物価問題等に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/10/14
会議録
○板川委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤紘一君。
○加藤(紘)委員 最初に卸売物価について概括的なことをお尋ね申し上げます。 最近、九月の卸売物価が前月比〇・四%、若干鈍化し始めたと言われておりますけれども、過去、昨年の十二月からかなりの勢いで上げを続けてきたわけです。それで政府の見通しでは、たしか来年三月、対前年比四・八という見通しを立てられたと思うのですが、現在までの上げ幅から見ますと、もうそろそろその公約はなかなか実現できないような危惧感を持たなければならぬのではないかなというふうに感じております。 それで二、三お伺いいたしたいと思いますけれども、これから来年三月の四・八%の目標を達成するためには、毎月どれぐらいの上げ幅に卸売物価を抑え込まなければならぬのか、そこをまず最初にお伺いしたいと思います。
○喜多村政府委員 その前に、卸売物価の目標につきましては、消費者物価ほど公約的な目標として私たちも考えておりませんのでお含みおきいただきたいと思いますが、現在、九月の段階を出発点といたしまして、来年四・八%の上昇になりますためには、月率大体〇・二強程度でいかなければならぬ、こういうことでございます。
○加藤(紘)委員 〇・二強というのは大変厳しい目標であろうかと思います。それで、現在経企庁なんかの見方でも、卸売物価がある程度、九月に入ってそれほどでもない上げ幅になってきた。まあそれほどでもないと言っても、〇・四というのはかなり大きな幅だと思うのですが、その理由として、まず第一に、海外市況というものが比較的緩んでいる。国内市況も景気の中だるみで、それほど卸売物価を上げる要因になっていない。三番目に、円高の問題がありますということになっておりますが、そこで問題は国内市況ですけれども、いまの景気の中だるみが若干問題になってきて、そしてこれからかなり努力して景気がよくなるようにした場合に、その〇・二というものが達成できない要因がすぐ出てくるのではないかというふうに考えられますけれども、その辺についてはいかがでございますか。
○喜多村政府委員 御指摘のように、〇・二強と申しますのは大変厳しい数字でございます。ただ、それが不可能か、こう申しますと、決して不可能ではないという材料もございます。先生いまお話ございましたように、好材料としては海外の要因がございます。それは食糧生産が世界的に順調でございますし、世界景気もやや緩やかな回復にございますし、それから海外商品相場も落ちついております。八月、九月、これはロイター指数をドル推算といたしますと下がっておりますし、それからまた公共料金も十月以降WPIに影響するものもない。それから国内要因も、大体大幅な大口値上げは一巡したということもございますし、景気回復のペースもやや緩やかであるというようなことから、一応好材料として得られますし、基本的には賃金が今年度比較的控え目に上げられたという効果がじわじわ出てくるのではないかということでございます。ただ、悪い影響もないわけではございません。これはもちろん現在までの円高基調がどこまで続いていくのか、あるいはOPECの影響がどうなるのか、あるいは現在WPIの中で影響を与えております素材の価格の上昇分か川下へどのような影響を持ってくるのかというようなこともございますので、必ずしも好材料ばかり取りつくろうわけにもまいりませんけれども、まあ好材料、悪材料を勘案いたしまして、できるだけそれに近づけるような努力はしなければならぬ、こういうことでございます。
○加藤(紘)委員 国鉄運賃の影響は、もし成立したならば、どの程度読み込まれておりますか。
○喜多村政府委員 国鉄の運賃でWPIに影響いたしますのは貨物運賃だけでございます。現在ちょっと手持ちにございませんが、しかし、非常に軽微でございます。
○加藤(紘)委員 ことしの五月に福田副総理にWPIの問題についてお伺いいたしました。そうしたら、当時は三月までのデータしか出ていなかったわけですが、十二月から三月までの卸売物価の上げ幅は、景気回復過程の中で当然起こるものなんであって、そんなに心配する必要はないというお答えでございましたけれども、しかし、その後、四月、五月、六月、七月、八月と、〇・六前後の上げ幅を続けたわけです。そして、単に景気回復過程の問題だけでは済まされないような問題が幾つかあったと思うのですが、それはここまで出てきた以上、いまさら論じても仕方がございません。 そこで問題は、今回の卸売物価がタイムラグを伴って消費者物価に影響を与えるのか与えないのかという大きな問題が出てまいると思います。素材部門が川下にどの程度影響を及ぼすかといういまのお答えでございましたけれども、それも含めまして、今後、過去約八カ月のWPIの影響がCPIにどの程度の影響を及ぼすのか及ぼさないのか、その辺の見通しをお伺いしたいと思います。
○喜多村政府委員 念のために四月から九月までのWPIの上げ幅を申し上げますと、三・三ぐらいございますが、その中で、生産財と申しますのが寄与度として二・五ぐらいございます。それから資本財が大体〇・二程度でございまして、消費財〇・四八、〇・五ぐらいございますが、問題は、この生産財——川上と私が申し上げましたのはこの生産財の二・五六でございますが、これがどの程度のタイムラグをもって消費財に移行し、さらにそれが消費者物価に移行するかは、そのときそのときの消費財の需給状況によって決まってくるものでございますので、どれだけがいつごろ出てくるかということは急には申し上げることはできませんけれども、従来の経験から申しますと、先生いま仰せになりましたように、三カ月から半年ぐらいかけてじわじわと出てくる、こういうことでございます。
○加藤(紘)委員 きょうは、時間があとほとんど少ないので、副総理もお見えになりましたので、二点ほどお伺いいたしたいと思います。 最初は、非常に細かな問題で恐縮でございますが、新しい物価指数が今度セットされたわけでございますが、その新旧どちらでこれから考えていくかという問題があろうかと思います。副総理は、前にたしか消費者団体か何かの質問に答えられてとお聞きしておりますが、そんな、新しい制度、古い制度と変わりはないけれども、もし仮に若干変わりがあるとするならば、厳しい方で見ていく自信がございますよ。——それは旧の指数で参りますと、当時、新指数というのは、過去の経緯から見ると必ず若干低く出るという経緯もあったものですから、そういう厳しいのでいくという心構えでおっしゃったのだろうと思いますが、新しい指数を発表してみると、新の方が若干高く出ているということでございますね。それで、定期預金金利以内の物価上昇率という来年三月の目標を絡めて、仮に〇・一とか〇・二でも厳しいような話になってくる可能性があると思うのですが、これからどちらの方で、公約と申しますか目標を考えていかれるのか、お聞きいたしたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 新指数、旧指数は、従来は新指数の方が緩く出てくる、こういう傾向があったようですが、どうも今回の改定による新指数は必ずしも緩く出てくるというのではなくて、高く出てくる、こういうような傾向もあるようでございます。まだこれは実績を見ないとよくわかりませんですが、しかし、いずれにいたしましても八%程度の消費者物価目標、そういうふうに申し上げたのは旧指数なんですから、この旧指数で八%程度を実現する、こういうことで本年度じゅうは推移してまいりたい、こういうふうに考えておるわけなんです。もちろん、新指数もずっと旧指数と並行して出てくるわけでありますから、両指数にらみ合わせながらいくということになりますけれども、私どもの政策目標としてのその基準は何だと言えば、これは旧指数である、こういうふうに御理解願います。
○加藤(紘)委員 次に、物価とダイレクトに、すぐ関係はございませんけれども、いわゆるいま各所で議論になっております減税の問題について一言お伺いしたいと思います。 総選挙も近いものですから、選挙公約絡みという意味で、かなり大幅な減税というようなこともわが党内で議論されておるわけですけれども、それとは全然別個に、これから景気の中だるみ状態を脱却するためには、どうしても個人消費を伸ばすということから、選挙等とは関係なく、やはりある程度の減税をしていかなければならぬのではないかという議論が、経済学者の間でもがなり強いように思われます。副総理は、昨年来ずっと、減税をいたしましてもそれほど消費創出効果はないのだということで、減税にはかなりリラクタントな態度をとってこられたと思うのですが、今回のように設備投資を見ましても、またその先行指標となります機械の発注状況を見ましても、それほどいわゆる設備投資の方が伸びてくる可能性はない。そうなりますと、個人消費を刺激するためにある程度減税というものが必要なのではないかという議論は、かなり説得力を持ち始めてきたように思います。もちろん財政から見ますと、来年度当然増経費等、それから地方交付税の増等を合わせると、すでにそれで一五%ぐらいになりそうな勢いであるということから、本年度以上の赤字公債の増発を考えない限りもう無理なんで、それは絶対にだめだというような考え方も財政の方からは出てくると思いますけれども、きのうの衆議院大蔵委員会では、大平大蔵大臣から、条件が整えば、また景気の中だるみからどうしても脱却できなければ考えなければならないかもしれぬというような発言が、条件が二つ、三つついている発言でござ…ますけれども、出ておるようでございます。ただその際に、発言の前後のバックグラウンドとして新聞等に出ているのは、どう考えてもそれは物価調整減税程度の、一〇%程度のものであろう、額にして二千億から三千億程度のものであろうというような推測がされておりますけれども、一方、経済学者の方では、この際思い切って兆とか二兆の話をしなければ、個人消費に対する刺激にはならないのではないかという問題が提起されているように思います。これは、これから三、四カ月一番重要な議論になってくるかと思いますが、財政当局的な考え方ももちろんありますけれども、経済にはずみをつけるという経企庁の立場として、長官がこの減税問題にどういう御判断をなさっているのか、お聞きできればありがたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 いまお話を承っておりますと、どうも景気の情勢が余りはかばかしくない、そこで何か手を打つ必要があるのじゃないか、そういう前提のお話のようでありますが、私はそう見ておらないのです。つまり、いま細かい問題がいろいろありますよ。ありますが、大局的に見て、いま景気政策で手直しをする必要がある、こういうことには考えておらないのです。したがって、景気政策のために減税をするというような考え方にはなってこないわけでありますが、しかし、どうしても何か景気刺激政策を必要とする、そういう事態に当面したという仮定の場合にどうするかということになると、やはり財政が購買力を喚起する、こういうことになるだろうと思うのです。そういう際に一体どうするかというと、減税よりは公共事業でありますとか、そういう物並びに労力を直接に必要とする事業を起こす方がより有効であるというふうに私は考えます。減税するにしても公共事業を起こすにいたしましても、一定の財源が要るのです。同じ財源を使うなら、それは景気対策だ、こういうような趣旨からのことでありますれば、私はもうちゅうちょなく公共事業をとる、こういうふうに思いますが、その他いろいろな角度から考えて減税政策はどうするか、こういう議論になりますれば、これは格別だ。しかし景気対策というような立場から言いますれば、これはなけなしの財源を出してやろうというのですから、いまこの段階として、もう議論の余地なく減税じゃなくて公共事業である、こういうふうに私は考えています。
○加藤(紘)委員 いまのお答えに関連して一つお伺いしたいと思うのですが、国民生活を考えるという経企庁の立場から言いまして、所得税減税を二年続けてしないということになりますと、当然のことながら各家庭が実質的な可処分所得の低下になるわけですね。そうした場合に、景気対策とは言わぬまでも、せめて実質所得が減らないように、物価調整減税程度のものは考えるべきではないか、国民生活の実質レベルの維持という観点から一その程度は考えるべきではないかというようなお考えは経企庁の立場からは出てまいらないのでしょうか。
○福田(赳)国務大臣 今度は、景気対策でなくて他の国民生活というような見地から、こういうことになりますと、とにかく私どもも今日の差し迫った政治情勢ですから、減税政策なんというような旗を振りたいところですよ。でありますけれども、いま、国の経済、社会という角度からずっと考えてみまして最大の問題は、これはインフレという問題です。このインフレ問題をどうするか。物の需給でありますとか労働力の需給、そういう面からのインフレ要因はもう大体なくなってきておる、また今後もいける、そういうふうに思います。思いますが、問題は財政インフレを一体どうするのだ。いま、とにかく財政が国債に三〇%依存をする、こんな国はよその先進国にはありませんよ。石油ショック後の経済運営は順調には来ているものの、そのしわ寄せがいま財政にいっているのですよ。これを何とか克服しないと将来非常に心配な問題を残すわけであります。その辺との兼ね合いを一体どうするか。物価も非常に上がる、あるいは低所得になってくる。そうして国民生活も苦しいと言うが、その苦しいという、そういう問題に対して、さあ、いまそれに手を打って、そしてその苦しみを緩和するという考え方、これはもう説得力のある考え方だと思いますよ。思いまするけれども、しかし、それじゃ先々の本当にインフレの根を断つ、こういう問題を一体どうするんだ、こういう問題もありまして、ちょっとにわかにここで御返答いたしがたい問題ですが、なおいろいろな状況を観察いたしまして慎重に対処していきたい、かように考えます。
○加藤(紘)委員 最後に、ちょっとここ一年、二年の問題とは直接関係のない質問をさせていただきたいと思います。 国民生活白書というのが経済企画庁の方から出ました。これを読ませていただきますと、最近の国民の生活について、物とか金とかじゃない角度からいろいろな分析をされて、かなりおもしろい白書であると思って読ませていただきましたが、その中で、経済の面から見ても、これから非常に大きくなってまいりますのが振替所得といいますか、福祉関係の予算の問題であろうかと思います。スウェーデンが、この間社民党の後退ということでああいう結果になりましたけれども、意外にこの問題というのは一般の国民は興味を持って見ている。一外国の政権が交代しようが国民は余り関係ないと思うのですが、スウェーデンの問題については、やはり福祉が増大するとああいうことになるのかというような見方をしたり、福祉を進めればそれを進めたのが当然のこととなって、あとそれ以上は負担の問題のみが浮かび上がってくるという皮肉な現象としてとらえている国民、クールな人もおりますけれども、いずれにしても大きな論議がここで出されてしかるべきタイミングではないかなというふうに思うのです。 そういう観点から年金の問題等を考えてみますと、これから本当に政府がセットいたしましたいまの制度を成熟させていきますと、所得の中から一一、二%取られていくという時代が二十年後ぐらいに来る。そうした場合の日本の経済はどうなるのかということを考えた場合に、やはりこれから日本の個々の家庭生活のあり方というものについて、そろそろ論議を進めていく時期ではないか。いまの段階はとにかく核家族化の進行というのはあたりまえなんだ、それに合わせですべての政策を考えていくという前提になっておりますが、今度の国民生活白書なんかでも、よく読みますと、どうもそれだけで日本の今後の国民生活のビジョンを描いていくということは危ないんじゃないかなというような視点もそろそろ出始めてきておるように思うのです。 年金とか医療保険の問題というのは、これから非常に大きな額になり、経済計画の中でも単にある一部分として無視できない範囲になってくるかと思うのですが、そうした場合に、最終的に問題になるのは、親子同居というものがどうなるのかということを論議しなければならぬと思います。ただ、それを、親と一緒に同居しなければ家族はというような親孝行論でいきますと、かなり反発を食らうのですけれども、これからの生活のイメージとして、それから経済のあり方として、どういう家族制度というものを位置づけていくかというのがむずかしい議論になってくると思って、それをそろそろ経企庁なんかももっと強く取り上げなければならぬのじゃないかと思うのですが、その辺について、非常にあいまいな質問で失礼でございますけれども、お答えをいただければありがたいと思います。
○藤井(直)政府委員 ことしの国民生活白書では少し前向きの問題意識で取り組もうということで、いま御指摘になったような点を幅広く分析しておりますが、基本的には、これからの経済社会では、全体の国民の意識も暮らしの質の方に非常に向いてきておるということでございまして、そういう場合にはやはり社会的消費に重点がいくということがあるかと思います。社会的消費というのは、当然のことながら個人の力でできるわけのものではなくて、みんなが共同してやっていくということが必要でございます。そういうことを初めといたしまして、連帯感に基づいた社会づくりというものが行われないと、これからの福祉の向上は達成できないのではないか。もっと目を広く海外に転じてみますと、すでに資源の面ではそういう観点が非常に強く出て、資源制約等に対応した効率的な資源の使い方ということも大きな問題になっておるわけでございます。 そこで、そういう連帯感の基礎になるようなものが何かということになりますと、第一に家庭である、企業である、それからコミュニティーであるというようなことで、今度はそういう観点からの分析をしておりますが、ただいま御指摘の家庭の問題につきましては、従来核家族化が進行してきておったわけですが、最近の傾向を見ますと、その傾向は進んでいますけれども、鈍化はしております。そしてさらに、多世帯の同居といいますか、親と同居する家族の数がかすかながらもふえている、そういう傾向も見られるわけです。それから、意識調査をしましても、老人の側からしますと、当然のことながら子供と生活したいという方が非常に多いわけです。それから、若い人の意識を調べてみますと、やはり当面はできなくとも将来は一緒に住みたいというようなことまで含めますと、半分以上の方がそういうことを希望しているという傾向もあるわけでございまして、私どもは核家族化の進行はなお進むと思いますけれども、そういう意味で、家庭を軸とした生活という、ものがこれからやはり必要ではないかというふうなことも考えまして、まず家庭のそういう分析をしたわけでございます。 その中で、親を扶養する経費といいますか、その負担の問題についても多少分析しております。その中では、かつては子供にかかった経費というのが非常に多かった。しかし、最近は子供の数が減ってきております。子供の数は減っていますけれども、教育費はかかっているということはありますが、全体の所得も伸びておりますので、そういう意味での親を扶養する負担というのは、過去に比べてはかなり出てきているのじゃないか。そういうようなこともあわせて検討いたしまして白書に載せたわけでございますが、全体の方向としていまおっしゃったようなところがこれから大事なポイントではないかというふうに認識をいたしております。
○加藤(紘)委員 副総理にちょっとお伺いしたいのですが、われわれの世代から見ますと、親と一緒に住むのはいやだというのが大分多いんですけれども、しかし、年金というものを、これから非常に大きい額で、特に所得の六割とか七割出すというような話になりますと、どうも同居しておいた方がいいんじゃないかというような考えも大分出てくると思うのです。要するに、年金なんというのは、別に国庫負担といいましても、これは結局税金から取られるわけですし、それがなければ保険料になってしまうわけで、要するに、あなた親を見なければ国があなたからお金を取って親に渡しますよというだけの制度だと思うんですね、年金というのは、むずかしく言わなければ。そうなりますと、どうもかまどが二つというのが、やはり経済学的に見ても銭がかかるんじゃないか。日本というのはどうもそれをしなくても済むような歴史的な伝統というのがあって、それがいま局長の御答弁の中でも再評価されてきているような感じなんで、その家族の問題について、家族制度について言うのはタブーになっていますね、特にわれわれ保守党の政治家にとっては。しかし、それをそろそろ問題意識としてとらえてもいい時期じゃないかと思うのですが、政治家の大先輩としていかが思われますか。
○福田(赳)国務大臣 私は、社会保障という問題は、これは時代の大きな課題になってきておるわけでありますが、やはり基本的には、個人個人が自分の生活並びに将来に対して責任を持つということが基本であって、それをなし得ない人に対して社会保障制度というものが意味を持つという、その位置づけに徹すべきものである、こういうふうに思うのです。能力があるにかかわらずその生活をあるいはその将来を国が保障します、そういうような体系はいつの間にかいろいろ非常にゆゆしい問題を引き起こしてくるのじゃあるまいか。活力ある社会、こういうことはやはり自分が自分に責任を持つ、現在についても将来についても責任を持つということが基本である。その体制を国が支えるのだ、その環境を国がつくるのだというところで本当に活力に満ち満ちた社会というものができてくるのじゃないか。しかし、そういうものができない、そういうものがありますから、そこへ国家というものが介入して、能力のない者の支えをするというところに社会保障のねらいというものがなければならぬだろう、こういうふうに思います。 核家族化の問題は、そういう中においてやはり時代の潮流でありまして、その潮流を見ながらいままでそれに順応する施策が進められてきておりますけれども、生活白書にも指摘しておるように、いろいろなそれに対する反省というような動きもあるわけです。そういう動きが一体どういうふうに発展していくかよく見詰めまして、またよく慎重に考えていかなければならぬ問題である。加藤さんの御指摘はまことに重要な御指摘であるというふうに理解いたします。
○加藤(紘)委員 終わります。
○板川委員長 松浦利尚君。
○松浦(利)委員 それでは、副総理の日程が、参議院の方がいま休憩中だそうですから、理事会で決まったとおりの時間で御質問させていただきます。 この前、福田副総理のごあいさつを本委員会でいただいたわけでありますが、景気の回復状況についてはきわめて順調な回復軌道をたどっておるということで貫かれておるわけですが、この表明内容についてはそのように理解してよろしいですか。
○福田(赳)国務大臣 三年前のあの大ショックの後の経過といたしましては、順調に動いておる、さように理解しております。
○松浦(利)委員 それから、先ほど加藤委員の方からも御指摘がありましたが、卸売物価が御承知のように約十五カ月も連続して騰勢を続けてきたわけでありますが、この卸売物価の見通し等につきましても、騰勢が今後鈍化をしていくのではないか、八、九月の鈍化傾向を見てそういうふうに言っておられると思うのでありますが、そういう傾向は今後もずっと続くというふうに見ておられるわけですか。
○福田(赳)国務大臣 そのように考えております。
○松浦(利)委員 それから、さらに企業収益の改善等も順調に改善されつつある、要するに利潤が回復しつつある、こういうこともこの前の御説明の中にありましたし、それに伴う輸出も依然として好調だということを背景としたもの、それから国内における最終需要も全体的に非常に好調であるということを前提にして収益の改善も続いておるのだ、こういうふうに言っておられるのですが、その点もそのようにずばり理解してよろしいですか。
○福田(赳)国務大臣 そのとおり考えております。
○松浦(利)委員 そうしますと、さらにこの前、この中には書いてないのですけれども、地方的に見て、公共事業の関係についても、県単事業は非常に地方財源の関係でむずかしいが、しかし、それ以外のものはきわめて順調に推移をしておるんだ、こういうふうに御発言がありましたが、これもそのように理解してよろしいですか。
○福田(赳)国務大臣 松浦さんがいまいろいろお話しの中に、きわめて、きわめてというふうに何回かお話がありましたが、きわめてという言葉は私は使っておらないので、順調だ、こういうふうに言っておるのですが、この地方の支出、単独事業以外の事業につきましては順調である、こういうふうに見ております。
○松浦(利)委員 そのことは非常に——きわめてという言葉が悪ければ、ここに書いてありますように、順調だというふうに理解をいたしますと、当然私たちがすぐ考えますのは、当初の予想見込みよりも税収というものが増加をしてくるんではないか、そういうふうに考えるわけですね。御承知のように、五十年度の歳入が最終的に発表されましたけれども、税収の三税ですね、所得税、法人税、それから酒税ですか、その関係を見ても約二千億増になっていますね、五十一年度繰越分が二千億増になっておるということを見ますと、いま順調に景気が回復し、しかも企業収益の改善も続いておるとすれば、それに対比して、先ほど加藤委員も指摘をしましたが、庶民の側は御承知のように二年続きの物価調整減税もない。現に政府の統計の発表によっても実質所得マイナスという月も出てきておるわけですから、そういうことを考えてくると、五十二年度の予算に向かって物価調整減税ぐらいは当然やれる措置というのは出てくるのじゃないか。景気の問題というよりも、むしろもう不公平感という問題から見て、企業収益が改善されてくる、しかもそれを受けて税収も上向いてくるということになれば、やはり景気という問題ももちろん一つの見方でありますが、もう一つの見方として税の不公平という立場から見ると、少なくとも物価上昇見込み部分ぐらいは減税をしてやる、物価調整減税ぐらいはやるというのは、私はこれは当然の政府の努めではないかという気がするんですがね。ですから、副総理のごあいさつをずっと一貫してお聞きをいたしますと、きわめてという言葉は抜きますよ、順調に推移をしておるということになってくれば、残されておるのはその問題をどうするかということになってくると思うのです。そうなれば、福田副総理待望論というのもあるんだそうですか、私は少なくともやはりそういう条件を加味して、税の不公平という立場から考えるなら、五十二年度は物価調整減税ぐらいは見込むべきだ、私はそう思うのですがね。ですから、そういう点について副総理からひとつ丁寧に答弁いただきたいと思うのですがね。
○福田(赳)国務大臣 いま松浦さんのお話を伺っておりますと、私が経済全体として、あのショック後の立ち上がりの過程としては順調である、こう申し上げたのを、経済見通しよりもさらによく動きつつある、経済活動がより活発である、こういうふうに御理解願っておるようですが、私はそういう趣旨を申し上げておるわけじゃないのです。はっきり申し上げておりますとおり、これらの状況を総合いたしますと、ことしは経済見通しで申し上げているように、実質において五%ないし六%の成長が達成されるであろう、こういうことを申し上げているんで、この経済見通しの線に沿って順調に動いておる、こういうことなんです。国家財政から見ますと、経済見通しのその五%ないし六%実質成長、それを踏まえまして税収の見積もり等をやっておりますので、いまこの時点で見ましても税収に余剰が出てくるという状態ではございません。九月期の決算ということがありますから、その九月期の決算なんかを見ないとなお正確なことはわかりませんけれども、ことしの年末の時点になるとそういういろいろなデータが出てくる、それらを見て、来年の財政が一体どうなるか、どうしなければならぬかということを検討しなければならぬと思いますが、来年の一番の財政の課題は、やはりいわゆる赤字財政、特例公債をどうしても減らすということをやっていかなければならぬという大きな課題がありますので、減税問題まで思いを及ぼし得ることになるかどうか、いまこの段階においてはっきりした見通しを申し上げる、そういう立場に立ち得ませんが、財政が来年度の状態で一体どうなるか、その前提と いたしまして、来年の経済が一体どういうふうになっていくだろうかということの推移をしばらく見ていきたい、かように考えます。
○松浦(利)委員 それじゃ大臣、法律との関係もありますが、五十年度の三税は当初の見込みよりも二千億増です。これは五十年度の最終決算ですね。最終歳入の締め切りをやった後の計算が済んで大蔵省から発表された数字は、二千億当初の見込みよりも増なんです。これは五十二年度の予算に当然入れられるわけですね、あるいは赤字国債を減額する方向に進むのかどうかは別にして。そういうものでも物価調整減税の方に充てるということは、私は、五十年度の最終決算という言葉は悪いですが、二千億分を見てもやれるんじゃないかという気がするのですよ。五十年度ですら当初見込みよりも二千億増だったわけですから、順調に回復していけば五十一年度においても増収というのは当然見込めるんじゃないか。ですから、五十二年度においては、ましてやその不公平感が漂っている、物価調整減税ができるぐらいの原資というのは出てくるんじゃないかというふうに私は思うのです。ですから、順調であるということを前提にして考えるなら、物価調整減税ぐらいはやれる、やるように努力をするということぐらいはしていただかぬと、これはやはり不公平感は出てきますね、実質賃金、実質所得がマイナスになってきているのですから。副総理、どうでしょうか、突き放すのではなくて、やはり最大限それぐらいのことはやるということぐらいは政策の中に織り込んでもらわないと——言われることはよくわかりますよ。本当に、物価調整減税を見送られたことによる税の不公平感というのは満ちています。かてて加えてロッキードでしょう。それは政策的には当然考えられるべきじゃないか。その余裕はあると思うのです、五十年度の決算を見ましても。そういう点について、くどいようですが、もう一遍大臣、お答えいただきたいと思うのです。
○福田(赳)国務大臣 五十年度は年度の途中で多額の公債を発行する、それが必要以上に発行になったということなどがあったわけでございますが、さあ、五十二年度を一体どうするかということになりますと、五十二年度の経済の動きを展望し、そしてその上に立って税収は一体どのくらいになり得るのであろうか、そういうようなことを見、また、一方において赤字公債をことしよりも増発するなんというようなことは、長きにわたってわが国の社会を維持する上において非常に大きな問題になるだろう。あらゆる角度から総合いたしまして減税の財源が一体あるのかないのか、それが妥当であるのかないのか、そういうことは検討すべき問題でありますので、いま五十一年度のちょうど真ん中の時点です。五十二年度においてどうするかということについて所見を申し上げることはまだ妥当ではない、かように考えております。
○松浦(利)委員 それじゃ、五十二年度は全くそういうことは頭にない、全く念頭になし、少なくともそういう政策の中には、物価調整減税もやれるならやりたいという希望はあるのでございましょう。それもない、こういうことですか。それじゃ大分違うのですね。やればやりたいというのと初めからやらぬ、こういうことでは考え方が大分違うのですよ。
○福田(赳)国務大臣 全然いたしません、こういうことをいま予断するのも早いわけだし、また、必ずいたします、こういう決断をするのも早いし、これは、もう少し経済の情勢、動きを見て、来年の動きが一体どうなるか、これを展望してみてその上で決断するのだ、こういうことで、やるともやらぬともいまは申し上げられない、こういうことでございます。
○松浦(利)委員 大臣、ぜひ考慮してもらいたいのは、大臣のごあいさつの中にも、企業収益の改善は続いておるのだ、企業の方は利潤回復がずっと進んでおるのだということがあるわけです。そうすると、片一方の、国民の生活する側は実質マイナスですから、片一方は企業利潤が順調に進んでおって、片一方は実質マイナスですから、それを不公平感を持つなという方が無理ですわ、大臣のこのごあいさつからいうと。だから、私はくどいように、このごあいさつから受けて、庶民に対して物価調整減税ぐらいはできればやってやりたいという気持ちは持ってもらいたい。さっき加藤委員の御質問に答えておられるように、初めから政策的に無理だ、インフレの収束ということが前提だ、さあ赤字国債を減額することが前提だ、そのことも確かに前提でしょう。しかし、同時に物価調整減税をすること自体も前提でなければならぬはずなんですよ、あとは選択の問題ですから。私は大臣のごあいさつの中からその温かい裏側を見ておるから、一生懸命くどいようにそのことを質問しておるのですよ。だから、そういう点は、大臣、私はいますぐやりますということを期待しているわけじゃない、やれるならやってもらえるでしょうねということを大臣に希望しておるのですよ。その点、わかっていただけますか。
○福田(赳)国務大臣 お気持はよくわかりますよ。私なんかもいわゆる物価調整減税なんか、できたらやりたいなという気持ちは持っているのです。持っているけれども、また同時にインフレ問題、これは大変大きな問題です。その一番障害をなしておる問題は、何といっても財政インフレの問題なんだ。そういう立場から考えまして、さあいま無条件で物価調整減税だ、それを優先するのだ、こういうわけにもいかぬということを申し上げておるわけでありまして、なお年末まで、予算編成まで篤と考えさせていただきます。
○松浦(利)委員 それでは、これは副総理としてお尋ねをしたいのですが、それだけ財政インフレのことを強調なさいますが、それじゃ、いまの三木内閣はどうも一貫しておらないのですね。それだけ財源が窮迫しておるなら、なぜ突然土地税制の緩和というようなことを打ち出すのでしょうか。新聞等によりますと、土地の移動を活発にするために土地税制を緩和する、そういう方針を御発表になりましたね。そうすると、財政が窮迫しておる、財政インフレ、赤字公債という問題を関連させて言っておられる三木内閣が、片一方では、もちろん土地の流動化という問題もあるでしょうが、土地税制を緩和したらどうだろうかというようなアドバルーンをばんと打ち上げられます。そうすると、一体どこに政策の焦点があるのか、きわめて国民は疑問を持つわけですね、末期的症状と言えばそれまででしょうけれども。こういう土地税制というようなものは、むしろそういう副総理のお考え方、税というものから考えていけば、財政インフレというものから考えていくならば、緩和というのは逆方向じゃないか。そういう点は、これは閣議の統一した見解ではないと思うのですが、副総理の御見解を承っておきたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 土地税制につきまして、何か土地課税を軽減しよう、こういうような意見、これは私は政府部内のどこでも聞いたことはございません。土地の流動化を促進しようという意見があちこちにあるということ、これは聞いておりますが、いま具体的にそれを税制面のどういうところで実現しようというようなことは、政府部内においてそういう論議をいたしたことはございません。
○松浦(利)委員 そういう内容のものが仮に政府部内から、各省庁から出たとすれば、副総理としてはどういう見解をお持ちになりますか、現時点で。
○福田(赳)国務大臣 これは、もし出てくればと言うが、どんな考え方が出てくるのか、これもわかりませんし、その出てくる考え方というものをよく分析してみなければ何ともお答えできませんけれども、私の見るところでは、そういう意見が出てきそうな環境、動きというものはないように思いますがね。流動化を何か検討しなければならぬという動きは私、承知しておりまするけれども、そのために税制を動かそうというような動きが出てくるような感じは私は持っておりません。
○松浦(利)委員 出ないということであれば結構ですが、私は出たらどういう御見解をとられるのかということをお聞きしたかったのですが、仮定の問題にはお答えになれない、こういうことでございますか。
○福田(赳)国務大臣 仮定も仮定、どんなものがささやかれているのか、出てくるのかわかりませんから、それに対して私はいまここでこうすべきだというような意見は申し上げかねる、こういうことでございます。
○松浦(利)委員 それから、もう一つの問題ですが、個人消費の問題です。 国内最終需要も全体として増加基調にあるという御報告でしたが、これは物価局長でも結構ですが、実際に百貨店の売り上げ等については対前年度でそんなに大幅に増加しておるんじゃないんじゃないですか。むしろ比較してみたら落ちておるというふうに理解をした方がいいんじゃありませんか、その点はどうですか。
○喜多村政府委員 百貨店の売上高の対前年同月比をとってまいりますと、一−三月、これがまとめでございますが、九・九でございまして、四−六が八・六でございます。これに対しまして七月は八・七、八月が七・九、こういうことになっております。
○松浦(利)委員 いまの数字が示すように、決して最終需要が増加基調にあるとはとれないわけですね。ですから、そういった意味では御承知のように輸出が、きょうの新聞にも報道されておったのですが、自主規制の問題に絡んで、アメリカの動きあるいは輸入制限の動き等が、あちらこちらから外電等で報道されてきておるのですが、そうなってくれば、輸出が引き続き高水準に進むということを前提にして見るのは非常にむずかしい情勢が出てきておるんじゃないか。ということになれば、ある意味でここで書いてある国内の最終需要を強化するという道が必要じゃないか。先ほど加藤委員から御質問があって、物価局長からお答えがありましたが、大体卸売物価がずっと十五カ月近く上がってきて、それがストレートにまだ消費者物価にはね返ってきておりませんね。ということは、逆に言うと、内需が弱いから卸売物価がずっと上がってきても最終消費者物価は上がらない。本来ですと、大体三カ月から六カ月のタイムラグで、卸売物価が上がったものはストレートに消費者物価の指数にあらわれてくるのですけれども、この卸売物価と消費者物価の動きというものがストレートじゃないですね、いまのところタイムラグから見て。ということは、むしろ国内における最終需要が弱いということが前提にあるんじゃないですか。ということになれば、輸出の方が仮にここで停滞をするような形になってきて、しかも内需が弱いということになれば、せっかく順調な景気というものが落ち込むわけですから、そういった意味から考えていくならば、最終需要を強化するという意味の——先ほど自民党の万でも、もう選挙政策目当てとして来年度の一兆円減税とかなんとかいうことが自民党内部でも議論されておるそうですか、そういう減税問題さっきの物価調整減税ですらいま言われた慎重な発言でありますから、そういうふうな大幅所得減税などということは、恐らくいま副総理の口から御回答いただくのは無理にいたしましても、少なくともことしの春闘のように賃金を低く抑えるということが、結果的に内需を抑えるという形が出てくるわけですから、そういった意味では、来年の賃金相場というのは、ある程度ことしの春闘よりも高めのところで進まないと、来年の経済運営については非常に大きな影響を与えてくるのじゃないか、特に内需について影響を与えるのじゃないかというふうに思うのです。当然賃金というのは労使で決める問題ですから、いま副総理からどうだこうだというお答えをいただこうとは思いませんけれども、少なくとも副総理としてはどういうことを期待するのか、五十二年度はやや高めのところで賃金水準というのは決まっていくべきだというふうに私は思うのですが、副総理の御見解を承っておきたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 賃金問題には私は所見を述べない方がいいと思うのです。これは労使間で良識を持って決めていただく、これが一番よろしかろう、こういうふうに考えています。 それから、内需につきましては何か購買力を補給しなければならぬじゃないかというお話ですが、ことしの一−三という月、これはもう輸出が非常にふえたわけなんです。対米輸出なんかでいきますと、これは何倍ということになるくらいな勢いです。輸出全体としても倍になる。そういう伸び方をいたしたわけで、高い水準に一−三月はなっておるのです。その基調というものが、伸びる増勢は鈍化しておりまするけれども、そういう高いベースが続いておりますので、これは年度全体とすると、見通した輸出よりはかなりふえていく、こういうふうに見ておるわけであります。これは確実にそういうふうになるというふうに考えております。 それから個人消費にいたしましても、一−三の期間に経済全体がにわかに活況を呈した、こういう影響を受けましてかなりの伸びを示しておる。これは前年度に比べますと、名目で一五%ぐらいの伸びになりましょうか、実質でも五・六というような伸びになるのです。ですから四−六におきまして伸びが実質で〇・五だ、こういう結果が出ておりまするけれども、これは前年同期に比べますとこれでもやはり一五%ぐらいな伸びになるわけなのでありまして、決して個人消費がそう停滞しておる、こういうような状態とは見ておりませんです。まあ、経済活動全体として年末ごろの時点になりまするとかなり活況を呈する、私どもはこういうふうに見ておる。そうしますと、ボーナスの支払いでありますとか、あるいは時間外でありますとか、そういうものもまた自然にふえてくるであろう、こういうふうに見ておりますので、個人消費につきましてもそう暗い見方は私どもはしておらないのです。したがいまして、当面景気対策のゆえに新しい手段を必要とするという見解はとっておりませんです。
○松浦(利)委員 また改めてそういう問題について、指数が出たときに議論をしなければならぬと思うのです。仮定のことですから、大臣からそう断定されればそれに反論をするわけにもいきませんので、またその点については、結果が出てからでは遅いかもしれませんけれども、改めてその段階で議論させていただきます。 次に、それに絡む物価の見通しの問題でありますが、台風、冷害の物価に与える影響ですね。特に生鮮食料品、これが非常に大きな影響を与えているわけですが、これは当面乗り切れる。台風、冷害関係の生鮮食料品の物価に与える影響というのは短期間に乗り切れるというふうに見通しを持っておられますか。
○喜多村政府委員 台風、冷夏によりますところの生鮮食料品の物価に及ぼす影響でございますか、各府県の物価担当者に再三再四にわたって照会いたしておりますけれども、生鮮食料品に関します限り、いまのところそれほど大きな影響が各地に出ていることはございません。ただ、東京につきまして、八月に若干出ましたけれども、台風の影響はいまのところはもうなくなりました。ただ、冷夏の問題がこれから出てまいろうかと思いますけれども、これにつきましてもできるだけ供給量をふやす、あるいは供給をうまいぐあいにあんばいするということによってそこを乗り切っていくということで、農林省と現在対策を協議いたしております。
○松浦(利)委員 それから、海外物価の関係ですが、円高基調というのは今後、きょうの市場では円高傾向というのにはだんだん終止符が打たれつつあるように見えるのですが、実際に円高傾向というのはどのあたりまで続くというように見ておられますか。
○福田(赳)国務大臣 円の価値がどうなるであろうかということを仮に私の見解として申し上げましても、非常に投機を誘発する、こういうことになりますので、私の見解を申し上げることは妥当でない、こういうふうに存じておりますが、とにかく年初から見ると、対米で十七、八円高になっておるんです。一%大体三円ですが、一%上がりますと、これは卸売物価に〇・三ぐらいの影響がある、こういうふうに言われるので、非常にわが国の物価情勢には寄与しておる、こういうふうに考えております。
○松浦(利)委員 円高傾向は、それじゃ私の意見としてお聞きいただきたいのですが、円高傾向というのは大体落ちついたというふうに判断をしてよろしいですか。
○福田(赳)国務大臣 円の将来を示唆するような私の見解を述べることは妥当でないんです。ただ、私の考え方といたしましては、これは円が高くなるということは、日本の経済全体が国際社会において高く評価されるということにつながっていきますので、これは乱高下というか、非常な激変は好むところではございませんけれども、目に立たないような形でこれが強くなっていくということは好ましいことなんです。また、そのようになるように経済政策を運営しなければならぬ、こういうふうに考えておりますが、現実の問題として一体円がさらに強くなっていくのかどうかということについては、私の見解は差し控えさしていただきます。
○松浦(利)委員 私の意見についての御意見を聞きたかったのですが、それはまた間接的になるからだと思うのですが、それじゃそれで結構です。 さらに、今度は物価局長にお尋ねをいたしますが、特に石油価格ですね、これがOPECあたりからの動静として、八%ないし、一二、三%の値上げというのが予定をされるのではないかということが盛んに流布されておるのでありますが、そういう問題についての見通しはどういう見解を持っておられますか。
○喜多村政府委員 私どもはその値上げということについて確たる情報を得ているわけではございません。しかし、巷間伝えられるところによりますと、一〇%から一五%ということの説をなす方が多いわけでございますが、仮に一〇%ということに相なりますと、WPIに直接的に影響をいたしますのが〇・四%くらい響きます。それからCPIに対しましても、これはガソリンでありますとか、あるいは灯油でありますとかを通じてCPIに影響をいたしますのが、〇・〇二だとかというようなことでございますけれども、いずれにいたしましても経済及び国民生活に及ぼす影響も少なくはございませんので、これは非常に注視しておるということでございます。
○松浦(利)委員 それから不確定要素として医療費の値上げの問題か残されておるのですが、医療費の値上げについてはどういう見解ですか。
○喜多村政府委員 医療費の問題につきましては、最近、五月だったと思いますが、上がりまして以降は、特に私どもの方でこれから先どの程度上げるかということを聞いておりませんが。
○松浦(利)委員 御承知のように、いま医療問題が大きな政治課題になってきつつあるわけでありますが、この問題も私はこれからの物価に重大な影響を与えてくるのではないかと思うのですが、大体この前いろいろ議論をしましたときに、今度の物価上昇率の中に公共料金の値上げ分としては二・五見越しておられたわけですね。その点は間違いありませんですね。 ところが、これはもう全くの参考としての日本銀行の資料がわれわれ社会党の政審に届いておるわけですけれども、これを見てまいりますと、五十一年度の値上げ予定の公共料金は二・八というふうに日銀関係は見ておるのですね。そうすると、そこに、政府と日銀との間に〇・三の格差が出てきておるわけですが、そういう点について、これはもちろん消費者物価の担当は政府でありますから、白銀の方は卸売物価が発表の中心になっておるわけですけれども、こういう点についての、これは見通しの違いと言えばそれまでですが、そういった〇・三の違いというのは、私はやはり相当大きいと思うんですよ。
○福田(赳)国務大臣 日銀のいつの調査ですか。
○松浦(利)委員 五十一年度の値上げ予定の公共料金というのは、一番最近出された分です。今年度日銀で出された分です。それで、これに全国の寄与度が出されておるんですがね。いろいろな数字がずっと羅列されておるのです。これは四十五年度基準指数で出されておる数字ですが、その〇・三の差というものについてですね。それは、どちらが正確かといえば、政府の方が正確だ、こう言われると思うんですが、やはり〇・三の差というのは大きいと思うんですよ。そういう点について、ちょっと物価局長から、簡単で結構です、このことが質問のポイントじゃありませんので、どういう見解かをお聞かせください。
○喜多村政府委員 日銀がどういう計算をなさっているか私、存じておりませんが、恐らく〇・三の違いというのは、地方公共団体におきますものの計算の仕方が若干われわれと違うのではないかと思っております。
○松浦(利)委員 しかし、この〇・三が仮にこのとおりだとすれば大変なことになりますね、日銀の見通しどおりだということであれば。ですから、こういう見通しでないことをわれわれは望むわけです。ですから、そういう点についてはぜひこの食い違いについては、どういう点に食い違いがあるのかを一遍物価局と日銀との間でチェックをしてみていただきたい。できればどういう点に違いがあったのか、その点はひとつお知らせをいただきたいというふうに申し上げておきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○喜多村政府委員 日銀とよく相談いたしまして資料を作成いたします。
○松浦(利)委員 それから、加藤委員から質問がありましたからこれは申し上げませんけれども、当初の八%の見通し、それから来年度の預金金利という見通し、こういう物価の見通しについては旧指数ということなんですが、今年度の八%というのは旧指数で計算をされて、新指数には直されないわけですね。
○福田(赳)国務大臣 今年度八%程度と申し上げておるわけでございますが、これはほかの方の、GNP、各要素その他全部に影響がある指数なんです。この八%という目標を変更いたしますと、経済見通し全局につきましてこれが訂正を要する、こういうことになるわけですが、そこで私どもといたしましては、八%という目標、これは旧指数でやったのでありまするから、旧指数によるところの八%程度であるということをずっと今年度中は通してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○松浦(利)委員 物価局長、これは局長を勘ぐるわけじゃありませんが、経済企画庁を勘ぐるわけじゃありませんが、新指数でいくと公共料金の指数が二・五よりも上がってくるんじゃありませんか、新指数で計算をすると。その点はどうですか。
○喜多村政府委員 新指数でウエートの変更がございますので、公共料金につきまして若干高目に出るというふうに思います。
○松浦(利)委員 だから、旧指数で出す、こういうわけじゃないですね。
○喜多村政府委員 そうじゃないです。
○松浦(利)委員 そうじゃないですね。 それじゃ、もう時間がありませんから、あと残された問題をお尋ねするのですが、大臣のごあいさつの中でも昭和五十年代前期経済計画について触れておられるわけでありますが、この中に実は、全部読み上げた方が早いですから読み上げますが、「国民の消費生活の安定向上のためには、消費者側における努力、対応を通じて、社会的対抗力としての消費者の地位が確立されることが重要である。このため、消費生活協同組合等の消費者による自主的組織活動を一層助長する」ということがうたわれておるのです。ところが、大臣、最近どうも生活協同組合に対する圧力が、逆に縮小させるという圧力があちらこちらで非常に強まってきておるのですよ。ということは、政府の考えておられる五十年代前期経済計画の内容と違ってくる動きが出てきておりますので、そういうのは政府の本意ではありませんでしょう。むしろここで言っておられることは、生活協同組合等を強化していくんだということを言っておられるんだと思うのですが、そういう点についての御見解を承っておきたいのが一つと、それから、そういう圧力が仮にかかってきたとすれば、経済企画庁として、これは主管は厚生省ですけれども、ある程度の対応措置というようなものは当然お考えいただきたいという二つのことを、これは希望でありますが、お願いしたいと思うのですが、どうでしょうか。
○福田(赳)国務大臣 生活協同組合は消費者の自己防衛というような立場からつくられた自主的な仕組みでございますが、これは非常にそういうつくられた趣旨から言いまして合理的であり、また助成すべきものである、こういうので、御承知のように金融にしても、ささやかでありまするがこの助成措置をしておる、また税制上も特別の配慮をしておる、こういうような状態であります。ただ、これが急に拡大するということになると、いろいろ地域的には中小企業との間に摩擦現象なんかもありましてトラブルを起こすことがありますから、これは基本的には、お話しのように、生活協同組合というものは消費者の自発的な、自主的な立場において自分を守ろう、こういう動きでありますので、国としてはこれを助成していきたい、かように考えております。
○松浦(利)委員 副総理のお言葉で結構でありますが、石油パニックのときには生協をどんどんさして、経済が縮小してくると今度は生協をたたくというようなことになれば、消費者を犠牲にしたような形しか生まれてきませんので、いま副総理が言われたことを基本に踏まえてぜひお願いいたしたいと申し上げておきたいと存じます。よろしくお願いします。 それから、最後になりましたが、通産省の方にお尋ねをしておきます。 その一つは、御承知のように、いまポストカラーテレビということでホームビデオが大変な勢いで各会社間で競争を始めておるわけです。これはぜひ国民生活局長も聞いておっていただきたいと思うのですが、そういった意味で、ホームビデオというのがポストカラーテレビでどんどん家庭に入る目玉として、各社一斉に歩調をそろえて増産体制に入ってきておるわけです。ところが、このホームビデオの互換性ですね、メーカーが違うと、たとえばAという会社のビデオで録画したものをBという会社の機械で再映しようとすれば、これは全然互換性はありませんから使えないわけですね、規格の統一がありませんから。もう勝手に、ばらばらなんです。ですから、各家庭にホームビデオがずっと普及をしてまいりまして、たとえばきのうの巨人・阪神戦なら巨人・阪神戦の裏番組をだれかにビデオでとってもらう、そうすると、そのビデオでとったものを、そのテープを借りてきて再映して見るということは実質的に不可能なんですね。同じ会社の製品でも、製品が違うと互換性がないんです。同じ会社がつくっておる製品でありながら、Aという機械とBという機械の構造が違いますから、Aで録画したものをBで再映できない。こういう互換性というものが、もう非常にめちゃくちゃなんですね。しかも、通産省の方では昭和四十九年の五月二十三日に、通商産業省告示第二百四号で「規格の制定の促進を図る」ということを言っておられるわけですね。ところが、この規格の促進を図る方はおろそかにされて、それで片一方では過当競争的に増産体制に各社一斉に入ってきておる。しかもそれがどんどん各家庭に売られておるということでは、必ず消費者の苦情というものが表面化してくると思うのです。 ですから、いま必要なことは、こうしたホームビデオを積極的に目玉商品として家庭に売り込むとするなら、そういう規格の統一というものを急がなければいかぬのじゃないか、そういう点について通産当局の御見解をお聞かせいただきたいと思うのです。
○熊谷政府委員 お答えいたします。 VTRにつきましては、四分の三インチテープの業務用関係あるいはオープンリール方式といった業務用につきましては、すでに自主規格ができ上がっておりまして、大体それに沿って製作、販売されておるわけでございますが、御指摘の一般家庭用のVTRのテープにつきましては、現在四方式が市場に出ておるわけでございます。私どもかねて消費者の利便を増し、また普及を促進するためには規格の統一が必要であるということで、先生御指摘の告示にもそれを促進するということをうたっておるわけでございまして、各メーカーに対しましてはそういう方向で指導をいたしておるわけでございますが、現在、家庭用のVTRにつきましては、昨年販売が開始され、年内に入りまして各社それぞれの方式で発売が始まったわけでございますが、業界間におきまして規格を統一すべき技術開発のめどがまだでき上がってないのが現状でございます。技術開発の途中にございますので、現在直ちに特定のもので規格を統一することは時期尚早であると考えますが、私どもかねてからできるだけ速やかに規格の統一を行うよう業界を指導しておりまして、今後ともその線に沿いまして努力をいたしたい、かように考えております。
○松浦(利)委員 私は、技術開発の途中にあるから規格の統一ができないとするなら、余り積極的に売り込まないことだと思うのです。家庭向けについて、各社ともいまの過剰宣伝というのはこのVTRについては物すごいですね。ですから、そういうふうに規格の統一ができない、技術革新途中であるとするなら、余り過剰宣伝をして消費者の方に積極的に売り込むことをやめさせればいいと思う。そうしないと、必ず通産行政についての批判が集中するのですから。なぜ規格を統一してくれぬかったのか、互換性がないじゃないか、こういうことになってくると思うのです。その点はあらゆる技術者に聞いてみても、早く統一してもらった方がいいという御意見が強いのです。どうもメーカー間でお互いに主張し合って通産省の言うことを聞かないんじゃないか。開発資金なんか国から全然援助ももらった覚えもないし、なんだいまごろクレームをつけるのは、おれたちの方はおれたちの方で適当にやるんだ、うちの技術の方がいいんだ、こういうふうにして逆に通産省の言うことを聞かない面が表面に強く出されておるのではありませんか。そういう点はないですか。大丈夫ですか。
○熊谷政府委員 私ども今日まで業界の各社を指導しております過程では、各社とも規格の統一が必要であるという認識におきましては皆さん同意見でございます。いま販売の方法が非常に激烈で云々というお話でございますが、この点についてはまたいろいろ御議論もあろうかと思いますが、それによって起きます消費者の不便は何かということを考えますと、特定の機械でしか使えないテープであった、他の機械に使えなかったということによって、非常に問題が起きるということが懸念されます。こういったことはあらかじめ販売の際に、どの機械にはどのテープしか使えないということについての十分な知識を、たとえばカタログあるいは説明の際の取扱書その他にも十分明記するようにこれから指導してまいりたいと思っております。 なお、これとの関連でございますが、将来新しい統一すべき機種というものができ上がった場合に、旧来の機種に対するテープの提供がとだえるということになりますと、いま買った方々の将来の不便という問題も起きますものですから、これにつきましても引き続いて、統一すべき規格ができましても、旧機種に対するテープの供給は継続していくように業界を指導してまいりたい、かように考えております。
○松浦(利)委員 それは結構ですが、もう一つ、同じメーカーで新しいものを開発したために、その間で互換性がないというものについては、それが長期間にわたって機種が新たに出てきたというのではなくして、旧機種があって、技術革新途中でありますから、もう一年もたたないうちに新機種に変更していくというような場合は、やはりそういうものについての苦情は売り込んだメーカー側が責任を持ってもらう、それは少なくとも新機種にある程度無料で転換してやるとか、安い料金で転換をしてやるとかいうことをやってもらわないと、現実に同じメーカーでつくる機種同士の互換性がないという事態が生まれてきますから、そういう点も業者の自主性に任せられるのではなくて、やはり通産省の方である程度そういう意見を述べていただきたいと思うのですが、その点は局長、どうですか。
○熊谷政府委員 同一社では現在まだ二つの種類は出ていないわけでございますが、将来そういった事態も起きないとは限りません。私どもとしましては、すでに発売した商品に対するアフターサービスは、いかなる場合でも十分行っていくことが必要だということで従来業者を指導しておりますので、今後一社において数種を出すといったようなことは必ずしも好ましいこととは思いませんし、また、その間に出さざるを得ない状況があった場合のアフターサービスにつきましては、それぞれ責任を持ってやってもらうということは強く指導してまいりたいと思っております。
○松浦(利)委員 それで、いまはもう規格統一がすぐにはできないということのようですから、売る側でカタログ等には、先ほど通産省から言われたように互換性はありません、この機種についてのみですということを明示すること、そういったことはやはりぴしっと指導していただきたい。 これは国民生活局長にお願いしておきたいのですが、ポストカラーテレビということで、家庭向けに各メーカーがこぞって増産体制に入ってきておるわけですから、この問題については苦情がまた必ず出てくるというふうに思いますので、ぜひ通産省とも十分連携をしていただいて、その犠牲が買った消費者に来ないように、表示の問題その他についてはぴしっと詰めていただきたいというふうに思いますが、国民生活局長の方もお願いしておきたいと思います。よろしいですね。
○藤井(直)政府委員 ビデオテープレコーダーのような商品に互換性がないということは、消費者の利便の上からも、利用効率の上からも非常に好ましくないと思います。相当需要も増大している時期でもございますので、早急に通産省の方の指導によってその規格の統一が図られることを期待しておりますし、私どもの方もこれから要望してまいりたいと思っております。
○松浦(利)委員 それから、最後になりましたが文化庁にお尋ねしておきます。 このようにビデオ関係が各家庭に入ってまいりますと、必ず問題になるのが著作権の関係なんです。たとえば私なら私がVTRでとりまして、それを隣の人に持っていって見せるというような場合に、やはり著作権の問題が出てくると思うのですね。一体そういうものについてはだれが責任を持つのか。消費者が責任を持つのか、それともカセットテープを売るソフト側が責任を持つのか、あるいはハード、機械を売るメーカー側がやるのか。たとえばNHKならNHKの相撲をビデオにとりまして、そうしてそれをたまたま隣の人が見ておちぬからといって私が持っていって見せます。そうするとそれは、著作権はNHKにあるのかあるいは日本相撲協会にあるのか、しかもそれはだれが払うのか、必ず苦情が出てくると思うのですね。民放なら民放で長期ドラマを制作します。私がビデオにとりますね、それをまた隣の人に見せます。そういうときには、一体それは民放のネットのキー局に払うのか、それともそれを制作したスポンサーなのか、そういった意味のトラブルが、ビデオがずっと各家庭に普及してくればくるほど問題になると思いますね。一体それはだれが責任を持つのか。消費者なんか幾ら言ったってそんなこと知りませんからね。カタログを見たら、下の方に小さな字で、これを他に利用すると著作権の問題になりますと、虫めがねで見るような小さな字でちょっと書いてあるのです。これは問題になるからこそ小さな字で書いてあると思うのですがね。だから、そういう点についての責任の所在をはっきりしてもらって、やはり売るときにそういうものがはっきりするなら、そういう点については気をつけなさいよということを消費者に言って買わせないと、買う側の方はVTRでとったものをあちこち行って見せることに期待をしておるわけですから、そういう点をはっきりしてもらわぬと後でまた消費者が問題になります。その点について文化庁の方からお聞かせいただいて終わります。
○小山説明員 お答え申し上げます。 おっしゃいましたように、放送をそういうチーフにとりましてそれを利用するという場合に、それをとった個人が個人的に利用する、あるいは自分の家庭の中で利用するという場合につきましては、著作権法に三十条という規定がございまして、この三十条によりまして自由に利用してよろしいということになっております。問題は、その個人的に利用するつもりでとったテープを一般の人に公開して利用するとか、そういう場合でございますけれども、これにつきましては著作権法に目的外使用の禁止という規定がございまして、そういうものを当初の目的と違った目的で使ってはいかぬということになっております。いまおっしゃいましたようなケースにつきましては、ごく近所の親しい範囲の者であるということであれば、これは一応現行の三十条で想定をしております個人的な使用の範囲に入る、したがいまして、別に著作権侵害じゃないというような感じがするわけでございます。
○松浦(利)委員 私は一つの例として申し上げたので、それがだんだん広がっていくでしょう、こっちはわからぬのですから。いまたまたま隣の人という例を一つ出しただけであって、そういうふうにVTRをとった人があちこちへ持っていって回って見せますね。そうすると、その責任の所在は、VTRをとった人が責任をかぶるわけでしょう。メーカーでもなければあれでもないでしょう。その人自身が払わなければいかぬのでしょう。これが有線テレビのようにネットがはっきりしておるところは大もとで払えばいいわけだけれども、個人がとったものについてはさっぱりわからないまま後でトラブルが起こってきますから、こういう点の扱いについては、そんなのは売る側のメーカーに負担させてもいいと思うのです。売り込むメーカー側がそういうトラブルについては負担するというのが一番いい方法だと私は思うのですが、そういう点についてはVTRがもっと普及すればするほど問題になる可能性が強いのですから、その点についてもっと研究してもらえますか、どうするのか。
○小山説明員 VTRをいま申し上げましたように個人的なあるいは家庭内という範囲で使うのは自由ということでございますけれども、これをたとえば一般の企業とか団体で使うという場合には権利者の承諾を得る必要がございます。それで現在、VTRの利用につきましては、たとえば海外の在留邦人であるとかあるいはタンカーの乗組員であるとか、そういう関係の間で非常に需要が多いということから、そういう方面に使うための録画ということが行われております。この点につきましては、現在、権利者側と日本船主協会といったような利用者側が協定を結びまして、一定の使用料を払ってその問題を解決しておるということでございます。
○松浦(利)委員 ちょっと大臣、副総理、いま言われたことは形式的なことだけ答弁しておられますので、将来の問題として必ず消費者との間にトラブルが起こりますから、そういう問題についてはトラブルが起こらない予防措置というのはいまから考えておく必要があります。ですから、いま文化庁の課長さんからいろいろ説明を聞きましたが、現在の問題、よくわかっております。しかし、知らない消費者についてどうするのかという問題が一番問題になるのです、トラブルに巻き込まれますから。どういう点については政府の方も、VTRは本当に普及度が高いですから、そういう意味では副総理、経済企画庁長官という立場でどうすべきかということをぜひ一遍メスを入れてもらいたい、その点だけ政府にお願いをしておきたいと思います。そして終わります。
○福田(赳)国務大臣 よく検討いたすことにいたします。
○板川委員長 中村茂君。
○中村(茂)委員 中村でございますが、四十分までということで時間がそうないわけでありますから、ひとつ端的にお答えを願いたいと思いますし、もう一つは、いま加藤委員、松浦委員の質問を聞いておりまして、重複するところが少し出てくるんじゃないか、やはり長官のあいさつを聞いていて疑義を感じた点はみな同じじゃないか、こんなふうにも考えまして、若干重複いたしますけれども御答弁願いたい、こういうふうに思います。 このプリントにした長官のあいさつの中で八ページから九ページにかけて、読んだ方が早いわけでありますけれども、「最近の景気の動向をみますと、このところ輸出の伸びが鈍化しているほか、生産の増勢にやや一服気配がみられる等、景気回復のテンポはやや緩慢化しております。」これは俗に言われている景気中だるみということをこういう表現で言っておるのではないか、こういうふうに理解できます。問題はその次でありますけれども、「しかしながら、輸出が引続き高水準にあるほか、国内最終需要も全体としては増加基調にあり、企業収益の改善も続く等、業種別にはなお濃淡の差が残されているものの、総じて景気は底固い回復基調にあります。 今後は、こうした景気の回復を経済の各部門、国民生活のすみずみにまで及ぼすとともに、その足どりを更に確実なものとすることが必要であります。このため、経済の諸指標がバランスを確保しながら回復するよう注視し、同時に、財政の執行が適切に行われ得るよう、速やかに条件の整備が図られることが必要であると考えるものであります。」こうなっているわけでありますけれども、この分析と対処について、私は一口に言って具体性がちょっと欠けておるんじゃないかと思いますから、その点と、それから楽観論というか、言い方は悪いのですけれども、若干自信過剰の面があるんじゃないか、こういう感じを受けるわけであります。特に後半の方で、これからの対処をきめ細かく、しかも各部門、国民生活のすみずみに及ぶよう、こういうふうになっているのでありますから、その点について若干お聞かせ願いたいというふうに思います。
○福田(赳)国務大臣 経済は循環をするものでございます。これは長い周期、十年周期の循環、三十年周期の循環、あるいは二、三年周期の循環、そういう循環がありますが、短い一年をとらえてみましても一進一退とか、私どもはいまの状態を二進一停、こう言っておりますが、それは生産が進み過ぎた、それをまたちょっと一服という、調整するとか、そういう短い期間をとらえての循環もまたあるわけであります。いまの時点は、とにかく一−三月に日本経済は非常な勢いで伸びた、その勢いを受けて四−六もかなりの伸びを示しておる、そういう状態に対して一服の態勢だ、こういうふうに見ておりますが、企業家等の企業意識、そういうものについてのアンケート等もとっておりますが、大体年度の第三・四半期、この時点からまた活発になるだろう。また、設備投資につきましても、企業収益がよくなる、それに伴いましてかなりの意欲も示す、こういうような状態でありますので、私どもは十一月ごろからまた経済が活発化してくる、こういうふうに見ておるわけです。 それで、いままでの景気をずっと見ておりますと、何としてもその最大の牽引力は一−三月における輸出の急激な伸びであった。輸出と申しましても、その中で特にアメリカでのストック補充だ、こういうようなことでテレビあるいは家電、そういうものに対する需要が急激にふえてきたというようなことがありますので、これは経済全体としては非常に上がってきておるにかかわらずばらつきが激しい、こういうような状態であったわけです。しかし、これはやむを得ないと思うのです。しかし、時間がたつとともにこれは一般に浸透していく、こういうことになるわけでありまして、そういう浸透が順調にいくように金融政策等におきましても配慮しなければならない、こういうふうに考えておりますが、今日の段階においてもばらつきがあること、これは事実であります。そう見ております。しかし、だんだんとこれは下部というか他産業にも波及していく問題でありますので、逐次このばらつきは解消されていく、こういうふうな見解でございます。
○中村(茂)委員 そこで、個人消費の動向について少しお聞きしたいというふうに思うのですが、この三菱銀行の昭和五十一年十月十二日の調査特報ナンバー二十七、「懸念される個人消費の先行き」「低迷する個人消費」という表題で、特に個人消費の問題を取り上げているわけでありますが、これもお渡ししておきましたから、この中から二、三点事務当局にお聞きして、その上に立って総括的に個人消費の問題について長官からまとめとして御意見をお聞きしたい、こういうふうに思うのです。それと、これを質問する前提として、私は個人消費の傾向というのはこの調査特報に載っているこの分析が大体正しいじゃないか、こういう立場に立ってお聞きするという前提をまず明らかにしておきたいというふうに思うのです。 まず一つは、「景気が中だるみの様相を強めているなかで、個人消費の低迷が一際目立っている。」GNPベースの個人消費、これは四月から六月について実質年率が二・〇%という増加で、この増加率というものは非常に低下している。それから百貨店の売上高、これも六月以降一けた台に伸びが縮まってきている。それから総理府の家計調査で勤労者世帯の消費支出、これも実質的には前年度水準を一ないし二%下回っている。こういう現実の面から「個人消費の低迷が一際目立っている。」こういうふうに言っているわけでありますけれども、この点はいかがですか。
○岡島政府委員 この三菱銀行の数字でございますが、消費の見方につきましていろいろな見方がございます。民間におきましても、三菱銀行のような見方をとるところもございますけれども、またもう少し強気の見方をとるところもございます。計数的に申し上げますと、五十一年の一−三月に大幅に伸びを見せまして、それから四−六月に若干の足踏みと申しますか、実質で足踏みを示したということも事実でございますが、今後につきましては、先ほど来副総理が申しておりますように、生産の回復とかあるいはまた企業収益の全体の増加の中で順調な回復をまた示していくのではないか、こういうような見方をとっております。
○中村(茂)委員 それから二番目で指摘している点、この点はこれからの政策を立てていく上で非常に重要だというふうに私は思うわけですけれども、こういうふうに言っておるわけですね。「こうした個人消費の低迷の背景には、天候不順等の特殊な要因もあろう。しかし、なんといっても一ケタ春闘、低率ボーナスによる所得の伸び悩みと、公共料金や企業の値上げとの板ばさみで家計の台所が苦しくなっていることが最大の原因であることは疑いない。一頃、残業料の大幅な増加がみこまれるので、ベースアップが低率でも消費回復の足を引張ることはあるまいとの見方もあったが、その後の企業の生産活動の停滞で、所定外労働の増加も頭打ちの様相を呈している。」いわば勤労者、こういう人たちの所得が伸び悩んで消費というものが連動してきているんだ、こういうふうに言っているわけですね。 それから、では、これからどうなっていくかということで、三番目の問題として「続く所得の伸び悩み」、こういうことで、確かに企業の収益は改善され、収益も若干上がってきている。しかし、それぞれの企業がいまどういうふうに考えているかというと、「電力料金、国鉄運賃、さらに来年初めには、原油価格値上げも不可避ということになれば、新たなコスト増が見込まれる。現在、大部分の企業は低成長時代に備えて、人件費や金利等固定費の負担軽減に躍起となっており、このため雇用調整を引き続き進め、来春の採用を減らす企業も少なくない。こうした状況では、たとえ収益が幾分回復に向かったとはいえ、企業としてはボーナスを奮発するところまでいかないのではあるまいか。」というふうに言っている。ですから、どう考えてみてもこの調査でいきますと、表題にありますように、個人消費の先行きというものは非常に不安だ、こういうことでありますけれども、その点の情勢分析についてはどういうふうにお考えなんですか。
○岡島政府委員 先ほどの御質問にもございました、たとえば百貨店の売り上げなんかについて申しますと、百貨店の売り上げというのはもちろん個人消費の動向を示す代表的な指標だといわれておりますけれども、売り上げの二割は法人向けのものがあるということもございますし、これだけでなかなか事態を正確に判断することはできないのではないかというような点が一つ指摘できるかと思います。 それから、家計消費につきまして最近落ち込みと申しますか、伸び悩みがあるというのも確かに事実でございますが、これまた個人消費の代表的指標であることは先生よく御承知だと思いますが、独身世帯——消費を一番よくするのは独身世帯たというふうにいわれておりますけれども、独身世帯などが対象に含まれていないというようなこともございますし、また世帯数の伸びも考慮に入れなければならないというような点もあろうかと思います。それから春闘のお話あるいは低率ボーナスというお話がございました。春闘の賃上げは、これまた先生御承知と思いますけれども、雇用者所得の約半分ぐらいというようなことでございますから、もちろんその伸び率が影響したということはあろうかと思いますが、なかなかそれだけで全体を律するわけにはまいらないのではないかというような点も指摘できるかと思います。 それから夏のボーナス、これは前年比三%減というふうに言われておりまして、これが低かったこともまた事実でございます。これにつきましては、三菱銀行の方は冬のボーナスはなかなか期待できないのではないかというふうに言っておりますけれども、われわれとしてはこれはかなりいくのではないかというふうに実は期待を持っているというのが事実でございます。 そういうわけでございまして、これはなかなか事の一面をついていると思いますけれども、われわれとしては、ただいま一時的に消費が伸び悩んでいるということは事実でございますけれども、今後はもう少し伸びるのではないかというふうに期待をしているところでございます。 〔委員長退席、松浦(利)委員長代理着席〕
○中村(茂)委員 そして、こういう状況の中で、 「年末にかけて国鉄、電々ガスといった大口の公共料金値上げや、卸売物価上昇の消費者段階への波及も予想される。となると、実質では前年比マイナスか、辛うじてトントンといった程度ではあるまいか。いずれにしても、所得面から消費回復の糸口がつかめるとは考え難い。」こういう調査報告をしているわけでありますが、前段申し上げましたように、こういう中から消費の先行きというものは非常に暗い、こういう分析ですね。これについて長官、全体としてどういうふうにお考えですか。
○福田(赳)国務大臣 五十一年度の経済全体としては五%ないし六%の実質成長ということを考えておるのですが、その中で個人消費が主導的な役割りを演ずるんだという考え方ではありません。平均が五%ないし六%だ。こういう中で個人消費につきましては五・一%、景気を引っ張る力の主力は輸出とそれから財政、この二つである、こういうたてまえで経済をずっと運営してきておるわけであります。そういう個人消費の位置づけの中でありますが、個人消費が沈滞しているかというと、とにかくこの一−三月に非常に高い伸びを示したのです。五・一%という五十一年度の伸びはすでに一−三月において五・六%の伸びを示した、こういうわけであります。そして四−六、つまり五十一年度の第一・四半期になりますとこれが〇・五という前期比なんです。前期比がそうでありますから、年率にいたしますと、二・一%ということになりますけれども、これを前年の同期に比べますとやはり五%程度の増加だ、こういうことになり、そして夏の停滞期を秋口から脱出いたしまして景気が上昇する。そういうことになりますと、私どもといたしましては、ただいまの企業の状態から見ると、ボーナスの支払いでありますとか時間外の手当でありますとか、そういうものもふえていくであろう、こういうふうに見ておりますので、年度全体を通じますと、私どもが想定しておる五・一%の伸びというものは実現できる、こういうふうに考えておるわけでございます。 そこで、中村さんが賃金問題に触れられたわけでありますが、ことしの春闘は八・八というところに決まったわけでありますが、これはいわゆる裸の賃金でありまして、そのほかにボーナスだとかあるいは時間外手当だとか、そういうものが総合されて勤労者の収入、所得になってくる、こういうことでございますが、その中で特に時間外手当のごときはことしの一−三月に非常な伸びを示したわけであります。四〇%伸びたのでしたか五〇%伸びたのでしたか、そのくらいの大幅な伸びを示しておるわけであります。賃金水準が八・八であったからといって、勤労者の所得が減ったというふうに見るのはいかがであろうか、こういうふうに思うわけであります。 その他、個人の消費といたしましては、賃金収入ばかりじゃないのです。事業者の所得というもの、これも景気の回復に伴いまして伸びておる。あるいは資産所得、これも順調に伸びている。そういうものを総合いたしますと、大体五十一年度五・一%の個人の消費の増加という見方はまず実現できるのではあるまいか、そういう見解でございます。
○中村(茂)委員 いまの長官の言われた点について、この調査特報とは見方が少し違ってきているのですけれども、特にボーナスの面についても、この中における分折は、確かに企業も若干収益が上がってきた、しかし電力料金とか国鉄運賃とか、来年に予想される原油価格の引き上げ、こういう新しいコスト増が見込まれるということで、相当その面に備えてきている。だから、ボーナスに回してというところまでは企業はなかなか手が届かぬじゃないか。これが、ボーナスがある程度流れてくるから個人消費もというところが少し違っていますがね。 それともう一つ、やはり総理府の家計調査によっても、消費比率というものが相当下がってきているということが、国の調査からも明らかになってきているわけです。そこでこの際、所得減税という話が出てくるのですが、先ほどのお話では——私は、景気対策で必要かもわからぬか、やはり景気という問題と物価の問題を全体的に絡み合わせて、勤労者の所得がこれだけ詰まってくれば、そういう意味からも不公正のない景気対策または物価政策というものを考えて、そういう立場からも所得減税なりまたは物価調整減税というものをこの際考えるべきじゃないか、こういうことが一点考えられます。 それから二点目の問題で、ボーナス、やはり出ていく、出ていくと言うけれども、これはことしの賃上げはなだらかで景気なり物価に非常に貢献した、こういうふうに言われているわけでありますから、ここまで来ればそういう面からも、政府が直接指導は確かに労使間の関係ですからできないことははっきりしておりますけれども、やはり企業である程度余裕の出てくるところは、先ほど期待しておりましたようにボーナス面でも少し考えていくというものが出てきてもいいんじゃないか、こういうふうに考えるのですが、その点いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 賃金が上がるということになりますると、その当座は賃金生活者は暮らしが楽になりますが、しかし、それは必ず物価を押し上げる、こういうことになるわけでありまして、結局時間がたつに従ってその賃金を引き上げたと いう賃金生活者に対する利益ということは消されてしまうのですが、反面、企業の立場から言いますと、賃金が収益状態に比べてよりよけいに上がる、こういう状態になりますれば、会社の経理を圧迫するということになり、企業の運営をひいては弱体化する、こういうことになり、これが集積すると、一つの不況ということにもなっていくわけでありまして、賃金を上げたからこれで賃金生活者の状態まで改善される、こういうことでは私はないんじゃないかというふうに思います。やはり景気をよくし、そしてインフレを抑制する、これで本当に賃金生活者の生活というものは改善されるんだ、そういう認識のもとに経済運営に当たっていきたい、こういうふうに私は考えておる次第でございます。
○中村(茂)委員 ちょっと極端な言い方かもしれませんけれども、そういうことだとすると、企業がある程度収益を上げてきても、やはり低成長時代に備えて人件費や金利等の固定費の負担軽減を図っていく、そういう企業の体質にずっとなってきている。少し賃金を引き上げたりすると、所得を増すと、それが物価に影響するからひとつがまんしてくれということになると、景気対策にしても物価問題にしても、勤労者の犠牲においてやっていこう、こういうお考え方に長官の考え方はどうしてもなってくるような気がするのです。景気が少し上向きになり、それから物価が安定してくる、そのバランスの問題だと思うのですけれども、どうも企業なりそういうところに力点があって、勤労者の全体的な犠牲の上で景気の問題、物価の問題を考えているように私には聞こえてならないわけですけれども、その点いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 そういうことじゃない。全く逆なんで、政治の最高の目標は何か、こう言いますれば、やはりこれは一人一人の国民が豊かで安定した暮らしをなし得る状態をつくるんだ。しかし、短期的に非常に耳ざわりのいい政策でありましても、これを中期的、長期的に見るときに、これは生活に対して破壊的な影響を持つんだという場合も多々あるわけなんです。その辺の短期的、長期的の調整というか、ほど合いをどういうふうに保っていくかということが問題なんだが、終局的には国民一人一人の生活が豊かで安定した状態をつくり上げるということにあるのですよ。それを当面はだざわりのいいことだけを申し上げ、また実行するということになると、一体先々はどうなるんだという問題もまた重大問題ですから、その辺も政治としては考えていかなければならぬ。そういうことでありまして、中村さんは、何か勤労者の犠牲で経済を運営するというような印象だと言うのですが、それは全く逆でありまして、特に働く人の生活なんかを安定させる、それは非常に重大な問題でありますので、それをどういうふうに実現していったらいいかということについて腐心をしているんだというふうに御理解願いたいと思います。
○中村(茂)委員 全く逆だとすれば、所得減税なんか二年もしないということじゃなくて、もうさしむき考えてもいいと私は思うのです。前の二人の委員に、それは考えないということですが、私はそう思うのです。 そこでもう一つ。これは長官というよりも副総理という立場でちょっとお願いしておきたいのです。 景気等の問題で、所得減税は考えない、こういうことを何回か繰り返しておられるわけですけれども、いま問題なのは、特に公共投資、土木事業、こういうもので景気をということで、一千五百億公共の予算を組みましたね。これを災害に使うとか、一般予備費の方から景気回復の公共投資に使え、こういうことの論議が閣議であったようです。しかし、どの予算を使う使わないにかかわらず、冷害に基づく救農土木事業というような問題も起きていますね。公共投資というふうに言って景気にてこ入れするというふうなお考え、所得減税よりもそちらの方が、ただ使ってしまうんじゃなくて、そこに残るのだからいいのじゃないか、こういう長官のお考え、バランスの問題だと思いますけれども、それにつけても有効に公共投資してもらいたいと私は思うのです。きめ細かく末端のところへ届くような施策をしていただきたいというふうに思うのです。特に冷害で救農——この言い方がいいかどうかは別問題にして、救農土木事業という問題も出てきているわけですね。だとすれば、これは早くやらなければいけないわけですよね、いずれにしても。私、長野県ですけれども、この冷害が起きたところは冬、寒いところです。そうなってくると、もうこれは年を越すと仕事ができなくなるのですね。冷害が起きたところはそういうところなんですから、早く手をつけなければいけないし、所得減税やらないでそういうところというのですから、やるにつけてもきめ細かい、いま申し上げたような点に留意して副総理という立場で早く手を打っていただきたい、こういうふうに思うのですが、この点いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 いま冷害並びに風水害につきましては全力を上げて災害の調査をしております。その調査ができ次第、対応する対策をとる、こういう万全の構えをいたしておるわけでありますが、それに関連して救農土木をやる必要があるかどうか、こういう問題も出てこようと思うのでありますが、必要がありますればそれも迅速にやらなければならぬ、こういうふうに考えております。
○中村(茂)委員 時間がありませんから、物価全般についてお聞きしたいと思ったのですけれども、その中から一、二点だけひとつお聞きしたいというふうに思うのです。 九月の東京都消費者物価は前月比で二・八%上がった。これもごあいさつの中で若干出ていますけれども、これは長く続かないで一時的なものだ、こういうふうに言っておられるようでありますが、物価上景要因というものがいま非常に多く存在しているのではないか。それを数えてみても、公共料金の国鉄、電報電話、こういうものを中心にしてずっと軒並み並んでおりますし、卸売物価のいままでずっと上がってきたのが、やはり消費者物価に何だかんだと言っても影響が出てくるのではないか。特に四十八年から四十九年にかけて狂乱物価というふうに言われたときの引き金になったのは、公共料金と卸売物価がずっと先行していった。過剰流動性の問題がそこへ出てきたわけですけれども、物価の面だけ見ればそれが先行していった。それから、原油価格の春先の値上げということが問題になってきている。それから、景気の問題と物価の問題というものがこれから絡まってくるのじゃないか。そういうふうに考えてみると、この消費者物価というものもそう簡単に目標達成はむずかしいという条件がいま出てきておるのではないか、こういうふうに考えるのですけれども、いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 消費者物価目標八%程度ということ、これを達成するということは、それは簡単なことじゃございません。ございませんが、しかし、消費者物価の基調は非常にいま堅実に動いておる、私はこういうふうに見ておるのです。九月は、いまお話でしたが、ちょっと長雨の関係でありますとか冷害の関係でありますとか、そういうことで予想外の上昇を見ましたが、これは季節商品の値上がりが主であります。公共料金ももとより響いておりますけれども、これは、公共料金の方は予定をしておったのですから、もう年度間このくらいの公共料金の上昇はあるだろうということを予定しておるので、予定外といたしますと、ただいま申し上げましたような季節的な要因による上昇ということでございます。季節的要因でありますので、野菜や魚だとかそういうようなものの出荷、流通に特に気をつけるというようなことにいたしますれば、これはだんだん平常に戻っていく、こういうふうに思いまするし、現に今月になりましてから大分落ちつきを取り戻しておるような状態でありまして、今後とも努力をいたしまして、年度末前年度比八%程度という目標はぜひ実現をいたしたいし、また実現ができる、こういうふうに考えております。
○中村(茂)委員 終わります。
○松浦(利)委員長代理 午後一時十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五十一分休憩 ————◇————— 午後一時十分開議
○板川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 物価問題等に関する件について質疑を続行いたします。小林政子君。
○小林(政)委員 長官にお伺いをいたしたいと思います。 先ほど来からお話が出ておりますけれども、このところ卸売物価が昨年の七月から十四カ月連続上昇を続けている、こういう状況のもとで、この卸売物価は、本来であれば、景気の回復過程においては、いままでの例などを見てみますと、一定期間上がるということがありましても、初期には上がってもその後落ちついてくる、そして生産が回復され、需給ギャップが解消していくに従って物価の上昇率も落ちつくといいますか、下がっていくというような傾向がございましたけれども、今回の、一年以上にわたって卸売物価がずっと高騰をしているという状態というのは、一体どこに根本的な原因があるのだろうか、また、どうごらんになっていらっしゃるのか、私はこの点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 過去の景気循環は、大体、不況というと一年ないし一年半、それが済みますと今度は三年絡みの好景気、また一年、一年半の不景気、こういうことでございますが、今度は不況が三年目に入っておるわけです。まあ、三年目の今日は、とにかく景気は回復過程に入ったとも言えますが、まだ本格的なものではない。つまり、過去の景気循環と比べまして、今回は不況期が非常に長かった。それから、不況期から脱する脱し方という状態が、過去のように非常にシャープな状態でなくて、徐々に回復、こういうようなことになっておる。過去において景気回復期にあらわれた摩擦現象としての卸売物価の騰貴、これはもう急速に鎮静化しているのですよ。今度はそれが急速にいかない、長引いておるというのは、不況から好況への移り変わりというものが鮮やかでない、だらだら上りだ、こういう状態にある。そこに卸売物価の騰勢が長引いてきておるという根本的な事情があるのじゃないか、こういうふうに見ております。しかし、もう大体卸売物価の騰勢も一巡をいたしまして、これからだんだん下がる方向にいく、こういうふうには見ておるのです。景気回復過程という問題もありましたが、同時に、今回の長期にわたる卸売物価の上昇の背景には、海外からの輸入商品の値上がりという問題があったのです。そこでわりあいに高目の上昇率ということになってきましたが、これから先を展望しますと、もう海外の商品市況というものは落ちつきを示しております。それからもう一つは、円が高くなってきておるということ、これもこれからの物価の推移にはかなりいい影響を持つことになるだろう、こういうふうに見ております。
○小林(政)委員 経企庁がお出しになった五十一年度の経済白書の中身を見てみますと、最近、企業は、景気が回復する過程で、企業収益の回復を図っていく中で、意識的に減産をやって製品価格の立て直しを図っていく、このように分析をしております。こういった企業の減産値上げというものに対して、最近、セメントとかその他不況カルテルというようなこともいたしておりますけれども、こういった中で、政府もいままでむしろこれを推進していくというような役割りを果たしてきたのではないか。卸売物価がずっと上がっている中で、セメントだとかガラス、繊維製品だとか小形棒鋼だとか幾つかの不況カルテルを認可してきましたけれども、これは結局は、減産で価格を上げて企業収益の回復を図っていこう、こういう問題というふうにも白書の中では分析していることを見ますと、物価政策の立場から考えまして、経企庁はこういったあり方というものを具体的にどのようにお考えになって対処をしていかれようとしているのか、お伺いをしたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 経済の運営に当たりましては、景気を維持しなければならぬ、同時に物価も安定しなければならぬ、こういうことで、二つの相反するような問題を解決しなければならぬ立場にあるわけなんです。物価政策という見地だけから言いますれば、これはもう不況にしてしまえば物価は本当に静かになってしまうわけなんですが、そういうわけにはいかぬでしょう。そこで景気政策の方にも目を配らなければならぬ。先ほども申し上げましたが、不況が二年続きまして、いま三年目に入っているわけでございますが、さあ、景気の方のことも考えなければならぬ、そういうことになりますれば、不況業種で製品の需給のバランスについて自力では非常にむずかしい、こういうものにつきまして、独占禁止法とかあるいは団体法とかいうものの発動を見なければならない、こういうような事情もありまして、そういう法に基づくカルテルというか減産も行われました。そのほか通産省が行政指導で需給調整を指導する、こういうこともあったわけですが、この行政指導の方は、もう六月をもって全部撤廃をいたしました。それから、法に基づくカルテルは、まだ幾らか残っておるようでありますが、速やかに景気が回復して、それらのカルテルというような状態がなくなるということを期待しております。
○小林(政)委員 私どもは、過去生活をしてまいりました中で振り返ってみますと、昔からよく、不景気になると物の値段が安くなる、いわゆる不況のもとでは物価は安くなるといいますか、下がるというふうに、子供のころそういう体験をずっと通してまいりましたけれども、最近の物価情勢というのは、深刻な不況が長期にわたって続くという中で、しかも物価はちっとも安くならない、安定しないというような状況が出てきているわけです。私はこの点が、いままで大臣は、減産の行政指導でやっておる問題については、六月でもうすでに廃止されているということをおっしゃっていますけれども、事実こういったいろんな要因で、やはり今日のようなこの異常な、卸売物価というものが長期にわたってずっと上昇をしてきている、こういう傾向が出てきているんじゃないかというふうに、これは経済白書の分析を見てもそういうふうに書いてありますし、私もそのように感じているわけです。 特に、先日総理府の方から発表されました消費者物価指数の中で、八月の物価指数ですけれども、これを見ますと、消費者物価の中に大企業製品の伸びと中小企業製品の伸びというのがあるのですね、項目の中に。それで、大企業製品の伸びが前月比で〇・二%伸びているわけです。ところが、中小企業製品の場合は逆にマイナス、二・三下がっているわけなんですね。これは卸売物価の長期にわたる高騰が消費者物価にすでに反映をしてきているんではないか、このようにも見られるわけですけれども、この点について、大企業製品の価格という問題について、具体的にどのようなかじ取りの中で、それをある程度抑えていくというような行政指導なり、あるいはそこに何らかのメスを入れて措置がとられているのかどうなのか、こういう点についてお伺いをいたしたいと思います。
○喜多村政府委員 大企業製品と中小企業製品との比較、先生がなされたとおりでございますが、ただ問題は、中小企業製品が低くなっております理由は、繊維製品がこの中に相当大幅に入っておりまして、この価格が相当下がったということが非常に影響しております。それから、大企業製品が上がっております中には、鉄鋼でありますとかいった、ああいう基礎的なものが上がっておりますために、それが影響しておるということでございますが、全体的に鎮静化及び景気回復期を通して見ますと、やはり大企業製品の方が水準としては低い。それから中小企業製品はやや高い。これはいたし方がないことかと思います。 そこで、大企業製品に対してどのような手だてを講ずるかということでございますが、先ほど大臣からお話し申し上げましたように、せっかちにコスト上昇分を価格に転嫁しないようにしていただかなければなりません。もちろん、コスト割れであります企業に対しては、価格を上げたいという気持ちは私どもにはわかりますけれども、これは非常にせっかちになされるということであると困りますので、できるだけなだらかにという抑制的な考え方でやっていただきたいということは要請いたしておりますし、それからまた、公取委員長おいでになりますけれども、もちろん公取委員会の方でも、カルテル的行為でありますとか類似カルテル的行為は厳に監視するということで、大企業製品に対しましてはできるだけなだらかな、コスト割れがございましても、できるだけ価格景気ではなくて数量景気で物事を処していただきたいということで要請をいたしておる次第でございます。
○小林(政)委員 物価と景気という問題との関連ですけれども、特に私は、景気対策についてもやはり消費の回復という問題が非常に重要じゃないかというふうに思いますけれども、最近の実質消費は、このところ四カ月間連続これも下がっているのですね。そうしますと、鉱工業生産はある程度回復をずっとしておりますけれども、消費も停滞をしているし、国内需要というのが余り活発に起こってない。辛うじて景気を支えているのは、大臣もこの間の所信表明でもおっしゃったように、輸出によって辛うじて景気の支えをずっとしてきたということをおっしゃっていますけれども、やはり国内景気、国内需要というものをもっと喚起していくことが必要なんじゃないか。国外の輸出を中心とする問題については、諸外国からもとかくいろいろと批判の声も出てきているという中で、景気回復が、一つにはもっと国内需要をどう起こしていくか、こういうことをやはり積極的に考えていくということが非常に大事ではないか、私はこのように考えますけれども、国内消費の拡大を図っていくためには具体的にどのようなお考えを持って対処していこうとされているのか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 いま私は、この日本の経済活動、つまり景気ですね、これは特別に手を打たなければならぬというような状態ではない、こういうふうに見ておるのです。 個人消費にいたしましてもあるいは個人の住宅投資にいたしましても、かなり順調なんですよ。先ほども申し上げたわけですが、個人消費、一−三月に非常な伸びを示しまして、その伸びたものに対しましてまた四−六はどうかというと、〇・五の伸びを示す。これは昨年同期に比べると五%程度の伸びにも当たる、こういうことでございまして、決して個人消費が停滞しておるという状態とは見ないのです。 それから、財政の方ですね。この財政につきましては、これは私どもが年度初めに予定しておったものに比べますと、財政特例法の成立がおくれておる、そういうので心理的に若干の影響があるように思うのです。地方公共団体なんかは、財政特例法の成立がどうなるかということを非常に気に病んでおります。それから、国鉄の運賃法、電気通信法の改正、これがおくれておるというようなこと、これは経済全体ではありませんけれども、局所的にはかなりの影響がある、こういう状態ですが、総じて言いますと、財政も、地方財政における単独事業の不振、こういうものを除くと、まあまあ、大体年度当初予定したような動きを示しておる。 それから設備投資は、これはことしになりましてから長い沈滞を脱しましてプラスに転じまして、これも下半期には若干そのプラスの勢いが強くなるだろう、こういうふうに見ておりますので、国内の各需要要因、これは大体経済見通しのように動いておるのです。それから、輸出につきましては、これは経済見通しで想定したよりはやや高目の結果に年度間通じるとなると思いますけれども、まあまあ、これもそう大きな狂いにはなるまい、こういうふうに思いますので、ここで改めて国内各需要要因に対しましてその需要を刺激するための手講ずる必要はない、こういうふうな見解でございます。
○小林(政)委員 私は、やはり国内景気を本当に 安定させて——国内景気といいますか、私は、日本の経済という問題を考えた場合も、何といっても第一義的には、日本経済の民主的な再建を本当に図っていこうとする場合に、安定した国内景気を発展させていくと同時に、その中での消費の拡大という問題は非常に重要じゃないかというふうに見ているのですよ。この場合に、国内消費の拡大策という点について、いまもう特別手を打つ必要ないんだ、こういうことですけれども、やはりもっと国民の立場に立った国内景気といいますか、公共事業一つを取り上げても、地域環境の整備だとかそういうものに本当にもっと投資をしていくということで、国民のいま締まっている財布もやはり安心して開いて買い物をすることができるようなことを本当に図っていくということが非常に重要じゃないか、そのためには購買力をもっと高めていく政策を思い切ってとるべきではないか、私はこのように考えますけれども、いかがでしょうか。
○福田(赳)国務大臣 経済の運営というものは非常にむずかしい機微な問題ですが、あんまり景気をつけちゃう——景気をつけちゃうのはわけはないのですよ。それはもう政府が財政も支出をいたします、減税も大幅にいたします、いろいろ金融の方も野放しにしますなんていうようなことをしたら、これは景気はすぐよくなる。しかし、半年、一年たったら大インフレーションがやってくるんで、その辺をよほど気をつけなければいかぬ、こういうことで慎重な運営をしておる、こういうことなんです。 いま、先ほど申し上げましたように、個人消費にいたしましても、個人の住宅投資にいたしましても、まずまずの動きをしているのですよ。もう経済見通しで見通したその線をいっているのです。皆さんにも春、予算案の審議の際に十分御検討願ったのですが、その線をいっているのです。それ以上景気をまたここでつける、それはどういう必要があってそういうことをするのでしょうか。また、景気をつけるとすれば、これはやさしいことでありまするけれども、これは行き過ぎになったらまた大変なんで、私どもは、当面のことも考えなければなりませんけれども、同時に国民の長い目で見た幸せということも考えなければなりませんから、景気の問題ならば景気一本やりの考え方、そういうことはできません。物価の問題になれば今度は物価一本やりの考え方、それはできない。これは物価もまた景気も両々相立つような、そういう考え方をしなければならぬ、こういうふうに考えています。
○小林(政)委員 やはり中小企業の倒産件数は毎月毎月一千件を超えるというような、これもまた連続続いているのですね。それからまた、失業人口、これも急激ではないにしても相当数の——完全失業者百万と言われていますけれども、これは実際にはさらに数倍にもなるだろうと言われておりますけれども、相当数の失業が出ていることも事実ですね。こういうことを考えますと、もっと中小企業なりあるいは失業者を吸収していくという立場からも、いままでのような経済の軌道ということではなくして、思い切って発想を転換して、本当に国民の立場に立った経済転換という問題を、それこそ大きくかじを取っていかなければならないんじゃないか。中小企業はいまこんなに倒産件数がふえている中で、もう景気対策なんか何もやる必要はないんだということではないと私は思います。
○福田(赳)国務大臣 いまの日本の経済の動きは、とにかくもう世界じゅうで一番ひどい打撃を受けた。あの石油ショックですね、日本が世界のどの国よりも大きな打撃を受けた。ところが、それからの立ち上がりは一体どうだといいますれば、わが日本は、アメリカ、ドイツと並んで最もいい状態を示しておるわけなんです。きょうも話を聞きましたが、世界の人は、この日本の立ち上がりの状態、石油はもう九九%を海外に依存するその日本が、とにかく三年近くの間にこれだけの立ち上がりを示した、これは第二の日本の奇跡である、これまで言っておるのですよ。私どもはちっとも、いまやっておる政策が間違った方向の政策をやっているとは思いません。小林さんは大転換と言うが、どういう大転換を想望されて言っておるのか知りませんけれども、まあまあ、いまのこの姿勢を続けていきますれば、まずインフレもだんだん鎮静化する、景気も逐次回復に向かう、こういうふうに確信をいたしております。
○小林(政)委員 時間が大分迫ってまいりましたので、私、いまの問題は後ほど引き続いて質問をいたしたいというふうに思いますけれども、大臣かいらっしゃる間にあと五分くらいしか——分ですか。私が大臣に聞く時間が三分ぐらいということですので、これはちょっとやりにくいのですけれども、ずっと最初から聞いていかないと大臣おわかりいただけないと思いますけれども、物価指数についての問題なんです。 中身はまた二時過ぎに質問することにいたしたいと思いますけれども、いま統計審議会というのがございますね。この統計審議会の中で結局物価指数も——中身は統計局でやっているのでしょうけれども、統計審議会が行管の中にありまして、結局そこでいろいろと——統計局の中で作業は進められているわけですけれども、私は、やはりもっと物価指数というのは国民サイドで、この問題についてははっきり国民も参加できるという形をつくっていくという点から、いまの統計審議会の構成にもいろいろ問題はあると思いますけれども、物価指数の作成については広く国民の意見を求めていく、国民的な合意を得られるというような中立的な審議会をつくる必要があるんじゃないか。 これは経済企画庁長官もすでに御承知だと思いますけれども、学術会議が六十六回総会の決議で、物価指数の改善について研究する常設の中立的な委員会を設置する、こういうことを強く要望されたわけですね。これは経済企画庁長官にも要望がされたというふうに言われておりますけれども、この要望を長官はどのように受けとめ、そして今後物価指数に対する審議会のあり方といいますか、こういったようなものについてどのような見解をお持ちになり、また要望に対してどのような対処をされてこられましたか。この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○福田(赳)国務大臣 審議会のことについては私つぶさに承知しておりませんけれども、お話の筋、なるべく皆さんの意見が統計に反映されるようにということはごもっともな話でありまするから、そのような配意をいたしたい、かように考えます。
○小林(政)委員 もうあと一分で……。 これも、資源エネルギー庁にずっとお伺いをして、その上で経企庁長官にお聞きしたいというふうに考えていたのですけれども、中を後にいたしまして、このまま最後のところだけを長官に質問いたしますけれども、長官御承知のとおり、灯油の問題です。灯油の問題というのは、冷害だとか災害を受けた地域、あるいはまた東北その他の国民生活にとっては、それこそお米にも等しいような重要な、切っても切り離せない問題でございますけれども、最近、このような値上げが続きます中で、共同購入をずっと進めてくるグループの数が非常にふえてきているのです。特に東北、北海道の場合ですと、その数は年々ふえている。ところが、最近事実上、共同購入に対してメーカー側が、先行きの高値という問題を見越しているのかどうですか、すんなりと応じようとしないという傾向が非常に出てきているのです。特にまた、共同購入の場合には年間通しての契約ということになるのですけれども、暫定契約みたいな形で十月までというようなところもふえてきておりますし、特に東北、北海道方面では非常にこれが深刻な問題になってきております。いま物価がどんどん上がる中で、また灯油の価格も上がっている中で、本当に生活物資として少しでも安く確保していこうということで共同購入をやっている、こういう動きに対して事実上これが守られない。こういうことに対しては、何とかひとつ行政指導で調査をするなり改めさせるというようなことを私はぜひともやっていただきたい。この点だけひとつお伺いを兼ね、また要望をいたしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○福田(赳)国務大臣 共同購入、大量購入、これは供給者からいいまして大変いい、便利なことじゃないか、こういうふうに私は思います。ただ、長期契約ということになるといかがなものでしょうか。アラビア等におきまして石油価格値上げというような動き等もあるわけなんです。そういうことがないように私どもは希望しておりまするけれども、そういうようなことがあって、長期にわたって値段を決めるということについては、会社によっては踏ん切りをつけるところもあるかもしれませんけれども、会社によってはそれはできないんだな、むずかしいなというような態度をとるところもあるかもしれない。それを行政で強制というか指導をしていくということを政府がお約束をするというまで、なかなか私も踏ん切りつきませんけれども、とにかくこの共同購入、大量購入ということはいいことで、そういう傾向が助長されるということは、私は歓迎いたします。
○板川委員長 小林君、時間ですから、恐縮ですか……。 有島重武君。
○有島委員 先ほどからのお話にいろいろ出ておりますけれども、所得減税ということについて私たちはかなり執念を持っておりまして、国会のたびごとに予算委員会でもって主張し続けてまいりました。七十七国会の予算委員会のときも問題にいたしましたし、今度も十月一日にうちの方の正木政審会長が申し上げたはずなんだけれども、大筋を申しまして、福田副総理はこの所得減税については非常に否定的である、こういうような結論になりますでしょうか。いままでのお話を聞いておると、非常に否定的であるというふうに思いますが。
○福田(赳)国務大臣 所得減税を景気対策のゆえにやっていけという議論に対しては、私は否定的でございます。それから、一般的な所得減税、こういうものにつきましては、ただいま財政の状況等を考えると非常に困難である、こういうふうに考えております。それから、他の目的、たとえば社会福祉でありますとか教育でありますとかあるいは物価が非常に上がった、そういうような関係とか、そういうような特殊な事情に基づくものにつきましては、これはまた財政の事情、そういうようなものとにらみ合わせる必要がありますが、これは否定はいたしません。しかしまた、財政の事情がまだ五十二年度についてはっきりいたしませんから、肯定もいたしかねるわけでありますが、基本的に申し上げるとそういう考えでございます。
○有島委員 そういたしますと、財政の好転次第によっては所得減税もあり得る、そういうようなお考えですか。そうすると、では何のために所得減税をしていくかというようなことになりますね。私どもは二つの理由。最初には景気対策。これは福田副総理は否定的だとおっしゃった。これはちょっと後でも議論をしたい。もう一つは、物価の値上がりが所得を食ってしまうということがございます。このことについてはこの前も正木君が数字を出したと思いますけれども、大体年収二百万円の人でもって五十年度と五十一年度の負担を比較してみますと、これは五%程度年収が上がったとすると二百十万円ということになる。所得税でもっての負担増が六千六百円。それから住民税が四千四百三十円。それから厚生年金分が一万五千七百八円。それから健康保険が五千二百五十六円。これをずっと計算いたしますと三万一千九百九十四円。それから物価の値上がり分に食われちゃっている部分というのがあるわけですね。これを全部計算しますと、私どもの試算では十一万一千九百九十四円のマイナスというようなことになる。こういった所得の本当にぎりぎりでもってやっているような世帯がこうして負担ばかり多くなってきてしまって、そして物価の値上がりにまた食われてしまうというようなこと、これをこのまま放置していいのかどうか、これはどうにかしなければいけないのじゃないだろうか、こういったような一つ論点があるわけです。そのことについてはどうお思いになりますか。
○福田(赳)国務大臣 これから先々の日本社会を考えてみますと、どうしてもわれわれの生活環境を整備しなければならぬ、またわれわれの生活を保障するための諸施策を進めなければならぬ、こういうことを考えますと、それはだれがやるかといえば政府がやるほかないのですから、そうしますと、国の経済力の政府の取り分、これはもうだんだんふくれざるを得ないのです。それが私は世の中の方向でもあろうか、こういうふうに思うわけであります。五十年代前期五カ年計画をとってみましても、どうしても国民の租税負担率というものは三%くらい従来よりも上がらないと、そういう福祉政策あるいは生活環境のための諸施策は遂行できない、こういうことになるのであります。そういう際でありますので、一般的に所得税の減税をいたしますという考え方は、非常に私はむずかしい考え方になってくるかと思います。ただ、私は先ほどから申し上げておりますように、あるいは物価の問題でありますとか、あるいは教育をどうするのだ、こういう問題でありますとか、あるいは社会福祉をどうするのだとかというような特殊な見地に基づいての所得税の減税というか、調整と言った方がいいかもしらぬが、そういうようなことは財政の事情によって考えてしかるべき問題である、こういうのですが、いまこの段階において五十二年度を一体どうするかということになりますれば、いままだ財政の事情も五十一年度についてはかいもく見当がつかぬ、こういう状態でありますので、これに対しましては積極でありますとか、消極でありますとか、そういうことは申し上げかねる、そういうことを申し上げておるわけなんです。
○有島委員 政府の取り分が今後もふえていく、これは社会の趨勢である、そういった御判断である。それもいいですけれども、ただ、現実に全体の収入がふえていく、ないしは収入が確保されておる、そういう状況の中でもって政府の取り分がふえていくというならよろしいけれども、収入は停滞している、物価は上がっていく、それで国民の生活はむしろそういうふうに圧迫されつつ政府の取り分がふえていくというようなことは、別に特殊事情ではなくて、いま申し上げたように、大体年収二百万円というような階層をいまとったわけでございますから、ですから、特に教育の問題だ、あるいは医療の問題だというような問題ではない一般的な問題です。ですから、このことを度外視していまおっしゃったように進んでいらっしゃるのか、あるいはこのことはやはり度外視することができないと御判断になるのか、どちらでしょうか。
○福田(赳)国務大臣 物価も全然変わらない、また所得も増加しない、そういうような状態でありますれば、いまの税法を適用して私は大体均衡を得ておる、こういうふうに思うのです。ところが、この先々を考えてみますというと、所得はとにかくみんな向上していくわけです。そういう反面におきまして物価も上がっていくという問題がある。そして、物価の上昇は所得の向上をまた結果的には消していく、こういう側面もあるわけであります。ですから、考え方といたしましては、先ほども申し上げましたように、国の行うべき施策、これは私はだんだんとこれから先ふえていくだろうと思うのです。そして、その反面において、高度成長じゃありませんから、産業設備投資に使われるような金がだんだん抑えられていく、こういう形になっていくだろう、こういうふうに思いますが、国のそういう施策がふえるということを考えますと、やはりその財源は税にまたなければならぬ、税負担はふえざるを得ないというのですから、いま大体均衡を得ているという——それは細かく言うといろいろ問題はあります。不公平是正とか、そういう問題はありますが、いまの税、さらにこれを減額しなければならぬ、こういうことは非常にむずかしいことになるのじゃないですか。むしろ、場合によると、いろいろ方法はありますけれども、国民の租税負担とするとふえなければならぬ、こういうことになるのじゃないかと思うのです。しかし、そういう中におきましても特殊な事情があると先ほどから言っているのです。教育の問題だ、あるいは社会福祉の問題だ、あるいは物価が上がった、こういうようないろいろな角度から、そのときの財政の事情なんかを見ながら調整を要するということは起こり得るであろう、こういうふうに思うわけであります。
○有島委員 いまおっしゃった三番目の、物価が上がったというようなこと、これは特殊事情だといまおっしゃったけれども、特殊事情というよりはこれはマンネリ化された状況であって、その中にあって、いま申し上げたように、年収二百万、平均四人家族というようなところでもって、私たちの試算でもって十一万円ほどの減収になる。実際に買い物をしていらっしゃる主婦の実感からいくと、まだまだ圧迫されているというような状況があります。どうか、そういうことを無視して進んでいくというようなことはなさらぬように、ひとつ御配慮いただきたいと思います。提言申し上げておきます。 それからもう一つ、個人消費の問題ですけれども、個人消費は順調に進んでおるというような見方であった。これも恐らく百貨店の売り上げというようなことが基礎のデータになるのじゃないかと思うのですけれども、確かに二月、三月については非常に上がった。あとは大体五%程度になっておる。しかし、これも金額的には前年よりも伸びているという実態はございますけれども、実際に物として考えた場合には余り伸びておらぬわけです。これは特に百貨店についてはそうなんですけれども、私どもの近所にあります小さな商いをしている商店について考えてみますと、明らかに金額の上では去年ととんとんだ、五%伸びておらぬということになって、商いは減っている状況も出ているわけです。ですから、いまの御認識、個人消費は順調にいっておるのだというような御認識は、ひとつ改めていただかないと大変なことになるのじゃないだろうかと思うわけです。 それて、私どもはGNPの伸び——GNPの伸びなどというものは経済の目的ではなくて、一種の手段といいますか、指標であると思いますけれども、それにしても六%程度ではちょっと無理なんじゃないだろうか、もう少し伸びていかなければならないのじゃないだろうか、そういうふうに私たちは思っておりますけれども、そのGNPの半分近くというものは個人消費なわけでありまして、それがいま副総理は非常に楽観していらっしゃるけれども、停滞ぎみ、萎縮ぎみになっていくのじゃなかろうか、私たちの身近なところの実感の上からもそういうことがあるわけです。それはひとつお考え直しをいただきたい、ないしは順調に伸びておるとおっしゃったその内容は、もう一遍お考え直しをいただきたいと思うわけですけれども、どうですか。
○福田(赳)国務大臣 個人消費は一−三月にうんと伸びたのです。実質で五・一%の伸びだ、これは大変なことですが、その五・一%伸びた一−三に比べて四−六はどうだというと、〇・五またふえておるわけです。〇・五の伸びというのは年率にすると二・一%に当たりますが、前年同期にこれを比べますと五%程度の伸びになってくる、こういうことで、これはことしの上半期を見ると、非常な着実な伸びをしておるんですよ。その伸びの状態が今日また変わっておるかというと、変わっておる徴候というものは私は認められません。もし万一、非常に経済が落ち込みだということになれば、そのときはそのときでまた機動的に対策をとりますけれども、いま私どもは、今日この時点で見通し得る段階におきましては、特別な対策は必要はない、こういう見解でございます。
○有島委員 じゃあ、そこのところは、私と副総理とちょっと見解が違うというようなことになりましょう。いまおっしゃったのは、確かにその数字には私は間違いないと思うのですけれども、それは平均的な数字ないしは百貨店の数字でありまして、それで町の零細な商店、そういったところをずっと見てまいりますと、そう楽観したものではない。それから、いまおっしゃったように、そんなに順調に伸びているというふうには思えないわけなんです。そういったことが私は実態としてあるように思いますので、それは御注意申し上げたいというところですね。これは議論はこれまでにします。 それから、別な問題に行きます。 灯油の値上げについて、これもわが党の正木議員が通産大臣に、値下げを図れ、こういうことを申し上げた。これは、為替関係でもって相当業界は収入があったはずだ、そういうことでもってどうだということだったんです。それで、そのときに河本通産大臣が、必ず一つの対策をとる、こういうことをおっしゃった。それで、場合によれば値下げの対策もとる、こういうことをおっしゃった。どんな対策をとりましたか。
○古田政府委員 先日の予算委員会で大臣がお答えしました趣旨は、家庭用灯油の価格につきましては、まず値上げをしないようにしたい、それから、諸般の事情が許せば、できることなら値下げの方向で努力したいというふうな、二段構えの対処の仕方でお答えしたというふうに了解しております。このような考え方に基づきまして、私どもとしましては、第一段階の措置としまして、本需要期におきましては、原則として、家庭用灯油の元売り仕切り価格につきまして、現行水準よりももうこれ以上上げさせないというふうなことで、行政指導したいというふうに現在考えているところでございます。 それから、第二段の問題としましては、これは大臣もその後の他の委員会でお答えになりましたけれども、たとえば為替レートの今後の動向の問題とか、あるいは石油企業が五十年度末で千億に近い累積赤字を持っておりますけれどもこの辺の見方の問題、あるいはOPECの今後の動向の問題というふうなこと等、配慮すべきことが非常に多いわけでございまして、この辺の推移を見きわめまして、今後の情勢に対応して次のステップを踏んでいきたいというふうに考えて、検討しているところでございます。
○有島委員 副総理に承りたいんだけれども、いまの灯油の問題でございますけれども、いまの通産の指導、これはもっともであろうと思うんですけれども、それだけでもって消費者を本当に守っていかれるだろうかどうか。確かに、こういたしましたと言うんだけれども、元売りはそうであろうとしても、消費者に実際に渡る場合、あるいは消費者の生活を今度はまたどのくらい圧迫するかというようなことですね。先ほどからも言っているように、ただでさえ物価の値上がりあるいはその他収入がふえたことによっての支出がまたいろいろふえていく、そういうことの中で持っている家計ですけれども、灯油の値下げ指導、これについてもう一工夫していただくことはできないだろうか、いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 私も、先般の予算委員会で正木さんの御質問に対して、通産大臣が上げないようにする、それから、できればひとつ値下げも努力してみたい、こうおっしゃいまして、えらい奮発した答弁だなという感じをいたしたのですが、とにかく値上げをしない、こういうことにつきましては、ただいま通産省から申し上げましたように、元売り仕切り価格を動かさぬ、こう言うのですから、そのとおりになるわけです。ただ、運賃また配達費、そういうものは、人件費が上がったとかなんとか、こういうことで多少のことはありましょうが、大筋において元売り仕切り価格が据え置きということになれば、そう大きな消費者への負担増加にはなるまいじゃないか、こう考えております。 なお、これよりさらに引き下げる、こういう問題につきましては、なお通産当局によく検討していただきたい、かように考えます。
○有島委員 それじゃ、副総理の方からも通産になお検討せよと言っていただくということにしましょう。 それから、次の問題に行きます。 教科書の問題あるいは文教予算が今度は大幅削減される、中でも小学校、中学校の教科書の無償配付を今度は有料化しょうという方針である、そういうことが報道されておりました。これは大蔵省のお考えなんでしょうか、これは事実なんでしょうか、ひとつ確かめておきたい。
○佐藤説明員 先生御承知のとおり、ただいまわれわれ予算編成作業の真っ最中でございまして、文部省からいろいろ御説明を承り、また、その補足説明等を伺いながら検討している最中でございます。伝えられたような方針をわれわれが決めたというようなことはございませんので、誤解なきようにお願いいたしたいと思います。
○有島委員 大蔵省、決めたということはないけれども、そういったことがいま話題になっているということですか。
○佐藤説明員 新聞紙上で伝えられたことは私どもも承知しておりますし、新聞としてはいろいろな観点から物事をお考えになっているんだな、こういう一つの考え方もあろうなということは、私どもとしても新聞を拝見して感じた次第でございます。
○有島委員 俗に火のないところに煙は立たないと申しますけれども、大蔵省、そちらでそういったお話が出ていたのですか、それとも全然なかったんだけれども新聞がそう書いたのですか。これはちょっと重大問題だからね。全くそういったお話は出てない、大蔵省としてはそのことについては別に検討した覚えはさらさらございません、そういうことですか。
○佐藤説明員 大蔵省として来年度の予算の方針についてこういうものをちゃんと決めた、そういうことはございません。
○有島委員 決めたなんて言って聞いているのじゃないのです。検討なすったかどうか、そういったお話が出ていたのかどうか。いまのお話だと、大蔵省ではさらにそういった話はなかったんだけれども、新聞社がお書きになったんだと言わんばかりのお答えでございましたけれども、どうなんですか、その点だけ聞きたい。まだ決めたとは言ってないですよ。そんな決まるはずがない。
○佐藤説明員 われわれは、予算をいたします場合には、いろいろの観点から議論を詰めていくものでございまして、内部的にはいろいろ議論がございます。それはございますけれども、そういうことで、たとえば相手省にそういうことでどうだとかいうような話で大蔵省の方針として申し上げたということはございません。
○有島委員 副総理、結局はこういったような声も政府部内で起きているというお話です。それで、確かにあらゆるところでこの財政を乗り切るために節減するものは節約しなければならないということはあるでしょう。けれども、事もあろうにこういうようなところに飛ばっちりが来ているということは、私は非常に不信きわまりないように思うわけですけれども、副総理の御感想はいかがですか。
○福田(赳)国務大臣 教科書の無償配付ということにつきましては、これはいろいろの意見があるだろうと思うのですよ。無償配付ということで義務教育を徹底させるというメリットもあります。同時にまた、ただで配付を受けたんだからといって教科書を粗末にするんだというような風潮を醸し出しはしないかなどと言って心配する人もある。そういうようなことで、これはいろいろ意見があるだろうと思うのです。思いますけれども、ただいまその無償配付を取りやめるとか、あるいは一部父兄負担にするとか、そういう話については私は聞いておりませんです。
○有島委員 聞いてる聞いてないということではなしに、そういった話が出ているとすると、最初から繰り返しておりますように、いま生活が非常に圧迫されている、しかも、低所得者のところに相当しわ寄せが来ているということがございます。そういう中にあって、ことし来年のときにこういった教育の問題が、これは金額にしてもそんなに大きなことでもございませんし、そういったところに飛ばっちりを持ってくるということは、非常に私は不適当なことであろうと思います。もう少し工夫すべきところはほかにもあるんじゃないだろうかということになろうかと思います。いま副総理のおっしゃったのは、教育的見地ということが一つございますね。そういった教育的見地、これはまた別な議論といたしましても、財政的見地から見て、こんなところに持ってくるというのはちょっと不適当ではないかと私は申し上げたいのだけれども、いかがですか。
○福田(赳)国務大臣 大蔵省では、赤字を減らしたい減らしたいというので大変苦心をしておるというところで、いろいろな意見があると思いますけれども、教科書の無償配付を取りやめる、あるいは一部負担にするというようなことは、なかなか政府全体としては、そう簡単にはいかぬ問題だと思います。
○有島委員 それでは、ネズミ講の問題なんですけれども、これは昭和四十九年に、福田さんが大蔵大臣でいらしたときに、わが党の渡部一郎議員が予算分科会で御質問した。それでそのときに、いろいろ今後もネズミ講が起こってくるという徴候がある、これを早く取り締まれるような法案をつくった方がいいんじゃないだろうか。それに対して当時の福田大蔵大臣は、御指摘のとおりその必要があるとお答えになっていらっしゃるわけです。これは秘書の方もいらっしゃるから、昭和四十九年の三月九日の分でございますから、お調べいただきたい。 そこで、ネズミ講は大分ことしになりまして盛んでございまして、つられた被害八十億、沖繩、これは三月十三日の記事です。群馬県下でまた流行、これが四月十四日の記事です。云々とございまして、これも資料差し上げてもいいし、そちらでお調べになっても結構ですけれども、警察の方に現金七十億円を展示するから輸送の警備をしろと言ってきた、これは熊本であります。熊本ではお断りになったようでありますけれども、その後、今度は国債を三十億円買うと、そういうことを言って、これは買ってもらったらしいですな、というようなことがある。これについて、これは非常に反社会的な疑いが十分あることだから取り締まるべきだが、いまの法律では取り締まれない、警察の方でもどうにもならぬ、これはどうにかしなければならぬということを三年前に福田さんは言っていらっしゃるわけだ。ところが、それがどんどんいまや盛んになって、ここには国債を三十億円も買ってもらったとか、こういうようなことが起こっているのですけれども、これはどうお思いになりますか、どう対処なさいますか。ちょっと、もう時間がないから福田さんにお答えいただいて、それで……。
○福田(赳)国務大臣 ネズミ講の問題は、確かに三年前重大問題だったんです。その当時、私も警告いたしておりますが、その後ちょっと静かになりまして、それで立法とかそういうようなことに至らないで今日に至っておりますが、また最近いろいろ事例が起こる。こういうことになりましたので、最近、ごく最近です、各省で連絡協議会をつくりまして、これは非常に広範にまたがるものですからそういう必要があるのですが、各省に連絡協議会をつくりまして、対策をどういうふうにするかということをいま鋭意検討中である、こういう段階でございます。
○有島委員 終わりますけれども、四十九年の三月九日に、この弊害は指摘のあったとおりだ、早急に検討してみる、その必要があると、こうおっしゃっておるのですよ。早急に検討が、いまおっしゃったのでは、まだやはり鋭意検討なんておっしゃっているわけですね。そういうのでは、ちょっとこれは福田さんにしてはなまぬるいというか、よくないと御指摘を申し上げたい。お願いしますよ。 終わります。
○板川委員長 小林政子君。
○小林(政)委員 家庭用灯油の問題についてお伺いをいたしたいと思います。 先ほど福田経済企画庁長官は、共同購入の問題について、十月ということの暫定契約ということを企業は要求して、なかなか来年の春までということについていろいろと渋っている、それにはやはり思惑があって、今後相当上がるのではないか、こういうようなこともあるということを私、申しまして質問いたしたわけですけれども、まあ、OPECでどうなるかというようなこともあって、長期の契約についてはそれはまた違う問題ではないか云々というようなお話がございましたけれども、十月といいますと今月いっぱいということですね。私は、やはり為替差益の問題等もあって、この問題については先ほど来から、元売り仕切り価格についてはこれは上げないようにしたい、あるいはまた埴下げも云々ということを大臣そのものが言っているわけですね。一体、これはどういう関係になるのか。私は、むしろ本当にいま主婦が切実な、共同購入をして少しでも安く安定してこの灯油を確保しようということで、特に東北、北海道では真剣な努力がされていることは御承知だと思うのです。こういう中で、現在札幌生協の場合などでは、二百リットルのドラムかんで七千四百円で契約を結ぶ、そして、現在市況で七千七百二十円が三百二十円安くなるだけでも、それでもずいぶん違うんだということで、いろいろとグループの人たちが努力をして、みずから生活防衛に立ち上がっているわけです。ところが、これを元売り各系列特約店の中ではいろいろと意見を出して、出光系列なんかのある特約店の場合ですと、現在七千六百円だけれども、これは八千円になるのは間違いない、あるいはそれ以上になることも考えられるから契約できない、こういうことを、再値上げの思惑から来春までの契約について拒否をしているという事例がございますし、それからまた、ゼネラル系の、共同購入に応じてよいけれども値引きについては応じられないというような動きだとか、実際には通産省が通達をお出しになりましたけれども、共同購入による価格問題の引き下げも含めての契約ということが、事実上はその意味をなさなくなっているというような事実が相当出てきているわけです。こういった問題について、私は具体的に、共同購入拒否などの実態があった場合にどう対処されようとしているのか、お伺いをしたいと思います。
○古田政府委員 ただいま先生の御指摘にございましたように、九月に私どもとしましては今需要期についての家庭用灯油の価格に関する通達を出しております。その通達の中で、これはもちろん価格そのものにつきまして中間留分とのバランスということを指摘しているわけでございますけれども、その中で同時に、生活協同組合等との長期的な販売契約については、従来からの指導の趣旨を踏まえ、これに誠意を持って対応するようにということで、元売りに対する指導をしている次第でございます。 現在及び今後につきまして、私どもとしましては、もちろんこういうふうな協同組合を通じましての販売契約は大いに推進したいというふうに考えておりまして、もし、具体的なケースで問題が起きましたならば、その都度各地の通産局によって具体的に指導しているというふうな状態でございます。
○小林(政)委員 私は、この問題については、共同購入拒否の場合など直ちに調査もしてもらうと同時に、やはり正しい行政指導を行ってほしいということを強く要求をいたしておきたいと思います。 それでは、もとに戻りまして、灯油価格についてはいよいよこれから最需要期に入るわけですけれども、ここのところ急激に価格が高騰を示していることも御承知のとおりです。これは一つには、六月の初めに各社一斉にキロリッター当たり二千円の値上げを事実実施したわけですね。そして、これは五月の二十日、資源エネルギー庁が灯油の指導価格というものを外しました。そして、先ほどお話のあったA重油、軽油、灯油、この中間三品の範囲内での抑制策という形に切り変えたわけですけれども、こういう方針をとったために、待ってましたとばかりに各社一斉に二千円の値上げが実施された。こういうことを見てみますと、一体、一キロリッター当たり二千円の値上げによる石油業界の収入増というものは、通産省、どのぐらいになるのですか。
○古田政府委員 家庭用灯油の年間需要量は約千六百万キロリットルでございます。したがいまして、二千円アップということになりますと、それだけで計算してみますと三百二十億円ということになります。
○小林(政)委員 これと同時に、家庭用灯油以外の各油種についても標準価格が撤廃されましたね。そして、現在平均千円あるいは千百円の値上げということでいろいろと話し合いが進められているというふうに聞いておりますけれども、この実態はどうなっていますか。
○古田政府委員 昨年十二月に設定しました標準価格につきましては、その後ほぼ達成されております。各品種とも達成されております。現在、ただいま先生御指摘になりましたような形で価格引き上げ交渉が、なお各業界とC重油を中心にしまして行われております。
○小林(政)委員 それは、参考価格が撤廃されるや各社一斉に、これも全油種一千円あるいは一千百円という形での交渉がされているけれども、事実、C重油やナフサなど、非常に大口需要業界の抵抗などもあって、現在の実態はそれを認めるというようなこともなかなかできないというようなことが新聞などに報道されておりますけれども、こういう時点の中で、六月から灯油だけが一挙に二千円値上げになった。そして、各油種については、五月に撤廃になって、七月から交渉が始まっているわけですね。しかし、それは需要者の抵抗もあってなかなかどうもむずかしい。こういつたような現状の中で、家庭用灯油の場合には、団結力とか抵抗力とかそういったものがないという、最終実需者ではあるけれどもメーカーにとっては販売に対する交渉相手じゃないとか、いろいろな理由を挙げて二千円を押し上げたというようなことは、それこそ本当に弱い者いじめだと思うのですよ。私はむしろ、いま石油業界が為替差益でもって相当利益を上げている、しかもこれについて、少なくとも灯油価格についてはやはりもとの値段に戻すなり、あるいは引き下げを行うなり、正しく対処していくということが非常に重要じゃないかというふうに考えますけれども、これについて具体的な措置を為替差益との問題でどのようにおとりになろうとしているのか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○古田政府委員 最近の灯油価格の動向にかんがみまして、私どもとしましては、原則として本需要期におきます元売り価格の仕切り値をこれ以上上げさせないということで、具体的な措置をできるだけ早くとりたいというふうに思っております。
○小林(政)委員 それはぜひひとつ元売り価格の仕切り値を上げさせない、それからもう一つは、先ほど言った、通達を出してもそれが共同購入に対して実効を奏しない、この点についてはひとつ正しく解決をするように努力をしてほしいということを要求しておきます。 それから、次の問題に入ります。 LPGについても同じことが言えるんですね。これも在庫量なども、月末在庫で五十一年の六月と五十年の六月を比べてみますと一〇・三%、現状はどうなっておるかちょっとわかりませんけれども、在庫量も相当伸びておりますし、いわゆる市場の中では需給関係ではだぶついているというふうに言われていますけれども、こういう中でこれまた価格が五月以来ずっと上がってきておりますけれども、これについてはどのような行政指導がされているんですか。
○古田政府委員 家庭用のLPガスにつきましては、石油危機発生直後の昭格四十九年一月以来、二年以上にわたりまして国民生活安定緊急措置法に基づく標準価格を設定して、その価格の安定を図ってきたことは御存じのとおりでございますが、本年五月一日に、価格が著しく上昇するおそれという標準価格設定の要件が解消したということで、これは解除されたわけでございますが、その解除に当たりまして、私どもとしまして、四月の二十七日付で、通産局、都道府県、政令指定市に対しまして価格の監視、指導につきまして通達を出して、現在行政指導を行っております。 民生用のLPガスの小売価格につきましては、通産省のモニター調査によりますと、八月から九月にかけましては前月比で〇・五%アップということで、大体落ちついてきたのではないかというふうに私ども考えておりますが、今後につきましても、なおこの監視、指導体制というものは十分守りまして、不当な値上がりがないように、価格を安定するようにという方向で努力をしていきたいと思っております。
○小林(政)委員 時間の関係で次の問題に入ります。 物価指数について総理府にお伺いをいたしたいと思います。 物価指数については、今回新しい物価指数で統計数字が出されたわけでございますけれども、消費者団体や労働組合などからも、政府の消費者物価指数は国民の生活実感から見るほど遠い、こういう意見が前から寄せられておりました。総理府の調査でも、指数よりももっと実感としては上がっていると思うと答えた人が六五%という調査資料も出ております。ほとんど大部分の人が、実感におよそ何か合わない、こういう感想を述べているわけでございますけれども、今回の基準時点の改正においても若干の新しい銘柄が加えられましたし、その中でいろいろと御苦労があったと思いますけれども、しかし、実質的にはその結果も前の物価指数とほとんど同じような数字が出てきているということは、やはり生活実感という点から見ますと、何か工夫のしようがあるのではないか、もっと実感に近づけていくという、このような工夫があってしかるべきではないだろうか、このように率直に考えますけれども、この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○吉岡(邦)政府委員 けさの新聞にも、東京都の調査で生活実感と実際の消費者物価指数が食い違っているじゃないかという記事が載っておりました。生活の実感というのはある程度あやふやなものでございます。特に、非常にふだんお使いになるものとか、ここ数年来非常に値上がりしたようなものは、非常に頭に残っておりまして、必ずしも厳密に一年前の比較で実感を出されているわけじゃないと思います。私どもの調査でも、確かに実感と指数が食い違っているデータが出てまいりました。しかし、これはやはりそもそも実感と実際の計算しました指数との食い違いというものはやむを得ないものでございまして、私どもは、やはり私どもでやっておりまする消費者物価指数が、実際に前年度からの物価の値上がり、たとえば現在では、九月分の東京都区部では九・三%前年同月比上がっておる、これが実際の教字、このように思っております。
○小林(政)委員 なかなか実感と合わない、こういった原因の一つは、私どももいろいろ調べてみたり人の話を聞いたりしてみましたけれども、一つには、やはり小売価格の調査の方法ですね、ここに一つ問題があるんじゃないだろうかというふうに思われてならないのです。一つ、二つ例を挙げれば、たとえば単行本の場合を一つとりましても、薬品なんかを例にとって調べてみましても、実際にそれじゃどういう銘柄を具体的に調査をされているのか、まずその点をお伺いしたいと思います。
○吉岡(邦)政府委員 ただいまの単行本でございますが、これは消費者物価の計算上は出版物の中に入っておりまして、私ども、出版物として新聞、月刊誌あるいは週刊誌、単行本、辞書それから学習参考書というようなもの、要するに出版物を代表できるものとして、しかも継続的に調査できる銘柄として十五銘柄選んでいるわけでございます。たとえば月刊誌につきましては四銘柄、週刊誌も四銘柄、それから学習参考書につきましては三銘柄、単行本については二銘柄、これもいずれも継続的に調査できませんと、ぽつっと出たものについて、たまたまある月は出たけれども次の月に出ないというようなものについては継続的に調査できませんので、いまのところ、単行本については継続的に調査できる二銘柄について、新聞等でも伝えられますように、岩波新書と文庫と早川ミステリーですか、たとえばそういうように、個々の銘柄内容は申し上げられませんけれども、そういう形で調査しております。
○小林(政)委員 私どもやはり率直に言って、単行本の場合に二つの銘柄だけですべての単行本を代表するというような——単行本といったって無数にあるわけですけれども、価格はみんなまちまちでしょうし、それをたった二つの銘柄で、それも聞くところによりますと、新書だとかあるいは文庫本というような比較的安いそういうものが二銘柄、二つですべての単行本を代表するような形でのこういった統計の出し方といいますか、調査の仕方といいますか、こういった問題について本当に本全体の価格の動きを明らかにできるものなんだろうか、非常に大きな疑問を持ちますし、やはり方法については何らか検討をしていく必要がある問題じゃないか、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
○吉岡(邦)政府委員 御承知のように、ただいまの単行本二銘柄について調査しているわけですが、これは家計調査の中における単行本の購入のウエートというものが計算されているわけでございます。そのウエートがその二つの銘柄によって代表されておる。ですから、たとえば百円のものが百十円になる、非常にわずかじゃないか。片一方、千円のものが千百円になる。これは上がる率で計算しますから、そういう低いものでも十円上がれば、千円のものが千百円になったという意味を持たすわけでございます。それをウエートに掛けるわけでございますから、私どもも、できればたくさんの銘柄を調べた方がいい場合もございますけれども、それで代表できるものであれば現在のもので十分であると思います。 なお、世界のこういう消費者物価指数を出す銘柄の数でございますが、三百以上を超えて銘柄を調べている国というのは大体六カ国ぐらいしかございませんで、西ドイツが八百くらい、あとは、日本よりも多い国というものは一、二しかございませんで、いまの調査能力その他から言って、私どものやっておる銘柄数は、現在の段階では大体十分ではないか、かように考えております。
○小林(政)委員 統計の問題というのは非常に複雑でわかりにくいという面があって、私なども、果たして二つの銘柄で本全体が統計の上で代表できるものだろうかという疑問をいまだに、これはいまお話を伺っても持っているわけです。私は、そういう点で、国民生活の実感とおよそかけ離れているという点が何かそういう問題にもあるのではないだろうか、このように感じます。 また、指数についても、これは厳密な意味での正しい指数だからということでございますけれども、これをつくる過程でのデータの公開というのは、もう専門家の中にもデータを公開すべきであるという意見が大分出ておりますし、どのような小売店で調べたのかという点なんかは公表して何ら差しつかえないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○吉岡(邦)政府委員 ただいまのは物価統計調査の小売店の店舗の公表の問題であると思いますが、御承知のように、全国で二万五千店舗を調査しております。この店舗の名前を公表するという問題は、御承知のように、小売物価統計調査も指定統計でございまして、統計というものが、国勢調査のような全部を対象とするようなものであれば全部が当たっているから問題ございませんが、サンプル調査でそのうちの一部を調査するような場合には、特にいろいろな点を聞くので、その調査客体に対していろいろ御協力を願う面も非常に多うございます。そのときに出た個々のデータについては秘密を守りますというお約束をしておるわけでございまして、統計法十四条の精神もそこによるところでございます。個々の客体までも公表することになりますと、統計そのものが成り立たなくなってしまう。個人の家計の調査でも、どの家を調査したのか、そういう問題が将来出てくるわけでございまして、やはりその線は厳重に守っていかなくちゃならぬし、そういうことが今後もこういう統計調査を続けていくことができる一つの要因になっておる、かように考えるわけでございます。
○小林(政)委員 どうも、それも私ちょっと納得できないのですね。小売価格でしょう。指定された小売商のある銘柄のある商品の小売価格——仕入れ価格だとかあるいはまた仕切り価格だとか云々ということになりますと、いろいろむずかしい問題があるいはあるのかもしれませんけれども、そこで売っている小売価格ですね、こういったものを公表するわけですから、そこのお店で買ったんだということ、小売価格という問題をどうして秘密にしなければならないのか。この点については、むしろ国民に一層関心を持ってもらうという点からもはっきりとすべて公表してやった方が皆さんの協力も得られるし、あるいはまた支持も関心も強まるという点からも、何でこれを統計法十四条によって秘密にしなければならないのか。私は別に支障はないのじゃないかと思いますけれども、公表するとその小売店で正確な価格を教えてくれないというのですか。
○吉岡(邦)政府委員 二万五千店舗ございますから、店舗の方のいろいろな性格等もございます。やはり知られることをおきらいなお方もございますし、それによって今後の調査を拒否される向きもあるかと思います。 それから、そういうかわりに、いろいろな市町村を調査しておりますから、対象市町村の平均価格というものを統計局では公表しております。いろいろな小売物価指数の調査の内容等を公表しているものを見ますと、世界各国これだけ細かいデータを公表しておるところはございません。 私どもも、引き続き個々の店舗についてこれを公表するつもりはございません。
○小林(政)委員 時間が大分なくなってきましたので急ぎますけれども、日本の場合は、政府が物価目標を何%に抑えるというようなことをここのところ公表しているわけですね。そして、それを達成するという公約もいたしております。外国ではそういうことを公約しているところは余りないそうでございますけれども、そういった点から考えても、むしろデータをよその国とは違って、より——国民に公約していることをつくるもとですから、そういう点については別に差しさわりがないのじゃないか、むしろ積極的に小売店の公開という問題はやっていっていいのではないか、私はこのように考えます。 最後に、国民の声を反映する審議会ということで、先ほど経企庁長官にお伺いをいたしたわけですけれども、現在、統計指数は総理府の統計局でつくられて、そして、行政管理庁の中にある審議会が、ほかの統計を扱っている部署とも一緒になって物価指数の問題に関係していると伺っておりますけれども、そうなりますと、審議会は物価指数をつくり上げていく上で具体的にどんな役割りを果たしているのかという点と、それからもう一つは、統計審議会の利用者代表というのはどういう方々がいま参加をされているのか、以上二点をお伺いをいたしたいと思います。
○工藤説明員 物価指数を含めました各種の経済指標は、政府並びに関係機関で二十八種類つくってございまして、御高承のように、これらの指数の基準時は従来昭和四十五年になっておりました。これは従来五年おきに見直しをすることになっておりまして、その見直しの時点におきまして、行政管理庁長官から統計審議会に対しまして指数の基準時及びウエート時期の更新につきまして諮問をいたしております。今回、本年の二月に諮問をいたしまして五月に答申をいただいております。物価指数等に関します統計審議会の役割りは以上のような次第でございます。 それから、統計審議会の利用者代表でございますが、現在四名の方々にお願いをしてございます。申し上げますと、経済企画庁調査局長、人口問題研究所所長、日本銀行統計局長、経済団体連合会専務理事、以上の四名の方々でございます。
○小林(政)委員 先ほど大臣にもちょっとお伺いしましたけれども、統計審議会の構成にもいろいろございますでしょうけれども、私は、国民的な合意を本当に得ていくという点から、物価指数についてはもうちょっと幅広いといいますか、国民の声がいろいろと反映できる中立的な委員会なり審議会をつくって常時研究もしていく、こういったことが必要ではないかと思いますけれども、先ほど大臣も、学術会議からもそのような提案があったという点について、さらに検討したいということをおっしゃっておりましたけれども、当面、皆さんの方ではその問題について何か検討されたことがございますか、それだけ聞いて終わりにいたしたいと思います。
○工藤説明員 消費者物価指数等各種物価指数につきましては、消費者の方々から、あるいは学術会議の方から、いろいろ御要望、御意見をいただいておりますので、今回、統計審議会におきます審議の際に機会を設けまして、労働組合並びに消費者団体の代表の方々から御意見を伺っております。
○小林(政)委員 以上で終わります。
○板川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十二分散会