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77回国会参議院1976/05/04

予算委員会 第8号

発言数
451
登壇者
31
会派数
2
開催日
1976/05/04

会議録

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  理事の辞任及び補欠選任についてお諮りいたします。  内藤功君から、都合により理事を辞任いたしたい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  補欠選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に渡辺武君を、また、委員の辞任に伴う補欠として木島則夫君を、それぞれ指名いたします。     —————————————

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 昭和五十一年度一般会計予算  昭和五十一年度特別会計予算  昭和五十一年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。  前回に引き続き、総括質疑を続行いたします。森中守義君。

森中守義日本社会党

○森中守義君 アメリカへの特使をお出しになりますが、これは議長裁定の第二項によるものかどうか、確認をしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 特使派遣は、真相解明というこの大目的が全体としての特使派遣の大きな目的でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうじゃないのですよ。いま私がお聞きしたのは、議長裁定の二項で特使派遣が合意されておりますね、そういうものを踏まえるものかどうか、こういう確認を求めているんです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 第二項に、森中君の御指摘のように、ロッキード問題解明のために政府が特使の派遣を行うという、まあ国会の議員団のことも書いてございますが、政府に関してはロッキード問題解明のための政府の特使、こういうふうに考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 特使にはどなたを起用されるのですか。出発はいつになりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 十日過ぎと思っています。まだ確定した出発の日にちは決まっておりませんが、十日過ぎにできるだけ早く派遣をいたしたいと考えております。前国連大使斉藤鎮男君であります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これはいささか蛇足ですけれども、どういう資格を付与されるのですか。つまり、外務公務員法でそれぞれの任務が与えられておりますが、どれに該当いたしますか、ただ特使ではわからない。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 本人は、国連大使はすでに職を解かれておりますけれども、大使としての身分は法律上持っております。この際しかし、このような使命を持って参りますので、特派大使としての閣議における発令をお願いをしようと考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 特派大使ですね。わかりました。  それから目的は何ですか。この議長裁定の二項では、「ロッキード問題解明のため」という特別な合意によるものですが、具体的にはどういうような内容ですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 一つには、日本のロッキード問題に対する実情を伝えて、日米間の相互理解というものを深めたい。また、これから新しい資料——いままでの資料というものは全部提供されることになっておりますが、これからの新しい資料があれば提供を受ける等、ロッキード問題に対する真相解明に日米の相互協力というものを今後とも継続して推進していくということ、これに対しての話し合い、またもう一つは、大統領の親書の中にもありましたように、ますます国際化されて、多国籍企業の問題というものは今後もいろいろと関連を持ってくるわけでありますから、多国籍企業の不正行為というものを防止することが必要である。アメリカにおいてもリチャードソンという商務長官が中心になって閣僚の懇談会もできておりますから、日米間の不正防止に対する協力ということについて話し合いもしたいと、こういう目的を持たしたいと考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 どうもやっぱりそれだけでは納得できません。いま指摘いたしましたように、議長裁定の二項を踏まえるという厳しい前提があるわけです。総理の言われる三点にわたる特派大使の目的ということでは、必ずしも議長裁定二項を受諾した経緯からしてどうしても得心できない。  つまり、具体的にお尋ねしますが、すでに取り決められている捜査協定、このことが議長裁定の四項にももろにかぶってくるわけです。つまり推移を見て刑事訴訟法四十七条ただし書きを発動する、こういう実は前提として私は理解する。それならば、捜査協定がかぶされている以上、どうしても四項を満たしていくには日米の捜査協定をやり直す、つまり再交渉ということが具体的に特派大使の大きな任務にならなければならない、こう思うんですが、どうでしょう。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 森中君もお聞き及びだと思いますが、両院議長の裁定が出る場合に、五つの政党の党首が寄って、議長の裁定案、これに対しての解釈をめぐって話し合ったわけでございますが、いずれの党首からも再交渉という話は一切出ておりません。したがって、われわれは今後、両院議長の裁定という異例の裁定案が出て、国会が審議を開始して正常化されたのでございますから、その議長裁定を誠実に履行していこうと考えております。  再交渉というような話は一切出なかったということでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それは総理おかしいですよ。党首会談、議長裁定で再交渉という言葉がどの党首からも出なかった、私は出なかったのがあたりまえ。なぜかならば、四項の中で、捜査の推移を見て、事態の推移を見て刑事訴訟法四十七条ただし書きを踏まえるというような、そういう理解と認識を各党首が持っているわけですから、それを満たすにはどうしても日米再交渉というものが前提であろう。少なくとも社会党の党首成田知巳委員長はそういう理解のもとに議長裁定、ことに四項を受諾したわけですから、事改めて再交渉という話をする必要はない。むしろ、これは総理であり与党の党首としてあなたがそのように理解さるべきである。特派大使の派遣に当たっては、当然そのことが特派大使の主要な任務でなければならない、こういうことに通ずるのじゃないでしょうか。納得できません。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 第四項目というものは、これは日本の捜査当局がいろいろと捜査をしたその結果を踏まえて、そして刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえた上で事件の解明に最善の努力をしようということでございますから、日本の捜査当局が、アメリカの資料も参考にはなるでしょうけれども、要は日本の捜査当局が全能力を挙げて日本でいろいろと捜査活動をやって、その結果に基づいてのこれは第四項目でございますから、日米間のこれは話し合いが関連をするとは思っておりません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総理、ロッキード事件の解明ということは、ひとりこれは捜査当局だけじゃない、むしろ私は政治的な角度からの解明というのが重要である、こういうふうに思うんです。そこで、二項に言う特使派遣の問題解明ということば、そのいずれも指しているわけですよ。ところが、現実に国会で国政調査という角度からいろいろ物を問えば、つまり日米捜査協定を理由に全部ノーと言われる。そういうことをまじめに真剣に、日米間の一つの大きな盾になっているわけですから、そのことをもう一回考え直してほしい。私ども社会党は、アメリカ側のそういう出方を指揮権発動というこういう認識を持っている。少なくとも国政調査というものを日米捜査という壁の前に政府が拒む一つの理由にもなっているようにも思いますから、この措置をとらずして何の特使の意味があるんですか。もう少し真剣にお考えいただきたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 森中君にもお考え願いたいのは、御承知のような国会の決議を踏まえて私ども異例の親書を書いた、そのことが今回アメリカの全資料を提供される大きなやっぱりこれは動機になったと思うんです。アメリカの資料は、昨年の十二月のアメリカの地方裁判所において第三者に提供してはならぬという決定がなされておるわけですね。それが国会決議を踏まえて私自身の親書、こういうので、アメリカはアメリカの法制あるいは慣行に反しない限りは最大限度の協力をしようという決定をしたわけです。その決定に従って捜査当局同士が日米間の協定を、実務者間の取り決めをして資料が来ることになったわけでございます。だから、アメリカとすれば、そういう裁判所の決定もあり、断ることも可能であったでしょう。しかし、やっぱりこの国会の決議、総理の親書、これは最大限度の協力をしなければならぬというので、裁判所に対して一部解除の手続をとって日本にこれを渡そうということにしたわけでございますから、私としては、大統領がぎりぎりのやはり決定をしたものだと受け取っておるわけでございます。  そういうことで、しかもそのアメリカのつけた理由というのが、いますぐに資料を公開してしまったのでは捜査のあるいは調査の妨害になる。それはどこの国でも一つの犯罪捜査の大原則でありますから、どこの国だって、捜査途中に資料を皆公開してしまって手のうちを見せることは、捜査、調査の妨害になることは明らかである、また人権の侵害にもなる、こういう二つの理由から、それはアメリカの法律あるいは慣行に基づいている。たとえばアメリカの情報自由に関する法律の中にも、捜査途中のそういう資料は公表はしないという例外規定を持っておりますから、だからアメリカのそういう法律にもよっておるし、またそれが不当な要求でもありませんから、アメリカの大統領の書簡の趣旨を理解して、これを日本政府は受諾をして取り決めをしたわけでございます。この大統領書簡をもう一遍もとに返すという考え方は持っていないわけでございます。  したがって、今後の真相解明のためにアメリカ自身も調査、捜査をいたしておるわけでございますから、そこで得られた資料は全部日本に提供を受けて、真相解明のために日米間で今後とも協力をしていこうということは、真相解明のために非常に私は役立つと考えるわけでございまして、そのことが議長裁定の大きな精神に反するとは考えておらないわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総理、お言葉ですがね、そうしますと、いま、捜査妨害になる、人権の問題と、こう言われるなら、すべて捜査当局だけが事件の解明をする。国会は何にもしなくていい。やろうとしてもアメリカから送られてきたものは国会には出てこない。一体どういう流れになっているのか、人の名前もわからない。じゃ一体、何を国会は解明すればいいんです。党首会談というのは、捜査当局はもちろん、国会といえどもその解明をするということが前提なんですよ。全然国会には何にもない。何を解明しようとされるのか。特別委員会をつくって何ができるんですか。一番必要なものはアメリカ側の資料及びその氏名、こういうものが、捜査当局及び国会という同じような状態で理解されなければ、国会の解明はできませんよ。ただし国会も、いま言われるように人権上の問題等々があれば、これは国会の解明のやり方を別途考えてもいい。そういう手段や方法も国会にはおのずからあるわけです。どうすれば、じゃ国会は事件の解明ができるのか、教えてください。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 森中君ごらんになってもわかるように、議長の裁定でも「事態の推移をみて」という言葉を使っているので、直ちにこの資料を全部公開せよというのは議長裁定の精神ではありません。それはそうでしょう。捜査がこういう一つの段階で資料を、国政調査権というものはわれわれはできるだけ尊重したいと思っておりますが、こういう段階で資料を公開するということが捜査の妨害になることは、森中君お考えになってもおわかりのとおりですよ。  国会というものは、私は森中君のようには考えないのです。アメリカの資料が来なければ国会は国政調査でやることがないという考え方には、知は同意しかねるんですよ。それはやっぱり日本の国会は国権の最高機関としていろんな政治的側面というものを持っておるんですから、アメリカの資料が来なけりゃもう国会は何にもすることがないというふうに考えないで、国会は国権の最高機関として政治的側面というものからいろいろと、この問題以降の論議でも、そういう側面というものはこの予算委員会の質問を通じていろいろ提起されたと思っています。やはり刑事的な責任は捜査当局に任さなければ、捜査権を持っていないのですからね、いま追及しておるのは刑事的責任でしょう。これを国会でやると言っても、そういう犯罪捜査というものは捜査当局に任すべきであって、やはり国会の特別委員会における一つの使命は政治道義的な側面という——いまいろんな、人の名前もみんなわかってしまわなければ国政の調査ができぬということは、私は国会のあり方としてはもう少しやっぱり国会自身が自力的に問題を解明するという一つの立場をおとりになる余地はあるのではないか。全部アメリカの資料待ちだ、資料が来なければ国会は何もできないんだと、そういうふうにお考えにならないで、国会は国会としての立場から大いに政治的な側面から問題を解明しようという御努力はされるべきではないかというのが私の考えでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 関連。  刑事上の責任は捜査当局がこれを追及をしていく、これは当然でございます。そこで、法務大臣と総理にお尋ねをしたいと思いますが、検察庁法十四条によりまして、法務大臣は検察当局に対して指揮監督の権利をお持ちである。したがいまして捜査の状況、灰色の政府高官名を含めまして捜査の状況について聞くことができますね、状況及び報告を求めることができますね。そこで、法務大臣はいつの時点で検察当局からその報告を聞くのか、あるいは総理は法務大臣からどういう時点でその内容について聞こうとされるのか、この二点をそれぞれ法務大臣、総理からお聞きをしたいと思います。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 仰せのように、私は具体的事件につき検事総長を通じて指揮権を持っております。したがいまして、私と検事総長との間では、このロッキード事件についての報告は、そちらの方から一定の段階に達して報告の時期だと思ったときに報告しなさい、こう言って、こちらからいつ幾日までに報告をせよという態度はとっていないわけです。実務取り決めがなされた段階で検事総長の訪問がありました。いろいろ実務取り決めができて捜査資料が入ることになって、これから捜査に非常に便宜を与えていただく努力をしてもらってありがとうございました、こういう報告がありましたとき、そういうあいさつがあったときに、私はなるべくこちらからいつ幾日までに報告せよというようなことを言う形式をとらずに、向こうの方から、この段階でもう法務大臣に報告した方がいい、こう思われたときに報告をしていただくということになっておりますから、向こうでそう判断されたときに報告があり、報告を受けたら総理に私から報告をしたい、こう思っております。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 捜査の進捗状態に応じて当然に報告があるものだと考えておりますが、まだ今日まで法務大臣から報告を受けたことはございません。

小野明日本社会党

○小野明君 議長裁定の第四項によりますと、御案内のように「事態の推移をみて」と、このことは捜査の終了を意味しない、こういうように私ども解しております。いま法務大臣の御答弁を聞きますと、全部それは検察当局に任しておる、検察当局がいいと思う時点で君持ってきなさい、これはまことに無責任な態度ではないですか。これは法務大臣は、あなたは専門家ですよ。ですからいろいろ報告をお聞きになるポイント、ポイントがありましょう。これは逮捕の時点あるいは起訴、不起訴の時点、これはまあ当然でしょうけれども、いままでの法務大臣の御答弁を聞いておりますと、捜査終了を待ってと、こういうふうに言われておるようだし、今度それから先を考えてみますと、公判の、公訴の維持ができないからそれから先はという、また伏せる理由があるようです。私ども国民を代表する立場から見ますと、これは永久に伏せてしまうおつもりではないのか、こういうふうに思われるのです。検察当局に全部任せるのでなくて、あなたは閣僚である、政治家である。しかも指揮監督権を持っておる。いついつという予想をつけないで、いつの時点という予測をつけないでこの重大なロッキード事件の解明、国会決議を踏まえて法務大臣の職責を果たすということができるとお考えになりますか。それは検察当局に任しておりますなんという無責任な答弁では、私は承知できないです。  また総理も、法務大臣からそういう話はまだ聞いていないと。あなた自身がたびたびの言明にもかかわらず、このロッキード事件解明の意欲なし、こういうふうに受け取らざるを得ないですよ。法務大臣をそれこそ指揮して、ああいうあいまいな態度であるならば、もっと積極的に、あなたも十分その時期についてはおわかりのはずである。きちんと答弁をしてもらいたいと思う。再度答弁を求めます。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) お言葉ではありますが、私はロッキード事件の刑事責任追及の熱意を持っております。熱意を持てば持つほど捜査当局の自主性になるべく任して、責任はとりますよ、責任はとりますけれども、政治的介入がましいことはなるべく慎んで、自由濶達に偏せず党せず、不偏不党、厳正公平にやってもらう。結果が悪けりゃ私の責任です。うやむやになったりしたら私の責任です、それは。けれども、干渉がましいことはなるべく避けて、あなたは御心配になりますけれども、そんなに遠くない時期に報告があると思います。あれば、直ちに総理大臣に報告して事態の解明に突き進んでいきます。議長裁定にもあるとおり事態の推移にかんがみ、推移を見て刑事訴訟法の立法の精神をも踏まえて、政府が政治的、道義的責任を追及する国会の調査権に協力するのですから、やがてそういう時期が来ますのですから、しばらく——熱意を持ってるんですから、熱意ないわけじゃないんですから。いまあなた捜査が始まったばかりで直ちに報告せいと言ったって……

小野明日本社会党

○小野明君 直ちにと言ってないですよ。いつの時点でやるのかと、こう聞いておるんです。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) それは向こうが必ず報告しますと言うているんですから、報告するに決まっている。

小野明日本社会党

○小野明君 ですから、それはいつですかと聞いている。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) それはいつ幾日ということはわかりません。

小野明日本社会党

○小野明君 専門家がそんなことじゃ困りますな。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) そんなに遠くはないでしょう。

小野明日本社会党

○小野明君 ポイントがあるでしょう。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) ですから、そういうことは余り焦らないで、せいては事をし損じるんだ、物事は。あなた、大事な資料なんです、これでもって捜査の道具なんですから。その大事な道具を出せ出せ、見せろ見せろと言ったって、その大事な道具は簡単に見せたり出したりできるものじゃないんです、これは。

小野明日本社会党

○小野明君 納得できぬ。答弁にならないよ。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 小野君がお考えになってもわかりますように、ロッキード問題、これだけの国民的関心、疑惑に包まれた事件を、これをふたをするということは絶対にできるものではありません。私はこの真相を解明したいと本当に思っておるわけですから、初めから小野君、そういうふうにあなたの独断で解明の意思なしなどと、そういうふうに言われないで、大いに御協力願う点は御協力を願って真相を解明して、日本の政治の不信をお互いに解消しようではありませんか。

小野明日本社会党

○小野明君 もう一問。  これは私は三回目は大体立たない、立つつもりはなかったのですけれども、もう一回お尋ねをしたいんです。というのは、いつお聞きになりますかと。ポイント、ポイントがあるでしょう。それはもう法務大臣もよくおわかりのはずです。ですからこれはいつですかと。たとえば逮捕にしても、アメリカと日本ではなかなか法慣習も違うようですけれども、そういうお聞きになる時期がある。いますぐと私は言っておるんじゃないですよ。それはいつですかということが第一問。いいですか。  それから、そうすると法務大臣は、起訴になった政府高官、これは当然でありますけれども、四十七条ただし書きにありますいわゆる不起訴になった場合、いわゆる灰色の政府高官名、これも一お聞きになりますね。お聞きになりますね。それは国会決議を踏まえて公表をされるべきだと私は思います。四十七条ただし書き、これは重大なところであります。公益という言葉がありますが、国会決議ということが一番重大な公益と私は考えるべきだと思うんです。それが国政調査権に協力をするゆえんであると思うんですね。  多少質問が多くなりましたが、いつであるのか、明確に聞かれるのはいつか、そして起訴、不起訴、この場合もお聞きになりますねと、国会決議を踏まえてそれらは公表をすべきだと思いますが、いかがですかと。これは総理にも重大な関係がございますから、法務大臣並びに総理に御答弁をお願いしたいと思います。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 起訴、不起訴、起訴猶予とか、そういうことを検察庁は決めますから、発表する前に私のところに報告があることは当然ですね。それをいまの時期に、法務大臣はいつを予想しているかといって私の口から言わせることは、その日までにはやれよという指揮権の発動になりかねないから、いまいつ報告を求めるということは申し上げかねるということを言っているんです。  それから、そういう報告があったものを、議長裁定の第四項に基づいてこれに協力するというのでありますから、公益の比較考量に基づいて、その時点で、私一人でそういう重大問題は決定できませんから、内閣全体、総理の指揮監督も受けて最終的に決定をしたいと、こう思っておるわけです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま捜査が進行しておる段階で断定的なことを申し上げることは非常に捜査の妨害になる。私が申し上げられることは、刑事訴訟法四十七条の規定を踏まえて、そしてできるだけの国政調査権に対して協力をしたいということでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 この問題、ずっとこれから議論を続けますが、いま一つ特使関係で総理に伺っておきますが、事件が発生をしてしばらくの間は、公開を原則とする、こういう趣旨をずっと総理は述べてこられましたね。ところが、例の捜査取り決めによりまして事実上それは遮断されたと、こういう状態になった。一体そういったような出方をアメリカがするかどうかという、どういう予測をされたかわかりませんが、いま総理は、結果的にアメリカのとった措置が総理の最も望ましい状態の取り決めになったかどうか、どういうお考えですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 森中君も御承知のように、私の国会における答弁は終始一貫しておる。それは、アメリカに対して資料の公開を前提として資料の提供を求めてありますから、外交機関を通じて正式なアメリカのその資料の提供は公開をいたします、ただし、もし条件がつけられておる場合はこれは別でありますと、もう社会党から共産党に至るまで全部各党に対する私の答弁はそういうことでございます。民主社会においては資料は公開ということが一番望ましいことでございますが、しかし、捜査の途中にある場合は、その捜査のいろんな資料とか情報というのを全部公表してしまえば、これはやはり捜査の妨害になることはだれにも明らかですから、それはもうアメリカに限らず、日本でもそういうことに対してはこれを禁止してあることは明らかですから、アメリカのつけた条件が私は不法なものだと思わないんですよ。  そういうことですから、アメリカもやはりできるだけの、大統領の書簡にもこれは真相を解明した方が民主政治のためにも日米関係にもいいんだという私の説には全く同感である、こういうことでアメリカの法制あるいは慣行の許す限り最大限度の協力をしたいということですから、そのアメリカが真相解明のためにいろいろと、大統領としても相当時間をかけて検討した結果、ぎりぎりの決定であったと私は受け取っておるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総理、いままで長い間の国会の空白というものは、言うまでもなく、両院の決議にアメリカがこたえなかった、政府みずからもアメリカのそういう捜査協定を盾にして院の決議にこたえようとしなかった、これが最大の原因なんです。それで、日米間の相互理解を深める、事件の解明を促進をするというならば、何といっても両院の決議にアメリカ側もこたえてもらいたい、そのことのために特使の派遣が私は実現をした、こういうように思うんです。そういう角度から、何かしら国会が捜査の妨害になるというようなことですが、捜査当局の仕事、国会の持たされている責任と義務及び権利というものはおのずから別なもの。しかし、捜査当局がやることを国会がやろうというのじゃないですけれども、国会は国会で重要な仕事がありますよ。むしろ、われわれは捜査当局も政府みずからも国会のやることに協力してもらいたいということを言っているわけでして、やはり問題はアメリカとの再交渉にその道を求める以外にない、こう思うんですが、もう一回重ねて御答弁願いたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 森中君、国会の決議というものを私は熟読をいたしました。あの国会の決議というものはこういうことなんですね。真相解明ということがもう大前提になっている。そしていわゆる高官名も含め、未公開の資料のすべてを提供を受けるようアメリカの上院や政府に要請するというのが決議です。その中には、何も公開とか国会にとかいうことはあの決議の中にはないわけで、しかし、その決議というものをアメリカに伝達せよという議長のあれですから、そういうことがついておりましたから、したがってそれをそのまま伝達したんですよ、英語に訳して。アメリカとすれば、真相解明が目的であって、アメリカの持っておる未公開の資料を提供せよという国会の意思に対して、むろんアメリカは、あるいは法制とか慣行とかいうものの制約はあるけれども、最大限度にこたえたと思っておるんじゃないでしょうか、向こうとすれば。資料は提供されたわけですよ。それは公判廷まで秘密にしてくれという条件はついたけれども、しかし、資料は提供したんですからね、未公開の。全部の資料を日本に提供するというんですから、アメリカ自身としては国会の意思にやはりできるだけ沿おうとしたということは、私は否定できないと思います。資料を渡さぬというのじゃないんですから、資料は提供するわけですから。

森中守義日本社会党

○森中守義君 捜査当局にも国会にも渡せと言っておるんです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 国会にもというのはあの決議自体からは——私自身は国会がそういうふうな希望を持っておられることだろうということは想像はできますよ。しかし、あの中からは外国の政府として国会に渡せというようなことは、私は出てこない。とにかく真相を解明したいというのが日本の政府の意思ならば、これに対して資料が欲しいというんだから資料を提供しようというアメリカの決意というものは、国会の意思を踏みにじったんだと森中君言われることは、これは少し私は事実に沿うものではないという見解でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それは全く総理おかしいですよ。国会の、両院の決議というのは、捜査当局の解明に必要だから渡しなさいというだけじゃない。それも必要であろう、当然国会みずからが解明しなきゃならぬのだから国会にも出しなさいと、こういうことですよ。全然あなた誤認ですよ、それは。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) だからいままで、たとえば多国籍企業小委員会、いわゆるチャーチ委員会の資料は来たわけですね。そのままで国会へ渡したわけです。今度のはやっぱりいろいろ刑事上の責任なんかを追及する問題がまあ恐らく含まれておるんでしょう。そういう捜査上の非常に機密を要する問題も含まれておる資料であるわけですね。これに対しては、いままでそうでないものは国会に渡されたわけですが、これはやはり捜査当局だけに渡したいと、こう言うわけですから、資料の提供を受けたいということが一番アクセントがついているわけですからね、あの国会の決議は。それに対してできるだけアメリカは沿おうとしたのじゃないでしょうか。私は、それはアメリカは国会の決議に対して沿うてないということは言えない。まあ日本の国会の決議というものは、いろいろ決議をしても外国の政府を拘束するものではないですけど、しかし、国会の決議の精神を踏まえて、資料の提供を受けたいという国会の意思にはアメリカは沿うべく最善の努力をしたものだと私は評価するものでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これはその議論は平行線ですがね。考えてみてください。捜査当局は政府機関、その資料の要求は政府間の話でいい。院議でアメリカ側に要請をした、政府を通して要請したということは、国会みずからが必要だから欲しい、こう認識すべきじゃないんですか。両院の決議というものはそこに根拠が私はあったと思う。私みずからもそういうつもりなんです。どうも総理のいまの答弁では合点がいきませんよ。そういうつもりで国会の決議というものを受け取っていらっしゃるならば、これはきわめて問題だ。再答弁してください。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私が削ったんじゃないですよ、これは。皆さんが決議をされて……

森中守義日本社会党

○森中守義君 そう。だからあなたの理解が間違っている。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) だから何も削ったものじゃない。そういう決議ですから、それをアメリカに伝達せよというんですから、そういうことで伝達をしたので、これでアメリカが国会の意思に沿うてなかったとは私は言えないと思います。とにかくしかし、いずれにしましても資料は提供を受けて、それで捜査が進んでおるわけでございますから、したがって、この問題の真相解明にはアメリカの資料の役立ったことは事実であろう。  ただしかし、まあアメリカにもアメリカの、やっぱり事情が違うんですからね。それだから私は外務当局に、アメリカの上院でされたあの演説、二人の上院議員がやっておるのを、あれは日本の国会に対してもアメリカの事情をよくわかってくださいという一つの演説だと思いますが、ここの委員会でもいろいろそのことが話題に上って、皆さんにお配りしょうと言ったんです。だから、アメリカが日本の国会の意思にできるだけ沿うてくれようとして最大限度の努力をしてくれたものですから、そいつをもう一遍やり直してということは、森中さん、国際的な関係で最高の責任者が決定を下してやったことをもう一遍考え直すというような——取り決めもできておるわけですから、非常にそれは無理な話でありますが、今後とも向こうが真相解明に役立つような資料、新しい資料があればこれらはすべて提供を受けて、とにかくこの真相の解明を一日も早くやるということに努力をすることが一番現実に即した方法である、私はこういうことを考えておるわけでございます。  森中君の御期待には沿わないような点もございましょうが、これはやはりアメリカからすれば、それは自分の国の法制もあり、慣行もあるし、またアメリカ自身の捜査、調査も行われておるときですからね。だから、国会は国権の最高機関だから捜査当局だけでなしに国会にもそういう捜査の資料といいますか、そういうものも全部よこせということに対して、やはり実際問題としてこれはできないことじゃないでしょうか、森中君。いまそういうものが国会で公開されて捜査が支障なく進んでいくとは私は思わないですからね、これは。そうなってきたら、その中に問題になったような人に対しても、いろんな点でやっぱり捜査に支障を来すようなことが起こるのでないでしょうか。捜査の途中に手のうちを皆見せてする捜査というのは余り私はないのではないかと思いますから、森中君の言われるお気持ちは私もよくわかるのですよ。わかっても、やはりこれは一つの慣行とか法制、こういうものに従わざるを得ない。また国際関係というものも、日本の国会の言うことがすべて通るという考え方は持つことはできない。そういうことで、私どもは、できないことはできないとして、できる範囲内で最善を尽くしたいと考えておる次第でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ちょっとそれじゃ、ここで角度を変えましょう。  法務大臣、ずいぶん捜査が進展しておるようですね。すでに高検、地検あるいは検察庁、いずれも検討会を開かれたようですが、いま贈収賄の踏み込んだ強制捜査をやるにはどうしても米側の証言が必要である、こういうことが新聞報道等で出ておりますが、具体的にどういう人を米側の証言として強制捜査に踏み切るには必要なのか。大抵われわれも想像つくけれども、名前を挙げてみてください。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 検察当局におきましては、約二十日ほど前にアメリカから資料を入手いたしまして、国内における調査、捜査の結果とあわせまして検討いたしまして、先般その中間の報告を最高検察庁、高等検察庁にいたしました。そのことは新聞に報道されているとおりでございます。その内容につきましては、遺憾ながら現段階で申し上げるわけにはまいりません。  なお、いま森中委員お尋ねの、アメリカのどういう人が強制捜査に踏み切るために必要な人々であるかというお尋ねでございますが、このことにつきましては、前々回にも申し上げましたように、本件はアメリカにスタートをした国際的な犯罪の容疑でございますので、アメリカに有力な証人、参考人、証拠物があることは事実でございますが、そのことにつきましても、どのポイントのどの人がということは、遺憾ながらこの段階で申し上げることだけは御勘弁を願いたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 こういったように、核心に触れると全部困るからと、こう言われる。そこで総理、大体事件の経緯からいたしまして、コーチャンあるいはクラッター、フィンドレー、こういう人たちはどうしても事件解明になくてはならない存在であることは当然だと思う。いま刑事局長は具体的な氏名までは言われなかったけれども、だれが必要であるかは別としまして、斉藤特使に、日本側の捜査に必要な人たちについては事情聴取に応じてくれ、この程度の約束ぐらいは特使によってできるものじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) まあ、あらゆる面で日米間の捜査協力というのは要請をしようと思いますが、そういう点を斉藤特使が具体的問題として提起するかしないかは別として、アメリカもまた真相解明することが日米関係のためにもいいという大統領の意見でありますから、できるだけの捜査協力はしてくれると思いますが、なお一層全般的な捜査協力についてはこれは要請をする考えでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 いや全般的に言っていない。いま具体的に私は挙げている。具体的に答えてください。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま捜査の途中にあるものを、具体的にどういうことを要請するのだということを私もまだ捜査当局から聞いておりませんし、ここで私が一般的な感じとして申し上げるのは本件の性質から言って適当でないと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総理、だめですよ。特使を何のためにやるのですか。単なる友好親善の特使じゃないでしょう。特派大使というのは特定の目的を持って出される。しかも、党首会談の決定を踏まえている。そこで私は再交渉はもちろん、しかも具体的にはわが国の捜査当局が必要とする米側の証人もしくは参考人などは進んで協力してもらいたいというぐらいなことは、特派大使の任務に与えるべきじゃないですか。だから、私はコーチャンとか、クラッターとか、フィンドレーとか、こういう名前をさしずめ必要な人だと私なりの判断で申し上げたのですが、具体的な名前まではよろしい。けれども、斉藤特使に親書なりなんなり託して、わが国の捜査当局が必要とするこれこれこれらの人たちについてぜひ協力してほしい、日本側の事情聴取に応じるようにしてほしいということをアメリカに言うのはちっともおかしいことじゃない。このくらいなことはやらせてくださいよ。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 捜査当局の意向も聞いてみますが、しかし、それは当然のことだと思います。いろいろと捜査上の必要があってアメリカ司法省の協力を得るようなことについては、できるだけの協力をしてくれと言うことは当然のことでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ちょっともう一回だめを押しておきますが、当然ですね。日本側が必要とする証人、参考人等については米側の協力をお求めになる、こういうことですね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) それはやっぱり日本の真相解明に必要な場合が起これば、できるだけ協力してくれと言うのは当然のことだと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 斉藤特使に、それをちゃんと交渉の中身の一つとしてやらせるかどうかと聞いているのです。一般論じゃないのですよ。やらせますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 捜査協力と言ったら、そういうことが常識的に考えても入るのじゃないでしょうか。それは当然のことでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 いまのことに関連しまして、国会と国政調査権のことで少しくお尋ねしておきますが、憲法六十二条に規定する国政調査権とは具体的にどういうものですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 法制局長官から答えせしめます。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) お答え申し上げます。  憲法六十二条の規定を受けまして、国会法第百四条におきまして、官公署に対する報告、記録提出の要求の権能を規定してございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 いま申し上げた憲法六十二条、国会法百四条、議院証言法第一条、第五条、この三つの流れから、おのずから国政の最高機関としての保障がある。これを一体どういうようにお考えになりますか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 申すまでもなく、憲法第六十二条は国会の権能を有効適切に遂行するために日本国憲法が、旧大日本帝国憲法とは違って、認めた重要な規定でございまして、ただいま申し上げましたように、これを受けて国会法百四条の規定がございます。その国会法第百四条の規定を今度は手続的に、いわば国会に強い権能を与えた規定として議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律がございます。  ここでは第一条で、各議院から議案その他の審査または国政に関する調査のために証人として出頭または書類の提出を求められたときは、特定の場合を除きましては、何人でもこれに応じなければならないとして、証人の出頭、書類提出の義務を厳然と規定してございます。これが公務員の職務上の秘密に関する証言であり、あるいはまた書類の提出であった場合につきましては、第五条に詳細な規定を設けておりまして、簡単に申し上げますと、国会の国政調査の権能と、また他方、行政上の必要から公務員には秘密保持の義務の規定がございます。その調整のための手続が詳細に第一項から第四項までに規定されておるということでございます。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 関連。  いま国政調査権の問題について法制局長官から、憲法及び証言法などについての一般的なお話がございましたが、このロッキード問題そのものが、いままで森中委員、小野委員からの関連質問などで、正直言って三権分立という立場が対立して、まさに一つの答えを出し切れない、こういう状態だと思います。このロッキード問題について、一つは、国家の重大な利益にかかわる問題だと政府は考えておるかどうか。この点について改めてはっきりした見解を承りたいんです。ちょっと補足いたしますけれども、本来国の重大な利益にかかわることであるとするならば、これは重大な損害があるのか、ないしは国の存立に重大な影響を与えるか、あるいは国の利益という立場から国政調査権がどう発動されるのかという点にかかわりがあるので、その点を第一に承りたいんです。  第二番目に、七十四国会で国政調査権と守秘義務との関係について政府の統一見解が出されたことは御案内のとおりでございます。政府のお話は、国政調査権に対して行政権の立場から最大限協力する、こういう見解だと考えます。問題は、先ほど来対立している点は、国政調査権と司法権との関係についてどういうことなのかということであります。この点に対して政府の統一した見解がないので、国政調査権が軽視されたり無視されたりということになっているのではないかと考えられます。政府の画然たる司法権と国政調査権との関係についての統一した見解をこの際明らかにしてもらいたい。  第三に、先ほど法制局長官からお話がございました、議院証言法の手続を経て正規に証人及び資料の要求が求められた場合に政府としてはどういう態度をとるか。これは、もしこれを拒否する、国の重大な利益にかんがみてこれを否定すると言うならば、一体内閣声明を出す用意があるのかどうか。内閣声明を出すならば、当然の帰結として、主権者はあなたではないんです、主権者は国会でもないんです、国民なんでございます。国民にその正否を判断を求める。つまり、この対立点が明らかになり、その発展として総辞職をするか解散をするかということになるのではないか。そこまでを想定をしながら、一体これは法律技術的な問題じゃないので、総理大臣自身からこの三点について明確な態度を承りたいんです。  あえてつけ加えますが、国政調査権と司法権との関係について明らかな政府側の統一見解を出すということが明言されない限り、この対立は永久に三権が分立しておるだけにこういうことになるのじゃございませんか。つけ加えまして三点について見解を承りたい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 最初の法律的な諸問題に対しては、法制局長官からお答えいたします。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 国政調査権と、先ほども申し上げました行政権のもとにございます守秘義務との関係につきましては、一昨年の十二月二十三日に当委員会におきまして三木総理から統一見解として申し上げたとおりでございますが、この考え方で議院証言法第五条に基づきます諸手続を政府側として履践する場合についても、同様な考え方のもとにおいて行動をすることに相なると思います。  そこで、内閣声明を出すような事態になるかどうかということは、具体的にどういう事項について国政調査権で証言なりあるいは資料の提出を御要求になるか、また他方、その場合にその事項についてどういう秘密保持の必要があるかということを具体的な事案について考えまして、まず証言なりあるいは資料の提出につきまして所轄庁なり監督庁なりが承認をするかどうか、またさらに進んでは内閣声明まで行うかどうかということを決定することに相なりますので、具体的にどういう事項につきまして証言をお求めになるか、あるいは資料の提出をお求めになるか、その場合の秘密の程度はいかなるものであるかということによって決定することになりますので、ただいまの段階においてどういうことになるかということを、あらかじめ申し上げることは非常にむずかしいと思います。  第二の問題でございますが、国政調査権と司法権との問題につきましては、先般、数日前の上田委員の御質問に対してもお答えしたところで明らかであると思いますが、二つに分けまして、司法権の問題につきましても、先般も申し上げましたように、裁判官の資格でございますとか裁判所の構成、また裁判の手続等につきましてはすべて法律をもって規定せられておりますし、裁判所の予算も総予算の一部として国会の議決をいただくわけでございますから、当然、一般的には国政調査の対象になり得るものであると思います。したがいまして、司法行政の問題につきましては、現に最高裁判所からも長官代行者というものが出席をいたしまして諸般の問題にお答えをしておるような状況でございます。ただ、しかしながら、現在、憲法の規定によりまして司法権の独立が保障されております。したがって、司法権の独立を侵すようなところまで国政調査をなさることはできない。  具体的にはどういうことになるかと申しますと、現に裁判所に係属中の事件について国政調査をなさることは、これは司法権の独立を害するものとして許されないということが、もうほとんど学界の通説と申してもよいくらいに確立した学説だろうと思います。それでは、係属中の事件ではなくて、もうすでに確定したような事件について調査をすることはどうか。これにつきましても、その調査を行われます方法が司法権の独立を害するような姿で行われることは許されない。ということは、たとえばその確定いたしました事件について裁判官自身を国会に証人として呼ばれて調査をされるということは、これはもう司法権の独立を害することは皆様すぐ首肯されることであろうと思います。また、裁判官自身でなくても、その裁判の関係人を呼び出して、そこであたかも裁判所の裁判を再審するようなことを行えば、これまた司法権の独立を害することではないだろうか。したがって、確定した事件につきましても、国政調査を行われる範囲は、ないことはないと思います。法務省当局に対して、その事件の内容はどういうものであったかというようなことについて調査をされることは可能であると思いますが、司法権の独立を害するような態様、方法で国政調査を行われることは避けられなければならないということに相なると思います。  第三の問題は、いままでのような法律的な見解とは別な問題で、総理からお答えいたします。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、こういうふうに考えるんです。国政調査権の問題については、基本的な態度は政府としては、抽象的に言えばできるだけ最善の協力をするということでしょうね。しかし、こういう問題は現実には、具体的にどういう点で、たとえば資料にしても資料の提供がなされるかという、その具体的な問題ごとに検討するよりほかない。抽象的には最善の協力をする。現実にそれがどういう点で国政の調査権に対して協力を求められたかという具体的な事例が提起されて、その具体的な問題について検討するというよりほかに私はないと思う。たとえば内閣声明の場合も、具体的にそういうことを出さなければならぬようになった場合にいろいろ検討するということでございまして、やはりこれは抽象的よりも具体的な問題として提起されたときにそのつど判断するというよりほかに私はないと思うんです、実際問題として。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 答弁していない、私には。ロッキード問題は国家の重大な利益にかかわる案件なのかということを伺っているので、その点ちっとも答えていない。証言法上言う国の重大な利益にかかわる問題なのかということを伺っているのであって、このロッキード事件についてなぜお答えにならないのか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) そのことも私が野々山君に言った中に入るのじゃないでしょうか。具体的に国家に重大な障害を与えるかどうかというのは、実体的な問題が起こって判断をするべきで……。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 ロッキード事件という具体的な問題じゃありませんか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 具体的に国政調査権という面から考えてみて、どういうふうな具体的な国政調査権に対する要請、どういう点で具体的に要請するのか、そのことがどういう影響を国家的な利害に及ぼすのかということは、どういう点で国政調査権というものに対する協力を要請するかという具体的な問題が提起されぬと、ちょっとやっぱり抽象的にはお答えしにくいのじゃないでしょうか。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 司法権と国政調査権に対する統一見解というものがないから、それを出すつもりはないか、行政権と国政調査権についてはすでに統一見解が出ているではないかと指摘をしたんでしょう。その点についてもお答えがございませんね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) この問題について、私もこのくだりは聞いておったのですが、法制局長官の言うように私も考えております。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 ロッキード問題という具体的な問題について、私は関連でございますから具体的に事実の関係について指摘をしないが、各委員から連日にわたりまして個々の問題について指摘をして、それを公表しなさい、総論的に結論的に言えば公表しなさいということを言っておるわけなんでございまして、したがって、これらの問題については国民の立場から見れば、当然政府としてはあなたは総理大臣として、日本を代表する方として、国の重大な利益にかかわりがあるから答えられないという立場であなたも閣僚の皆さんも同じ筋でお答えになっているから、国会、つまり国政調査権との間に対立している、そういう状況ではないかと思いますが、それはさておきまして、現実的には国の重大な利益にかかわるからお答えできない、公表できない、こういうふうにおっしゃっているのではないかと思うので、改めて私は、政府はこのロッキード事件の具体的な事実関係、証拠関係、証人関係をも含めまして、国の重大な利益にかかわりがある、裏を返せば国損にかかわりがある、もっと詰めて言うならば国民の政治的信頼にかかわりがある。議会制民主主義の根幹であるとあなたは申されていらっしゃるわけですから、そういう意味でまさに総論であり極論でありますけれども、国の重大な利益にかかわりがある問題なのかと承っているわけです。それをまず……。  第二番目に、国政調査権と司法権は分立して、対立をしている、これはよくわかります。そこで限界があるということもよくわかります。それを国会法ないしは証言法などに基づきまして、究極においてこれを公表するかしないか、あるいは証人としてそれを出頭させるかどうかということが法律手続的にとられたならば、委員会で成規の手続あるいは院の決議によって成規の手続をとられたならば、それでは政府としてはどうなさるんですかということを前提にいたしまして、その内閣声明を出すのかどうかということを伺っているわけなんでございまして、その意味では成規の手続を経たならばどうするかということについてお答えいただきたい。それから解釈論といいますか、国政調査権と司法権との関係における法制局長官のお話がございましたが、これも改めて申し上げますが、七十四国会のときに国政調査権と行政権との関係における統一見解を出すときもなかなかあなた方は抵抗なさったが、激論の結果、対立するところもあるであろうけれども、政府としては国政調査権に最大限協力するという統一見解をお出しになったわけでございます。その意味で、司法権と国政調査権との関係において、いまの法制局長官のお答えもあなたのお答えもお答えにはなってないと私は考える。改めて承りたいんです。  それから三番目に、具体的な事実関係及び資料あるいは人、立件的な問題などについて具体的に提起をされるならば、それについて政府は見解を明らかにいたしましょう、いまはその時期ではない、こうおっしゃっていらっしゃるわけなんですけれども、そこでこの問題の解明に当たりまして、具体的に事実関係、たとえばアメリカの資料あるいは国内調査の資料関係、あるいは人間関係、立件関係、そういう問題について具体的に提起をされたならば、これに応じられるかどうか。私はその際、あえてつけ加えますが、議証法に基づいても、秘密会によってでもこれを明らかにすべき手段があるわけでございますね。そういう手続をとることによって国政調査権と司法権、国政調査権と行政権の一致点というものが見出されて、初めて主権者、国民は事件の問題を納得するか判断をするわけでございましょう。そういうプロセスを経るとするならば、総理あるいは内閣はどう考えるか。  それから、これは予算委員会でございますから、委員長に承りたいのでございます。そういうように今後の審議の過程を経まして、具体的に問題が提起されて求められたならば、昭和二十九年のあの造船疑獄事件以下四件の議証法などが使われ証人が要求されていた事例というものは、これはまさに国政調査権の具体的な実行としての実例じゃございませんか。そのような処置を委員長としてもおとりになるかどうか。政府としても、内閣としても、それに応じられるかどうか、この点を改めて承ります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 野々山君、いままで森中君の問題にされているのは、捜査中のいろんな内容についての材料を出せと。アメリカの資料も含むでしょう。そういうのでないと国政調査権でいろいろ調査するのに支障があるというお話であったのですが、それはやはり捜査途中であって、真相を解明したいというのはお互いのこれは共通の願望でありますから、真相解明のための捜査の妨害になって、いまのような段階でそういうことはできないということをお答えをしておるわけですね、いままでの質疑応答は。  二番目の問題で、政府声明を出すか出さぬか。問題のそういう具体的な事例でないと、それはいま抽象的にお答えすることはできぬ。  第三番目に、国会で要求があれば、秘密会という方法もあるから、その要求には応ずるか、具体的にいろんな資料とか証人なんかの喚問とか国政調査権に基づく要求があったときには、秘密会という手もあるから応ずるかということですが、これもまた、どういうふうな資料を現実的に具体的に提起を求められるか、どういう点で政府に協力を求められるかというような具体的な事例がなしに、私は抽象的に答えることはやはりそれは適当ではございません。だから、そのときには十分検討をいたします。野々山君、不親切なようですけれども、これよりほかにないんですよ、いま答えるのは。そういうことでございます。

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 委員長としては、いまお申し出の件はさらに審議を深め、そしてまだ十分に検討の時間もありますから、その推移を見て処置すべき課題だと、こう思っております。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 直接的に私が伺っている具体的なことにちっともお答えにならないので、私も時間がありませんので三間まではしたくはないのでございますけれども、あとは森中委員からぜひひとつ具体的に指摘をしていただきたいと思いますし、いまのあなたのおっしゃっていらっしゃるようなことでは、国民の皆さんはまさにこれはもうわからぬようにうやむやにしてしまおうというふうにしか受け取らない、こういうふうに考えますよ。  そこで、ここにいま竹下君も当時官房長官としていますし、福田副総理もいらっしゃいますが、守秘義務と国政調査権の問題で激論をいたしました際に、成規の手続を経て国の機密、極秘、秘密の具体的な問題について私が指摘をした際に、現物を国会に持ってきて秘密会でこれを公表したのでございます。そういうような、秘密会でございますから、私はここで何と何と何をどうしたということは申し上げませんが、ここに閣僚の中にもたくさんそのときに立ち会われた皆さんがいらっしゃいます。そういうことを通して、いまのロッキード問題などにつきましても具体的に真実が、いま委員長が指摘されるように具体的に審議をされた結果として判断いたしますと言われるが、具体的に現物を見たり事情を知ったりして、その結果でなければ判断しようがないじゃありませんか。そういう点を私は具体的に、かつての委員会で、関係の防衛庁長官もいらっしゃった、内閣官房長官もいらっしゃった、外務大臣もいらっしゃった、法務大臣もいらっしゃった、その席で具体的に、これは機密です、これは極秘です、これは秘密ですというものを現物を提示されて審査をしたことはございますよ。これが具体的な国政調査権の実例でございます。そういう手段をこの委員会でもロッキード問題について私どもが提起をして、具体的に要求して手続をしたならば、これに応じられることによって初めて国政調査権の尊厳というものが守られるのじゃありませんか。そういう前提で私は伺っているわけでございます。  改めて、そういう事例がある、具体的にここに閣僚の中にもそのときに関与した方々がたくさんいらっしゃる、その事例をも踏まえて、あなたは内閣総理大臣としてどう対処されるかということでございます。その点を明らかにしていただかなければ、この問題の本当に解明と言われる解明、国民が期待している解明という解明ができないで終わってしまうのではないかということになるわけでございます。その点を改めて伺い、あとは具体的には各委員から指摘をすることによっていまの処方を示していただきたい、こういうふうに思います。  それから委員長、私は二つのことについて申し上げているんです。  一つは国政調査権と司法権との関係について、三権は分立しているが、具体的にどういうような処置をとることによって、運用されることによって、これが司法権を侵さないで公正な立法府としての国政調査権が行使されるようになるのかということを踏まえた統一見解を政府に求めているわけなんですが、その点が一つ。これは当然のこととして、私は理事会などで討議をして早急に示していただかなければ事の審議は進まない。それから、具体的に審議されたならば、その際にその処置に応じますと、こういうふうにおっしゃっていらっしゃることは当然のこととして、成規に手続がとられたならば委員長はこれに応ずる、こういうものだと私は解していまのお答えを受けとめておきたい、こういうふうに申し上げておきます。お答えをいただきたいと思います。  これは抽象論じゃないんですよ。具体的に閣僚の皆さんいらっしゃるんですからね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いや、その場合は具体的な事例ですよ、その場合には。その場合は具体的事例であったでしょうが、今度の場合は具体的にどういう要請があるのか。いま具体的な要請は与えられていないわけですから、具体的な要請があった場合、その具体的要請を踏まえてその都度その都度で検討をいたすというよりほかには私はないと思いますね、これは。前の事例は、そのときには具体的事例があったんでしょう。その事例に対して政府が判断して、こういう形で国政の調査権に協力せよという判断をしたのでしょう。今度の場合も、現実にこう具体的な要請があって、その要請を踏まえて政府は検討をいたしますと、こう答えるよりほかにはないわけですから御了承を願います。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 応ずるんですね、具体的には。応ずるんですね。いかがですか。具体的事例ならば、判断するんじゃなくて、応ずるんですね。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは具体的な事例があればその都度都度政府は判断をいたして、それはそのときにはここで全部イエスと言うということは、これは判断でないわけですからね。いろんなそういうふうな具体的事例を踏まえて政府は十分に検討いたしまして判断をいたしますと、こうお答えするよりほかには私はないと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これはやっぱり総理、国政に協力を政府がしているとはどうしても思えない。それで私は少し整理してお尋ねいたしますが、ずっと総理の一貫した答弁というのは、司法権、刑事訴訟法、これだけにしがみつきまして、さっき申し上げた憲法六十二条、それから国会法百四条、証言法一条、五条、この関係などはあなたの片すみの中にあるかどうか。ありませんよ。あるならば、いままで言われたような答弁の繰り返しはないはずです。  そこで、私は具体的に申し上げますが、証言法の五条の中に言う「国家の重大な利益に悪影響を及ぼす旨の」云々というのがある。さっき野々山君からお尋ねがありましたように、一体ロッキード事件、高官名の公表、米側の資料、こういうものが国家の重大な利益に悪影響を与えるという、そういう認定をされているのかどうか。きわめてこれは具体的です。高官名の公表が国家の重大な利益に悪影響を与えますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは全部、いまの段階でちょっとうわさにのぼった人をみんな公表するということはやっぱり捜査の妨害にもなるし、人権の侵害にもなって、そうだといっても、日本の民主主義の大原則は、個人の基本的人権を尊重するということも大原則になっていますから、これは民主主義の大原則ですから、やはりわれわれがいろんなことをやるにしても、民主主義の原則を踏まえてやるということが必要なんです。このロッキード事件はもうそういう民主主義の原則も何も無視してやれということは、森中君それは私はできないことです。  それからまた一方において、国民が真相を知りたいという、これは主権者として当然のことであります。そういうことですから、これは政府が判断するというのはそういう調和を図った判断をせなければならぬわけです。人権の尊重ということで、もう何もかも全部隠してしまえというような、そういうふうなことで人権の尊重ということを解釈してはならないのであります。やっぱり真相を明らかにしてもらいたいという国民の要望、主権者として当然ですから、そういうものに対してどのような点でこれを調和といいますか、いわゆる公益上の比較計量というもので判断をしなきゃならぬわけでございますから、一概に全然個々のケースを離れて抽象的に断定的に私は言うことは適当ではないと考えるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総理、私が聞いているのはそういうことじゃない。つまり、あなたは、言ったものは何でも持ってこい、何でも出してこい、それじゃ困ると、こう言われるけれども、私はいま申し上げたのは限定しておりますよ。高官名の公表、米側から渡された資料、こういうものは憲法及び国会法、こういうものからいくならば当然出し得るであろう、これが国政調査権への協力である。それを刑事訴訟法、司法権の独立、これにこだわり過ぎて、断り過ぎるのじゃないだろうか、どこに国政調査への協力があるのかと、こう言っているわけです。だから、高官名の公表などは国家の利益に具体的にどういう重大な影響があるのか、こういうことですよ。だから、何もかにもと言っているんじゃない。概念として国家の重大な利益に悪影響があるかどうか、この見解を出してください。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 高官名と、こう言われますけれども、高官名というのは、ロッキード社から金を、まあ賄賂をもらったという高官名でしょう、森中君が望んでおられるのは。それならば、やっぱりそれの裏づけなしに高官名といっても、高官名を出すといったって、これはいまその問題を追及しておるんですから出せといったって出せない。またアメリカの資料を全部公開せよと。日米の政府のもとにおいて日米の当事者間で、実務者間といいますか、実務者間で取り決めを行って資料は来たわけですからね。その取り決めに皆ひとつも従わないで全部公表するということは、これは国際関係にとってむちゃくちゃな国際関係です。また高官名だって、裏づけもないのに高官名って一体何だと、そういうものを発表するといってもなかなか発表の仕方もございませんし、そういうことをやればそれは国の利益の——アメリカと取り決めしても、そのことに従わないで全部資料公開するというのは国の利益に重大な影響を与えますね。そんなことで国際関係というものは維持していけないですからね。  だから、私はやはり問題を具体的に考えないと、国政調査権だからオールマイティーである、すべてのものは、もう国際的な約束も場合によったら破棄してもいいんだというような、国政調査権にそれだけのオールマイティーを私は考えていない。できるだけの協力はいたしますけれども、国際的な約束も当然守らなきゃならぬし、また一方において、捜査というものを妨害することによって真相解明というものに支障を与えることは、真相解明を願っておる国会の意思に私は必ずしも沿うとは思わない。だから問題は、具体的にどういう協力を望むのかということで判断をするということは、私は無理な判断ではない。ただ、抽象的に言えることは、最善の協力を国政調査権にするということでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総理、もう少し正確に答えてくださいよ。私は高官名の公表が国家の利益に重大な悪影響があるのかないのかと、こう聞いているわけですから、あるならある、ないならないと、こう答えてください。それを聞けばいいんです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは何でしょうね、捜査の途中でいろいろそういう疑いのあるような人を全部公表するというようなことは、それはやっぱり国のいわゆる犯罪捜査に対して重大な影響を与えるでしょうね。いま捜査途中でまだ裏づけも十分でないのに、いま調べておる人は、調べなければならぬ人はこういう人だということを公表することは、これはやっぱり重大な影響があるでしょう。

森中守義日本社会党

○森中守義君 法制局長官、いままで総理大臣、法務大臣、検事総長、こういう人たちが証言法によって喚問をされた事例がありますか。具体的にお示しいただきたい。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によって、この第一条の規定によりまして証人として出頭を請求された例はございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 具体的に。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) いま具体的には覚えておりませんが、吉田内閣総理大臣に対して証言を求められたことがございます。また、検事総長に対して証言を求められた——当時の検事総長は佐藤藤佐という人でございますが、それに対して証言を求められたことは、昭和二十九年において実例がございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そのときに政府はどういう対応を示しましたか、法制局長官。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 当時、吉田内閣総理大臣は、別な国政上の支障があるということで出頭を拒否いたしました。検事総長は出頭をして、まあいわば証言の場に臨んだわけでございますが、証言を求められた事項につきまして、ある事項については証言をし、ある事項については捜査上の秘密であるということで証言を拒否をいたしました。

森中守義日本社会党

○森中守義君 さらに、先例としまして、政府はこの種事案について内閣声明を出した先例がありますか。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 先ほどお答え申し上げましたような事案に関しまして、昭和二十九年の十二月三日に造船疑獄事件についての内閣声明というものを発しております。内閣声明を発した例はそれが一件でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 もう一つ。これは総理、やはり私は前々から主張しておりますように、高官名の公表などが国家の利益に重大なる悪影響を与えるという、こういう判断は持ちません。むしろそれを国民全体が望んでいるし、またそのようなことが国の民主政治を守るゆえんでもある。この事件の真相と背景、そういう判断からいたしましてもね。したがって、そういう観点から私どもはこれからの問題として、どうしても総理が在来の主張を繰り返されるということであれば、所定の手続によって事を処理したい。そういう場合に、あなたの見解からいくならば、当然内閣声明、そういうことにならざるを得ないと、こう思うのですが、手続をとった場合どうされますか。内閣声明を出すかどうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは具体的に、どういうふうな高官名を公表せよという中でどういうことを具体的に要求されるのか、その具体的に協力を要請された、そういうことによって判断をするよりほかにはないわけでして、いままだ捜査が初期の段階でしょう。それを皆いま多少の調査しなければならぬ対象の人間を、高官というのはどういう人を言うのか知りませんけれども、とにかくそういうものを皆出して、国政調査権、国民も知りたがっていると、こう言って出すことが、そういうことが適当かどうかということは、これはやはり森中君の御判断を待たなければなりませんが、具体的にそういうことの協力要請があったときに政府は判断をいたしまして、どうするかということを判断するので、政府声明を出すかというようなことを私がいまから、何にもそういう具体的な要請もないときにそういうことを断定的に申し上げることは適当ではないと、こう思うのです。

森中守義日本社会党

○森中守義君 もう一問。非常に私どもはやはり真実を解明したい。これは国会に与えられている責任であり、義務であると思う。同時にまた権利でもあると思う。それが政府のいまのような対応では具体的に前進しない。特別委員会をつくりましても同じようなことの繰り返しですよ。幾らあなた首を振られても、私はそう思う。一つも前向きに何も出ていないじゃないですか。だから、手続をとった場合には当然内閣声明ということがいまにして想定される。ならば、もう少し角度を変えて、この事件の国会の要請にこたえるように特に希望を付して、午前中の質問をこれで終わります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 森中君に申し上げておきたいのは、何も進んでないことはないんですよ。捜査当局は鋭意、日曜まで返上してやっているのですから。これはもう鋭意。ただ……

森中守義日本社会党

○森中守義君 その議論じゃないんだよ、総理。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) その刑事上の責任というものは、国会がやろうと言ったって、国会はそういう場では私はないと思う。

森中守義日本社会党

○森中守義君 捜査当局不信じゃないんだよ。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 刑事上の責任ということは捜査当局に任してしっかりやれと、こういうのが私はわれわれの態度でなくてはならぬので、何にもできぬじゃないかというふうに考えるのは……。やっているじゃないですか。また、国政調査権は政治的な側面でいろいろ問題ありますよ、それはやはり十分におやりになるんで、アメリカの資料が来なければ国会は何もできないんだというこの態度には私は賛成できない。この事件は日本の事件ですから、徹底的にやはり日本で解明できるものは解明するという態度が私は必要だと思います。できるだけ政府は協力をいたしますよ、できるだけの協力はいたします。

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      —————・—————    午後一時八分開会

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、総予算三案に対する森中君の質疑を続行いたします。森中守義君。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総理に伺いますが、伝えられる自民党並びに民社党の裏協定、念書、この真相はどうなっておりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 森中君も新聞の報道なんかで御承知だと思いますが、自民党と民社党とは五項目にわたる申し合わせはしたことはございますが、いま御指摘のような裏協定はございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ずいぶんこういうとき威勢いいですな。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 大事なことですから。

森中守義日本社会党

○森中守義君 自民党の方では、いま総裁がことさらに声を大きくして言われたように、ないと言われる。民社の方では表向きはコメントしない。しかし、幾つかの新聞の報道等では、お互いの金庫の中に、つまり裏念書というものが納められている、こういうことを民社のある幹部がおっしゃっている。それからきのうの各党のテレビ討論会で、民社党の書記長はきわめて自信ありげに発言をされた。こういうことからいきますと、もちろんこれは、ありますよ、こういうものですよというのは、それは言えないでしょう。言えないからことさらに声を大きくする。これはまあ人間の気持ちの動きとしてわからぬでもない。本当のことを言ったらどうですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 余り私が声を大きくすると何か疑いを差しはさまれるといけないですから、余り大きい声はこれから使わぬことにしますが、それはないということが事実でございます。森中君も御承知のように、いろんな経緯を踏まえて両院の議長が裁定を下したわけです。その席には五党首が一緒に立ち会ってこの裁定を受諾して、国会の審議は再開され正常化されたわけですから、私が誠実に守らなければならぬのは、この五党によるいわゆる議長裁定を受諾する、こういう返事をしたその責任からしてこれを誠実に履行したい、これがいま私に課されておる大きな責任であると、こう考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 議長は裁定を提示する前に、これはもうずいぶん以前からうわさが流れていた。そこでことに総理、自民党の党首に対しまして、こういうことがあるのかないのかということを議長が問うておりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) まだ正式に質問を受けたことはございませんが……

森中守義日本社会党

○森中守義君 そのとき。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) これは議長としても、そういうことはむろんないものだということの前提であったと思いますけれども、そういうことを私は質問を受けたことはございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ちょっと、いまのところが私どもの情報と違うんです。議長は特に総理に対しまして、そういううわさがあるんだが、本当かどうかということを問うて、ないと言ったから、じゃあ裁定を出そうと、こういう経緯があるように聞いておりますが、それは私の方でもう少し精査してみましょう。つきましては、有力二紙が一面トップに、しかも四段抜き、五段抜きという、こういう記事を出すからには、二社には相当の確信のある記事だと見ざるを得ない。それを総理のあれからいくと、ないとこうおっしゃるんだが、これはどうなんですか。進んで、その報道が虚構なものであるのか、総理のお話からいくと虚構ということになりますね、これは当然その二社に対しまして総理はただすべきじゃありませんか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いわゆる裏協定はないと言うのですから、御信用を願います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それは総理、こういう両院議長、五党首という異例の経過を持ちながら、それで有力二紙が実際の背景というものを報道した。この報道の根拠、これは当然総理としては確かめて、その上で処理をする必要がありますよ。後の処理をどうするかということはいまから聞きますけれどもね、まあそれが先じゃないですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) あったのは自民党と民社党との四項の中に、「本事件の特殊性にかんがみ、検察当局の捜査処理終結の時点で、政治的、道義的責任の有無を明らかにするための国会の調査について、政府は事実究明に必要な最善の協力をする。」と、これが民社と自民党との取り決めの中にあったわけで、これは議長の裁定との間に何にも矛盾をしない。こういうことは議長も、これは新聞にも報道されておるんですから、こういう事実は御承知であったと思いますから、このことと議長の裁定との間には格別矛盾もないということで、民社党の党首も来られて議長の裁定を受諾するということであったわけでございますから、そういうことで議長の裁定というものは、いろいろそういうことの経緯も踏んまえて議長が判断されたのでしょう。しかし、裏協定というものはございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総理、ちょっと私は一つの質問を繰り返すわけにいきませんから、座ったまま恐縮ですが、いまお読みになった五項目は、それはもう皆知っているんですよ。それじゃない。裏協定を聞いた。ないと否定をされるから、有力二紙が伝えたので、当然これは報道の根拠について総理みずからが問われる必要がありはしないかと、こう聞いているんです。いまのお答えは私は求めていないんですよ。報道の根拠を当該二紙にお聞きなさいと、こう言っているんです。それを答えてもらったらいい。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 新聞にいろいろな報道がなされますけれども、報道の根拠、そういうものを取材した根拠は何だということは、私は余り問わないことにいたしております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは実はもうすでにきょうからかなりのアクションが始まっておりますから、これ以上問いませんけれども、しかし、それじゃ余り親切気になりませんよ。両議長、五党首、しかしその表に出なかった裏に何かあった。これは全く重要な問題であって、本当に私どもはこの問題は重視しております。だから、総理がおっしゃったようにないと言われるならば、あったと二紙にはあるんだから、その根拠は確かめるのがあたりまえじゃないですか。  それからいま一つは、当然議長並びに各党首、それぞれ議長裁定に当たってあの問題を受諾したわけですから、しかし今日こういう問題が出た以上、だれしもが新たな疑惑を持っている。議長に対して、各党首に対し、何かあなたはコメントすべきじゃないですか。それもしないで、ありません、ありませんで、各党党首間の信義がそれでいいんですか。どうなさる。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 議長からむろんそういう問い合わせがあればお答えいたしますが、私がないと言っておるんですから、新聞のことは、私はそういうことはどういうところで取材したのかというようなことは問い合わさないことにしておるわけですが、ただ、私ども五人の党首が寄って議長裁定を受諾する、両院議長の裁定をね、それで国会というものは正常化されたのですから、これはもうわれわれとしては誠意を持ってこの議長裁定は実行せなければならぬ。これで皆が寄って、あそこであの裁定によって国会が正常化されたのですから、われわれはその議長裁定というものを誠実に実行しなければならぬということで、これからあの裁定に沿うて誠実に履行しようと思っておりますから、問題はあの議長裁定、五党の党首が皆寄ってこれを受諾して国会が正常化されたという、このやはり議長裁定の重さというものを踏まえて、今後誠心誠意この実行に当たりたいというのが、私の今日の心境でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 やっぱり答えていませんな。議長や各党首にどうするかということを私は聞いているんですよ。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) この議長裁定、五党首の会談によっての受諾、この厳粛な事実を踏まえて、この議長裁定を誠実に履行するということが、各党の党首に対しても私の一つの大きな責務である、こう考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 どうも総理、正確に受けとめてくださいよ。私は、両院議長並びに各党首にですね、事の真相というのか、みんな疑いを持っているわけだから、その辺のことをきちんと何かの形で確認をするという、そういう措置をとるべきだと、こう言っているんですが、なさらないのですか。いまのお話からいけば、裁定を忠実に履行するだけだと。それではやっぱり各党に対しまして総理として私は親切なやり方とは思いませんよ。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) それは国会という、こういう場で社会党を代表して森中君の御質問があって、ここで答えておるわけですからね。だから、そういう点で、これはもう私はないと言っておるんですから、御理解を願えると。国会という皆の、国民の前で答えているわけですからね。

森中守義日本社会党

○森中守義君 こういうときに大きな声を出すんですよ。  そうしますと、要するに議長裁定以外にはない、天地神明に誓う。もし、あったらどうします。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私はないと言っておるんだからないので、もしあったらと。そんなことはないですから、そういうことはないと言っておることをどうぞ森中君も御信用を願いたい。

森中守義日本社会党

○森中守義君 まあこの件は、さっき申し上げたようにかなり大きなアクションを起こしておりますから、事態が究明されるにつれてまた私どもの方と問答が続くことになりましょう。  法務大臣と関係者の方にお尋ねいたしますが、ユニットあるいはピーシズ、ピーナッツ、これらは、トライスターが機種決定をされたその後のものについては、つまりP3C、これに向けられたのではないかというふうに思う。トライスターに対する報酬じゃなかろうと、こう思うんですが、この判断はどうでしょう。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 捜査の問題ですから、どういう報告を受けるか、その受けた段階でお答えしょうと思いますから、ただいまの段階でどういうことになっているかについては刑事局長から答弁させます。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) たびたび申し上げておりまするが、現在検察当局といたしましては、ロッキード社の日本国内におけるあらゆる企業活動の全面にわたりまして調査、捜査を進めておる段階でございます。それだけを申し上げることでお許しを願いたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 まあそれは言われればそういうものかわからないけれどもね、一つの方向を私は問うているわけだから。つまり、四十七年の九月一日田中・ニクソン会談、十月三十日にトライスターの機種決定。で、それ以下ずっとあれですね、記録によれば四十七年の十月から十一月にかけて三十、九十ユニット、この領収証がある。それから四十八年の八月にピーナッツ百個。このときにPXLの専門家会議がつくられる。十月に百五十個のピーシズ、それから一月に百二十五個のピーシズ、四十九年の二月に百二十五個、こういったように送られた。すでにこのときはもうトライスターは解決している、ロッキード社からしますとね。だから当然これはPXLに向かって使われたのではなかろうか、こういう疑問が出るんですがね。これが素直な見方じゃないかと、こう思うんですよ。これは刑事局長、この程度のことも答えられませんか、一つの方向として。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) すでに公表されておりますピーシズあるいはユニットというようなことによる金銭の受け渡しという客観的な日時と、それから別途いま森中委員御指摘のPXLなりトライスターの購入の延期とかあるいは国産の繰り延べというような日時というものが、ある程度符合しておるということは客観的に事実でございますが、その関係がどうあるかということは、まさにいま究明の途中でございますので、これ以上は御勘弁を願いたいと、こういうことでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 客観的にはそういうようなことが符節として合うということは、私の指摘についてある程度の合理性があるというように理解していいんですね。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) ただいま申し上げましたように、客観的な日時関係が符合するということで、その間の推理の合理性のいかんは、検察当局の関係する私といたしましては御勘弁を願いたい、さように思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それから児玉の外為、脱税の容疑取り調べは終わっておりますか。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) 脱税容疑につきましては、昭和四十七年分についてさきに東京地検に東京国税局から告発したところでございまして、昭和四十八年分以降についてはなお現在調査中でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 児玉が受け取っていたコンサルタント料、これは給与と解すべきなのか、報酬もしくは料金と解すべきか、どちらでしょう。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) 児玉とロッキード社との間に取り交わしておりますところの契約書によって判断をいたしますと、その間におきましては雇用関係というものは存在しないというふうに思われますので、私どもはその所得は給与というふうには考えておりません。むしろ、その性格々いろいろ判定をいたしまして、事業所得というふうに判断をいたしております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 事業所得という解釈が出てきますか。事業じゃないじゃないですか。秘密代理人という事業がありますか。事業所得にはならないね、これは。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) 所得税法上事業所得の定義がございまして、それをまた政令の上におきまして細かく規定をいたしておりますが、たとえば製造業、卸売業等に並べまして、最後に「前各号に掲げるもののほか、対価を得て継続的に行なう事業」というのは所得税法上事業所得の範疇に入れることにいたしております。したがいまして、それが公的なものであれ、秘密として行われているものであれ、事業所得というふうに判定々いたしたわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 わが国の業種の中に、一次産業、二次産業、三次産業と見た場合に、秘密代理人という事業がありますか。ありますか。それは判定が間違っているよ。どういう根拠を踏まえられるか。窃盗業とか、そういうものも業の中に入るのか。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) 事業所得の中には、いまおっしゃいますように、たとえば農業でありますとか、林業、水産業とかいうようなものもございますし、それから第二次産業に属しますところの製造業も包摂をいたしておりますけれども、いわば第三次産業に属しますところのサービス業も含んでおるわけでございます。したがいまして、その中に、仮にいまの契約書の文言から言いまして、いわばコンサルタントとしての業務を提供いたしまして、それに対する報酬を得るということにつきましては、私どもとしましては、産業分類上も、その他サービス業というふうに掲げてございますそのサービス業の一つとしまして——それは、仮に秘密であるか公的であるかということは別でございまして、そこに所得が生じますれば、われわれとすれば、何らかの所得の中に分類しなければなりません。そういう意味におきまして、コンサルタントとしての収入という点を、事業所得と判断をいたしたわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは百歩譲って、給与という判定はされないにしても、事業所得という判定は、私はどう考えても生まれてこない。報酬もしくは料金——まあ料金という解釈もいささか無理かわからぬけれども、報酬でしょうね。それでね、当然これは報酬という私の立論からいくならば、所得税法二百四条に該当する。これは一体どういうように理解をされますか。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) 所得税法上、ただいま申し上げました所得分類におきましては、報酬とか料金とかいうものは、たとえば給与所得でございますとか、事業所得でございますとか、雑所得でございますとかいうところの所得分類には入らないわけでございます。報酬とか料金が払われましたときに、一体それはどの所得に入るかということを分けるわけでございまして、その者の報酬なり料金の性格から、何所得に入るかということを判定するわけでございます。そのときに、いまおっしゃいましたように、二百四条をお引きになりましたけれども、それは、そういう報酬とか料金をたとえば法人が払いましたときに、もちろん国内の法人が払いましたときでございますけれども、国内の居住者たる者が払いましたときには源泉徴収をする義務があるというまた別の規定でございまして、報酬とか料金とかいうもののその性格から、一体何所得にするかということは、また先ほど来私が申し上げておりますように、「対価を得て継続的に行う事業」であり、その事業から得るところの報酬であるという場合には事業所得として判定をいたしますし、また、所得分類の中では包括的にいろいろな各種の所得に属しないものを雑所得としてございますけれども、そういう雑所得に入れる場合もございますが、この問題を議論いたしました場合にも、事業所得であるか雑所得であるかという分類についてはいろいろ私ども研究をいたしましたけれども、給与所得であるというふうにはその性格から考えられないというふうに思っております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私はどうしてもいまの説明では得心いかない。これはやっぱり社会通念として考えた場合に、これは何としてでも事業所得という解釈は出てこない。したがって源泉徴収の義務がある、こういうように実はこの際は解釈をすべきであろう。いま国税庁長官の解釈からいくならば、これはむしろ児玉の脱税、あるいは児玉を擁護している、そういったようにしか私はとれないけれどね。もう一回正確に答えてください。徴収の義務があるよ、これは。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) 報酬であるかどうかという点については、所得分類のもう一回ふるい分けをしなければならないことは、先ほど御説明したとおりでございます。  それから、そういう報酬、料金につきまして源泉徴収をする必要があるかどうかということは、先ほど森中委員御指摘のとおり、所得税法にもたとえば二百四条に規定がございます。その場合には条件がございまして、支払い側は居住者ということでございますから、たとえば日本国の法人であるとか日本国の支払い者という場合がございます。それから源泉徴収をすべき対象である報酬、料金もいろいろと細かく規定をしてございます。たとえば原稿、さし絵、作曲というようなものに関係する報酬、料金でありますとか、弁護士、税理士等に支払いますところの報酬、料金でありますとか、映画、演劇その他の芸能関係の出演に対する報酬または料金でありますとか、限定的に書いてございます。そういう意味で、本件につきましては、私どもは、二百四条によりますところの源泉徴収の問題は起こらない。やはり申告をしまして納付すべき税額であるというふうに考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総理にこれちょっと伺いますがね。その秘密代理人ということは、えてしてこういう問題を引き起こすことになる。これは何か仄聞するところによれば、ロッキード社だけではない、他にもアメリカは日本にこういう種類のものを配置しているんじゃないか、こういう話があるんです。こういうものは表に出ない、裏で商行為をやる、まことにこれは当を得ないやり方なんですね。何かこういうものを規制をする立法措置はお考えになりませんか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) それは社会道徳上は好ましいことではありませんけれどもね。それを法律で規制しようがないんじゃないでしょうか、秘密にやられるので。そんなふうに思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それではこの悪の根源というものがいつまでも絶たないということになりますね。私はやりようではいろいろな措置が考えられると思いますよ。もちろん秘密にやることだからわからぬのがあたりまえだ。これじゃやっぱりいつまでたってもこういう悪の循環というのは絶たれませんよ。そこをどういったように法規制するかという、これこそ学問の商い法学博士法務大臣が考えることだ。考えなさいよ。学力不足の者がそう言っているんだ。(「学のあるところでやってくれ」と呼ぶ者あり)学のあるところでやりなさいよ。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 秘密契約罪とでも言うんですかね、よろしくそんなことは、よく犯罪の原因になるから、その秘密の契約をすること自体を犯罪として刑法典に盛れという意味ですか。そういうことのようですね。しかし、それはちょっと研究させていただきましょう。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは商行為の秘密性、ひいては税金その他もろもろの今回のような悪の源流をなすわけです。だから私は、政府の方が進んでこういうものに何らかの法的規制を加える。さもなければ、さっき総理が、特使を派遣をして多国籍企業の不正行為を相談する、こう言われたんですが、ある意味では、国際的な規模においてでも当然こういうものは規制をさるべきである、そう思うのです。そうしないと、たまたまこういうものが出た、それで大騒ぎになったんだが、こういうものにある種の国際的あるいは国内的な法律上の規制を加えなければ、わからないからやっていいということでは、これは世の中の秩序は保てないんじゃないですか。そういう意味で、総理の、私は、こういう秘密代理人というような悪の根源を除去するという措置を求めたいと思うんですが、どうでしょう。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) まあいろいろ森中君の御指摘のように、これは税法上の問題も起こり得る余地がございますし、多国籍企業の不正防止というのは日米間でよく話し合いをしてみようと思います。そういうことでございますから、そういうのでアメリカ自身も、多国籍企業というものがいろんな点で国際的に波紋を描いておるわけですから、こういう点で多国籍企業のあり方というものを根本的に検討してみよう。これは単にアメリカばかりではなしに、OECDにおいても、国連においても多国籍企業というものは問題になって、いろいろな提案が行われておるんですから、そういうときの問題点の一つだとは思いますね、これは。秘密の代理人というようなことは、何かこう不正行為が行われる一つの温床になりやすいんですから、研究はいたします。

森中守義日本社会党

○森中守義君 こういうときにさっきのように声を大きくして、研究じゃなくて実施するというように言い切ってもらいたいものですね。みんなそういうことを期待していますよ。何の規制もない、秘密だからわからない、わからないからやりょうがないというんじゃ、悪をそのまま認めるようなことじゃないですか。それは総理、ただ研究じゃなくてもう少し具体的に検討したらどうです。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) これはやっぱり国際的な問題だと思うんです。向こうの方もそういう商権の維持拡大ということにいろんな手を使うわけでしょうが、そういう不正行為をするし、あるいは不正行為が起こりやすい温床をつくることを、いわゆる不正行為を防止しようという点から言ったら検討すべき課題になってくると思いますが、これはやはり日本の場合は、秘密でやられておるということになってくると、なかなかやっぱり今度のような事件が起こればこれが発覚するわけですけれども、そういうことが起こり得ない、その根本を除去するという点で、これは一つの話し合っていろいろ研究をしてみる課題だと思います。そういうふうなことで、私はお答えをしたわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 大蔵大臣、輸銀法改正の問題ですがね。これは航空機の輸入を輸銀融資の対象にされた、しかもトライスター導入の三カ月前に決定を見ておるようですが、この改正に至る経緯を少し具体的に説明してください。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 当時、日本の外貨が、国際収支が好転いたしまして、大変な外貨がたまってまいりまして、これを活用する方途を考えなければならない立場にあったわけでございます。航空機は従来アメリカの輸出入銀行、そしてアメリカの市中銀行の協力融資によりまして融資を受けておったと承知いたしておりますが、そしてその道は日本の航空機会社がその融資を受けようと思えば引き続き受けることができたはずでございますが、政府は、日本に外貨がたまった以上はそれを活用する必要を感じましたので、そういった金融を日本の輸出入銀行に切りかえていこうという政策転換をいたしたわけでございます。しかし、それは政府の都合でやるわけでございまするので、航空機会社の方は、アメリカから金融を受けておった当時と条件を変えないというようにして差し上げる必要があろうということでございまして、そういう従来のアメリカから受けておった金融条件に従って輸銀から融資するようにというように切りかえたわけでございまして、しかしその後、国際収支は不幸にいたしましてまた逆転いたしまして、またもとのアメリカの融資に切りかえざるを得ないというようになったわけでございます。言いかえれば、これは日本の国際収支の好転あるいは逆転というような事情からそういう輸銀法の改正が行われたわけでございまして、航空機会社とは、航空機会社あるいは航空政策というようなものとは関係なく、日本の国際金融政策の一環として実行いたしたものと私は承知いたしております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総論としてはそういうことでしょうが、関係がある。  通産省、通産大臣、それから運輸大臣、大蔵省に対して輸銀法改正の申し入れをされたことがありますか。それぞれ御答弁をいただきたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 運輸省といたしましては、そういう申し入れをいたしておりません。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 調査をいたしまして返事をいたします。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私の調べでは、閣議に改正をかける前に事務次官会議が開かれて、そこで了解が取りつけられた、こういうように聞いておりますが、総務長官、その事実はどうでしょう。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 法律の改正は当然閣議の決定を経てやるわけでございまして、閣議決定前には、仰せのように事務次官会議に付議いたしますことは政府の通例の手続でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 通産の答えがまだ得られておりませんが、この改正の発議はだれがしたのですか、どこが中心ですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 大蔵省と承知いたしております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 大蔵省の場合、当然これは大臣説明がその前に行われたものと思いますけれども、それはいつごろでしょう。具体的に日時をお知らせ願います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 具体的な日時等、手元に資料がございませんから、いま関係局長を呼んでおりますので、しばらくお待ちいただきます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 どの局長ですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 国際金融局長、いま呼んでいますから。

森中守義日本社会党

○森中守義君 すぐわかるんじゃないの。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いや、いま関係者がいませんので。前もってあなたから御指示があれば呼んでも結構ですが、突然のお話ですから。

森中守義日本社会党

○森中守義君 しかし、出席の局長ではわかりませんか。これは時間が私の質問には大事なんですよ、時間というのが、その日時がね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま関係局長、本省から駆けつけるように申しつけましたから。

森中守義日本社会党

○森中守義君 法制局との打ち合わせはいつごろになっておりますか。それもわからないか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 事前に必ず法制局の審査を経まして、法制局をクリアする必要があることは申すまでもないことでございますが、それがいつであったかということもあわせていま資料が手元にございませんから、早急に調べて御返事いたします。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは通産も大蔵省も、その辺の事実経過が少し正確でない、さっきの質問ができないので、じゃちょっとこの点を保留して次に移ります。  検察庁、法務省にお尋ねしますが、児玉譽士夫の現在の調査の段階というのは、贈収賄の容疑ということでしょうか、何が中心になっておりましょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 児玉譽士夫につきましては、四十七年度分の所得税法違反については、すでに告発を受けまして捜査処理済みでございますが、四十八年、四十九年については、先ほど国税庁長官御回答のとおり、目下告発前の捜査段階でございますので、検察庁といたしましては、児玉譽士夫が、先ほど御指摘のコンサルタント契約等によって得ました報酬等の使途について取り調べ中であるということでひとつ御容赦を願いたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 贈収賄は。局長、贈収賄。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 収入を得た金の使途について取り調べておるということで御勘弁を願いたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 コーチャン証言で檜山もしくは大久保、丸紅の代表が贈収賄のその教唆を与えた、こういう非常に確度の高い証言があった。このことを考えた場合に、檜山あるいは大久保、いずれかは被疑者というような解釈ができるかと思いますが、これについてはどうでしょう。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) 米国上院におきます公開の委員会におきまして、コーチャン氏がさような証言をしたという事実は承知いたしておりまして、その証言内容について検察当局が重大な関心を持っておることは事実でございますが、いつか衆議院の予算委員会で申し上げましたように、贈収賄というものは、いわゆる公務員がだれであるかが特定いたしませんと、その職務関係もわかりませんので、森中委員の御指摘のように、贈収賄の被疑者に檜山氏なり大久保氏がなるという段階には、直ちにはならないということも御理解を願いたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 先般同僚の矢田部君からも詳しくお尋ねいたしましたが、言われている怪文書、福永文書ですね、これはきわめて重大な役割りを果たしていると私どもは見ている。したがって、自民党の幹事長などの意見によりますと、すべてが捜査当局の捜査にゆだねる、こういう実は見解は述べられているわけですが、検察当局はこのことについて何分の調査に入っておりましょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) これは前回矢田部委員の御質問にもお答えいたしましたように、またいまも申し上げましたが、ロッキード社のいわゆる製造機の売り込みに関する、いわゆる企業活動の全般にわたって取り調べをしておるということで、ひとつ御容赦を願いたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 松澤行管長官、これは行政管理庁としましても運輸省の文書の扱い、当然行管が査察に値する問題、行政管理庁としてはどういう措置をとっておりますか。

松澤雄藏自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(松澤雄藏君) これらの問題等につきましては、バス導入を延期したというふうな経緯等に——エアバス導入というような問題等に関しても、現在運輸省が調査中だというふうなこともございますので、それらの調査をよく聞いた上に立って、また調べた上に立って、ただいまのこと等に対しましては、善処するような方向に持っていきたいものだと、かように考えております。また、強制調査権を有しない当庁におきましては、運輸省を監察するといたしましても、運輸省からの説明及び運輸省から提出される資料等によりまして、これ以外に検討する手段がございませんので、運輸省以上にはそのいきさつのことなんかを解明することは非常に困難であろうとも考えております。いずれにいたしましても速急に調査するように、やるようにというふうなことをまあ要求するような気持ちでおるのであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは松澤長官、捜査権とか強制捜査と、そういうことを言っているんじゃない。国家行政組織法で、しかも設置法で、当然なこととして行政管理庁は関係の省庁に行政上何かそごがないのかどうかということは常時これは監察できる、よく読んでごらんなさい。そういうことを発動して、通例の行政監察をこの問題についてやったらどうかと、こう言っているんですよ。どうもいまのお話ではわかりません。やる義務がありますよ。

松澤雄藏自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(松澤雄藏君) 極力、ただいまの御趣旨に沿うように、私たちの方といたしましてはやるべく努力をしておるというようなことを申し上げるだけにすぎないのであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これはやられることだろうからあれですが、極力努力も何もないですよ、行管なんてそんなむずかしいところじゃないんだよ。行政省庁が間違いなく仕事をしているかどうか、それを見るのが仕事だから、やりなさいよ。  それから午前中もちょっと触れましたが、地検及び検察首脳が検討会を開いた。しかも贈収賄の解明に自信を持った、あるいは事件の全容をつかんだ、こういうように伝えられておりますが、その概要をお示しいただきたい。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) けさほど申し上げましたように、米国から入手いたしました資料の検討を二十日間にわたりまして行いました結果、国内調査、捜査の資料とあわせまして、中間段階における報告を上級官庁にしたということでございまして、贈収賄の容疑について自信を深めたとかその他云々の事柄は、すべて新聞報道陣の方々の推測でございまして、その中身を申し上げることは、遺憾ながら現在では捜査の支障になりますのでお許しを願いたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 強制捜査に踏み切るとも伝えられているけれども、アメリカ側の取り調べを抜きにしてでもそのことができるかどうか、この点はどうでしょうか。

安原美穂法務省刑事局長

○政府委員(安原美穂君) これもけさほど総理からもおっしゃいましたように、また私も申し上げましたように、本件はアメリカにわたる渉外的ないわゆる疑惑を生んでおる事件でございますから、その一般的な性質上、また実際問題としてアメリカに有力な参考人なり証人なり証拠物があることは事実でございますから、そういう人々によっての捜査の協力を得るということがこの本件究明のために非常に有力な手段であることは間違いはないと思いますけれども、それがなければ何ともならないというようなことかどうかというようなことになりますと、これはまさに現在における捜査の進行状況を申し上げることにもつながることでございますので、そこまで言及することはお許しを願いたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 もう総理お聞きのとおり、国政調査といっても、全部これでは国政調査になりますか。少なくとも、おおむね要約をしてこれとこれとこれはポイントであろうということで私は聞いている。全然コメントがないんですよ。どう思われます。これが本当の国政調査になりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま捜査当局が刑事上の責任追及というのがいよいよ核心に触れようとしておるわけですから、それは森中委員が御関心を持つことはよくわかりますよ。御関心をお持ちになるのはよくわかりますが、その内容について、ここで検察当局から捜査会議、全体会議はこういうことでございましたということは、まあ国政調査権でもちょっとそれは御勘弁願わなければ、申し上げられないことではないか。安原刑事局長の答弁も私はもっともだなあという感じでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これから少し矢田部質問の発展した状態として運輸省にお尋ねいたします。  せんだっても指摘がありましたように、四十七年の五月二十六日、全日空から要望書が提出された。この要望書の提出の動機はどういうものであったか、まずそれからお聞かせ願いたい。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) 五月二十六日の全日空からの要望書は、これはいわゆる航空対策特別委員会に対して全日空から出されたと、こういうふうに承知いたしておりまして、政府といたしましては、どういういきさつでそれが出されたかということは詳細存じません。ただ、三月に航空対策特別委員会が開かれまして、そこで運営体制についていろいろ議論がなされたわけでございまして、その後いろいろな検討が政府部内においてもいたしたわけでございますけれども、七月一日の大臣通達が出されるまでの間においていろいろな経過があったわけで、全日空が党に対して要望書を出したということも恐らくその一こまであったというふうに理解いたしております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは運輸大臣、もうかなり論点が集中している。いま航空局長は理解していると、こういうお話ですが、事実関係をもう少し正確につかんでくださいよ。この一事をもってしても、一体政府みずからが解明に協力されているかどうかわかりません。つまり全日空自体が自発的に出したのか、だれかの求めによったものか、同時にまた日本航空あるいは東亜国内、他のエアラインに対しても同様なものを求めたのかどうなのか。この辺の真相というものは、当然なこととして運輸省は、自民党が聞いたんだから知りませんよということでは、これは事が済みませんね、なぜエアラインに聞かないのです。聞いた結果こうこうであったという答えを出してもらわないと、理解していたという程度ではちょっとこれは正確じゃありませんよ、どうでしょうか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) ただいま航空局長が申し上げましたような状況でございまして、当時、航空会社の再編成に関連いたしましていろいろの意見が出たわけでございますが、全日空は全日空なりの意見を持っておったわけでございます。当時は党の航空対策特別委員会において、こういう問題も与党という立場でいろいろ検討しておったわけでございますので、その航空対策特別委員会に全日空が全日空としての意見書を出したのであろうと、こういうふうに私も考えておりますが、それは恐らく全日空が自発的に自分の、当然特別委員会等では航空会社の代表者も呼ぶわけでございますから、恐らくそこで口頭でもっては自分の会社のいろんな要望なり意見を申し上げておるわけでございますが、それらを文書にまとめて出したものであろうと、そういうふうにわれわれは解しておりまして、別に全日空がだれかに強制されて出したというふうには聞いていないわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私の聞き及ぶ範囲では、福永委員会と称される自民党の航空対策特別委員会が、要望があれば提出しなさいと言って提出を求めたと、こうなっておる。この事実関係と、いま言われるのと大分違いますね。運輸大臣、聞こうとすれば目と鼻の先にある代表者を呼ぶなり何なりしまして、この動機というものを少しやっぱりきちんと整理しないと、だんだんだんだん私どもとしては問題がわからなくなってくるし、解明できませんよ。どうしてそういうように、思うとか理解したという言い方で国会の場を逃れるのですか。どうして事実関係を究明されないのですか。もう少しはっきりしてください。私の調査でそうなっている。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 私はいま申し上げましたように理解をしておりますが、森中委員がそういう御意見でありますので、改めて全日空にどういう動機で出したかということを確かめてみましょう。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総理に特に申し上げておきますが、まことに怠慢のきわみですよ。何回となくこういう問題が議論されておるにかかわらず、思うとか、理解する、これが一体政府のやることですか。なぜ直接に当事者に事実聴取をやらないんです。こんなの、これは捜査当局に任せる必要ないんですよ。私はそういう意味で非常に政府のこの種問題に対する姿勢というものは遺憾千万。こういうことがないようにきちっと閣議でやってもらいたい。  そこで、総理大臣にいまのことをきちっとしてもらった後でさらに質問は続けますが、どうです、総理。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は閣議でも申したのですが、いろいろ問題を提起されておる問題については十分に調査をして、お手数をかけることのないようにという注意をいたしたことがございます。国会の正常化された当初でございます。なお、できるだけお手数をかけないように準備をするようにいたします。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これはだれかに求められたのか、自発的であったかということ、同時に、全日空だけであったのか、他の二社もであったのかという、非常にこれは重大なポイントになる。運輸大臣、もう少し正確にしてください。私は、求めがあったから出した、しかもそれはひとり全日空だけではない、日本航空も東亜国内もそれぞれに求められた、こういうように聞いているのですが、これはどういうように調査なさっておりますか。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) 求められて出したのか、自発的に出したのかについては、大臣が申し上げましたように改めて調査をいたします。ただ、この委員会には当日は政府といたしましては出席いたしておりませんので、したがって、その状況については当事者から直接聞かなければよくわからない、こういうことでございます。当日この意見を表明いたしましたのは、全日空以外に日航、それから東亜国内航空もそれぞれの意見を述べたというふうに聞いております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 文書か、あるいは口頭か、その辺の内容を。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) 私どもの聞いた範囲におきましては、全日空は文書を出したようでございます。それから日航は口頭であったか、あるいは文書であったか、確認いたしておりません。東亜国内航空は口頭で説明をしたというふうに聞いております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 日航は要旨を手書きの書類を出した。東亜国内は口頭で説明した。こういうように私の調査ではなっている。そこで、全日空及び日本航空がそれぞれ書面を出しているわけですが、これは恐らく運輸省あるでしょう。お持ちだと思う。私の手元にありませんから教えてください。どういう内容であったか。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) これは資料として運輸省に存在いたしております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 内容を。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) 三社の要望の内容は、資料として運輸省に存在いたします。

森中守義日本社会党

○森中守義君 運輸大臣ね、これらのことについてはちゃんと連絡も、私は質問の決まったときにしてあるはずですがね。全部お持ちになっているんじゃないですか。非常に重要なものですからひとつ御披露願いたい。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) 先ほど申し上げた中で、東亜国内航空の分はこれは口頭で述べたようでございますので、資料としても運輸省には存在いたしません。全日空と日航はそれぞれ資料として運輸省に存在いたします。

森中守義日本社会党

○森中守義君 内容、内容。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) まず、日航の意見でございますけれども、いろいろ書いてございますけれども、まず日本航空として、事業分野につきましては、那覇が幹線であることの確認を願いたいというのが大きなことでございます。  それから全日空の近距離国際不定期でございますが、これはいわゆるチャーターということの確認と、それからその範囲については急速な拡大は国際的に悪影響をもたらすので反対であるということで、範囲の限定をし、かつ日本航空と提携をして秩序ある運営をすべきであるということでございます。  それから東亜国内航空につきましては、日本航空が積極的に技術支援を行うということと、東亜国内航空の幹線への新規参入につきましては、これは四十九年度を目途とすることには反対しない、それまでの間に運営体制の確立をしてもらいたいと、こういうことでございます。  それから次は輸送力のいわゆる確保調整の件でございますけれども、各社が輸送力を増加いたしますその基準につきましては、一つの具体的な枠をはめることは反対であって、企業間の協議にゆだねるべきであると、こういうことでございます。  それから大型ジェット機の国内幹線への投入につきましては、原則として四十九年度以降ということで、ただし沖繩へのジャンボ投入は四十七年度から認めてもらいたい。それから、それ以外の国内幹線についても、企業間で合意が成立すれば四十八年度に繰り上げて投入することを認めてもらいたいということが日本航空の意見の大要でございます。  それから全日空でございますけれども、全日空の要望は、まず、幹線の範囲については拡張解釈すべきではないということと、それから今後の増便等の基準は民業優先で考えてもらいたい。それから東亜国内航空の幹線への参入は、日本航空の方を段階的に縮小させることにおいて実施されたいということ、それから東亜国内航空が幹線に参入するまでは全日空が増便または増席、座席をふやす、そういうことを行い、それから東亜国内航空が幹線参入を認められた時点以降の増便等は、全日空と東亜国内航空を平等に考えてもらいたい、こういうことでございます。  それから、現在の客観情勢から判断いたしまして、四十七年度、四十八年度についての供給力の増加の要はないというふうに考える。  それからローカル線につきましては、これは四十五年の閣議了解で、ローカル線についてダブルトラッキングの方針が打ち出されておるわけでございますが、この実施は慎重にやってもらいたい。それから、やる場合には平等に相互に乗り入れる、こういうふうに考えていただきたいということでございます。  それから国際線につきましては、日航はいわゆる長距離路線、首都間路線というふうな国際線の幹線を担当してこれに主力を傾注すべきである。全日空は、将来近距離国際定期へ進出することを含みとして、さしあたり近距離国際不定期便の充実を行いたい。それから、その不定期便の運航範囲は、従来のような日航による制限的取り扱いを改めて、一定の範囲において自由に運航ができるようにすべきである。  それから国際線の貨物についても触れておりますけれども、これは将来一社に限定しないで、国益上限定しない方がいい、こういうことでございます。  それから大型機の国内線の導入については、これは昭和四十九年度以降にされたい、これが要望の大要でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ちょっとこのことを関連してお尋ねしますが、四十五年十一月二十日、例の閣議了解ですね、この中の一項にうたわれている「航空企業内容の充実強化を図り、航空の安全性の基礎のうえに、航空機のジェット化・大型化を推進する。」こうなっている。これは単なる概念規定というようにもとれるけれども、この時点で、いつごろから大型機を導入するという当然行政当局として一つの想定があったと思う。予測があったと思う。それは具体的にいつのことをこの中の含みとして持っているのか、これはどうですか。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) 四十五年の十一月時点においては、ジェット化、大型化を何年から行うということについて具体的に明確な目標時点を定めておったということはないと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 しかし、こういうものが閣議了解を求めるという際に、ただ、いつのことやらわからない、目安もなければ数字もないというふうなことで閣議了解を出すようなことがありますか。政府機関がそういうあいまいなことで閣議了解などというものが与えられるものですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) あの閣議了解ができました前後の航空事情というものを一応考えてみなければ事態がはっきりしないと思いますが、御承知のように、四十五年の万博までにウナギ登りに航空需要がふえてまいったわけでございます。   〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕  そこで、当時までに国内の航空会社も数多くあったわけでございますし、さらに今後競争が激化した場合には、不当の、過当の競争もあって航空安全にも支障があるということから、国内航空関係の再編成をやらなきゃならぬ。将来の航空需要も考えながら、いかに再編成したらよろしいかというふうなことで、当時運輸政策審議会に諮問をいたしたわけでございます。そこで、四十五年の十月に運輸政策審議会から答申が出まして、その答申の骨子になります航空需要の予測というものが、昭和六十年までにどんどん伸びまして、昭和六十年度には一億二千万人の需要があるであろうという前提での答申が出たわけでございます。それを受けまして、四十五年の十一月に航空事業の再編成に関連した閣議了解をやったわけでございますので、閣議了解の根底にありますのは、四十五年以降も航空需要がどんどん伸びていくということが前提になっておったわけでございますが、万博が終わりますと同時に、予測をいたしておりました航空需要はずっと下がってきた、そういうふうな状況下にあったわけでございます。しかし、あの閣議了解の段階では、さらに今後航空需要がふえるので、ジェット化あるいは大型化、しかも世界的な傾向でございましたので、そういういわゆる基本方針を打ち出したわけでございます。  いま森中委員のお尋ねのように、当時それじゃ一つもそういうことについての目算といいますか、そういうものがなかったかということでございますが、もちろん日本航空にいたしましても、全日空にいたしましても、万博を通じてのあの熾烈な航空客の需要というものを見ておりますので、一応マクロに五カ年計画等を毎年両会社もつくるわけでございますが、四十五年の秋の時点で日本航空も全日空も将来にわたって大型化を、ジェット化をやるべきであるということで、基本方針的なものはおおむね四十七年ごろを目途に導入したいというふうなマクロ的な計画は持っていたようでございますが、これはあくまでも基本的な構想であったわけでございます。当時の背景から申し上げますと、そういうことになっておったわけでございます。

山内一郎自由民主党

○理事(山内一郎君) 森中君に申し上げますが、銀行局長来ましたから……。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ようございます。後にしてもらいましょう。  推進をするということは、当然これは行政庁としましては、「四十七年」は運輸省じゃないけれども、エアラインだと、こう言われた。ところが、推進をすると言って、推進をしながら、実際は四十六年の二月ごろ待ったをかけた。余りにもこの辺のことが私は理解できない。わずか一年たたない間に、何でこういう推進をすると言いながら、待ったをかけるのですか。この事実関係はどうなんですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) ただいま申し上げましたような航空事情の背景のもとに閣議了解ができたわけでございますが、四十五年秋ごろから航空需要がどんどん減ってきた。しかし、特に国際空港をやっております日本航空は、国際空港に大型のジェット機も使っておる関係もあり、これが国内に使えるということになりますと、日本航空の運営としては非常に便利であるというふうな背景もあったようでございます。そこで日本航空といたしましては、当時国内のことも考えて大型機の購入も考えておったようでございます。当時国会における与野党間の質問、また政府側の答弁を見ましても、大型機をあわてて入れることはきわめて危険である、もう少し事情を待ったらどうか、航空安全の面からも国内空港の整備からもあわてるのは少し早計ではないかという意見が盛んに出ております。それに対して、そういった航空需要の低下という事情等を勘案いたしまして、当時の運輸大臣はそれらの質問に対してやはり同調をして、慎重に考えるべきである、こういうふうな答弁もいたしております。そういうのが当時の与野党間における国会での大体の意見でもございましたし、また運輸省としてもそれを受けて、両会社に対して少し延ばしたらどうかというふうなことを当時言っておったことも事実でございます。そういうふうな事情が当時あったのでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 この問題を非常に重視しますのは、コーチャン証言が、導入延期に成功した、こういう非常に重要な証言がある。ある意味ではこの福永文書というものはその引き金になっている。こういう実は理解を私どもはしているからです。  それで、これに戻りますが、先ほど航空局長の説明によりましてよくわかりました。全日空は文書を出した。日本航空も文書を出した。東亜国内は口頭であった。そこで出されたものがこの福永文書というかっこうにまとめられたということのようですけれども、内容から見て三つのものを全部これは網羅しているのか、あるいはどこのエアラインのものがこの中の中心になっているのか。これはもちろん自民党の特別委員長名によるものですから、運輸省にそれを聞くのはやや酷かわかりませんが、文脈と内容からしましてある程度の判断はつくと思う。それに対する見解はどうでしょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) これはいま森中委員がお話しのように、公印も何も押してありません文書でございますが、活字だけはこれは自民党航空対策特別委員長の文書になっております。その文書の内容でございますので、政府側であります運輸省として、三社の意見がどういうふうにどう入っておったかということは、文面だけで判断することはあるいは危険ではないかと思いますので、公式の発言として文書の製作あるいは発行の責任者でない者が批判をするということになりますので、これはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。いまの航空局長が読みました意見等と、それからいまの航空対策特別委員長の文書も御承知であろうと思いますので、やはりその点で森中委員が御判断していただくのが適当ではないかと考えます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは私に判断せいと言われればすぐできますが、むしろ行政当局として、出された三つのものが、どれが中心になっているかという判断はできるのじゃないですか。それも差し控えたいと言われるのですか。むしろこれが、さっき申し上げるようにコーチャン証言の、導入延期が成功した、これにじかに結びつく可能性があるから重視しているわけです。もしそれがどうしてもできないならば、私の手元にありませんから、いま運輸省の手元にあるという日本航空、全日空、それと東亜国内は口頭で言ったというならば、自民党に聞かなくても東亜に聞いたらわかるでしょう、どんなことをしゃべったのか、その三つのものをここへ出してもらいたい。出そろったところで判断をいたしましょう。まず、判断をつけられるのか。できなければ出してもらいたい。いずれを選びますか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) それぞれの航空会社がみずからつくって出した資料でございますので、会社の了解をとって提出をいたします。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは総括質問の継続中に出していただきませんと間に合いませんので、できるだけ早急にしていただきたい。もう少し事情を聞いてください、各社へ。  そこで、この福永怪文書なるものですが、この前の繰り返しみたいになりますけれども、だれの手で運輸省に渡されたのか、受け取った人はだれか、受け取った月日はいつなのか、これ、もう一回念を押しておきたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 前回も御質問を受けたわけでございますが、この文書が日にちも——日にちは入っていましたかな。正式な文書として航空対策特別委員長の判こも押してございませんし、文書ナンバーもないわけでございますし、したがって、運輸省としても当然文書として受け付けをするとか保管するとかという対象のものでもございませんので、どこからどう入ってきたかということが実はわからないわけでございまして、先般も矢田部委員からの御質問で、その後も調べておりますけれども、いまだにその経路がわかっておりません。なお引き続き調べておるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 木村大臣、まことにどうも奇怪な話なんですよ。いまわが国の政府機関が、こういったようなものをだれからもらったのか、だれが受け取ったのかわからないなんということが日本の行政機構の中にありますか。わかっているけれども言えないというのが本当じゃないのか。どうですか。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) わかっておればいつでも言うわけでございますが、本当にわからないわけでございますので、いまいろいろ調べておるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それから先ほど、大型化を推進をするというくだりに関連しまして、翌年の二月にはなるほど当時の橋本運輸大臣が国会の中で、急ぐべきでないという見解表明をされた。それと符節を同じくして、行政当局が各エアラインに対しまして導入延期を行政指導やった、こういう問題が依然として解明されない。当時のどういう立場の人が、どういう経過を踏まえ、どういう責任において導入延期をエアラインの方に指導したのか。その人、その立場、経過、責任を明らかにしてもらいましょう。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 先ほど申しましたように、ああいった航空事情の背景の上に立っての国会の質疑でもございましたし、それに対して運輸大臣がそれに同意をする意味で慎重に取り扱うという答弁もしておるのでございまして、これは当時航空局といたしましても、まだ四十七年に大型機を入れれば、これは一社に入れて一社に入れないということになりますと、不当の競争になりますし、それから両社に入れるのには航空需要に対してオーバー供給になり、過当競争にもなりますし、また普通のジェット機でも十分間に合うという需要状態でもあったというようなことは当時の共通した航空局の見方でございましたので、運輸省としてそういうふうな考え方に立って指導をしておったということでございますから、当時それぞれのその担当の責任の地位にある者がすべてそういうふうに責任を持って考えておった、こういうことになろうかと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 つまり、この福永怪文書なるものが丹羽通達の基本になったわけですね。連動している。少なくとも引き金になっている。  そこで、この通達の発出に当たって、閣議了解とこの間の距離というものは約一年八カ月ぐらいあります。非常に距離があり過ぎる。きわめて不自然。四十五年の十一月に閣議了解、四十七年の七月一日に通達、この間の実は動きというものがトライスター問題の疑問としてどうしても私どもは合点がいかない。したがって、この四十七年の七月一日の通達というものは、閣議了解の内容を一歩深めたと言いながら、かなり内容においては変わっておる。たとえば再編成の問題でも、閣議了解では日本航空と国内航空、全日空と東亜航空、この二社の合併をうたい上げながら、通達では逆に東亜と国内航空を併合した、こういうかなり異質のものになっているわけですから、当然七月一日の大臣通達の前には運政審、もしくは航空審議会に付議する私は性質のものであると思う。一度閣議了解が済んでいる。しかるがゆえに、後の大臣通達はそれに基づいて出したということでは事が済まない。内容が相当大幅に変わっているわけですから。どうしてこの辺のことを手続的にも航審もしくは運審の方に諮問をされなかったのか。建議を求めなかったのか。手続的にも非常にこれは問題ですよ。しかも出された日付、六月の二十六日に福永文書が出て、そして通達は七月の一日。わずか四日、五日しかない。なぜこうも拙速にしなければならなかったのか。この辺がどうしても疑問になるんです。どうでしょう。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) まず第一点、六月二十六日のいわゆる文書というものと七月一日の通達というものとは、これは直接因果関係ございません。内容的にも必ずしも同一ではございません。いろいろな案がございまして、それは七月一日の通達の案が決定いたすまでのいろいろな一こまであったというふうに理解いたしております。  それから、先生ただいま四十五年の閣議了解の線が相当通達で変わったと、こういうふうに御指摘でございますけれども、実はその以前の四十一年にこの運営体制についての一つの基本方針がございまして、そこで、そのときはどちらかといえば集約化の方向でございます。したがって東亜航空と全日空、それから日本航空と日本国内航空、こういうふうないわゆる統合の基本方針があって、四十五年の閣議了解はむしろそれを再検討いたしまして、東亜航空と日本国内航空を合併させて新しく第三の国内の会社をつくる、これは四十五年の閣議了解の大きな骨子でございます。  それから全日空に国際近距離のチャーターを認めるということ、それからダブルトラックを認めるという、そういうような、いわばどちらかというと利用者の利便、それから国際的には積み取り比率を向上する、こういうふうな方針が四十五年の閣議了解の基本方針でございまして、したがいまして、四十七年のこの通達は、むしろその四十五年の閣議了解をさらに具体化したと、こういうことで、私どもの理解では四十五年の閣議了解の線を変更しておるということではなく、むしろこの東亜航空と日本国内航空を合併させて、いわばローカル主体の新会社をつくるという新しい方針に基づいて四十六年の五月に東亜国内航空というものが発足いたしまして、それ以後「ばんだい号」事件とか雫石の事故がありまして、四十七年になったわけでございます。  したがって、あの当時としてはそういう新しく誕生した東亜国内航空というものが、いわゆる新しい運営体制の中で具体的にどのようにやっていくかということについて、もう少し具体的なスケジュールを示す必要性があったわけで、そういう問題等を中心にして七月一日に大臣通達が出されたということでございまして、したがって、時期的にも必ずしもそう不自然ということではないというふうに私どもは理解しておるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これはいま航空局長の御説明ですけれども、   〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕 ちょっと合点がいかないのは、四十一年のは中村運輸大臣のときに航空審議会に諮問をし建議を受けている。その後四十四年までは何事もなかった。たとえば東亜と全日空の間でも、四十六年では、合併いたしましょう、こういう基本的な合意ができている。たんたんと来ているんですよ。ところが、ここで問題なのは、四十四年橋本運輸大臣になり、しかもこの福永一臣という人は、四十四年から航空特別委員長のようですが、もう相当長い期間特別委員長を勤めている。しかも橋本運輸大臣になって、何事もなかった航空審の建議というものがにわかに四十五年で返されちまった。しかもそれは運政審に諮問をしている。一体航空問題は運政審が中心にやるべきものなのか、航空審議会が中心にやるべきものなのか。窓口を二つにして、四十一年は航空審議会、四十五年は運輸政策審議会、こういう二本立てでどちらかにやっているというこの事実は、一体どういうように理解すべきなのか。原田運輸大臣まで何事もなく進んできたものが、なぜ橋本運輸大臣になり、しかも福永特別委員長になってにわかに方針が変わったのか、全然わかりません。  それと、いま航空局長は一年八カ月余りの後の大臣通達は不自然じゃないと、こう言われるけれども、一般的にわが国の行政行為の中では、ある特定の省庁が重要な政策にして閣議決定をした。やや間髪を入れず具体的な行政指導に入るのが行政庁の慣例ですよ。それがどうして一年八カ月間もこのまま放置され、さあいよいよというときになったのかどうか知りませんけれども、特別委員長の建議が出る。わずか四日か五日の間に大臣通達という、この流れを考える場合に、不自然と思いませんか。何ともやっぱり理解のできない不自然さがこの中にある。これを問題にしているわけです。だから航空審議会、運輸政策審議会、どちらが航空政策の基本になるものか、なぜこういう使い分けをするか、こういう流れから問題を解明していきたい。個々的な内容はまた別です。この流れが非常に問題。  繰り返しますが、中村運輸大臣から原田憲運輸大臣に至るまでは何事もなかった。四十一年の航空審議会のとおり来ている。それが橋本大臣になってにわかに変わった。福永特別委員長になってにわかに変わった。これは一体どういうことなんです。しかもそれは航空審議会でなくて、運輸政策審議会にかけられた。不自然と思いませんか。だれしもこれは不自然に思いますよ。もう一回御答弁いただきたい。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) いま森中委員が御指摘になったような点もわれわれも一応疑問に思って、当時の状況も調べたわけでございますが、いま御指摘になりました航空審議会に諮問をしないで、それまでは航空審議会に諮問しておって四十五年に運輸政策審議会に諮問したのがおかしいという点が確かにあるわけでございますが、これは実は当時の事情を調べてみますというと、運輸政策審議会そのものができましたのがちょうどそのころであったわけでございます。しかも、この四十五年に運政審に諮問いたしました国内航空の再編成問題等では、航空による需要の変化ということが非常に大きな原因になっておる。そうすると、それはひいては新幹線等との関連も非常にあるわけでございますので、ただ単に航空ということだけではなしに運輸政策全般、ことに陸海空の運輸調整、まあその運輸政策審議会が生まれましたのも、この運輸調整といったようなものが大きな一つの必要性から生まれたものだと私は聞いておりますので、そういう観点から、総合交通という観点から運輸政策審議会の方に諮問をした、こういうふうに聞いておるわけでございます。  それから四十五年に閣議了解が十一月につくられ、一年半たった長い期間を置いて四十七年の七月に、それの実施計画とも言うべき大臣通達が余りにも遅過ぎたではないか、こういう点でございますが、確かに時間的な経過を見ますというと、そういうふうな感じがしないでもございません。私も長くかかっておるなあという感じは持つわけでございますが、その間の状態をいろいろ調べてみますというと、先ほどもちょっと触れましたように、航空需要の減少に対してどう対処するかということと、それから国内で大型化等をやるためには、やはり先発企業と後発企業とが同じ条件でなるべくいった方がいいという問題もございます。日本航空の方はいつでも機材が国内に運用がしやすい。全日空は四十五年から機種選定委員会を設けて、まだ鋭意そのころは調査団等を派遣して調査の段階でもございましたし、そこへもってきて四十六年の夏前後、御承知のような大事故が起きたりして、とてもそれどころの状態ではなかったというふうな予期せぬ事態もこの間にたくさん起こっておるわけでございます。そこで、運輸省といたしましては当時、とはいうものの四十五年の十一月にいわゆる基本方針的な閣議了解ができて、それのいわゆる実施計画というものがまだできていないということで、早く実施計画をつくるべきではないかというふうなことから努力をいたしまして、そして最終的に運輸大臣通達がああいうふうな内容で決まったというのが四十七年の七月というふうな経過があるのでございまして、まあ長いとおっしゃれば長いかもしれませんが、しかし、そういったいろんなその間に大きな事件といいますか、事態もいろいろあったということも考えてみますというと、一面首肯できる点もあるというふうな状況でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 時間がありませんから、ちょっと大事な点をもう少し聞きますが、六月の二十六日に福永文書が出ている。それで七月の一日に通達、これまさに出るのを待っていた、こういう感じしかしないのですね。わずか四日、五日しかない。ここにおいて政府並びに与党の特別委員会との間に特段の取り決めがあったと。早く出しなさい、待ち受けるようにして出した。余りにも時間が接近している。これはどう理解すべきですか。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) たびたび申し上げておりますように、六月二十六日のいわゆる文書というものは、運輸省としては正式の文書として取り扱っておりませんし、七月一日の通達の作成段階、こういうものには六月二十六日のいわゆる文書というものは特段の関係がないと、こういうふうに考えております。したがって、たまたまその日時が近接しておったということでございますけれども、これはそこに何らかの関係はないというふうに考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 やっぱりこれは依然として疑問は解明されません。  もう一つ大事なことを聞いておきますがね。導入延期を四十六年の二月段階で行政指導をやった。その理由はかくかくであると言われた。ところが安全性あるいは空港整備、これらはもう当然なこととして私も理解する。けれども一、需要の落ち込みということを大臣も航空局長も非常に強調されている。しかし問題は、いま私の手元にある需要の見通しによれば、四十六年は前年に比べまして一二一、四十七年が一二六、四十八年は一二二、四十九年は一二一、五十年が一一五、これが国内の総需要の予測になっている。ちっとも落ち込んでいない。一体これはどういうことですか。

中村大造運輸省航空局長

○政府委員(中村大造君) 先生のただいま御指摘の数字は実績値だと存じます。で、四十六年の二月段階であのような導入延期の判断をいたしましたあの当時の客観情勢、こういうものが、やはり四十五年までの非常に旺盛な需要の伸びというものに対してそれが鈍化したと、こういう状態を非常に当時の関係者としては強く意識したということでございます。それと、各社のいわゆる輸送需要に基づく計画というものをそのまま認めたとした場合には、先日も申し上げましたように、少なくとも四十七年、四十八年の段階ではいわゆる供給過剰になる。しかもそれがいわゆる大型機の導入という、しかもまだ世界中どこにも就航していないような、また実際に就航していない大型機を導入することによって輸送力をつけようと、こういうことでございますから、当然そこで一つの警戒信号が出れば慎重になるのは私は当然ではなかったかというふうに思っておるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 先ほど私は輸銀の問題を途中で答弁がなかったので残念でしたけれども、いま全体的にこの問題を私なりの理解及び判断からいきますと、この閣議了解−大臣通達、約一年八カ月余り。で、二月には導入延期の決定。そこで内閣がかわる。箱根会談になる。ドル減らしの問題がある。そういう時期を測定しながら導入延期は大体固まって、それで輸銀法が改正される。田中・ニクソン会談のハワイでの内容というものは、すでにもう決まっておった、二十一機全部とるということが。こういうことがコーチャン証言によって大体裏づけられていると、こういうように思うのですね。だから私は総理に、まあこういう一連の流れというものをいま捜査当局はやっているんでしょうけれども、内閣みずからも、中村、原田に至る運輸大臣の時代から橋本運輸大臣になってどうして変わったのか、その後の流れというものを輸銀法の改正も含めてできるだけ詳細に政府みずからも事情聴取をやってもらいたい。そうしませんと、これはどうしても問題の解明にならない。もう至るところに疑問が出てきますよ。そういうことを最後に総理に答弁を求めて、質問を終わります。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 森中君の熱心な御質疑に対して十分御満足がいかなかったようでございましたが、これは国会においても、このロッキード問題の特別調査会などにおいても、引き続きそういう疑問が残るとするならば御追及を願うことになると思いますが、政府としてもいろんな疑問点が出されておるんですから、これに対して解明を、もう、一遍質問したら森中君も御納得いくように、あんまり疑問の余地を残さないように、できる限りの調査すべきものは調査して、十分にそういういろいろ過去の資料というものをそろえることにいたします。

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 以上をもちまして森中守義君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 宮崎正雄君。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 私は、政治の要諦は国民の不満を少しでも軽減することにあると思います。そして、その不満は現実が期待から乖離すればするほど大きい。こういうような前提に立ちまして、私はロッキード問題について若干の質問をいたしたいと思います。  ロッキード問題は、現在信頼できる検察当局や関係機関が精力的に調査しておりますし、国会にも特別委員会が設けられるようでございますから、私はきょうは主としてこの問題の扱い方についてお尋ねをいたしたいと思います。したがいまして、多少お耳ざわりなことを申し上げるかもしれませんが、あらかじめお許しをいただきたいと思います。  主題の前に一言申し上げておきたいと思います。去る四月二十六日の本委員会において、社会党の矢田部理君の質疑における発言中に、PXLまたはトライスターに関し疑惑の焦点になっている人がいるとして数名の氏名を述べ、これらの人の事情聴取は始まっているかとの質問があったのでありますが、どういう資料や事実調査、根拠があっての上で具体的に個々の氏名を述べたのか、不可解であります。申すまでもなく、立法府における発言にはそれ相当の事実関係の明確さが必要であり、発言には慎重であるべきであります。議会の権威及び基本的人権の見地から、今後のこともありますので、この際十分なる注意を促したいと存じます。  私は最初に、参議院の存在理由に関しまして二、三お伺いをいたします。まず法制局長官に参議院の存在理由を御説明いただきたいと思います。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 参議院の存在理由について内閣法制局で申し上げるのはいかがと存じますが、一通り憲法学上の問題としてお答えを申し上げます。  わが国のように衆議院と参議院と国会が二院制をもって成立しておりますのは、憲法学上あるいは国法学上は、貴族院型、それから連邦型、それから民主的な二院制、職能型の二院制というような分類をされておりますが、日本国憲法第四十二条では、「国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。」と定めておりまして、第四十三条第一項は、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」と規定をいたしておりますので、これはいわゆる民主制的な二院制を採用したものであるということに相なると思います。  このような民主制的な二院制は、その機能の上から分かちまして、第二院に対して補充的な抑制的な機能を与えることによって、国会ないし議会に民意をより正しく反映させて、議事の公正と慎重並びにその合理性を期待することに目的があるということになると思いますが、第一院が活動ができなくなった場合に、できる限りまた緊急に国務を処理する実際的な必要にこたえるための制度であるとも論ぜられております。わが国の参議院も、このような機能を果たすための第二院として設けられたものと考えられます。  参議院に期待されますものは、数の政治に対する理の政治、あるいは政治の幅に対して政治の深さとでも申しますか、そういうようなところにあると言われておりまして、参議院の特色は、国民の中の慎重、熟練、耐久の要素を代表させる点にあるなどと憲法制定議会において論ぜられましたのも、このようなことを言ったものであると考えております。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 ことしの参議院の予算委員会は、一般質問も分科会もやりません。しかも八日にはこれを議決いたします。このような現実を、ただいま御説明がありました参議院の設けられた趣旨から言いまして、総理はどのようにお考えであるか、総理の御所見を承りたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 衆議院における国会の空白というものは、まことに残念なことだと思っております。したがって、こうして参議院において熱心な御討議が毎日行われておるわけでございますから、われわれは誠心誠意お答えをして、参議院の審議を進めていっていただきたいと願っておるものでございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 会期は、日曜を除きますというと、あと十六日しかございません。この間に参議院に送られてきた法案を十分審議して議了することば私は物理的に不可能であると思う。そうしますと、どうしても会期を延長しなければならぬと、こういうふうに私は思うのでありますが、この問題についての総理の御所見をお聞きしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は率直に、宮崎君、考えましてね、会期延長しないで、ひとつ会期中に審議を進めてもらいたい。  ちょうど両院の議長裁定が出ましたときに、この問題が議題になったわけでございます。何分にも会期が、ああいう空白事態がありましたから、会期が宮崎君の御心配のように少なくなる。そこで両院議長もこの点は非常に心配をした。そこで、この裁定が出る場合に、六項目ある中で五項目に、「予算並びに予算関係法案及び国民生活関連法案、景気浮揚対策法案などの諸案件の審議を精力的に進める。」という項目があったわけでございます。この点が五党首の党首会談で問題になって、これは各党の党首が、成田君も竹入君も宮本君も、あるいは民社党の春日委員長もでございますが、その党首がいずれも私に約束したことは、これはもう何か引き延ばしのようなことはしない、文字どおり精力的に進めるということを非常に強く約束をされたわけなんです。私はその信義は守られるものと信じております。私もその場合に非常にそういう態度に対して感謝をするということを言ったわけで、ちょっと話が出たのじゃないんです。皆、各党首がいずれも私に対して言ったのは、いやがらせに引き延ばしなどはしない、精力的に、文字どおり精力的に進める、約束するということを言われたわけでございまして、短い期間ではございますけれども、参議院においても精力的に法案の議決を推進していただけるものと思いますから、まことに短い期間であっても、能率的にひとつ国会の審議を進めていただきたいと切に願うものでございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 総理ね、あと十六日しかないんですよ。そうして、いま参議院にどんな法案が来てるんですか。それを会期中に上げろということは、参議院は審議しないで上げろと、こういうことになるわけですがね。私はそういうことは不可能だと思います。  そこで、まあそういうふうになれば私は結構でございますが、仮に二十四日までに関係法案が議了できなかった場合にどういうことになるかということを、大蔵大臣、自治大臣、運輸大臣、郵政大臣、外務大臣、労働大臣、官房長官、どういうふうになるかということを最も重要な点、簡単で結構ですからそれぞれ御説明をいただきたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私の方は特例公債法を初めといたしまして、若干の国債関係の法案が残っておるわけでございます。とりわけ特例公債法でございますが、本年度の前半に発行を始めないと完全な消化が不可能になりますので、財政運営上重大な支障を来すおそれがございますので、本国会でぜひとも成立を必要とすると私は考えております。

福田一自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。  自治省といたしましては、御案内のように、地方交付税法案の改正案をもちまして五十一年度分に約一兆三千八百億円が加算されることになっておるのでありますが、本予算が成立しましても、交付税法案が成立しない限り特例分は概算交付ができないので、過日配分しました四月概算交付分に限ってみても、本来交付されるべき額より約三千三百円減額して交付せざるを得なかったわけであります。したがって、八日にこの本年度予算が成立をいたしましても、これが交付できないということになりますというと、地方財政の面から見ますというと、公共事業の促進とか中小企業対策等にも重大な支障を来すばかりではなくて、場合によっては十五日の、地方自治体によっては十五日ごろに給料の交付をしなければならないのでありますが、そういうことについても支障を来すおそれがあるのでありまして、何としてもひとつ早くこれが成立を見るように極力お願いを申し上げたいと存じておるわけであります。

木村睦男自由民主党運輸大臣

○国務大臣(木村睦男君) 運輸省といたしましては、国鉄関係で重大な影響を受けるわけでございます。現在提出をいたしております国鉄運賃法を含めましての再建関係の法案でございますが、この法案が六月一日から施行されるという前提で国鉄は二兆七千億の予算を組んでおりますが、その二兆七千億のうち、この法案が予定どおり通って実施され、運賃値上げもでき、政府の補助金を出してなおかつ五千億の借金予算でございます。それに、この予算が通りませんというと、名目五割の値上げによります増収の五千三百億、それから累積赤字に対する補助金の二千四百億、合計七千七百億の収入不足となります。そうすると、七千七百億プラス、収支の欠損の五千億を足しますというと、一兆二千億の大変な赤字になるわけでございます。  そういう状況のもとでどうやって五十一年度を国鉄が運営をやっていくかということになりますというと、従来はそういった場合の多少の赤字は大蔵省から借りておったわけでございますが、国の予算が御承知のように三分の一近くが赤字予算ということでは、とうていそれも望めない。そうなりますというと、工事費を削るなり、あるいは人件費を食い込むなり、あるいは業務費も食い込む、そういうふうなやりくりをやらなければなりませんけれども、不足額が余りに大きいためにこれがまたいろいろな影響を与えるのでございまして、とても一兆二千億という赤字を何とかやりくりをして国鉄の運営をやり得るということの、自信がまずないというほど非常に打撃を受けるわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、国鉄再建関係法案が一日も早く皆さんの御協力を得まして成立をいたしますことを切に望む以外にお願いのしようもないという、非常に苦しい状況にあるわけでございます。

長谷川峻自由民主党労働大臣

○国務大臣(長谷川峻君) この国会は御案内の通り雇用安定に重点を置いているところでありまして、労働省の予算といたしますと、こういう不況期において失業者がおること、さらにはまた倒産などをすることによって労働者の賃金が未払いになる、その立てかえ払いの法案まで出しているわけであります。あるいはまた建設労働者の雇用関係の法律案、労災をかさ上げしてやる法律案、さらには中高年齢者、身障者の雇用法律案なども出している次第でありまして、そういう意味では、ぜひともひとつ勤労者の生活の安定と福祉の向上のために、私たちの法案が可決されんことを心から期待しているものです。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 郵政省といたしましては、公衆電気通信法の改正がどうしても成立しなければならないのでありますが、現在御審議願っている段階であります。その成立を強く期待しているところでありますが、もし仮にも改正案が通らない場合には、多年の目標である電話の積滞解消、農山漁村地域における電話サービスの向上等の施策ができないばかりでなく、関連産業界の雇用不安、日本経済の不況脱出等にはかり知れない悪影響を及ぼすものと考えられます。したがって、この改正案を何としても成立させていただきたいと願っておるところであります。  なお、これはNHKの本予算でありますが、これが万一、三カ月以内に通らない場合には、三カ月を経過した場合には、七月一日以降NHKについては本予算の国会承認もなく、暫定予算の認可も受けることができないこととなります。その結果、NHKの正常な業務運営のため必要な国会の承認を経た収支予算、事業計画が存在せず、また受信料につきましてもその月額の定めがないこととなり、法律の予定しない異常な事態を迎えることとなりますので非常に重大に考えておる次第であります。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 条約関係におきましては、衆議院におきまして御審議がまだ進んでおりませんものが幾つかございます。日韓大陸だな条約、あるいは国際金融関係などがそうでございますが、ことにその中で、日韓大陸だな条約は多国間条約でなく二国間条約でございまして、すでに韓国側が批准をいたしましてから二年余りを経過しておりまして、国会においても継続審議をしていただいておるわけでございますが、幾らか両国間の信義の問題ということにもなりかねない性格を持っておりまして、これらにつきまして、今会期において両院において御承認を得たいというふうに私、切願をいたしておるわけでございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 官房長官は何かありませんか。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) ただいま各大臣からお答えのありましたとおり、もし法律、条約案件が通過いたさないような場合には、まことに重大なゆゆしい場面に相なるであろうと思います。そこで、私といたしましても、国会各方面にさようなことに相ならぬようにお願いをし、かつまた大臣諸君を督励鞭撻をしてこの難局を切り抜けたいと、かように存じておるわけであります。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 ただいまお話があったような非常に重大な問題ばかりでございますが、これを十六日間で片づけろということは、これは暫定予算のようにもう審議を全然しないでこれを可決しろということでございますが、先ほどの御説明もありましたように、そういうことをやって参議院の存在価値があるのかどうか。私は、総理が何とおっしゃっても、会期延長はしなければ参議院としての使命を果たすことができない。しかも、会期延長は毎国会大変な問題になるんです。したがって、そうした混乱を避けるためには、ことしは幸いに議長裁定が出まして、必要なときには党首会談をやる、こういうことになっておるんですから、総理は速やかに党首会談を開かれまして、この点について一日も早く方針を決定されてはいかがかと思いますが、総理のお考えをお聞きいたします。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いまのところ党首会談の予定はございませんが、宮崎君御指摘のように、必要に応じてそういうことも開くことにすることは意義のあることでございまして、そういうことは必要があったら、必要に応じて考えてみる必要があると思います。ただ、参議院としては、全部の政府の提案をしておる法案が議決を願うということは御無理であっても、重要な問題についてはぜひ参議院において議了をしていただきたい。参議院というものが非常に良識の府でありますから、そういういま各大臣が申し述べました事情というものに対しては十分御理解を願える方々でございますから、どうかこの法案の重要性というものに御認識を賜って、まことに期間は短いわけでございますけれども、重要法案の議了に対しては各党の御協力を賜りたいと思う次第でございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 私はこの国会、議長裁定をもっと早く総理が求めておられましたら、ほとんど審議できないような参議院の予算委員会というようなものは避け得たと思うんです。そこで、なるべく会期延長しないようにと、こういうような御希望のようでございますが、しかし、それでは私は参議院を重視したことにはならぬと思いますので、どうかひとつ従来のように、最終日に衆議院だけでばたばたと会期を決定するというようなことのないように、これは希望をしておきます。  私は、次に本論に入りますが、まず政府高官という語義についてお伺いいたしたいと思います。  国会の空転も、国会の論議の大部分も、国民の関心も、いずれも源は政府高官ということになると私は思うのでございます。私はここに、英文毎日の発行したチャーチ小委員会の議事録を持っておりますが、私はこれにちょっと目を通してみましたところ、日本の関係にはいずれもガバメント・オフィシャルと、こうなっておるんです。ガバメント・オフィシャルに政府高官という意味があるはずがない。そこで、ほかの国の関係の方を見ますというと、オランダではハイ・ガバメント・オフィシャルと、ハイという形容詞がついて、はっきりと日本と違うんです。  そこで、この公聴会の記録以外の資料に政府高官という使用例があったと考えなければなりませんが、外務大臣にお伺いしますが、政府が二月八日までに入手されたアメリカ側の資料にそのような用例があるかどうか、お聞きしたいと思います。

山崎敏夫外務省アメリカ局長

○政府委員(山崎敏夫君) お答え申し上げます。  チャーチ委員会の公聴会、これは二月四日と六日に行われたわけでございますが、この公聴会において述べられました表現は、ガバメント・オフィシャルズでございます。それ以外の表現はございません。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 新聞も、ちょっと見ますというと、二月の七日の夕刊までは政府当局者と、こう書いてある。外務省の文書にも政府職員と、こう訳してあります。それが二月九日から大々的に政府高官ということになってきた。新聞社が政府の公式資料以外に特別な資料を入手して、それに基づいて政府高官という表現に変えたなら話は別です。しかし、二月八日までにそんな資料が私は入るはずがない。そうしますというと、この表現の変更というものが不可解でございます。何か重大な意味、ひょっとすると謀略から出たのじゃないかと、こういうような気持ちをさえ持つのでございますが、総理はどういうふうにお考えでしょうか。単なるガバメント・オフィシャルには政府高官という意味はないということをお認めになるなれば、そういう点を国民にいかにして明らかにするように御措置になったかどうか、お伺いしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 宮崎君の御指摘のように、チャーチ委員会の文書に出てくるのはガバメント・オフィシャルでありますから、政府関係者と訳すべきであります。私も、大統領の書簡にもやはり政府関係者、ガバメント・オフィシャルという言葉を使って、高官という言葉は使わなかったわけでございますが、私もそういうことをときどき習ったことはあるんですよ。この「ハイ」というのは、そういう「ハイ」はないですからね、やはりガバメント・オフィシャルですから、だから正確に言えば政府関係者と訳すべきである。どうも「ハイ」という言葉は、新聞に高官高官と出ておるけれども、チャーチ委員会の資料からすれば、政府関係者と訳すべきが正当な訳であるということを言ったこともございますが、宮崎君の言われるように、チャーチ委員会には高官、ハイ・ガバメント・オフィシャルという言葉はございません。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 だから、そういう点があれば、国民は皆ガバメント・オフィシャルは政府高官ということに受け取って、それで今日の騒ぎが大きくなっているんですね。そこで国民に対して、ガバメント・オフィシャルには高官という意味はないんだということを積極的にPRされる必要があったのじゃないかと思うんですが、どうなんですか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは宮崎委員のおっしゃいますとおりでありまして、私ども、少なくとも自分たちはその言葉を間違えて使いませんように、差し上げました文書、公にいたしました文書等にはそのようにいたしておりました。また、私自身が記者会見などをいたしますときにも、そのことを多少注意して申したようなこともございまして、政府としては誤りなく、この点は言葉を間違えないように使ってまいったつもりでございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 それでは次に進みます。  ロッキード事件は三木内閣以前の問題でございます。したがって、三木内閣には何の関係も責任もないはずです。総理はこの点どういうふうにお考えになっているんですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 三木内閣のときにこういう問題が提起されたわけでございますから、何らの責任がないとも私は考えていない。国民がいま求めておるものは、このロッキード事件の真相を解明して国民のいろんな疑惑を晴らしてくれということでございますから、そのために真相を解明し、政治の信頼を回復するということは私に課されておる大きな責任であると、こう受け取っておる次第でございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 世間でもう朝から晩まで真相真相でございますがね、私は、この問題は少なくとも数年以前の問題である。それからアメリカの政府やCIAとかFMSとか大統領選挙とか、いろんな問題がからんだ、きわめて複雑な問題であると思います。したがって、そう簡単に真相が明らかになるとは私は思っておりません。厳密に言いますと、この真相は後世の歴史家が初めて明らかにすることができる。いや、それでもなお明らかにできないかもしれない。私はそういうふうに考えております。それを簡単に真相が明らかになるというようなことを、そういう期待を国民に与えますことは、結果的にはその期待を裏切るようなことになるおそれがあります。総理はこの点いかがお考えでございましょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) コーチャン証言の中に、ガバメント・オフィシャルに金が渡ったという、渡したという証言があるわけですね。そうなってきますと、これは国民とすれば、一体コーチャン証言が正しいのか正しくないのか。そういう政府高官に、直接ではありません、丸紅を通じてでありましたか、とにかくしかし、そういう証言がアメリカの上院において行われたというようになってまいりますと、この事実はやはり解明をするということは、これはもう絶対に必要である。そうでなければ、そういうことで政策の決定が曲げられるというようなことが疑惑を持たれるということになると、民主政治というものは行われるものではない。  だから、それは宮崎君の言われるような長い時間というものが必要であるかもしれません。ウオーターゲート事件を顧みても、あの事件が起こってから大統領が辞任するまで二年半ぐらいかかっておる。これぐらいのやっぱり時間がかかっておるんですね、ウオーターゲートの。だからこれは私は二年半かかると言っておるのではないですけれども、真相がいますぐに、きょうあすのうちにというようなせっかちな考えを持つことはできません。ある期間が要るんですよね、徹底的に調べるには。しかしこの問題は、いま言ったようなコーチャン証言から、このままに放置していいとは私は思わない。そういう証書もして、アメリカの資料も来たのですから、また日本の捜査当局も、アメリカの資料は一つの参考として日本の捜査当局が全力を挙げて積極的に捜査活動をやっておるわけですから、そういうことで、少なくともそういう点についてはこうであったと。あるいはコーチャン証言が正しくなかったかもしれません。あるいはそれが正しいとするならばこういうことであったと、この真相の解明は必要であるというふうに考えておるわけでございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 われわれは、この問題の真相を究明しなければいけないということは、今後こういうことを繰り返さないようにその原因を探究して、また多国籍企業の今後の法的措置等対策を立てることが私は一番重要じゃないかと思うのでございます。ところが、その原因について、そういう個人個人の人間よりも構造的なものである、いわゆる今度の問題は構造的汚職であると、こういう論がございますが、総理はこの論に対してどういうような御理解をなさっておるか、お聞きしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 宮崎君の言うことに賛成ですよ。やはりこれはただ後ろ向きといいますか、起こった事件を追及するばかりではなしに、将来に向かってこういう事件が再び起こらないようなわれわれが建設的な努力をするということは、より必要なことであることは言うまでもありません。そういう点でこれはアメリカ自身も、いろんなアメリカの多国籍企業のあり方がこれだけの国際的に問題を惹起したのですから、アメリカ自身もこれはいけないと、多国籍企業の不正行為を防止するためにアメリカ自身も何らかの措置をとらなければならぬということで、アメリカのフォード政権の中においてもリチャードソン商務長官が委員長になって閣僚会議、キッシンジャー国務長官もそのメンバーですが、そういうことで鋭意やっておるわけで、私は斉藤特使にもこういう建設的な面で、これは日米で協力しなければならぬ面がありますよ、こういう点で話をしていくようなことにしたいと考えておるわけでございます。しかし、さりとて過去のことはそのまま放置していってはいいというわけにはいきませんから、こういうものに対しても追及しなければならぬ。  もう一つ、構造汚職という問題ですが、これは定義というものがなかなかむずかしいのですが、多年にわたっていろんな要素が積み重ねられてきて、そういうものが皆積もり積もってこういう汚職というようなものを生むような原因をなしたということに対しては、われわれもやっぱり耳を傾ける必要がある、この点については。そういう点で、政治のあり方というものに対しても、あるいは各政党にしても、このロッキード事件というものを一つのやっぱり大きな教訓にして、党の体質改善、党の近代化、また政治全体から言ったら、選挙や政治に金がかかり過ぎるですからね、日本は。これは金がかかるということば自民党ばかりでないと思いますよ。野党の諸君だってやっぱり金がかかり過ぎるというものに対して、程度の差はあれ共通の悩みを持っておるに違いない。  そういう点で公職選挙法の改正、政治資金法の改正などもいたしましたけれども、この二法だけで十分だというわけにはいかない。何とかして選挙やあるいは政治に金がかかり過ぎる、何といいますか、金の政治といいますかね、こういう弊害というものを一掃しなければ、日本の国会議員の選挙というものはもう町村会議員の選挙まで、このパターンというものはずうっとやっぱり影響を受けるわけですからね。このことは本当に私はそういう意味から言ってこれは大きな日本の政治の戦後三十年にわたる積もり積もった弊害を一掃する一つの機会である、こういうふうに考えるわけでございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 構造汚職論を唱える人はそういうふうには解釈していないんです。これは自由主義、資本主義体制を打倒しなければ本当の解決にはならないんだ、もっと端的に言えば、自民党の政府を打倒し、日米安保体制を打破しないことにはこういうことは真の解決にならないんだと、こう言っているのですよ。ですから、そういうことを唱えておる人たちは、最終目的はこの革命といいますかね、しかしそれを達成するために、戦略目標といいますか、自民党政権打倒という戦略目標を達成するための戦術として、そうしてあえてこの高官名ということを強調しているのじゃないかと、私はこういうふうに考えるのですが、総理はいかがお考えでしょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 自由経済体制を否定して、あるいはもう日米安保条約、ひいては日米関係というものを破綻に陥れて、そうして革命をやろうという、そういうふうな考え方を私は野党がもし——そういうことはないと思いますよ——持たれるとするならば、こんなに反国家的な反国民的な考え方は私はないと思いますね、これは。日本のこの自由経済、自由社会というもの、体制を、これを否定して何に行こうというのですか。右にせよ左にせよ、独裁的な政治体制というのは国民は許さない。また日米関係、一番大事じゃないですか。日米関係を犠牲にして何が日本は国際関係があるのでしょうか。ほかの国も大事ですよ、しかし日米関係というものはきわめて大事である。また国の防衛というものは、これはやっぱり国の一番の第一義的な問題ですよ。それは日本の自衛力、これに対してプラス、世界もそうであるように集団的安全保障体制によって日本の安全を維持しよう、それをいま破壊することは——そのロッキード解明というものをそういう革命戦術の一つの戦術として利用しておるのだと、そういうふうには宮崎君、私は考えない。これはもうそういう考え方を持つとするならば、これは国民が許さない。私は、宮崎君の御指摘でございますが、野党がそのような考え方でロッキード問題を追及しておるのだと断定をいたすことには同意はいたしません。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 総理、三月十七日にアメリカのクラーク上院議員が上院において、日米関係とロッキード問題に関する演説をしております。その中で、総理の大統領あて親書の一部から、すなわち「日本の民主政治は、本件解明の試練に耐え得る力を有していることを確信している。われわれは真実を究明する勇気と、そして、その結果に直面して行く自信をもっている。」と、こういう点を引用しまして、日本を全面的に信頼しております。総理はこの引用された部分について、現在もそのとおりにお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、宮崎君、いろいろな選挙の結果などをこう見ましてね、あるいはこの間のスト権ストの場合を考えてみて、いざというときに、働く国民の良識というものを私は信じたいのですよ、これはね。途中ではいろんなこともありますよ。しかし、いざというときに国民大衆の示す良識というものは、私は高くこれはやっぱりその良識に対して信を置きたいのですよ。だから日本がこういう事件、これだけ国民の関心を持ったロッキード事件というものにふたをして——これを解明したならばそれが崩れていく日本の民主主義だとは私は思わないのですよ。そんな民主主義だったら続きませんよ。これだけの問題が起こって、これにふたをしなければ維持できない日本の民主主義体制なら、そんな民主主義体制は維持できると私は思わないのですよ。やはり真実を解明して、その試練に耐えるだけのものを日本の民主主義は持っているという確信のもとに、私は大統領に親書を書いたものでございます。いまもそう信じております。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 私は総理のそのお考えは、アメリカの判断を誤らしめる危険があるように思うのでございます。と申しますのは、日本とアメリカと根本的に違うところがあるのです。アメリカはどんな荒療治をして政権が交代しても、同じ保守政権なんです。したがって、この政権の交代ということについてアメリカは日本ほど私は厳しくないと思う。しかし、日本でもし仮に自民党政権が倒れることは、これは当然次には社会主義政権の実現ということを考えなければいかぬ。その際は、日米安保条約も改正されるということを覚悟してかからなければならない。もしこういう事態になったときに、わが国はどういうふうになるか、政治的な情勢判断、これは総理、防衛については防衛庁長官、経済については通産大臣の情勢判断をお伺いしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は自民党が政権を失ったときにどういうふうになるかということを心配する前に、どうすれば自民党が政権を失わないようにできるかということが私の一番の、いま私自身が考えておる中心である。失ったときにどうなるかという前に、そういう危険に自民党を陥らさせないためにはどうするかということが、これが日夜私の考えておる点でございまして、なくなった場合のことを考える前に、そういうことにならぬようにするために全力を尽くすのが自民党の大きな責任ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) わが国は貿易立国によって成り立っておる経済でございます。しかもこの貿易立国を自由主義経済というものを基盤にいたしまして展開しておる。こういう意味から、どうしてもこの自由主義経済体制というものを堅持いたしまして、そうして貿易立国というものをしっかり伸ばしていくということが国の存立上絶対に必要でございます。またアメリカとの関係は、現在貿易が往復で二百数十億ドルに達しております。非常に重大な相手国でございまして、アメリカとの経済関係がとぎれますと日本はやっていけない、こういう事態にもなりますので、経済や貿易の上からいきましても、アメリカとの経済関係というものを堅持しなければならぬ、こういうふうに理解をいたしております。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 私は、自由民主党がイニシアチブを持った政権というものはなかなか倒れない。国民はそれを望んでない。国民の大部分はわれわれの立党の、この自由主義経済というものを基調とした政治体制というものを望んでおるというふうに思います。また日米安保条約にいたしましても、アメリカ側から見ましても、日本の存在ということに対しまして非常な関心を持っておりますし、アジアにおける安全あるいはアジアの安定というためには、日本が自由主義体制にある、政治経済の体制にあるということが一番大事だというふうに思っておると思います。したがいまして、安保条約につきましても、これを堅持していくということは、われわれもわれわれの体制を守るためにそれが必要だと思いますが、アメリカ側も同様に考えておるというふうに思っております。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 いまの三大臣の御答弁は、これは願望ですよ、願望。事態の進展によってはその願望がかなえられない場合があるかもしれない。最悪の場合ですよ、もし不幸にしていわゆる政府高官というものが上実在したというような事態になったときに、これは自由民主党はどうなるんですか。また政府はそれでもなおほおかぶりしておられるんですか。私は、伝えられるようなことがもし不幸にして事実だったとするなら、恐らく内閣は総辞職されるだろうと思う。また、その責任を負って自民党はどうされるんですか。まあ仮定のことだから、あるいはそういうことはないと、こういうお考えであれば、なぜ最初からわが政府自由民主党に関する限りそういうことはないんだということを、国民に向かって最初にそのことを断言されなかったのか、その点についての御答弁を総理からお願いします。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、いま私の頭にあることは、国民はロッキード事件というものの真相の解明を求めている。国民の疑惑を晴らしてくれということを求めている。全力を傾けてこの国民の望みにこたえて、日本の政治の信頼を回復したいということが私の日夜考えておることで、あの場合はどうする、あの場合はこうすると、いろんな場合を私はいまは考えてはいない。とにかく国民の要望にこたえて真相を解明して、そして日本の政治、日本の民主政治の信頼を回復したい。  一にいまそのことを考えて全力を尽くそうとしておる次第でございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 いままで私は政府のことについていろいろと申し上げましたが、私はしかし政府のことを云々する前に、むしろわれわれはわれわれ自身、すなわち国会の問題について深刻に反省をしなければならぬと、こういうふうに考えておる、わけでございます。国会は百五十日の三分の一以上が空転をしております。参議院におきましては、議員の中で予算委員の議員以外はほとんど審議に加わっておらないんです、いままで。国会は果たしてその責任を全うしているかどうか、私はこの点を深刻に考えておるんです。  そこで、法制局長官にお伺いしますが、内閣は不信任案でその責任を問われる。地方自治体においてはリコール制すらある。ところが、国会は制度的にはだれが責任を問われるのか、制度として国会の責任ということがどういうふうになっておるのか、教えていただきたいと思います。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) ただいまのような問題こそ国会御自身がお考えいただくべき問題と存じますが、たってのお尋ねでございますので、参考として申し上げれば、先ほど御指摘がありましたように、日本国憲法には内閣の国会に対する責任を第六十六条で定めておりますし、また不信任決議について第六十九条で規定をいたしております。この規定のように国会が全体としてだれに対して責任を負うか、またその責任を追及する方法はいかなるものであるかということを憲法は規定いたしておりません。しかし、日本国憲法の前文には「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」ということ、また「主権が国民に存すること宣言し」ということ、さらに、そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであるということを前文において規定いたしておりまして、また第四十三条では「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」ものと定めておりますから、主権者たる国民の信託によって全国民のために国政を担当されます各議員が国会における行動を通じて、主権者たる国民に対して政治的な責任を負っておられると考えるべきであろうと思います。もっとも国民にとりましては、国会全体に対しましても、あるいは個個の議員に対しましても、いま申しましたような政治的な責任を追及する直接的な法律的な手段を持っておりませんけれども、国民は選挙を通じて国会の責任について国民の意思を表明するということに相なると思います。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 私は国会が、参議院がもうほとんど審議できないような状態になるということは、国会に対する責任が明確じゃない、こういうことから起こっておることと私は思うんです。そこで国会の代表者は私は両院議長であり、両院議長が責任を負うべきではないかと、こういうふうに思うわけでございますが、議長はさきに議長裁定によって国会を正常化されました。しかし、これは要請によって裁定案を出された。もし制度上議長がみずから裁定できないということになっておるなら、それができるように国会法を改正すべきじゃないかと、私はこう思うんです。そこで、総裁としてそのような国会法の改正、国会の責任を明確にするというようなことを御検討になるご意志はないかどうか、お伺いしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は宮崎君の言われることに賛成です、自民党の総裁として。それはやはり国会というものは審議の府でありますから、国会の審議が継続されるということが民主主義の一つの大原則であります。そういうことで、こういう日本の多党化と申しますか、こういうときにはいろんな問題が起こり得る余地がありますね。こういうときに議長の権限と申しますか、議長の権威というものが確立するということは私は絶対に必要だと思います。その他国会法についても、いろいろ今回の事件なども一つの参考にもなるでしょうが、改正すべき点は私はあると考えますから、自民党としてもこの問題は取り上げてみたいと思う問題でございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 今度の国会の空転は野党が審議に出なかった、応じなかった、こういうことから生じておることは事実でございます。それで、これを正常化するために五党首会談をされまして、多数を占める自民党が少数の野党の要求をのまされて正常化した。野党が横になったら国会は開けたい。私はこれは国会が少数支配ということになっておるんじゃないか。もっとも五党首会談では年党一、野党四で、野党の方が多いんですから必ずしも一概にそう言えないかもしれませんが、しかし、果たしてこういう姿が正しい議会制民主主義と言えるかどうか、私は非常な疑問を持っておるんです。総裁の御所見を承りたいと存じます。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、議長裁定というものは、議長がいろいろな情勢、諸般の経緯を踏まえて議長裁定を出して積極的に国会の収拾に当たられたわけでございますが、あれが自民党がいやいやのまされたというものではございません。われわれもあの議長裁定というものに対してこれを受諾したわけでございますから、これを誠実に履行をしたいと考えております。  ただしかし、この議会政治というものが、最後はやっぱり多数決の原理というものが動かなければ議会政治はこれは機能しないわけでございます。大原則があることは事実ですが、それまでの過程の間には、どうしても数があるからすべてもうこれで決まっていくんだということになりますと、これは初めから与野党の差はわかっておるんですから、国会の審議というものが重要な重みを持たなくなりますから、数ばかりで押し切っていくという物の考え方にも私は賛成できないのでありますが、やはり審議を尽くして、そうしてこの審議の途中にいろいろな、自民党自身としてもいろいろな審議を通じて野党の言い分に対して取り入れる場合もできてくるでありましょう。まあそういうところに議会制民主主義というものの長所があるわけでございますから、数だけで押し切っていくということに、もう初めからしまいまでそういう考え方に終始することには賛成いたしませんが、しかし、少数が支配をするというようなことであってはこれは大原則は崩れるわけでございますから、そこは私の言っておるような対話と協調というものが必要なんでないでしょうかね、議会制民主主義には。そういうことでないとなかなか国会の運営というものはうまくいかないということでございますから、その点は野党の方にもこれは良識を要求しなきゃならぬが、また与党にも数ばかりでなしに自制も必要である。こういうことで大事に議会制民主主義を育てていくことが必要であると、こういうふうに考えるわけでございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 そういうことになれば、参議院はほとんど審議しないでもやむを得ぬと、こういうことになるわけですがね。  今度の国会の空白は国会決議から私は起こっておると思うんです。総理はこの国会決議について事前に何か御相談を受けて御承認になったのかどうか、ちょっとその間のいきさつをお聞きしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) そういう話は聞きましたけれども、事前にあの決議案をいろいろ私自身が検討した性質のものではございませんが、その話は当然に受けたわけでございます。国会が全会一致でああいう決議をされるということに対して、政府がこれを拒否するという立場ではないわけでございます。そういうことで、やはり国会の決議が行われれば、政府はその決議を受けとめて、できるだけ行政に反映さすという努力をすることは当然だと思います。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 委員会の附帯決議をする場合でも、これはやっぱり党と相当練って附帯決議をやっております。国会の全会一致の決議をしようとするときに、一党の総裁に全然相談せずにやるはずは私はないと思うんです。何らかの相談があったと私は思うんですが、しかし、まあそれは別といたしまして、総理は、あの国会決議がされたときに、アメリカがこれを一〇〇%のむと、こういうふうなお考えをお持ちになったのかどうか。特に、特別に政府高官を含めてと、何を根拠にして国会決議に「政府高官」という字句を入れたのか、私は常識では全然理解できないんです。この間、何か総理はお考えがあってこれを了承されたことと思いますから、その点のいきさつを御説明いただきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いま申したように、私は相談を受けましたけれども、一々字句について検討するいとまもなかったことは事実でございますが、恐らくいわゆるというような文句が入っているのじゃないでしょうかね。高官高官とこう言っているわけで、決議の中には「いわゆる政府高官名」というようなことを使ったんだと思いますが、チャーチ委員会の言葉から言えば、政府関係者ということがチャーチ委員会からすれば正確な表現であったと思います。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 外務大臣は先ほど政府関係には決してそういう言葉を使っておりませんとおっしゃっておるにかかわらず、重大な国会決議の場合に政府高官という言葉を入れるか入れぬかということは、これは大変な問題だったと私は思うんですよ、それを簡単におのみになったという点について、私はまだ理解ができません。  この国会決議の問題は、国会が国権の最高機関であるといっても、三権分立のもとであるということを私は軽視した、あるいは忘れた、その結果ではないかと思うのでございます。国権の最高機関であるといっても、日本の憲法から言えば、三権分立の上で最高機関であると、こういうふうに私は解釈すべきであると思うのでございます。それが一切合財含めてこれが最高の機関であると、こういう私は誤解といいますか、認識不足がこういうことになって、何でもかんでも国会決議、国会決議ということが問題になったのじゃないかと私は思うんです。  そこで、元米国財務長官のコナリー氏がこの四月十九日、のニューズウイーク誌で、日本の国民を実質的に再武装する試みに取り組むよう日本に要請すべきであると述べたと、こう報じられている。これを受けて、もしアメリカの国会がそのような決議をした場合に、わが国の政府はアメリカの国会の決議なるがゆえにそれを取り上げられますか。その辺について総理の御見解をお願いいたします。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 申すまでもなく、アメリカの国会決議が日本政府を拘束する力はございません。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 それなら、日本の国会がアメリカを拘束するはずはないんでしょう。なぜこれが問題になるんですか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 日本の国会決議がアメリカ政府を拘束する力がないことは言うまでもございません。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 しかし、いままでは日本の国会の要望がアメリカに受け入れられないということから問題が出ておるんじゃないですか。まあその問題は別に一また改めていたします。  国会のこの間の衆議院の証人尋問といいますか、これは一般に人民裁判じゃないかと、こういうような批判が起こっております。この原因は、国政調査権の理解の問題から私は起こっておると思うのでございます。それで国政調査権につきましてはいろいろ論議されておりますが、昭和二十四年に浦和事件に関連して最高裁の見解が出ております。法制局長官はそれを御存じであるかどうか。御存じであれば、その御所見を伺いたいと思います。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 先般も上田議員の御質問に対してお答えしたことでございますが、浦和地方裁判所で行われました浦和充子という被告に対する懲役三年、執行猶予三年の判決に対しまして、これが確定した後に、参議院の法務委員会で検察及び裁判の運営等に関する調査を行うに当たりまして、この判決を取り上げまして、その被告人であった浦和充子当人などを証人として呼び出して国政調査をいたしまして、浦和地方裁判所の三人の裁判官が本件の犯罪に対してなした量刑は当を得ないものであったと考えるという決議をされました。昭和二十四年のことでございます。  これが先ほどもお答え申し上げました国会の国政調査権と司法権の独立との関係で非常な議論になりまして、最高裁判所は裁判官の会議でこれに対して反対の意見を表明いたし、それに対して参議院としては何ら応答されませんでしたけれども、参議院の法務委員長の名前でさらに反駁を出され、さらに最高裁が反駁をしたというところで事件は終わっております。その後は、そのような形における国政調査は司法権に関しては行われておりませんので、憲法学者あるいはその他の法学者の結論といたしましては、実例的にも、そのような国政調査を行うことは司法権の独立を害するから国政調査の範囲には入らない、参議院もその点を了承されたものであろうというようなことを学者は言っております。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 私がお尋ねしたかったのは、国政調査権を広く解釈するか、狭く解釈するかによって相当幅があると思うんですね。それでこの浦和事件の解釈は、憲法制度直後でございますから、憲法の精神を最もよく私はあらわしているのじゃないかということで私はお伺いしたんです。これは非常に狭く解釈している、狭く。しかし仮に、現在は相当広く解釈されようとしておりますが、いかに私は国政調査権を広く解釈いたしましても、その行使に当たっては基本的人権が侵されるようなことがあってはならぬ、こういうふうに私は信じております。その意味におきまして、例の刑事訴訟法第四十七条のただし書きについて私の考えを申し上げますので、それに対して総理の御所見を伺いたいと思うのでございます。  いま世間で問題になっているように、もしも灰色の人々の名前をあのただし書きを適用して公表しますというと、もうその人たちは私は政治的には致命傷になる、こう考えます。しかし、私はいかに総理であろうと政府であろうと、政治家の政治的生命を絶つようなそういう権限は与えられておらぬと思うんです。もしあるなら、その根拠を私は教えていただきたい。  そこで、これは結局総理あるいは政府の解釈と判断になるわけでございますが、そのような多数の犠牲者を出した場合に、私は当然そういう判断をした以上は、そうして多数の犠牲者を出した以上は、その判断をした者も責任を明らかにするために職を辞すべきじゃないかと、こういうふうに私は考えるのでございますが、間違っておりましょうかどうか、総理の御見解を伺います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 両院議長の裁定には、刑事訴訟法の立法趣旨をも踏まえてとございます。刑事訴訟法は、宮崎君ごらんのとおり、第一条において公共の福祉の維持、個人の基本的人権の尊重ということが大きな柱になっておるわけでございますから、したがって、その立法の趣旨を踏まえてということでございます。踏まえて国政調査権に対して最善を尽くせということでございますから、その趣旨に沿うてこれは政府が判断をすべきものだと思います。その判断は、いわゆるこれを公開、公表しないことによって守らるべき公益と、またこれを公にすることによって得られる公益とを比較計量して、個々の具体的案件ごとに判断をするということでございます。  灰色というのは、これは法律の場としては表現が何かこう明確を欠く表現でございますが、したがって正確にはどういうことを言っておるのか不明確で、法律の場として灰色というふうな表現は正確な表現ではないと思いますが、いずれにしても、その場合は、刑事訴訟法の立法の趣旨を踏まえて政府が判断をするということでございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 判断は総理なり政府の御自由ですから、これをわれわれはどうこう言うことはないんです。その判断の結果、相当多数の政治家の生命を絶つというようなことをやる以上は、やった者はそれだけのやはり私は自身も責任を負う。何かはっきりとした法律の根拠に基づいて、それによっておやりになるのなら、そこまでわれわれは考える必要がない。しかし、判断によって解釈によってやるのですから、したがってそこまで私は考えて、そうしておやりいただかぬというと、これは一方的になるんじゃないかということを私は考えておるわけでございますが、次の問題がございますから進行いたします。  人権問題について法務大臣にお伺いしたいと思いますが、「社会新報」や「赤旗」にいわゆる政府高官名を掲載いたしまして、これが該当者であるという印象を読者に与えるようにしております。こういう行為は人権を侵すことになるのかならぬのか、法務大臣の御見解を伺いたいと思います。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) お尋ねの事柄は、昭和五十一年四月四日付「社会新報」並びに同年三月二日、同三月二十五日、同月二十七日及び同年四月十一日付「赤旗」紙上の記事をお指しになっていると思いますが、一般論としては、新聞報道が公務員またはその候補者に関する事実を摘示している場合、それが真実であることの証明がなされれば違法性を欠くものとして罰せられません。また、公務員またはその候補者のいずれにも当たらない人に関する事実を摘示した場合においても、公共の利害に関する事実にかかり、もっぱら公共の利益を図る目的で事実を指摘した場合には、それが事実であることの証明があれば違法性を欠くものとして同様罰せられません。  本件の場合は、全く違法性を欠くものであるかどうかについて、具体的事件にかかわる事実関係いかんに関する問題でありますので、捜査をしてみなければわかりません。私がここで断定の答弁をいたすことは差し控えさせていただきます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 法務大臣、自民党の中曽根幹事長が「赤旗」の編集長を名誉棄損で告訴しておりますね。これは御存じだと思います。そこで、これが名誉棄損になるかならぬかということは、いわゆるこの問題が明らかにならぬと結論出ないわけですね。しかし、これはいつになるかわからぬ。しかし、こういう新聞が出ただけで政治家にとっては相当の重大な被害を受けております。いいですか、地方におきましては「赤旗」に出ているとか「社会新報」に出ているとして、その府県の大体次の選挙に立候補を予想されるようなものにこれを引用しまして、そして相当なビラを配っておる。そういうふうに利用されておるんですよ。そうすると、そのためにその人が選挙において相当な不利な影響を受けた場合に、そういうことも人権の侵害にならないのですかということを私は伺っておるわけなんです。刑事的な問答を聞いておるわけじゃございません。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 私の法務大臣としての立場は、犯罪になるかならないかということを捜査当局にやらせて、これをはっきりさせる、これが法秩序維持の法務大臣としての任務であります。一方、人権尊重、人権擁護ということも法務大臣の任務でございます。そういう意味で、犯罪にはならないかもしれないけれども、そういう発表それ自体に人権侵害のおそれなしとしないのではないかという点につきましては、私も、どうもひどいことをやるものだなあ、人権を非常にあれして、後でこれが犯罪にはならなかったということが明らかになっても、その間に受けた打撃というものは相当なものであるというふうに思いますね。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 私は、人権とか生命というものが尊重されなければならぬことは何人も平等でなければならぬと思います。ところが、この事件に関連して、御承知のようにすでに一人の犠牲者が出ております。それは東京国税局の査察部の査察官の平野さんが過労で急死された。未亡人のしづ江さんがこの間勲六等の勲章を受けている写真を私は見ましたが、しづ江さんは恐らく勲章なんかは要らない、生きていてほしかったと、これが私は真意だろうと思うんです。そこで、われわれは再びこういうような犠牲者を出してはいかぬと、こういうように思うわけでございますが、現在検察関係者の活動ぶりを見ておりますというと、また出るんじゃないか、こういう心配を私は持つんです。国税庁の場合は時効という関係がありますからね、これはまあやむを得ないといたしましても、検察の場合に、日曜日を返上してまで、夜遅くまでどうしてそういうことまで無理をしなければならぬのか。真相の解明は徹底的にかつ迅速にしなければならないという国会決議のためではないかと私は思うんですがね。しかし、これにとらわれますというと、私の、これは老婆心と申しますか、杞憂といいますか、無理な捜査、無理な結論を出しかねないと、こういう心配を私は持つんですが、法務大臣はいかがでございましょうか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 国税局の犠牲者についての思いやりのある御所見については私も同様に考えまして、この点は検事総長に、健康に留意して無理なことにならないように、もし応援とかそういうことでやれる費用等の関係であるならば幾らでも私は取り次ぐから、犠牲者を出してはいかぬと言うてございます。ただ、日曜を返上して一生懸命にやっておるという点は、国会の決議もありますけれども、その前に、刑事訴訟法にそういう義務が課せられておるものですから、犯罪の捜査については適正迅速にということがありますものですから、この刑事訴訟法の立法の趣旨に基づいて鋭意捜査をやっておる。決して世論に迎合して、あなた、疑いもないものを無理にやっておるというふうには私は思いません。厳正公平、不偏不党にやっておる。鋭意刑事訴訟法の立法の趣旨に基づき適正かつ迅速に、なるべく迅速に早く黒白を明らかにしたい。そして白なら白、黒なら黒。灰色ということは私ども思いませんものね、検察当局としては。犯罪になるかならぬか、疑いがあるかどうかということで、起訴すれば、それは終局の黒は裁判の結果になるわけですがね、普通に検察の方で黒白というのは起訴と起訴猶予——起訴猶予は黒でございますな。不起訴は白と。その間、別に灰色ということは私ら考えておりません。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 私は、最初にも申し上げましたように、この問題は短距離競走的なやり方ではこれはいけない。恐らくこれはマラソン競走だということになりますと、余りに初めにスピードを出すと息切れしちゃうのです。途中で倒れるのです。また、やっぱり検察官といえども人の子ですから、世間がわいわい言うと、これはやはりそれにこたえなければいかぬという責任感を持って相当無理なことをやる、こういう心配がありますので、重ねて私の希望を申し上げておきます。  もう一点、法務大臣にお伺いしますが、司法研修所の卒業式がこの数年間行われないのです。これは最高裁の所管でございますから、法務大臣にお伺いするのは筋違いかもしれませんが、しかし、ここの卒業生の中から検察官を御採用になるのですから、私は全然無関心だというわけにはいかぬと思います。そこで、この数年間、判事や検事や弁護士を養成する司法研修所で卒業式すらできないということはどういうことなのかということをお聞きになったことがあるかないか。お聞きになっていなければ結構でございます。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 聞いております。司法研修所におきましては、昭和四十七年四月の二十四期司法修習生の修習終了から今回の二十八期司法修習生の修習終了まで終了式を行っていないと聞いております。  司法修習生の修習に関する事項は最高裁判所の所管とされておりますので、私は直接どうこう言う立場にはございませんけれども、私といたしましては、裁判所の所管事務に最も近い関係にある法務大臣として、御指摘の点についてはごもっともと思う点もあります。したがって、そういう御質問もあり、あなたの御主張を最高裁判所当局に十分伝えたいと思います。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 次に、防衛庁長官に数点お伺いしたいと思います。  まず、次期対潜哨戒機の決定はいつされるか、これが第一点。  第二に、P3C、これは時代おくれじゃないかとか、あるいはそんなものは要らないのじゃないかと、こういう議論がございますが、これはどうしても必要なものであるかどうか。  第三番目に、P3Cで潜水艦を発見したとして、わが自衛隊だけでそれに対して有効適切な対抗手段がとれるのかどうか。  第四点、もしこれをロッキード社から購入するとしまして、しかし、ロッキード社はいま倒産するのじゃないかと、こういうようなうわさも出ております。もしもそういう事態になったときにこれはどうなるのか。  以上四点につきまして、長官の御説明をいただきたいと思います。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 次期対潜哨戒機をいつ選定するかということでございますが、ただいまポスト四次防の作業をいたしておるところでございます。八月の末には大体結論が出ると思います。それを踏まえまして決定いたしたいというふうに思っております。ただ、八月の時期を過ごしますと、ぎりぎり十二月の末には、いずれにいたしましても決定にしなければならない。しかし、それはあくまでも国民に一点の疑惑のないような決め方をいたしたいというふうに思っておるわけでございます。  それからP3Cでございますけれども、そういうものは要らぬのではないかということでございますが、しかし、日本列島を取り巻く軍事情勢というものは、潜在的な軍事力というものは非常に高くなっております。特にソ連の海軍の増強というものは著しいものがございます。わが国は元来海洋国でございまして、特に戦後日本がここまで発展をし、これだけの生活水準をかち得ておりますのも貿易立国に徹したからだと思うわけでございまして、資源の多くは外国から輸入をしておる。そういう意味合いにおきまして、やはり対潜能力と言いますか、そういうものをとらえておくということは非常に大事なこと、日本の安全にとって不可欠のことだというふうに私は考えるわけでございまして、ただいまP2Jが主要なる対潜哨戒機でございますけれども、しかし、この性能は、今日の発達いたしました潜水艦、特に原子力潜水艦を捕捉いたしまするためには速度が速うございますし、それにまた解析等につきましても、いまのP2Jでは十分でございません。やはりこの機能を高める必要があるというわけで、われわれといたしましてはP3C級の対潜哨戒機というものが日本の安全のために求められる必要があるというふうに思うわけでございます。  あとの二問につきましては防衛局長からお答えを申し上げたいと思います。

丸山昂防衛庁防衛局長

○政府委員(丸山昂君) お答え申し上げます。  潜水艦を探知をいたしまして、これに対する攻撃は日本が単独に行うのかどうか、こういう御質問であるというふうに受け取っておりますので、それに対するお答えを申し上げたいと思います。もちろん、現在の私どもが整備をいたしておりますP2Jと、このP3級、いわゆるPXLでございますが、これにいたしましても単独で潜水艦に対する攻撃能力というものは備えております。具体的に申し上げますと、魚雷あるいは爆雷、それから浮上いたしましたものに対しては対潜ロケット、こういうものによってこれに対する攻撃が可能でございます。  それから最後の、ロッキードが倒産をするというような話がある。今後仮にロッキードのものをライセンス生産なりあるいは輸入ということで導入をした場合に、ロッキードが倒産をした後の処置は一体どうするのかという御質問でございますが、いずれにいたしましても、アメリカの政府を相手として導入についての取り決めをいたすということでございまして、その場合におきましては当然部品の供給その他については、長期に安定的に日本側に対する保証を取りつける、こういうことが私どもの仕事としては当然必要なことになってまいりますので、そういうために、仮にロッキードの倒産ということが大きな支障になるということでございますれば、改めてこの問題については検討しなければならないというふうに考えるわけでございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 防衛庁長官にお伺いしますが、わが国の兵器の調達についてでございますが、輸入にするか国産にするかと、こういう問題があると思いますが、その利害得失といいますか、あるいは長短について、これを教えていただきたいと思いますし、またそのような方針はどういう機関がどういう手続きでもって御決定になるのか、そこの間の事情を御説明いただきたいと思います。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 防衛庁におきましては、昭和四十五年に装備の生産及び開発に関する基本方針というものを決定いたしております。この方針によりますと、防衛の本質から見まして、国を守るべき装備はわが国の国情に適したものをみずから整えるべきであるというので、装備の自主的な開発及び国産を長期的観点に立ちまして計画的に推進するというふうに考えておるわけでございます。ただし、装備の中には現在の日本の技術水準では国内調達に依存し得ないものもございます。また、国産する場合におきましても、生産数量が少ないときには価格が割り高になりますし、そういう短所もございますので、そのような場合には技術の現状、性能面の評価、費用対効果等を総合的に勘案をいたしまして、装備を国産にすべきか輸入に依存すべきかということについて適切に措置することといたしておるわけでございます。  装備することを決定するまでの手順につきましては、これは防衛局長から御答弁申し上げます。

丸山昂防衛庁防衛局長

○政府委員(丸山昂君) 新しい主要装備について装備を決定いたします場合の手順、つまり、だれがどこでどのように決めるのかということについて必ずしもすべてが同じでございませんが、一般的なやり方につきまして申し上げたいと思います。  まず、決定手続きにつきましては、私どものおります内局の防衛局、それから各幕の防衛部系統が中心となりまして、たとえば先ほど申し上げましたPXLでございますと、現在われわれが持っておりますP2J、これの機数、それから耐用命数、運用の実態、こういうものからいたしまして、どのぐらいの全体としての現有勢力というものを維持できるかという見通しをつけます。それから、あわせてこの場合、各国の対潜哨戒機というものについての趨勢について勉強をいたします。それから対象になります潜水艦の性能の向上、これが今後の十数年の間においてどういう傾向をたどっていくかということについてのいろいろ調査検討をいたします。その結果、今後新しく装備をいたしますPXLについて申しますならば、いつからどのぐらいの機数を整備をするかとか、あるいは新しいPXLに対してはどれだけの性能を必要とするか、これを要求性能と申しておりますが、そういうものを防衛のサイドにおきまして見積もりをいたすわけでございます。  これと並行いたしまして、その技術的な可能性、それから調達をいたします場合の調達の方法、方式、こういった問題につきまして、これは私どもの内局の装備局、それから各幕僚監部の技術系統、装備系統、これが中心となりまして、いま申し上げました技術的可能性あるいは調達方法ということについて検討いたしまして、これらを基礎といたしまして、全体として費用対効果等の相互検討を行い、そして長官の決裁を得まして、この問題の装備をどういう機種を、どういう数量を、どの時期において、どういう段取りで整備をするかという、いわゆる防衛庁案を決定をいたすわけでございます。  もちろん、これにつきましては大蔵の財政当局との折衝をこの防衛庁案が決まりました段階において行うわけでございまして、最終的に予算として決定されるまでには国防会議及び閣議で御決定をいただくということでございまして、これは御案内のとおり、昭和四十七年の十月の文民統制強化のための措置ということで、新しい装備については国防会議で御審議をいただくということになっておるわけでございます。それによりまして最終的に予算の政府案という形で御決定をいただく、そして国会に提出をさせていただくということになっておるわけでございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 先ほど、できるだけ国産をということを伺ったわけですがね。それからいまのお話を聞きますというと、主として防衛庁内部が主導権を持って御決定になっておるようでございますが、兵器を国産にするか輸入にするかということは、これは非常に大きな私は問題だと思うのです。国産にしました場合は、やはりこれは国が直接やるわけじゃない、民間につくらせるわけでしょう。民間につくらせるとここに利潤というものが、経営的に成り立っていくかどうかということが問題になってきて、損をしてまで私は生産をしないと思うのです。そうすると、数量等から考えますというとこれは相当の犠牲を払うようなことになるわけですが、企業が安心してそういう国産の兵器をつくり得るような、企業に迷惑をかけないようなそういう態勢になっておるんですか。あるいはこれから方針を決める場合にはそういう点を考慮してお決めになるんですか。その辺はいかがでしょうか。

江口裕通防衛庁装備局長

○政府委員(江口裕通君) 現在の国産と輸入との比率でございますけれども、大体一次輸入をいたしておりますのは、一次的に直接に防衛庁が買っておりますのは大体五%程度でございます。しかし、この中にはいわゆる間接輸入と申しますか、メーカーがつくってやっておるものは入っておりませんので、そんなものを入れますと二割程度になろうかと思います。それが一つの国産と輸入の状況でございますが、一方、鉱工業生産の中で、わが国の鉱工業生産の中の防衛庁需要と申しますのは大体〇・四%程度でございまして、ならしまして非常にわずかなシェアでございます。したがいまして、防衛庁の生産だけでそういう自分の企業として成り立ってまいりますのにはかなり無理があろうかと思っております。  ただしかし、一方航空機等になりますと、生産額のうちの八割以上がやはり防衛庁需要というようなことになっておりますので、これはこれなりにまたいろいろ問題がございます。したがいまして、大きく申し上げますと、そういった航空機工業におきますような、何と申しますか、防衛庁需要を中心とするようなところに依存しておる産業と、それから一方非常に中小の弾薬メーカーとかいろいろございます。そういったものの経営の存立という問題も必要かと思っております。そういった問題を全部含めまして、これから国産あるいは輸入等考えます場合にはやはりそういった問題も十分考慮に入れまして考えていきたいと、かように存じておる次第でございます。ただ、一番基本といたしまして、防衛庁といたしましては、やはり何といいましてもいわゆる性能面あるいは技術的な面というのが非常に問題になりますので、この点は第一でございますけれども、あわせていま申し上げましたような点も十分考慮していかなければならぬと、かように考えておる次第でございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 私は防衛問題には非常にいろんな問題があると思うんですね。そこで、政府側には防衛庁という機関があって万全を期しておられるわけですが、国会側は、これは現在では内閣委員会でこれをやっておるわけですね。その実態を見ますというと、国の存亡にかかわるような重要な問題の審議が内閣委員会の、私は端的に言いますというと片手間に、付録的に短時間審議されて、そうして法案のごときは二、三年かからなければ成立しない、こういうことでは、幾ら国のために奮起しろと言って自衛隊の隊員あるいは若い者を鞭撻しましても、果たしてこれで感激し、闘志がわくだろうか、国会の実態を見て。こういう実態において国会が、それじゃ君たちはひとつ国のために身命をなげうってやれと、そういうことで果たして効果があるかどうか、私は非常に疑問を持っております。いまだかつて一遍で防衛法案が通ったためしがない。しかも、徹底的な論議されたことがない、少ない。私は少なくともロッキード問題すら特別委員会をつくるというのであれば、この国の一番重要な問題の国防に関する、これを国会において十二分に審議ができるように、常任委員会、さしあたっては特別委員会ぐらいをつくるように努力すべきじゃないかと思うんですが、総理はいかがお考えでございましょうか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は宮崎君の考え方に賛成でありまして、しばしばそういうことを私は発言をしておるわけですが、各党の同意を得られないでおるわけですが、この問題はどうしてもいろいろの立場は超えても、予算委員会で論議するという、あるいはまた内閣委員会で論議するというんじゃなくして、安全保障に関する特別の委員会というものはぜひやっぱり設置をしてもらうということに対して各党に私は訴えたいのでございます。日本の場合、私は、ちょうどあれは一昨年でしたか、ヨーロッパに参ったとき、ジスカールデスタンと、ミッテランとの大統領選挙のさなかにおったですね。一方は社共の統一候補ですがね。それがやはり激しい大統領選挙において、防衛問題と外交問題というのは大きな論議の種になっていないんですね、やはり内政問題が主として争われる。こういうふうに西欧の社会、イタリーのような小党分立のようなところにおいても、やはり防衛問題という問題について激しい、もう非常に何というんですか、百八十度違うというような国はないんですね、どこの国でも。そういうことから考えてみると、日本はこれはそれに対しての安全保障の特別委員会のようなものができて、そして安保に反対をするような人たちも、立場は反対であっても十分そういう場で話し合うということでなければ、これは大事なやっぱり国の安全保障の問題について、ただこう内閣委員会とか予算委員会というんじゃなしに、徹底的に論議を重ねていくということがお互いにこの問題に対して共通の土俵を求めるということに対しても役立つと思うのであります。ぜひともそういう委員会あるいはその前提として特別委員会というものの設置というものを——賛成しておる党もあるんですね。しかし、各党の賛成がないとなかなか特別委員会は設置できないような一つの慣習になっておるようですが、これはぜひとも各党に訴えたいと思っておる点でございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 外務大臣にお伺いしますが、日米安保条約に関しましても、これは結局は日米の信頼関係がなければ全く無力なものになるわけでございますが、今度のロッキード事件で日米関係にどのような影響が起きておるのか、また、この問題によって自由陣営の中の結束は相当私は乱れておるんじゃないかと、こういうような心配もしておるわけでございます。私は、どうしてアメリカかこのような日米関係を損ない、自由陣営の結束を乱すようなことをやったのだろうかということを非常に理解に苦しんでおるんですが、外務大臣はどのようにこの現在の影響等について御判断になっておるか、お聞かせをいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 本件は、日本政府と米国政府との間に考えの違いがある、あるいは確執を生じたという種類の問題ではございませんので、私は大局的に見まして、両国の信頼関係が本件によって揺らぐものとは考えておりません。ただ、お尋ねでございますので、アメリカ側のいわゆる日本を知る人々がどのような心配をしておるか、アメリカ側としてのいわば反省と申しますか、それを御紹介する意味で一つだけ御紹介を申し上げますと、かつてわが国の大使をいたしましたライシャワー氏が、今回発行されましたあるアメリカの雑誌に論文を載せております。かなり長いものでございますが、その言っておりますところは、アメリカの政府、これは広い意味で行政、立法、司法を含めました政府という意味でございますが、政府の一部門が日本の公職にある者に疑いがあるということを申しながら、他の部門がその問題について、それをすぐに解明するというようなふうに必ずしもしなかったということについて問題があったのではないかという趣旨のことを言っております。これは、恐らくはアメリカにおける三権分立とわが国における三権分立が必ずしも同一でございませんから、その間、そういうことについての疑問を日本人が抱くということについては理由があったのではないだろうかという趣旨の意味と私は受け取っておるわけでございますが、そのようなことはアメリカ側のいわゆる日本を知る人から見た場合の反省の言葉ではないかというふうに私は読んでおります。これは私の意見と申しますよりは、そういうものとしてあえて御紹介いたしたわけでございます。  なお、最後に言われました、こういう事件の結果、日米あるいは自由主義、民主主義の国家群の団結が緩むのではないかという御趣旨のお尋ねでございますけれども、私自身は、われわれ自由主義陣営が信じているところの共通の価値観、民主主義でありますとか、自由主義でありますとか、あるいはさらに、私ども自身は自由経済、市場経済というのを信じておりますけれども、そのようなものの危機というのは、先ほど宮崎委員も言われましたように、よそからの破壊勢力によって危機が訪れることもございますが、内部の危機によって崩壊をするということもあり得るわけで、それはあらゆる制度がそうでありますように、腐敗によって崩壊をするということが歴史上もしばしばあるわけでございます。したがいまして、そのような内部の腐敗をみずからの手によって正していくということは、やはりわれわれが信じておりますそのような体制が力強く今後とも生き、成長していくために必要なことであろう、私はそういうふうに考えておりますので、このような出来事がわれわれの体制、お互いに信じておるところの団結を崩すことにならずに、自分たちの手によってもし腐敗があるのであればその腐敗を改めていくという契機になる、私はそういうふうになるべきものであると思いますし、また総理が言われましたように、わが国の民主主義はそれに耐え得るものであるというふうに考えております。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 日米関係が重要であることは、もう万人異論はないと思いますが、それと並んで、私は日本のエネルギー問題から考えて、アラブの問題は非常に重要じゃないかと思うんです。最近、新しい動きも出ておるようでございますが、政府のアラブ政策について外務大臣はどのようにお考えになっておるか、お聞かせいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この点につきましては、昨年の通常国会の冒頭におきまして総理大臣が所信表明をせられましたように、いわゆる中東問題は、国連安保理事会決議二百四十二号を中心にして解決を図らなければならないが、同時に、この決議のみをもってしてはいわゆるパレスチナ人のあり方についての方針が不十分であって、これに加えるにパレスチナ人が国連憲章に基づく正当な権利を尊重されなければならないということをつけ加えて考える必要があるというのが、総理大臣の昨年の通常国会における所信表明の趣旨でございますが、政府としてはそのような趣旨に基づきまして今日まで行動をしてまいりました。今年の一月における国連安保理事会における決議にわが国が賛成いたしましたのも、そのような趣旨でございまして、これがわが国のアラブ問題に対する基本的な方針でございます。

大鷹淑子自由民主党

○大鷹淑子君 関連でございます。  いま宮崎委員の御発言の中にありましたアラブ、中東問題に関連して、中東の和平について二、三質問したいと思います。  いま外務大臣からちょっとお触れになりましたけれども、中東和平は世界最大の関心事の一つであると思います。特に、パレスチナ問題が中心の課題であると思います。日本政府の基本的外交姿勢について、今度は三木総理にお尋ねしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) やはり私は、中東問題の解決の核心をなすものはパレスチナ人の処置だと思います。この問題を避けて通って中東問題の解決はない。だから、パレスチナ人に対して国連憲章に言う正当な権利が回復されなければならぬということを、いつ、どの場合でも——中東問題というのは大事な問題でありますし、日本の石油の供給を中東地方から八〇%も受けておるわけでございますから、日本も非常なやっぱり利害の関係もあるわけであります。そこで、毎回の施政方針演説に中東問題というのを取り上げ、そのときにいつも申しておることは、一九六七年ですか、この国連二四二の決議に加えて、パレスチナ人の正当な権利の回復ということを常に申しておるのは、そういう点に配慮した結果でございます。

大鷹淑子自由民主党

○大鷹淑子君 自民党有志議員の長年の努力の積み重ねもありまして、去る四月の二十日から一週間、PLO、パレスチナ解放機構のカドウミ政治局長、アル・フート・ベイルート事務所長など代表団の一行の来日が自由民主党の招待で実現をいたしました。PLO代表団の訪日が日本とパレスチナ人民との相互理解と親善に大きな成果をもたらしたと思っておりますが、三木総理は、総裁として会談をなさいまして、また宮澤外務大臣も会談をなすって、大変有意義な議論をなすったと承っておりますが、まずカドウミ政治局長との会談の内容、それから代表団来日の成果を政府はどうお考えになっていらっしゃるか、それからPLOの事務所開設の目的、時期、ステータスなどについてもお聞かせください。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 自民党の国際局が今回PLOのカドウミ政治局長を日本に招待をされまして、私も自民党総裁としてお目にかかったわけでございますが、やはり私が申したことは、一つには、近くPLOの事務所を開設されることになる。そのことはパレスチナ人と日本との相互理解に役立つであろうという期待を述べました。もう一つは、中東問題に対して自民党政府の考えておる基本的な政策、その中におけるパレスチナ問題の重要性というものを話して、私の施政方針の演説を英訳したのを差し上げて日本の中東政策に対する理解を深めたのが会談の中心の議題といいますか、中心の問題点であったわけで、今回、自民党の国際局がこういうPLOを招聘をされまして、そして日本の野党の党首の方々にも皆会われたようですから、広い範囲内で日本の理解を、日本の指導的な立場にある方々との理解を深めたことは、非常にパレスチナのPLO並びに日本に対しての相互の理解を深める上において大きな貢献をされたものだと評価をいたしております。

大鷹淑子自由民主党

○大鷹淑子君 外務大臣、お願いいたします。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私との会談におきましては、まずカドウミ氏から、今回日本に御招待を受けて訪日ができたことについて感謝をしているということ、昨年アル・フート氏が訪日をして厚遇を受けたということに同じく感謝をしているということ、それから今年一月の国連安保理事会においてわが国がとった態度についてこれを多としているというような趣旨のお話がありまして、私からは、中東問題についてのわが国の基本的な考え、先ほど宮崎議員に申し上げたことが内容でございますが、そのようなことを、この際改めて申し上げておきたいということをお話をいたしました。なお、さらに進みまして、この中東問題の解決はどのようにすればできるのであろうか、PLOの立場から見てどう考えておられるかというようなことにつきまして私から質問をいたし、それについてかなり詳しいお話がございました。これはしかし、恐らく大鷹議員は何かの機会にお聞きになっておられるに相違ございませんし、また私が先方の了解を得ずにそれをこの席で申し上げることも適当でなかろうかと存じますので、それは省略をさせていただきますが、私どもとしては、PLOの考えていることがどの辺にあるかということについてある程度の理解を深めることができたというふうに考えております。  なお、事務所の問題についてお尋ねがございましたが、私どもにはできるだけ早い機会に開設したいということを述べておられました。記者会見においては、できれば六週間以内にと言われた由でございますが、私どもにはできるだけ早くというようなお話でありました。  開設の目的は、日本人とパレスチナ人との間の相互理解を促進する、あるいはパレスチナ問題についてのPLOの立場をわが国民に対して広報活動を行いたいというような趣旨のように承知をいたしております。  この事務所のステータスでございますが、これは昨年アル・フート氏が見えましたとき以来、私どもは終始一貫してわが政府の考え方、すなわち厳密に法律的に言えば、これは一般外国人の私的活動のための事務所というふうに考えざるを得ないということは、すでに昨年以来明確に述べておりまして、先方もそれはきわめて明確かつ正確に理解をしておられまして、今回もそれについてはそれと異なるようなお話はございませんで、よく理解をしておられるように私は考えております。

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 関連ですから簡単に願います。

大鷹淑子自由民主党

○大鷹淑子君 はい。いわゆる過激派とPLOとは関係がないというような点につきまして、どういうお話し合いがあったでしょうか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは私との間ではそういう話は実はございませんでしたのですが、外務省の幹部と引き続き懇談をかなり長い時間かけていたしました際に、カドウミ氏から、PLOと国際的暴力、テロ行為とはもとより無縁のものであるということを述べられたという報告を受けております。

大鷹淑子自由民主党

○大鷹淑子君 最後でございます。  ヨルダン川西岸とガザ地区を領土とするいわゆるミニパレスチナ国家案が近く国連の安保理事会に提案されると報ぜられていますが、これは大変現実的な提案だと思いますが、日本政府としてはこの問題に対してどう対処をされていくのか、三木総理にお願いします。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そのような検討がなされていることは私ども聞いておりまして、あるいは六月の安保理事会に報告書の形で提出されるのではないかとも考えております。わが国は本年も安保理事会の一員でございますことは御承知のとおりでございます。私どもとしましては、どのような経緯と背景のもとに、どのような文言でこの案が提案せられるかということをしさいに注意深く検討する必要があると実は存じておりまして、したがいまして、その案が出まして最終的にはわが国の考えを決めなければならないと思っているわけでございますが、一般的な方針として申し上げますならば、基本的に私どもは、中東問題の中核の問題は、パレスチナ人の自決権、生存権を尊重するということでございますが、同時にまたイスラエルという国を一切認めない、あるいは相手にしないということであっては中東問題の解決はない、これも同時に真理でございますから、したがいまして、そういう基本的な原則の実現に近づくようなそういう提案であれば、私どもとしては積極的に考えていくべきではないか、一般的にはそういう基本的な考え方を持っております。

大鷹淑子自由民主党

○大鷹淑子君 ありがとうございました。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 先ほど外務大臣は、このロッキードの問題につきまして、日米関係については何も心配ないのだと、こういうお話でございますが、しかし、このロッキードに限らず、アメリカは親善関係にありながら、しかし、最終的にはやはりアメリカの国益という立場から物事を決定し行動すると思うのでございます。しかるにわが国は、ロッキードに限らず、一切をアメリカに頼り切っておる。物心ともにアメリカに頼り切っておる、こういう印象なり、あるいは批判が強いのでございますが、今度の事件につきましても、アメリカから起きたのですからやむを得ぬと思いますけれども、アメリカの資料はこれは正しいのだと、アメリカから資料をもらわなければ何もできないのだというような態度が非常に強く国民に映っておるのですが、総理はこの点についてどのようにお考えになっておるか、お聞かせいただきたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 今回の事件がアメリカの多国籍企業の小委員会から事件が発生したわけでございます。そういうことですから、アメリカのいままでに調査されたような資料というものは、確かに捜査上有力な資料であることは事実でございます。参考になることは多いですが、あくまでも日本社会の問題でありますから、やはり自主的に日本の手でできるだけの真相解明をやるという自主的な態度というものは私は要る。アメリカのもう資料を見せてくれなきゃ何にもできぬのだということは、余りにも少し他力本願に過ぎる。やっぱり自力でこの問題を解明しようという自主的な態度というものが必要であると、こういうふうに考えます。しかし、アメリカの資料も非常に参考になるんでしょうから、これは資料の提供を受けることは必要ですけれども、あくまで日本が自主的に解明しようということでないと、何か日本の社会の問題ですから、この問題をみずから解明しようという自主的な態度を持たないということは、これはやはりおかしいと私は思うわけでございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 ただいま総理の御発言で、日本は自主的にやるんだ、こういうお話でございますから、日本が自主的にいろいろと調査した、しかしその結果はアメリカの資料とは相当やはり食い違いがあると。現に何点かすでに出ていると思います。このいずれが正しいかということは、どのようにして決定されるんですか。これは法務大臣にお伺いしましようか。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) どのようにして決定するかと言われましても、捜査当局がまじめに捜査すれば、アメリカの方がうそであった場合もあるし、本当であった場合もありますから、日本の捜査当局が判断する、こういうことになります。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 法務大臣もあるいは検察も恐らく困られるだろうと思うんですよ。アメリカである程度徹底的にやらなければ、日本の捜査が果たして信頼できるのかどうかということを決定する場合も、日本だけの問題なら日本だけの捜査で結論出せると思うんですよ。それにアメリカが絡んだ場合に、それとの関係をどの程度までアメリカを信頼していいかどうかというような判断は、私は本当に法務大臣も検察当局も困られると思うんです。特に今度の場合は、一商社に限らず、その背後には、巷間伝えられるところによりますというと、政府機関も関係あるんじゃないか、CIAも関係あるんじゃないかというような、こういうこともうわさされておるわけですね。そうすると、そういうような事実を恐らく日本では究明できないのじゃないか、国家間の問題ですから。そうすると、最初に私が申し上げた非常にむずかしいということは、そういうことも考慮して言っておるわけでございます。  そこで、CIAにつきましては、これはアメリカでは自分の手で相当解明されて発表されているようでございます。そこで日本人はその記録を見まして、CIAは果たして信頼できるのかどうかと非常な不安と疑惑を持っておる。それを通じてアメリカは何するかわからぬぞと、こういうやはり疑念を持っていると思うんです。こういう不安を私は持っておると思うのですが、その実態はなかなか日本の手では明らかにできないのじゃないかと思いますが、ところが、一般の現在の国民の関心はCIAに集まっていますが、これはCIAだけじゃない、ソ連のKGBですか、そのほかの機関も日本に対する諜報機関、工作機関は相当活発に動いているということは公然の秘密になっている。こういうような情報を政府はいかにしてこれを収集され、それをだれが評価し、あるいはだれがそれを判断されるか、そういうような機構があるのかどうか、これは官房長官がおられぬようですから、だれがいいですか。じゃ、外務大臣にお伺いしましよう。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのお尋ねでございますが、私ども外務当局に関します限り、そのような活動が何国によるものであれ、組織としてわが国に置かれるということは私どもは認めない、そういうことが政府の方針でございます。具体的にいろいろな情報収集ということが行われているということは、これは私は何国によるということを申し上げずに、あり得ることであろうと存じますけれども、そもそもよその国の情報を、それを適法な手段によって収集するということ自身はウィーン条約の禁じておるところではございませんし、むしろそれらの情報を収集するということが他国としてよその国に人を置いておるということの目的でございましょうから、その限りでは私どもは別にそれを間違ったこととは思わない。ただ、もとよりそれは適法な方法で行われなければなりませんし、またわが国の国民のあるいは国家の法益を害するというようなことであれば、これはそのこと自身として、何国によるとにかかわらず問題になるのでありますが、そうでありません限り、いわゆる情報収集活動が適法に法益を侵さずに行われておるという限りにおいては、特に私どもがそれを調査をするということは考えておりません。  なお、以上は外務当局の立場として申し上げたわけでございます。

宮崎正雄自由民主党

○宮崎正雄君 ただいま、御答弁を求めても責任を持って御答弁いただけない、これが実態です。外国の諜報、工作活動が自由自在にやっておるのに対して、日本政府は責任を持ってその実態を把握できない、こういうようなことでは私は大変じゃないかと、こういうふうに思いますので、どうか政府におかれまして、責任を持って外国のそういう諜報あるいは工作活動の実態が把握できて、そうしてそれに対する判断、対策が速やかに講じられるような機構的整備をお願いをしておきたいと思います。  まだいろいろとお伺いしたいことがございましたが、時間が参りましたので、最後に私は一言申し上げまして質問を終わりたいと思います。  むずかしい難局の打開のために日夜御苦労なさっている総理に対しまして数々の苦言を申し上げましたけれども、しかし、私は政府の責任は与党の責任であると、こういうふうに考えております。したがって、政府を批判することはわが自由民主党の自己批判である、こういうような観点から、失礼なことを申し上げたかもしれませんけれどもお許しをいただいて、どうかひとつがんばっていただきたい。  終わります。(拍手)

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 以上をもちまして宮崎正雄君の質疑は終了いたしました。     —————————————   〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕

山内一郎自由民主党

○理事(山内一郎君) 片岡勝治君。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 私も、このロッキード事件の問題について初めに政府当局に質問をしたいと思うわけでありますけれども、まず最初に、三木首相にその考えを伺いたい。  と申し上げますのは、このロッキード事件のクライマックスは昭和四十七年であったわけであります。この昭和四十七年後半には、三木さん、どういう地位におられましたか、ちょっとお伺いをしたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 田中内閣ができた後ですから、副総理、環境庁長官でございました。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 なるほどロッキード問題は三木内閣が誕生してから発生したわけではありませんけれども、しかし、いま総理がお答えになったように、最も激しかった昭和四十七年、田中内閣の誕生、そして三木さんは副総理であったわけであります。そうすると、これは全く三木さんにとって人ごとではない。三木さん自身の政治的責任、道義的責任を問われる事件であると私は考えるわけなんです。いままでの総理の答弁を聞いていますと、何か人ごとのように、私は清潔なんだというような態度が見えるわけでありますけれども、しかし、田中内閣の副総理という、いわば総理の補佐役でありますから、そういう点で、もっと政治的責任をお感じになって真相究明に私は積極的に立ち向かうべき立場にあるのではないか。これについてもう一度総理の見解を承りたいと思います。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私は、この問題で自分だけは何も関係ないんだと、そんなことは言っていませんよ、一遍も。自民党総裁ですから責任をやっぱり感じておる。その責任を感ずるということは一体どうすることかといえば、国民の疑惑に包まれておるこのロッキード事件、真相を解明して国民の疑惑を晴らす、そうして、やはり政治に対して投げかけられておる国民の不信を解消して政治の信頼を回復するということ、これに私はもう全力をささげたいと考えておるわけです。責任を感じればこそ、その役割りを果たすことが私に課されておる大きな課題である、こう考えて努力をいたしておるわけでございます。これをうやむやのうちに葬ろうという考え方は、片岡君、ないんですよ、私には。こういうことはできるとは思わないのです、私は。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 この際一つお伺いをしておきたいのは、児玉譽士夫の取り調べが相当進んでおるわけでありますが、児玉譽士夫の容体といいますか、健康状態、精神状態がどういう状態なのか、この点お伺いをしたいと思います。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 一時よりはよくなっておるように思っております。しかし、詳しいことはわかりません。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 国会で証人要求に対して拒否をされたわけでありますけれども、その後、検察庁あるいは警察、税務当局は相当長時間にわたって取り調べを行われているようであります。国会の立場からすると、大変私どもは心外に思っているわけであります。したがって、これはまだ時間が若干かかりますので、この質問が終わるまでの間に、その健康状態がどうなのか、ここへ御発表願いたいと思うわけであります。  そこで、主として私はPXL問題、対潜哨戒機についてお伺いいたしますけれども、まず最初に対潜哨戒機のいわゆる三次防、四次防を通じてのタイムテーブルといいますか、日程がどういう計画になっていたのか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 次期対潜機につきまして、防衛庁は昭和四十三年ごろから部内研究を進めており、四十五年度には外国機の導入、民間機の改造、国内開発のおのおのにつきましての比較検討を行い、予算額二千二百万円、この成果に基づき、四十六年度から四十八年度の概算要求におきましては、PXLの国産開発に着手するための基本設計費等を要求し続けております。しかし、大蔵省は、PXLの国産化は将来多額の経費を必要とするおそれがあることを理由に、その開発着手に反対をし、将来の対潜機一般に要求される搭載機器等を主体とした調査研究委託費、予算額四十六年度三億一千万円、四十七年度六億八千万円は認めましたけれども、一貫いたしまして基本設計費を認めず、PXLの国産開発着手を認めるものではないとの条件を付してきたわけであります。この件につきましては、四十七年の五月の十六日の衆議院内閣委員会におきましての御質問に対しまして、当時の久保防衛局長が次のように答弁しております。政府レベルにおきましては、国産化を前提とした次期対潜機の研究開発を方針として決定していたということはない、「AEW、それからPXLの開発そのものに踏み切ったのではありません、四次防の場合には。つまりその前段階の事前研究ということであります」、こういうわけでございまして、四十五年、四十六年、四十七年度とも基本設計費は認められずに、この調査研究費ということで推移をしたということでございます。したがいまして、国防会議の議を経て、政府全体としてこの国産化を決めたということはなかったということを申し上げておきたいと思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 三次防の技術研究開発計画によれば、次期対潜哨戒機について、昭和四十五年、四十六年、それから六カ年試作二機計百億円という計画があるわけですね、これはお認めになりますか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 防衛庁といたしましてはそういうような方針できたということでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 現在P2Jを使っておるわけでありますけれども、これがやがて老朽といいますか、更新するわけでありますが、その一番早い時期はいつごろになりますか。

丸山昂防衛庁防衛局長

○政府委員(丸山昂君) 昭和五十七年から、大体四機ないし五機というペースで大きく落ち込んでまいります時期でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 米国よりPXLの、P3Cオライオンの日本へのリリースの情報がどういう経過で日本へ来たか、それに対して日本の防衛庁はどういうふうに対応したか。

丸山昂防衛庁防衛局長

○政府委員(丸山昂君) お答えいたします。  一番最初にリリースの可能性について、非公式でございますが、連絡がございましたのは、四十七年の八月に、当時ワシントンに駐在をいたしておりました玉川という海の一佐でございますが、これが私信で海幕の方へ連絡がございまして、P3Cについてリリースの可能性があるということを伝えてまいっております。当時は海幕といたしましては、御案内のようにPXLの国産を目指しての研究開発という方針で臨んでおりましたので、こういった情報は一部の関係者に伝達されたままで終わっております。  その後その同じ年の十一月、これは問題になっております十月の議員懇談会がありまして後でございますが、十一月に、MDAOと申しまして相互援助事務所でございますが、ここからP3Cについての簡単なブリーフィングをするという連絡がございまして、これには海幕から参りまして、主としてスライドを使っての説明を聞いております。  それから翌年の一月になりまして岩国にP3Cが飛んでまいりまして、これに実機について搭乗見学をしてはどうかという、これは在日米海軍からの申し入れがございまして、わが方は海上幕僚監部、それから航空集団、それから技術本部、こういうところにおります海上自衛官が参りまして、実際に航空機に搭乗いたしまして見学をいたしておる、こういうことでございます。  で、その四十八年の六月になりまして、この海外の対潜哨戒機についての資料収集をする調査団を派遣する、その準備のために、アメリカとそれからイギリス、フランスそれぞれに対しまして、これは外務省を通じてでございますが、リリースの可能性があるかどうか、その場合にライセンス生産の可能性があるか、あるいは輸入の場合にどういう条件がつくのかというような非常に簡単な情報照会でございますが、これを行っております。  P3Cにつきましては、この六月の照会に対しまして、七月に回答が参ってきておるわけでございます。一応その年の十一月に第一回の調査団を派遣するということになっておりましたので、そのための事前準備の資料をこれによって整備をして、十一月にいま申し上げました関係諸国に調査団を派遣して調査をさせたと、こういうところでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 防衛庁が執拗なまでに国産化を要求をしておったわけでありますけれども、昭和四十七年十月九日、いわゆる田中、後藤田、相澤氏の三者会談、そして国防会議懇談会によって白紙還元、輸入を含めた専門家会議の検討、これを契機に防衛庁は草木がなびくごとくP3Cに傾斜をしていったわけであります。この一〇・九、昭和四十七年十月九日の問題について、率直に言って国民は大きな疑惑を持っておるわけであります。この点について具体的にお伺いいたしますが、国防会議及びその関連の会議はどういう種類のものがあって、性格、構成、任務をお聞かせいただきたいと思います。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) お答え申し上げます。  国防会議につきましては、法律的な根拠は防衛庁設置法の中に規定されております。それから国防会議の任務といたしましては、数項目の内容が法律上規定されておりますが、その主たるものは、国防計画の大綱、それから出動の可否、あるいは特に内閣総理大臣が重要と認める事項等を内閣総理大臣はこの国防会議に諮問しなければならない、こういう形の規定で国防会議のいわば諮問を受ける内容が規定されております。  それから、国防会議の議員懇談会でございますけれども、これはやはり国防会議の範疇に属するもので、いわば慣例上国防会議議員懇談会という名前で開催されることが多うございますが、やはりこれは国防会議の中にあるものでありまして、国防会議と異なるものではないと考えております。したがいまして、案件を決定いたしますような場合には国防会議という名前で決定いたしますが、特に案件決定のないような場合、あるいは案件決定がある場合でもそれを自由討議する場合におきましては、国防会議議員懇談会という名前でこれを行っておるのが慣例となっておるようでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 いま、国防会議議員懇談会は国防会議の中にあり、国防会議と異なるものではないということを言っていますけれども、そうですか。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) お答えを申し上げます。  国防会議の中にあるというのではなくて……。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 いま言ったよ。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) もし間違っておりましたら訂正いたしますが、国防会議という概念の中で、国防会議と称する場合と議員懇談会と称しておる場合とございまして、先ほど申しましたように、案件を正式決定いたします場合は国防会議という名前でいたしますが、案件がない場合、あるいは案件を事前に自由討議するような場合には、国防会議議員懇談会という名前でこれを自由討議いたしておるのが慣例と相なっております。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 私は一般的な概念を聞いているんじゃなくて——そうすると、法律的には国防会議だけということになりますね。後は全く自由な話し合いの場である。法律的にはその審議、諮問に応ずる機関ではない、そういうふうになるわけですね。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) もう一度お答えしますが、国防会議議員懇談会は、同時にそれは国防会議であると、そういうふうに御理解願っていいのじゃなかろうかと思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 そうすると、国防会議イコール議員懇談会、こういうことですか。法律的にそうですか。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) 法律的に存在しておりまするものは国防会議でございます。したがって、議員懇談会という名前で国防会議を行う場合があると、こういうふうに申し上げます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 冗談じゃない。そんなばかな話がありますか。そうですか、本当ですか、それは。議員懇談会という名前で国防会議をやっているという答弁ですけれども、そうですか。それならそうではっきり言いなさい。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) いまも申しましたように、その招集手続あるいはその他一切国防会議と議員懇談会は全く同じことでやっておりまして、それで、議員懇談会というものは法律上何も規定されておりませんので、国防会議というものが法律上規定されておるものでございます。それで、国防会議の一つの慣例として議員懇談会という形で国防会議を行う場合がしばしばあるわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 ちょっと整理してくださいよ。全然だめですよ。そんなばかな話がありますか。どこに書いてある。そんなばかな話がありますか。とっくり返し、ひっくり返し言っているからだめですよ。整理をしなさいよ、整理を。そんな寝ぼけた話がありますか。だれが聞いたっておかしいですよ。

山内一郎自由民主党

○理事(山内一郎君) 内海君に申し上げますが、明確に御答弁を願います。——ちょっとお待ちください。  先ほどの片岡君の質問の、児玉譽士夫氏の病状についてわかりましたから報告します。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 児玉の病状は、国会の証人関門があった当時とほぼ同じで、特に好転はしていない。先ほど私あの当時よりはずいぶんよくなったと聞いておりましたが、正確には、いま報告がありましたから申し上げます。同じで、特に好転はしていない。  第二に、検察当局では、上記のような児玉の病状にかんがみ、検察官が臨床尋問の方法でごく短時間取り調べを行っております。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) 答弁を訂正させていただきます。  国防会議は国防会議として法律上決定されておるものでございます。それから、国防会議に出席する議員及び議員ではございませんが常時国防会議に出席する大臣が懇談、いわゆる先ほど申しましたような案件についての事前懇談、あるいは決定案件のない場合において自由討議をいたします場合に、これを国防会議議員懇談会という形で行っております。したがって、別個のものでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 そこでお伺いいたしますけれども、四十七年十月九日のその議員懇談会で、いろいろ言い方はありますけれども、俗に国産化白紙ということが決定されておりますけれども、その内容は、昭和四十七年度予算の執行停止を意味しているのか、それから三次防、四次防等で決定した開発研究計画もあるわけですね、それを凍結をしているのか、こういう点についてお伺いしたいと思います。

丸山昂防衛庁防衛局長

○政府委員(丸山昂君) お答え申し上げます。  四十七年十月九日の国防会議、ここにおいて決定をいたされました案件を申し上げますと、一つは、四次防の五カ年計画策定に際しての情勢判断及び防衛構想でございます。それから第四次防衛力整備五カ年計画の主要項目、これは後ほど閣議決定を経ておりますが、これが決定をされております。それからその次は、先ほど申し上げたかと思いますが、文民統制強化のための措置についてという内容を含みました国防会議並びに閣議決定を経ております案件がここで御決定を見ておるのでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 懇談会の白紙還元ですよ。懇談会の国産化白紙還元は、四十七年度の予算の執行停止と、それから防衛庁がいままでずっと計画をしてきた開発研究計画を凍結というかストップ、そういうことを意味したんでしょう、その白紙還元というのは。

丸山昂防衛庁防衛局長

○政府委員(丸山昂君) 議員懇談会におきます了解事項、いわゆる白紙還元という了解事項でございますが、これはそれまでに防衛庁とそれから大蔵省との間において論議が交わされておりました早期警戒機、それと対潜哨戒機、これについて国産を前提とした研究開発を行うか否かという議論、これを白紙に戻して、そして輸入を含めて今後国防会議の事務局の中に設けられる専門家会議において検討をすべしと、こういう中身でございまして、これ自体は、いま御質問にございましたように、研究費を凍結するとかというような意味合いを持っておるものではございません。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 四十七年度予算を凍結した、執行しなかったじゃないですか。それを聞いているんですよ。

丸山昂防衛庁防衛局長

○政府委員(丸山昂君) 四十七年の予算を執行をいたしませんことは、結局予算の効率的な運用ということから、すでに問題が専門家会議において基本的に検討をするという段階になっておりますので、四十七年につけられました予算をこの際執行せず、はっきり結論が出てから改めて予算を計上して執行する方が妥当であると、こういう判断に基づいて不執行に終わっておるわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 答弁は私の質問の要旨に的確にお答えいただきたいと思うんです。  そうすると、この議員懇談会において白紙還元、輸入を含めて専門家会議に検討する、そういう懇談会の了解事項に基づいて、いまお答えのように四十七年度の予算は執行しなかった、結論を待って執行するということですから執行しなかった、こういうことですね。わかりました。   そういたしますと、これは大変重大な問題なんですよ。議員懇談会というのは、全くそれは非公式であって、国防会議ではない。しかも、この議員懇談会において国会で議決した予算を執行しないんですよ、そういうことを議決している。あるいは三次防、四次防で決定しておるところの国産化研究開発計画というものもここでストップをする、こういう重大なことが懇談会という形式の了解事項で決定されたということ。これは先ほどお声がありましたけれども、この国防会議の議長は総理であるわけですね。三木さん、あなたはこのときには副総理ですよ、どうお考えになりますか、これは。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私も当日は御指摘のように出席をしたわけでございます。そして、いま詳細には記憶しておりませんが、とにかくその国防会議ではいろいろとこういう高度な、技術的な研究を要する問題については専門家の意見をよく聞く必要がある、だからこの次期の対潜哨戒機の問題については国防会議の中に専門家の会議を設けて慎重に検討するというようなことが話をされて、了解をされたというふうに記憶しております。このときには、私もいま記憶を思い出してみると、決まったものをこの会議で、いままでは国産に決まっておったものを白紙に還元するというような了解をとる会議ではなかったように考えております。そういうふうなことが当日、いろいろな記録などを見て、いまそういうことであったというふうに考えるわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 全然答弁になってないです。議員懇談会でそんなことができるのって……。

吉國一郎内閣法制局長官

○政府委員(吉國一郎君) 予算を執行するかしないか、これは予算を預かっております各省各庁の長、具体的な場合につきましては、防衛庁長官が大蔵大臣と協議すれば、その予算の当該部分を執行しないということは決定できるわけでございます。それをこの懇談会の席上で先ほどのような了解事項ができましたので、その了解事項を頭に置いた上で予算を執行しないことにいたしたわけでございまして、せっかく国会で議決をいただきました予算を執行しないということは、そのような予算を必要であるということでまず概算要求をし、次に正式な予算として大蔵省に要求をし、国会の議決をいただいたという政治的責任は重大でございますけれども、予算を執行しないということについては主務大臣が大蔵大臣と協議してできることでございますので、懇談会という場をかりてやれることはむしろ当然でございます。また、そのような事項は国防会議の決定事項にもなっておりませんので、その点についても問題はないと思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 私の質問の答弁になっていないので、これはもう少し整理をしてこれまた答弁をしていただきたいと思うんです。議員懇談会のいわば権限の問題ですからね、整理をして後で答弁をしていただきたい。  それから、専門家会議をつくるということでありますけれども、この性格、構成、そういうものについてお伺いしたいと思うんです、つくったということですけど。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) お答え申し上げます。  議員懇談会の了解事項の決定の形式と経緯をお答え申し上げますが、先ほど申しましたように、議員懇談会は、案件につきまして自由討議をする場合に議員懇談会という形式においてこれを行います。そこで自由に出てくる討議の中から、各議員の意見が一致した場合においてこれを一つの了解として文章化して決めた場合、これを私どもは議員懇談会の了解事項というものとして理解をいたしております。その場合における出席者は、議長以下国防会議の議員と全く同じ人たちでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 全然質問が違う。専門家会議の性格……。

山内一郎自由民主党

○理事(山内一郎君) 明確にひとつお答えを願います。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) 専門家会議の性格でございますが、これは、議員懇談会の了解事項に基づいて国防会議事務局の中につくられた事務局長に対する非公式の諮問機関であって、法律上の根拠を持っておるものではございませんので、したがって性格といたしましては、事務局の中に設置された事務局長に対する非公式の諮問機関であり、したがって、形式的に言うならば、いわゆる法律上の性格を持った会議、いわゆる審議会あるいは審査会、こういうふうなものではございません。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 そのときの事務局長はどなたですか。国防会議の事務局長、その時点における。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) 十月九日は海原前事務局長であり、それから専門家会議を発足させましたときの事務局長は内海、私でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 いまの答弁について大変重大な問題がありますけれども、これは後で指摘することにして、この専門家会議は国防会議事務局長の全く非公式の私的な会議であるというお答えがあったわけであります。当時の事務局長は海原治さんです。海原さんはこういうことを言っております。「PXLをめぐって国防会議に専門委員会というのができたが、わが国には対潜哨戒機の専門家といえるような人はいないと思うから、個人的には専門委員会など成り立たないと考えていた。対潜哨戒機の個々の部門の専門家は会社にはいても、そんな人は使えない。結局、大学の先生や役人しか使えない。そうなると専門家ではないのだから、せいぜいあの程度の結論しか出ないはずだ。委員会設置については、総理(田中角榮氏)が言いだしたからみんな賛成したが、私はこんなものできっこないよ、と後藤田君に言って、会議より一つ下の議員懇談会の了解事項という形にした。」これは海原さんの談話です。朝日ジャーナル三月十九日に載っているわけです。まあ多少言葉のあやはあるかもしらぬけれども、このことは本当だろう。当時の国防会議事務局長がこういう態度であった。三木さん、副総理、副議長としてどうお感じになりますか、これ。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) 私も詳細な経緯は知りませんけれども、その懇談会で、これはもう多年防衛庁と大蔵省と長い間やってきておったわけですね、国産か輸入かということを。なかなかこれはもう話が妥結つかないので、ひとつこういう高度な専門的なことは専門家の委員会を設けて検討してもらおうじゃないかという話でありましたから、それは考えてみれば対潜哨戒機、これは実際知識を持ってない者が国産か輸入かということをなかなか、やっぱりそれを判断する知識が皆乏しいですからね。そのとき、もっともだと思ったですね。こういうものは高度な技術を要するのだから専門家でひとつ検討してもらおうということで、私はすんなりもっともな話だなと思って聞いたわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 諮問を受ける事務局長がこういう態度ですよ。しからば、お伺いいたしますけれども、それほど重大な専門家会議は、第一回の会議はいつですか。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) お答え申し上げます。  昭和四十八年八月十日に第一回会議を開催いたしました。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 十月に決めて翌年の八月ですよ。どうお感じになりますか、こういうやり方は。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) いろんな人選とか機構とかいうものに時間をとったんですから、それにしても時間はもう少し手っ取り早くいけなかったかというふうに考えますが、まあしかし、いろいろそれは理由があったのでしょう。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) ただいまの、八月十日まで大変時間がかかったということにつきましての経緯を御説明させていただきたいと思います。  御存じのように、十月九日に了解事項で専門家会議を設ける、専門家の会議を事務局に設けるということが決まりました。確かに前任者からは、私は十二月の末に交代いたしまして、前任者からは非常にこれはむずかしい問題だ、自分としては結論を出すに至っておらない、したがって君の手で改めて検討してもらいたい、こういうふうな引き継ぎを受けました。ちょうど年末でございますから一月から仕事にかかりましたけれども、何分専門家会議を設ける等というふうな問題、あるいは輸入を含めてとか、あるいは高度の技術的判断を要するものとか、いろいろ了解事項の中に書かれておりまして、これがしかも下から積み上げて出てきたものでなく、その場で了解されたものでございますために、実務者としては実務的にどういうふうな取り運びをしたらいいのか、非常にむずかしい問題が多々ございました。  先ほども御指摘がございましたように、この専門家会議の性格というものをどういうふうにいたすべきか、法律上の問題にすべきかどうか、この点につきましてもいろいろ論議をいたしました。それから専門家会議を設けるとして、これに対していかなる審議をしてもらうのか、それの付議事項、さらに審議の範囲、それをどういうふうに構成していくのか、あるいはどういうふうに組織するのか、これをどういうふうに運営していくのか。さらに答申の方式あるいは取り扱い方をどうすべきかと、こういう問題がたくさん出てまいりました。これらにつきましていろいろ関係省庁、特に大蔵、防衛等と累次会合を重ねまして検討いたしました。  ようやく四月中旬に事務局の一応の考え方をまとめまして、さらに各省の調整をいたしまして、六月の下旬に最終的な構想を固めました。これを官房長官に報告して、六月の終わりから具体的な人選の交渉に入りました。これに非常に多くの時間がかかりまして、ようやく七月末に人選を終わりまして、八月十日にいわゆるその依頼に応じていただいた先生方の日程を合わせて八月十日に発足する、こういうことになりました。非常に長い期間をかけたように考えられますけれども、私どもとしましては、いろいろないま言いましたような事情を詰めて何とかしっかりとしたものにしていきたい、こういうことで検討を重ねた。その上に非常に人選に手間取ったと、こういうことが遅くなった理由でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 ロッキード戦略とすれば、国産化がまず先行していった、これをストップさせる。そして何としても第一線に並びたい。四十七年十月九日の議員懇談会の了解事項は、まさに国産化とロッキードが一線に並んだのですよ、そうでしょう。さて、ロッキードが勝つためにはどうするか。時間をかせぐことです。時間をかせぐためには金を使う。まさにマネー・イズ・タイムだ。そういうことで、この十カ月間はロッキードにとってはまさに笑いのとまらない十カ月なんですよ。  さて、この答申はいつ出ましたか。その答申の要旨はどういうものであったか。その答申を受けて政府はどういう、議員懇談会、国防会議はどう対応したか。

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) お答え申し上げます。  答申は、四十九年の十二月の二十七日に専門家会議から私に答申がございました。それで、四十九年の十二月の二十八日に私から国防会議議員懇談会に報告をいたしまして、議員懇談会の了解事項がその際に行われました。その内容は、「次期対潜機については、その装備化を検討するに際し必要となる技術的、財政的基盤等の諸条件につき、関係各省庁においてすみやかに調査検討することとする。」というものでございます。そして、その際に答申として私に出されましたのは、内容は詳細を省略いたしますが、次期対潜機及び早期警戒機について、「将来の装備化の時点において、国内開発によるものをもって充てるか外国機をもつて充てるかについて検討したが、現段階でそのいずれかを否とする決定的な要素は見いだせなかった。」というのが次期対潜機に対する考え方、答申でございます。これにつきましてさらに付言した意見といたしまして、たてまえとしては国産がいい、しかしながら現実の問題として防衛庁のこの対潜機能維持上の問題等を考えれば、「更に一段階先の研究開発を含みとしつつ、当面、外国機の導入を図ることも止むを得ない」という愚見を付して答申が出ております。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 十カ月のブランクがあった。答申をつくるに一年四カ月かかった。計二年二カ月。結論は、国産化ではいけないという理由はない、輸入でいけないという理由はない、しかし次の対潜哨戒機の更新というか、その日程的なことを考えると輸入もやむを得ない、そういう結論ですよ。つまり、この答申はどういう意味を持っていたかと言えば、結局輸入でやむを得ないという結論はどうして出たかと言えば、それは二年二カ月の歳月がそういうことにしたんです。時間のかせぎが自動的にこういう結論を下したんですよ、これは。そういうふうに理解できませんか。   〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕

内海倫国防会議事務局長

○政府委員(内海倫君) 先ほどの発足までの十カ月の問題につきましては先ほど御説明申し上げたとおりでございますが、専門家会議における審議はなるほど一年四カ月を要しておりますが、私どもも常時出席いたしまして経験いたしておりますが、十九回の本会議と七回の分科会と、さらに三回の実地見学等も行いまして、きわめて真剣に討議されております。しかも、あわせまして、先ほど申しましたように、これは問題になっておりますPXLだけでなく、早期警戒機と二つのプロジェクトについて審議検討いたしたものでございまして、先ほど仰せられますように、特に意識して延ばしたと、そういうふうなことは全く私どもは感じておりませんし、それは専門家会議の先生方も全く同じことだろうと存じます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 私はそういうことを聞いているのじゃなくて、それは非常に熱心にやった、私はそれを認めますよ。しかし、熱心にやればやるほどロッキードにとっては笑いのとまらない時間なんです、これが。そうでしょう。答申の中にもありましょう、今後その量産機取得までに相当の期間を要し対潜機能維持上問題があること等を考慮すれば、当面輸入もやむを得ないと。そういうふうに物理的、必然的にロッキード、ロッキードへと時間の刻みのごとく近づいていく。その発端はどこかと言えば、これは一〇・九、四十七年の十月九日でしょう。防衛庁は、先ほども申し上げましたように、最初はもう本当にしつこいほど国産化を主張しておったけれども、ロッキード、ロッキード、いまはもうロッキードでなければという気持ちでしょう、防衛庁長官。つまり、われわれが非常に大きな疑問を感じているのはここなんですよ。  しかも、すべて虚構の会議に乗っかっていますね。第一は、議員懇談会で白紙還元をした。輸入を含めて専門家会議をつくれ、そういう議員懇談会という非公式な法的に根拠のないところで決定をしておる。そして非公式の専門家会議をつくった。単なる事務局長の諮問機関である。そしてその答申が出てきた。どこが対応したかと言えば、また議員懇談会なんですよ、三木さん、非公式の。ここで各省検討しなさいと言っても、事実上PXL、ロッキードにいかざるを得ない状態になってきたわけであります。まさにそういう虚構が積み重なって、ロッキードへとほぼ決定的ないま段階でしょう。どうしてこれが国民の疑惑——そこに疑惑を持たざるを得ないでありましょう。このいきさつについて、三木さんはどういうふうにお感じになりますか。

三木武夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(三木武夫君) ロッキード社の便宜のために会議の日程を合わせたとは、私は信じられません。これはやはりなかなか高度に技術的な知識も要るわけでしょうから、いろんな専門家会議、十九回も会議をしたということですから、いろいろと検討すればそういう時間がやっぱり必然かかったものだと私は思います。そういう日本の国防会議あるいは事務局、こういうのがロッキード社とのいろいろ開発上の便宜と時間を合わせていたというふうには、片岡君、私は信じられません。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 すでに四十八年の七月にはロッキード社と児玉が契約をしているんです。P3Cを五十機売ったら、二十五億円ですか、その手数料をやる。つまりロッキードはもう勝負に勝てり、だから契約を結んだのですよ。後は日本の政府あるいは関係者が自動的に時間をかせいでくれる、こういうことでしょう。  ここで私は、先ほど防衛庁長官がこのPXLの採用について答弁されましたけれども、これほど大きな疑惑を持っておるP3Cについて、五次防、あなた方はポスト四次防と言っているけれども、五次防計画の中でこれを決めたいと言っている。しかし私は、これだけ大きなロッキード事件が発生をして、いま検察当局あるいは国会で追及している段階ですから、この採用については凍結すべきだ。さらにまた五次防、ポスト四次防の計画についても私はこの真相が究明される、解明されるまではその作業はストップすべきだ、これが政府の、あるいは防衛庁のこの問題に対するあかしになると思うんですよ、態度の。ああなるほど三木さんは一生懸命にやっている、こういうあかしになると思うんです。そんな国民の意見は知らない、国会の追及は勝手だ、おれの方はどんどんロッキード、P3Cを採用して五次防をつくりますと、そんなことでは国民は理解、納得しませんよ。防衛庁長官の見解を承りたいと思います。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 私どもはまだP3Cを決めておりません。それから国産とも決めていないわけでございます。そういうわけでございますし、また、国民に疑惑のかからないように機種の決定をしなければならないというふうに考えております。しかし、その前提といたしましては、あくまでも防衛庁の国防上の見地から十分技術的にも検討をしなければならないというふうに思っております。それからまた財政的見地、これはまあ大蔵省が主として言うわけでございますけれども、そういうようなことも聞かなきゃなりませんし、最終的には国防会議にかけまして決めるわけでございます。そういうようなことで、十分国民の疑惑を晴らした上で決めたいというふうに思っております。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 そうするとあれですか、この究明がなされるまでは一応ストップする、作業をストップするというふうに理解していいですか。国民の疑惑が晴れる、そういうことでやりたいということですから、そういうふうに理解していいですね。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 私どもの方といたしましてはいろいろの、国産がいいのか、あるいはP3Cがいいのか、あるいはその他の選択があるのか、いろいろなことをやはり最後まで検討は加えなきゃいけないというふうに思っております。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 この疑獄事件が影響を及ぼすでしょう。その要素の中に入っているでしょう。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) ですから、その点につきましては、国民の疑惑を招かないような形でやりたいというふうに思っております。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 どうもちょっとあいまいとしているけれども、私はそういうふうに理解をいたしましょう。いいですね。こういう疑獄事件、汚職事件があるときに焦点のP3Cの作業をどんどん進めることについては、これは当然自粛すべきだろう。  なお、いろいろあるんですけれども、時間がそろそろ他の部門に入るところでありますけれども、ひとつこれに関連して防衛庁の姿勢をお伺いしたい。  昨日、防衛白書、まあ中間報告というのが出ましたね。ぼくは白書で中間報告なんというのはほかの各省で出ているのかどうなのか、ちょっと疑問なんですが、きのうはあなた、どういう日ですか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) きのうは憲法記念日でございます。  どういうつもりかというと、まさにいままでと違ったやり方をしております。と申しますのは、防衛問題というのがなかなか国民にわかっていただけない。どうやって国民の生存と自由にかかわる問題、これはたとえば各党意見が違っても国民一人一人の生存と自由にかかわる問題、こういう問題についてやはり国民の納得のいくやり方をしなけりゃならない。しかし、従来は、ともいたしますると、防衛庁のみでこの政策意思決定をいたしまして、そして国会に提出する。もちろん、その場合には国防会議にもかけるということはいたしますけれども。そうでなくて、各段階、各段階でその原案を示し、そして国民の意思をいろいろ聞きながら、参考にしながら、もしその間において取り入れる意見があればこれを取り入れ、そして修正をし、そしてこれをだんだん固めていくと、そういう新しい政策意思決定の方法はないものかということで私は防衛庁長官になりましてから今日までやってまいりました。「防衛を考える会」を設けたのもその一つでございます。  それから国防会議も、やはり総理大臣を中心として、単に軍事的ないわゆる防衛サイドからのみ安全保障を考えるのでなくて、外交の面から考えていくという意味において外務大臣、あるいは経済、財政の問題から考えるという意味において企画庁長官あるいはまた大蔵大臣、そういうような方の御意見も承る。あるいは防衛産業、そういうものの育成というようなことから考えて通産大臣というような方々の御意見も承る。そういうことで、総理大臣を中心として安全保障を広い立場で見るというために国防会議というものが実質審議をされるようにお願いをしたいというのが私の第二の考え方であります。  それから先ほどお話がございましたように、シビリアンコントロール、文民統制ということを言いながら、どうして国会に安全保障の常任委員会はないのだと。戦前のいわゆる憲法のもとにおいてではなくて、新憲法のもとにおいてこういう実力部隊を持っておるとするならば、当然、国会それ自身がそういうものを持っていただかなければならないのじゃないか。いま私がそれを言う立場にはないけれども、ぜひとも皆様方にお願いをいたしまして、安全保障委員会、これはまあ名前はどちらでもよろしゅうございます、専管の防衛委員会等をぜひともつくっていただきたい。そういうようなことを通じまして、国民に防衛という問題、安全保障の問題を考えていただくという機会を与えるということが一番大事じゃないか。  防衛白書をつくりましたゆえんのものもそういう意味でございまして、国民に防衛の問題を考えていただく、その一つの材料を提供する。毎年、国際情勢や軍事情勢の変化をちゃんと防衛白書にあらわすということであります。それに対して、日本の政府は、あるいは日本の防衛庁はどういうふうな考え方でおるのかという防衛構想を明らかにすることが、日本国民のみならず、日本国をめぐるところの国々にとっても非常に大事なことであって、日本はまたがっての軍国主義になるのじゃなかろうかというような心配もあります。あるいは脅威になるのじゃないかという心配もあります。そうではないんだ、今日の憲法のもとにおいて専守防衛なんだ、非核三原則なんだと、こういうことをやはりわからせる必要があるというふうに私は思ったわけであります。そこであらゆる機会を通じまして、防衛問題を議論していただくために、国民の方々に理解をしていただくために、ある段階、ある段階ごとに発表いたしまして、国民の意思を求めながら、そして政策意思決定をする。これが私は新しい行政の行き方じゃないか。自由社会といいますか、あるいは議会制民主主義の新しい政策意思決定の方法だというふうに私は考えて実は今日までやっておるつもりでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 防衛庁長官、大演説をぶったけれども、私はそういうことを聞いているのじゃないんですよ。事もあろうに、まあ意図的にだろうと思うんですけれども、憲法記念日に、しかも白書というのは閣議の了解か何かで出すものでしょう。中間報告なんというのは、私は、期間も短いけれども、そういうものを聞いたことがないんですよ。憲法記念日に合わせるために作業が全部終わらないけれども出しちゃえと、こういうところに憲法擁護の国民に対して何か面当てみたいな、そういう政治姿勢というのはぼくはフェアじゃないよと言うんですよ。出すのなら、決めて堂々と出しなさい。白書を出しちゃいけないと言っているのじゃないんです、私は。——いいですよ、長官、答弁は。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) いや、ちょっと待ってください。私はあえて憲法記念日にこれを目指してやったのじゃございません。実は、国会におきまして皆さん方に対しまして、大体十二月までには出しますということをお約束いたしております。そして、どうしてもできなければ三月までずれ込みますということを申し上げておるわけで、国会に対しまして私は一日も早く出す義務がある、責任がある。私が言ったことを約束は守らにやならぬ、それで一日も早く出したいという気持ちから出したわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 いや、だから、それは出すことは大いに結構。それは、われわれは見解を異にするけれども、出しなさいよ。しかし、やり方が、中間報告なんというものを憲法記念日にばっと出すというのは、ぼくはフェアじゃないよと言うんですよ。  さて、しからばお聞きいたしますけれども、「わが国の防衛を考える」、これは一体どなたがおまとめになったのですか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) この「防衛を考える会」というのは、主といたしまして出席されました、参加していただきました十一人の方々の御意見、これが非常に私は大事なものである……

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 いや、内容じゃないんですよ。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) というふうに思っておるわけでございまして、まとめましたのは、うちの伊藤参事官でございます。  しかし、重要なところは、そのまとめたところよりも、おのおのの人の(「聞かれぬことまでもしゃべりなさんな、だれが聞いているんだ」と呼ぶ者あり)——いや、よく話さなければわからないですから。一番大事なところなんです。よく聞いてください。(「そうだ、大事な問題だ」「質問に答えなさいよ」と呼ぶ者あり)——質問しておられるわけでしょう。質問しておられることに対して誠実に答えておるわけです。わかるように答えているわけでございます。(「聞いてないんだよ、そんなことは」「答弁、答弁」と呼ぶ者あり)——こちらが答えるときには静かにお聞きを願いたいと思います。とにかく質問に答えますから。質問に答えているわけです。  だから、いままでのようなやり方でなくて、やはりおのおのの人の御意見というのが非常に貴重だ。荒垣さんならばどういう人だということは一般の人は知っておられます。そういう人がどういう発言をされるか、防衛問題についてどういう考えかということ、あるいは今度は角田さんという人はああいう人だ、その人がどういう考えを持っておるか、こういうことが大事であって、それをおのおの言った人をまとめるとなりますと、抽象化され観念化されて読む者にとってはちっともわけがわからぬというのが従来の私は審議会のリポートだと思っておるんです、私は。たとえば私、文部省の関係で「期待される人間像」なんというのが出たことがございますけれども、それを、その平凡な人間のですね、抽象されたところだけ、いいところだけつまんでこれがというようなやり方は、私は批判をしておった一人でございます。したがいまして、その一人一人の御意見というのが、どんなに短い言葉でございましても非常に大事な問題だというふうにして、それをまとめたものでございます。そういう意味でこれをお読みいただきたいということを私申し上げているのです。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 具体的に、「事務局が、できるだけ客観的に整理し、第一部「討議のまとめ」」をつくったと、こう書いてあるんですから、だれがまとめたのかと、こういうことを聞いているんですよ。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) 伊藤参事官がまとめたということは先ほどお答えしたとおりであります。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 まあ長官、大分何か興奮してお話しになっているようですけれどもね。大変重大な問題なんですよ。もし長官の言うような趣旨であるならば、この「まとめ」はつくるべきでない。それは参加者が言っておりますよ。これ、堂場さんという方ですか、最後の座談会がありますね、「例えばデタントの評価についていろいろな意見があったそうですが、それを最大公約数をとったかたちで、このようなまとめになったのだろうと思うが、平沢さんがいわれたように個々の意見をストレートに出しておけば、何もこの会が」云々、こういうふうに指摘しているわけですよ。  具体的に申し上げますと、こういうことを言っておるわけですね。平沢さんは、「その国際情勢の分析の部分が、私からみて必ずしも適当でないと思われたが、時、既に遅しであった。」、もう印刷されておったということですよ。あるいは村野賢哉さん、「これは理想論かもしれないが、やはり私の理想的世界観からみると、無防備、つまり戦力を必要としない独立国の体制があってしかるべきではないかという考え方が依然として消えていない。」、つまり、端的に言えば非武装だ。そういう意見は全くここに入っていない、「まとめ」の中に。しかも、防衛庁長官の最初の序文の中に、「自衛隊に反対する意見すら」ある、こういうことを言っていますよ。これは村野さんに対して私は大変失敬、無礼な言葉ではないかと感じたわけですよ。あなたが本当に個々の意見を尊重するならば、「まとめ」をつくる必要はない。みんなの個個の意見をずっと羅列すればいいじゃないか。あえて「まとめ」をつくって世論誘導を図る、そういう意図があったと指摘されてもいたし方がないでしょう。村野さんの意見や平沢さんの意見についてどう感じるんですか。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) いや、それだからこそ私が申し上げたわけでございまして、つまり……

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 だから、「まとめ」をつくる必要はないと言うんですよ。

坂田道太自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(坂田道太君) それはそういう御意見もあるでしょう。あるでしょうけれども、私があえてあの十一人の人方におのおの書いてくださいよと特にお願いをして、あれはそれをまとめたわけでございまして、そこに意味がありますよということを断ってあると思うんです。そしてまた、そこを取り違えないようにしていただきたいよと、そしてまた、それに対しての御意見があって私はしかるべきだと思うんですよ。  それから、平沢さんは前もって言ったんです。しかし、最初なかなかお書きにならなかったんです。そして「時、既に遅し」というのは、そのときはもう間に合わなかったので、それはしようがないんですよ。これはしようがないんです。  それから村野さんは、私も出席いたしておりましたけれども、非常にいい意見をお出しになりました。いい意見と申しますのは、われわれの言うなりになる意見じゃなくて、私たちの言うべったりじゃなくて、非常な批判の意見でございました。それがだんだん回を重ねるに従って村野さんもまた違った考え方になってこられたんです。この辺が非常におもしろいところでございまして、それは村野さんからお聞きになったらわかると思うんです。これは伊藤君にお聞きになってもいいと思うのでございまして、そういうわけでまとめたということで、ちょっと普通のものと違うから、私はあえて、皆様方いろいろありましたけれども、メンションいたしたわけでございますから、御了解を賜りたいと思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 これは了解できない。そうした個個の意見を、いわば私に言わせれば防衛庁の考えにまとめたんです。それならこの「まとめ」の部分は削除しなさい。撤去しなさい。それを要求いたします。——いや、いいですよ、それは私の要求ですから。それをやるかどうかによって、あなたがいま言った言葉が正しかったかどうか、後で評価しましょう。  大変時間が過ぎましたので、これで防衛庁問題終わって、次の問題に移りたいと思います。  在日朝鮮人の韓国留学生のスパイ事件で多数の方が逮捕され、中には数人が死刑になっておるということですが、この問題は衆議院の予算委員会でも質問をして、三木総理は、日本でも調査している、何か物を言うべき段階が来れば私も言いましょうと、こういう答弁をしているんですね。その調査、そして総理は何をやったか。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 衆議院の予算委員会におきまして、崔哲教、陳斗鉉両氏に関しまして御質問があり、予算委員長から御要望があり、官房長官がお答えをしたのであります。  これにつきましては、そのような衆議院の予算委員会の御意向にかんがみまして、在京の韓国大使館の者と私どもの役所の者との間におきまして、本件は本質的には韓国人の韓国裁判所による裁判であるということはわれわれもよく承知をしておる、しかし御本人方の家族も在京していることでもあるので、どうかこのような事件が両国間の不幸な結果にならないように、このような事柄がならないように希望をしておるという趣旨のことを申したわけでございます。  なお、その後、具体的にはむしろ申し上げないことが、私は御質問なり衆議院予算委員会の委員長の御要望に沿うゆえんではないかと思いますが、いろいろな努力を私どもとしてもいたしておりまして、ことにある時期に私どもちょっと心配するような情報もございましたりいたしまして、それが必ずしもそうでなかったというようなこともその後わかってまいりまして、ただいままでのところ、私どもなりに、両国の、主権国家としての韓国の問題でございますから、そのことは十分承知いたしました上で、最善の努力を払っておるわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 韓国の情報によれば、日本におけるKCIAですか、その活動を非常に誇示しておる。しかも、また新しく死刑の判決が出ておるわけでありまして、私はそういう意味で、この日本に住んでおる韓国人であります在日韓国人の問題ですから、その基本的人権は、これは日本政府としても積極的にぜひ努力をしていただきたい、このように考えるわけでありますけれども、その点についてもう一度お答えをいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党外務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 事の本質は、韓国人が韓国の裁判所により裁判を受けるということである点は、これはきちんと割り切りますとそう申し上げるよりほかのないことでございますので、その点はいやしくも他国の主権に私どもが干渉をしたというようなことがあってはならないと考えております。しかし、同時に、ただいま御指摘のように、日本に家族のいる人々のことでもございますから、私どもとしてもその身の上を心配するということは人情としてあってもこれは理解されてしかるべきことだと考えておりますので、詳しくは申し上げませんが、御質問の趣旨は十分私どももよくわかりました上で最善のことをいたしたいと考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 関連。  ただいま問題になっております韓国人の問題について、関連をして政府に見解をただしたいと思います。特に私は、KCIAの日本における活動、これと日本における法務省あるいは治安当局、これとの癒着の疑い、たくさんの問題を、疑念を感じておるわけでありますけれども、関連質問でありますから、一点だけしぼって具体的な事実を挙げて法務大臣並びに関係者の見解を伺いたいと思います。  まず、法務省の入管の局長は見えておりますか。——いませんか。それでは大臣に直接伺いますが、高木民司、こういう方が法務省の入管のかなり重要なポストにごく最近までついていた、これは間違いない事実であろうと思いますので、後で調査をして事実を確認をしてもらいたいと思います。  そこで、これは調べてもらうとして、具体的な問題について指摘をして法務大臣の見解を伺いたいと思うんです。この高木民司という人は、私の調査をしたところでは、法務省の横浜の入管の事務所長をやっていた。これが法務省における最後のポストであります。  そこで、法務大臣は御承知かどうか、湯島に「秘苑」という韓国料理の料亭があります。この秘苑というのは、もと暴力団の指定を受けていた東声会の町井久之、韓国名鄭建永、こういう方が経営をしている多くの企業の中の一つの系列の企業であります。そしてこの町井久之、この人は児玉譽士夫ときわめて密接な関係を持っている。このことはもう新聞雑誌等でたくさん報道されておりますので、承知をされていると思うんです。この町井の経営する秘苑あるいはシルクロード、キャラバン・サライ、こういうような料亭が湯島、銀座、赤坂等にあります。これらのところはKCIAのアジトとして密接に使われている、こういう疑惑を持たれているところであります。  で、この秘苑というのは、かつては営業上の法律違反を犯して警視庁で取り調べを受けた、こういういきさつもあるわけであります。ここで働くホステス、まあ通称、新聞雑誌等ではキーセンという韓国の名前で呼ばれているわけでありますけれども、このホステスが観光ビザ、これによって日本でホステスとしての職務に従事をしている、こういう疑惑が非常に強いわけであります。これらの企業に働いているホステスは、一体どういうビザを所持しているのか、これも法務省としては早急に調査をしてもらいたいと思うんです。  私が指摘をしたいのは、法務省において横浜入管事務所長をやっていた高木民司、ここにその会社の登記簿がありますけれども、この秘苑の代表取締役というポストに、法務省を退職した後就任をしているわけであります。法務省の出入国管理の実務の責任ある地位にあった職員が、退職後このような疑いを数々持たれている企業の代表取締役に就任をしている。だれがどう考えても、これは法務省の癒着、この実態を示すものではないか、こう疑わざるを得ないわけであります。この点について、不明の点については直ちに事実を調査をしてもらうとして、事実であったとすれば、一体法務大臣としては、こういう世間に疑惑を与えるような状態に対してどういうふうに感じておられるか、考えておられるか、この点の見解を承りたいと思うんです。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) その高木何がしという、出入国管理事務所長であったのかどうかという、よく私知りませんがね、事実関係は。それはいますぐ電話で問い合わせているからわかるでしょう。事実そうであって、その後そういうところの重役になったということは、余り品のいいことじゃないね。

野田哲日本社会党

○野田哲君 法務大臣、これは品のいいという一言で済まされる問題ではないですよ。出入国管理の業務とこれと、韓国から日本へ来て不法な営業をやっていること、しかもこれは元暴力団の経営の企業なんです。しかも、この秘苑等は、KCIAが日本における活動のアジトに使っていると言われているところだ。品の悪いということで済まされる問題ではないでしょう。けじめの問題ですよ、これは。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 法務省の出入国管理の業務、そういう事務をとっておった人間が、いかに営業の自由とはいいながら、退職後といえどもそういうところへ行かれるのは、あとの出入国管理局の信頼にも関することでありますから好ましいことではありません。好ましいことではない。

野田哲日本社会党

○野田哲君 調査してみてください。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) それ、事実であることを前提として言うているんですね。

野田哲日本社会党

○野田哲君 よく調査してみてください。

稻葉修自由民主党法務大臣

○国務大臣(稻葉修君) 調査をよくいたします。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 文部大臣に、この前も待ちぼうけを食わせて大変失礼をいたしました。  社会党として二、三お伺いをいたします。  人材確保法はそもそも教職員の待遇改善というのが趣旨である。したがって、職制をつくるとか、管理職をつくるとかということとはそもそも無縁のものであると思うんですが、文部省が進めているのはそれと逆に、これに籍口して主任制だ、教頭だ、そういうものを法制化して人確法を適用させていますね。これは法の趣旨に反するのではありませんか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 人材確保法は、御指摘のように教員に人材を得るということを目標にしているわけでございます。そのことのために給与の改善を行っていくということでございますけれども、教員に魅力のある場をつくっていくという意味合いにおいて今回の主任制というものも考えていく。これは、主任制について十分に説明いたしておりますように、調和のある学校運営ということを言っておりますのは、やはり人材確保法の趣旨にも沿って考えられているものと、私どもはそのような立場でこれを考えたわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 まあ調和ある学校、大変結構ですが、文部大臣は一時期、助け合い教育というのを叫ばれましたね。私は、助け合いというのは、ビジネスとかペイ、つまり金を払う、報酬をもらう、そういう関係でないのが助け合いでしょう。助け合い教育というのはそういうものでしょう。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 助け合いというのは非常に広義のものであると思いますが、私が考えておりますのは、もちろん人間がお金をもらわないで助け合う場合もございますし、あるいは職場において報酬を得ている者同士が助け合っていくということもございますし、特に教育の場面で考えていきます場合には、学ぶ者、教える者、これは教える者の方は報酬を得ておりますが、そういう報酬を得たり得ない場合も含めまして助け合いというものがある、かように考えております。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 私たちは、調和ある学校というのは大変結構なことなんですけれどもね、そこに新しい職制をつくって、まあお金をもらって、助け合いというのもあると言うけれども、二百円ですよ、一日、主任がね。一日二百円の金で、文部大臣が考えているようなそういう調和というものができると思いますか。私は非常に疑問と思うんですよ。どうですか。

永井道雄文部大臣

○国務大臣(永井道雄君) 従来から主任というものが学校にございます。そこで主任という方々に対して、これを規定も整備してきちんと待遇もしてほしいということは教育委員会の協議会からの要望にもあったわけでございます。そこで私どもは主任の制度を考えたわけでございますけれども、その場合に、やはり性格というものを明瞭にしませんというといけないということを考えましたから、昨年の春先から主任の実態というものを調べてみたわけです。そうすると、実態というものを調べてみますというと、これは大体において教育の指導あるいは助言、そういう仕事に当たっている。しかしながら、他方、御承知のように従来から主任を管理というふうな角度からとらえる向きもあったわけです。そうしますとあいまいになりますから、私はやはり実情に即して考えて主任を明確化することが必要であろうということを一つ考えました。  もう一つ、ぜひ御理解願いたい点は、学校に新任の先生がおいでになる。新任の先生は若い方でありますから、大変意欲に燃えているのが普通でありますが、しかし、意欲だけではやはり授業ができない。それはどういう教育方法がよろしいがというようなことについて熟達していないといけないわけでございますが、そういう場合には先輩の人たちからいろいろ教えられるということがあると思います。私自身も大学で教師をしておりまして、大学でもやはり同じことだと思います。そこで、この主任というのは、実態も大体はそういう方向でございましたが、それをさらにはっきりさせて、そして、新任の先生方、あるいは若い先生方というものがなお教育をやっていく上で熟達したよい先生になられていく上でお役に立つようにということで制度化したわけでございます。  その場合、いまお言葉の二百円ということがございまして、それでできますかということでございますが、主任になっていただく先生方は、別にこれは新しい職階を設けるわけではなくて、やはりいままでのように教諭としてお仕事をしていただく。しかし、その上になおかつ主任として他の先生方に対して助言をしたり、あるいは連絡指導、そういうお仕事に当たっていただくというわけでございますから、もっと多い方がいいというお考えもあるかもしれませんが、ともかくその御労苦に対して私ども当然報いる方法があればよろしいというふうに考えて、これを人事院にお願いしたわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 また人事院も人事院ですよ。これを特殊勤務手当で支給するということですからね。これは本当にそういうことですか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 主任の問題につきましては、いろいろ御議論もいただいておりますし、またただいま文部大臣からもお話のあったところでございますが、この問題につきましては、昨年の三月に、人確法に基づく第二次、第三次の勧告について、所管の文教当局としてこういう点について配慮をしてもらいたいという見解がございまして、それがわれわれの方にまいっておりますが、その中の一つに、主任についてひとつ制度の改正あるいは制度の整備というものをやった上で、しかるべき処遇をやってもらいたいという申し入れがございました。  私たちといたしましても、主任という制度はあることはわかりますけれども、しかし、これは学校によってかなり違うし、地方によっても違う。また数も非常に多いということもございまして、それだけではどうも給与的な評価をすることも適当ではないのではないかということから、ぜひそれについての評価をするのであれば、それにふさわしいひとつ制度の整備をやっていただきたいということを人事院といたしても申し上げておったところでございます。それに従いまして、昨年の末以来いろいろ文部当局といたしましても検討されました結果、制度の整備がだんだんと進んでまいりまして今日に来ております。そういうことを踏まえまして、私たちといたしましても、ここまで来れば給与的な評価というものをする機が熟したのではないかということで、この間の勧告の際に、この問題についてもひとつ制度化に対応する給与的な整備を図るべきであるという見解を申し上げた次第でございます。  これについては、どのような給与的な整備をやるかということについては方法論はいろいろございます。しかし、制度自体といたしまして、いわゆる管理、監督的なものではこれはないんだというようなこともいろいろございますし、われわれといたしましてもそれが正しいであろうという見解に立っておるわけでございます。といたしますと、これの処遇を制度化いたしまするための方策といたしましては、やはり特殊勤務手当ということでもってやってまいることが一番適当ではないかというふうに考えました。新しく法律的に一つの制度をつくっていくということも方法論としてはございますけれども、しかし、給与制度全体といたしまして、やはりなるべくは簡素化していくということがたてまえでございますし、主任制度自体というものは、何といたしましても教員がその主体であり、また教員といたしましても高等学校の先生以下がその対象になるという部分的なものでもございますので、そういう点からいたしまして、従来の制度の中に当てはめるといたしますれば特殊勤務手当というものが一番適当ではないかという結論に到達をいたしまして、かような方向でひとつ措置をしていただくようにということの意見を申し上げた次第でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 これは特殊勤務手当は著しく危険、不快、不健康、困難、そういう職種に対して、一日を単位にとか、あるいは一時間を単位にとか、そういうものですよ。人事院の解説もそう載っているんです。一番適当だなんて、冗談じゃない。一番不適当ですよ、これは。これは大変な問題です。しかも、これを特殊勤務手当ということで教職員に支給すれば、全公務員が適用になりますよ、今度は、それに関連した業種は。大変にこれは現行給与体系を混乱させる。あなた方専門家で一番よく知っているでしょう。どうですか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) いまお話がございましたように、特殊勤務手当は、著しく危険あるいは不快、不健康という、そういうグループが一つございます。そのほかに、いま先生申し述べられましたように、困難というグループがもう一つあるわけでございます。その困難のグループといたしましては、すでに先生方を対象とするものにいたしましても、いわゆる多学級の学年の手当でありますとか、あるいは災害時等における先生に対する特別の手当でありますとか、そういうものは事柄の性質上大変困難である、著しく困難であるということを前提といたしまして特殊勤務手当の道が開かれておるわけでございます。そういうものとにらみ合わせまして、やはり主任というものも制度化されました以上は、その内容といたしまして、大変その勤務の特殊性が困難であるということはこれは確かでございますので、それに立脚をいたしまして特殊勤務手当を支給することになじむのではないかという結論を下したわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 とても無理です、それは。非常に今回の主任制度、私は主任制度をいまここで論争しようとは思わない。しかし、そのあとの措置についても非常に不純である。非常に政治的である。  私は、永井文部大臣に大きな期待を寄せた一人です。しかし残念なことに、この自民党の大きな圧力によって永井さんの持っているいい点がだんだん薄れていっているのではないか。本当に私は残念です。長いものに巻かれろという永井さんになったのじゃないかということで、大変心配しているんですよ、私は。やっぱり三木さんも言った文部大臣に永井をしたんだ、これを見ろと三木さんはたんかを切ったのですから、私はそうした政治的な圧力に超然として今後文教政策をやってもらいたい。これは全教職員、全国民の願いです。それが自民党の先頭に立って日教組とけんかをするような文部大臣では、ほかの人だっていいんですよ、永井さんでなくたって。この点をひとつ強くこれは要望して、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 以上をもちまして片岡勝治君の質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時五十五分散会

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