大蔵委員会財政制度に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 92 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/10/27
会議録
○村岡小委員長 これより財政制度に関する小委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 先般、各位の御推挙により、私が当財政制度に関する小委員会の小委員長に就任いたしました。各位の御協力を得てその職責を全うする所存であります。何とぞよろしくお願い申し上げます。 財政制度に関する件について調査を進めます。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山喜一君。
○村山(喜)小委員 最近、経済の見通しについては非常に両極端に分かれたような分析がなされておるわけでございます。後ほど担当の人が見えてから全体的な問題についてはお尋ねをしてまいりますが、極端な物の考え方をとる場合には、景気が大変な落ち込みを示しているから、この際景気を回復する措置をとるべきであるというようなことで、経団連や財界を中心にする人たちは、選挙後補正予算も組むべきである、あるいは長期金利の引き下げもやるべきであるというようなことの立場をとりまして、財政の面からてこ入れをする必要があるということを盛んに強調されているわけでございます。その中で、いま大きく国会の中で取り上げられておりますのは、景気の停滞に伴う一つの原因として、特に国鉄、電電両公社の建設投資が工事費の削減というような形の中で関連企業に大きな影響を与えている。六千五百九十億円の工事費が国鉄と電電で削除された、したがってこれに対する財投からの穴埋めを図っていくべきだという意見があるわけでございますが、国鉄並びに電電の方から説明を求めたいのは、十月までの分については四カ月おくれの場合にはこういうふうになるという一応の資料が国会の方にも提出をされておるようでございます。しかし、委員会の審議、参議院における審議を見てまいりますると、十月一日じゃなくて十一月一日の五カ月のおくれということになる可能性が強まってまいりました。そこで、今日まで予定をしていたものがさらに歳入がその分だけ不足をするわけでございますから、それに見合うところの工事の削減というもの等についても対策を講じておられるだろうと思うのですが、どういうふうな建設勘定の予定が計画をされているのか、国鉄並びに電電の担当者の方からまず初めに数字で説明を願いたい。
○吉井説明員 お答えいたします。 ただいまの委員会の御審議、運賃値上げの成立、十月いっぱいはきわめて困難だということで計算をいたしております。月々私ども運賃値上げによりまして五百三十億の増収を見込んでおります。したがいまして、二千六百五十億の減収となるわけでございます。このうち二千九十億につきましていわゆる建設工事費の支出の削減をもって対処する、このようなことで現在計画しております。
○三宅説明員 電電公社の場合には、十月の場合で工事費を三千五百億円削減せざるを得ない、こういうことでいろいろやってまいりました。さらに一カ月おくれることになりますと、新たに生じます資金欠陥が千二百五十億ございます。この中で百五十億はいろいろ経費の節減等で対処するといたしましても、一千百億につきましては新たに工事の削減ということで対処せざるを得ない状態に相なっております。
○村山(喜)小委員 そういたしますと、国鉄の場合は工事費の削減というのは二千九十億、電電の場合には三千五百億に千百億を加えた四千六百億、こういうことでよろしゅうございますか。——そういうふうになりますると、両方で六千六百九十億、こういう姿になるわけでございますが、これに対して、国鉄なりあるいは電電の場合は、これは仕方がないことだ、こういうことでこのまま放置をされるつもりなのか、関連の企業等に対する影響等を考えた場合に、このままではどうにもならないということで、何らかの方途を考えるべきであるというような方向で政府と折衝をしていらっしゃるのか、その点について承りたい。
○吉井説明員 先生御指摘のように、現在の工事費の削減によりまして、工事全般はもとより、関連企業の方にも非常な影響を見ております。私ども大変に心苦しく思っておる次第でございまして、この問題についていろいろ対策を検討中でございますが、何さま現在運賃の改定が御審議のさなかでございまして、今年度における最終的な収入の見通しがつきがたいということで、この見通しがつきました暁におきましていろいろな形で政府関係御当局と御相談をいたしまして、何とか善処をしてまいりたい、このような所存でいるわけでございます。
○中林説明員 料金改定遅延に伴います収入欠陥につきましては、いまお答えしましたように、経常支出の削減のほか、建設工事の繰り延べ等によって対処してまいりたいと思っておりますが、しかしながら、これらの繰り延べられた工事を含む五十一年度から五十三年度の建設計画、これは現在の料金改定の基礎となっているものでありますが、これはこれまで公社が公約してまいりました五十二年度末の電話の積滞解消だとか、あるいは自動改式の推進、地方中小局の加入区域拡大等の国民の非常に熾烈な要望にこたえるため、ぜひとも達成したいと考えております。このため、これらの五十一年度から五十三年度の計画につきましては、予定どおりぜひ進めたいというふうに考えております。 その他の対処策につきましては、今後の問題として、関係御当局の御指導も得ながら検討を進めていきたいというふうに思っております。 ただ、料金改定の成立がさらにおくれるということでありますと、これの対処策というものもますます困難になってくるということを懸念しているわけでございます。したがいまして、私ども一日も早く成立するよう希望している次第でございます。
○村山(喜)小委員 そこで、国鉄並びに電電にお尋ねをいたします。 国鉄で二千九十億の削減の内容は、大都市交通対策関係が中心になりまして、それに東北新幹線関係と、それから新幹線関係の契約解除分だ、こういうように承っております。仮に財源的にめどがついた場合に、財源的な措置が何らかの方法で、財投等の資金で講ぜられた場合に、これから冬に向かってまいりますが、そういうような関係で工事が、予算がついても執行ができないというような点等もあり得るのではなかろうかと思うのです。その点、仮にそれが何らかの意味で補てんをされた場合でも、その工事を削減いたしました二千九十億というものを復元できるものなのかどうか。それから、電電の場合でも、資材の購入から工事費の問題から、いろいろ多方面にわたっておりますので、その四千六百億の工事をさらに復元をするという形をとるといたしましても、それが五十一年度の三月末、年度末までの間に片づくものであるのかどうか、そういうような点から今後対策をいろいろ協議をされることになるであろうと思うのですが、それらの見通しについてちょっとお伺いしておきます。
○吉井説明員 ただいま国鉄で抑制いたしております工事の内容は先生ただいまお尋ねのとおりでございまして、東北新幹線の関係並びにいわゆる線路の増設でございますとか、電化との関係を主にいたしております。 そこで、ただいまのお尋ねでございますが、これは仮に財源措置が講じられた場合、こういう前提に立ってのお話でございますと、工事能力なり気候の関係なりでその取り戻しができるかということでございます。個々の点につきましては、なお関係部局とも詳細な詰めが必要でございますし、また、取りかかり得る時期がいつかということにもよるわけでございますが、比較的速やかな機会にそのような措置が講じられる、こういう前提になりますと、きわめて雪の深い一部の地域を除きましては、工事的には相当の部分が挽回は可能であろう、このように私どもは考えております。
○村山(喜)小委員 そこで、きのう参議院の大蔵委員会で、大平大蔵大臣は、国鉄、電電の工事減についての穴埋めを財政投融資で補正することを検討すると言われておるわけでございますが、このことについて大蔵省の事務当局の方ではどういうような打ち合わせになっておりますか。
○宍倉説明員 電電、国鉄の工事費等の削減につきましてはいま御説明があったとおりでございますが、私どもの方は、御承知のように本年は窮迫した財政事情にあるわけでございますので、こういった削減が多額にならないように、なるべく早く運賃及び料金に関する法案が成立することを期待し、努力してきたわけでございます。したがいまして、いまの段階で六千七百億円近い工事費の削減があるわけでございますけれども、これに対して直ちにその財源を埋めるというその財源がないところに問題がきているわけでございますので、はなはだ困惑をしてきているところでございます。目下の段階、まだ法案が通ってないわけでございますので、いつ法案が通り、そうしてその法律が実施できるかということが確定していない関係上、削減額が確定しておらないわけでございます。したがいまして、これが確定いたしました段階におきまして計数を精査の上、何らかの措置ができるものかどうか、そういったことを検討してまいりたい、そのように考えておりますが、目下の段階では、その具体的な検討にまだ入れる段階に至っておらないというところでございます。
○村山(喜)小委員 ちょっとお尋ねいたしますが、きょうの新聞は各紙とも大平大蔵大臣が財投補正を打ち出したという形で大きく報道をしているわけですね。ということは、読売等によりますると、段階的にはこういうふうにやっていくんだという手だてを示したものだということで、詳細に書いてありまして、毎日や日経にも相当書いてあるわけですが、これらの大平大蔵大臣の考え方というのは、財政当局の方と打ち合わせをした上ではなしに、政治家としてそういうような判断を示したものですか。あなた方の方とどういうような詰めをやっておるのか、その点についてお答えをいただかないと、食言になるのではなかろうかということにもなりまするし、いま宍倉主計官のお話を承っておりますると、この事務的な手続の問題の説明はあなたはされたわけですが、しかしながら、それは一般会計の方から補正をするというのには財源はないでありましょう。しかし、財投資金の方の原資がどういうふうに伸びておるのか。だから、それの中でどういうような充当策が考えられるのかということについては、これはやはり理財局の方の担当にもなりましょうし、そういうような面から、そういう手続の話ではなくて、内容的なものでどの程度詰めているのか、明らかにしてもらいたい。
○加藤(隆)政府委員 昨日、私、参議院の大蔵委員会に出ておったわけでございますが、けさ読売を読んだわけでございますけれども、ああいうふうにおっしゃったというふうに必ずしも私は理解しておらぬわけです。ただ、大臣がおっしゃいましたのは、基本的にはいま宍倉主計官が御答弁申し上げた線で、それにつけ加えて申せば、今後の推移というのは、そのときにまた判断するというようなところがあったというふうに理解しておりますが。
○村山(喜)小委員 新聞で伝えられているのは、希望的な観測も含めて報道されているというふうに事務当局の方では見ている。実際はどの程度の収入が不足したかというようなことを確認をした上で、そして削減額が確定を見た上で、値上げ法案が通った段階で補正を検討をする、こういうことですか。
○加藤(隆)政府委員 基本的には、そういうようなお考えで補正を検討するというのではなくて、ただいま宍倉主計官が申し上げましたように、法案が成立した段階で、減収額に対応して支出を削減するのか、あるいはそうでなければ財源をどこに求めるのか、財源的に余裕があるのかどうか、そういうようなことを十分検討して考えたいということでございます。
○村山(喜)小委員 そこで、加藤主計局次長にお尋ねいたします。 一般会計のこれは主税局の方の税収の今日の伸びの状態の把握にも関係があると思いますが、一般会計から支出をするということは、税収の伸びの今日の状況から見ましても非常に至難であろう。とするならば、結局原資としては財投資金以外にはないのじゃないだろうかというふうに脅えるのは常識的な見方だと思うのですが、その前に財投資金の原資がどの程度郵便貯金の伸び等によりまして確保できる見通しであるのかという点については、どういうふうに把握をしておいでですか。
○加藤(隆)政府委員 前段の一般会計の点について私の方から御説明をしたいと思います。 昨日の参議院の大蔵委員会におきましてもそういう御議論がございましたが、一般会計について申しますと、追加財政需要がどのくらいあるのか、われわれなりに災害復旧、冷害対策を含めましてそれなりの想定をいたしますと、大体御承知の予備費三千と公共事業等予備費千五百、これで大体そんな大した余裕はないという点です。 それから税収は直接私、担当ではございませんが、われわれなりに主税局などから聞いておりますところを現段階で判断すると、本年度予算で見込んだ歳入予算が大体かつかつくらいで確保できる段階にあるというようなことでございます。そういたしますと、一般会計に余裕がないという表現を言っていいのかどうかということに、厳密に言いますとなりますが、歳入歳出両面の事情はそういうような状況にございます。
○戸塚政府委員 一般会計がなかなか財源がないだろうというお話で、頼るところは財政投融資ではないか、その財政投融資は、先生御承知のように、運用部と政府の保証する債券を原資としているわけですが、資金運用部の方の原資の主たるものは御承知のように郵便貯金でございます。郵便貯金は本年度の予算におきましては五兆一千億の原資の増があるというように予定しておりましたのが現在の見通し、三月まで見通すことはなかなか困難ではございますが、約四千七百億くらいは予定した金額よりも多く見込めるのではないかというように思われております。 そのほか政府の保証する債券を発行することも可能でありますが、これも御承知のように本年度は七千六百億円と当初非常に伸ばしておりますの一で、なかなか困難ではないかというように現在のところ見通せます。
○村山(喜)小委員 郵便貯金の伸びが現実に続いているということは、それだけ貯蓄意欲というものが高まりまして、それが消費購買力に向かわない形の中で貯蓄が進められるという、いい面と悪い面のメリットとデメリットが混在をするという姿としてとらえなければならぬと思うのですが、いずれにしても四千七百億くらいの、原資はある、それだけは見込めるというふうに一応見ておってよろしゅうございますか。
○戸塚政府委員 これからの財投追加の需要として、たとえば中小企業の金融三機関に対しての年末の資金追加というような問題は本年度どう考えるかという問題がございますが、四千七百億円は、本年度追加するとすれば財源として考えてよろしいかと思います。
○村山(喜)小委員 これもやはり景気の見込みの問題とも関係が出てくるだろうと思いますが、どうもいまのところ、そういうような年末におきます中小企業に対する制度金融資金というものも予定をしなくてはならない。というのは、それだけ倒産の件数も依然として高水準であるというようなことを考えてまいりますると、さて、建設三団体が要請をするように、六千億円の公共事業の追加というものを、電電と国鉄の落ち込みによります六千六百九十億円というものを財投で賄うこともなかなかむずかしい情勢にある、こういうふうに説明を聞いておりまするとなってくるわけですが、結局、そのような状態の中で景気が落ち込んできて、民間の部門も建設業界の場合には非常に冷え込んでしまって、頼みの公共事業も期待薄だ、こういうような状態の中であるようでありまするし、それは建設業界のみならず景気は沈滞をして、鉱工業生産指数も九月も落ち込み、十月もさらに落ち込むであろう、こういうような見通し等も言われているわけでございます。片一方、日銀が支店長会議を開いた、その開いた結果によると、現在は落ち込んでいるけれども、しかしこれからのなにはさほど心配は要らないというふうな考え方が出ているようでございます。そういうような、企業収益は大幅に改善をしているし、上昇テンポは鈍化しているけれども先行きは落ち込むおそれはない、中だるみというのは、回復期待感が余りにも強かったために、いま裏切られたような印象なんだということで、そうてこ入れをこの際する必要はないという意味にとれるような結論が生まれているようでございますが、一体現在の景気をどういうふうに判断をしているのかということが、これからの政策を進めていく上においてきわめて重要であると考えるわけでございます。 そこで、通産省は通産省の立場から、経済企画庁は経済企画庁の立場から、あるいは大蔵省は大蔵省ベースで経済の見通しというものについてはそれぞれ立てておいでになるだろうというふうに考えるわけでございますが、大蔵省としてはどういうような見方をしているのかこの際承りたいと思っております。
○大竹説明員 ただいま日銀の支店長会議のお話をお伺いしたわけでございますが、結論的に申しますと、私どもも景気の現状それからこれからの先行きにつきましても大体同じような判断を持っておると言ってよいかと思います。 確かに最近の生産の動きその他の経済指標から見ますと、一ころ非常に急速なテンポで上昇をしておりました景気がやや緩慢になってきておるということは御指摘のとおりでございます。それは一番端的には、国民所得の一−三月の速報が非常に高くて四−六がややテンポが緩んだというようなことであるかと思います。最近特に生産がマイナスになっている点をとらえまして、中だるみという表現で非常に問題があるというふうな御指摘があるわけでございますけれども、最近の経済全体を見てみますと、需要はそれぞれ速さはいろいろでございますけれども、総じて見ますと、回復の軌道には乗っておるというふうに考えておりますし、それから企業の収益が、昨年の秋生産が少し停滞をしたときに比べますと格段に改善をされております。操業率も緩やかではございますけれども回復をしております。それから、何よりも非常に在庫が過剰でそれが企業収益あるいは企業の先行きの見通しを非常に暗くしていた面があるわけでございますが、在庫調整も昨年の秋以降大変進みまして、現在におきましてはそういう面からの過剰感というものがなくなっておるというような状況でございます。 したがいまして、回復のテンポといたしましてはゆっくりしたものになっておるとは思いますけれども、いわゆる中だるみといいますか景気の腰が折られたといいますか、経済が失速をして下の方に向かっておるというふうには判断をしておらないわけでございます。ただ、もちろんその景気の現状及び先行きにつきましては、十分慎重に見守っていかなければならないと思っておるわけでございますけれども、現在のところ直ちに景気対策として何か施策を講じなければならないというふうには考えておらないわけでございます。
○村山(喜)小委員 いま大竹さんのお話では、日銀と同じような見方をしているという結論であると思いますが、それは単に経済指標は鉱工業生産指数だけ見るのではなくてその他の関連指標を見るべきである、その場合に、まあそんなに急激に落ち込んで、そして足踏み状態というものがこれからずっと続くとは考えられない、こういうような見方であろうと思うのです。 そこで、これはだれが答弁できるのかわかりませんが、日銀あたりは、金融手段というものは、もう景気浮揚の政策としてこの際活動する分野というものはないんだ、こういうような考え方をとっておるようでございます。これに対して長期金利の引き下げの問題であるとか公定歩合の操作の問題であるとか、そういうようなものをやれという財界の声が相当強いようでございます。しかもまた財政支出の追加によって有効需要を賄っていけ、こういうようなケインズ流の政策をここで改めてまたとるべきであるというような有効需要政策を提起しているところに私は問題があると思うのでございます。そういうような政策を進めた場合にはインフレとの関係がまた出てくるというようなこともありますし、民間の設備投資のそれが非常に少ないから景気が停滞をしているんだ、経営者団体の方はこういうような面からとらえているようでございます。 しかし、一体いまの設備投資の稼働率はどういう状態になっているんだろうかというようなことを考えてみますと、企業の経営者が設備投資については慎重な態度をとっていることの方がむしろ望ましいのではないだろうかというような考え方もできるわけでございまして、そういうような点から言った場合に、果たして有効需要政策というものをこの際喚起をしなければならない情勢にあるのかどうか。特に金融との接点の問題の上からその点についてどういうふうに判断を下されているのか。その点も承っておきたいと思います。 それからなお、国鉄と電電の方々はお忙しいでございましょうから、私の質問はもうこれでよろしゅうございますので、お引き取りを願って結構でございます。
○大竹説明員 先生の御質問は、インフレという点から景気対策を果たして現在の段階でやるのがいいのかどうかというような御質問ではなかろうかと思うわけでございます。特に設備投資との関連で御指摘があったかと理解をしておるわけでございますが、現在設備投資が伸び悩みといいますか余り活発でないという点は一面あるわけでございます。ただ全体として見ますと、設備投資は国民総支出の中の需要項目としては、緩慢ではありますがこの一−三月から増加に転じております。いままでの景気回復の経験から申しますと、景気回復に転じてから若干の時間があった後には設備投資が非常に急速にふえてきたというのが通例でございましたけれども、現在はそういう局面がまだ来ておりません。これはやはり設備が過剰であるというところが一番大きな影響になっておるということであろうかと思います。しかし、その過剰感もいろんな調査によりますとだんだんなくなってきておりますし、稼働率も上昇し、企業の収益も改善しておるということでございますので、緩やかではございますが設備投資は増加してくるであろう、こういうふうに見ておるわけでございます。 インフレとの関係から余り設備が急激に増加しない方がいいのではないかという御指摘でございますが、それはやはり経済の全体の運営から申しますと、余りに急速な設備投資の増加というものは物価の上昇を招くという面も確かにございます。したがいまして、その面からはなだらかな上昇を続けることが望ましいと思います。ただ、設備投資が余りに沈滞をしてしまいますと、逆にそのために設備に不足を来し、ボトルネックが生ずる、そこからインフレーションが起こってくるということは考えておかなければならないことかと思います。 それから金融につきましてお尋ねがございました。 確かに現在金融は企業金融としては非常に順便でございまして、金融の面から問題はないわけでございますし、現在の状態において金融をこれ以上緩めるということはいろいろな点で問題もあろうかと思いますし、いわば金融といたしましては中立的な姿勢で現在のところ考えておるという状況であろうかと思います。
○村山(喜)小委員 そこで、一体今日の景気がぱっとしないのはどこに原因があるのだろうかということでいろいろ論議されているわけですが、最近の百貨店の売り上げの傾向を見てみますと、どうも消費傾向というものは依然としてふるわない。いろいろな数字が出ているようでございますが、個人消費がそれだけふるわないということは実質賃金が物価の上昇に比較をしてふえていない、こういうようなことから、この際やはり節約ムードというのですか、そういうような消費購買力が一方ふるわないということになってきているのではなかろうかということが強く指摘をされているわけでございます。そういうような需給のギャップというものがどういうふうな状態にとらえられているのか。この際、物価調整減税というものをやるべきである、三千億程度の物価調整減税をやればいいじゃないかというような話が出ておるわけでございますが、そういうようないわゆる物価と賃金の上昇との関係、家計調査の関係などから、そういう政策的な手段を国内需要を喚起する意味においてとる段階にあるというふうに判断しているのかどうか。この点についてはどなたがお答えをいただけるかわかりませんが、答弁を願っておきたいと思います。
○大竹説明員 ただいま消費に関連いたしまして所得面の伸びがどうであるかというお尋ねがあったわけでございます。個人の所得に関連する統計といたしましては御承知のように家計調査がございますし、それから賃金指数のいわゆる毎勤統計という統計がございます。二つあるわけでございますが、最近家計調査の所得面の数字は確かに伸びが鈍っております。ところが賃金指数の統計はそれに比して若干高目に出ておりまして、ちょっとどちらが実態であるのかということが必ずしも統計上はっきりしないような状況でございます。確かに消費が現実に伸びてないのではないかということは、いろいろ統計の面からいいますと出ておるわけでございまして、家計調査の消費支出が伸び悩んでおるということ、それから御指摘のございましたように、百貨店の売り上げが前年に比べまして非常に伸びが落ちたというようなことも、統計としては出ておるわけでございます。ただ、消費を見る場合には、この家計調査の数字は勤労者世帯のある特定の階層を取り出しておるものでございますので、それ以外にやはり自由業であるとか自家営業であるといったような方々の消費というものも見ていく必要があると思いますし、それから国民所得統計の需要項目としての消費を見る場合には、世帯数の増加による消費の増加という面もございますので、それらをあわせて考えていく必要はあろうかと思います。 そういう面で消費というものをながめますと、最近ややその伸びが停滞しておるということは事実ではございますけれども、前年に比べますと実質では経済見通しで見込んだ五・一%に近いような伸びになっておるのではなかろうかというふうに見ておるわけでございます。
○村山(喜)小委員 経済企画庁見えておりますが、消費者物価の動向、これは一体どういうような見通しになるのか、説明を願いたいと思うのです。 九月の東京都区部の消費者物価指数が前月に比べまして二・八%も急上昇したというような状態の中で、対前年同月比で九・三%という数字でございますが、年度末に八%の目標達成はどういうふうに予測をされているのか。というのは、九月という月は、昨年もそうであったように季節的に消費者物価が上がる月だという一つの見方もありますけれども、国鉄運賃の値上げあるいは電電の値上げというものがもうほとんど予想される段階に入ってきた、これによる卸売物価への影響でございますが、それが消費者物価にはね返った場合に、国鉄の場合で〇・五%それから電報電話料金の値上げが〇・四%とか言われておりますが、そういうような数字を予定し、なおその後においてガス料金の値上げであるとかあるいはタクシー料金の値上げ、バス料金の値上げと、これから陸続として申請されている値上げ等が認可をされていくという状況が生まれてくるということを考えてまいりますと、どうも先行きはむずかしいのではなかろうかという見方がだんだん強まってくると思うのでございます。消費者物価の動向については、物価情勢をどのように把握をし、そしてそれを上げないための、政府の政策目標に落ちつかせるための手段はどういうような方法を今後重点的に考えていかれるのか、この点について承っておきたいと思います。
○朴木政府委員 九月の東京都区部の消費者物価が二・八%急上昇いたしたのは事実でございます。昨年も二・五%上がっております。九月は非常に上昇の高い月でございますが、特にことしにつきましては米価の影響がございまして季節商品が皆上がったということと、それから米の改定、電気料金の改定等がございまして季節的に二・八%となったということでございまして、九月一カ月の急上昇だけをもって今後非常に危険だというぐあいには私どもは考えておらないわけでございます。最近の消費者物価は季節商品を除きますと大体八%台に推移いたしておりまして、今後季節備品の動向が一つのポイントになるかと思います。 もう一つは、海外要因といたしまして、海外商品市況が低落いたしまして、一万円高基調が続いておりますので、輸入物価が非常に安定いたしております。それを受けまして卸売物価も、最近は上昇が続いておりますが、かなり鎮静化しておる、そうしたものが消費者物価へはね返ってまいりまして、今後は消費者物価の分は、季節商品その他につきまして施策を重ねてまいれば年度末八%は達成可能、達成いたしたいと思っております。すでに灯油につきましては元売り仕切り価格の凍結とか、あるいは豚肉の値下げの指導、こうしたきめ細かい指導を組み合わせまして何とか八%の目標を達成いたしたい、そういうぐあいに考えます。
○村山(喜)小委員 卸売物価が十月上旬は〇・一%しか上がってない、対前年同月比で六・五%だ、こういうことでございますが、この卸売物価の上昇というのは、企業の製品価格への上乗せというのも動いたりしておるわけでありまするし、また景気が回復をするというようなこと等の関係やらいろいろな作用の問題が出てくるわけでございますが、それは一体どういうふうに見込んでいらっしゃいますか。
○朴木政府委員 現在卸売物価が上がっておりますのは、御指摘のとおり九月では対前年同月比では六・八%でございます。ただ、上がっておりますのは、生産財が八・五%という非常に高い状況になっております。それから消費財では非耐久消費財が八・三%の上昇ということで、この二つが平均を上回っておるわけでございますが、消費財につきましては大体消費者物価と対応いたしておりますので、ここ一カ月以内にその効果があらわれるというぐあいに考えておりますので、消費財の分についてはもうすでに消費者物価に影響が出ておる。 問題は生産財でございます。鉄鋼とかそういう原材料等でございますが、これにつきましては、卸売段階で内部でかなり吸収できるのじゃないか。鉄が上がった場合でも、家電とか自動車のように非常に収益がよく、あるいは合理化の余地のあるものについては、内部で吸収できる可能性がかなりあるかと思います。 また、卸売物価が上がった分をそのまま消費者物価へはね返すには、需給関係から見てコストだけで値上げしようとしてもなかなか無理だということで、消費者物価への影響としましては卸売物価は、出るものは出ておりますし、今後出るべきものに関してはそれほど多くないのではなかろうかというような感じがいたしております。
○村山(喜)小委員 そういたしますると、消費者物価も卸売物価もそう懸念をする情勢にないということであるならば、この際、ある程度の景気刺激的な政策をとってもいいのではないだろうかということが一面においては言われることになるわけでございます。ところがそれには政策手段が現在のところない、そういうような金融操作もできないし、一般会計の税収の伸びも期待ができない、あるいは財投の原資の伸びもさほど大きなものがないということになると、今日こういう沈滞をした状態の中である景気というものは、このままずっと推移していくならば、よほど対外的な波乱現象がない限りそう大した狂いもないから別にあわてる必要はない、推移を見守りながらその都度適切な手を打っておけばよろしいんだというのが財政当局の考え方でありましょうか、その点をお伺いしたい。
○大竹説明員 最初に申し上げましたように、現在の状態が景気全体の伸びとしてはやや緩慢なものになっておるということはそのとおりでございますけれども、さりとて、現在のところ直ちに不況対策をとる必要があるかどうかということについては、なお私どもはそう思っていないというふうに申し上げたわけでございます。同じことを繰り返して恐縮でございますけれども、やはり基本的にはそういう立場でございますが、もちろん景気の動向につきましては十分慎重に見きわめをつけていきたいというふうに思っておるところでございます。
○村山(喜)小委員 そういう食料品等を中心にする輸入の農産物の価格等は安定をしてきているようでございますが、十二月のOPECの総会ですね、これでまた原油の引き上げが最低一〇%以上は確実であろうということがすでに言われているようでございます。中近東の場合にはもう完全に売手市場になって、石油の需給は急速に逼迫をしている、現物にはプレミアムまでついているというような報道もなされているようでございますが、そういうようないわゆる海外の状況の動きというものをどういうふうに経済の中に、これからの政策の中に反映をさせていくのかということについての検討をされておりますか。
○朴木政府委員 OPECの値上げは十二月のカタール総会で論じられると思いますが、私どもは決して値上げを期待するわけではございませんけれども、もし上がりました場合は、当然に卸売物価、消費者物価への影響は出ようかと思います。今後の物価政策の中で一番大きな問題として注視をしていきたいと思っております。ただ、現在日本の原油のストック量は六十日ないし七十日分あるようでございますし、それから中東から油を引いてまいります際のタンカーの船足が二十日ぐらいかかるというようなこともございます。それから石油のうち灯油につきましては、原則として今需要期は元売り仕切り価格を上げないというような指導もいたしておりますので、OPECの値上げの時点におきまして、いままでの政策を踏まえまして十分考えてまいりたいと思っております。
○村山(喜)小委員 そこで来年度の予算の性格でございますが、こういうような状態の中で財政制度審議会の方から、中期財政の運営の見通しの上に立って予算編成をすべきである、こういうような提言もなされておりまするし、いま予算の査定が事務的には進められておるわけでございますが、一体どういうような予算編成の性格を規定づけをしながらやっていくつもりであるのか、この性格をどういうふうにとらえておいでになるのか、景気、福祉、物価、国債、そういう主な柱の問題をどのようにとらえておいでになるのか、事務当局の現段階における考え方を説明願いたい。
○加藤(隆)政府委員 昨日も参議院の大蔵委員会でそういう御論議がございまして、大蔵大臣がどういうふうにお答えになるかというのは、率直に申しましてわれわれも非常に関心を持っておったのですが、なかなかやはりはっきりおっしゃらなかったような気がするわけです。これはどういうことかと私なりに考えたのですが、経済見通しが非常にむずかしいのじゃないかということだと思うのです。 それで、財政の景気調整機能の面と配分機能の面があるわけでございますが、われわれいま鋭意作業を続けておりますのは、どちらかといいますと、財政の本来的な役割りである配分機能の方を鋭意やっているわけでございまして、その面で申しますと、ただいま村山委員の言及されました財政制度審議会の考え方、第一の眼目は特例公債の発行額の縮減を図るということ、それから歳出の中の改善、合理化を進めるということ、そういうことで国民生活の緊急な財政需要には、これはもう絶対にこたえていかなければいかぬわけでございますから、国民生活の安定と福祉の充実というようなこと。そこで、いまの景気との関連をどうするかということは、当面現段階においては、経済情勢というものを一体どういうふうに判断していくのか、これは率直に言っていま中だるみ論とかいろいろ説があるわけでございますが、いろいろな経済指標もまだ一ヵ月以上あるわけでございますが、そこを見きわめて、そういう財政の景気面から売る性格づけというのはもうしばらく状況の判断を待つというような段階にあるのじゃないか。率直に申しまして、配分機能の方は、ただいま申し上げましたような基本的な路線で現在作業を鋭意続けております。
○村山(喜)小委員 いま作業としてはどの程度のところまで来ているのですか。ということは、臨時国会が十一月の四日までというような関係もあり、特にまたことしは総選挙というものを控えておりますから、一体何を目玉にして政府・与党は考えていくのかということの基本方針もまだ決まっていない。たとえば、総理は、所得減税をやれないかどうか検討してみろというようなことであるし、大蔵当局は、所得減税については地方住民税まで含めて、この際財政を立て直すという立場からしっかりしなければいかぬ、減税などというのはもってのほかだという方向だというふうにも伝えられておるし、そこら辺がきちっとしない中で、予算の編成の作業というものもなかなかむずかしかろうと思うのですが、そういうような意味においては、特に来年度予算の性格というのはどういうものにすべきなのか。これはやはり総選挙が済んだ後基本的に性格を確定すべきなのか、あるいは現在の段階で従来の方針どおり、いまあなたがおっしゃるように、財政の配分機能という面を中心に置いて問題を処理をしていくという方式でやっていこうとするのか、そこら辺はどの程度まで大蔵省内の事務当局の首脳部では煮詰めている状態にあるのか、この際説明願っておきたい。
○加藤(隆)政府委員 予算の作業日程の問題を御説明いたしますとお答えになるのじゃないかと思いますが、御承知のように、八月三十一日に各省から概算の見積もりが大蔵大臣に提出されまして、九月いっぱいそれぞれヒヤリングをやるわけでございます。十月に入りますと、その中の基礎的な経費、いまの政策的な経費でない経費を作業を進めることは、大体例年そういう日程にあるわけでございます。目下のところは、その基礎的な経費、要するに重要な政策に余り関係のない経費を先行させておる段階にあるわけでございます。 そういう意味におきまして、村山委員のただいまの御疑問に答えることになるかどうかちょっと疑問でございますけれども、作業の工程といたしましてはそういう段階にございます。これから、ただいまの経済情勢なり、それから重要な施策についての基本的な政策論議を、もうしばらくたってから始めるというような段階にございます。これは決してことしだけの例ではなくて、例年十月のこの段階はそういうような段階にあるわけでございます。
○村山(喜)小委員 現在の段階はそうだろうと思うのですが、これからのスケジュールは、例年どおりにおやりになる考え方ですか。それとも総選挙というような問題もあるので、いわゆる骨格予算というのですか、そういうような形のものにしていくのか。経済の見通し等も十一月や十二月の段階で見通しをつけるというのはなかなかむずかしい情勢にあるのではなかろうかと思うのですが、そういうような問題や、あるいは歳入面から、税調あたりの審議の状態の推移等を見ながら、私はどうも作業というのは総選挙のない年に比べたらやはりおくれているのではないだろうか、またおくれるのが当然ではなかろうかという気がするものですから、今後の作業の予定を聞かせておいていただきたい。
○加藤(隆)政府委員 第一点は骨格予算というような点でございますが、地方財政は御承知のように年に四回、したがって骨格予算というような考え方があるわけでございますが、国の予算の場合にはやはり一年間を見通しまして、行政府として最善であるという予算を新年の早々国会にお出しして御審議いただくという基本線、これはいつの年も基本的には変わらないし、また変わるべきではないと思います。したがって、本年の場合も来年度の場合もそういう基本的な線で編成に臨んでおるわけでございます。 それから、第二点の総選挙の年の予算編成ということでございますが、われわれなりにそういう総選挙のございました年の日程を比較検討いたしますと、確かにいつ総選挙があるかによってかなり日程の行ったり来たりがございます。たとえば四十七年の十二月十日というのが一つあるわけでございますが、その年も、例示的に申しますと、ちょっと日にちははっきり記憶しておりませんが、たしかに一月八日だったと思いますが大蔵原案、それで二月、三月というような日程で予算が御議決をいただいたと思いますが、その場合でございますと通常の日程になっているわけでございます。確かにそういう総選挙のございます時期によって編成作業の日程というのは影響を受けますが、そういうような例もございます。 四十七年の場合には年を越したわけでございますが、われわれは目下のところ作業工程としては年内編成で作業を進めていく。ただ、ただいま申しましたように、経済情勢の判断あるいは重要政策というものの判断、こういうものはいましばらくたってから日程的に登板してまいりますので、そこから先は現段階ではなかなかわかりません。いまのところはそういうことで、通常の作業工程で作業をやっております。
○村山(喜)小委員 そこで、歳入の根源になります税制改革の問題ですが、これはどの程度までいま税調では審議が進んでいるのですか。特に、東京都あたりから新財源構想等が示されまして、これは法人税の基本的な性格に関するものもありますから、その数字そのものがすべて企業減税につながっているとは言えませんけれども、それは見方の問題でございますが、相当な優遇策がとられている。しかし、個人なりあるいは法人なり、いずれかの層が税金については負担をしなければならないということを考えてまいりますると、この点についてのいまの企業優遇税制あるいは不公正税制というようなものについての見直しをやらなければ、中期財政見通し等に見られるように、租税の負担率を引き上げるというような問題については国民の同意が得られない、そういうような重要な局面を迎えてきていると思いますが、いま税調の作業の状態、これからの見通しの状態についてはどういうふうに計画をつくっておいでになるのか、主税局の方から承りたい。
○梅澤説明員 ただいま御指摘のございました政府の税調の審議の現在までの経過でございますけれども、実質的な審議をお始め願いましたのが九月早々でございまして、現在までのところ毎週一回お集まりを願いまして御審議をいただいております。 御審議の仕組みでございますが、御案内のとおり、課税標準で分けますと、税金といいますものは所得課税それから消費課税、資産課税と大きく三つのグループになるわけでございますけれども、現在のところ所得課税につきまして一つの部会、第一部会ということでございますが、第一部会で所得課税の御審議を願い、それから資産課税と消費課税につきましては第二部会、隔週交互に御審議を願っておるわけでございます。 現在までの審議の経過でございますが、第一部会、第二部会ともに現行税制の見直しということで審議を進めていただいておりまして、今後どういう形に取り運ぶのかという点につきましてははっきりしたもくろみがないわけでございますけれども、財政当局の念願といたしましては、現在御審議願っておりますのはあくまでも中期的な展望に立った中期税制の御審議でございますので、従来三年ないし四年置きに中期税制の御審議をいただいております経験から申しますと、結論をいただくまでに相当時間がかかるということでございますが、私どもといたしましては、今回の御審議につきましても相当時間はかかるにいたしましても、望むべくんば最終的な御答申の形でなくとも中間的な審議の取りまとめをできれば年内中にいただきたい。そういう展望を得まして後、具体的に五十二年度の税制改正をどうするか、こういう段取りで現在鋭意御審議をいただいておるところでございます。 それから、ただいま御指摘になりました点に関する問題でございますけれども、今回の中期税制の御審議の前提といたしましては、先般政府が決定いたしました五十年代の前期経済計画、それから現在の特例公債に依存しておるという財政体質から一日も早く脱却するという展望に立ちますと、いずれかの時期に何らかの形で税負担の増加をお願いせざるを得ないという状況でございまして、現在御審議を願っております税制調査会、これは冒頭に大蔵大臣、それから地方税につきましては自治大臣からそういう展望を背景にして御審議をいただきたいということを申されておりまして、現在の政府税調もそういう展望を背景と申しますか参考にしながら御審議をいただいておるわけでございます。 そういたしますと、どういう時期にどういう形での税負担の増加をお願いするかという問題でございますけれども、その時期の問題はさておきまして、形といたしましては現行の税制、税目を手直しするにはどういう手だてがあるのか、それは課税範囲なり課税対象をもう少し広げるとか、あるいは税率の問題にかかわることと思いますが、そういう手だてと、もう一つは何らかの形での新しい税金、新税の議論になるかと思いますが、いずれにつきましても現在御審議の最中でございまして、私どもいずれかの予断を持っているわけではございません。今後の税調の御審議を待って具体的な税制改革をどの時期にやるかという問題が出てくるわけでございます。 そこで、ただいま村山委員がおっしゃいました東京都の、これは新財源構想研究会という東京都の諮問機関のようでございますが、先般御指摘のような現行税制について企業優遇と申しますか大企業の優遇が非常に行われておる、したがってそういうものの見直しを行うべきであるという御提言があったことは私どもも承知しておりまして、実は先般の政府の税制調査会でもこの議論が行われました。 そこで、内容について細かく立ち入ることは時間の関係もございますので結論から申しますと、幾つかの疑問点があるという御指摘が税制調査会で行われまして、一つは、新財源構想研究会の御提案では、国税、地方税を通じまして約二兆六千億の企業優遇が行われておるという御指摘でございますが、つまびらかにその内容を拝見いたしますと、これは税制調夜会でも御指摘があったわけでございますけれども、積算の内容とか中身がわからない部分が相当ございます。こういうものは論外といたしまして、そのほかに、たとえば具体的に例示いたしますと、企業間の配当、これは益金不算入ということになっておりますが、こういう問題とか、あるいは現在法人税では留保所得と配当所得にわが国の場合には二段階の税率を設けまして法人所得の段階で配当控除をやっておる、こういうシステムをとっておるわけでございますけれども、これは諸外国を見ましても非常にいろいろやり方が違うわけでございます。大体ヨーロッパ諸国では、むしろ法人税の段階ではそういう税率の段差を設けないで、個人所得の段階でそれを調整する俗称インピュテーションということを申しておりますが、そういう企業課税に対して各国ともいろいろな仕組みがあるわけでございますが、そういう問題につきましても企業優遇というふうなかっこうで問題が処理されておる、これはおかしいのではないかという御指摘。それから、そういうものを洗い直していきますと最後に残りますのは租税特別措置の問題でございますけれども、これも御承知のとおり内容を見ますと、たとえば零細な貯蓄を優遇するとか中小企業対策等も含まれておりまして、租税特別措置全体を大企業優遇というふうには言えないのではないかということもございまして、税調の御議論でも、先般の東京都の新財源構想研究会の御提案をスタートとして議論することは無理ではないかという御指摘があったわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもはその問題を離れまして租税特別措置の整理合理化と申しますか、税負担の公平ということを図る見地から、五十一年度でも相当大幅な整理合理化をやったわけでございますけれども、五十二年度以降につきましても引き続きそういう姿勢で整理合理化すべきものはきちんとやっていく、そういう姿勢で臨みたい、こういうふうに考えております。
○村山(喜)小委員 この委員会は税制の小委員会ではございませんから、詳しく税制の問題に触れるのはやめたいと思います。現在のお話を聞いておりますと、現行制度の見直し、そしてその中には法人税の性格論争の問題等も若干はあるようでございますが、租税特別措置の手直し程度にとどまって、抜本的な商法改正等を伴うようなものについてはこれは今後の問題として残してある。新税構想というのは、お話をだんだんに伺っていると、どうも消費関係についてのそういうような面から消費課税を強化するという意味で、付加価値税でございますか、そういう面でどんなものだろうかというふうに受けとめられるような形が感じられるわけでございますが、やはり財政の健全化を図るためにはだれがどういうふうに負担をしていくのか、現在の租税が公正に負担をされているのかどうか、この問題が解決がされない限り、増税を求めてみても国民の同意を得ることは困難である。特に医師の経費の七二%の問題等については、タブーとして触れないという体質が政治体質の中にあります。そういうような状態の中で、私は、経費率の問題等についての見直しも、これは医師の診療報酬の適正化の問題との関係もありますけれども、税制の考え方としてはやはりきちっとした筋を通さなければならないというふうに考えております。そういうようなものは政治的な問題として触れないという形の中で論議がされておるとするならば、増税を求めるという国民的な同意を得ることはできないのではないだろうかというふうに考えざるを得ません。したがいまして、それはまた税制の委員会等において私も発言をする機会をつくりたいと思いますし、またいまの法人擬制説の上に立って受取配当の非課税の問題等がございますが、本当に巨大企業はそういうような状態にあるのか。実在説の方がもう客観的にも現実的にも、これは国民の中にも同意は得られるのではないだろうかというのが一般的な見方でありますから、あくまでも既定の考え方にとらわれておるというやり方の中では、財政の抜本改善はできないという意見を述べておきたいと思います。 それで、時間の関係があとわずかになりましたので、二点ほどお尋ねをして終わりたいと思います。 それは、いわゆる国債、地方債の大量発行によりまして民間金融の圧迫の兆しが出てきた。それで下期にはクラウディングアウトの状態が公共債の発行によりまして出てくるのではないだろうかということが懸念をされておりますが、その点についてどういうふうになっているのか、どういうふうに見込みを立てておいでになるのかということ。 なお、この際、中期債の個人消化の問題に関連をいたしまして、中期割引債の発行というものが近いうちに同意が得られるようなふうにも報道をされておりますが、それらの発行に当たっての条件というものをどういうふうに約束をされているのか、また、どういうふうになる見込みであるのか。三千億とか幾らかとか、あるいは割引債の金利がそういうような税隠しだというような問題等もいろいろございますから、そういうような面に対する検討等はどういうふうに進められているか、その点についての説明を願っておきたいと思います。
○戸塚政府委員 お答えいたします。 最初の国債、地方債の大量発行によって民間資金に対するクラウディングアウトが下期において懸念されるのではないかという点でございますが、マクロ的な立場で申しますと、国債を例にとって考えてみますと、国債の発行によって得られた資金は財政支出を通じて民間に放出され、それがやがては金融機関の預金となってタイムラグを置いて還流されていく。その金が民間の貸し出しに回る、あるいはまた国債の引き受けに回るという形で金は回っていくものだというように理解していいだろうと思います。現在のところ、先生御承知のように、民間の資金の需要というものは比較的落ちついておりまして、先行きさしたる変化はないと見通されますので、お尋ねのようなクラウディングアウトが下期において起こるということは、私どもはそうは考えておりません。ただ特定の金融機関につきましては国債の引き受けが負担になるという場合も想定されますので、月々の国債の発行につきましては、そのときの金融情勢、金融機関の資金需要などを十分考慮いたしまして、国債の発行が金融市場の圧迫といいますか、そういう悪い影響を与えないように従来も慎重にやってまいりましたが、今後も国債の円滑な消化のため金融の市場に混乱などが起こらないように適切にやってまいりたいと考えております。 第二番目のお尋ねの中期割引国債のその後の状況でございますが、御承知のように、十月二日に国債引き受けシ団に大蔵省原案の骨格というようなものを示しまして、現在シ団内部において検討中でございます。頭取、社長クラスの検討の集まりが持たれました後、常務、専務クラスの検討におろされまして、近々第二回のお集まりがあるというように聞いておりますが、私どもといたしましては、シ団から近々御返事がいただけるものというように思っております。そこで、発行の条件とかあるいは発行金額につきましても、シ団と協議して本年度中に割引国債を発行できるようにしたいというように考えております。
○村山(喜)小委員 それは新聞に伝えられるように平年度ベースで三千億、こういうようなふうに数量的には考えていらっしゃるわけですか。
○戸塚政府委員 大蔵省の原案、骨格には、年度を通じて当分の間三千億円というようにしておりまして、これが、先ほど申しましたシ団との協議のスタートだというように思っております。
○村山(喜)小委員 五年間ということのようでございますが、そうすると、国債整理基金を活用して買い入れ消却とか、あるいは公開市場操作による実施等によって、国債の管理政策という問題が新たにつけ加わってくると思うのですが、そういうような管理政策の面において変更が予想されますか。
○戸塚政府委員 中期割引国債は、御案内のように、個人向けの商品でございますので、個人が、買ってはみたが、どうしても換金しなければならないという事情でこれを換金するという場合に、ある一定の期間を持ってもらったものにつきまして、場合によっては、国債整理基金を活用して買い入れを行うということは考えていかなければならない問題だと思います。特に、国債の管理政策というのはなかなかむずかしい問題でありまして、いままで国債整理基金によっての買い入れ消却というのをやっているわけですが、中期割引の国債につきましては、先ほど申しましたように、その商品が個人向けの商品であるということにかんがみて、慎重にその価格の支持ということを考えていかなければならないというふうに考えております。
○村山(喜)小委員 いままでシンジケート団を通じまして国債の割り当て消化等が行われたわけですが、これは国債の発行条件の問題にも関係がありますけれども、金融機関の、いまの一つの銀行をとっても年間三十億もキャピタルロスが出るというような話も聞くのですが、そういういわゆる長期国債といいますか、十年ものの国債等については、これは別にそういうような価格を維持する政策はおとりになる考え方はなくて、新たに発行する個人消化の中期国債についてはそれを考える、こういうことでございますか。
○戸塚政府委員 現在の利付十年債につきましても、その信用維持のために国債整理基金による買い出動を必要に応じて行ってきていることは先生御承知のとおりでございます。 キャピタルロスの問題でございますが、これは国債だけに起こっている問題ではないわけでありまして、社債などにつきましてもある程度は起こる。そうやって現金化しましたものを金融機関としてはより有利な貸し付け等に向けていくというので、流動資産でございますから、そういう形でオペレートしていくというのが実情だろうと思います。しかしながら、その国債について大きなキャピタルロスを生じないような状態にすることが望ましいことでありまして、私どもも、昨年の長期金利の調整に当たりましても、わずかばかりではございますが、国債についての金利を引き下げるというようなことをしないでできるだけ公社債市場での育成に資するように考えているわけであります。
○村山(喜)小委員 時間が参りましたが、最後に、佐上さんがいま見えましたのでちょっと一言だけ。 というのは、九月の生産指数が一%前月比で低下した、十月も、これは予測でございますが、同じような傾向にあるのじゃないだろうか、ところが、十一月は四%ぐらい上がるのじゃなかろうかという指数があるということが報道されておりますが、これはあなたの観測ではないのかもしれませんけれども、どういうふうにその指数をながめておいでになるのか、もし具体的な数字が明らかであるならば示してもらいたいと思います。
○佐上政府委員 本日の一部新聞に、九月の速報とともに十月、十一月の予測について触れてございますが、これは御存じのように通産省の調査統計部所管でございまして、実は本日、たしか午後その数字が発表されるわけでございます。したがって、それが発表される以前に私がこの数字についてコメントをいたしますのは適切ではないと思いますので、数字につきまして申し上げることは御遠慮させていただきたいと思うのでありますけれども、先生御指摘のように、八月、九月、十月、大体マイナスが連続してまいっております。それが景気の先行きについて一つの注目を呼んでおるわけでありますけれども、私どもの財務局管内でも同じように調査してみました感じとしては、やはりそういう、夏明けでだんだんマイナスになっていたものが、どうも秋過ぎになると反転をしていく傾向があるということは否定できない事実だろうと思います。つまり、八、九、十と一応先細りではありますけれども、マイナスになって、十一月ごろからどうも反転するという気配がございます。その数字がいかような数字になるかは、私もちょっと申し上げかねるのでありますけれども、何せ三カ月続いてマイナスでございますから、それに対して逆に反転をする可能性というのはかなり強いというふうに私は理解いたしております。
○村山(喜)小委員 終わります。
○村岡小委員長 村山喜一君の質疑は終わりました。 次に小林政子君。
○小林(政)小委員 来年度予算編成の問題について、過日、五十一年七月二十八日、財政制度審議会の建議が出されておりますが、この中で、特例公債発行の依存度が非常に高いので、これを脱却していくという立場から、歳出歳入両面にわたってあらゆる方策を講じていかなければならない、こういう立場から何点かここで論じられているわけでございます。こういった赤字公債の依存度を低めていく、これを脱却していくといういまの状態に置かれております財政というものは、結局、その財政が機能するあるいは財政が果たすべき役割り、先ほど来から財政には景気調整機能それから配分機能があるというお話がございましたけれども、このようないまの置かれている情勢のもとで財政が果たしていくあるいは担っていく重点、役割りというものをどのように認識されていらっしゃるのか、そしてまた、そういう立場から現在どのような具体的な検討が行われているのか、この点についてまず最初にお伺いをいたしたいと思います。
○加藤(隆)政府委員 財政制度審議会の御指摘の建議にも書いてございますが、財政の健全性というのはやはり国民生活とか国民経済の基盤であるというような考え方に立っております。そこで、経常収支の賄いを公債でやるということはそういう点から見て非常に不健全ではないか。だから、これはどうしても早く脱却しなければいかぬ。ただ、四十八年のオイルショック以降、先進諸国の財政はひとしく赤字に悩まされておるわけでございまして、日本だけの問題ではない。仮にこういうような公債を出しませんと、財政規模なり行政水準というものをカットせざるを得ない、あるいは増税をやらなければならない。経済情勢から見てあるいは国民生活から見てそういうことは適当ではないのではないかという認識は、先進諸国の財政当局がひとしく持っておりまして、われわれの場合も、五十年の補正の場合、本年度の予算の場合あるいは、過日国会に御提出いたしました財政収支試算によりますと、ここしばらくはまた国会にお願いに上がらなければならないというような情勢にあるわけでございます。 そういうような財政状況を背景にいたしましてこれからどうするのかという問題でございますが、この財政制度審議会の建議にも書いてございますように、われわれとしては、高度成長、非常に恵まれた条件だったと思うのでございますが、そういうときになれ親しんだ慣習とか制度、こういうような問題を脱却しなければいけないのではないか。これにも指摘してございますように、今日のわが国の財政の困窮というのは、単に最近時の経済変動によってもたらされたものだけではなくて、そういう高度成長を前提にした財政運営にも問題があるのではないか、たまたまそれが経済変動を契機にして表面化したのではないか、そういう認識で、この建議にも書いてございますように、財政の果たすべき役割り、あるいは財政が本来持つべき経費であるのかどうか、そういうような点とか、それから経費の効率的な執行とか、そういうような点を踏まえて、五十二年度を特例公債の縮減の最初の年にすべく心がけなければいかぬというように考えておるわけでございます。
○小林(政)小委員 私は、こういった情勢の中で、来年度予算に向けて財政がどういう姿勢で臨んでいくかということは、これは非常に重要な問題だというふうに考えております。 私ども、きょうの新聞などを見ましても、連あるいは財界から、景気対策のために、来年度に向けてあるいは今年度補正を組んででも財政投資を行うべきであるというようなことが大きく取り上げられておりますけれども、このような状態のもとでの財政のあり方ということを考えれば、これはもう財政制度審議会でも、経済の持続的拡大のための財政赤字の縮小が必要であり、インフレを何よりも恐れなければならないという意味のことがここにも書かれているわけです。私はむしろ、もっと国民生活の先ほどおっしゃった立場に立ってじみちに、しかも、長い間の高度経済成長の中で潤った業界ということよりも、取り残された公共事業や国民の分野に立った問題に最重点を置いて、財政というものが役割りを果たしていかなければならないんじゃないか、このように思うわけです。実際に歳出面の中で、この財政制度審議会が幾つかの建議という形で取り上げております中で、特に、歳出面について「公共事業、社会保障をはじめとする各種既定の施策についても、進度の見直しを行い、所要の調整を図る、」ということが書かれていますけれども、私はむしろ、見直すべき問題はいままでの財政のあり方の中に相当あるのじゃないか、このように思います。的にいま見直しの作業が始まっているのですか、実態はどういうことになっているのですか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○加藤(隆)政府委員 先ほど村山委員の御質問のときに申し上げましたが、小林委員がいま御指摘の公共事業とか社会保障とか、こういう政策的な経費はまだ基本的な検討の日程に上がってきてないわけです。基礎的な行政的な経費とか、そういう大政策にかかわっていない点を目下、この財政制度審議会の建議の趣旨を体しましてやっております。もうしばらくたちますと、こういう大きな経費につきまして、こういうようなものの考え方だとか、中身について検討に入っていく、そういう日程でございます。これはことしだけの日程ではなくて、毎年段取り的には、ただいまの十月のこの段階はそういうような段階にございます。
○小林(政)小委員 そうしますと、現在財政制度審議会などでも、部会に分かれて具体的な作業にすでに入っているというようなことも聞いておりますし、また新聞などでは、今回のこういう事態の中で、老人医療の有料化について、これがやはり検討の対象になっているということで、いろいろと報道をされておりますけれども、これは一度も検討されたこともないし、お考えになったこともないということですか。
○松下政府委員 ただいま御指摘のございました老人医療の問題は、私どもとしましては、社会保障全体の中で予算上非常に重要な分野を占めるものでございますけれども、その中の一つのまた重要な分野として医療保険の問題がございます。医療保険の問題の中にいろいろの問題を含んでいるわけでございますけれども、その中の一つの問題として老人医療の問題があるというふうに考えているわけでございます。 したがいまして、本年に限ったことでなしに、およそ年々いろいろ社会保障の財政的な問題を考えてまいります場合には、まず老人医療の問題もその中の問題の一つとして、検討の対象になっているわけでございますけれども、それは一般的な意味での検討対象でございまして、たとえば来年この老人医療の問題をどうするかというような具体的な予算措置の問題として、ことし、いまの時点で考えているかという御質問でございましたら、まだそういう段階までまいっておりませんことでございます。
○小林(政)小委員 そうしますと、新聞が一応書いているにすぎないということでございますね。私は、この問題は、いまこのような経済情勢のもとで組まれる予算編成というのは、発想をもっときちっと整えて、このような小さなところをいじるのじゃなくて、やはり財政支出の面でもきちっとした考えのもとにはっきりとした線を引いていくべきだというふうに考えておりますし、そういう点で財政のあり方というものをいろいろとお伺いをしたわけですけれども、伝えられるところによると、この老人医療の有料化という、国民的コンセンサス、国民全体がこれに対して喜び、あるいはよかったというような目で見ているこの問題を何かクローズアップして削減の対象にしていくなどということは、私はこれはやはり筋違いなのではないだろうかという考え方を持っておりますので、そういう点でお聞きをしたわけです。全然お考えになったこともないし、検討もされたこともないというふうに言えるのですか。
○松下政府委員 この問題は、御指摘のように、よく新聞紙上に登場するわけでございますけれども、それはやはりジャーナリズムがこの問題につきまして非常な関心を持っておることのあらわれであろうと私ども好意的に解釈をしているわけであります。 この老人問題の経緯につきまして若干御説明申し上げますと、昨年の予算編成の時期でございますけれども、大蔵省は、五十一年度の予算におきまして、社会保障のいろいろな問題につきまして、改善の方途について幾つかの提案を内示の形でいたしたわけでございます。その中で実はこの老人医療の問題につきましても、何もいままでの無料化というものを全部やめてしまおうとか、そういう話ではございませんでしたけれども、ある一部の自己負担につきまして御提案をしたわけでございます。どうしてそういう提案に立ち至ったかということでございますけれども、御承知のように、四十八年の一月から老人医療の無料化が実現をいたしまして、また、お話がございましたように、このことによりまして、老人が広く一般に気がねなしに医療を受けられるという意味では非常な効果があったことは、これは事実であろうと思うのでございます。ただ、その中には制度発足後何年か経過いたしております間に、やはり問題点も指摘されるようになっていることも、これもまた事実であろうと思います。 それはどんな問題かと申しますと、一つには、たとえばこのために、いまのいろいろな保険制度がございますけれども、特に国民健康保険制度のように比較的多数の老人を中に抱えております制度がいろいろ財政的にむずかしい問題が起こってきておるのではないかというような指摘が一つあったと思います。それからもう一つには、老人医療の無料化の結果として、医療の需要が非常に増加いたしまして、そのことは老人の医療水準あるいは福祉の水準の向上を示すものでございますけれども、それがある場合には必要以上にひょっとしたら増加しているのかもしれない。もしそういうことでありますと、医療供給の面に対して将来長い目で見て問題があるかもしれない。御承知のように、わが国はいま大変速いスピードで老齢化をいたしておりますので、老人の医療需要というのは将来とも傾向的にふえてまいることになるわけでございますから、これが十分な供給体制の上に受けとめられる程度でございますとよろしいわけですが、この需要と供給がバランスを失するようなことがございますと、その点での問題が起こるかもしれない、こういうようないろいろな御議論が一部にございまして、この問題に対するある提案が行われたわけでございますが、ただ、これに対しましては、政府の部内で出時いろいろ相談がございました。この問題は非常に大きな問題でございます。医療の問題だけというふうに理解してはいけない。広く老人福祉というもののあり方全体から見てこの問題をどう取り扱うべきかということを決めていくべきほどの広い問題だ。 そこで、昨年の予算編成のときに、直ちにこの問題につきまして何らかの結論を出すということはやや性急に過ぎるので、引き続いてこの問題は厚生省においてもいろいろ専門家を集められて検討をされる、また、財政当局にいたしましても、これからさらによく検討をいたしますということで、いわば今後の研究課題のような形になったいきさつがあるわけでございます。したがいまして、そういう意味での検討はいたしておりますけれども、まだ結論を出すところまでには至っていないわけでございます。
○小林(政)小委員 いまのお話ですと、一応検討はしているということでございますけれども、私は老人福祉の立場から、これはすでに、いまお話のありましたように四十八年の一月から、これは国民健康保険あるいは医療保険の改正ということよりも、老人福祉法を改正して、そして老人が必要とする医療を容易に受けられるような福祉の増進に結びつけていくようにということでこの改正が行われたことは事実だと思うのですね。そして、これが実施されましてからちょうど三年になりますけれども、私も当時まだ実施をされない前から、東京都などではすでに実施をしておりましたし、大蔵委員会の中でも、老人医療の問題についてはそれこそ何回も取り上げて、この問題は大臣に一日も早く実施をしてほしいということを質問に立っては要望してまいりましたけれども、ともかくこれが四十八年の一月に実施をされたということで一歩福祉が前進をしたということは、これはだれしも否めない事実だと思うのです。 こういった中で、いろいろといまお話のございましたように、財政上の問題とか、あるいはまたとかくいろいろと言われているとか、高齢化社会に備えて、相当高齢化人口もふえるといったようないろいろな要素の中で、この問題が新たに見直しをしなければならない、こういうことを言われているわけですけれども、私は福祉の改善という点については、後退ではなく、やはり少しずつでも前進をしていくということが特に日本の場合は重要だと思うのです。そういう中で、それじゃ福祉の後退かあるいは前進かという点で、有料化にしていくことが、それだけじゃなくて他の問題ともあわせて、これが福祉の向上になるというような見方というのは、私はちょっと筋違いだと思うのです。むしろ老人の必要とする医療を容易に受けられるという無料化の体制はぜひ残しながらも、さらに改善へどうステップを前へ進めていくかということこそが必要なんではないかというふうに思いますけれども、この問題について具体的に、厚生省もお見えになっていると思いますので、現益どのような考え方でこれを取り上げ、検討されているのかひとつお伺いいたしたいと思います。
○竹中説明員 老人医療費支給制度の今後のあり方につきましては、先ほども大蔵省からお答えがございましたように、国民全体に対する医療保障のあり方との関連、あるいはまた老人の健康をいかにして確保していくか、それから医療供給体制の問題を将来どう考えていくか、さらには老人に対します各種の施策との関連を含めてどういうふうに進めていったらいいか、そういった全体の問題としていまいろいろ検討している段階でございます。
○小林(政)小委員 いまだ結論が出ないという状況なんですね。検討中なんですね。
○竹中説明員 老人医療費支給制度の今後のあり方につきましては、現益いろいろ検討しておりまして、懇談会等も設置をいたしまして検討しておる段階でございます。
○小林(政)小委員 それではこの問題も含めて、厚生省から大蔵省に対して来年度に向けてどんな予算要求がされていますか。
○竹中説明員 来年度のその点に関します予算要求でございますが、現行の老人医療費支給制度は維持していくということを前提に来年度の要求はいたしております。
○小林(政)小委員 大蔵省、これはいま、これから査定なんでしょうけれども、いろいろと検討の結果、来年度の予算は厚生省としては維持していくという方向で出されている。大蔵省も、向上させるというのですから、この点については、当然所管官庁でもある厚生省の意向を尊重すべきだと思うのですけれども、もしそうでなければ、どのような意図で尊重できないのか、考え方をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○松下政府委員 御指摘の老人の福祉を後退させるべきでない、これについては今後とも着実な前進を図るべきだという基本の考えにつきましては、私どもも同じように考えているわけでございます。 ただ老人の福祉問題を考えてまいります場合に、私ども財政当局としての立場から申しますと、やはりある水準の福祉を確保いたしますためには当然それに見合った国民の負担がなければ確保できないわけでございまして、その場合の負担が社会保険料の形をとるにせよ、一般の所得税その他の税金の負担の形をとるにせよ、いずれもこれは国民が全部で負担をしていかなければ、他のだれかが負担できる問題ではないわけでございます。そういう点から申しまして、私どもは、国民の負担の点からいって、その負担にはやはりおのずから限界もあるだろう。しからばその限られた財源の範囲の中でそれを非常に効率よく使うことによって全体の福祉の水準というのを少しでも富めていくにはどうすればいいかということをいろいろと検討するのが私どもの務めの一つであろう、そう思っているわけでございます。 そういう考え方から、この問題につきましても昨年以来いろいろと検討もし、また御議論もしているわけでございますけれども、もちろん予算の編成というのは大蔵省が自分ひとりで編成する問題ではございません。今後とも、厚生省当局初め関係方面とはよく話をしながら、この問題について私どもなりに何らかの前進なり改善ができるのかどうか。また前進、改善を図るとした場合に、その中身というのはどういったことがいいのか。私どもの意見は意見として、また他にもいろいろな関係の意見があるわけでございますから、それらをどう調整しながら進めていったらいいかという点につきましては、これからも慎重な態度で検討してまいる考えでございます。
○小林(政)小委員 私は、この老人福祉法に基づいて四十八年に改正された医療費の公費負担制度、こういった問題は、財政負担がかさむということだけでは、とうていこれはそこだけで律することはできない問題だろう。私、いろいろと聞くのですけれども、何か老人の受診率が非常に高まっているので、有料にすれば少しはそれが下がるのじゃないかというような見方をしているのですか。
○松下政府委員 受診率が高まっていること、そのこと自体の中にはいろんな要素もございまして、これまで負担があるがために必要があるのにもかかわらず医療を受けられなかったのが受けられるようになったという要素も、もちろん非常に大きいと思います。そういった要素ばかりでございますと、この問題は取り上げて議論するというような話でないわけでございます。ただ、この受診率の高まりの中に、いろいろのこれに対する意見もございまして、その中にはあるいは一律無料の制度によりまして、真に必要な範囲以上の受診が行われているのかどうかという点をよく考えてみるべきだという御指摘があることも事実でございます。外国などの例を見ましても、そういう点ではごく少額でも本人の負担を残すことを原則とするような、フランスの制度のような例もあるわけでございます。このあたりにつきましては、もちろんそういうことの実態を見きわめて慎重に判断する必要があろうと思っておりますので、そういう点からも、私ども来年度に向けて何も結論を出しておるわけではないわけでございますけれども、いま申しましたように、この中に問題があるかどうかという点は検討を要する点であろうと思っております。
○小林(政)小委員 厚生省に伺いますけれども、受診率の推移をちょっとお聞かせ願いたいのです。
○竹中説明員 七十歳以上の老人の受診率でございますが、保険の関係の方で、国保と政府管掌健保の家族である老人の受診率の資料がございます。四十七年から五十年までの入院外、外来の百人当たりの数字を申し上げてみますと、国保では四十七年が六四・九一、四十八年が七五・一九、四十九年が八三・八八、五十年が八三・六七となっております。それから政府管掌健保の家族である七十歳以上の老人でございますが、同じく入院外、外来でございますけれども、四十七年が五二・二九、四十八年が七七・四九、四十九年が八五・一四、五十年が八三・九七、こういう数字になっております。
○小林(政)小委員 そうしますと、四十九年、五十年を比べてみますと、結局は受診率の点では安定しているといいますか、むしろ数字の上では若干下がっているんじゃないですか。二面、言われているような無料だからちょっとかぜを引いても医者に行くとか、非常に乱診乱療が行われているなどというようなことは、受診率という点でいまお聞きしてみまして、私はこの数字の中からはちょっとそういうことはないのじゃないかというふうに思いますし、それから老人医療の問題というのはそもそもお金の面から論ずべき問題じゃないということは先ほど来申し上げたとおりでございます。 これからの社会の中で年齢的に老齢化現象が高まってまいりますと、この問題については私専門のお医者さんのお話などもいろいろ聞いてまいりましたけれども、どうしても早期治療を行う必要がある、普通の元気な人と違って非常に症状が出にくいと言うのですね。ですから、いままでのように急性疾患でもってそれ大変だといってお医者さんに診療していただいて、それでまあ何とかというような医療の考え方では、これから高齢化社会を迎える老人医療の問題は効果を上げることはできないだろう。そしてこれは社会医学的な思考がどうしても必要であるという中で、これは専門的な雑誌にも出ておりましたけれども、ともかく症状が出にくいので、できるだけ早く診療をして早期に治療をするということが非常に大切だということです。老人に一番多いと言われております心筋梗塞なんかの場合も、若い人であれば胸が痛くてがまんできないという症状がすぐ出るわけですけれども、老人の場合ですと、いろいろな統計例で調べていただいた数字を見せていただきましたけれども、症状が出ないのですね。結局、痛みもないし、食欲も余りなくなった、体がだるい、だんだん動きが鈍くなってくるという状況で、これは入院治療が必要だということがすぐに発見できればいいのですけれども、これがなかなかむずかしいというようなこともいわれております。肺炎の場合なんかでも、老人の死亡率は肺炎が六〇%を占めているというのですが、ところが熱が出ないのですね。私は個人の思いつきで言っているのではなくて、私自身もこの問題について専門の先生のお話も聞きましたし、また医学的にも権威のある文献なども老人医療というのはどうあるべきかという点でいろいろと調べてまいりましたけれども、ともかく肺炎といえば、普通なら四十度を超す熱が出たり、せきが出るというのが常識ですけれども、何となく苦しいというようなことで、せきも出なければ熱も出ない。そして二、三日で亡くなるというようなことで、非常に老人の死亡の原因になっているというようなこともいわれております。それから巨大潰瘍が腸だとか胃だとかにできるが、全然痛みがない。そして本人は自覚症状がない。しかし老人の場合には潰瘍で死亡する人の数が非常に多いということもいわれております。 私は、こういった点でいろいろな事例を挙げることができますけれども、何といってもやはり早期に病気を発見し、そしてまた治療もしていただくという点で、症状が非常に出にくい、こういう状態からいっても、この問題については、老人がちょっときょうはどうも頭が重いとか体がおかしいといって医療を受けやすい、こういう状況を保障するということが、まず何よりも大事じゃないかというふうに考えております。 そこで、厚生省にひとつお伺いしますけれども、これは厚生白書にも出ていた数字でございますけれども、老人の有病率の状態というのはどんなふうになっておりますか。
○竹中説明員 年齢階級別に全国推計し得るような有病率を出しておりますのは、厚生省がやっております国民健康調査ぐらいかと思いますが、この国民健康調査と申しますのは実は面接による聞き取りでございまして、調査員が御本人にお会いをいたしまして、いま病気であるかないかというようなことで面接で聞いておるものでございます。したがいまして実際に医者が健康診断をやった結果この人は病気だとか病気でないとかいうことで調べた有病率ではございません。 そういう前提で、四十九年の国民健康調査によります有病率を若干御紹介させていただきますと、子供、一歳から四歳というようなところが一〇・三七%といったような数字でございます。それから三十五歳から四十四歳ぐらいの壮年期が八・三七でございます。それに対しまして老人でございますが、六十五歳から七十四歳が二九・一一%、七十五歳以上が三六・七〇%というような数字が、国民健康調査によります有病率として出ておるわけでございます。
○小林(政)小委員 これは年をとればいろいろな病気が出てくるのは、私は常識的にも当然だと思うのです。いま七十五歳の場合には三六・七〇%の有病率ということでございますけれども、これで受診率を見てみますと、むしろ非常に低いんですね。たとえば、私五十年の厚生白書でこれは拾った数字ですけれども、有病率は二十五歳から三十四歳の場合は七・八となっておりまして、受診率は五・五というふうになっておりますが、六十五歳から七十五歳というところになりますと病気を持っている率は年齢が高まるに従って非常に高いのですけれども、逆に受診率の点では病気を持っている人の約半数近くしか実際には医者にかかっていない。これは厚生白書ではっきり一四・四で出ておりましたので、これを計算してみますと、結局は医者にかかっていないお年寄りが相当数いるということがこれでは言えるんじゃないかと思うのです。それはいろいろな事情があると思います。しかし私は、先ほど申しましたように、お金の面だけからじゃなくて、本当に早期に発見し、早く治療する。そうすれば寝たきり老人なんというのはそんなに数多く出ないと私は思うのです。 寝たきり老人の問題についても、これは一つ大きな問題があるわけですけれども、時間の関係がありますので、この問題にはまた後ほど触れたいと思いますけれども、私は、老人の場合にはできるだけ医者に行きやすい機会を保障していく、こういうこととまた予防対策を本当にやはり広げていかなければいけないのではないかと思うのですね。いま老人健診なんかをやられているので実態がどうなっているのだろうかということで、私どももいろいろな資料なども調べたりお話を聞いたりいたしましたけれども、健康診断なども大体対象老人の約二〇%ぐらいしか受診していないですね。もっとこういった問題なんかも、高血圧だとか脳卒中だとか早くこの健診で発見できれば、そしてすぐに治療がされれば、倒れて寝たきりになって、そして社会的にも本人も苦痛を味わったりというような深刻な状態に陥ることはなくなるわけですし、こういった問題についてもっと予防措置や機会を本当に与えていくということが医学的にもまた社会的にも非常に必要になってきているのではないか、このように考えますけれども、これは厚生省と財務当局の方からもこういう問題についてどのような見解をお持ちかお伺いをいたしたいと思います。
○竹中説明員 いまお話のございましたように、老人の健康を守っていくという観点で、特に予防対策あるいは健康管理対策、こういったものの拡充強化が非常に重要である、お話のとおりでございます。 老人の健康診査、いろいろと努力をいたしておりますが、全国平均では受診率が二〇%ちょっとということで、私どもも何とかこの率を上げたい。特に、しばらくあるいはかなりの期間医者にかかっていない老人、こういう方をひとつ重点的な対象にいたしまして、勧奨いたしましてぜひ健康診査を受けていただくようにこれは努力をいたしてまいりたいと思います。 今後医療費問題もさることながら、こういった保健、ヘルスサービスと申しますか、この点につきましても私ども十分検討いたしまして対策の拡充強化を図ってまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○松下政府委員 財政当局としての意見をという御質問でございます。財政当局といたしましても、予算の金額を減らすだけが能であるとは思っておりませんので、限られた財源の中でそれをどうやって全体として効率のいい、水準の高い、この場合でございますと老人福祉の確保のために使っていくかということで私どもも考えるわけでございます。 その点では、御指摘がございましたように、病気になってからこれを保険にかかりまして医療費の負担がどうという問題の前に、病気にならないように、あるいは病気になりかけによい指導をすることで健康を維持するような、そういう措置が大事ではないかという点につきましては私どももごもっともなことだと思っております。そういう予防の措置も大事でございましょうし、それからたとえば不幸にしてある病気が起こりましたときに、できるだけ早くそれに対する対策を講じることによってその病気が重症になり長引くというこをできるだけ避けるというようなことも大事であろうと思います。 私どもとしましては、限られた財源の中でそういう保健衛生的な予防措置なりあるいは非常の場合の緊急の応急措置なり、あるいはまた、いまの一般的な医療の無料の措置なり、こういったものの効果をよく並べて考えまして、どこに力を入れていけばいいのかというような角度で考えてまいりたい。それが私最初に申しましたように、この問題は老人医療制度だけの問題でなくて、もっと広い視野から検討してまいりたいと申し上げたことの中身でございます。そういうつもりでまた専門家の意見等もよく聞きながら、この問題をさらに検討いたしてまいりたいと思っております。
○小林(政)小委員 最後に、私は先ほど幾つかの例を挙げて、いま医療にかかりやすいそういう環境を整備することが非常に大事だ。これはお金がということじゃなくて、やはり症状がつかみにくい、こういう点は素人が見ても、お元気そうだけれどもと思っても、ちょっと熱があるので行ってみたら意外に重い病気だったというような非常にとらえにくい側面がありますので、先ほど言われたような予防対策その他も強化していくということと同時に、医者にかかりやすい条件を本当に保障していく。今度の医療費の有料化ということになりますと、少しおかしいと思っても行けない。いままでがそうだったのですよ。事実、おかしいと思っても行かなかった。そのために、結局こじらせてしまって寝たきり老人になってしまう、こういう循環があったわけですから、これは医者にかかりやすい条件をどうしてもつくっていく上では、医療費の無料化の制度を老人福祉法に基づいてせっかくつくったのですから、これはこれとして堅持しながら、なおかつ総合的な立場から、より改善の方向を打ち出していくことが必要じゃないかと思うのです。 これもいまからもう十年も前に、岩手県の沢内村というところで老人医療費について十割給付を積極的に行いながら、体力の増強の問題や予防活動と一緒に運動を起こしてきたところの地域で、結局医療費そのものは最近はどんどん減っているというのですね。最初は若干受診率もどんどん上がりますし、それから医療費もかさんだ時期もあったけれども、しかし現在では、受診率はある程度高くても老人医療費の全国平均に比べて実際にはその村ではその費用の六〇%ぐらいであるという数字が出ております。 だから私は、お金がどうのこうのということよりも、そういう視点からだけではなくして、こういう制度はぜひ残して、もっと発展させていくように当然考えていくべきだと思いますけれども、その点について大蔵当局の前向きの姿勢をひとつお聞かせを願って、時間でございますので質問を終わりたいと思います。
○松下政府委員 私どもの立場といたしましては、国、国民が負担できる範囲のその全体の財源の中でどうやって社会保障の水準を高めていくかということを工夫をしてまいるという方向で今後とも努力するつもりでございます。
○村岡小委員長 小林政子君の質疑は終了いたします。 坂口力君。
○坂口小委員 景気の問題につきましては、先日来からこの委員会におきましても何度か議論をされておりますし、きょうも朝から幾つかの質問もございました。ただ、この委員会におきます議論の中でも余りはっきりいたしませんのは、確かに景気の中だるみがあるという認識につきましては大体一致しているように思いますけれども、ただ、その景気中だるみの原因がどこからきているかということについての議論というものが存外に少なくて、そして、それがはっきりしないために、それではその次にどういう手を打つかという話もなかなか出てきにくいという感じを受けるわけです。 端的に、現在の景気中だるみの原因というものについてどういうふうに大蔵省当局として分析をしておみえになるのかということをひとつできるだけ細かくお話を伺いたいと思います。
○大竹説明員 現在の景気の局面が一ころに比べまして伸びが緩慢になってきたということは、中だるみという言葉はちょっと適当な言い方ではないと私ども思いますけれども、伸びが緩やかになっておるということは事実であろうかと思います。 それではなぜそうなったかというお尋ねでございますが、これはいろいろなことが考えられると思います。これは私の非常に個人的な考えになるかもしれませんが、私なりに考えているところを申し上げたいと思います。 過去におきましても、日本経済は一時的な停滞があって、それが回復に転ずるという局面は何回かございました。そういった過去の景気の回復の局面を見てみますと、そこで需要を引っ張ってきた主動力といいますのは、やはり民間の在庫投資であり設備投資であったわけでございます。それから民間消費ももちろんでございます。いわば起動力といいますか、そういうきっかけになったというのは、非常に大きいのはやはり在庫投資ではなかったかと思います。言うならば民間の自律的な力といいますか、そういうものが過去には非常に強くあって、それが景気を引っ張り、かつ支えてきておったというふうに考えていいのではないかと思うわけでございます。 それでは、現在それがどういうふうに過去と違うかということでございますが、考えられることといたしましては、やはり今回の不況というものが落ち込み方として非常に深かったということが一つあると思いますし、もう一つは、その期間も非常に長かったということが挙げられると思います。深かったということによりまして、企業といたしましてはその設備なり人員なりあるいは在庫なりというものがどうしても過剰になる。その過剰の度合いが、幅が大きくなるということはやむを得ないということでございます。したがいまして、その調整過程というものがやはりどうしても時間がかかるということは基本的にはあろうかと思います。したがいまして、回復過程に入りましても一本調子にいくというわけになかなかまいりませんで、ジグザグにいくということにならざるを得ないということであろうかと思います。 それからもう一つ考えられますのは、今回の不況が、一つは、石油の価格の非常に大幅な上昇によるという面があるわけでございますけれども、その石油価格の高騰によりますいわば構造的な側面というものが、この不況からの回復に大きな影響を与えているのではないかと思います。具体的にはやはり業穂別に、石油価格の高騰によって非常に大きな影響を受ける業種というものがあるわけでございます。そういう業種というのは、回復に転じましても、ほかはよくなってもそこだけは余りよくならないということはあるわけでございます。したがって、いわゆる跛行的な回復、こう言われておりますようないわば構造的な意味で回復がどうしてもおくれてしまっておるような業種というものが一方では残るということになってくるのかと思います。したがって、そういう回復が一本調子にいかないジグザグな形の回復であるという面からいいまして、どうしてもいままでのように時の経過に従ってその回復のテンポが上がってくるといったような形にはなかなかなりにくい。少し回復のテンポが早くなると少しまた緩くなって、また少しスピードがついてというようなジグザグな形で上っていく、回復していくということにならざるを得ないのではないかなという感じがするわけでございます。 ちょっと私見を交えながらのお答えでございますので、余り私も確信を持ってこういうことであるというふうになかなか申し上げ切れないむずかしい問題でございますけれども、一応そういうお答えになろうかと思います。
○坂口小委員 いまお聞かせいただいた景気中だるみという表現をしますか、あるいは緩やかさという表現をしますか、いずれにいたしましても、景気の速度が落ちてきていることに対する原因についてのお話、一つは、いま強調されたのは石油にかかわる海外要因というものをお挙げになりました。この海外要因、それから在庫投資や設備投資というこれらの問題も、私どもも非常に大きな要素の一つではあろうと思います。 しかし、このほかにもう一つ、賃金の上昇と物価の上昇、この二つの絡みというものもまた大きな原因の一つになってきているのではないか。これに落ち込みの、あるいは二次的に発生をしてそれがまた次の原因になっているというふうに理解できるかもわかりませんし、そのつかみ方というのはむずかしい面もございますけれども、少なくとも現在の段階で消費率が、これもまた低迷と申しますか、中だるみになっていることは事実であります。そういたしますと、この賃金と物価の関係というものも私どもは大きな要因になっている、こう実は見ているわけです。これだけとは私も申しません。いまお挙げになりましたような原因もございましょう。しかし、これもまた大きな原因になっている、こう思っているわけであります。いま原因をお挙げになりました中に、この賃金と物価の問題はお挙げになりませんでしたけれども、こういうふうな原因がどこにあるかということを見きわめることによって、これは当然のことながら景気に対してどういう手を打つかということはおのずから変わってくるわけです。 そういたしますと、いま景気は、一応中だるみという言葉を使わせていただきましょう、景気中だるみに対する原因を、お挙げになりましたような原因というふうに理解をしておみえになるといたしましたら、それじゃこれからこの景気は間もなく回復するのか、それともまだ比較的長く続くのか、そしてそれに対してどういう手を打とうとされるのか、その辺のところをもう少しお聞かせいただきたいた思います。
○大竹説明員 原因というものも仰せのとおりいろいろな要素が絡んでおる問題であろうかと思いますが、基本的な回復の姿としては、先ほど申し上げましたような一本調子になかなかいかないというふうに私ども思っておるわけでございます。したがいまして、現在のいわば緩やかな回復というものがこのまま先行きさらに落ち込んでしまうかということになりますと、私どもは必ずしもそうは思っていないわけでございます。いろいろな企業あるいは団体等の聞き込み調査などをそれぞれの機関が実施をいたしておりますけれども、そういったようなもので見ましても、現在回復の軌道から外れておるという判断はないわけでございまして、回復はしておる、ただ、そのテンポが緩やかであるという判断でございます。したがって、不況の最中にございましたように、先の見通しとしてこれからどんどん企業の収益が落ち、物価も下がり、その他すべての需要にわたって低迷ないし下向きに動いていくことはないというふうに考えております。 したがいまして、今後の見通しといたしましては、その回復のテンポがどの程度になるかということに問題があるかと思いますが、それにつきましては、私どもまだ十分な判断の材料をちょっと持ち合わせておりませんで、当面出てまいりますいろいろの経済の指標を見ながら十分に見きわめていかなければいけない、こういうふうに思っております。
○坂口小委員 景気回復のテンポの速度が遅いという御意見であります。しかも、現在の落ち込みは回復過程の中の一つのあやと申しますか、そういう形のものであって、いわゆる本格的な、再び下向きのカーブを描いて落ちていくものではないという御認識はわかりました。しかしながら、われわれ一般の中小零細企業をずっと回ってみますと、この景気の回復というものが確かに影響を受けているところもございます。これは主に自動車関連あるいは弱電関連の、いわゆる貿易と結びついた業種におきましてはかなり回復しているものもございます。しかし昨年からことしにかけて一向に回復をしないままで、低迷をしたままで今日を迎えている業種も中にはございます。若干程度の差はございますけれども、その間のばらつきもございます。その人たち、特に以前のことを思いますとかなり回復をしてきている業種の人たちですら、先行き不安と申しますか、そういう気持ちがかなり心理的にありまして、設備投資をするというところまではなかなか心が向いていないと、私どもは話をする中で感じるわけです。 大蔵当局としましては、この落ち込み、中だるみは一時的であり、間もなくまた緩やかながら回復過程に乗っていく、これは一時的なあやである、こういうふうに述べられても、現場のはだでの感じというのは、そういうことではなしに、なおかっこのまま横ばいが続いていくのではないか、こういう感覚的なものをかなり持ってみえることは事実のようであります。先ほども今後の回復の要因についてははなはだむずかしいものもある、はっきりしたデータもつかみ切れないところもあるというお話もございましたが、やはりその辺のところを一般の中小零細企業の皆さん方は敏感に感じているように私どもには思えるわけです。 そこで、現在のこの経済の状態というものを、なるがままと言うと言葉は若干過ぎますけれども、大きく景気に対するてこ入れだとかそういったことをせずに、少なくとも現在の条件下において経済をしばらく静観をするという態度をとっていきましたときに、いま中小零細企業の人たちが持っておりますような感覚というのは、私は何となく当たっているようにも思うわけです。経団連あたりからの景気対策の強い要望等も新聞等が報じておりますが、大臣は、先日私がお聞きしましたときにも、特別な配慮をしなくても十月から十二月の間はかなり回復するのだ、こういう意見を述べられておりました。しかし、これは私直接聞いたわけじゃございませんが、福田副総理の経企庁長官としてのお立場から、やはり少し景気対策というものはやらなければならぬという答弁をされたというようなことが新聞等でも報じられているわけです。また詳しいものじゃございませんが、昨日三木総理が商工会議所や経済団体との懇談会で、景気の落ち込みに対して対策を講じる用意があるというような趣旨のことを発言されたというのが、これも新聞報道でございますけれども、きょうの新聞に出ております。これは三木総理がどの辺のところまで認識を持って、どういうお気持ちでこの発言をされたのか、これだけではつかみ切れない面がありますけれども、そういう発言も若干出ているわけであります。大蔵大臣と経企庁長官や三木総理の発言の内容に少し開きがあるように私は思うわけですが、しかし全体としての流れは、やはり景気に対するてこ入れを少しやらないと、自然のまま、現在の条件下のままに経済を置いておいたのでは、どうも中だるみが、回復がさらにおくれて、なべ底のような形でずっと続いていくという感じを、私のみならず多くの専門家やあるいはまた閣僚の中にも持ち始めておみえになる方もあるように感じるわけであります。その辺のところは大蔵当局としてはどういうふうにお考えになっておりますか。そして、もしもここで、仮定の上に立ってまことに失礼でございますけれども、景気対策、これは第四次までの——第五次というふうな大がかりなものでないにいたしましても、もし景気対策を講じていくとしたらどういうものがまずあるというふうにお考えになりますか、その辺ひとつお伺いしておきます。
○大竹説明員 先ほどもちょっと申し上げましたように、現在の景気回復の姿というものが、従来に比べますとやはりいろいろ制約もございますし、環境なり経済の構造なりも大きな変化を受けておるわけでございますので、いままでの回復というものに比べますと、そのスピードあるいはその形というものが異なるものであるということは、いま坂口委員の具体的な例をお引きになってお示しになられたようなところが、業種などによりましてはあるということではなかろうかと思います。 そこで、そういうものをそれでいいとするかどうかということになるかと思うわけでございますが、同じようなことを何遍も申すようでございますけれども、現在が回復の軌道の上に乗っかっておるということは否定はできないと思います。それがこのままではスピードが低いではないかという御指摘ではなかろうかと思いますけれども、そこは何に比べて低いかというようなことにもなるわけでございまして、私どもといたしましては、政府が今年度の経済の見通しとして持っております五・六%の実質成長率というものは達成ができるのではないかというふうに思っております。したがってそういう面から、現在政策的なてこ入れをやる必要があるというふうには思わないわけでございますけれども、先行きにつきましてどういう姿なりスピードになるかということにつきまして、経済指標なりいろいろなアンケート調査なり見通しなりというものを総合いたしまして、十分に見きわめていかなければならない、こういうふうに思っております。
○坂口小委員 現状が、いまおっしゃいますように、どこに基準をもって見るかということによって見方は違ってくると思うのですが、あの高度経済成長下でいささか肥大し過ぎました日本経済の体を急激に縮めようと思いますと、そこに大きなひずみが出てくるのは当然でありまして、業種によりましては、たとえば建設業界等は、あの高度経済成長下で非常に業種もふえておりますし、またその抱えております人数もかなりな数に上っていることは事実であります。これが公共投資を急激に冷やすということで、この中から多くの業種や、あるいはまた同じ職種の中でも力の弱い人たちがはみ出してきていることは当然考えられることでありまして、いまのような形で、余りにも緩やかな回復が続いていきますと、高度経済成長の非常に激しかったときに、より大きくふくれ上がった業種の人たちを見殺しにする以外にないわけであります。速い方がいいのか、遅い方がいいのか、それはいろいろのプラス面、マイナス面はございましょう。ただこの多くの人たちを経営破壊に追い込んで倒産をせしめるということを最小限度に食いとめていくということを基準にして考えますれば、少しスピードが上がった方がいいと私自身は考えるわけであります。 そういうふうな考え方でいきますと、景気の回復のスロープが余りにも緩やか過ぎて、しかもまた中だるみになってきているというようなことで、どうしても耐えていけない人たちがかなり出ていることは事実であります。もしもこういうふうな形でゆっくりと上っていって、そして急激に回復せしめては、物価の上昇だとかほかの面に大きな影響を与えるしいけないのだ、どうしてもいまのような状態で行かなければならぬということになりますれば、高度経済成長下のときに特にふくれ上がった業種の方向転換なり、この人たちの救済方法なりへ業種転換なりというようなことについて何らかの手を施してやらないと、いまのまま見殺しにしておくというわけにはいかないと思うのです。政府がとりました経済成長というもののスピードを速くしたり遅くしたりというのを余りにも急激にやりましたために起こってくるその人たちへのはね返りというもの、これはやはりこのまま見捨てておくわけにいかないだろう。それに対する手も現在のところは打たれていないし、なおかつ経済のスピードはその人たちになかなかはね返ってこないし、問題はこういうことだろうと思うのです。 だから、これはこの財政の小委員会だけでなかなか議論のおさまることではございませんので、もう少し広い範囲の中で議論をしなければならないことだと思いますし、時間もございませんから、もうこれ以上私もこの問題を続けるのはやめたいと思いますけれども、そういう考え方の中で見ますると、やはり少し、三木総理の言葉じゃないですが、てこ入れをしなければならぬのではないかということを先日以来私も申し上げているわけであります。それがときには調整減税の話になりましたり、いろいろの形になっておりますけれども、その辺の総合的な検討というものは大蔵当局においてぜひやっていただきたい。ひとつ要望をしておきたいと思います。 時間がありませんので、もう一つ最後に、財政制度の改革の問題がございます。これも簡単にお答えをいただきたいと思いますが、財政硬直化の打開のためにいろいろの議論がされてきましたけれども、大蔵当局として、この制度改善にどういう取り組みをしておみえになるのか、それをひとつお聞かせいただきたいと思います。 私どもも国民福祉中期計画を今回出しまして、その中で幾つか財政制度の改革についての考え方も明らかにいたしております。一口で申しますれば、経済政策の決定プロセスをより合理化、民主化するということ、それからもう一つは、政策実施によって生じた結果に対するチェック、政策失敗の責任を明確化する、この二つを取り上げているわけです。毎年、政府の経済見通しというものが発表されますし、その経済見通しというものの結果、それが大幅にたとえば違うというようなこともいままでにはかなりあったわけでありまして、そういった場合にもその計画の目標達成の成否というものについては、後は余りはっきりとしたそれに対する評価というものはせずじまいという形にいままでなっているわけでありまして、これは政府の経済見通しというものを発表になります以上、それがどうであったかという評価というものをきちっとして責任を明らかにしていくべきではないか、こういったことも実は考え、政策として発表もしているわけでありますが、この財政政策の改革について現在取り組んでおみえになることがございましたら、ひとつお話を伺って、時間ありませんので終わりにしたいと思います。
○加藤(隆)政府委員 ただいまのお話はどっちかといいますと財政政策よりももっと広範なお話のようでございますが、財政政策、財政制度の範囲に限定いたしまして申し上げたいと思いますが、三つほど条件変化があると思うのですが、一つは税の自然増収がなかなか大きく期待できないという点。それから二番目には国債費、それから社会保障関係費、こういうような経費が今後かなり引き続き膨張してくる圧力が強くなってきているという点。それから第三点は、経済自体が不安定性が高まってきておるということ。この三点の変化がかなり出てきているんではないか。 そこで、三つの視点を考えているわけでございますが、一つは、長期的、計画的な方途はどうするか。それから第二点は弾力的、機動的な方途をどうするか。第三点は、合理的、効率的な方途はどうするか。それで、第三点がたまたまそのうちの御指摘の、結果のチェックというような点にもかかわってくるわけでございますが、ある政策目標を設定した場合に、そのインプットした経費の有効度というようなものをどう考えるかという点。それからエフィシェンシーと申しますか、効率とか能率とかというような点、こういうのは経費論の分野でございますが、そういうような問題も財政制度としてどういうふうに検討していくかというような問題意識を持っております。それから、さかのぼりますが、二番目の機動的、弾力的な運営というのは景気調整の問題にかかわってくるわけでございます。最初に申しました長期的、計画的というのは、前回の国会でも国会にお出ししましたが、財政収支試算と申しますか、ああいうようなかっこうである程度の展望を持って運営していくことの方法論とかそのメリット、デメリットとか、そういうような点、大体その三つの条件変化、それから三つの視点でそれぞれ一体どういう制度なり政策手段が考えられるかというようなことを二、三年かけてどうしてもやらなければならない。その中で当面する五十二年度予算編成との絡みでどういう問題を最初に議論するかというようなことを目下考えております。 財政制度小委員会ではとりあえずその最初の長期的、計画的な財政運営の方途というような観点でいわゆる財政長期計画と申しますか、計画までもちろんいきませんが、外国の制度を一回財政制度審議会で勉強していただいたことがありますので、その後も各国いろいろそういうやり方についても反省をしたり改善をしたりした点がございますので、それを含めて、とりあえずその勉強をいたそうかというような段取りに目下なっております。
○坂口小委員 ほかにもう少しお聞きする予定でございましたが、時間がちょっとオーバーしてきておりますので、これで終わりにいたします。
○村岡小委員長 坂口力君の質疑を終わります。 本日は、これにて散会をいたします。 午後一時六分散会