P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
77回国会参議院1976/05/13

商工委員会 第4号

発言数
157
登壇者
14
会派数
4
開催日
1976/05/13

会議録

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨十二日、鈴木力君が委員を辞任され、その補欠として沢田政治君が選任されました。     —————————————

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案についての参考人として、お手元の名簿のとおり、金属鉱業事業団理事長平塚保明君、日本鉱業協会会長藤崎章君、全日本金属鉱山労働組合連合会中央執行委員長原口幸隆君、以上三名の方々に御出席をいただいております。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、皆様には御多忙中のところ、本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。これから、ただいま議題となりました法案につきまして、委員からの質問にお答えいただきたいと存じます。なお、御意見、御希望があれば、あわせてお聞かせ願いたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 金属鉱業事業団法の一部を改正する案件について質問するわけでありますが、私個人の都合で、きのう実は国会に出てきた関係上、質問の内容を整理しておりませんので、あるいは前後するかと思いますが、答弁の際はどうか御了解願いたいと思うわけであります。  まず第一に、大臣にお伺いしますが、日本は非常に資源の乏しい国である、こういうことはだれしも等しく現実の問題でありますから、理解をせざるを得ないわけでありますが、しかし一面において、世界の情勢といいますか、資源という問題は非常に大きく提起されておるわけであります。しかも、資源は有限であります、これは地球上の資源でも。しかも、資源というものはある程度消耗すると、これは減耗してまいるわけでありますから、それと同時にまた、現実の世界は、世界連邦を志す方々もあるわけでありますが、依然としてやっぱり人種国家あるいは国境国家、こういう状態にあることもこれは現実の問題だと思うのであります。そういう意味で、資源がどこかに偏在しておる、あるいは流通が渋滞するということになると、大変な政治問題になってくる。地球的な規模の問題になることも、これはまた過去の歴史が物語っておると思うのであります。由来、戦争の原因は、人種、宗教上の偏見もありますが、国境と資源、これが大きく戦争の原因になった歴史も、これは厳然たる事実だと思うんであります。  そういう意味で、大臣、乏しいわが国の資源ではあるが、特に第一次産業、これはどうしても自国で供給率を高めるか確保する、これは私はやっぱり国の基本政策でなければならぬ、こういうように考えておるわけであります。もう金さえ出せば何でも安く買えるという時代が終わったという現状認識に私どもは立たざるを得ないじゃないか、こういうように考えるわけであります。そういう意味で、日本の資源政策の展望についてどういう決意と理解を持っておるのか、まず最初にお聞きしたいと思うんです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いまお述べになりましたように、わが国は資源に非常に乏しい国でありますが、しかも面積は狭くて人口が多い、こういう状態でございますので、いかにして必要な資源を安定的に確保して産業を盛んにするかということが、要するに最大の課題になるわけでございます。資源の安定的確保といいますと、これまたいまお示しになりましたように、一つは国内資源の開発ということでありますが、これはまあ幾ら開発いたしましても、埋蔵量にはおのずから限度がありますので大きな期待が持てませんけれども、しかし、持てないからといってほっておくわけにはいきませんので、できるだけあらゆる努力をして国内の資源を開発をするということが一つと、それから第二は 海外において安定した資源というものを長期にわたって確保する方法はないかということでありますが、そのためには、海外における探鉱、資源の開発、こういうことが必要になるわけでありますが、もう一つ同時に、日本の場合には景気、不景気によりまして輸入の量が減ります。せっかく海外で開発いたしました資源も、日本の事情によりまして、ある年は非常に多く、ある年は非常に少なくと、こういう輸入状態を続けますと、相手の資源国に対して非常に迷惑をかけるわけであります。現に幾つかの国におきまして、昨年と一昨年の不況によりまして大変な迷惑をかけたわけでありますが、国内的にも困りますし、国際的にも困るということでございますので、日本のような場合には、必要な種類については備蓄制度を積極的に活用していく、こういうことがやっぱり根本の対策として必要でなかろうか、かように考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 大臣の理解なり決意といいますか、認識は私は間違っておらぬと思うわけでありますが、しかし、現実の状態に当てはめる場合に、必ずしも理解なり認識と同じような行政が行われておる、こういうようには考えられないわけでございます。一方においては、国内資源を一定限度これは安定させる、育成強化していくと。また、相手国の——これはもう全量わが国の自給だけで賄えないことも事実でございますから、海外依存も、これはある程度せざるを得ない。これも現実の問題であります。しかも相手国ですね、原料の輸出国といいますか、国がほとんど開発途上国でありますので、鉱石代金が国の経済の大きな中心になっておる。こういうことでございますから、やっぱり安定的な輸入、輸出を促進しなくちゃならぬ。これは資源外交上不可欠の要素だと思うのであります。  そういう大ざっぱな基本的な理解はそのとおりでいいと思うのですが、しかし一方、国内鉱山、国内資源の維持といいますか、強化といいますか、こういうものについては、非常に安定をさせよう、強化しようという認識はいいとしても、現実においては、そういう理解に基づいた政策は私は一〇〇%だと言えないと思うのであります。と言いますのは、もう十年前に約四百の鉱山があったものが、今日においては百二十ぐらいに減っておるわけです。つまり、国際商品である非鉄金属の価格が、価格の急激な上昇によってその激浪にのまれて、もう全く埋没しておる、押し流された、こういう結果になっておるわけであります。もちろんこれは、政府自体も努力したということを認めるにはやぶさかでありませんが、多くはやっぱり国際価格の変動によってその激流に押し流された。こういうことはもう現実の問題として私は認めざるを得ないだろう、こう思うわけであります。  さらにまた大臣は、国の資源を確保する、強化する、こう言っても、保存状態が有限である、こう言われますが、なるほどこれは有限であります。限度があると、こう言っていますが、しかし、宇宙まで人間の人知が征服できるようなことになったわけでありますが、案外地下のことはわからぬですね。台風とか地震とか雷さえもまだどうにもならぬわけであります。いわんや地下の科学は非常におくれておるのです。したがって、いま現在はどれだけの埋蔵量があるか。現在あるものを掘っていけば、なくなることはこれは理の当然です。しかし、ここ十年間、十五年間を考えてみますと、意外なところに発見されておるわけです。だから、いまあるものだけでもう終わりだという認識は、これはお捨てになった——まあ、そう思っておらぬと思いますが、これは間違いだと思うのですね、そう思っているならば。  そこで私は、回りくどい言い方をしておりますが、聞きたいのは、少なくとも鉱業政策あるいは金属鉱山の鉱業政策を考える場合には一つの柱がなければならぬです。石炭にも一つの目標はあります。何千万トン確保しなくちゃならぬと、こういう目標があるわけでありますが、非鉄金属の場合には、目標がなかったとは言いませんが、たとえば銅で言うならば、十万トンなら十万トンは絶対確保しなくちゃならぬ、これだけの資源がなければ、海外開発といってもこれは技術者の温存すらできない。これだけはやっぱり自国で供給しなくちゃならぬという柱がどうしても私は必要だと思うのです。  したがって、たとえば非鉄金属の主要な部分である銅、鉛、亜鉛、こういうものをどれだけの限度安定的にわが国で確保する、こういう目標があるのかないのか、あったかもわからぬけれども、寡聞にして私はわからぬわけです。そのときの成り行き、つまり国際相場、経済変異によって取り捨てられたりつぶされたり、こういうことではやっぱり時流の波に巻き込まれてなくなっちゃうのです、鉱山が。一回なくなった鉱山は、もう再興ということはほとんど不可能です。これから新規に投資してまたやるということになると、これはもう不可能だと思うのです。そういうことでございますから、通産当局がこれに対してどう考えているのか、どれだけのものをいろいろな政策を駆使して確保しなくちゃならぬというように考えているのか。この点を通産当局にお聞きすると同時に、そこに従事しておる労働者の代表である原口さん、それから業界の藤崎さんはどういう目標を持っているのか、何を望んでいるのか、その点をお答え願いたいと思うのです。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 国内鉱山の重要性につきましては、ただいま沢田先生のおっしゃられるとおりでございまして、私どもも国内資源が最も安定した供給源であるということ、また、海外における鉱山を開発するに当たりましても、国内鉱山というものを持っているということが、人的にも技術的にも一つの海外鉱山開発の基盤になっている。また、国内鉱山の地域社会における重要性、その他から国内鉱山の育成強化というものに努めてきておるわけでございます。これにつきましては、先生御高承のとおり、いわゆる三段階方式ということで新しい鉱床の発見というものを、相当国も予算を出しましてこれの推進に努めておるわけでございます。  ただいま先生から御質問のございました国内鉱山の生産をどういう線、一定量、目標を設けるかということにつきましては、これは私どもは現在の生産水準というものをぜひとも維持したいというふうには考えておりますが、これも今後の鉱床の発見ぐあいその他いろいろ問題があります。ただ、基本的方向といたしましては、現在の水準を維持したいという気持ちはございますが、具体的なことにつきましては、現在鉱業審議会におきまして、今後の国内鉱山というものの育成強化策をいかにすべきかということを検討しております。そこでいろいろ今後も、いまの先生の御意見を踏まえまして検討をし、結論を出していきたい、こういうふうに思っております。

原口幸隆全日本金属鉱山労働組合連合会中央執行委員長

○参考人(原口幸隆君) 労働組合の立場から申し上げましても、国内鉱山の一定量の鉱量確保ということはぜひ必要であるというふうに考えております。いま政府当局の方からも返事がありましたけれども、最も安定度の高い供給源であるということ、さらに、海外に進出する場合においても、人的技術的な基盤というものが国内鉱山の開発によってつくられる、また、地域社会との連帯性、地域産業というような観点からも、国内鉱山の占める役割りは非常に大きい。が、先生の御指摘のように、その基準というものがやはりはっきりすることがわれわれとして望ましいし、メーンメタルであります銅を例にとりますれば、最低十万トンというものははっきり最低として確保する政策というものが打ち出さるべきであるというふうに考えます。  御承知のように、銅の価格というものはロンドン相場で決められまして、これは日本の国内の労使の意向というものが直接反映することもありませんし、ときには投機的な要素において一方的にロンドン相場で決められるというような、非常に不安定な状態になっておりまして、価格形成のメカニズムがほかの企業、産業と違うという特殊的な問題を背景に抱えておりますだけに、国内鉱山から出る鉱量を安定させ、さらにその価格の安定というものに対する適切な施策というものを裏づけされることが大変望ましいというように思っております。  先ほど先生の方から御指摘のありました、鉱山数も現在百六鉱山に減っておりますし、われわれ従事する鉱山労働者も、金属鉱山においては一万九千人というふうに減りましたし、また、非金属鉱山労働者も二万二千というような数になりまして、これ以上の低下は国内鉱山を開発する人的資源としても、能力としても絶対に減らされない。そのためにも鉱山の確保ということがぜひ必要だろう。鉱量の一定確保という目途がはっきり立つことを切望いたします。

藤崎章日本鉱業協会会長

○参考人(藤崎章君) 先生御指摘のとおり、主要な三つの金属をとってみますと、銅につきましては、大体十一、二万トンが最近の実勢で八万五千トンまで落ちています。亜鉛につきましても二十八、九万トンありましたものが二十五万トン程度に落ちております。鉛につきましては、七万トン程度ありましたものが最近五万トンと、これが実情でございます。御承知のように、これはニクソンのドル防衛声明並びにその後のオイルショック、こういうことが非常なコストアップ要因と価格を引き下げることになりましたので、その間に山が次々と閉山をしていったということは事実でございます。  しかし一方、われわれの業界は、先生よく御承知の事業団によります三段階方式での新たないわゆる探鉱の努力、並びに最近のいろいろな技術の進歩ということを考えますると、少なくも現状以上減らすべきではない、こういう考えを持っておりますし、なし得れば、そのほかに価格を安定していただく一助になります備蓄の構想、そのほか関税制度、それから補助金、いろいろな助成をいただいておりますが、これをやや強化することによりまして、これよりやや上、強いて希望的な目標を申し上げますれば、銅は十万トン前後、亜鉛で三十万トン——これはちょっと無理かと思いますが。鉛で六、七万トン、こういうようなものを目指して、そういうところを目標としてわれわれ業界としてやるべきじゃないか、かように考えております。  理由といたしましては、これは何といっても非常に貴重な資源でございますので、ナショナルセキュリティーの一助になりますとともに、それから日本経済の所有いたします膨大な原料というものを海外からとります以上、これはどうしてもみずからの手で開発をある程度進めなければ、要するにみずからがどの程度これをコントロールするか、こういう能力が必要でございます。したがいまして、技術と資本ということは当然でありますが、またこれはまたとない技術の修練の場である。そういういろいろな視点から考えまして、私が先ほど申し上げました程度の規模というものは何とかして維持したい。これが業界の願望でもございますし、また、その線に沿って努力をいたしてまいりたいと思っております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 参考人の方々からどれだけの自給率を維持すべきかと、こういう点については、原口参考人、藤崎参考人、大体数字においては相違はないようです。私、考えてみましても、過去の実績等を考えて、これだけは維持できる不可能な数字じゃないと思うんです。また、これぐらいは維持しなくちゃならぬじゃないか、こういうように思うわけです。そこで長官、大ざっぱに現状を維持したい、こういう考えですが、たとえば、銅が五万トンになったらまた現状維持したいということでは、これは何ら積極的な目標じゃないんです。現状に何というか、追従していくということであって、一つの積極的な政策姿勢にならぬと思うんです。だから、いま二人の参考人が言われましたように、過去の実績から言っても、あるいはまた保存状況から言っても無理な数字じゃないわけですね。そういうことで、鉱業審議会におまかせします、しかも現状維持ぐらいはしたい、そういうような後ろ向きといいますか、後ろに流されるような姿勢じゃなく、通産省としてもこういう考えを持っているんだ、これだけは維持しなくちゃならぬのだと、こういう積極的な姿勢をやっぱり諮問する際明らかにして諮問さすべきだ、こういうように考えます。  それと同時に、そうは言っても、目標は決定しても目標が維持できるんじゃないんですよね、目標だけでは。それを支えるいろいろな諸政策が必要です。やはり金属鉱山の場合は有限ですから、顕在鉱量、可採鉱量というのはね。常に減耗して、掘ったものをこれは継ぎ足していかなくちゃならぬから、これは探鉱がどうしても必要だ。と同時に、この価格ですね、価格政策をとらない限りはどんなに鉱量があっても、今日の鉱量があすの経済変異で——今日の変異とあすの経済変異は違うわけですね。いまはもう経済変異で、掘れる可採鉱量が価格の変動によっては採算の合わぬものになるわけでありますから、そういう面でこれは左右される。そういうことだから、それを支えるための価格政策、安定して操業できる価格政策というものをやはり考えなくちゃならぬと思うんですね。その価格政策がもうほとんどなかった。探鉱面ではある程度の支えがありましたが、価格政策ではこれは何にもなかったわけです。これは非常に特徴的ですよ。  たとえば、農産物もやっぱり外国から輸入していますので、これは需給関係で相当の落差がある。だけれども、ある程度それを支えているわけです。あるときは備蓄したり、ある場合は放出したりね。牛肉なんかもそうでしょう。ところが、鉱業政策にはそれがないわけです。ただ探鉱に幾らか融資をしてやろうとか、それしかないわけです。だから、山が国際価格の変動によってその激流に押し流されてしまう、こういう悲劇が繰り返されている主因はそこにあるわけですね。とは言っても、私どもは決して何というか、鉱山資本とか製錬資本を助けようという意味じゃないんですよ。国の資源は、どんなに政治体制が変革になろうが、経済体制が変革になろうが、一国の資原は一国の民族のものだ。これはどうしてもやっぱり供給し、安定させなくちゃならぬという次元の高い立場から私どもはこれを主張しておるわけです。  そういうことでありますから、探鉱の面と、いま言った抜けておる面は、目標がないこと、それと価格政策がないこと、これが結果的には鉱山がどんどん国際価格の激変によって押し流されておる。これをどうするかという点について、いま確実な即答は求めませんが、これを検討してみる気があるのかないのか。まあ備蓄政策もありますが、備蓄政策は、滞貨があるから金利で困るだろうからちょっと買ってやろうと。しかも外国から輸入して、開発途上国から輸入して相手に迷惑かけちゃ困るという別の原因なんですね、これは。積極的な国内鉱山の何というか、下から支えるという意味にはならぬと思うんです。絶無とは言えないけれども、その作用はぼくは大きく期待できないと思うんです。だから、価格政策についてどう考えているのか、将来検討する気があるのかないのか、この点をお伺いしたいと思うんです。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) この非鉄金属につきましては、先生御専門でございますので、私から申し上げるまでもないわけでございますが、地金の価格が国際価格によって左右されるということで、国内の需給ということではなくて、むしろ銅につきましても鉛につきましてもロンドンの金属取引所——LMEによって決められるわけでございます。そういう意味で、ほかの商品と違いまして非常に価格政策の入り込む余地というものが、この非鉄金属の世界価格の特殊性によりまして困難になっておるという点がございます。ただ、国内鉱山から出ます鉱石につきましては、これも御高承のように、ある程度のコストの援助というものを地金の関税制度の付随効果としてやっておるわけでございます。そういう意味で、国内鉱山につきましては、決して十分だと私申し上げるわけではございませんが、国内鉱山対策として価格につきましてコストの援助という形のものをやっておる。これで十分だとは思いませんが、やはりこの非鉄金属につきましては、もうロンドン相場が動きますと、それによって直ちに国内が動く、ここが一番問題ではないかと思います。  むしろこれは、日本も非常に大きな銅の生産国でございますから、ただ受け身でLME——ロンドン金属取引所の価格をそのまま反映して国内価格が決まるという体制がいいのかどうか。また、これは関係諸国ともいろいろ話し合って、従来のように一年以内に八十何万円していたものが三十万円台になるということは、世界的にも銅の健全な発展のためにはむしろいろいろ問題が生ずる、こういうふうに思っております。そういうことで、この価格問題もただ一方的にあきらめるということではなくて、やはり関係諸国とも話し合って、この価格についても改善すべきものを改善していきたいと思っておりますが、先ほど冒頭に申し上げましたように、国内鉱石につきましては、一つのコスト補てんと申しますか、援助の政策をやっておる、これが現状でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 国際価格のメカニズムについては、原口参考人も言ったように、重要な疑問をぼくは持っているんですよ、不満を持っているんです。しかし、これは日本だけで、日本がもう世界の銅の四〇%、三〇%持ったなら、これは大きく発言の影響力があるわけですけれども、消費国でしょう、世界の。しかも海外資源に依存しているわけでしょう。だから、関係各国と協調したり話し合いすることは、これは結構なことだと思うんです。しかし、それは現実的にどうこうということにならぬと思うんです。その意図はいいんですね、絶えずそういう努力は外交面ですべきだと思うんです。そこでやっぱり過渡的な段階としては、国内鉱山、銅にたとえるならば十万トンを維持するということになれば、それだけの価格政策がこれは当然必要だと思うんですね。これはどうしても考えてもらわなくちゃならぬと思います。  一時は国内鉱のコストと、それから輸入鉱のコストは相当の差があったんです。だからどうしてもこれを全部救うということになると、膨大な予算と国費が必要だということになるわけです。ところが私の場合は、正確な数字じゃありませんが、やっぱり世界的なオイルショック以来のインフレで、また、開発途上国の事情で大体トン当たり五十万円を超えているんです。日本のこのコストと似てきているんです。だから、必ずしも日本の銅が割り高になるということにはならぬと思うんです。そういうことだから、現在五十六万円とも、七万円ともいう国内鉱山のコストとそう違わぬわけだから、その付近を目標にして、これ以上山をつぶさぬというような価格政策はやっぱり考慮してみるべきじゃないか。財源をどこから出すか、どういう政策立法でやるかはこれは別として、検討課題だと思うんですね、どうかね長官。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 国内鉱山とそれから海外鉱山との鉱石の価格比較につきまして、ただいま先生がおっしゃられましたように、だんだん縮まってきてはおりますが、しかし、やはり国内鉱石の割り高というものは、これはなかなか解消できないと私どもも思っております。そういうことで、このコスト対策につきましては、むしろ私はほかの業界に比較いたしましても、相当なところまでやっておると、つまり関税制度とのリンクで、先ほど申し上げましたように鉱石に対しまして、相当の金額の補給金のような形で出しておるわけです。これは国の制度ということではなくて製錬会社が鉱石を買い上げますときに、国内鉱石とそれから海外鉱石とは相当差を持っていますが、買えるような一応仕組みになっておる。これにつきまして、先ほどお答え申しましたように、これで十分だというふうに思っているわけではございませんが、現在までも相当努力しておりますし、また先ほどからも、先生の国内鉱山というものを非常に重要視しなければならないということは、私どももそのとおりだと思っております。そういう立場で今後もこれを考えていきたいというふうに思っております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 関税の面である程度の保護はしておるはずだと、こう言われますが、私もそれは否定しません。しかし、これは本当に保護という名に価する効果を出しているかどうかには、私は非常に意見の違いがあるわけです。いま関税をかけておるのは、輸入地金だけです。輸入鉱石にはかかっておりません。これは同じ参考人でも、輸入鉱石に関税をかけるかかけないかで、これは相違があると思うのですよ。ぼくらは企業がどうこうというのではなくて、国内鉱山を保護育成しなくちゃならぬというところに次元を置いておるわけですから、これは意見の相違は結構だと思うんです。いまの地金だけで関税をかけて、それを還元する場合でも、特定の、企業によっては非常に恩恵に浴したり、浴しなかったり、たとえば買鉱製錬専門のところもあるし、自山鉱を持っているところもあるし、そういうばらつきがあるわけです。これは藤崎参考人と原口参考人の意見は相違あってもいいから、それぞれのお立場を述べていただければ、それをやっぱりそしゃくして、どうしてむらなく国内鉱山を維持さしていくか、支えになるかという一つの物の考え方の参考になると思うから、これは当局は要りませんから、原口さんと藤崎さんにそれぞれ見解を述べていただきたいと思います。

藤崎章日本鉱業協会会長

○参考人(藤崎章君) 大変むずかしいお尋ねでございますが、いま長官からもお話がございましたけれども、私は現状に近い形でやる以外、どうも余りいい方法があるように実は思っておりません。ただし、これは研究はいたしてみます。  ただいま先生からも御指摘がございましたように、大体銅価はいま八十数セントなければ後進国、いわゆるCIPEC諸国もやれないことは御承知のとおりでございますが、ということになっております。これは大体五十五、六万円に相当いたします。したがいまして、確かに国内鉱山は割り高ではございますが、五十五、六万円ぐらいのものは何とか維持して、貴重な国内資源としてこれは維持拡充していかなければいかぬ、こういうことについて私は異存はございません。  それから、昨日あたり新聞にも出ておりましたが、西ドイツあたりでは、ことしあたり価格も千ポンドぐらいいくだろう、千ポンドぐらいいくということは、ちょうど八十三セントぐらいでございますが、いま私が世界のどこの国も必要としている銅のコスト、コストといいますか売り値でございますが、それが八十四、五セントにはどうしてもならなければいかぬ。こういうことになりますと、いま申し上げましたように、そのぐらいが、五十五、六万というところが、まずバルクラインとしてどうしても維持しなければならぬ国内コストである。こういうものを保護していきますれば、今後の探鉱技術の開発、それから事業団のいろいろの御努力と相まって、私はある程度の規模は可能ではないかと思うわけでございます。  これも御高承のところでございますが、現在は免税点が四十八万円でございまして、四十八万円までは一万五千円の関税がございますので、これを国内の、いわゆる鉱石に対して十四万円、ただいま五十七万円までは国内鉱山に対してやると、先生よく御承知でございますが、そういうことになっておりますが、ただいま建て値が四十八万円になりましたので、四十八万円になりますとこれがゼロになる。ゼロになりますと製錬所が配給いたします原資というものがここでなくなってまいります。そこで、はたと困る問題がある。しかも、今後電力代の値上げというものは、いろいろな御事情のもとに必至でございましょう。それから、国鉄の運賃の値上げということになりますと、これは山は非常に苦しい局面に追い込まれてまいります。いろいろその辺をまたお考えいただくとか、また、われわれもいろいろ運動してこれを何とかいま維持できると思っておりますやさきに、またそういう問題が起こってまいります。  それから、先生の御指摘のお考えといたしましては、たとえば輸入鉱石にかけて、そして、それをプールしたらという御構想ではないかというふうに拝察をいたしますが、これはいろいろやり方によって、なお私は大いに検討すべき価値はあると存じまするが、現状日本の鉱石の買鉱条件と申しますか、これが非常に高度成長下、日本では銅が要るんだ、亜鉛が要るんだということで、しゃにむに買いまくった結果、はなはだどうもお粗末な窮状を申し上げて恥ずかしいわけでございますが、日本の買鉱条件というものは、世界の一般に比べて劣悪でございます。ただいま必死になってこれを改定いたしている段階であります。だんだん効果もあらわれておりますが、それだけに非常にもらいますマージンが少ないわけでございます。それだけに製錬所というものも非常に苦しい。御承知のように、五十一年三月、まだ発表されておりませんが、大体主要製錬五社、これは山も持っておりますが、これの経常利益、大体実勢と申しますものは、これは二百億を超える赤字でございます。もちろん会社のことでございますから、いろいろ粉飾をいたしまして、何とか利益を出すということはいたしておりますが、実質の姿はそういうところでございます。製錬もまだ非常に苦しい、こういう事情にあることを御理解いただきたいと思います。

原口幸隆全日本金属鉱山労働組合連合会中央執行委員長

○参考人(原口幸隆君) まず、基本的に金属資源というものが、現在のところは私企業の段階において操業がなされておりますが、世の中の変化と同時に私企業ではあるけれども、資源というものは社会のもの、その国全体の利益のためにあるのだという考え方に立たなければならないのじゃなかろうか。もしそうであるならば、私企業の尺度だけで利益のない鉱山、あるいは輸出輸入ということについてはすべて利潤というものが当然基礎になっているわけですから、その点を大きく変更させる。  たとえば休廃止鉱山の尺度というものは、物理的に全く鉱量がなくなったというよりは、採算に合うか合わないかで鉱量の規模が決まる。そういう際に、年間、銅で十万トンは確保しなければならないというふうに国の政策ではっきりさせるならば、成り立たない山の操業を私企業の段階からたとえば事業団に移す、そして国際価格が適正になっていった場合にはまた私企業に戻すとか、そういうような国の判断による休廃止、場合によっては十万トンを切るならば事業団がそれを受け継ぐ、国の費用において。そういうような考え方に基本的に切りかえていくべきではなかろうかというような感じが非常に強くいたすわけでございます。  それから当面の、たとえば銅については四十八万円が免税点になっておりますが、国内鉱山のコストは大体五十六万円から六十万円というふうに私どもも判断をいたしておりますので、免税点を当面コストに見合うところまで引き上げるというようなことも一つの方法でございましょうし、事業団の運営とか役割りについて事業団発足のときとは非常に現在は違ってきております。つまり、この産業が社会性をますます帯びてきているという傾向、流れを強くいたしておりますので、冒頭申し上げましたように、こういう際にもう少し基本的な国内鉱山に対する対処の仕方、あるいは税のかけ方というようなものについて御検討をお願いをしたい。  また、鉱石の輸入についての税金をかける、かけないについては、労働組合といたしましても平和経済計画会議等の先生方とも相談をして検討はいたしました。いたしましたけれども、直ちに海外鉱石輸入について関税をかけた方がいいかどうかの結論はまだ得ておりません。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 二人の参考人の方が関税をめぐる考え方について述べられましたので、私はこれ以上深くは言いませんが、ただ、原口参考人とは非常に同感であります。間に合うから、間に合わないからという国際相場の物差しで国内の資源を切り捨てられるというのは、これは大変だと。これは石炭にもそういう例があるでしょう。結局石炭をつぶしたというのは、油の方が安い、安易だ、永久に入ってくるんだということでコールマインをつぶしちゃったわけだ。それで今度はオイルショックになったならば石炭を見直そうなんて、こんな政策は、資源の持つ意味を考えたならば責められるべきことです。先見性がなかったということですよ。この視点をやっぱりびしっと一本置かなければ、抽象的な表現だけど、これはどんな政策をやってもそんな政策は何にもならぬ。この点はやっぱり通産省、ちょっと考えておいてほしいと思うんです。  次に問題点を移しますが、事業団は非常に功績があったと思うんです。これはたくさんの法人事業団があるが、生きておるのか死んでおるのか、何やっておるのかわからぬ公団もたくさんありますね。行管等でもやかましくこれはチェックされているようですが、しかし、金属鉱業事業団は非常に実績を上げてきたことを私は率直に言って認めざるを得ないと思うのです。石油開発公団もあるけれども、まだ寡聞にして見つかっておりません。しかし、探鉱というのは一面においてはないということがわかっただけでもこれは探鉱なわけですね。半分の私はやっぱり役割りを果たしていると思うのですよ、二重なリスク、三重なリスクしなくなるから、ここはないということがわかればですね。しかも、この金属鉱業事業団は数カ所で鉱床ないし鉱石に当たっておるわけですから、これは大変な実績を上げたと思うのです。しかし今後のやり方としては、乏しい国の金でやるのだから、鉱業権者の思惑によっておれのところを見つけてくれ、おれのところを見つけてくれという探鉱のあり方では、私どもは法律をつくった意義がないと思うのです。私企業を助けるためにこの法律ができたのじゃないのですから、国全体の資源というものをどう把握するのか、どう増大させるのかという高い次元で国が金を出しておるわけでありますから、いままでもそう私企業の思惑によってずっと探鉱の個所が決定したとは限りませんが、大体今日まで黒鉱を中心にした探鉱が本土、北海道まあ大体一巡したと思うのです。しかし、今後といえどもやはり広域探鉱の必要性は私は否定すべきじゃないし、これもこれなりに努力してもらいたいと思うが、いままでのように全国一巡のキャラバンじゃなく、特に去年ですか、十和田湖周辺の鉛山という地点で有望な鉱床にまたぶつかったわけですね。特に北鹿地帯の銅は日本の産銅量の四〇%超えているでしょう、最近発見されたね。だから、私は地質学者じゃないからわかりませんが、これは非常にいろいろな意味を持ってきたと思うのです。また、学説もどんどん変えていかざるを得ないと思うのです。大体は露天鉱床なり、まあ小坂鉱山ですが、五十メートル、百メートルというのが二百五十メートルになり、最近においては地下五百五十メートルまであの黒鉱地帯は下がってきているわけですね。そこで把握して稼働しているわけです。でありますから、その下にまた根があるのかどうか、これもまた地質学の分野で未知数だ。だけれども、あそこにあるということははっきりしたわけです。しかもまだかなり残っているでしょう。六〇%ぐらい残っているでしょう、あの地帯は。だから、全国のキャラバンもいいし広域も伸ばさなければならぬけれども、やっぱり北鹿なら北鹿を徹底的に探査する、そこが完了したらまた有望地点に移る、こういうように、つばをつけて移るということではなく、そういうように腰を落ちつけた探鉱方法を考えるべきじゃないか、こう私考えるわけですが、いかがですか平塚さん。

平塚保明金属鉱業事業団理事長

○参考人(平塚保明君) お答え申し上げます。  ただいま沢田先生の御指摘の件まことにごもっともと存じます。御案内のように、事業団は国内におきましては広域構造調査、精密構造調査、さらに企業の探鉱に融資をする、先ほど長官からお話がございましたいわゆる三段階方式というものをとってそれを極力推進して今日までまいったのでありますが、ただいま御指摘のように、先般十和田湖の西北の山地で広域ボーリングをいたしまして非常にいいものに当たっております。この周辺は四つの鉱山会社の鉱区になっておるわけでございまするが、ただいま先生から御指摘がございましたが、その場所の決定につきましては、実はこれは国の仕事でございますので、私どもは国からの委託を受けてそこで仕事をやるのでございますが、その決定につきましては、広く関係の地域の鉱山会社の意向も十分に聞くことではありまするが、関係する大学、県、地方通産局、本省、これらの関係の者が、技術屋が検討して、この辺を掘ったらばこの地域の地殻の大体の構造はわかるだろうというところにボーリングを打つことになっております。たまたまそれがそのものずばりに当たってしまった、こういうことで、これは本来そのものずばりを当てるのが目的ではございませんが、大変幸いと申しますか、そのものずばり当たったわけでございます。  また、引き続いてやっておりまする精密調査、これは御高承のように国が三分の二の費用を持ち、あと十五分の二を都道府県が持ち、十五分の三を鉱業権者が持つ、こういうことの仕事でございまするが、その後同じくやはり北鹿の釈迦内というところ、先ほど先生が御指摘ございましたように、地下五百五十メーターのところで初めてりっぱなものに当たりました。最近当たったうちでは最も優秀な鉱床でございまするが、これもそのものずばりを当てるつもりではなかったのでございまするが、その地域がいま先生が御指摘のように、比較的日本の国内においても鉱床の広く発展しているところであったために当たったものと考えられるわけであります。  なお、ただいま御指摘のように北は北海道から南は九州まで日本各地に鉱山が散在しておるわけでありまして、今日これらの多くのものが休山をいたしておりますが、昔はかなりのものを皆出しておったわけであります。したがいまして、その地方地方については先ほど来参考人からも御指摘がございましたが、その地域の発展ということについて、特に山地の中の不便なところでは、そこに鉱山が興ることがその地域の発展につながるということから、地方の市町村あるいは県から、ぜひこの地域で広域調査をやってほしいという要望が私どものところにも盛んに参ります。  御高承のように、私どもの事業団は、国の委託を受けていたします鉱業政策の実施機関でございますので、私どもがこれを決める力はございませんが、国が鉱業政策としてそれを取り上げますれば、それを着実に効果あらしめるようにわれわれは努力いたしておるわけでありまして、ただいま先生から御指摘がございましたように、特にそういう鉱物の集中しておるやに考えられるところを重点的にやったらどうかという御指摘につきましては、私個人といたしましてはまことに賛成でございます。しかし、国の金を使って全国の地質構造を調べる使命も持っておるわけでありまするから、それらもやりながら、特に鉱床が発展し得るであろうという地域について、さらにサーブラスの探鉱をやってものを見つける方向に力添えをするというふうにすべきであると、ただいま先生の御指摘の点について私も全く同感に存じておる次第であります。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 おっしゃられたように、国の政策の実施機関ということですから、質問は政府の方から先に聞くのがこれは順序だったと思いますが、広域探鉱の場合は相当広範囲ですから、全国ですね、非常に広範囲に地質構造を把握する、これは初歩的な段階ですから必要だと思います。この必要性は私は毫も否定はしません。ただ精密になりますと、関東ローム層に何百本おろしたってこんなものはないんだから、そういうことじゃなく、最も目的に向かって成功しやすいということが顕著になったところを重点的にやる、こうでなければむだになると思うんです。一メートル離れても当たらぬときがあるんだから、一メートル左に寄ったら、右に寄ったら当たるというのが鉱層ですから、鉱床ですから、そういうことでやっぱり北鹿地帯なら北鹿地帯、北鹿地帯でなくてもどこでもいいけれども、ここは非常に何といいますか、つかめるというところをもう重点的にやるべきだと思うんで、平塚参考人も私の意見と大体同様なようですから、長官、やっぱりぼくはその方が効率的だと思うが、いかがですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) この広域地質構造調査並びにいま特に先生からお話のございました精密地質構造調査、これをどこの地点で行うかということにつきましては専門の方々、まあ大学の教授の方々その他を入れまして、これは御存じのように鉱業審議会の中に探鉱分科会を設けまして、ここで全国の有望地点の中でどこから先に広域地質構造調査をやり、また、広域地質構造調査を終わりましたもののうちで有望地点を精密地質構造調査をやるかということを決めておるわけでございます。そのときには当然、平塚理事長の金属鉱業事業団の意見その他も十分取り入れまして、そうして決定している次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 漠然と、鉱業審議会の機能は認めなくちゃならぬし、権能は認めなくちゃならぬがいかがしましょうやという、そういう消極的なことじゃなく、役所としても相当のデータを把握しているんだから、いろいろの探査の結果をあなたの方に出しておると思うんです。だから当局は、こういう方向で審議してほしいという審議の方向くらいは示して相談するというのは、これは当然だと思うんですね。だから私が言っているように、そういうようにやっぱり方向を示すべきだと思うんだが、どうかね、全く消極的だね、その付近は。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 私の先ほどの答弁で、金属鉱業審議会の探鉱分科会でやっているというので、ただそれにお任せして、それで役所がその結論を待っているということではございません。これは私の先ほどの答弁不十分でございましたのですが、有望地点につきまして役所としてもいろんな案を出し、また、それに関するデータもこの分科会に出しまして、そして専門家の方々の御意見も聞きながら、公平に、しかも有望地点をできるだけ的確にこの予算を使おうということでやっておるわけでございます。それでいま先生のおっしゃられましたような御意見、ことに有望地点に集中して行うということにつきましては、これは私どももそう思っておりますし、また、先ほど申し上げました鉱業審議会の探鉱分科会におきましても、大体大勢がそういうことで余り広くやることでなくて、やっぱり有望地点に集中的にやるべきじゃないかというふうに変わっております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 事業団が、金属鉱業事業団と長ったらしいから、事業団が融資と出資ですね、海外の場合主に融資をしておるわけですが、今度は備蓄の方もやることになるわけですが、どうも一つ機能が欠けておるようにぼくは考えるわけです。やはり事業団にも鉱業権の設定を認めた方が現実に合うんじゃないかというように考えるわけです。なるほど今日の鉱業法は先願主義ですね。これは先願主義というのも、農業国であった日本が維新になって近代国家にならなくちゃならぬ、資源を見つけなくちゃならぬ、こういうことで先に見つけた者に権利を与えると、これも時代の背景としてはそれなりの意義もあったし、目的も果たしてきたと思うんです、しかし。今日は地下五百五十メートルなんて個人じゃ発見できませんよね、これは。もう時代が過ぎましたよ。しかも、公害問題でしょう。時代の背景がからっと変わったわけです。見つけた者個人に権利として与えるということじゃ、下手に無資力な者が鉱山を稼行して、間に合わないというわけで捨てたならばどうなりますか、今日の蓄積公害はそれを物語っておるわけですね。  そういうことであるから、やほり鉱業権を公団にも与えて、これは間に合うような発見をしたならば、公団が鉱業権を売り渡すのか、貸与するのか。しかも相当の当面効果があるわけですね。権利だけは持っているけれども、掘る意思も何もないわけですよ。しかも、それは平地の鉱業権であるならばいいわけだけれども、山とか昔の旧坑を押えておった場合は国が全部補償しなくちゃならぬわけだ、無資力だから。これをもう整理する時期に来たと思うんです。昭和三十八年ですか九年ですか、私も衆議院の商工委員会で鉱業法の改正の際に審議に参画したわけでありますから、むずかしい面はわかります。しかし、鉱業法で考えるか、別の立法で考えるか。やはり応能主義もそろそろ検封してもいい時期に来たんじゃないか、こういうふうに考えますが、いかがですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 現行鉱業法につきましていろいろ議論がございます。現在の先願主義というものにつきまして、これは実際に、ことに先ほど挙げられましたいわゆる鉱害問題に関しますと、いろいろそこに実施上の問題がございます。現在の先願主義は、これは先生御高承のとおり、国民全部に平等に鉱業に参加できるようにするということでございますし、また、その資格要件を定めて、そして一定資格以上でないと、たとえば資力とかその他ないと鉱業権を認めないというのが果たしていいかどうか、また、その要件をいかに決めるかということで、技術的に非常に問題があると思います。一定の能力がなければ鉱業権者になり得ないということで、その能力、要件というものをどうしたらいいかということで、これもいろいろ検討がなされておるわけでございます。  ただ、先ほど御指摘にありましたように、鉱業権は非常に平等だ、それからだれにも与えるということによって鉱業の促進ができるということ、また、その適格者の判定は非常にむずかしいので、むしろ先願の方がいいじゃないかといういろんな議論があります。それからまた、これは先願主義にいたしませんと、ある企業だけが独占してしまうとかいろんな弊害があるので、むしろ先願主義の方がいいじゃないかと。これは逆のことももちろん言えるわけでございますが、こういう問題と、それから先ほど挙げられた一番問題の鉱害問題、それからもう一つは、先願しておいて、鉱業権を取得しておいてそれを放置するということで、貴重な鉱物がそのまま地下に眠ってしまうという点、いろいろの点がございます。そういうことで、私どもとしてはこれらの点を踏まえて、いかに鉱業法を改正するべきかということは、これは内々やっておりますが、いまのところ直ちに鉱業法を改正して、そしてこの先願主義に対しまして新しい基準を入れるということには、まだそこまでの段階になっておりません。  ただ、この鉱害問題につきましては、これはそのまま放置できませんので、鉱害につきましては鉱山保安法の施行により、また金属鉱業事業団も、これは国会で改正を先般お認めいただきまして、鉱害に関する対策というものもできるということで、鉱害対策のための融資も金属鉱業事業団できるようになりましたし、また、鉱害防止積立金制度につきましても金属鉱業事業団がこの一翼を担う、こういうことになっております。そういうことで、鉱害問題につきましては、ほかの各種の制度で補完をしていくということで問題の解決に努めておるわけでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 一つ答弁抜けていますね。それは事業団に対して鉱業権を認めるという方向、いまここで確約せよということは言いませんが、機能を拡充していくというためにはぼくは不可欠だと思うんです。だから、鉱業法の抜本改正なんて言ったってこれは膨大な作業です。これは先願主義を廃止するのか、あるいはまた五年なら五年たっても開発する意思がない場合は自動的に消滅するというような二段構えでいくのか、いろいろなことがあると思うが、まあそれはいいですよ。それは検討してほしいと思うんだが、事業団に鉱業権を与えるということはぼくは必要だと思うんですよ、これは。何も事業団のなわ張りをふやすという意味じゃなく、そういうものをみんな事業団が買い取っていけばいいんですよ。だからその付近は緊急に検討する必要があるんじゃないかと思うんだが、どうかね。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 事業団の業務を拡大いたしまして、事業団みずからが鉱業権を持ち、みずから探鉱あるいは開発までやるというのが今度の国内鉱山の育成強化の一翼を担うということで、その検討の問題は私ども検討いたしたいと思います。  ただこれにつきましては、これは石油開発公団につきましても、御存じのように海外の石油の利権というものの一応取得ができるように、先般法律改正で業務の追加が行われたわけでございますが、これにつきましても、できるだけ早期に民間企業にこれを譲り渡すということになっています。ですから、石油開発公団は金属鉱業事業団に比べまして、一応鉱業権と申しますか、石油の利権の取得ができるような法改正になっておりますが、これは時間的に間に合わないとか、いろんなことでちょっと先ほどの御趣旨とは違う観点から改正し、この業務の追加になっておるわけです。  それで、いまの金属鉱業事業団、これは先ほど先生から非常におほめの言葉をいただきまして感謝いたしておる次第でございますが、この事業団にさらに業務を追加して、みずから探鉱し、みずから開発するというのがいまの人的構成その他で果たしてやり得るかどうか、これらの問題も相当詰めなければ、当然人間をふやさなければならないわけですが、そのふやすそれだけの技術屋その他が集まるかどうか、いろんな問題ございますので、いまの鉱業権を金属鉱業事業団みずから持つということについての業務追加につきましては、私どもも十分検討いたしたいと、こういうふうに思っております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 私は、事業団が鉱山業をやれということを言っているんじゃないんです。鉄建公団とか船舶公団がありますね。できたら、何というか移すわけだ、売るか。そういう過渡的なものだと思うんですよ。業としてやるというところまで考えておらぬわけです。たとえば精密調査をしても、どれだけあるかというところまで、はっきり採算ベースに乗るかどうかというところまでやったら、後は業じゃないんだから、そういうような意味の鉱業権、条件づきの鉱業権、そういうものぐらいはやっぱり与えた方が非常に機能を発揮するんじゃないかということですから、後ほど御検討願いたいと思うんです。  それと、いま鉛山で事業団が着脈ですか、着層した、層に当たった、あの開発ですが、四・八何%ありますね。かなり高品位なものですね、銅にしては。しかし、国立公園だからこれはとても開発できないわけです。したがって出鉱する坑口といいますか、坑口は青森県の南津軽郡ですか、それの平賀町ですか、ここになるやに聞いておるわけですが、さて出鉱した粗鉱をどこへ持っていくかということです。これ以上事業所を国立公園のそばにつくって鉱害の拡散をすべきじゃないと思うんです。しかし、地形はどうしてもそこにつくらなくちゃならぬという場合は、これはやむを得ないわけですが、近傍に小坂ありあるいはまた古遠部あり、花岡あり、尾去沢あり、これはもう縮小してますから、選鉱の捨て場はある。これはどこへ持っていくかは別として、自然の非常に設備があるわけです。だからぼくは、鉱害という関係と自然破壊という関係からいって、これは企業の自由なわけだけれども、やっぱり役所の方でもなるべくそういう事業所とかダム、これは選鉱所をつくったら鉱滓が残りますからダムも残る。これは将来禍根を残すと思うんです。そういうことだから行政指導かなんかで、これ以上自然を汚さない、公害源を持たない、こういう面で行政指導するつもりがあるのか、どうですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 本件につきまして鉱業課長から答弁させていただきたいと思います。

松村克之資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(松村克之君) いま先生御指摘のありました件につきましては、現在事業団と坑道付近の計画について検討いたしているところでございます。問題は数年後の問題でございまして、今後坑道を掘りまして、その後の問題でございますので、その点におきまして、そういった施設が必要であるのかないのか、また、必要であるとした場合にそれが既存のものを使うことによってできるかどうか、そういう点を含めまして、先生の御指摘になりましたような環境問題等十分配慮して計画を立てたい、こういうふうに考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 この点は十分考えてください。そうでなくちゃ、いま問題がないとしても、後世に問題が残るわけですからね。これは原子爆弾も同じで、そんなものは余り拡散しない方がいいのです。なければいいのだけれども、設備がなければこれはしようがないですね。十分あるのだから、その点は考慮してください。  それと、国鉄運賃並びに電力料金が、特に電力料金が、全国一斉じゃないにしても、東北電力なんか値上げしようというわけですが、日本の銅の四割以上がそこに集中していますからね。これは金属鉱山の電解の場合、亜鉛にしても電気を食う産業なんです、電気で製品をつくるわけですから。普通の機械を回すとかなんかじゃない、膨大な電力が必要です。鉱石も重い。したがって、ぼくの見方では、正確な計算はしておりませんが、ともかく電力と運賃によってやめる鉱山が百八ですか、百八あると原口参考人が言っているのだけれども、半分ぐらいはこの案でいったならば鉱山がやっぱり消滅する、こういう運命にあるのじゃないかと思うのですね。三十億ですか、の負担増になるわけですから、もう全く一挙にして運賃でつぶれる、こういうことにも相なりかねないと思うのです。これについて私どもは、それをまけろとか下げるべきだとかという意見は積極的にはここで述べません。が、しかし、皆さんの実情をお聞きしたいと思うのです、藤崎参考人、原口参考人から。その実情を把握した上に立って、通産当局が国内鉱山を保護する、これだけ維持するという前提に立って——運賃とか電力の問題じゃない、別のそれを救う手法もやっぱりあると思うのですが、そういう参考にしてほしいと思うのです。そういうことだから、これはもう通産当局も考えるなら考えるという簡単な答弁でいいから、時間がありませんので……。藤崎参考人と原口参考人から意見、要望があったならば、この際ここで明らかにしてほしいと思います。

藤崎章日本鉱業協会会長

○参考人(藤崎章君) 御指摘のとおり、現在言われておりますのは、国鉄運賃でやりますと大体三十八億、それから主要五社が払っております電力代が三百五十億ばかりございますので、これが値上げになりますと百三十億の負担増ということに相なります。現在でもいろいろ苦しい状況にございますので、正直に申し上げまして値上げの負担能力はないというのが実情でございます。  それから、亜鉛について御指摘がございましたが、詳細はやめますが、結局亜鉛の電解のような場合、われわれはきわめて良質な高圧受電、しかも高負荷率というきわめて安定した望ましい電力でやっておりますので、正直なところ、いろいろ特約とか政策料金が四十九年の六月にほとんど廃止になっておりますので、こういうものが欲しいというのが実情でございます。今般、いろいろな制約もございまするので、できるだけその辺の事情を御勘案願って、そうしてこういう安定した良質な電力を使い、さらにコストの中に占める電力代が大半である——正直にざっくばらんに申し上げますと、亜鉛製錬は大体六万二千円の加工費でございます。そのうち三万三千円が電力代でございます。仮にただいま御申請があるような値段になりますと、これが四万七千円ばかりにはね上がることになります。あと一万四千円ぐらいでやれというのは、これは実質上存立を脅かされていると、こういう問題だと言っても差し支えないと思うわけであります。したがいまして、山は、採鉱コストに占める電力代は、大体八ないし一五%コストの中に占める、こう考えていただいてよろしいわけでございますが、これも非常に苦しくなり、かたがた国鉄運賃の問題もあり、山はかなり苦しくなるということを御認識願い、大所高所からの御判断でしかるべくいろいろな御措置をお願いしたいということをいろいろお願い申し上げております。  それから製錬につきましては、過去にありましたいろいろな特約、そういうことが許せる範囲で極力上げ幅を少なくさしていただく、これがお願いの筋でございます。

原口幸隆全日本金属鉱山労働組合連合会中央執行委員長

○参考人(原口幸隆君) 数字については、いま藤崎参考人の言われたことについて全く同じ見解を持っております。  さらに若干の説明を加えますと、製錬加工費中の電力費が予定どおり上がりますと、銅一トン当たりの中に占める労務費というのが大体四万七千円ぐらいではないかというふうに私どもは判断いたしておりますが、それと同額ぐらいの値上がり増になる、電力費増になるというので、人件費がさらに圧迫される危険性を非常にはらんでいるというふうに考えます。  それから、鉱石を運搬する際の国鉄運賃の問題ですが、これは他の産業の製品では、国鉄離れが可能な産業がかなりあるわけですけれども、トラックによって鉱石をすべて目的地まで運び出すということはほとんど不可能だというふうに思いますので、そういう点からも国鉄運賃、電力の値上げについては、現在でも産業別に見て、低位にある金属鉱山関係の従業者の労務費というものが非常に圧迫される。少なくともその口実には使われるということだろうというふうに判断をいたしております。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 電力料金及び国鉄運賃値上げによりまして、この非鉄金属業界が非常に大きな影響を受けるということにつきましては、ただいま藤崎参考人、原口参考人からお話がありましたような内容につきましては、私どもも業界からも、またいろいろの点から、これが今後のこれらの業界について非常に大きな影響を与えるものだということで憂慮いたしておるわけでございます。これをいかにしていま切り抜けるかということにつきましては、真剣にその対抗策を考えていきたいというふうに考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 ごらんのように、国鉄は赤字でいま非常に国鉄財政再建というのが問題になっている。片一方は、国内鉱山も、資源の確保としてやっぱりそういう政策が必要だ。これは両方必要なわけですから、その調整なり接点をどうするか。こういう点はやはり事情を踏まえた上で、資源エネルギー庁が国鉄、運輸省——特に電力の場合は皆さんの中にあるわけだから、どういうように調整等を図るか、これは皆さんの、何というか、手腕、力量といいますかね、適切な行政判断というものは非常に注目されると思うのですね。だから、時間がないのでこれ以上言いませんが、結果を注目したいと思うのです。これは十分考えてほしいと思うのです。  それから蓄積公害の問題ですが、まあカドミとか金属産業が地域住民に大変不安と被害を与えておるわけです。原因説はいろいろマスコミ等で言われていますが、そういう中身には触れませんが、私もやはり原因者負担という原則は、これははっきりすべきだと思う。ただしかし、金属鉱山の場合は、明治維新以降近代国家になってからの産業じゃないという事実もやっぱり私ははっきりすべきだと思うのです。原因者がおらぬのです。あるいは徳川幕府であり、あるいは封建領主であり、個人がともかく鉱山をやった歴史はないわけです。全部時の権力者がやったことなわけです。その比率は、蓄積で何%がいまの見当というのは、これはつかぬわけですね。そういうことだから、そういう事情を踏まえて、しかも原因者負担という一つの方向も踏まえて、やっぱり基準というものを明確にすべきじゃないかと思うのですね。  これはまだ定かじゃないわけですから、時間がないので、簡単に原口参考人、藤崎参考人に、私はやっぱり原因者負担をぼかしていいということを言うんじゃないんです。どこまで国が持つのか、どこまで過去の近代国家になるまでの累積されたものを国が持つのかという基準を明確にすべき時期に来ているんじゃないかと思います。無資力な者に、おまえはいま鉱業権があるんだからやれと言ってもできっこありませんからね。そして困るのは地域住民だから、その付近の境界といいますか、基準を明確にする必要があるんじゃないかと思うんです。これは検討課題です。原口参考人と藤崎参考人にお聞きしたいと思う。

原口幸隆全日本金属鉱山労働組合連合会中央執行委員長

○参考人(原口幸隆君) 先生御指摘のとおり、蓄積鉱害につきましては、国の資源であるという立場、さらに今後この資源を大切にしていかなければならない、開発をしていかなければならないという前提がある限り、蓄積鉱害問題を積極的に処理いたしませんと、国内鉱山の維持、育成というものが不可能になる危険性が多分にございます。したがって、単なる後ろ向きに鉱害の問題を処理するという観点ではなしに、将来、国内資源の金属資源を開発していくという前提に立った積極策の一部として蓄積鉱害の問題を見ていかなければならないのではないかというふうに、私どもは基本的な考え方を持っております。  その上に立ちまして、確かに企業責任というものが現在の経営者に求められる原則については、私は、はっきりさしておくべきだと思いますけれども、その原則について現実に処理する場合に、現在の企業能力としては事実上不可能に近い。また、国の資源という社会的な観点が強くなればなるほど、国の負担においてこの問題を抜本的に解決をしていくという施策が前提にありませんと、先ほど御指摘のような、国内資源の三段階の探鉱開発という問題にすら手がつけられない。あるいは現在の私企業の経営者が意欲を喪失する、やめた方がいいというような問題にもつながる危険性がございますので、蓄積鉱害の問題についてはその歴史性から言いましてぜひとも、ほかのいわゆる公害とは質的にかなり違うという観点に労働組合側も立っておりますので、よろしく今後の御検討をお願いを申し上げたいというふうに思っております。

藤崎章日本鉱業協会会長

○参考人(藤崎章君) 蓄積鉱害につきましては、先生がただいま御指摘のとおりで、明治維新後つくられた工場、そういうものと違いまして、これは江戸時代から、さらにそれ以前から続いておるものでございます。いわゆる坑廃水その他による問題につきましても歴史が古く、その間また稼行の主体が御指摘のとおりいろいろ変わっております。蓄積鉱害については、現在の稼行者といいますか、その終結いたしました際に稼行者が出しましたものならば、これは当然責任をもってやるということはわれわれも避けるものではなく、当然そのつもりでやっておるわけでございます。いわゆる経営主体の変化、そういうようなことがいろいろあるわけでございます。しかも、鉱害規制の強化の傾向にございますので、われわれは誠実にこれを履行しておりますが、ただいまの段階ではその負担は増大する一方でございます。  特に、そういうことでございますのと、それからいろいろ自然条件、それから過去のいろいろの関連、こういうことがございますが、なかなかこれは現実には基準は定めがたい問題だとは思います。原口参考人が新たなる鉱業政策の進展ということに関連してお話がございました。われわれが誠実にこの坑廃水の処理をやることは当然の責務でございますから、これはやってまいりまするけれども、先ほど来申し上げたようなわれわれの責任を超えるもの、それからわれわれの負担を超えるものということにつきましては、また高度の御判断、その他を仰ぎたい、こういうふうに申し上げて、私の意見とさしていただきます。

宮本四郎通商産業省立地公害局長

○政府委員(宮本四郎君) 鉱山における蓄積鉱害の問題は、鉱業の歴史がきわめて古い、それがその後転々と鉱業権が移ってまいりまして、現在の主体が当然その責めをどこまで負わねばならぬか、これらの問題につきましてはきわめてむずかしい問題があろうかと思います。他方、重金属によります人の健康の保護あるいは生活環境の保全、こういった問題は一日もゆるがせにできない。この二つの問題のはざまに立ちまして苛酷の負担を鉱業企業に寄せることにつきましては、私は現実的になかなか行き過ぎの面があってはいけないと思う次第でございます。  PPPの原則というものが他方ございまして、いろいろ議論が行われておるわけでございますが、たとえば、鉱業法によりますところの鉱害防止の無過失賠償責任、あるいはまた、鉱山保安法におきますところのいろいろな鉱害防止の規定、さらにはまた、土壌汚染防止法あるいは費用負担法におきますところの実体的な規定、このような実定法の定めはもとより尊重されねばなりませんけれども、それ以外の面におきましては、極力助成措置を講ずべきであると考えております。  たとえば御存じのように、鉱業権者が存在する場合におきましては、いろいろな財政の資金を活用いたしましたり、金属鉱業事業団においていろいろと苦心を願っております。さらにまた、不存在の場合におきましては、先生御案内のような鉱害防止の補助金制度というものができておりまして、相当手厚い制度は整っておるかと思いますけれども、なお、その運用につきましては御趣旨に従って努力してまいりたいと考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 蓄積鉱害の責任は非常に歴史的な背景がある。ある場合は政府が鉱山を経営したことがあるんですね、明治時代。官山と称して政府自体がやったわけです。そういうものの責任もあるわけです。しかも、原口参考人が言ったように、もう企業能力の限界を超えるということになった場合、鉱害というものの一つの弊害と、その産業の存在というものの価値判断をしなくちゃならぬわけです。そういうところまでさかのぼらざるを得ないのですね。こういうことだからいま当面の返答じゃなく、やはりこれを深刻に何というか受けとめて将来の課題として考えてほしいと思うんですね。その点はそれで終わります。  次に、これは思いついたようですが、S対策をどうするかということです。いま需給のバランスが非常にとれないわけですが、いつまでもこういう状況じゃない、需要も喚起される時期が遠からず来ると思うのですが、その際に一つの自動操業、たとえば銅の増産あるいは亜鉛の増産、鉛の増産をする場合でも、特に銅と亜鉛ですが、ブレーキがかかるわけですよ。これは設備が足りなくてブレーキがかかるのではなく、つまり、それをとるために硫酸が出てくるわけですね、Sが。銅一トンつくるために三トンの硫酸が自動的に出てくるわけだ。さらに亜鉛を一トンつくるために二トンの硫酸が出てくるわけです。これは投げたならばまた大鉱害だ。  ところが御承知のように、硫酸がダブついているわけです。まさか液体だから投げるわけにはいかぬ。そうなると、たとえばこれだけの需要が出て銅、亜鉛が必要だということでも、硫酸でストップがかかるわけです。これは十分皆さん素人じゃないからわかっておると思うんです。ところリ、硫酸がタンクに満杯だいうことになるとこれは大変なことになりますね。したがって 硫酸を処理する方法は幾らもあると思うが、これは投げるわけにはいかぬ。やっぱり硫酸ということになると大量に消費するのは肥料です。だから、いままで開発途上国の援助で、はだしで歩いているところに耕運機を持っていくのもこれはまあいいでしょう。自動車をやるのもいいでしょう。しかしそういうことよりも、やっぱり食糧が足りなくて飢餓線上にある途上国もあるんだから、そういうところに肥料で援助をしてやるということはかえって開発途上国が喜ぶんじゃないかと思うんです。製品でやったならばこれは一般の金属産業は喜ぶかもわかりませんが、やっぱり相手の民衆にとっては、最も必要なものを与えて感謝される方が私は当然じゃないかと思うんです。でありますから、外務省等とも相談して、やっぱり肥料でやった方がいいのかどうか、その方がいいと思うならいいと思うね。そうしなくちゃ、やがて需給のバランスが解消してこれはもう大変な足かせになります。この輸出対策をどうするかという問題が一点。  それから同時に、最近の製錬所は、昔は内陸にありました、小さな鉱山のそばにあったわけですが、海外鉱依存という一つの時代の趨勢で、ほとんど臨海製錬所になりました。したがって、工場立地というものも限られてきました。そういうことで炭鉱のボタ山のように石こうが大変堆積されて、もう投げるところがないということになっておるので、この石こうをどう処理するのか、この用途開発を民間でやれといったって、これはちょっとできない。でありますから、やっぱり中途の開発とか、これを建築骨材ですか、こういうものにどう転用できるか、これはそうむずかしい技術じゃないと思うんです。政府の機関でこういう検討もすべきじゃないかと考えるが、いかがですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) ただいま沢田先生から硫黄並びに石こうの問題についてお尋ねございましたのでお答え申し上げます。  まず硫黄の問題につきましては、いまお話ございましたように、この鉱石の処理に当たりまして、硫酸の産出があるわけでございますし、また、石油の精製におきまして、脱硫を行いますとここに相当に大きな硫黄の供給があるわけでございます。ところが一方、国内におきましての硫黄に対する需要というものが相当減退いたしておるわけでございます。この需要はいまお挙げになりました肥料、それから繊維、それから無機薬品を主体としておりますが、現在の状況から言いますと、相当長期的に景気が回復基調にありまして、いま申し上げましたような肥料、繊維、無機薬品の生産がふえましても、硫黄の方の供給、あるいは硫酸の供給がやはり過剰であるのではないか、こういうふうに考えております。  こういう意味で、この硫黄及び硫酸についての対策をやりませんと、先ほどお話ありましたように、もとの製錬の生産をそこでとめなければならないとか、いろんな問題が出てくるわけでございます。それで私どもの方も、この硫黄につきましての需給の長期計画と申しますか、長期の見通しというものを立てておりますが、これの解決策は先ほど言われましたように、硫黄を使って硫安その他で海外に肥料を輸出するとか、あるいは援助で持っていくという方法もあるかと思いますが、それ以外に硫黄、あるいは硫酸の形でこれを輸出するということを相当大幅に行わなければなかなか解決しない。それで輸出が可能になるように各種の施策を講じていきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。  それから石こうにつきましても、これはセメント、ボードその他の需要を背景にいたしておるわけでございますが、この石こうが硫酸肥料の副産物としても出てきますし、また、排煙脱硫の石こうの供給が非常に急増をしているということで、この供給過剰をどうするかということが一つの大きな問額となっておりますが、これにつきましては、通産省の中に石こう問題連絡協議会が設立されまして、この新規需要開拓につきましては検討をし、近くその結論が発表されるということでございます。もし必要でございましたら、化学肥料課長おりますので、いま申し上げました石こう問題対策の要点だけここで御答弁さしていただきたいと思います。

後藤宏通商産業省基礎産業局化学肥料課長

○説明員(後藤宏君) いま長官の申し上げましたとおりでございまして、排脱石こうの供給の状態でございまして、四十九年度が二十七万トン、五十年度が八十万トン、五十一年度が百六十万トンというような姿で、排脱装置の八割が石こう会社に供給されまして、非常な石こうの急増をいたしております。これに対応いたしますために、現在石こうを排出しております業界、電力、鉄鋼、石油化学、化学肥料、その他業種と、これを利用いたしますセメント、住宅産業、石こうボード、その他産業機械、十三業界を結集いたしまして、省内関係各課と合わせまして、官民協調体制といたしまして、現在申し上げました石こう問題連絡協議会をつくっております。  ここで主として対応しようとしております内容は、既存の需要の拡大、新規の建材、土木需要の拡大並びに当面ふえます石こうについての一時的な処分の問題、これにつきましても、対策を五月十四日に第二回の石こう問題連絡協議会を開きまして、原案として了承していただくという形で、内容につきましては細かくなりますので省略さしていただきたいと思います。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 まあおっしゃられた方向で解決する以外に方法はないと思いますが、答弁しただけじゃなくて、それを軌道に乗せてもらいたいと思うのですがね。  それともう一つは、これは答弁しなくてもいいと思いますが、燐鉱石からも石こうが出てくるのだね。工法によってはSになってみたり、石こうになってみたり、これはいろいろ工法があります。だからこれもいまのまま燐鉱石で輸入した方がいいのか、燐酸にした方がいいのか、これはやっぱり研究してもらいたいと思うんです。  それと、今度は備蓄の問題ですが、三百億円、これは三億幾ら政府が利子補給をやるわけですが、これが今度の法律改正の目玉なわけですが、これは非常に性格があいまいですね。というのは、鉱石輸出国に迷惑をかけるからと。やっぱり原鉱石の受け入れを、これは一五%ですか、いまやっているのだけれども、これを余りとめたら困る。開発途上国が輸入をとめられたら大変経済的な混乱を来す。これは資源外交上も必要ですが、あわせて国内の資源も守るという一つの性格がなければならぬわけです。ところが、皆さんが出している要綱では、外国に迷惑をかけるから、これは私企業じゃ持ちこたえられないだろうからという一つの目的だけになっています。だから、いまは当面、これで出発したとしても、やっぱり国内の資源も守るという色彩を強めてほしいと思うのです。これはぼくは要望しておきます。これで出発するのだけれども、いまはこれに文句を言ったってどうにもならぬから、これで出発したとしても、そういう国内の価格安定を含めた機能というものを多面的に持つような、これは公益法人になると思うのですが、そういう方向に将来は誘導すべきだと、こういうように私考えます。  それで、買い入れをいつやるのかとか、売る時期はどうかとかといってこれを議論しておれば、これだけで一時間ぐらいかかるわけだから議論しませんが、私言いましたように、輸出国にも迷惑をかけられない、あわせて国内の価格安定を含めた機能に将来やっぱり高めていくべきであると。それとこの要綱を見ますと、非常に政府主導型がぎくしゃくしているのですね。だから、これは公団に権能を移すものは移すと、こういうような方向に持っていくべきだと思うし、公益法人になった場合に名称がどうなるのか。運用が、いま鉱業審議会の備蓄分科会で議論されることになると思うが、この運用もよほど民主化してもらいたい、民主的にやってもらいたいと思います。学識経験者という、非常にこれは知識が広いと思うが、それを学者とか、データだけで物を考える人じゃなく、現場におる人とか、その産業と運命を一体にしている経営者もそうだし、労働者もあるだろうし、そういうように、従来言う意味の、政府好みの学識経験者じゃなく、その点は非常にバランスをとった民主的なものにしてもらいたい。その中身については、ぼくは話をして大体意見の相違がないようですから、そうやっていただけるだろうと信じておるわけですが、その点を考慮していただきたいと思うのです。何か意見があったら、異論があったら出してください。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 今回の金属鉱業事業団法の改正で、御審議をお願いいたしております非鉄備蓄制度を発足させるための業務の追加でございますが、これにつきましては、先ほど先生からもお話がございましたように、海外の非鉄金属鉱石の輸出と対策ということで今回認められたわけです。これがその結果としまして、私は、国内鉱山に対してもいい影響を与えるというふうに考えておりますが、直接国内鉱山対策ということになっておらないというところに現在のこの備蓄制度につきましては限界もあるわけでございますが、先ほどの御趣旨のように、国内鉱山対策というものの重要性を踏まえながら運用その他に努めていきたいと思っております。  また、今後のこの備蓄法人、これは財団法人という公益法人の形で運用さしていくわけでございますが、その運用の仕方その他につきましてただいま先生から御意見がございましたように、いろいろの意見を取り入れる、また実態に即した運用ができるようにするということにつきまして、私どももそういう方向で検討を進めておるところでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 当面はやはり、資源外交面の考慮で大蔵省がこれを認可したという一つの当時の背景はわかっていますが、しかし、将来機能を高めて、価格安定買い取り機関的なものにこれを直していかなくちゃ国内の資源というものはつぶされると。たとえば、現在コストが五十七万円で需給のバランスはとれたけれども、値段だけは五十万円だという場合は、やっぱりある程度五十七万円になるまで国内のものを買い支えておいて、高くなったときこれは政府なりに売る、この中にやっぱりそういうふうな機能を持たせていくべきだと私はそういう主張をしたいんです。だからこれは一つの検討課題として考えてほしいと思うんです。  次に鉱業年金制ですね、これは、石炭には御承知のようにトン当たり幾らという積み立てがあるわけで、別の財源があるわけで、これはこれで結構だと思うんです。鉱業年金を見ても安いんですね、二千円とか、坑外であればですね。だけれども、これは正直言ってだれでも地下の産業はいやですよ。何がしかのやっぱりそういう恩典を与えなければ、これはもうおる人はおりませんよ。私は、価格の問題とかいろいろな問題、鉱量枯渇もあるが、労働者不足のため石炭なんか端的な例でしょう。いま油が大変だと、こういうことで石炭鉱業を再開せよといったって、人は集まりませんよ。だから技術者温存という立場から、財源があるとかないじゃなく、その産業が必要なものであるならばまず技術者、労働者が必要だということははっきりしていますから、そういう観点からやっぱり考えるべきだと。若い人はほとんど入ってこないでしょう、地下労働。しかも、災害が頻発するような条件の作業環境に入ってきません。そういうことで、石炭には特殊の財源があることはわかっておるが、ぼくはこれでも不備だと思っているんですよ。こんなものは年金に値しないんですよ。  だから、これは非常にむずかしくて厚生省、労働省各省にまたがるわけですが、附帯決議でも何回もこれは考えるべきだということはつけられています。が、いままでサボったとは思いません。数回にわたって各省と折衝をしておると、これは認めますが、やはり今後とも前向きに、附帯決議というのは聞きおく程度だということじゃ困るんです。立法府が附帯決議をつけるのだから、行政府はこれを受けて立たなければやはり問題が起こってきます。仮に今度は付帯決議がつくかっかぬかわからぬけれども、過去ついてきたんだからね。だから、やっぱりこれは前向きに検討してもらいたいと思うんです。半年後に結論出せよとか何とかという私は拙速は言いませんが、十分各省と相談して、テーブルに着いて検討してもらいたいと思うんです。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 鉱山にとりまして必要な労働力を安定的に確保しますことは、経営上の非常に大きな問題でございます。そのためには、鉱山労働者の福祉の向上を図っていくということが一つ大きな重点だというふうに考えております。そういう意味におきまして、年金制度につきましては先生御存じのように、種々の解決すべき問題点がまだ残されておりますが、私どもといたしましては、以上のような趣旨から関係省庁とも十分な連絡をとりつつ前向きに検討を進めていきたい、こういうふうに思っています。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 前向きというのは国会用語では何とかいう注釈もあるわけですが、そういう意味じゃなく、本当に中身のある、結果はこれはどうなるかわかりませんが、やはりこの是非を議論してもらいたいと思うのですね。  それと長期の地金輸入、これをこのままでいいのかという素朴な疑問が私残っているわけです。国内では三〇%も操短させながら長期の輸入はやらしておる、今度は地金の輸出は許さぬと、全く踏んだりけったり、どこかにしこりがいくことはこれは明らかです。事情は私わかりますよ。これはむちゃなことをやっているのじゃない、それなりの事情と理由がそこに介在することは認めますが、いつまでもこの輸出を認めないのか。また、国内で操短させて地金輸入というものは無制限にこのままでいいということになれば、ここに矛盾が出てくるわけだ。この点をどう考えますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 銅地金の輸出につきましては、四十九年の二月から輸出を認めるという方針を出したわけでございますが、その後世界の銅事情が御存じのように非常に悪化いたしまして、日本が銅を約三十万トン輸出いたしましたことが原因だということを言われたのでございます。これに対しまして私どもは、決して日本の輸出が銅の価格を下げたのではなくて、やはり世界全体の需要が落ちたのが原因で、日本にだけ責任を負わせるということはこれは実態に合わないということで、これはCIPECという銅の輸出国機構、OPECと同様なものができておりますが、そこの事務局長が日本に来ましたときにも、そのことについてこれは業界からもそれから政府からも十分説明いたし、向こうも了解いたしたわけです。しかしいずれにしろ、従来輸出していなかった日本が相当大幅な輸出をしたということにつきましては、これはいわゆる開発途上の銅の産出国から相当非難を浴びておったわけでございます。このために昭和四十九年の十一月に銅の輸出の承認の停止をしたわけでございます。それ以後、若干その銅の国際市況というものは、ことに最近改善しつつあるという状況でございますが、まだ日本の銅地金の滞貨いたしているものを輸出するという段階には達しておらないと思っております。そういう意味で、今回お願いいたしておりますこの備蓄制度も、日本にこれを備蓄することによって問題を解決していきたいというふうに考えておるわけでございます。  それから、先ほどお話ございました地金の輸入の問題でございますが、特に地金の輸入は銅が大体消費量の一五%ぐらいになっております。それ以外の銅とか亜銅は大体三、四%でございますので、特に問題になりますのは、銅の地金輸入というものがこういうように日本国内におきまして製錬業界が大幅な生産カットをし、非常に国内鉱山にも、また海外の鉱山にもいろいろそのしわ寄せを及ぼしているというときに、まだ地金の輸入を続けなければならないことについていろいろの問題点の指摘があるわけでございます。  ただ、これにつきましては、先ほど先生がおっしゃられましたように、長期輸入契約というもので入れております。しかも、その輸入先がアフリカのザンビアとかあるいはザイールとか、あるいは南米のチリという発展途上国が大体九〇%を超えておるわけでございまして、これらの国といたしましては、鉱石を売ると同時にやっぱり自国の中で地金にして、それを日本に対して長期契約で売りたいということでございますので、できるだけこの地金の長期契約についても減らす、実際の契約量に対しまして削減を求めるということで調整しておりまして、四十九年に比べまして五十年の輸入は相当減っておりますが、しかしながら、やはりこれらの国々との間の取引の形態といたしまして、全部スポットに切りかえるとか長期契約をしないわけにいきません。そういうことで私どもといたしましては、この地金の輸入をできるだけこれらの産出国、輸出国に迷惑を及ぼさない範囲で削減していくということでやっておる次第でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 時間が来ましたので最後の質問をしますが、事業団が海外開発の場合でも投資、融資、これができることになりましたね。ところが開発途上国、発展途上国、こういうところにはできないわけですね。したがって、出資、融資ができることになったわけですが、私は正確にはわかりませんが、あんまりそれが作用してないんですね。二十億円ぐらい使っていますか。というのは、アメリカとかカナダで開発する場合は出資、融資するんだけれども、開発途上国はだめだということになると、カナダとかアメリカは自国の資源はみな全部把握していますよ。そこで残っているのなんていうのはないよ、どだい、常識的に考えてみても。しかも今度は、開発途上国でも商社等を通じて製錬資本がどんどん競争して行っておる、それで条件をだんだん悪くさしておる、こういうことはぼくはむだだと思うんですね。そういうことだから事業団に鉱業権を持たして事業団が乗り込んでいって、これは有望かどうかというものを把握して、自分が業じゃないから製錬業者とか鉱山資本に売るかどうか、損しないようにやるべきだと、これを強調しているわけです。したがって、これは海外開発基金ですか何かの関係で役所のなわ張りもこれに介在しておるようですが、やはりもち屋はもち屋でそれは別だと思うんです。こういうことだから、やっぱり大蔵省なり何かと話して、もう少し国費を使うんだったら有効に使うと。それぞれの分野を分けて、役人のなわ張り根性も結構だが、それは有効に使われなきゃ何にもならぬわけだから、やっぱり委員会でこういう発言があったということを踏まえて、事業団に対する鉱業権の設定を含めて、ぼくは宿題として出しておきたいと思うんです。どうですか。これで終わります。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) わが国が行っております海外の探鉱地域は、大部分はいまおっしゃられるようにいわゆる開発途上国でございます。そういう意味で、金属鉱業事業団もいろいろな調査というものは開発途上国において行って相当な成果を上げているわけです。ただ、いま先生が御指摘ありましたように、企業探鉱の融資につきまして、金属鉱業事業団が融資するのは先進国におけるプロジェクトであり、それから、開発途上国の分は従来からやっておりました海外経済協力基金がやるということで一応ふるい分けになっているわけであります。  それで、これにつきまはしては現在海外経済協力基金とそれから金属鉱業事業団が十分連絡をとって、これは金属鉱業事業団の方は玄人ですから、金属鉱業事業団の知識経験その他を入れて、そうして融資の窓口は海外経済協力基金になっているわけですが、これにつきましては確かに先生のおっしゃられるようにいろいろ問題点ございます。その意味において、私どもとしてもこれはひとつ検討の課題だというふうに思っております。また、きょう先生からありました御発言を踏まえてこの問題を処理していきたい、こういうふうに思っております。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 もう一つだけ、これは重要なことを申し忘れましたが、現在まで鉱業政策として援助の方法は大企業には融資、中小企業には新鉱床探査補助金、これは実勢単価にはなっていませんが、そういう手法できておるわけですね。ところが、非常に政策としてはいい面の作用もしたけれども、逆な面の作用も来したことは事実です、弊害もあるんです、これは。といいますのは、大企業の鉱山離れというのの大きな原因になっているんですよ、これは。大企業であるならば融資は受けられるけれど探鉱補助金が来ないと、だから何というか、銀行筋の思惑もあるしいろいろありますよ。言えば切りがないわけですが、これを切り離して補助金の対象にしてやろうと、まあそれは本社費が軽減されるとかいろいろあります。ぼくは内容知っていますが、逆な面の意図しない面の現象も出てきておることはこれは事実です。だからぼくは、融資と補助金の二本立てでも結構ですから全部に適応させると、その企業がいずれをとるかを選択させるという方向をしなければ、新鉱床探査補助金が逆に大資本の鉱山切り捨てにつながっておるという一面のもろ刃の剣の悪い作用が出ておることを考えてほしいと思うんです。ここで即答は要りません。これは次の機会まで十分宿題としてお考え願いたいと思うんです。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) よく検討いたします。

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。   午後零時六分休憩      —————・—————   午後一時二十九分開会

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のあるお方は順次御発言願います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 けさ方専門家の委員からいろいろと質問があったわけでございますが、私は事業団の問題あるいは不況問題、備蓄問題、それから国内の鉱山の育成問題、それから輸入の問題、それから世界各国との関連ということで、敷衍的に論を進めていきたいと思います。  最初に、金属鉱業事業団の問題でございますが、昭和三十八年に優良高品位鉱床の探鉱に必要な資金の貸し付けを行うということで発足をして、今回まで何回かの法改正で業務を拡大をしてきたわけでございますけれども、事業団の業務は現在十幾つかに列挙をされております。業務の遂行状況がどういうふうになっているのか、まずお聞きをしておきたいと思います。平塚参考人にお願いします。

平塚保明金属鉱業事業団理事長

○参考人(平塚保明君) ただいま御質問がございました事業団の現況についてお答え申し上げます。  ただいま御指摘がございましたように、三十八年に事業団が発足いたしましてから、ちょうどまる十三年をこの二十日で迎えることに相なっております。当初は、国内の鉱山に探鉱融資をすることから始まったのでありまするが、その後五回にわたる事業団法の改正がございました。第一次には、国内精密調査の業務が加わりました。次に第二次は、広域調査業務が加わりました。第三次は、海外におきまする鉱業事情の調査、探鉱開発に関係する業務が加わったわけであります。次に第四次には、国内におきまする休廃止鉱山、これの蓄積鉱害防止関係の業務が加わりました。次に第五次には、海外におきまする海外の法人と共同探鉱並びに海外探鉱に出資をする。こういう機能が追加されて今日に至ったわけであります。  この間、諸先生方から賜りました厚い御指導並びに御支援に対しまして、ここに改めて厚くお礼を申し上げる次第でございます。  次に、いま御指摘の業務の内容についてでございまするが、またこれについての成果について、時間もございませんが、ごく簡単に申し上げたいと存じます。  第一の国内の探鉱関係につきましては、先ほど午前中の委員会でも御説明申し上げましたが、いわゆる広域調査、精密調査、企業探鉱、いわゆる三段階方式によりまして、これによる国内鉱山の探鉱に努力いたしておるわけでありまして、この結果として先ほどもお話がございましたように、松木鉱山あるいは深沢鉱山のような全く新しい鉱山が発見、開発されました。今日稼行に入っておりまするが、このほか北海道の下川地区、岩手県の釜石地区、あるいは秋田県の阿仁、大館地区、その他兵庫県の播但、あるいは福井県の中竜地区、あるいは島根県の益田地区、これらの地域でかなり有望な鉱床を発見いたしております。  また、海外におきましては、四十三年以降、銅、鉛、亜鉛、マンガン、ニッケル、クローム、アルミニウム、ウラン、この八鉱種につきまして探鉱資金の融資をいたしておりまするが、これらにつきましても各所でそれぞれ有望な鉱床をつかんでおるわけでありまして、そのうち豪州でやっておりましたガンパウダーという鉱山では開発の段階にかかって、今日生産の段階に入ってきております。さらに、四十九年から始めました探鉱資金の出資につきまして、これは現在ペルー及びパプア——ニューギニアこの二カ所で二つのプロジェクトについて出資をいたしております。この両者とも、ともに非常におもしろい有望な鉱床の確認をいたしております。  また、海外の地質構造調査、これにつきましては、ザイール国のジャバ地区、インドネシアのハルマヘラ島、ペルーの南部のケチュア地区、あるいはパナマ国のペタキジァ地区、あるいはブラジルのジャコビナ地区等でかなりの鉱床を把握いたしておりまして、これらそれぞれ現地と共同で日本サイドがこの開発にいま当たって準備を進めておるところであります。  また、資源開発協力調査、これは国際協力事業団と共同して行っておる仕事でございまするが、四十五年から五十年までの間に、インドネシア、ペルーその他発展途上国の九カ国で十三地域で調査を実施いたしておりまするが、これまた有望な資源の賦存をつかんでおりまして、これらにつきましてはそれぞれこれらの国々から高く評価を受けておる次第であります。  このほか、白嶺丸によりまする深海底のマンガン団塊の調査、あるいは海水中からのウランの回収の問題、あるいは空中電磁探鉱によりまする潜在鉱床の発見、こういう新しい技術の開発研究にも従事いたしておりまするが、なお、四十八年度から始めました休廃止鉱山の蓄積鉱害防止の業務も行っておりまして、これは都道府県あるいは市町村などの自治体からの依頼を受けまして、鉱害防止事業に協力をいたし、ともに大変喜んでいただいております。  事業団といたしましては、ただいままでのところ、申し上げたとおりでございまするが、今後ともさらに役職員協力いたして最善の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。  なお、一言補足させていただきまするが、今回御審議を賜っておりまする金属鉱業事業団法の一部改正の法律案によりまして、事業団が金属鉱石等の安定化のために金属鉱山物備蓄融資業務を行うことに相なりますれば、かねてから通産御当局の格別な御指導をいただいておりまして、これらにつきまして着々と準備をただいま進めておるところでございます。  したがいまして、本法案が成立いたしますれば、受け入れ態勢を一段と強化いたしまして、諸先生の御期待に沿うべく、さらに一層努力を重ねてまいりたいと存じておる次第でございまして、今後とも何分よろしく御鞭撻、御支持を賜るようお願い申し上げる次第であります。

桑名義治公明党

○桑名義治君 概略についてはいまお聞きしたわけでございますが、そこで、当事業団の主要なものの一つに、先ほどから申し上げておりますように、海外探鉱出融資制度があるわけですが、一般と特別の二つに分かれて、五十年度は現在百三十三億二千三百万円に及んでおるわけです。そのうちの三分の二程度が銅に集中をしているということになっていますが、融資先はどういうふうになっているか。また、融資された事業は成功しているのかどうか。また、融資された資金の償還はどういうふうになっているか、その状況をお知らせ願いたいと思います。

平塚保明金属鉱業事業団理事長

○参考人(平塚保明君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘の国内融資の方でございまするが、三十八年から五十年までの間に三百五十億円を融資いたしております。この融資先は、事業団は探鉱奨励金をもらうことのできない事業に金を貸すことになっておりまして、すなわち、大手企業だけに貸すことに相なっております。現在、この中で、たとえば日本鉱業、これは以前は貸しておりましたが、その後それぞれ鉱山が独立いたしましたので、現在は対象になっておりません。また、以前は貸しておりました鉱山会社も、その後企業が縮小されたようなところには貸しておりませんで、現在は対象となっておりまする鉱山会社は三井、三菱、住友、古河、同和、石原産業、東邦亜鉛のようなところでございまして、以前は十五鉱山会社ほど貸しておったと記憶いたしておりまするが、現在は半分ぐらいに相なっております。  次に、海外の方の融資でございまするが、これは四十三年から今日まで貸しておりまするが、午前中にも御説明申し上げたかと思いまするが、融資の対象先が発展途上国を除いたところということになっております。現在融資の対象先になっておる国は、アメリカ本国、カナダ、オーストラリアに限られております。したがいまして、先ほども資源エネルギー庁長官からも御説明があったかと思いまするが、多くの新しい鉱山、発展しそうな鉱山というのは、多くがいわゆるまだ開発の途上にある国にある。したがいまして、ただいま申し上げたような三つの国では早くから探鉱が進んでおりますので、対象となるような資源が残されているところが少ないというようなことからも、対象となる鉱山が少のうございます。  大きく発展しそうな可能性のあるところが比較的少ないということもあろうかと思いまするが、さようなことで、今日いままでに円貨にしまして二十億円ほどしか融資はいたしておりません。外貨でも貸しておりまするが、これはなぜと申しますと、探鉱費の半分しか貸せない。また、金利も六分七厘五毛、こういうような条件でございまして、それに先ほど来御説明がございましたように、鉱業界全般が沈滞をいたしておるという関係もありまして、やはり探鉱はまず国内優先である。しかる後に余裕のあるものが海外に出るというようなこともあろうかと思います。さようなことで、金額は今日まで二十億円程度にすぎないことを申し上げます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 焦げついた分はございませんか。

平塚保明金属鉱業事業団理事長

○参考人(平塚保明君) お答えいたします。  いままで一つもございません。これは条件を申し上げますと、探鉱融資の条件が、国内は二年据え置きの五カ年均等償還、これは全部返っております。それから海外は一年据え置きの九年均等返済、特に特別なものについては、これはウランだけでございまするが、八年据え置きの十年均等となっておりまして、したがいまして、まだ期限も来てないということもありまするが、今日まで焦げついたのは一つもございません。

桑名義治公明党

○桑名義治君 先ほどからの説明のように、海外探鉱出融資制度ができたけれども、これはあんまり実績が上がってないということで、大蔵省は来年以降はプロジェクトをつくることについては当分認めないという方針を出しているとかいう話を聞いておりますが、その点どうですか。

平塚保明金属鉱業事業団理事長

○参考人(平塚保明君) 二十億しか借りないからということで成績が上がってないというおしかりを受けまして、まことに恐縮に存じておりまするが、これは先ほどから申し上げましたように、やはり新しい地域というのは発展途上国でないとない。したがいまして、残念ながらオーストラリア、カナダというようなところには対象となるようなものが少ない、したがって金が出ていかないということだと私どもは了解いたしておりまして、決してただいま御指摘がございましたように、さっぱり成績が上がってないじゃないかというおしかりを受けておりますが、やはり私たちの方は受けて立つ形でございますので、業界が積極的に探鉱に向かうということでないと私どもの仕事が進んでないということで、その点はただいまの御指摘は十分心にとめて、今後努力してまいりたいと存ずる次第でございます。

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 政府はいいですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 海外におきます探鉱に必要な資金といたしまして、出資及び融資を金属鉱業事業団が行えるようになっております。この制度につきましては、融資は四十三年度以来、それから出資は四十九年度以来の実績があるわけですが、ただいま平塚参考人からお話がございましたように、それほどまあ大きな実績が上がってないということで、ことに出資につきましては、来年度、つまり五十二年度ではこれを継続するかどうか考えたらどうかということで、大蔵省から検討課題が出ております。ただ、これにつきましては、私どもは出資、融資というものにつきましてそれぞれの特徴もありますので、融資だけを残して出資を削るというのは、やはり実態にそぐわないんではないかと思っております。  また、この海外の探鉱につきましてはウランも対象になっております。そういうことで、ウラン関係の探鉱のためには、この金額というものが今後むしろ増加する見通しもあるわけでございますので、そういう実態を説明しながら、この制度につきましては維持、またできれば拡充していきたい、こういうふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 次に、備蓄制度の問題でお伺いをしたいわけですが、今回の法改正によりまして、市中銀行から政府保証によって三百億円の借り入れをするように決まっておるわけでございますが、三百億ぐらいの融資枠ではやることが非常に限られている、こういうふうに考えるわけですが、通産省としては、来年度以降その増額を考えているのかどうか、その点はどうですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 来年度にこの備蓄の制度を今後どういうふうに持っていくかということにつきましては、この備蓄の必要性というものが今後の景気回復の動向にも絡むわけでございます。ただ、ことし三百億というのを認められたわけですが、これは初めの予算要求では五百億であったわけですが、しかも、その五百億も五十一年度予算は非常に詰めて要求するということで、ぎりぎり五百億は必要だという私どもの方の考えであったわけです。これが予算の折衝の結果、三百億までしか認められなかったということから言いまして、当然私どもとしては増額いたしたいというふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そうなりますと、問題は、今度は買い入れ先はどこになっているのか、その金利は幾らか、あるいは業界はどの程度の金利をかぶるのか、この点についてはどういう計算をなさっておりますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) この備蓄制度のための融資金でございますが、先ほど先生から御質問にありましたように、市中銀行から金属鉱業事業団が三百億円を借り入れるということになるわけでございます。それで市中銀行につきましては、この非鉄金属備蓄制度を行いますための銀行の融資団というものをつくりまして——これは一行に限りませんで、融資団で金属鉱業事業団に対し合計三百億円を貸し付けるということになっております。  それから、そのときの金利でございますが、これは長期金利の標準金利で貸すということになっております。大体現在の話し合いというのは九分二厘ということでございます。ただ、これは長期金利が今後下がれば、それに応じまして下がるわけでございます。そういうことで、普通の金利で市中銀行から三百億円を金属鉱業事業団が借り入れる。なおこれ、つけ加えて申し上げますが、このときの借り入れにつきましては政府保証がつく、こういうことになっております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、いまちょっと質問しておったんですが、業界はどの程度の利子を払うわけですか、借りた場合は。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) これが業界負担がどういうようになるかということでございますが、いまの三百億円を金属鉱業事業団が市中銀行から借り入れまして、今度は備蓄を行います機関といたしまして財団法人を予定いたしておりますが、これが備蓄を担当いたします機関でございます。その機関に対しまして、金属鉱業事業団が貸し出しいたしますときの金利は六分五厘になるわけです。そういたしますと、市中銀行から借りました金利と、それから事業団が備蓄機関に貸し付けます金利との差が出ますが、これは利子補給をもって埋める、こういうことになっております。そういうことで、業界負担と申しますより非鉄金属の備蓄を行います機関の負担金利は六分五厘、こういうことになるわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、今回の法改正で事業団が直接にやらずに、いわゆる備蓄法人が主体になったという、ここら辺は大体どういう意味なんですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 私どもの方の原案では、金属鉱業事業団みずからが備蓄するということも案の段階では考えたわけでございますが、これにつきましては、むしろ金属鉱業事業団の融資先としまして、この備蓄を担当する機関を別途つくって、そこに集中してやらせるという方が機動的にも動き得るし、いろいろな制約もないということで考えたわけでございます。ただ、制約がないと申し上げましても、これは非鉄金属の備蓄事業を行いますためには、金属鉱業事業団が、この機関に融資するときに各種の条件をつけます。また、その条件につきましては、通産省がこれにタッチをするということで自由にやらせるわけではございませんが、しかし、事業団の中で備蓄業務を全部行うよりも、むしろ必要な金額を貸し付けて、そうしてそれの指導を行うという方が機動的に動き得るということで、当初金属鉱業事業団みずから行うことも考えたわけですが、いまのような考え方で別動隊をつくりまして、これに非鉄金属の備蓄業務を行わせる、こういう考えに達した次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そうしますと、この法人は対象、いわゆる鉱種ごとに法人をつくるのか、一本として法人をつくるのか、その点はどういうふうに考えられていますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 私どもいま考えておりますのは、一本の非鉄金属備蓄の機関、これは先ほど申し上げましたような財団法人でつくる、こういう予定にして現在準備中でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで今回、一応政府保証によって事業団が市中銀行から融資枠は三百億円、それから政府の一般会計から事業団に対して利子補給として三億六千九百万円、これだけついたわけでございますが、現実の問題として、このような処置がどれだけの効果があるというふうに考えられていますか。藤崎参考人の方から……。

藤崎章日本鉱業協会会長

○参考人(藤崎章君) 当初お願いいたしましたのは、規模といたしましては一千億円、非常に大きなものでございます。いろいろな予算の御都合その他で三百億になったことは残念ではございますが、いたし方がないことだと思っております。効果につきましては、やはりこの制度の目的でございますLDCに対する輸出を安定的に継続して入れるということによりまして、これが量的な効果は、いまさしあたりともかくとして、非常にいい印象を与えまして、これが今後の資源確保面にいい影響を及ぼしているということは、定説的ではございませんが、間違いないと思います。量的には確かにただいまの価格でございますと、四万トンもしくは五万トンのもの、過剰はもう少しそれより多うございます。さしあたりこれが非常に効くかということはいろいろ問題がございますが、やはりそれなりに非常に需給効果を示すことに効果がございます。また、価格安定につきましても絶対とは申しません。相対的な牽制の効果というものはあろうかと、かように考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 いま参考人の御答弁のように全然効果がないことはないと、しかし趣旨としてはこういう制度ができたので、一応の効果はあるかもしれないということで、余り大きな期待感がないような御答弁であったわけでございますが、その点通産省としてはどのようにお考えですか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 三百億円という金額が私ども先ほど申し上げましたように、当初五百億ということで考えましたから、それに比べてはその六割ということになっておるわけでございますが、しかしながら、現在考えております買い上げ数量、これは銅につきまして、ただいま藤崎参考人から申し上げましたが、大体四万八千トンから五万トン前後、それから亜鉛並びにアルミにつきましては一万トン前後、それから鉛につきましては二、三千トン、こういうことで考えております。これは一カ月間の生産数量あるいは流通数量に比較いたしましても、そう大きな数字ではございませんが、ただ私が申し上げたいのは、国がこういう買い上げ機関と申しますか、備蓄機関をつくりまして、そうして海外における鉱石の引き取りを促進するということについて、三百億といいますとこれは一億ドルですから相当な姿勢を示したということでございます。そういうことで、これは海外からも相当注目を浴びて、この制度が実施に移されるということを期待を持って見られているわけでございますし、また、今回これだけの数量というものは私は、その効果が小さいというふうには思っておりません。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、現在のいわゆる金属鉱業界全体を含む不況というものは依然として厳しいものがあるわけでございますが需給ともに四十六年の水準ということで、非鉄金属鉱業の企業は約三〇%以上の減産を余儀なくされている、こういうふうに言われているわけですが、今回の改正で設立を予定されております備蓄制度の対象品目となる銅、アルミ、鉛、亜鉛、それぞれの業種についての不況に対する実態、それから回復の見通し、対策、このような事柄をどういうふうに考えられておられますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 銅、鉛、亜鉛の最近の需給状況から簡単に申し上げたいと思いますが、昭和四十九年度に入りまして、石油危機以後の総需要抑制、金融引き締めの影響を受けまして需要が大幅に減退いたしました。五十年度の実績を見ますと、これは四十八年度、つまり石油危機の年でございますが、四十八年度がこれらの非鉄金属の生産のピーク時でございまして、それが四十九年度は非常に落ち込み、五十年度は若干回復しておりますが、それにもかかわらず、四十八年度に比べまして五十年度は需要が銅については七一%、二九%の減、鉛は七九%、亜鉛が七二%の水準にとどまっておるわけでございます。そういう意味で、ほかの業界も非常に苦しい事情にありますが、非鉄金属業界が特に不況産業ということで、これも一般的に言われておるそのとおりの実績を示しておるわけでございます。  ただ、政府によります景気回復策によりまして、最近需要が若干上向いております。また、米国における需要回復とか、それからまた、非鉄金属に関連いたしましてアフリカにおける銅の産地あるいはそれの輸送経由地というものにおきます紛争問題、それから英国の通貨不安というようなものを背景にいたしましてLME、ロンドンの金属取引所の価格が最近上昇しております。この上昇の中には一部仮需も含まれているということが言われておりますが、一応非鉄金属の世界の相場というものは底を脱したというふうにとれるわけでございます。しかしながら、まだ依然として非鉄製錬業界の操業度は七割台、八割に達しましてもそれをほとんど超えてないという操業を継続しております。そういうことから見ますと、先ほど申し上げましたように需要が上向いてきておる、また、ロンドン金属取引所の相場が上がってきておるとは申しますが、在庫というものは非常に抱えておりますので、依然として在庫水準が、ことに銅と亜鉛については高いわけでございまして、この低操業というものがやはり相当在庫の整理ができるまで続かざるを得ないというふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 日本鉱業は、来る十月一日から佐賀関と日立両精錬所で五十三歳以上の職員二百二十名を対象に、自宅待機を発令することを決めたというようにお話を伺っておるわけですが、その点どうでしょうか。

藤崎章日本鉱業協会会長

○参考人(藤崎章君) 私、協会長としては直接は承っておりませんが、間接的にそういう話は存じております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 原口参考人も御存じないですか。

原口幸隆全日本金属鉱山労働組合連合会中央執行委員長

○参考人(原口幸隆君) 鉱山の組織が分かれておりまして、日本鉱業の関係の組織が別にございます。したがって、直接はお聞きいたしておりませんが、承知はいたしております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 日本鉱業のこういう問題とあわせて、長期不況対策のために、今後も中小鉱山を初め大手でも人員整理があるというふうに思われているわけでございますが、この対策をどのようにお考えになっていらっしゃいますか。原口参考人はこれに対してどういうように対処されようとしているのか。通産省として対策はどうされようとしているのか。その点について。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 国内の鉱山につきましては、国内鉱石のコスト高というものの影響を受けまして、非常に苦しい状況にあるわけです。ことに製錬業界は、先ほども申し上げましたように、海外の鉱石の引き取りも十分にできない、これをカットせざるを得ないという状況でございますので、そのような状況に遭って、国内鉱山も非常に苦しい状況にあります。  ただ、これも午前中申し上げましたように、国内鉱山に対する私どもの見方というのは、まず第一に、国内鉱山が国産の最も安定した資源の供給者であるということ、それから第二には、現在製錬業界は相当大きな比率で海外の鉱石に依存しておりますが、この海外の鉱石を買い入れる場合、また、海外の鉱山を開発する場合にも、国内に鉱山があることが、この海外鉱山の開発あるいは海外鉱山からの鉱石買い入れにとりましていろんな意味でプラスの要因があるわけでございます。それからまた、国内鉱山というものの地域社会における重要性その他から、通産省といたしましてはこれらの国内鉱山というものの強化維持というものを図っていかなければならない、これが基本方針でございます。そういうことで、鉱山の問題につきましては、鉱量の維持あるいは新しい有望鉱床の発見というものに努めなければならないということで、鉱業政策で従来からとっておりますいわゆる三段階方式をとりまして、これによりまして新しい有望な鉱床の発見というものに努め、国内鉱山を維持強化するという方針をとっておる、これが基本的な考え方でございます。

藤崎章日本鉱業協会会長

○参考人(藤崎章君) 国内鉱山と製錬と二つに分けてお答えを申し上げます。  国内鉱山につきましては、いま長官がお述べになられました線といささかも変わるところございません。われわれもそういうことで、いろいろ三段階方式、補助金、それからいわゆる関税、こういうものを十分強化さしていただいて、そして私がけさ申し上げましたように、ある一定量の鉱量というものを維持すべきものであると、こういう線に沿って、われわれもそういうつもりでおりますし、さらに、現在の鉱山というものは主要製錬会社の関係会社でございまして、あるいはそうでなくても、非常にすそ野として協力を緊密にしていかなければならない仲でございまして、鉱山につきましての問題という点は以上で尽きるのではないかと思います。  ただいま先生が御指摘なされました製錬問題、これは製錬の操業、採算率ともにかなり苦境にあるというのは、けさほど沢田先生の御質問に私がお答え申し上げましたように、これは事実でございます。特に先ほど長官が言われましたように、四十八年度というものが日本の非鉄製品の生産販売のピークでございました。それが一躍三五、ないしひどい製品に至りましては半減したというのが四十九年の姿でございまして、今後の日本の経済成長はわれわれが論ずることではございませんが、これが仮に五、六%の成長をするということにいたしますと、いわゆるGNPとそれから非鉄生産の弾性値というものは、従来一以上ございましたが、これが一もしくはそれを下がる段階になるのではないか。そういたしますと、四十八年の生産状況に達しますまでに四年、五年という日数がかかる、これもまた事実でございます。したがいまして、今後の減量経済というものにわれわれがいかに体質を選応するかということでございます。  すでに設備は、臨海製錬所、これは技術的にも世界でまずまず一流水準というものを持っておりまして、正直なところ、減量経営をいかにするかということは、やはりそこに人の問題というものがどうしても起こってまいります。しかしわれわれとしても、これは経営責任という問題もございますから、できるだけたとえば定年退職を待つとか、そういうことでいろいろやっておりますが、これは企業によりまして若干そこに対応の違ったところは出てこようかと、かように考えております。しかし、現実に設備のあれもいいし、能率もいいものがあって、しかも生産が四十八年のような段階に達するまでにはまだ三、四年かかる、そこにわれわれとしてはきわめて厳しい対応がある、こういうふうに申し上げるほか私としてはいまお答えがないのでございます。

原口幸隆全日本金属鉱山労働組合連合会中央執行委員長

○参考人(原口幸隆君) うちの産業に従事する労働者としては、大変な危機状態にあることを痛感いたしております。現在も賃金交渉の結論に達しておりませんのも、社会水準の半分ぐらいのところを低迷しているという状況でございます。労働条件はともかくとして、平均年齢が四十二歳を超えようとしております。こういう産業はほとんどほかにはない。しかも製錬所、鉱山共通して言えることは、装置産業——製錬所の方はかなり機械化はされておりますものの、いわゆる装置産業とは違いましてかなりの熟練、経験というものが必要でございます。  昔は、子弟が代々山で働いておったんでありますけれども、親自身が働かせない、若い者は当然自分で町におりていくという関係で、このまま放置いたしますと、幾ら金をつぎ込んでも人間の面から、鉱山、製錬所を支えていく肝心の人たちが自分の産業、企業に魅力を失いつつあるということを実感いたしますので、そういった危機感というものを防ぐためには、ロンドン相場によって一喜一憂し、左右される価格体系のあり方、それから国内鉱山の、たとえば銅は最低十万トンは確保するんだということを前提にした政府の施策というものが明確であるのかないのか、あしたの金属鉱山はどこに行くのかという不安感がやはり取り巻いておりまして、そういう面の、非常に重要な産業、企業に対するわれわれの取り組み方自身について大きな不安があるということを申し上げざるを得ません。  したがって、休廃止の問題についても、合理化はもうほぼ出尽くしてしまって、これ以上産業、企業全体の合理化というものについては大幅に期待できない。ですから、あとはもう基本的にこの産業がどうなるのかということを明示していただきたい。もし国内鉱山が要らないというのであれば、われわれは組合運動として他に職場を求める運動に残念ながら転化をせざるを得ない。しかし労働組合としては、長年働いております職場において何とかして自分の山を守り、製錬所を守ろうとする意欲だけは十分に持っておりますので、何分先生方の御理解を得たいというふうに思います。

桑名義治公明党

○桑名義治君 いま参考人の方からお話がございましたように、今後のこの鉱山のあり方について何らかの処置をとる、あるいは何らかの方向づけをしていただかないと、労働者としては大変に困るというような意味の意見の陳述があったわけでございますが、その方向づけという方面についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 国内の金属鉱山の重要性につきましては先ほど申し上げたとおりで、私どももそういう認識のもとに国内金属鉱山に対する行政を行うという基本的立場に立っております。  ただ、ただいま原口参考人からお述べになりましたように、一つの数字でこれ以下に絶対下げないという数字というものを設け得られるのかどうか、これは、設けるということは私は一つの考え方でありますし、またこれが一つの政策方向になるとは思いますが、現在の国内鉱山の生産、これは五十年度の実績では約八万トンということになっておりまして、私どもとしては、この十万トン維持というものを考えておったわけでございますが、いろんな事情でこれが落ちているということは非常に残念でございますが、そういう数字も現実に実績として出ておるわけでございます。  今後、先ほど申し上げましたような基本的立場に立ちまして、各金属鉱山——銅、鉛、亜鉛その他を含めまして、いかなる方策をもっていくかということにつきましては、現在鉱業審議会で検討が行われておるわけでございます。そういうことで、できるだけ早く国内鉱山対策の基本方針を出したいというふうには考えておりますが、以上のようなバックグラウンド——背景がございますので、これをいま直ちにどういうように持っていくかということにつきましてはここでお答えできない次第でございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そういう意味で、この問題についてはやっぱり積極的に早く一つの結論を出すべきではないか、こういうふうに考えております。その点の最大の御努力をひとつお願いをしておきたいと思います。  それから、通産省の昭和五十一年度の鉱業政策の重点事項の第二項として、「国内における鉱物資源探鉱開発の推進」という項目があるわけでございますが、事業団の国内探鉱融資は五十一年度予算では前年度に比べて三億円増加と、こういうふうになっておるわけです。ところが、対象鉱山数の減少、市況の低落、さらには長期不況、こういうことで融資の申し込みが減るのではないかというふうに考えられるわけでございますが、その見通し。  それから、この融資の対象が大手企業である、いわゆる資本金一億円以上、従業員が千人以上ということですが、優良のいわゆるその意欲のある中小企業にまでこれは融資対象枠を広げる必要があるんじゃないかというように考えるんですが、この点についてはどのようにお考えですか。

平塚保明金属鉱業事業団理事長

○参考人(平塚保明君) お答え申し上げます。  五十一年度の国内融資枠は、昨年に比べまして三億円ふやしていただきました。四十億円に相なったのでございまして、使い切れないではないかという御指摘がございましたが、実は、御案内のように、大手の中の五つの鉱山を持っておりまする三菱金属が、いろいろ不況のために鉱山をこの七月切り離すということに決定いたしたようでございまして、上期につきましては事業団の融資の対象にいたして、ただいまヒヤリングをいたしてそれを計数整理をいたしておりまするが、昨年度は三十七億全額融資をいたしました。したがいまして、ことしも三菱の五鉱山が分離なければ、一般物価の上昇その他の関係で十分消化し得るものと考えておったわけでありまするが、遺憾ながら五鉱山が下期から外れるのではないかと考えておりますので、ただいま御指摘のように四十億円、これは事業費の六割以内融資することに相なっております。したがいまして、あるいは若干残るのではないかという懸念は持っております。  また、中小鉱山に対しても貸したらどうだという御指摘がございますが、これは御案内のように、中小については探鉱奨励金、今年度たしか八億数千万円、これは表向きは費用の半分までということに相なっておるわけでありますが、現実には半分までいかなくて、三分の一近いというようなことになっているんではないかと考えられるわけでありますが、さようなことで両方を得るということは望ましいこととは思いまするが、これは国の政策でございますので、私からお答え申し上げるわけにはまいりません。

桑名義治公明党

○桑名義治君 時間がございませんので、次に進みたいと思いますが、鉱産物の輸入についてちょっとお尋ねしておきたいと思います。  今後の経済力を維持をしていくためにも、いまから先もいわゆる鉱産物資源を確保していかなければならないわけでございますが、わが国の非鉄金属資源の輸入というのは、現今世界一であるというふうに言われております。その輸入形態は単純買鉱、融資買鉱、開発輸入の三つがあるわけでございますが、昨年度における非鉄金属の輸入の三つの形態の比率はどういうふうになっておりますか。  また政府は、最近開発輸入を強力に推進をしておりますが、そのメリットについてお尋ねをしておきたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 四十九年度の実績で申し上げたいと思いますが、銅につきましては、自主開発で入れておりますのが全体の中の五・二%、それから融資買鉱が五七・二%、いわゆる単純買鉱が三七・六、これで合計一〇〇でございます。大体一番多いのが融資買鉱の形になっておるということでございます。  それから鉛につきまして申し上げますと、自主開発で入れておりますのが九・二%、融資買鉱、これは少なくて三・五%、大部分が単純買鉱で八七・三%になっております。  それから亜鉛について申し上げますと、自主開発が七・二%、融資買鉱が五・二%、単純買鉱が八七・六%でございます。  大体以上のような内容になっておりますが、この単純買鉱と申しております中の大部分、ほとんど全部が長期取引ということになっております。  それから、自主開発に対する考え方ですが、やはり必要な資源の安定確保を図りますために、これらの鉱山のある国との間のいろいろの協調、協力というものを前提として、今後の日本の必要資源というものの安定供給を図るためには、自主開発というものをもっと進めなければならないというふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで主要な鉱産物の開発製錬、こういったものは、国際的な大資本は、最近の開発途上国の資源ナショナリズムの進展にもかかわらず依然として強力な地位を確保しているわけでございますが、彼らを無視しては何も決まらないというのが現状やむを得ない姿であるわけです。  そこで、わが国の鉱産物の契約輸入の中で国際的大資本と契約しているのはどの程度か、また、海外の鉱産物資源の開発で国際的大資本と合同して開発しているというのがあるならば、お知らせ願いたいと思います。

松村克之資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(松村克之君) お答えいたします。  いま申し上げました銅、鉛、亜鉛につきましての輸入につきましてでございますが、これはLDC諸国が相当な部分を占めておりまして、一方では先生御指摘のように、ナショナリズムの進展が非常に激しゅうございまして、いまお話のありました国際的な大企業の持っておりました鉱山が国有化、あるいは国営の鉱山に大分変わっているわけでございます。そういったこともございまして、日本が輸入しております鉱石について、いわゆる国際的な大企業から輸入しているというケースは非常に低いと考えております。  また、日本が現在自主開発等を行っております鉱山について、そういった国際的な大企業とはかって探鉱を進めている例は幾つかございますけれども、生産に入りまして、その鉱石が日本に入ってきているという例も、ちょっと数字、手元にございませんけれども、これも比率としては非常に少ないものであるというふうに考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 そこで、いわゆる現在行われている国連貿易開発会議ですが、これは第四回の総会が行われているわけです。日本政府もこの会議に参加をしておられますが、わが国のこの会議に向けての方針と、その内容について簡単にお伝え願いたいと思います。

橋本利一通商産業省通商政策局長

○政府委員(橋本利一君) 先生も御承知のように、国連の貿易開発会議というのは南北問題を解決するための話し合いの場ということで、当時のプレビッシュ事務総長が提唱してやったわけでございます。そういった意味合いで、われわれもこの南北問題、特に昨今非常に重要な問題になっております一次産品問題に真剣に取り組みたい、こういう立場でございますが、申すまでもなく、世界経済というのは相互依存と相互関係に立っております。その中でいかにして互いに共存共栄していくかというための方途を探るということでございますので、そういった意味合いできわめて真摯に協調と対話を進めていきたい。その場合にも、やはり開発途上国の自助努力も必要でございますし、それに応じて先進消費国としてもできるだけの協力はしていくということと、それから、先ほど来お話が出ておりますように、わが国の一次産品の輸入ウエートが非常に高うございますので、そういった一次産品について安定輸入をするということと、資源の輸出国と十分に協調していく、こういう基本的な姿勢で対処してまいりたいと考えております。

桑名義治公明党

○桑名義治君 発展途上国は、この総会に向けて数十に上る要求を用意しているというわけですが、その中での柱となるのは大きく二つある。  第一の柱は、最小限十品目について価格安定化のために三十億円の共通基金を設くべきであるということ、すなわち一次産品総合計画である。第二の柱は、債務救済援助増額要求。現在、発展途上国全体で石油危機以来の世界的不況によって、非産油発展途上国を中心に経常対外収支は悪化し、赤字は四百億ドルに達する、こう言われておるわけですが、政府は、この二つの要求に対してどのように対処されるように考えておられるのか、伺っておきたいと思います。

橋本利一通商産業省通商政策局長

○政府委員(橋本利一君) 第一番目のいわゆる総合プログラムでございますが、御指摘のように、共通資金をつくって国際的な緩衝在庫を特に重点的に十品目についてやりたい、こういうことでございます。国際緩衝在庫自体について私たちとしてはこれを否定しているわけじゃございませんが、一次産品と申しましても、その産品、商品の種類によって非常に特性が違いますので、商品ごとに検討いたしまして、その結果、商品協定なりあるいは緩衝在庫制度が必要であれば、前向きに対処していく、こういうことでございます。  それから、債務累積の問題につきましては、これは非常にむずかしい問題でございますが、やはり一応債権債務関係をキャンセルするとか、あるいはこれを取り消していくといったようなことになりますと非常に問題がございますので、むしろ緊急に商品援助を先進諸国で話し合いをいたしまして、たとえば先日の日本側代表の演説では、十億ドル程度の金を先進国あるいは産油国も入れまして商品緊急援助として供与しようじゃなかろうか、こういうような提案をいたしておるわけでございます。

桑名義治公明党

○桑名義治君 時間が参りましたので、最後に大臣に伺って終わりにしたいと思いますが、朝からのずっとの質疑を通しまして、いずれにしてもこういった資源の問題は、あくまでも十二分に現在の日本の経済を安定させるためには確保していかなければならないという至上命令とともに、いわゆる国内企業の保護育成という面についても、これは十二分に配慮していかなければならないわけでございますが、この点についての大臣の御決意を最後に伺って、終わりにしたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) やはりいろんな問題を解決いたします場合にも、国内の企業がもう赤字で倒れそうだ、こういう状態では何もできないわけでございます。先ほど労働問題について原口参考人から御意見が出ておりましたけれども、やはり労働問題一つを取り上げてみましても、これを前向きに解決するためには、国内の企業というものがある程度の安定した収益というものを上げる、その上に立っていろいろなものを解決していく、これがやっぱり先決だと思うんです。でありますから、私も当初に申し上げましたように、国内資源の開発、それから海外における資源の開発輸入、さらにまた景気変動に対処するための今回の備蓄制度、特に備蓄制度を通じて国内企業の安定を図っていきたい。非鉄金属はわが国産業にとりまして非常に大事な品物ばかりでございますから、十分総合的に配慮をしながら進めてまいりたい、かように考えております。

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 藤崎参考人及び原口参考人には、御多用中長時間にわたり御出席をいただき、また、貴重な御意見を拝聴させていただきまして、まことにありがとうございました。委員一同を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 通産大臣に最初にお尋ねいたします。  今度の改正の一番主な目的は何であろうか、私なりに要約いたしますと、第一には、不況のさなかで過剰在庫を抱えて苦しんでおられるわが国の金属鉱業を救済しようということ、第二には、金属鉱物資源の輸入を安定化させて、資源の輸出をしておられる発展途上国との友好関係を今後とも維持強化していこう、こういうところに主な目的があるように私は理解いたしますけれども、この点について通産大臣はどのようにお考えになるでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま二つの目標をお挙げになりましたが、まさにそのとおりでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そこで、そういう目的に向かって今度の備蓄というのはどのように行われるのか、また、いつからそれが開始されるのか、その点を具体的にお尋ねしたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) ただいま御審議をお願いいたしております備蓄制度でございますが、これは五十一年度の計画といたしましては、三百億円の備蓄資金を金属鉱業事業団を通じまして備蓄を担当します新設される機関に貸し付ける、その貸し付けの場合に、金利につきましては六分五厘で貸し付けるということでございます。これによりまして、備蓄機関が備蓄のための銅、鉛、亜鉛及びアルミの地金を合計三百億円備蓄を行うということでございます。この制度によりまして、従来製錬業界が非常な減産を行い、その結果といたしまして海外の鉱石引き取りというものの削減を行っておりますが、この削減に対しましてできるだけ削減を減らすということ、また、海外のこれらの鉱物、鉱石の産出国が非常に日本の購入削減によりまして苦境に立っておるわけでございますが、政府としてのそれに対する措置というものを行ったということで、今後のこれらの国との間の友好関係の維持にも努めたい、こういう趣旨でございます。  それからまたお尋ねの、備蓄制度をいつごろから発足させるかということにつきましては、この法案が国会で成立いたしました暁には、できるだけ早く実施に移したいと考えております。一応予算では十月一日からということになっておりますが、私どもといたしましては十月一日というのを待たないで、むしろいまから準備を進めまして、そしてできるだけ早く発足いたしたいということで、できれば七月中に何とか発足さしたいというのが私どものいまの考え方でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 いまの御説明をお聞きいたしておりますと、主として非鉄金属産業界の不況対策である、こういうことに一番主な目的、ねらいがあるということを感ずるわけでございますが、もしそれだったらあえて法改正をしないでも、一般の在庫融資とか、あるいは滞貨融資などということで十分にやり得るのじゃないかという疑問も出てくるわけでございますけれども、あえて法改正をせざるを得ないという積極的な特別の理由というものを、もう少し明確にしていただきたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 今回の非鉄金属の備蓄制度は、国内の製錬業者が過剰在庫で持っております在庫を備蓄制度で買い上げて、これによって在庫減らしを行うという趣旨ではございませんで、先ほど先生からもお話がございましたように、日本が非常に大きく海外の鉱石に依存しておるわけですが、その鉱石の長期引き取り契約が円滑にいかない。そのためにこれらの国々に対して非常にいろんな意味の悪い影響を及ぼしている、これを解決いたしたいということで、輸入の安定化あるいは一次産品対策としてこの制度を発足させよう、こういう趣旨でございます。そういうことで今回の備蓄制度というものを行いますためには、金属鉱業事業団を通じます融資制度が必要だということで御審議をお願い申し上げている次第でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 いま御説明のように、発展途上国の要求しておるような一次産品の対策として備蓄を行うということであるなら、実際に鉱石なりあるいは精鉱なりを輸入する、いわば水際の問題として考えなくては実際上の効果はないのではないかと思います。地金の問題で、地金を備蓄するということでは、本来の一次産品国の要望に対して十分こたえ得るような問題の解決ではないのではないか、こう考えますけれども、その点はいかがでしょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) いまの御質問は、地金を備蓄するよりもむしろ鉱石の輸入を行って、そして一次産品対策というものをやるべきではないかという御趣旨だと解しますが、私どもの方は鉱石引き取りの増加も、これは別途いろいろの方策を通じてそれの促進を行っておるわけでございます。たとえて言いますと特別ユーザンス制度、これは従来から非鉄金属にだけ適用いたしておる制度がございますが、鉱石引き取りにつきましては特別ユーザンスというものを適用いたしまして、一年間のユーザンスというものを行っておるわけでございます。それ以外にも一昨年の銅の輸出禁止の後から行いました、輸銀による鉱石引き取り資金特別融資という政策も行っております。しかしながら、それにもかかわらず鉱石の輸入引き取りを削減せざるを得ない。しかもこの鉱石が入りますと、これはどうしても製錬に移さなければならないということで、鉱石も非常に過剰在庫になっておりますが、それと同時に地金が過剰在庫になっているということで、今回お願いいたしております制度は、さらにこの問題を解決するために新しく非鉄金属の備蓄制度を設けたい、こういう趣旨でございます。ですから、これだけでもって一次産品対策をやるということではございませんで、この制度をさらに新しく発足させることによりまして、一次産品対策というものを行いたい、こういう考えでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そこで具体的にお聞きしますけれども、たとえば銅鉱石等々は、需要の落ち込みあるいは輸出停止措置などで、輸出国との間の交渉によって従来の契約よりも輸入数量を削減しているというふうに私は聞いておりますけれども、現状はどうなっておりましょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 銅鉱石、これは粗銅を含みますが、削減状況がどうなっているかということにつきまして実績で御説明申し上げたいと思いますが、これは歴年で昭和四十九年の一年間の数量に比較いたしまして、昭和五十年の一年間のカットがどれくらい行われたかということでございます。大体これはすべて長期契約に基づいて行っておるわけでございますので、長期契約によりましてどれくらいカットしておるかという数字が出てくるわけでございます。カナダにつきましては三三・八%の削減率でございます。それからフィリピンにつきましては一二・七%、それからオーストラリアにつきましては二五・四%の削減、あとチリとかザイールとかその他ございますが、これらも相当大きなカット率で、全部といたしましては二五・二%の削減でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 平均ですね。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) はい。

加藤進日本共産党

○加藤進君 それで、今回の備蓄制度が具体的に動くとすると、その場合には、いま申されました削減の中で何%くらいが再び輸入増加という形に生き返ってくるのか、その点の数量はどうでしょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 今度の備蓄対象は銅、鉛、亜鉛、アルミという四品目になっておりますが、この中で特に銅につきましては予算の三百億の中の八割、二百四十億円を使うということに予定いたしております。そうなりますと大体五万トンの備蓄ができるわけでございますが、これによりまして輸入がどれくらいふえるかということは、これのはね返りですからなかなか想定するのはむずかしいわけでございますが、先ほど申し上げました二五%のカットというのは、約二十万トンの削減になっております。これに対しまして今度行います備蓄が約五万トン、こういうことでございますから、これだけでもとの数量に復活するということはとても無理でございますが、先ほども申し上げましたように三百億円というものを政府が投入しまして、そして利子補給まで行って、できるだけ引き取りを促進するという姿勢を示すということにも非常に大きな意義がある、こういうふうに私どもは考えております。   〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕

加藤進日本共産党

○加藤進君 たとえば一万トンの地金を備蓄すると、備蓄するために買い上げるということでありますと、これに見合う鉱石なり精鉱なりを輸入して、削減率を減らすように買い上げるということと輸入とがお互いにリンクしていなければ、資源輸出の発展途上国の要求にはこたえがたいんじゃないかという疑問を持つわけでございますけれども、こういうことで友好関係の維持に役立つということが果たしてはっきり言えるのかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 備蓄を行いました会社にそれだけの鉱石の輸入義務を課するかどうか、これは技術的な問題がいろいろございますので、基準をどこに設けて、それにどれくらいプラスするといういろんな問題がございますが、ただ私どもは、この制度が先ほどから申し上げておりますように、一次産品対策として発足いたしておりますから、この備蓄の買い上げ対象になり、それだけ在庫の減った各製錬業者が、それに伴って当然鉱石の引き取りというものをそれだけふやすということで、何らかしらのルールをつくろうということで、ただいま先生からおっしゃられましたように、地金備蓄と鉱石の輸入というものを何かしらの形でリンクさせたい、こういうふうに考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 今回の措置の対象となる金属の過剰在庫というのは、それぞれどんなふうになっているでしょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) お答えいたします。  五十年度末の在庫、つまり五十一年三月末の在庫について申しますと、銅につきましては二十九万六千トン、それから鉛が五万五千トン、それから亜鉛が二十七万トン、アルミが四十三万トンでございます。これを月数で一応申し上げますと、銅は三・五ヵ月分、鉛が一・五ヵ月分、亜鉛が四ヵ月分、アルミが四・四ヵ月分でございます。ただ、いま申し上げました在庫は生産者在庫と一応流通在庫、消費者在庫その他含めていわゆる銅の在庫数字でございますが、これを生産者在庫で申し上げますと、銅は十八万七千トン、鉛が一万トン、亜鉛が二十四万トン、アルミが三十四万トンということになっておりまして、これも月数で申し上げますと、銅が三ヵ月強、鉛が〇・六ヵ月、鉛は相当改善しております。亜鉛が四・九ヵ月、アルミが四ヵ月強、こういう数字になっております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そのうちで買い上げの対象になるのはどれくらいになるんですか。   〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 買い上げの数量につきましては、先ほど三百億円の配分で申し上げましたが、銅につきましては大体四万八千トン前後、それから鉛は、これは在庫が減っておりますから、あるいは買い上げ対象にならないんじゃないかと思っております。亜鉛につきましては約一万トン、アルミにつきましても一万トン強というものを買い入れ対象にいたしたい、こういうふうに考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 そうしますと、なおかなりの過剰在庫が残るというふうに数字的にははっきり言えますね。そこで、買い上げにリンクして先ほど申しましたように輸入がふえなければ、発展途上国との友好維持という今回の法改正の大きな目的の一つがかなえられにくい状態になる。逆に輸入がふえることになれば、せっかく備蓄によって買い上げて過剰在庫を減らしたのに、またその水準を押し上げるということになって、結局自己矛盾に陥るのではないか。もし輸入をふやすし在庫も買い上げるということになると、不況の間では際限なく備蓄法人が買い上げなければならぬというような結果になりやしないか、こういう疑問が起こるわけでございますけれども、このような矛盾はどんなふうに御説明をいただくわけでしょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 今度の備蓄制度によりましてこの在庫問題あるいは輸入削減問題が全部解決するのは、これは予算の金額からいいましてもとても困難と思います。ですから先生から御指摘のように、これで全面的に問題が解決できないということは御指摘のとおりでございます。  ただ、先ほどから申し上げておりますように、いわゆる一次産品対策として今回政府が世界に先駆けてこのような制度をつくったということは、現在発展途上の非鉄金属産出国におきましては非常に高く評価されておるわけでございます。日本が輸入の削減をすることによりまして——それらの国の中にはほとんど非鉄金属によって国際収支を賄っている国もございますし、また、日本が輸入を減らすということによりまして各鉱山の経営が非常に苦況に立ち至っているわけでございますが、これに対する対策として、日本政府が相当な予算をかけ、制度をつくって、そしてできるだけ鉱石の引き取りをふやすという努力をしているということにつきましては、非常に大きな期待とまた感謝の声も上がっておるわけでございます。  ただ、冒頭に申し上げましたように、この制度をやることによりまして全部の問題が解決するということには、これは困難だということは率直に認めざるを得ないわけでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 通産大臣がちょっと退席しておられますので何ですけれども、この法案の審議を通じて河本通産大臣がこういうことを言われて答弁されておりますね。今回の備蓄によって東南アジアからの輸入の促進を図りたい、こう言っておられるわけですけれども、この東南アジア地域というのは、御承知のように、日本の金属大企業が商社と協力しながら資源確保ということで積極的に進出しておる地域でございます。資本も投下し、利権も確立してきた地域だということはもう周知のとおりでございます。そして現地の安い労働力が使われ、各地で大企業のための乱掘あるいは買いあさり等々が行われて、日本の大企業の進出した国では、残るのは穴ばかりだなどというようなまことに痛切な批判も出ておることは御承知のとおりだと思います。今回のこのような一時的な買い上げが発展途上国の自主的な発展に寄与するということよりも、ここに進出している日本の金属大企業の利益を国内で守るばかりでなく、従来どおり外国においてもこれを擁護するということにむしろ主なねらいがあるのではないかと私たちは危惧するわけでございますけれども、その点についてはどういうふうにお考えになっているでしょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 一例を挙げますと、たとえばフィリピンにおける銅鉱山がございますが、これは銅鉱石を全量日本に向けて出しておるわけでございます。しかも、従来からの長期取引、あるいは日本がそれの開発につきまして相当な資金を提供しておるというような状況になっておるわけでございますが、日本におきます銅の需要が大幅に減ったということで、これを削減せざるを得ないということを先方に要請いたしましたところ、非常なこれに対する反発があったわけでございます。そういう問題をどうしても解決しなければならないということから、今回の備蓄制度というものを発足させるということになった次第でございます。  ただいま先生がおっしゃられましたように、たとえばフィリピンにおける銅鉱山あるいはマレーシアにおけるボーキサイト鉱山その他につきましては、いまの先生のおっしゃられるような、日本の資本がその国におきまして非常に収奪的な行為を行うとか、あるいはその鉱石の産出国の立場というものを全く無視したような開発とか、あるいは鉱石の買い取りをしているということはございません。非常にこれらの鉱山とそれから日本の輸入しております業界との間は親密度があるわけでございまして、ただ、これが削減することによりまして最近いろんなトラブルが起こった、これを何とか解決いたしたいというのが、これは政府としてもやらなきゃならぬということで今回の法改正をお願いしている次第でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 御説明は御説明として聞いておきますけれども、とにかく東南アジア地域における日本の金属大企業あるいは商社のいろいろな目に余るような、いわゆるエコノミックアニマルといわれるような所業については、もう常識的なわれわれの判断になっているものと思います。これは否定しても否定しにくい問題ではないかと考えますけれども、その上に、では、一時的な買い上げ措置を通じてそういう事態が何らかの改善の道に進むのかといえば、私は全然もうそれは望みがたい点ではないか。とすると、従来のままのような状態で海外における利権を確保しながら、その利権のあるところについてはあくまで収奪的な鉱物資源の開発を行う、こういうことが依然として続いていくというところに、開発途上国との間の友好親善関係を阻害するような要因が依然として今後続き得るんじゃないか、その点私は危惧していまの質問を申し上げたわけでございますが、その点について重ねて簡単にお答え願いたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 先ほど御説明いたしましたように、たとえばフィリピンにおける銅鉱山と日本との関係というものは、ただいま先生のおっしゃられるように収奪的な日本の企業というもののビヘービア等、これは全くございません。それ以外の東南アジア諸国におきましても、少なくとも私どもが知る限りでは、ただいま先生のおっしゃられましたような非難というものが現地から起こっていることはございません。  ただ、もし非難が起こっておるとすれば、日本が総需要抑制というものを行って、そこで需要が日本国内で減った、そのあふりを自分たちに及ぼすというのはひどいではないか、しかも銅鉱山が全部鉱石を日本向けに輸出している、だから日本が買わなければその鉱山の生き死にの問題になる。日本の方は売れないといって、そしてそのしわを海外に及ぼすというのはけしからぬではないかということで、この一、二年せっかく友好的な協力関係ができておったにもかかわらず、いろいろのこれに対する反発が出てきたということで、先ほど申し上げましたように、政府としてもこれをこのまま放置できない、このために対日感情を非常に悪くし、また、将来の日本の資源の安定供給の確保にひびが入るということでこの制度が発足したわけでございます。この制度によりまして、鉱物資源の日本の収奪がさらに促進されるというようなことは私どもは夢にも思っておりませんし、また、事実としてもそういうことはないものと確信しております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 この問題は相当政治的な重要問題でございますから、この法案の質疑を通じて全部を解明するわけにはちょっといきかねると思います。しかし、私がいま言ったのは、従来のような状況が改善の道を見出し得るのかといえば、そういうことについてはこの法案の改正について余り注意が払われていない、こういう点だけはとにかく私は指摘しておきたいと思っています。  そこで、海外の開発輸入についても非常に重要な政策的意味を持っておるわけでございますけれども、国内の鉱山についてやはり国内資源を十分に維持開発していくという課題というのは、これもまた重要な問題だと思っています。  そこで私、ちょっとこの法案を見ますと、第一条の目的の項について従来の現行法は、「優良な金属鉱物資源の確保を図り、」という項目が非常に明確に出ておるわけでございますけれども、今回の新法案におきましてはこれが全部削除されている。これはどういう意味なのか、その点についてともかく御説明いただきたい。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 今回の改正案で、第一条の目的に、ただいま先生からお挙げになりましたように「優良な金属鉱物資源の確保を図り、」という文章が削除され、そのかわりに、「並びに金属鉱産物の備蓄に必要な資金の貸付けを行い、」ということで、この言葉が入れ変わっておるわけでございます。これにつきまして、それでは今回の改正によって優良な金属鉱物資源の確保を図るというその目的を落としたかということの趣旨の御質問だろうと思いますが、これは法制局との間でいろいろその条文の立て方というものを行ったわけでございますが、今回「金属鉱産物の備蓄に必要な資金の貸付けを行い、」という文章を入れますために、従来ありました目的、つまり中目的に、「金属鉱物資源の確保を図り、」というのが中間に入っていたわけですが、これを入れますと、法文として成り立たないと申しますか、形式的に矛盾が生ずるということで落としたわけでございます。そういう意味で、この改正によりまして金属鉱物資源の確保を図るという目的を落としたわけではございません。そして、この中目的を落としておりますが、最終目的としては、「もって金属鉱業の国際競争力の強化と金属鉱産物の安定的かつ低廉な供給に資すること」という文章で目的を明確にいたしておるわけでございます。  そういうことで、るる申し上げましたが、いまの優良な金属鉱物資源の確保を図るという中目的を落としましたのは、条文の立て方の技術的な問題から落ちたわけでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 立法技術ということにこの理由をすりかえていただくのは、私は事柄の重要性から見てやや理解しにくい点であるということだけは、とにかくつけ加えておきます。  そこで、今日の国内鉱山の推移を見ますと、昭和四十年には三百三十九の鉱山が存在して活動をしていた。これが昭和五十年になるとその四分の一に近い百六カ所に減退してしまった。また、従業員の数も同様に見てみますと、昭和四十年の四万六千六百人から一万九千三百七十人と二分の一以下にこれもまた激減しておる。これは一体どういう現象なのか。この状況だけを見てみて、本気で本当に金属鉱物資源の確保を図ってきているのかどうか。その結果こうなっておるのかどうか。こういう重要な疑惑が出てくるわけでございますけれども、一体どうしてこういう激減の状態が今日起こっておるのか。国内資源が放棄されつつあるのか。その点について明確な御説明をいただきたいと思います。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 国内の金属鉱山の維持発展という目的のためには、昭和三十八年に金属鉱業事業団、これは名前が違いますが、そのときに発足いたしましたのも、国内の金属鉱山の維持促進を図りたいという趣旨でございます。それによりまして、先ほどから申し上げておりますような三段階方式によって新しい鉱床を発見し、国内の鉱山の振興というものに努めてきたわけでございますが、ただ結果的には、ただいま先生が数字をもってお挙げになりましたように、相当な鉱山というものが整理され、また金属鉱山労務者の数も減っております。この原因につきましては、鉱山の中には、残存鉱量というものが減ってそのために閉山を余儀なくされたところ、あるいは価格、コストが割り高ということで経営を維持できなくなったということで閉山のやむなきに至ったところがあるわけでございます。ただ、これもけさほどから申し上げておりますように、国内金属鉱山の維持発展というものは通産省の鉱山対策の一つの重要な柱だと私どもは思っております。そういうことで今後国内の金属鉱山の維持育成というものについては全面的な努力を重ねていきたい、こういうふうに考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 努力をしながらこのような事態に陥ったという説明だけでは納得しかねるものがございますが、私は最近、金属鉱物探鉱促進事業団の「十年のあゆみ」という、御承知のこの著書を拝見いたしました。この中に「事業団十年の回顧と展望」と題する座談会を載せておりますが、この座談会の中で、当時日本鉱業協会の会長をしておられた新井友蔵さんが言っておられる言葉がございます。話が東南アジアの事情に及んだ中で、インドネシアは電力費が日本の三分の一、工賃は五分の一だと紹介した後で、それに続いてこう言っています。「今後国内とか国外とかいう区別はなくなってゆくと思うんですね。とくに鉱山なんていう労働集約型の産業は工賃の低い、原単位の低いところでやるべきですね。利益をあげるのは、国内でも国外でも一緒だと思いますよ。」こういうふうにきわめて端的に腹の中を打ち明けられておるわけであります。  私は、国内鉱山の約十年にわたる衰退の原因がこういう言葉の中に端的にあらわれておるような気がしてならぬということでございます。経済的な効率のみを追求する立場から徹底的な合理化を進め、労働者の首切りを押し進め、効率の悪い鉱山部を分離して切り捨てる。国内鉱山破壊の政策が容赦なく今日遂行されていることが証明されておるような気がしてしようがない。これはわが国の石炭産業についても基本的には同様の傾向だということは、先ほど来の委員の質疑の中でも発言されたとおりだと思います。  もちろん、わが国は資源が少ない国でございますから、海外からの輸入などに頼るべきでないなどという暴論を申し上げておるつもりではございません。したがって、外国からの輸入についてもこれらの資源の産出国との間の平等互恵の経済関係を維持確立していくということはきわめて重要だということを私たちはむしろ強調しておるわけでございます。しかし、だからと言って、国内資源の重要な意義をいささかも軽く見ることはでき得ないと私は考えるわけでございますが、こういう先ほど来の新井さんの言葉に示されておるような考え方が鉱業資本家の中心部の意向であるというならば、そういう見方からして、今日の日本の国内鉱山の現状を考える場合に、私はひとつしっかりとこの点についての反省と検討を要する問題ではないか、こういうふうに考えるわけでございます。その点につきまして通産大臣の所信を伺いたいのでございますが、これは前回の法改正のときにも山形前資源エネルギー庁長官が こんな単純な古めかしい考えはこれからの資源エネルギー開発では維持することがむずかしいと、いわば否定的な答弁をされておることを私は知っています。で、国内資源開発を今後とも強化する、こう言っておられたわけでございますから、強化されるとなれば、その結果が当然数字の上でもあらわれていいはずなんであります。  ところが、現状はどうかと言うと、先ほど数字を申し上げましたように、また政府もこれを否定できないように減少の一途をたどりつつ、鉱山も減り、労働者も減退しているわけであります。だとすると、こういう資本側の基本的な姿勢を根本的に改めない限りは、今日のような状況が、たとえ暫定的には備蓄制度などということで、一時的な糊塗的手段としてはある意味では若干の作用が起こるかもしれませんけれども、本質的には何ら改善でき得なくして今後ともこれが進行していくのではなかろうか、こういう危惧を私は深く持つわけでございまして、その点につきまして河本通産大臣の御所見を承りたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 基本的には審議会でいろいろ検討していただいておるわけでございますから、いずれにいたしましても、国内資源の開発というものは大変大切なことでございますから、その方向に努力するつもりでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 もう一度重ねて聞きますけれども、そういう努力は今日までも続けられてきたはずでございます。続けられてきたにもかかわらず、現状は依然として変わらないのみか、ますます国内資源開発については深刻の一途をたどっておる。だとすると、この問題についてもう少し深刻な反省と点検が、検討が必要ではないかと思うわけでございますけれども、大臣、これは努力する覚悟でございますという程度の御答弁では納得しがたいものを私は感ずるわけでございますけれども、重ねて御意見を承りたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) なお、最近の実情につきましては、長官から先に答弁させます。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 先ほど先生からおっしゃられました座談会は、これは石油危機以前の相当古いときの座談会でございますし、また、その内容は私は先生と同意見で不適当だと思います。やはり国内鉱山というものを推進していくということは私どもの方の、先ほどから繰り返し申しておりますように基本政策でございまして、これは通産省の発言ではございませんので、こういうような立場には私どもは立っておりません。確かにいままで国内鉱山というものが非常な苦境に遭っておったわけでございますが、これにつきましての維持育成というものにつきましては、予算面、それから担税面その他税制、すべての面にわたって私どもとして今後とも努力を続けたい、こういうふうに考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 私は、その点についてぜひ努力していただきたい。ただ、通産省そのものがこういう見解を持っておるわけじゃないということは、私も存じております。しかし、当の鉱山資本家の諸君の腹の中にこういう意向が常に存在しつつ、いまだこれは解消されていないということであるならば、通産省の行政上の指導の上でも十分に今後注目して、このような事態を再び引き起こさないような具体的な指導あるいは助言を行うべきではないか、こう考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) そのような指導助言を行う所存でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 先ほどもお触れになりましたけれども、いま開かれております国連の貿易開発会議で、一次産品問題で発展途上国の要求を反映した総合プログラム、あるいは国際緩衝在庫という問題について相当の議論が行われているように聞いております。そこで、今回わが国で行われようとする備蓄措置は、これら発展途上国の要求に合うものであると考え得るのかどうか。その点における若干のギャップと問題があるように感じますけれども、その点の政府の御認識はいかがでしょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 今回御審議をお願いいたしておりますこの非鉄金属の備蓄につきましては、現在UNCTADで討議されます備蓄制度あるいは緩衝在庫制度とは別でございまして、わが国独自の政策でございます。ただ、今回お願いいたしておりますこのわが国の非鉄金属備蓄制度というものが一次産品対策であり、また、資源を産出しております開発途上国の繁栄につながるための一つの措置だ、こういうふうに考えております。

加藤進日本共産党

○加藤進君 その点について、発展途上国の意向と今日行われる備蓄制度とについては何ら矛盾はない、こういうふうに御認識しておられるわけでございましょうか。

増田実資源エネルギー庁長官

○政府委員(増田実君) 発展途上国といたしましては、自分の国で産出しております資源というものの輸出が安定的に行われるということを希望いたしておるわけでございますから、そういう意味でこの発展途上国の希望に沿い得るものと思っております。  ただ、UNCTADでいろいろ現在検討されております制度とは性格が違いますので、それと同じものあるいは同じ精神かどうかということについては、これはちょっと私どもとしてはもっと詳細に調べて、それらの制度との比較をしなければなりませんが、しかし結論的に申し上げれば、今回の私どもの方で計画いたしております非鉄金属備蓄制度は、発展途上国にとってはプラスであり、また、それらの国から感謝される制度というふうに確信しておる次第でございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 それでは逆に言えば、国連で出されているような従来からの総合プログラムの計画あるいは国際緩衝在庫についてのいわば計画、意見というものについて、わが国としてはどういうふうな対処をされるのでございましょうか。

橋本利一通商産業省通商政策局長

○政府委員(橋本利一君) 御指摘の開発途上国あるいはUNCTADの事務局が提唱いたしております総合プログラムのポイントだけを申し上げますと、これは一定の共通基金というものをつくりまして、その共通基金を財源にいたしまして、対象の十八品目のうち特に十品目に重点を置いて国際的な緩衝在庫を設定したい、こういうふうな意見を承知しております。  私たちといたしましては、実は国際的な緩衝在庫自体はこれは否定しているわけじゃございません。問題が解決のための有力な手段であろうというふうには思っておりますが、ただ、一次産品の中にもその産品ごとにいろいろ特殊事情がございまして、たとえば在庫に適するものもあるし、適さないものもある。あるいはどの程度在庫すればそれが有効に活用するかしないかという問題もございます。中には代替物があるかないか、こういう問題もございまして、一概に一次産品を通じての措置ということはなかなか現実論としてむずかしいんじゃなかろうか。物資ごと、商品ごとにその特質をよく検討いたしまして、その必要の範囲内において商品協定をつくる、あるいはその商品協定の中に必要とあらば緩衝在庫制度を設定していく、かようなやり方がよろしいんじゃなかろうかと思うわけでございます。  先ほどの御質問にも関連するわけでございますが、開発途上国が緩衝在庫制度を打ち出しておりますのは、やはり輸出価格の安定化をねらっておるというふうに理解していいかと思います。そういった意味合いにおきましてやり方は若干異なりますが、今回の備蓄制度も本来ならば引き取り得ないようなものも引き取っておこう、どちらかと言えば、安定的に一次産品の輸入を促進しよう、維持しようという思想から出ておるわけでございますので、その意味では、実態的にはかなり私は近い線にあるんじゃなかろうかと考えておるわけでございます。

加藤進日本共産党

○加藤進君 昭和四十七年の鉱業審議会鉱山部会の政策懇談会で「今後の鉱業政策の基本的方向について」という文書が出ておりますね。これでございますね、御存じのとおりだと思います。この中で、国際商品である非鉄金属の需要ギャップの調整は世界的な需給関係の中で行うべきものである、世界的な緩衝在庫制度の創設を検討する必要がある、こういういわば低開発国の共同要求を支持する立場で意見が述べられています。  また、昭和五十年三月に出された外務省の委託調査研究である「「資源保有国によるカルテル化の動向と今後の見通し」報告書」、これでございます。報告書の中でも、国際緩衝在庫に積極的な評価を与えております。こういう見解が少なくとも通産省関係の内部で相当強く出されてきておるということは事実でございますけれども、このような点からすると、発展途上国の要求しておるようなこの制度について、政府としても何らか積極的な検討を行うということが必要ではないか。そういう必要性について、あるいは必要でないという見解について通産大臣の御所見を承って、きょう私の質問はこれで終わりたいと思います。

橋本利一通商産業省通商政策局長

○政府委員(橋本利一君) 先ほどもお答えいたしましたように、国際緩衝在庫自体をわれわれとしては否定しているわけでございませんで、やはり商品の特性において考えるべきじゃなかろうかという立場でございます。現に先生も御承知のあのすず協定につきましては、一九六二年の第二次協定以降ずっと参加いたしておりまして、この七月から書きかえられる第五次のすず協定につきましても、すでに三月の十六日署名を完了しており、三月十七日に国会の方に提出いたしまして批准をお願いしておる、こういう段階でございます。このすず協定の中には、御指摘の緩衝在庫制度と申しますか、二万トン程度のすずの在庫を持つといったようなことで、現在も運用いたしておりまして、これに日本も積極的に参加いたしておるわけでございます。そういった意味合いで、国際緩衝在庫自体を否定するんではなくて、一次産品の商品ごとに検討した上で、必要とあらばそういった方向に持っていくべきだと、こういう立場において考えておるわけでございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) UNCTADは、第四回総会は御案内のようにとの五日から始まりまして、今日下旬まで続くわけでございますが、日本の代表は去る十一日に演説をいたしました。これには、臨む基本的な方針は一口で申しますと、一次産品諸国との間に、話し合いによっていろんな問題を積極的に解決していこうということでございます。  一つは先ほど来いろいろお話がございますように、一次産品問題についての意見を交換していこう、これを何とかの形で解決していこうということと、第二は、過去の債権をどうするか、債権債務の関係をどうするか、この二つでございますが、いずれにしても、今回の総会では一遍にはなかなか解決しないと思いますし、あと引き続いていろいろな会議がございますから、その会議等を通じまして前進するのだと思いますが、いずれにいたしましても一次産品問題は、日本の態度といたしましては、個々の商品ごとにひとつ解決していこうじゃないか、そのために必要ならば金も出しましょう、バッファーストックもやりましょうと、こういうことでございます。一まとめにしてやるというのは、これはどうも実情に合わない。解決するということには異論はないけれども、一つ一つ具体的に解決できるような方向でひとつやっていきましょうと、こういう考え方でございます。

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、藤井恒男君が委員を辞任され、その補決として向井長年君が選任されました。

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 速記を起こしてください。  金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  竹田君から発言を求められておりますので、これを許します。

竹田現照日本社会党

○竹田現照君 ただいま可決されました金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党の四党共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行にあたり、現在わが国の金属鉱業が長期的不況下にあつて重大な危機に直面している実情にかんがみ、国内鉱山の安定化対策を確立するため、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一、金属鉱産物備蓄制度の拡充強化を図るため、備蓄機関のあり方、対象品目、備蓄数量の増強等について検討するとともに、備蓄業務の実施にあたつては、公正かつ民主的な運用に留意すること。  二、国内金属鉱山における一定数量の生産を確保するため、国内探鉱融資制度、新鉱床探鉱費補助金制度及び税制、関税制度の改善、探鉱開発の合理的な促進、蓄積鉱害対策の推進等金属鉱業の保護育成を図ること。  三、国内金属鉱山における雇用の安定に資するため、鉱山労働者の労働条件の改善に努めるとともに鉱山労働者の老後保障のため、年金制度の検討を含めて労働福祉対策の充実を図ること。   右決議する。

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) ただいま竹田君から提出されました附帯決議案を議題として採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 多数と認めます。よって、竹田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し河本通産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。河本通産大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) ただいま議決をいただきました法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、万全を期する所存でございます。

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柳田桃太郎自由民主党

○委員長(柳田桃太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗