農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 217 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1976/03/04
会議録
○委員長(小林国司君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 昭和五十一年度農林省関係の施策及び予算に関する件を議題といたします。 まず、農林大臣の所信を聴取いたします。安倍農林大臣。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今国会も引き続いてお世話になりますが、よろしく御協力のほどお願いいたします。 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し述べたいと存じます。 最近の我が国経済社会の動向を見ますと、石油危機を契機として従来の高度経済成長を支えた諸条件は失なわれ、安定成長への路線転換が求められております。不況と物価高の併存、資源問題、環境問題等の幾多の困難を克服して、新しい経済社会を建設してまいらなければならないのであります。 こうした中で、我が国農林漁業を取り巻く環境や食糧をめぐる内外の諸情勢もまた、大きな変貌を遂げつつあり、新たな施策の展開が強く要請されております。 まず、農産物の国際需給は、一九七二年の世界的な不作を契機に逼迫基調に転じ、最近の状況を見ましても、昨年のソ連の大量買い付け等に見られるように依然として不安定な状態を続けております。今後においても、開発途上諸国における需要の増加、先進諸国を中心とする畜産物消費の増大、気象変動に伴う農業生産の不安定性等を考慮すると先行き楽観は許されないものと考えられます。 また、我が国農業の現状を見ますと、高度経済成長の過程で、農村の過剰労働力は解消し、農家の生活水準も向上したものの、その反面で労働力の過度の流出、農地の壊廃の進行等農業の健全な発展にとって好ましからざる数々の問題を抱えるに至り、その体質が脆弱化していることは、否めないところであります。 さらに、わが国の動物性たん白食糧の過半を供給している水産業について見ましても、燃油等資材価格の高騰、魚価の相対的低迷、漁場環境の悪化等に起因する漁業経営条件の悪化、国際的な漁場制約の強まり等により、多難な局面を迎えていることは御承知のとおりであります。 このような内外の情勢を見ますと、食糧問題は、いまや農林水産業やそれに携わる者のみの問題にとどまらず、広く国民の安全保障にかかわる問題であると申さねばなりません。国民食糧の安定的供給なくしては、わが国、わが民族の存立も全うできないのであります。 将来にわたり国民食糧の安定供給を確保するため、各般にわたる総合的な食糧政策を強力に展開することは、国政の喫緊の課題となっているのであります。 まず、食糧政策の展開に当たっての基本的態度について申し述べたいと思います。 国民食糧の安定的供給を確保するためには、何よりもまず、わが国農業の生産体制を強化し、自給力の向上を図ることが基本であります。 そのためには、長期的視点に立った需給見通しと生産目標を設定し、これに沿って施策の展開を図ることが必要であります。このような見地から、政府といたしましては、昨年五月に、昭和六十年度を目標年次とする「農産物の需要と生産の長期見通し」を閣議決定し、今日のわが国の社会経済情勢の中で、可能な限り我が国農業の自給力の向上に努めることを明らかにしたところであります。 一方、わが国の気候、風土等の制約から今後とも海外に依存せざるを得ない農産物につきましては、輸入の安定化等を図り、あわせて、国民食糧の安定的確保に資するとの視点もゆるがせにできないと考えております。 私が昨年八月に訪米いたしました際に、バッツ米国農務長官との間で、主要農産物の安定取引に関する合意を取りつけてまいりましたのもこのような考え方に基づいてのことであります。 さらに、水産業についてもわが国の食生活に占める水産物の重要性にかんがみ、これを食糧政策の一環としてとらえ、漁業経営の安定や漁場の整備確保に努めることが必要であります。 私は、以上のような基本的考え方に立って、また、昨年三回にわたって開催いたしました国民食糧会議における各界の御意見等も踏まえ、昨年八月、九項目からなる「総合食糧政策の展開」を取りまとめたところであります。この「総合食糧政策の展開」は、さきに申し述べました「農産物の需要と生産の長期見通し」を実現するための今後の食糧政策の基本的対策とも言うべきものと確信いたしております。 私は、今後、この方向に沿い、農業生産基盤の整備、中核的担い手の育成確保、農産物の生産振興、漁業経営の安定、農山漁村の福祉の向上等、各般にわたる施策を総合的、かつ、強力に推進してまいる所存であります。 次に、昭和五十一年度の主要な農林漁業施策について申し述べたいと思います。 まず、わが国農業の生産体制を強化し、自給力の向上を図るためには、農業生産の基盤である土地及び水資源を確保整備し、その有効な利用を図ることが必要であります。 このため、農業生産基盤の整備については、灌漑排水事業、農用地開発事業、圃場整備事業等の各種事業を計画的に推進することとし、特に、国営事業については、農用地開発事業等を特定土地改良工事特別会計の対象事業に加え、事業の一層の推進を図ることとしております。 また、国営農用地開発事業について、その採択基準を緩和し農用地開発の積極的推進を図るとともに、農用地開発公団事業の拡充を図ることとしております。 さらに、優良農用地を確保し、計画的な土地利用を進めるため、農地法、農振法等の適正な運用を図ることとしております。 このほか、生産の場が即ち生活の場という農山漁村の特殊性にかんがみ、生産基盤の整備とあわせて集落道路、集落排水施設等の農村環境施設についても、その総合的な整備を進めることとしております。 次に、国内農業の自給力を高めるためには、意欲的に農業に取り組み、農業生産の担い手となろうとする者を育成確保することが不可欠であることは申すまでもありません。 このため、計画的な土地利用を進めるとともに、農業構造改善事業の推進、集団的生産組織の育成に努めることとしているほか、農業の担い手が、創意に基づき、経営改善を進めることができるよう農業生産基盤、農業近代化施設等の整備を行う特別対策事業を実施することとしております。 このほか、普及事業の強化、青年農業士等の育成、総合施設資金の拡充、農業者年金制度の改善等を推進することとしております。 また、農産物の需要に対応した計画的な農業生産を確保するため、各種農産物の生産振興対策を強力に推進することとしております。 まず、米につきましては、現在の稲作転換対策は、昭和五十年度をもって終了いたしますが、米の需給事情は、なお過剰基調にあり、また、米以外の農産物で増産の必要なものが少なくない事情にあります。このため、五十一年度から向こう三カ年間、水田総合利用対策を実施し、米については、その消費の拡大に努めつつ、需要に応じた計画的な生産を進めるとともに、今後増産が必要な大豆、飼料作物、野菜等の食糧農産物を中心として、その水田における生産振興措置を講じ、水田の高い生産力を総合的に利用することとしております。 また、麦、飼料作物等につきましては、水田裏の活用に重点を置いて、その生産振興を総合的に推進することとしております。 このほか、野菜、畜産、果樹等につきましても、引き続き、所要の生産振興対策を講ずることとしております。 次に、農産物の価格安定対策につきましては、野菜につきまして指定消費地域の拡大、指定野菜以外の重要野菜の価格安定事業に対する助成並びに価格安定対策の実施体制の整備等価格安定対策の拡充を図ることとしております。 畜産物につきましては、加工原料乳不足払制度及び食肉価格安定制度の適正な運営を図るとともに、肉用子牛、鶏卵等につきまして、その価格安定対策の充実を図ることとしております。 また、果実につきましても、特にうんしゅうみかん等について、加工原料用果実の価格安定対策の充実を図ることとしております。 さらに、米、麦についての食糧管理制度の適正、円滑な運営に努めるとともに、学校給食における米飯給食の拡大、その他米の消費拡大のための施策を積極的に進めることとしております。 なお、以上のほか、長期的視点に立って、価格政策の展開を図る見地から、引き続き所要の検討を進めることとしております。 また、わが国の国土資源の制約等から見て、今後とも相当部分を海外に依存せざるを得ない農産物については主要輸出国との間で緊密な情報交換を行うほか、昨年八月の日米農相合意の円滑な履行に努めること等により、これら農産物の輸入の安定化を図っていくこととしております。 一方、飼料穀物及び大豆について、国際市場における需給の変動に対応し、その安定的供給を確保するため、公益法人がみずから買い入れ、備蓄する体制を確立することとしております。 さらに、開発途上地域等の経済発展と食糧増産に寄与し、あわせて長期的視点から食糧の輸入先の多角化に資するため、国際協力事業団を通じて、これら地域の農業開発に対する総合的な協力支援を実施することとしております。 このほか、中央卸売市場等の整備、新流通経路の育成等を進め、生鮮食料品の流通の合理化を図るとともに、消費者保護対策、農林関連企業対策についてもその充実を図ることとしております。 また、農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金、農業改良資金等の各種制度資金について、所要の融資枠を確保してその運営の改善を図る等金融の拡充を図るとともに、農業災害補償制度の改善を図ることとしております。 次に、林業の振興について申し上げます。森林、林業施策につきましては、近年、森林の持つ木材生産機能のみならず、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全等の公益的機能に対する国民的理解と要請が高まっており、また、山村地域の振興等に果たす役割りも重要視されております。 このため、国内林業生産の振興と森林の公益的機能の発揮を調和させつつ、森林、林業政策の強力な展開を図ることとし、造林、林道等林業生産基盤の計画的な整備、優良な林業地域の育成、林業構造の改善、林業労働力対策の拡充強化、木材備蓄の強化に努めるとともに、新たに林業改善資金制度を創設する等各般にわたる施策の拡充強化に努めることとしております。 次に、水産業の振興について申し上げます。先に申し述べましたように、水産業を取り巻く内外の諸情勢は、きわめて厳しいものがあります。 このため、きわめて困難な事態に直面している漁業経営について、漁業経営の維持安定のために必要な資金制度を創設するほか、減船を含めて、漁業構造の改善の必要のある業種に対し、所要の融資措置等を講ずることとしております。なお、燃油等の購入に必要な資金についても、別途、融資措置を講ずることとしており、これらの措置により漁業経営の安定を図っていくこととしております。 また、沿岸漁業については、新たに沿岸漁場整備開発計画を策定し、人工礁漁場の造成、大規模増殖場の開発等沿岸漁場の整備開発事業を総合的かつ計画的に推進するとともに、沿岸漁業構造改善事業の計画的実施、栽培漁業の振興等を図ることとしております。 さらに、水産物価格の安定を図るため、水産物調整保管事業について対象品目を追加する等その拡充強化を図るとともに、これにより損失を生じた場合に、所要の融資を行う公益法人を設立することとしております。 このほか、水産業の振興を図るため、漁港施設寺の整備、国際協力による海外漁場の確保、新漁場の開発、水産物流通の合理化、漁船に関する損害保険制度の拡充等各般にわたる施策を強力に推進することとしております。昭和五十一年度の予算は、わが国経済の安定成長への移行に伴う厳しい財政事情のもとに編成されましたが、これまで申し述べてまいりました総省的な食糧政策を推進するために必要な経費につきましては、その重点的な確保に努めたところであります。また、これら施策の展開に伴う必要な伝制の整備につきましても、鋭意法律案の作成を取り進めているところでありますので、本委員会において、よろしく御審議のほどをお願いいたします。以上、所信の一端を申し述べましたが、高度成長から安定成長への転換の時に当たり、私は過去十数年の高度成長の過程で脆弱化したわが国農林漁業の体質を強化し、魅力ある農山漁村の建設と活力ある担い手の育成を実現するため、全力を傾注してまいる決意であります。本委員会及び委員各位におかれましては、農林水産行政推進のために、今後とも御支援、御協力を賜わりますよう、切にお願い申し上げる次第であります。
○委員長(小林国司君) 次に、昭和五十一年度農林省関係予算について説明を聴取いたします。林農林政務次官。
○政府委員(林ゆう君) 昭和五十一年度農林関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十一年度一般会計における農林関係予算の総額は、総理府など他省所管の関係予算を含めて二兆四千百三十億円であり、前年度の当初予算額と比較して一〇・九パーセント、二千三百六十二億円の増加となっております。 以下、予算の重点事項について御説明いたします。 第一に、国民食糧の安定的確保に関する予算について申し上げます。 最近における国際的な食糧需給の動向とわが国の国土資源の状況にかんがみ、国民食糧の安定的供給の確保を基本とする総合的な食糧政策を強力に展開する必要があります。このため、まず、国内農産物の生産体制を整備し、自給力の向上を図るために必要な各般の施策を強化するとともに、輸入農林産物の安定的確保を図るための施策についても、その拡充を図ることといたしました。 まず、農業生産に不可欠な土地と水の保全、開発及び高度利用を図るための農業生産基盤の整備につきましては、灌漑排水事業、農用地開発事業、畑地帯総合整備事業、圃場整備事業、農道整備事業等の各種事業の推進を図るとともに、地方の景気振興に資することとしております。特に、国営事業について、特定土地改良工事特別会計の対象事業を拡大して、農用地開発事業等を特別会計で実施することができることとしたほか、農用地開発公団事業、農村生活環境の整備に関する事業を拡充することとしており、これらを含めた農業生産基盤整備費として総額四千三百七十三億円を計上いたしました。 次に、主要農産物の振興対策について申し上げます。 まず、米につきましては、その需給事情から見て、消費の拡大に努めるとともに、需要に即応した生産を進める必要があり、他方、米以外の農産物で増産の必要なものが少なくないことにかんがみ、従来の稲作転換対策にかえて、新たに、昭和五十一・年度以降三カ年を実施期間とし、食糧農産物を中心とした水田における生産振興措置等を内容とする水田総合利用対策を実施することといたしました。 この水田総合利用対策の対象面積は、昭和五十一年度において、二十一万五千ヘクタール、米換算数量で九十万トンとし、関係経費八百五十七億八千二百万円を計上いたしました。 また、麦、大豆、飼料作物等の生産振興につきましては、助成内容を改善しつつ、引き続き生産奨励措置を講ずることとしておりますが、特に、土地資源の有効利用を図りつつ水田裏作の麦及び飼料作物を振興する観点から、新たに反別奨励補助金を交付することとするなど施策を強化し、これらに必要な経費として総額二百四十二億三千二百万円を計上しております。 次に、畜産の振興対策について申し上げます。 まず、飼料対策につきましては、草地開発事業等の推進、飼料作物の生産振興奨励、緊急粗飼料増産総合対策事業等の生産対策のほか、配合飼料価格安定特別基金を強化するなど、価格、流通対策を含め、引き続きその強化を図ることといたしております。 また、酪農対策として、新たに、酪農ヘルパー育成促進事業を実施するとともに、肉用牛、豚、鶏の各部門につきましても、引き続き各般の施策を実施するほか、新たに、家畜飼養衛生環境改善特別指導事業を実施する等衛生対策の充実に努めることとしております。 畜産物の価格対策につきましては、肉用子牛価格安定基金制度及び卵価安定基金制度の改善強化を図るとともに、引き続き加工原料乳に対する不足払いを実施いたします。 また、畜産物の流通加工対策につきましてもその充実を図ることとし、これらを含め、畜産振興対策として、総額一千六十七億四百万円を計上いたしました。 野菜対策につきましては、まず、生産対策として、野菜指定産地近代化事業を拡充強化するとともに、新たに、野菜指定産地について見直しを行い、産地の強化を図るための整備事業を開始するなど施策の充実を図ることとしております。 野菜の価格対策につきましては、野菜消費の平準化等野菜をめぐる諸情勢の変化に対応してその強化を図るため、野菜生産出荷安定法の改正等により、指定消費地域の範囲の拡大、野菜指定産地の要件の緩和、野菜生産出荷安定資金協会が行う価格補てん事業の改善等を図るほか、新たに、都道府県段階で行われている価格補てん事業に助成するなど野菜制度の拡充を図ることとしております。 これら野菜対策として、総額二百六十億四千六百万円を計上いたしました。 果樹農業の振興対策につきましては、引き続き温州ミカンについて、生産、流通、加工にわたる総合的な需給安定対策を講ずるほか、特に、加工原料用果実の価格安定事業を強化することとしております。このほか、新たに、リンゴについて低位生産園の再開発を行うとともに、オウトウ、パインアップル等の特産果樹についても施策を強化することとし、これらを含めた果樹対策として、総額七十五億八百万円を計上しております。 また、養蚕対策につきましては、蚕糸業をめぐる内外の厳しい情勢に対処して、養蚕近代化促進対策事業を実施するとともに、特産物等の生産振興につきましては、各作物の地域における重要性、生産性向上の緊要性等に対処して、新たに、てん菜生産安定拡大対策事業、サトウキビ生産合理化緊急対策事業等を実施することといたしました。 以上のほか、米、麦、飼料作物、畑作物等の土地利用型農業について、新たに、生産性の高い農業生産の展開と需給の動向に即した農業生産の再編成を図るため、集団的生産組織の育成、高性能機械施設の導入等を内容とする土地利用型集団営農推進特別事業を実施することとしております。 また、これらとあわせ、農業機械の安全対策、農薬の安全使用対策等についてもその充実を図ることとしております。 次に、輸入農林産物の安定確保対策について申し上げます。 国土資源の制約等から海外に依存せざるを得ない農林産物について、その安定的な供給を確保するため、大豆、飼料穀物及び木材の備蓄対策については、大豆及び飼料穀物について公益法人がみずから買い入れて備蓄する体制を確立するなど施策の強化を図るとともに、木材備蓄の計画的拡充を図ることとし、総額三十億二千七百万円を計上しております。 また、主要輸出国との情報交換を通じて安定的な輸入の確保を図るとともに、開発途上地域等における農林産物の生産の安定と拡大等のための開発協力を行うこととし、国際協力事業団の事業の拡充を図ることといたしました。第二に、農業生産の担い手の育成等に関する予算について申し上げます。 今後のわが国農業の発展のためには、農業生産の中核的な担い手の育成確保を図ることが重要であります。 このため、総合施設資金について、貸付枠の拡大、貸付限度額の引き上げ等を行うほか、中核農業経営育成特別普及事業を充実することとしております。また、農村青少年対策として、新たに青年農業士育成事業を実施するとともに、農業後継者育成資金の貸付枠の拡大を図ることとしております。 また、農用地の有効利用と経営規模拡大を通じ、生産性の高い農業経営の実現を図るため、農用地利用増進事業促進対策、農地保有合理化促進事業を拡充実施するとともに、農業構造改善事業につきまして、特に、農業の担い手が、創意に基づき経営改善を進めることができるようにするための特別対策費を含め、総額四百七十五億一千七百万円を計上して事業の推進を図ることとしております。 さらに、農業者年金制度について、年金額の引き上げ等を内容とする制度改善を行うこととしていますが、特に、後継者の加入者については負担の軽減措置を講じ、その育成確保に資することとしております。 農業地域の整備開発につきましては、引き続き、農業振興地域整備計画の適切な管理を行うとともに、農村総合整備モデル事業の拡充、農村基盤総合整備事業の一般事業の新規実施等農村の総合的整備を進めるほか、農業就業改善総合対策、山村対策等につきましても事業の推進に努めることとし、所要の経費を計上いたしました。 第三に、食料品の流通加工の近代化と消費者対策の充実について申し上げます。 国民の日々の生活に直結する食料品を安定的に供給するため、さきに申し述べましたように、畜産物、野菜、果実等についての生産、価格、流通加工対策を拡充強化するほか、特に、中央、地方を通ずる卸売市場の整備については、百四十三億五百万円を計上するとともに、助成体系の改善を図っております。また、小売業の近代化、新流通経路の開発等生鮮食料品の流通の合理化、近代化を図ることとしております。 さらに、消費者保護対策を強化するとともに、食品産業等農林関連企業対策につきましても、所要の経費を計上して施策の拡充を図りました。 第四に、農林漁業金融の拡充について申し上げます。 まず、農林漁業金融公庫資金につきましては、新規貸付計画額を四千九百十億円に拡大するとともに、融資内容の拡充整備を図り、同公庫に対する補給金として四百四十三億八千万円を計上いたしました。 また、農業近代化資金につきまして、貸付枠四千五百億円を確保するほか、農業改良資金、漁業近代化資金につきましては、貸付枠の拡大を行うとともに、農林漁業に係る融資保証制度につきましても、その充実を図っております。 このほか、林業金融の充実の一環として、林業改善資金制度を創設することといたしております。 第五に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。 まず、林業生産基盤の整備につきましては、林道事業として三百六十一億五千万円、造林事業として二百十八億円をそれぞれ計上し、事業の推進を図ることといたしました。 国土保全対策の充実につきましては、治山事業として七百三十億八千万円を計上するとともに、引き続き、森林開発公団による水源林造成事業を実施することとしております。 また、森林の多角的機能の維持増進につきましては、森林計画制度、保安林制度等の改善強化を図るとともに、国土緑化の推進、森林病害虫等防除対策の充実を図ることとしております。 さらに、林業構造改善事業につきまして、百三十三億八千二百万円を計上して事業の推進を図るとともに、新たに、優良な林業地域を育成するための中核林業振興地域育成特別対策事業を実施するほか、林業労働力対策として、新たに、林業労務改善促進事業を実施することとしております。 また、木材の備蓄対策、林産物の流通消費改善対策等につきましても所要の経費を計上し、その推進を図ることとしているほか、間伐の促進、林業労働安全衛生対策、林業後継者の養成等につき無利子資金の融通を行う林業改善資金制度を創設することとしております。 第六に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。 水産業につきましては、国際漁業規制の強化、漁場環境の悪化、燃油等資材価格の高騰、魚価の相対的低迷等に起因する経営の悪化等内外の厳しい諸情勢に対処して、水産物の供給の確保を図るため、各般の施策を推進することとしております。 まず、沿岸漁業につきましては、新たに策定する沿岸漁場整備開発計画の第一年度として、沿岸漁場整備開発事業に五十五億円を計上してその推進を図るほか、沿岸漁業構造改善事業、栽培漁業振興対策等を拡充実施することとしております。 また、最近における漁業を取り巻く諸条件の悪化により、不振に陥っている漁業経営対策として、新たに、固定化債務の整理に要する資金の融通につき助成するとともに、農林漁業金融公庫を通じた漁業の構造改善等を推進するための資金融通等を行うほか、漁業経営の逼迫にかんがみ、燃油の購入等に必要な資金の融通に対し助成することとしております。 さらに、水産物の価格、流通加工対策につきましては、引き続き流通加工施設の整備、水産物調整保管事業を拡充実施するとともに、新たに、調整保管事業の実施により損失を生じた場合に、所要の融資を行うための基金を設置することとしており、これらに必要な経費として、総額七十五億三千二百万円を計上しております。 漁港施設及び漁港関連道の整備につきましては、七百四十七億八千九百万円を計上し、その推進を図ることとしております。 なお、海岸事業につきましては、第二次五ヵ年計画を策定し、事業の推進を図ることとしております。 また、海洋新漁場の開発につきましては、深海漁場の開発を含め各種調査を拡充するとともに、海外漁業協力財団等による海外漁場の確保対策につきましても所要の経費を計上し、事業の推進を図ることといたしました。 以上のほか、農林漁業施策の推進のために重要な予算といたしましては、試験研究費として四百八十六億八千九百万円、農業改良普及事業及び生活改善普及事業として二百六十九億七百万円を計上するほか、林業及び水産業の改良普及事業につきましても所要の経費を計上いたしました。 また、農業災害補償制度の実施につき九百四十八億百万円、農林統計情報の充実整備に八十四億二千六百万円等を計上しております。 次に、昭和五十一年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。 まず、食糧管理特別会計につきましては、国内米国内麦及び輸入食糧につき食糧管理制度の適切な運営を図るとともに、飼料の需給及び価格の安定を図るため、所要の予算を計上しております。なお、米の消費拡大に資するため、学校給食用米穀について特別の値引き措置を講ずることとしております。食糧管理特別会計への一般会計からの繰入額は、調整勘定へ七千六百九十億円、国内米管理勘定へ五百三十四億円、輸入飼料勘定へ四百十四億円を計上いたしております。 また、農業共済再保険特別会計につきましては、一般会計から総額五百五十億四千七百万円を繰り入れることとしたほか、森林保険、漁船再保険及び漁業共済保険、自作農創設特別措置、国有林野事業、中小漁業融資保証保険及び特定土地改良工事の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上いたしました。 最後に、昭和五十一年度の農林関係財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫等が必要とするもののほか、新たに、国有林野事業特別会計の借り入れに要するものを加え、総額四千九百七十三億円の資金運用部資金等の借り入れ計画を予定しております。 これをもちまして、昭和五十一年度農林関係予算の概要の説明を終わります。
○委員長(小林国司君) これより本件に対する質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
○辻一彦君 いま農林大臣から所信表明、また次官から予算の説明ありましたので、時間も限られておりますが、若干の質問を行いたいと思います。 私は、一昨年の夏でしたが、本院の派遣で各国の食糧政策といいますか、事情を見る機会があったんですが、これはもう言うまでもないことですが、どこの国を見てもいま全力を挙げて食糧の自給率を上げようとしている。たとえば言うまでもないことですが、フランスが一六一%といわれ、ドイツが八〇%、島国のイギリスでも、一時は非常に自給率が落ちましたが、いま六五%に回復をしている。アメリカは世界の穀倉をもって任じている。去年私、二回中国の農村に行ってみましたが、一年分の食糧を備蓄しようと言って張り切っている。農林省の出先が大使館にありますが、そこのお話を聞いても、現在六千万トンは去年の冬の時点で備蓄をしている、こういうような見通しを聞いたわけであります。 そういう中で各国が非常に食糧自給率を高めるための努力をしている。こういう中で、わが国が米が過剰形態ぎみ、こういう中で、米の減反政策を再びとらざるを得ない、こういう状況にあるということは、私は大変そういう意味で残念に思っております。米というものが東南アジアの特有の穀物であると思いますが、天からの雨の水と泥をこねて、五月に雨が降っても田植えをやって、ここから収穫ができる、サツマイモに次ぐ、いかなる作物よりも食べ物カロリーをたんとに生産する。これで日本の民族が救われておると思いますが、こういう大事な米をもう少し大事にしていくというような方向に農政の基本が行かなくちゃいかぬのじゃないか。世界は挙げて食糧自給率の向上と、そういう中でわが国が減反政策を嘆きつつ——食糧自給を向上しなくちゃいかぬと言いながら、減反政策をとらざるを得ないということは、何か私はやっぱり食糧政策の根本的な欠陥というか、農政の問題がその中にあるのじゃないかと思いますが、非常に基本的な問題でありますので、まず大臣のこれに対する御見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私が所信表明で申し上げましたように、現在の世界の食糧の事情というものは非常に逼迫をしております。そしてこの逼迫をした基調というものは今後とも続いていくのではないかというふうに判断をされるわけでございますが、そうした情勢の中に世界各国ともその国の食糧の自給率を高めるために全力を挙げておるということは、いま辻委員の御指摘のとおりでございます。そういう中にあって、特に外国からの農産物の輸入が非常に大きいわが国としては、特別にやはりわが国の食糧の自給体制というものを確立するということは、まさに喫緊の課題でありますし、これはもう国政の重要課題の一つであるというふうに私は信じております。そういうふうな観点に立ちまして、私といたしましても、昨年一年間いろいろと努力をいたし、衆知を集めまして、「総合食糧政策の展開」と称する昭和六十年を目標とするところの長期政策を打ち出したわけでございますが、この「総合食糧政策の展開」の最も主要なものは、何としてもわが国の食糧の自給力を向上、確立をするということでございます。その一点に非常に大きなウエートをかけておるわけでございまして、われわれの五十一年度の予算におきましても、この基本政策を裏づけるいろいろの施策を打ち出しておるわけでございますが、私としては、これはもう国政の最重要課題の一つとして、自給力の向上、確立のためには全力を尽くしてまいりたいと思います。そういう中にあって、確かに米は過剰基調にあるわけでございますが、この米は、私が申し上げるまでもなく、わが国民生活に最も結びつきの深い主食でございまして、米の需要、供給というものがわが国国民生活に直接的な非常に影響があるわけでありますから、これがバランスのとれた需給関係を確立をしていくということは政治の非常に大きな農政の課題でもございますので、そういった観点から、バランスのとれた需給体制を確立をしていくという立場に立って水田の総合利用対策等も推進することにいたしたわけでございます。 水田利用対策は、ただ、米の生産調整をするということだけではなくて、水田を総合的に利用して、そうして、わが国において将来とも増産をしなければならない農作物を積極的に水田総合利用の中で生産を進めていくというのが、水田総合利用対策の骨子でございます。 以上申し上げたことが、私の食糧自給問題、さらにまた米に対する基本的な考え方でございます。
○辻一彦君 この大臣の所信表明の五ページに「食糧問題は、今や農林水産業やそれに携わる者のみの問題にとどまらず、広く国民の安全保障にかかわる問題であると申さねばなりません。国民食糧の安定的供給なくしては、わが国、わが民族の存立も全うできない」とある。私も同感でありますが、この考え方は、ここ数年の間に固まってきたものと思いますが、従来は外国から、海外に安い食糧があれば、ふんだんにあるんだから、それを入れればいい。こういう流れが過去にはあったわけでありますが、この考え——所信表明は、そういう考え方と明確に離れてそういう考え方を放棄をして、一線を引いた新しい政策の展開であると、こういうふうに考えていいでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先ほども申し上げましたように、今日の食糧を取り巻くところの内外の情勢は非常に厳しいものがありますし、これは不安定であるわけであります。そういう中にあってわが国の国民食糧を確保するということは、まさにわが民族にとりましては安全保障の問題であるというふうに私は考えるわけでございまして、そういう立場からいきまして、いままでのように安易に海外に食糧を求めるという行き方は、いまや許されない、いわゆる安易な国際分業論というものは、いまやもう許されない状況になってきておる、あくまでもやはり国内の自給力体制を確保するということが最大の農政の課題である。その次に、国内において自給できない農産物につきましては、安定輸入という道をこれから定着さしていくのが、これも重要な農政の課題ではあるというふうに考えるわけでございまして、そういう意味では、いままでのような安易な国際分業論的な考え方というものは、これはまあいろいろと世間にあったわけでございますが、そういう論議があったわけでございますが、そういう時代ではなくなったということは、世界の客観情勢がこれをはっきり示しておるというふうに理解をいたしております。
○辻一彦君 まあよく言われますが、外国の食糧に多くの量を依存するということは、首の根を押さえられているようなものでありますから、いざというときには非常に困る。そういう意味で、食糧は民族の一国の安全の上からも最大限の自給が必要である。こういう考えが各国に私は強いと思いますが、大臣のその所信表明にあります言葉で私はよくわかるんですが、国の安全保障とかかわりがあり、民族の独立を全うする云々ということは、ちょっと詳しく聞かしていただくとどういうお考えであるか、その点いかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあこれは食糧という問題は、国民の生命に直接に結びついておるわけでございます。したがって、食糧を確保するということがわが国民の国民生活を安定をしていく、そして国民の生命を守るという意味において最も大事なことである。そういうふうな観点から、私は、国民食糧問題というのは国の安全保障の問題であるというふうな表現で申し述べておるわけであります。
○辻一彦君 まあそこらの考えはいま伺ったんですが、そうしますと、いまの御見解は、先ほど大臣も御答弁のとおりに、四十七年以来食糧自給の長期見通しに立っての論議、それから五十年の五月のいわゆる閣議決定、それをば具体化した去年の八月のこの政策の展開、こういう一連のつながりがあるわけです。これに民間の建議等も加えたということでありますが、この中に盛り込まれているものは先ほどの総合農政、食糧政策の展開の中に網羅をされておると思いますが、この方向は、従来農業基本法の目指しておった方向とかなり違ったものじゃないかというように感ずるんですが、そこらについての御見解はいかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ私は、農業基本法につきましてはこういう考えを持っておるんですが、農業基本法というのは、これはまあ農業・農政の基本的な考え方が広い角度から盛り込まれておるわけであって、いわば農政の憲法ともいうものであるというふうに考えております。そして、その基本的な考え方というものは、今日においても適合性を持っておるというふうに思います。しかし、基本法の運用面におきましては、その時代のやはり社会経済情勢に応じて具体的施策を展開していく必要があることは言うまでもないわけでございまして、そうしたいわゆる社会経済情勢の変化に応じて、今回これはまあ農業基本法に基づくところの農産物の生産と需要の長期見通しを基礎といたしまして総合食糧政策というものを打ち出したわけでございまして、私は具体的にはその時代に応じたやはり農政を打ち出していかなければならない。そういうふうに考えており、そういう中で総合食糧政策というものを打ち出したわけでございますが、これはまあ農業基本法の精神に背反するものではないというふうに考えておるわけであります。
○辻一彦君 まあ農業基本法は憲法であるし、運用の面だ、運用は社会的情勢の変化の中で考えていけばいいんだ、だから基本にはかかわりはないと、こういう御見解のようであります。しかし、農業基本法の三つの柱、いわゆる構造政策、生産政策、価格政策という三つの柱がありましたが、私はその三つの柱を調べてみると、それは単に運用云々で論ぜられる問題でなくて、かなり大きな変化が来ておると思いますが、たとえば所信表明の四ページに、「農村の過剰労働力は解消し、農家の生活水準も向上したものの、その反面で労働力の過度の流出、」等々とありますね。そうすると、「過度の流出」という御判断の中には、経済が高成長から安定成長に切りかえられた今日では、これ以上農村からむやみな労働力の流出は余りないという御判断のように思いますが、そこらは、農村労働力の流動的な動きといいますか、これについてどうお考えになりますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ、これは今日までの十年間にわたるところの高度成長によりまして、労働力が流出をしていったという客観的な事実があるわけでございますが、その労働力の流出、兼業の増大ということが、また農地の壊廃というふうなことが、私は農業の体質というものを脆弱化したことは明らかであると、そういう認識を基本的に持っておるわけでございます。で、この高度成長というものは完全にとまって、そしていまや安定成長への転換の時代に入っておるわけでございます。日本の経済の将来を展望してみても、もはや過去のような高度成長を夢見るというふうなことは、とうてい許されない事態になっておるわけでございまして、私はこの軌道修正がされて、安定成長の方向へ進んでいくというふうに考えるわけでございますが、そういうふうな高度成長から安定成長へと移っていくにつれて、いままでのような労働力の流出というものは、客観的な情勢として、なくなってくる、そういう情勢というものはなくなってくる。同時にまた、農政の中におきましても、労働力の確保というものは大きな問題でございますし、われわれの政策努力によりまして、労働力の確保というものにつきまして、客観的情勢もそういう方向へ向いておりますので、われわれは政策よろしきを得れば、農村における労働力の流出は避けられて、労働力の確保という方向へ進んでいけるのではないかと、こういうように考えておるわけであります。
○辻一彦君 大臣の御見解では、農林省の御見解では、農業労働力が非常に流出をして、そういうことが農業の基盤の脆弱化を招いた原因の一つであると、こういうまあお話ですね。しかし農業基本法自体は、構造政策として経済の高成長、所得政策から高成長の中で、農村から労働力を引き揚げて、あとに数が少なくなる。残った者で残った土地を分ければ、自立農家としての規模が拡大できて育成ができると、こういう構想をすでに構造政策として描いておったわけですから、いうならば、こういう労働力の流出ということは予想して、私は自立農家、構造政策を考えておったと、こう思うんです。しかし、その中で一つ違ったのは、若い人や中年の労働力は出たけれども、挙家離村と言いますか、まあ日本の賃金やいろんな構造の面から、結局、家族を挙げて農村から動く人は非常に少ない。若い人だけが動く。だから農家の数は余り減らないということで、あの基本法に描いた構造政策は、実際としてなかなか進まない、こういうことに私はなったと思いますですね。そうなりますと、この構造政策を進める場合に考えた労働力の流出、それに伴う農家戸数の減少というこういう意味の自立農家育成の農業基本法の一番の根本は、私は過去の十五年間における歴史の流れというか、具体的な事実の経過の中で、崩れつつあるのではないか。それは、農業基本法の第一の柱である構造政策のあり方について考えてみなければならない問題を含んでおるのではないかと思いますが、これはいかがでしょう。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ私は、農業基本法におきまして自立農家を育成していくという基本的な考え方があるわけでございますが、その自立農家は、残念ながら高度成長という波の中で、自立農家の層の拡大というよりは、むしろ自立農家が減少した、そして非常に兼業化が進んだという実態はあることはあるわけでございますけれど、しかし基本的には、農業基本法が志向するようなこれからの農業を支えていくところの自立農家を中心としたところの農家群、これに他産業の従事者と比肩し得るような農業所得を確保させる、そういうふうな基本的な考え方は、今後の農政の上においても、われわれは自立農家の層を広げて中核農家という形を総合食糧政策の中では打ち出しておるわけでございます。で、この中核農家育成ということは、これは農業基本法の自立農家を育成強化していくという基本的な精神というものとはまあ変わっているものではない。ですから基本的には農業基本法の精神を受け継いで総合食糧政策における中核農家の育成ということをまあわれわれは大きく打ち出しておるわけであります。
○辻一彦君 ある面はわかりますが、しかしその農業基本法の構造政策、いまは中核農家、前は自立農家。農林省は言葉はなかなかうまいので、だんだん言葉でわかったようなわからないようになりますが、それは自立農家を中核農家と置きかえても私はいいと思いますが、しかしあの構造政策の基本は、農村から経済の高成長で労働力が流れていく、残った数が少なくなるから、それでもって残った耕地を割れば規模は広がって、いわゆる自立農家ができるという、単純に言えば私はこういう構想があったと思うんですね。しかし石油問題以来、いま大臣御答弁のように、この日本の経済が過去のような高成長政策をとることは、だれが見てもあり得ない、とするならば、労働力の流出もこの程度でやはりとまっていくのではないか。そうしますれば、これだけ労働力が農村から出て、なお、あの基本法が目指した構造政策が実現できなかったという事実の中で、私はこれからは経済がそういう意味で低成長になっていった場合に、どういう形でいわゆる自立農家あるいは中核農家というあの基本法の構造政策が具体化をするのか、ということになれば、これは私はかなり考え直してみなくちゃならない時に来ていると思うのですが、依然としてその状況は変わらないし、その自立農家、中核農家の構造的な育成といいますか、こういうものは可能である、こういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私たちの考え方は、いまの農業の大半の生産を支えておるところの中核農家というものをさらに育成強化をしていくということが、これがこれからの農業基本法にいうところの農家の地位を高めて、自立経営農家が他産業に比肩し得るような所得を確保するということにもつながっていくわけでありますし、また農業基本法にいうところのいわゆる総生産の拡大という面につきましては、われわれが言っておるところの自給力を高めていくということにも直接結びついた、今日の時代の要請にも私は合致をしておるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○辻一彦君 私は、中核農家の育成を目指す、それは結構だと思うのですよ。しかし基本法でいう構造政策はいままで申し上げたとおりですが、その方向と、いまの日本の経済の条件というものがずいぶん変わってきておる。そういう中であの基本法をもとにした構造政策の実現はかなり困難に——かなりと言うか、ずいぶんと困難になってきたんじゃないか、これをどうお考えになりますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 基本法が成立したときの社会経済状態というものは、まだわが国が高度成長に移る前の状態でございました。その後の高度成長に移りましてからのわが国の経済、社会の情勢というものは、非常に大きく変わり、さらにまたそれが大きくまた今度の安定成長という軌道修正によってまた大きく変わろうというふうな方向にあるわけでございますが、そういう中にあって、確かに部分的に見れば、現在の時代の流れというものに、必ずしも、部分的には多少やはり合わないという面も出ておるわけでございますが、しかし、私はこの基本的なその姿勢といいますか、基本的なその考え方というものは、あのときの農業基本法の成立の情勢を見ましても、農業基本法の基本的な条章等を見ましても、基本的には私は今日においてもこれは適合性を持っておるのじゃないだろうかと、こういうふうに考えておりまして、やはりあの基本法の、あの法律ができるまでには、ずいぶん各国の法制等も研究されまして、そして国内においても数年を要した慎重なまた審議というものを通じてこれがなされたわけでございまして、そういう面において、私は、これを容易に、軽々しくと言ったらまあ語弊があるかもしれませんが、変える必要はないのではないか。確かにこれは研究をする必要はあるというふうには思うわけでございますが、しかし、これを今日の時点に、ただ自給率問題が非常にクローズアップされたというふうなことで、自給率の問題等が含まれてないというふうなことで、変えろというふうな論議もあるわけでございますが、これは総生産の拡大というふうな方向で、そういうことも含めておるわけでございますから、そういう面で私は精神はそう基本的には変わってない、適合性がある。ですから、今日でもその運用というものをよろしきを得れば私は農政の推進には支障はないものであるというふうに判断をするわけであります。
○辻一彦君 まあ部分的にはいろいろ変化があると言っておられるんですが、構造政策がその一つに該当するというふうな感じも持っておられると思いますが、もう一つ、あの基本法の大きな柱は、生産政策の中で選択的拡大であったと思いますね。国民の食生活、所得の向上の中で、いわゆるでん粉食品からたん白や果物の方に嗜好が動くというその中で、選択的拡大によって誘導してこの生産を変えていこうと、これが大事な柱であったと思います。ところが、確かに選択的拡大のこの政策はかなり日本の中の農業生産の中に大きな影響を与えて、私はそれなりに前進したと、かなり実現されたと思います。しかし、周辺の状況は、いま、先ほどのとおり、国際的にも食糧の自給率をうんと高めにゃならぬという方向に動きつつあるし、また日本自体もなるほど選択的拡大、ミカン等々もずいぶんふえて、いろいろ構造は変わったが、しかし、そうなってみると、穀物の自給率が前に比べて異常に低下をした、食糧自給率が四割を割っている、こういう状況の中で食糧自給率の向上ということは、ある面では穀物自給率の向上を図らなくちゃならない、こう私なっていると思いますね。そうしますと、その農業基本法が具体的な政策を誘導する指針であるとすれば、私は選択的拡大で誘導した、引っ張っていった方向と、いま食糧自給ということを重要な柱にしなくちゃならないという段階において、ずいぶん変わりがきたのでないか。こういう点から考えると、基本法第二の重要な柱も、その根底においてかなりな変化ありと私は思いますが、その点の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農林基本法が実施された段階における選択的拡大という中には、いまおっしゃいましたような果樹であるとかあるいけ消費の需要に対応した畜産、そういうものを非常に大きな想定をした考え方というのがあったと思いますし、それに対応した施策が進められてきた。そして、これは国民生活における国民の消費需要に対応するものであったということであろうと思うわけでございますが、今日におきましては、御案内のように果樹等につきましても、ミカンの今度は過剰というふうな問題が出てきたことも事実でございますし、また畜産につきましては、非常な成長をいたしまして国民の消費需要に対応してまいったわけで、その間の成長というのは非常に著しかったわけでありますが、今後の畜産を見ますと、高度成長のような消費需要の増大というのは望まれませんわけでございますから、畜産については安定成長というふうな方向になっていくものであろうというふうに考えております。 したがって、そういうこの選択的拡大という具体的な面が相当変化をしてきた。そして、今後の変化というのは、いまおっしゃるような、これからやはり伸ばさなければならない農産物、たとえば麦であるとかあるいは大豆であるとかあるいは飼料作物であるとか、そういうものにこれからのやはり生産の、増産の対象というものを置かなければならないわけでございまして、そういう面で水田総合利用対策というものも、時代の要請に応じた増産をすべき作物を積極的に生産をしていくという、いわばこれは時代の要請に応じた選択的拡大の一つのあり方でもあろうというふうに、私は、水田総合利用対策というものについてはそういうふうな、今日では基本的考え方をもってこれを進めようということにいたしておるわけであります。
○辻一彦君 先ほどの論議の中で、国内的要因と国際的要因というものが二つほど私あったと思いますね。国内的な要因は、もう言うまでもないことですが、農村労働力の動きもかなり変わってきた。したがって、そこに構造政策の基本もかなり変わってきているはずである。もう一つは、国際的にも安い食糧がたくさんあって自由に買えたという時代ではなくなってきている、というこの中で、大臣所信の表明のように、国の安全にかかわる食糧問題という位置づけが行われてきている。そうすれば、私は基本法のやっぱり柱もこういう変化の中に応じて食糧の自給率を高めるという、こういうこの柱を、食糧自給率の向上ということを重要な位置づけをすべきときにきていると、こういうふうに私は思います。憲法であるがゆえに、そういう方向を明確に出して、その上に立っての運営がなされるべきであると思います。その点で、先ほど研究の要があると、こういうことでありましたが、いますぐにはなかなかいくわけじゃないんですが、やはりこういう変化の中で農業基本法については見直しについて研究する必要ありと私は思いますが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) われわれは、いまの農業基本法がその基本的な方向においては今日においても適合性を持っておる、そして、そういう中にあってその運用の面においては、時代の要請に応じ、社会、経済の変化に応じた政策をとればいいんだということで総合食糧政策というものを打ち出しておるわけでございますが、まあしかし、いまいろいろと御論議をいただきましたような非常に社会、経済情勢というものの変化も激しいわけでございまして、特に食糧という問題につきましては世界的な変化もございまして、そういう中で食糧の生産、流通、消費といったような面を踏まえた基本的な問題について再検討する時期であるというふうな空気というものも出ておるわけでございまして、そういう点については私も理解をいたしております。 しかし、まあ農業基本法という法律そのものの改正をするということになれば、やっぱり私は、あの当時の農業基本法の成立の経緯というものも、私も議員として参加をした一人でございますが、あの当時のことを振り返ってみましても、そう軽々に、このせっかく打ち出された農政の憲法というものを軽々にやはり変えるというふうなことについては、私自身はまだ納得のいかない面があるわけでございまして、研究は進めなければならないと思いますが、改正というふうなことについては、私はいまのところそういう考え方は持ってないわけでございます。
○辻一彦君 もう少し論議をしたいのですが、大臣あと十分たつとおられなくなるので、きょうはまあそうもいきませんから次の機会にまた譲りたいと思います。 そこで、たくさん聞きたいことがあるんですが、どうも思うように時間がないので、米の問題にかかわりましたので一、二点伺ってみたいと思います。わが国が、米の生産について高い能力を持ちながら、その能力を十分に発揮できないということは大変残念なところですが、これはまあ米の需要の頭打ちという問題が一つあると思います。それと同時に、外麦の大量の輸入という二つの問題があると私は思うのですね。そこで、外国のその食糧を、日本も貿易立国として抑えるわけにいかない。しかし、国内の米の需要といいますか、消費が拡大して、自然と外麦を入れなくて済むようになる。これはまあ自然の姿だから私はいいと思いますですね。そういう点でやはり本格的な米の需要の拡大、消費の拡大を考えて、強力な手を打って、この大事な米をさらに生かしていく。こういうことを考えなくちゃならないときにもうすでに来ているし、まあ手も打たれつつあると思いますが、これを一層強化する必要ありと思いますが、この点についてどうお考えですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ私も、いま辻さんのおっしゃいましたように、米につきましては、これは国民の主食であるという面において、わが国の農政のこれは米対策というのは基本の一つとして今日まで来ておるわけでありますが、この食生活の非常な変化等もありまして、あるいはまあ外麦とのいまおっしゃるような問題もあるわけでございますが、そういう面もあって米の消費が低下をして、大体昭和三十八年ごろは国民一人当たりが百十八キロぐらいの消費をしておりましたのが最近では九十キロを割るというふうな状態にまで低下をしておるということは非常に残念であります。そういうことが、せっかくいまお話がありましたように、高い能力を持つところの米生産というものもやはり制限をしなきゃならぬという事態に追い込まれた、そしてそれがまた農村の生産意欲というものにも一つの阻害をいたしておる、というふうなこともわれわれは十分考えなきゃならぬわけでございまして、そういう面からやはりわれわれは、こうした米に対する高い生産力を生かしていくためにも、やはり消費の拡大——生産面についていろいろと調整をするというだけではなくて、やっぱりその半面の消費を拡大をしていけば、生産に対するところのいろいろの制限措置ということもこれは緩和できるわけでございますので、消費の拡大というものにもつとやはりわれわれ農政当局というものは真剣に取り組まなきゃならぬというふうに、私も真剣にこれはもう考えておるわけでございまして、そういうことで実はまあ学校給食の拡大等につきましても、文部大臣ともしばしば会いましてお願いをいたしまして、五十一年度予算におきましては学校給食に米飯給食を増大させるという方向を打ち出してまいりました。幸いその評判は非常によくて全国的に米飯給食が相当拡大をするような方向にいま進んでいるような報告を受けておりまして、大変喜んでおるわけでございます。が、この消費拡大は、給食における米飯給食だけでなくて、一般の国民のやはり消費拡大を進めなければならぬわけでありまして、このためにはやはり米の見直しといったことも、総理府の統計、アンケート調査も最近出ましたが、そういうアンケート調査等を見ましても、米の見直し論というのが国民的に非常に関心を持たれておるので、そういう事態を踏まえて、この際こそ積極的な広報宣伝その他あらゆる対策を講じまして米の消費拡大が国民の中へ定着をしていくように、これはもう努力をこれからも続けなければならない、こういうふうに思うわけであります。
○辻一彦君 学校給食についてはいまは、もうあと五分の中では詳しく申し上げられませんが、これは炊飯の設備だとか、それに必要な人件費であるとか、いろんなネックがあって進まない場合もありますが、こういう点についてこれから十分ひとつ検討して対策を立ててほしいのと、それから農家から米だけ、弁当だけ持ってきたら、それについて副食やいろんな方法で助成をして、米の給食が自主的に行われるというふうに、こういうような幅を持ったやり方で対処していただきたいと思います。 もう一つ私は、まああと三、四分のことですが、日本酒の問題ですね、酒ですね。去年、大蔵委員会におって酒、タバコの論議をしたことがありますが、エリザベス女王がお見えになったときに、日本でまあ外務省、宮内庁、総理府その他の機関で何十回といういろんな会合を持っておりますが、日本酒で乾杯をしたというのは、聞いたところ大体まあ一回ぐらいだというのですね。京都の畳の部屋に上がったときだけで、あとは洋酒です。そこで私は思うのですが、フランスに行けば国産のブドウのワインで、隣のドイツは国産の麦のビールで、隣のイギリスは国産のスコッチ、アメリカでもトウモロコシのウイスキーで乾杯をする。隣の中国はマオタイ、ソ連はウオッカというように、どこでも自国の穀物でもってつくったアルコールで乾杯をして、あとは好みに応ずると、こういうやり方をとっておりますね。わが日本の場合は、どうもほかの国の酒で乾杯しているのは、私は米を大事にする上から言っても非常に問題ありと思いますが、まず政府においてもひとつ大臣から発言をしてもらって、日本酒をもって第一回は乾杯すべきである、自今農林省はそういう会合には必ず日本酒でもって乾杯をして、あとは好みと、こういうようにやってほしいと思いますが、これについて御見解いかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 全く御意見については賛成でございまして、私もそういう晩さん会等に出ておるわけでございますが、残念ながら西欧食が中心でございまして、西欧食ということになりますと大体ブドウ酒というふうなことになるわけでございます。そこでまあ私は、ブドウ酒の場合におきましてもこれは国産ブドウ酒を、ブドウ酒であるならば国産ブドウ酒をやはり使うべきだということをまあ主張してきておりまして、幸いにいたしまして、たとえば総理大臣の宴会というような場合は、最近では国産ブドウ酒というものが使われるようになったというふうに聞いておるわけでございますが、世界各国の例は確かにその国の酒というものが宴会の中心になっておるわけでございますから、これはまあ西欧食の場合に果たして酒で乾杯ということについてはいろいろと問題はあるわけでございます。が、しかし、まあいまお話承ったことにつきましては私も全く同感でございますので、早速これができますような方向に私としてもひとつ努力をしてみたいと、こういうふうに思っております。
○辻一彦君 農林大臣ぜひ努力をお願いしたいと思います。 酒の宣伝を私はしているのではないけれども、かんをした日本酒じゃなくて冷酒、冷たいのであれば乾杯は幾らもできますから、よくひとつ御理解をいただいてぜひ御努力をお願いしたいと思います。大臣もう時間ですから……。 ちょっと大臣が見えぬのでありますが、若干の時間二、三お伺いしたいと思います。 五十一年度の米価について伺いたいんですが、これはまだそういうものを論議する時期ではないかもしれませんが、ちょっと考え方を聞きたいと思います。 昨年の米価審議会の諮問米価は非常に綿密な計算、調査、計算がなされた試算に基づくようではありましたが、しかし、いろいろ見てみると、実態は春闘の一三%、これに合わせたような一三・一%というものでしかなかったんではないかといま私は思います。たとえば災害農家を、あのとき二〇%以上が災害農家、それを去年は一〇%以上ということにして一三・一に合わせた、しかし、後の論議といろんな運動といいますか、米価運動の中で災害農家の一・三%が復活をした。こういういきさつがあって、米価は最終的に一四・四%に決まったと思いますが、そういうふうに私は小手先を弄するような計算のやり方はやっぱりこれはやめた方がいいんではないか。もっと農民の納得のいく試算米価を出すべきであると思いますが、大臣おられませんが、これは長官いらっしゃいますか、いかがですか。
○政府委員(大河原太一郎君) ただいま先生の御質問の中にもございましたように、五十一年産米価につきましてはこれからの検討に入るわけでございまして、具体的な方針を決めておりませんが、当然のことでございますが、生産費なり物価、その他経済事情というものを適切に反映するような方針で米価審議会にも十分御相談を申し上げて決めていきたいというふうなわけでございます。したがいまして、ただいま災害農家、昨年いろいろ諮問あるいは米審の過程で御論議を賜りました災害農家の件を含めまして今後、諸要素の取り方等については適切、慎重に考えていきたいということで、きわめて一般的、抽象的でございますが、現段階としてはかく申し上げたいと思うわけでございます。
○辻一彦君 いまの段階ですから、答えはそれでやむを得ぬと思います。しかし、米価の基本は、家族労働の賃金をどう評価するかにあるわけですが、去年の八月に出たこの「総合食糧政策の展開」を見ますと、価格政策の二の「対策の概要」の中に「価格政策の基礎資料となる農産物生産費調査の家族労働評価基準を実態に即して改善することとし、従来の農業臨時雇賃金から農家世帯員が多く就労している地方ごとの主要な産業部門の生産労働者に対して支払われている標準的な賃金に改訂する。」とありますが、これは私は労賃の取り方としてはいままでと違った点であると思うんですが、具体的には、地方の主要な産業部門の生産労働賃金に見合うというのはどういうことをお考えになっていますか。
○政府委員(大河原太一郎君) これは先生に申し上げるのは失礼でございますが、米価、政府買い入れ価格につきましては、販売農家の原生産費をもとにいたしまして、家族労働費については評価がえを五人以上——昨年でございますが、五人以上九百九十九人の都市均衡労賃に評価がえをいたしますので、原生産費自体についての取り方ということについては、米価算定につきましては直接的な関係はないわけでございますが、他の農産物価格等の生産費調査について、自家労賃の評価については、従来、農村日雇い労賃であったものを、農村日雇い労賃のウエートが農村において非常にまれになったので、むしろ、世帯員が働きに出る地方の働き場所の労賃をもって評価する、という方針下にただいま準備しておりまして、五十二年の生産費調査から家族労働の評価、これは統計調査、生産費調査の約束としてこれを評価の方法として取り上げていくというふうに承知しております。
○辻一彦君 いまの最後の御発言も米価以外の問題ですか。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 米価につきましても原生産費の評価は一つの統一ルールでやる。ただし、米価については御案内のように、家族労働費については均衡労賃に評価がえをするということで、「総合食糧政策」に展開されております、申し述べておりますこと自体が算定方式を変えるというものではないように御了解願いたいと思います。
○辻一彦君 それはわかりました。 春から夏に向けて米価のいよいよシーズンになって非常に農家も熱心ですね、また、いま関心を持っておりますし、冬いろいろあると、ことしの米価はどうなるかとこういう声が非常に強いわけです。私は労賃、春闘の決め方は決め方としてひとつ、米価の場合は、農民がなるほどと納得できるような試算米価をぜひことしも努力をして打ち出していただきたい。後で、去年の災害農家のような取り方でまたもとへ返すというようなことは、初めからしなくていいような試算をしっかりやってほしいと思います。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 春闘との関連でいろいろ御発言がございましたが、これは先生に申し上げるのも失礼でございますが、米の生産費は物財費が四割、労賃部分が五五%で、その他地代というようなことになっておりますので、必ずしも評価がえの場合の春闘だけの労賃水準で米生産費が決まる、直接規制せられるわけには、たてまえとしてはなっておらぬので、物財費の動向等も、いわゆる米価パワティということもやはり生産費に関連するわけでございます。 それから災害農家の昨年の経営についてのお話でございますけれども、正常な生産費をどう取るかというようなことでわれわれも大変苦心しておるわけでございます。正常な生産費をどう見るかということでございまして、稲作生産の安定というようなことで、われわれとしては、昨年は物が動きましてもその点にかんがみまして米審にお諮りしたという経緯もあるわけでございまして、単に結論のためのあれではなくて、それぞれの諸要素の安定したものを取りたいということで特に本年度についても慎重な検討をしてまいりたいというように考えます。
○辻一彦君 いや私は何も、春の賃金がそのまま直結する、こういうふうに言っているんじゃないが、去年の数字はたまたまかもわからないが、一三と一三・一は非常に似通った数字になりましたから、そういうところからのの、逆算によるようなことのないように努力をお願いしたいということです。 後二十分くらいの時間でありますので、米の問題はまたいずれ時期が参りますから、そのときに詳しくやることにして、きょうはちょっと省略さしてもらいます。 そこで、農業生産の基礎というものが、農業基盤整備にあるということは言うまでもない。そういう中でことしは、去年からの「国営事業の特別促進対策」を打ち出した。これは一つの目玉であって、五十一年度予算案の中には一部が具体化して、一歩前進というふうに私は思いますが、しかし、あの八月の「総合食糧政策の展開」の中にうたわれておったような抜本的改正といいますか、それにはまだ道がほど遠い。こう思いますが、今後この抜本的制度改正をも目指してさらに強力に取り組むお考えがあるのかどうか。その点いかがでしょうか。
○政府委員(岡安誠君) おっしゃるとおり農業生産力の確保、向上のためには基盤整備が第一条件であるというふうに考えております。その基盤整備の現状はどうかといいますと、先生御指摘のとおり、非常に現在おくれておりまして、過去二年間の公共投資の抑制という影響もありますし、それから労務費、資材費等の値上がり等もありますし、非常に工期がおくれているわけでございます。そこで私どもは今年度の春、要するに五十一年度の予算編成に当たりましてネックの解消ということを最大の眼目にいたしましていろいろ工夫をこらしたわけでございます。と申しますのは、やはり基幹的な施設でございます国営事業が最もおくれておって、これが進捗しませんと県営、団体営という末端までも効果が発現できないという問題がございますので、国営事業の伸長ということを最大の目的にいたしまして工夫をこらしたわけでございまして、結論的には、今回国会に御提案申し上げております土地改良法の一部改正の法律の内容にございますとおり、農用地開発事業につきまして財投資金を新たに導入する方法を今回導入をいたしたいというふうに思っているわけでございます。で、先生御承知のとおり、五十一年度予算要求の当初におきましては、そういうような施策に加えて国費が分担すべき部分につきましても一部財投資金で肩がわりをするというようなことも実は検討いたしたわけでございますが、御承知のとおりの財投資金の窮迫といいますか、需要が多くて、なかなか十分応じ切れないというような事態が急速に進展をいたしましたこともございまして、今回は農用地開発事業についてのみ財投資金の新規導入という措置を講じたわけでございます。が、今後ともやはり基幹的な国営施設等の伸長のためには工夫をこらしてまいりたいというふうに思っております。
○辻一彦君 去年の予算委員会——臨時国会で、大平蔵相は、私たちの質問に答えて、財投の全体の中に占める農林水産の位置は四%前後で大変少ない、五十一年は考えなけりゃならぬ。こう言ったんですが、やっぱり四%強にはなりましたが、弱が強にはなったけれども、ふえてはいますが、やはり数字は私は低いと思うんです。で、これはひとつ事務当局も大臣もぜひ努力をしてもらって、昨年の大平蔵相の答弁が、財投の面でもっと農林水産関係に反映するように努力をしてほしいと思います。 それから、時間の点があるので、項目的に若干伺いますが、国営がそういう形で進展するということは結構ですが、地方を歩いてみると、今度は国営が伸びたがために県営や団体営がしわ寄せを受けておくれるんじゃないかという心配がまた今度は出てきておるんです。これは財投資金を使うというのは性格が違うと、一般的に見るとそう思われやすいわけなんですね。そこで、国営の事業の方を促進を図りながら同時に、県営、団体営における事業のおくれ——かん排なんかを見ると、十年もたちそうなというところがずいぶんあって、非常にみんな心配しておりますが、これを促進していくことについての方策についてどうお考えになっているか、お伺いいたしたい。
○政府委員(岡安誠君) おっしゃるとおり、国営がネックなので、今回は重点的に国営の伸長を図るということにいたしておりますが、やはりそれに関連がある県営、団体営等もあわせてこれは伸長しませんければ効果が発揮できないわけでございます。そこで、結論的には基盤整備費というものをさらに拡大充実をするということに尽きると思いますけれどもなかなか、今後、安定的な経済成長下におきまして基盤整備事業を大幅に確保するということも、努力しなければならぬと思いますけれども、そう容易であることとは考えておりません。そこで、私どもも今後さらにいろいろ工夫をこらしてまいりたい。たとえばやはり重点的な個所づけをするとか、それからまた事業実施に当たりましては効果の発現を最優先的に考えまして他の事業を多少おくらせるとか、まあいろいろ実施の方法にも工夫をこらしてまいりたいと思っております。
○辻一彦君 水産庁長官おられますね。
○政府委員(内村良英君) はい。
○辻一彦君 ちょっと伺いますが、これに関連してですが、漁港の修築のおくれというのもかなり努力をしてもらって、進んではおりますが、やはり地方になるとかなり目立ちます。大型の漁港もそうですが、中小の漁港で毎年ケーソンが一つ二つぐらいふえて、なるほど海の中に入っている部分が非常に多いわけだから上に出る部分が少なくてもかなりな事業にはなるんですが、それにしても防波堤のケーソンが一つか二つ毎年ふえている程度というのは、何年間か同じところに行ってもいかにも遅々たる感じがしますですね。そこで財投を導入して国営のこういう事業、農地開発等々を促進しようという一つの方向が出されたんですが、漁港も非常に長期にわたるものであるし、余り時間をかけるのもどうかと思いますが、同様の趣旨等々考えて漁港の修築を促進するようなお考えをお持ちでないかどうか。あるいはもっとほかに今日の漁港の整備事業のおくれを前進をさすようなお考えがあるか、その点一点お伺いしたい。
○政府委員(内村良英君) 先生御指摘のように漁港は漁業の生産基盤でございまして、われわれといたしましては漁港の整備につきましては鋭意努めているわけでございますが、御案内のように過去二年総需要抑制政策のために漁港の整備がおくれているという面があることは事実でございます。そこで五十一年度予算につきましては御案内のように前年対比約二一%増ということで、われわれといたしましては漁港の整備に最大の努力を尽くしているところでございます。 なお御質問の漁港整備に関しまして財投を使ったらどうかという点でございますが、漁港の整備に財投を使うということになりますと、現在の一般会計予算等にさらに財投を加えるということになれば、事業の、原則として特別会計による国の直轄かまたは公団事業によらざるを得ないということになるわけでございます。そこで漁港整備は地方公共団体を事業主体とすることが一般的で、多くの事業主体と多くの地域に分かれましてこれを国の直轄事業にするということが果たしていいかどうかという点につきましては多くの問題がございますし、さらにこれを公団等により実施することについても問題点があるわけでございます。さらに漁港施設は不特定多数の人に利用されるものでございますから、公共施設で受益者が不特定多数である場合に資金の返済等の問題を考えました場合、果たして財投を投入することがいいかどうかという点についても検討すべき問題があるんではないかというふうに考えます。
○辻一彦君 その論議は後日にまた譲りましょう。 そこで五十一年度政府予算原案の中に千五百億の第二予備費といいますか、第二公共事業費といいますかがあって、これは予算の位置づけとしてはきわめて問題のあるものなので、予算委の論議が当然行われると思います。しかし、それが原案として残るにしても、あるいは公共事業に移行するとしても、この中身について農林省は、千五百億が公共事業に移るとすれば、これをどう考えているのか。これを公共事業強化の方向で一定の額を確保してやっていく考えなのか。そこらの考え方はいかがでしょう。これは官房長に。
○政府委員(森整治君) 従来の例を申し上げますと、国の公共に対します、農林関係公共のシェアを過去十年見てまいりましても、すべて二〇%以上ということになっておるわけであります。ことに最近、昨年の補正では二三・二%というシェアを占めておるわけであります。五十一年度は御承知のように二一・一でございます。いずれにいたしましてもこの程度のものは少なくとも農林公共の事業の重要性にかんがみましてわれわれとしては確保をしたいし、また確保できるものという見込みを立てておるわけでございます。
○辻一彦君 あと一、二点お伺いします。 一つは、農村基盤の総合整備事業、パイロット事業、それから農村総合整備モデル事業、第二構造改善事業等々ありますが、時間も限られておりますからして、全部に触れることはできないと思いますが、略称総パの問題について一、二点お伺いしたいと思います。 この総パの方は、いずれもこの各地区で積極的に農民の皆さんが取り組んでおりますが、いろんな問題もあります。総パの方で、これは全体の助成率も高いという点から農民の期待がかなり、あるいは非常に強いんですが、これらの進捗状況、それから調査段階等々どの程度になっているか、簡単で結構ですからちょっとお話しいただきたい。
○政府委員(岡安誠君) 総パ関係の調査、これは正式には農村基盤総合整備調査地区ということにして採択をいたしておりますが、五十年度までに調査いたしたものは合計四十七地区でございまして、そのうち完了をいたしたものが四十一地区になっております。 それから事業実施の方でございますが、五十年度までに事業着工いたしたものが合計二十地区でございまして、五十一年度は大体四地区程度新しく採択をいたしたいというように思っております。
○辻一彦君 いま調査されているところで将来の見通しはざっとどんなものですか。
○政府委員(岡安誠君) 実は、このいわゆる総パ——農村基盤総合整備。パイロット事業は四十七年から始めておりますが、これはやはりパイロットという名前でやってきたもので、大体まあ私どもとしましては、その目的を達成したというふうに考えまして、五十一年度はそのパイロットという言葉を取りまして、農村基盤総合整備事業ということにして、普遍的にこれを行いたいというふうに考えているわけでございます。したがって、いままで着工をしておりますものはもちろん継続実施をいたしますし、五十一年度は四地区だけ新規採択をいたしますが、それ以外の調査地区等につきましては、従来の土地改良事業によって対応していきたいというふうに思うわけでございます。ただ、従来の土地改良事業によって対応いたしますと、いわゆる農村生活環境整備というものが落ちることになりますので、その落ちるような点につきましては、五十一年度から発足いたします農村基盤総合整備事業、これは生産基盤の整備と生活環境の整備とあわせ行うことにいたしておりますので、それによって対処をするというふうに考えております。
○辻一彦君 大筋に見当がつきましたが、現在全国に何地区か、調査を二年間ほど行って、そして大体その結果が出かかっているところがあると思います。そういう地域をちょっと寄ってみると、やはり非常に期待が強いんですね。ということは、その総パがあるならば、じゃ、かん排も農道も圃場整備も、そのときにひとつ、かなり大きな額ですからまとめてやりたいということで、ほかの計画を待って、そこに期待をつないでおったというところが、私は全国的に見ても幾つかあると思うのです。そういうものへの農家の期待——やはり必ず専業で生き抜こうという農家が多いわけですから、この期待に何かこたえることが大事じゃないか。そういう意味で、いまのお話を聞けば、調査をしてしっ放しということはないようでありますが、この期待にひとつ、具体的な中身で十分こたえて、対処してもらうようにお願いしたいと思います。この点についてもう一度御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(岡安誠君) おっしゃるとおり農家の期待に私どもはひとつ工夫をこらしてこたえてまいりたいと思っております。
○辻一彦君 もう一点ですね、まあ二次構で、もう第一次構造改善事業からいろいろ成果が上がっておりますが、ワンセット方式というのはいままでからもいろいろその論議がありましたが、いろいろ問題点を私は含んでおると思うのです。たとえばこれは身近な例ですが、私のいとこがかなり前に共同酪農をやって、そして非常に、国の助成も受けてりっぱな畜舎をやりました。初めは、酪農だから中古の建物でいいというのだけれども、新品じゃないと助成ができないというのでりっぱな畜舎をやった。牛は北海道、山形で買ったけれども、あばら骨の牛を並べて、みんな見にはずいぶん来たんだが、だれも牛をほめてくれない。りっぱな畜舎です、と言って畜舎だけほめて帰る。これでは私はだめじゃないかと思ったのですが、やはり一、二年して大きな赤字を残して、伝来の田畑を売り払って借金の始末をしたと、こういう例があります。これは大分前の話ですが、しかし、いまも似たようなケースがあり得ると、たとえば北陸のあるところを歩いた私の体験で、去年予算委員会の分科会で、私はこの地力の低下を指摘をして、後、土づくり運動要綱というのが出ましたが、文章一本出して堆肥がつくれるわけでも地力が上がるわけでもなくて、それに伴う米価や施策がまたなければ成果が上がらないと思います。それは別として、堆肥舎をつくるのに、これも新品じゃないといかぬという基準があるようなんですね。そこで、その堆肥舎は、何か学校の古手や、農協や役場の古いのがあるのだからこれを使いたいというんだが、やっぱり基準上新しい堆肥舎じゃないといかない。そこで、しょうがないから、長もちするというので鉄骨でやったわけですね、つくってみた。そうしたらさびが出て、このごろはもっぱら堆肥舎のさびどめにかかっているという話をいろいろ聞くんですが、私はやはりこれはちょっと画一的な基準を押しつけているんじゃないかと。やはり学校、農協、役場等、よくまあ古いけれども木は乾いて十分使えるのがあるし、堆肥舎としては十分私は使えると思うのですね。こういうものを活用してやっていくということが中身として大事じゃないかと思いますが、その運用の面、運営の面において幾つかの改善すべき点があるんじゃないか。具体的に、時間があればいろんなことを申し上げたいと思いますが、きょうはもう時間きておりますからやめますが、この一点について、改善の余地ありと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(岡安誠君) 構造改善事業は先生十分御承知と思いますけれども、一次構、新農村建評以来、いわゆる総合助成方式というのをとりまして、メニューの中から選択をするというような、農林省としましては、きわめて弾力的な補助方式をとったのでございまして、なるべく画一的な助成は避けるというのが精神でございます。 ただ御指摘の、中古品ですか、そういう古材等の使用の点でございますけれども、これは、はなはだ申しわけないんでございますけれども、きわめて事務的なといいますか、技術的な理由でなるべくといいますか、中古品は使わないように、と申しますのは、新品の場合には市価というのが非常に客観的にわかりますけれども、中古品とか古材というのはなかなかそういう客観的な価格がわからない。そうしますと、やはり補助事業でございますので、適当な価格は何であったかという判定が非常に困難であるということから、新品というふうに仕様書その他にはなっているというふうに考えております。だから、できればある部分については、これは中古品なり古材を使う、したがってそれは補助の対象にはしない、ほかのところに補助金は持っていくとか、そういう対象ごとの選択を変えるというような方法があれば非常にうまくいくと思いますけれども、新品と中古品をまぜて使うということになりますと、これは、まあ精神はおっしゃるとおり、先生のおっしゃるとおりだと思いますけれども、なかなか事後処理その他に困難があるということで、現在は中古品その他の使用は御遠慮願っているわけでございます。 なお、これは具体的な問題だと思いますので、ケース・バイ・ケースでもってよく御相談には応じてまいりたいと思っております。
○辻一彦君 もう一問。これで終わりますが、土づくり運動、堆肥づくり運動をやるとすれば、雨の多い地帯はやはり堆肥舎がないと、全部養分流れちゃってだめなんですから。そうしますと、これから本格的に農林省が土づくり運動というのを、通達だけにとどめずに、やる気になれば、やはり雨の多い地帯にはかなり堆肥舎をつくらにゃいかぬと思うのですね。そのときに、堆肥舎に新品じゃなくちゃいかぬというのは、いかにもどうも、計算のむずかしさはわかりますが、しゃくし定規の感じがしますので、これはひとつ御検討いただきたい。 それからスギハダニ。林野庁の方見えてますね。——あとにちょっとだけ簡単に聞きたいのですが、私の郷里の方に大野、勝山、池田、美山というような、かなり深い山の山村がありますが、昨年スギハダニが大発生をして三、四千町歩スギの上の方が枯れるとか、全部じゃないんですが、大変被害を受けております。その卵が越冬してまたことしかえって出てくるのじゃないかと、こういうことで大分防除に力を入れておりますが、これは私は、林野庁としても、松の虫がありましたですね、これも大変大事なことですが、いまスギハダニの点についても十分な指導体制と援助の体制をとっていただきたい。簡単に言えばどういう御方針であるか伺いたいと思います。
○説明員(藍原義邦君) 先生御指摘のように、昭和五十年の秋にかけましてスギハダニが大分発生いたしました。数字で申し上げますと、四十九年まで全国的に約四万ヘクタールでございましたけれども、五十年には七万五千ヘクタールの面積に被害がわたっております。これにつきましては、従前から国の方で二分の一の補助という形で防除の体制をとっておりますし、この五十年度に発生いたしましたものにつきましても、春先に防除するのが適確であるということで、五十年度中にこの防除の対策を講じようというふうに現在努力いたしております。
○辻一彦君 ちょっと予算的な点も十分ひとつ、どうも予算書をちょっと見たんだけれども、きわめて微々たる感じがしますが、できる方法で考えてもらうようにお願いしたいと思います。
○説明員(藍原義邦君) このダニは杉の若い葉につきまして、その若い葉の葉液を吸いますけれども、杉が完全に枯死してしまうというダメージを与えるものではございません。したがいまして、一時的に成長が衰えるということはございますけれども、そういう観点から、いま申し上げました被害面積が出ておりますけれども、その全面を駆除するということではなくて重点的にやってまいろうという考え方でございます。また、予算につきましても、本年度は前年度よりもさらに倍額に近いものを考えて対処してまいろうと、こういうふうに思っております。
○辻一彦君 終わります。
○委員長(小林国司君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。 午後零時二分休憩 —————・————— 午後二時八分開会
○委員長(小林国司君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤隆君 時間が限られておりますので、ごく端的に質問いたしますから、答弁の方も簡単明快にひとつお願いをいたします。 まず最初に、当委員会におきましては農業基本法、このことについて従来ともずいぶん議論が重ねられてまいりました。しかし、農林省は、農業基本法これ自体は改正の必要を現在認めていない、こういうことでありました。私は、これは農業にかかわる一つの憲法でありますから、時代が移り変わっていく中に、常時見直しをするという構えは必要だと思います。しかし、そういう議論は必要でありますけれども、私自身も、実を言うと、そういう農業基本法を具体的に、ここをこう改正すべきだというような考え方をいま現在持っておりません。しかし、最近、特にこの農業基本法改正の議論がマスコミ等においても取り上げられたり、記事になったりして活発でありますが、そのことについての考え方を簡単に、もう従来との重複はよろしいですから、結論だけでいいですから、簡単にお述べいただきたい。同時に、こういう大事な問題を議論するのは農業関係団体、こういうものと相当いろんな密接な連絡、意見を求めながらやるということも必要だろうと思うんです。そういう意味では、現在そういう農業団体筋からの具体的なそういうこのことについての要請はあるのかどうか。そのことを簡単にひとつお答えいただきたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農業基本法につきましては、先ほど申し上げましたように、これは農政の基本的な考え方が広い角度から織り込まれておる、いわば農政の、いまお話しのように憲法のようなものでありまして、その基本的な考え方は現在においても十分適合性を持ったものと考えております。もちろんその運用面におきまして、時代に即応した施策を講ずることは当然のことである。研究はしなければならないけれど、改正を現在する考えはないわけでありますし、また農業団体からもそういうふうな改正すべきであるというふうな意向等も承っておりません。
○佐藤隆君 そこで——まあいいでしょう、それで。いいと思いますがね、むしろ長きにわたるこの農業基本法の精神を体して、これを補完するというか、実際の政策が一体完全に行われておるか、完璧を期しておるか。このことについてはもうすぐ手を打たなければいかぬようなことがたくさんあると思うんです。で、その中でいま現在はどういう政策をということになると、総合食糧政策というものをもう私ども何回もこの場でも聞いております。しかしどうもこれが農基法を補完する具体的な措置が足りないのではないか、弱いのではないか、こういう気がするんです。その一つに、古いようであって新しい議論でありますが、地域分担、これ一体どう考えておられるんでしょうか。私はもうこの場でこういうことを議論をするのは三回目ぐらいになるはずであります。私が農林省に政務次官として勤めておったときにも実は議論をいたした経緯がございます。まあ役目柄そのときのことはここで言うことは適当ではないと思います。思いますが、いろんな場で私は議論をしてきたということを皆さんからもひとつ、農林省で思い出していただきたいと思うんです。そしてこの地域分担が四十五年の十一月から十二月にかけて三地域十四ブロックのガイドポストが示されて、そして四十六年八月、四十七年度の予算要求時には、そのときの議論で果たしてもう地域分担という議論はどうなっていたんだろうか。だんだん、だんだん消えてきたんです。で、あれは上から網かぶせて、下から上がってきたものと合わせて、どこにむずかしさがあるかという議論をすることだったですね。これはなかなか容易でないことだというふうに私どもは当時から感じておりましたけれども、そういうむずかしいがやらなければならぬことを、どうもむずかしいだけで伏せてしまってきているんじゃないですか。そしていまその地域分担というものが解決されないために新しい不安もやっぱりそこに起こさせているんじゃないですか。これ一体どうなっているんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 経過についてはいろいろとあるわけでございますが、政府としては、これはさきに策定をいたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」は、農業生産の長期にわたるガイドラインを示したものであると考えておりますが、これをブレークダウンしたような地域別の農業生産目標を設定することには種々困難が多いとも思っております。しかし、いま御指摘の点もあるわけでございますから、政府としても、都道府県が地域農業の展開を図るに当たりまして、政府の長期見通しの内容が十分反映されるような参考となる資料等の作成には努めてまいりたいと考えております。
○佐藤隆君 きょうはこの問題だけで議論していると、これだけで二時間ぐらいかかりますから、余り議論いたしませんけれども、このままじゃいけないですよ。だから、こういうことでむずかしさがあったということをやはり公表して、あからさまにして、そしてもうだめならだめと言ってもらった方がかえっていいと思うのです、という気持ちにもなるということなんです。だめだと言ってもらっちゃ困るんですよ。とも言いたくなると、こういうことなんです。それはたとえば北海道農業にしたって、五十一年度予算案で北海道農業の問題がやっぱり相当取り上げられているんですよ。まだ足りないならもっと取り上げりゃいいじゃないですか。この地域分担というりっぱな考え方が通らない一つのあれは地域エゴがあるからなんです。現実の問題として地域エゴがあるということはわれわれもお互い承知しておるのです。その地域エゴというものをやっぱりしかし取っ払ってやらなければいかぬでしょう。そこに一つ一つの米以外の作目について、価格政策がどうだ、いろいろな問題が出てくるでしょう、そういうことが。そういうことを詰めていく努力がないじゃないですか。だからいつまでもこの議論が続いているのです。これは私は言葉が悪いけれども、一たび重要政策として、農民にガイドラインということで誘導指標として示したことがこういううやむやな形になおざりにされておる。そしていろいろ議論していく中でやはりこの問題が解決しておればなあという一つの考え方もまたそこに出てくるとするならば、それはやはりここ数年間にわた る農林省の一つのサボタージュじゃないかと言われてもしょうがないんですよ、これは。私はそう思うのです。決していやみを言うつもりはないけれども、私自身が期待をしておったし、農民自身も期待をしておった。私がこう言うと、おまえは新潟だから新潟は米をつくればいいと思って地域分担地域分担言うけれども、そうじゃない、そんな次元の低いことを言っているのじゃない。日本全国を眺めて言っているのです。そういうことで、大臣ひとつ、これはあのとき考えた当初の記憶をひとつ農林大臣も——当時は大臣じゃなかったですけれども、お役人の方々皆おられた方々ですから、当時の記憶をひとつよみがえらせてはっきりさせてください。それだけお願いをしておきます。またあとで、この地域分担についてはそういうことだからという意味のことを申し上げます。 次に、「農産物の需要と生産の長期見通し」。こういう一つの問題点を先ほどの所信表明でも言われたわけでありますけれども、そういうことに関連して生産体制をどう強化していくかという問題も重要な問題であることは当然であります。でありますが、民間備蓄という問題について私このごろ考えているのです。これもこのことだけで議論すると一時間も二時間もかかりますから、きょうは余り深い詰めた議論はいたしませんけれども、少なくとも自給状況というものを考え、そしてここ数年の今日までの食糧の自給体制とそれから国民食糧の安定供給体制というか、そういうようなことを——いろいろな言葉は出てまいりましたが、ちょうどおととしですか、買い占め売り惜しみ防止、こういうことで、当時私も党を代表して緊急質問に立ったこともあるのですが、その当時やはり備蓄が必要なんだ。たとえばモチ米の買い占め売り惜しみ等についても、そのほかの問題についても、これが一体ウルチだったらどうするのだ、モチ米だからまだいいけれども、ウルチだったらどうするのだというようなことまで深刻に考えた時期があったのです。そういう時期を、あの狂乱物価の時代をずっと経験してきておって、あの当時の議論は備蓄については通産省と農林省とちゃんと検討すると言ったのですよ。それはえさについてもやらねばならぬ、こう言ってきたのですよ。議事録にちゃんと残っていますよ。当時の農林大臣櫻内さん、通産大臣中曽根さん、ちゃんと言ってきたんですよ。ところが、あの買い占め、売り惜しみ防止法なんというものが一応できて時間がたってしまうとみんな関心を持たないものでありますから、議論が表に出てこないものでありますから、潜在的な議論はあっても表に出てこないものだから、もう唯々諾々として今日に至っておる。 私は、主要食糧について、たとえば主要食糧の中でも米についてランニングストックが二百万トン。はからずも去年の豊作によって五十四年を待たずして、これはけっこうなことですよ。けだし私どもはこのことについては三百万トンぐらい必要だ、こう言ってきた、配給量の半年分ぐらい持ちなさい、こう言ってきたのだけれども、食管財政で赤字が出る。末端逆ざや解消、末端逆ざやの不拡大、こういうことも去年から打ち出してそういう認識をみんなに求めてきたわけでありますから、そういう窮迫した食管財政の中で必要以上の負担をかけてさらに備蓄コストのかかるそういうものをという要請ははっきりここで言おうとは思いません。だけれどもやっぱり農協自身が、当時農協食管論なんというのがちょっと線香花火みたいに出たこともありますけれども、そういうものでなくて、何かやっぱりこれを補完するような考え方というものが必要なんじゃないか、米にかかわらずそういう考え方が主要食糧について必要ではないか。そういう考え方をわれわれいままで主張してきたんですが、こういう考え方はやっぱり農林省でもはっきりしなきゃいかぬじゃないですか。ただ、先ほどの所信表明の中にも、たとえば公益法人による備蓄という問題も出ておりますから、何かそういう私どもがいままで考えてきた線に添ってという感じは受けますが、主要食糧、それから木材、これについて一体具体的に、さっき所信表明は聞きましたが、具体的にどういう備蓄をやるんですか。あの狂乱物価、買い占め、売り惜しみ防止のあの緊急事態に農林省自体が、通産省自体が答弁したことも思い出されると思うのですが、そういうことを含めてひとつ説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(森整治君) まあ先生御指摘のように、備蓄の問題というのは非常に重要な問題になってまいっておるわけでございますが、簡潔に申し上げますと、主食であります米麦につきましては、食管で十分な在庫の保有拡大を図っておるわけでございます。御承知のように、米につきましては、まあことしの十月末で——豊作もございますからあれでございますが、百八十万トン、まあ百九十万トンという水準になろうかというふうに予測されるわけでございます。小麦につきましては、八十万トン、二・三カ月分ということを予定をいたしております。そのほかに新しくトウモロコシを十万トン、大豆を五万トン、それぞれ公益法人をつくりまして買い入れ、それが緊急時に放出するという体制を来年度から実施して本格的な備蓄に一歩踏み出すということを考えておるわけでございます。それから木材につきましては、従来から——四十九年でございますか、から始めましたが、五十一年末では製材で十六万立米、合板で三百二十万枚ということを予定してそれぞれ備蓄を進めたい。で、この際に問題になりますのは、金利なり保管料という問題がございます。これにつきましては、いずれも民間で備蓄する場合には全額国が見るという体制を今後とって万遺憾なきを期してまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、今後の推進に当たりましては、いろいろ国際的な需給の動向なり事業の民間で行います運用状況等を見ながらいろいろ検討をしてその充実を図ってまいるという考え方でございます。
○佐藤隆君 まあ具体的なそういうことを来年度からやろうということでありますから、まあその成り行きも私ども見たいと思いますけれども、しょせん備蓄コストというものは高くつくものであるということをひとつ頭に置いて——高くつくのはあたりまえなんですよ。しかし、国民経済安定という見地から当然またやらねばならぬことである、ある程度のコスト高、むだと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、ある程度そういうことを承知しながらやらねばならぬことで、それには銭がかかるんだ、だから国もめんどう見なきゃいかぬのだ、こういう考え方をひとつ強く持って対処していただきたいということでお願いをいたしておきます。 もう一つ、この中核的担い手の育成という問題についてずいぶん力を入れておる、また入れたかっこうになっておるわけですけれども、それの内容をひとつ教えてください。
○政府委員(森整治君) 自立農家では大体四十九年度で自立農家が約八%になっております。で、粗生産額のシェアが大体三割という水準に達しておりますが、そのほかにやはり男子の専従の従事者がおります農家というのをとってまいりますと、これはまあ十六歳から六十歳未満ということでございますが、大体粗生産額のシェアで六割、それから農家戸数で約四分の一——二五%を占めております。結局自立農家を頂点といたしましてやはりそういうことへ志向していく農家を中心にただいまの、現在の農業の生産力の担い手というのはそこにあるのではないかという観念から、この階層でまあいずれ兼業に傾いていくのもございましょうし、より専業化していく農家もあると思いますが、そういう自立農家への道を志向しております農家というものを今後大いに育成してまいりたいということでいろいろな対策を講じたいという考え方でおるわけでございます。
○佐藤隆君 中身はまだそう具体的にはなっていないということですね。
○政府委員(森整治君) 中身といいますか、まあいろいろ教育の問題なり後継者対策あるいはそのためのいろいろな事業化の問題なり、そういう具体的な施策ということにつきましては、特にたとえば五十億、今後特別な配慮を行うと。そういういろいろな面から——そういう中核農家、資金面からもいろいろな面からそういうものを援助、支援していくということで、今回の予算措置を講じておるわけでございます。
○佐藤隆君 まあ五十億という絶対額の中で水産、林業五億ずつだ、それであと構造改善局あたりに四十億ぐらい使わせるというふうなことで具体的に詰めつつある。こういうことも私も漏れ聞いておりますけれども、ひとつこの中核的担い手の育成というのはきわめて大事なことでありますから、事業をやるにしてもひとつなるべく広範囲に事業ができるようにひとつ配慮をしていただきたいし、それでその担い手なりあるいはそういう人たちが組織をしておる組織体、そういう組織体にも反映する措置、こういうことはやっぱり考えなければいかぬと思うのです。そういうことも含めてひとつ具体的なものを結論出していただきたいということをお願いをいたしておきます。 特に、たとえば農協青年部の広域営農団地研究事業だとか、そういうもの等についても、いままでまあ助成をしたりなんかもしておりますけれども、そういうことについても、それは五十億の中でやった方がいいかどうかはまた別としましても、そういうものもやはりこの中核的担い手の育成のための事業につながるものであれば、何かそういう面でもめんどうを見てやるということが必要ではないかとも思いますし、特に、中核的担い手の中で農村婦人、具体的には農協婦人部という表現でもいいと思いますが、その農協婦人部、そういう農村婦人の果たしておる役割りというのは大きいと思うのです。具体的にはたとえば農協の婦人部なんかで、第一次加工というか、蔬菜類をつけものにする、そしてそれが一つの地場産業として生かされる、そうして消費者との理解の上にそういう第一次農産加工みたいのがどんどん進んでいく。そういうようなものについてもやっぱり具体的にひとつ結びつけていく必要があるんじゃないかと、こう思うのです。この農村婦人の関係になりますと話が非常に細かい話になって、金目でも非常に少ない金目になって従来ともきているわけですけれども、金目でなくて本当にこの農村婦人の問題というのをいままで以上に考えてやらなければいかぬのじゃないか。その果たしている役割りはきわめて大きい、こういう評価の上に立ってひとつやっぱりことしあたりからは考え直す必要があるんじゃないか、こう思うのです。特につけ加えるならば、農村婦人のあるいは農協婦人部等の健康活動、まあ私どもも農民の健康を守る会なんというものを組織しながらやってはおりますけれども、そういうところに果たしておる農村婦人の役割り、健康活動、あるいは消費者との対話、生産者である農民の立場に立っての消費者との対話、そこにもまた農村婦人の役割りがある。また従来ともわずかではあるけれども、わずかな予算でやっておる。そういうことがいろいろありますから、そういうことをひとつ十分考えて、中核的担い手の育成という一つの新しい概念の中に含めてひとつお考えをいただきたい、こう思いますが、何か所見があれば伺っておきます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) わが国におけるところの農村婦人は、これはもう基幹的農業従事者の五六%を占めておるわけでございまして、食糧の生産及び農業の経営に大きな役割りを果たしておるわけであります。また農業の発展のためにはいまお話しのような健康な家庭生活と健全な農村社会の形成が不可欠でございますし、この面での主婦の役割りも非常に大事であります。農協婦人部がこうした農村婦人の役割りを発揮する上で大きく貢献をしておることは高く評価いたしておりますし、今後とも、いまお話のありますような健康管理、婦人の健康管理の問題、あるいは生活改善普及事業や農業改良普及事業等を推進するに当たりましても、このような農協婦人部の役割りを十分に尊重して密接な連絡をとってまいりたいと考えております。
○佐藤隆君 まあひとつ半歩でも一歩でも前進するように、目に見えるやり方をひとつとってください。期待をしておきます。 それから先ほど地域分担の問題を申し上げましたけれども、この地域分担が明確でないためにはなはだ迷惑していることが具体的にあります。それは国営の干拓事業であります。本当に迷惑をいたしております。すでに事の理由のいかんを問わず、去年新潟県では魚野川東部土地改良事業の中で、あの地域内で大変な問題が起きている。そして全国をにぎわしたきわめて不幸な問題が去年も起きたわけであります。この委員会でもそのことについて同僚議員から発言も質疑も行われてきた経過は御存じのとおりであります。そこで、国営干拓地の営農指導というのは一体どうやっているんでしょう。
○政府委員(福澤達一君) 先生ただいま御質問ございました福島潟の干拓事業と申しますのは、ちょっと簡単に経緯を御説明申し上げますが、四十一年から着工いたしまして、四十六年にその基幹工事を完了いたしております。引き続きまして地区内の圃場整備をやってまいりました。これが五十年度で完了する予定になっております。五十一年度から営農の開始をしていきたい、こういうような実態でございます。干拓地は、特に福島潟のような場合はまさにこれは処女地でございまして、初めてこれから営農をやっていくというような場所でございます。したがいましてその土地の条件、たとえば地下水位の問題といい、あるいは土地の構造の問題、土性の変化等いろいろ踏まえまして、そこにどういう作物を導入したらいいかとか、特に畑作に対する営農の問題というのは大事な問題だと考えておるわけでございます。したがいまして、五十一年度からのこの営農開始ということを踏まえまして、新潟県におきましては昨年来この営農の問題に対してどういう作物を導入したらいいかということで、五十一年度の作付計画につきまして、関係農家との間に営農のその指針を示しまして、何とかこれをりっぱな営農をやっていけるような、そういう指導を行っておるわけでございます。農林省におきましてもそういう県とかあるいは地元の市町村とかの意を体しまして十分連絡を密にした上で干拓地における畑作の営農の確立を図りまして、積極的にそういう干拓地の営農を指導してまいりたいというのが現在の私どもの方針でございます。
○佐藤隆君 私の顔を見るともう福島潟が目に浮かぶと思いますが、私いまお尋ねしましたのは、国営干拓地の営農指導ということについてはどう取り組んでおられるかということを聞きたかったわけであります。それは私流に言わせてもらえば、国営干拓もいろいろあります。いろいろありますが、その地域その地域のやっぱり実情、それから経過、こういうものを十分ひとつ頭の中に入れて、そして具体的な営農指導をやっていく、そして干拓事業の事業目的が果たせるようにしていく、こういうことが方針であってしかるべきである。こう思いますが、そのとおりですね。
○政府委員(福澤達一君) 干拓地と申しましても、いま先生おっしゃいましたようにいろいろの条件がございます。しかも、その周辺の農家の内容というものも変わっております。したがいまして、それぞれそれに適応するような営農計画というものを立てなくちゃならないというのはもう当然のことでございます。したがいまして、そういう面に向かって十分検討を加えてまいりたいと思っております。
○佐藤隆君 それで、たとえば福島潟の場合になりますと、工事は去年完了いたしましたけれども、事業目的はもうかなっておるのだろうか、事業完了と言うに足る環境になっておるだろうか、いままでの経過等も含めて考えると。もちろん技術的にあそこの場合は湛水をすることになっているのです。大雨が降った場合は湛水をすることになっている。遊水池的な役割りも果たす設計になっておるわけです。そういう中でやはり工事は終わっても、事業が完了したと言うに足るかっこうになっているだろうか。私は疑問に思ってるんです、それは。私は疑問に思っている。工事完了即事業完了と言えるような状態になっているだろうか。いま御答弁があったように、いろいろな営農指導をしております、計画も出つつありますというようなお話ございましたけれども、実際現地ではどうもそういう状況ではない、なかなかもう理屈が交錯をいたしまして、容易でない状況にあるという私の認識から、どうも事業は完了したという環境にはなっていない、私はそう思うんです。そこで、たとえば展示畑をつくりますとか、あるいは展示畑にしても、レンコンだとかサトイモをつくりますなんて言ったって、ちょうどコンニャクの稲転と同じで、主産地が種出さないんですよ、そんなどんどんつくられちゃかなわぬということで。たとえばあそこでもレンコン、サトイモを百七十町歩のうち四十五町歩ぐらいつくろうということはあるのですよ、そういう計画は。あるんだけれども、種がないですよ。これには、私どもわきで見ておりまして、これは大変だなという現実問題としての心配もあるんです。そういうことになりますと、いよいよもって、展示畑をつくるにいたしましても、よほど慎重にひとつ取りかからんければいかぬじゃないか。これをただ単に県行政レベルで任しておいていいのかどうか、農林省自体ももっと踏ん込んでいくべきではないか、こういう感じがするわけであります。いやみになりますけれども、地域分担がはっきりしてりゃあもっと解決のしようもすっきりした形がとれたであろう。これはいやみになりますからもう言いません。 そこで、展示畑とあわせて展示田——あの辺は良質米でありますから、良質米は機械化しにくいという、そういう、特に取り入れ等の時期に、収穫時に機械化しにくいというようなこともこれ常識になっておりますが、そういうものの開発も含めた展示田、展示畑だけじゃなくて展示田、そういうことも考えながら、ひとつ積極的な指導をされたらいかがですか。
○政府委員(澤邊守君) 干拓地その他土地改良事業の実施をした地区におきます営農の指導の問題につきましては、事業の施行の指導監督に当たります構造改善局、あるいは県の耕地課系統ともよく連絡をとりまして、私どもの系統の農業改良普及事業の中でも四十九年度から特別の指導を行うような予算も計上いたしまして実施をしておるわけでございます。これは実施地区の事業効果が早期に発現いたしますように現地において普及すべき技術等の実証展示をし、模範的な営農集団を育成指導するというようなことで、四カ年計画で、初年度は約五十万円程度、次年度は百万円程度というような事業規模で、全国で五十一年度は継続地区を含めまして約四十地区ぐらいやる予定にしております。したがいまして土地改良事業を行ったところすべてについてカバーできるほど個所数は多くはございませんけれども、いま具体的にお話のございました地区につきまして、県当局の御希望がございますれば十分検討してその事業を実施できるようにいたしたい、このように考えております。
○佐藤隆君 あのね、展示田つくるならもう四月でしょう。もう後一カ月ちょっとですわね。用意しなきゃいかぬです。展示畑にしてもさっき申し上げたとおりです。これね、ちょっとおくれてますよ、おくれてます。そのおくれがまた混乱を呼んでおる、こういう事実がやっぱりありますよ、これね。私はやっぱり国営干拓なんというのは、多かれ少なかれ、まあ国が国民の税金で、銭かけて干拓してやって、そして相当有利なことの結果になるのですよ。たとえば福島潟のあたりでも、あの近辺の熟田十アール当たり二百五十万、こう言われているんです、熟田が。そうして百三十万の造成費をかけておる。その百三十万の造成費をあなた、三カ年利子だけ払って二十二年で償還して二十五年でしょう、普通。二十五年間で、あなたわずか二十数万円の絶対額を償還していくと、こういうわけでしょう。これはね、入植、増反するにしてもずいぶん有利なんですよ。そういう形でありながら国民の税金を使ってその地域農民から喜んでもらう、その地域の農業の、またさらに発展の基盤となる干拓というものが何で混乱を起こさなきゃいかぬ。これはやっぱり行政指導の欠陥も私はあると思うのです。もちろんこういう約束があったからこうだという一つの理屈もあります。しかし、農民感情としてそこに出てくるものをまるっきり無視するわけにはまいらぬという気もいたします。そういうことを、新しい、そういう干拓地の営農計画というものを行政的に、行政指導として進んでいけば、そういう混乱はさほど出てこないのではないか。もとより地域分担という問題がはっきりしていけばというのは、これはもう言わずもがなのことでありますが、具体的に、さらに申し上げれば、そういうことだと私は思うのです。おくれてますよ、やっぱり。これはもう全国でまあいろんな形が起きると思うのだけれども、特に福島潟の問題はそういうことで、非常に問題があるように私は思うのですよ。まあ県から要請があればと、こういう話ですから——これね、きょう私もここで全国の国営干拓地の営農指導について取り上げ、具体的な事例として福島潟干拓を取り上げたわけでありますから、県から言われてくるのを待ってないで、こっちの方から、農林省から、本省から北陸農政局を通じて、仕組みがあるわけですから、そして問いかけをしてください、詰めていただきたい。そして二度と再び去年のようなああいう不幸な事態が起きないように急いでいただきたい、農民も理解をしてくれる方法を。きょうはこれ以上言いません。問題を保留しておきます。そういうことはなるほど必要だなあ、というふうに農林大臣は——農林大臣はなるほどそういうことは必要だなと、そのように私も考えます、こう言えるでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) やっぱり、なるほどそのようなことも必要だなと、まあそういう方向、そういうふうに私も考えております。
○佐藤隆君 そういう意味で、私も当面早急な農林省の県に対する突っ込んだ行政指導、これによって円満に解決することを期待をいたして、問題を残しておきたいと思います。成り行きいかんによっては、また改めてひとつ取り上げさしていただきたいと思っております。 次に、私去年もちょっと質問で簡単に申し上げた経緯があるわけですけれども、去年、何といっても一番大きな法律改正は改正農振法だったと思うのです。改正農振法は一体その後どうなっているんでしょうかね。どうも私、去年から心配しておったんですよ。法律改正したけれどもさっぱりどうもその趣旨が生かせない。それ心配しておったんですが、まあ一年まだたたぬじゃないかということだろうと思うのです。だろうと思いますが、これも去年に、去年の十月か十一月ごろ私が御忠告を申し上げておったことでありますから、なおこの際に御忠告を申し上げておきたいと思います。いまのままだと改正農振法は生かされない結果になるんじゃないか、何のために衆参両院であれだけ議論をして、この委員会でも議論をして、そして新しい農業の形態ということで、ほとんどの政党が一致をして、そしてこの法改正に賛成をしたか、それをやっぱりよく考えてもらいたいと思うのです。そうして所有権と利用権の分離を明らかにしながら、農地解放で得た農民の財産を守ってやりながらも、なおむだのない形でその農地を利用していく、こういうことなんでしょう。具体的にどうなんでしょう、農業団体とそのことについて話し合っておるんでしょうかな。具体的にもしそれ答えられたら答えてください。答えられなければ、この国会審議の場ではかまいませんが、あとで私に教えてください。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 改正農振は御存じのように昨年の七月十五日に施行されたわけでありますが、その後、改正法の趣旨の徹底を図るために、農林省としては七月から八月にかけまして、都道府県を対象としてブロック別の説明会を開き、都道府県はこれを受けて管内市町村に対し説明会を行っているほか、特に本事業につきましては農業委員会あるいは農協等の関係団体の協力を得る必要がありますので、これらの農業団体を通じてその普及徹底に努めておるところでありますが、改正農振法の主要な事項であります農用地利用増進事業については、昭和五十年度におきまして九十八地区御案内のように指定をし、農用地利用増進事業促進対策事業を実施をしてきておりますが、漸次本事業に対する理解も深まってきておる。末端においても熱意のある動きを示してきておる状況でございますので、今後さらに改正法の趣旨を十分に実現をすべく、この普及及び浸透に対して努力を続けていかなければならないと、こういうふうに考えております。
○佐藤隆君 まだ一年たっておりませんからね、あんまりこれ以上詰めませんけれども、非常に私は心配をしておりますということだけを重ねて申し上げておきます。やはり農林省が指定をするという段階、上から指定をするという、この手続上の問題、これはそのとおりでありますけれども、やはり末端、第一線の農民があの法を理解して、そしてみずからがそれを進めていくというような形がとられるようなところまではいっていないということなんです。それには農業団体あたりに、もう少しそういう意味での行政指導をする必要があるのではないか、これだけ申し上げておきます。 それから、ちょうど畜産物価格の決定の時期が迫っておるわけでありますけれども、生乳あるいは指定食肉の再生産が確保されるように当然お決め願わなきゃいかぬわけでありますけれども、このことについて、一体どういう形——まあこれは審議会のなにを得てということで、これは型どおりの、おっしゃるだろうことはわかりますけれども、どういう取り運びになっているのか、そこらも含めて。
○政府委員(大場敏彦君) 御指摘のように、今月いっぱいに来年度の指定食肉と、それから加工原料乳等の保証価格を決めるという段取りになっているわけでありますが、価格の決定の基本方針といたしましては、ただいま先生おっしゃいましたように、それぞれの物資の生産事情なりあるいは需給事情、経済事情というものはもちろん参酌しながらも、再生産を確保するということを旨として決めていきたい、かように思っております。具体的な算出の方針につきましては、いま生産者の方々連日いろいろ私のところにもお見えになっていらっしゃいますし、意見を伺っている最中でございますが、内部においても議論をしている最中でございます。それから審議会に当然おかけしなければならないわけでありますが、私ども事務的な段取りといたしましては、今月の十二日に畜産審議会の総会を御開催願って、そこで諮問申し上げる。それから、これは価格そのものではございませんが、十五日に飼料の需給計画の部会を開いた上で、そこで御審議願う。それから十七日に酪農近代化方針の御審議を願う。あと、いま御指摘になりました食肉の価格と、それから乳価の部会はまだ決定しておりませんが、二十五、六日ごろから三十日の間にそれぞれ一日ずつ御開催願って、そして月末までには決めていただきたい、かように思っておるわけでございます。
○佐藤隆君 時間がございませんので、あまり多くは申し上げませんけれども、去年三月二十七日には、畜安法の改正をここで上げるときに附帯決議をしているんです。この附帯決議なんて、あったってないったって同じようなものなんだ、しょっちゅう附帯決議じゃないか、というような実は国会内世論があります。だから、大したことはないのかもしれませんけれども、そうはいきませんからね。実は、これは時間がありませんから申し上げませんけれども、それはもう御存じのはずでありますから、これに対して農林大臣も、この附帯決議をのみ込んでということになっておるわけでありますから、それをひとつ読み直して、このたびの畜産物価格の決定をひとつしていただきたい。要請をいたしておきます。 それから、労災問題についてちょっと話をしようと思ったんですが、資料だけをひとつお願いしておきたいと思います、もう時間がありませんから。大型の機具がどんどん普及をしてまいりまして、営農形態ももちろんそういうことでもって、変わってきた。そういう中で、労働災害補償の問題が非常に第一線の農民の間では取りざたされておるんです。これが現状、一体どうなっておるのか、それから労災の取り扱い自体についていろいろ改善をしなきゃいかぬ問題があるように思うんです。対象の問題あるいは給付の問題、いろいろあると思うんです。そういうことについて実態と、それから、これからどうしようということなのか、これはやっぱり労働省とも話し合わなきゃいかぬわけでしょう。農林省だけで決められることじゃありませんからね。労働省とひとつ話し合っておいてくれませんか。私も後で労働省に、私の方からも言いますけれども、いずれまた機会があったら質問いたしますから、そういう資料をひとつ出しておいていただきたいと思いますが。
○政府委員(澤邊守君) 労働省と十分連絡をとりまして、現状と問題点等につきまして……
○佐藤隆君 それと改善策ね。
○政府委員(澤邊守君) はい。改善策等につきまして、整えまして提出をいたします。
○佐藤隆君 それでは、国税庁から来ていただいておりますが、農業所得課税対策についてひとつ問題を提起しながらお答えを願いたい、こう思います。もともと農業所得の課税対策ということになりますと、その地域その地域によって気象条件あるいは営農の状態、いろんな形でその地域その地域によって違うわけでありますから、その地域の特性とか実情に徴して課税をしていく。これはもう当然のことだろうと思いますが、そうした農業所得の課税対策について、どんなふうに考えておられるんですか。
○説明員(田口和巳君) 御説明申し上げます。 所得税でございますから、本来納税者の方々のきちんとした記帳に基づいて、いわば所得の実態を、実額を出していただいて、それに従って計算するというのが所得税の本来のたてまえであろうかと思っております。そういう意味で、私どもは農家の方にもできるだけ青色申告をしていただきたいなと願っております。しかし、大規模の経営農家は別といたしまして、一般農家の実情から見ますと、実額収支計算というようなことを広く期待するということは困難であろうというような見地から、一般の農家の方々の申告をされるための目安というようなことで、農業所得標準というものをつくっておりますことは御承知のとおりかと思います。この農業標準というものは、可能な限り農家の経営実態に即したものにすべきであろうと考えており、こういう見地から、私ども標準による所得を計算する場合の経費を、たとえば第一には種だとか、苗の代金、あるいは肥料代金、農薬代こういうようなもののように、各農家に共通して面積等の単位当たり金額もおおむね平均しているような経費、これを私ども標準内の経費と呼んでおりますが、こういうものと、それから次に、トラクターであるとかあるいは耕運機、雇い人費のように、農家で個人差がある場合が多いというようなものについては別に考える、これを標準外の経費と言っておりますが、こういうものを二つに区分して、標準内の経費につきましては、農業標準をつくります際に、初めからその中に織り込む、それから先ほど申し上げました標準外の経費については、標準によって計算した所得からさらに別途引く、こういうような仕組みをとっております。さらに、農家の経営実態は先生御指摘にもございましたように、全国一本ということではなくて、地域によって特殊事情がございますから、各地域ごとの農家の経営実態に即したものにするために、標準は原則として市町村単位に税務署及び市町村が作成する、こういうふうになっております。 以上のようなやり方が従来とられてきたやり方でございまして、五十年分の農業所得標準につきましても、そういうようなやり方で、かつ農家の実態あるいは各種の統計などでいろいろな動きを十分把握し、それから農業関係団体の御意見も聞き、さらには市町村が構成メンバーとなっております農業所得標準協議会というのがございますが、そういうところにおいて地域のバランスを検討するというようなことをいたしまして、私どもとしては精一ぱい農家の経営実態を反映した標準をつくり、これによって申告をしていただくというようにいたしておるところでございます。
○佐藤隆君 そこで、新潟の一部地域で、乗用車の扱いについてちょっと話が出てまいりまして、その取り扱いがきわめてあいまいな形でのやりとりがあったというふうに私聞いておるわけであります。そこで、この際はっきりしておきたいのですが、農業所得課税標準について、特に標準外の経費についてこれにいつでもいろいろな議論が出てくるのですよ、特に。特に標準外経費について議論が出てくるのです。その中で、いままで認めておる大農具の経費の増額も、もう少し考えてもらわなければいかぬと思うのです。同時に、この事業用に使われておる乗用車、たんぼの見回りだとかなんかでも、やっぱり実質使っておるものもあるわけですね。そういう自動車の乗用車の関係費用を標準外経費に認めるというようなこともやる必要があると思うんです。こういうことについてどう考えておられるかお尋ねをしておきます。
○説明員(田口和巳君) 御説明申し上げます。 五十年分の標準につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、すでに全国の各地の税務署なり市町村が、その地域の農家の経営実態になるべく即すようにということで作成いたしまして、すでに農協等の農業関係団体とのお話し合いも済んだ段階に至っております。で、本年はこの線で申告していただくことになろうかと存じますが、先生御指摘のように、年々変化している農家の経営実態というものを十分踏まえた標準を作成すべきことは当然であろうと思っております。したがって、五十一年分の標準の作成に当たりましては、御指摘のございました事業用に使われておる乗用車関係の費用の標準外経費への組み入れ等につきまして、私どもとして前向きに検討いたしまして、これまでよりも一層きめの細かい所得標準を作成いたすよう局署の方に十分指導してまいりたいと存じます。
○佐藤隆君 いまもう一つ、私二つ申し上げたんだけれども。大農具の経費の増額について……。
○説明員(田口和巳君) その方も含めて前向きに考えてみたいと思います。
○佐藤隆君 ロッキードでも忙しいでしょうけれども、ロッキードもやってもらわなけりゃ困るけれども、来年——五十一年分についてのその前向きな作業、検討を早速ひとつ進めてください。これは期待をしておきますよ、これは相当関心を持たれておりますから。 それからついでに、もう時間ございませんので最後でありますが、軽自動車税の対象になっておるトラクター、コンバイン、これについてもちょっとお聞きしておきたいと思うんですが、これはまあ自治省の関係でありますけれども、農業用機械で乗用装置があるということで軽自動車税の対象になっていると、こういうことなんです。それで、御存じでしょうが、もうトラクターは道路法上で言う道路を運行しておる。これに千円かかっておる。ところが道路法上の道路は運行できないコンバインについて三倍の三千円がかかっておる。コンバインはいまずいぶん普及しておりますから、これは一体どういうことなんだろうという矛盾をわれわれ自身も感ずるわけであります。これは直さなきゃいかぬじゃないですか。どう考えておられますか。
○説明員(栗田幸雄君) 現在、条例準則によりまして、小型の特殊自動車につきましては、農耕作業用自動車とその他のものという区分をいたしまして税率を定めているわけでございますが、御指摘の自脱型コンバインにつきましては、道路運送車両法の施行規則で、カタピラを有する自動車という区分になっておりますので、その他のものに該当するということで従来やってきているわけでございますが、この道路運送車両法の施行規則のうちで、小型特殊自動車につきまして農耕作業用自動車という区分もあるわけでございまして、御指摘の自脱型コンバインが道路運送車両法施行規則で言う農耕作業用自動車に当たるかどうかという点につきましては、現在農林省と運輸省との間で話が進められているということを聞いておりますので、そういったものを踏まえまして今後十分検討してまいりたいと、このように考えているわけでございます。
○佐藤隆君 そうすると、何か余りむずかしい言葉でよくわからぬのですが、道路運送車両法ですか、その施行規則を検討しなければならぬということですか。そしてそれには、運輸省と農林省が話し合っているから、それをもとにして自治省では改善を加えていくということになるのですか。結論だけでいいです。
○説明員(栗田幸雄君) この点につきましては、道路運送車両法の施行規則そのものを改正しなければならないかどうか、あるいは運用でそういったものの範囲をはっきりできるのではないかといったような問題もございますので、その辺を踏まえまして農林省とも十分話をいたしまして、できるだけ早急に前向きで検討してまいりたいと、こういうことでございます。
○佐藤隆君 農林省どうですか。これは自治省任せにしておかないで、こういう問題、細かい問題だけれども、大事なことですからね、積極的にやってもらいたいですな。どうなっているのですか、運輸省との話は。
○政府委員(澤邊守君) 千五百cc以下の耕運トラクター、いわゆる農耕作業機でございますが、これにコンバインも入り得るというようにわれわれは考えておりますので、今後自治省ともよく御相談をして解決したいというふうに思います。
○佐藤隆君 そうすると、いまの農蚕園芸局長のお話からいくと、農耕用のものであるという認識が明らかになったわけでありますから、そういろ意味でその改善が加えられるということで期待しておきたいと思います。自治省もそういう気持ちになっていた、だけますな。
○説明員(栗田幸雄君) 御趣旨を踏まえまして前向きに検討してまいりたいと思います。
○工藤良平君 先ほど辻委員から総括的に質問がありましたけれども、ちょっと重複する点があると思いますが、これから若干の御質問をしてまいりたいと思います。 まず農産物の輸入の動向について大変あらましでよろしゅうございますが、たとえば木材、食糧、飼料等の輸入量、金額についておわかりになれば一番新しいのをひとつお知らせをいただきたいと思います。
○政府委員(吉岡裕君) 私から数字的に若干御説明申し上げますと、農林水産物全体としましては四十九年、御承知のように、昭和四十九年には輸入価格が非常に暴騰いたしましたので、前年に比べまして約一五%ばかり価額がふえまして百六十六億ドルということになっておりましたが、昭和五十年には逆に輸入価格が下がりまして、輸入額はしたがって四十九年に比べて五・六%程度の減で百五十六億ドルというのが全体の農林水産物の輸入量でございます。全体の総輸入額の中において占めますシェアはほぼ二七%、こういう状況でございます。 それからいまお話がございましたまず食用穀物の大宗は小麦でございますが、この小麦の中には食用が主でございまして、若干のえさ用も含んでおりますが、これが四十九年五百三十八万トンから五十年には五百六十五万トンということで五・二%の増ということでございますが、輸入の単価が平均二百二十五ドル(トン当たり)から百九十ハドルに下がったというようなことがございまして、輸入額全体としては約一割の減少というようなことになっております。 〔委員長退席、理事鈴木省吾君着席〕 それから飼料用穀物の大宗はトウモロコシでございますが、これは国内需要が停滞をいたしましたために、四十九年から五十年には輸入量が減少をいたしまして、飼料用のトウモロコシとしましては四十九年の五百八十四万トンから五十年の五百七十七万トンというふうに減っております。単価はほぼ前年並みの百五十ドルを若干上回る程度ということになっております。 それから木材でございますが、これも御承知のような世界的な需要が停滞いたしましたために、数量、価格ともにいずれも減っております。しかも大幅に低下しておりまして、したがいまして全体の輸入額も四十九年の三十二億ドルから五十年の二十三億ドル、約二九%の減、こういう状況になっております。ただ、いわゆる石油ショックあるいは世界的な穀物ショックの以前に比べますと、輸入単価は倍近い、あるいは大きいものには三倍近いような単価になっておりまして、全体としては過剰時代から見ますと非常に価格水準としては高くなっておるということが言えるわけでございます。 〔理事鈴木省吾君退席、委員長着席〕
○工藤良平君 先ほど大臣は、食糧の安定供給ということをアメリカとの間にも約束ができておると、こういうようなお話でございます。アメリカからの食糧の輸入というものが日本の農業を左右しているということは、いまさら私が申し上げるまでもないことですが、近ごろの情報によりますと、ソビエトの場合に、昨年、平年度二億二千万トン程度の小麦の生産があるということが言われておるのでありますけれども、それが昨年度は大体一億四千万トン程度で、約八千万トン程度の減少ということが報告をされているようでありますが、それに合わしてアメリカでは非常に干害が続いて、本年度すでに植えつけの状態等の判断をいたしますと一〇%以上の小麦の減収というものがいまから予想されるのではないかということが言われておりますが、こういうように考えてみますと、この食糧の安定的輸入ということは非常にこれからは困難な状態というものが続くのではないかと私たちは判断した方がむしろ正しいのではないかと思いますが、その点についてはどのように判断していらっしゃいますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) この点については私も所信表明に述べておりますように、世界の農産物の自給の情勢というものは非常に厳しい方向でこれからも続いていくだろう、非常にまあ不安定という形で続いていくだろうというふうに私も判断をいたしております。ソ連の不作が昨年は大きかったわけでありますけれど、しかし、アメリカが豊作であったということでバランスはとれたわけでありますが、これが、もしソ連が不作で、またアメリカもいまお話しのように干ばつというふうな事態が出てくるときは、これはアメリカが輸出国としてはもう最も世界で大量な輸出をいたしておる国でありますだけに、もしアメリカでそういうふうな事態が起こるときは、世界の食糧農産物の自給事情がさらに逼迫をする可能性すらあるというふうに考えざるを得ないわけであります。
○工藤良平君 そのような考え方というのはいまなお私は世界の食糧事情を考える場合の常識となっていると思います。したがって、今後将来にわたって安定的に外国に食糧を依存をするということは常に価格の問題においても量の問題においても非常に重要な課題を背負わなければならないという判断に私は立たなければならないと思うわけですが、そういうように考えてまいりますと、先ほど御説明がありました、たとえば水田の総合利用対策ということで、本年度二十一万五千ヘクタール、米換算にいたしまして九十万トン分として関係経費を八百五十七億八千二百万円を計上いたしましたということで、これちょっと私先ほど計算をしてみたんですが、九十万トンといいますと一トン当たり約十万円程度になるわけなんですけれども、そういたしますと、これはかなりの金額になるわけです。それだけの金額を入れるということになりますと、これは相当な成果を期待をしなければならないと思います。ところが、大豆にいたしましても、あるいは飼料作物あるいは麦にいたしましても、当初の水田総合利用対策というものが順調にその目的を達しているかどうかということは、ただ単に予算の配分だけではなくて、その実績を見きわめた上で次の対策というものを講ずる必要があると私は思いますが、その点について、現実の問題として、米の減反政策を進める過程の中でその実績はどういう形で推移しているのか、的確に把握している状況を御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(澤邊守君) これまで五カ年間継続してまいりました稲作の転換事業の実績というお尋ねでございますが、転作のほかに、休耕が四十八年度まではあったわけでございますが、調整面積について申し上げますと、四十六年度の五十四万一千ヘクタールから、四十七年度が五十六万六千ヘクタール、四十八年が五十六万二千ヘクタール。そのうちの四十八年は、休耕の最後の年でございますが、五十六万二千ヘクタールのうちの二十七万四千ヘクタールが休耕でございました。転作は二十八万八千ヘクタール。四十九年からは転作だけになりまして、二十八万三千ヘクタール、五十年度は二十四万八千ヘクタールということで、転換の目標に対しましておおむね一〇〇%前後の達成を昨年度しておるわけでございます。ただ、ただいまお尋ねの趣旨は、それによって本当に定着したのか、こういう御趣旨だろうと思うわけでございますが、その点につきましては、確かに永年性作物あるいは施設園芸等、収益性のかなり高いものにつきましては、相当定着しているというふうにわれわれは見ておるわけでございますが、果たして何%かという点はなかなか的確に把握しにくい点がございますが、ただ、要は、稲作との収益性の問題でございますので、一部の作物につきましては価格の問題あるいは技術の問題等がございまして、十分稲作収入に匹敵するだけの安定した、高い収益を上げているというところまではいっておらないということはこれは認めざるを得ないというふうに思います。 ちなみに農業団体が調べております——中央会でございますが、定着の見込み調査によりましても、約五〇%ぐらい——細かい数字いま忘れましたけれども、大体その程度だというアンケート調査の結果を出しております。私は、大体それ当たらずといえども遠からずで、だれが見てもその程度じゃないかというふうに思っております。 まあそういう点もございますので、定着をさらに進めるということ、もちろんその前提といたしまして米の過剰、基調としては米が過剰であるということも考え、定着をさらに進めるということのために新たに水田総合利用対策を三年間を目標にしてやることにしたわけでございまして、この間に価格対策あるいは生産対策あるいは消費拡大対策等を総合的に講じまして、できるだけ定着をいたすように努力をしたいというふうに考えております。
○工藤良平君 先般、五十一年産米の限度数量を各県におろしたようでありますけれども、この実態を見ますと、五十年産米が八百八十五万トンの枠でありましたけれども、それが八百七十万トンということで、ことし若干厳しくなったようですが、いままでここ数年間だんだん緩めてまいりました。四十六年から始まりました減反が、五年間の間にだんだん緩まってまいりまして、昨年は八百八十五万トン、ことしは少し締めなければならないということで、さっき佐藤さんも言っておりましたが、大体、米穀年度末の手持ち在庫が二百万トンになるのではないかというような予測からそういうことが出てきたように私は理解をしておるわけですが、そういうように、非常にまだ現在の米作におきましても、もちろん五十年産米については豊作ではありましたけれども、流動的な要素を持っておりますので、的確にそれを機械のような判断ができないと思います。ただ問題は、私はこの日本の全体的な食糧政策というものを考えて見る場合に、もっともっとこの土地の有効利用というものを前面に押し出しながら、たとえば具体的に言いますと、むしろ私は米の反当収量、一〇アール当たりの収量などはもっと大きく伸ばしていく、そして面積をせり出して、他のこういうような水田総合利用対策の面に本格的に向けていくということをやる必要があるのではないか。それは全体的に日本の食糧事情から考えますと微々たるものかもわからないけれども、しかしそのような姿勢が全体的に日本の農業を支えていく基本になるのではないか、それを考え直す時期が私は現在来ていると、こういうように思うんですね。それを前面に打ち出さなくて、これにかえる、これにかえると言ってみても、農民は——後ほど私は議論をいたしますけれども、やはり兼業の方向に行かざるを得ない。常にそういう方向を向いていくということになるのではないかと思いますから、そういう点から、過去私たちがこの過剰米対策でつぎ込んでまいりました一兆円を超す予算、それになおかつ、今日水田総合利用対策として一千億近いお金を入れなければならないという現実を見ると、もう少し小まめに農林省自体としてもその実態を把握して、その効率性というものを明確につかむ必要があるのではないか、こういうように考えますので、この点を、これは時間が余りありませんから、私は意見として申し上げておきたいと思います。 そこで、ちょっとお伺いをいたしたいと思いますが、この水田総合利用対策の中で、できるならば飼料作物あるいは現在大量に輸入している大豆、小麦という方向に誘導しようということが——農林省の熱意についてはわかるんですが、なかなかこれが誘導の方向にいかないという現実がございます。それは一体何なのかということですね、何なのか。麦をつくれと一生懸命言うのですが、どうもことしも昨年を下回るような作付になっているのではないかと私は聞いているんですが、大幅に伸ばそうとしているのですけれども、なぜ伸びないのか。奨励金もつけてみた。いろいろやるのですけれども伸びないということですね。これはどういうことなんでしょう。
○政府委員(澤邊守君) 御質問の御趣旨、あるいははき違えている面があれば改めてまたお答えしますけれども、水田の転作作物に限って申し上げれば、重点は飼料作物、野菜、大豆、その他作物ということで一応の目標を全国ベースで持ちましてやっておるわけでございますが、飼料作物につきましては、五十一年度は五万五千ヘクタールぐらいを目標にしたい。これは従来から継続の部分を含めてでもちろんございます。それから野菜につきましては六万ヘクタール、それから大豆については二万ヘクタールという目標、その他六万ヘクタール、合計で十九万五千ヘクタール。こういう目標を一応設定しておるわけでございますが、これがなかなか定着しない、伸びない理由は、作物ごとにかなり差がございます。あるいは地域ごとにも差がございますけれども、先ほどもちょっと触れましたように、結局は水田でございますので、稲作との収益性の差ということに帰着するだろうというふうに思います。そういう点におきましては、果樹とかあるいは施設園芸等はかなり稲作よりも収益性が高いということでございますので、定着性はかなり強いと見ていいのではないかというふうに思います。典型的に問題になりますのは豆類、たとえば大豆といったようなものではないかというように思います。大豆につきましては、御承知のように水田の裏作、水田の転作のみならず、畑作物としても重要な増産を必要とする作物というふうに考えて奨励金をこれまで二千五百円(一俵当たり)出しておったのを、さらに五百円ふやすということで三千円ということで、現在予算の御審議をわずらわしておるところでございますが、水田転作につきましては、奨励金については若干の見直しをして、手直しをした中で、特に大豆については最優先的な措置を講じまして、集団的にやります場合には、反当五万円という非常に他の作物に比べれば有利な奨励金を交付することにいたしておりますが、これをどのようにして定着させるかということは、これは先生御承知のとおり、大豆は捨てづくり的な面がかなりございますので、つくり方によってはかなりの収量を上げるということは期待できます。北海道の主産地等につきましては、平均いたしまして二百キロ近いところまでいっておりますが、本当に熱心にやっている農家は三百五十キロ—四百キロというのもまれではございません。種子の問題あるいは病害虫の防除の問題、適当な輪作体系を組むというようなことをやりますれば、これはかなりいける面があろうかと思いますが、それにいたしましても価格対策の面においてもあわせて対策を講じていくということと並行して定着化を図っていく必要があるのではないかと、かように考えております。
○工藤良平君 もちろん私は、物をつくる場合に価格政策によって相当誘導できる面があると思います。五十年産米が非常に過剰米を抱え込んで困っているということなんで、もちろんこれは非常に安いとは言っても、やっぱり一俵一万五千円ということになりますと、農家の皆さんが精出して十アール当たりの反収を上げている。面積は変わらなくても収量は上がるということになるわけで、これはやっぱり農民の心理だと思います。ただ問題は、麦をつくれ、大豆をつくれと、こう言ってみても、なかなかそこまでいかない。これは、いまおっしゃるように、採算に合わないということが、まず計算上出てくると思うんですが、ただ、いまのように雇用関係が非常に不安定になる、できれば裏作等の推進を進めていって、機械を縦横に使うことによって、その効率を上げる、生産を高める。こういうことで若干の私は前向きの姿勢というものが出てくるのではないかという気がいたしますので、ぜひその点についての指導体制を整備をしていただきたい。 それと同時に、もう一つ私が申し上げたいのは、先日も私の県で技術センターの若い皆さんとも議論をいたしたのですけれども、品種改良その他につきまして、現在、米についてもそうなんですが、すべての作物について、どうも技術化そのものについても生産意欲を喪失しているような気がいたします。たとえば麦をつくれ、大豆をつくれと、こう言いましても、それに対する品種改良について徹底的なそういう技術開発が行われているのかどうかということについて若干疑問を持つわけです。 私は、この前も申し上げましたように、ソビエトからクバン三号という稲を持って帰りました。そして技術センターでつくらしたわけですね。この前も行ってみましたところが、担当した技官がおりまして、あれは日本の米としては非常に合わないということなんで、ただ特徴としては非常に急速に大変な成長率を持っているということを彼は言っていました。これは新しい私は発見であったと思っております。私そのものは、非常に稲のからが丈夫だということで、これからの機械化のためにも、倒伏は絶対ないという確証がありますから、大丈夫だと思って持って帰ったのです。非常に短時間に急速な成長を遂げるということで、これはやはり麦作との関連の中において、生育期間が短くて収量が高いということは、もっと品種改良をやれば良質の米をそれにつけることによって、麦との完全な結合というものができるのではないかという実は気がいたしまして、今後、なおそういう点の検討を進めなさいということを申し上げだんですが、なかなかそういう体制がいまとられようとしていない、そういうところに私は問題があるような気がいたしますから、この点についてはぜひひとつ、これは大臣、農林省の試験研究機関はもちろんでありますけれども、全国的にもそういう機運を盛り上げるという措置を講じていただきたいと、このように思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これからの国民食糧を確保するという、そのための総合食糧政策を推進をして自給力を高めていくためには、いまお話のありましたように品種改良、技術の改良というものは非常に大事なウェートを持っておると、私も全く同感でございます。 米につきましては、米の研究は日本が一番進んでおるというふうなことから、国内における研究ということにとどまっておるわけでしょうが、そういう面についても、外国に見るべき品種等があれば、これに対しても農林省の試験機関も積極的にこれを導入して、そして試験の対象にするということはもちろん必要なことでございまして、いまおっしゃるような面につきましては、われわれとしても試験、研究の強化という面で、これに対してはさらに積極的な姿勢で臨みたいと考えます。
○工藤良平君 これは減反政策の場合にも非常に問題になったわけですけれども、たとえば、集団的に減反という指導をやって転作を進めてまいりましたけれども、休耕した部分につきまして、これが非常に病害虫の温床になるということで大変問題になったことがございます。 私が申し上げたいのは、非常に断片的になりますけれども、たとえばミカンならミカンをつくりますね、そうすると、それが何カ年計画か進めている間にミカンがいいということになると、急速に計画を乗り越えて、実はつくってしまうということから、需要と供給のアンバランスができまして、暴落という事態になる。そうすると、ミカンをつくっておった人は実は生産意欲を喪失をして、次に変わっていく、こういうことから、不良園あるいは廃園というのが非常にふえております。ところが、いま熱心になおかつミカンで生活を支えようとして努力している人たちにとりましては、かつての米の減反の際と同じように、これがたとえば天牛を初めとした病害虫の温床になりまして、それが他の良園を非常に大きく駆逐していくという状態が生まれております。本年度の予算にも温州ミカンの改植等の予算が組まれておりますけれども、この不良園あるいは廃園になりました、農家の皆さんが放棄してしまったような圃場に対して一体どのような手だてを講じてやるのか。これは周りの人が行ってちょっとやるというわけには、なかなかそこまでは届かないわけでありますけれども、そういう手だてというものが何らかの形で行われる必要があるのではないか。そうしないと、かつての米のよううな状態が再び各作目において繰り返されていくような私は気がいたしますから、そういう点についての対策をどうするか、ひとつお伺いをいたしたいと思います。 昨日、予算課長の説明では、改植等の中にそういうものも含まれているということでありますが、これは大々的にやっぱりやっていかないと、将来にわたっての私は他の物にも影響するのではないかと思いますから、その点をお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(澤邊守君) 温州ミカンの過剰生産、価格の底落という中で、さらに労働力不足ということともございまして、各地に放任園といいますか。放置園といいますか、廃園といいますか、そういう形のものが発生をいたしまして、それが病害虫の単窟になる、発生源になる、こういう事態が見られるわけでございますが、これにつきましては、私どもとしてはいろいろなやり方があると思いますけれども、温州ミカンの需給を、均衡を回復するというために、御指摘ございましたような改植を緊急に促進するための事業をやっております。これは温州ミカンをより優良な品種の温州ミカンに変えるということも含めておりますが、他の作物、これは晩柑類に変える、あるいは野菜等に変えるというようなことを行います場合に、伐根したり、あるいは土壌改良したり、あるいは物によっては種苗、新しい作物の種苗代まで補助をするというようなことで、今年度約二千五百ヘクタールぐらいを——五十一年度でございますが、二千五百ヘクタールぐらいを予定をしておるわけでございますが、この中におきまして、伐採だけして、あとはやめるというものも運用上含めております。しかしながら、主たる目的は他の作物に変えるということでございますので、現在、実は内部で果樹振興審議会等の御意見も聞きながら、果樹農業振興基本方針の再検討をいまいたしております。その中で、温州ミカンの今後の需給調整をするためにどのような対策をしたらいいかということを議論しておりますが、一部では伐根を大がかりにすべきである、伐採をすべきである、こういう意見も出ております。結論は出ておりませんが、仮にそのようなことになりました際には、いま程度の改植予算の中で伐採だけのものも含めるというのではなくして、新たにそれを独立の事業として取り上げて進める必要があるというように考えております。結論を出しておるわけではありませんが、そういうようなことによりまして、いまの病害虫の発生源になるということも防げるのではないかというふうに考えております。その他、ややこそくな手段かもしれませんけれども受委託というようなことも部分的には行う可能性もあると思いますので、そのような方向で、病害虫の発生源にならないようにしていきたいというふうに考えております。
○工藤良平君 これは全体的な食糧政策にも関連いたしますから、これはちょっと方向が違いますけれども、大臣にお伺いしたいのですが、きのうも衆議院の建設委員会でも問題になったようですけれども、きのうの朝刊によりますと、土地問題につきまして、特に財界が中心になりまして、何か特別の委員会を設けまして、いま、私たちが言ってまいりました、いわゆる土地買い占めによりましてつぎ込んだ銀行借入金等につきまして、この措置を講じなければならないという状態が生まれた、こういうことが報道されております。これをできれば、政府に買ってもらおう、というような大変虫のいい話でありますけれども、そういうことが出てきておるわけであります。きのうの新聞によりますと、四十八年だけで大体九兆八千億というお金をつぎ込んだ、そのうちの六兆一千億が借入金だということで、銀行からもかなり厳しい取り立てが行われる、というような考え方があるわけです。で、私はこの際、農林省として考えておいてほしいと思いますのは、昨年の農振法の際にも申し上げたのですが、特にこの特定利用権を設定をして、農用地の開発を行うという場合に、そういう土地が取り入れられるかどうかという議論を、私大山局長とずいぶん、この点にしぼりまして議論をいたした経緯があるわけなんですけれども、私は価格の問題は、農用地ですから、本来から言うと、この土地買い占めによって農業が非常に破壊をされてきた。たとえば農地の値上がり、あるいはこの思惑買いがあるものですから、農民としても、引き合わない農業やるよりも、たとえ、ということで、この現金をちらつかせる業者のために農地を手離す、いや山林原野を手離すというような状態が行われまして……。農地法でも救えないようなこの土地を、原野山林を、この農振法でひとつ大きく網をかぶせていこうじゃないか。そして、農用地の有効的な利用というものに使おうという考え方で農振法というものもが改正されたと私は思っておりますが、今度のこの問題を私どもがとらえてみた場合に、一体農林省としては、いまどういうところをどう思っているか。私は、詳細には存じておりませんけれども、恐らく畜産の開発なり、あるいは畑地の開発等には、なお有効に利用できるような土地がむしろ中心になっているのではないかという気がするわけでありますけれども、この点について、農林サイドから当然とらえてみるべきではないかと思いますが、その点についての御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まず第一に、大企業によるところの土地買い占め、これの農地の価格に与える影響でございますが、計数的には現在把握をいたしたものはないわけでございます。しかし、買い占めの土地の周辺農地の価格の引き上げ要因になっている場合もあったが、その後の総需要抑制政策によりまして、買い占め企業は相当に打撃を受けてきた。そういうことからいまお話のございましたような、経済界に土地恐慌の危機感が出ておる。いろいろの対策を講じたいというふうな意向表明がなされておるわけでございますが、しかし私たちは、この問題が、ただ単に、こういうことによって市街化区域の見直し論にやっぱりつながっていくとか、あるいはまた企業の救済というふうな面につながっていくというようなことに対しては賛成できないわけでございますが、反面いまお話のありました買い占められた土地、相当な土地があるわけですから、この買い占められた土地がいつまでも放置されるということは、国土の有効利用といったような面からも、確かに問題があるわけでございまして、われわれは、そうした買い占められた土地が有効に活用される、そして農地としてもこれが活用されるというふうなことになれば、これはそういう方向も、われわれとしても考えてみなきゃならぬ問題でもあろうと思うわけでございまして、それについては、農地の保有合理化法人というふうなものがありますから、そうした機関の活用等ということもこれは考えなきゃならないというふうな時期にきておると思っております。いずれにしても、これはもう非常に動きが出ておるわけでございますから、この動きに十分に注意を払いながら、先ほど申し上げましたような趣旨にのっとって優良な農林地の確保という視点に立ちまして慎重に対処していかなければならぬ問題だと、こういうふうに思うわけであります。
○工藤良平君 その点もう少し、きょう余り詳しく議論をするつもりありませんけれども、基本的に考えて、たとえば、農用地として農林省は考えた土地でも、農用地として使わない、使えないというところもありましょう。しかし、いま考えていなかったけれども、これからの畜産開発の中ではどうしてもそれは特定利用権を設定をしてやろうという場合に、どうしてもじゃまになってしょうがないというものがあるわけです。何とかあれを組み入れたい、しかし、それは全然受益者外の人が持っているということから、それは一〇〇%同意を得なければならないという、この前私が議論をいたしましたそういう状態があるわけですから、できればこの際、農林省としては大胆に網をかぶせて動かさないような形で、それが農業に利用できるような対策というものを考えておく必要があるんではないかということを私は申し上げたいわけです。この点についてはぜひひとつ、構造改善局あるいは担当のそれぞれのところで十分な議論と対策を講じていただくように、特にこれは取られているのは農業サイドの土地でありますから、そういう点の大臣の決意というものを私は促しておきたいと、こういうふうに思います。 それでは、先ほど農産物の輸入の問題につきまして触れて、いま食糧問題中心にちょっとお話を聞いたわけですけれども、もう一つは木材の問題です。この前から、私も党の木材合板関係の対策委員をいたしておりまして、実態調査を進めてまいりました。この中で合板木材関係につきまして、二月に入りましてからもまた不況カルテルを実施をいたしておるようでありまして、今回までを含めましてかなり長期にわたって不況カルテルを実施をいたしたようですが、この点、この不況カルテルを実施したけれども、それは一体うまく作動しているのかどうか、この点についてまずお聞きをいたしておきたいと思います。
○政府委員(犬伏孝治君) 御承知のとおり、一昨年来住宅建設の非常な落ち込み、それに伴いまして木材の需要が急激に落ち込む、そういうことに伴いまして出荷量の減少、在庫量の増大、価格の減退ということで大変な不況の状況にあるわけでございます。ただいまお話しの合板企業につきましても、木材工業一般と同様のことであります以上に特にその傾向が著しいということでございます。いまお尋の不況カルテルにつきましては、四十九年の十二月にカルテルの第一回目の認可をいたしておりまして、さらに第二回目は昨年の十二月一日から実施をいたしまして、現在第三回目の認可といたしまして、ことしの四月三十日までの認可をいたしておるわけでございます。いままでのカルテルの実施状況からいたしますと生産制限のカルテルでございまして、月三日から七日間の操業の停止をするということで行ってまいったわけでございますが、需要の喚起がされないということ等から見ましてなかなか市況の回復がされないという状況であったわけでございます。また、カルテルの実施自体につきましても合板企業内部での足並みというものについては必ずしも順調、円滑であるというふうには見られなかった点もございますが、この第三回目の認可の際には、従来にも増しましてカルテルの実施につきましての関係業界の結束を固めるというようなことで、私どもといたしましては十分な強力な指導をいたしましてただいま実施をいたしておるわけでございます。市況の回復につきましてはいま直ちに判断はできませんけれども、西日本を中心にいたしましてやや荷動きが出てまいったというようなことで 一部値戻しもございます。ただ、これがそのまま好転をしていくというふうには直ちに楽観は許されないわけでございますが、ただいま実施をいたしておりますカルテルを通じましてさらに市況の回復が図れるんではないかというふうに期待をいたしておるわけであります。
○工藤良平君 本来、不況のカルテルを結ばせるということは、その目的とするところは一体どういうところにあるんですか。
○政府委員(犬伏孝治君) 生産制限を内容とする不況カルテルでございますので、その生産量を縮減をいたしまして、出荷量を調整いたしまして需要に見合った形で生産が行われる、そのことによりまして市況の回復を図る、これが目的でございます。
○工藤良平君 市況の回復を図るということは、もちろん、この製材合板業界の企業の経営の安定と倒産をできるだけ防止をする、それと同時に、その企業で働く労働者の労働条件というものを維持させる。こういうことが目的ではないかと思いますが、そういうように理解してよろしいわけですか。
○政府委員(犬伏孝治君) そのとおりでございます。
○工藤良平君 ところが、具体的にカルテルが実施をされた業界の状態というものを見ますと、必ずしもその目的というものがそのとおりにいっていない。たとえば、一方では操短をやりながら残業あるいは日曜出勤、労働時間の延長と、こういうようなことが、勤務条件の変更ということが行われているわけでありますけれども、この点については、林野庁としてはどのように把握をしていらっしゃるわけですか。
○政府委員(犬伏孝治君) カルテルの実施自体は、御承知のとおり、工業組合あるいはそれをもって組織いたします全国の工業組合連合会、これが自主的に決定をいたしまして、それを政府において認可をするということでございます。第一次的には、やはり、その自主的に行うそういう企業並びに企業の組合がきちんと実行をするということがたでまえでございます。私どもの方に、いま御指摘のような内容につきましての情報も耳にしておるわけでございまして、今回の実施に当たりましては、林野庁といたしましては係官を派遣する等その実施につきまして十分調査し、指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○工藤良平君 この不況カルテル申請に対する労働問題の関係法を調べてみますと、たとえば、中小企業団体法の第二十六条には、「商工組合の組合員は、調整規程に従いその事業活動を制限するに当っては、その従業員に不利益を及ぼすことがないように努めなければならない。」と、こういうようになっているわけですね。私は、不況カルテルを実施をする際には、やはり、そういう目的にどのように合致させるかということが非常に大事であるし、その方針に基づいて、当然、指導監督の立場にある農林省としてもその指導に当たらなければならないと思うのでありますけれども、実態がこうなっていない。この点は実際に農林省としてどの程度把握しているのか。これは組合の皆さんなり、あるいは業界からの御意見もずいぶん聞いているのではないかと思いますが、その点の把握の状態は、いまちょっとお話がありましたけれども、もう少し詳細に私は皆さんとしてはお話を聞いているのではないかと思いますが。
○政府委員(犬伏孝治君) その実態につきまして数字的にこういうことである、というふうなことで承知は実はいたしておりません。いろいろ情報として承っておるということでございます。
○工藤良平君 数字的にはどこがどうだという小まめな数字はないにいたしましても、かなりそういう部面があるということは承知をいたしているわけですか。
○政府委員(犬伏孝治君) その程度につきましての数字的な内容、それは実は承知はいたしておらないわけでございますが、かなりのところからそういう情報が参っておるということでございます。
○工藤良平君 一方で操短をしながら、一方ではかなり激しい過当競争というのが販売の段階で行われているということが現実の問題としてあるわけですね。そういう結果というものは、最終的には起こってはいけないけれども、企最の倒産という形になってあらわれているのではないか。で、現在木材関係で全国的に倒産をしているという企業がどれくらい出てきていますか。
○政府委員(犬伏孝治君) 民間機関の調査でございますが、昨年一月から十二月までの間で木材、木製品業につきましての倒産件数は九百十七件という調査数字が出ております。
○工藤良平君 今後なおこのような倒産が続くのではないかということが予想されておりますけれども、もちろんこれは全体的には景気の浮揚あるいは住宅政策の推進等によりまして変化は起こると思いますけれども、たとえ予算が通りましても、実際にこの木材、合板関係に波及してまいります効果というものは数カ月おくれるのではないかということが通例として見られております。したがって、この九百十七件というものは今後なおふえると私どもは見るべきではないかと思いますが、その点についてはどのように判断をしておりますか。
○政府委員(犬伏孝治君) 昨年の倒産につきまして九百十七件というふうに申し上げましたが、これは製造業と販売業両方合わせてでございます。それで、倒産の傾向からいたしますと、販売業の方が比較的件数としては多うございまして、九百十七件のうち六百六十件ということでございます。製造業の方は、したがいまして残る二百五十件余でございますが、これからの見通しということになりますと、これはなかなかどのくらいになるかという予測は困難でございますが、従来の倒産の傾向を情報として聞いてみますと、いわゆる木材業そのもので倒産の原因になっておるということは比較的少ないんではないか。過去の非常に高度成長をし、また状況がよかった時代に他業種に手を伸ばして、そのことが不採算部門となって、それが倒産の原因になっておるというようなことも耳にいたしておりまして、木材製造業そのものから出てくるという倒産はもちろんございますけれども、比較的数字といたしましては、その前年あるいはその前々年ということから見まして、さほど大きくなっていないということからいたしまして、倒産がこれ以上深刻化するということは、比較的なことでございますが、考えられないんではないかというふうに思っております。
○工藤良平君 それと同時に、特に業界の実情を調べてみますと、かつて四十七年、八年と建築ブーム、いわゆる百九十万戸ベースの場合に設備投資を進めていたのが現在百三十万戸という段階に落ちているわけですね。ことしの予算では百七十二万戸ということで再び浮上してまいりますけれども、それが実施の段階には若干の暇が要ると。こういたしますと、いま大変業界の中で大きな問題は、百九十万戸ベースに乗せていったその過剰な設備投資約三〇%、こう言われておりますけれども、これこそまさに政策的な非常に大きな私は欠陥ではないかと思うんですが。もちろんこの百九十万戸に乗せていった業界の責任もありましょうけれども、百九十万戸に急速に伸びていった、それが百三十万戸に逆に全体的な公共投資の引き締めで落ちていったという、この政策的な大きな欠陥というものを業界そのものに負わせるということが正しいのかどうか。ここに私は非常に大きな問題があるように思いますが、この点についてはどのように理解したらよろしゅうございましょうか。
○政府委員(犬伏孝治君) 住宅戸数が四十八年百九十万戸、四十九年が百三十二万戸、五十年もほぼ横ばい、まあ百三十五万戸程度であろうというふうに予測いたしておりますが、五十一年度については、先生ただいまお話のようなことで建築戸数も増大をするというふうに思っております。そういうふうな需要のふれによって生産設備等の稼働率が増減をするということについては、基本的にはやはり経営体質を強化して対応すべき問題であろうというふうに考えるわけでございます。 経済構造なり好、不況に対応するについて経済政策上それをどう措置するかということについては、従来この木材産業の不況に対しましては、融資なり例産関連のための保証枠の拡大なり、あるいは雇用の変動によりまして休業を余儀なくされることについての雇用調整給付金でありますとか、これらの施策を実行するということで、いわば対症療法的に措置をしていくということが考えられる対策であろうというふうに考えます。ただ、構造的に大きな変化ということになりますと、これについてはいろんな対策が検討されなければならないと存じますけれども、木材なり合板の需要全体の将来の長期的な展望としていまの設備が過剰であるか否かという点については、まだいま直ちに即断をするということは困難ではないか。したがいまして、お話のような大きな変動はございますけれども、いまこれからすぐどのような——対症療法的なことは別として、さらに別のどのような対策を打つかということについては、今後の需要の動向等を見ながら検討すべきものというふうに考える次第でございます。
○工藤良平君 いまお話がありましたが、たとえば百七十二万戸をベースに早急に乗れば過剰な設備の問題につきましても若干の見通しというものは明るくなるということはもちろん私もわかります。ただ問題は、当面非常に金融的にも、あるいは雇用関係からいたしましても、たとえば雇用保険対象の延長などを図りながら、緊急一体どの程度正直申し上げまして業界が生き延びられるのか、極端に言いますとですね。で、その応急対策をやることによって、それでは住宅政策が本格的に上昇の状態に出てくるまでの間支えることができるのかどうかということ、これ非常に大きな問題だと思いますね。そういう対策というものを万全の措置を講ずる、それがやっぱり緊急のいま私は大切なことではないかと思いますが、その点について実はそれぞれ合板、木材関係で働いている人あるいは中小企業の皆さんは非常に深刻な状態に陥っているわけでありますから、その対策を当面私は万全の措置を講ずるということが大事だと思いますけれども、その点についてもう少し農林省の指導方針というものをひとつ明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(犬伏孝治君) 現時点での状況は、先ほど申し上げましたような状況でございますが、今後の問題といたしましてやはり基本的には需要の増大を図る。一番木材の需要と関係がございますのは住宅建設の増大でございます。この住宅建設の増大につきましては、政府関係機関の方での融資なり建設ということもございますし、また民間住宅の建設につきましては、現在の状況からいたしますとローンによる住宅建設というものが非常に多いということでございまして、その金融上の問題というようなことも含めまして需要の喚起をどのように進めるかという点で、これは農林省だけではできない問題でございまして、関係各省とも十分連絡をとりながら適宜、適切な措置を講じていくということで考えておるわけでございます。
○工藤良平君 それと同時にもう一つですね、この不況カルテルを実施をしているにもかかわらず効果が上がらないという一つの要因の中にアウトサイダーの問題がかなり大きく出てきているように私ども調査の中では把握したわけですが、この点についてはどのように理解しておりますか。
○政府委員(犬伏孝治君) 合板のカルテルの実施につきましての、ちょっと数字的なことを申し上げますが、全体の合板企業が二百十ございまして、そのうちいまお話のアウトサイダーというのが約三十でございます。大部分は員内、つまり組合に加入してカルテルを実行しておるわけでございます。ただ員外者がわずかな、一割程度でございますが、いるということにつきましては問題でございますので、私どもといたしましては日本合板組合連合会に対しまして員外者がなるべく員内に入るようにというようなことで協力を求めるというふうにするような指導をいたしております。 それから、数量的に申しますと、先ほど企業数で約一割と申し上げましたが、生産数量からいきますと二・六%ということで、生産量としてはシェアは少ないということでございます。
○工藤良平君 ただ問題は、このアウトサイダーが、倒産なり非常に経営が不振に陥ったものを吸収をしながらシェアを拡大をしていくと、こういうような状態がかなり私は強いように思います。で、それが結局は操短をしながら残業やあるいは日曜出勤や労働時間の延長という形で労働者の犠牲の中で合理化が進められていく。こういうような結果というものが現在のこのカルテルを結んでいる中で矛盾として出てきている問題ではないかというように私どもは実は理解をしているわけで、この点については再三組合の皆さんからも要請があったと思いますが、これからのその合板、木材関係の不況対策の中で労働者あるいは労働組合の皆さんの意見も十分聞きながら対策を講じていくということですね。これは現在の追い詰められている木材、合板関係につきましては非常に大事なことではないかと思いますが、農林省としての指導体制は今後この問題についてはどのように対処していかれるか、その点をお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(犬伏孝治君) 先ほどもお話がございましたが、やはりこの企業に従事する人たちの雇用の安定ということが重要でございます。また、労働条件の低下を来さないようにするということも重要でございます。したがいまして、従来から合板カルテルの認可に当たりましては、日本合板工業組合連合会に対しましては、認可に当たりまして労使間の問題については円滑に行うようにという指導を行っております。さらに今回の第三回目のカルテルの認可に当たりましてもその点強調をいたしておりますが、労働者の関係の皆さん方からも要望がございまして、さらに林野庁としても積極的な指導を行うべきではないかという要望がございます。私どもといたしましては、ただいま先生のお話にもございますし、林野庁といたしましてさらに——いままでは日合連を通じてでございますが、工業組合あるいは必要に応じては個々の企業に対してもそういう点についての指導をいたすような指導文書を出したいというふうに考えておるわけでございます。
○工藤良平君 これ大臣にもぜひ御見解を聞きたいと思いますが、先ほど私が申し上げましたように、今回のこの合板、木材関係というのは、全体的にはもちろん日本の産業、経済すべての問題がこういう不況の中でありますからきついということはわかるんですけれども、特に百九十万ベースから百三十万ベースに極端に落ちたということは業界にとりましては非常に大きな問題であったと思います。ですからこれがやはり平均した状態に戻るということがまず大事でありますけれども、その間にはもちろん時間がかかります。緊急いまどうするかということが大変大きな問題であって、政策的な私は責任というものは相当大きな問題があるように思うわけでありまして、そういう点から特にこの合板業界の設備投資の行き過ぎに対する対策というものは、これは全体の問題として、かつて繊維関係が行ったような緊急の対策というものも必要ではないかと。そして支えながら景気浮揚に向かって一定の期間は経営者、それからそこで働く労働者に対する対策というものが当然必要になってくるように思うわけであります。 それと同時に、あわせまして私ども調査の過程の中で一つ気になることがあるわけです。それはいま言うように、百九十万から百三十万に落ちたということは非常に需要と供給のバランスがこわれているわけですから、そういう面で消費の関係で暴落をするという状態が起こっております。ところが一方、先般大阪府の調査によりますと原木の値段がそのわりに下がっていないような私は統計の資料をいただいたんですけれども、そういうことになりますと売る方は非常に安い、原木の方は余り下がらないということになると、これは非常におかしなかっこうが出てくるわけです。農林省としてはそのような状態をどのように把握しているのか、その点をもう一つ聞いておきたいと思います。
○政府委員(松形祐堯君) 予算委員会の都合でおくれてまいりまして失礼いたしましたが、ただいまお話ございましたように、南方材のラワンにつきまして少しずつ、じわじわというようなかっこうで値上がりしているというのが実態でございます。したがって、現在、カルテルをやって、その結果、少しずつ市況も回復はいたしておりますけれども、原木高の製品安というのが拡大するということは、大変問題がございます。したがいまして、現在、南方の方の関係国ともいろんな調査をしながら、またお互い話し合いをしておりますけれども、過去二年間におきます不況による向こうの生産体制がある程度破壊されている、順調でないということがございます。したがって、一日も早くこの回復にわれわれは協力をする。このためには関係業界も十分意を通じていこう、こういう対策を現在とろうとしているところでございます。
○工藤良平君 きょうは、その製品安の原料高というところだけ聞いておきまして、これはまた、後ほど機会を改めて、私もう少し調査をして、そのいきさつというものをいろいろ討論もしたいと思っているわけです。あと時間が余りありませんから、最後にこの問題の締めくくりとして、私先ほど申し上げましたように、せっかく不況カルテルまで結んで立て直しをやっているわけですけれども、それがどうもしり抜けであるし、その結果というものが労働者に対する犠牲というものに、しわ寄せされてしまうというような状態があるわけでありますから、この点についてはさっきから再三申し上げますように、政策的な大きな欠陥から生じている原因が圧倒的部分だと私は解釈をいたしますし、ぜひこの問題につきましては、経営者はもちろんでありますけれども、使用者側の、使用されているいわゆる労働者側の意見も十分反映する中で皆さん方の指導体制というものを完全にとっていただく、こういうことが大事ではないかと思いますから、この点、最後に長官、大臣からも御見解を聞きまして、この問題については私は終わりたいと思うわけです。
○政府委員(松形祐堯君) 先ほど来の私どもの林政部長からお答え申し上げましたように、労使双方にとってもこの不況とかいろんな過重な労働というのは、これは不幸なことでございまして、これらを一日も早く除き、そして正常な形における産業の発展ということを図るというのが私どもの役所としての姿勢でございますし、今後ともそのような気持ちで指導してまいりたいと思っております。
○国務大臣(安倍晋太郎君) やはり、今日の木材、合板の非常な不況というものを克服するためには、何としても日本経済全体の不況回復を進めなきゃならぬわけでございます。特に木材、合板関係については、建築であるとかあるいは住宅建築といったようなものの需要を喚起するという政策を積極的に進めていくということが大前提になってくるわけでございまして、政府としてもそういう方向、基本的な方向に向かって五十一年度予算の編成を行い、そしてこれが実施を急いでおるわけでございますが、その間にあって、いまお話のようないろいろの苦難の道をいま木材、合板業界は歩んでおるわけでありまして、不況カルテルを三度も実施しなければならないということも、そうした事情を反映しておるわけでございますが、こうした不況カルテルを実施するということも、これはやはり全体的に見れば、非常に景気の悪い木材業界に脱落者がこれ以上出ないというふうなことをわれわれも基本的に考えてこうした不況カルテル等も進めておりますし、また融資対策等も積極的に行っておるわけでございますし、われわれとしてもいまお話のような労使双方において安定的なひとつこれからの経営が回復されるよう今後ともの政府としての力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○工藤良平君 もう時間がまいりましたですから、あと農機具関係で私かなり時間をとるつもりだったんですが、これは全く触れるような時間がなくなりましたので、最後に農林金融政策についてちょっとお聞きをしておきたいと思います。 昨年の十二月の委員会で私は大臣にも特に要請をし、大蔵省の理財局の方にも要請をいたしまして、農林金融に対する枠の拡大ということで要請をしてまいりました。ことしは若干ふえたようですが、ただ問題は、枠はふえましても一体借りる方の身になって考えてみますと、なかなか借りにくいというのが一般的な意見であります。できるだけ借りやすいような形にしていただきたいということが一つと、それから貸し付け条件をできるだけもう少し緩和できないかということですね。たとえば金利を下げて長期に貸し付けができないかということ、これはもう非常に大きな要請でありまして、まあいろいろきつい注文をつけられる補助金よりも、むしろ金を貸してくれと、そうすればおれたちはおれたちで農業経営をやります、それの方がやりいいということを率直に言われます。 ところが、いま農林金融の種類を見ますと、もうとにかく種々雑多で、私どもも全くわかりません。何がどういう制度の中にあるのか、金利が幾らで、据え置き期間が何年で、貸し付け期間が何年だというのを調べてみますと、もう種々雑多で、全く大変数が多いわけでありまして、この点についてはひとつ思い切って整理をしていただいて、農業にはどういう部面でも使えるというような方策はとれないのか。そういうことをぜひひとつ根本的に考えていただきたい、こういうように思います。きょうは時間がなくなりましたから、また機会を改めて詳しくはやりますけれども、その基本的な問題について、大臣、ぜひひとつ御検討をいただきたい。そうしなければ、せっかくやろうと熱意を持ってやっている皆さんが、一定の規模にならないと補助金もつかないというような状態から、農業を意欲を持ってやろうという人たちが残念ながらくじけてしまうということがしばしばありますから、ぜひひとつこの農林金融について枠をふやすと同時に、そういう貸し付け条件の緩和について最大限の努力というものを払っていく必要があるのではないかと思いますから、その点の基本的な考え方をお伺いをして、終わりたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあこれは農林金融を充実強化していくということは、食糧政策を推進する上におきましても非常に重要な課題でございますし、われわれも今日までこの農林金融の拡充強化については努力もしてまいりましたし、また五十一年度予算においてもその成果も見ておるわけでございますが、いまお話しのような農林金融制度が非常に複雑である、多岐にわたっておるというふうな点につきましては、これはやはりいままでの歴史的なそれぞれの過程もあるわけでございましょうが、そういう中にあって、われわれとしてもやっぱり農民にもわかりやすいような形に改善をすべき点はしていかなければならぬわけでございますし、またこの農林金融の枠の拡大やあるいは貸し付け条件等につきましても改善をしてきておりますが、今後ともさらにこれらの点について一層充実をしたものにしたいと思っておるわけでありますし、さらにまた金融とともに大事な補助金につきましても、これはまあこれからの農林行政を進めていく場合においても、金融対策と補助金政策というものは相並行してやるべきものじゃないかと私は考えておりますが、この補助金につきましても、やはりこれは再編成すべきものは再編成しなければならぬということで、五十一年度予算にも、一部につきましてはこれを再編成し、統一をしておるわけであります。が、さらにこれらの点についても、内容の充実とともにもっと簡素化する方向に努力をしてまいりたいと考えております。
○相沢武彦君 安倍農林大臣は、所信の中で、食糧問題は「広く国民の安全保障にかかわる問題である」また「各般にわたる総合的な食糧政策を強力に展開することは、国政の喫緊の課題となっている」と、こういうように述べておるんですが、今年度の農林省関係予算を顧みますと、この大臣の所信に述べられているような決意が十分に反映されたものと評価できるのかどうか、自己採点をひとつお願いしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私はいまお話がございましたような考え方に立ちまして、昨年いっぱいで総合食糧政策を打ち出し、そうしてこれを五十一年度予算に反映させるということで、全力投球をいたしたわけでございますが、基本的な予算編成の方向としては、依然としてやはり厳しい財政事情に今日あるわけでございますが、そういう中にあっても、食糧管理費の増高をもたらすことのないように配慮をしながら、統合食糧政策の展開の方向で、立ちおくれておる農林漁業の生産基盤の整備あるいはまた農山漁村の景気回復に資するための農林漁業の関連公共事業の促進を図るとともに、主要農産物の生産振興、価格安定等の一般諸施策の充実強化に努めたわけでございまして、数字を申し上げまして恐縮でございますが、五十一年度予算は、前年度予算五十年度予算と比較をいたしますと、一四・一%の伸びであったわけでございます。その中にあって、農林関係予算は食管を除きますと一八・六%の伸びを示しておるわけでございます。まあそういう面では、五十年度予算と比較をいたしますと、相当さま変わりの推進を見たと、こういうふうに私は確信をいたしております。
○相沢武彦君 大分御自信のある予算だというように承るんですが、実際にあの予算を見ますと、これはまあ数字の対比というのは、どうでも置きかえられるわけですけれども、国全体の予算に占める農林予算の割合は、九・九三%——一〇%を割っているわけですね。いまもお話ありましたように、食糧管理費を伸び率ゼロに抑えた、その分を新規事業の方に回すことができたということで、その点はいろいろと新しい事業を行われることは結構なんですが、農林予算はだんだん毎年低下をしているようでありまして、まあ一〇%を割ってしまったというのは、昭和三十九年以来初めてのことなんです。農林大臣は、全体予算の一割のシェアを絶対確保しろというので大分ハッパをかけられて、辛うじて確保したというようなことなんですが、先ほどの所信にありますように、国民の安全保障にかかわる問題だ、あるいは総合的な食糧政策を強力に展開する第一年目だ、というのにしては、やはりまだまだ政府全体の国民食糧の安定確保ということに対しての取り組みは弱いんではないか、このように思わざるを得ないんですが、この点について大臣としては全く不満がないのかどうか、こんなことで本当にわが国の総合食糧政策というものが強力に今後発展できるのかどうか、きわめて私たちは先行き不安を感ずるんですが、この点についての御見解をもう一回。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私が申し上げましたように、食糧問題が国の安全保障の問題であると、そうして食糧問題は国政の最重要課題の一つであるという観点からいたしますと、私自身は努力をいたしましたけれど、まだまだ不満な点があることは事実でございます。しかしまあ努力をしてまいりましたし、また政府全体の食糧問題に対する理解度というものも、今回の予算には相当反映がしてきておることも事実でございまして、確かに農林予算が二兆四千百三十億でございまして、全体の予算から見ると九・九%でございますが、しかし今回の予算は、公共事業等予備費というふうないままでにない予算が繰り込まれておりまして、この予備費千五百億を除くと一〇%を切るわけでありますし、また千五百億の予備費がもし実施されるということになれば、農林関係事業はその中で二割以上は配分になることは間違いはないわけでございますので、それを考えますると、まあ一〇%は超えることができたというふうに考えてもおりますし、また、いまお話もございましたように、食管費が横並びでございまして、食管費が伸びる分につきましては、これは新しい農政費の中に裏づけすることができたという点については、相当の新しい政策を実施することができた、総合食糧政策の長期的な実施の中にあって、この予算の中には新しい芽を獲得することができたと、こういうふうに私は考えておるわけでございます。
○相沢武彦君 確かに厳しい財政事情の中で、復活折衝などで大臣いろいろ御苦労されたと思うんですが、新規事業も認められるなどして前進の面もうかがえます。またいま大臣おっしゃった農業基盤整備事業も一番伸び率が高く、百七十八億円というものがついたんですが、実際面考えますと、これも足かけ三年間足踏み続けていた、ぜひやってほしいと言いながら、なかなか予算がつかなくて事業がおくれてきた。ようやく今年度はかなり伸び率は高いわけですけれども、いざ実施をしようとしますと、大変このところ地方財政は赤字続きで負担が大きいわけでありまして、果たして財政負担を考えますと、この農業基盤整備事業等地方自治体が快く引き受けることができるのかどうか。こういう点非常に心配なんですが、この辺の見通しはどのように考えておいでになりますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話しのように、確かにいま地方財政が厳しいわけでございますから、国の予算を編成をしても、果たして地方財政がこれに対応できるかどうかということが非常に大きな問題でございますが、その点につきましては、農林関係の公共事業につきましては、幸いにして関係省の御協力も得まして、九五%の地方債を認めるということで、全体としては、ですから、この事業の実施においては農林関係の予算の消化につきましては支障はない、順調にこれが実施できるものと、こういうふうに私は考えておるわけであります。
○相沢武彦君 先日の衆議院の当委員会におきまして、国営事業分にかかる国の補助率アップを部門によっては検討したいという御答弁されておりましたけれども、これは今年度事業に間に合うような検討をされる御意思があるのかどうか、その点。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 補助率につきましては、これは五十一年度予算についても、私たちも、その中のある事業、二、三の事業につきましては、これが補助率を上げるべきであるということで主張をしてまいりましたし、要求もしてまいったわけでございますが、全体の財政の実情といったようなこともありまして、全体的にこれは補助率アップということは五十一年度予算につきましては行われないという原則で、この農林関係予算につきましても、われわれの要求を貫徹することはできなかったわけでございますけれど、しかし、まあこれまでも農林省が要請しておる補助率のアップ等につきましては、今後とも辛抱強く要求をし、そして実現をしたいと、こういうふうに思っておるわけでございますが、五十一年度予算につきましては、これはでき得なかったわけでございます。しかし、採択基準の緩和あるいは予算枠の拡大という面については、相当な成績を上げることができたと、こういうふうに考えておるわけであります。
○相沢武彦君 そうしますと、大臣は現状のままで、今年度の百七十五億ついた基盤整備の費用ですね、一〇〇%消化されるという見通しを持っていらっしゃるということですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 地方公共団体の負担分につきましては九五%が地方債として認められるということになったわけでございますので、この事業に支障はない、差し支えないと、こういうふうにも考えておりますし、また同時に、苦しい地方財政の現状ではございますが、農林関係の公共事業につきましては、各地方自治体とも今日の食糧事情等も考えて相当大きな比重をもってこれに対処しておりますし、そういう点については、各地方団体とも苦しい中に農林関係事業だけは実施したいという熱望が相当あるわけでございますので、私は五十一年度予算の完全実施ということは間違いなしにできるというふうに考えておりますし、まあ五十年度予算の実施状況を見ましても、他の、他省の公共事業の進捗と比べますと、農林省関係の公共事業の実施率は非常に高くて、もう今日までにすでに九九%実施をいたしておるわけでございますので、五十一年度予算についても、その点については心配を持っておらないわけであります。
○相沢武彦君 やはり、今年度農林予算の中の目玉商品という気持ちでこれだけの率の高い予算を組んだわけでありますので、やはりもう一歩、今年度から補助率アップを考えて、手厚い施策をしていただきたかったということを申し添えておきたいと思います。 そこで次に、いわゆる備蓄問題でお尋ねをしますが、一昨年の秋、海外主要農産物の備蓄と安定輸入体制のために、大豆の三十万トン、それから飼料穀物五十万トン、これを五ヵ年計画で備蓄するという構想を持っていたようでありますけれども、今年度の予算では年間備蓄目標、大豆ではわずか五万トン、飼料穀物十万トンということで、昨年秋の目標からかなりダウンをしているわけですが、これはどういうわけでそういうふうになったんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 備蓄につきましては、これは総合食糧政策の中にもはっきりと打ち出しておるように、いよいよ五十一度から本格的な備蓄のスタートを切りたいと、こういうことで農林省としてもいろいろとその対策を練ってきたわけでございまして、そうして、その対策の中には、いまお話しのような構想、さらにそれを実現するための新税構想というふうなことも考えて各方面とも折衝したわけでございますが、残念ながらこの新税によるところのこの備蓄は、いろいろな事情で実現を見なかったわけでございますけれど、しかし、公益法人によるところの国の全額補助によりまする大豆の五万トン、そしてまた飼料穀物の十万トンという五十一年度の備蓄のスタートを切ることができたわけでございますので、今後は米麦の備蓄を計画どおり進めるとともに、まあ木材の備蓄も行っておるわけでございますから、そういうものとあわせて、いまの五十一年度実施をいたします公益法人によるところの備蓄を、さらにこれを強化をしていくために今後ともひとつ努力を重ねてまいりたいと思うわけであります。
○相沢武彦君 確かに年間で大豆五万トンあるいは飼料穀物十万トン、これは年間目標でありますし、構想段階では五ヵ年計画ということでありますから、この体制を五年間続けていけば達成されるということになるかもしれませんが、大臣も所信に述べられておりましたように、ソ連から大量の買い付け等の不安定な要素もいっぱいありますし、米ソの作柄次第では輸入価格の高騰という事態が再び起きるということも考えられますので、新税構想の挫折によってこういうふうになったんだという点、わからないわけでもございませんが、こういう輸入価格の高騰という点なんかも十分考慮をされた上でこの備蓄構想というものは今年度組んだのかどうか、この点の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これはもちろん国際的な農産物の不安定な実態と、そしてこの不安定な情勢は今後とも続くであろうという長期的な判断に立って国民食糧を確保するという考えから、備蓄を本格的にスタートしなけりゃならぬということで、五十一年度から本格的なスタートということに相なったわけであります。
○相沢武彦君 私、国民食糧の安定供給を図るためには、開発途上国の農産物向上への援助、これもやってまいりましたけれども、もっともっとこれは拡大をしなけりゃならないし、その上に立っていわゆる世界穀物動向の長期見通し、それらを基盤に置いた長期的備蓄計画というものがなされなけりゃならない。この点、若干その長期備蓄計画の基盤が弱いんじゃないかという気もしてならないんですが、この点についての大臣のお考えをお伺いをしたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 備蓄につきましては、もっと思い切ってやれというふうな御意見でもあるかと思いますが、これは財政的に相当負担のかかるわけでございまして、そういう点はわれわれとしても配慮しながら、しかし今日の食糧事情の中でどうしても本格的にスタートしなければならぬということで、初年度はいま申し上げたようなことに相なったわけでございますが、依然として世界の農産物をめぐる情勢は不安定でございますし、また諸外国からの輸入も、これは特に飼料穀物等については、これが漸増していくというふうな実態にあるわけでございますので、そうしたこの諸外国からの輸入飼料穀物等につきましては、今後やはり安定的な輸入の方向を定着をさせなければならないというふうに考えて今日まで努力をしておるわけでございまして、アメリカとの間の協定もその一環でございますが、アメリカのみにとどまらず、各国、各輸出国との間においてもそういう方向へ向かって今後は努力をしていかなきゃならぬし、また同時に、諸外国との農業協力をさらに進めて、食糧を増産でき得る地域において農業協力によってこの食糧の増産がさらに進み、そしてその国の自給力向上に資するとともに、輸出余力がついたならばこれをわが国内に輸入するということも、今後とも一つの国際的なわが国の責任を果たすとともに食糧の確保という面から積極的に進めてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
○相沢武彦君 大臣、所信の中で「農地のかい廃の進行等農業の健全な発展にとって好ましからざる数々の問題を抱えるに至り」云々と、このように述べられておるんですけれども、この「好ましからざる数々の問題」というのは具体的に言いますとどういうことを指すんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあこれは高度経済成長によりましてわが国の農家所得等は進んだというふうな面は確かにあるわけでございますし、まあ畜産等も生産の面において伸びたわけでございますが、反面労働力が非常に流出したということも事実である。それからまた農地の壊廃の進行ということも、これはもう明らかな事実でございまして、この農地の壊廃等の進行によりまして農地価格が農業採算とは無関係に騰貴し、農地の資産的保有傾向を助長しておるというふうな面も出ておるわけでございますし、耕地の利用率等も水田裏作を中心にして非常に低下をしておる。さらにまた山村や一部の平地農村で過疎化現象等が出ておるというふうな面がいろいろと具体的に挙げられるわけでありまして、やっぱり私は根本的に農地の壊廃が進んだということによって農家の生産意欲が低下しておるというふうなことがやっぱり根本的な原因としてわれわれはこれを正しく認識をして取り上げていかなきゃならぬのじゃないかと、こういうふうに考えるわけであります。
○相沢武彦君 確かにいま大臣おっしゃった点もその具体的な例だと思いますが、これから申し上げる件もやはりその好ましからざる問題の一つであろうと思いまして論議をしたいんですが、先日、農林省の調査が発表になっておりましたが、嬬恋のキャベツ、あるいは高鷲の大根、淡路タマネギ、それから高知のトマト、こういった大規模野菜産地の有名野菜の落ち込みということがかなりまあひどいというふうに出ていました。簡単にその経過をまず説明してください。
○政府委員(川田則雄君) 野菜産地というのは高い技術水準を持っておるところでございまして、そこが安定化いたしませんと、そこがまあ生産が停滞したりしてほかに移るとしても、その技術が移らないということがございますので、野菜産地の安定化ということを考えなければいけないんではないか、そういうことでいま安定化を考え、同時に技術の対策も考えないといけないんではないか、そういうことでいまお話のありましたように、十二月の九日に関係県を集めてシンポジウムを開催いたしました。その開催したのは、御承知のように、福島の夏秋キュウリ、群馬県嬬恋のキャベツ、岐阜県高鷲大根、それから兵庫の淡路タマネギ、高知県の施設園芸、そういうところの専門技術員あるいは試験場の方を呼んで、そして内容をいろいろ検討いたしました。で、議論されたのは、病害虫の問題と地力の問題と、それから機械の開発導入の問題が主なものでございます。ただ、議論としては、やはり一番大きいウェートを占めるのは病害虫の問題でないかというような感じを強くいたしました。で、まあその対策といたしましては、やはり輪作だとか、それから有機物の増投だとか、あるいは抵抗性品種というものが今後対策の中心になるのではないか、そういう議論がございました。ただ、このシンポジウムというのは、五カ所の関係者を呼んでやったわけでございますけれども、問題をひとつ鮮明にしなければいけないというようなことから、まあ現地でもいろいろ検討されている問題があるというところを意識的に選んだということが一つでございます。それと同時に、またそこに試験研究機関だとか普及事業の専門技術員が入って農家と実際にやってみて、ある程度こういうことについてはこういう対策が立てられるのではないか、というような検討が行われたという条件も同時にあったわけでございます。そうでないとシンポジウムというようなことになりませんし、問題を浮き出すことができないと。そういうようなことで特殊なところを選んだということでございまして、ここに出ている内容が、全国的な産地に一般的な問題であるというようには私たちは理解いたしておりません。
○相沢武彦君 一連の大規模野菜産地の衰退の原因は、まあいろんな原因があろうかと思いますが、いまおっしゃったように、病害虫による影響、それから何といっても地力の低下ということが挙げられると思うのです。昨年の所信表明に対する質問のときにも私、この地力の維持培養というものを取り上げてお尋ねをしているのですけれども、農林省の場合は、近代農法として今日まで大量生産のために連作や肥料のやり過ぎ、こういうことで土壌の荒廃というものを結果的に推進してきたような形になっているわけですね。こういった被害を受けている地元では、農林省は、前々から連作や化学肥料の大量使用で土壌がやせるということは十分知っていたはずだ、にもかかわらずそれを無視して近代農法と称して大量生産のための技術を肥大化させて土地の荒廃を見殺しにしてきた。こういう手厳しい批判があるわけですけれども、今後もこういった地力の低下によってこういった事態の起こることは十分考えられる。いまの御答弁ですと、まあ一部特殊なところを取り上げてやったので全体的には言えないというような、こういう御答弁なんですが、もっともっとやはり地力の維持培養の問題について神経をとがらすぐらい取り組んでいかないと、やはり日本の全体の農地というものはやせ細ってしまう、あるいはそこからとれる農作物による、またそれを摂取する国民の健康と生命、これに対する影響——これはそこまでやはり農林省も考えて農政に当たっていかなければならない、このように思うわけでありますが、根本的に荒れた土壌をどうするのか、あるいは疲労させないためにはどうしていくか、やはり根本的に今後の行政を見直していかなければならないと思いますが、この点について基本的なお考えをまず農林大臣から伺って、技術的な問題についても再度御答弁を願いたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話しの趣旨は私ももっともであると思います。やはり地力を維持培養するということは非常に大切なことでございまして、われわれとしても土地の生産性を向上していくためには、化学肥料と有機肥料のバランスのとれた、そうした合理的な使用を行うということが不可欠であると思うわけでございまして、そういう点については今後ともさらに努力を積み重ねてまいりたいと思っております。まあ農林省としてもいろいろとやっていることはやっているわけでございまして、たとえば地力診断などもやっておりますし、あるいは土つくり運動も全国的に展開をいたしておるわけであります。また、集団的な機械施設を導入して行う堆厩肥等の効率的な生産使用というようなこともいたしておるわけでございますが、まあこういうことを中心としてさらに地力の培養対策というものを強化していくために、五十一年度予算におきましても、種々の予算を盛り込んでおるわけでございますが、これは非常に今後のわが国の農業の再生産を確保していく、生産性を高めていくという意味においては大事なことでございますから、力を注いでまいりたいと考えております。
○相沢武彦君 一月の九日でしたか、農林省が肥料、農薬の大量投与については今後チェックをするというようなことを発表なさっているそうでありますけれども、地元では、肥料の大量使用はやめろと、こういう一片の通達ではそう簡単に農業を変えることはできないのだと。それぞれの地域の農業経営者は、自分の力だけで地力を高めるだけの経済的な余裕なんかもちろんないし、農薬や肥料を大量に使うな、というそういう通達を出すならば、それにかわるやはり裏づけを与えてもらいたいと、こういうような声が多いわけでありますが、確かに今年度の予算の説明を見ましても、一応昨年に引き続いての事業もございますけれども、たとえば、土づくりの運動推進指導事業については前年度と同じ程度の費用であります。米作、米主産地の地力培養推進実験事業、これは大幅に減っておりますし、また畑地帯の地力培養対策モデル事業も落ち込んでいる。この部分を新しく土地利用型集団営農推進特別事業、これで補うんだろうと思うんですけれども、その辺の関連性について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(澤邊守君) 水田におきましても、特にまた畑作につきまして土づくり、集約的な土壌管理が必要なことは最近特に力説をされておるところでございますので、われわれといたしましては水田、畑地を含めまして土地利用型の集団営農推進対策という新たな構想で、これまでございました米麦関係あるいは畑作物関係の各種の施策を統合いたしまして一本の大きな柱の予算にしたわけでございますが、考え方といたしましては、集団的な生産組織の育成関係の事業、それから機械の導入、地力の保全関係の事業、これは合理的な輪作体系を組むというようなものも内容にいたしておりますが、それらを総合的に実施をいたすことによりまして、土地利用型の営農の推進を図るという考えでございます。いろいろ予算上一応試算はしておりますけれども、その中で地力培養関係の対策を組み入れた事業を全国で約百七十地区ぐらい、補助金で約九億ぐらいを一応予定をいたしております。これは現地のそれぞれの御要望によりまして、その枠にとらわれることなく全体の予算の中でやりたいと思っておりますが、一応そのような予定で予算を組んで、具体的な内容といたしましては、地力関係といたしましては、有機物の増投、土地改良資材の増投、それから機械を導入いたしまして合理的な輪作体系を組むと、こういうようなのが主要な内容になっております。
○相沢武彦君 いずれにしましても、農業の永久的発展のためには優良な農地をいかに多く育てるかということが重大な問題でございます。そういった点で、今日まで非常に地力の維持培養については農林省の取り組みは弱体であったわけでありまして、どうか今後、農林省もっと長期的、計画的に地力培養につきまして推進をされるように希望をしておきます。 次に水産庁。所信表明の中にもございましたが、わが国の水産業を取り巻く内外の諸情勢はきわめてむずかしいことばかりでございます。領海十二海里あるいは経済水域二百海里は世界の大勢となっておりますし、わが国は、この外国沿岸二百海里以内での漁獲高というものはわが国総漁獲量の約半分に近い四百五十万トン程度あると言われておりますが、これらいままで築き上げてきたわが国の既得権益など、これらの領海十二海里あるいは経済水域二百海里の大勢の中で大幅に削減される、これに対して基本的にどういう対策で臨まれようとするのか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話しのように、わが国の水産というものはいままでにない非常に歴史的な危機に立っておると、私はそういうふうに考えておるわけでございます。特に、経済水域二百海里が世界の大勢になっておりまして、これがニューヨークの会議で国際的な合意を見る可能性は非常に強いわけでございますが、この経済水域二百海里の設定がどういう形で行われるか、その態様によりましては、わが国の水産にとっては非常な打撃を受けることは明らかでございまして、そういう中にあってわが国も——国際会議でございますし、われわれも、わが国も出席をするわけでございますので、利害をともにする関係国とも緊密な連絡をとりながら、この経済水域二百海里の設定のあり方についてわれわれの主張をどうしても通さなきゃならないというふうに考えておりまして、いま世界の沿岸諸国の中には全くの排他的な権利をここで打ち立てようと、いわば領海に等しい権利をここで獲得しようという動きもあるわけでありますが、私たちは、そうした経済水域二百海里の中にあって、やはり既存の漁業権というものは認める、いわゆる伝統的漁業国の操業権というものは、これまでの操業権は認める、そういうことで経済水域二百海里が設定されるように、われわれとしては、強力な外交を展開をしてまいらなければならぬわけでございます。が、いずれにいたしましても、二百海里が実現をすれば、われわれの主張が仮に通ったとしても、相当やはり水産においては、遠洋漁業においては制約を受けることは、これはもうわれわれとしても予想をしなければならぬわけでございまして、そういう情勢を踏まえてわれわれは国民食糧を確保する、そういう中にあって動物性たん白質はその過半を水産物に依存をしておるわけでございます。そうしてその水揚げ高は千百万トンという量に上っておるわけでございますので、いかにしてこの量を維持していくかということについては、いままでとは違ったまた発想で、これらの維持のためにこれから積極的に、強力に施策を展関しなきゃならぬ。そういう面で五十一年度予算にもいろいろとその施策を盛り込んでおるわけでございます。たとえば、沿岸漁業につきましても、これはまだまだわれわれ努力をすれば百万トンに近い漁獲をふやすことができるんじゃないか。こういうふうな考え方のもとに沿岸の漁場開発、これは長期計画を打ち立てまして、沿岸の漁場整備計画を推進するあるいはまた裁培漁業を積極的に進めていく。さらにまた、世界の海洋の中においてまだまだ未開発の地域があるわけであります。たとえば、深面であるとかあるいは南極の具体的な例を申し上げればオキアミというふうな未開発、未利用の資源があるわけでございますので、そうした資源をわれわれは調査をし、そうしてこれを開発をして、そうして漁獲の維持に努めていく、ということでいろいろの面でこれはわれわれとしても全力を尽くして、経済水域二百海里によるところの打撃を少なくするというために力を尽くさなきゃならぬと、こういうふうに思うわけであります。
○相沢武彦君 時間がなくなりましたので、あと一問。 そういうわけで、今後、深海漁場等なり、あるいは外国との間に技術提携をして、あるいは共同的に資源をふやしていくとか、いろいろな方法があると思うんですが、それと同時に沿岸漁業の振興というのは非常に大事だと思います。今年度の予算では、沿岸漁業振興対策に非常に予算をたくさん組んでおりますが、昨年十一月水産庁が発表した養殖魚に対する魚病実態調査、これによりますと、調査した生産量の約九万トンに対して病気被害の魚が約五万トンもあることが明らかにされたということが出ております。ここ数年来日本沿岸各海域の汚染というものは急激に進行しておりまして、この調査によりまして、魚の病気の被害も恐らくは工場排水などによる海の汚染が原因になっているということがわかったと思われるわけでありますが、海外漁場の環境は厳しい現実から考えまして、今後沿岸漁場の整備、汚染の防止、これに相当真剣に取り組んでいかなきゃならない。このように思うわけでございますが、今年度予算ではどのようにそれに対応され、また今後どういう計画で臨まれていくか。
○政府委員(内村良英君) 最近養殖魚につきまして魚病がふえておることは先生の御指摘のとおりでございますが、ただ、数字の点につきましてちょっと申しますと、現在、養殖生産はハマチを主体とするものが八万四千トン、それからマス、コイ類等の淡水魚が六万四千トンございますが、このうち水産庁のアンケート調査によりますと、いわゆる鹹水魚で約三千五百トン、それから淡水魚で五千八百トンが魚病の被害を受けているということでございます。 次に、漁場の汚染対策について水産庁どういうふうにやっておるかという話でございますが、この点につきましては、先生御案内のように、水質汚濁防止法あるいは海洋汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等、いろいろ公害関係に関する法律がございますので、そういった法律を所管している関係省庁に対しまして常にこれに接触し、厳格な運営を要請しているわけでございます。と同時に、水産庁といたしましても、従来から水銀、PCB等による魚介類の汚染状況調査あるいは埋め立て、温排水の生物影響調査等を実施するとともに、漁業公害の発生の防止及び漁業被害の軽減を図るための全国的な監視指導体制の整備、生産性の低下した漁場のしゅんせつ等による漁場機能の復旧並びに油濁等による漁場汚染の防除、清掃、それから赤潮防止事業等を行ってきているわけでございまして、五十一年度の予算要求といたしましては水銀、PCB等による魚介類の汚染については三億三千九百万円、それから埋め立て等の生物影響調査について八千七百万円、それから公害の防止及び指導体制について二億一千四百万円、それから赤潮の被害防止事業三億五千万円、原因者不明の油濁対策のうち清掃防除費につきましては一億五千四百万円というような予算を計上し、国会の御審議を仰いでいるということであります。
○塚田大願君 私はこの際、大臣に少しお聞きしておきたいと思うのでありますが、それはいまわが日本で大問題になっておりますあのロッキード事件に関する問題であります。ロッキードが日本の政府高官に莫大な賄賂を贈ったということは、まずもうアメリカから火がつきまして、いまや国際的な大問題、まあ日本でも御承知のとおり。しかし、きょう私、その問題を直接聞こうというわけではないんでありまして、これと関連をいたしましてこの今度の事件の中心的な存在であります丸紅に関してで、これはやはり農林省も大いに関係していらっしゃるわけでございまして、この問題を一、二お聞きしておきたいと思うわけであります。 と申しますのは、丸紅はかって四十六年から四十八年にかけまして豚肉の輸入の関税脱税をやった。これは私もこの委員会で質問をしたこともあります。決算委員会でやったこともあります。それからさらに四十七年から八年にかけてモチ米のやみをやった。こういう非常に悪質なことをやった商社であります。そしてこれが今度ははしなくもロッキードの中心的な犯人と疑われておるわけでありますけれども、これに対して農林省がどのような処置を考えていらっしゃるかということです。 と申しますのは、このいまの事件、豚肉の脱税とモチ米のやみが起きましたときに、私は厳しくこの処置しなければならないと主張いたしました。農林省もいたしますと、こういうお答えでございまして、その後一定の処置をとられたと思うわけでありますが、私が聞いている範囲においては大変軽い処置であったと私は考えるわけです。で、今日もうそういうことは全部解除されまして、彼らはやはり前どおりの指定を受けて登録業者として仕事をしていると思うわけでありますが、こういうものに対して農林省は今後どのような処置をお考えになっているのか、それをまず大臣にお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 農林省としてはいまお話がありました丸紅の豚肉の関税違反の事件、それからモチ米の食管法違反事件、これに対してはそれぞれ厳しい行政措置はとっておるわけであります。特にモチ米の食管法違反事件につきましては最終的に裁判の結審を待って必要な処分をとることとした場合にはかなりの日時を要すると見込まれることから、司法当局の捜査が終了し起訴のなされた段階、これは昭和四十八年六月六日において輸入米麦の売り渡し申し込みの受け付け停止という行政上の措置をとったところでございまして、その社会的な影響を考慮したそれなりの措置はすでに講じておると考えております。さらにまた農林省に関連をした事実が、今後とも不正の事実といったようなものが発見をされる、摘発をされる、というふうな事態になればそれに対してはわれわれとしても厳しい措置を講じなければならない、これは当然のことであるというふうに考えておるわけであります。
○塚田大願君 私はこの問題質問したくらいでありますから、非常に関心を持ってどのような処置がとられたかということも調べてきましたけれども、この豚肉のときには三カ月間の権利停止ということでありました。それからモチ米の場合には、これはまだ水戸地方裁判所で審理中でもありますけれども、農林省としては、外国産米穀の売り渡し申し込み並びに輸出用米穀の取り扱いを権利停止をしたと。しかし、これは大体期間としましては通算して約一年間の停止、それから飼料麦、麦の関係では約三カ月間の停止ということだったと思うわけであります。そういう意味では、私は、当時あの狂乱物価の中であのような悪質な悪徳商法をやるこういう商社、これに対しては相当厳しい処置をすべきだ、相当の期間にわたってやはり監視しなければいけないということを主張したのでありますけれども、大体まあ三カ月、長くて一年間というふうな、いわば非常に軽い処置だったと私は考えるわけであります。したがって、私は今度の事件が発生して考えてみますときに、やはり農林省の行政措置というのは非常に甘い。こういうことでは、たとえば今度のロッキードの後に何が起きるかわかりませんけれども、やはりこのようなことを繰り返していたんでは、これはもうどうにもしょうがないわけでありまして、国民の政治不信も頂上に達するだろうと思うわけです。したがって、私は、提案申し上げたいのは、やはり丸紅などの、こういう悪徳商社に対しては、過去にわたってもう一度厳密な調査をして、そしてこの指定業者としての、登録業者としての処置を私は再検討してもいいのではないかと。なるほどロッキードは機械部の仕事だったかもしれないけれども、この前の問題はみんな食糧部のあれで、あのとき捜査も受けたはずであります。——食糧部は、丸紅の。そういうことも考え合わせますと、これだけたびたびこういうことをやる業者に対しては指定の再検討をしても私はしかるべきではないか。あわせて、単に今度はまあ丸紅がやり玉に上がりましたけれども、いわゆる総合商社、いわば多国籍企業みたいな性格を持ったこういう商社に対しては、やはり同様にその総点検をするということが必要なんじゃないかと思うんですが、その点について農林省はどういうふうにお考えか、大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 丸紅の過去の事件につきましては、いまお話申し上げましたような行政措置をとったわけでございますが、これはこの種事件の行政処分としては前例等も踏まえてこれが妥当な、われわれとしては、処分であったと、こういうふうに考えておるわけでございますが、しかし、まあ総合商社等のあり方につきましては、われわれとしても厳重にこれを監視、監督をして、行政の運営を期さなければならぬわけでございますし、今後そういうふうな不正事件がまた出てくるというふうなことに対しては、ということになるならば、これはもう厳しい、厳重な処分をすることは当然である。そういうふうな基本的な立場で行政を進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○塚田大願君 前回の処置は先例に沿って処置をしたと言われたんだけれども、今度はもう一回、その食糧ではないけれども大変なことをやっておるわけでありますから——やはり前回の処置が私の感じでは大変甘かった、したがって、この段階でもう一度何かやったらというだけでなくて、この段階で私は農林省としての行政指導を強める、そしてその立場からこういう指定ということについて、この制度についても十分考えていただく必要があるんじゃないかと思うのですがどうでしょう。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ、ロッキード事件については、これはもう徹底的に追及しなきゃならぬわけでございますが、農林省としては、農林省の関係の関連をする業務というふうなことにつきまして、とにかく不正があれば、これはもうわれわれの責任において厳しい態度をとっていかなきゃならぬということを私は申し上げておるわけでございまして、この点については農林省の態度というものははっきりしておると思います。
○塚田大願君 私はこの問題ばっかりやっているわけにはいかないんで、きょうはもっとその根本問題を聞こうと思っておりましたから、この程度にやめておきますけれども、しかし、とにかく今度のロッキード事件、どういうふうに発展するか、これは何人も予測もつかないわけでありますが、とにかくこれだけのことをやった、そして過去にあれだけのことをやった。豚肉をやって、そしてすぐまたモチ米をやるという、そういうことを繰り返している商社ですね。こういう商社に対しては、私はこの際、農林省としても毅然たる態度で、やはり過去のそういう業績を再点検をする。そして指定業種としての資格についても再検討する、そのぐらいの積極的な姿勢がありませんと、やはり何かあるのか、というふうなことを勘ぐられる危険性だってなきにしもあらずです、今日では。ですから、私はそういう点では農林省の断固たる、毅然たる姿勢を要望して、ひとつ本論に入りたいと思うんです。 いろいろお聞きしたいことはありますけれども、時間も非常に少のうございますから、きょう大臣が所信表明の中で述べられましたこの基盤整備の問題、農用地の造成の問題、この問題をお聞きしたいと思うわけです。 最初に、土地改良長期計画、昨年私、この席で大臣にもお聞きしてきたんですが、きょうはこの問題は一応割愛をいたしまして、機会があったら、この次に何らかの機会でお聞きしたいと思っていますが、この問題と関連をいたしましてきょうお聞きしたいのは、広域農業の開発の問題、この問題をお聞きしたいと思うわけです。あの広域農業開発基本調査というのが、いわゆるマスタープランでありますか、マスタープランができましたのはたしか四十六年ごろでありますか、ぼつぼつそういう調査が始まりまして、いわゆるこの基本計画というものができましたのが四十八年でありますか、だったと思うわけであります。で、このマスタープランが、当時全国的にどのぐらいの計画、面積を出されたのか、そして今日、この計画に基づいてどれだけの実施、進捗率があるのか、その辺をお聞きしたいと思うんですが、まず、そこからひとつ答えていただきます。
○政府委員(岡安誠君) 広域農業開発につきましては、おっしゃるとおり四十七、八年ごろに全国的にいろいろ策定をいたしたわけでございますが、当時できましたのは北海道におきましては根室地区でございます。それから東北におきましては岩手山麓を中心とした地区、それから阿武隈、関東の八溝地区、それから九州では阿蘇、久住飯田の地区でございまして、大体合計の面積は、広域農業開発としましては六万五千ヘクタール程度でございます。
○塚田大願君 これが、いまもう昭和五十一年でありますが、その後どういうふうに実施されたか。大まかな数字でよろしゅうございます、統計で結構ですから。
○政府委員(岡安誠君) これらは御承知と思いますけれども、いわゆるマスタープランでございまして、それを実行に移すためにはさらに具体的な地区につきまして精査を行う。それからその間におきまして農用地開発公団ができましたので、公団におきまして全体実施設計をつくるというような段取りで現在進んでいるわけでございます。その概要を申し上げますと、現在事業を実施しております地区は先ほど申し上げました根室とか……。
○塚田大願君 そのような細かいところはいいです。
○政府委員(岡安誠君) その他を含めまして全体で十地区でございますし、全体実施設計を実施しております地区は四地区ということになっております。
○塚田大願君 で、きょうお聞きいたしますのは、いまお話がありました関東の八溝地域の問題についてお聞きするわけであります。八溝地域の基本計画書なるものがここにございますが、このマスタープランによりますと、この八溝地域では大体茨城県が一万ヘクタール、栃木県が一万ヘクタール、合計二万ヘクタール。事業費にいたしまして九百五十七億円と、こういう計画が当時できておったわけであります。で、この計画に基づきまして関東農政局がいろいろ事業の実施計画をつくりましたが、これによりますと二万ヘクタールのうち当面三年間で六千ヘクタールをつくる、そして千ヘクタール当たり約四十億円という計算をしておるわけであります。したがって、六千ヘクタールでありますから二百四十億円と、こういう計画で昭和四十九年三月、事業として出発を始めたわけであります。で、これはこのとおりでございますね。
○政府委員(岡安誠君) いまお話の概要はそのとおりでございますけれども、ちょっと訂正さしていただきたいと思いますのは、四十九年の二、三月ごろにマスタープランができ上がりましたわけでございまして、事業をそれで出発さしたというわけではございません。と申しますのは、いわゆるマスタープランでございまして、いまお話のとおり開発可能地区は両県にわたり約二万ヘクタールございますが、その中でとりあえず五千ヘクタール、またその五千ヘクタールの中でも順次これを手がけるということで、現在全計に入っておりますのはこの中で多賀地区とそれから八溝西部でございますか、その地区ということで、それらが具体的に事業を実施したわけでございますので、その年月日はマスタープランが一応決まったというような年月日でございます。
○塚田大願君 それはわかっています。 そこで次にお聞きしたいのは、農用地開発公団が発足いたしまして、ここでさらに具体的な事業計画ができたわけであります。で、その詳細なことはここにございますが、マスタープラン、そしてまたこの関東農政局がさらにそれを具体化した三年間で六千ヘクタールという計画が、今日農用地開発公団の計画によりますと、八溝西部つまり栃木県でありますが、栃木県で八百七十三ヘクタール、多賀すなわち茨城県で七百一ヘクタール、合計千五百七十四ヘクタールでありますか、そういうことになるわけですね。それから事業費にいたしましても、これが八溝西部で七十三億、多賀で五十三億でありますから合計して百二十六億と大変縮小されているわけです。つまり面積で言いますと約四分の一、事業費で言いますと約二分の一と、こういう計算になるわけでありますが、なぜこんなにダウンしてしまったのか。確かにこのマスタープランの段階ではまだそう固まってなかったかもしれませんが、それにしても、公団の事業計画になりましたらまことに大幅にダウンをした。これはなぜこうなるのかどうもよくわからないのですが。
○政府委員(岡安誠君) ちょっとこれ御説明申し上げますけれども、先ほど申し上げましたように、八溝地域の開発可能面積というのは両県にわたりまして約二万ヘクタールでございます。それから、おっしゃるとおり、とりあえず六千ヘクタールの開発ということでございますが、これは私どもは約十カ年間で六千ヘクタール開発をいたしたいというふうに当時思ったわけでございます。そういうような計画に基づきまして現在この八溝地区の中で多賀地区について全計を開始し、それからまた八溝西部地区について全計を開始しておりますが、これらで終わりではございません。私どもの現在の予定では、すでに農林省が精査を始めるという地区が、八溝の北部地区とか、八溝の東部地区とかというものもございますし、さらにこの八溝地域の中には、それ以外にも開発の対象地区はあるというふうに考えておりますので、順次、先ほど申し上げましたように十カ年間で約六千ヘクタールの開発をいたしたいと、こう思っているわけでございます。
○塚田大願君 その計画期間がちょっと私、違うんじゃないかと思うんですが、ここには、関東農政局利根川水系農業水利調査事務所及び茨城県農林水産部で出しましたこの計画によりますと、やはり三年間というふうに明記されておるわけです。そして、千ヘクタール当たり四十億と、こういうことなんです。それはあなたがいま十カ年とおっしゃったんだが、十カ年と三カ年じゃ大変な違いなんですが。
○政府委員(岡安誠君) それ私の持っている資料と同じだと思いますけれども、六千ヘクタールのところは当面六千ヘクタールと書いてございまして、その当面は十カ年間だと。三カ年というところはその右の方にまいりまして、その一地区の工事は約三カ年で完成をさせたいと。だから、一地区は、先ほどの多賀地区とか八溝西部というものは約三カ年間で工事を完成をさせたいと。当面は、それらを含めてたくさんありますけれども、それらは当面十カ年間ぐらい、六千ヘクタールの目標でございますと。全体では二万ヘクタールですと、こういう関係になっております。
○塚田大願君 どうもその辺何にも、十カ年なんてことは一言もここには出てないんですね。相当細かく事業費であるとか、地元負担金であるとか、償還金であるとか、かなり細かく計画は出していますがね、しかし十カ年なんか一つも。だれが見たって、これは三カ年でやると。今度、農用地開発公団がおやりになるのもこれは三カ年ですね、さっき挙げました。
○政府委員(岡安誠君) そういうつもりで予算要求その他はいたしたいと思っております。
○塚田大願君 まあ時間がないからこのことだけ論議できません。いずれもうちょっと詰めて、正確な資料もあればひとついただきたいと思います。 そこで、次にお尋ねしたいのは、とにかく、これは大臣にお聞きした方がいいと思うんだが、計画と実施がいつもこう食い違ってきて、今度のこの場合でも、面積にすると四分の一、事業費で半分というような、いまの状態ではこういうことになっている。いま局長おっしゃるのは、これからぼつぼつやるんだとおっしゃるんだけれども、これは土地改良計画の長期計画ですね。十カ年で十三兆円という問題、これも去年もいろいろお尋ねをしたんですが、これはきょうは論議いたしませんからいいんですが、いまの調子でいけば、やっぱり私はこの面積にしてもつまり事業量ですか、そういうものにしてもやっぱり半分ぐらいしかできない、われわれの計算でいけば、いまのテンポでいけば。これは当然そうなります。まあ大臣は、ことしも少しふやした、来年から一七・二%ずつふやせば、十カ年でできるんだ、とおっしゃるけれども、去年も似たようなことをおっしゃった。一八・六%もふやせばできるんだと言っておる。ことしは一七・二%になりましたがね。こんなことやっておって、ちっとも言われたとおりになっていないんでね、去年からことしにかけても。私が感ずるのは、計画が——まあ結構です。結構ですが、実際の実施というのは、大体まあ五〇%ぐらいの程度でしかできない結果になるんじゃないか。まあ、その点でいまこのことをちょっとお聞きしたわけなんで、で、これはもうちょっと別の機会でよく詰めたいと思うんです。 きょうもう一つお聞きしたいのは、そういう計画上の矛盾だけでなくて、実際上その農用地の開発の地域でどんなことが起きているかという、この実態についてお聞きしたいと思うのです。と申しますのは、この多賀地区の中の十王町。十王町というのは多賀地区の中心になります。私のよく知っているところです、この地域は。ここに今度自衛隊の爆破訓練場ができる。面積約二百ヘクタール、こういう計画がいよいよ出てきたわけです。ことしの一月十九日、防衛庁長官、茨城県十王町町長、それから茨城県知事、この三者によりまして協定書ができまして、この十王町に約二百ヘクタールの爆破訓練場を設ける、こういう協定ができまして、俄然地元では大問題になってきたわけです。もう大変な騒ぎでありまして、特に爆破訓練場の中心地に当たります民有地は約五ヘクタールばかりあるのですけれども、そこの地主も反対する。民有地の地主も反対する。もちろんその他の町民が非常に大反対をしておりまして、いま計画がどんどん進むという状態ではないわけでありますけれども、ここがどういう地域であるかということなんです、問題は。これは先ほど局長がおっしゃった広域農業開発のいわばど真ん中というふうなところなんです。で、ここにこういう爆破訓練場ができるわけですが、これは農林省からいただいた地図でありますから間違いありません。この多賀地区だけで(地図を示す。)これだけの赤い線のところが、いろいろ計画がいままでされてきて——ところがちょうどこの辺に、町はこっちですが、この辺に訓練場ができる。これはこうなりますと、地域住民が反対するというだけでなくて、農林省が計画をされましたこの広域農業地域の開発、この観点から見ましても、私はこれは大問題だと思うわけですけれども、その点をお聞きするわけです。 まず、防衛庁来ておられますか。——防衛庁に確認しておきたいのですが、先ほど申しましたこの協定書ですね、これはこのとおりですね。で、これは大体いつごろからこういう計画が始まったのか、その辺をお聞きしたいんです。
○説明員(小谷久君) 茨城県の勝田にございます陸上自衛隊の施設学校は施設の教育訓練のために爆破訓練が一つの種目になっております。かねてから水戸対地射爆撃場の一部分、これは長砂訓練場と称しておりますが、その一部分について米軍の提供施設であった時代から共同使用してまいっております。それからこれが、米軍から水戸対地射爆撃場が返還になりました際、地元及び関係当局の了解も得まして、一時使用の承認を受けました。その際、地元の方との約束がございまして、使用期間は四十八年の四月十五日から三年間ということでございました。ことしの四月に入りますときに……。
○塚田大願君 あのね、細かいことはいいですから、いつごろから始まったか、この計画といいますか。
○説明員(小谷久君) したがいまして、この三年間の期限が切れるときに備えて、その代替地を取得しなければならないということはその当初から考えておりました。それで、いろんな候補地を物色してまいったわけですけれども、昨年に至りまして、茨城県の多賀郡十王町高原地区を予定地として話し合いを始めたということでございます。
○塚田大願君 そうしますと、もう一回、その三年後には移らなきゃいかぬという時点というのは四十八年の春ごろですか。それだけちょっと……。
○説明員(小谷久君) 四十八年の三月末に防衛庁と茨城県当局とのお約束になっておりまして、そのときからの問題でございます。
○塚田大願君 ああそうですか。わかりました。 そこで、農林省に返りますけれども、これは私もよく知っておるところでありまして、現に計画が、これだけの赤い線で引かれたぐらいの地域でありまして、畜産団地形成にはまことに適地だと私なども考えておった。それで地元も大いに期待しておった。ところが、いまのようなお話で、防衛庁の方は計画を進めている、こういうわけなんです。ですから、地元とすればもちろん反対をするのは当然であります。 その前にこれは大臣にちょっと、こういう(写真を示す。)写真であれですけれども、こういう地域ですね。ですから広域開発としては、非常に私はだれが見てもわかるいいところだと思うんです。 そういうことで、地元は非常に期待をしてきたんですが、ところが、県知事やあるいは町の当局は、もうこんな農用地なんかを開発すると、畜産基地をつくるなんていう構想は当てにならない。それよりも自衛隊のこの訓練場を誘致すれば過疎もなくなる、町も発展するんだと、まあこういう考え方なんですね。その点では町民と真っ向から対決するんですが、それを、町の方々の、いわゆる賛成派の方々の考え方というのは、ここに「自由新報」がありますけれども、御承知のとおり「自由新報」というのは自民党の機関紙、これに堂々と、爆破訓練場の設置は過疎化解消の最大のチャンスだ。だから、畜産基地構想なんというものは計画段階であって、県も町も財政危機状態に置かれるので、どうせ大したことは望めない、現状のままでいったのでは過疎は進むだけだから、この際ひとつ基地を、自衛隊を誘致しろ、こういう考え方なんです。で、これが結果としてこの協定書にまでなったということなんですけれども、こういうこと、つまり広域開発地域の計画の地域に自衛隊のこういう物騒な基地を誘致するということになれば、問題が起きるのは、これはだれが考えてもはっきりすると思うのですが、こういうことを農林省は御承知だったのかどうかですね。農林省も御承知の上でこの計画地域にこういうものをつくられたのかどうか、そこをお聞きしたいのです。どうですか。
○政府委員(岡安誠君) 先ほど申し上げましたように、広域農業開発につきましては、マスタープラン、それから精査の段階を経まして、五十年度に全計に入っているというわけでございまして、私どもが防衛庁から、特にこれは林野庁でございますけれども、御連絡を受けましたのは昨年の十月でございます。したがって、私どもの計画はそれ以上に先行をしていたということでございます。
○塚田大願君 その辺が問題だと思うのですよ。農林省が知らなかった、しかも三年前からもう計画がどんどん進行して話が進んでいたと、こういうことなんです。そういうことを農林省が知らなかったとすれば、私は、大変これは手落ちといいますか、になるのじゃないかと思いますし、しかも、もう一つ問題は、このマスタープランが決定される段階の前の段階では、この地域がかかっていたわけですね、こういうふうにタブってかかっている面があるのです、四十七年の調査の段階では。四十八年のマスタープランができる段階ではこれが外されておる。こういうことですから、農林省が知らなかったというのもおかしいのですけれども、もしそれが本当だったとすれば、やはり計画それ自体にそごを来す。こういうことになりまして、農林省の責任が追及されますし、また知っていたとすれば、大体もともとこういうものを、広域農業地域の開発なんかやる意思がなかったとも考えられるのですけれども、その辺もう一つ明確にしていただきたいと思うのです。
○政府委員(岡安誠君) 先ほど申し上げましたように、マスタープランは、両県下二万ヘクタールに及ぶ開発可能地ということを一応想定といいますか、したわけでございますが、先ほど申し上げましたように、多賀地区につきまして具体的に造成面積として予定しておりますのは五百五十ヘクタールでございまして、それはいま問題となっております爆破訓練場とは別のところ、もともと重なっていないところにつきまして開発をするというような地元の要望もあり、私どもも精査をし、そして現在全計を進めているというようなことでございます。したがって、私ども、まあ正式に伺いましたのは昨年でございますけれども、結果的には全然重なり合っていない、影響はないというようなことになっております。
○塚田大願君 確かにそのいまの計画では前のあれが外されていますから、マスタープランとは重ならないのですけれども、しかしこれは全くくっついているわけです、くっついているのです、地域は。こういうところに二百ヘクタールあって——爆心地から何メートルぐらいありますか知りませんが、危険がないという見方かもしれませんけれども、とにかくくっついているわけですね。こういうところで、これ開発しろというんじゃ、これはなかなか、入る人だってもう二の足を踏むだろうと思いますし、それからもう一つは、予定地は大変——いま写真でお見せしたように、去年の六月ですね、去年の六月なんかでは、土地の農民の方々がそこへ行って、県や何かの説明を聞いて、これはいいと、入りたい、入植したいと、こういう希望まで出されたんですね。ところが十月段階で、いや、だめだというふうな話になって、大変農民の方々がっかりしてたと、こういう状態なんですよ。ですから、これは私は地元の反対ももちろんでありますけれども、いまからでも私は、防衛庁とよく相談をなすって、こういう地域にこういうものを持ってくるということは、やめさせるということが必要じゃないかと思うんですが、その点どうです、大臣にお聞きしたいんですが、その辺の政治的な問題については。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは何でも事業を実施する場合にはやはり地元の協力が必要であるというふうに考えるわけでございますが、したがって、いまこの国有林野の中で爆破訓練場を設置するということにつきましても、茨城県十王町並びに地元農家を含め地元関係者等の要望がまとまったら、そのまとまった段階でわれわれとしての態度を検討をするというのが農林省としての考えでございます。
○塚田大願君 まとまったらというのは、じゃ具体的にお聞きしますけれども、地元がもう反対だということになれば、これを取りやめるように交渉なさると、こういう意味ですか。
○政府委員(松形祐堯君) お答え申し上げますが、先ほど構造改善局長がお答え申し上げましたように、昨年の十月四日でございますが、林野庁に対しまして、あるいは営林局等につきましても、この訓練場を設けたい、使用さしていただきたいという申し入れがあったのでございます。その申し入れに対しまして林野庁という立場では、ただいま大臣がお答え申し上げましたように、そういう要望というものがやはり一つの形でまとまって、あるいは町議会決議とかいろんな住民の意思というものがそこに反映された形であった場合、私どもはその段階においてわれわれの態度というものをきめてまいりたいというようなことでございまして、現在その後どのようにまとまったかという御連絡もございませんし、実はそのままにしてあると、こういうことでございます。
○塚田大願君 だんだんお調べになればわかると思うんですが、新聞なんかにも、地元の新聞では、もう毎度毎度でかでかと出て、ついこの間も何か三千七百ですか、の請願が町に出されまして、大もめにもめていると、こういう状態でありますから、ひとつ農林省としては——防衛庁は防衛庁の立場があるでしょう。しかし農林省は農林省の立場があるわけでありまして、日本の食糧の自給、農地の造成というのが大前提になっており、至上命令でありますから、そういう立場から私は積極的にこの問題は解決するように努力していただきたいと思うんです。 で、時間もいよいよなくなりますので、あと若干あれしますが、実は、このまたすぐにそばにゴルフ場が——まだ始まっていないんですね。ただ、ゴルフ場用地として買い占めが行われまして、関東電鉄という会社が約三十二ヘクタールぐらいですか、買い占めました。ところが、この土地が何と十アール当たり五十万円だというんですね、山林ですよ。この辺のそれを五十万円で……。したがって、今度は地価が暴騰しまして、この辺はもうとてもじゃないけれども、農民が土地取得なんということは不可能に近い、こういう状態なんです。この辺にやっぱり最大の隘路があると思うんですね。防衛庁は来るわ、商社がゴルフ場はつくるわ、これじゃ広域農業地域の開発なんというものは全く不可能に近いと思うんですね、こういうことがどんどんやられたんじゃ。これは、さっきも大商社の土地買い占めの問題については論議が出ましたが、こういう点をぜひ農林省としては注意をして、こういうことをやっぱりどんどん規制して、本当に農地を造成していく、開発していく、こういう立場にひとつ立っていただきたいと思うんです。 最後に大臣にお聞きしたいんですが、こういう状態でとにかく農用地を造成しようとしてもとにかく農民の手になかなか土地が入らないというふうなことでは、何ともしょうがないわけです。そこで、私一つ提案をしたいんですけれども、いまのいわゆるこの制度でいきますと、農民が、自分が土地が欲しいときにはいわば相対で土地を取得しなきゃならぬ、こういう制度だと思うんですね。そうしたら、農民の土地があれば、いろいろ政府が造成をしてやったりなんかする、こういうたてまえだと思うんですが、制度上。これを農地法の四十四条でありますか、国が未墾地を買ってそしてこれを農民に売り渡す、この制度の活用ができないのか。これは現行制度として農地法は生きているわけでありますから、それを——局長あんた何だ、だめだだめだみたいなかっこうしちゃだめだよ、ちゃんと大臣に率直な意見を言わせないと。真実を述べなければいかぬ、宣誓しなくてもいいけれども。この点大臣、ひとつ率直にどうしたらいいのか、あなた方プランは立てられるけれども、実際に農民に土地を相対で買いなさいと言ったって、こんなところで反当たり五十万円じゃとても買えませんよ。そこで農地をつくれと言ったってそれはできない話なんで、そこで、制度の問題について、いま答えが出なければ答えが出なくてもこの次でもいいですが、ひとつ研究していただく必要があるんじゃないか。私どもはかなり積極的な政策を提案しているつもりですけれどもね。
○政府委員(岡安誠君) 確かに農地法の上では、先生おっしゃるとおり国が直接買収をいたしまして造成をするという制度がございまして、終戦直後はこれでやったわけでございますが、その後やはり最近の情勢によりまして、原則は、開発を希望する農家が土地の手当をいたしまして、それを国なり県なりその他が開発をするということになっております。ただ、それだけではおっしゃるとおりなかなかうまくいかない面もございますので、最近はこれも先生十分御承知と思いますけれども、各県にあります農地保有合理化法人が、これが農地開発の場合には未墾地をあらかじめ取得をいたしまして、その取得された土地につきまして国その他が造成工事を行うという道があるわけでございます。したがって、私どもはそういう方法で十分現状は対処し得ると思っておりますので、国がみずから買収をするということはいろいろ問題もございますので、当分はいま申し上げました所有者、開発希望者がみずから土地を取得して提供する方法と、合理化法人が土地を取得をして提供する方法と二つの方法でもって進めてまいりたいとこう思っております。
○塚田大願君 じゃ最後、もう時間がなくなりましたから。その個人が取得するというのはもう不可能に近いんです。現状としては、これはもう常識ですよ。これだけ土地が暴騰して、どうして個人が買えますか。それで合理化法人というふうなものも出てきておりますけれども、これももう本当に微々たるものであって、いま政府が計画されているような広域の農業開発なんというものはとうてい不可能に近いんです。やっぱり国が思い切った施策をするという以外に私はないと思うんですがね。 それできょうはもう時間なくなりましたから、これで終わりますけれども、その点、さっき話が出ました大手がたくさん買い占めた。何万ヘクタールですか、きょうの新聞なんかでも二十万ヘクタールあると、私どもの計算で言うと五十万ヘクタールぐらい買い占めていると計算してますが、新聞に出ているだけでも二十万ヘクタール、そのぐらいの土地を商社が買い占めていたわけですから、ひとつその辺を積極的に打開する道を考えていただきたい。最後に大臣のそういう点での所信をお聞きをしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 制度についてはいろいろとあるわけでございますが、われわれとしてはやはり農用地、特に優良農用地の確保ということが自給政策を進めていく上においても非常に大事なことでございますので、今後とも農地の確保につきましては、農地の保有合理化法人等も積極的に活用して、そして、農民の御期待にこたえて農地の確保を図っていきたいと、こういうふうに考えております。
○塚田大願君 終わります。
○委員長(小林国司君) 本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十七分散会 —————・—————