ロッキード問題に関する調査特別委員会 第3号
- 発言数
- 228 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/10/15
会議録
○委員長(大谷藤之助君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 一昨十三日、加藤進君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君が、また本日、柄谷道一君が委員を辞任され、その補欠として三治重信君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(大谷藤之助君) この際、委員の異動に伴う欠員中の理事一名の補欠選任を行います。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に三治重信君を指名いたします。 —————————————
○委員長(大谷藤之助君) ロッキード問題に関する調査を議題といたします。 稻葉法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。稻葉法務大臣。
○国務大臣(稻葉修君) ロッキード事件の捜査処理に関する中間報告を申し上げます。 まずこの報告の目的についてでありますが、政府としては、かねてからロッキード事件全体の捜査が完了したときは、法令の許す範囲内において、できる限り事件の真相を国会を通じて国民に明らかにすることを約束してまいりました。しかし、いわゆる児玉ルートの解明がおくれていますので、いわゆる丸紅ルートと全日空ルートの捜査がおおむね終了したこの機会に、法務大臣からロッキード事件の捜査処理について中間報告をする次第であります。この中間報告は、この事件に寄せられた国民の関心にこたえるとともに、前国会における両院議長裁定の趣旨に基づき、本件にかかわる政治的道義的責任に関する国会の国政調査にも資することを目的とし、関係人の人権の保護と今後の捜査及び裁判に対する不当な影響の防止に配慮しつつ、公開された委員会において法務当局が開示できる最大限のものであります。 次に、政府の基本的姿勢でございますが、政府としては、事件の真相を徹底的に解明することが、本件に関する国民の疑惑にこたえ、政治、行政に対する国民の信頼を回復する唯一の道であるとともに、わが国の議会制民主主義の健全な発展にも寄与するものと確信し、捜査当局の捜査には一切の政治的介入を排し、捜査当局の厳正な処置にゆだねてまいりました。法務大臣としても、検察当局の厳正公平な捜査処理に信頼し、いわゆる指揮権発動の、ことき措置はとらないという基本的な態度を厳に堅持してきたものであります。 次に、政府のとった措置でございますが、政府としては、本件が米国上院外交委員会多国籍企業小委員会における米国関係者の証言に端を発した経緯にかんがみ、米国関係機関が保有する資料の提供を受けることが必要不可欠であると考え、外交チャンネルを通じ、米国側に対し関係資料の提供方を要請し、これにより入手した資料は、すべてこれを公開して国会に提供するとともに、関係機関に配布した次第であります。さらに、本問題に関し二月二十三日行われた衆参両議院の決議の趣旨をも尊重し、三木内閣総理大臣は、翌二十四日米国大統領あてに親書を送り、公開を前提として、外交チャンネルを通じ関係資料の提供方を要請しました。これに対し、三月十一日付フォード大統領返書により、人権の尊重と米国で行われている政府機関による調査の公正を確保する見地から、秘密保持の取り扱いを条件として関係当局者間で関係資料の相互提供を行う用意がある旨の回答があったので、政府としては、その趣旨を理解して、三月十百閣議決定によりこれを受諾することとし、これに基づき、監野法務事務次官を米国に派遣し、米国司法省と交渉させた結果、三月二十四日わが国法務省と米国司法省との間で、関係資料は、捜査・調査及び裁判のみに使用し、秘密保持を厳守すること、相互に本件に関する司法共助の実現に最善の努力をすること等を内容とする「ロッキード・エアクラフト社問題に関する法執行についての相互援助のための手続」——以下、司法取り決めと申します——が締結され、これにより米国関係機関からの関係資料の入手が可能となりました。政府は、その後五月十一日斎藤特使を米国に派遣し、本件真相解明のため、米国資料の提供についての一層の協力を要請する等、日米両国の捜査協力を推進させ、さらに六月下旬、サンフアン会議の帰途、ワシントンにおいて、三木内閣総理大臣からフォード大統領に対し、本問題に関するわが国の決意を伝えるとともに、米国政府の今後の協力方を要請しました。 次に、捜査の開始及び捜査の体制について申し上げます。 東京地方検察庁は、外交チャンネルを通じて入手した公開資料の分析、検討を行うとともに、あわせて国内の独自の捜査を進めた結果、二月二十四日同庁に高瀬検事正を本部長とするロッキード事件捜査本部を設置するとともに、同日、警視庁、東京国税局と密接な連携のもとに、児玉譽士夫につき所得税法違反、丸紅関係者につき外国為替及び外国貿易管理法——以下、外為法と申します——違反の各容疑により、児玉の自宅、丸紅本社等に対し異例の合同による捜索差し押さえを実施して、本格的な捜査を開始しました。 捜査本部を設置して以来、東京地方検察庁は、東京高等検察庁管内地方検察庁から検事十名、検察事務官十名の応援を求めるなど捜査体制を充実し、検事三十五名、副検事五名、検察事務官六十五名、合計百五名を本件捜査に専従させました。 次に、嘱託尋問の実施について申し上げます。 東京地検は、司法取り決めに基づき、数回にわたり米側資料の提供を受け、これについて詳細な分析、検討を行う一方、検事一名を派遣し、米国に在住する米側関係人の供述を得るため、米国関係機関の協力のもとに、米国内における任意取り調べの実現に努力したが、米側関係人が最後までこれを拒否する態度に出たため、五月二十二日刑事訴訟法二百二十六条に基づく起訴前の証人尋問を東京地方裁判所裁判官に請求し、同裁判官の嘱託決定を得て、検事二名を米国に派遣するなど、右嘱託尋問の実現に鋭意努力しました。この過程において、米側証人は、わが国の刑罰法令による刑事訴追に関する自己負罪拒否の特権を行使したので、布施検事総長の指揮により、東京地検検事正は、刑事訴訟法二百四十八条に基づき、わが国法規に抵触するものがある場合にも証言した事項については起訴をしない旨の宣明を行い、その結果、証人アーチボルド・カール・コーチャンの尋問が実施されたが、証人尋問調書の引き渡しについては、わが国最高裁判所の対応措置が要請されていたので、法務当局は、最高裁判所にその検討方を依頼しました。 最高裁判所においては、係官を米国管轄裁判所に派遣するなど、慎重にその具体策を検討した結果、七月二十四日裁判官会議により、検事総長の不起訴の確約に基づき公訴は提起されることがない旨の全員一致の決議を行い、これにより、証人尋問調書の引き渡しが実現されました。さらに、ジョン・ウィリアム・クラッター及びアルバート・ハイラム・エリオットの各証人については、米国刑罰法令上の刑事免責に関する問題により一時尋問の実施が延期されたが、ようやくにしてその解決を見、九月八日に至り、同証人らに対する尋問手続が開始され、九月二十九日嘱託証人尋問は終了しました。 ここに、今回の嘱託尋問の実施に関し寄せられた米国司法当局の協力に感謝の意を表したいと思います。 次に、捜査処理の状況につきまして、一般的概況と具体的状況に分けて申し上げます。 一般的概況でありますが、東京地検がこれまで調べた本件関係者は、国会議員十七名のほか、児玉譽士夫の周辺関係者、全日空及び丸紅関係者その他の民間及び官庁関係者等約四百六十名であります。なお、現在まで逮捕した者は十八名、公判請求した者は、逮捕した者のうち国会議員三名を含む十五名及び児玉の合計十六名であります。また、押収捜索については、捜索個所は百三十六カ所(うち検察庁が実施したもの九十八カ所)、押収物は約六万六千点(うち検察庁が押収したもの三万六千九百点)となっております。 次に、具体的状況でございますが、それは児玉ルート、丸紅ルート、全日空ルートに分けて申し上げます。 まず第一に、児玉ルート関係であります。 東京地検は、警視庁、東京国税局と密接な連絡のもとに、米国上院多国籍企業小委員会から公表された児玉譽士夫名義の十七億二千万円余に上る多数の領収証等の分析、検討を行い、これらの領収証に見合う金員の流入状況等の捜査を進めたが、三月十三日東京国税局より同人に対する昭和四十七年分の所得税法違反の事実につき告発を受け、即日、同人を昭和四十七年分の所得税約八億五千万円を免れたという所得税法違反の事実により東京地裁に公判請求をしました。 さらに東京地検は、捜査を続行した結果、同人につき、昭和四十八年五月中旬ころから同年六月中旬ころまでの間、クラッターからロッキード社のためにする支払いとして四億四千万円を受領した事実及び同年六月十四日ころから同年十二月十二日ころまでの間、クラッターからロッキード社のためにする支払いとして合計一億三千八百万円を受領した事実が判明したので、本年五月十日及び六月四日いずれも外為法違反により東京地裁に公判請求をいたしました。 次いで東京地検は、六月二十九日児玉とともにジャパンライン社の株式売買に関係した株式会社シーボニヤ代表取締役水谷文一を所得税法違反により逮捕し、また、七月三日、警視庁が強要罪により逮捕した児玉の秘書大刀川恒夫の送致を受け、まず、同月二十二日大刀川を右強要罪により東京地裁に公判請求し、次に、八月二十六日東京国税局より水谷に対する右所得税法違反の事実につき告発を受け、即日、同人を右所得税法違反の事実により東京地裁に公判請求しました。 さらに東京地検は、八月十二日大刀川を外為法違反の事実により再逮捕し、九月二日児玉及び大刀川の両名について、その共謀により、昭和五十年十月末日ごろ、英領香港にあるグレグソン・リミテッドのほか二社からブラウンリー・エンタプライズ・リミテッドの株式合計三千株を代金約四百万円で買い受けた上、同株券を右グレグソン・リミテッドほか二社にそれぞれ香港において保管させる契約をし、さらに、同五十一年一月二十九日ころ、クラッターから右ブラウンリー・エンタプライズ・リミテッドのためにする支払いとして、日本円八千万円余を受領した外為法違反の事実により東京地裁に公判請求しました。 さらに、捜査を続行した結果、児玉について、同四十九年二月二十五日から同年十二月二十日までの間、クラッターからロッキード社のためにする支払いとして合計七千百万円を受領したという外為法違反の事実のほか、昭和四十八年分の所得税約二億八千七百万円を免れた事実及び同四十九年分の所得税約四億五千百万円を免れた事実が明らかとなり、これらの所得税法違反の事実については、本年九月三十日東京国税局より告発を受け、即日、児玉を右の所得税法違反及び外為法違反の事実により東京地裁に公判請求しました。 次に、丸紅ルート関係について申し上げます。 東京地検は、後に述べる全日空ルートとともに、丸紅ルートについて被疑者の身柄拘束を含む強制捜査に着手し、まず本年六月二十二日丸紅参与大久保利春を、同年二月十七日及び三月一日衆議院予算委員会において証言を行った際、ロッキード社のコーチャンの指示を受けたクラッターから、昭和四十七年十月三十日ころ三千万円、同年十一月六日ころ九千万円を受領し、かつ、その際三十ユニット及び九十ユニットを受領した旨の領収証各一通に署名したのにかかわらず、金品の授受は一切ないなどと虚偽の陳述をした議院証言法違反の事実により逮捕し、次に、七月二日同社参与伊藤宏を、右予算委員会において証言を行った際、コーチャンの指示を受けたクラッターより、昭和四十八年八月十日から同四十九年三月一日までの間、前後四回にわたり合計五億円を受領し、かつ、その際昭和四十八年八月九日百ピーナツ、同年十月十二日百五十ピーシズ、同四十九年一月二十一日百二十五ピーシズ及び同年二月二十八日百二十五ピーシズを受領した旨の領収証各一通に署名したのにかかわらず、金品の授受については全く関知していないなどと虚偽の陳述をした議院証言法違反の事実により逮捕し、さらに、七月十三日同社取締役檜山廣を、伊藤らと共謀の上、クラッターからロッキード社のためにする支払いとして右五億円を受領した旨の外為法違反の事実により逮捕し、一方、七月十九日総務課長毛利英和及び同課員松岡克浩を、七月二十日秘書課長中居篤也をいずれも証悪酒滅罪により逮捕しました。 なお、大久保及び伊藤の議院証言法違反については、それぞれ六月二十五日及び七月六日衆議院予算委員会荒舩委員長から最高検察庁に告発がなされ、さらに檜山については、本年二月十七日同予算委員会において証言を行った際、前述したように、クラッターから五億円を受領したのにかかわらず、金員の授受については全く関知していないなどと虚偽の陳述をした議院証言法違反の事実により七月十六日同予算委員会委員長から最高検察庁に告発がなされました。 東京地検は、大久保らを取り調べた結果、七月十三日大久保を、同月二十三日伊藤をいずれも議院証言法違反により、東京地裁に公判請求しました。また毛利、松岡及び中居の三名については、九月三十日いずれも起訴猶予処分に付しました。 次に、東京地検は、逮捕した大久保、伊藤及び檜山らの取調べの過程において、丸紅関係におけるロッキード社からの資金の流入状況、その使途、趣旨等についても捜査したところ、前内閣総理大臣田中角榮及び元内閣総理大臣秘書官榎本敏夫について、ピーナツ及びピーシズ領収証に見合う計五億円の外為法違反の容疑が濃厚となり、七月二十七日両名を逮捕しました。 その結果、檜山については八月二日、大久保及び伊藤については八月九日、いずれもクラッターと共謀の上、昭和四十八年八月十日ころから同四十九年三月一日ころまでの間、前後四回にわたり、ロッキード社のためにする支払いとして、榎本、田中に合計五億円を支払った事実により、榎本については右五億円を受領した事実により、それぞれ東京地裁に公判請求しました。 次に、東京地検は、あわせて右五億円の趣旨等につき捜査を行った結果、檜山、大久保及び伊藤については、コーチャンと共謀の上、昭和四十七年八月二十三日ころ、右田中方において、同人に対し、内閣総理大臣としての職務権限に基づき、L一〇一一型航空機を全日空に購入させるよう尽力されたい旨請託し、その報酬として現金五億円を供与することを約束した上、昭和四十八年八月十日ころから同四十九年三月一日までの間、前後四回にわたり右五億円を供与した旨の贈賄の事実、田中については、逮捕、勾留事実である外為法違反のほか請託を受けて右五億円の賄賂を収受した旨の受託収賄の事実が認められたため、本年八月十六日右四名を東京地裁に公判請求しました。さらに、檜山については、九月三十日前に述べた議院証言法違反により追起訴をしました。 また、田中の収受したと認められる五億円の使途についても鋭意捜査をいたしましたが、その個別的な使途を明らかにすることはできなかった次第であります。 次に、東京地検は、三十ユニット領収証に見合う金員の流れについて捜査を遂げたところ、昭和四十七年十月下旬全日空代表取締役社長若狭得治及び取締役藤原亨一が相談して、L一〇一一型航空機の導入に関係のある国会議員に金員を贈ることとし、贈り先、金額等を決定した上、ロッキード社の販売代理店である丸紅の大久保らにその意向を伝え、その資金をロッキード社から調達して、全日空の名で国会議員に贈るよう依頼し、大久保は、コーチャンに若狭らの右意向を話して、クラッターから三十ユニットの領収証に見合う三千万円を受け取り、このうち五百万円を丸紅の伊藤が元運輸大臣橋本登美三郎に対し、二百万円を丸紅の秘書課長副島勲が元運輸政務次官佐藤孝行に対し、それぞれ贈ったほか、その余の二千三百万円を同年十月末ころから十一月初旬ころにかけて五回にわたり国会議員五名に贈った事実が認められました。 そこで、右金員の趣旨等について捜査をしたところ、橋本については、同四十六年一月ころ若狭から全日空が大型ジェット機を国内幹線に投入することができる昭和四十九年ころまで日航の大型機投入を阻止するため、運輸大臣としての職務権限に基づき、日本航空に対し、大型ジェット機の投入を全日空との話し合いがまとまるまで延期するよう指導されたい等の請託を受け、その報酬として供与されるものであることの情を知りながら、同四十七年十一月一日ころ同人らから伊藤を介して現金五百万円を収受した旨の受託収賄の容疑、佐藤については、同四十七年四月中旬ころから同年六月下旬ころまでの間、前後数回にわたり、若狭らから、運輸大臣が「航空企業の運営体制」に関する通達を発する場合には、運輸政務次官としての職務権限に基づき、右通達中に、大型ジェット機の国内幹線導入時期を昭和四十九年度以降とすること等を明記されたい旨の請託を受け、同年十月三十一日ころ若狭らから右副島勲を介して現金二百万円を収受した旨の受託収賄の容疑がそれぞれ濃厚となり、本年八月二十日佐藤を、翌二十一日橋本を逮捕し、取り調べた結果、いずれも九月十日右の罪名により東京地裁に公判請求しました。なお、若狭らの右贈賄罪については、三年の公訴時効が完成しているので、訴追の対象とはなりません。 また、いわゆる三十ユニット中のその余の二千三百万円の授受が認められる国会議員五名については、捜査の結果、一つ、ロッキード社から流入した金員そのものの授受はあるが、証拠上職務に関する対価であることが認定できないため収賄罪の成立は認められないが、右金員授受の趣旨がロッキード社の航空機売り込みと関連があると認められる者二名、二つには、ロッキード社から流入した金員そのものの授受はあるが、請託の事実が認められないため単純収賄罪となり、三年の公訴時効が完成していると認められる者を三名、この二つに分類され、いずれについても刑事責任の訴追はできないとの結論に達しました。(「追及だ」と呼ぶ者あり) 次に、全日空ルート関係について申し上げます。 東京地検と警視庁は、協力の上、六月二十二日強制捜査に着手し、同日全日空専務取締役澤雄次、経理部長青木久頼及び業務部長兼国際部長植木忠雄を外為法違反の事実により、七月七日藤原を同法違反の事実により、七月八日若狭を議院証言法違反及び外為法違反の事実により、また、七月九日副社長渡辺尚次を議院証言法違反の事実により、それぞれ逮捕しました。 なお、若狭の議院証言法違反については、すでに六月十八日衆議院予算委員会荒舩委員長から最高検察庁に告発がなされており、渡辺の同法違反については、七月九日衆議院ロッキード問題に関する調査特別委員会田中委員長から最高検察庁に告発がなされました。東京地検は、捜査の結果、七月十三日澤、青木及び植木の三名を、同人らが共謀の上、昭和四十九年六月中旬及び同年七月下旬の二回にわたり、エリオットからロッキード社のためにする支払いとして合計約五千百万円を受領した外為法違反の事実により、また、七月二十八日藤原を、昭和四十九年八月初旬ころ、クラッターからロッキード社のためにする支払いとして一億一千二百万円を受領した外為法違反の事実により、さらに、同日若狭を澤らと同一の事実により、いずれも東京地裁に公判請求した上、同日、若狭を藤原と同一の容疑事実により再逮捕した結果、八月十八日、藤原と共謀の上、一億一千二百万円の支払いを受領した外為法違反の事実により東京地裁に公判請求しました。一方、渡辺に対しては、六月十六日及び同月二十四日の衆議院ロッキード問題に関する調査特別委員会において証言を行った際、前記約五千百万円の授受については全く関知していないなどと虚偽の陳述をした議院証言法違反の事実により、七月三十一日東京地裁に公判請求しました。 また、若狭が衆議院予算委員会においてダグラス社との間のオプション契約や前述の約五千百万円及び一億一千二百万円を受領した事実について虚偽の陳述をした旨の議院証言法違反の事実については、同人を九月三十日追起訴いたしました。ところで、若狭、藤原らを取り調べた結果、昭和四十七年十月下旬若狭及び藤原の両名は、協議の上、L一〇一一型航空機一機購入につき五万ドル相当の日本円を礼金としてロッキード社に要求することとし、丸紅の大久保にその意向を伝え、大久保は、コーチャンに若狭らの右意向を伝え、同年十一月六日コーチャンの指示を受けたクラッターから九十ユニット領収証に見合う六機分三十万ドル相当の日本円九千万円を受領し、藤原に手交しました。 このように若狭らは、右九千万円を受領したほか、同四十九年六月及び七月に受領した計約五千百万円、同年八月に受領した一億一千二百万円、以上合計約二億五千三百万円を受け取り、いずれも全日空がすでに保有していた簿外資金に順次組み入れて保管いたしておりましたところ、そのうち合計五千七百五十万円を同四十七年十一月から同五十年九月までの間、前後二十八回にわたり合計十三名の国会議員に贈っていたことが認められました。この点について右金員授受の趣旨を捜査した結果、国会議員の職務に関する対価であることが認定できないため収賄罪の成立ば認められなかったのであります。 なお、右金員授受の趣旨は、たとえば、政治献金、海外出張の際のせんべつ、中元、歳暮などであり、ロッキード社の航空機売り込みと関連があるとは認められなかったのであります。 次に、捜査処理の今後の見通しについて申し上げます。 いわゆる全日空ルート及び丸紅ルートについては、ロッキード社からのL一〇一一型航空機売り込みに関する資金の流入状況、その使途等のほぼ全容が解明され、その過程において判明した犯罪行為についても、九月三十日をもっておおむねその捜査処理を終了いたしました。しかし、いわゆる児玉ルートについては、現在まで同人に対する取り調べは、その病状に配意しつつ五十回に及んでおりますが、同人の病状等、捜査上種々の困難な障害が存し、その使途等の解明がいまだ十分とは言えない状況にあります。 しかしながら、捜査当局といたしましては、従来どおりのロッキード事件捜査本部の体制のもとに、今後も捜査上の障害を克服して、いわゆる児玉ルートについて、できる限り迅速にその真相を解明するよう捜査を続行中でございます。なお、いわゆるPXL問題等については、現在までのところ犯罪の容疑が認められてはおりませんが、いわゆる児玉ルートの捜査の過程において、これらの問題についても犯罪の容疑が認められるならば、検察当局としては、当然厳正な態度でその捜査処理に当たるものと確信いたします。 以上のように、ロッキード事件の捜査はまだ継続中でありますが、政府としては、この不幸な事件を契機として、この種不正事犯の再発を防止するため、関係各分野において立法措置を含む所要の方策につき積極的な検討がされるべきものと考えております。 終わりに、本事件に寄せられた国民の高い関心にこたえるため本委員会が終始捜査当局に激励と御協力を賜りましたことを感謝して報告を終わります。
○委員長(大谷藤之助君) それでは、ただいま稻葉法務大臣の報告に対し質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○上田哲君 法務大臣、この中間報告を読みましてまことに失望、憤激、落胆、不信。法務大臣、これ八カ月ですよ、あなたもそこに座って八カ月。二月五日の朝、海を渡ってチャーチ委員会から第一報が入ってから、私たちだけではない、国民全体の、この問題だけは真相を解明をし切らなければならないという気持ちで進めてきた努力。八カ月待ってここに私たちがきょう手にしたもの、政治不信をあおるものではありませんか。真相究明などという言葉はこの中に一言でもまじめに語られるでありましょうか。私は、きょうここに三木総理の御出席がないのは残念でありますが、あなたはきょう内閣を代表してと衆議院での御答弁もありましたから、当面、あなたに御質問を申し上げて、時期を新たにして三木総理に、内閣として政府としての所信をしかと伺いたいと思います。 そこで、この中間報告です。中間報告という言葉の意味がはなはだ政治的であります。私は、この中間報告という言葉に二つの政治的意味が課せられていると直感をいたします。第一は、途中でありますよ、途中でありますよという言葉をつけながら、事実これを読めば、あなたのお言葉にもあるように丸紅ルート、全日空ルートはほぼ終了したと、捜査の終了をにおわせているということが一つです。 そしてそれにもかかわらず、それならば当然に国会を中心とする国政調査権の発動が全的に保障されなければならないのに、つまり政治的道義的責任が、捜査の途中だから十分にはできないぞという煙幕が張られようという意味がある。これを中間報告という言葉にされることのその二つの政治的意味というのは、これを一口で言うならば、この紙切れをもって、この七十八臨時国会のこうしたやり方をもって、選挙の前に、選挙から逆算をしてロッキード問題を幕引きしようということ以外にないと私は思うんです。恐らくは、きょう朝からこの報道を聞き、いまでも国会の審議をごらんになっておる多くの皆さん方が、同じ気持ちで、一体この問題はどこへ行くのかという、ロッキード事件というような小さな事件ではない、構造汚職と称する日本の政治の命運をかけた大きな問題に対して、同じ気持ちをお持ちだと思うんです。御心境を伺いたい。
○国務大臣(稻葉修君) 上田委員の御批判を受けるまでもなく、事件発生以来八カ月を経て、いまだに大切な児玉ルートの解明ができていないという中間報告をいたしますことは、法務大臣としてまことに遺憾千万であります。お説のとおりです。ただしかし、検審当局も鋭意捜査した結果、丸紅、全日空ルートの解明を一応終わったと、ほぼ終わったという今日、児玉ルートが余りにおくれました、そういう遺憾の意を表するとともに、この二つのルートにつきましては、皆さんもこれから刑事責任はそこまでであったが、道義的政治的責任はまだ残っておるぞと、それを国会の方で捜査するに、そのいわゆる灰色の高官——灰色高官の定義や範囲や基準を決めて、そうしてこういう基準ができたから名前を明らかにせいとか資料を出せとか、こういうのに役立たせる義務が議長裁定において課せられておると思いましたので、精いっぱいその議長裁定によって課せられた国会調査権に対する政府の協力責任を尽くしたいという気持ちで中間報告をいたした次第であります。
○上田哲君 国政調査に対する政府の協力責任という言葉は私は第一に気に入らぬ。協力責任なんというものじゃありません。もっと積極的に主体的に責任を果たすべきものだと私は思うが、まあ言葉のことはいいでしょう。三つに分けて聞きましょう。 第一に、あなたはこの捜査報告によって、この中間報告によって大変し残したことが多いとお感じになっておられるかどうか、イエス、ノーで。
○国務大臣(稻葉修君) こういう国際的大事件であり難事件であるものにつきまして、いろいろアメリカの証言拒否等があったりして支障は来しましたけれども、日米協力して一生懸命にやってきたつもりです。しかし、前にも申し上げましたとおり、一番金額の多い児玉ルートの解明ができていないことは遺憾であると、何度繰り返しても遺憾でありますが、まあ戦後わが国に起こりました疑獄事件をたくさん顧みまして、今度のこの疑獄事件について、丸紅ルート、全日空ルートについては、従来に比べては相当な成果を上げたと、検察庁御苦労であったなと、こういう気持ちではおります。
○上田哲君 私は、検察当局の努力について云々をいたしません。そのことについていま批判をしようとしているのではない。行政の一部である検察捜査の中間報告を受けて、これを国会に提出する政府の姿勢を問うておるのです。三木内閣を代表して、あなたに私は長い話を聞いておらぬ。イエス、ノーで伺いたいのは、あなたがまじめにこの捜査を真相究明までこぎつけようとされていたのであれば、ここに提出された中間報告はこれをもって十分だとはお考えにならぬであろうなということを一言伺っておきたい。
○国務大臣(稻葉修君) こういう中間報告をせざるを得ないということは、はなはだ私も不満であり遺憾でありますね、これは。
○上田哲君 そうしますと、多くし残した、遺憾であり不満であるという部分は解明される見通しがあるのか。また、それならばいつ解明できるのか。中間報告ですから、もうそのことははっきりしてください。
○国務大臣(稻葉修君) 解明される見通しがあるか、あるとすればいつかということにつきましては、明言をするわけにはまいりませんけれども、鋭意捜査を続行していく。その特捜本部体制をそのまま継続して鋭意やるわけでありますから、必ず信頼にこたえてくれるものと検察当局を私は信頼しております。
○上田哲君 ただいまのお言葉の中に、捜査体制をそのまま存続しておるとおっしゃる。現に六ページにもそう書いてありますし、六ページによりますと合計百五名と書いてあります。そして、三十ページですか、「従来どおりのロッキード事件捜査本部の体制の下に、」と書いてあります。本部だけのことを言って言いくるめられては困るんですが、全捜査体制——応援検事、応援事務官を含めて、従前どおりピークの姿ではないと私は思うがどうですか。
○政府委員(安原美穂君) その報告に書いてあります応援検事は、それぞれの原庁に復帰しておりますが、特捜部自体で特捜部体制を敷いておるのが現状でございます。
○上田哲君 応援検事を帰しておるのですからこの数字は違うではありませんか。本部体制を残すということはこれは上辺の形のことなんです。私は検察をいま批判しようとは思わぬ。政府がこういう形で報告をされて、従前どおりなんてことを書かれてはいかぬ。明らかに縮小体制に入っているではありませんか、法務大臣。——法務大臣。
○政府委員(安原美穂君) 特捜部体制と申しますのは、普通は特捜部だけでいろんな事件をやるのに、このロッキード事件に専従する体制を敷いておるという趣旨でございまして、全日空ルート、丸紅ルート、児玉ルートが、三つルートを別に捜査をしておるときよりは人数が少なくて足りるはずでございます。
○上田哲君 足りるのか足りないのかの問題ではない。足りるならば、中間報告ではなくて、ここで終結の報告をすべきであったでしょう。それを一人減らしたからどうのというようなことを言っているのではありません。全然数も減らさず、同じ体制でどんどんやるんだというふうなポーズを政治的に示されてはならぬであろう、困難な状況であることは百も承知してるんですから。その辺のところをもっと正直に言われることが正しいだろう。まあ私が言いたいのはそこじゃなくて、第一に、十分だとば思っておられぬだろう。十分でないならばそこはどれぐらいの見通しを持っておられるのか、むずかしいならむずかしいとおっしゃったらいいではないか、そのことを言っているわけです。 第三点、ここに書いてあるような、国政調査の資料に資せんがためにとおっしゃっているが、それほど十分ではない、これから先の見通しも十分には立っていないということであれば、これのみをもっては国政調査に十分に資さねのであるということにならざるを得ぬと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(稻葉修君) 丸紅ルート、全日空ルートについては、私は国政調査に資するために御協力を申し上げる、十分な御協力を申し上げられるんじゃないかと思う。しかし、児玉ルートについてはなかなかむずかしいと聞いております、正直なところ。しかし、粘り強く鋭意捜査を続行すると、その後で協力し得る部分が出てくると思いますが、全日空と丸紅ルートについては、国政調査権に協力する面はこれから出てくるというふうに思っておりますが。
○上田哲君 そういうお言葉があるんならば、私はもうちょっと後から細かく聞こうと思ったんですが、先にちょっと伺っておきます。 先ほどの御報告によりますと、取り調べた者は十七名である、丸紅は逮捕が三名である、三十ユニットは、五人の内訳が職務権限なし二、時効三であると、こうなっているわけですね、全日空は十三であると。そこで伺います。三十ユニット五名のうちに逮捕者はいるんですか。
○政府委員(安原美穂君) 中間報告のたてまえとして、特定の人の、公訴を提起しなかった人の名前を言うことは差し控えさしていただきたいというたてまえから申しまして、特定するような仕方で申し上げるわけにはまいりませんが、逮捕者はおります。
○上田哲君 わかりました。 じゃもう一つ。全日空の十三名の中でダブるのは、逮捕者、職務権限なしという方、時効と、この中のどれに当たりますか。
○政府委員(安原美穂君) 相当数字が入り込んでおり、オーバーラップしておりますので、お答えに暇がとれまして申しわけございませんが、どちらの類型にも入っております。
○上田哲君 ということは、一つずつということですね、つまり。つまり各類型の中に何人入っているかということを数字で言っていただきたい。
○政府委員(安原美穂君) 三十ユニットの中でいわゆる二千三百万円の問題につきましては、先ほど御報告申し上げましたように、職務権限がないということで、トライスターの売り込みに関連はあるが職務権限はないとする者二名、それから請託の事実が認められないので単純収賄罪となり公訴提起できない者、刑事責任がないと認められる者三名ということでございまして、いまダブりはどちらの類型にも入っております。
○上田哲君 いや、ちょっと意味がよくわからない。十三のうちですよ、全日空十三のうちどうなのかと言ってるんですよ。——時間の問題がありまして、もったいないので、ちょっと照査をしておいてください。私の質問の終わるまでにひとつお願いをいたしたい。 ついでに、さっき類型別が衆議院で出ておりますけれども、二十八回十三人のうち、全体をならして言うと、最高は千五百五十万円で最低は百万だと言うんですが、このせんべつ、政治献金、中元、歳暮、不明、——不明というのはよくわからぬ。だから不明と言うんでしょうけれども、その件別の最高、最低というのもひとつ御報告をいただきたいと思います。これは、この私の質問が終わるまでに、時間が非常に貴重でありますのでお願いをいたしておきます。 で、まあこういう御質問をするのも、あるいは答弁がもたつくのも、非常に隔靴掻痒の、くつの上から足をかくような報告だということに原因があるわけです。で、まあそこのところを今日議論をしておると平行線になるでありましょうから、せっかく中間報告が出されたのであるから、これから私は犯人捜し、まさに、刑事コロンボのまねをするようなことじゃなくて、国会が憲法四十一条における最高機関としての任務を果たすための政治的道義的責任というものをこれからひとつ完全な形で遂行していくきっかけをつくりたいと思う。これは法務大臣も委員長も御同意であろうと思うんでありますが、そういうためには、私どもはこの八ヵ月間、非常にくやしいときもあったけれども、法務大臣はそこで、国会を開かれても困るのであると、あるいは委員会を開かれることもはなはだ捜査のためには、待ってくれとはいえないけれども困るのであると言われた。国政調査権の捜査権との関係においてはどうなのかという議論はあったけれども、私たちは、まあ話をして決めたということではないけれども、結果的に国政調査権という全能な権能が捜査権の下位にあったということは事実問題としてあったと思うんです。これもまたやむを得なかったと了解もしましょう。しかし、ここで一定の、少なくとも三ルートと言われるうちの二ルートは大丈夫だと、全部出そうということになったのであれば、全体について完全な意味で国政調査権はいま国民に対して復権をしなければならぬと私は考えます。これについて御異議はありませんね。一言で結構です。
○国務大臣(稻葉修君) 全く異議はありません。
○上田哲君 結構です。 国政調査権の及ぶところは単に捜査権のみではありません。捜査によって国政が対象となることも当然ありますし、また、われわれの側から捜査を検証することもあるわけでありまして、その限りではこのほか、たとえば税務調査、あるいは会計検査院、公正取引委員会、あるいは行政管理庁、あるいはその他もろもろの各行政官庁機構の中に問題が及ぶこともあるわけであります。 試みに一つ伺っておきたい。国税庁はどういう調査を今日まで完了しておりますか。
○政府委員(山橋敬一郎君) お答え申し上げます。 ロッキード事件に関連をいたします国税上のいろいろな諸問題につきましては、大きく大けて二つの問題があろうかと思います。一つは児玉関係をめぐるいろいろな税務上の問題、一つは全日空、丸紅ルートをめぐるいろいろな問題というふうに大きく大けられると思いますけれども、児玉関係につきましては、先生すでに御承知のとおり、四十九年分までの告発、起訴を終わっておりまして、五十年分につきまして現在鋭意検察当局と共同いたしまして捜査を続行中、調査を続行中でございます。また、全日空、丸紅ルートの関連につきましては……
○上田哲君 ちょっと待った。そんなことを言ってたんじゃ時間がなくてしょうがない。あなたも八ヵ月かかってる。ずばり伺うから、イエス、ノーで答えていただかないと時間がなくなってしまうんです。 私が伺いたいのは、三十ユニット、九十ユニットは手がついてないと思うが、どうですか。
○政府委員(山橋敬一郎君) 全日空、丸紅関係の調査につきましては、御承知のとおり非常に大きな法人でございますので……
○上田哲君 イエス、ノーで早く答えてください。そんなことやっているからできないんだ、八カ月かかって。
○政府委員(山橋敬一郎君) 現在、検察当局におきまして関係帳簿書類の押収されておる段階でございます。われわれといたしましては三
○上田哲君 できるかできないかを答えればいいんです。
○政府委員(山橋敬一郎君) はい。今後検察当局と緊密な連絡をとりまして、資金の入り、出につきまして調査を鋭意遂げて実態を解明をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○上田哲君 あのね、法務大臣、国税庁は三十ユニットも九十ユニットもやってないんですよ。これは国民の常識からいって全然わからぬ。なぜやってないのかというと、帳簿持っていかれちゃったという。これはまあ政府部内のいろんな仕事でありましょうから、これで全部説明になるかどうかわからぬけれども、この調整はどうされるのですか。
○国務大臣(稻葉修君) 捜査当局に押収してある物でも、もうこっちは済みましたからね。早く取りに来て持っていってやってくれと、こういう態度で私はいきたいと思いますな。
○上田哲君 そうであればですね、これはもうすぐ、スムーズにやっていただきたいと思います。しかし、私はそれでおくれたということは理由にならぬと思うんですよ。これは速やかに、たとえばきびすを接して、この中間報告は捜査報告のみであってはいかぬのですから、政府報告である以上は、そういうすべてのデータをそろえられるのが政府の行政責任であると私は思うんです。これはもう答弁を求める必要がないと思いますから厳しく申し上げておきたいと思います。 そこで、国税庁そこまでいったというお話があったから伺うんだが、あわせて、十数億円の児玉の入りははっきりしたんですか、使途は十分わかってないとここに書いてあるんだが、そこのところは不十分かもしれないけれども、入りは十分だったのかどうか。両方です。
○政府委員(安原美穂君) ロッキード社からの工作資金の入りについては検察当局としては明確になっております。
○政府委員(山橋敬一郎君) 児玉関係の資金の入りにつきましては、国税当局もその全容を解明しております。
○上田哲君 しっかりやってもらわなきゃ困るということで先に急ぎますけれども、私はここで言いたいことは、国政調査権は完全な形で復権をすべきである、それは一言の疑念もないと法務大臣も言われた、政府を代表して。そうなってまいりますと、捜査報告だけでは足りないのです、解明は。まさにここに全行政に向かっての視点がなければならない。ところがこの報告書を読みますと、私たちが見るべきものは、これは捜査報告です。検事総長が報告をするならわかりますけれども、これは全然大事なことが抜けている。私たちがこの捜査を通じて、たとえば新聞紙上で国民の皆さんがだれでも耳に何となくたこができたような奇妙な言葉を受けたのは、職務権限というやつです、職務権限。一般市民に職務権限なんかありませんから。お役人や政治家が持っている特殊な権能としての職務権限というのは一体何だろう、その職務権限という奇妙な魔法のつえによって、こちらへ来た物は賄賂になり、こちらへ来た物はなっていく、こういう問題が基本的に立ちはだかっていると思うんです。 われわれがここで問題にしなきやならなかったのは、だれがどこの路上で幾らもらったかということも大事だけれども、それはだれが仕組んだかということも捜査当局の重要なポイントであるけれども、問題はそれが政治の、日本の全政策決定過程の中に入り込んでいた、いまだってトライスターは飛んでいるんです。P3Cを百機も買おうかという話もあるんです。一兆円に上ろうという買い物です。その最高政策決定の仕組みの中にロッキードから飛んできた二十五億円というような大きな、それも賄賂だけが入りは確定したと言われる物がどんどん入っちゃっている。国民の見えないところで、とんでもない者が政策決定を左右していたということになるならば、このロッキード問題の真相究明というのはどんなに不心得な者がいたかということではなくて、いや、それのみではなくて、そういう汚職を、贈収賄を可能にした政治仕組み、その政治仕組みによって政策決定がどのようにして曲げられていったか、児玉や小佐野やあるいは丸紅等の人々によってそんな大きな政策決定の変更が行われるようで民主主義が成り立つか、それを摘発できないで議会主義は成り立つかという問題なんですよ。これはもう疑点はありませんね。 そういうことであれば、政策決定過程に対して私たちはいろんな問題の究明がなければ捜査としても完璧ではないと思う。前田中総理が逮捕されたときに、五億円が受託をして収賄したのであるということであってみれば、田中角榮前総理の収賄した五億円の中身が一体そういう意味にどのように使われたのかということが究明されなければ当然なりませんね。田中前総理だけではありません。そうした問題が政策決定過程の仕組みの中でどのように流れて行ったか、動いて行ったか、そのことが明らかにされなきゃならないのに、たとえば、その当時の運輸大臣がつかまった、政務次官もつかまった、どうやらその周辺に灰色もいる。しかし、運輸省はどうなっているんですか。そこから運輸省に命令が行き、その運輸省の高級官吏あるいはその役につくべき人々が航空会社に話をする、この仕組みがなかったらいまのような問題は起きていないわけでしょう、国民が知りたいのはそこなんですよ。そこを何も書いてないということでは捜査の限界から言ったって報告にはなりますまい。一行も触れていないということはどういうことなんですか、捜査ができない範囲ではありませんね。
○政府委員(安原美穂君) 今回の中間報告はあくまでも法務当局の捜査に関する報告でございますから、行政施策全般に触れられないのは法務当局の報告といいますか、捜査の報告としては当然のことのように思いますが、なお、いま御指摘の田前総理の五億円の収賄の関係におきまして、その政策決定にどう影響したかというようなことはともかくといたしまして、捜査の過程でありまして、その五億円の趣旨が請託収賄であるということを立証するための資料は十分に収集いたしますとともに、これを近く開かるべき公判廷において明らかにしていく事柄でございますので、中間報告の性質上、また、その報告の性質が、冒頭お願い申しておりますように、刑事訴訟法の枠内で最大限の御報告を申し上げるということから考えまして、いま御指摘のような事柄を明らかにすることは、将来の裁判に影響をするということで報告の中に盛り込んでない次第でございます。
○上田哲君 安原刑事局長の法理論に私は二点で反対をしたい。 第一点は、あなたのおっしゃるのは、せいぜいがその法理の限界は四十七条ただし書きの限界までだ。なるほど両院議長裁定の趣旨というものもそこを上限としておりますし、四十七条ただし書きの趣旨、立法の趣旨に基づいてこういうことが行われているんだということは、検察当局を代表する立場でのあなたの表現としては私は認めてもいい。しかし、少なくとも国会が、さっき言われる憲法四十一条、最高法規の規定によって国政調査権の完全復権を図るならば、その復権の範囲は刑事訴訟法四十七条ただし書きに限定さるべきものではない。これはもう法務大臣も当然お考えになることでありましょう。その限りでは捜査としてはここまでだった、これ以上言えないんだというところは認めてもいい。 しかしながら少なくとも第二点。捜査当局のこれは報告ではないのであります。三木内閣を代表して法務大臣がここで表明される報告であるならば、受けるのが国会であり国民であるならば、それをもって限界とすることは法理論的にも実情的にも許されない。その実情的な第二点の問題として言うならば、たとえばいまここでは言えないがと言われている事情については、法務大臣、三木総理も実情を御存じでしょう。たとえば十三人の名前、十七人の名前、御存じに違いない。あなたは一方の政府を代表する立場で御存じであり、すでに中立公平、全然手も入れてないと言われた。途中はそれもいいけれども、その捜査当局から報告をされた法務省、政府の一部局として担当者の法務大臣また総理大臣は、この内容を完全に御存じのはずであります。政治論としての場に移った段階でこうした問題がなお明らかにされないでは、ここに書いてあるような国政調査に資するなどというようなことには相ならぬと思う。私はその二点において、これは可及的速やかにここに報告さるべき方途を講ずべきであるということを申し上げたい。
○政府委員(安原美穂君) 上田委員御指摘のように、刑事訴訟法四十七条を中心として私は申し上げたわけでありまするが、その意味におきまして四十七条は直接の適用の対象に法務大臣あるいは総理大臣はならないわけでございます。そういう意味におきましては直接の適用を受けませんけれども、総理大臣、法務大臣は検察に対しての指揮監督の権限をお持ちでございますし、およそその指揮監督をされる方が四十七条を無視していいということには相ならないわけでございますので、四十七条の極官には拘束をお受けになると考えております。 しかしながら、公益性の相当性の判断、どちらの公益が優先するかの判断は法務大臣、総理大臣においてなさるということはまさにそのとおりでございまして、判断の主体が違えば結論も違うことはあり得るということは法理論としては正しゅうございますが、問題は、指揮監督をなさる法務大臣なり総理大臣のお考えと検察当局の考えが一致することが最も好ましいわけでございまして、それが一致しないことは好ましくないというのが私どもの考えでございます。
○上田哲君 大体一致したようです。それでいいんです。それでいいから、すべて国政調査権ということの完全復権ということをお認めになった法務大臣、内閣の代表として、さっき私が申し上げたように、もうすでに三木さんもあなたも御存じなんだから、この内容は。これは政治課題としてオープンにされることが正しいと考える。いま安原刑事局長と私は論理的には一致しましたから、その最高政治判断であると言われる、その最高政治判断をあなたは決意を持ってここに表明されたい。
○国務大臣(稻葉修君) 検察は、法務は刑事責任追及者で、道義、政治責任追及者でないことはお認めいただけると思うんですが、もしそういうことを、不起訴になった者の氏名を公開の席で私の口から公表いたしますと……
○上田哲君 いや、その話はしてないです。違う、違う。
○国務大臣(稻葉修君) そうじゃないんですか。
○上田哲君 そうじゃない、まあそれも含めて。
○国務大臣(稻葉修君) そうじゃないんですか——。それも含めてそういう判断を、検察当局の判断と法務大臣との判断がなるべく一致することが望ましいんで、現在の段階では一致しているんですが、それでは法務大臣は検察庁の代弁者みたいで話にならないんじゃないかと、あなたはこういうことですが、いまの段階では話にならない態度をとっております。
○上田哲君 これは話にならない態度では困るんです。そして安原刑事局長も法律的にそれができないなどと言っているのではないということで私の論理に共鳴をされておる。したがって話にならない態度を撤回されればいい。安原刑事局長の言葉をかりるならば、いま、あくまでもこれは捜査報告にすぎないのだと言われた。国会は私どもが国政調査権の命ずるところに従って捜査報告のみを求めているのではないのであります。あなたもここに書いてある、これには法務省と書いてある。検察、検事総長と書いてないんです。したがって、あなたは政府を代表して表明されるものが捜査報告のみであってはなりませんね。したがってそれを話にならないところから超えなきゃならない。で、私は二点要求しておきます。 その第一点は、検事総長の報告となるべきような刑事捜査報告を超えて、三木総理によって政治報告をなすべきものである。これが国政調査権に対する協力ということの意味です。 もう一つは、捜査の範囲において、いま十分ではないと言われているし残した部分について、中間報告を出されたんですから、これをどの時点までには詰めると、どの時点までには詰まらぬなら詰まらぬという一定の見通しを明らかにされるべきである。この二点をお約束をいただきたい。
○国務大臣(稻葉修君) 児玉ルートも全部解明したときには総理大臣が捜査の全貌について報告をする、国会を通じて国民に報告する、こういうことになるわけです、いまは捜査の途中でありますから。しかし丸紅ルートと全日空ルートにつきましては、刑事責任の追及については全部報告をいたしました。隠しておりません。その後、道義的政治的責任あるものと申されるものについては、あなた方やってください。協力します。
○上田哲君 いや、これはもう少し進めましょう、時間がなくなると困るので。もう稻葉さん、八カ月もあなたのいろんな演説は聞いてきたんですからなるべくひとつぴしっ、ぴしっと、こういうものを出された以上は、答案出されたんだから、イエス、ノーと答えていただきたい。 国政調査権の完全な復権ということの一つには、今日まで、いいですか、二月五日から、春から夏から秋にかけて今日まであなた方の手だけで握っていた資料。専権捜査を続けてきたすべての資料がある。この資料は、国政調査権の完全復権というなら全部出すべきであって、その一つはアメリカの資料だと私は言っているんです。アメリカの資料はこれは大統領返書であのときの、向こう側の捜査、調査に影響がなければいいという趣旨があったんです。八カ月われわれは待ったんです。日本の主権ですよ。いろんな高官名というものをアメリカではアメリカの国会と司法省が知っているんです。ところが日本では日本国会がこれを知らぬということで、日本の主権が守られるとはあなたはお考えにならぬ。当然に日本の主権回復のためにもこの資料はこっちへ持ってこなきゃならぬものです。アメリカはわかっておるんです。だから現実に私は九月の二十八日に本会議でそのことをあなたに強く迫った、そうしたらアメリカの方から返答があったじゃありませんか。アメリカの司法省は、アメリカは公表に必ずしも反対していない、公表の再交渉も可能である。十月八日にはケンプ・スポークスマンが、公表は日米の検察官同士の合意で足りるということも言っておる。その地米司法省のいろんな発言があります。全部言っておるともう時間がないんです。政府の方が、あるいは官房長官が議運で、あるいはあなた自身が参議院のこの委員会で、できるだけやってみようというところまでは言われたが、どうも私は外交ルートの中でまあまあという手が向こうへ届いたような気がしてならぬ。アメリカはこういうふうに言っているんですから、少なくとも可及的速やかにアメリカの資料は日本国会に公表する、公表すべきものだと考える。こういうことをアメリカに感謝するとあなたはこの報告書の中で言われたけれども、感謝は感謝、日本の主権は主権、このことを国民の権利において明らかにせよということが正しいのだと、そのための外交努力もするのだということを御確認をいただきたい。
○国務大臣(稻葉修君) 御説のとおりで、努力をしました結果、いまは捜査の途中であるからアメリカの資料を公開されることは困るのだという返事が来たやに聞いております。
○上田哲君 返事が来たやに聞いておりますなんてばかなことがありますか。日本国会の主権にかかわるようなお話を、官房長官も言明され、あなたもここで言われて、やに、そうであります、なんという話では、こういう報告しか出ないんですよ。
○国務大臣(稻葉修君) 外務省からの報告によりますれば、外交ルートを通じて、ドイツの例であるとか、オランダの例であるとかあるもんですから、それを往復しましたところ、いまはアメリカにおいてもこの日米のロッキード問題については捜査が終わっておらぬから、アメリカの日本に渡した資料を日本で公開されることは困ると、こういうことになっております。
○上田哲君 これは大変疑義があるんです。アメリカでは捜査をしておりません。調査も終わっております。あなたとここは認識が違う。またアメリカが言っていることは、当初そういう取り決めとは関係ない、あれは——いいですか、あの取り決めとは関係なしでよろしいという声さえあったんです。その辺については、きょう一分、二分の話でやると間違いも起きるから、そのことが公表されることが元来の姿勢であるということをひとつ確認をしていただかなければ話かもう一どんどん時間がなくなりますから最後のテーマに移っておきますが、PXLです。全日空、丸紅ルートが終わったんだ、児玉ルートが残っているのだという言い方は、実はこの委員会では長い間の積み上げの中で、それは実はトライスターはほぼ終わったのだ、PXLが残っているんだということが正しいということになっておりますね。このPXL、このPXLが何とこの中では三行半ですよ。三くだり半とも読めますよ。わずかにこの中に三行半しかない。疑念がなかったなどと書いてある。一体どういうことでありますか。国民は最大の疑念はここに置いている。このことはもしこの問題を究明すれば、日本の軍事体制の根幹に触れるだろう、日米関係の根幹に触れるだろう、あるいは自民党体制の根幹に触れるだろう、日韓問題にも触れるだろうということが取りざたされる中で、それだけの大きな国民的疑惑がある中で、八カ月後の捜査当局の捜査報告が、政府が上書きをした報告が三行半で「捜査の過程において、これらの問題についても犯罪の容疑が認められれば、」云云ぐらいしか書かなくて、「犯罪の容疑が認められていない」だけではこれは相済まぬと思うんです。たとえば具体的な一例だけを挙げてもよろしい。田中前総理、五億円を四回に分けて収賄をした。この五億円の収賄請託がいつ行われたかと言ったら、ハワイ会談の一週間前ですね。一週間前に五億円の話がついた。そしてハワイ会談で、この報告によれば、トライスターだけが決まったという。一週間日に話がついて、一週間後のホノルルでトライスターだけが決まったという。ところが十月九日、一月後には、ここでPXLの逆転劇が行われる、それから一月足らずにPXLが専門家会議の方向へ向かって動いて——いや、トライスターが決まっていく、動いていく——いいですか、田中前総理が五億円の金の一回目をもらったのはこれからまだ後ですよ。ここで話が決まって、ここですべてのドラマがあって、金を受け取ったのはここから向こうで、この五億円の中にPXLの話が入ってなかった、あれほどのコーチャンが、丸紅が、全日空が、五億円も差し上げるから日本の政策をねじ曲げてくれ、ねじ曲げてくれるためには五億円を差し上げる、この五億円は十分の一の売り物のトライスターだけやってくれれば結構で、十倍の売り物のPXLは全然やっていただかなくても結構だなどと、そんなロッキード商法があるとはだれも信じない。少なくともこれは解明しなければならない疑惑ですね。この解明しなければならない疑惑であるとすれば、田中前総理を逮捕されて当然にこの問題については捜査をされたと思う。そうした問題は何一つここにないのです。たった三行です。容疑がなかったというのは一行です。これほどの大きな疑惑が、国民からゆだねられていて、この問題を打ぬ切ろうという姿勢でないならば、これについてどのような調べをした、かくかくの理由によって容疑はなかったと書くのが国民に対する任務、義務ではありませんか。具体的に御報告をいただきたい。
○政府委員(安原美穂君) 私ども捜査当局は証拠に基づいて物を言うわけでございまして、推測で物を言ってはならないわけだという基本原則に立って申し上げておるわけでありまするが、報告にも現在までのところ容疑が認められないと書いてあり、捜査を終わったとは書いてございませんで、今後捜査は継続中でございますので、その究明に待ちたいということでございます。
○上田哲君 たった一つそこで明らかになりました。PXLは捜査中なんですね。そして今日まで逮捕された人あるいは逮捕されなくても多くの人人、容疑、嫌疑のかけられる人々、伺っておきます。四百六十名と書いてある。四百六十名の中でPXL関係について参考人として事情を聞かれ、云々された方々の数字を御報告いただきたい。
○政府委員(安原美穂君) PXLの関係の人は参考人幾らというようなことではなくて、お互いに入り組んでおりますので、それだけという数字は言えませんが、防衛庁関係者等を取り調べております。なお、捜査中ですねというお尋ねでございますが、先ほど申しましたように、現在までのところ犯罪の容疑が認められていないわけでありまするから、捜査をするというわけにはまいりませんが、重大な関心は持っております。
○上田哲君 はっきりいたしません。捜査を続けるべき容疑を持っているのか、捜査をやめたのか、そこのところが非常に重大であります。やめてはならぬと私たちは考える。
○政府委員(安原美穂君) 捜査をやめたとは言っておりません。捜査をやめたのじゃない、現在までのところ犯罪の容疑を見出せないということですから、捜査をするということは厳密な意味では言えないということを申し上げただけでありまして、終わったとも終わらないとも申し上げる段階ではございません。
○上田哲君 正確に申し上げておきましょう。現在のところ容疑ははっきりとつかめていないけれども、その容疑はあり得るものとしてなお捜査を継続する可能性の中にある、いいですね。
○政府委員(安原美穂君) 上田委員御指摘のとおり、あり得るということでございます。
○上田哲君 時間がまいりましたから締めくくります。非常に残念でありまして、十分に意を尽くしませんけれども、いままで質疑いたしてきました中で、私はまとめてひとつぜひ政府当局及び委員長にお願いをしておきたい。四点あります。 第一は、先ほど来御答弁がありましたように、これは検事総長の捜査報告というべきものであって、政府の政治報告になっておりません。国政調査権にゆだねる、国会でいろいろ基準も決めてもらいたい、それについても議論があってわれわれは賛成ではありませんけれども、全部の金品受領者を明らかにすべきだということ以外に何もありませんけれども、しかし、それにしても国会で決めてもらいたいという主張をなさるにしても、政府は当然政府における責任がありますね。政府における報告責任というものは当然にあるわけですから、政治報告として、捜査報告ではなくて政治報告として、三木総理からこれを国会に出していただきたいということが一つ。 それから、先ほど来申し上げているように、し残しているところがたくさんある。たくさんある部分についてはやらなきやならぬとおっしゃるのであれば、これを大きな政治課題として国民の審判にゆだねなければ国会の任務は果たされません。したがって、このし残している部分の方向をつけ、一定の段階にできるだけの最高限の決着をつける、めどを明らかにされるのが少なくとも中間報告を出された立場でありますから、このし残した部分についての一定のめどを可及的速やかに、具体的には総選挙前までに再度報告されるということをお約束をいただきたいことが二点。 もう一つは、委員長にお願いをいたしたい。いまここで取り調べられた者は十七名、それからそのうち三名というのがすでに逮捕者ということでありますから、あと十四名というのが当然のことでありますから、これは委員長が直ちにお諮りをいただいて、この委員会で、直ちにこの段階で政府に対してこの十四名の全氏名、内容を御報告をいただくように処理をしていただきたい。私どもはこの上に立って全容解明のためにさらに当委員会等々の機関を通じて鋭意努力をしていくようにしていきたいと思います。 第四点。こうした解明については、まさに国会が本日から苦しくても第二段階に入らなければならぬと考えますので、その意味では国民的な期待——法務大臣は最後に報告の言葉をそれで締めくくられたわけでありますから、自他ともに認め合う国民的期待にこたえるために、政治不信を回復する大きな起点として本委員会の強い継続が必要であります。その意味では今日まで政府自民党の手によって抑えられてきた証人喚問を直ちに再開をする、このことについて委員長が強い裁断を下されることを要求をいたします。 以上、四点。明確な御答弁がなければ、私は質問を終了いたしません。
○国務大臣(稻葉修君) 検事総長報告みたいであるから、そういうものではなくて政治報告をせいというお話でしたか——これは総理大臣も言っているように、全部終わったら必ずやる、こう言っているんですね。いまは途中だから、それにしても、途中にしても、私は政治報告の部分もあると思うんですよ。ですから、それに基づいて不起訴者を類型別に示して、人数まで示しているんですから、そういう点について国会調査権を発動されて、そうしてそれを資料として詰めておいでになるという材料を示しているわけです。それは政治報告の中へ入ると思いますよ。検察の捜査報告だけでは私はそこまではなかなかいきにくいのじゃないかと思っていますがね。 それからこういう感じがしますよ。あなたのおっしゃること、ごもっともな点たくさんありますが、いま全部やらなければならぬことだけでないと思うんです。将来はやるけれども、いまここではそこまではいきませんよと、政治判断をしてもだめですと。
○上田哲君 少なくとも総選挙前にやらなければ幕引きですよ。
○国務大臣(稻葉修君) そうしてきょうここで、いろいろな名前だとかアメリカの資料とか、それをここで言うんでなければ、政治報告になっておらぬ、お話にならぬじゃないか、こういうことですが、それはちょっと違うんじゃないでしょうか
○上田哲君 三木さんが改めてなさいと言っている。
○国務大臣(稻葉修君) ですから、私は、お話にならぬ報告ですと言ってもあなたがお話にならぬ報告と思いなさるが、それはごもっともです。私は政治報告をして話になる報告をしているつもりなんです。そういう点、認識の相違はあるけれども、いずれはやります。そうしてまあ国民の知る権利にこたえる。そうして知る権利、そうして判断の場は総選挙ということは、国民の意思表示、判断表明のいい機会ですから、まあ政治家としてそれまでにはひとつこの捜査が進んで報告ができるようにしてもらいたいもんだなという希望を強く持っております。
○上田哲君 決意すると——。
○国務大臣(稻葉修君) その場合になればやりますよ。
○上田哲君 約束しますね。
○国務大臣(稻葉修君) もちろん。
○委員長(大谷藤之助君) ただいま上田君から委員長に対してこの場で氏名を公表することを諮って決めてもらいたい、これが一点。もう一つは証人の問題もございました。まあ二つの問題とも従来の経緯もございますし、この場ですぐさように計らうことはどうかと委員長は考えますので、理事会において委員長以下十分検討することにして、質問を終えてもらいたいと思います。
○上田哲君 善処をお願いします。 三木総理の出席を要求しておきます。よろしいですか。
○委員長(大谷藤之助君) はい、承知をいたしました。適当な機会になるべく速やかに。
○上田哲君 じゃ、三木総理の出席を委員長がお約束をいただいたことをもって質問を終わります。
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○政府委員(安原美穂君) いわゆる全日空ルート関係の裏金からのいわゆる職務に関係のない金をもらった人が十三人のうち、もう一つの三十ユニット関係の五人のうちでダブっている人が三名あるということは午前中の委員会で申し上げましたが、その三名の今度は三十ユニットの中の類型別でございますが、その三名の、二人は職務関係なしのパターンであり、一人は時効完成のパターンでございます。 それから全日空関係の政治献金、せんべつ、中元、歳暮の関係の金額でございますが、これは午前中衆議院の委員会でも申し上げましたが、最高一千万円から最下限は百万円、それからせんべつは五百万円から百万円、中元が百万円、歳暮が百万円というようなことになっております。
○上田哲君 十八の中に十四は入っていますね。
○政府委員(安原美穂君) いわゆるそういう献金を受けたりした人あるいは三十ユニットの関係の金を授受した人すべてを取り調べております。
○上田哲君 じゃ終わります。
○秦野章君 きょうの中間報告ですね、拝見いたしまして、まあこれいわゆる中間報告だからこんなもんだろうと私も思うんだけれども、いずれにせよ今日までの検察の努力の経過を報告するという、言うならば捜査報告ですわね。国民は、まあ何だかんだいろいろ問題はあったとしても一応よくやったという評価はしていると思うんですよ。しかし、問題はまあこれからの問題で、大変いろいろ問題が残っているということははっきりしておりますので、大変これ努力が要ることだと思うんですけれども、この報告の中で一つ伺っておきたいのは、三十ページのところですね。今後に残った問題の、重大な問題としての児玉ルートの問題でございますけれども、入りの方というよりもお金の使途の解明がまだ十分とは言えないと、 〔委員長退席、理事林田悠紀夫君着席〕 十分とは言えないけれども、ある程度捜査上やってきたということだと思うんですが、どの程度やってきたのか。十分じゃなかったことは、ここに十分でないと書いてあるんだけれども、しかし、ある程度はこれはやっぱり努力の成果はあるんだろうと思うんですよね。それをちょっと説明を願いたい。
○国務大臣(稻葉修君) 刑事局長に答弁させます。
○政府委員(安原美穂君) まだ究明の途中でございますので、余り具体的に申し上げることは控えさせていただきたいという立場をお許しいただけるならば、解明には努めておるがまだ十分とは言えないという言葉をその文字どおりお受け取りいただきたいと存じます。
○秦野章君 だから十分でないというのはわかるんだけれども、十分でないということはある程度はやったということだから、じゃ何%ぐらいやったのですか。使途の方だね、使途の解明。入った方はかなりはっきりしていますよね。使途の解明。入った方はさっきも答弁がありましたけれども、使途が十分には解明してない。けれどもある程度はできていると。具体的なことは言えないにしても、まあ率で言ったらどのくらい、見当としてどのぐらい使途の方が解明できたのか。
○国務大臣(稻葉修君) 一〇〇%にはいっていません。
○政府委員(安原美穂君) 入金いたしました巨額の金のうちの一部の解明はできておるということでひとつ御承知おき願いたいと思います。
○秦野章君 まあ法務大臣の答弁もちょっとおかしいよね。一〇〇%はできてない。そんなことば、一〇〇%できていたら私も聞きませんよ。ちょっとおかしいと思いますよ、そういう答弁は。十分できてないというんだから、少しはできているだろうと、こう私は聞いているわけでね。一〇〇%はできてないなんて、そんな、失礼なんじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(稻葉修君) 失礼と思いましたから安原刑事局長が補足をして、それであわせて御了解願いたい。
○秦野章君 まあやめましょう、私も与党だから。 九ページですね。これは刑事局長で結構ですが、取り調べた関係者の数が出ていますね。国会議員が十七名で、官庁関係者等が四百六十名と、こうなっているんですけれども、これは取り調べたというのは参考人として調べたというのと被疑者として調べたというのとあると思うんですよね。で、先ほど来十七名の国会議員についてははっきりいたしましたが、四百六十名、つまり官庁関係者とか民間なんか四百六十名あるわけですけれども、この中で、やっぱり被疑者として調べたのと参考人として調べたのの内訳わかりますか。
○政府委員(安原美穂君) 国会議員の被疑者三名を含めまして二十名が被疑者でございます。
○秦野章君 その二十名の中に、「官庁関係者」というここに言葉がありますけれども、役人がおるんですか、いないんですか。いわゆる特別公務員じゃなくて一般公務員が。
○政府委員(安原美穂君) おりません。
○秦野章君 この中間報告というものは、いわゆる灰色高官名の具体的名前の公表というものを国民が待っていると、またその公表を期待しているという角度からいくと、言うならば中間報告というのはその前提みたいな感じがしますね。前提というのは、要するに灰色高官名の枠というようなものを与野党が折衝してこれからつくるわけですけれども、そういうようなものの枠づくりの前提になり参考になるという意味で中間報告したと、こういう御報告がありましたけれども、 〔理事林田悠紀夫君退席、委員長着席〕 いわゆる灰色高官名の公表という問題は、国会の秘密会で資料を出して、秘密会の中で国会が公表するというようなことをいままで政府の方では言っておられるわけですけれども、この秘密会というものが秘密を全うできるという可能性がないことは、この間公明党の黒柳委員もおっしゃっていましたけれども、まずもってそういうものだろうと私どもは思うわけですね。そこで、その秘密会というものが秘密を必ずしも全うできるようなものにはならぬだろうという具体的な展望がある程度あったとしても、それでもなお秘密会にいわゆる灰色高官の氏名を発表なさるのかどうか。私は、確かに秘密会というものは制度としてありますよ。つくればできる。できるけれども、この公表問題というものに関連した立場から言いますと、これはつまり国会の立場で言うと、国会はロッキード隠しのようなことはできないという本質を持っていると思うんですよ。そういう本質があると思うんです。だから秘密会なら出すと言ったって、秘密が守れるわけないというこの間の意見もありますけれども、私はそれはそういうものだろうと思うんですね。でもなおかついいんだと、入口さえ秘密会なら出すんだと、後は国会の責任なんだという一種の何といいますかね、政府としては政府本来の趣旨は通らぬであろうそのような仕組みの中にこの問題を投ずることは、私は見識の上から言ってもどうかなということが感じられる。それからまた、かねがね政府は、灰色高官という問題は政府が言い出した。灰色高官というのは言葉としてはマスコミの方かもしれませんけれども、公表という問題は、公表しますよということを言い出したんだから、またいろいろ質問に答えて言い出したということがあるんだろうと思いますけれども、そういういきさつの上から言っても、そこにちょっと疑問があるんですけれども、要点は秘密会で出すと、しかしそれば秘密としてとてもじゃないけど維持できないというような状況があっても、なおかつそれでいいんだと、そこへ出すんだと、そういうお考えなのかどうか。そこのところだけをひとつお尋ねしたいと思う。
○国務大臣(稻葉修君) 国会議員の見識において秘密会にされて秘密が守られないなんということを考えるわけにはまいりません。そんな失礼な憶測をするわけには私はまいりません。
○秦野章君 確かにおっしゃるとおり、秘密会であるならば秘密が全うされることが国会の権威だと思いますよ。しかし、秘密会でもその権威が全うできないであろうと思うから、あえて国会としても権威をおっことすようなことをやりたくないと、こういう希望も私ども国会議員として持っているわけですよ。だから、それでも形式論で、秘密会という形式論なんだからいいんだと、そういうことで行かれるのか、あるいはそんなに漏れちまうというのなら考えなくちゃならぬということなのか、その辺のところをやっぱりはっきりさせないと一歩も前進しないと思うんですよね。
○国務大臣(稻葉修君) こういう答弁ではいかがでしょうか。私はね、何と申しましても、捜査当局を預かる者として、不起訴になった者の名前を公表するということは越権だと思っているんです。しかし、国会が国政調査権に基づいて、公益上それは重大なことだから国会の判断で——秘密が漏れるというのなら——国会の意思を決定されて御発表になる場合はあり得るかもしらぬなと。それはこっちが結構ですとも、いけませんとも言うべき筋合いのもの、立場ではないと、こういう答弁ではいかがでしょうか。
○秦野章君 それも一つの御答弁として承りますけれども、実際問題としての見通しから言って、秘密会といってもそれは全部漏れちゃうんだと、また、国会は今回のロッキード問題に関しては漏れるというのか、出ちゃった方がいいんだというような、やや本質的なものを持っておるという感じがするんですよ、国会は。国会はね。政府の方はどうか知りませんよ、私どもは。材料があるならば。そういう本質を持っているような感じがするんですよ。また、そういう空気ですよね。空気があるわけですよ。だから、そういう事実問題として、実際問題ですよ、実際問題としてそういうことになっちまうということであるならば、それでもなおいいんだということなのかどうかと、こういう問題なんですよ。
○国務大臣(稻葉修君) 非常にむずかしい御質問でございますがね、私はやっぱりきょうの中間報告でああいう類型別のことを申し上げたりして、これはまあ御参考に供していただけるかどうかわかりませんが、後刻この委員会で煮詰められまして、そうして、なるほどこういう類型があるんだなと。それじゃいわゆる灰色とか、いわゆる政治、道義的責任というものは、ここまではやっぱり国会としてはこれを明らかにせにやならぬなあという基準、範囲が決まって、そこまでの資料は出したらどうだと、こういうことになったときに、どこまで出すか。そしてそれもとにかく、出すその日にすぐ秘密が漏れるというようなことでなく、それは聞いたと、そうして秘密を厳守しつつ、よしそこのところまでそれじゃ公表するとか、いやそれは少し足りないからもっと公表をやるとか、そういうことを国会独自の、政治、道義的責任追及者としての国会の独自の御判断で決定され、決定権者が公表されるということについてとやかくこちらが言うべき立場ではないじゃないかと、こういう答弁ではいかがでしょうか。
○秦野章君 どうも平行線のようになって困るんですけれども、確かに理屈を言えば、大臣のおっしゃるように、国会が秘密会として、そこから先は、ここから先公表する、しないを決めて、公表する分は公表するとやればいい。それは確かにそうなんです。ところが、公表する分だという——公表する分と公表しない分などという限界をつけて、限界をつけて表に出る問題ではない。私は法務省の報告をですね……
○国務大臣(稻葉修君) 私の言うことはそれと違うんです。国会がここまでは公表をしても差し支えないという部分についてなら、こちらから材料を提供することができるんですがね。ですから、お決めになるのはそちらで、範囲、基準等が決まってくれば、それに対して提供しますと、また範囲、基準等を決める過程においても参考になるべき資料を出せとおっしゃれば、それはこちらで考えて、それは秘密会でなけりゃそこまでは出せませんなとか、そういうことは言うでしょうけれども、その後の始末については、後の処置、公表、不公表、そういう処置については、国会の権限でございますから、そちらで権限を行使されるか、しないかということを決めていただくしか、こっちが識別するわけにはまいりませんと、こういうことです。
○秦野章君 いまのお答えの中で、国会が公表する分と決めても、その公表しない部分が出ちまうということなんですよ、実際問題として。そういう見込みが非常に高いという場合にも、なおかついいや、構わない、それはこっちの知ったことじゃないというような感じの御答弁もこの間うちあるのだけれども、それはちょっとどうかなと、やっぱりそれは非常に問題じゃないかと思う。そういうことになりますと、秘密会自身も問題がありますね、これ。そうまだぴしゃっとは決められませんね。そう思うんですがね。
○国務大臣(稻葉修君) 与野党間で、こういうものをいわゆる灰色高官として、政治、道義的責任がこういう範囲においてはあると、こうお決めになれば、それは秘密会ならば名前も申し上げましょうと、そうしてそれならば国会は、これだけは政治責任があると御判断なさるのですから、当然公表なさることを前提としてそういう範囲をお決めになるんですよ。それに対しては、こちらはやはり御協力を申し上げるために秘密会で申し上げますと、こういうことではないかと思うにです。そのほかに、その範囲外のものを資料を提供するというわけには、秘密会としてもまがりなりませんな。
○秦野章君 そうしますと、公表の範囲内のものは全部ことごとく秘密会に出すと、秘密会といっても、秘密会は秘密ということは保持できないだろうから全部出ちゃうと、公表の範囲と国会が決めればそれでいいんだと、出された資料全部ね、与野党これは公表の範囲だと、全部を。それはそれでいいのだと、全部持ってきたものがさつとこう出ちゃうと、国会がそれを決めればいいのだというわけですね。
○国務大臣(稻葉修君) 国会が枠を決められればね。それはもう限定されますからね。そんなむやみやたらなものを全部出せということには私はならぬと思いますからね。そういう意味で、だから国会が決めようによって、こっちの応待の仕方が違うのでございますよ。こっちは主役に引きずられていく協力者ですから、脇役ですからね。ですから、どうしても主導権は国会にあると、道義的政治的責任の追及については、主導権は国会にあるということです。
○秦野章君 余りこれをやっておっても時間食っちゃうからね。もうなくなっちゃったんで。やはり公表問題というものがそれほどデリケートなら、私は政府の責任でやっぱり公表するというのも筋だろうと思うのですよ。そういうことをいままで言ってきたのだから。それを国会にやれと言うても、国会でやってやれぬことはないけれども、そんなにすんなりと政府の言うとおりに協力はできませんよ。先ほど来国政調査権の復権なんという壮烈な言葉が出てまいりましたが、要するに、そんな甘いものじゃない。だから、公表するしないとかというものは、材料はそちらにあるのだから、その選択はどこまでだと、政府としてはこれまでは出せると、そういうことを判断をするのは、政府ができるわけですよ。その政府の判断に基づいて政府が締めくくるというのが、私はどう考えても筋道だろうというふうに思う。また総理がお見えになったときに私はそこで質問をしたいと思いますから。 なお、それに関連して、公益判断の秘密、つまり隠さなきゃならぬものを外に出す場合には一つの公益判断が要る。この公益判断は四十七条、これは検察官の主体の判断だと思いますね。それから法務大臣は法務大臣として独自のやっぱり公益判断がある。総理は総理としてあると。これは全部それぞれ違うと思うんですよ。それで、しかし違うけれども、先ほど来刑事局長のお話にあるように、検察の公益判断を無視するわけにはいかない。無視するわけにはいかぬが、しかし立場が違うし、公益判断の主体が違うからというお話ですから、私は法務大臣と総理大臣の公益判断の差はあると思いますね。これはお認めになりますね。総理大臣と法務大臣の公表の場合もその一つですけれども、守秘義務というのは特別公務員、国務大臣でもあるんですけれども、その場合の公益判断は、法務大臣と総理大臣はまた違うと思うんですね。それは法制局長官どうですか、私のいまの意見は。——あのね、聞いてもらってなかったらちょっとあれだけどね、いいですか。
○政府委員(真田秀夫君) 四十七条の本文とただし書きとの関係、これは前々から申しておりますように、本文の方は個人の名誉の保護とか裁判あるいは検察に対する悪影響の防止という事柄を保護法益といたしまして公開を禁止しているわけです。ただし書きは、それに対する例外といたしまして、それにまさる公益があって相当と認めるときには禁止が解除されまして、公表してよろしいと、こうなる。
○秦野章君 その主体、主体の差。
○政府委員(真田秀夫君) 本来は訴訟関係人なんです、四十七条は。だけども、刑事訴訟法がそういう公益の比較考量をして、そして公表することによる公益の方が大きいと、まさるという場合に公表してよろしいと言っているその法理は、本来の適用の対象である訴訟関係人に限らず、そのほかの法務大臣なりあるいは内閣総理大臣が公表しようかどうかとお考えになるときでも、そういう、いま申しましたような基準は同じであろうと思うんです、抽象的な基準は。ただ、抽象的でございますので、判断をする人の主観によって、やはり裁量といいますか、多少の具体的なケースの適用についての適用の問題としては、違った考えが出ることはこれは避けられないことだろうと思います。
○秦野章君 要するに、総理大臣は総理大臣としての公益判断があって、それに基づいて公表することは可能なわけですわね。堂々と公表の主体になる。かねがね公表はすると、権限もあると、こうおっしゃつておったんだから、堂々とその公表の主体になるということが、私は、公表問題の結末というか、責任ではなかろうかと。それを国会で公表する。それに対して国会がまたいろいろ言うことはあると思いますよ。それは、国政調査権もあるし、当然のことだと思いますけれども、少なくとも政府としてはそうあるべきであると、まず責任体制をぴしっと、こう、そこに置いて、それで国会で公表して、それに対してまた足るとか足らぬとかという問題もあると思いますが、それまでにわれわれの方は与野党合意をなるたけして、これもこのぐらいは出してくれよという要望はする。それに対する政府としての最善の協力という姿は、まさに公表の主体的な責任において総理大臣がなさるということでないと、私は筋が通らぬように思います。法務大臣どうですか。
○国務大臣(稻葉修君) 秦野さんのおっしゃることはわからぬではないんです。よく理解できます。ただ私どもが、いま国会がね、道義、政治責任の追及で与野党一生懸命に話し合って、枠や基準なんかを決めようとして努力しておられるのに、「恐らく努力は実りますまい、だからわれわれの方で決意をしましょうか」、そんなことは、そんな失礼なことを言うべき立場ではありません。
○秦野章君 与野党は合意できないとも限りませんよ、これ。限りませんが、いずれにしても、与野党が合意できた方がいいんだけれども、仮にできなくても、何とかやっぱり委員会の意思としては、この程度まで政府に出してほしいという要求があったときに、問題は、国会の側よりも政府の側として、法務省が資料をこそこそっと秘密会の場に持ってくるというのじゃなくて、政府のやっぱり姿勢というか、政府の公表の主体というものは公益判断の一番高い総理大臣というところにあるというのが——私は、こういうロッキード問題に対しては、そういうフェアな姿勢を持った方がいいと思うんですがね。その方がフェアだと思う。そしてそこから先いろいろ論議があるかしらぬ。そういう感じで、これ、そこまではなかなかいまはおっしゃれないと思いますが、これまたよくひとつ検討していただいて、われわれの方でもまだ秘密会で行きましょうと決まったわけじゃないんですから、政府の方としても決まったわけじゃないでしょう。決まったわけじゃないでしょう。
○国務大臣(稻葉修君) 議長裁定に従って、少し事態の推移を見ましょう。
○秦野章君 はい、わかりまいた。どうも。
○黒柳明君 刑事局長、一応礼儀としまして、検察当局、捜査当局が中間報告をまとめられたことについて、私は敬意を表したいと思います。ただ、法務大臣、それは違いますよ、捜査当局に言った言葉ですからね。 そこで、法務大臣、いまも先行した二委員からいろいろ話が出ています。総理大臣も予算委員会のときに言っている言葉なんです。この中に、中間報告は国会の調査に資するため、それから国民が真相を明らかにすることを望んでいる、こんなこと書いてありますな。それで、総理大臣は予算委員会のときに、できれば来るべき総選挙までに、国民がこのロッキードの解明に対して何らかその判断が得られるような、解明に対して最大の努力をしたいと。総選挙というのはこれはもう常識で、来月からスタートする。これはもう周知の事実ですね。そうすると、この中間報告がもうこれが最後になるならば——選挙まで何かまだ半月あるいは二週間、三週間、期日的にはありますよ。だけども、これをもってして選挙スタートまでの最終であると、これも常識じゃないか。そうすると、法務大臣、どうでしょうか、総理大臣みずからが最終時点においての全貌の解明、公表、これは間違いなくやる——だけれども、もう一つ選挙ということも一つの時点で考えていたんです。それまでに最大の国民に対する資料提供する努力をすると。法務大臣、この気持ちも総理と変わってなかったでしょうね、いまもって、ないでしょうね。いかがでしょう。
○国務大臣(稻葉修君) まず、検察当局に対し、よく努力したなという御評価をいただいたことに対しまして、ありがたく思います。しかし、私の場合は別だろうと、それもありがたく御忠告として承らざるを得ない責任を感じます。そうして最後の、総選挙における国民の判断のために、全貌はわからなくても、政府としてこういうものであったということを、ロッキード問題というものはこういうものでしたということの概要をその時点において、いまのこんな中間報告だけでなく、それに加わるものを加えて知らしておくと、知らしていく努力をするということは、私は政府として当然だと思いますな。そうして、やっぱり国民を挙げての総選挙ですから、そういう場合には総理にそういう役割りを演じてもらいたいと思っておりますが、政府部内でよく相談します。
○黒柳明君 これに加わるべきもの——まだ選挙まで期間がないと言えばない、あると言えばあるわけですよ。だけど、私はそれも希望したい。だけど、今日のこの中間報告をした時点、将来のことはわかりませんからな。また、三十一日目指して自民党さん一生懸命がんばって、こう、けんかか何かするみたいですからね。ですから、いまの時点において私は物を判断したい、考えたい。 そうなりますと、いま秦野先生からも、総理と法務大臣の権限の違い、ちょっと法制局長官の答弁が私ぴんとこなかったんですが、やっぱり総理大臣は法務大臣から、捜査当局から報告を受け、それに基づいて氏名も含めて公表できる権限を持っているわけですよ、持っているわけ。それをここでやろうと思えばできないことは何にもないんです。それこそ総理大臣が、総選挙までに国民の皆さん方にロッキードの解明に対する判断の最大努力をしたいというのはそのこと。それから法務大臣もこれについて若干的中間報告について、ここにも書いてあります、法務当局としては最大限だと。それはそうでしょう。法を守る捜査当局あるいは検察当局あるいは法務大臣としてはそれは刑事訴訟法のただし書きの枠の中。ところが、総理大臣としてはもう一つ政治的な権限がある。それをここで判断すれば、いわゆるこの灰色高官十四名ですな、明らかになってます、数だけ。それはここで総理大臣の政治的判断で発表できる可能性はあった。これはそうじゃないですか。間違いありませんな。可能性はあった、これは間違いないですね。やるかやらないか、これは別にして、可能性はあったですな。
○国務大臣(稻葉修君) それが法上完全に適法だとか、いや違法だとかいうことを、いま私、学力不十分で申し上げかねますが、それは権限は皆無だというものではないでしょうね。けれども、議長裁定があって、政治、道義責任は国会の場でおやりになると言っておって、それをいまやっておられる最中ですから、それに便利なように中間報告でああいう類型別のようなことをしたり、人数を言うたり、申し上げたわけでありますね。それがいまの時点では最高限でございます。これも御了解いただけるものではないかと私は思いますが……。
○黒柳明君 国会が灰色高官の基準で与野党これから合意の方向にいく可能性もゼロじゃない。非常にむずかしいことも現実。だけど、それはそれとしまして、総理はあくまでも、いまでおしまい、法務大臣、いまおしまいじゃないんでしょう。まだ解明さるべきものがあるんでしょう、全貌がね。いまの時点において国会の合意なり調査なりあるから政府は遠慮しているんですなんて、そんな物の言い方、ぼくはそれこそおかしいと思いますよ。いまの中間報告において、それこそ総理が言う選挙に対して一助を、国民の皆さん方に参考として解明の一つの努力する。名前しかないわけです、名前しか。それについて国会の調査権、与野党の話、これはこれでいいじゃないですか。いまここで政府ができるものをもらって、名前が出たから与野党のこれからの合意が乱れるというものじゃありません。国会の調査権に対して私たちの侵害というわけじゃありません。政府がより多くの資料を与えてもらった方が私たちはこれからやりよくなるわけです。調査に対して資する。うんと資料を与えてもらった方がいいわけです。そういう点で、総理大臣が、先ほど先行した二委員がおっしゃってますように、やっぱりここで中間報告をやるべきと、それがやる意思がなかったと、こういうことじゃないですか。だから、ここに出てきたのは、検察当局、捜査当局の最大限だと、刑訴法にのっとってと、こういう書き方しているんじゃないですか。でありながら、一方、法務大臣の資格は政府代表して来ているというんでしょう。幾ら政府代表して来ている法務大臣も、やっぱり総理大臣と権限が違うからこれはいたし方がない。そういう権限はない。だから結論として、総理大臣がやっぱり氏名まで報告を受けて、それでここでやっぱり公表することが国会の調査権を侵害するわけでもない、中間報告よりベストである、国民に対して間近な選挙に対してより多くの材料も与えることになる。さらに私たちの調査資料に対して資する最大のいまの時点において貢献することになる。これは常識じゃないでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 私はそうは思いません、残念ながら。国会が政治、道義責任を追及する権限者として、これが道義責任者だと公表する、こう決まる前にそれ以上の範囲のものをここでぶちまけたら、それはいかぬでしょう。
○黒柳明君 秘密会でも出るのはこの範囲ですな、秘密会でもね、当面は。だから、この範囲で先行したっていいじゃないですか。これ以上のものが出るというのじゃないでしょう。秘密会で公表するのもこの範囲でしょう。この範囲ならば先行して出したって全然文句ないじゃないですか。これ以外のものならどうかと思いますよ、報告してないものだから。どうですか。
○国務大臣(稻葉修君) それを秘密会に出しますわな、そうして国会でいろいろこの範囲を決めますね、そうして、もしかしたら縮まるかもしらぬわね、それをまあ五人なら五人とか、六人なら六人、こういう類型別に、ここまでは道義、政治責任を追及してもよろしい、それを発表してもよろしいと、こう国会がお決めになるであろう、その将来の問題を逸脱するようなおそれのある広範囲な発表をここでするわけにはまいらぬと、こう言うのは当然じゃないですか。
○黒柳明君 国会でこれだけわずかな、しかも私たち全く納得できないこういう資料、これが秘密会で縮小するなんていうことは一〇〇%あり得ないじゃないですか。まあ一つのアドリブとしておっしゃったんだと私理解しますけど、こんなことを法務大臣が考えているとしたら、これはとんでもない。法務大臣の話はなかなかまとまりませんな。 刑事局長ね、これは新聞、マスコミ情報ですけれども、総理大臣にこれを法務大臣が見して、あるいは刑事局長もいてこれ手直しされた部分があると、専門的用語が多過ぎると、こんなことがあったと、一、二クレームがついたと。実際に総理大臣が手直ししたのはどこですか。具体的に、これで。
○政府委員(安原美穂君) 若干の字句について御要望がございましたが、そういう内部の打ち合わせの状況は申し上げない方がいいんじゃないかと思います。
○黒柳明君 いや、申し上げる。だってね、政治的道義的配慮もなされているというのですよ、これで。必ずしも法のリミットじゃない、最大限じゃないといま法務大臣言ったのですよ、前委員の質問に対してね。総理大臣が先回の委員会においても私の質問に対して答えましたな、法務大臣を指揮する総理大臣として政治的判断を加えるのだと。そうすると、ここに総理大臣の政治的判断が入っているわけですよ。ここに文章書いてあるのは、法的な最大限だと書いてあるのです、法務省当局の。ところが、現実的には総理大臣の政治的配慮がなされているのでしょう。いま法務大臣もそれをおっしゃったんです。それはどこかと、こういうことを聞かないと、私たち、へますると、非常に疑惑があるところを総理大臣が手直しをしたんじゃないかと、こういう疑惑、かえって白を灰色に、黒にする可能性がありますよ。ですから率直に、どこを手直ししたか言ってください。
○政府委員(安原美穂君) 先ほど四十七条の問題についてお答えいたしましたが、内閣法制局長官も申されましたと思いますが、四十七条そのものは総理大臣は適用の対象者じゃございませんが、指揮監督者として四十七条の趣旨には拘束されるはずである。したがいまして、総理大臣が御指示をなさる場合にも四十七条の趣旨にかんがみて御指示があるわけでございまして、四十七条の趣旨を超える政治的な配慮というもので御指示をなさるということは、総理大臣の立場としても許されないことであると僭越ながら思う次第でございます。 なお具体的に、どこを直したかということの具体的なことは個々には申し上げかねますが、その報告の骨子において何ら変わりはなく、事務当局の案が了承されたものでございます。
○黒柳明君 いや、それは刑事局長ね、私は疑問を先行して聞きたいということじゃないのです、むしろ。だけれども、文々句々について非常に、もう衆議院でも指摘されますように、いまここの委員会でも指摘されますように、あいまいな、PXLしかりですよ、おかしな表現があるんです。そこらあたり、もしかしたら手直ししたんじゃなかろうか。あくまでもそれが秘密であるとすそると、刑事訴訟法四十七条の範囲と言われたって、そんなものはわかりゃしない。これほどオープンなものにそんな秘密、隠すことはないじゃないですか。これほど中間報告——さらに名前まで理事会なら秘密会なら出そうというオープンなものに、そんなもの秘密にすることないじゃないですか。秘密にすることになると、逆に悪影響を与えますよ。
○政府委員(安原美穂君) 法務大臣をも指揮監督される総理大臣にこの中間報告の内容を御説明申し上げて、骨子において何ら変更の御指示はなかったということで御理解をいただきたいと思います。
○黒柳明君 この九ページのこれには、あれですか、国会議員十七名の中には児玉ルートで調べられた国会議員は一人もいないと、こういうことですね。九ページ、十七名、児玉ルートで調べられた国会議員は一人もいないと。
○政府委員(安原美穂君) 個々の、児玉ルートの関係ではありません。
○黒柳明君 そうですね、全日空、丸紅ルート。そこでこの十七名、参考人ないし被疑者として調べられた。野党の議員は入っているんですか。
○国務大臣(稻葉修君) その中に野党の議員が入っているかどうかというお尋ねですが、十七名を取り調べましたと、党派別にどうなるとかいうお尋ねが衆議院にありましたが、それと大同小異ですね。それは先生ね、こうなんです。いまわれわれの方はああいう類型別……
○黒柳明君 結論でいいです、結論で。時間がないから。
○国務大臣(稻葉修君) ああそうですか。それじゃ結論を申し上げましょう。申し上げられません。
○黒柳明君 そこで、法務大臣。そうすると今度は逆に、こういうことが考えられるんですよ。党派別もわからない、名前もわからない、言わたい、ここですよ、この範囲でですよ、いま現在。七百四十余名の国会議員が全部この十七名の可能性ができてくるわけですよ、この中間報告というのは。そうでしょう、刑事局長、間違いありませんな。十七名の党派別も言えない、名前は当然言えない。いいですか。そうすると、全く七百四十余名の国会議員はこの十七名に当たる可能性が出てくるわけですよ。そうすると、国会議員全体にとっては全く迷惑な十七名の数字、そういうことは考えませんか、刑事局長。
○政府委員(安原美穂君) 取り調べた国会議員が全部で十七名であるという、そのことだけでございまして、一々個々の名前を言わないというたてまえからいって、やむを得ないことでございます。
○黒柳明君 法務大臣、政治家ですから、国会議員ですから、いま事務当局ですから、お役人ですからやむを得ないと、こういう趣旨で、非常に冷たい答弁ですけれども、七百四十余名の国会議員、全く白の人が、十七引いたら、これはもうほとんどの方ですわな。その方が全部、いままで疑惑をかけられた十七の一人、そういう可能性でさらに疑惑も深まる可能性がありますよ、この十七というのは。これは常識じゃないですか。それに対してこの場で、現時点においてやっぱりしかるべくそうじゃないということは、名前、党派別、何らかのそれに付随する具体的な公表がなければだめじゃないですか、せめて。どうですか。
○国務大臣(稻葉修君) この時点でと申し上げているんですね。この時点では申し上げかねますと。理由は言う必要がないというんですから申し上げません。
○黒柳明君 この児玉ルートですけれども、四ページの中に大刀川の分がこの二ページ。これはどうなんですか、大刀川のこの分というのは大刀川はロッキードの児玉ルートの別件として調べていると、だからこの児玉ルートの中に入れた、こういう判断をしていいんですか。
○政府委員(安原美穂君) 大刀川恒夫は児玉譽士夫の秘書でございまして、類別するならば児玉ルートの中に類別すべきだということでございます。
○黒柳明君 そうすると、児玉ルートで類別するということは、当然これ、別件じゃなくて児玉ルートのロッキード関係解明の糸口として調べていると、調べたと、こういうことですね。そうなりますとね、まだ児玉ルートを解明してないのになぜ保釈したんですか。
○政府委員(安原美穂君) 保釈するかどうかは、その逮捕、勾留の事実に関して証拠隠滅のおそれがあるかどうかということを裁判官が判断してなさるものでございます。
○黒柳明君 それはおかしい。児玉ルートは児玉当人が病気だから、だからできないできない、申しわけないと言いながら、一生懸命やると言いながら、その別件で児玉ルートを解明しようという者を保釈しちゃった。それじゃ児玉ルートに対してみずから捜査を放棄したことに変わりないじゃないですか。そう言うことは当然でありますよ、これは。 さらに、先ほど児玉ルートの児玉の入り、これは国税庁、入りについてはっきりしていると。入りは幾らになったんですか。この冒頭十ページに書いてある十七億二千万、これは全部入りとして判断したんですか、国税庁。
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○黒柳明君 どうですか、それじゃ刑事局長の方は。入りがはっきりしたと先ほど言っていましたですな。
○政府委員(安原美穂君) ロッキード社からの工作資金の入りに関する限り、検察当局としては解明したつもりでおります。
○黒柳明君 それが、いま言ったように、十七億二千万ということですかということで聞いたわけですよ。
○政府委員(安原美穂君) そのとおりでございます。
○黒柳明君 そうすると、この十七億二千万、一時仮領収証について児玉がにせだとか云々だとか言いましたが、この十七億二千万は完全に児玉に入ったと、こういうこと。そうしますと、この四ページ読みますと、外為法の起訴は七億三千三百万、それから所得の追徴が十五億九千二百万、そうするとどうなんですか。十七億二千万入ったって、外為じゃ七億三千三百万しかまだ起訴していませんよ。十億も差があるじゃないですか。これはまだはっきりしてないんじゃないですか、どうですか、この点。
○政府委員(安原美穂君) 税法違反はまだ——その税法違反は、御案内のとおり、入ったというだけではいかぬので、その年の所得の総額の問題でございますから、なお解明中でございますし、もう一つ外為法違反の方はすでに四十六年以前のもので、外為法違反としての公訴の時効にかかっている部分が公訴の対象になっていないということでございます。
○黒柳明君 ここに丸紅、全日空ルートについてはおおむね終わったと書いてありますが、PXLについて丸紅は関係がなかったんですか。
○政府委員(安原美穂君) PXLの関係については、先ほども御報告申し上げましたように、現在までのところ犯罪の容疑は見出していないということでございますが、これに関連いたしまして、報告によりますると、PXLに丸紅が関係があるという犯罪の容疑につきましても報告を受けておりません。
○黒柳明君 そうじゃなくて、犯罪容疑じゃなくて、全日空、丸紅解明が、捜査はほとんど終わったと、こう書いてあるから、PXLについてはまだ捜査したけれども容疑事実はない。これはこれで結構ですよ。丸紅とPXLとの関係はなかったんですかと、容疑とかなんとか言っているんじゃないです。事実関係として……。
○政府委員(安原美穂君) 検察当局は犯罪の容疑という観点から調べをするものでございまするから、そういうことを申し上げたわけでありまするが、実際問題として丸紅がPXLに関係があるという報告は聞いておりません。
○黒柳明君 そうすると、法務大臣ね、丸紅とPXL、関係あるわけでしょう。そうすると、ある丸紅が、PXLは書いてあるのが三くだり半にせよ、丸紅がおおむね終わったというのは、これは余りにもPXLを過小化し過ぎてないですか、防衛庁長官。今度はあなたの番。済みませんな、お休み中、お疲れのところ。おおむね終わったじゃないよ。PXLは、これはもうだれが考えても、だれが常識をもってしても、大きな疑惑の問題なんですよ。これから究明されるんでしょう、本委員会で。それが、丸紅が少なくとも関係あった四十七年十一月一日、御存じのように、ロッキードと契約を結んで、一台について、P3Cオライオン五万ドル、さらに次々とコンペンセーション、裏金の報酬金が入ってますよ、関係もある、大ありじゃないですか。その丸紅関係があるにもかかわらず、丸紅の捜査はおおむね終わったということは、余りにもPXLについて、実際はまず——いいや、百歩おいて、この文章としては全く評価がまずいんじゃないですか。過小評価し過ぎるんじゃないですか。実際やってる、やってないなんて、そんなことじゃないでしょう。この文章について、おおむね終わったなんて、とんでもないじゃないですか。これからが本命じゃないですか、丸紅は、PXLに関しては。
○政府委員(安原美穂君) 丸紅ルートがほぼ終わったという意味は、丸紅にロッキード社からの工作資金として入った金の使途の究明がおおむね終わったということでございます。
○黒柳明君 だから刑事局長、済みませんな、お座りくださいよ。だからさっき言ったの。私は皆さん方の御苦労に対しては率直に評価しますよ。だけどこれだけのものをつくって、さらにそれが疑惑だと。疑惑を残す必要ないでしょう、これも当然でしょう。だから総理大臣が指示したところ、骨子においては同じだけれども、文々句々では直しているわけです。それは間違いないでしょう、文々句々では。骨子は変わってない。文々句々では——。そういうことを含めまして、わずか一字一句が大切なんです、こういうものは。これは御理解いただけますね、一字一句が。いま言ったことは、それじゃ違うじゃないですか。いま言ったことと、おおむね終わったということは、いま文句が入らなきゃだめじゃないですか。法務大臣、これに文句を挿入しないと、この文章はおかしいということです、刑事局長の答弁は。大きな違いですよ。おおむね終わったというのは、使途についておおむね終わったんだと、これが入ると入らないじゃ大変な違いじゃないですか。
○政府委員(安原美穂君) 恐縮でございますが、この報告の一番冒頭に「いわゆる丸紅ルートと全日空ルートの捜査がおおむね終了した」と、こう書いてございますが、全部終わったとは書いてございません。
○黒柳明君 だから、私は同じことを三回、時間がないんで繰り返さないように、頭がいい刑事局長だから、おおむね終わったというのは、余りにもPXLに関係がある、あるどころじゃない、大ありの丸紅をおおむねということは、それ自体が、言葉としてはPXL問題についての評価が低過ぎると、三回同じことを言っているんですよ。
○政府委員(安原美穂君) この報告におきまする丸紅ルートとは、先ほど申しましたように、ロッキード社から入ったとされる工作資金として丸紅に入ったものの究明がおおむね終わったと、だからそのことが直ちにPXLを過小評価しているとか、過大評価しているとか、そういうことは全く関係ございません。
○黒柳明君 最後に、時間がありませんから、この二十九ページ「なお、」のところから「ロッキード社の航空機売込みと関連があるとは認められなかった。」と、こういう段ですけれども、いわゆる灰色の十四名ですね。ところが、コーチャンの証言はこう言っているんですよ。これは証言の抜粋をしたものです。「この金は」−日本に流れた金ですね。「ロッキード社の生産品を相手に購入させるための土壌づくりに使われた」と、こう言うんです。土壌づくりというのは、英語で言うとクライメート、気候とか風土とかいうことですな。ファウンデーションとかべーシスということじゃないですよ。完全にそのファウンデーション、べーシスの上で売り込むための工作をした金であるとは言っていない。クライメートだから、気候、風土、非常に広い意味ですね。そうするとこの報告では、中元とか盆暮れのつけ届けとか政治献金、あるいは海外のせんべつ、だから売り込みについて関連がないと、認められなかったと、こう言っているんですが、コーチャンの方の証言は、日本に上げた金というのは、これはツー・エスタブリッシュ・クライメート、もう風土、気候、土壌づくりという広い意味を含めて渡したんだと、こう証言している。当然、コーチャン証言について重きを置き、コーチャン証言について相当の解明をして今日の中間報告になり、これからの捜査も行くんでしょうから、そのコーチャン証言のこれと余りにもこの捜査の関連があるとは認められなかったというものは、証言とは非常に食い違う。捜査したんだがしようがないんだ、わからないんだ、これだけしか出てこないんだというのか、こういうコーチャン証言の、土壌づくりという広い意味で金を渡した、その中には盆暮れの、あるいは正月のつけ届け、あるいは海外せんべつも当然入っているという意味にとらざるを得ないですな、この証言は。
○政府委員(安原美穂君) これは盆暮れ、その他九千万円の使途の趣旨については、トライスターの売り込みとは関連が認められなかった。しかし、九千万円が入ることについては、コーチャン氏が証言されたとされておりますように、ロッキード社から飛行機を買うからその礼金として、丸紅を通じて全日空がそれを要求し、これを収受したという意味においては、ご指摘のとおり、トライスターの売り込みに関係がございます。
○委員長(大谷藤之助君) 時間が……。
○黒柳明君 済みませんな。もう最後、申しわけないですな。 そうすると、これはロッキードから来たときには、コーチャンの方は、あるいは受け取った灰色国会議員は、これは少なくともここに指摘される十四名、これはコーチャンが言うように、広い意味で飛行機を売り込むという関連を持った金であることは間違いないですね、これ。そういう意味ですね、いまおっしゃったことは。これははっきりしなきゃうまくないよ。
○政府委員(安原美穂君) 九千万円という金を全日空が受け取るに至った趣旨において、関連においては、トライスターの売り込みと関係があった。しかし、一たん収受して裏金に入れちゃった。全日空がどういう趣旨で使ったかと言えば、それはトライスターの売り込みとは関係のない趣旨に使われたと検察当局では認定したと、こういうことでございます。
○黒柳明君 そうじゃなくて、全日空までは、その売り込み工作のためによこしたと、コーチャン証言のように。その全日空が、その金をそっくり盆、中元やなんかのですね、要するにせんべつやなんかにやった、心づけにやった、それも含めてコーチャン証言は全部土壌づくりだと言っていると、私はこう言うわけですよ。こことここを離さない。全部含めて土壌づくりにやったのだと、こういうふうに言っているんです。だからこれが売り込みに関係がなかったという捜査の結論は私は非常に納得できない、コーチャン証言を踏まえて。
○政府委員(安原美穂君) その点は遺憾ながら検察当局の判断は黒柳委員の判断とは違って、一たん入った時以後の使途については、トライスターとは関連があるとは認められなかったということでございます。ただ、たびたび申しますように、これは検察庁の判断でございまして、黒柳委員の御意見は御意見でございます。
○黒柳明君 以上です。
○橋本敦君 法務大臣、言うまでもありませんが、いま国民が一番求めているのは、何と言ってもこの大きなロッキード疑獄事件の真相ですね。そうして、これの徹底的解明を通じていま国民が望んでいるのは、本当に清潔な日本の政治を打ち立てる、こういうことです。このことが本当に、法務大臣、あなたにおわかりかどうか、三木総理がおわかりかどうか、これが問われているのが、その一つがきょうの中間報告だ。そういう意味から言うならば、私は端的に言って、きょうの中間報告はこの国民の期待にこたえることにほど遠い、こう言わざるを得ないという感じを持ちます。 そこで、まず最初に法務大臣、あなたにお伺いしたいのですが、このロッキード疑獄事件が起こって大きな衝撃を国民に与えて、この二月に国民は燃える怒りの中で灰色高官名を公表せよ、真相を解明せよという大きな世論が沸き起こって、それを背景に異例の国会決議が行われ、その国会決議を受けて、総理はフォード大統領あてに親書を出した。この三木総理の親書は、三木総理個人の個人的なレターではなくて、国会決議の実践として、実行として、政府の責任を負って出したものであることは間違いない。そうすれば、この三木親書に述べられていることについても、三木内閣の国務大臣として、当然あなたも責任を負う立場にあると私は思うのですが、まず、この点どうお考えでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 三木内閣の閣僚として当然のことでございますね。
○橋本敦君 そうだとしますと、もう一度この原点に返って、国会決議と三木総理の手紙を思い起こしていただきたい。総理は、あのときはフォード大統領あてにこう書きました。関係者の名前が明らかにされず、この事件がうやむやに葬られることはかえって日本の民主政治の致命傷になりかねない、そして、こういう深い憂いを持って総理は、私は関係者の氏名があればそれを含めてすべての関係資料を明らかにすることの方が日本の政治のためにも、ひいては長い将来にわたる日米関係のためにもよいと考える、親書の中でこう述べている。このことと、きょうの中間報告を見るならば、明らかに大きな違いと後退がある。このことだけは率直に認めねばならぬのではありませんか。
○国務大臣(稻葉修君) 率直に認めるわけには、気にはなりませんのです。
○橋本敦君 理由は。
○国務大臣(稻葉修君) 理由はですね、まあ……
○橋本敦君 簡単に言ってください、時間がないから簡単に。
○国務大臣(稻葉修君) とにかく、前総理だったか、元あれだったか、刑事責任のある者についてはきちんと名前を、あなた方から言えばきわめて数は少なかったかもしれないが、出して、そして、これから国会がそこを、刑事責任はなかったけれども、さっき言ったように、時効になったとか、ああいうものを人数までも出して、それはどういうものだと、それは国会においてですね、判定したら公表するぞと、こういう姿勢でおられるのですから、それにつき合いますと、つき合って、そういうところまで中間報告は言ってるんですから、それを全然無視して、とんでもない、あさってのことを報告していると、私は思いませんね。
○橋本敦君 とんでもない、そっちのことと私は申し上げていない。この手紙、国会決議を見れば明らかに、いいですか、関係者の氏名があればそれを含めてすべての関係資料の公表と言っているのです。このことから見て、きょうの中間報告は客観的に異なっている。この事実は明らかではないかと、こう言うのです。いいですか。しかし、法務大臣の考え、これは幾ら議論しても一致しないかもしれませんから、あなたの先ほどの答弁は変わらぬと思いますから、これでいいです。客観的に違っていることは事実じゃないかと指摘しているのです。いいですか。 そこで、私はまず最初にあなたにお伺いしたいんですが、これまでこの大きな事件で起訴された政治家はたった三名。あなたも少ないと言われるかもしれぬがとおっしゃったが、まさにそのとおり、たった三名、こういう現状ですが、とりわけその中でも一番はっきりしている田中角榮が受け取った五億円という巨額の賄賂、この五億円という巨額の賄賂が何にどう使われたかはですね、これが選挙に使われているならば、これは外国の金で日本の政治が動かされた、公選法違反、政治資金規正法違反という犯罪容疑まで含んでいる問題です。ところが、きょうの報告を見ますと、この五億円については個別的な使途を明らかにし得なかったと述べています。なぜなのか、なぜ明らかにし得なかったのか、このことは、はっきり述べてもらわなければならない。なぜできなかったんですか。
○国務大臣(稻葉修君) 検察庁の報告によれば、いろいろこの五億円は重大だと、どこへ使われたかということはきわめて重大なことである、国民の知りたいところであると思って、これは田中角榮のところへ行ったんですから、彼のやりそうなところ、たとえば越山会とか、あるいは自民党とか、あるいは七日会とか、あるいは関連産業とか、あるいは政治家個人とか、こういうことをいろいろ調べたんですけれども、そのうちの政治家個人については、ずいぶんたくさん、ずっと前からやっておられるようでしたな。そんなもんだから、そこまで全部は行かなかったけれども、とにかく行きそうな会社だとか政党だとか派閥だとか、そういうものについては一生懸命にやったと、けれどもそこへは行ってないと。そうして、それじゃどこへ行ったんだろうというと、さあどこへ行ったのかわからぬと、こういう残念な結果で申しわけないんです。
○橋本敦君 いまあなたが言われたように、田中角榮が公然と国会議員に個々にも金をまいていたということは、渡していたということは、いまあなたがはしなくも言われたように、公然と語られている事実なんです。そこまで含めて徹底的に捜査をやらなければ本当に検察の威信が立ちませんよ。いまからでもやるべきですよ、この問題は。さらに言うならば、田中角榮が保釈になったときに、法務大臣、刑事局長に私は言いました。証拠隠滅のおそれがあるということで検察庁は保釈に反対をした——そのときにはこの五億円の行方がまだ究明されてないんです。いまもされてないんですついいですか。だからこれが隠されるということもある、証拠隠滅のおそれがあるということで保釈に反対したのはいい。だが、裁判官が二億円でこれを許したときに、検察官は法で認められた異議の申し立て、抗告さえしなかったではないか。そしていまこの報告を見れば、五億円の行方は解明できなかったというのは、やる気がなかったのではないか。あのときに断固として保釈に反対をして、抗告まで行って、やむを得なかったというなら別ですけれども、そういう意味において、私は、この点を徹底的に解明する、そのことの捜査が手ぬるい。いまからでもやるべきだ、私はこう思いますが、いまからでも捜査を進めるという御決意は法務大臣におありですか。法務大臣。
○国務大臣(稻葉修君) 抗告をしなかった検察庁の態度が手ぬるいと、こういう御批判でございますがね……
○橋本敦君 きょうの報告から見ればそう思わせますよ。
○国務大臣(稻葉修君) それで、そのときの報告では、どうして抗告をしなかったのかについて刑事局長から私聞いたのが記憶に残っているのですがね、やっても裁判所で通らないという判断で、これはあきらめたと聞いておるのです。 それから、個々のどこへ行ったか、なお一層捜査しなければならぬじゃないかと、こういう点につきましては、私このここで……
○橋本敦君 簡単に、やるか、やらぬか。
○国務大臣(稻葉修君) ここでやれと、やるべきだと、こう言うことは、多少間接的に指揮権にも関係しますので、答弁を差し控えなければならぬと思っております。
○橋本敦君 違いますよ。あなたがやらないと言えば指揮権発動になるのですよ、捜査機関がやろうとしても。やるという決意を示すことは、いまあなた自身が、残念でした、申しわけありませんでしたと、こう言っているのですから、当然このことは検察当局と相談をして、徹底的に、まだ中間段階ですから、捜査を詰めるという考えであなたがなぜ答弁できないかという政治姿勢が問題なんですよ。もう一遍答弁してください。
○国務大臣(稻葉修君) 熱心に相談します。
○橋本敦君 今日まで三十一年にわたる自民党の歴史、これは言ってみれば、私どもの言葉で常に言っておりますように、対米従属、財界奉仕であったということを申し上げております。それと同時に、戦後多くの疑獄事件が発生して、疑獄の歴史であったと言ってもよい。法務省から私は要求をして資料をいただきました。この資料を見ましても、昭電、炭管、造船、陸運、売春、武鉄、大阪タクシー、田中彰治、日通汚職、共和製糖、たった十の事件ですが、この十の事件で起訴された国会議員三十五名、この関係で被疑者として取り調べられた者の総数三百八十名、この中で国会議員が何名含まれていますかという私の要求に対して、法務省は七十三名の国会議員が、起訴はされなかったが被疑者として調べられているということを資料で明らかにしました。今度のこの資料以外に、あるいは吹原産業、九頭竜川ダム事件、その他等々、多くの四十数件に上るであろう新聞で騒がれた一連の事件を見るならば、もっともっとこの数はふえるであろうということも推定をされる。今度の大きな疑獄事件で、いま安原刑事局長は、被疑者として取り調べもしくは取り調べ中の者は二十名、こうお答えになりましたが、本当にこの事件をもっと徹底的にやるならば私はもろともっと調べなければならぬ人があるはずだと、こう思っております。長い間この私が指摘した七十三名の国会議員、かつて被疑者として調べられた人も明らかにされず、そういう公表がないということの中で汚職構造の温床が育成されてきた。この機会にこれを断たねばならぬ。 ところで、いま私が申し上げた被疑者二十名というお答えの中で、逮捕された者が十八名というのは、これははっきりしておりますが、あとの二名の被疑者は一体だれか。これは一名は児玉、一名は小佐野氏であろうかと私は思いますが、局長いかがですか。
○政府委員(安原美穂君) 御指摘の児玉と、それから保世という外為法違反の被疑者でございます。
○橋本敦君 わかりました。 ところで、この報告に関連をして少し具体的にお伺いをしたいのですが、この中間報告によりますと、全日空の方がロッキードから受け取った金を裏金に使って、そこから国会議員に流れた金、それを受け取った国会議員十三名、こういう記載があります。だがしかし、裏金から出ようが表金から出ようが、そしてまた、この疑獄構造を明らかにするためには、ロッキードの資金ということがはっきりしなくても、全日空の権益拡大、たとえば海外路線への拡張、そこでトライスターが入っていくという可能性もある、韓国への進出、そういった全日空関係の権益の拡大ということにも絡まって行われたであろういろんな事実関係を全部捜査をする、そういうことの中で解明を進めるならば、この十三人という数だけではなくて、もっとふえるのではないかと私どもはいろいろな調査の角度から見ている。この点について捜査当局に伺いますが、この全日空関係の調査というのは、全日空の海外路線への権益拡大あるいは日韓をまたがるいろんな契約が児玉契約書その他で明らかですが、こういうところまで手を伸ばして捜査をしたのか、それは全然やっていない、トライスター売り込みに、ごく、ごくといいますか、限定をして捜査をした結果の報告がきょうの報告であるか、いずれか御説明願いたい。
○政府委員(安原美穂君) あの報告にも出ておりますように、二億六千万円というロッキード社から入った工作資金が裏金となって、それがどう使用されたかということの間に、贈収賄罪等不正行為がないかということを調べた結果があの結果でございます。
○橋本敦君 それじゃ、裏金以外に、たとえば全日空がみずからプール資金を用いて権益拡大という意図で国会議員に盆暮れに金を渡したというような関係については一切捜査をしていないと、こう聞いてよろしいわけですね。
○政府委員(安原美穂君) 捜査の過程では、全日空の裏金関係を含めて金銭の出入りについては取り調べをした結果、あのように二億六千万円の中に国会議員との授受のあった金として五千万円余りが認定できたということでございまして、およそ犯罪の容疑を見出した場合にはすべて取り調べるわけでありまするが、あれ以外に犯罪の容疑あるいはそれに近いものとして発見するものはほかになかったということでございます。
○橋本敦君 いまの答弁で私ははっきりと信用できませんね。いま私が言った観点で、ロッキードの金か全日空のもともとの金か、それが分明でない場合でも、それが全日空の権益拡大、利権拡張等に使われるという趣旨で政治家に渡されたものであるなら、全部調べるべきですよ。それは即今後の問題として重大な問題で残されている。 ところで、もう一つ法務大臣あるいは刑事局長に私は確かめたいのですが、この報告書であらわれている数字の丸紅ルート関係で五名の国会議員が受け取った金額は、最高一千万、最低二百万、その間である。十三名の国会議員が受け取った金額は、全日空ルートで、最高が一人一千五百五十万、最低は百万の間、これはせんべつとか政治資金とか中元とか歳暮とか、あるいは不明のものも含めて合計二十八回にわたるという報告ですが、そういうようになっている。そこで、百万円以下、これが全然出てこないというのは一体何ゆえであろうか。安原刑事局長はしばしば当委員会でも答弁をされて、金額がたとえ五万でも十万でも、どれだけ少なかろうとも、まさにこの事件に関連をした賄賂というような関係にあるならば、名目が政治献金であってもそれは犯罪が成立するということを言明になっておる。ところが、この報告を開いてみると、百万円以下は一つもない。社会的儀礼の範囲ならばそれは賄賂罪が成立するかしないかということまでいろいろ議論をされてきた中です。百万以下が全然あらわれていないということは、これは一体何を意味するのか。あなたは報告を受けていないと、こういうことですが、百万円以下の者でも捜査の対象とした国会議員があるのかないのか、直ちに報告を受けて当委員会が終わるまで私に報告をしてほしいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(安原美穂君) 先ほどの三十ユニット、それから九十ユニットを含む全日空の裏金の関係で国会議員との間の金銭の授受を調べたところ、あれが全部でございまして、それ以下のものはございません。なお、理屈としては、おっしゃるとおり、金額の多寡にかかわらず、職務上の対価であれば贈収賄が成立することは申すまでもございませんが、そういうものはなかったということに相なるわけでございます。
○橋本敦君 なかったとおっしゃいますが、なかったという事実をこの中間報告から信用して受け取るような報告に中身はなっていない。そこまでの具体的な中身はないです。捜査の経過、方針、全部にわたって明らかにされていない。そこで、私は、百万円以下のものは不問に付するというような方針、基準を検察庁がとって調べたのではないかという疑いさえ持たざるを得ないという意味でいま質問をしたのです。しかし、この問題については今後とも、まだ中間段階ですから捜査が進められると思うので、そういうような私が指摘したような疑惑がないということを明らかにするためにも、徹底的な捜査を要求しておきたい。 そこで、PXLの問題ですが、これについては先ほどからも議論がありました。私がまず第一にお伺いしたいのは、検察庁は、日本の防衛庁が川崎重工と提携をして多年にわたって次期対潜哨戒機の国産を進めてきたという事実——防衛庁がですよ。その事実は百も承知のはずだ。そしてそれが四十七年十月九日、この国防会議で文字どおり田中角榮のツルの一声で白紙に還元されたという事実も当委員会の海原証言その他で明らかになった。そしてこの田中は八月二十三日ごろ檜山と会談をし、ホノルル会談に臨む前にあの五億円をめぐってトライスター導入の賄賂収受を打ち合わせをしていると、こういう関係と、もう一つは、アメリカ側から、たとえばグラマン社のチータム氏が、ニクソン・田中会談ではトライスター、それにPXL、P3C問題が議題になったことは間違いないというようなことを言っているという情報もある。いろいろ情報を総合すると、まずもってこのPXL、これを疑惑を究明するには、田中角榮その人にこのP3C問題にどうかかわったかということを含めて徹底的な捜査を行わねばならぬと思いますが、トライスターに関係する外為違反あるいは贈収賄事件で田中角榮を逮捕し取り調べた中で、このPXL問題についても田中角榮に対して取り調べをおやりになったんですか、やらなかったんですか。
○政府委員(安原美穂君) 報告にも出ておりますように、PXLに関しては今日までのところ犯罪の容疑は認められなかったということでございまするから、そういう容疑があれば田中前総理であろうと何であろうと調べたはずでございますが、容疑を認めていないということでございますから、調べていないと思います。
○橋本敦君 きわめて不明確な答弁です。調べたなら調べた、そして調べたけれどもいままでのところ容疑が発覚できなかったというなら、それはどこに事情があるか、これを明らかにするのがきょうの中間報告だと私は理解をしておったんですが、全くそういうことはないと。これは言ってみれば大きなPXL疑惑隠し、それにつながるのではないかという疑いさえ持ちます。かつて私が当委員会で法務大臣に言いました。PXLは日米重要な戦略問題にかかわる重要な問題だ、いまもロッキードはP3Cを日本に売り込むことをあきらめていない大商売だ、そういう関係が日米ロッキード隠し、コーチャンその他関係者がP3Cを正直に言っていないという、そういう疑いがないかと、こう言ったときに、あなたは、私も非常にそれを感ずると、こうおっしゃったことがあるんです。 そこで、一点聞きたいんですが、このPXLの疑惑を解明するのに、今後捜査を進めていくということであるにしても、本当にこれを解明する重要な手がかりが——手がかりですよ。いままでのところ容疑がないのはわかりました。重要な手がかりがアメリカ側証言その他によって得られていて、検察庁は確信を持ってこの捜査を進められるかどうか。ここのところはどうなんですか。
○国務大臣(稻葉修君) 九月の二十九日に、エリオット、クラッターの証言が終わって、その尋問調書が全部手に入ったわけですね。
○橋本敦君 簡単で結構です。手がかりと確信があるかと言っている。
○国務大臣(稻葉修君) そして、そういうことから手がかりがあって、PXL関係、P3C関係について捜査を突きとめる確信があるかどうか、私にそういう問い合わせがあっても、捜査当局にこういう確信があるかと言うて聞いてあなたにお答えするというわけにはいかぬでしょう、捜査の一番大事なところでございますからね。
○橋本敦君 時間がありますので、あと二問だけお許し願って先へ進みますが、小佐野氏はきょう退院をしました。病状が回復しつつあるのです。この小佐野氏は、コーチャン証言によっても、児玉から五億円を受け取ったということが言われている人物、大いに役立ったと言われている人物、田中の刎頚の友、どうしても調べなければならぬ人物だと思いますが、こうして病状が回復しているという現在、この小佐野氏を徹底的に捜査するという方針はありますか。
○政府委員(安原美穂君) たびたびのお尋ねに対して同じようなことを申し上げることは恐縮でございますが、特定の人物についてこれから捜査をするという方針を申し上げることはできないと思います。ただ、しばしば御指摘のあるいろいろな情報の中に小佐野氏の名前も出てくるわけでございますので、情報としては検察当局は十分に関心を持っていると確信しております。
○委員長(大谷藤之助君) 時間が来ましたから簡単に……。
○橋本敦君 もう最後の質問にいたします。 私は、いまロッキード幕引きを恐れているのです。国民も恐れているのです。徹底的にやらねばならぬ。小佐野氏の捜査をどうするか、歯切れの悪い答弁です。しかし検察庁は、犯罪の容疑があればやると、こう言っていますから、法務大臣、そこであなたに最後にお聞きしたいのですが、いま三木内閣の大きな後退姿勢が問題になっているときに、あなた自身は、十日山口の下松市民会館の演説で大変重大なことを言われた。こう言っています。今後は児玉ルート究明が中心になる、こういう大きな事件になると、えてして若い検事の中にはわくわくして、しなくてもいいことまでする危惧もあり、常々沈着冷静にするよう言っている。これから児玉ルートが大事だ、そのときにこの大疑獄事件に立ち向かって、まさに正義の意気に燃えて若い検事が困難を突破して捜査をしようとしている、またしなければならぬというときに、法務大臣、あなたが公然と演説で、若い検事はしばしばわくわくして、しなくてもいいことまでやるから冷静沈着にとたしなめているのだ。これは何事ですか。まさに若い検事が正義感に燃えてやるのを、やめろ、指揮権の発動に事実上つながることではありませんか。こういうようなことをあなたがおっしゃるようでは、私どもは、三木内閣が本当に真相解明をやると信頼することができない。最後にあなたの御意見を伺って終わります。
○国務大臣(稻葉修君) それはあなた、誤解されちゃ困るのですな。私は、このPXL関係、児玉関係ね、いま言った人の関係、あれにはちっとも手がつかないのにロッキード解明したなんて、そんなこと最低のことじゃないかと、こういうふうに思っているのですね。したがって、冷静沈着にやることが一番真相解明には大事なことなんです。意気に燃えてやると同時に、冷静沈着にやらなければ徹底的な解明はできない。のぼせ上がってやったらそれはいかぬ。冷静沈着にやらなければ徹底的な解明ができません。そういう意味で申しました。誤解を生じましたことは、私の表現の足らざるところ、不徳の致すところであります。
○橋本敦君 終わります。
○三治重信君 本日は、衆参両院でロッキード事件の捜査処理に関する中間報告が行われました。各党それぞれ御質問で解明されたところが非常に多いのでありますが、最後になりまして、ひとつ数字がちょっと合わぬと思うのですが、この調査した国会議員が十七名、それから丸紅ルートで五名、全日空ルートで十三名。そうすると、それの中で、先ほどから明らかになった者が、丸紅と全日空の調査で、ことに全日空の十三名の中に丸紅の五名の中三人が含まれている。こういうふうになりますと、起訴が三人で、それから丸紅の方が五人、それから全日空十三上って三名ダブっていると、十名というと、十八名にならなくちゃおかしいのじゃないかと思うのですけれども、いいですか、起訴をされた者が十七名の中に入っているわけでしょう。この調査した十七名の中に起訴された者は入っている……。
○政府委員(安原美穂君) そのとおりでございます。
○三治重信君 そうしますと、いまのダブっているのが三人と言いますと、丸紅と全日空で十五名になって、起訴された三名を含むと十八名になりませんか。
○政府委員(安原美穂君) 名前を申すわけにはいきませんが、起訴された者の中に今度公訴提起の対象にならなかった献金関係の方が入っているということでございます。
○三治重信君 わかりました。 それから、この四百六十名の中に官庁関係者も含まれているようになっておりますが、この中で何人ぐらい関係者として取り調べられたのでございますか。——じゃ、後でひとつお願いします。 それからその調査の中で、この中に出ていないわけですから、役人の中では金品の授受をした人は恐らくなかっただろうと思うのですけれども、取り調べられた者の中で金品の授受は全然なかったのか、若干はあったけれども、まあ取り上げるほどではなかったということなのかをお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 今日まで捜査したところでは、役所関係、いわゆる行政機関の職員の中で金品の授受があったということは認められなかったわけでございます。
○三治重信君 まあ、これだけの大疑獄事件の中で、関連した省庁が相当あるにかかわらず、金品の授受が全然なかったということは、私は非常に幸いだったと思って、官庁の信頼関係がその意味において非常に維持されてきた、信頼が持たれる、こういうふうに認識するものであります。 それから、この田中さんの五億円の収受の中で、全然使途がわからない、こういうふうになっておりますが、もしもこの五億円を国会議員の中に渡したということがわかった場合には、もしも——いまわかってないわけですが、わかると、それは何か収賄罪に場合によればかかることがあるんですか。
○政府委員(安原美穂君) まあ理論的には、受け取った方が国会議員で、国会議員の職務に関してこの五億円の一部ないしは全部をもらったということになれば、理論的には贈収賄というようなことがあり得るわけですが、それはあくまでも机上の理論でございまして、さしあたり、五億円というものは外国から来た金であるということを知りながら受け取ったとなれば、外国為替管理法違反とか、あるいはその受け取った金について脱税というようなことがあれば所得税法違反とかいうようなことは考えられますが、すべて考え得るということでございます。
○三治重信君 そうしますと、この五億円について田中氏を起訴をして、その公判を維持していく場合に、この五億円の使途は不明であっても、その田中さんの収賄、またはそれについての維持は必ず収賄罪で裁判で公判が維持できていくと、こういうふうに考えておられるんですか。
○政府委員(安原美穂君) 私の考えでございますが、使途がさらに詳細にわかることが最も望ましかったと思いまするけれども、検察当局の報告によりますと、使途が解明できなくとも請託収賄としての五億円が賄賂であるという立証はできるという確信を持っているという報告を聞いております。
○三治重信君 この報告の中に、アメリカの方の協力によってコーチャン初めクラッター、エリオット氏の嘱託証人尋問によって資料を得て大変に助かったというふうに書いてありますが、この中で、そのおかげでと申しますか、その資料が丸紅、全日空ルートの解明に非常に役立ったと思いますが、さらに児玉ルート、PXLの関係についてもこの三者の陳述の中に相当含まれておりますか。
○政府委員(安原美穂君) 証拠の、いわゆるアメリカから来た資料の内容を申し上げることは取り決め上申し上げかねるわけでございまして、遺憾ながらお答えはいたしかねますが、いずれにいたしましても、捜査に有力な資料となったということは高く評価できると思います。 なお、三治委員にお答えできなかった、官庁関係者で本件の捜査の関係で取り調べに協力してもらった官庁関係者は、約五十名でございます。
○三治重信君 法務大臣にお尋ねしますが、今度の中間報告でやはり一番のメリットは、この丸紅ルートの五人と全日空ルートの十五名という人数だけでも積極的に出していただいたことだと思います。これを、私たちは氏名公表を前から言っており、それについても、政府は、あるときには氏名公表について非常に積極的な答えもあったり、いろいろ紆余曲折しておりますが、いまのところ、秘密会ならば、秘密会でこの氏名を提出してもよろしいと、こういうふうにまで政府としては妥協されてきたと思いますが、これについてやはり私はここで議論するのでなくて、私の意見を一つ申し上げておきたいんですが、やはり議院内閣制なんですから、政府の総理大臣並びに稻葉法務大臣も国会議員が大臣になっておられるわけです。それを国会といわゆる政府というふうに問題を区別していかれるというのは、やはり非常にこの問題をこじらすもとだと思う。ことに灰色高官というような問題は、これは政治的な、道義的な問題として追及するということで始まっている問題なんで、それをいかに政府は政府、国会は国会と言われても、その内閣総理大臣、法務大臣というのはやはり政党から出ておられるわけなんですから、そこでその政党、この政権を持っている与党についてしっかり連絡調整さえつけば、この氏名の公表というものはできると、こういうふうに思うわけなんです。野党は、全員究明されたこの氏名を公表してほしい、それが中間報告で欠けているのが一番問題だと、こういうことでございますから、さらにこの問題は政府と国会を分けてあんまり区別を立ててやられますと、このロッキード問題もせっかくここまで進んだのが途中でUターンをしてしまうと、こういうふうな問題になって、首尾一貫しないと思うんですが、いま一度、この秘密会につきましてもまたどういうふうになりますか。氏名の公表について、この五名、十三名ができるように一つ御努力をお願いしたいと思います。 国税庁の方へ最後に一つお願いいたしますが、この報告書を見ると、所得税法違反で、児玉氏が十五億八千八百万円違反で支払え、こういうことで公判請求をしておられるわけですが、この中に書いてあるのは、領収証によって確認したものだと。これは主にアメリカの多国籍企業の小委員会の資料だと思うんですが、それ以外に、先ほどのクラッター、エリオットやコーチャン氏の証言で、こういう所得税法違反の数字を固められる上においてさらに参考といいますか、しっかりした証拠資料に相当貢献した部面が何点かあるかどうか、ひとつ御答弁願います。
○政府委員(山橋敬一郎君) お答えいたします。 児玉譽士夫のいわゆるロッキード社からの収入の問題につきましては、いわゆる領収証等の公開資料の内容を踏まえまして、検察当局とも十分連絡協議の上その裏づけ捜査をいたしまして、調査をいたしまして内容を固め、公開するに至ったものであります。また、児玉譽士夫のフィクサー所得、フィクサーに関する所得につきましては、当方の独自の調査によりましてこの内容を固め、あわせて告発に至ったものでございます。
○三治重信君 では稻葉法務大臣に一つお答え願いたいんですが、私の先ほど申し上げましたこの意見と申しますか、やはり大臣は、一つは政府の責任者であるとともに、一つはやはり議院内閣制でいわゆる政権政党から出ておられる、この責任を区別するのは——一応区別するのはいいけれども、ことにこういう政治的な問題になってくれば、それは一つの責任になる、こういうふうに解釈を私はしておるわけですが、その方向でひとつ努力せられることを特に望みますが、その所感をひとつ……。
○国務大臣(稻葉修君) 御意見拝聴しました。お互いに少し事態の推移を見ましょう。こちらとそちら側の推移もいろいろ見ましょう。
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして本日の質疑は終了いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時八分散会