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78回国会参議院1976/10/13

決算委員会 第1号

発言数
168
登壇者
17
会派数
5
開催日
1976/10/13

会議録

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る七月二十一日、山本茂一郎君、大島友治君、岡田広君及び藤川一秋君が委員を辞任され、その補欠として河本嘉久蔵君、園田清充君、温水三郎君及び望月邦夫君が、七月二十二日、和田静夫君及び小柳勇君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君及び茜ケ久保重光君がそれぞれ委員に選任されました。  また、八月九日、欠員中の委員の補欠として西村尚治君が委員に選任されました。  また、九月二十四日、今泉正二君が委員を辞任され、その補欠として土屋義彦君が、九月二十五日、土屋義彦君が委員を辞任され、その補欠として今泉正二君が、九月三十日、西村尚治君が委員を辞任され、その補欠として堀内俊夫君が、昨十二日、下村泰君が委員を辞任され、その補欠として市川房枝君がそれぞれ委員に選任されました。     —————————————

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に望月邦夫君を指名いたします。     —————————————

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行うこととし、その旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和四十八年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査に資するため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 昭和四十八年度決算外二件を議題といたします。  本日は、内閣と総理府のうち、総理府本府及び沖繩開発庁と、それに関係する沖繩振興開発金融公庫の決算について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 質疑通告のない内閣法制局長官、国防会議事務局長、人事院総裁、青少年対策本部次長、公正取引委員会事務局長、公害等調整委員会事務局長、宮内庁次長、国土庁大都市圏整備局長、岩尾沖繩振興開発金融公庫理事長は退席していただいて結構です。  井出官房長官及び田中学術会議事務局長は後刻再び出席していただくことにして、一時退席して結構でございます。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 総理府総務長官並びに関係局長に対して若干の質問をいたします。  最初に、栄典制度と申しましょうか、叙勲、褒賞の授与等に関する件についてお尋ねをいたします。  昭和三十九年から生存者叙勲が復活をされましたことは御承知のとおりでありますが、この三十九年から復活をされた生存者叙勲が、実を申しますと、旧憲法において制定をされたことがそのまま継続をされていると思いますが、私は大きな問題点を感じておるのであります。しかも、今日の勲章というものが、明治八年に制定されたものがそのまま踏襲をされているということ、この点。さらに、旧憲法におけるいわゆる天皇の爵位及びその他の栄典を授与するという、この天皇制のもとにおける実態が、やはりそのまま行われているという点を考えますと、どうにも納得がいかぬのであります。  私はかつて、内閣が何回か出しました栄典法案の審議に参画をいたしました。たしか三回ぐらいこれは提出したと思うのですが、そのたびに野党の強力な反対、並びに国民の多数の良識ある人たちの反対によってこの栄典法案なるものはついに廃案となり、日の目を見なかったのであります。  政府は、昭和二十一年の敗戦直後の閣議において、いま冒頭に指摘しましたように、いわゆる旧憲法における天皇の重大な国事行為として行われていた爵位あるいは栄典の制度を、これはもう民主主義に反するということで、実は閣議決定によってこの勲章授与を廃止したわけであります。にもかかわらず、それからいま申しますように、何回かいわゆる栄典法案なるものを提出してまいりましたが、これは国会の承認を得るに至らずして廃案となった。それ以来、たしか昭和三十八年だったと思いますが、勲章の授与が、閣議決定においてこれを提出したのだから、閣議決定によってこれを復活するという名義のもとに、実は昭和三十八年に閣議によって復活したのが、今日行われております生存者叙勲の一つの過程であります。  国が国のいろいろな事柄に対して、特に功績のあった者に対していろいろな意味で賞を与えるということは、一概にこれは否定できないと思うのであります。たとえば文化勲章のような、文化的に非常に功労のあった方に与えている。これはだれしもが一応納得をしております。そしてまた、今日では定着をして、文化勲章に対する国民の敬意はかなり高まっていると思います。しかし、いわゆる勲一等とか勲二等とか、勲章に一つの階級をつけて授与するということになりますと、やはりこれは私はいろいろと問題があると思うのであります。したがいまして、今日かなりの人が勲章の授与を辞退をしている現実がございます。良識ある人たちはこれを拒否したということであります。  そこで、総務長官にお尋ねするのでありますが、あなたは、端的に申し上げて自民党の幹部でありますから、答弁はお聞きしなくてもわかっているような気もしますけれども、しかし、やはり国民の多くの人が、この民主主義の徹底している現在、戦争前のいわゆる天皇制のもとにあった日本の状態から、敗戦という非常な重大な契機を得て民主主義の日本に生まれ変わったという時点におけるこういう事柄は一しかも一、冒頭に申しましたように、明治八年制定の勲章がそのまま生きている。さらに、旧憲法下の天皇制の状態がそのまま残っておる。こういうことは何としても納得がいかなのであります。したがいまして、この辺で私はこの勲章というもの、栄典制度という言葉はありませんけれども、まあ言えば、一つの栄典の法則でありましょうが、これに対して根本的な見直しをするときではなかろうか。またそうすべきじゃないか。だれもが、そういった国が与える栄誉に対して尊敬と敬意を表するような実態になければならぬ。  たとえばいい例が、昔は、私ども子供のときには軍人や官吏の諸君が、何か式典でもありますと、胸いっぱいに勲章をぶら下げて得々として臨んだことを覚えております。これはそれなりにその時代においては、きっと国民もそのように受け取ったのでしょう。最近は、勲章はみんなもらうけれども、その勲章を、戦前のようにどんな式典でもどんな場合でも、胸につけて出てくる人を見たことがありません。これは、この国会の中にも大分もらっている人がありますが、開会式の場合に天皇が来るというときでも、礼装はしますが勲章はつけてない。ということは、そのとき喜んでもらったかもしれぬけれども、何か勲章をいまごろつけて歩くのは面映ゆい。逆に、つけぬこと自体が栄誉という逆なものを感じているのじゃないかと、こう思うわけです。もし本当にうれしくて、本当にありがたいなら、これはもう当然いろいろな公式式場には佩用すべきだと思うのであります。それがやっぱりできないところに私は、今日の勲章の授与に対する民主主義的な受けとめ方があるのじゃないか、こう思うのであります。  したがいまして、そういうことを考えながら、冒頭に、この辺でこの勲章というものに対する、栄典というものに対する根本的な見直し、検討をする必要があるし、また、それが望ましいのではないかと思うのでありますが、ひとつ総理府総務長官の御見解を承りたいと思います。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) 茜ケ久保先生からいろいろお話を承ったわけでございますが、先生の御趣旨と申しますか、おっしゃるところを要約しますと、どうも勲章というものは古い天皇制時代の遺物であるかのような、どうもそうにもとれるような御趣旨にいま伺ったのでありまするけれども、これは御承知のように、栄典の関係は新しい憲法、この新しい憲法の第七条にもちゃんと明記してございまして、「内閣の助言と承認」によって、国民のために天皇はこの栄典という国事行為を行うということが明記してございます。このいまのやり方は、新しい時代に即した栄典の授与の方法だと私どもは理解をしておるのでございます。  それから、勲何等、何等といったような階級的なものがここにあらわれておるのもおかしい、それから、国民の大部分の者は余りありがたがっていないのではないかというお話もあったわけでございまするけれども、まあ階級的なものを取り入れるのはあるいはどうかということも一応言えるかもしれませんが、しかしどこの国も、その功労、功績の高下によりましてある程度のランクをつけておるのが大部分でございますが、全然階級のつかないものをもらったんではやはり喜ばない人も出てくるでございましょうし、そういうことで、古い伝統に従っていまもそういう制度を当用しておるわけでございますが、私は、いまの栄典制度というものは国民の間に非常に古くから親しまれておると……。  昭和二十一年でございましたか、閣議でこの制度が一応廃止が決まりました。しかしその後、いまお話しのように、三十八年に復活されましたのは、国民の間からこの栄典制度に対する期待が非常に盛り上がってきた。それを無視することができないので復活に踏み切ったということもあるようでございまするし、それから、いろんな式典その他に徳用してくる人が少ないんじゃないかということも、確かにそういうことも言えるかと思います。思いまするけれども、実際にこの春秋の生存者叙勲に当たりましては、授与された人はもう非常に喜んでおるんですね。各地で祝賀会を催したりしまして、大変に感謝されておる、喜ばれておるということも事実でございます。  ただ、いまの制度がそのままでいいかということにつきましては、私どもも全面的にいつまでもこれを固執するんだ、墨守するんだということであってはならないという面はそのまま生かしながら、もし時代に即して改正、修正するものがあればということで、そういう配慮から有識者会議と言いましたか、有識者会議というものを年に二回開きまして、十二人の各界各層の代表の方々の意見を聞いて、できるだけ取り入れられるものは取り入れながら時代に即した、また、国民の御要望に即したものにしていきたい、かように考えておる次第でございますので、ひとつ御了承賜わりたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 確かに新憲法にも、いまおっしゃったように十四条において「栄誉、勲章その他の栄典の授与」とあります。ただし、「いかなる特権も件はない。」ということもありますね。私は、勲章がすべて悪いというわけではないんです。たとえば先ほどおっしゃったように、文化勲章のように非常に国民の中に定着し、非常に尊敬を受けているというのもあるわけです。ただ、三十九年から行われております生存者叙勲の場合には、この勲章が、これは明治八年の制定です、勲章そのものは。これはあなた、旧憲法以前のやつなんだ。しかも、それを授与する一つの形は、これはもう旧憲法のもとにそのまま置かれておる。  実を申しますと、先ほど指摘しました栄典法の審議の場に、私は当時、衆議院の内閣委員会に所属しておったんでありますが、その勲章をつくる場合に、どうも従前旧憲法下においては、軍人、政治家、または高級官吏——官僚というものに重点があって、そうした人たちの、何かこう軍人は人をたくさん殺したことに対する栄誉、官吏は国民をいわゆる天皇の名において搾取をし、いじめ抜いてきた功績、政治家は悪いことをした——当時の政治家ですよ、当時の政治家が、何かこう国民のためにあんまりいいことをしなかったことに対する授与というような形があったと私は先輩に聞いております。そのような官吏とか政治家とか、いま軍人じゃありませんが、かつて軍人と言った特殊な人たちを対象にほとんど大部分が授与されたんです。  ところが、敗戦後の民主主義の日本においても、こう言えばあるいは答弁は、いやそんなことはない、いまや一般国民を対象にしているんだと、こういう答弁が帰ってくるかもわかりませんけれども、今日でもやはり春秋の叙勲の実態を見ておりますと、これはもう依然として政治家優先、そして官僚優先、さらにいわゆる資本家優先という形が非常に大きく出ているんであります。ここに私は問題があると思う。  政治家や官僚や資本家なんか、これはもう勲章をやる必要はない。それなりに、政治家は政治家として、官僚は官僚としてその時代においてかなり国から手厚い、何と申しますか、栄誉的なものを受けている。資本家もまたそうであります、私は、勲章というものがもし必要ならば、これは一般の国民、常に国の一番末端で苦労される農民、労働者あるいは商店の方々、また文化的な、学術的なそういった面における、本当に業績のすばらしい人を対象にやることが望ましいという発言をした記憶があります。そういうことにしたいという当時の政府の答弁でありましたけれども、また後からひとつお尋ねしますが、今日置かれている生存者叙勲を見ますと、やはりいま言った戦前の授与の状態がそのまま復活している感じが強いんであります。  いま長官は、勲章に対してはこれは当然やるべきであるという御答弁でありましたが、それはそれとして、しかしまた一面、改正すべき点があればとおっしゃった。私いま言ったように、こういう実態についてはやはり検討して、思い切った栄典の制度をというか、新しい民主主義日本のもとにおける栄典のあり方に対する対処が必要であろうと思うんでありますが、この点はいかがでございましょう。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) お気持ちはよくわかります。  それから、その前に一つちょっと訂正させていただきますが、二十一年に栄典のことが閣議で廃止されましたと私申し上げましたけれども、これは一時停止ということだそうですから、その点訂正させていただきます。  それから、国会議員とか高級官僚とか、そういういうものに偏らないで、広く一般国民の中から功労のあった人を重点的に栄典の対象にすべきだという御趣旨、私も同感でございます。ことしの春の実績から見ましても、実は上の方が国会議員や政治家が多いもんですから、どうもそういうふうに偏っておるんじゃないかという印象を間々受けるのでありまするけれども、この春の実績を見てみますと、勲三等以上の叙勲者四百十名、このうちで国会議員は二十一名、それから公務員で本省の局長以上で退官した者、これは十三名ということで、特に政治家や高級官僚に偏っておるということは言えないのではないかと。ただ、上の方にこういうのが固まっておるもんですから、そういう印象を受けるのでありますけれども、実績はこういうことであります。  それから、しかしそうは言っても、先生いまお述べいただきましたような御意見は本当に尊重しなきゃいかぬと私ども考えております。町でいろいろそれぞれの職場を守って、公務ではなくても社会、人々のために大変に功労のあった方々、こういう者を広く掘り起こして申請をしてもらいたいということを、実は総理府の方でも都道府県とか各省庁を指導してきておるのでありますが、まだ足らない面もあろうかと思いますから、今後はさらに一層そういった御趣旨も体しまして努力をしてまいりたいと、かように思う次第でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 いまちょっと長官が五十年春の……

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) 五十一年春……

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 叙勲についておっしゃったんでありますが、五十一年ですか、一つ賞勲局にお聞きしたいんですが、三十九年の春復活されましてから今日まで、五十一年の春までかなりの人数になっているわけでありますが、この叙勲者の大勲位というのがありますね。大勲位から、勲一等から勲七等まであるようでありますが、この階級別の授与した人数がおわかりと思うんですが、ひとつ各年次ごとにそのトータルで結構ですからお示しを願いたい。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) 大変細かいお話でございまして恐縮でございますが、昭和三十九年に生存者叙勲が開始されましてから五十一年春までのトータルを、最初にまず申し上げさしていただきたいと思います。  全体は六万八千三百七十一でございまして、うち賜杯が四百十八ございます。そこで、その残りのものが各年次にわたって一等から七等まで分かれているかっこうになります。現在手元に細かい表があるんでございますが、これを全部申し上げますと、年度と、しかも春秋と勲等の全部クロスになりますので……

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 トータールで。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) トータルでよろしゅうございますか。——それではトータルだけ申し上げてまいります。  大勲位の菊花が二名。それから勲一等桐花が四名。それから勲一等の旭日が百五名、宝冠はございません。勲一等の瑞宝章が四百七十名。次は勲二等に入りますが、勲二等の旭日が七百五十四名、宝冠が四名、それから瑞宝が千七百十一名。それから勲三等にまいります。勲三等の旭日が二千六十三名、宝冠が三十名、それから瑞宝が三千百三十四名。勲四等にまいりまして、旭日が二千五百五十名、宝冠が五十六名、瑞宝が六千五百二十三名。勲五等、旭日が八千百六十一名、宝冠が二百二十七名、それから瑞宝が一万五千九百五十三名。勲六等、旭日が六千五百六十一名、宝冠が六百五十名、瑞宝が七千九百七十二名。勲七等、旭日が五千三十四名、宝冠が三百十一名、瑞宝が五千六百七十八名。  以上でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 ちょっとここでこれは事務的なことですが、旭日というのと瑞宝というのがありますね。桐花というのがありますが、大体全部見ると旭日と瑞宝に分かれております。旭日と瑞宝に分かれているというのは、たとえばさっき言った一等から七等までありますが、さらにそれに含めて旭日、瑞宝とありますね。一等から七等までやったことに対しても、私いろいろな意見を持っているのに、さらに等級の中でこれはあるわけですが、これも何かやっぱり階級的な色彩があるんですか、瑞宝と旭日というのは。これはどういうことですか。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) ただいまの御質問は、勲章制定の経緯から申しますと、明治の当初に旭日ができ、その後で瑞宝ができたという経過を持っておりますが、現実の運用といたしましてやっておりますのは、同じ勲一等なら勲一等の中で宝冠は大体旭日と相当と、同じふうに分かれて、これは男女の別になっておりますが、瑞宝はいわば旭日が上、それから片方が下というふうな二段階みたいな考え方で運用いたしております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 結局同じ勲一等でも差があるわけだ、その差というのはどういうことで決めるのか、またおかしい。さっき言ったように、一等から七等までということもおかしいと思うけれども、さらに一等なら一等の中にまた差別なんていうのは、全くこれは天皇制下の旧憲法の精神そのものだと思うんだな、先ほども指摘したように。それでどういう説明ができるのか、これは。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) 確かに勲章の形式としては、明治に決まったいわば勲章の様式を使っておりますが、現在の勲八等といえば八段階、生存者の場合は勲七等まで七段階でございますが、それをさらに上下に分けて仮に十四段階というふうになりますが、この問題はやはり、その方のそれぞれの御勲功をきめ細かく評価をして勲章を差し上げるという形の運用をいたしておるからでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 わかったようなわからないような、わからぬことが多いのですが。  そこでもう一つ数字をお聞きしたいのですが、一番新しい本年春の叙勲で、勲三等以上の勲章を受けた人の内訳をお聞きしたい。先ほど長官幾つかおっしゃったのですが、ひとつ勲三等以上で結構ですから叙勲者の大体の、公務員、政界あるいは教育者、外交いろいろありますが、そういった内訳をお願いいたします。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) どこまで細かく申し上げるかという問題がございますが、手元の資料で申し上げますが、先ほど五十一年春の勲三等以上の方の数は、総務長官も申し上げましたように四百十名ということでございます。そのうち主立った者をざっと申し上げてまいります。  政界は、先ほど総務長官が申し上げましたように二十一名。本省局長以上の方が十三名。教育者の関係が九十四名。それから判、検事の関係の方が五十名。自治功労の方が十八名。その他公務員に準ずる者がざっと五十名ばかりそのほかにございまして、公務員及び公務員に準ずる者というのは全体の約六割ぐらいになっております。今度は残りの四割が大体民間の方でございますが、財界の関係、これは七十一名。教育、これは私学の方でございます、五十二名。その他芸術、報道、社会福祉、法曹界、医療関係者それから労働関係功労者、体育功労者、こういう関係がそのあとの方々でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 先ほど私が指摘したように、やはりこれを見ますと政治あるいは官界に属する人が圧倒的に多いわけですね。それから民間で見ますと、財界というのが七十一名ですから、これはまた民間の約半分が財界の人となっている。ここにあるものは、先ほど指摘した明治以来の戦前の勲章の観念がそのまま引き継がれている。形もそうでありますが、内容もそうだと思う。  これをやはり私は、こうでなくて、何回も申しますように、勲章というものをやることに対して、私個人としてはこれは反対でありますけれども、文化勲章なんかのようなものは非常にいいということを申し上げているのでありますが、できれば私は、勲章なんというものは一切廃止をして、ほかにこういう形でなくて、労働者に対する勲章、農民に対する勲章、あるいは御婦人ないしは商業関係者、そういったようなあらゆる分野における、たとえば文化勲章のような形の勲章を制定をして、本当に国民的なひとつ視野におけるものが望ましいと私は思っています。しかし、現在これはあるんですから、あることを一応前提とすれば、先ほど来言っているように、いわゆる官界や政界あるいは財界といったような人を重点にするんじゃなくて、いま言ったように、できれば分野ごとの勲章が望ましいけれども、それはいまないとすれば、私は勲章の上下は別として、より多くの人々を対象にすべきじゃないかと、こう思うんです。それがやはり総務長官の御答弁にもかかわらず、実態はこのようなことであります。したがいまして、これはひとつ大いに検討をされて、いま言ったようなことを踏まえてこの栄典の制度をより民主化することが望ましいと思うんであります。  これは、西村長官だけに申し上げるのは酷でありましょうけれども、私は先ほど本会議で三木さんに、あなた何もしなかったと言った。三木さんはしたとおっしゃるけれども、私は、あなたは何もしてないと言った。三木さんももう長い総理でもないようですから、少なくともひとつこういう栄典制度でも思い切って改正をして、後世に三木総理の名前を残すことぐらいを考えれば私は大変りっぱだと思うんですが、これはまあ西村長官から三木総理にお言づて願うとして、そういった方向を踏まえての栄典のあり方について検討をしていただく御用意はないものかどうか、ひとつお伺いしておきます。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) さっきも申しましたように、先生のおっしゃる御趣旨、大変結構だと思うのでございまして、目立つ政界、官界にある人の表彰もこれはやらないわけにはまいりませんけれども、人目につかないところで非常に大事な仕事をやって、社会、国家、国民のために貢献をしていただいておる人たち、この人たちの功労というものも大いに称揚しなきゃいかぬわけでございますので、さっきも申しましたとおり、関係各省にそういう人を掘り出してひとつ賞勲の上申をしてもらうように、今後とも努力をしてまいりたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 これはここで私がこういう質問をし、要請したからといってすぐに変わるとは考えません。しかし、やはりそういった方向にぜひ向かっていってもらいたいということは、これはひとつ強い要望として主張するわけです。  そこで、今度は細かいこと、事務的なことをちょっと賞勲局長にお尋ねしますが、現在そういった中央の政界とか官界とか財界といったものは別として、末端の地域で活動されている方々が勲七等なり勲六等というところにたくさんいらっしゃるわけですが、この叙勲をされる対象はどのようにしてお決めになっているのか、その手続等についてひとつお伺いしたいと思います。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) 先生、大体春秋叙勲の仕組みは大まかに御存じと思いますが、ある時期で春なら春の叙勲が終わりますと、その終わった後に、今度は秋なら秋の叙勲に向かいまして各省を通じ地方公共団体等にもお願いをいたしまして、それぞれ御功績として適当な方はないかという御推薦をお願いをするわけでございます。  なお、その際に、私どもそれぞれ、それぞれの分野でということを申し上げると同時に、あくまでその道一筋に生き抜いてきた功労者等の落ちがないようにということも特にお願いをするわけでございます。ですから、例を申し上げて恐縮でございますが、消防の方々であるとか、あるいは郵便集配業務をやっている方とか、あるいは刑務所で看守をなさっている方であるとか、あるいは勤労者で大変その道一筋にやっておられる方、看護婦であるとか、あるいは僻地の医師であるとかというようなことも特につけましてお願いをするわけでございます。  そうしますと、それぞれの省を通じまして、もちろんその省の中には自治省もありますから、地方公共団体はそこを通しまして一定の期日のときまでに賞勲局の方に上がってまいります。それから賞勲局としたしましてはその内容をそれぞれ精密に審査をいたします。この審査はおおむね各段階に分けてやっていきますが、純粋なところ、一カ月ぐらい十分慎重に審査をいたしまして、それぞれ上の方に上げていくという形をとっております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 その際、ことしの春は大体このくらい、秋はこのくらいという一つの枠をつくって各地方自治団体なりそれぞれのところに示すのか。あるいは無制限に出てきたものを、賞勲局でいわゆる一定の枠をつくってそれに当てはめるのか、その点はどうなんですか。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) 各省別には大まかな枠は設けてございます。それをあらかじめ、ざっとこんな数だということを申し上げて選んでいただくわけでございます。この理由は、一つは差し上げる勲章の製造能力等の関係等もあらかじめ考えてやらなきゃいかぬものですから、そういうことをいたしてございます。そういう点で無制限ではございません。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 その大体の枠というのはだれが決めるの。賞勲局で決めるの、あるいは内閣で決めるの。たとえば、またこの秋やりますね。五十一年秋の叙勲の対象は、その枠というものはどこで決めるんですか。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) いま年間七千件というような枠の問題は、予算のときに最終的に決めます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 これ、何か予算と関係がありますか、勲章の授章というものは。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) 勲章の数はそれぞれ製造の関係がございますので、それと関係がございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 ああ、勲章をつくる費用によって……。これは毎年毎年つくっているの。ストックがあるんじゃないの。どうなんですか。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) いや、あるいはストックがごく少ない数でございますと、それは絶対にないということじゃございませんが、原則として予算によって毎年毎年つくっているのが原則でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 いま賞勲局の人数は何人ですか、局の職員は。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) 現在の定員は六十七名でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 ほう、局というのに六十何名ですか。局というからぼくは二、三百人かと思ったら、六十何人というのは非常に少ないのですが、まあ少ないのは結構ですが、賞勲局の人数が少ないから、その少ない人数で整理するためにはやはり限界があるわけだな。したがって、それにはいまあなたが予算と言ったけれども、賞勲局の職員の半年に処理する限界が大体このくらいということでやっているんじゃないの。どうも逆じゃないの。それはどうなんですか。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) 大変恐縮な質問でございますが、やはりそれは予算で決めているわけでございまして、その例を申し上げますと、先生御存じのように、昭和三十九年から四十年ぐらいのところ、春秋叙勲が始まりました当初のころは、たしか年間の発令件数は七百件ぐらいでございます。現在は約七千件でございますから、件数は十倍になっているわけでございますけれども、賞勲局の定員は当初は七十四名でございましたが、現在は六十七名。そこで、それは決して人数から逆に決めているわけではないということでございまして、ただ、確かに私どもの職員が現在春秋の叙勲のために審査に当たる意味での努力の限界には来ていると考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 私は勲章を別に乱発しろとは言いません。しかし、私ども歩きまして、勲章に対する私の個人的な見解は別として、非常に四十年も五十年もある部署で苦労なさって、だれが見てもあの方はりっぱだ、何とか一つの栄誉を差し上げたいし、本人もできれば叙勲を受けたいという方がたくさんいらっしゃるんです、お聞きすると。なかなかそういう人はそういうことをよく口に言えないんですね。これは逆に言うと、いまの自民党の政府が、これは一番金のかからぬ方法ですから、選挙運動に使われても困るんですが、そういう傾向は多分にあるんです。それは別として、それは困るけれども、そうでなくて、本当にそういった栄誉を国として表彰してあげたいという方には何かしらやっぱり上げたいと思いますね、あるんですから。  それで、きょうお聞きすると、賞勲局の職員が六十数名というと非常に少ないですが、私は、行政管理庁は人員の整理なんかしていますけれども、こういうやはり陰の功労者に対していいことをするためには、さらに人数はふやしてもいいと思うんです。したがって、長官いませんけれども、長官がいれば長官にひとつぜひこれはと思ったんですが、ある程度の賞勲局の職員をふやしてもらって、ひとつぜひそういうちまたに埋もれているりっぱな方々を、できるだけ多く表彰をするということが現在の時点では望ましいと思うんです。あなたどうです、自分のところの職員を最低百人か百二十人にしてもらって、もっと仕事したいというお気持ちありませんか。いかがですか、はっきりおっしゃってください。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) 将来の栄典のために大変ありがたいお言葉を賜りまして、厚くお礼を申し上げますが、同時に私どもは、やはり現在の職員である者の心構えとして、現定員の範囲内で最大限の努力を払いたいというのが現在の心境でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 いろいろとまだお聞きしたいと思いますが、時間が余りありませんのでありますが、褒章制度というのがありますね。奇特行為者を表彰するために栄典として授与する褒章というのがあって、紅綬、緑綬、黄綬、紫綬、藍綬、紺綬の六つがあるようです。この中で緑綬褒章は昭和二十九年を最後にぷっつりと姿を消したようであります。この褒章は、褒章条例によりますと、「孝子順孫節婦義僕」とあるね、そういう人にして「徳行卓絶ナル者」に賜ると。昔はあったんですね。まあ大体二宮尊徳なんというのがありますが、こういうりっぱな人に上げるというようなことらしいんですが、これがほとんど現在はないです。しかし、まだ褒章は残っているんですね。  こういういわゆる封建治下における特殊な状態の者にくれるという緑綬褒章が、実際は出していないようだが、なお残っているということは、これはやはりこういったものを期待しているということじゃないかと思うんです。節婦とかいろんなことがあります。こういうことが残っているということは、そういうことを期待しているという感じにとられてもしようがないと思うんだが、これも賞勲局長に期待するのは無理かもしれぬけれども、こういったものは当然民主主義の今日においては廃止すべきものだと思うんです。これは後ほど、長官が見えましたら重ねて一点お聞きしますが、賞勲局長でありますから、局長のひとつお考えを承っておきたいと思うのです。

川村皓章総理府賞勲局長

○政府委員(川村皓章君) ただいま褒章の件の御質問でございまして、特に緑綬の関係を例に挙げられておるわけでございます。これは確かに孝子、節婦など徳行卓絶なる者ということがいわば趣旨に書いてございますが、現在は、この褒章条例そのものが明治十四年にできまして以来、当時は四種類の褒章が出ていたものが、その後の改正がございまして現在の六種類、先生御存じのとおりと思います。  そこで、特にこの緑綬褒章でございますが、戦後三名出た例がございます。それで、昭和二十八年以降は各省庁から候補者の推薦がなく、事実上は賜与されないというまま今日に至っていることも事実でございます。しかし、制度としては存続しているわけでございまして、今後も各省庁から現在の世の中に適合する意味でこういうものが出てくるならば、これはやはり私どもとして検討をし、その結果によっては賜与しなければならないということもあろうかと考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 局長、そういう孝子、節婦、たとえば二宮尊徳さんみたいな方が出てきたら、やつぱり褒章を出したいというお気持ちですか。またえらい驚いたことで、私はこれは、いま言ったようにあなたに言うのは無理かもしれぬけれども、あなた少なくとも賞勲局長ですからね、これをやっていらっしゃるんですから、実際昭和二十九年以来やってないということは、恐らく政府もこれはやっぱりまずいということに気づいたんじゃないかと思うんです。でなければ、あるはずですよ。いわゆる昔の言葉で言う孝子と言われる人、あるいは何とか大変な、貞婦と申しますか、そういう人がないことないはずですからね。それはやっぱり出てこないし、なかったことは、政府自体がもうこんなものは——こんなものと言うと失礼ですが、こういうことはもうないことが望ましいということで、褒章は残しているが実際にはしないということだと思う。これは後ほど、総務長官が参りましてからもう一回お尋ねしますが、賞勲局長もそういう復活するようなことは余りお考えにならぬ方がよくはないかと私は思っております。これは答弁せぬでもいいです。  賞勲局関係は一応これで終わりまして、次に恩給局関係について二、三お尋ねをしたいと思います。  最初に、恩給年額の改定についてお尋ねします。  恩給法第二条ノ二は、昭和四十一年に新設された条文でありますが、まず、この条文の精神について政府側の説明をお尋ねしたいと思うんであります。

菅野弘夫総理府恩給局長

○政府委員(菅野弘夫君) ただいま御質問は、恩給法の二条ノ二にございます、まあ調整等と申しておりますけれども、その精神は何かという御質問でございますが、年金というのは、やはり受給者にとりましてはそれを一つの生活の糧といたしますそういう性格のものでございますので、昔はこういうふうな条文がなかったんでございますけれども、なかった時代といえどもそういう精神に基づきまして、周囲の物価の事情でございますとか、公務員の給与でございますとか、そういうものが著しく変動したときには年金額を改定をする条ノ二が入りましたことによってその精神が明文化されたものだというふうに理解をいたしております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 次に、これは条文が新設されてから今日までの恩給年額改定の方法について、そのいきさつ及び理由を御説明を願いたいのであります。

菅野弘夫総理府恩給局長

○政府委員(菅野弘夫君) この条文が入りましてからは、これは先生方十分御存じだと思いますが、実はこの条文が入りますのも、その当時恩給問題のいろいろなことを審議をいたすということで、恩給問題審議会というのが四十一年にできました。その答申の一つとしてあらわれたのがこれでございますけれども、そのときにおきましては恩給審議会の答申の中身というものは、その年金を改定するに当たりましては、やはり物価というものが中心である、したがって、物価に一応スライドをする、スライドと申しますか、物価に著しく変動があったときには、まず物価のことを注目する、それから、公務員給与がさらにそれを上回っておりますときにはそういうことも関心を払うというようなことでございましたので、それ以後の恩給法のその部分の改正は、恩給審議会方式などと申しておりますけれども、物価とそれから公務員給与の真ん中辺で、正確に申しますと、物価を超えます六割程度のところで改定をいたしてきたわけでございます。  それがその後、物価よりも公務員給与の改善の方が上回る場合が多うございまして、そういうこともございましたけれども、公務員給与というのは、物価なり国民生活の水準なりそういうものも反映をして人事院勧告がなされ、給与法の改定となってあらわれてくるものでございますので、この二条ノ二の精神というものも、やはり公務員給与というものが一番端的にあらわれているんではないかということ等もあり、国会における内閣委員会の附帯決議も何年かつきまして、公務員給与でやったらよかろうということでございまして、昭和四十八年以来物価ということを一応考えながらも、公務員給与が物価のことも反映をしておりますので、公務員給与の改善で四十八年以降の改正をいたしております。  もう一つつけ加えますと、その公務員給与の改善と申しますのは、四十八年以来やりました方式は、公務員給与の平均の改善というものをとりまして、これが一応妥当な手法であろうということで改正を続けたわけでございますが、その後も公務員給与の最近の改正を見ますと、いわゆる上薄下厚と申しますか、公務員給与の改正は必ずしも一律ではなくて、上薄下厚的な性質を持って毎年改正をされているのが現実でございますので、平均ではなくて、公務員給与のそういう傾向をも考慮すべきではないかという御議論もたくさんありまして、実は本年の改正から、先生方御存じのとおりそういう傾向をも考慮して、従来の平均ではない、上下に差をつけましたそういう改正をしているのが今日までのいきさつでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 共済年金、厚生年金やその他の公的年金における改定の方法をひとつお示し願いたいと思います。——わかりますか、共済年金、厚生年金やその他の公的年金の改定の方法。

菅野弘夫総理府恩給局長

○政府委員(菅野弘夫君) よそのものでございますので、私が十分御説明できるかどうかちょっと自信がございませんけれども、私が知っている限りでお答えいたしますと、共済は恩給と同じような方式で、恩給追随と申しますか、そういう形式で改正をいたしております。それから、厚生年金等は物価を中心にして改正をし、そして三年なりあるいは五年という見直しのときに、給与等も含めました全体の改正をいたしているというふうに理解をいたしております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 恩給とか共済年金の年金改定は、これは国家公務員の給与スライドをしてやっていらっしゃるね。それから今度厚生年金とか国民年国は物価スライド、そうでしょう。これはどういうことでこういうふうなことになっているのか。厚生年金、国民年金は物価スライドであるのに対して、恩給、共済年金は国家公務員の給与のスライド、この間の説明をひとつしていただきたい。

菅野弘夫総理府恩給局長

○政府委員(菅野弘夫君) 公務員給与に準拠し、それも平均でなくて、公務員給与の改善傾向をもことしからは取り入れるような改正を恩給ではいたしておりますが、このことのいきさつは先ほど申しましたとおりでございます。  厚生年金の方も一応物価でやっておりますけれども、御存じのように、五年に一回なり、あるいはそれをさらに短縮して三年でやることもございますけれども、そういうときには、そういう給与の問題なりあるいは国民生活全体の水準の問題なり、そういうものもあわせて改定をいたしておりますので、そういうことをも踏まえて考えますと、同じような方式——毎年毎年ではありませんけれども、結果的には同じようなことになるのではないかというふうに思います。  恩給の場合に、公務員給与を主としてとっておりますいきさつは、先ほど来申し上げたとおりでございますけれども、恩給の場合には、やはり公務員を退職したような方々が対象でございますので、より公務員給与と性格的な関連も強いというふうにも理解をいたしております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 恩給の何といいますか、広報関係というか、いわゆる一般への周知徹底といいますか、こういった点でちょっとお伺いしたいんですが、最近、恩給関係で毎年多項目にわたる改正が行われておりますね。このうちの職権改定のものについてはいいが、本人の請求による事項についての改正が行われた場合、たとえば加算の問題などであります。これらの請求事項について、受給者からの請求及びその処理状況はどうなっているのか。いわゆる職権改定でなくて、本人の請求による事項についての改正を行った場合の受給者側の請求及び処理状況はどうなっておるか、この点について。

菅野弘夫総理府恩給局長

○政府委員(菅野弘夫君) 恩給は、最近毎年改正をしていただいているわけでございますが、その広報と申しますか、権利ある方々にお知らせをすることは大変大切なことでございますので、恩給局等でやっておりますことを簡単に御説明いたしますと、法律の改正がございますと、恩給の場合には各、皆公務員の出身者でございますので、それぞれの本属庁と申しますか、出身の省があるわけでございますので、そういう省庁の担当者を集めまして説明会等をやります。また、現在の恩給は旧軍人の恩給が非常に多くございますので、それは都道府県、厚生省を通じて恩給局の方に進達をされてまいりますので、都道府県各ブロックごとにそういう説明会をやります。そのほか政府の刊行物を利用いたしまして周知徹底を図る。あるいは市町村あるいは都道府県等の広報紙にお願いをして改正の要領なりあるいは手続なりを書いていただくということを主としていたしております。   〔委員長退席、理事大塚喬君着席〕  さらに、本年は、やはり新しい御本人等がなかなか気づかない遺族の関係のものでございますとか、そういうものもございますので、新聞とかラジオというもの、あるいはテレビというものを媒体にいたしまして、広報をいろいろな面で国民の皆様に知っていただくように周知徹底方を図っているところでございます。それによりましてこの請求改定のものが出てくるのは、私は非常に効果が上がっているんではないかというふうに思っています。それはいままでの申請の出方よりも、テレビやラジオや新聞等を通じまして広くやりました本年の請求の出方の方がかなり進んでいるからそう思うわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 これはやっぱり徹底して周知方をしていただかぬと、当然改定して恩給受給がふえたりするものが、そのまま個人のところへ届かぬというようなこともあっては大変なので、ひとつ心してその点は御処置を願いたいと思うんであります。  次に、旧従軍看護婦さんの恩給法適用についてお答え願いたいんですが、現在問題になっております旧従軍日赤看護婦に対する恩給法適用の要望は、これは長い間問題にされているところであります。私ども社会党はさきの国会において内閣委員会に、旧陸軍又は海軍の戦時衛生勤務に服した者に係る恩給法の特例に関する法律案というものを提出、現在継続審議になっているところでございます。  そこで、まず、お伺いしたいのは、軍の要請によって召集された旧従軍日赤看護婦などは約三万名、そのうち戦地勤務者は約一万名に上っていると思いますが、その実態をどう把握していらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。

菅野弘夫総理府恩給局長

○政府委員(菅野弘夫君) 戦時衛生勤務に服しました日赤の方々というのは、いま先生がお挙げになったような数というふうに言われておりますけれども、その方々の戦時に戦地において勤務をされた期間ということになりますと、そう長い期間ではございませんで、いまお話がございましたような問題点というのは、主としてはそういう戦時に勤務された後に海外に抑留されたような方々、そういう方々がかなりあるんじゃないかということでございまして、そういう方々については、たとえばそういう方々を文官とみなして適用すればどのくらいになるかという数でございますと、三百人くらいというふうに想定をされております。なお、戦時中のその勤務の方々が帰りまして公務員になった場合には、従来の法律におきましても、その戦時中の勤務は公務員期間に通算をするという措置をいたしておるところでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 恩給局では、昭和五十二年度の予算の概算要求の中に、こういったいま申し上げた旧従軍日赤看護婦等に関する問題について調査するための調査研究費を計上したということであります。この点について、金額は八百万円というように伺っているんですが、具体的な調査研究の内容はどのようにされるのか、これについての御説明をお願いします。

菅野弘夫総理府恩給局長

○政府委員(菅野弘夫君) いま言われました八百万の調査費は、これは従軍看護婦だけというふうに限定をしておるものではございませんで、従軍看護婦以外にも最近恩給公務員の範囲と申しますか、そういうものにつきまして、たとえば特殊機関にお勤めになった方とかあるいはその他の軍属の方とか、あるいは一般の文官でありましても待遇官吏の身分を持った雇用人の方とか、いろいろな方々について問題が提起されておりますので、そういう意味におきまして、広くそういう公務員の範囲の問題を研究をするための一つの材料として調査費を要求しております。これも公務員の範囲だけではございませんで、恩給問題そのほかにもいろいろ山積をいたしておりますので、たとえば遺族の問題であるとかあるいは傷病者の実態であるとか、そういうものも含めました総数が八百万ということでございます。これはまだ予算要求の段階でございますので、細かい詰めの調査のやり方などはまだ検討の段階でございますけれども、いま言いましたような趣旨でいろいろ研究をし調査をしたいというふうに思っておるところでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 それに関連して、これは今月六日の朝日新聞の夕刊の記事でありますが、「オロッコの北川さん 恩給法適用は絶望」これは厚生省は軍人とはいえぬということを言っておりますね。これは一応恩給ですから、厚生省が軍人とは言えぬと言っておりますが、この人なんかは何か樺太で、現地で軍隊に徴用されて戦争に協力をし、しまいにはソ連に抑留されて八年間も刑を受けた、そして帰国して何か恩給をもらいたいということで申請をしたら、おまえは軍人ではないし、また、日本人ではあったけれども戸籍がなかった、いろんなことで恩給は出しません、こういう決定をしたという新聞記事がございます。  これは特に、いわゆる大和民族に属しない日本人のようでありますが、こういったことはほかにもたくさんあろうかと思うんであります。小野田さんや横井さんは二十年も三十年もジャングルにおられて、帰ってきてえらい英雄になられたようでありますが、それはそれとして、いわゆる戦争の中で自分の意思ではなくて国の権力によって徴用され、あるいは引っ張り出され、そして長い間戦争に協力させられて、そしてその果てはもう何ら何もなくてほうり出される、これは私はやはり許せない事態だと思うんです。  したがって、これは恩給法という一つの法律に照らせばいろいろ問題はありましょうが、しかしそれはそれとして、たとえばいま従軍看護婦の件もそうでありますが、特にこういった特異なケースというものは、国が当然何らかの形でかつての戦争犠牲者——戦争犠牲といえばいろいろあります、内地において戦災を受けた、あるいは学生が徴用されていろいろした、例はたくさんあります。しかし、このように日本人ではあったが日本の戸籍を持たなかった、いわゆる日本の何といいますか、民族の中における少数民族でありますね、こういう人たちに対してはやはり国が何らかの形で適切な処置をすることが必要だと思うんであります。恩給法によってできなければあるいは厚生省関係で。厚生省にお尋ねしたら、厚生省では、けがをしたとか病気になったとか、そういうことでなければ援護の対象にならぬというお話、そうなりますとこんな人たちはもう全然、国によって束縛をされ強制をされた、そしてしかも長い間苦労した、軍人ならば軍人恩給があるというのに何もない。これはやはり私は、政治としてはほうってはおけぬ問題だと思うんであります。  総理府総務長官お見えになりましたから、ひとつ、これはここであなたから、直ちにどういう処置をしますというお答えは私はもちろん期待しませんけれども、こういうことに対する適切な、温かい処置というものは絶対必要だと思うんです。今後これは私はそう数がたくさんあるものじゃないと思うんです。まあ何らかの予算措置をするとしても、決して膨大なものじゃないと思うんでありますが、ひとつこういう、今後もこれはいろんな形で出てくるだろうケースに対して、国として温かい処置をするような方途で検討していただく。いま八百万円という調査費用もありますが、八百万が多いか少ないか別として、こういうことも含めて検討していただきたいと思うんでありますが、いかがでございましょうか。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) この北川さんの関係につきましてのお話、これは先生、断っておきますが、オロッコ族の方だから差別待遇しているんだということはさらさらありませんので、その点だけはひとつ御了承願いたいと思います。  ただ、この方が従軍といっていいのですか、特務機関の諜報要員としてかの地に渡られた、軍人と同じような訓練をされたと、その実態から見れば恩給の対象にしたらいいじゃないかという御趣旨だと思いまするけれども、私もこのお話を聞きましていろいろ相談もし、研究もしてみました。確かに気の毒な気はするのですけれども、ただ、先ほど御引用のありました従軍看護婦などと同じケースでございまして、どうしても恩給法の対象としている公務員、まあ古い言葉で言えば官吏及び待遇官吏者、これに該当しないわけでございまして、恩給法の精神というものは、公務員として相当期間公務に忠実に勤務した者、そういうことでもう狭く限定してございますので、この北川さん、まあ従軍看護婦もそうでありまするけれども、公務に属した者という概念に入らない、いわば古い言葉で言えば雇用員、公務員じゃなくて雇用員に属する人たちだということで、どうしてもこの対象にならないこと、私は本当に気の毒だと思います。  それじゃどうするか、仕方がないんだということで突っぱねてしまうわけにもまいりませんので、いろいろ相談もしてみたのでございまするけれども、従軍看護婦につきましてはかって、いま継続審議になっておりますか、議員立法も出ておるようでございますが、この北川さんもそれと同じ範疇に属する人だと言わなきゃなりますまい。その議員立法で、これは先生方の審議のいかんにかかっておるわけでございますけれども、何かすべきではないかということを考えるのでありますが、ただ、従軍して苦労された人だけを救済するということにしますと、それでは内地にあって戦災に遭った、いろいろと財産その他失って、裸一貫になって相当犠牲を強いられたんだという人が相当数ございまして、こういう人はこういう人でまた、救済措置を講じろといったような動きもかねてからあるようでございまするので、この方々だけに限定して物を考えるわけにいかない。何かの救済措置となると、そういう人も広く救うような方途を講じなきゃいかぬということになりますと、なかなかこれは国としても温かい手を伸ばそうとしましても非常にむずかしい問題でございますので、ひとつこれを機会に、御趣旨はよくわかりますから、しっかり勉強してみたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 最後に、先ほどあなたのお留守中、褒章制度につきましてお尋ねしたんですが、御承知の褒章の中に六つありますね、紅綬、緑綬、黄綬、紫綬、藍綬、紺綬と。この中の緑綬というやつがいわゆる「孝子順孫節婦義僕」なんていうのがありますね。そういうのがあるでしょう。これがその対象だったんですが、これを見ると昭和二十九年からほとんどストップしています。これは何といっても封建時代の観念ですね。どうも民主主義とはなじまないと思うんです。そこで、実際は今日これがほとんど効力を発してないようですけども、依然として褒章制度の中に残っている。したがって、緑綬はこの六つの中からはずすことが適当であると、こう私は思うんです。したがって、ひとつこの辺で褒章制度を見直して、この緑綬褒章を民主主義的な観点から削除するという方向で御検討をお願いし、そしてなるだけ早い機会にこれをひとつなくしてもらいたい、こういう要望でございます。  ひとつ簡潔な御答弁をいただいて、私の質問を終わります。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) もう緑綬褒章、おっしゃるように、「孝子順孫節婦義僕ノ類ニシテ徳行卓絶ナル者ニ賜フモノトス」となっておりますが、実際にこれを授与した例は少ないんだそうでございます。ただ、少ないからといってこれを廃止してしまうのはどうかと思うのでございまして、「孝子順孫節婦義僕」というのは、これはただ例示してあるにすぎませんで、主眼は「徳行卓絶ナル者」というところに置いてあるんだと私は考えるのでありますが、徳行という言葉、世の中がこうなればなるほど私はむしろ大いに推奨すべきものではないかと思うのでございます。これをいまこの機会にやめるということではちょっとどうだろうかと思いますので、まあこれにとらわれないで、むしろ運用の妙を発揮するように今後努力をしてまいりたいと思います。そういうことで御了承願いたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、きょうは特に時間も非常に短いものですから、沖繩の関係にしぼって質問をさしていただきたいと思います。  最近、沖繩の問題につきましては、先般の海洋博等も終わりましてから現在非常に幾多の問題を抱えているようであります。先般、参議院の方からの現地調査によりましても、現地の要望というものが非常に多いし、また、現地の人たちの非常に要望といいますか、悩みというものが浮き彫りされております。そういうふうな意味で、本来ならばそれらの問題を一つ一つ丁寧に取り上げて、そしてそれらの問題一つ一つを解決していかなければならない、こういうぐあいに考えております。本来ならば相当な数順番にやりたいんですけれども、きょうは時間がございませんので、最小限、五点か六点にしぼって質問をしたいと思います。  そこで、初めに沖繩の開発という問題ですが、これは大臣、沖繩開発庁長官に就任されまして、私は、沖繩で一番大きな問題というのは米軍の基地だと、こういうように考えております。大臣は就任されて間もないわけでございますが、沖繩のこの基地を何とかしなければ沖繩の開発というものは実際問題あり得ない、こう考えるわけです。それで実際問題、米軍基地の日本全国のいわゆるその分布状態から見ましても、その基地の大部分が沖繩に集中してある、こういうふうな実情にあります。そういうふうな観点から考えてみまして、初めに、大綱的に大臣としては沖繩の米軍基地に対してどのように考えていらっしゃるか、将来またどうあるべきなのか、日本の本当のあるべき姿。要するに、米軍基地を沖繩の皆さんに全面的に負担させるというのでは、これは非常にわれわれとしても申しわけない。そういうふうないろいろな角度からこれは論じなきゃならない問題だろうし、解決しなければならない問題だと思います。そういうような観点から、大臣の所信を初めにお伺いしておきたい。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) 駐留軍の基地、施設や区域が本土と比較して集中的に沖繩に置かれておる、沖繩本島の二割がそれに該当するということ、確かに沖繩県民の立場からいたしますとこれは耐えがたいことだろうと思うのでございます。沖繩開発庁といたしましては、沖繩県に本土並みの産業を発展をさせる、民心の安定を図る、これを目指して施策を推進しておるわけでありますが、そういう立場からいたしますると、沖繩における米軍の基地が膨大に存在するということは、どうも施策の遂行上やりにくい面が多いものですから、あらゆる機会に整理縮小ということを関係方面にお願いをしておるわけでございまして、整理統合、これを開発庁の立場としてはできるだけ今後も関係方面に協力方を要請してまいりたい。そして本土並みの、まだまだ沖繩は本土といろいろな面で格差がございます。その格差の是正を図り、さっき申しましたように、経済の復興と振興と民心の安定を図っていきたい、かように考えておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは大臣おっしゃるとおりなんですけれども、私は基地の整備縮小という問題、非常に大事ですし、そうなくちゃならないわけですけれども、ちびりちびり縮小していったんでは、かえってそれが将来の発展という面から考えてみると、非常に沖繩の開発という点から考えてかえって阻害するということもあるわけですね。現実に、たとえば七月の八日に外務省で第十六回の日米安保協議委員会がありまして、沖繩の基地の返還ということについていろいろな協議があった。それで、幾らかの返還ということになりました。十施設、十二ヵ所の全部ないし一部を返還すると、そういうような話し合いが現実にあったわけですけれども、それも本当に全体の基地の面積からすれば非常にわずかである。しかも、その返す面積のその半分は、これは全部条件つきであると。  こういうふうなことではとてもこれは、これからちょっと、大臣も御存じだと思いますが、具体的に事務当局に数字の面を答えていただきますが、こういうような当面の、何というか、返還の仕方じゃなくて、もっと抜本的に沖繩の県民が一番必要としているところを返してもらうと、実際問題。実際返してくるところは、本当に必要でないところから順番に返ってくる、そんなのでは困るので、やっぱり一番必要なところから返してもらう、そういうふうな強烈な要求なんというものはできないものか。そこら辺のところは、大臣として頭を悩ませて今後やってもらいたいという意味も含めまして、これからちょっと具体的に聞いてみたいと思います。  それでは、事務当局にお伺いしますが、日本における米軍基地の総面積は一体どのくらいあるのか、これをまずお伺いしたい。そのうち、沖繩はどのくらいの面積を占めていて、全体で何%になるのか。  それから、大臣が先ほど答弁になった問題の中身をもう少し詳しくお願いします。沖繩県の総面積から考えてみますと、本島では約二割、いま大臣から答弁ございました。しかし、県の総面積からすれば一一・九%ぐらいということになっていますが、その中身を正確に一遍ちょっと御答弁願いたい。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○政府委員(斎藤一郎君) ただいまお尋ねの数字は、まず、五十一年十月一日現在の沖繩県に所在する米軍基地の規模、占有率についてお答えいたしますと、米軍施設五十五施設ございます。面積にいたしますと約二億六千五百万平方メートル、これは沖繩県の面積の一一・八%になっております。そこで、いまお尋ねの本島と島に分けますと、この二億六千五百万平方メートルが沖繩本島にあっては二億五千五百万平方メートルございます。本島の約二〇・九二%に当たっております。それから島部、本島以外の諸島に所在する面積が一千万平方メートル、これは全体の面積の〇・九四%になっております。  さらに、ただいま申し上げたのは沖繩県でございますが、参考に沖繩県を除いた本土の施設の状況は、米軍施設が七十八施設、約二億三千四百万平方メートル、本土全面積に対するパーセンテージは〇・〇六%という状況になっております。  以上。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そうしますと、実際問題、これは本島の米軍施設と沖繩の米軍施設とほぼ同じくらいなわけですね。こういうふうな非常に大変な実情に現実にあるわけです。  そこで、先ほど申しました第十六回の日米安保協議委員会でこの沖繩の米軍施設、十施設十二カ所全部ないし一部の返還が合意された、こういうように報道されておりますが、これは具体的にはどういうことですか。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○政府委員(銅崎富司君) 二つに分かれておりまして、一つは「移設を要せず返還される施設・区域」。これが四つございます。一つは北部訓練場、それからキャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン、陸軍貯油施設。この陸軍貯油施設は、嘉手納町−読谷村間の大部分ということになっております。  それから二番目に、「移設措置とその実施に係る合意の成立後返還される施設・区域」。伊江島補助飛行場、これは全部でございます。それから八重岳通信所、南側の部分。キャンプ・シュワブ、辺野古川からの進入路及びその西側部分の一部。それから嘉手納弾薬庫地区、これは南西隅部分。それから読谷補助飛行場、滑走路東側部分。トリイ通信施設、既返還地に残存しております中継所地区。キャンプ瑞慶覧、国道五十八号線の東側沿い部分。陸軍貯油施設、これは那覇市−宜野湾市間の大部分及び北谷村−具志川市間の送油管区域の大部分。  以上でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 トータル面積は幾らになりますか。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○政府委員(銅崎富司君) 全部で二千三百八十九万五千平米となっております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 二千三百八十九万平米のうち、無条件で返還になる部分は幾らですか。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○政府委員(銅崎富司君) 千四百七十二万七千平米ございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これ、局長、後であれは言いますが、これは実際にまだ返還になってないですね。実際に返還になるのはいつごろですか。いまの協議委員会で合意した分ですね、実際に返還されるのはいつごろになるんですか。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○政府委員(銅崎富司君) 「移設を要せず返還される施設・区域」は現在話し合いを行っておりますから、間もなくなると思いますが、「移設措置とその実施に係る合意の成立後返還される施設・区域」ということになりますと、先ほど申し上げました中で特に伊江島の補助飛行場、陸軍貯油施設等につきましては、移設先の問題もございますし、あるいは技術的にいろいろな問題ございますので、県並びに地元との御了解を取りつける必要もございますし、米軍とも技術的な問題について調整を図る必要がございますので、これはなお相当な時間がかかろうかというふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは大臣、いま話を聞いてわかりますように、私が調査した数字といまの説明と多少の食い違いはあります。しかしながら、大体合っていますから申し上げますが、いまのその沖繩の米軍施設は、私の調査した時点では二億六千七百五十五万平米と、こう思っていました。いま説明では二億六千五百万平米ですから、多少の違いはありますけれども、大体合っています。それでそのうち、いま第十六回の日米安保協議委員会で合意した分というのが二千三百八十九万平米、これは沖繩の基地の面積からすれば十分の一にも満たない、ほんのわずかです。そしてそれがばらばらです、しかも、無条件で返ってくる。というのが、いま説明がございましたように千四百七十二万平米。ということは、今回返還される面積のまた半分です。ということは、結局あとの残りは全部条件つきなんです。いわゆる条件つきということは、これは代替設備をつくらないといけないというわけですね。ということは、いま説明がございましたように、代替設備というのは、これは新しく土地を買ったり新しくタンクをつくったり、新しくいろいろせにゃいかぬわけですね。こういうことになってくるとこれは簡単に解決しないんです、実際問題。  確かに私は、こういうふうに少しずつ返ってくるということは大事だと思います。全く返ってこないより、当然、返ってくるということについては私も反対はしません。いいことですから返っくるのはいいんですけれども、もうちょっと抜本的にここら辺の話を詰めないと、いつになっても基本的に解決しないんじゃないか。本腰を入れてこの問題については取り組む必要がある、そういうような観点から大臣どう思いますか。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) 先生のおっしゃる御趣旨も至極もっともだと思われるのであります。私どももできればそういうことで抜本的な解決を図っていきたい、そういう気持ちは持っております。持っておりますが、何しろ沖繩の基地の問題は日米安保条約上の問題でございまして、地位協定というものがあってこうなっておるんだということも、これは否定できない事実でございますので、そこのところの調和、調整をどうとっていくか、ここは非常に苦心の存するところだと思うんでございます。しかし、開発庁といたしましては、県民の立場に立ちまして、先生のおっしゃるようなこともよく念頭に置きながら今後とも関係各省と連絡をとりながら善処してまいりたい、かように思う次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 施設庁、この問題は施設庁が中心になって取り組んでいるわけですね、実際問題として。確かに私は、沖繩県民の立場から考えてみますと、沖繩の地域開発、都市計画あるいは生活環境の整備、こういうようないろんな観点から考えてみましても、基地の整理縮小ということは非常に重要な問題です。施設庁としてはそのマスタープランですね、将来沖繩の基地というのはこうあるべきだと、その基本的な考え方というのは施設庁としては持っているんですか。そこら辺のところはどうなんですか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○政府委員(斎藤一郎君) この米軍基地の整理縮小という問題は、沖繩を含め在日米軍全体の基地問題として取り上げて、先生御承知のように第十四回安保協議委員会、第十五回安保協議委員会、それから先ほど来御指摘の第十六回安保協議委員会というものでもって検討してまいっておりますが、われわれとしては、先ほど来お話しのように、米軍の基地がその地域の発展を大変阻害しておる、あるいはまた、その周辺住民に対するいろんな生活上の支障を来しておるという観点に立ちまして、米軍の全体の計画との調和点を、調整点をどうして見つけるかということが私どもの基本的な考え方でございます。そういった意味において、そのローカルな必要をとらまえながらその基地の果たしておる機能を分析し、そして米軍に要望するということを基本的な考え方として持っておりまして、米軍全体のいろんな戦略上の、あるいは作戦上の都合というものがだんだんと変わってまいりますから、そう長期の、大変長期のプランを持っておるわけではございませんが、当面、いわばこの十四回、十五回、十六回で協議されたものが大体の私どもの作業目標のようなかっこうになっておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 先ほど大臣からも答弁ございましたように、いまの米軍基地の整理縮小という問題については本格的に防衛施設庁は取り組んで、そして沖繩住民の、沖繩の皆さんのいわゆる希望が少しでもかなえられるように、また本土並みになるように、そういうふうな方向で取り組んでいただきたい、こういうふうにお願いをしておきます。  それでは次に、同じような問題ですけれども、基地の中にあるパイプラインは別にしまして、それ以外のパイプラインの問題ですね、米軍のパイプラインの問題。パイプラインを撤去してもらいたいという要望はもう沖繩県民の願望なんですね。これはちょっとやそっとじゃなくて、現実に事故が起きているわけです。これはもう毎々、国会でも何回か取り上げられた問題であります。そういうような点から考えて、この問題についてはどういうふうに取り組もうとしていらっしゃるのか。  現実の問題として、ことしの初頭の国会におきましても、三木総理大臣は、パイプラインの問題についてこういう答弁をしていらっしゃいます。特に安全措置について政府として一つの方向を出す、こういう答弁をしています。それから宮澤外務大臣は、この問題は安保条約がどうのという問題ではない、米軍としても当然いまの社会環境に対応した措置をとるべきである、こういうふうな答弁をしていらっしゃいます。こういうふうな観点から考えてみましても、この両大臣の答弁も、当時総務長官の答弁もその次にあるわけですが、現実にパイプラインの問題については何らかの措置を、方向を見出すという答弁を現実にしているわけですから、政府としては何らかの方向を考えようとしているのか、あるいは国内法で言うパイプライン事業法あるいは消防法等に基づいた措置がとられようとしているのか。ここら辺のところは一体どういうぐあいになっているのか、一遍状況をお伺いしたい。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○政府委員(斎藤一郎君) 沖繩の基地にまつわるいろんな問題の中で、いまお尋ねのパイプラインの問題は私は大変重要な問題だというふうに考えております。いまお話の中にございましたように、総理大臣、外務大臣、関係の閣僚皆さんそういう御認識のもとにおありのようでございますが、私自身も沖繩にいまの仕事を命ぜられてから参りまして、これは大変な状況にあるという認識のもとで仕事に当たっております。  ところで、このパイプラインについては大体現在、御承知だと思いますが、那覇港の港湾施設から那覇市、浦添、宜野湾市を通って読谷の補助飛行場の方へ達する線が一つと、それから太平洋側の天願桟橋と称しておるところから具志川、沖繩市を通って嘉手納飛行場に達しておる線と二つございます。いずれもこの幹線が人口の稠密なところを通っておるわけですが、この延長は約五十七・六キロございまして、約二十センチメートルの送油管が大体三本敷設されておるという状況でございます。そして、それが人口稠密のところではちょうどもう町中の道の下を通っておる状況になっておりまして、もともとパイプラインは最初に敷設されたのですが、結果的には、いまでは町中に通っておるところがあるという状況でございます。  お尋ねの事故も、現在、私どもが過去において起きた事故を集計してみますと五件起きておりますが、いずれもガスケットが破損したり、バルブが亀裂したりして起きておるわけでございます。こういう事故が頻々と発生して、ことに人口の非常に多いところで、過去においてさほど大事に至らなかったんですが、まかり間違って大変なことになると、これは予測しがたい大災害になるということを私どもも心配して、努めて従前も安全策を講じてまいったところですが、基本的にはやはりこれを何とかして移設するなり、安全な状況にしなきゃならぬ。  そこで、総理大臣や外務大臣がお答えになった以降、先ほどもお話がございました昭和五十一年の七月八日開催されました第十六回日米安保協議委員会でこのパイプラインの移設の問題を取り上げてもらいまして、大体において那覇市−宜野湾市の間の大部分を撤去する。それから北谷村—具志川市の間にある送油管の大部分、これは移設を基地の中にやるといったような措置を講じて、そういう措置がとれた時点においてこれを撤去する。それから嘉手納町−読谷村の間の大部分、これについては移設をしなくとも、全体の返還状況ができ上がったときに返そうということで合意されております。そういった合意を目標にしまして、私ども、いずれにしても金がかかることでございますし、あるいはまた、細部にわたっての日米間の調整が必要なことでございますので、そういった意味で関係機関及び米側と調整をして、これから鋭意実施にかかりたいという状況でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 この問題にいろんな問題点があります。一つずつお伺いしていきますが、まず一つは、現実に人口密集地を通っている五十七キロというようなパイプラインですね、現在の国内法で言えばこれは国内法にやっぱり触れるわけでしょう。これどうなんです。国内法で、これがもし一般民間のものであるとすれば、現実にこういうような事故が起き、そういうふうにたとえばチェックした場合、これは移設をしなきゃならないわけでしょう。たとえば現在、パイプライン事業法とか消防法とかいっぱいいろいろありますけれども、そういうふうな国内法からすれば、これはチェックの対象になるんでしょう。これはどうなんです。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○政府委員(銅崎富司君) このパイプラインの埋設の状況その他につきまして、米側に資料を提出を求めたわけでございますが、何しろ古いときに敷設されておりますので、その資料がないということで、提出がなかったものですから、私どもの方でことしの二月から三月にかけましていろいろと調べておるわけでございます。中に一部浅いところがございまして、現在の基準で言いますと、やはり深く埋めかえる必要があるのではないかというところもあるように報告を受けておりますが、現在そのいろいろな点につきましては、ただいま施設庁長官から話しましたように、全体計画の中でどういうふうにしていこうかということで検討いたしているところでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 この問題は総務長官、これは実際問題、沖繩の県民にとっては重要な問題です。これは床下から油が噴き出してもし大きな事故になったりすると、本当に大事故になりますよ。そういうような意味ではまず一つは、いま資料の提出がないということで、古いことだからわかんないなんという話ですけれども、そんなことで過ごす問題ではないと私は思うんです。もうちょっと強硬に米軍にも申し入れをして、それで資料をちゃんと完備して、そしてこの問題に対して取り組む。設置されてから現実の問題として二十年以上過ぎまして、相当老朽化しているわけです。現実に米軍も何回かチェックした、チェックしたと言ってますけど、チェックしたと言ったりしたから現実に油が噴き出した事故が起きているわけです。やっぱり米軍の言っていることを一〇〇%信用できない問題が現実に起きているわけですから、こういう点、ちゃんと政府自身が閣議やそういうところで取り組むようにしてもらいたい、それがまず第一点。  それからもう一点は、先ほど施設庁長官が答弁になった代替施設というものです。この代替施設というのが、米軍の先ほどの基地の問題でもそうですが、先ほどたとえばバルブ第二十号のところですか、十キロほど取りはずすというんですけれども、たったその一つの問題についてさえ代替施設をもう大変な数つくらなければいかぬわけです。この代替施設、先ほど長官が説明しました。その代替施設を全部つくるには大体どのくらいのお金がかかるんですか、概略で結構です。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○政府委員(銅崎富司君) いまパイプラインの関係で代替施設の対象になっておりますのは、那覇軍港の中にございますタンクとそれから送油管でございますが、現在、那覇の基地の中にタンクの数にしまして、大きいの小さいの入れまして九基くらいあるわけでございますが、その全部を移設するかどうかということを私どもとしてはできるだけ……

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 だから、向こうの要求をそのまますると幾らぐらいかかるかと聞いている。

銅崎富司防衛施設庁施設部長

○政府委員(銅崎富司君) それで現在、正確な所要額というのを算出しておりませんので、ここでお答えできるほどの実は試算額を持っていないので、御了承いただきたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いま時分そんなことを言っているようじゃもうしょうがないじゃないですか。大体ことしの二月でしょう、二月にはこの問題が大きな問題になって、現実に長官も現場に行って、このことはまかせておけと言ったんでしょう。そういうふうに報道機関でも報道されていますし、そういう資料が私どものところに来ています。  これはその当時代替施設が、パイプラインをある程度危険な区域を多少撤去したり、あるいは何とかしょうということで出てきたこの資料から考えてみましても、代替施設をいま米軍が言っているだけでも、大体どの程度のお金がかかるのかということは、そんなものは大体わかるでしょう。そんなことはわかった上で、これはとてもやりにくい、やれないからもう少し減らしてもらいたいと。那覇軍港のタンクにしましても、要するにタンクの施設を嘉手納の方に移すとか、そういうようなのについてもこれだけ移す必要があるかどうかとか、また、八インチ管の三本通っているのを四本に増設してもらいたいとかいうふうな要望も現実にあったわけでしょう。  そうすると、そういう四本にふやす必要があるのかどうか、そういうようなことについても、やっぱり一つ一つ検討はしているでしょう。そうすると、そういうような費用は大体どのくらいかかるかということについても計算をして、頭ではじいて、あるいは実際に計算をしてみて、その上で話を進めているわけでしょう。その上で米軍とも折衝しているわけでしょう。それが大体どの程度かかるなんということがばっと出てこないようじゃしょうがないじゃないですか、実際問題。ですから私は、現地の新聞の報道でも、国会の答弁は積極姿勢だけれども、実際現地では消極姿勢だと現実に報道されているじゃないですか。そういうような意味からも、このパイプラインという問題には、もう少し本格的に取り組んでもらいたいと思うし、長官、パイプラインの問題については、そういうふうな意味からも私は、ぜひとも一日も早く解決するように取り組んでいただきたい。いかがです。   〔理事大塚喬君退席、委員長着席〕

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) 大変これは重要な問題でございまして、私ども先般、七月八日、十六回の協議委員会で大部分の返還が決まったからということで、実は喜んでおったのでありまするけれども、聞いてみまするとなかなか、まだまだこれからの措置というものに対して大きな問題を含んでおるようでありますので、防衛庁の方にもよくひとつわれわれの方からも御要請をいたしまして遺憾なきを期してまいりたい、かように考える次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは施設庁としても、パイプラインの問題についてはどういうぐあいになっているのか、現実にどういうふうに米軍と話し合いを進めているのか、そして現在、どの程度の代替施設費がかかるのか、これはきょうは結構ですけれども、この次何らかのときまでに資料として提出してください。よろしいですか。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○政府委員(斎藤一郎君) ただいまお尋ねの費用の問題については、いろんな条件を想定しますとかなりな幅がございますので、責任あるお答えをするためにはなかなかむずかしいんでございますが、いま御要望の資料、責任の持てる範囲のものをもってお答えいたしたいと思う次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 次に、第三点目に、駐留軍従業員の安全対策という問題についてお伺いをしておきたいと思います。  これは、私がこれから質問する資料が、昭和四十七年の五月、沖繩が返還された後の資料についてしか質問ができませんので、私の手元にある資料から言いますと、本来なら、返還されるまでにも相当な駐留軍の従業員の皆さんが現場でいろんな事故にあっているんじゃないか、そういうことを感じるわけです。そこで私は、きょうは手元にある資料に基づいて質問をいたしますが、昭和四十七年の五月から現在まで、沖繩の米軍基地内で日本人従業員の労働災害というものがどういうふうに起きているのか、どの程度起きているのか、そして県当局にどういうふうな報告がなされているのか、その内容について一遍ちょっと、労働省でも結構ですし、あるいは施設庁でも結構ですが、御報告願いたい。

古賀速雄防衛施設庁労務部長

○政府委員(古賀速雄君) 防衛施設庁の方からお答え申し上げます。  四十七年度から五十年度、五十一年度にかけまして先生の御質問は、駐留軍従業員の労働災害の発生状況はどうかと、こういうことでございますが、沖繩県に限定いたしまして申し上げますと、四十七年度が七十七件でございます。このうち死亡件数が一件でございます。それからあとは、一時労働不能というようなことで、たとえば休業八日以上、あるいは休業四日から七日まで、あるいは休業が三日以内と、こういうふうなことになるわけでございますが、七十七件のうち一時労働不能の件数が七十五件、休業八日以上が五十三件、休業四日から七日までが二十二件、そのほかにもう一つ一部労働不能というのが一件ございます。これは重傷のケースでございましょう。  それから、逐次申し上げますと、四十八年度が沖繩県のみが百七十件、死亡件数が一件、それから、一時労働不能の件数が百六十九件でございまして、八日以上が六十件、休業四日から七日までが三十六件、休業三日以内が七十三件。  それから、四十九年度は沖繩県のみ百八件、死亡の件数が一件、それから一時労働不能の件数が百四件でございまして、八日以上が四十五件、四日から七日までが二十五件、三日以内が三十四件、そのほかに一部労働不能というのが三件ございます。  それから、五十年度は六十三件でございます。このうち死亡件数はございません。重傷が二件でございまして、一時労働不能者の数が六十一件、休業八日以上が三十六件、四日から七日までが十九件、三日以内が六件でございます。  それから、五十一年度は統計の関係で四月から七月までになっておりますが、沖繩県のみでは二十九件でございます。それで、一時労働不能の方の件数が合計二十九件で、八日以上が十四件、四日から七日までが六件、三日以内が九件と、こういう状況でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いまの問題は、私の手元にある資料とは多少食い違いがありますけれども、それにしましてもいまの件数を見てみますと、昭和四十七年が七十七件、四十八年が百七十件、四十九年が百八件、五十年が六十三件、五十一年が四月から七月までで二十九件。その中には死亡事故、あるいは重傷事故、軽傷、こういうふうな、考えてみますと相当な件数に上がりますね。これは非常に重要な問題である、私はこういうふうに認識をいたしております。これは労働省はどういうぐあいに掌握していますか。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○政府委員(藤繩正勝君) 確かに沖繩県の——これは私どもの方は、基地だけじゃなくて沖繩県全体で比較をしておりますけれども、この死傷の頻度といいますか、度数率というものがございますが、これで見ますると、全国平均が六.七五という数値に対して沖繩県が九・五六ということでございますから、頻度は大分高いというふうに見ております。ただ、労働損失日数から見ますると、全国平均より若干沖繩県が低くなっております。しかし、いずれにしましても、労働災害という問題は大変重要かつ深刻な問題でございまして、私どもといたしましてもできるだけ監督指導に努めるべきものであるというふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 頻度が高いということは、労働省としてはどういうふうに解釈していますか。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○政府委員(藤繩正勝君) やはり、労働災害防止態勢がよくなればなるほどこの頻度は下がってくるわけでございますから、そういう意味では、全国平均から見ると、沖繩県が大分おくれているということを示す一つの指標ではないかというふうに考えます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 基地の中の労働災害についてはどう掌握していますか。

藤繩正勝労働省労働基準局長

○政府委員(藤繩正勝君) 先生御承知のように、基地の中の従業員の労働関係につきましては直接防衛施設庁が担当しておられまして、ただ、現地の県の労務管理事務所では、一々の状況を所轄の監督署に報告をされてまいっております。したがいまして、私どももその概要は承知をいたしておるわけでございますが、基地の中の労働法規の適用につきましては、地位協定あるいは基本労務契約等で一定の手続がございますけれども、基本的には日本国の法令の適用があることは申すまでもないところであります。労働基準監督機関としても、必要に応じて立入調査等を行ってきておるわけでありまして、現に昭和五十年度におきましては、延べ十二回にわたりまして立入調査を行っております。本年度も、六月までの状態でございますが、すでに四回の立入調査を行っているというような状態でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは先ほどの防衛施設庁の説明によりましても、先ほど施設庁の方から報告があった件数は私の方が調べた件数とは多少違います。それはどこが違うかと言いますと、昭和四十七年ですね、私の手元に来ている報告によりますと、全部で四十七年九十九件という報告が来ています、四十八年が百七十三件というように。四十八年が百七十三件です、ちょっと違います。しかし、先ほど施設庁が発表になった数字だけでも合計で四百四十七件かになります、件数だけでも。私は、返還後こんなに多くの事故が起きているということについては、施設庁としては特に担当しているわけですから、この労働災害という問題についてどういうふうに取り組んでいらっしゃるのか、その取り組みの姿勢を初めちょっとお伺いしておきたい。

斎藤一郎防衛施設庁長官

○政府委員(斎藤一郎君) 基地の労働問題でございますが、先生十分御案内のところでございましょうが、防衛施設庁長官が基地に働く従業員の法律上の雇い主になっております。そういった意味で、法律上の雇用主である、実際は、ただし使用者が米軍であると、まあ変な共同管理のようなことになっておるわけでございます。しかしながら、いやしくも法律上だけでも責任者であるということでありますので、これらの事故については、そういった観点から重大な関心を持っておるということが一つございます。それからもう一つは、基地内の米軍の行為について、地位協定その他に基づく事案は一応施設庁ということになっておりますので、そういった観点から言っても、二重の意味において基地に働く従業員の事故というものに重大な関心を持っておるわけでございます。  そこで、先ほど来お答え申し上げたように、多数の事故が発生しておるわけでございますので、私ども、事故が発生した場合には、直ちに県当局を含めて、労働省からお話ございました所轄労働基準監督署の立入調査を行うということに努力し、必要に応じて私どもの方からも事故原因を究明する、あるいは再発防止あるいは安全管理の徹底について、機会あるごとにその事案をとらまえ、あるいはさらに一般的に強く申し入れをしております。また、労働基準監督署の方で立入調査をなさった結果、悪いところがあって改善の勧告があったといった場合にも、その勧告に従った措置を速やかに実施するように私どもの方で米軍側に強く要請するといった、個々のケースあるいは一般的な姿勢において、米軍に対して基地内の労働安全が強く徹底して行われるように望むという態度でおります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ことしの二月に起きました米軍の牧港と言うのですか、牧港補給基地で起きた消毒作業中の事故ですね。これは非常に大きな事故だったわけですけれども、これは実情においてどういうふうな処置をしておりますか。

古賀速雄防衛施設庁労務部長

○政府委員(古賀速雄君) お答え申し上げます。  先生の御指摘のありました事故は、おっしゃるとおり昭和五十一年の二月の十二日に牧港補給地区で発生した臭化メチルの事故であるかと思いますが、これは基地の中の事故といたしましても大変特異なものでございましたので、私どもといたしましても、あらゆる手段を尽くしましてできるだけの措置を講じたところでございますが、若干、事故発生から現在に至るまでの経過をお話し申し上げたいと思います。  二月の十二日に、この被害を受けた従業員の方は喜納さんと申し上げる三十九歳の方でございますが、大変平生は頑強な体格をしておられるそうでございますが、発病いたしまして、直ちに沖繩県立の中部病院に入院いたしました。そして当初は昏睡状態でございました。  二月の二十七日に、その事態が大変重大だということでございますので、在日米軍司令部に対しまして、その事故発生の原因を究明するよう、それから再発の防止と安全管理の強化を文書で要請したわけでございます。  それから、喜納さんの病状が思わしくございませんので、直ちに二十九日から三月二日の間にかけまして、労働省の大変な御尽力を得まして、本土から労災関係の専門の先生を、医師団三名を現地に派遣していただきまして、原因の究明と診断に当たっていただきました。  それから四月十五日に、さらに在日米軍司令部に対しまして、本件災害の原因は臭化メチルによる中毒であるという先ほどの医師団の調査報告書が出ましたので、それを添えまして、なお重ねて一層の安全強化を要請したわけでございます。  それからなお、四月二十一日から四月二十七日の間に、この事故関係の薫蒸作業に従事しておる喜納さんと同僚と申しますか、喜納さんと同じ従業員の方二十名に対しまして健康診断を実施いたしました。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 簡単で結構です、時間ありませんから。

古賀速雄防衛施設庁労務部長

○政府委員(古賀速雄君) 特に異常が認められないということで、ほかの方々の健康状態には異常が認められないということでございました。  それから四月二十八日に、労働省の那覇の労働基準監督署から沖繩県と在沖米陸軍に対して、作業方法等の改善の勧告がございまして、さらにこれを米軍の方に、作業改善の申し入れをいたしました。  五月二十七日に在日米軍司令部から、安全衛生基準の見直しについてさらに努力するという回答がございまして、安全衛生基準の作業手順、健康診断、教育訓練、それからその表示、警告板、十分な換気、防護服及び器具、そういったことについてさらに見直しをするという米軍の回答を得ております。  それから、喜納さんのその後の状況でございますが、奇跡的に意識が戻りまして、そして現在は東京の労災病院に転院をしていただきまして、目下治療に万全を期している状況でございますが、健康状態は、食欲等は十分ございまして、意識もはっきりしておりますが、ただ、ふるえがとまらないというのが現状でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、この労働災害の問題は非常に重要な問題だと思うんです。そこでこの再発防止のために、一つは、基地内で危険な薬物を使用している職場リストを提出せいということを県の方から要望しておるというのが一つですね。これがどうなったかという問題が一つ。  それからもう一つは、職場環境の総点検を米軍に申し入れをした、これは了承されたということですが、実際にそういうふうな総点検は実施されたのかどうか、その結果はどうなのか、簡単に答弁願いたい。

古賀速雄防衛施設庁労務部長

○政府委員(古賀速雄君) 第一点の、全職場の全数調査をいたしまして、そして危険な作業についての報告ということは、私ども再三米軍の方には申し入れをしておりますけれども、なかなか米軍の方の特殊な軍事基地と申しますか、そういった特殊な事情もございまして、具体的な個所について、いまだもって米軍の方からは連絡は来ておらないわけでございますが、引き続いて私どもとしては交渉をしておるという状況でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 職場リスト。

古賀速雄防衛施設庁労務部長

○政府委員(古賀速雄君) それから、職場の今後の安全措置の件でございますが、全般的には先ほど労働省からのお話もございましたけれども、やはり安全基準等の問題は関係法令の完全な適用という問題もございますけれども、米軍の方の基地の特殊性から来る制約がございまして、なかなかこれについて明確な結論を得ていない状況でございます。問題が、労働者の健康と安全にかかわるという重要な事柄でございますので、当庁といたしましては、現在行われております在日米軍関係の労務問題の基本的な検討課題といたしまして、いまこの労働法令の完全適用等についての共同の検討を行っておるところでございます。私どもといたしましては、従業員、労働者の保護の観点から安全施策に遺漏のないように今後も努力していきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは非常に私は重要な問題だと思うんですが、とにかく米軍の施設の中で、たとえば六価クロムとか臭化メチルとか、こういう危険な薬物の使用については規制するようにした方がいいと思うんです。こういうような問題について本格的に米軍と交渉しているのかどうか。これは実際問題、私たちは交渉して了承したような話も聞いておったわけですけれども、いまの話では全くそういうような話はないみたいですし、また、こういう危険な薬物を使った職場というもののリストも出ていないみたいな話ですね。いま、出たという答弁なかったですね。ですから、それでは何しているかわからないです、また同じ事故が起きますよ。ですからそういうような意味では、私はこういうような面についての解決も必要である、そういうふうに思うわけです。  そこで、時間がなくなってきましたので、総務長官、こういうふうな事故が起きた場合には、どうしても、一つは敏速な立入調査というのが必要なんです。これは要するに、敏速な立入調査をするためには地位協定を改めるなり、あるいはそこら辺のところのことをちゃんとしないといけないわけです。そういうことになるわけですが、ここら辺の問題については、大臣は、これは防衛庁の長官がきょういらっしゃいませんし、これはそういうような観点から、この問題については、当然こういうふうな事故発生時には基地内の緊急立ち入り、こういう問題はやっぱり検討していただきたいと私思うんですが、これはどうです。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) 人命にもかかわる大事な、重要な問題でございますので、その都度緊急な立入調査などもできるように、私の方の所管とは申せませんけれども、防衛庁その他関係方面に、よくひとつそのことも沖繩開発庁の立場からも申し入れて遺憾なきを期してまいりたい、かように考える次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 大臣、ぜひともそうしてもらいたいと思うんです。現実にことしの二月、先ほど長官の方から説明がありました二月にこの事故を受けた方は いま東京の病院にいらっしゃるそうですけれども、いまだにふるえがとまらないという説明ございましたように、非常に重症なわけですね。それで、先ほど説明ございました中にも、死亡事故がまたずっと続いて起きているわけです。これは非常に私は大変なことだと思うんです。したがって、ぜひともこの問題に取り組んでいただきたいと思います。  時間ございませんので最後に四点目、本当は五、六点やりたかったんですけれども、最後にもう一点だけしぼりたいと思います。  問題は、私は官房長官に質問する通告はいたしておりませんでしたけれども、お座りになっていらっしゃいますので、一言お伺いしたいと思います。  といいますのは、官房長官、いま説明に行ってきたんだろうと思うんですが、公用地暫定使用法の延長という問題ですね、例のあの問題ですが、これは私たちは今国会で提出をされるとかされないとかいろいろ議論になっているわけですけれども、きのうの議運の理事会では、いま検討中であるという説明があって、すでにきのうの夕刊には、閣議できのう決定したという説明があって、そこら辺の解説にきょうは議運に行ってこられたんだろうと私思うんですが、これは一体どういうふうになるんですかね、実際問題として、この法案は。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) ただいま御指摘のありました点は、きょう参議院の議運の方へ伺ってまいりました。そこで、政府としては、この国会に提出いたし御審議をお願いすると、検討中の法案であることは事実でございますが、まあこれ先行きの時間の問題などもございますから、この法案自身がですね、この国会にひとつ出しまして御審議を煩わしたい、こういう気持ちでただいまおるような次第でございます。きょう、議運の方で各党の御意向等も伺いましたが、なお慎重に検討はいたすつもりでございますが、やはり出したいという気持ちには変わりはございません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 きょう私、もう持ち時間があと二分ほどしかありませんので、議論する余地がないんですけれども、これは非常に重要な問題を含んでおりまして、それで延長という問題についてもこれは再度、内容を多少変えて、テーマも変えて、法律として提出するにしましても、私は非常に重要な問題であると思っています。特に、実は私の手元に来ておるこの資料によりますと、現地の宮里副知事が、これは要するに、憲法第九十五条に基づいて住民投票というのを場合によったら政府に要求する考えであると、こういうふうに発言をいたしております。それで、これは憲法九十五条ということになりますと、たとえば一つの地方公共団体に適用される特別法というのは、大臣も御存じのとおり、法律の定めるところによりその住民の半分以上ですか、過半数の同意が必要だというふうになっています。確かにこれは完全な特例法ですから、沖繩県にだけ適用される法律ということになります。そういうことになりますと、沖繩県民の支持があるかどうかということが大きな問題になってくるわけです。そういうような観点からも、この法律については慎重に御検討いただきたいということを要望しておきたいと思います。大臣の私の要望に対するお考えをちょっとお伺いして、私の質問は終わりたいと思います。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) ただいまの御発言、よく承りました。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 御存じのように、先国会からロッキード事件の究明ということが今日の政治の最大課題であるということでございます。そういう中で田中角榮が逮捕されるということもございましたが、このたび西村さんは三木内閣の改造に伴いまして、総理府総務長官という大変重要な要職におつきになられた。が、しかし同時に、西村さんは田中派の大物でもいらっしゃるわけで、どうしてもきょうはひとつお聞きしたいと思っているわけであります。  それは何といっても、このロッキード問題の究明というのは国民が非常に大きな関心を持っております。その中身から言えば、一つは捜査当局による刑事責任の追及ということでございましょう。もう一つは、やはりこの国会における政府高官あるいは国会議員の政治的、道義的責任の究明と、こういう二面があると思うわけでございますが、この政治的、道義的責任という問題は、言いかえればこれは灰色高官の問題であると思うわけであります。その場合に、いま一番国民が大きな関心を持っておりますのは、やはり田中角榮が丸紅から受け取った五億円、この行方が一体どうなっているのかと。確かに田中角榮はその件で逮捕されたわけでありますけれども、その後この五億円がどういうふうに処分されたのか、政治資金として多くの政治家にばらまかれたのではないか、ここに今日国民の大きな関心があると思うのであります。そういう中で、やはり五億円のピーナツのかけらでも受け取った者はいわゆる灰色高官である、したがってこの政府高官は全部公表すべきであるというのが、今日の一般の国民の声だろうと思うんです。  そこで私、長官にお聞きしたいのでありますけれども、長官は田中角榮の政治団体からかなりの金を受け取っていらっしゃる。田中角榮の政治団体というのは越山会でありますが、この越山会から西村さんが受け取られた金は、昭和四十八年三月以降五十年六月に至るまで千百五十万円受け取っていらっしゃる。これはあるいは田中派の中では決して多い金でないかもしれないんですけれども、しかし、この時期から言いまして、四十八年から五十年に、まあ実質四年足らずでありますけれども、その間で千百五十万円受け取っていらっしゃる。特に四十八年の下期には二回にわたって二百万受け取っていらっしゃる、越山会から。この金の問題でありますけれども、長官が越山会からこの時期に受け取られた二百万円というのは、いつ、一体どういう目的で受け取られたのか、その辺を明らかにしていただきたい。これはやはり、大臣として他の国会議員とは同格に論ぜられないものがあるので、まず三木さんがロッキード問題の徹底追及ということを公約されている以上、やはり閣僚の一人としてみずからのこの献金について明確になさる義務があると思うんでありますけれども、その点をお答え願いたいと思います。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) 私は、田中派の決して大物ではございません。全くの小物でございまするけれども、いま田中派というものはございませんのですけれども、旧田中派の流れをくむところに属しておることは事実でございます。  そこで、ただいま先生御指摘の四十八年の三月から五十年まで千百五十万円を受け取っておるはずだ、これは私は確かに援助を受けております。おりますけれども、この金額、こんなにいただいているのか、いま聞いて、ちょっと自分でも、そんなはずないがなという気もするんです。まあこれは調べてみればわかることでありますから、それにこだわりませんが、ただ、これがロッキードにかかわる金だという、この大小のいかんは別としまして、などということは私ども毛頭考えていないのでございます。  これは実は、先生にもおわかりいただけると思いまするけれども、私ども自民党議員といたしまして、個人で、あるいはグループでいろいろ政治活動をいたしております。その政治活動をいたしますためにはやはりいろんな資金、費用というものが要るわけでございまして、年間にいたしますと相当なかなりの金額に上ることは、これは事実でございます。それを私ども小物の貧乏議員はとても自分の力ではどうにもなりませんので、法の許す範囲内で、いろんな方面から少額ずつの援助を受けておるわけでございます。その越山会等からもらったものは、そういった正規のルートで私どももらっておる政治資金の一部だというふうに考えておる次第でございまして、これは許されることではなかろうかと思うのでございまして、ただ今後、こういったロッキード問題といったようなまことに遺憾な事件が発生いたしました、これを機会に私ども特に政治資金の入手につきましては、本当に身を持するに厳でなければならない。自粛自戒をいたしまして、人の不信を買ったり疑惑を招いたりすることのないように十分戒めながらやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 いま大臣、政治資金として受け取られた、政治活動の援助を受けたと、こうおっしゃっておられるんですが、もう一回ここで言いますけれども、千百五十万円のうち越山会から受け取られたのは、昭和四十八年の十一月と同じく十二月と連続して調査費あるいは組織費として受け取っておられるわけです、二百万円はね。ところがこの時期——私なぜこういうことを言いますかというと、いわゆる田中角榮の起訴状によりますと、五億円を丸紅から受け取られたのがちょうどこの時期なんです。ですから、私あえてこれをお尋ねするわけでありますけれども、ただの政治資金ということではちょっと済まないのではないか。もうちょっとその辺のことを明らかにされないと、いわゆるロッキード問題の徹底追及というのはいわば看板だけであって、依然として、やはり三木内閣はロッキード隠しをしようとしているんだという世間の批判を免れることはできないんじゃないかと私は思うわけであります。  そういう意味から言いますと、三木さんはこの間、組閣、内閣改造をおやりになったその直後記者会見をされまして、今度の閣僚の選出のポイントは清潔である、清潔を一つのポイントにしたとおっしゃる。だとすると、西村さんもその角度から選ばれたと思うんでありますけれども、その方がこういう疑惑に対して積極的に答えるという姿勢を持たれることが、やはり何よりも世論にこたえる道ではないかと思うわけであります。その辺をもう一回、越山会との関係をもう少し積極的に御答弁願いたいと思うんですが、どうでしょうか。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) いま御指摘ですと、四十八年の十一月と十二月に二百万円ずつということですが、どうもちょっと私、あるいはそうなっておるのかもしれませんし、なっていないのかもしれませんし、記憶が定かでないのでありますけれども、いずれにしましても、これは後でわかったことですけれども、ロッキード関係で五億円本当に田中前総理が受け取られたとする。これが事実だとしまして、それのおすそ分けだなどということが判明しておりますれば、私は当然こういうものをいただく気持ちはございません。私は小物ではありまするけれども、清廉潔白を旨として今日まで来た男でございまするので、あくまで正しい正規のルートで入ったものを政治資金の援助としていただいたものと、いまでも確信をしておる次第でございますので、その点はひとつ御了承をお願いいたしたいと思います。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 この件はなおかつ今日、ロッキード調査委員会などでいろいろ追及されている問題でありますから、きょうはこのぐらいにしたいと思いますが、とにかく、表金と裏金があるというのは今日の常識でありまして、その裏金が表金の五倍であるとか十倍であるとかということを新聞に言われております。恐らくそうだろうと私も思うのでありますが、だとすればこの二百万円のことだけでなくて、そういう関係をやはり大臣が率先して皆さんが公表するというふうになりませんと、私は、このロッキード疑獄の教訓というものを本当に今後の政治に生かしていくことはできないんじゃないか、その点を特に大臣と初対面のこの時点で要望して、次に進みたいと思います。  次、官房長官にお聞きしたいのであります。これも私、時間がないんで、ごく本当に一、二点だけお伺いしたいんでありますが、新聞報道によりますと、三木さんは疑獄の再発防止策というものを検討されておられるということでございます。その作業がどの辺まで進んでいるかよくわかりませんが、この点では次の国会で法案などを提出される構えをお持ちなのかどうか、それをまずお伺いしたいと思うんです。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) このロッキード事件というまことに遺憾な、かつ不幸な事件を大きな教訓としてくみ取らなければなるまいかと思うのでございまして、それにはいま真相究明を徹底的にするということと同時に、画竜点睛といいましょうか、今後こういう事犯が再発せないようにという措置を講じなければなるまいかという点は、いま塚田委員御指摘のとおりにわれわれは考えておるのでございます。  そこで、ただいまは問題点を整理いたしますとか、あるいはどういう手順でこれに対処していくかというあたりの段階にとどまっておるのでございまして、各国のそういった事例などもございますので、そういった文献も取り寄せたりいたしまして、何とかこれを立法という方向がいいのかどうか、これはまだ確定はしておりませんが、そういう措置に出る必要もあろうかと思いまするし、あるいは、まあ何といたしましてもこれは政治や行政の倫理性というところに問題があるわけでありますから、これをどういうふうに取り扱うかというふうな問題をも含めまして、これからひとつそういう作業にかかりたいという段階でございますので、できるならばこの国会はともかくとして、次の国会においては何か具体化をしたいものだと、こういういま考え方に立っておるような次第でございます。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 ぜひひとつ積極的な姿勢でお願いしたいと思うんです。  そこで、この疑獄再発防止につきましては、わが党はすでに九月段階で政策を発表しております。また、先般の衆議院本会議でも金子議員がこの問題で総理にお伺いしておりますが、幾つかわが党の政策が提案されたわけでありますが、特にその中から三木さんは、いわゆる行政監視官制度、スウェーデンやヨーロッパにありますオムバッズマンという制度ですね、これに対しては大変積極的な姿勢をお示しになった。これは結構だと思うんであります。  しかし、ここで私お聞きしたいのは、そのほかにもたくさんわが党は提案をしているわけであります。たとえば企業献金の廃止であるとか、あるいは天下り、天上がりの禁止であるとか、それからいまの行政監察官制度であるとか、そのほかに大臣などの企業役員の兼業禁止あるいは資産の公開、こういうことも提案をいたしておるわけでありますが、大臣の資産の公開の問題ですね、この問題は実は田中金脈事件が起きました一昨年、やはり衆議院の予算委員会でわが党の村上委員が提案をしておるわけです。その会議録がここにございますけれども、そのときにこういう閣僚の規律というふうな問題については何も事新しく決議をするとか何かという必要はないんだ、もうそういうことをすることこそ恥ずかしいことだというふうなことを三木さんがおっしゃっておられるんです。そしていわばえんきょくに拒否をされた。こういう経過があるわけであります。ところが、今度ロッキードでふたをあけてみたら、元総理大臣が逮捕されるというところまできたわけでありますから、この際閣僚の規律の問題、たとえば地位利用してはいかぬとか、そういったことを含めまして大臣の資産の公開という問題もやはり改めて一つの論議の対象になってきていると思うのでありますけれども、こういう点では三木内閣はどのようにお考えになっているのか、それをお伺いしたいと思うんです。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) 塚田さんただいまお示しのおたくの党として打ち出されております数項目、これは私も承知をいたしております。その中でいま資産の公開、あるいは兼職禁止等について特に御発言でございましたが、兼職禁止は毎回内閣が成立いたしますと、きちんとこのことは閣僚に守ってもらう、政務次官またしかりと、こういう仕組みでずっとこれは定着しておることを御承知おき願いたいのであります。  それから、資産公開の問題でございますが、三木総理が就任早々、まず隗よりこれを始めるという気持ちでございましたか、御自身の資産の公開に踏み切ったことは御承知のとおりであります。当時も、閣僚にまでこれを押し及ぼすべきかということが議論に相なりましたが、まだそうなかなか日本でこれはなじむ制度でもない、制度的にも必ずしも確立をしておらぬというようなことから、今日までそれは見送られております。そこで今回、先ほど来の再発を防止すべきだ、まずえりを正さなければならぬと、こういう風潮のもとにこういう問題も一つの検討課題として取り上げまして、どういうふうにこれを実施するかという具体的な問題はまだでございますが、一つの問題点であろうかと、こういうふうに心得ておる次第であります。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 もう私の持ち時間なくなりましたから、最後に要望だけしておきますが、きょうは時間の関係で、一つ一つ具体的にわが党の政策について御質疑ができなかったのでありますけれども、長官もよく御存じのようでありますから、そして私どもは、これは非常に抜本的であり、しかも道理がある提案だと考えておりますので、ぜひ研究を重ねた上で、ひとつこういう方向で御検討くださることを要望いたしまして、私の質問終ります。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、日本学術会議の問題について若干質問したいと思います。  日本学術会議法の第二条によりますと、「日本学術会議は、わが国の科学者の内外に対する代表機関」であると定めています。そこで総務長官にお尋ねいたしますが、果たして学術会議が、文字どおりわが国の科学者の代表機関として十分機能を果たし得るように、政府がその活動を保障しておるとお考えになるのかどうか、その点をまずお尋ねしたいと思います。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) 日本学術会議、ただいま加藤先生御指摘のように、科学者の代表的な方が選挙によって選任をされまして、私は、十分機能を発揮していただいておるものと期待しておるわけでありますが、何しろ着任いたしまして間がございません。事務局の方から聞いたところによりますると、総理府といたしまして精一杯予算のお世話その他もしておりまするし、まあ来年もまた十一期目の選挙だそうでございまするが、そういうものにつきましての準備も進めておるようでございまするし、十分機能を発揮していただいておるものと期待しておるのでありますけれども、あるいは私まだ勉強不足で、いろいろこれから、そうじゃないじゃないかということを御指摘をいただく面が出てくるかもしれません。その点につきましては、また今後十分努力をいたしまして御期待に沿うようにいたしたい、かように思う次第であります。

塚田大願日本共産党

○塚田大願君 具体的にお尋ねしないとおわかりにならないと思いますけれども、たとえば日本学術会議の会員の皆さんが、会議の出席のために旅費や審議費を必要とするわけでございますけれども、これが十分支払われていない現実がございます。また、こういう法の目的に沿うように会議を頻繁に開催しなくてはならぬ、こういうことでございますけれども、その会議の開催についても十分にその保障がない。これが私は現実だと思います。  時間がございませんので質疑を若干省略しまして、内容に入りますけれども、たとえば学術会議と科学技術会議、この間に旅費や手当の支給について非常に不当な差別がある。たとえば学術会議の開催する会議に出席された会員及び会議参加の諸先生、会員以外の方でもございますが、諸先生には本来予算上は、旅費としてたとえばグリーン車の料金が支払われることになっています。ところが、昨年四月から一回もグリーン車料金が支払われてはいないのでございます。これに対して、科学技術会議の昨年一年間に行われた三十三回の会議参加者に対しましては、すべてグリーン車料金が支払われているわけでございます。日本学術会議のグリーン車料金の問題について、政府は果たしてこれを承知しておられるのかどうか。これが事実きわめて不当な差別である、これは放置すべきではない、改むべきであると私は考えるわけでございますけれども、この点についての長官の御所見をお伺いしたいと思います。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) 科学技術会議とおっしゃいますのは、科学技術庁の主宰する会議ですね。そちらの方ではグリーン車の旅費が支給されておりまして、こちらの学術会議の方で招集されますものについては支払われていないということ、まあ私はあり得べからざることだと思うのでありまするけれども、現実にあるとすれば、恐らく、こちらの方では一応年度の予算というものをとっておって、それをこう割り当てて実行計画立てましてね、割り当てておる。その割り当てております回数以上にたまたまこちらの学術会議が開催された。そのために旅費が足らなくて、分かち合って、グリーン券に至らないわずかの旅費しか支給できなかった、あるいはそういうことではなかろうかと思うのでありまするけれども、しかし、向こうとこちらにそういった差別があるということは、これは申しわけない次第でありますから、今後はないように、ぜひ努力をいたしたいと思いますが、ちょっとこの細かいこと事務局長の方から……。

加藤進日本共産党

○加藤進君 大変恐縮ですが、時間がありませんので……。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) そうですか。それでよかったら……。

加藤進日本共産党

○加藤進君 長官の所信だけお聞きしておけばいいです。  もう一つ、旅費も手当も全く支給されない委員会が多数ございます。ご存じでしょうか。この場合に、学術会議招集の公務出張にはならないのでございます。どうされるかというと、参加される諸先生は所属大学の業務による出張、こういう名目でしか出席できないわけでございます。こういう処置をとらせておいては私はならないと思います。正々堂々と学術会議に公務出張で参加されるように、予算措置を十分とられるべきではないか、こう思いますけれども、長官のその点についての所信をお聞きしたいと思います。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) ちょっとこちらから……。

田中金次日本学術会議事務局長

○政府委員(田中金次君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘がございました、各委員会におきまして旅費が支給されないで委員会そのものが開催されたというケースは、御指摘のとおり確かにございます。ただ、ここでお断りいたしておきたいと思いますのは、先ほど大臣からもお答え申し上げましたが、年度当初におきまして予算が決まりますと、学術会議におきましては、中の委員会におきましてその予算の実行計画というものをお立ていただくことになっております。その実行計画で、たとえば当該委員会なり当該部会は年内に何回開く、それに対する手当を幾ら幾らとするということを、その運営審議会というものでお決めいただくことになっております。その席で、審議の有効性を確保いたしますために、会員の自発的なお申し出によりまして、先ほどのグリーン料金を辞退する、あるいは旅費が支給されなくとも、必要やむを得ずその委員会を開くということを現実の姿として行う場合があるということを御了解いただきたいと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 たとえば科学者の地位委員会というのがございます。そのもとに婦人研究者問題小委員会というのがつくられています。この委員会の会議に参加されたすべての参加者、御婦人の研究家でございますけれども、ことし開かれたのは六回の会議です。ところが、全部これが自弁になっています。これは旅費の支給なしということでございますから、自弁で出られない者はもう出るなという実質的な禁示規定と同じ状態が起こっておるわけでございまして、この点につきましては大臣、ぜひとも改善の措置をとられるように、あるいは学術会議の内部の問題にも若干関与するかもしれませんけれども、この点についての監督助言という点については、十分に学術会議がそれなりの機能の発揮できるように努力を払っていただきたい。このことをまず注文しておきますが、よろしゅうございますか。  続いて、学術会議の会員であって、そして国立大学の関係者という方がたくさんいらっしゃいます。この方たちは国家公務員ということで審議手当は出さないという規定になっておるようであります。ところが、科学技術会議の方は同じ国家公務員であっても、審議手当は出ておるわけでございます。学術会議にこの審議手当が出ないというのは、特別職の職員の給与に関する法律の中での例外規定に、これに出さなくてもいいようになっておると私は聞いています。この点事実ですか。そういう規定があるために差別が現に行われている。これもまた、差別自体が不当でございますから、その不当な差別をなくするために何らかの措置をとらるべきではないかと私は考えるわけでございますけれども、長官の御所見を承りたいと思います。

田中金次日本学術会議事務局長

○政府委員(田中金次君) 日本学術会議の会員になられました国立大学の先生につきまして手当が出ないということは、これは特別職給与法の十四条に確かにその旨の規定がございます。考えてみますと、国立大学の先生といたしまして常勤的な給与を受けるという側面がございます。したがいまして、非常勤として勤務した場合には、ある意味におきましては勤務時間を割くわけでございますから、重複給与みたいな考え方になろうかと思いますので。そういった趣旨から恐らくこの十四条の調整規定が置かれたのではなかろうかというふうに思います。  科学技術会議の方につきましては、私の所管でございませんので、お答えするのもいかがかと思いますが、恐らく科学技術会議の常勤の方々はそれが本務でございますから、月給は当然支給されておるというふうに思います。非常勤の方につきましては、わが方とあるいは同じ形になっておるんじゃなかろうかというふうに推察いたしますが、ちょっと確かなことは申し上げられないところでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 その点はお調べいただいて結構でございますが、ともかく、科学技術会議の方たちには同様国立大学の関係者すなわち国家公務員の方たちがいらっしゃいます。その方たちには審議手当が出ているわけでございますから、出ておるのに学術会議の会員ではその支給がない。こういうことは学術会議自体の活動や機能に大きな支障を与えるものである、こういう点でぜひともこの点は改善の措置をとられたい、こういうことを私は申し上げるわけでございます。  もう一つ、学術会議の会員ではない方で学術会議の特別委員会や、あるいは研究連絡委員会の委員をやっておられる方がいらっしゃいます。そうですね。その方たちにも審議手当は出されておりません。それから、学術会議の中央選挙管理委員会の会員に任命された国家公務員の方に対しても、同様に審議手当は出されていません。もし下手したらば、選挙管理委員会の機能に支障を来すようなことが起こりかねない、こういう懸念も起こってくるわけでございまして、科学技術会議の委員に支給されておると同様に、これらの方たちに対してもその手当を当然支給さるべきではないか。私は決して科学技術会議に比べて学術会議を優先して、学術会議を優遇せよというほどにいま申し上げておるわけではございません。科学技術会議の会員の方たちと少なくとも同等の待遇を行われてしかるべきである、こういうことを申し上げておるわけでございますけれども、その点についての大臣の御所見いかがでございましょうか。

田中金次日本学術会議事務局長

○政府委員(田中金次君) 先ほどちょっと科学技術会議のことで保留いたしましたが、ただいま法律を見てみましたら、特別職給与法の第一条第十三の四というのがございまして、「科学技術会議の常勤の議員」というものと、それから十九の四で「科学技術会議の非常勤の議員」ということで規定がございます。常勤の議員は、常時勤務いたしておるということで月給が出ることになっておりますが、非常勤の議員につきましては、学術会議の会員と同じように措置されておるものと思います。  それからなお、後段お尋ねでございました、学術会議の委員会の委員の先生方に対する処遇でございます。実は学術会議の委員会の委員の諸先生は、国家公務員法上一般職の職員というふうになっております。したがいまして、それが国立大学の先生であります場合は先ほど申し上げましたと同じでございますが、教育公務員としての常勤の月給をもらっておるわけでございます。したがいまして、そういったたてまえからいきまして、学術会議の常勤の職員と同じように重複給与ということはいたさないという給与法のたてまえから、そういうものが出せない仕組みになっておるというふうに了解いたしております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そういう御説明でございますけれども、とにかく役目が違うわけですよ。学術会議は学術会議なりの役目とそして仕事を請け負っておるわけです。したがって、これに見合う審議手当というのが当然必要になってくるというわけでございますから、この点については私は、審議手当も当然支給されるように御努力を賜りたい、このことを要望しておきますけれども、長官いかがでございましょうか、

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) 私も就任間がございませんで、十分実態を把握しておりません。的確な御答弁できませんで失礼いたしましたが、どうもいま事務局長の話を聞きますと、先生の御指摘は事実のようでありますが、それに対しては給与の重複給与、こういったものを避ける趣旨でいま読み上げましたような規定もあるのではないかと思いまするけれども、しかし、御指摘のように科学技術会議の場合と日本学術会議の場合とは給与、手当、それから旅費、こういったものがゆえなくして差等を設けられるということは、これはよくないことだと思いますので、よく実情を調査してみまして、ゆえなくして設けられておるということは是正しなけりゃいかぬ、そのための予算が必要であれば予算の獲得にも全力を上げる、かように取り組んでまいりたいと思います。

加藤進日本共産党

○加藤進君 ぜひ長官の所信のように努力を願いたいと思います。  私が特にこの問題を取り上げるのは、日本学術会議というのは法に基づいてつくられたものであって、御承知のように、科学者の代表機関として設置された国家機関です。これに比べるなら、科学技術会議との軽重いずれにありやということになりますと、これは明らかでございます。そういう点から私は、この問題について重視をしつつ改善の御要望を申し上げておるわけでございます。日本学術会議法の第一条第三項には、「日本学術会議に関する経費は、国庫の負担とする。」、こう明記されております。国庫負担でやらなくちゃならぬということが明記されておるわけでございますから、会員が学術会議の任務や仕事のために活動する、そのたびごとに自腹を切って会議に出席したり活動したりするようなことはやめさせなくてはならない。これは政府の重大な責任である、こういうふうに私は考えるわけでございます。  その点について、会計検査院の方いらっしゃいますか。いま申し上げましたような学術会議での旅費手当等の審議経費の支給について、これは法の趣旨に照らしてみて正当に行われておるのかどうか、その点を会計検査院の立場からひとつ御意見を承りたいと思います。

田代忠博会計検査院事務総局第一局長

○説明員(田代忠博君) お答え申し上げます。  ただいまお話しのように公務員が出張いたします場合、国がその旅費を支給する、これは先生御指摘のとおり当然のことでございます。いま承りますと、日本学術会議で委員会の先生が出張なさる場合、ほんの一部にせよ旅費の支給がなされていないということがございますれば、決して好ましい事態であるとは考えておりません。  ただ、公務員の出張は、これはあくまでも旅費予算の制約がございます。したがいまして、ただいま学術会議の方のお話も承っておりましたが、委員会の先生方が学術の振興と申しますか、研究のためにどうしてもこの委員会あるいはこの会議に出席したい、出張したいといった場合、旅費が足りない、出張旅費が不足していると、そういった場合でも、あるいは自分で自腹を切ってでも出張したいという御希望で自発的に会議を開かれる、あるいは出張されるといった場合ございます場合は、これはまたやむを得ない点もあろうかと存じます。かように考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そうしますと、会計検査院としても、これは余り正常な状態ではないと。

田代忠博会計検査院事務総局第一局長

○説明員(田代忠博君) ええ。

加藤進日本共産党

○加藤進君 したがって、こういうものが恒常的にしょっちゅう行われるなどということは正しくないと、こういう御見解でございますね。

田代忠博会計検査院事務総局第一局長

○説明員(田代忠博君) ただいま申し上げましたとおり、決して好ましい事態であるとは考えておりません。ただ、予算の制約上そういったことが若干ある点もこれまたある程度やむを得ないと、かように考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 長官、会計検査院の側からもそういう御指摘があるほどでございまして、特に日本の代表的な研究機関、国家機関でございますから、その点について十分に政府の立場からの責任を果たしていただきたいということを要望するわけでございます。  それで、近く第七十一回の総会が開催されることになっています。これは十月二十日から始まるはずでございます。これを機に全国から会員の皆さんの御参集があるわけでございまして、そういう点で旅費について、あるいは審議手当などについて国家公務員等の旅費に関する法律に基づいて内規があるはずでございますが、内規の規定どおりに支給できるようにせっかくの努力をするということをお約束賜りたい。そしてまた、不当な例外規定というものがあるわけでございますから、この規定の適用に当たっては、日本学術会議について十分に考慮するという点もひとつお答えを賜りたい、このことだけお願いをいたします。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) この七十一回の総会に当たりましては、内規どおりの手当、旅費が支給できるように準備ができておるということでございましたけれども、いま、さらに事務局長の話によりますと、グリーン券については会員の方々の申し合わせによりまして辞退するということになっておりますので、考えておりませんということでございます。何しろ最初から申しますように、私まだ新米でございまして、そこのところよく詰めておりませんのですけれども、これはいかがしたものか、そういう御了解を得ておるんだということでありまして、恐らく先生、今度の五十年度の予算の実行計画上そういうことですでに組んでしまってあって、旅費が足らないんだということでありますれば、これはいかんともしがたいのでありまするけれども、差し繰りができますれば御趣旨に沿うように、私は私なりに努力してみたいと思います。もし仮にことしできなければ、来年からは何とか改正できるように努力をいたしてまいりたい、かように思う次第でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 辞退されるという特殊の方がある、申し合わせがあるという話でございますけれども、それならそれで辞退届が出されておるのかどうか。私は一度もそんなものは見たことも聞いたこともないです。したがって、これは辞退したものというような取り払いによってグリーン券は支給しない、こういう措置が現実に行われているということだけは指摘しておきたいと思います。その点を改善してほしいということでございます。  最後に私は、きょうの委員会の質疑に当たって、参考人として日本学術会議の代表が出席されるようにお願いをしたわけでございますけれども、これは理事の間の合意に時間がとられたようでございまして、残念ながら出席を見るに至りません。これはきわめて残念なことでございますので、今後そのようなことのないように、ひとつ理事会においても御配慮を賜りたいということを最後に要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 私は、きょうは総理府所管の一つであります婦人問題だけについて、西村総務長官にお伺いしたいと思います。  西村総務長官は、三木内閣での婦人問題の担当者に今度おなりになったわけですね。昨年は御承知のとおり国際婦人年で、それに関連して昨年の九月に政府が特別の機関をつくり、植木総務長官が約一年間担当してこられました。植木さんは婦人問題もよく勉強し、わりあいによくやってくださったと思っております。この婦人問題は、日本の人口の過半数を占める婦人の問題であるばかりでなく、子供の問題であり、男子の方々にもかかわりの深い重大な問題と思います。  まず最初に、総務長官にこの婦人問題に対しての基本的なお考えを伺い、続いて、大臣としてのこの問題についての今後の御決意を伺わせていただきたいと思います。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) 市川先生ただいま御指摘のように、婦人人口はわが国の半分以上を占めておる。ただ人口の数だけでなくて、非常に実質的に国家、国民のために御婦人方大変な日夜御努力をしていただいておる大事な存在でございまして、婦人の社会的地位の向上、非常に大事なことだと思います。率直に申しまして、わが国の女性の地位も近年大分向上してはきておりまするけれども、外国、先進国に比べますと、利はまたまただという感じがいたしておるのでございます。  昨年は国際婦人年、この年に当たりまして、先生御承知どころか先生が恐らく音頭をとられたのかと思いまするけれども、衆参両院におきまして、ああいう婦人の社会的地位向上のための特別な議決までされました。私どもこれは非常に結構なことだと思っておるわけでありますが、そういう趣旨を踏まえまして、婦人の社会的地位の向上ということに私もひとつ精いっぱい取り組んでまいりたい、かように思っておる次第でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 昨年の六月に、衆参両院で全議員の方々の御賛成を得て、婦人の地位の向上に関する決議をしていただきましたことを覚えていていただいてありがとうございました。いまの御意見を伺いまして、いろいろ大臣やっていてくださるかなという気持ちが少しわいてきたんですが、ところで、総理府が担当されています第一の婦人問題は、三木総理を本部長に、総務長官を副本部長として婦人問題企画推進本部というのができておりますけれども、本部長も副本部長もお二人はもちろん、本部員十一名の方々も全部男子の方々ばかりであることは御存じですか。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) よく承知いたしております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 男子の方々ばかりでは、私は婦人の問題をよくおわかりにならないんだと思うんですけれども、せめて婦人を二、三人くらいその中に加えていただくと。大臣、おなりになった初めですから、ひとつそういうことに御努力をいただけるかどうか伺いたい。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) この推進本部と申しますのは、関係各省の次官をもって構成されるたてまえになっておりまして、関係各省の各次官が全部男子なものですから結果的にそういうことになったわけであります。ただ、その事務のお世話役その他は、こちらにいま久保田女史もいらっしゃいまするけれども、女性の方々が参画をされまして、むしろその核になっていらっしゃるわけですから、女性のお力を全然無視しているわけじゃございません。ただ、推進本部に正式なメンバーとして女性の方を二、三人という先生の御提案でございまするけれども、これはどうも私まだ言い抜けじゃございませんけれども、来てまだ間がございませんので、よくその辺もひとつ事務当局とも相談しながら勉強してみたいと存じます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 いまお話しのように、本部員は事務次官ということでお決めになったから全部男の方ばかりになっちゃったんですが、私は別に、事務次官の方はそれでいいけれども、ほかにそうでない方で、婦人でそういうことにいろいろ経験を持っている人もたくさんおりますから、そういう人を加えていただいても一向差し支えない、そんなしゃくし定規で、事務次官でなくちゃだめだなんて言わないでやっていただきたい、こう思いますが、ひとつお考えをいただきたいと思います。  それからいま一つ、総理府には、民間の男女の方々三十二名を委員とする婦人問題企画推進会議というのがあります。長官は先日この会合に御出席になり、私も傍聴に行っておりましたのでお目にかかったわけでございますが、この会議では各種の婦人問題を審議し、去る四月に中間報告というのを発表されました。これを受けて、前に申しました男ばかりの推進本部から、四月の末に行動計画概案というのを発表されました。ところが、本部の発表しました概案は、会議の答申と比べてみますともう骨抜きになっておりまして、そして短くなって抽象的になっております。そこで非常な不満で、私ども初め一般婦人たちから植木長官に強い抗議をしたわけでございます。長官がこの間御出席になりました会議では、四月の中間報告にさらに具体的な政策を加えて、そして来月の六日に何か最後的に決定をされるそうでありますが、本部としてはそれを参考として、また十一月末に、行動計画概案でなくて向こう十年間の行動計画というものをお決めになると、こういうことになっておるようでございます。しかし、その政府のお決めになる十年間の行動計画というものは、前の例から見てきっと不満足なものができるのじゃないかということで、私どもみんな実は心配をしておるわけでございます。一体本部で本部の案を、お決めになるのは皆さん方本部員ですけれども、それを起草する人、一体どこでだれがやるのかちょっと私どもよくわからないのですけれども、それはどうなんですか。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) この国内行動計画概案、これが、ことしの四月の推進会議で中間報告をされたその内容が骨抜きになっておるという先生の御指摘のようでございますけれども、この概案を見ますと、「法制上の婦人の地位の向上」とか、「男女平等を基本とするあらゆる分野への婦人の参加の促進」、「母性の尊重及び健康の擁護」等々、私ども結構だなあと思うような項目がずっと述べてあるわけでございます。骨抜きになっておるかどうか、私、その答申とまだ比べてみるゆとりがありませんので、何とも申し上げられませんけれども、せっかく民間の三十数人の方々のあの熱心な討議並びにそれをまとめられての答申、これはあくまで行動計画に織り込んでまいりたいと私自身は考えておるわけであります。だれがこれをまとめるのかというお話につきましては、ちょっと久保田女史の方から答弁さしてもらいたいと思いますが、いかがでございますか。

久保田眞苗内閣総理大臣官房参事官

○説明員(久保田眞苗君) 国内行動計画の起草につきましては、当然のことながら、民間の推進会議の御意見を集約したそのまとめを基調として尊重しながら、これを第一に尊重しながらやってまいるわけでございます。また、各種の団体からの御要望等も来ておりますので、これも民間の皆様のお気持ちのありどころとして十分検討しておるところでございます。  この行動計画の起草につきましては、私ども総理府にございます婦人問題担当室の職員と、それからそれぞれの施策をいたします各省の窓口の主管課、及びそのそれぞれの施策を担当する担当の部局がまず起草いたしまして、それを調整するということになっております。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 いま参事官から経過の話を聞きましたけれども、結局役所の担当の各課の方と担当室とでやるというのですけれども、私ども見るところでは、会議のいろいろな方々、三十二名の方々の答申は余り重んぜられていないという感じですね。むしろ役所の担当の課の人たちの意見の方が主に出てくる、こういうことで、一般の民間なりあるいは会議の意見も余り取り上げられていない、骨抜きにされておるという、これはひとつ大臣、後でごらんになって……。私どもこの間の三十二名の会議の人選なりあるいは答申にも必ずしも全幅の賛成はしていませんけれども、それでも、まあまああの程度ならと、こう考えるものですから、できるだけあれを政府本部の行動計画に採り上げるように、特別にひとつ大臣に御配慮を願いたいと思います。  それから、この会議も本部も、あるいはいまの参事官のおいでになる婦人問題担当室も、前に述べたように大体十一月で一応切りがつくわけですね。そこで、もうあれは済んだんだ、だからみんなやめちゃったらいいという声があるということで、私どもは三木総理、それから前の植木さんに、国会の婦人議員全部で心配をして陳情に参ったのですが、そのとき総理もそれから植木さんも、そんなにやめはしないとおっしゃったんです。けれども、御存じのとおりにあの二つもあるいは婦人問題担当室も法の裏づけがございませんね。ですから、やめようと思えばいつだってやめられるということで、その点を私ども非常に心配をしておるのです。  これは、三木総理に会いましたときに三木総理が、実は法の裏づけの問題、つまり総理府の設置法の中に入れることについては、婦人少年局の婦人課が婦人問題に対する連絡調整をするということが労働省の設置法の中にあるので、それとの関係を考慮しなきゃならぬからもうちょっと研究をしてみる、こういうお言葉だったんですが、その研究は結論出ましたか、どうですか。これは大臣はまだかもしれませんけれども、参事官の方からでもそれを伺いたいんですが。

久保田眞苗内閣総理大臣官房参事官

○説明員(久保田眞苗君) 推進本部、婦人問題担当室を恒久的な組織というふうな御要望もあったわけでございますけれども、労働省設置法との関係等の問題もございますので、研究すると申し上げたわけでございます。その後その問題につきましては、国内行動計画等を策定して、私どもが一体どういう仕事を政府全体としてやっていくのかということを考えながら研究しておるところでございますけれども、何分にも長年やってまいりましたいろいろな仕事等の絡みもございまして、結論というようなことはまだ得ておりません。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 婦人に関する行政は、いままでも各省に分かれている。その中で労働省の婦人少年局が一番婦人の問題をよけい担当しますけれど、文部省、農林省あるいは厚生省その他に分散をしておると、それの連絡調整が実質上はできてないんですね。それで今度のような国際婦人年で、日本の国として、国連が会議で決定したその行動計画あるいは決議、あるいは宣言というようなものを、日本も賛成をしているんですから代表が出て賛成をしているんで、日本もそれに対することをしなきゃならない。そういう場合に一体どこがするかということで、とりあえず去年三木総理が閣議でいまの本部をつくり、あるいは閣議了解でもって会議をおつくりになったわけです。  だから、これはまだ研究が済んでないかもしれませんけれども、今度の婦人問題は国内だけの問題ではないんで、いまは国際問題になっている。国連が主宰をして、二年ごとに日本は何をしたか報告をしなきゃならないし、五年目、十年目にはメキシコと同じような世界婦人会議が開かれるわけです。それで日本もそれへ出て、日本は一体何をやっているのか、どれほど婦人の地位が向上したかということを報告をしなきゃならない。私は、そのときに報告ができないのじゃ本当に日本は恥をかくと、こういう意味で心配をしているわけです。  だから、そのためには私は、十年間国連と——去年一年は国際婦人年でしたけれども、それから後十年間、やっぱり国連婦人の十年ということで設定をされておりますので、その間はどうしてもそういう機関が必要なんだということをひとつ大臣お考えいただきまして、みんなに、私どもも心配をしているんですけれども、心配をしなくてもいいような方法を考えていただいて、そうして、ひとつ婦人の地位の向上に引き続いてお骨折りをいただきたいと思います。  私の質問、これで終わります。

西村尚治自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(西村尚治君) 市川先生、この設置法に明記してないから、いつ推進本部が廃止されるかわからぬ、その点が懸念されるというお気持ちのようでございますが、設置法に明記ということにつきましては、いま久保田さんがお話ししましたように、労働省設置法とも、どうも私もきのう相談してみたのですけれども関係がございまして、これを急に変えるというわけにまいらないようでございます。これは今後の課題といたしまして、さしむきのところ、国内行動計画、これは婦人問題につきましてのこれから向こう十カ年にわたる施策の方向、基本的な方向を示すもの、方向と展開をいかにすべきかを示す大事なものでございますが、これをただ答申が済んだ、結論が出たからそれでおしまいということにしては何にもならない。それがいかに十年間十分に実績を上げていくかを見守らなければいけない、また、その推進体にこの本部が、あるいは事務局がならなければいかぬと思っております。  それと、先生いま御指摘のありましたように、日本も国際社会の一員として、いろいろ報告なりその他の義務もできてきておる今日でありますから、これを計画が策定されたからすぐ廃止というようなことは絶対に考えるべきではない、実績が十分上がって、必要なくなるまではこれは存続させなければならぬ、かように考えておる次第でございます。

市川房枝第二院クラブ

○市川房枝君 はい、ありがとうございました。

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 他に御発言もないようですから、内閣、総理府のうち、総理府本府及び沖繩開発庁と、それに関係する沖繩振興開発金融公庫の決算につきましてはこの程度といたします。     —————————————

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。  前国会閉会中、当委員会が行いました九州地方及び北海道地方への委員派遣については、派遣委員からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木力日本社会党

○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十五分散会      —————・—————

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