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78回国会衆議院1976/10/27

大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号

発言数
75
登壇者
9
会派数
4
開催日
1976/10/27

会議録

山本幸雄自由民主党

○山本小委員長 これより金融及び証券に関する小委員会を開会いたします。  金融及び証券に関する件について調査を進めます。  本日は、参考人として金融制度調査会会長佐々木直君が御出席になっております。  佐々木参考人には御多用中のところ、本小委員会に御出席を賜り、まことにありがとうございます。  まず、銀行法改正の審議状況及び労働金庫に関する問題の経過等について政府より説明を求めます。後藤銀行局長。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 ただいまの委員長の御指示によりまして、金融制度調査会の審議状況、労働金庫の全国統合問題の経緯等について御報告を申し上げます。  最初に、最近の金融制度調査会の審議状況についてでございます。  金融制度調査会のこれまでの審議状況につきましては、昨年の五月、大蔵大臣から、銀行制度及び銀行法令の改善につきまして諮問をいたしまして以来、およそ一年半にわたりまして審議が進められてきているところでございます。  この間、まず審議の進め方といたしまして、銀行制度の中核である普通銀行制度のあり方につきまして全面的に見直すことといたしました。前回、六月十一日、当委員会において御報告申し上げましたように、七つの検討の視点を中心といたしまして、現在審議が進められているところでございます。  そのうち、第一のテーマでございます「今後の我が国の経済構造及び金融構造について」は、昨年末までに審議を終了いたしました。  第二番目の「銀行の役割について」このテーマにつきましては、去る四月二十日の総会におきまして、委員の意見の中間取りまとめが行われたことは前回当小委員会において御報告を申し上げたとおりでございます。  現在は、金融制度調査会は第三番目のテーマでございます「銀行の資金配分機能のあり方について」の審議を進めておりまして、参考人からの意見聴取を含めまして、八回にわたりまして小委員会を開催いたしまして、次の申し上げますような事項につきまして検討が行われてきたところでございます。  その主要なテーマにつきまして若干申し上げますと、第一には銀行の資金配分に対する考え方が実際にどういうふうになっておるか、こういう点を検討いたしました。  次に、第二番目には銀行の資金配分の実態について検討いたしました。すなわち、銀行の貸し出しが業種別あるいは企業の規模別あるいは金利別にどういうふうになっておるか、こういう点の検討でございます。  第三番目に、いわゆる資金偏在という問題につきまして検討いたしました。いわゆる資金偏在と申しますのは、市中金融機関の間におきまして、都市銀行が恒常的に資金不足であり、その他の金融機関が恒常的に資金余剰となっておりまして、この資金過不足が手形市場あるいはコール市場を通じまして調節をされておる、そういう状況と考えられておりますが、こういう状態についてどう考えるかということの検討をされたわけでございます。  第四番目には、銀行の公共部門に対する資金供給の問題を取り上げまして、今後の財政の動向、これまでの資金供給の状況等について検討が行われました。  第五番目には、銀行の資金配分と銀行行政、金融政策との関連、こういうテーマで審議が行われました。ここでは銀行の資金配分に関しまして今日までに行われてまいりましたいろいろな行政指導を振り返ってみますとともに、金融政策と銀行の資金配分との関連、こういう角度から参考人の御意見も伺いまして検討が行われました。  ごく最近は本日の午前中でございますが、小委員会におきまして、銀行の資金配分と各種金融市場の関係、こういう関係につきまして審議が行われました。これは今後の金融環境の変化に伴いまして、わが国の金融市場がどういうふうに変化していくであろうかということの検討が行われたわけでございます。  以上が、銀行の資金配分のあり方につきまして、これまで進められてまいりました審議の内容でございます。  なお、先ほど申し上げました公共部門に対する資金配分あるいは行政指導との関連、こういった問題につきましては、今後さらに議論を深めていくことが予定されております。さらにまた「銀行の資金配分機能のあり方」という大きなテーマにつきましては、年内には検討を終わりまして、次に「銀行の経営上の諸原則について」等々、予定された検討テーマの審議に入る、こういう予定に相なっております。  大変簡単でございますが、金融制度調査会の審議状況についての御報告とさせていただきたいと存じます。  次に、労働金庫の全国統合問題に関しまして、その経緯と問題点等について御報告を申し上げます。  労働金庫界では、全国四十七の金庫を合併しまして全国一本化したい、こういうことで四十九年五月の全国労働金庫協会通常総会におきまして五十一年十月を目途に実現する方針を決定されまして、五十年十二月十一日に大蔵省、労働省の両省に対しまして統合の希望の申し入れがあったところでございます。  当省といたしましては、労働省と御相談の上、現行法による全国統合につきましては法制上、実態上、種々の疑義がある旨をお伝えいたしましたところ、四十の統合賛成の労働金庫におかれましては、五十一年二月二十九日、合併仮契約に調印をいたしまして、三月八日、合併の内認可申請書を当局に提出してこられました。  しかしこの間、その受理手続等につきまして両省間で見解の相違がございまして調整中でございましたが、同月二十三日、四十労働金庫から、大蔵、労働両省に対しまして労働金庫の合併内認可申請書の不受理に対する異議申し立てが提出されたのでございます。しかしながら労働金庫は、この異議申し立てを四月十二日に取り下げられまして、その際、労働金庫から大蔵、労働両省に対しまして、改めて四十金庫の合併希望の表明として内認可申請書の提出がございまして、統合問題につきましては、本年一月から設けられておりました大蔵、労働両省及び労働金庫界の三者による懇談会を当面継続いたしまして話し合いを深めていくこととしたのでございます。  その異議申し立てがございました後の話し合いでございますが、七月一日に話し合いが再開をされまして、次に申し上げます五項目を中心として順次検討することといたしまして、現在これを継続中という段階でございます。  その五項目と申しますのは、  (一) 労働金庫の経営上の問題点について  (二) 統合に関する現行法上の問題点について  (三) 労働金庫制度と協同組合制度について  (四) 現行労働金庫制度の問題点について  (五) 統合基本計画についてこういうことが一応のテーマに相なっております。  なお、この間、労働金庫側におかれましては、さきに決定を行いました十月一日における統合の実施は不可能と判断をされまして、当局に現段階での統合に対する見解表明の要請がございました。  これに対しまして私どもは、次の要旨によりまして私どもの意向の表明を行ったのでございます。  その内容を申し上げますと、労働金庫界に強い統合希望があることは承知をしておりますが、統合には制度上あるいは労働金庫の健全なる運営を図る上に種々の問題があることを申し述べました。さらに、大蔵、労働両省としては、労働者のための協同組織金融機関としての労働金庫が健全な発展をすることを希望する見地から、話し合いの過程で開陳された労働金庫の業務運営上の諸問題について、その是非を検討の上で配意するにやぶさかではないが、労働金庫が提案する全国統合は、法制上、実態上多くの疑義があるので、引き続き慎重に話し合い、関係者間の理解を深めてまいりたい、こう申し述べまして、現在に至っているところでございます。  以上、簡単でございますが、御報告にかえさせていただきたいと思います。

山本幸雄自由民主党

○山本小委員長 以上をもちまして政府の説明は終わりました。     —————————————

山本幸雄自由民主党

○山本小委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 いま、金融制度調査会のその後の進行状況、作業の進みぐあいと労働金庫の全国統合問題をめぐる報告がございました。  最初に、せっかく佐々木参考人においでいただいておりますので……。  先ほどの銀行局長のお話によりますと、これからの日本の経済構造、それに対応する金融構造というテーマについては大体もう審議が終わった、こういう報告でございます。  そこでお伺いしたいのですが、私ども、日本のこれからの経済、これはもうオイルショック以前のようなああいう高度経済成長の時代ではない、したがって、安定成長という言葉が適当なのか、低成長というずばりで言った方がいいのか、これはいろいろ議論があるかもしれませんが、かなり低成長時代を迎える、こういうことはもう否めない事実であろうと思うわけであります。そういう中で、金融の構造、そしてまた金融のあり方、こういうようなものもやはりおのずから変化していかなければならないだろうというように思うわけなんです。  今日までの日本の高度経済成長を支えた一つの大きな原因は、やはり日本の間接金融というか、自己資本比率が極端に低くて、間接金融、他人資本に頼る面が非常に多かった、しかも、インフレ政策と相まって、そのことが非常に経済的な効果を発揮して、高度成長の一翼を金融面から担った、そういう面は見逃し得ない事実だと思うのですね。そういうような段階から、むしろ生産、産業の拡大という一点張りの方向から、あるいは輸出を含めて大きいことはいいことだというようなものを裏づけにしながら発展してきた。それが、言うならば低成長経済時代に入ったというような状態の中で、今日まで忘れられてきた、比較的なおざりにされておったものは金融の面では何であったろうかということが、これからの金融構造の面においてもあり方の面においても考え直されなければならないということは、あの例のオイルショック当時に、いよいよ日本もこれから高度成長から大きな転換期を迎えているのだ、それと前後して、金融のあり方についても、生活金融といいますかあるいは福祉金融というか消費金融というか、そういうものにかなりウエートを置きかえていくというような姿勢が新しい経済の発展段階に即応したあり方ではないか、こういうようなことがかなり議論されてきたと思うのであります。国の経済、高度であろうと低度であろうと、とにかく成長は続けなければならぬだろう。しかし、そういう中において正しい、安定的な、あるいは低成長と言われながらも安定的な成長を続けるということは非常にバイタルな問題だと思うわけでありますが、そういう中で、今日まで高度成長の中で比較的おろそかにされてきた生活優先、福祉優先、そういう点について金融面での配慮というもの、そしてまた金融構造全体もそういうものに見合ったものになっていなかった、こういうことは当然金融制度調査会でも問題意識として十分お話しになっておられたのじゃないか、こう推察するわけであります。そういう点について調査会としてどういう議論がなされ、私がいま申し上げたような新しい時代にはそういう方向というものを重視する、かなりウエートを置く金融構造あるいは金融政策というものが必要ではないか、こういうように考えるわけでありますが、その点についての佐々木参考人の、金融制度調査会長の御意見をまず承っておきたいと思います。

佐々木直金融制度調査会会長

○佐々木参考人 ただいま御指摘のように、エネルギーの問題その他を考えますと、日本の経済というものはいままでの三十年代から四十年代の半ばごろまでのような高い成長というものは実行できないということは、われわれとしては非常に痛切に感じております。したがって、今度の金融制度調査会において第一に経済構造並びに金融構造が今後どうなるかということを取り上げましたのも、そういう環境の変化をまず委員がみんな頭に置いて今後の金融制度についての検討を進めなければならないという点についてスタートにおいて考えることがまず必要だという意味での問題の取り上げ方であったわけです。  したがいまして、いま御質問のございました今後の金融のあり方、資金の向け方、その問題につきましては、ただいま銀行局長から御説明がありましたような銀行の資金配分のやり方という問題を大分回数を重ねて検討してまいりましたが、その中でそういう点についてはもちろんいろいろ議論をしてまいりました。  ただいま福祉金融それから一般の個人的な資金需要についてのお話がございましたが、それと同時に、最近の特徴は公共部門の資金の需要が非常に大きくなっておる点でございます。ただいまのところ経済の伸びが鈍くなっておりますので、現実には銀行の設備投資資金の供給という面は余り目立っておりません。しかしながら、国債を中心といたします公共債の引き受けが非常に多くなっておりますので、そういう意味で銀行の資金については、必要なものは供給されておりますけれども、非常にだぶつくという感じではございません。しかし、その中でいま申し上げました公共部門の関係、中小企業関係、住宅関係、この三つについては相当高い割合で現実に貸し出しが行われております。この現状を見ましても、今後、銀行の資金配分機能の発揮というものがそういうものを重点に行われなければならない、またすでにそれが始まっておるということが申し上げられると思います。  ただ、われわれは、昭和四十年の初めにもそういうことを経験いたしましたが、低成長になると思っていた経済が意外に低成長でなくて高い成長になって、産業資金の需要が銀行に非常に大きく持ち込まれた経験を持っております。したがって、いまのところは経済がこういうような中だるみ状態でありますけれども、今後のことを考えますと、そういう産業関係の資金の需要が増大したときに、いま申し上げましたような公共関係、住宅関係、中小企業関係の資金の供給をどういうふうに確保するかということが非常に大事なことになろうかと思います。したがって、そういう点で、今後の銀行法改正を考えますときに、そういう資金の競合の場合にどうするかということをやはりわれわれとしてはよく検討しておかなければならない、われわれとしては資金の供給先の大事なところが抜けないようなやり方を金融機関として考えてもらう、そういう趣旨をどういうふうに今後織り込んでいくかということがわれわれの金融制度調査会における研究課題だ、こういうふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 いま私が申し上げたようなことは、一番基礎になる問題意識として金融構造と経済構造の変化というものを考えておるということでございます。それで、その集約のような形で、公共団体、地方自治体などそういうところへの資金配分あるいは中小企業への配分を豊かにしていく、あるいは住宅金融に配分をかなりウエートを持たしていく、こういうようなことに十分配慮をしたい、また、実態もそういうようになりつつあるということでありますが、そういう中で、高度成長時代のような、まさに企業優先、生産優先、産業優先というものの中から新しく住宅の問題であるとかあるいは生活福祉の問題、そういうものに潤沢に金融機関の資金が供給されていくことがやはり非常に必要な時代を迎えていると、こういうように佐々木参考人のお話を伺ってよろしいかと思うのです。ただ、先ほど最後に表明された点は、それはそれなりに私どもも正しく受けとめたいと思うのですが、私がいま申し上げたようなことでよろしゅうございますか。

佐々木直金融制度調査会会長

○佐々木参考人 ただいまおっしゃったとおりでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 金融政策の経験の非常に深い金融制度調査会長の佐々木さんが、まさにそういう方向であるということを確認をされたわけです。  さて、労働金庫の問題ですけれども、労働金庫は昭和三十一年で全国各県に一つずつ全部でき上がった。一番早いのは二十六年か五年だったと思いますが、ずっとその間に、各県にまさにきびすを接してできてきたわけですね。そのときに、これは言うならば異質の金融機関というような形だったろうと思うのです。最初から生活福祉金融あるいは消費金融と、日本の金融市場の中であるいは金融構造の中ではまさに異端的な、取り残された部分について、一般の賃金労働者、銀行へ行っても、預金に行けば喜ばれるけれども、貸してくれと言ったら全然それは相手にされない、そういう立場にあった人たちが、みずからの生活を高めるために、あるいは住宅を建てかえるために、あるいは子供たちの教育のために、いろいろな形で資金需要というものが労働者の中にも、生活が多様化し高度化すればするほど出てくるわけですね、それなしには労働者の生活の改善というものはないわけでありますから、そういう取り残された、それまでの金融市場の中では一般金融機関から相手にされなかった人たちが力を合わせて、協同組合原則にのっとりながら、相互扶助的に資金を寄せ集め、消費金融、生活金融、福祉金融を始めた、これが労働金庫ができた主たる理由であり趣旨であったと思うのですね。したがって、先ほど佐々木さんからおっしゃられたような方向に国全体としてもやはり向かわなければならぬというような時代を迎えているときに、最初からそのものずばりの生活金融、福祉金融という、そういう立場で出発した労働金庫に対して、大蔵省は一体、現時点に立って、これを大きく伸ばしていくおつもりがあるのか、あるいはそれをできる限り抑えていくような考えであるのか、その辺のところ、銀行局長、一体どうなんですか。どっちなんですか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 もちろん私ども、先生のいまのお言葉にございましたような、労働金庫の発展を抑えていくというような気持ちは毛頭ございません。やはり労働金庫がいまの金融制度の中でそれぞれ特色を発揮されて、そして協同組合というよさを生かして発展していかれるということに非常に関心を持っております。先ほど経過報告の中でも申し上げましたように、今回たまたま現在意見が違っておるわけでございますけれども、しかし、その過程で業務上の問題等の問題が出てきました場合には私ども検討して配慮するにやぶさかではないと申し上げておりますのは、一つはそういう考え方からのことでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 出発の当初において県単位に出発したという一県一行、例外が大阪にだけありますが、あとは一県一行ということでずっときているわけであります。そして現在、先ほど報告がありましたように、ことしの三月八日に全国統合に向けての内認可申請を出された。それは労働者の団体を会員とし、また、事業所の中で労働組合を結成してない、組織を持たない労働者、こういうものも会員になれるわけでありますが、その会員の人たちが、自分たちの必要に応じて、どうしても全国統合に向かわなければ本来の趣旨がよりよく発揮されないではないかと、そういう全国統合に向けてのニーズが高まってきている、こういう状況。特に労働金庫の場合に、全国的に組織が散らばっている全国組織の労働組合がばらばらに各出先の支部ごとにそれぞれの労金に加入するような形になっているわけでありますが、そういう大きい組合、全国的な規模の組合もみんな会員になっているわけですね。そういうものが非常に多いわけであります。特に官公庁関係だけじゃなしに、官公庁関係の労働組合なんかはもちろんのこと、公労協と言われる組合もそうだし、民間の産業等でも、全国に散らばっている支店綱、そういうようなものがばらばらに加入している。しかもそれがみんな一県一行の行政指導の上に立って、それぞれ力、いわゆる金融面での体質の差を反映して同一の取り扱いは受けない。金利の面でもあるいはその他の貸付条件等の面でもばらばらの待遇を受けている。そういうようなものは何ともどうもぐあい悪い、やはり全国組織というようなものはできる限り同じような待遇が得られるようにと、こういう考え方もあるわけです。さらにまた、そういう団体が労働者福祉のためのいろいろな協同組合をつくるとか生協のようなものをつくるとか、あるいは災害共済をつくるとか、そういうことがある。あるいは消費生活協同組合、こういうようなものをそういう人たちが寄り合ってつくっていくというようなこともあります。それから日本の住宅政策も、先ほど金融制度調査会でも住宅問題に資金配分をかなり傾斜さしていこうじゃないかという議論が出るくらい、この住宅政策というものは日本の場合非常に貧弱であったというようなことから、労働金庫が住宅問題に対して、労働者の需要にこたえて住宅資金の供給をやってきているわけですね。そういうようなことになりますと、これは何といいましても資金の需要は大型化してくる、こういうことになるわけですね。たとえば住宅生協等においても、一万平米の土地を買ったというようなことになりましても、何億、何十億という金が必要になる。そこへまた分譲住宅を建てるというようなことになりますと、その建設資金もかなり膨大なものになる。そうしますと、地方の一県一単位の労働金庫としては、貸し付けの制限条項等に触れて資金が供給できない、こういうようなことにもなる。もろもろのそういう問題が出てくる。しかも、全国組織ということで、その中で労働者の意に全く反した転勤というような事態、それが個別に各単位の金融機関でありますから、転勤をするといろいろその間にローンの問題あるいはローンに伴う一時償還を——転勤せよという命令をされて、これはもう本人の意思に全く関係なしに他県に転出をさせられる、こういうような事態を迎える。そういう場合に、労働金庫も非常に困難な手続をしなければならぬし、あるいはまた、そのことによって業務が伸び悩むというようなこともあるし、労働者本人にとってはまた大変な苦痛である。しかも、今度は別な労働金庫の方に行くわけですから、いままでローンを借りておったものを一時に繰り上げ償還をしてから向こうへ行ってもらいたいというようなことなんかあって、全然できないことになるわけですね。そういうようなことで、そういう面でも全国統合に向けて、必要性を労働者自身あるいはまた労働金庫自身が考えている。それから、その構成団体である労働組合も、そういう不便を何とかなくして全国一本の方向に持っていけば、同じような金利で同じような条件で借りられる。しかも異動をしても、どこへ行っても、一本の事務処理で片がついていくというようなことになれば、非常に大きなメリットが、労働金庫にもあるし、その構成団体である労働組合にもあるし、労働組合の労働者にもある。こういうようなことが非常に大きい主張になっていると思うのですね。そういう問題について、一体大蔵省はどういうようにそういう面をかなえてやろうかという気持ちがあるのか、その辺のところを伺いたいと思います。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 私どもの現在の本問題に対する基本的な考え方の方から御答弁を申し上げた方がよろしいかと存じますが、先ほど、一口に法制上の問題あるいは実態上の問題、こういうことで申し上げたわこでございますけれども、私どもは、大きく申しまして問題が二つあるように思っております。  一つは法制、制度上の問題でございます。これは現行の労働金庫法自体が、いまの四十七金庫あるいはそれに近い四十二金庫、こういうような規模での労働金庫というものを予想していない法律に相なっております。これは具体的に申し上げるまでもないと思いますが、そういうことでございますので、巨大な労働金庫ということになりますと、基本的に協同組織であるということを原則とした現行法には大変なじまないのではないか、現行法上の協同組織のよさを生かそうという幾つかの規定というものが働かなくなってしまう、やはりこれはいまの制度の基本から申しまして、大変大きな問題ではなかろうか、こういうふうに一つ思っております。  それからもう一つ、実態上の問題と申し上げましたのは、これはやはり労働金庫も大変重要な一つの種類の金融機関でございますから、その内容の細かいことを公式のところで申し上げるのは差し控えさせていただきたいと存じますが、ごく全般的に申し上げまして、やはり経営面あるいは内容面等で質的整備に一層努力していただきたいと私ども思っているところが、かなりあるように私どもは認識をいたしております。  四十を上回るような企業体が一緒になるということは、従来、金融機関の場合はもちろんでございますけれども、ほかでもほとんど例のないような大規模な大構想でございます。これは合併あるいは合同によりましてその合併の効率化のメリットとかいろいろな本来期待されるところがうまく発揮できるかどうかというところに私どもは大変心配せざるを得ない、こういうふうに考えるわけでございます。したがいまして、特に金融機関の場合でございますから、先ほど申し上げましたような諸点とあわせまして、金融機関の健全性の確保というようなところから、慎重の上にも慎重にこれは考えなければいかぬのではないか、こう考えておる次第でございます。  かたわら、また、労働金庫の中で四十七のうち四十二金庫が賛成しておられる、こういうふうに伺っておりますが、つまり、全体ではないということでございますと、その労働金庫全体としての中での意見の違いというようなものがはっきり出てきておるわけでございます。それがそのまま是認されていいものかどうかという点も私どもは疑問に思っておる一つでございます。  かたわら、先生がいろいろ御指摘になりました、現在労働金庫なりあるいはその会員の方々が取引面その他でいろいろ不便がある、こういうことを改善するのにほかに方法がないであろうかという検討がやはり必要なことだと思います。率直に言わせていただきますと、ただいま先生の御指摘になりました二、三の点、まだいろいろ不自由を感じておられる点はあろうかと思いますけれども、それを改善するには合併しかない、統合しかないという考え方には、私どもはかなりの飛躍があるのではないかという感じが、率直に申し上げて、いたすわけでございます。先ほどもちょっと申し上げました、いろいろ業務上の改善、その他のことにつきまして私どもも検討いたしたいと申し上げましたようなことは、実は具体的に先生が御指摘になりましたような諸点につきまして合理的な現実的な改善方法ということは考えられないだろうかということで勉強いたしておる次第でございます。ただ、いろいろいま御指摘の点は、私どもちょっと考えましても、まだこれから勉強を十分しなければならないと思いますが、考えましても、どうも法律改正を要するようなことが幾つかあるのではないか、こういう感じがいたします。  統合ではなくて業務面の改善ということで考えることができないかと考えますにつきましても、たとえばいまの労働金庫法におきましては、為替の取り扱いができないとかいうようなことになっておりますから、いろいろ法律の改正ということを国会に御相談しなければならないというようなことも起こってまいるかとは思いますが、私どもとしては、そこを具体的にどういうふうな解決策が考えられるかということを鋭意勉強したいと思っておるところでございます。これはいずれ、先ほど申し上げました労働省と労働金庫界と私どもと三者の御相談の過程で具体的な御相談が詰まっていくに応じまして、さらに検討を進めさせていただきたい、こう思っておる次第でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 労働金庫法には、第六十二条ですか、「金庫は、総会の議決を経て、他の金庫と合併し、又はその事業の全部若しくは一部を銀行若しくは他の金庫に譲り渡すことができる。」こういうので、後段は別にいたしまして、総会の議決を経て他の金庫と合併することができる、こういうことになって、少なくとも合併の道は開かれているわけですね。これが、全国に四十七金庫がある、そのうち四十二がそれぞれ所要の手続を経て、総会の議決を経て、しかもその構成団体の約一千万に近い人たちの大衆討議も行われ、きわめて民主的な方法によって——しかも労働金庫が発足した当時から、当初確かに一県一行だという形で出発して、またそれが今日までそれなりの機能を果たしてきた。しかしその出発の当初から、あるいはまた労働金庫をつくろうじゃないかという前段階において、当時の同盟、いまの同盟と必ずしも一緒でありませんけれども、そういうような労働組織等において労働銀行構想などというものが出て、これは全国一本のものに持っていくべきだという討議もなされ、決議もなされているというような実態もあるわけですね。そしてまた各行つくったけれども、やはり一県一行だけでは力が弱いというようなことから、つくった途端に全国統合を目指す動きというものはずっと根強くあったんですね。そういうものが四十年代になってかなり強くなってきたということで、先ほどいろいろ局長からもお話があったようなんですね。そういうことでずっと高まりを見せ、それぞれの所要の手続が、各金庫ごとにきわめて民主的な手続が踏まれて、四十七のうち四十二までが合併しよう、そして全国統合の一つの労働金庫をつくろうじゃないか。あとまあ、なるほど現在のところまだ五つ残っておりますが、これもほとんど一行残しぐらいには、ここ余り遠い将来ではなしに統合しようじゃないかということに手を挙げてくる可能性というものはかなり大きくはらんでいると思うのです。そういうような状態になったときに、しかも現実にだれのための労働金庫かと言えば、これは先ほどあなたもおっしゃったようにやはり労働者のためであり、労働組合のためである。そういう構成団体の人たちが本当にいま不便で困っている。もっと全国統合のメリットによってその不便を解消し、そしてさらに生活福祉金融の優越とは言わないけれども、それを直っ正面から、出発の当初から掲げてやってきた金融機関として発展する必要がある、こういうことこそまさに新しい福祉社会にふさわしい金融機関としてのあり方、そういうものの追求という本筋が大きく発展していくことになるだろうと思うのです。  ですから、当初、確かに、全国統合などということは予定していなかったというような言い方をされておりますけれども、労働金庫が発足したときに、私も栃木県の労働金庫それから群馬県にもちょっと行っておりまして、群馬県の労働金庫発足のときにもそういう実際の金庫づくりに参画をしたわけなんです。そのときから、やがては労働者が全国で一本になった金庫をつくろうじゃないかというような、そういうものは基礎にどこにでもあったんですよ。そういうことは銀行局長、直接その当時タッチされておらないはずだからわからなかったと思うのですが、そういうものです。  それで、確かに協同組合原則というようなことで、地域性、地縁性というようなものをかなり重視しなければならぬというお考えも大蔵省にはあるようであります。そして出発もそういうことだったし、いまの労働金庫法は全国統合を予定してつくったものではないということもわれわれも認める。しかしながら協同組合原則というものについては、一九六六年の国際生活協同組合会議の七原則というものが新しくつくられまして、これはこういうことを言っているのですね。これは国際的な民主的な討議を通じて言われていることですけれども、「すべての協同組合組織は、その組合員ならびにその協同体の利益にもっともよく奉仕するために、地方的・全国的ならびに国際的の各段階において、あらゆる可能な方法で、他の協同組合と積極的に協同すべきである。」協同組合と言えばロッチデール原則だというようなことだけであったけれども、こういうように全国的にやっていく方向が正しいということが、この一九六六年の国際会議において確認されている。そういう方向になっているし、たとえばスウェーデンあたりの生活協同組合なんかまさに全国組織だし、イギリス等においてもそういう全国組織になっていると思うのです。  そういうことを考えるならば、新しい角度から、もう地域性でいいんだ、それ以上には伸びてはいけないんだというような考えはそろそろ卒業してもらって、いいものはどんどん全国的に組織を伸ばしていき、全国一本の姿に統合しようという、みんなそういうことで、実際に不便をこうむっている人たちがその不便を解消するために、そしてよりよき生活福祉金融を受けるために、そういうニーズが今日の統合への根本にあるわけでありますから、そういう方向で行ってもらいたいと考えるのですが、協同組合というのは小さな地域の信用協同組合というようなものと同じように置くという思想なんですか。あるいは信用金庫というようなものが協同組合思想で、それを原則にして成り立っている金融機関だから、そういうところがまた全国統合なんて言い出すのじゃないかという心配などもあるので、この労働金庫の場合も考えられておるのか。先ほど局長が読み上げられた大蔵省の見解の中の、「労働金庫は協同組織の地域的な金融機関であることから、その全国統合は労働金庫を含む協同組織の金融制度のあり方などと深く関連するので、慎重に対処することが必要である」というようなところなんかは、やはりそういう心配しないでいいことまでよけいな心配をして、ほかに関連、波及したらいけないんだ、それじゃとても大蔵省、金融行政やりきれぬというようなことなんかが出ているんじゃないか、こういうように思うのですが、このいま私が読み上げた部分について、大蔵省の所見はどういうことですか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 私、申し上げましたのは、信用金庫あるいは信用組合が同じようなことを考えるのではないか、こういう心配をしているわけでは全くございません。恐らくそういうことは現実にもあり得ないことだろうと思います。信用金庫、信用組合が全部集まって一つになるというような話はあり得ないことだと思います。  ただ、私が申し上げましたのは、労働金庫自体につきまして、制度上の問題あるいは実態上の問題について心配をしておる、こういうことを申し上げたのでございます。繰り返しになりますようで恐縮でございますけれども、制度上の問題と申し上げましたのは、現行法が制定されたとき予定していなかったということばかりではございませんで、やはり全国的規模のものに相なるということになりますと、中の相互扶助というような考え方に発した協同組織ということを基本にしておるその協同組織のよさというものが失われてくるんではないか。失われてしまうであろう。それは、たとえば労働金庫法におきましては、少数会員権の保護というのは一般の商法の株式会社の株主などとは違って大変手厚く保護を受けておるわけでございます。しかしそういう点は現実的には大変むずかしくなってくるというような点、一例として申し上げますればそういう点もございまして、どの程度までがそれではいいのかということは、なかなか数量的に切りにくいところだと思います。思いますが、やはりわが国の場合に全国的規模ということになりますれば、協同組織のよさというものは、それを基本としておる制度には大変なじみにくい、こういうふうに思っておるわけでございます。  それから、さらに実態上の問題につきまして、先ほど申し上げましたように、さしあたって個々の労働金庫の経営内容の改善、向上ということにまず取り組む必要があるところがいろいろあるのではなかろうか、まずそこを当面やる必要があるというふうに考えて申し上げた次第でございまして、ほかへの波及その他を心配してではございませんで、労働金庫自体の制度のよさを生かした今後の発展のためには、全国統合というものは私どもは、大変危険なことである、実行には大変疑義を持っておる、こういうことで申し上げた次第であります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 なるほど、金融行政をつかさどっている銀行局としては、そういう心配もあるかもしれない。しかし、今度四十二金庫が全国統合を目指して、全部所定の手続を終わって申請まで歩調をそろえるというようなことになった。その中には非常に業績のいいところもあるし、確かに業績がちょっとふるわないな、悪いなというところもあるわけですよ。しかし、そういうものについていまのままで改めろということも、これはその県における労働者がどれだけおって、どれだけ加入をしているかとか、そういう実態で、いまのままでは改善がなかなかされない、何とかそれでも少しずつは前進はしておるわけです。現在でも倒産、破産というような、そういう事態に立ち至っているようなところは一つもないはずであります。これは、大蔵省の厳正な目から見れば、そして、百年に近いような実績を持っている普通銀行の状況から見れば、本当に体質が弱いなと思われるようなところはあるかと思うのですよ。そういうものはやはりいまの法制の枠の中、現行法の枠の中ではそれから飛躍できないという、まあその程度で、何とか辛うじて採算を合わしてやっていけるという程度である。そうだとするならば、そこの労働者に対しては、その金庫だけではより一層の発展的な前向きのサービスというのはなかなか改善されていかないんですね。そういう条件というものがやはりあるだろうと思うのです。そういうものを、全国統合の中で、もっと組合員のニーズにどんどんこたえられるような資金のやりくりということも統合の中でカバーされていくようなメリットもある。そういうようなことになれば、その全体の中で正しく伸びていける、そういうものになっていくだろう。こういうような前向きの立場をとれば、御心配になっているような面も、むしろ大きな力の一環という中で、これはもっと力をつけていくことができるのだ。そういうものをどうしてあなた方はお考えにならないのか。悪いところを含めば全体的に力が弱くなるものだということじゃなくて、たとえば、いますべての金融機関、もう信用組合なんかも県全体で業務提携をやってコンピューターシステムを入れようかというような、そういうコンピューターシステム、オンライン化を図っていくというようなものがどんどん進んでいる。しかし、労働金庫一行ごとではとうていそんな余力はない。そうすれば、業務の経費率を下げていこう、コストを下げていこうというような努力は一生懸命考えるけれども、やはりそういうものに乗れないというようなこともある。全国力を合わせればそういうこともできる。そうすれば、もっと経営も改善されるし、きわめて組合に対するサービスも向上していくという、そういう規模のメリットというようなものを、福祉生活金融としてそのものずばりで出発してきた機関が、そういう方向になぜ発展していけないのか。これは、なるほど、悪いところばかり見て、これを改善しない限りもうだめなんだ、こういう言い方じゃなしに、そういうところも全国統合の中から発展の方向に向かっていくという、その積極的な物の見方というか、前向きの見方というものを、この際やはりすべきが大蔵当局としての考えだと思うのです。  金融のことですから、金のことですから、きわめて慎重を期し、もし間違ったら大変だという気持ちもあなた方の腹の中で働いていることもわかりますよ。わかるけれども、しかし今日までとにもかくにも、どこも一行も別につぶれたこともないし、不正事件があって大量に使い込みをやって、それが倒産の原因になるなんということもないし、正常に、ただそのバックグラウンドが小さいというようなことで、あるいはまたその中で経営者の積極姿勢が足りなかったというようなことで業績が余り芳しくないというところがあるにもせよ、その程度だろうと思うのです、あなた方の心配されている今日経営状況というようなものが余り芳しくないというのは。そういうものも全体の中ではもっとよくなる、こういう明るい見通しを統合の中から見出していくべき段階だと思うのですが、そういうようには思えないですか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 大変恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように、基本的に、先生の御指摘のように私どもは金融機関として信用秩序の一環をなすものとしまして非常に慎重に考えなければならないと思っていることは、これは事実でございます。御指摘のとおりでございます。ただしかし、いま御指摘のようにそれだけが頭にある、こういうことではございませんで、本当に率直に申し上げまして、その四十の非常に多くの企業体が合併をするということは、まさにその企業の盛衰にとっては大変な冒険でございます。それはこの合併の規模の利益というものが果たしてそこでうまく具現されるかどうかということは、これはどこにもなかなか前例のないことでございます。したがいまして、私どもいろいろ考えてみますと、先ほど申し上げましたような法制上の問題と離れましても、実態上も疑問を呈さざるを得ないのでございます。  ただいま先生が御指摘になりましたような諸点につきまして、たとえば中央の機関の機能というようなものをどう考えるか、あるいは相互の業務提携というようなことをどう考えるか、普通の場合にも、普通の金融機関が合併、合同に進みます前段階としてもそういうことは普通ある話でございます、必ずなければいかぬというようなことではございませんけれども。しかしそういうようなことで現実のいまの不便さが救われる道はないだろうかということでございます。恐らくそういう点は具体的には先ほど申し上げましたこの三者間の御相談でお互いに理解を深めていこう、こういうことを現在続けておるわけでございますから、今後また話の出てくることかもしれませんが、私どもはそのお話が出てきましたときに、そういう諸点も含めてもちろん検討するつもりでございます。  基本的に、会員なり何なりの不便さがなくて、健全に共同組織として発展していくという気持ちであることは、これはお認めいただきたいと思うものでございますが、そういう現実的な方法が考えられないだろうかと思っておる次第でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 なるほどこの業務提携というようなことをもっと現実的に進めれば、少なくとも転勤に伴う預金の移しかえだとか、あるいはローンの場合でもそのまま肩がわりできるとか、あるいは月賦で返済しておったものを転勤によって一気に繰り上げ償還を求められるというようなことに何としても労働者は応ずることができない。そういう面でも、労働金庫に加入をして貯金をしあるいは借り入れをして取引をしておったということで致命傷になるような、そういうことなんかはある程度避けられるかもしれない。しかしそれはあくまでそれだけなんですよ。業務提携は業務提携だけのことなんです。この新しい時代にふさわしい、しかも労働者はいまや国の就業人口の中では六十何%、厳密なパーセントはやや違うかもしれぬけれども、就業労働者の中で賃金労働者は少なくとも六四、五%ぐらいにはなっているはずですよ。そういう労働者が労働組合をつくっている。まだまだ組織率も一〇〇%はとてもいかないけれども、しかしかなりのパーセンテージで組織されている。そういう人たちが会員になり、しかもそのほかにも、その区域の中に事業所があってそこに働いている労働者は会員ともなれる、こういう規定もあるわけでありますから、そういう意味では非常に数多くの労働者が生活をより一層充実さしていきたい、そのための金融を労働金庫から得たいという気持ち。それから、住宅等についても、いまや住宅金融なんかで、現在一番新しい数字で労働金庫の資金量は一兆四千九百億ぐらい、大体一兆五千億もう現在では突破しているだろうと思うのですが、そのくらいまで伸びてきた。それが預貸率七十何%ぐらいでしょうからあれですが、いずれにしても、貸出金の中に占める比率というのを見てみますと、これは五十年度の数字ですが、生活資金として貨し出されている部分が三二・一六%、住宅資金では四二・四九%、あと賃金対策、賃金遅払いになるというようなことに対して貸し付けをして賃金支払いをしたというようなことでしょう。それから、福利共済資金が五・四三%、生協資金として一一・〇六%、こういうぐあいに、貸し出しの中で、住宅等生活、賃金、福利共済というようなところに貸し出されている。こんな金融機関はどこにもないはずですよ。こういうものが、構成員のために、労働者のために、より資金供給がスムーズにできる、便利になる、こういうためには、全国統合というのは、先ほど言われました業務提携というものとは次元の違う問題意識としてきちんととらえておいていただかないと——転勤に伴ういろいろな不便というようなものはなるほど業務提携で一部解消される面も確かにありますよ。あるけれども、その発想というのはその段階だけなんですね。あと、資金も大型需要化している。それから、住宅資金等についても住宅生協というようなものが労働組合の付帯組織として発生をしている。生活協同組合もどんどん大型化している。資金需要はどんどん増大をしている。そういうものに対応できない。もうバックグラウンドが変わっている。そういうニーズに対してよりよくこたえていくんだという発想がなぜ生まれないのか。いいことならば進めてやったらどうですか。それが一つ。  それから、現行法上やはり非常に無理がある。なるほど四十二が一遍に集まるなんということは、日本の金融史上初めてのケースですよ。そのことはわれわれも認めております。大蔵省も非常に頭を痛めているだろうし、それが一本になってうまくやっていけるだろうかという点での心配もあるというのですが、そういう面では、これはそういう失敗にならないような指導というようなものを、むしろ積極的に方針を決めて、全国統合ではスケールメリットもあるし、構成員のニーズにこたえてやろうという民主的な気持ちもその中に働いたということで、そういう方向を進めるということに踏み切らない限り、新しい時代の、しかも国の就業人口の中でもう過半数をはるかに超えた労働者階級に対するこれからの金融面からの施策としては、実にそういうニーズに合ったものとしてこたえていく、そういうものには結びついていかないのじゃないかと思うのですね。そういう頭に切りかえて一歩踏み出す、百尺竿頭一歩を進める、そういうのがいまの時期ではないのかと考えるのですが、いかがですか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 いまの御指摘の中で、まず、たとえば業務提携ということで一部不便は解消されるであろうが、基本的には解決しないという点でございますけれども、私もそうだと思います。ただそこは、そのほかの点、たとえば資金需要が大型化しておるというような点につきましては、現在すでに労働金庫の場合には、他の金融機関よりも大口の信用集中の制限というのは少し緩やかな規制にしておりますし、また、もし非常に大きな資金集中が起こるということでございますれば、これはこれとして一つの問題であろうと思います。また、私先ほどちょっと申し上げましたが、その資金の労働金庫間の融通とか、あるいは資金の過不足を調整して、必要なところへ資金が流せるというようなことにつきましては、中央の労金連の機能にさらに検討さるべきところがあるのではないか、こういう感じがいたします。  いずれにいたしましても、繰り返して申すようで恐縮でございますが、いま御指摘の会員の方々の不便、あるいは労働金庫自体の業務運営上の不便さというものを解決するために統合しかない、統合という冒険を冒すしかないというところにどうも考え方の飛躍があると私は思うのでございます。議論を申し上げるようで大変恐縮でございますけれども、しかし、そのことによりまして、冒険を冒して、協同組合的組織の相互連帯的なよさ、制度的なよさというものが、現実問題としては失われていくというところが一番の問題ではなかろうかと私は思うのでございます。したがいまして、労働金庫のいまの不便さとかあるいは発展とかいうものに対して大変消極的ではないかというおしかりをいただいているように思いますけれども、決してそういう気持ちで申し上げているのではございませんで、実際的な業務の改善発展ということをいたしますのに、ほかの方法を考える方がいいのではなかろうかというのが私どもの現在の考え方でございます。ただ、それじゃ具体的にどういうことがあるかということにつきましては、いまちょうどいろいろな御相談が継続中でございますので、そこはいろいろ御相談してみないと具体的なことはむずかしいと思いますけれども、私どもはいまそう考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 ちょっと関連。いままでの広瀬委員に対する銀行局長の御答弁を聞いていますと、労働金庫の経営に対する非常な不信がある。これは労働組合から出てきた人が理事をやったり労働組合をある程度終わった人が理事をやったりしているから経営が不安定だというように、根底には金融の専門家ではないのではないかという不信があるような気がするんです、いままでの御答弁を私が聞いている範囲では。それを言うならば、たとえば直接的には言えないにしろ、地方銀行であるところの滋賀銀行でも足利銀行でも二億円、三億円と女の人が持っていったという事件もあれば、大都市銀行ですら不正融資というのが当委員会でもずいぶん問題になった。直接あなた方の監視している、検査の入っている銀行ですらそういうことをやっているわけですから、労働金庫の経営はどうも不安定なのではないかという御懸念はまず払拭してもらわなければいかぬのじゃないか。逆に、いま広瀬委員から御指摘があったように、貸出先については、景気の波をかぶる中小企業あるいは他の企業よりもむしろ安定をしています。もう労働金庫も二十五年の歴史を持っているわけですから、そういった意味では、どうも経営上の不安というものは——いま広瀬委員から御指摘があったように、地域地域によって労働金庫側も組合等に一生懸命働きかけをしているけれども、労働運動との関係もあってそれに十分応じていない、そういった意味で、うまく資金が集まってこないというところも事実あります。ありますが、二十五年たって、二十でこの道に入った人はもう四十五になって金融のプロパーにいるわけですから。どうもいままでの銀行局長の話を聞いていますと、労働金庫というと貸し出しが甘いのではないか、あるいは労働金庫は金融プロパーの人が必ずしも上に全部がおるわけではないからというようなことが聞こえるわけですね。ひとつそれを払拭してもらいたい。  それともう一つ、私たちが労働金庫の全国統合を強く要求するのは、労働金庫といえば、やはり大きな組合あるいは地域のみに存在する組合、こういう組合に所属する方々がいわゆる会員になるわけですね。そうしますと、広瀬委員から御指摘のあったように、地域が変わることもある、あるいは全国単産でおりていく縦の関係の組合に属する会員の方もいれば——その人たちは細かく見れば地域地域に住んでいるわけだけれども、そういう縦の系列の関係の方もあれば、その地域のみに存在する組合の組合員つまり会員の方もいらっしゃる。こういうふうに縦横両面があるわけですね。したがって、いまの個々別々の金融機関では、すでにここまで発展をしてきますとかなりの不便があるし、冒頭に金融制度調査会長である佐々木さんにも広瀬委員からお伺いをしたように、これからより一層生活なり福祉なりというものに重点を置く金融をさらに進めていこうとすると、いまの場合のように四十七というばらばらではどうしても無理がある、こういうふうなことですね。  ですから、私の質問としては、一点は、局長の話を聞くと、労働金庫というと余りどうも安定していないのではないか。理事が何人かは金融プロパーでない人もいるけれども、中の人は全部金融プロパーで育ってきているわけですから、二十五年もたっているわけですから、ひとつそういうのは払拭をしてもらいたい。  それから、私は関連ですから細かいことは申し上げませんが、単なる業務提携では限界が来ている、そういうふうに私は感ずるわけです。  ちょっとこの二点についてお答えを願いたいと思います。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 第一点の、私が労働金庫の経営陣に対して不信感を持っておるのではないかという点でございますが、私当人その意識は持っているわけではございませんけれども、そういうふうに佐藤先生お聞き取りいただいたのだとすれば、私の説明の仕方なり何なり大変不行き届きであったかと存じます。  それから実質的な後の点でございますけれども、先生も御指摘のように、全国的組織の労働組合もあり、地域組織の労働組合もあり、いずれもが労働金庫の会員になっている、これはまさにおっしゃるとおりの実態だろうと私も思っております。したがいまして、これに即応する労働金庫の方が、現在のような中央に労金連があって、全国の四十七金庫の中央において資金の調節その他の調整をやる機能を持っている、そうして各個々の単位の労働金庫がその地域地域に密着をして協同組織の制度を生かして機能する、この両立ての組織というのがやはり労働金庫の機能を発揮していただく上でいま一番合理的な制度ではないか、私がこう思っていることは事実でございます。  先ほどから申し上げております、協同組織のよさを生かしたいとかあるいはほかの現実的な解決方法が考えられないかという点で、現行の労金連の機能なり働きぶりというようなことがもっと十分ワークするようなやり方は考えていく方法があるのではないか。そうすれば、協同組織の地域地域の親密な関係という相互扶助的なよさというものは残しながら、いまの不便さは取り除いていけるのではないか。その間、業務提携というようなことも申し上げましたけれども、そういうような現実的な方法があるのではないかということで申し上げておるわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 局長、協同組合のよさを残したい、それが損なわれてはならないと先ほどから言われて、いま佐藤さんの関連質問にも言われたのだけれども、この全国統合によって協同組合のよさがなぜ損なわれるか。損なわれないということを何人か申請を出している申請者側は十分皆さんにも言っているはずですよ。いまの単位金庫が統括支店になる。そして支店網がそれぞれの県内に張りめぐらされている。そういうところの運営がほとんど何も——正式にそれぞれ役員会というのもいまの段階では栃木なら栃木、群馬なら群馬というようなところであるわけだけれども、そういう役員会というのは、それが実際に役員会ということではないにしても、運営協議会でも何でもいいですが、そういうようなものはやっぱりちゃんと残しながら、そしてそれは、もちろん非常勤ではあるけれども、地域の組合員のニーズをよくつかまえる、そしてそれにこたえるというような点では何らのマイナスもない。そういうことがどうして信頼できないのでしょうか。どうもよさが損なわれてしまう、全国統合になったらもうそれこそそういう協同組合のよさというものが失われるのだということは、それを捨てたらこれは全国統合どころじゃないと思うのですよ。それは捨てない、捨てないだけの組織的な運営というものは可能であるということは、これは申請者が最も配慮をしているところであって、あなた方のそれは取り越し苦労である、そういうように言わざるを得ないのです。労働組合というのは今日の社会の中で最も民主的な討議をするところであり、いろんな人の意見が一番発表され正しく集約されていく。そういう組織形態を反映して、やっぱり労働金庫でもそういう運営というものが行われているのです。そのことが決して失われないということは強く主張もされておるし、それを担保するだけの用意というものも十分あるのだ。それをそのよさが失われるだろうということは、ややどうも大蔵省として迫力のない、言うならば言いがかり的な、つけたりの、やっと考え出したへ理屈ではないか、こういうように思うのです。その辺のところはもっと労働者大衆、勤労大衆を信頼しなさいよ。それでやっていける、絶対それはそういう協同組合、共同組織としてのよさというものを十分温存しながらやる、それから離れたのならば労働金庫は労働金庫でなくなるのだという、そういう問題意識というものはやはりきちんと持っている人たちがやっているのですから、余り立ち入った御心配をなさらぬでも、いままでの金融構造、金融常識あるいは金融秩序の中からはそういう発想は生まれないのかもしれないけれども、これはやはり新しい日本のこれからの将来を展望した、二十一世紀を展望した金融政策の一つの大きな目になるだろうと思うのですよ。そういう意味でこれに対しては、大蔵省も監督の権限を最高度に前向きに発動するような形で、これをむしろ助成をするという立場をこの際表明していただきたいと思うのです。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 私が申し上げておりますのは、先ほども佐藤先生にお答え申し上げましたように、現在の経営者のおっしゃることに不信とかなんとかそういう個人的な気持ちで申し上げているわけでは決してございません。組織がそうなることによって必然的に起こってくるマイナスと申しますか、そういう点を心配をして申し上げておるわけでございます。したがいまして、再三御指摘をいただきますように前向きということで考えろ、こういうことでございますが、私は信用金庫の発展という角度からは前向きに考えておるつもりでございます。ただ、その具体的な方法について残念ながらいま金庫界と私どもと意見が違っておるわけでございまして、先生の御指摘ではございますが、私はいまの組織が全国的に一本になるということによっておっしゃるような問題が解決され、すべてがうまくいくという自信はとうてい持てないのでございまして、あわせまして、いまの法律上の制度自体には大変なじみにくい、制度上も大変疑問がある、この二点から申し上げておる次第でございます。そういうことでございまして、卑近な話が、私は協同組合のよさとかなんとか申し上げておりますが、いま協同組合組織自体が古い形ではもちろんいずれの協同組織のところもなくなってきておりますけれども、しかしそういう組織の中での相互の親密な連帯感というものが強く生きておることは大変強みだろうと思います。これはほかの協同組織である信用組合なり借用金庫なりが株式組織である銀行に対する強みを持っておるわけで、そのよさは生かしたい、こういうことで申し上げた次第でございまして、決して不信とかそういうことではございません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 協同組織のよさ、これは地域性というものをその中に非常に含ましている点ではないかと思うのです。地域性というかあるいは血縁性というか、そういうものを頭に描いて言っているのではないかと思うのですが、そういうものは全国統合によって損なわれるものでは断じてないし、その点での全国統合を目指している人たちも十二分な配慮をしながら、その一番いいところをぴしっと温存をしながら、むしろそれを強化しながら全国的規模に広げていく。すでにそういう面で、先進諸国で生協の発達しているイギリスとかあるいはスウェーデン等において、そういう全国組織でしかもちゃんと協同組織のよさというものを守っていまでも連綿として百年以上の歴史を保っているようなところもあるわけなんです。そういう方向にこれから出発をしていこうというのですから、もっと大蔵省も信頼をし、そういう心配のあるところは、どこが心配だということを指摘をしながら手助けをしていく、助成をしていくという方向で検討をさらに続けていただきたいと思うのです。  それで最後に伺っておきますが、先ほど三者の懇談協議、これは労働省、大蔵省、労働金庫側、こういうことでやられておって、局長も先ほど五つばかり問題点を挙げられましたけれども、それらの問題点について大蔵省の側のいろんな心配点というものを十二分にどんどん出していただいて、本当に腹を割った、しかもこれは金のことですから、数字の問題あるいは経費率の問題であるとか内部留保率の問題であるとか預貸率の問題とかいろんな金融機関としての適正な経理基準などの問題も含めて、そういうものについてもざっくばらんに、頻度をもっと増して——これは四、五、六と中断をしてしまって、ここのところしばらく一回も行われなかったようですね。七月に再開されたというようなこと、これはそれぞれ理由はあろうと思うが、月に一遍ぐらいしかやれぬというようなことですけれども、これだけ高まっているニーズ、しかも一千万の人たちが大衆討議をして盛り上げてきた動き、こういうものに対して、いままでの金融常識、いままでの金融秩序、いままでの金融構造、そういうものに固執する余り、それだけの民主的な積み上げの中で生まれてきた、しかも生活と福祉金融の実態の中からニーズによりよくこたえるための一つの方向として出してきたものに対して、もっと温かい目で大蔵省としても見ていってもらわなければならぬと思うのです。  そういうことで、きょうは初めてのあれですから、これから大蔵委員会の本委員会なりまたこの金融証券小委員会、こういうようなところで私どもももっと議論をし、皆さんの心配していることに対して、大丈夫だという確信を皆さんが抱けるように議論も展開したいと思うのですよ。したがってその間について、これは何と言っても労働省と大蔵省が共管で指導監督に当たっている。そしていわゆる統合申請をしている労働金庫協会、この三者懇談会というのをもう少し精力的にやる気持ちはありませんか。これを私は要望したいのです。月に少なくとも三回ぐらいずつ時間をとれないはずはないと思うのです。これからの新しい日本の誇るべき生活福祉金融への一つの広い真っすぐな大道を歩もうというその道を切り開くための会合なんですから、いろいろ忙しいことはあるでしょうが、本当にいいことはどこまでもいいのです。大きくすれば大きくするほどいいんだ、こういう本来の筋道、そういうものについてもっと大蔵省も熱心になってもらいたいということで、三者懇談会協議をもっと実のあるものにしていくように、一回ぐらいで勘弁してくれというようなことを最近大蔵省は言っているようだけれども、そういうことではなしに、少なくとも二回ないし三回ぐらい、欲を言えば三回だけれども、三回がむずかしければ少なくとも月二回ぐらいは定例日を設けて、そこで皆さんが疑問に思っていること、そして実態の数字なども突き合わせながら皆さんの心配が解消できる道を探り当てていく、こういう方向でひとつやっていただきたいと思うのですが、その点いかがでございますか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 ただいま先生から御指導の諸点は、私十分頭に入れまして、今後この三者協議に臨みたいと思っております。ただ、ただいま先生おっしゃるようにもちろん私ども気持ちはフランクに意見を申し上げたいと思いますが、これは三者いずれもがそういう気持ちになりませんとなかなか実が上がってまいりません。先ほどちょっと御指摘の春ごろ中断したではないかというような点も、先ほど申し上げましたようないろいろな経緯があったことでござざまして、私どもは決して不熱心になったということではないつもりでございます。したがいまして、この担当は中小金融課でございまして私どもの局の中でも一番多忙なところではございますけれども、先生おっしゃるような方向で、労働省等の御都合もあるかと思いますけれども、月に二回ぐらい御相談をする、これは当然のことではないかと思います。  ただそのほかに、私ども申し上げておるのでございますけれども、正式メンバーが全員ずらり集まるというのは、なかなか日がとりにくいのでございます。集まらなくても、個別に相談したいことがあればいつでもどうぞと申し上げておるのでございます。そういうような気持ちで御意見を承り、われわれの意見も申し上げて御相談をしてまいりたい、こう考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 いま、できる限り御趣旨に沿うようにしたいという御返事ですから、ぜひそれは真剣に三者協議を頻度を高めてやってもらいたいということを特に強く要望しておきます。  それから、これはついでと言っては何ですけれども、中小企業の倒産が十二カ月連続千件を突破するということで、最近、これは九月の数字でしたか、千三百五十七件、その前の月も千二百八十八件というようにだんだん倒産件数もふえてくる、こういう状況にあるわけです。負債金額がそれほどびっくりするほどのものではないということで、この前、大蔵委員会で大蔵大臣もそれほどわれわれシビアには受けとめてないというようなことを言っておるのでありますが、そういう傾向というものが、景気がもう一つぱっとしない、中だるみではないかというようなことがあり、景気の先行きの見通し等についてもいろいろ議論してみたいわけですが、時間がありませんのでそれはいずれやるといたしましても、とにかく普通の年であっても年末にはかなり中小企業金融にしわが寄る。しかもこれは前から準備はされておったにもせよ、財特法が通り、十月、十一月というようなところで大量に民間資金の政府資金への移行が行われるわけですね、吸い上げが行われる。こういうことになりますと、そういうことも含めて、これは果たして大量国債の発行がクラウディングアウトということに結びついたかどうか、そういうことは別にしましても、金融も暮れを迎えれば非常にタイトになる、こういうようなことは常識だし、しかも歳末においていつも中小企業の倒産がふえるという傾向は、少なくともいままでずうっと同じような傾向をたどってきているわけですから、中小企業金融の問題をひとつしっかり早目に対策を立てて対応しないと、こういうものでさらに倒産件数がウナギ登りに上るというようなことで、経済にとってあるいはまた社会問題としても大変な事態になりかねない要素というものがあるのではないかと私は思っているのですね。だから、そういう面から、大蔵省として、中小企業金融について、特に歳末に向けての万全の対策というものを強く要望したいのですが、その対応策について、いま大蔵省が考えている方策についてこの際お聞きをいたしておきたい。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 最近の金融市場、金融環境の方は、御案内のように大変量的に緩和が浸透いたしておりますし、金利も下がりつつあるということで、借り手側からは環境は大変よくなっておるというふうに判断をいたしておりますが、先生いま御指摘のいろいろな点がございます。景気がいま一つはっきりしないというようなこともございますし、その他やはり年末を控えましていろいろきめ細かい配慮も必要とされるものも、これは当然あると存じます。したがいまして、ただいま私どもは、中小企業庁の方といろいろ具体的な御相談を進めつつあるところでございます。まだ具体的にどうすると申し上げられるほど検討が詰まっておりませんで恐縮でございますが、基本的には、年末その他今後の中小企業金融について遺憾のないように政府、民間を通じまして考えてまいりたい、こう思っております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)小委員 あと関連質問が……。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 労金の全国統合についてもう一問だけ。  広瀬委員も言われましたように、これで論議が終わるわけではなく、きょうは出発のようにわれわれは考えていますから、次の議論に発展させるために、もう一問だけいままでの御答弁を聞いていてお伺いをしておきたいのは、いまの局長の御答弁を聞いていますと、協同組合というのはむしろ小さい方がいいんだ、小さければ小さい方が、協同組合というものの思想、組織、運営上それがいいんだというふうにとれるわけですね。  私は愛知県という人口五百九十万人の県から出ているものですから、余りそういう意識がないのですが、全国を歩いてみますと、たとえば福井県が大体八十万ぐらいの人口なんですね。石川県が百万ぐらい、青森、秋田が大体百二十万ぐらいですね。そういうことを考えてみますと、大都会の東京とか大阪とか神奈川、千葉、こういうものを除けば、あるいは福岡県を除けば、大体百万人にちょっとぐらいのところが県というような一つの単位になっているわけですね。それと、私のところの例をとって恐縮ですが、愛知県のように五百九十万というのをとってみますと、これは、いまの局長の論理をずっと突き詰めていきますと、やはり百万なら百万単位の小さい方が運営上も、協同組合の組織という面からいっても一番いいんだというふうになっちゃうわけですね。つまり、単位が、五百九十万も百二十万の県も一緒の一つの単位になっているというのは、いまの局長の答弁、論理づけからいくと、おかしいことになってきちゃうわけです。  私たちはむしろ、協同組合の基礎がここまである程度できてきたら、協同組合というものの思想なり運営方針なりを生かしながら、なおかつ全国統合した方が利用者の方々に便利だと考えて、大きい方がいいのだ、広い方が福祉生活金融という面からいいのだ、大きい方がいいのだというふうに考えているわけです。むしろ、いまの局長の御答弁をずっと聞いておりますと、大きくなると協同組合というものはその思想も薄れてくるし、運営の面でも非常にむずかしくなってくるのじゃないか、こういうふうにとれるわけですね。そうなってきますと、一体、私の方の愛知県の労働金庫みたいに五百九十万の県民のところ、福井県のように八十万の労働金庫、これからいくと非常におかしな論理になってきてしまうわけですね。私は、いまの局長の御答弁を聞いておりますと、小さい方がむしろいいのだというふうにとれた。しからば、次の議論の発展として、では一体、これは全国統合することによって協同組合として、局長の言われる協同組合の理念からいって、あるいは運営からいって——局長は銀行局長ですから、これは失敗があったら大変だ、しかも世界で四十二も一緒になるということは、これは恐らく皆無だと思うのですね。そういうものをする局長としてはいろいろな面で心配なさるのは当然だし、してもらわなければいかぬと思うのですが、しかし実際に、では全国統合した場合に、この協同組合の思想なりあるいは運営なりという面で具体的にどういう支障が出てくるのか。どうも、私の聞いた範囲での局長の御答弁は、その辺のところがかなり抽象的なような気がするのです。  きょうは私はこれだけで質問を終わりますけれども、御答弁をいただいて、これはまた次の大蔵委員会の機会にぜひ、なお発展させる意味において、最後に関連質問でお聞きをしておきたいと思うのです。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 どの程度の規模というところで一つ線が引かれるかということは、数字的にはっきり申し上げられることではないと思っております。ただ、一般的に申し上げますれば、それはやはり人的な連帯を感ずる範囲がどうであるかということであろうかと思います。それがどこまでならどうだと数字的にはまいりませんけれども、しかし非常に大きくなった場合には、そこは量的な変化が質的な変化に転化をするというのが社会事象としては当然の起こる現象だろうと思うのです。早い話が、何十万というような会員になり、あるいはその総代にしても万に達するような総代ということで、果たして連帯意識というようなものが出てくるかどうかということは、私の申し上げているその数字自体が論理的根拠のあるものではございませんけれども、非常に大きくなった場合にはやはりそこは質的な変化が起こるのではないか、こういう意味で申し上げたのであります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)小委員 ですから、そういう論理で突き詰めていきますと、福井県のように人口八十万人のところも労金が一つ、私の愛知県のように五百九十万の人口のところも労金が一つというのは、いまの局長の論理、考え方、思想からいくとおかしなことになるわけですよね。いわゆる人的な連帯感というのは一体どのくらいかということになりますと、その面からいくと、いまの局長の御答弁というものは論理的に合わないことになってくる。同じく大阪も一つ、東京も一つ、愛知県も一つ、小さな鳥取も一つ、福井県も一つということになってくると、これは論理的にどうしても合わなくなる。だから、もし銀行局という行政の立場で、どうしても協同組合組織というものが余り大きくなってはいかぬというのだったら、もう少し具体的に、それでは統合した場合には皆さん方の行政というベースで一体どういうものが起こってくるのか、ひとつこれを今後具体的に皆さん方とここでやり合っていきたい、こう思うのです。  いずれにしろ、私は、これは関連質問であるし、時間も来ましたので、きょうはこれを次の議論の発展の土台にさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。

山本幸雄自由民主党

○山本小委員長 荒木宏君。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木小委員 佐々木参考人には大変御苦労さまでございます。  この六月にも小委員会にお見えいただきまして、四月の中間報告などについていろいろ論議、質疑を交わしたのでありますが、私一口言いまして、あのときの論議は調査会の皆さん方がいろいろ作業を進めていらっしゃるわけでございますけれども、どうも実情や実態というものと離れている面がありやしないか、こういう指摘は一つあったと思うのです。各委員さん方から問題提起がありましたけれども、中には非現実的といいますか、余りに抽象的といいますかアカデミック過ぎるというような指摘をされた委員さんもおられまして、実際に金融問題で大変苦労したという、そういう人たちも一度呼んで話も聞いてみたらどうだろうか、こういう問題提起もありました。それから、また同時に、あの中間報告で言われました競争原理、市場原理というふうなことにつきましても、資金の配分についての公共性ということから、いまの体制の中でそんなに美しく言葉でそれぞれ掲げるような実態、仕組みができるだろうか、こういう問題提起もあったと思うのです。  参考人はそういったいろいろな論議に対して、きょうの論議は調査会のその後の質疑にも十分参考にさしていただきたい、こういうふうにお述べになったと記憶しているのですけれども、私は初めに伺いたいのですが、一つは、そういう確かに基本的な論議を進めておられる段階には違いないと思うのですが、実情把握の点でその後調査会運営にどのような工夫をしていただいたか。六月の小委員会論議を踏まえて、どういった点が取り入れていただいておるか、これが一点であります。  それからもう一つは、資金の配分の公共性。先ほども住宅だとかあるいは自治体金融とか、あるいは中小企業、福祉金融などありましたけれども、こうした国の政策に基づく資金配分の流れとそれから競争原理、市場原理からくる配分の流れとは、この仕組みの上で実際の効果を上げる点には相当工夫がいると思うのです。参考人御自身も前の委員会質疑のときになかなか無理な面があるというようにお答えになっておるのですけれども、いままでの伝統的な窓口規制でありますとか金利規制とか、あるいは行政指導とか、こういったこと以外に、この半年の論議の中で手法といいますか、具体的な将来の法律改正を目指してのとるべき手だての糸口といいますか、そういうような点についてどういう方向が出されておるか、その点をお聞かせいただきたいと思います。

佐々木直金融制度調査会会長

○佐々木参考人 最初の実情把握についてどういう新しい手を使っているかという御質問でございますけれども、結局金融実情の問題は、借り手と貸し手と両方から聞くということになろうかと思うのでありますが、そういう点は参考人その他に来ていただきまして、それからまた委員の中のメンバー、委員の中で借り手の立場の人もございますし、そういうところからできるだけ聞いておる。それからまた、数字その他につきましてはできるだけ実情をつかまえるのに必要なものを網羅するような努力はしております。それ以上に新しい提案があるという御報告はどうもできかねます。  それと同じことでございまして、いまの資金配分の上の公共性その他を維持する場合に、たとえば住宅金融をどの程度やるかとか、あるいは中小企業に対する融資を総体の融資の中でどれぐらいの程度にするかというようなことにつきましては、これは行政指導その他いままで使われた手法以外にはございません。全く新しいものがいまの手法として金融制度調査会の中の議論から生まれてきておる状態ではございません。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木小委員 私いま伺った感じでは、この春のああいった論議の中でいろいろ指摘された点が今後どういうふうに生かされていくか、これは十分われわれ自身もいろいろ論議をし、要望もさしていただかなければならぬと思いますが、いまおっしゃるなにでは、石油ショックのとき以来銀行に対する社会的な批判が強まって、それを制度的にも実のあるものにしていくという点からの期待が余り持てないような感じがするのです。  それで、きょうはその一つとしまして、市場原理、競争原理ということが言われておりますが、そのことが現在の金融実態の上でどういうふうに働いておるかということを参考人にお聞きもいただき、また大蔵省の措置も求めたいと思うのです。  一つは、預金獲得競争の行き過ぎの自粛であります。八月二十四日に全銀協が自粛徹底についてという文書をそれぞれ地方協会あるいは会員銀行に出されておりまして、何周年記念だとかあるいは〇〇円達成特別運動だとか、こういうことは十分自粛、全廃をしてほしい、こういう通達を出しておられますね。これは一つの取り組みでありますけれども、ところが日本の銀行界といいますか、実際のビヘービアは、一片の自粛通達だけでは直らないほど根が深いといいますか、病状が進んでいるといいますか、そういう実態ではないかと思うのですよ。  局長にお尋ねしたいのですが、その後相も変わらず続けられておるような事例についての報告には接しておられませんか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 私、その後これに反するような行為があったという報告は受けておりません。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木小委員 それでは一つ申し上げておきますが、これは全銀協加盟の東京都民銀行の例であります。  ここに文書がございますが、これは八月二日に二十五周年ということで期末日実質預金五千億。これは二十五周年の五千億といいますから二五五作戦とも呼ばれておるそうですが、こういうのが業務部長名で行内に通達が出されておりまして、二十五周年上期目標の必達、必ず達成しなければならぬ。これは特に新頭取就任に際して、各店の栄誉にかけて奮闘されたい。つまり各支店はおくれをとってはならぬということで、進軍ラッパが鳴らされておるわけです。やり方としましては、各店からそれぞれ大体上期目標の数字が上がってきますね。自主目標というのですか、それを集計しますと、四千九百二十億で八十億足らない。だから、特に都心店、それから商工業者の多い地域を扱う支店は一律一・二%上乗せだ、支店の実情だとかその自主目標は別にして全部上乗せだということで通達を出しまして、そして八月の十日には別途「営推ニュース」というのが全行員に出されまして、その体制を確立をする。そのためには、大体月中平残はいいんだけれども末日の数字が落ち込むので、末日の前の日には手形などの特別集金日にする。つまりその日の数字にぐっと上乗せになるように、前の日にはとにかく駆けずり回って手形を集めてこい、こういった通達が出されました。特に年率の低水準というのは、ほかの銀行が大変攻め込んでくるから、他行攻勢もあるからそれに負けちゃならぬということで、ずいぶん叱咤激励がありまして、ついに十月の一日、五千億大台達成を実現をした、非常におめでたいことである、全行員の汗と努力がここに結実を見たもので、この大台を固めて、さらにこの十月一日、きょうから新たな情熱を持って邁進をしたい、大変おめでたいので紅白のお祝いのお菓子を特に調達して配ったので、全行員へこれを配付してほしいという、こういう通達が出されているのです。お菓子の点についてまでどうこう言うのはいかがかと思いますが、この八月の二十四日に自粛通達を出されて、九月末にはいままでのペースをますます督励をしてとうとう山を登り切ったということでありますから、この自粛通達だけでなかなか効果が発揮されるとは私はちょっと思いかねるのです。  局長は全然知らぬと、こうおっしゃっておるのですけれども、後でこの文書は逐一また見ていただきたいと思いますが、どういうふうにお考えになるか、あるいは全銀協の方の通達だけでいいか、大蔵省としてこの具体的な事例についてもどう対処されるか、今後の一般的な指導についてひとつ御所見を伺いたいと思うのです。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 都民銀行の先生いま御指摘の点については、私ども承知しておりませんでしたが、もしそういうことでございますれば、私としては大変遺憾なことだと存じます。  それから今後どういうふうに対処するかという点でございますが、この全銀協の申し合わせ、これは各協会ともそういう申し合わせをいたしておりますけれども、その実行につきましては私どもも十分注目をし、具体的な是正の指導をしていくという心構えでおります。たとえば検査等の場合にも現実のやり方等十分見て、そうして是正すべきものは是正させる、こういう考え方でおります。  問題はいろいろあろうかと思いますが、先生御指摘のこの申し合わせの第三点にございますように、実質的な目標額、まあ企業としてある目標額を定めるということはあることだと思いますが、それが過大になるとか、あるいはやり方が非常識かつ無理がいくようなやり方をするとか、そういう点が問題でございますので、現実のやり方をよくながめまして是正をするように指導してまいりいりたい、こう考えております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木小委員 遺憾の意の表明だけで、依然としてこういうことが続くということはなおのこと遺憾でありまして、現実的な効果がよく上がるような指導を要請しておきたいのですが、参考人にもこうした実情が引き続き行われておるということはよく念頭に置いていただきたいと思うのです。一つは、こうした過度の預金獲得競争というものが職場の中で大変な労働強化を及ぼす、そうしたことがひいては法律違反、前に福島信金の五人亡くなられた例がちょうど六月のこの小委員会のときにも論議になりましたですけれども、そうしたことにまで及んでいくという、一方中間報告では競争原理だとかいうようなことが非常に前面に出てぐる。私はそうした関係も大いに念頭に置いていただきたいのであります。  ちょうど労働省見えていただいておりますので、婦人労働課長にお伺いしておきたいのですが、三和銀行で男女の同一賃金が守られていないということで申し立てがあったように聞いております。これは参議院の社会労働委員会で質疑になりまして、調査し、必要があれば改善指導を図りたいという答弁が局長からいただいたように聞いておるんですが、この問題についてのその後の処置をひとつ御報告をいただきたい、これが一点であります。  それから関連をしまして、これは金融機関直接じゃないのですけれども、たまたまお見えいただいておりますので、あわせてお尋ねしておきたいのですが、こうした金融機関の中で特に差別賃金の問題などが間々指摘されておるのですけれども、その背景にはやはり社会通念といいますか、いまの社会実態というものがあるという指摘が労働関係の審議会、あるいは研究会などでも指摘があるようですけれども、そういうことを是正していくという意味からもひとつ——繊維の分野で福助という企業がありますが、ここで就業規則の上では最低保障本給が男女同じように決められている。その上に男子だけ年齢、勤続年数によって上積みされておって、これが職種とか勤務実態もかかわりなく男女差別という結果が生じている。内容は若干前に申し上げてありますけれども、このことについてもあわせて調査、必要があればその上で指導改善の措置をとられるかどうか、これをお伺いしておきたいと思います。

倉橋義定労働省労働基準局監督課長

○倉橋説明員 いま先生から御指摘のありました二つのうちで、まず三和銀行の男女差の問題でございますが、ことしの十月十六日に同行の従業員の方々から、労基法第四条違反ということで、女子についての賃金差別があるというような申告が大阪の中央労働基準監督署にございました。本件につきましては、目下所轄署で調査中でございます。  福助の、いわゆる男子にのみ特別に保障給に上乗せしているという件でございますが、現在まだ関係労働者の方の申告がございません。内容につきましては所轄の署でもその関係を掌握しておりませんが、必要に応じまして、このような内容が労基法に違反することでありましたら、それについて是正措置を講じてまいりたいと思っております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木小委員 お見えいただいておりますので、あわせて、本年の二月十三日衆議院予算委員会で、都市銀行の役付の時間外労働について実態調査をして必要な是正措置を図るべし、こういう質疑がありまして、労働大臣の、実態把握をし、十分判断した上で適切に対処したいという答弁があり、局長からは、すでにその指導を始めております、できるだけ早く実態を把握したい、こういう答弁があったのですが、もう半年になりますが、その後の経過の御報告をいただきたい、これが一つであります。  それからあわせて、金融機関の職場における労働基準法違反で、ここにあります労働組合の資料によりますと、この二年間に十五の銀行で是正勧告が三十一件あった、こういう報告があります。ずいぶんたくさんのところがこういったことがあり、中には二回、三回と累犯を重ねておるところまであるわけですけれども、もちろん労働省の方でこういう所管は行政指導を進めておられるわけですが、数が多い、余りたび重なる、こういうところについては、業務上の監督官庁である大蔵省にも、通知といいますか連絡といいますか、大蔵行政を進める上で必要な参考事項として念頭に置いてもらうという意味からも、そういった措置を適宜必要に応じてとっていただくことも場合によっては必要なことではないか、こういうふうに思うのですが、その二点についてお伺いしたいと思います。

倉橋義定労働省労働基準局監督課長

○倉橋説明員 まず第一点の、都市銀行におきます労働基準法四十一条第二号、いわゆる管理監督者の地位に関します実態でございますが、早速、関係協会と申しますか、都市銀行、長期信用銀行、信託銀行におきまして、いろいろ調査のやり方等につきまして打ち合わせをしまして、ことしの春から、都市銀行十三行、長銀三行、信託銀行七行につきまして、合計二十三行でございますが、これの各本店及び営業店におきます管理監督組織の実態につきまして報告を求めたわけでございます。何せ各行の組織は膨大でございまして、また支店数、店舗数も多うございます。これらの報告が出てきておりますが、現在これらの報告をもとにいたしまして、個別の銀行につきまして実情の把握、分析をいたしておるところでございます。できるだけ早い機会に金融機関におきます管理監督者の範囲の区分けと申しますかをはっきりいたしたいと思っております。  二番目の問題でございますが、金融機関につきましては、特に労働時間を中心としての違反が多いわけでございます。これにつきまして、私ども相当の監督機関の主体的能力を投じまして、現在鋭意監督し、その是正を図っております。  先般も金融関係の協会の幹部の方に来ていただきまして、労働基準局長の方から労働基準法の遵守について厳正な警告をしたわけでございます。今後とも金融機関につきまして、法違反のないよう全力を挙げていきたいと思います。  もちろん労基法問題でございますから、労働省が所管する事項でございますので、労働省が中心となって問題の解決に努力してまいりたいと思いますが、各省の中で所管の事項にわたりまして、監督を通じ発見されたような事項につきまして、必要に応じまして関係機関に連絡をとってその解決を図っていただくということの措置も講じてまいりたいと思っております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木小委員 銀行局長に伺いますが、労働行政は労働省の方がおやりになるのですけれども、しかし金融機関の中でそんなのが次々と問題になってくる。違反の是正の勧告を受けたり、中には刑事立件をされるというような事態にまでなるところがある。しかもそれがずいぶん繰り返され、年月は長くということは、これはやはり十分大蔵行政の上でも念頭に置かれるべきことだと思うのですが、労働省の方からそういう連絡を受けられたときは、改善のために大蔵省としては一層指導強化をしていただきたいということ、これが一つです。  それから同時に、従業員の労働組合がありますが、これは職場によっては二つあるところもあるでしょうけれでも、そういったところからも十分実態を聞くような手だてもひとつ考えていただきたい。申し入れに行く場合によく実情を聞いてもらうということもありましょうし、それから検査の場合も、物的管理あるいは資金管理あるいは人的管理などもいろいろ効率化の上からも取り上げられておるようでありますから、そういう点について十分留意をいただきたい。これについての意見を伺いたいと思います。  それから、あわせて、時期が時期ですからちょっと伺っておきたいのですが、前回総選挙の前に、これは千葉銀行でありますが、「管理者ニュース」というのが出ましてその中で、従業員がいろいろ選挙についての活動をしておる。時間外であっても文書活動や会合への出席がわかれば全部報告をせい、こういうことで通達が四十七年十一月二十四日に出されております。今度は、四年たちまして、またぼつぼつ任期でありますから選挙があるのですけれども、この職場では、新入者教育というところでは、特にテキストの中で、地銀連という労働組合は日本共産党と全く同じ考え方だというふうな講習をやり、そして各種サークル、ここには民青とか労音とか労演とかありますけれども、こういうサークル活動についても、これは左翼活動で生活破壊という目的を持っておるという講習をしておるのですね、文書もありますけれども。ですから、何といいますか、公共的な性格を持っておるところで、時間外の活動だとかあるいはそういった文化活動などにまで政治的な意図を持った指示や教育をすることはいかがなものであろうか、こういうふうに思うのですが、現実にそういう実態がありますので、この二つについて局長の意見を伺いたいのであります。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 前段のお話の労働基準法違反というような問題につきましては、これはそういう法律違反というようなことをやるべきでないというのは当然のことでございまして、私どももそういうことを指導に当たってもちろん頭に置いてやっておる次第でございます。  ただ、労働問題自体は、先ほど労働省もお話しのように、労働省で御判定を願わなければなかなかはっきりしないというような諸点もございますので、私どもの方は、労働基準法を必ず守るように、それからそれに関する労働省の御指示に従うように、こういう指導をいたしておる次第でございます。  それから後段の人事管理上の問題等は、これはどうも私どもが銀行行政というような立場で何か申すというような性質のこととは大分その性質が違うように私いま伺ったのでございます。これは経営者がやはり良識をもって行動すべきことである。こういうふうに存じております。もちろんその間に法律違反とかそういうようなことがございますれば、私どもしかるべき注意をいたしたいと思いますが、基本的には経営者の良識にまつべきことではないか、こういうふうに考えております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木小委員 良識のある経営者がそろっておられるとそれでいいと思うのですけれども、しかし実際はそうじゃないでしょう。局長はあるいはごらんになったことがないかもしれないけれども、現実に職場ではそういうことをやっておるわけなんで、それを良識に任せますということは、そういった思想、信条問題に対する介入に目をつぶることになる。そのことが高じていけば、職場で紛争が起こる。資金の運用だとか、あるいは預金者に対するいろいろな迷惑とか、波及をしていくわけですから、いまのようなことだけで済まされるのかなという問題が起こります。少し広く見れば当然わかることなんで、局長が言われるようなことで済むかどうか。これは、きょうは小委員会でもありますから、事実を申し上げておいて、ひとつ十分念頭に置いていただきたいと思うのです。はっきりした答弁も伺いたいと思いますけれども、またの機会にします。よくないことははっきりしているんで、その点は十分考えてください。  それから、過当な競争が預金者にいろいろな影響を及ぼす。これは先般来問題になっております歩積み両建てなどにもいくと思うのです。この全国銀行協会から出された四十四年九月十六日の「拘束性預金比率の引下げおよび金利措置の促進について」というのを見ますと、どうも見返り預金の限度額といいますか、流動性の担保のない場合には、都銀は大体一五%、地銀は二〇%、相銀二五%、信金三〇%ぐらいで大蔵省の方は考えている、こういうふうな通達があるのですが、いまこの拘束預金の自粛問題についていろいろ討議が進められていますね。そこで、債務者預金の比率、これはいろいろな報道がありますけれども、どういうふうにされるのか。それから、もうこの際はっきりしょう、拘束預金は、拘束しているのはしている、していないのはしていないということで、明確に区別をしようというなにもありますが、こういう点についての方針はどうか。逆の相殺権をどの範囲で認めるかというのもあります。それから拘束の通知について、信金の五十万円以下を外すというのも撤廃しようというふうなことも出ておるようですが、この点。それから金利措置の一本化などについてどういう検討が進められており、局長通達がいつごろ出るか、これをひとつはっきりしていただきたいと思います。これが一つです。  それから苦情の窓口相談が、これは前の予算委員会でも伺ったのですが、いろいろやっているという話だったのですけれども、関東財務局では、プレートが出て、そして苦情相談の方は十何階かへいらっしゃいということでちゃんと表示があるのですね。ところが、近畿財務局はそういったなにがなくて、来られれば係長さんかだれかがお聞きするということになっているんで、やはり同じように出せるものなら、きちっと玄関なり部屋の入り口に、ここが苦情承りだ、関東財務局でやっているのだから、同じようにやるということで、この際ひとつ窓口体制も整備を進められてはどうか、これを伺っておきたいと思います。  時間が余りないので、答弁はなるべく要領よく。それから労働省の方はもうお聞きしましたので、お引き取りいただいて結構です。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 過当な歩積み両建ての整理促進の件につきましては、ただいま先生の御指摘のような点を中心に検討を進めておるところでございます。  若干申し上げますれば、拘束預金に当たるものの中身、特にこの間のアンケート調査で私ども一番問題があるのではないかと思っておりました俗に言うにらみ預金というようなものをなくす方向で考えておりまして、具体的には正式の担保、あるいはこれに準ずる手続をとったもの以外は、すべて預金者の自由な意思によって払い戻しができるというふうな仕切りをはっきりいたしたいと思っております。  それから、相殺権の問題につきましては、やはり債務者の方の相殺権の発動の手順等を明らかにいたしまして、両々相まってにらみ預金というようなものが実質的になくなるようにいたしたいと考えております。  通知の仕方、金利措置等につきましても御指摘のような方向でただいま検討いたしております。いつごろ結論が出せるかという御指摘でございますが、若干技術的な点等もございますので、ただいま鋭意詰めておりまして、遠からず結論を得て指示ができるもの、こういうふうに考えております。  苦情相談等につきましては、近畿財務局の部屋その他がどうなっているか、私ちょっと存じませんけれども、これはなかなか利用度が低くて、もう少し充実する方法はないかと考えているところでございまして、御指摘の点等改善すべきところがあれば改善を図りたいと存じます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木小委員 預金者との関係でもう一つ伺っておきたいのですが、いわゆる証書貸し付けの利息の取り方です。手形貸し付けや手形割引はいろいろな慣習があり、大体先取りということになっているようですが、私のところにもいろいろな陳情がありまして、証書貸し付けの場合に先取りされるのは腑に落ちぬというふうなことがあり、調べてみますと、国風金融公庫や中小企業金融公庫等、政府系の方は事業団なども含めて大体後取りになっておるという返事を伺っておるのですね。政府系の方で後取りにされておるというのは、一体どういうふうな理由からそうなっておるのでしょうか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 いまの御指摘は大変専門的な点でございますが、どうも考えますに、市中の銀行でも証書貸し付けについて後取りのもございますし、先取りのもあるようでございます。これは一にいままでの慣習から出てきた結果のようでございます。と申しますのは、証書貸し付けなどにつきましても、手形を併用してファイナンスをするということが従来大変多うございまして、そのときにはやはり手貸しと同じように先取りをやっておったわけでございます。その併用をやめましても、やはり特に表の金利が上げにくいというようなときに従来と同じ取り方をしてきておるものが続いておるということのようでございます。したがいまして、金融機関によりまして、後取りしかやってないところ、あるいは両方あるところ、先取りしかないところ等々あるようでございます。政府機関の方は、御案内のように手貸しというようなことは全くございませんで、いわゆる証書貸し付けの形でございますから、これは当初から利息は後取りにする、こういうことで行っておるというふうに存じます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木小委員 これは長年のこともあり、またいろいろな方式がありますから問題があると思うのですが、ただ私ども聞いていますのは、証書貸し付けで、しかもいわゆる制度融資といいますか、自治体がある程度預金をして見返りでという場合、それから借りる方が経済的な弱者の場合、この場合には、場合によっては先か後かでそれなりに響きが出る場合がある。ある団体が計算しますと、保証料ともで三百万円借り入れて、六カ月金利を先取りされると、実際の手取りが二百八十六万一千円だ。ですから、それこそつめで灯をともすような金繰りをやっているときに十万、二十万という金もこたえる場合がある。そういった場合には、取引先が希望すれば後払いという道を開いていくのが望ましいのではないかというふうに思うのですが、いかがなものでしょうか。大体証書貸し付けの場合に、利息の支払いの時期の原則というのはどうなっているのでしょうか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 先ほど申し上げましたように、理論的原則というのはどうもはっきりしないようでございます。現実には先生御指摘のようでございますが、銀行が政府機関と協調融資するような関係の場合には、政府機関全部後取りでございますから後取りをやっておるということのようでございます。ただ各府県等の制度融資等の関係でいろいろなケースがあるようでございます。そこは実は制度融資の趣旨に従って銀行が当該都道府県といろいろ御相談しているとは思いますけれども、やはりそこで条件にも響くという話でございますから、その趣旨に沿ってよく相談をして制度の趣旨を損なわないように、過重な負担にならないようにこういう措置をとるのが実際的ではなかろうかというふうに存じます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木小委員 原則はケース・バイ・ケースというお話だったのですが、東京銀行協会が編集をされた「金融取引用語事典」というのがあるのです。ここの証書貸し付けというのを見ますと、利息は原則として後払いである、こう書いてあるのですよ。手貸しじゃないですよ、証書の場合にです。しかも、これは大蔵省の銀行局が監修をされております。五十何人か執筆者がいらっしゃるのですが、そのうちの十何人かは、大蔵省の現職の公務員の方なんですよ。ですから、関係者が、銀行協会もその証書貸し付けの場合は後払いが原則と言っている。大蔵省が監修されて、それでよろしいとおっしゃっているんだから、それは個々の当事者間の契約で、これは強行規定ではないでしょうから、どうなるにしても、やはりこっちは非常に弱っているし、ちょっとでも欲しいし、時期も切迫しているし、しかも制度融資という趣旨もあり、それなら大蔵省の方から当事者間で適当にやりなさいと言うよりも、このなにのように、貸し付け、そういった場合には当事者の希望を満たすように考えてもらうのが望ましいとか、そういう意思表示はしてもらえないか。  現にこれは大阪府下の例ですが、摂津市というのがありまして、そこで関係業者の団体が全部の金融機関に申し入れたそうです。そうしますと、金融機関側の対応としては、自治体なり行政サイドから、少しどうかというお声がかかればやりましょうということで、いま大阪銀行、泉州銀行、大阪相互銀行、それから摂津信用金庫、十三信用金庫、尼崎信用金庫というふうに、ちょっと声がかかっただけでそういった動きが広まってきて、その点では非常に助かっているというのです。ですから、いろいろな対応の仕方があると思うのです。こうしたことも書いておられることでもあり、ひとつ検討してもらって、こういうケースの場合には後払いということが望ましいんじゃないか、あるいはできるだけ当事者とよく話をして、その意向がかなうように検討もされたいというふうな、何らかの検討、手だて、措置を考えてみられるべしと思うのですが、いかがですか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 問題はその借り入れ主の金利等の負担の問題であろうかと思います。ですから、金利水準がどうなるかということを外してはちょっとお答えがしにくいのでございますけれども、いまおっしゃいましたような制度融資等でその制度の趣旨が決まっておる、どの程度の負担で貸したいというようなときには、これはその負担に合わせるようにすべきことだと思います。ただ、その前か後かということは、ある意味では大変技術的なやり方の問題でもございますので、この辺は機械処理の関係等もあろうかと思いますので、これはそういう方面の専門の人とも勉強をさせていただきたいと思います。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木小委員 ひとつよく研究をしていただいて、前向きになるようにしてください。これは大阪で申し入れたら都銀関係は全部、ほかと相談をしてというふうに、どこでも皆逃げているのです。ですから、ちょっと趣旨を推していただければこの部分に限ってはある程度解決できることだと思いますので、宿題にしておきますので、ひとつ前向きによく検討してください。  時間が来ましたので最後に一言だけ、証券局長に見えていただいておりますので、長らくお待たせいたしましたが、先日来の新聞で地方取引所の問題がいろいろ報道されました。今月の十四、十五日でしたか、取引所の監理官会議で地方取引所の存廃問題について御発言があったような報道もあったわけですが、御承知のように中小業者、それから関係労働者、いろいろ生活や経営にもかかわる問題でもありまして、一つは言われております地盤沈下が望ましいものかどうか。ある程度は法則的な点もあるかもしれません。しかし成り行き任せということではなくて、やはり対策というものも必要だろうと思うのです。  時間もありませんし、相当いろいろな論議も出ておりますから、そういう点で関係者としては、証券局長は一体どういう先を考えておられるかという、これをひとつ聞きたいだろうと思いますので、きょうはその点だけを伺って、いろいろなわれわれの提起だとか要望、論議はまたの機会にさしていただきたいと思いますが、御答弁を願いたいと思います。

安井誠大蔵省証券局長

○安井政府委員 先生に申し上げるまでもないと思うのでありますけれども、地方の証券取引所問題と申しますのは、その地方に在住しておられる投資者の利便と、それから地元の企業の資金調達の場、その二つの目的があるんだろうと思います。それが、御承知のように経済の中央集中であるとかあるいは機械の近代化というようなことを通じましてだんだん全体の、全国の市場に占める地方の取引所の株式売買高のシェアが非常に減ってきているわけです。具体的に申し上げますと、東京、大阪、名古屋を除きますと、あと五つ取引所があるわけでございますけれども、その五つの取引所で全体の一・一%しか占めない。つまり三つの取引所で九八・九%も占めているというのが昭和五十年の実情でございます。  このためにどういうことが起こっているかと申しますと、現実にその地方の取引所の運営は、御承知のように取引をしておられる投資者の支払っております手数料、証券会社が払うことになりますけれども、その手数料と、それから上場会社が払っております上場賦課金というもので賄われるわけであります。これも数字を見てみますと、その取引所に上場はされているけれども、もうその取引所では値段がつかないために、東京あるいは大阪の方に出されている取引が相当多く上がっているわけでございますが、この部分につきましても、つまり取引所を経由してない取引につきましても現在はその取引所に会費として証券会社が納めているわけでございます。一株五銭とか六銭とかいうことでございますが納めている。それから上場会社にいたしましても重複上場いたしましたものが、全部とは申し上げませんけれども、ほとんど取引ができないにもかかわらず、やはり上場賦課金をその取引所に納めている。つまり、取引所というのは本来投資者のためにあり、地元企業のためにあるとするならば、いま申し上げましたような形で、大体取引所の収入の半分近く、その具体的な数字をもう少し詰めてみなければいかぬわけでありますけれども、半分近くがそういうもので賄われていて果していいのかなという非常な疑問を持つわけでございます。  これは何もいま始まった問題でございませんで、証券取引審議会におきましても昭和四十二年の答申の中で、地方取引所の問題というのは、いろいろ問題点を指摘した後——その問題点というのはいまなお、むしろそれがよけい問題化しているとは思うのでありますけれども、地方取引所の問題というのは、国が全国一律に決めるべきことではなくて、それぞれの地方取引所が中心になってどう運営していくかということを決めていくべきだろうという答申を出しているわけでありますけれども、私どもがいま申し上げておりますのは、そういう投資者なり上場企業に批判をされるような取引所の運営というものはいかがなものであろうか。この問取引所監理官の会議がございましたときにも、どういう実情になっているかということを細かく伺ったのであります。取引所の職員にいたしましても、特定銘柄についてげきたくはするけれども、一つもその日に株式の売買が成立していないというような日もあるわけでございまして、その辺私どもとしては、取引所と言えば——御承知のように取引所は、地方の証券会社とあるいは本店、東京に本店がありますけれども、地方の支店の証券会社とが会員でございます。その取引所自身、ということは会員としての証券会社が証券業者の立場、証券業者の立場というのはもう一つ投資者の立場を代表しなければいかぬわけでありますから、そういう立場を代表し、また、上場会社であるところの地元の経済界というものもよく御検討いただいて、それぞれの地域に合った取引所のあり方を考えてほしいということの問題提起をしたわけでございまして、直ちに存続するとか廃止するとかいう結論はとうてい簡単に出せる問題ではないと思っておるわけでございます。ただ問題提起をして、われわれ大蔵省の中でも議論はしたいと思いますし、証券業協会などにも問題をどういうふうに検討していくかということを検討してほしいということをお願いしているのが現状でございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木小委員 関係者のあれを聞いて、十分慎重にお願いしたいと思います。

山本幸雄自由民主党

○山本小委員長 坂口力君。

坂口力公明党

○坂口小委員 短な時間でございますので、二、三お聞きをさせていただいて終わりにさせていただきたいと思います。  参考人には大変お忙しい中をきょうはありがとうございます。  まず参考人に一、二先にお伺いをしておきたいと思います。  銀行法の改正等の問題に絡みまして、いろいろの議論があるわけでございますが、現行の銀行法というものが預金者保護という名において銀行を擁護しておりますけれども、その一方において、資金配分というものについて、その社会公共性と申しますか、社会公共のための適正な配分というものが、現在規定されていないということで、幾つかの問題提起をいままで私どももさせていただいたところでございます。  きょうお伺いしたいのは、従来の効率化行政というものから、いわゆる福祉金融行政へという言葉がございます。福祉金融とは何かという定義上のむずかしい問題もございますし、また、民間金融機関に福祉を負わせること自体が問題じゃないかという意見もあるわけでありまして、確固たる定義のもとに言われているというわけではなしに、何となく広い、ややぼけた中での議論ではございますけれども、そういう福祉金融行政という言葉があるわけでございまして、参考人自身どのようにお考えになり、またそれをどのようにしていったらいいというふうにお考えになっているか、もしも御意見がございましたらお聞かせいただきたいと思います。

佐々木直金融制度調査会会長

○佐々木参考人 いまの銀行法は昭和二年に制定されております。大正末期から昭和の初めにかけて非常に金融界が動揺した後でございますから、いま御指摘のように預金者保護ということが非常に表に出ております。しかし、この預金者保護ということは大事な点で、これはいまでもわれわれとしては尊重しなければならないと思います。  ただ、いまお話のございました資金配分の仕方、それにつきましては、いまの銀行法が法文で特別な指示はいたしておりません。ただ全体の法律の中に流れる考え方は、資金の運用もできるだけ安全運用を図って、預金者に迷惑をかけないようにということが大きな筋になっておるように思います。  ただいまの福祉金融行政といいますか、福祉金融というのは確かに新しい言葉であります。率直な私の意見を申し上げれば、金融というものには金利がかかりますから、金利のかかる金で福祉をするということは、直接的にはおかしなことだと思います。したがって、いまの福祉金融というのを私なりに理解しますならば、銀行の資金配分の場合に、その資金配分が社会的な、必要なところに流れていく、非常に特殊な、個人的なあるいは偏った金の流し方ではなくて、全体の必要を考えた資金の運用というものを考えていく、これがいまの社会に合った運用の仕方であり、あえて言うならばそれが福祉に沿うということになろうかと思います。

坂口力公明党

○坂口小委員 私もこの福祉金融という言葉に確固たる定義を持っているわけではございません。いま参考人がおっしゃいましたその後半、私も大体その線だろうと思うのです。たとえば住宅投資部門への資金配分というものをより大きくするとか、そういったことが金融制度をつくっていく上でどう取り入れられていくかというようなことが、今後の中で大きな問題になるのではないかと実は考えているわけでございまして、できればその辺のところをもう少しお伺いをしたいと思ったわけでございますが、もう一点お伺いしたいと思いますので、もしもおよろしければあわせてその辺の考えをお聞かせいただければと思います。  もう一点は、銀行の業績を見せていただきますと、好不況に関係なく莫大な利益というものが上がっているわけでありまして、銀行であります以上、利益が上がらなければ、マイナス、マイナスではこれはいかんともしがたいことは私たちにもよくわかるわけでありますけれども、一般の経済状態が非常に落ち込んでいるときでも、なおかつほかに比べますとその変化が少なく、むしろ企業の方からも、銀行というものはうらやましいというような感じで見られることが多いわけであります。一般企業の場合には、私いまさら申し上げるまでもなく、製品価格の引き下げ等によって利潤の消費者への還元ということが行われるわけでありますが、銀行の場合には、利潤の確保ということを法的に保証されておりますから、利用者及び社会的に利潤というものの還元を行っていないという問題がございます。この辺のところを今後改革をしていくならばどう位置づけていくかという大きな問題があろうと思いますが、この問題をもう一つあわせてお伺いして、次に進ませていただきたいと思います。

佐々木直金融制度調査会会長

○佐々木参考人 最初の住宅金融の点でございますが、ただいま申し上げましたように、社会的に必要な方面に資金を流していくと考えますと、住宅金融などはその中の重要な一環でございます。ただ、ただいま金融制度調査会で取り組んでおります銀行法の改正の場合に、法律自身にどの程度そういうことを書き込むことができるのか、これは非常に検討を要する点で、ただいまのところはいわゆる行政指導でその点は行われておるわけであります。今後こういう問題を最後まで詰めてまいりますと、どこまでが法律で、どこから後は行政指導に譲らなければならないか、そういうところの具体的な詰めが大事だと思います。いまのところ、その問題についてまだ具体的な詰めをいたすまでには至っておりませんが、やがてその時期が参ると思います。  それから第二番目の銀行がもうかる点でありますけれども、いまの金利につきましては、預金金利、貸出金利についてある程度の統制が行われております。したがって、いまのそういう金利の決め方では、まず総体といたしましてある程度の利幅は大体あるようになっておるわけであります。預金金利を非常に高くして、貸出金利を非常に低くして逆ざやにするというような金利の決め方にはなっておりません。それともう一つは、銀行間の競争の場合にも、一般の製造業と違いまして、取り扱っている商品が全部同一でございます。そういう非常に特殊な仕事であるという点もございまして、ある程度の利幅を持たせるということがやはり適当なやり方であると私も考えます。そういうことを前提といたしますと、全体の景気が悪い、相当の企業が赤字を出しているときも黒字の、額は時によって変化がございますけれども、黒字が続いておるという状態は今後もやはり考えられることだと思いますし、それから、先ほども御指摘がありましたけれども、金融機関のように預金者の金を預っているところでは赤字は出さない方がよろしいと思いますので、いまのようなやり方は、いまのその状態では正しいと思います。  ただ今後、金利の自由化が言われておりますが、その自由化がいますぐ完全な自由化にはとてもいかないと思います。ですから、まず第一歩は弾力化だと思いますが、完全に金利が自由化になった場合には、いまとはあるいは違った様相を呈するかもしれません。

坂口力公明党

○坂口小委員 金利の自由化の問題、いまちょっと言っていただきましたので、関連しまして、後で少しお伺いするつもりでおりましたが、続いてお聞かせいただきたいと思います。  いまも御指摘いただきましたように、金利の自由化というものをすぐ行えと言っても、これはかなりの無理がある問題で、いわゆる金利の弾力化ということになるのであろうと思います。金利の弾力化につきまして先進諸国でもいろいろの方法がとられているようでございますが、今後日本が金利の弾力化という問題に取り組んでいきます場合に、西ドイツや米国、英国、それぞれその国によりまして方法があるようでございますが、大体どういうふうな方向に向かっていったらよさそうというぐあいにお考えになっているのか、そこのオリエンテーションがつきつつありますればちょっとお話をいただきたいと思いますし、まだそこまで話が進んでいないということであればそれでも結構でございますが……。

佐々木直金融制度調査会会長

○佐々木参考人 いま弾力化の具体的な段取りが決まっておるということは申し上げられない状態だと思います。ただ、これから非常に多額の国債が発行されます。そうしますと、やはり金利の弾力化は債券の側にまず始まるのではないかという個人的な予測をいたしております。

坂口力公明党

○坂口小委員 ありがとうございます。  参考人に対する質問、一応これだけにさせていただきまして、次の拘束預金の問題を少し聞かせていただきます。  この拘束預金の問題、何度か大蔵委員会でも取り上げられておりますし、いろいろ議論の多いところでございますが、十月八日でございますか、参議院の大蔵委員会で銀行局長から民間の苦情処理機関を設置して事に当たりたいというような御発言があったかに聞いておるわけであります。現在拘束預金の状態というものが全国レベルでどういうふうになってきているかという実態的な把握をされているものがございますればひとつお示しをいただきたいと思いますし、そして、その苦情処理機関を設置して事に当たりたいということは具体的にどういうことなのか、突っ込んだところをひとつお聞かせをいただきたいと思います。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 まず、拘束預金の実態の方でございますが、これは私ども従来から定期的に毎年五月と十一月時点におきまして銀行から報告を徴しまして、拘束預金の数字がどうなっておるかということを見てまいった次第でございます。それで見ますと、率としてはだんだん下がってまいりまして、現在のところ中小企業向けの拘束預金が最近時点、昨年の十一月調査でございますが六・一%、それから全体では三・八%、こういうことになっております。これは貸出額に対する拘束預金の割合でございます。  ただ一方、公正取引委員会がやはりアンケート調査で各企業の万から、拘束預金の割合がどうなっておるか、御意見をおとりになっていらっしゃいますが、それを見ますと、これは公取の方は狭義の拘束預金、それから広義の拘束預金、二種類のものをとっておられます。その狭い方の非常に厳密な意味での拘束預金の数字の方は私どもの数字より低うございまして、やはり同じ時点でこれに該当しますものが三二%でございます。他方、しかし、広義の、広い意味での拘束預金というのは一七・二%、これが最近の公取の調査で出てきました数字でございます。  そこで、実は本年、衆議院でもいろいろ御指摘もございまして、私どもの方で直接企業の方に対しましてアンケートをいたしました。これは初めてやったわけでございます。三月に実施をいたしまして六月ごろまとめて御報告を申し上げたところでございますが、その内容は、拘束預金、はっきり拘束されているものが三・六%でございます。そのほかに実質的に払い戻しがどうもできないようだ、はっきり拘束はされていないけれども払い戻しが現実問題としてはできにくいと企業側が思っておられるのが一〇・九%でございまして、合わせて一四・五%、こういう数字が出ております。真理はその中間にあるのではないかという感じがいたしますが、実態はそういうことでございまして、私ども、俗に言うにらみ預金と申します、いまの一〇・九に当たるところでございます、その部分が一番問題ではなかろうかという感じを持っておりまして、ここはアンケート調査にも一部その徴候がうかがわれるのでございますが、銀行の方は拘束していないと思っておる。ところが借入者の方は、これは払い戻しに行ってもとても払い戻してはくれそうもないと思っておる、誤解のある部分がある。それからまた、実は銀行は正式に拘束していなくても、実際は本当にぐっとにらみをきかしておるというのも当然あるわけでございます。そこら辺が一番苦情なり悶着の種になる不満のあるところだと思いますので、この点を是正していくというのが当面の課題ではないか、こう考えた次第でございます。  したがいまして、いろいろな対策を考えております中の一つとして、個別的にそういう苦情、不満に対して、それに妥当な解決を見出すという方法として苦情相談所というものを拡充することは考えられないだろうか。現在御案内のように、各銀行協会等にも苦情相談所というような組織がございます。それから先ほど荒木先生から御指摘がございましたが、財務局にもそういう苦情を承るというような窓口を開いておるのでございますけれども、ただ、これがいずれもなお利用されている度合いが期待ほど多くございません。やはり債務者としてはなかなか来にくいというようなことも当然あるのだろうと思います。したがいまして、これをもっと充実して機能を上げるという方法はないものだろうかということが、苦情相談機関につきまして私が十月八日にお答え申し上げた私どもの問題意識の視点でございます。ただ、実際上考えてみますと、どういう人がどういう時間にどういうふうに当たるかというようなあたり、なかなかむずかしい問題がございまして、なお私どものいま宿題になっておるものでございます。ただいまどういうふうにこれをするかということをお答えできるほどまだ準備ができておりません。ただ、そういうふうな方向を一つ考えるのは有益ではなかろうかという宿題として考えておる次第でございます。

坂口力公明党

○坂口小委員 もしこれをつくられるとしましたら、どこへつくられることになるのでしょうか。いま詰められていないというお話でございますし、私はつくられるとしたらどこにできるのだろうかとちょっと考えたわけですが、もしつくるとしたら、決定的なものではないでしょうけれども、大体どこにつくるお考えですか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 なかなかそこら辺が一つのむずかしいところでございまして、現在でも、たとえば商工会議所の中などに関係者が出向いて苦情を承るというようなやり方のところもあるわけでございます。ただ、これも利用がなかなかうまくいかない、十分大ぜいが相談に見えるというところまでいっていないということもございますので、そこら辺のやり方も実はどうやったら一番うまくいくだろうかというところが宿題になっておりまして、まだ私はっきり考えがまとまっておらない状況でございます。

坂口力公明党

○坂口小委員 えらく突っ込んで聞きますが、大体いつごろまでに決着をつけられる御予定でございますか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 拘束預金に関しますその他の諸点、先ほども御答弁申し上げましたように、にらみ預金を解消するための見合いをなくしますとか、あるいは銀取約定書の所要の改善を加えるとかという点につきましては、近い時期に結論を出せると思っておりますが、いま御指摘の苦情相談機関の拡充あるいは充実という点につきましては、ただいまのところちょっと自信がございません。しかし、これを宿題として関係者の間で今後も相談を進めていきたい、こう思っております。したがいまして、いつまでとお答えできる段階にはまだなっておりません。

坂口力公明党

○坂口小委員 それから、先ほど統計的な資料をお示しいただいたのですが、その中で狭義と広義の二つに分けておっしゃいましたときに、その広義と言いましたときには大体どの辺まで入っておりますか。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 これはアンケートを受け取られた企業の方がある程度は主観的に、どうもこれは払い出しに行っても払い出せそうにないと思っている預金でございます。だから大分主観的な要素が入っていると思います。

坂口力公明党

○坂口小委員 解決はなかなかむずかしい面もあると思うのですが、だんだん段階的に解消をしていくか、それとも完全に法的に規制するか、これは規制するといってもなかなか境界線でむずかしい点もあろうかと思いますが、聞くところによりますと、米国型のコンペンセーション方式でありますとか、あるいは実質金利引き下げ方式だとか、いろいろ外国にも例はあるようでございますし、今後もしそういった方法を導入されていくようなお考えがあればお聞かせをいただきたいと思いますし、また別な面で、この苦情承りだけではなしに解決方法として現在の制度的な改革でありますとか、いろいろな面でお考えになっていることがありましたらひとつお答えいただきたいと思います。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 この問題は先生御指摘のように大変複雑な取引の過程から生ずる問題でございますので、なかなか一刀両断のうまい解決策というのはむずかしいことだと思っております。したがいまして、先ほど申し上げましたような諸点が当面私どもが実際的ではないかと考えておるところでございますが、いま御示唆のございましたような方式等も一つの宿題であろうかと思います。  ただ、いろいろ勉強してみるとなにでございますけれども、たとえばいまのお話に関連をいたしまして、外国式のコンペンセーションというような方式でやります場合には、コンペンセーションかなり高目のものでございますので、現実が先ほど申し上げましたような、本当の拘束預金というのは三%台というようなことでございますれば、これはむしろ高くなってしまうということでございます。一割とか二割とかコンペンセーションを取ることがもし是認されるといたしますと、これはむしろ逆の方向になりますし、そうかといって広義の方の、いまの一〇・九%に当たる部分の中身というのは千差万別でございますので、一律にうまい方法に乗るかどうかというような点もございます。  また、私ども検討の過程で、債務者預金の一定額を基準として金利措置というような、ただいまちょっと御示唆もございましたようなことも実はいろいろ議論をしてみたのでございますけれども、これは取引が複雑になっております取引者の場合には定期預金ばかりでなくていろいろ要求払い預金等たくさん口座がございまして、これは日々非常に変動をいたしておるわけでございますので、どの取引のどの貸し出しの部分をどういうふうにするかというのは技術的にはなかなかむずかしいところでございます。  したがいまして実際的な当面の是正改善方策といたしまして、いまの手続面等をはっきりさせて、そして過当な拘束預金の割合を下げていく、この両者相まって実質的な改善を図りたい、こう思っておるところでございまして、いろいろその他の点も、これで終わりということではもちろんございませんで、今後の宿題として勉強させていただきたい、こう思っております。

坂口力公明党

○坂口小委員 中小企業等のところを回りましても、前に比へますとそれそれの銀行の——まあいろいろございますが、拘束預金についての考え方が大分改められてきた、こういう話がかなりございますので、皆さん方の方からいろいろ指導をしていただいておるのが少しずつは浸透してきているという感を私たちも受けるわけです。しかし中にはまだ依然としてというところもあるようでありますし、銀行による、あるいはまたその大きい小さいによる差もあるようでございまして一律ではございませんが、しかし以前のような形から全体的な平均値で申しますと改善はされてきているという声がかなりあることは事実でございます。しかしこれで、いまでよしということになってしまいますと、またいつの日にかもとのもくあみということになりかねない現状でありますので、ちょっと何か一つの歯どめというものができれば、あるいはそういう方法があればと思うわけでありますけれども、御指摘のように非常にむずかしい面があることは私どもの方も重々承知をしているわけであります。しかし、ただむずかしいからというので手をこまねいてということになりますと、これもまた困るものですから、その辺のところをいい方法をお考えいただきたいと思います。ひとつお願いをしておきたい。  それから、もう時間がほとんどなくなっているのですが、先ほど参考人に金利の弾力化の問題をちょっとお聞きをしたのですが、一点だけお聞きをしておいて終わりにしたいと思います。  先ほど参考人の方も、金利の弾力化について今後どういうふうな方針にのっとっていくかというその辺のオリエンテーションはまだはっきりしていないというお考えでありまして、この弾力化は、ちょっと私ははっきりよく伺えなかったのだが、何か国債等のところからある程度取り入れていくようなことをちょっと言われたと思います。この金利の自由化あるいは弾力化に絡みまして現在取り組んでおみえになるところがあればひとつお話しいただきたいと思います。

後藤達太大蔵省銀行局長

○後藤(達)政府委員 先ほど会長が申されましたのは、大量の国債発行下で——そういう経済になるわけでございますから、債券市場の方の条件の弾力化ということが先に立つのではないかとおっしゃられたように私拝聴いたしましたが、それはやはり一つの御意見であろうと私も存じます。  現実にただいまどういうふうになっておるかという点は、この弾力化の方は、制度的に弾力化が阻害されておるという点もございますが、非常に多くの債券の条件とか金利とかは大体制度的にそうリジッドには枠がはまってない、むしろ関係者の実行問題に属する部分が大変多いように存じます。たとえば銀行で申しますれば貸出金利というのはプライムレートとかあるいは並手の最高限度とかいうような一応の規制はなくはございませんけれども、現実は、その下で銀行によって大変フリーに動いております。したがいまして、預金金利が一番動きにくくなっておるわけでございます。  この預金金利の自由化につきましては大変問題があることは、先ほど来御指摘のとおりでございます。これを弾力的に動かすということは一つの宿題であろうと思います。調査会の先般の報告でも特に、弾力的に動かすということを関係者がやるべきであるという御指摘がございまして、私どもそこで感じますのは、いまの預金金利の決定方式と郵便貯金の決定方式とが別々になっておって、現実に弾力的に動きます場合になかなか動きにくいという面がございます。したがいまして、その調査会の中間取りまとめでも、そこら辺を一緒に動けるようにする方策を考えろという宿題をいただいております。そこら辺は、私どもがこれから実際問題として具体的にどう考えるか勉強しなければならないことだと思っております。  そのほかの債券等の諸点につきましては、制度的な制約と申しますよりは、実際に条件を決めます場合の決め方の問題であろうかと思っております。そういう方向で関係者が対処していくべき問題ではなかろうか、こういうふうに考えております。

坂口力公明党

○坂口小委員 時間が済んでおりますので、これだけにさせていただきますが、この問題もぜひ早目にひとつ結論を出していただきたいと思います。  では、これで終わります。

山本幸雄自由民主党

○山本小委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後五時二分散会

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