内閣委員会 第1号
- 発言数
- 510 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/10/07
会議録
○渡辺委員長 これより会議を開きます。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 今回はからずも当委員会の委員長に就任をいたしました。はなはだ微力ではございますが、委員各位の格別の御協力によりまして円満かつ適正な委員会運営を行い、この重責を全ういたしたいと存じます。 皆様の御協力と御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手) ————◇—————
○渡辺委員長 理事補欠選任の件についてお諮りをいたします。 去る九月二十日の阿部喜元君の委員辞任に伴いまして、現在理事が一名欠員となっております。 この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 それでは、理事に加藤陽三君を指名いたします。(拍手) ————◇—————
○渡辺委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りをいたします。 本会期中、国の行政の改善を図り、公務員の制度及び給与の適正を期する等のため、 行政機構並びにその運営に関する事項 恩給及び法制一般に関する事項 国の防衛に関する事項 公務員の制度及び給与に関する事項 栄典に関する事項 以上の各事項について、小委員会の設置、関係方面からの説明の聴取及び資料の要求等の方法により国政調査を行うこととし、議長にその承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○渡辺委員長 小委員会設置の件についてお諮りをいたします。 恩給制度の調査のため、小委員十三名から成る恩給に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 小委員及び小委員長の選任についてお諮りをいたします。 小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 それでは、小委員及び小委員長につきましては、委員長において指名し、追って公報をもってお知らせをいたします。 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○渡辺委員長 この際、坂田防衛庁長官、西村総理府総務長官、荒舩行政管理庁長官、橋口総理府総務副長官及び中村防衛政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。坂田防衛庁長官。
○坂田国務大臣 今回の三木内閣の改造によりまして、また防衛庁長官を留任いたしましたので、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○渡辺委員長 荒舩行政管理庁長官。
○荒舩国務大臣 一言ごあいさつ申し上げます。 九月十五日に行政管理庁長官を拝命いたしました。委員長初め委員各位の絶大な御支援と御指導をお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
○渡辺委員長 西村総理府総務長官。
○西村国務大臣 先般の内閣改造で、はからずも総理府総務長官を拝命いたしました西村でございます。まことに微力でございますけれども、一生懸命勉強いたしまして、職責を果たしてまいりたいと思っております。ことに総理府といたしましては、今国会諸先生に特別にお世話にならなければならない大事な案件を幾つか抱えておる次第でございまするので、何分よろしく御指導、御鞭撻を賜りますように心からお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
○渡辺委員長 中村防衛政務次官。
○中村(弘)政府委員 このたび防衛政務次官に就任いたしました中村弘海でございます。微力ではございますが、責任を全うしたい所存でございます。委員会の諸先生方の今後ともの御指導、御援助を賜りますことをお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
○渡辺委員長 橋口総理府総務副長官。
○橋口政府委員 このたび総理府の総務副長官を拝命いたしました橋口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) ————◇—————
○渡辺委員長 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、第七十七回国会におきまして趣旨説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○渡辺委員長 この際、坂田防衛庁長官からミグ25型機による領空侵犯の件について発言を求められておりますので、これを許可します。坂田防衛庁長官。
○坂田国務大臣 去る九月六日、午後一時十一分、航空自衛隊のレーダーサイトは、北海道西方約百マイルのところを東進中の識別不明機を発見しました。 これに対して一時二十分千歳基地からF4EJ二機を緊急発進させるとともに、奥尻、大湊、当別及び加茂の各レーダーサイトをこの目標の監視に当たらせました。識別不明機は、高度を下げつつ東進を続け、奥尻レーダーサイトが国際周波数を用いて行った警告にもかかわらず、一時二十二分三十秒、北海道茂津田岬の沖合い上空、東経百三十九度四十五分、北緯四十二度三十八分の地点でわが国の領空を侵犯しました。 その後、この識別不明機は、針路を南方に変え、一時二十六分ごろには久遠郡の上空一万フィートを通過した後、高度を下げて各レーダーサイトのレーダーから消失しました。 一方、緊急発進したF4EJは、識別不明機に対する接近を試み、一時二十五分から三十秒間これを機上レーダーで捕捉しましたが、その後見失いました。一時三十五分には、レーダーサイトのレーダーが奥尻東方の海上で識別不明機を一瞬とらえましたが、再び消失しました。 奥尻レーダーサイトは、領空侵犯発生後約十分間にわたりこの識別不明機に対し、侵犯の事実を知らせ、退去するよう警告しました。また、F4EJ及び各レーダーサイトは引き続き識別不明機の追跡を試みましたが、同機が高度を下げたこと、気象条件が悪かったこと並びに海面や陸上のクラッターの影響もあり、以後捕捉することができませんでした。 一時四十九分、三沢の防空管制司令所は、二空団から函館上空をジェット機が旋回中との連絡を受け、F4EJを直ちに同方向に飛行させましたが、その後一時五十七分ごろ札幌航空交通管制部と連絡をとり、識別不明機が函館空港に強行着陸した旨を確認したので、二時十分F4EJを千歳基地に帰投させました。 なお、その後事態の概要が次第に明らかになるに伴い、関係部隊にはその状況を知らせ、必要な警戒の態勢をとらせました。 九月七日の北海道警察函館方面本部及び九月八日、九日の函館地方検察庁によるミグ25型機の実況見分に際しては、防衛庁は、それに必要な専門技術的知識を提供するための補助者として、それぞれ数名の要員を派遣して協力しました。 また、ベレンコ中尉に関しては、防衛庁は領空侵犯の事実解明のため、本人の同意を得て、九月の八日、九日の両日、東京において事情聴取を行いました。 本件は、ソ連軍人が軍用機を操縦してわが国の領空を侵犯し、かつわが国の領土に強行着陸した事件であり、わが国の防衛の任に当たる機関として、独自の立場から当該領空侵犯及び強行着陸の背景状況を解明する必要があります。このため、ミグ25型機の機体の取り扱いに関する最終措置をとるまでの間、防衛庁がその保管を行い、そのための調査を実施することについて関係省庁と調整の結果、九月十日夜、機体を当庁に保管し、調査を開始いたしました。 しかし、この調査を有効に実施するためには、警備、調査効率及び適切な保管等の観点から、函館空港は適当ではないため、機体を航空自衛隊の百里基地に移送することとし、九月十一日から移送のための調査検討を始めました。 この結果、自衛隊は、機体の移送に関し、これを安全かつ早急に実施する十分な能力を持っておらないことから、米国の技術要員及び機器について、わが国の指令監督のもとに置くこと、作業を通じて得た知見は自衛隊の所有に帰することなどの条件のもとに、これらの提供を受けることとし、米国及び関係省庁と調整した上、九月十九日、移送のための解体作業に着手しました。 九月二十四日、機体の解体を完了し、同日深更から二十五日未明にかけて、米国のC5により百里基地に移送しました。 九月二十五日以降、機体を再組み立てし、搭載機器及びエンジン等の調査を行い、返還のための解体、梱包作業を実施しております。 なお、調査に関しては、これを効率的に行うため、必要最小限度の範囲内で米国の技術的協力を得ておりますが、これは前項で述べたと同様の条件のもとでの協力であり、調査はあくまでもわが国の独自性のもとに実施いたしております。 次に、機体をいつ、どのような要領で返還するかについては、現在外交ルートを通じてソ連側と交渉中であります。防衛庁としては、この交渉で定められるラインに沿って遺漏のないよう、所要の措置を講じる所存であります。 最後に、ミグ25型機の函館空港強行着陸に至るまでの自衛隊の対応措置を振り返ってみると、情報連絡に遅滞があったこと、レーダーサイトが航跡を見失ったことなど、防空態勢上に重要な問題点があることを示唆しております。 したがって、私としては、本事件の分析を行って、問題点を究明し、今後の防空態勢のあり方について改めて検討したいと考えております。
○渡辺委員長 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤陽三君。
○加藤(陽)委員 ミグの事件についてお尋ねをしたいのでありますが、その前に法案の内容等につきまして若干先にお尋ねをしておきたいと思います。 この防衛二法案、これは二年成立をしないわけでございますが、いずれも艦艇、航空機の増強に伴う必要な要員として御説明いただいておるわけであります。ところが通っていない。実際これはどういうふうに操作をしていらっしゃるのか。相当海空の自衛隊員にはこれは荷が重く、しわ寄せになっているのではないかという気がいたしますが、どういうふうに防衛庁見ておいでになりますか、お答えいただきたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 先生も御承知のように、増員の問題というのは、海上自衛隊、航空自衛隊につきましては、航空機あるいは艦艇、それを操作し、それを運用する人員というのが基準になって制定されております。しかしながら、御承知のように五十年度の増員分も五十一年度の増員分もまだ成立を見ておりません。すなわち、千四百八十八名の定員が増になっていないわけでございます。過去におきましても自衛隊はこういう事態を迎えたことがございましたが、それと同じように現在も非常に運用面において苦しい事態を迎えております。 すなわち、一方において教育をしながら、一方において部隊の運用をしなければならないということで、もちろん常に一〇〇%の定員を充員していなければできないというものではございませんけれども、部隊に配属したまま教育をさせたりということになりますと、それぞれの艦艇乗り組みあるいは部隊にいる実人員というものがそれだけ減るわけでございます。したがいまして、運用をやっていく場合にその減員に対するロードというのがかかるのも当然でございます。過去四十六年ごろ二法案が通らなかった時点におきましては、たとえば航空自衛隊などにおきましては一部のレーダーサイトの運用時間を昼間だけ行うというような措置をとって苦況をしのいだこともございますが、現時点においてそこまでの情勢には至っておりません。しかしながら、どこが現実にどうなっているかということを個々に具体的に申し上げるのには余りにも例が多いわけでございますが、見えないところで全体の練度、運用、そういった面でかなり隊員にロードを強いておるということになっておるのが実情でございます。
○加藤(陽)委員 私も郷里の方で、若い自衛隊員の諸君から有給休暇がとれないという不平を非常に聞くのですよ。やはりこれは増員ができないと余分な荷がかかっているんだなあという気がする。それもいけないことですけれども、航空機事故、最近余りないので安心しておるのですが、こういうことがあったら事故が起こりはしないかという心配を私、非常に持っておるわけでございます。 それはそれとして、その次に、私も自衛隊に長いことおりましたけれども、海空の自衛隊につきましては、いま自衛官でやっておる仕事で部外に委託をしてできるような仕事がまだまだあるのではないかと思う。たとえば基地業務ですね。いつも思うのですが、給食の業務とか物の調達の業務の中なんかで、もう少し部外へ委託して、自衛官の定員をふやさないで済むというふうなものはないものでしょうか。どういうふうにお考えになっておりますか。
○伊藤(圭)政府委員 自衛隊の業務の中で民間に委託するのが適当な業務がないかというお話でございます。私どもも従来この定員増というものを極力抑えなければならないという方針のもとにそういうものを検討いたしておりまして、現実にいま委員会のようなものをつくってやっておりますが、幾つかの仕事、いま先先がおっしゃいましたような基地業務あるいは車両の整備の業務、そういったようなものが個々にはあるわけでございます。現実に基地業務の中で給食の関係あるいは食事の後始末の関係、こういったものはやっているわけでございますが、一方におきまして非常に部隊が分散しているということがございますので、それを受け入れる側の体制というものもある程度固めなければ、個々に部外に委託するというような方針で一律にまいりますと、ある部隊ではでき、そしてまたある部隊ではできないような事態も起こるということが、検討の結果出ております。したがいまして、特に大臣の方からの御指示もございまして、四次防以後の計画の中では長期的な展望にたって、先生のおっしゃるような形でできるだけのものを部外へ委託し、そしていわゆる自衛官である自衛隊員というものは本来の任務に専念できるような体制をつくり上げていこうということで、それが結果的には増員を抑えることにもなるというようなことで検討をいたしておる次第でございます。
○加藤(陽)委員 これはぜひ長官、真剣にお考えいただきたいと思うのです。自衛官の増員ということもなかなか容易ではございません。本当に必要最小限度の増員を国会で認めてもらうようにしなければいけないと思いますが、私はまだ余裕があるように思うのです。これはひとつ御検討を願います。 もう一つの防衛二法の要目は、第三航空団の小牧から三沢への移設なんですが、これも二年たなざらしになっておるわけですが、司令部を移設しないことに伴ってどういう不便をいまお感じになっていらっしゃいますか、お答えを願いたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 御承知のように第三航空団がございます小牧というのは非常に都市化が激しくなっておりまして、いわゆる戦闘機部隊の実力部隊が存在するのには適地ではないということは前から考えられておりました。同時に全日空の事故以来、訓練空域というものが非常に制限をされました。したがいまして、早い時期にこの第三航空団の司令部といいますか、実動部隊を含めまして他の適地に移動させたいと考えておったわけでございます。そしてその調査、それから適地として三沢に移すことが適当であるということでお願いしているわけでございます。しかしながら法案が成立しませんので、現実にいま小牧にいるわけでございます。したがいまして、いま申し上げましたような点で、まず訓練の面では空域が遠いためにその往復に非常に時間がかかります。そのための問題点、これはやはり練度にはね返ってきておりまして、現実には、ではどこがどういうようにということはなかなか具体的には把握できないわけでございますけれども、訓練のシラバスをこなすのにも多くの時間がかかるというような問題がございます。 それからさらに、86Fという飛行機はやがてなくなっていく飛行機でございまして、このまま第三航空団の司令部が小牧にあり航空部隊を置いておくということになりますと、近い将来あそこには、いわゆるFST2の対地支援の部隊が86Fにかわるわけでございますが、そのものを置かなければならなくなるという問題が起きてまいります。そしてこのための施設設備等もあの小牧に行わなければ防空体制を継続的に維持できないという問題が起こってまいります。したがって早い時期に三沢に移転させていただきまして、あそこの基地にFST2の基地をつくらなければならない。 まあこれがいまもうすでに起こっているかということになりますと、現実には86Fはあそこで訓練をやっております。したがいまして、大きな問題としては練度の問題でございますが、近い将来の問題として、そういうFST2改の配置の問題としての関連の問題がクローズアップされてくるだろうというふうに認識いたしております。
○加藤(陽)委員 その次に問題を変えまして、これも大事な問題ですからお伺いしておきたいのですが、日米安保協力小委員会が設置されて第一回の会合があったということは承知しているわけでございますが、それはその後どういうふうに機能しておるのですか、お答えいただきたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 日米防衛協力小委員会は、第一回目を八月の末に行いまして、あのときには今後の会議の運営の仕方について話し合いました。大体二カ月に一回ぐらいの割合で会議を開いていき、そしていわゆる有事の際の防衛協力というものがスムーズに行えるような研究をやるということで、第一回目の話がまとまったわけでございます。 そして、今度の第二回目を十月中に開く予定になっておりますが、その際には今度は非常に具体的な問題でございますので、どういう問題について双方の意見を持ち寄って議論をするか、そしてそれに伴って、さらにどういうサブコミッティーといいますか、小委員会みたいなものをつくって技術的に詰めていくか、そういう議題の内容につきまして、いま日本側、私どもは外務省の方と詰め合いまして、これをアメリカ側に近く伝えることになっております。アメリカ側もアメリカ側の考えを持ち寄るということになっておりますので、それを踏まえまして、この十月中に第二回目の会合で、大体今後検討しなければならないガイドライン、それから具体的な事項、そういうものをお互いに意思を統一して、その後の検討を進めていこうというような段階になっております。
○加藤(陽)委員 これは非常に大事な機関だと思います。ひとつ能率よく作業が進みますように、これは希望する次第であります。 その次に、ロッキード問題についてお伺いしたいのでありますが、いつも外国の飛行機を日本が買うことによってこういう問題が起こるわけでありますが、一体、今度のFXの問題はここまで来ましたらやむを得ぬでしょうが、その次の段階の戦闘機は日本で国産をするというふうな計画はお持ちになっておりませんか。やはりまだ外国の飛行機を買わなければいかぬということになるのでしょうか。その辺は防衛庁としてやはりはっきりした方針を立てていただきたいと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○伊藤(圭)政府委員 FXの問題は別にいたしまして、その後の戦闘機についてのお話でございますが、先生も御承知のようにF104を決定いたしましたのは昭和三十四年でございます。ファントムを決定いたしましたのは四十四年、そしてまた来年度におきまして、FXの決定をしていただきたいと思っております。しかし最近の戦闘機というものは、F104のころに比べ、あるいはファントムに比べまして非常に耐用命数というのが長くなっているようでございます。したがいまして、この次のFXXを選定する時期というものはかなり遠い先のことになるということを私どもは予測いたしております。したがいまして、その時点でなおかつ輸入しなければならないものか、あるいはまた国産でそれをやっていけるかというようなことにつきましては、いま実はまだ考え方というものを検討はいたしておらない段階でございます。
○加藤(陽)委員 やはりそこらが国民として大事な問題だと私思うのですね。またこの次も外国から買うのか、日本の工業力でそこまでできないのかという点について、疑問を持っておる国民は相当おると思うのですね。これはひとつ大事な問題でありますから、関係の各省とよく検討されまして方針を立てて、この次はこうするのだ、できれば国産でいくのだというぐらいの目標を置いて作業を進めていただきたいように、私は思います。これは希望でありますから……。 これに関連して、今度のロッキードの事件でもいろいろ言われておるのですが、輸入調達品の価格及びライセンス生産に伴って国内のメーカーが輸入します調達品の価格です。これは、やはりいま反省してみられまして防衛庁として適正であったという考えでしょうか、輸入調達品などはもう一遍価格を検討すべきであったというふうな反省がありましょうか、どうでしょうか、その辺をお伺いしたいと思います。
○江口政府委員 御承知のように、防衛庁主力戦闘機等の装備をいたします場合には、おおむねライセンス生産ということでやってきております。輸入で入れました飛行機というものはきわめて限られておりまして、RF4Eというような程度のものでございます。したがいまして、純粋に輸入のものと国産のものとの比較というものは実はなかなかむずかしいのでございます。しかしながら、これをごく大観して申し上げますと、われわれといたしましては、RF4Eの輸入あるいは基本的ないわゆるライセンス生産の場合の部品等の輸入に当たりましては、輸入価格等については厳密なチェックをやってまいりまして飛行機を輸入しておるということは、やっておったつもりでございます。 一方、国産につきましては、先般のロッキード委員会等にもたびたび問題が出されておりますけれども、一部の筋からは、開発コストが非常に高くつくというようなことを言われておりまして、その点からもう一度そういった輸入あるいは国産等の見直しをしなければならぬ段階になっておると考えております。ただ、一つだけ私ども留意しなければなりませんのは、輸入をいたします場合に、御承知の先般問題になっておりますようないわゆるソールエージェント契約というようなものが商社と先方のメーカーとの間にございまして、それがとかくの問題を生じておったことは事実でございます。そういったような問題のいわゆる裏取引と申しますか、あるいはそういった不当な取引というようなものが発生する余地のないようなことをこの際ぜひ講じてまいりたいと思っております。したがいまして、繰り返しますが、全般的に輸入あるいは国産というようなものの価格比較、考え方の検討というものはもう一度よくいたしたいと思いますし、仮に輸入あるいはライセンス導入いたしますような場合の不当な取引と申しますか、そういったものの生起は極力防いでまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○加藤(陽)委員 次に、ミグの問題について若干お伺いしたいと思います。 いま長官がお読みになりました内容の中にも、七の最後のところに「情報連絡に遅滞があった」ということをおっしゃっておるわけであります。やはりこれは非常に大事な問題だと私、思うのでありますが、情報連絡に遅滞があったのはどういうことだったのでしょうか。それをお聞かせいただきたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 先ほども御報告申し上げましたように、レーダーでつかまえましたのが一時十一分でございます。スクランブルに上がりましたのは一時二十分でございます。この飛行機が領空を侵犯いたしたのが一時二十二分過ぎのことでございまして、その後これを見失っております。通常でございますと、レーダーサイトにアンノーンの飛行機が出まして、そして、それに対してスクランブルに上がったということは、一々全部大臣のところに報告が来るというようなものではございません。しかしながら、今度の場合は明らかに領空を侵犯し、その後これを見失っております。その段階において、一時五十七分ごろ、自衛隊は、このミグ25らしきものが函館空港に着陸したという情報を千歳の司令部が持っております、それを直ちに大臣のところ、すなわち内局の中に統合指揮所みたいなものがありまして、すぐそこに入っているような仕組みになっておりましたならば、もう少しこの情報というものも早く大臣のところにも届き、たまたま大臣は御不在でございましたが、御連絡する方法もあったかと思いますし、総理のところには二時十分ごろ、とりあえずお電話で御報告いたしておりますけれども、こういった問題ももう少し短くできたのではないかという反省がございます。 一方、防空作戦、領空侵犯措置というものは、御承知のように、いわゆるアンノーンの飛行機が出た、それが日本の方に向かっているということになりますと、自動的に飛行機が上がっていくような仕組みになっております。したがいまして、そのパイロットが刻々に追いながらこれを報告するというような余裕はなかなかないと思いますので、いわゆるそのレーダーでつかまえました状況というものが、少なくとも空幕長、大田のところにはストレートに伝わってくるような仕組み、そういったものも今後検討すべきではないかというように考えておる次第でございます。
○加藤(陽)委員 それは確かにあなたのおっしゃるとおりだと思うのですけれども、そういうことはできますか。
○伊藤(圭)政府委員 御承知のように、現在その状況というものは総隊司令官のところのスコープまでは刻々と伝わってまいります。そこから先の問題が、いわゆる電話でやったりあるいは急なときにはメモを持って走らせたりというような状況になっておるわけでございます。したがいまして、そこをもっと密接に結ぶ通信の方法というものが当然考えられるというふうに私どもは理解しておるわけでございます。
○加藤(陽)委員 わかりました。 その次に、この間政府が出されました統一見解についてちょっとお伺いしてみたいのですが、前段の方はこれは言わずもがなのことなんですか、第二項に「もっとも、一般的に事前に被侵犯国の承諾を得ていない航空機の領空への侵入に対し、スクランブル等の措置をとることも当然に認められているところであり、また、着陸後に被侵犯国が所要の機体の保管・調査を行うことも国際法上許容されるところである。」こう書いてありますね。領空侵犯機に対してスクランブル等の措置をとることは当然だということになっておる。それから、着陸後に被侵犯国が機体の保管、調査を行うことは国際法上許容されておる、こう言っておられるのですが、スクランブル等をやるのは当然であり、保管、調査は国際法上許容される、この書き分けが私よくわからないのです、どうしてか。両方とも「当然」か、両方とも「国際法上許容される」ということになりそうなもんだという気がするのですが、どうなんでしょうか。「当然」というのは自然法上というふうな意味か。
○村田説明員 お答えいたします。 この部分は特別に書き分けておるということではございませんで、「当然に」とございますけれども、これも国際法上許容されるということでございます。
○加藤(陽)委員 そうすると、「当然」と書いてあるけれども、これは当然国際法上許容される、こういう意味だということですね。 そこでお伺いしたいのは、一九一九年のパリ条約ですね、これが一九四四年のシカゴ条約に変わっているのですが、このパリ条約によりますと、第三十二条に「締約国ノ軍用航空機ハ特別ノ許可アルニ非サレハ他ノ締約国ノ版図上ヲ飛行シ又ハ其ノ版図ニ著陸スヘカラス右ノ許可アリタル場合ニ於テ特別ノ規定ナキ限り軍用航空機ハ外国軍艦ニ慣例上許与セラルル特権ヲ享有スルコトヲ原則トス 著陸ノ巳ムナキニ至リ又ハ著陸ヲ求メラレ若ハ命セラレタル軍用航空機ハ其ノ事実ニ基キ前項ノ特権ヲ有スルコトナカルヘシ」こういうのがパリ条約にあるわけですね。このパリ条約は、シカゴ条約が効力を生じた際に当然に失効しているのですか。あるいはわが国はどういう措置をこのパリ条約についてとっておるのか、その辺をまずお伺いします。
○村田説明員 わが国は、パリ条約に関しましては一九五三年十月八日に脱退をいたしております。一九五三年の九月八日にICAO条約に加入しておりますので、その後十月八日をもって脱退いたしております。
○加藤(陽)委員 それで、ICAO条約によりますとこういうふうな軍用機に関する規定がないのですね。これはパリ条約の三十二条のような規定を認めないということか、国際慣例上効力があるものだという解釈なのか、そこのところをまずお伺いしたいと思います。
○村田説明員 ICAO条約の方は、その第三条におきまして「この条約は、民間航空機のみに適用する」ということをはっきり書いてございますけれども、これはいま先生御指摘になりましたパリ条約の三十二条のような考え方を排除するということを意味するものではございませんで、むしろ、このパリ条約三十二条の考え方というのはこの条約によりまして新たに創設されたというものではなくて、一般国際法の原則をパリ条約の一条として取り入れたというふうにみなすべきものだと考えます。
○加藤(陽)委員 そうしますと、パリ条約の付表には領空侵犯機に対して警告だとかいろいろな措置が決めてあるわけですね。こういうふうなことはやはりいまでも国際慣例上生きておるという、こういう考えに立っていいんですね。
○村田説明員 そのとおりでございます。
○加藤(陽)委員 このパリ条約三十二条に、いま私が読みましたが第二項に「著陸ノ已ムナキニ至リ又ハ著陸ヲ求メラレ若ハ命セラレタル軍用航空機ハ其ノ事実ニ基キ前項ノ特権ヲ有スルコトナカルヘシ」と、こうあるわけですね。これも生きておるとしますと、ソ連が日本に対してミグ25の不可侵権を主張したというふうに聞いておるのですが、これは一体どういう根拠に基づくものでしょうか。国際慣例上は認められていないとこう書いてあるわけですね。
○村田説明員 一般国際法上、このパリ条約の規定いかんにかかわらず、航空機の不可侵権というものは、この航空機がその領空に入ります国の許可を得まして、かつ特にそれが軍用機であります場合には、その国の主権を体現したというふうな形で入るというときに、不可侵権を享有するというのが一般国際法の原則でございまして、これは軍艦において特にそうでございますけれども、航空機においても同じ原則が適用されるという考え方でございます。したがいまして、ソ連が今岡のケースのような場合に不可侵権云々ということを主張する国際法的な根拠はないというふうに考えております。
○加藤(陽)委員 私も、不時着の場合には——ソ連は不時着と言っているんですから、不町着の場合にはそういうものがあるのかなと思ったんだけれどや、このパリ条約によると不時着の場合にはない、こう書いてあるわけですね。一体どういう根拠だろうかなと実はわからなかったわけです。まあ、根拠はないというふうにいまお答えいただいたんで結構であります。 その次に、領空侵犯機に対して、パリ条約の付表で警告を発することはこれは書いてあったように思いますが、警告以後の措置については国際慣例上、確立をしたものがございますか。
○村田説明員 国際法上は、不法に領空に侵入しました外国の軍用機に対しましては、まず指定する飛行場への着陸とかあるいは領空外への退去を命じまして、必要な場合にはさらに発砲等の威嚇をもって命令、服従を強制することもできるということでございますが、さらにその侵入機が実力をもってこれに抵抗するというふうな場合には、一般国際法の原則としましては撃墜をも含む緊急手段をとることが許されるということでございます。
○加藤(陽)委員 これは慣例だろうと思うのですね。そういうふうな法規がないように思うのですが、その慣例だとおっしゃる根拠はございますか。いままでの例とかなんとかですね。
○村田説明員 いま私が御答弁申し上げましたようなことを、たとえば条約の規定で当然そういう場合には撃墜できるというふうなことを規定したそういうものはございませんけれども、しかし、いろんな学者の説等に徴しましても、また当然そういう措置は許されるというのが国際的な通念であろうと思います。具体的な例につきましては、ただいま私、非常に適当な例をすぐに思い浮かべませんので、場合によっては必要な調査をしてみたいと思います。
○加藤(陽)委員 それじゃ、もし国際慣行として確立をしているということについて権威ある資料がありましたら、後でお知らせをいただきたい、かように思います。 その次にお伺いしますのは、防衛庁がミグ25を保管、調査をする理由、これは先ほど長官のお読みになりましたものの中には「我が国の防衛の任に当たる機関として、独自の立場から当該領空侵犯及び強行着陸の背景状況を解明する必要があります。」こう善いてあります。私もこの考え方には同感なんでありますが、これを裏づける法的根拠がございますか。
○伊藤(圭)政府委員 御承知のように、防衛庁は、防衛庁設置法の第五条の十八号によりまして領空侵犯に対する措置の任務を持っております。さらにそれに対します行動といたしましては、自衛隊法の八十四条で領空侵犯に対する措置の任務を自衛隊に与えられているわけでございます。さらに設置法の第五条の二十号には、防衛庁の業務に必要な調査を行う権限が与えられております。そういうものによりまして、いわゆる一連の領空侵犯措置といたしまして、調査を含めて国内法的に私どもは実施しているわけでございます。
○加藤(陽)委員 その次に、長官の御発言の中に「米国の技術要員及び機器について、我が国の指令監督のもとに置く」という条件のもとに米国の援助の提供を受けると、こう書いてありますが、具体的にどういう協定を米国との間になさったのですか。
○伊藤(圭)政府委員 最初大臣から強く私ども事務当局に指示がございましたのは、自衛隊の力でこれを調査し必要な資料を得るようにということでございました。しかしながら、現実の問題として函館という民間空港にございましたので、自衛隊が十分な時間をかけ、そして調査をするということはなかなかむずかしい状況であったわけでございます。さらに、十一日から私どもの方が保管をするということが政府の中で統一された意思として保管をすることになりましたけれども、まず最初に、あの機体をわが航空自衛隊の基地に移送いたしまして、そこで調査をする必要があると考えました。一つは警備上の問題がございます。一つは民間機の運航上の問題がございます。さらに、必要な機材等があそこにはございません。発電機もないというような状況でございました。そうなりますと急いで移送するためにはどうしても解体が必要でございます。陸送するにしましても、海の上を運ぶにいたしましても、航空機で運ぶにいたしましても解体が必要であったわけでございますが、外交折衝の立場からいたしますと、将来において返還することもあり得るといたしますと、これを細かく切り刻んで好きなような形で移送というわけいもまいらなかったわけでございます。 さらに、ベレンコ中尉の供述によりまして、あの飛行機自体が自爆装置を持っているということがわかりました。そしてそのスイッチもまた発見されたわけでございます。しかしその解体作業をするに当たって、それが起爆しないということも私どもの知識としてはなかったわけでございます。そういうようなことで、なかなか自衛隊自体の力で移送し調査をするということは非常に困難な状況であったわけでございますが、米側の方に問い合わせましたところが、これは十三日ごろから空幕を通じて問い合わせておったわけでございますが、アメリカ側にはミグに対するいろいろな知識がございます。そしてまた、それを調査するための機材もあったようでございます。そういうものの協力をする気持ちはあるということが確認されました。 そこで、大臣からの命令に基づきまして、自主的に自衛隊が調査をし輸送する中で、米側に協力を頼む範囲はどういうものかということを検討いたしました。一つはギャラクシーという大型の輸送機の力をかりることでございました。それからさらに調査の段階で、アメリカ人の持っている知識あるいは機材等を最小限でかりる必要がございました。しかしながら、自衛隊が自主的に行うためには、御承知のように幻の飛行機と言われた大変関心の深い飛行機でございますから、アメリカ側に勝手にやられたのではこれは自主性が保てないということで、航空幕僚長とガリガン中将の間でいろいろ考え方を詰めておりまして、一つには、日本の航空自衛隊の指令監督下にその米軍の知識と機材を置くということ、それからこの調査の過程において得られた知見というものは、これは全部自衛隊に属するのであるということ、それからまた、自衛隊が行う輸送、調査に当たって協力を求めた、そのことに対しては、日本政府として対価を支払うということ、そういうことの取り決めのもとに、わが方の自主性を確立してこれを実施したものでございます。
○加藤(陽)委員 そこで、アメリカとの間に契約をされたんですね。契約書はどういう内容になっておるのですか、対価の問題も含めて。
○伊藤(圭)政府委員 この契約書といいますか、実費弁償という形で話し合っております。そして、いま大体終わりましたけれども、細部についてはいま話し合っている段階でございますので確定したものはございませんけれども、アメリカ側で、たとえばギャラクシーを使うような場合にも、これはアメリカの軍の目的で使ったわけじゃございません。日本政府に貸したようなかっこうになっております。したがいまして、アメリカの国防省だけの計算ではいかないようでございまして、国務省あたりが、これはいわゆるシビリアンユースというような形で使用させる場合の算定の基準、そういったものをアメリカ側でも話し合っているようでございまして、いずれそれが私どもの方に連絡が来ることになっておるわけでございます。
○加藤(陽)委員 まあ機体の運搬はそうでいいんですがね。たとえば電子機器なんかを調査する場合の指揮監督というのはどういう条件でやっておられますか。調査するアメリカ人だけにわかって、日本側にわからないというふうなことはないのでしょうね。
○伊藤(圭)政府委員 これは、幕僚長とガリガン中将が話し合いましたときにも、そこで得られた知識はすべて日本側に提出することになっております。したがいまして、アメリカ人は、そこで得られた知識についてアメリカ側には一切報告しないということになっておりまして、まあわからないところはわかるまで教えてくれるでしょうし、たとえば機材なんかにつきましては、分解するというのが、今度の返還に備えまして余り細かくできません。したがいまして、強力なレントゲンの機材なんかを持っているようでございます。そういうものはオペレーターとその機材を一緒に借りたというような形でございますので、実は自衛隊がわからないところを教わったというようなことでございますけれども、原則的に自衛隊の知識でもわからないということはほとんどなかったように聞いております。したがいまして、機材の借用。そのオペレーター、そういうものが主体になったというふうに私どもは報告を受けております。
○加藤(陽)委員 そうなら国民は非常に安心すると思うんですね。日本にわからない秘密がアメリカに渡ったのじゃないかということを新聞なんかでもいろいろ問題にしているわけですから、その辺の事情を国民によくわかるように防衛庁としては説明をしていただきたいと私は思います。 その次に、そういうふうにして調査をされましたものについては秘密な事項があるのだろうと思うのですが、防衛庁はこれを公表される意思がありますか。秘密事項として残しておかれるつもりでありますか。
○伊藤(圭)政府委員 防衛庁が現在調査いたしておりますのは、いわゆる領空侵犯措置の事実について調査いたしております。具体的に申し上げますと、あの飛行機があのようなオペレーションをいたしまして、事実、百マイルのところまでずっと低空で入ってまいりました。わが国のレーダーにもひっかかることなく入ってまいりまして、さらに領土に近づきましてから筒度を下げまして消えてしまったわけです。そういった防空網を突破して飛んできた事実、そういったこと、あるいはあの飛行機自体が優秀な軍用機でございますので、日本の領空を飛び、日本の空港に着陸したということで、いろいろなわが国の防空体制の、たとえば通信の波あるいはレーダーの波、そういうものが機体の中に記録されているということも含めまして調査をいたしております。したがいまして、その過程におきましてあるいはソ連側が機密だと判断しているようなものも知る機会もあるかもしれません。したがいまして、この領空侵犯措置にかかわる今度の事実について調査をいたしておりますが、これは結果的には、私どもの今後防空をやっていく上に役立ついろいろな資料だと思います。したがいまして、公表することは考えておりませんし、また、この調査の結果につきましては、やはり国益に照らして自衛隊側が保管しておくというような形になろうかと思います。
○加藤(陽)委員 まあ、そういうことだろうと思いますね。これはやはり防衛庁の秘密になるわけですか。防衛庁の秘密になると、その秘密は何によって保護される、法的な根拠を伺いたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 これは防衛庁の中で秘密に指定することになるだろうと思いますが、これはいわゆる行政事務を行う上の秘密ということでございまして、いわゆる防衛庁にございます特定の防衛秘というものではございません。
○加藤(陽)委員 この事件が起こりましたときに、長官は低空域のレーダーカバレージの問題について慎重に検討したい、不十分であると認めるというふうな声明と申しますか、新聞社に申されましたが、その後この問題についてはどういうふうに御検討なさっていらっしゃいますか、お聞きいたします。
○坂田国務大臣 まだ具体的な報告を受けておりませんけれども、低空においてどうやって入ってきたかというようなことをいろいろ調べました上、これに対する対応措置を考えてもらいたいということを指示をいたしておるわけでございますが、先生も御案内のとおりに、アメリカでもかつてフロリダ州にキューバから亡命機がやってきたときには、アメリカといえどもこれを捕捉することができなかったということでもございますし、各国ともこの低空の侵入については頭を悩ましておる問題かと思うのでございまして、この点につきましては今後十分検討していかなければならない課題であるというふうに私は考えておるわけでございます。
○加藤(陽)委員 まあ低空域のレーダーカバレージの問題は世界的共通の問題だと思うのですね。私は、これで航空自衛隊の能力がないじゃないかというふうなことを言われますけれども、これはまあ考えようだと思うのです。事態が緊迫をすればおのずから警戒態勢はとられるわけでしょうから、そういう場合には事前に発見できて領空侵犯などはそれは起こり得なかったと私は思うのですがね。 それはそれとして、四次防でもAEWの研究開発をするということになっておって、これはそのまま、例のP3Cの問題と一緒に白紙還元ということになっておるわけでありますが、この構想はいまでも生きておるのですか、どうなんですか。
○伊藤(圭)政府委員 御承知のように、AEWの問題、低空に対処するレーダーの問題、これはずっと以前から問題点として私どもも考えておったわけでございます。御承知のように、ある時期にはピケット艦という軍艦を——軍艦といいますか、自衛艦を前方に展開するというようなことも考えたことがございます。しかしながら、やはりAEW、早期警戒機によるのが一番適当であろうということは、すでに二次防が終わる時点において私どもも考えまして、三次防で研究開発を計画しておったわけでございます。いろいろな事情でこれは延びております。一つは技術的な問題もあったと思いますし、また費用の問題もあったと思いますが、これは三次防の間は実現しませんでした。そして四次防の際にも、この早期警戒機の必要性というものを国防会議でも御説明申し上げ、この研究開発、当時は国産をしようということでございました。そこで、研究開発というものをお願いしておったわけでございますが、あの四十七年の十月九日の国防会議議員懇談会の了解事項によりまして、PXLとともに専門家会議の結論を得るという御指示がございました。この御指示の結論によりますと、AEWについては国産よりは輸入という方法を考えた方がよいというのが国防会議の御方針で、一昨年の十二月決まっております。で、ポスト四次防といいますか、今度の防衛計画の大綱の中では、こういった機能というものも持ちたいというふうには考えておりますけれども、具体的に何年度からこの装備に入るかということはまだ決まっておりません。しかしながら、平時において常時こういうものを運用するというのは莫大な費用もかかりますし、また多くの人員も要するわけでございます。したがいまして、緊張度が高まったときにこういうものによって、その欠点を補うような一つの機能としてこれを備えてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○加藤(陽)委員 そうしますと、いま坂田長官は全体的に考え直すとおっしゃったのですが、やはりその基本にはAEW機を使おうというふうなことは残っておるわけなんですか。AEWの問題を含めてもう一遍長官お考え直しになろうということなんでしょうか、その辺をひとつ。
○坂田国務大臣 これはいま防衛局長が申し上げましたような形で進めてまいりたいと思いますが、その前に、なお防空体制としてカバレージの問題、いろいろございますから、その点やはり不足しておるところがあるんじゃないか、不十分なところがあるんじゃないかというような点を検討いたしたい、それを主として考えていきたい、しかしAEWはAEWとして研究調査を行いたいというふうに思っております。
○加藤(陽)委員 わかりました。 ミグの問題はこれぐらいにして、時間もありませんのでちょっとほかの問題、また重要な問題をお聞きしたいのですが、ポスト四次防の防衛力整備計画は国防会議にかけて審議中だというふうに私も承知しておるのですが、どうも政局が大変不安定でございまして、いずれ近く総選挙があるわけでありますが、私、予算編成時までにポスト四次防の防衛力整備計画が決まるかなという心配を実は持っているわけです。この辺は大臣、大丈夫ですか。
○坂田国務大臣 私といたしましては、基本的な防衛構想につきましては、できますならば選挙前に国防会議の議を経たいというふうに思っておりますし、今月の十三日にも国防会議で御検討を煩わすということになっております。詰めてまいりたいと思っております。
○加藤(陽)委員 それで非常に安心しましたが、何とかしてこの国防会議の結論だけは予算編成前に得られるように御努力をお願いしたいと思うのであります。 それからPXLの問題ですが、長官は世論の動向等も見てよく研究するとおっしゃっておる。私も当然だと思うのです。しかし、十二月の予算編成期に突然決めるというものでもないものだ。やはり準備段階が要るんだと思うのですが、いまどういうふうな準備というか検討をしていらっしゃるのでしょうか。
○坂田国務大臣 これは、いずれにいたしましてもロッキード問題の解明の時期もございますし、それからまた十二月の末というタイムリミットもございますので、その点にどういう判断を下すかということについて、いま事務的にはあらゆるオプションを検討させておるわけでございます。しかしながら、そのオプションの一つといたしまして、先住のおっしゃるような考え方もないわけではないというふうに御了解を賜りたいと思います。
○加藤(陽)委員 ロッキード問題はまだ児玉ルートが残っておるようでありまして、ロッキード問題が終わってから検討するということでは、これは間に合わないような気がするんですね。その辺がなかなかむずかしいところでございましょうけれども、国民の納得を得られるような結論を予算の編成までにはひとつ出していただきたいと思います。 それからFXの問題であります。これも予算に関連をするわけですが、先ほど、空幕長からの上申が出たということでありますが、いまこの上申を受けて、どういうふうに作業をしておられますかお伺いしたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 いま空幕長から上申が出たとおっしゃいましたが、実はまだこれは出ておりません。空幕におきましては、御承知のように第二次の調査団を出しました後、その性能面については検討いたしております。同時に、またこれは多額の費用を要するものでございますから、面の詰めというものも必要でございます。そういった関係で、いま装備局が中心になりまして、空幕と一緒にそういった点の詰めを行っている段階でございますので、まだ上申はございません。
○加藤(陽)委員 それでは、私の質問はこれで終わります。御答弁どうもありがとうございました。
○渡辺委員長 午後零時三十分より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午前十一時三十六分休憩 ————◇————— 午後零時三十五分開議
○渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 委員部の皆さんにお願いしますが、与党の方がどうも目に入らないということだというと何か形が整いませんから、ひとつ連絡をしていただくようにお願いをいたしておきます。でないとどうも、にもかかわらずなぜ質問をやったかなんと言ってまた後ろの方から怒られるわけであります。 委員長にもあわせてお願いをいたしておきます。
○渡辺委員長 委員長より厳重に申し渡しをいたします。
○大出委員 ところで、きょうはミグの問題などを中心にしてということでありまして、ミグ25の問題が一つ、さらにFX、PXLにかかわる問題も差し迫っておりますから、あわせて承りたいと思いますし、最後に、これは外務省の皆さんともかかわり合いを持ちますが、駐留軍に働かれる皆さんの賃金、制度等の問題につきまして、ここ数年、三月になってようやく改定賃金が支払われるなどということでは、この方々の御家族を含めて、大変申しわけないと思っておりますから、そこらに触れておきたいと思うのでありますが、時間の関係もございますので、できるだけひとつ中心になるべきものについて明確なお答えをいただきたいと思っておるわけであります。 そこで、最初に外務省の皆さんに承っておきたいのであります。ここで議論をする気はないのでありますが、次に小坂外務大臣御出席の場面がございますから、そこで大臣に聞きたいのでありますが、そのために承っておきたいのですが、今回のミグの事件に関して、調査、解体などということが進んでいるわけでありますが、一方では対ソビエトという関係で、漁船の拿捕等をめぐる数々の難問が出てきているわけであります。ただ、この点は外務委員会等できょう恐らくやっているんだと思いますからこの席では触れませんが、それだけに、この法的根拠となるべきものということで私どもの党の森中守義君なり田英夫君なりがかつて予算委員会で質問をいたしまして、統一見解めいたものが出てきているわけでありますが、その統一見解と、そのときにこの法的根拠はあるんだということを法制局も強調しておるわけでありますが、私どもに納得し得る法的根拠というのを、さっき加藤さんも質問しておりましたが、条約その他、かかわり合いある、皆さんの説明し得る資料を、十二日に改めて質問をいたしますので、皆さんの方で取りそろえて私にお出しをいただきたいのでありますが、この点を冒頭にお願いをいたしておきますが、よろしゅうございましょう、これは統一見解が出ているわけですから。委員長も御了解のようでありますから、お願いをいたしておきます。 それからもう一つ。法務省においでをいただきましたが、物の順序がございますので承りたいのですが、当初六つばかり、犯罪と申しますか、器物損壊等を含めまして問題がある、これはロッキード特別委員会における質問なんかでもそういう答え方をいたしましたが、それが調査結果としてつまりどういう犯罪を構成するのかというふうなこと、それをまずお答えをいただきたいのと、防衛庁が途中から入っていっているわけでありますが、真偽のほどは確かではありませんが、記録によりますと九月七日に、つまりミグ25亡命事件の翌日になりますが、防衛庁の空幕の防衛副部長の松井泰夫空将補、この方を団長とする調査団を函館へ防衛庁は送り込んだことになっております。ところが、現地で北海道の警察本部に、機体調査を、それは困るというので拒否をされたという記録がございます。この関係が一体どうなっていたのか。つまり、警察庁はあるところまで調べて検察庁に上げているわけでありますが、そこから先は検察庁、法務省が防衛庁と話す、これはいいのでありますけれども、九月七日に、つまり七日というとミグ25の亡命事件が起こった翌日であります。ここで防衛庁があわてて松井泰夫空将補を団長とする調査団ということで函館へ乗り込むという、これは一体どういう根拠で、またどういう話し合いでこういうかっこうになったのか。つまり、この段階はまだ警察庁の段階だったと思うのでありますが、一体その要請があったから行ったというなら、拒否するわけはないわけであります。この辺のところを法務省の方から明確にしていただきたいのであります。
○俵谷説明員 お尋ねの事件につきましては、九月六日に発生したわけでございますが、罪名は、ミグ戦闘機に乗りまして日本領内に入ってきました点におきまして、密入国の罪が成立するということで、出入国管理令違反ということになります。そのほか、空港に入ってまいりまして、保安設備というようなものを破損させておりまして、航空の危険を生じさせたという点で、航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律違反、この五条一項に当たりますが、そういう犯罪の疑いがあったわけでございます。そのほかに、同人は自動拳銃一丁を携帯いたしておったわけでありますが、これが国内法の銃砲刀剣類所持等取締法違反、この罪名に当たるわけでございます。同じように、弾を持っておりましたので、これが火薬類取締法違反、こういったものに当たるわけでございます。さらに、この空港に着陸いたしまして間もなく、威嚇射撃のようでございましたが、ピストルを発射をいたしておる、これが近寄ろうとした者に対する脅迫の罪ということに容疑が持たれたわけでございます。 こういった犯罪の容疑がございましたので、警察が捜査を始めまして、立件して検察庁に送致した。これが九月の七日に至りまして送致を受けたわけでございます。そこで、函館地方検察庁では、これらの容疑につきまして取り調べを行った上、九月の九日に、本人が亡命の意思を持っておりましたこと等を考慮いたしまして、不起訴処分にいたしますとともに刑事手続を終了させた。そして、航空機につきましては、自衛隊が保管、調査の権限がある、こういうふうに認められますので、この保管にゆだねた、こういう経過でございます。 自衛隊の方が当初調査に行きたいという話があったということも聞いておりますが、それは恐らく警察の段階であったのではないか、こういうふうに思っております。私ども、この刑事事件の捜査の関連で、機体がどういうものであるか、その性能はどういうものであるか、あるいは装備はどういうもので、どういう方法で侵入したものであるか、こういった密入国等の罪に関連いたします諸事情を捜査いたします必要上、その辺について明らかにする必要があったと判断したわけでございます。そこで、検察庁といたしましては、この飛行機につきましては、何分専門的なことでございますので実況見分等を行うに当たりまして、防衛庁の専門家の協力を得た方がよい、こういう判断に立って九月八日、九日と実況見分いたしておりますが、その際、防衛庁の専門家の方にこの実況見分の補助をお願いいたした、こういう経過になっております。そして、その実況見分等が終わりまして、本人の出国前に処理をした。その後は飛行機の、こういう侵犯機の調査等につきまして権限を有する防衛当局にお願いした、こういうことになっておるわけであります。
○大出委員 もう一つ承っておきたいのですが、そうしますと、入ってまいりましたのはたしか六日でございましたかね。そうすると、アメリカに亡命といって送ったのは何日になりますか。
○俵谷説明員 これは九月九日の夕刻に出国しておるわけでございます。
○大出委員 だからまる三日ぐらいのことになるわけですね。さっきお挙げになった六つも容疑罪名があるわけでありまして、ピストルも発射している、器物も壊している、安全も損なった、たくさんあるわけですね。にもかかわらずこれは三日ばかりで、ロッキードの特別委員会で質問が出て、これは九日でありましたか、まさかその夜ぼうんと運ぶとは、私ども聞いておって実は夢にも思わなかったわけです。安原刑事局長答えておりましたが、見方によればまさに電光石火のごとくぱあんとアメリカに持っていっちゃたのですね。われわれから見ると余りこれは手際がよ過ぎるのですね。そうすると、これは外国の紙誌に載っておりますから後で坂田さんにも聞かぬわけにいかぬのでありますけれども、疑いたくなる面もなくはない。これだけの罪名を挙げておいて、何でそんなに早くぱあんと持っていかなければいかぬのか。後は、機体は自衛隊管理でございます。アメリカの方でも物を言う、徹底調査だなんて骨の髄まで調査する。そういう経過を静かに振り返りますと、どうも自然でない感じがする。だからソビエトの側が謝らないというのでありますけれども、外国の週刊誌等に書かれている記事のようなこと、それが全部でないとしても、NHKのテレビでございましたか、ベレンコさんというのがアメリカで二人一緒にいる写真がのっておりまして、CIAがタッチしているということでテレビで映しておりましたが、そういうことがもし背景にあったんだとすれば、ドイツの大変売れている週刊誌が書いたようなことの中の、坂田さんが否定している分を除いてそういうものがあったんだとすると、それ以前から接触があり、工作があり——私はCIAをこの委員会の席上で前後三回にわたって質問をしながら追いかけたことがございます。松本政喜君というエージェントの人が出てきまして、不思議なことだらけです。ローランツ事件なんというのは、ローランツ夫妻が田園調布から香港に行っている。私は香港に行って調べたら、香港もちゃんと出国手続がとられている、飛行機に乗っている。羽田にその飛行機が着いている。一般の旅客機です。どこにも行きようがない。羽田の入関手続その他調べてみたら全く形跡なし。そうすると、香港を出国していて、飛行機に乗っておって、羽田に着いて、途中でおりようがないのですから消えてなくなるはずはない。不思議な話です、ローランツ事件というのですが。 ところがCIAの資料が出てきてみたら、松本君の資料によると、田園調布のローランツ夫妻のうちの隣をCIAの出先のエージェントの方が借りていた。しかもこの旅客機が羽国に着いた、すぐタラップのところに監視という丸い点が打ってある、その後にアメリカの飛行機が一機とまっている、地どりが全部書いてある。つまりタラップをおりてきたところに声をかけて後の飛行機に乗せた。どこへ行ったかというと沖縄のCSGだ。鹿地亘さんが行ったところです。つまりここらの点は、私の議事録は「CIAはここにいる」という本になって、三分の一ぐらい私の議事録ですけれども、明確になっている。後藤田さんが警察庁長官でございまして、自今、CIA絡みと思われる事件であっても捜査の対象にすると答えて一応区切りをつけたいきさつがございます。したがってこれはわからぬ。もし長期にわたる、つまり彼らの言う工作というものが行われていたということが前提になっているのなら、日米合作の工作によって引っ張り出したという名目だってつく。相手方からすればそういう疑いだって出てくるかもしれない。それなら謝罪をする余地は全くないという理屈だって成り立つ。ここらが私はわからぬ。だから、何で電光石火のごとくぽんと持っていかなければならぬ理由があったのかということ、まず法務省にこれを承っておきたい。
○俵谷説明員 こういう事件が起きまして、途中におきまして亡命の意図で入ってきたということがわかったわけでございますが、こういう亡命事件の取り扱い方といいますものはいろいろ微妙な事情があるわけでございます。また、ケースによりましてどのように扱うかそれぞれ違っておることだろうと思いますが、概して申し上げますと、本人の亡命意思が確認されるという段階になりますと、人道的な配慮と申しますか、種々の観点から速やかに本人の希望国に出国させるというのが一応の考え方としてあるのではないかと思います。本件につきましてはさような考え方から行われたものと思いますが、わが国は亡命を認めておりませんので、そういった事情なりあるいはいろいろな国際的な関係等を考慮して、あるいは本人の立場を考慮して、衝に当たっておる法務省の入管当局あるいは外務省当局等において決められたことであろうと思っております。過去にもこういう亡命事件がございますが、大体数日以内に処理をしておるというのが普通じゃないか、こういうふうに理解いたしております。 それから、本件に関連いたしましていわゆる謀略的なことがあったかなかったか、こういうような御指摘でございますが、私どもはそういうことにつきましては承知いたしておりません。
○大出委員 スパイ天国日本というので、当時、ローランツ事件に並んでポプロフスキー事件というのがございまして、これはソビエト大使館、すぐそば、麻布でございます。当時、私、現地を細かく調べたこともございました。この事件は——警察庁も事件のあったことをお認めになっている。ソビエト大使館におった駐在武官であります、それを西側が拉致しようとした事件。乱闘になりまして拉致はできなかったわけでありますけれども、読売新聞なども当時は取り上げた事件であります。したがいまして、いまのお話で、特別なそういう工作があったかなかったかということは関知しないというお答えでありますが、関知しないということは、つまりわからぬということでありますね。わからぬということはどういうことかというと、あったかもしらぬ、なかったかもしらぬということであります。そうすると、外国で物を言っている、相当長いものでありますが、調べてみましたが、全部がうそでこういうことになるのか、一部本当で一部は筆が走っているのか知りませんけれども、いまこの席で私が聞いた限りはこの問題について納得し得る御回答をいただけなかったということになる。防衛庁長官の名前まで出るわけですけれども、ほかの皆さんの方でこの問題に関する調査その他、おやりになったことがございますか。
○坂田国務大臣 実は私も「シュテルン」を読みました。ところが、私の名が出てきております。何かミグが日本を領空侵犯することを事前に知っていたというふうに書いております。全くでたらめでございます。知っておったならばもう少しうまく処置をしたのじゃないかというふうに実は思っておるわけです。私といたしましては、とにかく領空侵犯をした、そして強行着陸をしたということは事実でございますので、いずれこれが軍用機だということもわかりましたので——これはマークで知ったということでございます。これがミグ25であろうということもわかりましたので、それならば、日本の国内でわかり得るのはわが防衛庁でしかない、それには今夜直ちに調査団を組んで現地にやるべきである。実際には検察庁、警察ということであろうかと思いますけれども、御要望があればいつでもそれに応ずる。というのは、軍用機でございますから、先生御案内のとおりに爆発するかもしれないし、その他いろいろな危険物があるかもしれない。自爆装置があるかもしれない。そういうことはやはり専門家でないとわからぬということでその準備はいたしたわけであります。
○大出委員 そうしますと、私のさっき取り上げた、九月七日に松井泰夫空将補を団長とする調査団を函館に送り込んだというのは長官の御意思だということになりますか。
○坂田国務大臣 そのとおりでございます。
○大出委員 その間に警察、検察あるいは法務省、防衛庁、外務省というところの各省間の話し合い等が詰まってない。だから、行ったが、道警の方でまずいということになってこの日はタッチしていないということに結果的になっておるわけですか。
○坂田国務大臣 調査団を出すにつきましては、やはり警察その他とも連絡をとるように私は指示しておるわけでございまして、恐らく検察庁、警察庁の中でも防衛庁当局あるいは外務省とも緊密な連絡をとってやっておるものと承知しております。
○大出委員 悪意ではありませんが、物事一遍疑ってみる必要のあることが多いわけでありまして、間髪を入れず、ぽんと調査団か何かが長官の指示で函館に行ったということになりますと、知っておればもう少しうまくなんということを長官いま言いましたが、なかなかそこのところむずかしいですね。児玉譽士夫氏の家でなくなった十四枚の持参人払い現金小切手じゃないけれども、右翼の大立て軒で、日本青年思想研究会の若い衆がぞろぞろしているところへ、ばかでもない限りはどろぼうに入るのはそういないはずなんですね。ところが盗難事件、しかも、あれだけの裏金を扱っておる人が、莫大な持参人払い現金小切手紛失に関して玉川警察署に届けを出すということもこれまた不思議な話なんですね。つまり何かの痕跡を意図的に残したとしか受け取れぬわけでありまして、したがいまして、もう一遍念のために承っておきたいのでありますが、「シュテルン」の記事は、これは大分時間がかかっておるのですね。これは九月十七日の発売号です。ベレンコ中尉という方は、七四年八月にソ連のアルメニア共和国のツァヒカゾールで開かれた東西宇宙高空飛行シンポジウムに出席した、このときにCIAの工作員であるオーストリア人の技師が接触をした、そして亡命の説得を始めた、計画的なんですね、この記事によれば。そこでベレンコさんを選んだというわけですね。ベレンコさんが上官と対立していたとか、いろいろなことまで調査をしてやったのだという。坂田さんが事件の十一日前に、十一日前になっておるのですがね。ミグ25飛来の予告を受けた、ミグ25を待ち受けている米国関係者に国内の空港管制塔に立ち入ることを許したとも報じられている。ミグ屋と称するアメリカの方々が何人か入ってきたのが意外に早かったというようなことが新聞その他に報じられております。大変でき過ぎた感のする側面も二、三見受けられるわけであります。 念のために承っておきたいのでありますが、外務省もおいでになるのですけれども、この辺の、外国の情報というものに対して、外務省関係その他の方は見過ごして、そんなことを書いた週刊誌が西ドイツにあったなということになっておるわけですか。
○木内説明員 ミグ25の件は全く寝耳に水でございまして、そのような報道があるということは承知いたしておりますけれども、これは私ども取り上げておりません。
○大出委員 ここにある記事には、先月九日、米国入りしたベレンコ中尉はその後もずっとCIAの手中にあると言われる、CIAは中尉から宝物のようなソ連の機密情報を持ち込むという意味で、なおCIAが押えたままになっておる、意外な真相が将来明るみに出ないとも限らないなんということになっておるのですね。ベトナム戦争の出発なんかにいたしましても、時過ぎて、CIA、グリーンベレー等が大きくかんでいたことがアメリカ議会の聴聞会で明らかにされたり資料が出されたり、唖然とするようなことが起こっているわけでありまして、それを全く外務省はノータッチのままでいるという、これまたちょっと解せないわけでありますけれども、当時こういう文章が流れたことは大臣以下皆さんが恐らく知ったことだと思うのです。それについて相談をしたことはあるのですか。
○木内説明員 その種の報道は私どもにとりましてきわめて疑惑があり過ぎるわけでございまして、相談はいたしておりません。 それから、現在アメリカにありまして米側の当局者の事情聴取に応じておるようでございますが、それがいかなる機関であるかということについては私どもは承知いたしておりません。ただ、アメリカの国務省におきましてソ連側大使館の者と面会したという事実は聞いております。
○大出委員 この「シュテルン」というのは西ドイツ最大の発行部数を持つ週刊誌なんです。これは飛躍があり過ぎましてと、こう言うのですが、言葉じりをとらえるようですが、余りに飛躍があり過ぎるとなると、何か事実があってその上で報道が飛躍があったという理屈になるのですね。何もなければ飛躍も何もない。これは国内に流れたんだから、国民ひとしくこの経過を追って、当初はある意味では昭和の黒船みたいな話で、ペリー来たるの時期みたいな騒ぎが起こったわけですから、全くノータッチというのもちょっと無責任な気が私はいたしますが、これは調べておりますから、後で改めてまた外務大臣その他のところでも取り上げたいと思っております。 法務省の皆さんどうもお忙しいところありがとうございました。それから外務省の方々に資料をいただきたいのと、後ほど駐留軍にお働きの皆さんの給与にかかわる地位協定等の問題がございますので、その件までの間は外務省の皆さんに対する質問はございませんので、ひとつそのようにしていただくように申し上げておきたいと思います。 防衛庁の皆さんに承りたいのでありますが、私はいままで数多い質問は中でよく口にしたことなんですけれども、自衛隊というのは長官が口にされる国民の自衛隊だというのであれば、できる限り真実を国民に知ってもらう努力をしていく必要がある、こういうことをよく私は言ってきているわけであります。 〔委員長退席、木野委員長代理着席〕 今回のミグ函館飛来問題をめぐりましていろいろな言い方を防衛庁の方々はされておりますけれども、実際に今日の自衛隊の持つ武器、装備を含めました機能、この物理的な限界というものがある。このことは私は率直に国民に示しておく必要がある、知らせておく必要がある、こう考えておるわけであります。何遍かいままでこのことに触れて具体的例も挙げまして物を言っておりますが、今回の件もどうもさっきの飛躍じゃありませんが、防衛庁の日ごろのやり方から見て、防衛庁のやっておることに少し飛躍があるような気がするのです。ここに「日本の空の守りは任せとけ」といって防衛庁がおつくりになった漫画があるのですが、この漫画によりますと「ピピピピピ……」とかいてあって、パラボラアンテナが情報をとっているわけです。そうすると「グオオオオ……」なんていってミサイルが飛んでいく。つまり、大抵のものはみんな見つかっちゃって、みんな落っこっちゃうようにかいてあるのです。何とここに書いてあるかというと、「日本の空の守りは任せとけ」。まさに、これじゃどこからも日本に入ってくる余地はないというようなことですね。何だってみんなやっつけちゃうというわけです。これは若い諸君が見ると、いまの世の中は漫画ばやりですから、なかなかのものだ、かっこういいということになる。ところがこの漫画に偽りがあって、ミグ25かなんかが飛び込んできちゃった。みごとに入ってきちゃった。つまり、ここに「日本の空の守りは任せとけ」と言ったたが、この看板に偽りあり、この漫画に偽りありで、どうも大変に国民の税金を使っているんだが、しかし、全く手も足も出ぬでぽんと入っちゃった。そうすると、一体この漫画は何なんだということになる。だから、何でもかんでもみんなつかまえちゃって、みんな落っことしてしまうようなことをかかないで、物理的な限界というものがあることを、真実を明らかにしておく必要がある。それなら驚くことはない。だから、ロッキードの特別委員会で私が別な質問をするときに、長官に冒頭に申し上げておきましたが、がたがたすることはないんじゃないですかということを。機能にはおのずから物理的限界があってのことなんだ、だから慎重にお取り運びを願いたい、言葉の裏に、あんまりはしゃぎ過ぎぬでいただきたいという気持ちも実はあった。徹底的に調べるんだなんていうことをあちこちでがたがた言い出すことは、気をつけないというと国際関係をおかしくするという気もありましてね。マイアミの例のキューバの飛行機が飛んできたこともちょっと触れまして、私はとっさに頭にそれがあったからああ言ったわけですけれども、あれはすぐのときですからね。後からいろんなものも取り上げておりますが……。 そこで承りたいのですが、このベレンコという中尉の方がサカロフカという基地を飛行機で出てきたわけですね。千歳まで六百六十キロあるのですね。それで、自供によれば、沿海州から二百キロ離れた日本海の中央部で高度を四千五百メートルに上げたというわけですね。それまでは海上五十メートルくらいの高度で進んできた。これはソビエトのレーダーからの離脱を考えたのでしょう。そうすると、たとえばこの侵入地点といいますか、仮に侵入地点といたしますと、沿海州から二百キロ離れたところで四千五百に上げた。これは、日本の領海に入って高度を上げたということですからね。そういう意味では、侵入地点になるのであろうと思うのでありますが、このときに日本のレーダーというのは、北部航空方面隊傘下のレーダーというのは、つまり捕捉可能なレーダーというのはこの時点で何カ所あるのですか。
○伊藤(圭)政府委員 いま先生がおっしゃいました中で、四千五百メートルというのは八千五百メートルでございます。一万九千フィートでございます。この時点でとらえるレーダーは、秋田にございます加茂、大湊、奥尻それから当別でございました。
○大出委員 念のために承っておきますが、この北部航空方面隊傘下のレーダーというのは幾つございますか。
○伊藤(圭)政府委員 たしか九カ所だったと記憶いたしております。
○大出委員 そうしますと、稚内、当別、奥尻、網走、根室、襟裳がありますね。大湊、加茂、山田ということですね。九つのレーダーがありますが、この中でまず稚内が入りませんね。それから、いま加茂とおっしゃいましたが、加茂も実は入らぬですね。あなたの方が加茂ということをおっしゃるならば、これは物理的限界をはっきりしておきたいと思って申し上げているのですから、加茂でどうして入るかという理由を承りたいのです。
○伊藤(圭)政府委員 高度一万九千フィートで、ちょうどあの地点が加茂から何マイルあったかちょっと記憶いたしておりませんが、報告では、加茂のレーダーサイトと四カ所でとらえたという報告が参っております。
○大出委員 私は、ここに皆さんの方から出た資料を基礎にして書かれている文章がありまして、この中に四千五百と書いてありますからそう申し上げたのですが、八千なら八千でもいいのです。つまり捜索用のレーダーですね、これはUHFを使用している捜索用レーダー。この捕捉可能な範囲というのはどういう計算をなさいますか。
○伊藤(圭)政府委員 レーダーの捕捉可能な範囲というのは、飛んでくる飛行機の高度によって違います。それで何万フィートの高さであれば約何キロ、それから何千フィートであれば何キロという形で私どもは計算をいたしておりますが、いろいろ天候の状況などもございまして、その高さでその方向に飛んできた場合に、必ずその地点でつかまるということはない場合もあるというふうに聞いております。
○大出委員 UHFを使用する場合の捜索用レーダーですと、このレーダー波というのはちょうど光に似た性格なんですね。したがって直進をするわけであります。つまり地球の陰になる部分——地平線以遠と、こう言ったらいいのでしょうけれども、だからOTHなどつくるわけでありますけれども、ここは到達しないのは当然であります。したがいまして、光の到達距離、地球の半径をRとしまして、電源の高さを大文字のHとして、それから目標の高さは小文字のh、こういう標識を使いまして、√2RH+√2Rh、つまり算式が決まっているわけですね。それの一・一六倍、つまり光ではありませんから。これがレーダー到達距離等を示す公式なんですね。公式を使って稚内、当別、奥尻、大湊、加茂、ずっと調べてみますと、先ほど申し上げた諸元で、加茂の場合には三百八十六キロという数字が出てくる。到達範囲が三百八十六キロメートル。 そうなりますと、沿海州から二百キロということになると、もう何十キロか南下してきませんと加茂のレーダーの可能範囲に入らない。方向がはっきりしているから加茂に命令を出すことは可能だと思うのですね。しかし私が申し上げた沿海州から二百キロの地点で、八千なら八千に上がったこの時点で加茂のサイトでつかまえられるか、これは物理的に不可能な話。もっと近づけば入る。輝点になって浮いてきて、こういう形ですね。そうすると、入ってきた目標に対して北部方面隊が持っている九つのレーダーでとらえられる範囲というのは物理的に決まっているわけですね。飛び上がったところでは三つしかレーダーに入らない。それがもっと南下してくると、加茂まで入って四つになる。これが限界なんです。だから日本のレーダーというのは、防衛庁がやっているバッジシステムを入れてやってきたレーダーというのはこういうことなんだということを、私に言わせればなぜ明らかにしないか。言いわけめいたことを言っても意味がない。物理的にこうなっているのだということをなぜはっきりしないのか。そうでなければ国民の疑惑は解けない。こんな漫画があって、何でもかんでも大丈夫になっているわけですから。 そこでもう一つ承っておきたいのですが、これが大体どのくらいレーダーでとらえていたかという、これは皆さんの方でおわかりでしょうから、とりあえずそれをまず述べていただきたい。
○伊藤(圭)政府委員 一時十一分から一時二十六分の間でございます。そしてその高度は一万九千フィートから一万フィート、そしてその二十六分以降急に高度を落としたためにその時点で見失っております。一時三十五分の時点で奥尻島の南の方でもう一度スコープに出ているようでございますが、これは瞬間的で、すぐ消えて、その後はつかむことができなかったということでございます。
○大出委員 そこで、この瀬棚町の上空で見失って、三十分間にわたって行方がつかめなかった、こうなっているのですね、ちらっと出たというようなことがいまありましたが。そうすると、ここまで来て、高度を下げたというものの大変近くに来ているわけですね、当然。なぜここで見失うことになるかというのです。ここは一体どういう物理的な理由があるわけですか。
○伊藤(圭)政府委員 ただいまの瀬棚の上空ですぐ見失ったというわけではございませんで、それから陸上に入りまして、瀬棚で領空侵犯をした時期というのが二十二分でございまして、このときはまだ見ておったわけでございます。それからやや陸地に入りまして、再び海津線の方に出ようとして、出た時点で見失っておるわけでございますが、レーダーの波というのが、先ほど先生もおっしゃいましたように直線を行ってつかまえられない場合と、それから低空になりましたときには地上からの電波のはね返り、あるいは海上からのはね返り、そういうもので、実際にはスコープでつかまえていてもそういうクラッターによって確認できなくなるということがあるわけでございまして、そのことがちょうどこの二十六分の高度をぐっと下げた時点で、スコープの上でとらえ得なくなったということだと報告を受けております。
○大出委員 そこで承りたいのですが、これもまた明らかにすべきだと私は思っている。いまのようないいかげんなことでは因る。これは科学的な機械なんですから、記録もあるわけですから。 そこで、本来レーダーというのは一つの指向性を持っているわけですね。束のようになって出ていくわけですね。したがいまして、レーダーサイトの比較的近いところに当然死角ができますね。私も方々のサイトを歩いておりますが、佐渡の金北山にしたって能登の輪島にしたって、みんな高いところにあるわけですからね。いま奥尻の話が出ましたが、奥尻のあるところというのは五百八十四メートルの高さなんです。そうしますと、どうしても、これは物理的に計算できますが、周辺の数十キロにわたって、サイトより低く入られると死角になって、これは物理的にとらえられない。そこに入れば消えてしまう。これは仕方がないのです。うまいも下手もない、そうできているのだから。ビームだ云々だと言うけれども、その前にこの計算をしますと、瀬棚町から少し入ってきたところで消えていくというのは、死角なんです。クラッターじゃない、死角に入っていくのですね、これははっきり。そうするとこれはとらえようがない。だから消える。おまけにこの渡島半島の周辺というのは、大体山が千メートルなんですね。そうすると、これはまた、そこにぶつかればとらえようがない。だから、そういう物理的な機能の限界というものをはっきりさせる。だから消えた。とらえようがない。この点ははっきりしませんと、おれたち国民の税金をいっぱいかけてこしらえたものが何だということになっているわけですから、それじゃ私は説明がつかぬと思うのですよ。 そこで、これは坂田長官は空幕のオペレーションセンターで記録テープを点検されたんでしょう。説明聞いたんでしょう。伊藤さん、あなたが聞いたんですか。——じゃ、ここでもう一つ問題がある。F4Eファントムを使って、これは長官の命令ですか、二機飛んだのでしょう。ファントムがなぜとらえられなかったか。ここらだって説明つかぬでしょう。このオペレーションセンターのテープを点検されたんなら、このときにファントムというのは二機飛んで行ったんだが、レーダーでとらえていたんだから、当然交信はあったんでしょう、どこにあり、地点はどこというのは。そうでしょう。だから、そうだとすれば、これはCC、DCというのは三沢しかないのですからね。あそこだけは変っているわけで、あそこはCCとDCが一緒にある。そうでしょう。管制所と指揮所とと一緒になっている。SOCがこっち側にある。こういうわけでしょう。そうすると一元化されているんですからね、九つのレーダーがあって。しかもバッジシステムなんでしょう。そうなれば、ファントムが飛んでいくときには位置がはっきりしていて飛んで行っているわけですから、それが一体なぜとらえられないのですか、説明してください。
○伊藤(圭)政府委員 ファントムが一時二十分に発進をいたしまして、瀬棚を通過した時点で一度レーダーでつかまえているようでございます。そのときの距離が四十五マイルあったようでございますが、すでに御承知のようにこの時期におきましては、この付近の天候というのはきわめて悪くて、一万フイト以下のところにかなり厚い雲があったようでございます。それでレーダーでつかまえましてその後を追っていく形になったわけでございますが、ファントムの方がやはり位置としてはかなり高いところにあったようでございます。それで、上からこれを追かけるような形になったわけでございますが、一つには御承知のように天候が悪かったものでございますから、レーダーでつかまえてさらに視認をするところまで近寄るということを多少ためらったところがあるようでございます。と同時に、上から追っかけておりまして、いわゆるルックダウン能力の、不足といいますか、そういった意味で約三十秒間フォローした後スコープの中でこれを見失っているようでございます。
○大出委員 長官、ここにももう一つ大きな問題があるのですね。私も防衛に関するこの委員会にかかわり合いが長いものですから、ファントムの採用をめぐりましても、バッジの採用をめぐりましても、いろいろな問題がありました。山口空将補が亡くなられる。その前に森田装備局長が鉄道でお亡くなりになる。川崎空佐が逮捕される。増田甲子七さんが防衛庁長官でございまして、予算委員会に引張り出されまして私は緊急質問いたしましたが、この時に大騒動になっちゃったのですね。バッジなんというのはもう欠陥だらけで動かぬのです。だから百三十億のはずだったものが二百五十四億結果的にかかったわけです。しかも飛行機、この時にはFXも絡んでいる、決定はファントムですよ。だからずいぶんこの議論をいたしましたが、このときのファントムの性能というものに対しての政府の皆さんの答弁は、ここにございますが、つまりファントムが持つ対空レーダー、これはいまルックダウンの能力が云々とおっしゃいましたが、そんな生やさしいことじゃないですよ。クラッターの話もしましたが、これもそんないいかげんじゃないですよ。つまりルックダウンをすれば、そのレーダーの働きというものは、山にもぶつかれば海面にもぶつかる、反射をする、光線が乱れる、言うならばクラッターですよ、それを除去する性能を確実に備えた飛行機である。だからクラッターに左右されない。しかも低空移動目標というものを、雲があっても耐日性、耐雲性に強いのだから一遍でわかるという、そういうことが明確にされて、それではということになったのだ、F4ファントムというものは。今度はいまぐらいのことでレーダーで全部わかっていて、奥尻でつかまえていて、近くになったら加茂に入るのですから、わかっている。バッジシステムができている。バッジなんというものは当時の説明によれば大変なことなんですよ。SSというのは沖縄に四ヵ所、本土に二十四ヵ所あるわけですがね。沖縄は、これは外れていますが、本土の二十四カ所のSSというものは、全部コンピューターでつながってバッジシステムで一元化されている。 そういうことで、つまり数十秒という瞬間的時間の中で百五種類のサービスを同時に八十カ所に送る、これが当時のバッジシステムの能書きの最たるものです。それだけのものがあってファントムが飛んでいる。ファントム購入のときの政府の説明からすれば、クラッターなんというものは全部除去されていて、クラッターがあっても的確に移動目標がとらえられる。雲の中だって何だって、赤外線の照準装置までついているのですからね。だから確実にとらえられるということで購入したわけですね。 ところが、これが一体何で——いまのように中間で一遍とらえているのだから、しかもファントム自身が一遍とらえたんだとするならば、天気がちょっと悪かったからとか、あるいはクラッターがあるからとか、そんなものは理由にならない。なぜ一体こんなばかなことになっているか。これは、売り込むためにのみの商社やあるいは製作社が言ったことをうのみにして政府が答えたんだというなら、いまさら国民に対して申し開きができない。長官、これは一体どう説明するのですか。
○伊藤(圭)政府委員 確かにそういういい飛行機だということでファントムの採用が決定したと私も記憶いたしております。そのいい飛行機になぜそういうことがあったかというのは、私ども、さらにその原因をもう少し研究して、また御説明申し上げたいと思っております。
○大出委員 しかも、これは私が必要があって調べて、ある総合誌に原稿を書かされたわけですが、一番最初ファントムの単価は一機十三億だったのですよ、私の質問にお答えになったのは。ところが、ファントムは言い値が十三億ということだったのが、契約時になったら二十億三千五百万円になったのですよ。それで五十年度、五十一年度の予算単価を調べてみると、何と一機三十四億なんですよ。十三億だったのを二十億三千五百万で契約した。それが三十四億円だ。今度は三十七億だという。これだけべらぼうな金を払っている。バッジだって百三十億で入ってきた。ところが、これは欠陥だらけで動かない。そこで結局二百五十四億になった。これを称して増田甲子七防衛庁長官は私の質問に対して、防衛庁というのは伏魔殿だと本人が言う。なぜ伏魔殿かと私が逆に聞いた、変な話だが。そうして私が、これは長官として約束が少し違いはせぬか、単価が高いじゃないか、言うたびに高くなる、どうなっているか全くわからぬ。——これは当時の増田さんの答弁です。議事録に残っています。そういうことになっている大変な機器なんでしょう、国民の税金を大変使っているのだから。 私がさっきから申し上げているのは、何かダダダダーンと飛んでいて、空の守りは任しておけというようなことで漫画かいているだけで能がないのですよ。そんなことをするから、ああいうものが来ると黒船になってしまう。そうじゃなくて、このレーダーの持っておる物理的機能の限界というものをきちっとしておく。そうしてファントムならファントムというものもそういう約束で購入をしたのだが、しかしかくのごとき欠陥を今日持っている、だから限界はこうなんだということをはっきりさせる必要がある。それは長官、そうでしょう。F104だって耐日性、耐雲性が強いのだとさんざん宣伝されたはずでしょう。西ドイツのように百七十七機も落っこっちゃったりする。日本だって、装備していきなり千歳で、もちろん一年ばかりたちましたが、104が落っこって、当時の小川二佐が文芸暮秋に「棺おけのような飛行機だ」といって論文書いてやめたでしょう。だからそういうところは皆さんの方で、こういう体裁のいい隠し事をしないで、物理的限界を明確にする。そうでなければならないはずなんです。ところがさっきのこれを見ても、どうも言いわけみたいな響き方だらけになっている。これでは物事は少しも本質に迫らない。かくて日本の防衛力の実態というものだって明らかにならない。長官、これをどうお考えですか。なぜここをはっきりさせないのですか。
○坂田国務大臣 大出さんの御質問の趣旨は私もよくわかるわけでございまして、やはりおのずとその物理的限界というものをはっきりすべきで、それを承知した上で国民にもそれをわからせる、そうすることによって防衛問題について協力を求めるという姿勢が必要だと思います。その基本的考え方に私は大賛成です。従来はやはりそういうところが欠けておったと私は思う。したがいまして、実は防衛白書でわりあいにオープンに出したつもりであります。しかし、まだこれにも限界がある。 それからいま一つは、われわれがこれを承知し、また国会議員の皆さん方にある程度その限界をお示しするということは大切なんだけれども、余り何でもかんでもさらけ出すことが防衛上いいかどうかという別な観点もあるという意味のことでございまして、こちらでPRしておるのが、こういうふうにして防空をやっているんだという限界まではいっていない。しかし、まずどういう体制にあるかということすら国民にわかっていないという部面があるわけでございまして、大出さんみたいにわかっておられる方がたくさんおられると私も非常に心強いわけでございますけれども、そうじゃないわけで、そこには発展段階に応じたやり方というものがやはり一つある。しかし、われわれ防衛庁が、防衛の責任を負っておる者としましては、いまのような物理的限界というものをはっきり承知をして、新しい飛行機を買う場合あるいはバッジシステムを取り入れる場合に、厳格にこれを承知しておらなければうそだというふうに私は思うのであります。これからはやはりそういうものを詰めていかなければならぬというふうに私は思います。
○大出委員 それは長官、そんなことを言ったって、答弁なさる伊藤防衛局長自身がどうもさっぱり科学的な、基本になるべきところから外れた答えをされたんじゃ、それでおまけに国民のレベルがそうだからなんと言うんでは、これは愚民政策じゃないですか。そんな無礼な話はないですよ、国民主権、こうなっておるいまの世の中に。そうでしょう、長官。だからその基本に欠けたんじゃ困る。 だから、さっきアメリカの例のキューバの話が出ましたが、これだってキューバの空軍少尉がミグ17でフロリダ州ホームステッド基地に亡命したのでしょう。これはフロリダのホームステッドという基地ですよ。このときの記録を見ますと、このミグ17というのはメキシコ湾上を高度十数メートルで飛んだ。近いですからね。それでなければいきなりレーダーにつかまるから。海上十数メートル、すれすれですよ。それで飛んできて、米本土から百六十キロの地点で方向を見定めて上昇した。レーダーにとらえられようとして上昇した。百六十キロだから目の先ですね。それでさぁあわてたわけです。そこからホームステッドの基地まで九分しかかからない。幾らあわを食ったって、九分じゃ、これはどうしようもないです。そうでしょう。そこでスクランブル云々と言ったってどうしようもない。それで着いてしまった。そのときに、鳥の群れかと思って指令を出さなかったと言ったらたたかれた。アメリカの国民、そんなにばかじゃないですな。ふざけるなということでたたかれて、いまのことが明らかになった。そうでしょう。だから私は、ごまかしはいけないと言うのです。もう百六十キロまで来ちゃって気がついたんだが、手も足も出なかったと言えばいいんだけれども、さすがにメンツがあるのでそう言いたくないものだから、とらえたんだけれども、緊張しておるわけじゃないし、そんなことはわからないから、鳥の群れか何かの誤影だと思ったと言った。それが騒ぎになっておるのですね、当時の記録によると。 だから、そこらのところが、きょう長官が御説明になったのを聞いていて、さっき加藤さんが質問されていたけれども、余りといえばどうもお粗末きわまると思いまして、それじゃ困るじゃないかと私は念を押しておるわけなんですよ。 そこで、時間がありませんからもう一つ聞きますが、ここで皆さんが何と言ったかというと、さっきもお答えなさいましたが、事件発生後、防衛当局は直ちにそういう弱点を克服するため警戒監視などの防衛体制を強化する必要があるとして——だから警戒監視などの体制強化を現状でまず図ろうと言う。図ったって、物理的限界があるんですから、その限界以上のことはできないのだ。科学的機器なんですから、正直なんですから。ここに一つ問題がある。あわせて次期防における新戦闘機FXの選定だとか、それから早期警戒網AEWの導入を説いている。 それから三木総理は何と言ったかというと、九月七日の閣議で、装備を近代化し相手に警戒心を、国民に安心感を与える必要がある。これは三木さん、うまいことを言ったんだが、坂田さんの入れ知恵だろうと思う。坂田さん、書いて持っていったんじゃないかと思うのです。装備を近代化し、相手に警戒心を、国民に安心感を与える必要がある、これはなかなかうまいです。簡にして要を得ている。これはみごとなできばえです。だが、この言い方というのは、いささか政治的に過ぎる。これじゃ四次防で、FXはいいものを、AEWも、こういうことになる。 そこで承りたいのですが、AEWというものについては、先ほど御答弁がありましたが、それだけじゃ困る。これはある時点で、四十一年ですから十年前ですかね、研究開発費をつけて皆さんは研究なさってきたんでしょう。ぼくが知っている限りでは、AEWを研究してきた成果というのは、いまどこにも出ていないですね。研究開発費がついてAEWを研究してきたんだが、どうなんだということは何もないですね。それで一遍だけあったのは、昭和五十二年度から始まるポスト四次防で、とりあえずワンポイント——皆さんはワンポイント五機というのです。そうでしょう。ワンポイント五機、この程度を購入する、こうだった。そうすると、このAEWワンポイント五機と言っていたのは、一体どこに行ったのか。長官、これはいかがですか。
○伊藤(圭)政府委員 いまのどこに行ったのかというお話、ちょっと御質問の趣旨がよくわかりませんけれども、(大出委員「買うのか買わぬのか、どっちだ」と呼ぶ)いま先生おっしゃいましたように、四十一年からAEWについて研究開発費をつけて研究したいと思っておりましたけれども、実際は研究開発費はつかなかったと私は記憶いたしております。それで、その時点では普通の調査の中でやっておったというふうでございますが、その研究開発の関係につきましては装備局長からお答え申し上げますけれども、いまでもやはりAEWにつきましては、基盤的防衛力の中でその機能だけは持ちたいというふうに考えておる次第でございます。
○大出委員 いまのところを突っ込んで言うと時間がなくなりますから、後でお調べいただけばわかりますからやめますけれども、必要なことがございますから承っておきたい。 AEWは持ちたいという基本的な態度である。そうするとワンポイント五機とにかく持とうという話になった。ワンポイント五機という意味は、日本海の北から南まで流していきますと、AEWというものは、たとえばスカイホークですか、あれはE2Cホークアイですか、エンタープライズなんかの前の方を飛んでこうやっているものですよ。もともとAEWの出発は、空母を守るためにつくったんです。そうすると、日本の沿海から二百キロ出て、そこで飛んでいると、このE2Cホークアイ、スカイホークならスカイホークのレーダー索敵範囲は二百キロありますから、これは四百キロレーダーに入れられる。つまりそれで日本海側をカバーするとなると五機は要る、こういう発想なんですよ。 そこで、いま基本的に持ちたいというんだが、予算構成からいくというと十二月なんですね。いまの概算要求にないんですね。FXもPXLも、それからいまのAEWもない。そうすると、一つ間違うと、選挙なんかやっているうちにぽかり予算の原案が決まったら、その中に積み込まれているかもしれない。そうなりかねない。だから基本的に聞いておきたいんだが、長官、今回の事件等を通じてこのAEWがクローズアップされてきているんだが、いまの基本的なワンポイント五機ということ、金は高いですけれども、どうお考えですか。
○坂田国務大臣 先ほど加藤委員の御質問にも答えましたように、やはり将来AEWというものは必要である、そのための研究開発予算というのは考えなければなるまいということは、いまも変わらないわけでございます。しかし、その前にやるべきことがあるんじゃないかというのが実は私の考え方でございまして、警戒監視体制という意味は、正面装備も大切だけれども、やはりこういうような機能、後方支援体制と申しますか、そういうものがアンバランスでは実際のときに役に立たぬのじゃないかという私の発想でございまして、AEWそのものは非常にお金も高いし、それから、それで日本列島全体をカバーするということについては莫大なお金も要るということなんであります。 先ほどのお話のフロリダ州に着陸をいたしましたときにも、アメリカはAEWは持っておったわけであります。持っておったけれども、これは機能していない。夜間だから恐らく飛ばしていないと思うのでございますが、そういうわけでございます。しかし、将来の問題としては、やはりここには穴があくわけでございますから、AEWというものは考えなければいけない。これはポスト四次防で考える。いまポイント五機と言われたようでございますけれども、われわれの方でポイント五機とか三機とかいうのは最終的にはまだ決まっていない段階でございます。
○大出委員 そうしますと、これだけはいいですか。ポスト四次防でAEWを考えたい、こう思っている、こういうふうに理解してよろしゅうございますか、長官。
○伊藤(圭)政府委員 これは基盤的防衛力の中でこういった機能を持ちたいということを考えておりまして、それをポスト四次防の中でどういう形でどの程度入れるかというのはまだ決まっておりませんで、いま私どもの方で作業している段階でございます。
○大出委員 いま坂田長官が、情報連絡だとかそういう足らざるところをもっとしっかりやりたいとさっきもお答えになりましたが、当面それをやりたい、しかし、そこから先、欠けたるところだからポスト四次防の中でAEWみたいなものを——AEWと言ったって一つじゃありませんから、考えたい、こういうお話だった。それが考え方の基本だと。それは長官、よろしゅうございましょう。
○坂田国務大臣 それはそのとおりでございます。
○大出委員 そこで、基本的にその考え方があるとすれば、私はここでもう一つ突っ込んで承りたいのですが、私の考え方をここでずばり言えば、AEWなんというものを装備する必要はないというのが実は私の考えなんですよ。なぜかと言いますと、宝の持ち腐れで、こじきが馬をもらったようなことになると私は言うんだ。いまミグ25が入ってきちゃったという現実は、私に言わせると、いまの自衛隊の諸装備、武器を含めまして、この機能する限度というものがあって、何もミグ25が入ってきた、そこだけに足らざるものがあるんじゃないと私は言うんだ。たとえば千歳なら千歳、北海道、これは対ソシフトをしいている自衛隊ですから、五十機なら五十機の104なりファントムなりがいるとする。パイロットが八十人ばかりいるとする。一機向こうさんが飛んでくれば、スクランブルをかけるのは二機なんだから、三機入ってくれば六機かけなければスクランブルにならぬのだから、そうすると、二百機だ、三百機だ来なくったって、三機編隊に六、七回来られたら、一人のパイロットの肉体的能力で、スクランブル五、六回かけるのに参画したら、はって歩くようになっちゃいますよ。ハンガーがあいて、があんと鳴って、ばあっと出て行って、ばっばっばっばっと飛んでいくということを、これは一人の肉体的条件として五回か六回やったら、その人の足腰は立たぬのだから、パイロットの数からいってそれでおしまいなんだから、早い話が。そうでしょう。それが対ソシフトをしくわが自衛隊の航空の力の一つの限界を示している。それは百里から飛んでいくとか、いろいろありますけれども、大ざっぱに言えば、向こうには二千機からあるのだから、その点は限界がある。 そうすると、そこを考えて、いまの基盤的防衛力だとか専守防衛だとか言っているわけでしょう。一%だとか言っているわけでしょう。そこにAEWということになるとどうなるかというと、最初に気象観測に富士山頂レーダーを入れたり、四時間しか動かない。これは人と予算の関係ですよ。そうなる。これはE2ホークアイの場合に四時間なんですよ、一機の索敵限度というのは四時間。そうすると四時間で交代なんですよ。それで二十四時間飛ばしていなければ意味がないんですよ。これは高いところを飛ぶんですからね。そうすると、高いところを飛ぶのだから、相手のレーダーには間違いなく入るんですよ。向こうのレーダーから見れば、ホークアイがいま飛んでいるじゃないか、E2が飛んでいるよ、AEWが飛んでいるよ、こうなる。ソビエトが見たって韓国が見たってどこが見たって飛んでいるのがわかるのだから、飛んでいるところへ入っていけば見つかってしまうんだということになれば飛んでいかない。そうすると、それじゃ二十四時間、三百六十五日ぶっ続けて五年でも十年でも飛ばしておいたらどうなるか。維持費は一体どうなるか。管理費は一体どうなるか。私の計算によりますと、この維持費、たとえば二十機なら二十機というものをもってオールカバーをする、AEW二十機買って。その場合に、一年間の維持費を計算すると、常時飛ばすのですから、一千億円かかります。これは一兆かそこらの予算の中で何百億あるいは一一千億なんというものをそっちに使えるはずがない。そうすれば常時飛ばしているわけにいかないから、たまに飛ばすことになる。たまに飛ばせば、飛んでいないときはわかっているのだから、入ってこようと思えば来られるということになる。これは同じことだ。 だからそういう意味で、これから先、ポスト四次防でお考えになるという基本的な考え方はわかりましたが、しかし、もしそこまで考えるのだとするならば、その維持費というのはこういうものになる、しかもそれを細切れに飛ばしていたのじゃ、その穴のときに飛んでこられればわからないのだから、いまのレーダーの機能の限界で防ぎようがないのだからということをこれはやはり明らかにしなければ、国民をだますことになる。だから、もしもAEWをポスト四次防で考えるという基本線が間違いないなら、それは研究の段階で、AEWというものを維持していく、飛ばしておくのだから、そこへ置いておいていいんじゃないのだから、そのためにかかる費用というものは皆さんの方も明らかにしておく必要がある。大臣、いかがでございましょう。
○坂田国務大臣 先ほど申しますように、われわれとしては、基盤的防衛構想の中にはそういう機能が欠けておるから、やはりそういうものを考えなきゃいくまい、それはやはりAEWではないだろうか、こう言う。それに対してポスト四次防はどうなるかということにつきましては、いまわれわれが考えていますのは、まだ何機をどうだというところまでは実は考えていないわけでございます。やはりこういう多額の金を要し、そしてその限界というようなものは国民の前に明らかにすべきであるというふうに思います。先生のお話を聞いていて、非常によくわかりました。
○大出委員 そこで、これまた予算の概算にありませんで、選挙などもありますので心配になりますから承っておきたいのでありますが、FXとPXLであります。 FXに関して、最近妙な文書が流れている。私も、これを載せた専門誌なんかもありましたので、方々聞いてみましたら、なるほど、そうたくさんの部数ではないようでありますが、流れている。題して「F14、F15、F16についての研究」というわけですな。これは御存じでございますか。
○伊藤(圭)政府委員 出ているということは承知いたしておりますけれども、内容は私、まだ詳しく読んでおりません。
○大出委員 伊藤さん、そんなのんきなことを言わぬで、ここに「軍事研究」の九月号に細かく書いてあるじゃないですか。私はこれを見て気がついて、方々聞いてみたんだ。なるほどということですよ。ところが、これは中身をいろいろ読んでみると、これもまたとてつもない気がするのですね。まず私が驚くのは——私も御存じのとおり最初からFX問題を取り上げておりますので、そう素人のつもりはない。104のときでも、ファントムのときでも、今回も、調べるだけは調べているわけですから。ところが、このみごとな資料を駆使しているこの中身、これはあなた方が調査団で行っておまとめになったって、結論はおのおの違うのだろうけれども、資料としてはこんなものしか出てこないのじゃないかと思うぐらいのもの。そうすると、これは一航空評論家やジャーナリストがこんなものを書ける筋合いじゃないですね。こんな資料、とてつもないものを持ってこられるわけもない。そうすると、一体この資料というものはどこから出てきたんだという——これは意図あってどこかのメーカーが出したのだというなら、これはわからぬわけではない。わからぬわけではないんだが、それにしては、これはグラマンならグラマンが出したとすれば、相当これはアメリカ政府の側との——これは委託開発ですからね、アメリカ政府の側との関係がなければ、こんなものが表にのこのこ出てくる筋合いのものじゃないという気がする場所が幾つもある。翼面荷重なんかの計算にしてもですね。だから、この根源は一体どこにあって何がねらいなのか、ここのところは一体あなた方はどういうふうにお考えなんでございますか。大変不愉快なんだ。
○江口政府委員 御指摘の記事でございますが、私も一読はいたしました。しかしながら、何分私自身はその道の専門家ではございませんので、技術的な点は非常に弱いわけでございます。しかしながら、確かに御指摘のような非常によく出たかと思うような点が数ヵ所ございます。それから、その点はまた脚注にもそういうようなことも書いてあるように思います。ただ、遺憾ながら、それがどういうルートで出たかということは、実はいまのところ私どもはよくわかっておりません。したがって、そういうものが出るということ自体問題でございますし、よく調査をいたしたいと思います。
○大出委員 これは過去の例もありまして、いろいろなものが、いいかげんな化け物が引っ込む時期になってばたばた出てくることになる。この文中にも解説がありますが、大変に意図的だと見なければならぬ個所がこの中には幾つもある。エンジン一つ取り上げましても、少ない方から順番に言えばF14、15、16、このエンジン比較をしているのですね。何のことはない、結論を言えば、これは14Aですが、まことにりっぱなエンジンだ、一番いいんだ、こうなっているわけですね。ところが、現実に、事実に即して物を言えば、これはアメリカで事故が起こって——これは承っておきたいのですが、事故のために全面的に飛行停止になっていましたから、皆さんの調査団は、ほかの方は帰って五人が残って14の飛行再開までお待ちになったのでしょう。エンジンがよくてそんな事故がやたら起こったらたまったものではないので、イランだって第一回発注分だけで二百機F14を買うことになっているわけですけれども、後続機はやめてしまった、そういう現実があるでしょう。皆さんの方の調査団はそこのところはどうなっているのですか。待っていて、とにかく乗ってきたのですか。団長以下五人ばかり待っていたわけだから、乗って調べてきたのですか。再開まで待ったのですか。
○伊藤(圭)政府委員 調査団は、残った者が乗って帰ってきたという報告を受けております。
○大出委員 記録には団長以下五人になっているが、団長さんも残ったのですか。
○伊藤(圭)政府委員 団長は残っていたようでございます。
○大出委員 そうすると、アメリカの海軍は、14AではまずいからBにしろと言う。新エンジンを開発するとなると、また相当な期間がかかる。それまでは14というのは機能しない。そこのところはどういうふうに聞いておられますか。いかがでございますか。
○江口政府委員 これも実は、俗に言う答申というようなものは幕の方からまだございませんので、私は正式に聞いておるわけではございません。ただ、若干の情報として聞いておりますところによりますと、現在のF14のエンジンというのは、御承知のようにまだ古いエンジンでございます。で、新しいF401というのが出て装備されますのが七九年ごろでございます。したがいまして、その間は御指摘のような間があくわけでございます。しかしながら、いま対象にしておりますのは古いエンジンのものを一応対象にしておる、こういうことであると思います。
○大出委員 そこまで江口さんわかっておられればそれでいいので、この401をB型と言うんだそうですけれども、これができ上がるのにはまだ相当な年月がかかるとなると、エンジントラブル等があり、人身事故が起こって全面飛行停止になってしまった14、これは確かにその意味では選定上のハンディキャップでしょう。ところが、この文書の中身というのは、何もかもみんなF14がいいと言わんばかりの書き方なんですね。しかも詳細な資料を持って、これはマル秘じゃないかなと思うような資料まである。ぼくらが全然知らない資料がある。そうだとすると、これはここに意図ありですね。非常に不明朗だと私は思う。ロッキード問題がこんな騒ぎになっていて、まだこんなものを出すところ、こんなものは皆さんが調べる責任があると思うのですよ。世の中に流れたんだから、目に触れているんだから、これを調べる責任がありますよ。出どころをお調べになりますか、いかがでございますか。
○江口政府委員 余り自信はございませんが、極力調べてみたいと思っております。
○大出委員 これは冗談だけれども、ときに自衛隊の中のこともわからないんだからそれはなかなかむずかしいと思いますけれども、これは不明朗だからお調べくださいよ。不愉快千万です。よけいなことを書く一般の紙誌もあります。14、15、16と三つあって——私どもは非武装中立を標榜する党でございますけれども、数の多数で皆さんが結果的にFXを買い続けてきているんだから、そうだとするならば、わけのわからぬ政治がかったものや、わけのわからぬ性能のものは、NATOに売り込むためにごしらえたなんていう何々戦闘機なんという名のつくものはやめなさいというのが私どもの初めからの議論です。そして、乗る方が責任を負える、これがいいと本当にお思いになるものをというふうに考えてあげるのが筋だろう。しかも、皆さんの側に立って考えれば、戦略体系から言ってそれなりのよりどころがあるはずだということになるとすればこうじゃないかということを言っててきているわけですね。だから、皆さんの方がそういうことで選定をなさっているときに、こんなものが出てくることはがまんがならぬ。 そこで、いま航空幕僚長が坂田防衛庁長官にF15採用を正式に上申するんだと私は思っているんですけれども、つまりその上申は十三日ごろになるのですか、いかがでございますか。
○伊藤(圭)政府委員 その期日はまだ聞いておりません。決まっておりません。
○大出委員 じゃ十月の中旬というふうに考えてよろしゅうございますか。
○伊藤(圭)政府委員 作業としてはそういうようなことを目標にしているかと思いますけれども、それもはっきりいたしておりません。
○大出委員 時間がなくなりましたが、いままでの経過等からいきまして、F15というのは、これは日商岩井ですか。
○江口政府委員 ソールエージェント契約といたしましては日商岩井でございます。
○大出委員 ファントムも日商岩井だったですね。ファントムのときは、いま総務会長の松野頼三さんが防衛庁長官ですね。
○江口政府委員 ファントムのときも日商岩井でございます。
○大出委員 ファントムのときは日商岩井で、今回も15になると日商岩井というわけですね。日商岩井の海部副社長はロッキード事件をよく知っている人だと言われていたんだが、アメリカに長期滞在ということだったですね。F15というのは、この限りでは大分進んでいるというふうに見られるわけです。その辺のところは一つ一つ挙げている時間がないのですけれども、いままでの経過から見ると、F15ということになりそうな幾つもの証拠といいますか、ございます。そこらのところは、皆さんは内局の側としてどういうふうにお感じでございますか。
○伊藤(圭)政府委員 まだ上申もございませんし、防衛庁としての態度がどのように決まるかは、まだ大臣に判断をいただくような資料はそろっておりません。
○大出委員 もう一つ承っておきますが、ライセンスになるのかならぬのかという問題があります。恐らく15の方はライセンスだろうと思うんですが、メーンその他含めて三社が価格調査、調整等にアメリカに行っておりますね。一つは三菱重工、一つは石川島播磨重工、それから三菱電機、これはおのおの分担が違うわけですね。ここらのところは、行った結果として先月の十八日にそれぞれの見積書を出したというのですが、出ておりますか。
○江口政府委員 御指摘の三グループでございますが、確かに先方のアメリカの方に参っております。その見積もりと申しますか、一応向こうで聞いてまいりましたところの数字等は関係幕僚部の方には提出されておると思います。
○大出委員 そうすると、三菱重工は機体、石川島播磨重工はエンジン、三菱電機はそのほかの電子機器等ですね。エンジンは、さっき言ったようにF14のエンジンは古いのであって、まだちょっとできそうもない。そうなると、調べるといえば、新しいのはできてないんだから、いまの古いのを調べるしかない。そうすると、どうもある方に傾くのは無理もない。そこらの十八日に出されたいきさつ等からして、念のためにもう一遍聞きますが、十月中旬と見て本当にいいんじゃないですか。予算編成の関係もあり、国会の会期の関係もあるんで、そこらの見当ぐらいあなた方の方でできませんですか。幕の方から航空幕僚長が坂田さんに上申をする、これは十月の中旬ぐらいには上申されなければ、予算との兼ね合いで検討のしょうがないじゃないですか。そうでなければずいぶん不親切だと私は思うのですがね、われわれだって国政調査権があるんだから。いかがですか。
○伊藤(圭)政府委員 幕ではあるいはそういうような目途のもとに作業をしているかもしれませんけれども、私どもの方にまだいつごろということは言ってきておりません。
○大出委員 あわせてPXLを承りたいのですが、九月の二十八日の参議院の上田哲わが党議員の質問に対する答弁、ここで坂田さん等は、まだ決めてない、こう言っているわけですね。ロッキード事件もこれあり、こういうわけですね。ところが、これは経過を見ますと、今年三月五日には鮫島海幕長が統幕議長になったのですね。鮫島さんという人は書いたものによると、P3Cというのは非常にいいんだということを言っていた方、こうなっているわけですね。この方はコーチャン・ロッキード社長にも会ったことのある方。四月十九日に坂田防衛庁長官は、PXL輸入の場合はP3C、こういうふうに——国防幹事会の決定が三月ですな。これを受けて、海幕がP3Cを望むのは当然、こういうふうにお話しになった。これが一つ。 五月の二十七日には米国防総省が、日本のPXLにはP3Cが最適だということを明らかにしましたね。アメリカ側も大分これはP3Cだというんで押しておられるわけです。それから六月の三十日の日米首脳会談、これは私がロッキードの特別委員会で宮澤さんにおいでいただいていろいろ質問いたしましたが、宮澤さんの答弁の中にひょっと出てきていますが、フォード大統領が三木総理に対して、日本の防衛力の増強を望む、つまり対潜能力の強化というわけですね、これを特に述べておられるのですね。対潜能力を強化しろというのならば、P2JやP2Vじゃ困るということになるんだから、そうするとアメリカの国防総省が言っているPXLにはP3Cが最適だということにつながる、こういうわけであります。 この後で防衛庁の装備局の筒井良三さん、筒井良三航空機課長ですか、この方が渡米していますね。渡米して国防総省のスタッフと会っておられる。これは記事によりますと、筒井課長は輸入の仕方というのを中心に話しておられるのですね。ロッキード事件等もこれあり、国民感情もあるということで、商社を通じないで政府間の取り決めで購入する対外有償武器援助、つまりFMS方式の適用について打ち合わせをされておられるわけであります。 とりあえずここまで申し上げますが、これは長官、いま私が申し上げたのは事実なんだから、そうするとPXLというのは輸入をするとすればP3Cオライオンであるということで、輸入の方式——これはするとすればですよ、そうしてその輸入の仕方というのはFMSの方式なんだということで調査を進め、調整を進め、対米折衝を進めている、こういうことに現実はなるのですが、いかがでございますか。
○坂田国務大臣 これは私、国会で御答弁申し上げましたように、いまだどういうふうにするか、外国機の導入をやるのか、あるいはこの折衷案にするのか、各種の案についていま検討を進めておるというのがいまの段階で、その前提としてはロッキード事件の解明というものが前提でございますが、しかしあらゆるオプションについて検討をしている。その中に、御承知のように昨年米国の部隊に配備されましたS3A、これもございますし、それからカナダで最近採用を決定いたしましたCP140、もちろんこれはP3Cを機体としたもののように思いますが、その細部等につきましてわれわれも調査をしたいというふうに考えておるわけでございます。その上で決定をしたい。しかし、いずれにいたしましても十二月の末には何らかの決定をこれはしなければならぬというわけ。しかし、あらゆる場合判断をできるように、事務的にはあらゆる場合について、輸入の仕方や何かについても、御承知のような多国籍企業のあり方等もアメリカで問題にされまして、何か法律改正等がありましてなかなか手続上も繁雑になっているようですから、そういうようなことも逆算しまして、十二月を起点として逆算して間に合うように判断ができるようにはしておきたいということを事務的に指示しておる段階でございます。
○大出委員 逆算して間に合う限度はいつごろまでですか。
○江口政府委員 現在の状況は、いま長官の御説明ございましたように、いろいろなケース、具体的には開発のケースそれから導入のケースあるいは折衷のケース、分離導入と申しますか、そういったものを検討しております。 ただそこで、いまもお話がありましたように、従来の検討の点と少し違ってまいりましたのは、S3Aというものは従来からもございましたけれども、現実配備が七五年の二月に配備されることになったということが第一点でございます。 それから第二点といたしましては、これも御指摘のありましたCP140というもの、これはいわば分離の一つの類型みたいなものが出現しております。そういうことは従来、たとえば専門家会議等の場合におきましては実は考えられておらなかったわけでございます。いわば新しい事態であろうかと思います。そういうものを全部踏まえましてやっておるというのがいまの状況でございます。 そこで、その際のファクトファィンディングと申しますか、実態関係を調べなければなりません。それで現在極力、でき得べくんばなるべく早い機会に米国側からS3Aなり、あるいはカナダ側からCP140なりというものにつきましての情報を得たいと思っております。それを得た上で検討に入る。また、さらに従来続けておりました検討を一段進めるということになるわけでございまして、いつまでと申されますと非常にお答えしにくいのでございますが、極力私どもの方としていまそれを急いでやっておるということでございます。
○大出委員 それはだめだ。だって予算は十二月までに決まるじゃないですか。いま長官が、逆算してその限度で決めたいというのでしょう。そうすれば、十二月の予算編成から逆算してその限度というのは目標がなければ、あなた方は結論を出しようがないじゃないですか。いつごろまでを目標にお決めになるのですか。
○江口政府委員 それもやはりどういうふうに決めるかということとの相関関係でございまして、たとえば輸入するというようなことがいま決まるかといいますと、なかなかこれはむずかしい。あるいは国産ということもなかなかむずかしいと思います。そういったことを出方によりまして結局どの辺までわれわれとして予算要求をお願いできるかという段階がまた決まってくると思います。したがいまして、そういう状況でございますので、現在の段階におきましては、いま長官がおっしゃいましたように、極力予算に間に合うように早くやりたいと思っております。
○大出委員 それで長官にひとつ承っておきたいのですが、二つ質問がある。この点はこれで終わります。 P3Cを米海軍が採用したのは一九六九年なんですよ。それ以後どういうことになったかといいますと、オーストラリアとニュージーランドを含む配備機数が四百八十機になっているのです。アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、計四百八十機、これがP3C採用機数です。最近はイランがどうのと、ほかの方がありますが、こっちはこっちで方向が違いますからいいですが、カナダがさっきのCP140オーロラですね、これは機体はP3ですけれども、このオーロラ十八機を決めたわけですね。そうすると、アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドに一つのグループとしてP3配置が、オーロラもP3の類型ですからそうなっているわけですね。そうすると、日本だけこのP3、オーロラを離れた別なものをどこかから持ってきてやりましょうとか国産するといったって、何年かかるかぐらいのことは頭に入っているでしょう。そういうわけにはなかなかいかない。そうだとすれば、あらゆる可能性、あらゆるケースを考える必要があるとしても、全体的に経過を追って考えてみたら、それは長官の腹の中にはP3と書いてあるのじゃないですか、まあ私どもCP140と言ったから、カナダへ人をやって調べてこいなんということをやっているけれども。そっちは金が高いから……。アメリカの国防省も対潜能力を強化しろ、それにはP3Cが一番いいんだなんと言っている。これは私、ロッキードの特別委員会で言いましたけれどもね。そこらは、あなた、逃げに逃げてみたってしょうがない。だから、予算の編成に間に合う限度で、おおむねこういう全体の体制も考えながら検討をするぐらいのことにしなければ、これは選挙をいつやるかわからないわけだから、下手すると二十七、八日以後ちょっと審議ができるかどうかわからぬですから、そういうわけで機会がないから聞いている。それならそのように私どもも考えていかなければ、いままで審議した意味はないのです。そういう意味で聞いている。 それからもう一つ、FMS方式でということで筒井さんが行っていろいろ相談をしてこられたようだが、FMS方式といったって、ロサンゼルスにFMS事務所というのがありますが、いまここに自衛隊の下士官クラスの方が三人しかいないですよ。これは何もできはしないでしょう。そうすると、FMS方式で採用するにしたって商社が要る。そうすると、この登録商社はどこだったか。いままではFMS事務所への登録商社は丸紅なんですよ。これが今度はやめまして、かわったのはこれまた商社の日商岩井です。そうすると、FMS方式で輸入をするといっても、事実上ロッキードの代理店として世話をするのは日商岩井にならざるを得ない、こういうことになると私は思うのです。西ドイツのように百二十人も置いておくのなら別だ。実質上皆さんの能力ではこれはできないですよ。したがって、FMS方式は全くの商社抜きかと念を押しておきたい。この二つをお答えください。
○坂田国務大臣 前のPXLの問題は、先生おっしゃったようなこともオプションの一つに入れまして考えなければならない、これは当然なことだと思います。ただしかし、あなたがそうだと腹の中までおっしゃいましたけれども、それはとてもあなたのお見通しのようにまだ腹の中は何も決まっておりませんから、それは間違いでございます。そういうふうにお受け取りをいただきたいと思います。 それからいまのFMS方式については、装備局長でないと、私じゃわかりませんから……。
○江口政府委員 まず最初に、私どもの航空機課長が参りましたときのことでございますが、これは簡単に申しますと、先生御存じのように向こうの方で法律が変わっておりますので、それで単にこれは航空機のみならずすべての問題に関係がございます。そういうことで、いろいろと向こうと打ち合わせに参ったわけでございます。 ところで、先ほど御指摘のロッキードと日商とおっしゃいましたが、丸紅であろうかと思いますけれども、代理店契約関係がございますのはロッキードと丸紅が従来やっておったわけでございますけれども、その代理店契約は本年の春解約をいたしております。ロッキードに関する限りはいまそういったものはございません。 それから、なおFMS一般的な問題といたしましては、私どもいわゆる商社を介入させない方式として防衛庁の直接購入によるか、あるいは米国政府との間の購入契約ということで、FMSの一つの意味を見ているわけでございます。もちろんFMSがすべて非常にすぐれておるとは私ども必ずしも思っておりません。たとえば補給の問題でございますとか、納期の問題でございますとか、手数料の問題でございますとか、いろいろ問題点がございます。したがって、いまの段階でFMSがすべていいとは、私ども決して思っておりません。ですから、そういう点は一つのファクターとして検討の対象にはいたしております。その視点は、やはり商社というものの介入が極力排除されるという意味においても意味があるという考え方でございます。その点はひとつ……。
○大出委員 この問題、時間がなくてまことに残念なんですが、あなたいまそんなことを言うけれども、調べてください。ロサンゼルスにFMSの事務所がありますね、御存じでしょう。現在これは防衛庁の駐在官は三人でしょう。旧来は丸紅がここの登録商社になっていた。これが今度はなくなった、取り消した。ところが、これはいろいろな部品なんかがあるのですから、そこに登録商社がなければ困るのですよ。丸紅のかわりにどこを登録したかというと、日商岩井が登録したのだ。調べてごらんなさい。だからFMS方式でここを使えば、日商岩井が手伝ってやるわけですよ。いままでは丸紅がしたわけですよ。だから私の言っているのは、商社抜きだと言うが、FMS方式ならば、あなたの方は三人しかいないのだから、登録業者は丸紅でなくて、今日日商岩井になっているのだから、当然そこが手伝うことになるから実質的には同じじゃないかと私は言っているのだ。だから、それがまずいのならば、おやめくださればいい。おやめくださればいいのだが、しかし国家間の契約といっても、細かいのがいっぱいあるのを、一体防衛庁にその力があるか。そうなると、登録業者を使わざるを得なくなるだろうと言っているのだ。そうすると何もかもみんな日商岩井になってしまいそうな気がするのだが、そこらも気になるから聞いているのだけれども、そこのところは要領を得ませんが、もう一再お答えいただいて、次の問題に移ります。
○江口政府委員 その日商岩井がいわゆる先方の登録になりましたかどうかということは、私また調べさせていただきたいと思います。 それから商社問題につきましては、確かに御指摘のような点もあるいは出るかもわかりません。もしそういうことが出てまいりますれば、やはりそれはそれなりの反省材料ということに当然なるわけでございまして、その点はよく検討いたしたいと思っております。
○大出委員 だから、FMS方式を考えるという答弁が前にあったから、調べてみたらそういうことだから、そこらはきちっとけじめをつけておかないといけませんぞということを言っているわけです。そうしないと、後になってまた問題が出る。何もかも日商岩井じゃないかということにもなりかねないと思いますから、そこらは問題を残さぬようにということを申し上げている。おわかりいただけば、それでいい。御検討願います。 そこで最後の問題ですけれども、これは外務大臣のおいでになるところで改めて承るつもりでございまして、そういう意味できょうは少し布石みたいなことになりますが、ここのところ長年にわたりまして駐留軍にお勤めになっておられる方々、これは歴史的に非常に古い方々なんでありますが、この方々の給与に関しては公務員に準じております。昔、私が官公労務局長当時、昭和二十三、四年ごろ、PWという方式をやっておった時代に、多少特殊な給与条件がございました。これをいま皆さんの方は、皆さんというよりは、アメリカ側に言わせれば格差給などという言葉を使っております。決してそういうものじゃないのであります。歴史的に認められているものであります。にもかかわらず、これをなくせとか、あるいは退職手当の制度についてこれをもう少しどうかしろとか、いろいろな理屈をつけまして、一々申し上げていく時間はありませんし、承知の防衛庁ですから余り細かいことは申しませんが、昨年の米軍とのやりとりの記録がここにございます。これは皆さんの方にもおありだと思いますから申し上げませんが、そこで私はことしはもう何が何でも——年を越して来年の三月だなんということのないように、人事院勧告の金額そのものも小さいのですから、しかも実質賃金は下がっている。労働省の統計によりますと、ここのところ三カ月ばかり低下の一途である。物価は逆に上がる。こういう中でございますから、延々と来年にわたってなどということにはどうしてもしたくない、私は切実にそう思うわけであります。旧来、施設庁斎藤長官以下、皆さん大変御努力願っておったり、坂田大臣以下皆さんに大変御努力をいただいていることは承知でありまして感謝申し上げます。あわせて外務省もまた昨年交渉に当たっていただきまして、宮澤さんを初め山崎アメリカ局長を中心に大変御努力いただきました。このことも存じ上げておりまして、御尽力に感謝申し上げるのでありますけれども、なおその上に立って、来年十一月まで見通してのこの対米折衝が続いているわけでありまして、合同委員会でというようなことにこの前なった経緯も一つございますから、そういうものも踏まえて考えてみまして、何としてもことしは早期に公務員賃金に続いてひとつ片がつくように御尽力をいただきたい。当面はこの懸案事項とリンクさせないでことしのものは決めてもらえないかというのが私の念願であります。そしてその後、日本政府の取り組み方なども含めて、ひとつ形を少し変えて問題解決に当たる、そういう道筋を立てていただけないか、こういう気がするわけであります。 そこで、承りたいのでございますけれども、時間の関係で簡単な御答弁で結構でございますが、当面皆さんがこの問題についての交渉経過等で見通される雲行き、どんなことになりそうかということを概括的に、簡単で結構でございますが、まずお答えをいただきたい。
○斎藤(一)政府委員 駐留軍の従業員の給与については、いま御指摘がございましたように、大変給与改定が難航しておりまして、四十九年は年が越えた、五十年に当たってはもう年が越えて年度末いっぱいになってようやく解決をした。大変難航をきわめておりまして、この間において従業員の方々の大変な不安を招いて、私どもも非常に苦い経験を持っておりますので、今後こういう問題についてもっと円滑に進む工夫をしたい。特に本年度については、何とか早急に給与改定が実現するようにしたいということを、これが私にとっては当面の大変な大きな課題として取り組んでおります。 そこで、本年度はどうかという御質問でございますが、実はこの九月二十九日に正式に米側に対して給与改定の提案をしたところでございまして、まだその実質的な折衝というところはやっておりません。したがって、本年度どういうことになっていくかということについての感触、必ずしも具体的なものではございませんけれども、先ほど申し述べた、過去における経緯から見て、またまた難渋することが予想されなくはない、むしろそういう予想が強いという気がいたしております。そこで、私どもとしましては、これに対して先ほどお話のありました日米間でもっていろいろな基本的な問題を共同検討しておるのでございますが、そういう諸問題に結びつけないで、ことしはことしとして給与改定を実施することをやってもらう。それからもう一つは、その中身でございますが、公務員の給与改定が行われた場合に、長年の慣行どおり公務員に準じて行えるようにという二つを踏まえまして、精いっぱいの折衝をしてまいりたいというふうに思っております。
○大出委員 九月の二十九日に改定提案をされた、これはもう人事院の勧告が出ておりますから、そういうことになるわけでありますが、雇用主は政府でございますから、したがいまして懸案である来年十一月まで見通して詰めていこうとなっている問題とつまり当面はリンクさせないでいきたい。そして 勧告に基づいて一般公務員が実施される諸条件、旧来の既得権、そういうふうなものを踏まえて本年は実施を図りたい、そういう意味で懸命に御努力をいただく、こういうことでございます。私も野党でございまして、なかなかお手伝いしにくいのでありますが、ともに努力をしたいと思っている一人でございます。 さてそこでお互い努力をしなければならないわけでありますが、ここに一つ問題があるわけでありまして、それは要するにアメリカ側でいろいろな理屈をくっつけるのを掘り下げていけば、語学手当がどっちを向いたとかいろいろございましたが、とどのつまりは、アメリカ側から見れば資金量の問題になる。金の問題になる。物価の上昇の度合い等も違う。日本の賃金の推移もアメリカと違うというようなことも絡んでまいりまして、結果的に金の枠ということになると、何か理屈をつけて、決まった金の枠の中で片をつけたいということにアメリカ側はなる。ここに、はみ出さないようにというための理屈をいろいろお出しになるということになるので、どうしてもそこのところに問題が片づかない、割り切れない問題が出てくる、こういうことになるわけです。 そこで、いままででも多少のことは法律あるいは協定にあるわけでありますが、たとえば労務に関する主な間接経費などというものがございます。主な間接経費等の中で、では日本側がどうしているのかという問題などもありまして、差し引き勘定でアメリカ側がこのくらい、日本側がこのくらいになっているものも実際にはある。そこで、もう少し直接的に賃金、給与といわれるもの以外のもので、いわば間接経費及び社会保険関係の事業主負担などとみなせるもの等々について、こちら側も生活を抱えている方々であり、かつみんな二十年という長い歴史がありまして、私はすぐ足元に横須賀を抱えておりますけれども、先般も横須賀で佐世保移転だ云々だといったときなんかはひどい話で、ばかばか首切りを発表したはいいけれども、居座るなどということもございましたり、あるいは非軍人的な枠というものが増大をするということがありましたりするので、あわてて首切ったはずの人の家を一軒一軒担当者が訪ねて、思い直してまた勤めてくれなどということをやる。まことにもって、勤めていた、首切られた、一生懸命職を探しているなどという人にするとたまったものじゃない。そういう経過もございまして、だから何とかそこの問題を解決しなければならない。そういう意味では、雇用主は日本なんですから、本当ならば私はここで大幅に、労務基本契約から始まりまして、地位協定あるいは二十四条もあったり、あるいは十二条四項で決まり、五項の条件がございますが、そういうふうなもの等について日米間で手を加える。そして雇用主である日本政府が責任が負見る、そういう体制に本来ならばすべきだと私は思っている。それが筋だ、つまり雇用主はあくまでも日本政府なんですから。そういう意味では、そこらのところを変えなければ、アメリカの方の特殊な金の詰まり方で、それが雇用契約に関する限りは、働いている労働者ですから、その意味では権利は平等にほかの方々と一緒にあるはずでございますが、それが延ばされる、これはやはり雇用主である日本政府の責任だということになりますので、その意味では法改正が必要だろう、あるいは協定改正が必要だろう、さもなければ特別立法が必要だろう。かつて臨時措置法等をつくったこともあります。こういうふうに私はまず思うのでありますけれども、そこらの筋道について、筋はわかるけれども、実は対アメリカとなりますと、たとえば地位協定をいじるということは大変なことだというなら、そこらに触れた御答弁をいただきたい。いかがでございますか。
○斎藤(一)政府委員 先ほど申し上げたように、最近給与改定が非常に難航しておるということの理由は、いま御指摘がございましたように、私どももひそかにいろいろ顧みて根本を改めることが必要だというふうに考えて検討しておるのでございますが、つまるところ、最近における日本人の給与ベースの高騰、ベースが高くなった、したがって米軍が、彼らからいえば現地の従業員の給与が自分たちのふところに与えるインパクトが非常に大きいということであろうかと私どもも思いますので、その点についての基本的な対策を立てることが必要だというふうに思っておるのでございますが、そういう意味で、ただいま先生から御指摘のあったようないろいろな問題、これをひとつ詰めていきたいのだというのが、その辺が日米双方で研究する仕組み、場を設けたテーマであると私どもは心得ておりまして、いま大いにやっておるところでございます。 そこで、そういう問題点がある程度煮詰まってきた場合に、一体どういう取り上げ方をするかという具体的な手段などになりますと、まさにいまお話がございましたように大変地位協定上の問題もございましょうし、あるいはさらに財政的な金目の問題なり、財政上の技術の問題なりいろいろあろうかと思いますので、そういう点についてはただいまの御指摘、大変貴重な御意見だとして承って、私どもこれから関係の向きと十分に検討して対処していきたいというふうに思っております。
○大出委員 法律的に言えば地位協定の十五条がございまして、ここに言う諸機関におられる方々、そこの仕事ですね。これは日本政府が雇い主になって、そして実際の使用者は米軍になって役務の提供をするということになるのが筋道ですね。十二条の四項だとか五項だとかいう関連でやっていくことになるわけであります。もちろん片方に二十四条がございます。そういうわけなんですけれども、問題は働いている皆さんでございまして、歴史的に長い方々なんだから、生活の不安を与えてはならない。日本政府は雇用者としての責任がある。したがいまして、その意味では不都合ならば、この部分に限って地位協定の改廃を考えてもいいじゃないか。そうして日本政府の側が社会保険における事業主負担のようなものはこの改廃の上に持ってやる、こうしたっていいじゃないか。改廃ができなければ特別立法をこしらえて、その限りの新しい立法によってそこのところは認めてやるということにしていいじゃないか。これがなぜ悪いのかという気が私はする。臨時措置法をつくるときにもこれは内閣委員会の議員立法でございまして、実は当時伊能繁次郎先生であるとか岩動道行さんだとか与党の方々もおいでになった。民社党の受田新吉先生もおいでになったり、私もその小委員に加わりましたりして、福田大蔵大臣に前後七回お目にかかって、二十二億ばかり金が要りますので、一篇切れたものを、詰めてまた新しい法律で通していただいて、内閣委員会の委員会提案にして成立を図っていただいた経験がございます。やってできないことじゃない。だから協定の改廃なりあるいは特別立法なりということを考えれば、雇い主なんですから、諸種の保険の掛金などというものは事業主負担に類するようなものを持ったって一つもおかしくない。そうすれば相当な金が出てくるという気が私はするのです。 念のためにここで承っておきたいのですが、健康保険の保険料だとか厚生年金の保険の保険料だとか、雇用保険の保険料だとか、あるいは労働者災害補償保険の保険料及び保険料以外の経費だとか、児童手当の拠出金だとかいうふうなものは、本来ならば事業主が負担をしているのですね。いま二万五千の基地に働く皆さんの数からいきまして、これらに該当するものは総額一体どのくらいのものになるかという点をお答え願いたいのです。
○古賀政府委員 お答え申し上げます。 いま先生の御質問でございますが、五十年度におきまして各種社会保険負担金、先生の例示されましたものでございますが、この合計が四十五億六千四百万円でございます。そのほかにも米軍の方で負担しております福利厚生費が一千百万円、その他米軍負担関係で二億四千五百万、合計いたしまして四十八億二千万ばかりでございます。
○大出委員 もう一つ承っておきますが、労務に関する主な間接経費というのがございますが、この中には渉外労務機関などの労働者の管理経費であるとか、国内法で事業主に義務づけられた諸経費であるとか、たとえば労働安全だとか災害防止だとか健康診断、衛生管理、いまお話がありました厚生福利などというものがあるわけです。こちら側の方の総額は二十五億ぐらいになるのだと思うのでありますが、労務に関する主な間接経費はこういうことで間違いがないかどうかということと、差し支えなければその内訳はどんなことになっているかということをちょっと触れてください。
○古賀政府委員 いま申し上げましたのが中身でございまして、そのほかにいわゆる労務管理費というのがございまして、これが二十五億でございます。この中身は県の委託事務費等でございます。
○大出委員 いまのやつは管理経費ですね。こちらの方はいろいろひねってみてもそう大変な額が出てくるように思えないのですね。そうしますと、雇用主に違いないのだから事業主負担のようなものは持ってもたてまえ上おかしくはないと私は思っている。だから大体四、五十億の金が出てくるとすれば、そこらのことは長い懸案でございますし、基地に働かれる皆さんが違った環境で苦労なさっているわけでありますから、こんなにもめてしまって生活不安でいたたまれないという御家族でございますからこれは何とかしなければならない、こう私は思うのです。 そこで、方法というのはいま二つ申し上げましたが、つまり地位協定その他を加える、でなければ特別立法をつくる。もしもそこに至る過程に問題があるとすれば、その間、近い将来にそういうことを考えるという意思のもとにいまの法律、協定を分析してみて、何も事業主負担のようなものを持ってはいけないというふうにずばり書いているわけではない。したがいまして、そこらのことから解釈、運用という面を検討してみて、これらの雇用主負担、事業主負担に類するようなものを予算化する。雇い主は日本なんですから間違いないのですから。そういう意味での解釈、運用ということを考える余地がないかどうかという問題が一つ残るわけであります。つまり以上三つ、方法がないわけではない。そういう解釈、運用等を含めまして、本年はだから懸案の問題とリンクさせないで、さっき長官のおっしゃっていたように早期に、昨年は三月末にもなったのだからことしはひとつ年内解決を図ろうじゃないか、一般公務員だってこの国会で片がつくのだから、そういうことにしていただきたいのです。そして、いまのようなことをひとつ頭に置いて将来の問題を解決するという努力をすべきではなかろうかという気がする。そこまでいけばこれはもちろん予算当局、予算編成とも絡みますけれども、そこらの知恵を出し合わなければならぬのではないかという気がするのですが、いかがでございますか。
○斎藤(一)政府委員 いま先生から基地従業員に係る経費実態について内容をよくより分けて考え、そして現存の枠にとらわれないでもう少し広い視野からながめるようにという御指摘というかお教えをいただいたわけでございますが、先生の御意見、ことに長い駐留軍労務者の歴史を御存じの先生の御意見でございますので、私ども大いに傾聴してまいりたいと思いますが、当面は先ほど申し述べたように、本年度は何が何でも先ほど申し上げた態度でもって円滑にやりたい、これは基本の問題等は関連させないでという立場で臨みたい。特にこれから実質的な折衝が始まりますので、この場でいまお触れになったことについて具体的に私どもの考えを申し上げる時期でもないかと思います。これからテーブルを囲んでやりとりを激しくやりますので、その辺のところを御了解いただいておきたいと思います。 それから、今後の問題としてもやはり同じ問題が根本にあると思っておりますので、これについては日米間の問題点の摘出の進みぐあいを踏まえて関係省庁——そういういま御指摘のような問題になりますと施設庁だけではございませんから関係省庁の御協力を得て、本当に雇用者としてなすべきことができるように努力してまいりたいというふうに思っております。
○大出委員 外務省の皆さんに承りたいのですが、実は山崎局長さんには非公式な話し合いをしたこともあるのですけれども、お答えいただきにくい面もあろうと私は思っておりますので、いま施設庁長官とのやりとに終始しているんですけれども、お聞きいただいたわけですから、当面の問題はいろいろ手を入れるということは時間等の関係もございます、予算当局の関係もございます。したがって、斎藤長官おっしゃるように、ことしは懸案とかかわり合わせずに、リンクさせずに解決を図る、それで御努力をいただきたいのでありますけれども、ただ、そうばかりは言っておれないことも将来の展望を見ればあるわけでありまして、そういう意味で、何かなかなか地位協定をと言えばいろんな問題が絡んでくるということもありましょう。特別立法と言えば、前回私は大変苦労をした時期もございまして、あの苦労をもう一遍やらにゃいかぬのかなと思ったりもするんですが、解釈、運用ということで果たしてどこまで考えられるかという問題もあります。そこらを含めて、いままで御努力をいただいている外務省の皆さん方ですけれども、ことし、将来、こういうふうに分けまして、どうしたらいいかという物の見方といいますか、考え方といいますか、ちょっとここで承っておきたい。
○佐藤説明員 問題は二つございまして、まずことしの問題につきましては、先ほどから防衛施設庁長官からお答えいたしておりますように、原則的な問題と切り離して処理すべきであるということは、外務省も基本的に同意見でございます。防衛庁、外務省それぞれ所管は違いますけれども、この問題につきましては、従来から力を合わせて努力しておりますので、一応現在表向きは防衛施設庁が表に立っておられますけれども、われわれの力で努力をいたしたい。また、力を合わせて努力したいと思っております。 それから基本的な問題、先生のおっしゃいました点につきましては、現在、防衛施設庁長官が御説明のように、アメリカ側と問題点の洗い出しその他詰めております。われわれといたしましても、最後の問題は先生御指摘のとおり基地従業員に生活の不安を与えないという問題が一番重要な問題だと思っております。それで私、先生御説に言っていただきましたけれども、地位協定の問題の解釈云々も現在の段階でまだ申し上げにくい点もございますので、外務省として、いまの段階で申し上げられますことは、防衛施設庁と米側との検討の進みぐあいに合わせて、いろいろな角度から先ほど申し上げたような基地従業員の方々の生活に不安を与えないという基本的な認識に立ちまして、検討してまいりたいと思います。
○大出委員 最後でございますが、坂田長官にお願いをしておきたいのでありますが、ここでもうすでに述べてしまいましたが、かつてばかばか米軍の都合で首になってしまうというせっぱ詰まった段階で首を切られると、先の方途が立たない。臨時措置法という立法を石橋さんがかつて提案をしたことがございまして、これが時限立法でございまして、期限切れになりました。なお基地問題は山積しておりましたので、私の段階になりまして改めてまた法律を出しまして、通していただいたいきさつがあります。ずいぶん苦労はしてきているのですが、いままたここで述べておりますようなことになってきている。将来に向かっては予算当局との関係も出てくると思うのでありますが、そうなると、これは大臣レベルでの御努力をいただかなければならぬということになる可能性もございます。そういう意味で、ぜひひとつこの問題は大臣のお立場からも、事生活にかかわる問題でございますから、御尽力をいただきたいと思っておるのでありますが、そういう意味での御所見を最後にいただいておきたいのであります。
○坂田国務大臣 これは私就任いたしましてから非常に頭を悩ましておる問題でございまして、とにかくこの年内にできない、あるいは年内というよりも年度内にできない、そうして命令が始まるという直前までかかって初めて解決する、これはきわめて遺憾なことだと私は考えておるわけでございます。 したがいまして、その意味合いにおいて、本年度ガリガン中将ともお話し合いをしまして、基本的な問題について研究討議をするということに踏み出したことは一歩前進だと考えておるわけです。これは先生とは立場は違いますけれども、基地の安定的使用ということはきわめて大事な問題であると私たちは認識しております。そうすると、この基地の安定的使用をするにはやはりその基地のあります住民対策が一つの柱、それからまた基地従業員の人たちが安定的に不安なく勤めるということだと思うのです。この人たちの雇用の問題について十分なことを考えてあげるということは当然なことだと私は考えるわけでございまして、今後とも最善の努力をする覚悟でございます。
○大出委員 前向きの御答弁をいただきまして大変ありがとうございました。 大変長くなりましたが、終わらしていただきます。
○木野委員長代理 鬼木勝利君。 〔木野委員長代理退席、委員長着席〕
○鬼木委員 私は、防衛問題についてはいろいろ多岐にわたってお尋ねしたい点があるのでございますが、きょうは主としていま論議の中心になっておりますミグ25関係について長官の御所見を少し承りたいと思います。 ミグ25が函館に強行着陸したその直後、その取り扱いに対して外務省当局は、解体とか点検とかいうようなことをやらないで早期に返還を示唆するような考えであったと、かように——事実はどうか知りませんがね、そういうふうに聞いておりましたが、防衛庁の強い要請で解体、点検、調査をするようになった、このように聞いておりますが、このミグ25の解体、調査を防衛庁から要求されたというその根拠、どういう理由のもとにそのように強く要請されたのか、その点をまずお尋ねをして、そうしてお話を進めたいと思います。
○坂田国務大臣 この問題につきましては、外務省と私どもと基本的に意見が異なるということはございませんでした。と申しますのは、私、これが起こりました翌日でございましたか、前の宮澤外務大臣とお話をいたしまして、とにかく領空を侵犯した事実、強行着陸した事実、これは否定できない、これに対してその背景状況を調査するということは当然なことであるというふうに私は考える、私もそう思う、こういうことで進めてまいっておるわけでございまして基本的には考え方は変わっておりません。
○鬼木委員 基本的にはお考えは変わっていない。当然それはそうだと思います。そう外務省や防衛庁がいつもばらばらじゃ因る。 だがしかし、外務省の考えとおたくの方の考えが若干相違しておって、そうしておたくの方からの強い要請によってそのようになったというのが事実ではございませんですか。結局、政治外交を主とするんじゃなくして、軍事優先というここに私は納得のできないところがあるのですよね。平和憲法の精神まで、しかも日ソ関係の、今日いろいろなことが出てきておりますが、関係の悪化をしてまでおやりにならなければならなかったというその根本的の理由は、領空侵犯ということのみでなくして、何か意図されるところがあるんじゃないか。その点ひとつ……。
○坂田国務大臣 私は、主権国家として領空侵犯、そういうような、言うなら主権の侵害をしたことに対しては毅然たる態度をとるということが独立国として当然なことだと思いますし、そしてそれは、もしそういうようなことをきちんとしないことは、やはりほかの国々から軽侮の念をもって見られるというふうに思いますし、長い目で見るならば、そういうことはよろしくないというふうに思います。かといって、私は何も外交交渉をどうでもいいということを思っておるんじゃなくて、むしろ外交交渉をちゃんとやるについても、毅然たるべきところは毅然たる態度で臨まなければいけないというような考え方を私は持っておるわけであります。したがいまして、この処理につきましては、ただいま申しまするように、この背景、状況を調べるということが一つ。それから二番目には、あくまでも日本の自主性においてこれを調べるということ。たとえ米国の技術者等を要請をする、あるいは飛行機を借りるという場合も、あくまでも日本政府の主体性のもとにおいてやる。実際やりましたように、自衛隊の指揮監督のもとにこの作業を進めるということであります。三つ目には、外交関係というものを十分考慮をして、慎重にやらなければいけない。これが私のこのミグ事件が起こりましてからの考え方でございまして、この基本原則というのはいささかも外務当局とわれわれと意見の不一致ということはなかったというふうに理解をしております。
○鬼木委員 その点についてはまた後でずっと私いろいろ論及したいと思うのですが、長官は、参議院の予算委員会で、領空侵犯ということのみでなくして、日本の安全保障にとって脅威となる、あるいは潜在的脅威となるものが日本の安全にかかわるものであるならば調べる必要がある、そのようにおっしゃっておるのですね。そういうことになりますると、ソ連の軍用機は、ミグ25を含めて、日本の安全保障にとって脅威あるいは潜在的脅威となるものであるかどうか、その点を、ソ連の軍用機はすべて日本に対して脅威になるんだ、潜在的脅威になるんだ、このようにお考えになっておるかどうか、その点をひとつ長官に……。
○坂田国務大臣 これは、ソ連とかどうとか特定の国ではなくて、いかなる国でございましても、潜在的脅威というものとして軍事力を見るということは一般化された脅え方だと思うのでございまして、たとえば、最近のソ連の日本海における極東海軍の増強ぶりというものは非常に著しいものがございます。しかし、さりとてその潜在的脅威が日本に顕在化した脅威となっておるか、つまり日本を侵略する意図があるかどうか、そういうことはないと私は考えておるわけでございまして、これはいろいろの場合、国会におきましても私が一貫して言ってきておることでございます。したがいまして、今回の場合におきましても、それが亡命者であるとかないとかいうことは別といたしまして、この軍用機が潜在的脅威を構成するところの物体、飛行機であるということは骨えるというふうに私は考えたわけでありますが、しかし、今度の事件に対しましては、領空侵犯という事態あるいは強行着陸をした事態、これに対してその背景、状況を十分に知っておくということが今後の防空体制をどのようにやっていくか、それでなければ防衛庁長官として防空の任を果たし得ないというふうに私は思っておりますので、どういうようなコースで入ってきたのか、あるいはどういうような性能を持っておるのかというようなこと、あるいは意思があるかないかということは本人に聞かなければなりません。本人のみならず、機体そのものに爆発装置はないのか、どこかをさわればすぐそれが爆発して周囲の人たちに危険を及ぼすことはないのか、あるいはいわゆる核装備をしておるのかしていないのか、あるいはその能力があるのかないのか、あるいはこの飛行機それ自体が自分の航跡あるいは日本のレーダー等の記録というものを持っておるかどうか、こういうことは調べないと日本国民の安全というものが全うできないというのが私の考え方の基礎にあるわけでございます。
○鬼木委員 そうしますと、領空侵犯ということは明らかに違反だと思いますが、領空侵犯というその背景を調査する、こういう名のもとにべレンコ中尉の出国後も機体調査を行われた。この機体調査、解体をして調査するということと領空侵犯ということは私は別問題だと思う。だから、両方を同時に並行してやるべきだと私は思うのです。ところが出国した後に解体をしている。それで調査された。いまあなたのおっしゃるようなことがあるならば、本人の意思を確かめることは当然でしょうけれども、おまえはこういうのに乗ってきたんだ、これは危険なものに乗ってきたんじゃないかというのと同時に並行して、ベレンコ中尉の意思と機体調査というものを並行して調査すべきではなかったかと私は思う。そうしないと、ミグ25の機体の軍事機密を調査することがねらいではなかったかと、このように考えられても、私はこの考え方は無理じゃないと思うのです。ベレンコ中尉という者が領空を侵犯してやってきた、それでいまおっしゃるようにおまえの乗ってきたこれを調べるぞ、あなたの考えはどうだと、記録装置はないか、何か爆発するような装置はないか、いまおっしゃるように、核でも積載しているんじゃないか、同時に、並行して調査さるべきじゃないかと思う。だから、領空侵犯という事実の背景を調査するという名のもとに、軍事機密を知りたい、その奥にはソ連を仮想敵国視しているんじゃないか。自衛隊はいつも仮想敵国などというものは考えていない、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、実質的にはそういうお考えがあるのじゃないか、こうわれわれは考えざるを得ない。長官はなかなか知恵者だから、巧みなお雷葉でどのように御答弁なさるか知らないけれども。
○坂田国務大臣 第一に、われわれが仕組んでミグ25機が来たわけじゃないので、われわれ国民の意思とはかかわりなくあのミグ25機は来たという、この事実をまずお認めいただきたいと思います。 それからもう一つは、本人だけ聞けばいいじゃないか、そうおっしゃいましても、その本人だけでは空を飛んでくることができないわけでして、やはりあの飛行機がなければ来れないわけです。しかも、うちのレーダーサイトもあって、それを抜けて領空侵犯して、われわれスクランブルいたしましたけれども、ちょっとは捕捉したけれども最後まではとうとう捕捉しないままに函館に強行着陸してしまった、こういうことなので、やはりベレンコ中尉とその乗っておる飛行機というのは一体なのでございます。それで、先生がおっしゃるように、できれば飛行機も本人も一緒に長く調べれば一番よくわかるわけなんです。そうすると、日本の防空体制を新たに考える場合においての資料が得られると私は思うのですけれども、しかし、そこはやはり外交交渉ということが必ず出てくる、そしていずれは本人が亡命だというような意思も確かめられた、そういう時点からは、これはやはり返さなければならぬというふうに外務省当局としても考えていることも無理からぬことであるし、われわれもそうだと思う。そうだとすると、われわれが国民の安全を守るために必要最小限の調査はある限定された期間内にやってしまわなければならない、こう考えたわけでございます。しかし、それでは函館でそういう調査がやれるかといったら、なかなかやれないという状況。しかも、オープンのところでございますから、あそこで解体をするというならば非常に目につく、あるいはソ連の側から見るならばいやだということだと思います。やはり人目につかないところに、格納庫におさめて調査はやるべきであるというふうに思います。そうすると、結局函館からどこか自衛隊の基地に運んだ方が一番適当だというふうに考えて百里に運んだわけでございます。機材もございますし、そして格納庫もございますから。 ところが、あそこまで運ぶについてこれを陸送しようか、あるいは船で運ぶか、あるいは日本のヘリコプターで運ぼうか、といたしましても何分にもあのずうたいで相当重うございます。なかなか簡単には解体できないというわけで、この辺はやはり外交上迅速に調査をして返すのが筋だというならば、早く始末をするためには、まあできるならば自衛隊のみによって調査を完了したいと私は思ったのでございますけれども、しかしそれができないとなれば、アメリカの技術者、飛行機等は日本の主体のもとに、日本の政府が主人公になってアメリカの人を使うという形で進めていけば、何も自主性のない、アメリカから云々というようなことはないだろうということで、そこをびしんと始末をつけて、そうしていま調査を続け、大体終了段階に入っている、こういう段階であります。
○鬼木委員 いま私の申し上げたことがちょっと舌足らずで誤解を招いたようですが、領空侵犯をやったことと機体の解体ということは別問題だとしてあなた方はやっていらっしゃる、私は一体だ、こう言っているのです。事実は、あなた方は別々にやっていらっしゃるではないかということを私は申し上げた。だから私は、並行して同時にやれ、これは一体だ、こういうことを言っているのですよ。これを別々に分けてやるなんて、そんなことは一いまあなたのおっしゃるとおりなんだ、本人が操縦して飛行機に乗ってきたのですから、性能でも何でも本人が一番よく知っているはずなんだ。だから本人を立ち会わせて、本人と一緒に、あなたどういうわけで来たのかということをお聞きになったと思いますが、国家意識があったのかないのか、それはむろん私が言うまでもなく御調査なさったと思う。この機械は一体これは何だ、これは何だ、これはどうやるんだ、並行して同時に私は調査すべきだ、これはまさに一体です。ところが皆さんのおやりになっておるのは別にやっているじゃないか。私の考えによってはこれは別と思う、こう申し上げたので、ちょっとそこが舌足らずであったかもしれぬけれども。ですからその点がどうも国民は納得がいかないのですよ。新聞の論評にもそう載っています。これは納得ができない、領空侵犯という名のもとに実際は機体の機密を知りたいためじゃないか、これの裏を返えせば、明らかにソ連を仮想敵国と思っているのじゃないか。これは鬼木個人が、私がただここで言っているのじゃありませんよ、国民の声としてこういう声があるわけなんです。ですから、これはいま長官のおっしゃるお話を聞いてもどうも矛盾がある。本人を早くぱっとアメリカにやってしまって、本人が乗って、操縦して、何もかも知ってやってきておる者はばあっとやってしまって、そうして後でごちゃごちゃ調べている。そうすると、いま長官は一体だとおっしゃるけれども、全然一体じゃない、別になっている。そこに何かお考えが別にあるんじゃないか。これはどうも納得できませんがね。どうですか、長官。
○坂田国務大臣 これはむしろ外務省やその他の省でお答えいただいた方がいいことだと思いますが、私どもといたしましては、もう少し十分に人と物と一緒になって調査をした方が背景状況を知る上においてはよかったと思います。思いますけれども、しかし一面においてやはり外交交渉という問題、それから御承知のようにソ連側からは一日も早く機体も、それから本人も返してくれ、こう言っておるわけでございますから、早晩これは返さなきゃならないというようなことも頭にございまして、外務当局その他の省では、人道上の立場から、亡命者の意思を確めた上は早くそういうような措置をしたいというようなことで、防衛庁の方の気持ちもわからぬではないけれども、それはそれとして切り離して、早く本人の意思どおりにアメリカに出国させたい、こういうことで折り合いがついた。したがいまして、人がおればなおさらいいには違いないけれども、われわれはその点を譲りまして、そして調査は調査ということで最小限度の調査をして、そしてお返しをするということで事が運んでおるということでございまして、私自身としては余り矛盾を感じてないわけでございます。
○鬼木委員 そうしますと、これは長官非常にくどいようですけれども、しかしいいでしょう、私の気持ちはあなたよく御存じだから。何も絡むんじゃないよ。 先ほど申しましたように、参議院の予算委員会で「ミグ25が主権の存するわが国の領空を侵犯し、強行したわけである。」それはわかる。「この機体は軍用機だ。」その次ですよ。先ほど言いましたように「日本の安全保障にとって脅威となる、あるいは潜在的脅威となるものが、日本の安全にかかわるものであるならば調べる必要がある。」そうすると伊藤防衛局長にもお尋ねしますすが、自衛隊は単に軍用機のみならず、ソ連の航空機は日本にとって、ソ連の軍事力が脅威になる、あるいは潜在的脅威として日本の自衛隊は関心を持っておるか。皆さんの気持ちです。長官は脅威を持っておられる。(坂田国務大臣「潜在的」と呼ぶ)潜在的脅威というのはなお悪い。いつもどこかにひそかにこわいこわいというものを持っておるのはこれはもっといけない。自衛隊全般はそういう考えを持っておりますか。防衛局長はそういう指導をしておりますか。
○坂田国務大臣 そこのところ、言葉をよくお考えいただきたいと思います。私があえて潜在的脅威というものと顕在的脅威というものを区別している意味をお考えいただきたい。ソ連がいまわれわれを侵略をしておるというふうには、侵略の意図を持っておるとは考えてないということを先ほど申しましたでしょう。あれだけの日本海における海軍の増強ぶりを見るならば、普通の常識から言うならば、これは端的に脅威だ、こういうふうに見てもいいわけです。しかし私はそうは見てないわけです。厳格にこれは潜在的脅威であるというふうに言っている。というのは、真の脅威というものは、潜在的脅威に意図が加わらないうちは脅威にならない。真の脅威とは潜在的脅威プラス意図が、意思が加わって初めて脅威になるのだ、こういうふうに私は考えておるわけでございます。したがいまして、日本海における海軍増強というものは、潜在的脅威としてはこれをちゃんと把握をし、そしてこれを注目をしておらなければならない。しかし、それにいま意図があるというふうには思っておらない。これは非常に私は明確なお答えだと思うのでございますけれども、いかがでございましょうか。
○鬼木委員 潜在的脅威ということを盛んにあなたはおっしゃるけれども、脅威あるいは潜在的脅威という発言をなさっておる。前の脅威というのは何ですか。まくら言葉ですか。脅威あるいは潜在的脅威と言っておられる。これはその是非を私は論じておるのじゃありませんが、はっきり脅威を感じておるならば、その脅威に対しての覚悟が皆さんにあるわけだ。その是非を私は言っているのじゃありませんよ。ところが、潜在的脅威というのが一番こわいのじゃないですか。いつもびくびくしておかなければならぬ。これの方が影響は大きいですよ。そういう脅威があればこそ、機体調査をなさったのじゃないですか。問うに落ちず語るに落ちるで、記録装置をしているのじゃないか、爆弾を持ってきているのじゃないか、あるいは爆発するのじゃないかと、そういう脅威があればこそ、調査をされたのでしょう。ですから、長官は言葉巧みに御答弁なさるが、実態を私はお聞きしているから、長官にはまたゆっくりお尋ねしますから、防衛局長にちょっと。
○坂田国務大臣 ちょっとそこのところ、最初のところの脅威と言って、これはそれじゃちょっと舌足らずだ、やはり潜在的脅威としておかないといけないということで、あれは言った言葉でございます。正確に言うならば、最初から潜在的脅威と言うべき言葉であったというふうにおとりをいただきたいと思います、私の真意は。 そこで、ソ連とかなんとかいうことじゃなくて、どこの国でも軍事力というものは潜在的脅威として受け取るのが軍事的常識だというふうに私は思っております。
○伊藤(圭)政府委員 ただいま大臣からも御説明申し上げましたが、自衛隊は直接侵略、間接侵略に対してこれを阻止する任務を持っております。したがいまして、日本の周辺にある国々の軍事的な能力、そういったものは常に関心を持っているわけでございます。能力を持っている、現にミグ25という飛行機は日本の領土にレーダーにも捕捉されることなく着陸をしたという能力、そういった点がございます。したがいまして、軍事的な能力というものはやはり直接侵略が行われる可能性のないものではございません。したがいまして、いま大臣が申しましたように、いわゆる潜在的な脅威という形でこれに対する対処というものは常に勉強し、それに備えていなければならないというふうに私どもは考えているわけでございます。
○鬼木委員 いま防衛庁長官が舌足らずだと仰せになった。先ほど私も舌足らずだったが、舌足らずという言葉はなかなかいい言葉でね。だったら、やはりここに挿入されたらよかったと思うのですよ。ソ連のみならずいかなる国といえども云々、こうおっしゃれば幾らか私らも考えが違ったかと思うけれども、たまたまソ連の軍用機が領空を侵犯した、そして函館に強行着陸した。それの問題が起きて、いきなり脅威または潜在的脅威ということをおっしゃるものだから、これはだれが考えても、ソ連を仮想敵国のように考えていらっしゃるんじゃないか、だから調査されたのも、べレンコさんは先にやってしまって、後で別に——領空侵犯の問題はもう解決してアメリカにやった、あとの問題は別だというようなふうに考えていらっしゃるのではないかというようにわれわれは考えたのですね。あくまでそれは一体でなければならないものを別途分けられたということに対して、だから領空侵犯というその背景を調査するということの名目のもとに、名をかりて、実は軍事機密を調べたいんじゃないか、こう思うのはだれだって私は当然だと思うのです。これは、何回言っても同じことですが、長官どうですか。私らの考えることは無理じゃないと思うのですよ。
○坂田国務大臣 私の言っているのも無理からぬと思うのですけれども……。一体である、だから、確かに、人はもう意思がはっきりわかった、ベレンコさんの言ったのは、アメリカへ行きたいということはもうちゃんと確かめた、しかし、できればそれはいた方がなおこしたことはないけれども、それは外交交渉の問題もあるし、本人の安全ということも多々考えても、やはりその方がよろしいというようなこともございまして、恐らく外務省ではそういうような措置をおとりになったと思いますが、とにかくわれわれとしては、付随しておるものをまだ調べておりませんから、機体が、一体爆発装置はあるのかどうなのか、どういうような航跡を記録しておるかわからない、ミサイルは積んでおるのか、そのミサイルの機能はどうなのか、油はどうなのか、どれくらい消費しているか、この辺は調べなければおかしいわけです。これは、日本の国民の安全のために調べなければおかしいわけでございます。それでなければ、この領空侵犯の背景事情を調査したことにならぬわけでございます。これはやらなければならぬ。しかし、それはいつまでも長くとかいうようなことではなくて、一定の最小限度の期間でやりおおせるべきであるというふうに考えまして、そういうふうに指示をいたしたわけでございます。
○伊藤(圭)政府委員 大臣からそのような指示をいただいておりまして、いま先生もいろいろな角度からの御質問ございましたが、実際問題として、たとえば、これがベレンコが普通の自動車のようなものに乗ってきた場合には、もう三日もかからないでそれはわかったと思います。しかし、ミグ25という飛行機は幻の飛行機と言われていたようなものでございまして、これは大変高度な技術を持っているものでございます。私どもも、ジェーン年鑑なんかでもぼうっとした写真ぐらいしか見たことのないような飛行機でございました。そういうことでございますので、当初から関係各省の間でベレンコ中尉の亡命関係についてのいわゆる出入国管理ということの捜査をやって、そして防衛庁がいわゆる領空侵犯に対する措置の必要な調査をするということになっておりました。その線に沿って、大臣のいまお答えしました線に沿いまして私どもやってまいったわけでございますが、時間がかかったといいますのは、一つはやはり函館というところでできなかったということ、それからもう一つは、非常に最新の技術を持ったもので、私どももそばに近寄るのも慎重にやるぐらいのものであったというようなことがあったかと思います。
○鬼木委員 いや、だから、非常な性能の軍用機だ、幻の軍用機だと言われたようなもので、あなた方はその精密な機密を知りたい知りたいというのが一念じゃないですか。だから、ベレンコ中尉が領空侵犯してやってきたことは、簡単にさっとアメリカに引き渡して向こうさんへやってしまった。目的はこちらにある。だから私はさっきから言っているのだ。二つに分けてしまって、別途解決をしてしまって、片一方はやってしまった。さあいよいよこれからが本番だというので機体を解体した、それで調査した。こういうことに考えられる。だから、その目的は、本人が領空侵犯してきたことじゃなくして、その名のもとに、その名をかりて機体調査をやる、それで機密を知りたい、それが目的ではなかったかということに、結局あなた方の言っているいろいろなお話を総合しますと、そうなるのではないか。そうなるのではないかじゃない、事実そうなっているじゃないか、こういうことを申し上げておるのです。これはもう何回言っても長官の御説明は同じことだと思う。現に自衛隊法の八十四条ですか、それにも——これはここへ持ってきていますが、読まなくてもあなた方は専門家だから。ですが「わが国の領域の上空から退去させるため必要な措置を講じさせることができる。」これは主権の侵害ですから、当然八十四条にこれをうたってあると思うが、しかし、その後機体の取り扱いについてはどうこうするのだ、こうしろああしろというような法的根拠は見当たらないのだが、どこにそういう法的根拠があるのか。外国の例も調べました。だから、これは国際的慣例ですか。八十四条には何もそういうことはうたっていない。国際的の慣例をとられたのか。先ほどは長官は、あくまで独自の立場で自主的にやったのだということをおしやっておったが、独自の立場で自主的に国外の慣例をまねたとおっしゃるわけですか、その点ひとつ……。
○伊藤(圭)政府委員 いま先生がおっしゃいました自衛隊法の八十四条、自衛隊法というのは自衛隊の行動を主体に書かれているいわゆる自衛隊の動的な面を規制してある法律でございます。同時にまた、防衛庁設置法というのがございまして、その五条の十八号に、防衛庁は「領空侵犯に対する措置を講ずること。」という任務を与えられております。同時にまた同じ五条の中で防衛庁に与えられている権限といたしまして「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究を行うこと。」ということがございます。したがいまして、いわゆるその部隊の行動を律しているのが自衛隊法でございまして、防衛庁がやっております権限の中に、領空侵犯に対する措置とそれに関連する所掌事務に必要な調査ということで、私どもは国内法的にはこの領空侵犯の背景事情というものを調査いたしているわけでございます。
○鬼木委員 防衛庁設置法の第五条の十八号で調査をするということは、解体ということまで含んでおるわけですか。ばらばらにしてしまう……。
○伊藤(圭)政府委員 先生、いま解体ということをおっしゃっておりますけれども、実は解体の必要性というのは調査のためではないわけでございまして、あのときにやりました解体というのは自衛隊の基地に運ぶための解体であったわけでございます。したがいまして、百里の基地に持っていきましてから、その解体したものをむしろもとへ戻しまして、そして一応の調査が終わったところで、現在、今度は陸送してどこかの港に運んで、そして船に載せるために解体をいたしておるわけでございます。したがいまして、調査のための解体ということではございませんで、函館から運ぶための最小限の解体であり、今度は陸送するための解体であるというふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。
○鬼木委員 牽強付会の説だな。函館ではできないから、だから百里に持っていったのだ、調査するということは必ずしも解体しなくたって調査できるわけです。 私も素人だけれども、ここには何の設備がある、これは何がある、この部品は何だ——専門家が見れば、それを解体してばらばらに崩してしまわなければわからないなんというのはよほどどうかしている。荷づくりするために解体するんだというなら、それは航空機に限らず何だってそうですよ。全部ばらばらにしなくたって、粗々壊せばすぐ荷づくりはできる。そういうあなたの御説明はおかしいよ。解体調査ということを言っているのですよ。荷ずくりするための解体で、運ぶための解体である。荷づくりするためだったら、わざわざ荷づくりするのにアメリカから来てもらわぬでもいいではないですか。伊藤防衛局長、そんな牽強付会な説明では承知できませんよ。
○坂田国務大臣 先生ちょっと。たとえばあの羽を取るだけでもこれは大ごとなんですよ。あのまま運べと言ったって、これはアメリカのF5ですらも、あれは入りませんから、運べないのです。(鬼木委員「それはわかっているんです」と呼ぶ)わかっていただかなければならないんです。それから後ろにある二本の垂直尾翼、これはエンジンと、こうなっておりまして、これは相当の技術でなければ実はできないのです。それからまた、手をつけるについても自爆装置が、これは本人が言っておりますから、どこかちょっとボタンを押せばばあっとやられる、これは危ない。そういう機能というのは、これは専門家に、しかもわれわれの自主性においてやらせなければいかぬというわけなんですが、防衛局長が言ったのは牽強付会でも何でもないあたりまえのことを報告しているわけです。 それからシステムチェックをします場合には、やはり火を入れなければなりません。そうすると、あそこの函館にはそういう装置がないわけです。エンジンを吹かすとかなんとかということはできないわけでございます。ですからどうしてもあれを百里へ持っていかなければならない。百里ならそれができるということなんで、本当に素直に、うちは水の流れるごとくやったつもりでございます。御理解賜りたいと思います。
○鬼木委員 非常に話がころころ変るんですが、函館では土地が狭いとか、やかましいからとか、いろいろ話があって百里へ持っていった、ところがいまでは、函館にはそういう解体する装置がないとか、だから百里へ持っていったとか、荷づくりするために百里へ持っていったんだ——それはなるほどあんな大きな物ですから翼一つでも大変でしよう、これは大きいから。あれを少し細かくしなければならぬと思いますがね。しかしながら、ばらばらにしてしまって、そしてその機密を探るためにわざわざアメリカから呼んで、それはまた後でお尋ねしますが、だから自衛隊法に、すぐそれを解体してどうしろこうしろということは、調査ということはあるようですけれども、私はないと思う。えらいいたけだかになって、防衛局長は八十四条、それから五条の十八号を盾にとって——不肖私もそれは調べてきておりますが、それは私は普遍妥当性を欠く御答弁だと思う。本音はやはり、いままでの経緯を見たってそうでしょう、何回言っても同じだけれども。解体調査をする、機密を探ることが目的でしょう。どうですか、防衛局長。
○伊藤(圭)政府委員 繰り返し申し上げますが、領空侵犯という事実がございました。したがいまして、この事実を解明するために調査をやらせてもらっているというのが実情でございます。解体調査というようなことを前に言ったじゃないかというお話でございますけれども、調査のために解体というようなことは申し上げたことはないと思うわけでございます。
○鬼木委員 いや、あなたさっき言ったじゃないか。調査をするんだ、五条の十八号にも載っている、と。調査するということは書いてあるけれども解体ということは書いてないじゃないかと私は言っている。それが何が文句があるか。あなたの言ったとおり言っているのだ。
○伊藤(圭)政府委員 これは先ほど来大臣からも御説明いたしておりますように、函館では調査ができない事情がございました。警備の問題もございます。それから発電機がなかったり機材がなかったりという問題がございました。したがいまして、私どもの方の調査をするためにはあの飛行機を移さなければならなかったわけでございます。そのためには必要最小限の解体をする必要があるということでございまして、この解体というのは、いま先生がおっしゃいましたように、切り刻んだというものではございません。主翼を取り外したり、いま大臣からも御説明しましたように尾翼を取り外した程度で、胴体などはそのままの形であのギャラクシーに積んで移送したわけでございます。
○鬼木委員 それでは関連したことをお尋ねしますが、今回のミグ25の取り扱いは、これが一つの先例となるものだ、こう私は思うのです。これは今後重大な問題になると考えるのですが、いかなる国の軍用機であっても、もし領空侵犯があり、日本の空港に強制着陸させたとき、そういうことが起こったときには機体の解体、点検、調査をされるのかどうか。まずその点を一つお尋ねしたい。
○木内説明員 第三国の軍用機が不法に領空を侵犯した場合には、当然それは今回のケースのごとく、調査の対象になると思います。
○鬼木委員 そうすると、今度は長官、お疲れでしょうけれども、いましばらく。たとえば韓国の軍用機がミグ25と同じように領空侵犯してやってきたというような場合、解体、点検、調査をなさいますかどうか。
○坂田国務大臣 必要に応じてやります。
○鬼木委員 必要に応じてですか。 先ほどは、だれだったかな、君だったな、いかなる国といえども三国から来た場合には今回と同様いたします、こう言ったな。必要に応じてとは言わなかったな。いや、はっきりしているんだから。
○木内説明員 私が申し上げましたのは、不法に領空を侵犯したケースについてでございます。
○鬼木委員 むろん不法にだ。今回のも不法だ。領空侵犯だ。何もこっちは承知していないのだ。だから不法に領空侵犯をした場合には、たとえば韓国でも来た場合にはどうかと言ったら、大臣は、必要に応じてとこう言われた。これは話が違うでしょう。
○坂田国務大臣 不法に入ってきたのは調査をいたします。しかしながら、韓国でいまどういう飛行機があるか知りませんが、非常にわかり切った飛行機である場合は、その程度は非常に少ない場合もあるという意味で必要に応じてという意味を言ったわけでございます。ミグ25の場合は、わからぬ部面も非常にございますのでそういうわけでございます。しかし、とにかく不法に来た場合は、これはやはり防空上当然のことながら調査をいたすわけでございます。
○鬼木委員 いや、そこのところをひとつはっきりしておかないと。これはあいまいもことしておる。 先ほどの政府の答弁は、第三国が不法に入ってきた場合には必ずこういたします、ところが大臣は、その飛行機の種類によって必要によってはやる。私がお尋ねしておるのは不法に領空を侵犯したときの場合なんだから、それは当然不法な場合です。正式のルートによってやってきたのでは、それは不法じゃないのだから。ところが韓国の場合は必要に応じて、こうおっしゃる。おかしいじゃないか。
○坂田国務大臣 わかりました。当然にミグと同じようにやります。
○鬼木委員 それならわかりました。そうしないと、韓国は脅威がない、ソ連には脅威がある、ソ連は仮想敵国だ、韓国はそうじゃないということになるのですよね。これはとんでもない大問題なんだ。非常に頭悩明晰な坂田長官にしてはちょっと……。いま少しお疲れあそばしたかな。それでは、よくそれはわかりました。時間がだんだん切迫しておりますので……。
○渡辺委員長 なるべく簡潔に。
○鬼木委員 非常に理解の深い委員長だから……。 それではその次に、長官は参議院の予算委員会で、先ほどから何回もおっしゃっておったように、どのようにして侵犯してきたのか、機体に記録装置があるのかないのか、さらに爆発するかもしれないというような危険性があるかないか、あるいは核装備をしているかもしれない、だから機体を解体して点検する必要があった、こう言われておりますが、この点に関してその調査結果が発表されておらない。というのは、参議院の予算委員会で、そのことをほっておいては国民への責任は果たせない、こう仰せになっておる。だったら、その調査結果はどうであったということを国民に知らしめるということが、あなたが国会において約束されたことだと私は思うのですね。けさほどちょっとお話は聞きましたが、これは大体そのいきさつや経緯をお話しになっただけで、機体の調査結果、こういうことは全然なかったとかあったとか、どうであったというようなことは何の御報告もなければお知らせもないが、いつ御発表になるのか、いつお知らせになるのか。これは長官に私やかましく申し上げるのじゃないけれども、長官ははっきりおっしゃっているのです。そういう点をほっておいては国民への責任は果たせないと、だからこういうことを調査するんだとおっしゃっている。長官、その点。
○坂田国務大臣 先ほど申しますように、確かにこのミグ25戦闘機が不法に領空侵犯をして、こちらはスクランブルをかけましたけれども、その警告を無視して強行着陸してしまったということ。しかも、これは確かに各国とも、アメリカですらも平和時におきまして一機、二機でこうやって亡命の意図でもって入ってくる場合は捕捉し得ない点がありますけれども、しかし、防空の責任に当たっております防衛庁長官といたしましては、やはりどういうわけでわれわれは捕捉できなかったかということを調べる必要がある。また調べた結果として、やはりここに弱点があったというところは補わなければならない。そうでなければ国民に対して責任を持てない。したがって、監視体制をこれからどうするのかというようなこともございましょうし、あるいはレーダーサイトはいままでみたいなことでいいのか、あるいはそれに基づくところのバッジシステムはこれでいいのかというようなことをやはり検討をいたしまして、そうして防空を全うするというふうにしていくのが防衛庁長官として国民に果たす責任かと思います。そのためにやはり今回の不法領空侵犯事件に対しましてはできるだけ解明することが必要だ、こういうわけでありまして、この調査の結果、まだ私のところに詳細な報告が参っておりませんけれども、いずれ報告はなされると思います。しかし、そのものをどの程度にお話をするのかは別といたしまして、いずれその結果は何らかの形では国会等におきましてもお話をしなくちゃならないと思いますけれども、しかし、これはまだ一面において、相手は亡命を意図しておった者でございますし、各国のいろいろの関係もございますので、慎重にしなくちゃいけない。やはり国益に照らしてみて、適当な形において報告をするところは報告をしたいというふうに考えております。
○鬼木委員 長官としての責任を果たし得ないからこういうことをやるんだ、それは結構でしょう。それは結構でしょうけれども、国民がいま等しく注目しておりますのは、長官の御発言に対して、これこれこういうことを調査するんだ、そのために解体するんだ、こうおっしゃったから、その結果はどうなったであろうということは、ひとしく皆関心を持っておるわけであります。ですから、いま長官は国益を損じない程度にとおっしゃっておるけれども、すでに国益を損じておるじゃないですか。こういうことをされたために漁船の拿捕が相次いでおる。これはソ連の報復手段であると私は解釈する。事実、国益をもう損じておるじゃないですか。それを、調査結果を国民に知らせると、それが国益の損害になる一それはなるかならぬか、私いまにわかにここでどうだということは申しませんけれどもね。だから慎重にやるべきだ、ごもっともです。それは慎重にやっていただいて結構だけれども、これは何らかの結論を出していただいて締めくくりをしていただかないと、いやしくも国会においてあなたが発言なさっておるのだから、これは長官としての責任を全うするためにおれはこうやったんだ。そうすると国民は、ああなるほど、それで長官はこうやったんだな、じゃあその結果はどうだったんだろうということは国民は皆ひとしく注目しておる。その点を申し上げたのであります。私の真意、おわかりいただけましたでしょうか。
○坂田国務大臣 この国会でいろいろの先生方の御質問に答えておるということもやはり国民に知らせる一つの方法でございまして、先生が御疑問になっておるということは、やはり国民ひとしく疑問に思っておることでもございます。それに私がお答えをしておるということ、それ自体がお知らせになる。真意がだんだんわかって——きょうも、最初の先生のときよりも大分おわかりいただいておると私は拝察をいたすわけでございますけれども、やはりこうやって話してみなければ実はわからないわけでございます。そういう意味でございますけれども、最終的には何らかの形で、国益に照らして、国民が不満に思っておることあるいは不審に思っておることを解明することは必要だというふうに考えておるわけでございます。いずれその報告はいたさなければならないと思っております。
○鬼木委員 全く同感。あなたのおっしゃるとおり、こうしてお話ししていることも国民に知らしめることである。当然そのとおり。だけれども、私が申し上げるのは、何か一つまとまった形で——いま、あなた最後におっしゃったからもう申し上げるまでもないけれども、自分のところに報告がまだ来ていないから、こうおっしゃっている。報告が来ていないなら国民はなお知らないわけなんです。そうでしょう。だから報告でも来たら、まとめて慎重に何らかの形で発表したい、それで私は了解します。まことに明快なる御答弁です。 これは蛇足かもしれぬけれども、荷づくりのためにどういう人が来たのか、米軍から参加された人数は何人くらいであったのか、調査に携わられた——大体調査に携わると言うのはおかしいね、これは実際の話は、解体、荷づくりに携わったと言わなければおかしい。ただ単に解体して発送するためなら何も調査する必要はないんだからな。これは人夫を雇ったっていいんだからな。だれか一人、二人、これはこう外せ、これはこう外せという指揮者がおればいいんだからな。だけれども、それは非常に精巧な機械だから、素人じゃ簡単に取り外しはし切らぬ、大方そう言われるだろうと思うから、それはそれでいいが、調査に携わった米軍人あるいはその他民間人もおられるかもしらぬが、何名であったか、氏名と専門職種、軍人であるか民間人であるか、それはおわかりですか。
○伊藤(圭)政府委員 函館で解体をいたしまして運び出すためには、まず最初に、先ほど大臣からも御説明いたしましたように、自爆装置というものの存在を見きわめなければなりませんでした。その関係の専門家に来てもらいまして、一番最初は三人ぐらいから始まりまして、大体十人前後という人数が参加しておりまして、もう現在はそれがいなくなっておりますが、いつ、どの時点で何人ということは、出たり入ったりしておりますので、はっきりいたしておりません。大体十人前後だというふうに報告を受けております。ただ、この氏名その他につきましては、(鬼木委員「秘密か」と呼ぶ)これは機密というより、申し上げられないと思います。それで軍人かというのは、軍人がほとんどであったという報告を受けております。
○鬼木委員 輸送するために解体するのに、その人間が秘密であるとか全部軍人であったとか、どうも少しおかしいね。そして最初は三人で、後は十人ばかりになった。あなたは本当のことを言っているのですか。そして氏名は発表ができぬ。飛行機を解体して荷づくりして運ぶのに携わった人間の氏名が発表できぬ。軍人でなければできない。おかしいじゃないか。これは民間人だって相当——相当じゃない、あるいは軍人以上の科学者がおると思いますがね。そこらがどうも私ら納得がいかないね。あなたは解体の場合に行きましたか。
○伊藤(圭)政府委員 私は行っておりません。したがいまして報告を受けておったものでございます。
○鬼木委員 防衛庁の本庁からだれが行きましたか。行った者を呼んできなさい。行った者なら知っておるでしょう。どこ者か知らぬなどとは言わぬでしょう。
○坂田国務大臣 最初の間は、御承知のように、警察あるいは検察庁、それから地元の函館の運輸省所管との交渉等もございますし、それからばらばらであってはいけませんので、やはり本庁からだれか行くべきであるというふうに私考えまして、亘理官房長を差し向けた次第でございます。期間はたしか土曜から日曜、月曜、三日ぐらいだったと記憶をいたしております。
○鬼木委員 けさの長官の御説明では、九月十九日から二十四日に完了した。五、六日かかっていますね。十九日から二十四日というのは三日間じゃない。
○坂田国務大臣 いや、亘理官房長をやりましたのが三日間ということでございます。
○鬼木委員 防衛局長、それははっきり調べられるの。それでは隠さなければならぬ根拠を、どういうわけでこれは隠さなければならぬか。
○伊藤(圭)政府委員 人名でございますか。
○鬼木委員 人名、職種。
○伊藤(圭)政府委員 これはいわゆる整備関係の職種の者なんかがおりましたけれども、人名につきましては、これはアメリカとの関係がありますので申し上げかねるわけでございます。
○鬼木委員 それじゃアメリカの了解を得たらいいじゃないか。アメリカと電話ででも交渉したらいいじゃないか。
○坂田国務大臣 これは恐らく、私は名前も何もわかっておると思いますけれども、(鬼木委員「わかっておるさ、隠しているんだ」と呼ぶ)そういうことをやはり言わない方が国際関係の上において好ましいというふうに私は思いますので、これはひとつ、せっかくな御質問でございますけれども、差し控えさせていただきたいというふうに思うわけでございます。
○鬼木委員 というのは、私は非常に意地の悪い質問を申し上げるようですが、事実はそうじゃないんですけれどもね。アメリカから来た人が機密の一部を持ってアメリカに帰られたというようなことはないのですか。それは一時的に持っていって、またさっと持ってくればいいんだから……。
○伊藤(圭)政府委員 それは先ほど来大臣が申しますように、アメリカ側ともはっきりその点は確認いたしまして、知見したものは全部自衛隊に帰属するということになっておりますので、そういうことは絶対にございませんでした。
○鬼木委員 そうでしょうが、最終的には全部返っているでしょうが、一日か二日さっと持って帰っていって研究して、またぱっと持ってくるというような……。いや、こういう話がちらちらあったんだから、巷間で。だから私は聞いているんですよ。何も私は意地の悪い考え方でお聞きしているのじゃない。そういうことをちらっちらっと聞いたことがあるから、念のため申し上げている。だから名前でも何でもちょっと知りたいと私は思ったのです。そういうことは絶対ありませんか。
○伊藤(圭)政府委員 そういう事実はございません。
○鬼木委員 それでは、米軍に調査を依頼された、自主的に日本の指示のもとにやった、こうおっしゃるが、性能の非常に長じた機械だから、わが方ではわからないことがあるから頼むんだ、こういうような先ほどからのお話ですが、この調査の結果、ミグ35……(「25だ」と呼ぶ者あり)25のデータとか——またこの次35ぐらいできるかもしれない、あるいは45でもできるかもしれない。そこで、ミグ25のデータとかあるいは機密について、そういう資料を米軍に提供するのか、また提供しなければならないような話し合いになっておるのか。もしそういうことになっておるならば、どういう法的根拠がそこにあるのか。それは全然提供していないとおっしゃれば、まあそれでもいいがな。局長でもどちらでも……。
○伊藤(圭)政府委員 確認事項の中にもございますように、すべて自衛隊に帰属するということで、いままでは向こうには渡したものはございません。
○鬼木委員 渡したものはなくても、向こうが来て調査して、そしてわが方がわからないようなことは、こうだこうだ、ああだと教えているわけだから、全部向こうは知り尽くして帰ったと解釈していいですか。
○伊藤(圭)政府委員 協力を受けておりますので、全く何も知らないで帰ったとは思いませんけれども、向こうに対する報告などはいたしておりません。
○鬼木委員 そうしますと、何も資料なんか提供していないけれども、暗黙のうちに彼らにそういうことを提供——提供したという言葉はいかぬな、暗黙のうちに彼らにそういうことを知らしめたというふうに解釈してようございますね、いまあなたがおっしゃったとおり。
○伊藤(圭)政府委員 暗黙のうちに知らしめたということではございませんで、私どもの短期間にやる調査に協力をしてもらったということでございます。
○鬼木委員 結局、あなたのおっしゃることはわからぬでもないけれども、向こうからわざわざ来——何も意味がないからな、遊びに来たことと同じことになってしまう、何か持って帰らなければ。書類になったものとか書き物になったものは持たなくても、頭の中に入れていけば、これが一番確かだ。そういうことをわが方は提供した、こう考えていいですね。どうですか、もう一遍その点。あなたは先ほど、何も資料は提供しておらぬけれども、いろいろ覚えたり見たり聞いたりで知って帰ったとは思います、こう言っているからな。
○伊藤(圭)政府委員 その手伝っている間に見たようなことを全部忘れて帰れということもできないわけでございますから、多少そういう点もあったかとは思います。
○鬼木委員 時間が来たようですけれども、今度は一番大事なことをちょっとお尋ねする。だからと言って、いままでのが大事じゃないということじゃない。ますます大事なことを……。 もしベレンコ中尉がミグ25によって米軍基地の三沢とかあるいは横田あるいは厚木といったようなところに強行着陸した場合、それがまず前提ですよ、そういう場合に、機体の取り扱いとかあるいは身柄の処置、一切の権限は日本にはないと思いますが、無論米軍だと思いますが、日本側は一指も触れないでただ傍観視するだけであるか、何にも日本は手出しはできないのか、その点ひとつ……。なぜ聞くかというと、大体最初は三沢におりるつもりだった。
○伊藤(圭)政府委員 いや、ベレンコ中尉は三沢におりるつもりではなかったようでございます。千歳におりるつもりであったようでございます。 この問題は、いわゆる地位協定といいますか、外務省の問題だと思いますけれども、具体的にどういうふうになるかということになりますと、実際にはそのときに話し合うというようなこともあろうかと思いますけれども、一般的に申し上げますと、領空侵犯というのはわが国の領空を侵しておりますし、また出入国管理令違反というようないろいろな国内法の違反事実も起こしておるわけでございます。そして、その問題がわが国の領土の中で起こっているわけでございますので、やはりわが国が主体的に処理すべきものであろうというふうに判断しているわけでございます。 で、こういうのは日本の国が指一本触れることができないことであるかという御質問でございますけれども、そうではなくて、やはり基本的にはわが国の国内法とか、わが国の政策に従って処理することになるだろうというような考えを持っております。これは外務省当局も、また関係各省の間でもそういうふうに認識をいたしておるわけでございます。
○鬼木委員 それでは、米軍基地といえども日本の領空を侵犯してやってきたというような場合には、日本の主権を生かして、自主的に日本がこれを処置することができる、こうですね。そうすると、やはりこの場合と同じように機体、身柄はどうだとか、あるいは機体を解体するとかせぬとか、調査するとかいうようなこともおやりになる、こういうことですね。そこをはっきりしてください。
○伊藤(圭)政府委員 米軍の基地の場合にも、やはり飛行機が入ってくる場合には、その基地に入ってくる前には必ずわが国の領空も侵犯しておりますし、またそのほかの国内法にも触れて、出入国管理令違反とかいういろいろな刑事犯も一緒にしょってそこに入ってくるということでございますので、やはり日本の主権が侵害されたという立場からの当然の調査というものはなされるだろうというふうに判断いたしております。
○鬼木委員 わかりました。それで非常にはっきりした。それを政治的にどうだこうだというようなことを言われたのでは……。私は法的にはっきりこれをどうだというようなことを言えというのじゃないのです。実際面としてどう取り扱うか、法的にぴしゃっと——それは地位協定の第三条もあるでしょうが、いやしくも日本の領空を侵犯したということは日本の主権を侵害したことですから、今回と同様な取り扱いをなすんだというお答でえあれば明快だ、私承知します。 そこで、これをまとめて申し上げたいのですが、米軍の戦略体制というものは明らかに対ソ戦略であるということは長官も御否定なさらないと私は思います、そうじゃないとおっしゃるかもしれぬけれども。わが方じゃないですよ、米軍の戦略体制というものはですね。この意味から、米軍はミグ25の機密調査資料は確かに欲しくてたまらぬと私思うのですよ。先ほど防衛局長は、何も資料をやっていないけれども、それは見たり調べたり聞いたりさわったりして全部忘れてはおらぬ、頭に入れていっておると思う、こうおっしゃっておる。また、全部忘れぬで頭に入れておかぬではわざわざ来た意味がない。そこで、機密調査資料は確かに向こうはのどから手の出るように欲しいと思うのですよ。それに手をかした。それは手をかしたんじゃない、こう長官はおっしゃるかもしれぬけれども、結果論からして米軍の要請にこたえて手をかしたということ、米軍の戦略に対して積極的にわが方が協力した、そういうことは万々御承知の上で今回のミグ25に対する処置をとられたんだと解釈しますが、長官どのようにお考えになりますか。
○坂田国務大臣 御承知のようにミグが領空侵犯をいたしたわけでございますが、それはそれといたしまして、日本の防衛ということについては、私がかねがね申し上げておりますように、国民の抵抗の意思と憲法の制約のもとにおける必要最小限度の防衛力、それから日米安保条約、この三つの柱によって初めて日本の独立と安全というものが保たれる、こういうふうに考えておるわけでございまして、その一つを欠いても日本国民の生存と自由というものは確保されない、こういう考え方でございますので、当然おわかりをいただけるものだと思います。
○鬼木委員 そこで、私は結論的にまとめたいと思うのですが、結局のところ、このことは日米安保体制がソ連敵視であることにならざるを得ないのではないか、今回の防衛庁のとった措置が如実にこれを証明しているのじゃないか、このように私は私なりに考えたわけであります。長官どうですか。
○坂田国務大臣 先生のお考えはそうかもしれませんが、私どもはそうじゃございませんで、あくまでも特定の国を敵視するような外交もとっておりませんし、そういう考え方もございません。しかし、いかなる国といえども日本の安全保障にとって潜在的脅威になるものにつきましては、十分な防衛上の調査研究というものあるいは情報というものは承知しておらなければ日本の安全を全うできないというふうに私は考えておる次第でございます。
○鬼木委員 それで、このミグの関係もありますが、FXの選定が非常に進んでおるように私聞いておりますが、いつごろ正式に決定されるのか。また今回のミグの調査結果は機種選定に何らかの参考になるのかならないのか、それが一点。 それから最後に、防衛関係費の来年度の予算要求はどのぐらいになっておるのか。長官のおっしゃるGNPの一%以内に抑えられるのかどうか。その基本方針を将来ともに堅持されるのかどうか。予算の限界、装備の限界、自衛力の限界というものに対する歯どめはどうなるのか。とどまるところを知らないというような状態で行ったんじゃ——一番国民がこれを知りたがっておる。その点について、防衛力の限界ということをFXの戦闘機とともにお尋ねして終わりたいと思いますが、それをひとつ……。
○坂田国務大臣 FXの問題につきましては、最終的には十二月の予算編期までには決めなければならないというふうに考えております。もちろんミグの調査結果ということも、調査をいたしたわけでございますけれども、ただいままでのところ、これによって左右をされるというようには考えておりません。 それから、防衛力の規模は、平和時における基盤的防衛力構想をただいま国防会議に諮っております。そして、それに基づきましてポスト四次防の防衛整備の計画も立てなければなりませんし、そしてまた、それに基づきます初年度といたしましての昭和五十二年度の予算も提出いたさなければなりませんけれども、大体GNPの一%程度というふうに考えておるわけでございます。
○鬼木委員 一%上下とか一%以下とか一%程度とかいろいろなお言葉があるようですが、長官にお尋ねするたびごとに変わるようです。私が一番よくお聞きしておるのは一%以下ということをいつもおっしゃっておったようだが、きょうは一%程度ということ。あるときには一%上下と、こうおっしゃるのですが、そこのところは、長官はお人となりが決してうそをおっしゃる方じゃないので、りっぱな御人物と私はかねがね御尊敬申し上げておる。その点ひとつはっきりおっしゃっていただきたい。
○坂田国務大臣 一%程度だというふうにお受け取りいただきたいと思います。
○鬼木委員 いろいろお尋ねしたいのですけれども、どうも御無礼しました。あしからず。
○渡辺委員長 中路雅弘君。
○中路委員 きょうはアメリカ局長をお願いしているので、ミッドウェーの問題を主として御質問したいのですが、来られるまで、最初に二、三ミグの問題に関連してお尋ねしたいのです。 すでに午前中から何名かの皆さんから御質問がありましたから、簡潔に二、三点お尋ねしたいのですが、一つは、このミグの問題はいわゆる国際法上の国家意思による領空侵犯、侵入行為でないということは明らかですが、この問題で防衛庁が機体の解体調査を行う根拠といいますか、法的な一根拠を最初に一言お尋ねしておきたい。
○伊藤(圭)政府委員 国際法上の問題はいま先生がおっしゃいましたけれども、いわゆる国際法上から言っても、その領空侵犯という事実に対する調査、保管ということが行われることはすでに御承知のとおりでございますが、防衛庁がやっておりますのは、防衛庁設置法の第五条の十八号に「領空侵犯に対する措置」というものが定められております。そしてまた行勅といたしましては、自衛隊法の八十四条によりまして措置を行っているわけでございますが、さらに防衛庁設置法第五条の第三十号に「所掌事務の遂行に必要な調査」というものが定められております。こういうものに基づきまして、防衛庁は領空侵犯の事実、その事情について現在機体について調査を行ったわけでございます。
○中路委員 いま行動として言われた自衛隊法の八十四条ですね。この八十四条ですと、わが国の領空に侵入した外国機は、これを着陸させ、あるいは撤去させることができるという規定があるわけですが、その後実際に行動の問題としてどう扱うかという法律的な規定というのはないわけですね。だから、この八十四条にはその後の規定というものはないわけですが、その解体調査の根拠はどこにあるのですか。
○伊藤(圭)政府委員 それは先ほども御説明申し上げましたように、防衛庁設置法の第五条に「領空侵犯に対する措置」というのが権限としてございます。同じにまた、その第五条の第二十号に「所掌事務の遂行に必要な調査」というのがございます。それで行っているわけでございます。
○中路委員 ベレンコ中尉の問題は、刑事的には国内法も不起訴処分となって、米国亡命ということになったわけですね。だから、必要な調査というのもその時点で法律的な根拠は失われるのじゃないかと私は思うのですが、この点については、きょう時間もありませんし、突っ込んだ論議をするつもりはありませんけれども、防衛庁がさらにその後も、九日以降ですね、機体の解体調査もやってきているということは、私はいままでの慣行からいっても不当なことだという見解を最初に述べておきたいのですが、きょう御質問したいのはこのミグ問題です。 ミグ25の解体処理に関する日米の実務協力といいますか取り決めが行われていますが、この取り決めの内容ですね。どういう取り決めをやられたのか。きょう最初の長官の報告の中にありましたけれども、取り決め自身はどういう取り決めになっているのか、御報告していただきたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 いま解体調査とおっしゃいましたが、実は十一日の日から私どもの方で、このミグ25を自衛隊の基地に輸送してそして調査をする必要があると考えました。そこで、輸送するに当たっては最小限の解体というものが必要になってまいるわけでございます。あの当時、陸送それから海上輸送、航空輸送を自衛隊の手でできるかどうかということを調査いたしましたけれども、その後の外交折衝の問題なんかもぐざいまして、自衛隊ができる程度の解体というのはむずかしいという判断がございました。その時点で航空幕僚長と在日米軍司令官の間で、その能力を持っているかどうか、あるいは協力してもらえるかどうかというようなことを話し合っておりました。アメリカ側としてはその能力があるというので、それをかりる場合のやり方といたしまして、これは大臣の指示に従いまして、主体性を自衛隊が持つという観点から確認し合っておけということで、話し合いの内容を確認いたしましたのは、第一点といたしまして、本件の作業に関しては、米軍の技術要員及び機器は、自衛隊の指令監督下に置くということ、すなわち自衛隊の指示に従ってその技術と要員を提供するんだということでございます。 二番目が、本件作業の過程で及びその作業の関連で得られる知見は、自衛隊のみに帰属する。勝手にアメリカ本国に報告なんかはしてはいけないんだ、そこで得られた知識、見聞きしたものはすべて自衛隊に属するのであるということを確認いたしました。 そして三番目に、自衛隊は、この作業は自衛隊が行う作業でございますので、それに提供してくれました機材、要員等に対してはその実費を支払うということを確認した次第でございます。
○中路委員 いま三点読まれましたね。私はこの問題で、ミグ25の解体に関する日米間の確認事項について、取り決めについて資料を要求いたしました。九月二十二日に防衛庁からいただいたのですが、いま読まれた三項目、違うのですね。言葉が変わっちゃっているのです。言いますと、こうなっているのです。 一番目が、本件輸送作業に関して、米軍の技術要員及び機器は、自衛隊の指令監督の下におく。 二番目も、本件輸送作業の過程で、及びその作業の関連で得られる知見は、自衛隊のみに帰属する。 第三番目が、自衛隊は、本件輸送作業に関連して要した費用を支弁する。」となっていますね。いまお読みになったのはこの「輸送」を余部抜かれたですね。これはどういうことです。
○伊藤(圭)政府委員 大変失礼いたしました。いまのは二つのを一緒にして御報告したものでございますから、「輸送」という言葉を特に外したわけでございますが、輸送と調査に関しましては、全く同じ内容のことを輸送の場合と調査の場合と両方確認し合っておるわけでございます。ですから、そこのところは輸送、調査というふうに別々になっておるものでございますから、本件作業というふうにまとめて御報告したわけでございます。
○中路委員 事情はわかりましたけれども、しかし、この問題で私が資料要求したときに、表題も輸送じゃない、表題は「ミグ25の解体に係る日米間の確認事項について」という資料をいただいて、実際は、機体の解体から運搬その他の調査の全過程に米軍の自主的な協力を得ておられるわけですから、この点は、もしこれが取り決めだということで資料を出されたとすれば、違っているのじゃないかということで私は御質問しておるわけです。
○伊藤(圭)政府委員 いま先先がお示しになりました二十二日の時点では、輸送の確認しかございませんでした。そして百里に参りまして、改めて調査の確認をしたという事情でございまして、これは二十六日の日にしたわけでございます。
○中路委員 しかし、百里に行く前に、十七日に取り決められたのですかね。先ほどお話しのように、十九日の日にすでにアメリカの十名前後ですか、これは函館空港でも輸送だけではなくて、この調査に参加をしているわけですね。これは三十二日だから輸送だけだというお話ですけれども、先ほどのお話でも、十九日にすでに十名前後の米軍が調査に参加をしているということですから、この取り決めというのはおかしいのじゃないですか。
○伊藤(圭)政府委員 御承知のように、函館から運ぶについては、輸送のための解体、そしてその輸送のために必要な調査といいますか、そういうことでございましたので、それは「輸送」という番葉で含めてあるわけでございます。したがいまして、その後の調査については別に確認し合ったということでございます。
○中路委員 そうしますと、先ほど私、鬼木議員の質問を聞いていたのですが、十名前後参加をしているというお話です。逐次聞いていきたいのですが、新聞等の報道によりますと、十九日には十一名のアメリカの専門家の協力を得ておる。それからさらに百里へ来てからの二十七日に、新手のアメリカのミグ調査団十一名が投入されたということで、合計二十名以上に達した米軍調査団、グループですね、これが協力しているという報道がありましたね。先ほど十名前後とおっしゃったのと、この後の百里へ来てからの調査と、この関係はどうなっているのですか。
○伊藤(圭)政府委員 非常に再度な技術のものでございますから、その調査のときの協力を得る者も、全部が全部同じ者でできるわけではございませんでした。そこで交代したり何かすることがありましたけれども、この解体、輸送の協力から調査にかけまして、おりましたのは十名前後ということでございます。
○中路委員 最初の十名前後ですね、この中にアメリカのミグ専門家、いわゆるミグ屋と呼ばれるミグ15、17、21の専門研究技術者も参加をしているということが一般新聞でも報道されているのですが、ダブりはあると思いますけれども、さっきおっしゃった取り決めに基づいて協力といいますか、事実上の合同調査だと思いますが、これに参加したアメリカの方の参加人員、氏名、所属、階級ですね、こういう点について、先ほど氏名は言えないという御答弁がありましたけれども、ミグ専門家が五名参加をしておるというような報道もありますから、少なくとも、氏名でなくても、アメリカのどこの所属あるいは階級ですね、あるいは軍人、民間人というのもあると思うのですが、秘密でなければ当然その範囲ではお話ができると思うのですが、御報告していただけますか。
○伊藤(圭)政府委員 先ほど大臣からも申し上げましたように、階級、氏名を含めまして個人の御報告は差し控えさせていただきたいと思います。ただ、ミグの専門家かということでございますが、これはアメリカの軍人の中でもミグのことをよく知っている者が当然来ておるわけでございまして、私どもの方として、ない技術を提供してもらうためでございますから、そういう関係者であったというふうに理解しております。
○中路委員 まあ皆さんの言うたてまえは、防衛庁の自主的な調査なんだ、それに協力をしてもらっているんだ、お手伝いであるということで、決して共同で軍事機密を入手するようなそういう調査じゃないんだということをおっしゃっているわけですね。そういうことであれば秘密じゃない。日本のマスコミまで全部シャットアウトして進められておるわけですが、それに協力をする実務的な取り決めをした、このアメリカの方の氏名は言えないとおっしゃいますけれども、どこの所属の人間に協力をしてもらったのか、あるいは階級、民間人か軍人か、この点も委員会でお話しできませんか。長官、どうですか。
○坂田国務大臣 これは先生、どうでしょうかね、こういうことはやはり言わぬ方がいいと思うのですがね。こういうものは国際関係、非常に微妙でございまして、そういうことまでつつ抜けになるようなことではいけないのじゃないかというふうに私は思います。
○中路委員 防衛庁の方からいろいろ依頼をされたんだというお話ですけれども、しかし、この過程は皆さん御存じのように、アメリカ自身がこのミグの問題が起きてから、国防長官の発言やあるいは国防総省の関係の人たちの発言でも、アメリカ政府当局がこのミグ25の軍事機密の入手に非常に強い希望、要語を持っているということは報道されているところですね。そして昨日ですか、外務委員会で防衛局長自身がお話をされていますが、解体の準備過程で米軍の方からお手伝いができることがあればという話もあったという意味の発言もあるわけですね。だから、この問題は、皆さんの方からの要請だけじゃなくて、特にアメリカの方の強い希望、要請にもこたえているという点から、たてまえは自主的な調査であるということがあっても、事実上技術の水準から言っても、アメリカの主導型による軍事機密の合同調査じゃないかという疑惑が一般に強く出されているわけですね。ミグの調査については、ここに一つの大きな問題が一般のマスコミの中でも出されている。皆さんがあくまで自主調査なんだ、輸送その他についてもお手伝いしてもらうだけだ、その機密については一切アメリカの方に——さっきおっしゃったように、この作業で「得られる知見は、自衛隊のみに帰属する。」ということをおっしゃっているとすれば、これに参加をした、私は氏名までいま言っていないのですよ、どういう所属にアメリカの協力を仰いでいるのかというぐらいは秘密ということじゃないでしょう。これは秘密にされればますますその疑惑の方が強まるのじゃないかと私は思うのですが、いかがですか。
○坂田国務大臣 これは確かにアメリカ側といたしましても、幻のミグ25戦闘機ということについて非常に知りたいということは、わからぬわけではございません。恐らく中路委員もそう思っておられると思いますが、やはりそうだと私も思うのです。それだけにこれは日米共同してやるというようなやり方がいいのかどうなのか。ソ連の立場になるならばやはり——領空侵犯をしたといえども、われわれは調査を自主的にやるというようなたてまえがなければいけないわけなんで、そこのところが私はむしろ日本の国益ということを考えると、そういうような氏名はもちろんのこと、階級その他、一緒になってやったんだ、こういうようなことを言わない方がいいのではないだろうかというふうに思います。しかし、これは人のおのおのの考えに相違がございますから何とも申し上げようがございませんが、しかし、私といたしましてはそういうような配慮をすることが国際関係をスムーズにすることだというふうに思うわけで、さなきだにわれわれが知見した資料をどんどん発表している、そのことがソ連のいら立ちになりあるいは報復云々というようなことにもなってきておることを考えますと、やはり余りそういうようなことを公にしない方がいいのではないだろうかというような判断から差し控えさせていただきたいというふうに私は思っておるわけでございます。
○中路委員 報道によりますと、この問題で防衛庁内部でも安保条約の第三条を自主的に発動して、それによる共同の調査という意見もあったということも報道されているわけですね。それが日米協力の形を事実行為という協力措置でやられているわけですけれども、しかし、たてまえはそうなんだけれども、実際は日米の共同による軍事機密の入手の作業じゃないかということが強く言われていますし、またそのことがソ連との友好関係についても非常に大きな影響を与えているのじゃないか。長官は、この問題の調査を日本の国民の安全に必要だということをお話しされているわけですけれども、しかし、結果としてこの問題がいま友好関係に悪影響を与えていることは事実でありますし、このことがいわゆる外交の問題よりも軍事を優先させていく、特にアメリカとの軍事関係を優先させるということから起きている問題じゃないかと私は思う。この問題で時間をとって、いま山崎さんお見えになりましたから論議をいたしませんけれども、この点については長官と全く意見を異にしているわけですし、今度の調査がそういう点でいわゆる外交——最初は防衛庁自身が入れなかったでしょう。防衛庁が行ったら、制服で困ると覆われた。最初の六日の検察と警察を中心にしてこの問題を処理する内閣官房が主宰した会議は、外務と警察、運輸省など関係の省庁で、防衛庁は除外されていたという経過からいっても、途中で大きく方針がカーブしてきているわけですね。そして防衛庁が中心で解体作業までやる、それも米国と一緒にやるというふうに変わってきている。私は、不法侵入ですから調査は当然必要だと思いますけれども、それ以後防衛庁に移管されて調査をやっていることは、明らかに長官の言われる、この調査が国民の安全というだけでなくて、一層不安を与えている。そのことが百里の周辺の市町村の議会の決議を見ても、百里に持ってくることがどれほど国際関係においても大きな不安を住民の人たちにも与えているかということもわかるわけですし、その点は私は長官に十分考えていただきたいということを強くこの際述べておきたいと思います。
○坂田国務大臣 最初の六日の日に何か防衛庁を除外して話し合いが行われた、そんなことはございません。このことも間違いでございますから、私から申し上げておきたいと思います。そして外務省とは非常によく連絡を保ちながらやっておるわけでございまして、翌日でありましたか、宮澤前外務大臣ともお話をいたしまして、領空侵犯をしたこの事実に基づいてその背景調査をやるということは当然なことだということで両者は完全に一致しておりまして、そういうことで取り運んでいることを御了承いただきたいと思います。 それから、中路さんそれ自身が、ソ連の非常に強硬な、あるいはああいうようなときにやっちゃいかぬというふうにお考えでありますがゆえに、いままで多少そういうふうなことが結果として事実上出てきておった、そういうことはやはりわれわれとしては慎重に慎むべきだというふうに考えますがゆえに、先ほども申しますように氏名なんかは発表しない方がかえってよろしいという判断なので、これにもひとつ中路さんは御協力願いたいと思います。 〔委員長退席、木野委員長代理着席〕
○中路委員 この問題、一応きょうはこれで打ち切りますけれども、もう一度重ねて、日米の共同の実際の軍事機密の入手だということは、いかにたてまえは言っても、言われているわけです。それだけに米軍に協力を仰ぐとすれば、しかもミグの専門屋が五人来ているとか一般には報道されている。少なくともその所属だとか階級だとかあるいは民間人なのか、CIAが入っているかもしれない、そういう問題について国民の前に明らかにするということが、防衛庁の自主的な調査なんだ、輸送の技術的な援助を受けているだけなんだということをはっきりさせる意味でも——あくまでその米軍の氏名も所属も言えないということになれば、むしろこれがアメリカ主導型による共同の調査なんだという性格を一層はっきりさせるのじゃないかという疑惑をますます強くしたわけですけれども、私はこの問題についてはあくまでこの氏名や所属は明らかにすべきだという見解ですから、また次の機会にもう一度論議をしてみたい。きょうは、ちょっとあとの問題がありますので、この問題を打ち切りたいと思います。 山崎さんお見えいただいたので、あとの時間、ミッドウェーの問題でいろいろお尋ねしたいのですが、一つはこの八月の朝鮮の板門店の事件ですね、北緯三十八度線の警備兵の衝突事件をきっかけにして朝鮮半島の軍事的な緊張が非常に強まった時期、特に在日米軍とその基地をめぐる非常に目まぐるしい動きがあったわけです。たとえば、在韓米軍が警戒態勢に入ったのと連動して、在日米軍が非常態勢をとる、南朝鮮に出動する。沖縄の十八戦術戦闘航空団、核攻撃の任務を持っていますファントムも出動しましたし、横須賀を根拠地にしている第七艦隊の空母ミッドウェーを初めとして、艦船が朝鮮海域へ出動していますが、この問題について、外務省はアメリカの方から報告を受けているわけですか。アメリカの方からどういう連絡なり通知があったわけですか。
○山崎(敏)政府委員 このミッドウェー等の出港につきましては、八月二十日の午後に在京の米大使館から空母ミッドウェーを中心とする第七艦隊のタスクグループが海上待機任務につくべく、翌八月二十一日朝横須賀を出港するという旨の通報を受けております。 〔木野委員長代理退席、委員長着席〕
○中路委員 私たちは、この問題でこの前後の時期を幾らか調べてみました。八月十八日に板門店事件は発生したわけですが、十九日の夕刻に横須賀の米第七艦隊司令部はいわゆるアラート、警戒態勢に入っておりますし、これは米軍の基地内の新聞等にも出ていますけれども、ミッドウェーの水兵にもこの十九日に帰艦待機命令が出されています。また、警戒態勢に伴って、二十日に空母の航空機整備兵の一部は厚木及び三沢の両基地に派遣をされておりまして、出動するのが二十一日の午前八時だと思いましたけれども、二十日には、空母ミッドウェー及び横須賀軍港内のフリゲト艦カークや第五駆逐戦隊の五隻が午前中から夕方にかけて港外に出て、浦郷弾薬庫から大量の弾薬を積み込んでいます。そして二十一日午前八時に空母ミッドウェーが横須賀から朝鮮海域に出港したわけですが、この空母にはグレッドリー、クック、カーク、ロックウッド、フランシス・ハモンドの五隻の艦船が随伴をして出港しているわけです。 新聞報道によりますと、アメリカ政府は、この板門店事件が起きた十八日の夜から十九日にかけて二回、国務省、国防省の両長官やあるいは統合参謀本部の議長等で構成する軍事情勢の緊急情勢に対応する委員会を持っていまして、在日米軍を含む朝鮮半島地域の米軍に対して、いわゆる第三段階と言われる警戒態勢、特別の態勢を指示しているわけですね。これはいついかなるときに戦争が勃発しても即応できる態勢ということで言われていますが、在日米軍を含めてこういう指示が出ている。これに基づいてミッドウェーが出港したという経過ではないかというふうに私は思うのです。 ミッドウェーあるいは第五駆逐戦隊は横須賀が根拠地、母港になっていますから、寄港して出ていったわけじゃないのですね。横須賀を根拠地にしている、母港にしている機動部隊が、そういういついかなる戦争の態勢にも即応できるという段階での指示で出動するわけですから、この問題は、一片の連絡というのではなくて事前の協議が必要ではないかと私は思うのですが、いかがですか。
○山崎(敏)政府委員 日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地として日本国内にあります施設区域が使用される場合には、事前協議の対象となることはいままで御説明申し上げたとおりでございますが、今回のミッドウェー等の出港は、先ほどから申し上げましたように、海上待機のための任務につくということでございますので、この種の出港については事前協議の対象にならないと考えております。
○中路委員 私がお話ししているのは、アメリカの待機の中で段階がありますね、その中の第三段階と言われるいわゆる戦闘行動に即応できる態勢という、二段階飛ばして最も緊急な態勢をとった、その中で命令を受けて出動をしているわけですから、当然必要ならば戦闘行動に参加する態勢をとって出ている。そして浦郷から大量に弾薬を積み込んで出港している。だから、一般的に海上を警戒するとかそういうことでない段階での出港だと思うのですね。しかも、横須賀を根拠地にしているわけですから、こういう場合は当然事前協議になると思うのですが、もう一度これをお伺いしておきたい。
○山崎(敏)政府委員 ミッドウェーが横須賀を根拠地にしておるというふうに仰せられますが、ミッドウェーに関しましては、その乗組員の家族が横須賀及びその付近に居住しておるということもあって、日本への寄港が多いということは事実でございます。それ以上の意味はないわけでございます。そして、われわれといたしましても、この事前協議の問題につきましては、結局、その海軍の艦船が日本の港を出ていくときの任務とか態様、そういうものから判断してそれが事前協議の対象になるかどうかということを考えるわけでございますけれども、今回の場合には、板門店の事件が起こったということで万一の場合に備えて海上待機任務につくのだということでございまして、われわれは、その当時の朝鮮半島における情勢から見てその程度の行動は断然であろうし、またその程度の移動は戦闘作戦行動と観念されるべきものではないと考えた次第でございます。
○中路委員 ミッドウェーの根拠地がどこかということになりますと、再度母権の論議を繰り返すことになるわけですけれども、もう一つお尋ねしたいのですが、これは、いま局長いませんけれども、核防条約の連合審査のときに、山崎さんも出席されましたけれども、当時の丸山防衛局長が、私の質問で、アメリカの第七艦隊は有事の際は戦術核の能力を必ず保持している、したがって、核抑止力の一翼を構成するということを答弁されているのですね。戦闘に備えた待機行動と言っても、戦闘に備えた待機ということで今度は出動したわけです。当然、ミッドウェーを含めた核保有の能力を持った大部分が、第七艦隊がまる裸のまま出動することはあり得ない。これは局長の当時の答弁でも、戦術核の能力を保持して核抑止力の一翼を構成するということは当然だと私は思うのです。それで、当時も、横須賀に入港するときは核は持っていないのだ、母港に入るときは核を持っていないのだ、有事の際は核を持つのだ、じゃ、どこでその核を積むのかというような漫画のような論議が行われたことがあるのですが、今度の場合、朝鮮海域に出動する前に、私たちが確認しているように、弾薬を積み込んだのは横須賀の浦郷弾薬庫で二十日に一日で積み込んだ、それで朝鮮海域に出動したわけですね。そうしますと、有事の際に当然核を保持するこの第七艦隊が、まる裸のまま戦闘行動に出動するということはあり得ないわけですから——皆さんの言うように横須賀にいるとき、母港にいるときは核を持っていない、どこかで積むのだろうというわけです。今度の場合、状況から見ても、積むとすれば浦郷弾薬庫で積んだとしか考えられない。こういう問題の関係をどのようにお考えですか。
○山崎(敏)政府委員 実は、八月十九日か二十日に浦郷の弾薬庫からミッドウェーその他の第七艦隊の艦船に弾薬を積み込んだという報道があるということも聞きましたので、われわれもその点については念のためアメリカに照会してみましたが、アメリカが申しますところによりますれば、その当時浦郷弾薬庫から弾薬を搬出したり、あるいは搬入したりしたことはないと言っております。したがいまして、核の問題を含めて、そういう問題はなかったのではないかと思います。
○中路委員 これはみんな現認しているのですよ。地元の住民の人たちもみんな知っているのですよ、私が言ったのは。二十日、夜こっそり積み込んだのではないのですよ。朝から夕方まで港外に船をとめてそれで弾薬を全部運び込んだのですから、それはみんな知っていることなんですよ。アメリカの方で弾薬を全く積まないで出港したということは、これはうそっぱちだということは、あの周辺の一般の人たち自身が知っていることなんですね。ひそかに積んだのではないのですから、朝から夕方までまる一日弾薬を積み込んでいたのですから、そして次の朝に出港したのですからね。今度、積み込んでいたものをおろしたということはどこにもないのですよ。だから、この点は、横須賀を母港にしている際には核をおろしているのだ、そして有事の際にはどこかで核を積むのだといままで答弁されていたのが、出かけるとき積んだのは明らかに横須賀の浦郷弾薬庫から積んでいるのだということで、それ以外に朝鮮海域へ行くのに寄ってないのですよ。だから、初めから戦術核を持っているのか、浦郷で積み込んだのか、これしかあり得ないわけですよ、状況から言えば。私たちが艦船に入って調べるわけにいきません。状況から言えばこういうことしかあり得ない。その点では弾薬を積んだことは事実なわけですから、もう少し明確にこの問題はしていただきたいというふうに私は思うのですが、いかがですか。
○山崎(敏)政府委員 従来アメリカはこういうオペレーショナルと申しますか、作戦上の問題に関しては答えないということを原則にしておるわけでございますが、特に中路先生の御照会もございましたので、その点についてはわれわれも念のために聞いてみたわけでございますが、われわれが承知しておる限りにおきましては、その当時特に浦郷弾薬庫から弾薬を積み込んだという事実はないということを言っておるわけでございます。われわれとしましてもこれ以上確認のしょうがないわけでございます。いずれにいたしましても、核の問題というのは、たびたび繰り返すようで恐縮でございますけれども、核兵器の持ち込みというものは事前協議の対象でございますし、そういう事前協議が行われていない以上、もともと浦郷弾薬庫にそういう核が貯蔵されているということはあり得ないことと考えております。
○中路委員 この問題は改めてまた取り上げたいと私は思いますけれども、もしアメリカの覆うように積んでないというならば、それでは初めから持っていて出航するわけですね、明らかにグアムに寄る、どこに寄って朝鮮海域に行ったわけじゃないですから。だから、皆言われているように初めから持っていて、そして出航していった。母港に入るときだけおろしているということはあり得ないということを逆にまた証明している事実じゃないかと私は思うのですが、この点は、弾薬を大量に積んでいた。ミッドウェーだけではないのです、さっき名前を挙げましたけれども、随伴の艦船が全部港外に停泊して、浦郷の弾薬庫から弾薬を積んでいたということは事実なわけですから、この点は私は改めてもう一側確かめていただきたいということもこの際要請しておきたい。この問題はまた改めて論議をしてみたいと思うのです。 それから、ミッドウェーの母港に関しての問題ですけれども、これは三年前、七三年の十月九日、母港になった直後の当委員会で母港化の問題で論議がありました。そのときに皆さんの方の答弁では、ミッドウェーの横須賀配備は両三年という一つの期間をお話しになっていました。ちょうどこの十月五日で三年になるわけですけれども、依然としてミッドウェーは居座っている。いままでは定期修理ということも含めて、当時の大河原局長が両三年ということをお話しになっていましたけれども、このミッドウェーの今後の問題についてアメリカの方から正式に何か言ってきているのか、今後の問題はどういうことになるのか、この点について最初お尋ねしたいと思います。
○山崎(敏)政府委員 この問題に関しましては、本年の七月であったと思いますが、在京米大使館から、ミッドウェーの乗組員の家族の居住計画について、新たに別の空母の乗組員の家族と交代せしめることから生ずる家族の不便と財政負担を最小限度に抑えるために、当初ミッドウェーについて予定されていたオーバーホールのための本国へ帰る計画を取りやめにした、そしてそのミッドウェーの乗組員は引き続いて横須賀地域に居住することになった旨の通報がございました。この点につきましては一当時在日米海軍司令官から横須賀市長にも同様の通報があったというふうに聞いております。
○中路委員 これはアメリカの万の報道等に見ますと、いわゆる七七年の会計年度に就役する予定の大型の原子力空母、二番艦と言われる原子力空母のアイゼンハワー、これをどこに配置をするかということで論議があって、結局いまフロリダを母港にしています第二艦隊に配属をして、ミッドウェーと同じ型の四五年就役の老朽艦ですけれども、ルーズベルトとアイゼンハワーは交代をする。そしてこれが交代が終わればこのルーズベルトは退役をするということが報道されているわけです。第三番艦のカール・ビンソンというのが八一年度に就役をする予定だ。そうしますと、このミッドウェーの型の四五年型というのはどんどんいま退役していっているわけですから、今度は当然これがミッドウェーと交代し、ミッドウェーが退役になるのじゃないかということが報道でも言わているわけです。いま第七艦隊に配属されているのは、エンタープライズ、ミッドウェー、コーラルシーですが、コーラルシーは四七年就役、ミッドウェーが一番老朽艦ですから、こういうことが報道されているわけですが、そういうことは当然可能性が十分あるのじゃないか。また、最近アメリカのエルズワース国防次官がバンデンバーグの空軍基地の演説の中で、横須賀への核攻撃型空母の配備は期限を切らずに続けていく方向だということを言っています。そうだとしますと、結局ミッドウェーが幾らかいま期間を延ばしたにしても、いずれ交代ということが問題になってくる。その交代の際には今度は当然原子力空母が問題になってくるということが私は浮かび上がってくるのじゃないかと思うのですが、この辺、皆さんの方の見通し、それからミッドウェーが引き続いていたいというアメリカの方の通知の中に、今後の問題についてアメリカの方とどのような折衝、また話がいまあるのか、その点も一点お伺いしておきたいと思います。
○山崎(敏)政府委員 このミッドウェーの家族が横須賀にとどまる期間が今後どのくらいになるかということにつきましては、ミッドウェーその他の艦船の行動の必要性いかんにかかることであって、その期間ははっきり示すことはできないということは当時アメリカが言っております。 御承知のとおり、このミッドウェーの家族の居住計画というのは、もともと通常型空母一隻についての計画でございまして、それに充てられたのがたまたまミッドウェーであったということでございます。そして当時は、ミッドウェーはオーバーホールのために三年ぐらいたったら本国に帰るのじゃないかということを御答弁申し上げたことは事実でございますが、われわれとしましては、この通常型空母一隻の横須賀における家族居住計画が三年で終わるのだというふうなことは申したことはないはずでございます。 それから、先ほど申し述べられましたいろいろな報道についてはわれわれも承知しております。ただ、現在ミッドウェーがほかの空母と取ってかわる具体的な計画があるということは何ら承知しておりませんし、ましてや原子力空母と取ってかわるというふうな話も聞いておりません。
○中路委員 もう一度念を押しておきますが、ミッドウェーの寄港の際に、たとえば地元の横須賀市に出された文書も、アメリカから来た文書も「通常型空母(ミッドウェー)」となっておりますね。したがって、この交代の問題で、いま局長もそういう報道については承知しているということをおっしゃっていますけれども、原子力空母の交代ということが浮かび上がってくるということになれば、当然新たな問題としてまた検討をしなければいけない問題だということはいいですか、そういう課題だということ。
○山崎(敏)政府委員 当時三年前に問題になりましたときには確かに通常型空母一隻に関する計画でございますから、これが原子力空母ということになってまいりますと、ちょっと別の角度から考えなければならない問題もあるということは事実でございます。
○中路委員 いや、別の角度とあいまいじゃなくて、前に通知があったのと全く別の問題、改めてこの母港化ということになれば別の問題として、ただ交代という問題じゃなくて検討をするという問題なんだ。地元にただ通知をするだけで配置をするというような問題じゃないのだという点ではいいですか。
○山崎(敏)政府委員 この問題については、具体的な計画は何らございませんので、われわれとしても検討したことはございませんが、従来のわれわれの了解は確かに通常型空母一隻が横須賀に入る、その家族が横須賀に居住しているという問題でございますから、原子力空母ということになりますれば、それに伴ういろいろな問題についてわれわれとしては検討する必要があろうというふうには考えております。ただこの問題は、安保条約の事前協議の問題その他とは直接結びつく問題ではないと存じます。
○中路委員 時間が限られていますから、もう一つこのミッドウェーに関連して、いま大きな社会問題になっていることで、この前も私が局長自身にお話している問題ですから、これはきちっとまとめて御答弁いただきたいのですが、いまのこの空母ミッドウェー、ミッドウェーだけではなくて第七艦隊の旗艦の巡洋艦オクラホマシティー、フリゲート艦カーク、この三隻が汚水を貯蔵する設備、屎尿処理の設備を全く持っていないということを米海軍の報道部自身も最近認めているわけです。だから、入港中屎尿を全部港内にたれ流しているということが明らかになっていま大きな問題になっているのは御存じだと思うのです。最初に、このミッドウェーの母港化以来この三年間に横須賀港へ何回入港してきたのか、それから延べの滞在日数は何日になるのか、ミッドウェーの乗組員、それからオクラホマシティーの乗組員、フリゲート艦カークの乗組員の人数、こういう点について最初まとめてお尋ねしたい。
○伊藤(圭)政府委員 ただいま申されました艦艇の横須賀への寄港状況でございますが、ミッドウェーにつきましては昭和四十八年十月五日以来入港三十三回でございます。滞在日数が四百九十五日。オクラホマシティーにつきましては昭和四十三年十一月二日以来横須賀に来ておりますが、入港六十回、滞在日数千三百七十七日。またカークにつきましては本年八月十四日以来入港二回、滞在日数二十八日でございます。また、乗組員数につきましては、ミッドウェーが約四千五百人、オクラホマシティーが約千六百八十人、カークが約二百五十人でございます。
○中路委員 いまお話しのように、ミッドウェーだけとりましてもこの三年間だけで四百九十五日という滞在日数ですね。これはある新聞が報道したのですが、入港中は大体半分上陸で半分艦内にいるということにしますと二千名くらいが艦内で生活をしている。ちょっと屎尿の話ですけれども、一人一日の屎尿の排出を約一・四リットルと計算をしてミッドウェーだけで一日二千八百リットルの屎尿が処理されないままたれ流されるということになる。三年間で四百九十五日ですからちょっと計算してみれば出てくるのですが、大変な量になる。それにオクラホマシティーが先ほどおっしゃったように六十回、千三百七十七日、それからカークと、ちょっと計算してもらえばわかると思うのですが、この新聞報道のミッドウェーで一日二千八百リットルということになりますと、屎尿のたれ流しというのはどのぐらいになりますか。いま局長がおっしゃった艦の入港で計算してみるとどのぐらいになりますか。
○山崎(敏)政府委員 概算でございますが、五百日といたしまして大体百四十万リットルになると思います。
○中路委員 これは大変な量なんですよ。屎尿の話ばかりであれですけれども、私はちょっと前に計算したことがあるのです。入港日数がその当時は四百日余りで、それで百万リットル余り超えていますから、そのときに百万とか何リットルと言ってもわからないから、ビールびんで何本ぐらいになるかと思って計算しましたら約百六十万本なんですね。これよりさらにはるかに今度多いわけです。これが若干薄めても全部港へそのままたれ流しという状態になっているわけですが、きょう運輸省も見えておられますが、港内の艦船の廃棄物の問題について、海洋汚染防止法では、いまの国内法ではどういう規制になっておりますか。
○阿部説明員 海洋汚染防止法、この法律は先国会で改正されまして、現在海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律というふうになってございますが、この法律におきましては、船舶内の船員等の乗組員、この日常生活から生ずる屎尿の排出につきましては、一般的にはやむを得ないものとして禁止をしていないわけでございますが、搭載人員が百人以上の船舶につきましては、港の中、その他海岸から一万メートル以内の海域などにおきましては一定の技術上の基準に適合している装置により処理して排出するか、または粉砕し海面の下に航行しながらできるだけ少量を、海岸からできるだけ離れて排出すべきというようなことをこの法律では定めております。
○中路委員 いまお話しのように、海洋汚染防止法で百名以上乗り組んでいる艦船というとこの三艦ともそうですが、これについては岸壁から十キロ、一万メートル以内は投棄してはならないということで禁じられているわけですね。この点で私はちょっと調べてみましたら、海上自衛隊の艦船は汚水の貯蔵タンクを一応みんな持っておりますね。それで入港中はそれをためておいて、横須賀の屎尿処理業者が来て処理をしているという方法をとっているのですよ。自衛隊を認めるわけじゃありませんけれども、この点は一応国内法を守っておるということなんです。しかし、四千名以上の乗組員を持って、しかも五百日停泊してそのまま全部たれ流しておる、これはいまおっしゃったように全く国内法違反なわけです。ミッドウェーの船舶の所有者はだれですか、法律上の責任者は。
○山崎(敏)政府委員 米国政府であると思います。
○中路委員 アメリカ大統領が日本のこの海洋汚染防止法で処罰をされなければいけないという問題なんですね。これはこのまま放置するわけにいかない。先日も、神奈川県知事から九月二十八日に外務大臣、運輸大臣、防衛庁長官、海上保安庁長官、施設庁長官等に、空母ミッドウェー等の屎尿処理に関する緊急要望書というのが出されております。地元の横須賀市長その他からもたびたび同じような要請が出されているわけですが、私も先日アメリカ局長にこの点についてお話しに行きました。外務省は直ちにアメリカに改善について申し入れるというお話をされましたけれども、その後どうなりましたか。
○山崎(敏)政府委員 この問題に関しましては中路委員からもお話を承りました。さらに横須賀市や神奈川県からも陳情書をいただいております。 一般的に申しますと、アメリカ軍は地位協定に特別な定めのある場合を除きましてはわが国の法令の適用は受けないわけでございます。しかしながら、アメリカ軍としましても、一般的に言ってわが国の法令を当然尊重すべきでありますし、ことにこのような海洋汚染防止その他の環境保全関係の法令の実態については尊重すべきであると考えております。 したがいまして、われわれといたしましても、この問題については、九月二十四日の日米合同委員会におきまして、アメリカ側に対して関係国内法令を実質的に守る方向で善処するように強く申し入れた次第でございます。実は本日も合同委員会がありましたので、さらに重ねて米側の代表であります在日米軍参謀長リン少将に対しても、その問題がその後どうなっているかということを私は聞いたわけでございますが、彼は中速海軍に連絡し、またハワイの太平洋軍司令部及びワシントンに連絡してこの問題をいま緊急に検討しておるということを申しておりました。
○中路委員 この問題は、私も、大きい環境の問題ですから、国立予防衛生研究所にもいろいろ聞いてみたのです。そうしたら、いかに薄めても、これだけ大量のものが廃棄されるとなれば、大腸菌などの病原菌の心配も非常に大きい。いま釣りブームでしょう。あの周辺だって釣りをみんなやっているのですよ。この問題が出てからもう大騒ぎなんですよ。そういえば横須賀の港の周辺でとれる魚はみんな臭いと思ったと言うのですよ。釣りの関係者の人たちからも話がある。 〔委員長退席、木野委員長代理着席〕 いかにいま厳しく国や地方自治体が法律改正をやって環境汚染、それから県民の健康、こういったものを考えても、このような無法行為が続いていけば、それはみんな底抜けになってしまいますよ。私は、この問題は改善を申し入れるというだけでは済まない問題だと思います。地元の市長あるいは商工会議所もこの問題を取り上げまして、先日小佐野という横須賀の商工会議所会頭が直接在日米軍の海軍司令官トーマス・ラッセル少将に会って要請をした際に、こういう話をしているのです。屎尿処理施設のない艦船は五十六年、八一年までに、あと五年ですが、改善をすると言っているのですね。八一年と言えば、さっき私が言ったように、いずれにしてもミッドウェーの交代時期なんです。あと五年間。しかもこの改善には相当の費用もかかる。大型のタンクが必要なので改善作業は二、三カ月かかるということを言っているのです。 御存じだと思いますが、かつて私の方の局長が取り上げまして、あの原子力潜水艦の放射能汚染の問題で大問題になりました。あのときは六カ月間原子力潜水艦の入港はできなかったわけですね。政府の方もそのことを要請してとめたわけですね。それ以上にこれは現実に出てくる被害なんです。これだけの大きな問題なんです。少なくとも政府が、原子力潜水艦のあの放射能のデータの捏造問題で、問題がはっきりするまで事実上入港を断った。半年間にわたって原子力潜水艦は横須賀の港に寄港しなかった。この問題から言っても、少なくとも、この母港を認めるかどうかというような政治上、軍事上の論議は別にしましても、この問題について改善処置がとられるまでは入港を拒否すべきだと思うのですが、いかがですか。
○山崎(敏)政府委員 このミッドウェーその他は現に横須賀におりまして、その家族も横須賀におります。そしてこのおることがやはり安保条約の抑止効果に大きく寄与していることは否定できない次第でございます。したがいまして、この屎尿の問題は、われわれとしても非常に重大な問題だと考えておりまして、アメリカ側に早急に改善するように言っておるわけでございますが、ただ、そういう事実が明らかになったからといって、直ちに出て行けというわけには政府としてはまいらないと思います。 いずれにいたしましても、環境問題はわれわれの最大の関心事でございますから、アメリカ側にその早急な改善を迫るということは大いに努力いたしますけれども、それだけの理由をもって、アメリカの艦船は横須賀から立ち退いてくれということを申すことは困難かと存じます。
○中路委員 時間が来ましたのでもう終わりますけれども、きょう外務大臣が見えていないのであれですが、防衛庁長官、いまお聞きになった状態なんです、まあ安保条約で、この地位協定でも容認された寄港、母港ということは。そういうことはありますけれども、しかし、少なくとも地位協定でも、日本のこういう特に環境問題等では国内法を尊重するということは明記をされているわけです。そして、さっきの海洋汚染防止法においても違反は明白であるわけですね。無法行為は明白なわけです。特に国民の健康の問題でもあるし、また、屎尿のたれ流しということになれば、これは国民感情から言っても容認されないことなんです。先ほど言いましたように、坂田さん、自衛艦隊は屎尿施設を全部つけているのですよ。それで、しかしこれは四千人からの艦船で、こういう状態をもうこれから後何年も続ける、まだ改善できない、こんなことは容認できないと思うのですね。私はこの問題は、まあ外務大臣がきょうはお見えになっていないので、ひとつ閣僚の一員としても、政府の方から強力にやはりアメリカに物を言ってもらうとともに、かつての放射能問題でもありますように、二、三カ月で改善はできると言っているのですから、少なくとも改善をしなければいま横須賀の港へたれ流しをする、こういうことはやめさせるということをはっきり言ってもらいたい、処置をとってもらいたい、このことを強く要望したいのです。お聞きになっていたので、直接の担当じゃないですけれども、長官からひとつ政府の代表として、閣僚として発言願いたい。
○坂田国務大臣 この問題はまことに遺憾なことだと思いますので、改善方につきまして外務大臣にもお話し申し上げ、先方に改善方を申し入れるようにお願い申し上げたいと思います。
○中路委員 ちょっと聞こえにくかったのですが、もうちょっとはっきり約束してください。
○坂田国務大臣 外務大臣にもこのことをよく伝えまして、先方に届くようにいたしたいと考えております。
○中路委員 きょうは一応、ひとまずこの問題は時間であれしますけれども、ミッドウェーの寄港に基づく、母港化に基づくいろいろな被害というのはこれだけじゃないのです。たとえば、アメリカ局長も御存じのように、これは施設庁も関係してくると思いますが、いわゆる厚木の航空基地が、ミッドウェーの艦載機の発着で、大変な爆音で航空機騒音の公害を出しているということで、関係の人たちが最近この問題で公害訴訟を起こしています。ミッドウェーが母港化の際には、たしかあの際には、航空機騒音はそんなにひどくならないのだということを繰り返し皆さんの方で答弁されていましたけれども、事態はそういう問題じゃない。ミッドウェーの母港化ということは、この点では、特に神奈川県民にとっては非常に大きな社会問題にもなってきている、特に公害の問題ということで。私はこの母港両三年ということで、三年たってさらに居座るということ自身も非常に不当だと思いますけれども、さしあたっては、特にこの屎尿の問題の改善はぜひともやらなければいけないし、もう一度やはり、この改善処置が二、三カ月でできるとアメリカも言っているのですから、原子力潜水艦だって半年間とめたのですから、少なくとも屎尿の浄化装置の設置を見るまでは、やろうと思えば予算をつけてやれるのですから、一時寄港はやめるということを含めて強くアメリカの方に要請してもらいたい、要求をしてもらいたい。このことをもう一度最後に要請をして、まあ、きょうも何か先ほど話があったそうですが、もう一度、きょう国会で、この問題が委員会で論議になり、要請されたのだということを踏まえて、ひとつアメリカの方に内容も伝えて強く交渉してもらいたい。もう一度最後に局長の方の御答弁を聞いて終わりたいと思います。
○山崎(敏)政府委員 御趣旨はごもっともだと思いますので、ミッドウェーその他の艦船の関係施設の早急な改善については、さらに重ねてアメリカ側に申し入れてその実現を期したいと思っております。
○中路委員 では終わります。
○木野委員長代理 受田新吉君。
○受田委員 できるだけ時間を縮めます。 今度のミグ不法侵入事件について、防衛庁長官がおいでになるまでに部分的な問題をお尋ねします。 ソ連の戦闘機が日本へやってきて、その搭乗員であるベレンコ中尉が扱われた身分的処理、私、これを十分解明しておかなければならぬと思うのですが、少なくともわが国の領空へ不法に侵入して、しかも日本の空港へ不法な着陸をしたということにおいては、明らかに不法入国である。この不法入国に対して、当然出入国管理令の違反者として逮捕し、処分すべき性質のものがまず考えられるわけですが、逃亡先をアメリカという発言をしたために、この不法入国の処分を簡単に引っ込めて、逃亡先へきわめて人権を擁護した形で送り届けた事情を御説明願いたいと思います。入国管理局の御説明をいただきたい。
○竹村説明員 ちょっと一般的にもこういう事件の取り扱いを含めまして御説明いたしたいと思いますが、報道なんかでは、これは政治亡命事件というふうにして報道されておりますけれども、私ども政治亡命事件というものをどういうふうに扱うかとなりますと、一番大きなのは、日本への在留を希望した場合に、これを一体政治亡命ということで在留を認めるかどうかということが非常に問題になりますが、そうではなくて、日本への在留は希望しない、第三国への亡命を希望する、その過程に日本を通過地として利用するという形のものがございます。この日本を通過地として利用する場合の中に、正規に日本に在留しておる者が、たとえばある国の者がアメリカ大使館に保護を申し出て亡命したいと言ってくるような場合がございますが、こういった場合は、私どもの立場から言いますと、正規の外国人が正規に出ていく限りにおいては全然問題が起きない。それは本人と受け入れ国の大使館との間の問題であって、第三国がそれを受け入れると言ってビザを出せば、その人はそのまま出ていってしまいますから、われわれ入管令の上では何ら普通の外国人の出入りと変わりなく処理される。ところが、それを正規の在留者でなくて不法入国の形をとって第三国へ行きたい、このベレンコ中尉の場合はまさにそういう形をとった事例でございます。 私どもの立場から言いますと、有効な旅券を所持することなく本邦に不法に入国した事件でございますので、入国管理局といたしましては、そういった不法入国事案として所定の退去強制手続を進めたわけでございます。退去強制手続を進める場合に、入国警備官の違反調査があり、そしてこれを受けて入国審査官が審査を行う。その審査の結果に不服があるならば、特別審理官の口頭審理を行う。それに不服があるならば、法務大臣に異議を申し出るという三段階がございますけれども、本件の場合は、もともとこのベレンコ中尉はアメリカへ行きたいと言っておりますので、第一段階の入国審査官の審査の段階ですでに事実を認めまして、口頭審理を放棄して、事件が、言うならばその時点で確定するわけです。そうしますと、主任審査官は退去強制令書を発布する。ところが本人は自分の費用で、自分の意思でアメリカへ行きたいという申し出をしましたものですから、これについては退去強制令書の執行の一態様として、この入管令五十二条四項に自費出国という制度がございます。それを許可した。これも、したがって退去強制の一つの態様なんです。したがって、ベレンコ中尉に関しましては、入管令の扱いといたしましては、不法入国事案として処理し、退去強制令書を発布し、その執行として自費出国を認めた、こういう形をとっております。 なお、入管令は、退去強制手続をする場合は必ず収容しなければならない。したがって、東京水上署においてこの退去強制手続を進めます場合には、審査官の審査に先立って収容令書に基づく収容を行った上、手続を進める、退去強制令書が発布されてから、自費出国したいと言うので仮放免いたしまして、そして自費出国を認めた、こういう形をとっております。 なお、この場合、刑事手続は私どもの方の所管ではございませんけれども、刑事手続におきましては、本人を不起訴処分にしたという通知を受けてから、その執行として出国を認めたということになります。 なお、その逮捕するかしないか、これはもう刑事手続の問題でございまして、その方面においては逮捕の必要性ということもケース・バイ・ケースで判断しておるというのが、いままでの扱いでございます。以上です。
○受田委員 一応、入管令の規定に基づいて処断したということでございますが、いま、政治亡命先アメリカへ行きたいと、こういうことであるので自費で出国するということならということですが、このベレンコ中尉は銭を下げてきておったんでございますか、どうでございますか。ポケットの中に銭があったかないかです。
○竹村説明員 この自費出国、規定の上は、第五十二条第四項に、「自らの負担により、自ら本邦を退去しようとするときは、」というふうになっております。この場合は退去先のアメリカにおいて、アメリカの総領事から入管局に対して、この身柄を引き取る、引き受けるという通知がありました。それとともに航空券の手配も終わっておるという通知がございました。そういった前提でわれわれはこの条文を適用して自費出国を認めたということでございます。
○受田委員 自分のポケットにあった自費ではなくて、亡命先から協力してもらう、それでもいいわけですか。
○竹村説明員 そういう場合はしばしばございます。たとえば朝鮮半島から、北から南へ、あるいは南から北へ行きたいという場合でも、本来金を全然持ってない場合もありますけれども、それぞれの引き受ける側が実質的には費用を負担しているように私の方からは推察されます。
○受田委員 私は、先般ソ連でベレンコ中尉の家族が涙ながらに記者会見をした場面を見て、これは非常な宣伝力があるわけです。その際に、ベレンコは決して家族を捨てて行くような人間ではないという涙ながらの、日本の謀略であるという言葉、これは国際世論がそれを肯定すると私は思いませんが、こういう場合には当該国の外交官を立ち会わせて本人の意思をこれらの立ち会い者に十分認識させる、この手続は完全にできておったのかどうかです。
○竹村説明員 これは外務省の所管でございます。ただ、通常私どもがこういうケースをやる場合、本件の場合も、ソ連大使館の館員は本人に面接して意思を確認しております。われわれの方もこれは警官が立ち会っておりますけれども、そのほかの事例の場合でもそういった経験をしております。
○受田委員 竹村さんの御説明はよくわかるのでございますが、これは宣伝競争ということにもなって、涙で訴えられると人情的に弱いのです。そういうことで、当時の事情を解明するための情報、宣伝というものがやはり非常に大事なことであって、日本のとった措置が間違いでなかったということを国際社会に外務省としてどういう形かでやっておるのですか、どうですか。
○木内説明員 御承知のように、ソ連の場合には報道の統制というものがございまして、一糸乱れずそれをやっておるわけです。私どもとしてもこの真相というものを十分国民の皆様、それから国際世論にもわかっていただく努力は今後とも続けざるを得ないと思っておりますが、ソ連のような流儀での宣伝というものは私どものやり方に必ずしもなじまない、そういうふうに考えております。
○受田委員 こうした亡命事件、政治亡命ということになると、希望する国に持っていくことが優先して、国内の法規違反などは、いまの竹村さんの御説明のように、不起訴処分にしてまで政治亡命を優先させるという根底はどこにあるわけですか。
○木内説明員 従来の取り扱いでは、やはり人道的な見地というものが最大の効力を持つと思います。
○受田委員 もしこのベレンコ君が私は日本におりたいと言った場合は、どういう扱いになるわけですか。
○木内説明員 わが国の場合の取り扱いは、原則としまして、できる限り第三国にということに相なっておるわけです。その場合にももちろん本人の意思を尊重するということが前提でございますが、その結果、日本にどうしてもとどまりたいという可能性ももちろん絶無ではございませんけれども、これまでの事例では、いずれもアメリカあるいはイタリアとか、そういう自由諸国に行きたいというのが従来の例でございます。
○受田委員 ちょっと竹村さんに御答弁いただきたい。
○竹村説明員 私ども一般に、日本に在留を希望する政治亡命の主張者の扱いにつきましては、要するに、政治亡命の主張に根拠があるかどうかを十分に調査いたしまして、それに根拠があるという場合に、わが国の利益、公安——この利益というのは結局外交上の利益ももちろんでございます。そういった点を十分考慮して、特別に在留を認めるべき場合には、法務大臣による特別在留許可の制度によって在国を認める。しかしそうでない場合、退去をさせる場合でも、本人が迫害を受けるおそれのない地域へ送還するという基本原則をもって事に当たっております。 本件の場合はそういうことではございませんで、しかもそういった意味では、本人の亡命の主張の根拠について、入管として十分な調査をしたわけではございません。むしろ、本人の自由意思が何であるかということを十分尊重して処置したということでございます。
○受田委員 これは関連するのですが、犯罪を犯した人物の引き渡し条約という問題、これは外務省、日本はまだ加盟していないのですね。
○村田説明員 現在わが国が持っております犯罪人引き渡し条約は、アメリカ合衆国との間の二国間条約一本でございます。
○受田委員 これはどうですか、アメリカとだけの一本ということではなくして、国際的な条約の締結を当然やるべき問題ではありませんか。
○村田説明員 犯罪人引き渡しに関しましては、各国ともそれぞれ法制も違いまして、なかなか多数国間の国際的な条約というものをつくることは非常に困難かと思われます。したがいまして、二国間で処理するというのが妥当かと思います。
○受田委員 私はもう一つ、このミグ25に関連して、今回ソ連当局より日本に対して大変御不満があるわけです。早期返還を要求した、本人も連れて戻ってほしいと、こういう国際的な世論を喚起しておるわけです。 かつてソ連には、アメリカのU2機が飛んでいって、領空を侵犯したということで撃ち落とされた事件があった。そして、これは公園に見せ物にされたというふうにわれわれは聞いておるわけであります。北朝鮮にもまた類似の事件があったわけでございますが、これは一体、ソ連政府としてはU2機を領空を侵犯しただけで撃ち落とした、そしてその後飛行機はどういうふうにされたのか、見せ物にしたのかあるいは返したのか、搭乗者はどう扱ったのか。ちょうど今回日本に対して不法侵入したミグ25と対応する問題として、外務省が調査されている点を伺いたいです。
○木内説明員 昭和三十五年の五月に、先生御指摘のU2事件が起こったわけでございますが、このときU2はソ連領内深く三千キロも入っておったわけでございます。これは領空からの退去であるとか強制着陸というような事実なしに、ロケットによって撃ち落とされたわけでございます。結局その後、このパラシュートで脱出いたしました操縦士は、禁錮三年を含む自由剥奪十年の判決を言い渡されたというふうに了解いたしております。後の事実関係としては、ソ連政府はアメリカに抗議をいたしております。その結果、米ソ関係はかなり悪化いたしまして、フルシチョフ、アイゼンハワーを含むパリでの首脳会談はお流れになり、また、御指摘のとおりU2機は一部破損のまま着地いたしましたのを展示いたしまして、返還していないというのがそのときの経緯でございます。
○受田委員 私、今回の事件でその事件を思い起こしました。ソ連政府として、日本に不法侵入して、しかも強行着陸して空港を破壊した飛行機が、それを即時返還されるように要請されること、ソ連政府としてはこれに対して、過去においてどういうことがあったかなということを思い起こしたときに、このU2機事件を想起したわけです。そこでいまお尋ねしたわけでありますが、実に厳しい答えがされたわけですね。これはわれわれ大いにひとつ参考にさせていただかなければならぬ問題だと思うわけでございます。 私、せっかく長官お食事が終わってお戻りになりましたので、このミグ事件について、領空侵犯をどう処理するかについていまからお尋ねをいたします。 自衛隊法の八十四条に領空侵犯規定がある。それから防衛庁設置法にも防衛庁の任務が、領空侵犯の場合が掲記してある。これでいまのソ連のやったこと、それから今度のミグ25に対して法務省がやったこと、これに関連するのでございますが、この八十四条にある「長官は、外国の航空機が国際法規又は航空法その他の法令の規定に違反してわが国の領域の上空に侵入したときは、自衛隊の部隊に対し、これを着陸させ、又はわが国の領域の上空から退去させるため必要な措置を講じさせることができる。」これは長官はどういう措置をされましたか。この八十四条に伴う長官の措置、法律に規定されてあるいかなる措置を長官はされたか。しかも長官は、そのとき名古屋からこちらへお帰りになる新幹線の車中にあって、事件発注の一時間半後の二時五十分にこれを承られた。そうすると、これに対する措置ができないわけです、列車にお乗りになっておられるのですから。長官は、そうすると、このたびはこの自衛隊法八十四条の長官の措置は、法律を忠実にお用いになることができない不可抗力にあったと判断してよろしいかどうか。
○坂田国務大臣 この警戒監視態勢は常にとっておるわけでございまして、不法侵入機に対してどうすべきかということについてはちゃんと部隊でやっておるわけでございます。したがいまして、ただその報告はおくれたということ、その報告のおくれたことについてはもう少しこれは改善しなければいけないというふうに思っております。 それから、御承知のように、当日六日の一時十一分にレーダーが捕捉をいたしまして直ちにスクランブルをかけまして、そして二回にわたり警告を発しておる。しかし、その警告を無視して入ってきた。そしてその間、先方が行動されたため機影を見失ってしまった。そして強行着陸をした。そういう事態かと思います。
○受田委員 それは長官が指示されたわけじゃないですね。長官が指示されなくてもいいのかどうかです。これは「長官は」と法律に書いてある。ほかの者がやれとは書いてないのです。
○伊藤(圭)政府委員 これは防空体制というのは、大臣の指示に従ってああいうスクランブル態勢をとっているということは長官の命令でございます。したがいまして、飛行機というものは瞬時にして入ってまいりますので、その瞬間に長官が、いわゆる発進命令を出すということではもうどだい間に合わないわけでございます。したがいまして、この法律に基づきまして、長官の命令によってそういうスクランブル態勢をとっているということが長官の指示でございます。命令でございます。それを受けておりますので、このレーダーサイトでつかまえ、それが領空侵犯のおそれのあるときには直ちに自動的にその飛行機は上がっていって、その敵味方識別不明機に対しましてその位置を失ったものには教え、それから警告を発し、それでも聞かないときには強制着陸を命ずる、そういうことは一連の長官の命令に基づく動作として行うものでございます。
○受田委員 ところが、これが来て発砲し、そしてこれを追跡したこちらの飛行機に攻撃を加えたというような行為をやった場合、どうなるわけですか。
○伊藤(圭)政府委員 これは長官の行動命令というのが出ております。そしてその場合に、向こうが国際法を無視するようないわゆる敵対行動をとったときには、国際法で許される範囲のいわゆる正当防衛権を発動して、これと交戦することができるということが別個に訓令として定められております。そしてそれに基づきまして、スクランブルに上がる航空機は、それなりの武装をして上がっているというのが実態でございます。
○受田委員 しかし、向こうが発砲してわが方の飛行機が撃墜するというような非常に重大な事件は、そういう事務的な処理で結構なんですという、そういうなまぬるい防衛庁というのは私はいかぬと思うのですよ。それはそういうことでちゃんとレールに乗っておるんです、長官はおらぬでもいいんだという、これは非常に大事な答弁だと私は思いますよ。いま私が例示したのは、向こうが発砲し、わが国の飛行機を撃ち落とすような事件が起こったのは、それはレールに乗った方法でいいんだという御答弁は、私は大変ななまぬるいといいますか、国民を侮辱した——長官は指図は初めにしてあるから、そのときに自然にやればいいんだ、これはこういうことになると私は思いますよ。
○坂田国務大臣 いや、たてまえを申し上げたわけでございまして、そういうときに直ちに私が防衛庁へ駆けつけまして、そしていろいろの指示をするということは当然なことである。したがいまして、私が先ほど申し上げましたように、こういうような事態について私に対する報告が非常におそかったということは遺憾なことであるということを申し上げておるわけでございます。しかも、新幹線が東京駅に着きまして直ちに防衛庁へ参りまして、そして首脳会議を開きまして、直ちにその日に航空関係の調査団を編成いたしまして、翌日出立させる準備を整えたわけでございます。
○受田委員 タイ国にもわが国に非常に不安を与えるようなクーデター事件が起こっておる。ついこのたび起こったばかりです。クーデターによる部隊が数機日本へやってきて、本国——あなたが統一見解で言われた当該国の意思にかかわらず飛んできて、北辺を襲うというようなことがないとは限りません。極右的な部隊が行動を起こす、それは本国の意思ではない。けれども、クーデター部隊というものはもうどこでどういうことが起こるか、わが国には自衛隊の中にクーデターはないと私は信じております。これはそういうさびしい国ではないと思いますからあえて言うのですが、他国にはクーデターがしばしば起こっておる。そのクーデターが日本に来たということで日本へ攻撃を加えるということは、これは十分予想してなければならぬのです。そういうときに長官が指揮をしなくて済むかという問題じゃないのです。そういうときに防衛庁長官の必要があるので、長官を探すのに一時間半もかかるようないまの日本の情報体制というのを私は悲しむのですよ。この事件が起こってこうだというのを長官に報告したいが、長官は演説を盛んにやりおる。山奥の方で、通信網もないようなところへ行って、そしてえんこでも起こして、そこへとまって谷底へでも落ちたらおしまいだというような、長官を捕捉することがむずかしい。あなたが演説をやられるときにあなたの車に通信機がいつもついておるのかどうか、長官搭乗車には常に防衛庁からの通信が流れてくるかどうか、長官にはそれぐらい重い責任があるのですよ。三軍の責任者である。総理も同様です。その大事なポストにおる人が地方で演説をやって、大事件が起こっているのに一時間半の後に、総理は五時間後に口頭で受けておるような、こういう不用意な体制には非常に悲しみを感ずるのですが、防衛庁としてはどうですか。防衛局長、長官の指揮を受けるために長官がどこを行動されておるか、それに対してその自動車に通信施設を設けておるかどうかです。演説をやられる。自民党の候補の応援に行かれた。はしなくも大事件が起こった。さあ山奥である。豆腐屋に八里、酒屋に三里というようなところにおられる。八里もあるところは豆腐は買えませんが、いずれにしても、そういうところへ遊説に行っておられるとき、こういう事件がいつ起こるかもしれないのです。また地震がいつ起こるかもしれない。地震があったときには災害出動をしてもらわなければいかぬ。地震対策があるのかどうかという問題も私は聞きたいのです。そういうときに自衛隊は間に合うのか、日本の自衛隊は地震対策にはどういう実力を発揮できるのか、がたがたと来たときには自衛隊はどういう救援に出るのかというようなことも含めて、非常に大事な指揮官が連絡のつかぬような形で、通信施設もないような自動車に乗って御旅行をいただいているのかどうかです。防衛庁長官に、いついかなる場合にでも、その自動車に通信機があって事態をすぐ報告できるような情報網がぴしっとできておる、そのぐらいの指揮官でなければ、一般人とは違う立場です、ほかの国務大臣じゃないんだ、三木さんと運命をともにしようという熱意を持った長官に対して周囲はどういう扱いをしておるのか。また船の場合でも、船に乗っていかれるような場合は船からこっちへ到着するのになかなか時間がかかる、こういう場合等の通信施設も長官の意思がぴっと出るようにせにゃいかぬです。事務的なレールに乗っていけば、長官がおらぬでもあとの者がやるんだといういまの答弁には非常に私は不安を感ずるわけですが、長官及び総理との密接な、間髪を入れざる通信組織というものがあるのかないのか。長官の乗用車あるいは船には、常にいかなる事態に備えても——自衛隊法七十六条の発動をしなければならぬというようなときに長官が捕捉できない。一挙にして来るのですよ。今回の事件でもわかるのですよ。ふあっと数十機が低空でやってきたら一挙にもう日本のレーダー基地も自衛隊組織もすべて壊滅するというような盲点をつかれたわけでございますから、そういうときに長官がおらぬ、まあ長官がおらなければその次は政務次官ですか、それから事務次官。その順序をちょっと言うていただいて、その上がおらぬときには課長がやられてもいいのか、そこまではっきりしないと、この指揮系統は非常に大事なので、一朝事態が起こったときに行方不明の長官や総理を追求するだけでなくて、あとのが勝手な処断をやるというようなことになれば私は大変なことになると思うのです。御答弁願いたいです。
○伊藤(圭)政府委員 いまおっしゃいました点、私どもの大きな反省事項の一つでございます。大臣が遊説に出かけられましたようなときにはなかなか連絡がつかないというのは事実でございます。そういう点の反省を含めまして、今後そういう対応策というものを研究し実現したいというふうに考えております。 今度のことにつきましては、その具体的な行動そのものの命令はいただいておりましたけれども、それを御報告し、その後の指示を仰ぐというので連絡がおくれたのは大変申しわけないことだというように考えております。
○受田委員 次の質問は指揮系統の順序です。
○伊藤(圭)政府委員 指揮系統の順序につきましては大臣、政務次官、事務次官ということになっております。
○受田委員 その三者がいないときの順序はいかがですか。第五番目まで言うてください。
○伊藤(圭)政府委員 事務次官がいないときには、当然事務次官の代理をする参事官の中の先任者が当たるということになろうと思います。
○受田委員 伊藤先生はいま何番目の順序におられますか。——それはちょっと心得ておかにゃいけませんよ。あなたの上がおらぬときにはあなたへ来るんだから、自分は何番目というのをちゃんと覚えておらにゃいかぬ。いまここにおられる局長さんたちも覚えておらにゃいかぬ。おれは何番目かなというようなことでは困るのです。
○伊藤(圭)政府委員 建制順に申しますと、事務次官の次が官房長であり、それから防衛局長ということになっております。
○受田委員 これは参平官の順序ですか、官房長とか防衛局長という職の方の順序ですか。古参順ということですか。
○伊藤(圭)政府委員 職務の順序でございます。建制順とわれわれは申しておりますが、事務次官、官房長、防衛局長という順序になっております。
○受田委員 だから、相当見ていただかぬと——参事官ということで言われるから……。これは職名の方の順序ですよ。 そういうことで私、今度の事件でちょっと不安が起こったのです。急迫不正の侵略というものはいついかなる事態でも起こる。それはミグ25が十機ぐらいざあっと低空でやれば一遍にレーダー基地も壊滅するというようなそういう状態は、非常に欠陥がある自衛隊組織ですよ。 それからもう一つ、この自衛隊法第七十六条、これは国会を召集して国会の承認を得るというのが原則。しかし、外部の侵入がやむを得ぬときには国会の承認を得ずしてやる。こういう事態は、実際問題では、国会の承認を得ずしてやることが、この方が原則ですよ。向こうはどんどん撃ち、ばらばらやるときに、国会をいまやる、国会を召集したって議員は集まりはしませんよ。いまに選挙のときでもこういうことが起こったら、集まれといったって過半数になりはせぬですよ。そういうことを考えると、非常に大事なのは総理、長官、これは日本の国の運命をかけて動く人。それが選挙運動に駆け回る。いまのような政情不安な、この三十一日に、反三木派が倍もおるような事態で、この大会で三木総裁を引っ込ませるような決議でもやったというようなときに、外部の侵略があったらどうするかですよ。政情不安の際に起こったらどうするか、これは非常に不安があるのですよ。私はその点坂田先生が、こうした防衛庁長官の任務をまず重く用いられて総理と行動をともにしたいと言われたときに、あありっぱな長官だと私個人の情においても敬愛の情を一層深くしたわけです。政情が混沌としておっても、防衛庁の系統的指揮がりっぱに行われねばならぬ。その意味で、いまの日本の陸海空の三軍に対する大きな欠陥がある。 たとえば、私この間視察に行って、陸の中部総監の報告を聞きました。私が質問しました。この中部総監の所管の中にある中国山脈の北側、山陰地方の空は西部航空方面隊の所管です。陸は中部、空は西部となっておる。これでは連絡に困りますね、お説のとおりです、この問題、第一線におって西部航空方面隊に一々連絡するよりも、中部は中部でさっと一緒にやりたい、それが一番理想です。南部から敵が上陸したときには、四国は部隊が少ないですね、そのときにはどうしてこれを防ぐのですか、四国に対する欠陥があります。第一線におりながら、この間視察したときにはっきりそういうお答えをされました。 そうすると、陸海空三の所管が入りまじっている、管轄区域が入りまじっている、中部総監と西部航空方面隊長とが打ち合わせをするということになっておる。こういうものもできるだけ整理をしていくようにしてはどうか。陸海空三軍の統制の上で、また統幕議長にもっと強い力を発揮させるべき必要があるですよ。三軍ばらばらになったときに、統幕議長の権限は、この自衛隊法を読んでみても、まるで連絡調整機関ですよ。こういう問題を私もう十年も前から指摘しておるが、一向に改めておられません。何やら最近庁議として、中央指揮系統を明確にしたいというようなことをやられておるようでございますが、今度の事件で非常に教えられたのです。われわれは専守防衛だ、決して攻撃を加えることはない、もっぱら国土、国民を守るだけだという立場でありますが、それに対して、防衛庁の陸海空三幕の統合調整というものは十分できていません。これらについて一体どういうことをなさるのですか、御答弁を願いたいです。
○伊藤(圭)政府委員 いま先住がおっしゃいましたその前段の問題でございますが、航空自衛隊、海上自衛隊、陸上自衛隊、それぞれ方面に分かれておりますけれども、その区域というものは必ずしも一致いたしておりません。しかし、これは陸海空それぞれの特性がございます。航空機のスピード、行動半径、それから陸上自衛隊の行動半径、そういった関係で必ずしも一致いたしておりませんけれども、やはり一番大事なことは、陸において、海において、そして空において防衛作戦に当たる。指揮系統を通ずるそれぞれの部隊でございますけれども、その統合運用の問題ということが特に重視されなければならないと私どもは考えておりますし、統合幕僚会議でもそのことが強く研究されているわけでございます。 じゃ現在の仕組みがそういうふうになっていないではないかという御質問でございますが、確かにその点で、もっとこうすればいいという問題も徐々に明らかになってきておりますので、まず統合運用をできるような教育を行って、そして統合部隊ができますと統幕議長の指揮を通じて長官の指揮が行くようになっておりますけれども、そういった問題点を洗い出して、その統合運用が可能な方向に持っていきたいという努力は続けているわけでございます。
○受田委員 坂田先生はかつて文部大臣をやられて、大学紛争を処理された名文相の誉れ高いお方であります。先般坂田大臣が、防衛三原則、例の国民の抵抗の意思を強力にしなければならぬ、それから必要最小限の力、安保体制が三番目、こういうことを言われた中に、国防思想を教育の中に入れなければならぬ、こういう御意思を私ちょっと伺ったのですが、これはどういう意味でございますか。
○坂田国務大臣 これは文部大臣をいたしました私といたしまして、一体指導要領等にどういうふうに書かれておるだろうか、あるいは教科書等にそれがどういうふうに及んでおるだろうか、そういうようなことも一遍文部省は文部省の立場でお考えいただくことが必要ではないか、こういうふうに思ったわけでございますが、まず第一に、わが防衛庁自身はどういうような防衛理念を持ってこれから運用していったならばいいだろうか、あるいはその防衛理念のもとにどういう装備を持ち、その整備計画を進めていったらいいだろうか、まずそのもとがなければ、もとがはっきりしていないのに教科書にこうだとかあるいは指導要領にこう、と言ったって始まらないのではないだろうか。だから私防衛庁長官になりましてから、まずわが国の防衛というものについて少しちゃんとした理念を持つということで、御承知の防衛白書も出したようなわけでございます。これができ上がりましたときに、閣議に報告いたしますと同時に、各省庁においてひとつ安全保障の立場からそれぞれの省を見直していただきたい、こういうことを申したのでございます。たとえば農林省につきましては安全保障の立場で食糧政策を考えるということ、あるいは通産省等におきましても安全保障の立場でひとつ石油の備蓄その他もお考えをいただくというようなことがそれぞれの省庁においてこれから出てくると、真の意味における総合的な安全保障体制というものが整うのではないか。そういう意味合いにおいて文教またしかりという考え方を述べたわけでございます。
○受田委員 そうしますと、今度教育課程の答申も出ているわけでございます。そういう国防思想というような、国土、国民をお互いが守ろうというようなものを教科書にも何かのかっこうで上げるという意味も含まれておりますか。
○坂田国務大臣 これはいま私が防衛庁長官でございますから、文部大臣及び文部省でお考えいただくことであると思うのでございますが、しかし、防衛庁としてはこういう防衛思想と申しますか、あるいは理念と申しますか、あるいは考え方でいるんだということが明らかになれば文部省としていろいろお考えになる、あるいは政策を進めていかれる上において非常に大事な参考になるというふうに考えておるわけでございます。
○受田委員 そして、そういう長官の御趣旨を文部大臣にも要望をされるという意味でございますね。——それで私、長官のそうした御熱意が私にはよくわかるのですが、ただ、いまは非常に政情が不安である、そして与野党伯仲時代が来ようかというようなとき、この十三日か十四日かに国防会議をお開きになるということでしたね。そうしますと、国防会議でFXも問題にされるのですか。
○坂田国務大臣 今回の国防会議におきましては、基盤的防衛力の構想それ自身につきましていま御審議を願っておるわけでございます。もちろんその中には、次期対潜哨戒機とかあるいはFXというような、そういう機能についての話し合いがありますけれども、実際問題のPXLあるいはFXの処理につきましては、やはりポスト四次防ということがその次の段階に出てまいりまして、そしてまた、そのポスト四次防の整備計画の初年度といたしまして昭和五十二年度の防衛予算の中にどういう位置づけをするかということが十二月の末の段階において最終的に決められる、こういう手続、運びになっておるわけでございます。
○受田委員 そうしますと、FXはF15とか、それからPXLについても何かCP140というようなものを一応構想に入れられておると伺っておったのですが、その決定はまだ当分先でございますね。ポスト四次防として、この二つの機種についての決定は、その結論はいつごろ出るのですか。
○坂田国務大臣 FXとPXLにつきましては、少なくとも十二月の末までには何らかの判断をしなくてはならない。FXの方は近く空幕の方から上申がございましょうし、防衛庁自身としての意思決定も早急にやらなければならないと思いますけれども、しかし、最終的には十二月の末ということになります。そしてまた、その前提としては国防会議にも諮らなければなりません。しかし、PXLの問題につきましてはロッキード解明の問題がございますから、これの解明ということを踏まえましてPXLの決定をしなければならない。しかし、この点につきましても十二月の末、何らかの判断をなさなければならぬ、こういうような事態でございます。
○受田委員 PXLについてはロッキード事件の解明ということをりっぱにやり遂げた後の問題と私も思います。 今回のミグ事件でAEWの必要性を強く感ぜられましたか、どうですか。
○坂田国務大臣 AEWについては確かにそうでございますけれども、アメリカにおきましても、フロリダ州にキューバから亡命機が着陸いたしましたときにも、AEWは持っておりましたけれども、これをついに使わないうちに、あるいは各種のレーダーがこれをとらえないうちに実は着陸してしまった。まあ、言うなら日本の今日の状況と同じような状況であった、そういうようなことでございまして、AEWというのは確かに一つの防空体制上の必要なものではございますけれども、かなりこれにはお金がかかる問題でございます。 それから、これを常時飛ばせておく、二十四時間飛ばせておくということは大変な陣容が必要でございます。しかし、これはやはりわれわれといたしましては研究はしなくちゃならないわけでございまして、今回のポスト四次防の段階には恐らく研究開発の予算という形で出てくるかと思います。しかし、それに何機必要だとかなんとかいうようなことはまだ今後の課題である。いま決めておるわけではございません。それから、基盤的防衛力構想の中では、やはり機能としてこういうような機能は必要であるということは主張をいたしておるわけでございます。
○受田委員 明確なお答えなんですが、私、第一次防から四次防までずっと当委員会に籍を置いておりまして、第一次防、二次防の過程において、単年度予算編成を昭和三十六年にやっているのです。このときの一つの先例を学んで、いまこういう政情が混沌としているときであるから、ポスト四次防を長期展望でもって十年先の基盤的整備力を根拠にして十年の構想を立てるということは、雄大な構想はそれでいいが、さしあたり来年の三月で終わる四次防の次のこの一年間は、こうした予算的にも大変大事なときである。国民生活のことを考えていくとすれば、この一年間は、三十六年の単年度編成をやったこの事例を学んで、一次から四次防までの来し方を顧みた現時点でひとつじっくり検討して、外交も防衛も一緒に考え、国民の生活予算のことも考えてやろうじゃないか。いまのPXL、FXの問題をポスト四次防へ十二月を目標にやりたいというお話がありましたが、これらを先にやると、いつかの御存じのような予算の先取り事件が起こるのですよ。大変防衛庁お困りになったんですよね、あのとき。そういうこともありますから、ひとつ現時点では単年度編成ということで、それから次の年度からポスト四次防を本格的にじっくりやろう、こういう御計画も一つの構想としてはお考えになっていいのじゃないかと思うのです。いかがでしょう。
○坂田国務大臣 先生のこの御提案は、まことに私は傾聴すべき案だと考えております。私も、従来の一次、二次、三次とこういうふうにしてまいりまして、五年区切りでやってきた。三十六年に単年度というようなお話でありますが。こういうふうにコンクリートに決めましても、三年ごろにはずいぶん変わってくるわけでございまして、むしろ一応の長期的な展望は持ちながらも、二年でローリング方式を導入いたしましてやっていく、そういう柔軟な一つの組み立て方もあるんじゃないか、むしろその方がこういうような経済の変動期においては必要ではないかというのが私の考え方でございまして、大体御趣旨を体してポスト四次防を考えていきたいというふうに考えております。
○受田委員 非常に明確な御答弁で、私も当委員会に二十年以上おりまして、ちょうどいまそういう反省期、ちょうど次への展望の過程として、じっくり一年間落ちついて考えていこう、そして次の長期展望に万遺憾なきを期すべきだというような行き方、ローリング方式の場合もこれでしょうが、そうしたことで御検討いただくということでありますので、私はもう次の質問をしようと思ったが、明快な御答弁が出ておりますので、時間も来かけております、来かけておりますが、ひとつ長官が基盤的整備力というものをお立てになっておられて、構想をいかにも新たにしておられるように覚えるが、しかし、所要防衛力というものと基盤的防衛力というものと大体同じじゃないですかね。別に余り事新しく言うほどのこともない。これは安保体制を最後に考えていくというようなことを、それは事実問題として過去においてもそういうことで来ておられるわけだが、それはそれとして、ちょっとここに私、非常に新しい言葉を聞いたのです。 それはこの構想を実現するために、国防会議、八月二十日の国防会議から今度この十三日の国防会議にいかれるまでに、国防会議の事務局に各省の要望等を取り入れた案を事務局案として整備させる。かつて、事務局長というのは、中曾根防衛庁長官時代に、あれはわれわれの茶くみだよ、茶をくんでわれわれにサービスするポストであるという発言をされて物議を醸したことがありました。そういうことでなくして、事務局案を整備して、それを十三日の国防会議にかけようということになると、事務局というのは非常にウェートを高くして、国防会議の事務局におる各省から来た参事官たちが急にこうクローズアップされたような印象を私は受けるのです。長い間この道を歩んでいるだけに、来し方を顧みてどうやら国防会議の事務局が浮上したなという感じでございますが、国防会議事務局長内海先生、あなたのところにいま事務局案を用意されつつあるのでございますか。
○内海政府委員 ただいまの御所見は、私、大変貴重な御意見として承っておりますけれども、今回のこのポスト四次防に関する防衛計画の大綱につきましては、何よりもまず大臣方の機関である国防会議というもので十分高邁な見識に基づいての御意見、御論議をいただいて、それを基礎にして関係各省の意見をさらに練り上げて案をつくっていく、こういうふうな方式で参るべきではなかろうか、またそれが総理の御方針でもあろうかと私思っておりますので、いわゆる事務局が事務当局者の見識で問題をつくっていくということの前に、やはり先ほど申しましたような見識ある大臣方の御所見、御意見、御見解を踏まえて案文化していくということが必要ではなかろうか、こういうふうに思っております。
○受田委員 十三日の国防会議には、そうしたポスト四次防の問題等を中心に大変大事な御相談があることと思いますが、いまや国際情勢というものは、基盤的防衛力を策定されるについて、これはなかなか微妙になっておるのですよ。これはもう今回のミグ事件だけでなくして板門店事件、タイ国の事件等も相次いでわれわれの不安を駆り立ててきたし、日中関係、日ソ関係等についても決して安易でない。こういう情勢の中で、しかも、平時における防衛力というものの限界を一応考えながら有事に備えていかなければいかぬというようなこと、国民の生活予算も考えていくというようなことになると大変な作業、大変高邁な聡知がすぐられてなさるべきでございまして、そういう意味では、従来とかく防衛庁が主導権を握ったような国防会議であったのを、事務局がリーダーシップを発掘するような形に変わって、大所高所から国力を考えながら国民全体の自衛隊として前進する方向に転換をしたような印象を私受けるわけです。 私、ウサギの耳と称して非常に情報に敏感な信念をいつかお話になった坂田防衛庁長官でもいらっしゃることだし、そうした情報組織をどうするかということ、陸海空三軍の統制をどうしていくかということ、そして一方では国民の中に長官みずからが示されたような抗抵意識をどう高めていくか、われわれの国はわれわれで守ろうという意識を高めるための配慮等が結集されてくることを私は願っているわけで、われわれとしては国土をこのような最小限の自衛措置、特に最近自民党の国防部会あるいはその他の諸機関で、今回のミグ事件によって大いに防衛力を強化して、すごい力を出そうじゃないかという勇ましいお声も出ているようでありますが、これらはただ単に参考意見として聞くべきであって、自民党の国防部会のけしかけによって防衛力をぐんぐん伸ばしていく、国民の生活も考えないで前進させるというようなことなどは、どうかひとつお考えにならないように、本当に国民が国土を守る意識を持てば、そういう装備でなし得ないものを私は精神的な力でやれると思うのですよ。だからわれわれは増強はもうやめて、本当に国民の中に、祖国はわれわれで守りましょうという意識を高める方がわれわれとしては願わしいことだと思っているわけでございます。 長官、その意味におきまして、私、これを質問して終わりますが、いまの日本の自衛隊のあり方、自衛官が希望を持ってその職責を果たせるように、むしろ自衛官の待遇を改善してあげて、自衛官が生活苦に行き詰まって悪いことをしないような自衛官、量よりも質、それに力点を置いて国防の基本をお決めになっていかれるように、それが基盤的防衛力だと私は思うのです。私の提案をどうおくみ取りになるか、御答弁をいただいたら質問を終わります。
○坂田国務大臣 今回の国防白書にも私述べておりますように、小さいけれどもまとまった、バランスのとれた、大きい役割りを持った防衛力、そしてそれは著しく民生を圧迫するものでもなければ、また他国に脅威を与えるようなものではないというような気持ちで今後進めてまいりたいというふうに思っております。
○木野委員長代理 上原康助君。
○上原委員 防衛庁長官初め長時間で大変お疲れでしょうが、あとしばらくおつき合いをいただきたいと思います。きょうは時間もかなり経過いたしておりますので、私もできるだけ簡潔に当面している幾つかの事案についてお尋ねをしておきたいと思います。 それで、すでに先輩、同僚議員の方々から御質問のあった点もあるいは一、二点あろうかと思うのですが、まず最初に、最近のわが国を取り巻く外交関係というものとの関連において、防衛問題が、いまさっきも受田先生からありましたが、非常に注目されている節があると私たち見ておるわけです。それはもっと防衛力を強化をしなければいけないという意見もあるでしょうし、あるいはかねがね私たちが指摘をしてまいりましたように、現在の憲法の範囲内における自衛力とはいえ、有事の際、あるいはミグ事件のような場合に即応態勢がとれない防衛の欠陥というものが今回の一事件を見てもあらわになってきた、やはり、防衛力を強化をする、あるいはそれを拡大をしていくだけでわが国の安全保障というものは保たれないということをより指摘をする立場での見方もまたあるわけですね。したがって、両面あって、これをいろいろ国民的な立場でもちろん判断をしていかなければいかぬと思うのですが、そういう立場に立った場合に、一体防衛庁がかねがね打ち出してまいりましたポスト四次防というものは、ミグ事件なりあるいはそれをきっかけに出されてきた防衛論争、また一方においては朝鮮における板門店事件などを含めて考えた場合に、防衛整備計画の基本方針において何らかの変更があるのかどうか、この点を大臣なり防衛局長の方からお答えをまず賜りたいと思います。 〔木野委員長代理退席、加藤(陽)委員長代理着席〕
○坂田国務大臣 平和時における基盤的防衛力構想こそがそれにお答えになると思いますが、それがまたその構想に基づきましてポスト四次防を考え、あるいは装備を考え、そしてまた初年度としての昭和五十二年度の予算編成をやりたいというのが私の考えでございます。 ただ、いま受田先生にお答えをいたしましたように、これからはただ単に正面装備をどんどんふやしていくということではいけないのであって、正面と後方支援体制あるいは抗たん性を持ったバランスのとれた、そういう小さいながらも反撃力のある力、防衛力ということが実は私の考えでありまして、それはかつての軍国主義時代のように他国に脅威を与えたりあるいは侵略をしたりするようなものであってもならないし、また同時に著しく民生を圧迫するようなものであってもならないというような考え方のもとに整備計画を進めてまいりたいという考えでございます。
○上原委員 いまの御見解に必ずしも全面的に同意するという立場でありませんが、必然だとは思うのですが、要するに周囲の雑音などによって従来防衛庁が考えておった防衛力整備計画の基本方針というものは、具体的一例を挙げますと、ミグ事件とかあるいは朝鮮における衝突事件、また最近のタイの政変、そういうものに左右されるものではない、基本方針においては従来の方針と変わってはいない、雑音によっていささかも左右されない立場で一応は考えておられる、こう見ていいですか。
○坂田国務大臣 大体においてそのとおりでございまして、たとえばミグ事件にいたしましても、私の申します警戒態勢というものはふだんから十分にしておかねばいけないことである、それが従来ともすると欠けておったという意味において、こういう点を重視すべきであるということを私どもは申し上げておるわけでございます。
○上原委員 この点はまた後で少しだけお尋ねしたいと思います。 そこで、けさも加藤先生の御質問にもお答えになったようですが、ポスト四次防の基本計画、防衛力整備計画について近々に国防会議を開いてできるだけ早目に決めたいという御見解を明らかにしたようですが、そこで、このポスト四次防の計画は、従来のように五カ年計画が三次、四次の一応の方針できたわけですが、伝えられるところによりますと、大体将来十年間程度は、わが国を取り巻く国際情勢なり、また近隣諸国の防衛力の面から考えても、大体十年計画は妥当ではなかろうかということで基盤的防衛力の整備を一応考えておられるというようなことが大まかに報道されたり、防衛庁見解、方針として出ているわけですが、その内容についていま少し明らかにしていただきたいということが一つ。 五十二年度予算の概算要求等を見てみますと、具体的に申し上げて、問題になっております次期対潜哨戒機PXLあるいはFX主力戦闘機は含まれていないのじゃないかと思うのですね。一体この問題はポスト四次防としてどういうふうに位置づけ、どう考えておるのか、ここいらをもう少し明らかにしていただきたいと思うのです。 それと、ポスト四次防の計画においては、全体的な予算の枠は一体どれくらいになるのか。これまで伝えられたところによりますと、九兆七千億からあるいは十一兆、十二兆円とも言われてまいりましたが、少なくともたたき台をつくって国防会議に諮るという段階においては、どの程度の予算がかかるということまで試算なり見積もって計画はおつくりになると思うのですが、この三点についてもう少し具体的に明らかにしておいていただきたいと思います。
○坂田国務大臣 基盤的防衛力構想というものは、およそ平和時においてどういうような防衛理念を持つかということ、あるいは機能を持つかということでございまして、これ自体が即整備計画というわけではないわけでございます。それから、この構想を国防会議でいま御審議を煩わしておるわけでございますけれども、十三日はすでにもう二回目の審議になるわけでございます。そして、その構想が一応国防会議で認められました上でポスト四次防の整備計画というものを考えていきたい。ポスト四次防につきましては、いま受田先生の御質問にお答えいたしましたように、これからはローリング方式等も頭におきながら考えていきたい、まだ最終的には決めておりませんけれどもそういう考え方でいきたい、こういうことでございます。 それから、当面の五年ぐらいの間はやはりGNPの一%程度ということをめどに考えていきたいというのが私のいま考えておるところでございます。その他足らざるところは防衛局長あるいは経理局長からお答えを申し上げたいと思います。
○伊藤(圭)政府委員 いま大臣から御説明いたしましたように、基盤的防衛力という考え方が従来の一次防から四次防までの考え方と性格が違っておりますのは、所要防衛力に向かって進んできた、これからの五年間どのくらいのものを装備し、どれくらいのお金をかけて、どのような防衛力を持つかというのが過去の防衛力整備でございました。今度、基盤的防衛力を中心といたしました防衛計画の大綱をお決めいただきまして、一応四次防までに概成されたと考えられる兵力量、勢力量からいきますと、そういう形の中で先ほど来大臣から御説明いたしております急速に充実しなければならない点、たとえば後方支援の面あるいは監視体制の面、そういったものの順序を立てまして、必要なものを予算で要求していくというような形になろうかと思います。したがいまして、従来のように五年間これだけのお金でこれだけのものを買うというような形のものをお決めいただくというよりは、防衛庁としては、年々の予算において、いま大臣から申し上げましたように一%程度の中でどういう形で、いわゆる小さくても意味のある防衛力を建設するのはどういう方法がいいのかということを検討しながら具体化してまいるというようなことになろうかと思っております。
○上原委員 きょう深く議論する時間ないのですが、そうしますと、いまの局長のお答えからすると、向こう五年間程度はGNPの一%を上回らない予算の範囲でいくという程度はわかっているわけですが、この基盤的防衛力を理念とする具体的な整備計画の長計というものは、伝えられているように十年を単位としての整備計画などは明らかにしない、そういうふうに見ていいわけですか。 それと、具体的にお尋ねしました対潜哨戒機、FXの機種選定問題についてはどうなっているのかも、この際、もう少し明らかにしていただきたいと思うのです。
○伊藤(圭)政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、十年間、あるいはいわゆる一%程度というような形の中では期間的にはもう少しかかるかというふうに私どもは考えております。したがいまして、従来のように五年間、これだけの経費枠でこういうことをやるという具体的なものをフィックスするという形にはならないかと思います。 なお、その中で、いわゆるこのFXにいたしましてもPXLにいたしましても、新しい機種ではございますが、現在持っております対潜哨戒機それから戦闘機、これが古いもの、すなわち戦闘機にいたしますと104が耐用命数が尽きてまいります、除籍の時期を迎えます。P2Jが除籍の時期を迎えます。そのときに性能を上げるということになりますので、その基盤的防衛力の中において必要な機数、それから機種、そういったものにつきましては、また国防会議で御決定いただきながら決めてまいりたいというふうな考えを持っているわけでございます。
○上原委員 長官は参議院の予算委員会で、PXLの問題についてはカナダのCP140も対象にしたいという御見解を述べたという報道もあるわけですが、私たちはPXL問題については、少なくともロッキード問題がまだ解明されていない、そして多くの疑惑が児玉ルートにまだ持たれているという段階では、そういう国民の疑惑が晴れない間は、この問題については防衛庁はもっと慎重な態度をとるべきだという見解を持つわけですが、この点、どういう御見解なのか。少なくとも私の知る範囲では、五十二年度予算に購入をするというめどは立っていないわけですね。そうしますと、いまおっしゃるように対潜能力を高めるとか、あるいは警戒能力を高めるというようなことになりますと、防衛庁の立場で言うと、FXにしてもPXLにしても急がねばならない点だと思うのですね。導入するとすれば、実際の配備は一体いつまでにどこまでをやらねばいけないとお考えになっているのか。いろいろな政治的な問題、予算の問題等はあっても、早期にやらなければいけないという皆さんの気持ちはあると思うのですね。私たちはそれに同意はできません。しかし、これもやはり明らかにしておいていただかないと、うやむやの形でなし崩しにされてはいけない問題だと思いますので、ちょっと念を押すようで恐縮ですが、その点、もう少し明確にしておいていただきたいと思います。
○坂田国務大臣 確かにロッキード問題の解明がまだなされておりませんので、この解明ということを踏まえながら次期対潜哨戒機というものを決めていかなければならない。しかし、十二月末には何らかの判断を下さなければなりませんので、その際までにあらゆるオプションについて、たとえばP3C級のものをそのまま輸入するのか、あるいは国産でこれからいくのか、あるいはその折裏案でいくのか、あるいはその他いろいろのオプションがあろうかと思います。その中には最近カナダの購入いたしました対潜機もございますし、あるいはアメリカが現在配備をいたしておりますS3Aというようなものもあるようでございますが、そういうようなことの情報もちゃんととって、そしてやはり次期対潜哨戒機をどうするかということを決めなければならないというふうに考えておるわけであります。
○上原委員 そうしますと、まだそれぞれのオプションを選択をしようという段階で、現在のところは対潜哨戒機の機種選定については防衛庁は白紙の立場である、こう見てよろしいですか。
○坂田国務大臣 そのとおりでございます。
○上原委員 そこで、できるだけ時間も短くしてくれという委員長の御要望もありますので、それにこたえていくためにちょっと急ぎますが、ミグの問題で一点だけお尋ねしておきたいのです。 外務省の方は日ソ関係からしてもできるだけ早期にソ連側に機体を返還すべきだということを外交ルートで進めておるというふうに私たち承っております。外務大臣の国連出席の際の日ソの外相会談では、大体今月十五日というようなことも話し合われたというような報道もあるわけですが、防衛庁はこれに対してはどうお考えになっているのか。一体いつごろまでに機体はソ連側に返還されるのか、すでにお尋ねがあったかとも思うのですが、これも明らかにしていただきたいと思うのです。
○坂田国務大臣 この点は十分外務省ともお話をした上でございますから、われわれの方では十五日以降であれば結構だというふうに考えております。
○上原委員 日米間で機体を調査したとかいろんな問題についてはきょうの長官の御報告にもあったのですが、この問題も、防衛面から考えてもあるいは政治面から考えても非常に多くの疑問を私たちは持っているという点を指摘をしておきたいと思うのです。日ソの友好親善の立場からも早急に機体の返還ができるように特段の御配慮を要請をしておきたいと思います。 そこで、最近出されました防衛白書にもちょっと目を通してみたのですが、いろいろ書かれているわけです。わが国の防衛の三つの柱として、一つは国民の国を守る気概、そして防衛力の整備、いま一つは日米安保体制というようなことを挙げております。その中でも特にきょうは安保問題についてだけ触れますが、簡単に申し上げると、いわゆる安保体制は絶対必要なんだ、したがって、提供義務があるから基地の安定的使用が必要なんだということが非常に強調されているこの基本といいますか考え方は、何か防衛庁あるいは政府の考え方として、安保体制の強化ということについて従来よりもより積極性を出したような感じを私はこの防衛白書を一読して、あるいはこれまでの長官の本委員会におけるいろんな御発言からしても感ずるわけです。 そこで、細かいことまでは触れられませんが、一体長官が絶えず言う基地の安定的使用というのは具体的に何を言っておられるのか。私たちは安保体制そのものに反対をする立場をとっております。これは明確にしておきたいと思うのです。この点もう一度ここで長官の見解を賜っておきたいと思うのです。
○坂田国務大臣 わが国を守るには、やはり国民が一たん有事の際には抵抗する強い意思を持つということ、これが必要です。二番目には、憲法の制約のもとに必要最小限度の防衛力を持つということ。これはかつての軍国主義時代のような侵略をしたり、あるいは他国に脅威を与えたりするようなものであっては断じてならぬということであります。また内政面においては、著しく民生を圧迫するようなものであってはならぬ。三つ目には、大規模の攻撃あるいは核の攻撃に対しては、わが自衛隊のみによって国を守ることはできませんので、やはり安保条約は不可欠である。つまり、国を守る意思、それから一定の防衛力、そして三つ目には安保条約、この三つががっちりと組み合わされて初めて日本の独立と安全というものが保たれる。また言葉をかえて申しますならば、国民一人一人の生存と自由というものがこれによって守られるというのが実は私の考え方でございまして、この一つを欠いてもだめだ。もし安保条約がなかったならば一体どうなるかというならば、いまでこそGNPの一%でございますけれども、これを三%、四%、六%にふやしましても、なかなか国民の方々が納得するだけの防衛力を持ち得ない、私はこういうふうに思います。 そういう意味合いにおいて、日米安保条約の持つ意味というものは、日本の国民一人一人の生存と自由を守る上においてはきわめて大事な安保条約であるというふうな認識を私は持っておるわけでございます。したがいまして、この安保条約に基づきまして日本の政府が基地を提供しておるということは、同時にその基地が安定的に使用されるということでございます。たとえば、基地反対だということで、もう危ないことがわかっておってもそこに無理やりに行って反対をする。安全ということをお考えならば何でこういうところにお入りになるのか、何でもう少し御協力が願えないのかというような気持ちを私は持っておるわけでございます。演習等があった場合においては、これは砲弾を撃つわけでございますから危ないことは決まっておるわけであります。こういうようなところに入らないように協力をするのが国民の条約を守るゆえんではないだろうか。立場が違うからあるいは違うとおっしゃるかもしれませんけれども、しかし日本人の生命を守る、あるいは安全を守るということであるならば、やはりそういう危ないこと、けがをすることがわかっておるところに飛び出していってまで運動をしなければならないか。私は何もいろいろの政策等について反対意思を表明されることを妨げるものではございません。しかし、個人個人の安全というものは大事だということを皆さん方もおっしゃるわけです。そうだとすると、あそこは危ないから行かないようにする、そういう協力体制ができれば、これは安全に演習ができると思うのです。そうしてやることがやはり基地の安定的使用につながっていくというふうに私は考えるわけでございまして、こういうような意味合いにおいて安定的使用ということを考えておるわけでございます。 また、わが自衛隊につきまして、自衛隊の演習場におきましていろいろの訓練をいたしておるわけでございますが、こういうことによって練成度を高めていくということによって、いろいろ防空警戒網を縫って入ってくる侵入機に対しましても十分の備えができる、その練度が落ちましたならばこれをチェックすることができない、こういうことでございまして、結局日本の国民の一人一人の安全と自由というものを確保するためにやはり基地は必要であるということかと思います。 しかしながら、基地のあるところとないところといえば雲泥の差がございまして、その地方住民にとっては大変なことでございます。騒音その他いろいろの迷惑をかけておるということは十分われわれも承知をいたしておりますから、われわれ防衛庁でもこの住民対策については十分考えていくけれども、しかし、その基地が国民の生存と自由にかかわる安全保障の一つであるとするならば、もう少し国全体として総合的に基地対策を考えるべきじゃないか、住民対策を考えるべきじゃないか、そういう細やかな政策というものが今後必要になってくるという意味合いにおいて、私は安定的使用ということを考えておるわけであります。 いま一つは、基地の安定的使用の中に、米軍の基地を運用するにつきまして駐留軍労務者がおられるわけでございます。こういう駐留軍労務者が安定的に、あるいは日本のほかの関係に勤めておられる人たちよりも非常に遅くなければ給料をもらえないというようなことであってはいけないわけでございまして、その意味におきまして、軍労務者の問題も安定的使用ということにかかわりある問題であるから、アメリカの軍当局においても、政府においても考えてもらいたいということでただいま折衝をしておる、こういうことでございます。
○上原委員 どうも、私がまだ質問もしないのに先走っていろいろなことを申されているのですが、そういう安定的使用ということは安保条約下においてどういう意味ですかと私は聞いているのであって、演習のこととか、そこまで行ってなんやかんやというのはまだ聞いていないわけですから、余り先走らないようにしてくださいよ。 私も、おっしゃることは聞いているとわからぬわけでもないわけです。実際の実態を知っていらっしゃらない方、あるいはそういう環境下に置かれていない方ならば、長官の御答弁はなるほどりっぱと思うかもしらぬ。文章に書くと、一般的といいますか、失礼な言い方かもしれませんが、平均的国民ならそのとおりかもしらぬと思うかもしらぬのですね。しかし、そこには根本的に事実認識の違いがあるということもまた指摘をせざるを得ないと思うのです。 そこで、そういう国の防衛のためにはアメリカに基地を提供することは必要なんだということですが、その基地あるがゆえに多くの犠牲をこうむっている現実もあるわけですね、正直申し上げて。そこで、いま長官もそのことに触れましたが、私はそういうことで安定的使用というものを合理化することは間違いだと思うのです。いま演習のことも、長官は危険なところに入るのはいけないんだ、やめるべきだと言うのですが、せんだっての沖特でもいろいろ議論をいたしましたが、そういう危険な演習をしていること自体に問題があると私たちは言っているわけですね。 そこで、その議論を進めていきますが、九月十七日、十八日に行われることになっておった県道一〇四号線を封鎖をしての米海兵隊の危険で無謀な実弾演習に対して、警察庁は県警を含めて一体どういう対応策をとろうとしたのか。議論を進めていく上でまずこの点から明らかにしていただきたいと思うのです。
○若田説明員 十七、十八両日の演習実施の予定につきまして警察庁の対応策ということでございますが、これは事前に通告を受けましたので、この演習場内に入りますことは刑特法違反という違法行為にもなりますので、また実際に入られました場合には大変危険でもございますので、警察といたしましても約千人の警察官を動員いたしまして、前日からこの周囲の、要所に配置をつけまして、そういう危険なところに入らないように、あるいはまたそれぞれ過去に入るというようなことを言ったような団体等につきましても、危険でもあるし違法行為にもなるというようなことで、十分警告をいたしました。先ほども申し上げましたように、警告をした上に、警察といたしましては千人の動員のもとで、前日から、入らないようにというようなことで警備をいたしたわけでございますが、現実には十七日、十八日、それぞれに入られまして、そうして発煙筒をたかれるというようなことになりましたので、これは大変危険であるということで米軍にその状況を伝えまして中止を要請いたしまして、結果として演習はできなかったという状況でございます。
○上原委員 沖縄県警の数は現在どのくらいいるのですか。
○若田説明員 約二千でございます。
○上原委員 そうしますと、千名の警官を導入していわゆる実弾射撃演習を米側に強行させるための手段を警察としては講じたわけですね。それで事前の予防対策、防備対策はできたのですか。
○若田説明員 先ほども御説明いたしましたように大変広いところでございますので、結果的には入ることを阻止することはできませんでしたけれども、いま御質問のように、沖縄県警二千の警察官のうち千と申しますと約五割でございまして、これは最大動員でございますが、その力をもって未然防止に当たったわけでございますが、大変広いところでございますので、結果的には入られまして演習ができなかったということでございます。
○上原委員 問題はそこにあるわけですよね。これだけの警備をやってもなおかつ十分の予防対策ができない、そういう軍事基地なんです。演習場なんです。皆さんが言うように、一目瞭然に金網さくをやってあるとか、侵入をしてはいかぬということは書いてない、三十キロにわたっては。その議論は別としても、それだけ大量の警察力を導入してもなおかつ皆さんが事前に万全の措置をとれないところに問題があるとは、警察も防衛庁もお考えにならないのですか。
○坂田国務大臣 ですから、私から言うと、こういうような法律に違反することまでしてなぜ反対しなくちゃならないのか、ほかに意思表示の仕方があるじゃないかということを私は言っておるのです。そうして安定的使用ということに御協力願えないかということです。だから、やはり住民の協力というのが非常に必要だと思うのですよ。しかしまた、それを使嗾するような人がおるわけですから、そういうような人はなるたけひとつ逆に、こういうようなところは危険だ、危ないよ、人命の尊重と言われているじゃないか、こういうようなことをやっちゃいかぬよと、なぜ言っていただけないのだろうかというふうな気持ちを同時に私は持つわけでございます。
○上原委員 その御見解にはこの間も反論しましたが、残念ながら私は正直に申し上げて全く承服できないわけです。危険をどんどんしでかしているのは米海兵隊の無謀な実弾射撃演習なんですよ。そういう演習を住民地域でやらなければ一しかも県道をはさんで完全に封鎖をして、百五ミリあるいは二百三ミリの砲弾を撃ち込んでいる射撃場が本土にありますか。そのことが問題なんですよ。全くもっていまの長官の御見解、答弁というのは承服しがたい。 実際に潜入者が出たわけですが、四名の方々が刑特法違反ということで逮捕された。——法務省来ていますね。那覇地裁はこの逮捕者に対する接見は禁止していないにもかかわらず、検察庁が拒否した理由はどういう理由だったのか。しかも、皆さんの主張、言い分からすると、逮捕された潜入者は四名とも現行犯なんだ。まあ刑特法違反だから逮捕したのだとおっしゃっているわけですから、これはまたいずれ法廷で論争されるでしょうが、現行犯であるならば証拠隠滅とかそういうこともさほど問題にならないと私たちは見る。にもかかわらず約二十日間にわたって身柄を拘置した。これなども明らかに刑特法に名をかりた反戦平和に対する弾圧以外の何物でもない。そういうことをやるから、ますます住民との摩擦も起こるし、安保条約やそういうものに対する疑惑と反対と不満が出てくる。これに対して一体どういう立場でそういう措置をとったのか、わかる範囲で明らかにしておいていただきたいと思います。
○石山説明員 この点に関しましては、いま初めての御質問でございますけれども、一応これまで受けております報告によりますると、四名の人々につきましてはそれぞれ単独で侵入したという形にはなっておりまするが、これがいかなる理由でその場に潜入されるに至ったのか、その契機あるいは動機、目的、背後関係その他につきましては、なおその段階で明らかに自供が得られません。そういうような関係から、検察当局といたしましては、証拠隠滅、通謀のおそれありとして接見の禁止をしたものというふうに聞いております。 それから、おっしゃるまでもなく検察庁の立場は厳正公平でございまして、不偏不党でございますので、いやしくもこの事件を通じて弾圧しようというような形でもって本件の処理をいたすという気持ちは毛頭ございません。以上であります。
○上原委員 不偏不党だとか弾圧する意図は毛頭ない、そう言わざるを得ないでしょう。またそうあっては困る。しかし、あなたはそういうことをおっしゃいますが、被疑者の方々が黙秘権を使うことは正当でしょう。
○石山説明員 憲法に定められておりますから正当と考えます。
○上原委員 供述を強要することはできますか。
○石山説明員 拷問による自白禁止は、これまた憲法の定めるところでございます。
○上原委員 拷問、これもまた、私は法律にうといのでわかりませんが、いろいろとり方があると思うのです。ただ、あなたはそうおっしゃいますが、昨日四名は一応保釈金を払って釈放されたのですが、取り調べに当たって拷問まがいのことを明らかにやっているわけですね。たとえば、被疑者に対して君は社会的ダニだ、労働者を搾取しているのはおまえたちだ、釈放はあらゆる手段を講じて阻止してやる、こういうことを午前八時半から午前零時まで約十二時間以上やっている。実際、検事が調書をとる場合に、こういうやり方は正当とあなたは思うのですか。
○石山説明員 いまの御指摘のような事実につきましては私ども全く存じませんので、まだ報告に接しない段階でもってそれに関する見解を申し上げるのはいかがかと思います。
○上原委員 もし事実だとすると、どういう見解を持ちますか。
○石山説明員 仮定のことにつきましての重ねての御意見でございますので、私も仮定的に申し上げますけれども、結論として、そのようなことは検察庁の調べであり得ないというふうに確信いたしております。
○上原委員 あり得るかどうかはこれから議論されていくと思いますね。ただ、私がここで指摘をしておきたいことは、この刑特法を適用しての逮捕事件というものは、明らかに防衛庁、米軍、警察、検察一体となった沖縄の正当な基地反対闘争に対する弾圧であるという主張をしてはばからないのです、このやり方は。なぜここまでやらなければいけないかという歴史的な背景についてこそ、あなたがおっしゃったように憲法に基づいてそういうことはできないということであるならば、憲法の番人であるならばやるべきだと私は思う。その点強く指摘をしておきたいと思うのです。 それで、いまあなたがそういうこともおっしゃったのですが、もう一つどうしても理解できないことが実際あるわけです。この実弾射撃訓練に対して、先ほど防衛庁長官は、必要なんだからむしろアメリカが演習ができるようにみんなで環境づくりをやってあげてもらいたい、協力してもらいたいということですが、それは私から申し上げると、実際、余りにも県民を侮辱するような発言でしかない。 この実弾射撃訓練というものは、本当に危険はないと皆さんお考えなんですか。あるいは、地域の住民には全然犠牲なり不安を与えていないとお考えなのか。これは法律論争でないのだ。私たちはそういう地域で、そういう沖縄県で三百六十五日生活しているんです。本当に危険でない、被害を与えていないと防衛庁も警察も検察も思っているのかどうか。この点はこの機会をかりて国民の前に、沖縄県民の前に明らかにしてください、皆さんどうお考えなのか。法律論争ではこの問題は解決しない。あなた方は権力を握っているから、どういうことも正当化していく。そういうことには私は反対なんだ。
○斎藤(一)政府委員 このキャンプ・ハンセンは、先ほどもお話がございましたように安保条約の目的の達成のために駐留軍が使っておりました。しかもその中で、お話がございましたように実弾の射撃をやっておることでございますから、基地にいろいろな態様がございますが、その態様によって莫大な弾薬を抱えておる弾薬庫もございますし、あるいは飛行機が飛び交う基地もございます。それぞれ態様があって、それなりの危険の可能性というものは持っておりますが、キャンプ・ハンセンの場合は、やはり実弾を射撃するということにおいてほかの基地とは違った危険度を持っておるというぐあいに私は思っております。したがいまして、先ほどもお話があったように、この基地を抱えておるために周辺の方々に御迷惑が及ばないように、演習が行われる場合のその都度の通告の措置、あるいは、演習場であることを知らずに立ち入って万一危険なことがあってはいけないというような配慮から、平生から演習場であることを明示し、あるいはまた中へ入らないように、知らない者がうっかり入ったというようなことでもあれば大変なことだと私どもは思っておりますので、そういう意味合いにおいては万全の、できるだけの措置をとっております。 それからまた、実弾を撃つことですから大変な音がしますから、そういう射撃音に伴う措置、それからまた射撃をすることによって演習場の中のたとえば草木が荒廃したり、あるいは水の大切な資源となっておるところが荒らされたりということもございます。そういった意味の住民の生活にかかわるいろいろな安全の問題がございますので、そういうものについても私どもは最善の努力を払って措置をしていきたい。そういう観点では、基本的には住民にいろいろな御迷惑があろうかというふうに理解しております。
○上原委員 そういう状況は演習のたびごとにつくられているわけですよね。ですから、これは危険なんです。危険だと言うと、危険だから入るなというような反論があるわけですがね、危険なことをやるなと。理由があるから行動が起きるんですよ。何もなければやらないんだ。いまの答弁を聞くと、まあ良心の片りんもあるようなお答えだったのですが、私がなぜこのことを言葉荒げに申し上げるかといいますと、九月二十一日付で那覇検察庁が——これは名前は特に申し上げませんが、那覇地方裁判所に出された接見禁止等請求却下に関する裁判に対して行われた準抗告申し立て書の内容なんですがね。こういうことが書いてあるんですね。「区域外から発射音は打ち上げ花火程度しか聞こえず、着弾の際はほとんど聞こえない状況であるから、本件演習は区域内に不法に侵入しない限りなんら危険はなく実害もない。」こういうことを、しかも公文書で出してあるんですね。本当にあれだけ、百五ミリ、二百五ミリに近い砲弾をどんどんどかどか撃ち込んで、花火程度の音しか聞こえない、着弾地点の音なんか全然聞こえないから、入らなければ何らの実害もない、危険もないんだと。現に喜瀬武原小学校に対しては、かつては破片も飛んだ事実もある。あるいは県道封鎖をするのは、危険だから封鎖するんだという答弁もこの間は三井警備局長から私にあった。事もあろうに、こういうことを実際状況でつくり出しておきながら、法律の番人たる検察官が接見禁止を却下する文書についてこういうことをやるというのは、私は、やはり余りにも偏見で、ある一定の目的を持った姿勢でこの問題に対処をしているとしか見られない。これはどうお考えですか。これは私がつくった文書でもなければ、うそだと思ったら取り寄せていただいたらいい。本当に花火程度のことでしかないのだとは一体何事ですか。こういうことを事もあろうに、法律を公正に、公平に守るべき検察官や検察が県民の前に公文書として明らかにするから、よけい問題は火に油を注いだかっこうになる。これに対しては、ひとつ防衛庁長官の御見解も私は承っておきたいと思うのです。
○坂田国務大臣 先ほど斎藤長官から申し上げましたとおりでございまして、実弾射撃をやるわけでございますから、音も非常に大きいだろうし、そして危ないこともございます。危ないことがあるから……(上原委員「危ないことをやるなと言っているんだ」と呼ぶ)危ないことがあるから、ひとつそういうところには近寄らないようにしろということも、非常に全力を挙げてみんなが言っておるのにかかわらず、なおかつそれに入っていく、こういうことはいかがだろうか、私の気持ちから言うとそうなんでございます。先生なんかは非常に有力な方でございますから、先生が、確かにおれたちは反対だ、これをやめさせようと思っている、それは徹底的にやる、しかしあそこの中には入るなよ、危ないから、危険だから……(上原委員「それならどかどかやるんじゃない」と呼ぶ)こういうことを先生が言っていただくと大分違うと思うのです。(上原委員「いや、茶化すなよ」と呼ぶ)いや、茶化すんじゃないのです。真剣に私はお願いしているのです。(上原委員「私も真剣ですよ」と呼ぶ)こっちも真剣だ。人命尊重という立場から言うならば、先生から言っていただくことがもしできたとするならば、危険度がずっと減るのじゃないだろうかというのが私の気持ちなのです。 それからもう一つは、あの県道については、確かにおっしゃるとおりに、あの上を越してやるわけですから、そこで私は就任早々でございましたけれども、何とかひとつこれはバイパスをつくったらどうだということで、いや、それをつくっております、しかしこれは二年かかります、というようなことだった。そのとき、久保さんがここの長官でございまして、あれを一年でやれるようにしたらどうですと言って、非常に詰めてやったはずだと思うのです。でございますから、良識ある住民は本当にあそこを通りたいと思うならばそれを通られると思うのですよ、バイパスを。それを聞かないで、しかも危険はわかっている、先生がおっしゃられるように、あれくらいの実弾射撃をやる、こういうところに突入せよと言わんばかりのことを、反対しておる人たちは言っておるわけでしょう。それを先生というような有力な方が、それだけはやめてくれ、そのかわり国会では徹底的におれが反対をしてやる、これを言っていただけば、私は危険度は非常に下がってくるのじゃないだろうかというふうに思いますし、千名なんかの警察官を動員するというようなこともなくてやっていけるのじゃないだろうかという気が実はしてならないのでございます。 感想とおっしゃいましたから、感想を申し上げた次第であります。
○石山説明員 いまの先生のお読みいただきました文章につきましては、実はまだ報告を受けておりません。詳細な内容、ちょっと存じ上げませんので、大変恐縮でございますが、この段階ではお答えは差し控えさしていただきたいと思います。
○上原委員 もう少しそういうのはてきぱきと調べてくださいよ。 それで、何か私まで刑特法で逮捕するようなことを長官はおっしゃるが、私が何もそういうことん言っているんじゃないんだよ。そういう感覚がやはりどうも合わないのですね。 そこで、いまおっしゃるように、確かにこの問題はこれまでも何回か取り上げましたし、また、ここまで深刻な問題に発展してきているということで、このまま放置するわけにはいかない。放置というより、このままの状態ではいかないわけですね。そこで、私たちは、安保条約、地位協定に基づく刑特法そのものは、むしろ皆さんがどういう論理を立てようが、著しく憲法に抵触しているという立場をとっている。これは最高裁、いろいろあったって、権力を持っている側が法律をひん曲げて解釈することはただできる。しかし、抵抗なくして民主主義も平和も守れないのです。まあ、その議論は別として、この状態ではいかないという長官のおっしゃることは、ある面においてはわからぬわけでないわけですね。 そこで、アメリカ局長も来ていただいたのですが、私はかねがね、この地域はああいう実弾射撃訓練をする、演習をする基地としては不適格だということを言っているわけですね、百歩譲って皆さんの安保ということあるいは基地の提供という、そういう枠内で議論を進めていくとするならば。そこで、この問題については、七月の一日にも事件があったし、これも実はお尋ねしたいのですが、時間がありませんので……。そして、さっき取り上げました九月の十七、十八の演習の阻止によって、アメリカ側もこれに対してはいろいろ言っててきているということも私たちも間接的に聞かされております。具体的に米側は今後どうしたいということを、この問題で意思表示があったのかどうか、これが一つですね。この点についてまずお答えいただきたいと思います。
○斎藤(一)政府委員 この十七、十八日に演習が先ほど来説明があった状況下でできなかったのでございますが、ただいまの時点において、いまお尋ねの米軍が演習したいとかしないとかということについては具体的には何もございません。ただし、私どもとしては先ほど来お話があったように、施設として提供しておる演習場でございますから、米軍から演習をやりたいということがあれば、これは施設の提供目的達成のために、先ほど来るる話があった安全を考慮しながら演習をするということに対しては拒否はできないのではないかと思っております。
○上原委員 その「ただし」以下はよけいなんですよ。前段だけでいいのです。アメリカ側からまだ意思表示はないわけですね。 そこで、一つの問題として県民が懸念することは、これは長官もよくお聞きになっていただきたいのですが、権力を持っている側は、それは、警官千名動員する、それだけでできなければまた九州管区から連れていく、本土からも連れていくといういろいろな手段もあるでしょう。悪法も法なりで逮捕していって弾圧するかもしらぬ。しかし、それだけでじゃ事が済むかというと、私はそう見ないわけですね。必ずそこには問題はくすぶっていくし、解決にはつながらない。 もう一つ考えなければいかないことは、今後そういう手段で、反対をする人々は権力で排除をしていかれていった場合に、アメリカはどんどん演習の回数をふやしていく。三カ月に一遍やるとかあるいは一月に一回やるとか、そういうことになりはしまいかという周辺住民の不安というもの、懸念というものは非常に大きくなってきているわけですね。少なくともそういうことは私はあってはならないと思うし、また、政府としてもそのようなむちゃなことはよもやさせないとは思うのですが、そういう歯どめは一体全体あるのかどうか。また、今後はもう着弾地域に入る人がいなくなったのだから自由にできるということになると、米側の注文や回数というものが多くなってきはせぬのか。これに対しては外務省、防衛庁は一体どういう態度でやっていくのか、この点はぜひ明確にしていただきたいと思います。
○斎藤(一)政府委員 キャンプ・ハンセンを提供するに当たっては、この演習場の使用の目的ということが決められておりまして、この目的は実弾射撃その他行うことになっております。したがって、これを行うについては何ら回数の制限だとか、あるいは日にちの制限だとかはついておりませんので、米軍はこの提供の目的の範囲内で必要な演習を行うと思います。ただし、いろいろやはりそれぞれの地域の事情などがございますから、私どもも日本の立場において日本の実情に合うように勧告するとか、あるいはわれわれの立場で気づいたことを米軍に言って、いろいろの地方の慣習、便宜、そういうものにうまく適合するようにということの努力はいたしますが、提供目的の中の条件にはなっておりません。
○上原委員 ちょっと歯切れの悪い御答弁ですが、これは防衛庁長官、現実の問題としてそういう不安を持っているわけですよ。だから、ああいう危険な演習を食いとめるには、万やむを得ないが、着弾地域に潜入する以外に手段はないというところまで追い詰められたわけですね、ある面では。それが皆さんの言う権力で排除をされていくと、アメリカは、よし今度はもう幾らでも自由なんだとどかどかやられたのじゃたまったものじゃないと考えるのは、それはあたりまえじゃないですか。演習地として提供しているからもう邪魔者はいないからぽかぽかさせるのですか。そうはさせないとは思うのですがね。この点の歯どめというものは最低限度、少なくとも直ちに講ずるべきだということは、これはお答えいただきたいと思うのです。
○坂田国務大臣 現実には先生おっしゃるように、そういう現実だから、だから、ひとつ先生が間に立って、そうしてやっていただくならば事態は好転するのではないだろうかということ、それをお願いしているわけでございます。 しかも確かに沖縄には基地が多うございますし、御迷惑であるということもわかっておりますけれども、しかし一度国と国とで約束したことでございますから、これはやはりスムーズに危険のないようにやろうということにはどうするかということで、お互いその心を割って話し合うというようなことを先生が間に立ってやっていただくならば事態は好転するのじゃないだろうかというふうに私は思うわけでございまして、ぜひお願いをしたいというような気持ちでいっぱいです。われわれの方でもバイパスをつくるというようなこともやっておりますし、そういうようなお計らいはできないものだろうかということでございます。もちろん、私たちは危険を冒してまで演習をやるというようなことに対しては、従来どおりもやってまいりましたけれども、今後といえどもアメリカと折衝するにやぶさかではございません。
○上原委員 どうも私のお尋ねにはお答えにならぬで、何も私はそんな力、ないですよ。ぼくは防衛庁長官でもあれば、それは直ちにやめさせる。そんな無謀な危険なことはさせない。 そこであなた、盛んに迂回道路をつくったと言うのですが、利用者はさっぱり。もったいない、六億円。どうですか、これはいないのだ、利用する人が。あなた、そんな迂回道路をつくったって、無意味ですよ。 そこで、時間もたちますので、いまのことでなくして、少なくともそういう歯どめさえも考えていないとなると、これは問題解決の糸口もないですね。この件について米側と防衛庁を含めて、この演習場の使用のあり方について、せんだっての沖特の委員会では長官、大臣はいらっしゃらなかったのですが、局長なり防衛施設庁長官は、一応大臣にも報告して検討するということだった。私は少なくともいまのことを含めて、私がいまさっき言った問題を含めて、県民との折衷的なものが仮に見出し得るとするならば、何らかの形でこの演習場のあり方について現段階、この段階で改めて協議をしてみる姿勢は示すべきだと思うのですね。その御意思はありますね。
○斎藤(一)政府委員 この前の、いま御指摘がございました検討をしてみるということを育ったじゃないかというお尋ねは、この前の七月一日のときにけが人が出まして、けが人がその演習場の中でけがをしたんだという御本人たちの申し立てに対して警察が捜査をしておられますが、そのそういうことがある直後においてすぐにも演習をするのかというようなお尋ねに対して、その点については十分考えてみましょうというやりとりがあったように私は思っておりまして、いまお尋ねのようなこの演習場全体をどうかするかということについてのやりとりではなかったように記憶しておりますが……。
○上原委員 それは違うよ。きょう会議録を持ってこなかったが、それは会議録にちゃんと載っている。アメリカ局長を含めて御答弁なさった。アメリカ局長の見解、じゃもう一遍ここで明らかにしてください。
○山崎(敏)政府委員 私も同様な立場で御答弁を申し上げた次第でございまして、七月一日の演習に関して、演習場内でけがをしたと言われる人がありますことを踏まえて、安全確保についてはさらに万全の措置をとりたいという観点から申し上げたわけでございまして、この点に関しましてはわれわれは在京米大使館あるいは合同委員会においてたびたび米側に対して申し入れを行い、先方もこの点については全面的に協力するということを申して、今回の演習に対してもアメリカ側としては従来以上の安全確保のための措置をとったと承知しております。
○上原委員 そうしますと、この住民との摩擦を何らかの形で緩和していくあるいは解決していくために、キャンプ・ハンセンの演習場提供の問題について、その使用のあり方について日米間で話し合う意思は毛頭ない、皆さんはそういう立場ですか。着弾地域に入らぬで阻止行動をやめればもっと頻繁にやるのじゃないかという懸念も不安も持っているのだ、それはきわめて危険なのだ。そういうことを含めて現段階で県民感情としてここまで政治問題になっているから、これを日米間のテーブルで話し合うということさえも皆さんはできないのですか。これは事務当局の見解じゃないですね。長官、もう一遍話し合ってみたらどうですか。話し合ってみてなおかつできないというのなら、それは話はわかる。またその時点で議論すればいいのであって、ここまで県民のいろいろな問題を起こしておきながら、日米間で話し合うことさえもやらないということになると、これはやはりやめるわけにはいかぬですね。長官、どうですか。これについてぜひお答えください。
○坂田国務大臣 先ほどから申しますように、あなたが主体的になって、一切あれには入らない、あそこの中に入ってまで反対運動はしない、そういう危険なことはさせないというようなことができますならば、私もお話をしてもいいと思います。
○上原委員 一切入らない、そんなことはできませんよ。皆さんの方が日米間でお話し合いをするというのが前提であって、何か含みのあるようなないようなことですが、そこは後で聞いてみましょう。 そこで、今後この捜査の範囲は拡大するのかしないのか。いまいろいろ出頭を求めている節もあるわけですね。また新たに現場検証といいますか、あるいは団体の事務所の捜索も重ね続けられている面もあるわけですが、いま議論をしましたように、少なくとも原因があっていろいろな行動があるわけですから、そこらのことを総合的に含めてこの問題を何らかの形で解決していくためには、法は法といえども、最低限度、これ以上拡大をしないとか、もっと県民の気持ちにこたえていくという姿勢が防衛庁も、警察も、検察も、法務省も含めてあるべきだと私は思うのですね。そういう配慮がが指導者の立場でなされない限り問題はこじれる一方だと思うのですが、そういう考え方で今後何らかの対応策をとるお考えがあるのかどうか。これもお答えをいただけるならお答えください。
○若田説明員 警察の担当いたします捜査の面についてお答えを申し上げたいと思います。 十七、十八両日の演習予定日のことに関しましては、現行犯として四名現場で逮捕いたしております。現場にはさらにもう少し多くの方がおられたようでございますが、逃走しておりますので、この点についてはなお捜査を徹底しなければならないと思っております。情報によりますと、上部の団体から指示を受けて入ったというようなことも言われておりますので、この点については、最終的な処分をどうするかは別といたしまして、捜査を担当する警察といたしましては、あくまで真相をはっきりさせるということが私どもに課せられた義務だと存じております。
○上原委員 法務省、この点で何かございますか。
○石山説明員 いま警察の方から御説明のありましたとおり、検察庁といたしましては、その後事件につきましての事件受理はいたしておりません。ですから、もし事件送致がございますれば、先ほど申し上げたと同じ方針によりまして、罰すべきものは罰し、罰しなくてもよい場合は罰しないという方針を守るまででございます。
○上原委員 あたりまえなことじゃないですか。(「あたりまえなことが大事なのだ」と呼ぶ者あり)あたりまえなことをそんな偉そうに言っては困りますよ。もちろん公式の場ですからそういうお答えをしないと、こういううるさい与党の議員もいますからね。そうかもしれませんが、私がさっき申し上げたようなことを考慮に入れても悪くないと私は思うのです。 警察が徹底的に捜査をやる、それだけは問題は解決しないです。と同時に、こういう基地反対闘争だけやるのを弾圧して根こそぎつかまえようとしないで、ピストルをどかすか、撃って人殺しをやっている暴力団捜査にも少し警察の機動力を出したらどうですか。大阪や千葉や沖縄だってそうなんです。重要犯罪はほとんど未検挙のままになっている。そういう面にもやはり不満があるということもこの際指摘をしておきたいと思うのです。これはいずれまた議論をするかもしれませんが……。 防衛庁長官、この間は政治家としてお答えになって、えらい御高説を賜りましたが、きょうは大臣はあなたお一人しかいらっしゃいませんからね。この問題は、絶対入らないという約束をすれば話に乗るというようなかたくなな態度じゃなくして、危険をつくり出している元凶そのものをどうするかということも含めて、基地の提供のあり方が不的確であるという私の言い分もあわせて考えて、この問題については相談するなら相談するということでないと解決しないと私は思うのです。その辺もう一度よくお考えになっていただきたい。刑特法というのは、安保国会においてもほとんど議論はされてないわけですね。刑特法の「ケイ」は軽いかと思ったら刑罰の刑なんだ。そういう法律でいまごろ基地問題が議論をされなければならないというところにより沖縄の深刻な問題があるということをこの際ぜひ御理解をすべきじゃないか、そのことを私は申し上げておきたいと思うのです。 そこで、もう一つお答えをいただきたいのですが、問題になっております公用地等暫定措置法の期限切れに伴い新しい法案の作成が進められているということをいろいろ聞かされました。内容とかそういうものは、まだ提案もされてない段階で言うと、むしろ皆さんのガードを固めることになりますのでその面は触れませんが、基地確保新法案なるものを今国会に出すことを防衛庁は決定しておられるのか。出すとすると、けさの理事会でも少し問題になったのですが、沖特という話もあったのです。与党としては内閣に提案をしたいという御意思のようなのですが、その点を含めて明らかにしていただきたい。 もう一つは、内容は触れませんと言いましたが、地籍の問題、境界不明の土地の境界画定をやるということが非常に強調されているわけですが、復帰後も含めて、現に返還されて不明である土地の境界画定というものについては、一体この法律は適用されるのかどうか、この点も明らかにしておいていただきたいと思うのです。
○斎藤(一)政府委員 まず、この法案についてただいまどういうことを考えておるかということをお答え申しますと、るる申し述べませんが、沖縄に所在する米軍施設の用に供しておる土地の大部分が一筆ごとの一境界が不明確でございます。これを明確にすることがどうしても必要であるということと、これに伴って、昭和五十二年五月十五日以降において駐留軍がなお使用する必要のある土地についての特例をこれとともに立法していただきたいということをわれわれ防衛施設庁事務当局としては考えております。これについては防衛庁としてもその決心をしていただきまして、ただいまのところ、もっぱら法案の成案を得ることに努力して、できれば早い機会に成案を得、今国会に提出し、御審議いただくことにしたいと思っております。
○銅崎政府委員 復帰後になりまして返還された土地で地籍が不明確である、それで現在も基地と一体となって、一団の土地として使われているものにつきましては、適用がございます。
○上原委員 それはあたりまえじゃないですか、あなた。現在も基地として使用しているものしか適用しない法律でしょう。しかし、すでに返還されて、不明の地籍があるから問題になっているのですよ。それだけわかればいいのです。どれだけいろんなのが入っているかということが、これだけ聞いてもわかるので、この議論は後ほど十分深めていきたいと思うのです。 しかし、こういう法律というものは、沖縄国会でも問題になりましたが、付言するまでもないのですが、明らかに本土の法律体系にはない法律なのですよ。そういうものまでも沖縄にはどんどん、どかすかつくってやる。一方においては、基地というものはそういうような使用の仕方をする。実弾射撃をやる。そこに、より深刻な問題があるということをわかっていただかないと困る。それと同時に、今国会、臨時国会というのは、御承知のように、総理も所信表明でも言っておられたように、生活関連法案、積み残し法案、いわゆる財特法とか国鉄、電電の値上げ法案等々、給与関係、そういうものに限って審議をするというのが、私たちが国対なりあるいは議運の先生方から聞いていることなのですね。あえてこういう対立法案をこの臨時国会に提案をするということ、これはいろいろ問題が出てくると思うのですね。ここまでして強行するおつもりなのか。私はやはり考え直すべきだと思うのです。この点は長官からお答えいただきたいのです。
○斎藤(一)政府委員 長官からお答えがあるかもしれませんが、私ども事務担当者としては、この施設の中の区画を明確にして、そしてこれに由来するいろいろな所有者の方々の御迷惑がございましょうし、私どもとしても取り扱い上いろいろ支障を来していることをぜひ今国会において明確にしていただきたい。これは事務担当者だけの考えでございますが、いまお話しのようないろいろな諸般の情勢で、最終的に政府がいかが御決定になるかはわかりませんが、私どもとしてはぜひ今国会にお願いしたいというふうに考えております。
○上原委員 今国会でどうしても通りませんよ、それは。無理しないでいいのだ。この点については出されてからよく勉強さしていただきたいと思います。 最後に、これもいまの法案と関連するのですが、要するに、軍用地として提供したくないという地主の方々で組織をしている団体が、県の土地収用委員会に不服申し立てを、たしか四十八年の七月ごろ出されておったと思うのですね。契約拒否地主会がやった不服申し立ての内容は、一つは、軍用地料が安いのでその損失を補償せよということ。二つ目には、政府は契約拒否地主にも契約地主と同じような協力謝礼金を出せ。三番目に、意思に反して軍用地に使用されているので、慰謝料として一人当たり十万円を支払え。大体三つの骨子で出されておったと聞いております。 これに対して、県の土地収用委員会は、たしか十月の五日に裁決をなされた。その内容は、もうすでに報告があったと思うのですが、一つは、政府の軍用地料は、ところによっては評価額が関連しておる他の土地の地料よりも低く抑えられている、したがって、二億七千三百六十二万四千二百二十五円の差額を補償せよということですね。二点目は、契約拒否地主に対しても、契約に協力した地主と同等に協力謝礼金を三万円から七万円の範囲で出しなさい、そんな差別はいかぬということ。三点目に、反戦地主といいますか、契約拒否地主独自の慰謝料請求については認めない。これも土地収用委員会としては、私は相当の裁決じゃないかと思うのです。 このことについて、防衛施設庁はどういう見解を持っておられるのか、どういうふうにこれに対処していかれようとするのか、この際明らかにしていただきたいと思います。
○斎藤(一)政府委員 ただいまお話のございましたように、沖縄県土地収用委員会が十月の五日でございますか裁決を下したということは私承知しております。それで、その裁決書の成文の一部の交付を正式に受けておる。ただ、その内容は、私も新聞その他報告で、いまお話がございましたような趣のことであることを承っておりますが、何分膨大な、四百ページを超える内容だそうでございまして、目下その内容について検討しております。事案の性格上、われわれ施設庁だけで最終的な結論を出せる性格のものではございませんので、関係省庁と十分協議の上これに対処したいというふうに思っておりまして、いまここで明確な、具体的な内容を即答いたしかねます。
○上原委員 その内容については、それだけ膨大なものなので、私も全部に目を通したわけじゃありませんから、またいろいろ法律的な問題もあるでしょうし、御相談もあるということはわかりますが、しかし、少なくともそういう不服申し立てをやらなければならなかった背景と理由は、契約拒否地主の皆さんにあったわけですね。特に協力謝礼金ということは、本委員会でも何回か私も取り上げた経過があったような記憶を持っております。実際に、契約は拒否しても土地は返してもらいたいというのがこの地主たちの本来の要求なんですよ。それを不法に皆さんが取り上げてアメリカに使わせているわけだ。だから、むしろ勝手に使っている人々に協力しているといいますか、いわゆる謝礼金は少なくとも契約を拒否しない人々と同等に扱うべきであるにもかかわらず、差別をしたわけですね。それもまことに問題を複雑化させている。そういう不服申し立てが出たことに対しての施設庁の責任といいますか、考え方は私はあると思うのですね。これについてはどうお考えなのか。少なくともこの土地収用委員会の裁決に対しては、検討すべきは検討しても、誠意をもってこたえるということでなければいけないと思うのですね。そういう不服があったわけだから、しかもそれが土地収用委員会で二カ年余にわたって、約三年近く議論をされて裁決が出されたわけですから、これまでも無視するという立場はとらないと思うのですが、この点はいかがですか。 〔加藤(陽)委員長代理退席、委員長着席〕
○斎藤(一)政府委員 この裁決申請は、いまお話しのように、長い間にわたって沖縄県土地収用委員会が慎重に検討されてなされた裁決でございますし、また申請者の数は八百九十五名でございましたか、多数の方々がそういう申請をなさったというような具体的な事実がございますので、この内容については、先ほども申し述べたように、よく検討いたしまして、そして慎重な対処をしたいと思っております。
○上原委員 もうこれで、まだ少しはあるのですが、大体時間ですから終えますが、防衛庁長官、いろいろ私が申し上げることに対して、むしろこっちの方に要請されるようなお答えなどもあったわけですが、そういうことでは沖縄の基地問題というのは解決しないわけですよ。したがって、もう少し、いまの新しい土地確保法の問題あるいはこの契約拒否地主団体から出された不服申し立てに対する県土地収用委員の方々の裁決の内容等についても誠意をもってこたえていただきたい。 また先ほど申し上げた演習のあり方についても、ぜひ政府として誠意をもって県民の立場に立って理解を示しつつまた政府のやるべきことに対して協力を求めるという姿勢ならば、私はかねがね申し上げているように、ある程度接点もあると思うのですね。こういうことはやっていただきたいと思うし、このことについて改めて防衛庁長官の今後の御所見なり方針といいますか、見解を賜って、私の質問を終えたいと思います。
○坂田国務大臣 沖縄につきましては、やはり非常に多くの基地を抱えておりますし、それから終戦直後の占領下の事情もございますし、いろいろの御苦労があろうかと思いますし、問題も奥深いものがあると思います。その意味合いにおきまして、県民の意思も一方に考えながら、そしてまたわれわれのやるべきこともやっていくというようなつもりで対処をしてまいりたい、かように思いますが、何分にも先生なんかは沖縄において非常に有力な方でいらっしゃいますから、やはり先生にも御協力を賜るということでないとなかなかうまくいかないんじゃないだろうかというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○上原委員 終わります。
○渡辺委員長 瀬長亀次郎君。
○瀬長委員 私、おととい防衛庁の職員が来て説明をしておりましたけれども「沖縄県の区域内の駐留軍用地等特別措置法案の骨子について」というものが手元に届いております。これについて質問を集中したいと思いますが、長官の時間があるということですから、一応長官から大体十五分ぐらいお伺いして、あとは事務当局にお伺いします。 それで、これについての基本的姿勢を申し上げますと、われわれは現在の憲法の五つの原則、これは国家主権と国民主権の原則の問題、それから恒久平和の原則の問題、それから基本的人権の擁護の原則、それから議会制民主主義を含めて民主主義の原則の問題、一つは自治の尊重の原則、これが現憲法の五つの原則で、これは現在でも将来にわたっても守られなければならない原則だと思います。 これに照らしまして、この出された特別措置法なるものがどういうふうに位置づけられるかというふうに調査したいと思うのです。この場合、ほかの県と違って沖縄県民がこういった土地収用、接収される、この段階を大まかに分けて四つの段階になります。 一つの段階は旧日本軍、これははっきり言えば第三十二軍です。これにより総動員法に基づいて接収された、これは第一段階であります。さらにアメリカ占領軍がやってきて、一九四五年の六月二十三日に大体終戦ということになっておりますが、それ以後は、いま申し上げました日本軍が総動員法に基づく、はっきり言えば勅令九百二号です、これに基づいて収奪されたものの馬乗りになって、それだけではなくてさらに拡張していった。で、この場合にアメリカの占領軍でも守らなければならない問題は、ヘーグ陸戦法規であります。略奪は禁止されております。主権は尊重しなければならないということになっております。ところが略奪に近い方法で、いわゆる軍事権力をバックにして武力でもって接収されたのが二十七年にわたって続きます。これが第二段階。第三段階は、一九七一年、現行法が特別の暫定使用法という名のもとで出された、これが第三段階であり、これが来年の五月に期限が切れる、そういうことで引き続き出そうというのがこの問題。ですから私は、こういったような形で順を追うて質問をしますが、きょう一時間しかないので、あとのものは残りましたら十二日の委員会で引き続きやります。 そういった観点に立ちまして最初に長官にお聞きしたいのは、このいま問題になっておる特別措置法、これは今国会に出されるのか。出されるとすれば、これがもし通らないとすればまた次の特別国会にでも出すのか。この問題。 もう一つは、ぎりぎりこの法案がいつまでに通らなければ現在の軍事基地あるいは自衛隊の基地、これを保有できぬのか。ぎりぎりいっぱいどこまでか。まさか五月の十三日ごろ通ればいいということじゃないと思います。 以上の点についてあらかじめ、これは閣議との関係もありますので、大臣からお答え願いたいと思います。
○坂田国務大臣 駐留軍用地等特別措置法でございますが、これは防衛庁といたしましてはぜひ今国会で御審議を煩わしたいというふうに考えておりまして、ただいま国会等の手続をいたしておるわけでございまして、いずれ国会の手続を経まして提出をいたしたいというふうに考えておるような次第でございます。できますならばこの国会で通過をさしていただきたいというふうに私は思っておるわけでございますが、どうしてもできませんならば通常国会ということにもなりかねないと思いますが、できればひとつこの国会で御審議を願いたい、かように考えております。 それから、いまるる沖縄の状況についてお話がございましたが、まことにその点はそのとおりだというふうに思います。しかし新憲法になりました以上は、やはりこの憲法のもとに、憲法に違反しないように慎重に取り扱わなければならぬことは先生御指摘のとおりでございまして、いやしくも憲法違反の個所があるというようなことはいけないのでございまして、この点も十分法制局等とも打ち合わせた上において、憲法違反ではないということで提出をするということに相なっておるような次第でございます。 ぎりぎりどの時期までに通すならば現在の法律と同じように効力を持つかという御疑問でございますが、この点につきましては、斎藤長官からお答えを申し上げたいと思います。
○斎藤(一)政府委員 ぎりぎりの期間がどの程度必要かというお尋ねでございますが、これは大変はっきり言えそうなものでございますが、いろいろ状況によって違ってまいる点もございまして、私どもがいま考えておるのは、骨子の中にも一部あらわれておりますように、いろいろ手続をやる余裕が必要でございまして、そういった意味でいま考えておりますのでは、三カ月くらいはどうしても施行前に必要であるというふうな考えでおりますので、そういうことから考えましても、今国会にぜひお願いしたいというふうに思っております。万一ということでございますが、その場合には、いま言ったような事務的な手続の面においてかなりの苦しいものが出てくるので、やはりできれば今国会でぜひお願いしたいという考えでございます。
○瀬長委員 本国会で通るということはまず夢じゃないかと思うのですね。これは去った沖縄国会で日米沖縄協定を強行採決された、質問者の質問も打ち切って。そういった方法をとればあるいはできるかもしれない。これは問題含みのものなんですよ。果たして来月の四日までに、臨時国会が終わるまでに一体通るのか、これは常識だと思うのですよ。これが通らないとすれば特別国会に一応出す。その場合に、ぎりぎり三カ月要するとなると、二月いっぱいにはどうしても通さなければならぬということになりますね。そう理解していいのですか、長官。
○斎藤(一)政府委員 いま申しました三カ月というのは、ただいまの時点で私どもがごく必要なものというふうに考えておりますが、これは先ほど申し上げたように、手順の決め方によって若干のゆとり、それから法技術的な配慮の仕方によって余裕ができるかと思いますが、大体においていまお尋ねのような状況になっておると思います。
○瀬長委員 もう一つは、これも手続の問題に関連してですが、このような、われわれから言えば最悪の法律、強奪法と言っておりますが、これは沖縄だけに適用するわけなんだな。これはほかの県には適用されない特殊な法律だ。仮に通った場合は、憲法のいわゆる自治尊重に基づいて住民投票に付される性格のものであるのか、そうでないのか。この点は法手続の関係で最後にそこまでいくと思います。これは長官からやってもらわないと、あなた、早く帰るのでしょう。
○斎藤(一)政府委員 いまお尋ねの点は、もちろん一般的に憲法に違背することのないように、憲法に従ってということを慎重に考えながらやっておりまして、いまお尋ねの点については消極的に考えております。必要がないというふうに理解しております。
○瀬長委員 長官もそうですが。
○坂田国務大臣 ただいま斎藤長官から申し上げたとおりに考えております。
○瀬長委員 この内容についてちょっと触れますが、土地収用法、これを自衛隊の場合には適用されますね。ところが、その場合、収用委員会の裁定というのですか、決裁がなければならない。これは一応そのときになってみないとわからぬが、見通しとしては、沖縄県の場合に、収用委員会はこの法案にほとんど反対なんです。そうなると、その決裁があるということを予想できません。この場合は自衛隊は撤去されるのか。
○斎藤(一)政府委員 いまお尋ねの件は、手順としてそういうことになりますが、法律的には収用委員会の裁決があってそれからやる。裁決がないというふうなことは考えておりません。
○瀬長委員 もう一つ、これは旧日本軍が収用したものに関連して、どうしても長官に最後にお答え願って退場していただきたいのだが、旧日本軍が総動員法に基づいて、とりわけ読谷村とか宮古、八重山あたりですね、それは総動員法の勅令九百二号でやっておるわけなんです。この場合に、大蔵に聞いても、いやこれは事務的に民法でやったんだと言う。それから法制局に聞きましたら、法制局は、法の解釈はできるがそれはわからぬ。だれが一番わかるのかと調べましたら、やはり防衛庁ですね。これは防衛庁から出しているものでしょう。序文にもちゃんと書いてあります。防衛庁の、特に自衛隊の教育にとっての研究資料になるというふうなことに焦点を置かれて、防衛研修所戦史室長西浦進さんが序文を書いております。この中に長勇参謀長から釜井参謀あてに通知が出されたということも書いてあるし、私のこれから事務当局に質問するものと非常に合致します。こうなりますと、旧日本軍が総動員法に基づいて土地をやったといういきさつは、やはり防衛庁でなければわからないということになるわけです。この点お認めになりますかどうか。ここら辺を回答してもらって、長官に対する質問は終わりたいた思います。
○斎藤(一)政府委員 戦前の当時の陸軍なり海軍なり軍が行った行為、これはさまざまな当時の法令に基づいてやった行為がございますので、それすなわちいまの防衛庁というわけにはまいらない。先ほど来いろいろ御議論があったところでございますが、新しい憲法下において、新しい制度として現在の自衛隊が存在するので、防衛庁設置法に基づく範囲内の仕事ということになりまして、あとこうした戦前のいろいろな問題をどういうぐあいに処理されるかということは、政治的ななかなか大変な問題でございますが、行政機関としてはそういうぐあいな理解をいたしております。
○坂田国務大臣 斎藤長官が申し上げましたように、戦前はいろいろの問題があったと思いますけれども、やはり新憲法下におきましては、先生が先ほどお述べになりましたような五つの憲法の示す項目に抵触しないことでこの法案を立案し、そして御提出申し上げ、御審議を煩わしたいというふうに考えておるわけでございます。
○瀬長委員 いいですよ。 この法案と関連して、旧日本軍が接収した土地は総動員法に基づいてやられていることは確かなんです。この中にあるのですよ。これはあなた方が出したものです。だから、結局ほかの省庁に聞いてもわからないのですよ。法制局は法の解釈。法務省も。それから大蔵は、登録されていたものを引き継いだのであって、その際の事情はわかりません。しかし、これにはっきり書いてある。これは十冊目でしょう。これは防衛庁ですよ。
○斎藤(一)政府委員 いまお尋ねのその書物を私後でよく拝見したいと思いますが、自衛隊ではたとえば戦史の研究など戦前の軍の行為をいろいろと研究しておりまして、研究しておるから直ちにそれがただいまのわれわれの責務であるということにはならないと理解しております。
○瀬長委員 責務であるないでなしに、これがせっかく出されて、非常に符合しますから、やはり防衛庁に聞いた方が間違いないなという、あなた方の責任だ責任でないということを私は言っていないのです。これがちゃんと出ているのだから。どこからも出ていない。だから、ほかの省庁ではわからないのです。
○斎藤(一)政府委員 そういう意味のお尋ねでございますれば、だれかそれを担当して知っておる人がいるはずですから、知っておれば知っておること、事実は私ただいま心得ておりませんけれども、御要望に応じてわかる限りのことはお答えしたいと思います。
○瀬長委員 それではいませっかく入りましたので、これから質問いたします。 旧日本軍、正確に言うと第三十二軍、この司令官は牛島満という中将、参謀長は長勇です。この関係で最初お伺いしたいのは、厚生省援護局長の名前で「宮古島飛行場用地買収事情についての認定書」、この中に「第二次大戦中日本軍が宮古島に飛行場を設定するため土地を買収するに際し、地主に対し、「戦争が終れば土地は旧地主に払い下げること」を口約したことは事実であると認定する。」とこれにありますね。
○柏井説明員 お答え申し上げます。 ただいま御質問の認定書につきましては、昭和三十九年十二月十四日に出しております。
○瀬長委員 それから、厚生省の方ではそのいきさつはおわかりだと思うのですが、旧日本軍が総動員法に基づいてやったといったようないきさつをおわかりであるだけ説明してください。
○柏井説明員 ただいまの御質問でございますが、総動員法に基づきまして、特に戦況上緊急な飛行場設定につきまして、宮古島につきまして用地買収をされたわけでございまして、これらのものは戦後資料が残っていなかったために当時の責任者等に照会をいたしまして、その結論といいますか、その方々の申し立てに従いましてつくりましたのが先ほど御指摘の認定書でございます。ただ、当時のいわゆる経理関係の最高の責任者であります経理部長は戦死をしておられますために、それらについての事情がはっきりいたしておりません。以上でございます。
○瀬長委員 それでは神直道、これは元大本営の参謀で、三十二軍参謀に転じていって、この人が昭和四十二年十一月四日の日付で「厚生省援護局調査課長殿」ということで、これは読谷飛行場土地買収等について照会をしたことに対する回答をやっています。この回答を読んでください。
○柏井説明員 お答え申し上げます。 昭和四十二年の十月二十七日に、調査課長から神直道氏に対しまして次のことを照会いたしました。 一つ、読谷飛行場は陸軍が設定したものでありますかどうか。 二番目は、陸軍関係のものといたしますれば、一つ、買収、借り上げの年月日はいつでございますか。二つ、買収、借り上げの面積はいかほどでありますか。三つ、契約の内容はどのようなものでございますか。四つ、代金の支払い状況はどうでしょうか。五つ目に、上記の事項についてさらによく承知していると思われる方の住所氏名をお知らせいただきたい。 それから、大きい三番目に、第三十二軍以外の部隊が買収あるいは借り上げを担任したものであればその部隊名。 四番目は、その他参考事項。 こういうことを御照会申し上げたわけでございます。 それにつきまして、十一月四日、神直道氏から次の要旨の回答をちょうだいいたしております。 一つ、読谷飛行場は陸軍が設定したものであります。 二つ目の一で、買収しました年月日は、昭和十八年七月に買収の仮契約をいたしました。二、買収仮契約面積は約七十万坪と記憶しております。それから三に、契約内容は、当時の読谷村村長の知花清氏と買収に関する仮契約を行いました 当時飛行場設定は緊急を要しましたので、多数の地主の意思を聴取するいとまもなく、かつ坪当たり土地単価を決定することもしなかった。土地単価は後日決定することとし、地上耕作物の補償、民家立ち退き料を支払うこととして飛行場の緊急整備に着手をしました。次に、代金支払いの状況は、以上のような経緯から土地代金は支払わなかった。また、地上耕作補償、民家立ち退き料については詳細はわかりません。 以上のような回答をいただいたわけでございます。
○瀬長委員 もうちょっとあるでしょう。肝心なのを残している。これは一番最後に何と書いてあるかというと、いまの代金支払いの問題なども書いて、その後で「土地取得仮契約に当たって、本飛行場が将来陸軍として不要となったときは読谷村地主に優先的に返還する旨を口頭で約束している。」これがあるんです。ないですか。なければあなた削ったんだ。これにもありますよ。
○柏井説明員 それは別のときでなかったか、私が調べましたのでは以上のことが要旨でございます。
○瀬長委員 いやいや、援護局調査課長の照会に対する回答がこのような内容になっているのですよ。だから、これから何が出てくるかという問題だ。民法で地主も承諾をして坪当たり単価幾らで契約しますということではなかったのだということが、時の参謀の、しかも飛行場建設の主任参謀がはっきりあなた方に回答しておる。これは土地代が払われていないのですよ。そういうさなかです。もうやがてアメリカ占領軍が上陸し、沖縄全島を制圧しようとする寸前なんです。こういったさなかの実情を神という参謀があなたのところに送っているわけなんです。これは普通の民法による売買とお考えですか。
○柏井説明員 失礼いたしました。「参考事項」として書いてございますのは「土地取得仮契約に当たって、本飛行場が将来陸軍として不要となったときは読谷村地主に優先的に返還する旨を口頭で約束している。」これが入っております。失礼いたしました。
○瀬長委員 それから、宮古の飛行場も同じような方法でやられていますね。八原参謀、これは高級参謀です。長勇参謀長のもとで八原という高級参謀、大佐です、この人がはっきりまた同じようなことを言っているのですよ。
○柏井説明員 三十九年の「宮古島飛行場用地買収事情についての認定書」の中に、いま御指摘の八原参謀以下の元参謀らの証言で同一の趣旨のものが載っております。
○瀬長委員 大蔵省はだれかいますか。大蔵省は、この前私の質問に、ほとんどの土地が民法で売買契約を結んだと言っておりましたね。ところが、いまお聞きのように、一番面積にして広いのは本島では読谷村です。離島では宮古です。それから八重山です。こういったような形で土地代は払われておりません。 さらに、持っておりますが、そのときに戦時債券あるいは強制郵便貯金、これに入れられて、現金をもらっている人は一人もいない。私は会ってきましたよ。向こうの竹富町の西表という島がありますが、二十二名ぐらいいます。これが現実なんです。 そこでもう一つ、証言はアメリカにさしてみましょう。アメリカは一九六五年、ベトナム北爆が開始される年なんですが、そのときの「不用の旧宮古飛行場用地について」ということで、これは土地諮問委員会の六五年六月二十七日の議事録であり、委員長はジョン・P・キングという人なんです。この人が「日本政府は、一九四三年から一九四四年にかけて飛行場建設のため土地収用手続により宮古の土地約八二六・八七エーカーを接収しました。」 「地主は土地に対する適正な補償を受けませんでした。というのは、恐らく地主のために買上価格が日本政府により国債に投資されるか或るいは郵便貯金にされたためであります。」 三番。「米国政府がとった処置のため地主は郵便貯金或るいは国債から資金を引き出すことができませんでした。」これは海軍布令に基づいて日本の円はストップされました。したがって、その一切の契約を全部破棄されたわけなんです。これは米国政府の布令によります。 四番目。「高等弁務官は、米国の財産管理官に対し、これらの土地を懇願人」すなわち地主です。「懇願人に返還するよう命令できる法律上の権限を持っています。一九六八年に同じような事情の下にあった西原与那原飛行場用地が当時の高等弁務官より旧地主に返還されました。」 最後に五番目。「土地諮問委員会は、西原与那原飛行場返還の先例にならい本件の土地が懇願人」すなわち地主「たちに返還されるよう勧告」するというのが高等弁務官の諮問機関である土地諮問機関から出されております。これについて、いま申し上げました八原参謀、これが同じようなことを言っております。どう言っているかというと、長くなりますので最後に申し上げますが、戦争が済んだら土地はもとの所有者に返させる旨も訓示して住民の積極的な協力が得られたのでございます、これなんです。そうなりますと、読谷といい、それから宮古といい、いま大蔵省が言っているような民法に基づくものじゃなかった。しかも、この土地諮問委員会は、総動員法に基づく九百二号、これによってやられたということまではっきり書いてある。にもかかわらず大蔵省は普通の売買として登記されているのだと言うけれども、これが民法による普通の売買と言えますか。
○秋山説明員 お答えいたします。 まず総動員法の場合でございますが、これを適用する場合はそれなりの法律的ないろんな手続があるわけでございます。もちろん私その現場に居合わせたわけじゃございませんけれども、ただいま私どもの方で把握しております資料の中では、そのような事実があったというふうなことは不幸にして見当たっていないということで、先日、民法の規定によるものであろう、こういうことを申し上げたわけでございます。また、さらには、それを補強する意味で、先日も申し上げましたけれども、登記簿の上で原因が売買になっているということで、恐らくそうであろう、このような一応推定の一つの根拠でございます。 それからもう一つ、先ほど厚生省の方がおっしゃいましたけれども、要するに戦争が終わったら土地は返すのだという趣旨の証言がございましたが、実は別な証言もございます。したがって、その辺のことをどう取り扱っていいかわからないというふうな事情もあったということを御理解いただきたいと思います。
○瀬長委員 いまこうやって引き出したものだからここまで来ておるわけなんですよ。これは、いまの「三十二軍の戦史」の中にもその当時の実情をどう書いたか。実際は、牛島中将のもとにおける長勇参謀長、この人のとったのは水際作戦なんですよ。いわゆる敵を水際まで引き寄せてそこでやっつける。ところが、八原参謀はそれと意見を異にして、水際まで来たらおしまいだ、少なくとも飛行場をつくって、そしてこの飛行場を守り、それで敵をやっつけなくちゃいかぬという意見が大体あったのだな。大本営から係の参謀、中佐がやってきて、そして時の大本営の意思を言ったわけなんだ。これを受けまして「釜井参謀ニ与フル命令」、これが昭和十九年九月十四日十六時三十分に、軍参謀長長勇からいま申し上げた釜井参謀にあててこういうことが出ております。「一 貴官ハ九月十五日ヨリ三泊四日ノ予定ヲ以テ軍防衛管区内飛行場ヲ巡回シ軍担任飛行場ノ設定ヲ指導援助スベシ 又九月末完成ノ為ノ兵力使用ニ関シ十九日正午マデニ其ノ意見ヲ具申スベシ 二 爾後九月末マデ飛行場完成二其ノ全能ヲ傾注シテ軍参謀長ニ対シ其ノ責ニ任スベシ 三 飛行機一ヲ其ノ使用ニ供ス 其ノ使用計画ヲ樹立シ報告スベシ」そしていまさっき読んだ年月日になっております。これはちょうどこの読谷飛行場の強行された日にち、さらに宮古飛行場、八重山飛行場、全部合致します。ここに書いてある。写真もちゃんと載っている。 これは何を物語るかというと、いわゆるその当時の日本軍の軍事権力をもってしてでなければ、あのような三日、四日間で伊江島の飛行場さらに読谷飛行場、いわゆる北、中飛行場というようなものはできるものではないわけなんです。その実情が書かれているのがいまの八原参謀の証言であり、神参謀の証言であり、釜井参謀の証言である。だからそこら辺をあなた方は否定できないですよ。これを否定する証言もあるとかないとか、何をとっていいかわからぬという場合には、住民の利益になるような証言をとって、国ですから、国家権力をもって国民に利益を与えるというのが当然じゃないですか。しかもここまで書かれて、証言も全部そろっているわけなんです。これは否定することはだれでもできないですよ。もっと大蔵の閣僚、大臣あたりに聞かなくちゃいかぬと思いますが、この問題は避けて通れない問題なんです。このような形で日本の軍事権力でとられたものが、いま申し上げる第二段階に、今度は占領軍が襲いかかってくるわけです。だからこれを明らかにしなければ、現在あなた方が案として出されておるものをいわゆる原点に返っての討議はできないから、私はその点を聞いているわけなんです。 大蔵省が、いままた逆な証書もあると言っておりましたが、どんなものがありますか、ちょっと……。
○秋山説明員 恐らく先ほどの神さんの証言と同じことだと思うのですけれども、厚生省の方からお尋ねになった釜井さんという方の証言で、要するに後で戦争が終わったら返すかどうかということに関しまして、一応ここに書いてあるのは要約でございますが、読み上げてみますと「読谷飛行場の場合は飛行場の性格が恒久的なものであったから、軍において不要となった場合元の地主に払いもどすような条件は付けてなかった。」こういうふうに書いてあるわけです。
○瀬長委員 だれがですか。
○秋山説明員 釜井さんという方です。
○瀬長委員 これはどこの飛行場のことですか。
○秋山説明員 読谷でございます。
○瀬長委員 これは、釜井参謀の言っているのは宮古飛行場の土地問題、それから八原参謀も同じ宮古の飛行場の問題、それから読谷の問題がやはり神参謀、この証言、これらは全部そういったような切迫した事態を述べて、土地代は支払われておらないということの証言と、同時に、地主に聞いても、現金を受け取った地主がいません。特に読谷の場合全部そうです。耕作物、芋とかそういったものは代金も幾らか取っております。土地代は全然払っていないのですよ。これが民法的なものであると解釈できるのかどうか。民法というのはどういう契約ですか。
○秋山説明員 ただいまの先生のおっしゃるようなことであれば民法ではございません。
○瀬長委員 とりわけ一番大きい宮古、読谷の飛行場がほとんど総動員法に基づく勅令九百二号で強制収用されたことは、もうちゃんと厚生省でも参謀への照会で明らかになっておる。これは伊江村の飛行場もそのとおりなんです。 いまの施設庁長官ですか、現行のいわゆる土地収用法、これは憲法に反するということで違憲訴訟を起こしておりますね、これは法務大臣あてに、御存じですか、反戦地主会。
○斎藤(一)政府委員 そういう係争事件があることは承知しております。
○瀬長委員 この問題はそういったような形で民法じゃなかったとなれば、総動員法は、この前法制局の証言もあって、もう廃止されております。当然のことながら、総動員法でとられたものは、やはり戦争が済んでおるから返すべきであるというふうな解釈が成り立つと思うのであるが、ここで、そうなりますと、現在この特別措置法に基づいてとろうとしているのは、いま言う名義上は国有地になっているものも相当あるわけです。これが問題になるわけなんですが、この点について何か意見がありますか。
○斎藤(一)政府委員 いまのお尋ねの点については、私どもが従前暫定使用法で使用しておったものを、なるたけ所有者の合意を得まして契約に切りかえておりますが、復帰当時のものがだんだんだんだん減ってきて、いま八百四十二名の所有者の方と話し合いがつかない。そういった個人所有の土地についてこれを賃貸借契約できるかできないか、できない場合はどうするかという問題でございまして、国有地の問題ではないということを御理解いただきたいと思います。
○瀬長委員 国有地の問題ではないわけです。ところが、いま言ったように、証言したように、国有地と現に登録されておるものが、事実は総動員法に基づく強制接収だったということが証拠立てられれば国有地から外れてきますよ、でしょう。どうですか。
○斎藤(一)政府委員 先ほど来先生がいろいろその証言を挙げてお尋ねの問題は、そういう問題としてあることはよく承知しておりますが、今度私たちが立法化して御審議を願いたいというのは、現在その所有者が少なくとも判明しておって、しかもその方々と合意ができないという問題でございます。いま先生が先ほど来お尋ねのものは、ましそれが私有地であれば同じ問題になってまいりますが、ただいまの時点では国有地である、その点に争いがあるということですから、違った問題ではないかと私は思います。
○瀬長委員 この問題はむしろ総動員法による強制収用だったという証拠だけしかないわけなんです。もっとこれは追及いたしますが、時間の関係がありますので、一応渡されたものの内容に簡単に触れて質問したいと思います。 この「沖縄件の区域内の駐留軍用地等特別措置法」この四行目に「当該土地の境界を明確にすることが国及び関係所有者にとって必要であることにかんがみ、」とありますね。これはおとといあなた方からもらったものです。境界不明を明確にすることはこの関係所有者にとって必要であることは当然です。国にとって必要であるということは、二に書いてあるように基地の確保というものが必要であるのであって、「境界が不明確であり、当該土地の境界を明確にすること」こういったものは国が何で必要であるのか、これをちょっと説明してください。
○斎藤(一)政府委員 お答えする前に、まずお手元にお持ちの文書は法律ではございませんので、私どもがいま考えておるその法案の考え方はどういうものかということを御理解いただくためのメモみたいなものでございますから、この字句を解釈することは必ずしも余り意味がないのですけれども、しかしここに書いてある事柄は確かにそういうことを考えておりまして、土地の境界を明らかにすることは、関係所有者が土地を持っておられてしかも境界がわからないということは、自分の権利を主張されるためにあるいはそれを譲渡されたりする場合にもいろいろ不便がございます。それから基地が返還になった場合も、いつまでたってもこの境界がわからないために跡地利用が進まないとかいろいろな問題がございます。そのことが、同時にまた国の立場からいいましても、現在わかっておる所有者が現地に即してどこからどこまでをお持ちになっているということが判明しないために、たとえばわれわれの暫定法の土地の損料の支払いの上においてもいろいろ不明確な点がございますし、それからいま御指摘のように、今後なお駐留軍のために必要とするものを一般の法律のルールに乗って使用させていただくという場合にも、境界が不明であることによって現行の法律が働かないといったような国にとってのいろいろな不都合もございます。そういうことを申し述べたいためにこういう表明をしたわけでございます。
○瀬長委員 もう一つ、「境界が明確でない土地については、駐留軍用地特措法又は土地収用法に定める通常の手続がとれないので、」とありますね。現在駐留軍が使用しているもののうち明確になっている面積は幾らあるか、不明確なものは幾らあるか。それと自衛隊が使っているもので明確なのは幾らあるのか、不明確は幾らあるか。それをちょっと説明してください。
○銅崎政府委員 米軍施設につきましては、全体の面積でいきますと二億六千五百万平方メートルのうちで約一億六千万平方メートルが境界が不明な土地でございます。私どもはそのうちの二十八施設、一億一千万平方メートルについて現在調査をやっておりますが、引き続きその残りの分もやろうということでやっております。そういう中で、全体で五十五の施設のうち二十五施設が現在の暫定使用法の適用施設。それから自衛隊施設は十月一日現在ですが二十九ございまして、そのうち暫定使用法適用施設は六施設、暫定使用法適用施設の面積は米軍が二千百四万平方メートル、自衛隊施設が十九万平方メートルというふうになっております。
○瀬長委員 この骨子についてのメモの参考に「境界が明らかであり、駐留軍用地特措法又は土地収用法に定める通常の手続がとれる土地については、この通常の手続により使用する。」とありますね。いま言われた明らかになっているものはこれでやるのですか。
○銅崎政府委員 お答え申し上げます。 現在のところ、この駐留軍用地特措法、土地収用法に定める通常の手続で明確になっているという土地はこの中にございません。ただ、いま現在やっています地籍調査が進みましてあるいはこれから出てまいるかもしれませんが、現在のところございません。
○瀬長委員 時間が切れましたので、いまのアメリカの占領下における土地の強奪の問題は次の委員会で引き続きやります。ただ、私要望したいのは、これは骨子ですが、法案はいつごろ発表できますか。これは十二日に閣議にかけるというのですが、本当ですか。そうなると法案をかけるのでしょう。このいまの日程と、それから、これは境界を設定するということを表面に立てて、実際は現在の軍事基地並びに自衛隊基地をいまのまま使用しようという目標を持っているということには変わりないのです。そういった意味でこれはアメリカが出した新しい布告の再現だ、むしろ土地強奪法だという内容を持っております。これについて骨子ではなくて早目に案を出してほしいのですが、いつごろ出せますか。
○斎藤(一)政府委員 御案内だと思いますが、政府の案として確定するのは閣議でもって決定いただいたときでございまして、それまでは各段階において修正の意見が出たり、あるいはまた基本的な問題についての変更があったりするので、閣議決定が行われるまでは確定したものとしては申し上げるわけにいかない、そういう意味でそれまではすべて公表できないという考え方でおります。ただそれでは余りでございますので、大体の私どもの念頭にある考え方を冊子でもって申し上げておるわけですが、法律の案文として確定するのは閣議決定のときであります。
○瀬長委員 閣議決定はいつになりますか。
○斎藤(一)政府委員 これは閣議で御決定いただかなければ永久に御決定されませんが、私どもの予定では、来週にでもお願いしたいということで進めております。 それから憲法違反の問題、悪法であるということでございますが、およそ現憲法下で私どもが仕事をする場合に、憲法違反を起こすことがないように、いやしくも憲法を犯すことがないように、慎重に取り運んでまいります。
○瀬長委員 終わります。
○渡辺委員長 次回は来たる十二日火曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会します。 午後九時散会 ————◇—————