大蔵委員会 第9号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1976/05/19
会議録
○委員長(岩動道行君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 昨十八日、橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。 —————————————
○委員長(岩動道行君) 租税及び金融等に関する調査を議題といたします。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。 参考人の方々には、御多忙のところ、大変御無理を申し上げ、本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 次に、これからの会議の進め方につきましては、まず小倉参考人、新井参考人、関本参考人の順でお一人おおよそ十五分程度御意見をお述べいただきまして、その後委員の方々からの質疑にお答えいただくという方法で進めてまいりたいと存じますので、各位の御協力をお願いいたします。 それでは、小倉参考人にお願いいたします。
○参考人(小倉武一君) 私、税制調査会の会長の席を汚しております小倉でございます。にもかかわりませず、税制についてそう学識経験があるわけでもございませんので、きょうお招きいただきましても御参考になるようなことを申し上げられるかどうか、はなはだじくじたるものがございます。 税制調査会におきましては、昨年の暮れに五十一年度の税制改正について答申を政府に出しておりますが、その内容はもうすでに御承知かと思います。すなわち、所得税の減税は見送る、それから租税に関するいろいろの特別措置につきましてはできるだけ整理合理化する、もう一つは、自動車関係の諸税につきましてこの際増税はやむを得ないと、こういった三つの点が主要な柱になっておりまして答申を申し上げましたところ、政府も大方その趣旨によっていろいろ立法措置等を講ぜられたのでございます。 五十二年度以降につきましては、まだ税制調査会では審議を進めておりません。したがいまして、ここでどういうようなことを審議し、どういうようなことが議題になり、どんな方向でものを考えておるかということを申し上げるわけにもまいりませんのでございます。ただ、昨年の答申の中に、多少将来のことも触れたことが書いてございます。これも御承知のとおりと思いますが、どうも高度成長時代とは違ってなかなか税収の増大ということはもう期待しにくい。他方、しかし、財政需要の方から申しますと、福祉その他につきましてそう支出を削減をしていくというようなこともまいらないというようなこともございまして、これからはある程度の税負担の増大ということは避け得られないのではなかろうか。ただし、その際にどういう税制の仕組みをするかということについての具体的な措置については、国民の負担の増ということになりますものでありますから、よほど慎重に検討をする必要があろうというような趣旨をうたっておるわけでございます。そういうわけで、ある程度の負担増はやむを得ないというようなことが将来に向かってのいわば考え方でございます。 まあそれ以上税制調査会としては触れておりませんのでございますが、他方、昨年の秋ごろから御承知のとおり経済審議会−企画庁の関係でございますが、ここでやはり五十年代の前半の経済計画についての立案といいますか審議がなされておりまして、昨年の暮れになりましてからいわゆる概案とかスケルトンといったようなものが提出されまして、その中に、税負担については約三%程度という表現でしたが、三%くらいの負担増というようなことが考えられておるというようなことがございました。それを踏まえまして、税制調査会では、基礎問題小委員会というもっぱら各方面の学者の先生方を専門委員になっていただきまして、これは前からあるわけですが、新しく若干名の方を追加任命いたしまして御承認を願って、基礎問題小委員会で今後の税負担のあり方、あるいは財政のあり方等あるいは経済の推移等にかんがみましてその辺をどう考えたらよろしいかということを両三回に及んで討議をいたしております。なおこれは今後さらに続行されるかと思いますが、一応いまのところはごく最近、先週でございましたか出ました五十年代の前半の経済計画の全貌はまだ承知しない段階で、全体の概案の段階でございましたので、その関係もございますが、その中で主なる議論として論議されましたことを思いつくままに申しますと、このような景気の状況でもって、さらに不景気の状況の中で景気を回復するといいますか、浮揚するというようなことが必要なんだけれども、そういう際には思い切って財政支出を増大する必要がある。その場合には、赤字公債といいますか、特例公債もある程度やむを得ないのではないか。また、ある程度所得税の減税等も考えていいのではないかといったようなこともございました。他方、しかし、これに対しまして、一たん特別の起債を出すというようなことに踏み切って、それになじむというようなことになるというと、どうもこれはインフレーションにつながるというおそれもあるので、これはやはり歳出の中身について検討を加え、あるいはまた税あるいは税外の負担についてのこともひとつある程度考えてもらわなくてはならぬのでなかろうかと、こういったような意見もあったわけであります。 そこで、どの辺にその考え方を集約するかということについては、しかとした結論を得ているわけでもございません。ただ、すでにもうそのときに税負担の三%増というようなことは経済計画の概案にも示されておりましたので、そのことについても御紹介をし、いろいろ御討議を願ったわけでありますが、この点については格別の異論もなかったように見受けます。 そういったような状態でございますので、まだ今後の税制をいかに考えるかということについてここで申し述べるわけにもまいりませんのでありますが、いずれにいたしましても、ある程度の負担増ということはやむを得ないのではなかろうかというようなことを前提として考えますと、やはり税制全体についてここでひとつ見直しをしてみるということが必要ではないかというような感じがいたします。それには、無論、所得税の問題あるいは法人税の問題あるいは資産税の問題あるいは消費税の問題、いろいろございまして、それ全体についてある程度の見直しをするということが必要かと思うのであります。 申すまでもなく、所得税はいわば税の中の中心みたいな、中核みたいなものでございまするのでありますから、今後所得税をどう考えていくか。特にある程度の経済成長、これに伴うやむを得ない物価の上昇というようなことも若干ありましょうし、そういうことをにらんである程度の調整を加えつつ、所得税のあり方をどう持っていくかということが一つの検討事項かと思います。 法人税につきましては、これはやはりいろいろ御意見もございましょうが、一つは、特別措置との関係で、配当軽課でありますとか、法人の受取配当の益金不算入であるとか、そういったような特別措置的なことも法人税関係にはございますので、そういうことも含めて今後の私企業の資本の蓄積の可能性、あるいは現在の企業活動の状況というようなことを踏まえて、法人税のあり方を特別措置的なことも含めてひとつ考えてみる必要もあるのではなかろうかというふうに思います。 資産税については、一部の御意見かもしれませんが、富裕税といったようなものを創設したらどうかというような御意見もあるようでございますが、さらにまた、消費税につきましては、一般消費税、もっと具体的にはECでやっておりますような付加価値税の導入の可否というようなことについてもあるいは検討さるべきものではないかと、こういったような気がいたしております。 今後の税制調査会の段取り等につきましては、まだ全然未定でございます。まあ役所の関係でございますもので、どうしても国会の関係も生じてまいりますし、国会中はやはり役所の方も税制調査会に対応していろいろ勉強したり、いろいろ資料をつくるというようなこともなかなかできにくいというようなこともあるんでしょう。したがいまして、そういう事情もございまするし、また役所内部での勉強ということもございましょう。また、税制となりますと、御承知のとおり国税のほかに地方税というようなこともございまして、地方財政もなかなか苦しいような状況でございまするので、役所間の打ち合わせというようなこともございまして、まだまだいつ税制調査会が再開されるかということは予断できませんのでありますが、いまお話ししましたようなことだとすると、既存の税制の若干の手直しということで、これからの税制改正は済むんだということにはなかなかなりにくい、相当広く深く検討しなきゃならぬのじゃなかろうかという気もしますので、ある程度例年よりはむしろ早目に、あるいはかつ集約的に審議を進める必要があるのではないかというふうに私個人としては憶測しているという次第でございます。 簡単でございますけれども、以上をもって私の御説明といたします。
○委員長(岩動道行君) 次に新井参考人にお願いいたします。
○参考人(新井益太郎君) 私は、ただいま御紹介いただきました成蹊大学の経済学部の新井でございます。専門は会計学と税務会計でございますので、税務会計の立場から申し上げることにいたします。 税務会計はかなり計算技術的な要素を持っておりますので、あるいは私のお話がお役に立たないのではないかと恐れております。学問領域といたしまして株式会社を例にとりますと、株主総会で確定いたしました当期利益を基礎といたしまして課税所得を計算するプロセスがこれに該当するわけです。商法は当期利益の算出について定めておりますし、法人税法もまた課税所得についての規定を持っておりますが、当期利益がそのまま課税所得にはなっておりません。課税所得は当期利益を基礎としてこれに修正加工、つまりプラスマイナスをいたしまして、そしてこの当期利益の計算に当たっては商法の三十二条の二項に「公正ナル会計慣行ヲ斟酌スベシ」という規定に従うわけでありますし、法人税法の第二十二条の第四項では、課税所得の計算要素となる収益及び費用は「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるもの」となっております。「公正ナル会計慣行」及び「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」の内容、これが普通に言われている企業会計原則、これは大蔵省の企業会計審議会から公表されております企業会計原則を一応指さすものと考えられております。したがって、税務会計の領域について私のような会計学的な側面から検討することが可能である、このように考えています。私が主に参考にするのは、法人税法、それから施行令、規則及び法人税取扱通達、それと、租税特別措置法のうち法人関係のものでありまして、国税通則法あるいは所得税その他の国税並びに地方税法などを取り扱うことはきわめて少ないと思います。したがって、私がこういうような税務会計の問題を研究しているうちに気づいたことを二、三申し上げて参考に供したく存じます。これがこの委員会での租税一般ということにふさわしいものになるかどうか、それを恐れておるわけでございます。 最初に申し上げる点は、法人税関係、これは必ずしも法人税法にだけ特有の問題ではないと思いますが、この法律の文章についてであります。法人税の内容はかなり高度のものでありますし、その仕組みも複雑であります上に、文章が相当にむずかしくて困っております。法人税は、所得税についてと同様に、申告納税制度というものをとっております。法人税額は昭和五十年度におきまして国歳収入の約三三・七%を占めていると聞き及んでおりますが、こういう重要な税金が納税者においてきわめて難解である文章を読まなければならない、それでなければ納税申告ができないという点を御理解していただければ幸いだと思います。例年税制改正が行われますが、その行われますたびごとにこの税制改正についての解説がなされなければ法人税の計算ができないということは、大変に不幸だと言わなければならないと思います。教育のたてまえからしますと、義務教育を終えた人たちがだれでも理解し得なければならないはずの法律が、これが大学を卒業しても、あるいは極端に言って大学院を卒業しましてもわからないというようなことがありますると、これは大変に困ったものだと思います。高校教育までのテキストは、これは国家検定によりまして大変にやさしく行われております。このことは喜んでよいと思うのですが、同時にそれは高校教育から大学教育に進んだ段階でいきなりむずかしい大学のテキストを与えられる。しかも、その大学のテキストを読んでも、法律に関する問題というのはこれはなかなか理解できない。したがって、そのギャップが常に広がっていく。税務会計の分野でございますと、したがって、税務会計に関する専門的な理解というものがこれが一般的に言ってできにくいような状態になっております。これでは正しい納税申告というものがなかなかできないのではないかということを恐れております。一歩譲りまして、そのためにこそ税理士の方であるとか、あるいは公認会計士の方であるとか、いわば会計専門家の方たちがあるから、そういう方たちにお願いすればいいというようなお話もお聞きするわけですが、これは率直に申し上げまして税理士の方たちや公認会計士といういわば会計の専門家ですらわかりにくい分野が税務会計であると言えなくもないと思います。この点につきまして諸外国の法律規定などを参考にする場合には、かなりやさしい表現が文章に使われており、納税者がこれに親しみやすいということが言えるかと思います。 ことし行われました税法の改正で、租税特別措置法関係の法律がかなり改正されていると思うのですが、租税特別措置法は課税の公平性という点から見ると確かに問題がある法律ではあると思います。しかし、この租税特別措置法のあるものについては、確かに政策目的からなされるそういう性質を持っているものと、それから当然に所得計算の原則につながるものと、このように二つに分けることも可能かと思います。そのうち、政策目的に関するものにつきましては、たとえば、これは一例でございますので御了承いただきたいのですが、たとえば中小企業の課税問題というものを取り上げた場合に、租税特別措置法、そのほか法人税法が一般に適用されるわけですが、この租税特別措置法の規定、こういうものを見ましても、果たして中小企業において適切な会計処理ができないのではないか。つまり、そういう適切な会計処理ができないまま高い税金を納めなければならないことがあるのではないか。この点では、大企業と中小企業とを比べてみますと、大企業の場合には税務担当者というものを養成する能力が相当できております。したがって、その点で中小企業の場合には税務担当者を養成できないまま租税特別措置法の恩典が受けられない、こういうような結果も生じているかと思います。このために、一つは、いま申し上げました税法の仕組みというものをもう少し簡素化する必要があるのではないか、このように考えます。 それからその次に、法人税法並びに租税特別措置法関係の法律におきましては、わが国における貨幣価値変動というものを考慮したこういう規定というものがほとんどございません。租税特別措置法関係から申し上げますと、価格変動準備金の制度というものがございます。これは昭和二年の主秘第一号通牒によってできました一割評価減の規定が形をかえて戦後価格変動準備金ということになったかと思いますが、この貨幣価値修正を織り込んだ規定というものを幾つか準備することが必要ではないか。これはもちろん法人税法や租税特別措置法の法人に関するものだけではなくて、事によれば所得税法その他にもこういうことが要請できるかと思いますが、わが国のような貨幣価値の変動が非常に激しい状態においては、これを織り込むことも今後考えることが必要ではないかと思います。 それから最後に、連結納税申告についてでございます。大企業が多くの子会社を持ちまして企業集団として大きな意味を持つようなそういう時代に最近はなってきているわけでありますが、この課税関係についての早急な検討があってしかるべきだと思います。昭和五十二年度からは連結財務諸表の制度が証券取引法上発足することになっておると思いますが、これは税法が積極的に介入しないことには制度の円滑な運営ができず、いたずらに企業に手数をのみかけることになることを恐れております。もちろん税法よりも商法が優先する必要があると思いますが、税法上広く検討を始めるべき時期に立ち至っている。このことは大規模の企業の課税がいかにあるべきかという議論につながる問題と思います。わが国の法人税法の規定といたしましては、これは率直に申し上げて同族会社税法の性格というものを与えられております。これは同族会社がわが国の企業の大部分を占めている実情というものから見て、その実態にマッチしているということが言えると思います。しかし、別の面から見ますと、非常に数多い中小企業のほかに、数少ないとは申せ相当数の大企業が実際にはでき上がっている状態でございますので、この別の面から大企業の課税を考える時期に来ている。これについては当然連結財務諸表の問題というものが取り上げられざるを得ない、このように考えております。 以上で私の意見を終わります。
○委員長(岩動道行君) 次に、関本参考人にお願いいたします。
○参考人(関本和幸君) ただいま御紹介いただきました関本和幸でございます。日ごろ税理士といたしまして納税者の方々に身辺に接触をしておりまして、税務代理、税務書類の作成、あるいは税務相談等を行っておる者でございまして、そのように実務の面から、本日は若干の私見を交えまして参考になることを申し上げたいと考えております。 最近の社会経済情勢を大観いたしますと、相次いで実施されました総需要抑制政策により、物価の狂乱的な高騰現象はようやく鎮静を見たような感じがいたします。その反面におきまして個人所得の伸び悩みがあったというふうに見ております。また、企業経営の悪化は国民生活並びに経済界に対しまして深刻な影響を及ぼすこととなりまして、その結果、企業の倒産の続出、雇用不安の拡大等から、特に中小企業におきましては、まだまだ景気の沈滞と不況は長期化する傾向が見受けられるようでございます。また、このような経済社会の情勢は当然のことながら国及び地方公共団体の租税改入に反映いたしまして、相当額の税収の落ち込みがあるのではないかというふうに考えております。したがいまして、国家及び地方財政を相当圧迫しているというふうに考えられるわけでございます。政府は、この慢性化している不況を打開して景気の好転を図るため、財政あるいは金融の両面からも抜本的な対策を強化されておりますが、税制の面におきましても租税の公平原則をゆがめないことを第一義といたしまして、物価の上昇を防止しつつ不況に対処する適切な改正が行われることが目下の急務であるというふうに考えております。 そこで、当面の税制改正に当たりまして、私、三つの点について申し上げたいと思います。第一は、不況の影響が著しい個人並びに中小企業に対する不況打開のための税制措置、二番目といたしまして不公平税制に対する見直しの措置、三番目といたしまして税収に影響の少ない現行税制の簡素合理化措置、この三つについてお話を申し上げたいと思いますが、時間の関係もあると思いますので、一の方から申し上げます。なお、一の部分につきましては相当細かなことをお話しするようになりまして大変恐縮でございますが、時間の許す限りお話を申し上げたいと思います。 まず、一の不況の影響が著しい個人並びに中小企業に対する不況打開のための税制措置といたしまして、個人のためには、一としまして、現行の税制は所得控除と税額控除というふうに二段構えになっておりますが、この控除方式はややもすると高額所得者優遇となるおそれがありますので、控除につきましては税額控除方式に統一していただきたいというふうに考えるわけでございます。そこで、もし税額控除にすることが不可能な場合につきましては、まず配偶者控除、扶養控除の対象となる者の所得限度を引き上げていただきたい。 二番目といたしまして、控除の中に老年者控除という言葉がございます。それから老人扶養親族という言葉がございますが、税法の中に老人と老年とどのように区別するのか、ちょっとこの辺が実務家としまして非常に疑問に思うわけでございまして、老年者控除の場合は、これは御本人ですが、六十五歳という年齢制限がございます。老人扶養親族ということになりますと、七十歳以上ということになりまして、どうも老年と老人がどのように違うのか、この辺が明確でございません。私どもといたしましては、この適用年齢を満六十五歳にするか七十歳にするかは別といたしまして、統一していただきたいというふうに考えております。また、このほか、給与所得におきまして老年者年金特別控除という控除がございますが、この範囲も拡大していただきたいというふうに考えております。 それから次に、住宅取得控除でございますが、これを廃止しまして、住宅を取得したための減価償却所得控除、こういうものに直していただいたらいいのではないかというふうに考えております。 次に、非営業の保証による債務弁済、あるいは災害による不慮の事故等、現行税制では救済されない不測の損失に対する雑損控除を認めていただきたいということでございます。雑損控除はございますが、現行の税法では、災害、盗難、横領と、このように雑損控除の対象となる災害が決められておりますが、非営業の保証、つまり、たとえば親戚の者に保証してやったと。ところがその親戚の者が払えないために本人にその債務が来たと、このような場合、相当な額がやはり所得において負担されるわけでございますから、非営業の保証による債務弁済等につきましても雑損控除の対象にしていただきたいということを考えておるわけでございます。 それから次に、居住用財産の譲渡並びに相続それから贈与の関係でございますが、現行では居住用財産の譲渡所得に対する特別控除、これは三千万円でございますが、この三千万円の控除の除外としまして、親族等についてはだめだというふうな規定がございますが、この親族等の等を取っていただきたいと思います。と申しますと、親族の定義は、配偶者、六親等の血族、三親等の姻族ということになっておりますが、この等があるために、会社から月給をもらっている従業員もだめだというふうなことで、相当親族等の等が広範囲にわたっておりますので、この際、ぜひこのように限定するならば親族に限定していただきたいというふうに考えておるわけでございます。 それから居住用の財産の相続については、特別控除または非課税限度の範囲をぜひ拡大していただきたいと思います。簡単に言いますと、親から土地や建物をもらってそこに自分が住んでいる場合、ほかに財産がないといたしますと、その土地が相当評価が高いようなところにつきましては、せっかく相続しても、その相続した自分が住んでいるところを処分しなければ税金が納められないというような現状がございますので、ぜひこの点につきましては格段の御配慮をいただきたいというふうに考えております。 それから次に、夫婦間の居住用不動産の贈与の特例でございますが、夫婦が一緒になりまして二十年間という限定がついておりますが、この二十年がいいかどうか、私どもはもう少し短縮して仮に十五年程度にしていただいた方がいいのではないかというふうに考えております。さらに、この場合の非課税でございますが、一千万円の額をさらにふやしていただきたい。少なくとも一千五百万円程度は、この居住用財産の贈与の特例を引き上げていただきたいというふうに考えております。 ただいまのは個人に対する措置でございますが、次に中小会社に対する措置についてお願いを申し上げたいと思います。 まず、一番目が同族会社についてでございますが、これにつきましては、法人会その他各種団体からも陳情等があるかと思いますが、まず留保課税は廃止していただいて、さらに同族会社の行為計算否認という規定がございますが、これらは廃止していただきたいというふうに考えております。 それから税率についてでございますが、軽減税率適用の所得の範囲を拡大していただくとともに、配当軽減税率の適用範囲も同様に拡大していただきたいというふうに考えております。 それから引当金等についてでございますが、貸倒引当金というのがございます。この繰り入れ限度の割り増しの特例につきましては、三月三十一日延長が認められておりますが、問題になりますのは、割り増し率を引き上げていただきたいということでございます。現在、中小会社につきましては、卸小売業につきましては貸倒引当金の率は千分の二十でございました。一億円以下の会社、つまり中小会社につきましては、千分の二十にさらに二割増し、百分の百二十という率を適用するわけでございまして、実質的には千分の二十二になるわけでございます。しかしながら、この中小会社と同様な形で営業しております個人営業について見ますと、個人の場合は、この貸し倒れ率は千分の五十五でございまして、ただ組織が会社であるかあるいは個人であるかという違いで、片方は千分の五十五、片方は千分の二十二ということでは、余りにも不公平ではないかというふうに考えております。これは本法を直さないとすれば措置法で手当てをしていただくわけでございますが、百分の百二十という割り増し率は個人に合わすならば百分の二百七十五という率を適用していただかなくては個人と会社は一致しないというふうに考えております。 それから次に、退職給与引当金というものがございますが、これにつきましてはむずかしいいろいろな計算がございますが、累積限度額の制限を廃止していただいて、要支給額と言いまして期末に従業員が全員やめた場合幾らの退職金を出さなければいけないかというそういう計算がございますが、それに一本にしていただいた方がすっきりするのではないかというふうに考えております。 それからこの計算でございますが、使用人兼務役員というのがございます。具体的に言いますと、取締役営業部長とか取締役経理部長という職責の方がありますが、そのように役員と使用人を兼ねている方については、退職給与引当金は計算の中に入れないことになっておりますが、これにつきましては使用人兼務役員の場合は、その使用人部分についてはこの計算をしてもいいのではないかというふうに考えております。 それから次に、中小法人の役員賞与でございます。なかなかこの規定もむずかしいものがございまして、中小法人の役員の賞与についてはその実態から見て兼務役員程度までは全額経費として損金算入を認めていただいていいのではないかというふうに考えております。具体的に申し上げますと、例が適当でないかもしれませんが、八百屋さん、魚屋さんという、そのような業種の方でも有限会社にしている例が間々あるわけでございまして、御主人が社長で奥さんが専務というふうな方たち、まあ前掛け社長にエプロン専務だというふうなことをよく言っておりますが、その奥さんの場合、役員であってまたその会社の株主であります。そのために同族会社でありまして、その奥さんに対して賞与を出した場合でも、これは兼務役員であるから、同族会社であるから、その奥さんに対する賞与は経費としないという規定でございます。しかしながら、実際的にそのような内情を見ますと、その奥さんという方は他の従業員以上に朝から晩まで人の二倍ぐらい働いておられます。当然よけいに賞与もいただかなければいけないわけですが、もらった賞与は経費にならないということでは余りにも不合理ではないかというふうな考えがいたすわけでございます。 それから最後に、地方税についてでございますが、いろいろと申し上げたい点もございますが、一つだけ申し上げますと、法人事業税の申告に対しまして欠損金の繰り戻しによる還付請求を認めていただきたい。これは相当な税制の改正になると思います。御案内のように、最近の不況下にありまして国税に対しましては繰り戻しの請求という件数並びに税額は非常に大きなものになっていると思います。このような制度、つまり前年度が黒字で今年が赤字という場合、その赤字の所得に見合う税金を戻してもらうという制度が国税にはございますが、地方税にはそういう制度がございません。実質的にこの制度がありますと、この国税を還付していただきまして、それを資金繰りに充てている例が非常に多うございまして、このような制度の趣旨から見ますと、地方税も当然にこの制度を採用していただくのが至当ではないかというふうに考えております。 まだ申し上げたい点がございますが、大きな項目の二番目の不公平税制に対する見直しでございます。時間がないようでございますので項目だけ申し上げます。ほとんど措置法に関するものでございまして、今年の措置法についてはもうすでに御審議が終わっておりますので、さらに来年以降について御検討いただきたいというふうに考えております。 一番目は、これはしばしば問題になります社会保険診療報酬に対する課税についてでございますが、私どもは全面的に廃止をしていただきたいというふうに考えております。 次に、交際費課税についてでございますが、これについてはこの強化措置が相対的に中小法人に過重とならないように交際費課税は適正に行っていただきたいというふうに考えております。 それから次に、利子・配当所得に対する問題でございますが、これにつきましては、やはり本来の総合課税方式に移行すべきであろうというふうに考えております。 それから次に、有価証券の譲渡所得についてでございますが、新聞紙上によりますと、衆議院においても何か論議されているようでございますが、現行の非課税措置、つまり売買回数五十回以上でかつ売買数量二十万株以上という制限がございますが、これらについてはもっと強化していただいた方がいいのではないかというふうに考えております。 次に、農地に対する固定資産税でございますが、これもいろいろと問題点があるかと思いますが、負担公平の見地から評価がえを検討していただきたいというふうに考えております。 以上、大きく申し上げますと、不況の影響が著しい個人並びに中小企業に対する税制措置、それから不公平税制に対する見直しと二点だけを申し上げまして、先生方の審議の御参考にさしていただきたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(岩動道行君) 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大塚喬君 初めに、小倉参考人にお尋ねをいたします。 先ほどのお話の中で、所得税、法人税、それから消費税、こういうようなものを見直し、深く広くと、まあこういうことでお話がございまして、確かにそういう感じを私どももいたしておるわけでございますが、これに関連をして、いわゆる付加価値税の問題、ちょっとお言葉があったように拝聴いたしました。それは、五十年度も財政が極度に赤字になって、国債依存率が三〇%と、こういうことの中で当然そういう形に進んでいくものと、こう考えるわけでございますが、私どもといたしましては、たとえEC諸国が付加価値税というものをいずれもとっておると、こういうことであっても、わが国の現状の中で、新税創設の前に、まず現行税制のうちで税負担の公正を図る、不公正税制の是正と、こういう問題が先決問題であると、こういう立場を強く主張いたすものでございます。それで、その他の参考人の方からもお話がございましたように、現行の租税特別措置法は、大変問題があり、不公正税制の典型であると、私どもそう受けとめておるわけでございますが、現在、この租税特別措置法の見直し、これがことし改正になって、その後、明年度以降これらについてどう取り扱いをされるお考えか。さらに、先ほどの税調内で付加価値税の問題についてどのようにお考えになってどのように進めようとされておりますのか、これらに対するデメリットの問題もやっぱり私ども大変心配を強くするものでございますので、これらについて初めに小倉参考人から御意見をお聞かせいただければありがたいと思います。 それから第二番目に、最近、地価の鎮静化に伴って、大企業が購入いたしました資金、これが金利の重圧によって、財界を中心にこの税制緩和策が強く求められておると、こういうことがそれぞれ新聞報道等でお聞きをいたしておるわけでございます。来年度の税制改正のこれが一つの目玉になるのではないかと、こういうようなうわさも耳にするわけでございますが、この法人の土地譲渡益に対する重課税の緩和の問題、これらについてひとつ基本的な考え方、今後の取り扱い方等について初めにお尋ねをしていただきます。
○参考人(小倉武一君) 最初の御質問でございますが、付加価値税云々というような新税というものを検討あるいは考えるということの前に、まず不公平あるいは不公正税制を是正すべきではないかという御意見、これはまことにごもっともでございまして、税制調査会でも御趣旨のようなことで本年度の税制改正について御答申申し上げているということでございます。無論、不公正税制と申しましても、何も大企業だけのための政策的な税制はかりじゃございませんで、中小企業——先ほど交際費のことについて別の参考人からお話がございましたが、たとえば交際費をとりましても、やはり中小企業についての影響ということでなかなか思い切った合理化ができないといいますか、あるいはしにくいというような点もございます。あるいはまた、一般の社会福祉といいますか、そういう観点からの政策的な考慮を加えたものもございまして、全部一からげにしてこれを整理合理化するというのはいかがかと思いますが、その中でしかしそこに不公正の目立つものについては、まあことし項目としては非常に多くのものを取り上げ、来年からも本年の趣旨に沿ってさらに合理化を進めていくと、こういうつもりで税制調査会ではおる次第でございます。 それから付加価値税につきましては、いまの税制調査会は四十九年に任命がえになりまして発足したわけでありますが、現在の税制調査会ではまだ付加価値税を本格的に取り扱っておりません。委員の方々の発言の中にあるいは付加価値税といったような言葉が出ることもあったかと思いますが、一つのまとまった議題として付加価値税の導入の可否いかんといったようなことをまとめて論議したことはございませんのです。したがいまして、税制調査会としてこれをどう考えておるかということも私はなかなかお話ししにくいのでございます。ただ、沿革を申しますと、ずいぶん前から一般的な消費税を導入したらどうかということは税制調査会で議論になっておるわけです。最初は売上税ということで議論になっておりまして、売上税の導入について検討すべしというような答申があったこともありまするし、その後に今度は売上税の導入はよくないというような答申もあったわけです。それからまた、その後、四十六年ですか、このころに非常に付加価値税について検討いたしまして、欧米の——アメリカはございませんが、欧米のことを調査なんぞもいたしまして、その報告もございまして、相当内容のある調査を踏まえて、今後付加価値税の導入について検討をするのがよかろうというような答申があったこともございます。しかし、あくまでこれは検討ということで、近き将来導入すべしと、した方がよいというようなまだ答申ではございませんでした。したがいまして、まあそういうことでございますので、税制調査会としてこれを導入したがいいんだというふうに皆さんお考えになっているというふうには申し上げるわけにはまいりませんのです。 ただ、御承知のとおり、付加価値税についてはいろいろな長所がございまして、もう釈迦に説法でございまするから申し上げませんが、いろいろな長所がございますが、他方同時に欠点もある。特にその欠点につきましては、ヨーロッパ諸国と日本とはどうも企業の構造といいますか、経済構造といいますか、そういうのが違う。まあ手っ取り早い話が中小企業ないし零細企業層が非常に多いという、これは大きな違いでしょう。もう一つは沿革の違い。国によってこれは違いますが、付加価値税を最初に始めたような国は、どちらかというと間接税依存の国で、そういったような種類の税制がずっと長い間伝統として続いておった、それを拡大強化するといいますか、したのが付加価値税みたいなことになっておりまして、そういう沿革の違いというようなこともあるかと思います。それからまた、なかなか厄介である。大企業等にとってはそうでもないかもしれませんが、中小企業、零細企業にとっては、税金を納めるための事務その他が非常に厄介である。そういうことも関係ございますが、よう転嫁できないではないか。付加価値税は最終的に一般消費者に転嫁するというたてまえになっておるわけでありますが、なかなかよう転嫁できないのではないかというふうな問題もございます。 それからまた同時にこの付加価値税を仮に導入するとすると、他の税制についてどういう措置を講ずるかというようなこともこれはあわせて考えなくてはならないわけです。独立してその導入の可否を論ずるわけにもまいらない。さらにまた、いまのように転嫁するということになりますから、どうしても導入のときは物価に影響する。当然これをそのまま物価に影響するということを考えざるを得ない。したがいまして、その導入の時期としましても、物価の問題がやかましい折からは導入については一体どういうものだろう。要するに、新しい税を始める場合の時期については付加価値税は特に慎重な考慮を要するというようなこともあろうと思います。 ただ、いまのようなことがいろいろなことがございまして、なかなか問題が複雑なようでございまするけれども、大筋としての検討は第五次税制調査会でも進めており、役所の方でも進めてこれまでおったかと思うのですが、もう一つ足りない点は、問題点の一つとしてもよろしいのですが、もっと実務的にどうだということについての検討がなお不十分じゃなかろうかという気もいたすわけです。たとえば、税務署の職員が現在のままでいいだろうかというようなことにもつながっていく可能性もあるわけです。それから実務的に一体中小企業だとかその他こなせるんだろうか、簡便法ということもヨーロッパでもやっているようですけれども、簡便法をどういうふうにするかといったような実務的な検討はまだ余り行われていないというようなこともございます。 そういったようなことで、税制調査会としては、一般論としてはある程度検討をしており、今後検討を要する。まあ検討というのは導入という意味において検討を要するということだったと思いますが、しかし、これまでは何しろある程度の増収が期待できた。新税を起こす必要はないという全体のバックグラウンドがございまして、積極的に導入したがよかろうという答申にはなっておりません。しかし、様子がただいまは変わっておりますので、改めて検討を要するといいますか、改めて検討する価値のある課題ではないだろうかというふうな気を持っております。 もう一つ、問題としましては、特に日本の導入の場合の問題としては、一体国税と地方税との関係を付加価値税についてどう考えるかということもあろうかと思います。そういうようないろいろな問題もございますので、税制調査会で検討を始めましても速急に新税をつくるというようにはなかなかまいらぬのじゃないか、これは私の個人的な憶測でございますが、というような気がいたしておるわけでございます。 それから土地税制についてもう一つお伺いがございましたが、土地税制については私も新聞等によって承知しているだけでございまして、税制調査会では全く今後の土地税制については討議はいたしておりません。ただ、お話のように、こういう経済情勢の変化に伴って、土地税制について若干の手直しをすべしという意見があるいは出てくるかと思います。ただ、土地税制というようなものは、いわば土地政策というものに付随してそれを補強する、たとえば投機的な土地の取引についてそれを防止をするというような、土地政策があるとすればそれに付随して税制の方もバックアップしようというような感じのものでございますので、税制だけ先走って云々というようなことは余り考えない方がいいのではないかという気がいたしております。のみならず、土地譲渡益の重課制はそう古い制度ではないわけです。四十八年でございましたからまだ新しいような制度でございまして、この土地の関係の税制というものをそう簡単にくるくる変えるというようなこともいかがかと思われる節もございまして、全体の土地政策上税制をこういうふうに見直した方がよかろうというようなことであれば、税制調査会としても検討を要するというようなことになるかと思いますが、ただいまそういう予定はございません。
○大塚喬君 時間が少のうございますので、この際三方にそれぞれお答えをお聞かせいただきたいと思います。 一つは、さきに農業用相続財産については五十年度優遇措置が講ぜられました。中小商工業者の相続財産については、本委員会においても私ども論議をいたしたところでございますが、今後どのようにお考えになっておりますか、この問題についてそれぞれひとつ簡単で結構でございますからお答えを願えればありがたいと思います。 もう一つは、広告費の課税の問題についてでありますが、これを費用性のものとしてとらえるべきか、あるいはそれとも、ある一定限度までを損金扱いにして、それを超えたものについては、現行の交際費同様、課税の対象とすると、こういうことについてのそれぞれのひとつお考えをお聞かせいただければありがたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
○参考人(小倉武一君) お答えいたします。 中小企業の相続と申しましても、これは個人の問題に限った方がよろしいかと思いますが、個人企業といいますか、これは農業だとか沿岸漁業なんかにも共通の問題でございまして、農業については農地の評価ということでお考えをいただいておって、およそまた解決がついたような気もいたしますが、中小企業については土地をそう多く持っておられるというわけでもありませんから、土地の評価だけでは片づかない。私は、これは民法の問題にも関連しますけれども、やはり家族経営で経営主のほかに奥さんなりあるいは子供が協力しているという場合は、その協力している部分については相続分を多くするということをまず考えるべきではなかろうか。均分相続であるから親元を離れて大学に行ってサラリーマンになっているのも、おやじさんのもとで一生懸命働いているのも相続分は同じであるという、ここに一つの問題点があるのではなかろうか。そこで、そういう被相続人との関係において、相続人が被相続人の事業について協力している、その資産形成にあずかっているということをやはり踏まえて民法の相続についても特例をつくる、その上でそれに相応したようなまた税制の優遇措置を講ずるというふうなことがよろしいのではないかというふうな気がいたしております。 それから広告税でございますが、この広告税につきましては税制調査会でも若干討議をいたしたいきさつがございます。討議いたしましたが、実は結論が出ていないわけでございます。と申しますのは、これは一つは府県で独立税というんですか、雑税というんですか、府県でやった例があるようでございますが、なかなかむずかしい徴税ということになるようです。というのは、広告と申しましてもなかなか多種多様でございまして、新聞の中に折り込むチラシから、看板から、あるいはラジオ、テレビ、あるいは新聞その他いろいろなものがありまして、一体これをうまく把握できるのだろうかということがありまするし、あるいはまた、出版との関係もございまして、どうも出版なり新聞というものについての経営上非常に大きな打撃が起こってくるというようなこともあるかもしれない。そこで、一体どういうように考えたらいいかということについて私どもはまだいま御審議の中にありましたような具体的なところまでは考え方が残念ながら進んでおらないというわけでございまして、なお検討事項ということになっておる次第であります。
○参考人(新井益太郎君) 最初の農業用相続財産の問題ですが、私は税務会計の立場から意見を述べておりましたので、こういう問題については課税すべきか課税すべからざるかという問題についての意見は持ち合わせておりません。 それから第二番目の広告費の課税の問題については、ただいま小倉参考人からお話がございましたように、広告媒体が多様でありまして、これをどう税として把握するかというのが非常に問題かと思います。会計学的には、広告費の支出がそれぞれの企業において経理されていると思いますが、その場合に、広告費についての課税を行いますと、その広告費がほかの費用にすりかわってしまうような操作が加えられるおそれもありまして、広告費の適正な把握というものができないのではないか、このように思います。 以上です。
○参考人(関本和幸君) 御質問の第一点でございますが、中小企業の相続財産ということでございますが、私どもしばしば実務的に問題がありますのは、先ほども例に挙げましたような本当の小さな会社でございますが、仮に土地を持っていたとしますと、その同族会社、中小会社の株式の評価が非常にむずかしいものになっております。ですから、この問題を解決するためには、取引相場のない中小法人の株式評価についてもっと実情に即したような評価をとるべきではないかというふうに考えております。これもほかに相続財産が余りないといたしますと、自分の会社、いわゆる閉鎖会社といいますか、公開していない会社でございますが、他人が入ってくるというふうなおそれがあるわけでございまして、こういった意味については十分慎重な検討が加えらるべきであるというふうに考えております。 次に、広告税といいますか、これは新税になると思いますが、私の考えといたしましては、新税の創設ということはこの際やはり慎重に検討すべきではないかというふうに考えております。やはり現行の税制の全般をもっと大幅に見直していただきまして、新税の創設はしていただきたくないというふうな気がいたします。ただ、御質問の中に、もし仮に課税した場合どうかというふうな御意見だったと思いますが、仮にそのように広告税というふうなことを課税する場合は、御意見にありましたように、交際費の課税と同じように、一定の限度額を限度計算をいたしまして、それをオーバーした部分について課税する、そのような課税の方法がいいのではないかというふうに考えております。
○大塚喬君 小倉参考人に、ただいま中小企業の財産相続についてお話がございましたが、具体的にそれを実施に移すお考えがあるのかどうかですね、具体的にそれを実施するとすればいつごろの時期を目指して実施にされるお考えか、そこらのところをひとつもう一度お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(小倉武一君) ちょっと私言葉が足りなかったのですが、税制調査会でそういう議論も多少あったかと思いますが、税制調査会で中小企業といういまの私の話、非常に限定しまして個人企業と言った方がよろしいと思いますけれども、家族企業といいますかこのあり方についてどうしたらよろしいかという結論は得ておりませんです。農地の相続問題に関連して中小企業の関係の委員の方から中小企業についても同じような問題があるんだという御指摘がございまして、何とかここは考えられないかというようなことがございましたけれども、税制調査会としてどうするということには結論は得ておりません。したがって、いつどう実施するかということは申し上げられないのですが、むしろこれは税制調査会は、中小企業の所管省でどうするかという実体的なことをお考えになった上、税制の上でもここを何かお手伝いするということができれば考えるということではなかろうかという気がいたします。
○福間知之君 新井参考人にお聞きしたいのですけれども、先ほどおっしゃったように、税法、法律の文章は非常にわかりにくいということ、これはこの間も当委員会で大蔵大臣自身が言っておったのですけども、これは主管官庁の責任だということだけでは済まされないので、われわれも責めの一端を担っているということで十分考えなきゃならぬと、こういうように思っております。 ところで、租税特別措置について参考人の御意見を聞きたいのですけども、当委員会でも何年間にわたって常に問題になっていることは御案内のとおりです。私は、高度成長の時代における、また日本の企業あるいは産業の国際水準へのさや寄せ、体質の強化、内容の改善というような点で一定の政策目的というものは合理的であったし、しかもそれはかなりの部分で達せられたと、もちろんまだ改善を急がなければならぬ点はあろうと思うのですけれども、まず基本的にそう思うのです。したがって、それの持っているまあ何といいますか、弊害といいますか、やはり傾斜構造的な税制ですからね、大企業とかあるいは大資産家を優遇するという性格のあれであることは明らかなんですから、その傾斜的な構造というものは、裏から見れば総合累進制という税制というものを形骸化さしてしまう。私は、憲法の視点からいっても、これは一種の隠れた巨大な補助金だと、こういうように思うのです。先生は、企業会計の方の立場からも、企業会計の民主的な健全な発展というものを混乱に陥れてきた危険はないのか、そういうふうな点についてどうお考えになっているか、ひとつお聞きをしたいわけであります。 それから小倉参考人にお聞きしたいのですが、ことし先般三月のぎりぎりに改正案が通ったのですけれども、幾らかでも減収効果がある百九十六項目ですか、そのうちの廃止が十一、修正が五十ばかりあったように聞くのですが、あれで十分だったかどうか。先ほどのお話じゃ、これは漸進的にやっていくんだと、こういうふうにお話がございましたし、その意味では前向きの考えだなと、こういうふうに私も存じたのですが、もう少し積極的にやるべきではなかったのか、そういうふうに感じております。その点お聞きをしたいと思います。
○参考人(新井益太郎君) 租税特別措置法の問題につきましてお答え申し上げます。 租税特別措置法は、法律のたてまえからいたしますと、法人税法とは異なりまして、課税の公平性という点から言って確かに問題のある制度であると思います。しかし、税制がおよそねらいとするところは、一つの観点からいたしますと、これは国民経済の発展、あるいは政治的なあるいは社会的な機構の発展、こういうものにつながって税制というものの仕組みが置かれていると思います。したがいまして、ある特定の業種などにつきまして特別措置を実行するということは必ずしも非難すべき問題ではないと思います。税務会計という観点からいたしますと、確かに、御指摘のように、企業会計に及ぼす混乱というものは一部存在したかと思います。しかし、これはここ数年来の調整によりまして企業会計に及ぼす影響はいまのところ大きな差しさわりは出ておりません。特別措置法のうちで、たとえば特別償却制度というのがございますが、これの会計処理として現在税法上許されている方法は、これはおよそ会計理論上はすべて容認せられるものでございますので、その点の矛盾もありません。 ただ、一つ、特別償却というものを取り上げた場合に、これがわが国における特別償却の制度と、それから諸外国における特別償却の制度では、質的な相違がございます。たとえば、ドイツにおきましては、現在、住居、建物、公害防止の設備等、こういうものについての特別償却が実施されているやに聞いておりますが、一般の機械及び装置の特別償却は一九五九年で終結しております。この場合に、ドイツにおきまして、西ドイツですが、一九四九年以降四年間に特別償却額が税法上許されたのは八億六千五百万マルクになります。これは特別償却が認められた一九五九年までの十一年間に許容せられた十億八千五百万マルクの八五%に達しております。すなわち、特別償却を機械装置についてだけ行いまして、そのうちの四年間に集中して八五%までやっておるわけです。したがって、この場合には、特別償却を実施すると仮定しましたならば、こういう重点的な特別償却をやることが国民経済の発展上必要ではないかということであります。 これはイギリスについても同じでございまして、イギリスの特別償却は一九四五年以降設けられたのですが、一九五四年になって大変な拡張を見ました。普通償却と特別償却を含めた償却の認容額は、これは同年度の推定の資本消費額に比べまして一四〇%から一五〇%に達しております。これは推定資本の消費が仮に百であったとすると、百四十ないし百五十の特別償却を許すと、こういうことになりますから、わが国とは非常に質の違った特別償却が出ております。たとえば船舶などについては、百円が取得価額でございますと、百四十円まで償却してよろしいと、こういうことになります。わが国の特別償却は、この点で百円のものについては、残存価額を別にいたしますと百円までしか償却できない、こういうことになっております。したがって、現在の特別償却制度が、これがイギリスにおいては幾分か変貌を見せておりますが、たとえば船舶につきましては、現在は取得した初年度に一〇〇%の償却を許す、こういうことになります。 それからアメリカでも同じようにこれは追加償却という制度でもって特別償却が認められているわけですが、これは一応ワンラウンドいたしまして現在に至っておりますが、本当に資本蓄積に効果のあらしめる特別償却をするのであるということであれば、そういうような思い切った特別償却をしなければこれは効果としては期待できないのではないか、このように考えます。 したがって、その他の特別措置につきましても、あるものは有期限であり、あるものは無期限であり、あるものは当然法人税法の中に置かるべき筋合いを持つものもあるかと思いますが、これらを整理することが必要ではないか、このように考えております。 以上です。
○参考人(小倉武一君) 特別措置につきまして税制調査会でどう対応をしておるかということに関連しての御質問でございますが、特別措置につきましては、ただいま新井さんからもお話にございましたように、多種多様なものがございます。しかも、その多種多様はそれぞれ多種多様の関係業界なり関係省に関係があるということで、これを全面的に整理するということは事務的にも非常に大変な御苦労を願わなければならないという性質のものでございますので、それをことしは相当やっていただいたというふうに考えます。税制調査会で大きな方針みたいなものだけを出すということで、あとはお役所の方に実際の交渉みたいなことになるわけですから大変なことだったわけですが、項目なり、あるいは金額について、まあ増収といいますかについては金額としては大したことはないようでございますが、項目としては相当のことであるというふうに私は考えます。 ただ、これで終わりということでは無論ございませんので、まあ特別措置がいわば既得権化するということのありませんように、期限が来るものについて優先的にそれを廃止するなり、あるいは存続する価値があるものにつきましてもできるだけ圧縮するという措置でいったわけであります。 お話しのように、特別措置は長い間のものがいろいろ積み上がっておるわけでありまして、どうも以前にできたものには無期限のものがあるようでございます。最近のものはだんだんと三年なり五年ということで無期限のものはございませんのですけれども、期限のないものについての整理がなかなかむずかしいわけです。期限があるものは、期限が来るときにそこで話し合いができ、使命の終わったものはやめていただくとか、あるいはまだある程度必要でもできるだけ圧縮願うとかというようなことができるわけですが、そういう多少中身によって違いますが、本年とりました方針は、来年からも引き続いてやっていくつもりで税制調査会もおりまするし、関係の大蔵、自治両省ともそのような心組みでおるというふうに私は承知しております。
○福間知之君 ただいま小倉参考人も申されたように、先ほども触れておられましたけれども、特別措置の整理と一口に言っても、必要だけれども、なかなかむずかしさが残っているのだと、こういうお話です。また、経済情勢の変化によりまして確かに財政需要はこれからますますふえても減らないだろう。しかし、税収の増大ということはむずかしいから、一般的な意味での税の水準、あり方を広く深く見直さなければならぬと、こういう御判断のようです。私もそれは同感であります。したがって、そういう御苦労を税調がこれからもやっていただくということをぜひこれはお願いをしなきゃならぬのですが、かたがた、したがって、私は、特別措置につきましては、これは一つの見方ですけれども、特別の別の機関を設置をするというふうな方法、そして厳正にチェックする、極力近い将来にそれを廃止するというたてまえで別途機関の構成ということも一つの方法ではないだろうか。新井参考人を含めましてお聞きをしたいと思うのです。あるいはまた、各特別措置の対象になっている企業あるいは大資産家等から申告をさせるというふうな手段もとっていいのじゃないか。先ほど私申したように、一つの隠れた補助金の性格を持って、そしてまた既得権化しちゃって、もう政策目的を達成しているのに既得権として一つのグループが圧力をかける、あるいは官僚の一部はそれに乗る、こういう傾向があると思うのですが、そういう点も含めましてこれは私の私見ですが、お伺いしたい。 それから最後に、これは所得税の減税という面について、関本参考人も含めまして、これも先日もここで大蔵大臣を含めてやったのですが、こういう財政の実態からむずかしいと、こういうことをよく言われるわけです。一般的な考え方としてそれも否定し得るものではもちろんありません。しかし、小倉参考人が冒頭にちょっと触れられましたように、いま赤字の国債を発行するというふうな段階においてもやはり全般的な一つの政策の関連で減税措置というものを考慮することも不可能じゃない、あってもいいのじゃないか、可能ならばと、こういう御発言がありました。関本参考人の指摘された幾つかのいまの所得税の中身の是正ということ、もちろんこれは含めてでございますけれども、それは一応別にしまして、レベルそれ自体そういうふうに引き下げを図っていくというふうなことができないのかどうか。アメリカの例をとるまでもなく、景気の浮揚効果の面から言っても、私は、多分に多くの国民購買層の心理に与える影響も大きい、景気回復にもしたがってプラスになると、こういうふうな感じを持っておるのですが、これは特に小倉参考人、関本参考人、新井参考人にもお考えがあれば述べていただきたいと思います。
○参考人(小倉武一君) 特別措置の整理につきまして特別の仕組みをつくったらどうかという御意見、これは大変傾聴に値すると思います。と申しますのは、これは非常に多岐にわたりまして、関係方面も多いということで、大筋だけを言っているのでは片づかない問題で、個々の特別措置にわたってどうするという結論を本当は出さなくちゃいかない性質のものでありますが、なかなか税制調査会としてはそこまで手が及ばないので、大きな考え方で実際の作業は行政庁にお願いしておるというようなことでございますので、これまでのようなことでいいかどうかについては多少お話しのようなことについて考慮を要するものがあるかというふうに考えます。 それから所得税の減税でございますが、本年度についてはあれでございまするけれども、本年度の所得税のあり方につきまして、もう御案内のように、税制調査会としまして所得税の減税について二通りの考え方がございまして、二通りというのは所得減税自体について二通りでございます。一つは、景気の刺激といいますか浮揚のために所得税を減税して個人消費をふやしていく、多少そのために公債の発行がふえるということだってやむを得ないじゃないかという御意見、もう一つは、そこまでいかなくても、いわゆる物価調整減税というようなことぐらいはせめて考えるべきじゃないかということがあった次第であります。これは両方ともそれぞれ有力に御主張がございまして、論議をずいぶん重ねたわけでありますが、結論としては、大方の御意見はこの際はやむを得ないではないかというのが五十一年度の税制改正についての税制調査会の結論であったわけであります。 しかしながら、今後を考えてみますと、やはり物価の安定ということは一つの大きな政策目標でございましょうけれども、なお年々若干ずつ物価は上がっていくということはある程度予測できましょうし、無論税負担の増加というようなことも考えなきゃなりません。他方、税の増収というようなこともにらみ合わせながら多少ともその調整的なことは今後必要になることがあるのではないか。ことしのような所得税については原則的に触れないというのを将来とも続けていくというようなわけにはなかなかいかないのではないか。税収確保という点から見れば、税収の非常に大きなソースである所得税について軽々減税はしたくない、すべきでないという御意見もありましょうが、その辺をどう調整していくかということがこれからの税制調査会の一つの課題ではないかというふうに存じています。
○参考人(新井益太郎君) 租税特別措置法がどこで整理されるかという問題に関しては、私は門外漢でございますのでお答えできないのですが、ただ、租税特別措置法の効果を見きわめて、そしてそれに応ずる措置を講ずべきである。したがって、現在のわが国の仕組みでは、税制調査会が担当するに最もふさわしいところではないか、このように考えております。それから行政官庁が実際には企業に対して非常に接触を保っております関係上、そういうところから意見を吸い上げるということももちろん当然あってしかるべき問題だと思います。 それから第二の所得税減税につきましては、私は、先ほども申し上げましたように、現在のような経済機構が続く限りは、長期的に見ますと貨幣価値の変動が続いていくわけでございますから、所得税法の見直しについても常にそういう物価調整減税というものは行っていくべきではないかと考えております。 ただ、一つ、所得税の減税を行う場合に問題点は、これはイギリスの所得税が一番形としては古いわけですが、そのときに基礎控除、扶養控除その他の控除制度が設けられたわけでございますが、高額所得者になった場合に、そういう基礎控除、扶養控除その他の控除がほとんど意味を持たないということは計算的に明らかであります。したがって、低額所得者の基礎控除その他の問題についてはこれは相当見直す必要がある。つまり、課税所得からいきまして五百万円、まあこれも腰だめでございますから、五百万円とか四百万円とか、こういうような一定の低所得層以下ですね、そういう人たちについての見直しは十分に行うことが福祉の面から必要ではないか、このように考えております。 ついでに、源泉徴収の制度の問題がございますが、これも長い歴史を持っておりますし、徴税技術といたしましては最少徴税費の原則、こういうものにかなうものでありますから、これはある程度やむを得ない、給与所得者などについての源泉税の問題というのはやむを得ないと、このように考えております。 以上です。
○参考人(関本和幸君) 私には措置法のことについて御質問はなかったわけでございますが、若干まず措置法のことについて意見を申し上げたいと思います。 定義等についてはいろいろと論議されておりますので省略しますが、少なくとも措置法については二つの要素があると思います。一つは、経済政策目的達成のための誘引手段として刺激的な課税を行うというのが一つ。もう一つは、その反面において租税負担の公平の原則や中立性を阻害するというデメリットがあるわけでございまして、そこで、措置法が新設——新設ということ余りないと思いますが、存置または延長が認められるためには、少なくとも他の適当な手段方法がないかどうかを十分検討されるべきであろうというふうに考えております。また、税法の処理面で考えますと、永久に課税を軽減、免除するものと、それから一時的に課税を延期するものというふうに二つに分けられると思います。また、機能的に見ますと、いま御意見にございましたように、前者の部分については補助金——隠れた補助金という御意見がございましたが、隠れた補助金の性格でございますが、もう一点につきましては、無利子による財政資金の給与、つまり利子補給をしているんだというふうな見方もあるのではないかというふうに考えております。 そこで、措置法を存置または延長する場合は私は三つの厳しい条件をつけるべきであろうというふうに考えております。一つは、措置法の目的が総合的な経済政策の視点から考えて合理的な意義があるのかどうかということが一つ。それから二番目には、政策目的に対しましてその措置が果たして有効であるかどうかということが一つ。それから三番目につきましては、措置法に付随して生ずるメリット、デメリットを比較検討すべきであるというふうに考えております。以上の考え方で、冒頭に申し上げましたが、措置法についてはやはり早急に整理統合していただきたいというふうに考えておるわけでございます。 それから所得税減税についてでございまして、意見の大半は新井先生と重複する面もあるかと思いますが、第一点は、やはり課税最低限度を引き上げていただきたいということでございます。それから第二点といたしましては、税率の見直しをしていただきたい。現在最低一〇%、最高七五%の累進税率を適用されておりますが、どの所得にどのような税率を適用するか、まあだんだん上がっていくわけでございますが、その上がり方のカーブのかけ方、そういったものをもう少し見直す必要があるのではないかというふうに考えております。それから第三点といたしましては、給与所得控除でございます。昨年の改正によりまして給与所得控除の上限が撤廃されました。したがいまして、月給をうんともらっている人については相当な優遇があったわけでございますが、これにつきましては給与所得控除のその性格的なもの、いわゆるサラリーマンの必要経費というものをもう少し内容を論議して明確なものにしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。 以上でございます。
○戸塚進也君 自由民主党の戸塚でございますが、各参考人の先生方に一点ずつ、ほかに小倉参考人に二点お伺いいたしたいと思います。 最初に、共通にお伺いいたしたいことを申し上げます。それは、先ほど小倉参考人からも冒頭現下の財政状況というお話がございました。繰り返しての議論はいたしませんが、こういう現下の非常に厳しい財政状況ということを頭に置きました場合、果たして現行税制そのままで今後も国家とかあるいは地方というものが国民あるいは地方住民の幸せのために貢献でき得るであろうか。それもこれから国民あるいは地方住民の願いといいますか、県、国あるいは市町村に対する願いというものは多くなるわけでございますから、それに伴って相当額の支出もやはり考えざるを得ない、こういう状況下であることは先生方御承知のとおりでございます。で、鬼の手で仏の心と、お医者さんがよく「鬼手仏心」という額を非常に好むわけでございますけれども、だれも税金をまけてくれる話は大喜び、しかし、税金を新しくいただくとか、あるいはまた税金をふやすということはだれしも言いたくないことです。言いたくないことではありますけれども、現状の判断を考えるならば、私は近い将来何らかの形で新しい税制を考えるか、あるいはまたある税制を強化していくか、いずれの方向かに持っていかざるを得ない非常に重要な時期に来ていると私は判断しておりますが、その点で三人の参考人の先生はそれぞれどのような御見解を持っていらっしゃるか、これについてお伺いいたしたいと思います。 特に小倉参考人には、仮にもし新税が必要とするなれば、税制調査会等ではおおむねどういう方向の新税論議がなされているか、これについてお伺いいたします。 さらに、お三方の参考人に共通してお伺いいたしたいことは、これからの税制というものは、もちろんこれまでもそうでございますが、特に国民の納得のいく税制といいますか、国民大衆といいますか国民がこの税制なら納得ができる、納められるというような、進んで納税意欲を持つような税制でなくてはならないと思うわけでございます。そういう意味で、ただ所得税をふやすとか法人税をふやすとか何々税を取るとか、まあ付加価値税という大塚委員のお話もございましたが、そういう税を取るとかということでなくて、私はその税金がどういう目的に使われるのかということが国民にしっかりとわかるような税金、こういうものがいまの時代に合っているのではないかというふうに考えるわけでございます。その点で、たとえば年金の問題、特に老人社会、これからの先のことを考えました場合、老人社会が想定されるわけでございますが、幸い私どもは厚生年金等に入っておれば、もう三十年私が掛けますと九万円もらえるというようなことになるわけでございますが、いまのお年寄りは、過去三十年の非常に苦しいあの日本の復興期に貢献されていながら、掛けていなかったというがために、まあ老齢福祉年金もやっと一万三千五百円になった。これもえんやっと、われわれとしては努力したつもりだけれども、そのお年寄りの方々に対しては果たして十分に報い得ているであろうかということになりますと、これは疑問と私は個人的に思っております。その場合に、財源を考えましたときに、そういう過去に貢献されたお年寄りの方々に私たち若い者が感謝の気持ちでやっぱりわれわれが三十年後には九万もらえるんだからいまのお年寄りにもせめて三万でも四万でも年金を上げたい、大変でした、御苦労さんでしたと、それにはやっぱりわれわれがそれ相当の税金を覚悟して、たとえば福祉税であるとか、年金税であるとかというような形の中で若い者が率先して負担をしていく、そういう考え方もある面で必要ではないかというふうに考えるわけでございます。 さらに、最近は核家族という問題が非常に問題になっておりますが、たとえば住宅等の税の緩和等につきましてもおいおいなされてはおります。しかし、これもやや画一的であって、たとえばお年寄りを非常にいたわっておる、家族がみんな一生懸命になって働いて足腰立たない老人を自分で養っておる、こういったような家に対しては、もっと思い切った税制の特典といいますか、そういったものをやはり考えて、日本人の社会のいわゆる核家族でないみんなの親も一緒に住むような家、親孝行な人たちをもっと優遇する。逆にそれがもっと進みますと、最近負の税制ということをいわれております。これは私は非常に傾聴に値する言葉ではないだろうかと思います。しかし、単に所得が少ないからそれは税金を返してあげましょうというものの考え方ではなくて、いまのような親孝行だとか、そういう実践して、いいことをやっているような人たちに対して、それ相当にやっぱり税制で逆にめんどうを見てやろう、返してやろう、こういうこともある面では考えられますが、こうした負の税制等についての考え方も含めて国民の納得のできる税制ということについてのお考えを承りたいと思います。 なお、小倉参考人には、これに関連いたしまして、税制調査会において、国民の税への関心度、あるいはまたいま国民が税制について何を一番願望としているか、そういうことについて税制調査会独自でアンケートなどをとっていらっしゃるのかどうか、とっていらっしゃらなければ結構でございますが、もしとっていらっしゃるとすれば、そういうアンケート等に出てきている国民の関心、あるいはまた願望、そういう点がどういうところに特徴があるか、この点をお聞かせいただければ幸いでございます。 以下二点は、小倉参考人にのみお伺いいたします。 一点は、最近、生活協同組合、これはまた農協さんもあるわけでございますが、そうしたようないわゆるスーパーとか、あるいはそうしたたぐいの店舗でございますが、各地区にできてかなり活発な活動をいたしております。これについては、やはり農協さんについても生協についても二つに分かれると思うのです。一つは、職域生協のようにただ一定の職場だけの人たちに物を便利に販売しているというものと、地域生協というような、会員証を持ってきてどなたでも買えますというような形で、実際は会員証を持たないようないわゆる員外利用というものがかなり多い。こういう中で、いわゆる中小小売商業者といいますか、税金を納めている側の中小小売商業者といたしますと、ただでさえ苦しいこういう中で、そうした税制の特典を持っている者が公然と相当な大きな規模で営業をしておる、自分たちは税金もかけられて非常に苦しいんだと、こういったような税の意味から言っても公平を欠くのではないか。農協さんについても、本当に純粋に農村部にお店があって農民のためのものであるならこれは差し支えない。しかし、町のど真ん中に農協さんのスーパーがどかんと出ているという現実を見ると、これに対してはなかなかの反応といいますか、世論の厳しさというものも私は感じるわけでございます。そういう点で、特に税制調査会の会長である小倉先生等におかれては、税の公平化という意味から、いまのような生協あるいは農協さん等の活動について、どのようにお考えになり、どう対処しようとされているか、お伺いいたします。 最後に、最近、知事会その他で、地方税の中で外形課税を考えてもらえないかと。もういまとなってはとても地方財政はやっていけない、それには企業が赤字といえども何千人も従業員を使っておって、何百人と使っておって、それだけに地方に対してはいろいろな意味で迷惑もかけておる、また社会的な活動が広いだけに社会的な責任も負ってもらわなきゃならぬ、こういうふうに考えて、外形課税を現在でも一部やっているわけでございますが、さらにこれを拡大してもらえないかという声がございます。私はもっともであるというふうにも思うのでございますが、この点については小倉参考人はどのようにお考えになっていらっしゃるか。また、税制調査会の中で出ている議論がありましたらお聞かせいただきたいと思います。 以上三点お尋ねいたします。
○参考人(小倉武一君) まず、現下の財政状況から見ての税制のあり方の御質問でございますが、これはもう何らかの税による増収ということを考うべき時期になっておることは御説のとおりかと思うのです。その際、既存の税制でもってそう増収がなかなか期待しにくいだろう。これは物価の動向、経済成長の動向等もございますが、これもあるいはそうかと思うわけでございます。そうしますと、やはり新しい新税を考えなきゃならぬというふうなことに場合によってはなるだろう。その際、いろいろな税制上の項目はあるかもしれませんが、やはり税を負担していただく国民の納得がいくような大義名分と申しますか、実質的な内容を持った大義名分というようなことが考えられなくちゃならないというようなことで、税の技術的な方面だけではなくて、いまお話しのような老人の問題でありますとか、あるいは年金の問題でありますとか、そういうことを踏まえた上での内容を持った税収のための新税ということであれば、あるいはさらに納得がいくというようなことがあると思いますので、そういうことも十分検討に値することではないかというような気がいたしております。 それから税の問題につきましてのアンケートでございますが、かつて税の負担感についてを中心にしたアンケートを、まあ税制調査会でやったと申しますか、国税局でやったと申しますか、とにかくやっていただいて、税制調査会にも御報告を願ったことがございます。しかし、これからの税の関心を高めるため、またどういう税制がいいのかといったような観点についてのアンケートは、昔は知りませんが、最近この近年はいたしていないというふうに思います。 それからその次の生協、農協等の大きな店舗を抱えてのお話でございますが、確かに、お話にありましたような批判というものは当然あるかと思います。これは根本はやはり員外利用についての制度をどう考えるかということと同時に、員外利用について的確に——員外利用の限度がこの法律にあるはずでございますので、それをしっかりと守っていただくというようなことがまず必要なことではないかというふうに存じます。 それから地方税についての外形標準の導入でございますが、例の事業所税については外形標準になっておるわけですが、事業税について外形標準を導入したらどうかということはかねがね税制調査会でも議題になっております。ただ、従来の高度成長の時代でございましたので、外形標準を導入したらどうかということがある程度税制調査会の答申にも出ておった時分は、税務当局あるいは地方自治体は余り関心を示さなかった。外形標準よりは税収がいまの方が多くなるということもあったんでしょう。しかし、こういう成長の低い段階になってくると、今度は税収確保のために外形標準を導入したいというので、むしろ地方自治体の方から要望が起こってくるということになってきまして、税調でも事業税について外形標準を導入をしたらどうかということについて昨年大分論議がございました。ただ、こういう時代になったから急に外形標準というのはちょっと虫がいいじゃないか、かつてそうでないときにはちっとも見向きもしなかったのにといったような妙な議論でもって、何といいますか、俗な言葉で言えばしり切れトンボになっておりまして、なお今後それを検討するということになっております。外形標準とこれまでのような事業税のあり方との中間でいくか、あるいは、外形標準としましても何によってやるか、これはなかなかこれまでの事業所税と外形のとり方によっては負担がずいぶん違ってきまして、そこの推移がうまくいくようなこともある程度考慮をしなければならぬ点もございますので、なおこれは検討問題になっております。 〔委員長退席、理事中西一郎君着席〕
○参考人(新井益太郎君) 現行税制がこれがこのまま推移していいかどうか、それからこれからの税制はどうあるべきかというようなそういう問題に関して、これは税務会計という立場ではなくて、一納税者という立場になるかと思いますが、税は基本的にいけばこれは財政政策上の原則からしまして当然国の歳出を賄うに足るものでなければならないというようなことからいたしますと、それに応じた税ということになります。つまり収入が十分でなければならない。それから国民経済上は税収をいかにするかと選択の問題が出てくると思います。なお、公正の原則、公平にこれが課税されるものでなければならない。それからさらに、税務行政上の原則として、手続の簡便性であるとか、あるいは租税の明確性であるとか、最少徴税費の原則であるとか、こういうようなものが入ってくるかと思いますが、この場合に、少なくとも赤字によってそのまま国の財政を賄うということは不健全であることだけは確実であります。したがって、税の基本的なものは、これは要するに必要なものを取るという強制獲得経済ということが基本になっておりますから、その場合の問題はかけ方だと思います。 もう一つ、税は、これがたとえばイギリスにおいて所得税法というものが出てきたのは十八世紀の終わりころからだと思いますが、それまでにおける課税は間接税中心の税でございまして非常に広範な税が課せられていたわけです。それが、戦争に伴う財源の不足ということから所得税の原形と目されるものが出てきたわけでございまして、これは一七九九年からそのものが出ております。そして、戦争が終わって平和になりますと、その所得税が廃止されて、それからまた戦争によって必要になると再び所得税が課せられると、こういうような経過をたどってきております。それに従いまして広範な課税というものはそれまではほとんど消費課税という形でもって課税がなされていたわけですが、この消費課税が所得課税が定着すると同時にこのものが逐次解消せられるという過程をたどりました。したがって、広範な意味の課税が果たして妥当であるかどうか。それがたとえば製造業に対して課せられた場合に、これが製造業の意欲を失わせ、国民経済の発展に阻害があるようなそういうものであったとすれば、イギリスの税制が犯した一つの立場を繰り返すことになります。したがって、広範な意味の課税という観点からいたしますと、先ほど来しばしば問題が出ております付加価値税という問題がございます。付加価値税の問題は、一つは、わが国においては取引高税が失敗したと同じように、納税意識の向上ということが働かなければならないと思います。最初に申し上げましたように、税制の仕組みが複雑であり、税法の文章がむずかしい。したがって、税が国民生活に対してなお浸透していない。まあ言ってみればだんだんと遊離する傾向が出ていく。税をごまかすことが得だというようなそういう保身的なものであったとすれば、これは税としてはまことに悪税であると思います。その意味ではなお納税意欲をかき立てるようなそういう方向をじみちに検討すべきではないかというように思います。 それからなお、老人福祉の問題について、いわゆる目的税的な形で何かこれに取り上げるというようなことも一つの方法でありますが、福祉というものは、これは同じくイギリスなりあるいは近代の国においても、スウェーデンであるとかあるいはデンマークであるとか、こういうところで行われている福祉行政というものが、これがかえって国民の意欲を損なうようなそういうことがないようなふうにしていかなければならない。つまり、イギリスでは救貧法があったために労働意欲が非常に削減されましてそしてイギリスの経済が沈滞したという事実もございます。そういう意味で、労働意欲を高めながらしかも福祉行政というものを続けていくにはいかにしたらいいかという問題になりますと、これは私の能力を超える問題になりますので、そういうような過去の実績というものを十分に御検討になった上でおやりになるといいと思います。 以上でございます。
○参考人(関本和幸君) 御質問にお答えいたします。 現在の経済社会の状況を踏まえて税制が現行のままでいいか、あるいはまた新税というものを考えたらどうかというふうな御意見でございますが、私、先ほど申し上げましたとおり、新税につきましては消極的な考えを持っておるわけでございます。新税ということにつきまして巷間いろいろな税目が挙げられておりますが、付加価値税、富裕税、再評価税、それから先ほど議論になりました広告費課税、ギャンブル税等々言われておりますが、新税を創設しなければならないということになった場合は、当然その必要性を明確にしていただきたいということと、それから第二点は、当然に国民の全体的な合意が得られるような形で創設をしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。 しからば、現行の中でどのように考えるかということになると思いますが、この点についても過去いろいろと議論がされていると思いますが、直接税と間接税との割合、つまり直間比率というものをこの際十分な時間をかけて審議すべきであろうと思います。確かに、間接税を強化したらいいという御意見もございますが、間接税につきましては、税の負担感が少ないというメリットはあるにせよ、その反面、逆進性というデメリットがあるわけでございますので、そういった意味におきましても現在の日本の税制の中におきまして直間の比率が妥当であるかどうか、そういったものをもう一度十分に検討する必要があるのではないかというふうに考えております。 それから第二点の国民の納得いく税制というふうな御質問等がございましたが、やはり第一点は公平な課税というところに来るものではないかというふうに考えております。一般国民のストレートな意見といたしましては、公平という中には二通りございまして、一つは税制の公平でございまして、もう一つは税務行政の公平ということがいわれております。まあ本日は税制でございますから税制のことについてでございますが、先ほど来これも論議しております租税特別措置法というものがある限り、やはり国民はなかなか納得していかないのではないかというふうに考えております。 それから納得いくことにつきまして第二点は、やはり税金の使途を明確にしていただきたい、明確に、何といいますか国民にわかるようにしていただきたいということでございます。私ども、実務を行っておりますと、税務署から調査に来られまして、課税標準、いわゆる所得がきまりまして税額が幾らと、幾ら払わなきゃいけないということが決まるのですが、その決まる過程においては納税者も相当神経を使いまして折衝するわけでございますが、一遍決まってしまいますと、後は自分の払った税金がどのように使われるかということについては納税者はあんまり関心がないわけでございまして、この点についてはやはり国会の先生方の御協力を得まして、その税金の使い方、使途についてもっとわかりやすい明確なものを国民にお示しいただくことが必要であろうというふうに考えております。 それから第三番目といたしまして、新井先生の御意見にもございましたが、税法が余りにもむずかし過ぎるということが挙げられると思います。私どもよく悪口を言うようでございますが、税法は一読して難解、二読して誤解、三読して迷宮、四読して了解不能というふうに言っております。読めば読むほどわからなくなるというのが税法でございまして、この税法がまた年々改正されるわけでございまして、私ども実務家といたしましても、税法がどのように改正になったか、それを追っかけるだけでも大変な作業でございまして、税目全般にわたって知識を得るということについてもだんだんむずかしくなっているような気がいたします。ぜひ、この際、税法の平明化と申しますか、簡単に簡素化していただきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○戸塚進也君 わかりました。 小倉参考人に一言だけ。先ほどの国民の税に対する考え方、これはやっぱり民間の代表で国家的に代表として出られる税制調査会で各委員の先生方の頭を結集して、ひとつ国民のこういう税金に対する感じはどんなふうだと、こういうことを税制調査会として独自にお調べになるいまいい時期じゃないかと思うし、また、やらなきゃならぬことだと思いますが、会長としていかがでしょうか。
○参考人(小倉武一君) 御意見のほどを体しまして主税局なり税務当局と相談してみます。
○鈴木一弘君 最初に、関本参考人に一つ伺いたいのですが、利子所得のうちで特に無記名預金、無記名債券、まあ金融債、社債の場合は税務署への支払い調書の提出の義務がないと、こういうことから、元金の額が全くつかめないということになってまいります。そういう点はどういうように税理士の立場からお考えになっておられるか。また、この点、小倉参考人に伺いたいのですが、税調等ではどういうようなお話があったかということを伺いたいと思います。 それから二番目は、先ほどからの御論議といいますか、御質問また答弁を伺っておりまして、社会福祉についての財源、社会保障の問題でありますが、社会保障税というような税の取り方の中に、国によっては、いわゆる関税につけたり、あるいはそういう関税の中からというような考え方がある。そうなりますと、これは税調の範囲を越えるかもしれませんが、そこの辺まで対象として考えるべきじゃないかというようなことがございます。この点、一体社会保障税というもののあり方は今後どうなのかということを、これは特に小倉参考人と新井参考人にお伺いをしたいと思います。 それから先ほど出ておりました法人事業税の問題、地方税としての事業税の問題でありますが、この外形課税がシャウプ勧告に基づいて昭和二十五年、地方税法の中に出てきた。しかし、それが実施されないで終わってしまっております。そのときの付加価値税の考え方は、企業活動に対し企業自体が納めるといういわゆる所得型といいますか、所得に対してかけるという、法人税を拡大したような感じのものですね、そういうような外形課税。しかし、いま大蔵省等で検討をやっているといわれている、いままでいろいろ論議が出てきました付加価値税は、一般売り上げのいわゆる消費税型。やはり、これから先、私は、従業員数であるとか、あるいは事業所面積とかというようなそういう外形だけじゃなくて、いま申し上げたような所得型のものにして、それで法人税なら法人税というものを移管していかなきゃならない、そういう時代にもう入ってくるのじゃないかというふうに思うわけですけれども、そして、事業税の場合はそれに対する何かの税としてやっていくのが筋じゃないかというふうに、こう思っております。 外形課税が、先ほどの外形基準とか外形標準というものからだんだん変わってきますと、付加価値税の導入になってくる。売上税としてでなくて、所得型の付加価値税ということになってまいります。いつまでもいつまでもこれは置いておくべきことではありませんし、これの突破口は恐らく私はそこに付加価値税になっていくことは間違いないのじゃないかということを考えざるを得ませんので、その点について、税調では、最後はもううやむやみたいになったというふうな話でございましたけれども、多少感情的なものが前からのいきさつからのものがあったようなお話が先ほどございましたけれども、引き続き検討することが適当であると認めたという、その方向づけですが、どちらの方向にいっているのか、一般消費税型かどうか、そういう点についてまた重ねてでありますがお伺いしたいことと、それについての御意見はひとつ新井参考人からも伺いたいと思います。
○参考人(関本和幸君) 私に対する御質問は利子所得についてでございますが、御案内のとおり、利子所得は、配当所得と同様、分離課税ということになっておるわけでございまして、この点につきましては冒頭意見を申し上げましたが、私といたしましては、早急に総合課税方式に移行していただきたいというふうに考えておるわけでございます。現実の問題でございますが、利子所得につきましては、分離課税でございますので、私どもについては余り直接関係がない。また、私どもにつきましては、中小所得者の方々が多いわけでございますので、利子所得を分離してもらってそれで生活をしていくというような方はきわめて少ないわけでございますので、このような措置については、くどいようでございますが、早急に総合課税の方向で御検討いただきたいというふうに考えております。
○参考人(新井益太郎君) 社会福祉税というような形で税金というものが今後どういうような形で行われるかということになりますと、大変むずかしい問題だと思います。私は、直間比率の問題から考えますと、この直間比率について、直接税の方を減らして間接税の方をふやしていくというようなこういう方策が一つの方向として考えられている事実は認めるのでありますが、わが国におきましては直接税の方が税の仕組み、課税の仕方としてはなお容易ではないか、そういう感じを持っております。これは、法人税であるとか所得税であるとかいうものが繰り返し繰り返し取ることのできる税であるとか、そういう意味におきましてもこれは便利な税の取り方ではないかというように思うわけですが、ただ、この場合に、社会福祉税というものを法人税なりあるいは所得税なりに転嫁して、そのうちの一部を社会福祉税に回すというような、こういうことであれば、それはそういうふうな決め方も一つの方法かと思います。 それから資本金であるとか従業員であるとか、こういうものを課税標準としてとらえるという考え方も、たとえば資本金に対する課税というようなものは、かつてわが国にも行ったことがございます。したがって、その点から見て、こういう形で取るということであれば、それも一つの取り方かと思います。したがって、これをお決めになるのは、これはやはり国会において議論さるべき問題だと思います。 なお、付加価値税の問題でございますが、これは付加価値税を採用する場合にどういうような形で行うかというのは、その内容的な問題が非常に大きいのではないか。付加価値税といたしましては、いわゆる前段階控除方式というようなそういうような方式もありますし、税額マイナス税額方式というようなそういう方式もございまして、いろいろあります。それから付加価値税を課さない場合にどういうものに対して課さないか、それから付加価値税を徴収する場合にいわゆるゼロ税率というものをどうするかというような、これは主としてイギリスの付加価値税についてそういうことが問題になっていると思いますが、こういう技術的な問題を検討することなしには付加価値税というものが導入できない。先ほども申し上げました国民の納税意欲、つまり税金を一たん、たとえばイギリスがとっているような方式を採用したと仮定いたしますと、これは預かるわけであります。預かって国に納めると、こういうことになります。したがって、預かったものを自分のものにしてしまうというような、こういうことが行われる限りにおいては付加価値税は効果を持ち得ない。つまり、国のものでありますから、それを預かって国に納めるという、最終消費者がこれを負担するというような形になると思いますので、その辺についてのいわゆる付加価値税の効果というものも判定しなければならないのではないか、このように考えております。 以上でございます。
○参考人(小倉武一君) 最初の無記名債券の問題でございますが、税制調査会では議論はそこまで実はいっておりませんです。利子・配当について総合課税にすべきではないかという議論が多くの方々から述べられて、それを受けて源泉徴収の率を三〇%にしたと、こういうのが御承知のとおりの結末でございまして、仮に総合課税にするということでございますというと、無記名債券ばかりでなく、普通の預金につきましても、何といいますか、名寄せと言うのですか、名寄せという問題が起こりまして、それが一体どういうふうにしたらできるのかということになりますと、これは非常にいやな話になりまして、国民背番号だとかいうような話にすぐなりまして、それじゃとてもたまったものではない、こういうふうなことがありまして、そこを抜けてうまく無記名債券まで入れて総合課税に一体できるんだろうかと、そういった問題が実は検討事項になっておりまして、まだ実は結論を得ておりません。大方は総合課税がよかろうというような御意見でございまするけれども、その実行の方法ということについてなおその検討を要する事項が多々ある、その中でいま特に御指摘の無記名債券についてはもう一つ大きな問題かというふうにも存じます。 それから外形課税あるいは社会福祉税ということに関連してのお尋ねでございまするけれども、はっきりと目的税ということで社会保障税といいますか社会福祉税ということを考える場合に、その税源をどういうふうにしたらよろしいか。既存の税金ということも考えられましょう。それから新しい税金ということも考えられましょうが、これはまだいろいろ御意見のあり得るところでしょうけれども、税制調査会ではまだそこの議論は全くといいますかほとんど触れておりませんので、私からどういうようなことがよかろうかということを申し上げる段階では実はございません。 ただ、この外形標準との関係におきまして、たとえば事業税について外形標準を取り入れるというようなことにしますというと、お話のございましたように、仮に付加価値税を考えるというような場合には一体どういう関係になるんだろうかということがやはり一つ一つの問題点でございまして、付加価値税ということを全然考えないということであれば、地方税について、特に事業税について、売り上げによるのか、従業員によるのか、あるいはお話のように本当の付加価値、経済学で言う付加価値ということで考えるのか、いろいろ考えがあって、ある種の結論が出やすいというように思いますけれども、仮に付加価値税というようなものを税調で具体的に議題に供するというようなことになりますというと、それは結局付加価値税の国と地方の配分の問題にもなりまして、事業税に外形的な標準を取り入れるのはどうも付加価値税との調整がむずかしくなるのじゃないかというようなことになりますので、その辺をどういうように考えるのか、やはり地方税についての外形課税の導入、付加価値税の検討とはある程度不可分の関係かと思います。 また、新税というようなことを考えます場合にも、いわゆるEC型の付加価値税がいいのか、あるいは御質問にございましたような趣旨のものがいいのか、これも税調で過去においてはあるいは議論があったかと思いますが、どうもシャウプ勧告の付加価値税は、何といいますか、失敗したといいますか、余り実行されなかったといいますか、というようなことでありますので、そういう経験もございまするけれども、改めての検討の一つの課題ではなかろうかというふうに考えます。
○矢追秀彦君 小倉参考人それから関本参考人にお伺いいたします。 まず最初に、会社臨時特別税がなくなったわけですけれども、これについての御意見をお伺いします。これにあわせまして、富裕税がいろいろ言われてきておりますが、これについて税調ではどういう議論が出ておるのか、これからの見通し等も含めて、これを第一点にお願いしたいと思います。 それからその次には、租税特別措置法でいろいろ問題になっておりますが、いわゆる社会保険診療報酬課税の特例についてでありますが、これは非常に議論のあるところです。これについては見送りになっておりますが、一つは、現在、御承知と思いますが、特に関本参考人などは実際実務をやっていらっしゃるので現状もあわせてお伺いしたいのですけれども、いまかなり青色申告が開業医の中でふえております。これがずっと普及してきた場合、一体どうなるのか、その特例がですね、空洞化されてこないか。それからもう一つは、そうでない人たちもおります。それからもし青になってしまった場合ですね、医療というものが完全にその場合はいわゆる企業、商売というふうな形になる可能性もある。その場合、医師という立場、また医療の持つ社会的な意味、そういうものがどうなっていくのか、その点も検討されなきゃなりませんし、それとあわせて問題になっておりますいわゆる報酬の問題、この点が絡めて非常にむずかしい問題ですけれども、税調ではどういう議論が出たのか。特に青になってしまったらどうなるのか、その点。まあ大体若い先生方はみんな青色申告にされておるのが多いです。そういう状況ですから、その点を特にお伺いしたいと思います。 それから三番目には、先ほどちょっとお話がありましたけれども、サラリーマンの問題につきましてサラリーマンの税がいつも問題になりますけれども、たとえば通勤費については一応限度が決められておりますけれども、これが現在妥当なものであるのかどうか。かなり遠い通勤者も出てきております。それが妥当かどうか。それからもう一つは、そうではなくて、実際会社で出る場合と出ないところとありますから、自分で負担している方もあります。そういう場合は通勤費の控除という形の方がいいわけですが、そういう必要経費の控除を含めまして特に通勤費を取り上げてみましたけれども、その点についてどうか、その点をお伺いしたいと思います。 以上三点です。
○参考人(関本和幸君) 第一点の御質問でございますが、会社臨時特別税、それから富裕税ということでございますが、会社臨時特別税につきましては、現段階の経済社会情勢ではもう必要はないというふうに私は判断をしております。それから富裕税につきましては、先ほども新税の創設について申し上げましたが、特にこの富裕税につきましては、新設する場合、技術的なむずかしい問題があるのではないかというふうに考えております。その技術的な問題が解決された場合は、またその見方によってはこれは創設も考えたらいいというふうにお考えがあるかと思いますが、私ども技術的にどのようにこの富裕税を創設するのであろうかということでちょっと疑問に思う点がございます。 それから医者の診療報酬に対する問題、何か青色申告が普及した場合云々というふうなお話がございましたが、全納税者につきまして青色申告ということになりますと、確かに、空洞化するといいますか、そのような考え方が出てくるわけでございますが、しかし、実際問題といたしまして青色申告の普及率もなかなか伸びないというのが実態のようでございます。 また、医者の診療報酬に対する措置法でございますが、これもその規模によりまして大分メリットがある方とそうでない方があるように私は見受けております。特に個人の、たとえば奥さんが看護婦がわりに働いているというような診療所で、また入院設備のないような小規模の診療所等につきましては、確かにこの措置法を適用することがいいわけでございますが、入院設備が多い、それから看護婦さん等も大勢の人を擁しているようないわゆる大病院に近いような形のところにつきましては、この社会保険診療報酬に対する措置法の適用をしなくても、実際の損益計算で計算した方が有利であるようなデータも出ておるわけでございます。 それから通勤費に対することでございますが、これは自宅から勤務先までの費用をどのように考えるかという根本的な問題があると思いますが、私は、現在の状況では、だんだん住宅が郊外へ郊外へという傾向がございまして、通勤の時間も一時間、一時間半というふうにだんだんと延びていくような傾向がございます。ということでございまして、給与所得者の通勤費につきましては私は全額これは非課税にすべきではないかというふうに考えておるわけでございます。 以上です。
○参考人(小倉武一君) まず最初の会社臨時特別税のことでございますが、これはもともと期限づきで、ちょうど期限が来たものでございますので、税調としても期限のままでやるべきか、さらに延長すべきかということについては審議をいたしました。ところが、これについては延長すべしという議論が一つもなかったわけで、ちょっと私個人としてはやや意外に感じた記憶がございますが、まあああいう特別の海外事情のもとでできた臨時の措置でございますので、そういう事態が解消したということであれば、これは当然だという意見が相当の方々の脳裏にあったのではないかと思います。もう一つは、納税をしておる実態を見まして、何といいますか、中堅企業でしかもしっかりやっておられるというところが重税にむしろなるというどうも傾向が見受けられるのではないかというその中身の問題、恐らくこのようなことも考えられまして、これはほとんど異論なくあるいは全く異論なくこの期限到来で終わりというような結論になった次第でございます。 それから富裕税につきましてですが、これは先ほども参考人の方からお話がございましたように、なかなか実態の把握がむずかしいという徴税上の問題が一番大きな問題だと思いますが、同時に、所得税との関係、所得税の補完税ということで恐らくこれは考えられるのだろうという気がいたしますけれども、仮に補完税と考えるというと、まあ西ドイツの例だったとたしか思いますが、累進の頭打ちのところをある程度やっぱり下げるというようなことが問題になりはしないかというような気がいたします。所得税との関係も一つのやはり問題かと思います。まだ税調では富裕税については検討はいたしておりません。 それから社会保険の診療費の課税の問題でございますが、青色申告が大分普及してきておるというお話でございますが、その実態は私はよく存じません。それからまた、税調でもその関係で特に議論があったことはございません。特別措置ということでどうも巷間一般に不公正税制の代表みたいなことになっておるというようなきらいがありまして、これも全員異論なくこれは整理すべきじゃないかと。といって、社会保険診療費の実際の実態ということも考慮しなければいかぬと。したがって、新しい特別措置、多少合理化された特別措置に移行すべきでないかという意見が支配的でございまして、そういう趣旨で答申をいたしたわけでございまするけれども、これはどうも社会保険診療医の方々の所得経済の問題その他いろいろむずかしい問題がございまして、早急にはなかなか結論が得られない。そこで、政府でも、御承知のとおり、厚生省に社会保険診療についての経済全般にわたって、まあ診療報酬も含めてのことだったと思いますが、関係者の御意見を拝聴して結論を出したいというようなことになっておるようでございます。その後の経過は私はよく存じておりません。 それからサラリーマンの関係につきまして、通勤費等についてのお尋ねでございましたけれども、特に通勤費について税調でどういう議論があったのか、詳しく記憶しておりません。多分余り議論がなかったのじゃないかと思いますが、大体、現在の通勤費の控除につきましては、自前で通っておられる方はいわば給与控除の中で処理していただくんだと。会社等から別途支給されるというようなものについては、大方は、まあ片づいていると言うとおかしいですけれども、そう遠方のところの方については賄えない部分があるかと思いますが、まあ電車で何キロか知りませんが、八十キロとか程度のところからの御通勤になっているサラリーマンの方々にはそう迷惑はかかっていない。無論交通費は移動しますから、上がるというような方向で変動しますから、事態に応じてこれら見直しをさるべきものではなかろうかというふうに存じます。
○近藤忠孝君 最初に小倉参考人にお伺いしますが、まず税制調査会のあり方についての批制の問題、いろいろな批判がございます。内部からの批判といたしますと、これは税調の現在特別委員をされていると思いますが、大阪大学の名誉教授である木下和夫氏が「新軌道の財政金融」という本の中で書いていますが、「内部に素人の利益代表がいる。利益代表は自分の方のことばかり述べる。学者は理屈は知っていても実態がわからぬ。統一的運用がないから中和されたものがなく、適当なところで妥協した時点でまとまるということになる。昭和五十年代は財政主導と言っても、税制では何もできないのじゃないか」と、こういうぐあいに述べておられます。これは内部の批判ですね。それから外からの批判とすれば、御承知のとおり、いわゆる隠れみの論というのがあるわけですね。国民各層の代表や学識経験者でいわばそういう意見が導き出されたような形だけれども、実際そうじゃないのじゃないか、いわば政府の隠れみのだという、こういう意見もございます。こんな意見を聞かれて税調会長としてこの税調のあり方についてどういうお考えをお持ちか、また、今後どういうぐあいにこれを運営されていくおつもりか、これについてまず御意見を聞きたいと思います。
○参考人(小倉武一君) 税調のあり方に関連しましてただいま御紹介がございましたような御意見があることを私は多少承知していますし、そうかと思いますが、まず隠れみのということですが、隠れみのというのも、これはあらゆる政府の審議会は全部隠れみのだという批判もございまして、比較的の話になると思います。税調は比較的隠れみのになっていない部類じゃないか。私はあんまり現在はいろいろな審議会、調査会に関係しておりませんけれども、多少関係した経験から申しますと、比較的隠れみの的要素は少ない方じゃないかという感じがいたします。 それから今度は委員の資格、能力、立場等にも触れられた御批判でございますが、何と申しますか、税金の問題は各方面に関係がございますので、各方面のある程度の納得のもとに審議していくということになりますると、やはりできるだけ各方面の方に参加していただくということがよろしいのではないか。他方、お話しのように、そうすればその関係の業界といいますか、関係方面の団体といいますか、そういう方面の利害代表的な発言が多い。これまたやむを得ないところかと思います。しかし、そういう人ばかりでなくて、空理空論に走るきらいがあるという御批判があるかもしれませんが、大学関係の先生であるとか、あるいはジャーナリズム界の経済関係の経験を重ねた人であるとか、あるいは官庁のOBの関係の方であるとか、多方面の方が加わっておられますので、そう業界の利害関係だけにリードされるというようなこともございませんし、またそう理論倒れになるというようなきらいもなく、まあそこはある程度うまく、うまくと言っては語弊がありますが、ある程度調和されておる形になっておるというように私は感じております。無論、委員の任命の仕方によってそこら辺はある程度変わるものでございますが、私は委員の任命には直接は関係はいたしておりませんが、まあ望ましい税制のあり方を御審議いただくために、その構成については委員の任命いかんにかかわるわけでございますので、関係の官庁の方でその点もひとつ十分配意していただいておることと思いますが、そういう御批判のあるところも多分役所の方も御承知でございましょうから、今後ともそういうふうなことで余り御批判の起こらぬようなふうに私ども委員の任命についても趣旨としてはお話しのようなことの起こらぬようにしていくということを希望したいと思います。
○近藤忠孝君 次に、関本参考人にお伺いいたしますが、先ほど交際費課税の強化について触れられた中で、中小法人に過重にならないような配慮が必要だということをおっしゃいました。そこで、中小企業の交際費の実情ですね。実際いまのような機構の中でかなり交際費を使わないと運営していけない、こういう実態もあると思うのですが、実際実務をやっておられまして実際どういう実情にあるのか、そして現在の法律でそれで実際どんな条件なのか、この辺をひとつ御説明いただきたいと思います。交際費課税強化については強化の方向にいま進んでいるわけですが、その場合に中小企業に対してはどういう配慮が必要だろうかと、そこまで含めてお答えをいただければありがたいと思います。
○参考人(関本和幸君) お答え申し上げます。 先ほど交際費課税の強化につきまして相対的に中小法人に過重にならないようにということを申し上げましたが、現実の問題といたしまして中小法人にも業種業態がまちまちでございまして、現在の税法では四百万プラス資本金の千分の一・五というふうな規定がございますが、業種業態が多様であるにかかわらず、そのように一律に規定しているのがどうかという一つの議論があるわけでございます。確かにその業態によりまして交際費の要らない業種もございますし、また、とても年四百万ぐらいの交際費では足らないという業界もございます。そこで、実態を見ますと、やはり得意先を拡張し、仕事を取るために相当の交際費を使わなければ仕事の取れない業種もございます。それから巷間言われておりますリベートという問題は、これは税務的には非常にむずかしい問題でございまして、リベートを出すことによって仕事が取れるという面もございます。しかしながら、リベートということになりますと、現金でやる場合もございますし、当然相手方の住所、名前を言うことについては問題がありまして、それを発表したために取引を停止されたという例もあるわけでございまして、支出する側からいたしますと非常に神経を使うものでございます。そこで、交際費課税を強化した場合にどのようになるかといいますと、ある一定の業種業態については課税をする部分と課税をされないという部分に分けたらどうかというふうなことが前々から私どもの業界の中では論議されております。そこで、資本金の場合についてでございますが、中小会社につきましては、特に増資する必要のない会社については、設立当初の資本金そのままで置いておる例がございます。そこでやはり資本金基準だけでいいかどうかという問題がありまして、資本金以外にもっと検討すべき事項を加えて課税を強化するならしていただくという方向で御検討いただきたいというふうに考えているわけでございます。
○近藤忠孝君 また小倉参考人にお伺いしますが、先ほど来、税をもう少し全体的にふやしていかなきゃいかぬ、こういうお話で、経済計画概案では五年間で三%ふえる、こういうことであります。そうなりますと、私ども計算したのですが、その場合の一世帯当たりの増税が二十一万三千八百三十四円になると、こういう計算もあるわけでありますが、そういうふうなかなりの負担増と、合わせていま社会保険の関係でも負担増が出ておりますね。そうなりますと、一般国民の目にはこの両方合わせて相当な負担増になるわけでありますが、この辺をどうお考えになっておられるか、これについてお伺いしたいと思います。
○参考人(小倉武一君) 私、その計算はよく存じませんけれども、三%ということを前提にして考えますと、これは相当の負担増になるということは推測できるわけでございます。税調といたしましては、三%という数字は無論基礎問題小委員会の討議あるいはその中間報告を総会でするということで経済計画でそういう数字も上がっておることを承知しておりますが、税調全体として総会としてそれを前提に新しい税制を考えようというところまではまだまいっておりません。しかしながら、この経済計画も閣議決定になっておるわけでございまするから、あるいはそれを踏まえてということになるかもしれませんが、税調は税調としてのまた考え方もあるでしょうから、いろいろのまた御意見が出る、また仮にある程度の負担増ということは認められるにしても、それを何%というようなことに考えるかということになりますと、そう長期に五年間にわたってこうだというふうには必ずしも税調としてはこれは言う必要もないかと思います。今後の経済情勢によって自然増収ということもこれはあり得るでしょうし、それもいわば三%の中に入るわけですから、新税だけでどうこうということもないかと思いますが、そういうわけでございますので、これからの検討の場合の一つの目安になるというような趣旨で考えております。
○近藤忠孝君 それから間接税でありますが、これは数字が出ておりますが、所得階層別負担割合では逆累進になっておりますね。この辺について実際をどう調査され、また、是正の方向が考えられるのかどうか、この面についてお伺いしたいと思います。 それから直間比率の問題が先ほどちょっとありましたが、この点はその問題よりもむしろ直接税が十分財源を捕捉しているかどうかという方が問題じゃなかろうかと思うわけでありますが、この辺についてどうお考えになっておられるか、お伺いしたいと思います。
○参考人(小倉武一君) 間接税は、税のたてまえといたしましても、何というか、逆累進といいますか、所得の階層の低いほど負担率が高いというふうになるのは、これもうやむを得ないと申しますか、そうなることだと思います。したがいまして、いままでの物品税程度と言うと語弊がありますが、間接税のウエートが非常に低くなっているときはまだがまんを願うといたしましても、これはまあ選択的に、何といいますか、生活必需品みたいなものにはできるだけかけない。どちらかというと、高級品なりぜいたく品にかけるということになっておりますのでまだよろしいわけですけれども、一般的な消費税ということになりますと、逆累進的な現象が顕著に出てまいるということになろうかと思います。そこで、一般的な消費税を考えます場合は、どうしても所得税の方において低所得者の税負担を軽減するというようなことがどの程度できるのか、そういうこととやはり考え合わせて検討さるべきことではないかというふうに考えます。直間比率という比率から言いまして、この二十年ぐらいの間をとりましても、終戦後いろいろ変動がありましたけれども、多いときには間接税が五〇%ぐらい、いまは三〇%を切っているというようなことでありますので、その事実を是正すべきだという意見もこれは当然あるかと思いますけれども、ただ、直間比率が何となくそういう低下してきたからいかぬのだということではなくて、財政需要に合わせて歳入をどのように確保するかという観点から、歳出の中身、使われ方との兼ね合いにおいて新しい税制を考えるという観点から間接税あるいは一般消費税のことを検討したらどうかという感じでございますが、しかし、税制調査会として、間接税ないし一般消費税あるいは具体的に付加価値税というようなものをまず最初に取り上げようというようなことにまだなっておるわけではございません。これからどういう段取りで税制を考えるかということはこれからのことでございます。
○近藤忠孝君 最後に、新井参考人にお伺いしますが、先ほどの話で当期利益がそのまま課税対象となるわけじゃないという、こういうお話ですね。そういういろいろな関係があるわけでありますが、具体的にある特定の企業なりあるいは企業集団、そういったものについて、その実態を調査されたことがおありかどうか、もしおありならばその結果どんなことがそこから言えるか、この辺についてもしあればお答えいただきたいと思います。
○参考人(新井益太郎君) 先ほど申し上げました当期利益イコール課税所得ではないというのは、これは純然たる計算技術上の問題でございまして、商法が規定している当期利益は、これは税法の予定している課税所得とは異なっております。税法ではその当期利益というものに着目して、これが税法上の所得に最も近い利益概念であると、こういうように考えてこれに必要な修正加工を施す。たとえば受取配当金というのが会社があったといたしますと、これは商法上の利益の計算上は受取配当金は利益として計上されるわけですが、課税所得を構成する場合にはこれは益金と見ない、つまり益金に不算入というようなこういう形で課税所得からはマイナスすると、こういうことになります。それから企業利益の計算上は、商法上はたとえば交際費というものを非常にたくさんに支払ったという場合には、商法上はそのまま企業利益のマイナスになってきます。しかし、課税所得を計算する場合にはこれは一定額について損金とは見ないということになりますので、その分が食い違ってくるわけです。こういうように純然たる計算技術上の問題として考えた場合には、これはいわゆる調査をしなくても理論的な問題として当期利益と課税所得が違うということが言えるわけでございます。 以上が答えでございます。
○参考人(関本和幸君) 先ほど私が申し上げた中で間違いの部分がありましたので、御訂正をいただきたいと思います。 四百万プラス資本金等の千分の一・五というふうに申し上げたと思いますが、先般の改正で一万分のたしか五に変わっていると思いますので、その部分を御訂正していただきます。
○栗林卓司君 時間の制約もありますので、恐縮ですが、小倉参考人に自動車関係諸税の問題に限って五点お尋ねをしたいと思います。一括してお尋ねしますけれども、質問がいささか長くなるかもしれませんけれども、お答えは簡潔で結構でございます。 まず、第一に伺いたいのは、五十一年度の税制改正に関する答申を見ると、委員会における問題提起として、自動車使用者は増税による負担増に耐えられるかという担税力の問題が指摘されておりました。この問題を税制調査会としてどう判断されたのかが第一の質問であります。 あわせて申し上げたいのは、日本の自動車関係諸税の特徴を調べてみますと、中古車、まあ使用過程車と言った方が正確かもしれませんけれども、中古車の保有にかかる税が国際比較をしてみても高いわけです。ここで保有課税、利用課税の厳密な議論をするつもりはありません。その増税に対して、これは払えないからどうしようかというときに、利用を差し控えることによって納税者の方が多くの税金を払うことを回避することができるものをまあ利用に対する税と考えますと、保有の場合には、もう持っている限りその税は納めなきゃいかぬわけですから、その意味で、その車がどうしても必要だということになると、その税額の引き上げというのは、結局家計に食い込んでこざるを得ない。そういう意味で中古車、使用過程車に対する保有課税が日本の場合は高いと思います。 例を申し上げますと、今回の五十一年度の税制改正前の数字で申し上げましても、自動車税が、自家用乗用車の場合は年間二万七千五百円、自動車重量税は年に割りますと一万二千六百円、合わせて年四万円近い、その持っているということにかかわる税が取られるわけですけれども、米国の場合はトン当たり二千十七円、日本の場合、大体一トン前後でございますから、これはもう比較にならない。英国の場合は二万四千八百四十円、四万円に比べてはるかに安い。西ドイツの場合は百ccことに千六百八十五円ですけれども、千五百ccとして見ても二万五千円前後で、これまた日本よりは低い。フランスの場合は千五百ccで一万七千九百四十円、これに対して、日本は、今回の五十一年度の税制改正前でも非常に高い水準にある。そこで、あえてこれをさらに上げたわけですけれども、そのときに担税力かどうされたのか。そこで、少し、じゃ中古車、使用過程車というのはどういったかっこうで使っているのだろうかという事例を私なりに調べてみたのです。 例を申し上げますと、一つは、これは広島にお住まいの会社員の方ですけれども、転勤でたまたま別なところに移ってアパートに入ったのだけれども、夜九時でバスがなくなってしまう。業務の関係上どうしても小型の車がないと通えない、これで中古車を買ったという例が一つございます。 これはやっぱり手放せない例だと思いますし、同様の例を一つまた拾ってみますと、これは青梅市にお住まいの方ですけれども、公団住宅にやっと当たった。当たったのだけれども、バス停まで二、三十分かかってしまう。通勤を考えるとこれまた車を買わざるを得ないのだ。 三番目のもっと切実な例を挙げますと、これは尼崎にお住まいの会社員の人ですけれども、定年退職をした。新しく職を見つけたけれども、それは夜勤の仕事しかなかった。夜勤になりますと、日本の公共交通機関は夜動いておりませんから、どうしても通勤に車を買わざるを得ない。 また、もう一つの例は、これは各地方から挙がっておりますけれども、大工さんの場合は勤め先が変わるわけですね、工事現場が違うわけですから。自分の荷物を持ってというと、これは車なしでは大工通勤ができない。 あるいはこれも全国各地ですが、パン屋というのは早朝の仕事ですから、パン屋さんに勤めている従業員はいやでも車を買わざるを得ない。 中古車というのはせいぜい三十万、四十万で手に入るわけです。その人たちはこれがないと暮らし向きが困る。そこに保有課税がふえた場合に、必要だから恐らく今回の増税額も払うでしょうけれども、これは担税力の面を考えてみると過酷な増税になるのじゃないか。こういったことを踏まえながら、今回の増税案を見ると、実は中古車、使用過程車が主たる対象なんです。新車というのは物品税なんです。今回の増税は全部使用過程車、中古車が対象ですから、なるほど税収としては約三千万台のいわば保有から取るわけですから大きいのだけれども、取られる側は一体どうなるのか。そういった意味で日本のこれまでの五十一年度の税制改正前の形でも日本の中古車に対する保有にかかわる税は異常に高かった、それをさらに高めるというわけですから、税制調査会として担税力について相当確たる判断と資料をお持ちでなければいけないと思いますが、どういう御論議があったのか、これが第一点。 第二点で伺いたいのは、実は自動車の必要の度合いというのは職業なり地方によって違うと思います。たとえば東京二十三区内では車なしで暮らすことも交通機関が四通八達しておりますから必ずしも無理ではない。じゃ沖繩はどうかというと、あそこは軌道交通は一本もないわけです。そうすると、全国画一で議論をしていいんだろうか。また、所得水準ということをこれほど車が普及したら考えなくてよろしいんだろうか。この自動車関係諸税というのは、膨大な税収を上げながら、実は控除項目も納税者の側に立った特別な個別配慮がほとんどない税制。しかし、ここまで来るとそれを考えるべきではないのかというのが二番目の質問でございます。 それから三番目にお尋ねしたいのは、これは答申にもあるわけですけれども、自動車産業というのはすそ野の広い基幹産業で、平たく言いますと、中堅中小企業がたくさんすそ野に属している産業ですから、この増税というのは産業に影響を与えないだろうか、こういう御心配がありました。それで、その結論を見ますと、「影響を過大視すべきではあるまい」と、こうおっしゃっているわけですけれども、私が理解するところでは、税調の議論の中で、通産省の方から、恐らくその結果として十数万人の失業が出るであろうという観測を報告しているはずなんです。通商産業省はその関係のいわば責任行政部署としてそういう意見陳述をしたと思うのですが、それに対して税制調査会がいかなる根拠で影響を過大視すべきでないと断定できたのか。なるほど結果は昨今輸出が好調でございますから御心配の懸命にはないのだけれども、このときにはそういうことはわからなかったし、じゃ輸出がこのままいつまで好調かというと、きわめて疑問である。そこで、片方の通商産業省の方は十数万人の雇用を失う可能性があると指摘していることを税制調査会が影響を過大視すべきではないと言うからには相当の説得力のある資料と論議を御準備になる必要があるのじゃないのか。これが第三点。 第四点として伺いたいのは、御案内のように自動車関係諸税は税目が大変広がっております。整理簡素化をしてくれというのは過去数年来の課題でございました。大蔵省もたびたびまことにそのとおりでありますから努力をしますと御答弁でございました。今回の答申は、その簡素化というのは納税者の理解と協力を求める意味できわめて重要であると、こうお認めになりながら、国、地方間の財源配分にかかわる問題であるから相当の時間をかけるんだ、こうお書きになっている。国、地方の財源配分というのは行政の内々の話だと思う。もっと大切なのは、実は新井参考人も先ほどお述べになったことですが、納税者の理解と協力を得るような形にその税制をどうしていくのかという、ことそちらの方が税制調査会としては重要な関心がおありになるのじゃないか。にもかかわらず、行政の内々の事情の方を優先してとられて、結論を相当な期間と出されたのは、税制調査会のいわばスタンスのとり方としてちょっとおかしくないか。これが四番目の質問であります。 五番目、最後でありますけれども、時間がありませんからこれは簡潔に伺います。自動車の販売価格が上がったから税負担の割合も高めなければいけない、こういうことが中に書いてございます。ところが、自動車の価格が上がってきたのは、安全対策、公害対策で高くなってきたわけで、その高くなってきたというのはいわば公的な費用を国民が負担している姿じゃないか。にもかかわらず、税の負担割合を見ると、表づらは減ったからこれを上げなければいけないという主張になるのだろうか。しかし、これは物品税の議論としては、なおかつそれは資産価値を形成するんだからという御議論があろうかと思いますけれども、そういう実態が片方であって、物品税はその結果として増収になっている事実があるわけですから、にもかかわらず、自動車重量税なり自動車税を税率として上げるという議論が出てくるのだろうか、価格との見合いの問題で。特に伺いたいのは、本当に中古車価格というのは上がってきたのでしょうか。新車の価格は上がってまいりました。中古車を主たる対象にして今回の増税案があるわけですけれども、中古車価格は上がってきたのでしょうか。どういう検証をされたのか、これを最後に伺いたいと思います。
○参考人(小倉武一君) 自動車関係の諸税につきまして五点にわたる御質問でございますが、十分お答えが実はできかねる点もございますから、ひとつあしからず御了承願いたいわけです。 まず今回の増税が特別措置の整理合理化を除きますと自動車関係に限られたという点も一つの問題でございますが、こういう財政事情の中で増税ということをお願いするには、やはり自動車関係の諸税ということにどうもなるのではないかということが一つでございまして、今日はお話しのように自動車は大分大衆化してまいりまして、一種の生活必需品的にはなっておりますが、なお自動車保有者は担税力があるというような考え方でまずあったわけでございます。 それから中古車につきましては、お話しのように、いろいろの実際の使用の実態をお話しになりましたが、そういうようにやむを得ず——やむを得ずといいますか、職業なり生活のために当然必要としておるというような向きも相当広範に今日は生じておるだろうということは御指摘のとおりでございます。そうだとすれば、何か特別の控除的なことを考えるべきではなかったかということの御指摘でございますが、これは確かにそういうような点の考慮があるいは不十分だったかもしれないというふうに存じます。 それから関連産業に及ぼす影響でございますが、これにつきましては、税調の中でも、その点についてやはり考えなくちゃならぬのじゃないかという御意見が強く主張されたこともございます。ただ、その後の自動車の売れ行きについて申し上げるわけでもございませんけれども、まあいろいろな事情、輸出のこともありましょうし、公害防止のこともございましょうが、ある程度自動車の売れ行きが悪くなるのじゃないかというようなことも、去年の段階ですから、そういうような見通しのお話もございましたけれども、そうでもないのではないかというような御意見も他方においてあり、したがって、すそ野に及ぼす影響、関連産業に及ぼす影響もそう過大視して、それだから自動車関係の諸税の増税をやめるとか、あるいは上げるにしてもほどほどにすべしというようなことにも、そこからいけばなるわけでございまするけれども、何しろ税収を上げるという点が先に立ちまして、その辺はそんなに影響がないんだろうというようなことで、全く影響がないというふうに断定をしたわけでも必ずしもないのであります。 それから簡素化の問題ですが、これはもう御指摘のとおりでございまするし、また、税調でも自動車関係諸税については簡素化の方向でひとつ考えるべきものであるということについてはそうなっておるわけでございますが、これにまたいろいろな経過を経て今日のようなことになって複雑になっておるということもございまするし、お話にございましたような国税、地方税との関係もございますので、早急にはなかなか整理がしにくいという点もこれは無視できないかと思いますが、今後の方向として御趣旨のような点を十分考慮して税調としても対処してまいりたい、かように存じております。
○栗林卓司君 一番最後の価格の問題だけ落とされたと思うのですが。
○参考人(小倉武一君) 自動車の価格でございますが、これは中古車と新車の関係はなるほどお話しのようなことだと思います。余り新車と中古車と区別して議論がされたわけでもございませんので、さらに今後の自動車諸税のあり方を考えます場合はそういうこともできますれば考慮に値することではないかというふうに存じます。
○野末陳平君 二つの点に関して参考人の皆さんのお考えをお聞かせ願いたいと思います。 最初は、所得税のことですけれども、これは基本的には減税の方向しかないように思いまして、課税最低限を引き上げるとか、その他当然なすべきことがあると思うのですが、累進税率のことで先ほど関本参考人もカーブの書き方を見直すようなことをちょっとおっしゃいました。私の周囲でも、要するにこの間の大減税のときにやっぱりかなり高額所得者に甘過ぎるんだという声があったのですが、この累進税率を上に少し厚いからもうちょっとこれをきつくしてもいいじゃないかと、そういうようなお考えなのかどうか、そんなことも含めまして所得税の累進税率のことをお聞きします、第一点。 それから二番目は、法人税のことですが、まあ景気が回復すれば増収は期待できると思いますが、これは非常にはっきりしませんので、それをおきまして、法人税というものが今後この低成長下でも増税の対象として考えられるかどうかというような立場からお聞きしますが、たとえば租税特別措置を全廃するということ、あるいは全廃は事実上は不可能であるとしてかなり厳しく整理統合していくことによってかなりの増収が考えられるんだということ、それからもう一つは税率そのものがこれはもう限界なのかどうか、あるいはここにまた累進税率を適用することによって低成長下でもかなり法人からまだ取れるんだというようなこと、その辺のことも含めて、法人税が今後増税ないしは増収の対象としてどの程度まで考えられるのか。以上二点を三人の参考人の方のお考えをお願いしたいと思います。
○参考人(小倉武一君) 所得税の累進税率の高い方をさらに上げるということにつきましては、これは先ほど御質問の中にありまして私ちょっと忘れて恐縮でございましたが、新しい税を起こして増税するというよりは既存の税制のもとでちゃんと適正に税を納めてもらうということの方が大切ではないかという御指摘がございましたのでございますが、そのことと若干関係があると思うわけでございます。まあ高額所得者だから現在の七五というのをさらに八〇なり八五にするということも考えられなくはないですけれども、そうすればするほど税の把握ということがむずかしくなってくる可能性もあるような気がいたします。それから諸外国と比較しましても、余り外国のことを知りませんで口はばったいですが、日本の累進税率の累進度というのは諸外国に比較して相当高いところにある。特に低いということではどうもない。イギリスは非常に高いようですが、その他の国に比べてむしろ高い方に属しているというようなこともございます。したがいまして、さらにその累進度を高めるということについてはなお検討を要するところがあるのではないかと思います。無論今後の税制全体についてのあり方を考えます場合に、場合によりましてはそういうことをやはり検討しなきゃならぬことが起こるかもしれませんが、いまのところ必ずしもその方がいいというふうに税制調査会としてはどうも考えられてはいないように思います。
○参考人(新井益太郎君) 御質問のうちで、所得税関係について税率の見直しということが考えられるかどうかという問題がございましたのですが、私も、いまの小倉参考人と同じように、わが国の税率そのものについてはそれほどの違和感を持っておりません。 それから第二に、そうした場合に、これは先ほども申し上げたところですが、低額所得者に対する課税、これは幾分か税率において修正する必要がある。これはむしろそういう点からいくと所得税の減収をもたらすということになるかと思いますが、これはそのためには別の財源を見つけなければならないという一つの問題がございます。 それから法人税の問題については、これは国の経済がどういうように復興していくかということによって変わってくる問題かと思いますが、租税特別措置法の改廃によって確かに税額そのものはふえると思います。しかし、これは租税特別措置法がいろいろの経緯でもってでき上がっておりますから、これをすべて全廃するということはなかなかむずかしいことだと思います。 法人税について累進税率をかけたらどうかというのがその次の問題になりますが、これもいままでの法人税課税というものを見た場合には累進課税というものは適当ではない。したがって、一律課税でやって、その税率について現在の税率を幾分か引き上げるというようなそういう方策は経済情勢の好転によって可能であると、そのように考えます。 以上でございます。
○参考人(関本和幸君) お答え申し上げます。 まず、所得税の累進税率の点でございますが、先ほどこの税率のカーブの書き方を見直すべきではないかという意見を申し上げましたところでございます。ただ、私の方といたしましては、現実的にどの所得層にどけだけ税率をアップしたらどれだけの税の増収があるのか、そういった具体的な数字をつかんでおりませんので、観念的にお話をしては大変恐縮でございますが、やはり高い所得者の方にはもう少し税率をよけいに負担していただいた方がというふうな気がいたします。それは気分で申し上げては大変恐縮でございますが、そのように考えております。 それから法人税についてでございますが、現行の税法では、まあ簡単に言いますと、一億円を超える会社と一億円までの会社と二段階ありまして、これも一般税率は上の会社が一律に四〇%、それから一億円以下の会社についてはさらに年の所得が七百万を超えるものが四〇で、七百万以下の会社については二八%という二段階の税率を適用しておりますが、まず資本金一億円以下の会社については年七百万という数字は逆に私はもっと引き上げてしかるべきだというふうに考えております。これは先ほどもそのように意見を申し上げております。 それから四〇%という数字についてでございますが、私の記憶では、いまから十数年前になるかと思いますが、法人税におきまして最高四二%の税率を適用した例がございます。別にそのときにおきましても特に四二%の税率が過酷であるというふうな話は当時は聞いたことはございません。二%上がるとどの程度のこれも増収になるか私はわかりませんが、感覚といたしまして、これも大変恐縮ですが、あと数%ぐらい上乗せしても差し支えないというふうな気がいたします。 以上です。
○理事(中西一郎君) 参考人の方々に申し上げます。 参考人の方々には長時間にわたり貴重な参考意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。お述べいただきました御意見は、今後の委員会の審議に十分役立たせてまいりたいと存じます。 本日はまことにありがとうございました。(拍手) —————————————
○理事(中西一郎君) 委員の異動について報告いたします。 本日、寺田熊雄君が委員を辞任され、その補欠として上田哲君が選任されました。 午後五時三十分まで休憩いたします。 午後四時二十分休憩 —————・————— 午後六時十六分開会
○委員長(岩動道行君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、租税及び金融等に関する調査を議題といたします。 野々山君から発言を求められておりますので、これを許します。野々山君。
○野々山一三君 私は、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、第二院クラブの共同提案に係る税制に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 税制に関する決議(案) 一、政府は、所得、物価水準の推移等に即応し、中小所得者を中心とする所得税負担の軽減を図り、合理化に努めるべきである。 二、通勤手当の非課税については、通常の通勤に要する費用の実情に即応し、適宜見直しを行うべきである。 三、夜間勤務者に対し、夜食に代えて支給する金銭の税務上の取扱いについては、実情に応じ適宜見直しを行うとともに、夜勤手当についても、一定の非課税限度を設けることの是非について検討すべきである。 四、法人の受取配当益金不算入制度、支払配当軽課制度等、法人課税の基本的あり方や法人負担の水準について今後さらに検討を進めるとともに、利子・配当課税について総合課税への移行を検討すべきである。 五、社会保険診療報酬課税の特例の合理化については、税制調査会の五十年度答申の案の趣旨に則つとり、すみやかに実現を図るべきである。 六、交際費課税については、社用支出の実情にかんがみ、課税の強化につき、さらに検討すべきである。 七、社会福祉充実の見地から、住宅、財形貯蓄、年金に関する課税のあり方について検討すべきである。 八、環境保全対策の一環として、高公害車に対する課税のあり方について検討すべきである。 九、変動する納税環境の下において、複雑、困難で、かつ、高度の専門的知識を要する職務に従事している国税職員について、職員構成の特殊性等、従来の経緯にかんがみ、今後とも、その処遇の改善に一層配慮すべきである。 一〇、豪雪地帯における豪雪雪除にかかる災害費用の雑損控除については、その適用に当り、実情に即し適切に配慮すべきである。 一一、政府は、今後とも、不当な脱税等行為を防止するため、公正な課税、徴税の実現を期するため一層の努力を払うべきである。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(岩動道行君) ただいまの野々山君提出の決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岩動道行君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、大平大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大平大蔵大臣。
○国務大臣(大平正芳君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしまして御趣旨に沿って十分検討をいたします。 —————————————
○委員長(岩動道行君) この際、御報告をいたします。 理事会で協議の結果、昨日の委員会においての渡辺委員の発言中不穏当な発言と認められる個所がありましたので、委員長において削除いたすこととしましたので、御報告いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十一分散会