地方行政委員会 第5号
- 発言数
- 173 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1976/05/11
会議録
○委員長(上田稔君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五月十日、秋山長造君が委員を辞任され、その補欠として山崎昇君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(上田稔君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、直ちに理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上田稔君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に小山一平君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(上田稔君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 明日、地方交付税法等の一部を改正する法律案審査のため、宮城県知事山本壮一郎君、全日本自治団体労働組合中央執行委員長丸山康雄君、立教大学教授和田八束君、立命館大学教授遠藤晃君、以上四名を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(上田稔君) 地方行政の改革に関する調査のうち、昭和五十一年度地方財政計画に関する件を議題とし、説明を聴取いたします。福田自治大臣。
○国務大臣(福田一君) 昭和五十一年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。 昭和五十一年度の地方財政につきましては、最近における経済情勢の推移と地方財政の現況にかんがみ、国と同一の基調により、地域住民の生活安定と福祉充実を図るとともに景気の回復に資するため、地方財源の確保に特段の配慮を加えつつ、財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、財政の改善合理化を図る必要があります。 昭和五十一年度の地方財政計画はこのような考え方を基本として策定いたしております。以下、その策定方針及び特徴について申し上げます。 まず、地方財政の状況を踏まえ、住民税均等割り及び自動車関係諸税の税率の引き上げ、事業所税の課税団体の範囲の拡大、地方税の非課税措置の整理縮小等により地方税負担の適正化と地方財源の充実を図る一方、個人住民税、個人事業税、ガス税等について住民負担の軽減合理化を行うたことであります。また、地方道路目的財源の拡充に伴い、新たに地方道路譲与税の一部を市町村に譲与することとしております。 第二に、所要の地方財源を確保するため、臨時地方特例交付金を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるとともに、同特別会計において資金運用部資金から借り入れを行うことによって地方交付税の増額を図り、あわせて財源不足に対処するための地方債を発行する等の措置を講じたことであります。 第三は、地方債の増加に対処し、公営企業金融公庫資金を大幅に増額するとともに、地方債計画総額の六〇%に相当する額については、政府資金引き受けまたは政府資金並みの金利負担となるよう措置したことであります。 第四は、地方交付税、地方債、国庫補助負担金等の効率的な配分を図ることにより、地域住民の福祉充実のための施策を重点的に推進しつつ、あわせて景気の着実な回復に資するとともに、生活関連社会資本の充実の要請にこたえるための諸施策を実施することとしたことであります。 このため、公共事業及び地方単独事業を増額するとともに、社会福祉施策、教育振興対策等の一層の充実を図ることとし、また、人口急増地域及び過疎地域に対する財政措置の拡充を図ることとしております。 第五は、地方公営企業の経営の健全化を図るため、引き続き交通事業及び病院事業の再建を推進するとともに、公営企業債の増額を図ったことであります。 第六は、引き続き超過負担の解消のための措置を講ずること等により地方財政の健全化及び合理化並びに財政秩序の確立を図るとともに、地方財政計画と実態との乖離の適正な是正を図るためその算定内容について所要の是正措置を講じたほか、地方公務員の給与改定その他年度途中における事情の変化に弾力的に対応するよう配慮したことであります。 以上の方針のもとに昭和五十一年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、二十五兆二千五百九十五億円となり、前年度に対し、三兆七千七億円、一七・二%の増加となっております。 以上が、昭和五十一年度地方財政計画の概要であります。
○委員長(上田稔君) 次に、補足説明を聴取いたします。首藤財政局長。
○政府委員(首藤堯君) 昭和五十一年度地方財政計画の概要につきましては、ただいま自治大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお、若干の点につきまして補足して御説明いたします。 (規模) 明年度の地方財政計画の規模は、二十五兆二千五百九十五億円で、前年度に比較しまして三兆七千七億円、一七・二%の増加となっております。 (歳入) 次に、歳入について御説明いたします。 まず、地方税の収入見込み額でありますが、道府県税四兆二千六百二十六億円、市町村税四兆六千二百四億円、合わせて八兆八千八百三十億円でございます。前年度に比べて二十億円の減少となっております。その内訳は、道府県民税については、三千百十五億円、六・八%の減少、市町村税については三千九十五億円、七・三%の増加となっております。 なお、地方税につきましては、住民税の均等割り及び自動車関係諸税の税率の引き上げ等により二千百四十六億円の増収を見込む一方、住民税所得割り等について二千三百六十七億円の減税を行うことといたしております。 地方譲与税につきましては、総額二千九百五十二億円となっております。 次に、地方交付税でありますが、国税三税の三二%に相当する額から昭和四十九年度分の精算額を控除した額三兆八千九十七億円に臨時地方特例交付金六百三十六億円及び資金運用部からの借り入れ一兆三千百四十一億円を加算いたしまして、総額五兆一千八百七十四億円を確保いたしております。 国庫支出金につきましては、総額六兆四千六百二十六億円で、前年度に比し九千二百五十九億円、一六・七%の増加となっております。これは、生活扶助基準の引き上げ、児童保護、老人医療等の公費負担の充実等社会福祉関係国庫補助負担金、公共事業費補助負担金、義務教育費国庫負担金の増などが主なものであります。 次に地方債でございますが、普通会計分の地方債発行予定額は、二兆九千百六十九億円でございまして、前年度に対しまして一兆六千四百二十一億円、一二八・八%の増加となっております。このように地方債が大幅に増加しているのは、地方財源の不足に対処するための地方債一兆二千五百億円を発行することとしているからであります。 地方債計画全体の規模は四兆八千十億円で、前年度に対しまして一兆九千六百六十億円、六九・三%の増加となっております。 地方債計画の基本方針といたしましては、景気回復を指向しつつ、住民生活に直接の影響を持つ事業を重点的に推進するとともに、地方財源の不足に対処することといたしております。 最後に、使用料及び手数料等でありますが、これは最近における実績の増加率及びその適正化等を考慮して計上いたしております。 その結果、歳入構成におきましては、地方税が前年度の四一・二%に対し、六・〇%減の三五・二%となり、これに地方交付税及び地方譲与税を加えた一般財源は前年度の六二・八%から五六・九%へと歳入構成比率が低下し、反面、地方債は前年度の五・九%に対し五・六%増の一一・五%とウエートが大幅に高まっております。 (歳出) 次に、歳出について御説明いたします。 まず、給与関係経費についてでありますが、総額は八兆七千百六十九億円で、前年度に対しまして一六・五%の伸びを示しております。これに関連いたしまして、職員数については、教育、警察、消防、社会福祉、清掃関係の職員を中心に約二万八百人の増員を図ると同時に、国家公務員の定員削減の方針に準じ、約七千五百人の定員合理化を行うこととしております。また、本年度においても、地方の実態を考慮し、職員数の規模是正七万五千人を見込むこととしております。 次に、一般行政経費につきましては、総額五兆五千三百三十億円、前年度に対しまして六千九百十一億円、一四・三%の増加となっておりますが、このうち国庫補助負担金等を伴うものは二兆八千八百三十四億円で、前年度に対しまして四千四百二十四億円、一八・一%の増加となっており、この中には、生活扶助基準の引き上げ等を図っている生活保護費、児童福祉費、老人福祉費などが含まれております。 国庫補助負担金を伴わないものは二兆六千四百九十六億円で、前年度に対しまして二千四百八十七億円、一〇・四%の増加となっております。この中では、社会福祉関係経費を充実するほか、公害対策関係経費として三百七十億円、災害等年度途中における追加財政需要等に対する財源保留として三千億円を計上いたしております。 なお、内部管理的な一般行政経費は極力抑制することといたしております。 公債費は、総額一兆三千九百九十七億円で、前年度に対しまして四千三百三十三億円、四四・八%の増加となっております。 次に、維持補修費につきましては、補修単価の上昇等の事情を考慮するとともにできるだけその抑制を図ることといたしまして、前年度に対しまして三百四十四億円の増額を見込み、四千百十億円を計上しております。 投資的経費につきましては、総額八兆四千七百五十三億円であり、前年度に対しまして、一兆三千九百七十五億円、一九・七%の増加となっております。これは、経済の現況にかんがみ、公共投資の充実を図った結果であります。直轄、公共、失業対策の各事業は国費とあわせて執行されるものでありますが、明年度においては、公共投資充実の方針のもとに一九・三%の増加となっております。 一般事業費及び特別事業費のいわゆる地方単独事業費は、総額三兆七千九百四十八億円で、前年度に対しまして、六千五百八十一億円、二一・〇%の増加となっております。この単独事業の中には、明年度において臨時に地方債をもって措置する市町村の単独道路整備事業二千億円が含まれております。また、廃棄物処理施設二二・六%、人口急増対策二三・七%、過疎対策一八・九%増等生活関連施設の整備充実を図るほか、治山、治水二二・二%増等国土保全にも努めることとしております。 また、公営企業繰出金につきましては、地下鉄、上下水道、病院等、国民生活に不可欠なサービスを供給している事業について総額四千八百三十六億円を計上いたしております。 その結果、歳出構成におきましては、給与関係経費は三四・五%で、前年度に対し〇・二%の減少となっておりますが、反面、投資的経費は前年度三二・八%から〇・八%増加し、三三・六%となっております。 以上をもちまして、地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。 ―――――――――――――
○委員長(上田稔君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方財政法等の一部を改正する法律案を一括議題とし、まず、地方交付税法等の一部を改正する法律案について趣旨説明を聴取いたします。福田自治大臣。
○国務大臣(福田一君) ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 昭和五十一年度分の地方交付税については、地方財政の状況にかんがみ、地方交付税の総額について特例を設けるとともに、社会福祉の向上、教育の充実等に要する財源の確保を図るため、普通交付税の算定に用いる単位費用を改定する必要があります。また、昭和五十一年度に限り、地方財政法第五条の規定による場合のほか、適正な財政運営を行うにつき必要とされる財源に充てるための地方債を起こすことができることとするとともに、公営競技を行う地方団体の公営企業金融公庫に対する納付金の納付期間を延長するほか、新産業都市の建設、首都圏の近郊整備地帯の整備等に係る財政上の特別措置を引き続き講ずることとする等の必要があります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 まず第一は、地方交付税法の一部改正に関する事項であります。 昭和五十一年度分の地方交付税の総額については、現行の法定額に、一般会計から交付税及び譲与税特別会計に繰り入れられる六百三十六億円及び同特別会計において借り入れられる一兆三千百四十一億円を合算した額とするとともに、借入額一兆三千百四十一億円については、昭和五十四年度から昭和六十一年度までの各年度に分割して償還することとしております。 次に、昭和五十一年度の普通交付税の算定方法については、児童福祉、老人福祉対策等、社会福祉施策の充実に要する経費の財源を措置するとともに、教職員定数の増加、教員給与の改善、教育施設の整備等教育水準の向上に要する経費を増額し、また、市町村道、清掃施設等住民の生活に直結する公共施設の計画的な整備を進めることとするほか、過密対策、過疎対策、交通安全対策、消防救急対策、防災対策等に要する経費を充実し、あわせて投資的経費については地方債振りかえ後らの所要経費を措置することとしております。さに、昭和五十年度において、法人関係税の減収補てんのため特別に発行を許可された地方債に係る元利償還金を基準財政需要額に算入するため、地方税減収補てん債償還費を設けるとともに、特別交付税について、その算定時期及び交付時期を毎年度十二月中及び三月中の二回に分けて行うこととしております。 第二は、地方財政法及び公営企業金融公庫法の一部改正に関する事項であります。 まず、昭和五十一年度においては、地方財源の不足に対処するための地方債を発行することといたしておりますが、この場合において、地方団体は、地方財政法第五条の規定により起こす地方債のほか、適正な財政運営を行うにつき必要とされる財源に充てるための地方債を起こすことができる旨の特例を設けることといたしております。 次に、公営競技を行う地方団体の公営企業金融公庫に対する納付金の納付期間を昭和六十年度まで延長するとともに、公営企業健全化基金の運用収益が地方債の利子の軽減に充てる金額に不足する場合においては、当該年度に納付された納付金の額を限度としてこれを取り崩して当該不足額を埋めることができることとするほか、公営企業金融公庫の余裕金運用の効率化を図るため、その運用範囲を拡大し、新たに、地方債、金融債等を加えることといたしております。 第三は、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部改正及び首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部改正に関する事項でありまして、これらの法律に基づく国の財政上の特別措置を引き続き講ずることとし、その適用期間を五年間延長しようとするものであります。 以上が、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(上田稔君) 次に、地方財政法等の一部を改正する法律案について趣旨説明を聴取いたします。福田自治大臣。
○国務大臣(福田一君) ただいま議題となりました地方財政法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 地方財政法は、第十条ないし第十条の三において、国がその全部または一部を負担する経費を定め、かつ第十一条において当該経費の種目、算定基準及び負担割合を法律または政令で定めなければならないと規定いたしておりますが、今回、国がその全部または一部を負担すべき経費の範囲につき整理を行い、あわせて関係法律における国庫負担に関する規定を整備する等の必要があります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 まず第一は、地方財政法の一部改正に関する事項であります。 耕土培養に要する経費、家畜保健衛生所に要する経費及び繭検定所に要する経費については、地方財政法第十条に定める国の負担対象経費から除くことといたしております。 第二は、農業協同組合法、農業災害補償法、水産業協同組合法、土地改良法、森林病害虫等防除法、植物防疫法、農業委員会等に関する法律、森林法及び主要農作物種子法について、地方公共団体に対する国庫負担に関する規定の整備等を行うことといたしております。 第三に、補助金等の臨時特例等に関する法律中、公営住宅の工事費についての国の補助率の特例に関する規定を削ることといたしております。 以上が、地方財政法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(上田稔君) これより両案について質疑に入ります。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(上田稔君) 速記をつけて。
○和田静夫君 まず、国家公安委員長の所信表明に関連をして、冒頭幾つかの問題で質問をいたしたいと存じます。 これはすでに本委員会でも昨年の十一月十一日に取り上げた問題でありますが、滋賀県の土地開発公社といわゆる上田建設グループの土地転がしとの絡みの問題、それから土地開発公社がその後全国的に幾つかの問題を生んでいまして、たとえば山形県米沢市で市長が、最近革新の市長が生まれますと、三十三億円という土地開発公社を中心とするやみ起債が明るみに出てみたり、いろいろの事件を生んでいますので、そういう観点からさらに少し論議を発展をさせてみたいと思うのでありますが、上田金脈事件という形が関西では非常に大きな問題になっています。で、この事件は当然私はあのときも、汚職問題などの関連があるのではないだろうか、やめられた知事がお亡くなりになったからなかなか判然としないがという疑問符を呈しておきました。ところが、昨年十月の三十一日に、収賄側として元滋賀県の土地開発公社副理事長井上良平氏が、また贈賄側としては日本クリスター株式会社社長中野文敏氏が逮捕された。司直の手が上田建設の社長上田茂男氏にも及んだと報道されていますが、事件のその後の経過をまずお聞かせください。
○政府委員(土金賢三君) お尋ねの事件につきましては、現在まだ滋賀県警察におきまして捜査中でありますので、詳細を申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、その後の経過を簡単に御報告申し上げますと、前滋賀県土地開発公社副理事長らが用地取得に絡んで業者から多額の収賄をしたほか、同公社幹部とともに、上田建設等関連会社の間で転売を重ねた同県竜王町岡屋地区の土地を不当な高値で公社が買い取りまして、同公社に十四億二百四十七万円相当の損害を与えたという背任事件でありまして、同県警察では、昨年十月三十日、前公社副理事長の井上良平を逮捕し、同人は十一月二十日にただいま申し上げた両罪で起訴されておりますが、さらに共犯者として、前公社理事長ら五名を本年四月七日送致いたしております。そのほか共犯容疑があります上田建設社長につきましては、現在引き続き取り調べを続けているところであります。
○和田静夫君 それで大蔵省にお聞きをしますが、この事件との関連で、日本信託銀行京都支店の不動産部長森茂生氏が取り調べを受けられたのを知っていらっしゃいますか。
○説明員(宮本保孝君) その事実は承知いたしております。
○和田静夫君 十一月十一日の本委員会で、日本信託銀行がこうした土地転がしの仲介人になっているのは問題ではないかという問題提起を私はいたしました。それに対して大蔵省は、そう問題ではない、そういう答弁をされたわけです。しかるに、いま私が指摘をし、お認めになりましたように、現に日本信託銀行京都支店の不動産部長が背任共犯の嫌疑を受けられた、自宅の家宅捜査まで受けられた、大蔵省はこの事実をどういうふうに判断をされますか。
○説明員(宮本保孝君) 現在取り調べ中のことでございますので、私どもこの点につきまして特に御答弁申し上げることはできないわけでございますけれども、一般論といたしまして、信託銀行が三、三年前のあの過剰流動性時代に不動産業務にかなり進出いたしまして、その融資等につきましてやや行き過ぎがあったという点については重々私どもといたしましてもいろいろと考慮いたしておりまして、何とかの通達も出しまして、そういうふうなことのないよう指導いたしたところでございますし、また、信託銀行等の関連会社、これは特に不動産をやっている関連会社等につきましては、その行動について慎重を期するように厳に申し渡し、かつ同時に関連会社の適正化の措置を講ずるということをしてまいってきておるわけでございます。
○和田静夫君 大蔵省は財布を非常に締めているわけですね。地方財政がこういうような状態の中でも、私たちが年来主張している税財政構造全体の改革その他というものについては大変渋い。たとえば、昨日の本会議の御答弁を見ても、自治大臣が交付税率の引き上げについては前向きの姿勢を示されるが、大蔵大臣は必ずしもそうではない。明日午後交付税問題に入ったときには両大臣にその辺のことは私はここで改めてお尋ねをいたしますが、いまのような銀行行政などを通じて土地公社等が結果的には地方財政に非常に大きな揺さぶりをかけてきた。これらについてはどういう一体反省を財政政策的にも、あるいは金融行政の上から言ってもされているのか、この機会に明らかにしてもらいたいと思います。
○説明員(宮本保孝君) 金融行政上について私お答えいたしたいと思いますけれども、事実、土地開発公社がかなりずさんな計画といいますか、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、事業計画のもとに地方銀行等に対してかなりの資金需要を、先ほど申し上げました二、三年前に要求してまいった事実があるわけでございます。ただ、私どもといたしましては、一般論といたしまして、今後公共的な部門からの資金需要につきましては、それは適正な需要である限り前向きに積極的に協力していくべきであるという基本的な姿勢は持っておりますけれども、ただ単に公共性の名だけでもって民間の方にしわが寄ってくるようなことになりますとこれは非常に問題でございます。したがいまして、金融機関の指導に当たりましては、ちょうど企業に対する融資のときにも企業の状況をよく調べるのと同じように、金融機関が土地開発公社等に対しまして融資をしますときには、事業計画あるいは資金の返済計画等しっかり審査の上で融資をする。そうしてまた、適正な事業計画であるならば、そういう資金需要に対しては前向きに協力すべきじゃないかというふうなことを基本的な姿勢といたして指導いたしているところでございます。
○和田静夫君 国税庁にお尋ねをいたしますが、大阪国税局は上田建設関係の脱税容疑を調査をして、間もなく大津地検に告訴をするという話を仄聞をいたしますが、それは事実でしょうか。
○説明員(宮本一三君) 私たちはそのような話はまだ伺っておりません。
○和田静夫君 私は大体見通しは、昨年十一月十一日に述べたことが大蔵省の答弁にもかかわらず明確になったごとく、この問題についても私の調査はかなり信憑性があると思っていますが、いまの御答弁は一応承っておきましょう。 そこで、上田建設グループに国税庁の出身者が役員になって天下っていますね。昭和三十九年に上田グループが脱税で大阪国税局と大津地検の手入れを受けた。上田社長が逮捕をされた。そのときの査察官が役員になって入っていらっしゃいますね。間違いありませんね。
○説明員(宮本一三君) その点につきましては詳しく調べさしていただきました上で御返答いたします。
○和田静夫君 私の質問はずっと続きますからね、きょう、あしたと。きょうじゅうですか、明日ですか。
○説明員(宮本一三君) 早急に調査をさせて、できるだけ早く御返答さしていただきたいと思います。
○和田静夫君 実はぼくは、いま単に事件を追っているんじゃなくて、交付税法、地方財政法、自治体財政の基本に関する問題でいま派生的に出てきている一つのものを問題として提起しているんですから、したがって、早急にじゃ困るので、あなたの方の調査が終わって答弁がなければこの法律は上がらぬということになりますから、その辺はいつまでですか。
○説明員(宮本一三君) 直ちにいま電話いたしましてこれを確認いたしまして、できればきょうじゅうにも返事をさせていただきたい、こう思います。
○和田静夫君 そういうような状態で、いま確認をもらってからさらにここを進めますが、天下りの関係ですね。いわゆる高級官僚が関連企業といいますか、影響のあるところの地域の建設会社等に天下る。それらの者が結果的に手心を加えるというようなことは当然ないだろうとは思いますが、これはもう少し――きょうあなたがお見えになると思わないものですから、長官ぐらいがお見えになると思っているものだから、何の断りもなしに政府委員以外が来ているので非常にこれは不満なんですがね。どういういきさつになっているんですか、これは。何の断りもなしに政府委員以外の人が来ているというのは、これはどういうことになっているんですか。
○委員長(上田稔君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(上田稔君) それでは速記つけて。
○和田静夫君 同じことが実は警察にもあるのであります。滋賀県の県警の捜査二課の元巡査部長でいま上田グループの関係各社の重役をしている清水定意さん、昭和四十四年の滋賀県庁農地汚職事件で上田氏を逮捕したときの当時の担当の刑事であった人であります。国家公安委員長は、滋賀県警の本部長が、私が十一月十一日にこの問題をこの委員会で提起した後に逮捕勾留中の元滋賀県の土地開発公社の副理事長である井上良平氏を自分の部屋に招き入れてお茶をごちそうしたという報道がありました。その労をねぎらったというような報道になっていたんですが、これは御存じでしょうか。御存じならばその感想はどうですか
○政府委員(土金賢三君) それに近い事実はあったようでございますが、お茶まで出したというふうなことではないと。私どもの承知しておる限りでは、廊下で、ちょうど井上良平被疑者が取り調べ中廊下を通っておる、取り調べられるために廊下をちょうど通ったところ、本部長もちょうどそこを通って顔が合った。まあ、井上良平被疑者はこれは県会議員なものですから、そこで本部長もかねて自分でも心証を得たいと、そういう気持ちを持っておったようでして、たまたま井上良平被疑者がそこを通ったものですから、ちょっとそばの部屋に入れて、簡単な質問と申しますか、本部長みずから質問をした。まあ、その間、数分であった、五分以内ぐらいだったと、こういうふうな話だと承知いたしております。
○和田静夫君 これは、質問されたというのは、事件に関連してですか。
○政府委員(土金賢三君) どういう質問をしたかということを詳しくは承知しておりませんが、まあ、そういう事件のことについて詳しく聞いたのではないと思いますが、どうなんだというふうなこととか、あるいは健康状態なども聞いたようでございます。
○和田静夫君 公安委員長、というよりも自治大臣としてお聞きをしたいのですが、滋賀県の土地開発公社の一連の事件について、いま述べたような幾つかのことがあるんです。これはどっちみち司直の手が伸びていますから、その結果が出るでしょうから、これ以上私がここで深追いをする問題でもありませんが、問題は、地方財政の運営問題との関係で、自治大臣はこの滋賀土地開発公社問題あるいは米沢の問題などと一緒なんですが、あるいは古くは富山の場合も、市長がかわった場合二十一億ぐらいのやみ起債があってみたりというようなことを私も記憶をいたしていますが、何か土地開発公社的なものを介在をさせながら、あるいは銀行行政との兼ね合いにおいて、地方財政が大変な危機に陥る一つの原因になった、こういう問題についてはどういう教訓を学び取られましょうか。
○国務大臣(福田一君) 私は、これはただいま挙げられたような山形の事件にしても、滋賀県の事件にしても、これは非常に遺憾なことだと思っておるわけでございます。そこで、和田さんが言われる気持ちは、そういう人が入ってそういうことをやること自体も悪いし、それからまた土地を利用するというようなやり方で県民その他市民に大きな負担をかけるということも悪いじゃないかという二点を指されておるんだと思うんですが、私は、この人の問題については人によると思うんですよ。それは必ずしもどこへ勤めておったかなんかということよりは、その人が本当にまじめな人でありますというといいんですけれども、たまたま何というか、卑近な言葉で言えば、余り性格がよくないような人がそういうところへ入りますというといろいろな問題を起こすということがある。これは私は人の問題というのは個々の問題として考えなければいけない。 それから土地開発の問題でいろいろなことが起きておることもこれまた事実でございますが、高度成長のときと物価高ということとが絡み合ったような関係で、インフレとが絡み合ったような関係で地価が高騰する、これをひとつ利用して、そうしてうまい汁を吸おう、こういう物の考え方をしておうたために、不当に、それでも普通のやり方であればいいのだけれども、何回も土地を転がしたりしてだんだんだんだんふやしてやるというような不当なことをやった事実があるということもこれは認めないわけにいかないと思うのです。これからの問題になりますというと、私はちょっとそういうことはもうできなくなっておるとは思いますが、しかし、やはり何かそうではあうても、金額の問題、たとえば一億もうけるのならばいいが、十億もうけちゃいかぬ、そういう理屈は私は成り立たないと思うのでありまして、同じような事例によってとにかく何がしかの私利私欲あるいは市民に影響を及ぼすようなことをするということについては、厳重に注意をしなければならない。また必要によっては司直の手をかりてでも正邪をたださなければならない、私はこういうふうに考えておるわけであります。
○和田静夫君 国家公安委員長は、京都に、第四金曜日の会というのですが、四金会というのですか、四つの金の会という会合のあったことは御存じでしょうか。
○政府委員(土金賢三君) 私どもははっきりは明確にはわからないのでございますけれども、御指摘の問題は、京都府警察の幹部が、京都相互銀行に対する恐喝事件で検挙された総会屋に宮崎一郎というのがおりますけれども、総会屋でございますが、京都府警でこの宮崎一郎、総会屋を検挙した。それが、四十七年秋までこの宮崎一郎と毎月第四金曜日に定例的な会合を持っていたとして批判を受けた事案があります。京都府警察におきましては、事実を調査いたしまして、四十八年二月に、関係者十一名について懲戒処分脅行っておるわけでございますが、この事案のことかと存じます。
○和田静夫君 とにかく約十年間にわたって毎月第四金曜日に懇親会が開かれていた。この四つの金の会、四金会の警察側のキャップは坂本房太郎さんという人であった。この人は、この上田グループの一社である日本レースの取締役総務部長をやっていらっしゃる。これまた天下っているという形になっておりますね。この坂本さんは退職後も中心になってこの四金会を運営をされてきたと言われる。で、いま言われたように、京都府警は四十八年の九月にこの四金会の存在が明るみに出る前に、関係者、いま十一人と言われましたか、十人余を処分された、こういう事実関係があるわけです。このとき処分された人はいまどうなっていますか。
○政府委員(土金賢三君) これは処分当時中心となっておったのは、先ほどお話のありました坂本房太郎という五条の署長、これはその後退職しております。それからあと、本部長訓戒になった、懲戒処分を受けた関係者が十一名ございますが、本部長訓戒等の処分を受けておりますが、現在まだ現職でございます。
○和田静夫君 これら処分されたメンバーがどうもいずれも現在は京都府警のさらに有力なポストにおつきになっている。総務、刑事の筆頭課長、有力署長などになられているわけですね。総会屋と黒い関係のあった四金会のキャップが上田グループの有力幹部に天下る。さらに四金会の府警メンバーが当時よりもさらに府警内で中枢的な位置を占めておられる。上田グループから親密な関係と言われる客観的な紛れもない事実がこうして存在をする。で、上田金脈追及というのが、市民が期待するほどには京都府警の腰は重いように見られる。そういう事実関係があると言われているんですが、そういうことは国家公安委員長、断じてないと言われますか。
○国務大臣(福田一君) 私はそのようなことはないと考えております。
○和田静夫君 時間の制限がありましたから、天下り問題、これ以上自治省問題には触れないことにきょうはいたしましたが、どうも公安委員長、こういう形の、何か事件と関係があった警察官の主要な場所にいた、たとえば五条の署長などをやっていらっしゃった方が摘発をしたその会社に天下るというやつ、この天下りというのは、先ほどその人の問題だとこう言われましたが、かなりやっぱりチェックをするというようなことが何らかの形で考えられないと、警察行政そのものが疑われるということがあるんではないでしょうか。
○国務大臣(福田一君) 現職からそこへ急に入るということなら、これはもちろんとめられますけれども、やめてしまってそうしてそこへ入るというのはなかなかとめにくい面があると思うんですね。そこで私はその種のことを、その会社の自由でもあるし、個人の人権の問題も絡みますから、もちろんいいことだとは思いません。相なるべくはそういうことがない方がいいと思うわけでありますが、そういう意味で指弾を受けたり、あるいは注意を受けたりするような人はそういうことがないように、一応やはり警察等にそういうことのあったところあたりは注意をしておくということもあるいは必要かと考えておりますが、実際問題として、やめちまってから入るのを入っちゃいかぬというわけにもいかない。そこまでやるということになれば法律を必要とするというようなことにもなりまして、なかなかそこまではいけないと思いますが、御指摘のようなことは決して好ましいことだとは私は思いませんから、何かあらかじめ利益を与えておいて、その後でやめて一年か二年してそこへ入ってうまい汁を吸っているんだという印象を人に与えるということは非常に好ましくないと私は思います。そういう意味では、何かいい工夫がないかどうか、現行制度においても何かいい工夫がないかどうかというようなことは一応考えさしていただいてもいいと思います。
○和田静夫君 次に、ロッキード問題で若干のお尋ねを警察、検察の関係でお尋ねをいたします。 捜査の進捗の状況でありますが、聞くところによりますと、アメリカからの資料が期待するほどのものではなかったために、いまコーチャン、クラッター両氏からの事情聴取待ちと、そういうことらしいんですが、その見通しはどうなんですか。
○説明員(吉田淳一君) 今後の捜査の見通しにつきましては、ただいま、御承知のように検察庁、警察、総力を挙げてこの事件の真相を解明すべく毎日努力しておるところでございますので、これからどうなるかということをいま申し上げるべき段階ではないと思います。 ただ、お尋ねのように、米側関係人の事情聴取等についての見通しをお尋ねでございますので、その点についてお答えしたいと思うのでございますが、米側の関係人、本件の性質上米側に重要な関係人がいるということはもう御承知のとおりでございます。これらの関係人と面接をし、取り調べをする、あるいは先般取り決めました実務取り決めの司法共助等、種々の方法が考えられるわけでございます。検察庁といたしましては、それらのいまの捜査の進展状況にかんがみまして最も適切な方法だと思われる方法につきまして、その実現に鋭意努めております。それ以上、それではその見通しはどうかという点につきましては、これからまだいろいろ折衝中のことでございますので、いましばらくその見通しについてはお答えを差し控えさしていただきたいと思います。
○和田静夫君 局長は斉藤特使との何か打ち合わせで出て来れないという話でしたから、そのときに、課長が出て来られるときに、これは一向に見通しは語ることができないんだというような答弁では困るからというふうに注文つけたら、いやアメリカにも行った、大変問題に明るい担当者だから大丈夫ですというのがその折衝の過程なんで、できる限りのことは御答弁を願いたいと思うんです。私は、コーチャン、クラッター両氏から話がもし聞き出せなかった場合にはどうされるんでしょうということを最も単純に疑問に思うんですがね。
○説明員(吉田淳一君) お尋ねは仮定のことでございますが、まず、そのことにお答えすることが適当かどうかということでございます。まことに申しわけありませんけれども、先ほど申しましたように、検察庁といたしましては、米側の重要関係人についてその供述もしくは証言を得るべくいろいろな方法で努力しております。それは連日新聞等にも一部が報道されておりますけれども、そういうことからも御承知のとおりでございます。現在そういう重要関係人について供述を得られない場合にどうするかということについてのお答えをすることが、いまの現在の捜査の進展状況にかんがみまして適当かどうかという乙とになりますと、やはりこの事件の全般の性質上、もう少しその点について、現在努力中でございますので、その努力の結果を見守っていただきたい、切にそういうお願いをしたいわけでございます。
○和田静夫君 それじゃちょっと角度を変えまして、アメリカからの資料の中には、ロッキード社の会計担当者フィンドレー氏のノートは当然含まれているわけでしょう。
○説明員(吉田淳一君) アメリカから提供された資料の内容と申しますか、その種類というんですか、こういうものがあるかというお尋ねでございますが、私自身、先般次官にお供しまして米側に渡ってこの実務取り決めの衝に当たった者でございます。この実務取り決めで、四項で規定されておりますように、この提供を受けた資料については秘扱いとするということが最大の条件でございまして、その内容にどういうものがあるかということは遺憾ながらお答えできないのでございます。また、私自身そのことの内容は全く知りません。
○和田静夫君 資料の内容は秘扱いだと。ただ、フィンドレー・ノートがあったというそれも秘扱いですか。
○説明員(吉田淳一君) 重ねてのお尋ねで恐縮でございますが、資料の実務取り決め第四項に、いわゆる秘密を保持しなければならないというものの対象は資料の内容と資料の種類、それから表目が含まれておるのでございます。
○和田静夫君 このフィンドレー・ノートにはいわゆる政府高官名が出ているはずですが、これらをもとに当然政府高官からの事情聴取も始まっていると思いますけれども、すでに百人以上に当たったと言われますね。その中にはいわゆる政府高官も含まれているわけですか。
○説明員(吉田淳一君) 先般予算委員会におきまして、安原刑事局長から、百人以上の人間についていろいろ事情を聞いておるという趣旨の答弁をしておりますが、それはそのとおりでございます。その中にどういう者が含まれているかという、参考人なり被疑者なり、その関係人の中のどういう者から事情を聞いておるかという点につきましては、何分捜査の内容にかかわることでございますので、これは現在捜査中の段階において、検察庁もそうでございますし、恐らく警察もそうだと思いますが、お答えできないのでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
○和田静夫君 実は、これはいま発売中の「市民」という市販されている雑誌ですが、この三ページ、私はなぜきょうこれ質問したかといいますと、署名入りの論文でありますので確かめたかったんです。津村喬さんという評論家の方がこの「市民」という雑誌で、日付まで明確にして、三月二十一日となっていますが、中曽根自由民主党幹事長が地検の事情聴取を受けた、その事実が明らかになっているとこの論文は書いております。これは事実ですか。
○説明員(吉田淳一君) ただいま御指摘のこの雑誌「市民」五・六月号、御指摘をいただきまして至急入手して調査いたしましたところ、御指摘のように記載がございます。しかし、先ほど申しましたように、関係人のどういう者から事情を聞いているかということは原則として申し上げられないのでございますが、このような事実があったというようなことは私どもは全く聞いておりません。そういうことで御理解いただきたいと思います。
○和田静夫君 私どもというのは、あなたはお聞きになっていないと、こういうことですか。
○説明員(吉田淳一君) 法務省、刑事局長等を含めまして法務省は全くそういう事実があうたことは承知しておりません。聞いておりません。
○和田静夫君 そうするとこれは警察の関係であったことですか。
○政府委員(吉田六郎君) 警察といたしましても、そういう取り調べをやったかどうかということにつきましては全く聞いておりません。
○和田静夫君 この文書は、「中曽根は地検の聴取をうけていることがわかった。」と、こうなっております。この地検とは東京地検を指すんでしょうね。
○説明員(吉田淳一君) ちょっと執筆者の真意はわかりませんけれども、この執筆の記載の前後を見ますと恐らくそうだろうと思います。
○和田静夫君 ロッキード社が児玉に対して及び児玉と丸紅を通して日本の政府高官に渡したと言われる二十三億円のうちから、何か幾らかがアメリカに還流したとか、あるいはロッキード社の幹部が着服したとかいろいろなことが言われていますね。アメリカの司法省が調べ始めたという報道がありますが、アメリカに行かれましたあなたとして、このアメリカ司法省の動きについてすでに日本の当局は打ち合わせていますか。問い合わせばもう行っていらっしゃるわけですか。
○説明員(吉田淳一君) 詳細は私も承知しておりませんけれども、米国の司法省においても、このロッキード問題に関連して、捜査でございますか、調査でございますか、を開始しているというふうに聞いております。それは米国の政府機関に対する虚偽の報告をしているということの疑いで捜査か調査を開始しているというふうに私は承知しております。
○和田静夫君 そしてそれはもう日本の法務省としては問い合わせをされているということになりますか、いまの御答弁は。
○説明員(吉田淳一君) これは正式に問い合わせしているという結果であるというふうにお答えしていいのかどうかわかりませんが、米側の事情等については必要なものは私どもの立場で情報を入れているというその結果でございます。
○和田静夫君 いま児玉氏の健康状態というのはどんな状態にあるんですか。
○説明員(吉田淳一君) これは私の方だけでお答えすべき事柄ではないように思いますが、私どもが検察庁から報告を受けているところによりますと、二月二十四日捜索、差し押さえ、合同してやった当時の病状とさしたる変化はないというふうに聞いております。
○和田静夫君 いわゆるこのM資金というのがいろいろ問題になっているんですが、このM資金問題で、捜査当局はこれについてどういうような御判断をお持ちでしょうか。M資金について昭和二十年代の国会でも、ずっと古いものを調べてみましたら、問題になっていますね。こういうものが一体あるのかないのか。あるとすればどういうものなのか、そこをお聞かせください。
○説明員(吉田淳一君) お尋ねの点は、鈴木明良という者が大庭全日空の前社長に融資を申し込んだ関係で、そのM資金といわれるような資金の融資を申し込んだというようなことに関連するものだと思います。この点についてどういうふうに検察庁は評価しているかという点でございますが、検察庁といたしましては、その評価をどういうふうにしているかということは遺憾ながら申し上げられないのでございますが、本件の、ロッキード事件の全貌を明らかにするのに必要な限りにおいて必要なものについては徹底的に調査をいま現在していく、その評価についてはこの席上お答えさせていただくことは差し控えさせていただきたいと思いますし、私自身、どういうふうに評価をしているかについて刑事局としてはまだ報告を受けておりません。
○和田静夫君 存在自身は、M資金の存在自身は。
○説明員(吉田淳一君) そのM資金の存否というんですか、その真実性というんですか、そういうことをも含めまして、全部必要なものについては捜査をしているはずでございます。
○和田静夫君 私はM資金というのがただ単なる幻のものとしてあるには余りにも日本の一流企業が次から次とだまされ過ぎる。したがって、大きな会社がこんなに引っかかっているということから考えてみると、まあどういう評価をしたらいいのかわかりませんが、たとえばずっと考えてみますと、例の大庭退陣をもたらした全日空事件でM資金が存在する、そういう話がある。で、私が調べただけでも、東急電鉄、これが三兆円の話を持ち込まれて当時常務が首になっていますね。富士製鉄、東洋曹達、三菱油化、日本開発、どれ考えてみても日本の一流大企業と言われる、同じような事件がある、あるいは有名な日本海事件というのもありましたね。また最近では東北電力で起こっていますね。昨年の四、五月、ことしに入って一兆円の念書が出回る、常務と東京支社長がやめられる。しかも東急電鉄の場合には有名なITTが絡んだ太平洋地域レジャーランド構想というようなものがうわさされた計画された。全日空の場合にはエアバスのアメリカからの購入問題が絡んでいた。東北電力の場合は、これは私はちょうど夏、特別委員会の委員長でありましたので、東北電力にかかわる電源開発地帯をずっと視察をして歩いたときに小耳にはさんでそれからずっと調べてきたものですが、GEからの原子炉購入問題との絡みがあるといったぐあいで、アメリカ資本との絡みで何か大量の資金が要るというときにM資金の話が持ち上がって、そして日本の一流大企業の幹部たちがそれに踊って、そしてその結果首が切られるという形でけりがつくという共通性があるんですね。この辺の過程をずっと連関的に追ってみますと、ただ単なる金融ブローカーが持ち込む誇大妄想狂的な話だとは思えなくなるんです。何か客観的な裏づけがなければ、こうも簡単に日本の有名会社が同じような繰り返しをするというふうにはどうしても私たち素人には考えられませんが、そういう意味では、評価について述べることができないと言われますがね、私がいま連関的に申し上げた疑問ぐらいにはM資金との関係でお答えになりませんか。
○説明員(吉田淳一君) 具体的な例を挙げての重ねてのお尋ねでございますが、現在検察庁、警察が総力を挙げてやっておりますのはロッキード社問題に係る事件の全貌を解明すべく努力しているところでございます。恐らく検察庁、警察当局の捜査の焦点はそこに向けられておるのでございます。それに必要な場合においては、お尋ねのような事情なり資金の性質等についても解明をすることになると思いますけれども、具体的に、そのM資金というのは通称新聞紙上では何かマーケット資金と言われているようでございますが、そういうような資金が一体具体的に実際にあるのかどうか、それがどういう作用をもたらしておるのかということについては、私自身正直申しまして承知しておりませんし、それが、ただここで申し上げたいことは、ロッキード社問題の全貌を解明すべき必要なものについては必ず検察庁、警察において鋭意捜査をしているはずでございます。そのことだけはここで責任を持って申し上げられる、それで御勘弁いただきたいと思うのでございます。
○政府委員(土金賢三君) ロッキード事件の捜査関係につきましてはただいま法務省の吉田刑事課長から御答弁申し上げたとおりでございますが、ロッキード事件の捜査と離れまして、まあそれがいわゆるM資金かどうかということとも関連があるというふうには申し上げかねるわけでございますが、いわゆるそういった融資問題、融資を口実にした詐欺事件というのは、年間やはりそういった事件がまま起きておるわけでございまして、警察といたしましてもそれを検挙しておるわけでございます。たとえば昭和四十五年警視庁で検挙いたしました外国資金の融資を口実とした四兆円詐欺事件というふうなものもございますし、あるいは五十年に埼玉で検挙いたしました国有地払い下げ名下の融資を口実とした二億円詐欺事件、そういった事件を検挙しておるわけでございますが、まあしかしこういった多額融資の話のこれに絡む問題がすべて犯罪を構成するものであるかというと、必ずしもそうでないものも、どうもいままで警察がいろいろそういったことでやった限りにおいてはあるようでございまして、このような異常な事案につきましては、警察としてもその実態に十分注意しまして、詐欺等の具体的犯罪容疑が認められる場合には徹底した捜査を行うように指示しておるところでございます。最近のこの社会経済情勢を反映しまして、不景気と申しますか、そういうふうな社会情勢を反映しましてこうした事犯が起きておるというふうなことが最近目立っておるわけでございまして、警察としてもそういうふうな捜査を強化しておる次第でございます。
○和田静夫君 大蔵省。日本長期信用銀行というのはあれはでき上がったんですか、あれはどういう経過ですか。
○説明員(宮本保孝君) 日本長期信用銀行につきましては、戦後新しくつくられた銀行でございまして、昭和二十七年の六月十二日に公布されました長期信用銀行法に基づきまして、二十七年に設立されておる銀行でございます。
○和田静夫君 全日空の場合をとってみまして、このM資金事件というのは余りにも不可解な点が多過ぎるように思うんですよ。その第一点は、大庭前社長は、昭和四十四年六月、七月、同じ話が持ち込まれているのを二度、三度けっているんですね、けっている。ところが八月に、先ほど言われた鈴木明良元代議士の話だけは大庭さん信用された。これはなぜなんだろうか。予算委員会で問題になった、自民党のたとえば大石武一さんだとか、原田憲さんの名前が話題にはなりましたが、そんなぐらいのことで、えたいの知れない元代議士、などという表現がいいかどうかわかりませんが、その元代議士の内閣委員長を務められたとか何とか言われる方が三千億円もの融資の話、えたいの知れないというようなことでもって断り続けてきた話を三回目には信用されるというのには何かがあるのではなかろうか。その点、捜査当局としてはこれもお答えになれませんか。
○説明員(吉田淳一君) まことに、いまの段階でいまの点についてどういうふうに捜査当局は考えているかということは、私自身現在承知しておりません。この点については、もちろん先ほど申しましたように、本件のロッキード社問題をめぐる事件の捜査に、真相を解明するのに必要な限りにおいていろいろな角度から検討しておると思いますが、本件に、お尋ねの件についてどのような、捜査状況においてどういう地位というんですか、シチュエーションというんですか、を占めるのかということ自体、現在捜査中の段階でお答えいたしかねるのでございます。これにつきましてはいろいろなことが観測ないし流布されているということは、そういう事実は私も承知しておりますが、捜査当局がどういうふうに考えているかということについては、遺憾ながら現在この席上お答えすることはできません。
○和田静夫君 いままでお答えにならなかった部分について、それじゃ支障がなくなった場合にはお答えになると、そう理解しておいてよろしいですか。
○説明員(吉田淳一君) 私が申しましたのは、現在この事件について鋭意努力しておる過程でございますので、特にそのことを申し上げておるのでございますが、もちろん捜査の内容にかかわることでございますので、いつ、どういう場合にそういう内容を申し上げることができるかということをあらかじめお約束するなり、どういう場合にその内容、捜査の内容を明らかにすることができるということは申し上げられないのでございます。そういうこと自身につきまして、要するに現在必要なものについて捜査をしている段階でございますので、まず本件の真相を解明するのが何といっても一番大事なことでございますので、もうしばらく御猶予いただきたいと思います。
○和田静夫君 鈴木明良さんは、まだ、M資金は現実にあったのだと言い続けられていますね、こういろいろ報道を読んでみまして、わが党の同僚議員も直接お会いをした結果において。で、鈴木明良さんに青鹿大蔵省理財局次長が同行をした。したがって、三回目には大庭さんは信憑性についていわゆる信じた、こういうふうに伝えられていることは、大蔵省としては、これはそういうことですか。
○説明員(宮本保孝君) ちょっと、きょう所管の者が来ておりませんので、御質問をちょうだいいたしましてお答えさせていただきたいと思います。
○和田静夫君 もうこの辺であれですが、この事件で不思議なことは、実はなぜ地方行政委員会でここまで取り上げたかといいますと、この点を実は聞きたかったからなんであります。それは警察はなぜこの事件を事件にされないのだろうかということが大変疑問なんです。明らかに詐欺があると思われます。あるいは脅迫があります。東北電力の場合にしても、先ほど申しましたように、にせ念書が出回ったということですから、私文書の偽造がこれにはあるんではないかと思われるんですがね。それをなぜおやりにならないのだろうか、取り上げられないのだろうか。全日空の長谷村氏が念書を回収するところに警視庁の係官が立ち会われたと言われたが、なぜ警察がこれを事件にされないのか。この点がどうしても、衆参の予算委員会の論議を聞きながら非常に疑問に感じましたので、いままで申し上げた幾つかの問題を追ってみたんです。いかがでしょう。
○政府委員(土金賢三君) このロッキード事件に関する問題との関連における捜査の問題につきましては、ただいまこの問題について捜査中でございますので、それに関連してこのことを、この事件をどういうふうに今後措置するかということについては、いまは申し上げかねるわけでございます。ただ当時、そのいきさつだけ、いきさつは当初わかっておるところでございますが、最初は警視庁において、昭和四十四年の十月に全日空の常勤顧問である長谷村資氏から、全日空社長名の三千億円の融資あっせん依頼書などが、鈴木明良を通じて人手に渡っているので回収したいがどうしたらよいかという相談を受けたわけでございますが、まあ当時としては刑事事件として取り扱うことはむずかしい状況であったため当事者の話し合いで解決するよう指導したことがあると、当時の人の記憶からそういうふうなことが判明しておったわけでございます。しかし、相談の結果、事件処理をするに至らなかったために、当時としてはその具体的な内容などそのときは、まあそのときもそういう処理の状況はわかっておらなかった、こういうのが実情でございました。しかし、その後こういった問題に発展してきておりますので、その後、どういうふうに捜査をしてどういうふうにするかという問題につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、申し上げかねると、こういうことであります。
○和田静夫君 ちょっといまの御答弁で一つだけ確かめたいのですが、当時むずかしい状態であったのでという、そのむずかしい状態というのはどういうことを意味するのですか。
○政府委員(土金賢三君) むずかしいというのは、つまりこの当時長谷村資氏から話を聞いた限りではそういった詐欺事件としてそれを取り上げるということは困難であると、こういうふうに当時の人は判断した、こういうことでございます。
○和田静夫君 昭和四十七年十一月十三日に参議院本会議を通過し、成立をしました輸銀業務に関する特別措置法ですね、この内容について大蔵省の出席者説明できますか。
○説明員(岡崎洋君) いま先生お話にございました法律でございますが、これは当時の背景といたしましては、その前年の夏以降、いわゆるニクソンの新経済政策に端を発しまして、円が非常に強くなりまして、国際収支上日本が非常に黒字幅が大きくなってきたという背景を踏まえまして、当時の政府といたしましては、第一次、三次、三次といろいろ行政的な円対策というものを講じまして、それの貿易収支あるいは国際収支の均衡を図るということを経済政策の大きな柱としておったわけでございます。これが輸出入国際金融面におきましては、いままで日本は貿易立国といたしまして輸出を大いに伸ばそうと、それから輸入はなるべく控え目にという形で運営してまいりましたものを、輸出はむしろほどほど適正に支援をすればいい、むしろ輸入を拡大する、あるいは集まった外貨を海外投資に振り向けるということが国際経済の協調上も必要ではないかというような観点から、輸出入銀行法につきましても、いま先生御指摘の法案によりまして、この法案は輸出入銀行法のみならず租税面あるいは関税面でも同様の趣旨を踏まえまして手を加えたわけでございますけれども、改正をいたしたわけでございます。 輸出入銀行法につきましての改正は、第一点は、輸入金融につきまして、それまで重要物資の前払い金融に限るということで輸銀業務を限定的に規定しておったわけでございますけれども、ただいま申し上げました輸入を拡大するという方針から前払い金融に限らなくてもよろしいということと、もう一つ、重要物資の中に、物資に限らず設備も入れてもいいではないかということで設備も含めるというふうに改正したのが第一点でございます。 第二点といたしましては、輸銀の海外投資金融につきましては、これまた従来限定的に設備資金に限るような表現になっておりましたけれども、必ずしも設備資金に限定しなくてもいいではないか、民間の金融で調達しにくい長期の資金であれば、運転資金も対象にしていいではないかということから、長期の事業資金一般に金融範囲を拡大したわけでございます。 第三点といたしましては、輸出入銀行が外国の政府あるいは外国の金融機関に直接お金を貸す場合がございますけれども、当時開発途上国からはその貸すお金についての資金使途につきまして、これは先進諸国は、いずれもその金を貸す国の物資を買うために使うように資金使途を限定をしておったわけでございますけれども、開発途上国の方からは、それは自分たちが一番いいところからいい品物を買えるようにしてくださいという御要求等がございまして、これはアンタイドの要求と申しておりますけれども、その要求を入れまして、いままでタイドローンしかできなかったものをアンタイドのローンもし得るというふうに直したのが一点でございます。 以上が主要な改正点でございます。
○和田静夫君 これは衆参両院の予算委員会を聞いていまして、ドル減らしとの関連で説明をされてきました。それでアメリカからの航空機の購入に当たって、日本の輸銀を使うかあるいはアメリカの輸銀を使うかということは、このドル減らしと全く関係ないことはこれは私たち素人だってわかるわけですね。ということは、その金利が六・一%、で、融資枠必要資金の八〇%という、こういう優遇措置がある。ここのところが問題だろうと思って検察庁、捜査当局に聞きたいんですがね。ここのところで、いわゆる全日空と政治家、あるいは政府高官との間に造船疑獄並みの贈収賄の余地がある、こういうことですね、これは。
○説明員(吉田淳一君) ただいまの点につきまして、そういうお尋ねの点から贈収賄なり大きな汚職事件があると、そういうふうに考えているかという点のお尋ねだと思いますが、先ほど申しましたように、どういう点に着目して現在捜査を進めているかと、これは非常にお尋ね自身が捜査に関連することだと思いますので、検察庁としましては、先ほど申しましたように脱税と外為ということで現在捜査をしておりますが、しかし事件全体について全貌を明らかにしようとして日夜努力しているところでございますので、どういう点にどういう犯罪がひそんでいるかということをいま申し上げるべき段階ではないと思います。
○和田静夫君 ところで、いま大蔵省から説明いただきましたが、輸銀側はこの輸銀業務に関する特別措置法、これは自分たちはあずかり知らなかったことだ、永田町、霞が関から一方的に来た話なんだということを言っておられますが、大蔵省、そういうことだったんですか、これは。
○説明員(岡崎洋君) ただいま申し上げましたように、輸銀法改正そのものは、行政府の基本的な経済政策を踏まえましてそれの具体化の一環でございますから、そういった意味で申し上げれば、これは政府が方針を決めて国会に改正をお願いしたということでございます。具体的にそれは、それじゃ政府の意思がどういう形で決定されてきたかということにつきましては、当時のいわゆる対外経済閣僚懇談会等でいろいろ議論が重ねられまして、それでいわゆる一次、二次、三次の円対策が出てまいります、それの具体化であるというふうに私どもは理解しております。
○和田静夫君 輸銀側は知らなかったということはやっぱり本当ですか。
○説明員(岡崎洋君) 立法化の過程あるいは当時の金融の実情等につきましては、これは輸銀等からもいろいろ事情を聞き行政判断の材料にするということは当時の立法過程としてあり得たことであろうというふうに考えております。
○和田静夫君 ロッキード問題全体については、特別委員会ができますから、深追いは、きょうの答弁を踏まえながらさらに検討を加えて用意をしておきますが、一つだけ伺いたいのは、いまの答弁との兼ね合いですが、大蔵省、朝日年鑑の四十八年版によりますと、田中角榮さんが、四十六年当時通産大臣の時代から、いまのあなたの御答弁ではありますが、このことをやろうとされておった、大蔵省の反対にあってなかなかうまくいかなかった、そういうふうにあるんですがね。本当のところはそうじゃないんですか。その辺のいきさつは何かございますか。
○説明員(岡崎洋君) いま御指摘の朝日年鑑の四十八年版につきましては、私まだ目を通しておりませんのでどういう表現になっておりますか存じませんけれども、当時のいわゆる国際収支の改善のいろいろな具体的な方策のやり方につきまして、各省それぞれの立場からいろいろな意見交換があったということは当時の記録等から見てもわかり得ることでございまして、たとえば外貨貸し付けの制度につきまして、どういう形でそれを具体的な形にすればよいのかというのは、行政当局として、それぞれいろいろな意見交換をし、練り上げていったというふうに記憶しております。
○和田静夫君 前に戻ります。――大蔵省の側、先ほどお調べになったことおわかりになりましたか。
○政府委員(横井正美君) 上田建設の関係につきましての御質問でございますが、私どもの税務職員が上田建設等に役職員としていわゆる天下りをしているという事実はございません。ただ、先生御案内のように、職員が退職後、税理士資格がある場合におきまして税理士会に登録をいたしまして開業をいたす。その後顧客としていろんな納税者の申告に関与するということがございますが、そういう意味合いで上田建設グループに関与している税理士がいるだろうというふうに存じております。ただ、その職員がどういう名前であるとか、あるいはもとの経歴がどうかということは存じておりません。これにつきましては開業後、自由業としての税理士開業でございますので、税理士法に基づく規制を当然受けるわけでございます。もしも脱税に関与しておるというふうなことがございましたならば、税理士法に照らしまして懲戒するということもあり得るということでございます。
○和田静夫君 もう一つ大蔵省に、すでに私質問書を出していることでございますから具体的なことは聞きませんが、幾つかの信用金庫が出資をして株式会社信用金庫総合研究所というものができた。ところが昨年末解散いたしましたね。この倒産株式会社の出資に法に定めた手続を踏んでいないものがある。その場合、当然経営者の特別背任が問われることになると思うんです。で、大蔵省はそのことが明らかになり次第、その経営者を告訴すべきだと思いますし、警察はこれを受けてやっぱり調査をされるべきだと思うのですが、いかがですか、この辺は。
○説明員(吉田正輝君) お尋ねの件でございますが、先生から国会法に基づきまして内閣の万に質問主意書をちょうだいいたしております。それでお時間をいただきまして調査中でございます。 ただいま御質問の件でございますが、この件は、御質問の御趣旨は、各金庫が御指摘の株式会社信用金庫総合研究所に出資した場合に、法で定められた手続を経ないで理事長の独断でそれを行ったのではないかという御質問で、それが法律的にどういうふうに考えられるかということだと存じますが、私どもが、まだ調査中でございますけれども、ただいまのところ聞きましたところでは、これに参加いたしました十五の金庫すべてが理事会の規程、内部規程に基づきまして適正な手続を経て出資を行ったというふうに聞いております。その場合の適正な手続の内容と申しますのは、理事会規程によりまして業務執行を行う場合の理事会の運営のあり方としまして、事前了承を得る場合と、それから報告を行う場合と、いろいろ形態があるようでございますが、いずれにいたしましても、事前、事後の了承を得たというふうに聞いております。 それから、御質問の背任になるかどうかということでございますが、これは商法ないし刑法上の問題と存じますので、ただいま法務省にも連絡中でございますので、正確に所管官庁として御答弁は申し上げかねますけれども、信用金庫の場合には、私どもはただいままでの理解でございますと、信用金庫は株式会社ではございませんで、商法上の特別背任罪、商法第四百八十六条と聞いておりますが、の特別背任罪の適用はございませんで、ございます場合は刑法上の背任罪ということで、刑法第二百四十七条を見ますと、自己または第三者の利益を図る場合、あるいは他人に損害を加える目的をもってその任務に背いた場合に該当するかどうかということでございます。この場合、私どもといたしましては、全体のただいままでの調査では、この本件の場合には、手続、その他から該当しないというふうにただいまのところ考えておる次第でございます。 詳細は先生が内閣を通じましてお出しになりました質問主意書に明確にお答えさしていただきたいとただいま努力中でございます。
○和田静夫君 じゃ、そこのところは答弁書をいただいてから、また別の機会に警察の関係等の論議をしたいと思います。私は信総研問題は大蔵省が非常に深くかんでこられた幾つかの事実関係というものを調査をしていますので、これは毅然とした形で明確な答弁をいただきたいということを、注文だけつけておきます。 そこで、次の問題に移りますが、代用監獄であります。これも経過がございますが、代用監獄問題と超過負担問題などを本委員会でずっと取り上げてきまして、そしていよいよ監獄法の改正について法制審議会に諮問をされたようであります。諮問するに当たっての意図はどういう点にありましょうか。
○政府委員(石原一彦君) 私、昨年十二月矯正局長に就任したのでございますが、前局長からも、十分監獄法改正の構想、その他を承りまして、本年三月二十七日、法制審議会に対しまして、「監獄法を改正する必要があると考えるのでその改正の骨子となる要綱を示されたい」という旨の諮問をいたしました。 監獄法は、御承知のように、明治四十一年にできた法律でございまして、内容、形式ともにきわめて古いのでございます。成立間もなくのころから監獄法の改正というのは部内での議に上っておりましたし、近くは当国会におきましてもたびたび御指摘を受けたところでございます。ところが、ここ十年近くいろいろ検討いたしましても確定した案がなかなかつくりにくかったという点からおわかりのように、いろいろな意見が出る法律でございます。そこで、ただいま読み上げましたような、「改正の骨子となる要綱を示されたい」ということを諮問いたしますと同時に、法務省として考えております監獄法改正の構想を四十七項にわたりまして世に問うたのでございます。その結果法制審議会におきましては、この三月二十七日に、技術的な点その他もあるので慎重に検討するため部会を設置するようにということに相なりまして、第一回の部会が四月二十八日に開かれました。現在のところおおむね月一回の予定で部会が開かれ、順次検討が行われていく予定でございます。 その改正の内容は多岐にわたりますので、また御質問がございましたらば御説明さしていただきますが、大綱を申し上げますと三つでございまして、一つは近代化ということでございます。先ほども申し上げましたように、とにかく明治四十一年成立の法律でございまして、形式、内容ともにかたかな法律、あるいは現在の法律的な刑事政策思想に合わないという点もございますので、まずこうした点で形式も内容もともに近代化していきたいという点が第一点でございます。 第二番目は国際化という点でございまして、御案内かと思いますが、国際連合におきまして被拘禁者処遇最低基準規則というのができております。その基準に合致いたしますことが現在の国際社会における監獄法のあり方でございますので、この基準規則の内容を大幅に取り入れまして国際化を図りたいという点が第二番目の点でございます。 第三は法律化でございまして、被収容者、これは受刑者と未決勾留者との双方を含みますが、収容されております者の権利義務に関する事項、そのほか処遇の基本となる重要な事項につきましてはできるだけ法律で明確にしたいという点でございます。昨年来たびたびお尋ねを受けました代用監獄につきましても、この法律関係を明確にするという一環におきまして、今後法制審議会の監獄法改正部会において十分審議を尽くしていただきたい、かように存じているところでございます。
○和田静夫君 そこで監獄法は明治四十一年の古い法律であって、いまも述べられますように、現状に適応しない面がたくさん出てきた。それについては昨年の通常国会、臨時国会で指摘を私もいたしましたが、そこで伺いたいのは、そうしたこれまでの議論を踏まえられまして、いま近代化、法律化、そうして国際化という形で述べられたのですが、今後の作業のスケジュールですね、このスケジュールはどういう形でいって、答申はいつごろになるのですか。
○政府委員(石原一彦君) 私どもといたしましては、とにもかくにも早く答申をいただきたいと思っているのでございます。ところが、明治四十一年から本日までちょうど六十八年間でございますが、その間におけるいわゆる刑事政策思潮といいますか、その思想の変転にはまことに大きなものがあるのでございます。それから一方、現在を見ておりますと、一口に申しますと、現在の監獄法は明治時代にできた監獄法でございますので、いやしくも監獄に入りますと一切の権利がなくなってしまう、アウトローになるということが前提でつくられているのであります。そもそも監獄という名前が非常に古いのでございまして、私自身、この監獄法改正を手がけて法制審議会の委員の方なんかに御説明に参りますと、大体そんな名前を置いておくのがけしからぬのではないかということを最初におしかりを受けるような次第でございまして、すでに御承知のとおり刑務所とか拘置所とかという名前に変わっているのでございますが、そういう施設の名前をどうするかというところから始まりますし、一方受刑者なり未決拘禁者にどの程度の権利を与えるべきであるか、そしてまたどの程度の制限をすべきであるかということが最大の眼目になります。ところが一方において人権尊重という、これはわれわれ公務員といたしまして、特に人間を拘禁する職掌をつかさどる者といたしましては一番大切にしなければいけないのでございますが、一方におきまして監獄暴動ということも恐れられるのであります。御承知のように、現在日本にはこの監獄、刑務所、拘置所が七十四ございます。支所を入れますと、それにプラスして百十六で合計百九十になるわけでございますが、狭い日本に百九十の施設がありますと、へいをすぐ出たところはもう人家が密集した土地であるというところがきわめて多いのであります。そういたしますと、勢い善良な世間の方に御迷惑をおかけしないようなことも考えていかなければいけない。片一方において規律の維持ということを考え、片一方においてできるだけ人権を尊重するという、二つの相反するというと語弊があるかもしれませんが、非常に調和しにくい点があるのでございます。 そこで、法制審議会の部会にお任せした以上部会の審議に従うべきでございまして、役所側からとやかく法制審議会の審議を牽制するようなことは差し控えたいと思っておりますが、私どもの希望といたしましては、少なくとも二年以内、遅くとも二年以内に御答申をいただきたい、かように思っているところでございます。
○和田静夫君 法制審へ出されました「監獄法改正の構想」によりますと、「監獄」を「刑事施設」――仮称となっていますが、に改められ、「行刑施設」及び「勾留施設」の二種とする。「原則として、受刑者は行刑施設に、被勾留者は勾留施設に、収容する。」というふうになっていますね。そうすると、この行刑施設、勾留施設というのは現行の何を指していますか。
○政府委員(石原一彦君) この行刑施設と申しますのは、裁判所によりまして刑の言い渡しを受けた者、主たるものは自由刑を受けた者であります。無期あるいは有期の懲役、禁錮でございますが、そのほか、罰金に処せられまして罰金が払えない場合に、労役場留置と現行刑法では申しておりますが、そういう者が入ります。それから一方、裁判所によりまして法廷の秩序を乱したということで監置という処分に相なりましたときに監置者を入れます。主たるものはそういう点でございます。 それから次に行刑施設でない方の勾留施設でございますが、これは刑の言い渡しを受けないでいわゆる未決にいる者ということでございまして、いわゆる拘置所に入る者でございます。したがいまして、行刑施設と一言に言った場合には刑務所、勾留施設と言いました場合には拘置所に相なります。 ところが、先ほど七十四刑務所があると申し上げましたが、そのうち拘置所という名前がついております施設は七つでございます。そのために、刑務所の中でも拘置監と申しますが、拘置監をつくりまして未決勾留者を入れているのであります。 なお、つけ加えさしていただきますと、未決勾留者の入るところ、いわば未決監といいますか、拘置監、拘置所には死刑の確定者も収容することを考えております。
○和田静夫君 受刑者、被勾留者というのは何を指しますか。
○政府委員(石原一彦君) 受刑者といいますのは自由刑の言い渡しを受けた者でございまして、刑名から申し上げますと、懲役、禁錮、それから拘留――拘留刑の拘留、それを受刑者と申します。通常の場合には受刑確定者は受刑者という中には入っておりません。 それから被勾留者の場合には、いわゆる未決の者すべてでございますので、いわゆる被疑者勾留になった者及び起訴された後も勾留の続いている者の双方を言うわけでございます。法律用語ではございませんが、未決拘禁者という言葉がございますが、いわゆる未決拘禁者が被勾留者でございます。
○和田静夫君 そうすると、現行の代用監獄制度というのはどうなりますか。
○政府委員(石原一彦君) この点、実は一番頭を悩ましたところでございまして、私、先ほど申し上げましたように十二月に前局長から引き継ぎを受けた際に、昨年六月、和田委員から大変厳しくかつきわめて法律的な御質問があったということも十分承っておるのでございます。 そこで、いろいろ考えましたが、この点につきましては、法制審議会の監獄法改正部会におきましてもきわめて御関心のあるところでございますので、その部分の私どもの構想を読ませていただきますと、「現行の代用監獄制度を改善するため、収容の対象を被勾留者に限定し、この法律中適用すべき規定等を明らかにするなど収容業務の適正な運営と被収容者処遇の適正化を図るための規定を整備する。」ということにいたしました。 したがいまして、第一に申し上げる点は、代用監獄と、こうございますが、いわゆる受刑者につきましては原則として代用監獄には入れないということを原則といたしたいという点であります。 この点につきましては、しかしなお相当な問題がございまして、たとえば拘留刑、現行刑法では二十九日未満でございますが、そのような者を刑務所まで入れるのはいかがなものかというような御議論もございます。あるいは先ほどちょっと申し上げましたように、罰金になりまして払えないがために労役場留置になったという場合には、これは十日の場合もありますし、一年の場合もありますが、きわめて短い者を刑務所に入れるのはいかがかという御批判もございますが、現在私どもが考えておりますことは、あくまでも原則は被勾留者を入れる所というぐあいにいたしたいということが第一点であります。 それからその次は、関係法律の規定を整備するということでございます。御承知のとおり、代用監獄は現行監獄法の一条三項にございますが、とにかく明治四十一年の成立でございまして、一体いかなる法律関係に基づいてつくられたものか、遺憾ながらつまびらかにいたしません。それと和田委員が先般御指摘くださいましたように、地方財政法、その他終戦後につくられました法律との関連が必ずしも明確ではないのであります。われわれといたしましても、関係各省の御意見を受けまして十分検討はいたしているところではございますけれども、遺憾ながら確たる結論が出るには至っておりません。 そこで、そういう点も含めまして、法律関係をまず明確にしようと。この際の問題になりますのは、言うなれば刑事法と行政法との相克の場になっていはしないかという点であります。刑事関係のことから言いますと、先ほど来問題になっておりますロッキードなりあらゆる事件につきましての事案の真相を明らかにするための取り調べ、それに資するため勾留をするという点からの面が一つ出てまいります。それで、一方、組織法的には法務省であるか、国家公安委員会であるか、そしてまた、都道府県警察というものがある関係で、地方公共団体との関係でいかなる関係に立つかと。刑事法的な関係と、財政及び組織法的な関係と、あらゆる法律問題がそこにあらわれているのでございまして、私どもといたしましては、この部分を法制審議会で御議論される際には、これまでのいろいろな意見を十分紹介申し上げまして、問題の所在を明らかにして、適正なる結論を得るようにお願いしたいと思っているところでございます。
○和田静夫君 監獄法一条三項では、「懲役又ハ禁固ニ処セラレタル者」には留置場を代用できないということですね。しかし、被勾留者すなわち被疑者、被告人を警察署の留置場に勾留してもよい、そういう意味ですか、これは。
○政府委員(石原一彦君) やや技術的になって恐縮でございますが、説明さしていただきますと、実は現行監獄法では、監獄というのを四つに分けておりまして、その四つとも一緒にして監獄と称しているのであります。その四つは何かといいますと、一つは懲役監、二つ目は禁錮監、三つ目は拘留場、四つ目は拘置監でございます。懲役監と申しますのは懲役に処せられた者を入れる所。それから禁錮監と申しますのは禁錮に処せられた者を入れる所。拘留場と言いますのは、未決勾留ではない、刑としての拘留に処せられたる者を拘禁する。それから拘置監が、刑事被告人であるとか、そのほか、先ほどちょっと、余り例がございませんので省略いたしましたが、逃亡犯罪人引渡法によりまして、仮拘禁状が出た、あるいは拘禁状が出たという者、あるいは刑事訴訟法によりまして、引致の命によって、引致状によって監獄に入れた者、それから死刑の確定者が入っているのでございますが、こうした四つのものを総称いたしまして監獄とこう称するのでございます。したがいまして、一条三項の最初に、「警察官署ニ附属スル留置場ハ之ヲ監獄ニ代用スルコトヲ得」というところだけ見ますと、懲役囚も禁錮囚も、それから拘留に処せられた者も、それから未決拘禁者もすべて留置場に入れられると、こうなるわけでございます。 ところで、ただし懲役または禁錮に処せられた者を入れるときには一月以上は入れておいてはいけないということでございますので、仮に無期懲役になりました者でありましても、一月以内であれば警察の留置場に入れておきまして、それから刑務所内の拘置監あるいは拘置所に移すということに相なるわけでございます。 なぜかような条文ができておるかと申しますと、できましたのが明治四十一年でございますから、相当昔であります上に、現在、先ほど私は七十四監獄があると申し上げましたけれども、当時は恐らく半数ぐらいであったかと思います。で、警察の留置場に入れておきまして、仮に例で申し上げますと網走に送らなければいけないというときに、このただし書きがございませんとどうにもならない。一遍出しておいて、それからまた網走に自分の費用で行うてもらって入れるのかと、こういうことにはとてもならないわけでございます。いろいろな手続が済むまで警察でまず置いておくと、それからすべての準備を整えましてから網走に送るということに相なりますと、いささかの時間は、そのまま未決が続いておりました留置場でお預かり願わなければならない、こういうような思想がございまして、「一月以上継続シテ拘禁スルコトヲ得ス」という規定になっていると考えられております。
○和田静夫君 国家公安委員長にお尋ねしますが、いまの論議を踏まえながら、警察署に留置場を設けてある理由は一体何ですか。
○政府委員(土金賢三君) 警察署の留置場は、刑事訴訟法によりまして、警察官、警察は捜査をすることになっておりまして、捜査をする以上は逮捕した場合に留置する、あるいはまたこれを勾留をする、勾留も起訴前の勾留はやはり捜査のための勾留でございまして、したがいまして、やはり警察にそういった代用監獄制度というふうなものが警察の留置場にも行われておると、こういうことであると考えます。
○和田静夫君 そうすると、それは警察の捜査目的のために被疑者を留置できるように警察署に設けてある、端的にはそういうことですね。
○政府委員(土金賢三君) 捜査、刑事訴訟法の立場から言うとそういうことであると思いますが、そのほかに、監獄法の観点から申しますと、先ほど石原局長からお話しになりましたような、そういうふうなこともあろうかと存じます。
○和田静夫君 検察勾留の目的というのは何ですか。
○政府委員(石原一彦君) 恐らく、検察勾留と申しましたのは、検察官が裁判官に勾留を請求いたしまして、裁判官の勾留状が出た場合における勾留であろうかと思います。これは、もちろん事案の真相を明らかにして、犯人の取り調べ及びその間における証拠の収集ということが目的でございます。なお、われわれ監獄法を改正する者の立場から申し上げますと、刑事司法の目的を達するために、逃亡のおそれあるいは罪証隠滅のおそれをなくして身柄を拘禁するための勾留であるというぐあいにわれわれは了解しております。
○和田静夫君 警察の留置場設置の目的の中には、検察勾留の目的は本来入っていませんでしょう、これ。法務省矯正局参事官の朝倉京一さんは、「監獄法コンメンタール」も書いていらっしゃる権威なんでしょう。その人の「法律のひろば」の七〇年三月号では、「その設備はどこまでも留置場の設備であり、その職員は留置場の警察職員である。組織的に警察の組織であることはいうまでもないのである。しかし、作用的には、監獄の作用そのものである。」云々、すなわち、目的も組織上も、作用的にも異なるものを一つの場所、組織を使っているというところに大変な無理がある。この点どう考えたらいいんですか。監獄法改正の構想にある趣旨は、ここの点はやっぱり何か指摘をして改善されようとするんですか。
○政府委員(石原一彦君) 先ほど監獄法改正構想における代用監獄の点を読み上げましたが、率直に申し上げますと、今後はいわゆる未決にできるだけ限定して、受刑者等は入れないで、関係規定を整備するということしか書いてないのであります。と申しますのは、いろいろな御議論がございますので、部会におきまして広く有識者あるいは関係機関等の御意見を伺った方がいいであろうということから言っておるのでございますが、私が矯正局の責任者として考えておりますことは、まず留置場に未決勾留者を入れることをやめたらどうなるかということから考えてみたのであります。現在、先ほど申し上げましたように七十四ありますが、純粋の拘置所というのは七つでございます。それから百十六ある支所のうち、拘置支所と申しますのが確か百六か百七であったかと記憶いたします。一方、警察の留置場は千三百あるのでございまして、この千三百のものを全部法務省所管の拘置所として移すことができるであろうか。財政的にも人員の負担におきましてもまず無理ではなかろうかという点がございます。これはあるいは役人的な発想だというおしかりを受けるかもしれませんが、必ずしもそうではございませんで、もう一つは、いわゆる先ほど先生がおっしゃった検察勾留、未決勾留になった場合に、一切警察官は取り調べができないんだという法制になっているのならばやむを得ませんが、検察官が裁判所に請求いたしまして勾留状を出してもらい勾留をいたしますが、必ずしもその間は検察官だけが調べるのではございません。事案の真相を明らかにするために警察官も、あるいは独自で、あるいは検察官との連絡を密にいたしまして、都道府県警察の職員である警察官も調べるのであります。もちろん国家公務員たる警察官もお調べになりますが、都道府県警察の職員である警察官も調べるのでございます。 それと、さらに考えなければなりませんのは、とても、千三百と私どもの持っております拘置支所合わせますと千五百ぐらいを全国にいわばばらまいてつくらなければならないのでありますが、それがむずかしい、国家財政上あるいは職員の負担上非常にむずかしいということになりました場合に、もし少ない拘置支所ということになりますと、困りますのは、未決拘禁になられた方につきます弁護士さんであるとか、御家族の方であろうかと思います。いろいろな御面会あるいは防御権行使のために弁護士として連絡をされるのに非常に遠いところに行かなければならない。現在でありますと、たとえば警察でありますれば、警察署に行って取り調べの内容を伺うと同時に本人にも会って弁解等も聞けるという、そうした迅速なる刑事事件処理の便宜というものも失われるのではないかという点、彼此考えまして、先ほど来申し上げましたとおり、受刑者を代用監獄に入れるということはできるだけ制限いたしたいが、いわゆる未決勾留者につきまして、代用監獄をこのまま廃止して、警察が逮捕された者だけを入れる留置場を残すだけということでは、かえってこうした犯罪も必ずしもなくなってない現在におきまして捜査に不自由をする、あるいはひいてはそこから社会生活の平穏の維持にも欠けるところがありはしないかという点を危惧しているのであります。したがいまして、結論的には、現在の代用監獄を残し、未決勾留者は入れるというたてまえで規定を整備できましたならば、われわれとしては非常に捜査上の言便宜もあるのではないかという考えを持ってはおります。
○和田静夫君 この辺は別の機会に論議しなきゃいかぬでしょうけれども、代用監獄の費用については、法務省は五十一年度予算ではどう措置されましたか。
○政府委員(石原一彦君) 前回、和田委員から非常に御指摘を受けまして、私も前局長から引き継ぎを受けましたときに、余りの金額の低さにやや驚いたのでございますが、努力をいたしました結果、当時は三百七十円余でございましたが、一人分といたしまして五百円に増額を認められることになりまして、現在、この間成立いたしました予算におきましては、一人五百円で、総額といたしますと、私の手元にあります資料でいきますれば、七億千五百四十一万一千円になっております。したがいまして、管理費、先般御指摘を受けました管理費につきましては、五円でありましたのを十倍の五十円といたしまして、残りの四百五十円をいわゆる賄い費というぐあいに積算いたしております。
○和田静夫君 人件費、それから留置場の使用料、これはどうなりましたか。
○政府委員(石原一彦君) この点はいろいろと私どもも考えたのでございますが、先ほど申し上げましたように、そもそも未決勾留というのが、全面的に国の機関である検察官だけが利用するというものではございませんし、都道府県警察の点もございますし、それから逮捕に引き続いて勾留するというようなこともありまして、ここははっきりとした結論は出ていないのでございます。したがって、それに関する予算はということではついておりません。
○和田静夫君 一番問題にしたのは大臣ここなんで、いまでも私はほうふっとして思い浮かべますが、厚生政務次官がお座りになっているところに法務大臣がお座りになって、そして、法の整備は間に合わぬかもしれぬけれども、金の問題だけは次の国会までに間に合わして予算に入れますよと、お二人大臣協議をきれて私に答弁をされたから、法制局長官に法律の問題はゆだねておいて、ここの地方財政に関する部分については責任をお持ちになりますね、両大臣はOKと、こうなった。そしたら法務省の側は、法務省に関係するところはがっと何層倍に上がった金額をお取りになったが、自治体警察に関する部分については結論出なくてゼロだったと、こうなるわけですがね。この辺はどうなるんですか。
○政府委員(首藤堯君) 先ほどから御議論もございましたし、また前回も先生御指摘をいただきましたように、この代用監獄そのものの性格と申しますか、本質と申しますか、そういう点につきまして法制上数々の問題があるようでございまして、ただいまのところでは、一応政府の統一見解としては、国から都道府県の警察に委任をされた事務と、こういうように解されておるようでございます。そして収容された者の食料費その他につきましては、先ほどお話がございましたように、法務省から実費弁償金等が出ておる状況でございまして、この取り扱いは早急にすっきりきせなければならぬものだと私どもも考えておるわけでございます。ただ、ただいまから、御議論ございましたようにせっかく監獄法の改正等もございますし、それに基づきましてこの代用監獄の性格、本質等がはっきりしてくると思うわけでございまして、そういう改正に合わせまして国と地方との負担区分を明確にしていく、そういうことをもって財源措置をとっていくことが適当であるのではなかろうか。その間若干時間があるわけでございますが、せっかく目の前に監獄法の改正もぶら下がっておりますので、そういった事態を見きわめて、よく相談をして適正な負担区分をとりたい、このように考えておる次第でございます。
○和田静夫君 ぶら下がっていると言っても、まだ二年かかって答申が出て、それからどうなるかわからないので、ぶら下がっているうちに入るかどうかわからぬのです、これ。その辺でまた基本的な論議をしなきゃならぬのですがね。これはいま矯正局長も申されましたし、この前法制局長官も申されましたように、法制局の見解でしょう、いわゆる政府の見解としては、地方財政法の何条に当てはまるのか明確でない、こうなっているわけです。そういう状態のときには、大臣、これ国と地方でどう一体経費負担をされるのか。ここのところが、法務大臣と自治大臣御協議を願って、やりますと言われた部分なんですからね。これはどうなんですか。
○政府委員(首藤堯君) ただいまのところでは、前回法制局の方の御見解として御答弁がございましたように、この事務そのものは監獄法の一条三項によりまして国から都道府県警察に委任をされた事務だと、こう解されて、したがいまして、その代用監獄業務についての費用負担というものは一応都道府県が行う事務ということで、地財法の九条に該当する地方公共団体が負担をすべき事務であると、一応こう解釈をされておるわけでございます。その中で、例の食料費等の分については、これはまあ一種の弁償金と申しますか、立てかえ払い金とでも申しますか、いわゆる地方財政法の性格外の実費弁償的な経費、こういうことで支出をされておる。現行の法制上はそういうことだということでございます。したがいまして、今後監獄法の改正によってこの間の性格が明確になってきました場合にその性格づけをどう持っていくか、その機会に新たな負担区分の設定は譲らざるを得なかったわけでございます。
○和田静夫君 警察、予算要求されましたか、この前のぼくの論議を受けてですね。超過負担部分がずっとあるわけでしょう。いわゆる警察官が刑務官的な仕事をされる、そこの部分のいわゆる人件費的なもの。あるいは代用監獄、留置場を使われる、そうすれば国から当然使用料。そういう形の超過負担部分としてこれは大きく論議をしてきたところなんですね。どうされましたか。
○政府委員(鈴木貞敏君) お答えします。 留置場の食料費、これにつきましては、先ほど法務省の方から償還費と同じように五百円ということでございますが、それ以外、看守がまあ全国に四千名ほどおるわけでございますし、また、留置場の数が千三百という先ほど法務省局長の御答弁でございましたが、正確には千五百ぐらい、まだいろいろ支所その他入れるとあろうと思いますが、そういう施設関係あるいは人件費というようなものにつきましてはいろいろ御議論もまたあったということもわれわれも十分承知しておりますけれども、さしあたり、法制審議会で審議というものに期待いたしまして、予算要求としては五十一年度は計上いたしませんでした。
○和田静夫君 これは大臣、大変不満ですよ、ここのところは。これは大臣よく御記憶になっているところだろうと思うので。――忘れられたわけですか、警察は。そんな金要らなかったわけですか。これは大臣、どういうふうに理解したらいいんですかね。お約束になったことが予算要求もされなかったということでは、せっかく論議をしてきたことがこれは無になるわけでしてね。
○政府委員(鈴木貞敏君) 私たち事務当局としましても、そういう代用監獄業務の性格、あるいは先ほど来の財政負担のあり方、こういった面についてはいろいろ問題がある、これは何とかひとつ解決しなくちゃならぬということでございますけれども、さしあたりいろいろの面で、食料費あるいは管理費というようなものについて大幅な増額というふうな面について前進をするというふうなことでございまして、決して事務当局としましても、そういう面全然念頭にないということじゃございませんで、さしあたりそういう措置をとったということでございます。
○和田静夫君 さしあたりといったら、次の段階には残された問題はまた要求すると、こいうことですか。
○政府委員(首藤堯君) 私どもの考え方といたしましては、先ほどから御議論になっております監獄法の改正によりまして、この事務が地方財政法の構成でいきますならばどういったものに当たるように位置づけられてくるのか、このことによって負担区分をそのとおりに明定をいたしたい、そのことに基づきまして、その負担区分に基づいて、超過負担が出ないように適正な国庫負担の支出をお願いをいたしたい、このようなつもりでおります。
○和田静夫君 大臣、よろしいですか、いまの。
○国務大臣(福田一君) 確かに、昨年の暮れに和田委員から指摘をされまして、それは何かやはり筋としてこれは措置をしなければならない問題だということで、一部はできましたが、とにかく監獄法の改正をするというようなことで、位置づけというか、いろんな問題がまだはっきりしないというか、明確化されぬというか、法制化されないという段階で、この問題が前進を、おっしゃるような、御要望のような前進を見ておらないということは事実だと思います。申しわけございません。したがって、この点については、まあ大蔵関係ともよく話もせにゃいけませんが、警察、法務、大蔵という三者の間で、やはり筋は筋なんだから、とにかく全部は認められないまでもその法律ができるまでの間でも、ある程度こう何か、これだけはしたという前進がなくてはいけないんじゃないか。一挙に解決できなくても、やはり前進をさせるという努力はこれはしなきゃいけないんじゃないかと思っております。その意味で、この前お約束して、やりますと言ったことができなかったことについてはこれはおわびを申し上げなければしょうがない、しかしこれからはまた努力をいたしますと、こういうことでございます。
○和田静夫君 法務省では、地財法に明確でないのに、これどういう算定方法によって食費、雑費を支出されるわけですか。
○政府委員(石原一彦君) 私どものいわゆる拘置支所におきましては、全部の収容業務を行っているわけでございます。その行っている分の費用をすべて割り振りました。その割り振った額の実績に応じまして、五十円という額が出たのでございます。 もっと詳しく申し上げますと、実は、私どもで管理費を計算いたしましたところが、二十九円五十銭にしかならなかったのであります。これはある面では拘置支所でも拘置所でも相当多数の者が入っておりますから、その関係で少し低減されているのかもしれないということもございまして、そういうのといろいろな御議論もございましたので、二十九円五十銭、三十円でございますが、まあ警察署留置場の数は相当多いし、それから入っている者が分散されて少ないとそれだけ経費もかかるという点もあるのではなかろうかという点も彼此考量いたしまして、五十円の管理費ということを積算いたしたと聞いております。
○和田静夫君 さっき大臣答弁があったし、財政局長からの答弁もありましたし、それから矯正局長の法改正への前向きな答弁もありましたから、それに期待をいたしますが、ともあれ警察関係の超過負担、それが自治体財政全体に及ぼす影響の一例としてずっとこれ追及してきたことですから、そういう状態というものは克服をされる、そういう努力というものを大臣答弁とともに期待をしておきます。 ここの部分で最後ですが、「自由と正義」の六九年二月号に、当時の矯正局長の勝尾錬三さんは、「現行法上の代用監獄の制度は、本来代用制度でその廃止が予定されていたというばかりでなく、その弊害の多いことが指摘されているので、限時的にこれを廃止する方向で検討する」、こういうふうに勝尾検事は書かれているわけですね。これについては、先ほど来、いろいろ答弁がありました。ございましたが、なぜ後退した形で法制審に出されるんです。私は勝尾鐐三さんの御意見というのはすぐれて正確、だと、こう思うんですけれども。
○政府委員(石原一彦君) 私自身、勝尾-現検事長でございますが、勝尾検事長よりは保守的であるとは毛頭思っておらないのでございますが、やはり当時の事情と現在の事情と、国家財政のあり方、それから刑務所全体の人員構成、施設のあり方等から見まして、そのときのお考えを踏襲できなくなったのであります。 いろいろ申し上げる点はございますが、一言だけ申し上げさしていただきますと、実はなかなか拘置支所をふやすといっても、施設だけをまずふやしても、人員が伴わなければ適正な収容業務ができません。御承知のとおり、昭和三十年代と昭和四十年代と比べますと、なかなか法務省に人がおいでくださりません上に、刑務官というきわめてつらい仕事を望む方も少なくなったという点がございます。 それともう一つは、これ私、あちらこちらで申し上げているのでございますが、いま率直に申しまして、つくったときには刑務所は町の端であったけれども、いまや町の真ん中になった、どこか田舎へ出ていけと、こういうお話があるわけでございます。田舎に出ていくようにいたしますには、まず金もかかりますが、職員がそれではやめるという者も出ておりまして、矯正局長といたしましては、実際一番頭が痛いのでございます。ところで、金で解決できるものならということでありますけれども、いま一人頭、収容者一人につき五百万円かかるのでございます。したがって、五百人分の刑務所をつくろうといたしますと、それだけで三十五億かかるのでございまして、そのほか刑務所長を初め看守は夜でも勤務いたさなければいけませんので、近くに官舎をつくります。官舎をつくります費用を入れますと、どういたしましても一人頭六百万ないし七百万かかるのであります。 そういう点で、当時の矯正局の考えがそうであったということは私も十分承知いたしておりますけれども、現在私が責任を持って、それじゃ代用監獄をやめて漸次的に直していきましょうということはなかなか申し上げられない点ではなかろうかというふうに考えておりまして、その意味では結果的には後退かもしれませんが、日本の社会秩序を維持するための施策であるという点につきましては、先輩の勝尾検事長のお考えも私の考えも同じではなかろうかというふうに思っているところでございます。
○和田静夫君 警察関係、最後にいたしますが、交通巡視員の定数と現状について各県別におわかりになりますか。
○政府委員(鈴木貞敏君) ちょっと交通局、現在来ておりませんので、申しわけございません。
○和田静夫君 そうしたらこれはあしたに回します。
○委員長(上田稔君) ちょっと速記とめてください。 〔速記中止〕
○委員長(上田稔君) 速記つけて。
○和田静夫君 地方財政法の一部を改正する法律案で、せっかく厚生省お見えになりましたから……。 この地方財政法改正の趣旨はまず何ですか。
○政府委員(首藤堯君) 地方財政法につきましては、負担区分の規定がございまして、さらに十一条の規定の関係で、その負担の区分の基礎を明確にするようにという規定がありますのは先生御指摘のとおりでございますが、現行法令上必ずしもその規定が整備をされていないと思われる向きがあったわけでございまして、こういう点については前々から御指摘を賜っておったのでございますが、この際そういった規定を整備をするというのが主な目的でございます。 〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕
○和田静夫君 私は、幾つか指摘をずっとこの財政法でしてきまして、二十年間不備だった法律がいまようやく形の上では直ろうとしているのですが、なぜこれ農林省関係だけ改正になったんですか。
○政府委員(首藤堯君) ただいまの地方財政法及び関連法令等の整備状況について精査をいたしました結果、どうしても直しておかないと現行法体系上解釈に無理があるというようなものを拾い上げたわけでございます。ただいま御指摘は、農林省の分が非常に多うございますが、補助金等の臨時特例等に関する法律中では、たとえば公営住宅の分を直しておる、こういうようにほかのものも入っております。
○和田静夫君 この改正に至る討論の経過から見まして、この改正によっていささかでも行政水準の低下があってはならない、そう考えますが、それはよろしいですね。
○政府委員(首藤堯君) それは御指摘のとおりでございます。
○和田静夫君 この農林省関係法の改正によってこの関係での水準の低下はないということでありますが、もしそういう事態が招来をされた場合には、交付税等の措置で自治省がそれを補う、こういうふうに考えておいてよろしいですか。
○政府委員(首藤堯君) この法律の規定は、先生御案内のように、一定の経費の性格に応じまして負担区分を決めていくという構えでございますから、その経費の性格に応じて、たとえば十条でございますとか、十条の三、四に至りますまでいろいろ負担の仕方が違ってきておるわけでございます。したがいまして、そのような性格の経費が新たに出てくれば、それに応じたまた各条項の改正は当然あり得ようと思います。それから、もし一般論といたしまして、たとえば一般的な補助金を整理をいたしましてこれを一般財源に振りかえるといったような思想のもとにこの負担区分から削除するものが出た場合に、その行政経費が低下をするのを防ぐ場合にどうするかと、こういう御質問でございますれば、そのようなたぐいの経費は地方団体のもちろん自主性に任されるわけでございますが、地方交付税上、いわゆる単独事業関係の単位費用をできるだけ充実をしていく、こういう方向をもって補完をしていくべきものと考えております。
○和田静夫君 実は厚生大臣をお呼びしておったものですから、次官ちょっとお聞き願いたいんですが、昭和五十年三月二十八日のこれは参議院予算委員会における私と田中厚生大臣とのやりとりであります。 〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕 予防接種法施行令という、あなた方が地財法十一条に照らして不十分という形で資料を私のもとに出してきたこの規定ですね、乙の規定さえも実はあなた方は守っていない、こういう形なんですよ。これは厚生大臣、よく聞いておいてもらいたいんですよ。この規定が地財法十一条に違反しているということは、そこのところは私はちゃんと違うということをはっきりしておかなきゃいかぬと思っているんです。国が法令違反をとにかく犯してきた。」云々、「そこで、この違反を是正するということになりますね。このことは当然でありますが、ここに私は二つ問題があると思うんです。私が指摘をしたのは、国はいわゆる負担金の算定に当たって、経費の種目、算定基準、負担割合、これは法令で定めなければならないという地財法の十一条規定、これがある。これを守っていないということなんです」、これはまあ各大臣が認められました。で、「各大臣が認められたとおり。それからもう一つは、負担金の算定に当たって、法令はあるけれども、国はその法令をさえ守っていないということなんです、いま指摘をしたとおり。その場合、国のその間違った法令の運用に合わせて法令を変えられたのじゃ、これはたまったものじゃないんです」、「厚生省ね、なぜはっきり聞いておいてもらいたいかといったら、厚生大臣、前に厚生省はそういうことをやっているんですよ。いわゆる児童福祉法施行令の改正のときにそんなふうにやっちゃったんですよね。こういうことをやられるのでは、私は本委員会を通じてこの問題を時間をかけて取り上げてきた、いわゆる自治そのものをもう一遍見直そうという意味で取り上げてきたこのことはほごになりますから、厚生大臣、しっかりここで約束をしておいてもらいたいが、よろしいですか」。で、国務大臣田中正巳君「できるだけ実態に合わせるようにこの問題を解決いたしたいというふうに思います。」。で、私、「厚生省が考えている実態に合わしたのじゃ困るとぼくは言っているのです。法令違反を犯してきているところの実態に合わせて法を合わされたのじゃ、たまったものではありません。地財法十一条で取り上げてきた私のいわゆる趣旨に基づいて法令改正は行われる、こう理解をしておいてよろしいですか」。「法律が要請しているところに従ってこれを直し」ますと。これは最後のくだりは厚生大臣の答弁です。 そこで、このいま地方財政法の改正の趣旨、あるいはこれとの関連での政令改正に当たりましていささかでも行政水準の低下があってはならないということ、これは、昨年三月のいま申し上げました予算委員会の論議の経過から、次官、御了解いただけますね。
○政府委員(川野辺静君) それは理解できます。
○和田静夫君 そうすると、厚生省、予防接種法施行令の改正内容どうなりましたか。
○説明員(本田正君) 改正前の予防接種法の施行令につきましては、御指摘ございましたように、国庫負担の規定上、非常に不明確な点があったのは事実でございます。 そこで、その不明な点と申しますのは、改正前の施行令の第三条には、「法第二十三条の規定による国庫の負担は、各年度において都道府県が支出し、」という言葉がございますが、この「都道府県が支出し」という言葉の中には、市町村が支弁いたしましてそれに対して都道府県が支出するという場合と、それから市町村とは関係なしに都道府県独自で支出いたしました経費についてどうかということ福になりますと、それがその辺が非常にあいまいでございます。そういったことから、その点をはっきりいたしまして政令の改正を行いまして、いずれの場合にも都道府県がみずから支弁した場合も含めまして当然国庫の対象になるような改正を行ったものでございます。
○和田静夫君 改正ですよ、改正。正しくなってますか、予防接種法の施行令の改正内容。
○説明員(本田正君) 改正内容は、ちょっと長くなりますけれども、この要旨でございますが、法第三十条の規定によって市町村が支弁する費用につきまして厚生大臣が定める基準によって算定した医師の報酬、薬品云々とこういうことでございます。
○和田静夫君 前はどうなっていますか。
○説明員(本田正君) 読み上げさせていただきます。 「法第二十一条の規定による都道府県の負担は、各年度において、法第二十条の規定により市町村が支弁する費用について厚生大臣が定める基準によって算定した医師の報酬、薬品、材料その他に要する経費の額から当該年度において現に要した当該費用に係る法第二十三条の規定による徴収金の額」、途中括弧書きがございますが、省かせていただいて、「を控除した額について行う」。 それから、ただいまが政令の第二条第一項の改正でございますが、第三条第一項の改正がもう一つございます。「法第二十二条の規定による国庫の負担は、各年度において、次に掲げる額について行う。一 法第二十条の規定により都道府県が支弁する費用については、厚生大臣が定める基準によって算定した医師の報酬、薬品、材料その他に要する経費の額」。それから二といたしまして、「法第二十一条の規定により都道府県が負担する費用については、当該年度において現に要した当該費用の額」。 大略以上でございます。
○和田静夫君 それだから、これよくなりましたか。
○説明員(本田正君) 先ほど申し上げましたように、先般来御指摘いただきましたときに、私どもこの政令を見直しましたときに、非常に不明確な部分があったのは事実でございますので、それを政令によりましてはっきりいたしましたので、少なくとも現状よりこれが退化するというふうには解しておりません。前進だと解しております。
○和田静夫君 ここはちょっと置いておきますよ。それじゃ次に、身体障害者福祉法施行令の改正内容。
○説明員(金瀬忠夫君) 身体障害者福祉法の方の政令につきましては、御案内のとおり、地方財政法の上での負担割合につきましては法律で明らかになっておりますけれども、政令では、市町村あるいは都道府県が負担した分、支弁した分から一定の寄付金その他の収入を差し引いた残りについての負担をするという簡単な規定になっておりまして、地方財政法で要求いたしております種目算定基準についての明確な規定がございませんでした。そこで、昨年の十二月にこの政令の改正をいたしまして、種目算定基準を織り込みまして、従前、単に交付要綱で処理いたしておりましたものを、今度の改正で明確に処理いたしました。こういうことでございます。
○和田静夫君 どんなに抗弁されても、厚生省だけは、今度の私と大臣との論議、予算委員会の後この地方行政委員会で同じく細かい論議をやって、そして、いま厚生政務次官がお認めになったように、行政水準の低下があってはならないというそこの部分に明確に抵触をしていますよ。大臣が定める基準でしょう。それが、今日までずっと施行されてきたいわゆる実額との関係においてペイされてきたものと、上回るなんというようなそんなことになるわけがないじゃないですか。厚生省はとにかくこの政令改正に当たって、大臣の答弁に反する。また、これは大臣答弁じゃなくて、これは一般質問でありますから、政府を代表して官房長官が全部認めておることです、先ほど読んだ文章、私とのやりとりは。三木内閣として認められたところの基準から、いまあなた方が用意をされている政令は明確に下がってますよ。これは許せません。したがって、ここではとにかく予算委員会のやりとりに基づいて決めたところの基準、それに基づいて整理をされた――法制局長官もこの間お見えになりまして、大変長い間、約二十年間にわたって放置をされておった地方財政法をおかげさまで整理することができました。ただしその中には、全部私の趣旨に合っていますかと言ったら、残念ながら合わないところがあるのですと。きょう実はお見え願おうかと思ったのです、ここへ。しかしわざわざそれまでしてもらう必要もないと思ったから、どこが一体私の趣旨に合わないだろうと思って政令をずっと洗ってみたら厚生省が浮かんできた。厚生省のこの二つ、予防接種法についてはまだ一つの部分だけですからあれですがね、身体障害者福祉法のこの政令の問題については、これはこの現状で放置するわけにはいきません。これは明確に政令改正違反をしている。三木内閣と私が、明確に予算委員会でやりとりをした趣旨に厚生省は違反をしている。この政令をお直しになる、そのことが必要です。明確にされたということはもう明確にうそで、明確になんかなっていません。大臣がどんな基準をつくるのやらさっぱりわかりゃしないじゃないですか。ここは検討を加えられまして、政務次官、お直しにならなきゃならぬところは再改正をされる、こういう形で御答弁を願えますか。
○政府委員(川野辺静君) 和田委員は大変に先般来からこの問題で非常に御熱意を持っていろいろの御意見をお出しになっていらっしゃいますこと、私も先ごろから伺っております。ただいまの御意見でございますけれども、いま私がここで決定線を出すわけにはいきません。本当にきょう大臣がお見えにならなくて先生も御不満と思いますけれども、これは御了解いただきまして、先生のその御趣旨を、そしてお気持ちをよく大臣にもお伝えいたしまして、できるだけお気持ちがいきますように、十分にお伝えしたいと私は思っております。
○委員長(上田稔君) 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十六分散会 ―――――・―――――