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77回国会参議院1976/05/18

大蔵委員会 第8号

発言数
254
登壇者
25
会派数
6
開催日
1976/05/18

会議録

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  昨十七日、近藤忠孝君が委員を辞任され、その補欠として橋本敦君が選任されました。     —————————————

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 議事に先立ち、去る五月十六日、秋田での記者会見の席上、定例日以外でも財特法を審議してほしいという発言があった旨の報道記事がありましたが、この発言が事実とすれば立法府審議権への干渉であります。当大蔵委員会としては、理事会において法案審議の進め方について各党の意見をもととして検討しているところであります。  この際、立法府と行政府の関係についての政府の基本的見解をお伺いいたしたいと存じます。また、発言が事実とするならばどう処理するか、あわせて答弁願います。井出官房長官。

井出一太郎自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(井出一太郎君) 去る五月十六日の秋田における三木総理大臣の発言は、自由民主党総裁として遊説先において重要法案の精力的審議についての希望を述べたものでありますが、総理大臣の立場にある者として、行政府が立法府の運営に干渉するがごとき発言をしたということは、まことに遺憾であります。  政府といたしましては、国会が国権の最高機関たる地位を有しておることを十分認識しており、立法府の運営に干渉することが当を得ないものであることは当然であります。また、そのような意図は毛頭ないことを申し上げる次第でございます。  今後とも、かような誤解を生むことのないよう十分注意をいたしてまいる所存でございます。     —————————————

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  租税及び金融等に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時は明十九日午後一時とし、人選等につきましてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 次に、公聴会の開会承認要求に関する件についてお諮りをいたします。  昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律案の審査のため公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 御異議ないと認めます。  つきましては、公聴会開会の日時は来たる五月二十二日午前十時とし、公述人の数及び選定はこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 租税及び金融等に関する調査を議題といたします。  前回に引き続き、財政及び金融等の基本施策に対しこれより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 去る十三日の本委員会において、私は資料要求をいたしました。理事会でいろいろ骨折りをいただき、昨日、秘密理事会において、その一部について大蔵当局から説明がございました。その説明は、遺憾ながら、ロッキードスキャンダルの私が疑問といたします点については、何ら解明ということには至りません。  問題は、ロッキードL一〇一一の購入に関して、特恵的な条件が輸銀の融資の中に見られるわけであります。業務方法書の中に規定がされておりますそういう内容とも——最高限度融資枠が七割という規定を超えて八割、さらに逆ざやの六分一厘という低い金利、それから申請額に対する一億一千二百万ドル、第二回目が七千万ドルという融資の額自体についても大変疑問が残るわけでございます。またホートン会長が指摘をいたしております賄賂分は価格に上乗せをしておってロッキード社は損害をこうむっておらない。こういうことの解明のために、各国の百二十五機のロッキード社から売り渡されたそれぞれの価格についての解明を求めたわけでありますが、それらの資料もまだ提出されておりません。  速やかにひとつこれらの問題について解明ができますような資料の提出方を重ねてお願いを申し上げて、質問に入りたいと思います。

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) ただいまの大塚委員の資料の件につきましては、さらに理事会において協議をさしていただきたいと存じますので、質疑をしていただきたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 大蔵大臣にお尋ねをいたします。  きょう各紙の報道するところによりますと、「「反三木」へ動き急」と、こういうことで、その中で、大平派も「「三木退陣」へ旗揚げ」と、こういうことの報道がなされております。  さきの本委員会において、同僚の寺田委員から、推名副総裁との関係等について尋ねがあったわけでありますが、そのときに大蔵大臣は、特別の理由がないという趣旨の答弁がございました。で、いま、最も重要な審議案件となっております財特法の提出をされておるこの時期に、法案提出の当事者である三木内閣、またこの財特法の責任ある立場にあられる大蔵大臣、こういうことを考えますと、事のよしあしは別にいたしまして、どうも釈然としないものがございます。これらの真相についてひとつ大蔵大臣から、本当に三木内閣早期退陣、即時退陣、こういうことになっておるならば本法案の審議もきわめて意味のないものになってしまう論議を重ねることになると、私はこういう感じがいたすものでございますので、本日のこれらの関連する記事に関して、大蔵大臣から直接事の真相についてお尋ねをいたし、解明をいただきたいと存じます。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) この間寺田委員の御質疑に対しましてお答え申し上げましたとおり、私は、三木内閣の大蔵大臣といたしまして、日夜、微力ながら全力を挙げて職責を尽くすべく努力をいたしておる最中でございます。  また、仰せのように、特例公債の発行に関する法案を提出申し上げた責任者といたしまして、この審議の促進に昼夜を分かたず腐心いたしておりまするものでございまして、両院の御審議に際しまして、私初め大蔵省の者全力を挙げて、審議にこたえて一日も早く成立をさしていただかなければならぬと存じまして、全力投球をいたしておるのが公の私の立場でございます。  自由民主党内には、政局を踏まえていろいろな議論があることは事実でございますが、これは自由民主党内部のことでございまして、私はそれを代表してあなたにお答えできる立場にもございませんし、私は、大蔵大臣として国会に対して責任を負う者といたしまして、いま御提案申し上げておる法案の御審議に全力を続けてまいる決意を改めて申し上げて御理解をお願いしたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 御理解をという言葉ですが、公には内閣の責任者として、内閣というか、本法案提出の責任者として財特法の成立に苦心をし努力を重ねておると、これは公。   〔委員長退席、理事中西一郎君着席〕 そうすると、私の場合にはこの「「三木退陣」へ旗揚げ」という具体的な行動、それは自民党内部のことだからお話できませんと、こういうことでは、やっぱりいまの答弁でこの法案の審議を本気になって取り組むと、こういうことでは審議する全員がやっぱり水をぶっかけられて、三木退陣、そういうことの動きの中で一体この法案の審議がそれほど急がれるものなのかどうか、緊急なものなのかどうか一重要なものなのかどうかということについては、私はそうでないという答えしか出てまいりません。その辺の問題について私的には一体どうなのか、そこのところもひとつはっきりさせていただきたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) お言葉が尽くしませんが、大蔵大臣という公職にありまして、国会に対して責任を持つ立場におきまして仕事をなして全力投球をいたすのが私の立場であるということでございます。自由民主党内部のことにつきましては大きな政党でございますし、いろいろな御意見があり、いろいろな動きがあることは、これ、生き物でございますからありましょう。ありましょうが、それを代表して私がお答えできる立場にもございませんし、私はそういう党の立場にないのですから、それはまた別な人に問うていただきたいと思います。私は、大蔵大臣としていま全力を挙げて提出いたしました法案の早期成立に全力投球いたしておりますということでございますから、どうぞ御審議に当たりまして何なりとお申しつけを願いたいというのが私の立場でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 どうもさっぱりわかりません。本法案の成立を願っておる大蔵大臣が、片方では三木退陣ということで具体的な行動をしておる。この法案の審議を私どもは何のために一体やっておるのかということについて釈然とどうもいたしません。またこの問題は引き続き論議をされるところでございますので、今後の推移を見て次の機会にまた重ねてひとつ解明をいたしたいと願っておるところであります。  持ち時間一時間ということですので、三点ほどの問題についてお尋ねをいたします。  初めは基地跡地利用の問題についてお尋ねをいたします。  去る二月の各新聞の報道によりますと、大蔵大臣の諮問機関である国有財産中央審議会の返還財産処理小委員会において大蔵事務当局から提案された大規模返還財産に係る新処理基準、三分割方式、この内容について報道がありました。まあ従来とは相当変更された内容でございますので、この内容についてひとつ具体的に明らかにしていただきたいことと、国有財産中央審議会で大蔵大臣あての答申がなされる、こういうことを聞いておるわけでありますが、これらの今後の推移、見通しは一体どういうことになっておりますのか、そこのところをひとつお聞かせいただきたいと存じます。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 御承知のように、ここ数年関東地域における米軍基地の多くが返還されてきておるわけであります。それで、これらの基地は、たとえばキャンプ朝霞とかキャンプ渕野辺とか、その規模が非常に広大で、かつ首都圏における残された国有地としてきわめて貴重な土地が多いわけであります。したがいまして、これの利用につきましては、地元市町村の要望はもとより、国それから政府関係機関等におきましても、いろいろな施設の用地として利用したいという要望が非常にあるわけです。片方、いろいろこれだけの広大な貴重な土地であるので、当面すべて利用しないで、将来の利用のためにこの際留保しておくべきであるという意見も相当強いわけであります。われわれとしましては、これらのいろいろ要請を考えまして、これら貴重な土地をいかに有効に利用していくかということを検討しておるわけでありますが、その一つの考え方として、ただいま先生がおっしゃいましたような統一的な処理基準案というのを提案して目下国有財産中央審議会で御検討いただいておるわけであります。その内容といたしましては、ただいま申し上げましたように、これらの基地跡地の利用に関する要望が非常に錯綜しておるわけであります。一つは、その地元としてまずこれを最大限に利用したいという要望であります。それから国なり政府関係機関におきましても、最近の首都圏における用地難から緊急に必要とされる施設も思うように建設できないということで、こうした基地跡地を利用したいという要請が強いわけであります。同時に、先ほど言いましたように、将来の利用のためにこの際は留保しておくべきであるという有力な意見もあるわけであります。こういう情勢下におきまして、われわれとしてはこれをケース・バイ・ケースで処理していくということになりますと、関係者間の調整に非常に時間を要するだけで、なかなか円満な解決が得られないということで、統一的な基準でやっていこうというわけであります。  それで、内容としましては、その地域を三つに分けまして、その三分の一につきましては地元市町村の利用に供する、それから三分の一は国なり政府関係機関の施設のために利用する、それからあとの三分の一は当面は白紙のままにしておきまして、五年ないし十年後の状況に照らして利用を図っていくということを考えているわけであります。もちろん、その全体の利用計画につきましては、地元の市町村と十分協議して詰めていくわけでありますし、それから残された三分の一の保留地を将来利用する際におきましても、地元の要望という点を十分考えてやっていくつもりであります。  それからもう一つは、その跡地を処分していく際の価格の問題であります。米軍基地の返還に際しましては、当該施設を他の基地へ集約してその基地が返還されてきておるわけでありますので、そのために政府として多額の移転経費を負担しているわけであります。それで、従来から国有財産の処分に関しまして、移転経費を要したものについては有償処理ということを原則にしております。で、この取り扱いは四十七年の国有財産中央審議会の答申でも述べられておるわけであります。それで、今回の基地跡地の場合、移転経費というのを要しているわけでありますが、それは多くの基地が返還されてきておりますので、それを全体として考えまして、個々の基地ごとの表面的な移転経費ということでなく、それを統一的に考えて負担の公平を図っていくということで、跡地の処分価格についても統一的な基準でやっていきたいということを提案しておるわけであります。それで先ほどおっしゃいましたように二月に国有財産中央審議会の小委員会におきまして、一応この考え方を御説明して、先生方の大方の御賛意をいただいておるわけです。今後のスケジュールとしては、まだ具体的に決めておりませんが、さらに一、二回小委員会を開き、その後に審議会の総会を開いてなるべく早い機会にその答申をいただいて、それに基づいて処理を進めていきたい、こう考えておる次第であります。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 いまの大規模基地跡地について答弁をいただいたわけですが、画一的に分割する、三分割だと、こういう内容でありますが、この計画はそれぞれの都市で都市計画を立案し、その実施を進めておる、こういう立場から見ますと、当該団体の町づくり、これと調和をするかどうかというような配慮は一顧だに払われておらない、しかも体系的なものが全然その中に組み入れられておらない。国の計画自体がその合理的なもの、論理的なものという、そういう根拠が大変薄いという感じを強くいたします。そしてお上の決めたもの、国の決めたものは地方自治団体はもうお上の手数を煩わせるな、天下り的に押しつける、そういう計画のにおいがふんぷんと感ずるわけですが、こういう計画は、地方にただ譲歩を求めて押しつければいいと、こういう内容のものですかどうですか、そこらの基本的な考えについて当事者のひとつはっきりした意見をお聞かせいただきたいと思います。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) ただいまお答えしましたようにその返還されてきています基地跡地というのは、非常に広大な規模のものが多いわけであります。かつこの首都圏という非常に土地の貴重な地域に存在するわけであります。それでいろいろ地元の計画もあられるわけですが、その利用計画につきましては、もちろんその地元の意向をよく尊重してやっていくわけでありますが、そこを利用していく施設としましては、単に地元の施設だけではなくて、国なり政府関係機関の施設としても、どうしてもその土地を利用したいという面があるわけです。それと先ほど言いましたように、将来の利用計画のためにこの際は全部決めないで留保しておいた方がより合理的であるという御意見も非常に強いわけであります。そういうことを考えまして、この三分割案というのを提案しておるわけです。一種の調整方式でありますので、そこに論理性があるのかと言われれば、その論理、何をもって論理的と言うか問題でありますけれども、われわれとしてはきわめて現実的、合理的な案であるとも考えておるわけであります。それでもちろんこれをすべて地元に押しつけるということでなくて、その三分の一の利用、地元の利用に供する三分の一の利用につきましては、もちろん地元の要望というのが最大限優先していくわけであります。  それから先ほど申しましたように、将来留保地を利用する場合にも、もちろん地元の要望ということを考え、全体ないしすでに買いあさられていますその周辺地域との調和も考えてやっていかざるを得ないということはもちろんでありまして、そういう意味で全体として地元の要望を聞いてやっていくという考えには変わりはないわけであります。ただ、具体的に利用する側としまして、すべてその地元の利用に供せよと言われても、これだけの貴重な土地でありますので、国の立場からも国の施設なり政府関係機関として利用さしていただきたい、利用する必要があるということであります。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 私はすべてを一〇〇%地元に利用させろ、こういうことを申し上げておるのではありません。一つの問題は、人口過密の首都圏のようなところで、都市計画の基本の重大な柱というのは避難緑地という問題、この問題を抜きにして今後の都市計画はあり得ない、こういう考え方を持っております。住民の財産生命を守る、これが地方自治体だけの責任ではなくて、国の責任で、そこのところにやっぱり国の施策の配慮というものが十分に配慮されることが、今後の国土計画、都市計画という中の私は重要な柱でなければならない、こう考えておるわけでありますが、画一的に三分割方式、こういうことでやった場合に、一体その避難緑地というような問題は、その地域にそれぞれのいろいろな条件が異なっておるわけでありますが、そういう問題は国からの天下りでそういうことについての大きな制約、制限が加えられて十分な計画が立たないのではないですか。一体この三分割方式というものは、この避難緑地というもののつくり方、そういうものの設定の仕方、こういうものとどう関連をして、どう配慮をして、この三分割計画というのは立案をされたのですか、そこのところをひとつはっきりとお示しをいただきたい。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) ただいまの避難緑地の問題でありますけれども、それは地元の都市公園という形におきましては、もちろん地元の利用に供されるその三分の一の範囲内においてつくられるわけでありますが、先ほど申しましたように、われわれは三分の一を留保地として残していくという考えを持っているわけであります。この留保地は当面は大蔵省において管理しておくわけでありますけれども、われわれとしてはまあ将来の利用計画策定を阻害しない範囲内において、その地元公共団体等に暫定的にこれを管理委託を認めることもあり得る、そのような場合、緊急の場合には当然そういった留保地として残された国有地が避難緑地としての機能を十分に果たし得るものと考えておるわけであります。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 三分の一の保留地、こういうことを設定する、従来のいままでの取り扱いの基準と申しますか、そういうものがはっきりしておらなかったということは承知いたしておるわけでありますが、地元にそういうふうに三分の一を留保させる、暫定的に、こういうことのお考えだとすれば、なぜ初めから計画的にそういうものについて地方自治団体とそれから国が協議をして、もう避難緑地なんというのはそう悠長に考えておる、そういう問題ではない。一日も速やかに立案をし、実施に移すべきだ、こういう考え方に立つものでありますが、そこらのところについてどうも国の立場というものがあいまいであり、なぜそのようにこの際にそういう新たな基準というものを設けなければならないのか、そこのところをひとつもう一度解明をいただきたいと思います。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 先ほど申し上げましたように、これらの返還基地跡地というのは、これだけの大規模な国有地としては最後の土地であるわけであります。それで現在のような経済的、社会的変動の激しい時期において、現時点だけの考え方から利用計画をすべて決めてしまうことはいかがかというような意見が相当学識経験者等の間にも強いわけであります。これは戦後のいろいろと国有地の処理に対しての反省の上に立っている御意見もあろうかと思います。戦後いろいろ軍用地を処理する際に、国有財産処理という観点から早急に処理を急いだために、その後の都市計画に支障を来たしたというような反省の上に立っての御意見もあろうかと思います。そのような観点から、こういう首都圏における広大な土地というのは、できることならなるべく将来のために留保地として幾らかでも多くを残しておくべきであるという意見があるわけであります。そういう意味で、われわれとしては留保地という考え方を御提案しているわけであります。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 この小委員会の構成、内容等を検討をしても、この中に地元地方自治体の代表というものがどうもその意見が十分に反映されたという、そういう認め方はできない現状であろうと思います。こういう新たな基準をつくると、こういうことになれば基地という長い間地元の住民とのいろいろいざこざがあり、歴史がある、こういうものの処分については地元の意見を十分に開陳をさせてそれを尊重をすると、こういう立場が基本でなければならないと思うわけでありますが、その地元の意見を徹底的に十分に聴取をしてこれを反映せしめると、こういう方策については何か具体的に、日程的にお考えがございますか。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 現在われわれが御審議いただいておるのは中央審議会の小委員会であるわけであります。それで、この小委員会のメンバーはすべて中立的な学識経験者からなっておるわけでありますが、具体的な国有地の処分になりますと、それぞれ財務局ごとに設けております地方審議会というところで審議されるわけであります。それでこの関東の場合は、国有財産関東地方審議会というものが設けられているわけであります。そこの委員の中には、それぞれ地元の知事さんとか、それから市長会の代表とかという者もメンバーになっておられますので、具体的な処理の際には、もちろん十分そういう委員の先生方から地元の意見も反映されるような仕組みになっておるわけであります。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 地方審議会にはその市町村の代表も入っておると、こういうことでありますが、国に新処理基準というものができて、その基準にのっとって地方審議会というものは運営されるものだと理解をいたします。そうなりますと、一番大もとのところにそれぞれの関係者、こういう者の意見が反映されないで、今度はその基準をもとにして具体的な処理を図るということになれば十分に地元の意向を反映させるという機会にはならないと思います。なぜ小委員会なり、その案を作成する段階でその関係地元の意見を聴取しないのですか。こういうものを上から押しつけて、これを守れと、これでやりますと、こういうことを言ったのでは、いわゆる譲渡条件の中で三分割という問題や、あるいは従来から比して売り渡し価格の大幅な引き上げ、いろいろの制約条件をそこへ付与すると、こういうことになって、国に従いなさいというようなことは、基地問題というだけに、地域住民の顔を逆なでして、どこかの基地の例のように、大変宙ぶらりんになって地元と国の対立を激化させるような、そういう結果になることを私は恐れるものであります。ですから、いまのようなそういう答弁ではなしに、この基準案を作成する段階において十分地元関係者の意見を聴取して、その中でその基準案というものを作成すべきだと思うわけでありますが、この点について重ねてお答えをいただきたいと思います。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) 地元の御意見というものをどの範囲に考えるかでありますが、この小委員会の後、中央審議会の総会で審議をいただいて御答申をいただくわけでありますが、その中央審議会の答申には全国知事会の代表とか全国市長会の代表という方は委員として加わっておられるわけであります。ですから、そういう方々からそれぞれ市町村なり県の立場の御意見というのは十分われわれとしては伺えるのじゃないかと思っておるわけです。具体的な基地の処理の問題につきまして、直接の地元の市町村なり、そういう住民の御意見というお話かとも思いますが、われわれの考えとしましては、いろいろ基準なりを考えていく際に、直接の周辺住民の意見を聞くということは適当ではないんじゃないかと、いろいろ具体的な処理の問題については、先ほど言いましたようにいろいろ地方審議会で議論されるわけでありますから、その中央審議会の段階ではそういう全国知事会の代表とか、市長会の代表とかいう方がメンバーになっておられるわけでありますが、それを通じて十分地元の御意見も伺えるんじゃないかと、こう考えておるわけであります。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 話がやっぱり違うと思います。中央審議会に自治体の代表が入っておって、これで事足れりということではございません。基地というものは、具体的にこの基準に適用される大規模な基地が幾つか全国にあるわけであります。その基地の当面しておる、あるいは歴史的にこれらにかかわるいろいろの諸問題が、それに今後の町づくり都市計画というものがそれぞれの地域に独得に、独自に計画、立案をされておるわけであります。そういうことの中で全国一般の自治体の代表が出ておるから、自治体の意見が反映されたということになれば、この問題に関する限りそれは言葉だけであって、中身は全くそれにそぐわないものになってしまう。で、いろいろの答申案、これが出されてその成案が大蔵大臣に答申をされると、こういうことになりますというと、実際のいままでの例から言えば、原案というものがこれを修正して、それで成案になるという、そういう過程の中で、中途で変更されるということはきわめて不可能であります。むずかしい。その小委員会で原案が作成される前の段階で各地方自治体の意見を聴取しなければ、これらの立案というのが、官僚的なもの、全然民主的な手続を経たという形だけはとっておりますけれども、中身はそれに逆行する、そういう内容のものが中央審議会に出されて、中央審議会で何ら関係ない他の地方自治団体の代表者がそこに入って大蔵大臣に答申をする、その中身というのは推して知るべきであります。ですから、私は小委員会で少なくとも案を作成する前の段階において関係当事者の意見を十分に聴取をし、反映させるべきだと、こういう主張をしておるわけであります。この点について、私はいまのような答弁では、こういう官僚的な、非民主的なやり方ではどうしても納得できません。いまの問題について、重ねて私どもが意図しております内容が取り入られていただけるのかどうか、ひとつ重ねてお尋ねをいたしたいと思います。

吉岡孝行大蔵省理財局次長

○政府委員(吉岡孝行君) この返還基地の処理基準の問題につきまして、個々の地元市町村等からの要望というのはもちろん出ておりますが、それとは別に渉外関係主要都道府県知事連絡協議会という組織があります。これはそういう基地を抱えておる知事の連絡協議会であります。そこからいろいろ要望書、われわれの処理基準に対するいろいろ考え方を聞いておるわけでありますが、そういう意味におきまして仮に小委員会において地元の意見を聞くという場合でも、個々の基地の跡地は先ほど言いましたように地方審議会の問題でありますので、われわれとしてもし検討をし得るということになりますと、そういった渉外関係知事連絡協議会の代表から、何らか御意見を聞くということができるかどうかという、その辺は今後検討さしていただきたいと思います。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 この問題で時間が大変なくなって心配をいたしておりますが、都道府県の連絡協議会あるいはその該当の市町村、こういうものの意見をこれは十分にひとつ、いまそういう意味のことの答弁がありましたけれども、必ずひとつ実施をしていただいて、この新処理基準案を作成いただきますように強く強く要望いたします。  もう一点は、譲渡条件の中で価格が大変引き上げになります。現在の情勢というのは国の台所も赤字、県や市町村の台所も赤字、その中で国の財政が苦しいから、赤字だから、この基地の処分については財政負担を市町村で少し大幅に持ちなさい、学校の建設あるいは公共の施設を建てる場合に、それぞれの基準を、またみんな引き上げる、条件をむずかしくする、こういうような問題についてはさらに一考あって、国だけがよい子になって地方自治団体だけを苦しめるような、そういう措置をとることについては強く反対をいたします。ぜひひとつ従来と同様なこういう立場で、時価に見合った形で地方自治団体としても十分に負担が可能な、そういう範囲内でひとつこの譲渡条件の作成について成案をいただきますように強くお願いをいたします。   〔理事中西一郎君退席、委員長着席〕  いまの問題について質問はそこまでにして、ひとつ次に本論に入りたいと思います。  初めに、大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、去る三月の本委員会において所信表明を大臣からお聞かせいただきました。当面の経済運営の方策として景気の回復を最優先の課題としておる、こういう趣旨でございました。しかし、現実にはロッキード問題等によって予算の編成等も相当おくれた、一体その景気の回復テンポ、あの当時お考えいただいたそういう実態と現状はどのように変わっておりますか、ひとつ大蔵大臣にお尋ねをいたしたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) ことしの予算を編成いたしました当時、この予算は景気の回復、雇用の安定のために財政がそれなりの役割りを果たさなければならぬという趣旨で織り込んだ予算であるというような意味のことを申し上げたわけでございますが、その後の経過を見ますと、年改まりましてまず輸出が予想以上に伸長いたしております。それから生産も連続四カ月増加いたしております。出荷もふえ、それに並行いたしまして順調でございまするし、在庫の整理もそれと並行して着実に進んでおるわけでございます。また、雇用の状態も逐次やや改善の兆しを見てきておるわけでございますので、景気の回復の状況、テンポはその当時の状況よりもむしろ早目に到来しつつあるのではないかということで、世上一部には過熱の心配があるのではないかというような懸念を持つ向きさえ出てきている状況でございます。しかし政府は、そういう経済の運営につきましては特に警戒的でもなく、当初設定いたしました方針を着実に実行してまいるべきでないかという判断でいま当たっておるのが現状でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 経済企画庁でどなたかお見えになっておりますか。——この予算編成当時からはずいぶん時間がたっておるわけですが、経済企画庁として具体的にその見通し、これについてどう把握をされておるか、お聞かせいただきたいと思います。

額田毅也経済企画庁長官官房参事官

○説明員(額田毅也君) お答えいたします。  先ほど大蔵大臣からお話がございました、その補足的なお話になろうかと思いますが、昭和五十年度の経済の成長率につきましては御案内のとおり前年度比実質二・六%の成長、それから昭和五十一年度につきましては五十年度の見通しに対しまして名目で一三%、実質で五・六%というのが政府経済見通しをつくりましてお示しした数字でございます。  五十年度につきましては、先ほどいろいろお話がございましたように輸出の好調、それからもう一つは、四次対策を初めといたします明年度の公共事業の促進対策、これらがプラスいたしましておかげさまで二・六%程度の成長はし得るものと考えております。まだ最終の数字が出ておりませんが、現状から見ましてそのような情勢であろうかと思います。  五十一年度につきましては、現在の輸出の好調がいつまで持続されるかという点が一つございます。全体のこの経済の成長の中に占めます輸出の比率というのは、大体全体を一〇〇といたしますと一四%程度でございます。で、政府関係の支出は約二〇%を占めております。消費が五五%程度、半分強を占めておるわけでございます。で、輸出の今後の動向につきましては、やはり国際情勢もございますし、われわれはこれを慎重に見守っていかなければいかぬ。やはりしかし現在の成長の基礎は国内需要であろうかと思います。そういう意味で政府支出が順調に行われていく、また消費も順調に推移する、こういうことを前提といたしまして来年度一三%、実質五・五ないし六の成長が現状から見て可能であろう、こういうふうに考えておる次第でございます。  なお、成長はやはり持続的に行わなければなりませんので、大蔵大臣からも御指摘ございましたように、物価の動向には十分に注視してまいりたいと考えておる次第でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 企画庁にお尋ねをいたしますが、この景気の回復というのは本物だと、こうおっしゃるわけでございますか。

額田毅也経済企画庁長官官房参事官

○説明員(額田毅也君) 昨年一−三月に回復の緒につきまして、その後ややしばらく足踏み状態が続きましたが、昨年の十二月から今日にかけましての回復の基調は本物であると考えております。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 次に、大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、このたび五十一年度の大蔵省機構改革で主税局に調査課を新設されましたですね。この調査課の新設について幾つか考えが出てまいります。一つは、この新しい課を創設したということで、問題になっております付加価値税というものを創設するのではないか。それを担当させるために調査課というものをつくったのではないか。それから、自民党政調会長が、付加価値税にかわる新消費税、付加価値税が手間がかかるものだから新消費税を創設したい、こういうことを言っておる。こういうことを一連のものとして受けとめますと、この調査課の新設についてひとつ大蔵大臣から、この意図は一体何で、何のためにこれらの機構改革がなされたものか、ひとつ初めにお聞かせをいただきたいと思います。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 調査課という課は、十数年前まで主税局にございましたんですが、以後その名前はなくなっております。ここ数年来、私どもの方から調査課をいわば復活させていただきたいということを、行政管理庁や主計局に要望を続けてまいっておりましたが、おっしゃいますとおり、今回の予算で認められまして、七月一日から発足する予定でございます。  調査課にどういうことをやらせるかということでございますが、現在の機構のもとでは、内国調査を総務課が担当いたしておりまして、外国調査を国際租税課が担当いたしております。私やはり就任以来、内国調査と外国調査をもう少し有機的に一人の課長のもとでやってほしいということを考え続けておりまして、今回の新設になります調査課にはそういう仕事をやってもらうつもりでおります。したがいまして具体的な個々の税目につきましては、従来どおり税制一課、二課、三課がそれぞれ分掌いたすことになる予定でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 そうしますと、その新消費税を創設するとか、付加価値税を導入するとか、こういうことはこの調査課を設立してやるという、そういう考えではないと、こうはっきり理解をしてよろしゅうございますか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 従来から消費課税と申しますか、あるいは間接税と申しますか、それらの税目は税制二課が担当してまいっております。今後の勉強の問題といたしまして、個別消費税を洗い直さなくてはなりませんし、一般消費税の勉強ももちろん当然の職務として私どもやらなくてはいけないわけでございますが、それらは引き続き税制二課に担当させるつもりでおります。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 次に財政収支試算、これが去る二月に明らかにされましたですね、この内容についてひとつお尋ねをいたします。  政府は、税収不足のために三兆七千五百億の赤字国債を発行すると、こういうことで、これから先の審議の対象になるわけでございますが、昨年の七月、財政制度審議会が明らかにした昭和五十五年度一般会計収支試算では、五十年度の税収不足が三兆円の場合、まあこういうことがさきの大蔵委員会の審議の際に明らかになって、その場合に、私も重ねて質問をいたしたわけでありますが、本委員会の答弁では、五十五年度の国債残高が六十一兆円に上ると、こういう答弁をいただいたことを記憶をいたしております。ところが、これらのときから期日も大分経過をいたしております。この試算の前提になった以降、昭和五十年度の会計も五月末で会計閉鎖ということになりますので、一体その財政欠陥の赤字、歳入欠陥の赤字は、それぞれの項目に具体的にどの程度になっておりますか、今後の審議の一つの材料と申しますか、欠くべからざる資料になろうと思うもんですから、この明細をお聞かせいただきたいと思います。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) いま大塚委員からお話しがございましたように、五月の末になりませんと私ども税収の姿、それから歳出の不用の姿というものを明らかにすることはできないわけでございます。したがいまして、これから申し上げますのは、現在時点で持っております推定を入れました大まかな数字でございますが、それで申し上げますと、税収でございますが、これは後ほど主税局長から詳細御説明があるかと思いますが、全体といたしましては補正後予算に対しまして約三千億の増収でございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 増収……。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) はい、プラス三千億でございます、ただしその中身は、私が承知いたしております範囲で申し上げますれば、土地の譲渡税制が五十年をもって最終となりますので、土地の譲渡の税制上の特典を利用するという観点からの、いわゆる駆け込み譲渡に基づく所得税の増というものが主因をなしておるというふうに承知をいたしております。その他の源泉所得税、法人税、これらをおしなべて全部合計をいたしますと、大体補正後予算額と余り大きな異同はない。  それから税外の収入でございますが、税外の収入、それから歳出の不用、この辺の動きはなかなかつかみかねるのでございますが、大まかに申し上げますと、二千億円程度補正後に比べて好転をいたしておると思います。二千億円、税外の収入の増と、歳出の不用でございます。それを合わせまして二千億円ぐらいかというふうに考えております。  ただし、公債収入でございますが、補正予算において三兆四千八百億円公債の追加をお願いをいたしました。これは内容は四条公債と特例公債とに分かれておりますが、三兆四千八百億円の公債の追加発行のうち、四月以降に留保いたしました二千億円、これにつきましては、先ほど来申し上げております税収、税外、不用の動向にかんがみまして、五十年度歳入としては発行をいたさないという方針にいたしましたので、したがいまして、大まかに申し上げて、補正後予算に対して約三千億円という剰余を発生する見通しでございます。

大塚喬日本社会党

○大塚喬君 その収入の方が、税外収入で二千億、それから税収の方で三千億ということでありますが、日にちが、ちょっと記憶はっきりしないのを遺憾といたしますが、本委員会で大蔵省から答弁いただいたのは、七十一兆という、そういう赤字欠陥が出るだろうということをここで答弁をいただきました。先ほどの六十一兆というのは、これは財政制度審議会の試算、で、大蔵省から前回の大蔵委員会での審議の際に、七十一兆円という国債残高が五十五年に出るという答弁をいただいたわけでありますが、そこらの数字が、前提の数字が変わってきたもんですから、そこの内容についてひとつ解明をしていきたいと思ったわけでありますが、いまの問題について本論に入れないのを遺憾といたしますが、この問題はひとつ次回にまたお尋ねをいたしたいと思います。  一応、私の質問は時間が参りましたものですから、これで終了いたします。

福間知之日本社会党

○福間知之君 じゃ、私から、まず大蔵大臣に基本的な見解ということを聞きたいと思います。  ただいまわが党の大塚委員からの質疑が行われました。当面の経済あるいは景気というものについての大臣の認識についてであります。これは企画庁の方からもできればひとつ補足的な答弁を求めたいんですけれども、大臣のお話聞いていますと、輸出も思ったより伸長しているし、生産、出荷あるいは在庫の消化もかなり進んできた、景気は予想より速いテンポで回復しつつある、こういうふうな御指摘でございます。しかし私は、ミクロで見た場合にはまだかなり過剰労働を抱えたり、したがって、その整理というものに悩んでいる企業もかなりある。倒産件数もそんなに落ちていない。あるいはまた、GNPのギャップというものも二十兆円からあると言われてますが、どの程度回復しているんだろうか。  それから、生活の面からいうと、私は何といってもインフレーション、物価上昇というものの圧力がかなり厳しい。前年度で一けた台に統計の上では抑えたとは言われているけれども、先般当局の実態調査によると、実感としてはやはり消費者物価二〇%以上上がっている、こういう声が一般の庶民の声であります。そういうふうに考えてみますと、今後いまの財政上の危機あるいはまた長い不況の中で疲弊した企業の経理、そういう面からもそう簡単に景気がスタグフレーションから脱却をするという見通しを持つことは少し甘いのじゃないか、こういうふうに考えるわけです。大臣のそれについて確たる一つの御見識を伺いたい。  同時に、経企庁の方にちょっと、おられましたね。——どなたでも結構ですから、ひとつ。大臣でも結構です。先般のいわゆる経済審議会から答申された五十年代前半の経済計画、あれで、本会議でも私お聞きをしたんですが、六%強とか六%程度とかいう微妙な表現が使われてはおりますが、なべて六%程度と、こういうふうに判断しまして、それは必要な目標だということなのか、何とか可能なんだというふうな目標なのか、どちらですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほど、景気の回復のテンポでございますが、生産、出荷、在庫の整理、雇用の状態などは比較的順調な足取りで回復を見ておると、あるいは予想よりも若干よろしいのじゃないかというようなことを申し上げたわけでございますけれども、しかしそういうことをもっていたしましても、福間さんが御指摘のように、マクロ的に見ましてなお経済の稼働は、稼働率で申しますと八六、七%程度にまだ低迷いたしておるわけでございます。それから企業の収益の状況は、まだ依然として悪い状況でございまして、大中小にかかわりませず相当数の企業がまだ赤字の中で苦しんでおる状況は御指摘のとおりでございます。で、こういう状況から早く脱却をいたしまして、健全な状態になるというためには相当に時間がかかるのではないかと。それほど今度の不況は彫りが深い不況であるし、長い不況でございまして、日本の経済に相当の後遺症を残しておるのではないかということでございまして、決して政府も甘く見ていないわけでございます。したがって、これを踏まえて財政の再建に当たりましても、赤字財政からの脱却に当たりましても、五十年代前半に何とか赤字財政から脱却できるようにしなけりゃならぬという、そういうことを目標にいろんなもくろみをいま重ねておる状況でございます。  それから、それにいたしましてもこれから先六%程度の成長、これはまさに五十年代前期の経済計画概案が予定しておる経済成長率でございますが、これはどういうことを考えてそういうものを想定したかということでございますが、この政府の表現によりますと、「我が国経済は今後五年間に六%強の実質成長率を達成していくことが適切であると想定した。」と、「適切」という表現でございまして、そういうところで政府の感じ方を受け取っていただきたいと思います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 もう一点いまに関連した質問なんですけれども、私は、過去における高度経済成長の中身というもの、いろんな資本の面においても技術の面においても吟味しますと、わが国の場合はかなり潜在成長力というのが強い、こういうふうに認識をしているわけですけれども、そういう点で先般福田副総理にも本会議でお聞きをしたんですが、少しすれ違った答弁が行われました。総資金の面から見ましても世界一高い貯蓄率を背景にしながら、あるいは多くの掛金等が政府の国庫にも入っていく、その運用面も考えてみますと、資金面でもかなり旺盛な面があるんじゃないか。さらにまた、労働力というものの、量だけじゃなくて質も大変高い。さらには、技術というものの進歩も、もう第二次あるいは第三次のイノベーションが大体到達できたんだというふうな認識の人もおりますけれども、技術の開発は私は大変無限なものがあると思います。そういう点で潜在的な成長力というのは非常に私は強いものが依然として存在している。したがって、先ほど申された六%程度の成長が適切だという政府の判断、それは私から言えば、かじの取りようによってはそれをさらに上回っていく可能性がある。ここで私は、特に可能性ということよりも、オイルショック以来の国際的な経済の環境から考えて、そのかじ取りが非常にむずかしいんじゃないか。それはすぐれて金融財政上での誘導政策というものが、あずかって力があるというふうに私は感しておるわけです。そういう点で、特に膨大な国債の発行などが考えられなきゃならぬという事態だとするならば、いわゆるフィスカルポリシーというものが政府当局、日銀当局等においていままでのような状況では再びもとへ、いままでたどった道へ戻ってしまう、こういう危険があると思うんですが、特に大蔵大臣は、金融財政の責任者としてどのように対処していかれようと考えておられるか、お聞きしたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 福間さんのお話によりますと、潜在的成長力というのは相当高いものがあるのではないか。したがって、政府の六%強というのはやや消極的に過ぎやしないか、というお説でございます。事実、そういうお説はある意味においてわが国の論壇のあるいは多数説かもしれないと思います。今日、学界におきましても、あるいは各研究所あるいは銀行あるいは証券会社あるいは新聞社等の研究調査部門の出しましたいろいろな報告を当たりますと、あなたのようなお説の方がむしろ多いかと思いますが、それに対しまして、いやそうでないというむしろ警戒説も相当あります。で、技術革新にいたしましても、しばらく世界全体が技術のイノベーションがいまちょっととまった時代ではないかと。しかし、これは一時の眠りであって、やがてまた百花繚乱たる開花のときを迎えるのではないかという見方をする人もあるし、いや当面凍土——冬の野原を駆けるようなもんじゃないかというような見方をするものもありますし、これは先のことでよくわかりませんで、私は実は、いま政府が適切である、六%強では適切でないかという表現、これ政府として精いっぱいのことではないかと考えておるんでございまして、ここしばらくこういう見方で財政の運営また五十年代前半の計画を立てさせていただいて、ここ二、三年経済の運営、財政の運営をやってみている間に、この深刻な世界的な規模におけるスタグフレーションというものが日本に投げた問題というものが、実は相当見当がついてくるのではなかろうかと、またそれに耐える日本の持っているあなたの言われる潜在的な力というものも見当がついてくるのではなかろうかという感じがするんでありまして、どちらに組みするかと言われますと、どちらにもまだ決定的に踏み切れるという心境にはなかなかならないというのがただいまの心境でございます。したがって、いま政府がとっておるスタンスでしばらくいかしていただくわけにはいかないもんだろうかという感じはいたしております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 そこで、その議論は今後また別の機会にも行いたいと思いますけれども、若干それに関連しまして、私はここで所得税の減税を要求したいという立場で少し質疑をしたいのですけれども、その前に、先般通過をし決定を見ました予算あるいはまた大蔵省が出しておられる財政の展望、そういうことの中に、いやそれに対して私たち野党が予算審議を通じましてもかなりの疑問あるいは批判を投げかけてきたと思うのです。特に過般来、もうすでに周知のとおり、膨大な赤字公債というものが長期にわたって組まれておると、こういうことでございます。私は、経済財政の事情からして、いわば赤字の公債を発行するということは政策の選択の一つだと思いますから、理不尽にそれを反対すべきだというふうな考えは持っておりません。確かに政策選択の一つです。アメリカでもイギリスでも西ドイツでもそれぞれ必要な時期には赤字公債の発行は行われてきたということもまた事実であります。わが国のみが決して例外ではあり得ないだろう、そういう基本的認識は持っております。しかし、なぜ私たちが財政展望なり予算に対して政策上の批判をしてきたかということを私なりに考えてみますと、それは一つは、そういう予算案の編成過程——プロセスにおいて十分国民的なといいますか、方の意向というものがくみ取られてはいないのではないか、こういう点が一つであります。さらにまた、ことしの勤労者のいわば賃金の引き上げにつきましても、政府は直接的な介入はしていないとおっしゃるにしても、かなり抑制的に影響力を行使されたのではないか。一方、十六年間続いてきた所得の減税はこれは見送る、ことによっては来年もやらないかもしれない、こういうふうな態度であります。さらに物価の上昇なり公共料金の引き上げなり、あるいは大企業、大資産家優遇の税制というものの改正はさして積極的に取り扱われていない。一方、ロッキード問題じゃありませんけれども、児玉譽士夫に見られるような大きな脱税、または先般国税庁が発表したように、四十八年度ですか、九年度における一種の小悪党の脱税行為、そういうものがかなり大きくなっておるというようでございますけれども、そういう姿では、まじめに働く勤労国民はまさに踏んだりけったりではないか、しかも、これから先の展望に明るさが見えないというところに、私は今日の一つの政治に対するといいますか、国民の不満というものがうっせきをしているんじゃないかと思うのであります。  そこで、所得の減税についてひとつお聞きをしたいのですが、衆議院の大蔵委員会で税制をめぐる審議を通じまして、大蔵大臣は、巨額の赤字国債に頼っている間は財政は正常な状態ではないんだから、減税する余裕はございませんと述べておられますけれども、一般論としてならいざ知らず、大蔵大臣の真の意図はそういうことなんですか、どうなんですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 一口に申しまして、これまで高度成長に支えられまして企業の財政も、公的な地方公共団体並びに国の財政もその成長の果実を活用いたしましていろいろなことが、減税もできたし、また同時に減税をしながら歳出を通じまして、あるいは企業財政でございますならば、その支出を通じましてやっぱりいろいろな賃上げでございますとか、もろもろの欲求に対する手当てができたと思うんでございます。ところが、これが減速経済になったわけでございまして、当分減速経済から脱却できるという展望は、先ほどあなたと私とのやりとりの中で、将来脱却できるかもしれぬけれども、まだそういう潜在的な活力に十分信頼がおけるかどうかという点、まだ見きわめはついていないわけでございますが、当分減速経済の中で私ども企業財政も公の財政も切り盛りしていかなければならぬとすれば、原則として減税ができる、支出をカットしないで減税ができるなんという状況にないのではないでしょうか。もとより、それは一般的な話でございまして、部分的ないろいろの税制の改正はやらにゃいかぬと思いますけれども、またやっていいと思いますけれども、所得税とか法人税とかいう主軸の税目について一般的に大きく減税をやるとか大きく増税をやるというような状況ではないということはたびたび申し上げており、本音も掛け値もないところでございまして、客観情勢はそういう厳しい情勢ではないかと考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 財政当局の収支の試算では、今後五年間税収を年平均でほぼ二一%弱引き上げていくと、こういうことのようでございますが、その結果、五十年度の税収十三兆八千億という水準が、五十五年度にはなんと三十五兆五千八百億円、五十年度のほぼ二・六倍というふうな水準になるわけであります。それは、したがって、いま大蔵大臣がおっしゃったように、さしあたり五十一年度、来年五十二年度はどうなるかわかりませんが、所得減税も行わないというふうなことが前提になっているんですか。あるいはまた、私は、仮にそうだとしても、それだけではこんなに税収を拡大することはむずかしい。すでにたびたび付加価値税についてはまだ考えてはおらない、こういうふうにおっしゃっていられますけれども、この点ははなはだ不可解だと思うんですが、その点が一つです。  それから、確かに減税を未来永劫毎年やらなきゃならぬことではないかと思うんです。しかし、私は、このスタグフレーション、不景気から脱却する上においても、この予算に見られるように公共投資中心の景気浮揚策で果たしていいんだろうか。  時間がありませんから多く申し上げませんが、新幹線とか、あるいは四国連絡橋とか、そういう大きなプロジェクトを基軸にした景気浮揚だけではいけないんじゃないかということは、すでにもう多くの識者からも言われておるわけであります。現に、これは中山伊知郎さんが議長になっておられる社会経済国民会議が去る三月に、「当面の経済政策に関する緊急提言」を発表いたしました。その中で、現在の不況あるいは失業の不安から脱却するには公共投資の増大だけでは不十分だ、したがって、景気の回復は何よりも健全な消費の需要を拡大する措置を基調にしなければならぬ、こういうふうに述べられまして、ことし、五十一年の夏と冬のボーナスに対する大幅な減税を時限立法でもってやるべきではないか、こういうふうに強調した提言が行われました。中山伊知郎さんを議長にされている委員会ですから——私はもちろんメンバーじゃありませんけれども、かなり権威があるんじゃないか、こういうふうに存じておるんですけれども、しかも、その財源は、必要ならばやはり国債の中で賄うべきじゃないか、と。ここまで論じられております。また、大河内元東大総長を代表者とする現代総合研究集団というやはり一種の研究団体がありますが、そこにおきましても、総額一兆円程度の減税、一人平均でほぼ三万円の減税は実施すべきではないのかと。先ほどの社会経済国民会議と同様な考え方を先般発表いたしております。大蔵大臣はこういう点についてどのようにお考えですか。先ほどの経企庁の方のお話でも、経済計画の中でほぼ五五%の支出を国民消費にやっぱり頼っているという実情からいたしまして、何といっても、減税の高も大事ですが、国民の士気を、勤労意欲を鼓舞する上においてもこの程度——一兆円程度というならば一兆円程度の減税はやってやれぬことはないのじゃないか、こういうふうに私は思うんですけれども、所信をお伺いしたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 第一の御質問は、財政収支の試算で、税収は、五十五年度三十五兆五千億余りになるということでございますが、これは、歳出の方で公共投資、振りかえ支出、その他、国債費と、こう四つに分けて見ておりますが、歳出の方の増加を賄うためにこれだけの税収は必要だという計算をいたしたわけでございます。したがって、この税収は大変無理だということでございますならば、歳出の方はひとつ遠慮してもらわにゃいかぬということになるので、そういう意味で国民の御検討を願うという意味で試算をしてみたわけでございます。この点御理解をいただきたいと思います。  それから、一兆円減税が権威ある研究集団あるいは建議があったがどうかということでございます。これは、確かに、一つには、景気の回復が思うようにいかないと、したがって、個人消費の拡大を通じてそういうことをやる必要があるのではないかと、景気の回復を急いで、そうして経済を早いところノーマルな稼働の軌道に乗せて、そうすれば結局財政もまたバランスを回復するのは早いではないかということで、私はそれなりにそういう御主張もわからぬわけではないわけでございます。けれども、一つには、景気の回復ということが、いま政府がとっておる政策でどうしても不可能だというわけでもなく、現に景気の回復は進んでおるわけでございまするし、またその中におきまして、勤労世帯の実質収入というのは黒字を、というか、プラスを記録いたしておるわけでございますので、景気の回復の点からも、勤労世帯の福祉の点からも、どうしても、減税しないとおかしいぞという論拠は少なくともないのではないかという感じがするんであります。もしそういう議論の合理性がありとすれば、これは早く、もっと政府が予定しておるより早いところ経済を軌道に乗せて、回復を早めて、そうして五十五年度になんて言わずに、もっと早目に赤字財政からも脱却した方がいいじゃないかという意味であれば、それは一つの見識だと思いますけれども、景気の回復がもういまとても政府のやっておることではまだるっこしくていかぬじゃないかと、勤労世帯はいまもうこの政策のために困窮の極に達しておるじゃないかなんというんだったら、私は賛成いたしかねます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 大臣は、勤労者がいわば十年、二十年前のような状態で生活水準がないのだから、さらには国の経済、財政がこういう事情だから、この際は、実質的な生活改善の上で名目的な減税ということは余り意味がないと、こういうふうにおっしゃっているんだろうと思うんですけれども、すべて私はそれを否定するつもりはありません。  ところで、大蔵省が過般、来年度の税制改正につきまして税調に諮問をする一定の考え方をまとめられているようですけれども、報じられるところによりますと、一つは、土地課税の緩和をやろうとされています。あるいは、租税の特別措置の整理、ことし若干行われたわけですが、もちろん不十分でありましたから、来年もやろうと、こういうことのようです。加えまして、所得減税というものをやはり念頭に置いていられるやに伺うんですが、その点どうですか。  また、付加価値税については、むしろ抽象的な新しい財源の検討というふうな表現で諮問をされるやに聞いていますが、以上の点、そういうことなんですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 連休の前後にわたりまして非常に多彩な報道がなされておりましたことは、私も承知いたしておりますが、大蔵省の事務当局といたしましては、まだ五十二年度に向かって税制調査会に具体的にどういうテンポで、どういう内容で御審議を願うかということにつきましての腹案がまとまっておりません。したがいまして、まあ言葉は悪いかもしれませんが、いまのいろんな記事はすべてそれなりの観測記事であるというふうにお受け取りいただきたいと思います。  御質問の中にございました個々の項目につきましてごく簡単に申し上げますと、土地税制につきましては、いまの土地税制の経緯から考えましても、これが優良な宅地の供給に阻害になっている面がありとすれば、それは見直さなくてはいけない。現実にどこが問題であるかということを十分勉強いたしました上で、結論を出していただきたいと思っております。  それから、所得税の減税の問題につきましては、いま大蔵省として五十二年度にどういうスタンスで臨むかということをとうてい決められない、五十二年度の経済見通し自体がまだわからないという状況でございます。  租税特別措置につきましては、まあただいまおしかりを受けましたけれども、私どもとしては、今年度の改正は従来に例を見ないほど質、量ともに相当のものであったとは自負いたしておりますけれども、また税制調査会からもそういう趣旨のおほめをいただいておりますけれども、しかし、引き続きどこを直していくべきかということは、十分に勉強をいたしてまいりたいと思います。  一般消費税の問題は、先ほど大塚委員のお尋ねの中にも出てまいっておりましたが、私どもとして具体的に何らかの内容のものを税調に御審議を願うというところまで時期は熟しておりません。

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 午後一時四十五分まで休憩いたします。    午後零時六分休憩      —————・—————    午後二時五分開会

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き租税及び金融等に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 午前中に私は所得減税についての見解を伺ったわけですが、もう一、二点引き続いてお聞きをしたいと思います。  財政展望の中で、大蔵当局が所得税あるいは法人税などについてのいわゆる負担率に関しまして四十八年から五十年度までの実績、平均的に一三・二%という統計が出ていますが、これを五十五年度には二%引き上げる。一五・二%にする。そういう予想を立てておられるわけですけれども、それは五十年から五十五年まで平均で二〇・九%の税収の伸びというものを見込んだものになっております。これはどういうふうな政策判断に立っておられるのか、特に所得税さらには法人税のわが国と比肩し得る海外諸国との対比ではどういうふうな率になっているのかをお聞きしたいと思います。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) ただいまおっしゃいましたとおり、五十年代前半の経済計画におきましては、五十五年度までに税及び税外負担率を三%ポイント程度引き上げることを予定するという表現になっております。で、この「予定する。」というのは、いわば当然にそうなるという以上の意味を持っておると私ども考えますが、やはりそれは経済成長全体、また予測されます政府支出の所要額、なおかつそれらを踏まえた上で五十年代前半、五十五年度までにはいわゆる特例公債に依存しない姿を達成するというこれらの条件をあわせ考えますと、やはり税及び税外負担で三%ポイント程度の負担の増はがまんしていただかざるを得ないという考え方から出てきておるというふうに私としては理解いたしております。で、それはよく言われますように、税、税外負担の全体の負担率といたしましては、諸外国に比べてかなり低いわけでございますから、マクロ的な負担率としてはなお負担をしていただく余地があるという判断に立っておるものと考えます。しかし、同時にそのことは歳出を、ないしもっと広い意味での政府支出全体が国民所得に占める比率がいまよりも若干ふえるということが当然の前提でございますから、それらをあわせ考えた上での一つの結論が導き出されておると考えるわけでございます。  で、ただいまの税制の中心になっております所得税、法人税につきまして、それぞれの負担が国際的に見てどうであるかという点が確かに一つの判断の基準になろうかと思いますけれども、国民所得に対する負担率といたしましては、日本の所得税というものはやはり先進工業国に比べますとかなり低いと申し上げて誤りではないと思います。  それから、法人税につきましては、いわゆる実効税負担はほぼ先進工業国並みの水準に現在来ておると思います。細かい数字は省略いたしますが、先進工業国ではおおむね実効負担水準として、法人税は法人収益に対して五割前後ということが通例でございまして、日本の場合は、理論計算ではございますが、四九・四七、最近、地方税で超過課税がかなりふえておりますので、実際はもう少し高くなっているかと思いますが、いずれにしましても、法人税の負担水準としてはまずまず諸外国並み、所得税の負担水準は諸外国よりもむしろ低いというのが、現在の日本の税の姿であろうかと思います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 特に私、いまの御答弁で、法人税の実効税負担水準がほぼ先進国並みといいますか、これ、私、まだ自身で調べておりませんけれども、一遍調べてみたいと思うんです。しかし、調べるまでもなく、特に私は法人税の場合には、すでに御案内のとおり、私どもがかねがね主張している社会的公正というふうな立場から、あるいはまた国民的な感情というふうな立場からも留意をしていかなきゃならぬ面が多々あるんじゃないか。これは、時間がありますれば後ほど、租税特別措置について若干の質疑を申したいと思っていますが、高度成長のやはり遺物ともいうような部分が私は租税特別措置の中にはあるような気がするわけです。特に、減価償却などが私はアメリカの大体一・五倍、イギリスの二倍ぐらいになっているというふうに聞いておるんですけれども、国際的な競争力の培養というふうな点から、かなりこれは私は成果をもうすでに上げてきたんじゃないかと、こういうふうな感じがしますし、あるいはまた、中小企業のそれに比べれば大企業の方に特別に有利に働いているんじゃないのか。特に、資本金百億円以上の企業あるいは一億円以下の企業を比べてみますと、税の負担率は百億円以上の企業の方が逆に低くなっているんじゃないのか。これは逆累進税ではないか、こういうふうな感じがいたしまするし、また、高所得層と低所得層との税負担率の関係におきましても、一億円以上の高所得者は二一%程度の税負担であり、四百万円程度の所得者よりもむしろ税負担率が低くなっているんじゃないのか、こういうふうな感じがいたすんですが、仮にそうだとしますと、そのようないわば社会的に見てどうも納得いたしかねるという税率ということは、やはり改めていかなければならないんじゃないかと、財政のこれからの見通しからして、文句も言わない圧倒的多数の中、倍所得層に割り高な税負担をさしていくということは、これは資本主義の立場から言えば一番それが便利かもしれませんけれども、そんなものじゃないだろう。そういうところからは、仮に将来、先ほど触れられた、所得税負担率が海外諸国に比べて日本は低いんだと、それはある程度是正的に上げていかなきゃならぬのだと、仮にそうだとしても、社会的な公正感というものが伴わなければ、これは私は国民は納得しないし、政策に対する協力度というものは疑問か出てくると思います。そういうところから、むしろ政治的な、あるいはまた精神的な一つのフラストレーションというものが起こってくると思います。その点、ひとつ御留意を願いたい。  時間がありませんので、私、一括してちょっと、後で御所見いただければいいと思うんです。  大蔵大臣に、所得税に関しましては最後に私、一言意見を申し上げたいんですけれども、一〇%程度、今年度賃金が上がりました。今年度減税がないというふうなことですでに試算が出ておりますけれども、仮にいま二百万円の年収を得ていた者がこの五十一年春に一〇%上がったとしますと、去年の所得税及び住民税は合計で二万一千四百七十円という記録が出ております。それに対して、ことしからは三万八千八百円になります。約八一%の税増率になっております。三百万円の人で例をとりますと、一〇%上がると三百三十万円の年収になります。去年が十三万五十円の所得税、住民税の合計額で、それが今年度は十六万五千六百五十円、一躍三万五千六百円からふえるわけであります。これは特に大蔵大臣に御認識を願いたいわけでありますけれども、こういうふうなところから、先ほど申したような一般庶民の感情としては、やはり名目的にでも所得減税というものを強く望んでいる一つの理由、背景が存在をするんだと、こういうふうに言えると思います。  ちなみに、私は先ほど来所得税について減税の立場から要望なり御質問を申しましたけれども、本来これからの勤労者の実質生活の改善、向上というものについては、もちろん名目的な減税だけに依拠するんじゃなくて、やはり実質的な生活の中身を改善するという上においては、もっと総合的な政策というふうなものを組み合わせた中で、一つの私たちの要望なり、あるいはまた政策なりというふうなものの実現を迫っていかなければならぬ、所得の広い意味での再分配ということを考えなければならぬと思います。したがって、まあ税負担率の問題に関連いたしましても、まあその物価情勢が果たして外国に比べてどうなのか、あるいはまた社会保障の水準がどうなのかというふうなことを総合して勘案しなければならないんじゃないか、そういうふうに思っていまするから、当然政府の側といたしましても税率、税負担の比率の改善、改革ということは、他の社会的諸政策との関連で初めて考えられることではないか、そういうふうに思います。まあ所見を申し述べまして、所得税関係については質疑を終わりたいと思いますが、国税庁の方で先ほどの点で何かありましたらお答え願いたいと思います。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 御質問の最初の部分にございました、収益が決まった後で税率をかけるその負担がどうであるかという前に、収益を計算する基礎になる減価償却とか準備金とか、そういうものにもっと彫りの深い検討を加えるべきであるという御指摘をいただいたというふうに理解いたしますが、その点につきましては私どもも今後とも十分勉強をいたしてまいりたいと思います。ただ、数字的に御指摘がございました日本の減価償却費が非常にアメリカなりドイツに比べて高いのではないかという点がございましたが、この点は、ごく簡単に申し上げますと、実は出どころが企業会計側の計数でございまして、税法上の扱いとしてはそれほど大きくは違っていないのではないかと思いますが、その点はなお時間がございますときに詳しく申し上げたいと思います。  それから、今後何らかの意味で新たな負担を納税者にお願いしなくてはならぬという状態が予想される限り、いまあります制度の中での不公平な部分というのをまず排除するという心構えであるべきだという点は、私どももまさしくそのように考えまして、昨年の夏以来、貸倒引当金の繰入額の縮減とか、あるいは各種準備金や特別償却の縮減というようなことに努力してまいっておりますけれども、なお今後とも御指摘の点を踏まえながら一層勉強いたしてまいりたいと思います。  それから、所得税負担が、名目収入がふえます場合にもちろんふえる。その場合に、いわば所得の、あるいは収入の低い方の方がふえる率が大きいという点も御指摘のとおりでございますが、ただこれは一言申し上げておきたいのは、ふえる率で申し上げますと、それは諸控除を持ち、累進税率を持っている所得税のいわば宿命としてそういうふうになるわけでございまして、ごく簡単に申せば、従来課税最低限以下であった方が、わずかに課税最低限の上に頭を出されれば、それはふえ方としてはいわば無限大にふえるわけでございますから、それと上の方とをつないでいくわけでございますから、その率のふえ方というよりは、やはり限界実効税率でごらんをいただいて御議論いただくというよりしょうがないんではないかという気はいたします。よけいなことかもしれませんが、一言だけ申し上げておきます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 それに反発する時間がありませんので、おっしゃる意味はわかるんですけれども、したがって、要は全体の兼ね合いをどう考えることだと思うのですけれども、私は所得減税がないというところから、下の方にいわゆる厚く、上に薄くなっていくという可能性が出てくるということを憂えておるわけでございます。  最後に、この減税に関して大蔵大臣、本会議のときでもちょっと私申し上げたのですが、実はこれはアメリカ関係の機関で調べたんですけれども、大蔵当局はもうすでに御承知だと思うのですが、去年のいわゆる二百十八億の減税ですか、あるいはことしもまあひょっとしたら二百八十億ぐらいの減税をすると、これは所得税だけじゃありませんけれども、こういう内容について、かなりアメリカの場合は膨大な国債を発行しながらなおかつ減税政策をとっているという事実です。資源がある国とない国の違いだとか、あるいはまた社会資本の整備が日本よりはかなり行き届いている国であるからできるんだとかいうことをいままで政府側が答弁をしておられるんですけれども、私はそれだけではないと思うんです。やはり景気政策とも絡んで、そのことが有効だと判断されてやっているんではないのかと。日本の場合は全くその点の顧慮が行われてないというところに、私はひとつ疑問がありますし不満があるわけですけれども、日本だって私は大きな減税ならともかくも、しかるべき減税ということは決して不可能ではない。  これは後ほどの租税特別措置にも関連しますので多くを申し上げるわけにいきませんけれども、たとえば昨年アメリカで現金で八十一億ドル還付している。方法は、直接小切手で勤労者の家へ送りつけられる、こういうふうなシステムがとられております。また、別の方法としては、昨年払った税金に対して一〇%が還付される。最高の払い戻しは二百ドル、約六万円だそうでありますけれども、そういう程度の減税をやる。一方、大蔵大臣が先ほどおっしゃったように、やはり歳出の削減というものをやっております。だから、この点についてはわが国の場合はどうなのか。できないんだということで、したがって当然のこととして所得税減税などは無理なんだと、こういう論理に一方的に帰結させることは少し納得性がないんじゃないのかと、こういうふうに思うわけであります。あるいは西ドイツの場合におきましても、現行の財形制度の改善充実というふうなものが行われております。それは住宅建設割り増し金法の設置とか、あるいは貯蓄割り増し金法の設置とか、第三次財形法の設置とかいうふうなことで、勤労国民の福祉の充実というか、社会資本の整備というふうなことをにらみながらやっているように思うわけであります。そういう点でぜひわが国大蔵省、政府におかれましても、今年度はもうぼつぼつ六月を迎えよう、年央に差しかかろうとしておりますけれども、今後のひとつ税制については、あるいはまた財政を伴う福祉的な政策についてはフレキシブルに、硬直した考え方に余りとらわれないで、国民に対しての一つの夢と希望を持たせるような内容をひとつぜひ打ち出していただきたい。長い間不況の中で苦しんできた、それはまあ国民全部がそうでございますが、それだけに私は政府の財政金融政策、その上に成り立つところの福祉の政策というものは非常に国民に対して、国民にとって大きな意味合いを持つものになると思いますので、大蔵大臣におかれてもぜひひとつ真剣に御高配を願いたいと存ずる次第であります。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) アメリカの場合におきましては、この間本会議におきまして、福間さんの御質問に答えましたように、減税と同時に支出の削減をいたしたということでございますが、わが国の場合は経済大国の歳出を一定水準に維持して、経済の回復の場合に、政府による財貨サービスの購入を維持してまいるという必要を感じたことでございますので、そのあたりはわが国のとった政策自体につきましては、そういう必要があったということについての御理解を得ておかなければならぬのじゃないかと思います。しかし、あなたがおっしゃるように、しかし政策はフレキシブルでなければならぬ、またあっていいのではないかということに対しまして、私は必ずしも反対するものではございません。増税もやれば減税もやる、必要に応じてそういうことができる財政体質、そういう環境であることは私は大変望ましい状況だと思うのでございますけれども、わが国の場合は必ずしも私はそういう風土ではないように思うのであります。減税は非常に歓迎されますけれども、増税の場合はなかなかコンセンサスが得られにくい状況にあることは福間さんも御承知のとおりでございます。増税でなくても、物価調整的な措置で、去年御心配いただきました酒、たばこの定価改定にいたしましても、あれほどの抵抗を受けるわけでございますから、これは容易ならぬことなんでございます。ああいったことが何でもなくできるような環境でございますならば、仰せのようなことも私は不可能でないと思うのでございます。しかし、いずれにいたしましても、柔軟な対応力を環境に対して、それから必要に対して持たなければならぬということにおいては仰せのとおりでございまして、そのように私ども財政をしむけるように努力しなきゃならぬことは仰せのとおりだと思います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 時間がありませんので、——租税特別措置関係触れたいと思ったんですが、少し長くなりますので、簡単なのを一つ触れます。  最近土地の買い上げ論が悪い意味で横行しておるわけでございますが、当局はどのようにお考えですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 税制につきましては、午前中福間委員のお尋ねにお答えいたしましたように、もしいまの税制が優良な宅地供給の阻害要因になっている面がありとすれば、それは直さなくてはならないというふうに私は考えております。一般的な買い上げにつきましては、大臣が衆議院でもお答えになりましたように、国としてはいますぐに使う当てのない土地を買い上げるという余裕はとうていないというふうにお答えするのが適当であろうかと思います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 わかりました。考え方として私それで結構かと思うんです。ちなみに、経団連で最近、住宅供給促進ならびに土地流動化問題に関する懇談会、こういうのができたようであります。銀行とか商社あるいは不動産私鉄その他の主要な業界代表が参加しておるようでございますが、そこでの趣旨は、やはり国あるいは自治体で企業が保有している土地を買い上げさせようと、こういう内意がうかがえるわけであります。またこれは、自民党の有志議員ということで、土地の買い上げ法案ですね、遊休土地の臨時措置法の制定などの動きがあるやに聞きますが、これは大蔵大臣に、私はそういうことがあって地価の上がり方が非常に緩やかになったということで、この際買い上げてもらった方が得だというふうな動きが具体化したとするならば、大蔵当局としてはぜひひとつ厳しい対処をお願いしたいと思うんです。もともと国土の計画法とか利用計画法とかによって土地の規制というものは一定のやはり成果を私は上げてきたと、こういうふうに思いますんで、土地税制を必要な範囲において改革するという今後の姿勢についてはわかりますけれども、やはり国民共有の財産である土地を、あの石油ショック以来の非常に異常な暴騰、あるいは一部の大資本、大企業の占有、こういう状況から解放するためには、税制の面でも、あるいはまたいま申したような、そういう反社会的な要求というふうなものに対する厳しい姿勢というふうなものをもぜひひとつ必要とするんじゃないかと、こういうふうに思いますんで、今後のひとつ善処を要望して私の質問を終わりたいと思います。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 昭和五十年度の税収についてお尋ねしたいんですが、ことしの税収は何か一千億程度の剰余金を計上できるというようなことが報ぜられておりますね。しかも使用しない不用額が二千億円に上って、結局赤字国債の発行を二千二十億円も取りやめたというような報道がなされていますが、大体五十年度の税収と当初の見込みとの乖離といいますか、隔たり、それから公債の発行額と、実際今度赤字公債の発行があるんですね、それと特例法による許容額との差、そういうようなものをちょっと説明していただきたいと思いますが。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 最初に税収を私からお答え申し上げます。  三月までの税収が判明いたしておりますが、一般会計で十三兆三百五十億円でございます。補正後予算は十三兆四千六百十億でございますが、御承知の制度改正がございまして、四月分の税収がほとんど大部分が五十年度税収としてなお入ってまいりますので、おっしゃいましたように、補正後予算に対しましては三千億強の増収という結果になるのではないかと、ただいまのところ考えております。増収の主因は申告所得税でございます。申告所得税以外の税収はそれぞれ出入りはございますけれども、全体としましてはほぼ補正後予算と同じぐらいの税収になろうと思います。申告所得税がふえました最大の原因は、本年の一月一日以後個人が持っております土地を譲渡いたしますと税が重くなりますので、昨年の年末にいわゆるかけ込み譲渡というのが非常に多かった。昨年九月に私どもが補正予算を組みますときには、土地の譲渡につきましてそういう制度改正はありますけれども、恐らく資金的にとうてい買い手の方でそんな余裕はないんではないかという見方をいたしまして、四十九年の実績ととんとんぐらいだという前提で補正を組みましたのですが、ふたをあけてみましたらかけ込みがものすごい勢いで出ておりまして、大体補正で見込みました、つまり四十九年実績に比べまして約八割方ふえたようでございます。それによります増収が約二千五百億くらいございますので、五十年度としましては申告所得税が主体になって三千億強の対補正後増収という結果になるようにいまのところ考えております。  剰余金その他につきましては一主計局からお答えいたします。

松川道哉大蔵省理財局長

○政府委員(松川道哉君) 国債の発行額につきまして私から御説明さしていただきます。  五十年度の国債は当初収入金ベースで二兆円を予定いたしておりました。それが補正予算で特例債を含めまして合計いたしまして同じく収入金ベースで五兆四千八百億円というものを予定いたした次第でございます。この特例法の御審議の際にも御説明いたしましたが、一方で赤字をカバーするための特例債を出しながら、他方で大きな剰余金が出ることでは必ずしも好ましくないので、その辺の調節ができるように、四月、五月に整理期間内発行とでも申しましょうか、そういう制度を設けたいということで御説明申し上げて御了承を得て、この制度を活用すべく年度末近くなったわけでございます。  そこで、年度内の最後の発行である三月分の国債を発行いたしますのは、二月の末にシンジケート団といろいろ協議をいたします。その段階ではただいま主税局長から御説明のございました個人の申告所得税における土地のかけ込み譲渡の関係、これが定かでございませんで、これほど大きい税収の増があるということは予定されなかったのでございます。そこで私どもは安全度をとりまして収入金ベースで千九百九十五億円——約二千億円でございますが、これに相当する国債の発行を調節用として残しまして、残余の金額をすべて発行いたしました。すなわち発行いたしました実績は、収入金予定の五兆四千八百億円に対しまして五兆二千八百五億円の公債を発行した次第でございます。その後三月も過ぎ、そして四月の公債を発行する相談をいたします三月末には、どうも少し様子が予定と違ったようだということで四月の発行は見送りまして、さらに四月に入りましてから税の伸び、それからまた歳出面での不用額その他の方のより正確な見通しがだんだん立ってまいりましたので、そこで、この出納整理期間内に予定しておりました収入金ベースで千九百九十五億円の国債というのは出さなくてもいいということでこの発行を取りやめることといたしました。したがいまして、五十年度に発行いたしましたのは、予定よりも若干少なくて収入金で五兆二千八百五億円、額面に直しますと五兆三千六百二十六億円というものが五十年度に発行いたしました公債の総額でございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 これはどうなんでしょう。五十一年度の税収見込み、これは、私どもとしては、あなた方はやはり四十九年並びに五十年の前半の苦い経験にかんがみて相当低目に見込んでおられるのじゃないだろうか、その点率直のところ聞かしてください。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 寺田委員よく御承知のように、税収見込みは、税収を見込みます時点までの実績を踏まえながら、政府の経済見通しに乗って組むということで従来からいたしております。したがいまして、五十年度の当初と補正との間で非常に税収の減が出ましたのは、やはりその根元での経済見通し自身が下方修正されたということがあるわけでございます。五十一年度につきましては、先ほど申し上げましたように、実はこの五月に入りましてからやっと五十一年度税収というのが入り始める、いわば始まったばかりでございまして、とてもいまの段階でどうなるかということを申し上げられる時期ではないわけでございますが、いままでの経緯から見ますと、やはり経済見通しどおりに推移してくれれば、それはやはり税収にそう大きな狂いはなくて済むのではないだろうか、そのぐらいしか申し上げられない。五十年度が、先ほど申し上げました補正後に比べまして約三千億ふえるというのは、実は土地の関係でございますので、これはGNPとも関係ない、経済の土台の実力とも関係のない要因でございますから、いわば五十一年の土台になる五十年度税収というのは大体補正で見たぐらいだということでございますので、それを合わせますと、やはりいまのところ特にこれを変えなくてはならぬという要因がない。しかし、非常にふえるという要素もないしというような、そういう時期でございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 最近発表されました「昭和五十年代前期経済計画」、これの三十五ページを見ますと、「計画の実効性の確保」それから「機動的な政策運営」という表題で「租税政策の活用による景気調整等の新たな政策手段の導入についても早期に検討し、需要管理手段の多様化を図るとともに、政策発動の機動性を高める。」というような記載がありますね。これは具体的にはどういうことなんだろうか、租税政策の活用によって景気調整等の新たな政策手段を導入するというのはどういうことか、具体的に説明してもらいたい。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) この文章の背後にあります考え方は、やはり好況時には負担の増加を求める、不況時には負担を減らすということで、全体としての景気調整策の一環としての税制を活用したらどうかという考え方があるのだと私は理解いたしております。ただ、具体的にその問題を考えます場合に、幾つかのむずかしい問題がございまして、一つは、意識的に増税、減税という手段をとりませんでも、いわゆる自動調整機能とよく言われますビルトインされた機能によりまして、好況時には非常な自然増収が出てくる。不況時には減収が出てくるということが税制自身に組み込まれておる面がございます。私は、個人的には日本の税制というのは非常にそういう機能の強い税制であるというふうにも考えております。したがって、問題はむしろ、従来非常な自然増収がたくさんあった時期に、それをうまくためておくというふうな活用ができなかった、言うべくして。もっと俗に申せば、入ってくるだけ使ってしまったというところに実は一番問題の根本があるんではないかと思いますけれども、しかしその問題はさておきまして、やはりシステムとしてそういうことを考えたらどうかという考え方が背景にある。その場合にひとつ非常にむずかしいのは、増税といい減税ということを法律的に発動しようという場合には、もちろんいまの仕組みであれば国会に法案をお出しして御審議を経なければ動きません。それを、たとえば会期中でないときに政令で動かし得るか、ほかの国にはそういう制度はございます。そういうことは今後の研究課題である。しかし、租税法律主義の観点から言って、非常にむずかしい一つの関門がそこにあるということは申せようかと思います。  もう一つの問題は、当面としましてはやはり、何としても五十五年度までに特例債依存から脱却するということを考えます以上、もし予想外の自然増収があれば、これは私だけで決められることではとうていございませんけれども、やはり一つの考え方としては、それは特例債を出さずに済ませるとか、あるいは消却するとかということでまずやっていくんであって、税収なり税制を景気調整的に増減させるというのは、特例債脱却の後で考える仕組みにならざるを得ないんではないかという気はいたします。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 経済企画庁の方もそれでよろしいのですか、いまの説明で。

佐々木孝男経済企画庁長官官房参事官

○政府委員(佐々木孝男君) ただいま大蔵省の方から御答弁ありましたように、今後の景気調整という、総需要の調整重要になってまいります。そのために、現在ある制度のほかにこれから十分検討してまいりたいということでございまして、具体的内容等につきましては今後関係方面と御相談申し上げながら検討してまいりたい、そう考えております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 これは後で聞きたいと思ったんですが、この計画というのは何か非常に抽象的なことが多くて、具体策はどうなんだというふうに疑問が次々と出てくるのです。そうすると、税制の問題、結局大蔵省に任せたということでいいわけですね、こういうことですか。

佐々木孝男経済企画庁長官官房参事官

○政府委員(佐々木孝男君) 御承知のように、わが国の経済計画は自由経済、自由市場を中心としておりましたものを基礎にしておりまして、中央集権的な経済形態とは非常に違っておるわけであります。したがいまして、政策の方向も、いわば基本的な方向を示すということにとどまっておるのが現状でございまして、大蔵省に任せるというよりも、企画庁も勉強いたしますし、また税につきましては税制調査会とも十分打ち合わせの上その税制の問題を検討するというのが現在のシステムになっておりまして、そういうふうなところに諮ってまいりたいと考えております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 それから次は、最近発表せられました国税庁の説明によりますと、医師の脱税が非常に多いということですね。いつも例年医師の脱税がトップに位していると、こういうんですが、これはどうなんだろうか、社会的に尊敬を受けている階層が一番法を守らないという不思議な現象なんだけれども、これはどう理解したらいいんだろうか、これは一に医師のモラルが低いと、あるいは順法精神がないというのか、そういうふうに理解したらいいのか、何か制度的な欠陥によるのか、その辺をちょっと聞かしていただきたいと思います。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) 例年私どもは毎年の所得税の確定申告が出ますと、いろいろな資料でございますとか、過去における経験から事後に調査をする対象を選びまして、相当の日にちをかけてやるものから、ある程度の日数で済ますものがあるわけでございます。その一年間の成果を大体いま御指摘のようにまとめて発表をいたしてみますと、確かにおっしゃいますように、一件当たりの脱漏所得の高いものから業種別に並べてみますと、ここ数年を見ましても病院形態でありますところのお医者さん、あるいは外科医でありますとか産婦人科医でありますとか、そういうものがかなり上位に位しておるわけでございます。それで私どもはこの種のものを発表いたしますときに御理解を賜りたいということで申し上げておりますことは、そういうふうに事後に調査をしますときにはかなり選別するわけでございまするから、この結果をもって全体のその業種が納税的に協力度合いが低いというふうに一概に考えていただくのもどうかと思うわけでございます。それからもう一つは、いろんなことから資料を総合いたしまして調査対象を選定するわけでございますけれども、どうしましてもその件数というのがやはり限られてまいります。年間見ましても、大体所得税で申しますと約七万件から八万件ぐらいのものでございますから、そういう中での統計ということにならざるを得ないわけでございます。  それからもう一つは、先ほど申しましたように、一件当たりの脱漏所得金額の大きい順に並べてみますと、お医者さん関係というのが上位の方に来るわけでございますが、これは確かにお医者さんの所得というものは他の業種に比べればかなり高いわけでございますから、脱漏額とすれば非常にまず上位に来るわけでございますけれども、脱漏割合というふうに考えてみますと、それで並べてみますと、必ずしもその上位の方には参っていないというのが実情でございます。しかし、やはり高額所得者といえども抜けておるものがあるということはやはり納税道義の上から言いまして私どもとしましても非常に芳しくないと思っております。  それからもう一つ、ここで問題になっておりますのは、大体自由診療の部分でございますが、このごろかなりのお医者さんの中にもそういうものについて青色申告を採用しようという方がふえてきております。大体まあいろんな担当の科目で違うんですけれども、七割とか八割とかいうものが青色申告をやっていただいておるお医者さんがかなりあるわけでございますので、私どもはぜひそういうふうに自由診療の中でも青色申告を採用していただいて記帳をしっかりしていただくということで納税のレベルも高めていただくということを今後とも指針にいたしたいわけでございます。したがいまして、結論的に申し上げますれば、確かに私どもがねらいをつけて調査をいたしましたものの中では高額のものとして御指摘のような状態がございます。しかし、それをもって一律にお医者さん全体の納税道義が低いということも当たらないではないか、かなりまじめにやろうとしてやっていただいておるお医者さんも多いというふうに判断をいたしておるわけでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 長官は医師弁護論だな。まあ何かしかし数年間ずっとトップにあるというんだから、やっぱり、単純に一年をとってみるとあれだけれども、あなたの方の御説明、数年間トップにあるというんだから、ちょっと弁護が過ぎるんじゃないでしょうかね。  それは別として、厚生省の局長にお尋ねしたいんですか、「社会保険診療報酬課税の特別措置について」という昭和五十一年の四月二日の閣議決定がありますね。これによりますと、社会保険診療報酬課税の特例措置を改めるという点、一歩前進したような感じもないわけじゃないんですがね。ただ大蔵省が決意すればできそうなものだけれども、それができないところがむずかしいところなんでしょうが、「医療問題全般とのかかわりの重要性、複雑性にかんがみ」という弁解がこうあるんですけれどもね、その次が「厚生大臣のもとで医療問題に関する専門的学識経験者の意見を体系的に聴取するための具体的措置をとり、その検討をも踏まえたうえ適切な措置を講ずるものとする。」と、厚生大臣の方にげたを預けちゃったような感じがするんですね。だから厚生省としてはこれはやっぱりこの閣議決定で、あれでしょう、これから計画を実施していかなければいかぬのでしょう。これはもう懇談会か何かつくっているというようなうわさも聞くのだけれども、これはもう発足しておるわけですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 最初にお断り申し上げたいと思いますが、実はこの問題大臣官房所管でございますけれども、便宜私の方からお答え申し上げさしていただきたいと思います。  ただいま先生から御指摘ございました閣議決定の問題でございますけれども、御案内のように国民医療の問題というのは国民生活の基盤に触れます大きな問題であるわけですけれども、そういう意味から、国民医療の重要性という観点から今後の医療のあり方等を含めまして医療保障の未来図を決めまして、今後の医療保障のあり方でございますとか、あるいは医療の公共性でございますとか、あるいは財政を含みます医療経済の問題等々を含めまして、医療の問題につきましては全般的な立場で厚生省の方でも検討しなければいけないというようなことから、厚生大臣が専門の学識経験者の御意見を伺いまして医療問題全般の問題につきまして体系的な御意見を伺いたいということで、ただいま御指摘ございました課税の問題につきましても、これらの全体の中の一環としましてこういう問題も研究しなければいけないんじゃないかということでございます。  そこで、いまお話ございましたように、具体的に動き出しているかということでございますけれども、非常に重要な問題でございますので、現在、どういうような方法で御意見を伺うか、あるいはどういうようなメンバーの方から御意見を伺うかということにつきまして現在慎重に検討中であるというふうに承知しておる次第でございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 そうしますとまだあれですか、ここに言う「専門的学識経験者の意見を体系的に聴取する」という、具体的な措置はまだとってないということになりますね。それからメンバーも決まってないわけですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) そのとおりでございます。現在、どういうようなテーマで、あるいはどういうような範囲の先生方、あるいはどういうような方法で御意見を伺うかということを現在検討しておるという段階というふうに承知しております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 これは何かあれですか、懇談会形式ですか、いわゆるスト権の問題のような専門懇みたいなものですか、どういう形式をとるんですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) ただいま私ども承知しておりますのは、必ずしも懇談会という形でいくというふうにはまだ固まっておらないということで、どういうような方法で御意見を伺うかという問題も含めて現在鋭意検討しているというふうに承知しております。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 これはもう四月二日の決定で、いまが十八日ですから一カ月半たっておるわけですからね。これいつも延び延びにされてしまうので、少しスピードアップしてくださるように要望しておきますが、いかがでしょう。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 御意見承りまして官房の方によくお伝えしておきます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 銀行局長がいらっしゃっていればちょっと伺いたいんですが、最近、興人の例で、具体的には非常にあれですね、注目を集めたんですが、大体企業の昨今の不動産の取得のその資金の六割は銀行からの融資によったという統計が出ているそうですが、その不動産が売れなくて企業が皆困っておる、その実態はあなたの方はどうなっているのか。利子も払えなくなったようなところがあると、いま銀行を調査したら不良貸し付けの実態がどんどん出てくるはずだというような新聞記事が現実にありますね。銀行経営上支障もあるというような説もあるし、そういう点の実態を説明していただきたいと思います。

田辺博通大蔵省銀行局長

○政府委員(田辺博通君) これは四十七年から四十八年の春ごろまでの状況は、非常に土地関係融資という統計はございませんけれども、不動産業向け融資で見ますると、各四半期ごとの増加率が一般の平均増加率の倍以上というようなスピードでふえてきたわけでございまして、これは当時のいろんな住宅開発を初めとして国土の総合的な開発という一般的な空気、それから地価は上がるんだと、こういう一種の神話といいますか、そういうものをみんなが信じていた時期でございまして、確かにそこに問題があったわけでございましょうが、現在はもうこの四十八年の四月以後の増加額を統計上見てみますると、急減をしておりまして、最近時点におきましてはほとんど不動産業向けの貸し出しの増加がないというような状態になっております。大体、御指摘のとおり、これは不動産業向け貸し出しに限りませんで、一般製造業あるいは商社等も不動産の開発、取得のための資金を必要としましたし、その他不動産担保の貸し付けというものはわが国の銀行貸し出しの癖といたしまして、担保貸し出しの中では不動産担保がかなりのウエートを占めている、こういう状態でございます。これは一般の企業の状況が非常に芳しくないという状態になりますると、特に融資そのものにつきまして、一般論として申し上げますと、固定化してきている傾向があるわけでございます。中には御指摘のように、企業によりましては利払いもちょっとできない、こういう企業もあるようでございます。また、元本の償還期限を延長せざるを得ない、こういう状態のものも間々散見されております。ただ、銀行経営全体の中に占めます、銀行経営全体の問題として考えますると、不動産向け、不動産担保貸し出しは全体の六%ぐらいでございまして、もちろん不動産向け貸し出しの全体が悪くなっているというわけではございませんから、銀行経営の問題としては特に問題を提起するという必要は現在のところない、こういう状態でございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 もう一つだけ。  経済企画庁の青木局長、あなたにも来ていただいたんだけれども、きょう時間がなくなっちゃいましたんで、この次、財特の審査のときにお尋ねしますので、あしからずどうぞ……。  最後に一つ、ぼくは時間が来ちゃったんで銀行局長にもう一つお尋ねするんですが、私も、あなた方がいま調査していらっしゃる拘束預金ですね、これはもう調査ができた、できつつあるんでしょうけれども、現実に商工中金の金融でも、五〇%預金さしている例さえもあるんですが、ああいう政府資金の場合でも。私、それ、局長にまた機会があれば話したいと思うんだけれども、借りている企業の社長自身が言うてくれるなとこう言うわけです、いろいろの関係で。だから、そう言う弱みがあるから言うこともできないでおるんだけれども、そういう実態ですね。それからいま、返したくてしょうがないのに、銀行が受け取らないという例もあるようですね、現実に。その反面、私どもは、中小企業が、たとえば非常にいま仕事がない中小企業が五千万も借りて、会社の全財産を担保にして金を借りていると、それで別な銀行に、その利子が昔の借金で高いもんだから、いまは大分利子が安くなっているから借りかえをするための資金の申し入れを——私もついて行って助言してやったんだけれども、そういう中小企業には現実に結局借りられなかったわけですね。だから、大企業が返すというのを受け取らぬほど資金がこう実際上遊んでいる、遊んでいて、その金が中小企業に回らないというような実態があるんです。もう少しその点を——あなた方の拘束預金などの調査というのは、アンケート形式じゃだめなのね、あれ。やっぱり銀行に行ってアトランダムに、特定の企業に幾ら貸しているか、それで一体それに預金がどのぐらいあるのかというのを、やっぱりそういうところを調査してやらないと、アンケート形式だけでは拘束預金の実態は絶対にわからないと思いますよ。そういう点、あなたのこれからの抱負を伺いたいんですが。

田辺博通大蔵省銀行局長

○政府委員(田辺博通君) 拘束預金の問題につきましては、いま御指摘の、銀行を検査いたしまして、アトランダムに、これは悉皆調査はできませんが、抜き取り調査をしまして、具体的に預金と貸し出しとを照らし合わせまして、そうしてかねてから過当な歩積み両建て預金の自粛についての一定のルールがございます。即時両建てはいけないとか、過当な歩積み積み増しはよくないというルールがございますので、それに照らして詳細な調査をしまして、銀行に指摘をいたしました。そのいわゆる過当な歩積み両建て預金の自粛の措置というものは、近年これは実際に検査をいたしましても、それから年に二回ずつ銀行から報告を徴しておりますけれども、その数値は着実に下がってきているわけでございます。  そこで問題は、拘束されていない、つまり担保に取るとか、あるいはその手続を留保して、実際上法律的にはいつでも担保に取り得るような形になっている、いわゆる拘束という段階になっていないもので、つまり銀行側から言いますと拘束していないと、だけれども企業側からは、よく、なかなか引き出せないのだと、こういうお話を聞くものでございますから、これはやはり一度企業の方にも、一体どういうぐあいに見ておられるか、あるいはまた、実態的事例としてどういう事例があったかというようなことを、アンケート形式で調査をいたそうと、こういうことにいたしたわけでございます。ですから、これは両面からもちろん調査をいたさなければならないんでございますが、まあこれ非常にむずかしい問題でございまして、一般に企業がお金を借りますると、その金は一たんは当初預金になっている、そしてそれが必要に応じて引き出されていくということで、債務者預金というものはある程度相当常に全金融機関を通じてあるわけでございますから、その債務者預金の中で必要なときに引き出せないのかというところが、それどう見分けるかというようなところが問題なわけでございまして、銀行自体には常に私ども呼びかけをいたしまして、先般来店頭にもポスターを掲示するようにしまして、その拘束預金の問題について不満や御質問があるならば、ぜひ銀行協会なり、あるいは本店の苦情係、そういった担当のところに申し出してくれということを店頭に掲示をする。銀行協会なんかも大いにそれを広報宣伝をするという運動といいますか、体制をとってきているわけでございます。この辺具体的にはどのように処置するのが一番よろしいかということは頭の痛い問題でございますけれども、調査を重ねまして、また工夫をしてまいりたいと思いますが、いま逆におっしゃいました、借金があってその金を返したいんだけれども返さしてくれない。あるいは預金がかなり積んでこられるけれども、ふえてきたけれども、その預金をもって借金を返す、つまり相殺をするというようなことを債務者側からやれるような手続、これもひとつ考えてみたいと思っておるところでございます。

寺田熊雄日本社会党

○寺田熊雄君 終わります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私は、本論に入ります前に大平大蔵大臣にけさの新聞論調等を中心に少し御質問したいと思います。  自民党内のことでありますから、あるいは内政干渉というふうなことで余りお答えをいただけないかもわかりませんが、きょうの新聞の大きな見出しは「大平派も椎名支持」あるいは「「三木退陣」へ旗揚げ」とか、そういうことが出ております。私が特に問題にしたいのは、自民党の内部がどうなろうと、これは自民党さんのことでございますから、私たちがとやかく言うあれはございませんけれども、ロッキードの真相究明ということが一つの大きな論点になっているように見受けられるわけです。新聞報道によりますと、自民党の大平派は十七日午後、政局運営を話し合う政務委員会を開いたと、その席で「ロッキード事件のうやむや解決をねらったもの」と、こういうふうなことで、三木首相が椎名副総裁らの三木退陣要求の動きを受けとめておると。これに対して非難が集中をして、総理こそがこの事件を政権の延命策に利用しておると、こういうふうなことで意見が一致したと、こういうふうに書いてございますが、大平派の要するに領袖であります大蔵大臣はこういった動きについてどうお考えになっておるのか。あるいはロッキード事件の究明ということは、やはり現在の政治に課せられた、特に政府に課せられた使命だと思いますが、国会の与党、野党を問わず国民の要求にはいまこたえていかなきゃならぬ大変な時期であります。それを何かロッキードの事件の解明ということが、何か政治の力学によって動かされておることについては、国民の目から見ると非常に変なことだと思いますけれども、この点も含めまして大蔵大臣はどうお考えになっているか、所信をお伺いしたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) ロッキード事件は真相が解明され、厳正な処理が行われなけりゃならぬと存じております。そのことのために政府は最善を尽くさなけりゃならぬことは当然でございます。やるとかやらぬとかという選択の余地があるんでないんで、義務があるわけでございます。私は論議の余地のない問題と考えております。  自民党内の問題につきまして、けさほどからもお尋ねがございましたけれども、これは私まだそういう報告も承っておりませんし、またそういうことについて自民党内のことを代表して国会でお答えするような立場にないわけなんです。御勘弁をいただきたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまロッキード究明については政府としては責務があると言われましたが、そうすると大蔵大臣の管轄下におけるいわゆる大蔵省あるいは国税庁の守備範囲というのがございますね。その範囲内における今回のロッキード事件の究明に対しては精力的にやられておるのかどうか。現在司法当局にわたっておるから大蔵省としては任してあると、こういう態度なのか。あるいは、ある程度捜査が進んできた段階で大蔵省として積極的な姿勢というのがとられるのかどうか。と言いますのは、かつて問題になりました田中金脈についても、大蔵当局はやはり守秘義務ということを盾にとられまして、脱税問題についてはついにはっきりとしたものは最後まで出てこなかったわけですね。そういう経緯もございますので、今回はそれ以上の大きな問題でもありますし、これだけ国会でも議論され、国民も非常に関心のある問題でございますから、少なくも大平大蔵大臣がいわゆる監督指揮をされておられるところについては徹底的な真相究明、そしてかりそめにも守秘義務等を盾にとって資料の公開等を妨げると、そういうようなことは絶対におやりにならないのかどうか。いままでいろいろございますが、私言いたいこともありますけれども、総論として初めにお伺いをしておきたいと思います。いかがです。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私の管轄のもとにございまする税務当局といたしましても、その義務といたしまして、真実を突きとめまして課税上遺漏なきようにやらにゃならぬことは当然の義務でございます。この問題のあらわになりまして以来、日夜そのことのために一生懸命に努力いたしておるところでございます。そのことと矢追さんがおっしゃる守秘義務とはこれ別な問題でございまして、守秘義務はそういうことを外に対して公示するかどうかということなんでございまして、私どもいまの法制のもとにおきまして、与えられた許された範囲内におきまして、国会その他の追及に対しまして最大限の御協力を申し上げるのは当然だと心得ておりますけれども、法律の枠を超えてもやりますなんと言うことは私にはできません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま法律の枠と言われましたけれども、この間から私も予算委員会等でも国政調査権少し議論をいたしましたけれども、いま法律ということを大臣言われますけれども、最終的にはやはり大臣の政治判断でできるわけですね。たとえば、この間も衆議院の法務委員会でも法務大臣の答弁が出ておりますけれども、法務大臣の指揮権によって理論的には灰色高官名の公表も可能であると、こう言われておるわけですね。だからそういう法務大臣が指揮をして出すと、出していいとなればこれは出せるわけですね。それは最終的には大臣の政治判断になると思うのです。したがって、いま法律ということを盾にとってその範囲内での協力をするというのではなくて、やはり大蔵大臣の要するに権限といいますか、最終的には大蔵大臣の、指揮権とは言いませんよ、これは検察庁法と違いますから。そういうものでやれるわけです。したがって、何も税だけの問題ではなくて、いまいろいろ問題になっておりますのは輸出入銀行の問題だとか、あるいは外為法の違反の問題であるとか、その他PXL等の購入をめぐるいわゆる国産化の白紙還元、撤回の問題とかいろいろあるわけですけれども、やはりそういった問題、やはり大蔵大臣が、仮にほかの省でできなくても、大蔵大臣が私は真実を国民の前に解明するためにはやるんだと、こういう姿勢を示されたら幾らでもできるわけですね。そういう法律というのは、これ守秘義務ありますけれども、各省全部の。最後はやっぱり大臣の権限になるんじゃないでしょうか。大臣の政治判断ということになるんじゃないですか。その点いかがですか。   〔委員長退席、理事戸塚進也君着席〕

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私の理解しているところでは、税務当局がその職務上知り得た秘密を外に漏らしてはならないということによって担保いたしておりまする国益があると思うのでございます。しかし、私の判断でどこまでそのことを公開したらいいかという、あなたの言われる、申し上げることによって得られる国益というようなものとケース・バイ・ケース判断いたしまして適正に事を処理してまいらなければならぬと思うのでありまして、税務当局は税務当局としてかたくなにやっておってよろしいと、おれはもう大胆にそういうこととかかわりなくやるんだというわけにいかぬと思うのです。これはやはりそちらによって保証を担保されておる国益と、こちらの国益とを比較考量いたしまして、そしてどうしてもこれはこういう範囲にとどめるべきであるということ、ここまではよろしいと、踏み切るべきであるという判断、これはやはり私は全人格的にやってまいるのが法の精神であろうと存じておるわけでございまして、そのことにつきまして政府全体としていろいろ検討もいたしました結果、最大限の御協力はしなければなるまいということにつきましては、たびたび国会で御答弁申し上げておるとおりでございますし、私もいろいろ考えますけれども、政府の統一見解というものに従いまして、この問題の処理に当たるのが適当であろうと私も考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 四十九年の十二月二十一日に統一見解が出されました。これはやはり本大蔵委員会あるいは予算委員会等で問題になりまして出てきたわけですけれども、それでいま大体大臣の言われたようなことになるわけですけれども、結局は最終的には、さっきも申し上げたように、ここにもありますように、第二項にある「守秘義務によってまもられるべき公益と国政調査権の行使によって得られるべき公益とを個々の事案ごとに比較衡量することにより決定される」と、こうなっているわけですね。「個々の事案」と、この前も大蔵大臣ここで田中金脈問題のときにケース・バイ・ケースと言われた。今度のケース、ロッキードというケースはやはりこの前の田中金脈よりもっと大変なケースとお考えになりますか。あれ以上やはり大規模な、大がかりな贈収賄ということで、もちろん田中金脈も決していいというもんではありません。あの問題はいいとは思いませんが、今回の事件というのはそれ以上に大きな問題である、こう思われるのかどうか。また過去の造船疑獄とか、あるいはいろんな汚職事件等がございましたが、それ以上のものなのか、それに大体同じぐらいのものなのか。もちろん性格は違います、事件も違いますけれども、国民が政治に対して抱いた不安、あるいはまたその金額、行われた規模、悪質度、そういった上から言ってこのロッキードというものは田中金脈と比べてどうお考えですか。また過去の戦後のいわゆる一連の汚職事件の中でこのロッキード事件はどの程度のもの、ケース・バイ・ケースということですから、ここにある「個々の事案」という立場から考えてこのロッキードはどの程度の大変な問題とお考えになっておるのかどうか、その点いかがですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 矢追さんとそこが違うんです。私のケースというのは、ちょうどきのう当委員会の理事会におきまして、全日空の契約書をもろに持ってこいという御要求かございましたね。それに対して、それは勘弁してくださいと、しかし秘密会にしていただいて必要な個所につきまして御要求に応じて口頭でお答えすることはできますというのが限界じゃなかろうかと、私が判断したんです、あれは。つまりロッキード事件とか、田中財産問題とかいうようなケースじゃないんです。そこで言うケースは、ロッキード問題というのはそういう国政調査権と行政権との問題でたくさんケースが出てくると思うんです。一つのケースとしてロッキード問題はどういうケースかなんという、そんなことはそこで言ってないんですよ。そこで言うケースは、そういうぎりぎりの、きのうお話があったような問題について、これからもたびたび出てくるであろう問題につきまして、もう具体的に判断いたしまして、公益を判断いたしまして誠実にやってまいるつもりでございますと、こういうことでございます。私から、しかし、せっかくの御質問でございますから、ロッキードであろうと、田中金脈問題でありましょうと、造船疑獄事件でありましょうと、何であろうと、どういう事件でありましょうとも、政府はどの事件にも差別することなく最大限の緊張を持って、真剣さを持って当たるべきものであると思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうすると、いま言われたケース・バイ・ケースというのは、あくまでも個々の一つの具体的な問題に対する資料についてどうだと、こういうことですね、これは。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) そこに書いてあります、そういう意味だと私は解釈しています。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それもちょっと納得できませんけれども、たとえ仮に大蔵大臣の言われたケースというのが、たとえばこういう資料こういう資料と一々出てくるにせよ、やっぱりそういう資料が要求されたもとというのはロッキード事件であり、田中金脈であり、あるいは造船疑獄、過去の議院証言法に基づいて資料要求されてくる場合、やっぱりくくられているのはもとにあった何か具体的な事件、それに基づいての問題です。それはもちろん各委員会でくだんのいろんな資料要求等がありまして、それに対する守秘義務の問題とこの国政調査権である、それは私は個々のケースでわかりますけれども、やっぱり今回のようなロッキードという大きい問題になれば、その中に流れる精神といいますか、その上に立ってこの資料はどうかと。仮に、私は、ロッキードとかんでないものがあって、そうしてたとえばきのうならきのう要求された、秘密会で出された資料というものですね、口頭で出された資料というものが、もしロッキードでなかったらあるいは出されていたんじゃないでしょうかね。それでも絶対出されないですか。その辺どうですか。要するに、私がAという資料をここで要求します、ロッキードと関係ない事件で。で、また同じものを今度はロッキードに関して要求したとします。その場合は、こっちは出さなくてもロッキードに関して私は出すべきだと、それだけ関心があるんですから。同じもんであってもこっちは出さなきゃいかぬと思うんですよ。そうしないとやっぱり、一応は何でも守秘義務ということになって全部秘密になっているわけでしょう。極端に言ったらこの国会だって秘密なんですよ、これ、大臣御存じのように。これは公開じゃないんですよ。委員長に断って記者の方もカメラマンの方もお見えになっているという形がとられているわけです。元来これは公開じゃないですよ、そういう意味では。しかしやっぱり結果的には公開になっているわけですよ。そういうのは個々のケースでやっているわけでしょう。そういう意味で、やはり私はロッキードというものがあった上でいま言った資料要求というのは一つ一つ出てくると、こう思うんですけれども、それはいかがですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) それは、あなたの言われる御質問の趣旨が私はちょっと理解いたしかねるところがあるのかもしれませんが、具体的ないろんなケースが出てくると、具体的なケースが出てきた場合に、具体的に判断していくということでございますので、ある仮定の問題についてどうだなんということでは、ちょっと私答えようがないとまずお断りしておかにゃいかぬと思うんです。  それからまたもう一つ私感じますことは、きのうのお話し合いにしても、そうは申しますものの、あの問題はきのうのケースだけで事柄が終わらぬという性質を持っているんです。この間、どうせ皆さんのことですから、なかなか、あれを忘れてくれたらそれで——仮に私が出したとしましょうか。それでもう非常に健忘症で、記録にも何にもないという、もうみんな忘れてしまったというんならもういいんだけど、かつて昭和五十一年の何月何日にはこういうものをおまえら出したじゃないかというのが、今度そういうものがまた別なケースで出てきた場合に、これはなぜ出せないんだと、こう言ってきた場合に、それは、いやこれ出せないんでございますなんて、そんなこと、むちゃなこと言うたらいかぬじゃないかいうてまた怒られるに決まっている。だから、そうしますとやっぱりこれは、それには非常な、それで守られなけりゃならぬ法益というものを考えなけりゃなりませんし、どう考えたらいいのかというて、おとといぼくも宿題にずいぶん苦しんだわけですよ、あれ。それでぎりぎりああいうところで、後世のいろいろな指弾を受けるかもしらぬ、批判を受けるかしらぬと思ったけれども、ああいう判断をしたわけでございますけれども、要するに、そういうことがずっと国会と行政府の間には無限に連続していくんだろうと思うんですよ、これ。それでお互いに主体的な真実性を持ってつき合っていって、その間に、まず何となく両方とも、余り、一〇〇%満足でないけれどもというようなことでずっといくんじゃないでしょうか。両方とも、あなた、いいというのはなかなか期しがたいのがこういうことの処理の仕方じゃないかというような感じがいたします。精いっぱい政府もやらにゃいかぬと、国会の方も精いっぱい御追及されにゃいかぬというお立場でございましょうし、そこいらあたりの緊張したところにやっぱりこれ国会運営の妙味というものがあるんじゃないでしょうか。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 関連してちょっと伺うんですけれども、たとえば、手でたとえてみましょう。手とはといえば、当然指が五本あって、親指、人さし指、中指、薬指、小指というふうになっている。これを矢追委員が言われるのは、手とは何だというのがロッキード問題です。その中で親指とは何かということを聞いた。これだけで全体の手を判断することはできないということになるので、必然的にロッキード問題という言葉で総称されているがごとく、また国会は特別委員会もロッキード問題に関する調査特別委員会という総称的な名前でそれが究明されているわけでございます。そのうちの一つがわかったからといって全体がわかるものではない。これはおわかりでしょう。そこで、誠意を持って個々の一つ一つの具体的なと、こう言われると、なかなか国政調査権の及ぶ分野というものは、ある分野ではこの部分だけ、親指の部分だけを問題にするかもしれませんが、全体をながめなければ、手とはならないわけなんです。そこであなたの言われるのは、行政府としては最大限協力いたします、ケース・バイ・ケースでござんすと、こうおっしゃるが、このケースの中のケースについて、きのうも実は大塚委員が指摘をされ、大塚委員も同席してもらった秘密会でも、私ども理事会でもわからぬのでございます。ここにもありますけれども、様式を持っていらっしゃる。そうして、中身は言いませんけれども、中身を説明された。これだけでは膨大な金を、一億一千万ドルとかというような膨大な金を一体銀行が融資するはずはないと、こういうことになるわけです。あなたがたとえば銀行の総裁やっていたってそうでしょう。恐らくそんな二枚や三枚の契約書や申込書だけで融資をするはずはない。そこで、これは、この飛行機はどういう価格でどういうものでどういうふうに積算されてどうなっているか、それが的確な飛行機購入価格であったか、その七掛けを融資をしたんですと、こういうことになるかというとわからぬわけでございますね。そこで、この守秘義務という言葉で総称的に、これを言うと全部がわかりますから言えません、これを言うと全部がわかりますから言えませんという言い方で守秘義務を広げてしまい過ぎている。守秘義務ということで国政調査権の及ぶ限度というものを示し過ぎているというところに実はこの問題がまだ、きのうの秘密理事会でも了解をし得ないで継続的に今後協議しようと、こういうことになっているわけです。そこで、あなたはそれは私が決定したんだと、こう言われるんで、改めてここで伺いますけれども、各論は別といたしまして、決定権者であるあなたは、それでは秘密理事会に出席して誠意を持ってその内容を国政調査権の分野において明かしますと、こう矢追君の質問に答えられたんですから、出席して答えるお気持ちがございますか、秘密会で。その点についてあなたの見解を承りたい。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私の当然の責任でございまして、私が出席して説明するにやぶさかではございませんが、私にはたくさんの補佐官がおりまして、きのうも私の意思をくんで専門的な補佐官にそれぞれの立場から御説明いたさしたわけで、そのように御了解いただいておるつもりでございます。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 じゃもう一問だけ。

戸塚進也自由民主党

○理事(戸塚進也君) 関連ですから簡潔にお願いします。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 一言で申し上げますが、具体的な問題を詰めてまいりますと、秘密会で、いろいろ伺ってまいりますと、これは上司の承認がございませんので言えませんというふうな、言葉は使わないにしても、そう受け取れる表現が数々出てくるわけです。それからもう一つ、融資を求めた全日空側が同意をしないから、これには商取引上の都合もこれあり言えませんと、こういう二つがございます。これが言うならば壁になっていて、具体的な問題を問いただすこともできないし、明かされないわけなんです。それではそのことについてどうお考えになるかということだけ総論的に伺っておきます。  それからもう一つ、ロッキード問題の究明は最善を尽くしますと、こうおっしゃっていますが、いまもなおそれは変わりはないでしょうね、ということを念のために承っておきます。変わりがないならば、さてどういうふうに具体的にそれに究明をしてまいりますということを答えていただくならば、ケース・バイ・ケースとあなたも答えられ、私どもそこがぶつかっているわけですけれども、そのケース・バイ・ケースをどうして解明するかということによって守秘義務と国政調査権の接点というものが出てくるではございませんかという前置きをつけて、いまの三点についてもう一遍。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) どこまで政府の方で開示できますか、最終的な決定は大蔵省に関する限り私がいたします。私が出席していようといまいと、それは私がやることでございますから、その点については私が責任を持っていたします。  それから、ロッキード問題の真相究明、これはやるとかやらぬとかということの事由が、余地があるわけではないんで、義務なんでございますので、これはどこまでも政府の義務として厳正にやってまいらなきゃいかぬ厳粛な義務だと心得ておるわけでございます。  そこで、第三問は……。

野々山一三日本社会党

○野々山一三君 全日空側の業者の同意を得なければ議会に対してもその資料を提供することができないという……。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) そういう場合は間々あろうかと思いますが、それは業者が、私企業の場合は私企業の了解を得なけりゃならぬ場合があろうかと思いますが、そういう場合は大蔵省からそういうものの了解が得られるか得られないか、それは手順として確かめましてお答えしなきゃならぬと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 まあ、もっとこの問題はいろいろやらなきゃならぬのですが、時間も来ておりますので、また別の機会に譲りますが、いま大蔵大臣も言われたように、今度のロッキードについてやっぱり一番私たちが残念に思うことは、要するに守秘義務が盾にとられて結局国政調査権というものが十分発揮できていないんですよ、いま、残念ながら。これはもちろん捜査の妨害になるということもわかりますよ。だから、ある程度は捜査というものが終わった段階にならないと言えない面もあるかと思いますけれども、しかし、今日までロッキード事件が起こった二月四日以降、残念ながら政府は積極的にこのいろんな資科の公開というものについてやられたことは、私はもうほとんど皆無と言ってもいいぐらいなされていないと思うんです。きのうの資料だって一つの例として、それは言えるわけです。あれぐらいだったら、これはもうすでに会計検査院の報告書に出ているんですよ。同じものというか、ほとんど変わってない、公開された資料と全く一緒なんですよ、実は。まだそれよりも少ないぐらいですよ。それを守秘義務だと、えらい大事に隠されるわけですけれども、やっぱりこれは隠しているとしか言いようがないんですよ。本当に全日空なら全日空に対して、これを公開した場合は大変な国家としてマイナスの利益が出てくると、こんなことで隠されているようなものじゃないですよ、きのう出されたものは。そうですよ。会計検査院の報告書を見てくださいよ。ぼくが要求して、出てきたやつと同じなんですから。後、全然変わってないですよ。だから、それ以外の一番肝心なものについては出てこない。やっぱり残念ながら、国政調査権というものを尊重すると総理も言われましたし、大蔵大臣も再三言っておられるにもかかわらず、現実はほど遠いものになっておる。これは指摘せざるを得ないわけです。これについてはまた議論が分かれますからあんまりやりませんけれども。  次に、ちょっと具体的にロッキードで二、三点だけ簡単にお伺いしたいと思います。法務当局になると思います。また、国税庁関係も関係あると思いますのでお伺いいたしますが、一つは、シグ片山氏がにせ領収書の手数料七万四千ドル、二千七百二十万円をロッキード社から受領した件につきまして、この手数料の受領されたのは、日本の国の中で行われた可能性が非常に強いと、こうなっております。したがって、これは外為法二十七条違反ということになると思いますが、この容疑についていままで調べられた点、発表できる範囲で結構ですからお示しをいただきたい。   〔理事戸塚進也君退席、委員長着席〕

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○説明員(吉田淳一君) 一般に外為法違反の問題につきましては、児玉譽士夫につきまして五月十日に外為法の違反の問題で起訴しておるわけでございますが、これは外為法の二十七条の一項の三号、非居住者のためにする居住者に対する支払いの受領ということで起訴しておるわけでございます。で、お尋ねの件がこの支払いの制限及び禁止の二十七条に触れるのかどうかという点でございますけれども、この点については詳細、具体的な捜査の結果の内容は私はまだ聞いておりません。で、したがいまして、この事実関係が、ここで二十七条で言うところの「この法律の他の規定又は政令で定める場合を除いて」という、そういう法定の除外事由がない場合であるかどうか、こういう点についてが恐らく問題になると思いますが、その詳しい事実関係は私は承知しておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 事実関係はいまわからないとおっしゃっておりまして、やむを得ませんけれども、そういった方向で捜査は進められておるわけですか、焦点はそこにしぼって、一つは。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○説明員(吉田淳一君) この事件について特定して申し上げるわけにいきませんが、このロッキード関係の問題につきましての刑事事件の捜査の過程で犯罪の容疑ありと認められるものについては、厳正に処理をするという立場でやっております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、このシグ片山氏は米国籍でありますけれども、日本でユナイテッドスチール社を経営しております。非居住者として税務署への申告が必要でありますが、それを行っていないと言われております。こういったことから、所得税法違反の容疑が考えられますけれども、その点についてはどうですか。国税庁の方はいかがでしょうか。

横井正美国税庁次長

○政府委員(横井正美君) 非居住者ではないかと、こういう御質問でございますが、私どもはシグ片山氏の居住の状況等から見まして所得税法第二条一項第三号の「居住者」というふうに考えております。したがいまして、御承知のように、居住者の場合におきましては、日本国内の源泉所得のみならず外国で生じました所得についても申告の必要があるというふうに考えるものでございます。具体的に申しますと、シグ片山氏は居住者としてたとえば香港とかアメリカとかで生じました所得がございましても申告の必要があろうかと、こう考えております。これらの点につきまして申告が出ているかどうかというふうなことを含めまして検討をいたしておるという状況でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 まあ検討と言われましたが、もうかなり実際はもう進んで、いろんなことがわかってきているんじゃありませんか。その点はいかがですか。

横井正美国税庁次長

○政府委員(横井正美君) シグ片山氏につきましては、二月四日、六日のアメリカ上院の多国籍企業小委員会のロッキード問題に関する公聴会の報道がなされましてから、できるだけ早い機会にといいますか、早速調査すべきであったんでありますが、しばらくの間ID社の存在が不明であったというふうなこともございまして、現実には調査にかかったのが遅いわけでございますが、その後検察、警視庁の方でもお取り上げになっていると、こういう面もございますので、関係当局共同して調査を進めておるという段階で、まだ結論を得るには至っておらない状況でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 検察当局の方はいかがですか、この件について。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○説明員(吉田淳一君) その点については、まことに申しわけありませんが、詳しいことは聞いておりません。検察当局は児玉譽士夫についての四十八年分、四十九年分についてさらに捜査を続行しております。これは東京国税局と合同してやっておると聞いております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 聞いておられないということですから、しょうがないですけれども、もちろんいま国税当局から言われたように、シグ・片山氏についてもこういったことを的にして捜査は現在進められておるわけですか。その点はいかがですか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○説明員(吉田淳一君) このロッキード社からの入金関係を証するに必要な関係人につきましては検察当局としてもその取り調べを実現し、さらにそれらのものについてもし責任の所在が判明すれば、先ほど申しましたように、適切な処置をとるというふうに、それは私が考えているだけじゃなくて、検察当局はその姿勢でこの事件に臨んでおります。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ロッキード社のエリオット、クラッター両氏につきまして、日本滞在中に行った行為自身が外為法違反の疑いが非常に強いと考えられますけれども、もし仮にこの両氏の違法行為が明確になった場合、わが国の法律による処罰というのは可能なのかどうか。また日米間の犯人引き渡し協定の上から見てどうなるのか。その点はいかがですか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○説明員(吉田淳一君) エリオット、クラッターらの関係人が外為法違反を国内で犯しているかどうかという点でございますが、それらの事実は本件の事実としてきわめて重要な事実に関連する事柄だと思います。検察当局はもちろん、その点の明確化をも含めて努めておると思いますが、その責任の所在はともかくといたしまして、仮に刑事責任があるという場合にどうかという仮定の問題としてお答えいたしますと、外為法違反につきましては遺憾ながら現在の日米両国の間で明治時代に取り交わされた犯罪人引き渡し条約というのがございまして、この引き渡し条約は追加条約としてその後にもう一度追加条約が締結されておりますが、その引き渡し条約に引き渡すことができる犯罪を限定列挙しております。これは相当数の犯罪に上るのでございますが、外為法違反はこの当時は載っておりません。したがいまして、日米両国間の条約との関係で言えば、これ仮に外為法違反が適用できましても、米国に対してこれに基づいて引き渡しを請求するということは法律上できません。米国側においてはこの条約にない犯罪についてはその引き渡しをしないという法制になっておりますので、この現行日米犯罪人引き渡し条約では不可能でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 外為法違反ではいま言われたようにだめだと、こういうことになりますと、これはそういうねらいつけてやるというのもあれかもわかりませんけれども、現実にはこの二人というのはかなり大きな役割りを果たしたことはもう事実になっておりますので、仮に、これは仮定です、まだわかりませんが、どういうふうな、今回捜査当局がいろいろやられておる目標とされて捜査をされておりますね、外為法違反であるとか、あるいは贈収賄であるとか、そういった関係、あるいは賄賂の問題、そういうようなことでどういう罪、いま捜査されておる方向の中でどれとどれとどれについてもし仮に証拠がはっきりした場合はきちんとこの協定に基づいて処罰することができるのかどうか。その点はいかがですか。仮定の問題で答えられませんか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○説明員(吉田淳一君) これは非常にお答えしにくい事柄でございまして、先ほど申しましたように、この日米の現在現行の条約によりますと、殺人とかその他通貨の変造とか偽造とか、いろんな幾つかが列挙されておりますが、これについては外為法に掲げられておりません。また税法違反のようなものも掲げられておりません。それから刑法もすべて掲げられておるわけではございません。そこで、いずれにいたしましても、検察当局としては米国に在住する重要関係人については本件の真相の解明を図るという立場から、その証言なり供述を得るべくいろいろ努力をしているところでございまして、目下そのために東京地検としては検事を外国に出張させたり米国へ出張させたりしていろいろ努力しているところは御承知のとおりでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 大蔵大臣、あなたの関係するその省の法律ですね、外為法は。それが違反になったとしてもいまのような御答弁で、これは罪に、まあ罪といいますか、犯人の引き渡しできないわけですね。仮にそうなった場合、今度日米間ではいろんな取り決めもありましたし、また特使も行かれたわけです。超党派の議員団も行くわけですから、やはりこれでもし仮にそれだけで終わってしまってどうしようもないとなった場合は、相当国民としては疑問と不満が残ると思うんです。やはりたとえ現在協定にはなくても、何らかの形でやれるようなアクションをやはり米政府にも、まあもうちょっと先のことになって仮定の議論になるかもわかりませんが、起こさなきゃならぬと思いますけれども、その点について、大蔵大臣、担当の省の大臣としてどう思われますか。おたくの省の外為法違反で仮に問題になってもどうしようもないというやつですね、この二人については。いかがですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 外為法の関係におきましては私どもに捜査権はないわけでございして、これは警察の方にございます。警察の方で法規に照らしていま実態を究明されて厳正な処置がされることを私は期待いたしておりますが、それでもなお実効が上がらないという事態はどうするかというお尋ねでございます。アメリカの場合に同じような法律がありまして日米間に条約または取り決めというようなものがございました場合にはよろしいわけでございますけれども、そういう状態にございませんので、とっさにいまどうしたらいいかということについて妙案はないわけでございますが、当面警察庁を中心にいたしまして懸命に事態の究明に当たっておられるわけでございますので、そちらの方の捜査に期待をいたしておるということでございます。  で、善後措置につきましては、御指摘の点につきまして、なお私どもの方でも引き続き検討はいたしております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ひとつ御研究いただきたいと思います。  次は、検察当局にお伺いしたいんですが、証拠品の中に、東京スポーツ取締役南善一氏の、児玉裏資金工作を刻明にメモした南ノートというのがあると伺っておりますけれども、そういうものが存在するのかどうか。またその内容について説明ができるのかどうか、この点お伺いしたい。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○説明員(吉田淳一君) まことに申しわけないことなんでありますが、現在捜査中の捜索差し押さえをした証拠品の内容について申し上げますのは、御勘弁願いたいと思うのでございます。それに基づきましていろいろ捜査が行われておるわけでございます。押収されたものに基づきまして、刻明に分析をして必要な捜査を続行しているわけでございます。新聞紙上、御指摘の南ノートと称するものが東京地検で押収されておるという趣旨の報道は私も承知しておりますけれども、そういうのが事実あるのかどうか、ましてその内容について御説明申し上げることはいろいろ現在捜査を続行しておる過程で申し上げにくいのでございます。いずれにいたしましても検察庁といたしましては、押収した証拠品について十分検討を加えまして、それを本件の真相の解明に役立たせているということだけはお約束できます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それでは次に、財政問題に少し最後五分間ぐらい触れて終わりますが、大蔵大臣にお伺いをいたしますが、私、本会議でも代表質問でやりましたけれども、残念ながら明確な答弁か出てきておらないのですが、現在今年度予算に盛られたいわゆる三〇%近い依存率を持つ国債、要するに借金財政に完全に転落をしたわけでありまして、長期財政展望の中でも五十五年度まで特例国債を発行せざるを得ないと、こうなっておりますけれども、要するに国債と手が切れるのは、公債政策と手が切れるのはどのような見通しなのか。五十二年度、五十三年度、かなり税収の伸びあるいは税収を期待されておると思いますけれども、実際問題として本当に見通しがどうなっておるのか、なかなかはっきりしたお答えいままでいただいていないのですけれども、この点いかがですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 明年五十二年から特例債の発行額は減らしてまいりまして、五十年代前半にはこれから脱却いたしたいと、そういうことを財政運営の目標といたしまして私どもとしては最善を尽くしたいという考えでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 大蔵大臣は、健全財政というものはどういう姿とお考えになっていますか。いままではそういう赤字の出ないものがそう考えられましたが、こういう建設国債もずっと出てきておる状況ですね。で、また今年度からこういう赤字国債も年度当初から入ってくると、こういうふうなことになってきた場合、いわゆる健全均衡財政というものはどういう姿なのか。その中に占める国債はどれぐらいの範囲ならばいいのか。赤字はなくて建設だけならいいというのか、あるいは完全にそういう公債というもののない財政が健全財政なのか。過去の議論は別として、今後の問題として健全均衡財政というものの姿をどうお考えになっておりますか。その点お伺いしたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 財政だけのことから申しますと、均衡がとれた財政で、公債を出すにいたしましても建設公債に限って、それが五%内外というような程度の依存率である状態がまずまず健全でありはしないかと、そういう感じを持っております。  第二に、しかし、よし中央の財政かそうでございましても、地方財政はそうでないということでは、ひとり中央だけがぬくぬくとしておるというようなことでは困るわけでございまして、地方もまたバランスのとれた状態でありたいと思いますし、さらにそういう場合の国民の経済の状況、企業の状況あるいは家計の状況というものが非常に疲弊した状態とか、ちょうど現在見られる企業の財政みたいな状態、こういう状態であっては困るわけなんでございまして、家計も企業も地方財政もやっぱり健全であるというような状態が同時に保障されなければ健全とは言えないのじゃないかと、そう思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 長期経済計画でも公債政策の活用に当たっては建設公債原則を基本とする一こういうふうなことを言われております。いま大蔵大臣は五十年代前半には何とか脱却をしたいということでありますけれども、果たしてこのようなことが可能なのかどうか、私は非常に疑問を持つわけです。  まずその前に、今度出されました五十年代前期のいわゆる経済計画なるものは、大蔵大臣は全面賛成ですか。大蔵大臣の立場としてどうですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) それは現在の政府が知謀をしぼって各方面の御意向をくみ上げてつくり上げた計画でございまして、財政当局といたしまして何とかこれを財政的に支えて実効あらしめるべきでないかと、そう考えておるわけでございますが、これを実効あらしめるためには相当の財源の用意が要るわけでございますので、財政収支の試算にも見られるような状態を想定いたしまして財政運営上いろいろな工夫をこれからやっていかなければならないのではないかと考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 全面賛成かどうか。いまの大臣のあれだと、この計画が決められたと、それに対応して大蔵省としてはそれに耐え得る財政をやっていきますというお話でしょう。そうじゃなくて、大蔵大臣はこの計画でいいんですかということですよ。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先般閣議で決まりまして、私も閣僚の一員としてサインをいたしました。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 その中で具体的にお聞きしてそれでもこれに賛成されたのかどうかということをお伺いしたいのですが、一つは、いま申し上げたいわゆる赤字国債から脱却すると、五十年代の前半に。ところが、成長率は六%ですね。で、税及び税外負担比率が三%上がると、これである程度は増収できると思いますよ。それから増税か考えられていますが、この間の答弁でも付加価値税の導入は考えていないと言われておるし、これは大蔵大臣も大体そう考えると思います。また福田経企庁長官自身も付加価値税は考えていないとはっきり答弁されておりますね。それから景気の上昇、それから税の収入、また極端な負担というのはこれまた問題になってきますからね。そういうことから考えて、果たしていわゆる赤字借金財政からの脱却ができる、要するに健全財政へ復帰できるという立場から見ると、いわゆるこの経済計画というのはなかなか大蔵大臣としては厳しいものじゃないかと思うんですけどね、そういう意味でいま全面的に賛成されたんですかとお伺いしておるんですけれど、その点重ねてお伺いして私の質問は終わりたいと思います。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 厳しいものでございまして、財政的にも大変厳しい負担を伴うものでございますけれども、何とかこれを実現する方向で努力しなけりゃならないものと考えております。

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 午後四時二十分まで休憩いたします。    午後四時十一分休憩      —————・—————    午後四時二十九分開会

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き租税及び金融等に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いまロッキード問題の追及が、主としてトライスターの全日空への売り込み、あるいはP3Cの売り込み、こういうようなところを大体焦点にして審議が進められていると思いますけれども、私は、次期民間輸送機、つまりYXの開発に絡んでもロッキード社の賄賂がらみのいろいろな工作があったんじゃないかという点についてお伺いしたいと思っております。  まず、最初に伺いたいのは、大蔵省は特にこのYX開発のための予算として民間輸送機振興開発費というのを昭和四十二年ごろからずっと組んでいると思いますが、毎年度のこの費用の額とその執行状況ですね、これをおっしゃっていただきたいと思います。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) 民間輸送機開発費補助金でございますが、昭和四十二年度から計上されておりまして、昭和四十二年度に二千万円、四十三年度一億円、四十四年度一億五千万円、四十五年度五億円、四十六年度はなしでございます、ゼロ。四十七年度が二億円、四十八年度六億七千五百万円、四十九年度二十一億円、五十年度二十一億円、五十一年度一億六千万円、こういう推移でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 執行状況はどうですか。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) ちょっと古い段階のものが手元にございませんので、四十七年以降を申し上げますと、四十七年度は先ほど申し上げましたように、補助金の予算現額が約二億円でございますが、その中で支出済みとなっておりますのが  一億六千六百万円。四十八年度は、申し上げました補助金ベースで六億五千九百万円、これは若干節約等がありますので減りますが、その金額に対して支出済み額が四億一千二百万円。四十九年度は、前年度からの繰り越しを合わせまして予算現額が二十億八千二百万円になっておりますが、これに対して支出済みが三億三千百万円。五十年度は十九億七千九百万円の予算現額に対しまして、支出済みゼロ、全額繰り越しでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この四十六年度を、先ほど予算額ゼロと言われましたけれども、実際執行したのは四億三千万円執行していることになっているんじゃありませんか。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) 正確ではございませんが、四十五年度に五億円計上いたしました補助金の前年度からの繰り越しがございまして、それが約四億三千万円というふうに承知しております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 昭和四十二年度から予算を組んで、それで五十一年度が一億六千万円の予算を組んでいる。なおこのYXは実際製作にかかるというような段階ではないだろうと、後からまた通産省から伺いますけれども。まことにこれは遅々とした動きだと思うんですね。しかもせっかく予算を組みながら、いま御報告になったように、ずいぶん使い残しが出ているという状況だと思うんです。私、この内容についていろいろ詳しく立ち入る暇がありませんけれども、こういう予算執行の状態というのは、国民の目から見ると、これはずいぶんおかしな話だなという感が非常に強いんじゃないんかと思うんですね。いろいろ、社会保障費にしましても、その他の費用にしましても、国民の側からすれば、これはもう予算をうんと組んでもらって、うんと急いで使ってもらいたいというのが実情だと思うんですね。この費用については、いま言ったように、毎年莫大な使い残しまで出ておる、こういう状況なんです。私は、この背後にあるものは、これはこのYX計画そのものがまことに遅々として進まない。一言で言えば、変更に次ぐ変更を重ねてきたというような事情もあるんじゃないだろうかというふうに思いますけれども、このYX計画の経過ですね、どうなっているのか、これをおっしゃっていただきたいと思います。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) YS11というものを国産でやりまして、そのプロジェクトが終わりまして、実用機の製作に移って、その後二機の民間輸送機をどうするか、民間輸送機と申しますのは、ここで私どもが承知しております限りでは工業技術の開発の先端をいくものである。しかも、そのでき上がりました航空機というものの販路、それから社会的な需要の変化と申しますか、低公害であること、低騒音であること、また滑走距離が短いこと、それから機体工業ないしエンジンの日々の進歩というようなことがありますので、したがいましてYXという形で、四十二年から、当時は、日本航空機製造株式会社だったと思いますが、いろいろな構想が検討されてまいりました。その後、四十七、八年ごろまで、大体、だんだん、だんだん大きな機種というものが航空機業界の需要にかなうものだと、しかもその開発のやり方も、国際共同開発ということでなければ、販路の確保、技術の進歩に追いついていけないんじゃないかというような反省がたびたび航空機工業審議会、これは通産大臣の諮問機関でございますが、そこで検討をなされまして、それに従いまして予算要求があり、あるいは調査費、あるいはその事業費の補助を行ったわけでございます。四十八、九年に、石油危機以後、世界の航空機工業の需要というものが著しく減退をいたしまして、そこで航空機の乗客が減ってまいりますと、新しい機種を導入していくということについて、それだけの、いま渡辺委員の御指摘のように、おくれが起こるわけであります。その中で技術としては、やはり日本の航空機工業界、あるいは航空機産業関係の労働組合、そういったところに技術の水準をみがき、かつ雇用を維持していくというために、これはゆるがせにできない仕事ではないかと。しかしながら、おっしゃいますように、世界をまたにかけて飛ぶ飛行機でございますから、世界の航空機の需要の移りかわりに応じて逐次プロジェクトの重点の置き方が変わってまいったということで、ただいまは御承知のように四十九年以来、日本とアメリカとイタリアと三国で、かなり大きな飛行機、短滑走距離ではありますけれども、かなり大きな飛行機というものを開発をしていきたい、そのために日米——これボーイングになりますが、ボーイングと、アリタリアというイタリアの会社と、日本の民間輸送機開発協会、そこが共同に研究を進めるという取り決めを具体的に進めておる段階でございます。  なお、詳細は通産省が参っておりますので、通産省からお答えを……。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 通産省の方からお聞かせを願います。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) 大蔵省の方から御説明がございましたとおり、YXの研究、開発に着手いたしましたのは昭和四十二年からでございますが、実はYS11というターボプロップの国産で初めての民間旅客機に着手いたしましたのは、三十一年から始まっておりまして、試作機ができましたのは三十七年だったと記憶しております。それをつくりました当時、世界の大勢といたしましてプロペラ機からジェット機へということで、日本の航空機産業の方向といたしましても、プロペラ機からジェット化を推進しなければいかぬということであり、かつ、それが飛行機産業の波及効果、技術波及効果ばかりじゃなくて、経済的な波及効果、最近で言っております知識集約産業としての重要性もございまして、通産省としては四十二年からジェット機の開発に取り組み始めたわけでございます。  御承知のように、民間航空機といいますのは、軍用機と違いまして、予算がつきましてその年度にすぐに飛行機をつくるということをいたしますと、実はこれは大失敗をすることになりまして、どちらかと言えば、ユーザーたるエアラインの要求、それからその収支状況を十分判断いたしまして、将来ユーザーに確実に買ってもらえるという判断をいたしまして、かつ、そのユーザーが一番希望する飛行機を製造しなければならないということでございます。したがって、特にORと称しておりますが、オペレーションズリサーチ、これが非常に重要でございまして、四十二年からこのOR調査を開始したというのが実態でございます。四十二年、四十三年、OR調査をいたしまして、各種の機体を一応検討いたしました。四十四年に至りまして、俗にYS33と称しておりますけれども、大体百人をちょっと超える、百三十人前後の飛行機で、私どもとしてはYS11の後継機になり得るというものを一応前提にいたしまして、さらに基礎的な設計、風洞試験等を開始したわけでございます。実はエンジンにつきましても諸外国のエンジンどんなものがあるかということで調査をいたしましたところ、四十五年に至りましてYS33に乗っける前提でおりましたRB二〇一というロールスロイスのエンジン、これがロールスロイスの社内の都合でつくれなくなったという話がございまして、YS33の構想は再度再検討する必要があるということになりました。ここでYXの新しい検討案といたしまして百五十人から百八十人ぐらいの少し大型のものと、二百人、二百五十人ぐらいの飛行機、この二つの飛行機の検討を始めたわけでございます。その結果、ちょうど五万ポンドのエンジンが使用可能であるというようなことがわかりましたものですから、百五十人、百八十人の飛行機で一応開発をしようということにいたしまして、審議会の方ともお諮りをし、飛行機が相当大型化するので国際共同開発ということを考えてみてはどうかというようなお話もちらほらございまして、正式には四十六年の十月の答申で国際共同開発の御提案をいただいておりますが、それに先立ちまして世界各国に調査団を派遣いたしまして、実は世界各国から共同開発でやろうじゃないかという話がございましてその調査に参りました。その結果といたしましてボーイング社の提案が審議会で考えておられる日本の国産機の共同開発に一番適しているのではないかという判断をいたしまして、ボーイング社を選定いたしたわけでございます。その後四十六年の予算折衝で、実は私どもどうしても外国の例にならい、特にコンコルド等は一〇〇%国が援助しているので、何とか一〇〇%の御援助を願えないかというようなお話もいたしましたが、結果といたしましては一〇〇%の要求に必ずしも合致するようなお話し合いが大蔵省とできなかったということもございまして、もう一度YXの開発について少し詰めてみようということで四十七年は進んでございます。その結果やはりボーイングとやる方がいいのではないか、もう少し民間の方も分担しようという話になりまして、四十八年から財団法人の民間輸送機開発協会というものをつくり、ボーイング社と正式に交渉を始めて現在に至っているということでございます。  高橋次長からもお話ございましたように、四十九年に至りまして石油危機がございまして、当初ですと四十九年の秋ごろには俗にゴーアヘッドといいまして、試作機の製造もできるというふうに予測されておりましたし、かつアメリカの主要なエアラインであるユナイテッドエアラインとかアメリカンエアラインの方から注文もあるんじゃないかということを考えてみましたが、石油危機でその辺の見通しが大幅にずれ込んできたということで現在に至っておるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この通産省からいただいております——これは表題は「民間輸送機YXの開発」という表題になっております。そのしまいの方にYX計画の経過というのがありますが、そこに昭和四十五年の欄に「外国数社から共同開発の申入れ」ということが書いてあります。先ほどおっしゃった共同開発という答申が出てからだろうと思いますけれども、そういう申し入れがあったことが書かれておりますが、これ「外国数社」というふうに書かれておりますが、アメリカの会社は、どれどれの会社からの申し入れがあったか。  それから、特にさっきおっしゃいました航空機工業調査団が訪米したと、これは四十六年の六月というふうに書かれておりますが、このときにアメリカの航空会社からどういう条件の申し入れがあったかですね、この点をおっしゃってくれませんか。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) アメリカからの申し入れば、全民間機をつくっている航空機会社、すなわちボーイング、ダグラス、ロッキード三社から申し入れ——申し入れといいますか、共同開発をしようという提案があったようでございます。で、調査団が六年に参りまして、そのときの調査結果でございますけれども、実はアメリカ以外にイギリスのBACというブリティッシュ・エアクラフト・コーポレーションと、それからフォッカーというオランダの古い民間機会社から提案がございましたが、アメリカに限って申し上げますと、提案の−内案は、ボーイングにつきましては新たに二百席クラスの機体を共同で開発しょうということでございます。ダグラスにつきましては、当時DC10——現在でもございますがDC10という三百席クラスの飛行機がございまして、これを双発機に改造いたし、二百五十席クラスにしようということでございます。それからロッキードはL一〇一  一、三百席クラスを、これも双発機に改造いたしまして、二百席クラスにしようということでござ  います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そのようにアメリカの主要な航空各社から申し入れがあった。それが先ほどのお話ですと、ボーイングに落ちついたというわけですね。ボーイングに落ちついた時期はいつかということ、そしてそのボーイングに落ちついた理由ですね、これはどういう理由なのか。これをちょっと……。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) 調査団を派遣いたしまして種々検討いたしました結果、ボーイングの提案が、実は審議会で御提案になっている日本の自主性を維持していくという意味で一番好ましいと。すなわち新たに飛行機をイロハのイの字から開発しようということでございますので、日本はマーケット調査から始まりまして、基本設計、詳細設計、それから機体の各部分の試作機の製造、開発、それから量産機の製造、かつその後の販売、それからアフターサービス、そういうものにまで全部はいれるということが一応私どもとしては判断されましたものですから、それに比べてダグラスの方及びロッキードの提案は、改造でございますので、すでに相当部分先方が走っておって、残りの改造部分だけを日本と共同でやろうということで、他の二つに比べてボーイングが一番日本の自主性及び技術習得、技術の波及効果と経済効果とを判断して好ましいというふうに考えたわけでございます。決定は、四十六年の十月ごろであったと記憶しております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 日本のこの状況に対して一番好ましいということでボーイングを選定したと。ところが、その後この開発計画が四十七年のあなた方の、何ですかあれを見てみますと、「YX計画の経緯」ですね、四十七年の方には「共同開発計画振出し」というふうになっておりまして、ボーイングに決まったものがまたもとの振り出しに戻ったという趣旨が書かれているわけです。そうしてその下に括弧しまして、「(機体仕様、相手先の再検討)」というふうになっております。なぜ一たんボーイングに決まったものが、その相手先を再検討しなけりゃならなくなったのか、振り出しに戻らなきゃならなくなったのか、その間の事情をお聞かせいただきたい。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) すでにお話申し上げましたように、四十六年の十月にボーイングが好ましいということで、一応共同開発の相手方の第一順位としてボーイングを選びまして、一〇〇%予算をつけていただきたいということで、大蔵省の方にお話しいたしたわけでございます。ただ財政当局の方といたしましては、財政的な事情もございまして、一〇〇%の補助ということはなかなかお認めにくいということがございました。ただ通産省の方は、当時の経緯といたしまして、どうしても一〇〇%いただきたいということで最後までがんばりました。その結果、もう一度それでは少しゆっくり検討しようじゃないかということで、予算の額が相当減りましたものですから、そこで、果たしてその予算の額ですぐにボーイングとできるだろうかどうだろうかという問題が生じました結果、ここに書いてありますような「(機体仕様、相手先の再検討)」ということになったわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 理由は財政上の理由だという御趣旨の御答弁ですが、振り出しに戻したのはこれはいつですか、四十七年の。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) 正確な日取りは覚えておりませんが、予算折衝の結果であったと思いますので、四十七年の一月の何日か、予算折衝の終わった日であろうと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 四十七年の一月……。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) だと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうなりますと、このボーイングと並んで日本に共同開発の申し入れをしていたそのほかの二社ですね、具体的に言えばロッキードとダグラス、これがそういう情勢のもとでかなり強い売り込み工作を始めるというのは当然予想できるわけですね。そのような事情はどうですか。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) 実はその辺の詳しい事情は私前任者から聞いておりませんが、新聞その他最近の情報をいろいろ勉強させていただいたところ、四十七年の夏ごろまで、それぞれヨーロッパの各社を含めて調査にいきました各社皆さんお話もう一度やりませんかというお話があったようでございます。ただ詳しい事情は私ども承知しておりません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 当時の新聞などを読みますと、相当猛烈な売り込み競争が再び始まったという記事が相次いで出ているわけですね、時間もないので余り詳しくその点を触れることはできませんけれども。一体そういう激しい売り込み競争、これはどういうメリットを目的としてのものだというふうにお考えでしょうか。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) 先方の意図は全然わかりませんけれども、一般的に申しまして、各社の共同開発の事情の概況説明をしにきたのではないかというふうに理解しております。概況説明といいますのは、そもそもどういう機体をつくるということであって、それ以上に具体的には飛行機のサイズ、それから開発の時期、それから日米もしくは日ヨーロッパで負担すべき費用の額等々でございます。   〔委員長退席、理事中西一郎君着席〕

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ここに四十七年の五月十四日のある新聞の記事があります。簡単に読んでみますと、川崎重工、三菱重工対立の背景には、それぞれ提携関係を持つ米国航空機メーカーの日本市場をめぐる激しい競争があると言われる。川崎重工はロッキード社と、三菱重工はマクダネル・ダグラス社と提携関係があるが、ロ社はL一〇一一、マ社はDC10といったエアバスの売り込みにしのぎを削っており、ここでどちらか一方がYX開発の共同相手にでもなれば、エアバスの売り込みにも大きな影響があるわけで、三菱、川崎両社への米国二社の圧力が強くなっていると言える。そのため開発専門委員会の木村委員長も、もっと高いレベルの調整しか解決の道はないとして、近く開かれる関係会社の社長会の結果を見ることにしている、こういう報道があるんです。私は当時の状態を考えてみれば、この報道は真実をうがっている報道じゃないかというふうに考えるわけです。言うまでもなく、DC10とL一〇一一と、この二つの機種が日本の航空業界にものすごい売り込み競争がかけられていて、そうしてその売り込み競争の中でロッキードの賄賂がらみの商法というものがずっと進められている。これがいま追及の対象になっているわけですが、そういうものとの関係で、YX開発の共同開発の相手として入り込むという、競争もまた非常に激しくなっているということじゃないでしょうか。同時に、YXの共同開発の相手に滑り込むということは、将来の日本の航空機製造の分野に対して大きな発言権を持つことができると、こういうような事情も同時に絡んでいる、そう思われますがどうですか。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) 私は四十九年六月に実は前任者から引き継いだわけでございますけれども、前任者からそのような引き継ぎは一切受けておりませんし、したがって、四十七年当時の事情は一切承知しておりませんけれども、そのようなことは私はないと信じております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 聞いてないからということが一つの理由になっていますけれども、しかしいま起こっているロッキード事件の経緯やら、それからアメリカの航空機業界の日本を大きなマーケットとしてエアバスの売り込み、あるいはまたP3Cの売り込みなどで賄賂がらみの商法をやったという、激しい売り込み競争をやっている。そういう事実と結びつけて考えれば、あなたの考え、おっしゃっていることちょっと納得できないんですが、どうですか、もう一回御答弁いただきたい。  重ねて、いまの航空機工業審議会ですか、この中のメンバーに、いまの記事にありますように、ロッキード社の部品をつくっている、したがって、また利益代表とも言うべき川崎重工業の代表も入っているし、それからまたダグラス社の部品をつくっている、したがってまたダグラス社のいわば利益代表とも言うべき三菱重工業の代表も入っているということは事実じゃないですか。この二点を伺いたい。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) 先生御指摘のように、川崎重工はロッキードのP2Vでございましたっけ、そのライセンス、実は国産になっておりますが、P2Jをつくっております。それから三菱重工の方はダグラスの関係の機体をライセンス生産しておることもございます。  それから、先ほど御指摘の私の見解については、そのように信じておりますものですから繰り返しは避けたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いずれにしても、あなたも認められましたように、一度ボーイングに決まっておったものが予算上の関係でボーイングは事実上の撤退をせざるを得なかった。そうして競争相手であるダグラスと、そうしてロッキードが猛烈な売り込みのプレッシャーをかけ始めてきている。こうなってまいりますと、私は一たんボーイングに決まった、その決まったものがひっくり返った原因になっている、予算上の問題ですね、この点が非常に疑惑なんです。さっき予算が大幅に減らされたとおっしゃいましたけれども、何に比べて減らされたのですか。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) 当初要求に比べて金額が減ったということでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 当初要求はどのくらいで、そうしてそれがどのくらいに減らされたのですか。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) 私ども承知しているところでは三十三億円要求をしたというふうに聞いております。それで査定を受けましたのは二億円でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それが私どもにはどうにも解せないんですよ。三十三億円の予算を組まなければ、ボーイングは共同開発の会社としてこのYXの開発計画に乗れないということで、あなた方は三十三億円の要求をしたんでしょう。ところが、それが二億円に削られた。その二億円という予算の額、これはたとえば四十五年度、先ほどのお話ですと五億円の予算を組んだと言うんですね。それから四十六年度は予算額はゼロだけれど使い残しが四億三千万円あって、その四億三千万円を四十六年度は使ったんだと、こういう御答弁が主計局次長からありましたが、この額に比べても四十七年度の二億円というのはべらぼうに少ないんですね。半分もしくは半分以下でしょう。まさに共同開発の相手会社がボーイングだと決まって、いよいよ共同開発の計画が進むというその時期に来て、三十三億円の要求がわずか二億円に削られた、これはどうにも解せないのです。それが原因でボーイングは共同開発からおりざるを得なくなった。そうしてロッキードその他がそれを機会にして猛烈な売り込みをかけ始めた。どうもこの辺が臭い。一体これほど大幅に削られた理由は何だと思っていますか。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) 先ほど私から御説明申し上げましたように、通産省は一〇〇%の補助率でお願いしたわけでございます。その補助率につきましては、私ども最後まで要求を続けたものですから、それは財政当局の御判断と合わなかったということでございます。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) YXの開発の前にYSの開発、これは百八十二機生産をいたしてやめたわけでございますか、こういう段階が約十年前にあったわけでございますが、その段階でYSの開発、それから生産で三百六十億でしたか、赤字を出したわけです。そこでYXのプロジェクト自体はある意味で申せばナショナルプロジェクトと言うに値する技術の先端を行く計画であろうということではありますけれども、全額を国庫の補助でやるという御要求であれば、それは損失が起こった場合に全部国がかぶるということでもございますし、また歯どめがない。やはりそれは開発の主体になりますところの、当時の御要求で申せば日航製ないし特殊法人の御要求だったかと思いますが、そういったところが自己負担をなさるから初めて計画として練れたものになっていくし、開発の暁にも失敗が少ないんではないか。そういうことで、ただいままで通産省からるる御説明がありましたように、私どもとしては全額国庫負担という御要求にはとうてい沿いがたい、業界と申しますか、航空機業界でやはりここは自己負担というものを持ってきてください、そういうことであったものでございますから、航空機課長からお話をしておりますように、四十七年度の予算要求でございますか、予算要求は最後まで全額負担かゼロか一部自己負担かということで議論が一致しませんで、したがって、そういうことならばもう一度改めて調査費で勉強してくださいという結論になっているというふうに承知しております。   〔理事中西一郎君退席、委員長着席〕

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、三十三億円の要求をそのまま予算に組むべきだとか、あるいは全額補助をすべきだとかというようなことを言おうとしているわけじゃないんです。そうじゃなくて、ここで問題にしたいのは、通産省の方はボーイングの共同開発の相手会社として組み込むためには三十三億円必要だということで予算要求出されたわけです。それがわずかに二億円、ずいぶん減らされたもんだと思いますね。大蔵省の方も、そういうことをやったら、ボーイングが共同開発の相手会社としてどうも乗れないんじゃないかということかわかっておられた上で削ったんじゃないだろうかというふうに思われますが、その点どうですか。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) YXの計画そのものは、冒頭に御答弁申し上げましたように、非常に長い間沿革があって行ってきておる仕事でございます。したがって、そのプロジェクトの内容をどう仕組んでいくか、それに基づいて共同開発というものの相手方をどう選定するか、これはすべて通産省がもっぱら通産行政としておやりになってこられたわけであります。四十七年度の予算の考え方と申しますのは、先ほどお答え申し上げましたように、三十三億というような形で一〇〇%国庫負担の、アメリカ、日本、二分の一、二分の一、そういう共同開発プロジェクトはとうてい財政として応諾しがたい、そういう立場でございました。それ以外の考慮はございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 大蔵省が予算の査定をする場合、たとえば、いまの話で言いますと、通産省が三十三億円の予算要求をしている、概算要求を。それを認めるか削るかという場合には、この三十三億円がどういう計画のために使われるものなのか、その使途の目的その他を十分に査定した上で削るか削らないかを先に決めるのだろうと思う。計画の内容は当時の大蔵省の少なくとも主計局長は十分承知の上で削ったというふうにしか思われないわけですね。実際、予算の編成上はそうなっているわけでしょう。よく計画を検討した上で削るか削らないか決めるということでしょう。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) 八月の三十一日に概算要求をいただきましてから、各省の各事項を含む膨大な予算要求についてだんだんと段階を上げまして徹底的に検討をしていくわけでございます。その全体の予算の中の一環としてこのYX計画というのはあるわけでございますから、それは渡辺先生のおっしゃるように、徹底的に三十三億の御要求の内容、それにつきましても検討を加えて、その内容の計画での共同開発には応じがたいという答えを出しておるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 もう一つ聞きますが、その三十三億の要求を二億円に削ったらボーイングが共同開発の相手会社としては、何といいますかな、そのままいないだろう、下がらざるを得ないだろうということも御存じの上だったんじゃないですか。そのくらいの説明は私はあっただろうと思います。その点どうですか。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) 四十六年度当時の判断がどうであったか詳細承知はいたしておりませんけれども、先ほど航空機課長からお話があったように、三十三億という形で行われる五〇、五〇の全額日本国庫負担、そういうプロジェクトはできないということは、もちろんそういう前提で査定をいたしたわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 当時の主計局長どなたですか。大蔵大臣はどなたですか。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) これは予算要求でございますから、もちろん私ども大臣の指揮を受けて予算の編成をいたすわけでございますけれども、各係員からずっと説明を聴取いたしまして積み重ねていく仕事でございます。通産省において御要求なさるのも同様に係長、課長補佐、課長、次長、局長という段階を経て御要求があって、そこで相互に調整を行いながら決めていくわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、大蔵大臣がどなただったか、主計局長がどなただったかということをお聞きしている。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) 四十六年の七月からでございますから第三次佐藤内閣の時代だったかと思いますが、大蔵大臣は水田大臣でございました。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 主計局長は……。

高橋元大蔵省主計局次長

○政府委員(高橋元君) 相澤主計局長です。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この相澤英之さんという方は、きょうはもう時間がないから細かいことは申しませんが、このロッキード事件についてはいろいろの疑惑を持たれている方だということだけは、私、はっきり申し上げておきたいと思います。いずれ、この問題は時を得てもう少し解明したいと思います。  そこで話を移しまして、これは法務省に伺いたいんですが、児玉譽士夫がロッキード社との間でコンサルタント契約を結んだ、それからまた丸紅はやはりロッキード社との間で代理店契約を結んでおりますが、この契約書ですね、これはトライスターの売り込み、あるいはまたP3Cオライオンの防衛庁への売り込みということだけに関するものなのか、あるいはまたロッキード社の日本における活動の全体に関するものなのか、その点おっしゃっていただきたい。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○説明員(吉田淳一君) 契約の内容の点でございますが、この点については、過般外交ルートを通じまして国会にも提出されている資料に属するものだと思いますので、その要点を申しますと、これは英文が本文ではないかと思いますが、たとえば児玉とロッキードとの間の契約につきましては、ロッキードの本社、その支店及び子会社の日本国内における顧客に対する製品及びサービスの販売に関してマーケットサービスをロッキードに提供するという趣旨の関係で、そのコンサルタントの義務及びコンサルタントに対する報酬等について取り決めをして、あるいは契約の期間等について取り決めをしておるものでございます。  それから、丸紅との関係につきましては、私ほかの委員会から引き続いて参りましたので、御通告をいただいたときに手持ちの資料を持ち合わせておりませんので、さしあたり児玉との関係について御説明いたしました。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 丸紅の場合ですとこういうことになっているんですね。第四条に、代理店の義務というのがありまして、代理店は以下の義務を果たす。そのうちのAは、テリトリー内での商品の販売と市場開拓に最善の努力を尽くすというのが一番最初にAとしてうたわれているんです。時間がないからそのほかのことは申し上げませんが、いまおっしゃった児玉とのコンサルタント契約、それから丸紅とロッキード社との間の代理店契約、これからしますと、丸紅も児玉もこのYXの共同開発にロッキード社が参加するということについてもコンサルタントをやり、あるいは代理店として活躍するということが含まれているというふうに当然解釈できると思いますか、どうでしょうか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○説明員(吉田淳一君) この契約は幾つか分かれておるようでありますが、契約の内容にそのような、御指摘のようなYX計画ですか、それについてのいろいろな諸企画にまで入るということが明確になっているかどうかはちょっと私承知しておりません。そこまでは明確にされていないんではないかと思いますが。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いやいやそれは明確にはなかなかかいんですよ。L一〇一一の場合でも、P3Cオライオンの場合でも、そういう機種名などははっきりうたってないんですね。これは御存じのとおりだと思うんです。ただ、いま申しましたように丸紅とロッキード社との間の契約には、いま私が申し上げたような条項が一番先にうたわれている。児玉とロッキード社との間の契約は「一、当契約はロッキード航空機会社が児玉譽士夫に対してロッキード、同支店、同子会社による日本国における顧客への製品とサービスの販売に関連して、ロッキードに市場開拓上のサービスを提供するよう委嘱するものである。」これが一ですね。それから二を省略して三のところに「コンサルタント業務」という定義があります。「コンサルタントは(A)地域における製品の販売の可能性と市場を開拓するため、最大の努力を払う」ということになっております。そうしますと、具体的にYXということは当然これはうたってないでしょうが、しかしYXの共同開発の相手会社になるということもこの条項の意味からすれば当然含まれると解釈できると思いますが、どうですか。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○説明員(吉田淳一君) この取り決めの契約の内容及びそれに基づいてどういう行動が行われたか、さらにその関係で実際に金員かどれだけ提供されているか等につきましては、検察当局が現在捜査中でございます。その金員の提供を受けた関係についての四十七年分の脱税の事件、あるいは外為法違反事件についてはすでに起訴しておることは当委員会でも御説明したとおりでございます。この取り決めの内容について刑事課長である私にその取り決めの内容の趣旨をこうではないかというお尋ねでございますけれども、私がその内容についてこう解釈すると申し上げるのはいかがかと思います。検察当局としてはこの取り決めの内容について十分検討を加えて、これに基づいてどのような行為が行われたかを含めまして、必要な捜査を行っているものと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それでは話をさらに発展させますが、わが党の橋本敦参議院議員が二月の十八日にロッキード社のコーチャン前副会長に会いました。そのときにコーチャン前副会長は橋本議員に対してこういうことを言っているんですね。通産相としての田中氏にYX次期民間航空機売り込みのため一回会った、丸紅がそのあっせんをしたというふうにはっきり語っております。それから自民党の佐藤文生さんがアメリカに行かれてコーチャンに会ったときには、YXの問題について小佐野賢治の紹介で当時の田中通産大臣に会ったということも聞いておられるわけですね。私これは新聞記事でそれを拝見しました。いずれにしましても、コーチャンは自身の口から児玉の紹介でYXの売り込みについて当時の通産大臣田中角榮氏に会ったということ、あるいは丸紅の紹介で会った、児玉の紹介で会った、これがコーチャンの記憶違いなのか、それとも丸紅から紹介されて会った場合もあり、児玉の紹介で会った場合もあるということなのか、この辺は明らかじゃありませんが、しかし、わが党の橋本議員がコーチャンに先ほどのお話を聞く直前に、田中氏に何回会ったのかということを聞いたら、最初は五回というふうに答えておられる。ですから、恐らく児玉の紹介でも会い、丸紅の紹介でも会ったというのが、これが大体推測できることだと見て差し支えない。コーチャンがアメリカの上院での証言をやりまして、それが信憑性のあるものだということは、その後の捜査当局の捜査の中でも確認されていることだと思うんですけれども、これは重大な問題じゃないかというふうに私は思うわけであります。  そこで、最後の質問に入る前に、一言だけ通産省に伺いたいんですが、さっきおっしゃった、一度ボーイング社に決まっておって、これが一応御破算になって、そしてロッキード、ダグラスの売り込み競争が非常に激しくなった。ところが、それにもかかわらず再びボーイング社が共同開発の相手会社というふうに決まりましたですね。そのいきさつはどうだったんですか。簡単にこれはもう時間がありませんからおっしゃってください。それから何日にそれが決まったのか、これもおっしゃっていただきたい、何年何月何日。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) ボーイング社から提案がございましたのは、再度同じような提案でございますが、特に短距離離着陸性能を中心にいたしまして、双発の百五十人前後の飛行機をつくろうということでございました。その他ロッキード、ダグラスはやはり改造型でございますので、そういたしますと、航空機工業審議会の御要望の自主性を確保する、日本の特に航空事情を反映するというようなことからいたしますと、ボーイング社がよかろうということで、四十七年の十月だったと思いますけれども……

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 何日かわかりませんか。

堺司情報産業局航空機武器課長

○説明員(堺司君) 十月九日ではないかと思います。十月九日に審議会の下の小委員会で決定いたしました。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 最後に一問。  この四十七年十月という月ですね、これはいろんな問題の起こった月であることは御存じだろうと思います。いま、九日にボーイングに再び決定になったということを言われましたが、全日空がロッキードからL一〇一一の導入を内定したのが十月の二十四日、それから正式に決定したのが十月の三十日、この前後に、私この前質問しました輸銀法改正というのも閣議で正式に決定になった。こういうような経過になっております。  これは、私は非常に疑惑に満ちた動きだと思うのです。一方でトライスターが全日空に入るということがもうすでに確実になっている。その時期に、この共同開発の方は、ロッキードではなくしてボーイングが再び登場してくる。恐らくここにはアメリカの航空機独占の相互の間で一定の話し合いなどがあったんじゃないか、あるいはボーイングの方がロッキードを上回るような賄賂がらみの商法があったかもわかりません。ボーイングも、ほかの国に対してはそういうことをやっているということを、日本の名前は挙げておりませんけれども、外国に対してやっているということは、これは言われているわけであります。いずれにしても、まことに疑惑に満ちている。  私は、大蔵大臣に最後に御質問したいのですけれども、こういうように当時三十三億円の予算要求が通産省から出されていて、それが二億円に削られたということが最大の原因で、一たんボーイングに決まったものがこれが白紙還元になる。そうして、それを機会にロッキードの工作が非常に活発になってきた。そうして、この問題に絡んで、当時の通産大臣の田中角栄氏がコーチャンなどとも会見しているし、その仲介に児玉、丸紅などが名前がはっきり挙がっているという状況であります。この経過、特にこの予算削減の経過——相澤主計局長だと先ほど御答弁がありまして、━━━━━━━━━━この真相は、大蔵省の責任としてぜひ解明していただきたい。  それから、時間がないのでついでに法務省の方にお願いしますが、こういう問題について、ロッキード社の対日工作の全面について調べるとおっしゃいましたが、その中にいま私が質問した件も含まれていると思います。どうでしょうか。あるいは、少なくとも関心を持っておられるかどうか、これをお答えいただきたい。

吉田淳一法務省刑事局刑事課長

○説明員(吉田淳一君) 先ほど申し上げましたのは、要するに検察庁が捜査の必要があると思われるものについてはやっておるだろうということを申し上げた一般論だけのことでございまして、誤解のないようにお願いしたいと思います。決してお尋ねの件について捜査をしているとかしていないとかということを申し上げたつもりは毛頭ございますん。  捜査の対象が現在何をしているかということを申し上げるのは、今後の捜査に支障があることでございまして、そういう意味から申しましても、何を現在捜査の対象にしているかということは申し上げかねるのでございます。検察当局としては、先ほど申しましたように、脱税事件と外為法違反事件の捜査を継続して、必要な捜査はさらに進んで真相の解明に努めているということだけを申し上げることができるのでございます。その点は誤解のないようにお願いします。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) ロッキード事件につきましては、政府におきまして鋭意真相の究明に当たっておるわけでございますし、今後もまた努力を積み重ねてまいって、国民の疑惑を晴らしてまいらなきゃならぬことは当然のことと考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 最初に、国税職員の処遇問題について二、三お尋ねをしたいと思います。  まず、国税庁にお尋ねをしたいんでありますけれども、現在、税務職員に適用されております税務職俸給表というのがございますけれども、お尋ねしたいのは、この俸給表が適用されている人たちというのは、その職務の領域の中で有能な専門家として伸びていくのが一番望ましい姿なのか、あるいはある日、行政職——管理職という意味で申し上げておりますけれども、そこに昇進をしていくのが望ましい道なのか、どちらの方が望ましいと考えて、現在、税務職員を国税当局として考えておいでになるか、伺いたいのであります。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) 国税の賦課徴収を中心としました仕事に従事いたしております者は、他の職種についても非常に困難なことはございましょうけれども、やはり非常にその仕事柄、緊張を強いられますし、いろいろと複雑な問題を抱えるものでございまするから、従来から国税事務に関しております職員一般としまして、他の行政職の職種の俸給とは違った一段水準の高い俸給を適用してもらっておるわけでございまして、私どもといたしますれば、やはり今後ともこの困難な税務の仕事を遂行してまいります税務職員全体としまして、こういう特別の配慮を加えていただきました俸給表の適用をやっていただきたいというふうに考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 私がお尋ねしましたのは、日本の場合ありがちな話なんですけれども、だんだんと管理職として上にいくのが出世なんだという固定観念がありました。その道一筋の専門家になるということは望ましいこととはいいながら、なかなか評価されないといううらみがあるわけですね。  そこでこの税務職俸給表が適用されているいわば本当の専門家集団をごらんになる場合に、世の中の固定観念と同じように、昇進をしていくのが望ましい姿だとお考えになるのか、そこの中でこの道一筋ということが望ましい姿なのか、どちらでございますかという意味です。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) そういう御質問でございますれば、私どもとしては、いわば税務一筋に長年従事してもらえる人についても配慮ということが必要であると思いますけれども、やはり現在の俸給表といいますものは、ある程度職階的なものの考え方を持っておりますものでございますから、税務一筋に従事するといたしましても、ある程度の昇進というものと、それにふさわしいポストというものとをかみ合わせながら、それに対する報酬も漸次上がっていくというような形をどうしてもとらざるを得ないと思っております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 いまお話の実態だろうと思うんですけれども、これ税務職……、仮にほかの類似した職でも同じことかもしれませんけれども、そのポストにつかなければ上にいったことにならない。また、俸給の面でもなかなか上がってこないということではなくて、ポストというのは数に限りがあるわけですから、そうではなくて、その道のある水準以上二十五年もやってきたらベテランとしての評価、格付というものはそれはそれで本当はあっていいんじゃないか、いわば管理職の系列というものがあるとすると、片方ではその人の能力、資格要件というものを具体的に認めていくような本当は別系列が必要なんじゃないか。これは何も行政の範囲に限りません、民間の中でも同じような工夫がされ、苦労がされ、模索がされていると思うんですけれども、特に税務の場合には、おっしゃるようにいまの俸給表ではそうなんですけれども、働いている人たちの圧倒的大多数はポストに恐らくつけないでございましょう。しかし、なおかつその道一筋に私はということを考えると、望ましい姿というのは、その道一筋の人たちにふさわしい社会的、経済的な条件を与えていく道を開くこと、たとえていえば俸給表の天井を高くしながら中を変えていくこと、それもいまや研究課題ではないかと思うんですが、いかがですか。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) 俸給表の天井を高くいたしますとか、あるいは現在ございますような何等級という階層について改善を加える必要は私もおっしゃるとおりだと思っております。ただ、その場合に税務一筋に進んでまいりまして、その経験年数だけでそれに相応の職階的な俸給表をつくるのがよろしいのか、やはり税務としましては、一つの組織体でございますから、ポジションと申しますか、ポストというものを想定しながら、それにふさわしい報酬というものを考えていくのがよろしいかということだと思います。で、最近はかなりおっしゃいますように、従来のような組織体的な意識というのを専門職的な分類に分けてまいりまして、相当そういう色彩でもってポストを与えていただき、それにふさわしい報酬をいただくというようなことが実行されておりますけれども、やはり全体的に、それでは一つの税務調査官というもので一本のたとえば俸給表をつくりまして、その経験年数なり能力に応じて一つの職階制をつくるということも、おっしゃいますように一つの大きな解決策であろうと思いますが、やはり他の職種との関係から言いますと、私どもはいまの専門職的な要素をかみ合わせながら、そしていまの全体の行政職の俸給表の大きなものの考え方との間に整合性を見ながら、おっしゃいますような方向を取り入れていくのが、まあ一番アプローチとしましては実現可能なものではないかというふうに考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 いま言われた他の分野との整合性という問題、これは私無視していいものだとは毛頭思いません。ただ、行政職の俸給表に対して特別に税務職の俸給表というものが決まってきた経過を考えると、当初は税務手当という形で、職務の態様に応じて、外に出る場合が多いでしょうということも含めて手当がついておったわけですけれども、これを税務職の俸給表の中に組み入れてきたという経緯は、いわば職務の質の違いということに着目をしながら、まとめて見ていこうということだったろうと思うんです。その意味で、ほかとの整合性は無視はできませんけれども、質としての特異性、特殊性ということも、これはそれはそれでやはり強調されなければいけないんじゃないか。そこで昨年から、昨年以前からですが、特に昨年も含めて改善の跡は見られるわけですけれども、整合性もさることながら、非常に特殊な、特殊なというのは限界的に変わったと言っているわけではございません、類似の他の行政領域が余りないという意味で特殊と申し上げているのでありまして、その意味で、そこで何年間の経験も持ち——経験という客観的な条件だけでもちろん資格を与えることはできませんけれども、そういったことも踏まえながら、その税務職の職務の実態に合った、質の実態に合った俸給の見方、格づけの仕方ということをやはり鋭意努力をすべきではないか、重ねての御質問になりますが、お伺いします。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) いまの栗林委員の御示唆は非常に私どもの職場について温かい御配慮をいただいておるものと思って、なお検討を私どもしなけりゃならぬと思います。ただそのときに、私どもとしましてもう一つ考えなければなりませんことは、先ほどちょっとお話のございましたような税務特別手当的な考えといいますのは、いわば私どもの税務の職場におります者の中で、また特別の仕事を取り出しまして、そういう者について特別の配慮をするという考えには非常になじみやすいんでございますけれども、それはそれとして、また私どもとすれば、同じ国税の賦課徴収の任に当たっておる税務職員一体としますと、またむずかしい問題が実は出てまいるわけでございます。先ほど御示唆になりましたような案も、実はそこのところはちょっと解決しがたい問題でございまして、国税庁全体としまして私の考えを申し上げますならば、やはり税務の職場に勤めておる一般行政職の人というものについては、人事の交流もございますし、仕事の転換もございますから、同じような俸給、ものの考え方をしていただきたいということも実は基本にございますので、その点とのかみ合わせもなお今後研究しなければならない難問をはらんでおるなということもちょっと考えるわけであります。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 これはいまのお答えの点に触れまして、大変むずかしいことですから、御所見を伺えれば私は満足しますけれども、国税庁の中を見ますと、行政職の俸給表の人と税務職の俸給表の人と両方がポストによってはまじっているという御趣旨かと思っていま伺っていたんですけれども、仮にたとえばある職以上は管理職という形で、税務職の俸給表の対象にならない、その人が管理の立場という意味では相当高いところにお立ちになっている、その下にいわば税務職俸給表の相当高いところの人が来るわけだけれども、天井を上げていきますと、自分の部下の方が給料が高くなってしまうんじゃないかという悩みも一面あるのかなと思って伺いながら、そこでお尋ねするわけですけれども、その従来のわれわれの経験、感覚ですと、異様な質問に聞こえるかもしれませんけれども、これからはあえてそういった領域にわれわれは入っていかなければいかぬのじゃないかということでお尋ねするのは、管理の仕事、これはやっぱり上下の関係があると思うのです。管理の仕事と専門職の仕事というのは、おのずから異質なわけです。管理的な上下関係が俸給の面でもやっぱり上下の序列がつかなければいかぬ、そういうことではないんじゃないか、職務が違うわけですから、管理の組織の面での上下があっても、下の方に有能なプロの人がもっと高い給料をもらっていても構わぬのじゃないか、その人がやめて管理行政職に移ったら、賃金は下がるかもしれない、それもなお結構ではないかというところまで踏み切っていかないと、この問題なかなか解けないのではないか、なおかつ踏み切る必要があるのではないかという意見も含めて申し上げておきます。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) 管理の仕事をしておる者と実際の第一線の税務の仕事をしておる者との関係でございますが、先ほど私が申し上げましたのは、税務全体といたしますと、実はたとえば税務署で申しますと、もう管理の仕事をしておる人間も現実に個別事案を担当するものでございまするから、一律に税務の俸給表が適用になっておるわけでございますし、ごく一部国税局なり国税庁に参りますと、本当の管理という意味において税務職の俸給表の適用のない者がごくわずかあるというのが実態でございます。したがいまして私どもとすれば、やはり税務全体とすれば、国税庁なり国税局のごく一部の本来の管理職を除きますれば、みんなやはり同じ税務の仕事をやっておるという意味において、管理の人もそれから第一線のそういう担当しておる人も、税務職という特別の俸給のものの考え方で一律に律してもらうのが、私どもとすれば一番理想なのでございまして、いま御示唆になりましたように、管理の職についた者の俸給表というものが異質のものであるということは、実は私どもとすれば、従来からそれはそうでないということに、できるだけそういうふうにお願いをしてきたわけでございますし、また私自身もそういうことがやはり税務全体の職場という意味から申しますれば、——特殊な人は例外としまして、望ましいのだというふうに考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 では見方を変えてもう一つお尋ねしたいのは、よくこれも聞く話ですけれども、等級で定数の枠がございまして、なかなか上位等級にそう何人もするわけにいかぬというお話を伺うわけですが、これもほかの部門との整合性云々を考えますと、また無視できない要素なんですが、ただ上位等級定数枠を決める場合には、大体おおむね前提として、こんなぐあいの職員構成で云々しかじかというのが前提にあると思う。  で、現在御承知のように国税職員の場合は、繰り返しませんけれども、かねがね指摘されている点ですが、約半分近くが四十歳以上で大きなだんごになっている。二十五年経験以上の方々が大変な数に上る。そこの中で、これまで苦労してきたのにというものをどういった形で示してもらえるのかという期待感も当然働いている方々にあるわけですけれども、そこで上位等級定数枠が障害となって立ちはだかるわけですけれどもね。で、本来なら、これしかないんだから、あなたはほかの仕事についていただいた方が将来が開けるかもしれませんと言うのが、一番公正な管理者の態度だと思うんです。それしかないわけですからね。ところがいまその人たちにどうぞと言ったら、徴税業務がストップしてしまう、現実には徴税業務はそのベテランの人たちに依存しながら、こちらの方はいわゆる一般的な職員構成に見合った定数枠で動かしている、非常に奇異な感じがするわけです。だから現状に照らして、これは過渡的にふやすのか、どうしても枠がないと言うんなら、こちらの人をもっと満々たる広場に出してあげるのか、どちらかの道を選択してあげないと、苦労するだけで報いの道が可能性が乏しいというふうにも当然なってくるんじゃないかと思うのですが、その意味でこの上位等級定数枠について今後どういう形でお取り組みになるのか伺いたいと思います。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) その点は年々予算要求、機構改革の要求をいたします場合に、われわれとしても苦労しておるわけでございまして、先ほど申しましたようないまの俸給表の基盤になりますものの考え方に沿いながら、しかもおっしゃいますように長年、またある時期に大量にこの仕事に入ってきた人についてそれぞれに合った処遇をするためにどういう方法がいいかということでございます。そこで、私どもはこういう一時期に非常に多いある年齢層の人たちについてかなり数多くのポスト、しかもそれは専門官的なポストという形でもって流動性を持たしながら、ある程度の数を確保しながら、しかもそれにふさわしいいわば特三等級以上の俸給表を適用するという道を選んでまいったわけでございます。それで、それにつきましても、人事院なり、あるいは主計局なりの関係当局の方でもかなりそういったわれわれの仕事の特殊性と職員構成の特殊性というものを認識していただきまして、まあ特三等級以上の定数が全体の職員の中に占める率でございますとか、ある程度の年齢者の中でいわゆるポストについておる割合でございますとかというものにつきましては、他の職種に比べますと相当配慮をしてもらっておりまするので、まだまだこれで十分とはまいりませんけれども、そういう配慮のもとに、これまで長い間そういう仕事に従事してくれた人たち、しかも相当一時期非常にこの問題を解決しなければならないという需要に対処してまいりたいというふうに考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 ではその問題も含めて時間の関係で広くお伺いできませんけれども、問題の所在は改めて申し上げるまでもないと思いますので、いま少数精鋭でこなしている姿でございますから、恐らくある日には少数精鋭ではなくてもっと数をふやしながらたくさんの人たちで同じ仕事をこなすようになるのかもしれません。たまたま少数精鋭でやっているから従来の費用でもいいんだ、従来の枠でもということではないと思いますし、そこに費用をつぎ込んだからといってそう大きな額でもないと思います。その税務の仕事の特殊性と、これまでの歴史的な経過で、もちろんほかとの兼ね合いも無視はできませんけれども、ぜひ関係各方面と御協議を重ねられながら鋭意御努力をお願いしたいと思います。  それでは時間がありませんので、あと一つだけお尋ねをしたいと思いますけれども、これは自動車関係諸税の引き上げについて、これを選んだ理由として一般的な増税を行うのにはそぐわないので、選択的な増税としてこれを考えましたという御説明があったと思うのですが、そこで一般的な増税と選択的な増税という言葉をどういうぐあいにお使いになっているのか伺いたいと思います。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) これはもちろん法律的な用語ではございませんし、また税制上も特に定義があるような用語でもございません。その意味では必ずしも概念がはっきりしていると申せないわけでございますが、御説明に際しましてそういう言葉を使われました気持ちといたしましては、やはりたとえば所得税なり法人税のように非常に一般的な担税力を指標にして組み立てられている税、それを増税するなり減税するということを一般的増税あるいは一般的減税というふうに考えまして、それ以外のものをいわば選択的な増税というふうに使われていると私は思います。その意味では、自動車関係諸税の今回の引き上げの対象になっております自動車重量税も、揮発油税、地方道路税も、いわば自動車を持っておられるということとか、あるいは車の燃料を使われるという一つの特殊な条件を持った上でのいわば補充的な担税力というものを考えてでき上がっているシステムと申せるかと思いますので、そのような税目についての増税は、私申し上げた意味の一般的増税というものと対比したという意味で選択的増税という言葉が使われる、そういう経緯であるというふうに私理解しております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 そうすると、いま言われた一般的な担税力という言葉をもう少し具体的にかみ砕きますと、結局数ということですか。一般的というのはそれだけたくさんの人が納税対象になっているということになりますと、一般的な担税力を調べなければならない、その意味で納税者の数が一つの目安になるんだろうかと思いますが、そうなのかどうか。また、そうじゃないとすると、一般的なというのは大変わかるようでわからないのですが、どういうことでしょうか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) それは必ずしも納税者の数ではないんだろうと思います。つまり所得があるところに担税力があると考えるという意味で非常に一般的であり特殊な条件が付されていないということであろうかと思います。たとえば日本のいまの税制にはございませんけれども、たとえばドイツのような一般的に財産税というものを持っている場合には、恐らくそれも一般的増税というふうに考えるかもしれませんし、一般消費税というものを持っておれば、それも一般増税というふうに考えるかもしれない。税ではございませんが、たばこの定価値上げというのはこれは経済的には税である。その場合にたばこを吸っておられる方の数というのは非常に多いわけですが、これは言葉の使い方としてはいま申し上げておる意味ではやっぱり一般増税と言わなくて、たばこを吸っておられる方という特殊な条件のもとでの担税力の推定という意味ではやはり選択的増税というふうに言葉を使うことになるのではないか。どうも数が決め手ではないようだなと私は思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 どうもわかったようなわからないような気がするのですが、それじゃ担税力の面で伺うのですが、この選択的増税の場合でも、担税力は検討の対象にはなるはずだと思うのですが、そこで今回の自動車関係諸税の場合に、担税力の面ではどういう検討をなさったのでしょうか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 今回、先ほど来申し上げております一般的増税はやるべき時期ではなかろう、さりとて一般的減税もできない、しかし、できるだけ特例債の発行額を少なくし、公債依存度を少なくするためには、現行のシステムの中でもう少し負担していただいてもいい部分を探してやっていきたいというのが基本でございまして、その意味ではたまたま前回の暫定増税の期限が到来してきましたこの自動車重量税と揮発油税、地方道路税が取り上げられた。しかも、それは個別消費税の中では一種の調整的な負担増加をお願いしてもいいと思われる項目としても、酒、たばこはもうやったばかりであるので、自動車関係しか、まあ言葉は悪いかもしれませんが、対象としては残っていない感じもある。そこで、担税力の推定といたしましては、これはもちろん物理的に客観的な指標があるわけではございませんけれども、やはり国際的な比較でございますとか、それからこれはたまたま道路財源に用いられておりますので、そちらの受益者負担としての考え方というものをかみ合わせまして、この機会に今回の案に入っておりました二割五分程度の負担の増加というものはお願いしても、なお増税後でも国際的に見て自動車をお持ちになっておる方の負担としては決して非常に高いということにはならない、これぐらいは負担していただけるだろうという考え方で御提案したわけでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 もう時間ですから重ねません。重ねませんが、いまの御説明はかくかくで必要ですからという面のあれが多かったのですが、私が伺いたかったのは、言葉の意味は別として選択的ということで仮にいま言われた解釈を受けるとしても、その選択的な増税を考える場合に、選択的な対象に対する担税力というのは相当重視をしなければいけないのではないかという御認識の質問と、それをはかる場合に何ではかりますか、国際的な比較というのはこれは担税力をはかる手だてにはなかなかむずかしいはずだと思うんですけれども、その点だけ重ねて伺って、時間がありませんから、今回は終わります。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) まあ繰り返しになって恐縮でございますが、絶対的な指標があるという性格のものではないと思います。思いますので、やはりいま御指摘がございましたけれども、国際的に見てどうだろうかというのは一つのチェックポイントではなかろうか。もう一つのチェックポイントは、両者とも一種の定額税ないしは重量税でございますので、前回の改定以後の物価なり所得の動きというものももう一つのチェックポイントであろう、そう考えます。

鳩山威一郎自由民主党

○鳩山威一郎君 議事進行に関して。

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 速記起こして。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 前回の質問で国税当局にお答えをいただいたときに、いままでのロッキードがらみの税務上の疑惑調査で、政治家ないしは政府高官なども調査対象としたかというようなことをお聞きしましたところ、まだその段階ではないというお答えがありまして、ところが、数日前の朝刊にでかでかと出ていたもんで驚いたんですが、もうすでに国税当局は政治家をかなり調べているんだというような記事出まして、どっちが本当かそれはまあ別としまして、その後情勢が少しは変化したのかと思ったんですが、いかがなものでしょうか。いまだに国税当局は政治家その他政府高官などに対しては何の調査もまだしていない段階なのか、もう一度。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) いま御指摘の点は、去る日曜日にある新聞の記事として載ったことだと思いますが、私も実はあの記事を見て驚きました。この今回のいわゆるロッキード事件に関しましてあそこに書かれておるようなことは全然ございません。恐らくあそこに出ておりましたことで類推できますことは、毎年毎年三月十五日に確定申告をお出しいただきましたその後で、そろそろいまごろから事後調査に入るわけでございます。そのときにいろいろな資料をもとにいたしまして、もちろんこれは政治家の方々に限りません。先ほどお答えしましたような事業所得者というような方々も含めまして事後調査にそろそろ入る段階でございまするから、そういうものを何かあたかもロッキード事件と関連づけて書いた記事ではないかなというふうに思います。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 そうしますと、特別、ロッキード事件と関係はなくても、事後調査に入った段階で、ある程度調査対象にするような根拠が出てきた。そういう意味では何人かの政治家の先生方に対して普通の例年やっているような調査は行われているということでいいんですか。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) これは毎年恐らくある程度の数の方についていろんな資料が集まりますから、そういう資料につきまして申告の内容上違っておるときには説明を求めましたり是正を求めたりすることはやっておるわけでございます。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 そうしますと、今度は児玉譽士夫含めていままで何人ぐらいやりましたか。何回もこれはお聞きしていることですけれども。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) 昭和五十年分の確定申告につきまして事後調査というものをどれくらいやったかということは実は私まだ調査いたしておりません。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 失礼しました。ロッキード問題に関して国税当局が税務調査いろいろしたのは、児玉譽士夫含めて何人ぐらいかということをお聞きしたんです。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) ちょっと正確な数は覚えておりませんけれども、まずは児玉譽士夫本人につきましては昭和四十五年、六年、七年につきまして更正処分をいたしました。それから昭和四十七年分につきましては東京地検に所得税法違反事件として告発をいたしました。それからその児玉譽士夫の周辺の人たちにつきまして若干の調査をして若干の是正措置をしたというふうな記憶がございますが、ちょっとその正確な数は覚えておりません。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 大蔵大臣、さっきぼくが夕刊を見てましたら、稲葉法務大臣がもういままで百三十人ぐらい調べたんだそうです。それだけ数調べているんだから、小物ばかりじゃないということをはっきり言われたようですが、そういう言い方でいいと思うんですが、国税当局は全く、じゃ、政治家や政府高官は調べていないというふうに判断していいですか、いまの段階で、大蔵大臣。

中橋敬次郎国税庁長官

○政府委員(中橋敬次郎君) いまおっしゃいましたのはいわば刑法に関します捜査について検察当局が調査をした人の数についての記事を指して言っておられるんだろうと思います。税務当局につきましてはまだ実はそこまで入っておりませんで、私どもはこれは当委員会においてもお答えいたしましたと思いますけれども、日米両司法当局間の例の取り決めによりますと、あの資料といいますのは、刑事捜査手続で必要なものを開示されるわけでございまするから、私どもの方も地検に対しましてはいわばそれに準ずるものとして、所得税なら所得税の脱税事件としまして国税犯則取締法の調査を要しますものについての開示を求めておるわけでございます。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 まあこの問題は余りこだわってもはっきりしたことを言っていただけるわけもないんで、大蔵大臣にお伺いしますが、先ほど栗林委員の質問の中にもありましたが、増税の問題ですが、やはり国の財政を見たり、あるいは今後の経済の回復の度合いなどをいろいろ考えても、どう考えてもやはり増税はもう必要だと思うんですね。で、大蔵省の方はやはり先ほどの答えの中でも一般的増税とか、選択的増税とか、去年の委員会から使われている言葉で、何となく消極的といいますか、この増税をタブーに考えているような、ちょっと逃げ腰のところがありまして、事実それは現状から見てはやむを得ないと思いますが、しかし大蔵大臣、これかなりの税収を期待できるような増税を考えないことには、やはり傷が深くなると思うんです。で、赤字国債から脱却するためにも、経済の回復も期待できるかもしれませんが、やはり増税というのはぼくは非常に大事なことだと思いまして、ただむやみに増税というわけにもいきませんが、かなりな増税を期待できる増税を一両年中にやらざるを得ないんだというふうに、そんな気がするんですが、大臣、率直なところどうお考えでしょうか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま政府がもくろんでおりまする経済計画というものを五十年代の経済計画、この間、閣議で決めましたけれども、そういうものを一方において実行してまいりたい。社会保障について一七%程度毎年毎年ふやしていくというようなことを考えていくということが、その経済計画には載っておりますけれども、そういう政府のもくろみを実現してまいる上から申しますと、どうしても野末さんおっしゃるように、中央において二%程度、地方において一%程度の増収を図らなければならない、社会保険料について一・五%の引き上げを考えなければならぬという計算になるわけでございます。だけれども、これを端的に増税に期待するかどうかというようなことは、あなたがいみじくもおっしゃったように、これから経済がどのような回復ぶりになりますか、どれだけ自然増収で期待できますか等もありますので、また一般に国民の負担にかかわることでございますので、大蔵省といたしましては税制調査会、その他各方面の意見を十分御聴取して決めにゃいかぬことでございますので、ここでどの税目についてどのぐらい増税をどの年度で考えにゃいかぬとか、どういう税目を新しくいつ起こさなければならぬとか、そういうふうなことはまだ申し上げるような用意がないわけでございますが、いずれにいたしましても、財政収支試算というようなものを一つの手がかりといたしまして、五十年代の前半にはこのようないわば特例債に依存するような財政状況から早く脱却したいと。そしてしかも、政府のもくろんでおるもろもろの仕事は計画どおり実行したいということのために努力を、という目的のために、そういうことを目標といたしまして財政運営を真剣にやらなければならぬと考えておりますということが、両院を通じて政府が申し上げておるところでございます。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 まあそうですね。具体的な増税案などがまだいまこの段階で出るわけでもないと思います。ただしかし、いまの段階ではっきり言えることは、増税を考える前に、あるいはそれを決める前に当然しておかなければならないこととして、国民の間に非常にやや感情的な面もあるとは思いますけれども、税に対する不公平感ですね、これをやっぱりかなりこれも大担に、何といいますか、是正していくということは、これははっきり打ち出していかないと、それなくしてはいかなる増税案も国民の納得は得られない。これもう常識だと思うんですよ。これについては大臣全く御異議はありませんね。そうですね。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおりです。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 そこで、総理府の調査などで、ロッキード事件の起こる前の調査ですけれども、見てみますと、社会的不公平感というのが二つ大きなものがありまして、貧富の差と税の不公平だということなんですね。この税の不公平について言いますと、三十代がトップなんですね、こういう不公平感持っているのは。四十代、五十代がこれに次いでいるということなんで、これはただ何となく感じで税金高い、不公平だということではなくて、もっと生活いわゆる現実から体で感じるような非常に厳しい国民の税に対する意見だと、そういうふうに思うんです。  で、そこでこの税の不公平、具体的に聞いてみますと幾つもありますが、お医者さんの課税の特例にしろ、それから株などでもうける不労所得といいますか、勤労しないでもうける所得に対する課税の問題とか、あるいは利子、配当とかいろいろあるんですがね、そういうのをひっくるめまして、やはり具体的に一つ一つこれはいつまでに是正する、これはこの方向でというのを早く出さないと、いつも毎年やりますというようなことを言ってなかなか具体的になってこないですね。租税特別措置などもかなりことしは思い切ってやったというものの、額から言っても、それから数から言ってもそれほどじゃないと。どうも不公平感をそんなに是正したとは思えないわけですよ。  そこで、一つ一つ具体的に聞いていこうと思うんですが、特に最近はサラリーマンが納税者としては多いですから、一つだけお聞きしたいんですが、これは私の案ですが、サラリーマンの不公平感は、やはり自分のところは捕捉率が一〇〇%であるということと、それから源泉徴収でもう持っていかれちゃっているんだというようなことだと思うんですね。それがかなりサラリーマンの不公平感の裏づけになっているんじゃないかという気がしまして、そこで捕捉率の点は後でしますが、源泉徴収の問題ですが、事務的にはこの方が一番いいのかもしれませんが、やはりここまできた以上は源泉かそれとも申告するかどちらかを選べるという二本建ての選択制に踏み切らないと、現実にこれ踏み切ってもそんなに申告する人いないんじゃないかという気もするんですね、めんどうだし。ですけれども、制度としては選択してもいいんだと。一方的にですな、君たちの税金は月給袋から引いちゃうんだというようなことはなくすべきだと、そういうふうに私は考えているんで、大蔵大臣のお考えを聞きたいんですが、来年あたりからサラリーマンも申告制にして、どちらを選択してもいいんだというふうに、そういうわけにいきませんか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 御提案の内容がいろいろあるんだと思いますけれども、一つは、毎月の源泉徴収そのものを選択制にする、これは率直に申し上げてなかなかできないと思います、制度といたしましては、それは給与所得以外の源泉徴収でも。源泉徴収されるかされないかを選択制にするということはこれはできないと思いますので、恐そらく御提案の御趣旨は、源泉徴収は残るなら残っていても、一番最後のところを年末調整で終わってしまうか、年末調整でなしに申告制にするか、そこを選択制にしたらどうかということになるのかもしれません。これは年末調整で終わってしまうというのは、実はほかの所得が全くない方のケースでございまして、ほかの所得があればやっていただきますし、それから年間収入が一千万超していればやっていただくというのが現行制度でございます。したがって、年間収入が一千万円台に満たない方で、しかもほかの所得がないという方に、なおかつ申告という方に持ってきていただいた方がいいのか悪いのか。おっしゃいますように、そういうことにしてみたって、現実に税務署に来る人はほとんどいないだろうということなのかもしれませんけれども、やはり基本的な制度としてそこまでいけるのかどうかというのは、私としては、申しわけありませんが、かなり消極的に思いますけれども、しかしせっかくの御提案でございますから、なお時間をかけて勉強いたすことにいたします。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 いまのお答えだけでなくて、職業によってはサラリーマンでも必要経費を非常にこだわる職種がありますね。それについて特に配慮がほしいということなんで、要するに概算控除でもっておさまる職種と、それからどうもあれじゃおかしいんだという層が事実あるわけです。ですから、いまのお答えに必要経費を申告制にするというその辺のことも含めてお聞きしたいんですが。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) その点先にお答えすべきであったかもしれません。申しわけありません。必要経費について概算控除のほかに選択制度を入れてもいいではないか、特に概算控除である給与所得制度がここまで大きくなってくれば、まあ選択制にしてもどうしても、選択して月額を申告する方はそんなにいらっしやらないだろうというのが御趣旨だと思うんです。ただ、これも非常に長年の難問でございまして、そもそも必要経費とは具体的に何であるかと、給与所得の場合の必要経費とは何であろうかということにつきまして、率直に申し上げて確たる結論がいま出ていないと私は思います。そのままの状態で給与所得の必要経費について実額控除制を導入するということは、それなりに、どこかに使われた言葉でございますが、樽爼折衝の能力の高い方が得をして、そうでない方は余り得はできないという逆の意味での不公平も起こり得るし、やはり給与所得については概算控除がある程度以上の水準で、まさしく申し上げたように、恐らく百人に一人も千人に一人もそれでは不満だとおっしゃることがないような水準に持っていくことの方が現実的にベターではないかという考え方で、従来からの制度はでき上がっていると私は理解いたしております。ただまあ、本当に具体的にときどき例が出ますのは、学者の方ですとか、そういう方で必要経費は、いまの給与所得控除では足りないというふうにおっしゃる方がいらっしゃることも私承知しております。やはりそういう特殊なケースについて、もう少し現実的にどういうものを必要経費として考えておられるのか、それを国税庁も入れて議論を積み重ねてみたい。その上で結論を出さないと、ちょっとシステムばかりが先行するわけにもいかないかなというのが、いまの私の率直な気持ちでございます。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 制度として議論をしていると、いまの局長のお答えになったような点が出てくると思うんですけれども、何しろこれはやはりかなり感情的なところもありますから、ですから余り理屈ばかりではどうかなとも思うんですよ、実額控除の導入について。それで、それからいま折衝のうまい人は結局得して、そうでない人は損して逆の不公平がということ、これはもう現にいまでも確定申告のときはあるわけですから、それが消極的になる理由というのもおかしいとは思ったりしまして、まあいずれにしてもむづかしいのはわかりますが、不公平感をぬぐうというのは、あくまでこれは制度の問題というよりも、感というその辺が大蔵省から言わせれば邪道かもしれませんけれども、これ無視していいかどうか、この辺のことを常に考えているわけです。  もう時間もないんですが、もう一つお聞きしたいのは、これももうここ数年来この委員会で私もしたんですけれども、やはり株式などのもうけというのは、技術的に把握がむずかしいという理由で、結局は延び延びになっているわけです。しかし、それがそういう株のもうけが非課税になっているというような、そういう特例があることによるマイナス、デメリットというのも、これはもうかなり大きいわけですね。ですから、もう技術的にむずかしいんだということで消極的になる、あるいは手をつけないという時代はもうとっくに過ぎているわけですから、技術的にむずかしいのは、完璧に把握することは、こういう税の問題できないと思うんです。そこで、姿勢としてあるいは今後の是正の方向として、やはりいまの五十回でしたか、ああいうことでなくて、やはり原則としては課税なんだということでいいんじゃないでしょうか。特に抜け道が多いですね、あれ。逆に今度は何のために株の利益を非課税にしているかという理由がこれがはっきりしないですね、あの所得税法の何だかいろいろ読んでみましたら。だから結局はプラス面というのは、もういまやこれには余りないようで、むしろ抜け道ばかりが目立って、またそれを悪用する人が多くて、それがひいては国民の納税者の不公平感を助長をしている、こういうふうに思うんです。これについてもお答えを願いたいですが。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○政府委員(大倉眞隆君) 先ほど大臣からも申し上げましたように、一般的に不公平であると言われている税制について見直しをし、直していくということは、どうしても必要な段階であると私どもも考えております。ただ問題は、本当に不公平であるかどうかということの吟味が十分なされるということであろうとは思いますが、その中でただいまの御質問のキャピタルゲイン、特に株式のキャピタルゲインの課税につきましては、当委員会で、先日鈴木委員からも御質問をいただきまして、やはり私として、いまの五十回二十万株というやり方が、そのままでいいとはどうも思えない。何とかもう少しこれを課税強化の方向で具体的に考えられないかということを勉強をいたすつもりでおりますということを申し上げまして、その場合、努力目標といたしましては、できることならばことしの暮れまでに一応の結論を出してみたいと思っておりますが、ただ長年の経緯ございますし、非常に複雑な問題でございます。また同時に全然別の角度から個人株主を大いに育てるというふうな、全然別の方から雲行きが出てきておりますし、それらをかみ合わせながらできることならば、ことしの暮れまでに、とにかく課税強化の方向に一歩でも前進するような結論を出してみたいというふうに私としては考えております。

野末陳平各派に属しない議員

○野末陳平君 もう時間がなくなりましたけれども、最後に大臣に。例の毎年言うんでもうあきちゃうんですが、お医者さんの、社会保険診療報酬の課税の特例ですけれど、あれ毎年やるやるで、結局あなた任せみたいな、保険診療の方が解決しなきゃこっちはできないと言うんで、これはいつまでも続けて、もういらいらしちゃうんですが、そういう答えでなくてやっぱりもうやると、いつまでにはやるからということをこの際言わないと、あるいは増税を考えれば一番これがんになると思うんです。別にぼくは増税勧めているわけじゃありませんけれども、やはりこれはもう余りにも税調の答申も出たりなんかして、もう世論もこれについては一番神経質になっているわけです。ですからもう大臣ここで一言、今度は必ずやるから期待していろというようなことを言っていただければうれしいんですがね、どうですか。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) この問題につきましては、仰せのとおり課税の不公正是正の問題の大きなアイテムとして取り上げられてきた問題でございまするし、税制調査会におきましても具体的な提案がなされてまいっておるわけでございます。そこで政府与党でも取り上げ方を決めてまいったところでございますけれども、ことし社会保険診療の若干改定することにいたしましたことを契機に、もう一度検討をいたしまして、四月二日に閣議で、御案内かと思いますけれども、こういう決定をいたしたわけでございます。「社会保険診療報酬課税の特例措置については、昭和五十年度税制改正の要綱においてその取扱いを閣議決定」、これは五十年一月二十四日でございましたが、「閣議決定したところであるが、医療問題全般とのかかわりの重要性、複雑性にかんがみ、厚生大臣のもとで医療問題に関する専門的学識経験者の意見を体系的に聴取するための具体的措置をとり、その検討をも踏まえたうえ適切な措置を講ずるものとする。」と、こういう決定にいたしたわけでございます。これというのは、医療関係者の御協力も得なければなりませんし、この問題は医療問題全体、医療経済全体にかかわる問題でもございますので、もっと掘り下げて勉強さしていただきたいと、その上取り上げるにやぶさかでないということで、関係者の意見がともかくも一致してまいりましたので、大変迂遠なようでございますけれども、こういう決定をいたしまして、これを手がかりといたしまして、さっそく検討に取りかかることにいたしたわけでございます。  しからばこんなことをしておいて、いつまでにそれではまとめるつもりかということでございますが、ある程度の時間は必要だと、少なくとも一年以上はかかるのではないかというのが厚生当局の見解でもございます。手っ取り早い結論を期待するわけにはいかぬと思いますけれども、できるだけ早く結論を求めるように努力はいたしたいと考えておりまして、大変おくれまして恐縮でございますけれども、こういう経緯のある問題で、むずかしい問題でございまして、われわれといたしましては精いっぱい努力をいたしまして、一応こんなところで打開の道を発見いたしつつあるわけでございますので、御理解と御協力を賜われば幸せと存じます。

鳩山威一郎自由民主党

○鳩山威一郎君 先ほどの渡辺武委員の発言中不穏当な個所がございましたならば、委員長においてお調べを願って適当な御処置を願いたいと思います。

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 承知いたしました。速記録を調査の上、もしそういう事実がございましたならば、委員長において適当に処理いたします。  本日の質疑はこの程度とします。     —————————————

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 次に、昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大平大蔵大臣。

大平正芳自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(大平正芳君) ただいま、議題となりました昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  昭和五十一年度の予算編成に当たりましては、現下の情勢を踏まえ、国民生活と経済の安定及び国民福祉の充実に配意しつつ、景気の着実な回復と雇用の安定を図るとともに、財政体質の改善合理化を進めることを主眼としたところであります。  ところで、昭和五十一年度においては、五十年度に引き続き、租税収入に多くを期待することができない状況でありますが、他方、現下の経済情勢からすれば、大幅な歳出の削減や、一般的な増税を行うことも避けるべき時期と考えられるところであります。政府といたしましては、極力財政体質の改善合理化に努めたところではありますが、本年度において適正な行財政水準を維持してまいるためには、なお、昭和五十一年度の特例措置として、財政法第四条第一項ただし書の規定による公債の発行のほかに、特例公債の発行によらざるを得ない状況にあると考えられます。  このため、同年度の特例措置として、昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律案を提出する次第であります。  しかしながら、このことはあくまでも特例的な措置でありまして、速やかに特例公債に依存しない財政に復帰することが財政運営の要諦であることは申すまでもないことであります。政府としては、財政の正常化をできる限り速やかに実現するよう努力を傾けてまいる決意であります。  以下、この法律案の内容について御説明申し上げます。  まず、昭和五十一年度の一般会計歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、特例公債を発行することができることといたしております。  次に、租税収入の実績等に従って、特例公債の発行額の調整を図るため、この法律に基づく公債の発行は、昭和五十一年度の出納整理期限である昭和五十二年五月三十一日までの間、行うことができることとし、あわせて、この期間に発行する特例公債に係る収入は、昭和五十一年度所属の歳入とすることといたしております。  また、この法律の規定に基づき、特例公債の発行限度額について国会の議決を経ようとするときは、その償還の計画を国会に提出しなければならないことといたしております。  なお、この法律に基づいて発行される公債については、償還のための起債は行わないものとしております。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますよう御願い申し上げます。

岩動道行自由民主党

○委員長(岩動道行君) 本案に対する質疑は、これを後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十六分散会      —————・—————

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