要がございます。特に山崩れの地すべりの関係で地割れしているところもかなりございまして、これらの対策は早急を要する次第でございまして、これらに対しまして短期間でやる激特事業というのが大幅に採択を皆様から要請されております。河川局はおととしから激特事業を具体的に進められておりますが、これの大幅採択についてお考えをぜひひとつ入れていただきまして大幅採択に踏み切っていただきたい。  それから、河川、直轄河川も含めまして中小河川あるいは小河川あるいは砂防河川の土石流の問題、あるいは治水ダムがあったために非常に助かった実例もございます。そういった観点からこれらの問題につきましてひとつ大幅に促進していただいて、災害が一番ないように、災害が起こらないように、また貴重な人命がなくされないようにできるだけ措置を講じていく必要があると思います。  次に、私、地盤沈下対策事業の強化が必要であると存じます。愛知県あるいは岐阜県、三重県等におきまして、地盤沈下のために、豪雨が降ってあるいは堤防が破堤して入ったところがなかなか排水ができない、それで何日も何日も避難をしなければいかぬというような状態で、住民は苦しい生活を強いられております。特にこの点につきまして、河川改修とか湛水防除とか内水排除あるいは地盤沈下による海岸堤防の強化とか、いろんな問題をぜひやっていかなければいかぬと思いますが、それからもう一つは、先ほど上田委員からもお話がありましたように、土地改良とか、あるいは土地の開発行為が下流と調整できないままやられている。そのために先ほど申し上げました桑園の被害に基づく家屋の問題とか、あるいは開発行為に基づく土石流の発生とか、いろんな問題が起きていることを十分御了承賜っていると思いますが、これらの調整問題につきましてぜひお願いしたい。  そこで、私は今後治山治水計画を五十二年度からおやりになるということを聞いております。これについて三木総理からも、新たな観点からこの五カ年計画を見直すべきでないかということが言われた。そこで、それに対するどういう見直し方をされるか御報告をお願いしたいと思います。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 私、今回の災害におきまして建設大臣の随行をしまして現地を見せさしていただきましたけれども、先ほど上田先生からもお話ありましたが、いわゆる治水施設あるいは砂防施設ができているところは非常に被害が少なかったということを、各地域でそういう話を聞いてきたわけでございます。すなわち、いわゆるその治水事業というものはやっぱりその治水施設の整備を促進しなければいけないということを痛感したわけでございます。したがいまして、現在治水事業五カ年計画というものをいろいろ検討しておりますけれども、まず第一点としまして、できるだけ治水事業の促進を図るということが第一点でございます。第二点としましては、今回災害を受けたという河川に対しましてやはり緊急に対処してまいりたいと、こういう点もいろいろ見てまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 いま今回の災害を契機にしまして治山治水五カ年計画の再検討を行っておられるところであろうと思います。国土庁長官も建設部会長として長年治水事業を担当いただきましたので、国土庁長官せっかく御出席でございますので、それに対する所見をひとつお伺いしたいと思います。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) 御承知のように、昭和五十年代前期経済計画が発表されまして、その中の枠で言いますと、公共事業百兆の中で五カ年計画五兆五千億でございます。これは、ここに河川関係の大先輩、古賀さんみずからそうでございますが、われわれ建設行政にいままで協力しておった者の立場として、どこでどうピントが狂ったのか、下水道も大切ではあるが七兆幾らという、治山治水が五兆五千億という、どこでそんなにピントが狂ったのか私自身非常に驚いております。これはどうしても、どんなに少なくても八兆に乗せなくてはいけないと思っておりまして、私の所管事項ではございませんが、今度の非常災害対策本部長というものを仰せつかっております関係から、災害を未然に防止するためにはどうしても予算がなくてはだめでありまして、そういう点で、どんなやりくりをしましてでもこれだけはかっこうをつけたいと思いまして、私の立場から総理とも話し合いをいたしましていまやっておるところでございますから、皆さん方の御協力等もいただきまして来年度の新五カ年計画では八兆円を超すところまでどうしても持っていきたいと、私はそう考えております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 国土庁長官から力強い御発言をいただきまして安心をいたしました。どうかよろしくお願い申し上げます。  ところで、このごろ福祉の問題がいろいろ言われております。しかし私は、生活が安定しない、あるいは災害を受けているような土地に住む、あるいは生命が危険にさらされるような状態で本当の福祉というのはあるのかどうか。この生命を安全にし生活を安定させることに、あるいは生産基盤を安定させることに私は福祉の原点があるんじゃないか。その原点を忘れて福祉が発展しているということに非常に私は疑問を感じております。まさに私はこの辺で福祉の原点は何であるかということを見直していただきたい。この辺が私は、この治水計画をどう進めるか、従来は経済にならって伸展さしていただいた治水事業というものを見直すべき最大の点はそこにあるだろうという気がいたしますので、どうかひとつそういう意味で国土庁長官並びに建設大臣ともにひとつがんばっていただきまして、われわれの大先輩でございますので、よろしくお願い申し上げたいと存じます。  それから、災害復旧の問題でございますが、災害復旧につきましては最近非常に敏速に、かつ、りっぱになされていることを心から御礼を申し上げたいと思います。ただ、現地は一日も早く災害復旧をやってほしいということが切なるお願いであろうかと思います。したがいまして、災害復旧事業の早期査定の問題、また早期復旧の問題につきましてぜひ御配慮をお願いしたい。その計画がどうなっているか具体的にお知らせ願えれば御報告を願いたい。  それからもう一つは、せっかく災害復旧をやった事業がまた壊れているという実例が各地で見られます。そこで私は改良復旧の重要性というのはもうこの辺で——われわれ何回も改良復旧の問題について叫んできたわけですが、せっかく復旧やったものがまた壊されるような事態が何回も見受けられる。この問題につきまして現地でそれぞれ詳細な調査をやって、本当に後で壊れないような措置を含んだ改良復旧を大幅に採択してもらいたい。いろいろあるでしょう。災害関連事業とか災害助成事業とか一定災とか、あるいは特関の事業とかいろいろありましょうけれども、それらを十分に駆使していただきましてひとつ住民の安心できる災害復旧事業の実施に協力を願いたいと思います。  それで、もう一つの問題点は、今回のように豪雨が降りますと各地に災害が出てくる、そうすると災害個所がものすごく多いわけです。市町村災害になります。あるいは県災害になっても個所が多い。個所が多いと、これを査定設計書を出すのに大変なことでございます。したがいまして、いま人手も足りないし、なかなか、これを調査設計を委託してやっている。その額が香川県においては六億数千万と言われまして、県議会ですでに議決して地方にそれを配分することになっている。査定設計を出すのは町村事務、申請事務だからやむを得ないという説もあるでしょう。しかし、こんなに費用がかかっては私は町村財政の貧困なときに全く困られると思うんです。だから査定・調査設計の委託費、形式は問いませんが、ひとつぜひこの問題につきまして最大の御考慮をお願いしたい。  それからもう一つ、査定に当たりまして、これはちょっと前に返りますが、大蔵財務局が立ち会っていただくわけですが、現場の技術的な復旧処理につきましてはひとつ査定官に任していただくような御配意をぜひひとつお願いしたい。これは国土庁でひとつそういった点で——現在の査定官はりっぱな人ばかりでございますから、行き過ぎな査定はしないと思います。したがいまして、国土庁からそういった災害の改良復旧なり災害査定の問題につきまして十分ひとつ関係各省を御指導を賜わりたい。心からお願いします。それに対して御回答をぜひお願いしたいと思います。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) まず改良復旧の問題ですが、これはもう釈迦に説法だと思います。私たちも当然改良復旧が主であるべきであるという考え方を常に持っております。災害で被害をこうむった、それを復旧したらまた災害を食うということではどうにもなりません。そういう点で一番わかりやすいのは、木橋を永久橋にかけかえるというような仕事は大体においていまほとんどやっているんじゃないかと思います。私は建設大臣じゃございませんから、そこらあたりはどうも具体的に申し上げることは非常に問題ですが、私の方の今次災害の反省資料として、当然改良復旧が主力であって、原形復旧は従であるというような方向転換をやるべきだという考え方で、これは予算委員会でも私そういう答弁をいたしております。ともかくも二度と同じところに災害を呼ばないようにするためにも、これは必要だと思います。そういう点で、今次災害による反省事項といたしまして、数多くの問題点をこの災害の始末がついた後にまとめたいと考えておりますし、まとめるように事務当局にも命じて、いろんな問題点を出してみたいと思っております。  そこで、まことに恐縮ですが、衆議院の災害対策委員会でもお願いをしたんでありますが、ちょっとこういうことは余りいいことでないかもしれませんが、小委員会をいつもつくっていただいて、災害に対するいろんな問題について御意見がされてある、議論をされておるはずでございます。そういう点ひとつ、これは超党派でございますから、そう言っては失礼ですが、だれも問題がないわけでありますから、そういう点で、私たちも閣内におりまして、この問題を完全に仕上げること、将来そういう影響の少ないことにするためには、あらゆる角度からの、私の方も努力をいたしますが、できれば小委員会等から強力な御意見等出していただきますれば大変いいんじゃないかというような考え方をいたしますので、もしお取り計らい願えるなら、そういうふうにお願いいたしたいと思います。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 災害の査定と災害復旧の早期実施という問題は、古賀先生のおっしゃるとおりでございます。今回の台風第十七号によります災害というものは非常に激甚でございました。したがいまして、年度初めから現在までにおきましては、全国で約十四万カ所の災害個所がございます。これを早期に査定を完了をする、そのためには、まず査定の簡素化が必要になってまいります。したがいまして、総合単価の適用範囲の拡大、それから机上査定の運用の問題、そういうものを積極的にやってまいりたい。と同時に、いわゆる現場におきます査定の実施でございますけれども、地方公共団体の準備が整い次第に、地方建設局の職員を動員しまして、鋭意査定を早期にやりたいと、そうしまして、非常に大変でございますけれども、年内には完了させたいというふうに考えてございます。  一方、災害の復旧事業の実施でございますけれども、被災後直ちに応急工事に着手してございます。また緊急に復旧を要する個所につきましては、災害査定前に復旧工事に着手できるように、建設省におきましては広報、指導を行って、復旧の促進を図っておる次第でございます。  それから、改良復旧の大幅の採択、これはいま国土庁の長官がおっしゃるとおりでございます。  次に、災害復旧事業の設計委託費の補助の問題でございます。これにつきましては、四十七年災、四十九年災あるいは五十年災というふうに被害が激甚であった年につきましては、すでにいわゆる臨時特例措置としまして、一定の条件のもとに二分の一の補助をやってございます。本年も全国的な大災害だという年でございますので、この地方公共団体の負担の軽減とかその他いろいろなことを考えまして、関係省庁あるいは経済の財政当局と協議して、前向きで対処してまいりたいというふうに考えてございます。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○説明員(杉山克巳君) 農林省関係の事業につきましても、ただいま改良工事の関係につきましては天野長官から御説明がありました、また査定の方針、設計委託費の取り扱いについては河川局長の方から御説明があったわけでございますが、農林省としても全く同様に考えて、前向きに努力いたしているところでございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 調査設計委託費の問題で、設計査定金額が十万円とか以上ですかね、そういったことになりますとね、実際は設計委託費のいわゆる採択基準と申しますか、そういったものがあるわけですね、たとえば五百万以上とかいろいろなやつがあると思うんですよ。そういった基準をつくられると、その適用される項目が非常に少なくなる、だからこの辺の再検討を要するんじゃないか。だから困るのは、災害査定を、設計書をつくるのは、どんな小さいのでもどうしても調査して設計しなきゃいかぬ。同じことだ。それは若干ボリュウムは違いますがね。だからその辺の観点をひとつ十分考えていただきたい。これは答弁要りません。  私は小豆島に行きまして、花崗岩の風化地帯、これはひどい。だからこれは私は花崗岩の風化地帯に対する対策を強化しなければいかぬじゃないか。で、シラス土壌につきましては、特殊土壌地帯の災害の防除に関する法律がある。だけれど、これは来年で切れる、ことしいっぱいであるわけですね。したがいまして、この花崗岩の風化地帯につきましてシラス土壌と同じような対策を考えておられるのかどうか。これは質問することにはなってなかったんですが、ひとつお考えをお伺いしたいと思う。紀埜さんで結構です。国土庁が担当になるんでしょうな。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 花崗岩の風化地帯の問題でございますけれども、これは非常にむずかしい問題でございますが、特殊土壌地帯の中にやっぱり花崗岩の風化という問題も入ってございます。それで、シラスと同じように今後どうするかという問題につきましては、いまのところまだ検討しておりません。今後の研究課題じゃなかろうかと思います。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 花崗岩の風化地帯は中国とか四国とか多いわけですね。私の県もそうですが、そういった風化は急速に表面剥離を起こすわけですね。したがいまして、これらの対策につきまして、ぜひひとつ強化するような措置として、そういった問題をお考え願いたい、これは答弁は要りません。  それから、農林省にお伺いしたいんですが、私は香川県のため池は非常によくできていると思うんですよ。昔の三百年前のため池らしいんですが、心土がしっかり入っていて、昨今の堤防とかいろいろなやつを見てみますと、私はそれよりはるかにりっぱであるというふうに思うんですが、実はそのため池が今回壊れた。そして砂防の役割りやらあるいは治水の役割りを果たしたところもある。だからこの際、老朽ため池の強化の問題と、これに対する治水上のいわゆる鉄砲水に対する対策の関係を相当考慮すべきじゃないか。小さいため池はだめでしょうけれど、大きいため池等につきましては、治水上の役割りを入れさせるということも当然考えていただきたいということを御要請いたしたいと思いますが、それに対してお考えはどうですか。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) ただいま古賀先生の方から御指摘がありました老朽ため池の問題でございますけれども、ただいま御質問の中にもありましたように、ため池そのものが治水上の効果を発揮しておったケースもあるというような御判断のとおり、私どもは利水だけではなしに、それが治水上の効果も発揚できるというような観点に立ってのため池の整備というものも考えておりますし、今後ともそういうものを今回の被災を契機にいたしまして、より利水、治水という立場に立ってのため池のあり方というものをさらに進んで検討を加えてまいりたいと思います。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 私は、このため池は非常によくできていると言うのは、二つ以上シリーズにできているということですね、大体において。昔の人はよく考えたと思うんですよ。最近のやられるため池は、みんな一重。だから、上から壊れてきた場合には、上は何とかもてても、やられると、それで下でとめられるというようなのが香川県のため池の特徴だと思うんです。だからその辺が最近のため池事業には余り行われていないというのは、何かこう考え方を変えなきゃいかぬように私は思うんですが、その点については答弁は要りません。私の所見として申し上げておきますから、よく御検討願いたいと思います。  時間がありませんので走り飛びになりますが、地方財政の問題につきましては、普通交付税の繰り上げ支給等は自治省でやっていただいておるようでございまして、まことにありがとうございました。しかし、これでは十分でございませんので、特別交付税の早期交付の問題とか、あるいは地方債に対する配慮等につきまして格段の、被災地が困らないような処置をお願いを申し上げます。御答弁は要りません。  それから、災害弔慰金、援護資金の増額の問題もございますが、政府において適切な処置が十分勘案されているようでございますので、われわれとしましても、ひとつ全力を挙げて弔慰金の増額問題等、あるいは貸付金の増額問題等について、政府とともにやっていきたいという気持ちであることをお伝え申し上げておきます。  それから実は、これは従来から問題でございますが、ことし都市施設の災害というのは、この復旧の内容には、余りたくさんの額ではございませんが、市町村にとっては大変な負担になるわけでございます。これがなぜ公共土木施設災害復旧の国庫負担法の中に入っていないのか、入れる用意があるのかどうか、その点につきまして御答弁を願いたいと思います。建設省防災課で検討しているのかどうか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 急傾斜とか、あるいは都市災害、そういうものについては現在検討しておりますけれども、文教施設とか、そういう問題についてはちょっと所管外でございます、検討しておりません。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 河川局長、いままで何回もお話ししたことですが、たとえば下水道の被害とか公園の被害とか、そういったものをどう考えるか、公共土木に入れるのか入れないのか、私は入れてしかるべきだと。それから毎年これは災害対策委員会で要請をいたしているんですが、そういう点について一向改善されない、それを強く要請しておきます。国土庁でもしかるべきひとつ、ぜひ御配慮を願いたいと思います。御返答は要りません。  それから実は、十七号台風のときに起きました塩害被害というのが有明海沿岸に起きております。福岡県、佐賀県、長崎県に起きております。この被害は相当広範囲にわたって、しかも激甚のようでございます。収穫皆無もございますし、あるいは三〇%減収もございますし、いろいろあって、いろいろな問題をはらんでおります。それで、これは一日も早く、ひとつ調査団を派遣してもらいたい、調査をしてもらいたい、政府当局に調査をしてもらいたい。と申しますのは、今後の作付の問題と関連してまいりますし、また二次生育が発達してしまいますとなかなか次の作付が困難になる。したがいまして、この点についてひとつ明確な御答弁を願いたい。  それから同時に、共済金の年内支払いとかあるいは干拓地の代金の償還延期の問題とか、水稲種子の確保の問題とか、あるいは規格外米の買い入れの実施とか、被災者の収入の確保のための救農土木の実施とか、いろいろ項目がございますが、とりあえずは調査を非常に急ぐわけですから、これにつきまして御返事をいただきたい。そして、あとの項目については、冷害のときにあわせてひとつ私、もっと詳しく御質問を申し上げたいと思いますので。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○説明員(杉山克巳君) 有明海沿岸の農作物の被害額がきわめて多額に上るということは私どももいままでの報告でも承知いたしております。なお、現地の実態につきましては、私どもつい先般、山崎政務次官以下の調査団が赴きまして詳細に現地の実情を見ると同時に地元関係者の意見を聞いてまいっているところでございます。  先生いま御指摘になりました各般の措置、これにつきましては、先ほど国土庁の方から御答弁ありましたように、農作物被害の規模も大きいので当然天災融資法の対象及び激甚災法の対象としてこの災害を指定して措置をとるということにいたしております。ただ、天災融資法の関係は、被害額だけでなく実際の資金需要額がどのくらいあるかということを積み上げて調査いたします。その関係もありまして、一般の激甚災指定の時期より若干おくれますが、少なくとも今月中に天災融資法及び激甚災法の適用を指定いたしましてその対策をとることといたしております。  それから、農業共済金の年内支払い、これは当然そのつもりで準備を進めております。  それから、まあどのような米が出てくるか、まだ現在のところわかりませんが、その品質を見まして、主食に適するものについては、自主流通米で売れるものは売るように、また売れ残って政府が買い入れすることが必要となるものについては、そのような措置についても検討するということにいたしております。さらに、来年の生産のためのもみ、種もみが早速にも手配が必要なのではないかと思います。地元だけではなく場合によっては県間の調達ということも必要になってくるかと思います。そのようなことも考えまして、目下関係部局におきましてその実態をよく把握し、調査に努めているところでございます。  そのほかもろもろの措置がございますが、これらにつきましては冷害と同様農作物被害の問題として対策を講ずることといたしております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 あと一問だけ。調査団は、実は私は佐賀県でございますが、佐賀県のことを言って恐縮でございますが、佐賀県は非常にひどかったんですが素通りをされたということを聞いております。そこで、どうも私も腑に落ちないと思いまして、ちょっとこの質問を——佐賀県の調査につきましてひとつ格段の御配慮を願いたい。  それから、いろいろと質問をいたしましたけれど、いずれも災害復興のために緊急なことでございますので、どうかひとつ今後とも政府当局の御努力を心から期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 本日は、中小河川のはんらんの問題、がけ崩れ等に対して建設省に主として質問を申し上げる予定でありますが、天野国土庁長官が退席をされる時間が迫っておるようでありますから、まず最初に長官並びに河川局長に御質問をいたしたいと存じます。  その問題は、激災法四十条の二項で、水防資材に対する助成が決められておるのでありますが、それによりますと、資材として十六品目に限られておるのであります。しかし、実際に水防を行います場合に、この十六品目以外にいろいろな資材が必要であり、また水防を行うための経費というのが大変かかるわけであります。資料としてそちらに提出をいたしましたのによりましても、たとえて申し上げますと、岐阜市等ではいわゆる土のうに入れます土代が五千万あるいは六千万もかかっておる、土がなくては土のうの役は果たさないという、こういうこと。  それから、いまお手元にお見せいたしました海津町の要請書にもありますように、御承知のように海津町におきましては揖斐、長良の両堤防に八十一カ所危険個所が見つかりまして、それに対します水防に使用いたしました土のうの数は六万三千俵に上っておる、いまお見せをいたしましたようにハチの巣をつついたと言いますが、その危険なものに対しまして大変な水防活動の結果決壊を食いとめた、こういうことが言えるわけであります。しかし、その中で具体的に申し上げますと、資材費が四百六十一万円かかっておる、これは補助対象になるでありましょう。しかし、人件費の千五百十九万五千円あるいは給与費の百七十三万円あるいは輸送費、これは土のうを運搬する等でとても町内から水防団員あるいは消防団員では手に負えませんので、お隣の三重県等からトラックその他を借り上げたという費用であります。これが七百九十九万九千円、その他、投光器とか、草刈り機とか、点滅灯とか、カーバイド、ガソリン等等、さらに加えて土砂代というものが四百万円かかっておる、こういう実態の上に立ちまして、この水防資材の補助の助成品目にさらに実態に合うように改正をして補助対象を広げてもらいたい、こういう要望が強いわけでありますので、したがって、法律の所管は国土庁でありますが、手続としては当該省庁から要請があれば、それを受けて検討をされるというのが手続ではないかというふうにも思いますので、河川局としては真剣にひとつ検討をしていただいて、少なくとも直轄河川を水防した、その費用は全額建設省が負担をするということはあたりまえのことではないかというふうに思うわけであります。直轄河川以外の水防費についても補助率を上げてもらいたいのでありますが、ぜひ上げるように検討を願いたいのでありますが、少なくとも直轄河川の水防に要した費用というのは全額見る、こういう原則のもとに再検討する用意があるのかどうか、お尋ねいたします。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 先生の御趣旨はよくわかります。しかしながら、水防法によりますと、いわゆる水防活動というものは一級河川あるいは二級河川に区別なくその第一次的水防というものは市町村の水防管理団体にあるというふうに水防法になっておるわけでございます。また、水防活動に要しました費用につきましても、水防法で水防管理団体の負担となるというふうに法律であるわけでございます。したがいまして、そうしまして国としましては、こういう水防資材に対しましては、水防のために使用した資材につきましては激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律第二十一条の規定によりまして、激甚災害分につきましては三分の二の高率補助、その他の災害分につきましては三分の一の予算補助ということで国としては水防管理団体に補助をしておるということでございます。  それで、先ほど先生のもう一つの、補助対象の品目の拡大でございます。これにつきましては、やはり、われわれとしましても十分調査しましていわゆる関係省庁と打ち合わせしたいというふうに考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 品目の拡大について関係省庁と協議して前向きで検討したいということでありますから、それ以上この問題については申し上げませんけれども、ただ、国会答弁で前向きで検討すると言っておけば後はほうっておくということではなくて、真剣にひとつ検討をしていただきたいし、長官にもお願いいたしますが、激災法は国土庁の所管でありますから、建設省から何も言ってこぬからほうっておくということではなくて、ぜひひとつ国土庁の立場からも検討して、施行令でありますから国会には必要ないわけでありますので、ぜひひとつそういう施行令の改正を早急におやりいただくようにお願いをいたしておきます。  それから、この機会に私の今回の水害の体験から申し上げて御検討いただきたいと思うのでありますが、かつて水害などを考えなくてもよかった、予測をしたこともなかったという地帯が床上浸水等の大災害を受けた地帯が多いわけであります。災害は忘れたころにやってくると言いますが、ことしのような大災害が来年来ないという保証は何もないと思うのであります。そこで今回の災害の経験と申しますか、たとえて申し上げますと、床上浸水になるかもわからないということで、こういうテーブルを置きまして、そうして畳を積んだ、その上へ一番大切な仏壇を積んだ。大丈夫だろうと思ったけれども、水が床上浸水になりますとその下からひっくり返って全部だめになった。あるいは畳の下に水がつきますと上に積んだ畳もともに水がつくとか、あるいは水害によってマムシがいわゆる屋敷に上がりまして、マムシにかまれたという事例が私の岐阜県におきましても私の知っておるだけでも二つ三つあった。しかし、それに要する血清がない。また水没しておりますから、患者を運ぶ方法がないということで、生命の危機一髪という中で助かったという例もある。あるいは蚊が大変避難しておる屋根に二階に集まりまして蚊取り線香がとても喜ばれたというふうな事例がある等々、各地でいろいろな問題があると思いますから、災害読本とでも申しますか、そういうものを各省庁から集められて、国土庁として国民に災害に備える心構えと申しますか、具体的な準備というものをさせるような手はずというのもあっていいんじゃないか、こういうことを考えておりますので、国土庁としてひとつ取りまとめができないか、パンフレットを出すような用意がないかどうか、お尋ねしておきたいと思います。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) 中村先生の御指摘大変結構だと思います。現在の段階では予算も取ってございませんから、いますぐできるとは申し上げかねますが、いろいろの、先ほど申しましたように、今度の災害を通しまして災害を受けた被災者の人たちにも心構え知ってもらう必要もあると思いますので、その点は各省庁と連絡をとりまして私の方で取りまとめをして出せるようでしたら出すように努力いたしたいと思います。

中村波男日本社会党

○中村波男君 次は建設省にお尋ねしますが、中小河川の整備率は何%ぐらいになっておるか、その整備の基準の降雨量というのは何ミリに置かれておるかというようなことを含めて御報告をいただきたいと思います。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 中小河川のまず整備の基準でございますけれども、一時間五十ミリ相当の降雨に対しまして、現在約一三%の進捗状況になってございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 いま御回答ありましたように、中小河川になりますと平均して五年か十年に一回起きるといういわゆる降雨量をもとにいたしまして整備が行われておるようでありますが、それがいま御指摘のように一三%だと、こういう状況で今日のいわゆる改修率をもっていたしますと、これが完全に改修されるには何年ぐらいかかるということになるでありましょうか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 全部が何年かかるかということでございますけれども、現在建設省としましては、いわゆる一時間に五十ミリ相当の降雨に対しましてできるだけ早くやっていく、スピードアップいたしたいというふうに考えてございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 そこで、先般の十七号に伴う大水害で、岐阜県の例で申し上げますと、死者、行方不明が七人、家屋の全半壊及び床上浸水等の被災世帯は七万一千百二十五世帯、被災人員は実に二十八万六百四十四人でありまして、岐阜県人口の一五%にも達しておる。この被災の内訳を見ますと、昨日建設委員会でも指摘をし、質疑をいたしましたように、直轄河川である長良川の決壊の被害は安八町、墨俣町に及んだわけでありますが、その他の被害というのは中小河川のはんらんと、それからいわゆる山腹崩壊、地すべり、土石流による被害がほとんどであります。特に、岐阜市は被災世帯が約半数に及んだ。大垣市におきましては浸水家屋の被災者というものは全世帯の三分の一以上に達しておる。これらの被災実態を見ますと、全部が中小河川のはんらん、決壊によって被害を与えておるわけであります。したがって、このことは、数年前から中小河川の整備を行わなければならぬということが言われておりまするけれども、実態というのはかけ声のようではない、遅遅として改修は進んでおらない、こういうことは建設省は認めざるを得ないのではないかというふうに思うわけであります。したがって、時間もありませんから具体的には申し上げませんけれども、災害のあったときにこれからは積極的にこれらの対策を講じますとか、予算をふやしますと言いましても、実態はそれに伴っておらない。こういうことを考えてみますときに、幸い昨年から発足しました激特事業、これにぜひ採択をしていただいて、いわゆる改修を集中的に投資によって進めてもらう以外にはないんじゃないかと、こういうように私は考えておるのでありますが、こういう実態の上に、都市河川の今後の改修復旧対策について建設省の基本的な方針と申しまするか、お考えをまず承っておきたいと思います。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 都市河川の改修の促進でございますけれども、これは今後とも前向きで積極的に進めていきたいと思っております。  それから、先生がおっしゃいました激特制度の活用でございます。これにつきましては一定要件の被害を受けた川につきまして採択されるわけでございますが、水害の形態が非常に多様でございますので、各川に応じまして激特の積極的採用を含めましてまずその対策を進めてまいりたいというふうに考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 この機会に具体的に御要望を申し上げたいと思うのでありますが、特に岐阜市におきましては鳥羽川、伊自良川等のはんらんによって、被災戸数というのは鳥羽川によりますと床上、床下を含めまして一万七千有余戸、伊自良川におきましては約四千戸にも達しておるわけであります。その他荒田川、論田川、その他大垣におきましては大谷川あるいは杭瀬川、本巣郡におきましては五六川というように激特の基準を上回る浸水家屋を出しておるわけであります。したがって県なり当該市町村から今後強く激特への採択の要望が具体的に出てくると思いますが、これらの点につきましてはぜひひとつ早急に調査をいただきまして採択方を強く私からも要請をいたしておきたいと思います。これについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) いまおっしゃいました川につきましては、いろいろ前向きで検討してまいりたいというふうに考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 次は岐阜県の例をとりますと、ほかの災害が長良川決壊に隠れてしまっておるという感もいたすわけでありますが、がけ崩れによる被害というのも大変大きかったわけであります。岐阜県におきましては山地崩壊が千二百五十二カ所もあるわけでありますが、まだこれから調査によってふえてくることが考えられます。二、三例を挙げますと、小さな町である高富町でも百カ所、岐阜市においてもいわゆる山間部で百五十九カ所、美濃市が約百カ所、武芸川町が七十カ所というように山地崩壊が大変な数に上っておりまして、これの復旧には大変な費用と歳月を要しなければ実際には復旧ができないのではないかという心配を持つのでありますが、そこでこれは農林省と建設省と両方にまたがると思いますが、がけ崩れの危険区域というのは全国で何カ所ぐらいあるのか、もちろん災害前の調査があるはずでありますが、これを御報告いただきたいと思います。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 建設省が調査しました結果によりますと約六万ヵ所でございます。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) 林野庁で調査をいたしました危険個所は十二万カ所ということになっております。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) 農地関係の地すべりの危険個所は全国で二千七十カ所になっております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 さらに、土石流の危険区域といいますか、危険個所というのも調査されたはずでありますが、それはどれだけありますか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 土石流の危険個所は三万五千カ所でございます。そのほかに地すべりの危険個所というのは約五千カ所でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 いま御報告を聞きますと、実に気が遠くなる思いがするわけであります。これはまあ災害以前の数でありますから、今度の災害を見ますと、いまだかつてがけ崩れ、また山腹崩壊なぞのない地帯が頂上から下まで何百メートルと一挙に崩れ落ちておる実態があるわけであります。これを完全に除去するといいますか、回復する、また危険を防止する状態にもっていきますには、いわゆる百年河清を待つという言葉がありますが、その感を深くいたします。したがって、これらの対策を考えてみましても、新しく発足します治水計画八兆円をやっとの思いでおられるようでありますが、八兆や十兆円ではとてもとてもどうにもならぬという感じがするわけであります。   〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕 これについて、国土庁長官も幸いおいでいただいておりますが、もっとひとついわゆる枠をふやすようにさらにさらに努力を願って大蔵省折衝もやっていただかなければいけないし、国会もそういう意味では大蔵省に対して強く要求をいたしていくべきであるというように思うわけでありますが、いかがでしょうか。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) ごもっともな話なんですが、これは建設大臣が後ほどお見えになりますから、建設大臣からしさいにわたってお答えを願いたいと思います。私の場合はいままで建設関係にずっと関係しておった立場から、幸い百兆円の割り当てという問題について少し私の方で、国土庁も関係がございますものですから、そういう意味合いで私、私見を述べておったわけでございますが、いずれにしろ下水道も大切だけれども、どうもその比率が下水道七兆何ぼで、日本全国の全部の治山治水をやるのに五兆五千億という、それ以上予算が取れないということ、われわれ了承ができないわけでございますから、これについては何とか見直しをしていただいて、基本計画に対して——これ経済企画庁になりますが、見直しをしていただきたいという、私個人的には福田副総理に厳重に申し入れをしてございます。治山治水五カ年計画来年度からということでございますから、その間ちょっとゆとりもございますので、何らかの措置ができるものであるというふうに考えておることは事実でございます。   〔理事古賀雷四郎君退席、委員長着席〕

中村波男日本社会党

○中村波男君 実際問題としてこれだけの数に対して、予算的に手をつけることは不可能だとするならば、次善策としてやはり私は河川流域の土地の利用規制等を含めて洪水や土石流の危険区域の指定を促進していくと、そういう意味で今回建築規制のあり方も含めて審議会に諮問するということが明らかになったわけでありますが、これはきのうも申し上げたように、行政側としては大変な勇気が要り、決断を要すると思うんですね。いわゆる手落ちを率直に認めなければいけないわけでありますから、ここは危険ですよということを言うわけでありますから。しかしそれを言わないと、どんどんどんどんといわゆる危険地域に住宅が建っていくという、こういう実態を考えますと、やはり私は予算をふやしまして、根本的な治水対策を行うと同時に、それが完成しないとするならば、また、する間をどうしたら人命を守り、財産を守るかという立場で、もっともっと前向きに建設省はこの問題に取り組んでほしいものだ、こういうふうに思うわけであります。  それからもう一つは、今回岐阜県のこれも例でありますが、県の開発した住宅団地が床上浸水をいたしたという個所が三カ所以上あるわけであります。そういうところに立地したということの誤り、言うならば、これは調査が不十分だった。湛水常襲地帯であるから土地が安かった、また農民も売る気になったという、こういう背景があったことは否定できません。  それからもう一つは、これは岐阜市の三田洞団地というところの例でありますが、いわゆる末洞川という砂防河川に指定になっております上流に、今日千二百戸以上の住宅団地が戦後だんだんと造成されましていまあるわけでございます。しかしこの末洞川の改修には全く手がつけていない。依然として曲がりくねった川幅の狭い川である。そのためにいままで二回も三回も堤防が切れまして、下流に住んでおる、従来から何百年何十年と住んでおる人たちが被害を受けたという、こういう事例があるわけであります。したがって建設省のいわゆる住宅局等でそういう問題をもう少し県あるいは市に対して行政指導をいたしますと同時に、認可するときには相当な調査をして、住宅建設を許可する、また許可する手だてとしては排水等を十分計算に入れまして万遺憾のないような河川改修が行われた後に建設を許可する、こういうことになりませんと、縦割り行政の弊害としてばらばらでありますために住宅はどんどん建つ、河川の方はほったらかしであったということによる大変な被害を与えたという事例は、岐阜県のみならず全国各地にあるようにも聞いておるわけでありますが、こういう点についてさらにメスを入れる考えがおありでしょうか、どうでしょうか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 細部の点はあれでございますけれども、先ほど先生がおっしゃいましたように、総合治水計画といいますか、いわゆる災害に対しまして治水施設でまず整備して水害を防ぐということが第一でございます。あわせていわゆる総合的な流域を見詰めた治水対策というものが必要だと思います。ですから、その中におきましては、一つはいわゆる山の浸入を含めまして、降った雨が時差出勤といいますか、ゆっくりと川に入ってくる工作、それからいわゆる危険区域の問題、それから土地利用の問題と、そういうものを含めまして総合的にこれからも前向きに進めてまいりたいと、これは建設大臣の強い指示もございますし、私たちといたしましても河川審議会の中に小委員会を設けまして、早急に検討に入りたいというふうに考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 関連。  私、都市の団地と都市河川の改修で一点お伺いしたいと思います。通告がしていないので恐縮ですが、関連ですから。  いままで雨が降って、そして、その場合に都市の周辺で広範な水田があったときは、水田が自然の遊水池の役割りを果たして、かなり一時水をためて遊水池の役割りを果たしておったと、ところが、急速に都市周辺で団地化が進んで水田がどんどんと宅地になっていくと、そうしますと、その肝心の遊水池の水田が面積がどんどん少なくなる。したがって、この中小都市の河川に急速に水が流れ込んで、それがはけないという状況が非常に起きている。その一つの例として、福井市の一級河川日野川の支流に江端川という川がありますが、これも九月十一日に私が現地を見たときも床上、床下、かなりな浸水が起きておりました、団地にですね。それは、そういう水田がつぶれたところに私は一つの原因があると思う。そこで、従来のような観念では、たとえばそこにゲートを新しくつくって、そして一級河川日野川の水を、増水すれば抑えて、逆流を抑える。で、ポンプで揚げておる、こうしております。しかし、従来のポンプでは、馬力では、いま言ったような状況からするとなかなか十分水がくみ上げられないという、こういう状況の変化が起こっております。私は、都市の河川、団地の周辺にそういう状況の非常な変化があるということを十分頭に入れて対策を強化をしていただきたい。従来の水量で言えば大丈夫だということはなかなか当てはまらなくなっていると思いますが、この点について、こういう問題をどうお考えか、お伺いをいたしたいと思う。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) いままでの水田が住宅地になっていって流出量もふえてくるという、それに対する対応策でございますけれども、河川計画におきましては、そういうことを、先を見通しまして、それを河川改修、あるいはポンプ、水門と、そういうふうに総合的に考えてまいりたいと、現在もそういうのを見通していろいろと計画をやってございます。今後ともそういうふうに進んでまいりたいというふうに考えております。

辻一彦日本社会党

○辻一彦君 もう一点だけ。具体的には、関連ですから詳しいことは避けますが、日野川の支流江端川でこの間も非常な浸水が起きておりますので、ポンプアップの要望が、ポンプの馬力をアップしてほしいという要望が非常に強いので、本省の方ではかなり、まあいまのところでいいというようなお話でありますが、そういう状況変化を考えて、もう一度調査をして対処してほしいと。それから、そういう状況の中で、河川の幅を、江端川の幅をそう広げるわけにもいかないと、こういう点からいままでの局部改良を中小河川改修に、これを、この規模をアップをして対処をしたいと、こういう取り組みがありますので、これをひとつ頭に入れておいてもらって、いろいろ調査の上、しかるべく善処をお願いしたいと思いますが、一言御答弁を伺って終わります。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 江端川につきましては、先生おっしゃいますように、やはり川幅を広げる問題も必要でございます。また、ポンプも必要になってまいりますので、そういう点をまた総合的に検討していきたいと思います。

中村波男日本社会党

○中村波男君 次は、これは農林省と建設省にまたがると思うのでありますが、がけ崩れあるいは林地崩壊による土砂の排除事業費ですね、これはぜひひとつ全額を国庫負担で処理してもらいたいという強い要望が各地にあるわけでありますが、私は、実情から見ましてもっともな要請であるというふうにも考えますので、ここで取り上げさせていただいたわけでありますが、これについて両省のお考えをお伺いし、ぜひ国庫負担で排除できるように措置をおとりいただきたいと思います。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 現在、建設省におきましては、公共土木災害あるいは都市災害におきまして、そういう排土の問題をやはり災害復旧として取り扱っております。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) 治山事業に関連いたしますものにつきましては、関係砂防事業あるいは河川事業に十分対応しながら改良してまいりたいと考えております。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) 農地関係の土砂の問題につきましては、これは農地・農業用関係の施設災害並びに農地の災害につきまして、暫定法に基づきまして、しかも被害度が非常に高くなるのに応じまして増高の方法をとりまして、地元負担を軽減するような形で処理をいたしております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 建設省に最後の質問をしたいと思うのでありますが、この災害復旧は三年で片づけるという原則があるわけでありますが、しかし何としても大変な大災害であり、緊急復旧を要する個所が多いわけでありますから、したがって公共土木とか農林施設等の災害復旧事業費の国庫補助負担額の年次割りを大幅に繰り上げてもらいたい、こういう要望が各地であるわけでありますが、初年度の災害復旧のめどを何十%に置いておられるのかというようなことを含めて、いま申し上げましたこの要望に対して建設省のお考え、また農林省のお考えを明らかにしていただきたいと思います。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 現在、建設省におきましては、直轄は二カ年で完成さす、補助におきましては三カ年、いわゆる初年度三、次年度五、最終年度二という割合で災害復旧をやっております。しかしながら、この三カ年というものは、たとえばことし三千億の災害があった場合に、三千億全体の予算を三カ年で使うというわけでございまして、その中におきます緊急な川、災害対策を緊急に要する川は一年でやったりあるいは二年で復旧したりというふうに、その緊急の度合いに応じまして対処してまいりたいというふうに考えております。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○説明員(杉山克巳君) 農林省におきましても建設省と全く同様に考えて対処してまいりたいと考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 次は農林省関係の質問に入りたいと思うのでありますが、自家保有米が今度の水害で全部水浸しになりましてだめになった、したがって現在食べる米がない、農家でありながら。もちろん、来年まではいわゆるお米を買わなければならぬという実情がたくさんあるわけであります。そこで、農民の方のいわゆる意識の中には、米を必要に応じて買うということは、これは耐えられぬことなんですね。これは皆さんでは御理解できないことだと思います。したがって、当該地域の農民の皆さんは、何とかひとつ、政府は米をたくさん余って持っていらっしゃるのだから、これを現物で貸してもらえないだろうか、そして二年なり三年なりかかってまた現物で返す道を開いてもらいたい、こういう要望が強くあるわけであります。私は、これはもっともだと思う。しかし、従来そういう例がないと恐らく御答弁になろうかと思うのであります。しかし、韓国には、当時、私たちも農林水産委員会で問題にいたしましたが、現物を貸した例はあるわけであります。したがって、やろうと思えばやれると思うわけであります。生きた政治というものは、小さなことのようでも、そういう農民に不安を与えないためにも、ぜひひとつ検討してもらいたい、前向きで何とかならないものだろうか、こういうことを考えて御質問をいたすのでありますが、いかがですか。

戸塚金郎食糧庁業務部長

○説明員(戸塚金郎君) 被害を受けられました農家に現物で飯米をお貸しするということにつきましては、実務上でございますと、逆に等質等量のものをお返しいただくということに非常に困難な問題がございまして、いま先生がおっしゃられましたように前例としてやっておりません。ただ、従前災害の非常にひどい地域の農家の飯米につきましては、知事、市町村長に食糧庁から直接米を特別売却をいたしまして、その代金を一年延納をするということで、実質的には同じような効果をねらってやっておるわけでございまして、今回の岐阜の災害につきましてもすでに岐阜県からそういう要請が出ておりますので、そういうことで前向きに取り組んで農家の御要望にこたえたいというふうに考えておるわけでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 恐らくそういう答弁以外には出てこないと思うんですね。いわゆる現物を貸した、今度は返してもらうときに同じ等級で返してもらわなければならぬという煩わしい手数がかかる、こういう発想だと思うんです。しかし、実際に農民から言いますと、お米をその都度都度買うなどということは耐えられぬことなんですね。ですから、いろいろ手続的にはむずかしさがありますが、こういう災害という非常事態の中で発生した問題でありますから、ぜひひとつこの問題について前向きでもう一度再検討をしてもらいたい。強く要望をいたしておきます。  それからもう一つは、これも救う道がないと思うんでありまするけれども、ないからといってほうっておけないことであろうと思いまして取り上げたんでありますが、御承知のようにいわゆる床上一メーター五十も二メーターも浸水をしたという中から、いわゆる養鶏家の鶏が二十三万三千三百六十三羽斃死した、あるいはウズラが二万羽、乳用牛が三十六頭、豚が千八百十二頭、こういう安八町、墨俣町等を中心にいたしまして家畜の斃死が大きく出ておるわけであります。これは全く救済の方法がないわけですね。だから、方法がないからどうにもならぬということでほうっておかれるわけでありますが、何とかこの実態に対応する救済方法というのは農林省で考えられないのか、考えてもらってしかるべきではないかと思うんでありますが、いかがでしょうか。

渡邉文雄農林大臣官房審議官

○説明員(渡邉文雄君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、動物の被害の救済につきましては、豚、鶏につきましては現在制度がございません。制度がないということにはそれなりの理由がございましたわけでございますが、その中で豚につきましてはようやく調査がまとまりまして、前国会でお認めいただきました農災法の改正によりまして、肉豚につきまして救済制度を来年から実施することができるような段取りまではなってまいりましたが、鶏につきましてはまだまだむずかしい問題がたくさんございまして、現在いろいろと共済事業の面あるいは事故判定の事務的な面、その他保険率等につきましても調査をやっておりますが、いま成案を得るに至っておりません。調査の結果を待ちまして、その可能性等につきましてさらに検討を続けたいとは思いますが、詳細に至るまでにかなりの困難な問題も乗り越えなければならぬのではないかというふうに考えております。ただ、そういったことによりまして、被害を受けました農家につきましては、別途天災融資法なりあるいは自作農維持資金等につきましても融資につきましては十分な手当てをいたしたいというふうに考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 次は厚生省にお尋ねをいたしたいのでありますが、災害救助法第二十三条の救助種類に関してでございますが、これによりますと、寝具、外衣、はだ着、身回り品、炊事道具、食器、日用品、光熱材料、こういうのを岐阜県等におきましてはいわゆる救助種類として決めておるわけであります。しかし実態としては、もうこれだけ物資が豊富になった中で、こういう限られた物資でいわゆる緊急救助として支給するということは、実際問題としては実態に合わないのではないか。取り扱う側も大変な労力を必要としますばかりでなく、はだ着と言いましても子供と大人とは違うんでありますし、女と男とは違うんでありますから、したがって現金支給の道を開いた方がいいんじゃないか。もちろんその災害の種類、場所等によって、金をもらっても毛布が手に入らないとか、あるいは緊急にどうしても必要な物資があるとかというときには、これは県の時々の裁量といいますか判断にゆだねるべきであろうと思いますから、金でもよろしいというそういう改正をやっておけば、いわゆる融通がきく取り扱いになるのではないだろうか、こういうことで御質問を申し上げるわけでありますが、これに対するお考えをお願いいたします。

水田努厚生省社会局施設課長

○説明員(水田努君) お答え申し上げます。  災害救助法を発動した後、被災者の方の応急の救助活動につきましては、地方自治体の職員の方に大変御労苦をおかけいたしておりますことは、私ども十分承知をいたしているところでございます。今回の被災に当たりまして私は岐阜県に二度ほど足を運ばさせていただきまして、民生部の関係の方とお話しした際にも、やはり先生の御指摘のありましたように、岐阜の、特に着のみ着のままで避難されたということで下着から調達しなければならない、下着も大中小いろいろ体に合わせたものを用意しなければならぬということで大変御労苦があったということを承知いたしているわけでございますが、私どもとしましては、まあ行政は大変憶病だというおしかりを受けるかもしれませんが、やはり被災者の立場に立って考えるか、あるいはお世話をする自治体側の立場に立って考えるか、非常にむずかしい問題があるわけでございますが、先生もいろいろなケースで判断しろという御指摘もあったわけでございますが、それぞれ復旧で大変忙殺されておる中で、お金を渡して必要なものを走り回ってそろえろというところまでいっていいものかどうかの問題もございます。国民感情との問題もございます。ただ、中村先生の御提案は私どもとして傾聴に値する御意見でございますので、今後この問題の取り扱いについては慎重にひとつ検討をさせていただきたいと、このように考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 ぜひひとつ答弁のための答弁に終わらないように検討をしていただけたらと存じます。  次は、災害救助法によります避難所の開設に対する国庫負担の対象となる費用の限度額が一日一人当たり五十円以内ということになっておりますが、これは最近改定になったと聞きまするけれども、しかし今日の貨幣価値、物価高から考えまして、余りにも五十円というのは実態として低過ぎるんじゃないか、実情に全く即していないんじゃないか、こういうふうに私は考えるのでありますが、これも少なくとも百円ぐらいに引き上げる用意があってしかるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

水田努厚生省社会局施設課長

○説明員(水田努君) 避難所の設置費についての御質問でございますが、専門家である先生も御承知のとおり、避難所は原則として公共施設をお借りして、そこに避難所を開設するという場合が非常に多いわけでございまして、この設置に要します費用といいますのは、それを撤収しました際の損料をお支払いすることと、それから被服あるいは炊き出しについては別途計上してございますので、被災者の方着のみ着のままでいらっしゃっているわけでございますので、洗面用具をそろえるとか、あるいは先ほど中村先生のお話にもございましたように、夏場に非常に多いわけでございますので、蚊取り線香を用意してあげるとかあるいは電灯が切れている場合には照明を用意するとか、そういう避難所における諸雑費を賄う費用でございまして、大体避難所におきましては、一人当たりを見ますと大変低いようでございますが、相当数の方が収容されるわけでございますので、その集積としての費用に相なるわけでございます。なお、この災害地の実情にそぐうかそぐわないか、これは私ども十分反省してまいらなきゃならぬ点でございまして、実は被災主要県の所管課長さんを本日招集の予定しておりましたけれども、委員会がございましたので、急遽十三日に延期いたしました。そこらあたりの実情を聞きまして、この点につきましても、もし限度額を超えている県がございましたら、運用面で地方の超過負担が生じないように配慮を尽くしていきたい、このように考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 もう一つは、これに関連しまして、被災地を回りましていろんな方から要望があったわけでありますが、災害手帳——仮称でありますが——こういうのをぜひつくって、そして避難場所、それへ連絡するにはどうするかというようなことをあらかじめそういう被災が特に、何といいますか、予測されるような住民の皆さんに渡しておくというような、そういうことをしてもらえたら大変助かるのではないか、こういう声もあるわけであります。  もう一つは、厚生省としてぜひひとつ行政指導として再検討を命じていただきたい。命ずるというのはちょっと言葉が適当でありませんが、通達を出していただけたらと思います問題は、避難所等が一応は設定されておりますが、これがまあ机上の計画と申しまするか、その避難所へ行くには一帯がもう水浸しになって、歩いてなど行けるような状況にないところが避難所になっておって、実際にはそこへは行く方法がなかったというような事例もたくさんあるわけであります。したがいまして、避難所というものについても、もう少し見直しをいたしますと同時に、適当な場所が見つからぬような場合には、やはりその地域で高層による二階、三階の適当な避難場所を公共の施設として手配をしていくと、手当てをしていくというような、そういうきめの細かい救助体制というのが考えられないものでありましょうかということであります。いかがでしょうか。

水田努厚生省社会局施設課長

○説明員(水田努君) 御質問二点あったかと思いますが、まず最初の災害読本と申しますか、災害必携書、これは先ほど国土庁長官が前向きな御答弁いただいておりますので、私どももこれに積極的に参加して、大変私はいい御提案だと思いますので、気象災害時において国民の人が常日ごろから知っていただいて大変役にたつというようなものを、簡潔にわかりやすく装備読本をつくっていくということには大賛成でございまして、私どもも国土庁の企画にぜひ参加さしていただきまして、先生の御要望に沿うように努力をさしていただきたいと、このように思います。  それから次に避難所、いわゆる避難場所の設置、確かに安八その他いろいろ今回の貴重な経験を持っておるわけでございます。これの適切な設置場所をつくるということは、消防庁、警察庁その他関係する省庁とも十分協議しながら、私は防災会議の中で積極的に再検討されてしかるべき問題だと思っておりますので、先生の御指摘、それから国土庁長官が今回の反省を持ち寄って総合的にもう一回詰めて行政を見直そうと、こう御答弁をなさっておられますとおりであろうかと思いますので、ぜひ前向きに対処していきたいと、このように考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 もう一点は、災害廃棄物の処理事業に係る国庫補助率の引き上げを行ってもらいたいということでありますが、御承知のように全く床上浸水も一メーター五十、二メーターというようなところがたくさんありまして、ほとんどの家財というのは水浸しになって廃棄をせざるを得ない、言うなれば一軒トラック一台の廃棄物が出たというので、それをまず処理するのに莫大な費用を要した。まずとりあえず木曽川、揖斐川の河原に堆積をしたわけでありますが、そこで何とか焼却をしようといたしましても、ずぶぬれになったものでありますから燃えるような状態にないということで、また大垣市の処理場に運んだということで、町村等の財政負担は莫大なものに上がっておるわけであります。したがって、ぜひひとつ、こういう災害の実態にかんがみましても、国庫補助率の引き上げをぜひ行うべきではないか、こういう観点から御質問をいたしたのであります。いかがでしょうか。

吉江恵昭厚生省環境衛生局計画課長

○説明員(吉江恵昭君) お答えいたします。  先生のまさに御指摘のとおりでございまして、私どもも特に床上浸水地帯で大変な災害清掃をやらざるを得なかったという実態は、私どもは承知いたしております。御承知のように災害の後の清掃事業につきましては、現在廃棄物の処理及び清掃に関する法律を根拠といたしまして、清掃事業に要した費用の二分の一の国庫補助を行っているというところでございますが、ただいま御指摘のように今回、安八、墨俣町を中心に大変な負担になっておる実態も承知いたしておりますので、ただいま被災市町村の財政負担能力それから支出額規模の絶対額の大きさ、あるいは一人当たりの費用というような観点から調査を行っております。それで、この二分の一をさらに引き上げて補助すべきだという点につきましては、そのような実態を調査いたしまして、その結果を踏まえまして対処してまいりたいと、かように考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 割り当てられた時間がまいりましたので、まだいろいろ質問をしたい項目があるわけでありますが、最後に、自治省おいでいただいておりますね。——これは私のみならず各先生方、各地方公共団体からも強く要望が行われておるところでありますが、地方交付税と起債の増額、さらに被災地の地方公共団体に対するいわゆる特交の増額による配分増加をぜひしていただきませんと、御承知のように、補助対象あるいは助成対象からこぼれたというんですか、落ちました町村の負担というのは莫大なものでございますので、たとえて申し上げますと、さっき指摘したように、水防資材すら国からは二分の一なり三分の二なりでないと激甚指定になっても助成がされない、あとは全部町村で持たなければならない。特交配分基準にはないものは救われないものが多分に私はあると思うわけであります。そういう点について、特交として配分される中にもう少し洗い直していただくことが必要ではないか、そして、できるだけそういうものに対する財政配慮をしていただくことが重要ではないかというふうに考えまして御質問をいたすわけであります。これらについてのお考えをお聞かせいただきたいと存じます。

平岩金一自治大臣官房参事官

○説明員(平岩金一君) お答えいたします。  被災地方公共団体が行います災害復旧事業につきましては、その地方負担額及び単独災害復旧事業について地方債を充当することにより財源措置をする予定でございまして、また公共施設の被害状況、当該被災団体の財政事情等を勘案いたしまして、今年度の特別交付税のうち十二月交付分の配分におきまして十分配慮することにより、被災団体の財政運営に支障を来すことのないように措置してまいりたいと存じます。  それから、具体の例として御質問の水防経費の地方負担につきましては、先生御案内のように、通常程度の水防に係る出動手当、水防資材、機材の購入費等につきましては普通交付税で措置しているところでございますが、お話しのようにこれを超える特に多大の経費支出をしたような団体につきましては、特交のルール項目における算出状況とかその支出規模などを勘案いたしまして、実情に応じ特別交付税で所要の措置をいたしてまいりたいと、かように存じております。

上條勝久自由民主党

○上條勝久君 私は、これ委員会からではありませんが、高知と愛媛の災害の状況をつぶさに見せていただきました。今度の十七号台風は、私は大体、その規模はそれぞれ違いまするけれども、すべて共通をしておると、かように思うわけでございます。時間が非常に短いものでありますから端的にお尋ねをいたしますので、お答えもひとつ簡明にお願いを申し上げたいと存じます。  まず初めに、先ほど国土庁長官からも非常に積極的なお答えがありましたが、なるたけ重複を避けますけれども、これは基本的なことでありますので重ねて発言をしたいと存じますが、今度の台風の状況を見ましても、また従来の降雨による災害を見ましても、その根本対策はやはりどうしても治山治水の事業をいかにして促進していくかということが非常にかなめである、かように思うわけでございます。そこで、この五十二年度から発足する新治山治水五カ年計画に政府としてはどういう姿勢で取り組まれるかということについてお尋ねしたかったんでありますが、これは古賀委員の質問にお答えがありましたから、そのお答えは要りません。ただ私は、後で建設大臣、そして国土庁長官、できれば農林大臣のお考えも承りたいと思いまするけれども、何といってもいま日本の財政が、国の財政自体が非常に窮迫をしておる、その中で、先刻来お話のあるようなことで、このまま普通の考え方でいったんでは、とてもこの非常に危険であるという地区についての私は災害復旧ではない、再び災害を起こさないための防災工事を行うということはなかなか困難であろう、かように思うわけでありまして、非常に急激な展開を望むということは、これは困難であろうと思います。そこで今度の五カ年計画に取り組む姿勢として、私は国土防災に最重点を置いた優先の見地から、災害危険地域と申しますか、これはすべての場合を通じまして災害発生のおそれが非常にあるという区域に限定をして、そうしてこの五カ年計画に取り組むことによって、この五年間で大体大筋の防災事業の完了を目指すというようないわゆる国土防災治山治水新五カ年計画、こういうような考え方で、場合によってはいまからでも遅くはありませんから、内容の組みかえをやってでもやるべきではないか、その決断が非常に大事ではないかということを思うわけでございます。そこでこの点につきましては、政務次官おいでいただいておりまするけれども、お答えいただければ結構でありますが、私は、国土庁長官は災害の元締めでありますから、おいでになったときにそのお答をひとつ保留いたしたい、建設大臣もおいでになったときに大臣からひとつ……ああおいでいただいておりますね、お答えをちょうだいいたしたい、こう思うわけでございます。その点ひとつ建設大臣おいでをいただいておりますからお答えを願いましよう。

中馬辰猪自由民主党建設大臣

○国務大臣(中馬辰猪君) ただいまの上條先生の御質問、御要求でありますけれども、私も実は就任早々でありましたけれども、各地の災害を見ても意外な場所に発生をしておる、従来予想もしなかったところに大きな災害があるという現象が明らかにございます。そこで早速さしあたり一級河川につきましては健康診断をひとつし直そうじゃないかと。健康診断というのは、従来の計画の中では安全であったけれども、非常に危ないと、逆に従来危ないと思ったけれども、案外危なくないと、これは時間がたてばだんだん変わってくると思うのです、五年前と十年後はですね。ですから、まず健康診断をし直して、それに基づいて応急に処置するところ、それから五年間で処置できるところ、長期にわたってしなきゃいかぬところという三つに仕分けて、これを五年計画の中に組み込んだらどうだろうかということを実は事務当局にもお願いをして、いま、せっかくいまから作業をしようという段階であります。たとえばちょっと金をかければ災害が防げるというところもかなりあると思います。逆にかなりかけてもなかなか防げないと。で、これいつやるかというと、私はやはりちょっとかけてやるところはもう早急にしてもらいたい。それからいまおっしゃるように、五年のうちにこれだけやったら防げるという場所もありましょう。そういういわゆる健康診断をもとにして、計画の練り直しと言っては少し大げさですけれども、重点の仕組みあるいはやり方等についてぜひいま事務当局の方で検討をいたしておる段階でございまして、その点ひとつ御協力をお願いいたします。

片山正英自由民主党農林政務次官

○政府委員(片山正英君) ちょうど大臣が衆議院の農水に行っておりますので、かわりましてお答えを申し上げます。  まずもって今回の十七号台風に大変被害を受けられた方々に対しまして心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  ところで、ただいまの御質問の治山の復旧問題でございますが、御承知のとおり五カ年計画の改定が来年からでございます。これに対しましては基本的にいまの災害復旧並びに予防治山をやったところが大変いい結果を得ているわけでございますから、そういう点の見直しを行いながら、さらにいま御指摘の点を再調査の中で明確にいたしまして、そういうものを優先的に採用するとともに、ただいま申しました五カ年計画の改定の中でこれらを実施してまいりたい、こう思う次第でございます。

上條勝久自由民主党

○上條勝久君 ありがとうございます。いま建設大臣、政務次官からお答えをいただきましたが、どうかひとつ、いまのお話では少し私は不満足でありますけれども、なかなかこれ一遍に各先生方の全国的な要望等もありまするし、私の言うようなことは実際問題としてできかねるかもしれませんけれども、そういう姿勢で今後の具体的な計画の策定なり実施に当たっていただくようにこれも強くひとつ御要望を申し上げておきたいと存じます。  次に、いまこれはお答えの中にありましたから簡単に申し上げますが、この災害危険地区について、やはり現地を見てみますと、一番痛感するのはこのことでありますが、特に傾斜地における山林地であるとか、中には里山と称するものもありますし、畑もございます。そこの土質そして地下水、これに対する把握が、そういう危険個所は指定されているけれども、それを把握して果たして指定されているかどうかという点、これは非常に個所が全国的に及びまするから、都道府県、場合によっては市町村にも研修でもやりまして、そして何もかにも国がやるというんではなくて、そしてそこで技術者をちゃんと養成しながらともどもに協力してやっていかなければ大変だと思いますけれども、私はやっぱり土質と地下水の処理が非常に大事じゃないかということを痛感いたした次第であります。  一例を申し上げますと、愛媛県の玉川でありますが、実際にこの一夜のうちにりっぱな水田化してミカン畑となるというようなことで、地表から約一メートルぐらいの表面がミカン畑もろともに一団地となってずれ込んでおるわけでございます。だんだん見るとそこには水系はない、表の水系はないが地下水はどんどん出ておる。したがいまして、やはりこの危険地の地区については各省庁ともにそれぞれ地質とそれから地下水、表へ出ている水系の処理というものに十分なひとつ御留意をいただかぬといかぬということでございます。また同じところでも地盤が非常に従来からかたくて岩盤なんかのところを見てみますと、御承知のとおり多年にわたって洪水が流れてくる。その間に岩盤がだんだんほぐられてそしてりっぱな自然の水系ができ上がっておる。こういう個所については災害がありません。ありません。したがっていま申し上げまするとおり、そういう点をひとつ、技術的にこれは大変だと思います、大変だとは思いますが、一たん災害が起こった惨状を思うならば、それぐらいのこれやっぱり御苦労はひとつ忍んでいただいて、十分なひとつ調査をしていただくと同時に、その調査の結果、危険な個所については先刻来諸先生御発言のとおり、十分な手当てを速やかに施していただくということが必要であると、かように存じますので、これはぜひひとつそういうふうにお取り組みをいただきたいと思います。  そこで農林省、これは私の不勉強かもしれませんけれども、個人持ちの、いわゆる田舎では里山と申しますが、そこが遠くから見ても山にずっと大きな地割れを生じておる。そのふもとには五十戸ぐらいの集団部落が存在をしておる。そうして今度の水害でも、そのうちの一番大きなうちが一メーターばかりずれて、これは復旧されたようでありまするが、そういう状態になっておる。これはもう速やかに——災害そのものは現実として受けておらぬと思うのです。受けておらぬけれども、ほっておきますと、もういま雨が降れば一発で五十戸の部落が大変な被害を受けることは火を見るより明らかでございます。土質もよくありません。こういう点について、どういうふうな災害対策を農林省でお考えになっておるか、不勉強かもしれませんが、ちょっと教えていただきたい。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) 山林などの災害につきましては、崩壊されたところはもちろん、亀裂が入りまして次期の降雨等によって危険があると認められる個所につきましては、緊急治山で早急に対応するようにいたしております。先生いま御指摘の個所等、県と十分打ち合わせをいたしまして対応いたしたいと思っております。

上條勝久自由民主党

○上條勝久君 それから個人災害でありますが、これも諸先生から先刻来御発言があっておるわけでありますけれども、いまたくさん制度があります。その中で働いておるものもあれば、働いていないものもある。が、しかし、一番期待されるのは災害救助制度であり、また災害弔慰金並びに災害援護資金の貸し付け制度と、それからもう一つは住宅の融資制度であろうと、こう思うわけでございます。ほかにいろいろ共済ございますが、個人災害でこれはまあ非常に大事じゃないか、御指摘のとおりでありますが、これも大体年々おおむね改善されておることは私も十分承知いたしておりますけれども、いまの程度では、先ほど中村先生も御発言のとおり、実際に即するには、だれが考えてもほど遠いということでございますので、被害者が一応は立ち直れるという程度のことは、やっぱり国があらゆる立場から親切に行き届いためんどうを見るべきものじゃないかというふうに思われてならぬわけでございますが、そういうことで、たとえばそれらの制度の種類であるとか、それから対象、さらには限度額等の条件整備をこれからひとつ前向きに、諸般の状況等も勘案しながら、ぜひひとつ御検討をいただきたい、こう思うわけでございます。人命と財産を保護、保障するということは、これはもう人間社会において絶対に大事なことでありますが、人間が死ぬということですね、考えてみますと殉職死というのがある、それから天災で亡くなる、病気で亡くなる、それから事故で亡くなるし、これは事故死に入るかとも思うが自殺もあります。大体日本の国で人間が死ぬということについては、この五つがあると思うのでありまするが、天災で亡くなるということは、これは本当にあきらめのつかぬことだと思うのですよ。きのうまでぴちぴち農業に一生懸命従事——まあ、働かない、働くべき立場にありながら働かない、あるいは仕事をやらないというような人たちに対して、これをめんどうを見よと、これは幾ら国が豊かであったってそれはできません。しかし、いまのいままで一生懸命働いておった家の支柱を失って子供たちだけが後に残るというような、一夜のうちのそういう惨状、これを私は、一億三千万の国民が見逃すべきではないと思います。まあちょっと考えましても、きょう大蔵省おいでになっていると思うのですが、納税者が約五千百万人おりますね。この五千百万人が、一円、こういう気の毒な方々に何らかの形で、税もありましょう、いろいろ基金もありましょう、出しますると、たちまち五千万の金があるわけです。そこで私はそういう観点にひとつ立って、大変なことなんだという立場をひとっこれはまあみんなで考えて、もちろんこれは政府で政策をつくってもらわにゃいけませんから考えて、こういったような個人災害に対しましては、財政の事情もあるけれども、その財政は国民の理解と協力によって金をつくらなきゃいかぬと私は思います。したがって、表面にあらわれたいまの財政事情のもとだけで、こういう問題を金がないからなどと言って大蔵省等に厚生省が遠慮されるようなことがあってはいかぬ。私はやっぱり人間の本旨に立ち返って、こういう個人災害については十分ひとつお考えをお願いを申し上げておきたいと思う次第でございます。今度の災害、この前、高知の市長が見えまして、建設省や農林省を回ってみた。大変一生懸命取り組んでもらって、私の市では結構ですと。どうもやっぱり課長さんね、厚生省所管の個人災害についてももうちょっと何とか考えてもらえぬかということを痛切に言っておられましたが、そのこともひとつお含みおきをいただきたい。  それで、あとは特交の話がいま中村先生から出ました。私はそれにつけ足しまして、ああいう災害があると、財政が逼迫しておりますから、これはこの前申し上げたと思いますが、ひとつ自治省では十二月に特交を配分されますね。しかし、そこまで待たなくても、災害の実情とそれから平均税収の見当はつくわけでありまするから、概算額でいいから、災害の県に対して概算額でいいから大体見当がつき次第御内示をいただきたい。そうしますと全体の財政計画等の上において非常に当該県はやりやすいということを言っておりまするから、この点も御検討おきをいただきたいと思います。  それから、災害が起こると査定を受けて設計をして、設計書をつくって査定官をお待ちをするという順序になるわけですが、この点はこの前の委員会で篤とお願いを申し上げ、主計官もおいでになっておったが、来年度予算で各省が要求しておるんだから、これはぜひひとつ普通災害を含めて配慮してもらわにゃ困りますよということは十分お願いをしてありますが、各省でもひとつ、何も激甚とかなんとかいうものだけじゃなくて普通災害を含めて、これは市町村、全国の財政上の問題でありまするから、自治省も非常な理解を持っておられる、大蔵省も恐らく考えてくれると思いますから、強く御要望をお願い申し上げたいと存じます。  まああと申し上げたいこともありますが、それからこれも中村先生から御発言がありまして、私もぜひひとつきょうお願いしようと思っておったのは、災害の手引きの問題です。あるところでは非常にわかりやすく、実際わが党でつくった昭和四十七年の災害対策のしおりというのがありますが、これしかないんですよ。それで、個人災害その他全般的な災害を通じまして、役所でおつくりになるのはどうもわかりにくいんです。だから、市町村長が見ても議員が見てもさっとわかるように、全部の公共災害、個人災害全部を含めた資料を、これは予算要求必要ならばしていただきたいと思いますが、そしてわかりやすくつくっていただきたい。そういうように国土庁で取りまとめてやるということでありますが、役所式のむつかしいやつだと——わが党のやつもなかなかむつかしい。一般がひょっと見てもいつ見てもわかりやすいようなものにして、場合によっては、こういうことになった場合にはどうなりますかと、こう被災者が聞く、それに対して、こういう場合はこうですよという答えを、そういう方式の編集を若干時間がかかってもいいからお考えをお願いしたいということを申し上げまして、時間でありますから私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十五分まで休憩いたします。    午後零時五十五分休憩      —————・—————    午後一時五十一分開会

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 今回の十七号台風に際しまして、当委員会が早々と現地の視察をされまして、私が住んでおります香川県に対しましても十分な視察をしていただきましたことにまずお礼を申し上げます。それから関係の自治体の方々あるいは消防団や水防団、さらには危険個所へ真っ先に飛び込んでいきました県警の機動隊、あるいは海上保安庁、陸海の自衛隊の皆さん、それから非常に素早い対応を見せてくれました政府機関の方々に対しましても心から敬意をまず表するところでございます。  さて、最初に国土庁にお尋ねしますが、先ほどからいろいろすでにもう問題が出ておりますので、なるべく重複を避けまして、細かい問題を一つ一つ聞いてまいりたいと思いますが、まず国土庁にお尋ねいたしますが、本日激甚災に指定をされました。この激甚災に指定されましたのは、この指定基準にAとBとありますが、Bであろうと思うんです。そのとおりでございますか。BであればBの(1)なのか、(2)なのか、激甚災害の指定基準がありますね、それについてまずお尋ねいたします。

山本重三国土庁長官官房災害対策室長

○説明員(山本重三君) 今回の激甚災害の指定はいわゆる全国激甚の指定基準のB項の(2)に該当するということで指定をいたしました。

前川旦日本社会党

○前川旦君 実は災害が起こりますたびに、どこへ行きましても地方自治体は激甚災害に指定してもらいたい、まず真っ先にこの要望が出るわけです。と申しますのは、実は激甚災害の指定基準がやはりかなりきついんではないか、いまのお答えも基準にAとBとありますけれども、果たして激甚災害に指定されるのかどうか、なかなか見通しが立ちかねて不安がっていた地方自治体もございます。それから、これほど大きな被害を受けながら、これから地域指定はしていくんだろうと思うんですけれども、地域指定を受けますと、仮に香川県なら香川県は指定には基準に達しない、もちろん香川県の中の個々の市町村、自治体はこれは指定されますけれども。そうしますと、同じ県の中で指定された市町村は激甚災でいける、指定されなかったところはそれが適用されないというような矛盾が出てくるんじゃないだろうか、ですからかなりこの基準がやはりきついという思いがいたします。どの自治体も要請の中に、この激甚災害の指定基準をもっと緩和してもらいたいというのが必ず要望に入っているわけですね。その点について国土庁の政務次官のお考えを伺いたいと思います。

江藤隆美自由民主党国土政務次官

○政府委員(江藤隆美君) 本日の閣議でもって激甚災の指定をいたしまして十二日に公布をする、こういうことにいたしたわけでありまして、その間に参議院の災対の諸先生方の御労苦、また私どもに対する御叱正に対しまして、この機会に厚くお礼を申し上げます。  ただいまの、今回のいわゆる災害に照らして指定の基準が厳し過ぎるのではないか、このような実は御意見でありますが、このことにつきましては、御存じのようにこの基準というのは昭和三十七年に定められて、その後昭和四十三年に局地激甚災の制度等も取り入れまして今日に至っておるものでありまして、今日までの状況でまいりますと、災害復旧に関してはほぼ円滑に行われておるものと実は私ども考えております。なお、特定地方公共団体の基準につきましては、公共団体の負担分については起債及び交付税、これをもって充当をしてまいっておりまして、現状においてほぼこれで大体やれるのではないか、こう思います。しかしながら御意見もありますように、今日地方公共団体が財政的に非常に苦しい状態の中にある特異な環境の中での災害の発生でございますから、今後ともにこれらの問題については関係各省とよく連絡をとりまして十分検討してまいりたいと考えておるところでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 被害を受けた県がたくさんございますけれども、県として指定されるには当該県の標準税収入額の二〇%、これが当該県の負担額は二〇%超えないと県として指定されませんね。ですから、こんなひどい災害を受けながら県として指定されるところがどれぐらいあるかわかりませんが、香川なんかこれは入らないんですよね。ですから、そういう意味で、どこへ行きましてもこの指定基準の緩和という声が強うございますので、いま十分足りていると思うという御答弁ありましたけれども、これはなおそういう要望が強いということは、やはりそれ不安を感じているということなんですから、事実として。その地方の声を一つ謙虚に聞いていただいて、まあ今後やはり検討していただきたい、このように思います。  そこで、先ほど書類をいただきました。「当該激甚災害に対し、次に掲げる措置を適用すること。」ということで十ほど出ております。これ全部でしょうか。項目がいろいろ、適用する措置の例がたくさんありますが、はずれたものもありますか。

山本重三国土庁長官官房災害対策室長

○説明員(山本重三君) 今回指定いたしましたのは、すでに調査が進み、基準に該当したものをできるだけ早く、通常のペースよりもできるだけ早く今回の災害の状況にかんがみ指定いたしたいということで、お手元にある資料のような指定をしたわけでございますが、なお今後の問題として、その後まだ事業が続いておるとか、あるいは調査が進んでおらないということで、いずれ追加指定をしなければならないものも残っております。その一番問題になっておりますのは天災融資法の関係の特例だと思います。天災融資法の関係の調査につきましては、十月五日の日に作柄指数が発表になりまして、それに基づいて具体的な被害額が出てまいりましたので、これに基づいた農林省の天災融資法適用の作業を進めていると思いますので、天災融資法の適用措置とあわせて激甚災害の追加指定もいたしたい、このように考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 これ実際に手続はどうなるんでしょうか。これは激甚災害にきょうは指定されました。この項目ごとにこれから各省庁がそれぞれ告示をするという手続になるんでしょうか。そうしますと、この告示をできるだけ早く急いでいただきたいということと、それから今度は地域を市町ごとに決めていくわけでしょうね、そういう手続ですね、これもできるだけ早くやっていただきたいんですが、その点いかがでしょうか。

山本重三国土庁長官官房災害対策室長

○説明員(山本重三君) たとえば公共土木施設関係の負担額のかさ上げの適用を受ける団体というのは、政令の一条にございますように特定公共団体というものが基準によって決められる形になっております。これはそれぞれの所管大臣が、たとえば建設省関係の所管、公共施設関係については建設大臣が告示でこの特定公共団体を指定しますといいますか、該当する旨を一般に知らせるということになろうと思いますが、ただ、ここに書いてありますように、基準に該当しますかどうかは、その公共団体の負担額が確定しなければできない。したがいまして、今後災害査定が進みましていずれ負担額が確定すると思いますが、それがやはり出そろうのは年度末近くになるのではないか。そういうことで、私どもは三月ごろに各所管大臣で告示されるものと思っております。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○説明員(杉山克巳君) 天災融資法関係について御説明を申し上げます。  天災融資法、これは農作物被害が基準に該当する場合には当然発動になることになります。被害の額はすでに私どもの調査によって確定しておりまして、台風十七号関係では七百四十九億円、かなり大きい額に上っております。したがいまして、適用することはいますぐにでも決められそうでございますが、実は手続といたしまして、天災融資法の政令は、単に被害額だけでなく、資金需要額を調査いたしまして、その資金需要額を政令上規定することとなっております。その関係がございまして、若干ほかの施設関係の激甚法の指定よりはおくれまして、おくれましても今月中には必ず発動したいと思っております。その指定が、その天災融資法の制定が行われますれば、同時にその天災融資法関係についての激甚法の適用ということを行うということに予定いたしております。なお、天災融資法関係の地域の問題は、これは融資法の政令の中で特別被害地域を指定できる県というものを特定することになっております。そういう手続が行われますれば直ちに、これは地方公共団体の財政がどうであるかというようなこととは関係なく、融資の申請を待って貸し出しの手続に入れるということになっております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 天災融資法は激甚でいくわけですか。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○説明員(杉山克巳君) はい。

前川旦日本社会党

○前川旦君 そういうふうに考えてよろしゅうございますね。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○説明員(杉山克巳君) 結構です。

前川旦日本社会党

○前川旦君 とにかく事務当局の方も忙しいことはよくわかりますが、できるだけ早く事務を詰めていただきたいということを、特に地元の気持ちとしてお願いをしておきます。  それから国土庁さんにもう一つお尋ねしておきたいのは、この激特法ですね、この激甚災害の対象事業をもう少し拡大をしてもらいたいということなんです。たとえば上水道の復旧、それからあと屎尿の処理が大変なんです。これは床下浸水きたところは全部これ屎尿取らにゃいけません。それから先ほども質問の中に出ておりましたけれども、災害から出るごみですね、水を含んだ、何といいますか、畳とかそれから衣類とか布団の切れ端とか、これは大変なごみの数です。これは厚生省の管轄で二分の一の補助だと思いますが、激特に指定されますとこれは三分の二ということになると思うんです。やはり上水道、これ下水道も同じですけれども、上水道、下水道、あるいは屎尿、ごみといった、これは激特の対象事業に入れるという方向で御検討願えないものだろうかどうか、この点次官いかがですか。私、激特法の方がなじむと思うんですね、性格としてなじむと思いますが、いかがでしょうか。

江藤隆美自由民主党国土政務次官

○政府委員(江藤隆美君) 今回の国会の論議を承っておりまして、いま御意見のような上下水道あるいはごみ処理、屎尿処理、それから私もびっくりしたんでありますが、実は墓地がずいぶんとやられて、まだ日もたたない土葬の死体が実は出てきたと、こういうふうな復旧の問題等もありまして、この立法の経緯もあるわけでしょうけれども、その当時とすると余り予測できなかった災害の結果というものが各個所に見られるということも、私は事実であろうと思います。いまは御承知のように予算措置でもって実はこれは処理されておるということでありますが、今回の経緯にかんがみまして、各省庁と十分意見を調整をしてみたい、このように考えておるところでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 どうか意見を調整されて前向きに、実現できるようにひとつお取り計らいをお願いをしておきます。期待をしておきます。  それでは、与えられた時間が少のうございますから、厚生省さんにお尋ねしますが、災害救助法関係ですけれども、現実の問題として、たとえば被災地域が離島とか僻地とか、こういう特殊性がございました。そこで、救助期間の延長だとかあるいは対象件数だとか、いろいろ現実に即して、機械的に運用しないでどんどん日にちも延ばしたり柔軟にやるべきだと思いますが、またこれやっていただいていると思いますけれども、どうでしょうか、余りしゃくし定規に考えないでどんどんやっていただいたでしょうか。その点いかがですか。

水田努厚生省社会局施設課長

○説明員(水田努君) お答え申し上げます。  一応基準設定してございますが、私ども被災各県と十分連絡をとりまして、期間の延長その他実情にそぐうように適切な措置を講じたつもりでございますが、なお御指摘の点がございましたらさらに改めさしていただきたい、このように考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 これは次のこの委員会で少しあれしたいと思います。  それから僻地とか島であります関係上、輸送費が大変高くついてますね。それから運ぶ人の人件費も高くついています。こういう問題についても地方自治体の負担にならないように何らかの措置をやっていただけるかどうか、その点いかがでしょうか。

水田努厚生省社会局施設課長

○説明員(水田努君) お答え申し上げます。  今回の災害で、たとえば小豆島の場合には応急仮設住宅百九戸需要がございまして、それにすべておこたえするという形をとっておりますが、いま先生から御指摘のように、私どもの設定しております基準内では、輸送費、あるいは島であるために大工その他の加工等で特別の費用がかかるということを私ども県を通じて承知いたしておりますので、これらについては特別の配慮をするように考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 具体的にいきますが、たとえば応急仮設住宅は二戸たしか六十二万八千円が単価だったと思いますけれども、実際には九十万についているわけですね。そういう差額をやはりちゃんと見てほしい、こういうことです。実勢に応じた対応をしてもらいたい、負担がないようにしてもらいたいということ。それから、たとえば家の中にたまりました土砂等の障害物の除去にしても、これは一世帯幾らでしたか、三万幾らかの単価が決められていると思いますね。三万八千二百円でしたか。金額はよろしいです。よろしいが、これも実勢に合わせていただいて、これは地方自治体の負担がないように何とか運用の面でがんばってもらいたい、こういうことです。いかがでしょうか。

水田努厚生省社会局施設課長

○説明員(水田努君) 八丈島の災害の際も実際に輸送費、労賃その他を見ますと九十万程度一戸当たりかかったわけでございますが、これは全部補助の対象といたしました。今回も同様の措置をとらさしていただきたいと、このように考えております。  それから、障害物の除去につきましても一応一五%という枠はございますが、これにつきましても対象世帯一五%という枠にこだわらずに対象といたしたいと思います。  それからなお、限度額の点につきましては、従来と運用の方法を改めまして、たとえばいままででございますと、仮に基準を単純に三万円としますと、一万円のところは一万円、五万円のところは三万円で足切りをしたと、こういうかっこうで運用をいたしておったわけでございますが、今回は被災地全体でその金額を運用することによって相当大幅な改善が図れる、このように考えておりますので、そのように運用を改善して実際的に対応さしていただきたい、このように考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 もう一つ、これはお答えにくい話なんでね、公式の場ではお答えしていただかなくてもいいんですけれども、応急仮設住宅に入るには所得制限があるんですね。ところが、その所得というのは前年の所得が、幾らだったかな、所得制限がありまして、去年一定の所得があれば入れない。しかし、家が流されてなくなっている人には、去年の収入が少々あっても——何億という収入のあった人はこれはまあ旅館へでも行けるでしょう、そんな人はめったにいないんですからね。所得制限を撤廃するのは無理にしても、運用の面で余りしゃくし定規なことをやらないように、その辺は血も涙もある形をとっていただきたいということです。  ついでですけれども、同じ所得制限の話ですが、例の弔慰金ですね、亡くなられた方々に対する弔慰金の法律。正確に言うと長いんですけれども、あの個人災害に対する見舞い金制度の中に貸付金があります。この貸付金、これもやはり所得制限があるんですね。やはり家が流され、家財が流され、全く茫然としているところに去年の所得で制限されると、これは実に陰惨な話なんですね。ですから制度としての所得制限、これを撤廃するのはむずかしいでしょうけれども、この貸付金についてもやはり運用の妙を発揮していただきたいということをお願いをしておきます。これは公式の場ではなかなか答えられないでしょうから、お答え要りませんけれども。  それから、いまの貸付金の話が出ましたので、これがおりてくるのが遅いんですよ。私は高知の市長に伺いましたらね、高知ではこの前の災害で四カ月かかったと言うんですね。それまで高知市が立てかえているわけです。立てかえて早く貸し付けをしている。その金利なんか全部市の負担になって見てもらえないということですから、こういう貸付金等は早く処理をして、早く送るということに全力を尽くしてもらいたいと思いますが、その点いかがですか。

水田努厚生省社会局施設課長

○説明員(水田努君) 災害援護貸付金の事務の迅速化、これは当然のことでございます。私どもも資金の交付を早急に当然いたさなければ相ならぬわけでございますが、私ども非常に実は困りますのは、地方自治体の場合、災害救助の係とこの貸付金をやっている係が同じ係でやっております関係上、私どもが資金の手当てを大蔵省にお願いをするまでに相当時間がかかっちゃう、こういう非常に私どもも隘路めいたものがございまして、特に去年の高知の場合等非常に早くということで、私どもも大変焦ったわけでございますが、相当高知県も督促いたしまして、当てずっぽうではなかなか金の交付もできませんので、相当やったわけでございますが、ことしは相当高知県、昨年の経験からいって、迅速に処理をしていただいておりますので、早期に資金の交付ができるものと考えております。また、高知県に限らず、被災を受けられた府県につきましては、先生の御要望どおり、一日も早く資金の交付ができるように最善を尽くしたいと、このように考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それでは、時間が足りないものですから、厚生省にもう一つ伺いますが、先ほど、激甚災の対象になっていない水道の復旧事業、あるいはごみ、屎尿等の災害廃棄物、これは補助率が二分の一ですね。これは三分の二に上げるという方向で検討はできないもんですかね。二分の一というと大変な金額になるんです。大きいですからね、ごみの量が。しかも、かつて伊勢湾台風のときには、昭和三十四年ですか、特別法をつくって三分の二の補助をした例がありますね。実例があるんです。ですから、全体として、全国的な統計で伊勢湾台風ほどいかないから、全国的な統計で少ないからまあ二分の一と、三分の二まではちょと無理じゃないかという発想があるかもしれませんけれども、しかし、やられた町、市にとっては、これは大変な問題なんでしてね、その辺の検討はいかがでしょうか。

森下忠幸厚生省環境衛生局環境整備課長

○説明員(森下忠幸君) 災害廃棄物の処理事業でございますけれども、昨日取りまとめました段階で、百五十七の市町村で実施しておりまして、六十七の市町村が仕事を大体終わりまして事業費を確定しております。まだ仕事をしておりますところもありますし、事業費が確定しておらないところもありますが、その中で、私どもいろいろ調査一いたしますと、一、二の例外はございますけれども、大体被害の程度だと、災害廃棄物処理事業の態様、こういったものが従前の災害と類似しておりますので、従前の例によりまして二分の一ということで対処してまいりたいと思います。しかし、一、二の例外というふうなところにつきましては、どうもその市町村の規模とか財政力等から判断いたしますと、大変負担が大きいようにも考えますので、いま全国的なこういった実態が出てまいる、それから過去にこれらの災害廃棄物処理事業がどんなふうに行われていたかというふうなことをそれぞれ調査いたしまして、その結果が出てまいりました段階で、先生の御指摘になりましたような点について検討いたしたいと思っております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 一、二なんて言わないで、積極的に見るようにしてほしいんです。厚生省は災害の調査団に入っていませんでしたね。これは災害の調査団には、建設省、農林省、通産省等と一緒に行きましたけどね。政府の調査団に入っていたかどうだったかな。委員会からのには入ってなかった。入っていませんでしたね、厚生省は。四国の方は入っていませんでしたね。やっぱり現実に屎尿の処理で本当に苦しんでいるところ、ごみがどんなに出ているかという、やはりあなた方、目で見てくださいね。そうすることによって行政が生きるんですから。血が通うんですから。見ると見ないではうんと心構えが違いますから、その点厚生省にお願いをしておきます。  それでは次に……

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 行ったそうです、水道課長が。

前川旦日本社会党

○前川旦君 そうですか、見えていましたか。それじゃ、私いまの撤回をしてもよろしいです。しかし、水道とごみの処理と違いますね、セクションが違うよ。ですから、これはごみというのは大変大きな問題なんですよ、ごみと屎尿は。大きな問題ですから、今度からそういうこと考えてください。  それじゃ、建設省にお尋ねをいたしますが、先ほどから基本的な方針として、原形復旧という考え方から改良復旧という考え方に基本方針を変えると先ほど国土庁の長官が言われました。私は非常にこれは心強いお約束だったと思うんです。そこで、その国土庁長官のお約束を受けて、各省庁ともやはりそういう姿勢で取り組んでいただきたいと思います。特に、これは小豆島だけじゃありません。瀬戸内海の沿岸はみんな同じ状態ではないかと思います。先ほど古賀災害調査団長の御報告の中にもございました、真砂土という土のことが入ってます。九州のシラス台地や有機質を含んだ土とともに日本の三大悪土と言えましょうと。これが瀬戸内海の島嶼部、それから沿岸部の土の質なんです。そして、この調査の報告の中に、八百余メートルの星ケ城山、これは小豆島で一番高い山なんですがね、これが二、三百メートルになるまで今後も平たん化作用が続くという前提のもとに対策を立てるべきであると書いてありますね。これは小豆島だけじゃなくて沿岸部全部、この沿岸に海岸線に人が密集しているんです、瀬戸内海の沿岸というのは。そこの土地がほとんどこの真砂土という悪土でしてね、しかも平たん化していっているわけなんです。ですから、小豆島だけじゃなくて瀬戸内海沿岸の香川県の本土——本土というのは香川県のことを、四国のことを言うんですが、香川県の場合は——を含めまして改良復旧、それから防災、それから原形復旧、いろんな組み合わせがあります。いろんな組み合わせで根本的に治山治水を洗い直していただいて、単なる原形復旧ではない、どうやったら人が住めるかという、そういうがらっと変えてしまうような、そういう意欲を持った復旧というものの姿勢を持っていただきたいと思いますが、その点いかがでしょう。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 先生のおっしゃる趣旨は十分わかります。したがいまして、災害復旧というのは原形復旧というのが基本でございますが、いわゆる一定災とかあるいは関連とか、あるいは緊急砂防とかいうふうに改良復旧を、抜本的な改良復旧を積極的に進めていきたいというふうに考えてございます。そして、その復旧の仕方につきましても現地の実態に合うようにいろいろ検討してまいりたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 その検討をしてまいりますというのじゃなくて、原形復旧が原則だったわけですよ。それを国土庁長官は改良復旧を原則に変えると言われたわけですよ。ですから、その精神を私は建設省も農林省もすみずみまでやはり通してもらいたいんです、災害については。これはいろいろそれは困るというところもあるんでしょうけれども、財政に関係がありますから。しかし、それにしても本当に小豆島それから海岸線は一度洗い直して、単なる原形復旧でない改良復旧ということで、あくまで貫いていただきたい、強い姿勢で持っていただきたい、これは強い要請です。もう一遍ひとつお答えください。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) やはり抜本的な改良復旧に精神的には持っていきたいと、前向きで持っていきたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 精神では飯が食えませんからね。しかし、いままで原形復旧が原則だというのを精神的にも持っていくというのは、半歩前進にもならないかもしれないけれども、しかしこれは実態に応じましていろいろこれから検討していただきたい。お願いをしておきます。  そこで、古賀理事の方からの質問の中に出てきました例の設計委託料、これは測量や設計を業者に委託するわけですね。これがまた一番陳情の中に出てくるわけですよ。これは泣いているんですね。二億円かかるとか、一つの町で二億円かかったり、一億円かかったりしたらもう大変なことです。そこで、いまの特例として二分の一の補助を出してきたというお話がありました。それで、今回も特例として二分の一補助でやるのかどうか。次に、特例というのじゃなくてこいつをコンクリートしてもらいたい、つまり制度化してもらいたい。その方向に行くのかどうか、その点についてはいかがでしょうか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 本年度の災害復旧の設計委託料の補助制度と、将来におきますいわゆるコンクリート化した制度の確立というものにつきましては、関係省庁並びにいわゆる財政当局と協議しまして前向きで検討してまいりたい、こう考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それでは、今度は土木関係ですけれども、急傾斜地の崩壊対策事業がありますね。この採択基準の拡大ということは常に言われてきているんですけれども、これも拡大の方向にあるというお話を伺っていますけど、いまいろいろ制限がありますね。傾斜地が何度とか人家が何戸とか、そういう採択基準を拡大するという方向にあると聞いていますが、そのとおりですか、そのように努力していただけますか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) この急傾斜地崩壊対策事業の採択基準の問題でございますが、現在までにたびたび実態に応じまして採択基準の拡大を図ってきたわけでございます。たとえて申し上げますと昭和五十一年度、本年度でございますが、家屋の対象戸数が二十戸から十戸になったというふうに、実態に応じましていままでも拡大を図ってきたわけでございます。今後の問題につきましては、いわゆる急傾斜地、危険個所が非常に多いという現状にかんがみますと、いわゆる拡大を図るよりもそういう対策を非常に推進していく必要があるというふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それから、実は小豆島には土庄町という町があります。この土庄町というところでは日本でも有数な大規模な地すべり地帯なんですね。そうして国の援助をいただいて肥土山という地域は、一応ある程度の処置はしている。ところが、もう一カ所小江という地域ですけれども、地すべりが始まっている。しかも、その地すべりをした下には百五十戸も人家があります。早く何とかしなければ危険で仕方がないんですけれども、たとえば国の補助が二分の一です、五〇%、それで県が三三%、地元の町が一七%負担している。これがもう限度いっぱいです。負担能力がもうない。しかも今度は新しく小江地区というところがすべり出した。そこで、こういう現実にもう危険で動き出していて、動く可能性があって地割れがして、しかも下に人家があるという、そして地方自治体も手が合わないと、被害地域ですから手が回らない、こういうところには実態調査した上で緊急地すべりですか、激特ですか、とにかく三分の二の補助率を適用していただいて早急に手を打ってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 現在に地すべりが起こっておる地区、この地区につきましては十分調査しまして、緊急地すべり対策事業というもので検討してまいりたいというふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それから、今度の災害で砂防堰堤がずいぶん効き目がありました。確かにありました。そこで、この次はあすこが、あの谷間が危ない、あるいは今度の災害でずり落ちたところ、あすこに砂防堰堤をつくりたい、ここにつくりたい、つくれば防げる、急ぐところがたくさんあります。そういう砂防堰堤を砂防激特あるいは緊急砂防等で何とかできるだけ年度内に集中してやって、二次災害を起こさないようにやってもらいたい、この点いかがでしょうか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 実際に被害を受けている個所につきましては、いわゆる緊急砂防あるいは激特とかいうので対処してまいりたいと思います。ただ、年度内にすべてということは、できるだけ多くということは、いわゆる工期の関係その他ありますけれども、できるだけよけい対策していくという方針で進んでまいりたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それから、土砂ですね、土砂を持っていくところがなくて困っているんですね。膨大な土砂です。これはどうでしょうか。具体的に、小豆島では一体土砂をどういうふうに国は指導なさるのか。それから本土——本土というのは四国の香川県のことですけれども、ここも膨大な土砂で困っている、これをどういうふうに指導していただけるものか。その点どうでしょう。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 小豆島におきます流出土砂量、これは今回約五十万立方メーターということで、これを島の中でいろいろ処分することも非常に困難であると、残土処理が、ということで建設省としましては臨海部に残土処理をしたいということで、目下、現在関係各省と協議中でございます。海の中に残土を処理する……

前川旦日本社会党

○前川旦君 埋め立てでやるわけ。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) はい。  それから、その他の香川県の本土の残土処理でございますけれども、これはやはり残土を生じた付近におきましてですね、できるだけ処理していくというふうにいたしたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 後の部分がよくわかりませんでしたよ。できるだけ処理したいと言うけれども、具体的にどういうふうに考えていらっしゃるのですか。持って行き場がなくて困っているんですよ。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 現実的に持って行き場がないということでございますけれども、そういう点を十分調査しましてですね、そして実態に応じて処理していきたいというふうに考えております。ですから、十分現地調査しましてですね、本当に持って行く場がないのか、あるいは近くにあるのか、そういう点も十分検討しましてですね、そして一番適切な方法をとってまいりたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 では早く、それ早くやってくださいね、どうでしょう、早くやってくれますか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 県当局と打ち合わせしまして、できるだけ早く決めたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 そこで、これは国土庁さんに伺いますけれども、林野庁とも関係があるのですけれども、農林とも関係あるんですけれどもね、ここに砂防堰堤をつくったら防げる、あるいはこの山に地割れが始まっている、これを何とかしなければいけない、下が危ない、したいけれども民有地なんですね、民有林であり、これは一つの山になります。そうすると、所有者の承諾を得なければいけない。その所有者が被害地の近くに住んでいればそれは理解できますからね、オーケーはもらえるんですよ。ところが、小豆島なんか思惑で大阪なんか県外の人が買っているのがたくさんある。その承諾をもらいに行くのは役場の職員だと思うんですね。そうしないと砂防堰堤は築けない。地割れしているやつも削れない。行ってみると何人かで共有していたら一人ずつ歩かなければいけない。あるいは死亡していた、相続が、権利者が何人も一々承諾を得なければいかぬとか、あるいは海外に行ってしまったとか、いろいろな実例があるんですね。で、やりたいと思ってもおくれる場合がかなりあるんです。何かそこをいま法律がないんですよ、法規がないんですよ、緊急避難のような発想法で危ないのですから、何かそういう手だてを、やれるという手だてを研究してもらえないだろうか、いかがでしょうか。

山本重三国土庁長官官房災害対策室長

○説明員(山本重三君) ただいまのような問題につきましては、それぞれ公共事業等をやっております諸官庁におきましても、用地買収の問題でですね、日ごろからいろいろ計画を持っておられると思います。そういうことで十分各省庁の中でその対応策について検討し、処理できるものと私は思いますが、ただ、先生御指摘のこともございますので、私どももあわせて研究いたしたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 大概なものは処置できると思いますが、中にはそういうのがあるのです。ですから、これはあなた方すぐれた知脳の持ち主の集団ですから、エリート集団ですから、何か憲法に私有財産がありますけれども、やっぱり公共の利益、公共の福祉のためには従わなければいけませんから、何かいい方法を考えていただきたい、このことを実はお願いしておきます。  それから、建設省さんね、古賀調査団長の報告にありましたように、土壌とそれから水の流れですね、地下水の状況、それから土の風化の状況、そういうものを考え合わせると、土石流による被害地域はほぼ八割程度の確率で予知することができると、この報告書は——きょう出ました、言い切っています。つまり科学的に調査すれば土石流による被害地域は八割程度の非常に高い確率で予知できる。したがいまして、こういう科学的な調査資料を、地方自治体ではそこまで手が回りません、どうか国の方で、これは建設省になりましょうか、国土庁になりましょうか、データを集めて調査して、対応策ができるように、地方自治体が対応できるような資料を提供するような、それで科学的調査というものに私は取り組んでいただきたいのです。八〇%という数字が妥当かどうかわかりませんけれども、かなりの正確度で予知できるとすれば多数の人命を救うことができますので、この点の科学的な調査を急いでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) がけ崩れとか地すべりなどの発生機構でございます。これと土質の関係、あるいは地下水との関係、それにつきましては従来から土木研究所を中心として研究しております。今回の災害につきましても土木研究所を中心に鋭意調査を進めてまいりたいと。また、その土石流の発生の問題でございますけれども、これも現在建設省でいわゆるそういう土石流の危険の区域はどこであろうかとか、そういうものを含めまして科学的に現在調査中でございます。成果がまとまり次第いろいろまたその成果を地方自治体に対して使ってもらえるように発表してまいりたいというふうに考えております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それでは、よろしくお願いをいたします。  農林省さん、この激甚災害の指定で、農地、それから施設、林道、共同利用施設、そういったもの、どういうものが対象になりますか。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○説明員(杉山克巳君) いま先生が指摘されましたような施設関係、これは激甚災法の対象事業になります。

前川旦日本社会党

○前川旦君 この施設の中にはため池が含まれていると思いますけれども、間違いありませんね。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) 間違いありません、入っております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 ため池がずいぶんやられているのです。非常にため池の被害が大きいのです。そこで災害復旧というのは三年が原則ですね。三年間ため池は待てません。ですから、来年の田植えに間に合うようにため池を直してもらいたい。これが強い要望です。  一つは、ため池の中に土砂がいっぱい詰まってますがね、それをのけることがあります。それからため池の堤防が決壊しているところもたくさんあります。それから私どもでは裏ずれと言うのですけれども、堤防の表というのは水の方が表なんだそうですね、外から見えている、ぼくら普通表のように見えているところは、あれが本当は裏になるそうですけれども、しみ出して裏がずっとぼろぼろ落ちてもう決壊寸前になっている。ですから水をためることできません。来年の田植えには支障のないようにため池を直すと約束してもらえるでしょうか、どうでしょう、約束してほしいんです、いかがでしょうか。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) 今度の災害でため池の被害が特に香川県なんか非常に多く出ているということは認識しております。ため池の復旧につきましては、ただいま先生が御指摘ありましたように三カ年が原則ということになっておりますけれども、緊急を要するものにつきましてはこれは早急に査定を行いまして一年あるいは二年でこれを短縮して完了させるようにしております。その具体的な実施の問題につきましては、十分県の技術能力その他を含めましてできるだけ先生の御要望に沿うような形で対応さしていきたいと思っております。  あわせて、そのため池の整備によりまして——農地の災害が起こっておりますが、この農地も農業関係につきましては作付の適否というものがございますので、来年の作付に間に合うような態勢をできるだけとるような形で全力を挙げて早期復旧に努めてまいりたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 こういう席ですから、そういうできるだけ努めますというような答弁しか言えないのかもしれませんけれども、二年もかかったら一年間はため池の水を使っておるところは田植えができませんね。収穫ができませんね。ですから、次の田植えには間に合わすという決意で全力を尽くすと。できない場合もあるでしょう、それはいろんな技術的な問題もあるでしょうし、あるいはため池を直す技術者が不足するという場合もあるでしょうし、あるいは財政的な制約もあるでしょう。ですから、できない場合もあるかもしれません。また、あるでしょう。それはそれとして、来年には間に合わすという強い姿勢で私は取り組んでもらいたいと思いますが、なおもう一遍決意を伺いたいんです、その姿勢の。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) 御質問の趣旨はよく体しております。ただ、香川県の場合は千六百カ所を超すため池が被災を受けております。したがいまして、その全体について一年ですぐやってしまうということが果たして可能かどうかという慎重論で私は申し上げたのでありまして、気持ちの上では応急復旧を含めて全部完成させるようなつもりで今後の復旧体制に努めてまいりたいと思いますので御了承願いたいと思います。

前川旦日本社会党

○前川旦君 その気持ちをどうか具体的に生かしてください。私は、技術的に不可能なことまでは要求しませんけれども、技術的にあるいは能力的に可能なぎりぎりまで努力してもらいたい。と同時に、これは農地についても同じです。このことをお願いをしておきます。  それから、農地の復旧が出ましたからついでですけれども、農地がずたずたになっています。これは原形復旧をするよりも、この際、何というんですか、測量し直して、交換分合と言うんですか、換地をしてきれいにした方が費用も安く上がるし、後々いいという地域が出てきます。そういう場合、原形復旧ということにこだわらないで積極的に換地計画等もやはり進めるように指導していただけるかどうか。またその場合に、そうなると登記とか測量とかいろいろ費用がかかるわけです。これを全部地方自治体の負担にさせないで、地方自治体の負担にならないように何とか考えてもらえるかどうか、その点はいかがでしょう。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) 災害によりまして、農地、農業用地、特に農地関係がずたずたに被災をされたというようなところに対しまして、私どもも原形にただ復旧するということだけではなしに、その地域全体の区画整理を中心として復旧作業をやっていきたい、こう思っておるわけでございます。ただ、この場合、圃場整備と申しますか、区画整理を行う場合には権利関係が変更を必要とするような問題が出てまいります。それに必要な換地の問題とか確定測量とかというような一連の経費が必要になってくるわけでございます。従来こういうものにつきましては、災害の一地区当たりの面積が非常に小さかったとか、あるいは原形に直すという区画整理をしないでやるとかいうようなことが災害復旧の原則的な姿になっております。したがいまして、そういう面につきましては現在補助の対象にはしておらなかったわけでございます。しかし、最近非常に広範囲に、しかも大きな災害が発生しております。そういう現実の姿というものを私ども十分受けとめておりますので、実態に応じまして今後はそういうものについて検討を進めてまいりたいと思っておるわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 それから、大川郡の大川町というところで古賀団長さんに見ていただきましたが、構造改善で工事をした桑畑がどすんと崩壊をいたしまして、下の家を押し流しています。その桑畑は、適当な絵がありませんけれども、まあちょっとごらんください。谷がこうありますわ。谷がV字形にありますね、V字形に。その谷をもとは川が流れておる。谷を暗渠にしまして、そしてそのV字形の谷を上を埋めて平らにして、そして桑畑にした。それが今度はどすんと流れてもとのとおりのV字形の川に逆戻りしている。これね、復旧するのですけれども、原形復旧なんかしたらこれはまた同じことになりますよね。だから私は、この農林省の場合も、やはり原形復旧が農地等についても原則だということにこだわらないで、農地等についても災害の再発を防止するという立場を貫いていただいて、そして改良復旧なりあるいは災害関連事業を積極的に採択するなりして、改良復旧という方向に考えていただきたい、このように思いますが、いかがでしょうか。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) 香川県の今度の農地の被災、ミカン園それから桑園など含めまして四百五十七ヘクタールの被災に上がっておるわけでございます。これらの地域につきましては、すでに御案内のとおり、降雨量が一千ミリを上回るというような非常に大きな豪雨によって被災をしたわけでございまして、約五十六ヘクタールが激甚な被害を生じておるというように受けとめておるわけでございます。この地帯につきましては、先ほど来御指摘がありますように、花崗岩の風化という真砂の地帯でございますので、そういうことが確かに地質的に考えましても被災の一つの原因となっておると思います。したがいまして、私どもは香川県に対しまして、市町村と十分その問題につきましては合同して再建の再検討研究会を設けさせまして、現在その検討を進めておる段階でございます。農林省といたしましても、その結果を待ちまして適切な措置を講じてまいりたいと思っておるわけでございます。なお、こういう急傾斜地帯に造成される農地等が豪雨によって崩壊されるおそれのある危険地帯につきましては、今後とも積極的に調査を行いまして、防災事業を含めて対応策を考えていきたいと思っております。したがいまして、当然それは原形ということではなしに、改良復旧ということを含めまして適切な措置を考えていきたいと思っておるわけでございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 時間がなくなってしまいました。省略を大分しまして——これは林野庁に関係ありますが、今度は災害を受けていないのですね。今度は災害を受けていないのだけれども、山に亀裂が入っている。今度もし、この前ほどの豪雨でなくても、もっと少ない雨でも降ればその亀裂からどすんと地崩れがして下に被害を与える、そういう危険性のある個所がまさに無数と言っていいぐらいあるわけですね。私は、これは災害を受けたところじゃないのです。ですから災害復旧ということにはならぬと思いますが、しかし危険防止です。災害防止です。そういう災害防止ということで、これは何でしょうか、緊急治山になるのでしょうか。そういう地割れが入っていまして危ないところに積極的に対策を講じてもらいたい。たとえば山を削ったりする、削る必要があるところもかなりあるのじゃないかと思いますけれども、かなり地割れしているのです。下の人は不安なんです。どうかその点をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) ただいま先生御指摘の、現在は災害は受けていないけれども山林等に亀裂が入っている場合には、一回の豪雨その他によりまして災害が起こる危険がある個所につきましては緊急治山あるいは予防治山等を採択いたしまして早急に復旧する予定でございます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 自治省にお伺いいたします。  災害につきましては、交付税の繰り上げ交付、それから特別交付税の早期配分、地方債の手当て、一応この三つが柱ですね。そこで、衆議院でのお答え、それからけさの古賀理事の御質問だったと思いますが、につきましても御答弁をいただきました。その答弁を伺っていますと、機械的なようでありますけれども、よく聞いてみるとかなり思い切ったいいことを言ってくれていると思うのです。特に被災団体の財政運営に支障を来すことのないように措置をしますとはっきり言い切っているように思いますが、被災自治体の財政運営に支障を来すことのないように、特別交付税あるいは地方債、とにかく赤字で持ち出しで自治体が苦しむということのないようにするというふうに理解してよろしゅうございますか。

平岩金一自治大臣官房参事官

○説明員(平岩金一君) お答えいたします。  被害状況、当該団体の財政事情等を勘案いたしながら地方債及び特別交付税の配分において十分配慮いたしまして、被災団体の財政運営に支障を来すことのないよう措置してまいりたいと存じます。

前川旦日本社会党

○前川旦君 時間がなくなりました。そこで、国土庁長官がお戻りになりましたので、この間長官、予算委員会四日でしたか、非常に積極的な御発言をいただきまして、敬意を表します。ことしの、今度の災害のもう一つの非常に大きな柱はやはり個人災害をどうするかということですね。そこで、きょうこの委員会でもこの個人災害をどうするかということで新たに小委員会が設置されました。そこで長官のお考えを、長官とちょっと対話をしたいんですけれども、長官としてはどういう姿が望ましいと思っていらっしゃるのか。たとえば共済というやり方がありますし、それから地震保険のような災害保険の再保険というやり方もありますし、それから私は共済も強制加入というのはむずかしいんじゃないでしょうかね。やはり希望加入になりますね。保険もそうですね。そうしますとなかなか入りませんわ。私は国民のやっぱり連帯感というものからいって何か強制加入的なものがあっていいんじゃないかというふうに思いますけれども、その辺の御意見いかがでしょうか。それから、時間がありませんから、何年ぐらいをめどに目鼻をつけたいというふうに大体いまお考えになっていらっしゃるか。その辺いかがでしょうか。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) まずお見舞い金としていま弔慰金として支払い金を出しておりますが、最初私、どなたがどういう災害をこうむろうとも国民総意においてこの解決をすべきだという考え方でいわゆる共済制度というものを考えたわけでございました。一人十円という、その当時ですが、いまから七年ぐらい前になると思いますが、そういうことで何とかできないかというので、時の総理府に予算を取らせまして、三年間これは調査をした経緯がございます。ところが、一人一人でも出さない人の方が多いだろうということになりまして、それから地方自治団体でこれを大した金でもないから国と県と市町村とこう三つに区分して、分けてやったら何とかなるんではないかという調査もやらしたんですが、なかなかそれが乗ってこないで、そこで、せっぱ詰まりまして弔慰金制度でとりあえずいこうというので、実は当時五十万円でスタートを切ったわけでございますが、おととし、二年前から百万円になったという経緯がございます。これは出せるものならもう少し出したいという考え方、まず私基本的に持っております。それと同時に、命の方は一応生命保険制度も相当普及しておりますから、そういう点で救済もできますが、物件の損壊、壊滅というものに対しては制度的に見て物件の総合保険という制度があるだけでございまして、これはなかなか保険料金が料率が非常に高うございまして、これは一般の山間地帯とか、農村地帯には受け入れが非常にむずかしいんじゃないかという感じをいたします。そういう点で人命の損傷に与える、要するに共済制度とそれからいまの物件に対する——家並びに屋敷等でございますが、これに対する何か適切な措置はないかということで調査を進めてまいりたいと思います。どの程度でできますか、まだ予算化もしておりません。そういう点で新年度の予算にはこれは盛り入れまして予算化をして調査にとりあえず着手する。こういうことでできれば早く詰めたいと思っておりますが、これはみんなで大ぜいの知恵をかりれば一番いいわけですから、そういう点で先ほど私ちょっと申し上げましたように、この小委員会と衆議院の小委員会でひとつ御協力を願ってこの問題を詰めていただければ大変都合がいいのではないかと思っております。

前川旦日本社会党

○前川旦君 ある程度の案は三年間研究されてあったけれども、金をなかなか出さないだろうという発想法が関係各省にあった。私は誤解かもしれませんけれども、日本の場合は国民性悪説の立場に関係各省庁の方、腹の中にあると言ったら言い過ぎであるから、これは問題起こしますからそこまで言いませんけれども、何かそんな感じがせぬでもない。私は災害が起きまして大ぜいの人と一緒に街頭に立って募金をしました。実にたくさん入りました。千円札がどんどんどんどん入ってくるのです。私は日本人の心の美しさというものをやっぱりしみじみそのとき感じましたが、私はこういう共済制度ですから、人間性善説、国民性善説の立場に立って、入ってくる人は少ないだろうからちょっとというような、やれないんじゃないかというような発想でなくて、やはりやるだけスタートさしてどんどん進めていくと、私はかなりいけるのじゃないかという思いがいたしますよ。と同時に、国民の連帯感をこれを通じて育てるというもう一つのメリットもあるのじゃないかというふうに思います。どうか長官ひとつ、われわれも国会で努力したいと思いますので、そちらのほうも御努力のほどをお願いする次第です。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) これは私の持論ですから、一生懸命やりますから、どうぞよろしくお願いします。

前川旦日本社会党

○前川旦君 終わります。

上田稔自由民主党

○上田稔君 まず厚生省にお伺いしたいのですが、災害救助法についてでございますが、中村委員または前川委員からもうすでに御質問のあったこともございますが、私はこの災害救助法というのは終戦後二十二年にたしか出されておるものだと思うのですが、この被災者の保護ということを図ることを目的としておられまして、非常に私は被災者の方に対してきめ細かくお決めをいただいておって非常にこれはいい法律じゃないかと思うのでございますが、どうもその後の処置がまだ十分にいっていないのではなかろうかと思うのでございます。特に大臣から知事さんあてにお出しになっておる通牒、この通牒の中に書いてあるいろいろな項目に対する援助資金といいますか援助金というかそういうものが非常に少額になっておる。したがって市町村長さんがそれに補いをうんとつけておやりにならないといけないというようなことになっているのではないか。一時市町村の財政も非常に赤字になっておったときもございます。しかしながら現在では終戦のときと同じように非常に市町村の財源は苦しくなっておるときでございますので、私はこれは大臣からの通牒一つで直るのじゃないか。もっとも大蔵省の方と御相談をされないといけませんでしょうけれども、まあそういうことによって市町村の財源をひとつ大いに救っていただきたいと思うのでございます。  一例を挙げますと、先ほども前川先生おっしゃっておりましたけれども、応急仮設住宅というのは六十二万八千円、これは十九・八平米でございますから一坪に直すと九万か十万ぐらいしかない。一坪九万か十万の建築費で何が建つか。これは本当に考えたって何もできない。これはいま現在ではもうちょっとふやしていただいて——学校建築でもいまでは大分見ていただいて木造の一番安いものでも二十万以上、たしか今年はお決めをいただいておると思うのであります。そういうものよりも人が住むものであります。それでこれが九万円や十万円ではできないことは明らかなんでありまして、こういう明らかなものを大臣がお出しになるというのは大体おかしいんじゃないか。しかも全体の被害者の全壊の家屋のうちの二割五分かそこらのものに対してお出しになる、こういうことですから、ますますこれはひどいのじゃないか。これはひとつぜひとも考えていただきたい。また炊き出しの費用にしても一人一日当たり四百円、お米の値段いま上がっておりますから、米炊いて食べていただくだけでこれはいっぱいになってしまう。そうしたらおかずはどうするんだと、各人お出しになりゃいいと。ところが安八町のあの被害で見るごとく、各家は全部軒下まで水につかっております。もう逃げるのに精いっぱいでお逃げになっている。そういう人たちに補いをつけて出すなんていうのは、これはできないじゃないか、こういうことが考えられるわけでございます。それで、その補いつけるのは、それじゃ生業に必要な資金として三万円、各一世帯三万円をお出しになる。三万円ではこれはおかず代も出ないわけであります。  したがって、こういうことを考えますと、これはもうこの際思い切って全体の災害救助法の各項目について一遍お考え直しをいただけないか、これに対する所感は一体どういうことか、ひとつお願いいたします。

水田努厚生省社会局施設課長

○説明員(水田努君) お答え申し上げます。  上田先生から大変厳しいおしかりを受けまして、災害救助総悪説みたいな感じで非常に恐縮をいたしておるわけでございます。私ども災害救助の制度を持っておるわけでございますが、こういう公共の機関を中心としました災害救助のシステムを確立しているという国は、私どもの承知している限り余りなくて、おおむね他国は軍隊なり赤十字社を中心の救助活動をやっておるわけでございますが、これはわが国が非常に自然災害が多いということで、こういう公共資本を基本とした災害救助システムが確立いたしているわけでございまして、先生はその応急救助活動の中身が非常に実情にそぐわないのではないかというのを幾つかの例を出して御指摘があったわけでございますが、私どもといたしましては、いわゆるこの法律の目的にも書いてありますように、非常災害による社会の混乱を防止するためのいわゆる応急の民生安定施策として対応するようになっているんでございまして、内容につきましても、私ども毎年改善いたしますと同時に、先般衆議院の方で小委員会を設けて災害救助の救助内容についての多々の御指摘をいただきまして、それを踏まえて改善も図ってまいっているわけでございますが、なお当委員会においても個人災害の問題を取り扱う小委員会も設置されますので、またそこらあたりの御意見も聞かしていただきながら、さらに具体的に改善すべきものは改善を図ってまいりたいと、このように考えております。

上田稔自由民主党

○上田稔君 先ほど天野大臣からお話がございましたが、個人災害に対する弔慰金の金額においてすら、昨年でございますが五十万円から百万円に上がっておるわけであります。この災害救助法においては四十九年のときの金額よりは倍にはなっておらないのでございまして、やはり物価の上がりというようなことも考えても、もうちょっとこれ見てもらわないと非常に市町村の方では実際上困るというのが本当で、これは自治省の方へ皆かぶっていくということになるわけであります。これは自治省にかぶるということは、結局市町村が非常に困るということでございますが、これをひとつ何とか、もうちょっと見直していただくようにお願いを申し上げたいと思うのであります。また、この運用でいろいろ直すんだということでございますが、運用でお直しになるぐらいなら、もうちょっと、大臣のこれは通牒だけでいけるわけでございますから、お直しをいただけば非常に結構じゃなかろうかと思うんですが、もう一回お考えをひとつお願いを申し上げます。

水田努厚生省社会局施設課長

○説明員(水田努君) お答え申し上げます。  今回の被災に当たりましても、私ども被災主要県に再三再四電話を入れまして、超過負担その他の問題が生じないように、早急に実情の掌握その他をいたしまして、問題のある県については適時適切の指示をいたしているところでございます。私ども、たとえば愛知に参りましたときに、避難所の設置の単価についての引き上げの要望書が出ておりましたので、私も大変心配いたしまして、民生部長さんにお聞きいたしましたら、実は足りているのだけれども、県会対策その他があって何か陳情出しておかにゃいかぬので出したので、大変申しわけないというふうな例も絶対ないんではないわけでございまして、私ども実はきょう被災主要主管課長を集めまして実情の掌握と今後の対策の協議をする予定にいたしておりましたが、一日の参議院の災害が八日に変更されたことに伴いまして十三日の日に変更いたしておりますが、ここでまた実情を聞きまして、実情を踏まえて、必要な改善があれば、御指摘のとおり改善するものは前向きに改善をしてまいりたい、このように考えております。

上田稔自由民主党

○上田稔君 ほかの議会に対する配慮から出すというようなことがいま例示にございましたが、私は全国災害で回らしていただいておりますが、どこへ行きましても災害救助法の金額が少ない、炊き出しが非常に少なくて困る、これはもう三分の一以上のお金をやっぱり現在でも出さなくちゃやっていけないんだというような話を聞きますし、応急仮設住宅についても前川さんからお話がありましたが、本当に金が足りないんだということをどこへ行っても聞くんです。それから家、家財道具、またお金も全部水に流されてしまって無一文なんだ、だからやはり生業に必要な資金なんかもどっからか何とかならぬだろうかということですが、三万円じゃ、これどうにもならないんじゃなかろうかと私は思うんです。こういうものに対してやはり目的が被災者の保護と社会の秩序の安全を図ることを目的とするということが書いてありますので、被災者の保護ということもこれ大きくひとつ打ち出してもらって、安寧秩序だけじゃないんです、これは。被災者の保護というのが先なんですから、これをひとつ十分お考えをいただいて、私はその点をお考えをいただきたいと思います。  それから次に、これも中村議員と前川議員からお話がありましたが、ごみ処理と屎尿であります。どこの災害地へ行っても、床上浸水があったところにおいてはごみが山のように出ておりますし、そして民家に入って便所に行こうと思いますと、ジャパーンと上がってきまして入れない。したがって、これをどっか捨てるところがないだろうか、庭先に捨てたら、あるいは川に捨てたらということになりますと、たちまち手がくくられる、こういうことになりますので、勢い何とかこれは市町村にお願いせにゃいかぬというわけで、市町村の方へ泣きついていく。市町村の方じゃもうとにかく金がかかってこれしょうがない。平生のときのごみ処理と屎尿処理ならなるほどいいかもしれないけれども、村じゅう一遍にたまったときはどうにもならぬと、こういうような事態が各所に見られるわけであります。先ほどのお答えでは一、二ヵ所というお話でございましたけれども、そんな状態では今回の災害ではないと私は思います。私が行きました各所においてそういうことを見聞きいたしておりますので、私が例を挙げてもよろしゅうございますが、そこまで言うと個々の問題になりますので、これはひとつ厚生省の方で十分お考えをいただいて、そしてごみと屎尿に対しては、激甚災にはやはり高率の補助をしてもらうということが必要ではなかろうか。これは国土庁長官としても、ひとつぜひともこれは激甚災を担当しておられるのでありますから、その法律にこれを改正して入れて、そうしておやりになる必要があるんじゃないか。いまのごみ処理、屎尿処理の一般災害のときに二分の一という法律は、たしか三十八年かなんかに初めて出て、そしてそれから二分の一に決まっておるんだと思うんでありますけれども、それ以前のときにおきましては、先ほどのお話のとおり、伊勢湾のときは激甚災で特別だと、こういうことで特別立法を出して、そうして三分の二の補助をしているわけです。ああいう激甚な災害のときにはやるんだという姿勢を前に示しておきながら、後で後退して、いま現在では激甚災には入れる考えはない、何か特別の処理をして、何か一、二のところ、一番ひどいところだけやっておこうかと、こういうようなお考えのようでありますけれど、そういうことでは、これは後退じゃないか。もっとこれは、どこの災害地へ行かれても、行かれたことがないのかと私も疑うぐらいであります。行かれて便所へお入りになったらわかる。これはもう便所がいっぱいでどうにもならぬ。これもう家の中へあふれたやつが、自分がやったやつがあふれたやつがころころ出ていくと、こういうことになっておるようなところに、これやはり手厚い援助をして、そうして市町村に早くやらすということを考えなくちゃいけないんじゃないか。ごみももう夏でございますから、腐ってきて、衛生上も非常に悪い。厚生省は衛生面も担当しておられるのだ。これはぜひとも高率補助をお願いをしたい。大臣に御意見をお聞きをしたいと思うんでございます。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) その話が出たんではもう上田さん終わりなんでしょうから、よく厚生省と事務的に折衝しまして、できるだけの処置を講ずるように努力いたします。

上田稔自由民主党

○上田稔君 お願いします。  その次に、長島の問題でございますが、これはちょっと個々の問題になりますが、非常にこれは特殊の御病人がお入りになっておる島でございまして、これは厚生省が担当をしておられると思ううんです。全島全部の施設について厚生省の担当だと思うんであります。その長島の中には患者の方が二千名もお入りになって、そうして非常に暗いといいますか、希望のない御生活をしておられるところでございますが、そういう島におきまして災害が起きております。で、従業員の方も医療奉仕的の方がお入りになっておりますが、三百五十人もお入りになっている。そうしてそこには倒壊家屋が十四むね起こり、そして今度の災害で千ミリ以上の雨が降っている。それが、したがってがけ崩れが各所に起こり、そうして道路が各所において閉鎖されている。これに対して災害復旧をやらなくちゃいけない。ところが、これは土木災害でございますと、すぐに査定官が行って査定をしていただくようなことになる。しかし厚生省の方はなるほど専門家の方おられるかもしれないけれども、これは建築出身の方がおやりになるということになってくると、勢いこれは私は非常に災害復旧というものがおくれてくる。だから被災をしておられる患者の方は、いつまでたっても道路は歩けない。そうして山崩れがした。そうしてその下にはいままで入っておったむねがあるというようなことでございますので、これは私は患者のためにも早く厚生省の方で処理をしていただいて直していただかなくちゃいけないんじゃないか。この人的被害がどの程度なのか、ちょっと聞き漏らしたんでございますけれども、そういうことでございますので、この長島に対しては厚生省、ひとつ大いに力を入れておやりをいただきたいと、これは希望でございますが、お願いいたします。

吉原健二厚生省医務局整備課長

○説明員(吉原健二君) 先生の御質問にございましたように、今度の災害で長島愛生園等が大変大きな被害を受けたわけでございますけれども、現在厚生省、それから関係の機関におきまして復旧費の見積もりについての実地調査をやっております。これは厚生省の施設でございますので、厚生省が中心になってやっておりますけれども、先生の御質問にもございましたように、私どもでできない面がありましたならば建設省なり、あるいは都道府県などの御協力も仰ぎながら、できるだけ早く本格的な復旧作業にとりかかれるようにいたしたいというふうに思っております。

上田稔自由民主党

○上田稔君 ひとつお願いをいたします。  次に文部省にお伺いをいたしますが、兵庫県の一宮というところにおきましては、特殊の災害、抜け山と言いまして山が全部抜けてしまいまして、そして揖保川という川に向かって押し流し、そしてその下に部落全部を押しつぶしてしまったのでございますが、その中に小学校がございます。その小学校は、これも鉄筋コンクリートでございますけれども、もう土砂に押し流されて、何といいますか、船が進んだように進んでおります。少し座礁した船が動いたようなかっこうで動いておりますが、そういうところは使えませんので、これに災害復旧として新しい校舎をまた考えていただくわけでございますけれども、現在そのもとの校舎のところには十何メートルかの土砂がたまってしまっておりますし、部落全体を都市計画をやって新しく建てかえないとできないのではなかろうか。そうしますと相当日数がこれはもうかかる。川ももちろんつけかえなくちゃいけませんし、国道もやり直さなくちゃいけないというようなことになりますから、これはちょっとやそっとで復旧に手がつけられない。したがって応急仮校舎というものが必要になってくると思うんでございますが、その場合に仮校舎について補助をしてもらえるものか、また、していただくなら補助はどういうふうになっておるんだろうかということについてお伺いをいたしたいと思います。

倉地克次文部省管理局助成課長

○説明員(倉地克次君) お答えいたします。  下三方小学校の件でございますけれども、私ども、公立学校の施設が全壊などいたしまして、授業などができないためにその設置者が応急の仮設校舎などをつくりまして授業をする場合には、その経費について国庫補助をしているわけでございますので、この件につきましてもそれと同様に町が建てました場合には国庫補助をしてまいりたいと、そのように考えておるわけでございます。

上田稔自由民主党

○上田稔君 補助をしていただけるわけですね。

倉地克次文部省管理局助成課長

○説明員(倉地克次君) さようでございます。

上田稔自由民主党

○上田稔君 それではひとつぜひともこれをお認めをいただきたいと存じます。それで、まあ最小限ということでございますが、必要な教室はひとつぜひとも認めていただくようにお願いをいたします。  次に、農林省にお伺いをいたしますが、林地崩壊防止事業というものと緊急治山というもの、それから小規模山地災害対策事業、それから農地保全事業、それから建設省が担当しておられます急傾斜地の対策事業、こういうものに対しておのおの考え方はどういうふうになっておりますんですか、ちょっと御説明をいただきたい。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) 林野庁の方から緊急治山と林地崖壊防止事業と小規模山地災害対策事業について御説明申し上げます。  緊急治山事業は、災害が出ましたときに都道府県事業として行います緊急に災害を復旧するための事業でございまして事業費の三分の二を国で補助いたしております。それから林地崩壊防止事業は、激甚災の指定がありましたときに市町村が行います災害復旧事業でございまして、事業費の二分の一を国が補助いたしております。それから小規模山地災害対策事業は、激甚災の指定がないような場合に小規模な被害がございましたときに市町村が行います事業でございまして、これに対しましては十分の四の補助をいたしております。  採択基準等につきましては、緊急治山につきましては、人家で申し上げますと十戸以上という形、農地では十ヘクタール以上というものがありました場合には対応できるということにいたしておりますし、林地崩壊防止事業におきましては、人家が二戸以上ありました場合には対応できるということにいたしております。それから小規模山地災害対策事業につきましては、人家が五戸以上の場合というふうに採択基準を定めております。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) 農地保全の事業につきましては、地すべり対策事業、それから急傾斜地対策事業あるいはシラス地帯対策事業、こういうものが農地保全事業の一環でございます。これらにつきましては、農地の保全上必要な対応をする仕事でございまして、すべてこれは県営事業、補助事業として実施しておるわけでございます。採択基準につきましては、事業によりまして違いますが、おおむね二十ないし五十ヘクタールというのを採択基準の基準にして実施しておるわけでございます。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 建設省の急傾斜地崩壊対策事業の採択基準でございますけれども、角度が三十度以上、高さが十メートルということでございまして、対象保全人家としまして十戸以上を対象としております。しかしながら、災害を受けた場合の緊急対策事業の場合は、保全人家が五戸以上というふうになってございます。  以上でございます。

上田稔自由民主党

○上田稔君 それで、いまの御説明のとおり、災害がありましたときに適用されるのは、林地崩壊防止事業、この場合には国が五〇%で残りは県と地元でお持ちになる。したがって、二戸以上ということで二戸の方は負担がない。ところが、緊急急傾斜五戸以上の場合においては、個人が一〇%ないし二〇%を負担をする、そして残りに対して国が二分の一、そうしてそのほかの残りの半分を県、残りの半分を市町村と、こういうふうにどうもお持ちになるようであります。ところが、そうすると、林地崩壊防止事業というもので大体激甚災のときはやりなさいということになるのかどうか。もし、急傾斜というのはこれは激甚災のときは使用しないということがいいのかどうか。激甚災のときに、林地崩壊でやればとにかく住民側から見ればただでできる、やってもらえる、お上の方でやっていただける。ところが緊急急傾斜でやると負担を取られるということでございますから、これは林地崩壊でやってもらいたいと、こういうことに——まあそういうような考え方でこれはつけてあるんでしょうか。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) 林地崩壊防止事業は市町村事業でございまして、都道府県事業ではないという違いがございます。それから仕事の内容につきましても、後ほど建設省の方から御説明があると思いますが、林地崩壊防止事業の場合には、やはり林地ということで跡地の復旧に造林的な工事を含めた、森林を造成するということを含めた工事をいたしておりまして、工事の内容が違うということでございます。

上田稔自由民主党

○上田稔君 そうすると、二戸以上の被害があった場合というようなことはこれは関係がないわけですか。林地が崩壊したというものに対してやるんであって、二戸以上であっても、二戸以上であっても、なし、ゼロであっても、それからやるんだと、こういうことですか。それとも、二戸の家を守るために、二戸以上の家を守るために林地崩壊事業をやるのか。こっちの急傾斜地も、これは五戸以上の家のために急傾斜地対策事業をやるんでしょう。家のためにそういう制限がつけてあるんじゃないんですか。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) 先生の御指摘のとおりでございまして、採択基準といたしましては、いま申し上げましたように、人家が二戸以上あって災害を受けたような場合に林地崩壊防止事業をいたしますけれども、その防止工事をやる場合の工事の内容として造林事業、森林を造成する工事を含めて対応する場合に林地崩壊防止事業でやっていくということでございます。

上田稔自由民主党

○上田稔君 これで大蔵省にひとつお願いをしたいんですが、こういう、いまお聞きをいただいているように、林地崩壊防止事業、やはりこれは二戸以上の民家を守るため、あるいはまた公共施設を守るため、そのためにおやりになる仕事である。片っ方の緊急急傾斜というのも、五戸以上の民家を守るためにやる仕事である。五戸以上の家がふえてくると負担をしなくちゃいけない。五戸以上であっても林地崩壊でやればこれは市町村がやってくれる、こういうことで差があるというのはどうも納得がいかない。特に、被害を受けられた方については、片っ方の方では何にも出さなくていい、片っ方の方はえらい、一〇%も取られたと、どういうことなんだという非常に素朴な疑問が出てまいります。こういう点をひとつお考えになって、補助率というもの、これはまあ省が違うもんですから、建設省がこう農林省がこうということではございませんけれども、こういう点を、大蔵省は両方見ておられるんだからやはりそういう点を同じようにしていただきたいと思うのでございます。

西垣昭大蔵省主計局主計官

○説明員(西垣昭君) 基本的な考え方といたしましては、受益者が特定しております事業につきまして受益者負担制度をとるということは自然なことではないかと思います。いま林地崩壊事業についておっしゃいましたが、先生も御承知のように、この制度はたしか四十一年度、三十九、四十の山陰を中心にしました大被害の後にできた制度でございまして、趣旨としては、緊急治山事業の採択基準を激甚災の場合には特に緩和してやれるようにというような趣旨からできた制度でございまして、いわば緊急治山事業の体系の中に整理できる事業でございます。で、急傾斜地崩壊対策事業とのバランスということにつきましては、同じような事業として五十年度に小規模山地災害対策事業というものをやはり山村について、これ林野庁の事業でございますが設けておりますが、これにつきましては、同じようにバランスをとりまして受益者負担制度を設けております。

上田稔自由民主党

○上田稔君 それで、急傾斜地につきましても激甚災の場合はそれでは同じように負担のないようにひとつお取り計らいをいただきますと、これはバランスがとれて、どちらの事業でやってもいいと、こういうことになるわけでございますが、そういう点をひとつ今後御検討をいただいてお直しをいただきたいと思います。  次に、老朽ため池についてでございますけれども、先ほど前川さんからやはり御質問がございましたが、老朽ため池は全国的に、時間がありませんからこちらで申し上げますが、大体いますぐやらなくちゃいけないというのが一万カ所あるということでございます。それに対して毎年二百カ所ずつやっているんだと、その予算は三十億そこそこであると、こういうことでございますが、そのとおりでございますか。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) そのとおりでございます。

上田稔自由民主党

○上田稔君 今度の災害を見ますと、老朽ため池が壊れましてそれがために下流の方のはんらんが非常にふえております。被害額にいたしましてこれは何百億になるかわからない、何千億になるかわからないというような被害を出しておるわけであります。したがいまして、老朽ため池というものに農林省は余り力を入れておられないんじゃなかろうか。なるほど、ふえる率は、何か一〇%とか一五%とか毎年ふえてはいますけれども、これでは、一万カ所だけをやるにしてもこれ五十年かかる。さらに、まだ百年以上たっているやつが二十万カ所ぐらいある、こういうことでございますから、こうなると百年どころじゃない。百年河清を待つどころの話じゃなくて千年ぐらいかかるんじゃないかというような気もするわけでございますが、——ちょっとオーバーですが、そういう老朽ため池に対して、なるほど地元はもうこのごろはだんだん都市化が進んできているから負担はしたくないというような気持ちも私はわからぬでもありませんが、農林省は老朽ため池については私は責任があると思うんです。やはり国土保全という面から見ていっても、農林省はこれに力を入れて、農林大臣はこれに大いに力を入れてやっていただくということが必要なんじゃないか。これはもう、いまの十倍ぐらいの予算にして、まあ五十年かかるやつが五年でできるというようなことをお考えになりませんか。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) ただいま上田先生の御指摘でございますが、ため池は全国において二十八万カ所ございます。この大部分は明治時代にできたものでございまして、この中で受益面積五ヘクタール以上のものだけを取り上げましても五万カ所あるわけでございます。そういうものの中から、今回の災害によりまして五千二百九十六カ所の被害を生じたということを県からの報告で受けておるわけでございます。私どもは、このため池そのものがすべて災害の原因になったとは考えておりません。先ほど古賀調査団長からのお話もありましたとおり、中には土石流をため池があったために制することができて下流測地域を防止することができたとか、あるいはたまたま非灌漑期に近づいていたために、あいておりましたため池の容量というものの中に治水的な要素というものも考えられたというようなケースもあったわけでございます。しかし、いずれにいたしましてもこの老朽ため池というのは非常なたくさんな個所で、しかも緊急にこれは整備をする必要のある事業であると受けとめております。したがいまして、今後とも私どもはこういう仕事については全力を挙げて整備を進めてまいりたいと思っておりますし、また、農林省の防災事業の中におきましても最も力を入れておる事業でございます。したがいまして、御指摘の点を十分体しまして私どもは積極的にこの整備に当たってまいりたいと思うわけでございます。

上田稔自由民主党

○上田稔君 農林省が最も力を入れておられる事業が三十数億では私はこれは納得がなかなかできません。ひとつ農林大臣がうんと力を入れて、これは少なくとも、まあ何百億という単位にならなきゃいけないんじゃなかろうかと私は思います。これはもう力を入れてやっていただかないと——本当にそれはなるほどため池は、私は役に立たぬとは言っていないんです。役に立つということを申し上げておるんですが、それは、そういう役に立つため池を何もつぶせということじゃないんです。つぶせとは言っておりません。これを補修して災害の起こらないようにしてもらいたいということを言っているんですから勘違いのないようにお願いをいたします。  それから次に、これもひとつ、ちょっと別の話になりますが、児島湾でございますが、児島湾の水位が一メートル近く上がって、それがために笹ケ瀬川という川がはんらんをしたというふうに聞いておりますが、一メートルぐらい上がったということは事実でございましょうか。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) 九月十三日の状態を申し上げますと、現地における飽浦潮位観測所におきまして内水位が二メーター四十四、それから児島湾の締め切り内の話でございますが、外水位が三メーター四センチ、こういうふうになっております。  なお、参考までに申し上げますと、既往における最高水位は、内水位が二メーター十八、外水位が三メーター六十でございます。また、農林省で設置しております淡水化の堤防の高さは五メーター五十でございます。それから干拓堤防、締め切りの中の干拓堤防の高さでございますが、これは四メーター五十でございます。当然これは笹ケ瀬川の堤防の高さと対岸堤防の高さというものは違わないような形で調整をとってあると思っております。

上田稔自由民主党

○上田稔君 この児島湾の締め切りが低いとかなんとかという議論ではなくて、締め切ってあって、そして笹ケ瀬川の水が入って、それによって水位が上がって、そして笹ケ瀬川がはんらんをしたと、こういうことに対して原因——原因というと、まあこれは海の方がもうちょっと高かったというお話もありますけれども、しかしそれではポンプアップをすればいいんで、笹ケ瀬川の水量というのはたしか三百トンぐらいだったと思うんですが、ちょっと違っているかもしません。もうちょっと大きいかもしれませんが、そういう水位を下げるというようなことに対してこういう検討をやはりいろいろとしてもらう必要があるんじゃなかろうか。そういうことを考えると私は、河川というのは海に至るまでが川であるということでありますので、これは河川局の方においてひとつよく検討をしてもらいたい。いま児島湾の締め切ってある部分は川ではないという、海になっているんですが、塩辛くない海でございますので、そんな海は余り日本にはありませんし、そして水位が洪水のときに上がってくる海というのは、川の水が入ってきて上がる海というのは余りありませんので、こういうものに対しての検討ということは、これは河川局の私は責任ではないかと思うのです。ひとつ御検討を願います。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 児島湾を河川区域に編入するかどうかという問題につきまして、これはいろいろ問題がありますのであれでございますけれども、この笹ケ瀬川と一体となってどういうふうにやるか、まあポンプの計画をどうするかとか、そういう面につきましては農林省さんに大いに協力いたしたいというふうに考えております。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) これは県からの報告でございますけれども、笹ケ瀬川の溢水ということはなかったというような報告を受けております。ただ、異常な降雨のために堤防内における農地が浸水いたしまして、それが湛水が非常に高まった。したがいまして、その高まった中におきましても、湛水防除事業というものを実施しておる高崎地区ほか二地区ぐらいのところはその効果があらわれた。ただ、そういう事業までやっておらない、あるいは実施中のポンプが設置されておらないところにつきましては非常な湛水が生じた、こういうような報告を受けておりますので、念のため御回答申し上げておきます。

上田稔自由民主党

○上田稔君 私が行って県からお話を聞いたときは、そうではなくて、確かに堤防は切れておりませんけれども、内水が異常に高くなったのは、笹ケ瀬川の水が上がってもう吐き出しがほとんどできないというような状態にもなっているし、そして、もちろん自然排水のところが多うございますのでそういうところはもう全然吐けなかった、これは一にやはり河口の水位が上がったことだと、こういう説明でございましたから、念のために申し添えます。御検討を願います。  もう一つ、一問だけお聞きしますが、岐阜県におきまして、排水ポンプ、これは糸貫川という川があるんですが、その川の長良川に何するところに排水ポンプがあります。この排水ポンプは洪水のときにはディーゼルエンジンに切りかえるようになっておるわけであります。そしてこの排水ポンプ、これは自動的に何か切りかえるようにしてあるようでありますが、その自動装置が落雷のために動かなくなった、それがために非常に直すのに時間がかかっちゃって湛水して大変なことになったと、こういうお話がございました。これは一般的に申しますと、この排水ポンプというのは、最近は非常に内水排除も建設省やっておられるし、農林省の方も排水を盛んにおやりをいただいておる、したがってこれは非常に結構なんですが、ディーゼルエンジンに切りかえるときにそういう落雷があったらこれは働かなくなるというようなことが起こりますと、非常に排水ポンプに対する信頼感が薄れてまいりますし、やっておる工事に対して非常に不信感が出るということでございますので、この点をひとつお考えをいただきたい。特にこういう激甚な降雨があるというときは、必ず雷鳴を伴うものであります。したがって、雷鳴によって影響されるというようなことのないようにひとっここらは御検討をいただきたいと思います。  時間がありませんで、私はこれで質問を終わりますが、激特関係について八木議員から関連質問、がありますので……。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 時間も過ぎておりますから、二つの問題を簡単にお尋ねします。  その一つはいわゆる激特事業、これは始めたばかりでありますけれども、現地へ行って見てみますと、その現地は木曽川三川の下流地域、いわゆる日光川流域のあの地区でございますけれども、岐阜、愛知、三重三県のデルタ地帯、ゼロメートル地帯。いま児島湾の話が出ましたが、伊勢湾台風の善後処置で海岸の方は手当てしております関係が、今日では地盤沈下という問題が非常に大きい。もう一メートル以上も沈下しておる。十センチメートルも沈下しておる、年々沈下がふえていく。原因は地下水である。地下水を規制するということは県条例は出しておりますが、とてもその程度ではいかない、こういう、何といいますか、地盤沈下被害地帯で代替工業用水に手当てをしない限り、もともと滞水するんですから、ちょっと雨が降ればもう池になってしまう。私も災害対策議員立法を数十本手がけてきておりますけれども、台風常襲地帯災害というのをやったことがありますね。集中的な、二重、三重の災害があってどうにもならぬと、これを地方団体ではやれないからというのでやったことがありますが、それにもならってこれは考えないと、せっかくやるいわゆる激特事業そのものが、どうかなってしまいはしないかという心配なんです。そこでこの問題は、私は特別立法措置を講じて対処しなければならない、こういうふうに判定をして帰ってきたわけです。政府もひとつ本気でそういう姿勢について検討をして、小委員会に、考えるとすればこういう案だというようなものを資料として持ってきてもらいたい、そうして実行に入っていただきたいと、こういう考えなんです。で、これは日本一の穀倉地帯で、濃尾平野のあの地帯が年々歳々の被害、四十九年災にやられて、そうして大型ポンプを据えつけて、ポンプを据えたからよかろうといって、その地帯に新しい家ができたりしたりして被災を重ねておるわけです。そうして、しかも海の方は、塩水が上がってくるやつは伊勢湾台風措置でやってありますから、さっきの児島湾みたいなものですよ。海の方が高くて、そこへ滞水がざあっと出てくる。あれは幾ら大型ポンプでやっても、地盤沈下対策を、県は条例で規制しておりますけれども、これはどうしてもやらにゃいけません。この地盤沈下対策は、何か環境庁で立法に手をつけて、現業官庁の関係官庁の反対があって行き悩みになって、ほったらかしにしてある。ほっておけないというので、県は条例で小手先手当てをしておりますけれども、本気でやると二千億円ぐらいは事業量が要るわけです。日本一の穀倉地帯の濃尾平野の問題ですから、これは私は何とかして、建設省の河川当局がせっかく始めた激特事業に輪をかけて、もう一歩深めて大規模な対応策をとってもらわなきゃだめだと、こう判定しておりますから、これにこたえ得るような資料を小委員会に持ってくる、出す、出さぬという返事をいただけば、それできょうは重ねた質問はいたしません。つまり法律案要綱も用意して、そうして環境庁の地盤沈下対策を進めて、もう二年ばかりやっていますわけですから、その問題と対応して、やるとすればこういうことが考えられるというものを、小委員会にちょっとした要綱のようなもので対話のたたき台にするようなものを持ち出してもらいたい。持ってまいりますという返事があれば、これで一問は終わります。  もう一つ、これは治山治水の年次計画ですが、振り返ってみると、戦後の日本では、道路については裏づけ財源があったからとんとん拍子で進んできた。ところが治山治水は全く置いてきぼりです。それで、災害は忘れたころに来るなんと言うが、そうじゃないんです。このごろは年々歳々来る災害なんです。これは五年度計画をやろうというこの際ですから、天野大臣ひとつ、私の持論である水を治めようとすればまず山を治めよ、治山なくして治水なし、治山治水一体の、十兆円要るか二十兆円要るか、とにかくこれだけのことをやらにゃいかぬという、日本国土が守れないという案を、これも考えて、きょう直ちの返事は、こういう考えができますという案を小委員会にもたらしてもらいたい、こういう要求でございます。このことに関しては、予算委員会で佐藤隆君の質問に対して大蔵大臣は——佐藤君はここ一、二年立法検討をしてきて、特別に災害防除のための財源措置を防災公債か何か出したらどうだという提案なんです。これに対する大蔵大臣の答弁は、財政法第四条によって発行できるところの建設公債、これで防災公債の代替をして、災害を事前に防止するための公共投資あるいは公共事業など防災政策に充当できるような配慮はしなきゃならぬということは同感だ、どれだけどうするということはまあこれから関係省庁と相談をするという返事になっていますから、この際ぜひこの問題をまじめに取り上げて、治山治水五カ年計画の裏づけとなる財源措置について、かなり徹底した考え方をもたらしてもらいたい。  現地の問題でもう一つこれに関連しますことは、水利用の水利の関係で、水源地のダムその他水源地域について、いままでは利根川にあったのが今度は木曽川水系にできた。そしていわゆる水源基金、基金制度で、国が半分出して県が半分出す、それで基金制度をつくって、その果実で水源地の対応した費用をやっていこうというような構想が実現しようとしておるわけですが、これと呼応して県は、県政を円満に運営するためには、ほかに二本大きな川があるから、その二本の矢作川、豊川の河川などについても同様なことだから、単県費でやってみよう、国の仕事に準じてやってみたいと、こう言って、その場合、地方団体つまり県、市町村の起債なりその資金手当てなりについて、何かの処置で水向けを中央でしてもらえる配慮はできないものであろうか、ぜひそうしてもらいたいという強い要請があるわけです。国の方は進んでいっても、県の一隅が国の対象になりますから、大部分のほかの県の地域はほうっておけない、そこで単県費でもやろうということですから、これは自治省についてもまた改めて機会を得て検討しますけれども、これを申し上げて、私の質問はきわめて簡単でありますが、真剣な取り組みを重ねて要求をして質問は終わります。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) まず第一点の地盤沈下地帯におきます内水排除あるいは河川からのはんらんに対する問題でございます。これに対しましては、直轄河川におきましても、いわゆる沈下地帯の高潮堤のかさ上げというものを昭和五十年度から実施しております。また補助にしましても、昭和四十八年度から愛知西部地盤沈下事業ということで、ポンプ場を新設する、あるいは昭和四十九年から伊勢湾高潮対策事業の発足、あるいは日光川下流部の中小河川改修と、そういうふうにいろいろな事業を総合的に入れまして、ポンプ、排水機の新設あるいは河川改修をやっておるわけでございます。さらに昭和五十年度には、日光川排水機場あるいは蟹江排水機場を激特事業に採用して、あるいは日光川下流部につきましても河道改修を激特に採用しまして、鋭意その対策を進めておるわけでございます。しかしながら、地盤沈下が進めば、幾らこういう改修事業をやってもなかなか効果が上がらないということでございまして、基本的にはその地盤沈下を早くとめるということが基本じゃなかろうかと思います。そのためには、現在先生がおっしゃったように、県あるいは市におきまして地下水のくみ上げという対応策をもとっておるわけでございます。しかし、やはりこういう地盤沈下の問題、地下水の過剰くみ上げの問題は大きな法律のもとにやっていく必要があるんじゃないかと思います。そのためには、建設省におきましては、地下水法案とかいろんな、あるいは古賀先生の案とかいろいろありまして、現在こういう地下水に関係します法案につきましては、国土庁が主管になりまして、その新しい調整を行っておる次第でございます。したがいまして、いろいろな対策としまして、総合的な基本計画をつくるという問題もありますけれども、やはりその地盤沈下をどうやって早くとめるかということが、この点につきましては基本じゃなかろうかと思います。  以上でございます。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) 八木先生数多く御質問いただいたようでございますが、基金制度についてはとりあえず今度は木曽川をやろうということになっています。これに対して県が独自でおやりになるということについて国の方でどれだけの協力をできるものか、それは検討いたしてみます。  それから、佐藤君の出された数多くの問題の中におけるあの災害国債の制度という問題、これはこの間大蔵大臣が答弁をしておりましたが、具体的に本当に進められるのかどうか、この問題を検討したいと思います。  それから、きょう午前中もお答え申したんですが、いわゆる治山治水五カ年計画という計画が、来年度新たに今度まあ五カ年計画が出るわけでございますが、この基本がきっちりしていないとどうにもなりません。ちょっとの金を国債で仰ぐ程度のものではとても根本的な解決はできません。そうですから、やっぱり大きいものは五カ年計画を立てて、その中で措置をするということがやっぱり一番近道だと思います。そういう観点で、いわゆる五十年代前期経済計画というので、公共事業百兆にしぼられておりますものですから、その中からどういう形で治山治水に納得のいくだけの金を出せるかというところに問題点があろうと思いますが、これはこのたびの災害に関して全閣僚がこの問題に触れておりますものですから、そういう点で、この新五カ年計画を策定するに当たりましては十二分とまではいかなくても、われわれが納得できる程度までは獲得する方針でおりますので御了承願いたい。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 そのお考えを、こんな方向だというお考えを持ってきて、小委員会にも出してもらえるということにまで進めてもらいたい。それはどうですか。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) それは努力いたします。

平岩金一自治大臣官房参事官

○説明員(平岩金一君) 御質問の基金にかかる地方負担についての起債の件につきましては、当省といたしまして慎重に検討さしていただきたい、かように存じます。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 豊川の基金の問題でございますけれども、建設省としましては県主体の水源地対策基金としまして、これに対しまして関係機関と十分協議して指導育成を努めてまいりたいと考えております。   〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 十月八日現在の台風十七号による災害の報告を受けたわけでございます。不幸に残念なことでございますが死者百五十七人、建物等についても全壊流失が千六百三十三一戸いずれにいたしましても罹災世帯数が十万九千四百八十六世帯、罹災者の数が三十八万七千六百六十五人、こういうふうになっております。金額的にも七千四百六十七億二千百九十九万、こういうふうな被害総額でございますが、質問をする前に、いろいろこういう被害を受けられた皆様にお見舞いを申し上げながら質問を進めてまいりたいと思います。  まず、国土庁長官にお伺いをしたいわけでございますが、政府が八日の閣議で今年度一般会計予算に計上された公共事業等予備費千五百億円のうち、まず九十二億五千三百八十六万八千円、これを台風十七号災害復旧に使用することが決定されたと報道されております。一般の予備費三千億円、公共事業等の予備費が千五百億円と、こういうことでございますが、いろいろこの点については閣議においても、そうして与野党いろいろな角度の中から論議が出たはずでございます。そういうようなことで、きょうは本当は大蔵大臣にこの本音をお伺いしたいわけでございますが、長官には、長官の立場で結構でございますので、私も今後の課題の一つの論点といたしまして、きょうはまずお伺いをしたいと思うわけでございます。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) 余り私率直に答弁することは結構でないかもしれないんですが、いままでの経緯もございますから、私の考えていることということでひとつお聞き取り願いたいと思います。  第二予備費千五百億という金は、昨年度の暮れに政府予算としてわが党で提案するという、これは大きく議論になった問題でございます。いわゆる特定に使う使途を明らかにした予備費というものは憲法違反ではないかというのでずいぶん議論をした問題でございますが、まあそれでもやれるという法制局の解釈だというので第二予備費いわゆる景気刺激策として千五百億を取る、これは公共事業に使うんだということで私たちは了承しておったわけでございます。ところが、これは衆議院の予算委員会でも問題になったのでありますが、究極的には公共事業に使うというところに与党も野党も、そう言ったら失礼ですが、最後には公共に使うんならまあいいじゃないかというような感じがあったから、あのままあの法律が通って予算があのままになっておったんじゃないかと思うのでありますが、ことし非常に災害が多かった関係からいたしまして、最近になったら景気刺激策は予定どおりいっているから、あの金は景気刺激策に使わなくてよくなったから災害に使うんだというようなかっこうが見られるようになってまいりましたので、私も二回ばかり閣議の席上でこれは筋違いであるという議論をしております。今度の場合、なかなか閣議というのも私余りどうもなれないものですから、なりたてでございますから、きょうも私は第二予備費の中から約百億近くの災害関係の予算が出たものに対して、これは公共事業であるのだなという念を押して了承はしてあるのでございます。一体その金の始末はどうするんだということで、いろいろな問題があったとしても、これはどうしても災害の復旧その他に金がないとするならばある程度はやむを得ないが、公共事業に使うと言っておった金だからこれは公共事業に使うべきではないかという、きょうも私は私なりに個人的な考え方で主張をしておりまして、これは大蔵大臣も、その趣旨は了承いたしますということにはなっておるんでありますが、これからの問題でございまして、その点御理解願いたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 長官の率直な御意見を伺いまして、本当に私も感銘を受けておりますが、確かに公共事業等のこの予備費の問題は、今年度の予算編成の段階では、景気刺激のために使うという当局の説明があったために私たちも、台風というものが来ても完璧に国民を守り得る体制にあれば、これはもう何も問題ないんですけれども、台風が毎年やってくるたびに事故が起きる、被害が起きる、そうしてそれがいつも公共事業からばんばんばんばんとられてしまうということになれば、どちらかが手抜かりになってくるので、私たちは災害復旧には別個にまた補正予算等組んでやっていけば、公共事業にもまんべんなく、そうして災害にもまんべんなくというふうなことで主張をいたしておるわけでございます。長官の、そういう間に立たれまして、非常に前向きのいろいろと御苦労されているということを聞いておりますが、どうかひとつ災害復旧の方にも長官先頭にがんばっていただきたいと思います。  で、私は兵庫県の、きょうは時間の限定もございますので、一宮町に対する、それを中心といたしまして、横の関連的なものにも質疑を進めてまいりたいと思います。で、ちょうど十七号台風の災害問題が起きまして、私も、一宮で二次災害で七十万トンから百万トンの土砂が流出をしたということで、二時間置きに現地に参ったわけでございます。で、町役場で町長さんや県の代表や自衛隊の人たちも来ておりましたが、いろいろと現地の状況を伺いますと、状態が把握できない。第一次災害で六人の家族が生き埋めになって、三人が助かって、三人はなくなった。で、二百人の消防団体を中心とする人たちが、二次災害で生きているのか死んでいるのかわからない、そういうふうなことで、では、現地に行くというので、私も一時間かかって対岸の方から行って、大体二次災害からは難を免れたと、こういうことでほっとしたわけでございますけれども、まずこの一宮の問題でお伺いしたいわけでございますが、兵庫県の一宮町にかかわる台風十七号被害、この現状とその対策の進行状況ですね、きょう現在どうなっているかということをお伺いしたいと思います。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) 一宮町の災害につきましては、先生ただいまお話ございましたように、非常に大面積の森林が崩壊いたしまして大きな被害が出たわけでございますが、その崩壊いたしました森林は、杉、ヒノキの人工造林地でございまして、大体十年から四十五年生という造林地で、優秀な、優良な造林地でございまして、そして、従来から災害等の危険は余りないということで、保安林の指定もいたしておりませんでした。  そこで、そこの地質でございますけれども、御存じのとおり、花崗岩の真砂を中心にした地質でございますが、傾斜は大体二十五度から三十度ぐらいでございまして、林地とすればさほど急傾斜の方ではないというふうにわれわれは判断いたしております。そこで、その間、九月八日から十二日の間に連続いたしまして五百五十ミリを超える雨量が降ったわけでございまして、ただいま申し上げました林地が約十ヘクタール崩壊したわけでございます。これに対しまして、林野庁といたしましては、専門の林業試験場によります係官を派遣いたしまして、現地に派遣して、その現地の調査を行いまして、応急の復旧対策というものをどうしたらいいかということを対応いたしまして、再度災害が起こります危険がありますものにつきましては、早急に土どめ工を行いまして、被害が起きないように施工を現在いたしております。今後の問題につきましては、これから県と十分検討してまいりたいというふうに考えております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 ちょうど一宮の災害対策本部の設置に関してでございますけれども、災害対策基本法の二十三条、都道府県、市町村の災害対策本部の設置はと、こういうふうになっていたわけでございます。まあ私も行くのが早かったわけなんでございますが、当局からの文書をいただいて見ておりましても、九月の十三日十時になってやっと対策本部が設置されているわけです。こういう点については非常にちょっと遅いという感じもあったわけですが、その間の事情とそれからもう一つ、事が少なくてよかったんでございますが、避難勧告をした福知地区というのは、百万トンの土砂が流れて、小学校の三階建てすらも頂上まで埋まったという、非常に一番大変なとこなんですが、その下三方小学校に避難勧告をされたのかどうか、当初ですね。その点について、ちょっと明快な御答弁をお願いしたいと思うんです。

永井浤輔消防庁防災課長

○説明員(永井浤輔君) 一宮町災害対策本部が設置されましたのは、私どもに報告を受けましたところによりますと、避難勧告の後にしたようでございまして、非常に遅くなっているのはまことに残念かと思っております。  それで、御質問にございました次の避難勧告につきましては、どこに避難勧告を指示したかということは、ちょっと現在手持ちの資料でわかりませんが、八時三十分にまず福知地区が危ないということで、小学校に避難勧告がされた。それで九時三十分にその小学校も危ないということで、直ちに小学校から避難するように勧告をした。その後に大きな津波が来て小学校がのみ込まれた、こういうことでございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いま消防庁の御説明を聞きますと、私が懸念をしております山津波に全くのまれて、そうして七十メーターから百メーター流されて、揖保川という一級河川のふちまで流れていった、その小学校なんですね、下三方小学校なんですね。では、集落の方々の二百人以上の方々がそこへ一応避難をしながら、なぜ助かったかという問題でございますが、これはまあ非常に喜ばしいことなんですが、もし間違って、その百万トンの土砂にのまれておれば、これはもうえらい大惨事になるわけなんですね。そういうことで、これは結果論からいけば申しわけないことでございまして、この報告には、まあ消防庁で認めていらっしゃる方からの勧告でまずそこに避難されたとなっておりますが、今後これを一つの大きな教訓として、やはりできれば、まず避難場所の見直しを、裏手に山があってその山がどうなっているかというふうな見直しを長官これひとつお願いしたいと思うのです。私、実際現場へ行って、三階建ての鉄筋コンクリートが真ん中折れているんですから、そうして三階の頂上まで土砂が来て流されてるんですから。私、ここで徹底的にやれば、これは当局大変なことに、私一本下がらなかったらですよ。しかし、非常に大きなミリの雨が降っておりますし、で皆さん方みんな一生懸命されておりますので、私はどうこうという追及はしたくありません。ただ、今後の課題として、小学校やから、高層やから、鉄筋やからそこへ行けばいいんだという安易な避難場所の指定というものは大変でございますので、全国的に総点検の見直し、こういうことについて長官に一言お伺いしたいと思います。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) それはもうそのとおりでございます。それですから、とかく永久構造物だと大体大丈夫だろうという考え方でそうだったんじゃないかと思いますが、この経緯から見て今後の処置についてはよく消防庁とも連絡とりまして善処をいたすようにいたしたい。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 で、これは建設省と農林省の林野庁関係にお伺いしたいのですが、一宮町の山津波は基岩崩壊である、まあこういうふうに防災工学の権威者でございます田中茂という神戸大学工学部の教授が九月の十五日、神戸新聞に記載をいたしているわけでございます。学問的な問題でございますが、この例をとりながら質問をしてまいりたいと思います。  で、この田中教授がおっしゃっておられますのは、この基岩崩壊というのは、山を形成している岩盤に断層破砕帯が走っており、しかも、風化花崗岩など亀裂の多い岩盤の地質に起こる、まずこういうふうに言われているわけですね。そうすると、近畿関係だけにまあ限定されても結構でございますが、そういう風化花崗岩の地帯というのは、建設省で把握されている、農林省でも結構でございますが、そういうところを把握されていらっしゃる地域、二、三点で結構でございますけれども、把握されておられましたら地名を挙げていただきたい。

松林正義建設省河川局砂防部長

○説明員(松林正義君) お答えいたします。  ただいま御質問の花崗岩の風化地帯でございますが、これは六甲山系は主として花崗岩の風化地帯になっております。東は西宮付近から西の方は鷹取山までは大体この花崗岩地帯になっております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 で、まあ教授が話しておられますことは、実際に被害を受けられたこれは一宮の福知地区というわけでございますが、まあここは流紋岩とその凝灰層、それから安山岩とその凝灰層など四種類の地質がまじっている頂点に位している、まあこういうふうに言われておるわけでございます。ですから、今回の山津波で流出した土砂は推定六十万から百万トン、まあこいうふうにして表層崩壊だけではなしにまともに基岩から崩壊を、早く言えば山が真っ二つに尾根からごそっと流れていると、こういうふうな解釈をされております欠陥断層でございます。まあこういうふうなことで、同教授が言っておりますのは、こういう全国でまれに見る基岩崩壊についても、まあこの欠陥断層の存在についても、もろい岩盤であるとか、二番目には断層に流入する、そうして浸透する水、まあこういうふうな三条件によって発生する。したがって、これらを調査すれば発生しやすい危険地域というものが判明すると、まあこういうふうに言われておりますね。もちろん建設省や農林省にも専門の方がいらっしゃいますので、御意見が、またこの学者と意見が変わる場合もあるかと思いますが、事あこういう中から私質問申し上げたい一つは、現地の一宮は抜け山であるという、明治時代にはやはり山津波があったわけでございますが、それ以来、抜け山であるということは雨が一斉に浸透してくれば崩れていく山である、こういうふうなことで、何百人の方が、やはりおばあちゃんからおじいちゃんや子供さんまでが一挙に行動できて二次災害から逃れることができた、こういうことなんですが、そのときに尾根に亀裂があるという、そういう調査というものが行政体に報告をされておったと、こういうことなんですが、皆さん方は受けられておったのか、それともそういう事態はなかったのか、まあ簡単で結構でございますが、その点だけをお伺いしておきます。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) お答えいたします。  林野庁では四十七年に危険地の調査をいたしました。そのときにも県からの報告では亀裂が入っておって危険だという報告を私ども受けておりませんし、今回のこの災害が起こる前にそういうことを地元から言われたという話は私どもの方には入っておりませんでした。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 まあいいでしょう。  で、お願いしたいことは、この抜け山の後の現地の防災工事をどうするかという具体的な技術的な問題が残されるわけです。それについてはどういうふうに計画をされて、いまゼロなのか、それとも一〇%の工事にかかっているのか、それとも現場には手はついてないけれども、残土がありますからね、まだ何十万トンといって危険であるから、設計段階が何十%進んでいるのか、具体的にちょっと述べていただきたいと思います。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) お答えいたします。  先ほどもちょっとお答えいたしましたけれども、再度災害があってはいけないということで、早急対策工事といたしまして土どめ工を現在施工いたしております。  それから、復旧の全体計画につきましては、現在兵庫県で策定いたしておりますけれども、その中間的な打ち合わせとして本日本省で討議をすることにいたしております。  さらには、先ほど先生御指摘ございましたように、非常にいろいろむずかしい地質の問題、それから地下水の状況等ございますので、今後の対応といたしましては、こういうものを十分調査しながら全体的な設計計画を立ててまいりたいというふうに考えております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 じゃ、その点を早くお願いしたいと思います。そうして、いま御報告をいただいたわけでございますが、風化花山岡岩の亀裂の多い岩盤の地質、こういうことで、近畿関係では六甲山系であるといういま御報告を受けたわけです。いま私も御報告を受けておりますと、非常に一宮以上に心配するのが六甲山系を背にした神戸市なんです。百五十万になんなんとする人口があるわけでございますが、もう皆さん専門家で見ておられると思うが、四十五度ぐらいの傾斜の中に民間の業者の人たちが、丸棒のようなパイプで、そうしてそれで鉄板を組んで、その上に家を建てている。もうそういうふうなのが、もしあれの十分の一の災害であっても何千人の人が亡くなっていくのか、何万人の人が亡くなるのかいう心配をするわけです。ですから、この災害でわれわれは教訓として、現地の復旧も大事でございます。そうして、あわせて予防的な、災害予防というのか、そういうふうな手を、必ずその現地の問題を見て手を打たなくちゃいけない。そういうことで、六甲山系についても、私は、一つは空中写真をとるか、二番目には地形図をもう一度改めてやっていくか、三番目にはボーリングで検討してみるか、四番目には放射線の測定をもって早急の調査、整備を急いで総点検をやりながら防災地図というものをつくっていく御意向があるのかどうか、これを関係省庁に御答弁をお願いしたいと思います。

松林正義建設省河川局砂防部長

○説明員(松林正義君) 六甲山系の関係の砂防の調査でございます。昭和十三年に六甲山系に御承知のとおりの大災害がございました。それ以来建設省といたしましては六甲山系につきましては最も重点的な対策を講じてまいったところでございます。全国の水準から比べますと非常に進んでおるところではございますけれども、しかし、ただいま先生御指摘のとおり、今後も十分な対策を講じませんと、その後の社会情勢の変化等もございますので、それに対応してまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。したがいまして、六甲の土砂崩壊の予知、予測といったような面につきましては学識経験者を中心にいたしました直轄での六甲山系砂防計画検討委員会というものをつくりまして、これは昭和五十年度から始めたわけでございまして、そのうちで特に土石流の危険区域、これはいま御発言のとおり、六甲につきましては、この土石流の災害による被害が非常に大きなことが予想されますので、この危険区域の把握、それからその設定といったものをやらなきゃならないというふうに考えておりまして、その判定の基準であるとか、あるいはその区域の設定といったものにつきまして現在調査を進めておるところでございます。いまお話しのとおり、この調査の内容にいたしましては地形、地質はもちろんのこと、崩壊の予測あるいは水質、植生といった面も基礎調査として実施することといたしておりまして、これに基づきまして砂防事業の促進を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。したがって、断層あるいは断層の調査といったようなものも十分に調査いたしたいというふうに考えております。

藍原義邦林野庁指導部長

○説明員(藍原義邦君) 六甲山につきます林野庁関係のことを御説明申し上げます。  先生御存じのように六甲山は明治の初めにはげ山になっておりまして、明治四十四年から治山事業をやっております。そして、現在の金に換算いたしますと、大体百億に近い金を治山事業では投入いたしまして、はげ山からいまの段階では緑には一応なっておるわけでございますが、昭和二十五年から昭和三十七年までは林野庁の直轄治山ということをやりまして、最近の十カ年では約三十六億円を投入いたしております。それで昭和四十二年に先ほど先生御指摘ございました田中先生にも入っていただいて、その地方の災害の調査、それから復旧計画というものを立てまして、その後それに対応して事業をやっておりますし、さらに四十七年にも都市近郊の保全というものを図るために、その付近の調査をいたしておりますが、今回また大きな被害ございましたので、前回と同様全国の調査とあわせましてこの地方につきましても十分調査を進めてまいりたいというふうに考えております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 いま御答弁いただきましたが、その点もよろしくお願いをしたいと思います。  ちょっと前に戻りますけれども、今回兵庫県では十七号台風によりまして六市十一町が大被害を受けました。そういうようなことで私たち公明党といたしましても、台風のさなかに申し入れの中で十点以上に及ぶいろんな対策の手、一緒になって救済申し入れ、こういうことをしてやったわけでございますが、兵庫県の方から国に要望されました事項の中でも「激甚災害の指定」とか、「中小河川の早期改修」、それから「河川、道路等の改良計画を加味した災害復旧工事の実施」、四番目には「道路災害防除事業費の増額」、五番目には「砂防関係緊急対策事業の採択」、六番目には「被災住宅の復興に対する助成制度の拡大」、七番目には「国鉄赤穂線の早期復旧」、八番目は「農地、農業用施設の改良復旧」、九番目は「緊急治山事業の採択」、十番目には「林地崩壊防止事業の採択」、十一番目には「水道施設の災害復旧」、十二番目には「被災中小企業に対する金融措置」、十三は「公立学校並びに社会教育施設の災害復旧に対する財源措置」、これは国で検討していただいていると思うわけでございますが、ここでいま私が申し上げたい一点は、激甚災害の指定についてはきょうのお話があったわけでございますが、きょう現在まで早くしてほしいという声が全国各府県一緒だと思うのです。  そこで私は、災害発生から国庫負担決定までの手続、それが市町村から災害の報告、単価歩掛かりの承認の申請、単価歩掛かりの承認通知、国庫負担の申請が都道府県、七大市を通してそうして建設省に行く。建設省は国会や内閣総理大臣、中央防災会議に状況報告が出されていく。大蔵省は財政の問題がございますから、災害状況の連絡を受けると同時に、調査の実施、事業費の決定通知、国庫負担算定報告、国庫負担の負担率の決定通知というものが建設省、今度は国土庁が中心になりましたけれども、もちろん、建設省とさしていただきますが、それから都道府県、七大市、そうして市町村に返ってくるまできょう現在の激甚災害の決定を見ますと、ちょうど一ヵ月要ると見るわけなんですが、災害救助法の中のいろんな仮設住宅の問題とか、そのような対応にしても二十日以内にやっていかなくちゃいけない問題点が多く出ているわけです。そういう場合に、この一カ月というものが一番最良のものなのか、これ長官もう最初からがんばっておられましたので、私も本当に感心しているわけなんですが、これが被災を受けた方に対してもっと早くできないのか、それとも一カ月ぐらいでやっとなのか、それともこれから現場へまたどんどん行くと財政のいろいろな仕組みの関係の中で早くやれるものと遅くやれるものと、いろいろなことがありまして、いずれにしても被災を受けられた方々が大変な問題を受けていく、そういうことでございますので、決定までの日数というのはどの程度が誠意を示して被災者の方に安心していただけるか、そういうあれを長官一言答えていただきたい。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) 私、激甚災の指定を先月の三十日に発表したいと思いまして就任早々各省に厳重にその手配をしたのでございますが、最初は何とかできるんじゃないかというような見通しもあったわけでございますが、きょうまで延びたことは事実でございます。一週間延びたわけでございます。いままでの例から言うと、今度は比較的早く激甚地の指定が出たのではないかなというような、これは私感じで、そういう感じでございます。天災融資法の適用がまだできないのでございます。これは今月の二十日ごろまでには天災融資法も適用したいという考え方でいま終結をさしております。ただ、先ほどお話のあったいろんな当然すぐにやらなければならぬ仕事は、これとは全然別個で、各省庁とも手おくれにならぬようにやっておることは事実でございますが、激甚地の指定を受けたということで受ける被災者の精神的な問題が相当強いというふうに私たちは理解しているものですから、一日も早くと思ったのですが、今度の場合も一週間ばかり延びたのは、私の不手際と言えば不手際かもしれないのですが、なかなか事務的にはそう簡単には出せないということで延びたのでございますが、大体においてこれぐらいの日数は、いままでもかかっておるし、詰めることは、役人の仕事ですからなかなかむずかしいんじゃないかという感じがいたします。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 まあ極力早くお願いしたいと思います。  時間が参っておりますので、あと一つお願いしますが、きょうはNHKと郵政省関係、来ていただいていると思うのですが、実は兵庫県の上郡で災害の真っ最中、ラジオのニュース——電気関係全部だめになって、情報提供が全然できなかったわけなんですね。そういうことで私たちが現地に行って調べたわけでございますけれども、そうなりますと一番頼りにしておりましたNHKの方も、赤穂の方が浸水したりいろんなことで、災害の真っ最中に情報提供ができなかったという御報告をいただいたわけでございますが、これは天災とかいろんな問題等もあったわけでございますが、そういうふうなことで情報について一言お伺いしたいと思うわけでございます。  で、まずこれは自治省になるんですか、関係の方お答えいただきたいのですが、災害救助法第二十八条で通信設備の優先使用が規定されているわけでございます。今回の台風の際にあってはどのように利用されたかということをお伺いしたいことが一点。  それからNHKにお伺いをしたいわけでございますが、NHKがいま事前の防災報道に非常に公共放送として生命をかけていらっしゃることは理解をいたしております。災害報道、またローカル放送の時間、台風キャンペーン、まあ細かくやっておられるわけです。で、その中には台風を迎える準備であるとか心構え、避難場所、注意事項、ネットワークを生かして助け合いの活動等もやっていらっしゃるわけでございますが、時間がございませんので一言お伺いをしたいわけなんですが、NHKの受信料の災害免除制度運用の準備経過というものが台風十七号の被害との関係どこまで進めていらっしゃるか、これをお伺いしたいと思います。

堀四志男日本放送協会専務理事

○参考人(堀四志男君) お答えいたします。  私、放送総局の方でございまして、実は具体的な数字はまだつかんでおらないんでございますが、台風十七号直後に募金をいたすと同時に、災害を受けた程度に応じて受信料の免除を即刻実施いたしております。大体三ヵ月の短期間ではございますが、受信料の免除を行っているはずでございます。その総計につきましては、後ほど正確な資料を先生のお手元まで差し上げたいと思います。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 時間が参りましたので終わりたいと思いますが、一宮の関係におきましても小学校がなくなりまして、百八十名の生徒がおります。幼稚園の人たちも四十名おられます。そのほかに中学生等もいらっしゃるわけでございますが、いま一様に申し述べられておりますように、現在の災害救助法の運用というものが、住宅の問題にしても、そういう学校の問題にいたしましても、非常に現在の物価高の中で大変な状態になっているわけです。まあそういうことで小委員会もできたということで安心をいたしておるわけでございますが、こういう問題について委員会でも努力をされますでしょうし、当局もこういう実態についても積極的に乗り出していただきたいと思います。  長官、時間がありませんので省略いたしますけれども、最後に災害救助法の改正ですね、皆さん方、いろいろと質疑がありましてその論点は明らかになっておりますけれども、一言この問題について、改正についての長官の考え方をお伺いして質問を終わりたいと思います。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) 私の所管じゃなくて、これは厚生大臣の所管ですから、私が改正するなどと言うとおしかりをこうむる可能性が濃厚でございますが、一応問題点が浮き彫りにされてきております。小委員会からもそうした問題点等がまとまって出てくるだろうと思いますので、私、厚生大臣とよく連絡をとりまして、私自身も考えていることがございますから、何らかの形をつけたいと考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 すでに多くの点が指摘されておりますが、私はなるたけ重複を避けて、若干の問題について質問したいと思います。  まず最初に建設省の関係でありますが、建設省の河川の管理体制が実際どうなっておったのかという、こういう問題であります。これを具体的にした方がいいと思いますので、今回問題になりました長良川を含む木曽三川、あの付近の状況についてお尋ねしたいと思うんですが、木曽川上流工事事務所というのがございます。総人員が二百六十二名でありますが、このうち実際足で河川の管理に歩いておる職員がどれくらいおるんだろう、この点はおわかりになりましょうか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 現在手元に数字を持っておりませんので、ここではちょっとわかりかねます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 実際大変びっくりするほど数が少ないと聞いておるわけです。年々年をとった人がずっとやめてまいりまして、補充はないわけですね。そういたしますと、ずっと川を愛し、川の土手なんかしょっちゅう歩いて、どこが危険であるか、あるいは水の流れによってどこが危ないとか、そういったことを体で知っておるような人がどんどんやめておって、あとは数字や図面の上だけでしか河川の管理を知らない、こういう人がむしろふえておる、こういうのが実態のようであります。ですから、私は、今回の災害は大変な雨量であったということはもちろんでありますけれども、年々、そういう実際に河川を管理していく面でのずいぶんな怠りがあったんじゃないか、こう思うわけです。  そこで、もう一つの面でこれはお伺いしたいんですが、特に長良川のこの近辺も大変に水につかったわけですが、この決壊した安八町だけではなくて、中小河川のポンプが稼働しないために、あるいはポンプの能力を超えたために大変にはんらんした、湛水したと、こういう状況ですね。そこでお伺いするんですが、建設省のこの職員のうちに実際にこのポンプですね、中小河川のたくさんあるポンプを実際に担当する職員がいるのかいないのか。実際のポンプの数がもしわかれば、その数字と、それに関与している職員の数ももしわかればお伺いしたいと思います。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 現在何台ポンプがあるのか、あるいはそれに何人従事しておるのかということは現在わかりません。しかしながら、補助河川におきましては県が管理しております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 国の直轄するポンプはどうですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 国の直轄河川のポンプ場でございますけれども、これは県に国から委託しまして管理しておるという状況でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 これは実際私が調査したところですが、これは建設省に直接聞いたんですが、この二百六十二名いる職員のうち実際ポンプに直接携わっておる人はいないというのですね。県に委託して、県はさらに今度民間に委託しちゃうというのですよ。ですから、この大変大事なポンプを実際に管理しておるのは民間人なんだというのですね。そこでこれまたお伺いしたいんですが、このポンプというのはやはり専門家がついて、専門的な知識が必要であることを前提として私は備わっておると思うんですが、その点はいかがですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 直接専門家がおらなくても、現在木曽川におきましてはポンプの維持管理でございますけれども、出水期前にまずメーカーの専門技術者によります点検並びに整備、試運転を行っておるわけでございます。そうしまして、四半期に一回技術職員の直営点検並びにそこに常駐しております管理人によります一日の点検を実施しておるわけでございます。また、出水のときに故障なんかしますけれども、そういう不時の故障につきましてはメーカーの専門技術者の派遣につきまして平時から契約しておる、そうしまして出水時の稼働に遺漏、遺憾のないように努力しておる次第でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 メーカーの専門技術者に委嘱をしていつでも来てもらえるようにということですが、今回、実際調査してみておわかりのとおり、新潟鉄工ですか、これは実際故障のあったのは先ほど上田委員から指摘もあった糸貫、天王川の排水場、新潟鉄工だったですね。実際に故障してしまってから来るのに大変時間がかかってその間水につかっておったというんですよ。問題は、これは先ほど指摘もありましたけれども、まさにこういうときに必要なんですよ。雷が落ちるようなときにこそ必要なのに、落ちてしまってディーゼルエンジンの切りかえがうまくいかない、そこで煙が出て故障が起きている。しかも、これが専門家でないためにそういう状況を発見できないわけです。発見してしまってから今度専門家が直しに来ましてもこれは遅いわけですね。そういうポンプは専門的技術を要するにもかかわらず実際はそういう体制がない。実際には建設省の職員のうち直接担当するのは一人もいないという事実と、どんどん民間に委嘱しているという、こういう事実なんですよ。これはまさに事実なんですが、大臣直接の担当じゃありませんけれども、まさに国土の問題ですから国土庁長官としてそういう実態をどう考えられますか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 先ほど申し上げましたように、いわゆる出水期前に十分点検しておく、それから出水時に不時の事故があった場合に、いわゆる本当の専門技術者と契約してできるだけ早く直すようにしたいということでございまして、ポンプにつきましては電気系統あるいは機械系統と非常に専門的な技術を要するわけでございます。したがいまして、やはり現在の技術陣営におきましては、こういう専門メーカーと契約することが一番やむを得ない措置じゃないかというふうに考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 今回の糸貫、天王川の事故は実際防げた事故だと思うんですね。起きてしまってからたしか呼んできて日数がかかったということでありますけれども、起きる前にもしも建設省のこの工事事務所の職員の中に何人かでも、それはごく少数でもいいんですよ、何人かでも専門家がおって、事故が起きる過程で必ず徴候があるわけですから、その徴候を事前に発見をしてそうして措置をとると。これ実際もう煙が出ちゃって、もう焼けてしまってからやったんじゃ間に合わないんでね。そこへ行く前の体制が実際の常時ここで管理している職員の中に必要だと思うんですよ。そういう体制をとる気持ちがあるのかどうか。これ下に委嘱して確かに契約上来てくれるはずだ、確かに数字上そうなるんです。理屈上そうなるんですけれども、実際はそうなっていなかったということです。そのために何千戸も浸水してしまったという事態は、これは本当に改めなきゃならない事態だろうと思うんですが、どうですか。(「一言半句もない、そう言われちゃ」と呼ぶ者あり)

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 各事務所には機械専門の人あるいは技術専門の人というのはおります。したがいまして、普通の事故であればそういう人人で直し得るわけでございますけれども、いわゆるポンプ関係は特殊な事故なんかありますといろいろ問題がありますので、こういうふうに専門の技術メーカーと契約して不時の場合にはできるだけ早く直したいということでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いま大臣の不規則発言の中で、この指摘に対しては一言半句もないとおっしゃったとおり、まさにそうなんですよ。だから、そういうことじゃなくて、いつでも実際常勤している職員の中から専門家がおってこれに対処するということも大臣うなずいていますから、ひとつ国土庁も含めて建設省に一緒にこれは実現してもらいたいと、こう思うわけであります。  それから、これはポンプだけではなくて、たとえばいろんな川から取水する取水口がありますね。そこにいろいろ水門がある。水門の管理も実際民間に委託されておるのですね。これは具体的に名は申しませんけれども、ある団地が水浸しになってしまった。その一つの理由は、その管理者がこれまた民間人で出かせぎに行っておったのですね。それで奥さんが女の力ではこれどうしようもないですよ。となりますと、私はこのあたりも、こんなに水害のしょっちゅう起きている岐阜県でありながら、そして水害に対する皆さん意識が高いところでありながら、実際の地でいく管理になりますと、本当にはだ身に、実際起こるところ、そういう管理になりますとずいぶん抜かっておったのだ、こういう指摘をこれはしなければならない。こういう点でやっぱり行政が直接にそういう分野についても責任を持つ、こういうことはこれは考えるべきですが、いかがですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) ただいま先生おっしゃったような事態があるとすれば、これは非常に今後問題だろうと思います。したがいまして、こういう点につきましては今後そういうことのないように十分チェックしてまいりたいというふうに考えます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 十分チェックといいますと、先ほどから前向きという答弁も出ておるとおり、余りこれは私ども信用できないのですが、じゃ具体的にどうチェックしますか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 洪水期前にそういう水門の管理が十分行われるかどうか、その管理者のところに行ってそういう面をチェックしていくということでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私はもっと確実なチェックの方法があると思うのです。それは——これは建設省からいただきました先ほどの木曽川上流工事事務所の現在員推移という表であります。この表を見てみますと、昭和四十二年には総計、出張所もまた事務所も含めまして三百五十七名おったのです。ところが年々ずっと数が減りまして五十一年には二百六十二名なんです。約百名減っているわけですね。人員が七三%ぐらいになっちゃっておる。これはあの現場見ていただけばわかるとおり、年々水の量が多くなっておるし、年々管理を確実に増強していかなければいけないにもかかわらず、実際人員はどんどん減っているわけです。しかも先ほど申し上げたとおり年配の人で本当に川を愛し、本当に自分の身で管理をしてきたまさに体で川を知っている人がどんどんやめちゃっているという、こういう状況が今回の災害を招いた私は一つの原因だと思うのです。ですから、先ほどチェックをすると言いますけれども、それは幾らここでチェックと言いましても、そのチェックということ自身が私、現場まで伝わらぬと思うのです。そのことを実際に現場で確実にチェックをし、チェックするだけでなくて責任を持ってみずからもポンプの問題も水門の問題も建設省自身が実際自分で手でさわってやっていくという、そのために、私は人員がこういう百名も十年間で減っているという事態をまず改める、そこが必要だと思うのですが、これは河川局長とそれから大臣も、まさに国土の問題としてひとつ全般的な問題ですからお答えいただきたいと思います。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 先生御指摘のとおり四十二年に三百五十七人、それで五十一年に二百六十二人、この数字はわかりませんけれども、こういうふうに減ってきたということは確かだろうと思います。それで、減っていったものの原因は、やはり高齢者の方々がおられまして、そういう方方が身を引かれたということが事実ございます。それで先生がおっしゃいますように水門を——非常に多くの水門ございます。それを一々職員がつくということも何でございますし、やはりそういう水門というものは地元の方々が建設省と一緒になって洪水を防ぐということもまた大切じゃなかろうかと思います。そういう面におきましてやはりそういう水門の管理などは地元の方々と一体となってお願いして、そしてそういう不備なことばないようにやりながら、今後ともそういう水門などの管理の万全を期していきたいというように考えます。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) 私、自分の直接の仕事のたてまえのものでございませんが、いまのお話をお聞きしまして——水門を閉じなきゃならないから水門をつくったんです。水を揚げるためにポンプはつくってあるわけですから、その閉めるとき、水を揚げるときに、その水門なりポンプの用が立たないような処置の仕方は、これはどこが所管なのかわかりませんが、これは問題だ。いわゆる人災と言われてもこれはやむを得ないと思います。これが建設省自体の直轄の問題であるとすれば、これは当然建設省自体が責任を持って今後完全に処理すべきだと思うんです。それからまた地方自治団体の方のこれは責任の管理であるならば、それは地方自治団体に強力に申し入れをしましてこの万全策を講じなければいけない。それから今度は地方自治団体以下の、あるいは団体等のものであるとすれば、それに対しても厳重に責任体制を確立できるように行政指導するのがたてまえでございますから、こういう点は十二分処置するように建設大臣に私の方から伝えておきます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 ぜひそういう処置をとってもらいたいと思います。  そこで、いまのは実際あるポンプがそのための能力を発揮しなかったということですが、実際もう一つのもっと大事な問題は、能力がありながら、そしてその能力をフルに発揮しておりながらなおかつ水がたまってしまったという、こういう問題であります。で、これは何も長良川付近の、この近辺だけではなくて、私も実際見てまいりましたけれども、各地で起きてます。たとえば岡山県の岡山市とかその近くの邑久町とか、あの付近全体もまさにポンプの問題なんですね。それでこのポンプを増設、補強していくという、こういう事態が大変急がれておるんですが、この点については特に焦点を長良川の幾つかの河川、たとえば糸貫川、天王川、犀川、こういう点についての排水ポンプの増設、さらに中川、両満川等のポンプの新設——これば新設の問題ですが、こういった問題については実際どうお考えでしょうか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 個々の川につきまして今後ポンプをどうするかという問題につきましては、まあ私事情を聞いておりませんので何とも申し上げられません。しかしながら、最近の災害の実態を見ておりますと、内水による被害が大きいということで、いままでも内水排除のためのポンプには重点を置いてまいったわけでございます。また今後も重点を置いていきたいと思います。しかしながら、ポンプをつくる場合、やはり下流の流下能力というものもまた問題になってこようかと思います。したがいまして、段階的にポンプを減らしていくとか、いろいろ川の実態に応じまして考えていきたいと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は、幾つか名前を挙げた河川の排水ポンプにつきましては、このポンプ場のことを、ポンプの増設のことを聞くからと、これは前にも言ってありますし、昨日もこれ言ってあるんですが、それを聞いてないということはこれはどういうことですか。

小坂忠建設省河川局治水課長

○説明員(小坂忠君) 具体的に全部のお名前はちょっと申し上げかねますが、糸貫、天王川の内水ポンプ、これの増強要望がございます。これにつきましては今次の被害が非常に激甚であったという報含も来ておりますし、従来も検討を進めてまいっておりますので、実現の方向で検討したいというふうに考えております。  それから、ポンプにつきましてはその程度のお話として私の耳には入っておりますのでそれでございますが、あとコードの引き堤とかあるいは泥川あるいは杭瀬川等の河川の改修でございます。これにつきましてはお説のように今回非常に堤防そのものの災害もひどうございますし、積極的な改修を大いに促進したい、こういうふうに考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 この付近の河川のポンプ場は河川の改修も含めましてですが、前々から問題でして、確かに下流の拡幅ができませんと、引き堤ができないと、そこへ水が出てどうしてもやらなきゃいかぬということでずいぶん問題あることはこれは事実なんですね。しかし実際いつできるんだろうか、いつをめどにしたらいいんだろうかという、こういう本当に地元の人たちの要望があるわけですよ。これに対していまの御答弁ではこれはなかなか皆さん納得しないと思うんだけれども、その点どうですか。

小坂忠建設省河川局治水課長

○説明員(小坂忠君) ただいま例を申し上げましたんですが、全体につきましては今回の災害の実態等も勘案しまして現在地建でいろいろ作業しておりますので、その結果を見ませんと最終的な決定と申しますか、今後の方針、これはちょっと申し上げかねると思いますが、いま河川局長の申し上げましたように本川の許容できるような範囲内での内水ポンプの設置はこれは大いに進めていきたいというふうに考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 先ほど泥川の話がそちらから出たんですが、私も実際見てきまして、特に右岸へ行きますと、これはこんなに雨量が多くなくてもちょっとした雨量があってもいまある堤防越えちゃうんですね。いつもそうなると土のうを積んで、土のうを積んだところでやっととまるというんですわ。ところが今回そいつをはるかに越えてしまって、もう真夜中に必死の作業をしたんだけれども越えてしまった。そういう状況を見てみますと、確かにこの場合には下流の方の杭瀬川ですね、その改修工事が進まぬとできぬという問題確かにあります。しかしもう毎回毎回土のうを積んでやっと身を守っているという、こういう状況がやっぱりああいうところにあるということ。これは大垣市のすぐ近くですね、にあるというそういう状況をこれは本当に何とかしなきゃいかぬと思うんです。これはまあ要望ですけれども、まずそういう事態があるということを十分に頭に入れてひとつ作業を進めてもらいたいと思います。  それから次にやはり排水の問題ですが、ポンプの中には要するに農業用排水がございますね。この農業用排水は従来はそれでよかったんですが、こういう地域にもどんどん宅地が造成されて団地ができたり、どんどん家が建ってますね。そうしますと農業用排水というのはいわば稲の冠水で考えますから都市用排水よりもずっと高いですね。それで、それまたちゃんと機能しているんですがね。ちゃんと機能しておりながら、これまたずっと水がたまってしまって年々浸水の地域がふえている。こういう事態が各地にあるわけです。これは農林省とそれから建設省と両方かんでくる問題なんですが、そこでこれはやっぱり両方にかかる問題としてひとつ国土庁長官、これはやっぱり国土庁が両方の立場を十分に勘案してまとめてもらわぬと、これは進まぬ問題なんです。それで、建設省に聞きますと、これは農林省だと、こう言うわけですね。農林省とすればあくまでも稲で考えていればいいんですからね。人さまのことを考える必要ないんです。となりますと、これはいつまでたってもこれ進まないんです。この問題も含めて、この問題が解決しますと、これは浸水地域がぐっと減ると思うんです。この辺についてこれは積極的に両方の調整とって、この農業用水の問題についても十分対処していくというお考えありますか。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) 私の調節でうまくとれれば大変結構だと思いますが、建設省と農林省の両当事者の意見をよく聞きまして一つになれるような措置を講ずるようにお話をいたしたいと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それから次に厚生省来ておりますか。——厚生省にお伺いしたいんですが、災害時における医療機関の取り組みの問題であります。実際日赤やあるいは公的医療機関が動いてはおります。しかし実際現場へ行ってみますと、たとえば出動の時期の問題とか、あるいは引き揚げるのが早いんじゃないかとか、それから実際また行ってもその医療体制がおざなりではないか、こういう多くの苦情や意見を聞いております。これは現に岐阜県でも災害が終わった後、ある報道機関が対談なんかやって、座談会なんかやって公的医療機関の取り組みの弱さを具体的に指摘をしているという、こういう問題もありますけれども、これについての体制をお聞かせいただきたいと思います。

水田努厚生省社会局施設課長

○説明員(水田努君) 私、今回の十七号台風で政府調査団で三県回りましたし、そのほか衆参合同の調査委員会にも随行させていただきまして、私一番奇異に感じましたのは、県の災害対策本部に日赤が入っていないということを見ました。それで私帰りまして、直ちに日赤本社の救護課長を呼びまして、どういうことになっているかということを問いただしましたところ、各県とも日赤の支部長が知事さんになっているために、なかなか参画さしていただけないという隘路があることを一つ承知いたしましたので、私行ったとき、全国の民生部長会議で各県の対策本部にはぜひ日赤というものを参加させてもらいたいと、メンバーとして。厚生省としましても、非常に自衛隊の活動、警察の活動その他についての称賛はあるわけでございますが、日赤それなりに大変活動しているわりには対策本部にも入れてもらえない。また、日赤としてはいろいろの待機をしているにもかかわらず、出動要請がないし、対策本部に入っていないために、まあ俗な言葉で言いますと、余りしゃしゃり出るというわけにもいかぬと、われわれはわれわれなりの苦労があると、こういうことをお聞きしましたので、私ども、衛生部の所管になろうかと思いますが、一応社会局の関係、民生部長と対応いたしておりますので、民生部長会議において衛生部ともよく調整をとって、ぜひとも各県の支部の事務局長を参加させるように要請をいたしたいと思います。  なお、今回の十七号台風におきまして、全国で日赤が活動した状況を御参考までに申し上げさせていただきますと、愛知、岐阜、兵庫、香川、高知、鹿児島、各県で三十班の医療班を編成して活動に当たっております。特に、手術用の血液不足ということで、日赤の血液センターから、高知、岡山につきましては自衛隊の御協力を得まして、血液を空輸する等の措置をとっております。一応、日赤関係の活動状況を以上報告を申し上げます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 日赤に対しては、これはもう法律的に出動を要請できることになっておる。それがそうなってなかったというのは、これは先ほどのやっぱり建設省の実際の管理体制と同じように、これずいぶん問題があったんでなかろうかと、こう思うわけです。そういう公的医療機関の体制が不十分であったために、これは勢い民間の自発的な医療機関の参画、これは実際あったわけです。岐阜県の場合でも、ある医療機関が今度自発的に県の災害対策本部に協力を申し入れしたんです。そうしましたら、県の対策本部では間に合っているから結構だと言うんですね。しかし、そうは言いましても、現状ではそうじゃないということで行ったわけですね。行ってみたらそれどころじゃないんです。もう大変にまあ感謝されて、実際スタッフは延べで百六十四人行きましたし、患者数——診た患者数はですね、五百三十五人です。で、これ岐阜県の公的機関が参画した医療体制は延べ人員が二百名で、患者数が一千四百名ですから、これはやっぱりその三分の一以上に匹敵する大変な活動をしたわけですね。実際、これ私も直後に安八町や墨俣付近ずっと船で回ってみましたけれども、もう町役場自身がこれは水につかっちゃっているんですから、もう行政機能がないわけですね。となりますと、いわゆる公的機関ということで、医療体制もそこに頼っておったんでは、本当に十分な体制ができない。そういったところで、私は民間医療機関が自発的に行くようなことも大いにこれからは促進できるようにしてもらいたいと思うんです。そういった点で日赤の出動もちろん大事です。しかしそういう公的な面だけではまだ不十分な面があるという、こういった面も考えて、今後そういう民間の自発的な行動を大いに助成するという、こういった方向ありますか。

水田努厚生省社会局施設課長

○説明員(水田努君) 医務局の分野に属しますので、私も余り専門的なことはわかりませんが、一応、先生御指摘のとおり、岐阜県の場合は県立病院、保健所を中心にしまして、日赤と合同で四十三班の医療班をつくりまして避難所を中心とした検病活動その他に公的医療機関として従事したわけですが、そのほかに、いま先生がお話しのように、民間の自発的な治療活動をいただいたというふうにお聞きしておりまして、私ども大変感謝申し上げているところでございます。  なお、民間の組織につきましては、私が承知いたしておりますところでは、東京都の衛生部が中心となりまして、大震災が起きた場合における民間の医療機関のネットワークが本年確立されたやに聞いておりますが、やはり非常災害時におきます治療活動その他につきましては、当然今後は医療機関、民間における医療機関のいろいろな御協力を得なきゃならぬし、またその方策も各分野において検討してまいらなければならぬ問題じゃないかというふうに思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それ本当に必要だということは今回も実証されたと思うんです。たとえば公的機関の場合には、どうしても余りきめ細かくいきませんですね。今回の場合にも、やはり避難場所を小まめにずうっと回ったのはこれは実は民間の自発的な医療機関の仕事だったのです。それから一軒一軒を訪問して、孤立している人々の病状や健康状況をむしろ聞いて回る、そういったところで相談に乗るという、そういうことが実際伝染病などを防ぐ上でもこれは必要だと思うのですが、これなども公的医療機関はついになし得なかったわけですし、それからやっぱり夜現地へ泊まり込んで応急の体制に備えたという、こういったこともあったわけですね。それからもう一つは、水が引いたら公的医療機関は引き揚げちゃうでしょう。ところが、それは引き揚げた後も実際地元の現在ある医療機関がちゃんと医療体制ができるまで、今回の場合には民間の自発的医療機関がおったのですよ。やっぱりそういう機関こそまさに大事なんですね。   〔理事古賀雷四郎君退席、委員長着席〕 これは本来公の医療機関がもっと、そういった点ではもっと範囲を広げる面もあるんですけれども、こういう民間の自発的な行為も大いに期待をするということが必要だと思うのです。  ところで問題は、この場合には、災害本部に申し入れたけれども間に合っているというわけですから、実際費用はまさにこれはもう奉仕ですね。これほど役に立っているものを、私はその費用を、おまえ勝手に出てきたんだからおまえ持てというのは、これはやはりまずいと思うんですよ。これも国土庁長官、全体を掌握する立場から、ひとつどうですか。こういった問題もひとつ少なくとも実費ですね、まあできれば人件費までいかぬでしょうけれども、しかし少なくとも実費だけは補償していくという、こういう体制は確立すべきだと思うのですが、いかがですか。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) いままではそうしたあれはなかったようです。これは厚生省所管の問題であります。常識的に考えれば、そういう災害時においては必ず医療機関の設備を整えなければいけないことは当然ですから、常平生何もないときにやっぱり全国的に厚生省としてはその地域地域に、そういう一たん緩急の場合の備えとしての医療のそういうスクラムを組まして、そうして準備をしておくという必要があるんではないかと思うんです。この点は私の方でも全体会議がございますからその席上で相談もいたしたいと思いますし、厚生省の方にもその点申し入れをいたしたいと考えております。  それから、当然、実質的にかかった費用ぐらいは出すのが当然じゃないかと、これは私個人ですから、私は厚生大臣じゃございませんから。それは常識ではないかと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それもぜひ勧告を願いたいと思います。  あと厚生省関係でお伺いしたいのは、先ほどもちょっと名前の出ました岡山県の長島の愛生園の問題であります。これはまさに厚生省関係ですが、ここは本当に私も九月十八日に現場見てまいりまして、現在人員が一千百五十名おりますが、避難した人員が四百二十六名なんですね。小さい島ですけれども、約百ヵ所の山崩れがあったという、こういう状況で、電気も水道も全部とまって、しかも孤島ですから大変な状況であったと、まさに孤立した状況なんです。そこでこれに対して皆さんの要望は、実際被害を受けた戸数は六十二戸ですが、がけ崩れによってですね。しかしこれ、単にこれを復旧するんじゃなくて、こういう危険な状況をまずやめてもらいたい、こういう危険な状況をやめて、もっと安心して治療も受けられるような、こういう体制をつくってもらいたいと、これが要望なんでありますけれども、これについての厚生省の考えはどうでしょうか。

吉原健二厚生省医務局整備課長

○説明員(吉原健二君) お尋ねの長島愛生園の復旧につきましては、先生がおっしゃいましたとおり、原形復旧が原則ではございますけれども、そういたしますと、さらに災害の危険があるというところがございますので、そういった場合には別のところに集約をして整備をするというようなことで、再度このような災害が起こらないような形での復旧を考えてまいりたいというふうに思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 具体的にはどういう方向を考えていますか。

吉原健二厚生省医務局整備課長

○説明員(吉原健二君) 現在具体的にどういうふうな復旧工事をするかということにつきまして、厚生省及び関係の機関におきまして実地について調査をいたしておるところでございます。その調査の結果を待ちまして、具体的な復旧計画を樹立をいたしたいというふうに思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 実際ハンセン氏病という大変な、いわばその病気自体に対する偏見のために迫害を受けて、いわば隔離政策をとってこられたところですね、こんな小さな島にある時期には二千名以上もおったという。ですから無理をして危ないところをがけなんか、もうそういう安全性を考えずにどんどんどんどんつくっちゃったんですよ。見てきましたけれども、本当に危ないがけのすぐ下にたくさん家があって、そこに患者さん、住まいながら治療を受けているという、こういう状況ですね。ですから、これは単に被災を受けた六十二戸だけじゃなくて、私はこれは聞くところによりますと、恐らく厚生省自身のお考えだと思うのですが、これを二百戸ぐらい安全な場所にコンクリート建てのものをつくって、安全な状況でひとつ進めようと、そういう方向があるやに聞いておるのです。大蔵省が金出すかどうかということで恐らく交渉中なんでしょうけれども、実際これは、もとに復旧する費用よりもその方が安くできるんだと、こういう話も聞いておりますね。となれば、われわれも大いにこれは協力をして、そういう体制をつくるためにこれはまあやらなきゃいかぬと、こう思っておるのですが、厚生省としてそういう方向を持っておるということはひとつ言っていただいてもいいんじゃないかと思うのですが、どうでしょう。

吉原健二厚生省医務局整備課長

○説明員(吉原健二君) いま先生がおっしゃいましたようなことを含めまして、具体的な復旧につきましては遺憾のないようにいたしたいというふうに思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 これはまあ、先ほど申し上げたとおり、いわば偏見がまだまだ社会に存在しておって、患者との接触自身すらみんないやがっているという、まだ現にありますね。これをやはりこういう機会に解決をしていくということで、こういう本当に詰め込み主義の隔離主義をこの機会に脱して、やはり患者さんが安心して、しかも人間として、そういう社会的な迫害もなく生きていけるような体制をつくるためには、たとえば橋をつくるとか、これは短いですからできるわけですし、さらに単なる収容施設ではなくて十分な治療ができるような体制、それからさらに、今回経済的には困難な患者さんが相当家財道具などやられています。それを出す名目も、これはなかなかむずかしいと思うのですが、そういうものに対する補償——補償といいますか、お見舞いですね、何らかの形でこの機会に考えるべきではないかと、こう思うんですが、この点どうでしょう。

吉原健二厚生省医務局整備課長

○説明員(吉原健二君) らい療養所の整備につきましては、単なる収容ということではなしに、治療とあわせまして患者の総合的な生活施設という面もございますので、そういった観点から従来とも整備を進めてきているわけでございます。ただ、いま先生のおっしゃいました中で、今回の災害によりまして家財等を滅失した方に対する補償といいますか、救済制度というものはないわけでございます。この点につきましては、現在いろいろこの委員会でも問題になっているところでございますけれども、私どもとしても十分検討をしていきたいというふうに思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 時間参りましたので、最後に申し上げますが、いまなぜこの問題を持ち出したかと申しますと、各地に災害が起きながら、特にまた社会的に不利益な立場にある人の場合には、やはりよけいに被害が大きかったということですね。実際、私あの島に行ってみまして本当にびっくりしました。ですから、恐らくこういう場所もほかにもあるし、また今後ほかにも起こり得ることだと思うのです。特に社会から隔離されておって、長い間の歴史的な偏見の中で生きている場合には、特にそういう被害が強いと思いますので、この機会に、そういう面でもこれは大いに考慮していくということを希望いたしまして、私の質問終わりたいと思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 すでに七名の方が質問をされましたので、私はなるべく重複を避けまして御質問をしたいと思います。  災害対策ということになりますと、復旧及び救済という面とともに、予防ということが非常に重要な視点になるわけでございます。そこで、災害関係を束ねる長官にお伺いしたいわけでございますが、私は台風十七号は日本各地に大変な災害をもたらしましたけれども、その原因は、一般に単位時間の雨量すなわち降雨強度が非常に強かった、降雨の継続期間がきわめて長かった、そのために一連の降雨総量がきわめて大きかったからである、こうされております。もちろん私は、今回の台風十七号が非常に異常な姿であったことはそ のとおりだと思いますし、また気象現象というものは非常に変動が激しくて、降雨条件というものは、その地点と、台風、低気圧、前線の相対的位置、気象の擾乱の規模や構造、その地点の状況等によって左右されることはもちろん承知しているものでありますけれども、しかしわが国が中緯度の前線の発達する地域に位置している。で、絶えず低気圧が通過し、また台風が常時来襲する地域にあるということを考えますと、今回の台風十七号がきわめて異常であったというだけでは済まされないのではないのか、こう思うわけでございます。で、降雨総量、一日雨量、一時間雨量等の最高値の記録というものは逐年記録が更新されているわけでございます。このことは防災対策上地域別または流域別の降雨量を過去の統計値に依存するということはきわめて危険であるということをこれは物語っているのではないだろうかと、こう思います。  気象庁は、四十九年三月にいわゆる異常気象白書と言われるものを発表いたしまして、今後十年間わが国にはきわめて異常な気象現象が頻発をするであろうという長期予報を発表いたしております。そういうことを考えますならば、豪雨災害を防止するためには、もちろん治山治水環境問題の一貫した見直しと、その抜本的な対策というものが必要なんでありますけれども、その前提として、雨量の最高値について、過去の統計値に頼ることなく、いわゆる衆知を集めて科学的にひとつ推定する、それが防災計画のいわゆる基本に組み込まれるという一つの新しい発想の転換がいま求められているのではなかろうかと、こう思うわけでございますが、長官の見解はいかがでございますか。

有住直介気象庁長官

○政府委員(有住直介君) 雨量の記録というものはございますが、それをもとにいたしまして統計学的に確率雨量というのでやるのが一番科学的だということで、いまそういう方法でやっているわけでございますが、確率雨量と申しますのは、どれだけの確率に対応した雨やどれだけの雨量だということでございます。たとえば何百ミリの雨なら何年に一回ぐらいあるだろう、そういうようなことで考えているわけでございます。しかし、あくまでも統計的に過去のデータをもとにしてやりますので、現在のところではいままでになかったような、記録にないような雨というものが降りますことを、その雨量は幾らかということを現在の時点で予測するというのは非常にむずかしいというふうにわれわれ考えているわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 長官、私も素人なんでありますけれども、過去の統計値から出した最大雨量の確率というものが比較的その確率どおりいっておればこれ問題がないんですけれども、最近は毎年毎年新記録なんですね。ということはやはり過去の確率だけで問題をとらまえるというもう時期ではないのではないか。まして異常白書で気象庁が今後十年間異常気象が続くであろうという長期予報を出したということを踏まえるならば、防災の基本になるこれらの雨量測定というものについて、私、どういう方法がいいのか、その具体策というものをいま持っているわけではないんですけれども、しかしこれは官庁、学者等の一遍知能を集めて、わが国の位置する地形の特質というものを考えながら、この程度の雨量というものに耐え得るひとつ治山治水環境対策、こういうものが必要だぞというやはり総合した政策というものが打ち出されませんと、新記録でやむを得なかったんだ、過去の確率を超える雨量であったのでやむを得なかったのだと事を済ませるような簡単なわけにはいかないと、こう思うわけです。その辺、束ねである長官としてもひとつ知恵を大いにしぼっていただきたいと、こう思います。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) 非常にむずかしい質問なんですが、過去の最大雨量を基礎として立てた計画すらも満足に実行されない段階ですから、それ以上のものを、予測できないものを予測してまでもその対策を立てるということは、いまの状態では非常にむずかしいじゃないかと、私そう思います。ただ問題点は、この間からも指摘されているように、傾斜地の危険なところはどのぐらいあるか、崩壊しそうなところはどのくらいあるかという調査は、全国で約十万カ所以上も調査してデータは出ているわけです。今度のように全然そのデータに載っかっていないところに大災害が起きたというような問題等もこれあり、考えようによっては日本の国土全体が災害適地ではないかというふうな、崩壊適地ではないかというふうな考え方すらも生まれてくるわけでございますから、そういう点で、やはりとりあえずの問題としては、現在までの起きた状況下におけるものをまず防ぐだけの準備体制を整えるということがいまの段階では何とも大切ではないかと思います。それすらもいまの状態ではできかねておるんですから、せめて今度の災害、十七号台風を基礎としてこの実態を十二分に反省をいたしまして、これに対応できるだけの処置は、幸いにもこれは新年度予算で新五カ年計画が組まれますから、その段階で納得のいくところまでは組みたいという考え方でおるわけでございます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 この問題だけで議論をするつもりはございませんが、多くの大気物理学教授が過去の統計値だけに頼ることは危険だといういま指摘を行っている現在でございますから、いま長官言われますように、過去の統計値に対応できる現在の施策すらない——それはそのとおりでございますけれども、やはり政治というものは、百年の大計を立てるべきものがこれ政治でございますから、これらの学者の意見も十分踏まえながら万全のひとつ対策をお願いをしたい。  気象に関してもう一つでございますけれども、名大の磯野謙治教授が、最近の観測方法、レーダー、気象衛星等を含めて非常に進歩してきた。しかし、いわばこれは、たとえて言うならば、レントゲンで内臓を見るがごときものであって、ある程度の予測はできても、これをもって台風の内部機構、気象現象の起こる機構について解明することはなお不十分である。外国、いろいろな国におきましては、機構を的確に把握するために、飛行機による台風機構の解明ということが非常に進んでいると言われているわけでございます。もちろん、これ台風の圏内に突入する飛行機でございますから、これを整備するということになりますと、確かに相当の経費も必要といたしますし、人員の準備も必要でございます。気象庁に聞くところによりますと、五十二年、来年六月に静止気象衛星を打ち上げる、そのことによってより前進をしたい。もう一つは、安保条約による米軍機の台風機構観測の結果の情報提供を受けまして、これらの不備を補っていきたいということを言っておられるわけでございますけれども、先進国日本、しかも経済力のある日本が、いつまでもこの程度の気象現象の解明に対する現状でとどまっていいのかどうか、これまた一つの大きな課題をいま提供しているのではないかと、こう思うわけでございます。これは、私は早急の問題とは言いませんけれども、これらに対する少なくとも研究というものが国政段階で検討されてしかるべきではないか、こう思うのでありますが、いかがでありますか。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) 災害の起こるたびに気象上の問題が中心になってきます。きょうは気象庁から見えておりますから、その内容等については気象庁で説明するであろうと思いますが、いまの段階における予算の配分といいますか、これは問題にならないくらい少ないものだと、私はそう理解いたしております。まあ、天気予報が当たらないのが本当で当たるのが不思議だなんというふうな話がありますが、台風だけは当たりますから、これは。どうしてもこの大災害だけは未然に防止するという意味においても、完全に把握できるという状態と、いま長期天気予報とも言いますが、長期予報に重点を置かれてその対策を講ずるという点からいっても、いまの段階の気象庁の力では完全だとは言い得ないのではないかと私思います。私は素人で常識的な発言ばかりしていて申しわけないのでありますが、この点につきましても、この機会に気象庁ともよく連絡をとりまして、担当しておる大臣ともよく相談をいたしまして、できるだけの処置を講ずるようにいたしたいと思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 あわせまして台風の人工制御の実験につきましても、これは一挙にいま急いで行うことは成果も少なく、またどのような不測の結果を生ずるかもしれないということで、きわめて消極的な立場ではございますけれども、まあ学者では小規模の実験から積み上げていくという態度は必要ではないかということを指摘する向きもあるわけでございます。私も、まあいま申しました雨量の測定の問題、さらに台風の構造解明の問題、いま言いました台風の人工制御の問題、これらにつきましては、ひとつ国土庁長官も力を入れていただいて、わが国には優秀な学者がたくさんいられるわけでございますから、そういう日本の知識を一遍集めて、やはり国全体がこれらの予防策というものを確立するための、まあ研究会でも結構でございますし、私は私的諮問機関でも結構でございますけれども、そういうものをもってその究明を図るべきだ、そのための最小限の予算措置ぐらいは大したこれ金がかかるわけではないんですから、ひとつ国土庁長官も応援をしていただいて、非常に貧弱な予算の現在の気象庁の内容をさらに充実するように、これはせっかくの御努力を強く要請いたしておきたいと思います。  それから次に問題を移しますが、委員派遣報告にも指摘されておりますように、長良川、これはまあわが国でも代表的な河川でございます。明治明代から内務省、建設省で治水工事が進められていることも承知しております。ところが護岸工事の整備率は三六%、毎秒七千五百トンに耐えるための改修は一九%にしかすぎない。百年を経てこの実態でございます。で、また決壊場所は長良川の流れが緩く右にカーブする地点でございまして、従来から危険地帯とされながら、その破堤いたしました堤防は盛り土、極端に言えば砂を盛り上げた堤防でしかありません。私は現地の視察に行きましたときに、水防関係に携わる老齢の方は、明治時代に川から上げた砂を二十トン積みの貨車で運んだ。タールで確かに堤防の表面は固められた形はとっているけれども、中身は砂である。しかも昔大池というみお、これは決壊の後にできた池でございますが、そこを埋めて土手をつくったものであって、地盤はきわめて弱く、まあその個所に破堤の危険があるんではないかということはかねがね指摘されておった。また、河川敷内の桑畑等の除去についても、民有地であるためにその河川管理も十分ではなかったということをこもごもわれわれに述べるわけでございます。しかも、これらの問題はたびたびの陳情にもかかわらず長く見捨てられておった。それが今回の災害につながったのではないかと、これは強く指摘されたところでございます。また、これは長良川だけに限らず、全国一級河川の改修率は五一%だと聞いております。で、中小河川で時間雨量五十ミリに耐えられるものは一三%にしかすぎないと言われているわけでございます。さらにマスコミは、知多の阿久比川支流のはんらんは防災の役割りを果たすべきため池をつぶしたために起こった破堤ではないか、それから日光水系の温水は地下水のくみ上げで生じたゼロメーター地帯の悲劇である等々の例を挙げて報道いたしております。  私はこの場で今回の水害が天災であったのか人災であったのかということを論ずるつもりはございません。しかし、こういった実態を考えます場合、長官も原形復旧という形ではなくて、今後改良復旧の方針で臨んでいきたい、非常に意欲的な方針を述べられたわけでございますが、私はこの災害を契機に全国河川の流量というものについて根本的に洗い直して、堤防のやはり総点検を行う、その総点検の結果を治山治水事業五カ年計画に盛り込むということが必要ではないかと、こう思うわけでございます。五十二年度を初年とする建設省の概算要求八兆円でございますけれども、これは十七号台風が生ずる以前に概算要求として出した額でございまして、この際、今災害というものを契機としてこの概算要求の内容自体をもう一度洗い直して、私は新しい五カ年計画の策定というものを急ぐべきではないかと、こう思うわけでございますが、いかがですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 先生おっしゃいますように、今回非常に大きな雨が降りましてまあ全国的に災害が大きかった。長良川におきましても、全川的に非常な危険状態になって、不幸にして安八先が破堤したということでございます。それで、先生おっしゃいますように、今回の天然現象あるいはそういう災害の実態というものを十分調査しまして、そして堤防の大きさをどうすればいいかとか、そういう安全度の健康診断といいますか、総点検といいますか、そういうものを積極的にやってまいりたいというふうに考えております。  それから第五次治水計画の見直しでございますけれども、やはり今回の災害というものを踏まえまして災害を非常に受けた川、そういうものにつきましてもやはりもっと重点的に進めていくとか、いろいろな意味におきまして内容をいろいろ検討してみたいと思っております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 これも現地へ行きましたときに、長官、あの地方には四とき、八とき、十二ときという言葉があるというんですね。これは揖斐川は上流に雨が降った場合、約八時間後に下流が増水期に入る。長良川は十六時間。木曽川は二十四時間。これは古老の経験による降雨量と下流における増水との間を端的に示した私は生活の知恵であったと、こう思うわけでございます。ところが最近では、この四とき、八とき、十二ときという時間が半分ぐらいの時間になってきたということが指摘されているわけです。これは、私はかすみ堤、乗り越し堤というもの、さらに遊水池、こういったように昔は水をなだめる工夫というものが行われていた、それが急速な開発によって水が遊ばなくなった。もちろんこれは治山の関係もあろうと思います。さらに、上流地域において急速に土地改良が進んだために排水が非常によくなる。それから宅地造成ということによって土地の開発が進む。こういう現象が長年の生活の知恵である四とき、八とき、十二ときという時間をきわめて短縮せしめている。これは、言葉を変えるならば、降雨によって一挙に大河川に水が押し出されまして、洪水の破壊力というものが同じ降雨量であっても倍加されているということを物語るのではないだろうかと、こう思うわけです。いろいろの委員からも指摘されておりますように、こういう実態を考えますならば、私は河川管理者と、それからこれらの、これは農林省所管でございますが、農地の土地改良事業、宅地の造成、工業地の造成、こういったものが少なくとも協議をし、調整をする、こういうシステムが確立をいたしませんと、建設省の河川局が河川のことだけ考えても、ただそれだけで破堤、温水というものを防御するという対策としてはきわめて不十分であるということをまた今回の水害は物語っていると、こう思うわけであります。これは長官が束ねられるわけでありますから、私はそういう治水と土地開発、治山も含めて、やはり総合的な調整を行うシステム、チェックシステム、こういうものを確立する時期ではなかろうかとこう思いますが、長官の所見を伺います。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) いわゆる総合開発と事業計画というものは私たちの所管でございます。それですから、それらの問題等を私のところで開発の状況に応じて話し合いを続けていくことに現在なっておりますから、この問題は十二分に開発と治山治水との対応策というものは考慮してまいりたいと考えております。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は長官ね、協議するということだけではどうも対応できないような現状だと思いますから、それを制度的にやっぱり河川局というものがそれらに対して物を言い得ると、チェックし得ると、それらの開発計画は河川の治水計画の中に織り込まれると、こういう体制づくりについてひとつ長官としてぜひ確立方をお願いをいたしておきたいと、こう思うわけです。  そこで、私はいま河川のことを申し上げましたけれども、大臣精神的なことをよく述べられますので、私も精神的なお願いを一つしておきたいと思うんですが、私は治水工事というものには心が必要ではないか。これはまあ古いことわざでございますけれども、土木建築の戦国時代の雄と言われた加藤清正の死後二世紀を経て、肥後の緑川がはんらんがあった。その場合、破堤はしたけれども被害は最小限にとどめられた。調べてみると、これは二重堤防の構造になっておって、付近の畑地への溢水はあっても、しかし宅地への災害を防除し得るという、それだけの心の通った治水対策というものが行われておったということは、これ古く語られているところでございます。私はいま何も二重堤防をつくれと、こう言っているわけではないんですけれども、いかにして被害を最小限にとどめるか、この科学万能の時代においても、そうしたやはり心の上乗せというものがこの治水対策というものになければ、同じ私は反省を繰り返す結果になる。ぜひ五カ年計画の中にはこのような配慮を加えていただきたい、これはお願いをいたしておきます。  次に、急傾斜の問題でございますが、私は本年七月九日の本委員会でこの問題を取り上げました。建設省の調査によるがけ崩れ危険個所六万七百五十六カ所、しかし毎年の防災工事はそのうちの八百カ所程度しか手がつけられていない。老朽ため池は約一万カ所ある。しかも年の改修は約二百ヵ所にすぎない。そのほか林業関係の危険個所は十二万カ所、農地関係は二千七十カ所、土石流の危険個所は三万五千カ所、まさにこれ日本列島危険に埋まっていると言っても差し支えないわけですね。で、これにどう対処していくのか、これでは私は総合施策というものが必要なのではないかと。一つには、たとえば今回岐阜県で危険急傾斜地は千五百カ所ぐらいあるんですが、指定されているのは百五十カ所にしかすぎない。全国の今回のなだれ等でも指定地域以外の崩壊が相当あるわけです。そうするなら、現在の採択基準についてももう一度洗い直しが行われなければならないということでございましょうし、また国債の発行等を含めた財源措置の確保策も必要でありましょう。また、都市計画法の中に防災の視点をより強く織り込むということも必要でございましょう。さらにその予測体制の整備、さらにその危険地域に居住する住民に、いろんな委員が言われましたけれども、その防災の心得というものを周知せしめていく、危険を防止するという対策も必要でありましょう。で、わが国のこうした実態の中で、私質問しましたところ、前国土庁政務次官の野中さんは、御指摘のとおりであり、対策の拡充強化に努めたい、こういう御答弁をいただいたわけでございますが、その後どこまで見ておったのかということになりますと、従来の施策の延長でしかすぎないわけですね。私は、今回の災害を含めましてこの急傾斜地対策というものについて、ひとつ各省を横断した総合施策、緊急対策、避難対策、恒久対策、これらを網羅して住民に安心感を与える、こういう施策の樹立を強く求めたいと思うんでありますが、いかがですか。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) こういうことを言うと失礼に当たるかもしれませんけれども、ないそでは振れぬという言葉がありまして、いまもこの災害の問題を含めて、先ほど来議論しました公共事業に使うという第二予備費の千五百億の問題も、実はけさ議論したのは、ない金は使えないんだろうという大蔵大臣と私とのやりとりの中にあったものですから、私は非常に憤慨してきょうちょっとやったわけですが、日本全国皆災害誘発地帯であるという認識の上に立っての災害対策となるととても容易ではございません。そうですから、人の目で見て、現在の技術的に解釈して、この地域が危険地域であると指定しているにもかかわらず、その危険地域でないと指定されなかった、危険地域に指定されなかった地域が今度の災害で数多くその災害をこうむっておるという状態からいってみて、これをいま完全に解消できるだけの措置は講ずることができるかということになれば、とてもいまの段階では、これは私、建設大臣じゃありませんから勝手なことを言えるんですが、一応やっぱりオーケーとは言いかねます。そこで、できることなら先ほど来お話のあったように、特異的な災害を生み出すいわゆる治山の問題を絡んだ、要するに治山治水の問題を中心にあの五カ年計画の読み直しといいますか、洗い直しをいたしまして、少しずつでもお役に立つようなかっこうに持っていきたい。そうするのには、まず予算の額の問題ですから、これが思うようにとてもいっておりません。建設省で要求した八兆という五カ年計画の総枠は、私たちがつくったといっておしかりをこうむるかもしれませんが、今度の八兆円だけ取ろうというので枠組みをしたわけでありますが、先ほど申し上げたように、五十年代の上半期の経済計画によると、百兆円の枠の中では五兆五千億きりないということで、その八兆円に持っていくだけでも容易でない状態でございますから、今度の十七号台風を根っこにしましてどれだけ取れますか、これから勝負でございますが、これは私、長期的に大臣をやっておれないようですから、大臣をやっているうちにはこれはとても取れそうもないのでありますが、今後の始末は大臣をやめてもいたす覚悟でございますから、その点ひとつ御協力をお願いいたしておきます。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 私は、これは、もう一年でこんなものができるとは考えていませんし、そういうことをやれという無謀なことを言っているわけでもないわけです。やはり財源枠を極力拡大しつつ、五十年かかるものは三十年に短縮する、三十年のものは二十年に短縮するという努力と、それから私言いましたように、都市計画法の中にも防災上の見地をもっと入れていくべき余地はあると思うんですね。で、私は、さきの委員が神戸のことを言われましたけれども、まあ私的なことですが、私も昭和十三年の水害で家を全部流失した者の一人でございますが、確かにその後、造林も進んでおります。砂防堤の工事も進んでおりますけれども、しかし反面、山ろくにいま造成されておる住宅の異常な造成というものを考えると、かえってマイナスの要素もあるわけですね。そういう面の配慮による防災もまたできるでしょうし、さらには各委員から指摘されておりますそれによっても、なお当分の間起き得る被害について人命の損傷をいかに妨ぐかというための対策も、これ必要だということを申し上げておるわけでございますから、ひとつ誤解ないようにお願いします。  それから次に、国土庁関係ですが、激甚災害の指定は十月八日、本日閣議で決定され、十月十二日に公示される。まあ、最大限の努力をされたことは評価いたしますが、要は、今後各所管省庁でその事務をいかに促進するか、ここに問題はかかっているようでございます。当然のことでございますが、国土庁長官として諸官庁の事務を極力促進して、実際的な事業が早急に行われるようにこれは配慮をお願いしたいと思います。これはもうすでに答弁出ておりますので要望にとどめます。  それから、私は激甚災害の適用基準につきまして、いままでの答弁によりますと、三十七年に制定した、四十三年に改正をした、ほぼ現在順調に推移している、起債と特別地方交付税によって補っていくならば余り問題はなかろう、このような趣旨の答弁があった。しかし、なお今後十分検討したいと。しかし、長官、私はね、戦後高度経済成長時代が続いたんですね。地方にも相当の財源があったんです。ところが、まさにいま減速経済の時代に入ってきているわけですね。各赤字自治体が非常に累増している。私は、三木総理の所信表明を何回も聞いておりましても、発想転換の時代である、こういうことを盛んに強調されるわけですね。私は減速経済への移行というこの段階に、この激甚災害の適用基準というものが新時代に適応するのかどうか、これは本当に真剣に洗い直してみる必要があると、こう思うわけです。時代は変化しているわけですから、やっぱり変化に対応するのが政治ではないか。この意味において、いま直ちにというわけにはいきませんが、この適用基準、本当に真剣に洗い直すお考えはお持ちでございますか。

天野光晴自由民主党国土庁長官

○国務大臣(天野光晴君) 昭和四十三年に局地激甚災害の指定基準を変えたのは、これ私でございます。私、激甚災害というのは、場所が広いからだけが激甚ではない、その地域がどんなに小さなものでも、一カ村が壊滅するというような状態になってもこの激甚の指定を受けることができないというようなことであってはいけないというので、何といいますか、市町村単位というのにこれは変更するについては非常に抵抗があったんですが、これは私は強引にやった記憶があるのでございますが、いま御指示のように、御意見のように、これは相当時間もたっておりますから洗い直しをしてみる必要はあると思います。ですから前向きな姿勢でこれは検討をしてみたいと思います。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 建設省関係はすでに答弁が出ておりますので、時間もありませんので、直轄河川、中小河川の改修、内水対策用排水ポンプの対策、特に、いま言われましたけれども、穂積町は糸貫川、天王川——五河川が合流する地点にありながら、事故のために二十四時間にわたって排水ポンプが動かなかった。そのために穂積町の溢水があったということは明らかでございますから、それらの対応策についても十分に御配慮を願いたいと同時に、激特事業の積極的採用についてこれはお願いをいたしていきたい。  それから自治省関係は、普通交付金を十月二日、五百七十六億円繰り上げ交付をしたこと、十二月中に約一千億の交付を行いたい、そういう方針は承知しておるわけでございますが、私は三千億と枠を定めました特別交付税につきましても、この災害ばかりではなくて、今度は冷害があるんですね。まさにこれだけの金額をもって地方財政のへこみをカバーし得るかどうか。この点も、もう一度私は御検討願って、必要とあらば私は補正予算の編成を配慮をすべきであろうとこう思います。これも意見としておきます。  個人災害の問題、これはいままでいろんな委員が述べられたわけでございますが、私は弔慰金百万も余りにも少な過ぎる。また援護資金の貸し付けも全壊七十万、半壊四十万では余りにも時代の実態というものに適応していない。私は当面の措置として、この弔慰金の引き上げ、そして貸付金はこれ政令事項でございますから、政令改正による改善というものを強く求めたいと思います。ただ、これだけでは抜本改正にはならないんですね。長官、非常に意欲的な発言をされたわけですが、私は北海道の冷害にきのうまで行っておりまして、五日の日に氷点下に下がる危険がある。農家は一斉に薫煙を行ったわけです。そのために国鉄は前が見えなくて、汽車はとまる、国道の自動車は全部とまる。しかし苦情は一切出ないですね。この冷害のために苦しんでいる農民が必死になってたいているその薫煙について、足を奪われた地域の住民は文句を言わずに、むしろ一般住宅が煙を出すことに協力をする。私はそれを見まして、本当に日本人というものの連帯意識いまだ健在なりという感を持ったんです。まあ、私はそういう意味で、保険もありません、これ。また、貸付金をふやそうにもこれは限界があります。新しい制度で少なくとも天災によって生じた家屋、家財の救済というものについては、ひとつ発想を新たにした施策が必要であろうと、これだけ強調いたしておきます。  最後に、時間が参りましたので、私は二つだけ質問して終わりたいと思うんですが、一つは、農林関係、いろいろの答弁が出ました。ただ、答弁の中で私一つだけ取り上げておきたいのは、規格外米の取り扱いでございます。これは災害地だけの規格外米だと従来方式で自主流通に乗せて処理せいと、これはできるかもしれませんが、北海道へ行きますと、今度作付は七分作ですけれども、七分の米は全部青米で、格外米として処理せざるを得ないだろう。これはことし出てくる格外米は冷害と災害と重なるわけですから、従来の比にない量に上ると、こう思うんですね。これを自主流通という方法をもって賄うことは私はとうてい不可能だと思うんです。どうしても災害多発の本年は政府買い上げという措置が必要ではないかと思いますので、この点を伺いたい。  もう一つは、商工関係がどなたの質問にも出てないわけでございますが、私は現在の災害特別融資枠、中小企業金融公庫別枠二千万、国民金融公庫二百万、果たしてこれだけの枠で十分かどうか。私はその枠及び貸し付け限度額の引き上げというものが必要ではないか。特に今回の災害を受けました地域は繊維産業地域が非常に多いわけです。ここらはもうたび重なる融資によりまして構造改善事業、それから対米輸出にからまる融資、数度の融資を受けまして、限度額いっぱいでございます。金は借りたいがもう余裕がない。このまま放置しますと、私は経営者の経営意欲の喪失ということにつながってくる。そうしますと、私は大きな地域問題、雇用問題に発展していくおそれがあるのではないか、それを考えますと、私は当然激甚災害地区におきましては、従来のようにケース・バイ・ケースではなくて、行政の方針としての償還猶予の措置が当然とられるべきではないか、こう考えております。その二点に対する質問をいたしまして、時間が参りましたので、私の質問を終わります。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○説明員(杉山克巳君) ことしの米はまだ本格的な収穫の段階に至っておりませんので、どんな米がどの程度出てくるかということはこれからの問題でございますが、御質問にありましたように、ことしはいつもの年よりはよほど低品位米、質の悪い米がたくさん出てまいると思います。私どもこの米につきまして、主食に向くものはできるだけ自主流通で売るようにという指導をしております。ただこれは、買いたくないからよそへ持っていきなさいというような意味ではなくて、むしろ品質が悪い米について政府が特例の規格を設定して価格を決めるとなりますと、これは相当安い価格にならざるを得ない、その品質に応じた価格ということになります。ところが、やはりその品質が悪いと言いながらも、中には銘柄がいいとか、それなりに需要のある米もあるわけでございます。そういうものはできるだけ農家にとって有利なように自主流通で売れるだけは売りなさいという指導をしておるわけでございます。ただ、そういうことをやっても売れない米、特に北海道の米は、先生御指摘のようにこれは流通業界の評判も悪いですから、なかなか売りにくいと思います。こういったものについては、私ども主食に向くものは買うということで、目下その手続を検討しているところでございます。さらに、恐らく主食に適さないような原材料用あるいは飼料用の本当のくず米といったような米も相当量出てくるんではないか。これが大量に出回るときは需要界の方から買いたたかれて農民に不利になるということも考えられます。そこで、政府としましては、そういう米についても農民が不利にならないよう関係団体を指導して、場合によっては取引についてまあ介入するといいますか、指導をすることも考えたいというふうに考えておるところでございます。

松尾成美中小企業庁計画部金融課長

○説明員(松尾成美君) 中小企業金融関係の御質問でございますが、まず第一点の、たび重なる災害によって限度額が不足するのではないかというお尋ねの点でございますが、御承知のとおり、この中小企業金融公庫二千万円あるいは国民金融公庫二百万円という別枠の根元の方に、中小企業金融公庫でございますと一億円、あるいは国民金融公庫でございますと一千万円、これをお使いになった方もいらっしゃると思いますが、まあこれをお使いになってない方はこれも御利用いただけるという点がございます。それからもう一つ商工組合中央金庫がございます。これは一億円というのが普通の貸出枠でございますが、この場合には特に別枠で幾らということは設けずに、実情に応じて御相談に乗るということにいたしておりますので、この辺いろいろ組み合わせてお使いいただくということで、かなり対応していけるのではないかというふうに考えておるわけでございます。なお、この別枠というのは、それぞれの災害ごとでございます。前回の災害のときに二千万お使いになった方も、また今度の災害でまた二千万というふうに、これは災害ごとに別枠になっております。  それからもう一つ、実は中小企業の信用保険、これも激甚災害になると特例がございまして、普通の五千八百万円の枠のほかに五千八百万円という別枠ができるわけでございますが、大方の県では、この信用保険の別枠と組み合わせまして県の制度融資という形で、民間の金融機関等々を使いましてまた別にお金を用意していただいております。私どもはこの国の方の融資制度とこの県の方の融資制度とあわせて一本ということで運用していただきまして対応することによって、まあ現在の枠でも対応していけるということではなかろうかというふうに考えております。  それから第二点の、たび重なる災害あるいはドルショックによりまして累積しているものについて、返済猶予について配慮すべきであるという御指摘でございますが、この点は実は政府系金融機関三機関とも、やはり一応資金運用部が金をお貸ししている金融機関なものでございますから、機械的に一律にというわけにはまいりませんので、たてまえとしてはこれは実情に応じてそれぞれ御相談に応ずるということをやっておりますが、実際には、窓口では、本当に災害でお困りのお客様には、それは実情に応じてそのとおりお困りのものを極力お困りにならないようにということで対応しておりますので、実情としては御心配ないように措置してまいれるのではなかろうかというふうに考えております。

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) よろしいですか。

柄谷道一民社党

○柄谷道一君 ちょっと不満ですが、時間が来ましたので一応終わります。

原田立公明党

○原田立君 大分時間がたちましたけれども、ある程度重複する面があるだろうと思いますが御質問したいと思います。  建設省来ていますか、河川局……。  それでは準備も整ったようですから御質問します。  来年度からスタートする第五次治水事業五カ年計画を策定するに当たり、治山治水は国民生活の原点であり、経済五カ年計画の枠にとらわれず、抜本的な見直しをするよう、そういうふうな指示が三木首相からあったと、こう聞いておりますが、ただいまもいろいろな議論の中でこの当治水計画は八兆円の予算を見込んでいるようでありますが、経済五カ年計画との兼ね合い等から、実際に果たして予算を獲得できるのかどうか、単なるリップサービスでない確たる根拠というものがあるのかどうか、その点をお伺いしたい。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 経済五カ年計画は五兆五千億という枠でございます。それに対しまして一年治水事業五カ年計画の発足がおくれるということもありまして、今回八兆円を要求しておるわけでございます。  それで、私たちとしましては、今回の災害にかんがみまして絶対に獲得いたしたい。また、本日におきましても諸先生方から非常に力強いお言葉をいただきまして、ぜひ獲得いたしたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 また、第五次治水事業計画の作成に当たり、第四次治水計画の成果や反省点がどのように生かされているのか、第五次治水計画の特徴を具体的にお伺いしたい。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 第四次治水事業五カ年計画というのがことしでおしまいでございます。それでその進捗率は大体九二%ということでございますが、今回の災害にかんがみましても、やはり治水施設あるいは砂防施設そういう施設ができておるところは災害を免れたという言葉が非常に多うございます。したがいまして、第五次五カ年計画におきましても、できるだけそういう整備の促進を図ってまいりたいということでございます。そうしまして、中身におきましてはやはり長良川の破堤にかんがみまして、重要河川といいますか、そういうものの整備にも重点を置いてまいりたい。  それから中小河川、これにつきましても従来からも大きな被害を受けております。したがいまして、中小河川の整備にも重点を置いていくと同時に、いわゆる土石流の問題——土石流によりまして尊い人命が非常に奪われております、山津波といいますか。そういう意味におきまして土石流砂防という問題。  それから最後でございますが、水資源対策と最近の貴重な水資源の需要というのにかんがみまして、その五カ年計画におきましても水資源の供給といいますか、開発といいますか、そういうものにも重点を置いてまいりたい。  以上でございます。

原田立公明党

○原田立君 今回の台風十七号災害の教訓から、第五次計画は八兆円あるいは九兆円を見込んでいるやに聞いておりますが、近年の続発する水害に対してどの程度の効果があるのか疑問点が残るわけであります。政府の見解をお伺いしたい。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 第五次治水事業五カ年計画の整備目標でございますけれども、いわゆる大河川につきましては、戦後最大洪水を対象にしまして、いわゆる戦後最大洪水による再度災害を防ぐというシビルミニマムをつくりまして、それをおよそ十カ年で概成したいということの前提におきまして、新しい五カ年計画を考えてございます。  また、中小河川対策としましては、いわゆるその促進を鋭意図るということで、重点的にその必要な個所から積み上げてまいりたい。と同時に、都市地域におきます中小河川といいますか、そういうものにつきましても、大いに重点を置いてまいりたいと、そういうふうな観点から、この八兆円というものを組み立ててございます。

原田立公明党

○原田立君 非常に抽象的な言い方なので、余り満足する気はしませんけれども、時間があんまりありませんから、次に進めたいと思います。  次に、急傾斜地の問題でありますが、今度の風水害でもわかるように、人的被害の大半ががけの崩壊や土砂崩れによるものであります。今年度実施する災害対策は、わずか八百九十カ所程度であり、予算としても六十二億内外というふうに聞いておりますが、日本全体の危険件数から見ると、非常にわずかな数字であります。危険地の住宅対象数は、これで果たして、今年度実施するものが、いまもちょっと数字申しましたけれども、これでは余り遅々として進まないのではないかと、こう心配するんですが、その点はどうですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 先生おっしゃいますように、本当に急傾斜と言いますかがけ崩れと言いますか、非常に人命に直結するということで、建設省におきましても従来から重点を置いておると。しかしながら、いまおっしゃいましたように対象とすべき事業が多過ぎてなかなか進まないという問題がございます。  したがいまして、今後とも急傾斜の事業を極力推進するということとあわせまして、いわゆるその危険区域の指定の促進を図る、そうしまして、移転事業、そのほか砂防、地すべり、治山事業というものの調整を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

原田立公明党

○原田立君 何か話によりますと、危険地の指定をされると地価が下がるとか何とかいうようなことで、何か大変みんなが民間でいやがるとかいうような傾向があって、なかなか進まないって聞いておるんですが、その点はどうですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 場所によりましては、いわゆる地価が下がるとか、いろいろそのところの生計に関係してくると言いますか、そういう関係がありまして、必ずしも危険区域の指定につきまして地元として喜ばないという面も一面ございます。しかしながら、今度の台風を考えましても、方々でがけ崩れを起こしておるということでございますので、建設省としましては、今後ともこの危険区域の指定促進につきましては十分指導してまいりたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 行政管理庁は、建設省に対しことしの二月に急傾斜地の安全対策に関する行政監察結果に基づく勧告を出しておりますが、建設省はこの勧告をどのように受けとめているのか、また今後どう対処していくつもりであるのか、具体策をお伺いしたい。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 行政管理庁の勧告を受けまして、いわゆる四月二十八日でございますけれども、河川局長より都道府県知事に対しまして通達を出してございます。  その内容としましては、一番目としまして、急傾斜地崩壊危険個所の見直しをしましょうということでございます。第二点としまして、急傾斜地崩壊危険区域の指定を促進する、第三点としまして、崩壊危険区域の管理の強化、四点としまして警戒避難体制の整備というふうなことにつきまして通達を出しておりまして、今後とも危険区域の指定促進を図る、そうしまして管理の万全を図ってまいりたいというふうに強力に都道府県を今後とも指導してまいりたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 最近異常気象が世界的に発生しており、わが国においても全国各地は大豪雨に襲われ、きわめて激甚な被害をこうむっておるのでありますが、これまでの防災対策の基準は過去何十年の統計を基礎に決められているのか。近年の異常気象から来る災害に対し今後安全基準の見直しを行い、防災施設の面でも強化する必要があると思うが、見解はいかがですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) まず、現在河川改修計画を立てる場合に、過去の資料の統計を使っておるわけでございます。それは河川といいますか、場所場所によりまして雨量観測所といいますか、雨量資料の五十年の統計もありますし、二十年の場合しかないということでございます。それで、現在大河川につきましては、五十年から二百年に一回の洪水を対象に計画を立てておると、それから中小河川におきましては、二十年ないし五十年、あるいは十年ないし五十年というふうに、その川の立地条件あるいは実態に応じまして計画を立てておる次第でございます。  それで、ただいま先生から見直しの問題ございましたけれども、まず治水事業というもののやっていき方としまして、全体の安全度を一様に上げていくということで、とりあえずは現在の計画をもとに進めてまいりたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 一昨年の多摩川、それから昨年の石狩川に続き、今回の長良川の決壊と、例年のように国の直轄である一級河川が決壊しておるのでありますが、五十二年度からスタートする、ただいまも申し上げたいわゆる第五次治水五カ年計画の中の整備目標を見ると、大河川は少なくとも戦後最大洪水を対象にして、再度災害を防止すると、こうあるわけでありますが、河川改修目標がそのように示されているわけでありますが、いわゆるここでいう災害洪水とは、特定の洪水災害を指しているのかどうか、その点がまずお伺いしたい一点であります。  また、今度の長良川の決壊を初め、石狩川、多摩川の決壊は、単に戦後最大洪水を対象にして再度災害を防止するといったような漠然とした基準では解決されない多くの問題を含んでいるように思うのでありますけれども、建設省はどうですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) まず第一点でございますけれども、各河川に起きました戦後最大洪水というものを主体に考えて、五カ年計画の目標といたしております。  第二点……。

原田立公明党

○原田立君 第二点は、漠然とした基準では解決されない多くの問題を含んでいるのじゃないかと  いう……

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) それにつきましては、まずシビルミニマムの対象としまして、戦後最大洪水と再度災害をせめて防ぎたいというシビルミニマムの計画で立てておりまして、したがいまして、先生がおっしゃいますように、なおいろいろな問題を抱えてございます。  それで、最近いろいろ議論になっておりますけれども、いわゆる総合治水対策というものを、現在建設省では考えてございます。これは建設大臣からのお強い指示もあったわけでございますけれども、いわゆる治水事業の促進といいますか、水害の防止というものは、第一にはやはり治水施設の整備と促進、あわせましていわゆるソフトな面における流域の中におけるあり方というものを見直していこうじゃないか。たとえて申し上げますと、いわゆる雨の降った場合に、それがゆっくり川に出てくるようにしようと。水源におきましても森林を保安するとか、あるいはたんぼにおきましても、たんぼの中に団地をつくった場合にそれに身がわる池をつくるとか、あるいは各家庭におきましても、屋根に降った雨はできるだけ庭でまず遊ばして、川に持ってくると。いわゆる時差出勤と言いますか、人間が集中して乗りますとパンクしますけれども、雨も時差出勤でできるだけ持ってきたらどうかと。そういう面、あるいは土地利用の規制の問題、あるいは危険区域の指定、たとえて申し上げますと、洪水はんらん予想区域という問題、こういうふうに各面から治水対策というものを考えて、避難とか、土地利用の問題とか、そういうふうに総合的にいわゆるもっていきたいというふうに考えてございます。

原田立公明党

○原田立君 一級河川、二級河川、中小河川等と指定区分をしているが、今回決壊した岐阜県山県郡の伊自良川及び伊自良川に合流する平井川、三吉川等はいずれに指定されているのか、これが一点。特に伊自良川に合流する三吉川は四部落を縦貫し、家屋の密集地区内の川である。伊自良川、三吉川は現在に至るまで幾度か改修を計画したにもかかわらず、何ら助成制度がなく、実施の段階に至らなかったと聞いておりますが、このような河川に対する対策はどうなっておりますか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) ただいまおっしゃいました河川につきましては一級河川でございまして、非常に今回の洪水によりまして災害を受けたという現実に照らしまして、そういう実態に応じまして今後とも改修を進めてまいりたいというふうに考えます。

原田立公明党

○原田立君 指定はどうなっているの、指定は。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 一級河川でございます。

原田立公明党

○原田立君 伊自良川は一級河川でしょう。それから平井川、三吉川は。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 平井川、三吉川は、伊自良川の支川とすれば一級河川でございます。

原田立公明党

○原田立君 問題は、いろいろとこういう事故が、はんらんがある、何度もあると、ぜひ直してくれと、こういう要望が強いのに、その実施の段階に至っていないと。非常におくれているということを現地の人は言っているわけだ、早く促進してくれと。こういう要請が強いわけでありますけれども、その点はどうですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 災害の実態に応じまして十分調査して、促進してまいりたいというふうに考えます。

原田立公明党

○原田立君 また、今度の異常雨量によって伊自良村だけでなく、美山町、高富町、美濃市等、ひとしく中小河川の対策に苦慮をしているようでありますが、今年創設された激特事業の対象となるかどうか。その適用範囲、資格基準等あわせてお答え願いたい。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 激特事業に指定になるかどうか、これは十分県と打ち合わせまして前向きで対処してまいりたいと思います。  激特事業の採択基準の問題ですが、少しお待ち願いたいと思います。——激特制度の概要でごさいますけれども、堤防や護岸などの公共施設、これが被害を受けた場合には公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法というものが適用されまして、災害復旧工事、あるいは災害関連事業というものを行っておる次第でございます。しかし、激甚な一般災害が発生した場合で、公共土木施設に被害がない場合は、この先ほど申し上げました国庫負担法が適用されず、地域住民の要請にこたえまして再度災害を防ぐための抜本的な対策を進めることが現在では困難なわけでございます。したがいまして、このような激甚な一般災害に対応しまして再度災害を防ぐという、そうしまして地域住民の要望にこたえまして民生安定を図るというために、本年度から激甚災害対策特別緊急事業、いわゆる激特事業でございますけれども、発足した次第でございます。そうしまして、この事業というものは一定規模以上の激甚災害が、一般災害が発生した河川、砂防などに対しまして、一定の計画に基づいて一定期間内、たとえて申し上げますと、河川でいきますと五カ年、砂防でいきますと約三カ年という一定期間内で事業を完成させたいということでございます。簡単に申し上げますと、公共土木施設の災害はない。しかし、一般災害、非常に大きいという川につきましては、河川の改修事業において積極的と言いますか、重点的に改修していくということでございます。

原田立公明党

○原田立君 私も今回第一班の中に入りまして、岐阜県を視察してきたんでありますけれども、その陳情の内容等いろいろありますが、ここに岐阜市の陳情書を持っているわけであります。  この中で、第一番目に、「速やかに激甚災害指定を図られるとともに、激甚災害指定基準の緩和措置を図られたい。」、こういう要望があるわけでありますが、その中身において商工、農林、公共土木、いろいろとこうあるだろうと思うんでありますが、この岐阜市の要望にこたえられるような状態になっているかどうか、その点はいかがですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 激甚災害の法律と、私が先ほど説明しましたいわゆる激甚災害対策特別緊急事業というものがちょっと中身が違いまして、建設省としましては激甚災害対策特別緊急事業につきましてただいま御説明申し上げて、法律の方は国土庁でございます。

紀埜孝典国土庁長官官房審議官

○説明員(紀埜孝典君) 本日の閣議で激甚指定をやらさせてもらいましたごとく、ただいま現在持ち合わせます基準によりまして、十七号台風は本激として指定されておりますので、岐阜市の陳情の趣旨は生かされていると思います。

原田立公明党

○原田立君 また後で混乱するといけないから申し上げておくんですが、私の耳に入っているのでは公共土木関係ですね。これが何かちょっと数値が少ないらしくて、基準の指定に入らないというようなことを聞いているんですが、ぜひこれは指定の中に入れてくれと、こういう強い要請があるわけです。この点はいかがですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) この激甚指定を行いまして、現実に国の特別財政援助が岐阜市に参ります場合には、その岐阜市に行われます公共土木事業の地方負担額が、岐阜市の地方税収入の十分の一を超える場合に特別財政援助額が交付される、こういう仕組みになっておりますので、その特別地方公共団体になるかならないかの問題点を言うておられるんだろうと思います。

原田立公明党

○原田立君 指定になるかどうかという……。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) これは、だから地方負担額の数字が建設省等々の積み上げから出てくるか出てこないかにかかっているわけでございます。まだちょっと先にならないことにはわかりません。

原田立公明党

○原田立君 同じく陳情書の第六項目に、「特別交付税の災害による交付額を大幅に増額されたい。」と、こういう要請があるんでありますけれども、これに対していかがですか。

平岩金一自治大臣官房参事官

○説明員(平岩金一君) 今回の台風十七号災害に伴いまして、被害を受けられた地方公共団体に対しましては、その被害状況とか、当該団体の財政事情などを勘案いたしまして、十二月に配分を予定いたしております特別交付税において措置いたしてまいりたい、かように存じております。

原田立公明党

○原田立君 視察に行ったことはただいま申し上げたわけでありますが、平野知事が言っておりました、今回の長良川の安八町の堤防の決壊、あすこはいわゆるCランクのところで、まさかあんなところが破壊するとは思わなかったところだと、こういう話なんです。で、安八町、墨俣町の二町が大部分が水没したが、ほかの木曽川あるいは揖斐川等の教訓を生かしていろいろ考えるに、上流にダムをつくると非常に今度のような災害を防ぐことができるのじゃないか、これが第一点。それからまた、長良川については河底のしゅんせつをするしかあるまいと、こういうふうな意見でありましたが、その点はいかがですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 長良川につきましては、しゅんせつと同時に上流にダムの計画もございます。したがいまして、ダムの建設としゅんせつとあわせまして、初めて長良川の治水が全うできるというふうに考えます。

原田立公明党

○原田立君 何か河川のしゅんせつについては地元の中部建設局長ですか、何か漁民の方の関係でごたごたがあって、計画はあるけれども、まだ実施には至っていないというふうな説明をしておったけれども、その見通しはどうですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 長良川のしゅんせつをいたしますと、いわゆる海水が上の方に上がってくるということで、農業用水の塩害の問題が出てくるわけでございます。したがいまして、このしゅんせつに関連しまして長良川の河口に河口ぜきをつくるという計画がございます。その河口ぜきにつきましては、現在、水資源公団が実施中でございますけれども、漁業関係の方からの訴訟が出ておる次第でございます。それで、建設省としましては、現在、岐阜県知事に長良川の河口ぜきの建設の同意の意見を聞いておるわけでございまして、知事さんが同意するとなりますと、建設省としましてはこのしゅんせつにできるだけ早く取りかかりたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 だから、訴訟が出ているわけでしょう。これ決まらないと前へ進まないわけでしょう。見通しはどうですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 訴訟は出ておりましても、知事さんがいわゆる河口ぜきの建設に同意すれば、建設省としましてはしゅんせつをやってまいりたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 知事の同意ですね。  また、その知事が言っておったのは、堤防の強化が必要である。水はけをよくすることである。上流に非常に多くの雨が降っても上流には余り被害はないが下流は大変な話である。で、昔は遊水池として池があり、いまは団地で水びたしになってしまったと、排水をよくすることなんだが、この件で苦慮しておると、こういうふうなことを言っておりました。まあ土砂流が非常に多いので、河底のしゅんせつしかない。ここに結論づけておられたのでありますけれども、この問題についてはなお前進するようにせっかく努力願いたいと思います。  それから、穂積町に行きましたらば、松野友町長の話でありますが、中小河川の溢水で非常に困った。先ほど話のあったように六つの川が一つの町の中へ流れている。全部がはんらんして温水してしまった。堤防のかさ上げをぜひ強化してくれと。  それから、先ほども話がありましたけれども、取りつけた排水機ですね。それで、この町長の言うのには、大きい排水機には技術者を一人どうかつけてくれと、こういう要請でした。で、今度余り作動しなかったけれども、それは落雷によって故障を起こし、で、ディーゼルに切りかえようとしたけれども、冷却水が通らなくなって、結局ポンプの使用がある程度とまってしまった。そのために穂積町が非常に水浸しになって大変苦慮した。で、要請は、大きい排水機には技術者を一人是非つけてくれと、こういう要請なんですけれども、それに対してはいかがですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 今回、糸貫、天王川の排水機場というものが故障しましたのはまことに遺憾なことでございます。今後こういうことがないように十分対処してまいりたいというふうに考えます。

原田立公明党

○原田立君 技術者を一人つけてくれという要請についてはどうですか。検討しますか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 排水機場は非常に多うございますけれども、検討してみたいと思います。

原田立公明党

○原田立君 実は決壊した個所でそこにいた安八郡——安八町でしょうね、これは。消防協会顧問岩田平次郎氏というその人が言っておりました。前々から赤土を三〇%是非入れてくれと何度も頼んだけれどもやってくれない。砂の堤防だと、長良川の場合は。五日間で堤防は切れてしまったと。一級河川でありながら、たった五日間でずぶずぶになるようなこんな堤防でいいのかと言って、調査に行った国会議員のわれわれ大変しかられたんです。で、こういうような要請が果たしてあったのかどうか、またその点を十分考慮していくのかどうか、またもっとよい方法に講じるのか、その点はどうですか。決壊個所並びに長良川の堤防の改修ですね。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 長良川の決壊個所につきましては、来年の三月には完成さしたいというふうに考えてございます。と同時に、あの決壊口を含みました上下流につきましては十分堤防を補強してまいりたいというふうに考えてございます。

原田立公明党

○原田立君 これは何町だったか、ちょっと記録、メモ落としたんでありますが、城田寺という団地があるんですけれども、ここは一週間水びたしになって、一メートル五十も冠水して非常に困ったと、ここは鳥羽川、伊自良川ともに一級河川の合流点でありますが、いわゆる日本一の湛水地帯である。河川の改修工事は、建設省は上流からやっているけれども、是非下流の方から整備をしていってもらいたい。上流の方を整備しても下流の方を整備しなければこの城田寺団地一帯は湛水地帯になっていつも水で困る、是非許可してくれ、またポンプの設置等については川下の方から是非やってもらいたい、こういう要請が強くありました。その点はいかがですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 先生おっしゃいますように、また地元の方々が言われるように、下流から改修を促進してまいりたいというふうに考えます。

原田立公明党

○原田立君 有明海沿岸の干拓地は台風十七号により海水をかぶったため、稲は収穫ゼロの全滅状態であります。農家の方はことし一年無収入を強いられ途方に暮れているわけでありますが、せめて干拓地払い下げ代金の償還をぜひ一年延期してもらいたい、こういう強い要望が私のところに来ているのですが、農林省いますか。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) はい。

原田立公明党

○原田立君 お答え願いたい。

福澤達一農林省構造改善局次長

○説明員(福澤達一君) 福岡県の大和干拓地を中心とする地域の非常に大きな塩害による水稲の被害が生じた件については、私どももすでに報告を受けております。それにつきましては、これは国営土地改良事業でやったものでございまして、国営土地改良事業の負担金につきましては、その制度上、償還を繰り延べるということができないようになっておるわけでございます。しかし、非常に大きな被害を受けてお気の毒な地域でございますので、私どもは別途、農業災害の補償制度を活用したり、あるいは農家を救済するための各種の資金制度というものを十分活用いたしまして、極力その被害を受けた方々の農業経営に悪影響を与えないように努力をしてまいりたいと思います。あわせて、県とも十分協議をして農家の再建ができるような形で指導をしてまいりたいと思っておる次第でございます。

原田立公明党

○原田立君 米の予約代金の返還金の延納と利子の軽減措置を図られたいと、こういう要望であります。これは各県からいろいろ出ていると思うんですよね。日本全国的な問題だと思うんです。何も福岡県だけの問題じゃないと思うんです。お答え願いたい。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○説明員(杉山克巳君) 予約概算金の返納、これの延長という問題は、これは農家の経営上の資金手当て全体の一環として考えるべき問題かと思います。被害農家に対しましては、まず第一に共済金を支払う、これは時期的に非常に急がれておりまして、私ども年内には農家のお手元に届くように支払うということで考えております。これが第一の所得の補てんになるわけでございますが、そのほか融資上の措置といたしまして、天災融資法に基づく経営資金、それから、どうしても経営が困って農地を手放すとか、非常に困難な状態が生じたときは自作農維持資金をお貸しすることができますし、さらには、すでにいままで借りている各種の制度資金、これを返すことが困難であるというならば、その条件下の償還期限の延長というようなことをも図れるようになっておりますし、このことについてはすでに指導通達を出しているところでございます。こういった全体としての資金手当てを行っている中で、特にその概算金の法律的性格等考えますというと、この返納期限の延長はなかなかむずかしいのではないかと思います。ただ実態的には、農家のその概算金の返納は直接農家が国に返すという形ではなく、間に集荷業者——農協とか商人系がございますが、集荷業者が入っておりまして、そこが代位弁済をするという形になっております。そういう現在の仕組みも活用しまして、できるだけ農家の打撃が少なくなるようにというふうに運用してまいりたいと思っております。  それから、その金利の問題でございますが、これは現在でも天災融資法上の災害につきましては、著しい被害を受けた地域の一定の農家に対しまして、その被害の程度に応じて利子を減額あるいは免除できる制度がございます。この制度を活用して利子の減免、運用を図ってまいりたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 実は時間がないので、話を飛ばします。また後で農林省、部屋の方へ来てもらっていろいろ説明聞きたいと思うんですが、実は鹿児島県の農家にとってサトウキビは米と同様で収入源の主たる農産物であります。そのことは御承知のとおりでありますが、今回の台風によりかなりサトウキビの糖度が低下し商品価値が落ちておりますが、糖度低下による買い上げ価格の補償を図っていただきたい、また柑橘共済の加入面積基準の緩和を図っていただきたい、こういうふうな要望が来ております。これについてどうかという御答弁いただきたいのが一つと、それから農業共済制度にサトウキビを対象作物にしてほしいとの要望があるが、どうか。この二点についてお答え願いたい。

増田甚平農林大臣官房審議官

○説明員(増田甚平君) まずキビの糖度低下によります買い入れ価格の件でございますけれども、今回の災害によります被害キビにつきましては、まだ収穫までに相当の期間がございますので、今後の回復状況を見る必要はあろうかと思いますけれども、被害によりまして糖度の低下したキビにつきましても、収穫期におきまして製糖の原料となり得る物につきましては、製糖会社とそれから生産農家の間で円滑な取引ができるように県を通じまして私どもとしても指導してまいりたいというふうに考えております。しかしながら、製糖原料にならないような被害の非常に著しいキビまでも製糖工場に買い入れしろと言うことは困難であろうかと思っております。  なお、ただいまのお話もありました生産量の減少なり、あるいは砂糖キビの品質低下につきましては、糖価安定事業団が買い入れることになっておりますので、その買い入れ価格を算定する際に十分考慮して適正に織り込むように考えたいというふうに思っております。

原田立公明党

○原田立君 時間がオーバーして大変申しわけないんだけれども、気象庁長官をお呼びしているんで、一問だけお願いします。  鹿児島においては、六月の集中豪雨、七月の台風九号、今度の台風十七号と三度にわたる災害を受け、被害総額は五百七十億円にも達しております。特に今回の台風は昭和二十年の枕崎台風あるいは二十六年のルース台風に匹敵する規模であったことなどから、奄美大島あるいはトカラ列島、種子島、屋久島などの離島を中心に激甚な災害をこうむっております。これは御承知のとおりだと思っておりますが、自然災害にあっては正確な気象の観測とその予報が最も重要であり、正確で迅速な予報によって多くの人命損傷をまぬがれたケースは限りありません。離島は本土に比べ自然災害も起きやすく、またその被害は激甚であります。  そこで長官にお伺いしたいことは、国はこのような恵まれない離島にこそ優先して本格的な観測施設を設置し、予報業務を強化する必要があると、こう思うのでありますけれども、その点はいかがですか。

有住直介気象庁長官

○政府委員(有住直介君) いまお話の鹿児島県ですと、奄美諸島とか薩南諸島、そういうところには名瀬、沖永良部、種子島、屋久島などに気象官署がございまして、そのほかに五つの観測所を設けて観測しているわけであります。この観測を強化するという意味で、本年度中にはこの五つの観測所での雨量、それから気温、風向、風速、日照、それを一時間ごとに毎時鹿児島の気象台の方に自動的にデータを送るというシステムに本年度中に移行いたします。また、それから鹿児島の地方気象台と名瀬の測候所の間には専用線とそれから無線電話がございまして、非常によく連絡をとりながら、台風の来たときには随時情報を発表いたしまして、台風が遠いときは三時間ごと、近くにまいりましたときには一時間ごとに発表いたしまして、直ちにNHK、それからMBC等の報道機関に情報をお知らせしまして、その情報はテレビとラジオで一般に流されます。また、名瀬の測候所からは、情報を発表するたびに奄美支庁、NHKとか警察、それから消防署に直通電話で御連絡いたしまして、防災効果を高めるように努力しているわけでございます。それからまた、名瀬とそれから種子島にはレーダーも整備してございまして、この観測点と観測点の間の雨量の監視というものをレーダーでやっておるということで努めたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 すでに十人の委員が質問に立っておりますから、私、最後になりますが、ちょっと重複する部分は外して、そして幾つかの問題について質問したいと思います。  一つは、どこへ行きましても、激甚災の適用、それからその基準の緩和、これは災害が起こりますと、どこの自治体でも要請がされます。自治体にとっては激甚災の適用を受けるかどうかというのは、とりわけいまの非常に厳しい地方財政のもとでは重大な問題になるわけですね。ところが、この基準に合致しないと、すとんと一般災害になっちゃう。間にこのような緩衝地帯がないわけですね、オール・オア・ナッシング。だから、どうしてもそこで採択基準を余り厳格にするのではなく、一定のゆとりを持つ、実情も見る、こういうことが当然必要ではないかと思います。そういう意味で、ひとつ具体的な問題を提起をしたいんですが、先般の委員会で南伊豆の災害について議論しました。そのときは前の金丸長官も、大体梅雨前線の豪雨と、それから台風のこれも一括をしてやれば、全国激甚の可能性があるんじゃないかという、そういう方向で努力をするという答弁も出ておりました。ところが、実際には全国激甚にならなくてそして局激になる、こうなるわけですね。ところが、具体的に言いますと、南伊豆の下田ですか、四十九年の災害に比べて今度の災害の方がひどかった。四十九年の場合は全国激甚になった。だから、当然今度もなるだろうということを予想した。それから、委員会における金丸前長官や、あるいは紀埜さんの答弁なんかを聞いてもそういうことだったわけで、気象庁がどう判断するか、気象庁の意見を聞いた上で、一括すれば大体いけそうだという、そういう感触だったのです。だから、市の方は激甚災の適用があるだろうということで、公共土木についても予算化をした。ところが、全国激甚災じゃなくて局地激甚災になった、こうなったわけです。そこで、市の方で災害調査をして現在被害総額は十三億一千四百五十万円ですか、というように言っています。すでに第一次査定が終わりまして、これは道路を中心にして河川の緊急分を含めた分ですが、これは査定額が六億九千万円、査定率は九三%だったわけですね。あと第二次査定残が残っているのが五億九千三百五十二万円。これはあと河川が大体中心になっているようです。いま建設省と大蔵省の査定を受けつつあるようですけれども、これでもし査定率が九二%以上なら局激になりそうだ。というのは、標準税収が十二億百七十万円のようですから、というところにきているんですね。九二%以上の査定率ならばいけそうだと。ところが、この河川の中には小河川など経済効果の非常に少ない部分も含まれている。そうすると、いままでの経験では、建設省の査定官はまあええというけれども、大蔵省の方はあかんとこう言う。そこらで外されてしまう。仮に査定率が合ってもアウトになるわけですね。そういうぎりぎりのところへきているんですよ。十二億百七十万を超えて、九二%ですと大体十二億三千万円ぐらいになって何とかすべり込める。だから、ぎりぎりのところへきているんですね。で、前回の委員会でも各委員の方からもありましたように、二年の間に三回連続して災害を受けている連年災のところですね。だから、そういう条件も十分加味をして激甚災の適用はひとつ十分考えてもらいたいというような、当時金丸長官にもそれぞれ要望があったと思います。そういう状況なんですが、ひとつ建設省それから大蔵省も来てもらいましたんで、この辺はひとつ十分、四十九年にも災害を受け、それから地震もあり、それから災害もあり、そして三回目、連続して災害を受けているようなこういう状況で、農業災害と中小企業災害は激甚災の適用になりましたけれども、公共土木はこれは非常に大きいわけですから、この点についてひとつ御見解を聞きたいと思うんです。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 先生のおっしゃる意味はよくわかります。しかしながら、実際現地を見てみぬとわかりませんけれども、建設省としましては、いわゆるできるだけ改修しまして、災害を直しまして、地元に安心をしてもらうというのが私たちの役目でございます。  以上でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大蔵省どうですかな、大蔵省の方は。

西垣昭大蔵省主計局主計官

○説明員(西垣昭君) 個所別の査定状況は調べてまいりませんでしたが、私どもといたしましては常に公正な査定を心がけております。その結果がどうなるかということは、ちょっとこの段階では申し上げられません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 問題は、ここの下田市の災害査定の実績でいくと、大体九三%から九五%だと言っていますよ。わりあいに何と言うか、測量技術なんかも水準がよくて、大体それでいっているというんですね。問題は、その対象になる災害になった中小河川の経済効果が少ないからということで外されると、こうなったら大体あかぬと、こういうのです。問題はそこのところなんですがね、そういうことを非常に心配をしておるんですよ。  それからもう一つ、これは連年災でもあるし、そういう点も考慮して、そうして、しかもすれすれのボーダーラインのところは十分救済をしていけるという、やっぱり姿勢でやらなければ、あの下田の自治体財政の状況で大変なことになってくるというように思うんですね。この辺ひとつ、これはきわめて実務的にもやらにゃいかぬと同時に、そういう点では、政治的考慮も十分自治体財政の状況その他も考えて、政治的にもひとつ判断をしなきゃならぬ問題だというように思うんですがね、これひとつ政務次官十分配慮してもらうようにやってもらえますか。

斎藤十朗自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(斎藤十朗君) ただいま関係省庁と協議をしながら査定を進めておることだと思うわけでございますが、ただいまも申し上げましたように、公正な査定を進めて御期待に沿えるようにいたしたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 国土庁の方にこれ聞きますが、だからこの激甚災の適用が、そういうボーダーラインになって、標準税収ちょっと足らぬというたらもうアウトやと、これ余りにも不合理な気がするんですね。この辺、一つは、先ほどもちょっとありましたが、全国激甚にはかからなくて局地激甚でやる場合、局地激甚のその内容というのはひとつできるだけ考えてやる必要があるんじゃないかというように思うんですね。隣の河津町と南伊豆町、これは標準税収少ないですからもう悠々と通るわけですよ。真ん中にある下田市がアウトやと、こうなっている。三つ一緒にしてくれたらちゃんといくわけだ、十分ね。ところが局地激甚の場合はそうしてもらえない、それぞれ自治体ごとになるんですよ。また、それ隣合わせでそういう状況というのは、これは住民感情としても納得できない。で、しかもそれがずうんと離れとるならいざ知らず、十二億切るか切らぬかというようなところでばたばたしとって、しかもアウトになったら、自治体の財政の持ち出しうんとふえてくると。これではね、自治体の財政が赤字であきませんので、国から金もらえまへんので、だから復旧はできませんのやというようなこと言うてられぬわけでしょう。この辺のところ検討する必要があると思うんです、適用基準について。適用基準のこの検討をなさる意思がありますか、どうですか。

江藤隆美自由民主党国土政務次官

○政府委員(江藤隆美君) たとえば十億の災害ならば指定になるけれども、九億五千万だからならないというとき、ちょっと五千万ぐらいまけとけということになりますと、なかなか制度のたてまえからは困難であろうと思います。そういうことをやりますと、今度はついでだから四捨五入して九億のときも十億にせいと、こういうことになって実はまいりかねない問題も一つあるわけでありますが、しかし、このような異常な災害でもあり、かつまた地方財政が困窮しておるということは、お互いにこの災害復旧に携わる者はよく心得ておるはずでありますから、査定事務のその中において、私はやっぱ温情を持って十分そういうことを念頭に置きながら査定をしていくということが大事ではないかと、こういうふうに思います。  なお、隣接の市町村を一緒にして、そしてやればできるじゃないかと、こういうことも、これは私どもも実は素人で考えるわけでありますけれども、いろいろ調べてみますというと、各市町村単位ということになっておりますから、現行制度ではなかなか御期待に沿いかねる、こういうことではないかと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 だから、これは中央防災会議で決めるんですよ、次官は事務局長ですからね。だから、これは中央防災会議にそういう問額を、矛盾を提起をして、そして検討してもらえばいい。これは実情に即してね。私はだからAランク、Bランクというような形の方法もあるだろう、ゼロになるんじゃなしにね。その間に中間の段階を考えるという方法もあるだろう、あるいはくくってやってみるという方法もあるだろう。だから、それは実際にどうすればいいのかというのは、ひとつ事務当局の方に検討をしてもらって、そして次官が事務局長ですから、その辺また関係各省の方でまとめてもらって、ひとつ局地激甚——特にぼくは全国激甚は全国激甚で、特に農業の場合なんかはちょっと大分問題がありますけれども、仮にそれは厳重にするとしたら、少なくも局地激甚の方はいま言ったようにいろんなゆとりのある基準をもう一ぺん再検討してもらうということが、やっぱり必要じゃないかと思うんですね。災害が起こるたびに、この委員会で何とか激甚災の適用適用、こんなことばっかり言っておるというのも非常に私は不合理だと思うんですよ。この辺はひとつよろしく検討していただきたいと思います。  その次に、今度の災害での具体的な問題がたくさん出ております。したがって、いままで出ていない問題で少し具体的な問題を二、三提起をしておきたいと思います。  一つは、小豆島の池田町の電照菊の問題です。これは栽培面積が十一万八千百六十六坪ですか、年間収入六億四千万で、池田町の非常に大きな農業収入でもあるわけです。ところが、これが今度の災害でほとんど全滅の状態になってきております。ハウスだけでも十二億六千万円の施設がやられておる、こういう状況なんですね。  そこで、これは農林省の関係になりますが、一つは近代化資金の借り入れについて十分な配慮をしてもらいたい。特に土砂がどっと入ってますから、この土砂の搬出もしなきゃならぬし、それからそのためにブルを入れてしまいますから全部つぶれてしまうと、そうするとハウスをもう一ぺん一からやらなきゃならぬ。これは大体反当百五十万円かかるというようなことを言っています。この点についての十分なひとつ対策をやってもらいたい。  それから、災害によって新しい品種の改良をやっておったのが全部全滅をしてしまったという状況なんです。したがって、生産組合に対する品種改良に対する助成措置ですね、この辺も一つ考えてもらいたい。  苗の方はどうかといったら、これは譲り合ってやれないことはない状況のようです。しかし、ここを聞いてみますと、農業共済があるだろうといったら、これは十二月から三月ごろに雪による被害があるので、その時期には入るけれども、災害の起こったときはもう大体みんな入っておらぬ時期だというんですね。だから農業共済による救済というのは見込まれない状況のようです。こういった点について、ひとつ農林省の方で、特に小豆島での重要な地場産業でもありますから、そういう点でも親切な対策をひとつ考えてもらいたいと思いますが、どうですか。

杉山克巳農林大臣官房審議官

○説明員(杉山克巳君) 電照菊の栽培施設としましては栽培用のハウス、それから電灯照明設備、一部には加温施設、こういった物があるわけでございます。これら施設の復旧につきましては、農業近代化資金、それから農林漁業金融公庫資金の融資が受けられることになっております。それからまた、今回の災害が激甚災指定に当然なるわけでございますが、その場合はさらに一層低利の資金が利用できるということになっております。せっかくのお話でもございますし、確かに小豆島の主要な農作物でございます。できるだけ融資についても配慮するということで臨みたいと思っております。  それから共済制度のお話は、大変残念ながらまだ本格実施に至っておりませんが、四十九年度から施設園芸もまあ実験実施の段階に入っておって、いずれ本格実施に移るということになっております。なお、品種改良の成果も流されてしまったというようなお話でございますが、直接助成できるかどうかは別にいたしまして、苗の確保でありますとか、それから品種改良その他一般的な技術指導の問題につきましては、十分相談に乗るように県とも打ち合わせて指導してまいりたいというふうに考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 次に、学校の災害ですが、自宅で学用品を流失した場合には救助法の対象になって、小学生が二千三百七十円ですか、中学生が二千五百六十円の限度額で応急の救助がなされるというのですが、学校に置いてある学用品ですね、これは対象にならぬというんですね。——これは厚生省でわかりますか。文部省は来ていますか。——あと言いますからもう少し。  それから楽器類なんかですね、これが応急の救助の対象にならぬという問題があるんです。限度額が低過ぎるし、楽器などのこれも応急救助の対象にする必要があるのじゃないか。もう一つは、これが義務教育だけにかかっているわけですが、公立、私立の学校、高等学校あるいは幼稚園なんかの問題、それから保育所なんかの社会福祉施設の問題、特に保育所なんかの場合は備えつけの、子供が昼寝をするためのふとんを置いているところもあるし、親に持ってこさせているところもあります。これは全部だめなわけですね。こういった問題についての調弁費の補助ですね、こういうのは一体どう考えておられるか、この辺についてお尋ねしたいと思います。

水田努厚生省社会局施設課長

○説明員(水田努君) お答え申し上げます。  先生の御質問は厚生省関係分と文部省関係分と両方にまたがってくることでございまするので、まず厚生省関係分についてお答えをさせていただきます。  まず、国が教育を受けることを強制いたしておりますところのいわゆる義務教育の対象児童、小中学校等に通っておられる方たちが災害によって学用品を失った場合は大変就学に支障を来すわけでございます。その学用品は災害救助の対象といたしているところでございます。なお、限度額につきましては実情を調べまして今後さらに必要な配慮をしてまいりたいと思います。  なお、厚生省の関係分としまして保育所の問題が出ましたので、これもあわせてお答えをさせていただきたいと思います。  いわゆる保育所における建物の被害については補助の対象といたしていたわけでございますが、ここ数年、急速に保育所を中心といたします社会福祉施設の整備が整ってまいりまして、社会福祉施設の被害も各地で受けるようになってまいりました。従来、備品は補助の対象といたしておりませんでした。これが公立学校につきましては、備品も国庫補助の対象になっておりますので、これと差を設ける理由は私ども全くないと考えておりますので、社会福祉施設における備品も国庫補助の対象とするよう、いま財政当局と強力に協議を重ねているところでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これはひとつ厚生省がんばってもらって、補助対象にしてもらいたいということです。  それから、先ほど査定のための測量、設計費について河川局長の方から四十七年、四十九年、五十年と局長通達で処理をされていますね。五十一年についてはまだ確定的な回答がなかったわけですが、私はこれは補助対象にする年とない年とあると、やっぱりこれは不公平になると思うんですがね。だから、やっぱり制度化をすべきじゃないかと思うんです、制度化を。いまとりあえず五十一年の今回の問題についても、恐らく昨年四十九年、五十年と出ていますから、局長通達を出して補助対象にされると思いますけれども、ひとつこれは来年度へ向けて制度的にも補助対象にしてやっていくということが、どういうような基準をするかどうかは別にしても、補助対象にするということをしないと、全国的にある場合にはそれで補助対象にする、小部分ならしないとかということになると、小部分であってもそこの自治体にとっては同じことですから、しかも最近の災害は小規模災害が多くて件数がふえてきていますから、これはもうばかにならぬことに大体なってきていますね。ひとつその点を特に要請をしておきたいと思いますが、どうですか。

栂野康行建設省河川局長

○政府委員(栂野康行君) 今年度分も含めまして、関係省庁並びに財政当局と十分打ち合わせしてまいりたいと思います。前向きに進んでまいりたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 次に、治山治水計画の問題です。  これも先ほどから大分問題になっているわけですが、今度の災害を契機にして先ほどからも大分話がありましたが、前期の経済計画での防災対策が五兆五千億——これは治水だけですね。治山、沿岸を含めましても六兆九千億ということであったと。それに対して今度は建設省の方では八兆円を予定をしているということでその内容もいただきました、資料を。ところが、それを見ましても、非常に状況が、それで五年後たって非常に進むという状況ではないわけですね。試みに、この護岸計画の進捗率、一級河川について一部出してもらいましたけれども、石狩川、北上川あるいは長良川、吉野川とか含めまして幾つかのを見ますと、護岸計画の進捗率は計画に対して、七つの一級河川ですが、それで一五%という資料です。この護岸計画には高水護岸と低水護岸を含めての数字ですが、いずれにしても、こういう状況で大丈夫だと言われている一級河川が、これで三年連続決壊をするあるいは破堤をするという状況を急速に解決をし、あるいは中小河川、都市河川なんかの改修を進めるというと、なかなかこれじゃいかぬのじゃないだろうか。それで、前経計画を見ましても環境衛生で十三兆六千四百億と、道路の方は十九兆五千億の計画になっています。だから、それと比べましても余りにも治山治水の投資額というのは少ないじゃないか。予算委員会で私どもの中島議員が指摘をしていましたが、明治元年から今日までの治山治水の投資額は今日の金額に直して十二兆円だ、それから四十八年度から五十三年度までの道路の投資は十九兆円だというのですね。だから非常に道路の方はどんどん進んでいくけれども、治水計画はおくれる。道路の舗装がどんどん進みますから、今度は雨水の保水能力がなくなってどんどん川へ速く流れていく。そういう片一方は、道路の方はそうやって進むけれども、治水の方はおくれるわけですから、だから今度のような災害がますます頻発をするという状況があるんですね。この辺ひとつ建設大臣に特別に来てもらいましたのは、これは三木総理が特別に何といいますか、発想の転換をやってひとつ思い切ってやれという話があったようですが、私は八兆円、九兆円といっても、なかなかほかの道路の計画なんかと比べてみても非常におくれる。前の金丸さんが長官のときには、昔は河川、道路の順だったののがいまはもうひっくり返ってはるかに引き離されたという話をされていましたが、この辺ひとつ新大臣として治山治水対策、この時期に思い切ってひとつ強化をする、その辺についての見解を聞かしていただきたいと思います。

中馬辰猪自由民主党建設大臣

○国務大臣(中馬辰猪君) ただいまの御質問、御要求につきましては、実は私も就任以来、ほかのことを考えないといっては少し言葉が過ぎますけれども、まあ災害とそのことだけを実は朝晩考えているわけです。というのは、総理からも、君の今度の任務は治水対策の根本的見直しと住宅対策であるからよく勉強せよということで、文字どおり実は取っ組んでおるわけです。おっしゃるとおり、まあほかの、道路が伸びたからどうということは別にしても、治水が不備であることはもう事実だと思います。特に、最近は乱開発、都市開発が進みまして、木曽の山奥に降った雨が、昔はたとえば四十八時間で河口まで来たのが、もう最近は七、八時間で来るという、時差出勤がなくなったと思うんですよ。一直線に伊勢湾に向かって走ってくる。これはもうほとんど全国どこに行っても同じような傾向だろうと思うんです。ですから国土庁とももちろん相談をいたしますが、そういう時差出勤ができるようなふうに何かできぬもんだろうか。というのは、堤防だけ幾ら高くしてもだんだん治山が悪いと砂が入ってきて、せっかく最初は十メートルといったやつが、中身が上げ底になって八メートルしかない。だんだんだんだんそういう傾向が出てきておるわけですよ。ですから非常に私も頭を痛めているのは、道路を削ってやるとかというようなことじゃなくて、治山治水計画を今度つくるわけですけれども、思い切って発想の転換といいますか、そういうことをしなければいかぬ。八兆円でできるかどうかということは、またこれは別問題としても、八兆円でもあるいはむずかしいと思います。  そこで、これは人の話の受け売りでございますけれども、天野国土庁長官は、治水だけに限って特別な公債を発行したらどうかと、治水公債というものをということで、この間から衆参両院で与党、野党の方からそういう質問要求も出ておるわけです。大蔵大臣は、建設公債出したんだからその中で治水を少し見たらどうだとおっしゃるから、それじゃだめだと、別に出したらどうかということで、実は今度の予算編成いつあるのか——選挙までのわれわれの地位であるのか。一応今度は十二月九日で首になるわけです、自動的に。そういうことを考えて、果たして私どもの手でその予算編成ができるのかどうか、これは別問題としても、いまの事務当局には思い切ったひとつ発想でやってみたらどうかと。これにはしかし、いままでは治水治水と前にみんなが言ってもそう国民的には共感がなかったわけです。今度の災害で非常に、全国的に被害のない府県の人々、ない国会議員も治水については非常に大きな関心を持ってきていることは事実だと思います。特に今度は、たとえばいままで全く雨が降らなかった地区にあったわけですね。いままでだったら、たとえば中国山脈に雨が降ったといえば、広島、山口、岡山、兵庫というふうに横に雨が少し降ったものなんですよ。今度は一宮に降った雨が赤穂にも降り小豆島にも降って、今度は高松にも降ったというふうに、非常に局地的に、異常な気象で雨が集中しているわけですね。これを見ると、いままでも恐らく——いまの五カ年計画は私中身は知りません、いままでのやつはですね。大体過去の統計とか過去の経験に基づいてできておると思うんです。多分いまは、私が就任する前の恐らく建設省で策定しつつあった案も、私は見ておりませんけれども、過去の慣例といいますか、過去の経験を生かした治水計画であったかもしれません。そこで、いまからまだあと予算編成まで二カ月ぐらいあるわけですから、文字どおり精魂傾けて、これが果たして大蔵省が最終段階でどうするかは別問題として、私としては、文字どおり政治家の生命をかけて何とか新しいものをつくってみたいものだということで日夜事務当局にお願いをし、督励をしておるわけです。その点は、一建設省だけでできる問題じゃありませんから、皆さんの方の意見も十二分に聞かしてもらって、国民から、なるほどこの案でいこうじゃないかという国民的コンセンサスといいますか、そういうことをまず得て大蔵省にぶつかりたいと、こういう決意でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まあ、いずれにしても、川の堤防を高くするだけでは始まりませんし、これはおさまりません。山も直す、ちゃんとしなきゃいかぬ、ダムもつくらなきゃいかぬ、堰堤もやらなきゃいかぬ、あるいは遊水池が要るでしょうし、こういったものを総合的にひとつ計画を立てて早くやらなきゃいかぬ。それから同時に、危ない川とか、がけ崩れとかありますから、これはこれで早急にやっぱり対策を立てていかなきゃいかぬ、こう思うんです。そこで、斎藤政務次官に来てもらいましたのは……

中馬辰猪自由民主党建設大臣

○国務大臣(中馬辰猪君) ちょっと私いまぐあい悪いので、ひとつ……。  そこで、限られた予算なものですから、いまでもですね。それで、どこにどう金を使えばどれぐらい災害が防げるかという効率がなかなかむずかしいわけです。というのは、私どもは経験があるんですが、一級河川であっても、この川下のここを五十メートルちょっと高くしたらいいなあというところは確かにあります。そこで直ちに、まあ先々週でしたかしら、就任直後、河川局長に対して一級河川の健康診断をし直そうじゃないかと。すなわち健康診断というのは総点検ということでしょう。それをやるにはしかし相当また時間がかかるんです。もう役所だけじゃなかなか、査定だとかいろんなことに振り回されましてゆっくりできないわけです、実際問題。そこでまあ、コンサルタントに頼んで、あっちこっちやらにゃいかぬと。そうするとまた金が要ると。場合によったら金を私は予備費からでも要求したいと、こう実は、いま官邸も非常に治水に関心がありますから、この際ひとつ予備費でも組んでもらってコンサルタントに頼んで健康診断しようと、そうするとたとえば同じ五十億の金でも非常に有効的に使えやせんだろうかと。ところが従来、これは私どもも悪いんですけれども、各川で一定の既得権といいますか、おれのところは去年幾らだったからことしは幾らという、まあこれは当然あるでしょう。これのなかなか仕分けが実際問題として、北陸地建は幾ら、東海幾らと大体枠があるらしくて、それからこう上積みをしてくる。おまえのところ危なくないから一億削るといっても、削るのは、これ子供の小遣いと同じで一遍与えたものはなかなかむずかしいということがありますけれども、今度思い切って健康診断をやって、その結果、乏しい金だけども、少しでも来年六月の水害までに手当てをしてみたいものだと、こう実は考えておるわけです。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それで斎藤次官に聞きますが、午前中の上條委員の発言の中にもありましたが、確かに国の財政は大変困難な状況だということで、赤字公債の問題も大問題になっているわけですが、われわれとしては別の方法を考えていますけれども、しかしそれはそれとして、国の財政が困難であっても災害に対する財政の支出というのはこれはまた特別じゃないか。そうしなければ、何ぼ産業を発展をさせ、そして生活をよくしようとしたって、災害があればもうそれで終わりだし、命まで奪われる。大変な被害、損害を受ける。そうすれば、これは大蔵省、財政当局としては思い切ったことを考えなければ、いままでの、そういう意味では大蔵自身も発想の転換をやらなきゃならぬと、こう思うんですね。この辺については、きょう大臣見えてないんでちょっ言いにくいだろうと思いますが、次官、新しい決意を持って就任されておるんだから、率直なひとつ決意を聞かしてもらいたいと思うんです。

斎藤十朗自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(斎藤十朗君) もうすでに御承知のとおりでございますけれども、今回の十七号台風を中心といたしましてその被害総額が約八千億円程度と、こう言われております。その財政措置につきましては万全を期してまいりたいということで、いま鋭意数字の固めに移っておるところでございまして、本日も予備費の中から九十三億の支出をお認めをいただいたということでございます。いまあります一般予備費そして公共事業の予備費の中からこれを支出して、これに万全を期してまいりたい、こう考えておる次第でございます。  なおまた、この災害が起こってからということだけでなしに、先ほどから先生おっしゃいますように、治水治山を中心とした国土保全の事業に対しても鋭意特別の配慮をいたしてまいったつもりでございます。一般の公共事業の中では、ここ数年間特別の伸び率を示してきておりますし、また諸外国と比べてみますと、この国土保全に対する財政のつぎ込み方というのはかなり高い水準になっているということも、数字を見ていただいておわかりいただけることだと思うわけではございますが、そういう一般公共事業の中で生活関連の施設整備ということもこれは大事でございますので、そういったことと含めて今後ともやってまいりたい。これで十分であるというふうには決して思っておりませんが、今後とも一層その面に努力をいたしてまいりたいと考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 もう時間がなくなってきましたから申し上げておきますが、斎藤次官、諸外国と比べてもとおっしゃいますが、日本の国は、先ほどずっと聞きますと、建設省が言っている危険個所というのは六万カ所、それから林野庁が言うのは十二万カ所、それから農地の危険個所が二千七十件、土石流の危険個所が三万五千カ所、地すべりの危険個所が五千カ所、それから老朽ため池は一万カ所を越えておる。だから日本列島全体が災害列島だということですよね。そのことを考えてやらないと、諸外国と比較をしてもらってもこれは始まらぬということです。そしていまそのことが要求されているということです。  それからもう一つ。次は、治山治水計画をやるだけでなしに、今度は乱開発を抑えないといかぬと思うんですね。この方が一つはしり抜けになっている。これはもう時間がありませんから細かいことは申しませんが、小豆島の場合でも、小豆島ヴィラといいますか、それをつくって、そして道路をつけると、その下が全部やられておる。ですから、内海町の住民はあれがけしからぬと言って皆指さすんですね。前代議士をしておられた福家さんがつくっておるヴィラですね。あれがもう今度の災害をやったんだといって会う人が言ってます。そういう状況もあります。  それからこれは、きのう建設委員会で問題になったかと思いますが、鶴見川の状況ですね。どんどんどんどん人口がふえると、二百万から。流量がどんどんふえる、それに対して川は手当てができないと、こういう問題もあるでしょう。  それからぼくは農林省も——これもきょうは時間がありませんから言うだけ言うておきますが、農業構造改善事業をですね。山は、先ほども話があったように山形を変えて、そして木を切って桑を植える。あるいは同じように今度は託間町の名部戸川でしたかね。名部戸川の上流のはんらんもこれも桑園ですね。だから地質やその他、それ自身やるならやるで、防災の問題をちゃんと何でしておかぬのだろうかと。堰堤をつくられると堰堤の横を土砂が崩れてしまっておるという状況もあります。だからいろんな開発、あるいは農業構造改善事業、あるいは宅地開発、そういうものを同時に防災の観点からちゃんとさせる。たんぼをつぶして家をつくるなら、それを許可する場合にはそれを受けとめられるだけの河川改修をちゃんとしておく、そうでなかったらあかんというところまでいかないと、片一方一生懸命治山治水計画をやるわ、片一方はしり抜けで、どんどんダム開発をやって、そして災害の要因をどんどんつくっていくわ、この繰り返しでは、それこそ幾ら金を使ってももう始まらぬわけでしょう。この辺のところをひとつ考える必要があるだろう。したがって、たとえばいま国土庁の方で新全総の総点検をやっておられます。ところが、これも見てみますと、点検項目は八項目ありますが、すでに六項目点検作業は終了したと、あと工業基地問題、開発に関する基本制度と、こうなります。この八項目を見ましても、開発と災害との関連についての点検というのは少ないですね。だから防災を担当しておる国土庁でやっておるこの新全総の総点検、これもひとつそういう角度からの点検をやる必要があるんじゃないか。国土総合開発法の第一条あるいは二条の一項二号なんかにはその災害の問題もちゃんと明記してあるわけですね。この関連でやっぱり開発計画を点検をし、いままでやってきた開発計画、そして考えていかなきゃいかぬ。あるいはさらに国土利用計画がすでに概要を出されて、いま各府県でそれに基づく計画を準備しています。これももう時間が来ましたから細かく言いませんが、いずれにしてもこれも森林を削って、そして宅地、工場用地を拡大をするというのが中心になっていますね。これもやっぱりもう一遍防災の観点からどういうように国土を利用し開発をするのかというのをもう一遍見直してやらないと、本省でつくった案に基づいていま各県やっておるわけですから、それに右へならえになってしまうわけですね。この新全総の総合点検、それから前々回の委員会で言いましたが、都市計画法その他の開発関係の法案の防災上の観点からの見直し、あるいは国土利用計画の概要、これですね、これのもう一遍見直し、こういうのも含めてやらないとしり抜けになってしまうじゃないかというように思うわけです。この辺、時間がありませんのでこちらの意見だけ申し上げて恐縮ですが、その点をひとつお願いをしておきたいと思うんです。  それから最後に、これは時間がないんで、厚生大臣見えていませんから、いずれにしても次回の委員会には御出席になります。したがって、厚生省の方はひとつよく聞いておいてもらって、この点についての何といいますか大臣の見解を聞きたいと思うんです。  それは災害救助法を——確かに非常に役に立つ法律です。ところがこれをもっとやっぱり生かす必要があるだろう。その点で、この際災害救助法の改正についてもひとつ検討する必要があるんじゃないかという問題です。それは災害救助法の発動が非常に限られて、制限がありますね。ですから、今度でも災害対策本部を設置したのは十八県九百五市区町村あるけれども、救助法を発動したのは百四十四市区町村ですね。六分の一定らずですね、一五、六%前後だと思います。そういう状況です。これは災害救助法の第一条の初めにありますが、これは国が行う災害救助ですね。国が責任を持ってひとつ地方団体と協力してやろうということで、責任を持って実施をする主体が国なんです。その国が救助法の発動についてできるので、発動されるところとされないところとがあるという状況というのは、これは行政の公正を欠くという、そういう問題もあるのではないかという点が一つです。  それから救助の対象に、きょうも出ておりましたが、消毒とか清掃とか、それから破損した畳、家具、これなんかの除去の問題、それから乳幼児の応急保育、こういったものが除かれているわけですね。これらもひとつ含めるようにすべきではないか。それから食費の問題や避難所の設置費の問題は多くの委員から出ておりましたから、これはもうその点はなにしたいと思います。  それから、したがって災害救助法の発動を災害の程度にかかわらず都道府県知事が市区町村長の申請に基づいてできるようにするというように、もっと積極的にこの法の発動ができる、そういう状況をつくる必要があるんじゃないか。それから同時に、国が責任を持って行う救助ですから、現在は百分の五十から百分の九十になっておりますね、これを一律に百分の九十に引き上げるということを考える必要があるんじゃないかということであります。  それから災害弔慰金法はこれは小委員会を設けまして改正をする段取りになりましたが、特に援護資金の貸し付けについて所得制限とこの被害による制限、これを緩和をする、それから限度額も五百万円に引き上げて償還期限も現行十年を二十年ぐらいまで延長するというところまでひとつやる必要があるだろう。  それからもう一つは、亡くなった方に対する弔慰金も、四十九年の例でいきますと、何人でしたかね、全部亡くなった方がもらえるわけじゃなしに、四十九年でいきますと、二百七十七人の死亡者に対して弔慰金が支給されたのは二百三十一人であります。だからせっかく議員立法でつくっている弔慰金も、災害によって亡くなった方に全部出てるんじゃない。五十一年の場合、今度の場合どれだけの人数になるかわかりませんが、こういった問題はひとつ検討する必要があるんじゃないか、改正をする必要があるんじゃないかと思います。この辺のところはひとつ厚生省、大臣の方へ伝えてもらって、次回のときにはひとつ積極的な見解を示してもらいたいというように思います。  そのほかいろいろありますが、無線の方の関係を予定をしておりましたが、これは来週の地行の委員会に回します。きょうはせっかく来てもらいましたが、御苦労さまでございました。  以上で終わります。

工藤良平日本社会党

○委員長(工藤良平君) 他に御発言もないようですから、本件に対する質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時三十六分散会      —————・—————

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