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78回国会衆議院1976/11/04

懲罰委員会 第5号

発言数
7
登壇者
3
会派数
2
開催日
1976/11/04

会議録

宇田國榮自由民主党

○宇田委員長 これより会議を開きます。  議員紺野与次郎君懲罰事犯の件を議題といたします。  本委員会の要求によりまして、本人紺野与次郎君が出席されております。  本人紺野君に対する質疑の申し出がありますので、これを許します。東中光雄君。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 去る九月二十八日の本院本会議場におきましての公明党矢野書記長の質問に対して、紺野議員は議席から抗議の発言をされたわけでありますが、動議提出者の趣旨説明では、それは不穏当発言だというふうに言って、そしてみずから不穏当発言だと言っておるその不穏当だと称する内容を趣旨説明で述べて、会議録にこれを載せるということをあえてしたわけであります。それは、不穏当な発言であれば出すべきではありませんし、出したということは不穏当でないということをみずから認めておることになるわけでありますが、いずれにしましても、あなたの発言は、趣旨説明者が言っておるような「反共のイヌ、イヌがほえている」というふうなものではなかったということを、この間から本委員会においても紺野議員は言われておるわけでありますが、あなたの矢野反共違憲質問に対する抗議はどういうものであったのか、その点について、動機あるいは理由は十分承っておりますので、経緯についてお伺いしたいと思います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野議員 ただいま東中議員からお尋ねありました点について、そのときの状況を申し上げますと、最初にずっと一般国政についての質疑がありました後に、最後の段階になって、いよいよこういうことから始まったわけですね。私はそれまでじいっと静かに聞いていたわけでありますが、「いわゆる共産党のスパイリンチ事件、これは前国会で論議されまして、国民の関心を集めたわけであります。」というふうにいよいよ切り出してきたわけなんです。それで私は神経を集中しまして、また同じようなことを言い始めてきたなと警戒心を持ちまして、耳を澄まして聞いておりました。  そこから矢野君が言い出してきたことは、結局、私も意見を述べ、質問をしたいというふうに、このことにやっぱり触れて入ってきたわけでありまして、その順序といたしましては、自分は前国会では余り関心がなかったんだというようなことを言いながらも「今日的な意味で、」——今日的な意味があって大変興味を感じておるということから、共産党のこの問題に対する対応に対しまして、異常な反応ぶりということが大変興味があるということで、共産党の異常反応ぶりと称していろいろ触れてまいりました。そして、この問題についていろいろ言う者に対する批判を展開しているが、これは何でも悪質な反共宣伝であるというふうに大キャンペーンをしているのじゃないかというようなことを言いながら、法務当局に対して次のことを詳細に聞きます、詳細にこのことについて答弁願いたいということを法務当局に対して質問する形で、いままでに前国会で民社党の春日委員長が展開してきたと同じ内容のことを、その中心的なポイント、ポイントを一々挙げてやってきた。ここが要するに大問題です。もういままでのところで憲法違反、国政調査権の範囲を逸脱するものとしてすでに言われているそのことの蒸し返しを三つ、四つというふうに繰り返してきたのですね。一つはリンチ的な行為が果たしてあったのか、なかったのか。あるいはいわゆる異常体質によるショック死なのか、外から傷が加えられた外傷性ショックで死んだのかどうか、こういうこと。こういう一つのポイントをまず展開して、これについての詳細な説明を願いたいということを言った。  それから第二番目には、宮本氏の復権問題、七百三十号の適用の問題ですね。その中で、宮本氏がそのときに釈放になりました問題は、ちょうど春日委員長もまた網走刑務所にしかないあの例の診断書を持ち出して大いにやったわけだが、鬼頭裁判官が持ち出したものといまではそう考えられているようなものを振り上げて言った問題です。それを矢野書記長も言い出した。これが二つ目なんです。  三つ目についても、七百三十号のただし書きの問題。これも七百三十号を適用されるときにすでに解決されている問題です。その当時の問題について法務大臣が、彼は「奇妙きてれつ」というふうに前国会で言いましたけれども、そういう点について調査した結果を知らせてくれというふうなことを長々と展開をしました。  これでは全くこの前の民社党の春日委員長が展開した、それこそ反共大合唱ですね。これは事実、ないことなんですから、それを蒸し返してまたあの暗黒時代の悲劇を、悲劇というよりも、これは忌まわしい、やってはならない政治上の大きな問題です。それをあえて持ってくるということに対して、これは今日では謀略的なにおいがするということがすでに明らかになってきている問題です。私は、むしろ私自身の体験を通じて、これは大変だということで、私がその段階で言っていたことは、反共宣伝をやめろ、反共宣伝をやめろ、こういうことを繰り返し言っていましたよ。正木君もそれを聞いていたでしょう。私が後ろの方から、反共宣伝をやめろ、やめろと言っていたことを彼は聞いていたと思う。  ところが皆さん、その次にこういうことを言っている。その次ですよ。私が反共宣伝をやるなということを何べんも言っている後にちょろりと出してきた。これはどういうちょろりであったかというと、「私があえてこの問題の質問に踏み切りましたのは、共産党の諸君が「犬がほえても歴史は進む」と、みずからに対する批判者を犬扱いする体質、これは戦前の権力者が共産党の諸君をアカ呼ばわりしたと同じ発想で、批判拒否、独善そのものではないかと、私は疑問を持つからであります。」こういうことをそこで、要するに「犬がほえても歴史は進む」ということを矢野氏みずからが言い出してきたということなんです。私は、反共宣伝するなということだけ言っていたのですよ。そのとき犬なんて一言も言っていないし、何も言ってない。ただ矢野氏がそういうふうにみずから言ってきた。しかも意味を取り違えている。これで言っているのは、たびたび私がここの委員会でも本会議でも言いましたように、中傷すること、うそをいろいろ誇張して針小棒大に誹謗中傷することを、このことわざでは犬と言っているのです。これは人じゃないのです。誹謗中傷そのものを犬といって、そういうものがあっても決して真理とか、真実とか、歴史とか、そういうものは曲がらないんだということわざであって、それで戒めているわけなんですね。そういう中傷をしなさんなという、これは戒めの言葉であります。  だから私は、それを聞いた途端に、私自身の戦前からのそういう体験が再び蒸し返されるんじゃないかという不安を持って、反共宣伝するなと抗議をしていた。それはいわば反動と戦争の前夜と言われている反共宣伝、そういうものをするなということで言っておりましたが、たまたまそれを矢野書記長自身が言いましたので、私は反共宣伝をやめろということと、そのことわざで言っていることと関連して、反共の犬がほえるみたいなことを言うな、反共の犬の言うようなことを言うなということをぽんと言ったんですよ。私がこれを抗議したというのはことわざで、同義反復なんですよ。反共宣伝をするなということと同じ意味で、反共の犬がほえるようなことを言うな、このことわざが言っているのは、そういうこと以外に何物もありません。何も矢野君を罵倒するために犬だ、おまえは犬じゃないかというふうなことを言ったんじゃないのです。  私自身の経歴の中にも——経歴というか生活の中にも、個人として私はけんかをしたことがないのです。どなたさんともけんかしたことはありません。夫婦のけんかもしたことはありません。しかし、事は政治、公の場においては政治的な判断でより高い次元でわれわれは論争をしておる。そして、このことわざについても、より高い、意味の深いことわざなんですよ。それをあなた方が知らないというところに不幸があるのです。いいですか。そして、反共の犬が言うようなことを言いなさんなということを言ったということは同義反復、反共宣伝をするなということと同じことなんです。同じことを私は言ったのです。この段階で登場したということなんです。これを公明党の皆さん方が大変勘違いされまして、それで私のところに飛んで来たり、暴力をふるったりしたわけですけれども、順序としてはそういうふうになっておりまして、矢野氏の発言はあと一分でおしまいになっております。  ですから、私が最初から「イヌ、イヌ」と言って罵倒したとか、「反共のイヌ」というふうに、ただそれだけ言ったんだとか、それはそうじゃないのです。一貫してこの事態の進行を見れば明らかなように、すでにもう前国会から言われておりましたこの問題の重大性、そういうことをかりそめにもこの主権在民の平和憲法のもとで言うべきではないようなことをやってきた。大変残念な発言であったと私は思っております。

東中光雄日本共産党・革新共同

○東中委員 九月二十八日の官報号外によるそのときの会議録を見てみますと、矢野君が「犬がほえても歴史は進む」と共産党が言っていることが、批判者を犬扱いする体質だなどというような全く歪曲をした、的外れの非論理的な共産党攻撃をやった。こういう事実に基づかない非論理的な共産党攻撃を私たちは反共主義、反共宣伝、こう言っておるのでありますが、この発言があった後、会議録によりますと、「(発言する者あり)」というのが初めて出てまいります。そして矢野質問が全部終わった段階で、秋田副議長は、「静粛に願います。——静粛に願います。」こう言って、「(発言する者、離席する者あり)静粛に願います。」こう書いてあります。公明党の諸君が演壇をほうっておいても離席してあなたのところへやってきたというのは一番後の段階だということが、会議録でも明らかであります。  ところが、渡部一郎君の趣旨説明及び趣旨説明者に対する質疑の答弁では、初めから「イヌ、イヌ、イヌ」というふうに言うていたかのような言い方をしております。これは事実に忠実でないことだということが明白であると思うのでありますが、議員を懲罰に付すというふうなことを言っておる側が事実をしいるようなことをやるというのは、これこそ言論の府である国会、国権の最高機関である国会の権威を著しく傷つけるものだと私は思うのであります。そういう点で正木君があなたに暴力をふるった時期、そして公明党の諸君が立ち上がって、渡部君自身もそこへ行ったということを言っておりますけれども、その時期はずっと後であって、彼の説明自体によってもその矛盾が明らかになっておると思うのでありますが、その点の事実関係だけを明らかにしていただいて、私の質問を終わりたいと思います。

紺野与次郎日本共産党・革新共同

○紺野議員 そのとおりでありまして、この議事録を見ましても、犬発言を矢野君が言われる前は、少しも拍手もないし、こういったいろいろなことは起きておらない。明らかにこれは犬発言を矢野君自身が言い出してからですね。私がこれに対して、反共宣伝をやめろということと同義反復として、矢野君が言ったことに応じて言った、そのことから初めて「発言する者あり」とかいろいろなことがここで言われておりまして、事実経過からして、東中議員が質問されたそのこととおり事態が進行したものであって、最初から私が、イヌだということで、早くもそこで正木議員が飛び上がったというわけでもない。これは、終わる一番おしまいの一分前ですね、そういうときに起こったことでありまして、事は、公明党の諸君がこのことを勘違いして、それであしざまに私の発言に対して懲罰をもって報復するというふうな、言論の自由に対して大きな抑圧をするものというふうにわれわれは考えますし、同時に、私に対して正木議員が暴力をふるったということは、まことにこれは国会史上空前の暴挙でありまして、われわれはこれに対して抗議をしているわけであります。

宇田國榮自由民主党

○宇田委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十一時二十二分休憩      ————◇—————     午後六時三十九分開議

宇田國榮自由民主党

○宇田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、申し上げます。  本件の取り扱いについて先ほどの理事会で協議いたしました際、紺野与次郎君の不規則発言は、議院の品位の上から見て穏当を欠くものであり、本来、議員の議会内の言動については、議院の権威を尊重して行なわるべきものである。今後、この種の不規則発言については十分留意すべきであるという見解が述べられ、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の意見の一致を見たことを御報告いたします。  暫時休憩いたします。     午後六時四十分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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