内閣委員会 第7号
- 発言数
- 309 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/05/24
会議録
○委員長(中山太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○野田哲君 私は法務大臣に対して、法務省の今日重要な所管事項になっている問題について所見をただしたいと思うんです。 きょうは、私からいまさら申し上げるまでもなく第七十七国会の最終日です。この国会が異常な状態で幕を閉じることになるその直接の原因がロッキード事件にあったことは言うまでもありません。本日のこの委員会は、このロッキード事件の解明のために検察陣の指揮をとる法務大臣に対して、その見解をただし、報告を求める今国会における最後の機会になると思います。そこで、この問題について、第七十七国会での論議の総括的な意味を含め、さらに本院に設置されたロッキード問題特別委員会に引き継ぐという意味をもあわせて法務大臣に対する質問を行い、その見解を求めたいと思うわけです。 まず第一に伺いたいことは、検察当局並びにそれを指揮する立場にある法務大臣の基本姿勢についてであります。先日、同僚の秦議員の質問にお答えて法務大臣は、ロッキード問題の解明に当たっている検察陣は、政局の動揺を憂慮している、こういうふうに答えておられます。この問題は後でまた重ねて秦議員の方からも質問があると思います。本日の読売新聞の朝刊でも、ロッキード問題について報道されており、見出しをそのまま読むと、「検察にも〃サザ波〃 「指揮権」の話題目立つ」と、こういう報道がされているところであります。そこで、まず私はこの問題について、政局の動揺に対して検察関係者が憂慮している、これは一体どういうことであるのか。私たちは、かつての造船汚職の際に総理の指揮権発動によって検察当局の捜査が政府高官に及ぶことを封じられたことを、この際思い起こさざるを得ないわけであります。検察関係者が憂慮しているということは、このような事態になること、あるいはまた政治的な影響を受ける具体的な危倶を持ってのことであるのかどうか、法務大臣として、ロッキード事件に取り組む検察当局はどうあるべきかについて、いま、もう一回重ねてこれらの報道やあるいは法務大臣の検察陣が憂慮しているというような先日の御答弁もあった関係をも含めて、その所信をまず明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) 検察は、事件に関し不羈独立、不偏不党、厳正公平であるべきはずでございますから、理論的に言えば、政局がどんなになろうと、雷が鳴ろうとあらしが吹こうと動揺すべきものではない、また検察はそういう意気込みである、これは信じて疑いませんが、やはりロッキード問題というようなこういう難事件、捜査には非常に頭脳を要する難事件でございますから、余り騒音がない方がいいに決まっている。そういう点で、芸術家にしても学者にしても、宗教、教育にしても、そういう真理を追求し、美を追求するような非常な高度なそういう仕事をしている人に、余りざわざわしたくない、そうっとしておいて、じっくり究明する環境に置きたい、こういう意味で、私は余り選挙があったり政局に転換があったりすることは好ましくないんだろうと老婆心で申し上げたわけでありまして、検察陣営が、向こうの陣営の側が動揺しているというようなことはないと思いますね。動揺するなどということではない、しっかりしておる、こういうふうに思います。
○野田哲君 次に、もう一回ロッキード事件を解明をしていく基本的な態度について伺っておきたいと思うのです。 現在の三木政権に対する自民党の動向、これは他党のことではありますけれども、国民全体に影響を持つ政権を自民党内部の抗争が直撃をしているだけに、私たちも重大な関心を持たざるを得ないわけであります。なかんずく今日の三木総理の退陣を求める動機の一つに、ロッキード隠しという意図が含まれているのではないかという報道さえ行われている、このことはきわめて私どもとしても重要な関心を持たざるを得ないものであります。だからといって、断っておきますけれども、私たちが三木政権が続くことに何らの期待を持っておるものではない。しかし、与党内部の三木政権交代論の中にもしロッキード隠しの意図が動いているとするならば、これは政治の私物化もはなはだしいと言わなければならないと思います。 そこで、法務大臣に見解を承りたいと思うわけでありますけれども、ロッキード事件を解明をしていく基本は、衆参両院における特別決議、全会一致の特別決議があります。さらに、衆参両院議長の各党首に対して提示された裁定、この二つがあります。これは今後どのような政権が担当するにしても、この特別決議及び議長裁定の精神をないがしろにすることは絶対に許されるべきことではない。この点を、まずこの際、もう一回法務大臣として所信を明確にすべきではないかと思いますが、この点についての法務大臣としての所信を承りたいと存じます。
○国務大臣(稻葉修君) ロッキード事件の徹底的な究明は、国会の決議にもあり、議長裁定にもあり、また、与野党を問わずだれしもがこれを熱望するところであることをよく承知しております。国民が全部、徹底的な究明をやって、そうしてしかも迅速に解明してもらいたい、こういう、ほうはいたる国民の声が聞こえてくるくらいに、私全身でこれを感得しているつもりでございます。したがって、いま御指摘の自民党内のいろいろなざわつき、報道されているようなざわつきを、ロッキード隠しであるのではないかなどという意味の御質問かと思いますが、そういうことは断じてないんですね。ロッキード隠しなどということができるわけのものではない、どんな偉い人でも。そういうことでは私は断じてあってはならないし、また、ないと思います。私としては、与えられた職責として誠心誠意この問題を徹底的に究明して、一日も早く国民の前に明らかにし、政治の信用を国民から回復してもらいたい、こういう熱望に燃えております。
○野田哲君 そこで、具体的な問題について法務大臣に伺いたいと思うのです。 法務大臣は、去る五月の二十一日の記者会見において、ロッキード事件についての捜査の経過は国会及び国民に対して中間報告をする責任がある、こういうふうに述べておられます。これは私も全く同感であります。しかし、私が非常に問題に感じるのは、その中間報告を五月二十四日に国会が終了するので五月二十五日に行う、こういうふうに報道されていることであります。具体的に私がその場に居合わせたわけではございませんから、法務大臣がどういう具体的な発言をされたか、これは知る由もないけれども、少なくとも新聞、テレビ等の報道では、五月二十四日に国会が終了する、その翌日の明日に記者会見等を通じて中間報告を行う、こういうふうに報道をされているわけです。その前日の五月二十日の日には、この内閣委員会においてロッキード問題についての質問が各党からそれぞれ法務大臣に行われた。わが党の秦議員、そして、なかんずく公明党の峯山委員からは、この国会が終了する段階までにいままでの捜査の経過等を総まとめにして報告をすべきではないか、こういうふうな意味の発言もなされております。さらに、この点については、衆参両院で公明党の議員の方が何回か、国会が終了までに報告をすべきではないか、こういう指摘をされているのであります。そういう経過があるにもかかわらず、国会が二十四日に終わる、その翌日の二十五日に中間報告をする、これは一体どういうことでしょうか。今日までの国会の場で、多くの議員が総理並びに法務大臣に対してロッキード問題についての質問を何回も繰り返してきておりますけれども、その都度、いままでの答弁はきわめて抽象的あるいは断片的に、質問があったことに対して最小限度にしか答弁がされていない。まして、法務大臣自身が捜査全体の状況についてまとめてみずから報告するという態度は一回も今日まで見られなかったわけであります。それを、国会が終わるのを待っていたように中間報告を行うという態度は全くこれは理解に苦しむ。国会軽視、国会の持つ国政調査権に対する重大な侮辱ではないか、こういうふうにさえ感ぜられるわけであります。一体法務大臣はいかなる意図によって、この二十四日に国会が終わる、そのあくる日の二十五日に総まとめにした中間報告を行う、こういう意図を持ったのか、この点をまず明らかにしていただきたいと、こういうふうに思います。
○国務大臣(稻葉修君) まず第一に、このロッキードの問題につきまして、国会には答えない、新聞記者会見で答える、そんなばかなことを考えるわけはないんですね。考えるわけがない、言うたこともない。新聞に出ていることは、どんなふうに聞いておりますか、これは私の責任じゃありませんからね。これは中旬ごろ衆議院の法務委員会で、沖本委員でしたかな、ある段階に来たら国会の終了するまでに総まとめにして報告したらどらかと言うから、それは結構ですねと、そういう機会があれば。この国会はロッキード国会などと言われるくらいの国会で、責任者がその間総まとめで、いままでの経過はこうなっております、これからはしっかりまた取り組むつもりですと、それを国民にわが決意のほどを申し上げる、そういう機会があればいいなと思っておった。ちょうどそういうことをお聞きになりますから、きょうは申し上げたいと思って用意してきておりますがね。ただあのとき、もしそういう場面が国会で得られなくて、そうして済んだ場合は、二十五日に、閣議終了後に記者会見、定例会議がありますから、そのときにでも総まとめにして、わがこれに取り組む法務省としての姿勢も国民に訴えてみたいなと、そうすべき義務があるなと、それが礼儀であるなと、こういうことは申し上げておる。誤り伝えられておるようでございますが、国会軽視などという大それた考えは毛頭ないということを、この機会に委員長さんにはっきり御返事しておきたいと思います。
○野田哲君 そういたしますと、その機会があれば発表したいということで用意をしておる、こういうことでありますので、それを、この二十五日の記者会見ででも発表されるという予定であったものを、本日ただいま、この場合が恐らく七十七国会における報告の機会としては最後の機会になると思いますので、ただいまからこれをこの場で報告をしてもらいたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(稻葉修君) 私が国会を軽視するものではなく重視するものであり、報道が私の真意を伝えておらないということについては御了解を願ったと思います。そういう御了解を得たという前提に立って、御報告というか、捜査の経過等について、いままでに大体申し上げてきたつもりでありますが、多少申し上げてない点もあるかと思いますので、ゆっくり話をします、メモ等をおとりになる都合もございましょうから。 項目を分けて申し上げます。 ロッキード事件についての現在までの捜査状況は次のとおりであります。 第一に、捜査差し押さえの実施。 東京地方検察庁は、警視庁、東京国税局と緊密な連絡のもとに、去る二月二十四日、児玉譽夫に対する所得税法違反により、同人の自宅など十一カ所の捜査差し押さえを実施し、自後三月十三日までの間に合計約七千九百点の証拠物件を差し押さえました。 なお、二月二十四日の後に三回にわたり捜索差し押さえを実施しているが、これらはいずれも補充的なものであります。 第二に、本件関係者の取り調べ。 東京地方検察庁は、二月二十四日、ロッキード事件捜査本部を設置して以来、本部長である検事正の指揮のもとに、検事二十八名、検察事務官六十名が捜査に専従しておりますが、これまで取り調べた本件関係者の総数は百八十名を超えており——百八十名を超えており、その範囲は児玉及びその周辺関係者、脱税及び外為関係者、丸紅その他の民間及び官庁関係者に及んでおります。 児玉の病状は、本件捜査に着手した二月時点に比して特に悪化しているとは言えないが、主治医である喜多村教授の診断では、脳梗塞後遺症により引き続き安静加療を保持する必要があるとのことであります。 児玉の取り調べは、約二十回にわたり、医師立ち会いの上、休憩をはさんで短時間行っております。 第三は、告発及び起訴であります。 東京地方検察庁は、三月十三日、東京国税局より児玉の所得税法違反の事実につき告発を受け、即日同人を東京地方裁判所に公判請求をいたしました。公訴事実は、昭和四十七年分の実際総所得金額が約十一億八千五百万円あったのに、総所得金額が約四千三百万円である旨虚偽の確定申告書を提出し、もって約八億五千万円を脱税したというものであります。 第四、実務取り決めの締結。 政府は、三月十二日、フォード大統領の返書を受け、その趣旨を理解し、これにより米国側資料の提供を受ける旨の閣議決定を行い、これに基づき法務省をして米国司法省との間で米国側の資料入手のための具体的取り決めを行わせることになりました。そこで、法務大臣は三月十五日、法務事務次官鹽野宜慶、法務省刑事局刑事課長吉田淳一ほか一名を米国に派遣し、米国司法省と右取り決めのための折衝を行わしめた結果、三月二十四日、右取り決めが締結されました。第五、米国側関係資料の入手。 検察当局は、法務省と米国司法省との間で締結された前記実務取り決めに基づき、米国司法省から関係資料の提供を受けるため、四月五日、河上和雄、東條伸一郎両検事を米国に派遣し、両検事は同省から関係資料の提供を受け、同資料は田山太市郎特捜資料課長らが空路で運搬し、同月十日、これを検察当局が入手いたしましたが、その後も数回にわたり資料の提供を受けております。 なお、右資料の大部分は、約十回にわたり、警視庁に提供されております。 第六、追起訴。 東京地方検察庁は、五月十日、警視庁より児玉の外国為替及び外国貿易管理法違反の事実につき送致を受け、即日同人を東京地方裁判所に公判請求しました。公訴事実は、昭和四十八年五月中旬ごろから同年六月中旬ごろまでの間に、クラッターからロッキード社のためにする支払いとして現金合計四億四千万円を受領したというものであります。 第七、現在の捜査状況。 東京地方検察庁においては、現在東京国税局と協力して、児玉に対する昭和四十八年及び同四十九年分の所得の脱税容疑並びに警視庁と協力して、児玉、丸紅関係の大久保利春及び伊藤宏に対する外為法違反容疑について捜査中でありますが、今後国外からの資金の流入状況はもとより、国内に流入した資金についても、その全貌を解明すべく全力を挙げておるのであります。 そのためには、国内捜査はもとより、米国に居住する重要関係人の供述を得ることが必要であるため、四月二十九日、東京地方検察庁堀田力検事が右関係人に対する事情聴取や司法共助等に関する準備活動のため渡米し、五月十四日、帰国いたしました。 第八、今後の見通し。 東京地方検察庁では、今後国内に流入した資金の使途を解明し、その過程において贈収賄その他の犯罪行為があれば、厳正公平な立場で捜査処理を行うべく鋭意捜査を続行中であり、私は検察当局の捜査処理に全幅の信頼を置いておる次第であります。 以上です。
○秦豊君 法務大臣ね、記者会見では真意が伝わらなくて、国会軽視の気持ちは寸毫もなく、たまたまいい機会を最後に与えてもらったから、当参議院内閣委員会において誠意をもってまとめたデータをいまるる開陳をされたわけですよ。そのあなたの主観的な善意はよくわかる。あなたの御指示どおりゆっくりとメモをとってみた。しかし、大別して言えますことは、おおむね報道機関のスクラップをまとめて朗読してもらったような感じでしかない。やはり隔靴掻痒の感は依然としてあなたの主観的善意にもかかわらず免れない。それはなぜか、肝心な点がぽかされているからです。捜査上の秘密、日米司法取り決め、あなた方がつくった厚い壁が問題で、そうしてこの肝心な点は、恐らくいま稻葉法務大臣、あなたは言葉を、捜査上の報告、取りまとめ、いろんな言葉を使われたが、あえて言えば中間的報告ですよね。ところが、七千九百点とか、十一カ所とか、百八十人とか、児玉の取り調べ時間三時間とか、数値はちらつくけれども依然としてもどかしい。 ずばり伺いますけれども、あなたがお読みになって、しかもあえて二回強調された人数ね、人数、百八十人を超えたというところをあなたわれわれを見ながら繰り返された。つまり強調されたわけなんだが、これは確かに百三十人以上ではないかと言われたあなたのサバや、何かイワシの話に比べれば確かにふえている。ところが、ここが問題なんですよ。つまり範囲は児玉譽士夫並びにその周辺、それから脱税、外為法違反に関する問題及びその周辺、丸紅その他民間関係、官庁関係者に及んでいるとあなたは述べられたのだが、だれしもが抱く疑問は、まず第一に、なぜ政治家は含まれていないんだろう。百八十人いて何らかのランクの、つまり一番低いところでは事情聴取というふうな一番ソフトな形、低いランク、この辺から当然、まあガバメントオフィシャル、政府高官の枢要な人物とまではなかなか及びがたいとしても、少なくとも、たとえばある官庁の政務次官とか、元政務次官とか、あるいは元閣僚とか含めて、この百八十人の中にやはり政府関係者、閣僚を含め政務次官経験者を含めた政治家は果たして真に介在していないのかどうか、含まれていないのかどうか、この点はどうなんですか。
○国務大臣(稻葉修君) そういうことをいま申し述べる段階ではないんですね。どうしてまた、それからどうしてそういうことをいまここでお知りになりたいのかもちょっと解しかねるわけです、私をして言わしめれば。とにかく国民がもどかしがる、皆さんももどかしがるということは、これはごもっともですけれどもね、何遍も申し上げているとおり、この捜査というものは秘密にやらないと逃がしちゃいますから。この前も申し上げましたように、鳴り物や太鼓で追い出すというようなわけにはいかないんで、みんなもどかしがってはおられますけれども、本当なら、昭電疑獄にいたしましても造船疑獄の場合にいたしましても、内偵期間というものが一年ないし六カ月はあったわけです。それから逮捕に踏み切るとか、そういうところへ突入していくわけでございます。これはあなた、国境を隔てたこの難問について三カ月で、一年かかるあるいは六カ月かかるべき内偵の状態を三カ月でやり上げてここまで来たということは並み並みならぬ努力であるということを察知していただけませんでしょうか。そういうことでございますので、これからいよいよ核心に触れていく。初めてきょう正式な私の答弁として贈収賄という言葉を正式に使って、そこに突入していくんだと、こう申し上げているんですから、いましばらく耐えがたいもどかしさをじっとこらえていただくのが、真相究明を早めるとおぼしめしいただきまして、いましばらく見守っていただきたい。決してうやむやになぞできる情勢ではない。私も真剣です。 以上申し上げます。
○秦豊君 あのね、稻葉さん、あなたはもちろん言うまでもなく法律学の泰斗である。あなたのそのいわゆる主観的な善意は私もそこはかとなくわかるつもりだ。しかし、いまの答弁聞いていますと、なぜ私、つまり秦が稻葉さんに対してそんなことを知りたがるのかと言われましたね、それを聞きまして私ようやくわかったことは、やっぱりあなた、これほど、事件の真相を知りたい、どす黒いことをした男はだれとだれだ、許しがたいと、しかも構造はこんなに根深いんだとだんだん薄紙をはぐように解明されつつある、百十数日間も出されている、そういういわゆる国会の中じゃなくて、国会の外から国会の中を見詰めている国民の熱いまなざしとかいら立ちとかという実感は、残念ながらあなたにはまだよくわかっていらっしゃらない。私がそういうことを聞くというのは、いわばそういういら立ちを代弁しているんですよ、あなた。そうなんですよ。そういう問題なんですよ。あなたはもちろん捜査上の機密、その最高責任者、いわゆるああいう言葉しか用意しないというのはあなたの職能ではあっても、たとえばあなたの中間的報告に即して具体的に聞けば、範囲はあなたは堂々と述べた、人数も百八十人とあえて再言し強調した、児玉譽士夫とその周辺と言った、丸紅、民間及び官庁関係者とまでずばり明言をして、そうして特定をしたにもかかわらず、なぜ政治家だけが除外されているのか。政治家が一人も介在しない、政治家が一人も任意取り調べさえ受けていないというふうなことを常識的にあなた信頼できますか。信頼してもらいたいと言う方が無理じゃありませんか。どうなんですか、重ねて聞きたい。
○国務大臣(稻葉修君) 官庁関係者と申し上げているんですから、ガバメントトオフィシャルズ、それに政界が入っていないのはどうしてかということですけれども、大体御想像になれるんじゃないでしょうか。
○秦豊君 官庁関係者、なるほどその中には政務次官だろうが何だろうが入りますよね。大臣も入ります。だけど、いわゆる政党関係者、元、前あるいははるかに以前も含めて——昭和四十七年だからそれほど古い話ではないにしても、では官庁関係者の中には私が質問をした政治家が含まれているという理解は妨げませんね。
○政府委員(安原美穂君) どういう方を調べたかということについて、いわゆるカテゴリーを申し上げました以上、政界が入っていないということは、政界人をまだ取り調べたという報告を受けていないということでございます。
○秦豊君 官庁関係者の中には、政務次官クラスを含めていわゆる政治家というカテゴリーは含まれていないとあなたは確言したいんですか、どうなんですか。
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のとおり、政務次官を含めて政界の方は取り調べをしたという報告は受けておりません。これは前回も私、秦委員のお尋ねに対してお答えしたとおりでございます。きわめて抽象的に申し上げますならば、本来内偵を重ね、数カ月を重ねて突如表に浮上するごとく、公然たる捜査に移るという過程が、今回の事件はアメリカに端を発しまして、公開捜査のような形で来ておりますために、内偵という段階が非常に省略されておりますので、公開捜査の後におきましても、アメリカから入手した資料あるいは国内で入手した資料を基礎にいたしまして、強いて言うならば、まだ内偵の段階であるということが、すなわち御疑問の政界の方々からまだ事情を聴取していないということの一つの理由にもなろうかと思います。
○秦豊君 そんなにあなた方お二人は身近に、隣り合わせ座りながら、稻葉法務大臣の言われた私に対する答弁のニュアンス、つまりカテゴリーの問題、範囲の問題とあなたのは明らかに違っているんですよ。お気づきになりませんか。つまり、官庁関係者の中にとまで言えば、後は御想像に任せますよと言わんばかりの稻葉さんの答弁と、あなたのは明らかにくっきり違っているんですよ。どちらが、中間報告に即して言えば本当なんですか、どうなんですか。もう一度明らかにしてもらいたい。
○政府委員(安原美穂君) これは大臣に対する私の説明不足でございまして、この官庁関係者というのは、いわゆる本来の役人ということでございまして、政務次官を含め政界に身を置かれる方々は官界関係者であろうと入っていないというのが事実でございます。
○秦豊君 あなたの答弁というのは、あなたはいわゆる専門家の間では非常に守りがかたくて、ガードがかたくて、ミスター・ニエットと言われておるぐらいだから、それは答弁の完璧さはなかなか大したものだと思うが、あなたの報告が足りないから稻葉さんがああいうやや微妙なニュアンスのこぼれた答弁をされたのか、その点はどうなんですか。あなたの報告が悪いのか、稻葉さんの発言の方が正当なのか、依然としてわかっていませんよ。
○政府委員(安原美穂君) 私の報告が不十分でああったゆえでございます。
○秦豊君 では、これはもうずっと在来ひっかかってきまして、きょうは本国会における最終円になっているんだが、依然としてロッキード隠しはおろか、政治家隠し、どす黒いことをした政治家の人権のみが過度に保護されてきたし、また今後とも保護されようとしている。こういう疑惑をさらりと捨てて理解してくれという方が、あなた方の方が無理です。これは。 それで少しポイントを変えて質問を続けたいと思います。 先ほど稻葉法務大臣からは、同僚の野田議員が聞いた、いわゆる報道を引用しての「検察にも〃サザ波〃」という表現を引用しても、いや毅然としてやるやるという答えはすでにあったわけなんだけれども、しかし、きょう終わりますと、いわゆる椎名さんを中心にした政変工作組は勢いを得てテンポを速める。現実にあなた方が属している自由民主党は、恐らく予定が変わらなければ二十五日には総務会を開いて、そして今後の政局に対する、たとえば三木退陣云々を議題にするかどうかはもちろん議員総会の権能とか何かがあるからわからないとしても、少なくとも議員総会では、いままで密室で行われた議論が、あるいは総務会の一部で行われた議論が、今度は堂々と公開の場で、総務会という場か議員総会かは別として論議されようとしている。こういう最も切迫した時点を含めて、なおかつ稲葉法務大臣は、毅然とした方針を貫き、今後とも動揺しないという決意であるのかどうかを重ねて念のために伺っておきたい。
○国務大臣(稻葉修君) 秦さんは自民党のことをよく御存じなようでありますが……
○秦豊君 周知の事実です。
○国務大臣(稻葉修君) 国会が終わると、何というか、退陣要求がいよいよテンポを速めるとか、そんなような前提でお聞きになりますが、そんなにテンポは速まるでしょうか。何だか静まりいくというふうにいきそうな気もするんですよ。
○秦豊君 結構です。
○国務大臣(稻葉修君) ですから、私は、検察当局は意気込みとして−警察でも国税でもそうですよ、そんなあなた、政権のいかんによってうろちょろするようなことであってはならないですよ。当然な話じゃありませんか。それはそれとして、福田赳夫さんのおっしゃるとおりです、それは。だれがやったってロッキードについて究明の手が緩むものじゃない。それはそうでしょうが、しかし私は、なるべくざわつかない方が、それは非常に頭脳的な捜査を必要とするんですから、まあ試験勉強のときにマージャン誘いに来たりされちゃ困るから、そういった意味で、まあざわつかない方がいいなと、そういうことを私が言うのも、検察当局を鼓舞激励する立場にある私としては老婆心として言って差し支えないことじゃないでしょうかな。断じて、どんなことがあろうとも検察当局が、このロッキード隠しなどということができるわけがない、だれだってできるわけがない、どんな人だって、各党ともできるわけがないですね。だから、自民党内にいろいろな議論があっても、いずれの議論においてもロッキード隠しのために議論をしておるなんということは全くありません、それは。
○秦豊君 結構です。それで、あれですか、国会もきょうで閉会をいたします。もちろん関係委員会では閉会中審査が、特にロッキード関係では週二回の速いテンポで精力的な審議が行われることは御存じのとおりです。検察陣も、捜査当局も、国会閉会に当たって、では、それほど決意に燃えているあなたの意向を体して、改めてたとえば何何会同とか、しかるべき会議の場を開いて、全国的に招集をして、あるいは東京なら東京、地検、高検、最高検ランクで、改めてあなたが決意を表明し、部内の引き締めをなさるというふうな予定はあるんですか。
○国務大臣(稻葉修君) 御承知のように、これから、先ほども申し上げましたように、アメリカ関係の調査も進むんでしょうから、その段階で、重大だとあれば検察の会同を開いて法務大臣に報告があるべきものです。決まっている。しかし、国会が終わって、あしたからロッキード問題調査特別委員会が発足をしていくと、だから、この機会にというて特別にやる必要があるかどうかは検察庁が判断するでしょう。まあ事態の新たな進展がない限り、国会が終わったからということのために特に会同しようというようなことはあるかどうかわかりませんね、そういう意味での会同があるかどうかは。全部信頼して私は見守っておると、こういうことでございます。
○秦豊君 さっきの稻葉法務大臣の報告の中に児玉譽士夫の病状があったんですが、先日のこの委員会でも私少し聞きましたけれども、あの収監問題に絡めて伺ったはずです。それで安原さんからはしかるべき答弁を受けておりますが、いまのあなたの報告によると、私が思ったより取り調べ時間が、三時間−休憩をはさみながら、確か短時間でなくて三時間とおっしゃったんですね。
○国務大臣(稻葉修君) 短。
○秦豊君 短ですか三ですか。
○国務大臣(稻葉修君) 短。
○秦豊君 短ですか。それでどうなんですか、依然として東京女子医大の喜多村教授が主治医であると、満幅的にこの喜多村教授の診断が前提になっており、根拠になっているから、今後といえども、新しく医師団を派遣して病状を診断し、その判断を参考にして児玉に対する新たな措置を考えるというふうなことは、今後とも考えられないんですか。
○政府委員(安原美穂君) 現在のところ、主治医である喜多村医師の診断に対しまして、諸般の状況から検察当局といたしましては疑問を差しはさんでいない、差しはさむ余地はないというふうに聞いております。したがいまして、児玉に対していわゆる任意捜査、在宅事件として任意取り調べを続行している現在におきましては、検察当局といたしましては、児玉本人あるいはその家族が非常に信頼しておる喜多村医師の診断に目下のところ任せておると、そして特に疑問を差しはさむ余地がないというのが現状でございます。
○秦豊君 それから、これはこの前の委員会の継続で、刑事局長ね、あなたの答弁ではなおかつ納得ができない点を一点だけお伺いをして、それから次の質問をずっと展開をしていきたいと思います。 あなた方とアメリカ側のやった、例の司法取り決めと言われているものですね、「このロッキード・エアクラフト社問題に関する法執行についての相互援助のための手続」という長い取り決め、これを恐らくあなたは踏まえて言われたと思うんだが、訪米議員団は確かに帰ってきた。その訪米議員団のワシントン滞在中に日本に引き渡された二千ページを超える資料の中には、何らかの意味でロッキード社と政府高官との贈収賄の裏づけのあるデータが含まれていると、ヒルズ委員長というまことに口のかたい委員長があえて確信をされた。それを受けて果たしてそういう資料なのかどうかと聞いたら、あなたはその種類のことはお答えできませんという一点張りであった。しかし、これはある政治家の名前を特定せよと迫ったわけでもなく、あるいは具体的な事件の項目を聞いたわけでもない、資料全体の評価をあなたに聞いたにもかかわらず、あなたはいわゆるこの辺を踏まえての答弁であろうと思うんだが、前回の委員会程度の答弁でしがなかった。しかしヒルズ委員長は、私たちが渡した資料にはよく読んでもらうと贈収賄の裏づけがあるんですよと言い、あなた方はそれを受け取った立場なんですね、その種類の評価、これを表明することさえこの取り決めに抵触をするという根拠は一体何です、これ。全体的にそうなんだと言ってしまえば身もふたもないわけなんだが、改めてそのことを聞きたい。その程度の評価をあなたがこの委員会で漏らすことがなぜ日米間の司法取り決めに抵触するのか、この点どうも納得がいかぬ。改めて聞いておきます。
○政府委員(安原美穂君) いまのような資料の評価は、要するに資料の内容を公にすることでございますので、取り決めの第四項で、その資料は「その秘密が保持されなければならず、」という規定に直接該当いたしますとともに、先般秦委員から刑事訴訟法四十七条の訴訟に関する書類の中にはどういうものが入るかというお尋ねのときに、捜査上入手した資料である文書もこの中に入りますと申し上げました。したがいまして、わが国の国内法の四十七条のたてまえからいきましても、公判前においては公にしてはならないという四十七条本文に当たる訴訟に関する書類になりますので、いま捜査の続行中の現段階においては、それを明らかにすることは御猶予願いたいというのが取り決め並びに国内法の関係からいっても、いまの段階ではひとつ御猶予願いたいというのが私が言おうとするところでございます。
○秦豊君 さっき法務大臣の報告の中に、児玉の脱税に関する調査の年次が四十七から始まって、四十八、四十九にまたがっているというたしか説明がありました。それを踏まえて伺うんだけれども、大蔵側に伺います。 児玉譽士夫の脱税に関しまして、韓国外換銀行の調査をあなた方なさいましたか。
○政府委員(横井正美君) 今回の事件が起こりましてから、私ども今日まで銀行調査につきましては七十一行、約百九十店舗を銀行調査いたしておるわけでございます。そのうちには数行の外国銀行が含まれておるということでございます。私どもその銀行調査を通じまして、児玉譽士夫をめぐる資金の流れと、資産形成の実態を解明いたす努力をいたしておるわけでございますが、現在なお調査続行中でございますので、韓国外換銀行が含まれておるのかどうか、あるいはその銀行調査の内容はどうであるかということにつきましては、調査に悪影響を及ぼしますことでございますのでお答えを差し控えさしていただきたいと存じます。また、私ども調査の過程で知り得ました秘密を公表できないということにつきましても御理解をいただきたいと思います。
○秦豊君 次長ね、その銀行七十一行は日本と外国の銀行の総数ですね、七十一行は。数行の外国銀行があったというところに、マニトラ云々は別として韓国外換銀行があったんじゃないですか。あなた方がこの場で守秘義務を背中にがっちり背負って、堂々とここに出ておるわけなんだけれども、あなた方は田中金脈のときにやったことを覚えていますか。室町産業の関連産業についてわが党議員が質問をしたときに、最初はあなた方は守秘義務だ守秘義務だ、国家公務員法だと言った。ところが最後の段階では、たしかわれわれの知るところでは室町産業等の関連産業については社名を挙げたんですよ、社名を。事実として残っています、これは。それと、今回の児玉譽士夫の脱税に絡む銀行の七十一行に及ぶ調査の中で、質問に対して、いまは捜査上の問題、守秘義務、お答えできませんと言うことは明らかに矛盾していますよ、どうなんですか。
○政府委員(横井正美君) 御指摘のように、田中前総理の資産問題の国会審議に当たりましては、若干の関係会社名等を申し上げたことがございます。これは明らかに田中前総理の関係があるという公知の事実というふうなことになっておりましたような事情もございまして申し上げたようなことでございます。 御質問の銀行等に関しましては、私どもの調査の続行上支障になるということ、また預金者の利便等考えますと、この段階では申し上げることを差し控えさせていただきたいと、かように考えるものでございます。
○秦豊君 では次長ね、あなた方がいろいろな銀行を調べますね、それを行う場合の根拠になっている法律というのはどういう法律で、どういう条項に基づいていますか。
○政府委員(横井正美君) 今回は児玉譽士夫に対する国税犯則取締法に基づく調査をいたしておるわけでございますが、国税犯則取締法の第一条に基づきまして金融機関の調査をいたしておるわけでございます。
○秦豊君 東京商銀という韓国系の信用組合のことは御存じですか。
○政府委員(横井正美君) その銀行名について聞いた記憶はございます。
○秦豊君 さっきの韓国外換銀行は、頭取の人事については朴正煕大統領が直接任命をする等、韓国の新興財閥、例の小佐野賢治の刎頸の友、趨重勲、韓進財閥等々とは密接な関係、町井久之とも密接な関係、これは言うまでもない、一線につながっている銀行です。不実企業に対する不正貸し付け等々も周知の事実、もう悪名の高い銀行なんです。したがって、児玉の脱税を調べ、隠し預金を調べれば当然韓国外換銀行、東京商銀等々に広がっていくのは、まじめに捜査をしようとする捜査当局にとっては常識中の常識と思うから聞いているのであって、さらに質問を進めるけれども、この東京商銀というのは、もちろん言うまでもなく韓国系の銀行なんですね。私どもの調査によると、あなた方が挙げた銀行七十一行、銀行的金融機関、信用組合を含めまして、すでに富士、三菱、三和、東海、拓殖銀行、不動産銀行、そうして一平和相互、国民相互、チェース・マンハッタン、バンク・オブ・アメリカ、そうしてさまざまな銀行が羅列されていて、東京商銀もそれに入っているというわれわれは心証を持っている。しかも東京商銀というのは、私が前述したごとく、いわゆる日本に居住している韓国籍の事業活動に資すると、たとえば定款によると、在日、在京韓国人の経済活動を促進し、その経済的地位の向上を図るための便に資すると、金融事業を行うと、こうなっているんですけれども、これはあなたの挙げた銀行の中に必ず含まれていると私どもは思っている。 で、あなたは聞いたことがあると言われましたね、事実立ち入り調査を行っていませんか、それも答えられませんか。
○政府委員(横井正美君) 御指摘の銀行の性格等につきましては、おっしゃいますように公知の事実だという点も多々あるわけでございますが、しかし、それは児玉譽士夫といかなる関係になるかというふうなことになりますと、私どもやはり調査の遂行上の見地からいたしまして、いまの段階で申し上げるわけにまいらないわけでございます。 御指摘の二つの銀行とも、銀行調査をしたかどうか、内容がどうかということについては答弁を御容赦願いたいと存じます。
○秦豊君 私並びに私どもの調査によりますと、ロッキード問題が噴き上がったころに、東京商銀の理事会が連日緊急に招集をされてあわただしい往来があったと聞かされている。児玉譽士夫、町井久之、つまり鄭建永、それから趨重勲、さまざまなつながりがあるし、韓国外換銀行とのつながりももちろん密接である。そして韓国外換銀行、大和銀行という系列につながっている。これは児玉譽士夫をあなた方がトータルとしてとらえようとする場合に、ロッキード事件を本当に真剣に解明しようとするならば、ぜひとも、たとえば東京商銀、神戸商銀、不動産銀行等々との連関の中でとらえ直す必要があると私どもは思っている。たまたまここに私が上せたのは東京商銀という一金融機関であるが、これはあなたにこれ以上聞いても、いや知りません、存じません、聞いたことはありますという程度のことでしかないから時間のむだだ、やめるけれども、今後厳重に調査をしてもらいたいとこういうことを特にこの東京商銀については要望をしておきます。それについてはどうなんですか。
○政府委員(横井正美君) 私どもは、事件の発生以来、事件の全貌解明ということで必要な調査を精力的にやってまいっておる一わけでございます。今後におきましてもその点は同様でございまして、事件の解明に鋭意努力をしていきたい、そのために必要な金融機関調査等は十分にいたしたいと、こういう所存でございます。
○秦豊君 それから、先ほどの稻葉報告にこれは関連します。児玉譽士夫は四十七年度分については所得税法違反でこれを起訴されたと、まあそのとおりですね。四十八年、四十九年についても調べているという中に、五十年、それから四十七年以前の期間が含まれておりますか。
○政府委員(横井正美君) 去る三月十三日に私ども児玉譽士夫の四十七年分所得税法違反容疑で検察当局に告発をいたしましたわけでございますが、と同時に、四十五年分、四十六年分、四十一年分につきまして課税の処理を玉川税務署長より行っておる次第であります。今後におきましfは、四十八年分以降の脱税につきまして引き続き鋭意調査をいたしまして適正な処理をいたしたいと、かように考えております。
○秦豊君 次長、これひとつ答えてください。児玉譽士夫、四十七年分の基礎金額ですね、これ肝もうちゃんとはっきりしている。それと、同年、つまり四十七年の更正決定ですね、これはどれぐらい差があったんですか。
○政府委員(横井正美君) 金額につきましては出し上げることを差し控えさしていただきたいわけでございますが、調査の過程におきまして発見いたしましたものを加えまして三月十三日に課税処理をいたしておるわけでございます。先ほど法務大臣より御報告がございました金額よりも多い金額で課税処理をしておるということを申し上げさしていただきたいと思います。
○秦豊君 あなた方こういうことの専門家ですから、勘どころは絶対に外さないとは思いたい。しかし、児玉譽士夫というふうな怪物をとらえる場合に、四十五年を起点にして、例のトライスタ導入の二年前、これではだめなんですよね。児玉譽士夫の巣鴨以前、一九四五年、場合によってはそれ以前というところからトータルに歴史的にとらえないとあんな怪物のしっぽはつかまりませんよ。まるで事務的に四十五年から五十年までと、恐らく私は大魚は逸すると思う、今回もまた。だけど、児玉譽士夫の資産形成という観点でとらえなきゃいけないんでしょう。ロッキードとの秘密契約とか、いやコンサルタント料とか、それリベートとかいう観点だけではなくて、あの児玉譽士夫という人間全体をどうとらえるか、これはまさに事件にどう迫るかのあなた方の力量と、あるいは角度と、それがどの程度的確か、これを左右するわけなんだから、やはり児玉の資産形成については、ではいつごろからトレースをしているのか。いまちらついた答弁では、四十五年がたしかちらっと聞こえたんだが、それ以前は全然それじゃ捨象されているんですか、手がつかないんですか、つけようという気はあるんですか。その辺を聞いておきたい。
○政府委員(横井正美君) この点につきましては、昨年の田中前総理の資産問題の際も御答弁したことでございますが、私ども、こういう問題が起こりますとできるだけさかのぼって調査をいたし、事件の全貌を明らかにするという努力はいたしておるわけでございます。しかしながら、課税権限、したがって調査の権限は、偽り、不正等がございます場合が五年間、そうでない場合が三年間ということでございます。したがいまして、六年前あるいは七年前ということになりますと、できるだけ解明の努力はいたしますけれども、権限のないことでございますし、また、明らかになりましても課税はできないということになっておるということを御了解いただきたいと思います。
○秦豊君 次の質問をすると、委員長から言われている時間をまたぎますので、以後は一切午後の私の枠に留保したいと思います。
○委員長(中山太郎君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 —————・————— 午後一時三分開会 〔理事加藤武徳君委員長席に着く〕
○理事(加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、法務省設置法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。 秦君の質疑を続けてください。
○秦豊君 午前中ちょっとあいまいであった点を確認してから本論に入ります。 児玉譽士夫の四十七年分の基礎金額と更正決定の差、これについて質問したときに、計算したら差があると、それはあれですか、その差というのはロッキード事件に直結をした対象の金額ですか、それとも関係のないものを含んでの金額ですか、その点どうですか。
○政府委員(横井正美君) ロッキード社以外の関係につきましても私ども調査をいたしておりますので、そういうロッキード関係以外のものの所得を加えましたところで更正をいたしておるという意味でございます。
○秦豊君 ここ一週間前から、おたくの内部から表に向かっての銀行関係の調査がきわめて精力的である、一行二行ではなくて五行以上十行に近いときもあるというふうなこともこぼれていますが、こんなことを聞いてもあなた方はそうですというはずもないケースなんだが、それはやはり事件の全容をとらえるための努力の一環であり、ロッキード以外の所得に関するさまざまな容疑線上の人々に対する調査の一環というふうに理解できますか。
○政府委員(横井正美君) 午前中にも申し上げましたように、児玉譽士夫の資産の形成、それから児玉譽士夫を通ずる資産の流れ、これらを解明するために金融機関の調査を毎日相当数の店舗について精力的に行っておるわけであります。 資金の流れと申しますのは、もう少し具体的に申しますと、児玉譽士夫への入金がどこからどう流れてきたかということ、あるいはまた児玉譽士夫の預金等がどういう金融機関等を通じて流れていっておるかというようなこと、そういうことも含めてやっておるわけでございます。したがいまして、まあ、一面から申しますと、金融機関の調査と申しますのは、その金融機関と児玉とが直接関係があるかどうかということに関係なく、非常に広く行われておるということを申し上げておきたいと思います。 〔理事加藤武徳君退席、委員長着席〕
○秦豊君 いまのあなたの話で少しわかったことがありますが、つまり児玉の資産形成を総合的にやや歴史的にとらえ直そうとしている。常道だと思うのですがね。そうしますと、たとえばごく最近の報道でも、映画会社松竹の株の取得をめぐって児玉が活動をし、莫大な謝礼を云々という報道がありました。つまりロッキードと児玉という平面的なつながりではなくて、フィクサーとか、あるいはまとめ役、黒幕的な全体としての児玉譽士夫の資産形成あるいは金の流れ、こういうものをトータルにとらえるべく肉薄しつつある、こういうふうな理解があたりまえなんですね、これでいいんですね。
○政府委員(横井正美君) 特定のどのフィクサーの仕事ということは申し上げることは差し控えさせていただきますが、いろいろなそういう情報を、私ども、もとにいたしまして、全容をとらえるべく努力をいたしておるということでございます。
○秦豊君 さっきから横井次長の話を伺っていて何かこう感じられることは、法務側はさっき野田議員に対して野党ひとしく要求をしていた中間的報告というのを、最後の場として、稻葉法務大臣から概要、さして漸新ではないが、場としては最終の大詰めぎりぎりの委員会におけるという、タイミングがよかったのだが、横井さんの方もやはり関連して、国税側としてこれまでなしてきたこと、当然法務側との連関はもちろんありますよ、しかし、おたくの問題提起を待って初めて捜査側が動くというケースが多いわけですから、あなた方が今日これまでになしてきた活動の中間的ないわば報告というものを一さっき銀行の数を聞いたらばんと七十一行という数が出てきたのですよ、店舗数まで。で、思われたわけですが、あなたがいま手持ちの資料の中に、法務側に対応するような国税当局としての中間的な報告をなす用意がありますか。
○政府委員(横井正美君) 法務御当局の御報告ほど詳細ではないかもしれませんが、御報告する用意はございます。
○秦豊君 ちょっとじゃ、ここで述べてください、どうぞ。
○政府委員(横井正美君) 読み上げるほどまとめてはございませんが、概略御報告をさしていただきます。 最初に申し上げますのは、事件の発生当時のことでございますが、二月の四日、六日の米国上院の外交委員会多国籍企業小委員会の公聴会の証言等が新聞で報道されまして以来、私どもはこれを児玉譽士夫の脱税に関する新しい事実としてとらえまして、早速、東京国税局直税部資料調査課及び同局調査第二部が所得税法、法人税法に基づく実地調査を行うことといたしました。 その結果、所得税法に違反いたしまして脱税している疑いが濃厚になりましたので、二月二十四日、国税犯則取締法に基づく強制調査を東京地方検察庁と共同で行ったわけでございます。二月九日ごろから二月二十三日ごろまでの間におきましての金融機関の調査は十八行、二十四店舗という状況でございます。調査従事人員は約四百五十五名でございます。 強制調査の状況等でございますが、二月二十四日、二十四カ所にわたります強制調査を行いまして、差し押さえました物件が二千六百点余りでございます。それ以来、連日にわたります金融機関等の調査、物件の解明等いたしまして、三月十三日、昭和四十七年分につきまして所得税法違反容疑で検察当局に告発いたしたわけでございます。その内容、金額、これは法務御当局から御説明になったものと同様でございます。同日、あわせまして四十五年分、四十六年分、四十七年分につきまして、午前中申し上げましたようなところで課税の処理を行ったわけでございます。また、これに対しまして三月十三日、繰り上げ徴収の通知をいたしまして、三月十五日には所要の債権確保の措置を講じております。 なお、その段階におきまする金融機関の調査件数等を申し上げますと、二月二十四日から三月十三日までの間には金融機関等五十三行、百十七店舗を調査いたしております。事情聴取の関係者は約百名でございます。調査従事人員の延べ人数は約三千二百人でございます。 次に、三月十三日以降の状況でございますが、引き続き四十八年分以降の脱税容疑につきまして相当数の査察官を動員いたしまして鋭意調査を行っており、できるだけ速やかに適正な処理を行いたいと考えておるわけでございます。 三月十三日以降、三月十四日から五月二十二日までの間におきまする金融機関等の調査は四十二行、九十八店舗、事情聴取関係者が約百人、調査従事人員数が延べ約二千名でございます。 二月の上旬におきまして調査に着手をいたしまして以来の金融機関の調査のダブリを除いて集計いたしますと、けさほど申し上げましたように七十一行、百九十店舗、事情聴取の関係者は合計二百名ぐらいでございます。また、従事人員の総数は約五千名ということになっております。 以上でございます。
○秦豊君 御苦労さまでした。 今後の横井次長の方としての取り組み、だんだん網はしぼりますからね、突き合わせますから、データを。今後の重点はどういう方向を志向するんですか。いま積み重ねられた立ち入り調査、捜査、取り調べ、これを集大成してしぼっていく、今後の重点はどっちを向いていくんですか、どうなんですか。
○政府委員(横井正美君) 私どもといたしましては、御承知のとおり課税処理ということが最大の使命でございますから、児玉譽士夫を中心にいたしまして、その周辺の人、あるいは周辺の会社等も含めまして適正な課税処理を実現するということに集中をいたしたいと考えております。
○秦豊君 法務側に伺います。 いまの児玉の増収賄成立について捜査中なんですけれども、将来ある段階で起訴にすべてを持ち込むと、量刑を請求するという場合ですね、これは児玉とは一体いかなる役割りを果たしたか、戦後の歴史の中でどういう人物かという体系的、総合的な捜査、調査というのは、ぜひとも私は基礎的に必要であると思うんですよね。国税側は資産形成についてかなり長い年月にわたって児玉をとらえようとする、法務側は、私のいま言ったように、量刑を請求する場合でも児玉の果たした役割り、背景、つながり、こういうものを明らかにしないと、その量刑自体があいまいになり、根拠を失う、あるいは薄弱になるという観点で、児玉を総合的にとらえるべく戦後の児玉譽士夫というのは総合的にいま調査の対象になっているのかどうか、安原さん。
○政府委員(安原美穂君) 児玉本人の非行につきましてどの程度の捜査が進んでいるかということでございますが、先般大臣も、先ほど御報告ございましたように、あくまでも、ただいまの検察の重点はロッキード社の企業活動というものが日本国内で行われたことの関係におきまして、児玉がコンサルタントその他としてどのような活動をしたかという資金の流れを中心に捜査が進められておるわけでございまして、あくまでも、先ほど御報告申し上げましたように、所得税法の違反の有無、外国為替管理法の違反の有無及びその資金の流れの過程において贈収賄というものが発見されるならば、まさにそのこと自体も捜査の当然に対象になるというのが中心でございまして、いま秦委員御指摘のように、量刑の事情として児玉譽士夫の人格なり動機なりをどの程度捜査の対象にすべきかはこれからの問題でございまして、ただいまの段階で、直ちに彼の全ヒストリーを調べることが必要であるかどうかということは、私自身いまの段階では判断いたしかねます。
○秦豊君 あのね、刑事局長、私の言っている意味はですよ、児玉譽士夫という大きな容疑に包まれた人物に肉迫する場合に、ロッキード、たとえば昭和何年という時点でばんと切るんじゃなくて、終戦後の児玉なんというのは全然あなた方の範囲には入っていないのか、たとえば児玉譽士夫とCIAというふうなことがすでに世上に流布されており、かなりな根拠を持って語られているときにもかかわらず、捜査当局の関心、対象というのは、あくまでロッキード、贈収賄、秘密契約、こういう観点に限定されているのですか、非常に狭く。それはおかしくはありゃしませんか。
○政府委員(安原美穂君) あくまでも、中心を児玉の先ほど申し上げたような事柄に置いておるということは事実でございますが、およそ検察当局は、そういう捜査の過程で犯罪が発見あるいは不正行為が発見できるものならば、そのことについても検察の手を進めるということは申すまでもございませんが、いまおっしゃるようなところにまで調査、捜査が進んでいるかどうか、私自身承知いたしておりませんので、ここで申し上げるわけにはまいりません。
○秦豊君 児玉の身辺保護、あの飛行機事件以後、身辺の保護、これはいまどうなっているのですか。
○説明員(柳館栄君) 児玉につきましては、右翼その他からの危険が及ぶおそれがあると考えまして、警視庁では現在所轄署で常時、警察官五名でございますけれども、これを配置いたしまして、児玉邸周辺の警戒に当たっておるということでございます。
○秦豊君 以下、たとえば伊藤宏、シグ・片山、これはいま向こうに帰っておるようだが、あるいは鬼俊良、入院中の福田太郎、いずれもが事件のキーポイントを握っている重要な人物なんですね。だから、これについての身辺保護についてはその意味で万全なわけですね。
○説明員(柳館栄君) ただいま御指摘の関係者につきましてでございますけれども、これは現在のところ御本人からの申し出がございません。それからまた、具体的に危険が及んでいるという判断も、現在の段階ではそういう判断に立っておらないわけでございます。したがって、特別の身辺警備をいたしておるということではございません。ただ、それぞれの所轄署がございますので、それについてのパトロールの強化ということだけはいたしております。したがって、今後、捜査その他の進展によりまして、やはり危険だというような情勢の変化が出てまいりますれば、当然適切な警備対策を講じていかなければならないと、こう考えております。
○秦豊君 大久保とシグ・片山、福田と鬼、児玉、小佐野と、こういうリンクをつなげるこのつながりに関する捜査、これは進んでいますか。そのようなことは機微に属していて答弁の対象ではありませんか、どうなんですか。
○説明員(柳館栄君) ただいま御指摘のようなことにつきまして、詳細申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
○秦豊君 じゃ、ディーク社の役割り、ロッキード事件とディーク社についての捜査についても同じような答弁しかあり得ませんか。
○説明員(柳館栄君) ロ社につきましては、新聞等で御承知だと思いますけれども、警視庁が三月十四日から二十三日まで捜査員を香港に派遣するなど、捜査はいたしておるわけでございます。しかしながら、やはりその内容がいかがかということにつきましては答弁を差し控えさしていただき たいと、こう思います。
○秦豊君 児玉とCIAの関係、ディーク社については、もう情報過剰なぐらい行われているわけだが、ずばり、あなた方の考え方では、児玉譽士夫というのはCIAの一員と疑うに足りますか、それとも全く荒唐無稽な、これは情報程度のあれにすぎないというふうに言い捨てますか、どうなんですか。
○説明員(柳館栄君) ただいまのような御質問でございますけれども、それにつきまして私がここで申し上げることは適当でないと考えられますので、御勘弁をお願いしたいと思います。
○秦豊君 いまCIAの違法活動というのがアメリカでも調べられているし、日本に対しても暴露されつつある。これは法務側に聞きますが、CIAの違法活動自体全般を、日本におけるCIAの活動について今後捜査をするつもりがあるか、全くないか、こういう点を聞きます。
○政府委員(安原美穂君) どういう犯罪が成立いたしますものか、CIAの違法活動、いわゆる広い意味での主権侵犯のような行動等につきまして、私ども具体的な情報を得ておりません。それにいたしましても、何らかの犯罪を構成するということになれば、検察当局としては公正に、厳正に処理すべきものと思います。
○秦豊君 このCIAという、中央情報局という存在自体は、いわゆる日本にそういう要員が入国をし活動している場合に、あらゆるCIAの要員には外交特権などはよもありゃしませんでしょうね。ないでしょうね、CIA要員に外交特権的保護というか。
○政府委員(安原美穂君) やや私の所管外でございますが、御同席の入管局長にお伺いしますと、大体CIA要員と公称して入ってこないわけでございますので、その辺の点が必ずしも明確でないということでございます。
○秦豊君 ことしのたしか二月二十三日だと思ったんですが、報道各社、マスコミ各社が福田太郎に対して質問書を出したんですね、そのときに福田太郎は、児玉とのつき合いの最初の糸口は、巣鴨で児玉さんの奥さんに会ったのが糸口であって、児玉さんが釈放されて以来のつき合いですと、こう答えている。恐らくこの辺の調べはかなり進んでいると思うが、そのように捜査当局は考えていますか。
○政府委員(安原美穂君) 児玉氏に関連する以上、当然に福田太郎氏も重要な参考人であることは事実でございます。
○秦豊君 そんなことはあたりまえですよ。いまあなたから事新しくというか、ことさらに答弁していただくほどの問題ではない、あたりまえ、常識中の常識。ただ、福田太郎と児玉譽士夫とのつながりはいつごろから芽生えたかと、それをどの程度突き詰めたかということを聞いている。
○政府委員(安原美穂君) 私は当然調べておると思いまするけれども、その具体的な報告は受けておりませんので、ちょっとお答えいたしかねます。
○秦豊君 児玉の著書の中に、「われかく戦えり」とか「我敗れたり」という著書があるんですね。これを調べていくと福田太郎と児玉譽士夫の連関がおのずからだれにでも明らかになると思われるんだが、そういう著書のことぐらいは調べたでしょうね。報告がなかったんですか、それも。
○政府委員(安原美穂君) 報告がないだけでございまして、恐らく秦委員御指摘のようなことも含めて調査の対象にしていることと私は思います。
○秦豊君 この「我敗れたり」という本は、当時あらゆるマスコミの報道が占領軍のCIE、民間情報局の監督下にあったから——ニュースからすべてそうです、で、これも占領軍のCIEが出版することを許すという検印が押してある。これを見ると、福田太郎が言っていることがうそであるということを書いてあるんだな。つまり、「我敗れたり」という本というのは、もともと、国家主義者であった児玉譽士夫がA級戦犯容疑者として巣鴨の拘置所に入っていたそのときの記録なんですね。その記録というのは、当然連合軍総司令部の法務局長A・C・カーペンターに提出をした口供書、形式は口供書、それを本にリライトしたわけですよ。それを見ると、これは福田太郎が書いているんだけれども、自分はたまたまこの口供書の英訳を担当するに当たって強く感じられたことは、昭和年代における実際の政治経済の情勢を把握するにはまことに好適にして貴重な記録であるという点を痛感したと、これはまあ福田太郎のコメントが書かれている、そこに。ところが、当時の劣悪な出版事情、せんか紙時代ですからね、本の企画をして出版するまでには最低七カ月から八カ月、早い場合で七カ月、まあ普通の場合は十月以上かかったんですね、十一カ月という例もあるが。したがって、出版事情に詳しい人に聞くととてもそれ以下ではできなかった。ところが、福田太郎と児玉のつながりが、福田太郎が言っているがごとく、巣鴨拘置所のときに奥さんに会ったというふうな点から起算をすると、とても計算が合わない、相当前から準備をしていないとこの「我敗れたり」の出版には結びつかないと、こういう一つの裏づけになっていくんです。 まあこういう細々した問題は、やがて始まる特別委員会、一週間二回の頻度ですから、そういう場でとっくりと、あなた方も当然調べているだろうし、また調べねばならないだろうし、そういう場に譲りますが、こういう児玉の著書なんかというのはかっこうの捜査基本資料であるし、それを丹念に掘っていくと、福田太郎のいままで述べていた事柄に対するあいまいさというふうなものも露呈されると思うが、それについてのあなたの考え方を一応聞いておきたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 犯罪というのは、結局人の人に対する行為でございますから、いまおっしゃったような人間関係というものが犯罪の背景として非常に貴重なものであることは言うまでもございませんので、私といたしましては、いま秦委員御指摘のような著書のあること、当然検察当局は知っていると思いますけれども、本日の御意見を十分当局に伝えたいと思います。
○秦豊君 児玉譽士夫、これは十八名とともに一九四八年十二月二十四日に巣鴨を出所した。これはもう事実としてファイルされている。で、その出所後の児玉というのは、東京都内木挽町五丁目二というところにある緑ビルの中の緑産業株式会社というのを彼の活動の拠点にしていた時期がある。この緑産業株式会社の社長というのは吉田彦太郎という人物であるが、この吉田という人物はすでにかなり著名であって、児玉機関の副機関長であった、太平洋戦争中は。したがって、引き揚げてきた児玉機関員が木挽町のこの緑ビル、緑産業に足しげく出入りをしていたという事実関係も記録されている。この緑産業株式会社は、主たる業務というのを米軍の第八軍技術本部御用として輸送機とか飛行場の工事あるいは漁業などというものを扱っていたわけです。したがって、いままでの報道では、児玉譽士夫は出所後CIC、後にCIAとのつながりの中で活動を広げてきた、米軍は十分に彼を利用してきた、こういうことはすでに報道されておるが、われわれの調査では、出所後こういうパイプを使って児玉譽士夫は米軍と密接なつながりを深めてきた。なお、この緑産業という会社は、昭和二十四年に、八月または九月に本州製紙に譲渡をされている。この児玉のいわゆる全体をつかもうとする場合に、当然この辺のところはしかし一応洗ってみたというか、調べる対象にはなったんですか。
○政府委員(安原美穂君) そういうことを調べたかどうかということは、報告は受けておりませんのでお答えいたしかねます。ただ、御指摘のようなことを一つの情報として伝えたいとは思います。
○秦豊君 それから、捜査はもちろん厳秘に包まれている。稻葉さん式によれば静々と進めねばならない、それは常識でしょう。しかし、これはぜひとも、安原さんも言われたように、しかるべきところに伝えてしかるべく調べると、意外なつながりが発見できるかもしれない。この緑産業株式会社の当時の会長は、じゃ御存じないわけですね。
○政府委員(安原美穂君) 存じません。
○秦豊君 昭和二十四年十二月の、衆議院要覧という例の顔写真つきのやつが刊行されますね、あれを見ますと、長野県第一区選出倉石忠雄氏が、御自分が提出された御自分の経歴の中に「緑屋産業株式会社取締役会長」とみずから記載をされております。「緑屋産業」と倉石さんがお書きになっているんだが、住所が全く同じでありますし、恐らく「緑屋産業」と倉石さんがお書きになったのは緑産業の過ちではないかと思います。これについては、私、持ち時間が切れましたのでやめますけれども、今後の特別委員会の論議等々に当然及ぶべき、波及をすべきこれは一つのポイントだと。児玉譽士男とCIA、児玉譽士夫と吉田彦太郎、そして児玉譽士夫と米軍、そして小佐野賢治という関連については、今後そういう委員会のしかるべき場に移したいと思います。 しかし、とにかくあなたは肝要なところになると御勘弁を願いたい、場合によっては報告を受けていない、あるいは報告が間違っていたと、こういうふうに典型的に切り抜けてこられたわけであるが、私が申し上げた重要な個所個所については、あなた自身も申されたように、しかるべきところに伝えるということ、そうして捜査を肉づけしふくらませる、的確にする、そういう一助にしてもらいたい。最後にあなたの答弁を求めておきたい。
○政府委員(安原美穂君) そのようにいたします。 なお、私、切り抜けるなんてつもりは毛頭ございませんので、あくまでも真相究明のための捜査ということのために申し上げにくいところは申し上げにくいと御寛容を願っておる次第でございます。よろしく御協力をお願いいたします。
○秦豊君 はい、わかりました。私の持ち時間は終わります。
○矢田部理君 私は、数々の質問を予定しておったんですが、持ち時間が三十分ということですから、結論的に端的にお答えをいただきたいと思います。 先ほど法務大臣が報告をされた調べた人数百八十人ということでありますが、その内訳の中で被疑者と参考人、これはどの程度ずついるのか。
○政府委員(安原美穂君) 現段階におきましては、被疑者といえば児玉譽士夫、それから伊藤、大久保両二名でございます。その他すべて、したがいまして参考人としての取り調べということに相なるわけでございます。
○矢田部理君 警察にお尋ねをいたします。警察はすでに他の委員会で三百名を超える人たちを調べているということでありますが、その内訳はいまと合じ意味でどうなっているのか。その警察の調べと検察庁の調べは、ダブっているのとそうでないのとがありますが、その関係を警察から伺い、かつ法務省からもお伺いしたいと思います。
○説明員(柳館栄君) ただいま御指摘のように、児玉及びその関係者、丸紅その他の民間人、官庁関係者等々三百名を超える方々から事情をお聞きしている、こういうことでございます。 事情を聞いていることが、検察庁と警視庁とがダブっているのか、ダブっていないのかという御指摘でございますけれども、私、詳細報告受けておりませんのでここで申し上げることができないのでありますけれども、一般論として……
○矢田部理君 一般論はいい。
○説明員(柳館栄君) そういう詳細を申し上げることは、いま報告を受けておりませんのでできないということで御了承願いたいと思います。
○矢田部理君 検察庁。
○政府委員(安原美穂君) 先ほど大臣の申された百八十名中には、これまた推測で恐縮でございますが、児玉の先般起訴いたしました外為法違反、あるいは大久保、伊藤両名の外為法違反容疑ということにつきましては、警察と協力して検察庁も調査、捜査をしておりますので、当然にダブっているものと思いまするけれども、それが何名になるかはちょっと存じませんのでお答えいたしかねます。
○矢田部理君 これは、捜査は共同し、かつ分担し合ってやっていると思うのですね。したがって、大体どの程度警察が調べ——普通は警察の方で粗ごなしをして検察庁に送ってくるというのが常識でありますけれども、これはほぼ同時並行的に捜査を進めているわけですから、その分担と共同の関係が当然あるだろうと思うし、常時連絡をとりながらやっていると思われるわけでありますけれども、およその見当つきませんか。
○政府委員(安原美穂君) 分担といいますと、主として外為法の関係、今度、児玉につきましては送致を受けて起訴いたしましたし、大久保、それから伊藤の両名の外為違反につきましても警察と協力しておりますが、特にこの後者、後の二名につきましての主たる取り調べは警察当局が担当しておりまして、私どもは検察当局が横から従的立場で協力しておるという関係でございます。
○矢田部理君 見当つかない……。
○政府委員(安原美穂君) はい。
○説明員(柳館栄君) ただいま刑事局長から御答弁あったような内容で私どもも考えておるという御理解で結構だと思います。
○矢田部理君 どうも不明確なんでありますが、検察庁で言う百八十名、それから警察で言う三百名の中で、贈収賄関係で事情を聞いた、調べた方はおよそ何人ぐらいいるでしょうか。先般の予算委員会で、すでに贈収賄の調べもしている、少なくとも児玉はその被疑者として調べているという安原刑事局長の答えがあったわけでありますが、それをもとにして両関係者から答えていただきたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 先ほど大臣からお答えがございましたように、ロッキード社から何らかの方法で日本に流入した資金の流れというものを、いま捜査、調査中でございまして、その過程において贈収賄ということが明白になれば、被疑者として立件するであろうということが予測されるところでございますが、先般来しばしばお答えいたしておりますように、本件はアメリカの多国籍企業小委員会のコーチャン証言というものに端を発して、その不正行為の存否を明らかにするのは日本検察、警察の使命であるということで捜査に着手した事案でございまして、その端を発したものは何かと言えば、要するに飛行機の売り込みについて贈収賄があったという疑いととれるような証言があったということが問題でございますので、当然そういう意味においては、ロッキードの飛行機の売り込みに関して贈収賄があったかどうかということの存否を明らかにするのが当面の目的でございまするから、そういう意味においては贈収賄の調査をしておるということが言えるかと思いますが、もっと具体的な問題として、いま、被疑者としてというような段階に来ているかどうかということは、まだ、ただいま申し上げる段階ではございません。そういう意味におきまして、調べているとすれば、PXLの関係では防衛庁の関係、あるいは運輸省の関係というものをトライスターの導入等について、背景事情として聞いているということは事実でございまするから、したがいまして、そういう贈収賄関係に場合によっては発展しかねない関係者からも事情を聴取しているのが百八十人の中に入っていることは事実でございます。
○矢田部理君 警察に伺いますが、去る二十一円に警視庁の首脳が集まって捜査のための会議を開いたという報道がなされておりますが、その状況をかいつまんで御報告ください。
○説明員(柳館栄君) 二十一日にそういう会議が開かれたということでございますけれども、その具体的な内容について申し上げることにつきましてはここで差し控えさしていただきたい、こう思います。
○矢田部理君 そう事細かく報告しなくてもいいけれども、輪郭、どういう段階で、どういうための集まりであったのかという程度のものはどうですか。
○説明員(柳館栄君) 具体的な報告をまだ受けておりませんので、また別の機会に言える範囲内において申し上げたい、こう思いますので、御了承願いたいと思います。
○矢田部理君 重要なことでしょうよ。警察庁だって、どう進めているか、これは特にマスコミでも大きく報道されているわけだし、全然知らないんですか。大ざっぱな話でいいんですよ。
○説明員(柳館栄君) 大ざっぱに言いますと、関係者が、警視総監、それから保安部長、それに保安刑事の参事官、それに捜査二課長、生活課長、このくらいが集まって今後の捜査の仕方についての最高会議を持ったと、こういうことでございます。
○矢田部理君 首脳会議ということになれば、捜査の節々でやられるものと思いますね、どういう節だったんですか。
○説明員(柳館栄君) どういう節ということについて申し上げることは適当でないと思いますので、現在の段階でございます、答弁を差し控えさしていただきたいと思います。
○矢田部理君 いろいろな報道によれば、高官百人の調査がすでに終了したと、新しい段階に入るんだと、あるいはアメリカの資料の解析が終わった、いよいよ核心に迫るんだ、高官の内偵調査に移るなどという見出しで書かれているんですが、そのニュアンスはどうですか。
○説明員(柳館栄君) ただいまのニュアンスについて私がここで何かを申し上げるということは、今後の捜査を進めていく上において微妙な影響を及ぼすことになると思いますので、答弁を差し控えさしていただきたいと思います。
○矢田部理君 法務省、警察も同じでありますけれどもね、私どもも捜査の秘密とか、人権とか、証拠隠滅とかという関係は、それなりに踏まえて物を聞いているはずです。特に今度のロッキード事件というのは、特捜部か何かがこれをずっと内偵してきて、それを出せ出せと言っているのとは違うんですね、事の性質が。言ってみれば公開捜査的な状況のもとで捜査が進められているわけです。だから、黒いピーナツをもらった政府高官は一体だれなのかとか、いっどこでどう調べたかというようなことを聞くつもりはないんです。しかしながら、大まかな流れや動き、これは国民は大変な関心を持ち、これは注目しているところなんでしょう。しかも、その受け取った側、被疑者とか参考人とされる側についてもおよその見当はついているわけです。だから、証拠隠滅といったってね、長い時間かければ、彼らはもう十分な時間的な余裕があるわけなんですから、そういうことも十分踏まえながら、ある程度のことはやっぱり国民の前に——私は個人的な関心や興味で言っているんじゃないんです。国民の前に明らかにしてしかるべきだ、そういう立場でもう一回いまの捜査の概況について両省からお話しをいただきたいし、法務大臣の報告は、従来百名ちょっとと言ったやつが百八十名に伸びたと言う。日にちがたてば数が多少ふえるのはあたりまえのことで、もうちょっとしみじみとした報告が国会の最終日に当たってできないものでしょうか。そのことを両省に、簡単に。
○政府委員(安原美穂君) 骨子は先ほど大臣が申されたとおりでございまして、先ほども申し上げましたように、アメリカから得た資料、国内から得ている資料等を詳細綿密に検討いたしまして、いわば、いまだ贈収賄に関しましてはいわゆる内偵のような段階であって、逮捕勾留などという段階にまだ達していないということは、先ほど申し上げたとおりでございますが、詳しく申し上げることは、やはり何と申しましても、関係者の供述をこれから得て調べていこうという場合には、私の判断では支障になるということで、詳しいことは申し上げかねるということでございます。問題は、現段階におきましては、ロッキード社から入りました金の入りと出というものの詳細綿密な調査が私はやはり問題であるということでございます。
○矢田部理君 同じような答えなら要らない。大体同じようなものですか。
○説明員(柳館栄君) そうでございます。
○矢田部理君 まあ大変不満でありますが、もう一点だけ伺っておきたいのは、アメリカから二千ページ以上の資料が渡されましたね、これでアメリカ資料はほぼ終わりなんでしょうか。それとも、まだアメリカ側に要求をし協力を求めるべき資料があるのか、その点が一つ。 それから、アメリカ資料のすでに解析等は終わっていると思いますが、それに基づく裏づけ捜査、これは始まっているのか、始まっているとすればどの程度か、その点について法務省と警察庁からお願いします。
○政府委員(安原美穂君) 私どもといたしましては、なお連邦司法省から資料が入手することができる可能性を残しておると考えております。なぜならば、なお、まだSECは調査中でございますから、そういうことから得られる資料というものにつきまして、当方が要求する余地があるというふうに思っております。 なお、アメリカの資料の裏づけ捜査をやっているかどうかというようなことは、きわめて具体的な問題でございますが、あくまでも一般論といたしまして、アメリカから得た資料が常に絶対に正しいというわけにはまいりませんので、当然に裏づけの調査もすべきものであろうと考えております。
○矢田部理君 アメリカの資料はかなり信憑性の高いものという一般的評価はできますか。
○政府委員(安原美穂君) 資料の信憑性について高いかどうかということは、ひとつ御猶予願いたいと思います。いまも申しましたように、常に絶対に正しいと思うべきではないだろうということで、常にわが検察の伝統といたしまして、手がたく、一つの資料を盲信することなく裏づけをするのが一般の捜査の常道でございます。
○矢田部理君 終わりにしようと思ったんだが、なかなか終わらないのは、常に絶対的に正しいということではないというお答えがあったから。それはそのとおりだろうと思いますが、一般的に言えばかなりの信憑性のあるものなのかと、こうあなたの答弁に関連して伺っている。
○政府委員(安原美穂君) アメリカの連邦政府の機関において証言等がなされた資料等があるとすれば、これは原則として信頼すべきものであろうと思いまするけれども、常に人間の証言は正しいということではないという一般論を申し上げておるわけであります。
○矢田部理君 常にの方はいいから、大筋としてどうかと、こう言ってるんです。 法務大臣はまだ検察庁から正式の報告は受けていないわけですね。いずれ重要な段階では向こうが持ってくるだろうというお話が今日まであったわけでありますが、先ほど、中間報告的なもの、必ずしもその内容はそうなっていないようにも思われますけれども、その程度のものは報告を受けているんでしょう。たとえば百八十人調べたとか、何カ所家宅捜索をやったとか、こういう問題で調べているとかということは報告を受けていうんですか。
○国務大臣(稻葉修君) 刑事局長を通じて報告を受けておりますから、発表したわけであります。
○矢田部理君 そうしますと、従前国会で問題になっておった、検察庁からいずれ報告があるだろう、こっちから時を定めないけれども、向こうから持ってくるのを待っているというのと、いままで報告されてきた内容とはどういうふうに違いがあるんでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 国会も終わりますこと下ありますし、国会の場でそういう機会があればもちろん、そういう機会なくして終わった場合でも、終わった段階で^やっぱりこれだけ問題になっていることだから、責任者として国民に記者会見等を通じて、一応の総括をしておいた方がよかろうというので、刑事局長がそれではという用意をしたのが、きょう朝、続み上げた報告といいますか、いままでの答弁にあったこと、及びれにちょっとつけ加えるべきものもあるから申し上げた、こういうわけであります。
○矢田部理君 いや、法務大臣はしばしば今日まで繰り返してきたでしょう、いずれ検察庁から正式な報告があるだろう、特に重要な段階ではあるはずだ、それを待っているんだと、私の方から求めたりはしないという報告ではないわけでしょう、きょうの報告のもとになったものはpどちらかと言えば、従前刑事局長などが折に触れて答えてきたものをとりあえずまとめたというもので、数が百八十人にふえた以上には余り新味はなかったように思われるわけですよ。そのきょう報告された中間報告的なものと、法務大臣がかねてから言われておったものとは同じなのか違うのかと。
○国務大臣(稻葉修君) それは違いますな。
○矢田部理君 そうしますと、法務大臣が従来答弁で予定をされていた検察庁からの報告と、今日まで何人調べたとか、何カ所ガサやったとかいう話とは、どこが違うんですか。量的に違うのか、質的にも違うのかということ、ちょっと正確にしてほしいと思うんです。
○国務大臣(稻葉修君) 質的にも量的にも違うと私は思いますね、違いますね。
○矢田部理君 そうしますと、いずれ正式に法務大臣報告があるだろうと期待をしている報告というのはどういう質、どういう内容のものなんでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 重大だと、検事総長が重大だと判断して報告されたものが重大だと。
○矢田部理君 禅問答みたいでさっぱり要領を得ないんでありますけれども、たとえばこういうことですか、いよいよ政府高官を逮捕するとか、政治家に捜査の手が伸びるというようなことを法務大臣は想定をされてそういう答えになっているんでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) そういうたとえ話をされると、いまちょっと困るんですがね。たとえば、政府高官をいよいよ逮捕しますというようなことでございますなどと言うてね、また問題を起こしますよ、そんなこと言うと。いまの段階では、ただ、検事総長が報告すると言うてるんですから、報告することは重大な場面に来たから報告するんですから、そのことは、報告すれば重大なことを私はあなた方皆さんに報告することになるんです。いましばらくお待ちください。
○矢田部理君 どうもほかの質問ができなくて困っているんですが、要するに従前述べてきたことは大臣として期待している報告ではないと、それならば大臣として期待している報告は、向こうで判断して重大と思った内容だとかというふうには言われるわけですが、ちょっと輪郭がつかめないんですよね。
○国務大臣(稻葉修君) 輪郭はこれからつかむわけであります。そのうちつかむでありましょう。
○矢田部理君 同じことを繰り返したくないんですがね、いままで報告したものとは違う質のものだと、こう言うんでしょう。じゃどんな質のものなのか。まあ重大だという話はあるけれども、もうちょっとニュアンスというかイメージみたいなものは出ませんか。
○国務大臣(稻葉修君) 贈収賄のことについて、これこれこれこれを起訴することになりましたとかいうことになれば、それは重大なことじゃないでしょうかな、仮に言えば、そうじゃないですか。
○矢田部理君 だって、起訴をしたならば何も法務大臣に報告しなくたってわかるわけでしょう。
○国務大臣(稻葉修君) いや、あなたの言う起訴する前に、児玉の場合でも皆起訴する前に刑事局長を通じて報告がありましたものね。今度はしかし、贈収賄についてその報告をするということになると、それは新聞社の発表前に報告はあるでしょう。しかし、いよいよ逮捕したり起訴する前に報告があっても、あと一週間後に逮捕しますなんということ、わしが国会で報告したらおかしいんじゃないですか、隠密同心にならぬもの。
○矢田部理君 この質問、終わりたいと思うんですが、最後にもう一点。 捜査の段階は大ざっぱに初盤、中盤、終盤に分けると、どの段階にきているのか。それから、今後の見通しでありますが、何かセミの鳴くころなんという話も言葉としては出ておるようでありますが、もうすでに強制捜査に踏み切ってから百日たっているわけです。アメリカから問題にされてから百日を超えるわけです。強制捜査に踏み切ってから九十日、三カ月ですね。予算委員会の時代はまだ始まったばかりだから少し静かに静かにと、こういうお話があったわけでありますが、どんな段階。それはまあ何も何月何日なんという細かい具体的な話を聞こうとは思いませんが、大筋としての見通し、時期的な見通しはどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 碁の名人戦のように、時間、何時間持ちなんということで捜査するわけじゃありませんから、終期を決めてやるわけじゃありませんから、それはまあフリーハンドを有能勤勉な検察当局に与えておかなけりゃならぬと思いますから、私、ここでセミの鳴くころとかウグイスの鳴くころとか、そんなことを言うわけにはまいりませんな。
○矢田部理君 ちょっとほかの質問を予定していますので、これは特別委員会でまたやることにいたしまして、行管庁長官に伺いますが、ことしの五十一年度予算の方針として部局の増設は認めないという立場に立っておられたのではないかと思われますが、その点どうですか。
○国務大臣(松澤雄藏君) そのとおりであります。
○矢田部理君 今後もその方針には変わりありませんか。
○国務大臣(松澤雄藏君) 今後もそのような方針でいきたいと、かように考えておりますが、いずれにいたしましても、その結果になるかどうかわかりませんけれども、方針はそのような方針でいきたいと、かように考えております。
○矢田部理君 大事なことなんです。かつて行管庁の勧告に従って一省一局削減をした。初めて復活するんですよ、この設置法で。それを認めた理由については聞いてもしようがないと思うけれども、そういう例外措置をあえてとらなきゃならなかった、今後の歯どめが少なくとも非常に重要になる、これ自体、非常に問題でありますけれども、その点長官の姿勢を聞きたいと思います。
○政府委員(小田村四郎君) 大臣の御答弁になります前に、いきさつにつきましてちょっと御説明さしていただきたいと思います。 認めた理由につきましては省略いたしまして、政府として今後行政機構の膨張を抑制するという方針は変わっておりません。そこで、一般的な問題として、全機関としての機構の膨張を抑制するという考え方から、法務省の訟務局につきましても、訟務局を設置する場合訟務部を廃止いたしますほか、入管局の次長及び政令職でございますけれども、参事官二を廃止するという措置をとりまして、全般の機構を抑制する、こういう方針をとった次第でございます。今後におきましても時代の趨勢に応じまして、行政需要の多碁等を勘案いたしまして機構の改変は当然あり得るものと考えておりますけれども、全般的な機構の膨張抑制には極力努力してまいる所存でございます。
○矢田部理君 訟務関係の仕事というのはちょっと特殊なんですね。つまり、局長なり役職が、ほかの省庁でも盲判ではないでしょうが、次から次と判こを押していけばいいという性格のものではなくて、非常に事件の個別性を持っている、それを扱っているわけです。だから、局長が一人おえたから、あるいは局に昇格したから十分に機能するという性格のものではないんですよ。ある程度事件の数がふえている、これは行政に対する不満のあらわれなんです。それを局にすれば賄えろと考えるのはちょっとおかしくないかというふうに思うんですが、行官庁どうですか。
○政府委員(小田村四郎君) 事情につきましては、ただいま矢田部委員の仰せになったとおりでございますが、そのような事件数の増加あるいは事案の内容が非常に複雑困難な事案がふえてきたということによりまして、法務省の内部組織といたしまして、ただいまの訟務部は官房訟務部でございまして、官房長の指揮下にあるわけでございます。大臣を直接に補佐申し上げるのは官房長でございますけれども、官房長は予算、人事、その他司法法制調査本部も所官いたしておりまして、この非常に困難な訟務事件を直接に所掌するということはやや無理があるというようなことで、これを訟務局に昇格いたしますことによって、訟務局長が直接次官、大臣を補佐できるという体制に持っていくのが適当であろう、こういうふうに考えた次第でございます。
○矢田部理君 事件の処理ならば訟務部の有資格者みたいな人をふやせばもっと機能的にできるのでありまして、局にするということでは必ずしも私はないと思うんです。そこで、入管局に伺いたいと思うんですが、今度局に格上げするために入管局の次長を廃止する、次長制を設けた理由と廃止する理由について伺いたいと思います。
○政府委員(藤島昭君) まず入管局次長を設けた理由でございますが、昭和二十七年八月に外務省から入管行政が法務省に移管されたわけでございます。外務省当時は外局でございまして、二部七課制をもって運営されておったんですが、二十七年の移管のときに、外局ではございませんで法務省の内局になりまして、これが五課一官制ということで機構が合理化、簡素化されたわけでございます。そのように圧縮されたということで、特に局長を補佐する直接の職として次長が置かれた、こういうふうに私どもは理解いたしております。 それから次に、次長を廃止した関係でございますが、この関係は、政府の方針としてそういう法律職を新設する場合には別の法律職を廃止するという方針がございますので、私どもとしてはまことに万やむを得ず次長を廃止したわけでございまして、ただ廃止したままでは入管行政の円滑な遂行に支障がございますので、官房にございます審議官をもってこれに充てて入管行政が円滑に行われるように努力をしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○矢田部理君 時間がないようでありますから、あと一問だけにしますが、もう一つどうしても問題にしなきゃならないのは、司法と行政の癒着が少し進み過ぎておる。たとえば、訟務畑の中枢は裁判官出身者で占められているわけですね。四十九年九月現在の調査によれば、有資格者二十名中十六名が裁判官出身である。これは人事の交流などということで説明されておるようでありますが、非常に問題が多い。一つの問題を申し上げますならば、たとえば福祉訴訟の裁判で朝日訴訟と宮訴訟という典型的な裁判がございますけれども、朝日訴訟で国側の指定代理人をやった人たちが宮訴訟では裁判長、陪席裁判官になる、こういう人事の交流が裁判に対して非常に誤解、不信を生むということも実態としてあるわけなんです。そういう意味での法曹一元とか、人事の交流というものはわれわれは認めがたいわけです。そこら辺について法務省としてどう考えておられるか、稻葉法務大臣に基本的な姿勢を伺いたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) お説の点についてはもっともな点がありますから自今気をつけます。
○峯山昭範君 私は、きょうは行政管理庁長官に御出席をいただきましたので、今回の法務省設置法に関しまして、特に行政計画という面から質問をさしていただきたいと思います。 まず、法務大臣にお伺いしますが、大臣は、先般昭和四十三年、行政改革の突破口といたしまして一省庁一局削減という行政改革が当時行われたわけでございます。当時は行政改革という面、政府といたしましても一局削減するということは行政改革の突破口になり非常に重要な問題であるということで、当時の総理大臣から、一局削減するということがいかに行政改革の面で重要なことであるかというようなことを種々話があったわけでございますが、今回は一局削減された訟務部がまたもとへ戻るわけであります。これに関しまして、これは一体どういうふうな御見解をお持ちなのか、本日の法案の提案理由では種々説明はされていらっしゃいますけれども、こういうふうな理由は、まあ理由があってないみたいなもので、こういうことを言い出すと、当時削減した局は全部こういうふうな口実によって、また一つずつふえてくる可能性もあるわけです。そういうふうな意味からは、一局削減という問題から考えてみますと、私は今回のこの法務省設置法というものは、非常に、前々から政府が進めてきた行政改革というものを一歩かえって後退させるものじゃないかというような考え方も成り立つわけです。こういう点については、大臣としてはどうお考えなのか、初めにお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) そういう御質問を受けるとなかなかお答えしにくいわけですが、四十三年のころ、この訟務局を法務官房の一部に格下げするということについてはいろいろ御議論がございまして、ことに衆参両院の内閣委員会等におきましても、特に野党の方々などは、将来、君、だんだん訴訟事件がふえていったらどうするんだというようなお見通しでございました。いや大丈夫でございます、しっかりやりますから、ということでこうしたのですが、過ちを改むるにはばかることなかれという気持ちでおります。
○峯山昭範君 それはね、大臣、そんなことは通りませんぜ。内閣委員会といたしましては、私たちは、いま大臣がおっしゃるように行政改革の一環としていわゆる一省庁一局削減ということ、そのこと自体に問題があると、要するに、これは削減するというのはおかしいじゃないかというのはわれわれが主張したことで、大臣の方は、政府の方はそんなことはないと、これこそ行政改革の突破口であるということで大いばりでやった改革が、間違ったことを改むるにはばかることなかれなんて、それは間違ったんですか、やっぱりあれは。
○国務大臣(稻葉修君) 少し早計でございまして、野党のおっしゃることが正しかったというふうに思います。
○峯山昭範君 これは実際問題、大臣、大問題でございまして、当時のあれは野党の主張が正しかって、一省庁一局削減という問題は、これは政府の方が間違っておったという法務大臣の答弁でございますけれども、これはえらい大問題ですよ。行政管理庁長官、これはどうです。
○国務大臣(稻葉修君) 一般的に、一局削減とか、行政の簡素化という方針が間違ったということを言っているんじゃない。この問題に関しては、どうも当時少数意見であった野党の方が見通しとして正しかったという結果に相なったようであると、だからやっぱり少数意見というものもよく尊重すべきものだという、こういう感じを持ちます。
○峯山昭範君 行政管理庁長官、これはたとえいま大臣が発言したとおりであったにしても、私は法務大臣の前の発言は、ただ単に法務省一省だけの発言じゃなくて、この間の一省庁一局削減自体、全体として問題があるんじゃないかと私は聞いたんですけれども、大臣はそうじゃないといまおっしゃっていますけれども、これは法務省だけの問題であったにしても、行政改革という面から一省庁一局削減というあの行政改革、いわゆる行政改革に対しては行政官理庁としてはどういうふうにお考えなんですか。
○国務大臣(松澤雄藏君) 率直に申し上げまして、ただいま法務大臣から御答弁を申し上げたとおりでございます。実際問題といたしまして、これらの一局削減とかいうふうなものに関しましては、ぜひ私たちはそのままにしておきたいというふうに考えておりましたんですが、いかんともしがたいような状態等がございましたために、ついやむを得ず認めるというふうなことをぜざるを得なかったということを申し上げることができるかと思います。
○峯山昭範君 いや、ぼくはね、行政管理庁長官の発言としては、いまの発言ではとても納得はできませんね。少なくとも私は、いま法務大臣は、当時のいろんな問題からあわせて野党の発言の方が、少数意見の方が正しかったと、こうおっしゃっているわけです。行政管理庁長官としては、私は少なくとも一局削減というのは、ぼくはね、それはそれなりに行政改革としての大きな意味もあったであろうと思いますし、当然私はあの当時のいわゆる一局削減の法律としては当然正しかったし、当然行政改革の突破口として前進させようと強い決意を持っておったんだと、当時は。しかしながら情勢が変化して訴訟事件もふえてきたし、いろんな角度から検討して、今回のこの法務省の部を局に上げるということについてはこれはやむを得ざる理由があったんだと、こういうふうな答弁があると私はせめて期待をしておったわけですよ。ところがね、いまの答弁はそうじゃないわけですよ。いまの答弁は私はそうはとらなかった。それではこれは行政改革を何となく——法務大臣の方が大分偉いんですか、私ちょっと知りませんが、どうもいかぬですな。しかし、そういうふうな感覚では、私は行政改革は本当に進むとは思いません。これはやっぱり行政改革に対する基本的な考え方、あるいは昭和四十三年当時の一省庁一局削減の措置、こういうようなものに対する基本的な姿勢、そしてこれから行政改革をどう進めていくのか、こういう観点に立って、その抜本的な姿勢というもの、行政管理庁自身の基本的な行政改革に取り組む姿勢というものをはっきりさしてもらいたいと思いますね、私は。
○国務大臣(松澤雄藏君) ただいま私が申し上げたことが非常にお気にさわったかと思いますが、しかし、私の申し上げたのはそういうふうな意味じゃなくって、最近における訴訟の件数問題等が非常にふえてきたというふうなこと等を中心にして申し上げたっもりでございます。率直に言って、訴訟の適正な、円滑な処理をしていくと、こういうふうな意味で申し上げたわけでございますから、そのようなお立場に立ってお考えおきを願いたいと、かように思います。 なおまた、後で申されたようにいまお聞きいたしましたが、どういうふうな方針で今後は進めていくかというふうなことでございますが、私たちといたしましては、全体的として膨張を抑制することを基本といたしまして、厳正に対処するという方針で一省一局というものを削減するというような方針で進んでいきたいものだと、かように考えておるということを申し上げざるを得ないと思います。
○峯山昭範君 どうも大臣のおっしゃっていること、わからないことが多過ぎますね。いまの発言の中の最後の方に、一省一局削減の方向でという発言がございましたね。局長、聞いてましたね、いま。あれ一体どういう意味ですか。 それからもう一つは、行政管理庁長官の説明、本委員会の冒頭にございましたが、今回の法務省の訟務局の設置は例外的な措置として認めたと、こういうふうにございますが、この例外的な措置という問題、この二つ、どういうことですか。
○政府委員(小田村四郎君) 大臣の御答弁を若干補足さしていただきます。 大臣がおっしゃいましたのは、一省庁一局削減をこれからやると、こういう御趣旨ではございませんで、一省庁一局削減いたしました局の復活要求が今後ございましても、厳正な態度で臨みたい、こういう御趣旨を仰ぜられたものと理解いたしております。 それから、ただいま御質問のございました例外的な措置という意味でございますが、五十一年度の予算編成方針に部局の増設は認めない、こういう方針があったわけでございまして、これは例年予算編成方針に部局、特殊法人等の新設は原則として認めない、こういうことになっておるわけでございますが、そういう原則に対しますところの例外、こういう意味で御説明を申し上げた次第でございます。
○峯山昭範君 官房長官が御出席になりましたので、時間の関係上官房長官への質問を先にします。 昨年の十二月、当内閣委員会におきまして私的諮問機関の問題を質問いたしました。当時は原子力委員会や防衛を考える会等が、当内閣委員会で相当議論になりました。私的諮問機関というのは、当然私は国家行政組織法八条に基づいて、八条機関としてきちっと設置すべきであるというのが私の主張でございました。したがって、私的な諮問機関につきましてはいろんな角度から検討して、むやみに私的諮問機関をふやすということについては非常に問題があるという点を指摘をいたしました。その結果、長官はこの問題についてはいろんな問題があるので十分注意するとともに、こういう問題については内閣といたしましてももう一回洗い直してみる、こういうふうな答弁がございました。その後、この私的諮問機関について内閣といたしましてどういうふうな措置をとられ、現在どういうふうな実態になっていらっしゃるのか、この点をお伺いしたい。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいまお示しのような御質問がありまして、私もお答えをいたしたのでありましたが、ただいまの問題は、前国会以来御趣旨の御意見を踏まえまして、ただいま行政管理庁において各省庁の私的懇談会のあり方につきまして見直しを行っておるところでございます。その結果、改めるべきものは逐次改めてまいらなければならぬと思っておるのでございます。今後とも、法律によって設置された審議会等と、いわゆる懇談会との区別が不明確にならないように、私どもはその際けじめをつけなければというふうにお答えをしたと思っておりますが、運用上こういう点きちんとやってまいりたい、こういう方針でおる次第でございます。
○峯山昭範君 これは大臣、確かにいま大臣おっしゃるように、昨年暮れの内閣委員会で、国家行政組織法第八条になじむものについては当然なじむようにしたいと思うし、さらに行政運営上の必要から懇談会がなじむものもあろうと、私はないわけではないと先ほど申していると、しかし、その間に八条との関係で誤解を招くことがないように運用においてきちんとその間のけじめをつけてまいりたい、こう思っている、こういう大臣の答弁です。さらに私たちの質問に対しまして、行政改革の問題に関しまして正規の八条機関といえども眠っているものも確かにあると、そういうものにつきましてもきょうの御質問を一つの契機として私ども十分気をつけてまいりたい、こういう答弁だったわけです。いま、行政管理庁の方でもというお話でございますが、私がちょっと指摘したいのは、私たちがこういうぐあいに指摘した後も、こういうふうな私的な諮問機関というのがどんどんできつつあるということです。これはやっぱり閣議やいろんなところできちっと官房長官から話がされてないんじゃないかということを感じているわけです。というのは、新聞でも相当報じられておりますけれども、たとえば、田中厚生大臣は懇談会がお好きという見出しで、これは現実に今月の新聞です。現実に老人保健医療問題懇談会、救急医療懇談会、こういうふうなものを第二弾、第三弾と出して、「厚生省内には懇談会好きの厚相と皮肉る向きもある」、新聞に現実こう報じられているわけです。私は、この老人医療の問題とか救急医療という問題がいいかげんな問題だと言っているんじゃないんです。こういうふうな問題は確かに重要な問題ですね。ですから、その重要な問題はやっぱり国家行政組織法の第八条に基づいてて、そして法律に基づいてきちっと処置をしてもらいたい、設置をして、そしてその委員〆なった人たちに対しましてもきちっとした報酬を払ってやってもらいたい、そしてその答申もきちっと受けてもらいたい、こう言っているわけです、私たちは。ところが、その報酬の面やいろんな面でも全部、ポケットマネーであったり、何かわかりませんけれども、そういうようないいかげんな措置では困るということを前々から議論をしてきているわけです。そういうふうな観点から、これはやっぱりきちっとやってもらいたいと思うんですが、私は先般当内閣委員会で相当議論をいたしましたけれども、こういうようなことが現実に大っぴらに行われているということは、まだそういうふうな趣旨が徹底されてないんじゃないか、そう思うんです。そこら辺のところは一体どうなっているのか、再度お伺いしておきたい。
○国務大臣(井出一太郎君) 先般御質問のございました後、私からその御趣旨は閣議の方へも報告をいたしました。それから、あわせて行政管理庁は直接の担当官庁でありますから、その方へは十分見直しをするようにと、こういう連絡をいたしたわけでありました。しかし、いま御指摘のありますような、その後必ずしも十分にその辺がきちんとけじめがついておらぬ、こういうことでございますが、まだ私その事情をつまびらかにしておりませんから、そういう点はよく調べまして御指摘のありました点十分注意をしたい、こう考えます。
○峯山昭範君 官房長官結構です。 行政管理庁長官ですね、ただいまの問題に関連をいたしまして、この問題だけ話をつけておきたいと思うんですが、いわゆるこういう私的諮問機関、これは官房長官からも話があって見直しあるいはいろんな調査が行われておると思うんですが、行政管理庁ではこれはどういうふうに調査をしていらっしゃいますか。それで、さらに現実の八条機関の中にも、官房長官の発言にもございますように、いわゆる活動していないものもある、眠っているものもあるというようなこともございました。そういうような点については見直しをする、そしてきちっとするということでございましたけれども、これはもう昨年の年末、十二月ですよね、この問題を取り上げたのは。そして、きょうで国会も終わろうとしております。したがって、これはいつごろというめどでやっていらっしゃるのか、審議会の問題については、やはり国の機関ですから、そういうような意味では非常に重要な問題でございます。そういう点をあわぜて今後の見通しと、いままでどういう調査をしていらっしゃるのか、ここら辺のところについて一遍お伺いしたい。
○政府委員(小田村四郎君) 昨年の国会以後の状況でございますが、まず、いわゆる私的懇談会につきましては、ただいま官房長官からお話がございましたように、本年に入りまして、昨年の国会における質疑応答の議事録、これを各省に全部配付いたしまして、こういう趣旨で今後運用してもらいたいということを各省に一応話をしてございます。個別的な懇談会の状況につきましては現在調査中でございまして、細かい状況をまだ取りまとめるに至っておらないわけでございますけれども、中で一例を申し上げますと、懇談会であるにかかわらず、大臣訓令で決められておったというものが発見されまして、これは厚生省の予防接種事故審査会というものであったわけでございますが、この審査会につきましては、今回予防接種法の改正法を国会へ御提出いたしまして、伝染病予防調査会、これは八条機関でございますが、その部会で審議できるように改正をしていただいた次第でございます。 以上は一つの例でございますが、そういうようなものでありますとか、あるいはまだいまだに委嘱という言葉を使っておるような例も見受けられるようでございまして、まだ取りまとめに至っておりませんので、取りまとめが終わり次第これについての何らかの措置をとりたいというふうに考えておるわけでございます。 それから審議会の問題につきましては、まだ具体的に調査、見直し等やっておりませんけれども、今後の行政改革の一環としていずれ着手いたしたいというふうに考えております。
○峯山昭範君 その私的諮問機関の問題についても、これは各省にどういうふうな通達を出し、どういうふうな指導をしていらっしゃるのか、これは後ほど資料として一遍いただきたい。 それから、さらにいまの正規の八条機関というものについての見直しはまだやっていないということですけれども、これはちょっとまだいけませんね。官房長官の答弁は、これは全部読みますと、「先ほども、私見直しという言葉を使いましたが、そういう意味で、峯山さんがおっしゃる方向に即して私どもも十分に検討をいたしてみたいと思っております。それからまた、行政改革の問題等に関連しまして、正規の八条委員会といえども眠っておるものも確かにあるでしょう。そういうものにつきましても、きょうの御質問を一つの契機としまして、私どもも十分に気をつけたいと、こう思っております。」と、こういう質問の後、さらに重ねて質問をしているわけですが、私たちの質問を「ただいまの御趣旨は十分に心得て対処をいたすつもりでございます。」と、こういうぐあいに言っているのです。これを全部まとめてみますと、結局は眠っている審議会もあると現実に認めていらっしゃるわけですね。それをまだ見直しをやっていないというのでは、いま官房長官は見直しをやるように言っていると、こう言っておるわけですからね、それは困るわけですよ。やはり私的諮問機関がどういうぐあいになっているかということと、それからいわゆる八条機関が一体どうなっているかという、この二つの点については、やはり行政管理庁としてもこれは本格的に取り組んで、そして決着をつけるように各省に対してもやっぱりきちっとした注意をやっていただかないと、現実にいまの私的の大臣訓令でやっているという厚生省のその問題も、さらには厚生大臣はこんなことをしちゃいかぬというのをわかっていないのと違いますか。これは要するに懇談会とか、そういうふうなものが必要であれば、私は法律に基づいてきちっとしてやるべきで、それを法律に基づかないでやるということは、そのこと自体がいろいろな隠れみのになったりいろいろな問題になってくる。だから私たちは主張しているわけですから、そこら辺のところはきちっとやってもらいたいと思うのですが、どうです。
○政府委員(小田村四郎君) 初めの各省に対する指導の状況でございますが、これは現在行っております調査が済みましてから何らかの措置をとりたいと思っておりますので、その節には提出させていただきたいと考えております。 八条機関の問題につきましては、本当におっしゃるとおりでございますが、私どももこの私的懇談会との関連もございますので、今後本格的に取り組んでまいりたいと考えております。
○峯山昭範君 もうちょっと具体的に言われぬかね。今後本格的に取り組んでまいりたい、これはやっぱり去年でいま急に言い出した問題じゃありませんからね、やっぱり大臣、これは政府として行政改革の大元締めを大臣のところでやっているわけですから。去年から言うているわけです。それを今後本格的に取り組んでまいりたいと言ったって、本格的に実際にどういうふうに何をするのか、いつごろをめどにこういうことをやろうとしているのか、もう少し具体的に答弁してくれませんか。
○政府委員(小田村四郎君) 審議会のたとえば開催回数等につきましては、これはすでに調査してあるわけでございます。ただ、その審議会の存廃あるいは運営いかんということになりますと、これは非常に多岐にわたっておりますのでなかなか早急に結論を出すということはむずかしいわけでございますが、特に開催回数の少ない審議会等につきましては、その開催回数が少ない理由等につきましてさらに究明を進めまして、存続あるいは廃止の可否等を検討していきたいと、こういうふうに考えております。
○峯山昭範君 ただ単に開催回数が多いとか少ないとかそんなことだけじゃなくて、その審議会が現実に必要であるのかないのか、そこら辺のところは問題のある審議会はないんですか。官房長官の言葉をかりますと、「正規の八条委員会といえども眠っておるものも確かにある」と、こうおっしゃっていますね。ただ単に開催回数が少ないから眠っているというだけじゃないと私は思うんですよ。そういうような意味からも、現実に眠っている委員会もあってやっぱり廃止した方がいいえじゃないかというものも私はあると思うんです。そこら辺のところはもう少しやっぱり突っ込んで調査をしてやってもらいたいと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(松澤雄藏君) ただいままでの御質問等お聞きいたしまして、ごもっともだというふうに感じますが、実際問題として八条機関に属するような問題等になりますると、やっぱり調査を完全にしてみないと、率直に言ってわからないといったような言葉を使わざるを得ないような気がしてならないんであります。したがいまして、今後運用上のきちんとしたけじめ等をつけて、そして調査を完全にやってみる。その上に立ってただいまの御意見のような方向にできるだけ進めてみたいと、かように思うわけであります。
○峯山昭範君 せっかく大臣が答弁をしていただいたので、さらにそれにけちをつけるつもりは全然ないんですけれども、大臣がその八条機関については調査をしなければわからないといまおっしゃいましたね、ですからその調査を実際やっているのかということですよ。調査をこれから早速始めて、そして詳細に調べて、そしてたとえば廃止するもの、あるいは開催回数がほとんどなければこれはもう中止して、それで懇談会でやっているものを正規の八条機関にするとか、そういうようなきちっとした取捨選択をしないといけないと思うんですよね。そういうふうなきちっとしたことを、いわゆる行政管理庁として早急に取りまとめると、こういうふうであれば私はいいと思うんですが、そうでなくてただ単に本格的にやりたいと思いますと言うだけじゃ困るんで、やっぱり何らかの決着をつけるようにしなくちゃいけませんし、そういうふうな意味で私はいま質問しているわけですが、どうですか。
○国務大臣(松澤雄藏君) ただいまの御意見でございますると、きわめておっしゃることがよくわかったというふうな気持ちまでしてならぬのでありますが、組織法第八条の機関といたしましては、今後一層真剣になって調査をして、そして早目に皆さん方に御回答ができるようなことにいたしたいと、かように考えておるわけでございます。ただいまの御意見等になりますれば、必然的に調査を完全にしなければよくわからないというようなことしか言えないというふうなことをいま言いましたけれども、現実の問題として調査を完全にして、そして御質問にお答えできるようなことをいたしたいと、かように考えますので、御了承願いたいと思います。
○峯山昭範君 それではきょうはもう最終日でございますし、非常に先ほどの一局削減の問題も、これは私はただ単に法務省だけの問題じゃございませんでしてね、現実に当時一局削減というものが行政改革の抜本的な問題として取り上げられて、昭和四十二年の十二月の十五日の閣議決定で一局削減が現実になったわけですけれども、その後いろんなところがだんだんなし崩しになってきているわけですね。それで顔をしかめて大臣が私の顔を見ましたが、これは現実にいわゆる当時局を部にしたものが、部を局にするというのはこの法務省が初めてなんですね。しかしながら、現実には経済企画庁の水資源局、これがいわゆる総合開発局と水資源局とを統合して総合開発局としました。しかし、これは国土庁が発足と同時にまたもとへ戻った形になっていますね。さらには、そのほか厚生省の国立公園局を大臣官房の国立公園部というふうにしたわけですが、これもやっぱり同じようにしてなし崩しにされています。これは大臣顔をしかめますけれども、現実の問題なんですよ。それでさらに今回の法務省なんです。これは一つなくなり二つなくなり、そして三つというように、だんだん当時の一局削減が、いま法務大臣がおっしゃるようにだんだんそれぞれ理由をつけてもとへ返りつつある。これから返ろうとしているところも幾つかあるわけです。これは行政管理庁としては、これから特に、たとえば自治省の選挙部、あるいは外務省におけるアメリカ局を分離して北米局と中南米局という、現実にこういう要求が出ております。こういうような問題、これは今後どんどん出てくる問題なんですが、こういうような問題についてはどういうふうにお考えなのか、この点もちょっと一遍お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(松澤雄藏君) ただいまの御意見等はよく理解ができますが、しかし選挙局とか、それから中南米局あるいは北米局というふうな問題等のものが取り上げられるというふうな可能性があるんじゃないかというようなことでございましたが、確かにこれらの問題が、われわれの庁の方にも要請があったことは事実でございます。しかし、このような問題等は、閣議においてすでに確定的に取り上げないということを率直に申し上げておった関係もございまして、本年のごときは訟務局一局だけを例外的な処置として取り上げるというふうなことを申し上げただけであって、他は一切認めないと、こういうわけでございますので、本年私たちの方に申し上げてこられたのが何だかんだ入れますると十七ほどあったかと思います。そういうふうなものを一切認めないと、その中でただ一つ訟務局だけはといったようなことで認めたというだけにすぎないのでございまして、今後もこの方針だけは崩したくない、かように考えております。 〔委員長退席、理事加藤武徳君着席〕
○峯山昭範君 次に、きょう私は与えられた時間が非常に短いので、この行政改革全般について質問できないのが残念ですけれども、昨年の五月、行政監理委員会から「今後における行政改革の課題と方針」と、こういう提言が行われておりますね。その後この行政機構の合理化あるいは国と地方との事務の再配分の問題、こういうふうな問題が相当議論はされておりますけれども、これは前前から行政改革三カ年計画とか、そういうところで相当検討事項に挙げられた問題等、それらの一つ一つがもう全部うやむやに済まされている感じがするわけですね。これは非常に私は困るんでございまして、五十年の五月の二十九日に行政改革本部の決定として種々出ておりますが、この中のいろんな問題、幾つか私はきょうは確認をしておきたいんです。 一つは特殊法人の問題です。この特殊法人の問題につきましては、ここで行革本部の決定として「特殊法人等の合理化」、これは「特殊法人等の整理再編成等については、第二・四半期に特殊法人等に関する調査を行い、その結果に基づき年内に処理方針を固めるよう努める。」と、こういうふうなあれがありまして、そのほか特殊法人につきましては、特殊法人の整理ということで、昭和五十年、去年の十二月三十一日に「特殊法人の整理合理化について」という閣議了解が出ておりますね、全部で十五の特殊法人を整理合理化を進めると、こういうふうに閣議決定をしておりますが、実際問題は何にも進んでないんじゃないか。さらに私が申し上げたいのは、この五十年の十二月の三十一日の閣議決定後、実際は何ですか、特殊法人の整理合理化が全くできないので、お茶を濁す意味で、ことしの五月九日か十日ごろ、これは特殊法人のいわゆる常勤役員の削減ということの閣議決定したんですか、閣議決定をするんじゃないかという報道がなされておりますが、まず特殊法人の整理合理化という昭和五十年十二月三十一日の閣議了解、この特殊法人の整理合理化ということは一体どういうふうになったのかというのがまず第一点。 それからさらに、この特殊法人の常勤役員の削減ということが新聞に報道されておりますが、これは事実かどうか、現実にどういうふうに考えていらっしゃるのか。この特殊法人の常勤役員の削減という問題は、さらにはこの行政改革の去年の五月あるいは十二月に行われたこういうふうな行革本部決定や閣議了解事項とはどういうふうな関連性があるのか、どういうふうな方針に基づいイ行政管理庁は行政改革を進めようとしていらっしゃるのか、こういう点あわせて御答弁いただきたい。
○政府委員(小田村四郎君) 特殊法人の整理合理化に関する行政改革本部の決定を受けまして、行政管理庁といたしまして特殊法人の調査を行い、ただいま先生御指摘の十二月三十一日の閣議了解、「特殊法人の整理合理化について」という閣議了解を行ったわけでございます。この内容は、廃止またはその検討を行うこととしているものが三法人、それから、民間法人への改組またはその検討を行うこととしているものが六法人、縮小することとしているものが一法人、法人のあり方を検討することとしているものが八法人、計十八法人ということになっておりますが、これは十二月三十一日に閣議了解を行いまして、五十一年度末までに、あるいは五十二年度ないし五十三年度までにその結果について結論を出すということになっておりまして、各省ともただいま検討に着手した段階でございます。具体的にすでに検討を始めている省庁もあるように聞いておりますけれども、その内容につきましては、まだ行政管理庁として詳しく状況を把握しておりません。しかし、これらの中には当然五十二年度の予算編成と絡むものも出てくるわけでございますので、今後、来年度の予算編成等の時期等におきましては、この状況につきましてチェックし、または私の方から意見を申し上げるということにいたしたいと考えております。 それから、特殊法人の役員の縮減の問題でございますが、これは内閣官房におきまして昨年末以来ずっと検討しておられたのでありますけれども、本年の五月十一日、閣議決定によりまして特殊法人の役員の縮減をすることを決定いたしております。内容は十人から十五人までの常勤役員を擁する特殊法人については一人、それから十六人以上の常勤役員を有する特殊法人につきましては二人を縮減する。その縮減のやり方といたしましては、それぞれ役員に任期が定まっておりますので、任期満了時点におきましてその補充をしない、いわゆる欠員不補充方式と申しますか、そういう方式によって役員の縮小を行い、それによって特殊法人の簡素化を行っていきたい、こういう御趣旨で五月十一日に閣議で決定されておる次第でございます。
○峯山昭範君 まず、私は特殊法人の整理合理化の問題につきましては、この閣議了解事項というのは私は納得しているわけではない。この整理合理化というこれは、中には十年先のことまで書いていますよ、六十一年。こんな整理合理化の方針なんて私はないと思うのです。行政監理委員会が指摘しておった従来からのいわゆる特殊法人の整理合理化というのは、もっと端的なものだったと私は思うのです。にもかかわらず、こういうふうな非常に長年月にわたって整理していくという方針なんていうものは、これは実際に本当の整理に当たるのかどうか、やはり非常にいろんな問題を抱えていると私は考えています。さらに、いまの特殊法人の常勤役員の削減の問題、これは一体行政改革とどういう関係があるのかと私は聞いているわけです。私は当然、この特殊法人の常勤役員という問題は、これはこの委員会で先般から取り上げているわけでございますが、特に常勤役員の方々の退職金の問題、天下り役員の退職金の問題、これは皆さん方の管轄じゃないかもしりませんけれども、非常に大きな問題をはらんでいます。渡り鳥役員や天下り役員やいろんな問題が絡んでいます。ですから、私は、そういうふうな非常に大きな退職金——当内閣委員会に出席された総務長官は人材を確保するためには当然必要だとかいろんなことを言いましたけれども、それはそれなりに現実にいろんな問題がある。当然内閣としても大蔵大臣や官房長官と相談して検討する、退職金の問題についても、そう発言が出ているわけです。そういうような意味からは、私はこういうふうな常勤役員の削減というのは、行政改革という面からも私たちは検討してもらいたい。そして、天下りという問題についても現実にその行政管理庁自身が非常に大きな関心を持ってこのチェックをしないと——何でこんなことを言うかというと、特殊法人の整理合理化というときに大きな抵抗に遭って現実にはこういうことはできないということに絡んでくるわけですね、ですからそういう点にも考えを及ぼして、特殊法人の整理合理化という問題に私は取り組んでもらいたいと思うし、さらに、去年の暮れに閣議了解した特殊法人の整理合理化の方針というのは、いまそれぞれ検討しているということになっておりますけれども、検討された結果というのはいつごろまとめるつもりなんですか、そしていつごろわれわれに報告することができるのですか、これはどうなんです。
○政府委員(小田村四郎君) 特殊法人の役員の退職金、給与等の問題につきましては、実は所管でございませんので、ただお指摘のとおり、行政進革自体と密接な絡みがあることは当然でございますので、私ども関心を持っておるわけでございますが、御趣旨の点につきましては内閣官房等と十分今後も連絡をとってまいりたいと思います。 それから、特殊法人の整理合理化についての閣議了解のトレースでございますが、たとえば、これは各特殊法人によりましていろいろその検討期限というものが定まっておりますので、五十一年度末までに検討を終えるというものにつきましては、当然その期限が過ぎましたら御報告できると思われますし、それから、その以降の問題につきましても、あるいはある程度中間的なめどが立てば御報告できるかと思いますけれども、まあ閣議決定以後約五ヵ月程度でございますので、まだ各方面にわたっての検討が終了しておらないという段階であろうかと思います。また、場合によりましては、来年度の予算編成と関連するものであれば、この予算編成が終わればまた御報告できるということになろうかと思います。
○峯山昭範君 それでは、この問題については改めてもう一回取り上げることにいたしまして、あと二点ほどお伺いしておきたいと思います。 まず第一点は、この行革本部の決定、去年の五月ですから一年前ですが、それにも出ていますが地方事務官の問題です。これは、特に自治省、大蔵省、行政管理庁、「国と地方との行政事務の再配分と機関委任事務の整理」という項目で、これは「地方事務官問題については、廃止の方向で検討が続けられているところであるが、今後とも関係省庁間の協議を促進し、速やかに解決を図るよう努めるものとする。」、こういうふうな行革本部の決定がなされております。この問題については、これは総理の公約として今国会に法案を提出するということにもなっておりました。これはきょうで終わりですが、現実に出ませんでしたけれども、これは一体どういうふうになっているのか一遍お伺いしたい。
○政府委員(小田村四郎君) 地方事務官の問題につきましては、先生御承知のとおり非常にむずかしい問題でございまして、内閣官房を中心にいたしましていろいろの検討が行われておりまして、特に昨年の十月二十三日以降は、官房副長官を中心といたしまして、関係省の政務次官が集まられまして、この政務次官会議で検討が行われたわけでございます。これが約十回ほどことしの三月まで行われたわけでございますが、やはり非常に問題が困難であるために結論が出ないということになりまして、現在、今後の調整を待っておるという状況でございます。で、行政管理庁といたしましては、この行政改革本部の決定もございますし、今後、厚生、労働、運輸三省と自治省との協議が促進されるように努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。まあ、なかなか解決ができなかった原因といたしましては、職員の身分でございますとか、各省庁の行政機構のあり方でございますとか、事務の性質あるいはその担当主体ということにつきましての意見の相違がいろいろございますし、また関係の職員団体の間にも意見の対立があるというようなことがございまして、調整が十分できなかったことはまことに遺憾でございますけれども、今後も各省間の協議を促進してまいりたいと考えます。
○峯山昭範君 いまあなたがおっしゃるようなことは前々からわかっておるわけですよ。そんなこと、急に調整がむずかしいとか、非常に職員の問題があるとか、そんなことは急に出てきたんではなくて前々からこんなことはわかっているわけですよ。こんなことは行革本部でも当然承知の上で決めているわけです。総理だってそのことは承知の上で今国会に出すと言っているわけでしょう、本当言ったら。ですから、そういうふうな意味では、こういう公約した行政改革というものが現実に行われていないということ自体が問題で、やはりこれは相当いろいろな問題が私は今後残されている、そういうように思います。やっぱり行政管理庁としても責任を痛感して、こういうような処理に当たってもらいたいと思います。 それで、時間ございませんので一いまの問題、後で大臣から答弁いただきたい。 それからもう一点、定員の問題、これは非常に大きな問題になりつつありますが、大臣これは実際問題として、定員令第一条に言うところの総定員の枠、これは決まっていますね。そうしますと、ことしの実情を簡単に局長の方から答弁いただいて、それで、要するにこの総定員の後どの程度の枠が残っていて、来年またこの定員削減というのがございますけれども、来年はことしみたいに定員削減ができないでしょう。そういう点からいくと、これは総定員の枠というのは五十二年度には相当私はオーバーするんじゃないかということが現実に考えられるわけですけれども、この総定員という問題については一体どういうふうにお考えなのか、ここら辺の問題、どういうように措置をしていかれるつもりなのか、この点もちょっと一遍お伺いしておきたい。
○政府委員(小田村四郎君) 五十一年度におきます増員でございますが、増員と削減とを差し引きいたしまして、定員令第一条関係につきまして千百四十六人の増員を行っております。その結果、五十一年度末の定員は五十万四千五百三ということでございまして、総定員五十万六千五百七十一人との間の余裕は二千六十八人と、こういうことに相なっております。御指摘のとおり、この一条定員は五十年度から増員に転じてまいりまして、来年度は現在の第三次定員削減計画の削減見込み数が本年度よりも減少いたしますので、相当苦しい定員事情になってくるということは御指摘のとおりでございます。しかし私どもといたしましては、ただいまの困難な財政事情あるいは社会経済情勢等にもかんがみまして、極力定員の増加は圧縮いたしたいというふうに考えておるわけでございますが、これが来年どの程度のものになるかということにつきましては、今後の情勢の推移によっても決まる部分が多い次第でございまして、現在のところこの予測を立てることは非常にむずかしいという状況でございます。
○峯山昭範君 それでは、予測を立てることはむずかしいといたしましても、きょうは時間ございませんから簡単に申し上げますが、昭和五十一年度の増が六千八百十七人ですね、それで計画による削減が五千六百七十一人と、いまおっしゃったように差し引き増が千百四十六人となったわけですね。それで、こういうことしの増減のぐあいから言いまして、来年もやっぱり増については同じぐらいが見込まれるわけでしょう、現実の問題として。減についてはこんな減はないわけでしょう、どうなんですか、それで現実の問題として二千六十八人というこの現在の最高限との差で足りるのかどうか、これはどうなんです。
○政府委員(小田村四郎君) ただいまも申し上げましたように、まあ予測がむずかしいと申し上げたわけでございますが、この削減が現在の計画ではこの五十一年度の五千六百七十一人より減少することは間違いないわけでございます。そこで減少した場合、それでは増員の方はどうなるかということでございますが、これは各省のそれぞれの事情によって違いますけれども、私どもといたしましては、内部振りかえ等を極力励行していただきまして増員規模を圧縮したいというふうに考えております。また、削減規模をどうするかという問題につきましても今後検討していかなければならないわけでございますので、関数関係の中で未知数の要素が非常に多いものでございますから、来年度最高限度を突破するのかしないのかというところをまだ予定する、予定といいますか推測することが非常にむずかしいという状況でございまして、これはいずれにしても、ことしの定員査定の結果を見てからでないと確定的なことは申し上げられないのではないかというふうに考えております。
○峯山昭範君 私は時間がございませんからこれ以上追及する余裕がございませんが、局長、そんなこと言っていて、実際問題、にっちもさっちもいかなくなってから当内閣委員会にこういう問題が出てきても困るわけですよ。やはり余裕を持ってこういう問題については検討すべきであると私は思うんです。現実の問題として、あなたがおっしゃるように増の問題についてはことし六千八百人というものが増だったわけです。幾らしぼったにしてもやっぱり千人ことしより減らそうということは大変なことである。そうすると、千人減らしたとしても五千八百人ふえるわけですよ。そうしますと、減についてはあなたはもう減ることは間違いないとおっしゃっている。減についてはことしは五千六百人減らした、しかしながら、来年は五千六百人減らすのは無理だということがはっきりわかっているわけでしょう、現実の問題として。一この半分減らすのだって大変でしょう。そうしますと、現実の問題とで差し引きはどうしてもやっぱり二千人近くはふえるということはもう確実になってきているわけでしょう。そういうときに、後二千人しか余裕が現実にないわけです。総定員法という法律自体が非常に大きな問題でありますから、わが内閣委員会にとりましては、そういうような観点からも、こういう問題についてはやはりもっとシビアに検討しなくちゃいけないと思うし、やはり、こういう問題について、何といいますか、行政管理庁としても見通しをきちっとしていただかないといかぬと、私こう思うんです。この点について、先ほどの地方事務官の問題とあわぜて大臣の答弁をいただいて私の質問は終わりたいと思います。
○国務大臣(松澤雄藏君) 先ほどの地方事務官の問題等につきましては、率直に申し上げて、先ほど私たちの方の局長から御答弁を申し上げたような調子でございまして、厚生省にいたしましても、あるいはまた運輸省にいたしましても労働省にいたしましても、一生懸命になってこれらの問題を解決するように努力したいと、かように言うております。言うてはおりまするものの、しかし、これらの問題について自治省等を訪ねてみましても、なかなか思うように進まない現況であるといったようなことでございますので、何とかして総理大臣の御答弁のようなぐあいにしたいものだと、かように考えまして真剣になって私たちの方が要請をしておりますが、ついつい本年は間に合わなかったということを言わざるを得ないんじゃないかと、かように思っております。 なおまた、最後的な点でございますが、ただいまの御質問の問題等に関しましては的確に予測することは困難でございまして、今後なお、社会経済の推移等を十分に見きわめる必要もありますので、この方針を十分に検討していきたいと、かようにも考えております。そしてまた、社会経済情勢の現況や財政事情などにかんがみまして、五十二年度においても行政コストの節減を図る立場から、引き続いて行政の簡素合理化を推進し、厳正な定員管理を行うようにしてまいりたいものだと、かように考えて、現在やかましく私から行管局長の方等に、あるいはまた役所の役人自体の方に対しましてもお話を申し上げておるような現況でございますので、この点は御了承していただきたいと、かように思うのであります。
○岩間正男君 まず最初に、緊急に質問したいと思うのでありますが、本日午前十一時ごろ、参議院に右翼が乱入した事件が起こりました。この経過について簡単に、これは警備局長ですか、御報告願いたい。
○政府委員(三井脩君) 本日午前十時四十分ごろでございますが、右翼の核防条約批准阻止共闘会議というものに結集する約十七名が、背広その他の通常の服装で国会周辺に三々五々集まりまして、参議院の議員会館面会所周辺を徘回をしておりましたが、十一時過ぎ、このうち十四、五名が参議院の西通用門前に来た際、突然構内に駆け込みました。構内に入って核防条約粉砕などと叫びながら参議院の本館に向かって走り寄りましたが、この際、窓ガラス一枚を破損いたしました。警察官におきましては、これを構外に排除すると同時に、十三名を暴力行為等処罰ニ関スル法律違反並びに建造物侵入容疑で現行犯逮捕し、目下引き続き捜査をしておるという状況でございます。
○岩間正男君 これは最近国会周辺で、核防条約粉砕と称して右翼が国会周辺を宣伝カーでもう連日のように飛び回っている。この実情をどのようにつかんで、これに対する対策をどのように立てておられたのか。ことにまた私がお聞きしたいのは、この前、先月の二十三日ですね、右翼の大日本生産党の行動副隊長が、外務委員会の傍聴席から三木総理に建白書を出すというので飛び込んできた。これは非常に大きな問題になった。こういうような後に、このような事態に対する警察の態勢は一体どうだったのか、この点は非常にこれと関連して大きな問題だと思うんですが、特にお伺いしたい。
○政府委員(三井脩君) 御存じのように、右翼の各団体におきましては、この核防条約には反対ということでかねて反対宣伝活動をやっておりましたが、昨年の二月、いよいよこの問題の批准も近づいてきたという判断に立ちまして、先ほど申しましたこれに反対をする共闘会議というものを一応つくったわけでございますdこういう組織でございますので、共闘会議といいましても格別規約、組織と、こういったかっちりしたものがあるわけではありませんで、それぞれ街頭宣伝活動に参加する者、それがみんながこの共闘会議に賛同する者であるという形をとっておりますので、ただいまのところそういう意味で行動しておりますものは約二十団体ということでございますが、その日によって増減があるということでございます。そのような状況におきまして、警察といたしましては、これに対する警戒、取り締まりの態勢を強化をしてまいっておるわけでございますが、御存じのように、この右翼の諸団体に属する連中は、いわゆる街頭宣伝用の車両に乗りまして行動すると、徒歩で行動する場合もありますけれども、主として車両によって行動いたします。これにつきましては、それぞれの車両が所轄警察署長の道路交通法による街頭宣伝の許可を得ておるわけで、これは道交法の七十七条による道路使用の許可ということになるわけでございます。したがいまして、この道路許可を受けて街頭宣伝をするわけでございますが、この核防条約の反対という事柄の性質上、彼らが街頭宣伝をどこに向けて行うかということになりますと、まず第一に外務省、総理官邸、そして審議されておる国会と、こういうことになるわけでございまして、警察におきましては彼らの行動を十分監視をする。同時にまた、外務省、国会周辺におきましては、先ほどお挙げになりました先月の事例もあるように、国会周辺に街頭宣伝の名のもとに近づく、車で近づいてこれを飛びおりてばらばらと駆け込むということに対する警戒という観点も含めまして、御存じのように国会周辺の要所要所に機動隊員を配置し、また一般の方にも御迷惑をかけておるわけでございますけれども、機動隊の大型車両を道路に配置して、彼らが近づいたときには直ちに車両で阻止をし、説得をして国会周辺から退去させるという方法をとっておるわけでございます。 本日の事案につきましては、いつもはいわゆる右翼団体のそれぞれの団体のユニホームを着て行動するわけですが、本日はこの条約の最大の山場であるということから、本日は六十名行動しておるわけでございますけれども、そのうちの約十五名は普通の背広、まあ私服といっていいでしょうか、ユニホームでない服装で行動するという状況を見ましたので、彼らがいわばゲリラ的に警戒のすきをついて国会に近づくという点を警戒をし、早朝来警戒しておったところ、ただいま申したような状態で議員面会所へ行き、議員面会所では中に通行を認めないという状況を見てとって、そこから退去する形をとり、西通用門の付近に来たときに急に中に駆け込むということで、本館の建物の中には入りませんでしたけれども、このそばまで行ってガラスを破る、また、核防条約反対のシュプレヒコールをすると、こういう状態でありましたので、そのほぼ全員を検挙したのでございます。あと一、二名おったかというような感じもございますので、その辺につきましては十分捜査をしておると、こういう状況でございます。
○岩間正男君 これは朝から右翼が行動している、こういう情報はつかめたと思うんですね。それで、これに対する対策についていま話がありましたけれども、実際はこれは非常に甘いんじゃないかという感じがするんです。大体まあここ連日警察が出て、しかも右翼があそこで演説をやる、さらに盛んにこう宣伝をやっていますね、こういう中で、まあ非常に通行人が妨害されるとか、国会議員でもなかなか実際は本館内に入るのに妨害される、そういう事態さえ起こっているんです。だから、非常にこういう点に対する対処の仕方というものは、警備体制が甘いんじゃないかというように考えられるんですね。ことにきょうのような、これはまさに民主主義の府である国会でこういう事件が引き起こされた。この前、すでにもう一カ月前にも起こった、そういう問題とも関連して、きょうはいよいよ乱入すると、そうして破壊をする、ガラスを破ると、 こういう問題まで起こったわけですね。このような事件が起きたこの原因というものについて十分考えなくちゃならない。それは警察当局が右翼に対して日ごろ非常に甘い、そうして泳がし政策をとっている、こういう点から発生しているということが考えられるわけです。こういう点では警察の責任は非常に大きい。これについてどのような一体責任を感じておられるのか、この点明確な答弁をしてほしいと思います。
○政府委員(三井脩君) ただいま申し上げましたように、本日が特に山場であるという判断に立ち、行動をするであろうということを考え、かつ現実にいつもとやや違った、通常の服装の人間もこれには参加をしておる。したがって、彼らが通常やりますような、宣伝カーの上からボリュームを上げて宣伝をする行為のほかに、三々五々一種のゲリラ的な行動に移るということをも頭に置きまして警戒態勢を厳にしておったわけでございまして、本日この国会周辺で約三百名の警察官を配置し、彼らの行動に備えておったわけでございます。 その警察の右翼に対する基本的な姿勢の点についてお話があったわけでございますけれども、私たちは、法を基準にしてこれに違反する者を取り締まるということでありますので、こういう点につきましては、右翼であると否とを問わず、同じ立場で厳正かつ公平にこれを取り締まっておるつもりでございます。 最近この核防条約を中心でございますが、またその他のテーマもあるわけですけれども、昨年あたりから右翼のこういう行動、これに伴う違法行為は格別活発になっておりまして、昨年中は二百七十七人を検挙すると、これは一年間としては戦後最高の数でございます。また、本年に入りましてから、すでに五月二十二日までに九十一名を検挙しておるということでございまして、警察といたしましては現在の法のもとにおける最高限の努力をしておると考えるところでございます。御存じのように、右翼は一般に行動します場合には、ただいま申しました道交法による街頭宣伝の許可としての道路使用の許可を受けて実施をすると、こういうことでございまして、街頭宣伝としてこれを行うにつきましては、国会周辺もこれを除外する法的理由はないわけでございますけれども、御存じのように、国会周辺に近づけないということで警備車を配置し、物理的に突破されることを防止し、かつその線に来たものにつけましてはこれを説得をして、そこから中に入れないということをやっておるわけでございまして、現場における警察官に対しまして、右翼だからといって国今周辺に近づけさせないという法的根拠は何だということを現場では警察官にマイクでがなり立てろわけでありますけれども、われわれはあくまでこれは任意の措置としてこれ以上近づけないように説得をするという構えでやっておるわけでございまして、現場における警察官の苦労も大変なものであると考えるわけでありますが、以上のようなことでございまして、ただいまの事件につきましても、そのほぼ全員を現場において検挙したということでありますので、現場の警察官としても精いっぱいやっておるというように考える次第でございます。
○岩間正男君 あなたの答弁聞いていると、非常に右翼に対しても厳しくやっているんだと、そういうことを述べられたわけだが、しかし現実には、その厳しくやっているはずの取り締まりが、そこを突破されてきょうのような問題が起こっているんでしょう。ここにやっぱり問題があるんだ、非常に。それはいつでも国会のあなた方の答弁聞いているとそういう答弁します。しかし、事実は非常にやっぱりなれ合いがある、泳がせ政策がある。そうしてそういう事態がこういうものを生んでいるんです。こういう事態というのは国民が何よりも感じているんですからね、こういう点で、私たちはこの問題に対処する警察庁の姿勢、これは非常に大きく問題になると思う。 それで、時間がないのであなたに資料を要求しておきたいのでありますけれども、この問題について先月あたりから警察は警備体制をとっているわけですが、連日どれぐらいの一体警備車を動かしたか、それから何人動員したのか、そしてどういうような事態が起こったのか、これは時間の関係から資料で出してほしい、当委員会に出してほしい。これはいいですね。簡単にやってくださいよ、出すか出さぬか、時間がないんだ。
○理事(加藤武徳君) 岩間君、委員会の資料は理事会で相談するたてまえになっておりますので、後刻相談します。
○岩間正男君 警察の意向、どうなんだ、出せるか出せないか。
○政府委員(三井脩君) 委員会の御決定に従うことにいたします。
○岩間正男君 これは国会の、ことに警備の問題ですから、ぜひ委員会においてもこの資料は提出させる、そのように希望するものです。 〔理事加藤武徳君退席、委員長着席〕 それでは次に、法務大臣にお伺いします。 ロッキード事件の中間報告を先ほど受けたわけでありますけれども、これに関連して二、三の質問をしたいと思います。 まず、第一にお伺いしたいのは、日米司法共助によるロッキード社の関係者に対する嘱託尋問を行う考えがあるのかどうか、この点をまず明らかにされたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) あります。
○岩間正男君 それでは、たれとたれをこれは尋問する予定でおられますか。
○国務大臣(稻葉修君) 刑事局長から。
○政府委員(安原美穂君) 司法共助の問題でございますが、新聞にも報道されておりますように、日本国の検察官が直接その重要な関係人から事情を聴取するのが最も望ましいというふうに、これが捜査の常道であろうと思うのでございますが、なかなか先方が任意にこれに応ずるということが困難な事情にあるように見受けられます。そこで考えられるのが、わが国の裁判所からアメリカの裁判所に証人尋問を嘱託するという方法でございますが、こういう方法によるようになったかどうか、あるいはいつするのか、だれを聞くのかというようなことは、これ皆捜査の進行に絡む、これからやろうとする、あるいはやることもあるであろうことの予想される捜査の内容の問題でございますので、いまこの段階でだれをということはひとつ御勘弁を願いたいと思います。
○岩間正男君 これは少なくとも、この事件の非常に中心人物であるロッキード社のコーチャンあるいはクラッター、こういう人たちをはっきり尋問しなければ、現在捜査を進めておる、資料ももう入ってきた、そういう中では相当高官名も入っている、もうそういうことが明らかになっている、それを裏づけしてはっきり立件できるのかどうかという、そう.いう問題にこれは関係をしてくるわけですね。したがってこの決め手ですね、このためにはどうしてもコーチャン、クラッターという人は抜くことはできないと思うのでありますが、これはいかがでしょうか。
○政府委員(安原美穂君) 先ほども御指摘のように、アメリカから資料を受けましても、それをそのまま一〇〇%信用するということではなくて、やはりその裏づけの捜査をする必要がございます。そういう意味におきまして、一般論ではございますが、そのほかに本件の特殊性にかんがみましてアメリカに重要な参考人、関係人がおることも事実でございまするから、そういう人たちから事情を何らかり方法で直接検察官が聞くか、あるいは証人尋問の形か、いずれにしても聞くということがきわめて有力にして適切な捜査方法であることは否定すべくもないわけでありまするが、それがそうでなければ捜査が進まぬかどうかというような点は、必ずしもそうであるともそうでないともいま申し上げるわけにはいきませんが、とにかくそれが有力な手段であり、そういうことを考慮しなければならないことも当然のことと思います。
○岩間正男君 法務大臣は、これはもうはっきり嘱託尋問をやる意思があると、こう答えられている。この意思がある限りは、具体的なものもあるわけですよね、そうして、アメリカにも何人か嘱託喚問しなくちゃならない人がある、しかし、少なくとも今度のロッキード事件の問題の中でコーチャン、クラッターという人は、これは抜くことはできない。そういう具体的なものがあって、それで法務大臣もこの嘱託尋問をやる意思がありますと、これは明言された。これを刑事局長は、何かまだぼかしてしまうというようなやり方をやっていられるわけですけれども、どうなんですか、それぐらいのことは明らかにできるでしょう。これは法務大臣のさっきの答弁の裏づけとしては、あなたの答弁は非常にあいまいに戻している。そうじゃなく、ここでそれぐらいのことははっきりしてください。
○政府委員(安原美穂君) 大臣の申されましたのは、その必要があればそういう手段も講ずることは当然考えられるという御趣旨だと思います。と申しますのは、いま考えられます二百二十六条による証人尋問と申しますのは、岩間委員御案内と思いまするけれども、検察官が取り調べをしたい人間が取り調べに応じないとか、取り調べに応じても供述をしないという条件が満たされないと証人尋問嘱託ができないという前提条件がございますので、そういう前提条件等を含めまして、いま直ちにする意思が具体的、確定的にあるという段階ではないわけでございます。 それともう一つ、私がそういうことについて具体的に、だれをいつというようなことを申し上げることを差し控えたいと思います趣旨は、もう御案内のとおり、この本件というものは非常に国民の関心の高いことでございまして、それだけに検察に寄せられる期待も大きい。それゆえにこそ、検察は何とかして真相の究明をやらなければならないということを肝にかたく銘じ、懸命の努力をしておるわけでございまするが、報道陣の熱心の余りでございましょうか、これがいつどこでだれをということになりますると、恐らくはこの熱心な取材活動のために、私どもの恐れますのは、証人となる人たちが素直に、円滑に取り調べに応じないとか、あるいは円滑に証言をしないということとなるおそれが多分にあるわけでございまして、その辺から、どうしても捜査の目的を達成するためには、この際具体的なことを公にするということは、証人尋問の円滑な実施を妨げるおそれがあるという憂慮のもとに、私はこういう席で申し上げることを差し控えさしていただきたいとお願いをしておる次第でございます。
○岩間正男君 非常に漠然としたところに戻してしまうんですね。少なくともロッキード問題でコーチャン、クラッター、こういう人は入ってるんだろうと、こういうことはだれでも、もうすでに世上論議されている問題ですよ。それを検討当局だけはこれに対していまのような答弁でやられていくんで、ここに非常に問題があるんじゃないか。特に米政府ではこの嘱託尋問について非常に好意的に対処されているようですね。 そこで、現在日米間り話し合いは、これはどうなっているんですか、この点を明らかにしてほしい。
○政府委員(安原美穂君) 先般来、東京地検特捜部の堀田検事を渡米させまして、直接取り調べるいわゆる面接取り調べの問題、それからそれが不可能な場合のいま申しました証人尋問の嘱託の問題につきましての米政府との下準備の交渉に行かせた結果、米政府といたしましてはできる限りの協力をするということでございますので、先ほど申しましたように証人尋問嘱託をするというようなことになり、あるいは直接取り調べをするというようなことになればアメリカ政府としては最善の協力をしてくれることになっております。
○岩間正男君 その場合、日本側の検事が立ち会うことは可能性あると思うんですが、どうでございましょう。
○政府委員(安原美穂君) 証人尋問の場合のお尋ねだと思いまするが、そのこと自体、アメリカの法律で当然に嘱託をした国の検察官が立ち会えるということにはなっていないと思いまするが、事実問題として、そういうことが不定されるかどうか、肯定されるかどうか、全く事実問題でございまして、いまこれが直ちに立ち会えるというようなことが決まっておるわけではございませんが、検察当局としてはそういうことが実現されれば好ましいことであるとは思っております。
○岩間正男君 これはぜひ実現するように推進する必要があるんじゃないかと思うんです。これは法務大臣もいいですな。——うんじゃなく、言葉でひとつ。
○国務大臣(稻葉修君) まあ、刑事局長が答弁を申しましたから、賢明な岩間議員におかれては御推察ができるんじゃないかと思います。
○岩間正男君 いや、あなたがうんとこう言ったんだから、そういうことを確認しておきますよ。うなずいた。 そこで次に、このたびの超党派の訪米議員団に対して、コーチャン、クラッターの国会への証人喚問についても、ロックフェラー副大統領、これはまあ非常に協力すると、こういうような言明を得ているわけですね。これもまあアメリカの方が案外積極的なんですから、これに対応して当然日本もそれ以上に積極的であるべきだと思うんです。で、こういう問題についてこれに努力をすべきだと思うのでありますが、せっかくアメリカがそういうような好意を示しているのに対して日本の引き受け体制、受けざらがまるで違った態度じゃ話になりません。当然これは、いままでの三木内閣の姿勢からいっても積極的に働きかけるべきだと思うんでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(安原美穂君) 日本の国会議員代表団のロックフェラーとのお話の内容は国会における証人喚問のことでございまして、法務あるいは政府当局の直接には関係のないことでございますので、これ以上私から申し上げる余地もないと思うんですが……。
○岩間正男君 これはあなたたち、この訪米議員団の報告はまだお聞きになっていられないと思います。私たちもとりあえず中間の報告を受けたんですね、たとえばロックフェラーに会ったとき、ロックフェラー副大統領は、ロッキード疑獄で日本に迷惑をかけたことを陳謝すると、こういう発言をして、さらに第二には、ロックフェラー副大統領は、コーチャン、クラッターの日本の国会での証人喚問についても、アメリカの法律では強制力はないが、本人が喚問に応じるよう説得すると、こういうことを約束しておるわけです。さらにそれだけじゃありません。ヒルズ証券取引委員会の委員長に会った場合に、このSECの提供資料の中に政府高官の贈収賄を裏づける十分な資料が含まれているのかと聞きましたのに対して、ヒルズ氏はイエスと言って、日本に渡した資料の中に政府高官の贈収賄を裏づける資料も含まれているとはっきり言明し、それは二週間前に日本に渡したと、さらに二、三日後にも提供する予定だと、こういう見解を示した。これは先ほども秦議員からの質問にありました。このように非常に米国側の態度はむしろ積極的なんだ。さらに、まあこれはイーストランド上院仮議長に会ったときに、喜んで協力すると、こういう約束をこれは資料提供についてはやっている。で、日米司法取り決めがあるなしにかかわらず、この点で議会としては協力をする、こういう約束をしているんですね。これらは米国側の積極的な態度と言わなきゃならないし、そうして今度の超党派訪米議員団がこのような問題をみやげとして帰ったわけですから、この成果の上に立っても、ことに道義的、政治的責任を追及するというこの国会の今後の特別委員会の動きについては十分に政府は協力をすべきだと、こういうふうに思います。法務大臣いかがです。
○国務大臣(稻葉修君) 三木総理の親書に対する米大統領の返書の、協力をするということについて、副大統領がこれをわが訪米議員団にさらに積極的に乗り出してきて約束しておるということは、単に政治的、道義的責任を追及するにとどまらず、刑事的責任追及にも非常に参考になりますから、歓迎すべきことである、そういう意思表示を私がいたすことがわが姿勢である、協力の姿勢であると、こういうふうにお受け取り願いたいと思います。
○岩間正男君 まあ、意思表示をして、同時にこれを実行するというわけですね、こういうことですね。意思表示だけじゃ不十分ですから、これを裏づける実行をやる、こういう確認をしたいと思います。 最後にロッキード問題でお聞きしたいのは、先ほど稻葉法務大臣は中間報告を行われたその中に、百八十名についていままで調査をしたと、こういうことをきょう新たに発表されたわけですね。その中に小佐野賢治が入っているのかどうか、このことを具体的にお聞きしたいんです。小佐野は、コーチャン証言でも、私の見るところ彼は日本で非常に影響力のある実業家です、さらにロッキードのトライスターの売り込みには非常に役立ったと、こういうふうにこの証言の中でやっておるわけですね。当然これは今度の疑惑の中心人物の一人なんです。だから百八十の中にこれは大っているのか入ってないのかというのは、国民が非常にこれに対して深い関心を持っているわけです。これはいかがですか。
○政府委員(安原美穂君) コーチャン証言等を通じまして、ロッキード社のいわゆる製造機の売り込みに関連いたしまして小佐野賢治氏の名前が指摘されていることは事実であり、その点について検察当局も何らかの関心を払っていることは間違いないと思いまするけれども、遺憾ながら特定の人の名前を挙げて、その人を取り調べたかどうかということを申し上げることは、任意捜査のたてまえ上お許しを願いたいと思います。
○岩間正男君 例によって例の答弁が出たわけですけれども、少なくとも、これはあなたが答弁されないにしても、今度の百八十人の中に最も中心的な人物の一人が入っていないというようなことは、そうして国会での論議が非常に何か霧の中に隠れたような論議じゃこれは国民は納得しないわけですから、捜査上の必要必要ということでありますけれども、そういう問題についてこれは明らかにする必要があると思います。しかし、そう言ってもあなたはここで答えないのかもしれませんが、どうですか。
○政府委員(安原美穂君) 御関心のあることはく理解いたしまするけれども、先ほど申しましたように、任意捜査につきましては、任意の協力を得なければならない人がたくさんおられるわけであります。そういう方の任意の協力を得るためには捜査の段階においてだれだれを取り調べたということは申し上げるのを御猶予願うことが、われわれの捜査に御協力いただける一つの方法としてぜひお願いをしたいことと思います。
○岩間正男君 国民の期待にこたえるその方向に、あなたたちも捜査陣もこれは進めなければならぬですから、そういう点をはっきりこれは考えておいてほしいと思います。 それから、ロッキード問題は時間の関係からこれぐらいにしまして、次に法務省の設置法に関連した問題をお聞きしたい。 この前私は、今度の訟務局の復活というのは、これは中身を調べてみると非常に国が原告になったり被告になったりする場合が多い、九五%まではそうなってきている、これは全く国家権力が最近非常に強力になって、そうして国民の利害と対立し、それから国民のこのような当然な権利行使に対して相当な圧力になっているんじゃないかという点を指摘したわけです。これと関連して私がお聞きしたいのは、実は法務局の登記事務の問題、これは国民の利益に関する日常の非常に重要な課題なんですが、ところが、ここのところが充足されていないじゃないか、こういうふうに考えられる点が非常に多いわけであります。それで、われわれもこの点を調査をしましたら、全くこれは大変な事態があることを、これは自分たちでつかんだわけですね。で、時間の関係で全部をこれは申し上げることもできないかと思いますが、最初に伺いたいのは、この十年間の法務局の登記事務でずね、この事務量がどれだけ増加して、そうして、それに伴って職員の数が一体どうなっているのか、この点いかがですか、端的に答えてください、時間ないから。
○政府委員(香川保一君) 登記事務の中で、御案内のとおり申請によって登記簿に記入する登記甲号事件、これをまず申し上げますと、昭和四十年が件数で千三百二十八万八千件でございます。これを一〇〇にいたしまして、一番十年間でピークに達しましたのは昭和四十八年、二千百四十五万でございまして、昭和四十年に対比いたしまして六割強上昇いたしております。で、その後経済事情の変動によりまして事件数が下がってまいりまして、昭和五十年度で申し上げますと千八百二十七万件、昭和四十年に対比いたしますと約一四〇%ぐらいになろうかと思います。で、もう一つの大きな事務量でございます謄抄本閲覧等の、登記乙号事件と言っておりますが、これが昭和四十年度で八千九百八十一万件、昭和五十年度で二億五千七百七十一万件、昭和四十年度を一〇〇にいたしますと約二・八五倍ということになっております。これに対応いたしまして職員の増員数でございますが、昭和四十年度は法務局職員で一万七十七名おったわけでございますが、現在昭和五十一年度で申し上げますと、一万一千六百二十八名ということで、一割五分の増員ということに相なっております。
○岩間正男君 これは大変なことだと思うんですね。事件の数で見ますというと、もう二倍、四倍というふうにふえている。職員の方はほとんど一割足らずですね、四%、こういうことですから、アンバランスが物すごい状態になるんですね。したがって、これは全部職員にかかってくるわけです。単に、職員にかかってきて健康状態や、それから年休の利用状態が全く行われない、そういうところに追い込まれているだけじゃなくて、その結果はやっぱり利益を受ける国民にこのしわがほとんど寄っているというところに典型的なものがあらわれている。で、こういう問題を取り上げまして職員団体も、これは自分たちの労働条件だけの問題じゃない、実は国民のこのような利益を本当に増進するという立場からこれに対して要求をしてきたと思うんですね。で、今年これは八千三百五十九名必要だというので職員団体の方から行管庁に要請した。そうしたらこれに対してわずかに千五百四十三名、これが査定の結果認められた、こうなっているんですが、数字はこれでようございますか。
○政府委員(香川保一君) 組合が私どもにも申しておりました増員の必要絶対数の数は八千人以上を超えておった、それはそのとおりだと思いますけれども、いま千五百四十三人とおっしゃいましたのは法務局全体での私どもの予算要求の数字でございます。
○岩間正男君 私のところに大都市の法務局が行った「都市圏を中心とする登記所の適正事務量把握のための実態調査」という報告書があるわけです。これを見ると「職員の事務負担量は年々高まり、健康管理の面からも限界に達し、やむなく事務処理の一部省略、つまり手ぬきがおこなわれている。」という報告をしているわけです。また、法令に違反する部外者の応援が常態化しているとも報告している。本院でも、民間や登記協会への事務委託がいままで問題にされてきました。昭和四十五年四月十三日の法務委員会で、当時の法務大臣は、保存、財産の安定には登記事務は一番大切な仕事であるが、中には民間に委託までしておるようなものがあるような話まで出ておって、これはもうもってのほかの対処の仕方であると答弁しているわけです。で、稻葉法務大臣としてはどうでしょうか、こういうように前任の法務大臣は答弁されておるわけですか、この点どうお考えになりますか。
○国務大臣(稻葉修君) 前にそういう法務大臣がおっしゃったとおりだと思いますね。
○岩間正男君 それは同意見で、認められたわけです。そこで少し突っ込んでお尋ねしたいんですが、まず初めに、部外者応援について昭和四十六年十二月、当時の川島民事局長が衆議院法務委員会の答弁で、大体五十万から六十万人くらいになるかと思います、と答弁しているんですね。今日では百万人を突破しているのではないかと思われます、現在、年間延べ一体何人ぐらいいますか、つかんでおられますか。
○政府委員(香川保一君) 一日に二十分あるいは一時間程度の応援をしていただいた方も入れまして、延べで、私どもといたしましては約五十一万程度というふうに考えております。
○岩間正男君 これは大分内輪に見ておられるんですが、実態調査の上に立っておられるものじゃないですね、もう少しこれは実態調査をして、積み上げて、具体的に実情をつかむ必要がある。 次に、部外応援者の応援事務の内容、一体どういうことをやっているのか、応援事務というのは。一般的に言って、部外の応援者を書庫へ自由に出入させているんですね、それから、登記済みの庁印を押させる、それから登記簿の記入や地図の修正をさせる、謄本や抄本の作成をさせる、それから表示登記の実地調査の応援をさせる、こういうことになっておるんですが、不動産登記法や準則等の法令に明らかにこれは違反する、こういうことになると思いますが、こういうことで差しつかえございませんか。
○政府委員(香川保一君) 現実の問題として、部外応援の存在することは確かでございますが、私どもといたしましても、登記所におきましても、いまお述べになりましたような登記簿に記入するというふうな、先ほど申し述べました登記甲号事件については部外応援は一切いたしておりません。もっぱら部外応援者の応援の内容は、複写機による謄本のコピー——複写作業、あるいは所有権移転等の登記がされますと市町村にその旨を通知することになっておりますが、そういう通知書の作成、あるいは地籍図の修正、それから実地調査の際の現地案内というふうなのがもっぱらでございまして、部外応援は事情やむを得ないものといたしましても、それによる弊害を最小限度に食いとめるという意味で、最も大事な登記簿の記入等の事務は、一切応援は受けておりません。
○岩間正男君 これは、実態を本当に立ち入って調査しなきゃならぬのですね。これは、あなたの方にはそういう報告ないかもしらぬが、しかし、実情はずいぶん違っている。人数の点でも、あなたは五十万ということを言われましたけれども、これは百万人を超えているとわれわれは見ているわけです。だから、本当にこれは実際、場に入って調べておられますか、実際はそういうことはやっておられないんでしょう。これは行管としてはどうです。非常に問題だと思うんですよ。このようなことでは法令違反になる。そういう事態が起こっているとしたらこれは重大な問題なんですが、これに対していまのような人員の増加に対する要求を実現されていない、こういう事態が起こっているわけですが、どうお考えになりますか、長官。
○政府委員(小田村四郎君) ただいま法務省から御答弁申し上げましたように、法令違反の事務を部外応援者にさしているということは、私どもは承っておりません。で、ただ、法務省からの御要求もございまして、先ほど民事局長が述べられましたように、登記事件数が最近減少傾向を示しておるにもかかわらず、五十年度、五十一年度、いずれも増員を認めておるわけでございます。
○岩間正男君 どうも行管庁の行政管理といっても、これ抜き打ちみたいな調査で、実態をもっと全的につかむという努力は非常に不十分だ。その上に立ってこれはやっているんですから、だから、本当に国民と遊離するんですよ。実際そこで働いている労働者の感覚には、全くこれはそぐわない。こういうかっこうで総定員法がまかり通るというような行政が行われていっているんですね、これは非常に大きな問題だと思います。 私はいろいろな点で実は聞きたかったわけですが、時間の関係があります。そこで、まあいろいろ不正事件などが非常に結局随所に起きている、そのために、十年間に表面化したものだけでも大変だというような問題や、それから閲覧の監視体制の手抜きの問題、こういうような問題ですね、実際はこの監視が十分に行われていないという問題、さらにこのような問題について一々具体的にお聞きする時間がございません。そこで、結局、先ほども申し上げましたように、行管庁はもっと実態に即応して、もっと立ち入ってこれを調査して、その上に立って積み上げ方式でこの問題を解決するのでなければ、国民とのギャップはもう永久に消えないですよ。そうして、そのしわはもうますますこれは大きくなるだけだからね。こういう点について、これをされる一体決意があるかどうか、この点お聞きします。
○政府委員(小田村四郎君) 定員の査定に当たりまして、私どもは各省からの御要求の内容をまず伺いまして、その要求の内容についての審査を進めておるわけでございます。要求の内容は、各省庁にわたりまして非常に多種多様でございますので、それを一つ一つ実態を調査するということは不可能でございます。実態の問題につきましては、まず第一義的に各省庁がこれを把握せられるべきであり、私どもはその把握ぜられました各省の御説明を受けまして、その判断をするわけでございます。ただ、各省の御説明の中で不審と思われる個所があれば、これは調査しなければならないと思いますけれども、法務省の御説明の中で特に不審と思われる点はなかったわけでございます。
○岩間正男君 いまの答弁が非常に問題なんですす。それ自身がもう何でしょう、審査をやっている、それで血の通っている実態をつかまない、そういうやり方で、本当に国民の要望を満たし、さらにその場で働いている労働者の皆さんのそういういろいろな諸問題を解決することはできない。ここにまあこの行管の現在の行政の大きなすき間があるんです。われわれは、これを埋めなければならぬと言っておるんです。行政の民主化ということが非常に今日叫ばれている。それは何か、具体的にやっぱりその現場をつかむ、少なくとも抜き取り調査とか何かをやってみて、それでもってつかもうという、そういう感覚がほとんどないということです。ここに根本的な現在の制度の中に大きな問題があるということをしばしば私は指摘をしてまいりました。 そこで、お聞きしますが、行政監理委員会というのがありますね、これは行政管理庁長官が委員長をやっている。これが刊行した「行政改革の現状と課題」、その中に第四巻というのがあって、その第三章第二節で、今後の行政改革の方向として四点ばかり挙げているわけです。改革の方向の第一に挙げた問題は、人員配置についてどう言っているか。過剰な人員を抱えている反面、他方において必要な増員が十分行われていない部門が多く、定員配置のバランスには無視できないものがある、こういうふうにこれは指摘をしているわけです。特に登記事務部門を例示して挙げています。部外からの応援が日常常態になっているなどの問題点をこれは指摘しているわけです。さらに、行管庁自身の定員管理のあり方についてのその内容についてこれは問題があるとして、次の三点を挙げて指摘しています。第一は、定員外職員問題が十分解明されていないこと。第二は、削減数の算定に当たって、一応職種に対する考慮は払われているけれども同一の職種である限り行政需要の消長にかかわらず画一的な削減をこうむっており、定員配分のひずみを一層拡大することになりかねない。第三には、削減数は省庁別に一本として示され、省庁内部における割り当ては各省任せにされていること、との三つを指摘しているわけです。 そこで、行管長官にお伺いしたいのでありますが、行管庁は、行整監理委員会のいまの指摘ですね、この意見を一体尊重する、こういうことをやるのかどうか、これらを本当によく検討して、そうしてこれらの指摘を改善する考えがあるのかどうか。もしもこれがあるとすれば、現在のような全く形式的な、総定員法時代から私たちは当委員会でもこれはもう長い間問題にしてきたのでありますが、全く機械的な、一律に人員を減らす、それから、幾分の考慮をして事務量に伴うところの加減はするけれども、しかし全然具体的にはなっていない。大変なひずみがそこから出ている、アンバランスが生まれている。これが全くこの現在の行政を血の通ったものにしていないということですね。そうしてその犠牲は、その場で働く職員が受ける、さらにより大きな犠牲は国民が受ける、こういうかっこうになっているんですよ。ここがいまの日本の官僚制度、行政の機構の中の最も重要な部分じゃないかというふうに考えるわけです。これに対する行管庁長官の御答弁を願いたい。 法務大臣も、このような問題がいまあなたの法務局の中で膨大な問題として起こっているわけです。だから、これについて一件どういうような処置をされるのか、これはお伺いをしたいと思います。
○政府委員(小田村四郎君) 行政監理委員会の意見は尊重義務が法律に明記してございますので、政府として当然尊重しなければならないわけでございます。 そこで、定員の行政需要に応ずる再配置の問題でございますが、この問題につきましては、行政管理庁としては、御承知のとおり第一次、第二次、第三次の削減計画を策定いたしまして、これによって事務を機械化し、合理化し、さらに簡素化するという方向で削減を各省庁にお願いしております。と同時に、行政需要の非常に多いところにつきましては、毎年の予算におきまして増員をそれぞれ認めていくということを実行しておるわけでございまして、その結果、ここ数年を見ますと、減っておる省庁もございますし、また行政需要が非常に激増しておるというところでは人員がふえてきておるわけでございます。ただいま先生が御指摘になりました登記の問題につきましても毎年増員を行っておるわけでございます。
○岩間正男君 せっかくの御答弁ですが、私は政治見解を聞いているんですよ。いいですか。だから、それはあなたたちがやっていたのはわかりますけれども、いま政治的にこの問題をどうするかという点を聞いているので、だからあなたが御答弁されても満足できない。それだけじゃ十分じゃないです。長官の方に聞いているんです。それから法務大臣に。ですから、これはもうきょう時間が余りありませんから私は十分やれないけれども、とにかくいま一番大切なところを聞いているんですから、これは長官に答弁してもらいたい。
○国務大臣(松澤雄藏君) ただいまの御質問に対して御答弁を申し上げたいと思いますが、率直に申し上げまして、現在、現下の厳しい諸情勢にかんがみまして、政府としても、従来からの行政改革に積極的に取り組んできたところでございます。昨年の行政監理委員会の委員の「今後における行政改革の課題と方針」というのがございますが、この提言を受けまして、政府としては早速五月に行政改革本部において多面な方策を決定しておるところでございます。その後、政府部内においてもその趣旨に沿って検討を進め、緊急を要する課題から逐次具体化をしていきたい、こういうことで真剣になって現在やっておるというのが現況でございます。
○国務大臣(稻葉修君) 登記事務の能率の向上につき申しては非常に関心を持っており、大いにやらにゃいかぬと、こう思っておりますが、特に増員の点につきましては、大蔵省や行政管理庁等関係省庁の理解を深めるよう一層の努力を続けたいと存じます。
○岩間正男君 まあ問題は、血の通った行政になるのかどうかということですよ。そうして、現場で働く人たちが少なくとも非常な矛盾を感じたり、仕事に対する大変な重荷を感じたり、これじゃ本当に能率は上がりません。しかし、これだけじゃ考えられない。その結果はどこにいくかと言えば、先ほども申しましたように国民がこれは皆被害を受けるわけです。私は総定員法の問題で運輸委員会あたりでも問題にしてきました。たとえば海運局の人員が非常に少ない、もう日本が世界一の海運国だと言われているのに、全然これは即応しない体制がとられている。それから自動車の車検ですね、こういうところは急速に伸びているのに人員配置がやはり非常にアンバランスになっている問題だとか、あるいはまた気象庁の削減が非常にやはり大きな被害を国民に及ぼしている。しかし、法務省の中に現在横たわっているこの登記の問題ですね、これは私たちもかつて法務委員をやったことがあって、それでずいぶん全国的にあちこちを調査いたしました。この問題と人権擁護局というものは全く手薄です。これは何というか、一つの暗箱になっているんですよ。法務行政の暗箱になっているんじゃないか。そうしてその被害、迷惑は、これは国民が最終的には受けている。ここのところに本当に意を用いるかどうかということが、私は非常にこれは法務行政の一つの重要なポイントになっているんじゃないかと思う。私は法務局の昇格の問題と特に対照的にこの問題を取り上げて質問しているのはそのためなんですね。この観点にはっきり立つのかどうか、これは政治姿勢として問われるわけです。ところが実際は、総定員法施行以後、この点は幾分のこれに対する批判があったりしてちょっと手直しをやるぐらいのことで根本的には改まっていないというのが私の感想ですね。ことに、法務省の設置法案に関していまの問題というのは非常にやはり重大な問題をはらんでいると思うんです。だから、特にこの点について、これはまあ法務大臣、ロッキードの問題で忙しいかもしらぬけれども、この問題はあなたのやはり法務行政の中の重要な課題として、これはやはり課題とする必要があると思うんですが、最後にその決意をお伺いして私の質問を終わります。
○国務大臣(稻葉修君) 岩間議員御指摘のとおりに私も考えます。こういうことを放置すべきではないと、重大なる決意をもって臨みます。
○岩間正男君 やりますね、来年から。
○中村利次君 まず最初に、法案についてお伺いをしますけれども、佐藤内閣のころ、局を廃止をして官房に訟務部を設けることにしたわけですね。これはやっぱり政府の方針でやった。今回この設置法の一部を改正して、再び訟務局に昇格をさせようというんですが、これはやってごらんになって、やっぱり訟務行政を強化するためには局に昇格をされなければならぬということになったわけですか。
○国務大臣(稻葉修君) さようでございます。
○中村利次君 これは私は賛成法案ですから、このこと自体にとやかく異論を申し上げるつもりはありませんが、しかし、問題点はやっぱり指摘をしておかなきゃならないと思うのです。同時に、本法案は入管局の次長を廃止をすることになっておる。そして官房に審議官を置くことになっておる。そうしますと、訟務行政は強化しなければならない、入管行政はそれに比して幾らか手を緩めてもいいということになるのですか。
○政府委員(藤島昭君) 現在ございます入国管理局次長は、局長を助けて局務を整理するというきわめて重要な仕事に携わっておるわけでございまして、入管行政の現状から見ましてきわめて重要なポストであると私どもは考えておるわけでございます。ただ、今般訟務部を訟務局に昇格するお願いをいたしておりますが、このお願いの経過におきまして、政府の方針といたしまして、法律職を新設する場合には既存の機構の振りかえをもって行うということになっておりまして、この政府の方針に私どもは従わざるを得ない。そういうことで、法務省といたしましては、振りかえるポストがないということはいろいろ関係機関にお話しいたしましたが、究極的には政府の一員としてその方針に従うということで、万やむを得ず入国管理局次長の廃止を決めたわけです。 ところが、いま申し上げましたように大変重要なポストでございますから、入国管理局次長を廃止したままでおきますと入国管理行政に支障を来すということが十分考えられますので、先ほど先生からもちょっと出ました、たまたま法務省にただ一つ官房審議官というポストがあるわけでございます。そこでその一つございます官房審議官を入国管理局を担当する専任のものといたしまして、次の長のかわりにその官房審議官をして入国管理行政の重要な部分にタッチさせることによって入国管理行政の事務の低下を来さないように、円滑な遂行ができるように努力していこうと、こう考えておるわけでございます。
○中村利次君 きわめて、何というか有能な御答弁ですよ。入管業務についても、きわめてやっぱり重大であり、入管局にあった次長は重要な役割りを果たしてきたということをおっしゃっている。私もやっぱりそういう認識に立っているのです。それから、ますます私はこの入管というのは重みを加えるんではないかと思うのですね。国際情勢の進展、南北問題等も含めた、いろんな日本国としての出入国管理を国際的にやっぱり正しい認識をしてもらうような、そういう重要な役割りがますますふえるのではないか、重みは増すのではないかと思うのですね。ですから、そういう意味では、ただいまの御答弁はそのことを一〇〇%お認めになっておる。となりますと、これを廃止するというのは私はどうしてもやっぱり納得ができない。省内のやりくりで賄わなければならないから、やむを得ず、訟務行政の強化を図るためには入管の次長を外して審議官として置くよりしようがないんだと、何かきわめて有能な答弁であってなおかつ割り切れないものがあるのですよ。ということは、やっぱり省内でどこにウエートを置くかといいますと、訟務行政にウエートを置いているんですよということにほかならないのです。私は何も訟務行政を軽視しろと言っているんじゃない。全く一〇〇%納得できなきゃ反対しますよ。そうじゃなくて、どうもやっぱりウェートのかけ方がきわめて重大であり、入管局の次長は重要な役割りを果たしてき、今後もまた果たさなければならないというときに、省内のやりくりをする以外に方法はないんだという理由でこれを外すということはどうしてもやっぱりすっきりしませんよ、もう一回ひとつ。
○政府委員(藤島昭君) 私どももこれを進んで差し出したわけじゃございませんので、いろいろ山内で検討いたしまして、ほかに廃止できるポストがないかということを一生懸命検討したわけでございますが、結局入国管理局の次長ということ−落ちついたわけでございまして、先ほど申しましたように、官房審議官をもって、まあ入国管理局次長と全く同じことということはこれは官職が違いますからここでは申せませんけれども、ひと一官房審議官をもって絶対に入管行政が低下しないように努力してまいりたい、こう考えておるわけです。
○中村利次君 これはそういう運用上の意欲はわかります。しかし、いまおっしゃったように、しょせんやっぱり官房審議官と、局長を補佐する役目を持った実にすっきりした次長の役割りというのはおのずからそれは差異があります。ですから、私はもっと時間があればこれはもっと突っ込んで、突き詰めて出入国管理の重要性について細かに質問をしたいのですが、時間も非常に短いですから、まあいまの答弁で部分的には納得でき、また部分的にはきわめて不満です。ですから、運用上支障のないようにするということではこれは十分な納得はできませんので、今度のこの設置法を起こされたときにも、出入国管理の重要性とその次長の役割りというものは十二分にお認めになっていらっしゃるわけでありますから、したがって、政府の中でそれを生かすような努力を今日以降も引き続き積極的にやっていただくように私は要望したいと思います。ですから、その要望についてどういうお答えがあるのか、それによってこの問題は終えます。
○政府委員(藤島昭君) ただいま申し上げましたように、官房審議官を最大限活用して入管行政が低下しないようにやってまいりますが、もしその推移を見て、特にこういう点があるという場合には、そのほかの新しい官職とか、そういうものの要求あるいは予算的な要求、そういうものをくるめて、人事、予算、そういう観点から十分に入管行政が円滑にまいりますように官房として努力をいたしたい、こう考えております。
○中村利次君 やっぱりロッキード問題が、これはもう国会を挙げて、あるいは行政府を挙げて、あるいは国民世論からいっても、いままで経験したことのないほどきわめて重要な問題としてこれは問題、課題になっているわけですね。 そこで、これは法務大臣にお伺いをしたいと思いますが、政府はロッキードの解明については最大限の努力をするんだという姿勢をおとりになつておるのです。刑訴法のいろいろな解釈等については、やっぱり三権分立でいろいろな議論があるところだと思いますよ。ですから、私はすっきり法務大臣として明確なお答えができるであろうと思われる点について質問をしたいと思うのですが、検察庁法の十四条に法務大臣の指揮権の問題がございます。私はこの問題は、司法で明らかにすべきこと、それから立法府や行政府で明らかにすべきことは、やっぱりこれは法的に言えばおのずから異なるものがある。ですから、政府として国民の納得のできるような問題の解明をするということになりますと、この十四条の指揮権発動、これはまあ前向きの発動、後ろ向きの発動があるわけですけれども、この場合に望まれるのはやっぱり前向きの発動だと思うのですよね。ですから、個々の事件の取り調べまたは処分については法務大臣は検事総長を指揮できることになっておりますから、したがって、検察で起訴をするものについてはともかく、よく言われる政治的、道義的な問題については前向きの指揮権の発動をされるおつもりがあるかどうかをお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) 今回の事件につきまして、法務大臣が検察庁法十四条に基づき、積極、消極両面ともに指揮権を発動する意思はございません。またその必要もないと思います、呼吸がぴったり合っておりますからね。先ほどあなたがおっしゃったようなことについては、指揮権を発動するまでもなく、国民が満足するような結果が出てくるようなことになるのではないかと私は思っております。
○中村利次君 そうなりますと、たとえば刑訴法四十七条のただし書きがひっかかってくるんですがね。これは私は、起訴になる対象は問題になりませんよ、問題にならぬ。問題なのは、時効だとかあるいは裏づけ等の関係で起訴に至らずというものもあると思うんです。ところがそういうのは、やはりこれは政治的、道義的に言って、そういうものも含めて国民の納得できるような解明をやろうということでしょう。そうなりますと、検察当局が、司法が、いわゆる時効にかかったとか、あるいは起訴に至らずというものはあいまいもこということになるので、これはもう検察に任せるということになれば、政府の姿勢は、その点については特に公表する姿勢としては、解明する、明確にするとおっしゃっていながら事実上は何もしないということになるんです。そこで、検察庁法十四条の指揮権が法務大臣にあるわけですから、したがって、そういう起訴に至らないものについてはやっぱり明らかにするよという、そういう姿勢があるのかどうか。それがありませんと、やっぱりロッキード隠し、政府はロッキード隠しをやるんだという疑いがかけられる可能性があると思うのです。やっぱりこの際は、私はいまの政府が言っておる、これは明らかにするよということを、できること、できないことありますけれども、できることはやっぱり全部やる、そういう姿勢が必要ではないかと思いますが、どうですか。
○国務大臣(稻葉修君) いまのお尋ねの問題は、結局、国会の調査権に基づいて道義的責任、政治的責任を明らかにする立場の国会の具体的な要望が、いつどういうふうに出されるか、その時点で最善の御協力をするというのが一番いいのであって、法務大臣の指揮権によって、ぐずぐず言わぬで出ぜい、こういうやり方をしないで、その時点で国会の国政調査権に基づく御要望により、そういうものは明らかにしたらどうかという御要求を受けて政府全体がこれに対処する、最善の御協力をどの程度にするか、その時点で大いにみんな相談して、私の一存でいかないことは内閣全体、総理大臣にも言うて、そうして国会の調査権について最善の協力をしますとすでに約束しているんですから、それを実行いたします。実行いたします。ただ、法務大臣に検察庁法十四条の指揮権なんかに基づいてやれなんという、そういう向こうの意思に反しようが何しようがやるんだという姿でない方がいいな、こういうふうに思うております。
○中村利次君 やはりこれは法治国家の日本の中で、行政府が、国会の要望であろうと何であろうと何かをするということは、法に基づかなければこれはできないわけでしょう。ですから、それなら政府としてすんなりできることは、国民もなるほどよくやったと、答えはどう出るかわからぬが、よくやったという納得をする道は、やっぱり最終的にはその十四条あたりになるのではなかろうかと私は思うのです。ですから、その時期、方法等についてはここでいろいろ議論するのが適当かどうか、それは大臣のおっしゃるとおりかもしれない。しかし、そういう問題を含めて、とにかく前向きに対処しますよということは、これはそのとおりに受け取っていいですね。
○国務大臣(稻葉修君) 前向きに対処するといってもあれですが、国政調査権には最善の協力をすると、これが一番、後ろ向きじゃない前向きな答弁じやないでしょうか。
○中村利次君 そうなりますと、やっぱりその検察庁法十四条というのがあるのですからね、法治国家の政府として最善の協力、最善の努力をするということはやっぱり法律にあることは守ると、こういうぐあいに受け取ってよろしいわけですな。
○国務大臣(稻葉修君) 法律を守ることは当然でございますね。それで、吏たるを知る者は——官吏たることを自分で自覚する者は、法によって民を利することは当然で、吏たることを知らざる者は法を曲げて民を害すと、こういう言葉がありますからね。そういう精神で対処いたしますから、何も十四条を発動してなんという、法務大臣と検事総長とが対立するような形で事を処置しなくとも、円満に国会の国政調査権に協力する道は、最善の道はあると私は思っております。
○中村利次君 これは何も対立するしないなんて、そういうことを言っているんじゃないのですよ。ただ、国民世論がある。政治というものはこれは可能な限り、間違ったやり方ではいけませんけれども、やっぱりそういう期待にこたえなければならない。そういうことは政府もいままでもう毎々そのことをおっしゃっておる。そうなりますと、やっぱりあいまいもこにしないために、あるいは政府がロッキード隠しをしようとする疑惑をなくするためには、検事総長と何も対立するというのじゃなくて、すんなり円満な形でそういうものを適用をして、そして事態を明らかにする、こういうことも含めてお考えになっておると考えてよろしいわけですね、対立しろと言っているのじゃないんですよ。
○国務大臣(稻葉修君) 大体、あなたのおっしゃるような以心伝心ね。
○中村利次君 それでいいです、それじゃ。
○国務大臣(稻葉修君) ただ、検察庁法十四条の場合は、対立する場合に指揮するんですから、積極的にも消極的にも。そういう法の運用の仕方はこの問題に関してはおもしろくないねと、もっと検察庁も心得のある人がたくさんそろうているんですから、そこまでこっちから積極的な指揮権なんか発動しなくとも、あんたはそう心配なさらんでもいいじゃありませんかという気持ちです。
○中村利次君 やっぱり政府の姿勢ですよ。対立しなさいというのじゃなくて、政府の姿勢としてはそれはこういうこともあると、ほかにどこによりどころがありますか。やっぱり政府が国会の決議に沿い、国会の要望に沿って最善の努力をしますよと言って、それでよりどころはどこにあるかというと、やっぱりそういうこともそれはあなた明確にあるわけですから、対立するんじゃなくて、十四条の発動は私は対立しなければできないとも思いませんよ、円満な中にもできる。だから、それは法務大臣の行政手腕によって円満な中にあの十四条の目的を達成できるようなやり方をおやりになると、こう解釈しませんと、あんまり、いやいやそれは対立以外に指揮権の発動はないんだということをおっしゃるとちょっとおかしくなりますね。それじゃやっぱり隠すのじゃないか。だから、疑惑を払拭するための姿勢を示してもらえば結構です。
○政府委員(安原美穂君) 法務大臣のおっしゃいますことは、要するに検察庁法十四条の具体的な事件の指揮という形をもって、仮に不起訴になった場合の、不起訴事件の内容を公表するように指揮することは、積極にも消極にも指揮権を発動するということは避けるというのが検察と法務大臣との関係として確立した慣例でございますので、そういう方法でなくても公にする方法としては考えられるじゃないかということで申しておられるのでございまして、その方法と申し上げますのは、この委員会でもたびたび申しましたように、法務大臣は検察庁法十四条の本文によりまして一般的に検察官を指揮監督する立場におられますので、検察官が行いました捜査の経過、結果につきましては法務大臣は当然のこととして報告を命ずることができるわけでございます。その報告によりまして事件の内容を知りますので、国政調査権に基づく御発動——百四条に基づいて国会から法務大臣に対して御質問、御報告の要求がございましたときに、法務大臣が検察当局から得た事件の経過、結果に基づきまして、法務大臣の責任において国会にそれを、質問に対して答えるという形で公にするという方法もあるではないか。また、内閣総理大臣は法務大臣を通じて検察をも指揮監督する権限をお持ちであるというふうに考えられますので、内閣におかれましても検察の捜査、調査の結果の報告を受ける立場におられるので、内閣総理大臣の責任と権限においても国会に対してそういうことを申し上げることが理論的には可能である。したがって、検察庁法十四条の具体的な事件の指揮という形を通じて、その書類の保管者である検察官をして公表さぜることではなくて、法務大臣なり内閣の責任においてそれを公表するという道が理論的にはあり得る。もしそういうことを選ぶとすれば、指揮権の発動ではなくて、内閣なり法務大臣の責任において公にする方がベターではないかということを法務大臣は申しておられるわけでございます。
○中村利次君 最後です。十四条の前項でそんな何か権力じゃなくてできるんだと、そういう明確なお答えであれば私は理解いたします。法務大臣もそれでよろしいですね。
○国務大臣(稻葉修君) 結構でございます。
○中村利次君 わかりました。 以上。
○委員長(中山太郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○野田哲君 私は日本社会党を代表して、法務省設置法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行うものであります。 今日、国民の権利を守り、生活環境を守るための国を相手とする訴訟は広範多岐にわたり、その件数も年々増加の一途をたどっております。これに対する法務省の態度は、一貫して国民の権利を抑圧する態度に終始しており、今回の改正案についても、従来とってきた国民の権利を抑圧するための機能を一層強化するための措置であり、あわせて入管行政に対する弱体化を招くものであり、さらに政府の行政機構改革の一貫性の欠如を明らかにしておるものであります。 以上の立場から、わが党はこれに対して反対をするものであります。
○中村太郎君 私は自由民主党を代表いたしまして、法務省設置法の一部を改正する法律案について賛成の討論を行うものであります。 最近の情勢を見ますと、国の利害に関係のある訴訟に関する事務は、量的にも質的にも重要の度を増しつつあります。このような事務を、現在のように官房の一部門において取り扱うことには、事件処理の適正、円滑、迅速を図る上において種種の難点があると考えられますので、これを担当する訟務部局が、その事務につき直接責任を持って処理を行う体制を確立し、行政庁との関係においても訟務部局の機能を十分に発揮するような体制に再編することによりまして、国民と国との間の法的な紛争を適正、迅速に解決する上で大きな前進を見ることができるものと考えられます。 このような理由によりまして、本法律案に賛成するものであります。 以上。
○岩間正男君 私は日本共産党を代表して、法務省設置法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。 本法案に反対する理由の第一は、訟務局の設置が、国民への奉仕、国民への行政サービスといった点からは何ら改善を見出す機構改革ではないということが審議の中でも明らかになったことであります。法案の提案理由説明の中で、争訟事件数の増加、内容の複雑化について述べられておりますが、事件数の増加は、国側が被告となっている訴訟が全体の九五%を占めていることにも見られるように、安保体制下における大企業本位の反国民的な行政に対抗し、国民がみずからの生活と権利を守るために、やむにやまれず裁判に立ち上がらざるを得なくなっていることを示すものにほかなりません。しかるに、現在の訟務部は、行政機関と国民との争訟に関し、これまでどのような態度をとってきたのでありましょうか。われわれが指摘したように、教科書検定訴訟、長沼ナイキ基地訴訟、大阪国際空港訴訟等、国民の教育、安全、生活等を守る闘いに真っ向から対決し、それを抑え込み、あくまで争訟を続けるという態度をとり続けてきたのであります。これらの点から、訟務部の局への格上げが、国民にとって何ら改善となるような機構改革ではなく、むしろ国民の権利を抑え、大企業奉仕の行政を支えるための国側の反動的な裁判体制の確立を生み出していく内容を持つものであることを指摘しなければならないのであります。 反対する理由の第二は、法務局、人権擁護局など、法務省における国民生活に密着した部門が、大幅な定員増など差し迫った改善を求められているにもかかわらず、それらの部門には何らの考慮も払われずに、国民サービスに全くつながらない訟務部の局への格上げのみを行おうとしていることとであります。私たちはこのような国民生活に密着した早急に改善を求められている部門こそ、直ちに国民と公務員労働者の要望に沿うて拡充強化すべきであることを考えるものであります。 以上、二点について本案に対する反対理由を述べて、私の反対討論を終わります。
○委員長(中山太郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 法務省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中山太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中山太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(中山太郎君) これより請願の審査を行います。 第九号石川県の寒冷地手当改善に関する請願外百六件を議題といたします。これらの請願の願意につきましては、お手元の資料で御承知をお願いいたします。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(中山太郎君) 速記を起こして。 これらの請願につきましては、理事会において協議いたしましたとおり、第九号石川県の寒冷地手当改善に関する請願、第一〇九号群馬県伊香保町の寒冷地手当改善に関する請願、第一九三号遺族年金(恩給)の改善に関する請願、第五五九号恩給法の改正に関する請願、第二六〇〇号外一件の秋田県の寒冷地手当改善に関する請願、以上六件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、残余の百一件は保留するものと決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中山太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中山太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(中山太郎君) 次に、継続審査要求に関する件についてお諮りいたします。 中小企業省設置法案(参第七号)、旧陸軍又は海軍の戦時衛生勤務に服した者に係る恩給法の特例に関する法律案(参第一六号)、以上両案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、両案の継続審査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中山太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中山太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(中山太郎君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、両件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中山太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中山太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(中山太郎君) 次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中における委員派遣の取り扱い等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中山太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十四分散会 —————・—————