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77回国会参議院1976/05/18

逓信委員会 第5号

発言数
281
登壇者
17
会派数
3
開催日
1976/05/18

会議録

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  矢野登君及び青木薪次君が委員を辞任され、その補欠として細川護煕君及び川村清一君が選任されました。     —————————————

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、東京大学法学部教授伊藤正己君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 NHKの予算につきましては、多方面にわたる質問があるわけで、逐次、御質問申し上げますが、本日は、ただいま御承認いただきました参考人としてNHKの基本問題調査会の委員であり、そして小委員会の委員長を御苦労願いました伊藤先生に御足労を願っておりますので、時間の関係もございますので、先に伊藤先生に関する件についての御質問をいたしたいと思います。  まず会長にお尋ねいたしますが、あなたは、昨年、いま申しますようにNHK基本問題調査会というものをおつくりになっていろいろと御審議されておられます。昨年のあの時期に、こういった調査会をおつくりになったあなたの、どういう観点からああいう調査会をおつくりになったのか、これをまずお伺いしたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) NHKも非常な経営の曲がり角に参っておりました。五十年度の予算の御承認に当たりましても、そういった面については非常に抜本的な検討をして将来の財政の安定についても心がけよと、こういう附帯決議もいただいておりまして、したがいまして、財政問題を初め経営全般につきまして検討を要する時期に際会しておったわけでございます。  もちろん、NHK内部におります私どもとしても、そういった点については極力検討を続けてまいらなければなりませんでしたので、四月には内部機構といたしまして経営改善委員会を発足させました。ただ内部の知恵だけではこれは十分でありませんので、国民の基盤に立つ放送協会といたしましては、外部の公平な意見も大いに取り入れなければなりません。そういった意味合いから、内部作業だけでなしに外部の有識者の方々にも御参加をいただいて御検討をいただき、それを参考にして施策を立てることが絶対必要である、こういうつもりで基本問題調査会を発足させ、お忙しい中ながら各方面の方々に委員になっていただいたような次第でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 もちろん、この件に関しては経営委員会の了承を得られたと思いますが、経営委員会ではこれに対する何か特別な意見はなかったのでしょうか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) もちろん経営委員会としても重大な関心を持っておられたわけでございますし、外部のそういった公正な意見を取り入れることについては非常に賛意を示されまして、この基本問題調査会の発足については全面的な御賛同を得ております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 経営委員会は放送協会の最高決議機関であり、意思決定機関でありますが、経営委員会のメンバーも一応日本のあらゆる層のトップレベルの方と見られる人々が経営委員であるわけであります。さらにいろんな階層なり地域的にもそれぞれ配慮されております。基本問題調査会というものを新しくおつくりにならぬでも、内部につくられましたいわゆる委員会と経営委員会のメンバーの皆さん方、それこそ放送協会の運営に非常にこれはもう責任もあるし熱意を持っていらっしゃる、そういった方々がそういったことに当たられることがむしろ当然じゃないかと思いますが、屋上屋を重ねるような調査会をつくられたことに対して、世間では、いわゆる料金改定を、聴視料値上げを前にして、何かNHKはいわゆる外部からのいろんな人を集めて、大変高率な値上げに対する何かこう一般に対して、何といいますか、カムフラージュしておるといいますか、あるいはいわゆる隠れみのといったようなことに理解される点が多い。投書とかあるいはわれわれに対するいろんな発言もございました。こういった疑いを多分に持たれた感があるんでありますが、この辺のところは、会長、どうお考えになりますか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) もちろん経営委員会は、国民を代表する意味合いにおいて、基本は地区代表になっております。そのほかに、地区いかんにかかわらず任命される委員もありますけれども、これはやはり内部の役員機構に一応形はなっております。したがいまして、これが完全にやっぱり外部の意見を取り入れたという、一〇〇%そういう感じを持っていただくにはこれはまだ十分でないのではないかと思いますし、したがって外部の意見を十分に取り入れるための基本問題調査会をつくったわけでございまして、これが屋上屋だ言われればそれまででございますけれども、外部の意見はできるだけ多く取り入れることが開かれた経営に対する一つの姿勢ではないかと、かように考えます。  しかも、この調査会は、私どもはいろんな目で見られる向きもございましょう、これもよくわかりますけれども、決して御用機関をつくるつもりで発足さしたわけではございません。そういう意味合いから、労働界の代表あるいは消費者団体の代表、かなりこれは厳しい意見がその審議の中ではあったわけでございますけれども、それをも私どもはむしろその方を好ましいと、こう思ってつくったわけでございまして、私は決して屋上屋ではないと、こう信じております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 もしそういうことでありますならば、経済的ないろいろな変動の期間があったし、高度成長経済から低成長へ入ったんでありますし、いろんな関係で時期的に必ずしも悪い時期とは言いません。しかし、もし会長がそういうお考えならばもっと早目にそういったものをおつくりになって、そして、いわゆる国民のNHKと言われる体質を確保するような努力があってしかるべきと思う。私は時期が放送料の値上げを前にしてそういったものがすでにもう一般に周知された中でこういうものをおつくりになったということは、やはりいま私が指摘したように、国民に料金値上げに対する隠れみの的な調査会であるのじゃないか、こういう疑惑を持たれても私は弁明はならぬと思う。いま会長は屋上屋ではない、委員会のメンバーもあなたのおっしゃるようにいろんな方々が顔を並べておられる、その点においては、これは顔ぶれは私どもから見れば問題はあるにしても一応整っている。そこで私はやはり何と会長は弁解されようともこういったそしりは免れぬと思う。  いま工藤経営委員長においでいただいておりますが、工藤委員長にこの件についてお尋ねしたいんですが、いまのNHKの基本問題調査会のことをお尋ねいしておるんですが、私はこの調査会をおつくりになるに当たって経営委員会の皆さん方はどういう御意見であったかとお尋ねしたんですが、会長からはもう全体が非常に賛意をなされている、積極的な御協力を得たと、こういう発言でございます。それで、私は、こういう調査会をおつくりにならぬでも、部内のいわゆる調査会、特に経営委員と言われる方々は日本のあらゆる階層のトップレベルにいらっしゃる方々であるし、地域的にも非常にバランスをとった組織になっている。したがって、あえてこういう組織をおつくりにならぬでも経営委員会の皆さん方の衆知をお集めになれば済む問題ではないか、それをあえてこういうものをつくったことは、私がいま指摘しているように、何か他に意図するところがあるんではないかという感じがあります。そういうことを指摘したい。ひとつ経営委員長から基本問題調査会に対する経営委員会としての御意見なり態度についてお伺したいと思います。

工藤信一良日本放送協会経営委員会委員長

○参考人(工藤信一良君) お答えいたします。  今回、御審議をいただいておりますこの予算というものが値上げを含んで非常に重大な予算であるということをわれわれかねがね考えておりました。毎年、予算問題というものは経営委員会としましては最も重大なる審議事項の一つでございまして、これを早くから年が明けますとすぐにこれにかかるわけなんでございますけれども、ことしは特に七年ぶりの値上げというものを含んでおりますために非常に重大なものであるということはこれは経営委員全部が考えておりました。ところで昨年の四月でございましたが、予算はまだ何にもできておらない、予算に取りかかる前でございました。会長からこの基本問題調査会についての構想が経営委員会で述べられたんでございますが、経営委員会といたしましては、いま御指摘のように、これはわれわれがこれを最後に審議決定いたす立場にございますけれども、何しろ値上げを含んだ——ことに公共料金の値上げというものは非常に世間の問題になっております折から、値上げを含んだ予算というものは非常に重大であると考えましたので、われわれ経営委員会のほかに、公正厳正なる、また博識の第三者のりっぱな委員会をつくってもらって、これにも十分検討していただくということが最善の方法ではないかということで、われわれ経営委員会としては賛意を表しました。  これは後でも問題になるだろうと思いますけれども、NHKの組織というものは非常にややこしいといいますか、複雑な組織をしておりまして、世界で類のないぐらいな制度、放送法のもとにでき上がって、民放と相並んで放送をしておって、NHKだけがNHKの力で放送料金を国民からいただく、つまり国民の放送機関という世界でも非常にユニークなものでございまして、これについては理解を願うのによほどよく理解していただかないと理解しにくい点が多々あるのではないか、こういう意味からも基本問題調査会で第三者の手で洗いざらいひとつこのNHKの実態を知っていただき、そしてNHKの予算というものに対して御批判を賜り、それを参考にして予算をつくっていった方がよいのではないかという四月に結論に達しまして、それからその人選につきましても、われわれ非常に積極的に参加いたしました。経営委員会といたしまして積極的に参加して、執行部から出されたメンバーに対してもわれわれの注文も十分述べましてこれを改定していただき、あるいはこれを増補していただくというふうな処置もとって基本問題調査会が発足いたしました。  その間、われわれといたしましても、この基本問題調査会と並行いたしまして経営委員会をむろん開いておるわけでございまして、調査会に出された資料、調査会での検討内容というものはしさいに報告を受けております。調査会のあるごとに詳細なる報告を受けて進んできまして、そして十一月に結論が出ましたときには、われわれもそれを十分経営委員会として検討いたしました。そしてそれを参考にして執行部が予算案をつくって、その予算案の提出が十二月になりまして、十二月、一月と臨時に経営委員会を二度開催いたしまして、十分慎重審議の結果、まあ経営委員会ではいろいろな議論もございましたけれども、最後には全会一致でもってこの予算を議決いたした次第でございます。     —————————————

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) 質疑の途中でございますが、委員の異動について御報告いたします。  細川護煕君が委員を辞任され、その補欠として安田隆明君が選任されました。     —————————————

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 私が指摘しましたのは、ここにもメンバーがございますが、経営委員の皆さんは、先ほども言ったように地域的にも階層的にもそれぞれ配慮されております。したがいまして、当然、その基本問題調査をされるんでしたら外部の人を入れることも私はいけないと言うのではない。いけないとは申しませんが、これは経営委員会の責任ではなかろうかと思うのです。経営委員会は法で定めるようにNHKの最高決議機関でありますし、意思決定機関でもあります。皆さん方が当然なさなければならないことだと私は思うのです。国民の批判にこたえ、国民に満足を与える協会の運営、これは挙げて経営委員会の責任であります。  会長は、経営委員会のそういった運営、指導に対して不満があった、あるいは何か経営委員会によってはとうていなし得ないという判断をされたのか。こういう屋上屋を重ねるような、しかも料金値上げを前にして、私ははっきり申し上げるけれども、国民はこの基本問題調査会は明らかにNHKの料金値上げを正当化させる、国民に正当化させる認識を持たせるための機関であると、こう大方は考えております、私もそう考えております。いま申しましたように、会長は経営委員会のいわゆる運営なり指導なり決定に不満があって、こういうものをつくってされたという感も私は持たざるを得ない。この点いかがです、会長。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 経営委員会に何ら不満はございません。経営委員会がNHKの意思最高決定機関でありますことは厳然として疑いのないところであります。そういうたてまえでありましても、開かれたNHKの経営を目指しますためには、いわゆる基本問題調査会の検討を待つまでもなく、広く国民の世論に耳を傾けろと、このように言われております。まだ現在のところではそういう努力が足らないではないかとさえ言われておるわけでございまして、そういうような意味合いから十分に外部の意見を取り入れて重要問題を策定する参考にした方がいいと、こういう気持ちで基本問題調査会をつくったわけでございまして、決して経営委員会に対して不満があるとか、それでは足らないから、あるいはためにするために基本問題調査会をつくった、そういうような意味では毛頭ございません。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 工藤委員長、お尋ねをいたしますが、私がいま指摘をしましたように、私はこれだけのメンバーのそろった経営委員会であれば、新たに調査会をおつくりにならぬでも、ちゃんとそういうものはできると思う。まあ後から触れますけれども、報告書を拝見しまして私は何ら目新しいものも見出せぬし、これはと思うものも実は見当たりません。従前のものと変わりません。となりますと、やはり私は会長は、それはまあ会長とすれば経営委員長を前に置いて経営委員会に不満があるということはこれは言えない、この場で。しかし、形の上では私はそうだと思う。経営委員会に対する私はこれはこの上ない苦情だと思う。経営委員会は双手を挙げて賛成されたということは、自分たちの経営委員会としての無能ぶりを私は経営委員会自体が表に出したとさえ思うんです、まことに失礼でありますけれども。それほど基本問題調査会というものは、国民に対して、聴視者に対して奇異の感と疑惑の眼を持たしておるわけです。むしろそのこと自体が料金値上げに対する反発を誘発すると言っても私は過言ではないと思うんです。  そこで工藤委員長にお尋ねするんでありますが、先ほども会長もおっしゃったし、あなたもおっしゃったが、経営委員会が双手を挙げてとおっしゃることの中には、私が何とも納得のいかぬものがあるんでありますが、いま私と会長のこの質疑をお聞きになって工藤委員長はどういうお感じをお持ちになったか、それでなおかつ調査会は絶対必要だし、その結果が正しかったとお考えか、ひとつ大変恐縮ですが、お尋ねしたい。

工藤信一良日本放送協会経営委員会委員長

○参考人(工藤信一良君) 最終的な責任を経営委員会が持っておるということは、これはもう御指摘のとおりでございまして、われわれ十分それを自覚して、またその責任を果たしたいと存じておるんであります。しかしながら、値上げのためのカムフラージュというふうなこと、値上げの一つの手段というふうなこと、というふうなお考えはしばらく取り除いていただいて、今度の予算が平生の年の予算よりも非常に重大な予算であるということは、これは経営委員としてみんな考えておりました。  そうして、それにはわれわれは十分これを審議検討して、最後の責任はとるということは十分自覚しておりながらも、なおかつ今度のこの機会に、この予算というものは非常に、ことに国民のためのNHKというたてまえ上、国民の大方の支持を得なければならないということから、われわれだけの力で、われわれだけの審議でこれを終わらしてしまってもこれはよくないのではないか。この際は、第三者の衆知も集め、御意見も伺い、最後の決定はわれわれがいたすということで、これは実は執行部からの提案もございましたけれども、経営委員の中からもそういう意見が執行部の提案の以前にありました。こういうときには衆知を集めて御意見を聞いたがよかろうではないかということがあったのでありまして、私どもは、会長が経営委員会を評価してないとか、あるいは経営委員会だけでは頼りないから、これの補助として基本問題調査会を設けたのだというふうには決して考えておりません。むしろ経営委員会としても、積極的にこうした基本問題調査会のような第三者の権威ある調査会をつくっていただいて、そこへ洗いざらいの資料を出し、そこへまた忌憚のない意見を出していただいて、これらを参考として最後の予算を決定したいというふうに考えたわけであります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 観点を変えてお尋ねをしますが、会長、あなたの協会には一万数千人の優秀な職員がおります。それぞれの分野でかなりの知識と経験とを持った方がたくさんいらっしゃる。しかも全国に、県庁所在地を初めたくさんの放送局を持っていらっしゃる、あるいは放送記者もたくさんいらっしゃる。外部との接触も常にありますし、そうしてりっぱなスタッフもお持ちになっておられる。外部外部とおっしゃるが、あえてそういった方を集めぬでも、部内におけるそういった優秀な職員のいわゆる日常活動を通じ、ないしは一般の視聴者と常時接触する中から、私はあらゆる問題を吸収しておられるものと信ずる。そのことがいわゆるまた、かえって国民に、視聴者にいろいろと、何と申しますかNHKへの期待に対するこたえが返っていく、あるいは放送によって、あるいはテレビによって。そういうのが実態じゃないかと思うんです。それでまた今日までやってみえた。  放送開始五十年という一つの節と言えばそれまで、また先ほども言ったように、経済事情の変化あるいはテレビジョンあるいはカラーの普及、発展ときて、いろんな理由を挙げれば一つの節にならぬことはありません。ならぬことはありませんが、私は、あえて部内のそういった衆知を集めることの方が、むしろ屋上屋を重ねる調査会よりも、もっと深刻な、いわゆる大衆に密着したものが生まれてくるのじゃないかと、こう思うんでありますが、あなたは、いわゆるあなたの優秀な職員にそういった意味における信頼はお持ちにならぬのですか、いかがですか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) ただいま御指摘の点につきましては、十分な信頼を置いております。NHKには優秀な職員がおりますので、この英知を結集することは当然のことでございまして、そのために部内には経営改善委員会を四月に発足さしております。これはきわめて機動的に動いておりまして、末端までこの経営改善委員会の作業のそれは到達し、また下部の意見も十分にこれに反映されるような配意も同時に下してきたわけでございまして、決して内部のそういった英知を無視して外部のみに依存する、こういうような措置をとったわけではございません。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 言葉ではそうおっしゃっても、具体的にこういった事例が出てきているわけですね。経営改善委員会がこのようにおありになるならば、それで徹底的な調査をされ、あるいは、討議をされ、それで十分とはいきませんが、それがあることは事実です。信頼しているとおっしゃる。しかし、なおかつ外部にそういう調査会をおつくりになったことは、それだけでは物足らぬということでしょう。その信頼をされた職員によって改善委員会ができているならば、その結果が当然返ってきてあなたの期待するものが生まれると思う。  それでは内部だけの調査会であるから、これは私は少し固執しますけれども、この際いわゆる五〇何%という料金を値上げするためには、内部だけのそういうことではこれはやはり世間が納得しないと、それにはやはり協会外部の皆さんをお願いして、ここにある名簿にありますように、こういう人たちが十分な検討をした結果、これはもうこれだけの値上げをする以外に方法はないのだという結論が私は協会としてはやはり欲しかったのではないか、こうどうしても思うわけです。これは私だけじゃない、視聴者一般がそう思っている。そこで私はこれを少しこだわるようですが、一般の視聴者がこの予算案が通過した後でそういうものを持ったならば——また通過するかどうかわかりませんけれども、通過すると百歩譲って仮定した場合に、一般視聴者がこのいわゆる皆さん方の御意見を聞いていて、そういう疑惑が残ったままでありますと、これはどうしても私はあなた方は視聴者から財布のひもをあけさして取ってくるわけにはいかない。視聴者のいわゆる意思にかなっている。  そうなりますと、いま申しましたように、あなたも認めていらっしゃる部内の優秀な職員の知能あるいは外部との接触、そういったものを集めてやっていらっしゃる改善委員会、普通であればそれだけで私はいいと思うんです。あえてやはり外部を求めたことは、何としても、いま申しましたように、これは経営委員長もおっしゃっていたけれども、料金値上げを正当化する一つの隠れみのであるという感がどうしても払拭できない。ここで会長が何万言を費やして弁解されてもなかなかできないと思う。まあこの問題はそうこれ以上は言いません。そういうものがいずれにしても残るということは、これははっきり申し上げていいと思う。  そこでお尋ねしますが、会長としてはその基本問題調査会の報告書なるものに対して御満足を持っていらっしゃると思うんでありますけれども、満足していらっしゃるならばあなたが会長として今日まで会を運営してきた過程で、この報告書のどういう点がやはり調査会に諮問してよかったという点であるか、ひとつ御指摘願いたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 調査会のいわゆる答申案なるものを見ますと、これは集約をいたしまして五点ばかりになろうかと思います。  まず第一点は、日本の放送体制といたしまして、公共放送と民放とが並列いたしまして、情報化社会におけるいわゆる情報伝達、また国民に対するいろんなサービス、この面において尽くした役割りを十分に御検討になりまして、この並列体制は将来とも維持すべきものだと言われるその御意見は非常に傾聴すべきものと思います。  第二点は、そういう前提に立ちまして、公共放送といたしましては、いわゆる報道、言論の自由を保障する一つの有力なる制度として受信料制度がある。その受信料制度についてはいろいろ努力しておるであろうけれども、現在の努力では足らない、もっとやはりこれについては十分な国民の理解を得るような努力をしなければならないのではないか。そればかりでなしにNHKの経営自体についても十分な御理解を得られるような姿勢を貫くべきではないか、そのためには具体的ないわゆる周知活動等について足らない面もあるので、そういう面については心して今後とも十分な配意を尽くすように、これが第二点並びに第三点でございます。  第四点の問題といたしましては、いわゆる高度成長時代の経営と、いままさに大きな転換期に際会いたしまして静かな節度ある成長期に入った、そういうような時期に気持ちの切りかえ、いわゆる意識の切りかえが必要であろう。高度成長時代の惰性をそのまま今後に永続し、続けていったのではNHKの経営は破綻するであろう、そういうような意味合いから、この切りかえ期の意義を十分に胸におさめて、それにふさわしいような経営姿勢をとるべきではないか、こういうことがこの第四点でございます。これは具体的に言えば、よく過去において膨張主義あるいは拡大主義をとってきた、これが今日のつまずきの原因だと指摘されております。そういうようなことがあってはならないので、低成長時代には低成長時代のような頭の切りかえと、それに適した運用が必要であろう、こういうことを指摘されております。  そうして料金の問題につきましては、極力努力をして収入をふやし、支出を縮めるような努力を最大限度にやる、そうしてなおかつ収支償わない面については受信料改定もまたやむを得ない、こういう御指摘を受けたわけでございまして、私は、これらの点については全く傾聴に値する意見と思っております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 そこで伊藤先生にお尋ねするんでありますが、会長の中山先生と思ったんですが、なかなか何か御都合でお見えになれないようなので、代理という形でお願いしたわけでございます。大変本日忙しいところを申しわけございません。  この報告書を読ましていただきました。ちょっと最初には事務的なことをお尋ねしたいと思うんでありますが、報告書によりますと、会は本会議が九回、小委員会、これは小委員会というのはたしかこの報告書をおつくりになるための作業をされた委員会かと思うんですが、「小委員会を三回開催した。」とございます。まあお忙しい先生方でありますので大変だったと思うんでありますが、これは事務局で結構です、この答えは。  その第一に、九回の本会議に二十三名の委員の方が何名ずつお出になったかという点が第一点、九回の委員会を通じて。そして小委員会を三回お開きになったとありますが、七名による小委員会。これ小委員会三回に七名の小委員が何名ずつ御出席いただけたか、ちょっとお知らせ願いたいと思います。

野村忠夫日本放送協会専務理事

○参考人(野村忠夫君) 御指摘のとおりの回数で基本問題調査会の会議並びに小委員会を開きました。何名欠席されたかという詳細な点についてはただいまちょっと記録がございませんが、本委員会におきましても欠席者は一名ないし二、三名程度が限度であって、それ以上の欠席者はなかったと思います。小委員会につきましては、ほとんど七名の方が御出席になったと記憶しております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 さすがはそれぞれの方でございまして、御出席がよかったようであります。敬意を表します。  そこでお尋ねするんでありますが、報告書ではいろいろとその問題点を指摘していただいています。いま会長も四つの点を挙げて大変敬意を表しているとおっしゃっています。この報告書に挙げられました問題点を見ますと、これはまあ私は端的に申し上げて、特別にこれはもういままでのNHKに対して思いも寄らぬ問題点だというようなことはないような気がするんです。いままでに国会の場でも論議をされ、あるいはNHK自体も機会あるごとにみずからも指摘した問題点であったと思うんでありますが、小委員会、調査会の御討議の中で、伊藤先生が特にいままでのNHKに対して、こういう点がどうも聴視者の立場として理解できないとか、あるいは不満であるとか、そういった問題点をお感じになった点がありましたならば、報告書にこだわらずに御指摘願えればありがたいと思うんですが、いかがでありましょう。

伊藤正己東京大学法学部教授

○参考人(伊藤正己君) この基本問題調査会が、先ほども紹介がありましたように、九回やりましたが、実に三時間近く各委員がいろんな活発な意見を交換をいたしまして、実は、私、小委員会の幹事としてまとめるにつきましては、はなはだ苦労する場合もあったわけでございます。結論は、先生おっしゃいますように、従来言われていることではないかと言われますけれども、それに至る過程においてはいろんな意見が出たわけでございます。  そこでお尋ねは、私がNHKに対してどう考えているか、苦情といいますか、こういう要望があるかどうかというお尋ねでございますが、私も、全体といたしましては、先ほど会長も申されましたこの基本問題調査会の結論というものに対して賛成をいたしているわけでございますが、しかし、それではもう全く文句を言うべき筋はないのかということになりますと、これは世の中、完全な制度はないわけでございます。  私が一番この審議を通じてNHKに注文したかったことは、やはり国民とのつながりということでございます。NHKは国民の放送局であると言われておりまして、まさに私はそのとおりでございまして、もちろん放送全体が国民の共有財産である電波を使うという意味においては民放も国民の放送局でなければならないと思いますが、NHKは特に受信料を基盤にしているという意味では国民の放送局でございます。ただ、そういった上に番組の制作、経営に国民の意向が十分に吸収されているかどうか、いろんなパイプがございますが、そのパイプが十分通じているかどうか、こういう点が一番問題になった点ではないかと思いますし、私も、また、この調査会において十分検討——結論は十分出ておりませんけれども、そういう方向をNHKは十分注意してほしいという指摘はなされている点だと思います。私もまたそのとおりだと思っております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 先生、いま私と会長なり経営委員長との質疑応答をお聞きになって、たびたびこれは失礼でありますけれども、もちろん先生方がそういうお気持だとは思いませんが、調査会は聴視料値上げのため国民へのPRの一端としての隠れみのという言葉を使いましたが、大変失礼ですが、これは私は率直に私自身が感じているんでありますから、そのまま申し上げたのです。国民の中にはそういうお気持ちも大分あるわけです。そういうことに対して、これは先生方にすればそんなことはないとおっしゃるに決まっているのかもしれないけれども、そういう批判と、いわゆる基本問題調査会はNHKの料金値上げに対するいわゆる国民へのアピールの一つの手段だったという見方をしているということに対する先生の何か御意見を承れたら大変ありがたいと思いますが。

伊藤正己東京大学法学部教授

○参考人(伊藤正己君) 私、率直に申しまして、先生のおっしゃるような受けとり方はあるであろうということは感ずるわけでございます。私もまた率直に申しますと、この委員の交渉を受けましたときに、一体、これは経営委員会でやるべきことではないかというふうな感じを持ったことがありました。しかし、よく聞いてみますと、これは単なる値上げの問題ではなくて、まさに基本問題調査会として、この際、NHKのこれまでの問題を考え、また全体としてのいろいろな問題を考えてみる調査会である。さらに先ほど経営委員長もおっしゃいましたように、決定権はもちろんあくまで最高機関である経営委員会である。ただ、この調査会をつくって何らかの、経営委員会が決定をするための参考になる提言をしてほしいというようなことでございましたものですから、ほかの委員の方もそうではないかと思いますが、お引き受けになり、その証拠に、第一回の調査会が開かれましたときに、一体、その調査会の目的は何であるかということに対して、三つの目的を決定いたしました。  それはNHKのこれまでの事業経営についての客観的な社会的評価をする。それから国民の意向に沿うためには事業経営はどうしたらいいかということを検討する。第三に、健全な運営を確保するためにどういう方策があるか、こういうことを検討しようということでございました。  残念ながら、九回の回数で、これらすべてが全部深く掘り下げられたとは思いませんけれども、各委員とも私はそういった値上げのための調査会であるという意識は全くなくて、審議の中には、私のいまの記憶によりますと、相当厳しい、たとえばNHKの過去の経営のあり方についての意見が出ましたりいたしまして、正直申しまして、先ほど申しましたように報告書を取りまとめるのがなかなか困難であるというような状況でございました。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 報告書を拝見しまして、確かにいまお話に出ている、具体的にその問題点をどういうふうに解決をして、国民のNHKであるという、その具体化を進めていくかという方針については御検討なさったんでしょうか。いままでの問題点は、確かにいまのように出ています。しかし、その問題点では、こういう問題がある、これを具体的に解決するためにはこういう対策が必要じゃないか、こういう具体的な施策が必要ではないか、こういったようないわゆる問題点を解決するための具体的な方策の提言がなかったような気がするのですが、この点いかがですか。

伊藤正己東京大学法学部教授

○参考人(伊藤正己君) 恐らく本来ならば、この調査会は抽象的な提言ではなくて、具体的にこうすべきだという提言をすべきであったかと思いますが、一部の面には時間的制約もございましたし、また基本問題調査会がいろいろな説明を受けましたけれども、巨大なNHKについて十分熟知しているという委員ばかりでもございません、非常に勉強はいたしましたけれども。そういう意味で、むしろ具体的な提言というものは、ひとつ経営委員会なり、あるいはNHK当局なりが検討していただく。基本問題調査会はむしろその基本的な方向づけを与えるというふうにしてはどうかということになりましたものですから、お読みになりましたことはきわめて抽象的でございましょうが、やはりその具体的なものを引き出すための基本的な方向は各提言にあらわれているのではないか。  さらに、その報告書は一部と二部に分かれておりまして、二部は提言のための資料ということになっております。資料的な側面も多いのですが、この中には多少具体的な提言というようなものをここに含める。しかし、これは資料ということでありまして、全員の意見をまとめるためには、かなり本文そのものは抽象的になっていることは御指摘のとおりだと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 先生、九回の本会議と三回の小委員会をおやりになっているのですが、そのいわゆる討議の資料ですね、お取りになった資料がたくさんあったと思う。その資料は恐らくNHKが出したものだと思います。それ以外に各委員の皆さん方がそれぞれ自分の独自な調査資料、独自な何か資料をお持ちになってやったことはありますか。ほとんど全体的にNHKの提出した資料によって調査されましたか、その点。

伊藤正己東京大学法学部教授

○参考人(伊藤正己君) 私の記憶では、資料はNHKにつくっていただいたというふうに思いますが、しかしNHKが自発的に出すというよりはむしろ委員の方からこういう資料を出せああいう資料を出せと、またこの資料では不満であるからもっと詳しい資料を出せという要求は非常に強かったと思いますし、また資料が出されましたときには各委員がその資料をごらんになりまして、この点は非常に不十分ではないかというようなことが、ことに会計資料などについては非常に鋭い指摘があったと私は記憶しております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 会長にお尋ねしますが、いまお聞きのように伊藤先生はもっと具体的に、しかも解決に対する施策までも検討したいというお気持ちがあったようであります。当然であります。ところが、時間的な制約ということ、五十年の七月ですか、初めにおつくりになって十一月に答申された。この間九回の本会議と三回の小委員会、まことにあわただしいと思います。膨大なNHKの組織、さらにはいろんな運営面、放送も非常なこれはあなた方も指摘するように世界でも珍しい放送の実態を持っていらっしゃる。そういったものを本当にあなたは根本的に調査をして、あらゆる問題点をえぐり出して、真に、言葉だけではなくて国民のためのNHKにしたいんなら、こんな九回の本会議や三回の小委員会ではできるわけはありません。不可能ですよ、どんなりっぱな先生が集まっていても同じです。それを短い時間の中に、しかも五十年中に結論を出させるということはどういうことか、あなたが幾ら値上げを正当化するための調査会ではないとおっしゃっても国民は納得しないでしょう。私も納得できません。  もっと具体的な点がどんどん出てきて、この問題はこうすべきであるというようなことが出てまいっておればある程度納得しますが、これはもう何回読んでみてもいままでの抽象論。あなたがいまはっきりこのことを挙げておっしゃった。このことはもうこれは何回も言い古しておる、国会のたびに出ている問題なんです。いまさらお忙しい先生方をたくさん煩わしてわざわざこの問題を指摘せぬでも、これはもう当然いままで出てきている問題だ。それをいままではほうっておいて、料金値上げ前にこういうことをされた。納得できませんよ、だれも。まず、時間をその十一月に打ち切ったのはどういうこと、一点。なぜもっと長く、できれば一年、二年かけてもいいから、本当にNHKの実態をきわめて、そうしてこれならばだれもが納得するという結論を出すための努力をされなかったんですか。この点をひとつ伺います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 御説のとおり、去年の七月に発足いたしましたが、おととし、さきおととしぐらいに発足しておけばよかったと非常に痛感をいたしております。時間の非常に制約もございましたので、十分に具体的の問題にまで細かく入る余地がなかったことは事実でございますけれども、そういった問題は、先ほど伊藤先生もお答えになりましたように、これこそ経営委員会並びに執行部のなすべきことであって、基本問題調査会としては、そこまでいけばもう内部機構はなくていいようなことになるんじゃないかと、こういうような疑いも出てまいります。ただ、問題は、十分に御審議をいただきますためには去年の七月の発足では遅かったと思います。おととし、さきおととしぐらいに開いて、長い期間をかけて十分に御審議をいただくべき筋合いのものだったと思いますけれども、この点はまことに遺憾に思います。  ただ、十一月の時点で打ち切ったということは、次の五十一年度予算の編成作業もございますので、やっぱり終わりの期限は昨年十一月ぐらいに一応の決着をつけていただかなければならないと、かように判断をいたしたわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 だから私が再々指摘しているように、五十一年度予算をつくらなくちゃならぬからということをおっしゃっている、はからずも、あなた。値上げに関係ないことならば何も十一月に打ち上げる必要はない、今日までもやってもよろしい。あなた自分からおっしゃっている。予算を編成するために間に合わぬとおっしゃっている。ということは、この予算は、経営委員長も指摘されておるように、重大な予算である。五〇%に余る値上げを含んだ予算であります。これは重大でありますよ、視聴者も重大です、これは。自分たちの意思に反して、諸物価高騰の折に、たとえばチャンネルは1や3に回さぬ家庭もたくさんある中で、法律の定めによって受信設備を持てば当然NHKの聴視料を払わなくちゃならぬと。この、まことに何といいますか不可思議な状態。それを料金値上げと関係がないと最初からおっしゃるけれども、十一月に打ち切るということは、いまあなたがおっしゃったように、五十一年度予算の編成に間に合わぬから、結果、打ち切ったでしょう。明らかにこれは予算編成のために、料金値上げのために、調査会は利用されたと言わざるを得ません。  伊藤先生にまことに申しわけありませんが、いまの会長のお言葉をお聞きのように、あなた方のせっかくの苦心した調査というものは、先ほどからいろんなことをおっしゃるけれども、いまお聞きのように、十一月に打ち切ったということは予算編成に間に合わぬということだ。予算編成は五〇%の値上げを含んだ重大な予算である。となりますと、調査会の先生方も、最初調査会の委員を委嘱される場合に、これはひょっとすると料金値上げのための一つの機関じゃないかという危惧をお持ちになったとおっしゃっていた。これは当然です。結果はやはり、いま会長おっしゃったように、十一月で打ち切った。これはたびたび言うように予算編成に間に合わないから。こうなりますと、明らかにこれは、私は会長のいまの言葉で、この調査会というものは料金値上げを正当化するための調査会であったと言わざるを得ませんが、ひとつ経営委員長、あなたどうお考えになりますか。

工藤信一良日本放送協会経営委員会委員長

○参考人(工藤信一良君) 私は、この基本問題調査会と並行的にこの予算の編成がなされておるという事実は、これはもう事実で認めざるを得ないのでございます。同時に、この基本問題調査会の先生方を煩わして得られた結論あるいは承った答申というものが、単に料金値上げだけではなしにNHKの本質に触れたいろいろな問題を提起されておる。これは経営委員会にとっても非常に大きな参考となるのでありまして、今後、今回の予算とは別個に、NHKに課せられた大きな問題それを指摘していただいた基本問題調査会の御答申をこれからもいろいろ検討いたしまして、将来の経営委員会の方針決定に当たって重大な参考にしたいというふうに考えております。また、執行部も、これはまあ執行部のことを私が申してなにですけれども、この基本問題調査会から寄せられた答申を、今度の予算だけで終わったとせずに、今後、これを土台にしていろいろな施策改善あるいは経営改善に当たられることと信ずるのであります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 伊藤先生、何か講義の都合があるそうでありますが、まだいろいろお聞きしたいこともあるんでございますが、まあざっくばらんな御意見もお伺いしたいんですが、せっかくのお時間でございますので、また機会を得まして何かの場合に御高説を拝聴したいと思っております。  私はこれで先生に対する質問を終わりまして、ちょっと同僚の委員から関連質問があるそうでございますので、どうぞよろしくお願いします。

森中守義日本社会党

○森中守義君 この委員会にもう一回お越しいただくという機会はございませんので、特に伊藤参考人に二、三点お伺いをいたします。  いま茜ケ久保委員からいろいろ率直な意見が出ましたが、私も全体を通じて全く同感であります。  そこでお尋ねしたい第一点は、調査会の調査に入る物の考え方というものはどういうものであったか。依頼を受けたからやりましょう、集まりましょうという、こういうごく安直な気持ちで滑り出したような気がするんです。そこで元来調査会というのはやっぱり権威の問題ですからね。さて、今回の調査会が有能でしかも識見の高い皆さん方がお集まりになる、にもかかわらず権威ある調査会になったかどうかはなはだ私は疑問を持っております。極端な言い方をすれば、そういう人材を委嘱をしながら結果的には安物づくりに終わった、こういう実は評価をしております。  具体的にどういうことかと言いますと、まず、いま放送関係の一つの調査を詰める、ないしは提言を行う、具体策を探求する、こういうことになりますと、ひとりNHKだけを限定をして議論をするということは非常に危険であります。言うまでもなく、今日の放送界がどういう環境にあるのか、まずこの辺から議論が発展していかないと、ひとりNHKだけの答えは出てくるはずがありません。そういう考え方を私は持っております。そうなれば、当然、昭和三十七年当時、臨時放送関係法制調査会、こういうものに郵政大臣が非常に複雑な放送環境をこれからどうしていったらいいのか、こういう諮問をしている。約二年かかって法制調査会が結論を出しました。ここにさかのぼっていきませんと答えが出ないんですよ。これひとつ非常に私は大事な、むしろ今回の予算を審議する際もこのことが重要だと。  ところが、御承知のように、法律もしくは政令、規則等の改正が八年ぐらいたっても、ないしは十年たってもあの臨放調の問題が処理されていない。ところが、その中にNHKに関する重要な事項がたくさんある。それが消化されていない。その消化をやらないで、にわかにNHKだけだというようなところに調査会それ自体の権威を私は疑う。しかし、求められた調査というものがそういうものでなかった。言いかえるならば、NHKはそういう意味では拙速というのか、あたりを見ないというのか、いま茜ケ久保君が言ったような何か特定のものを目標に、目当てにやったというにすぎない。だから私は安物に終わった、こういう実は極論をいたしております。したがって、そういうことに対して調査会の権威をどのように求めようとされたのか、これが第一点。  それから第二点は、先ほど質問と答弁を聞いておりましてやや正確になったようでございますが、三十五、六年からの高成長、高生産、そういういわば時の波に乗りながら日本放送協会が膨張、拡大、こういう答弁がありました。私も客観的にも実態的にもそのとおりであると思います。しかし、放送事業という独特の任務と独特の内容を持つものは、経済社会の高生産、高成長に対応しながら拡張主義、拡大主義、膨張主義をとり得るものかどうか、これが私は今日の事業に一つの大きな影を差している問題だろう。この辺を調査会としてはどういったように見てこられたのか、これが第二点であります。  したがって結論的には、今回の調査会というものが、これからの日本放送協会、広くわが国の放送界に何ほどの裨益を与えるような自信がおありなのか。そういう結論を得たと思っていらっしゃるかどうか。これは私はやっぱりたとえバラエティーに富んだ人選であったにしても、日本放送協会が委嘱した以上その調査会の権威を認めたい。みずから認めるに値する調査の結果であったかどうか、この辺のお考え、どうでしょうか。  この三点を、大変ぶしつけな質問ですが、非常に重要な点だと思いますから、お伺いをしたいと思います。

伊藤正己東京大学法学部教授

○参考人(伊藤正己君) いまいろいろな御指摘がございましたが、まず第一点で、調査会並びに調査会報告の権威についてでございますが、率直に申しまして、それは外部の国民の方々の批判に、評価にまつほかはないのでございますが、私たち関係をいたした者といたしましては、あの段階においてはこういう考え方というものが正当ではないかという自信は持って出したつもりでございます。  ただ、御指摘のとおり、私もそう思います点は、NHKだけを考えたのでは日本の放送制度というものは十分ではない。現在、民間放送というものがあれだけ発達している以上、放送全体を通じて検討をしなければならないという必要があることは、私も多少放送に関心を持っているものですから、常に感じている点でございます。たとえばイギリスなんかで非常に権威のあるピルキントン委員会とかアレン委員会というものがつくられて、検討して非常な権威を持っているというのは、放送制度全体を非常に深く掘り下げて検討したからであろうと思うわけです。私も、臨放調がああいう答申を出しましたが、そのままになっておりまして、日本の放送制度は現在の放送法のもとではやはり十分でない点があると、それをもう検討しなければならない点が出てきている。ことに新しい技術というものがどんどん進んでおりまして、放送衛星とか多重放送とか、あるいは多少違いますが放送大学とか、いろんなことが言われているときに、わが国の放送制度全体を早急に検討すべき時期か来ているのではないかと思います。  調査会においても、私、多少そういう発言もいたしまして、現在、やはり同じ中山先生を議長といたしまして調査研究会議というのを発足さしたばかりでございますが、これはNHKだけではなくて、日本の放送制度全体をそこで検討してみたいというふうに考えているわけでございます。  それから第二の、確かにNHKが高度経済成長に応じて非常に急速に膨張したという点は事実でございまして、これはその膨張がよかったかどうかという点はいろいろ議論いたしました。その一部のやや批判的意見は、この報告書の中にも、非常に順調に高度成長時代と時を同じくして発展した経営については、現在の転換期に当たって見直しと反省を行わなければならないという指摘をこの報告書がしているのはそういう点の指摘でございます。ただ、一方では、やはりこの高度経済成長と同時に日本の国民の放送に対する要求というものも非常に高まっておる、ことにテレビに対する要望も高まったと、NHKとしてはそれに応じなければならなかったという事情もあるのではないかと、これは私が感じている点でございます。  それから第三点で、やはりこの報告書の権威につきましてでございますが、この報告書は、何度も言うようですが、時間的限定もございました。そしてまた現在のような変動期において十年、二十年先の放送界を見通すということはむずかしくて、これをお読みになりましてわかりますように、さしあたり三年間ということをめどにして検討したわけでございます。そういう意味では非常に長期的な見通しというもの、あるいは展望というものがないと言われればそうなんですが、これは調査会において一応三年間をめどに検討してみたいということを書いてあるとおりでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 どうも伊藤先生ありがとうございました。  会長、いまはからずもまた伊藤調査会委員から出ましたように、三年間をめどということなんです。本当はもっと長期的な展望でやりたいとおっしゃっている。いま森中委員も指摘したように、放送法というものがそうそうきょうあす簡単にりっぱなものも出ないし……ところが今度の予算案ははからずもか何か知りませんが、三年間を展望した予算であります。値上げであります。五十一、五十二、五十三と三年間を展望した値上げになっている。このこともどうもおかしいと思う大きな原因なんです。何も十一月で切らぬでもいいのをこの十一月で切る。その十一月は来年度予算に間に合わす時点である、タイムリミット。調査会としては長期展望に立った調査をしたいと思ったにもかかわらず、三年間という一つの期限が切ってある。三年間は今度の料金値上げの予算といわゆる軌を一にしている。  こうなりますと、あなたが何と言葉巧みにおっしゃろうとも、これはもう一般の視聴者はこの調査会というものは値上げのための隠れみのという感は払拭できませんよ。それもあなたここで国民の前に断固それは違うという確信のある答弁ができるならば、ひとつここで少しぐらい言葉数は多くても結構ですからわれわれ委員を納得させ、国民を納得させるひとつ御発言をお願いしたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 将来三年間の見通しにいたしましたことは、長期に見通せば見通すほどいいんでございますけれども、いま非常に激動期でございますので、長期にわたって先を的確に見通すことは非常に困難でございます。そういうことから三年先でも実際はわからないと思いますけれども、期間は大体三年くらいを見通しておいた方が余り後になって非常に大きな変更がなくていいのではないか、こういう気持でいたしたわけでございます。そういうことをいろいろ総合いたしまして、今回、私どもが基本問題調査会をつくり、その答申を受けて三年間の見通しに立って五十一年度の予算編成をしました。  そういう作業を通じて、これはどうもいろんな疑いがある、疑義がある、納得できない、こう仰せられますことはまことに残念でございますけれども、私はこれで完全にやっぱり御了承が絶対にいただけるものとは、いろんな疑義があります限りにおいてはその疑義にも私どもは今後こたえてまいらなければなりません。そういうような謙虚な気持ちで、そういう疑義がそうでないようにこたえなければなりませんけれども、いままでの事情を申し上げますと、余り長期に見通しますと、私も五年ぐらいが見通せればと思ったんですが、なかなかいまの現状で、変化の激しいいまの状況で五年間を見通しても恐らくこれは空疎な見通しにすぎないことに終わるであろうという危惧もございますので、三年間の見通しにとどめたと、こういうわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 どうも会長、納得する答弁じゃないな。この予算が三年を見通していなければまだわかるんだ。予算は五年を見通している、あるいは次年度というなら、また話は別だ。ところが予算はあなた何といったって三年を見通してでしょう、五十三年まで。で帳じりが合っているわけです。そこへもってきて調査会の展望が三年となると、これはいまのあなたの説明を聞いてもだれも納得しませんよ。あなた自身だって内心はそうじゃないと思うんだ、本当は。しかし、まさかここでそうですとも答えはできぬでしょう。しかし、できれば私はやはり国民の納得できる説明が欲しいと先ほど言ったでしょう。それは国民は何と言われるかわかりませんよ。五年はできない、二年はどうか、二年はむずかしい、三年、この三年は予算の値上げと同じだ。これはだれが考えてもそうなりますね。まあ、このことを余り深追いしても時間がきりがありませんから、これ以上やりません。  それと、先ほど伊藤先生がおっしゃったような、調査会に対する資料がNHKの内部的な資料ということもちょっと私は——これは委員の皆さんにも一応の責任があると思うけれども、しかし委員の皆さんも忙しい方でありますから、NHKに関するいろんな資料を外部からお取りになる時間もこれはなかったろうと思います。しかしNHK内部だけの資料でなくて、ほかのいろんな新聞の論調とかあるいは雑誌のそれであるとか、そういった外部からいろいろNHKに対する批判なり要望なりあるいは不満というのがたくさん出ていますね、そういった資料はこの調査会にはお出しにならなかったのですか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) もちろん、私どもの知る限りにおきましては、外部におけるいろいろな批判のありまするその所在は御説明を申し上げております。外部ではNHKに対してこれこれの批判がございます、こういうことはちゃんと説明をいたしておるつもりでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 調査会の責任者もお帰りになったし、まだまだこの問題については究明したい点もございますけれども、また、あとは他の委員の皆さんにひとつバトンタッチをして、私は調査会に関する件についてはこの辺で打ち切りたいと思います。  とにもかくにも、五〇%という料金値上げは大変なものでありまして、国民の中にはいろんな不満が出ております。そういったものをよくそしゃくをして、ひとつ納得できるものをやはりお持ちにならぬと、来年の予算審議の場合に、いわゆる徴収不能のものが増大をして、せっかく三年を見通したこの大幅料金値上げが、一年たったならば、またもとの木阿弥ということでは相ならぬと思うんであります。私は決してこの予算を否定したり、あるいはNHKをどうするという気持ちは持っておりません。NHKがよりよい放送局に、放送機関に、国民の理解と国民に愛されるNHKであるために、やはり国民の一人として国民の気持ちを代表してこう申し上げているのです。その点は会長はよくのみ込んでもらわぬとならぬと思う。これはすぐにもう返ってくるのですから。この場はそれで通っても、具体的なことになりますと、二千万以上の視聴者の皆さん方から具体的に答えが出てくるわけですから、これに対しては私はやはり厳粛な気持ちで対処してもらいたいと思うんです。  そこで、ひとつ今度は観点を変えてお尋ねしますが、これは会長でなくても結構です。現在、NHKの視聴料を一番長く不払いをしている期間、一人の人あるいは団体が一番長く滞納しているというか、聴視料を支払いしていない者はどのぐらいというのが一番長いんですか、これを具体的に開きたい。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) いま具体的に何年何カ月という個別の資料をよく持っておりませんけれども、従来の検討の中ではやはり長い方は五年ないし六年ぐらい支払いが滞っている方はおります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 そのぐらいの人はどのぐらいの数になるとお考えですか。具体的につかんでない……

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 数としては、いま正確にはちょっとつかんでおりませんが、恐らく全部の滞納になっている方のまあ数%はいるかもしれません、一〇%まではいないと思います。一けたの台だと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 そういった人のいわゆる不払いの理由はどういう、五年、六年とかというのはずいぶん長いですね、その理由はどうあなた方は把握されるのか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 幾つかの御事情がございます。必ずしも単一の事情ではございません。幾つかに分かれるうち比較的長い方に多いのは、受信障害という原因の場合が比較的長い場合に多いです。それはたとえば飛行場の周辺とか、そういうところでテレビが音がうるさくてよく聞こえない、見えない。私どもとしましては、いろいろこれは分かれるところでございますけれども、ある程度そういう被害があるのはよくわかっておりますけれども、現実に受信機を備えられて御利用になっているんであれば払っていただきたい。しかしそういう立場の方の中には、利用はしているけれども、とてもこれは実際には払うに値する状況ではないということで、たとえば飛行場の周辺、基地の周辺等に比較的長い間にわたって支払いが滞る例が多いわけです。  それからもう一つは、ある種の意図的といいますか、思想的立場といいますか、イデオロギーといいますか、非常にNHKのあり方について見解が分かれてくる、そういう場合に非常に期間が長引くということはございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 そういったものは、件数ですね、十二時から休憩に入って一時ぐらいまでに、ひとつできたら資料として出してもらいたいと思うんですが、いかがですか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 間に合いますかどうか、できるだけ調べて出すようにいたします。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 集団的な不払い同盟といったものがありますね。この集団的な不払い同盟といったようなものは全国でどのぐらいの数があると把握していらっしゃいますか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) いわゆる不払い同盟といいますか、不払い運動をしておられる方、これはなかなか実態の数はつかみにくいんでございますけれども、私どもが報告を受けている限りで、たとえばいわゆるシールのようなものがございます。そういう運動をしておられる方が配って、一部お金を取っておられるようですけれども、そういうシールを張っておられて、あるいはまあ集金の者が伺って、はっきり自分はこういう立場で払わないと、そういう方を合わせますと大体五千から六千ぐらいの方は、いわゆる運動といいますか、私どもは掌握しております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 いや、ぼくがお尋ねしているのは、団体の数だよ、それが六千ぐらい……。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 団体としては非常に少ないんです。いま私どもと接触のあるそういう団体としましては、NHKの値上げに反対する連絡会議というような、そういう少し長い名称の団体が一つございます。これにほとんど集約されております。この団体の方々が何人ぐらいで構成されているかというのは、実は、私どもにそういう名簿とか何とかそういう資料等もちょうだいしないもんですから、よくわかりません。わかりませんが、従来その方々のお集まりの会合等に出席しておられる方は、これは間接的な話でございますけれども、数十人というあれではないか。それから先般三月の末にその会議と称せられる方々が全部の決起集会というのがございまして、集まられた方全員が放送センターにお見えになりました。そのときは二十数名の方でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 数は余り多くないということですね、不払い同盟という団体を持っているのはそう多くないと。そういった方の動きがやはり新聞とか、その他放送されますね、いろいろ影響するわけですな。  私の居住地の周辺にも、ある中央紙の新聞社の記者で不払いをやっている人が実在をする。絶対NHKの聴視料を払わぬと、こう言い切っている。まあ自分の居住地の周辺の人にかなり宣伝をしております。私にも、茜ケ久保さん、何だ、逓信委員会でNHKの問題で料金の値上げなんかで賛成しちゃけしからぬなんて言われたこともあります。新聞記者というような人たちのそういった意見というのはかなり影響を持ちます。したがって団体までにはなってないけれども、かなり有力な人たちのそういった動きのあることは確実だと思いますね。これは私はやはり看過できないと思う。  そこでNHKでは、たくさん数はないけれども、一応、そういう他に大きな影響を持っていると思われる不払い同盟といったような方々と正式に話し合いをされたか、あるいは向こうから何か話し合いを持ち込まれたことはなかったか、これに対してどう対処されたか、この点のいきさつをひとつ御報告願いたいと思います。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 御指摘のとおり、団体として運動しておられる方の数は私ども正確にはわかりませんが、それほど大ぜいではないと思っておりますが、確かにそういう方たちの運動がいろんな形で影響を及ぼしていることは事実でございます。  それから、そういう運動をしている人たちとの話し合いにつきましては、実は、一番早い時期は、もういまから六、七年前に東京の一部で、NHKのあり方について非常に強い御批判を持って受信料を払わないという運動を展開された方がいます。先ほど数年以上にわたると申し上げました一人でございます。その方とは、もうこの数年来、何回となく話し合いをしております。それで私どもとしては協会のありようについて御理解をいただきたいと繰り返し説得し説明しておりますけれども、どうしても御理解いただけない。私どもとしては、少なくとも聴視者の御意見はどういう方の御意見であっても十分率直に伺う。しかし、協会としてできることとできないことがございますし、それからいやしくも放送法というものが存在して、契約をしなければならないということが法律の義務になっております。当然、その結果として受信料もお支払いいただかなければならないということがある以上、やはり法治国家としてはその法律は最低限守っていただきたいということを繰り返してお願いしておりますけれども、どうしても議論がかみ合わない。支払えないこともまたこれは国民の権利だというふうな御主張、あるいはNHKそのものを解体すべきである、こういう御主張の方とどうしてもかみ合わない。  こういう人たちとは、ごく最近でも教回にわたって接触がございます。先ほど申しましたように、一番新しいのは、三月の末にその方たち二十数名が渋谷のセンターにいらっしゃいました。そうして約三時間にわたって私どもの方の担当の部長等が説明し説得し、あるいは私どもとしては、そのような運動はとにかく法律にも違反することだし、やめていただきたいと抗議もいたしましたけれども、どうしても議論がかみ合わないといいますか、それ以上の進展がないというのが実情でございます。しかし、私どもとしては、どんなことがあってもやはり個々に説得は続けていかなければいけないし、その方たちではなく、先ほど御指摘のありましたように、似たような御意見をお持ちの方が、団体という形ではございませんけれども、相当数いらっしゃることは事実です。先ほど私五千ないし六千と申しましたのは、そういうことをはっきりシール等の形で張って意思表示されている方がそのくらいいる。さらにそれ以上に、やはり現在意図的にはっきり私どもの責務に対して、何らかの理由で一つの特別な考えがあってNHKの支払いを拒否するという方は相当数いらっしゃいます。その方たちに対しても繰り返し個別にお話し合いをし、説得に努めているところでございます。

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) 午前の審査は、この程度にとどめます。  午後一時再開することとし、休憩をします。    正午休憩      —————・—————    午後一時十一分開会

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 午前中、茜ケ久保委員より御質問がありました長期にわたって支払の滞っている者の概要でございますが、五十年三月末の数字で全体の滞納者が五十五万件余りでございますが、そのうち四年以上支払いの滞っている者は約四万、全体の七%になっております。この滞納者の理由の一番多いのは航空騒音、飛行場、基地等の飛行機の騒音が非常に激しいということが原因となりまして、長い間にわたって支払いが滞っておるものが一番多うございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 その件については協会としても事情やむを得ぬということで不払いを承認しているわけではなかろうけれども、やはり一応そう無理にも徴収できない、こういう態度でいるわけですか。あるいはまた何らかの形で折衡はしているんですか、どうなんです。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) これは私どもとして、やはり受像機を備えられて現実にそれを御利用になっている事情がございますれば、それはやはり契約は生きておりますし、支払いをしていただかなければならない、こういうたてまえで折衡いたしております。定期的に、そういう方はわかっておりますので、私どもの係の者がお伺いして何とかひとつ御理解の上、お払いただけないか、特に、こういう航空騒音等の事例の場合には実際には助成金が受信料の半額程度出る場合もかなりございますので、実質的には半分程度の御負担で済むケースもかなり多いようですから、その辺の御事情も御説明をして御協力いただいております。ただ、現実問題としては、やはり受信者の方の騒音に対するいろいろな立場の問題等ありまして、解決はかなり長引いているのが実情でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 これは原因がはっきりしているわけですからね、騒音によると。そうなれば、やはりNHKの責任とは言えませんけれども、しかし難視聴であることは事実なんだから、したがって料金をスムーズにいただくためには、これはそのやはり障害になっている難視聴を排除しなくちゃならぬ、騒音が原因ならばその騒音の発生する原因者と協議をして、やはりその難視聴の原因を早く除去するという努力がなされなければならぬと思うんですが、その点はいかがですか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 御指摘のとおりでございまして、このためには航空公害防止協会という、これは関係官庁等も含めました組織ができております。そういうところと御相談しながらいろいろな対策は考えておりますし、たとえば具体的には一軒一軒の家屋に防音装置を施す等のこと、あるいは特に飛行機から出ます障害を防ぐような器械装置、あるいはイヤホーンといいますかヘッドホーンといいますか、そういうもの等を開発して解決する等のいろいろな航空騒音に対する対策も協会としてできるだけの努力をして対策は講じております。   〔委員長退席、理事長田裕二君着席〕

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 視聴料を取れないという、これは協会側の立場ですが、もちろん困ることだけれども、しかし私はやはりそういう地域にいらっしゃる方々がそういう障害のために正しいテレビジョンが見られぬということは非常に私は不幸だと思うのです。したがいまして、あなた方の立場は視聴料をよけい取りたいということ、それはもちろん理解できるし、そうであってほしいと思う。しかし反面、いま言ったように、当事者である方々、普通ならば正しくりっぱな映像が見えるのに、そういうことによってできない。これは私は不幸だと思うのです。特に、現在のこの情報社会においてテレビジョンが満足に見えぬとかいうことは——テレビジョンにはいろいろの弊害もありますけれども、しかし日本人の生活の中でテレビジョンの占めるこれは何というか、いろいろな意味でウエートは大きいと思うのです。したがって、そういう立場からも、そういう地域の早期解決にNHKはできるだけの努力をしなくちゃならないと思うのです。  会長、ひとついま視聴者の立場に立った解決に対して熱意を示してもらわなければならぬと思う。これはいろいろ障害はあります、もちろん。あるけれども、そういうことに対して熱意を示していくこと自体がやはりそういう直接難視聴で悩んでいる方以外の多くの視聴者にもNHKのそういった態度が理解されると思うんです。いま川原参考人のおっしゃったことに対して、協会として今後やっぱりできるだけの御努力をするという意思表明があってしかるべきと思いますが、いかがでしょう。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 御指摘のとおりでございまして、私どもの努力で解消できるものにつきましては極力最大の努力を尽くして解決に当たらなければなりません。これが協会だけでなしに、原因者の方でも措置してもらわなければならない面は当然に原因者にも責任を持ってもらわなければなりませんけれども、やはりそういった面が受信者全般にとりまして受信料徴収の公平を欠いておるために非常なフィーリングが出たのでは非常に困ったことだと思います。最大の努力を協会としては尽くすべきものと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 いま五十五万とおっしゃったですね、徴収できないものが。これは計算すればすぐ出るんですが、これは新料金に換算してこの五十五万というのは年間幾らの滞納になりますか、ちょっと計算してみてください。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 新料金で換算すれば約四十数億円になると思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 幾らいまの貨幣価値が下がったとはいえ、四十数億というのは大変大きな金額であります。ひとつ努力をしてもらわなければならぬと思うんだが、現在であってそうであるとするなら、今度新料金になりますとこれはかなりこういったものがふえてくる可能性があると私も考えます。あってはならぬのでありますが、しかし現実は現実としてこれは現存しておるので、NHKでは現在の時点で五十五万という徴収不能の家庭か今度新しく料金が改定されると——また改定されておるわけではありませんが、やがては、この国会で承認方を要望しておりますから、仮にこの国会でこの予算案が承認されたといたしました暁における料金値上げによってさらに不払いがふえるんじゃないかという私は危惧を持っておりますが、NHKではどういうふうなこれに対して御意見をお持ちですか。料金が上がった後の不払いというものがふえてくるんじゃないかという危惧を持っている。あなた方はどうお考えですか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 確かに現在の状況でこれだけのものがあるということは、料金が高くなれば心理的には恐らくふえる傾向が出るであろうということは十分私ども覚悟はいたしておりますけれども、ただ、私どもとしましては、あくまで公平の負担は図らなければなりませんし、特に料金が上がりました場合において、なお一層その負担の公平というものを達成しなきゃならぬと思いますので、その推測にいたずらに走ることなく、この滞納はどうしてもふやしてはいけないということで、あらゆる手だてをいま講ずるべく準備をしているところでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 私はまだはっきり五十一年度の予算の具体的な数字をまだよく見ていませんが、この四十数億に達する未払い分は、五十一年度予算の中ではどういうふうな形で出ていますか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) いまの五十五万というのは、これは五十年三月末の数字でございますので、その後多少ふえてはおりますけれども、これが五十一年度の予算の中でどういうふうに出てくるかといいますと、私どもとしましては、その滞納につきましても、この五十五万なりいま一番新しいところは恐らく五十八、九万まで上がっていると思いますけれども、それをそのままこれはいたし方ないというつもりはございませんで、これらの滞っている方に対しましても、繰り返し繰り返しお訪ねをしてお支払いをいただくと。先ほど申しましたように、非常に意図的に拒否されている方はなかなかむずかしいんですけれども、そうでなくて、この理由の多くは、留守がちの御家庭でなかなか私どもの集金の者とうまく会う機会の少ないという方が実は事情としては一番多いんで、極力、そういう方のお宅にも訪問をしてお支払いをいただくと、現実にそうやってお支払いをいただける例がたくさんございます。最終的にはそれがどういう形にあらわれるかといいますと、五十一年度の予算では欠損償却費という形で三十億円を一応計上しております。つまり、できるだけ私どもがそういう滞納解決に努力いたしまして、しかし、どうしても最後に残るものがあるであろう、これを予算では三十億円一応支出の方に上程しているわけであります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 そうしますと、毎年そのぐらいの数字が欠損金として計上されてきたわけですね、ずっと毎年毎年。これ累計に直すとかなり大きくなっていますね。まあ累計の数字は無理に言いませんが、毎年毎年そういったものがずっときていると。予算上、毎年毎年三十億ぐらいというものがそういう調子で計上されていたわけですね、その辺の事情をひとつ。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 毎年三十億ということではございませんで、この三十億は実は料金の、私ども予算では改定、値上げするという前提でいま御審議をお願いしておりますのですが、その新しい料金で計算をしておりますので三十億という数になっております。五十年度の予算のときには、それは十六億円、現行料金で計算いたしました。滞納も若干少な目でございますので、十六億円というものを計上しております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 毎年毎年の予算、決算で問題になる不払い者の、あるいは未徴収の料金問題が問題になっているのですが、私は決してNHK当局が安閑としているとは思っておりません。努力するするとおっしゃりながら、なかなかその努力が実らずに、いまも川原参考人がおっしゃったように、いままで五十数万が五十七、八万に上がっているだろうというお話、さらに今度は料金が改定されるとまたさらにふえるであろう、ふえても減ることはないとなりますと、だんだん累積していく。  そこで、あらゆる努力が必要でありますが、私が拝見した「電波タイムズ」という業界紙がございますが、その業界紙の「電波タイムズ」の三月九日付の報道によりますと、小野会長は不払いグループからの料金改正についての説明会開催の申し入れを断った、こういうぐあいに報道されている。その理由にいろいろのことが書いてございますが、これはひとつ私は不払い同盟の諸君、もちろんこれはあなた方から見るとけしからぬという気持ちはわかりますし、そういう気持ちもわからぬではありませんが、やはりこれは会長ではなくても、だれか適当な人がお会いをして、その結果がどうあるにしろ、やはりNHK側の誠意を示すということが私は必要だと思うのです。もう会ってもむだだから会わぬ、これではやはり前進にならぬ。会ってもむだとわかったとしても、やはりNHKは聴視料をちょうだいしなくちゃならぬ立場でありますから、それに対する努力というものは私は絶対必要だと思うのですが、これは三月九日の「電波タイムズ」の記事によると、会長はにべもなく断ったというふうな印象を受ける記事がありますが、これはいかがですか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 御指摘のとおりでございまして、どういう事情がありましょうとも、あるいは結果としては、それが実りがない結果になるかもわかりませんけれども、私どもとしては話し合いに応じて、あるいは進んでこちらからお話を申し上げて、受信料の徴収に対して御協力をいただかなければならないものと思います。「電波タイムズ」の記事はどういうあれですか、私の真意をやっぱりそのまま伝えておらないように思います。御指摘のとおり、この面については、そういった努力を軽視することは絶対によくないことでございまして、積極的に御理解を得るような努力を積み重ねてまいることによって成果が上がってくるものと私は考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 三月九日付の「電波タイムズ」の記事は会長の本意ではなかったと、こういうのでありますか。「電波タイムズ」の記事が間違っていたと理解してよろゅうございますか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 間違っていると断定していいかどうかは別としまして、私の気持ちはやはりいろいろ御説明申し上げて、受信料徴収に御協力をいただく努力をしなければならないと、こう考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 同じ三月九日の「電波タイムズ」の別の面では、小野会長は、NHKの五十一年度予算案を年度内に承認を期待するといっていろいろと書いて視聴者の理解を求めている。何か同じ日の「電波タイムズ」に異なったものが出ているんですね、矛盾していると思うのですがね、予算は年度内に通してほしい、そのためには視聴者の御理解を得なくちゃならない。片一方では、あなたは否定的な御答弁をなすったが、片一方ではそういう不払い同盟みたいな諸君とは話し合いする必要はないということを言うんですが、いまあなたは片一方の方は本意でないとおっしゃったが、それを一応信頼しましょう。しかし、いま言ったように、やはりこれだけの予算を承認してもらいたいんならば、やはり協会側としてはここで十二分に各委員が、国民を背景にしたこの委員会が納得できる説得力を持たなければならぬ。それがやっぱり片一方では支払いを拒んだ者は知らないんだと、勝手にしろということではやっぱり説得力がないと思うんですね。したがって、いまの答弁で私もこれ以上この点については追及しませんが、ひとつ一層の努力を要請したいと思います。  川原参考人にお聞きしたいのですが、最近、個々人の支払いをしない皆さんの中でも、NHKの職員の説得なり話し合いによって、いままで何回か、何年か支払いを拒否するか、あるいはしなかった方で、皆さん方の職員の努力で支払いを開始したといったような事例がもしありましたならば、それをお示し願いたいと思います。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) いまここにどこのどなたということを申し上げる資料を持っておりませんけれども、最近でも二、三私どもの相談センター等で、これは毎日何十件か電話等で番組、経営その他について御意見をちょうだいしておりますけれども、その中でも最近私の記憶でも二、三いろんな経緯から協会の実情はよくわかったと、いままで若干出先の集金の者とトラブルがあって、あるいは自分の感ずるところがあって払ってなかったけれども払うというような事例は二、三私も直接報告を聞いております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 これは基本問題調査会の報告書の中にも四十一ページですが、第十二表として口座振替・前納の制度の利用状況という表があります。これを拝見しますと、口座振替利用数が三一・四%、前納利用者数が四二・八%、件数にしますと口座振替利用が七百九十三万件、前納利用者数が一千八十一万件となっております。そうしますと、これはNHKのいわゆる営業職員の直接手を煩わさずに視聴者自体が積極的にこれは協力していると思っております。この二つを合わせると七四・二%、残りの二五・八%がこれはいわゆるあなた方の組織内の営業の職員の諸君が努力して集金するのだと思いますが、これは間違いありませんか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 数字はそのとおりでございますが、前納の前払いの分と口座の分とで重複しているものがございます。つまり口座、銀行から払っておられてかつ一年前払い、半年前払いというケースがございますので、その全部が全部集金の手を煩わさないというわけではございません。実際には、約二千六百万のうち口座で払っておられる、銀行経由で払っておられる八百七十万ですか、これは確かに一々訪問しないで直接銀行の方で自動的にNHKの口座に入ってまいります。しかし、残りますこれは前払いの人を含めまして千七百万近い世帯の方は、必ず集金の者が一度自宅にお伺いいたします。前払いの方はなるほど二カ月ごとに行かない場合が多いんですけれども、それでも半年に一回はやはり現金でお払いになる方を訪問しております。ですから、実際には全体の二千六百万のうち千七百万ですから約七割近くはむしろこちらからお訪ねをしているという形になります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 前納のことが出ましたのでついでに聞きますが、最近、新聞紙上でかなり問題になってますね。前納者の料金徴収、NHKが予算が通ったらこの前納者についてもこれはもらわにゃならぬ。国鉄運賃や何かのことは出ておりました。これはかなり問題になっております。私どもも聞かれます。ちょっとおかしいじゃないか、国鉄や何かはちゃんと前に買えばその分が値上がりしても払わなくてもいい。NHKに限って前払いしているのに、また料金改定したらこれは取るとはけしからぬじゃないかと、こういう質問を受けます。私自身も実はそれに対する返事に困るわけであります。それは一応気持ちの上では、そうだそうだと、国鉄のように当然払ったんだから、前に払っている人だから、もう納める必要はないんだろうと言いたいけれども、さてそれを言い切っていいかどうか。これはやっぱり一応逓信委員として、NHKの責任でもあるけれども、やはりこの予算案を審議する者としては、これはやっぱりある程度責任を感じますから困っている点もあるんですが、これはいいか悪いかは別として、ここでいい悪いはまた別にして後で触れるとして、ここでNHKとしてこの問題に対する態度を明確にひとつしてもらいたいと思うんです。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) これは大原則で申し上げますと、やはり公平な負担ということから出ている態度でございます。協会は、もう申し上げるまでもなく、全国民に公平に受信料を負担していただいてそれによって成り立っている企業でございます。仮に値上げになりましたときに、前払いしている方はそのままということになりますと、仮に四月からでも六月からでも値上げになりましたときに、毎期毎期あるいは毎月毎月お払いになっている方はちゃんと新しい七百十円の料金をお払いになるのに、かなりの方がその月は七百十円払っておられないということでは、やっぱり協会の趣旨から申しまして、全国民に公平に負担していただくという趣旨に合いません。  それから多少理屈で申し上げますと、やはり国鉄の定期等の場合には、これはいろいろな規則、法律解釈によりまして定期を買われたときにその輸送契約で成り立ち、そのときに支払われたお金でもって一定の期間の輸送の契約がそこできちんと決まる。しかし、NHKの料金の場合はこれは毎年毎年予算案をこうして国会で御審議いただきまして、国会で御審議いただいたことによって、その年のあるいは何月からの料金が決まっていくと、いわばその前払いの分はその国会の御審議に先立ちましていわばあらかじめ一つの前提条件のもとでこれはお預かりした料金でございまして、やはり国会の審議の結果、四月から幾らあるいは六月から幾らと決まれば、そこから先ほど申しました公平負担の原理によりまして、全部の国民に同じように負担していただきませんと、やはり毎期毎期お支払いの方から見て非常に公平を欠くということになると思います。やはり前払いしておられる方でも値上げが決まりましたら、その月分からきちんと精算をしていただきたい、こういう趣旨でございます。このことは規則でございまして、受信規約にもそれはもう前から明記してあることでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 公平の負担結構です。そうなると、じゃ五十数万という払わない、しかも長い人は四、五年も払わぬということはどうなるかということを言いたくなる。全く不公平というか話にならぬ不公平だと思う。こういうことはしかしNHKは素通りして——まあこれは私はそれをここで徴収することはできないということを言うだけの何も根拠持たぬから、そのことは余り強く言わぬけど、しかし、負担の公平ということをそうおっしゃるなら、やはり数十万、年間四十数億という莫大な不公平をあなた方は見過ごしている、これどう説明しますか。説明というか負担の公平という主張から、この四十数億に達する五十数万、六十万に達するその不払いに対してどういうことをなさいますか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) この点は全く御指摘のとおり、その五十数万の支払いの滞っている方と、きちんとお払いになっている方との関連で言えば、明らかに負担の公平を欠いているわけでございます。ここは私どもがやはり経営の責任として、全力を挙げてこの五十数万の支払いの滞っている方の解決に当たらなければならない。もちろんこれは例年国会等の御指摘もありまして、私どもとしては鋭意その努力はしているんでございますが、残念ながら、一方で先ほど申し上げましたように解決し十分御理解いただいてお支払いいただける方もあるかわりに、また別の事情でもって支払いの滞る方が出てくる、こういうことは現実にございますけれども、これはこのままどうしても放置してはいけない、全力を挙げて解決に当たらなければならないと思っております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 毎回毎回、こうした委員会で努力されるとおっしゃりながら一向に改善がされてない。これは事実なんです。一方では非常に協力していると思うんですよ。半年なり一年なり前納してまで協力している。法律で絶対に取らなければならぬという基礎があるということは私は承知してないんだが、じゃ、いわゆるあなたさっきちょっと法にもとおっしゃったが、どの第何条で、前納しても、途中で改定した場合にはその差額を徴収しなきゃならぬという法的根拠があったら、そいつをお示しいただきたい。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) これは法律ではございませんが、法の定めに基づきまして、NHKが郵政大臣の認可を得て受信者との間に定めております受信規約というものがございます。この受信規約の十一条でございますけれども、受信規約の十一条に、料金がいろいろ変更した場合の精算の規定がございまして、これが先ほど申し上げましたような原理に基づいてこの定めができておりまして、改定があった場合には精算をすると、こういうことになっております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 それをはっきり読んでください、その条文を。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) これは受信規約の第十一条、これの幾つかの項目がありますけれども、三項でございます。「放送受信料が支払われた期間の放送受信料について、その料額の改定があったときは、改定額により精算して、返れいしまたは追徴する。」こういうふうになっております。(「返戻なんてないじゃない」と呼ぶ者あり)もし料金下がれば、返戻しなければならないことになっております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 そういう何か規約があるとすれば、そのこともあわせてお聞きしたいんだが、やはりひっかかるのは、全然払わない者に対する処置、これは残念ながら罰則がないから、これは容易でないことは私もわかっている。わかっているが、やはりその負担の公平、公平とおっしゃると、ついそこへひっかかってくるだろうと思います。その辺もあわせて今後の処置を十二分にしてもらいたい、こう思う。  これは放送総局長の関係かな。私は朝八時半のニュースを聞いた後、「奥さんごいっしょに」とかいう番組がありますな。チョンガーの悲しさ、朝台所で朝飯の用意をしながら、よくあれを聞くともなく見るともなくする時間があるんですが、先般、つい二、三日前、電気料金の改定についていろいろと突っ込んだ話がありました。その前はいろいろなそういった公共料金の値上げ問題をよく取り上げていらっしゃるが、NHKはいま御提出のこの予算案について、五〇%余りの放送料の料金値上げについてこういった催しをなさったことがありましたかな、いかがでしょう。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 私どもの番組の中で取り上げます場合に、公共料金の値上げ等につきましては、NHKとしては公共料金の値上げが是か非かという態度で臨んでおりませんので、そこの番組の中で是非という御議論をいただいて、それを見て、あるいは聞いていただく聴視者に御判断願うという立場をとっておりますので、私どもの方の値上げの問題をその同列の中で扱いますことはいささか誤解を生じるおそれがございますので、そういう形では取り上げておらないんでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 なかなかあの番組で取り上げている料金問題についてかなり傾聴に値する意見もありますし、参考になる点があるんですよ。私はNHKの料金の値上げについてもこれはあってしかるべきだと思うんです。NHKは公正中立だと、こうおっしゃっているんですから。そういう自信があるならば、自分の問題でもNHKは主催をしてさらりと聴視者なり、いろんな人の意見をああいう形で聞くことは私は望ましい、またやるべきだと思う。  私は毎朝聞いているんじゃないからあるいはやったのかなと思ったけれども、どうもお聞きしたらやってない。いま放送総局長は自分の番組で自分のことをとおっしゃったけれども、これは放送総局長自体はそうではないとしても、NHK自体の中にこの値上げについていささかじくじたるものがあるのじゃないか、こう勘ぐらざるを得なくなってくる。でなかったらば、どっからどう見られても、どう突っ込まれても、この五〇%の値上げは絶対必要だ、これこそもうNHKが国民のNHKとしてやっていくためには絶対不可欠のことだとおっしゃるならば、NHKは堂々と主催して、ああいった形の番組を持つことこそが私は望ましい姿だと思うのだが、会長はどう思いますか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 非常に参考とすべき御意見を賜りました。いろいろNHK自体の宣伝になってはいけないような遠慮がやっぱり働いておると思います。そういうことで、仮にやはり値上げに賛成のようなことが出ますと、これこそ非常に天下の電波をNHKのそういう宣伝のために使ったという非難がごうごう起きると思います。その辺の配慮がいまのようなことにしておるわけでございますけれども、適当にやはりこれも自分のことはたなに上げてよそのことをやるということは、これも放送総局長が申しましたように、決して公共料金の値上げはいかないというような立場あるいはあらゆる値上げがこれが不当だと、こういうような態度はNHKは持っておりませんので、値上げをする正当な理由があるものについてはこれを認めなきゃなりません。それはやはり番組に出られた視聴者の方々のいろんな御意見によって、賛成もあるでございましょう、反対もあるでございましょう、そういうことを国民にお伝えして御判断をいただくということでございますので、その点からいえば、NHK自体も料金の問題についてもそれはそのらち外に出るものではないと思います。いろいろ重要な参考になる御意見を賜りましたので、将来の運営についてはいろいろ考えてまいりたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 そういうことを考えたことなかったんですか。やるとかやらぬとかいうことについて討議もしなかった、全然もう素通りということなんですか。あるいはいろいろ検討したけれども、まあこういうことで実はやめたということなんですか、どっちなんですか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 全然考えないということはございません。私自身としては、NHKの非常に問題点をやはりさらけ出して、それに対して世論に聞く態度が好ましいと思っておりますので、事業の周知のために、そのほかの関係あるいは国会のこういった予算審議、決算審議等があれば、それについても十分に電波で取り上げて、そうしてNHKの実情を知っていただくような機会を持つことが必要ではないか、私はかねてそういうことを主張し続けております。  ただ、番組の当局の問題になりますと、何か自分で自分の電波を使って自分の宣伝をする、そこに多少のやっぱり遠慮が働きがちでございます。これも度合いの問題でございましょうけれども、私は正当な限界におけるそういった行為は、これはやはり聴視者国民の立場からいっても是認されるのではないかと、かように考えております。   〔理事長田裕二君退席、委員長着席〕

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 私は見解か違うんですよ。むしろ——もちろん値上げを慫慂するような形で持っていくのじゃないんですがね。あなたがおっしゃるように、あるいは放送総局長がおっしゃるように、是非をというのじゃなくて、あらゆる関係者から意見を聞いて、その判断を国民にゆだねる、これで結構なんですよ。そうならばNHKのこの料金問題もそれを重視した立場からいくならば決して国民は宣伝とはとりませんよ。むしろNHKのこういったいわゆる努力に私は好感を持つと思う。それができないところに、いま冒頭言ったように、何かあなた方はこの値上げはやはり国民にとってこれはもう大変じゃないかという気持ちがあるし、ほかにもいろんな形であなた方は料金値上げをPRすることをやっていらっしゃる。たとえば、こういう仕事をしている、ああいうこともやっていると、料金値上げとはおっしゃらぬけれども、いかにもNHKはいろんな仕事をして金もたくさんかかるというようなことを安易にやっていらっしゃる。これは国民は知っていますよ、これはもう料金値上げの伏線ということは知っています。そのことよりも、私はむしろいま言ったこの料金問題をぽっと出してあらゆる関係者からいろんな意見を聞いて、結論はもちろん出すわけじゃない、国民の判断——私はそう思うんだが、これはもうすでに決まり切ったことですからやむを得ませんが、やはりそういった考え方は私は皆さんの中にあってしかるべきだ、こう思うわけです。いまあなたの答弁でこれ以上これは申し上げません。やはり非常に残念だと思います。これはNHKのためにもなりません。  まあ受信料の値上げがいま出ているし、三年間の見通しを持っていらっしゃるということ、それから、当初は四月一日から実施という予定でされたわけですが、もうすでに四月は暫定予算、五月も二十四日までの暫定の予算をやっておられる。幸いにして二十四日の国会最終日にこの案件が通過したと仮定いたしましても、すでに二カ月のこれはもう差があるわけです。この二カ月の差というものがNHKが指向した三年間の経費に対してどのような影響を持つものか。これは営業局長来ていますね、二カ月のこのずれですね。その結果がどういうふうにこの五十一年度予算、ひいては五十二年、五十三年に影響してくるのか、それに対してどういうような処置をしようとしていらっしゃるのか、お伺いします。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) ただいま御指摘がありましたように、二カ月の暫定予算の結果、当初予算の見積もりよりもほぼ百二十億ぐらいの減収が見込まれました。ただ、この百二十億の減収によりましてNHKが現在立てております事業計画を直ちに変更するということは考えておりません。事業計画は事業計画としてこのまま進めてまいりたい。ただし、百二十億という減収があることは事実でございますので、この結果、明年度あるいは明後年度、こういう三カ年間の財政運営をやってまいります過程の中で、この百二十億の処置というものをどう解消していくかいろいろな方法がございます。  たとえば三カ年間見通しましたときに、初年度の五十一年度は約百八十億の財政上の余裕金を持ちまして次年度以降の財政改善に当たるというプランがその中に入っております。また借入金の返還計画もございます。また百二十億全額とはまいりませんけれども、できるだけ三カ年間にわたりまして事業運営の効率化ということにも努力をいたさなければならないと思いますが、全体といたしましていま直ちに事業計画を変更するという方法をとりませんで、三カ年間全体の運営の中で考えていく、こういうふうに考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 事業計画はそれでできることでしょう。しかし、経済状態も低成長とは言えやはり物価は非常に上がりつつあります、そして労働者の賃金も上昇してまいります。その中でNHKは三年間一応据え置くという立場をとっていらっしゃるようですが、この三年間はどんなことがあっても料金の改定はしないというたてまえなのか、あるいはまた一応三年見通すけれども、途中にいろんな変動があった場合には、さらにそれに対応して料金改定をしなくちゃならぬことがあり得るというお考えなのか。この辺はやはりはっきりここでしてもらいませんと、視聴者の皆さん方もまたここで五〇%上げて、次にその近い機会に上がるというんではこれはもう大変でございますから、その辺の見通しは、あるいはNHKのなんというんですか、決意といっては語弊がありますが、ひとつ御存念のほどをお伺いしたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 料金の値上げは極力避けるべきだという根本的な気持ちには変わりはございません。ただ、予定の三年間の計画もすでにもう最初から二カ月暫定によりまして百二十億というかなり大幅な穴があきました。これの措置については、三年間を見通した安定料金で問題がそのとおりに推移すれば三年間は値上げをしないで済むであろうと、こういう計画になっておったわけでございますが、これもその前提として、今後の経済の推移、物価その他の上昇心これがこの三年間の計画を立てましたその指標と余り大きく変化がないということを前提に置いておりますけれども、そういうことで組んだ予算でございます。  ただ、そういうような面から、百二十億の欠陥を三年間の間に借入金の返還計画あるいは予算執行上の効率化の問題あるいはその他の諸施策の中から、何とか全額でないにしてもこれの解消に努める努力をしなければならないことは当然でございますけれども、そういったような関係から、五十三年度末の三年間までこの予算によってもう全然料金値上げの意図は毛頭持っておらぬとも断定できませんし、それかといって料金を上げなきゃならぬようになるかもわからないということも、いま申し上げるのは軽率ではないかと思います。実に、この辺のところは、今後の推移にひとつお任せをいただきまして、その間において判断をいたしてまいりたいと思います。根本的には料金値上げはできるだけ回避すべきだと、こういう気持ちには変わりはございません。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 そういうことでありましょうけれどもね、やはり国民の立場に立つとやや納得ができないと思います。やはりここは、会長、それは石油ショックのようなこともありますからね、それは断じて料金改定はいたしませんと、大みえを切ることもそれはできぬかと思うけれども、私は、やや現在の状態でいきますならば、百二十億のこの当初における欠損は、三年というかなりの時間があるんですから、経営努力によって私は絶対にこれは解消できないとは言えないと思います。これはやっぱりあなたの決意と皆さん方の御努力で私は可能であると思います。可能にするかしないかはやはり会長の大いなる決意だと思うんですよ。  そこで、決してこのことを私は言質を取ろうという気持ちではありませんが、やはりこの際は、あなたとしてはひとつあらゆる努力を傾注して、せっかく国民の皆さんにこれだけの値上げをお願いするんだから、ひとつ三年間全放送局の職員、役職員が皆一致して努力を重ねて、三年間はもう再びこういう値上げをお願いしないで済むように努力を続けようと。さっきのあなたの発言はやっぱり弱いんだな、聞いていて。やっぱり裏から見ると、何かもうすでに次の段階を考えているような気がするんだ。これは私のひがみじゃないと思うんだ。そういったやっぱり一つの決意が表明されていいと思うんだな。そのくらいのことがなくちゃ大NHKの会長として私はいかぬと思うんです。あなた、ほかの方ではえらいたんかを切っていらっしゃるところがあるんだ、このことは触れぬけれども。たんか切らぬでもいいところで切っておいて、大事なところではあなたたんか切らぬではだめですよ。ここでひとつはっきり三年間は私どもの責任で料金を上げないでやっていきます、こういうひとつお答えを、どうですか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 先ほども申し上げましたように、三年間料金を値上げをしないで済むような最大の努力はいたします。ただ、それは三年間は絶対に上げませんという、これはまあ断言するのはちょっといま問題でございますけれども、努力は大いにいたすつもりでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 だから、いいですか、よけいなことをおっしゃるからいかぬ。上げないと言えばいいんです、努力すると。私は国民の前に全職員をひっ提げて三年間ひとつ努力して上げないで済むような施策をやりますと言っておけばいいんだな。それをまた後で、いや上げませんとは言えませんとか、そこがいかぬと言うんです。それはよけいなことなんで、それを言わないで、前の段階でぴしゃっと切っておけばいい、そうでしょう。どうもやっぱりそこか——よけいなことですがね。だから、はっきり言ってください。

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) 速記を起こしてください。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 三年間に値上げを再びしないための最大の努力はいたすつもりでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 あとはこれ、あなたと押し問答してもあれですから、ほかのまた委員の皆さんからいろいろとあると思いますから、私は一応この辺でやめておきますが、しかし、これは私は何もNHKをことさらにかばおうとするわけじゃないけれども、そのくらいのことがやっぱりないと私はいかぬと思うんです。これは大臣の決意をひとつ、御所見を、ついでですから。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 私は三年間は絶対に上げるべきじゃないと、こう思っております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 さすがやっぱり大臣ですな。そういうことをはっきりおっしゃっていただいておりまするから、恐らくそれでいくでしょう。  それでは次に移ります。  NHKの運営についてはいろいろな意見がございます。放漫な経営ではないかということ、人も不必要な人が、これはいろいろ役職員を含めてです。今日は先ほども指摘されましたように、経済成長の波に乗って膨大な組織化をして、その組織のために運営費の増高、したがって聴視料の値上げということにつながるんじゃないか。もちろん放送の内容についてもいろいろの批判はあります。その放送の内容について触れますとこれはまた時間がとても足りませんから、私は放送内容については他の委員にお譲りして放送内容には触れません。ただ、しかし、運営面において、いま言ったようにかなりそういう批判があるわけです。これは恐らく基本問題調査会でも、ここには出ていませんけれども、出た意見だろうと思うのであります。したがいまして、このいわゆる慢性化と申しましょうか、膨大になり過ぎたこのNHKの本体をひとつ引き締めて、そういった一般の批判にこたえるためには私はやはりあらゆる努力が必要だ。そのことを私はこの基本問題調査会の答申に期待をしておったんですが、午前中触れましたように、問題点は提起したけれども、問題を解決するための具体的な何らの施策も盛っていない、非常に私は失望いたしました。しかし、この答申は答申として、いま言ったことに対して会長はどのような決意とどういうような施策をお持ちになっているか、この辺のところをひとつお聞かせ願いたい。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) いろいろ御批判を受けておりますことは謙虚にこれを受け入れております。NHKは過去非常に膨張主義、拡大主義に走ったと、こういう指摘もございます。ただ、これは余りにテレビの普及とこれに対するニーズが非常に膨大であったわけでございます。  そういうことから短期間に急速に総合テレビの一波が全国普及の義務を果たすためにどこでも見えるように努力をすることをいたしました。続いて、教育テレビは昭和三十四年の当時にはまだなかったんでございますけれども、これに対するやはり要望もきわめて強く急速に全国に普及できるようなネットをつくらなきゃなりませんでした。そういうことと、FM放送が全然四十三年ごろまでにはまだなかったんでございますけれども、これをやはり全国どこでもFMが利用できるように急速に整備してまいらなければなりませんでした。続いて、カラー放送に対する要望にこたえなければなりませんでした。  そういう面から申しますと、昭和三十六年ごろを起点にいたしまして、業務量はざっと指数にいたしまして昭和三十六年を一〇〇にいたしまして、かれこれ二〇〇に近くなっております。これは非常な膨張であり、膨大であろうと結果的には見えます。しかし、それはむだあるいは放漫経営をいたしてそうなったのではなく、やはり放送に対する要望にこたえてそのような拡大が行われたわけでございます。そういうことでございますので、この点に関する限りにおきましては、私は決して放漫な経営によっていたずらに膨張主義をとったとは考えておりません。  しかも、他面には、人員の面については昭和三十六年当時は約一万五千名おりました。それから今日一万六千五百でございますけれども、千五百人しかふえておりません。この人員の推移を昭和三十六年度を同じく一〇〇にして考えますと一一〇でございます。一一〇と二〇〇近い業務量、これは非常にその間にいろいろな効率化措置をとったことがそういうようなことを可能にしたわけでございますけれども、私どもはそれを効率化措置と見ておりますが、その一つであります放送センターの建設でございます。  これが非常に目に立つわけでございます。非常にぜいたくな膨張主義をやった、これはいまの渋谷の放送会館を見てそのような印象を持たれる。これも非常に一面では理解できるんでございますけれども、決して不必要な施設をつくったわけではございませんし、あれがもしなかったといたしますと、田村町のラジオを主体につくった会館に継ぎ足し、継ぎ足しテレビ時代に即応するような措置を限られた土地の上でやり、なおかつそれで不足でありますので、外部に幾多スタジオその他を借りておりました、七カ所ばかり借りておりました。この借料は当時年間五億でございますけれども、今日この借料も最低三倍にはなっておる。三倍と計算しますと毎年十五億ずつの借料を払わなきゃなりません。しかもオリンピック時に間に合わした渋谷のセンターと田村町との二面運営によりましてその間のいわゆるあらゆるむだがございまして、そのむだだけでもおおよそ年間六億ぐらいに薄められたわけでございます。そういうことを全部整理いたしまして渋谷に集中いたしまして、田村町は売却をいたしました。そういうような状況でございますので、一見、非常に大きいのできわめて放漫な膨張主義をとったように世間から言われるんでございますけれども、これは私はそうとは考えません。  それと機械化の導入でございます。コンピューターの導入が非常にやはりむだをし、いろいろ成長時代にやらずもがなのことをやったように批判されるのでございますけれども、これはやはりこれ相当の成果を上げておるわけでございまして、そういった面については私はこれは御理解を賜って、あれは合理化の措置であったということを御理解をいただきたいと思います。  それでは、何にもNHKには落ち度はないかと申しますと、これは大いに反省しなきゃならぬ面が多々あろうかと思います。そういった面については、いままでもいろいろ地方の中継局の有人局を無人化いたしましたり、あるいは運営の関係についてより効率的な措置をとってまいりましたり、いろいろなことをやっておりますけれども、今後もそういった努力はやはり積み重ねてまいらなければならないと考えております。ただ、世間のいろんな批判に対しましては、これに対して謙虚に耳を傾けております気持ちと誠実にはこれは変わりはないことを御理解を賜りたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 放送センターのことが出ましたから、放送センター一年間、NHKが幾日使って、第三者に幾日貸しているか、一年間の使用日数と、その中でNHKの使った日数と外部に貸した日数、外部に貸した日数については、それによって一年間現在どのぐらいの収入があるか、いますぐわかったら概観でいいからひとつ、わからなかったら後で調べて教えてもらいたい。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) いますぐに手元にございませんので、後ほど提出いたします。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 NHKはこれは放送センターをつくった。これについては田村町との関係であなたがおっしゃったとおりなんですが、全国の放送局を大体新築されたようですが、まあ沖繩以外は恐らく各県一カ所と思うんですが、あるいは二カ所のところもあるかもしれませんが、沖繩は二カ所か三カ所ありますね。全国の放送局の数といわゆる新築された局数をちょっとお教え願いたいと思います。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) ちょっと一、二分時間をかしていただけば、資料を探してお答えできます。

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) 一、二分、じゃこのままで待ちます。——

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) 先ほど御質問がありましたNHKホールの資料ございましたので、これもあわせてお答えいたします。  ホールの一年間の利用状況は、五十年度にいたしますと、外部に利用させました日にちが六十七日でございます。それから保守日が三十日、それからN響が七十一日、それからNHK自身が、無料、有料も含めまして、使用いたしました日にちが二百九十八日、全体といたしまして大体そういう割り振りでございます。これは五十年度でございます。  五十一年度の予算では、NHKの使用日が二百三十四日になります。それからN響が七十一日、それから保守日が三十日、その残りが外部利用という数字になります。  それから金額にいたしますと、ホール運営の収入は、五十年度が、収入といたしますと九千九百八十万円、それから支出か三千四百八十一万九千二百円、残りの差はNHKが経費負担をいたしております。大体利用状況はそのようなことでございます。  それから地方放送会館の整備でございますが、これは北海道九局、東北十一局、近畿七局、中国八局、それから四国四局、九州十局、これは大体において整備されております。現在、この三カ年間に整備をいたさなければならないと思っておりますのが、福岡の放送会館、それからその他一局、その二局ぐらいをこの三カ年間に整備をしようという計画になっております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 そうすると、全国の放送会館の建設費用は締めて幾らになっておりますかわかりませんか、わかったらひとつお願いします。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) 非常に古いものから新しいものまでございますのでちょっと計算をさしていただいて、後から御報告いたします。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 そうすると、難視聴、特に地方における山間僻地といったようなところも、難視聴解消に多大の力を入れていただいていることは大変結構なんですが、いままで無人の中継局というんですか、何というんですか、何とかいう名前で呼んでおりますね、ああいう局は今日まで幾つ全国で整備されましたか。

藤島克己日本放送協会専務理事

○参考人(藤島克己君) お答えいたします。  五十年度末で、総合テレビが二千二百七十五局、それから教育テレビが二千二百三十局、合わせましてテレビ用といたしましては四千五百五局となっております。そのほかラジオは、第一放送が百七十三局、第二放送が百四十一局、合わせまして三百十四局。FMが四百五十四局ほどございます。そのほかに共同聴取のNHKの施設が六千百六十一施設、これが五十年度末の数字でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 これからの建設予定はどのぐらいです。

藤島克己日本放送協会専務理事

○参考人(藤島克己君) 全国でまだいわゆる全国難視というものが八十数万残っておりますので、これをなるべく早く解消いたしたいということで、毎年テレビジョンにつきましては約二百施設ずつふやしてまいりたいと思います。それからFMにつきましては十施設ぐらいふやしてまいりたいと思います。それで共同受信にいたしますと毎年新設を九百施設、それから増設といいまして、いままであります施設に多少付加していく分が百施設ずつございまして、それくらいのテンポでここ二、三年を続けてやってまいりたいと思っております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 それを続けて大体あれですか、山間僻地による——都市のいわゆる建物による難視聴あるいは新幹線、そういったものを除いて、いわゆる僻地による難視聴解消はいつごろまでに大体解消できるというお見通しでございますか。

藤島克己日本放送協会専務理事

○参考人(藤島克己君) ただいまのような数字をよくこれから三年間ぐらい続けてまいりますと、現在八十数万になっておりますテレビの残存の難視の数が約三十万ぐらい減りまして五十数万になろうかと思います。その後五十万ぐらいはどうするかといたしますと、やはりもう十四、五万は同じようなペースでその後続けてまいらにゃいかぬと思いますが、最終的には基本問題調査会でも指摘いたしておりますように、やはり放送衛星も含めまして、小笠原諸島とか南北大東島とか、こういうふうなほかの伝送の手段がない難視もございますものですから、最終的にはそこの方へつないでまいらないと全国的な完全な、完全と申しますか、ほとんど完全に近い難視解消というものはできないではないかと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 都市における難視解消もこれは問題ですが、私はやはり山間僻地にかかる難視聴解消、それはやっぱり私はあらゆる努力をしてもらいたいと思うんですよ。都市においてはましてテレビがもしよく見えないにしてもほかにいろんな文化的施設がございます。ほかのことでいろんな教養娯楽等がありますが、山間僻地にまいりますとそれこそもうテレビに全面的な依存をしているわけですね。そういったところで難視聴となるとこれはもう本当に気の毒の一言に尽きるわけですね。したがって、まあいままでもちろんこれはあなた方も御努力をしていただきました。この点は多とします。しかし、最後に残ったところが最もはなはだしいわけですから、欲を言えばそういったところを先にやってもらって、だんだんということも望ましいけれども、それもなかなか言うべくしてむずかしいことである。本当にもう一番困るところがこれは幾つかある。ひとつこれは全力を挙げて、特に民間放送との協力のもとにぜひ推進してもらいたい、こうこれはもうぜひに要望しておきます。  それから、これは川原参考人、こういう山間僻地における難視聴者のやはり料金不払いというのはかなりありますか。山間僻地における難視聴によって支払いをしない——都市はかなりありますね、いま言ったように。私はそういうのは都市が主体だと思うんですね。いまこの四、五十万残っている山間僻地による難視聴の家庭がやはりかなり料金の納入に非協力ですか、どうですか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 山間僻地における難視聴の場合、料金の不払いというのはほとんどございません。むしろ山間僻地でテレビが見えない場合は、私ども契約というか、料金をむしろちょうだいできない、テレビをお持ちでない方が大部分でございます。不払いというのは余りございません。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 難視聴のゆえにテレビを備えつけないということだね、これはまたなお問題だね。いま言ったように、いわゆるあなたがおっしゃる公平、これは料金徴収だけの公平ということだな。やはりあなた方はあまねく日本全国民にテレビなりラジオなりをお聞き願う責任と義務があるけれども、それはなおさら私は、テレビはあるけれども何かの関係で見にくいとかいうんならまだわかるかもわからぬが、全然テレビを置いてもどうにもならぬという家庭のあることは、まことにこれは悲しい現実である。したがって先ほどもお話ししましたように、テレビを持っていらっしゃる方々の難視聴解消に努力しながら、やはりいまだにもう、ここまできてまだテレビというものも置くことできないような状態ということは、これはわれわれ政治家としてもある程度責任を感じますが、これは何といっても当面その事業に携わっていらっしゃる公共放送のNHKのやはりこれは当然なすべきことじゃないですか。  会長、ひとつこの辺も先ほどのこととあわせて、それはもう率先そういうことに目を向けて努力してもらう必要があるんで、ひとつまあテレビがないんですから、こういった人たちテレビ見ることはできないけれども、新聞その他でNHKはひとつ今後大いに努力して、日本の全地域においてもう一軒の、テレビを買えるにもかかわらず、そういう人の中でテレビが映らぬために買えぬというような存在をなくするための努力に対するひとつ御決意のほどをお聞かせいただきたい。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) いわゆる僻地の難視の解消につきましては、万全の措置をとっていくことが必要であろうと思います。今日、残念ながら、まだ五十年度末におきまして約八十一万の難視世帯がございます。これは三年間の置局、共聴等の措置によりまして約三十万ぐらいは解消できる見込みでございますけれども、それにいたしましても三年先にまだ五十数万の難視世帯が残るわけでございます。こういう地域におきましては受信料の収納状況も非常によろしいのでございまして、非常に都会と比べて画面等も見にくいにかかわらず完全に料金を払ってもらっております。これに対しても私どもは誠意を持ってこたえなきゃなりませんし、いわんやほかに文化的な施設もない、そういうところこそテレビに対する利用の欲望も強いわけでございますので、財政の許します限り最大の努力を払いまして、置局、共聴、衛星等によりまして、この解消に当たってまいりたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 先ほどは、余り例がないそうですが、経営委員会の委員長に御出席願いまして、いろいろ御意見も賜ったし、また、われわれの要望も聞いてもらいました。しかし、今日までのところ、経営委員会のあり方あるいは委員の人選等についてもいろいろ問題が出てきている。さらには番組審議会についてもいろんな意見がありますが、石川電波監理局長、大臣にかわってひとつ経営委員会並びに番組審議会は現状のままでいいと判断されるか。  世間では、御承知のように、いろんな意見なり批判があります。また当委員会においてもたびたびこれに対する改善なり改革なり、ないしは委員の任命について意見なり要望が出てまいっております。しかし依然として現状はそういう意見なりいろんな要望を無視するとは申しませんが、そのまま選出されてきている。NHKの番組ないしは経営運営に対する批判の中にも、その経営委員会ないしは番組審議会等に対するかなり強い不満や意見があることを恐らく御承知だと思う。ひとつ監督的な立場にある監理局長として大臣にかわって御所見を承りたいと思います。

石川晃夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川晃夫君) ただいま先生から御指摘ございましたように、NHKにおきます経営委員会あるいは番組審議会というものは、わが国の放送体制を維持する上には非常に重要な役目をなしているものだと考えております。経営委員会は受信者を代表いたしまして、そしてNHKの運営に関する最高方針を決定する機関であるということでもございますし、また番組審議会の方は、放送番組の適正化を自主的に、また自律的に確保するための機関であるということでございます。したがいまして、NHKが国民の公共的な放送機関として適正な事業運営を行っていくためには、これらの二つの機関が両々相まちまして本来の機能を発揮していただくということが必要であろうというふうに考えております。したがいまして、この経営委員会の制度あるいは番組審議会の制度、こういうものはわが国の放送の根幹の問題でございますので、この点については、先ほど申しましたように、その運用について十分慎重に、かつ国民の期待にこたえるように運営をしていただければ、われわれとしては望外の幸せと存じております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 川原参考人ね、聴視料は徴収されますね。その方法は先ほど指摘したように口座でやるもの、それから前納するものと同時に、職員がじかに徴収するものといろいろあります。その徴収に要する費用、これはわかると思うんですが、全体の聴視料のどのぐらいの比率でそれに対する費用がかかっていますか。累計別ならなおいいんだが、前納はどのくらいか、あるいは振替はどのくらい、直接どのくらい、もしそれが類別的でなければ、総括的でも結構です。聴視料収入に対する徴収手数料の、これは職員の恐らく給料も入るんですね、割合はどのくらいか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) いま御指摘の、職員の給与まで含めました全体の料金の収納にかかります経費は約二百八十五億、受信料収入に対しましては一四・二%になっております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 いまここでお聞きして適当か不適当かちょっと判断しかねますが、ひとつ効率ある徴収をされまして、なるたけ今後皆様方の経営に重圧にならぬように、聴視料総額としてはこれだけあるんだけれども、それに対する費用がかかり過ぎて非常に効率が下がったではいかぬと思うんです。これは、最近、テレビ見ますと、集金人を募集されていますね。これについてもいろいろ批判ありますけれども、もう時間ありませんから、これは私は触れません。まあ、これはいいか悪いか別として、ああいうことはいま言った収納率を下げるようでは困りますね。  その点を配慮しながら、ひとつぜひせっかくつくられた予算が通過の暁には、ひとつ国民の期待するような運営をぜひやってもらいたいということを期待し、本日は、今朝来、いろいろと質問をいたしましたが、要は、せっかく世界にも類のないというほど自慢されるNHK、そのNHKが偏向したり、あるいは国民の意思を曲げるようでは相なりません。ひとつ今後とも、もちろんわれわれは事あるごとにいろいろとお知恵も提供しますが、しかし、どうか国会答弁のその場だけでなくて、ここでいろいろとおっしゃったことは具体的にNHKの今後の運営に一つ一つ配意をして、国民から信頼され愛されるNHKになるような御努力を切望して、私の質問を終わらしていただきます。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) 先ほどお尋ねのありました数字、計算いたしましたのでお答えいたします。  三十六年から五十年度まで、地方の放送会館の新築または改築、こういうものを含めまして六十八局いたしておりまして、金額にいたしまして総計三百二億でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 大変お疲れだと思いますけれども、続きまして質問に入らせていただきます。  郵政省並びにNHKの方々におきましては、待望久しかった五十一年度のNHK収支予算の審議がようやく開始になったわけでございます。当然、もっと早期に、また衆議院から送付されてまいりまして参議院での審議が始まるべきであったと思いますけれども、長期のいわゆる国会空転などによりまして今日まで延び延びになってまいりましたことはまことに遺憾なことでございますし、議員の一人といたしまして、その責任の一端を痛感をしている次第であります。より早期、かつ適正な時期に審議すべき事案が審議の場に上がってこないで、結局、暫定の補正まで組まざるを得ないところまでNHKを追い込んでまいりましたことは、これから審議いたします五十一年度のNHKの収支予算の内容あるいはNHKの姿勢の是非の論議とは別にいたしまして、与野党を問わず、政党も議員もやはりすべからく謙虚に私は反省をすべきであるというふうに考えております。  ここで大臣に一つお伺いしたいわけでありますけれども、ただいま公衆電気通信法の一部改正案の審議にいたしましても大変おくれているのが現状のようでございますし、この点ひとつ大臣のいまの心中、胸中を察しまするに、大変察しがたいものがあるわけでありますが、率直なひとついまの御心境からお伺いしてまいりたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 不測な出来事から国会審議が非常に大幅に停滞いたしまして、私ども郵政省といたしましても、最も大事なNHKの予算の問題、あるいはまた公衆電気通信法の改正の問題、全く一刻も早くというようなことを期待いたしておりましたけれども、これが非常に会期末まで成立を見ないことは、まことに遺憾であります。しかし、これはどうも不測な出来事でありますのでやむを得ませんが、どうかひとつわずかな期間でありますけれども、できる限り議員の皆様の御協力によりまして、これらが無事に成立していただけるようにということを熱願いたしております。

最上進自由民主党

○最上進君 特に、現在、私ども国民を取り巻いております社会環境が、まさに情報の渦と申しましょうか、情報のはんらんとも言えますような情報過多の実情にございます。多くのマスメディアが存在しておりますし、幾らでも情報が私たちの耳に入る、目に入ってくる状態にあるわけでありますけれども、国民はこれらの情報の渦の中で一体何を真実として受けとめ、虚偽の情報と区分をしていったらよいのか、大変理解に苦しめられているような状況にあるように私は感じております。  こうした中で、御承知のとおり、放送法第一条二号の「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。」この規定がありますけれども、その中で、特に「真実及び自律を保障することによつて、」とあるにもかかわらず、どうも私の感じますには、都合のよいところの拾い読みであって、第三条の放送番組編集の自由というものも完全に履き違えられている傾向が見えます。その番組がどれくらい多くの国民に影響を与えているかということも考慮されないで、どんな番組をつくっても、あるいはだれからも干渉されない、また規律されることもないというふうに誤解しているのではないかというふうに疑いたくなるような番組が民放にあるような気がしてならないわけであります。こうした一部無責任なマスメディアが存在するわが国の状況下におきまして、いわゆる公正的確なる報道というものを初めといたしまして、不偏不党、そして国民の教養あるいは知識の向上に寄与しようというNHKに対する国民の期待というものは、私は、まことに大きなものがあるというふうに考えております。それだけにこうした大きな国民の期待に対して、一体、NHKはどうやって今後国民の期待にこたえていかれるのか、この辺をまず小野会長にお伺いいたします。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 報道の中正あるいは不偏不党、あるいは教育番組、娯楽番組等を通じまして健全な国民の慰安とまた生活の支えにいたさなければならないことは、これは国民すべての要望であろうと思います。これには率直に私どもはこたえてまいらなければならないと思います。そのために放送法には非常に高度な自由を許されておるわけでございます。もちろん、この自由の陰には大きな責任がございます。私どもはその責任を痛感しながら不偏不党あるいは厳正公正、あるいは豊かな非常に実りある番組の編成、こういうことに努めてまいらなければならないと思うのでございまして、今日の国民の幸福と繁栄に寄与するばかりでなく、明日の国民の繁栄、幸福に大いに寄与してまいらなければならない責務が非常に大きいと思います。その意味から申しますと、私はその責任のきわめて重大であることを自覚しておるわけでございまして、こういった点について将来とも万全を期してまいりたいと思います。

最上進自由民主党

○最上進君 昭和五十年六月から七月にかけましてNHK御当局が実施されましたアンケート調査を見せていただきました。聴視者のNHKの事業活動に対する評価におきましては、一位が放送の普及ということが出ているわけであります。二番、三番を抜きまして、第四位に、私どもが大変関心を持っておりますいわゆる政治的公平ということが挙げられているわけであります。先ほど来私も話してまいりましたけれども、民放を初め他のマスメディアの政治的公平ということが大変期待しにくい現状におきまして、私は、NHKが政治的公平を堅持していくということは、公共放送といたしまして最大のやはりNHKの使命であろうというふうに考えております。  そこで、公正かつ政治的中立を守るための番組編成、あるいは特にニュース番組などによります取材から放映に至るまでの過程、特に放送内容の調整というものは一体NHKはどのようにされているのか、どのような構成のもとに行われているのかについてお伺いしたいと思います。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) ニュース取材につきましては、東京に例をとりますと、政治部、社会部、経済部等取材部がございまして、そこに配属されております記者が外部から取材してまいりまして、取材部のデスクにそれを提出いたしまして、デスクがその内容等をチェックいたしまして、それから整理部というところに出稿いたしまして、整理部がそれをまた取捨選択いたしまして、そして放送するという段取りになっております。その間、当然、放送法の四十四条に規定されております政治的公平あるいはいろいろな意見のある問題についての取扱い等をもちろん大前提にいたしまして、NHKの中に番組基準というのが定められております。それもその放送法の規定を受けて定められておりますので、それらの諸規定と照らし合わせて、そして放送するというたてまえになっております。  番組も、大体、提案から放送に至りますまでの過程は、それぞれの形での審査をいたしまして放送する。その全体の編成は、放送総局の編成がその全体の編成をつかさどっている、こういう仕組みになっております。

最上進自由民主党

○最上進君 ただいま御説明の中で、取材部あるいはデスク、整理部、そして放映というような順序も御説明いただいたわけでありますけれども、一体、一万六千五百六十人NHKの職員の方がおられると伺っておりますけれども、この取材に当たられる記者の方々あるいはこれをチェックするデスクの方々、あるいは整理部の人々、この仕組みについて、員数等をもう少し詳しく御説明いただきたいと思います。

中塚昌胤日本放送協会理事

○参考人(中塚昌胤君) お答えいたします。  全体の職員の数が一万六千五百六十人でございまして、その中で一般職——管理職を除いた一般職の数、これが大体一万三千五百ぐらい。で、その中で記者、取材の記者——この中には編集、整理に当たっている者もございますが、それの数が大体九百五十でございます。この九百五十のほかに編集の業務に当たります者が大体二百人ぐらいおります。

最上進自由民主党

○最上進君 そうすると、ただいま御説明いただいた編集に当たる二百人という中にデスクの人々の数も含まれているということでございますか。

中塚昌胤日本放送協会理事

○参考人(中塚昌胤君) デスクと申しますのは管理職が当たります。それから地方の放送局でデスクという職務をやっておりますのは、一般職の記者もそのデスクの仕事はやっておりますけれども、東京の場合は管理職がデスクの業務をやっております。

最上進自由民主党

○最上進君 そこで、私は、そのNHKの職員の組合の問題にちょっと触れてみたいと思うのでございますけれども、正式な名称は日本放送労働組合というのだそうでありますけれども、先ほどの一般職に当たる一万三千五百人の方が組合員として登録をされているやに伺っております。特に、その日放労はいわゆる私どもが言う総評の傘下の組合であるというふうに伺っておりますけれども、その点いかがでございますか。

中塚昌胤日本放送協会理事

○参考人(中塚昌胤君) 日放労の上部組織は総評でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 私は、取材される記者の方々、あるいはその番組を実際つくる人たち、こういう人たちも公正的確な報道あるいは政治的中立というものを考えながらも、やはり実際には人間でありますから、神様じゃない。主観の入った記事を書いたり、取材されるということが当然間々あってしかるべきだというふうに考えております。それは人間のすることでありますから当然であるとは思いますけれども、そこで、こうした間々主観の入った、当然第三者が見ていて偏向している、偏っているのではないかというふうに感じられるような報道がなされた後に、当然、いろいろな批判がやはり寄せられるというふうに考えております。そういういろいろな批判があるとすれば、特にその政治的公平を欠くというような批判が出てきた場合には、やはりこれに対して素直に耳を傾け、本来の不偏不党というNHKの方針というものを再度確認する機会にしていかなければいけないというふうに私は考えております。  いろいろ自由民主党に対する批判があります中に、今回のいろいろな問題をとらえて、政党の介入があるとか、あるいは政治権力の圧力があったとか、批評している人々もおるわけでありますけれども、まさにこれこそやはり私は言論あるいはその表現の自由に対する抑圧であるというふうに感じております。要するに、どんな圧力や批判でありましても、少なくともやはり政治的中立を守るということに対しましてはNHKは全精力を傾けていただきたいというふうに考えているわけであります。  特に、私は、国民が誤解する一つの例といたしまして、あるいは私どもが誤解をする場合もあると思いますけれども、その原因の一つといたしましてこの日放労のいわゆる委員長は社会党の現職の国会議員さんであるということをやはり挙げざるを得ないわけであります。そういうことからいたしましても、組合に入っておられる取材記者の方々あるいはその番組制作者の方々——組合員である前に、公正的確、そして政治的中立の報道なり制作番組をつくるという、そういういわゆるNHKの職員であるという、私は、自覚と誇りというものを組合員であるという前に持っていただかなければいけないというふうに考えておるわけでありますけれども、この点につきましては、やはり会長初めといたしまして管理者の皆さん、一体、どういう指導を行ってこられているのか、この点についてお伺いしたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 労働組合は、労働組合として、労働者の勤務条件等あるいは地位の向上について団結権あるいは交渉権、スト権を持っておるわけでございます。これはそのとおりで近代の社会におきましては当然のことであろうと思います。しかし、NHKという機関に負託されましたいわゆる不偏不党、厳正公正、これは曲げることはできないわけでございまして、今日の日放労の運動もそれを曲げておるとは考えません。少なくとも労働条件については、これは会長と対等の立場でいろいろ問題の解決に当たっていかなければなりませんけれども、事、放送内容についてはこれは関与すべきものではないと思いますし、また関与もいたしておらないと私は考えます。  特に、報道の関係については、いかなる立場でありましょうとも真実、事実を伝えるのが報道、ニュースの使命でございまして、これは人為によって事実を曲げることはこれは邪道でございます。そういうことがありとすれば、非常にNHKとしてみずから使命を放棄することになるのではないかと思います。私は、そういう面については、管理者もまた日放労も厳重にそういった自覚を持って運営しておるものと思いますし、そういった点についてはいささかも過誤を犯してはならないと考えます。  ただ、現実の問題といたしましては、NHK全体といたしましては決して偏向いたしておらないと私は思いますけれども、個々の番組については、これはやっぱり見る方の主観も働きます。そういうことで両方から偏向ではないかということを言われることは間々あります。しかし、それはやはり中正の道がいかにむずかしいかということの証拠でございまして、NHK自体がそういう偏向を冒す意図もございませんし、また、そういうような事実もないと、かように考えております。

最上進自由民主党

○最上進君 そこで、大臣もお疲れだと思いますので、もう一問だけひとつさせていただきたいというふうに考えております。  大臣の付せられました意見書であります。「日本放送協会の昭和五十一年度収支予算、事業計画及び資金計画は、おおむね適当である。」という表現がなされているわけであります。この「おおむね」という言葉がつくことによりまして、先ほどの質問者にもありましたように、何か今回のいわゆる料金改定の問題を初めといたしまして、NHKも郵政省もどうも遠慮をしているんではないかとか、あるいはどうも自信が持てないんではないかというような感じをやはり読む者に一般的に与えているわけでありますけれども、昭和五十年度の収支予算などに付された大臣の意見書を見ましても「おおむね適当」という言葉がこれがやはり使われておりますし、慣例になっているような気がいたします。そこで、この「おおむね適当である。」という言葉が大変私どもにはひっかかるわけでありますけれども、これがどうして適当であるということが言い切れないのかどうか。何かその辺にひっかかるものが大臣御自身におありなのかどうか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) NHKは昭和五十一年度の収支予算におきまして、受信料の月額を普通契約で三百十五円から四百二十円、カラー契約については四百六十五円から七百十円にそれぞれ改定することとなりますが、これは最近のNHKの経営状態及び将来の経営の見通しから見ましてやむを得ないことと思います。また、事業計画におきましては、放送の難視聴解消に努めるなど、公共放送としての使命を果たすこととしているものと認められますので、昭和五十一年度収支予算等は全体として「おおむね適当である。」と判断し、その旨の意見を付したものであります。  「おおむね適当である。」ということは、一分一厘完全無欠ということから言えば少し後退しているようにとられるかもしれませんが、私としてはまあそこまで表現することはどうか、おおむね私としては適当である。それから、おおむね適当であるかないかについては、国会の御審議によってひとつ御判断願いたいと思います。  なお、NHKの設立の趣旨並びにNHKを取り巻く経営環境が厳しいことにかんがみまして、意見の中で、NHKに対し「国民の負託にこたえる事業運営の在り方について今後更に検討を行う」よう要望するとともに、五十一年度の事業運営に当たって留意すべき事項といたしまして、経営の効率化をさらに徹底すべきである旨、及びテレビジョン放送の難視聴解消についてさらに効率的に促進すべきである、そういう旨を付した次第であります。

最上進自由民主党

○最上進君 昭和五十年度の収支予算、この審議過程におきまして、郵政大臣の意見書がつけられました。この郵政大臣の意見書の第一項に、二百十五億七千九百万円の支出超過というもの、これはやはり「極力減少させるよう努力すべきである。」という記載があるわけであります。この点につきまして五十一年度の収支予算の書類の中に約二百十六億のいわゆる支出超過が出たという記載があるわけでありますけれども、一体、大臣の意見書、とにかく「この支出超過額を極力減少させるよう努力すべきである。」とつけ加えたこうした郵政大臣のいわゆる意見というものがどのように生かされてきたのか、そのままやはり約二百十六億円の支出超過として扱われてきているということに対して、私はこうして郵政大臣がつけられる意見書の内容というものが大変有名無実のような気がしてならないわけでありますけれども、小野会長、この辺につきましてひとつ御答弁をいただきたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 私は、郵政大臣の意見書は、国会のいろいろ御審議の過程において賜りました御意見なり、あるいは予算の御承認に対して付せられますいわゆる附帯決議と同様に、きわめて重いものと考えております。毎年、そういった御意見をいただくわけでございますけれども、その御趣旨には全面的に沿うように努力をいたしてまいっております。  たとえば難視聴の解消にいたしましても、御指摘のとおり努力をいたしておりますし、また五十年度の予算に加えられましたきわめて重要な二百十六億当初の赤字予算、この赤字幅の縮減に対していろんな努力をしろ、こう言われる趣旨には十分こたえなければなりませんので、これは予算の執行過程において極力そのような努力をいたしまして、まあ現在すでに決算ができようとしておりますけれども、まだ確定の数字を私は見ておりませんが、決算上あらわれます二百十六億の赤字の行方は約二十数億はそれよりも引っ込むというように見通しております。もちろん、この中には金利情勢の変遷もございます。かなり高金額が低金利に入ってまいりました。こういう金利負担の軽減もございますけれども、その他各費目に当てられました支出予算の中で、これをできるだけ縮減するような努力をいたしました結果、二十数億は二百十六億が減るというような見通しを持っております。

最上進自由民主党

○最上進君 御説明で大体わかるわけでありますけれども、特に参議院の五十年度の収支予算が承認を得られましたその際の附帯決議の中に、四項目に、いわゆる「生活困窮者、学校等に対する受信料の免除について、国庫による補てん措置等を含め抜本的な検討を行うこと。」という記載があるんであります。  これにつきましては、五十一年度の収支予算の中でどのように生かされてきているか、この点について御説明いただきます。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) いわゆるNHKが社会福祉的見地から、あるいは文教政策的見地から、いろいろ受信料の減免を行っております。これはやはり全部福祉国家の体をなしていかなければならない日本の実情から申しまして、福祉関係、福祉政策上のNHKの減免の配慮は国が肩がわりすべきではないか、あるいは文教政策上の見地からNHKが減免をいたしておりますそれは、これは文部省で肩がわりすべきじゃないか、こういう御意見はいろいろ幾多NHK予算の御審議の過程において賜っております。  私どもも、できるだけそのような線で努力いたしたいと、こういうことで厚生大臣、文部大臣に文書によってそういうお願いをいたしておりますけれども、事柄はなかなか非常にむずかしいのでありまして、五十一年度には結論から申しますと、これはそういうような成果は出ておりません。やはりNHKが今日文教政策上、社会政策上、いろんな関係を入れまして四十五億ばかりの減免をいたしておりますけれども、これはそのままの姿で五十一年度には出しておるわけでございまして、これらの努力は挙げて将来にかかっておるというような状況でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 まあ本年度の収支予算の特色、これはもう幾つもあるわけでありますけれども、何といいましても第一の特色というのは、先ほどからの質問にもありましたとおり、財政基盤を確立するためのいわゆる受信料の改定措置であるというふうに考えております。  受信料の改定につきましては、普通契約三百十五円を四百二十円にしていく、あるいはカラー契約につきましては四百六十五円を七百十円にしていく、約五〇%の値上げになっているわけであります。したがいまして、受信料一カ月当たりの負担増は、それぞれ百五円あるいは二百四十五円となるわけでありますけれども、昭和四十三年に設定されました現行の受信料というものは、やはりその後におきますいわゆる社会経済情勢の推移というものに照らし合わせて考えてまいりますと、今回の受信料改定は一応理解できるものであります。しかしながら、テレビは今日高度に大変普及をしているものでございますし、受信料の値上げというものは、わが国社会のほとんどの、全世帯といっても過言でないぐらいにまで私はこの改定措置が及ぶことになると考えております。その影響するところは大変少なくないという一面を持っていることは事実であります。  そこで、まず小野会長より今回の受信料改定措置をとらざるを得なかった理由につきまして、もう少し掘り下げて具体的に御説明をいただきたいというふうに考えております。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 今回、カラー、白黒をまぜまして平均五〇%見当の値上げをせざるを得ないことになりましたことはまことに遺憾でございます。では、非常に間々世間で言われますように、経営努力をしないで、ただいたずらに事態の推移に任せ、いろいろな社会の荒波にもまれて無策にこういう状態に逢着したかと申しますと、私はそうではないと断言せざるを得ません。  と申しますのは、NHKには本当は値上げの歴史はここ三十四年以来余りないのでございます。昭和三十四年にラジオの料金六十七円を八十五円に上げました。しかし、それは三年ばかりたちました三十七年には大幅に値下げをいたしております。いわゆる三十六年まではラジオ料金とテレビ料金の二本立てでございました、両方をいただいておったわけでございます。テレビを設置しておられない向きにはラジオ料金だけでございますけれども、テレビを設置をしておられる向きは同時にラジオを持っておられますので、テレビの三百円とラジオの八十五円をいただいておりました。ラジオだけしか持たれぬ世帯には八十五円だけをもらっておりました。これは三十七年に両者の二本立ての料金を一本化いたしまして、テレビを持っておられる向きはラジオ料金をも合わせて三百八十五円を三百三十円に下げたわけでございます。一八%の値下げでございます。またラジオだけの世帯には八十五円料金は五十円に下げました。四〇%の値下げをいたしております。  しかも、それでやれましたのは、いろいろ無人化でございますとか、あるいは金利情勢に対するいろいろな対応とか、あるいは合理化の関係についてコンピューターの導入等によって人件費——人員の頭が昭和三十六年を一〇〇にいたしまして今日一一〇にとどまっております。業務量は昭和三十六年を一〇〇にいたしますと大方二〇〇に近いわけでございます。そういうようないろいろな合理化を重ね、また非常に受信者の御理解、御支援を賜り、またテレビの普及の上昇にも支えられまして、それはやはりそういう値下げをしながら必要な難視解消、その他情報社会に適応するNHKの使命を全うする業務の充実を図ることができてまいりました。  そうして昭和四十三年には、おおよそそういった状況も、テレビの普及もやや鈍化してまいりまして、このままでは料金値上げをするか、あるいはいろいろな難問に逢着したわけでございます。そのときがたまたまカラー放送時代を迎えまして、カラー放送に対する需要も非常に急速に高まりました。そういうことから四十三年に白黒の料金に対しましては三百三十円を三百十五円に引き下げ、カラー料金を新たに設定したわけでございます。世上、これは値上げと認識されておりますけれども、実際はカラーサービスに対する新しい料金を設定したわけでございまして、これは白黒に対しまして五〇%の増でございます。諸外国の例を見ますと、BBC等は白黒の一に対してカラー料金は二でございます。きわめて低位なカラー料金を設定したわけでございます。  これもその後のカラー放送の拡充につきまして、運営上においてはしばらくは問題なかったわけでございますけれども、四十三年にそのような料金体系をとりまして、四十六年が収入の伸びといたしましてはピークの九・四%でございます。次の四十七年にはこれは九%に落ちました。これがちょうど沖繩返還の年でございまして約十億の赤字予算を提出をいたしました。このときに先の普及の限界も見えますし、また収入の鈍化も予想されたわけでございまして、実際は、料金にてこ入れをしなければならない危険信号が出ておったわけでございますけれども、これは合理化で耐え忍んで値上げをいたしませんでした。四十八年度には、漸次インフレが高進をし、片や契約の伸びは非常に鈍化いたしまして、収入の伸びはわずかに七・五%でございます。次の年は五・六%、五十年度はあの大幅な物価上昇のあらしの中で四・一%しか収入はふえなかったのであります。  そういうような過程で、すでに四十七年に料金に手を入れなきゃならない危険信号が出ておったわけでございますけれども、次の四十八年には、通常はそういう面で赤字が増大する傾向にありましたが、田村町の土地、建物が非常に予想外に高く売れました。三百五十四億という恐らく想像もできない高い値段で売れまして、これで放送センターの建設資金三百十七億を全部穴埋めして、なおかつ余りがあったわけでございまして、そういうことで料金値上げはしないで済んだわけでございますけれども、その当時から将来三年間は値上げしませんと公約をいたしました。しかし、この公約は非常に無理でございまして、次の四十九年度には四十五億ぐらいのやっぱり収支の不足を来しております。五十年度には二百十六億という大幅な赤字を計上せざるを得なかったわけでございまして、これはあの石油ショックによるああいった急激な物価上昇がなくても、NHKのいわゆる収入の伸びの趨向から見ましてこれはとても収支償ってはやれない、こういうような状況は見えておったのでございますけれども、いろいろ受信者の方々の御迷惑も考えなければなりませんし、できるだけ料金の値上げについては消極的な態度を持ちまして現行料金で維持してまいったわけでございます。  たまたま、いま非常に時期が悪うございますけれども、五十一年度に至りまして五〇%ばかりの料金値上げをしなければならない。まことに残念でございますけれども、これはやはり経営を充実しまして本当に国民の負託にこたえますためには最小限度やむを得ない措置でございまして、いろいろこれに対する御批判も多々あることは十分承知いたしておりますけれども、今回の措置をとらざるを得ない、こういう状況に実は相なったわけでございます。

最上進自由民主党

○最上進君 会長の御説明を要約してまいりますと、今回のいわゆる受信料改定措置、改定月額というものは、今後三年間のいわゆる経済見通しというものを基礎に算出したものである、いわゆる三年間の収支均衡に必要な資金というものを確保するための措置であるというふうに理解できるわけであります。  そこで、いわゆる三年間の財政計画につきましてもう少し堀り下げて御説明いただきたいというふうに考えます。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) 三カ年間の受信料の額をいかにすべきかということにつきましていろいろ検討する素材を設定いたしました。第一に、三カ年間のNHKはどういう仕事をすべきであろうかということでございますが、基本的には、いろいろ御意見にもございましたように、NHKの今後三年間というのはいかに国民によりよきサービスをするかということに重点を置きまして、いわゆる設備の拡張、こういうようなものはこの三年間におきましては考えないことに基本的にいたしております。したがいまして現在行っております事業規模の内容をより充実をしていく。NHKが国民に対する本当のサービスというものは、今後、何かということになりますと、これもけさ方以来お話がございましたように、いわば難視聴解消あるいはよりいいローカルサービスの充実——ローカルサービスといいますか、放送のローカルの面の充実、いままではとかくNHKの放送は中央に偏り過ぎておるというような御批判もございましたし、事実改善すべき点も考えておったところでございますので、できるだけローカルに御期待にこたえるようなサービス、放送内容というものを充実してまいる、あるいは国民にできるだけNHKの活動というものを理解していただく、そういうための施策、こういう面に重点を置いてまいる、こういうような点に力を入れました今後三カ年間の計画をつくりました。  その中で、いろいろな考えなければならない要素というものといたしまして、物価は、これは政府が昨年予算編成当時に設定をいたしました八%、今後三年間八%というものを前提にいたしました。また職員の給与にいたしましても、これは政府見通しより少し低目になったぐらいでございますが、一一%という設定をいたしました。  で、内容はいま申し上げたような事業計画を立てまして、全体の事業収支の枠組みといたしまして三カ年間平均をいたしまして一三%台にこれを押さえることに計画として設定をいたしました。で五十一年度は確かに一四%台になっております。三カ年間平均しますと一三%台でございますが、この三カ年間の全体といたしまして、実は、過去におきまして財政が余りはかばかしくない時期を両三年過ごしております間に、たとえば建設計画の分野におきましても事業収支の分野におきましても、更改すべきいろいろな古い機械を耐用年数を超えて使わしておりました。特に建設計画の分野におきましては、減価償却の範囲内で難視解消計画も全部賄ってまいったためにいろいろな分野におきましてやや機械の老朽が目立つようになっておりますので、その部分を各年度一%ぐらいずつは充当をして取り戻していきたいということにいたしておりますので、実質的な支出というものは各年度一三%、三カ年間平均しまして一三%でございますが、大体、いま申し上げた点を除けば一二%台におさまるのではないか。  それから過去のいろいろな外部資金の返済でございますが、これは大体十年間の期限をもって返済をしてまいりますことにいたしました。ただ、五十年度に先ほどお触れになりました二百十六億の赤字というものが発生いたします予定になっておりましたときに、御承知のように五十年度はその赤字を補てんいたしますために過去の債務の八十七億を返済しないで五十年度に持ち越した部分がございます。これを除きまして残りの百二十九億につきましてのみこの三カ年間に債務の返済をさしていく、そういう資本支出に充当する部分を設定いたしまして、三カ年間の総支出と受信料の総収入というものの間に約二千百億ばかりの収支差がございました。この二千百億の収支差を三カ年間にどういう料金設定によって補っていったらいいかということで、いま申し上げたような受信料のカラー並びに白黒、こういうものの数字を設定をいたしまして御審議を願うことにしたわけでございます。

最上進自由民主党

○最上進君 この事業収支の説明の中で、五十一年度から五十三年度にわたるいわゆる資本支出充当二百十七億円と五十年度欠損金のうち借入金の補てん分として百二十九億円、合計三百四十六億という数字が出ているわけでありますけれども、五十年度の欠損金の状況、これは決算がまだでありますけれども、すでにある程度わかっておると思いますが、この欠損金の状況及びただいまもちょっと触れられましたけれども、借入金の条件、加えてまた放送債券の実態につきまして、ひとつ御説明をいただきたいと思います。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) いま私が申し上げました三カ年間の計画の中で、いま御指摘がありましたように、五十年度の収支の見通しといたしまして、約二十数億の節減といいますか、赤字の幅を縮小いたしました。これの処理は大体借入金をその分だけ借り入れないで済むという結果に相なります。したがいまして、この借入金の数字というものが三カ年間の部分につきましては外部資金の総額において変更が出てまいるのではないかというふうに考えております。  なお、五十年度の長期借入金並びに放送債券、どちらも五十一年度の借入条件並びに発行条件に変更はございませんで、大体、五十年度の年度末に予算編成当時考えましたものが推移をしていくんではないか。放送債券につきましては表面利率約八・八%で予算の設定をいたしておりますし、長期借入金の方は七%の利率ということで計算をいたしまして、両者の借入金あるいは放送債券の金額というものが計算されて出ておるわけでございます。

最上進自由民主党

○最上進君 そこで、NHKは今国会の、先ほども申し上げましたけれども、空転というような特殊事態の中におきまして、昭和三十四年の制度創設以来、初めて暫定予算の編成を余儀なくされたわけであります。加えまして暫定の補正まで組むという状態の中におきまして、この暫定予算の執行におきましては、まず受信料が前年度の料金によることというほか、加えまして事業運営計画あるいは建設計画につきましてもかなり大きな制約を受けることになっているわけであります。  そこで、暫定予算の執行が本年度の事業計画の推進、ただいま会長よりいろいろ説明があったわけでありますけれども、今後の財政計画に一体どのような影響を及ぼすことになるのか、先ほどの質問と重複する面がありますけれども、その辺の事情をもう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) 先ほども申し上げましたが、二カ月の暫定予算を組んだ結果、財政上どういう欠陥が出てまいりますかと申し上げますと、これは受信料収入で約百二十億円ばかりの収入欠陥が発生いたしまして、では直ちに五十一年度の事業計画を変更するかと申しますと、現在の百二十億の金額にとどまる範囲内におきましては、五十一年度の事業計画を直ちに変更するような必要がございませんし、また事業計画そのものを先ほど申し上げましたように相当詰めた形で設定いたしております。幅を持たせたような事業計画ではございませんので、そう簡単に事業計画の変更ということを考えるわけにまいりませんので、これは五十一年度このまま実行してまいりたいと思っております。ただ、現実に百二十億ばかりの赤字というものが出てまいりましたので、これをどういう形で消去していくかといいますか、これを取り扱っていきますかという問題は今後残ってまいります。  この残ってまいります問題を五十一年度だけで全体を処理するということは、たとえば百二十億減少いたしましたために、かねがね私たちが申し上げておりました五〇%のアップだというのが、実は、四二%アップだということに実質的に下がってまいります。そういう面からも、五十一年度だけでこの問題を全部解決するというわけにはまいりませんので、三カ年間の全体の財政状況というものを運営していく過程において、いろいろ方策というものを立てながら最終年度までこのしわといいますか、欠陥というものを解決するための方法と努力というものを積み重ねてまいって対処していきたいと、こういうふうに考えております。

最上進自由民主党

○最上進君 どうもこの辺がひっかかるわけでありますけれども、今回の五十一年度の収支差金二百八十九億円のうち、百七十九億円を五十三年度分として繰り延べるという計画になっているわけであります。しかし、ただいまの御説明のとおり、とにかく一カ月で約五十六億減収、二カ月旧料金を適用するということで、当初より百十二億円の減収になる、これは明白なわけです。当年度の事業計画の推進には支障がないから、先ほどの答弁にもありましたとおり、直ちに事業計画を変更するということはないという御答弁が続いているわけでありますけれども、私は、やはり今回の事業計画というものが、すでに最初から五十三年度には少なくとも大幅なこのままいきますと狂いが生じるということが自明でありながら、この三カ年計画というものはあくまでも修正しないで推し進めていくということに対しては、ちょっとひっかかるものがあるわけであります。  先ほど来、直ちにこの事業計画を修正する考え方はないというお話があるわけでありますけれども、三カ年計画の途中で、じゃこれをやはり直す、同時にまた先ほどの料金の改定の問題も関連してくるわけでありますけれども、むしろ五十三年度には再度やはり料金改定をする可能性の方が、いまのままでいけば強いんではないかというふうに指摘せざるを得ないわけでありますけれども、この点につきまして、再度、お伺いをしたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 御指摘ごもっともでございます。五十一年度は全然手をつけないということもおかしいんでございます。五十一年から五十三年度の予算執行の過程において、いまの穴のあきましたそれは何とか努力をしてあるいは絶滅するか縮小するか、そういう努力をしなければならないと思います。当初、いまそういうことで直ちにこの事業計画を改定するという作業はこれはともかくといたしまして、予算の執行過程においては常に効率化によって予算の使用を抑えていかなきゃならないということは当然でございまして、五十一年度は全然手を触れない、五十二年、五十三年で調整を図るということではございません。  そういったような面で努力をいたしまして、じゃ三年先の料金改定はどうかと、こういう問題でございますけれども、先ほど茜ケ久保先生にもお答え申し上げましたように、あらゆる努力をいたしまして、できるだけ料金値上げには三年間には手をつけないと、こういう最大の努力をいたしてまいろうと、こういうことでございます。

最上進自由民主党

○最上進君 私は、NHKが今日まで公共放送として、また果たしてまいりました社会的使命というものは大いに評価をしている一人でございます。しかし、国民は今回の受信料改定を契機にいたしまして、やはり一層事業経営に対してはもっと効率的にやってほしい、あるいは受信者の意向というものを番組制作に際してできる限り反映してほしいと考えていると思うんです。特に国民の価値観の多様化あるいは権利意識の高揚、こういうような変動の時代におきまして、やはり国民の要望というものを的確に掌握いたしまして事業運営というものをしていただきたいというふうに考えているわけでありますけれども、今後の協会運営につきまして、ひとつ小野会長の所信、基本的方針についてひとつ御説明をいただきたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) いま国民の負託にこたえなければならないNHKの立場というものは、非常に重要な段階にまいっております。いろいろ御批判がございます。その正当な御批判に対しては謙虚に耳をかさなければならないと思います。そういったような面からあらゆる面にわたりまして、もう自己防衛のみに専念するのではなく、進んで対話の中から開かれた経営を目指していかなければならないと思います。そのような措置は今後できるだけ有効な措置を考案いたしまして、国民の御要望に沿うような経営体制にいたしてまいる必要もありますし、また、そのつもりでおるわけでございます。

最上進自由民主党

○最上進君 そこで、NHKにおきましては、負担の公平、それと経営財源の確保、こうした見地からいたしまして、受信契約の開拓あるいは受信料の収納などの営業面についても当然その努力もされていると思います。しかし、受信契約の普及率あるいは受信料の欠損額の推移、これを資料いただいて見てまいりますと、まだまだやはり改善の余地が残されていると指摘せざるを得ないわけであります。  そこで、まず受信契約及び受信料収納などの業務面におきます改正というものを一体どのようにしておられるのかお伺いしたいと思います。特に、私が感じますのは、大都市圏におきますいわゆる営業成績というものがかなり悪い、こう指摘せざるを得ない状況にありますけれども、その向上対策につきましてもひとつあわせて御答弁いただきたいと思います。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 御指摘のように、営業の成績については、必ずしも私ども十分であるとは思っておりません。まだまだ改善の余地もありますし、努力いたさなければならない部分がたくさんある。特に、御指摘のように、この営業の面でいま問題が発生しておりますのは、何と申しましても大都市においてでございます。  大都市においてどうしてそのような問題が出てくるかと、幾つかの事情がありますけれども、一つ大きく言えば、大都市で生活しておられる人の生活の態様が非常に変わってきておりまして、私どもが、集金の者が原則としましては一軒一軒訪問して料金をちょうだいするわけでございますけれども、どうしても昼間不在の方が非常にふえてきています。これは家屋の構造等の変化もございますけれども、それに加えまして、一種の都会で生活される方の物の価値観と申しますか、考え方の変化もあろうかと思います。ただ、私どもは何と申しましても受信者の完全な御理解の上に成り立つ企業でございますので、とにかく不在であるからといって、そのままでいいというわけにはまいりません。人手というものをできるだけこの大都市に集中いたしまして、たとえばうちでも外務職員全国で千人前後持っておりますけれども、この三分の二は——受信者は大体大都市と地方と半々ぐらいにいらっしゃる。この外務職員の三分の二は大都市に集中いたしまして、そしてそういう御不在がち、あるいは滞りがちなところへ繰り返し訪問して料金をちょうだいする、あるいは、もし何か御意見があれば、そこでお話し合いをし、御理解をいただいて料金をちょうだいする、こういう努力をいたしております。  さらに、それだけでは不十分でございますので、昨年来、管理職数十名を動員いたしまして特別なチームをつくりまして、主としていろんな団体等あるいは会社関係等、この管理職員を積極的に回らせまして、そして理解にいま努めているところでございます。

最上進自由民主党

○最上進君 とかくNHK批判というものを聞くわけでありますけれども、そういう声の中におきましても、ローカル番組というものを義務づけているにもかかわらず、どうもNHKの体質からして、地方軽視をしているんじゃないかと、いわゆる都市偏重の編成をしているんじゃないか、こういういわゆる批判の声が当然聞かれるわけであります。そういう中で、受信料収納やあるいは契約などの営業成績が芳しくないということは、特に地方の人々に対して不公平感をますます助長させていくんではないか、こういうふうに考えているわけでありますけれども、特にこういう点につきましては、ひとつNHK側といたしましても留意をしていただきたいというふうに考えております。  また、ホテルとか旅館、会社などのいわゆる非世帯の契約の捕捉というものが、データを見る限りにおきましては大変不十分であるというふうに感じるわけでありますけれども、この契約状況と、この面におきますところのいわゆる営業活動の強化策についてひとつ御説明をいただきたいと思います。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) ホテルその他の非世帯、世帯でない事業経営のところにおきます契約の状況につきましては、総体としましては、国会等でのたびたびの御指摘あるいは御鞭撻等もありまして上向いてきております。  現在のところ、私どもは、なかなか非世帯におきますテレビの設置台数というのは推定がむずかしいんでございますが、いろんな政府統計等あるいはそれに加えて私どものサンプル調査等から一番新しいところ、大体、総数七十七万台ぐらい、有料の対象として設置されているものはそのぐらいではないか。それに対しまして五十年度いっぱいで六十三万台ぐらい、大体八二%ぐらいの契約にはなるであろうというふうに考えております。そのうちホテル、旅館等につきましては大体八三%、飲食店等が七九%、その他のいろいろな会社関係、官公庁関係で八一%ぐらいの契約率になるであろうというふうに予想しております。

最上進自由民主党

○最上進君 先ほどの質問者も触れておられましたけれども、いわゆるNHKが一生懸命努力をしているにもかかわらず、どうも受信契約の拒否あるいは受信料の長期滞納、さらに加えて先ほど問題になりました不払い運動まである。こうしたことが厳然として一部にあるわけであります。このような事態というものを放任していくということはやはり正直者がばかを見ると申しましょうか、受信者の間に不公平感というものを、あるいは法秩序軽視の風潮というものを助長させていく原因になるというふうに私は感じます。  こうしたいわゆる受信契約拒否あるいは長期滞納というものを解消するための具体策、積極策、これはもう大変前からこうした問題について解決策が叫ばれているわけでありますけれども、なかなか思うように解決できない。これについてひとつお考えをお聞かせいただきたい。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) いわゆる受信料負担の公平を期しますことは、協会運営の根幹にかかわる問題でございます。不払い運動あるいは不払い者、そういうそれをほうっておくわけにはまいりません。しかし、これはどこまでも誠意を持って私どもも尽くすべきところは尽くして、その御理解を得た上で御支持を得る、こういうことが基本であろうと思いますので、いままでもそういった見地からいろいろ努力を重ねてまいっておりますけれども、なかなか急速にそういう成果が上がってまいりません。まことに残念でございますけれども、より一層今後そういった面については、あるいは番組に不平があられる向きについては番組に対するやはり共感を得られるような運営もいたし、あるいは協会の姿勢等について非常な不信を持っておられる向きに対しては、できるだけ信頼をしてもらえるような運営をいたしてまいりまして、これが解消に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 いただきました五十一年三月におきますいわゆる滞納契約者についてのデータを見てまいりますと、これは合計約五十七万六千件あるというわけです。NHKの放送受信規約というものを私も読ませていただきましたけれども、これの第十二条二号には、当然、受信料支払いを三期分以上延滞している場合につきましては「所定の放送受信料を支払うほか、その二倍に相当する額を割増金として支払わなければならない。」旨、規定をされているわけであります。滞納契約者の中で、いままでこの第十二条二号に該当する件数というものは一体どのくらいあるのか、また、いままで第十二条に基づいて義務違反に対してやはり当局側が断固として処理をされたことがあるのかどうか、この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) この十二条に該当するものと申しますと、この十二条に書いてありますように、三期以上支払いが滞る、あるいは不正、この三期以上滞ったものを私どもは実は滞納という形で分類しておりますので、先ほど御指摘の昨年の九月末でございますけれども、五十七万という、この方たちが条文に照らしていえばこの十二条に該当するというわけでございますけれども、私どもは、いままでこの十二条をそのまま適用いたしまして割増金等は請求いたしておりません。これは確かにそういう規定はございますけれども、やはり協会といたしましては、あくまで受信者の方の理解と支持によって成り立つ、それを求めるのがまず最大の努力でございますので、あくまでもそのお話し合いをして理解をいただく、説得に努める、そういうことをまず最大の努力といたさなければなりませんので、その五十数万の方に対しても繰り返しそういう努力をいま続けている、十二条をそのまま適用はいたしておりません。

最上進自由民主党

○最上進君 説明よくわかるわけでありますけれども、当然、この契約の規約にはっきりとこの義務違反について規定をしているわけでありますから、これはその交渉、話し合いというものも限度があるはずであります。したがいまして、先ほどの質問にもありましたとおり、とにかく何年もこうして滞納を続けているという人に対してやはり断固とした処置をとる、そういうことでなければ、何のために受信規約の中にこうして第十二条を盛り込んでいるのか私は意味がないというふうに考えておりますし、そういう意味で、ひとつぜひこれに対しては断固とした処置をとるべきときはとる、そういう姿勢を貫いていただきたいというふうに考えております。  次に、滞納契約者の中で、先ほどの不払い運動にも通じると思いますけれども、特に無理解というその原因、この原因によって五十一年三月現在で約十万件も滞納している。これは一体無理解ということはどういうことなのか。その点につきましてひとつ具体的に事例を挙げて御説明をいただきたいと思います。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 一番多い場合といいますのが、やはり一つのお支払いにならない方の社会観といいますか、世の中に対する見方といいますか、あるいは、それがさらにNHKのあり方に対しまして、いろいろ御批判があって、たとえばある種のNHKの番組が自分の立場から見て気に入らないといいますか、偏っている、だからこういう番組を出すNHKに対しては協力できない。あるいはそのNHKの経営の姿勢そのものが非常に偏っているのではないか、そういう経営の姿勢に対しては協力できない等々の場合がかなり多いわけです。それからさらにもっと具体的な例としましては、たまたま私どもの集金に参りました者といろんな事情からトラブル等を生じて、それがきっかけになりましてやはり協会に対して、協会の姿勢あるいは集金に対する態度が納得できないということから非常に長い間滞ってくる場合もございます。総じて言えば、そういういま御指摘の十万というのは、いろんな意味で一つの方のお立場からする不払い、そういうのが実情でございます。

最上進自由民主党

○最上進君 私は社会的風潮といたしまして、このままこういう状態が続いていきますと、やはり無理解とかいろいろなその理由によって不払いを主張するという人がふえてくる、これは否めない事実であるというふうに考えております。  これはこうした問題に限らず、たとえば私どもが電車に乗る。電車に乗って、とにかく普通の席の方はこれはもう立錐の余地がないほど満員である。グリーン車はあいている。ところが、この立っている人たちの中によく私は見受ける、車掌とよくけんかしている姿を見るんでありますけれども、こういう人たちの考え方の中に、こんなに込んでいる、一般のいわゆる車両が込んでいるときにグリーン車ががらがらでないか、このグリーン車にとにかくわれわれを乗せろと。その際、乗せるまではいいのだけれども、とにかくそのグリーンの料金を払わない、あいているんだからわれわれを乗せろ、からで行ったってこれは何も益するところないじゃないかというような早く言えば考え方で車掌と口論している姿を大変私は見るわけです。そういうことと非常に相共通する面があるのではないか。  これからやはり無理解だとか、何かその理屈をつければ料金を払わないで済む。それでは偏向しているということを指摘するならば、やっぱりNHKのテレビも当然見ているということだと私は思う。NHKのテレビを見ていないということならいざ知らず、やっぱり見ている。したがって偏向しているという理由で、私は、このいわゆる料金を支払わないということに対しては、こうした動きというものを早いうちに抑える。そういう意味では、先ほどから私が主張しておりますとおり断固としたいわゆる措置というものはやっぱりとるべきときにはとっていただきたい、これが私の主張であります。  次に、受信料収納に当たりまして、職員の方々あるいは外部委託員の方々が、私は、そうした無理解の人々に対して交渉に行くわけですから、大変難儀をされている、御苦労いただいている、御苦労いただいているというふうに考えますけれども、こういう点につきましては一体どういう指導の仕方をされているのか、この点について御説明いただきたいと思います。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) まず一番の基本としましては、こういう集金に当たる者にやはり協会全体の使命といいますか、そういうものを十分に理解、そして受信者の今度は意向、もし受信者の方に御不満があるならばその御不満が何であるのか、それを率直に素直に聞く、そうしてこちらが経営に反映することは反映する、そこで御説明しなきゃならぬものは説明する、こちらの使命と受信者の御意向をよく自分自身が理解をして説明をし、受信者の意向を聞きなさいと、これを原則といたしております。その上で、もちろんそれだけの精神一般論ではだめでございますから、詳細に受信規約とか放送法の定めとか、あるいは諸般の手続等はいろいろな講習の機会を設けまして、あるいはテキスト等をつくりまして指導に当たっております。

最上進自由民主党

○最上進君 そこで受信契約につきまして、いわゆるこの過密地域における委託Aあるいは過疎地域における委託B、こういう収納、受信契約に携わっておられる人々、この人たちの待遇、条件というものは一体どのようになっているのか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) これは、こういう方たち、集金に当たっておりますこの契約者はその仕事の出来高に応じまして一応報酬を払うという仕組みになっておりますので、お一人お一人の仕事のやり方によりましてかなり開きはございます。しかし、平均いたしまして現在五十一年度の予算の中で私どもがこの方たちに考えておりますのは、全体を平均いたしまして月々の収入が十五万円ぐらいになるという手当の体系をつくっております。そのうち主として大都市の方で仕事をされる方はこれはなかなか受け持ちの件数も多く、その収納の量も多いものですから、大都市で働いておられる方は平均しますと十八万円ぐらいになろうと思います。地方で働かれる方は多少件数が減りますので、月々の収入が十二万円ぐらいになろうかと思います。

最上進自由民主党

○最上進君 できる限り、ひとつこうして御苦労いただく方に対する待遇というものはよろしくお願いしたいというふうに考えております。  次に、滞納契約者の中で五十一年三月現在、先ほど出ました航空騒音による難視聴、これが理由であるのが四万四千件、受信障害等による難視聴が理由であるものが三万二千件、毎年このデータ見てまいりますと、その件数が増加の一途をたどる。いわゆる過去起きた問題が結局ほとんど解決されないままで累績をされているというふうに考えているわけです。  そこで、これはもう御答弁要りませんけれども、やはり難視聴を理由に滞納している人々に対してもひとつNHK当局といたしまして積極的な、先ほどからお話伺っておりますと、もうできる限り話し合いによって交渉を進めていくというお話でありますけれども、とにかくこうした——いろいろ理由をつければあると思いますけれども、その中でもとりわけこうした難視聴ということが問題になっている、こうした理由による滞納、こういう人々に対してはやはりできる限りNHKとして接するように交渉を進めて努力をしていただきたいというふうに考えております。  最後になりますけれども、受信料の収納関係でひとつもう一点お伺いしたいんでありますが、口座振り込みの割合というものが五十年度ではすでにもう三二%になっておりますし、五十一年度は全体の三四%という数字が期待されているわけであります。受信料の前納やあるいは口座振り込み制度の利用というものは、受信者の利便もさることながら、やはり労働力の節約という面から見れば、これはもうNHKとしてもこんなにプラスになることは私はないと考えておりますけれども、その利用を大いに促進すべきではないかというふうに考えておりますが、どうも現在、また今後、これらに対するいわゆる勧奨施策というものが果たして考えられているのかどうか。特に前納については規約の中に優遇策があるわけでありますけれども、こうした口座振り込みということ、これはもう労力の節約という面からいたしましても、かなり優遇策をもってNHKが努力されていいんじゃないだろうか、そういうことを感じるわけでありますけれども、この点につきましてひとつお答えをいただきたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) お説ごもっともでございまして、現在、前納につきましては割引制度がございます。これを利用されれば月々お支払いになるよりもかなり有利になっておるわけでございまして、一般の預金金利等よりははるかに上回る利益になるわけでございます。口座振替については、今日、そのような制度をとっておりませんけれども、やはり前納、口座振替、こういった措置を拡大することによりまして、人員のセーブあるいは経費の節約にもなるわけでございますから、これはあらゆる施策を集中してそういった制度の運用を拡大していく必要があろうかと思います。  実は、私自身、口座振替について今回の料金の調整作業の中ではぜひ割引制度を取り入れて、それによって口座振替の魅力を持たせる、進んで口座振替を御利用願うような措置を真剣に考えたわけでございます。そういうことは改善委員会でも強く要望したのでありますけれども、いろいろな現在の委託の諸君に対する処遇にすぐ響いてくるような現実の心配もあったわけでございます。あるいは全国的にこれをやりますのには、まだ欲を言えば郵政省の郵便局の窓口で、郵便の関係についても郵便振替の関係でこういった制度が取り入れられることが好ましいわけでございますけれども、その体制がまだできておらない、こういうようなことで、残念ながら今回は見送らざるを得なかったわけでございますけれども、いろんな問題はあれ、私としては、局部的にもやっぱり漸次拡大していくとして取り入れるべきじゃないかと強く考えておりましたけれども、この点は諸般の事情でそうまいりませんでした。今回の料金改定について私の心残りの一つはこの点にあるわけでございまして、将来、そういった面についてはぜひやっぱり取り入れてまいりたい、かように考えております。

最上進自由民主党

○最上進君 イギリスのBBC放送と並びまして、わが国のNHK、公共放送としての機関を有することは私はやはり一つわが国のこれは誇りにすべきことであろうというふうに考えております。そういう意味で、いろいろ質問をしてまいりましたけれども、やはりこの料金改定を契機にいたしまして、少なくともNHKの使命、これをやはり再確認しながら、同時に、ひとつ財政計画につきましても、これはもう国民にしわを寄せるという考え方でなくて、やはり経営努力によって効率化を図り、運営を改善しながら、ますますひとつすばらしいNHKにしていっていただきたい、これを心から念ずるわけでございます。どうかひとつ、この料金改定を契機にいたしまして、国民のなお一層の理解、後援が得られるように努力していただきますことをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) ただいまから十六時十分まで休憩をいたします。    午後三時五十四分休憩      —————・—————    午後四時十六分開会

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) 委員会を再開し、質疑を続行します。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 きょう午前中から長時間にわたりまして精力的に審議が進められておるわけでありますが、大変お疲れのところではございますが、公明党を代表いたしまして非常に世間の注目を浴びております重要な問題でございますので、少々時間をいただいて質問さしていただきたいと思います。  昨年、放送五十年ですか、五十年の歴史を祝ったわけであります。その間にいろいろなことがあったろうと思いますが、放送事業に携わる皆様方の御苦労に心から謝意を示すものでございますが、それと同時に、去年もまた大変な年でございました。そしてまたこのたび五十一年度この予算案が審議されるに当たりまして内外の非常な批判を、批判といいますか、NHKに対する問題が提起されておるわけであります。このことについてはもう会長も篤と御存じであり、また大臣もよく御存じのことだろうと思うんでありますが、午前中あらあらこの問題については御質問もあったようでございますが、早速冒頭にいろんな問題がありますので、一々私はそれをお聞きするという気持ちはございませんけれども、主要な項目だけはこういうことがあるけれども、それに対してはこういう心構えでおるんだという、まず、会長から、これらの批判に対してどのように受けとめていらっしゃるのか、ここら辺からひとつお伺いしたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) いろいろ御批判の多いことは非常に私はありがたいことだと思っております。全然批判も受けないようになればNHKはおしまいだと思います。これほど国民生活の中身に影響を持ちます放送事業でございますので、いろんなきつい御批判があることは当然でございます。  たとえば受信料問題につきましてもあるいはその不公平が言われております。あるいはその延滞、不払いの原因といたしまして、NHKの経営姿勢あるいはNHKの番組内容、そういったような面が非常に問題にされております。心しなければならない点と考えております。番組の面につきましても、NHKは国民の意向を十分に吸収しまして、それにこたえ得るような放送をしなければならないことは当然でございまして、そのためにはいろんな仕組みを持っております。ただ、これがまだ現在で十分でない面もありましょうし、あるいはわれわれの活動が十分に御理解と申しますか、おわかりいただけない面もあろうかと思います。  一例を申し上げますと、いろいろNHKに対する不平とか不満とか意見とか要望とか、これを十分に受け入れますために、全国に各局には相談窓口を設けております。ここには多数の御意見を賜っております。ただ、それを内部処理をいたしております限りにおいては、一体、要望をし不平を言っても、どうそれをされておるのか十分にわからない面もございまして、そのことが聞きっ放し、言いっ放しになっているのではないか、こういう誤解も受けるわけでございます。そういうことで昨年の暮れには、これにこたえますために、私ども内部の者が内部処理するのでなくて、外部の人に処理の模様を見ていただくということで、外部の方を委嘱いたしまして、いわゆる聴視者委員会なるものを設けました。そして電話あるいは郵便物等による不平、不満、要望、希望等の関係の処理の実情も見ていただき、それに対して私どもといたしましても処理の万全を期し、できればこれを放送の画面に取り上げまして、このようにいたしておりますと、こういうことをやる意図でございますけれども、放送の画面を通じてこれを知っていただく努力はまだ足らないようでございます。これには公共の波を使ってそういうことをするのはいかにも手前みそじゃないかという遠慮も働いておりますけれども、これはそうでなく、国民の皆様方に非常に支持を受けなきゃならない、また受けておりますNHKがおこたえをすることでございますので、公共の波を私物化するものではないと私は考えますけれども、こういう努力もいたさなければならないと思います。  また、国民の意向に沿った番組内容を出しますことも法律の要請するところでございますし、定例的にそういった意向の調査もいたし、これを吸収し反映させるように努力をいたしておりますけれども、そういったような面がまだ十分でございません。あるいは番組審議会のメンバー構成、その他いろんな面について御不満の面も多いと思います。これらは漸次刷新を図ってまいらなければならないと考えます。  要は、やはり国民から非常に要望せられるサービスを御提供申し上げながら、国民の御批判なり、また御要望なり、これには十分こたえて、御理解、御支持を得るように努力をしなければならないものと確信をいたしておりますので、いままでで足らないところはこれを大いに改めまして、本来の趣旨に沿うように運営をしてまいりたいと、かように考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 いま会長さんのおっしゃったようなことは、今日までも毎年審議に当たりましてやはりお話があったことです。また、それらのことについて鋭意努力をなさってきたことであったろうと思うんでありますが、このたび特にカラーにおいて五二%という大幅な料金値上げ、これで一遍に費用がふえたといいますか、問題が大きく取り上げられるようになったんだと思います。しかし、これは先ほど来もいろいろお話ございましたように、何もこれNHKだけの問題じゃございませんで、ヨーロッパの諸国におきましてもやっぱり公共放送、また国営放送そのものにつきましても一つの大きな変革を迫られておる。  去年、会長さんに外国、ヨーロッパの放送局のことを聞きましたら、いや分割とか何とか言うけれども、それはNHKの方がいいんだという話で、どうもこっちの方も余り知識がなかったからか、うまく丸め込まれてしまったんですけれども、イタリーにおきましてはやはり改革の声が——これは国情が違いますし、いろんな内容が違いますから、私は一概にこういうものを参考にしてどうしろと言うんじゃない。一つの放送文化を支える大きなこの世界に変革が訪れているということを申し上げているわけでありますから、その時代認識と、それに取り組む真剣な姿勢、小野会長いつまで会長なさっているかわかりませんけれども、これからもしっかりひとつ腹を決めて、この大事なときであるから、ただ日本だけじゃない、世界的に見ても非常に重要なときだということでのその深い認識は必要だろう、こういうことで私は申し上げるのでありますが、イタリーにおきましても、またフランス、西ドイツ、こういうところにおいても改革の火の手が上がって改革がなされておる、こういうことは御存じだろうと思うんですけれども、その外国のどういう問題が提起されて、どういうふうになっているかという、あらましをひとつ御説明いただけますか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) いわゆる放送形態にもいろんな形態がございまして、あるいはアメリカのように公共放送がないわけではございませんが、微々たるものでございます。大勢はいわゆる日本の民放のような運営でございます。また共産国家においてはほとんど国営でございますし、その他の自由諸国におきましても、国営ないしあるいはNHKと似たような公共放送体系をとっておりますのはBBCとか代表されるものがございますけれども、いずれの放送機関も非常な一つの変革期を迎えておるようでございます。そういうような時期であるいは機構上大きな改革を受けた放送機関もございます。たとえばフランス等は、ただ一つの放送機関であったそれが施設の運用あるいは放送番組の送出等の関係で七つの機関にも分かれております。あるいはそういったような受信料制度を持ちます放送機関でも、オーストラリアの機関のように受信料制度を全廃してこれは国税で賄う、一般会計の経費で賄うようなそういうような変革も行われております。いろんな面を総合いたしまして、真に国民の理解と支持を受けることができ、真に国民の基盤にぴったり合った機関であれば、日本のNHKのような存在が私は好ましいと考えておるわけでございます。そのためにはいろんな御批判に正直に誠実にこたえてまいらなければならないと思います。  たまたま、今回の値上げに際しまして、NHKに対するいわゆる関心度は非常に高まっております。このときこそ私はNHKの大きな試練の場であろうと思うのでございまして、そういう面につきましては十分に世論にこたえてまいる姿勢をもう一度ここで反省をして考え直し、適切な運営に努めてまいらなければならないと、かように決意をいたしておるような次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 これはいずれの国々も公共性とは何かということが問われ、そういうことのために放送に関する調査委員会のようなものを設けて、どうあるべきかという、そういう時代の変革期にあって、その改革のためにいろいろ論議しておる。イタリー等におきましても、去年ですか、大きく改革をしました。やっぱり審議会を設けて、いままで国でやっておったものを議会に移すとか、テレビ部門を二系統にし、ラジオを三系統にするとか、ニュースやなんかをそれぞれの系統で取材をし、放送し、競争の原理をそこに入れるとか、こういうことで、それぞれに変革期の中で努力をしているわけであります。  わがNHKは世界で一番いいんだという会長の誇りといいますか、自信のほどは私も敬服しますけれども、自信で物事ができるわけじゃございませんので、いま、先ほど来申し上げておりますように、そういう一つの大きな転機を迎えておるその中で、固定的な考えではなくして、やはり広く眼を開かなきゃならぬということと、それから先ほど来会長が言っておりましたように、そういう世論に対しては耳を傾け、そしてその実施のために、その声にこたえるために精力的に取り組んでいくという、こういうことが必要だろうと思うわけであります。  ところで、このたびの大きな問題になっております五十一年度予算につきまして、私どもはやはり毎年毎年予算の審議はするわけでありますし、また、そのとき提起された問題というのは、そのときだけではなくて、NHKの本質的なものもやっぱりいろんな論議があるわけです。さらにまた、それが集約されて附帯決議ともなるわけでありますので、こういう附帯決議等について、そのとき限りじゃなくして、ひとつまじめに実現をしてもらいたい。時間があると、こういうことを一つ一つお伺いしたいところでありますが、大分時間も経過しておるようでございますから、余り細かいことには触れないようにしたいと思います。  そこでお伺いしたいことは、このたびの値上げが五二%という、このいまだ物価が鎮静したとは言い切れない今日、大幅な値上げ、やむを得ない面もわれわれは十分にわかりますし、またNHKのこの公共性を踏まえた放送のあり方というものについてもこれはよく理解しておるわけでありますが、先ほどもいろんな論議がございましたけれども、いままで何年間この値上げをしなかったんだと言って、ここへ来てということですが、それはそのとき、その年度、その年度長期計画があり経済の変動があるかもしれませんけれども、値上げをしないで何とか乗り切れる状態であって今日まで来たわけであります。何年間値上げしなかったからいまここで値上げするのはあたりまえみたいな話はこれはいただけないことだと思うんです。それはそれなりの努力なり何なりしたということですから、それは高く評価されていいんですが、過去に何年間上げないからここで上げてしかるべきだという話にはならぬだろうと思うんです。  やっぱりこの五二%という率、これは消費者物価指数に及ぼす影響なんということは、それはもうコンマ以下かもしれませんけれども、いまここに一人の方がいらっしゃって、その方に、大学の授業料も値上げになりそうだ、電話料金の値上げもなりそうだ、郵便料金の値上げはなった、こういう日常生活の中に必要なものがみんな覆いかぶさってくるわけでありますから、その消費者物価の、押し上げる寄与率が少ないとか多いとかということよりも、この一軒の家庭、一人の人間という単位、消費者の立場に立てば、これは余り大きな上げ幅というのは好ましくないことだろうと思うわけであります。  それらのことは十分お考えの上にいろいろ御検討なさったんだろうと思いますけれども、こういう諸物価、価格の上昇ぎみの中で、ことしは一けた台に抑えるということだったんですけれども、全国の消費者物価指数は一〇・四%ですか、五十年度平均ですね。公共料金指数というのは一一・五%ということですから、公共料金が寄与する部分というのは非常に多い。それはいままで公共料金ということで抑えられておって、ここへ来てオイルショック以来値上げしなかったのを満を持しておったという、こういうことも言えるかもしれませんけれども、このたびのこの審議、これはNHKの公共性や、またそのほかのいろんな問題、先ほど来お話ございましたし、私もまたそれらのものに触れるわけでありますけれども、やっぱり物価との対比ということを避けて通るわけにはいかぬ、こういうことで、十分こういう点も御配慮の上に立ってのこのたびの値上げ幅になったんだろうと思うんですけれども、その間の算出の基礎ですか、また物価に対する配慮とか、こういうことについてNHK当局としてどのように取り組んだかという、こういうことをちょっとお伺いしたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) いまのような経済環境、生活環境の中で値上げに手をつけなきゃならなかったということは非常に痛いことでございます。もちろん、第一義的には、国民生活に及ぼす影響度というものには十分な配慮をいたさなければならないことは当然でございまして、そういうような観点からいろいろ検討をいたしました。  したがいまして五十一年度予算に盛られました事業計画の中には、いわゆる成長で拡充が許される時代から一つの転換期を迎えた、いわゆる低成長と申しますか、静かな成長の過程に入っておりますので、いわゆる新規計画なるものは原則としては全然織り込まない、こういう態度で臨んでおります。わずかに教育テレビのカラー化の関係につきまして、この関係もいわゆる学校教育番組等の関係についても非常に要望が強いものでございますから、しかも、その関係については建設関係の経費で三年間に五億、運用経費は三年間に二億ばかり、そう大きな金を要しませんので、強い要望にこたえるということで新規計画として織り込んだのが唯一でございます。あとはほとんど現存の規模をそのまま維持するということで、いろんな現場からはやりたいことが多いのでございますけれども、そういうことは抑えて、いまの転換期にふさわしい一つの自粛した予算規模に抑えておるようなわけでございます。  それと、何しろやはりこの物価指数の中で申しますと、五十一年度政府見通しでは八%から八・八%ぐらいの物価上昇になるであろう、その中で占めるNHKの受信料の今回の値上げのウエートは〇・〇八六ぐらいでございますけれども、その率が低いからということで私どもは当然だというようには考えておりません。まず第一には、生活への圧迫度、これは少なくとも重大に考えなければならないことは当然でございます。と同時に、やはりNHKが難視聴解消その他現在の国民生活の中でいわゆる国民の皆様方にお役に立つような使命を十分に果たさなきゃならぬことももちろんでございますので、そういうことを加味いたしまして、基本問題調査会に当初出しました作業の中ではいわゆる六〇%ぐらいの値上げの幅になっておったわけでございますけれども、これにはやはりいろんな合理化措置を要請をいたしまして、そういう面を切り詰め、自粛をいたしまして、平均五〇%ちょっとの値上げというところに落ちついたわけでございます。これもパーセンテージを聞きますと非常に高く響きます。その関係がいろいろ国民生活、いわゆる家計消費支出の中に占めるウエートと申しますか圧迫度と申しますか、それが低いからいいというような安易感は持っておりません。  たとえば昭和三十四年当時には、NHKの受信料が家計支出に対して持っておりましたいわゆる影響度は一・三一%ぐらいでございました。その後このパーセンテージがずっと下がりまして、五十年度末には〇・三%になっております。今回値上げをいたしまして〇・四二%ぐらいになるわけでございますが、そういうことで安易に取り組んではおらないわけでございまして、予算の事業計画の内容につきましては、極力、経費を抑制し、新規事業は原則としては認めない、こういう厳しい態度で臨んでおるようなわけでございますので、この点につきましては何とぞ御理解を賜りたいと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 いま会長から物価のことについては決しておろそかにしたんではないんだというお話がございました。確かにそういうことで御努力なさったことだろうと思います。やはりこの上げ幅が非常に高いということと、もう一つは、NHKの料金の場合は電気とかガスとかと違って、使わなければ料金がかからないというのと違うわけでありますから、そういう点では非常に生活困窮者、こういう方々に対して十分の配慮がなければならぬ。福祉料金体系というようなことがいま言われておるわけでありますけれども、電力料金については非常にアップ率が高いということで、段階的なという、こういうことが論議されております。  NHKの場合は、寄与率がそう大きくないということもあるでしょうし、また家庭に及ぼす影響等をいろいろ勘案されて段階的にというような、こういう声も余り大きくないようでありますけれども、しかし、一方厳しく見ると、テレビがあれば、たとえNHKの放送を聞いていなくても、見る時間か少なくてもこの定められた料金——今度値上げになりますと、どんなに料金を節約しようとしても受信料は節約できないしろものであるということを考えますと、これはどんどん所得の低い人たちには非常に負担になることも事実であります。これはまた後からいろいろやりますので、その点についてはいろんな角度から減免措置や半額の措置がとられているようでありますけれども、値上げのこういう非常に著しい中で、また鎮静化しつつありながらまだ上昇のきらいもある、こういう中であります。それだけに今後の事業計画なり、また事業のあり方というものに対しては国民の皆さんは非常に厳しい眼をもって見ているのではないでしょうか。先ほど来、申し上げておりますいろんな批判というものも、やはり上げねばならない事実はわかるとしても、それならばかくあるべしだということについて、それぞれみんなその考えがやっぱり集約されて批判の大きな声になっているのではないかと思うわけであります。  会長もちょっとお話ししておりましたけれども、基本問題調査会ですね。ここでも、健全な運営を確保するためには、これはやむを得ないことなんだというそういうこともあるんだというお話もございました。何かというとこの基本問題調査会にあるからということで、これはもう各省何かしますとすぐ審議会とかこういう形のものがつくられて、そこでいろいろ審議をしたその中でこのように言っておりますということで一つの隠れみのみたいになっているので、われわれ余り信用してないんですけれども、今回のこの基本問題調査会はいろいろ論議をしたようでありますが、しかしNHKの基本的なことを論ずるにはこれだけの日数で本当に十分だったのかなという、こういう疑問をまず率直に持つわけであります。これは私が長々述べるまでもなく、いろんな批判もお聞き及びだろうと思います。  調査会の審議の目的も「今後の事業運営が一層国民の意向に沿ったものとなるよう検討を行うとともに、その健全な運営を確保するための方策について審議する」こういうことになっているわけでありますから、今後の事業運営が一層国民の意向に沿うようにしなければならぬという、ここに本当はわれわれは、どちらかというとこれがしっかりすれば、料金値上げのことについても国民の皆さんも今度はこういうふうになるんだ、不偏不党とか公共性というものがどうあるべきかということはいろいろな論議がありますが、こうあるべきだという、また国民の要望に沿った方向に進みつつある、そういう運営が国民の意向に沿うものになって、それが本当に納得されるものになれば、値上げのことについても納得されるわけであります。ですから、本当は前段の方に力が入ってなきゃならぬわけでありますが、後段の「健全な運営を確保するための方策について審議する」という、結局収支が相償うことができないので値上げしなきゃならぬ段階にまいりました、健全な運営ができなくなりましたという、結局、料金値上げをしてくれと、こういう方に今回の基本問題調査会の審議ないしは結論というのは、どうもそっちの方にいったようなきらいが私どもには感じられるわけであります。  これは調査会のメンバーのある方が赤字解消のことしか論議しなかったという、こういうことも報道されております。私はつぶさに基本問題調査会の審議の内容を見たわけではございませんが、調査会のメンバーの方でそういう感想を漏らした方がいるということを考えてみますと、やはりこの調査会というのはやっぱりこれだけのものをやるには時間とか、また選ばれたそのメンバーとか——メンバーもそうそうたるメンバーのようでありますが、その中に、やはり国民の意思に沿ってということであれば、そういう立場の方ももう少し幅広く入れていただいたらどうだったのかなという気もするわけであります。  いずれにしましても、このたびのこの基本問題調査会の審議については非常に批判といいますか、私どもが納得し得ない、こうあるべきだという考えが非常にうっせきしているわけであります。こういうことで受信料の値上げの根拠にされたんでは——根拠というか、それはすべてではないかもしれませんけれども、基本問題調査会でもこういうふうに言っておるということでこれが使われるということだと、どうもこれは説得力がないのではないか。この間について私どもの考え方に思い違いがあるのか、また、そのほか会長としてこの問題についてはこうでございますという御意見があったら、お伺いしたいものだと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 御指摘のとおり、わずか半年ぐらいでこういった重要問題についての御審議を終わることは、これは十分ではございませんでした。やはり一年か二年ぐらいをかけてゆっくりやるべきものだったと思いますけれども、いろんな事情で結果的にはそうならなかったことはまことに遺憾でございます。私どもは、これを唯一の防衛の盾にとって、調査会もこう言っているというようなことで押しかぶせるつもりは毛頭ございません。長いNHKの歴史の中で、やはりこういうような措置をとらなければならなかったと、こういうことを率直に反省すべきことは反省し、将来の運営につきまして御要望にこたえることはこたえるような努力をいたしまして、そして御理解を賜るということが本筋であろうと思いますので、決して基本問題調査会でこういった答申を出されたから、それを唯一のよりどころにするというような気持ちは毛頭ないのでございますので、その点はよろしく御了承をいただきたいと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 結局、もう少し時間をかけて本質的なものをもっとこれは審議をすべきであったかもしれないといま会長は言われましたが、やはり制約があるということは、赤字がだんだん雪だるま式になり、五十一年度という段階ではどうしてもそうせざるを得ないというタイムリミットといいますか、そういうものがあったんだろうと、こう考えざるを得ないわけですが、やっぱり体質的な問題にもっとメスを入れて、ちょうど先ほど申し上げておりますように世界的に一つの大きな変革期になったその中のNHKとしてどう変革に取り組むかという、そういう大事なときであったわけでありますから、大いなる期待をしたわけでありますが、結局は値上げのみが残って、あとは何の前進もなかったということであってはならぬ、このように私どもは危惧するわけであります。そんなことのないように、衆議院においてもいろんな論議がありまして、また、これからもいろんな論議があるわけでありますが、これは真摯に耳を傾けて、ひとつ改善に努力をしていただきたいと思います。  で、この基本問題調査会の答申の中にも、NHKの今後の経営に関し、収支不足額の圧縮の努力というものについて求められておりますね。具体的にこの答申を受けてどういうことを御検討なさったのか。  また、昨年の四月ですか、部内に経営改善委員会というのを設けましたですね。厳しい時代を迎えていままでのような惰性じゃならぬぞということで、業務全般について見直すという、こういう積極的な姿勢もあったわけでありますけれども、それは一体どういう効果があらわれたのか。一年たったわけでありますけれども、こういうことについて、答申を受けての具体策、そしてまた部内につくられた委員会の中での効果、このことについてお伺いしたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 基本問題調査会の審議過程におきましても、いろんな示唆を受けました。また部内に設けました経営改善委員会におきましては、四月から精力的に作業をいたしております。これに対しては私も非常な強い要望をいたしまして、いろんな検討をいたしております。  現在、全部ができ上がっておるわけではございませんけれども、五十一年度を起点といたしまして将来にわたりまして、いわゆる第一番には、組織の簡素化でございます。これを徹底的にやっていくということを目途に作業を進めてまいりたいと思います。現在の機構は非常にわかりにくい膨大な機構になっておりますけれども、責任の所在の明確なすっきりした組織にし、それによって人員経費の削減をやっぱり図っていくべきではないかと考えております。  そういうことが一点でありますし、また組織を離れましても業務運用体制の関係につきましてはいろいろ見直しを行いまして、たとえば一県の中に複数の放送局のある県がございます。対象の数にいたしまして十二ばかりございますけれども、そういった局につきましては、それぞれ設置の必要があって置いたわけでございますけれども、やはりこの関係については、いわゆるローカルサービスの低下を来さないで機能を県庁所在地局に集中する、こういうことによって人員の削減もできるじゃないかということで、これで約八十五名ぐらいは人員のセーブができます。これはもうすでに実行することにいたしております。あるいはまた内外にわたりまして取材の拠点を持っておりますけれども、これらにつきましても情勢は流動いたしておりますので、こういった面について見直しを行い、海外の総支局の数にいたしましても縮小できるものは縮小をいたし、また国内におきますいわゆる通信部等の関係につきましても現在百八十六カ所ぐらいございますけれども、これによって何がしか縮小できるものは縮小していこう。また、これは料金値上げがあるからではございません、しょっちゅうやらなければならぬことでございますけれども、スタッフ部門としていわゆる一般の事務部門でございますけれども、監査室とか考査室とか研修所、各研究機関、こういった業務の中で簡素化し得るもの、切り捨て得るもの、そういうものは鋭意そういった効率化の努力を上げていかなければならない、およそ見込みとしてはこれで五十名から五十五名ぐらいの人員の削減にはなり得ると考えます。その他、地方の放送局における業務体制の問題につきましては、いろいろ万全を期しまして、相当多くの人が宿泊体制をとっております。これは勤務者にも非常につらいことでございますけれども、いわゆる経費的にも非常な経費がかかるわけでございます。幾ら万全を期しても、それはやはり限度があろうと思いますので、一応はやっぱりそういった場合の措置も考えながら宿泊体制をできるだけ縮小していきたい、こういうことで六十五名ないし七十名ぐらいは削減できると思われます。  また外国放送受信業務、これもかなりの人手がかかっておりますが、これもやはりいろんな見直しをいたすことによりまして人員の削減、経費の削減も可能でございますし、また宮古、八重山地区の業務の関係につきましても、いわゆる電電の海底ケーブルの開通によりまして相当にやっぱり見直さなければならない点も出てまいりますので、そういう見直しもいたし、また省力化の施策の推進といたしましては、現在、大方の局は自動化しておるわけでございますけれども、東京、福岡、札幌といったような、いわゆるラジオ受信者の問題はまだ人員を配置して運営をいたしております。これらも自動化すれば、万一の故障の場合という懸念はありますけれども、これはやっぱり踏み切って自動化をして相当な人員を整理すべきではないか、こういうことも実際は実行にかかろうというようなことも考えておりますし、その他、テレビ中継局等の業務を効率化することによって経費を浮かすとか、あるいは最近難視解消等の関係につきましてもミニサテといったようなきわめて簡易なコストの安いものが開発されております。これを難視聴解消の面にも大いに活用し、あわせて、NHKばかりでなしに、民放さんの方もNHKと一緒にやろうというようなことで、そういったような取り入れも考えておりますし、放送設備の更新を極力効率化して、できるだけ経費の安い優秀なものにかえていくというようなこと、その他いろいろな面を総合いたしまして、将来三年の間でも人員で五百名ぐらいは整理可能だと、金額にいたしまして五十億ぐらいは節約できるというような作業も見通しております。  なお、これだけで十分であるとは考えません。なおいろいろ局内におきます経営改善委員会の活動は今後も一層続けてまいりたいと思いますので、ここでさらに検討を重ねて、御期待に沿い得るような努力を重ねてまいりたい、かように考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 三年間でおよそ五十億近い節約ができるのじゃないかと。去年を見ますと十六億ぐらいですね、合理化とか効率化によって経費の節減をしたんだと。  今度、ことしの予算書にはこれは出ておりませんのでね、しかし三年間で大体このぐらいのことということになりますが、ことし一年間に限りますと、どのくらいの経費節減といいますか、こういう努力の結果があらわれるのですか。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) 十一億ちょっとでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 技術革新、技術の研究においては世界に冠たるNHKの研究所があるわけでありますので、そういう努力が実る、こういうことについては私ども大きな期待を持っておるわけでありますが、非常に厳しい経済情勢の中にあるからということで、職員の方々に対しても、ベースアップやまた待遇の改善がなされないというようなことではこれはならぬだろうと思いますし、去年も申し上げたんでありますが、やっぱり、どうしても経費節減なんということになりますと、人事異動等、人が動くとどうしても経費がかかる、こういうことで人事が停滞する、そういうことは大きな組織の中にありましては決してプラスじゃない、こういうことには十分ひとつ配慮してもらいたいというお話は申し上げたことはございましたけれども、そういうことは十分御検討の上で、いまお話のあったことがなされるんだろうと思います。  いままではNHKの使命の重大さから長期計画というものを立てて、そして今日までやってまいりました。それは私が長々申し上げるまでもなく、もう第一次五カ年計画、また第二次六カ年計画、第三次長期構想、それから第四次長期構想というような計画から構想に変わって、それも一年繰り上がったりなんかいたしまして、今度は中期ですね、三年だから長期にはならぬ中期構想というのですか、やはり放送事業という特殊な性格からいたしまして、日進月歩という技術の革新ももちろんありますけれども、計画というのはある程度五年ぐらい先を見通しての計画がよろしいんだろうと思うんですけれども、今回、中期の計画によらねばならなかった理由、三年をめどにしてということはどういうことを中心にして三年ということになったのか。ただ料金値上げのバランス上三年だということではないだろうと私思うんですけれどもね、その間のことについて御説明いただきたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) やはりできるだけ長い期間にわたる計画を立てまして、その計画路線に沿って年次年次を堅実に歩んでいくことが正しいと思います。その意味から申しますと、今回も五年ないし六年ぐらいを見通して、その辺の長期の見通しの上に立って五十一年度予算なり五十一年度の事業計画を策定するのが理想でありますけれども、何分いま激変期でございます。いろいろ将来の見通しもきわめて困難な事態でございますので、長期とは申しません、あるいは中期にも当たらないかもわかりませんけれども、そういったことで、三年ぐらいの見通しなら激変期であってもそう大きな狂いは起きないんではないか、こういうことで、実は、三年間に長期計画、将来計画をしぼったわけでございます。私は、先生の申されますように、できるだけ長期にわたる計画を立てて歩むことが正しい、このように思っておりますけれども、何分にもいま非常な予測の困難なときでございますので、三年間に限定をいたしたような次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 決して料金値上げのためではなくして、いろんな理由をいまお述べになっていらっしゃったようでありますが、今回の値上げ幅が高いということ、そしてまた収支のバランスから見ますと、三年でペイするように、収支償うように大体計画が立てられておるという、こういうことで、それはこれだけの事業ですから、収支のバランスがとれないような計画ばかり立てたってならないでしょう。  しかし、中期計画は三年である。基本問題調査会については十分な基本問題、それこそ表題にございます基本問題についての突っ込みがやや不足であったのではないか、こういうことになりますと、NHKは一体どこへ行くのかという、まあまた一年、二年たったら考えますということになるのかもしれません。しかし、時代の大きな変動期にあるとはいいながら、やはり長期の計画と、また近くの計画というものもなきゃなりませんし、さらにNHKの公共性ということについてのいろんな多方面にわたる論議があるわけでございますから、それらのものを踏まえてきちっとしなきゃならぬと思うんですね。  この予算のことについて、国民の一般の人たち非常に上げ幅が高過ぎるぞと、五二%ですからね。本来ならば放送法の三十七条によって受信料というのは年度ごとに予算を提出するわけですね。ですから三年間を見越して、そうしてことしは少し赤字を、そしてまあ三年でバランスのとれるようにというのではない。ことし一年どうするかということを、本来ならば予算書として、予算として国会へ提出する。まあ予算ということ、年度予算ということですから一年ごと、そういうことであれば、今回のような大幅な値上げでなくて済むだろうと思うんです。ただし、毎年値上げしなきゃならぬということと、それに伴う事務的な繁雑さとかいろんなものもあるだろうと思うんですけれども、一面から言うと、やはり値上げが先取りのようなこういう形になる。これはほかの公共料金等につきましてもやはり同じ性格のものかもしれませんけれども、この予算のあり方、そしてまた長期計画の計画のあり方、こういうことについて、私は、どうも最近は積極的な姿勢というものが見られないんじゃないか。長期計画がだんだん年度が小さくなって、将来の展望というのは一体どう描いているのかというものが、こういう青写真がぼけてきておる、こういう感じがしてならぬわけです。  私は、何も先ほどから申し上げたように、年度予算だから毎年出して、その三年の先取りなんかするのはけしからぬ、まあそういうことだけ大きな声を張り上げて主張する、そういう意味では決してないんですけれども、しかしながら、この収支は収支といたしましても、やっぱりNHKの将来のあり方等については何をどうするかという問題については、午前中からずっと問題ありましたように、難視聴解消にいたしましても、またローカル放送の拡充にいたしましても、なかなか苦労しなきゃならぬ、番組の刷新等につきましても問題が山積しているわけでありますから、やはり将来を展望した青写真というものがつくられてしかるべきである。まあ会長の頭の中にはいつごろどうしようと思っているんだというのがあるかもしれませんけれども、その間についてはどうですか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) いろいろ数字にあらわせない、いわゆる公共放送としての発展ビジョンというものは私は持っているつもりでございます。  その意味から申しますと、番組等の内容についてもいろいろ問題がございますけれども、現在はやっぱりいろいろ教育番組、芸能番組あるいは報道番組等がございます。教育、芸能等については、これはやはりかなりのいろんなそういう教育界あるいは芸能界の現状並びに将来を見通して、いろんなドラマその他の問題についても取り上げておるんでございましょう。報道関係の問題につきましても、現実に時々刻々起きてまいります事象、その事象を現時点においてつかまえてこれを追跡して報道をするという現状はそのとおりでございますけれども、私はそれでは足らないと思います。そういう意味から言えば、そのニュースの起きる根源の社会現象、政治現象、経済現象、文化現象、こういったものについて基本的な調査をする必要があると思うんでございます。そういう基本的調査に基づきまして、日々起きる現象をそれとの結びつきにおいて位置づけていく、こういうところに一つの公共放送としての大きなビジョンが開けてくるんではないか、こう考えます。  これは予算の計数の問題についてあらわせる問題ではございませんけれども、このことは私が会長に就任いたしましたときに宣明をいたしております。やはりそういうことによって番組も深みと厚みが出てくるでございましょうし、またニュースの位置づけ、解説等についても相当にやはり日々起きるニュースを後から追っかけていって、それを取り上げるよりももっと深みが出るんではないか。また、そういうような基本調査というものが非常にまとまった形で、しかもかなり内容も豊富で権威のあるものになれば出版収入もかなり得られるんではないだろうかと、かように考えております。そういったようなことはこの事業計画の計数の上にはあらわしにくいことでございますけれども、そういった面は十分に私は腹に持っておるつもりでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 まあ、ひとつ腹に思っているだけじゃなくて、これは表現の方法もいろいろあるわけでありますから、一つ一つ御努力をいただきまして、会長一人の腹の中で物事がいつまでも温められるんじゃなくて、そのあるものが一つのたたき台となってまた国民のいろんな声でそれを審議をしていくということも大事なことだろうと思うんでありますが、まあ基本問題調査会のように限られた機関の中で、そして出てきたものはこの大幅な料金値上げであったというような、こういうことじゃなくて、やっぱりある程度の期間を置いていろんな角度から論議をする。いろんな放送の番組や何かいろいろあるわけでありますから、ぜひひとつそういう時間をかけ多方面な方々の審議の上に立って公共性というものがより幅広くすそ野の広いものに持っていっていただきたい。そういうことのために、この長期計画、それは数的なものであらわし得られるもの、得られないものあるかもしれませんけれども、国民のための放送事業ということでぜひ御検討いただきたいものだと、思います。  で、まあ以上申し上げましたことから、この五十一年度の予算、これは大臣の意見というんですか、「五十一年度収支予算、事業計画及び資金計画に付する意見」これには「おおむね適当である。」と、こういうことであります。これは毎年同じなんですね。その出されるもの、NHKはしっかりしておるからりっぱなものが出るんで、いつも出る答えは同じなのかもしれませんけれども、先ほどからいろいろ申し上げておりますように、諸外国におきましても放送事業に対してはいろいろな論議がされておる。変革のときを迎えておる。また国内的にもいま一つの大きな転機を迎えておる。こういうことですから、例年と同じく「おおむね適当である。」ということで済まされることはどうかというのは、これは私ども非常にもっと厳しくひとつ見ていただきたいもんだと。  なぜこう申し上げるかと言うと、国の予算は大蔵省が大きくチェックをいたします。また会計監査はもちろんですけれども、NHKも会計監査あるわけですから、予算を編成する段階で大蔵省、そういうところで金のことにつきましては大きい目をぎょろぎょろ光らして見ておる一つのこういうチェック機関あるわけですが、NHKの場合は、収支予算とか事業計画とか資金計画につきましては大臣のところで意見を付すというんで、われわれ国会議員は、国営放送でもないわけでありますから当然かもしれませんが、承認という形になるわけですね。附帯決議ったって会長さんのお話を聞いていれば、いつもがんばります、国民のために、公共性を、不偏不党でといつも同じ御答弁ですから、附帯決議もあんまり厳しく守って——まあなかなかわれわれ附帯決議も厳しいから簡単には実行できないと言って努力しておるかもしれませんけれどもね。  こう考えますと、郵政大臣の意見というのは非常に重きをなすわけですね。そうすると、このNHKの経営のことに参画いたします経営委員会というものは非常にNHKの中で重要な地位にある、立場にある。で経営委員会のことは別にいたしましても、郵政大臣の意見というのは、本当に、この法律と照らしてみますと、収支予算とか事業計画とか資金計画に対して唯一の意見の言える立場にある。それが毎年毎年おおむね妥当、適当ということで、受信料を上げることはやむを得ないだろう、経営の効率化のためにしっかりがんばってください。また難視聴解消のために国民の要望を担ってしっかりひとつ促進してもらいたいという要望、大体、こういうふうに集約されるかもしれませんけれども、こういうふうに大体終わっているわけですよね。もう少しひとつこういう大事なときであることを踏んまえますと、そしてまた先ほど来お話ありましたように、もう五年先、六年先なんて見通せないような変動期にある。その中でNHKもどうするかということでいろいろいま模索をしておるわけですから、大臣もきちっと御意見をお述べいただくことがNHKのためには大事じゃないかと私思うんですけれども、どうでしょうか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 先生の御意見、全くごもっともであります。ただ、しかし、いかなる事業でありましても、やはり健全な経営をやるためには何としても財政的にその裏づけがなければならないと思います。NHKの五十一年度の予算を見まして、これをこのまま放置していきますとNHKがもう財政的に行き詰まってしまう。そうなりますと、この公共放送の使命を果たすことができなくなります。したがいまして、私はいかなるものでもこの際値上げということについては個人的には賛成いたしかねますけれども、しかしNHKの公共放送としての使命を果たすためには、どうしてもその収支が相償うということでなければ、これはその目的を達成することができませんので、この予算について、大体、これで、おおむね妥当であるというような判定を下した次第であります。   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 ですから経営上のことについては、われわれも決してこれは反対しているわけじゃございませんけれども、それに伴って、われわれの国会の附帯決議なんかよりも大臣の意見というのは非常に重みがある。法律の上できちっとした意見を述べられるとなっているのですからね。ですから事業のことにいたしましても、もう少し難視聴解消にがんばれと言うだけでなくて、いまこれだけ論議を呼んでおるときでありますから、大臣の意見というものも、やはり国民の要望を担った体質改善なり何なりいろいろなことがあるわけですけれども、厳しくひとつ見ていただいて、大臣のそういう意見というものをきちっと付していただく、それがNHKのためにも大事なことではないか。まあ値上げのことについては、これは不本意ながら、やはりこういう現状であるということであれば、それはやむを得ないでしょう。それはそれとして、それならば基本問題調査会にもございますように、このあとの問題についてもしっかりやってもらいたいということで、厳しい御意見を付すことが御意見番として大事じゃないかと思うのですけれども、そのことを言っているのですよ。どうでしょうか。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 御意見のとおりであります。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 御意見のとおりですから、来年からひとつおおむね妥当、適当なんというのでなくて、ひとつきめ細かにNHKのいまの問題の核心をつくような、そういう御意見をきちっと御意見番らしくつけてください。  さて、受信契約のことについて、これもまあ午前中から相当論議がございましたので、簡単に具体的な何点かだけ重複しないようにしてお聞きしたいと思います。  五十年度の収納状況というのは、大体もう相当なさっていらっしゃるんだろうと思いますけれども、五十年度の年度内増加、これは六十七万だったですか、これはどうなりましたでしょう。年度内契約数の総件数、これちょっとお伺いしたいと思うのです。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 五十年度は当初予算で契約総数で六十七万の目標を立てまして、最終的に六十八万八千ぐらいの数字がいま報告されております。約六十九万まで達成いたしまして、最終的に三月末の契約件数の総数は二千五百九十六万になっております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 NHKの資料なんかを見ますと、可能な契約世帯数というのは、世帯契約とそれから事業所契約——非世帯契約ですね、これは大体二千五百九十六万、これを分けますと、どういうようになりますか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) そのうちいわゆる世帯でない、非世帯の契約が六十三万でございます。したがいまして、その残りの二千五百三十数万が世帯でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 世帯契約数は全世帯について何%というふうにNHKでは見ていらっしゃるのか。それから非世帯、いわゆる事業所契約ですね、こちらの方は全事業所数に対して何%に達したと見ていらっしゃるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 世帯の契約の方は、全部の世帯数ですと三千二百五、六十万あると思いますが、私どもはそのうち有料の契約になるべき世帯——これは全世帯の中から無料の対象になるべき世帯は抜きます。それから一〇〇%お持ちでございません。特に単身世帯等は収納率がまだかなり低いので、それを全部推定いたしまして、有料の対象になるべき所有世帯を大体、これは推定でございますけれども、二千八百五十万弱と見ております。それに対しまして、先ほどの世帯契約二千五百三十三万になると思いますけれども、これは大体八九%、約九〇%の契約率というふうに見ております。  それから非世帯の関係でございますが、これも全事業所数は五百数十万になりますけれども、このうち多くはいわゆる個人経営の飲食店とか、そういうものがございまして、いわゆる会社、事業経営とはみなされませんので、このうちやはり非世帯としての契約の対象になるべき事業所、かつその事業所にどのぐらいテレビがありますか。この事業所につきましては、事業所単位でございませんで、いわば設置の台数制と申しますか、設置の台数に応じて全部いただくわけでございまして、それを私ども推定いたしまして、いわゆる非世帯契約になるべきテレビの所有台数を、一番新しいところ、大体七十七万台と見ております。先ほどの六十三万が約八二%になるというふうに推定いたしております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 統計表なんか見ますと、事業所総数、これは農家から何から全部いまお話しのように入っていますので、五百三十万九千、これは全部可能だとは見られませんけれども、しかし、いまお話しの七十七万という根拠はやっぱりあるのだろうと思いますけれども、事業所総数が五百三十万ということですから、実態からすると非常に押さえ方が低いみたいに感ずるのですけれどもね。この中身の分析は私どもも具体的にしたことはございませんけれども、七十七万と押さえるその根拠というのはどんなところでございますか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) これは私ども実際にサンプル調査いたしますと、確かに総理府の統計では五百七十万ぐらいの事業所ということでいま出てはおりますけれども、そのうち約四分の三は、いわゆる住居併設の飲食店とか、具体的にはおそば屋さんとか、確かにみんな事業所ということで法人組織になって届けが出ておりますけれども、四分の三ぐらいはそういう個人の住居とほとんど併設ということで、これは私ども世帯契約として契約をちょうだいしている。残る四分の一がいわゆる事業所というふうに、非世帯契約の対象になるというふうに、約百三十万ないし百四十万がそういうものだと思っておりますけれども、実際にサンプル調査いたしますと、やはり全部の事業所にあるわけではございませんで、これは私も実際に回ってみました。  たとえば東京のビル、貸しビル等の中、部屋の入り口には実は三つ、四つの事業所、会社の名前が書いてあるのですけれども、実は実態としてはほとんど一つの事業の中を幾つかに分けまして法人等の登記をしてあるのが非常に多くて、実際にテレビを設置してある事業所数約三十六万ぐらいというふうに推定いたしております。それに対しまして、一つの事業所に大体二台強、それで約七十七万というふうに推定いたしております。もちろんホテルとか旅館等につきましてはこういうことはございませんで、もっと多い数が出ております。ただしかし、旅館等につきましても、これは厚生省の統計等にございますけれども、実は常雇いの従業者がゼロというのが旅館の届け出のうち四八%を占めている。そういう実情にございますので、実際に契約の対象となるべき受信機台数は、先ほど言いましたように七十七万台というふうに掌握いたしております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 受信契約の規定の中にも事業所についてもちゃんと規定してあるわけですね。いまのお話、私も納得しないわけでもないんですけれども、農林、漁業すべて入っておりますから、事業所の数の中には。ですから、まるまるこれだとは思いませんけれどもね。この前、東北本部の方へ参りましたら、この事業所なんかについて一生懸命努力をして去年で相当成果を上げたといいますか、努力した結果があらわれましたというお話をちょっと聞いたものですから、捕捉率がやっぱり低ければ目標が低いということで、契約のパーセントが何ぼ高くて景気よく見えても、実態にそぐわないようなことではならぬだろう。パーセントは何か出ておるわけですけれども、また平均値で出ていますけれども、それはそれとして実態はどうかということをもう少し掘り下げてやっぱりこれを検討してみる必要があるんじゃないか、こう思うのです。どうか世帯についてとともに、事業所についても規定されているだけに、ひとつ実態について掌握をしていただきまして、やっぱり公平化といいますか、そういうことで、せっかく規定しておるにもかかわらずそれに本当の力を入れていない、こういうことではならぬだろう、こういうことで私は申し上げているのです。  それから広報とか営業活動というのは非常に重要な活動になるわけですけれども、その中で最近NHKも値上げできなかったということで、新聞なんかにその理由やいろいろなことが出ているのでございます。私もここに持ってきましたけれども、いろいろNHKとしてやっぱり皆さんに了解を求める、また広報活動、営業の活動の周知徹底、こういうことで新聞等にもいろいろ出ておりますが、今後、こういう活動についてもひとつ積極的に進める必要があるだろうと思います。  それとともに、収納率の話が出ましたので、それに付随してお伺いしたいと思うのですが、移動世帯ですね、それから不在世帯、これに対してどうしているのかということですが、特に私どもことしの一月沖繩へ行きましたときに、沖繩は特殊な事情がありますけれども、その理由として、地元では共かせぎが多くて非常に不在がちで大変なんだというお話でした。しかし、それだけじゃ決してないだろうと私は思うのですけれどもね。この移動世帯とか不在世帯、こういうものに対してきめ細かにNHKではどうしていらっしゃるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 確かにいま私どもが当面している契約の仕事の中で一番問題は、その移動の世帯が多いこと、それから実際にお訪ねしましてもなかなか昼間おうちの方が在宅しておられない、この実情に非常に難渋をしているわけでございます。これは基本のところは、やはり私どもがそう人手をかけましても、とにかく一軒一軒もし不在であるならば何度でもお訪ねをして、契約なり、あるいは契約はしておられても支払いが滞っている場合は料金をちょうだいする。もうとにかく足でもって何回でもお訪ねするしかないとは思いますけれども、特に重点の置き方としましては、やはりお客様といいますか、受信者の方も決して悪意のある方ではないので、お支払いになる用意はあるわけなんです。たとえば銀行による振替口座等をそういったところはぜひやっていただければ、双方とも大変好都合にまいりますし、あるいは銀行口座等何かの御事情で都合が悪い、あるいは場所によりまして郵便局等にお願いしている場合には口座利用等がまだできませんので、そういう場合には一括前払いの制度を御利用いただく、こういうことをいまお勧めしております。  特に、最近は、都市部におきまして、いろいろ集合住宅あるいは団地等におきまして、やはりかなりいろんな意味での自動振替——通常の電気、ガス等以外にも家賃等までそういうものが普及してまいっておりますので、そういう際に私どもあわせてぜひわれわれの受信料の方も銀行振替等にしていただきたい、そういうことを集中的にいまある特定の地域を選びましてお願いをしている、そういうことで、この留守がちの御家庭に何らかの方法で料金をお払いしやすくひとつお願いしているところでございます。  なお、そのほか文書等によるお願いも、これは昼間お訪ねしていらっしゃらない場合に、文書等を置いてくる、あるいは郵送する、そうして郵便振替用紙を同封して料金をお送りいただく、こういうこともあわせて実施をいたしております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 沖繩に代表されるように、いままでただで見ておったものが今度は料金を払わなきゃならない、復帰とともに。制度上これは当然です、本土並みですから。しかしNHKの温かい慈悲によって今度は値上げをしないで済むということですから、沖繩の方は喜んでいるかもしれませんが、しかし収納率ということになりますとこれは五割とんとんぐらいですね。ということは、いまお話しのように、不在がちで、特殊な社会事情にあるんですということを一生懸命地元では言っておりましたが、それだけではない。  いろいろ対策を講じておりますということですが、やはりNHKというものに対して、本来の使名といいますか、NHKの趣旨というものがよく納得されていないんではないかという、   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕 そういうことに対しての努力がなければ、ただ単に不在世帯ということだけで、書類を送ったから、手紙を出したからということでこれはなかなか捕捉されることはないだろうと思うんです。ですから、沖繩で私どもいろんなお話を聞いたときに、これは本当に日本のいろんなところにある一つの縮図みたいなもので、沖繩のこの現状をどういうふうに説得していくかという、ここがよくなることが、収納率が高くなることが即それは本土における一つの大きな参考になるといいますか、こういうことで、広範囲では決してないわけでありますけれども、沖繩で本当にいろんなことを、具体的な対策をいろいろお考えいただいてその実践をし、テストといいますか、沖繩でひとついろんなことをやってみることが大事なことじゃないかなあということを痛感しました。  一般的に先ほどからいろんなお話がありますけれども、この集金ということについて、またNHKの受信料ということについていろいろお話しするのは委託した集金人の方がお話しするわけですね。そういう方に対してはある程度の教育をして、自信と誇りを持っておやりになるんだろうと思うんですけれども、しかし私もいろんな雑誌やなにかにも出ておりますように、日給で大変な労働の中でありますから、また受け持ち区域をもう走り回るのが精いっぱいで、あそこにもここにもと思いながらなかなか行けないという、そういう実情もあるんではないかと推察するんですけれどもね。  これはやっぱり不払い運動の方々の書かれたものやいろんなものを見ましても、初めからもうNHKなんかあんなものはなくてもいいんだなんという人は別ですが、素朴ないろんな疑問に対して率直に答えていないというところにだんだん感情の高ぶり——それはもう理屈でなくてもう感情的なみたいな、もうNHKが憎いということになれば、その論理は幾らでも組み立てられるわけであります。午前中もどなたかの質疑がございましたけれども、会長に出てもらいたいと言ったが出てくれなかったということがございましたけれども、そういうことが一たびでもございますと、どうもあれはわれわれとも話もできないのかということになるんじゃないか。私が言いたいのは、そういういろいろ難易の度合いはあるかもしれませんけれども、理解の度合いはあるかもしれませんけれどもね、会長みずからというか幹部みずからそういう方々に対してお話しする、そういう姿勢がNHKには必要でないかと思うんですね。いま国鉄運賃も、国鉄財政も大変です。それで国鉄総裁がきのうかおとといか、消費者団体の方にお会いしてずいぶん国鉄の財政ということについてお話をした。総裁みずから大衆の中に飛び込んでいってそして答えよう、こういう姿勢か——NHKというのはもう昔からあって五十年の歴史を持って、そしてとやかく言われることはございませんというような厚い壁があったんではこれはいかぬだろう。もうそういう時代でもないことは御存じでしょう。  ですから、いろんな方々がいらっしゃるでしょう。そういう方に対してはやっぱり親切に、まああれはちょっと偏向というか、考えのわれわれと同じでない人だというような考えではなくて、やっぱりよくお話しすることが、しかもそれはある程度の幹部の方が——集金人の委託の方がいて、こういうふうになっていますということではならぬのじゃないかと思います。その一人の人に対する説得というその努力が大きな論になっていくんじゃないか、こういうふうに私は痛感するんですね。そういうことで幹部みずからひとつ第一線に立ってやる気構えがNHKになきゃいかぬと思うんです。いままで何もしていなかったなんて私決してそういうこと言っているんじゃないんですけれどもね、いまこういうときだから、より第一線に立って。  新聞の投書も最近は非常に厳しいのが出ていますね。で、その投書に対して回答がNHKから出る。これは会長室とか広報室とかという——大抵だったらやっぱりある責任者の方の名前でぴしっと出してしかるべきじゃないかと。担当理事の方がそれにお答えをする。広報室という、何だか漠然とした人かお答えするという、責任——さっき会長は責任の明確化って言っていたけれども、やっぱり責任を持ってそのことにはお答えいたしますよという、そういうことが大事じゃないかと思うんですけれどもね、ぼくらは見ておってそういう感じです。  受信料のことについても、先ほど来、いろんな論議もございます。いろんな多様化する価値観の大きく変革のときでありますから、いろいろな方もいらっしゃるでしょう。社会の態様の中でやはりNHK自体もその時代の波に沿う姿勢というものが必要だということを私は痛感するんです。そういうことはやはりこの集金人の方とある程度お話しする方はいろんなことをお考えになってやっていらっしゃるんだと思いますけれどもね、沖繩なんか見ましても余り伸び率といいますか、伸びが進んでいないところを見ると、本当にこの社会情勢がわれわれの考えられないような状況の中にあって収納率というのはもうこれ以上どうしようもないものなのか、しかし何かこの対策案を立てて推進できるものなのか、こういうことについてどうかひとつ真剣に取り組んでいただきたいと思うんですけれども、会長、どうですか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) お説全く同感でございます。そのようなつもりで運営してまいるつもりでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 同感て、いやですとは言うわけないでしょうけれどもね。同感ということはもうそういたしますということでしょうね。私は会長が受信料を払ってないなんて思ってはおりませんけれどもね、一人の受信料を納めていない方のために出ていくなんということは会長として大変なことでしょうけれども、それぐらいの心構えがあってもしかるべきだ、やっぱり幹部みずからがね、ただしりをたたくだけではならぬということで、この社会的な不公平といいますかね、払わない者が得をするみたいな、先ほどもございましたけれども、この規約の中には非常に厳しいことが書いてあるんですけれどもね、そういうこともこういう情勢でもあるし、あくまでも説得してということで、こういう受信料を何倍取るということはしてないようですけれども、それならば、そのようなひとつ努力を今後とも続けていただきたい、このように思うわけです。  さて、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、欠損で処理した受信料ですね、これはやっぱり回収のためにその後何か具体的な努力をなさるんでしょうか。さっきちょっとおっしゃったのかもしれませんけれども、どうでしょう。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) もちろん支払いが滞っておられる受信者の受信料につきましては、私ども最後までそれはお支払いいただくように努力をいたします。会計上は、一応、二年間回収に努めまして、それでどうしても回収できない場合は、一応欠損の処理をいたしますけれども、しかし、その方が引き続き契約者であり、かつ受信料がそのまま残っている場合には、三年でも四年でも私どもはやはりお伺いをして、前の分も含めてお支払いいただくように継続してお話し合いを続けるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 そういう方々のところにはどなたが行くんですか、同じ集金人の方、担当の方がいらっしゃるんですか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 原則としまして、委託の集金ではなくて、私どもの正規の外務職員がそういう方のところに行くことになっております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 非常に手間のかかることかもしれませんけれども、ひとつ不公平、公平の負担を欠くということのないように、先ほど来申し上げておりますように、そういうところにはひとつ説得力のある、力のある人が動いていただくということが大事なことだろうと思います。  さて、残念なことでありますが、いわゆる契約拒否者といいますか、こういう方が、最近増加しているかどうか知りませんが、そういう方々がいらっしゃることはわれわれ聞いておるんですけれども、こういう方々に対してはどういう対策といいますか、お話し合いの機会をつくっていらっしゃるんでしょうか。

川原正人日本放送協会理事

○参考人(川原正人君) 契約を拒否される方も、大きく言えば先ほどの非常に支払いの滞っている方と同じように、一番最初は委託をいたしております集金の者が一軒一軒お家を回りながら、ここのおたくではまだ契約に入っていないというところで説得に当たりますし、特にそこで何か理由を挙げて拒否されてもなお説得をするのがその任務でございますけれども、さらにそれがなかなかうまくいかないときには、先ほど言いました経験の多い外務職員が参ります。それから、それでもなかなかうまくいかない場合、特にやや集団化と申しますか、かなり御主張がいろいろあって、しかもある地域にかたまっている等の場合には、これは当然私どもの方の責任者、たとえば営業所、営業部等の部長、所長あるいは副部長、副所長、それから最近は特に管理職を全国で昨年から約六十数名動員いたしまして、特別なチームをつくりまして、そういう者がそこに出向きまして、どのような御事情か、それぞれみんな異なった御主張、御言い分があるわけなんで、一概にはなかなかいかないわけですけれども、どういう御事情か御主張をよく承って、こちらの立場を説明する、そして説得に努めております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 新聞やなにかを見る範囲では、そういう人には余りさわらないみたいなのがNHKの姿勢みたいに受け取られがちなんですけれども、いまのお話ですと、そんなことないんだと、率先してどんどん行っているんだということで、手数のかかることかもしれませんが、そういう集会なり何でもどんどんやっぱり飛び込んでいく姿勢が大事だと思います。いままでは高度成長の中でそういう御苦労をなさらなくても順調にきたのかもしれません。これからはもうテレビの台数だって頭打ちになる。これからのあり方というのは非常にむずかしくなるわけですが、そういうことを考え、またまじめに納めている人と納めていない人との不平等さ、こういうものを助長したら、これは社会に与える影響というのは非常に大きいだろう。そういうことからいたしますと、いままでがんばっていらっしゃるだろうと思いますが、さらにひとつ御検討いただいて御推進をいただきたいものだと思うんです。  次は、受信料の免除のことについていろいろお尋ねをしたいんですが、これはもういつも附帯決議の中で「国庫による補てん措置等を含め抜本的な検討を行うこと。」いつもこういうことで、受信料の免除についてはこれは経営委員会で決めて郵政大臣がこれを認可する、こういう手続を経ることになっているわけでありますから、免除許可を与えた郵政大臣はやっぱりその立場でこの国庫補てんに対しての措置については考えるべきではないか。  NHKの免除というのは非常に広範囲にわたっております。結構なことなんですけれども、これは郵便料金の値上げ等につきましてもいろんな福祉料金体系ということで問題になりました。こういうことから見ると、郵政省なんというのは非常にけしからぬと思うぐらい本当にきめ細かに免除の措置がとられておる。しかし、実際、学校とか公民館とか図書館とか何といいますかね、一つ一つ見ますと、それはそれなりの理由があってこれはなったんでしょうけれども、これが全部NHKが免除してかぶらなければならないという、これは高度成長でどんどん収入があるときはいいかもしれませんけれども、これから厳しくなることになるとやっぱり厳しく見なければならぬ。こうなるとやっぱり実力大臣がここに出ていただいて、こういうものは検討するときがいまこそ来ているんじゃないかと私は思うんですね。いつも附帯決議では、これはひとつ抜本的に検討してもらいたい、こういうようにうたっておるわけでありますが、一年も何年もずっとこの附帯決議でうたって、どういう検討をなさったのか、今後のまた見通し等について大臣からお伺いしたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 受信料の免除につきましては、公共放送としてのNHKが自主的に実施してきたものでありまして、それなりの役割りを果たしてまいったいきさつもありますので、にわかに結論が出るというわけにはいきませんけれども、なお受信料の免除につきまして、第一次的にはNHKにおいてそのあり方を検討すべきものと思っておりますが、今後、NHKと連絡をとってさらに検討してまいりたいと考えます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 いや、NHKと連絡するんじゃなくて、各省ですね、厚生省とか文部省とかこういうところと連絡をし合って御検討を、これをやっぱり各省庁と連絡といいますか、御検討いただかなければならないんじゃないでしょうか。これはNHKさんは自主的にやったということですから、これはもうそんなことはいいんですというそういうことでしょうか、会長の立場でそんなことは言えないだろうと思うんですね。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) もとよりNHKと相談しながら関係方面とよく相談、検討する必要があると思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 社会福祉的、また教育的見地から免除を行うということですから、これはこれなりのそれぞれ理由はあるかもしれませんけれども、自主的という、これはいつごろこういうことをなさったのか、ぼくらよく知らないんですけれども、いままでこれを免除しておったものを今度にわかに取るということも、また全部公的なものですから、なかなか大変なことだと思うんですが、しかし、これは国庫による補てん措置ということで、何も国からお金をもらうということでなくてやっぱり名目は立つんじゃないかと思うんですけれども、いままで各省との協議、こういうことはしたことがあるんでしょうか、厚生省とか文部省とか、全然話にも、全然もう議題にものったこともないという、こういうことでしょうか。

石川晃夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川晃夫君) 国庫補てんの問題につきましては、昨年も国会でいろいろ論議されたわけでございまして、われわれといたしましても、その点については各省と連絡をしているわけでございます。  ただ、この制度が大正十五年のNHKが発足した、NHKといいますか、NHKの前身の社団法人日本放送協会、これが発足したころから続けられてきた制度でございまして、そういう意味におきましては相当な歴史があるわけでございます。しかし、いろいろ御審議の過程でそういうお話ございましたので、われわれも厚生省、文部省そういうところにも連絡をとりながら、またNHKがその免除については第一義的に決定するものでございますので、そのNHKがさらに各省と連絡をとっているというのが実情でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 大正時代から伝統があるんじゃ、もう本当にあかあかと電灯がともって大変なことですから、一朝一夕にはいかないことかもしれませんが、時代の推移もあるでしょうし、ここはひとつそういうことが可能なのかどうかというせっかく議論があって、また附帯決議が付されている、こういうこともございますので、ひとつ御努力をいただきたいと思います。  それから、これは結局受信契約とかまた免除措置とか、こういうことでNHKの経営ということに関していまいろいろお聞きしておるわけでありますが、これまたよく附帯決議でも述べられることでございますが、国際放送の経費ですね。これについても毎年これは附帯決議の議題になっているんじゃないでしょうか。国際放送について国庫交付金を大幅に増額せよという去年もばっちり附帯決議がついています。しかし、われわれが言ってもなかなかこれは進みそうにございません。パーセントは確かに去年よりはことし増額になったようであります。しかし物価上昇しているわけですから、実質的な面から言うとどれだけのプラスになるか。この国際放送というのは国の命令によってするわけでありますから、これは国からお金をもらうのは当然なんですが、国の国庫支出、国庫の補助金が妥当であるかどうかという、これは私どももいろいろ時間帯とか番組や何かで検討いたしましたけれども、はっきり線を引いてここからここまでは国の命令によってやるやつだという立て分けはむずかしいようですけれども、しかしNHKのいま国際放送のおよそ半分近くは国の命令によってやっているもののように私どもは認識しておるんですけれども、だから一八%かそこらというのは非常に低いということで、現状に合っていない。これは地方自治体の超過負担みたいなもので、これでやれなんて言っても、実質的にはもうそれの何十倍も経費がかかるような状態で、こういう超過負担解消ということが叫ばれておりますけれども、NHKの国際放送の経費改善、これはもう当委員会においてもいつも論じられておるところでございますし、これから大きな収入源がないというNHKの現状を見ますと、NHKなんかどうでもいいという、国がそう思うんだったら別ですけれども、本当にNHKが公共放送としてちゃんとやってもらいたいというんだったら、出すものは出してもらわなきゃいかぬと思うんですけれども、どうでしょうか。  いま、その比率とか、大体、このぐらいになるんじゃないかという、そういうのをおおよそつかんで、そしていまの支出はこのぐらいになって——支出はわかりますけれども、そういう何といいますか、NHKの経費の中でこのぐらい国際放送にいま経費がかかっているだろうと政府は見ておる、それに対して現在はこのぐらいだ、ですからもう少しこうしなければならないんじゃないかという、そういうことをひとつお伺いしたいんですけれども。

石川晃夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川晃夫君) ただいま先生から御質問ございましたように、国際放送につきましてはかねがね国会の方でも非常に力を入れていただいているわけでございますが、実態におきましては、この国際放送は、もう御案内のように、いわゆる放送法の九条の二によります放送——これはNHK自体で行うものでございますが、それと郵政大臣が命令して行う放送、これは放送法の三十三条でございますが、この二種類あるわけでございます。で、現在、政府の方としまして国際放送に対して交付金を行っておりますのはこの三十二条によるものでございますが、実態からいきますと、やはり政府命令分とそれからNHKが自主的にやるものとを区別して放送するということはなかなかむずかしい問題でございますので、一緒になってやっている、一体になってやっているというのが実情でございます。  で、政府からお願いしておりますのは、金額にいたしまして五十一年度は四億四千八百万ということでございまして、NHK全体として国際放送に必要とする経費は五十一年度予算におきましては約二十四億の経費を挙げてきております。したがいまして比率からいきますと非常に政府命令分が少ないわけでございますけれども、われわれ決してこれで満足しているわけではございませんので、何とかして国際放送を強化したいということにはかねがね努力しているわけでございます。しかし、政府の財政事情等もございまして、そのわれわれの期待するほどの伸びというものはございませんが、それにいたしましても、今度の五十一年度は前年度に比べて約三〇%の増加がございます。われわれといたしましてはこの三十三条によりまして、この四億四千八百万でひとつ五十一年度の国際放送をやっていただきたいということをお願いいたしております。先ほど申しましたように、われわれ決してこれで十分とは思っておりません。今後も、この増額については十分努力していきたい、かように考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 政府には国債を発行するという奥の手もございますけれども、NHKはそうはいかぬわけで、国からお金をもらったのでは公共性が失われるということで、いまもうさんざっぱらたたかれている最中ですから、がまんしてくださいとか何とかということはもう当たらないだろうと思うのです。そして国際放送が持つ意義というのは、私が下手な口をきくよりも、本当に国際親善ということから非常に重要であり、特に日本の今日までの海外における活躍、エコノミックアニマルという、こういうことで非常な不評を買ったわけですが、これに対して正しく日本の現状というものを認識させる、こういう意味でこの国際放送の持つ意義というのは非常に大きいだろう、こう思うわけです。  そして、かかったものに対してそれは立て分けがはっきりしないと言っても、いまはおよそ半分ぐらいは政府命令による放送なんですから、四億が少ないなんというだけじゃなくて、二十四億に対してやっぱり半分ぐらいは持つのが当然だろうと思うんです。これは三十九年九月八日ですか、臨時放送関係法制調査会の答申でもはっきりうたわれておるわけですから、いまからもう十二年前に言われていることが、いや国も財政が大変でなんと言うが、大変でない時だって出さなかったんですから。これはもう値上げや何かみたいなときには答申を尊重するんですけれども、こういう大事なことは政府は尊重しないんだね。  村上郵政大臣、毎年附帯決議で言われていることでもございますし、NHKのこれからという中でこれもまた非常に大事なことでございますので、伸び率は確かに三〇%でありましょうが、率で見るということよりも、実際かかった経費に対してどれだけ国が金を出したかということが大事なんでありまして、これから見ますと、まだまだこれはお話し合いをしなければならぬ大事なことだろうと思います。どうかひとつ、郵政大臣、三十九年に臨時放送関係法制調査会というところの答申がございまして、その答申の中に、政府が国際放送の真の使命を認識して「この際飛躍的に国庫交付金の予算額を増大し、画期的な国際放送の拡充を行なわれんことを強く要望する。」とある。飛躍的ですよ、三十九年。しかし三十九年これもその後不況が続きましたが、高度成長のときもこれを直そうと思いません。こういう答申は余り尊重しない、これじゃならぬだろうと思うんですが、非常にNHKの経営というのは厳しい。そういう中でやっぱりこういうものを一つ一つ洗い直して、なすべきことはきちっとなすときがいまではないか、こう感ずるわけであります。大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) NHKからの強い要請もあろうと思いますので、十分検討して御期待に沿うように努力したいと思います。

山田徹一公明党

○山田徹一君 関連。  NHKにちょっとお尋ねしますがね、先ほどの国際放送時間の問題につきまして、このおたくの資料をいただいたので時間表を見てみますと、大体、一日に三十七時間の放送がされているように見受けるんですが、で、その中で政府の要望によって、命令権によって放送されている時間、これは主としてニュース解説だとか、あるいは時の問題とかということ、この時事の問題、国策、国際問題に関する政府の見解、こういうふうな報道並びに解説を命令、実施をさせているわけです、政府としたら。そうしますと、その範囲に当たるものをとりますと、少なくとも六〇数%、二十二・九時間ですか、三十七時間のうち二十二・九時間というものがその解説並びにニュースの報道になっておるわけです。約六〇%ですね。それでNHKの予算が二十四億円と仮定すれば、時間的な単純な計算でいきますと、二十四億円の六〇%は国がそれを補てんすべき責任がある、こういうふうに時間的な単純計算で言えば、そういうことになりますし、さらに私はNHKの方に資料としてお願いしたいのは、各放送をするのにはタレントに払う給料だとかいろいろある、経費がかかると思いますけれども、この時事問題だとか、あるいは国際問題、そのほか国策の問題等を一体となって放送しておるところの時間帯以外の、たとえて言えば、ある日本人とか音楽の贈り物とか、あるいは日本のこのごろというようなテーマによって放送されておるそれらに対する経費がどの程度実質かかっているものなのか、こういう資料をちょうだいすれば、はっきりと国とNHKとが一体となってやったこの放送が、国際放送の時間帯あるいは経費が出てくると思うんです。ここに法律的に四億の枠の中で放送しろ、こういうふうになっておるわけですから、これじゃちょっと私はできないんではないかということも不安の一端にあるわけですが、以上の点についてひとつ会長の方とそれから大臣の方から答弁をお願いしたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 先ほどお答え申しましたように、経費の増額の点でありますから十分検討してまいりたいと思います。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) ただいま御指摘がありました資料は整えまして出したいと思います。  それから御質疑がありました点でございますが、政府命令分の時間数は確かに二十三時間となっております。その中身がニュース、報道番組関係でございますが、この二十三時間は命令放送だけが排他的に行われている時間ではなくて、NHKの自主番組もここの中に入っております時間でございますので、先ほどおっしゃいました内容についてのデータを添えて収録してお出しをしたいと思います。

山田徹一公明党

○山田徹一君 NHKと一体となってやっている放送でありますけれども、この法律によって、第三十三条の「協会に国際放送を行うべきことを命ずることができる。」さらに三十五条では「前二条の規定により協会の行う業務に要する費用は、国の負担とする。」こうはっきりなっているわけですね。命令した責任は国にある。したがって国が責任を持つのが当然である、これははっきりしているわけですね。  そこで、この命令書の中で「放送法第三十三条の規定に基づき、次の事項を指定し、国際放送の実施を命令する。」その中の「放送事項」の(1)は時事(2)は国策(3)が国際問題に関する政府の見解。二の項として「放送番組の編集及び放送」その内訳として「(1)放送法第四十四条の五第一項の規定により行うこと。」二番目に、いいですか、ここですよ「放送法第九条の二の規定による国際放送と一体として行い、」と、こうなっておるわけですよ。一体となって行わせたのは政府ですよ、郵政省なんです、NHKじゃないんですよ。一体としてやれとして一体にしているのですから。  この時事問題あるいは国策問題、国際問題に関する政府の見解等の放送時間帯、すなわちいまの二十三時間分は当然政府が全部責任を持つべきであると、私はそれを言いたいわけです。一体としてやれという命令は政府です。NHKがしてくれと言っているのと違うんです。政府がやらせているのです。やらせた以上は、たとえそれがNHK自体の放送事項であるかもしれない、時事問題にしろ、あるいは見解の問題にしろ、情報機関として当然のことでありますけれども、それを命令して組ましてやらせているのは政府の側なんですから、当然、その二十三時間分は政府が負担すべきものである、こう私は見解を持つわけです。それに対して大臣の御答弁を願います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 先ほどもお答え申しましたように、NHKからも予算要求もまいりますし、それを十分検討した上で御期待に沿うように努力していきたいと思います。

山田徹一公明党

○山田徹一君 そうすると、まあ私これから資料いただかなければその比較はできませんけれども、四億では決してできないもんだと、こう予想するわけです。それを甘んじてNHKは黙ってその枠の中でというやはり条文がありますけれども、四億の枠の中でやれと、こういう厳しいことを言われても無理な線が私はそこに生まれてくる。もっと話し合いをするするというならば、もっとその辺まで親心を持ってもう少し話し合いができれば、この政府からの補助金といいますか、その額というものは正確に出てくる。三〇%上げたって前が低いんだ、そんなの知れてますよ。幾ら使うんだ、その中の何%だと言うなら話がわかる。そうじゃなくして前の方が低いんですから、低い分を少し上げて三〇%上げた案だ、そんなんじゃ通りません。もっと私は深刻にいま困っているんですから、金がのうて困っているんですから、考えるべきだと、こう思うんですけれども、すぐその点を検討して、ここでのうても結構ですけれども、報告してくれますか。

石川晃夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川晃夫君) ただいま先生から御指摘のように、国際放送が非常に重要なことはわれわれとしても十分存じておるわけでございます。ただいまお話ございました一体という問題でございますが、われわれといたしましては、九条の二にありますNHKが本来行うべき国際放送と一緒に番組の編集をやったらというようなことで、こういうふうな表現をとったわけでございますけれども、しかし、先ほど先生の御指摘もございましたし、その点も十分検討いたしまして、今後、国際放送をさらに充実していきたいというふうに考えております。

山田徹一公明党

○山田徹一君 来年度の問題もありますので、きちっとした資料をひとつNHKの方よろしくお願いいたします。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) すぐ全部整うかどうかわかりませんが、できるだけ可能な限り資料を整えます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 次に難視聴問題ですが、これは最近辺地だけではなくて都市についてもいろいろ問題になっています。これはまた調査いたしたり、またその対策についてもいろいろ論じられておりますので、端的に重要な問題を二、三だけちょっとお伺いしたいと思うんであります。  五十一年度予算の中で、テレビ画質改善のための放送装置の取りかえ等、この予算が前年度に比較して非常に伸びておるわけですね、これは主にどういうことがなされるのか。私ども、こういうことを見ると、放送機器の減価償却ですね、これがどのような規定になっているのか、こういうことが私どもはすぐ頭に浮かぶわけですけれども、相当力を入れてこれなさるということですが、具体的にどういうことをなさるのか、前年対比で大分伸びてますですね。  それから減価償却について申し上げたいんですが、技術革新が年々進んでおりますので、耐用年数も伸びておるという、こういうことからいたしましてNHKの耐用年数とか減価償却、こういうことに対して最近はどのようにしていらっしゃるのか、これもあわせてお伺いしたいと思います。

藤島克己日本放送協会専務理事

○参考人(藤島克己君) 最初の御質問にお答え申し上げます。  テレビの画質改善についての経費がかなり多いではないかという御指摘でございましたが……。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 多いんだけれども、この中身はどうか。

藤島克己日本放送協会専務理事

○参考人(藤島克己君) その中身について申し上げますと、最近いろいろ置局の数がふえてまいりますと、従来はそのままの周波数で余り問題なかったものが、置局がふえたためにかえって混信その他がふえてまいりました。したがいまして、それを除去するためにチャンネルを変更するというような問題が一つございます。  それからもう一つは、いままで宅地でなかった、まあ宅地にならないであろうというふうなところに新しく家ができてまいりますと、従来ならば、たとえば一ワットなら一ワットで間に合うというようなところが五ワットぐらいに増力いたしませんと、そこに電波が届かないというような問題もございます。  それからもう一つは、放送機がかなり老朽いたしておりまして、画質そのものが民放その他の新しい機械に比べますと少し見劣りがするじゃないかということもございますので、それは本来老朽取りかえの方に入るかもしれませんが、私どもの、要するに画質を適正——適正といいますか、標準の画質に持っていきたいという考え方の中からその問題も取り上げて、この画質改善という中へ入れておるわけでございますけれども、いま最初に申し上げましたように、チャンネルの変更とか増力とかいうのがございまして、これが大部分でございますので、あわせて画質改善という項目の中へ入れて処理をいたしておるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 減価償却、耐用年数。

山本博日本放送協会理事

○参考人(山本博君) NHKの減価償却の制度でございますが、これは従来長い間定率法をとってまいりました。しかし、建物並びに構築物につきましては、ほぼ四十九年度ごろまでに大体必要なものの完成を見ましたので、建物、構築物につきましては昭和四十九年度から定額法に変えました。なお、その他の機械類、こういうものにつきましては、技術革新も非常にテンポが速いものですから、これにつきましては従来どおり定率法をとっております。  この耐用年数あるいは償却率、こういうようなものにつきましては、法人税法で定めておる基準をそのまま踏襲いたしております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 これから辺地の難視聴対策ですね、これは進めてまいりまして、五十五年の末には四十二万世帯ですが、残るようなふうにお聞きしておりますが、放送衛星、これまでうまくいかなかったようでありますけれども、放送衛星、五十五年ですが、これが飛びますと、これらのものが一挙に解消するのじゃないか、こういうこともいろいろ言われておるわけですけれども、この放送衛星のことについて、放送衛星が五十五年度に、まあいろいろなことをやっているのは私どもも聞いておるのですが、打ち上げられるのかどうか、試験とか何とかいろいろあるでしょうけれども。  それから打ち上げられた放送衛星によって、NHKはもちろんのこと、民放もともにこの放送衛星を使うことによって一挙に難視世帯を解消することができるようになるのか。この放送衛星の効果といいますか、今後の、これが打ち上げられるとどうなるのかということについて、NHKの立場だけじゃなくて、民放もあわせてどうするのか、その辺ちょっとお伺いしたいと思います。

石川晃夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川晃夫君) 放送衛星の件でございますが、実は、現在計画を立てておりますのは、五十二年に実験用の中型の放送衛星を上げようという計画がございます。これは実はわが国でまだそういうものに手をつけておりませんので、初めての放送用の衛星を上げるわけでございますが、これでねらっておりますのは、これによりまして将来実用化されるべき放送衛星のいろいろな性能、機能、こういうようなものをこの実験で確立しようというねらいでございます。  ただいま先生からのお話しのように、確かに衛星を使いますと非常に高角度から、しかも広い範囲にわたって衛星からの電波の発射がございますので、辺地難視聴救済という意味におきましては非常に効果のあるものでございます。しかし、ただやはりいろいろ送信側、受信側の問題等のまだ技術的な問題もございますので、この問題を今度の実験で解決しようと思っております。それと同時に、ただいま申しましたように非常に高角度で入ってくる電波ではございますが、どの程度の角度ならこの放送衛星からの電波が完全に受信できるか、あるいはどういうような地域がカバーできるか、あるいは受信設備はどのような受信設備によって初めて効果が上がるか、こういうようなことをこの実験用の衛星でやろうとしております。  したがいまして、実用化されました衛星が上がれば、先生御指摘の難視聴の問題は相当解決されるとは思いますが、どのような衛星がいいのか、どのような機能を持った衛星を上げればいいのか、この点については相当先のことになるのではなかろうか、かように考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 それで民放とともにやるのかどうかという、民放に対してはどういうお考えなんでしょうか。

石川晃夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川晃夫君) この放送衛星の性格、どのような形にするかということにつきましては、これもやはりこの衛星の機能によって決定されるわけでございますか、NHKはこの放送衛星に難視聴解消を非常に期待しておりますし、民間放送の方では、現時点におきまして、民放は実は余りこの衛星放送というものには期待していないように聞いております。しかしながら、技術的にはそういうことが可能でございますので、民放の方でもこういうものを使ってということがありましたら、われわれもそういうものを考えに入れながら今後の計画を練っていこう、かように考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 放送法のあまねく電波をというのは、これはNHKの電波がというお考えもあるようでありますが、これはやっぱり民放についても当然あまねく届けなければならぬ。NHKの残存難視世帯についてはこの衛星によって相当カバーされる。これは実験によって五十五年にもし実用化するということになれば一挙に解決されることになるかもしれませんが、一方、民放の方につきましても、やっぱりこのあまねく電波をということになりますと、当然、放送衛星の利用というものが考えられるんじゃないかと思います。  ただ、ここで考えなきゃならぬことは、民放がこの放送衛星でやるようになりますと、御存じのとおり、日本じゅうに放送が行ってしまうわけですから、いま県単位に二、三局ございます民放という存在というものが非常に問題になってくるだろう、現在の放送体制というものは根本から変えなきゃならない、そういう問題もここに出てくるわけですね。ですから、これはいま局長のお話しのように、民放の方のはお話ございませんのでまだそのことについては十分な検討はしていないというお話のようでございますが、しかし十年も二十年も先ではなくして、五十二年時点、そしてもう数年を出ずして放送衛星が実用化される段階が来るわけでありますから、やはり放送衛星の時代になってどういう体制でいかなければならないかということ、遠からずそのときがくることを考えますと、それらのものもあわせて考えなければならぬ。NHKも民放もともにどこにいても日本じゅうあまねく聞くことができる、そういう形の中で放送衛星の持つその威力、これが現体制を大きく変えることになる。それらのものについても当然検討していらっしゃるだろうと思いますけれども、その考え方についてお聞かせいただきたいと思います。

石川晃夫郵政省電波監理局長

○政府委員(石川晃夫君) 衛星の問題につきましては、先ほども申し上げたわけでございますが、現在の放送体制といいますのはNHKと民放と両方、二本立ての体制が現在の日本の放送体制でございます。ただ、ここに放送衛星というものが入ってきました場合に、この二本立ての放送体制というものを確保されるものかどうか、この点につきましてもやはり検討の必要があると思いますし、また現在各国でもまだ実際は放送衛星は踏み切っていないわけでございます。  と申しますのは、国際的に非常にむずかしい問題がございます。その点国際の会議、いわゆる宇宙平和利用委員会などでもこの問題について検討されておりますし、さらに無線部門としましてもこれは世界無線通信主管庁会議の宇宙関係の会議が、これは再来年でございますか、あるわけでございます。そういうような国際間の問題が非常に大きなものでございますので、そういう意味で、各国ともこの放送衛星の利用の仕方ということについてまだ確立されたものがございません。わが国におきましては、先ほど申しましたように特にわが国の放送体制という問題がさらに絡んでまいりますので、その点などを踏まえて考えてみますと、なかなか現時点において将来の構想というものを練るのはむずかしい問題でございます。しかし、これは各国とも努力しておりますので、必ずや近いうちにそのような構想が出されてまいると思いますし、われわれもこういう点につきましては検討しなければいけないと思っておりますが、何しろ放送の基本的な問題でございますので、やはり慎重に検討を進めなければいけないのではないか、かように考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 時間も大分たったようでございますし、皆さんもまたお疲れのようでございますので、話を次に移します。  放送番組の刷新というこれも一つの大きなテーマになって御努力をいただいているわけでございますが、これもいろんな問題がございますが、これはいろんな角度から申し上げなきゃならないのですけれども、データを見ますと、ローカル放送の拡充ということに非常に声が集約されておる、こういうことを私は痛感するのです。  ここにございますこれは「NHKの経営に関するアンケート 結果報告書」この中にございますが、ローカル放送の拡充、地方の重視、これはもう圧倒的な数で人々がこれを望んでおる。「NHKは地域社会への貢献が弱い。NHKの理念にかかわることでもある。中央対地方、地方自治等の問題において、コミュニティ・オルガナイザーとしてのマスコミの役割はひじょうに大きい。」「NHKの中央に集権された放送体制に問題を感ずる。もっと多くの時間を地方局におろして自主活動のできるようにし、それをはぐくむことこそ、真に愛されるNHKのあり方に方向づけることができる。」このようなローカル放送の拡充ということについて非常に大きな声があるわけであります。  今度、四月一日から番組編成によりましてローカルにも相当力を入れたようでございますが、時間的にはテレビ、ラジオおのおのローカル放送に使っている時間というのはおよそどのぐらいございますか。全体の中の何%ぐらいかということをまずお伺いしたいと思います。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) 総合テレビで一日一時間三十分、それからラジオで第一放送一日二時間、FMで一日一時間五十分、こういう時間でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 全体の放送時間の中では。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) それぞれが総合テレビが十七時間三十分でございますし、それから第一放送は十八時間三十分でございまして、FMが十八時間でございますから、パーセンテージにいたしますとそう大きなパーセンテージは占めないかと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 四月一日から番組を大き刷新したといいますか改善したということでありますが、ローカル放送に関しましては、どういう点を留意して改善をなさったんでしょう。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) これは、御指摘のように、まあたしか五十年度の予算審議の際にも当委員会でローカル放送についての御指摘がございました。五十年度の四月以降、われわれ各地方本部等を歴訪いたしまして、できるだけ効率的な編成で地方の方々にサービスするということについての考え方、それを全局から意見を集約いたしまして、で、その結論といたしましては、いまの五十年度のようにローカル時間が散在しているよりか、視聴好適時間に集中的に編成して、できるだけ厚みのあるローカルサービスをした方が効果的ではないかという意見集約になりましたので、編成的な工夫をいたしまして、全体のローカル時間の分量は変わってないんでございますけれども、テレビを例にとりますと、午後七時の前、六時四十五分から七時まで十五分間、集中的にローカルが編成できるように、他の放送時間のローカル時間を多少整理いたしましてそこに集約いたしました。なお、地方によってなお五分、六時四十分から七時まで二十分間、編成できるように頭の五分のフレキシビリティをもちまして地方地方によっては六時四十分から編成できるようにいたしました。それから午後九時の前のところに、御承知のように五分間ローカルニュースの時間が五十年度はございましたが、さらにそこのところも前五分、八時五十分からローカルニュースが編成できるように編成的な工夫をいたしました。東京では、ごらんいただいておりますかどうか「名曲アルバム」という時間を八時五十分から五分間編成しておりますが、あの時間を地方の実情に応じてローカルニュースが編成できるように処置したわけでございます。これによりまして、かなりローカルのサービスのまあ充実と申しますか、そういうことが図られたんではないかというふうに思う次第でございます。  なおラジオにつきましても、午前中の時間のローカルの集中編成をいたしまして、同様の意味の効果を上げるように処置したわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 これはまあアンケートによりましても、非常に高いローカル放送の充実を叫んでおるという、先ほど申し上げましたが、このNHKの公共性ということからいきましても、まあさっきの話の中にありましたが、いままで余りどっちかというと中央集権的といいますか、中央でいろんなものをつくって流すという、こういうものはやはり地方にもっと力を分散させるということも、公共性といいますか民主化といいますか、こういうことで非常に大事なことだと思います。  イタリーの放送局はテレビ部門が二つ、ラジオ部門が三つですか、それぞれ分割をして、そしてまあ競争の原理を働かせようという、こういうことになったということを先ほど申し上げましたが、七時のニュースとか十二時のニュースとかが総合テレビと教育テレビ、それからラジオの第一、第二、それらをそれぞれ独立さして、そしてこの巨大化したNHKをもっと機能的にする、こういうことを考えている方もいらっしゃるようでありますが、これは実際には大変なことだろうと思います。しかし、この巨大化したNHKの力をどう今後効率的にするかということのためには、それとまた一つの考えかもしれません。  しかし、実現可能なことはやはりこのローカル放送ですね。ローカル放送というか地方に力を入れるという、やっぱりこれ地元に密着した、そこに愛着を感じ、NHKになおまた愛情もわいてくるんじゃないかと思いますので——これは放送世論調査所ですか、ここでの調査の結果をみましても、総合テレビで前から三番目ですね、七時二十分から七時三十五分のローカル番組、それから地方の天気予報、それから夜の七時のニュースの——これは古いやつですから——あとのローカルとか、やはりローカル番組に寄せる皆さんの声というか要望というのは非常に強いというのはいろんなところにあらわれておりますね。こういうことで、今回は集中的にやろうということで、一つの試みかもしれませんが、やっぱり時間も一二%そこそこではなくて、もう少し地方にも放送時間を与えてローカル放送に力を注ぐべきであると私は思うんです。  特に東京に来て、ぼくらまあ北海道とか東北におりますと、県に大体一つの放送局があって、県内のことは大体知ることはできるんですけれどもね、東京に来ますと、関東の埼玉とかあっちこっちのやつがローカルで放送されるんで、東京にいる人は余り関係ないわけですけれどもね。まあ各県各県ごとに放送所があって埼玉版とか栃木版とかいうことで放送できればいいのかもしれませんし、東京は東京でまた一つできればいいかもしれませんが、それはまあなかなか大変なことだと思います。  それから、さっきもちょっと話しておったんですが、青森県なんかちょっと極端、極端というか、また福島なんかそうですけれども、浜通りとそれから中通りと会津の方。青森ですと八戸と青森と弘前。一つの県ではありますけれども、これは非常に歴史的に、また気候、風土から、いやもう同じ県とはいいながら違ってくる。やっぱり自分の地元に起きたこと、こういうことを知りたいというのは人情だと思います。地元の新聞の夕刊を見て、テレビのニュースよりも先に新聞や何かで見るんだったらテレビを見る用はないわけでございましてね、これは地元のことがやっぱりいち早くテレビを通して見られる。テレビというのは機敏性といいますかね、そういう新聞よりも報道が速いということが一つの特徴でもあるだろうと思うんですが、それは放送施設から人員から、こういうものを全部改善しなきゃならないということになると大変なことですが、しかし、いまの体制の中で時間をもっとするとか、八戸と青森と弘前というものを週によって力を入れる時間を変えるとか、時間帯を変えるとか、いろんな工夫がなされてしかるべきだ。いま交通機関の発達によりまして、昔とは違って八戸にいる人もお昼からは弘前に行くという人もおりますから、県内の全部のことは知らなきゃならない、そういう時代であることもわれわれは頭にあるわけですけれども、それはそれとして、やはりもっときめ細かな番組編成ということを、ぜひひとつこれは検討していただかなきゃならぬと、こう思うんですね。  集中的にやったということは一つの四月からの試みだったと思いますが、時間についてもこれはひとつ検討をぜひいただいて、みんなが親しみやすい、そしてみんながNHKのローカル放送によって自分の身近なことを知ることのできるような、こういう番組の拡充ということが非常に私は大事なことだと思うんですが、こういうことについてぜひひとつ御検討いただきたいと、こう思うんですが、どうでしょう。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) ローカル放送を非常に重視しなければならないことは当然であろうと思います。非常に同じ県の中でも、またいろんな地域的な特質があると思います。そういうことを完全に満たしますことはなかなか経費もかかりますし無理も伴いますけれども、そこはやはりただいま申されましたように、あるいは輪番制にどこもひとしくやはり重点を置いて扱うような方法もあるでございましょう。現在のところは、ローカル時間の量から申しまして、どっちかいうと中央集権ではないかと御指摘されることもそのとおりだろうと思いますけれども、量の問題はともかくといたしまして、ローカルの機動的、流動的編成といったようなことも大いに取り入れる必要もあるのではないかと考えます。そういったような面で、いわゆるNHKがよってもって立つ非常に重要な基盤をなす問題でもございますので、十分検討さしていただきたいと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 値上げについては厳しいことを言って、それでまた金のかかることを言うんで本当に申しわけないんですけれども、できる範囲内からひとつ改良していただきたいし、最初に申し上げましたように、この公共性ということやNHKのこれからのあり方ということについて、これにかかわる重大な問題でございますので、地元の人たちから信頼される、信頼というか親しまれる、そういう番組編成、そして身近なものであるという、こういうことから努力をひとつしていただきたいと思うんです。  それから、これは青森の下北半島の佐井村というところがあるんですけれども、これは北海道の方に面しておりまして、北海道の放送は、函館はすぐ向こうですから、もうすごく電波が来まして函館の放送はよく入るんですけれども、青森の放送はちょっと山の陰になってまして入らぬ、こういうところもあるんですね。やっぱり県境というところはなかなか大変なんですけれどもね、電波の強弱や地形によってですね。しかし、NHKとしてはやはり向こうの方は電波が強烈だからやむを得ないということじゃなくて、青森の人たちには青森の放送をということがやっぱり原則であり、そのために函館のは強いのだからしようがないやというのじゃなくて、地元の人たちに青森のローカル番組が見えるように努力するというのが基本的な考え方だろうと私は思うんですけれども、どうなんですか、こういう問題については。

藤島克己日本放送協会専務理事

○参考人(藤島克己君) 御意見のとおりでございまして、逐次、そういう線で進めておりますけれども、御指摘の青森県の一部が残っていることも承知いたしております。北海道で言えば八雲とか長万部の方が地域のものよりも室蘭の電波が強いということもございましたし、それから九州の下関と門司の関係もそういうことでございますけれども、できるだけ早い機会にそういうことを解消すべく努力をいたしておりますので、いずれ近いうちに解消できると考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 それでは次に放送番組のことについて若干お聞きしたいのでありますが、この放送番組につきましては番組編成委員会というものがあって、そこでいろいろ番組についての意見なり何なりやっていらっしゃるんだと思います。今回、この値上げを契機にして非常に批判、批判といいますか声の強かったのは、やっぱり番組に対してのいろんな意見がずいぶん多かったと私思うんです。  実際、NHKの放送をどういう方々が見ていらっしゃるのか、こういうことも統計や何かでいろいろ出ていますけど、会長さん、どうですか、NHKの放送をどういう人が見ていますか。

坂本朝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂本朝一君) これは国民各層にわたってごらんいただいておるわけでございます。ただ、分類いたしますと比較的女性の方が男性の方よりか多いというような傾向があることも事実でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 そのくらいのことは会長さんも知っていらっしゃったんだと思います。どうも会長さん、自分の放送には余り関心ないのかな。  統計見ますと、大体、中学卒業、それから農村漁村関係、田舎、こういう農村漁村関係、それから四十歳以上、こういう方がNHKのテレビをよくごらんになるんですね。これはこういう層がNHKに非常に関心を持って、都会の方で若い方、こういう方はやっぱり民放の方に非常に関心を寄せておる。それはもう統計出ておりますから、ひとつどういう人たちが関心を持ってNHKを見ていらっしゃるのかもひとつ大いに関心持って、会長さん、お願いしますよ。われわれ見方によってはNHKの独占時代に育てられた人たちがやっぱり見ている、こういう見方もできるわけですね。われわれも年代からして非常にNHKに関心がある方ですよ。  それから午前、午後、夜、こういうふうに分けますと、これまたどういうふうになるかというと、NHKは朝は非常に見られるんですね。朝は御存じのように六時から農漁村の放送がある。また先ほど申し上げましたローカルニュースとか何かやります。あと夜、それから昼、昼はもうほとんどNHKを見る人は少ない。民放は逆で夜。民放の方は夜、午後、午前、こういうふうになるんですね。こういう聴視者のNHKと民放を見る関心を示す度合いというものは、よくひとつ検討しなきゃならぬことだろうと思うんです。これはいろんなアンケートとか調査の中でこういうことが示されているわけです。  四月から番組も非常に意欲的に変わったということを私ども感ずるわけですけれども、NHKが民放に何でもかんでも凌駕しなきゃならぬ、何でもかんでも第一位でなきゃならぬという必要があるんだろうかということを私どもは考えさせられるんですけれど、そういう努力はこれは必要かもしれませんけれども、NHKの存立の使命ということから考えまして、娯楽番組から何からすべてに第一等賞にならなければ気が済まないというか、そうでなければならぬという必要はないんじゃないか、こういう声も非常に強いようですね。現在、NHKに関心を示している人たちだけ引きずっていくということでは、これはもう四十歳以上の人で農漁村の方ということですから、もう先細りみたいなものですね。若い人たちもどんどん引っ張っていかなきゃならぬ、これはもう当然のことですけれども、しかし現在の現状というものをよく考えあわせてみますと、おのずとそこに、NHKが力を入れるべき今後のあり方というものを何かこうわれわれに教えているみたいに感ずるんですけれどもね。こういう点は、もう経験の豊富な皆さん方、いろいろな角度から御検討なさっていると思うんですが、こういうことを通しまして、NHKの聴視者の関心度というものを通して、どのようにお考えになっているんでしょう。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 御説のとおり、NHKが民放と比べましてもうあらゆる番組でぬきんでなければならないとは私は考えておりません。これはやはり公共放送と民放との併立、二本立ての発展を期待いたしております放送法の精神から申しましても、両々相まって発展しなければなりませんので、私はそのようには考えておりません。ただ、NHKはNHKとしての番組のあり方と申しますか、これはやはり視聴率はそう上がりませんでも、やはりNHKとして放送しなければならない分野があろうかと思います。  ただ、年齢層から申しますと、確かに傾向的には若い人はNHKよりも民放の方へチャンネルを回されることが多いようでございます。このことは私は非常に現状でいいとは思いません。若い人たちにも魅力のある番組をNHKも編成するように常に要望しておるわけでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 NHKの一点豪華主義というやつはもういろんなところに出てきておりまして、娯楽番組にいたしましても、民放に負けないようにということですごく何か力を入れているように私どもは思うんです。まあこんなこと言っていいか悪いか知りませんけれども、本当にきょうのこの様子を撮るにも、カメラを三台も四台も並べて、まあ非常に憤重にやっているということなんでしょうけれども、民放ならそんなにたくさんやらないだろうと思いますし、ぼくら地方なんかへ行きましても、事件の取材なんか見ましても、やっぱりNHKさんは、人員を誇り、優秀なメンバーで非常に多方面にわたるすばらしい取材をなさる。そういうことも実は必要なことなんでしょうけれども、民放と何でも比較してどっちがいいとか悪いとかという、こんなことで物事を判断するなんていうのはどうかと思いますけれどもね。NHKはNHKの立場があるわけでありますから、それでやっぱりその中にきちっと節度もなきゃなりませんし、よく民放の方なんかに言われるんですけれども、われわれ最初設立したときは、もう事務所も何にもないところで仮事務所でスタートしたんだ、そういうわれわれの苦労なんていうのはNHKの方はわからないだろうというようなことをよく言われるんですけれども、それはそういう経験を経た人は経験をした人なりに、そういう立場でやっていらっしゃるんでしょう。そういうことから、NHKは非常にもう巨大化といいますか、大きく組織的にもなり、そしてまた番組の編成や何かについても、非常に豪華といいますか、そういうものを追うという、こういうことであれば、これはもう国民の心からだんだん離れていくものではないか。こういうことでは、やっぱり公共放送という、NHKのあり方という本質的な問題についてもこれは十分検討をし、そして将来に対しましてのあり方というものを明確にしなきゃならぬ、このように私は思うんです。いま会長さんが、何もその何でも一番でなきゃならぬと、そういうことじゃないというお話ございましたので、私もまあそうかということで納得はするわけですけれどもね。  それからオイルショックで、総合テレビなんか、資源エネルギー節約のためにということで早く放送が打ち切られた場合もございましたね。民間放送はもう一時、二時までやっているのに、NHKが早く終わったからといって非難の投書なり何かがあったでしょうか、恐らくそういうのは余りなかったんじゃないかと私は思うんですけれどもね。NHKの放送は、夜は皆さん余り関心のないみたいな、九時のニュース・センター、ここらぐらいだろうと思うんですけれども。ですから放送時間につきましても、日中からもうびっちりしなきゃならないかどうかというこういうことも、何もまあ財政難だからもうあれもこれも節約してすっかり縮小してしまえということを言うんじゃないですけれども、いままでやっておったからどうだということじゃなくて、もう根本的に番組編成なり放送時間帯なりいろんなものについて検討をする、こういう必要があるんじゃないかと私は感ずるんですが、こういうことについて御意見があったらお聞かせいただきたいと思うんです。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) オイルショックで時間短縮をいたしました際に、いろいろ投書等もございましたけれども、これを非難する投書はほとんどございませんでした。むしろこれを支持されるような投書がほとんどであったように私は記憶をいたしております。  また、放送時間のあり方につきましては、これはやはり国民生活の実態あるいは社会的構造のいろんな実態に触れて検討さるべきものと思いますので、将来、いろんなそういうような客観情勢との関連においての検討課題であろうと思いますけれども、現状ではやはり日本のいまの各時間帯の聴視の実態等から見ましても、多い時間帯と少ない時間帯はありますけれども、なべて全然見られないという時間帯がありません現状においては、やはり現状を早急に変えなきゃならぬ必要は私はないものと思います。ただヨーロッパ方面では昼間でも空き時間が多うございます。朝はほとんどやっておりません。これはやはり国民の生活の実態がそうさせるわけでございますし、またテレビ以外でいろいろ人生を享受するような手段も豊富なようでございまして、そういう差異がございますので、にわかにこの時間帯について変更を加えることはまだその時期でないと思いますけれども、いろいろそういう態様が変わってまいりまして放送しても何らその時間帯ではほとんど見る人もいない、効果がないというようなことがあれば、非常にむだでございますので、そういう事態になれば考慮をしなければならない問題ではないかと考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 オイルショックのときに時間を短縮しようとだれが発案なさったか知りませんけれども、やっぱり時代に即応したこととして御報告ございましたように何の投書もなかったということですけれども、やはり時に合った判断であったろうと思いますね。そういうことで、いますぐ何をどうしろと私言っているのではないのですけれども、そういう経験も私どもは積んだわけであります。そういうことの上に立って、NHKというものの今後のあり方については、過去にとらわれることなく、ひとつ考えなければならぬということを申し上げているのです。  それから、番組については一般大衆からの声を聞くためにいろんな制度があると思うのですが、番組審議会とかそれからモニター制とか、こういうことでいろいろなさっていることも聞いておるわけですが、これはNHKとしての性格づけの上から方向ははっきりするとしても、やっぱりやった番組についてよかったとか悪かったとか、そういうことを絶えず反省するということは大事なことだと思います。ここで私ども思うのですけれども、番組審議会の委員とか、こういうメンバーはどちらかというと、やはりそこの知識階級といいますか有力者というか、大体、新聞社の社長さんとか大学の先生とか、こういう方々になるわけですけれども、そうすると四十以上で農村出というのはそれに当てはまらないかもしれませんけれども、そうでなくって、やっぱり広い範囲の中で、いろいろな方がいらっしゃるわけですから、もっと幅広い声が集まるようなシステムというものも考えなければならぬ。だからモニター制でそういう点はカバーしているんだと思いますけれども、やっぱり審議会のメンバーの発言というのは大きいだろうと思いますから、そういうことで放送に対する要望なり、また批判なり、こういうものを幅広く吸収するために、いままでとっております——どういうことをしているかということは私どもは知ってるんですけれども、これからこういうふうにしたいという、もっと幅広い意見を聞くためにこういうことをしたらどうかというお考えは何かないんでしょうか。やっぱり若い人で有能なそういう人たちの意見はどんどん取り入れるような——メンバーの選定ということも大事なことでしょうけれども、それだけでなくて、もっと幅広い意見というのは大事だと思います。  最近聞きますと、何か放送してミスをしたり、また何かありますと、すぐ電話で反応がある。しかし電話かける人は勇ましい人で、実際はもう電話もかけないでこんちくしょうなんて思っている人がたくさんいらっしゃるわけですから、電話のきたことだけに心を奪われて、それがまた大衆の声みたいに思っていたらまた違うことでしょう。それだけになかなか皆さんの声を番組なり放送に反映するということはむずかしいことだということが言えるかもしれません。それだけに、こういうこれからのNHKのあり方の中で今後また非常に大事なことだと私思うんですけれども、この点についての御検討なり御見解、これございましたら、お聞かせいただきたいと思います。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 番組審議会のメンバー構成に非常に一考を要することは、私もそのように考えております。現在、やはり要望を番組の面で生かしていくために、番組審議会もございますし、また二千三百名を超えるモニターの制度もございます。その他相談室等でも大いにそういった面に対する要望を歓迎いたしておりますし、また新聞紙上等に出ます番組批判等の関係についても、いろいろこれを取り入れるようにいたしておりますし、また考査室なるものを設けまして、ここでもやはりNHKの番組に対するいろいろな批判等を集めまして、定時に理事会でも報告をしてもらっておるような現状でもございます。その他、番組でも視聴者の方々に出ていただいて、NHK側からも参加して、そこでいろいろ番組面についての御不満なり御要望なりを聞くような放送もいたしておりますけれども、これだけでは十分ではないと思います。  今後は、番組の問題だけでなしに、いろいろ経営全般の問題についても中央、地方に、ときどきやはり各層の人に多数集まっていただいて、そこでいろんな御要望を聞き、これを取り入れるようなチャンスもつくっていかなければならないのではないか、かように考えておる次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 当初テレビが初まったころは、どんどん、路地裏というのはあれかもしれませんが、町に出て、街頭放送とかいろんなことをやりましたですね。それからだんだんだんだん巨大化して、また中央集権といいますか、中央でいろいろなことがなされるようなそういう形になり、これからまただんだん地方の方にローカルの番組、そういうようなことで地方の方に放送番組が比重がかかっていくようなそんな感じするんですけれども、番組編成ということについては、非常にそういうことで重要なウエートを占め、また国民の必要性といいますか要望というものをどう吸い上げるかというこういうことも非常に大事なことで、いまお話ございましたけれども、ぜひひとつそういう形といいますか形態を確立をして進めていただきたいと思うんです。  きょう二時間、三時間いろいろ申し上げましたが、いまのNHKのこの法律の中で、経営委員会の委員とか、それから番組審議会の委員というものは、そういう点では非常に重要な立場にありますね。公共性ということで国の指図は受けない、国が金を出しておるのだったら、政府やまた国会というのは大きな権限で何かそこらでできるのかもしれませんが、そうじゃないわけでありますから、それだけに経営委員会の決定、法律的にはこれはNHKを動かす大きな力になる。そこのメンバーというのは、そういうことからいきまして非常に重要なNHKのあり方について大事な立場になる。いままでのメンバーを見ますと、やはり各地の代表とか学識経験者というこういう方を中心にして選ばれておるようでありますが、各地の代表ということも大事ですが、その代表としてだれが選ばれるかということ、あるいは学識経験者ということになりますと、最近の各層のいろんな批判の多い中で、やっぱりそれらを代表する、そしてまた大衆を代表する、また消費者を代表する、また主婦の代表とか若い者の代表とか、こういうことでメンバーが選ばれませんと、国民の要望に沿った運営また番組編成というものが必ずしもできないと思います。学識経験者というと、どうしても年配の方が中心になる、こういうふうになりがちである。こういうことで経営委員とか番組審議会委員、こういうところにはもっと幅広い方々の参加を私どもは強く訴えておるわけです。この点については先ほどもお話があったかと思いますけれども、会長にひとつ今後のあり方として経営委員会とか番組審議会の委員に対してどのようにお考えになっているか、これをひとつただしておきたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) NHKの経営委員の任命につきましては、個人個人を厳密にまた一律に分類することはまことに困難なことでありますが、任命に当たりましては、教育、文化、科学、産業などの各方面に関する学識経験者を十分に念頭に置いて慎重に選考してまいったものと思います。任命は内閣がやることですが、私といたしましても、広く各界の意向を反映するよう、今後とも、配意してまいりたいと思っております。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 番組審議会の委員につきましては、先ほどもちょっとその人員構成について一考を要すると申しましたけれども、やっぱり国民の番組に対する各層の意向が反映できるような構成でやることが望ましいと思います。そういう面で漸次そういう状態に持っていきたい、かように考えておる次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 これも附帯決議で毎年問題になるんですが、職員の待遇の改善ということですね。NHKを支える重要な方々でございますので、職員の方々にしっかりと誇りと自信を持ってお仕事をしていただかなきゃならぬ。批判がどんどん高まるとこれは自信を喪失するという、こんなことじゃならぬだろうと思います。それと一般の職員とそれから臨時の職員とかまたアルバイトとか、そういった形でなさっておるのは、これはどこの事業所でもあるわけですけれども、臨時職員とかアルバイトとかいう方々についても、それから集金の委託をしている集金人の方々、こういう方々に対しての待遇ということも、これはやはりひとつぜひ御検討いただきたい。非常に財政の逼迫したという中で待遇改善でもっとちゃんと見ろということですから、金のかかる話なんであれですけれども、結局、巨大なNHKもこれらの一人一人に支えられておるわけですね。これらの方々の待遇をきちっとする、また臨時職員、アルバイト、これらの方々に対しても、やっぱりNHKに誇りを持ってお仕事をする、そこで満足をしてお仕事をするように待遇面やいろんな面できちっとしておれば、やっぱり誇りを持って仕事ができるのじゃないかと思います。  これもいつも職員の待遇ということについて附帯決議につけられておりますので、こういう厳しく国民の目が注がれているときでありますから、そこに働いておる方々に対してもひとつよく目を通して、そうして一人一人の方々が自信喪失または不満を持つ、また経費がないからということを先ほど申し上げましたが、人事交流というものが非常におくれて人的に非常に停滞状態を来す、こんなことのないように人事の交流についてはひとつしっかりこの点についてはお考えをいただいて処置をしていただきたい、こう思うのです。どうでしょうか。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) お説のとおり、NHKは人をもって支えておるわけでございますので、人に対する処遇は十分でなければならないと思います。毎年、予算の御承認に当たりましては、待遇改善の問題はその都度附帯決議でついておりますけれども、これは非常に私どもも尊重をいたしまして、社会水準におくれをとらないように配意をいたしておるつもりでございますし、今後も、そのようなつもりで最善の配意をいたしてまいりたいと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 それから、去年の審議のときも私申し上げたのでありますが、付帯事業ですね、これについても今度の調査会の報告の中にもございますが、やっぱり優秀なスタッフで取材したりっぱなものがあるわけでありますが、それが一回、また再生して二回放映されますと、それで倉庫の中に眠ってしまう。やはりもっとカセットなりテープなりにして利用した方がいいんじゃないか。  最近は、書物については出版協会、株式会社ですか出版協会でやっておるようでありますが、この出版協会も隠れたベストセラーということで相当な収益があるらしいのだけれども、具体的には私ども数字はお聞きしておりませんが、余りNHKが営利を中心としてもうけ主義に徹してはいかぬのかもしれませんが、許される範囲内で二次利用等の副次的収入というものについてもやっぱり検討しなければならぬだろう。優秀なメンバーを抱えて、そして綿密な調査で優秀なりっぱなものができておるわけでありますから、それは国民により高度に利用していただく、こういうことは決して法に触れることではないだろうと思います。著作権とかいろいろな問題もございますので、この事業の範囲というものはおのずと定まってくるだろうと思うのでありますけれども、NHKが最近盛んに商売始めたなんというこういう声が聞こえるようじゃ困ってしまいますけれども、NHKでなければできないこと、それが外郭団体の出版協会みたいなところで、そしてNHKの幹部の方が天下りで行ってしまうなんというのでは困ってしまいますけれども、いままでせっかくつくられたものがより利用される、こういうことで社会的貢献度の高い収益事業について検討するということが大事なことだろうと思います。  こういうことについても去年もいろいろ申し上げましたから、いろいろ御検討なさっていらっしゃることだと思いますが、今後この付帯事業についてお考えが現在固まっておりましたらひとつお聞かせいただきたいと思いますし、これから受信機がふえるわけじゃございませんので、こういうことについても厳しく見ていかなければならない。これはまたNHKに与えられた一つの大きな使命でもあり、社会に対するまた大きな働きもなす一つの事業であろう、こう思うわけです。ぜひひとつこの付帯事業の問題についてお聞かせいただきたい、こう思うのであります。

小野吉郎日本放送協会会長

○参考人(小野吉郎君) 御指摘当然でございまして、私もその点は一〇〇%同感でございます。  NHKの財源を支える大宗は受信料収入でございますけれども、こればかりにすがっておったんではやはり非常に困ると思います。その意味におきましては、何か副次的収入、こういった面にも目を向けなければならないと思うのでございまして、その面から申しましても大いに検討いたし、それを実行に移していく必要があろうかと思います。  実は、昨年、五十周年の記念の年を迎えましたけれども、私は五十年のいわゆる音声の集積——NHKが持っておりますものの中には非常に貴重なものがあると思います。これをやはり、どこの家庭でも簡単なプレーヤーぐらいは持っておるわけでございますから、レコード盤にして出すようにこれを指示したわけでございます。なるほど、つくりましたけれども、やはり記念式典に来られる方々に配付する程度のことしか考えておりません。私は市販をすれば相当売れると、こういうように言って、企画さえよければこれはかなり要望があるだろう、こういうことでつくらしたわけでございますけれども、まあその企画等の関係についてまだ十分でなかった面もございましょう、関係の当局の方では、さあ八千ぐらいでいいだろうか一万ぐらいでいいだろうかという非常に縮こまった計画を持っておったようでございます。私は内容さえ非常によければ一万や二万、三万どころじゃない、これは大いに要望があるはずだというように申したわけでございますけれども、それでつくりました企画のそれは、しかくさほどよく売れるようなものではございませんでした。私もこれは非常に遺憾に思いますけれども、そういう面にもやっぱり相当意を用いていかなければならないのではないかと思います。  また「末来への遺産」という世界でも非常に注目せられておる番組をシリーズにして放送いたしておりますけれども、これも普及版と相当いいグラビアの写真入りの出版物をつくればこれは相当売れるのじゃないか、これを非常に強く要望したのでございますけれども、さて三万ぐらいなものだろうか、よく売れて五万は危ないんじゃないかというようなしり込みがやっぱり強うございまして、実際にはそういう面に対する経験もまだ浅いもんですから、十分な利益を上げないで、他の出版社に非常に利を占められたような苦しい経験も最近に持っております。その後、三万か五万かというようにちゅうちょしておるそれは、NHKで企画いたしましたその見当でも二十万は売れておるわけでございます。  そういう面にもっと積極的に意識を働かせれば、そしていろいろな工夫を加えていけば、営利はともかく、相当な収入が上がってくるのではないか。将来はカセット時代も非常に花盛りになってまいるでございましょう。やっぱり非常に貴重な資料を持っておるわけでございますから、著作権等のめんどうな問題もございますけれども、教育番組等の関係についても、それは教材としてかなりいいものができるのじゃないか。かように考えておりまして、将来、この予算の御承認後、これの執行の過程におきましては、次の時点において相当いろいろな——このままでいきますと問題もありますので、そういう面の改革には全力を注いでまいりたい、このように考えておる次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 いまのこととまた関連あるわけですが、盲人用の点字の番組内容とか出演者の横顔とか取材のエピソードとか、そういうものを知らしていただく点字の発刊物を願いたいですね。これはラジオ第二放送で盲人の時間、これは大変喜ばれて、また時間帯についても出しているそうでありますが、やっぱり点字刊行物の発刊について強い要望があるようでございます。ここまで放送したり、時間帯についても早くするというところまできたわけでありますから、もう一歩ひとつその中身についてもお知らせするということで、これもまた必要なことじゃないかと思います。ここでは、そういう付帯事業の問題については法的な制約もございますから御検討いただくとともに、今日までこの免除措置とか半額というようなことで、創立以来、身障者とかいろんな方々に対してはめんどうを見てきたNHKでありますから、点字の刊行物等についてもひとつぜひ御検討いただきたいと思うわけでございます。  あのこと、このこと、いろいろ論じてまいりましたが、会長も全力を尽くして全力を尽くしてと、この番組編成、そこへまた附帯決議、その前のことからもう大分全力を注がなけりゃならないことがたくさんできました。どうかひとつ、わずかの時間でございますので、本当はもう詳しくいろんなお話しなきゃならないことになるかもしれません。舌足らずの点はどうかひとつ御推察、いろいろ御検討いただきまして、ぜひひとつ国民の期待に沿うNHKに発展するようにがんばっていただきたいと思うんです。  それと同時に、先ほど来申し上げておりますように、大臣の意見というのは非常に重要であるという、こういうことを申し上げましたが、数々の問題点、また政府がしなきゃならぬこと、国際放送等について、またNHKの今後のあり方についての重要な問題、何点か指摘をいたしましたが、どうかひとつ、この大臣の意見というところは、例年のようにさらっと、おおむね適当であるというのじゃなくて、おおむね適当でも、その下の方にはやっぱりもっと親切丁寧にいまNHKが抱えている問題についてきちっときめ細かに指示をし意見を述べる、こういうことでひとつ監督官庁であります大臣がきちっと守っていただきたい、このように思うわけでございます。大臣からの所信をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

村上勇自由民主党郵政大臣

○国務大臣(村上勇君) 十分心してまいりたいと思います。

森勝治日本社会党

○委員長(森勝治君) 本日の審査は、この程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時二十二分散会      —————・—————

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