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77回国会参議院1976/03/31

予算委員会 第2号

発言数
15
登壇者
7
会派数
5
開催日
1976/03/31

会議録

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和五十一年度一般会計暫定予算  昭和五十一年度特別会計暫定予算  昭和五十一年度政府関係機関暫定予算  以上三案を一括して議題といたします。  三案の取り扱いにつきましては、審査期間は大日一日間とし、質疑につきましては、民社党からはこれを行うべきであるという強い意見が述べられましたが、他の会派はこれを省略する旨の強い意見が出されました。委員長といたしましては、今後、先例としないものとし、質疑はこれを行わず、趣旨説明を聴取した後、直ちに討論、採決を行いたいと存じますので、御了承願います。  それでは、まず大平大蔵大臣から暫定予算三案の趣旨説明を聴取いたします。大蔵大臣大平正芳君。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) このたび、昭和五十一年四月一日から五月十日までの期間について暫定予算を編成することといたしましたが、その概要について御説明いたします。  まず、一般会計について申し上げます。  暫定予算が本予算成立までの応急的な措置であることにかんがみ、今回の暫定予算におきましても、暫定予算期間中における人件費、事務費等の経常的経費のほか、既定の施策に係る経費について行政通営上必要最小限度のものを計上することといたしております。  なお、新規の施策に係る経費につきましては、原則として計上しないことといたしておりますが、教育及び社会政策上等の配慮から特に措置することが適当と認められるもの、たとえば、生活扶助基準等の引き上げ、失業対策事業の賃金日額の引き上げ、国立大学の学生の増募等につきましては、所要の経費を計上することといたしております。  また、公共事業関係費につきましては、暫定予算期間中における事業の継続的執行を図るため、所要額を計上することといたしております。  すなわち、一般公共事業につきましては、五十年度補正後予算額のおおむね六分の一を目途に計上することとし、その枠内におきまして、積雪寒冷地の事業については、その円滑な実施を図り得るよう特別の配慮を加えることといたしております。  災害復旧等事業につきましても、災害復旧の緊急性にかんがみ、過年発生災害の復旧等のため必要な五十一年度所要額のおおむね九分の二を目途として計上することといたしております。  地方財政につきましては、四月に交付する地方交付税交付金として、五十一年度の国税三税収入見込み額を基礎として算定した普通交付税相当額の四分の一を計上するほか、地方債についても所要の措置を講ずることといたしております。  歳入につきましては、税収及び税外収入についての暫定予算期間中の収入見込み額並びに前年度剰余金を計上したほか、公債金につきまして、暫定予算期間中において財政法の規定により発行を予定する公債に係る収入見込み額五千億円を計上することといたしております。  以上の結果、今回の一般会計暫定予算の歳入総額は八千八百五十四億円、歳出総額は二兆九千二百二十三億円となります。  なお、これは二兆三百六十九億円の歳出超過となりますが、国庫の資金繰りにつきましては、二兆五百億円を限度として、必要に応じ大蔵省証券を発行することができることといたしております。  次に、特別会計及び政府関係機関の暫定予算につきましては、いずれも以上申し述べました一般会計の例に準じて編成いたしております。  なお、財政投融資につきましては、対象事業につき、一般会計に準じ所要の措置を講ずることとし、住宅金融公庫、日本輸出入銀行、日本道路公団等三十二機関について、暫定予算期間中に必要になると見込まれる額として、総額八千三百六十億円を予定いたしております。  以上、昭和五十一年度暫定予算につきまして、その概要を御説明いたしました。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきたいと存じます。

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) それでは、これより討論を行います。  討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べを願います。小野明君。(拍手)

小野明日本社会党

○小野明君 私は、日本社会党を代表して、昭和五十一年度暫定予算三案に対し、暫定予算が持つ基本的な問題点として五つの点を指摘し、反対の意見を表明いたします。  その第一は、暫定予算を組むに至った三木内閣の政治責任についてであります。  国の収入支出は、一年間の財政計画である本予算に基づいて行うことが基本であり、暫定予算の編成は、内閣の総辞職または国会の解散によって本予算が年度内に成立し得ない場合等、真にやむを得ない場合に限らるべきことは言うまでもないことであります。しかるに、これまでの暫定予算編成を見ますときに、戦後十回の暫定予算中、六回が総辞職、解散が原因であり、四回が政府の失政が原因で暫定予算が組まれております。今回もロッキード事件という一大疑獄事件によって四十日間の暫定予算を組まざるを得なくなったことは、清潔政治を基本とする三木内閣の政治姿勢としてきわめて重大であり、われわれはその政治責任を厳しく追及をするものであります。  わが党は、今国会に臨むに当たって、いま国民が切実に求めている不況対策、インフレ対策について徹底した検討を行い、政府の経済政策の大転換を迫っていくことを基本路線としてまいりました。その今日的問題といたしまして、日本の労働者の多くが国民春闘で広範な問題を抱えて闘っております。労働者の要求は、減税、年金改善の実施、雇用の保障、全国一律最賃制の確立など国民の一致した要求を基礎としており、政府はこれに対し答える義務があるのは当然であります。  しかるに、三木内閣は、すでに審議会や国会にかけられているとの一点張りで、真剣に問題を解決しようとせず、投げやりの姿勢をとっていることは絶対に許せないところでございます。自民党政府は、財界の言い分ならば奥座敷での談合により直ちに景気対策を打ち出すが、労働者が唯一の武器である団体行動、しかも自制された行動を行ったのに対し、政府が何らの考慮をしないという、ここに三木内閣の政治姿勢が、国民の生活の苦しさの中からの心からの叫びを全く無視する反国民、労働者弾圧のものであることが如実に示されております。こうした政府の姿勢が許されてならないのは当然であります。  次に、政府は五十年度の物価上昇率を一けたに抑えたと鬼の首でもとったように宣伝をしておりますが、その実態は野菜の予想外の出回りによるもので、政府施策がよかったというものではなく、まさにおてんとうさま任せの物価政策が改められたものではありません。さらに、物価上昇を一けたにするためフード・ウイークの奨励を行うなど、物価対策が作為的で頓服対策的な危険があるとの指摘があるばかりか、一けたといっても、預金金利並みに下げるという福田副総理の公約は完全にけし飛んだことの責任は厳しく追及さるべきであります。  五十年度の物価上昇が無理をして一けたにおさまったとはいえ、五十一年度は国鉄、電電、医療費と、あらゆる公共料金の値上げを政府はもくろんでおり、まさに政府主導型インフレの危険が強いのであります。さらに、最近の卸売物価の上昇気配は、今年度の物価上昇の行方を暗示しておるのであります。政府の五十一年度物価上昇率八%はそれ自体高過ぎるものでありますが、今日の情勢から見て、この実現ははなはだしく見通しが暗いと言わざるを得ません。  国民春闘の無視、公共料金主導型インフレの三木内閣の政治姿勢は、予算執行の能力を欠くものであり、暫定予算反対の大きい理由であります。  次の問題点は、暫定予算の内容についてであります。  暫定予算は、本来、本予算の成立がおくれた場合の緊急避難的な措置であり、したがって、新規の政策的経費は、これを計上すべきものでないことは言うまでもありません。しかるに、今回の暫定予算の内容を見ますと、われわれが景気政策のあり方として問題としている公共事業費を前年度補正後予算の六分の一を計上しているのを初めとし、社会保障関係費、文教関係費、地方財政関係費については五十一年度予算を基礎として必要経費が組まれており、また、政策的意味合いの強い公債についても五千億円もの金額が歳入に計上されております。これは、政策的経費を組まないことを原則とする暫定予算の趣旨からいえば、きわめて異例のことであり、われわれとしては反対せざるを得ません。しかし、一方、国民経済の状況を考えればやむを得ない事情もありますので、あえて成立はこれを阻止しないこととしたものであり、本予算の内容については、これを認めたものでないことをここに明らかにしておくものであります。  次は、暫定予算の編成によって生ずる経済政策の空白についてであります。  日本経済の現状は、田中内閣の経済政策の失敗と三木内閣の景気政策の失敗という、相次ぐ自民党内閣の経済政策の失敗によってインフレと不況の併存するスタグフレーションの状態に置かれており、財政も企業も家計もすべて赤字という状況のもとで、完全雇用さえも確保できないという深刻な事態を迎えております。したがって、このような状態から国民生活を救うためには、これまでの経済政策のあり方を根本的に改め、真に国民生活の安定と福祉を基本とした経済政策の確立が必要であります。このようなときに四十日間の暫定予算を組むということは、とりもなおさず四十日間の経済政策の空白を生じさせることであり、国民経済に与える影響はきわめて甚大であります。これによって生ずる責任は、挙げて三木内閣が負わなければなりません。  以上、数点を指摘をいたしまして、暫定予算の反対討論といたします。(拍手)

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 梶木又三君。(拍手)

梶木又三自由民主党

○梶木又三君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和五十一年度暫定予算三案に対し賛成の討論を行うものであります。  新年度予算は、提出後すでに二カ月を経過し、年度末の最終日に至るもいまだ本院への送付のめども立たず、暫定予算編成のやむなきに至りましたことはきわめて遺憾であります。政府においては現下の経済事情を考慮して、暫定予算という枠内にあっても景気対策に並み並みならぬ配慮をされてはおりますが、もとより暫定予算の性格上その効力には限界があり、本予算の早急なる成立が急務であります。日米間における資料公開問題で、本日の暫定予算、日切れ法案の処理を除き、国会審議は全面ストップし、そのために新年度予  算の成立が遅延いたしておりますことは、財政の国民生活に及ぼす影響の大なることを考えれば一日も猶予できません。国、地方を通ずる財政危機の打開のためにも国会はその使命を果たすべきであります。  以下、今回提案されました暫定予算について意見を述べてみたいと存じます。  御承知のように、昭和五十一年度本予算はこのような現状では成立まで相当の期間の財政の空白は必至でありますので、ここに国民生活への悪影響を最小限に食いとめるために暫定予算が編成、提出されたのであります。その期間は、五十一年四月一日から五月十日までの四十日間と相なっております。  暫定予算の編成は、その性格上、法律及び既定施策に基づく人件費、事務費、その他行政運営上必要最小限の経費が原則として計上されたほか、新規施策に係るものは、教育及び社会政策上特に配慮することが適当であるものを除き計上しない方針を貫いております。  すなわち、福祉の停滞を防ぎ、弱者対策という社会政策上の見地から、生活扶助基準等の引き上げ、社会福祉施設入所者の生活費等の引き上げ、失業対策事業の賃金日額の引き上げを行うとしておるほか、教育上の見地から国立大学の学生の増募、育英事業の特別貸与資金の引き上げを行うとしており、これら福祉及び教育政策に係る新規施策を新年度から措置せむとすることは、暫定予算といえども当然にこたえねばならぬ命題であり、政府の措置を妥当とするものであります。  また、公共事業関係費につきましては、五十年度補正後予算額のおおむね六分の一が計上されており、その枠内で積雪寒冷地の事業への配慮、さらに災害復旧の緊急性に対処するための所要額が計上されております。申すまでもなく、五十一年度本予算は、公共事業を拡充して、景気の回復と雇用の安定を図るため各般の施策を積極的に推進するものであって、暫定予算における公共事業費の増額計上は多少なりとも景気対策への配慮がうかがえるものとして、これを是とするものであります。  暫定期間における公債発行は五千億円となっております。五十一年度の公債発行額は、全体で七兆二千七百五十億円が予定されておりますが、財政危機下での公債の発行を円滑にするためには年度間を通ずる計画的な消化が必要であり、本来ならば金融が比較的緩む上半期、特に四月は資金余剰月であるので、もっと多量の公債発行を期待したかったのでありますが、暫定予算の性格上、建設公債を例年実績額の発行にとどめたのはやむを得ない措置であります。  次は、地方財政対策であります。  別途提案されております本予算案では、四月における地方交付税交付金は一兆二千百九十億円となっております。従来の暫定予算における交付金の算出は、前年度補正後の三税収入を算出基礎としており、これによると、この四月の交付金は約七千七百億円となり、最近における地方財政の窮状を見るとき、まことに影響甚大なものがあります。そこで、その影響を少しでも軽減するため、今回の暫定予算では、その算式の基礎となる税収を五十一年度三税収入見込み額を採用することにより千二百億円の増額を図り、八千九百四十一億円を計上しております。  このような新しい財政対策のほか、財政投融資二千四百億円、縁故債の消化を円滑にするための金融対策、資金運用部からの短期貸し出しなど財政事情の苦しい地方団体へきめ細い配慮をしたものと評価します。  以上、暫定予算の主な事項について意見を述べましたが、暫定予算は、その性格上必要最小限の義務的経費に限られている関係上、今日の国民的願望である景気の早期回復への期待感は遠のいた感じがいたすのでありまして、せっかく二年有余の長期不況からやっと景気は緩慢ながらも回復に向かっているとき、これ以上の経済政策の空白は避けるべきであります。もちろん、ロッキード問題はその真相の徹底究明に尽くすべきでありますが、それはそれとして、国会は一時休戦ではなく、予算委員会を初め各委員会の本格的審議を再開し、国会本来の姿に返り、本予算及び国民生活法案の審議を促進すべきことを要望いたしまして、私の暫定予算に対する賛成討論を終わります。(拍手)

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 桑名義治君。(拍手)

桑名義治公明党

○桑名義治君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和五十一年度暫定予算三案について反対の討論をいたします。  今日の経済情勢は依然として困難な局面が続いています。景気の動向はなお不安定であり、失業、中小企業倒産は戦後の最悪の状態が続き、しかも物価上昇の前途は楽観が許されない実情でございます。このような状況下で、従来にも増して社会的不公正は拡大されつつあることは言うまでもありません。  こうした実情は歴代自民党内閣の大企業優先、国民生活軽視の高度経済成長政策の破綻と、それに三木内閣の国民生活切り捨ての総需要抑制策などの失敗、財界優遇の大企業偏重の景気対策の誤りによってもたらされたものにほかなりません。このような厳しい経済情勢の中にありながら、今日、政府自民党の責任によって国会の空白が続き、暫定予算の編成を余儀なくされたことはまことに遺憾と言わざるを得ないものでございます。  そこで、反対理由の第一は、この暫定予算が、国民大衆を犠牲にした反福祉で財界本位の五十一年度本予質の小型版として編成されているということであります。  政府の五十一年度予算は、三木総理の高度成長政策との訣別宣言とはうらはらに、高度成長時代の大企業本位で国民生活軽視の制度や仕組みに何らの改革をも行わないまま、不公平税制を放置し、公共料金の軒並み値上げ、福祉予算を後退させる等々最悪の予算となっております。また、一方では、三木総理がいままで厳しく批判していた列島改造型の大型プロジェクトを重点的に取り上げ、大企業本位の財界救済の景気対策を推進しようとしております。  わが党は、減税政策の採用によって国民生活の防衛と個人消費の拡大による景気回復の必要を主張し、また、公共事業の主体を生活関連社会資本の充実にウエートを大きく移行することを今日まで常に強調して予算審議を行ってまいりましたが、政府は一向に耳をかそうといたしませんでした。私が指摘したように、欠陥だらけの本予算をもとに編成された本暫定予算は、今日の不安と生活苦に明け暮れている国民生活を初め中小企業の倒産、失業等の問題解決はおろか、その鎮静にさえ役立つことば困難で、こうした反福祉型の暫定予算には反対せざるを得ません。  反対理由の第二は、この暫定予算が暫定予算の性格、内容に相反するものであるからであります。  もともと暫定予算は国家機能の活動を維持するために必要最小限度の義務的経費の計上に限定すべきであり、百歩譲っても、社会的弱者のための福祉施策に限って新規の予算計上が認められてきたのは今日までに確立された慣行であります。しかるに、この暫定では、慣行を無視して大型プロジェクトによる公共投資を促進し、財界向けの不況救済策として、四十日暫定に五十年度補正後予算の六分の一に達する予算を計上しており、さらに建設国債を五千億円も発行することにしておりますが、これらは暫定予算の範囲を逸脱したものと言わざるを得ません。  さらに、この暫定予算では、従来なかった財政投融資計画の暫定計上が行われましたが、その内容は特に問題で、緊急性に欠ける疑いが濃厚であります。財投対象機関の融資の実態は、例年第一・四半期は前年度からの繰越資金で賄われ、当該年度の資金が使われるのはごくわずかであります。本予算委員会に提出された資料に照らしても、前年度第一・四半期に融資ゼロであった医療金融公庫、北海道東北開発公庫、日本開発銀行、宅地開発公団、さらに首都、阪神高速道路公団、鉄建公団等に、四十日暫定のこの予算にいずれも相当多額の資金計上を行っております。このような、融資の枠だけは先取りして国会の承認を得て、その執行は行政府の自由裁量でやろうといった姿勢は、財政民主主義の形骸化であり、財投計画を国会の議決の対象とした経緯と立法精神にも反するもので、認めるわけにはまいりません。  なお、反対理由の第三は、政権担当能力を欠いた三木内閣に暫定予算提出の資格なしと断定するからであります。  憲法八十六条の規定をここで改めて申し上げるまでもなく、内閣は予算の編成、提出権を有すると同時に、年度内成立の義務と責任をも負わされているのであります。過去十回暫定予算が提出されましたが、衆議院解散の場合を除くと四回で、その中では六十八国会の沖繩返還協定の秘密漏洩事件の一カ月が最も長く、他はおおむね十日間程度であります。しかるに、今回は四十日間という前代未聞の長期暫定となっております。しかも過去四回の暫定予算は、いずれも本予算がすでに衆議院を通過後で、六十八国会、四十七年度予算の場合でも、四月三日に衆議院を通過しております。今回の暫定では衆議院通過どころか、その目途さえ立たず、新聞は暫定予算の補正が避けられないとさえ報じておるのであります。  衆議院で絶対多数を持っている政府自民党のもとで、本予算が年度内に成立しない事態は内閣不信任と同義であり、三木内閣はすでに憲法の規定を実践する能力のない内閣として総辞職すべきであります。暫定予算を提出すれば足りるといった甘いものではありません。先日発表された新聞の世論調査でも、三木内閣不支持が五〇%ラインに近づいて、すでに国民は三木内閣を見限っていると言わざるを得ません。  以上、本暫定予算が持っている根本的な欠陥と問題点を指摘し、昭和五十一年度暫定予算三案に対する私の反対討論を終わります。(拍手)

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 近藤忠孝君。(拍手)

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、昭和五十一年度暫定予算三案に対し反対の討論を行います。  討論に先立って、私はまず、今回四十口にも及ぶ暫定予算の編成という非常の事態を招いたその責任が、挙げて政府自民党にあるということをはっきり指摘しないわけにはいきません。  さて、私が本暫定予算に反対する第一の理由は、その内容がインフレを促進するものとなっているからであります。  この一年間、政府みずからの手によって国民の主食である米、麦を初め私鉄運賃、酒、たばこ、郵便料金など公共料金の大幅引き上げが進められ、このことが、戦後最大の不況にもかかわらず、実に一〇%を超える物価の高騰を先導しており、国民の塗炭の苦しみの最大原因となっていることは議論の余地がありません。政府はいま、九・八%もの物価上昇を消費者物価上昇前年同月比一けたの公約達成などと宣伝しておりますが、国民のこの深刻な苦しみを理解しないこと、はなはだしいと言わなければなりません。  しかも、このような時期に、本暫定予算の一般会計は、実に歳入の七〇・二%にも及ぶ二兆五百億円もの大蔵省証券の発行によって財源を賄っております。この莫大な大蔵省証券は、直接日本銀行が引き受けるもので、わずか四十日間に二兆円を超える通貨を増発し、今日すでに問題となっている過剰流動性のもとで、インフレを一層促進することは火を見るよりも明らかであります。  政府が、この異常な大蔵省証券の発行に追い込まれたのは、大企業や大資産家のための特権的減免税を温存し、不公正税制を続けてきた結果であって、その責任は厳しく追及されなければなりません。同時に、この多額の大蔵省証券の発行は、まだ国会での審議も行われていない財政特例法に基づく三兆七千五百億円に及ぶ赤字公債の発行を事実上見込んだものであり、とうてい容認することができないのであります。  第二に、今日最も深刻であり、かつ緊急の対策を必要とする雇用問題に十分な対策がとられていないことであります。  失業者数は実質的には四百万人に上ると言われ、一月の政府統計でも完全失業者数百二十四万人で、昨年秋以来、半年間以上も失業百万人の状況が続き、負債総額一千万円以上の企業倒産件数も二月で千八十件を突破しております。加えて、日経連は企業内の余剰労働力百三十万人と称して労働者の合理化を言明するなど、失業問題はきわめて重大な事態となっております。失業対策や生活基盤のための公共事業を大幅にふやすなど、雇用、失業対策をきめ細かに実施することこそ緊急に求められているのであります。  ところが、政府は、失対賃金日額の若干の引き上げを行ったにとどまり、他に見るべき措置もとっておりません。これは、五十一年度予算の失対事業の積算基礎人員を前年度よりも削減するという、政府自民党の国民生活無視の姿勢を端的にあらわしたものであり、暫定予算という性格を考慮しても反対せざるを得ないのであります。  第三に、特に苦しい生活を余儀なくされている生活保護世帯、老人や障害者に対する福祉の充実が緊急に求められており、それは国民の購買力を高めて、正常に景気を回復させる一因ともなるものであります。しかるに政府は、本年一月一日から老齢福祉年金などの満額加算制度をやめて生活保護費から差し引くなど、社会福祉の切り下げを進めているのであります。  第四に、今日の経済危機から中小零細企業を守り抜く対策が全く貧弱であるという点であります。  まず一般会計に計上されている中小企業対策費は、予算全体のわずか〇・二七%にすぎず、五十、五十一年度本予算でのわずか〇・六%にさえ及ばないありさまであります。特に、小企業経営改善資金融資は、商工会議所の推薦や半年間の経営指導という条件を設けて窓口を制限するなど、真に救済を必要とする大多数の零細企業に対する救済がなされていない実情であり、これを直ちに改める必要があります。  さらに、財政投融資計画では、大企業向けの日本輸出入銀行、日本開発銀行に対する財投資金が融資規模総額の二三・六%であるのに比べて、中小零細企業向けの国民金融公庫、中小企業金融公庫への合計が総融資額の一三・二%にすぎないのであります。まさに中小企業見殺し政策と言っても過言ではありません。  第五に、公共事業費や財政投融資などが大企業優先に組まれていることであります。  政府は、この暫定予算においても景気対策を口実として、一般会計で公共事業費五千八百八億円を組んでおりますが、このうち、何と三六%の二千八十六億円が大企業中心の産業基盤整備に向けられ、高速道路、海湾、空港、工業用水など大企業本位の需要喚起策となっている反面、国民が切望している住宅対策、生活環境施設整備には二一%、千二百億円を組んでいるにすぎないのであります。  さらに、財政投融資計画では、日本住宅公団が八百三十八億円であるのに比べ、新幹線を含む国鉄、鉄道建設公団千八十三億円、日本道路公団六百三十六億円、首都高速道路公団百三十二億円など、依然として列島改造型大型プロジェクトの促進を図ろうとしているのであります。これが国民生活犠牲、大企業本位の景気回復策にすぎないことは明らかであります。  第六に、危機に陥っている地方財政の緊急課題を解決するのではなく、かえって危機拡大をもたらすものとなっていることであります。  政府はこの暫定予算において、国家予算と同じく大企業奉仕の景気対策を地方自治体に押しつけるばかりでなく、五十一年度政府本予算案の四月概算交付額一兆二千百九十億円と比べても、三千億円以上も減額して、多額の地方債の発行を余儀なくさせたのであります。これは住民の利益と地方自治の本旨に反して、自治体を借金財政に追い込むという二重の地方自治破壊であり、とうてい許せるものではありません。   わが党は、未曽有のインフレ・不況に当たり、国民生活防衛、日本経済の民主的再建のための施策を暫定予算の限られた枠の中でも盛り込むべきことを主張し、私の反対討論を終わります。(拍手)

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 木島則夫君。(拍手)

木島則夫民社党

○木島則夫君 私は、民社党を代表して、昭和五十一年度暫定予算案に対して反対の討論を行うものです。  現在、国会は不幸にしてロッキード事件をめぐり、国会を軽視した政府の姿勢、態度によって空転を続けていることは異常事態であり、まことに遺憾なことであります。これは一にかかって三木総理の指導性を欠いた政治姿勢のためであります。  現在国民が求めているのは、この不況を克服するための政府の強力な施策であります。不況は底離れをしたと言われておりますけれど、二月の失業は政府の数字でも百二十四万人を数え、企業の倒産は千八十九件にも上っています。いまこそ強力な不況対策を打ち出さなければ日本経済は立ち直ることはできないわけです。したがって、本来ならば昭和五十一年度本予算案が速やかに審議され、実施されるべきであるのに、これが政府の失態によって大幅におくれ、四十日間という長期の暫定予算を組まざるを得ない政治責任はまことに重大です。加えて、その内容も、現在の経済状況のもとで不況対策、景気浮揚策としての公共事業費、さらには、社会保障関係費などが計上され、一般会計二兆九千億、財投八千億を超える大規模な予算内容であり、しかも本予算を先取りしたものであることを考えるならば、単なる暫定の枠をはるかに越える性格を持っていることは明らかです。このような性格と規模を持つ暫定予算案に対して、いささかの質疑も行わず議了することが果たして許されるでありましょうか。  三木総理が就任早々言明されたクリーンな政治、社会的不公平の是正は、いま、もろくも崩れ去ろうとしています。金にきれいな政治を標榜されましたが、音を立てて崩れ落ちようとしています。国民に対する税の不公平な負担は依然として是正されておりません。赤字解消のための行政改革による経費節減は、これも実行されておりません。また、国民の切実な願望であり、これが行われることによって沈滞した消費を刺激し、景気浮揚に大きな効果をもたらすと私どもが主張する減税もついに見送られ、かわって公共料金の引き上げ、増税、赤字国債発行という、国民にしわ寄せを強いる安易な方法で財源を求めようとしております。こういった問題については、本予算審議の折に徹底的にただしたいと考えております。  なお、この際、特に指摘しておきたいことは、暫定予算案の扱いについての与野党の態度であります。  暫定予算案については与野党の政治休戦が成立して、ロッキード問題とは切り離して扱うことに全党の合意が成立していたはずであります。それならば、国会は当然本来の任務を遂行するために、暫定予算案の審議に最善の努力を尽くすべきではなかったでしょうか。私ども民社党は、このような基本的立場から、二十六日以降暫定予算案の質疑に入ることを提唱してきたのですが、残念ながら他党の同意を得ることができませんでした。  社会、公明、共産の三党は、質疑省略の理由として、質疑を行うことにより政府にロッキード事件についての発言と釈明の機会を与え、なしくずしに全体の審議再開に持ち込まれるおそれがあるというような趣旨を述べておられますが、これは、野党が従来から慎重審議を主張してきたその主張と矛盾するものであり、国会の審議権の放棄と言っても過言ではありません。もし万一、政府に不当にこの場を利用しようという企てがあるのならば、即刻審議を打ち切ることも可能であります。  与党にその決意さえあれば、二十六日以降審議に入ることも可能ですし、たとえ質疑時間は少なくとも、可能な限りの審議を尽くすことは当然ではないでしょうか。それとも与党自民党は、国会は審議の場ではなくて、単に予算案、法律案を採決する場だと考えているのでしょうか。予算、法律案などが成立すれば、審議などない方がよいのが本音と受け取られても仕方はありません。  まして、今回の暫定予算案は、先ほども触れましたように単なる暫定ではなく、事務的経常費にとどまらず、不況対策としての公共事業費や福祉対策費などを含む異例のものであります。このような重要課題について国会がいささかの質疑も行わずに通過させるならば、国会がその機能をみずから放棄することになり、将来に向かって重大な悪例を残すことになりましょう。まして、参議院が衆議院の行き過ぎを抑え、足らざるところを補うというあり方から見て、この点を特に強調するものであります。  さらに、この深刻な不況からの脱出を強力に推進すべき時期に、このような暫定予算案を組まなければならないという重大事態を招いたことへの政府の猛省であります。野党をやむにやまれぬ立場に追い込んだ政府当局の政治姿勢についての猛省なくしては、事態の解決はあり得ません。国会を正常化し、不況脱出のための予算審議を一刻も早く開始するためには、三木総理、あなたがこの際、勇断をもって院の決議にのっとり新たな行動を起こすことです。もし、それができないというならば、あなた自身の政治責任を明確にすることであります。  三木総理の勇気ある決断を求めて、私の反対討論といたします。(拍手)

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 以上をもちまして討論通告者の発言は全部終了いたしました。よって、討論は終局したものと認めます。  これより採決を行います。  昭和五十一年度一般会計暫定予算、昭和五十一年度特別会計暫定予算、昭和五十一年度政府関係機関暫定予算、以上三案を一括して問題に供します。三案に賛成の方の起立を願います。   〔賛成者起立〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条により、委員長は原案どおり可決すべきものと決定いたします。  なお、参議院規則第七十二条により議長に提出すべき審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十三分散会      —————・—————

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