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78回国会衆議院1976/10/12

本会議 第6号

発言数
29
登壇者
10
会派数
6
開催日
1976/10/12

会議録

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日程第一 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙  日程第二 国土総合開発審議会委員の選挙  日程第三 九州地方開発審議会委員の選挙  日程第四 四国地方開発審議会委員の選挙  日程第五 首都圏整備審議会委員の選挙  日程第六 離島振興対策審議会委員の選挙  日程第七 国土開発幹線自動車道建設審議会委員の選挙  日程第八 台風常襲地帯対策審議会委員の選挙  日程第九 北海道開発審議会委員の選挙  日程第十 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙  日程第十一 鉄道建設審議会委員の選挙

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 日程第一ないし第十一に掲げました各種委員の選挙を行います。

三塚博自由民主党

○三塚博君 各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名されんことを望みます。

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 三塚博君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。  議長は、検察官適格審査会委員に古屋亨君を指名いたします。  また、古屋亨君の予備委員に唐沢俊二郎君を指名いたします。  次に、国土総合開発審議会委員に三池信君を指名いたします。  次に、九州地方開発審議会委員に二階堂進君を指名いたします。  次に、四国地方開発審議会委員に加藤常太郎君を指名いたします。  次に、首都圏整備審議会委員に濱野清吾君を指名いたします。  次に、離島振興対策審議会委員に宮崎茂一君を指名いたします。  次に、国土開発幹線自動車道建設審議会委員に       内田 常雄君    桜内義雄君       黒金 泰美君 及び 久野 忠治君 を指名いたします。  次に、台風常襲地帯対策審議会委員に山中貞則君を指名いたします。  次に、北海道開発審議会委員に箕輪登君を指名いたします。  次に、日本ユネスコ国内委員会委員に谷川和穗君を指名いたします。  次に、鉄道建設審議会委員に       内田 常雄君    櫻内 義雄君    及び 黒金 泰美君 を指名いたします。      ————◇—————  日程第十二 公衆電気通信法の一部を改正する法律案(第七十七回国会、内閣提出)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 日程第十二、公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。逓信委員長伊藤宗一郎君。     —————————————  公衆電気通信法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔伊藤宗一郎君登壇〕

伊藤宗一郎自由民主党

○伊藤宗一郎君 ただいま議題となりました公衆電気通信法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、日本電信電話公社の経営状況にかんがみ、その財政基盤の確立を図るため、電報電話料金を改定する等の改正を行おうとするもので、その主な内容は、  第一に、通常電報の基本料を二十五字まで百五十円を三百円に、累加料を五字までごとに二十円を四十円に改めること、  第二に、電話使用料を、度数料金局に収容されている加入電話の場合は二倍に、定額料金局に収容されている加入電話の場合は一・五倍にそれぞれ引き上げること、  なお、昭和五十一年度中は、暫定的に電話使用料の改定幅を平年度の二分の一にとどめることとなっております。  第三に、加入電話から行う自動通話の度数料七円を十円に改め、また、これに準じて手動通話料を改めること、  第四に、設備料を、一加入電話ごとに単独電話は五万円を八万円に、その他は電話の種類に応じ単独電話に準じて改めること、  第五に、公衆電話料をおおむね加入電話からの通話料と同額に改めること、  以上のほか、電報電話業務の合理化を図る等のため、報道電報、報道無線電報、至急電報及び予約通話の廃止、国際通話料滞納者に対する措置の強化、その他所要の規定の整備を図ること等となっております。   本案は、本年二月四日、第七十七回国会に提出され、三月五日、本会議において趣旨説明が行われた後、本委員会に付託され、委員会では、五月十三日、大臣から提案理由の説明を聴取し、同月十九日から質疑に入りましたが、審査を終了するに至らず継続審査となったのであります。  今国会におきましては、本月六日、七日の両日、各般にわたる事項についてきわめて熱心、活発な質疑が行われ、七日、三木内閣総理大臣に対し質疑を行った後、本案に対する質疑を終了いたしました。  この間、閉会中の八月四日には六名の参考人を招致して意見を聴取いたしましたほか、本月七日には物価問題等に関する特別委員会と連合審査会を開会する等、きわめて慎重な審議を行ったのであります。  質疑終了後、本案に対し、自由民主党の志賀節君から修正案が提出されましたが、その要旨は、原案の施行期日本年六月一日はすでに経過しておりますので、これを公布の日の翌日に改めることとするものであります。  本修正案について趣旨の説明を聴取いたしました後、原案及び修正案を一括して討論に付し、自由民主党を代表して羽田孜君が賛成、日本社会党を代表して古川喜一君、日本共産党・革新共同を代表して土橋一吉君、公明党を代表して田中昭二君、民社党を代表して小沢貞孝君がそれぞれ反対の意見を述べられ、採決の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 討論の通告があります。これを許します。古川喜一君。     〔古川喜一君登壇〕

古川喜一日本社会党

○古川喜一君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました公衆電気通信法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行うものであります。(拍手)  政府は、さきの第七十七国会において、この電報電話料金の値上げ法案を提出してきたのでありますが、私は、わが党の電気通信事業のあり方並びに料金に関する方針を述べ、本改正法案反対の理由を明確にし、政府並びに電電公社に対し、猛省を促すものであります。  電気通信事業の目的は、言うまでもなく、真に国民のための電気通信の不断の実現にあって、その料金の決定はもちろん、設備の建設、事業経営など事業運営の全般にわたって国民の納得によって支えられたものでなければならないのであります。  今日、日本の経済の高度成長が破綻し、産業、経済のあり方が根本的に問いただされているとき、電気通信事業においても、その基本から見直さなければならない時期にあると考えるのであります。  そのためにわれわれは、電気通信事業のあり方について、国民的次元に立って再検討し、その抜本的改革を推進しようとするものであります。特に、事業の実態がほとんど知らされていないという現況を改めるための制度的改革を行い、経営の徹底した民主化を図り、国民に開かれた事業にするとともに、ナショナルミニマムの達成を最優先の課題とするものであります。その上に立って、サービスのあり方、料金等における不公正を是正し、大衆負担の増大を回避させることにしております。  これが、わが日本社会党の電気通信事業のあり方並びに料金に関する基本方針であります。  私は、このわが党の考え方と対比しながら、改正法案の問題点と反対理由について、以下申し述べます。  まず第一は、今回の電報電話料金の値上げは、その理由がきわめて薄弱であり、国民ひとしく納得できないものであるということであります。  電電公社は、今後の事業収支の見通しを試算して、五十三年度までの三年間で一兆七千二百億円の赤字、これに四十九年度、五十年度の赤字四千九百億円を加え、赤字合計額は二兆二千百億円になると見込みざらに改良費三千億円を加えて二兆五千百億円を料金改定必要額と推計しております。  しかし、利用者である国民は、公社経営の実態について全然知らされていないのであります。事業の運営に広く国民の理解と協力を得るため、公社運営の実態と経営の内容を明らかにすべきであります。  電電公社の料金改正案は、五十一年度から五十三年度までの三カ年間を試算しておりますが、第五次五カ年計画とのずれをどうするのか、明らかではありません。  しかも、この改正案の基礎になっております事業収支見通し、すなわち料金改定必要額は、それ自体がもはや根拠を失っております。電電公社は、謙虚に国民の意見に耳を傾け、長期計画の見直しをすべき時期に直面していると思うのであります。  投資規模について、低成長経済に合わせてその伸びを縮小すべきであります。そのことによって、料金による負担は一定限度抑制できると確信するからであります。  電気通信事業は、今日まで目覚ましい発展を遂げ、その技術水準はすでに世界的レベルにあります。これからの事業は、これまでの産業優先のあり方をやめ、技術進歩の成果を国民生活に生かし、ナショナルミニマムの達成、国民福祉の向上を最優先の課題として取り組み、国民生活の質の向上、福祉社会実現のための情報通信の推進、不公正の是正、地域住民の要望にこたえることを基本に、国民のための電気通信の実現を達成しなければならないと思うのであります。  しかるに、今回の改正案は、料金体系の合理化及び制度の改善策については何ら見るべきものがなく、ただ安易に料金値上げによって経営収支のつじつまを合わせようとするものであって、納得するわけにはまいりません。  電電公社は、赤字の原因があたかも住宅用電話の普及のためであるかのごとく宣伝をいたしておりますが、言語道断と言わねばなりません。  公社は、公共企業体としての役割りを認識し、ナショナルミニマムとしての事業使命に立ち返るべきであります。  個別料金の決定に当たっては、サービス価格を基礎とし、サービスの質、量、価値並びに利用者の負担能力その他政策的配慮に基づいて決定すべきであります。  専用料金を初めとし、データ通信等各種産業用サービスの営利を目的とするサービス料金については、負担を公正にし、企業負担を増大すべきであります。  また、一般加入電話については、一定度数までは現行料金に抑え、福祉施設などについては割引料金とするなど改正すべきであって、また、寝たきり老人、心身障害者等に対する電話料金に対しては、国の社会政策できめ細かい措置を講じ、地方自治体の負担などについて統一基準を設け、積極的に推進すべきであります。  また、経営の民主化を具体的に実現するため、現在の経営委員会を発展的に解消し、新たな国民の監視の場として電気通信監理委員会と電気通信利用者委員会を設置すべきが至当であると考えるのであります。  電電公社の健全な経営基盤の確立のためには、公共企業体としての自主性を確保する立場から、財政的にある程度自主採算の立場を原則とするが、公共性確保のために必要な資金については、最終的に国が責任を負うべきであります。  次に、減価償却のあり方についてでありますが、事業支出の適正化と負担の公平化を図るため、抜本的に見直すべきであると考えるのであります。  減価償却の算定方法については、電気通信事業が公共企業体であることから、定率法を採用する必然性は存在せず、少なくとも加入電話の完全充足を達成した時点においては抜本的に改め、定額法を基本とすべきであります。当面、建物、工作物について定額法を採用し、また、耐用年数につ  いては、過去の高度成長、消費経済下における考えを改めて、省資源の観点からも、これを全面的  に見直すべきであることを強く主張するものであ  ります。(拍手)   次に、設備料の大幅引き上げでありますが、これまた理解に苦しむものであります。加入者に対し債券の引き受けを強制し、さらに設備料を引き上げることは、二重の負担を強要するもので、不当と言わねばなりません。  以上、主な問題点と反対の理由について申し述べましたが、これらの諸点は、先般来の委員会審査並びに参考人の意見にも述べられたとおり、国民の大半の主張であります。  私は、この改正案が無定見で、かつ不合理である点を指摘し、反対討論を終わります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) これにて討論は終局いたしました。     —————————————

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日程第十三 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(第七十七回国会、内閣提出)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 日程第十三、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。運輸委員長中川一郎君。     —————————————  国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔中川一郎君登壇〕

中川一郎自由民主党

○中川一郎君 ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、日本国有鉄道の経営の現状にかんがみ、その経営の健全性を確立するため、運賃を改定するとともに、日本国有鉄道の経営改善計画、国の援助の措置等について定めようとするもので、その主な内容について申し上げます。  まず、国有鉄道運賃法の改正につきましては、  第一に、鉄道の普通旅客運賃について、その賃率をおおむね五五%引き上げること。  第二に、航路の普通旅客運賃について、鉄道の普通旅客運賃とほぼ同程度の改定を行うこと。  第三に、車扱い貨物運賃について、その賃率をおおむね五九%引き上げるものであります。  次に、日本国有鉄道法の改正につきましては、  第一に、国鉄は、その事業の収支の均衡の速やかな回復及び維持を図るとともに、その経営の健全性を確立するよう努めなければならないこととすること。  第二に、国鉄に対して、経営の改善に関する計画の作成及び実施を義務づけることとすること。  第三に、政府は、昭和五十年度末の国鉄の長期債務のうち、累積赤字相当額の一部について、その償還額を無利子で貸し付けるとともに、その利子を補給することができることとし、国鉄は、特定債務整理特別勘定を設けて他の勘定と区分計理を行うこととすること。  第四に、国鉄は、前事業年度から繰り越された損失があるときは、運輸大臣の承認を受けて、資本積立金を減額して整理することができることとすること。  第五に、政府は、国鉄経営の健全性の確立のため必要があると認めるときは、財政上の措置その他の措置を講ずるよう特別の配慮をすることとすること。  なお、以上の措置に伴い、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法は廃止することとしております。  本案は、前国会の本年二月十四日提出され、今国会に継続審査となっているものでありまして、前国会におきましては、会期中のみならず、閉会中も委員会を開会して審査を進め、今国会におきましては、去る五日以来連日審査を行い、各般にわたる事項につきまして、きわめて熱心かつ活発な質疑が行われたのであります。  この間、前国会におきましては四名の参考人から意見を聴取し、今国会におきましては、物価問題等に関する特別委員会と連合審査会を開会し、また、公聴会を開会して六名の公述人から意見を聞く等、慎重審議を行ったのであります。  去る八日、三木内閣総理大臣に対し質疑を行った後、本案に対する質疑を終了いたしました。次いで、自由民主党の加藤六月君外四名から、本案の施行期日がすでに経過していることに伴い、施行期日を改めるとともに所要の経過措置等を定める修正案が提出され、その趣旨の説明を聴取した後、原案及び修正案を一括して討論に付し、自由民主党を代表して増岡博之君が賛成、日本社会党を代表して坂本恭一君、日本共産党・革新共同を代表して紺野与次郎君、公明党を代表して松本忠助君、民社党を代表して河村勝君がそれぞれ反対の意見を述べられ、採決の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し、国鉄経営を改善し、その使命を達成させるため、政府並びに国鉄当局が推進すべき措置に関する附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告を申し上げます。(拍手)     —————————————

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。坂本恭一君。     〔坂本恭一君登壇〕

坂本恭一日本社会党

○坂本恭一君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)  国鉄財政の現状につきましては、いまさら申し述べる必要もありませんが、昭和五十年度末の長期債務残高は六兆七千七百九十三億円に上り、そのうち三兆一千六百十億円に上る繰越欠損金を負担しているのであります。このように多額の赤字を抱えていることが、いまや大きな社会問題として取り上げられ、一方では、国鉄の労働者の仲裁裁定の問題、下請、関連業者への支払い延期、契約解除の問題として、ことさらのように吹聴されているのであります。  しかし、この長期債務はどのようにして発生してきたのかということについては、政府・自民党はほおかぶりを続けてきているのであります。赤字の原因はどこにあるのか、それは究極的には、公共企業体としての国鉄について公共性を無視し、企業性を強調してきたところにあると言わなければなりません。今日こそ、国民の足としての国鉄の公共性を見直さなければなりません。そして、それに対応した対策を速やかに講じなければならないと確信をいたしております。  いま申し述べました、この基本的な考え方に立って、以下私は、本法律案に対する三つの反対の理由と、わが社会党が提起をした対案について申し述べる次第であります。  反対の第一の理由は、政府・自民党は短期決着で国鉄の再建を行うと言明をしておりますが、国民の立場から考えた場合、国民の国鉄としての再建は、本改正案によっては、とうてい不可能であるということであります。  政府・自民党は、昭和四十四年及び昭和四十八年の二度にわたる再建計画策定に際し、これが現時点で考えられる最善の策であると強調し、われわれの強い疑念と反対、そして積極的な提言を一切無視し、たび重なる強行という議会制民主主義に対する重大な挑戦をあえて行いながら、その意思を貫いてきたのであります。にもかかわらず、国鉄の経営は一向に改善されず、再建もできず、かえって国鉄の経営はますます深刻化し、その危機は一層拡大されたのが現実なのであります。  政府・自民党は、こうした事態を招いた責任を明確にしないまま、三たび、その易しのぎの再建計画を策定し、何らの基本的な改革をも示さないまま本改正案の承認を求めているにすぎません。このような政府・自民党の姿勢を、われわれは絶対に容認できるものではありません。  反対の第二の理由は、本改正案が内容としている国民生活無視、国民大衆からの収奪の強化の方向についてであります。  本改正案は、本年度五〇%という大幅な運賃値上げに引き続き、来年度もさらに大幅な値上げを行うことを予定しているものであります。しかし、公共料金の引き上げが他の物価上昇の引き金としての役割りをもたらすという常識から考えるならば、政府のいわゆる物価安定策そのものにも逆行をするこれらの方策は、まさに常識をも逸脱したものであると言わなければなりません。その上、地域住民に大きな苦痛をもたらす、近代化に名をかりた合理化の促進、五万人にも及ぶ首切りの計画が意図されていることを指摘しておかなければなりません。  反対の第三の理由は、国の国鉄に対する位置づけと、国鉄に対する国の責任の明確化が欠けているということであります。  いまや、国鉄は、全国的な規模で国民生活のすみずみにまで入り込んでおります。政府・自民党はこのことを余りにも無視しているのであります。  膨大な設備投資を必要とする新幹線の建設あるいは新線の建設については、その利権の導入に奔走はするけれども、地方の赤字ローカル線の維持など地域住民の要望にはきわめて冷淡な態度をとり、独立採算制、すなわちさきに申述べました企業性を強要する結果になっているのであります。政府・自民党の国の交通政策に対する無責任ぶりは、きわめて重大であると指摘しなければなりません。  以上三点にわたって申し述べましたが、以上が本改正案に対する基本的な反対の理由であります。  わが社会党は、委員会等において、今日の国鉄の危機を招いた原因を鋭く追及するとともに、国鉄が国民の期待にこたえるべくその機能を十分に発揮させるため、長年にわたって研究を続けると同時に、多くの提言を行い、その実現に努力をしてまいりました。そして、今国会において、わが党としての独自の再建対策要綱をまとめ、具体的な対案として発表し、また、委員会等を通じてその内容を明らかにしてまいりました。  その大要は、国鉄の経営の民主化、国民生活に根差した経営方針の確立、財政の改革、労使関係の正常化など多岐にわたっており、また、これらいずれの問題も国鉄の再建にとって必要不可欠のものばかりであります。  その中で、財政再建に関する内容の骨子は次の四点であります。  その第一は、過去債務については、政府が全額について責任を持って処理をすること。そのため、国鉄債務処理臨時措置法というような特別立法を行い、政府が国鉄の過去債務の利子補給をし、償還分については無利子、無期限で貸し付けるごとであります。  その第二は、新幹線、新線建設及び改良工事のうち、通路施設部分にかかわる資金については全額政府出資とし、その他の工事費については利子補給をすることであります。  その第三は、公共負担の制度化を図り、政府の施策に基づく運賃割引については、それぞれの政策実行部門の負担とする。そのため、交通事業における公共割引の国庫負担に関する法律を制定することであります。  その第四は、政府は、国鉄の地方支線区の運行を維持させるため、幹線、亜幹線を除く約九千二百キロメートルの地方支線区の運営欠損に相当する額を地方支線区交付金として交付することであります。  以上の四点が対案の骨子でありますが、これらの措置を講じた上で、損益勘定にかかわる資金は利用者の負担とすることを認めるものであります。  政府・自民党はわれわれのこの提案を真剣に受けとめるべきであります。政府は、審議の過程でわれわれの主張に対し、公共割引、新幹線網の見直し等について若干の前進的な姿勢を示さざるを得なくなったことも事実でありますが、根本的な改革についての提案に対しては、従来どおりの放漫な答弁に終始し、その無責任ぶりを発揮するという態度を示しております。特に委員会における三木総理の答弁は、何をか言わんや。その無為無策ぶりには怒りを禁じ得ません。(拍手)  いまや、国鉄危機の問題は、国政全体の中でも大きなウエートを占める問題であります。しかし、政府・自民党は、さきに申し述べましたように、その責任を省みず、他にその責めを転嫁し、産業本位、大企業に奉仕する姿勢を改めず、結局は国民大衆の犠牲によって当座をしのぐために懸命になっているのであります。とりわけ労働者の基本的権利であるスト権を認めず、さらに、このスト権剥奪と引きかえに制度化した仲裁裁定さえも勝手な理由でその実施を遅延させ、その上、運賃改定を条件とするようなきわめて卑劣なやり方をとっているのであります。  わが社会党は、以上申し述べましたように、政府の国民不在の交通政策、国鉄の公共性を無視した政策を根本から考え直し、真に国民の足を守る交通政策、真に国民の足を守る国鉄再建を実行するため、さらに努力を続けることを表明し、政府が本改正案を撤回し、わが党の再建案を採用した再提案を速やかに行うことを強く要求をして、私の反対の討論を終わります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 三浦久君。     〔三浦久君登壇〕

三浦久日本共産党・革新共同

○三浦久君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に強く反対をする立場から討論を行うものであります。(拍手)  まず最初に指摘しておかなければならないことは、本法案の審議が十分に尽くされないまま、委員会の採決が強行されたことであります。運輸委員長は、商工委員会、地方行政委員会からの連合審査の協議申し入れを理事会にさえ諮らず独断でこれを拒否いたしました。また、従来行われてきた地方公聴会をも開催をいたしませんでした。さらに、わが党議員の質疑を二度にもわたって一方的に打ち切り、従来からの慣例と申し合わせを無視する暴挙を重ねたのであります。  わが党は、このような議会制民主主義をじゅうりんする自民党の暴挙に、怒りを込めて強く抗議をするものであります。(拍手)  わが党が本法案に反対する第一の理由は、国民生活に及ぼす影響がきわめて大きいからであります。  いま国民は、自民党政府がとり続けてきたインフレと物価高、失業、中小企業の倒産などによって、二重の苦しみを受けているのであります。このような中で、政府は、この二カ月間だけでも、すでに消費者米価、電気料金、ガス代など、公共料金の大幅引き上げを次々に強行してまいりました。その上、さらに電話電報料金とともに国鉄運賃が上がれば、他の交通機関の運賃値上げに拍車をかけ、国民生活を直撃することは明白であります。このような国鉄運賃の値上げは、断じて容認することができません。  第二は、今回の大幅値上げは、歴代自民党政府の政策によって引き起こされた膨大な赤字をすべて国民の負担に転嫁するものだからであります。  わが党は、かねてから、国鉄財政の破綻を防ぐため、繰り返し具体的な提案を行ってまいりました。しかし、自民党政府は、大企業本位の高度成長政策に沿った国鉄の莫大な設備投資を借金に次ぐ借金でやらせてきたのであります。このため、国鉄の利子負担は雪だるま式に年々大きくなり、昭和五十年では赤字額のほぼ半分を占める四千五十五億円にも上っています。しかも政府は、国鉄を借金経営によるどろ沼状態から手を切らせることを放棄して、いままでわずかばかりではあるが支出をしていた国の出資金さえ、今年度には打ち切ってしまったのであります。  また、国民から厳しい批判を浴びてきた大企業本位の運賃体系を是正するどころか、昭和三十五年から昭和五十年までの間に、旅客運賃は三・六倍にも引き上げながら、貨物はわずか一・六倍の値上げにとどめるなど、不公平な運賃体系を一段と強めてきたのであります。  こうして貨物輸送による赤字は、昭和四十九年度までに一兆七千七百十四億円にも上り、累積赤字の約八〇%にも達しているのであります。  自民党政府の再建対策は、これらの赤字の真の原因にメスを入れず、このようなやり方では、今後も引き続き頻繁な運賃の値上げと合理化を繰り返すことになり、国民と国鉄労働者に耐えがたい負担と犠牲を強要することになるのは明白であります。これこそロッキード型のやり方と言わなければなりません。(拍手)  その上、国鉄経営の最大のガンの一つになっている貨物に対する政府の対策は、中小貨物駅の集約化の名による駅の廃止を行いながら、一方で大企業貨物の輸送力の増強を図るというものであります。これでは、公共交通機関としての国鉄の役割りは一層低下するばかりであります。  また、政府は昭和五十五年までに五万人もの要員削減を計画し、国鉄労働者に対する犠牲を一層強めていますが、このことは、国鉄の安全輸送にも深刻な影響をもたらすもので、断じて容認することができないのであります。  国鉄の財政と経営を再建する方法は、わが党が提案をしている国鉄を民主的に再建する道、これを実行することであります。  まず、国鉄財政の民主的な転換でありますが、との基本は、公共交通機関にふさわしい国と大企業の負担を適正にすること以外にはあり得ないのであります。  第一に、線路や停車場等国鉄施設の建設を、国道と同じように国の出資で賄い、借金政策をやめることであります。  第二は、国鉄から貨物が逃げるということを口実として、不当に安く抑えてきた貨物運賃の適正化を図り、大企業本位の運賃体系を改善することであります。  第三は、過去の莫大な借金のうち、当面半額を特別勘定に入れ、その元利償還を国が負担するようにし、利払いを大幅に減らすことであります。国による助成は、ヨーロッパにおける先進資本主義国においては、すでに系統的に行われていることであり、わが国が、国鉄の公共性を真に推し進める決意があるならば、当然、国鉄に対する政府の助成を強めなければなりません。  次に、大企業本位の輸送力の増強政策を転換することでありますが、その中でも特に陸上貨物輸送での国鉄の役割りを高めるために、モータリゼーション優先の交通政策を改め、それぞれの輸送機関の特性を生かし、大量長距離貨物輸送は国鉄で行い、トラックには短距離輸送を受け持つ方向を確立することであります。  さらに、国民の声を反映させるために、国鉄の管理運営の民主化を積極的に進めていかなければなりません。  以上、私は国鉄の真の再建策を述べてまいりましたけれども、繰り返しますが、これを実行する以外に、国鉄の再建はあり得ないのであります。(拍手)  したがって、私は、本法案に強く反対の意を表明して、討論を終わります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 石田幸四郎君。     〔石田幸四郎君登壇〕

石田幸四郎公明党

○石田幸四郎君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。(拍手)  破局寸前の経営状態に陥った国鉄をどのように再建するか、この問題をいま国民は重大な関心を持って見守っております。それは、国鉄再建計画の内容と再建の成否いかんが、国民生活とわが国経済にきわめて重大な影響を及ぼすからであります。したがって、国鉄の再建計画は、単なる収支均衡策であったり、一時的な赤字穴埋め策であってはならないのは当然のことであります。  そうした観点から見ると、今回の政府の国鉄再建策は、そのような認識を欠いた、きわめてあいまいな政治不在の再建案と言わざるを得ません。  わが党が今回の再建案並びに運賃の値上げに反対する最大の理由は、自民党の歴代内閣が見過ごしてきた国鉄の赤字要因、すなわち貨物収入、地方閑散線、社会開発的新線建設等の問題に対し、今回もまた全くメスが加えられず、またまた国民の負担増大のみによってこの問題を糊塗しようとしているからであります。  以下、何点かその反対理由を申し述べます。  反対する第一の理由は、今回の大幅な運賃値上げを柱とした政府の再建案は、最も重要な物価への影響を全く配慮せず行われていることであります。  政府の再建要綱によれば、五十一年並びに五十二年度の二カ年において国鉄の収支の均衡を図るとしていますが、これは二年連続の大幅値上げを前提としたものであって、その上げ幅の大きさから見てまさに暴挙であると断ぜざるを得ません。もし、二年連続の五〇%値上げとなれば、東京−大阪間の新幹線運賃は、料金を含めて五十二年度には一万二千四百五十円、往復で二万四千九百円、東京−博多間は四万二千円となり、勤労者一人当たりの月間平均収入十六万七千六百五円と比較して考えますと、きわめて負担が重く、国民生活に与える影響は余りにも大きいと言わざるを得ないのであります。  さらに、この国鉄運賃の値上げは、五十二年十一月以降にやってくるであろう私鉄運賃引き上げの決定的要因となり、航空運賃の値上げ、トラック運賃の値上げ等を誘発することは間違いありませんし、また、国民生活に直接、間接に与える影響はきわめて大きく、国民的命題である物価抑制に逆行するものと強く反対せざるを得ません。  政府は、公共料金といえどもコスト分は利用者に負担させなければ財政を圧迫すると強調いたしますが、これのみを強調するのであれば、一方において政府の言う物価抑制の努力は全くの空文となり、物価安定を切望する国民を裏切るものであり、三木内閣の責任はきわめて重大と言わなければなりません。  反対の第二の理由は、前段にも指摘したように、赤字問題の基本的課題にメスを入れない、すなわち根本的財政措置を考えない再建策は、決して国民のための真の再建策にならないという点であります。  国鉄が今日このような膨大な赤字を抱えるに至った主な原因は、政府の財政補助に重大な失敗があったからであります。  四十年から四十九年までの国鉄の設備投資額は四兆四千五百六十四億、この投資計画はそのほとんどが借入金によって賄われたものであり、この間の政府の補助は五十年の一千八百三十七億を含めて八千億程度にすぎず、その反面、国の道路建設は十九兆二千億もの投資がなされており、これではいかに道路建設が目的財源による措置とはいえ、鉄道の重要性を無視した失政と言われても弁明の余地はないはずであります。  反対の第三の理由は、政府の再建策は国鉄の構造的赤字に対する具体的施策が皆無に等しいからであります。  国鉄の構造赤字の主たる原因である貨物の赤字はモータリゼーションの波をまともにかぶったからであり、いま一つの地方閑散線の赤字は、経済成長に伴う過疎化現象によってより一層増大したものであります。  しかも、この地方閑散線は、国鉄経営面に立って企業性を重視すれば廃止せざるを得ないものであり、社会開発の立場をとれば存続せざるを得ず、国鉄当局が判断するというよりは、政府が助成か廃止かを決定すべき性質の問題でありながら、今回も何の結論も出さないまま終わってしまうことは、許しがたい行政の怠慢と言わなければなりません。  貨物収入の赤字に言及すれば、モータリゼーションの発達によって国鉄貨物は年々そのシェアの減少を来し、四十九年度には全輸送量の二二・七%を占めるにすぎない現状となっております。しかし、省エネルギーその他の問題を考慮すればなお存続の方向に向かわざるを得ず、国鉄貨物輸送の立場をいかに位置づけていくかは、わが国経済の中においても大きな問題なのであります。  しかも、それは総合交通政策と密接な関係にあることは言うまでもありません。わが党は、早くから総合交通政策の策定を要求してまいりましたが、いまだに実現を見ておりません。総合交通政策との関連を持たない国鉄貨物輸送の再建など全く無意味であり、いかに総合原価主義といっても、企業の営業活動に使用される貨物の大幅赤字を一般旅客が負担すべきであるという政府の主張など、だれが納得するでありましょうか。政府は、一日も早く解決策を国民の前に示すべきであります。  また、政府は、国鉄経営が危機に瀕した現在でも、五十一年度において三十二線区、千三百五十三キロに及ぶ赤字線の建設を進めようとしています。この点についても、わが党は、赤字線の建設は当分の間中止すべきであり、建設の根拠となる鉄道敷設法は現在の経済、国土整備等に適応したものでないので、早急に改正するよう要求してきたのであります。  いずれにせよ、国鉄再建にとって最も重要な構造赤字に対する解決策を欠いた国鉄再建案を、われわれは絶対に認めることはできません。  反対する第四の理由は、国鉄の再建は労使の協力と協調が必要であるにもかかわらず、その労使間にひびを入れる強引な人員削減を進めようとしているからであります。  政府は、国鉄再建要綱の中で昭和五十五年までに五万人の人員削減を行おうとしています。五万人と言えば現在の国鉄職員の一二%にもなり、これだけの人員を減らすためには、地方閑散線の廃止、貨物輸送の縮小、安全保安業務の縮小などが当然必要となるはずであります。  しかし、そうした国鉄の事業規模や安全対策上重要な諸問題について、合理化案決定に際し全く検討がなされていないばかりか、このような大量の人員削減という、国鉄の労使間にとってきわめて重要な課題が一方的に提起されているのは、全く不可解でございます。  政府のこうした一方的な合理化案は、労使間の協調体制を政府みずから破壊しようとするものである、このように言わざるを得ず、したがって、わが党は、労使間の協議、合意を強く要求するものであり、それなくしてこの合理化案を認めることはできないのでございます。  第五に、国鉄再建に当たって、国鉄の企業努力の姿勢がまことに不明確であるということであります。  国鉄に対する親方日の丸という国民の批判は依然として根強く存在し、今日その批判にこたえ、国鉄が企業努力によって赤字解消を図ってきた事実をわれわれは知りません。一歩譲って、事業拡大の意思を認めるとしましても、国鉄当局が国民の期待にこたえて現実に実施した対策は皆無と言っても言い過ぎではないのではないでしょうか。  しかし、同時に、国鉄の経営の自主性を抑制している法的制約があることも十分認識すべきであります。  国鉄の企業努力をより一層強めるため、政府は、国鉄の関連事業への投資範囲を制約している国鉄法第六条を改正し、事業範囲の拡大を図るべきであります。  国鉄の再建に対する国鉄当局の企業努力の欠如、また、国鉄の自主経営を束縛した法的規制に検討を加えようとしない政府には、もはや国鉄再建を語る資格もないとさえ言わざるを得ないと思います。  なお、わが党は、国鉄の経営の現状が重大な事態に直面しているとの認識に立ち、去る六日、国鉄再建対策案を発表いたしました。  その内容は、国鉄の役割りと位置づけを明確にした総合交通政策を改めて確立する、国鉄労使関係の改善を図るための条件つきスト権の付与、国鉄の企業努力の強化、国鉄は国民共有の財産との立場からの国庫補助の強化、そして、貨物対策の充実などを主な柱としており、いたずらに運賃値上げに依存する政府案とは本質的に異なっているものでございます。  いずれにせよ、国鉄再建が国民的課題であり、その再建策には国民の十分なコンセンサスが得られるよう積極的な努力を必要とし、わが党もそのための協力は決して惜しむものではございません。  しかし、前段に述べたように、政府は国民に過大な負担を強いている今回の運賃値上げでございます。今回の運賃値上げ案は撤回して、改めて再建計画の骨子を明確にしてから、国民の合意を得られるように国鉄再建案を策定すべきであり、このことを強く主張いたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 和田耕作君。     〔和田耕作君登壇〕

和田耕作民社党

○和田耕作君 私は、民社党を代表して、ただいま提案されております国有鉄道運賃法及び日本国  鉄道法の一部を改正する法律案に対しまして、反対の討論を行いたいと思います。(拍手)  国鉄の現状は、まさに破産、倒産の状態にあると言っても過言ではありません。先般発表された五十年度の監査報告を見れば、累積赤字は三兆一千六百十億円、長期負債は六兆七千七百九十三億円もの巨額に達しているのであります。そして、いまも毎日毎日三十億円強の赤字を出しているのでありまして、四十万を超す国鉄の職員の給料もまともに払えないような状態にあるのであります。この際、国及び国鉄関係者は、この事態をもっと深刻に反省をし、国民に対して強い責任感を持つべきであると思います。  顧みれば、国鉄の赤字が初めて発生した年は、いまから十二年前の昭和三十九年でありました。この年三百億の赤字を出して以来年々その規模はふくらみ、そのたびごとに国鉄の再建が叫ばれ、結果として利用者に負担を強いる運賃の値上げが繰り返し行われてきたのであります。すなわち、国鉄再建を名目に運賃値上げはすでに五回も行われているのであります。二年に一回の割合であります。にもかかわらず、国鉄再建は遅々として進まず、ますます悪化していることは御承知のとおりであります。  このような経過を見れば、この際、原因は一体どこにあるのか、国鉄の経営責任はどうするのか、現状の荒廃した労使関係を放置してよいのかなどの根本的な点にメスを入れなければ真の問題解決にはならないと思います。  このような基本的な問題を放置し、安易に赤字を利用者に転嫁する運賃の大幅値上げは、わが党の断じて認めがたいところであります。  いわんや、一般国民の生活は、低い賃上げ、所得税減税見送りによる実質の増税が行われております。また、一〇%近い一般物価の上昇、社会保険料の引き上げなどによりまして、国民の実質生活は昨年を下回る苦しい状態に置かれております。なおこの上、五〇%の運賃値上げを行うということは、電報電話の大幅な値上げと相まって、国民生活に深刻な打撃を与えることは必至であります。  政府・自民党、国鉄経営者の長年の無為無策、無責任のツケがいまになって国民に回されていると言っても過言ではありません。(拍手)さらに来年度も五〇%の大幅値上げをするというのですから、何たることかと言わなければならないのであります。  わが党は、この見地から、いち早く具体的かつ現実的な国鉄再建対策要綱を発表したのであります。その第一の柱は、緊急の課題である国鉄財政の破綻を救済することであります。第二の柱は、国鉄経営の近代化、合理化の推進並びに労使関係の正常化を図ることであります。  申すまでもなく、現在の国鉄財政の問題点は、第一に、長期負債が七兆円弱に達し、これがために利子負担が四千億円を超えていること、第二に、繰越欠損金が三兆円を上回っていることであります。  このような事態を招いた最大の原因は、昭和四十年代にかけて自動車、航空機の発達とともに国鉄が独占的な地位を喪失したにもかかわらず、独占時代と同様の公共的な使命を果たさせつつ、国が資金的に負うべき役割りをほとんど果たさなかった点にあります。すなわち、独立採算制の堅持、赤字路線の拡張、政策料金の押しつけなどがそれであります。これらの諸問題を、この際、抜本的に改革しなければ、真の国鉄再建の端緒はつかめないのであります。  わが党は、この見地から、第一に、過去の長期債務を全額国が肩がわりして、新たに意欲を持って国鉄が再建に努力する体制をつくること、すなわち、過去債務たな上げのための利子補給として、国が約四千九百億円を計上すべきことを主張しているのであります。第二に、地方交通線と称せられる、どのような経営努力をもってしても採算不可能な線区については、赤字を国が負担すること、すなわち、二千億円を計上することであります。第三に、政策料金についても、その差額分は国が補助することは当然であると思います。  以上の三つの措置を講ずるなれば、運賃の大幅値上げによらずとも、国鉄再建の端緒を開くことは可能であります。  しかし、これらの措置は、あくまでも緊急の施策でありまして、それ以上のものではありません。昔から「仏つくって魂入れず」という言葉がありますけれども、これらの国鉄再建の政策を生かす魂というのは何か。言うまでもなく、国鉄経営者並びに働く労働者の一体になった再建の意欲であります。この意欲、やる気なくしては、いかなる財政措置、すなわち、国民の税金もむだ遣いに終わってしまうことは言うまでもありません。(拍手)  これまで国鉄に見られた安易なストの決行、減産闘争、サボタージュ等々の行動、並びにこれを許し、黙認し、無事平穏を願って出世第一に考える国鉄管理者の存在などは、この際、断じて改めなければなりません。(拍手)国鉄労使は、責務の重大性を深く認識し、一致協力して国鉄再建に取り組む体制を確立すべきであります。  また、政府は、当面の緊急対策を講ずるとともに、公共企業体そのものの経営のあり方について抜本的改善を図るために、内閣に公共企業体経営合理化審議会を速やかに設置すべきであります。  以上、私は、政府の運賃値上げ法案に対する反対の理由を述べてまいりましたが、最後にもう一度強調しておきたいのであります。  国鉄の再建は、政府の財政措置、国鉄労使の再建への強い意欲並びに国民の衆知を結集した合理化審議会の設置、この三位一体が不可欠であるということであります。政府に対しましてこの点を再度強調いたしまして、民社党の反対討論を終わります。(拍手)

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) これにて討論は終局いたしました。     —————————————

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。(拍手)      ————◇—————

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 御報告いたすことがあります。  議員菅野和太郎君は、去る七月六日逝去せられました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。  同君に対する弔詞は、去る七月二十四日贈呈いたしました。これを朗読いたします。     〔総員起立〕  衆議院は多年憲政のために尽力し特に院議をもってその功労を表彰されさきに科学技術振興対策特別委員長の要職につきまたしばしば国務大臣の重任にあたられた議員正三位勲一等菅野和太郎君の長逝を哀悼しつつしんで弔詞をささげます  故議員菅野和太郎君に対する追悼演説     —————————————

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) この際、弔意を表するため、久保田鶴松君から発言を求められております。これを許します。久保田鶴松君。     〔久保田鶴松君登壇〕

久保田鶴松日本社会党

○久保田鶴松君 ただいま議長から御報告のありましたとおり、大阪府第一区選出議員菅野和太郎先生は、去る七月六日大阪府立病院において逝去されました。  思えば、昨年十月、先生は、他の議員諸君とともに、院議をもってはえある永年在職の表彰を受けられました。しかし、このとき演壇にお姿がなく、御入院と知った議員一同は深くお案じ申し上げ、一日も早い御回復を祈っておりました。その後健康を取り戻されたと聞き、安堵をしたのもつかの間、先生の急逝の報に接しました私は、大きな衝撃と深い悲しみに打たれたのであります。  私は、ここに諸君の御同意を得て、議員一同を代表し、謹んで哀悼の言葉を申し述べたいと存じます。(拍手)  菅野先生は、明治二十八年六月、愛媛県松山市の商家に生まれ、中学卒業後、朝鮮に渡ってさる会社に勤められましたが、向学の念やみがたく、大学入試を目指して内地に戻り、刻苦勉励の末、みごと京都帝国大学に入学されました。  大正九年、大学の課程を終えた先生は、学究の道を選び、彦根高商、大阪商科大学等の教授を歴任されました。この間、「日本商業史」「日本会社企業発生史の研究」「近江商人の研究」など貴重な文献を公にして経済学博士の学位を得られ、日本近代経済史のパイオニアとしての名声をいよいよ高められたのであります。  みずからの生涯を学問の探究にささげることを誓われました先生の進路を大きく変えたのは、昭和十一年の大阪市教育界の疑獄事件でありました。大阪市の小学校教員と市当局者の間において校長人事をめぐって発生した贈収賄事件がこれでありました。先生は京都大学の先輩でもあった当時の大阪市長から、市教育界の刷新を図るために教育部長就任の懇請を受けました。先生は教壇を離れがたく、これを固辞しましたが、ついに市長の熱情に打たれて市役所入りをされることになったのであります。  学界から未知の世界とも言える役所生活をみごとにこなし、再び学界に戻らんとした先生をとどめたのは、昭和十七年四月に行われました衆議院議員総選挙でありました。経済学者としての学識に加えて、すぐれた行政能力を認めた大阪の人々が、この総選挙に先生の出馬を求めたからであります。  先生は、自分は政治家の器ではないとしてこの要請を断り続けましたが、各方面からの強い説得により、ついに立候補を決意し、大阪府下、最高の得点をもって初当選されたのであります。  時あたかも熾烈な戦時体制下から終戦前後にかけての未曾有の困難な時期に当たり、本院議員として国政の審議に尽瘁され、傍ら、大阪府商工経済会理事長として敏腕をふるわれたのでありますが、昭和二十一年一月の公職追放の指令により、約五年間、雌伏の生活を余儀なくされました。  やがて、追放解除となるや、政界復帰を促す地元の人々に推されて、昭和二十七年十月の第二十五回衆議院議員総選挙に再び立候補し、当選されたのであります。  先生は、そのすぐれた学識と豊富な経験を縦横に駆使して国政の各分野で目覚ましい活躍をされましたが、特に専門分野である商工委員会においては、戦後の変遷を重ねた幾多の経済関係議案の審議に携わり、うんちくを傾けた意見を述べて政府のよき鞭撻者としての役割りを果たされたのであります。  かねて先生は、資源の乏しいわが国においては、たゆまざる技術革新が必要であり、科学技術の振興なくして経済の発展はあり得ないとの信念を持しておられましたが、昭和三十二年二月には科学技術振興対策特別委員長に推され、その後も引き続き同委員会の理事として、年々科学技術振興費の増額に格段の努力を払い、科学技術教育の拡充、科学技術行政の強化に献身されました。  本院議員として幾多の業績を上げられた先生は、行政の府にあっても四たび台閣に列せられ、高度経済成長の幕あけ期には岸内閣の経済企画庁長官として入閣、さらに安定成長への移行期には佐藤内閣の通商産業大臣、経済企画庁長官に就任されました。  わが国戦後の経済が遭遇したこの大きな転換期に、先生は、経済閣僚として数々の困難な経済運営に当たられましたが、とりわけ貿易自由化の推進、資本自由化政策の導入には勇断をもって対処し、各種経済計画の策定、公害対策、物価対策の推進に英知を傾け、身命を賭してこれに当たられたのであります。  また、大阪選出議員として日本万国博覧会の開催に執念を燃やし、自由民主党万博特別委員長あるいは万博担当大臣として全国各地を回って博覧会開催の意義を説き、世界各国に飛んでは参加を呼びかけられ、また、開催地や経費分担問題など多くの政治的課題を解決されたのであります。昭和四十五年三月、大阪府下千里丘陵において開幕されました万国博覧会が大成功をおさめたのは、先生が全知全能を傾けて尽瘁されたたまものでありまして、その功績は万博史上にさん然として輝くものであります。(拍手)  かくて先生は、本院議員に当選すること九回、在職二十五年十カ月の長きに及びましたが、この間、経済政策に長じた政治家として各方面から要請され、しばしば枢要の地位につかれたのでありまするが、先生に求められた、また期待していたものは、単に経済専門家としての知識、経験のみではなく、高潔で誠実な御人格と、それに加えて鋭い先見性を備えた高邁な政治姿勢が与野党を通じて高く評価され、信望を集められたゆえにほかならぬと信ずるのであります。(拍手)  先生はその著書の中で、一国の興亡が政治の善悪に左右されることは古今東西を通じて歴史上の事実である、政治の基本は国民の信頼を得ることであり、そのためには政治家が荀悦の教えに従い、模範者として国民に臨まなければならないと述べておられます。中国の先哲者荀悦の「政をいたすの術は先ず四患をしりぞく」すなわち、政治の基本は、偽らざること、私心を持たざること、勝手気ままにせざること、ぜいたくをせざること、の四つであるとの教えを旨とされ、終始この政治信条をもって人に接し、政治生活を貫いてこられたのであります。(拍手)  なお、大阪の自宅も至って簡素なものと伺っております。また、大臣在任中、通産省や経済企画庁の方々が、赤坂議員宿舎の先生の一室で、多くの蔵書が粗末な本棚におさめ切れずに積み上げられてあるのを見て心尽くしの書棚を贈られたとの話を聞いております。私は、そこに菅野先生の政治家としての良心を見出し、強く胸を打たれるものがあります。  おのれを律するに厳しく、事に処しては自己の信念を曲げず直言してはばからなかった先生が、昔の教え子たちのめんどうを何かとよく見てこられたことは、有名であります。しんの強かった反面、このやさしい心情が先生の魅力をより大きなものにしたに違いありません。  学界、行政官、産業界を経て政界入りをされました先生は、多彩な経験とともに、さまざまな御苦労を重ねてこられましたのでありまするが、とりわけ二十五年余の政治生活は、先生にとってまさに風雪に耐えた四半世紀であったと申せましょう。  先生は、「自分は国会議員として不向きな素質と性格を持っておるにもかかわらず、二十五年もの長きにわたって議員生活を送ることのできたのは、ひとえに先輩同僚議員各位を初め、私を支援してくださった方々のおかげです。」と心からの感謝を込めて語っておられましたが、私は、この先生を終始、内にあって支えてこられた奥様の御労苦をしのばずにはおられません。(拍手)その奥様初め御家族の不眠不休の御看護も空しく先生はついに八十一歳を最期としてその生涯を閉じてゆかれました。御遺族の心中を思うとき、痛恨の念ひとしおなるものがあります。  現下、わが国は、政治、経済、社会のあらゆる分野において厳しい試練に直面し、私ども政治家に課せられた責務は重大であります。とりわけ、議会政治に対する国民の信頼を回復することこそが、今日の政治の最大の課題であり、政治家の責務であります。このときに当たり、政治の指南役としてふさわしい菅野先生を失いましたことは、返す返すも残念なことであり、本院にとっても、国家にとってもまことに大きな損失であると申さねばなりません。(拍手)  ここに謹んで菅野先生の御功績をたたえ、人となりをしのび、心から御冥福をお祈りして、追悼の言葉といたします。(拍手)      ————◇—————

前尾繁三郎無所属議長

○議長(前尾繁三郎君) 本日は、これにて散会いたします。     午後二時二十九分散会      ————◇—————  出席国務大臣         運 輸 大 臣 石田 博英君         郵 政 大 臣 福田 篤泰君      ————◇—————

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