農林水産委員会 第9号
- 発言数
- 267 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/05/20
会議録
○委員長(小林国司君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として田渕哲也君が選任されました。 —————————————
○委員長(小林国司君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。 これより本件の質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
○辻一彦君 私、農業白書と、そしてこの前土地改良法のときにほとんど実質的審議ができなかったので、具体的な問題で二、三お尋ねいたしたいと思います。 第一に、大臣の三月四日の所信表明の後で、経済の高成長下において農村労働力の過度の流出という言い方があったと思いますが、それでは安定成長、減速経済で農業構造はどうなるか、こういう点をかなり論議をしたと思っております。白書を見て、やはり同じ問題が私言えるのではないかと思います。経済が高成長しておったその中で規模拡大を目指した自立農家、こういうものが実質的に兼業農家の増大という形で実現をしなかった。それが、減速経済あるいは安定成長とかいろいろ言い方がありますが、そういう安定経済、低成長の経済のもので、この白書のいうように明るい見通しがある、農業発展の契機がつかまえる、こういう見方がありますが、それは一体どういう理由と分析に基づいておるか、このことをまずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) わが国の農業につきましては、かつての高度成長によりまして労働人口の流出がございましたし、農業人口の流出がございましたし、それから農地の壊廃も相当な勢いで進んだわけでございます。したがいまして、食糧自給率といった面につきましての成果といういろいろな問題が高度成長というものを通じて出てきたことは事実でございますが、現在ではようやく経済が安定成長へ移行する段階にきておるわけでございまして、これは一面におきましては、食糧需要の伸びの鈍化等の問題を生じさせる面も確かにあるわけでございます。しかし、一方で労働力あるいはまた土地の、農業資源の他産業への流出に対して、これが安定成長ということで、こういう流出が抑制的に働く、抑制的に働くという面がまた出てきておるわけでございます。こうした労働力の他産業への流出にブレーキがかかってくる、あるいはまた土地の壊廃といったものが、これからの対策によれば高度成長のようなことにはならない、むしろこれがダウンしていく。そういうことが十分可能性が出てきたわけでございますから、したがって、こういう契機というものをとらえて、農用地の確保であるとか、基盤整備あるいはまた担い手の育成確保といったような対策を総合的に進めていけば、農業再建というものは十分できるという意味において、いまがそういう一つの契機である、いわばそういうチャンスであると、そういうことを農業白書は訴えておるわけでございます。
○辻一彦君 この前の論議のときも、またきょうの御答弁でも、労働力の農村からの流出がある程度とまっていくということと、抑えられていくということと、そして農地の壊廃等がなくなっていく。こういう点が一つの大きな契機であると、こういう要旨のようであります。そこで、そういう状況の中で日本の農業の構造というものがどういう方向を目指そうとするのか、どういう方向を具体的に進もうとしているのか、そういうものについての白書の中身はやや私はっきりしないと思うのですが、この点はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) そうした一つの契機というものをとらえて、これからの政策がよろしきを得れば、農業再建という一つの大きな道が開けてくるということを確信をいたしておるわけでございますが、その方向としては、長期見通しが策定によりまして、われわれが「総合食糧政策の展開」と称するところの昭和五十一年をスタートとする長期政策を打ち出したわけでございまして、この路線を長期見通しに沿って真っすぐに着実に進んでいけば、昭和六十年にわれわれが予定をしておる、想定をしておる一つの自給態勢の確保あるいはまた農村生産態勢の整備あるいは農村の環境整備といったものを含めた農業のわれわれの目標を達成することができるという考えでございます。
○辻一彦君 農業基本法には、少なくも自立農業の育成という一つの、経済の高成長下に労働力の移動に伴って、残るところの農家の規模は大きくなるという、一つの感覚に基づいた構造改策といいますか、日本のこれからの農業構造はこうなると、こういう方向があったわけですが、今度の場合は、日本農業のこれからの構造というものを六十年ごろに、総合的な自給率といいますか、農業生産がこのぐらいになるという、そのめどをつけておられるということは、それはそれとして、構造は一体どういうようになっていくとお考えになっていますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) われわれが大いに力を入れたいと存じておりますのは、「総合食糧政策の展開」の中においても申し上げておりますように、中核農家を育成をして、中核農家を中心とした農業の主力を形成していこうということでございますが、これは専業農家、第一種兼業農家というふうなものを主として含めるわけでございますが、さらに、自立農家といった面についての今日までこの層が薄くなっておることは事実でございますが、こうした中核農家という形の中でこれを整備強化をしていくことによって、これらを中心とした担い手によって農業の生産を担う主力とさしたい、というのが私たちの考え方でございます。
○辻一彦君 農業基本法では、自立農家の育成といい、今度のそれを敷衍しているという総合政策の中では、中核農家といわれるんですが、その中核農家というのは、基本法でいった自立農家と同じ中身を、言葉を新しくいっておるのか、あるいはそうじゃないとするならば、その中身は、自立農家と中核農家はどういうように違っているのか、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(杉山克巳君) 自立経営農家という場合は主として経済的な側面に着目した観念であったかと思います。しかし、今日におきましては必ずしも規模の大ばかりがいいというわけではない、むしろ意欲を持ってまさに地域農業を担っていくというような、そういう全体の担い手としての使命感もあわせ持ったそういう経営の主体、そういう考え方のもとに、もちろんそれはある程度の経済規模、収益性を確保するということを前提にはいたしておりますが、経済合理主義的な、そういう経営規模だけを中心とした考え方ではないという観点が入っておりまして、やや言葉の、用語の表現などにも変化が出てきているということはございます。
○辻一彦君 前者は、自立農家は経済的側面、中核農家はこれは意欲を持つ農家の集まりというように言われるわけですが、構造政策といういわゆる基本法でいわれたあの大事な、重要な柱からすれば、構造的には中核農家は一体どういう位置づけをしておるのかということ。これは日本農業のこれからの構造をどう考えるかという中で、中核農家を構造という点から言えば、どういう位置づけがなされるのか、この点いかがですか。
○政府委員(杉山克巳君) いまも申し上げましたように、自立経営農家という場合は所得概念が中心になっておりますが、中核農家という場合には、むしろ基幹労働力、年間の就労日数百五十日以上でありますとか、年齢的に六十歳以下でありますとか、そういった事実上農業経営を支えていくに足るだけの能力を持った農家ということを一つの考え方、メルクマールとしてとらえることにいたしておるわけでございます。そういう農家が全体的な農業経営の水準も維持していくであろうし、一般的な地域、ひいては日本全体の農業の担い手として今後一番中心になるというふうに考えておるわけでございます。
○辻一彦君 基本法は基本法なりに私は、この自立農家育成ということで一応構造政策を出しておったとも思うんですね、それなりに。今度の場合は一体、それとの関係といいますか、なるほど労働力を中心に考える、そういう点はわかりますが、日本農業のこれからの構造という点を考えた場合に、中核農家はどういう位置づけをされておるのか、この点を重ねてお伺いしたい。
○政府委員(杉山克巳君) 現在、いま申し上げましたような男子の農業専従者のいる農家は五十年の二月では百六十一万戸でございます。これは総農家数の三三%でございます。そのうち、基幹男子農業専従者がいる農家は総農家数の約二五%程度を占めておるわけでございます。これをできるだけ今後とも確保してまいりたいということで考えております。
○辻一彦君 中核農家を数をふやしていく、育成していくにはどういう条件が整えば中核農家というものの数がふえていくとお考えですか。
○政府委員(杉山克巳君) 精神的にいろいろこれを鼓舞するというようなことも必要でございますが、基本はやはり農業が業として、産業として収支相償うというような、そういう経済的条件を整備していくことが最も先決であろうかと考えております。そのためには、もろもろの構造政策なり、あるいは価格政策なり、その他農業政策のよろしきを得てそういうものを十分保障できるようにして持っていかなければいけないということは、これは当然でございます。
○辻一彦君 私の聞きたいのは、基本法の構造政策は自立農家育成という一つの方針を持っておった。それは高成長下に労働力が農村から大いに流出する、だから数が減る。残った農家の数で一定の耕地を割れば規模は拡大する、こういう方向を一つ持っておったと思うんですね。それは実際は労働力は、うんと若い労働力は動いたけれども、農家の数は、兼業農家の拡大という形でほとんど変わっていない、かなり減りましたがですね。ほとんど構造的には変わっていない。そこで、その次に出てきた中核農家というのは、そういう日本農業の将来の構造という点を考えた場合に、どう中核農家を位置づけてやっていこうとするのか、こういう点を、自立農家から中核農家へ、それは全然何か木と竹を接いだようなものなのか、その延長上というか、その発展上というか、あるいは何らかの反省の上にそういうものが位置づけられるのか、そこらはどう考えておられるんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) この自立経営農家というのは、現在におきましては大体八%を占めておる程度にしかすぎないんじゃないかと思うわけでありますが、この自立経営農家にさらに第一種兼業というものを含めた形の中でわが国の農業生産の六割というものを担当しておる、この六割を担当している担い手をわれわれは中核的農家、中核的担い手という形で、自立経営、農業基本法に言うところの自立経営農家というものから、さらに第一種兼業にまで及んだ層、それを広く中核農家というとらえ方——もちろん生産に対する意欲を持つということが中心でありますし、基幹男子農業専従者のいる農家、これはまあ十六歳から六十歳までというふうな、そういう中に一つの方向を示して、そういう条件に適合したものを中核農家と称して、これに対する政策を一つの中心に、これに対して相当思い切った政策を注いでいくことによってわが国のこれからの農業の、いわゆる六十年目標に進む主力部隊になっていくということがわれわれの基本的な考え方であります。
○辻一彦君 どうも構造政策がどうなったかという点については何回伺ってもそこらはどうもあいまいで、なるべく触れられないような答弁が多いんですが、中核農家がふえていく条件ということを考えた場合にですね、これはやはり外には安定した職場、雇用の場が存在して初めてそれがふえていくという中で——そういう中核の農家というものが私は、自立農家のことを言われているような感じがしますが、育成されていくんじゃないかと思いますが、そこらの専業農家、第一種兼業農家、第二種兼業農家、いわゆる安定した職場を持つ農家ですね。そういうものとの関係は中核農家育成の過程でどういう形になっていくとお考えになりますか。
○政府委員(杉山克巳君) 今後とも一種兼、二種兼はかなりふえていくということはあり得るわけでございます。そういった兼業農家の、農業以外の就労の機会はどういう形でもって今後進むであろうかということに関連するかと思いますが、今日、先ほど来お話申し上げておりますように、就業人口、若干まあ農業からの流出が減退しつつあるのはこれはよろしいのでございますが、経済がまたたとえ低位とはいえ安定成長というようなことになればそれはかなりほかの、そういう他産業への就業の機会というのはまたふえていくということはあり得ると思います。そういう中におきまして労働力が最大に燃焼できるような形で農業への就労も確保するということで、先ほど来申し上げておりますように、中核農家が、これが農業全体の、まさに中核になること、担い手になることは事実でございますが、兼業農家、複合的な形での農家経営というものも今後それなりに維持されていくということになるかと思います。
○辻一彦君 ちょっと私なかなかわかりにくいんですが、それではその白書の中に、明るい一つの見通しとして触れられている、大中小というか、いろんな分け方がありますが、中農が階層的に分解するというか、分化をして面極に分かれていくというような見通しがありますが、この場合の中農分解というのは、一体いま言った兼業農家ではどれを指しておりますか。
○政府委員(杉山克巳君) これは専業農家の中でも、それから一種兼の中でも、二種兼の中でも、やはりそれなりに両極に分解していくという傾向は見られると思います。別にどの階層の農家をということではなくて、むしろ農業に関する経営規模に着目した考え方であろうかというふうに存じます。
○辻一彦君 まあ各層にわたって分解する、それは非常に一般論ですね。一般論ですが、中核農家を、少なくも基本法のときには自立農家というものを想定して、そういうものが、既存の部落なら部落の耕地は動かないとして、人間が減るから残った者で分ければ規模が大きくなると、こういう考え方がありましたね。今度の中核農家というものは、自立農家プラス第一種兼業農家、これが中核農家と一応考えていいんですか。中核農家というのは、自立農家プラス第一種兼業農家。
○政府委員(杉山克巳君) 実際の地域におきます農業経営のあり方というのは、先ほど来申し上げておりますように、中核農家が中心になってということは変わりないと思います。ただ、その場合に、中核農家だけではなくて、いろいろな形でもって農村に農業を経営している農家があるということならば、その実際の動き方はどうかと言いますと、やはり第一種兼業農家の相当部分が、中核農家に次いで、むしろ中核農家の概念の中にはそういう第一種兼業農家も相当部分が入って考えられるというふうに思うわけでございます。なおまた実際の農業の作業は、そういう中核農家が一番中心になって担うわけでございますが、土地の所有権とか土地の利用のあり方ということからいたしますというと、そこは必ずしも農家と土地の帰属とは一致していないという問題があります。その場合は、当然従来からも進めているところでございますが、農作業の請負でありますとか、受委託でありますとか、そういうような形での中核農家への生産条件、生産基盤の集積と言いますか、利用が集中されるということが必要になってまいるわけでございます。
○辻一彦君 その土地の所有と経営の論議はちょっと後にして、それじゃ、いままで規模拡大というようなことを、基本法の中に構造政策として据えておりましたが、これはもう中核農家という考え方の中では、この規模拡大という構造的な面はほとんど考えていないんですか。あるいは考えているとすれば、規模を拡大する条件とは一体何なのか。
○政府委員(杉山克巳君) 規模拡大のことは、特にいままで答弁の中で申し上げませんでしたが、これは自立経営農家の当時と、そういう考え方をとって説明をいたしておりました当時と、何ら考え方は変わっておりません。一般的にやはり規模は拡大するということで、中核農家の経営条件をよくするということは考えているわけでございます。 その場合の条件は何かということになってまいりますと、先ほどむしろ先走って御答弁申し上げたわけでございますが、やはり土地利用のあり方というのが大きな一つの前提といいますか、基礎条件になってまいると思います。なかなか、所有権の移転というようなことは、これはむずかしいということならば、請負耕作あるいは土地の受委託や農作業の受委託というような形で、中核農家へのそういう生産手段、生産基盤の集積ということを考えていく必要があると、こういうように考えております。
○辻一彦君 いまの御答弁で、中核農家と言っても、規模拡大は大事なんだと、その条件というのは今日の条件の中では、土地利用のあり方が、委託であるとか、あるいは借地であるとか、そういうことが考えられるということですね。そうしますと、そういう委託やあるいは借地やあるいは土地を買うとかいうことがあるでしょうが、そういうことが可能になってくる条件というのは、外に雇用の安定の場が拡大するという条件がなければ、実際としてはなかなか動いていかないと思いますが、その点どうなんですか。
○政府委員(杉山克巳君) まあそういう意味では、高度経済成長時代の方が土地を集積する上での条件はむしろよかったというようなこともあったかと思います。農村に人口が戻ってくる、あるいは流出がとどまるということは、それだけ担い手と言いますか、分散する可能性がありまして、零細化する問題が生ずるということは事実でございます。しかし今後とも、たとえ低位とはいえ、経済成長もそれなりに安定した形で推移していくことが期待されますし、そこは先ほど申し上げましたように、バランスのとれた形での農業と他産業への就労の配分ということが実現されていく、そういったことをまた政策の上でもって確保する措置をとるということが当然予想されるわけでございます。必要とまたなってくるわけでございます。
○辻一彦君 経済の高度成長下でも、日本農業は規模拡大が実質としてなかなかできなかった。それが減速経済、低経済成長下においてさらに進むような明るい見通しはなかなか成り立ちにくいと私は思うのですが、それは一体どう分析されていますか。
○政府委員(杉山克巳君) 外的な経済条件だけから言えば、仰せのような事態はあると思います。ただ、最近におきます農業に対する世の中の見方と言いますか、理解の仕方というのもかなり変わってきていると思います。一時のような国際分業論ということではなしに、むしろ自給度を確保する、そのことの重要性、またそういったことのためにある程度の国民の負担もやむを得ないというような空気も、これも総理府の世論調査等によってもかなり明らかに出てまいっております。そういう外的な雰囲気もよくなってまいっておるということも、これは事実として喜んでいい点ではないかというふうに思うわけでございます。 それからそういった抽象的なことだけでなしに、私どもの具体的な施策の上で、そういう機会にさらに一段と進めていくということも今日までも行われていることでありますし、今後一層進めることを考えているわけでございます。たとえば昨年農振法を改正いたしまして農地の利用増進事業というものを組み立てたわけでございます。こういったことによっても中核農家への土地の集積ということは、それなりに実現されていくというふうに考えております。
○辻一彦君 いまのように食糧自給度の拡大というような重要な側面が前と比べてずっと出てきた、それからそういうためにはかなりなお金をかけても、これは国民的課題としてやらにゃならぬ、そういう空気にある。そうしますと、私は、この前にも若干論議をしましたが、所得倍増政策をもとにして経済の高成長という一環の流れの中で考えられた農業基本法というもの、そういうものは、さま変わりをしたいまの低成長、安定成長というこれからの経済を想定するならば、この日本農業の構造等々を示す憲法としての役割りを失いつつあるというようにも思いますが、そうなれば、私は、低経済成長、それは安定成長と言いますか、そのもとにおける日本農業の構造のあり方というものも改めて検討されるべきものであると思いますが、それらについてどう考えておられるか、これはひとつ事務当局と大臣からもお伺いいたします。
○政府委員(杉山克巳君) 基本法におきましても、別段今日に矛盾するようなことをうたっているわけではないと私ども思っております。ただ、むしろ基本法制定以来の高度経済成長に災いされて、と言いますか、一般的な考え方が、農業についても経済合理主義万能というような形で影響を及ぼしてきた、そういう点にむしろ問題があった。基本法自体の理念は、今日においても何ら変わることなく通用するものというふうに考えております。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私もいま審議官が申し上げましたように、農業基本法は農業の総生産の拡大ということを中心にして、他産業との格差の是正とか生産性の向上等、他産業従事者と均衡する生活を営むことを期するというふうな一つの目標が第一条に書かれてあるわけでありますが、その目標は今日においても、今日こそ、まさにこれから六十年目標というものを達成する、あるいは世界的な食糧需給の逼迫というふうな基調、あるいはまた国内における食糧問題に対する認識の喚起といったようなものからさらに重要になってきておる。そういう観点に立ってわれわれが志向しておるところの長期政策目標というものはこれを進めていかなければならない。その具体的な進め方につきましては、当時の客観情勢と今日の客観情勢との間には差異があることは事実でございます。したがって、農業基本法にいう自立経営農家ということは、われわれが、今日の時点においては中核農家という形においてこれを置きかえて、これを拡大をしていくというふうな考え方で、基本的には変わっていないんじゃないかと、そういうふうに考えております。
○辻一彦君 大体は、この前も伺ったのと変わりませんが、高成長下でなるほど災いされた面があったということは当然ですね。これは農地がつぶれたり、非常に無理な形で労働力が動き過ぎました。しかし、そもそも基本法は、都市を中心にした工業、経済が成長すれば農村の労働力は大量に移動していくということを想定して、その中から規模拡大という方向を出してきた。そういう高度政策は位置づけられておりますね。それが、基本法は基本法として、それがいま安定経済というか、一方は石油の動きを見ても、過去のような日本の経済の高成長が予測をされるという条件はほとんどないとすれば、かなり成長率を落とした安定成長にならざるを得ない。そうすれば、そういう経済のこれからの進む中での、日本の農業の構造というものはもう一度私はいろいろ考えてみなくてはならない点が大変多いと思うんですが、これはそういう面につきましての検討というか、さらに研究を深められる、私は、白書の分析をもってしては必ずしも十分ではないと思いますが、検討をなお加えられるお考えがあるかどうか、この点いかがでしょう。
○政府委員(杉山克巳君) 白書は毎年毎年つくられるものでございます。その性格もありまして、最近の経済情勢、農業を取り巻く動向といったものを分析すれば、やはり客観的に最近の農業からの人口流出、就業者の流出が鈍化したということはこれは客観的に言えると思うわけでございます。そういう事態の分析をいたしておりますが、基本的にはやはり農業自身の本来的な産業として育てていくことのむずかしさ、今後、農業人口をいかに確保していくかということについてのむずかしさの認識は従来と特に変わってはおらないわけでございまして、むしろ先ほど大臣申し上げましたように、最近におきます、あるいは今後永久というわけではないかもしれませんが、この時期におきますところの、そういう農業に有利というような条件の出ておりますのを契機に、農業の施策を一段と推し進める必要がある、というような考え方のもとに最近の動向を分析したということから、あるいは楽観的にというふうにおとりになられたのかもしれませんが、基本的な認識におきましてはいま申し上げましたように変わっておらないわけでございます。
○辻一彦君 この問題にこれ以上時間をきょうはかけるわけにいかないと思います。 それで、まあ私は、この三日書を見て、漁業、林業はなかなか大変だという中身であり、農業白書はかなり明るさが出ていると。まあ明るいことが悪いことじゃなくて、明るければ大変結構ですが、しかし、いまの経済のこれからの動きの中で、どの層の農家が分解をしていくにしても、これはかなり苦痛を伴った形で進んでいくんではないだろうか。そういう意味でなかなかそう白書に言われるほど明るさをそのまま肯定しにくい点があるように思います。改めてこの構造問題についてはまた次の機会に論議をしたいと思います。 そこで、第二にお伺いしたいのですが、これは白書の中にも触れておりますが、米の需要の拡大の問題なんですね。これは米飯の普及を図るとか、いろんなことが言われておりますが、私は、米の消費を拡大するという点でいろんないま対策を農林省うたわれつつあると思います。その中で、農林省に食糧研究所等々がありましたが、いままで一体そういう米の消費拡大、こういうことについて最近どういうような研究を具体的にやっておられるのか、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(平松甲子雄君) 食品総合研究所というのがいま農林省の試験研究機関の中にございますが、これは昭和の初年の米の過剰基調にあった時代に、過剰米処理対策として設けられた米穀利用研究所に端を発したものでございまして、戦時、戦後を経て組織の改変を加えまして今日の食品総合研究所になっておるわけでございますが、その米穀利用研究所時代から引き続きまして米の消費拡大に関する研究をやってまいっておるわけでございますが、その中身を申しますと、大別して米の品種、特に食味に関する研究であるとか、あるいは米の貯蔵と品質に関する研究であるとか、あるいは米の利用拡大に関する研究とかいうものがあるわけでございます。まあ米の食味については、いままでのような官能検査法を確立し、すでに実用化しておりますが、これを機械、機器の利用によって客観化するという手法について現在研究いたしておりまして、これによりまして、米の品種改良を少量のサンプルによって促進するというようなことも期待をいたしておるわけでございます。また、貯蔵中におけるカビであるとか、虫害であるとかいうことによる品質の劣化を防止するという手法についての研究もいたしております。
○辻一彦君 需要拡大の方法について限定して……
○政府委員(平松甲子雄君) 需要確保につきましては、ライスパンであるとか、パフトライスであるとか、あるいはかん詰めなどにつきまして、外部への委託を含めまして利用拡大の手法を研究いたしておりますし、また新潟県等の米の特産地におきましては、あられ等の米菓というような形での利用というものについての研究をいたしておるということでございます。
○辻一彦君 そのライスパンとかそういうものについては、何か具体的な研究と施策、それからそういうものを拡大するものが具体的にありますか、簡単で結構ですから……。
○政府委員(平松甲子雄君) 通常、パンをつくります際に、小麦のほかの穀粉を入れるということで、まあパンの品質が食味としてそう変わらないということのためには、ほかの穀粉は五%くらいが限度であると言われておったわけでございますけれども、食品総合研究所等の研究によりまして大体一〇%程度、あるいはコッペパン等にしますと三〇%程度までなら入れられる。これはアミラーゼであるとか、あるいは界面活性剤を入れるというような手法によってそういうふうな形のことを、研究結果を得ておるわけでございますけれども、ただ、そういうふうにしてやりました場合も、できましたライスパンにつきましては老化が早いとか、ふくれがやはり悪いとかいうような欠点を持っておるようでございますし、また原料としてはコストが高いとか、労力がよけい要るとかいうような問題を含んでおるようでございます。
○辻一彦君 これは一つの例ですがね、福井県の農協の経済連が小麦粉の中に玄米の粉末をどれぐらいまで入れて食味が落ちないかというのをいろいろ試作をしてやっておるのですが、ちょっと御紹介しますと、四百七十一人にこの玄米の粉末を二〇%三〇%四〇%、こういうように小麦の中に入れてパンをつくった。そうして四百七十一人に形を変えて——何%と言えばもうそれは初めから先入観があるから、だから三角のパンとか、丸いのとか、棒型のパンというようにして、形を変えて四百七十一人に試食をしてもらった。で、三百二十八人からアンケートが回収された。大体六八・六%回収された。そうしますと、これについて、四〇%の場合は、小麦のこれを、四〇%を玄米の粉末で代替した場合は、これはうまいというのが三十六人、まあまあが百二十七、まずいというのが百二十二。三〇%の場合には、うまいが四十一に、まあまあが百九十七、まずいが七十八。二〇%の場合には、うまいというのが七十二、まあまあが百八十、まずいというのが七十二と、こういう数字がかなり詳しく出ておるわけですね。 そこで、大体年配の人はやはり米を食べなれておるので、米の入ったパンも、三〇%という混入率のその方が、かえって香ばしくて味がいいと、こういう感覚だそうです。それから、若い方は、これはなかなか、米よりもパンを食べなれておるそういう点で、二〇%の混入率の低い方がいいという、大まかに言ってこういう数字が出たデータがありますですね。それから、年齢的に言えば、大体二十代から三十代はまあまあというのが大変多いわけですね、多い。そこで、市場でこれを買って食べるかどうかというと、安ければ食べる、というのが非常に多いんですね、二百二。高いというのが百十七、それから、高くても美容食というので食べるが百七、これはたん白がちょっと多いので、余り太らずに女性の美容食にも向くというような、そういう論議がされておるということですね。そこで問題は、やはりこの材料費というか、これが二割から三割ぐらい高いという問題が出ております。 私は、こういうこれは一つの例ですが、米をもっと、米食を普及するということは大事であるし、それからパン食を一ぺんに変えていってもなかなか長い間につくられた食生活の構造もそう簡単に変わっていかないとすれば、パンの中に米の粉末、しかも、これは玄米を粉にしたんであって、熱処理を加えたさっき言われたアミラーゼといいますか、熱で処理したのを入れれば、もっと味だとか様子が変わってくるという可能性は十分あると思うのですが、こういうことをもっと農林省で本格的に研究をして、米の需要をこういう面からも拡大していく、こういうことを考えるべきではないかと思いますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(平松甲子雄君) ただいま先生御指摘のように、三〇%以内であればまあまあという食味が得られるということでございますし、私どもといたしましては、先生御指摘のような線で、こういう面についての研究を続けていくべきだというふうに考えますけれども、ただ高い米で安い小麦の代替品という形でございますから、なかなか、そこのところが経済的にどうだというふうな問題はあろうかと思いますけれども、問題の重要性から考えまして、今後とも研究を進めてまいりたいというるうに考えております。
○辻一彦君 まあ、研究所の方の技術関係の話はそれで伺いました。 そこで、そういう問題を政策的にもう少し力を入れるかどうかということが大事だと思うんです。大体三百万トンの小麦粉がパンに使われておる、こう計算をされておりますが、一〇%混入なら三十万トン、二〇%なら六十万トン、これは計算どおりにいくわけじゃないんですが、仮に三〇%にすれば九十万トン。九十万トンということは、日本の米の生産調整の量にほぼ該当すると、こう見ると、私は、米の需要拡大をするためには、休耕で休耕奨励金を出している、そういうことを考えれば、私は、むしろパンの中に入れるお米に、幾らかの助成をしても、米の需要を拡大するというようなことを本格的に考えるべきじゃないか。それからまた、味がまずいのを無理に食えといっても、なかなかこれはむずかしい話ですから、やはり食味が嗜好に合うようでなければならぬわけですが、そういう点をもっともっと本格的にせっかくの研究所等で研究をする。特にこの食糧研究所は、当初、昭和のいわゆる米が余ったときに過剰米といいますか、米の余った対策として出発したという、そういう歴史があるなら、原点に返って、本格的にこれを研究する考えはないのかどうか、そしてそれに対して財政的な助成をも考えて、米の需要を拡大する考えはないか、この点いかがでしょう。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 米の需要拡大について、具体的なお話を承ったわけでございますが、長期的な視点に立って米の需要を拡大する、したがって各般の施策を講ずるという場合に、やはり新規の利用開発ということが大きな課題でございます。先般も農林省を中心として、生産者団体、あるいは消費者団体、あるいは配給団体等が一致いたしまして拡大の連絡協議会ということで相分担し合って施策を進めるという場合にも、この利用開発という問題が大きく取り上げられたわけでございます。で、やや細かくなりますけれども、米そのものの今日の家庭における何と申しますか、調理の単純化とか、簡易化というものに応じたレトルト食品とか、インスタントライスとかというような米自体の消費の拡大とともに、ただいま先生の御指摘のような、相当定着したパン食というものを、粉食を前提として、それと調和した形の消費の拡大というようなことも当然考えられてしかるべきかと思いますが、非常に具体的な福井の地元のお話でございますけれども、食味として将来これが伸びるものかどうか、そういう需要の形態が、というようなことについては、私ども、これについて消極的見解を持っているわけじゃございませんけれども、なおその普及性とか、消費者への定着性というようなものを検討さしていただきまして、必要があればその原材料というようなものについて、相当な需要に貢献するということがあれば、いろいろその財政の面を含めて、その助成策については検討してしかるべき、当然しかるべきものだというふうに思っております。
○辻一彦君 その米の粉末を小麦粉に混入するというパンについて、もっと本格的にあなたのところの研究所でやられますか。
○政府委員(大河原太一郎君) 試験研究行政の責任でございます農林水産技術会議の事務局長から先ほどお答え申し上げたとおりでございますが、私どもは、行政の立場として、それこそ早急に需要の拡大、消費の拡大ということをこいねがっておりますので、われわれの直接の行政の立場からも、同じ省内でございますので、この点については、十分な意見を戦わせて実効ある措置をとりたいというふうに思っております。
○辻一彦君 大臣、この農協の皆さんも、ずいぶんいろいろな知恵をしぼって、私の福井県では、敦賀というかまぼこの産地があるのですが、これは魚の肉にでん粉とか混ぜて、この中に米の粉末を混ぜてできたかまぼこが、どれが味がいいかという、それも全県的にずいぶんつくって試食をやっているのですよ。これも一五か、たしか二〇%前後の米を入れた場合の、粉末を入れた場合のかまぼこが大変味がいい、しかし、値段がちょっとでん粉に比べて高くつく、ほかに比べて。そういう点がありますが、いろんな知恵をしぼって、ともあれ、米の、私は前回申し上げたけれども、一番、サツマイモを除いて、パン等の生産力からいえば、カロリー生産がたくさんできる。しかも優秀な技術と、りっぱな水田を持っている日本が、米を最大限につくるというような条件をつくらない限り、なかなかいまの農政のむずかしさは抜け出られないと思うのですね。そういう意味でかまぼこも一つの例ですが、あらゆる面を通して、私は、米の消費拡大、需要拡大のために努力をしていただきたいと思うのですが、大臣の御所信いかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私も米の消費拡大につきましては、非常な熱意を燃やしておるわけでございまして、五十一年度予算におきましても、米の消費拡大に対するいろいろの施策を積極的に盛り込んでおります。そうしてまあ学校給食とか、あるいはまた米そのものの消費拡大についての国民の理解を求めるというふうな運動は、これは徹底的に進めていかなければならない。やるわけでございますが、同時に、いまお話のような米の加工をするとか、あるいは粉食との混食の方法を研究するとか、そういういろいろ、民間でもいろいろとその辺はやっておるようでございますが、これは農林省としても——農政上から見ても、米の消費拡大というのは非常に大きな課題でございますから、そうした民間等で盛んに工夫をこらしてやっておることに対しても農林省としても積極的に応援をしていくとか、あるいはまた農林省自体でそうした問題について積極的に研究する、そういうことは今後はぜひとも取り組んでまいりたいと思っております。
○辻一彦君 その場合にですね、まあ御所信のほどはわかりました。その場合に、加工なんかに米を使うとすればやっぱり割り高になるということは事実ですね。その差額分くらいは——学校給食に助成をする制度もありますが、米を需要を拡大するという意味で、そういう差額を国の方で助成をして大いに需要を拡大すると、こういうお考えはないですか。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 現在はそういう開発というか、実験用的なものの原材料についてはその売り渡し価格等については配慮しておるというわけでございます。したがって、これはやや先の問題かと思いますけれども、本当に食味がよくて、相当普及性があり、これがある意味でいうと相当、米の消費の拡大に資するというような新規のものが開発された場合の取り扱いかと思いまして、実はそういう点についての配慮というものは、具体的なその新規開発が行われた場合に検討をさしていただきたいというふうに思っております。
○辻一彦君 十二時に大臣が出られるということですから、私の幾つかの質問は若干後に回してもいいと思いますが、米価の問題について一、二点だけお伺いをします。これは工藤委員が後で詳しく論議をされますので、詳しい問題は触れません。 一つお伺いしたいのは、政府の米価決定までの段取り、手順、あるいは米審を開くと予想される時期、そういうことをどういうように段取りを大体考えていらっしゃるか、この点をひとつお伺いいたしたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 米価決定の時期もだんだん近づいてまいったわけでございますし、米価に対する国民の関心も非常に高まってまいりました。いろいろと報道も行われておるわけでございますが、いま農林省自体としてはまだ米価審議会をいっ開くかということにつきましては具体的にこれを決めておらないわけでございますが、生産費の調査などがやっぱり六月いっぱいかかる可能性は十分あるんじゃないかと、まあこれは見通しの問題でございますが、そういう点も生産費の調査がはっきりしないと、これは見通しがつかないわけでございますから、そういう点も踏まえてこれから具体的な検討の段階に入るということでございます。
○辻一彦君 この前もちょっと論議をしましたが、昨年の米審の諮問は一三・一、春闘は一三%。どういうことか大変数字が近寄っておりましたですね。これは十分試算をした結果であると、こういうこの前の御答弁でありましたが、ともあれ、ことしは単に春闘の賃金に数字だけを合わせる、こういうようなことのやり方は絶対避けて、生産費所得補償をきちっと試算をして米審に出していただきたいと、こう思いますが、これについていかがでしょう。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これはまことにそのとおりの話でございまして、昨年たまたま一致したということですが、生産者米価というのは御案内のように算定方式がありまして、そして生産費を基礎にしていろいろと要素を積み重ねて決定をするわけでございますから、労賃もその一部になるわけでありますから、ですから、そういう意味では春闘は労賃そのものですから、米の生産者米価の算定はもちろん食管法に基づいてやるわけでございますから、この間には直接的な関係がないことはもちろんでございまして、そういう点をストレートに考えてやるというようなことは全然理論的にもあり得るはずがないわけでございます。
○辻一彦君 ぜひそうあってほしいと思います。 それから最後に、米審の委員にもう少し、四名しかいない生産者代表を含めるべきじゃないかと、そういう論議がされる場をつくるべきじゃないかという声が非常に強いんですが、私もそのように思いますが、これについてのお考えはどうか、これを最後にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは米価審議会の委員につきましては、農林省設置法によりまして米価その他の主要な食糧の価格の決定に関する基本事項に関し学識経験のある方——米麦価の性格上その生産事情であるとか、流通消費に関してはもちろんのこと、やはり米価ということになりますと、国民の主食の価格でありますから、国民の経済、財政全般にわたって非常に大きな関連があるわけでありますから、そうした全般にわたりましてやはり学識経験のある方を任命するということになっておりまして、そういう点では、現在の委員の構成メンバーによりまして、生産者、消費者等関係各方面の意見が十分に反映をされておると、そして適正な運営が行われておるというふうに私は考えておるわけでございます。したがいまして、委員の構成をここで変えなければならないというふうには考えておらないわけでございます。
○辻一彦君 五分ほどありますが、午後でもいいです。
○工藤良平君 私が中心にお聞きをしておきたいと思っておりました点を二つ辻さんがすでに基本的にお聞きしたようですから、私の質問することは実際いうと、ないわけですが、ただ、いまお話のように、米価の決定のめどが立っていないということでありますから、あえて私はそういうことであれば申し上げたいと思うんですが、それではことしの米価を決める基本的な姿勢というものは一体どこにあるのか、まだ間がありますから、ぜひひとつその点を私ははっきり聞いておいてひとつ農民の前に明らかにしていただかないと、もうすでに早いところは田植え、私どものところもこれから田植えに入るわけでありますから、この点ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) もちろん、ことしの生産者米価、消費者米価を決める基本は、食管法に基づきまして生産費並びに物価その他の経済事情を参酌をして決めるということになっておりますから、この食管法に基づいた生産費所得補償方式による算定方式によって適正に決めなきゃならない。消費者米価は消費者米価で、家計の安定を旨として物価その他の経済事情を参酌して決めるということになっておりますから、そういうことで決めることがこれはまあ原則でございますが、しかし、米価に臨む基本の考え方としては、そうした食管法が基礎となるわけでありますが、考え方としては、私たちは昨年もそうでございましたけれども、今日のこの生産者米価、消費者米価というものの逆ざやが相当大きいわけでございまして、これは財政という面もあるわけでございますが、私は財政という面よりはむしろ農政という面から、この逆ざやというものは、これ以上拡大をしてはならない。むしろ段階的に縮小していくことが農政上正しい判断である、こういうふうに考えておりまして、したがって、基本的な方向としては逆ざやをむしろ段階的に解消をしていきたい、そういうふうな基本的な態度を持っておるわけであります。
○工藤良平君 非常に、そこが重要なことであって、私は、いままでの米価決定の推移というものをじっと見てみますと、不足の時代、それから過剰になった時代でいろいろと違っているわけですね。本来、この食糧管理法の趣旨というものはそんなに違うはずはないわけですね。この第三条の第二項で言う生産者米価、「政府ノ買入ノ価格」というものは、あくまでも「生産費」というものが第一義的であって、さらにそれに「経済事情」をしんしゃくをして決めるということになってくるだろう。そのために私は、米審があり、最終的に政府決定というものが出てくるというように思うわけですね。ですから、かって少ないときには、主として生産費、再生産を補償するための生産費というものを中心にしてやってきた。ところが、過剰時代になって、これは私は、この委員会でも指摘したことがあるんですが、生産費というよりもむしろ、過剰時代になってきたからそれを、その事情をしんしゃくして米価を決めますよ、ということが前面に出てきたんですね。近ごろでは、まず末端逆ざやの解消というものがどうも前面に出てきたりという印象を与える。農林省はどう考えているか知りませんけれども、一般に受ける印象というのは、そういう非常に、そのときどきの情勢の変化というものが前面に出てきているというふうに私は思うんです。しかし、本来の趣旨というものはあくまでも、ことしの生産費は幾らだったんだと、さっき辻さんが言ったように。そういうことが私は大事じゃないかと思う。たとえば四十九年産米価、一番、三六%上がったときのですね。あのときは政府の最初の試算米価は二九%で、いつの間にかそれが三十何%に上げられたわけですね。そして五十年の米価決定の状態を見ましても、たとえば最初は一六・六%と言っておりました。そうかと思ったら、いや、いつの間にかそれが一三・一になって、最終的な決定は一四・四ということで、非常に動いているわけですね。ですから、私は、ことしの生産費というものは、これこれありましたよ、ということをきちんと出して、それが米審の意見として、じゃ高い、現在の状態からそれは高過ぎるじゃないか、こうじゃないか、ということが議論として、最終的に政府がそれをしんしゃくをして決めるということに私は、段取りとしてはなるんじゃないかと思うんですけれども、その段取りがときどきゆがめられてくるものですから、私は、大変大きな混乱と疑惑というのが出てくるんじゃないかと。これはロッキードの疑惑とは違いますけれども、ロッキードの疑惑とは違いますけれども、農民の間から、どうもおかしいじゃないかという、それが出てくるような気がするんです。その点については、一本ぴしゃっと農林省としてはやっていいんじゃないか、こういうふうに思うんですが、その点はどうですか。
○政府委員(大河原太一郎君) 米価算定の具体的な実務を担当する立場からお答え申し上げますと、これは先ほど大臣もお話ございましたように、生産者米価はあくまでも「生産費及物価其ノ他ノ経済事情」をしんしゃくして再生産確保、これがいわゆる生所方式ということになっておるわけでございます。で、この立場を本年も当然貫くということについて大臣のお答えがあったわけでございます。それを前提といたしまして、消費者米価は、家計の伸びとかその他家計の許容する限度なりあるいは物価等を考えてその引き上げ幅を変えるというわけでございます。ただ、両米価について逆ざや関係という大きな問題があるので、その正常な関係についてはこれを是正していくという立場でございまして、おしかりがございましたけれども、その生所方式自体はその採用以来とっておるわけでございますが、「経済事情」ということでございまして、需給関係その他から、その要素の取り方その他について、その年によってそれぞれの変遷があるというわけでございます。お示しのように五十一年の米価算定につきましては、先ほど大臣がお話を申し上げましたような基本的な姿勢で貫いていきたいというふうに考えております。
○工藤良平君 その点、私はもう少しはっきりしておきたいと思いますが、つまり末端逆ざやをなくしていきたいという気持ちはわかるのです、気持ちは。いわゆる食管、これはもちろん生産者も消費者の立場も踏まえた食管制度ですから、その時に応じて、生産者を非常に重点的に見た場合もあるし消費者を重点的に見た場合もあります。しかしその貫いてきた食管制度の本質というものは変わらないわけですね。私はそう思っているわけです。 そこで、非常に大事なことは、いわゆる末端逆ざや、とにかく何でもいいから逆ざやをなくそうとするその気持ちはわからないことはないけれども、しかし、食管法の趣旨というのは、おのずから別々に生産者の立場、消費者の立場それぞれの立場から両米価が決められていくという本質が貫かれていくわけでありますから、気持ちの上ではそういうことがわかったとしても、それが具体的な試算の段階においては、これは別個の立場からやらなければならないということは、これは食管法のたてまえなんでありますから、これを貫いていくということが一本やはりなきゃ、いま言うように、ひとつ末端逆ざやをなくそう、こういうことがまず基本に据えられてきますと、いわゆるコスト主義ということになってくるわけでありますから、これは問題があるわけですね、問題がある。食管法の趣旨がゆがめられてくるわけですから、これはさっきどなたかおっしゃったように、たまたま——たまたまというのはめったにないことなんですけれども、たまたま数字が合うということが万が一起こるかもわからないけれども、しかし、根本的な考え方というものはおのずから全然違うんだということをやっぱりわきまえておかないと私はいけないんじゃないか、その点は私は、冒頭申し上げましたように、ことしの米価を決める際の基本として、そこを間違わないように、ひとつ一本きちっと入れておいていただきたい、ということを特に大臣に申し上げておきたいと思うんです。そうしないと、いまからもう、ことしは春闘が何ぼに決まった、そうすると米価は、生産者米価は何ぼに、大体ここら辺でと、こうなる。そうすると、末端逆ざやを解消するためには消費者米価をここら辺に見当を入れて、ということになりますと、去年のいきさつがありますからね、私もやっぱりそういうちょっとひが目で見たくなるわけですから。そうじゃなくて、やっぱり正しい基本的な食管法の理論は理論としてぴしっとこう位置づけて、試算米価をはじく場合にも、私は、それを貫いていくという姿勢がまず大事だということをここで確認をしておきたいわけなんです。その点大臣からひとつ明確な答弁をお願いします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これはやっぱり生産者米価、消費者米価それぞれのたてまえというのがありまして、食管法に基づいて決めていくわけでございますが、その間には関連がないということは言えないわけであります。まあ、両方米価とも「物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌」するという両面かぶっておるわけですから、そういう面でのやはり事情の変化というものを米価の中に織り込んでいくということは食管法に対する違反でも何でもないと私はそういうふうに思っておりますし、この前も米審で家計米価につきましていろいろと議論をいたしたわけでございますが、消費者米価につきましても、それでは家計米価という面からどれだけの許容の限度があるかというようなことについていろいろと限度を調べた。それは消費者米価を決める場合の家計の安定という面からの議論につながっていくわけでございますが、そうした一つの限界というものはもちろん消費者米価にもあるわけであります。生産者米価は生産者米価として、「生産費」というものが中心になってそれに「物価其ノ他ノ経済事情」というものを加えてそうして判断をしていくということになるわけですから、私は、そういう意味では春闘というものも、まあ賃金——労賃、そういう中の一部として、いわゆる生産費の一部としての影響といいますか、関連というものは出てくるわけでありますから、それは全然考えの外に置くというわけにはいかないわけです。「経済事情」ということからも関連が出てくるわけですから、考慮の外に置くというわけにはいきませんし、それを置くということは当然食管法の精神から見ても間違ってはいない、こういうふうに思うわけでございますが、しかし、生所方式というものでずっと貫いてきておるわけでございまして、そういう中で算定方式というものがあるわけですから、その算定方式というものは、やはりこれは大筋においては動かさないで、これを貫いていくということが、農家のいわゆる信頼感を高めていく上においても必要なことである、そういうふうに私は考えております。
○工藤良平君 いま大臣が後半、その最後のところにおっしゃったところが非常に大事なんです。計算の方式を違えないということです。それは生産費の計算の段階においてはいろいろな政治的な配慮とか、そういう外的な要因が最後の決定の段階ではいい。それは認められていますからそれはいいんです。しかし、生産費計算の段階において余り計算の方法をいじりますと、いまさっきのロッキードの話出しましたけれども、疑いが出てくるわけですから、それはいけないわけですね。たとえば、四十九年産米の米価決定のときに、私ども、ここでも議論したんですが、たとえば、四十二年産米の米価の計算方式で計算をすると一万七千四十九円というのか——たしかそういうことだったと思うんですが、一万七千四十九円という数字が出てまいります。それは農協の要求した米価よりも高かったんです、要求米価よりも。政府の積算基礎で四十二年をとりますと——たしか四十二年だったと思います。そうすると、それが結局、四十九年産米の米審に出す試算米価のときには、計算の方法変えていますからぐっと低くなるわけでしょう。去年だってそうです。被害農家のとり方について率を変えたわけでしょう。そうすると、いま一六・何ぼとかという計算が出るんだけれども、一三・一になってみたり、ちょっとした数字の扱いで違うわけですから、それはできるだけ変えないようにしてきちんと計算を出す。そして、ことしの経済事情なり消費の動向なりそういうものを見て、これは妥当だということが、そこに裁量の余地が出てくるわけです。それをぼくは、全然ゼロにしなさいということは言いませんけれども、そういうことをきちんとやっておいていただきたいと思います。そういう計数をことしの場合にはひとつ出してほしい。その上に立って私たちは大いに次の段階で議論をしたいと思いますから、この点については、いまの一番後段のところを私は大臣の本当の答弁として受け取って次の問題を質問したいと思います。 そこで、大臣、私は、非常に大事なことは余りにも政治米価というものが、ばあっと出てまいるものですから、変にゆがめられてしまって全く信用のないものになってしまうわけですね。これではせっかく大臣が一生懸命誠意を持って、大臣になられてから二年近くもがんばっていらっしゃるわけですが、その誠意というものが実は変なふうにとられてしまうという気がいたします。 そこで、私はいまの米価の問題をめぐりまして非常に問題になっておる基本的な二、三の問題について大臣のいらっしゃる時間の範囲内でお聞きしていきたいと思いますが、それは、非常にいままた農業の見直し論というのが出ております、さっき辻さんからもお話がありましたけれども。ところが、この見直し論を言っている人たちはだれか、農家の人たちは自分で命をかけてやっているわけですから、こんなものには見直し論なんというものはないわけです。終始、農業にかけているわけですから、よかろうと、悪かろうと、これでやる以外にないと思って、食糧確保のためにという、これは大義名分ですけれども、自分の命をかけてということでやっているわけなんです。ところが、見直し論を言っている人たちは、時の経済の状態なり、国際的な状態に応じて、あるときは安い農産物を輸入すればいいんじゃないか、それで日本の農業というものはいいぞと、こういうことを言う。一たびこういう状態が来ると、見直し論ということでばっと出てくる、私はそういうところに非常に問題があるわけで、いまの見直し論というものも、農業やらせる側の論理として出てきて、それではいけない、やっぱり農業をやる者の論理から出発をした農業政策でなきゃならぬ。こういうふうに実は思うわけで、そういった意味から、特にこれからの米価でももちろんそうですけれども、特にこの一カ月前後にかけて激しいこれからの攻防が行われますけれども、とにかくやる者の農業論理の上に立って米価を決める、こういうことをまず基本的に私は大臣との間に確認をしておきたい、こういうように思うんですが、その点はよろしゅうございますね。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ちょっと、初めの算定方式の問題ですが、これは先ほど申し上げましたように、これは大筋として変えるべきじゃないということなんですが、これはいままでの経過いろいろと御説明がございまして、必ずしも固定的になっていない。また、それではいつまでも——算定方式は私は大筋においては変えないという考え方でもちろんいきます。しかし、それでは変わらないのか、いつまでも変わらないのかということになりますと、客観情勢の変化によって統制小作料とか、被害農家の取り方とか、そういう農業における客観情勢の変化というものはやっぱり算定方式の中においてまた反映をされなきゃならぬ面も当然出てくるんじゃないかと思うわけです。これは米づくりにつきましても、十年前の米づくりと現在の米づくりとでは相当客観情勢がいろいろな面で違っておりますから、生産費の取り方でもいろいろとその点についての変化はあるわけですが、しかし、これは確認をしておきますが、大筋としては算定方式を変えないでいくということがやはり大事なことである、私はそういうふうに基本的に思っておるわけでございます。 それから米の価格を決める場合に、やはり生産者の気持ちというものを、意向というものを十分くみ入れて決めていかなきゃならぬということは、もちろん、これも当然なことでございまして、われわれも農業団体等とは、しばしば話し合いをして、農業団体を通じて農民の意向等もいろいろと聞いておるわけでございますし、同時にまた、米価審議会におきまして生産者代表の方もおられるわけでございまして、そういう方々が活発な意見を述べられ、そうした意見というものは答申という中において集約をされていくわけでございます。ですから、私たちも、農政をやる上においてのやはり基本的な考え方というものはそういうものじゃないかというふうに思っております。しかし、最終決定をするということにおいては、行政価格ということでこれは農林大臣の責任において決めなきゃならないわけでございますから、その判断といいますか、決断は私がやらなければならぬわけでございますし、責任ももちろん私にあるわけでございます。これからも非常に大事な時期になっていきますので、私ども、生産者の考え方、意向というものを広く聞くように努めたいと考えております。
○工藤良平君 非常に、農業政策に対する基本的な問題なんで、こんなことを大臣に言っては失礼になるかわかりませんけれども、あえて私は申し上げたいのは、いま、ややもすると米がたくさんできて余っている。仕方がないけれども、政府が買ってやるのだ、という考え方に立っては私はいけないと思うんです。もちろん、過剰な時代もあるけれども、不足の時代もある。そのときに、どのように農民が悲惨な思いをして米をつくってきたか、日本の食糧を確保してきたか、というその歴史的な経緯の上に立って現代の時点をきちんと私はながめる必要があるのではないか、こういうふうに実は考えるわけです。やはり人間の歴史をどういう形で農民が支えてきたのかという、そういう視点に立って過剰な時代といえども米に対する感覚を私たちは失ってはいけないということ、この点も大臣私の意見に同感と思いますが、御異議ございませんね。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 全く同感です。これは、いままで、ただ、米が足らないときもありましたし、そのときの農家の苦しみというのは私も身をもって経験をしております。現在過剰であるということは事実でございますけれども、ただ、過剰であるということだけの上に立った非常に経済合理主義的な考え方で米穀政策を取り扱うということは、農政の責任者としてとるべき態度じゃないと私はそういうふうに思っております。
○工藤良平君 それからもう一つ、これはかつて昭和四十九年の初めにトイレットペーパーが非常に不足をいたしました。米もそういう事態を、いま私が申し上げましたような経緯がありました。ただ、食糧というものは、トイレットペーパーの不足と非常に本質的に違うということですね。私はそう思っているわけです。トイレットペーパーの場合には、たとえこれがなくても、何か代用できるものがあるけれども、しかし、食糧というものは、これがない場合には、代用できるものがないということ、そういう視点に立って物を考えるということを、ここでもう一遍この米の過剰な時代に私たちが考えるということ、それが私は大事じゃないかと思うんです。そうしないと、いまから質問をしてまいります米の生産調整の問題にいたしましても、米というものに限定して物を考えようとするから、問題が起こってくるわけで、いわゆる逆にもっと広げて食糧の生産調整という大きな視点に立って物を考えるということを、私たちがこの機会にしっかり位置づけをしなきゃいかぬのじゃないかと私は思っているわけですね。そういう点についても、これはもちろん大臣同感ですね。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ私は、一時食管不要論なんということが言われた時代もあったわけですが、あの石油ショックを経験をして、売り惜しみ、買い占めというような問題が起こりまして、非常に経済的に混乱した。そういう中にあって、主食が安定をしておったということはやっぱり食管制度があったという、これは何としてもおかげである。ですから、やっぱり国民の中にあっても、食管制度というものは再認識された。これは生産者側というだけではなくて、消費者側から見ましても、国民の全体の中で食管制度というものは私は再認識された。こういうふうに考えておりますし、そういう面から見て、われわれは、食管制度の堅持というものには自信を持ってこれから進んでいかなければならない。私は、実はこの食管制度というものを、これから根幹を維持していくということは米の政策を考えるときに当然のことであるという信念を持って農政に取り組んでおるわけでございますが、同時に、米の対策としては、一つは、やはり米についても在庫の積み増しを行って、やはりああした食糧不安ということも考えられるわけでございますし、主食については少なくとも米が、国民が安心できるということのためには、端境期においても少なくとも米の在庫をいままで以上にふやさなきゃならぬということで百五十万トンという線を打ち出してきたわけであります。そして、これは数年のうちには二百万トンに持っていきたいというのがわれわれの基本的な方向であったわけですが、昨年の豊作で三年足らずのうちで、ことしじゅうにあるいは二百万トンになるかもしれないというふうな時代になっておるわけでありますが、しかし、二百万トン程度はやはり在庫というものを積み増しておく、そして国民の安心感を求めていくということが大事だと思います。同時にまた、先ほど辻さんもお話しになりました米の消費拡大というのを、これは同時に、積極的に進めるということが非常に米対策というものを考えるときに大事なことになってくる。この三つの政策というものを、それぞれ非常に時間はかかるわけでございますが、積極的に進めることによって米をつくる方々、あるいは米を消費する方々の主食というものに対する信頼感というものが増してくるんじゃないかと、私はそういうふうに考えております。
○工藤良平君 最後に大きな問題でもう一点。これは小さな内容が二つ三つありますから、大臣ひとつお聞きいただきたいと思いますが、いまお話がありました現在の米の生産、これはもちろん食糧管理法に基づいてその調整が行われているわけですけれども、現在の米の生産調整、これは言いかえますならば、私は米の計画減産と言ってもいいと思います。あるいは食管法の解釈をかつてやったことがあるんですが、きょうはやるつもりはありません。これは時間があればやればいいと思いますけど、まあ全量買うとか、買わないとかいう問題があります。これはきょうはさておくといたしまして、いずれにいたしましても、米ができ過ぎたから計画的に減産をしていくという、言いかえますならば、そういう形だろうと私は思っておるわけですが、ところが、やはり農民には作目を選定をする自由があると私は思っておるわけです。それを食糧管理法というものである程度制限をしてまいりました。そういう私は観点に立って物を考えてみる場合に、ある一定の制限を加える場合には、やはりそれに対して農民の立場というものが貫かれていかなければならないということが一方にあるんじゃないか、このように思うんですね。そういう観点に立って実は米価の問題についてもやはり基本的に考えていくべきだろうと思います。 ただ、その問題と同時に、もう一つは、この減反の問題について、いわゆる米の生産調整の問題についていま限度数量の問題が非常に大きな問題に浮かび上がってまいりました。というのは、去年は、これは予盾だろうと思いますけれども、一応、国からは八百八十五万トンという自主流通米と政府買い入れ米を含めた限度数量というものが示されてまいります。それに応じて各地方では今度は下ろされてまいりますが、農家にしてみれば、ことしこれだけの生産を上げようとすれば、たとえば一町五反とか——一町五反と言ってはいまは古い言葉ですから、一・二ヘクタールとか一ヘクタールとか決めて出します。しかし、反当収量というものは人間の私どもの調整では非常にむずかしい問題が農産物の場合にはあるわけですね。そうすると私は、ここに一つの矛盾を感じますのは、国からは一定の量でもって割当がくる。下の方にいったときには減反の面積でもって割当が行われて、それに対して休耕や転作の奨励金がつく、こうなるわけですね。本来から言いますと上から八百八十五万トンというものがきたならば、個人ごとにすべて量でもって割り当てが行われ、昨年とことしの量の調整によって私はたとえば十一トン出すのを一トンカットした。したがって一トンカットした分について、一トン当たり幾らの奨励金を出しますよ、ということであれば、これは辻つまが合うわけですけれども、しかし、奨励金を出すときには平均の反当収量で割って、お前のところは二十アール減反をしなさいとくるわけですね。奨励金の方はこっちの面積でもってくるという矛盾というものが、実は過剰米の問題で私は、非常にややこしい問題を起こしているような気がいたします。ですから、この点については反当収量を私ども自身が農業をやっている人が調整するということは非常に困難でありますから、やはり面積なら面積でその奨励金を渡すとするならば、平均的に上昇していく、反当収量が農作によって上昇するというものについては、これは国が全体的に吸収していくということぐらいは、これは理論的にきちんとしておかないと、大変な混乱が起こるような気がするわけでありますから、この点はむずかしい問題でしょうけれども、ぜひひとつその点も含めたこれからの生産調整の問題についても御検討いただきたい。ひとつ大臣の御見解をお聞きしておきたい。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、具体的な予約限度の末端への配分とあるいは一方における転作の面積配分との調整というような御指摘でございますけれども、まあ私どもが達観いたしますと、過去五年生産調整を農家にお願いしまして、その過程で限度の数量の配分と転作面積のあれでほぼ相当なルールもできて、あるいは地域地域によっては多少の問題があるかと思いますけれども、おおむねこの点についてはルールと申しますか、行政処理のあれとしては定着してきておるのじゃないかというふうに思っておりますし、私どもの立場から申し上げますと、やはり自給上必要な、国民基本食糧としての米の自給上必要な数量を買い入れ確保するという意味で、数量として大幅な生産過剰が招来する前の、御案内のとおり四十二年から四十四年までの買い入れ数量を基準といたしまして、その後の生産条件の変化なりあるいはそれぞれの個別農家の転作目標への協力の、その年における転作の協力による水田の転換というようなことを加味いたしまして決めさせていただいておるわけでございますが、その点でいろいろな実際上の現地における混乱から、豊作等による増収分の政府によりどう取り扱うかというようなところに御質問の重点があるかと思いますが、本件につきましては昨年の最終約五十万トンの超過米の際にも種々御質問ございましたし、おしかりも受けましたが、われわれとしては、やはり自給上必要な数量は政府が限度の中でひとつこなし、その他のものにつきましては、すでに予約限度制を導入いたしました際に設けられております超過米の処理の方式ということによってやらしていただく以外にはないというふうに考えております。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま食糧庁長官が申し上げたとおりでございますが、非常に荒っぽい考え方ですが、私は、実は米穀生産に対する私の基本的な考え方を先ほど申し上げましたが、二百万トン在庫というものを段階的に数年かかって実現をしていく、そして、その間に消費の拡大を積極的に進めていくということをあわせて行うということによりまして、予約限度数量だとか、あるいはまた生産調整につきましても相当弾力性を持ってこれに臨んでいけるというふうな荒っぽい判断でやってきたわけでございます。が、御案内のように、昨年非常に豊作であった、これは大変結構なことでございますが、その豊作によりましてことし百五十万トンの在庫目標がもう二百万トンに近いということになるような形になって、いわばちょっと私の荒っぽい一つの計算の基礎がちょっとペースが狂った、こういうこともあるわけでございますが、しかし、そういう中で一部の水田総合対策等にも手直しも行わざるを得なかったような事態にもなったことは事実でございます。しかし、われわれが決めましたこの限度数量の配分、そういったものにつきましては、いま長官も申したような形で、今後やはりこれは農家の理解も求めながら、これを進めていかなきゃならぬ、こういうふうに考えております。
○工藤良平君 これでやめようと思ったのですが、いまちょっと食糧庁長官から話がありましたように、私は、限度数量の問題ですが、ただこれは生産調整が非常に一四〇%とか一五〇%とかいう県がありまして、そういうことで比較的それにたまたま凶作というのが重なった年があったわけですね。ところが、昨年はだんだん緩んできた。緩んできたのに豊作と、こういうことになって問題が起きてきたわけで、辛うじていままでこの生産調整が支えられたというのは、全体の量が比較的少なかったというところに私は問題があると思うのですね。ところが、いま言うように、農業経済がいまのような状態となって、やはり米に依存をしなきゃならぬという空気がずっと出てまいりますと、これは再び問題として起こってくるわけで、私はあえてそのことを申し上げたわけで、この点については誤解しないで、むしろそういうような状態がこれから起こるから、なお慎重にこれやらなきゃ大変なことになりますよ、ということをまあ申し上げたいわけで、その点を御意見を申し上げて少し早いですけれども——もっとゆっくり時間をかけてと思いましたけど、米価がこういうような状態ですから、ぜひいま基本的な幾つかの問題を私は申し上げましたので、これを頭の中に据えながら、一カ月後かいつかわかりませんけれども、なるべく早い機会に米価というものを指示していただくということが大事ではないかと思いますので、そういう点を私は御意見として申し上げて終わりたいと思います。 すべて終ります、これで。
○辻一彦君 それじゃ、十分ほど私の時間を残しているので、工藤先生の時間がちょっとありましたから、二、三分おまけしてもらって済ましてしまいたいと思います。 第一、土地改良の問題について。これは、法案審議にかなり時間をかけて伺いたいことがあったのでありますが、きょうの時間では十分な時間がありませんが、ちょっと問題を提起する程度になろうと思うのでありますが、二、三点お伺いしたいと思います。 一つは、土地改良区を私ずっと歩いてみて、国鉄線が真ん中に走っておって、その両側に圃場整備が行われる。このぐらいの圃場整備は三反とか三十アールとかいうように、線路の周辺ならかなり規模が大きくなる、圃場が大きくなりますので、大きな機械が動く。したがって、それを動かす農道もかなりいま幅が広くなっている。ところが、線路の両側に農道が広くなっているんだが、国鉄の線路は昔のように狭い形になっておる。農道は両側に広くて、真ん中にこういうかっこうで踏切があって、そこを機械が通れない。そこで、これを国鉄に何とかしろと言いますと、これは地元で負担をしろ、とこういうようなことでなかなか、一つの団体等の土地改良区で、踏切なんか八百万とかいう改良費が要るわけですから、これをやるのは大変だと、こういう声を、ずっと沿線の周辺でやっている土地改良区からずいぶん聞くのです。そこで、広域農道とかそういうものじゃなしに、圃場整備でこの両側でやってきて、踏切だけが残っておるという場合、これを拡幅する、広げるには、一体どこが分担をすべきものなのか、ちょっと私も勉強がその点足りないのでお伺いしたい。
○政府委員(岡安誠君) 御指摘のような事例はたくさんあるわけでございまして、線路等を踏み切る場合に、その踏切を拡幅する、その場合に、おっしゃるとおり相当多額の工事費が要るわけでございますが、これはやはりその費用というものは土地改良事業費の中に入ることになります。これは一般的な補償なんかと同じような関係になるわけでございまして、相当多額の工事費を要するといいましても、やはりそれはまるまる工事費の中に入る。工事費の中に入りますと、これはやはり工事費に対しまして国が何%補助をする、県が何%補助をする、残りが地元負担。もちろん地元負担につきましては融資等がありますけれども、そういう、ほかのルールと同じかっこうになるわけでございまして、これはやはり現在の土地改良事業は申請事業というたてまえになっておりまして、そういう事業をしたいというようなことに基づいて事業が実施されるということから申しましても、そうならざるを得ないんじゃないかというふうに思っております。
○辻一彦君 じゃあ、踏切が狭くなっているのを拡幅するのも、全般的には、団体等においても土地改良事業の中に全部含まれるということですね。一、二私が幾つか歩いてみた中で、そのために国鉄に何とかしろと言って持ち込んで、そして経費を折半するとかいう形で、地元が余分な負担をしている例を一、二聞くんですが、この点についてはなお私、具体的にもう少し数字の面で確かめて、後でまた伺いたいと思っておりますが、こういう問題については、小さな土地改良区では、かなり大きな負担になるとなかなか、狭いままに残しておこうかという形で残している例がずっと歩いてみるとありますが、これはひとつどういうようにこれからやっていくのか。そういう点はひとつ検討といいますか、考えていただきたいと思います。 で、第二に、この間、農林大臣からちょっと伺いましたが、国営の農用地造成事業が北陸で能登とか、あるいは福井とか、各地で行われております。そこで、米をつくっておった農家は、開田で水田ができるならば、後の営農は、たんぼができればもう心配ない。幾らでもやれるという、こういう自信があるんですが、ところが、畑を丘陵地等で開畑した場合には、必ずしも経験とか、そういうものが十分でない。そこで、どうしても不安があるので、農用地の造成と合わせてその上に立てられる営農計画について、国営等の農用地造成の場合には、畑地造成等の場合には、十分な営農上の配慮をしてほしいと、こういう声が大変強い。そこで、この間、この点を農林大臣に伺いましたところ、十分営農の体制についても配慮をしていきたいという答弁がありました。 そこで、私は一、二点お伺いしたいんですが、たとえば坂井の北部丘陵開発で工事をやっておりますが、畑作にしますとスイカだとか、それからまあいろんな、トマトとかつくるといや地が出てきますですね、いや地が。それからいろんな病虫害が土中にある。だから、何年かつくった後に、もし水をかけてやるようにできれば、これはいや地というのはかなり変わっていくわけです。ところが、工事の上では傾斜がついて水が入らないようになっておる。そこで、いや地や病虫害の対策という営農上の観点からして、畑地開発の工事は水平にしてもらえないかと、こういう声が大変強いんですが、これは私は専門的ないろんな問題があると思いますが、この点についての農家の要望が大変強いんですが、この点いかがでしょう。
○政府委員(岡安誠君) 畑作をする場合には、連年作に伴いますいろんな問題が出ることは承知しておりますが、それらにつきましては、それぞれ土壌なり作目の特性等によりまして対策がいろいろあると思います。私、まあちょっといま急な御質問でございますので、そういういや地対策、連年作に対する障害対策として水をかけるということしかないのかどうか、この辺はもう少し検討さしていただかなきゃわかりませんけれども、私どもは、そのことによりまして水の施設をするとか、それから水平になるような作業をするということになりますと、またそれ相応の工事費がかさむということもございます。それらにつきましては、やはり先ほどもちょっとまあ国鉄の踏み切りの問題もございましたけれども、異常に工事費が増高いたしますと地元負担も増高するというような問題もありまして、そういういや地対策のためだけに、そういうような工事を採用することができるかどうか、これは検討を要するんではなかろうかというふうに思っております。
○辻一彦君 これは大変傾斜が急なところを無理に水平にしようという、そういうことじゃなしに、ほぼ、わりと水平に近いというか、傾斜が非常に緩やかな場合には、そう無理をしなくても水平になるような条件のところも、まあ七百ヘクタールからやっていれば、かなりなところあるわけですね。そういうところに対して、そういう配慮ができないのかどうか、これはいかがでしょう。
○政府委員(岡安誠君) まあそれは土地の条件いかんによりましては可能ではないかと思いますが、それに加えて水の問題もあるわけですね。
○辻一彦君 水はもう上げてずいぶんあるんですね。
○政府委員(岡安誠君) そういうことも十分検討さしていただかないと、まあ、これ具体的なケースでございますので、具体的な問題として検討さしていただきたいと思います。
○辻一彦君 水は九頭龍をとめてかなりな水をくみ入れて、台地に上げて全部水を配給する、こういう工法になっておりますね。しかし、これは急な問題の提起ですから、問題の提起というように受けとめてもらって、どういう可能性があるのか検討いただけばいいと思います。 それからもう一つ、ことしの予算が議決されて各県にそれぞれ予算の内示をされまして、その中身を拝見すると、かん排水の予算がどうも少ないような感じがする。そこで面工事が十分推進できるだけのかん排の工事の裏づけがそれで可能なのかどうか、十分なのか。というのは、私たちが見て歩く中で、パイプラインを下にずいぶん敷いて、それがまあ延長されているというか、延びていくに従って面の上の工事が延びていく。こうなっているので、かん排の方が進まないと、面工事がなかなか進まないということになりますが、少なくも面工事に支障を来さざるかん排についての措置ができるのか。いま不十分であればこれからさらにこれを配慮していくかどうか、この点いかがでしょう。
○政府委員(岡安誠君) 先生御承知のとおり五十一年度の基盤整備事業につきましては、国費といたしまして四十九、五十年度に比べまして大幅な増高を見たわけでございまして、全体として二一%を超えるような増額ということになっております。したがって、御指摘のかん排事業につきましても相応の増額を見ておりますので、これはまあ地区ごとにそれぞれ事情がございますので、一挙に工事を進めなきゃならない地区等もありまして、多少のでこぼこはございますが、かん排事業がほかの事業に比べまして事業費の配分が少ないということはないと思っております。ただ、一般的にそれでもなおかつ、やはり事業相当おくれております。したがって、いま面工事という御指摘ございましたけれども、地元の御要望のような工事を一挙にやるぐらいの金を今回お配りしたかどうかということは若干問題はあるかもしれませんけれども、私どもは、今後さらに予算の増額等に努めまして、できるだけ短期間のうちに効果を発揮できるような工事ができるように努めたいと思っております。
○辻一彦君 面の工事に少なくも支障を来さないように、具体的な問題があれば十分にひとつ検討しながら進めていただくようにかん排についてはお願いしたいと思います。 それであと二点だけ簡潔に農蚕局長にお伺いします。 一つは、米産地では種もみの生産が非常に大事になっております。で、このために、銘柄米という点もあって、やはりいい米をとにかくとらなきゃいけないと、こういうことで種もみに対する需要というものがまたいま非常にふえております。そこで種子センター——ソートセンターのいわゆる増設等々を見ますと、本省の予算の中に含まれるのは非常に額が少ないし、個所も場所も少ないように感じますが、全国的に私は、この要望が大変強いと思うんですが、ちょっと予算書を見た範囲内では非常に不十分に思いますが、何らかの配慮をする考えおありですか。
○政府委員(澤邊守君) 優良種もみに対します需要が非常にふえているということはお説のとおりでございまして、私の方で種子センターと俗称しておりますけれども、その優良な採種圃において採種圃の団地をつくりまして、そこで生産されたものの品質の向上とそれから流通の近代化を図るということで、まあ乾燥機だとか貯蔵庫だとか、低温貯蔵庫あるいは選別機とかいうようなものを、能率的な機械を備えつけた種子の流通近代化施設、まあ俗称シードセンターといったようなものに対する援助をしているわけですが、これは四十一年度から実は開始しておったわけですが、四十九年ごろまでは余り需要がなかったということで、最近とみに需要が強くなってきているということでございますので、本年度予算では、全国で四カ所というわずかな数のほか予算に計上しておりませんけれども、何とか実行上拡充できないかというところを今後検討してまいりたいと思っております。
○辻一彦君 最後にもう一つ。さっきまあちょっと局長がおられないときに申し上げたんですが、国営の畑地造成、農用地造成は、土地造成、農用地の造成も大変重要であるけれども、しかしまた、米を中心にしておった農民にとっては畑作経営の営農の経験が大変乏しい、こういう点で不安がいろいろありますね。そういう点で私は、国営で大規模にやっているような畑地造成の地帯には、特別な営農の指導体制といいますか、そういう配慮を特にやる必要があろうと思います。これについて先日大臣からも伺いましたが、事務当局としてどうお考えかということが一点と、それからもう一つ、具体的な点ですが、坂井北部でやっているこの開発の中で果樹、ナシ等を集団化をする事業をやっておりますが、この中で散在しているナシ畑を一カ所に大体集めて団地化を図ろう、そうしますと、十二年生ぐらいのナシは、一反で六十万か八十万ぐらい、労賃を含めて、新しいところへ木を移してやるのに経費がかかると。これが大変負担が重いのだが、高い金利で融資を受けながらやっておるわけだけれども、これに対する国の助成の道、もしくは低利におけるところの融資等々の道が開かれないかどうか、こういう声がかなり聞かれます。面積が多ければいいんですが、百町歩とかいう単位になればいろいろあるようでありますが、面積が、これはいまのところ、その地域では十五町程度で、まだ小さい。しかし、三町村ぐらいに広域に広げて考えれば、かなりな面積もまとまっていくと、こういうことでありますが、こういう苦労をしている農民に対して何らかの配慮の道が国としてないのかどうか、いかがでしょう。
○政府委員(澤邊守君) 畑地の開発、造成したところに対します、畑地営農に対する指導について特別に考えるべきではないかという御趣旨のお尋ねでございますが、これは構造改善局の方の工事費そのものの中で、将来の営農についていろいろ御検討され、試験的なこともおやりになるということもございますけれども、私の方の農蚕園芸局関係といたしましては、改良復旧事業の中で特別に、これは畑地だけに限りませんけれども、土地改良事業をやった跡地の営農について、特別な濃密指導のための活動をやるというようなことを考えまして、五十一年度予算からこのような特別指導事業費というものを普及員の活動費の中に組んでおります。これらの事業を、今後御要望に応じてさらに拡充をしてまいりたいと思いますが、今年度の事業としてはそういうようなことを考えております。もちろんこれは、そういう特別事業費がなくても、それぞれの現地の判断で普及員が特別の指導をするというのが当然なことだと思いますけれども、いろいろな試験圃をつくったり、展示圃をつくったりということもございますので、そのような新しい事業を興しておるわけでございます。 それから、果樹、ナシ等の樹園地を集団化するために、かなりの経費がかかるので、これに対しまして融資の方法はないかというお尋ねでございますが、これは御承知のとおり、現在ミカンが過剰でございますので、それを改植をするというような場合には、特別な助成を、補助を考えておりますが、ナシの場合については、これはいま直ちにそれを適用するような予算措置は講じておりませんが、公庫融資等で各種の資金がございますので、その中で活用すればできなくはないというように思います。たとえば、総合施設資金等の中でそういう集団化をやっておる例もございますので、それらの資金制度を活用をしていただく、あるいはまた果樹農業振興法に基づきます果樹経営改善計画というものをそれぞれつくっていただきまして、それに対して公庫資金を融資するという道もこれまでやっておりますので、その中でその融資を活用してやるということも可能かと思います。これだけの特別の融資というものは、現在まだ実現をしておりません。
○辻一彦君 じゃ、これで終わりますが、なかなか、米づくりを一生懸命やっておって畑をつくるのはなかなか自信がないという農家の人がずいぶんあります。不安を感じながら、一生懸命やりたいと言っている場合には、せっかくこの国費をかけて農用地を造成するわけですから、あとの方の営農が安定するように、これはひとつ構造改善局の方も農蚕局の方もそれぞれの面でひとつ十分な配慮を全国的にお願いをいたしたい、このことを要望申し上げて終わります。
○委員長(小林国司君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、これにて休憩をいたします。 午後零時十四分休憩 —————・————— 午後一時四十分開会
○委員長(小林国司君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
○相沢武彦君 最初に水産問題でお尋ねをしたいと思います。 さきの水産三法の質疑のときに、海洋法をめぐる今後の日本の漁業対策、それから日ソ漁業交渉の今後の対応策、そして法案の中身に対する基本的な問題、こういった観点から質疑をいたしましたので、きょうは若干限られた地域の問題になりまして恐縮ですが、水産庁長官に御質問したいと思います。 ことしの日ソ漁業交渉は経済水域二百海里問題を背景にしたものであって、日本にとっては厳しい結果に終わったわけでございます。北洋サケ・マスの漁獲量の割り当ては八万トンということになってしまいました。将来ますます国際的な規制の強化も考えられますし、沿岸漁獲量の低迷ということを考えますと、わが国におけるサケ・マス資源の増殖ということは非常に重要な課題になると思われます。北海道ではサケ・マスの人工ふ化放流事業というものをやっておりますが、これをさらに拡大させることは、日本の水産食料の安定供給のためにもぜひ必要なことだと思います。政府は四十六年度からサケ・マスの資源増大・再生産計画というものを行っておりますが、五十一年度の予算、それから事業計画は現在どのようになっておりますか、簡単で結構ですから。
○政府委員(内村良英君) 北海道のサケ・マスふ化場の予算は、五十一年度におきましては、ふ化場の運営に必要な経費として七億千二百五十万円、及びふ化場の施設整備費といたしまして一億七千七百九十八万円、合計いたしまして八億九千四十九万円を計上しているところでございます。
○相沢武彦君 北海道のサケ・マス増殖事業協会がいろいろ事業をやっているわけですが、四十二年以来、国が本当は行わなけりゃならないサケ・マス人工ふ化放流事業のうちの親魚の捕獲事業というものを無償で受託して実施をしてきているわけですが、御承知のように最近では人件費も上がっているし、資材も高騰している。それから不要の親魚の価格というのは当然低いわけでありまして、この不要親魚の処分代金と民間の賦課金だけでは事業を拡大実施するのは非常に困難になってきた、ぜひ受託費を国の予算措置で見てもらえないか、こういう要請が前からあったと思うんですが、残念ながらことしもこの分は措置されてないわけですが、来年度ぐらいからぜひこの受託費を国の予算措置でめんどう見れないものかどうか、この点いかがでしょうか。
○政府委員(内村良英君) ただいま御指摘の増殖事業協会の経費の問題でございますが、私どもといたしましては、やはりここまで事業が大きくなっておりますし、かなりの利益を受けておるわけでございますから、やはり受益者負担という線を出しまして、現在、定置の人たちが出している金を、もう少し出す金の率をふやしてもらって、そこで協会の予算規模を大きくしてやっていく方がいいのではないかというふうに考えておりまして、その方向で指導をしている段階でございます。
○相沢武彦君 いろいろあるものですから……。 次に、コンブのことでちょっとお尋ねしておきますが、コンブの収穫量の内容を見ますと、天然コンブは年々減少しておりまして、一方では養殖技術の進歩によって養殖コンブが四十六年度六百六十五トンのものが四十九年度では一万二百一トンとこのように急激にふえてきております。総体的な収穫量で見ますと減少しておりまして、四十七年の十五万八千トンに対して五十年が十二万九千トン、こういうふうになっております。五十年度昨年の詳しいチータはまだ上がってきてないようですけれども、若干昨年は生産量がふえて、逆に今度価格の面では四十九年度、キロ八百五十円だったものが約二割近くダウンしてしまった。こういうわけで生産者はかなり大きな痛手を受けたようなんですが、このコンブの値下がりの原因と今後の生産価格の動向について水産庁ではどんな見通しを持っておられますか。
○政府委員(内村良英君) ただいま先生から御指摘がございましたように、五十年のコンブの生産量の統計まだ実はできてないわけでございますけれども、私どもが関係者から聞いているところでは、昨年は生産が三割ぐらいふえた。そこで価格が二割ぐらい御指摘のように落ちているということでございます。そこで、生産がふえたということになりますと、確かに養殖が非常にふえておりますので、五十年も養殖がふえているだろうとは思いますけれども、それ以上に五十年は天然のものがふえたのではないかというふうに見られるわけでございます。そこで価格が低落しておるのは事実でございまして、われわれといたしましては、今後、価格の安定を図るためにやはり生産者が生産の計画化を図ってもらわなければならないのじゃないか。同時に、いま北海道の漁連でやっております共販をもう少し拡充いたしまして、生産の計画化、販売の計画化と申しますか、共販によって販売していくというようようなことで価格の安定を図るように指導してまいりたいと考えておるわけでございます。
○相沢武彦君 コンブは日本独得の食生活に供されるものだと思うわけですが、コンブといいますと、ヨード分が含まれて非常に健康上いいということで日本人はわりあい大量とっていると思います。この間もある学術の研究発表に出ておりましたけれども、たとえば大豆等からとる、大豆を日本人はいろいろ加工して食べておりますが、その中で若干発ガン性のものが含まれているということが発見されたそうですが、それがうまくしたもので日本人の場合は、コンブとかワカメをとるために、その発ガン性のものをコンブが分解する成分を持っているので調和がとれている、こういうような研究の結果が出ておったわけです。で、今後、政府としても消費促進のための対策をもっと講ずる必要があると思うんですが、この点についてどんな対策を持っているのかお尋ねをしたいと思います。業界の方も健康食品とか、美容食品とかということでPRはしているようでありますが、政府ももう少し積極的な対策を講ずる必要があるのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(内村良英君) ただいまコンブの消費の増大についてもう少し消費促進を図ったらどうかという点でございますが、先生御案内のように、コンブは調味料とか副食品として長い間ずっと日本の社会の中に根差しているものでございますので、一気に新製品のように需要が拡大するというような性格の商品でないことは御案内のとおりでございます。そこで、こういった商品の宣伝というのは非常にむずかしいわけでございますが、私どもといたしましては、水産物全体の消費拡大についてかなり努力してきておりますし、特にコンブにつきましてはある需要期があるわけでございます。たとえば年末なんか非常に売れるというようなこともございますので、そういうときに宣伝をしろということで指導しておるわけでございます。そういうことで水産物全体の消費拡大については水産庁も大いに努力しておるところでございまして、その中の一環としてコンブの消費拡大にも努めたい、こう思っておるわけでございます。
○相沢武彦君 用途の多様化のための加工法について研究はされていましょうか。
○政府委員(内村良英君) 詳細必ずしもつまびらかにしておりませんけれども、他の水産物に比べまして特に新しい用途の開発を特に力を入れているというふうには私は承知しておりませんけれども、なお調べまして後刻御回答したいと思います。
○相沢武彦君 このコンブ生産漁家はもともと零細の漁師の方が多いわけでありまして、石油ショック以来の資材高騰の状況のもとで、五十年度は二割という値下がりが起きたために、かなり経済的な経営の面で打撃を受けているわけですが、政府が将来魚価安定事業団といいますか、それをつくるための実験的な事業として調整保管事業を行っているわけですが、順次対象の品目もふやしていかれるんだと思いますけれども、コンブの場合ですね、将来の問題として対象品目に入れるお考えはあるかどうか。
○政府委員(内村良英君) ただいま先生御指摘のように、石油ショック後の魚価対策といたしまして、五十年度から水産庁は、特に系統の行います共販体制に対しまして金利、倉敷を補助するというようなことで、水産物調整保管事業を五十年から開始したわけでございまして、五十一年はさらにこの事業を拡大いたしますために魚価安定基金をつくりまして、この事業にてこ入れするということを考えているわけでございます。その場合、対象品目をどうするかということでございますが、今日までのところは、漁業経営に大きな地位を占めておりましてある程度全国的な規模のものを対象にしてやってきておるわけでございます。それからコンブの場合には、道漁連による共販があるというようなことで、私どもといたしましては、とりあえずのところはこの道漁連による共販で対処をしていただけば、こういったやや地方的と申しますか、な水産物でございますので、それで何とか価格安定を図っていただきたいと思っているわけでございます。しかし将来の問題として、道漁連の行います共販だけでは十分な対策がとれない、もう少し政府のてこ入れが必要だというようなことであれば、そういった段階になってくれば価格の状況とかいろんな状況を考えまして、必要があれば加えるということも検討してみたい。しかし、いまのところは、いまこの事業をどんどん拡大しているところでございまして、できるだけ全国的な規模の魚種を対象にしたいということで進めておりますので、とりあえずのところはこれを取り上げることは考えておりませんけれども、将来の問題として必要があればこれを取り上げることを、コンブを取り上げることを検討したいと、こう思っております。
○相沢武彦君 岩礁爆破の国庫補助の問題についてただしてみたいんですが、現在は国が六分の三、道が六分の二、地元が六分の一負担と、こういう割合だそうですが、今後工夫によって、またPRによって需要が伸びた場合、養殖コンブはまあ技術がだんだん進歩してますので、だんだんその比率はふえると思うんですが、しかし根室、釧路、日高の方ですね、非常に波が荒いし、養殖コンブは現状では技術的に無理ではないかと、将来の研究課題になっているところですが、そこで、天然コンブの生育にはどうしてもまあ岩礁爆破が必要だと思うんで、絶えず新しく爆破してないとコンブは根づかない。一時この岩礁爆破の国庫補助が打ち切られるんじゃないかというような方針があったようで、まあ地元関係漁民も一時心配したことがありましたけれども、今後、継続していくという方針に切りかえられたかどうか、その辺を確認しておきたいと思うんですが。
○政府委員(内村良英君) 先生御指摘のように、岩礁爆破はコンブの養殖ということを考えた場合に、非常に効果のある事業でございます。そこで、四十八年、四十九年、五十年とこう件数もふえてきておりまして、われわれといたしましても、北海道で非常に漁民の要望が強ければ、今後も積極的にこれを助成したいというふうに考えております。
○相沢武彦君 漁業の将来に関する政府の見解として、昨年五月ですか、農政審議会の建議がございました。水産庁はこの沿岸漁業整備の施策に特に力を入れて、将来六十万トンぐらいの増産を見込んでるということですが、それに対応する農政審議会の建議として、汚染の防止、それから優良漁場の確保、漁業資源の維持培養、それから漁場の整備開発、こういった四つの対策を挙げています。 それで、汚染問題なんですが、今後、単なる防止だけでなくて、汚染の浄化と漁場の生産力の回復を図る積極的な施策が必要であると思いますけれども、これについてはどういう基本的なお考えなんですか。
○政府委員(内村良英君) 今後、沿岸漁業の振興を図るために、いわゆる汚染された漁場の復旧ということが非常に大事なわけでございます。そこで、現在そういったことを行うためにいまどういった手法をとったらいいのか。と申しますのは、たとえばヘドロを除去いたしますために、取りようによっては二次公害が起こってしまうわけでございます。そこで、まあ二次公害を起こさないでどうやってヘドロを取るかとか、そういったいわゆる土木工学的な面について水産庁でもいろいろ研究しております。そこで、そういった手法の確立を待って私どもといたしましては、沿岸漁場整備の計画の中でこれを大いに拡大したいということで、大体まあ七年間ですね、とりあえずのところ百億ぐらいの事業でやったらいいではないかと。そこで、もうちょっと手法が固まってきて、これでやれば効果的であるというようないい手法が固まればさらにこれを拡大したい、こういうふうに考えております。
○相沢武彦君 それはそれでぜひ積極的に進めていただきたいんですが、この漁場の汚染問題で最近起きた問題では、青函トンネルの異常出水事故、これのいま排水作業が現在は行われてるんですが、この排水作業が本格化するに伴って、全然処理しないで排水をしてるわけで、非常に漁業へ影響が大きいというんで、地元の吉岡漁協はこの対処のために急遽審議を行ったわけですが、それに対して若干お尋ねをしておきたいと思います。 で、この吉岡漁協としてまず漁業被害が出てくることを確認をしております、それから、被害状況を独自にさらに調べて、また一方、公的機関にも調査を依頼すると、それから当面の被害と冷排水の後遺症を含めて補償を要求する、この冷排水のために操業ができなくなったら未処理排水のたれ流しの中止を申し入れる場合もある、こういうことを決めているようでございます。で、昭和四十四年の秋にもこの青函トンネル吉岡工区の工事のたれ流しで漁場が汚染されまして、そのとき漁業補償としてまあ漁民の人たちは一億円請求したんですけれども、それに対して補償金は二千五百万円しか支払われなかったという例もあります。ここ十年間でこの吉岡地区の優良な漁場は三分の一が失われてしまったと、こういう地元の悲痛な声なんですが、ここは浅海養殖ですか、ウニやワカメで生計立ててる零細漁民が多いわけですけれども、結局こういった事故がありますと、たちまち海が汚染され、それが即もう生計に響いてくる、こういうような事態なんですが、この四十四年のときの補償問題のときには水産庁としては仲介の労をとられたんですか、指導されたんですか。それから、今回のこの事故に対して水産庁としては実態の調査をすぐ指示されましたか、それから、公団に対してはどういうような指示をされてますか。
○政府委員(内村良英君) 四十四年の際に水産庁がどの程度介入したかということについて私はちょっと承知しておりません。 それから現在起こっている問題につきましては、北海道庁からの報告では、異常出水による濁水がワカメ、ウニ等の漁場に流出しまして、さらに周辺にはホタテ等の養殖施設もあるので被害が起こっていると、そこで道庁としては五月の十九日から被害調査をすでに開始しております。 それから被害補償の問題でございますが、汚染者負担の考え方によって本件は解決すべき問題でございまして、日本鉄道建設公団でも、漁業被害が発生した場合には誠意を持って補償に当たるということを言っておりますので、水産庁も、道庁と相談しながら、これの被害の状況を見て必要があれば補償を十分してもらうように要請するとか、遺憾ないように処置したいと思っております。 なお、四十四年の場合は公害紛争処理委員会による調停で片づいたということのようでございます。
○相沢武彦君 そうしますと今回の場合、調査をして被害額がまとまり、それで漁協側の補償の要求額が満度満たされる場合はそれで解決と、それで解決できない場合は、また公害紛争処理委員会の方へ回っていくと、こういうケースになりますか。
○政府委員(内村良英君) これからの問題でございますけれども、非常に違いがあると、公団側の査定とそれから漁民の要求に違いがあるというような場合には、そういうような手続がとられるのではないかと思います。
○相沢武彦君 その場合、道と協力して水産庁として、その被害実態、それから補償の請求が妥当なものかどうかという、そういう調査の上の判断は示されぬものなんですか。
○政府委員(内村良英君) 被害調査につきましては、まあ道がすでにやっておりますので、私どもといたしましては、道から相談があれば、それに必要な援助をするというようなことで被害調査に協力したいと思っております。これは、やはり道がやっておりますので、道にやってもらった方がいいのではないかと思います。
○相沢武彦君 今後の問題として、排水が進めば進むほど汚濁度は増すわけですし、それから、もう一点心配なのは、作業坑切り羽の崩落部分を固めるために薬剤を注入するわけなんですが、その薬剤がまた海に流れ込んで新たな被害を生むというおそれもあるということなんですが、そういった公団側の工事のやり方、あるいはそういう薬剤を使うときには海洋汚濁防止法等、いろいろ規制はあるわけですが、事前にそういうものを使うという申告なり何なりあって、それを許可した上で薬剤は使うことになっているんですか。
○政府委員(内村良英君) 私どもの承知しているところでは、その薬物を使う場合に事前に生物的な調査をしまして生物的な害がないと、生物に害がないということでそれを使用しているというふうに聞いております。
○相沢武彦君 それは一般的なお答えだと思うんですが、この吉岡工区の工事についてはどうなっていますか。
○政府委員(内村良英君) 吉岡工区につきましてもそのような措置をとっておるようでございます。
○相沢武彦君 この問題が起きてから排水処理の仕方については、あらかじめ道なりあるいは直接水産庁なりに、こういうやり方で排水をすると、そういう排水処理の計画というものが出されて行われるんですか。
○政府委員(内村良英君) 今回の場合は緊急事態でもあったために事前に私どもは聞いておりません。
○相沢武彦君 当然まあ無処理排水をすれば漁場へ影響があることはわかるわけでありますので、そういった点、やはり事故が起きたら、ニュース、テレビ等で、報道でわかるわけですので、そういった点の連携ですね、もう少し道との間に密接にとれないものなんですかね。
○政府委員(内村良英君) 御指摘のような点につきましては、今後十分注意したいと思いますが、今回の場合は、私の方で聞いているところでは、鉄道建設公団が被害が出れば誠意を持って補償するということを言っているようでございますし、話を聞いてみますと、かなり事態が緊急事態でもあったと思われますので、今後こういう問題についての処置については水産庁としても遺憾のないようにしたいと思っております。
○相沢武彦君 そうすると、これまでのつくってある海洋汚濁防止法、こういった法律とこの未処理排水、こういうものは法に触れますか、触れませんか。どういうふうになりますか。
○政府委員(内村良英君) 濁りと申しますか、濁水については現在のところ規制がかかってないということになっております。
○相沢武彦君 そうすると、それによって被害が起きた場合には当事者が補償するということで解決するしかないと、こういうことになっているわけですね。 先ほど申し上げました建議の中の二番目の項目で優良漁場確保ということが挙げられておりますが、この吉岡区域もウニ、ワカメ等の養殖の優良区域なんですが、これはどうしてもやはり守らなければならないところだと思うんです。さらに、優良でない漁場についてもどうするのか、やはり水産庁としてしっかりした考え方を持たなければならないんじゃないかと思うんです。ということは、優良漁場でない漁場が汚染が増していけば、近接する優良漁場というものもだんだん汚染度が増して優良漁場でなくなってしまうわけですから、シンポジウムでも公害防止等汚染漁場の回復によって数十万トンの優良魚の増産が可能である、こういう推定も報告されておりますけれども、水産庁が、この実現のためにも汚染防止、それから優良漁場の確保という点について最大の努力をしなければならないと思いますが、これについて長官の決意をお伺いします。
○政府委員(内村良英君) ただいま先生御指摘のとおりでございまして、今後、遠洋漁場が狭められるということはどうも避けられそうもないという状況でございますので、われわれといたしましては沖合い、沿岸、特に沿岸漁業の振興を図らなければならないと思います。そこで水の汚れの問題でございますけれども、公害立法ができましてからすでにもう五、六年になるわけでございます。私どもが聞いておりますところによりますと、特に地方に出ましたときに話を聞いてみますと、特に瀬戸内海等の漁師の話では、最近、透明度が非常によくなってきているということで、工場排水の規制はかなり効果が出てきているというふうにわれわれも考えますが、ただ、専門家の話によりますと、BODとかCODは必ずしもまだよくなってないと、やはりこれからの問題は都市排水の問題じゃないかと思います。これが余り処理されないで流されているということで、まあほかの国に比べましても、下水の整備が非常に日本はおくれておりますので、これはそういった点に大いに力を尽くしてもらうように、私どもといたしましても、関係の省庁に要求するというようなことで処置しなければならないのではないか。それから優良漁場が今後さらにつぶされることがないようにこれも確保しなければならぬということで、われわれといたしましては、今後、沿岸漁場の振興のためにそういった点につきましては最大限の努力をしなければならぬことは先生御指摘のとおりでございます。そのように思っております。
○相沢武彦君 それで、この青函トンネルの工事はどうしても今後、続行され、無事完成を目指していただきたいわけでございますけれども、公害立法によっていわゆる泥排水による海の濁り、これははずされているということでありますけれども、やはりそれがひどければ非常に大きな影響があるわけでありますので、緊急を要するやむを得ない事情もあったかと思いますけれども、やはり漁場区域を汚染しないように十分工夫してやるようにこれは水産庁としては、厳重なやはり鉄建公団に対する指導監督というものが必要であると思いますが、その点。
○政府委員(内村良英君) 御指摘のとおりでございまして、特に植物の場合は非常に被害が大きいと思います。ここでワカメとかウニなんかも余り動かない定着物でございますので、そういったものの補償に遺憾なきを期すると同時に、今後におきまして、なるべく濁水を流さないでやってもらうように関係方面に折衝したいと、こう思っております。
○相沢武彦君 海洋汚濁のそういった発生源がはっきりしている、それから発生の当事者がいる場合は、それに注意をする、あるいは当事者からの補償ということで問題解決になっていくんですが、自然現象による被害を受けた場合の問題でお尋ねをしておきたいと思うんですが、たとえば昨年の台風五、六号の集中豪雨で、河川がはんらんして、大量の土砂が流出をして、浅海漁場が土砂で埋没する、こういう例があったわけなんですが、農業の場合は災害復旧事業というのがありますけれども、漁業の場合は、こういう漁場が自然現象によって災害を受けた場合、それの復旧の事業というものは現在のところないわけですね。
○政府委員(内村良英君) 土砂が流出いたしまして漁場がそれによって破損されたという場合でございますが、その漁業者の損失につきましては、現在、漁業災害補償法で救済措置がいろいろとられているわけでございますが、どの程度の漁場が破損したかということにもよりますけれども、現在のところ、それを目的として特に改修をやるというような事業は残念ながらございません。
○相沢武彦君 こういった場合、非常に優良な漁場がそのまま損失してしまう、それから復旧したいにも非常に金がかかる、地元としても大変な問題なわけです。それから、この集中豪雨等による土砂の流出による被害以外に、自然現象による漁業関係の被害というものがいろいろ想定されるわけですけれども、たとえばここ最近に起きているのは、サハリンのニシン漁、これは例年より流氷が長く居座られたために、もう相当漁具漁網に大きな被害、大体一億何千万ですか、二、三億円分の刺し網が漁場に取り残されて、ほとんどだめになった、こういうことで、居座った流氷に網を壊されて漁業者は大被害を受けてしまう。こういうような自然現象による被害のときの補償制度といいますか、そういう災害対策というか、それをまた立法化することを検討すべきじゃないかと思いますが、この点については、どのような見解を持っておられますか。
○政府委員(内村良英君) 現在、漁業災害補償制度の中には、いわゆる漁具共済、養殖共済というのがございまして、そういった場合の救済措置は一応とることができるように制度上なっています。ただ、これは任意加入でございまして、加入してない場合はどうも救済できないという問題ございますけれども、一応そういう制度がございますから、それに加入すれば、そういった場合の損害というものは一応カバーされるというかっこうになっております。
○相沢武彦君 それで、昨年の集中豪雨を受けて浅海漁場がだめになった地域、これは日本海沿岸の島牧郡の島牧というところがありますが、地元ではやむなく代替の漁場造成事業を先行して行っているわけですが、地元負担だけではとてもやり切れないので、道から高率補助の事業として補助を受ける、こういうことをやっているわけですが、そういった場合、国からのやはり援助の道も開かなければならないんじゃないかと思いますが、そういう場合、どういうふうになりましょうか。
○政府委員(内村良英君) 島牧地区につきましては、先生御指摘のように、昨年の災害による被災漁場の代替として北海道庁の三分の二補助で被災漁場復旧造成事業というものをやっております。これは三年計画ということになっているようでございます。先般、閣議決定を見ました沿岸漁場整備開発計画に基づきまして、国といたしまして、昭和五十一年度から、すぐれた沿岸漁場として形成さるべき相当規模の水面において、各種の沿岸漁場整備開発事業を計画的に実施しようと思っております。そこで、北海道の島牧地区におきましても、この計画の中に入れる構想を北海道庁は持っておるようでございますので、この復旧事業に続きまして、こういった事業を実施いたしまして、より優良な漁場にするような漁場造成をやりたいと、こういうふうに考えているところでございまして、道庁の方もそのように考えているようでございます。
○相沢武彦君 沿岸漁場整備開発法による大規模の増殖開発事業ですか、いま北海道の方は戸井の方が五十年から五十三年までの計画、それから八雲が五十一年から五十五年までの計画ということでありますが、その後と言いますと、何年度から、何年計画ぐらいでこの島牧関係は予定されますか。
○政府委員(内村良英君) 私どもが道庁から聞いておりますところによりますと、島牧を含む地区につきましては、並型魚礁を十五ヵ所、大型魚礁を十カ所、人工礁を一カ所、幼稚仔の保育場造成事業を二カ所、大規模増殖場開発事業を三カ所やるという計画を道庁は持っているようでございます。ただ、この実施の時期につきましては、道庁は逐次これらの事業をやっていくということで、この島牧地区につきまして、いつからということについては、まだ道庁の方から聞いておりません。
○小笠原貞子君 まず最初にバルククーラー導入の問題についてお伺いしたいと思います。 五十一年度より加工用原料乳も細菌規制されるということで、乳質改善のためにバルククーラーが大変いい、必要だということで、積極的に導入が推進されております。北海道においてもバルククーラーの設置計画というのが四十七年から五十五年までで一万九千五百基、飼養農家の約七割も占めるというような計画になっているわけです。 そこで、まずお聞きしたいことは、道民にとっては、非常に多額な財政負担になるわけなんですけれども、酪農にとって、そして乳質改善にとってバルククーラーというものはどうしても必要なものであるかどうか、その辺についてのお考え伺いたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) いま御指摘になりましたように、五十一年度から乳質の検査基準が乳等省令どおりするという形で、従来よりは厳しくなるということでございます。これに対応いたしまして乳質の改善という形での農家の御努力が必要になってくるわけでありますけれども、そのためには、その有力なる対応策としてバルククーラーを導入するということが必要である、そういう意味で、バルククーラーの導入というのは、いま御指摘になりましたように北海道庁におきましても、または私どもにおきましても、それにつきましていろいろな援助策を講じているというところでございます。
○小笠原貞子君 それは絶対にそのためには必要なものだというふうに重く見ていらっしゃいますか。
○政府委員(大場敏彦君) やはり、生乳の集送乳の合理化、それから乳質の改善という点からすれば必要なものであるというふうに思っております。
○小笠原貞子君 確かにそういう面があろうかと思います。しかし、現実には先ほど言いましたように、これには相当な費用がかかるわけでございます。そうすると、このバルククーラーというものが入れられないという、財政負担に耐えかねるというところではやめざるを得ないという立場に立ってしまうわけで、必要だとおっしゃることが実は中小農家を切り捨てていかざるを得ないという現実になって、いるということをお考えいただきたいと思います。標茶農協の管内で見ますと、このバルククーラーを入れるということができないためにやめざるを得ないという農家が六百八十戸のうち約一割は出てきている。これは単に標茶だけではなくて白糠、小清水というような点でもこういうことが行われているわけなんです。こういうことから考えても、確かにこれは中小切り捨てに結果的にはつながっていると言わざるを得ないと思うわけなんです。その辺はどうごらんになりますか。
○政府委員(大場敏彦君) 私ども、中小切り捨てになるんじゃないか、こういう御指摘でございますが、必ずしもそういうふうには思っておりません。バルククーラーの導入の助成にいたしましても、決して上層農家だけを対象にしているということじゃございませんで、幅広くいろいろ共同利用施設等に対しまして助成をしているわけであります。ただ、ごく小さい、たとえば、一頭とか二頭とか、あるいは三頭とか、その程度の方々のごく零細の飼養農家がバルククーラーを個々に入れることが果たして妥当であるかどうかということになりますと、これは負担の問題ということでかなりいろいろ問題が出てくることは事実であろうと思います。そういうものに対しましては、いろいろ農協等が配慮して集乳に当たって、そういうものが結果として切り捨てにならないような形での集乳の方法というものは考えていくべきだと思っております。それ以上の、そういったごく小さいものは農家は別といたしまして、それ以上の中核農家を含めて上層農家はもちろんでありますけれども、そういったものに対するバルククーラーの導入というものは、いろいろこれは道庁初め国もめんどうは見ているというつもりであります。
○小笠原貞子君 そうは思わない、そうするためではない、とおっしゃるけれども、私が言ったのは、結果的にそうなっている、ということについてあと、いろいろ具体的な対策についてお伺いしていきたいと思いますけれども、どうお考えになろうと、結果的にはそうなって現実に離農せざるを得ない、酪農をやめざるを得ないということが、私は、これからの問題として大変なことだと思うわけです。北海道でも、十勝というのは非常に大きな酪農をやっている地帯になりますけれども、ここでは畑作地帯であり、そして酪農もやる、いわゆる複合経営。この複合経営というのは地力の問題から考えてもこれを見直さなければいけない、白書にもそういうふうに書かれているわけですけれども、このバルクの導入でこんなになってしまってはやっていけない、酪農をやめざるを得ないということになれば、結果的には複合経営だとか、地力というような問題もマイナスになっていくのではないか。第二次酪農近代化計画については、この前にも私この委員会でお伺いいたしましたけれども、この教訓をやっぱり考えてみる必要があるのではないか。飼養農家の減少というのが、ほかのは目標に至らないのに、農家の減少ということでは非常に目標をオーバーしています。昭和四十五年三万八千戸、昭和五十年には三万七千戸、つまり一千戸を減らそうという第二次酪近の計画だったのが、実はこれが十倍の一万戸も減少しているという現実になっているわけです。それが全部バルクが原因だとは言いませんけれども、このバルク導入なんかで非常に財政負担ということが大きな要因になってくるということをやっぱり現実的には考えなきゃいけないんじゃないか。北海道でも、今後の酪農対策としては、中小酪農家をやっぱり保護育成するという点に立って考えていらっしゃるわけです。 それで今度、第三次酪農近代化計画、これは試案の中で拝見いたしましたけれども、ここでも六十年目標というのを見ますと、戸数は四十九年二万九千五十戸を六十年には二万三千六百戸約五千四百戸減らすということですが、特にこの中で四頭以下の酪農家七千百二十戸を八百戸、五頭から九頭というところを六千二十戸から八百戸、十頭から十四頭が五千二百七十六戸から千四百戸というふうになっていくわけですね。つまり、私は、第三次の酪近立てるには、やはり第二次の酪近の中からこれを分析して教訓を得て立てなければならない。まして第三次の酪近では牛乳生産量も倍以上に北海道の場合には見ていらっしゃるわけですから、そういうことから考えても、複合経営というものがこれで否定されてしまうのではないか。そうして酪農の専業というものに力を入れていくという、いままでと同じようなことになってしまうということを大変心配するわけなんです。その辺はどういうふうにごらんになりますか。
○政府委員(大場敏彦君) 問題の発端が乳質の規制の強化といいますか、そういったところに発しているわけでありますから、若干御説明申し上げますが、現在の乳等省令では一ccたり四百万個以下の、これは細菌数でありますが、原乳しか牛乳、乳製品の原料に供してはならないということになっているわけであります。副業的に搾乳していたような、そういった段階では、厳格に省令を適用するということになりますと、いろいろ原料乳の確保が困難だということでありましたから、従来は、実際上は規制の対象にはならなかったということが従来の経緯であります。省令の規定どおりには厳格にはしていなかった、そこは大目に見ていたというのが従来の実態であります。しかしながら、近年消費者の乳質に関する関心が高まりましたし、たとえば、東京都衛生局は、四十七年から省令どおりに規制を強化している、こういったことであります。北海道の場合におきましても、おくればせで五十一年度から実施するということでありますから、決して生産者のことを考えないで一方的にやったということでもございませんし、ある程度前広に生産者にそういった予告もしてあったわけでありますから、これがいわゆる中小酪農家の切り捨てということに連なるということでは私は必ずしもないと思っているわけであります。やはり生産者といたしまして乳質の改善をするのは、しかも、それは省令で衛生的見地から決められているわけでありますから、それ以上にさらに強化しているわけじゃありませんから、従来やっていなかったのを正規の形でやるということでありますから、そこはそういうぐあいに御理解願いたいというわけであります。ただ、それに対応いたしましていろいろの設備が要るということは当然出てくるわけでありますから、それに対するいろいろのめんどうの見方というもの、お世話のやき方ということにつきましては、従来以上にそれは意を配っていく必要があろうというところは御指摘のとおりだろうと思うわけであります。 それから複合経営やなんかの崩壊ということにつながらないか、こういったことでございますが、私ども、酪農経営というものを、形といたしまして、一方には専業的に飼養規模を拡大してあるいは三十頭、四十頭というところまで高めて先進の諸国にまで劣らないような経営群というものがあってもいい。しかし、やはり酪農業というものは一つの産業として成り立っていくためには相当数のやはりすそ野の広がりというものがあってしかるべきだ、そういう意味で、かなりの生産を担っている、生産の割合を担っている中小農家、それは具体的には先生御指摘になりましたように、複合経営で占められているわけでありますが、そういった複合経営というものの存在をしっかりと強化していかなければならない。それが畜産業、あるいは酪農業という陣営から脱落していかないようにわが陣営の中にとどめておくというための方策が今後必要であろう。こういうふうに思っているわけでありまして、そういった意味で酪近計画におきましてもいろいろの経営の指標をつくっているわけでありますが、特に今回は、そういった複合経営における合理化の指標というところに最大の重点の一つを置いたというような経緯になっているわけであります。
○小笠原貞子君 私は、酪農が専業でやっていくということについて規模拡大してやっていければ、それは大変結構なことで、決してそれを否定するものでもありませんし、また菌がたくさんあってもいいんだというような立場に立っているわけでもないわけなんで、そういう面で、専業でもやっていけるように規模拡大も結構でしょうと。しかし、生乳の生産量を目標どおりに上げていく、食糧確保するという立場に立てば、やはり中小も育成保護していくという、それもあわせて行っていただきたいという立場でお伺いしているわけです。 そこで、バルククーラーが入ったからといって細菌がなくなるわけではなくて、クーラーが入ったから細菌がふえないということでございますよね、減るわけでもないと。そうしますと、これも標茶で調べましたところが、乳房炎で、潜在的乳房炎と言われるようなものが約四割もある、これはミルカーの使用後非常に農家がいま苦労しているところでございます。そうするとこの乳房炎に対する総合的な対策というものも考えなければならないと思います。そういうものがございましたら簡単にお答えいただきたいと思いますし、それから中小のクーラーがなくても個かんで出して、そしてやっぱり複合経営も酪農もやっていきたいというような農家もやはりこれは育成していかなければならない。そういうことについての、具体的に集乳を個かんでやっていくというようなところには、非常に手間がかかるし、コストもかかるというようなことについてどう考えていらっしゃるかという問題、時間がありませんので、済みません簡単にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 潜在的乳房炎による乳質の問題ということはあることは聞いておりますが、それにつきましては、単にバルククーラーを入れただけで解決する話ではない。牛の個体の問題でもありますから、それは家畜保健衛生系統の組織を活用いたしまして、そういった原因のやはり排除に努めなければならないと思うわけであります。ですから、バルククーラー万能だというふうに私は申し上げているわけではありません。いろんな原因がありますから、それは原因に即して解決するということであろうと思うわけであります。 それから、一頭から数頭ぐらいまでの、個かんで従来出していた農家が切り捨てられるのじゃないか、こういう御心配が農家の段階であるということは承知しております。しかし、そういうものはバルククーラーを入れにくいからすぐやめろ、というような態度は生産者団体としてとるべきでもないし、行政庁としてもとるべき態度ではないと思うわけでありまして、そういった個かんで出しているものにつきましても、たとえば車で集乳するときに、やはりそういうものもあわせて集乳していくというぐらいの親切はあっていいというふうに思うわけであります。
○小笠原貞子君 親切で解決できればいいわけですけれども、タンクローリーでこうやって行くところに、個かんがぼつぼつ出てくるというような場合には、具体的にどういうふうな指導をなさり、またどういうふうに援助をするということを考えていらっしゃいますか。
○政府委員(大場敏彦君) まあ、親切というような抽象的な表現で申し上げましたが、タンクローリーで集乳する場合にでも、そういった個かんをタンクローリーの後ろに積んでいるという例はいまでもあるわけでありますから、そういうような形で対応、救済はできる、そういうことは奨励すべきであると思います。
○小笠原貞子君 それじゃ具体的にお伺いしますけれども、またバルククーラーの導入に対していろいろな助成を実施しているわけです。北海道に関係するものだけを考えてみますと、これは第二次構で三百五十リットル以上のものについては二分の一の補助がつくという一つの種類と、またもう一つの方法は、社団法人の道酪農リース協会というものでやっていく。これも規模としては三百リットル以上になっています。それから農業改良資金、技術導入資金というものでの御援助もいただいているわけですけれども、これもおおむね六百リットル以上と、こういうことになるわけなんですね。そうしますと、いま私が問題にしている頭数が少なくて、たとえば一頭で一日に十キロ出す、そして十頭飼っている。そしてそれを確実に出すということにしますと、二百リットルと、こういうことになるわけですが、そういうのは、援助してもらう助成の対象にならない、三百リットル以上といういうことではない。が、そういう小型のバルククーラーというようなものもやっぱり考えていただかなければならない。道の方は具体的に地元のことですから、緊急酪農振興対策事業として、いま言いましたように三百リットル以下、二百リットル程度のペットクーラーというものに助成を出して百五十基をつくっているということになるわけなんですね。そうしますと、やっぱりここで必要なのは先ほど局長もおっしゃったように、具体的にそういう中小が切り捨てられないで生きていくというためには、補助の対象ですね、これは三百五十リットルとか、三百リットルとか、六百リットルというような大規模のものにだけ補助するというのではなくて、こういう小型のペットクーラーというようなものも補助の対象にするということは大変必要かと思うんですけれども、これについていかがお考えでございますか。構造改善事業やリース協会のものだけではなくて、こういう小型のものも対象とするということ。
○政府委員(大場敏彦君) 国でも、バルククーラーにつきましては、先ほど御説明いたしましたように、いろいろな助成事業を仕組んでいるわけであります。いま御指摘になりましたように、農業構造改善事業だとか、あるいは農業改良資金とか、その他いろいろあるわけでありますが、総じて見ますと、これらのものはたとえば構造改善事業で三百五十リットル以上とか、改良資金では六百リットル以上とかいうようなもの、あるいは畜産局で組んでおります生乳流通輸送体系整備事業という中では、六百リットル以上という形で、比較的容量が大きく非常に高価であるというために、酪農家が単独では導入することがむずかしい、こういったものに対しまして助成をしているということでございます。小型で比較的安いバルククーラーというものは別途、それより規模の小さい農家については必要であるということは重々理解できるわけでありますが、それは融資あるいは北海道庁が単独で現在助成していることでございまして、そういった助成の仕方になじむのじゃないか。やはり国はそういった比較的容量が多くて酪農家が単独では導入することがむずかしいというものを対象とするということにやはり分担はすべきものじゃないかと思っているわけであります。具体的には比較的容量が小さいものにつきましては、農業近代化資金あるいは北海道の単独でやっておりますものは、これは二百七十リットルでありますが、そういったもの、それから決して三百リットルというのは大きい方ではない、私は、ややペット的なものだというふうに理解するわけでありますが、これにつきましても北海道の酪農リース協会でやっておりますし、北海道の酪農リース協会に限りませず、財団法人の畜産近代化リース協会でも、三百リットル程度のものをリースという形で、これはほとんど北海道に行っておりますが、北海道にいろいろリースとして配っている。ことしの計画におきましても、特に北海道のほうではいま先生が御指摘になりましたように、そういったバルククーラーに対する需要が強いわけでありますから、その計画は去年に比べて大幅に増加する、そういった計画を持っているわけであります。
○小笠原貞子君 確かに地域の分担というものもあろうかと思いますけれども、乳量をふやしていくということは、別に北海道だけの要請でもなし、全国的な立場で考えなければならない。北海道で、もちろんこういうペットクーラーに助成しているということはやっているのですけれども、非常に数が少ないのですね。だから、私さっき言ったように、第三次酪近でも、これだけ北海道にふやせというような目標をお出しになるとするならば、いままでのような三百リットル以上というようなことではなくて、具体的な小さいそういうものにも当然、国としては援助するべきではないかというふうに考えて申し上げているわけなんです。それについて、いまいまというわけにはいきませんけれども、ほんとうに酪農を振興させるという意味から今後御検討いただきたいと思うわけなんです。 大臣、途中だからおわかりにならないかもしれませんけれども、ぜひそういう点で御検討いただきたいと思いますけれども、御検討いただけますでしょうか。
○政府委員(大場敏彦君) 私どもといたしましては、検討してすでに実行に、五十一年度からある程度実行には移しているつもりです。ですから、三百というのはそう、私は率直に申し上げまして、三百リットルというものは大きいとは思いません。まあ、ペットクーラーの範疇に入れてもいい程度のものではないかと思っておるわけであります。小さいのでも二百七十というのはこれは北海道でやっていますから、二百七十と三百の違いでありますが、しかし、三百ぐらいなものを入れて、これはやっぱり中堅、あるいは小の方も若干入ると思いますが、そういったものを対象にすれば——やっぱり三百くらいのものは一つのスタンダードじゃないかと思っておるわけでございます。そういったものにつきましては、ただいまお答えいたしましたように、五十一年度からつとにその大幅な、ことに北海道向けに大幅な増枠というものをいま手配中であるということでございます。
○小笠原貞子君 時間がないから、次に道路整備に関しての問題をお願いしたいと思うわけです。 これはバルクが入りますと、どうしてもタンクローリーが入るということになりまして、バルクと同時に道路というものが整備されなければならないと思うわけです。バルクだけでも、それに伴ういろいろな事業というものを考えると、二月当たり、聞いてみると約百六十万かかっているわけです。今度、道路になりますと、タンクローリーが通る道路というと、どうしても一メートル当たり八千円から一万円かかるような道路にならなければならない、こういうようなことになってくるわけです。そして整備を希望する私道がどれくらいあるかというのを調べてみますと、北海道の場合百二十四キロになるわけなんですね。それで、いまどうしても必要だと残されているのは百キロになっているわけです。道の補助事業でやっていますのは年間二キロなんです。そうすると、これの希望どおりにタンクローリーが通るように私道も整備してやろうと思うと、あと五十年待て、こういうような結果になるわけです。それで、大変だというので聞いたら、標茶もそうですし鶴居村というところもそうでしたけれども、町単独でやっているということも出てくるわけなんです。そこで、どうしてもタンクローリーが走れるような道というものについても、私道であるからというのではなくて、それに対しての何らかの御援助をいただきたいと思うわけです。きっとお答えは私道だからとおっしゃるだろうことはわかっておりますけれども、決してこれは私道ではないんです。なぜなら、かんを持っていくという場合にはその農家の私道になりますけれども、タンクローリーで各農家を回っていくということになりますと、個々の道は決して個々の道ではなくて、全体を通じての道になるわけなんですね。そういう立場から私道だというふうなことには私はならないと思うわけなんです。 それで、具体的にお伺いしたいわけなんですけれども、たとえば道単独では集乳農道網整備事業というのをやっているわけです。これが十五ないし二十キロ、年で整備する。これでやっていって、また、これ、百年かかるというような計算になってしまうわけなんです。この残された中で、幹線農道整備を伴うものと土地改良の対象となる道路というのを見ますと四百三十八キロですね。土地改良事業の対象にならないものが千二百十一キロと、圧倒的に土地改良事業の対象外になってしまって、非常に苦労をしているわけなんです。そこで、お伺いしますけれども、果物の方には樹園地農道整備事業というようなのもあるわけでございますね。そうすれば、北海道でもやっている、そしてまた、先ほどから言っているように、牛乳は北海道だけじゃなくて全国的に見ての必要なものであるという位置づけをされるならば、樹園地におかれるように、この集乳農道網整備事業というようなものを改良事業に組み入れてやっていくというように検討していただきたい、そう思うわけなんです。先ほどから局長おっしゃったように、決して中小を切り捨てるつもりはない、具体的にいろいろ援助しているのだとおっしゃるけれども、この道路での問題は非常に困難になっているわけなので、その辺のところを、集乳農道網整備事業というようなものを考えて改良事業の対象として組み込んでいこうというようなことを御検討いただけるかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(岡安誠君) 北海道におきます集乳道路につきましては、従来から私ども、畑総の一環または団体営農道の一環として事業を実施いたしております。先生の御指摘は私道とおっしゃいますけれども、これは恐らく幹線道路から、大体個人の農園ですか、農家のところへ入っていく個々の道路というものであろうというふうに思いますけれども、私ども、従来はこういうような道路につきましては、幹線農道と一体となってやる場合には当然採択いたしまして、もちろん条件がございまして、敷地等は無償で提供していただくとか、それから個々の農家へ入っていく道路につきましては砂利道に限るというような条件はございますが、採択をいたしております。ただ幹線道路がすでに整備されておりまして、あと個々の農家、むしろ個々の農家の農園の中の道路ということにたりますと、これはやはり採択基準というものもあります、延長とか受益面積。どうしても、それがかかってこないということになりますものですから、それはやはり道のおやりになっている単独事業であるとか、または融資事業ですね、それでおやりいただかなければ……。私ども、やはり公共事業でございますので、採択基準いっぱいまではとりますが、それを離れるもの、特に全く私的な施設に類するものをここに取り上げるわけにはいかない。もちろん先ほど申し上げましたように、幹線道路と一体として整備する必要があるもの、幹線をタンクローリーが通りまして支線へ入り、また入っていく、そういうようなものにつきましては従来から採択をし実施をいたしておるところでございます。
○小笠原貞子君 確かに幹線農道の整備の対象になっているところはやっていただけるわけですけれども、それが、先ほど、ちょっと私、早口で言っちゃったから、あれだったかもしれませんが、四百三十八キロなんですね、この延長希望の中から、これに伴わないものというのが三倍近い千二百十一キロメートルになるということですから、幹線道路の整備というものと対象にならないというところが圧倒的に多いということが一つの問題、それからやっぱり私道という立場でおっしゃったわけですけれども、先ほど言いましたように、タンクローリーというものは幹線道路から一軒一軒行って、また戻ってくるというわけでございませんですね。そうしますと、その道路というものは各農家をずっと続いて走らなけりゃならないわけですわ。そうすると、自分のところだけ見れば私道というふうになるけれども、それじゃ、うちの方は私道だからやめたということになれば、このタンクローリーというのは次のところまで行けないわけですね。だから、確かに私道だけれども、その役割りから見れば私道ではなくて本当に全農家を回るという、タンクローリーの通るという特殊な立場があるということを、どうしても御理解いただかなければならないと思うわけなんですね。そういうことがありませんと、やっぱりタンクローリー通る道もだめだ、バルククーラーというものがお金が大変かかって困ると、結果的には、いろいろと考えているとおっしゃっても、結果的にはやめざるを得ないという現実がそこに出てきているというわけなんですよ。だから、そういうことを対象として今後も検討するというくらいの姿勢がなければ、幾ら第三次酪近で倍以上北海道出せなんと言ったって、絶対出てきませんよ、これでは。まことにおっしゃることと具体的な問題というのは本当に大変残念なんですね。もうちょっと、北海道にあれだけ乳出せとおっしゃるんだったら、その立場というものを具体的に御理解いただきたい。御検討いただかなければ、結果的には、せっかく大事だと言われる地力の問題から複合経営ということもだめになるし、大きくは乳量の生産というものに支障を来す。そういう意味で御検討いただきたいと思うんですけれども、検討もだめだと、そういうふうにお答えになるんですか。
○政府委員(岡安誠君) これ、公共事業のむずかしい面だと思うわけです。やはり公共事業と申しますのは、橋とか道路とか、そういうようなものとは違いまして、特に土地改良事業の場合には、私的な財産に対する改良ということになりますので地元負担もございますが、その関連もございまして、末端の制限というものもあるわけで、すべて最末端までやるということじゃなくて、採択基準ということで団体営等につきましては二十ヘクタール、そういうような制限がありまして、農道につきましては一キロというような制限もあるわけです。それに当然該当すれば、私ども、団体営事業等としては採択をいたしたいと思っておりますが、全く個人の農家に入る道路ということになりますと、延長を満たせば別ですけれども、なかなかこれには入らない。そこで、私どもは、全然何もないわけじゃなくて、非補助の融資という手段もあるわけです。そういうような、これは三分五厘ということになっておりますが、そういうものを御利用いただきまして末端として御整備をいただくということでなければ、ほかの方の公共事業との振り合いもあるのではなかろうかというふうに考えております。
○小笠原貞子君 いまの制度で乗ってないからだめなんだ、と言ったら仕事進まないんですよ。いまの制度で乗れなくって大変だから何とか検討してくれ、というので政治進むんじゃないですか。そこを考えてほしいと言うんですよ。時間がないからもう、けんかするわけにもいかないし、今度一度、本当に北海道を、この夏ずうっと視察してください。そして農民の声聞いてください。私は本当にそうしていただきたいと思います。 で、大臣いらっしゃいますから続けて、あと減らしていいですから続けてやらしていただきます……。
○委員長(小林国司君) ちょっと待ってください、ほかの人の時間の都合もあるものですから。
○小笠原貞子君 これで一たん切りましょうか——それじゃ、後にします。
○委員長(小林国司君) 二度にしますから。
○小笠原貞子君 酪農問題だったから続けちゃおうかと思ったのですが、いいです。
○鈴木省吾君 私は、二点ほどなるべく簡単に、時間の都合もありますから。質問いたしたいと思います。 一つは、後継者対策、もう一つは、生産者米価の決定の仕方といいますか、それについてお尋ねをいたします。 昨年の十二月の末に大臣が、最終の農林省予算の決定について大蔵大臣と折衝された最後の段階で、最初要求に入っておらない、原案になかった五十億という金を大臣折衝において獲得され、そしてそれを後継者対策に使うんだと、内容についてはこれからいろいろ検討して使うというような新聞発表等もございまして、大変全国の青少年なり後継者は期待を持ったと思うんですけれども、その五十億の使い方といいますか、それをどうされましたか、ひとつお聞きしたいと思います。
○政府委員(岡安誠君) これは、五十億は農林漁業の構造改善事業費に計上されております特別対策費ということになっておりまして、これは構造改善局関係が四十億、それから林野、水産が合わせて十億ということになっております。目下その執行につきましては、細部いろいろ詰めておるわけでございますが、概要を申し上げますと、農林漁業の担い手が創意に基づきまして経営改善を進めることができるように、担い手集団、将来の農業の担い手たるべき方々の集団等の意見を徴しまして、その意見の反映を図りながら、圃場整備とか農道整備などの生産基盤の整備、それから協業施設等の経営近代化施設の整備等、経営構造改善のために必要な事業をこの助成の対策にいたしたいと思っております。現在、各県を通じまして希望を聴取いたしておる段階でございまして、それらの目的に適合するように近く実施をいたしたいと思っております。
○鈴木省吾君 あとの十億の方の使用はどうですか。林野とか水産。
○政府委員(岡安誠君) 十億は林野五億、水産五億でございますが、先ほど申し上げましたような、みんな同じような考え方でもって現在進めておるわけでございます。
○鈴木省吾君 そうしますと、いまお話聞きますと、率直に言って、構造改善費あるいは林野、水産のどういうあれかわかりませんが、同じようなこととなると、ただ、事業費の積み増しというふうに受け取れるわけですね。大体、後継者対策というものはどういうものが後継者対策なんだか、そのほかにも予算、従来の後継者対策予算あろうと思いますけれども、後継者対策というものはどうしたらいいんだということをひとつお聞かせを願いたいと思います。先ほど、午前中、大変中核的な担い手というようなお話もございます。あるいは最近統計を見てますと、学卒者等が新しく農業に就労する数というものは相当減っておりますけれども、こういうのは一万人というぐらいに減っております。あるいはUターンがどのぐらいあるかわかりませんけれども、新規学卒者は一万人ぐらい。このぐらいで果たして、これからの日本の農業を担っていけるのか、後継者に不足はしないのか、その辺の事情からひとつ説明をしていただいて——私は、それで後継者なかなか十分補充できないんじゃないかという心配持ってますけど、それにはどういう対策というものを考えてやっておるのか。こういう点をひとつまずもって説明していただきたいと思います。
○政府委員(杉山克巳君) 後継者対策、人に着目して特別措置をとるということよりは、全般的農林省のやっている行政でもって後継者、農業を実際に担当しようとする者に魅力を与える、残るような意欲を起こさせるということになるのかと思います。ただ、人に着目した具体的な措置として、それは何がしかの措置が毎年毎年増強されてまいっているわけでございますが、たとえば五十一年度におきましても、中核的担い手に土地利用を集積するんだと、そして生産性の高い農業経営が営まれるようにするため、農用地利用増進事業というものを仕組んでおります。それからさらに、農業構造改善事業などの推進を図るということもいたしておりますし、集団的生産組織の育成強化を図るということもいたしておるわけでございます。それから、先ほど来御説明ありました特別対策事業を実施するということも考えておるわけでございます。 さらには、融資の面におきましても、農林漁業金融公庫の総合施設資金について貸付限度額を引き上げる、そしてさらに、そのまた実態につきましても運営の改善を図るというようなことも考えておるわけでございます。あるいは、中核的な担い手に重点を置きまして経営技術等の普及活動を展開する。特別にそういう見込みのある人を対象に重点を置いた普及活動を展開する。さらには、青年農業士等育成対策事業も実施するということにいたしております。あるいは、農業者年金制度におきましても、年金額を引き上げ、農業後継者に対する保険料の軽減措置を講ずる。 羅列的に申し上げましたが、特に人に着目した後継者に対する対策としてはそれらのこともそれぞれ事業として仕組んでいるわけでございます。もっとも、こういったことだけでなしに、全般的な農業施策を充実させるということ自体が、そして農業の収益性をできるだけ増していくということ自体が後継者対策として考えられるのではなかろうかというふうに考えております。
○鈴木省吾君 いま御説明あったようなのは、これはむしろ農林行政の全般のような話で、確かに後継者が意欲を持って農業をやろうという意欲を起こすためには、もちろん農業が魅力ある農業、あるいは経済面からいうならば、他の産業と均衡のとれるような所得の得られるような農業、こういうことだと思いますが、これは当然農林行政全般の仕事であって、特別に後継者対策というのには私は少し間接的過ぎるんじゃないか、こういうふうに考えるんです。 特に、先般五十億をわざわざ取って、これは後継者対策に使うんだと、こういうような名目で取った金の内容としては、私は単なる事業費の積み増しにすぎないんではないか。いま御説明あった後継者対策の私は直接的なものというと、むしろ農業士の養成ですか、そんな程度のものではないかと思うんですけれども、その農業士の養成等につきましては、当初予算より、その五十億でふえた分あるんですか。どうですか。
○政府委員(澤邊守君) 五十一年度予算から、各県で一部やっておりますことを、国の予算による事業としてもバックアップするということで農業士制度を発足させることにいたしまして、これに必要な予算を組んでおるわけでございます。これは先ほどお尋ねございました五十億の予算とは別途要求をし、今回成立を見たわけでございます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 後継者対策、これはなかなか、これからの農政上大事な問題ですが、これはやはりいまさっき話もありましたように、農業全体をやはり魅力あるものにしていかなきゃならぬので、農業政策全体として前進させるということが基本的なこれは要件ですが、その中で、後継者そのものに限っての対策としては、これは審議官も説明いたしました、いまの農業士の育成対策事業とか——それからいまの集団的担い手特別対策事業というのは、これは後継者だけじゃないんですが、それからまたいまお話しのように、この事業というのは事業の積み増しじゃないですよ。これはやっぱり各地域の集団的な担い手とか、集団的後継者が集まってそしてお互いにどういうものをここでつくろうかというふうなことをいろいろと検討した結果、それを集約してそしてそこに新しい集団的な担い手の農業に対する意欲を持たせるような事業を特別にやっていこうということですから。それから後継者対策としては、いまの、今度成立さしていただきました農業者年金、これを今度改善したということは、後継者のいわゆる学割り制度を設けたということも後継者に一つの大きな意欲をかき立てるものだと、こういうふうに思いますし、また金融面の先ほどからお話がありました後継者育成資金、これは金利は無利子ですが、この制度なんかも大いに活用されておるわけですが、そうしたことが後継者そのものの対策としてやっているわけです。これは今後とも私は、後継者の全体としての農業政策の中の狭義の意味の後継者対策というのは、これは私は、今後ともいろいろとひとつ工夫をこらしてわれわれは積極的に進めていかなきゃならぬと、こういうふうに考えております。
○鈴木省吾君 いや、そういうのは前から知っているんですよ、前からやっているんです。いまでもやっている仕事です。五十億新しくとったのを、そういうものに積み増すなり新しい仕事をやっているのかと。それからいま後継者がいろいろ相談して、こういうものをやりたいと言えば、それをやるんだというような説明もちらっとありましたけれども、それだっで内容は、構造改善とか何かに限られてくるんでしょう。
○政府委員(岡安誠君) 確かに、一応中身を簡単に申し上げますと、先ほども簡単に申し上げたんですけれども、基盤整備事業とか、施設の近代化事業ということになりますが、じゃ、基盤整備事業ということを具体的に申し上げますと、やはり団体営圃場整備その他ですね、大体これは先ほどちょっと申し上げましたけれども、二十ヘクタールというような採択基準があるわけですけれども、この場合に限りましては、中核的担い手その他の集団が、もうちょっと規模が小さいのでも、ぜひやってほしいというものがあれば、これは例外的にとろうというようなことを考えまして、私どもの四十億からいきますと、大体全国二百カ所ぐらいにつきまして特に必要なものについては、従来の企画にとらわれないで採用しようかというふうに考えているわけです。それから近代化設備につきましても、大体構造改善事業にメニューがたくさんございますので、あそこに入りますけれども、もしそれに入らないもので、ぜひ必要なものがあるという場合には、これも特認事業で認めていこうというように、その意欲に沿った特別の事業として私どもは実施をいたしたいというふうに思っておりますので、先ほど大臣から申し上げましたように、単なる従来の構造改善事業なり林野庁の林業構造改善事業の積み増しではない、新しい事業として実施いたしたいと、こう思っております。
○鈴木省吾君 積み増しではないといっても、幅を広げたような弾力性のある、やる仕事は同じですね。制限を緩めたり、あるいは何かするという、内容は同じです。私の言うのは、そういう意味でなくて、先ほどもどなたかの質問に、後継者の問題あるいは中核的担い手の問題の議論の中で、単に経済的な面からだけとらえているんじゃないと、昔の自立経営と中核的担い手の区別ですか、もっと精神面というような話もちらっとありました。あるいは農業に対する意欲といいますか、熱意、こういうものの持てる——持ってやっていただけるようだというような話がございました。私は、これからの後継者ですね、これはやはり単なる経済的な条件、これももちろん必要です。基本的には経済的な条件が整わなければ農業なんかやろうとする者なくなりますから、それを整えてやることはこれはもう言うまでもありませんけれども、しかし、それと同時に、農業というものの本質、何といいますか、特質からいって、やっぱりそういう条件だけではなかなか、本当に若い者が意欲をもってやれるかどうかということになるとかなり疑問があります。したがって、まあ昔の話じゃありませんけれども、農本主義的な考えを持つわけじゃありませんけれども、経済的な条件プラスやはり農業に魅力を持つ、使命感を持つ、そういう青年を育成していくということが私はこれから必要だと思うんですね。農民教育が必要です。それは教育機関の充実、同時にまた、いろいろ研究機関等があります。四Hクラブとか、あるいは各種の林業なら林研グループとか、あるいは蚕の方なら蚕業青年研究会とか、いろいろそういうものがあるわけです。そういう方々がお互いに勉強し合い研究し合って、日本の非常にむずかしいこの農業の環境の中で、その中でもりっぱな成績を挙げているのもかなりいるわけですから、個人にもグループにも。そういう方々が寄り合って勉強し合い研究し合って、そうしてやろうとする意欲と同時に、やり得る能力、技術というものを私は勉強していくことが必要だと思うんです。こういうものを助長していくのが私は必要だと思うんです。そういう面を抜きにして、せっかくとった五十億を事業費に注ぎ込んでしまっただけでは——これは必要なことです。十分な予算をとっていないんですから、それは必要なことですけれども、せっかくとった五十億というものを私は、そういう使い方で担い手の後継者の対策だというには、極端なこと言えば羊頭狗肉みたいになるし、いまの説明を聞くと、確かにいま後継者の育成に該当しないとは言えないかもしらぬけれども、これはやっぱり風が吹けばおけ屋がもうかる式の理屈であって、もっと直接的なものを私は一般の、あの新聞を見て、全国の青少年なんかが望んでいたんではないかと思うんですけれども。もうすでに使い道は決定してしまって、たとえば四Hクラブにもっと研究費を応援してやる、あるいは全国の青少年の育成機関がありますが、そういう方面にいろいろ経費等不便を来しておるわけですから、そういう方面にもう少し応援してやるとか、あるいは国内留学とか海外留学等もいいでしょう。こういうものにもひとつ応援してやって励みをつけてやる。あるいは改良普及事業、こういうものもやるなんていうかもしれないけれども、去年と幾らも違っていないんですよ、ちっともふえていないんだから。改良普及事業だって、これはもっと新しい時代の改良普及指導をやっていかなければならないんですから、そういう方面にもっとこの金を使うべきでなかったかと思うんですけれども、もうその余地はないんですか、どうですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまおっしゃいましたような国内留学、海外留学、海外見学とか、それから研修の充実とか、それからいろいろと四Hクラブに対する助成であるとか、そうしたことはいままでやっているわけで、それにまたもう少しやるというのは積み増しになるわけですよ。特別対策事業にならないわけですね。そうなってくると、やっぱり財政当局としてはそれはその予算でとってくれと。やっぱり新しい一つの事業と、特別対策ということでないとこれはならぬわけでしたから、その特別対策として、まあ私のねらいはむしろ後継者育成というのに一つの重点を置いたわけですが、結局、集団的担い手ということになったわけですが、後継者から、もっと広い範囲の集団的担い手ということになって、その集団的担い手、担い手集団が地元でいろいろと発想をして、それが普通の農政の規格に合わない新しい事業をやる場合も、対象として特別事業の対象に組んで、そうしてこれに予算をつける。そこにまた意欲が出てくると、こういうこととして特別対策事業ということでやったわけなんです。 後の方の一般的なあれは、先生おっしゃるようにまだまだ足らないですよ。足らないですが、これはこれからやっぱり後継者——だんだん学卒でも一万人足らずですから、少ないですから、だから、後継者育成のためにはもっともっと、いまおっしゃった予算はもっと総額をふやしていかなければならぬので、これはこれからのわれわれの仕事だと思っておるわけです。
○鈴木省吾君 新しい予算だから新しいことをやらなきゃならないんだというんでしたら話が矛盾していますよ。さっきの構造改善局長の言うような仕事というのもいままでもやっているわけですから、ただ条件が少し変わっただけなんですからね。大体もう少し人づくりというものを考えないと、単に数字を並べたり、あるいは価格をいじくるだけでは、これからの食糧自給なんか私はできないと思っています。しかし、まあ時間もなんですし、恐らく五十億というものも使途を決めてしまって動かす考えはないでしょう。いろいろお尋ねしても弁解するか逃げ道を言うだけだと思いますから、これ以上追及してもなんですけれども、どうぞひとつ来年の予算等をお取りになる場合は、各局長さん等もおられるわけですから、大臣は、まあ政局微妙ですからどうなるかわかりませんけれども、局長もおられるわけだから、人づくりということをひとつもう少し考えていただく。それから私この間申し上げましたけれども、これから食糧自給等をする場合には、もっと技術というものを大切にする、勉強する、こういうこともひとつ考えておいていただきたいと思います。 時間がありませんから次の問題に移ります。 いまの米の生産者価格、これは間もなくお決めになるようなことで、先ほど来いろいろ御質問等がございましたが、私は観点を変えて残った時間、若干御質問申し上げますが、農業団体等で毎年毎年、米が足りない時代はとにかく、過剰になってからは大変、決定価格と農林省の原案等と差のある要求を出しておりますね。これは同じく生産費所得補償方式、それに今度はプラス経済事情を参酌したからその辺で違ってくるのか、生産費のとり方等で違ってくるのか、毎年毎年大変な農業団体の要求とあれが違うわけですけれども、計算方法がどこでどう違うんですか。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 生産費及び所得補償方式という考え——政府の価格決定、生産者団体のまあ本年はまだ要求米価は決まっておらないようでございますが、例年の例でございますと、その価格の決定方針、基本は生所方式でございますが、算定要素のとり方として、たとえば生産費のとり方として政府としては平均生産費をとる、生産者団体はバルク方式をとるとか、あるいは評価がえの労賃につきまして生産者団体は全規模をとる。われわれとしては五人以上千人未満の労賃が適切であろうとか、そういうような、まあそのほか毎年それぞれ生産者団体からはお話が出てまいりますけれども、まあその辺のところが一つの大きな違いということになっておるというように承知しております。
○鈴木省吾君 毎年毎年大変な差があって、現実に決まるのは要求の何分の一か何割かということで、生産者は結局いつも抑えられているという感じをぬぐえないのですね。ところが、一般国民あるいはまた一般の普通の新聞などを見ると、政府原案より若干上積みなんかして政治米価だと、自民党なりなんなりの積み上げだと、こういうことなんですが、本来やっぱりこれは合理的なもので決まるべきでしょうけれども、売る方と買う方ですから、やはりいまの計算なんかについてもいろいろと差が出てああいう数字になるかもしれませんけれども、現実問題として、毎年毎年農民が政府なりなんなりに不信感を持つということは、私はこれは決していいことではないと思うんですね。ですから、もっともこれを話を詰めるなりなんなりの方法がないものですか、どうですか、事前にでも。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 生産者米価というのは食管法の規定によりまして、御存じのように、再生産を確保することを旨として生産者及び物価その他の経済事情を参酌して決めるということになっておりまして、そこで政府がこれは最終的に決定をする行政価格ということになるわけですから、政府の責任においていまの生産費のはじき方、算定価格というのは政府が決めて、そして米価審議会にかけて、米価審議会は全国の学識経験者、その中には生産者もおられるわけですが、全国の学識経験者にお集まりを願って、ここで十分審議をしていただいて答申をいただく。その結果、行政価格として農林大臣が決定する、こういうことでございますから、その事前においては確かにこれは農業者団体のやはり意見は十分聞かなきゃならぬ。これは私はこの前も第一回やったんですが、これからもしばしば会って生産者の言い分というものも十分聞いて、そしてわれわれとしては、それを適正に米価の中へ反映させていく、こういう努力はしておるわけですし、今日までしておるわけですし、これからもしなきゃならぬわけです。そういう一つの理解というもの、話し合いの場というものを持つことはこれは大変いいことだし、それは私もやっておりますし、これからもやりたいと考えております。
○鈴木省吾君 現実にことしあたりも、新聞によると、要求する方は二万円あるいはそれ以上ということなんですが、諸般の情勢推測すると、恐らくそんなことにはいかないでしょう。そうすると、また生産者の不満というものは、まあ不信といいますか、そういうことになって、私は決して好ましい状況ではないと思います。そこで、ひとつ私はこういうことも考えてみたらどうかと思うんですけれども、政府と生産者団体と団体交渉する考えはないのか、そしていまの米価審議会というものを、単なる諮問機関でなくて行政機関にして、それで両方で話し合いがつかないときは、米価審議会でまあ仲裁裁定をする、こういうこともひとつどうですか、お考えありませんか、(笑声)検討する意味はありませんか。事は重大で答弁できないかもしれませんが、まあそんなこと言わないで答弁してください。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは米価というのは春闘と違いますから、それは春闘とは違いますよ、やっぱり。ですから、食管法によって政府が決める行政価格ですから、食管法に基づいて米価審議会の議を経て政府がこれを決める。ですから、いまのようなお話の行き方をやろうと思えば、これは食管法の改正でもやらねば——これはできないことないでしょう。しかし、現在の食管法のもとにおいてはこれは行政価格として農林大臣がこれを決めるということですから、もちろん事前に意見を聞くことはこれはもう当然やらなければならぬことです。
○鈴木省吾君 いや、それはそうやろうとすれば食管法を改正しなければならぬことはわかっているのです、そのことは。わかって言っているんだから。ですから、農民にもやはりそういった何といいますか、団体交渉やるとならば、そうむちゃな要求もしなくなるんじゃないですか。そこでまた、いろいろな自覚もできてきて、それで第三者の公平な機関が、最終的にもし話し合いがつかないときには決定するということになれば、農林省不信なんというものは出てきませんよ、これは。食管法を改正してまでそれをやる意思はありませんか。どうですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまの食管法改正をするという考え方は全然持っておりませんが、しかし、生産者団体のやっぱり理解も求めなければならない。いたずらに政府と生産者が対立し合ったままで米価が決定されるということはよくないわけですから、できるだけ生産者の理解を求め、生産者の納得がいくように政府としては、最大の努力を払わなければならない。そのためには、やはりしばしば会合等を持って、政府の考え方というものもやっぱり親切に説明するということが必要だろうと思います。
○相沢武彦君 私は、あと二十分少々持ち時間を持っておりますので、私は、米価の問題について若干お尋ねをいたします。 相変らずインフレ、不況という経済情勢の中で、ことしも熱い米価の季節を迎えたわけですが、いろいろ問題になると思うのです。全国農協中央会の米穀対策中央本部では、要求米価の基礎となる算定を、従来どおりの八〇%バルクライン方式で、生産費所得補償方式に置いております。これによりますと、ことしの要求米価は、現行の価格に比べて大体三割アップ見当で、六十キロ当たり二万円を上回るのではないかという要求米価が見込まれておりますが、この要求米価について農林省は一体どんな見解を持っているのですか。それからまた農林省として、ことしの生産者米価の値上げについてはどういった基本方針で検討されているのか、現状、検討している段階までひとつ発表していただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 生産者米価の生産者側からの要求については、まだ最終的には決定されていないというふうに聞いております。これ、どう思うかということに対しては、政府としては、いろいろと言及することは差し控えたいと思うわけでございます。そこで、生産者米価をいつ決めるか、消費者米価をいつ決めるか、そのための米審をいつ開くか、というふうな点につきましては、まだ実はいままでも答弁いたしておるわけですが、具体的には何にも決めていないというのが実態でございます。生産費の調査も終っていないというふうな状況でございますし、まだ具体的にいつ開くかということはまだ決めてない。これから検討しなければならぬ問題であるというふうに思うわけでございますが、この米価につきましては、これはやっぱり食管法に基づいて適正に決めていくというのがこれは筋道でございますし、米価審議会の十分な意見も聞き答申も得なければならぬわけでございます。が、そうしたこれからの米価決定において、私たちが考えておる基本的な考え方としては、これは昨年も同じ考えでしたが、今日の生産者米価と消費者米価との間には逆ざやがあるわけでございますが、この逆ざやをやはりこれ以上拡大をさせない、むしろこれを段階的に縮少していくということが財政的見地から見ても、さらにまた農政の面から見てもきわめて大切なことである、こういうふうに考えます。基本的には、そうした逆ざやを段階的に解消する、そういう方向で米価問題には対処していく、こういう姿勢は姿勢として持っておるわけであります。
○相沢武彦君 いまも、政府と農民の代表者の団体交渉にしたらという意見に対して、まあ春闘、労働者の賃金と違うからという大臣のお話なんですが、昨年の生産者米価値上げ幅も、農民の方たちの三分の一どまり前年比一四・四%、春闘のベア率と奇しくも一緒になっている。食管会計に基づいて正当な算定をして価格は決めるのだ、春闘、関係ないとこうおっしゃるのですけれども、どうもその辺のところが農民たちは納得いかない。その辺のところの検討で抑えるのではないかという気がしているわけです。稲作の問題については、減反、青刈り問題などが現在起きていまして、天候に恵まれて、そうして反収が上がる、普通は豊作を喜ばなければならないのだけれども、豊作をかえって嘆かなければならないような農業政策が今日まで続いちゃったわけですけれども、この生産者米価の問題ともあわせてこういった点が本当に農民の皆さん方の労苦が報いられる、またその算定のあり方にしても、農民の皆さんがそういう算定の仕方だったら納得できる、それについて政府の方としてこういう判断を加えるからこういう価格になるのだという納得のいくやはり算定の仕方というものがなされないと、農民の皆さん方もいわゆるやる気をなくしてしまう。結局、現在わが国の食糧自給問題にしても大変な曲がり角にきているわけですけれども、こういった農民の皆さん方の意欲を減退させる、あるいはまた、これ以上農林当局に対する不信感を増すような米価の決め方であってはならない、この点を十分考慮を払ってことしの米価決定はなされるべきではないかと思いますが、これについてのお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(大河原太一郎君) 具体的な米価算定の実務に当たります私どもといたしましても、しばしば大臣がこの当委員会においても申し上げてございますように、生産者米価については生産費及び所得補償方式というものをとりまして、おおよその線で本年の米価もこれをはじきたいというわけでございます。 なお先ほど春闘とのお話がございましたのでつけ加えさしていただきますと、先生御案内のとおり、米価の生産費は労務費が五五%、それから四〇%が雇用物材費、五%が地代ということになっております。したがいまして、五五%の労務費でございますので、春闘等の賃金の影響は当然間接的にございますが、その他の物材費等の物価の動向その他もございまして、春闘が直接生産者米価を規制するという関係には実はなっておらないわけでございまして、米価自体は生所方式に基づいて算定さしていただくということになっております。
○相沢武彦君 その辺はわかるのだけれども、結局、最終的に決まるときの率は春闘と見合ったようなあれで決まるから、納得いかないということがこれまで言われているわけですね。その問題はいいです。 先ほど大臣は基本的な考え方として、逆ざや解消の方向へ向かう、こういうお話なんですが、現状のわがの厳しい経済情勢はよくわかっておりますし、食糧管理特別会計の赤字がこれ以上ふえますと国の財政が成り立たないという財政当局の主張もわからないわけじゃないですけれども、それをそのままそっくりまかり通らせるような農業政策であっていいのかどうか、この点は非常に論議を呼ぶところだと思うのです。食管赤字に対して、これを赤字というのはいわゆる財政上の損失であるというような考え方だけでは済まないのじゃないかと思うのです。結局、米というのは日本の国民の主食でありますし、単に赤字財政損失という問題だけで片づけてしまいますと、やはり先ほど申しましたように、それじゃ、いよいよ日本の農業に見切りをつけてと、こういうようになりますし、やはり中核農家も育たぬのではないかと思うのですが、大胆な意見としては国民の主食である米を今後も守っていくという観点に立って、食管会計の赤字は赤字じゃなくて社会保障費というような考え方をとってもいいんじゃないかというような意見すらもあるわけですけれども、農林省の場合は大蔵省と違った立場、いわゆる国民食糧確保という立場、また農業政策をさらに推進させるという立場からも、この点についての違った立場での意見というもの当然持つべきであると思うんですが、この辺はどのような御見解お持ちになっておりますか。
○政府委員(大河原太一郎君) しばしば食糧管理特別会計の損失に対する赤字の問題を社会保障制度的なものの面があるからその面で割り切れという御意見があることは承知しております。確かに生産者の所得を補償するというような面と、消費者の家計を安定する面というような点では社会政策的な面もあながち否定できない点もあるかもしれませんが、やはり社会保障制度と言う以上は、何と申しますか、生活保護世帯とか低所得者とか、あるいは母子家庭とか、そういう特定の対象に対して効率的にこれを援助するというわけでございますが、消費者米価は所得階層のいかんにかかわらず一定の価格でこの価格で決まるというわけでございまして、にわかに社会保障制度として割り切れという御意見には私どもとしては賛成いたしかねるというふうに考えておるわけでございます。 これつけ加えさしていただきますと、何と申しましても、この赤字は両米価の関係が正常ではない、生産者価格と消費者価格の売り価格と買い価格が関係が正常ではないというようなことでございまして、食管制度の運営自体について非常に健全化という点で、単に財政当局が言うような財政の面からではなくて食管制度を、本日午前中も大臣が申し上げましたように、やはり機関として維持しているという場合に、制度の運営についての健全性が確保されるように最善を尽くさなければならない、という点で、この両米価の逆ざや問題もわれわれとしては考えさせていただかなきゃならないというふうに思っております。
○相沢武彦君 私が申し上げました点は、これはまた消費者米価についても共通して言えることだと思うのですけれども、逆ざや解消の方策として、政府は家計米価方式をとられるわけですね。基準の年度を四十三年度におきますと消費者米価五一・三%まで引き上げが可能だというような考え方が行われておるようなんですけれども、公共料金の値上げラッシュで非常にまた、この秋から相当物価高騰も再然するんじゃないかという点も心配されてますし、まあ消費者米価はできるだけ値上げしない方向で考えてほしいと、これは消費者の当然の願いなんですが、この消費者米価に対する考え方、それから農林省として逆ざやの解消に具体的にじゃ、どういう具体策でやっていこうとするのか、その辺についてお伺いしたい。
○政府委員(大河原太一郎君) 基本的には本年度の消費者米価につきましては、大臣がしばしば申し上げておりますように、生産者米価を含めて消費者米価についてもその具体的な取り扱い方針は決めておらないわけでございますが、消費者米価につきましては食管法に、先ほども大臣のお言葉もございましたが、家計費及び物価その他の経済事情を参酌して家計の安定を旨として定めるということに相なっております。その場合に、先生ただいまお触れになりました家計米価は消費者の家計から見て許容し得る上限だというものでございます。消費者米価の水準そのものではなくて許容し得る限度でございます。それはおおよそ一定の基準年次からの家計でございますから、可処分所得といいますか、所得の伸びというものを見まして、その伸びの範囲に消費者米価を置くということでございまして、御案内のとおり従来の例を見ましても、消費者米価そのものは家計米価の範囲内で物価その他の事情を参酌して相当ゆとりを持って決められておるというのが実情でございまして、その両米価の関係を逐次是正していくという基本方針がわれわれの方針でございますが、その場合においても、その家計の許容し得る限度というものを見ながら、物価なりその他の情勢を見て決めていくというのが、これは当然のことだというふうに考えております。
○相沢武彦君 まだ現在のところ米価の日程は決まってないということなんですけれども、ことしはどうなんですか、米価審議会の生産、消費の両米価の諮問のやり方は同時諮問なんですか、それとも個別の諮問でありますか、どちらの方にウエートを置いて検討中でございますか。
○政府委員(大河原太一郎君) 本件につきましては、いろいろ御質問もあるところでございますが、具体的にはその諮問方式を決めておるわけでございます。ただ、何と申しますか、やはり両米価相関連して考えていこうということを考えるのが最も適切ではないか、ということを念頭に置きまして考えていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○相沢武彦君 十七日の日に全中と農林大臣、また農林省の幹部の方、事前協議でこの米審の問題検討されましたけれども、午前中も質疑が出てましたけれども、全中の方は米審の審議が公平に行われるように生産者、消費者、中立各三分の一ずつにして構成したらどうかという提案がなされましたけれども、農林大臣は、現状でこれといった問題もないんだから、うまくいってんだからその必要はないというような回答をされているようですけれども、とかく米審については不満、批判もありますし、そういった点を踏んまえて今回全中の提案になったんだろうと、そのところの背景を私たち考えられるわけなんですけれども、もう少し前向きにこの全中の提案については再度検討してもいいんじゃないかと思うんですけれども、その点、御所見承りたい。
○政府委員(大河原太一郎君) 米審の構成については、生産者団体からこの構成のあり方についての御要望がありまして、十分そういったことも先般も聞かしていただいたところでございますが、現在の米価審議会は先生御案内のように、米麦等の主要食糧の価格決定に関して基本的な事項を御諮問いたす、政府の責任において決めます行政価格の決定について御諮問いたすということになっておりまして、その委員をお願いする場合におきましても、米麦の生産なり、流通、消費というようなものについて非常に専門的な知識をお持ちになっておる方にお願いすることはもちろんでございますけど、米価の持つ国民経済ないし社会全体に持つ意義というようなことから、広く財政なり国民経済というようなものに対する専門的な方々にもお願いいたしまして、十分な御論議を賜って、政府としてはその意見にのっとって適切に決めさしていただくというたてまえにしておるわけでございます。 なお、付言さしていただきますと、そのようなことでございますので、米価審議会の運営はいわゆる何と申しますか、ちょっと多数決とか、そういうようなことではなくて、十分な御論議を賜って、その御論議の中から意見を要約していくというような運営をさしていただいておるわけでございます。それは、今日のこのような運営に至りましたのも過去の昭和の二十年代からいろいろ構成等について変遷がございまして、一時はなかなか、運営等についても無答申その他というような問題等もあった経緯もございまして、何と申しますか、四十年代に入りましては、ただいまの構成というようなことで運営さしていただいているというのが実情でございます。
○相沢武彦君 この事前協議の際、もう一点、全中から買い入れ制限の問題で根本的に考え直して、全量買い入れの方向で検討してほしい、こういう要望があったわけですけれども、これに対しても、大臣は、買い入れ制限の徹底は現状においてこれを撤回することは無理だと、こういう回答をされているわけですが、その困難の理由と、また今後のこの問題、どういうふうに処理されようとするのか具体的な対策を説明いただきたいんです。特に北海道の場合は、大分数量を不当に抑えられてまして不満が強いわけなんですが、その点もあわせて。
○政府委員(大河原太一郎君) 本件につきましてももうすでに大臣から当委員会でも御答弁申し上げておるところでございまして、米の過剰基調という問題を前提といたしまして、食管制度そのものの健全な維持というためにも、やはりこの予約限度制を導入せざるを得ないという時点でございます。すでに過去五年、これの導入制を、予約限度制を行ってまいりまして、非常に米作農家の方々もこれについていろいろな御意見はあることも承知でございますが、とにかく、何といっても米の自給の振興を図るという点を早期に達成いたしませんと、いずれの問題にも手がつかぬというようなことでございまして、一方では、しばしば御指摘をいただくその自給力の強化という点から見て、今後の需要の動向からなお増産をする農産物も相当多い。したがって、その米との関係で余力のある水田については、それらの農作物の生産を実は図って、とにかく早く需給の均衡を回復するということが急務であるということで、今後、三年間の運用におきましては、この限度制を維持せざるを得ないというのが実情でございます。 北海道につきましては、当委員会でも、昨年いろいろ御指摘を受けましたが、私どもとしては、その全体の枠の中で北海道についての諸般のデータを整理いたしまして適切なお願いをいたしたというふうに理解しております。
○相沢武彦君 さっぱり理解していないですよ。また別の機会に論議したいと思いますが、時間が来ましたからきょうは終わります。 —————————————
○委員長(小林国司君) この際、農林水産政策に関する調査のため、本日、日本鉄道建設公団理事平岡治郎君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林国司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○小笠原貞子君 引き続いて、まず最初に米価の問題について大臣からお答えをいただきたいと思います。 もう御承知のようにいま田植えの真っ最中で、北海道なんかはこれからでございますけれども、その田植えをしながら、これでこの秋はどうなるんだということで、この生産者米価については非常な、関心というよりも不安で一ぱいな気持ちでいま作業をしているところでございます。そういうことですから、この米価に対して大臣がどういうふうに考えていらっしゃるかということは、大臣の姿勢はどうであるかということになる、ということになろうかと思います。 そこで私は、時間がございませんので簡単にお伺いしたいと思うんですけれども、去る十六日に、十二チャンネルで、テレビで大臣お答えになっていらっしゃったわけです。それの、お伺いしましたその中で、いつごろ生産者米価が決められるのか、という質問に対して、生産者米価、消費者米価をいつごろ決めるかということは、また、どういうふうに決めるかということについては、率直なところ、まだ具体的に検討していない、というお答えだったわけです。具体的に検討してないとなると、これまことに——そう言わざるを得ないのかもしれないけれども、やっぱり、どうなんだと。もう時期も迫っている中で御検討いただいてなければならない問題だ、ということで農民が聞いたら、こっちは心配しているのに、具体的に検討していません、なんということでは、大変大臣冷たいなあという、姿勢の問題としてとらえていると言わざるを得ないと思うんです。そこで、その中でおっしゃっているんですけれども、米価を決める算定方式、この算定方式について大臣がこうおっしゃっていらっしゃるわけです。算定方式というのは、一番米価を決める場合の基礎だし、これをぐるぐる変えるということは価格決定における信頼性を失うし、説得がなくなるから算定方式は変えないでいくと、こういうふうにお考えを述べられているわけです。私もそのとおりだと思います。くるくる変えられては、これは大変なことだと思うんです。 で、いままでの経験と実際から考えてみたら、このお考えが本当にそうだったかどうかと。いまの大臣だけの責任じゃないと思いますけれども、やっぱり、この算定方式がいままでだと実にくるくる変わっているわけなんです。しかも、くるくるよく変われば私はもう大喜びでここでお礼を申し上げたいんだけれども、くるくるだんだん悪く変わっていくということになっているわけです。大臣、首振っていらっしゃるけれども、具体的には実際そうなっているし、一番関心を持っている農民が、くるくる大変ひどく変わってきたということで不信を持っているわけなんです。 〔委員長退席、理事鈴木省吾君着席〕 どういうふうになってきたかというと、たとえば、四十二年方式で——昨年一万五千五百七十円と決定されましたけれども、四十二年方式で五十年産米価を決めるとすると二万八十八円で、前年度に比較いたしますと実に四七・五%にアップされねばならないということになります。また四十三年方式で計算いたしますと一万九千二百四十一円で四一・三%のアップにならなければならない。ところが、くるくる変えないで四十二年でやっていただけばこういうことになるんだけれども、くるくる変わった結果、一万五千五百七十円、一四・四%のアップにしかならなかったと。現実の数字はこういうふうに示しているわけなんです。その辺のところ、大臣は、いままでの経過から見てどういうふうにごらんになっているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) この生産者米価は、私が申すまでもなく、食管法に基づきまして生所方式でやるわけでありまして、その場合に、生産費さらに物価その他の経済事情を参酌をして、米価審議会の議決を経て農林大臣これを決める、ということになっております。この基本的な原則というものはこれはもう変えるわけにいきませんし、今日まで変わってない。その中におきまして、確かに算定方式がときによっては、変わってきておることもこれは事実ですが、それは変わるだけの客観性といいますか、があったということになるんじゃないかと思うわけです。しかし、理論的にといいますか、一般的にそうした算定方式——やっぱり一般の、たとえば、農民の皆さんがごらんになっても、その算定方式がいままで変わった中にあっては、そういう客観性はあったわけですが、しかし、余り変わるというふうな印象を持つということは、やはり米価に対する信頼性というものが薄れてくる可能性はあるわけですから、やっぱり、算定方式というのはなるべく変えてはいかない、大筋においては変えていかないという姿勢でこれに対処していくというのが私は大事なことじゃないか、と。農林大臣としてはそれを相努めていかなきゃならぬという私の考え方を申したわけで、今年度もそうした考え方で対処したいと、こういうふうに思っておるわけです。ですから、やはり、基本はあくまでも食管法の生所方式を守ってやるということです。
○小笠原貞子君 そのくるくる変わってだんだんひどいところにきちゃって、それで、ひどいところで低米価が押しつけられるところにきたら今度は変えないと、こういうふうになりますと、その算定方式を変えないということは、もう、ことしは、言われているような低米価でしょうがないんだ、よと、まさに、農民に対して宣言されたというふうに受け取るのは当然だと思うわけなんですね。そこで、いままで変わってきたというのは、あっち変えたりこっち変えたり、いろいろ理屈をおつけになっているけれども、はっきり言ったら、計算機でことしはここら辺までに抑えようと思ったら、逆算してたったったったっと、大変お上手に理屈をつけながら、実にりっぱに、そちらの立場で言えば、りっぱにお変えになってきていらっしゃるというのが、いまの農民の持っている不信の原因にもなっていようと思います。ことしは、いままでどおりの、この悪く変えてきたところで、算定方式というものを見直すというお考えはないのかどうか。一言でお答えいただきたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまのお話はまことに偏向的だと私は思います。ことし、私、一つの筋道を言っておるわけでして、ですから、算定方式というものを余り何か恣意的に変えるというふうな面が、何かそういうふうな感じが持たれることはよくないということで、大筋はやっぱり算定方式というものを変えないでいこうということが、米価決定の場合においては、やっぱり米価に対する信頼性を保つ上からも大切なことであるということですから、私は、いまの米価というのが低米価で、またこの低米価を維持していこうと、そういうふうな考え方は頭からありません。
○小笠原貞子君 結局すれ違いになるし、時間がないので、また引き続いてお伺いすることにして、公共牧野の問題について大臣のお考えを伺いたいと思うわけなんです。 粗飼料が非常に不足している中で地価が高騰した、そして労働力も不足してきたというような中で、公共牧野というものが私はいま非常に大事な役割りを占めているのではないかと。そういう意味から、国としてこの公共牧野についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。位置づけをどう位置づけていらっしゃるか。これは済みませんが、大臣からその公共牧野についての位置づけをいままで伺ったことがございませんので、簡単にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) この公共牧野というのは、公共育成牧場……。
○小笠原貞子君 市町村でやっておりますでしょう、公共牧場ですよ。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 公共育成牧場……。
○小笠原貞子君 はい、はい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは畜産経営の育成過程における労働負担及び経営コストの軽減を図るものとして、今後の畜産の振興の上に果たす役割りは非常に大きいというふうに考えておるわけでございます。
○小笠原貞子君 ちょっと頼りないのですけれども……。この公共牧野というものについての本当にしっかりとした位置づけをいただきたい。まあいまのお言葉の中でも非常に大事だということをおっしゃいましたし、私も当然そういうふうな位置づけになろうかと思います。そういう位置づけになりますと、これはつくりますときには、政府としてはいろいろ援助もいただいたわけでございますけれども、その後、いろいろと再整備ということが必要になってまいります。さくをつくり直したり、建物の設備をしたり、草地を整備したり、道路を整備したりというようなことになるわけですね。そうすると、大事だということで初めは御援助をいただいたけれども、再整備になったら、後はおまえたちでやれ、ということで冷たく見放されてしまっていいものだろうかということなんです。 それで、北海道にもいろいろとこういう公共牧野が各地にございます。そこで、一番困っているのは何だといえば、これができた後、本当にその粗飼料増産の役に立てるようになっているかというと、そのしわ寄せが全く地方自治体に大きくかかってきているわけでございます。道南の七飯というところでは、五十年単年度で一千十三万赤字を出しておりますし、それから江差という北の方では九百六十六万、十勝の上士幌では二千四百七十万、それから厚岸というところでは九百七十八万、標茶——先ほどから例を出しましたところでは、実に二千八百二十八万という赤字を出しているわけです。で、これは手数料の引き上げをせざるを得なくなる。そしてまた農協へ移管するというように、公共牧野としての役割りを今後果たさせるというためには非常に危険な状態にまでなっているわけなんです。こういうことに対しまして、再整備もしなければならないということについて何とか国でも粗飼料増産の立場からお考えいただきたいということが第一のお願いであり、問題として訴えたいところなんです。 そこで、次に緊急粗飼料増産対策事業というのがございます。この対象として、草地の更新整備について対象となるということでございましたけれども、この予算が五十八億です。そして北海道だけ見ても草地整備には二億三千万必要だと、これが公共牧野だけではなくて、そのほかの対象にもかかるというと、非常に予算的には少ない額でしかございません。 そして具体的にお伺いしたいことは、この予算も一般会計の予算でございますから、今後どういうふうにこの大事さから引き上げようというお考えがあるのかどうかということと、それからいつ打ち切られるかわからないという不安もございます。そこで、この事業をいつまでこういった予算を続けて、継続していただけるかという点ですね。 それからもう一つ、より根本的には、こうした公共牧野の総合的な再建、再整備事業というものを土地改良事業の一つとして新設する必要があるのではないかと、こういうふうに具体的に考えるわけなので、大臣としてこういう点、いかがお考えになっていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 公共育成牧場は、確かに全国にいろいろつくられているわけでありますけれども、経営上の問題があって赤字になっているところが多いということは御指摘のとおりで、われわれも問題点の一つだと思っているわけであります。この原因は、やはり預託料が低いというようなこともありましょうし、それから育成に関する現金支出についての農家の理解が必ずしも十分ではない、そういったこともありますし、維持管理というものが果たして十分であるかどうかという点に問題があろうかと思います。そういう意味で、私ども五十一年度から新たに草地の効率利用の促進プロジェクト調査という新規予算を計上いたしまして。問題点を洗い直しまして、その調査の結果に基づきまして対策を講じていきたいと思っているわけであります。それから同時に、現在におきましても、いま御指摘になりました緊急粗飼料の増産総合対策というものがありますから、それでたとえばそういった公共育成牧場が草地の更新をするという場合には、それによって補助対象とするというような措置を講じているわけでありまして、それから、その緊急粗飼料増産総合対策というものにつきましては、これは去年の三十一億から五十八億というぐあいに、去年の、前年度新規につくった予算でありますが、飛躍的に増額いたしまして、今後もそれは増加するということになっております。
○小笠原貞子君 いつごろまでの計画、継続……。
○政府委員(大場敏彦君) 特に、これは地区によって継続が二年ということになっておるわけでありまして、全体計画としてはまだ何年にするか、セットは必ずしもしておりませんが、少なくとも数年間継続いたしたい。一地区二カ年で、全体としては三年ぐらいというめどをつけておりますが、これは最終的にはセットしているわけではありません。今後も継続してやりたいと思うわけであります。
○小笠原貞子君 それから土地改良事業の対象として……。
○政府委員(大場敏彦君) 土地改良事業の対象としてとおっしゃる意味は、公共育成牧場の草地の更新という意味でございますか。
○小笠原貞子君 はい。
○政府委員(大場敏彦君) それでしたら、現在でも、いま緊急粗飼料増産総合対策事業で対応しておりますから、それで継続できると思います。
○小笠原貞子君 大臣にお伺いするつもりでしたけれども、局長の方からのお答えいただきましたので……。これについては、ことしの春、地元からの陳情書も出ておりますので、ぜひ大臣もこの問題について今後ともお考えをいただきたいと思います。 それから簡単に雪腐れ病についてお伺いしたいと思います。昨年、私、委員会で取り上げまして、雪腐れ病について、十勝地方で発生しましていろいろその対策についてお力もかしていただいたわけでございますけれども、今年度、また十勝地方で大発生をしているということなんで、私、大変心配しているわけです。しかも去年に比べまして、非常に大きな範囲で起こっておりますし、また、その大粒菌核菌というものが非常に大きな菌になっているというようなことなんです。具体的に申しますと、去年もそうだったんですけれども、中札内というところで、昨年は二千五百ヘクタールのうち百四十ヘクタールが追いまきや、更新、転作ということでやったわけですけれども、ことし、同じところで追いまき、更新、転作というものを加えますと、昨年の倍以上の三百五十二・七ヘクタールは必要だということになっているわけなんです。こういった実情についてもう御報告が来ていますか、調査をされるというような態勢にありますか、という問題点と、それから去年の場合には、雪どけが大変遅くて、というようなことが原因になっていたわけですけれども、ことしは気候的に菌核発生の条件はない、しかも去年よりも菌が大きくなっていたり、非常に大きな地域で起きている、広い地域で起きているということになりますと、やはりこれについての試験研究というものを重視していただかなければ、いままでに考えられなかったようなことがまた、というようなことでは困ると思いますので、その試験研究の対策というようなものがどうか、ということを簡単にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(大場敏彦君) 昨年の春、いま御指摘のありましたように、北海道東部を中心といたしまして、大粒菌核病が異常発生いたしたわけであります。私どもといたしましては、その対策として、まあ既存の予算の流用という形で予算額約一億五千万弱という形で飼料作物の種子確保対策ということを予算編成いたしまして、そして、これに対応したわけであります。具体的に申しますれば……
○小笠原貞子君 すみません、時間がないので簡単に……。
○政府委員(大場敏彦君) 飼料作物種子とか土壌改良資材、そういった形で対応したわけであります。 それから、ことしの問題につきましては、昨年ほど、われわれのいままで把握しているのでは、昨年ほどの発生はない。特別の対策を講ずる必要があるかどうかということにつきましては、今後とも北海道を通じて実態の把握に努めた上で、考えていきたいと思います。
○政府委員(平松甲子雄君) 試験研究の関係は私どもの方で所管しておりますので、お答えいたします。 牧草の大粒菌核菌につきましては、国立の北海道試験場におきまして発生条件であるとか、発生生態であるとか、あるいは防除法等についての研究をやっているところでございます。先生御指摘のように、昨年は雪どけがおそかったということで、非常に発生した。私どもが聞いております限りでは、本年はそれほどではないというふうに承知いたしておるわけでございます。発生生態等についてはもう大体わかっておるということでございまして、どうするかということでございますけれども、牛のえさでございますから、これに農薬を多量に使うということには、安全性の面からも、経済性の面からもなかなかむずかしいだろう。だから、これに対する対策としては、この病気に対する抵抗性を持った品種を育成するということに主力を置くべきであろうという点で、今後その研究を続けてまいりたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 それじゃ大変すみません、遅くなりまして。青函トンネルの吉岡漁協の被害の問題についてお伺いしたいと思います。 まず、大変大きな仕事でございまして、世紀の大事業と言われるような技術的にも大変困難な中でお進めになっているということは、御苦労の多いことだと思いますけれども、初めにお伺いしたいのは、こういう大変な、いままでにないようなお仕事をなさる上で万全を期されたとしても、何らかの新しい事態が起きるということも考えられるのではないか、その技術的に進めるというのと同時に、もしかのことが起きたときには、どうしたらいいだろうか、というような対策についても、世紀の大事業にふさわしいような対策というものが御検討なされていたのかどうか、この点について最初にお伺いしたいと思います。
○参考人(平岡治郎君) 青函トンネルにつきましては、特に海底の、水底のトンネルであるということで、一番湧水の問題が問題になっておるわけでございまして、この水をいかにしてとめて、安全に掘削を進めていくかということで、技術的にはいろいろ注入工法を開発いたしまして、それで湧水をとめる、万が一、異常事態が起こりまして湧水があった場合には、これは排水するということが非常に大事になりますので、相当容量のポンプを用意しておったわけでございますが、今回のような異常出水が起こるという、これほどまで大量の水が出るというようなことは、当初予想しておらなかったわけでございます。
○小笠原貞子君 その当初予想していなかったというところに、私は、大変残念に思うわけでございます。いままでの経験の仕事ではなくて新しい非常に困難な中での仕事でございますので、出てきてしまってからの対策というのは大変犠牲者が出ることでございます。ですから、そのことを申し上げて質問をさせていただきたいと思います。 そういうような立場で仕事をお進めになったから、たとえばシックナーの浄化能力というのが、二つあってもわずかに十トンだと。現実には四十トン、分で出てきているというような中でございますね。そこで、結局、犠牲になったのは漁業の方たちでございます。ここが大変キタムラサキウニだとかワカメ、コンブといったような、大きな収穫を上げているところでございますので、損害、被害を受けやすいものでも一億二千万からの損害になるだろうと、こういうふうに言われているわけなんです。これがいつになったら解決するかというような点も、いまの状態ではなかなか見通しも大変な中でございます。 そこで、これからの浄化装置、シックナーというものを新たにおつくりになりますね、それおつくりになって、それが効果を発揮するまでには当年くらいですか、の期間がかかるというようなことになりますと、その間の半年以上と、それからいまの問題ということになってまいりますと、被害というものは大変漁民に大きく負担がかかってくるわけなんで、そういう漁民に対しての漁業補償、被害に対してのお考えはどういうふうに現在考えていらっしゃるでしょうか。
○参考人(平岡治郎君) これは異常出水が起こります前までは、通常毎分大体四トンくらいの湧水があったわけでございますが、シックナーの設備といたしましては、十トンぐらいの設備をしておけば十分であろうというふうに考えまして十トンの設備をしたわけでございますが、今回は異常な出水が起きまして、当初は四十トンぐらい出たわけでございますが、その後だんだん出水が減りまして、現在では毎分三十トンぐらいということでございますので、十トンはシックナーにかけまして、二十トンはシックナーにかけないで排水しているわけでございますけれども、現在隧道の中で掘削作業をやっておりませんので、シックナーにかけない湧水の汚濁度といいますか、それも作業をしておったときに比べますと非常に少なくて、それほど濁っていないというような状況でございますけれども、今後作業を進めていく上には、こんなような出水もないとは思いますけれども、あってはならないと思いますが、万全の設備をしなくちゃいかんということで、シックナーの増設を現在検討いたしております。 それから、異常出水というようなことで、地元の漁業協同組合の方々の大変深い御理解のもとに現在排水をさせていただいております。しかしながら、具体的に被害が発生いたしました場合は、漁業協同組合と誠意をもって協議いたしまして、善処いたしたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 時期的に見まして、ウニが五月八日から十一日が最盛期、それからワカメも十二日より解禁というような、大変いいときに事故が起こりましたものですからね、これがそうでないときだと大分違ったかと思いますけれども、こういうことで私も昨日、漁協の方に電話をいたしまして、大変心配をしていらっしゃるわけなんです。そして、漁協の、そしてまた漁民の一人一人の一番願っていらっしゃるのは、われわれは決してトンネルに反対だというようなことではないんだと、しかし、われわれ自身が受けた被害補償については、やはりそういうことはしっかりと補償してもらいたいと。もう当然初めのうちに毎分五トンくらいだからというようなところが、安易であったというところは、やっぱり公団側としての落ち度だと言わざるを得ないわけですから、その辺のところは、言葉で誠意をもって解決ということをおっしゃったけれども、これをほんとに誠意のある解決にしていただきたい。特に四十六年の被害補償のときには大変わずかだった、七千九百万円の要求に対して二千三百万円しか支払っていない。だから今度も誠意をもってと言っても、きっとまたこんなひどい目に遭うんじゃないか、やっぱり弱い者が犠牲を受けると。しかももう初めの準備がきちっとできていなかったということは、その漁民なんというのは、被害が起きれば補償すればいいだろう、というような考え方に立っているんだというようなことで、やっぱり抜きがたい不信と不安というものがあるわけでございますので、その辺のところをそういう不信をなくするように、やっぱり事故が起きた責任ある者としての姿勢できちっとやっていただきたいということをはっきりとお願いしたいと思うわけです。 それから、長期的な立場から起こり得る事態がまた考えられる。こんなことあってはいけないと思いますけれども、何か伺うと、これからが大変むずかしい地層に入るんだということも伺いましたので、そういうことになると、今度だけというのではなくて、今後こういう事故が起きた場合のことも考えて、長期的な立場に立っての協定を結ぶという必要が私はあるのではないかと思うんですけれども、その辺についてどう考えていらっしゃるかという点をお伺いしたいし、それからまた、水産庁の長官の方には先ほどもお答えがございましたけれども、道としても、また漁協としても調査をしていると思いますけれども、いま私が申しましたような立場で、漁民は弱い立場でございますので、漁民を守る水産庁としても、また農林大臣としても、鉄建公団に対して、具体的に正式な要請というものをぜひしていただきたいと、こういうふうにお願いをするわけでございます。いかがでございますか。
○参考人(平岡治郎君) 先ほどお答え申し上げましたように、実害につきましては誠意をもって善処をいたしますので御了承願いたいと思います。 それから、いろいろ公害設備その他でございますが、今回の出水の経験に基づきましてなお一層大きな設備を整えるということで検討して早急に設備をいたしたいと思います。
○小笠原貞子君 今後の長期の問題についての……
○参考人(平岡治郎君) ですから、今回の経験に基づいて、今後起こり得べき事態等を考えた上でそういった協定を結ぶことはやぶさかでございません。
○政府委員(内村良英君) 吉岡漁協管下のワカメ、ウニ等の漁場に現在濁水が流出しているわけでございますが、周辺にはホタテ等の養殖施設もございますので、五月十九日から北海道の水研が中心となりまして、汚濁による漁場の環境及び魚介、モ類の影響調査を開始しております。水産庁といたしましても、必要に応じて調査について関係者に協力するという体制で臨みたいと思っております。 なお、補償の問題はこれはまあ当事者間の問題でございますので、非常に紛糾するという場合には水産庁も補償の解決に力を貸すという態度で臨みたいと思いますが、本来的には当事者間で片づけていただきたいと思っております。
○小笠原貞子君 大臣、大臣、漁民の……
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま鉄建公団の方からもお話がありましたように、被害に対しては十分これに善処していくということでありますし、水産庁としてのいまお答えをいたしましたように、漁民の安心のいけるように、今後対策を進めたいということでございますから、私としても、そういう方向で関係省庁とも連絡をとりながら対策を進めたいと考えております。 —————————————
○理事(鈴木省吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日佐多宗二君及び初村滝一郎君が委員を辞任され、その補欠として大森久司君及び古賀雷四郎君が選任されました。 —————————————
○理事(鈴木省吾君) 本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。 —————————————
○理事(鈴木省吾君) 農産物価格安定法の一部を改正する法律案及び砂糖の価格安定等に関する法律及び甘味資源特別措置法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は第七十六回国会において聴取いたしております。 これより、質疑のある方は順次御発言を願います。
○鶴園哲夫君 私は時間がありますれば、食管特別会計につきまして赤字の不拡大方針というのが昨年完結といいますか、行われたわけでありますが、これは食糧管理制度におきまして、また農政の上におきまして大きな転換であります。これによりまして恐らく大変な赤字の節約が行われたと思うんでありますが、二千億近い金が節約されたと思うのですけれども、従来食管の方に金が使われ過ぎているので、一般の農政に金が回らないという話があった。しかし、そういう大きな転換をされたんですが、一体その一般の農政にどの程度の金が回ったのか、そういう問題をぜひやっておかなきゃならないというふうにも思っております。 また、農産物の長期輸入の安定化のために、昨年の夏に農林大臣がソビエトへ行かれまして、すぐその足でアメリカに行かれました。さらにまた豪州と日本との間に協定ができまして、年間六十万トン、そして五年間という砂糖の取り決めが行われております。さらにタイその他もう一カ国ありますが、七六年度、ことしで百七十万トンという長期契約が行われております。これは日本の砂糖輸入の六五%ぐらいに該当するわけでありますが、そういった問題について一体どうなのかという問題が非常に大きくあると思っております。 もう一つは、初めて中規模農家というのが農政の上に登場することになりました。自立経営農家から中核農家と、そして中規模農家というものが初めて登場することになりまして、これは安定成長の中では中規模農家というものを取り入れざるを得ないということ、それと複合経営というものがどうしても登場するということになろうと思うのですが、そういった問題について論議をいたしたいと思っておったんでありますが、いまお話のように、ここにありますところの農産物価格安定法の一部改正、それと砂糖の価格安定に関する法律の一部改正及び甘味資源特別措置法の一部改正、この問題につきましてお伺いをいたしたいわけであります。 御承知のように、この委員会におきましても何度か論議いたしました食管特別会計法——食糧管理法の四条の二ですね、麦の価格の、政府買い入れ価格の決め方が書いてあります。それから大豆、なたねにつきましては、大豆なたね交付金暫定措置法によりまして大豆、なたねの価格の決め方が書いてあります。農産物価格安定法によりまして芋の原料芋、バレイショ、そしてカンショの基準価格の決め方が書いてあります。砂糖の価格安定等に関する法律によりまして甘味資源のビート、サトウキビの価格の決め方を書いてあります。これらはほとんど同じような文句を使いまして書いてありまして、最終的にはその「再生産を確保することを旨として」決めると、こうなっております。で、パリティではじいて、それを基準にして、そうして経済情勢なりさらに生産状況なり、そしてこの「再生産を確保することを旨として」決める、こうなっておるのでありますけれども、しかし 一体農林省はこの法律の趣旨に従ってこれらの価格を決めてきたのか。つまり「再生産を確保することを旨」として決めてきたのかという点について私は大きな疑問を提示してまいったところであります。麦も、生産を確保する、再生産を確保するということにしてきたのか、昭和二十四年、二十五年の政府の買い入れ価格に対して、パリティをかけてやってきました。しかし、百八十六万ヘクタールあった麦が、四麦がいま十六万ヘクタールになっている。これはどう見ても再生産を確保するという旨で決めてこなかったということの証明ではないか。なたねにいたしますと、三十数万ヘクタールあったものが今日四千ヘクタール、本当にもうなくなる寸前というところまで追い込まれておるわけですが、大豆についても同じようなことが言われます。カンショにつきましても、バレイショにつきましても、ほぼ似たようなことが言える。こういうことから言いますと、私は、四つの法律の趣旨から言って、本当に再生産を確保することを旨として価格をお決めになったのか。どうも法律を実行してこられなかったのじゃないかということを従来から提示をしてまいったところであります。それはここでは非常に広範に及びますので、食糧庁長官も出てもらわなきゃいかぬし、官房長も出てこなきゃいかぬし、いろいろありますので、ここの法案に既しまして、農安法と糖安法と甘味資源特別措置法、これに関連をいたしましてお尋ねをしたいと思います。 そこで、まずお尋ねをいたしたいのは、てん菜であります。これは作付面積が急速にまた減っております。この四年ぐらいの間に三割近く作付面積が減っております。ヘクタール当たりの反収、これもどんどん減っております。歩どまりも減ってきている、決して上向いていない。で、農業主産の指標としては、この三つで十分だと思うんです。作付面積がどうなったのか、反収がどうなってきているのか、歩どまりがどうなっているんだ、というこの三つを見れば、一体このてん菜というのは今後どういう方向に動くのかという点を見定めることができるぐらいの私は指標だと思うんですよ。そういう立場から四十九年に農家の買い入れ手取り価格を上げられたわけですね。それまでは三%程度、毎年三%程度ずつ買い入れ価格は、農家の手取り価格は上がってきたんですけれども、四十九年に七五・二%というふうに上がったわけです。まあ大変長いこと大変な低率に抑えてきたので、ここでぼっと大きく上がったわけですが、さらに五十年は六・七%ですから、当然四十九年度に上がったものが、これは五十年度作付、反収、歩どまり等に影響してこなきゃならないし、ところがそういう形は全く見られない。さらに五十年も作付は減ってきている、反収も減っているし、目に見えて減ってきている、歩どまりもそうである。五十一年はさらに減る。こういう状況にあるんですが、これはいまとられましたような価格政策というものを超える何物かがあって、それを打ち消す大きな力があって、そしてこのような状態になったのではないかと思うんです。どういうふうに考えていらっしゃいますか、ひとつ。 時間がありますから、次にもう一つ、キビでありますが、甘味資源の二つでありますところのもう一つのキビ。これは従来長い間二%ずつの値上がりをしてこられたわけですけれども、四十八年に四四%、四十九年に五〇%、そして五十年に七・三%、こういうふうに引き上げられたわけであります。その結果ということになるんでありますが、作付面積も上向いてまいっておりますし、五十年はついに三万ヘクタールを超すという状態になっておりますし、反収もはっきり増加の傾向を示し、歩どまりについても増加の傾向を示す、こういうことになっているわけでありますが、私は、これを見まして天候のかげんもそれはいろいろありますけれども、価格のこういうような措置をとられたことが確かにいい面が出てきた。農家にありましても非常に生産意欲は高まっております。サトウキビをつくりたいという意欲は非常に高まっております。したがって、サトウキビの将来性の問題についてどういうふうに考えていらっしゃるか。以上二つです。ビートの問題、サトウキビの問題、二つです。
○政府委員(今村宣夫君) お話のビートの生産の面積はこの数年四十九年に四万七千ヘクタールになり、五十年は四万七千九百、若干ふえたのでございますが、五十一年もやはり四万ヘクタールの台というふうに推定をされるわけでございます。これは四十九年、五十年、特に五十年におきましては十勝の気象条件が非常に悪かったということがございまして、十勝以外の地域では大体従来の面積を横ばいないし若干の増という形でございますが、一番主産地であります十勝地帯の天候が非常におもわしくなかったということが四十九年、五十年の面積の減少をした大きな理由ではないかというふうに思っておりますが、同時に、反収につきましても御指摘のように従来一番高いときには四・七トン、四・八トンぐらい超えておったわけでございますが、現在は約三・七トンぐらいに相なっております。これもいろいろ天候のことを言っておるわけでございますが、先生御指摘のように価格という問題は生産対策と並んで重要な柱であることは御指摘のとおりでありますので、私たちとしましてもパリティで、五十年の価格につきましてはパリティで九・三%を計算をしただけでは、とても従来の農家の生産者の取得した手取り価格水準に及びませんので、これを負担を確保いたしますために企業負担による奨励金を加えて農家手取りトン一万六千円ということにいたしたわけでございます。企業がこういう負担をできない場合には国か責任を持つということで処理をしてきたわけでございますが、てん菜はそういう状況でございますが、サトウキビは幸いにいたしまして農家の生産意欲も非常に強く、面積も増加をいたしております。サトウキビはこれは奄美、沖繩におきます基幹的な、これ以外の作物はないと言われるような作物でございますから、私たちとしましてはそういう作物の重要性につきまして十分認識をして生産対策、価格対策に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 私はこのビートの場合におきましてはいま局長は天候の問題をおっしゃいましたですが、確かに天候の問題もあると思います。しかしやはりビートが、いわゆるサトウキビが沖繩、奄美群島におきまして基幹作物である、決定的な基幹作物であるという点がやはり非常に違うんだろうと思うんです。ですから、ビートの場合、バレイショの問題もありますし、豆類の問題もありますし、それから酪農との、酪農関係の牧草との関係もありますと思います。ですから、天候の問題は一つの原因でありますけれども、しかしこれはもっとそういう意味の農業経営の問題あるいは作物の問題等々から考えました場合に、ビートについては検討する必要がある、もっと検討しなければならない。天候だけではない、一つの原因でありますけれどもね。ただ、サトウキビの場合は、沖繩側にとっては何といっても基幹作物である、米以上に基幹作物である、そういう点がありますから、三%程度抑えられてきたものが、二%程度しか上がらなかったものが四十五%、あるいは、というような上がり方をしますと、これは伸びてくるのは当然だと私ども思っております。 そこで、次にお尋ねをいたしたいのは、甘味資源特別措置法第一条、これは非常に変わった文言が書いてありまして、ほかの法律にはこういう言葉はないんですけれども、「自給率を向上させる」となっていますね。これはほかの法律にはないんです、こういうのは。「自給率を向上させる」となっておるわけですわ。局長、いまさらながめなくてもいいですよ。これ忘れておるんじゃないですか。「自給率を高める」となっているんだ、法律は。これはほかの法律はないんですよ、こんなものは。「自給率を高める」という法律は。大変ありがたいこれは法律だと思います。そこで、自給率がどんどん、砂糖の自給率がどんどん減りましたですね、三〇%程度あったんですが、だんだん減ってきて二〇%程度が長く続いたんですけれども、いま一五%を切っておるんじゃないですか。私が計算しますと一三%ぐらいあるようですね。いま、おたくでいただいている参考資料がありまして、第一ページのを見ますと、一三%ぐらいの自給率をはじけれるんですけれども、しかし農林省は一六%ぐらいというふうに見ていらっしゃるようですが、まあ二八%でいきましょう、農林省そういうお考えですから。一六%程度と大変落ちたわけですよ。自給率がどんどん落ちた。それで、どんどん落ちたのに、これはどうなさるおつもりか。法律は「自給率を高める」となっているのですよ。これは大変な矛盾ですな。これはもう法律違反ですね。「確保を旨とする」というやつも法律違反だけれども、そのようにしなかったから。ここでは「自給率を高める」というふうに、法律では第一条に目的ちゃんとうたっているのに、こんなに、ばかすか自給率が下がったんじゃ、これは困ると思うんですね。この点について、どうお考えになっているんですか。自給率なんか考える暇はないという答弁があるかもしれませんが、それはいけませんよ、法律に書いてあるんだから。
○政府委員(今村宣夫君) 私たちは、ビートの生産の振興を図り、甘蔗の生産の振興を図り、それによって国内の自給率の向上を図りたいという考えを持っておりますが、従来、自給率が相当程度にあったものが、いま私たちの計算では一六%ぐらいに相なっておるわけでございますが、そういう自給率の低下ということはいろいろな要素によってもたらされるものであろうかと思います。 一つは、砂糖の消費か四十八年——四十九年はちょっと違いますが、四十八年までは逐年需要がふえてきておったということでございます。その一方、国内産糖の生産量も若干ずつふえたり減ったりしながら推移をいたしておるわけでございまして、四十九年、五十年、特に五十年のようなビートの不作等を踏まえますと、どうしても御指摘のように自給率は落ちるわけでございまして、私たちとしましては、諸般の生産対策、価格対策を講じまして、できるだけ自給度を維持したいと考えておりますが、一つは、私は、自給度も非常に大切なことでございますが、たとえばビートをとりまして考えてみまするときに、やはり北海道の輪作全体の問題としてビートをどういうふうに位置づけるかという問題を御指摘のように真剣に考える必要があると思います。同時にまた、サトウキビにつきましては、先ほど申し上げましたように、奄美、沖繩にはこれ以外つくる作物はなかなかないわけでございますから、そういう観点に着目して生産対策、価格対策についても十分意を用いる必要があるというふうに考えておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 私は、甘味資源特別措置法の第一条の目的に「自給度を高める」となっているから、それが三〇%ぐらいあったものが、ばかすか落ちて一六%になった。去年の特殊な例を考えましても、もう二〇%を割っておるわけなんですわ。これは一体、法律のたてまえから言っておかしいんじゃないか。それはいままでとられた施策が悪かったからだ。だから長年にわたりまして二、三%ぐらいしか引き上げてこなかった。農家の手取り価格というものを二、三%しか引き上げてこなかったというところに、農家はビートに対し、あるいはサトウキビは、農家はサトウキビに対して非常な絶望感を抱いたわけですよ。そういう点が私は一番大きいんじゃないか。 それで、農林省が昨年の五月に価格決定をされまして、そして公表されました長期見通しによりますと、昭和六十年に甘味資源というのは二八%の自給率を持つようにするんだと、こういうお話なんですね。そういう立場から言いますと、法律のたてまえからいって、昨年の五月に決定された長期見通しからいって、これから大いにこれは自給度を高めるために努力をしなけりゃならぬのじゃないかと思うんですけれども、ひとつ見解を承りたいと思います。
○政府委員(今村宣夫君) 価格につきましては、従来、四十五年から四十八年ぐらいまでは御指摘のようなことでございましたが、四十九年におきましては、ビートでございますが、従来四十八年の八千五百六十円を一万五千円に引き上げ、五十年におきましては、農家手取り価格の水準を一万六千円に引き上げたわけでございます。同様に甘蔗につきましても五十年に一万六千百円ということで、ビートを例にとって申しますれば、五十年の価格は四十八年の約倍に近いような水準に相なっておるわけでございます。そういうことで、私たちとしましても、生産対策につきましても、甘蔗について五十一年度から特別な生産対策を講じ、またビートにつきましてもいろいろな生産対策を講ずることによって国内産甘味資源の生産振興を図ってきておるわけでございますがなかなか、御指摘のように自給度を向上するということにつきましては……。 北海道の輪作におきましてもやはり、たとえば畑作面積は総体でこの数年間に十万ヘクタールふえておるわけでございますが、牧草が三十万ヘクタールふえておりますから一般畑作の面積としてはどうしても二十万ヘクタール減っていくわけでございます。その減っていくということの、十二十万ヘクタール減っていっている間において畑作物それぞれの相互間の作付が行われるわけでございますから、今後はそういう輪作体系の中でビートをどういうふうに続けていくかという観点から物を考えていく必要がございましょうし、それから奄美大島につきましては、先ほど申し上げましたようなその地域の特性に着目をいたしました生産振興なり価格対策ということを十分講じていく必要があると考えておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 繰り返しになりますが、ひとつ念を押しておきたいと思います。 これは前の前の農林大臣が悪いんですね、これ。法律にはそう書いてあるんだから。「自給度を高める」となっているんだから。前の前の局長も悪いし大臣も悪かった。とにかく手取り価格というものを二、三%引き上げてきただけですから、その中で自給度を高めるという法律の趣旨に合うはずがないわけですわ、どう言ったって。だから、ばかすか減るわけで、二七、八%——三〇%まであった自給率が急速に二〇%に落ちた。そして、さらに落ちそうになったものだから奨励金というものを出したわけですよ。非常に大きな奨励金を出した。サトツキビで言いますと四十八年度に出し始めた。それからビートで言いますと四十九年度から出し始めたわけですな。前が悪いですよ、前の大臣が。前の前の大臣が、前の前の局長が悪いわけだ。何と言っても悪い、これは。法律の趣旨に沿わないんだから。「自給度を高める」となっているんですよ。よう頭に入れておいてください、大臣も局長も。いまさら法文を見て、後ろの「自給度を高める」なんというのをいまさらのようにながめちゃだめですよ。そこで、局長がいまおっしゃったように、サトウキビで言いますと、四十八年から奨励金、大変大きな奨励金を出すようになったわけですね。それで、パリティではじいた数字からいいますと、三割ぐらいの高い奨励金を出したわけですね。それから、ビートにいたしましてもそうですね。基準価格、おたくがはじく、そのパリティではじいた価格よりもがばっと高い、三割ぐらい高いその奨励金を出したわけです。 そこで、私は伺いたいんですけれども、従来の農林省の価格政策、つまりビートに対して、あるいはサトウキビに対する価格政策というのはまずかったと、これは。だから、従来のはじき方でいえば、これ以上出ない、そこで奨励金を出して自給度を高めようという努力をしたんだ、法律の趣旨に沿おうという努力をしたんだというふうに思うんです。で、その従来の価格政策というのがこれは間違えておったと、これは認めざるを得ないのじゃないかと思うんですけどね。従来はその自給度を高めるような価格制度をとっていないんですから。ところが、おたくの計算によるというと、パリティではじくもんだからああいうはじき方しかできない。これは麦についても、大豆についても、ナタネについても同じですよ。バレイショについても、それからカンショについても同じ。「再生産を確保することを旨として定める」というんだけれども、そういうことをやってこなかった。そこで、がばすか減ってきた。そこで価格政策というのを、考えを変えるというわけにはいかない、急に。農林省としては、そこで奨励金を足したということになるんじゃないですか、そして増産をしようと。大豆だって、ナタネだって、麦類だって、サトウキビだってそうでしょう。増産しようということになったのではないかと、こう思うんです。どうですかね。
○政府委員(杉山克巳君) 御指摘のように、麦でありますとか大豆、ナタネそれから甘味資源作物等につきましては奨励金が支払われております。まあ、これらは今日の世界的な需給事情、国内の生産状況、それらの点を勘案いたしまして国内生産の急激な減少あるいは停滞に対処するということで、それらの作物の生産振興を図る措置として当面とられた措置でございます。まあ、仰せのように、受け取る側からすれば価格の補てん的なものとしてこれを考えるということはあろうかと思いますが、パリティ指数に基づいて算出される価格をこれを基準として物価その他の経済事情を参酌して定められる行政価格、それとは性格ははっきり異なるものでございます。 それから、パリティ方式についていろいろ御意見あったわけでございますが、パリティ方式で生産者価格を算出すること自体につきましては、これはまあ農家支出の変化を指数であらわしまして、これを農産物価格にスライドして農産物価格を算定するということをやっておるわけでございますが、それは当該農産物の需給事情に左右されず生産者に対して総体的に安定した価格を保障するというメリットはあるわけでございます。ただ、そういうことが特に最近のような著しい国際需給事情の変化、現実にまた国内生産が落ちてきているという状況もまた念頭に置きまして、著しい経済変動というようなことを考えました場合、十分そういった情勢に対応し得ているかどうかという点については今後なお検討する必要はあろうかと思います。
○鶴園哲夫君 これは審議官の話はパリティではじくと、しかし、四つの法律はいずれもパリティではじいたものを基準にしてですよ、基準にして、あとが抜けているんだ。つまり「再生産を確保することを旨として定める」となっているんですよ。それがいまさつき抜けたわけですよ。まあやっぱり、言うといかぬですからね、それは農林省としちゃ。そこを抜かして言うんだろうと思うんですよ。忘れちゃいかぬですよ。「再生産を確保することを旨として」というのを。パリティだけじゃないですよ。 そこで私はこう思うんですがね。いまの四つの法律というのは、パリティではじいて、それを基準にして「再生産を確保する」と、これで決めてある。ところが、農林省でやっているのは、パリティだけではじいたわけです。だから、ばかすか減るんです、これは。大豆やナタネや麦や、皆そうです。減ったわけだ。今度は将励金を出しちゃってですな、「再生産を確保する」というのを少し飛び越しちゃって積極的に増産しようという姿勢を出したわけです。三つあるですよ、いま。農林省はいままでこれとっておったんだけれども、再生産確保しなかったんだけれども、確保した上に積極的に増産という形でこう出てきたわけです。大変な変化ですな、これは。この変化についてね、価格政策としてどう位置づけるのか。 それで、私はここで申し上げたいんですけれども、「再生産を確保する」ということは、要するにその作付面積が減ったりあるいはその生産高が減ったりしないようにしようということでしょう。「再生産を確保する」というのですから。ところがそれじゃ済まなくなっちゃったですね。増産するというわけですから。そういう政策をとってきたんじゃないですか。それが全部に及んでおるんです、いま。麦からナタネから大豆からですね。それといまのこのビートについても、サトウキビについても及んでいるわけですよ。だから、ここで価格政策というのを、従来農林省がとってきた、四つの法律に基づいてとってきた価格政策というものを根本的に検討をしなけりゃならぬ段階に入っておるのじゃないか。 昨年の八月ですか、「総合食糧政策の展開」についてということを御発表になりました。五十一年度予算の骨組みになっているのだそうですが、その中の第六に「価格政策」が載っております。その「価格政策」の中で、いろんな意見があって、それぞれの均衡をとって文章ができておると思うのですけれども、「価格政策」の検討というのが載っていますですね。奨励金というのをどうしてこれから考えていくのかと。これ、奨励金というのは積極的に増産しようというやつですよ。やっぱり価格政策ですよ、の中に含めて考えるべきです。だからおたくも第六項に、「価格政策」の中に入れて考えていらっしゃる。そういう点についてですね、簡単にひとつ考え方を聞きたいのです。
○政府委員(杉山克巳君) 御指摘のように、価格政策検討委員会を設けまして、昨年の夏以来いろいろ検討をしてまいっているわけでございます。これまでもまあ畑作物についての行政価格の時期の問題、まあ決定時期をなるべくコンパクトな期間に集中したいというような問題、あるいはパリティ価格の、これはまあ技術的な面でございますが、算定の仕方について、期間のとり方に不ぞろいがあった、こういったものを統一するというようなことを検討し、これは実施に移してまいったわけでございます。まあ、そのほか中核的な農家の所得確保状況、農家一般ということでなくて、中核的な農家についてはどんな状況にあるのかというようなこと、これをまあ判断材料として整備する必要もありますので、そういった統計調査の改善整備の問題にも着手いたしてまいっております。 まあいろいろそういう前段階的なことを整備してまいっておるわけでございますが、今後の長期的な検討の課題といたしましては、中核的農家の所得確保の問題、それから作目間の相対価格関係の調整の問題、さらに需給事情の価格へどういう形で反映させるかというそういう問題、また、各種奨励金の性格づけと価格政策との関連、それらの問題を中心に検討を行うということを予定いかしております。 ただ、一つ申し上げたいのでございますが、パリティの価格を基準として決めた価格が現実に生産費を償わない。そして自給度が年々低下してまいったというような実態はありますが、これは価格政策だけでもって措置するというものではない。やはり生産対策と表裏相まって措置されるべきものだというふうに考えます。端的に申し上げますれば、一般的にこれらの農産物は生産条件、生産事情がきわめて悪い。零細でありまして、本格的な経営にはなっておらない、収益性も低いというような事情もあります。一体どのような生産条件をこしらえ、どのような生産条件のものを対象に価格を決めていくかということを考えますと、やはり生産対策と相まってそれら奨励金の位置づけ、性格づけも含めて価格政策全体が検討されるべきだというふうに考えておるわけでございます。
○鶴園哲夫君 再生産を確保して、そして確保するだけじゃだめなんで、ここでいま農林省がとっておられる政策はさらに積極的に増産しろという政策をとっておられるわけでしょう。そうなりますと、これは生産費所得補償方式の方がはるかにすっきりするんじゃないでしょうか。当を得ているんじゃないでしょうか。生産費を補償するとなりますと、これは生産は確保できますよ。所得を補償するということになりますと、所得も上がっていくわけですから、そうしますとこれは増産になってきますよ。米なんかそのいい例。で、いまおっしゃっているように、資本主義社会にあって価格政策というのは一つの重要なこれは生産を伸ばす政策であることはだれしも知っていることで、だから、その中でいろいろおっしゃった経営の問題だとかなんとかとおっしゃるけれども、それもですけれども、これはやっぱり問題は価格政策でしょう。だからその価格政策について、いまのような政策を進めていかれるならば、これはもう生産費所得補償方式の方が当を得ていると私は思うんです。どうも反駁できないと思うんですがね、これは。変えたらどうですか、この法律を。変えちまったらいいですよ。ちょこっと変えればいいですよ。その方がすっきりするですよ。いずれこの奨励金の問題についてはお考えになるわけだから、考えざるを得ないでしょう。こんなもので価格政策の一つとして補強策をとっておられるということは今後もやっていかなければならない。それは大変まずいですよ。政策としては。予算をとる面においてはどうか知りませんですがね、ですけれども、これはどうもまずいですね。ですから、私はやはりわれわれが提案をいたしておりますように、生産費を補償して所得を補償するという、そういう価格政策をとれば非常にすっきりする。この方が当を得ているというふうに思うんですが、で、農林省としても検討されるそうですから、そういう方向に進めてもらいたい、というよりも、これに賛成をしてもらいたい、われわれが出した案に賛成してもらいたい。これをひとりお考えをいただきたい。
○政府委員(杉山克巳君) 現在の農産物価格政策におきましては、それぞれ農産物ごとの特性に即して価格指示の仕組みが定められておるわけでございます。米は仰せのように生産費所得補償方式に画一いたしておりますが、そのほかの農産物それぞれ見てまいりますと、そもそも生産費として何をとらえるかという基本的な問題からして問題があるような農産物も、あるいは生産状況にあるものもあるわけでございます。そういう技術的な問題もありますし、農産物ごとに就労する時間も違う。いろんな所得全体の問題等も関連さして考えるというようなことになりますというと、必ずしも生産費所得補償方式が直ちに妥当かどうかということについてはなおなお問題が多いと考えます。私どもといたしましては、何かその一つの方式を予定して、それに目的を定めて持っていくというようなことではなくて、先ほど来申し上げましたような現在の価格決定方式に内在する各種の問題点をそれぞれ細かく分析いたしまして、若干期間はかかりますが、今後十分生産振興に役立つような基本的な方向のもとに検討してまいりたいと考えております。
○鶴園哲夫君 いや、私はなんですよ、むずかしいことないですよ、こういうことは。ビートについても、サトウキビについても、麦についても生産費調査をやっておられる。やろうと思えば少し戸数をふやせばいいんです。前畜産局長見えておりますが、昨年は牛肉を価格政策の中に取り入れたですよ。あのときだってやっぱり、急速に牛の生産費というものを調査された、戸数をふやしてですね。その前はまるで、ぼくら見ると、これは行政の自衛調査じゃないかというような程度のものであったんですが、ですけれども、急速に生産費調査というのはきちっとできてきたですよ。やる気がないんです、これ。これから増産しようというんですから、積極的に麦類にしろ、サトウキビにしろ、ビートにしろ、それぞれ生産費をはじいておられる。生産費はぴしゃっと出ているんですよ。もっと精細にしたいということであれば、もっと精細にすればいい、戸数をふやして精細にすればいい。ところが、そうじゃなくて、こういうふうにいつまでもこういう奨励金でやっていかれるつもりですか。サトウキビについては三年ついている。麦についてもこれも三年目になっている。大豆は二年目ですね。なたねは一年目になっている。それからビートもこれは二年目、ことしは三年目になりますよ。これをずっと奨励金でやっていくつもりですか。私はそういうことじゃなくて、やはり農林省の得意の価格政策というものの中に取り込んでいくということを考えた方がいいんじゃないですかね。だから、私は、ここにありますように法律を改正をして、生産費と所得を補償するような方向に進まれた方が当を得ているというふうに思うんですけれども。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 価格政策につきましては、いろいろとやはり研究をし、検討しなければならない問題があるわけでございますので、省内に検討委員会を設けまして、そうして現在価格政策のあり方、算定の方式等につきましても研究はいたしておるわけでございます。確かに、いまのお話等を聞いてみまして、甘味資源特別措置法を見ましても「自給度の向上及び甘味資源に係る国際競争力の強化に資することを目的とする。」とありますが、国際競争力という点でも全然できてないということも言えるかもしれませんが、自給度の向上といった面についても、現在まで必ずしも自給度というのは向上されてないというのは事実でございまして、これにはいろいろと国際的、国内的な客観情勢の変化というのもあったわけでございます。が、法律は法律としてあるわけでございまして、この法律を守るのが法治国家でありますし、そういう点もあわせて、これはやはり甘味資源制度全体の研究の検討等とも関連があるわけでございますが、そういう点等ともあわせてこれは研究をしなければならぬ課題であると、こういうふうに思います。
○鶴園哲夫君 これはこういう方向に四つの法律の流れというものは動いているわけですよね。また動かざるを得なくなっているわけだと思うんですよ。その場合に、奨励金でいつまでもいけるかということになりますと、私は、そういかなくなると、やっぱり価格政策として考えなければならなくなるんではないかというふうに思いますですね。できれば、もう速やかに価格政策として考えるという方向がいいと思うんですけれども、ですから、私どもとしましては、いつまでも待っておれぬから、だから、こういう法律案の一部改正を出したわけです。ぜひ速やかに御検討を進められまして、昨年の年末から価格検討委員会を省内につくってやっておられるという話ですが、速やかにわれわれの改正案に賛成なさるようなことになるように要望しておきたいと思います。時間がありますればまだねちねちやりたいんですが、同じこともなんですから、これでひとつ次に移ります。 そこで、次はサトウキビですが、それでサトウキビというのは、これは自給度を向上させるんですよ。自給度を向上させる。これを頭の中に入れておいてもらおう。どこかに飛んじゃうんだから、いつも困っちゃう。自給度を向上させるということでさらに国際競争力を強めるということですから、大臣のおっしゃるように、それにもう一つ加わっているんです。二つとも違反だ。国際競争力はありはせぬわ、自給度は没落するわ、とるところがないですよ、砂糖政策については。ですが、そう言っておったって物事は前進しませんので……。 そこで、キビの生産について大変労賃が重いんですね。第一次生産費でいいます七九%というのが労賃になっていますね。それから反当たり百五十一時間という労賃が要るんですよ。これは農作物の中で大変に珍しい。タバコが大変に労働時間を食うやつですが、タバコは労働の権化みたいなもんですけれども、それと全く同じですね。これは農林省所管の農作物の中では、これほど労働力を食っているものはない。したがって、これはやり方によりましては大変に生産力を高めることができるということじゃないかと思うんですね、その努力が行われてこなかったわけですよね、これ。七九%、八〇%というのが労賃じゃどうにもならぬわけですが。そこで、これの生産を高めていくには、今度労賃問題というものを、ここを解決すればいいわけですね。そこで問題は、その基盤整備です、これがべらぼうにおくれているんですよ、今度の砂糖の、サトウキビに対する対策ですね。これを見てみますと、生産関係の予算というのを見てみますと、昨年より七%程度しかふえてないですね、まあ黒穂病が出ましたから、特殊な現象で、昨年。その費用は抜いて考えてある。これは一億三千万円程度で、黒穂病の問題が出ておりますからこれを除いてみますと、たった七%しかふえてないんですよ。これで自給率を向上させるための予算と言えるのかどうかということがあると思うんですね。 で、中身に入る時間ありますから、中身に入りまして、大体生産基盤というのが非常におくれておりますね。沖繩に行きましても、奄美に行きましても、私はこの間もここで申し上げたんですが、どうも昭和初年ごろの畑になっている、もっと言うなら、私どもの子供の時代の畑ですね。農道の面から言いましても、それから基盤整備のこの圃場整備の問題から言いましても、あるいはもうひょっと見ただけで、これは昭和初年ごろの畑ではないかということを感ずるほど大変におくれておりますね。この間、この委員会で水産業の問題を論議いたしました。で、沖繩の問題は、復帰して四年目に入ろうとしています。奄美は農林省の所管になるようになりましてからちょうど三年目に入っております。そういう中で沖繩では、その漁港の問題については、水産業の基盤である漁港については、沖繩ではしゃにむにやってるんですね、水産庁は。それに対しましてこの沖繩の基盤整備について、その畑の基盤整備について非常に遅い。奄美も農林省の所管になりましてから三年目になるんですが、これも非常におくれている。漁港の場合におきましては、この間も申し上げましたですが、三年間に三倍にふくれ上がっている、自治省の時代に比べると、四年前になりますが、十倍にふくれ上がっている。それほど、この水産の基盤整備であるこの漁港の問題については非常に進んでいるんですけれども、いま私が申し上げる農地の基盤整備については大変におくれている。努力をしておられますが、三割、三割、三割というふうに増加はしてまいっておりますけれども、これはもうしゃにむにやるという、そういうことが要るのじゃないか、この点について、どうお考えになっていらっしゃるのか。
○政府委員(岡安誠君) 確かに基盤整備の面におきましては、奄美それから沖繩も、特にサトウキビが植わっております畑地につきましては、非常におくれております。私どもはそれの整備の促進を非常に図っておりまして、いま漁港は十倍であるというお話ですが、それほどまでいっておりませんが、基盤整備につきましては、農林省所管になります前、ですから自治省当時の四十八年に比べまして四倍にはなっております。もちろん金も相当毎年つけているわけでございますが、ただ、御了解いただきたいと思いますのは、金だけつければ非常にこの基盤整備が進むというものではございませんで、やはり地元におきますその受け入れ体制といいますか、準備がなければなかなか、金をつけましても事業が実施できないという面があるわけです。おかげさまで最近着々とその体制も整ってまいりましたので、私どもは今後、特に奄美、沖繩等につきましては、特にトウキビの生産されております畑地等につきましては、重点的に予算措置をしてまいりたい、かように考えております。
○鶴園哲夫君 まあ、金をつけてもというお話ですが、これは沖繩の場合におきましても、奄美の場合におきましても、それぞれ法律がありまして、補助率も大変よくなっておりますし、これは奄美が長い間アメリカの占領下にあって復帰してきたということ、沖繩が長いことアメリカの占領下にあって復帰してきたという点もあって、特殊にこの補助率も高まっております。そうして加えるに、先ほど以来申し上げておりますように、価格の問題について見るべきものがこの二、三年の間に非常にあった。そこで生産意欲も大変高まってきている、非常に高まっています、これは。これは非常に高いですね、サトウキビをつくりたいと言うんですよ。ところが、その基盤整備の方はどうも思わしくいかない。確かに四倍にふえているけど、十倍にはなっておらぬ。 私は、かつて農林省の所管である、同じサトウキビをつくっております種子島と、それから同じくサトウキビをつくっておりますところの奄美——奄美は自治省の管下にありましたか、そのとき、種子島と奄美との基盤整備はどれだけ金額が違うかと言ったら、けたが違うと言った、全然けたが違うと。だから、そういう中にあって農林省の所管になったのだから、これは四倍じゃなくて十倍ぐらいふやすぐらいの、いま局長のおっしゃるように重点的に——水産庁に言わせるというと、漁港はしゃにむに沖繩につくった、こう言っておるんですが、しゃむに今度は奄美に水産庁はやるそうですから、港の問題については。ですから、この畑の基盤整備についても、これはもうしゃむにやるぞというぐらいのつもりでやっていかないというと、法律の第一条の「目的」の自給度を向上させるということにぞくわないですよ。長い間ほったらかしてあるわけですから。そういう努力をひとつ要望いたすと同時に、小さな面積のところが多いんですから、これは採択基準を何とか改善をする必要があるのじゃないかという点を私は考えているんですけども、その努力をやってもらいたい。採択基準を変えないとはまらないですよ、内地みたいに広いところじゃありませんから。島ですから、どうしても広げないと。採択基準を変えて、やっぱり現状に即応した、法律も奄美振興開発という特殊な法律ができておるわけですから、その中で採択基準、補助率を考えると同時に、採択基準の問題についても検討する必要があるというふうに考えますけれども、その点について伺います。
○政府委員(岡安誠君) 確かに補助率のみならず、採択基準につきましても私ども特殊事情を考慮しなきゃならぬと思っておりますし、現状でも内地に比べまして大体半分ぐらいに下げているわけでございますが、さらに実情に応じまして、私どもおっしゃるような方向で努力をしてまいりたいと思います。
○鶴園哲夫君 それから機械が大分入ってまいりまして、それでこれは先ほど申し上げました大変な労働力を使うわけでして、食う作物でありますし、しかも農作物の中では最も重い農作物であります。そういう意味で機械というのは非常に必要なわけです。いま大変発達いたしておりますのは運搬が非常に発達している。これはもうトラックですからすぐ入れるのですね。運搬だけじゃ、トラックだけじゃいけませんのでつり上げ機というのが入っております。つまり、クレーンを持ったトラックが一ぱい入っております。特に昨年あたりから非常な勢いで入ってきたんですね、当然だと思うんです。大変な重いものを運ぶわけですから。ですから、クレーンを持ったトラックがどんどん入って、五トン車、四トン車というのが縦横に畑の中を走り回っておるわけです。そうしますと、どうしても農道は、これははっきりしないといけない。この間、徳之島で大変な水害が起こった。それは畑の中を五トン車、四トン車というのが走り回っている。そうしますと舗装してないというとやられちゃうんですね、そこへ雨が降ったら一たまりもない、戦車が走り回っているようなものですから、畑の中を。ですから、農道が非常におくれている、舗装がおくれているというようなことがあるわけですね。しかも奄美というのは農免道路が行われなかった。農林省と自治省との官房長の申し合わせによりまして除外されておった地域です。で、やっと除外が解けて始まったのが五年ぐらい前からじゃないでしょうか。その意味で農免道路もおくれている、農道もおくれている、こういう状況ですね。そこでクレーン車が農道のところまで来まして、それでこれ五十メートル先まで索条を伸ばしちゃって、そして大きなこんなやつでサトウキビを鉄条で束にしてそれをこう引っ張るわけです、クレーンのところまで。で、来たところで、このあれで、クレーンでこう引き上げるわけですね。そういうことで、あれ株出しでやるところが多いですね、株出しでやっちゃうわけですな。で、引っ張るから、あっちこっちから引っ張ってくるわけですから、鉄条で、鉄索でですね。これは農道は壊れる、畑は壊れる、株出しは壊れるというような状態にもなっているわけですね。ですから、これはやはり農道の面について、農免道路、農道の問題について非常に考えなきゃならない、それから圃場整備について考えなきゃならないという点があると思います。 これは時間がありませんので、次に機械の問題に入りますが、機械はいま申し上げましたように、トラックと、運搬と積み上げ機はある程度入っておりますが、実際は中型機械の一貫作業機械というもの、これは非常におくれておりますね。一体どこが責任を持ってやっているのかというと、責任不明確だと、こういう言い方があるんです。で、きのういろいろ農林省の方々に聞きました。聞いてみると、なるほどというふうにうなずける点もあります。しかしどうも、地域の問題は、沖繩とか奄美とかという三万ヘクタールぐらいのところです。しかし、自給率は向上させなきゃいかぬです、これ。自給度を高めなきゃいかぬです。そういうところにあって、機械の問題について非常に、国が責任を持ったような形の開発が行われていないという不満を持ってますね。 で、もう一つ、品種の問題。この品種の問題は二十年間変わらないと言うんです。こんな作物はほかにあるのかと言うんです。農林省はほったらかしているんじゃないかという意見です。もっともな話で、二十年も品種が変わらぬなどとんでもないことです。一体、この品種の改良についてもっと国が明確な責任を持つ必要があるんじゃないかということについて。 以上二つについて——機械の中型の一貫作業機械というもの、この開発について国がもっと責任を持つべきじゃないか、明確な責任を持っていく必要があるんじゃないかということと品種の問題について。これは品種というのは大変な問題なんですから、これは栄養繁殖していくわけですから、五年たち、十年たちますというと当然これは退化します。退化の現象も出ておるわけです。ですから、品種の問題について責任を明確に国がしていく必要があるんじゃないかと。この二つについてお尋ねいたします。
○政府委員(澤邊守君) 先ほど御指摘ございましたように、サトウキビ作は非常に労力がかかる、反当百五十時間前後かかるわけでございますが、これを何とか機械を導入いたしまして生産性を上げるということが必要であるということで、機械の開発につきまして農林省としてもこれまで力を入れておるつもりでございます。一般の水田用、稲作用等の機械は民間のメーカーがかなり自力で開発をいたします。御指摘のように需要の大きいものですから開発投資をしても十分引き合う。ところが、非常にローカルな作物、マイナーな作物になりますと、確かに御指摘のように大メーカーが積極的に技術開発をして大いにつくって売るというような体制にならないということで、国において責任を持って、という御指摘でございますけれども、そういうようなことも考えまして、特殊法人でございます農業機械化研究所が、サトウキビの収穫期を中心といたします省力化のための機械の開発についてこれまで特に努力をしておるつもりでございます。小型刈り取り機につきましてはすでに一応完成をしておりますし、これも機械化研究所が開発をしたものを現在民間のメーカーがつくっておるということでございます。 それから中型刈り取り機につきましては、これは四十九年度まで農業機械化研究所が試作改良するための経費を国でも特別に補助をして試作三号機まで完成しておるわけですが、これは一貫というまではいきませんけれども、刈り取りから脱葉まで一元的にできるという意味では通した作業ができるということでございますが、これはまだ完成のところまではいっておりません。と言いますのは、やはり相当な圃場区画が大きくないとこの機械が使えないとか、あるいはしたがって地域が限定されてしまう、あるいは畝幅等が普通の栽培の場合よりかなり広くないと、うまく使えないとか、あるいは雨が降った場合には、脱葉の際に葉がうまく分離しないとかいうような点がまだ残っておりますので、今後引き続き機械化研究所において通常研究の中で開発改良を続けていきたいと、こういうふうに考えております。その他一般の脱葉機、搬出機、積み込み機等につきましては、それぞれの立地条件に応じたものが一応開発されておりまして、ローカルなメーカーがつくっておるものが導入をされつつあるわけでございます。導入のための助成といたしましては、これまで刈り取り機を中心にしてやっておりましたけれども、一貫機械化体系を導入していくという観点から、今年からかなり予算もふやしまして機械化の導入を中心とした特別の予算も計上いたしまして、促進を図ることにいたしております。 なお基盤整備を除きました私の方の所管の予算といたしましては、今年度は前年に比べますとかなりふやしたつもりでございます。御参考のために申し上げますと、昨年は、五十年度は流用を含めまして八億二千万ばかりであったのを十億一千ということで、まだまだ不十分だと思いますけれども、かなり重点的に予算を組んでおるつもりでございます。今後さらに一層重点的な配慮をしてまいりたいというふうに思います。
○政府委員(平松甲子雄君) ただいま品種改良についての御質問がございましたので、私からお答え申し上げたいと思います。 奄美諸島を対象といたしますところのサトウキビの品種改良につきましては、現在、九州農業試験場の温暖地作物研究室——これは種子島にございますが、そこが中心となりまして鹿児島県の農業試験場の大島支場なりあるいは徳之島糖業支場の協力も得て行われておるところでございます。具体的に申し上げますと、九州農業試験場の温暖地作物研究室では、ここでは交配ができませんので、外国からの導入品種の選抜を行う導入種子と、それから外国から分譲された交配種子による選抜試験というものを行っておるわけでございます。その具体的な結果といたしまして、いままで導入品種といたしましてはL−六〇−一四というものとNi−一号というものを育成いたしまして、大島諸島を中心に普及を図っておりまして、種子島では栽培面積の約三割ぐらいはこの両品種によって占められておるというような状況にあるようであります。奄美諸島につきましては、気象的に大隈諸島と異っておりますから、昭和四十九年度から指定試験として鹿児島県農業試験場の大島支場に特性検定試験地を設けまして、葉焼病に関する研究をやりますと同時に、徳之島の糖業支場では系統適応性検定試験地を設けておりまして、そこでそういうような形の試験研究の結果、KN−六九−一二というのが有望品種ではないかというふうに私どもとしては心証を得ておるわけでございます。また五十一年度からは沖繩県の農業試験場に新たにサトウキビの育種指定試験というものを設置いたしましたので、今後は種子島の温暖地作物研究室と、それから沖繩県の農業試験場で育成された系統を大島支場あるいは徳之島に配付をいたしまして、奄美諸島のサトウキビの品種改良に努めてまいりたいというふうに考えております。
○鶴園哲夫君 価格政策オンリーでは困るんだというようなお話を農林省としてはおっしゃる。先ほど官房審議官もそうおっしゃった。しかし、品種の問題につきましても、この機械化の問題につきましても、これは園芸局長おっしゃるように、三万ヘクタールの地域の特産物だというようなことで、何となくいままでほっとかれたわけですよ。いま事務局長がおっしゃったですけれども、いま始まってるところです、これ。二十年たっていまごろ始まってるわけです。ですから、大変不満があるわけですよ。ですから、この機械化の問題についても大企業、メーカーなんてのは、これは全然その試作に入ってないわけです。小さな企業が試作に入っているという程度の状態で、これじゃ自給度を向上させるというようなことにはなっていかない。だから、もっと生産面について関係のところはやはり明確な責任を持ってやってもらわにゃ困るということを申し上げておきたいと思います。 もう一つありますのは、今度トン当たり三千七百八十五円ですか、奨励金をお出しになったわけですね——この三千七百六十円という奨励金か出て、これは大変いいわけです。非常に意欲が出てきたわけです。ところが、この三千七百六十円というのが現地の小さな原糖工場がこれを負担しているわけですね。沖繩と奄美だけで約五十億ぐらいだと思うんです。大変苦労して、農協から借りたり何かかんかして、そしてその奨励金を負担しているわけですよ。そして、農家に渡している。これは速やかに返してもらわないと困るわけです、これ。利子もこれはやっぱり考えてもらわないと困るわけですね。そうでないと、これはもう本当に困っちゃうんですよ。さらに五十一年度もこういうふうなことをやられる。ことしは今度の糖価安定事業団に対する交付金が五十年は四十三億ぐらいだったですけれども、ことしは百五十何億という形になっておりますから、したがってことしみたいに原糖工場にそういう五十億というような金を負担さしておるというようなことはないだろうと思うんですけれども、その二つについて簡単に答弁をしてください。
○政府委員(今村宣夫君) 生産奨励金につきましては、価格を決めますときに、会社と企業と国で責任を持つということであったわけでございます。これはまあその後の糖価の推移でありますとか、企業の操業程度を見てみなければわかりませんので、そういうことにいたしたわけでございますが、その後の糖価の推移及び生産の状況等を考えますならば、奨励金は国において支出をする必要があるというふうに考えられますので、今後、製糖実績とか事業団売買の管理をまちまして具体的な措置を速やかに検討したいと考えておるわけでございます。 なお、お話の金利の問題でございますが、これにつきましても奨励金全体の対策の検討の中であわせてその取り扱いを検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 来年、ことし……。
○政府委員(今村宣夫君) 来年度こういうことが続いては困るではないかというお話でございますが、奨励金の扱いの問題は、これは恐らくは十月の価格を決定いたしますときの非常に私は重要な問題に相なるかと思います。したがいまして、その取り扱いにつきましては、次の価格決定の時期において取り扱いを決めるべき問題でございますが、まあ五十年のようにあるいは四十九年のように糖価が非常に高うございますれば企業はこれを負担をすることができますが、現在のような糖価水準が続くとすればなかなか、これ企業に負担をさせる、そして、後から国がその一定割合をめんどう見るというふうな扱いでは、企業としても困るでありましょうし、国としても適当とは考えられませんので、これは今後の扱いについては十分検討いたしたいと思っております。
○鶴園哲夫君 次に、もう時間がなくなりましたので、でん粉の問題についてお尋ねをいたします。 農産物価格安定法の中に出てくるでん粉の問題。このでん粉の問題で一番いま問題は二つあると思うんですけれども、昨年は大変にでん粉の売れ行きが落ちまして、大変な苦労したわけですが、関税抱き合わせ法のあのうまい施策によりまして、販売の環境がよくなったということがやっぱり大きな原因だと思いますが、春になりましてから、このでん粉の売れ行きというのがよくなっているんですね。非常に愁眉を開いているところだと思うんです。今後ともこれ、やはりこういう大勢が来年も続くと思いますが、これからも続くと思いますけれども、関税問題についてですね、そういう中で正常なやはり販売の環境というものが維持されていかれるように努力を願いたいという点が一点です。 もう一点は、水質汚濁の問題がありまして、ことしの六月の二十四日か二十五日で、五年間の暫定措置がなくなるわけですね。これについて大変に心配しておるわけです。もし、でん粉工場がこれはもう暫定措置がなくなるということになりますと、これはまあ非常な困った状態に追い込まれると思いますね。そして原料芋を直接売り渡す農家にとってもこれは大変な問題。そこで、この水質規制の問題については農林省が一生懸命いま努力しておられますけれども、どういう基本的な態度でお臨みになっておるのか、考え方を聞きたいということと、もう一つは、六月二十四日ですから、もう目前に迫っておるわけです。そこで、基本的な態度について。これはこういう基本的な態度で進んでいると、同時に、それについては、自信を持ってやっているんだ、というお考えがあるのかどうか、この二つですね、お尋ねをします。
○政府委員(今村宣夫君) カンでんの府県につきましては、関税割り当て制度の改正によりまして、カンでんをめぐります環境はかなり好転してまいっております。したがいまして、今後ともその販売の安定といいますか、それについては私たちとしましては、十分努力をしてまいりたいと思っておるところであります。最近の売れ行きを見ますと、若干思惑等が入っておる、過熱ぎみになっておるんではないかというふうにも思われますが、今後新制度の定着化、適正な需給の維持ということについては、特段の配慮をしてまいりたいと考えております。 それから水質の問題でございますが、現在、環境庁と鋭意検討をいたしておるわけでございまして、農林省としましては、真剣にこの問題に取り組んで努力をいたしたいと、かように考えております。
○鶴園哲夫君 慎重はわかったんですが、私がお尋ねをしたのはこの問題についてもう六月の二十四日という、もうそこへ迫っておるわけですが、基本的な態度はどういうお考えなのかと、これはもう頼りにしておるわけですね。農林省しかないわけです、これ。何とかしてもらわにゃ困るという精いっぱいのところだと思うんですよ。ですから、基本的な態度とそれについて自信を聞きたいですな。自信を持ってやっておられるのか。
○政府委員(今村宣夫君) 慎重にではなくて、真剣に検討をいたしておるわけでございまして、十分検討してまいりたいと思っております。
○鶴園哲夫君 それじゃ、終わりになりましたですが、私は、私どもの党と公明党さんと、それから民社党さんと共同提案になっておりますが、農安法とそれから糖安法と甘味資源特別措置法の一部改正、この法案を審議いたしたわけでありますが、もっとこの問題は詰めて論議をしなきゃならぬと——相当詰めたと思うんですが、農林省もこれは反省をしてもらいたいですね、いままでのこれらの価格政策についていろいろな問題があるということを。そしてこれはやはりいま自分らがとっている奨励金政策というものは、生産費所得補償方式というものともう寸分違わないものになってきたと、非常に接近してきたと。だから、奨励金というものをここで価格政策の中に繰り入れるということになれば、生産費所得補償方式になるんだ、という考え方で、これらの問題についてひとつ真剣に対処していただきたいという点を最後に要望いたしまして終わります。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 糖価安定法及び甘味資源特別措置法につきましては、甘味資源の生産振興と糖価の安定を図るために従来からいろいろと運営を期してきたところでございますが、最近における情勢はいろいろと変化をいたしておりまして、今後の甘味資源対策の円満な推進を期する観点から、現行の制度を見直しを含めまして甘味資源問題全般につきまして検討を行うことといたしたいと考えております。
○委員長(小林国司君) 両案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十一分散会