大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1976/02/17
会議録
○委員長(岩動道行君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 本日、桧垣徳太郎君、藤田正明君、青木一男君、山崎五郎君が委員を辞任され、その補欠として安孫子藤吉君、井上吉夫君、初村滝一郎君、佐多宗二君が選任されました。 —————————————
○委員長(岩動道行君) この際、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。 先般、当委員会が行いました租税及び金融等に関する実情調査のための委員派遣については、中国班、関西班及び九州班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩動道行君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(岩動道行君) 昭和五十年度の稲作転換奨励補助金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を議題といたします。 まず、衆議院大蔵委員長代理理事山下元利君から趣旨説明を聴取いたします。山下元利君。
○衆議院議員(山下元利君) ただいま議題となりました昭和五十年度の稲作転換奨励補助金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。 この法律案は、去る二月十日衆議院大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出いたしたものであります。 御承知のとおり、政府は、昭和五十年度におきまして稲作転換対策推進のために、稲作の転換を行う者等に対して、奨励補助金または協力特別交付金を交付することといたしておりますが、本案は、これらの補助金等に係る所得税及び法人税について、その負担の軽減を図るため、おおむね次のような特例措置を講じようとするものであります。 すなわち、同補助金等のうち個人が交付を受けるものについては、これを一時所得とみなすとともに、農業生産法人が交付を受けるものについては、交付を受けた後二年以内に固定資産の取得または改良に充てた場合には、圧縮記帳の特例を認めることといたしております。 したがいまして、個人の場合は、その所得の計算に当たり、五十万円までの特別控除が認められ、これを超える部分の金額につきましても、その半額が課税対象から除かれることになります。また、法人の場合には、取得した固定資産の帳簿価額から、その取得に充てた補助金等の額を減額することにより、その減額分が損金と認められ、補助金等を受けたことに伴い直ちに課税関係が発生しないことになるのであります。 なお、本案による国税の減収額は、昭和五十年度において約三億円と見積もられるのでありまして、衆議院大蔵委員会におきましては、本案の提案を決定するに際しまして、政府の意見を求めましたところ、大平大蔵大臣より稲作転換対策の必要性に顧み、あえて反対しない旨の意見が開陳されました。 以上が、この法律案の提案の趣旨とその概要であります。何とぞ速やかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(岩動道行君) それではこれより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○戸田菊雄君 両大臣がおりませんから、具体的内容についてずばり入っていきますので、どうか事務当局の方から回答願いたいと思います。 一つは、今回のこの補助金等のうち個人が交付を受ける次の内容についてお知らせを願いたいと思うんです。 その一つは、交付対象農家戸数と耕作面積、これはどのくらいあるのか。 それからもう一つは、一俵当たり、六十キロでございますね、補助金はどのくらいやるのか。総トータルで何万俵、総額において幾ら。減収総額はいま三億円という説明がありましたけれども、これは内訳でもって麦と飼料用と区別されているようでありまするから、そういう面を区分けをして、減収総額についてひとつ説明をしていただきたいと思います。 それからもう一つは、農業生産法人、この場合はいまの内容でどういうことになっておるのか。この二通りをひとつ説明していただきたい。
○政府委員(澤邊守君) 五十年度の稲作転換に伴います奨励金の対象数量でございますが、稲作転換の五十年度の実績は、私どもでは百万一千トンの実績と見ております。したがいまして、これに対しまする奨励金並びに協力特別交付金について特別の措置が講ぜられるということになるわけでございます。作物を見ますと、飼料作物、野菜、大豆、果樹等が大きいわけでございまして、面積で見まして転作面積は二十四万八千ヘクタールでございます。そのうちで主要なものだけを申し上げてみますと、飼料作物が五万六千ヘクタール、野菜が五万四千ヘクタール、大豆その他の豆類を含めまして三万五千ヘクタール、永年性作物が、これは果樹が主でございますが、三万ヘクタール、それから植林関係が二万ヘクタール、これらが主要なものでございますが、その他、特に作物を限定しておりませんので、作物の種類は、その他細かいものはずいぶんたくさんございます。 それから戸数でございますが、転作の戸数は、百二十四万戸でございます。 それから生産法人についてのお尋ねでございますが、私どもは、生産法人、個人別の数字は、現在手元に持っておりません。ただ、米の場合には、生産法人で稲作経営をしておりますのが、ラウンドで恐縮でございますが、全国で約一千戸程度で、非常に少ない現状でございますので、転作をやっておりますのも、そのうちのせいぜい二、三割というように推定をいたしますと、ほんのわずかで、大部分は個人に交付をされておるというように推定をいたしております。 以上でございます。
○政府委員(大倉眞隆君) 減収見込み額についての御質問がございましたが、先ほど山下議員がおっしゃいました約三億円というのは、衆議院の事務当局が計算なすった数字でございます。私どもも別途試算をいたしてみましたが、ほぼ同額程度、約三億円であろうかという試算をいたしております。
○戸田菊雄君 一俵当たりの補助金は幾らになっていますか。
○政府委員(澤邊守君) 一俵当たりというよりは——キログラム当たり幾らという計算をしておりますけれども、平均をいたしまして作物別に区分をいたしておりますが、普通転作の場合には、反当たりで換算をいたしまして、おおむね三万五千円平均、それから永年作物の場合には、四万円の平均でございます。そのほかに、さらに協力費が、これは全農家ではございませんけれども、おおむね九〇%以上の農家が交付を受けておりますが、これを平均いたしますと、反当たり五千円弱になります。これは個々の農家ごとに全部違いますので、平均で申し上げたわけです。
○戸田菊雄君 農林白書等を見ますと、今後もこの転作はそのまま続行するという考えのようですね、政府は。ですから、永年作物等除いて、やはり同様の補助金体制というものは、今後継続されていくのでしょう、これは事務当局として回答できますか。
○政府委員(澤邊守君) 五十年度までやっております、現在の水田転換対策は、本年度で五カ年計画を終わりまして、来年度からは構想を一部改めまして、水田総合利用対策ということで三カ年計画で実施をすることにいたしております。米の過剰基調が依然として続いておるという認識に立ちまして、需給のバランスを確保するために生産を抑制するということのほかに、食糧の総合的な自給率を上げるという意味で、米から他の必要な農産物の生産をふやすように転換をしていくというような考え方に立ちまして、水田総合利用対策を新たに三カ年計画で実施をいたすことにしておりますので、水田総合利用対策に基づく転作農家に対しましては、現在やっております単価等とは若干修正を加え、作物等にもある程度の制限をいたしておりますけれども、ほぼ類似の考えに基づきまして奨励金を交付するということで現在予算の御審議を煩わせているところでございます。
○戸田菊雄君 だから、その転換政策はそのまま継続していくわけでしょう。水田総合利用政策があっても何してもそれはやっていくと、こういうことだと思うのですね。それはもう農林白書にもそういうことを明記されておる。だから、政府の態度としてはそういう傾向でいくわけですから、永年作物等を除いては、やはり奨励補助金というものは、これも含めて、それは今後も支給をしていくような状況になるかと思うのですが、これはあくまでも補助金体制でいくという考えですか。
○政府委員(澤邊守君) ただいまおっしゃいましたように、三カ年間につきましては単価、対象作物等については若干の変更を加えておりますけれども、引き続き奨励金を交付するということによりまして転作を進めていくということは変わりませんが、三カ年間の一応目標を置いておりますので、三カ年間に転作作物の定着化を促進をするということは、奨励金のほかに生産対策あるいは価格対策等につきまして施策を進めることによりまして、三カ年間をたてばこの制度は一応その段階で改めて見直すと、こういうように考えております。
○戸田菊雄君 じゃ、逆に聞きますけれども、今後の米生産の総トン数はどの辺に置いているんですか。
○政府委員(澤邊守君) 昨年の五月に出しました、政府として決めました「農産物の需要と生産の長期見通し」というものがございますが、これによりまして六十年の目標といたしまして千二百十一万トンという目標を置いております。これは今後の需給の動向、生産の動向等考えまして見直しをしながら進めていかなければいけないと思いますけれども、一応長期の目標としてはそのような目標数字を設定をいたしております。
○戸田菊雄君 昨年の五十年度総生産は千三百三十二万トンでしょう。だから、いま言っているあなたのその目標よりははるかにオーバーしている。恐らくいま言われた千二百十一万という、これは今後の平均値をあなたは考えて言っているのだろうと思うのですが、そうしますと、現にいまの生産能力からいけば千三百トンを超える、これは天候も左右するでしょうけれども。そうすると、どうしたってもっと転換というものをふやしていかないと、いま言うあなたの平均値にならないということになるのですが、これはどうですか。もっとふえていくんでしょう。
○政府委員(澤邊守君) 昨年の生産量は千三百十六万五千トンでございます。まあそれに対しまして六十年の目標千二百十一万トンということでございますが、私どもといたしましては、現在、先ほどお答えしましたように、三カ年計画で水田総合利用対策を実施して奨励金を交付するわけでございますけれども、その間にそういう奨励金がなくても定着できるような生産対策あるいは流通価格対策というものに力を注ぐことによりまして、現在でも永年作物のほかに野菜とか一部の作物につきましてはかなり高い収益を上げておりますので、これは定着の見込みが非常に強いわけでございますので、それらを全作物にできるだけ及ぼしていくということによりまして、いつまでも奨励金を交付するということをエンドレスに続けるということがなくてもいけるようにしたいというように考えております。 なお、千二百十一万トンの目標は、これは需要とほぼ均衡するという見方をいたしておりますが、消費の拡大ということにつきましても、五十一年度から種々新しい施策も出しておりますけれども、今後ともさらに施策を強化することによりまして、現在のような奨励金を交付するという特別な措置を講ずることなく需給がバランスするというような施策を強化してまいりたい、こういうように考えておるわけでございます。
○戸田菊雄君 大体私のいろいろ調査見通し、こういうことからいけば、やはり転作は増大をしていく。その転作が増大していった場合、転作の主要農作物はどこに一体焦点を置いて今後指導していくのか、それは麦にあるのか、大豆にあるのか、長期見通しから言えば、いろいろなこれからの生産態様の自給率というものも出ていますけれども、どういうところに視点を置いて農林省としては今後考えるのか。その点ひとつ、簡単でいいから、時間がないから。それが本論じゃないですから。
○政府委員(澤邊守君) だたいまの作物のどのような種類に重点を置くかというお尋ねでございますが、これは水田総合利用対策、従来の稲作転換対策の引き続きといたしましての水田総合利用対策に限って申し上げれば、米をつくっておる水田をできるだけ他の必要な農産物にかえていこうということでございますので、麦作は御承知のように裏作でございますので、直接に——一部関係がございますけれども、直接に関係がございません。そうしますと、夏作が中心になります。その場合、先ほども作物別の実績についても申し上げましたように、重点は飼料作物、それから野菜、一部の果樹、それから大豆等を中心にしてその他甘味資源等もございますけれども、それらの作物を重点にして転作の定着化を図ってまいりたいというように思っております。もちろん当面生産の抑制をすべき目標数量はそれらの重点作物だけで消化はなかなかできないという面がございますので、他の食用作物あるいは非食用作物等につきましても奨励金の対象にいたしまして、水田総合利用を進めていきたいと思っておりますけれども、重点はただいま申し上げましたような作物でございます。
○戸田菊雄君 そこで問題は、これは参議院大蔵委員会、昭和五十年二月、昨年です。予算編成時に、麦と大豆についてはいまの転作奨励金と同様に減免措置をやりなさいという委員会の意思表示があって、それに対して大蔵政務次官ですか、梶木さんが明言をして、答弁をされて、次年度までに検討すると、こういうことになっているのですが、これは農林省として、大蔵省として、いろんな相談した、そういう実績がありますか、減免措置に対して。
○政府委員(大倉眞隆君) ただいま戸田委員御指摘の昨年の御審議の経過は、私も引き継ぎを受けまして、私どもの内部でも、また農林省とも、五十年産の農作物につきましての補助金について税制上どう扱ったらよろしいかということを勉強いたしましたが、四十九年産と五十年産は補助金の出し方、相手方というものが変わっておりません。したがいまして、私どもとしては、四十九年産の作物について、詳しいことは避けますけれども、当委員会でいろいろ申し上げた考え方がそのまま引き継がれておりますので、結論といたしましては、五十年産につきましては、昨年と同様稲作転換奨励補助金と転換協力特別交付金の二つだけを取り上げて、これを特に法律をもって一時所得とみなすという議員立法をなさる、そのことについては、先ほど山下議員おっしゃいましたように、内閣としてあえて反対はしないということを申し上げておりますけれども、麦などについて特別の措置を広げるということについては、私どもの立場からしてはこれは適当でなかろうという判断をしておるわけでございます。
○戸田菊雄君 政策判断については農林大臣来てから伺いたいと思いますので……。 大蔵大臣参りましたから本論に入る前に、一点についてひとつその姿勢を伺っておきたいと思います。 いまいろいろと問題になっているこのロッキード事件のとかくいろいろなうわさが上っておる。で、その関係者のいろいろ追跡調査その他やっているようでありますが、たとえば外国為替管理法の違反であるとか脱税行為、それに類するようないろいろ推測がある。こういった問題について大蔵省当局としては調査または捜査、こういうことを始めているのですか。その点が第一点。 もう一つは、そういった捜査、調査等の内容等が相当大きな事件ですから、いますぐにというわけにはいかぬでしょうけれども、いずれ当委員会でもそういう問題については究明せざるを得ないと思うのですが、そういう問題についての報告のやっぱり必要があるかと思うのですね、委員会に対して。一定の内容がまとまった時点で結構だと思いますが、そういう意思ありや否や、この点に対する大臣の考え方をちょっとお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 御指摘の事件につきましては、ただいままでのところ外交チャンネルを通じましてアメリカ側から領収書あるいは契約書等の写しが入手できましたのでその吟味にかかっております。それから関係個人並びに法人につきましてはいま調査を始めておるところでございます。 第二に、国会に対する御報告でございますが、もとよりこの調査が進むに従いまして、国会に御報告できますことは、御要求に応じましていたすべきことと考えております。
○戸田菊雄君 あと三分ぐらいしかないから大臣一括質問します。 その一つは、麦と大豆のいわば減免措置、これはさっき紹介したように昨年の国会でもって明確に委員会として意思表示していますね。それに明確に梶木さんが答弁している、検討いたすと。その検討結果が全然出てきてないんですね。その出てきてない理由を明確にひとつ大臣からお答えを願いたい。 それから今回も衆議院では、参議院の五十年の二月十三日の確認の内容がそのまま委員会で確認をされてきているわけですね。ですから、当然これは問題をここに残しているということだと思うのです。ですから、政府としては再検討していずれにしても実行というところに踏み切る、こういうことが必要だろうと思うのですけれども、そういう御意思があるのかないのか、この見解が一つ。 それからもう一つは、農林大臣に説明を受けてからと思ったんでありますが、いま農政は大変な状況になっている。ことに高度成長、あるいは現在の不況の中で最大の犠牲者だと思うのです。だから、農林大臣が言っているように、農政見直し、あるいは攻めの農政、こういうことを言っているわけでありまするけれども、こういうものについて幾つかの補助金体制で糊塗をしている、問題を濁しているわけですが、これはやはり価格体系として抜本改善する必要があるかと思うのですね。そういうものがまとまらない前に、暫定的に減免措置ということで両面の策で私はやっていごべきだろうというように考えますが、そういう問題に対する大臣の御見解、この三点ひとつお願いしたい。 それで終わります。
○政府委員(大倉眞隆君) 大臣から政策的な御判断をお答えをいたします前に、私どもの検討の内容を先ほど省略いたしましたのでもう少し詳しく申し上げておきたいと思いますが、昨年の委員会でも前主税局長からかなり長く答弁を申し上げておりますけれども、やはり私どもの考え方からいたしますと、麦などにつきましての現在出ております補助金は、これは価格差補給のための補助金であると考えざるを得ない、そうであるとしますと、これはやはり通常の事業収入として税制上は取り扱うべきものであると考えざるを得ない。稲作転換の関連の交付金などにつきましては、これは強いて申せば一時所得として扱っても、法律がそう決めるんならばやむを得ないかもしれない。取り扱いで一時所得にするということはとうていできない性格のものであろうと思いますけれども、法律で一時所得とするとお決めになるんであれば、それはあえて反対はいたしませんけれども、麦と大豆に関しての補助金というのは、やはり稲作転換の補助金、交付金とは非常に性格の違うものでありまして、それらを事業所得の収入にしないという踏み切りはできない。ただ、前回の委員会での御発言、またそれを受けましての答弁とのつながりは、私どもなりに真剣に検討いたしました。いたしましたが、前回の桧垣委員長の御発言は、「わが国の食糧自給が問題とされている折から、これに対する今後の農政の進展に即応し、各種の施策が講ぜられた場合には、税制面においても必要に応じ特別措置のあり方を検討」するようという御要望でございまするし、これを受けましての梶木政府委員の答弁は、年次は、「できましたら五十年でございますが、はっきり五十年と断定させていただくわけにはまいらない」と思いますが、検討は真剣にやらしていただきますという答弁をしておられまして、先ほど申し上げましたように、四十九年産の産品と五十年産の産品につきましての補助金の性格は、私どもが見ますと変わっておらないと思いますので、その税制上の扱いもやはり四十九年産と同様のものという結論になる方が妥当ではないかと考えた次第でございます。
○国務大臣(大平正芳君) 担税力のあるところ、課税がこれに伴うというのが原則でございまして、これに対しまして例外が立法で設けられる場合きわめて厳格にこれは解釈すべきものと私は思います。で、従来米につきまして集荷を確保をするという見地から、二十九年以来もろもろの措置が講じられて、それに対しまして税法上の免税の取り扱いがとられてまいったわけでございますけれども、この米に対する政策が一転いたしまして、過剰米を回避するというようなことに変わってまいりましたけれども、これはいわば補償的な性格と申しますか、そういうことを農家にお願いをするという立場において、特別の税の免除を考えるべきであるという国会の御判断、これはあえて私どもは反対しないという態度に今日まで終始してきておるわけでございます。この問題と麦、大豆等とは性格が全然違っておると承知いたしておるわけでございまするので、ただいまのところ麦とか大豆につきまして米と同様な措置を講じようという考えは持っていないわけでございます。 しかし、今後、五十一年度以降どのようにするのかということでございますけれども、これはただいままで政府がとりました麦や大豆に対する措置、それと税との関係におきましては、従来の考え方を変えるつもりはないということでございますが、今後政府がどういう措置を講じますか、将来のことはまだわかりませんが、そういう措置が講じられた場合に、それを税法の光に照らしましてどのように判断したらいいかということは、当然検討しなければならぬ課題だと思っておりますけれども、それを将来とるべき政策というのは、まだ私どもにはよく分明いたしておりませんので、将来の税制上の措置についていま考えを述べるという用意はございません。
○野々山一三君 衆議院の委員長代理の山下さん及び大蔵省、農林省にごく簡単な話を伺いますけれども、この法律は議員立法でございますけれども、いつからできて、毎年どういうふうになってきて、それでどういうふうに内容が変化したのか。しかし、文言はちっとも変化してないのでございますけれども、それをひとつ全部言っていただけませんか。簡単に言いますと、早場米奨励金の時代もあったし、それから予約米のときもあったし、それから休耕田補償という場合もありました。こういう変化がずっとあるのでございますけれども、その経過をひとつ一遍ぱっぱっと提案者にまず……。
○衆議院議員(山下元利君) これは、私の承知いたしております限りにおきましては、昭和二十六年産米の超過供出等についての奨励金に対する所得税の臨時特例に関する法律がその初めであるかと思いますが、その後二十七年、二十九年産米につきましては、やはり同様この法律が出ました。その後、いろいろ昭和三十年産米からは事前売り渡し制度に変わりましたために、それにつきましても同様の臨時特例の措置を講じまして三十八年に至っておりますが、その後四十二年まで同様の措置を講じまして、四十三年産米からは米が過剰になりましたために、従来と趣が変わりましたけれども、この事前売り渡し制度につきましてもやはり同様の措置を講じております。そして、四十五年産米からは、生産調整奨励補助金についてこの課税の特例を講じ、そして四十九年からは現在の御提案申し上げていることについて同様の措置を講じた、以上そのように承知いたしております。
○野々山一三君 もう一回お伺いしますけれども、いま言われたように内容が年次別に変化したり、五年間同じものであったり、また今年度以降体質が変わるわけですね。それなのに、同じ法律を毎年の年次法としてお決めになることになった意思はどういうことなんでございましょうか。 それから、第二番目として税務当局に伺いますけれども、五年も続いておる補助金、奨励金というものを一時所得として一年と考えるのは一体論拠的にどういうことなのか。 それから三番目に、議会側でこういう法律をお決めになるからしようがねえわ、一時所得としての減税措置をするんであって、しようがねえわということは一体どういう法律的な根拠があるのか、そこのところをひとつお聞きしておきたい。
○衆議院議員(山下元利君) 先ほど申しました沿革の一時期政府提案であったこともございますけれども、この制度については大部分が議員立法になっております。それで、いままた先生が御指摘のとおり、いろいろそのときの食糧事情によりまして奨励金の性格が変わっておりますけれども、しかし、一貫して申し上げられることは、私どもといたしましては、農業の特性にかんがみまして、ぜひともこのようなものにつきましては課税の特例を講ずべきであるということを考えておりまして、ずっと議員立法でお願いしてまいっておるわけでございますが、政府においてもその趣旨は了としながら政府提案として踏み切ることはなく、いつもこの農業政策上課税の特例が設けられてもやむを得ないということでまいっておるわけでございます。今回もそのような趣旨で現在農家に対して減反を要請しておるという状態でございますので、これはぜひとも議員立法によってこのような措置を講ずべきであると思いまして、このような提案をさしていただいた次第でございます。
○政府委員(大倉眞隆君) 税制上の考え方につきましては、ただいまの野々山委員の御指摘はまことに厳しい御指摘でございまして、同じ方が何年か続けて同じような所得を得られた場合に、これをなおかつ一時所得と考えるというふうには率直に申し上げてかなりの無理があると言わざるを得ないと思います。ただ、強いて申せば、四十二年までのいろいろな特例措置は、これは米価の一部分になっていたものを特に集荷奨励とか、米が足りないというふうなバックグラウンドでやってこられた。それがいまや事情が変更して、米をつくりたい方に対していわば無理やりもう米をつくるのをやめろという大きな政策転換があったということです。 もう一つは、そういう政策転換をなさいましたときに、はっきりと閣議においてこれは何年間の臨時の措置であるということをお決めになっておる。したがって、年はまたがりますけれども、閣議の考え方がやはり一時的な、臨時的な措置であり、いつまでも続くというものではないのだというところにせめてものよすがを求めて、これを一時所得ということを立法されたんだろうと思います。それに対して私どもも、先ほど申し上げましたように、あえて反対はいたさないという立場で従来来ておるわけでございます。
○野々山一三君 農林省に伺いますが、いま日本人全体が大豆をどれだけ使用しているんでしょうか。三百七十万トンを超えるんじゃないでしょうか。国内生産量はわずかに四%弱なんでございます。恐らくここにいらっしゃる方はこんな言い方は失礼ですけれども、みそ汁をお食べになってきたでしょう。あるいはお豆腐を食べていらっしゃったでしょう。これもほとんど外国のものを輸入で消化しているわけです。 そこで、政策論として、戸田君も指摘をしたし、衆議院の方にも私どもとして意見があるのでございます。米から他に転作をすることについてだけ補助金、奨励金を出しましょう。これについてだけというか、そういう他のものに、いろいろなものに転換するためにだけ補助金、奨励金を出しましょう。それには減免措置をいたしましょう、こういうわけです。 そこで、ずばり聞きますけれども、農林大臣お見えですから。食糧政策という次元から考えて大臣、一体いま大豆はどれだけ日本で消費しているんでしょう。それからどれだけ日本でつくっているんでしょうか。それから十年後にはどれだけの生産量を計画していらっしゃるのでしょうか。そのためどういう補助金、助成措置をしようとしていらっしゃっているんでしょうか、お答えを願いたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 大豆につきましては、御承知のように、最近といいますか、この十年間ずっと減少を続けているような状態でございますが、国内生産は十三万トン近くでございます。そういうふうに落ち込んでおるわけでございますが、反面、需要といたしましては三百五十万トン弱というのが大豆の需要になっております。 そこでわれわれといたしましては、昭和六十年を目標にいたしました生産計画に基づいてこれから増産に進んでいくわけでございますが、一応昭和六十年におきましては四十二万七千トンというところをこれからの増産目標として努力をする予定にいたしております。
○野々山一三君 そこで、時間がありませんから、衆議院の山下君にも含めてお願いをしたいし、農林省及び大蔵省にも伺いたいのでございます。 米はいまは生産過剰になっておる。したがって、転換を考える。そのときに補助金、奨励金を出す。それに減税措置を講ずる。しかし、いまお話の大豆などが三百六十万トンから三百七十万トン必要なのに十数万トンしかない。で、昭和六十年までに四十何万トンというお話ですが、ここでは四十何万トンという、この間、農林省の方に当時説明を受けたら二十万トンという。どこが本当なのかわからぬ。わからぬが、とにかく足りないことは間違いない。そういうものについて増収策を考えなければいけないと思いますが、これはもうきわめて明白なことで、需要量に対しての生産量は四%ですから。そういうものを推進、奨励するための措置を十年がかりでやろうという計画があるのに、減税面で言うならば一年ごとの時限立法という考え方は根本的には間違っているではないか。少なくとも五年計画ぐらいの、五年ぐらいの時限立法で考えるというのが税の面では当然のことなんです。これが一つ。 それから今度は、総合転換策として去年の予算で見ますと、水田総合利用奨励補助金というのは五十年度はゼロ、五十一年度は八百四十一億九千万、こう全然この性質が変わってきているわけなんです。そういうふうになっていく性質のものを、年次の時限立法でお考えになるというのは間違いではないか。そこで戸田君も指摘をし、私どもも去年この委員会でも何年も何年も何年もこういう麦、大豆、飼料などなどについて総合的な税制を考えろ、こういうことを言っているわけで、衆議院の皆さんもこれをこの際抜本的に考えてもらわなければいけない。見解を伺いたい、これがあなたに対してです。 それから、農林省にも伺いたいのは、いま申し上げたようにいつも大豆がどっちみち二十万トンか四十万トンか知りませんけれども、知りませんという言い方は悪いけれども、場所によって言い方が違うほど不確定にしろ、とにかく増産をしなければならないのに、税制上も奨励上ももっと抜本的な対策をお考えになって、予算措置ではある程度の金はついていますけれども、恒常的な計画をお持ちなんですから、それを立法化する、こういう考え方があっていいと思う。つまり、米から他に転作ということだけじゃなしに、大豆及びという特に中心的な食糧を考えるべきではないか。 第三は、大蔵省も議員立法でお決めになるからしょうがないわい、減税措置を講ずるわいと、そんなことを何年も繰り返しているということはやっぱりこれは政策問題なんですけれども、当を得ているとは私どうも考えられない。改めて大蔵大臣の見解を承りたい。なぜか。例年、政務次官が、いや、おっしゃる気持ちはわかりました。ひとつ恒常的に——で、去年は、五十年は、五十一年はとこう言いながら、またぞろ大蔵省当局に対する落ち度は、四十九年産と五十年産は同じものを対象にしているから、ことしはそれは税制上考えるわけにはいきませんとおっしゃるが、こんなことは毎年繰り返されているわけです。つまり五年計画のものもあったり、三年のものもあったりというわけなんであって、非常に税体系上からも納得しかねる要素がある。その点をはっきりしてもらいたいと思います。これは大蔵省にもう一遍伺いたいわけです。 結論は、去年この委員会で委員長発言として取り決めましたものを来年は実行すると、こうお答えを願いたいという気持ちを込めて率直に申し上げたい。
○衆議院議員(山下元利君) 私、お尋ねの点についてまずお答え申し上げます。 ただいま御指摘の点につきましては、今回のこの提案をするにつきましても、衆議院の大蔵委員会の審議の過程におきまして、昨年の当委員会におきまする御審議の模様を私ども真剣に検討さしていただいた次第でございます。したがいまして、すでに御了承のとおりに、この本委員会におきましては、特に大蔵委員長から委員会提案に当たりまして発言を求めまして、農政の進展に即応いたし各種の施策が講じられた場合には税制面においても特別措置のあり方について真剣に、真剣に検討すべきものであるということを当委員会における昨年の審議の御結果を踏まえて申し上げておるとおりでございますから、今後御趣旨を十分伺いまして、そうした場合には、法案のいまの時限立法の形等につきましても十分検討さしていただきたいと思っております。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ここでしばしば議論も出たと思いますが、米につきましては、御案内のような過剰基調ということを背景にいたしまして、稲作転換といういわば政策的な要請に基づいて行われたわけでございますので、これはいわば補償的な面を持っておるというふうに考えるわけでありますが、麦、大豆につきましては、これはもちろんこれから懸命に増産対策を進めていかなきゃならぬ作物でありますけれども、これはいわば政策誘導的な措置として考えるわけでございますから、米の取り扱いと麦あるいは大豆というものは違うというふうに考えてはおるわけでございますが、しかし、五十一年度以降等につきましては、この増産という大きな目標を貫徹するために、われわれとしても検討をしなければならないのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
○国務大臣(大平正芳君) 二つの問題があると思います。一つは、米についてのこのような議員立法を毎年受けていやいやながら政府があえて反対しないというような態度を続けていることの是非はどうかということでございますが、まずこれは国会の方でそういう御措置をおとり願わなければ起こらない問題なんでございます。まず、国会の方で御討議をお願いしたいと思います。 それから第二の問題は、麦と大豆についての今後の農政の問題と税制の問題でございます。本来これは私どもの立場から申しますと、諸外国もそうでありますように、農産物についての補助金というものは、農産物の売り上げに対する課税に含まれておるのが通例でございまして、奨励策は農林省でいかようにおとりになりましょうとも、税制の関係でなくて、農政の関係で適切な政策をおとりいただくことが適当であるとは思います。しかし、税制もまた全体の政策に奉仕せにゃならぬことが全然ないとは言えないわけでございまするし、税制エゴイズムに走ってもならぬことはわれわれも心得ておるわけでございますので、真剣に農政を進める上におきまして、検討するように要請がございますならば、国会からも、農林省からもございますならば、それは田中委員長の御発言にもございますように、真剣に検討をすることにやぶさかではございません。
○野々山一三君 一言だけ。 いま一つは、真剣に、真剣にやりますという意味の代表者の話ですから、真剣というのは、本当にその記録にも残っておるように、税制上対応できるような措置を来年度は講ずる、こういうお気持ちなんだと受けとめていいかということ。 それから、大蔵大臣の言われた、農政上、大豆なら大豆というものをもっと増産しなければいけないという政策をとるならば、それに絡んで税制上検討をすると、こういう趣旨だと思います。それを受けて立ってひとつ衆議院の方でも来年度どういうふうになりますか、あるいは今度は議員立法じゃなしに本格的に政府提案としてなりますか、そこはお互いに衆参両院今後の問題として私ども協議したいと思いますが、これに応じてもらいたい、こういう希望を申し述べて、前の二つ、三つ、ちょっとだけ簡単に答えをいただきたい。
○衆議院議員(山下元利君) このたびの御提案申し上げるにつきましては、これ種々検討いたしましたが、四十九年産米と同様ということで、昨年と同様の提案をさしていただきましたけれども、昨年の当委員会における審議の経過等は十分拝見いたしまして、したがいまして、大蔵委員長から昨年の経過を踏まえて真剣に検討すると申しておりますことは全く御趣旨のとおりであると思っております。今後五十一年産以後につきましては、その政策の進展を見まして、文字どおり真剣にいたしたいと思っております。
○戸田菊雄君 農林大臣が来ましたので、先ほど質問ちょっと逃がしたんですが、いま農林大臣の回答を聞いても、大蔵大臣の回答を聞いても非常に消極的ですね。きわめて農政見直し時代に来ておると、これは農林大臣言っていることで、大変な状況だ、こう言っている。米を除いた八五%すべて輸入でもって賄っているのが現状でしょう。こういう状況の中で、大豆にせよ麦にせよ、これらの自給率を高めていかなくちゃいけないということはこれはもう当然のことじゃないでしょうか。だから、さっき主税局長からちょっと回答ありましたけれども、奨励金というものはいわば価格保障だと、こういうことを言われる。ところがいま麦の関係はこれはパリティ方式でしょう。生産費・所得補償方式やってないんですよ。だから生産に見合う価格じゃなくて、そういう意味合いでは多くのやっぱり補助なり価格体系を抜本的に改善をしなければいけないと思うんですよ。そういうことを政府一体としてやらなければいけない。いまわずかばかりの補助金が出ているんだけれども、いわばこれは銀行で融資をして、歩積み両建てと同じだと言うんですよ、私は。同じふところから出すけれども、片方は一時所得ということで税金取ってくる。こんなやり方は、いまの農業の現状からいって麦にしろ米にしろそれから大豆にせよ、その生産価格は保障されてないんですから、そういうときにいま補助金に対する問題が問題となって論議をされて、当面の暫定措置として減免措置をとったということなんです。だから、そういうものをでき得れば大豆や麦やそういうところにも拡大していくのは当然でしょう。これは政府一体の考えでなければいけないと思うんです。大蔵省は財政を引き締めることだけ考えておったんではだめだと思うんです。だから、そういう意味合いでは十分農業振興政策というものについてもう少しやっぱりきっちりした政府一体の方針を出すべきだと、そういうことによって、補助金はどうあるべきか、減免はどうあるべきか、価格体系はどうあるべきか、これをもう一回見直す時期ではないかというのが私たちの考えです。それは麦の場合は、あれでしょう、今後、現行小麦は四%、自給率ですよ。大麦は一一%。六十年見通し小麦は九%、片や大麦三六%にいくというんでしょう。大豆はいまこれわずか四%なり三%、油含めて二〇%、六十年見通しでこれ六〇%までいこうというんでしょう。だから、いわゆる休耕田の裏作利用とかなんとかいうても、総合農政の中ではそういうものに自然に転換策をとられていくんじゃないですか。とられていかなければいけないでしょう。そういうときに、これらの価格制度はどうなるのか、あるいはこの減免措置も当然拡大をしていくべきでしょう。こういう面について明確な私は大臣の積極的な御意見というのがあってしかるべきじゃないか。外向きにだけは農林大臣大分いいこと言っているんですよ。それをやっぱり具体的に積み重ねて、内容的に。そういうことでないといけないと思うんですね。もう一度ひとつ農林大臣と大蔵大臣の積極的な見解をひとつ示してください。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私は外向きだけではなくて内向きといいますか、農政そのものの積極的な推進に対しても懸命な努力をいたしておるわけでありまして、今回五十一年度予算の中にもこれは反映しておるというふうに考えておるわけでございますが、われわれは今日の国際的な農産物の需給の情勢、あるいはまた国内におけるこの十年間というものの農業自体の体質の脆弱さというものを反映いたしまして、何としてもここで積極的な食糧自給という面に立った農政を進めなけりゃならぬということで、昨年来昭和六十年を目標といたしました農産物の生産と需要の長期見通しを立てまして、それに基づきまして総合食糧政策というものを打ち出して、これを五十一年度予算においても初年度として裏づけをいたしたわけであります。その中におきまして、いま御指摘がございましたように、麦であるとか、あるいは大豆であるとか、飼料作物といった、なかなか今日まで生産がどちらかというと落ちておる、しかしどうしても増産をしなければならない農作物につきましても積極的なこれが増産対策を進めております。麦につきましても奨励金と同時に反別の助成金を出すことにいたしておるわけでございますし、大豆につきましても奨励金を出すということにいたしまして、同時にその他生産対策等も充実をいたしまして、いまお話がありましたような六十年目標を何としても実現をしたいという考えで進めておるわけでございますが、まあ税制のたてまえがあるわけでございまして、これは大蔵省からも御答弁があったように、米につきましては国家要請、国策的な要請という面から、いわば補償的な面を持っておるわけでありますが、生産調整、稲作転換の補助金に対する問題はいわば補償金的な補助的な面を持っているわけですが、麦、大豆というのはこれはわれわれとしては農政の立場から増産をしなきゃならぬ、そういう面で誘導的な面があるわけでございまして、その税制の面においてはそういうふうに性格が違っておるということはわれわれも考えなきゃならぬわけでありますが、そういう中にあって、やはり今後とも増産を進めていく上においてはそれらの問題も合わせてこれは検討の課題であることは当然であろうと思うわけでございますし、特にいまお話がございましたように、農作物全体の価格体系というものが生産費補償方式であるとか、あるいはパリティ方式であるとか、あるいは実勢方式であるとか、いろいろと御案内のように農作物ではもう価格体系が違っておるわけでありますが、このあり方につきましても最近の情勢を踏まえてやはり見直しをするといいますか、検討し直さなきゃならぬということで、現在農林省におきましても価格対策についても再検討するという方向で一生懸命に研究を積み重ねておるわけですが、なかなか価格問題は非常に農作物ごとにそれぞれの生産の実情が遠いますし、流通の実情も違うわけでございますから、なかなか一律にはできないという問題はありますけれども、しかし、われわれとしても再生産を確保するという面からこれらの問題についてもひとつ検討して、そして改善すべきところは改善をして、そして生産者の期待にこたえていかなきゃならない、こういうふうに考えて努力をいたしておるわけであります。
○国務大臣(大平正芳君) 食糧の自給力の向上というのが農政のいま最大の問題であることはわれわれもよく承知いたしておりまするし、農林省におかれて適切有効な政策を打ち出されることを期待いたしております。これと税制の関係でございますが、税制といたしましては、できるだけ税制にかかわりなくそういったことの行われることを望んでおるわけでございますけれども、ほかの政策ではいけないで税制によらなきゃならない、またそれが一番適切であるというようなことで検討を求められた場合には、われわれとしても十分検討せにゃならぬことと思っております。ただ、現状どのようにいたしましても、あるいはサトウキビでございますとか、てん菜なんといりのも皆奨励金なんか受けておるわけでございまして、これは全部いま課税対象になっているわけでございます。ただ大豆とか麦につきましてどのように考えてまいるかということは、まず、農林旨がいろいろお考えになることだと思うわけでございまして、ほかの手段ではいけない、どうしても税制でなけりゃならぬというようなぎりぎりの課題になってまいりましたならば検討するにやぶさかではございません。
○鈴木一弘君 重複しないように質問をいたしたいと思いますが、一つは、昨年この大蔵委員会で農林省は耕作地が——休耕田の問題でありますが、それがどういう状況に置かれているか、もとへ復帰する可能性は地域的にどういう状態かなど、現仕不耕作地の調査を実施しているというお話がありました。その調査の結果どういうふうになったりか、それをちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(有松晃君) お答え申し上げます。昨年六月一日現在で、耕地のうち低利用の状態になっておりますものについて、過去一年間の低利用の状況について調査をいたしたわけでございますが、その結果これは農家からの聞き取りでございますけれども、一年間以上不作付の状態にあった耕地は田については十一万ヘクタール、こういう結果になっております。
○鈴木一弘君 いま田の話が出ていましたが、まあそのほかに畑が六万一千ヘクタールですか、その他まだ一万七千ヘクタールということが一年以上不作付状態にあったという、そういう報告があったと聞いておるんですが、そのとおりですね。
○説明員(有松晃君) ただいま先生のおっしゃったとおりでございます。
○鈴木一弘君 この不耕作地の対策についていわゆる低利用耕作地について、これは今後どういうふうにお考えになっているか、農政のあり方をちょっとお伺いしたいんですが。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話がございました不作付地や耕作放棄地の発生の要因は、谷地田等の劣悪な立地であるとか、あるいは農業労働力の不足等、種々の問題が複合して出てきたものと思われるわけであります。また、地域的にもいろいろとその原因はあると考えるわけでありますが、したがって、われわれといたしましては、地域のそれぞれの実情に即しながら土地利用の権利関係の調整であるとか、あるいは経営的に利用可能にするための生産基盤の整備などを中心といたしまして、各般にわたるところの生産対策あるいは担い手の確保対策等を総合的かつ積極的に推進してまいらなきゃならぬと考えておるわけでございまして、幸いにいたしまして昨年の国会で農振法の改正等をいただいたわけでございますので、この農振法によりましてこれが法的な裏づけのもとにおける総合利用といったようなことも積極的に今後の対策として進めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○鈴木一弘君 いずれにしても稲作の転換計画の中からこういうのがだんだん生まれてきたんだろうと思いますけれども、昭和四十六年から稲作転換の計画がなされ、そうしてそれが実績として上がってきた。しかし、それに伴ってお米の消費量の方はどういうふうに変化してきているんですか。本当ならば増加をさしていかなきゃならない傾向に私はあるんだろうと思うんですが、方向としては。しかし、そういう状況が横ばいというふうな話を聞いているんですが、その事実はどうかということと、その場合の理由はどうして横ばいなのか。
○政府委員(大河原太一郎君) ただいま米の消費量の動向についての御質問がございましたので、端的に申し上げますと、先生御案内のとおり、米の一人当たりの消費量は三十七年がピークでございまして、百十八キロ程度ということでございましたが、その後食生活の多様化によりまして急速に減りましたが、四十六年以降微減に転じたということで、四十九年度では九十キロということに相なっております。が、どうしてなお減ったかという点につきましては、減り方はきわめて鈍化したが、なお食生活の多様化と申しますか、西欧化というものが高度成長期の生活の変化というようなことから続いておったというのが理由であるというふうに判断しております。
○鈴木一弘君 いま一つ、いまのような理由であろうとは思いますけれども、お米中心の食生活というのは健康上思わしくないという、そういうようなことが言われている。それが一つは消費量に大きな影響を与えているのじゃないかという、その点はどうなんでしょうか。
○政府委員(大河原太一郎君) 私どもといたしましては、今後の食糧自給なり、あるいは米の現在の需給状況から見まして、主食としての米についての見直しをして、この需要の増大を図らなければならないということで、現在農林省におきましても専門家、学者——医学者、あるいは栄養学者あるいは文明学者というような方々が集まりまして検討しておるわけでございますが、われわれとしては、米についてのいろいろな意見が実は非常にいわれがないというふうに判断しております。たとえば栄養価につきましても、たとえ単位当たりのたん白量は米の精米の方が小麦製品より少ないにしても、たん白価値は米の方が高いというようなことがはっきりしておりますし、また心臓病だとか、あるいは高血圧とかいうような保健衛生上種々なる議論が米について言われておりますが、これは戦前の、米だけを主食として、今日のような畜産物とか魚肉とか多様な副食を加味したバランスのとれた栄養をとらないための原因である。むしろ脂肪とか砂糖等を多くとります西欧諸国の方が、循環器系統のような障害が多いというようなことも言われておりまして、われわれとしては十分科学的根拠に立ちました米の見直しということについて考えていきたいというふうに思っております。
○鈴木一弘君 これは、厚生省がお見えになっておるはずですが、米中心の食生活と健康ということについてはどういう判断でしょうか。
○説明員(近寅彦君) ただいま先生の、米と健康の問題でございますが、先生御案内のように、秋田県だとか山形県でございますが、米の単作地域に脳溢血が多いということから、米を食べると脳出血になるんじゃないかというようなことが一般に言われているというようなことからの御質問であろうかと思いますが、最近いろいろの学者の研究を総合いたしてみますと、この地方の脳出血というものは、いろいろの雑多な原因によるものでございまして、米だけによるものではないということが明らかになっているわけでございます。つまりこの地方は、冬季に積雪が多いわけでございまして、また非常に寒冷でございます。労働も激しい。にもかかわらず、食事に栄養のアンバランスが著しく見られておるわけでございます。食事は白米を非常に過食いたしますと、その結果副食物といたしましての脂肪だとかビタミン、無機質、動物性のたん白質等の摂取不足を招きますし、また塩分の過剰摂取となるわけでございまして、これらいろいろの原因が相まちまして動脈硬化症、さらに高血圧、脳卒中を起こすものであるわけであります。なお、飲酒だとか喫煙、こういったものも拍車をかけておりまして、脳卒中、脳溢血は米そのものによる害であるとは考えられておらないというわけでございます。
○鈴木一弘君 これは、私は脳出血のことを言ったわけじゃありません。そういうようにおとりにならないでください、差しさわりがあるかもしれませんが、まあこれから学校給食にもパンとミルクに対して米食が入ってくるようになったわけです。こういう点からも十分検討は、これは両省ともやっていただきたいと思います。 時間がありませんので、ちょっと税の問題でもありますから、食糧自給を強化するということになってきて、やはり農業、農家というものを大事にしなきゃならぬ。 ちょっと相続税のことで伺っておきたいのですが、これは、昨年相続税が改正になって農地に対する納税の猶予制度ができた、そういうことから非常に専業農家の場合の相続人は大変救われていますけれども、この改正案の施行前に相続を受けた人との間の大きな差があるわけですね。一つ実例がありますが、相続のあったのが四十九年五月です。相続財産が農耕地一町三反、山林が二反五畝、放牧地一反、宅地五畝という全くの専業農家です。その相続税の課税額が三千百九十九万八千九百円。しかし、この相続人の土地は調整区域に入っているために、物納ということになれば農地は約半分になってしまう。そうすると専業農家やっていけないということになります。十四年間の延納による分割納税にしても毎年三百九十万、あるいは三百七十万ですか、そういうふうな大きな額を納税しなきゃならぬ。その相続税の額は、現在の改正された場合に比べて十倍近い税額になっている。したがって、この五十年に改正される以前の、直前のときの、これは何か救済措置を考えるべきだろうということが当然じゃないかと、専業農家に対してですね。その点やはり税の公平という点から見るとはっきりとしていただかなきゃいけないんじゃないか、これが質問でございます。 ついでに、本当に時間がありませんから、税の問題で、先ほど大蔵大臣からも、ロッキードのことで調査が進めば国会に報告したいという話がありましたが、国税庁に伺いたいのですが、ユナイテッド・スチールとか児玉氏とかあるいは丸紅、そういうような関係者、個々にどの程度調査をやっているか、その現況をちょっと教えていただきたい。
○政府委員(横井正美君) 国税庁といたしましては、外務省を通じて得られます資料、それから国会その他におきまする御議論、それから報道等、それからまた従来私どもが内部に手持ちいたしております資料等をもとにいたしまして、必要な会社及び個人につきまして調査を始めております。それは児玉譽士夫氏、丸紅、ロッキード・エアクラフト・アジア・リミテッド日本支店、ジャパン・パブリック・リレーション株式会社、ユナイテッド・スチール株式会社、以上でございます。なお丸紅につきましては一月中旬から定例の調査が行われておるという状況でございます。調査はいずれも所得税法、あるいは法人税法に基づきます質問検査権に基づくものでございますが、調査の手法等につきましては、私どもの職務上のことでございましてお答え申し上げるわけにまいりません。いずれにいたしましても、私どもの全機能を挙げまして問題を解明いたしまして、適正な所得を発見し適正な課税を実現いたしたい、かように考えております。
○政府委員(大倉眞隆君) ただいまの、鈴木委員の前段の御質問でございますが、相続税を改正いたしました場合に、いつから適用するかということで、御承知のとおり改正法が成立いたしました年の一月一日以後の相続開始分について適用するということが多年の慣例的な考え方になっております。したがいまして、御指摘の農業投資価格を用いましての納税猶予制度の改正の前後に限りませず、たとえば配偶者控除の考え方を大幅に切りかえました場合、よく御指摘と似たような事例につきましての、陳情と申してよろしければ陳情が来るわけでございますが、十二月の末になくなった方と一月になってからなくなった方とで税金がえらい違うではないかと、何とかならぬのかというお話はよく承るんでございますが、申しわけございませんが、これはやはり、改正法を何年か前までさかのぼるということがどうもできない。それに、さかのぼるとして、どこで切ったらいいかという問題が出て、切ればその前後でまた同じ問題が出てくるということでもございまするし、前々からこの委員会でも、そういうことがあるから相続税というのはあんまり何年も置いとかないで、もう少し頻繁に直さないと格差が大きくなり過ぎておかしいじゃないかという御指摘を受けたこともあるわけでございます。ある意味では、改正の前後に余り大きな格差が出ないような改正の仕方を考えるというのが唯一の答えかもしれません。ただ、前回の改正は、農業投資価格の納税猶予制度でございますから、これを、落差が余り大きくないようにといって、ちびちびとやっていくということが非常にできにくい性格の改正でございましたので、結果として、その年の前後で税負担にかなりの差が出てきてしまったという点は、これは御指摘のとおりでございますが、なかなかこれを、適用期日の改正とか、遡及という形で救っていくということは非常にむずかしい問題でございます、と、まあお答えせざるを得ないような気がいたしますが。
○鈴木一弘君 時間過ぎて申しわけないが、これは大臣、一方できょうのような議員立法せざるを得ない、当然だと思います。で、そういう方向にありながら、他方では、いま申し上げたような専業農家をぶっつぶすようなこういう行き方というのは、本当に考えなければならないと思いますね。ですから、何か税法上でははっきりと区切りをつけることでしょう。また扱いとしてはそうあるべきことでしょうけれども、これから先、政府として何年までさかのぼって云々というよりも、その辺のところを、施行の一年前はこの程度、その二年前はこの程度というような遡及する方法を、いまだってまだ分納しているのがあるわけでございますから、考えられないかどうか、そういう立法を考えるべきではないか、そうでなければ非常に矛盾が起きてくることだと思いますので、政策遂行上も。その点をちょっとお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せでございますから検討いたしますけれども、そういう一つの緩和措置を講じますと、また境が出てくるわけでございます。だから、それはちょっと私も簡単に請負ができないわけでございますが、あらゆる改正に、物事の改正には、必ず若干そういう、鈴木先生おっしゃるような落差公平が伴うことになるわけでございまして、どこまで緩和できるものか、そういった点につきましては検討はいたしてみます。
○近藤忠孝君 第一にお伺いしたいのは、転換奨励補助金まで出して奨励するわけですね。その結果の転作の定着の状況がどうであるか、この点は農林省として実態をどう把握されておられますか。そして実際は、大変永年性植物——果樹などの、これを除いては大変少ないです。たとえば、果樹などについても、実は五六・八%でありまして、そのほかのものは大変少ないんですけれども、そういう原因はどこにあるか、またその対策を、これをどんどんふやして定着さしていくかという、その対策はどうなのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(澤邊守君) 転作の定着性、これは奨励金を打ち切った場合に、そのまま引き続き転作作物をつくられるかどうか、こういう問題かと思いますが、これなかなか、地域、作物に応じまして、一律に申し上げるわけにはなかなかいかないわけでございますが、端的に申し上げれば、従来つくっておりました稲作と、それから転換作物との収益性にどの程度の差があるかという点が一番のポイントになるのではないか。稲作以上の収益が上げられるものならばそのまま定着していくというふうに考えていいのではないかと思うわけでございますが、稲作以外の転作作物につきましては、政策価格で支持するものもございますけれども、野菜、果実等はそのときどきの価格変動がございますし、長期的にも趨勢的な変動もございますので、なかなか現在定着しているのはどの程度かということを断定的に申し上げるのは非常にむずかしいわけでございますが、私どもがアンケート調査のようなことをやってみたりしていろいろ推定をいたしますと、永年作物につきましては、これはかなり定着しておるというように見ていいのではないかというふうに思いますが、その他野菜につきましては、施設園芸等は、これはかなり収益性が高いということで相当定着しておるのではないか。それから、野菜の露路野菜につきましても、一部のものについてはかなり収益性が高いという面からいたしまして、定着している面があるのではないかということを総合判断しますと、達観したことを申し上げてはなはだ恐縮ですけれども、三割ないし五割ぐらいは定着しておるのではないかという、一定の幅をもって見ておるわけでございます。これは、あるいはそれ以上定着しているのじゃないかというようなアンケート調査の結果も出ておりますけれども、これも正確に果たしてそう考えていいのかどうかという点、必ずしもそのとおりに受け取れない面もございますので、現在お答えできるのはその程度にとどまるわけでございます。 そこで、定着を進めるためにそれではどうするかということは、何と申しましても収益性の問題がポイントでございますので、生産性を上げまして収益が高くなるようにするということが必要かと思います。そのためには、土地基盤の整備、水田を畑作等を主体にした転作をやるわけでございますので、やはり排水その他基盤整備をやるということがやはり一つの基礎になる。それから、さらに生産性を上げますためには、機械その他施設を導入をいたしまして、労働生産性を高めるということも一つのポイントになると思いますし、それからさらに、反当の収益性も上げるということ、これは主として技術対策になろうかと思います。研究に待たなければならない面ももちろん一部ございますけれども、現在の普及組織等を通じまして濃密の指導をするというようなことをやっておるわけでございます。さらにまた価格政策にも関連する問題でございますので、野菜、果実、あるいは畜産関係につきましても、五十一年度予算では従来の基準価格を相当引き上げるようなことをやっておりますが、これも先ほど大臣からお答えございましたように、価格政策全体を見直すという中で転作作物につきましてもさらに検討を加えまして、適正な価格形成が行われますように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○近藤忠孝君 農林大臣にお伺いしますが、いま、定着性は三割から五割だという数字ですね、実際見ていますと三割台がずいぶんあるんです、県によってですね。こういう状況でいいのか、要するにこのままでいいとお考えかどうかですね、恐らくそうは思わぬと思うんですけれども。これをいま局長言われましたような打開の見通しが本当におありなのかどうか、この点について端的にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、現在米の過剰基調が続いておるという状況の中で稲作転換を進めておるわけでございますので、その稲作転換が、やはりできるだけ定着をしていくということがわれわれがやらなきゃならない対策でございますが、御指摘のように確かになかなか五割というところまではいってないというのが現状でございます。この原因は、いま局長も申し上げましたように、やはり米と、それから奨励作物との間の競争力といいますか、そういう問題があるわけでございますから、やはり定着するような価格対策であるとか、作物の価格対策であるとか、あるいはまた集団的な生産組織といったような生産対策であるとか、さらにまた、基盤整備といったようなものをやはり総合的に積極的に進めるということが定着をさらに進めていくということにつながっていくことになるだろう、こういうふうに考えておるわけでございます。今日、われわれが食糧総合政策の中に打ち出しておるのもそうした面を十分とらえてこれを積極的に進めるということでございます。
○近藤忠孝君 それから、食糧の自給性を確立する上でもう一つ大事な問題は、休耕田をこのままにしておいてはいかぬという問題だと思うのですね。これも、調査の結果によりますと、復帰可能見込み率が大変少ないです。たとえば、新潟なんかの場合には一九・七%ですね。二〇%台のところが十一県もあるんですね、この調査によりまして。これは農林省が委託された調査と思うのですけれども。こういう状況を、先ほど大臣は一定のことを言いましたけれども、果たしてこれが実際可能なのかどうか。今後、こういう休耕田がこのまま続くのかどうか。この点についてどうでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、やはりいま休耕田としてなかない復帰がむずかしいという一つの大きな原因は、やはり休耕田で復元がむずかしいのは、一つは、谷地田といいますか何かが非常に多い。あるいはまた労働力がなくなってそのまま放置されておるというふうな、山間の耕地というものがなかなか復元がむずかしいという面があるわけでございますが、これは、先ほども答弁いたしましたように、農振法の今度の改正でもって利用増進事業等を進めていくというふうなこともできるようになったわけでございますし、さらに、そうした谷地田とかそういうふうな面については、山村対策振興といいますか、そうしたもろもろの施策をやっぱり強力に進めていくという以外にはないわけでございますので、そういう面につきましてもいろいろと特定事業、特別事業等も進めておりますから、そういう中でできるだけこれが耕作復帰ができるように持っていきたいというふうにわれわれは考えて最大の努力を続けていきたいと思っております。
○近藤忠孝君 次の問題に入りますが、米の生産調整、これは、五十年は一一四%、超過達成でしたね。それでもなおかつ作況指数は一〇六という豊作で、当然過剰米が出てくると思うのです。この過剰米の流通の問題ですが、大体どれくらいいま出ておるのか。その銘柄と非銘柄に分けて、ひとつ御報告いただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 生産調整は大分進んだわけでございますが、昨年は非常な天気に恵まれまして、作況指数は一〇七ということでございますし、生産量も千三百十七万トン、史上四位ということになっております。また反別も、これは史上最高の収量を上げておるわけでございます。したがって、これによりまして大体いまのところでは予約限度超過米が大体五十万トンぐらい、最終的な転換調整は終わっておりませんが、大体五十万トンぐらい出るのではないかという、ふうに推測をいたしております。その五十万トンの中で、いまこれを自主流通米のルートに乗せて販売を急いでおるわけですが、大体十万トンあるいはそれ前後が銘柄米である、あとが非銘柄米になるのではないかというふうにわれわれは見ておるわけでございます。——ちょっと数字で不正確な点がありましたので、食糧庁長官から……。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、五十万トンのいわゆる限度超過米のうちで四〇%が指定銘柄米です。ただいま大臣がおっしゃいましたのはそのうちの優良銘柄、ササニシキとか、コシヒカリとかに相当するような優良銘柄米が十万トンということでございまして、そのほか、御案内のとおり、特例銘柄が約一五%ございます。その他が非銘柄米ということに相なっております。
○近藤忠孝君 優良銘柄を除いては、これは、大変自主流通米のルートに乗せましても、なかなか販売がむずかしいと思うのですよ。恐らく大分苦労をするのではないかと思いますし、恐らく価格の問題でも農家の皆さん相当困っておるのではないかと思いますけれども、その辺はどうでしょう。
○政府委員(大河原太一郎君) 本年は作況指数最終一〇七というような作柄でございまして、ただいま大臣も申し上げましたように、五十万トンを超える超過米ということでございますので、いろいろな問題、生産者の不安とか、あるいはやみの流通とかというようないろいろな問題がございましたので、生産者団体が全量集荷して、これを調整保管して自主流通ルートに乗せて販売いたすということに相なりまして、その集荷もすべて終わりまして、この自主流通ルートでございますから、先生御案内のとおり全農等の指定法人を通じまして、登録卸売業者に対して販売計画がただいま一月末にできまして、それぞれその超過米の品質に応じまして販売価格交渉が行われておりますが、われわれといたしましては、関係者の意見を総合いたしましても、この消化ということについては現段階では不安を持っておりません。
○近藤忠孝君 その中で特に非銘柄米の場合、価格交渉をやっていると言うんですが、やはり買いたたかれるということですね、この辺はどうなんですか。
○政府委員(大河原太一郎君) この問題は超過米処理で非常に懸念された点でございますが、非銘柄米につきましてはもちろん有力銘柄米のごとき正規の自主流通米と匹敵するような価格で販売をすることは全農等の指定法人にもできません。下限が政府売り渡し価格ということに相なりますが、この場合においても、われわれといたしましては、最大限の農家手取りを確保するために本年度は特別に自主流通米に準じた流通奨励金等をこれに交付いたしまして、その農家手取りはできるだけ高くいたすというようなことでございまして、販売自体なりその農家手取りについては最大限の配慮をさしていただいておる、こういうふうに考えております。
○近藤忠孝君 時間がありませんので最後に大蔵大臣にお伺いしますが、先ほど戸田委員のロッキード問題についての答弁の中で、国会に対する報告は、報告できることは報告すると、こういうことなんですね。これも一昨年の田中金脈のときに、じゃ報告できるものは何かと言いましたら、結局資料としては公示された申告所得だけだと。全国民が知り得るものしか出さぬということになったんですが、これが田中金脈解明が中途でうやむやに終わったという国民の批判を受けていることだと思うのです。今回こんなことされぬと思いますけれども、この基本的な国会に報告できることを、前回のような態度をおとりになるのかどうか、この辺いかがですか。
○国務大臣(大平正芳君) 今回の事件であろうと、どの事件でありましょうと、私ども税法上認められた範囲内において仕事をいたすわけでございます。したがって、全部の仕事について守秘義務がかかっておることは近藤先生も御承知のとおりでございます。したがいまして、この事件については守秘義務を守らないなどという約束を私はできません。ただ、国会は、国政の御調査に当たりまして政府に対していろいろ御質疑が今後もありましょうし、またこういう点について報告をしろという御下命があることと思うのでございます。それにつきましては最大限の御協力をせにゃならぬわけでございます。私どもの受けておる立法上の制約の範囲内におきまして最大限の御協力はしなければならぬと心得ておるわけでございます。
○栗林卓司君 時間の制約もありますので、農林大臣にだけお尋ねをいたしたいと思います。毎年この法律案の審議をするわけですが、決して毎年このようなことを繰り返すのは望むところでもありませんので、食用穀物についてのお考え方を二、三点簡単にお伺いしたいと思います。 一つは、奨励補助金についてどうお考えかということなんですが、今回の昭和五十一年度予算を見ましても奨励補助金がたくさんついております。稲作転換奨励補助金は五十年度をもって終わりますが、実体としては引き継ぎになるということになるわけですが、この補助金というのは、本来の性格からすると臨時的、短期的なものであるはずだと思います。これが定着をいたしますと、新しい新規の奨励補助政策が財源的には一切とれなくなる。その意味でも、あくまでも原則というのは短期的、臨時的なものであると私は思いますが、そのようにお考えかどうか。では、恒常的な対策はどうかということになりますと、理屈から言うと価格政策しか残らないんではないかと思いますが、まずこの点について御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま政府といたしまして生産を奨励しなければならない、増産を図らなければならないという作物につきましては、御存じのような奨励金をつけておるわけでございますが、この奨励金の性格は、価格そのものではもちろんございませんし、いわばいまおっしゃいましたような臨時的なものであるという面もあるわけでございますが、その実質はいわば価格に上乗せというふうな形を持っておるというふうに私は考えておるわけでございます。しかし、今後ともこれらの増産対策というものを、しっかりした基盤のもとにこれを進めていくという上においては、やはり価格政策というものを本来的には充実をしていくというのがこれは農政の筋ではないかと、こういうふうに考えるわけでございます。そういう面におきまして、各農産物等につきましても、価格政策のあり方等につきましても検討すべき面は検討し、そして改善をしなければならない点は改善をしておるというわけでございますし、今後ともこの価格政策はぜひともこれを積極的に改善の方向で進めていきたいというふうに考えておるわけであります。
○栗林卓司君 いま奨励金は価格の上乗せだというお答えでございました。事実上そんなことで積んでおるんだから、価格政策本来はおいおいまた検討してという御趣旨の御答弁だと思うんですが、いまのお答えの中には生産者価格のことしか入っていなかった。消費者価格には何ら上乗せになっていないわけです。価格政策とおっしゃるからには、売り渡し価格も含めて本来は論じなければいけないと思うんですが。 その意味で続けてお伺いしたい第二の点なんですけれども、稲作転換というのはいろんな経緯でこうなった。ただ、伝統的な主食に対して転換を議論するというのは相当大胆な立場だと思います。主食の改善はあるにしても、伝統的な主食の転換というのはそう言い得てなし得るものではない。そう考えてまいりますと、今日、米の消費状況を考えてみたときに、いろんな原因からそういう需要状態になっているとしても、食用穀物における米の位置づけという面から見てこれが正常だと言えるんだろうか。大変大きなところから伺って恐縮ですけれども、いまの消費需要というものをそのまま見て、はいそうですかと受けとめるにしては、日本の風土的な条件をはみ出してしまった消費構造になっていないんだろうか。それを含めてもし価格政策ということを考えたとすると、米の価格と仮にたとえば麦というものを見た場合には、麦の場合には国際価格で決まってきた。まるで別なんだという、そういうことが戦後数十年間米と麦の価格差というものが非常に開いてきた。これが結果としていまの日本の風土条件から相当はみ出してしまった需要構造をつくってしまったんじゃないか。それは農政の責任者として果たして正しい食用穀物の消費の対応と言えるのかどうか。それを改善するとしたら、奨励補助金で積んでありますというだけでは済まない消費面の価格政策も御一緒にお考えにならなければいけないんではなかろうかと思いますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話しの私もそのとおりであろうと思うわけであります。米にいたしましても、米が過剰基調にあるということで、生産調整という面だけでこれをとらえるということではこれは間違いであって、やはりこうした生産調整をしなければならないという状況になったということも、百二十キロぐらいの一人当たりの消費量が九十キロ以下に減ったという消費の減退というところに大きな原因があるわけでございますから、これはやはりどこの国でも、その国の主食というものはその国の農産物であるわけでありますし、わが国もいままでは主食が米ということになっておるわけでありますが、しかし、米の消費が減ってきたと、これにはやっぱり食生活の変化等が大きな原因になっておるわけでございますが、これは日本の今日の食生活のあり方から見ても、あるいは歴史的、文明的なあり方から見ても、いまのような状況が続くということは決していい方向じゃないわけで、やはり米の消費をふやしていく、米の見直しを図って米の消費をふやしていくということが正しい方向であろうというふうに思うわけでございます。したがって、そのためには一つは、やはり消費の拡大を図るためのいろいろ広報活動等をもっと積極的にしなければなりませんし、あるいは学校給食という面においても今後力を入れることになっておるわけでありますし、またさらに米の消費が減ってきた一つの原因として挙げられるのは、やはり麦との対比において対米比価というものが非常に下がってきておると、そして麦の値段が政府の売り渡し価格が数年据え置かれたというふうなところに、米の消費が伸びないで、麦の消費が伸びたというふうな面もあるわけでございますので、麦につきましても、政府売り渡し価格についてはことし二〇%上げたわけでございますが、さらにこの対米比価は是正をしていくということが、これは米の消費拡大にも結びついていくわけでございますし、そういう面でわれわれ麦の政府売り渡し価格についてはさらに再検討するという、逆ざやを段階的に解消する方向へ努力をしていかなければならないと、こういうふうに考えるわけでございます。
○栗林卓司君 時間がありませんからもうこれでやめますけれども、私が申し上げているのは、逆ざやの段階的解消というささやかな値上げの話を議論しているつもりは毛頭ないんです。いま需要面から申し上げたのですけれども、生産面の問題は、先ほど御指摘のように、稲作転換ということをやったとしても転換作物が定着するか、あるいは水田裏作をやったとしてだれが魅力を持つかということになると、生産面における収益性の問題が出てきて、比較対象は常に米である。米と匹敵するだけの収益性がない限りはとうていできない。自給率を高めるとおっしゃいますが、農政審の調査でも水田裏作が可能な面積は百三十万ヘクタール近く、農林省の御計画でも昭和六十年度で麦作の予定用地として言えるのは四十三万ヘクタールぐらいですから、相当部分が未利用で六十年度でも残ってしまう。その裏返しが先ほどの需要面になるわけですけれども、ここでは大変言いづらいことでしょうから、最後に一言おっしゃっていただければ大変幸いでございますけれども。 私は、物価というのは全部上げなければいいというものでは毛頭ないと思う。対前年度比何%というのは、ならしての話ですから、上がるものもあり、下がるものもあり、ならして見れば対前年度比九・九%となればよろしいわけですから、微調整はまたほかの政策で補っていけばよろしい。その意味で私は、今後の日本の食用穀物に対する対策を考えていきますと、農林省とすると相当国民の皆様方からおしかりをいただくのを覚悟の上で大胆な取り組みをすべきじゃないか。奨励補助金でとりあえず積んであるからという後ろ向きの対策を重ねながら、こういう法案を毎年議員立法で審議することだけはぜひ御勘弁いただきたいと思うんですが、後段のくだりは別としまして、相当大胆に需要面、生産面の両面から価格政策に取り組むべきだと思いますが、その点だけ御所見を補足いただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 麦対策につきましては、これはただ奨励金あるいは価格対策だけではなくて、農政の立場からは、集団麦作の推進であるとか、麦の生産対策の充実であるとか、そうしたいろいろの面も総合的に対策を進めていくということが必要であるということは当然のことでございますし、同時に、いまもおっしゃいましたような食用の穀物につきましては、これはわが国において自給できる可能な限りのやっぱり自給力は高めていくということにつきましては、これは国を挙げて取り組んでいかなければならない重要的な課題であると思うわけでありますが、ただどうしても国内において自給できない穀物につきましては、これはやはり外国からの安定輸入を図っていかなければならないわけでございまして、そういう面につきまして六十年目標を立てまして、これはいろいろといまおっしゃるように批判はあるわけでございますが、われわれとしては、六十年目標を十カ年間で実現をして、総合的な食糧の総合自給率を七五%にはどうしても持っていきたいということで今後とも努力を重ねてまいりたいと考えております。
○委員長(岩動道行君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(岩動道行君) 速記を起こして。 他に御発言もなければ、この際委員長より申し上げます。 この際一言つけ加えます。 わが国の食糧自給が問題とされている折から、政府は、今後の農政の進展に即応し、各種の奨励補助等の施策及び税制上における必要な特別措置のあり方について真剣に検討すべきものであると理事会において各党一致の意見が確認されましたことを申し添えます。
○野々山一三君 いま委員長がつけ加えられました中で、必要な特別の措置のあり方について真剣に検討すべきものである、こういう真剣にという言葉は、真剣にと、まあわかるような気がするんですけれども、やっぱり具体的にかくかくしかじかするという、具体的にということの意味が当然真剣にという言葉の中に入っているものと、こう考えるわけですけれども、それが一つ。 それから、これは衆議院の方でも同じような議員立法でおやりになっていらっしゃるわけですけれども、具体的に真剣に検討しているという経過が、次の立法処置をするまでの間に委員会などにも報告をされてないものですから、結局空白になって一年ごとの時限立法になっているということは非常に遺憾である。 それから三番目には、やっぱりここまで議論をしてまいりました問題でございますだけに、この際、政府で具体的にその処置を検討するということを私どもとしては考えるべきである。なぜか、議員立法でお決めになるからしようがない、これは税制上の特別の措置を考えますなどという答弁があるということは非常に遺憾なことであると私は思うので、これは行政府としても、いま私が申し上げたような意味をまじめにひとつ考えてほしい、こういう気持を込めまして、いまの真剣にという内容を御確認をいたしておきたいと、こういうわけでございます。委員長、いかがですか。
○委員長(岩動道行君) 野々山君の御発言にお答えを申し上げます。 真剣に検討すべきものであるということの内容として、これは具体的にという意味を含めてと、こういう御要望でございまするが、まさにそのとおりに真剣ということは具体的なことをしなければならない、こういう内容と私も了解をいたします。 この際、大平大蔵大臣及び安倍農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大平大蔵大臣。
○国務大臣(大平正芳君) 衆議院大蔵委員会における委員長発言及びただいまの委員長発言にありました御要望につきましては、政府といたしましても、今後真剣に検討を続けていく所存でございます。
○委員長(岩動道行君) 農林大臣。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 御要望の点につき出しては、今後真剣に検討さしていただきたいと思います。
○委員長(岩動道行君) 山下元利君。
○衆議院議員(山下元利君) 衆議院大蔵委員会におきましても、ただいまの御要望の点につきまして、具体的に真剣に検討さしていただきたいと思います。
○委員長(岩動道行君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩動道行君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は順次御発言を願います。——別に御発言もないようでございますから、これより直ちに採決に入ります。 昭和五十年度の稲作転換奨励補助金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岩動道行君) 全会一致と認めます。よって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩動道行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十四分散会 —————・—————